アンドロイドで組織なおすすめアニメランキング 7

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早速見ていきましょう!

60.0 1 アンドロイドで組織なアニメランキング1位
メタリックルージュ(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (87)
247人が棚に入れました
ボンズ×出渕裕がおくるバトルアクション最新作 人造人間たちが運命をかけて闘う驚異のテック・ノワールSF誕生! 『交響詩編エウレカセブン』のアニメーション制作会社ボンズと『機動警察パトレイバー』のメカニックデザイナーや『宇宙戦艦ヤマト2199』の総監督を務めた出渕裕が『ラーゼフォン』以来、19年ぶりの再タッグを実現! 監督は『キャロル&チューズデイ』『スーパー・クルックス』の堀元宣が、キャラクターデザインは『カウボーイビバップ』『血界戦線』の川元利浩が担当するなど、最高峰スタッフが結集し、壮大なテック・ノワールSFを作り上げる。 ボンズ設立25周年記念作品のオリジナルアニメ『メタリックルージュ』は2024年1月、世界に放たれる。 人間と人造人間が混在する世界―― 人造人間の少女・ルジュは、バディのナオミと共に、火星である任務にあたっていた。 それは、“政府に敵対する9人の人造人間の殺害”。 人造人間の少女・ルジュの戦いの物語が始まる――。
ネタバレ

てぶくろ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

ライトな層はポカーンで、コア層には浅さを見抜かれる一番悪いパターン。

  全体を通して
 {netabare} この作品に対する率直な感想としては「1クールしかないなら物語を最適化して持って来い」です。
 オリジナルアニメにおいて、尺との兼ね合いができていないのは致命的だと思います。

 まず、キャラを削ってけ、インモータル9とか言うてる場合か。
 警察のおっさんも削れ、結局なんの役割もなかったやんけ。
 人形遣い師も削れ、ただでさえ掴めない世界観のなかで思わせぶりなキャラが多いのに、要領の得ない謎めいたキャラなんか出すな。

 本筋がままならん状態やのに、ロードムービー的な要素を取り入れてる場合やないやろ。
 
 畳めもせんのに無駄に話のスケールを大きくしていくな。


 と、まぁ色々根本な部分が気になってくると、ある疑念が生じてきます。

 それは「社内で何かゴタゴタでもあったんですか?」です。
 
 この作品は、最終回こそ博士に全部被せて終えましたが、終盤で急に展開を巻いた というよりも物語全編を通して所々にあったエピソードをカットして無理やり繋げたという印象が強いです。
 
 ですので、当初は2クールある想定で進行していて企画がほとんど固まってきた段階で急遽1クールに変更を余儀なくされてしまったのではないか と個人的に推測しています。
 というか、単純に元々1クールの企画でこんなものを生み出したのだと信じたくありません。


 まぁでも仮に2クールあったとしても、現状よりはマシ くらいの評価になったと思います。 

 人造人間による同族殺しというテーマが持つ力とバトル展開で、物語として最低限の体裁を保ってはいますが、設定や思想に熱が入っておらず内容そのものがすげぇつまんないからです。
 
 そして、なによりキャラがつまんないからです。これはもう尺のあるなしは関係ありません。
 ルジュとナオミの掛け合いも効果的に作用したところはなく、ナオミが若干嫌われて終わりました。

 作画面も正直2話がピークで、後は特筆するような場面もありませんでした。


 結局のところこの作品がこうなってしまったのは、脚本だけのせいなのか、尺を用意できなかったプロデューサーのせいなのかはわかりませんが、どっちにしても周年記念で金と時間をかけてアニメを作って会社のブランドに泥を塗るって何してるこっちゃわかりませんね。

          {/netabare}
  

 
 第1話と第2話視聴しました。
 {netabare} 個人的に楽しみにしていた作品ではあるんですが、第1話を視聴して最初に抱いた感想が「せ…設定が多いな…」です。
 視聴者として、ふるいにかけられているような気分になりました。

 世界観+独自用語+キャラクター+キーワード+人間関係でジャブジャブでしたね。
 

 単語だけ聞いていると、それが固有名詞なのか何かの言い換えなのか、漢字にルビを振っているタイプのやつなのか、はたまた人物名なのかもわかりません。
 ただでさえややこしいのに、変身後で名前が変わったり擬態能力を出してきたりとややこしさに拍車をかけているのは一周回って面白かったです。
 
 視聴者を混乱させておいても、後半のバトルパートで掴める想定だったんでしょうけど、正直フルアーマーになった時点で「あ、そういう感じなのね」と若干肩透かしを食らった感も否めません。
 重厚な世界観を醸し出していたのに、やることは肉弾戦なのか…。
 人造人間で、かつそこからさらにまた変身すんのね。

 第2話目はまた、公式ホームページに載ってるキャラいわゆるネームドキャラがわんさか追加されたりしましたが、話の流れ自体は一転してシンプルなものでした。
 作品の雰囲気はまだ掴みきれませんね。

 戦闘に至るまでの動機付けはアレでしたけど、戦闘描写自体は迫力があって楽しめました。

 ですが、この戦闘描写があるからまだなんとか視ていられるというのが正直なところ。

 次話くらいがこの作品の分水嶺になりそうです。
 
 次回に期待です。

        {/netabare}

 第3話まで視聴しました。
 {netabare} うーん…これは…なんだかな…。

 1話から引き続き、設定ややりたい事がたくさんあることは理解できるんですが、なんだかそれらが上手く出力されていない感じがします。

 人間にはできない仕事を任せようとしてるのに、なんで人型にして人格を与えてるんや?

 正直、まだこの作品の世界観が掴めていない中、登場人物の数だけ増え、ありきたりではないもののSFなら必ずどこかで見たことのある展開があると、視聴者的には他の類似作品を想起し続けないといけません。

 ツカミに成功したとはいえない本作品がこれから先、どれだけ興味を引き続けられるか期待ですね。 

 {/netabare}

 第4話まで視聴しました。
 {netabare}個人的には暗い話も悲しい話もやるせない展開も好きなんですが、それはつまらない話 とはイコールではないと思います。

 2話かけて "幻影のヴェルデ" についてやったものの、結局はよく知らんやつが勝手なことして、勝手に殺されて、本丸と一騎打ちして勝ちました、って言われてもな…。

 バトルにしても、幻影を使ってくる相手にゴリ押し力比べでサックリ終わってしまい、アフダルがヴェルデだったのか!という驚きも数瞬で、だから何?となってしまいました。
 ていうか、そもそも幻影って能力が黄色の人の擬態能力と若干被ってるのも気になります。
 そして、やっぱり変身前と変身後で名前が変わるのややこしいですね。 登場人物も対象をどっちの名前で呼ぶか変わりますし。
 

 今の所この作品は、暗くてつまんなくて、メッセージ性を持たせている割に設定に説得力がなくて、一話完結風にテンポ良くやりたいのに登場人物が多くてややこしく、なんとかついて行ったとしてもしょうもない区切り方をする、そんな状況です。
 なんだか、制作側の狙いがことごとく裏目に出ている感じがしますね笑
 あ、でも変身前のBGMは好きです。

{/netabare}

 アニメージュのインタビューを読んで
 {netabare} アニメージュ2月号に掲載されている、シリーズ構成の出渕さんと根元さんのインタビュー記事を読みました。
 そこには、この作品が現状こんな感じになっているおおよその要因が書いてありました。

 まず、出渕さん曰く、本作品の企画の出発点は女キカイダーであり、当初は悲しさや寂しさをストレートに描く物語であったが、時流を鑑み また本人的にもポップさを取り入れていったと語ります。
 その結果の一つがナオミの誕生だそうなんですが、そりゃまぁ制作としては掛け合いができた方が何かと楽なんでしょうけど、視聴者的にはよくわからんキャラが1人から2人に増えただけなんで、まだ効果の程はわかりませんね。
 
 
 続いて第1話についても触れられていました。
 全体的に尺が足りないらしく、前置きをバサッと削って、取り敢えずちょっと変わった世界で暗殺の任務をしている彼女たちをあまり難しく考えずに観てもらいたかったと語ります。

 正直、個人的にはどれだけ尺が足りなかろうと、第1話にて世界観の説明や前置きは多少なり必要だったと思います。
 削ったところに擬態能力持ちという混乱を招くジャロンというキャラを入れているようなら、なおさらです。
 むしろ、コイツを積極的に削れよ。

 オリアニは第1話でどれだけ人の心を掴めるかが特に重要だと思います。
 昨今は毎クールごとに両手足の指を使っても数え切れないほどの数のアニメが放映されています。
 そんな群雄割拠な中、オリアニは人気原作のアニメ化などとは違い、見つけてもらって選ばれなければなりません。
 にもかかわらずこの作品の、分からないことだらけだろうけどまずは見てほしい、というスタンスはなかなかに甘えた考えだと思います。

 また、オリアニはSNS上の口コミも大切だと思います。
 話題になれば、今や配信サービスの普及によりスルーしていた人も追いつきやすいですし、とりあえず第1話を見てみるかという人も出るでしょう。
 しかし、この作品の第1話の作りでは人に勧めづらいし、話題にもしづらい。
 もしかすると、構想当初の悲しさや寂しさをストレートに描いた暗い作品の方がコアなファンを掴んで話題になったかもしれません。


 他には、出渕さんも根元さんも、アニメの世界に特撮の感覚を入れることについて言及しておられました。
 さらに、根元さん曰く 出渕さんはテーマや設定に対して色々と真面目に考えるところがあるけど、今回はちょっとふざけたいんだとおっしゃっていた。と語ります。
 これらに関しては、そういう要素がちゃんと表現できているように感じます。

 ですが…巡り合わせが悪いというかなんというか…このクールでは同じオリジナルアニメとして、「勇気爆発バーンブレイバーン」とマッチングしてしまいました。
 
 特撮的な要素もふざけている感じにしても、完全に話題を掻っ攫われているように感じます。
 
 元々時流を意識出来ていなかったのに、放映のタイミングすら悪いなんて気の毒でしかありません。

        {/netabare}

 第6話視聴しました。 
 {netabare} 前話で雰囲気を変えてきたかと思ったら、今話はまたえらく分かりやすい展開となりました。
 
 でも、これ…最後の ナオミは守護局の人間でした!っていうのをやるために、なんとなく事件を起こして取り敢えず戦闘しとくかってだけだったような…。

 尺が無い事を嘆いていたのに、こんな1話に尺を割くんですね。

 今話のジャロンさんはマジで何がしたかったんでしょうか?
 何か別の目的があって潜入していて、たまたまルジュとバッティングしたわけでもなく、ルジュと戦いたかったからわざわざ他人に化けて無差別に殺し回ってみましたって……何の意味があるんや?
 そもそも、最初クルーに化ける必要もあったんか?

