お姫様で陰謀なアニメ映画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のお姫様で陰謀な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月11日の時点で一番のお姫様で陰謀なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.8 1 お姫様で陰謀なアニメランキング1位
ルパン三世 カリオストロの城(アニメ映画)

1979年12月15日
★★★★★ 4.2 (1246)
8098人が棚に入れました
人口三千五百、世界一ちっぽけなカリオストロ公国の田舎道をボロ車でドライブしていたルパンと次元はクラリスという美女を助けた。彼女はカリオストロ公国・大公家に残された最後の娘で、カリオストロ伯爵は彼女を強制的に妻に迎え、公国の権力をひとり占めにしようと狙っていた。クラリスはルパンに助けられたが、再度捕えられてしまう。

声優・キャラクター
山田康雄、増山江威子、小林清志、井上真樹夫、納谷悟朗、石田太郎、島本須美
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

IT'S SHOWTIME

宮崎駿監督作品。

世界の大泥棒ルパン三世と次元大介。
モナコの国営カジノ襲撃に成功し、
大金を手に入れるもそれはゴート札と呼ばれる、
史上最も精巧な出来を誇る偽札だった。
次の標的は決まった、カリオストロ公国への潜入。
ゴート札の謎を解き明かせ。

アニメ史に残る作品である。
ワクワクして、ドキドキして、
そして切なく感動的で心躍る有名な終幕のセリフ。
大人のエンターテイメント、
今でも色褪せない傑作でしょう。

冒頭のカーチェイス、
そしてカリオストロ城からの王女誘拐。
卓越したアニメ技術で見せる躍動感。
これぞ宮崎駿演出の真骨頂、
ほんと今の技術で見たいですね。

若かりしルパンの失敗、
{netabare}傷を負って横たわる泥棒に、
差し出されたコップ一杯の水。
無垢なる少女との出逢い。{/netabare}
水の記憶、いつの日かその恩に報いる。

軽快なオープニング、
たった3行でわかるルパン三世。
追われる女と、追う黒服の男たち。

次元「どっちにつく?」
ルパン「女」
次元「だろうな」

ルパン、最高の男だ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 69

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

宮崎駿版ルパン三世。何度でも見たくなる爽やかなエンディングです。

もう何度観たことだろう。
何度観ても名作だという思いを新たにします。
冒頭からのカーチェイスからエキサイティング。
全編を貫くスピード感は、これぞまさにアニメーションです。

ルパン三世ものの中では、異質な存在。
それもそのはず、宮崎駿脚本・監督だからです。
作画の雰囲気は、宮崎アニメそのもの。
まろやかなルパン三世となっています。

ヒロインクラリスが健気でやさしく、ルパンを思う気持ちは炎の如し。
ルパンは熱い情熱と冷静な判断力を兼ね備え、確固たる信念で行動します。
泥棒とは言え、ルパンは正統派ヒーローです。
また、次元、五右衛門、不二子、それに銭形警部もいい仕事をしています。
つまり、みんなカッコイイのです。

エンディングの銭型警部の言葉は名言ですね。
一陣の疾風が駆け抜けたような爽やか余韻に浸らせてくれます。

主題歌「炎のたからもの」は物悲しく感動的な美しい曲。
ルパンとクラリスとの邂逅・再会等の感動シーンに4回も用いられています。
その絶妙なタイミングは、何回観てもいいものです。
名作と言われる所以ですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高に好きなルパン

<2020/11/20 追記>
また金曜ロードショー
そしてまた観てしまう 笑

<2020/7/16 初投稿>
1979年公開のアニメ映画です。
・・・超々有名作の超名作。

宮崎アニメで好きな作品を挙げると
「天空の城ラピュタ」
「風の谷のナウシカ」
そして本作「ルパン三世 カリオストロの城」
この三作はアニメ映画としては別格だと思っています。

さらに言えば数あるルパンアニメの中でもぶっちぎりで圧倒的に本作が一番好き。

初めて見たのはたぶん1980年代のテレビ。
見る前までの印象は
「カリオストロ?あれ?本家アルセーヌ・ルパンの『カリオストロ伯爵夫人』に寄せてきたのか?」
「緑ジャケルパン!絵ヅラ的にはこちらの方が好きかな」
ぐらいのものでしたが。

いざ見てみると
・・・目が釘付けになりました。
最初から最後まで。
最高に楽しく、最高にハラハラドキドキ、そして最高に感動できる作品。

ルパンの肩の力がよい感じに抜けた渋いカッコよさも。
次元の最高な相棒っぷりも
五右衛門のここぞという時の秘密兵器っぷりも
峰不二子の曲者なのに嫌みのない、いい女っぷりも
銭形警部の不器用で実直な男っぷりも
クラリスの嫋やかなにのに芯は強い宮崎ヒロインっぷりも
カリオストロ伯爵のいっそ爽やかなまでの{netabare}悪役っぷり{/netabare}も

