「たまこまーけっと(TVアニメ動画)」

総合得点
84.4
感想・評価
2629
棚に入れた
12356
ランキング
287
★★★★☆ 3.8 (2629)
物語
3.5
作画
4.1
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.8

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

商店街というファンタジー空間

 70年代は商店街が舞台のホームドラマがよくあり、そこで描かれる商店街の人々の
距離感は、まるで商店街が一つの家族のような感じのものが多かった。
 本作の持つ空気感もそんな感じで、この作品はそういった昭和のホームドラマのようなものを
目指したみたい。
 ここで描かれる商店街の賑やかさは毎日がお祭りといった感じで非常に楽しげだが、実際の
地方の商店街は観光地以外はかなり寂れている現在、これはもう一種のファンタジーと言っても
いいかも。

 ただ、このメインモチーフである商店街の魅力が発揮しきれなかったという感じがあった。
 例えば、同じ制作会社の似たようなコンセプトの「けいおん!」の場合、メインモチーフが
軽音楽同好会で、主人公達の通う高校生活にドラマを集約させることで、同好会活動を余す
ところ無く描くことができ、更に学校にいる以上、文化祭、卒業といったイベントが自然に
山場としてやってくる。
 しかし、この作品は主人公である北白川たまこの属する商店街、学校、餅屋といった
コミュニティがそれぞれ描かれることで、逆にドラマとしては散漫になってしまった感じ。
 特に商店街に関しては、たまこがそこに所属していても、自分が店をやっているわけでもない
ため、関わり方に限度がある。
 ただ、たまこが商店街を好きで好きでしょうがないのは良く伝わってきたけど。
 あと尺の関係から、どうしてもたまこ中心になり、他の商店街の人々を描く余裕が無かった
のも痛い。

 非日常的な部分として、南国から喋る鳥がやってきたことに端を発する、南の国の王子の嫁
探しというイベントがあった。
 当初は日常系作品にいきなり人語を話す鳥が出てきたことに違和感が強かったが、結果と
してはこのアクセントが作品に面白みを与えていた感じ。
 更に中盤以降、この鳥を追ってチョイがやってきてからは、留学生がやってきた日常のような
面白さがあった。

 作画や演出は相変わらず京アニ上手いなという感じで、日常の何気ない仕草でキャラの魅力を
引き出すのが本当に上手いなと思う。
 演出で印象的だったのはレコード屋「星とピエロ」の主人である八百比邦夫がかける
レコードの曲の使い方で、この曲がキャラの心情を表現するのに一役買っていたり、そのまま
BGMとなって作品の雰囲気を盛り上げるのに役立っていたりする。
 キャスティングに関して、小野大輔さんのオネェや日笠陽子さんのおばちゃんなど、他作品
ではあまり見られない役柄が面白かった。

投稿 : 2014/01/04
閲覧 : 186
サンキュー:

12

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