 ここでのジャロンさんの行動は今後の何かの為だったのか。
 それとも、ジャロンさんなら「面白いですねぇ」とか言わせておけば行動に合理性がなくても何とかなるからただ便利に使われただけなのか。
 それともそれとも、脚本が船での殺人事件をやりたかっただけなのか。

 今後に期待です。
         {/netabare}

 第7話視聴しました。
 {netabare} 第7話にして ようやくというか、満を持してというか、物語の輪郭を捕らえたように思います。
 今、スタートラインに立ったかのような新鮮な気持ちです。

 世界観や設定において、今までポロッと言っていただけだったものが整理され、この作品のテーマの1つである「同族殺し」に対しても肉薄していきました。
 
 混乱の種だった登場人物の多さもようやく機能してきそうで安心しました。
 視聴者側と同じ「状況がよく分かっていない」という立場から調査をしてくれようとする刑事さんはありがたいですね。
 


 ただ、やっぱり専門用語が多い点は困りものですね笑。
 頭の中で整理してついていくのに、中々必死です。

 守護局っていうのはつまり警察で〜… ネアン=人造人間を統括しているのが真理部で〜… でも守護局にもネアンを取り扱う守護局人造種監査部っていうのがあって〜…さらにこの守護局と真理部を監督する人造種厚生倫理委員会ってのもあって〜…
 んで、ナオミはその守護局の「神祇官」っていう音で聞いても文字で読んでもイメージしづらい高官で〜…とか。

 ネアンの中でもインモータルナインと呼ばれる特別な個体がいて、彼らはディフォルムという変身機構を用いてグラディエーターという戦闘形態に変身でき、イドと呼ばれるコアのようなものがあり、ネアンによるアルターというテロ組織を先導したりしなかったり、入ってたり入ってなかったりする。 
 ちなみにネアンによる団体は他にもあったり、主人公のルジュもディフォルムしてグラディエーターになるがインモータルナインではない…。

 …………うーん、なかなか根気がいりますね!

 公式ホームページに用語集ができたのでこれからはだいぶマシになるでしょうか。
 覚えた頃には最終回になっていそうですね。

 次回に期待です。

 {/netabare}

 第8話視聴しました。
 {netabare} 前話でギアが上がったかと思われましたが、状況は芳しくありません。
 なんでしょうね、世界観やキャラクターが面白さに繋がっていないような感じがします。

 今回、たまたま見つけたお父さんの記憶図書館にて、過去とお父さんの心情を知るという なかなか裏ワザ的な手法を用いたため、明かされる過去がただの設定出しにしかなっていません。

 ルジュとジーンの意見の対立も、ルジュの主張がたどたどしいのは分かるんですが、ジーンの主張が 混乱を招くことになる だけで元真理部次長としてなにか具体的なものが出てこなかったのが残念です。
 こんな状態で、どっちの意見も正しいよね とされてもそりゃ浅いものになってしまいます。

 
 場面は動き、アルターは真理部を襲撃します。

 前話で、ジルさんは仲間のイド回収よりルジュの救出を優先したと言っていましたが、そこに対した理由はないんですね。
 こんな風に正面突破してくるなら、回収と救出を同時にやっても良かったんじゃ…?
 前話で死んだ警備ネアンは無駄死にすぎますね笑

 そして、ジルさんこと 閃光のシルヴィアによってアルターの目的が発表されます。
 ネアンたちを縛るアジモフコードを無力化するため、インモータルナインそれぞれのイドに隠されたコードイヴを手に入れ、それを起動するためのルジュのイドも手に入れる。 だそうです。

 かなり話の構図がすっきりしました、喜ばしいことですが で、あるならば物語冒頭からもう少しシンプルにしていて良かったんじゃないかと思ってしまいます。
 これではここまでの間、小難しい雰囲気を纏わせていた甲斐がありません。

 個人的に活躍を期待していた、ノイドくんが撃たれてしまいました。
 これまでの彼も、撃たれてからの反応も血を流す様子もほとんど人と変わらないので、「あなたといると自分がネアンであることを忘れていました」という台詞がどうにも軽くて浮いてしまっていますね。

 
 この先の展開でもう一捻り二捻りあることを期待します。
 戦闘シーンが序盤に比べて大人しくなっているのも気がかりですね。
 次回に期待です。

         {/netabare}

 第9話視聴しました。
 {netabare} 今話は全ての元凶である来訪者との対話がなされたわけなんですが、色々と腑に落ちない部分が残る一話となりました。 
 それと、この作品に限った話ではないんですが、謎とか動機とかが明らかになっていけばいくほどつまんなくなってくることってありますよね…。

 なんかほんと企画発足時のエピソードであった、社長と会った際「そろそろなんかやろうか」という感じで動き出したってエピソードが如実に表れている気がしますね。
 ラーゼフォンから20年近く経つし、ボンズも25周年だし周年記念でなんか作るか のノリですよね。


 では、本編です。

 前回から引き続き戦闘シーンが続きますが、あんまりパッとしません。
 取り敢えず爆発させて、なんとかシーンを保たせている印象です。
 かと思えば、ナオミがネアンであることを明かしたところはやたらヌルヌルしていましたけど。

 
 ナオミに連れられ来訪者と面会し、色々と教えてもらいました。
  
 来訪者さんが来訪した理由とはつまるところ、「金星というめちゃくちゃ気に入った物件を見つけたので、お隣の人類さんに引っ越しのご挨拶として、科学技術やネアンの作り方をプレゼントした」とのことです。


 恒星間航行での環境に最適化し、世代をまたぎ進化までしたのに今さら原初の姿で定住したいんか?
 この人らの感覚で永劫の旅を今の姿でしてきたのに?
 流浪の民とかじゃあかんのか?
 金星のなにがそんなに気に入ったんや?
 というか、そんなスッと戻れるようなもんなんか?
 

 ナオミとルジュのやり取りを見て、相対的共鳴とか無意味な同調、過度のシンクロとか言っていますけど、あんたらがそうやって仲良くセリフを分けっこして喋ってるのは無意味な同調で過度シンクロではないんか?


 簒奪者側の目論見が、コードイヴを使ってネアンを解放して、その混乱に紛れて戦争を仕掛けようとするってなんかやり方が回りくどくないか?
 簒奪者も金星狙ってるって金星大人気やん。
 

 来訪者は別にネアンとかに頼らず自分らで勝手にテラフォーミングでもDIYでもしたらいいのに。

 人類にネアンの作り方を教えて、人類が作ったネアンがちまちまテラフォーミングしてるのを40年近く見守ってるってことですか?酔狂すぎません?何処が合理的なんですか?

 ていうか、ネアンは簒奪者たちに有効な戦力になるって、それは裏を返せば自分たち来訪者に対しても有効ってことですよね? 
 そんな後々危うい技術提供も辞さないくらい金星が魅力的ってことなんでしょうか。
 金星開拓の労働力としてネアンを提供したと言うなら、やっぱり物語当初から感じている「何故、ネアンを人型にして人格も与えてたのか?」という疑問点が大きくなっているように感じます。

 簒奪者側の考えも伺ってみたいですね。次話であったりするでしょうか。
 
 
 あとこれは物語に直接関係しませんが、本当にこの作品は、来訪者(ゼノア)とか簒奪者(ユノイド)とか、ナオミ(ファースト)(プレネアン)みたいに一つのものに複数の名前をつけてみるやつ好きですね。 

          {/netabare}

 第10話視聴しました。
 {netabare} 今話は、2話 6話と同様に移動回となりました。
 この三話とも脚本を担当していらっしゃる うえのさんはもう完全に移動パート担当なんですね。
  
 
 本編は主に、意識を取り戻してから性格が変わってしまったというシアンを軸に進行していきますが、正直 シアンというキャラに思い入れがなんにもないからなぁ。キャラそのものに対しても、彼女の役割に対しても…。
 
 ナオミがシアンに対して、「そんなキャラじゃなかったでしょ」と言いますが、元々のキャラの印象なんかこれっぽっちもありません。
 正真正銘 ぽっと出のキャラという印象しかありません。


 それと…作画がギリギリというか…なんかキャラの顔が安定してませんね。
 一番安定していてかつ気合いが入っていたのは、アッシュ刑事の顔でしたね笑

 どこかモッサリした印象をうけるこの状態の会話パートは、内容も相まってなかなか苦しいもんがありますね。


 その後、インモータル9の思い出話があったりナオミが家族について考えたり、ルジュがナオミとの関係性を改めて考えてみたりなどありました。
 こんなこと言うと元も子もないんですが、わざわざせなアカンような話やったかなぁ…?

 思い出話はフワッとしているし、そういえば制作の寵愛を受けているジャロンは前話からなんかしれっと戻ってきているし、家族について考えるナオミもその比較対象の描写がうすいからなんとも言えないし、ルジュとナオミの関係性も ナオミがネアンと分かってしまえばバディとしての魅力はもうそんなにないし…などなど色々考えてしまいます。


 この移動回って元々は本筋に対する肉付けであったり、一息入れたりするためのものなんでしょうけど、本筋の方が大したことないので用を成してないんですよね。
 出渕さんはロードムービー的な要素も楽しんで、とおっしゃっていましたがなかなか厳しそうです。
 

 物語は終盤に差し掛かっていますが、いまいち緊張感も危機感もなくて、続きが気になるかと言われると 正直微妙です。
  
 以下、次回予告の抜粋です。
      
 捕らわれのジーンに、その母『エヴァ・クリステラ』と彼女の作ったコード・イヴについて話す人形遣い師。人類への反乱を思いとどまらせようとシルヴィアとの対話を続けるジーン。だが、頑なに戦いをやめようとしないシルヴィア。二人の会話から明らかになる新たな事実に驚愕するアエス。そんな彼に、ジーンは幼い頃から抱えていたインモータルナインたちへの想いを語る。

 なんか…話してばっかりですね笑

 あえて情報を伏せているのか、それとも今話同様たいして話は動かないのか、次回に期待です。

   {/netabare}

 第11話視聴しました。
 {netabare} たいして話は動かない が正解でした。
  
 うーん…なんて苦しい展開…。いや苦し紛れな展開と言った方が良いでしょうか。

 
 予告の通り、創造主たるエヴァさんやコード・イヴについて話すシーンや、シルヴィアとジーンの対話のシーンがありましたが…
 これ…何かを説明しているようで、その実これまでのあらすじを今一度なぞっているだけでなんも言ってなくないか?

 
 そして何と言ってもプラント内を進むくだりが、申し訳程度に出てくるロボットを蹴散らすだけの描写と、何にもならないジャブな会話で非常に退屈です。

 シアンが丁寧なネタ振りでフラグを立て、直後に案の定操られているのは笑ってしまいました。

 こんなもっちゃりした展開をやるくらいなら、いきなり中枢付近に乗ってきた機体ごと突っ込むとかでいいんですけどね。

 ルジュたちを分断して視点を分けることで、精一杯の尺稼ぎをしているところをみると、終盤を盛り上げようとかいう気はさらさら無いんですね。


 この作品は全13話のようですけど、やることないならスパッと12話で終わっておけばいいのに…。

 ジーンがエデンの息子とか そういうの今さらなにかに発展できるのでしょうか?
 2クールあればインモータル9の面々を深堀れて、もっとドラマチックにできたりしたんでしょうか。

 うーん…でもこの作品、初っ端の前提部分をバッサリ削ってスタートした割に別に中盤で大した展開があったわけでもないんだよな…。

 残り2話、最後くらいは今一度 迫力のあるアクション作画を拝みたいですね。

 次回に期待です。
            {/netabare}

 第12話視聴しました。
 {netabare} 前回のもっちゃりした展開を経て、いよいよインモータル9の面々と接敵します。
 戦闘シーンなら盛り上がるか と思っていましたが、芳しくありません。

 なんていうか、台詞が軽いんですよね。

 冒頭の簒奪者の台詞「我々の新しい故郷に祝福を、そして我々の敵に死の喜びを」とか、この方々って色々と超越した存在ですよね? なんか安くありません?