主題歌「炎のたからもの」も、
主題歌をアレンジしたせつないBGMも
両切りのシケモクに爪楊枝刺して最後まで吸う「次元タバコ」も
スーパーチャージャー積んだフィアットのありえないまでの爆走も
銭形警部with埼玉県警のカップヌードルも
五右衛門の三度笠も
不二子のバイクやハングライダーも
カリオストロ伯爵の半熟ゆで卵の食べ方も
ジョドー率いる「影」の「カサカサカサカサ・・・」も
ミートボール入り超大盛りパスタも
城の塔の上の「あの」アクションも
あの時計塔のシーンも。

次元の「どっちにつく?(ニヤリ)」も
不二子の{netabare}「まさか。捨・て・た・の」{/netabare}も
五右衛門の{netabare}「・・・可憐だ・・・(敵陣に飛び込み)今宵の斬鉄剣は一味違うぞ!」{/netabare}も
クラリスの{netabare}「泥棒はまだ出来ないけど、きっとおぼえます」{/netabare}も
カリオストロ伯爵の{netabare}「どこまで行くのかな?クーラーリースー」{/netabare}も
銭形警部の定番「いや。奴はとんでもないもの(以下略)」も
ルパンの{netabare}「今はこれが精いっぱい」{/netabare}も{netabare}「俺みたいに薄汚れちゃいけないんだよ」{/netabare}も
園丁のおじいさんの「なんと気持ちの良い連中だろう」も

好きなところ上げたらキリがございません。

本作はテレビシリーズ「ルパン三世 1stシリーズ」「2ndシリーズ」そして映画「ルパンVS複製人間」の次に世に送り出されたルパン三世のアニメ作品。
宮崎駿氏の初監督作品。
しかも宮崎監督、半年で作り上げたとかなんとか。
・・・マジか(/・ω・)/

物語は「ルパン三世と囚われのお姫様」
そういう意味では「未来少年コナン」や「天空の城ラピュタ」と近い構図ですね。

本作を見たことがない方は是非一度ご覧ください。
アニメファンなら無論のこと、普段はアニメ見ないという方にもおすすめです!!!



ところで本作が200個目のレビューとなりました。
先日「月刊少女野崎くん」のレビュー書く際に、自分が書いたラブコメレビューを探してたら、野崎くんが199作目なのに気が付いてびっくり。
200作目はせっかくなのでまだ書いてない名作のレビューをと思い立ち、アニメ史に残る本作をとなった次第です。

あにこれ始めて約3年で全部文章付きで200作品レビューってことは、週1以上の結構なペースってことで自分でも驚いてます。
堪え性のない自分がよくここまで書いたな、と。
これもレビューを読んでくださる方がいるから。
こんな拙いレビューを読んでいただき、さらにはサンキューまでいただいたり、本当にありがとうございます。

この場を借りて深くお礼申し上げます。。

そして、これからものんびり続けていきたいと思いますのであらためてよろしくお願いします。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 58

90.5 2 お姫様で陰謀なアニメランキング2位
風の谷のナウシカ(アニメ映画)

1984年3月11日
★★★★★ 4.2 (1960)
12594人が棚に入れました
極限まで発達した人類文明が「火の七日間」と呼ばれる最終戦争を引き起こし、瘴気(有毒ガス)が充満する「腐海」と呼ばれる菌類の森や獰猛な蟲(むし)が発生した。それから千年余り、拡大を続ける腐海に脅かされながら、わずかに残った人類は、古の文明の遺物を発掘して利用しつつ、細々と生きていた。腐海のほとりにある辺境の小国「風の谷」は、大国トルメキアの戦乱に巻き込まれる。風の谷の族長ジルの娘であるナウシカは、運命に翻弄されながらさまざまな人々と出会い、自分自身と世界の運命、太古より繰り返されて来た人の営みに向き合い、大国と小国、そして腐海と人類との共生の道を探っていく。

声優・キャラクター
島本須美、納谷悟朗、松田洋治、永井一郎、榊原良子、家弓家正、辻村真人、京田尚子
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

風の谷の伝説のナウシカ

「風の谷のナウシカ」原作既読
原作の壮大な物語の一部を切り取って映画化した作品です。

久石 譲さんの美しい音、旋律は風の谷のナウシカの完成度を完璧なまでに高めてくれています...

終末後の世界...
「腐海」と呼ばれる人間が住むことの出来ない毒の森が広がる世界は独創性に満ち溢れ圧倒されます。

腐海の毒が届かない「風の谷」に住むヒロインのナウシカ。

自然を愛し蟲の心を理解する彼女は腐海も含めた、この世界全体の共存を望み進むべき道を探します。

ナウシカは目に映るものばかりにとらわれず、自分の信じたものを大切にし、そして大切なものを守れる強さを持つ。
そんな優しさと強さを併せ持つナウシカは私の永遠の憧れ、私の中で不動のNo.1ヒロインです!

