シェリー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態：観終わった
描写が非常に丁寧でした。
女用心棒をしている短槍使いのバルサ。
その道で彼女の名の知らぬ者はいないほど確固たる実力を持つ彼女はある日の夜に王子の護衛を国の王妃から秘密裏に頼まれました。
不思議な力を宿したその子は国に災いをもたらすとされ殺されることが裏で計画されていることを王妃が感づいたからです。
バルサには背負うべき過去がありました。彼女は８人のかけがえのない命を奪った大きな罪を抱えていました。
そして彼らの魂に報いるべく生きてきたこれまでの生涯もこれで最後です。
彼女は初めは渋ったものの８人目となる救う命を預かることに決めました。
これから始まる異世界ファンタジー。誰が何をし、物語はどういう終末を迎えるのでしょうか。
すごく丁寧に作られた作品です。一挙手一投足が手に取るように伝わってきます。
座る、立つ、歩くの基本動作はもちろんのこと、乗馬シーンや小さな目線の動きまでひとつひとつに息が吹き込まれています。
それは激しい戦いの場面になっても変わらずに生かされます。だから凄まじい展開になるとますます目が離せなません。
人物の描写もこれまた丁寧に表現されています。僕たちとは違った文化を持って生きていることがひしひしと伝わってきます。
前提としてある異世界ということがよく分かる。これってすごく大事です。
話の方も面白いです。隙がなく、しっかりと作られています。煉瓦の家のように。
たくさんの人と関わり合いながら旅をし、戦いもし、成長していく人間像はよく描かれています。
こんな題材で１話できてしまうんだというようなお話も何話かあり観ていてとても面白かったです。
ファンタジーとの絡ませ方も上手です。出てくるものにも興味が湧くし、わくわくします。
その反面ではその危険性と人が敵わない大きさが登場人物たちを悩ませることになります。
本当にどうにもならないのか。それでもなんとかしやろうというバルサたちはとても温かいです。
こんなにも丁寧に画もストーリーも描いた作品というのはそう多くはないと思います。
ぜひ観てみてはいかがでしょう。