 簒奪者から指示されたオペラがこういうこと言うならまだ良いんですが…。


 そしてその後の台詞も同様で、
 人形遣い「しばらくは即興、役者自身を映す真実の姿 糸なき操り人形たちが織りなす真実の即興劇を!」とか、
 ジャロン「あなた方はユーモアの塊、きっとこの長く退屈な芝居をアレンジしてくれる」など…。

 大オチが大したことないなんてとっくにバレてるのに、それっぽい台詞をぐにゃぐにゃこねくり回しやがって…。
 いや、逆に、だからこその健気な足掻きなんでしょうか。


 グラウフォンとエデンの対決は、そのバックボーンの三角関係がもっと深くあれば、こんな取って付けたような感じにはならなかったでしょうね。
 描写不足は尺の都合上致し方ないなら、あんな愛故に!を前面に出さず匂わすくらいでよかったんちゃう?


 ジャロンとシルヴィアの会話シーン。
 
 シルヴィア「陳腐なセリフね…何故陳腐かわかる?中身がないから、何故中身がないかわかる?あなた自身が中身がない空っぽな存在だから」
  
 なんだかこれはこの作品対して、すごいブーメランになっている気がしますね笑

 陳腐な展開ね…何故陳腐かわかる? 中身がないから、何故中身がないかわかる? 元々2クールくらいある想定でキャラに伸びしろとしての余白を作っていたけど、結局1クール分の尺しか用意できず でももう話の構造を変えるわけにもいかなくて、とりあえず収まるようにしかしていないから、ただただ余白が目立つだけになっているからよ。


 シルヴィアとルジュの戦闘シーンで、金星のネアンの寿命は3年、可哀想でしょ!って訴えかけられても…いやだから人格とか入れんかったらええやんっていう物語当初から指摘されている部分から動かないんですよ。
 可哀想なのは寿命が3年しかないってところじゃなくて、もとより消耗品的に扱う作業ロボットに自我を与えたり人型にしているところでしょうよ。
 

 ナオミがルジュのもとへ駆け出すシーン。
 印象的にはなってるけど、画面のテンションと視聴してる側のテンションにギャップが生まれているように思います。
 ルジュとナオミのバディって別にそんな魅力的じゃないんだよな…。

 人形遣いの正体は死んだはずののか博士でした! わぁびっくり!と言いたい所やけど、まぁでも他にキャラおらんしな…。
 博士じゃなかったほうがびっくりやな。
 

 さて、次話はいよいよ終幕 期待したいところですが、恐らくこれまた思い入れのないシアンとのバトルでしょうから内容には期待せず、最後のアクション作画くらいは気合いが入っていると思いたいです。

            {/netabare}

 第13話視聴しました。
 {netabare} うわぁ…いやはや…これはこれは…前話の段階で最終話に期待はしないとはいいましたが、ここまでとは笑

 こんなオチのために第13話までわざわざやったのかと思うと嘲笑や誹りを免れないと思います。

 
 では本編です。

 正体を表した博士の自白パートが始まります。

 インモータル9の行動は私が作った設定だ!などというほぼ夢オチと変わらないような始末をつけるんですね。

 博士は人形を使ってインモータル9の成り立ちについて話してくれましたが…
 これまでに何度も聞いたあらすじをなぞり、最後にそれらは私が設定したんです と付け加えるだけ、なんてお手軽なんでしょう。
 劇作家とか演出家とか都度都度強調してますけど、そんなに言うならもう普通に劇とか作ってた方が幸せなんじゃねぇのかこのおっさん。


 アエスが「なんでそんな事僕たちにしたの」という良い質問を投げ掛けます。
 答えは、人形たちは人間になれるのか、人間を超えることができるのか試したかったから、だそうです。

 いや、その…このおっさんの「何が人間を人間たらしめるのか」という思想もなく、何をもって人間を超えたと定義するのかも明かされないままこういうことを言われましても…。

 ていうか、こういうことを試したいなら、アジモフコードのないインモータル9じゃダメなんじゃないの?
 さらに、彼ら彼女らに設定やら筋書きを与えてちゃ意味無いんじゃないの?

 
 シアンと一体化した博士により、シルヴィアはさっくり殺されアエスも瞬殺されてしまいました。
 結局、ここにきてキャラの活用法に困っちゃってるじゃないですか。

 シアン化博士とルジュの戦闘中、ルジュを形容したセリフ「お前は無垢から始まり、人間のように時間をかけ自我を形成した、それも短期間に」
 はぁ??どっちやねん。
 こんな瞬発力の高い矛盾は聞いたことがありません。

 いや、まぁ、この作品としてルジュの人格形成や成長をじっくりやりたかったという気持ちはわかりますけどね?
 その名残りとしてこのセリフを入れてみたけど、自分で振り返ってみて あんまやってねぇな って気づいちゃったんでしょうね。

 
 コード・イヴやルジュのことに関しても、博士の実験の一環だったようですけど、
 だから…その…これが実験やったらなんやねん! 何に繋がんねん!
 この博士、科学者のくせに実験が下手くそすぎるやろ笑
 最終回特別 全ては博士の実験でしたよ セールに便乗さすな。
 
 
 再びシアン化博士のセリフ「古き幕が降りた時、新しい舞台は開幕する。全てのネアンは解放され、さらなる進化が促される、混沌の中から人類を超える種が生まれるだろう」
 ええっ!? そんなフワッとした推測でこんなことやってんの!?
 このおっさん科学者のくせに進化をなんやと思ってんねん。
 人類を超える種 とか言うてるけど既に簒奪者やら来訪者が来てんのに、ほんまに何を言ってんねんこのおっさん。
 もうちょっと落ち着いて脚本書こうぜ。
 
 
 その後はナオミと合体して、好みが分かれそうなフォルムへ変身し、シアン化博士を倒します。
 最終回ということもあって、戦闘シーンはここ数話の中で一番良かったんですが、せっかくのラスボスなのにフロアの一角で決着という、こじんまりしたものだったのは残念です。
 
 博士も最後の最後に、愛とか孤独の辛さを訴えかける系の悪役をやろうとしていて、吹きました。やりたい放題やん笑

 
 ネアンたちを解放することにしたルジュ、しかし簒奪者によってネアンたちにはウイルスがまわってしまった! しかしアンチウイルスをつくっておいたので大丈夫でした!!
 ひでぇオチwww
 
 ジーンがこんなこと出来るんなら、アルターの皆さんとはマジで話し合いで解決できたんじゃねぇのww

 この作品で一番気の毒なのって、アルターと手を切ろうとしていたヴァイオラさんですね。

           {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

過去ワーストアニメ更新です。SFを馬鹿にしている。

 最悪というか最低というか、SFとしてというよりアニメ作品としての体をなしていません。

 13話の前半でプロットが口で語られてしまいます。そこにはアジモフコートや人造人間としての使命、ネアンの存在に対する問いかけもありません。人間社会とネアンの2重構造、過酷な金星での使役に反抗するきっかけも、社会的な背景もありません。

 途中、ネアンだけが住む街の話で少しだけ触れましたが、その裏付けが感じられません。簒奪者の意味もわかりません。

 ルジュの出自。とにかく全部口で説明して、じゃあ、どこかにテーマとかメッセージとかがあるのか、感動とか悲劇性があるのか、ヒューマンドラマが感じられるかと言えば、どこにもありません。

 サクガンや咲う…すん、はまだ途中で面白いところもあったし、最後の方まで期待もあったので、うらぎられた衝撃も大きかったですが、本作は1話こそ期待が持てるスタートでしたが、3話くらいから怪しくなりました。その点でがっかり感すらありません。

 この作品、過去のSF作品を持ち出しているだけに余計頭に来ます。「ブレードランナー」やアシモフ、「冷たい方程式」や手塚治虫…そういうのを全部馬鹿にされた気分です。

 そして何よりですけど「話がつまらない」です。それはルジュに感情移入できないからなのか、魅力がないからなのか。ストーリーの幹を計算でぼかしたのではなく、幹が無い話なので興味がもてません。
 なので、ひょっとしたら仕掛けがあるかもしれませんが、再視聴が出来ませんでした。

 オール1は安易につけたくないし、作画と音楽はまあいいところもあったのでそこに点を残しますが、過去ワーストは気分的には「アキバ冥途戦争」、SF的には「サクガン」、裏切られた感で「すん」、最近では「大雪海のカイナ」でしたけど、それらの作品以上ですね。過去最低作のワースト更新です。





1話 分断とアシモフの三原則…のガワのポリコレ作品か?期待枠も既視感が強いか?

 サクガンじゃありませんように、サクガンじゃありませんように…せめてVivyクラスで在って欲しい…お願いします。

{netabare} ということでオリジナルSF作品で期待枠です。1話から読み取れることは、イモータル9という単語です。イモータルは不滅ですし、9はそのうちの1人という事らしいので、サラ・フィッツジェラルド=ヴァイオラというのは、イモータルというおそらく長寿命などの特殊な人造人間の一人ということでしょう。

 サラはおそらくエラ・フィッツジェラルドという黒人のジャズの歌手のオマージュでしょう。wikiで調べればわかるとおり、孤児から大変な時代を経て歌手として大成したようで、そのアナロジーでサラもいろいろ大変だったということもうかがえます。

 懺悔というか告解をしている…というか場所的にカトリック教会でプロテスタントではない、という意味においてあの場所が黒人社会で分断されたアメリカでは下層の場所であるというのも読み取れます。そしてサラはそこから成りあがって上流クラスの店でうたっている、従業員は黒人であるということです。

 また、ヒロイン、ルジュへの感情はレズビアン的なものを感じます。男と情報収集のためにベッドを共にする苦痛も同時に彼女が弱い立場なのもわかります。
 ヴァイオラがヴァイオレットならLGBTQ的に言えばピンク×ブルーですから苦痛は言い過ぎかもしれません。あの球体が虹色だったので色に意味がある可能性は高いと思います。ちょっとこの辺の象徴はうろ覚えなので後で調べます。

 で、途中アジモフコードという単語が出てきました。人間には逆らえないということで、これはアシモフのロボット三原則のことだと思われます。ただ、後の会話から言って、ルジュとインモータル9はこの三原則に対して特殊性があるのかもしれません。

 明らかにブレードランナーのレプリカントを意識した設定だし、アジモフコードはアシモフのロボットものからの引用ですので、その辺を読んでおくと(ブレードランナーは映画がいい)良いと思います。

 で、ドラッグのアナロジーとしてあの薬ですね。マフィア的取引の現場もありました。

 黒人×レズビアンでかなり露骨にポリコレを全面に出しているので、既に2人の始末が終わっているなら、7人ですからね。レインボーカラーを意識しているのか、ポリコレについてのメッセージをたっぷり入れる可能性は高いでしょう。というか、アシモフとかリドリースコットのガワをかぶった、ポリコレ作品の可能性はあります。

 メタリックというのは色を持ちませんので、その対比として色=多様性を配置するという構図でしょうか。今は赤いですがきっとそのうちメタリックになるのでは?今の彼女はレッド=ルージュということなら、やっぱり色に意味はありそうですね。なんかアクセルワールドみたいな感じですけど。
(調べたら、勝手な定義が多くてよくわかりませんでした。本編進んだら考察します。)

 人造人間=非支配階級あるいは非差別階級だとすると、まあ、設定というか世界観はわかりますけど…その辺もブレードランナーかな。


 初回は…うーん、思っていたよりもアクションよりだし、既視感のある展開です。分断の描き方もステレオタイプではあります。ただ、真面目にサイバーパンクSFをやるなら、ポリコレに終始せず、ぜひ人造人間の生きる目的や使命、アシモフの三原則と人間の定義、不死などの問題まで切り込んでほしいと思います。 {/netabare}



2話 ルジュは人を殺せるのか?記憶を失っているのか?という問題提起回かな?