{netabare}
共存や人々の争いの終結の願い、 平和を身を挺(てい)して訴えるナウシカに何度泣かされたことでしょう。


腐海と人類を結ぶ架け橋。古の伝説の救世主としてこの世界に再び蘇った彼女の姿は、美しく、涙なくしては見られません。
{/netabare}

風の谷のナウシカの音楽は久石 譲さんが担当。やはり宮崎 駿さんと久石 譲さんのコンビは素晴らしい。


~久石 譲in武道館~
連れていってもらえたのは幸運でした。エントランスに「宮崎 駿」さんから久石 譲さんへ贈られた華やかな祝スタンドの花があり興奮しました!

久石 譲さんのピアノを聴き、音色、曲、同時に流されたジブリの映像に魅了されました。
音楽に対する情熱を目の前で受けとめ鳥肌が止まりませんでした。

中でも「風の伝説」「鳥の人」には特に強い思い入れがあります。
幻想的な光景が目の前に浮かび上がるようで、時に激しく素晴らしい曲です。
ストーリー、音楽共に長年に渡り愛され続けていくことでしょう…
このような素晴らしい作品を世に生み出してくれて本当にありがとうございます!

「思い入れ5つ星作品です!!」

投稿 : 2024/05/11
♥ : 113
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

そのもの青き衣をまといて・・・・<2015.10.17加筆、2017.1.13再視聴により大幅改定>

1980年代を代表するアニメ。
宮崎駿監督アニメ映画、最高傑作と評します。

最終戦争より1000年。
腐海により蹂躙されたファンタジックな世界を描く作品です。
地球・戦争・環境・人間など、いろいろなことを考えさせてくれます。

滅びへの道へ迷い込む愚かな人間。
{netabare}巨神兵がその象徴。
現代でいう大量破壊兵器です。
火は人の世に革命をもたらした。
しかし、大いなる火は何ももたらさない。
それは人の性?
それを制御する術は?{/netabare}

対局としてのナウシカ。
{netabare}やさしく勇敢で躍動感にあふれる。
そして仲間のためなら残酷にもなれる。
ある意味人間性に溢れる存在。
その慈悲深き行動は多くの人の心を動かす、そして・・・。{/netabare}

一方の腐海。
{netabare}それは、地球そのもの。
人の愚かさへの警告。
厳しい反面とても優しい。
過去から未来永劫へ続く人と環境の対立と融合。
ガイヤ理論をベースとした思想には共感を感じます。{/netabare}

風の谷を命を賭して守るナウシカ。
{netabare}この作品のクライマックス。
「そのもの青き衣をまとい」の場面は何回見ても感動します。
人と自然が織りなす光のページェント。
歴史に残る名作といっても過言ではないでしょう。{/netabare}

<2015.10.17加筆>
{netabare}嫁に突然夢のお告げがあったよう。
近々、ジブリ美術館に行くのが影響した模様。

まずは、超有名「風の谷のナウシカ」より。
視聴前。
嫁「ナウシカって何?」
私「そこからかい!」
視聴序盤。
嫁「風の谷って、地名?」
私「せや!」
視聴終了後。
嫁「悪い奴をやっつけやな!」
私「そういう話じゃないっちゅうねん!」

嫁が「風の谷のナウシカ」を理解したか甚だ疑問です。
私はというと、いつものように瞳うるうるでした。
嫁に弱みを見せないでこの名作を観るのは大変です。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 71
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

どんなに絶望的な状況でも未来には希望があることを示した作品

この物語は宮崎駿監督の代表作です。

人類は、科学技術の進歩に対して精神の成長が追いつかないと、滅びの道をたどることになります。
だからこの物語は、強欲な人間が起こした戦争により、すべてが失われた後の世界を描いています。

ここでは、腐海(ふかい)という、美しくも恐ろしい自然が人類の脅威として存在します。
それは人類の愚かな戦争の結果、生まれた自然の森です。
そして、腐海でない土地にも微弱な毒が含まれており、農作業をするたびに体内に毒が蓄積され、人類は年々減少しています。

まさに未来に絶望しかない世界を、この映画は淡々と描いています。

しかし、ナウシカは、この映画における唯一の希望です。
彼女の純粋な心、勇気、強さ、それに自然と共存して生きていこうとする姿勢。それは、すさまじい個性です。見ていて共感が持てます。憧れる存在です。

ナウシカは、こんな絶望しかない世界でも、常に希望を抱いています。

私たちは、生きていれば必ずいくつかの不幸なことに遭遇します。
そんなときに嘆き悲しみ自暴自棄になるのか、それとも明日には希望があると信じて懸命にあがくのかで、その人の人生が全く違った色になります。

ナウシカは最後に奇跡を起こします。
もちろん彼女は超能力など持っていません。普通の少女です。
その普通の少女のひたむきな努力、勇気、行動力、愛情で奇跡が起きるのです。みんなが幸せになるのです。
{netabare}
おそらく皆さんはオームの暴走を止めたことを奇跡と思われているかもしれません。
しかし私は、一人の少女がトルメキア帝国とペジテの人々との戦争を停戦に導いたこと、トルメキアの皇女クシャナの氷のように冷たい心をナウシカの暖かい心で包みこむように融かしたこと、それらも奇跡だと感じました。
もちろん映画の内容にはそれらは描かれていません。
でもエンディングを見ると、戦争が停戦になった様子が想像できます。
{/netabare}

