ワタ さんの感想・評価

4.3
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

照れ隠し

面白さの波が激しいけど
瞬間的な爆発力ならここ数年の間に放送された作品の中でもトップクラスだと思う。

「服」という概念を様々な角度から掘り下げて変奏してはいるけど
言ってしまえば、世界征服を目論む悪いヤツをやっつけるという極々単純なストーリー。
本作のような直球王道系において重要なのは、脚本よりも作画や音響の力量でしょう。
その点において、グレンラガンの作画陣にBGMも安定の澤野ということで文句なし。
盛り上げ方が本当に上手いなぁと。演出の素晴らしさをつくづく感じる作品でした。

「戦意喪失」とのダブルミーニングである「繊維喪失」をはじめ
作中に多数出てくる独特なネーミングも気に入っていて
（作品タイトルからして、斬る着るkillのトリプルミーニング）
武滾流猛怒（ぶった切るモード）とか完全にヤンキー風の当て字だけど妙にツボでしたね。


シリアスな場面においてエロやギャグを挟んでくるのも本作の特徴。
女性陣の露出度の高いコスチュームと露骨なカメラアングル、
男性陣（美木杉）の乳首と股間強調の変態描写、
そして説明不要、満艦飾マコ劇場。戦場で全く空気が読めない（笑）
ハーレルヤ♪のBGMが流れる度に萎えてしまった視聴者も少なくないのではないかと思う。

ただ、これはスタッフの照れ隠しなのかなーと、思ったりする。
上述したように、とにかく王道を地で行く物語であり、セリフも愚直なまでにストレート。
大真面目な熱血シリアスの空気を貫き通すのって、相当気恥ずかしいと思うんですよ。
だから、ついつい誤魔化してしまう。着飾ってしまう。
そんなスタッフの姿勢に微笑ましさを感じなくもなかったり。
グレンラガンは着飾ることなく、裸になって何が悪い！って開き直ってる感じだったけど。
そういった意味でも、個人的にはグレンラガンの方が好みでした。