{netabare} 地球と火星の2つの殺人事件。赤い人影と言ってます。ルジュが悪い奴を追っているというセリフを言ってますので、ルジュとは違う人造人間かもしれません。ただ、殺人の為に移動しているとも考えられますけど。
 OPのテーマ曲が「Rouge」でEDが「Scarlet」で2種類の赤です。同型機かもしれませんし、ルジュの2面性の様な気もします。

 何をしに来た?と問われて「悪い人を追って」と思わず答えて、ナオミが慌てていました。この段階でルジュにはアジモフコードが入っていることがわかります。あとの「言われたことしかできない」というセリフは余計でした。ここが省略できる勇気があるといいんですけど。

 一方でアジモフコードが入っていると人が殺せないという説明もありました。つまり、殺人事件があってルジュにはアジモフコードが入っている。だから殺せるわけはない。だけど、赤い機体が2つの殺人を起こした。これはどういう謎なの?というのが2話の謎かけですね。

 子供の扱いのところでチョコレートを渡したことで、ルジュは学習しているようにも見えます。あまりに幼いルジュの描写から一旦リセットされたような設定なのでしょうか?もとの記憶が表出すると殺せるようになるとか?

 侵略者との戦い方を知らないのも、そのための人造人間のはずなのに…という謎かけな気がします。

 なんか老人の修道女がテンプレすぎますし、あの老夫婦の人造人間に対する態度もちょっとありきたりかな。話はいいんですけど、キャラの演技というか言動が古臭いのがちょっと気になる以外はいいんじゃないでしょうか。

 心配してたポリコレ要素はなくて良かったです。{/netabare}


3話 あらゆるものが既存の借り物なのはしょうがないとしても、何かとんがらないと。

{netabare} 宇宙開発のための人造人間の悲哀は「ブレードランナー」、成長しない子供やロボットの団結は「鉄腕アトム」「メトロポリス」など手塚作品、そしてアシモフのロボット3原則をどう欺くかは人間の定義を変えてしまうことでしょうね。アシモフ自身が描いているし「新世界より」の愧死機構も全く同じです。何が言いたいかというと新味がないですねえ。

 喧嘩の原因、登場人物の言動、人造人間社会の描き方…全部テンプレというか陳腐です。うーん…1話が面白かったので期待したのですが…

 それとロボット3原則(アジモフコード)の前提は少なくとも解説が必要では?アシモフの原作だと陽電子頭脳の構造というか設計そのものにコードが組み込まれているので、ソフト的に改変が出来ないという点があるはずです。逆にここがソフト的に入れ替え可能ならテーマになるか?という問題があります。「Vivy」の「使命」についての定義が作中この点であいまいだったのであの作品は損をしていたと思います。

 それをなぜインモータル9は回避しているか、ですね。戦闘用であるということで回避できているとするなら、アシモフのロボットに準拠していないということでその辺の説明は必要でしょう。思い出すのは「パトレイバ―」のグリフォンがOSが旧来のパトレイバーと違い規格外の性能を発揮するとかありました。ただ、設計上の違いだけだと浅いなあという印象ですけどね。

 うーん…センスオブワンダー、テーマ性、ストーリーライン、キャラの魅力…どこかに何かがないと人気と言う点で厳しいかもしれませんねえ。再び「Vivy」を出しますが彼の作品もSF初心者には決してやさしいとは言えない設定でしたが、キャラとストーリーは魅力的でしたから…

 今時ですから、あらゆる要素が既存の借り物なのはしょうがないとしても、何か尖がらないと。

 それと作画すごいと思ってましたけど、結構気が抜けてきました?人物があんまりよくないなあ…{/netabare}


4話 ルジュの描写が不足、エピソードが軽い、演出が良くない。

{netabare} ルジュがヴァイオラの歌が好きで殺したことを悩んでる…みたいな描写ってありましたっけ?それとルジュの心の動きがわからないです。エピソードの積み上げがありますが、彼女の正体も内面もとっかかりが無い状態で、いきなり成長あるいは決心を見せられてもポカーンとしてしまいます。

 うーん…テーマがあって何かを描いているのはわかります。が、肝心のルジュのキャラとこれまでのエピソードの一つ一つが軽くて、物語り世界に入り込めないんですよね。

 場面転換があってエピソードが区切れている割に一つ一つの意味性が見えてきません。あとから振り返る仕掛けや種まきがあるにしても、弱いなあという気がします。

 あと演出ですよね。注射刺されるシーンの間抜けさはなんですか?群衆に取り囲まれるシーンの迫力の無さはなんでしょうね?カーニバル的なものはなかなか雰囲気を出してましたけど。

 ナオミももしかしたらネアンかも…と思わなくはないですし、身体能力から言って違ったらかえって不自然な気もします。

 うーん、どうしちゃったんでしょうか。作品の是非としては全話見ないと論じられないにせよ、テレビ1クールで12、3話の企画として成立してますか?と言う気がします。{/netabare}


5話 世界系も入れてくる感じ?簒奪者は新しい人類の何か…的な?

{netabare} コードイブですから、多分ネアンが新人類となって人類に置き換わる的ななにかなんでしょうか。機械生命的なものなのかもしれません。インモータル9は簒奪者の技術で作られたもの?それを模倣してアシモフコードを組み込んで作ったのがネアンかもしれませんね。コードイブでアシモフコードが解除されるのでしょうか。

 一方でインモータル9のアシモフコードの扱いが不明です。その点、ルジュの記憶がどういういきさつでインストールされているのかがストーリーになってくるのでしょう。要するに「ナデシコ」のホシノルリなんだと思います。彼女の人格にどういう制約をしているのか。

 とまあ、見ながらおぼろげながらに思ったことですが、現状、ちょっと考察が面倒で行きつ戻りつ見てません。
 なんというか…エ95年~2005年くらいのSFアニメっぽさってワザとなんでしょうか。ロボット・AIものとしてのテーマに見せかけて、世界系の匂いがものすごいしますね。その辺ボンズ25周年ということと何かあるのでしょうか?

 作画に関しては記念作品でこのクオリティでいいの?とは思います。私は話は最後まで見ると思いますので、がんばってほしいです。総集編とか来ても驚かない感じになってきてません? {/netabare}


6話 SFかなんちゃってSFか。ここからかなという感じです。

{netabare}  今までルジュが暴力をふるえたのって、ネアンの場合の他、相手が武装している場合かなと思っていたので、一般人を殴れるのっておかしいよなあ、と思っていたら、最後にちょっと展開がありましたね。

 6話は面白かったのではないでしょうか。ただ、1エピソード毎の展開が飛び飛びなのが、どうでるか、ですね。

 SF作品の醍醐味って「無駄がないこと」だと思っています。アニメだから遊びの部分もあるでしょうが、あの話の意味はこうだったのか、どころか場面やセリフの隅々まで驚きを入れられるかでしょう。それを演出と勘違いしてなんちゃってSFにする人も多いので本作はどっちにでるか、ですね。展開から言って、ここからでしょう。 {/netabare}


7話 SFっぽくなりましたね。敷居が高すぎる気もしますけど。

{netabare} ああ、やっとSF的な展開になってきましたね。ハビダブルスペース…ハビダブルゾーンというのは、地球と同じような環境の星の事で、この場合はテラフォーミングの結果のことですね。基本生命活動のための水が存在するのが重要要素です。そこをネアンにやらせるというのが、ネアンの為になるのか、侵略者のためになるのか。

 今のところ、色んな要素は見えているんですけど、ルジュとアシモフコードの間に葛藤が無かったので、テーマと言うかルジュの設定が見えづらいのが最大の欠点ですね。戻って考察すると見えてくるのかな?とも思いますが。

「2010年宇宙への旅」のエウロパのような感じを想定しているのでしょうか。地球外知的生命からの試練なのか、それともネアンの新人類といしての独立の話なのか。
 実は「水星の魔女」でSFとして物足りない部分がこの部分だったので、本作はその点で期待があります。

 もちろんアシモフが入りますし、ブレードランナー(フィリップKディック原作だけど別物)など、いろんなSFの要素が見られますので、気合いが入った脚本なのかもしれません。

 しかし、これはついていくのに力がいりますね。6話でオヤっ?で、7話でやっとという感じです。総集編あるいはゼロ話を作って、解説をした方がいいのではないでしょうか?それか「なぜなにナデシコ」(古いか。ニーアオートマタのおまけみたいなやつ)を付けた方が良かったですね。

 ここにきて、やっと好感がもてました。やりたい事もおぼろげながら見えてきました。ただ、SFを楽しむのは好奇心と柔軟性と忍耐と読解力がモノをいいますので、ハードルは高いです。

 本来、最後のカタルシスで世界観やテーマ性を見せるのも優れたSFのやり方としてはありなんでしょうけど、今のアニメでやっていいのかは迷いどころです。

 まあ、やっと1話に戻って考察しようかな、というモチベーションが出てきました。後付けでもいいから工夫して敷居を下げたほうがいいと思います。{/netabare}


8話 コードイブと解放がテーマならスタートラインもいいところです。

{netabare}  もしコードイブというかアジモフコードからの解放のためのバトルが主要なテーマなら浅すぎます。噴飯ものといっていいでしょう。自由と使命の問題なら実存主義的な自由の奴隷問題があるでしょう?進撃の巨人でも出てきたみたいですけど、今更ですよね。そのテーマは1960年代の話です。(ただし、人類の普遍的なテーマでもあるし、現代の実情とあっているので視点それ自体は悪くはないですけど)

 コードイブはスタートでしかありません。構造主義で我々は哲学的に非常に窮屈な檻の中に閉じ込められました。そこからシンギュラリティの先にあるAIや量子コンピュータとの共存によりどういう世界に向かって行くのか?がないと話になりません。私が「ビートレス」「VIVY」「ユーレイデコ」を評価する理由はアニメと言うエンタメの中に、その未来への提言があるからです。「Do It Yourself」も方向性は違いますがAIと対比したときの人間がテーマでした。