希望をもって一生懸命前向きに生きると、必ず良い未来が待っている。
この映画は、そう教えてくれています。


最後に、この映画に感動された方は、宮崎駿さんがつくられた童話(?)「シュナの旅」を読まれることをお勧めします。
この物語も、ナウシカのように絶望しかない世界で一筋の希望を持ちながら旅をする少年を描いています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 66

73.5 3 お姫様で陰謀なアニメランキング3位
機動戦艦ナデシコ The prince of darkness(アニメ映画)

1998年8月8日
★★★★☆ 3.9 (435)
2160人が棚に入れました
先の戦争終結より3年が経った西暦2201年。地球と木星間に和平(休戦条約)が結ばれ、人類は再び一つになろうとしていた。そんな中、ボソンジャンプを新たな交通手段として使用する計画「ヒサゴプラン」のコロニーが次々と襲撃される事件が発生する。連合宇宙軍ナデシコB艦長ホシノ・ルリ少佐は、事件調査のためターミナルコロニー「アマテラス」へ向かうが……。

声優・キャラクター
南央美、うえだゆうじ、桑島法子、日髙のり子、三木眞一郎、伊藤健太郎、高野直子、岡本麻弥、飛田展男、小杉十郎太、小野健一、横山智佐、菊池志穂、長沢美樹、置鮎龍太郎、松井菜桜子、大谷育江、一城みゆ希、山寺宏一、仲間由紀恵

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テレビ放送編から5年…状況は大きく変化していました

この作品はTVアニメ版の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、TVアニメ編を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

火星での壮絶なラストから5年…物語は突飛なところから始まります。
ミスマル・ユリカの父が墓前の前でお墓に向かって話しかけているのですが、その相手が何とTVアニメ版の主人公とメインヒロインだったアキトとユリカなんです。

メインキャストを序盤でバッサリって…頭の中は?マークでいっぱいになりました。
「どんな展開になっていくんだろう…」
と思っていた矢先にナデシコが登場するのですが…艦長はなんと電脳美少女のホシノ・ルリだったんです。

ルリちゃんは16歳になっていました。
世間では「史上最年少の天才美少女艦長」と呼ばれており、大人から子供までもが知っている人気ぶりなんだとか…
そしてこの劇場版は彼女を中心に物語が動いていく事となります。

TVアニメ版のナデシコの乗組員は個性派揃いでしたが、憎めない人たちばかりでした。
劇場版で見たかったのはみんなの勇姿…けれども蓋を開けてみると当時の面影は僅かにしか残っておらず、みんな地球でバラバラになってしまっていたんです。

「ナデシコに乗り込む」という事は、危険に向かって自ら進んで行く事…
だから地球上で危険と隣り合わせではない普通の生活を臨んでも構わない訳ですし、自分がその立場なら間違いなく安全を取ると思います。

でも、全員が安全を選択したかというと必ずしもそうではありません。
ナデシコの新艦長であるルリちゃんが良い例です。
彼女はナデシコを自分の居場所とし、メインコンピューターである「オモイカネ」との繋がりをとても大切にしていました。
それにオモイカネも相変わらず茶目っ気タップリで応えています。

変わる事は決して悪い事ではありません。けれど、変わらない事を選択する勇気も大切だと思います。
彼女が変わらずナデシコに自分の身を置いているのは、この場所を守りたかったから…
アキトがいて…ユリカ艦長とみんなと過ごした大切な場所だから…
自分を変えてくれた場所だから…

改めて考えてみると、ナデシコに乗り続ける理由ってたくさんあるように思います。
自分の意思でそれを忠実に実行しているルリちゃんを見ていると本当に彼女は変わったんだなぁ…と思いました。

一方、物語の方は謎のコードネーム「OTIKA」がコンピューター上に表示されてから予想外の方向に転がり始めます。
ここで感じるのは5年の歳月がもたらした傷の深さ…だったと思います。

絶対変わりたくなかった…だけど変えられて…もう戻れなくなった…
時間の使い方は自分で決める…そんな当たり前の事すらできなくなった…
途切れない思いと行き場を失った思いが交錯する…答えなんて出せないくせに…

そしてルリちゃんは呼びかけます…
旧ナデシコ乗組員はその呼びかけにどう応えるのか…気になる方は本編でご確認下さい。

約80分の作品でした。ラストも綺麗な纏まっていたと思いますが、個人的にはそこまで綺麗に纏めなくても…と思ったのも事実です。
でもルリルリの衝撃発言や続編を示唆する伏線がたくさん残されています。
絶対続編を期待させる展開なのに…
大人の複雑な事情が色々あるようですが、続編が決まったらファンが大喜びする事間違いなしの作品だと思いました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18
ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

アキトはどこへ行きたいの~?