 本作のコードイブはスタートラインでしかありません。アシモフのロボットシリーズの中ですら、ダニールオリバーは第零法則を人類という総体を定義することで心理歴史学という概念を進化させました。それは1985年の作品です。
 出生の秘密とか記憶とかそういうギミックはどうでもいいです。それはサイドメニューであって、メインディッシュではありません。

 せっかくアシモフのロボット3原則をテーマに入れるなら、せめてそこを乗り越えた人類の未来を見せて欲しいです。それがないとSFの意味がありません。もったいぶってこれで終わりなら最悪です。期待をいい意味で裏切って欲しいと切に願います。 {/netabare}


9話 世紀の凡作になる気が…ぜひ素人考えをあざ笑うどんでん返しをお願いします。

{netabare}「サクガン」「咲う…すん」以上の凡作になってしまうのでしょうか?この話でもしアシモフコード=ロボットの解放だけの要素だとすれば半世紀くらい時代遅れの話です。SF映画史上最大の名作「ブレードランナー」で十分です。あるいはアニメなら「鉄腕アトム」とか「メトロポリス」でいいでしょう。

 またイモータルナインつまり不死属性にテーマ性がない設定だけの気もしてきました。そもそも「9人」に意味性が無ければ前半のドラマは設定紹介だけの話になってしまうし、あの刑事的な人も何のためなのか分かりません。

 べき論になりますが、9という数字が何かを象徴していてそこにテーマ性がなければ話になりません。せめてギミックでいいので9に意味性を持たせるべきでしょう。そこが今のところ全く読み取れない状況です。

 宇宙人の使い方もなあ…人類と道徳・倫理というか脳の構造が違うことに起因するような思考方法の特異性がネアンの設計に反映している感じでもないし…彼らが直接出てきてしまうと、ネアンとか人類とかの戦いが茶番に見えますよね…
 
 テーマは置いておくとして、エンタメに振って、凝りにこった伏線とかどんでん替えしを狙っている感じでもなく。アクションシーンに見たことがないような驚きもなく、キャラ萌えや感情移入も出来ない感じだし…うーん…

 真面目に作品を作りすぎているのかなあ?だから古臭い分かり切ったテーマしかできないのかなあ。SFならもっと面白がってくれていいんですけど。既知のSF的データベースを見せられている感じでセンスオブワンダーがないんですよね。

 SFは新しさですからね。テーマがAIとか量子コンピュータ、あるいは最新の宇宙論に注目せざるを得ない現状はあると思いますけど、社会問題と絡めれば新しさは作れると思うんですけどね。

 ということで、あと3~4話くらいでしょうか。いい意味でこの感想をあざ笑うかのようなすごい展開であって欲しいです。{/netabare}


10話 「冷たい方程式」を連呼するのは恥ずかしいからやめてほしい。

 結末まではつきあいますけどね。「冷たい方程式」って連呼するの止めて欲しい。共感性羞恥で死ぬかと思いました。
「冷たい方程式」SF好きの中では「超」がつくほどメジャーなSF短編です。スノビズムにしても中途半端すぎでしょう。私が本作から「冷たい方程式」になりそうでした。

 ただ、ちょっと思ったのが本作の「古さ」を紐解くと、「SFは死んだ」とか言うテーマが出て来るかな…と思ったりしました。そこに行き着ける可能性にちょっと期待が出てきました。9…インモータル9がそこにかかってくるなら「やられた!」と脱帽できそうな気がするんですが、どうでしょうね?

 それとだからと言って、深くなるかというとちょっと疑問ですけどね。



以下「冷たい方程式」のネタバレ
{netabare} 少女が宇宙船に密航しますが、宇宙船は燃料がぎりぎりです。どう計算しても無事に着陸することができません。結果的に少女はエアロックから…という話です。
 本作の中のような強制的に放りだすという意味ではなく、パイロットが最善を尽くすのと、少女が家族と交信する便宜を図ったり、そういうヒューマンドラマが涙を誘う名作です。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19

レオン博士 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

シナリオが微妙

作画や設定はいいけど、やりたいことが多すぎた?

序盤から世界観とか知ってる前提で話が進むのでよくわからない単語が次々出てきてきつい、見ている人を置いてけぼりにして話が進む感じがずっと続くのでなかなか面白くならなかった
最初からずっと微妙な感じだったけど最後も長話でよくわかんない設定ペラペラしゃべって無理やり終わらせた感じ
うまくまとまらなかったから面倒くさくなった?

もっとわかりやすくダメな作品だったらすぐ見るのやめれたと思うけど、何かありそうって期待しながら見てるとガッカリしますねー
最後までモヤモヤさせられる作品でした                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

75.8 2 アンドロイドで組織なアニメランキング2位
イノセンス -INNOCENCE(アニメ映画)

2004年3月6日
★★★★★ 4.1 (765)
4229人が棚に入れました
草薙素子(少佐)がいなくなって3年後の2032年。
少女型の愛玩用アンドロイド(ガイノイド)「ロクス・ソルスType2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走をおこし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9 課で捜査を担当することになり、公安9課のメンバーであるバトーは新しい相棒のトグサとともに捜査に向かう。

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

あなたのハダリにゴーストは宿っているか

 記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。
 なおこれらのレビューは個人的推論に則ったものである。言い切っているような台詞も、独自の解釈の一環であり、一方的な決め付け・断定をしているのではないものだと思ってもらいたい。

『少女型のアンドロイド・ハダリが原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した』
 イノセンスのストーリーを非常に大まかにいうとこういう形になる。
 義体化。体の大部分を肉体ではなく、代替品でまかなえるようになったSFの世界の話である。

 ストーリー上、ゴーストという概念が非常に重要性を帯びてくるため、そこだけwikiから文章を拝借した。

ゴースト
 あらゆる生命・物理・複雑系現象に内在する霊的な属性、現象、構造の総称であり、包括的な概念である。作中においては主に人間が本来的に持つ自我や意識、霊性を指して用いている。
 要約すると人間の肉体から生体組織を限りなく取り除く、あるいは機械で代行していった際に自分が、自分自身であるために最低限必要な物、又はその境界に存在する物こそゴーストであり、生命体の根源的な魂とも表現できる。

 人形と人間の境界線をゴーストで隔てる、そういう考えが攻殻の世界にはあるようだ。
 では人間と人形の差は何なのか。また人が人形に求めているものは何かである。
 筆者はあるハーレムもののアニメを視聴していたとき感じたのだが、まるでキャラクターが生きているようには思えず、まるで人形に見えてしまったのである。なぜ、人形に思ってしまっていたのか。
 まず、女の子特有の、異常なまでの情報伝達の速さがある。人によっては光の速さで噂が伝わるとまで表現している。ハーレム状態で、主人公の男がそのうち特定の誰かと交際関係を始めたら、一挙手一投足、更には太腿や胸元などに視線を一つ向けたことまで、下手をすると一週間も経過しないうちに、見知らぬ女性にまで伝わってしまうことである。驚異的な噂話好きの女性達にとって、その程度は日常茶飯事なのだし、もっといえば生理現象といってもよい本能だと筆者は強烈に感じ、またそう思っている。
《「女」の字を三つ合わせるとやかましい意の「姦」の字になるところから》女はおしゃべりで、 三人集まるとやかましいという意味があるほどだ。
 それが起きるとどのような事態に変化するのか。何かあるたびに噂のネタにされ、ツツき回され、念入りに人間性を審査され、あること無いことまで吹聴され、話に尾ひれをつけられる。日常生活において支障を来たしてしまうのは無理からぬ状態になると容易に推測される。それがないのだ。
 また、ハーレムでも女性はちゃんと一人一人心を持っている。なので、相手にされず放置を続けると、不満が溜まる一方になっていく。そしてあるとき、見境も無く爆発したりすることがあるのだ。出物腫れ物ところ嫌わずという。だからといって、男が特定の女性一人に決めて行動すると、選ばれなかった他の女性の不満が爆発してしまうときがある。それがないと心を持っていないように感じるのだ。
 男性主人公からすると……
 誰にも女性の暴挙に対する愚痴一つ漏らせない。漏洩した瞬間から女性陣の一斉攻撃が始まるだろう。そして、いつ爆発するかもわからない不満を和らげるために、いつも周囲に気を使う仮面をかぶり、常に自制し続け、自らの意見が周囲にどう映っているかを考え、女性にとって都合の悪いことは何一つとして話すこともすることもできない。針のムシロ。恐るべき閉塞感の中で悶々とした生活を送ることになる……というのが筆者の考えだ。しかし、ハーレムものの中心にいる男性キャラクターにそういう経験したというのを見聞きしたことがない。もし誰か一人の女性だけに交際を定めた場合、女性同士の陰湿ないじめ、果ては自殺などに発展する可能性がある。ハーレムアニメの中でそのような事態になったというようなことも、筆者は見聞きしたことがない。

 ある女性アイドルの男性ファンが『○○ちゃんはウンチなんてしないんだ』といったという話がある。それを話題にしたところ、普通の人間なら、花くらい摘みに出かけることもあるはずだという反論も出た。
 アイドル業はファンあってのものなので、事務所側は汚いものは見せない、イメージダウンに繋がることなどさせたがらない。それは、ある女性アイドルの話を偶然仄聞した事項まで連想させた。アイドル自身、その人を演じていた。あの人はこういう人なのだという言い回しをしていたのを思い出す。等身大の人間ではなく、ドラマの中の登場人物のように演じているのだと。アイドルの語源は偶像である。
 ハーレムアニメのキャラクターは生きているようには見えず、単なる人形・マネキンだと自ら表現したことに対して、同じく自ら反証するとしたらどうなるのかと自問した。答えは、お約束によってアニメが成立するため、人形であろうと問題ない。噂話に興じるような女性特有の生理現象と思えるものがなくてもよい。問題ないという結果になった。
 その矛盾点がないとストーリーとして成立しないのならかまわないのである。それはお約束なのだ。
 単なる手抜きであったとするのなら、そういう矛盾点がなくてもストーリーとして支障を来たさないどころか、あるとストーリーが破綻したりする類のものだろう。
 女性的な生理現象としての噂話、光の速さで浸透する情報はなくてもよい。
 そういう思考にたどり着いて以来、筆者は生理現象のない人、極端な話、花も摘むこともない人の形をしたものでも気にしなくてもよくなったのである。
 筆者がなぜマネキンと評してしまったのかは、生理現象が無い=生きていないと感じたからだった。

 涼宮ハルヒの声優さんが、スキャンダルを起こした、起こさないで揉めたという話が出たことは筆者の記憶に新しい。声優さんとキャラクターは別の存在であり、非難するに値しないという解釈は十分成り立つ。しかし、中の人という表現もある。騒ぎになってしまう原因は、声優とキャラクターを同一視するか、それに極めて近い感情を有している人々がいるからだと推察できる。
 こうしてみると、ハーレムもののアニメはメタ的な作りになっていることに気付いた。まず男性視聴者がアニメの女性キャラを求め、アニメの女性キャラたちは一人の男性キャラクターを求める。その男性キャラクターは男性視聴者の分身として製作されているのではないかと思える。男性キャラクターは一人だけだが、男性視聴者は大勢いてかまわない。この特殊な構造を生み出すことによって、男性視聴者を満足させる試みがなされているのではないか? 以前なら、アイドルの恋愛はタブーのような人気業種だろうし、今でもあまり変わり映えがしないように思える。声優さんの例を挙げるまでもなく、恋愛対象などいないことが好ましかった。それをアニメというジャンルによって、アイドルを擬似的に恋愛させる、恋愛対象は男性視聴者の分身という形に変化したのではないだろうか。
 当然例外は存在するものの、基本的にハーレムものの女性キャラクターは男性視聴者を落胆させるような作りにはなっていないように思える。落胆するかどうかの基準についても、視聴者の目線は主観的であるため、確実性があるとはいえない。
ここまでのまとめとして、アニメのキャラクターも、人気女性アイドルも、同じく偶像的という類似点があるといっていいのではないか。
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうことがある、ということだ。

 偶像化の類似種として登場するハダリ。
 アイドルも、人形・ロボットのハダリも同じように偶像の類似種としてみることはできるのだろう。ハダリそのものは、女性アイドルの代替品として存在しているような感覚を筆者は覚えた。求めるものを具現化する、というやり方はアニメもアイドルも、類似点がある。
 筆者が想起したもの。ハダリの存在理由は、俗に言う嫁ではないかという感想である。アニメの女性キャラクターを指して、自分の嫁だと思うことだ。嫁が画面から出てこないという表記があにこれにもある。あれだ。
 イノセンスの最初の場面を視聴していたとき、筆者の頭の中では、ある想像、いや妄想といってよいものが起きていた。

 以下妄想。
 俗に言う嫁を脳内で愛おしく思っている男性視聴者の学生が、いそいそと塾から戻ってきて、夜食を取りつつ、お気に入りの嫁の映っているアニメの視聴時間が来たのでテレビにスイッチを入れた。
 アニメの主人公の男性はあまり冴えない容貌で、これといった特徴もない人柄。人によってはへたれと呼ばれてしまいそうな性格である。そして、思春期の学生らしく、女性に自意識過剰になってしまいがちで、リビドーを押さえることが難しい感覚を受ける。
 嫁の傍に近寄って、欲情の視線で盗み見た瞬間……
 なぜか嫁は、激しく暴走し、信じられないほどの腕力で主人公の男性を素手で滅多打ちにし、撲殺してしまう。血塗れだ。鮮血が飛び散って文字通り周囲を塗り尽くしている。付近の壁によりかかるようにして斃れた男性主人公の頭蓋骨は陥没し、はみ出た脳が地面に垂れ下がっている。
 溜まりに溜まってきた怒りか、堪忍袋の緒が切れたように爆発したのか。
 周囲にいた人々は怯え、警察を呼ぶ。嫁は路地裏に逃げ込み追い詰められる。路地の突き当たりにまで行き着いた嫁は逃げ場を失っていた。
 そこにやってくる一人の刑事らしき大男。大男と対峙した嫁は叫んだ。
「私は我慢してただけよっ!私は男の奴隷じゃないっ!男のいいなりになんかならないっ!」
 大男は無言で拳を嫁に叩きつける。逃げ場を失った嫁は、どこから持ってきたのかわからない包丁で自分自身の体を切り刻み、自害した。
 凄惨な現場で取り調べが始まる。テレビ画面を見ていた学生の男は呆然として、一言いった。

「俺、殺されてる」

 以上妄想終了。

 ある若手の女性ニュースキャスターが、自分のいいたいことを表現したところ、職場の男性陣からいろいろといわれたという。あいつは生意気だ。人から言われたことをやっていればいいのだ。女が自分の考えをニュースでいうなどおこがましい、と。結局その女性はニュースキャスターを辞めたという。
 男性視聴者の手前、職場からいわれている手前、規制されているような状況と類似した不満。それが爆発したかのような……その記憶との連想を想起させる事件がイノセンスでは起きている。
 筆者のした妄想を、攻殻という形で表現したら、作品としてイノセンスができあがった。そんな感じがしたのだ。事実としてそんなはずはなかった。先に作品はできあがっているのだから。
 筆者が注目したのは、事件を起こしたのが人間ではなく、女性型ロボットのハダリであったことだ。人間型であっても、人ではないはずだ。しかし、どう考えても筆者からみてハダリは「生々しい女」だった。
 ロボットは怒りで人を殺さない、ロボットは逃げたりしない、ロボットは追い詰められたからといって自壊しない、……そのはずだ。それとも前もってプログラムされていたのか?
 男性視聴者の嫌がる生理現象を行わないため、結果として生きているように見えず、マネキンと思われてしまうアニメの女性キャラクターは、飽くまで人という設定だ。生身のはずなのだ。なのにイノセンスでは人形であるにも関わらず、ハダリは生身の女のように思えたのだ。
 それは様々な人々によって意図的に隠蔽されてきた、剥き出しの人間性が露出していたからではないか?

 イノセンスのワンシーンが回想される。
「ああ、俺もよくやるよ、感想」
「あんた出世しないな」

 義体化率が90パーセントを超えてしまう人間が闊歩する世の中で、人と人形の差は縮まり、曖昧なものになっている。それが攻殻の世界にみえる。では人と偶像の明暗をわけられるものがあるとしたら、それは一体なんなのか?
 そもそも、なぜそのような事件が発生してしまったのか、原因は何か?
 それを追っていくのが、筆者から見たイノセンスである。

 もし、嫁が暴走をしはじめたらどうするか?
「カオがよくてお金持ちで性格のいい若い男なら」
「今まで素振りもみせなかったけど、ほんとは冴えない男と付き合いたくないよね」
 人間からみたロボットの立場は、奴隷だという人もいた。ゴーストを持たぬ奴隷。ではその奴隷が人間性・ゴーストを持ってしまったらどうなるのか。
 アニメの女性キャラは決して男性視聴者の奴隷ではない。ゴーストはすべての女性キャラに宿っている。そういう人もいるだろう。しかし、アイドルとアニメの女性キャラを比較すると完全にそういい切れないところも出てくる気がするのだ。アイドルは実際にいるし生きている。アニメのキャラは生きているとはいえない、と言い切る人も出てくるだろうし、意見が分かれてしまうだろう。
 規制されていたものがなくなったとき、男性視聴者の予想外の言動が出てきてしまったらどうするのか。その時、若手の女性ニュースキャスターの職場にいた男たちのように、お前は黙って男の望んだとおりに動いていればいいんだ、といえばいいのだろうか?
 それとも、受け入れてやるのだろうか?
 薄い本が好きな、アニメ好きの男性たちの欲求を商品化するとどんなアンドロイドが作られていくのかと想像する。答えは、アニメのキャラそっくりのセクサロイドが作られるのではないか。キャラクターが描かれた抱き枕の発展版かもしれない。それと極めて類似するハダリ。
 ハダリから感じた……剥き出しに露出した人間性、そうみえたものが、ゴーストのように思えてしまったのである。ご主人様を殺害してしまったハダリにはゴーストが宿っていた。
 やたらと夜のオカズにされたりしているアニメの女性キャラは暴走しない。
 そこに、ゴーストは宿っているといえるのか?
 その話をしたところ、

『まぁ当然ゴーストが宿っていたから暴走したというのは間違いないですw』
『ゴーストがやどっていて大人しくしているとしたら、よほどのマゾですね』

 という意見が返ってきた。
 嫁に殺されるご主人様を題材にしたアニメを作るあたり押井監督はえぐい。しかし、その意図はどこまで一般視聴者に読み取られているのか。いや、筆者の勝手な想像にすぎないのか?

 そのようなことを夢想していた。忘れてもらってもいいのだが、心のどこかで筆者は問いかけてしまうようだ。


 あなたのハダリにゴーストは宿っているか、と。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ほんとうはイノセンスであり続けたい。

前作『GHOST IN THE SHELL』の続編にあたる映画です。
この映画を初めて観たときにはピンと来ることはなく、むしろ分からなくて、というか伝える気もないその映像に呆れしまい「もう二度と観るかよ」と吐き捨てるくらい不快感を覚えたものでした。
しかし、2年の時を経て見返すきっかけがあったので時間を無駄にする勇気を出して観てみたところそんなに分からないことだらけではないなと思いました。なんだか不思議なものです。

本作は本編の前に15分のプレビュー解説がありますが前作を観た人にはまったく必要はないと思います。
肝心の本編はCGをこれでもかというくらい駆使した映像の中、草薙素子のいなくなった9課の様子を描いていきます。「2501」この再会の合言葉が使われるときが来るのかというところに期待を持てます。
作品の雰囲気はあんまり明るいことはなく、いつもみんな下を見ているようなそんな感じです。
だれの頭の片隅にも常に少佐がいて任務に出る度、何かを考える度に彼女がいればと口にしてしまいます。

ストーリーにもそんなに捻ったところは見受けられないところをみるとやはりバトーと少佐の再会を最も重視していることが分かります。
でもラストのシーンになってようやく話の内容にとりあえず頷くことはできますがいささか無駄が多いような気もします。
本作が何を意図しているかをとりわけ真剣に考える人にとってこれは厄介です。
本当にそうでもしない限り語ることができないのか、難解であるかどうかは別としてももっとスマートに描くこともできるのではないかと思いました。
これもこれから下に書く混乱の要因として多分に影響していると僕は思います。

情報量のとても多いことが1つの特徴でもある押井監督作品ですが本作でもそれは同じ。
けれど本作を観ていてする混乱の一番の原因はそれではなく度々口にされる引用にあると思います。
本作の登場人物たちは人生の警句や人を端的に比喩した言葉を諭すのに使いジョークのようにも使います。
これらが出てくる度に僕らは何を意味しているか考えるのだけれど会話は止まってくれません。
そこにいつまでも引っかかっているとストーリーは川のように流れて行ってしまって見失ってしまいます。
言っていること自体は難解というほどのことではないのだけれど、この会話のリズムに慣れていない、あるいはすぐにこれらに反応できないがために他のことまで整理できなくなり「わからない」と手を離してしまう。これが一番の混乱の元ではないかと思います。僕はそうでした。
ハラウェイやキムの難しい語りよりもむしろこちらの方が厄介に思えます。

初見では僕はこんな感じでしたが、2度目は割とすんなり観ることができました。
やはり押井監督作品は『パトレイバー 2 the Movie』でもそうだったように何度か観ることを自然と強いられます。
厄介な部分が表面化したところで、これから見返す人は短いスパンでしたのでは新たな発見はあまりないかもしれません。
忘れたころに見返すか、嫌悪感がある程度消えてからか、または脳の中である程度整理されてからの方が内容の理解はスムーズにできるかと思います。


この作品に嫌悪感を持っている人も少なくないはずです。
エンタメ要素は皆無だし、内容も鬱屈としている。
けれどもう一度だけなら観てみてもいいのではないかと思います。もう一度だけ。
初めての人はもういっそのこと、「わからないモノ」として観た方がいいかもしれません。あるいは。