七人の侍のように
散り散りになったナデシコクルー達が集結する展開

小説版「角川スニーカー文庫 機動戦艦ナデシコ ルリの航海日誌」でアキトとユリカがテレビ放送の最終回で拘束された後に、2人でラーメンの屋台をルリちゃんと一緒にはじめる話は心の底から祝福をしました
{netabare}
しかし、最後の最後で新婚旅行に向かった二人の乗る旅客機が事故という鬱展開
そのため、メディアミックス小説が発売した後の劇場版は救いでした
{/netabare}

後の木星とのパワーバランスや、本編で気になっていたこと
ある種、国家反逆罪ともいえるネルガルの暴走にどういう制裁があったか
クルー達の再就職先など、解決してスッキリした部分も多く
小説での起承転結の「起」から劇場版の「承」「転」を観て、一応の「結」を見せつつ後を想像させるような
制作側の意図に乗れたファンなら結構納得できた劇場版だったでしょう

ただ不評も多く、ハッピーエンド以外望んでいないファンや、小説版を踏まえた上でのメディアミックス展開が裏目に出て賛否が飛び交いました。作画も演出もテレビ放送とは比べ物にならない凝りようで、賛否も出ず、続編をあの時代にスムーズに出せていればと悔やまれる。確実に賛否の部分でプロジェクトが停滞してしまったでしょうから、業界がまだチャレンジングな時期に出せなかったのは勿体ない

銭湯のシーンや電車でのシーンなど、劇場らしい、シーン先行の印象深い場面が良く
劇場版単体で観ても意外といけんじゃないかって思っています

もし今からナデシコ観るって方は、先にコッチを観るのもありですね

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

なにげに仲間由紀恵が出演しているロボットアニメ

美少女ギャルゲー+ロボットアニメと、オタクの好きなものと好きなものを掛け合わせましたといった感じの90年代ロボットアニメ。今度、スパロボに参戦するclampの「レイアース」と同期です。

基本的には「トップをねらえ」序盤のアニメパロディ中心で、TV版では敵対する木星人のバイブルが熱血ロボットアニメという設定は今だと失笑ものですが、まあ良いでしょう。

しかしながら、劇場版はある程度ダークでシリアスな方向に舵を切り、主人公の性格、容姿が完全に様変わりしているところが面白いところでもあります。

あと、メカニックデザインが今回は秀逸。「黒い幽霊」ことブラックサレナのデザインは見事だと思います。TV版と見比べるとよりわかりやすいかも。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

67.1 4 お姫様で陰謀なアニメランキング4位
ひるね姫 ~知らないワタシの物語~(アニメ映画)

2017年3月18日
★★★★☆ 3.5 (153)
575人が棚に入れました
2020年の東京オリンピックを目前にした岡山が舞台になっている。

声優・キャラクター
高畑充希、満島真之介、古田新太、高木渉、前野朋哉、高橋英樹、江口洋介、釘宮理恵
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

心に魔法を

オリンピックを3日後に控えた東京、
物語は瀬戸内ののどかで美しい街から始まる。
そこで暮らす平凡な女子高生森川ココネ、
自動車修理工場を営む、父親と2人暮らし。

彼女は不思議な夢ばかり見ている。
夢の舞台はハートランド、
機械こそが全ての人を幸せにすると謳う国。
{netabare}彼女は魔法のタブレットを狙う追手から逃げ、
街を襲撃する得体の知れない「オニ」と戦う。
次第に夢と現実のリンクに気づき始める。{/netabare}
彼女の家族に事件が起きたのだ。

神山監督、独自の色を抑えた、
子供たちも楽しめるハートフルな作品です。
その反面、大人には物語への没入が難しいのか、
集中して楽しめるまで、大変苦労しました。

テーマは王道の自分探し、家族の絆でしょう。
記事を拝見すると、世界を救う大きな物語より、
個人の想いに寄り添った小さな物語を目指したそうです。

少女が見る夢のほんとの理由は!?
ポップな映像とスリリングな旅。

一風変わった青春物語、お楽しみ下さい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

この夢、現実とつながっとる。夢の先にあったのは、知らない私の物語だった。

「攻殻機動隊」や「東のエデン」を代表作とする神山健治監督による、
2017年公開のアニメ映画。

代表作のイメージとは雰囲気が異なり、
家族をテーマとした温かな物語となっています。

声優には俳優さんの名が多く、
普段アニメを見ない層も意識したのかなーという印象です。

120分ほどの作品です。


● ストーリー
舞台は岡山県倉敷市。

自動車の改造ばかりしている父と二人で暮らしている
女子高生・森川心羽(もりかわ ここね)。

彼女はいつも同じ夢を見る。

機械産業が盛んな国のお姫様であり、
機械に心を与える魔法が使える女の子・エンシェンとなっている自分の夢。


現実のココネと、
エンシェンとして駆け回る夢の中のココネ。

そんな、2つの世界の物語が並行して
ストーリーは進んでいきます。

ココネが眠ると、
夢の世界へ切り替わる仕組み。

最初は現実とファンタジーの2つの色が楽しめて、
おもしろいな~と思って見ていました。

しかし、だんだんこの2つの世界の住み分けが
うまくいっていないように感じられて…。

特に終盤はごちゃごちゃして
何が起こっているのかがわかりにくく、

一番の盛り上がりのはずであるシーンでは
「もういいや。」と飽きてしまいました。

絵はきれいなのですが、
ストーリーは、うーん…。

最初→わくわく
中盤→おもしろくもないけど、つまらなくもないかなー。
終盤→何してるの?