イノセンスがいかに大切であるか。それをアニメーションという形で表現した物語です。


{netabare}

押井監督の持つ哲学や人形の考察は他のレビューで語られているので(ロクに読んでいないけど)僕は”イノセンス”に注目したい。
というより本当はその辺は割とどうでもいい。なんとなく掴むことができればいい。がっつりと注目するところではない。
それがどんなに難しく、かっこよく、あなたの頭にこびりついていようとも、それは所詮細部のことだから。
あなたが一番思考する部分や悩まされる部分が主題ではなく、自分自身で作品から拾い集めて考えること、悩むことが主題を見抜くことに繋がるのだから。
よって主題は表面的な意味での「人と人形の違い」ではない。と僕は思うのですが。

まあ色々ありますが、要するにこの映画は何が言いたかったのだろうと表題の通り”イノセンス”を中心に考えてみる。
あまり参考にはならないかもしれませんが。

 ハラウェイやキムが難しいことを淡々と述べたいたのを観た通り、人は知識あるが故にたくさんのものごとを思考する。とりわけ人間に興味を持った彼ら(先駆者含め)はそれぞれの行動に名前をつけその起源を分析する。その行動が何に基づき、何のためにされているのか。さらにそれが進めば僕たちすべての人間は、有効的かつ合理的でもっとも利益を生むことのできるようにプログラムされた遺伝子を運ぶキャリア(乗り物)であるとそう言えるだろう。でもまたそれが違うことも僕らは知っている。恋やセックスが子孫繁栄のためだけの欲望の発露ではないことは少なからず実感している。こんなことは言うまでもない。
 さらに彼女らのその行き着く先はとても寂しい場所だ。ついに彼女は、私はいったい何者なのだろうと自分に問いかける。だんだんと大事なものがぶれ始め、最後には失ってしまう。そして一度失ったものは死んだ後でも取り戻すことはできない。
 イノセンスであること。もしかすると幸せであることの答えのひとつはこれではないか。
 これは考えなしに馬鹿であればいいという単純なことではない。目の前にある事実を、その嬉しさ、楽しさをそのまま受け入れればいいというイノセンスであること(無垢であるまたは素直であることと言ってもいい)を指す。「何のために」なんていちいち考える必要はない。「ここでこの行動をした人間Aに生まれる利益は?」なんて考察する必要もない。あなたが感じることをありのまま抱きしめることこそが人であるということであり、イノセンスの喜びなんだろうと思う。でもそれはすでに失われてしまっている。
 それをもっとも象徴したシーンがラストでバトーが子どもに向かって激高したあのシーンにある。思いもよらないその台詞と怒りの方向にはきょとんとしてしまった人も多いはず。「自爆した人形がどうなるかは考えなかったのか」とセクサロイドのゴーストのために利用された女の子に言うこのシーンはどう考えても普通ではない。
 ここでのバトーの心情を探るのは僕には難しい。でもこれだけは言える。バトーはその生きている生身の女の子より人形の方を大切に思ってしまったのだ。それを「イノセンス」の一言で気づかされた。「わたしだって人形になりたくなかったんだもん!」
 なぜバトーが生身の生きた女の子でもなく、自爆の際に巻き込まれる人間でもなく、まず人形を気にかけたのか。それはやはり草薙素子だろうと僕は思う。バトーは前作から少佐を誰よりも人として扱ってきた。彼女が裸であれば自分の上着を肩にかけ、着替える時には目をそらした。現在彼女はネットの一部であると同時に全てである。バトーは彼女が問題の人形に入り動いているところも見、共に行動した。だからなのだろう。ネットにアクセスできる全てのものは彼女であるようにまた、どの人形にも少佐は入ることができるということ、つまり人形は少佐自身なのだ。身体を持たない少佐にとってそれが「肉体」であるのだから。それに元々は少佐も全身義体であったのだ。それゆえに、彼にとって人形はとても大切な存在であり、それが無暗に壊されることに議論の余地はなかったのだろう。
 しかしその後に少女のイノセンスのこだまに自分が何を愛でているのかを知る。それは人形。おいおい、そんなもんより生きた生身の人間が目の前にいるじゃないかと彼はそこでやっと気づく。
沈黙が降りる。イノセンスの象徴とイノセンスを失ったものと草薙素子の入った人形が静寂を守る。
 バトーの言葉を草薙素子も聞いていたのだろう。バトーはなんとしても彼女のことを弁護したかったのだろう。今現在少佐の入っている人形がでたらめに壊されることは許せなかったのだろう。目の前のこどもを前にして彼の倫理観は揺れる。答えは女の子の言葉にハッとしたときにすでに出ていたのにだ。
 「行くわ」と女は去る。ガラクタは音を立てて崩れ落ちる。その音はバトーの耳に普通ではありえないくらい大きく聞こえたに違いない。


 本作で言いたかったことはおそらく失われたイノセンスの哀しみだ。特にハラウェイは多くの実験の分析結果と明らかになりつつある事実に、その高度な思考ゆえに背負う苦しみを嘆いていたに違いない。たくさんの思考がいろんなことの妨げになることは僕らにだってたとえ、作品内でされた難しい考察なんかしなくともよく分かる。だって生きることに悩まずにいられればもっと簡単に過ごせるだろうし、迷走することもクレイジーな行動も少なくなるはずだから。一神教やオウムやテレビやカリスマの言葉や誰かの言っていたことでも何でもいい。そこに思考を預けることができたら、そこは正しさに満ちていてとても平和で幸せなんだろうなと思う。でもそうしないのはそれが間違っている(あるいは自分が望むものではない)し、自分の足で歩いていない以上生きた心地はしないだろうと思うからである。僕はハラウェイとは違い、救いがためにイノセンスに憧れたりはしない。イノセンスの温かさはもっと別のものであるし、傷ついても強く、タフに生きていくことの方が僕にとって何倍も意味のあることだから。だから僕は進んで砂嵐に入る。たくさん血を流し、骨が折れても歩むことだけは決して止めはしない。人間がどのようなものであれ、失われたイノセンスと共にその苦を背負い自分なりの幸せの答えを探し出す、少なくともその日までは前を向いていようとそう思う次第です。




余談
バトーの感情の考察はあんまり正しくないかもしれません。ごめんなさい。
でも、あの女の子が叫ぶシーンの動きはあれはダメですよね。あんな動きされたら笑っちゃいますよw
そのせいかなー。そこで切れちゃったのかもしれない(人のせいにする最低なヤツw)。

「イノセンス」ということについて僕は色々考えてもみるんだけどなかなか掴めません。すごく難しいです。

『GHOAST IN THE SHELL』はこれからも何度も観ることになるけれど『イノセンス』はもういいかな。
考えてみたら好きなところないしね。まあでも呆れていた人ももう一度くらいは観てみて下さい。
それでは、あでゅー。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

『INNOCENCE』作品紹介と総評+考察「心と身体の観念②」

押井守監督の代表作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の続編。
TV版(SACシリーズ)との繫がりがないため、前作を観ていないと話に置いていかれる事間違い無しです。
前作レビュー:http://www.anikore.jp/review/381599/

(あらすじ)
前作から4年後の2032年が舞台。
少女型の愛玩用アンドロイド「ロクス・ソルス社製 Type2052 “ハダリ(HADALY)”」が原因不明の暴走を起こし、所有者を惨殺するという事件が発生した。被害者とメーカーの間で、示談が不審なほど速やかに成立し、被害者の中に政治家や元公安関係者がいたことから公安9課で捜査を担当することになり、公安9課のバトーは、相棒のトグサとともに捜査に向かう。(wikipedia参照)

理解が非常に困難だった前作同様、今作も非常に頭を使わされました。ストーリーはより難解に、テーマはより不鮮明に、印象はよりダークに…敷居が相変わらず高い作品です。セリフにも過去の偉人の名言などが引用が多用されているのも、さらに敷居を高めてますよね。ただ、押井監督の独特の世界観・台詞回しは健在で、個人的には非常に引き込まれました。

映像や作画に関しては、前作から9年もの期間が経過しているという事もあり、凄く進化していますね。全体的にCG主体の作風に変わり、前作に輪をかけて美麗になっています。東南アジアを連想させる様なエスニックな風景描写もとても好みでした。また、キャラデザに関しては『SACシリーズ』に近い印象を受けましたね。共通の世界観を持たせたいという事でしょうか?

ここで、『イノセンス』という題名の考察をしたいと思います。
本来ならば『攻殻機動隊2』といった、続編的な題名を付けるべきですが、なぜこの題名なのか?

{netabare}一つ考えられる事は、主役が素子からバトーに変わった事。
前作の続編ではなく、スピンオフ作品という意図があった事が考えられます。

そしてもう一つは、題名からその作品の内容を感じ取らせる事。
本作の題名『イノセンス』の意味は”無罪や無心”という物があります。個人的には、後者の方がしっくりしますね。

本作の結末は、アンドロイドに人身売買でさらわれた少女達のゴーストをコピーした事が発端です。自らの人格を失いたくないとアンドロイドに細工をし、救助の糸口を作ろうとしたのです。その行為はもちろん自らが助かりたいがためで、人を傷つけるという可能性については考えていませんでした。つまり”その事以外に心がなかった”ととる事も出来ます。{/netabare}

さて、ここからは『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のレビューでの続きになります。
哲学的解釈になりますので、お堅い話が苦手な方は「戻る」ボタン推奨です…。
今回のテーマは「人の概念」についてです。

{netabare}前作のレビューでは電脳・義体とゴーストを”二元論”を用いて、”心と身体”の関係で考察しました。その結果、”人間と機械の境界線”が曖昧になってしまったというお話でした。

しかし、”人間と機械の境界”が曖昧になった事により、さらに曖昧になってしまったものがあると私は考えます。
それは”人の概念”です。


・死の定義
まずは死の観念について考えていきましょう。
前作のレビューでも比較した”人間と機械”の死について比較したいと思います。

機械についてはそう難しくはないですね。機械の”死=故障”、つまり動かなくなればそれは死を意味すると言ってもいいでしょう。しかし、機械は故障箇所が分かれば、パーツ交換や修理をする事で再び動く事が出来ます。ある意味”永遠の身体”があるともとれますね。

問題は人間の死についてです。一般的には、”生命活動が止まる事”を指すと思います。
人間の場合、年を重ねるごとに老いが生じ、寿命をもって死に至ります。これは如何に医療技術が進歩しようと、超えられない壁だと思われます。つまり、人間は機械とは違い、”永遠の身体(命)”という物が叶わないという事です。

人間の死の定義について論ずれば、”その境界線”をどう捉えるかという問題が生じますが、それについては医学的なお話しになるので…深くは語らないでおきます。


・”二元論”の観点での”死”とは
前作のレビューでも述べましたが、二元論とは”心(魂)と身体(肉体)がそれぞれ存在し、それらの相互作用によって人間の行動は為されるという物です。つまり、人間は”心と身体”が存在してこそ”生きている”と言いう事を体現し、どちらか片方が失われればそれすなわち”死”を意味しています。しかしながら、もちろんこれは”生身の人間”での話です。

本作の世界観では身体は義体化(アンドロイド化)、脳は電脳化(バイオネット化)がされており、体が失われてもパーツを交換する事で修復する事が出来ます。上記にも述べましたが、機械の特性である”永遠の身体”を手に入れてしまったということを表していると思います。