終盤になるにつれて、
私の視聴テンションは下がってしまいました^^;

「家族の絆」という部分に関しては、
確かにいい話だなーとは思いましたが、

後半のぐだぐだ感に対する疲れの方が勝ってしまいました。


● その他感想
≪ 声優 ≫

岡山が舞台ということで、
岡山弁のキャラが多く登場します。

岡山弁、新鮮でよかったです♪

しかし、声優さんは本職の方が少ないためか、
全体的に聞いていて落ち着かなかったです。

その中で、
ココネのぬいぐるみであり、
夢の中では良きパートナーとして活躍するジョイ(cv.釘宮理恵)だけは、
安定感抜群でしたw

やっぱり本職の方は違いますね。


≪ キャラクター ≫

キャラはエンシェンがお気に入り。
おてんば娘全開です。

海賊風衣装の時の
スカートがはためく感じが好きでした♪


≪ 音楽 ≫

【 主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー」/ 森川ココネ(高畑充希) 】

聞くとセブンイレブンが思い浮かぶ。笑
名曲のカバーです。

この曲を聴きながら製作をしていたという、
神山監督の思い入れが強い曲だそうです。

優しい声のカバーで、
お上手でした♪


● まとめ
夢の中での物語。

そんなファンタジーを
メインに据えたかったのかもしれませんが、

肝心の物語の軸は現実世界にあったため、
両者がうまくかみ合わなかったように感じました。

予告を見ると、
とてもおもしろそうだったのだけどなー。

ちなみにこれまで目にしてきた感想では、
「おもしろい!」か「つまらない」の両極端なのですよね。

映画館で見てきた友人は「おもしろかった。」と言っていました。

家族を愛すること、
夢を追いかけること、
夢を信じる事…。

それらを作中で前面に感じることができていたら、
私ももっとこの作品のことが好きになれたかもしれません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

夢と現実を行ったり来たり…最終的には家族の絆のお話し

昨秋に劇場予告を見たときから見に行きたいと思っていた作品でした。

物語は2000年東京オリンピック直前が舞台で、主人公で倉敷に住む高校三年生の森川ココネが、夢の世界と現実の世界を行き来しながら、現実に起こっている事件を解決するという話です。夢世界と現実世界がちょくちょく切り替わり、何がどう展開するのか、ミステリアスな雰囲気を醸し出します。

最終的には家族の話にまとまっているのが特徴です。登場人物、起こる事件はそれほど難しいものではなく、大人から子供まで幅広く見られるようにしているように感じました。設定には強引なところもありますが、これから3年後には現実にありそうな話(車のこと)でもあり、興味を引きます。

作画は綺麗です。舞台背景も美しく、メカニックなところも非常に良いです。ただ、なんとなくあちらこちらで見たことあるようなデザインが多いなと思ったら、作画、デザイナーの担当を見て納得しました。色んな要素詰めているんだなと思います。

この作品をどこに向けたものか、けっこう考えました。SFではなく、メッセージ性も強いものではなくありません。子供向けでもないし、若者向けにしては足りない感じもします。「万人向け」と言った方がしっくり来ます。日テレが絡んでおり、ポスト宮崎作品としての期待込みなのかなと思いました。

ちなみに、国立競技場ですが、SAOでは旧デザインだったのに対し、こちらは新デザインで描かれています。余談です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

66.7 5 お姫様で陰謀なアニメランキング5位
クラッシャージョウ(アニメ映画)

1983年3月12日
★★★★☆ 3.7 (54)
209人が棚に入れました
 宇宙のなんでも屋“クラッシャー”であるジョウとその仲間たちの活躍を描いた、SF冒険アクション。原作は高千穂遥の同名小説。本作の脚本も同氏が執筆。キャラクターデザイン・脚本・監督を、原作小説の挿絵を担当している、安彦良和が手掛けた。時は未来。人類は宇宙へと進出し、他惑星への移住を開始していた。クラッシャーを生業としているジョウたちは、休暇中に飛び込みで依頼された仕事を“クラッシャー評議会”を通さずに引き受けてしまう。仕事の依頼人はバレンスチノフという男性。依頼内容は、病気の治療のために冷凍保存されている大企業の令嬢・エレナを、手術のできる医師が待つ星へと送り届けて欲しいというもの。だが、航行中に機体が原因不明の事故に遭い、全員が気絶している間に、エレナとバレンスチノフが消えてしまう。実はこれら一連の事件はすべてバレンスチノフが仕組んだ芝居だった。依頼人バレンスチノフは本当は海賊の一味で、エレナも彼が誘拐していたのだ。しかも、彼女はエレナという女性ですらなく…。果たして事件の真相は? ジョウたちは汚名をすすぐことができるのか?

声優・キャラクター
竹村拓、佐々木るん、小林清志、小原乃梨子、二又一成、武藤礼子、大塚周夫、納谷悟朗、小林修、久米明

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

宇宙が、熱い

<2021/6/13 追記>
CSで放送されてたので久しぶりに見ました
あらためて面白いですね。

アニメとして、そしてSFとしての出来が良い。
クラッシャーという稼業がカッコよい。

ただ一つ残念なところとして
本作(映画版)は原作に比べ少しストーリーが薄い感じがするのです。
原作の複数のストーリーの面白いシーンをつなぎ合わせたような気もする。
なんかぎこちないんですよね。
トラブルに巻き込まれていく必然性や
ゲストヒロインとの関係性や
キーとなるテクノロジーのヤバさや
そこら辺の掘り下げが物足らないからラストのカタルシスが物足らない

原作はそこら辺が丁寧によくできてる印象があって。
同じく宇宙海賊を敵に回す原作第2巻「撃滅!宇宙海賊の罠」なんかは物語にズンズン引き込まれました。

他にも第3巻「銀河系最後の秘宝」、第6巻「人面魔獣の挑戦」、そして第4巻「暗黒邪神教」と第7巻「美しき魔王」の話なんかは大好物でした。
タイトル安っぽいけど笑

でも総じて面白いですよ。
今のアニメにはなかなかない「スペースオペラ」としての面白さがあります。。

<2017/12/12初投稿>
昔映画館で観ました。
原作が好きで。
映画も好きでした。

そんな好きだった作品をうろ覚えでレビューしてみます。

ワープ航法が開発され普及し人類が地球から銀河の各地へ飛び出して数十年後。
極端なガス状のものを除くあらゆる惑星がテラフォーミングされ、いろんな恒星系の惑星に人は移り住み、無数の太陽系国家が形成された時代。
そこには犯罪以外のあらゆる荒事を生業とするクラッシャーと呼ばれる猛者達がいました。
元々はテラフォーミング作業を主業としていたクラッシャーは時代が移るに連れ、宇宙空間の巨大デブリの除去から要人警護、重要物の搬送、人探しなど仕事は多方面に広がり、比例して軍には及ばないものの強力な武力と高度な戦闘力を得ていきます。

そんなクラッシャーの一つ、チーム・クラッシャージョウが大暴れする痛快アクション・スペースオペラです。

クラッシャージョウは最高のSランクを誇る凄腕チーム。
若干18歳にしてリーダー、超腕っこきで技術も根性もある、ぶっきらぼうなイケメンの「ジョウ」。
パイロット兼リーダーの補佐兼後見人、全身の90%をサイボーグ化しているクラッシャー経験値∞の大男「タロス」。
紅一点で元王女とは思えないようなやりたい放題の「アルフィン」。
元浮浪児で15歳と経験は浅いがすばしっこいムードメーカーの「リッキー」。

こんな凸凹チームがとある大きな依頼を受けるところから物語は始まります。

ジョウのチームは受けた依頼を淡々とこなそうとしますが、そこには巨大な陰謀を背景とする巧妙な罠が。
彼らは騙され、窮地に陥っていきます。
そして、そこからの・・・!
あとは観てのお楽しみですが、とにかくハラハラ、ドキドキしたのを覚えています。

クラッシャーはそのルーツからならず者と見られがちですが、実は厳しい掟に縛られ、犯罪に加担したとみなされるとクラッシャー業界から追放されてしまう。(と言いながら裏社会から巧妙に情報を入手したりなんだりするんですけど 笑)
そんな縛りがあるせいで追い込まれ感がさらに増していきます。

そして、クラッシャー達が使う装備などがまた子供心をくすぐる♪
・同サイズの宇宙船では銀河中でも最高性能を誇るミネルバ
・ミネルバに搭載された複座型戦闘機のファイター1とファイター2
・おなじくミネルバ搭載の汎用型戦車ガレオン
・防弾耐熱で、あらゆる物質を燃え上がらせるアートフラッシュを胸のボタンにあしらった多機能スペーススーツのクラッシュジャケット
・小型の小惑星を一瞬で消滅させる分子爆弾
・宇宙空間でも発砲できる無反動ライフル
・ライトセーバーやビームサーベルを思い起こさせる電磁メス
・口径により破壊力が異なる戦艦兵器のブラスター砲
・通常航行の加速によるGを無効化していく慣性中和機構

などなど。

声優も覚えてます。
ジョウは竹村拓、アルフィンは佐々木るん(他にどんな作品出演されてたかはすみません。知りません)
タロスは次元大介の人。リッキーは元祖のび太。

スピード感あふれるアクションとダイナミックな宇宙での戦闘が安彦良和クォリティで楽しめます。

書き忘れてました。
安彦良和の初監督作品です。

うろ覚えなので雑な感じになってしまいましたが、数年前に映画館でリマスター・リバイバル上映してたようです。

こういうの好きな方は是非お試しくださいませ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

対象はスペースオペラ好き、SFアニメ史に興味がある人…くらいですね

 最近の背景が精密で人物が簡素な画面ではなく、背景が簡素でメカに気合いが入っている感じなのが古さを感じます。人物とメカは丁寧ですけど、当時の日本はアニメにまだ金をかけられなかったのか、動きは単調でした。だからでしょうか。瞳の動きで演技をさせていましたね。

 安彦良和氏がキャラデザ、作画なのでガンダムっぽいのはもちろんですが、スタッフに河森正治氏とか板野一郎氏が入っているせいか、メカはマクロス感があります。キャラの鼻の下の影もマクロスっぽいです。そういう優秀なスタッフが集まったので、画面は綺麗でした…画面の止め絵だけは。というより妙に色が綺麗でしたね。宇宙もちゃんと黒かったし。

 ストーリーはジュブナイルですから極めて単純です。宇宙空間や様々な星で主人公たちが陰謀に巻き込まれ窮地に立たされますが、大活躍で勝利ということです。小学生の時、原作が好きでよく読んでいたので、レンタㇽ屋で借りてみたら、内容の浅さに驚いたものでした、というレベルの内容です。ナウシカ以降でアニメ映画の意義が変わりましたからね。本作は旧時代の遺物でしょう。
 スペースオペラって、宇宙を舞台にしたソープオペラ(安っぽいメロドラマの事)っていう意味ですので、その浅さが大事なんですけどね(今は違う意味とされています)。要は活劇です。

 裸も出てきますのでターゲットはミドルティーンでしょう。今のラノベよりキャラ達は背伸びして大人の世界感はありますし、物語の組み立てもしっかりしていますが、その「大人の世界への憧れ」の単純さに違った意味での幼さがある感じです。

 アルフィンの造形も非常にティーン受けするだろう非常に可愛い造形です。ただ、マスコットというかなんというか、彼女じゃなくても置き換え可能なキャラですよね。お姫様設定が全然活かせていません。ここも子供向け感がある原因です。ただ、アルフィンのデザインはいいですね。今見てもときめきます。ガンダムのメンバーにいたら大人気だったでしょう。

 設定の説明不足も感じます。私は原作を何度も読んでいたので困りませんでしたが、要するにファン向けなんでしょうね。だから話の作りもジュブナイルの読者層であるミドルティーン向けなのでしょう。
 せめて設定の緻密さの説明があればもう少し奥深さがあるんですけど。原作よりも更に子供っぽい原因はこの辺りでしょうか。
 
 アニメ史的な位置付けとしては、当時のアニメの状況や著名なスタッフをエンドロールで楽しむとか、声優さんに歴史を感じるとかくらいしかないですね。当時としてはかなり出来がいい作品だと思いますけど。

 私にとっては思い出深い作品ですが、本作を名作・秀作と強弁する気はありませんし、面白いかと言えばスペースオペラ好きならまあまあ面白いかもしれません、という感じです。

 2022年2月現在、アマプだとレンタル料が発生します。DアニメにもネトフリにもUNEXTにもないみたいです。まあ、そういう作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

ゼルミナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

メカ、キャラ、アクション、てんこ盛り!

2020年4DXで鑑賞。
動きそうなシーンでは予想以上に動いていて好感。

当時から現在にいたるまで評価は高いが、物語の展開に今となっては辛い部分を感じた。
(ジョウがすごーく行き当たりばったりに見えてしまうんだよねーw)
まあ、これは作品の瑕疵では断じてなく、(「アリオン」のコメントでも書いたが)時代それぞれのテンポの違いというものだろう。


とはいえ、河森正治デザインのメカと安彦良和キャラが縦横無尽に動き回る本当に本当に素晴らしいアニメである。
アニメに一家言あると自負する若い方々にも是非ご覧になっていただきたい。うむ。


コルドバが回頭するシーンとか年甲斐もなく拳を握ってしまいましたわ。
つか、ハンター勢を筆頭に、出番が少ないメカも凝ったデザインに画も描き込まれていて、タメ息がでますな。
安彦キャラは世代的に刷り込みレベルで影響を受けてると思うのだが(笑)、ガキの頃はノーマークだったアルフィンの可愛さにやられました…19歳なのに飲酒&泥酔エピソードありという当時感よ。

特筆したいのは、著名な漫画家の方々による「スペシャル・デザイン」の存在感!
これはリアタイ視聴した子供のころより漫画の知識が格段にレベルアップしていたため、初見の様に面白かった。
今は亡き和田慎二先生(大ファン…)のキャラとか、普通に泣くわ!もう!
ちょっと油断するとハロが飛んでいくし(笑)、こういうお祭り感ってのは何で無くなっちゃったんだろう。惜しいなぁ。

余談だが、本作から逆算して宮崎駿の物凄さも見えてきてしまう気がする。(「風の谷のナウシカ」公開は本作の次の年。)あんなアニメーターは二度と現れないんだろうなぁ。(詠嘆多くてスマヌw)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 6
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