しかし、二元論的観点から考えると、心(魂・ゴースト)が失われれば人間は”死”へと向かうため、”永遠の命”は実現出来ない…と思われるでしょう?
今作ではなんと”ゴーストの複製”が登場してしまいました。人間が生まれながらにして、唯一無二である”魂”までもが複製可能になってしまったのです。これすなわち、”魂”までもがバックアップ(復元)可能ということですね。

こうなってしまうと、人間はまさしく機械と同じく”永遠の命”を手にしたも同然なのです。”人間と機械の境界”が曖昧になると、その存在の定義までが曖昧になってしまう、と私は感じました。

その事が最も顕著に感じられたのは、アンドロイドが自らを壊した現象の呼び方です。
”自殺”なのか”自壊”なのか…行為は同じでも、その意味は全く違うと私は思いました。


・狂った人間の意識
”人間と機械”が混同した事により、死の概念だけでなく”人の意識”も曖昧になり、そして狂ったのではないかと感じてしまいました。それは、人間とアンドロイド(人形)との関係性です。

この事については、本作の登場人物であるハラウェイとキムが語った対称的な人形の美学に注目したいと思います。
子供の人形遊びは子育ての練習ではなく、むしろ子育てが人形遊びの快感の再現だと語る未婚のアンドロイド技師ハラウェイ。そして、人がアンドロイドを愛でるのは、両者が完全なる無意識の存在だからであるとし、自らも意識のない人形になろうとするキム。

両者の意見は異なりますが、その本質は”無意識への愛情”。
”魂”ある人間が、”魂の入っていない(イノセンスな)”人形を愛でるという事です。

”機械に限りなく近くなった人間”は自身の存在の曖昧さの為に、無意識の内に”人間に限りなく近い人形”を愛でる。
”人間と機械”の境界線の曖昧さは”愛情”といった感情までをも狂わすということだと思われます。

そう、狂せるのは人形や機械ではなく、人間の方ではないでしょうか。
人が招く災いは堪えないのかも知れないですね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

67.5 3 アンドロイドで組織なアニメランキング3位
まほろまてぃっく(TVアニメ動画)

2001年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (234)
1477人が棚に入れました
まほろまてぃっくは、マンガ雑誌『コミックガム』に連載された、アンドロイドのハウスメイド(雑役女中)『まほろ』とその"ご主人様"である中学生の『美里優』を主人公としたマンガでアニメ・ゲーム化もされている。
外宇宙からの侵略者に対抗すべく、結成された組織『ヴェスパー』が生み出した最強の戦闘用アンドロイド『まほろ』。残された寿命の短さからその任を解かれ、残された時間の全てを、少年『美里優』のメイドとして、平穏な生活を送るのだが…。

声優・キャラクター
川澄綾子、瀧本富士子、菊地由美、水野愛日、真田アサミ、荻原秀樹、私市淳、高田由美、野田圭一
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あんどろいどはでんきひつじのゆめをみるかー? 

何気にGAINAX×シャフトという豪華布陣でのアニメです。

{netabare}最強のアンドロイドとして、人知れず地球を外敵から守っていたまほろさん。

おまえらしらなかっただろー?
じつはちきゅうはいま、みぞうのききってやつらしくてなー?
このまえなんかえむなーじゅうはちせいうんからきたというちょっとへんなじしょうひーろーのぎんぴかやろーとわれらがまほろさんはきょうりょくしてがいてきってやつをたおしたんだーとくろちゃんがこうふんしながらいってたよー。くろちゃんここんところてつやつづきだったからなー。ちょっとあたまおかしいなー。でもくろちゃんだからしんじるー。

しかし彼女に残された時間は僅かであった事から、そのまま引退をする事になる。引退後の進路を聞かれたまほろさんは、自分の残り少ない稼働時間をある少年の面倒の為に全て費やすことを決意していたまほろさん。何処かの青いタヌキとは雲泥の差である。タヌキは別にメイドではないけど。

あらすじから察するに悲壮な運命を背負っている我らがまほろさんですが、そんな素振りは露ほど見せず、ただただ優のメイドとして、あらゆる家事・雑務をこなし、優に対しても、慈愛の心で接し、エッチな事には『えっちなのはいけないとおもいます!』と有名な決め台詞を以って優にお説教を噛ましてくれるという、なんとも羨ましい日常をコメディを交えて楽しく見せてくれます。個性的な優の友達・先生も交えて、まほろさんは自分の命が尽きるその時まで、今日も元気に甲斐甲斐しくお世話に励むのです。でもえっちなことはゆるしません!

しかしまほろさんは元々は最強と謳われた戦闘用アンドロイドでありまして、時折挿入されるバトルパートではその実力を存分に発揮、圧倒的な身体能力で敵を翻弄し、正確無比な射撃で相手を攻め立てていくその姿はまさに『最強』と呼ばれた、ありし日のまほろさんでした。バトルパートも実にスピード感溢れ、且つGAINAXらしい独特の演出で魅せてくれます。日常パートとバトルパートのギャップが、この作品の魅力でもあり、只の萌えアニメとは一線を画していると言っても過言ではないでしょう。登場する敵・リュウガも世界観に似合わず、冷酷で容赦のない性格の持ち主であり、後半からは前半とはうってかわって、ほぼシリアス展開一辺倒に。兵器としての役割を終え、平穏な日々を求め、実現させたまほろさん。しかしその日々を再び取り戻さんと、まほろさんは敵に立ち向かっていくのです。しかしそんな状況でもえっちなことは多分ゆるしてくれないでしょう!

話はまほろさん中心に回っていくので、回を追うごとに視聴者が知らず知らずのうちにまほろさんに感情移入させていく構成が上手いと思います。まほろさんは後ちょっとしか生きられないんだよというのは、最初から視聴者に提示されていますからね。しかもエピソード終了毎に『まほろさんがその機能を停止するまで後〇〇日』とか聞いてもいねえのにご丁寧に教えてくれる演出がありまして、それがもう切なさを増幅させるというか。だから前半部分であれだけ楽しそうにはしゃいでいたまほろさんが、後半部分でボロボロになる姿は正直見ていられないですね。私の場合、感情に先立つ部分がどうしても見ているうちに出てきてしまって、シリアス展開はそんなに好きになれませんでした。我侭で勝手な願望ですが、是非とも前半の雰囲気のままで最後まで駆け抜けて欲しかった。

OPの『まほろまてぃっく』のロゴが浮かび上がる瞬間にまほろさんがロゴをお掃除する演出も可愛かったですね。これはしっかり、続編の『もっと美しいもの』にも受け継がれていました。良き伝統だと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ガイナ×シャフトの美少女萌え系微エロ戦闘メイドSF感動もの。

 なんとガイナックスとシャフトの共同制作でした。で、監督が 山賀博之氏です。見ていた頃は制作会社とか全く気にしてなかったです。今知ると、なるほどなあ、という感じです。多分、2006,7年ころに見たと思います。当時としてもちょっと古い雰囲気はありました。

 2001年制作ということでガイナックスはエヴァの劇場公開の熱が冷めた時期かと思います。シャフトも知名度の高い作品はほとんどなく、両社の唯一のメジャー?なアニメだったんですね。

 原作は既読です。なお、1期はほぼ原作準拠ですが、2期はエンディングが違います。とはいっても流れはほぼ一緒です。肌色が結構でてきますが、コミックスよりはマイルドです。手元に原作がないので最後のどこが違うかははっきりとは覚えていません。

 プラグスーツ的な戦闘美少女がメイドをやるというエヴァが意味的に解体されて、エロ要素が露骨になってアキバ的なゲーム萌えのような時代という感じでしょうか。自分でも何言ってるかわかりません。エロゲ的なキャラデザも当時のアニメの特徴だったと思います。
 当時のオタクスノビズム的な引用、つまり宇宙戦艦ヤマト的な「まほろ停止まであと○○日」とか、「マジンガーZ」のジェットスクランダーや「バビル2世」のロデムモドキなどが出て来たり、セルフパロディで「来週もサービスサービス」もありました。

 そういう雰囲気の本作ですが、このオタクたちのSF的な情熱が感じられる作りで、基本の設定はかなり面白いです。

 本作は、AI戦闘ロボットものの名作「ビートレス」やAIと人間の交流を描いたこれまた名作の「プラスティックメモリーズ」などの原型と言えます。
 AIそのものの人格の獲得問題や人間との差異などにはテーマが及ばないものの、使命と寿命そして人間との心の交流を描いたエッセンスだけ抜き取るとかなりレベルの高い作品です。
 ストーリーそのものは分かりやすいですが、一方で設定と破綻のないストーリー構成のレベルが高いので、その点で言っても決して浅い話ではありません。

 日常、学園、微エロ、エプロンドレスというアキバ系のメイド喫茶のようなエッセンスで出来上がっているのに、ちゃんとSFで戦闘美少女で感動もあるのが当時のアニメ(原作コミックス)のクリエータのレベルの高さがうかがえます。
 ですので、深読みしなくてもSF戦闘美少女の感動ストーリーという見方だけで十分に楽しめる作品です。

 2期あるうちの前半なのでまほろの素性と敵が本格的に開示される戦闘で終わっていますので、本作だけでの評価は難しいですが、初めの日常系的な雰囲気からどんどんシリアスが加わってくる構成は話として良かったと思います。

 2001年の作品、しかもガイナックスですので、作画レベルは高いです。キャラデザや線の感じで今より劣って見えるかもしれませんが、特にヒロインまほろの作画はなかなかです。
 雰囲気は当時の萌え絵「ギャラクシーエンジェル」「エンジェリックレイヤー」「鋼鉄天使くるみ2式」の時代と言えばわかっていただける人には分かってもらえる感じです。

 ということで、アキバ系の肌色多目の萌え絵と当時のラノベ的ワルノリに拒否感がなければ、楽しめるでしょう。私は秀作だと思っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

ぱるうらら さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

サモン・ザ・シルフィード!!

「まほろまてぃっく」は漫画原作、1クール(全12話)の、ほのぼの日常・SFアニメです。


この作品は、前半部に主人公の“優”とメイド(元戦闘アンドロイド)の“まほろ”、そして優の友人達や先生との『ほのぼのとした日常』を描き、戦闘から退くように命じられたまほろさんがその日常に慣れ親しんでいく過程をクスクスッと笑えるギャグシーン等を交えた物語となっています。
一方、後半部ではそんな日常から離れ、戦闘アンドロイドだった頃のまほろさんの過去。その生立ちや彼女が作られた目的、主人公との関連性を戦闘シーンを交え、前半部におけるちょっとにた伏線を回収しつつシリアスに表現しています。
故に、作品の雰囲気が前後半で一変しており、すると展開が急ではないかと言われるとそんな事もありません。
前半は、まほろさんのメイドとしての日々として取れますが一方で主人公視点の物語とも取れますし、後半は完全にまほろさん視点の物語。それぞれ話のテンポも良かった。
後半への移り変わりはある一人の人物?が原因であり、少々強引だったかもしれませんが、まほろさんの日常が崩れていく過程、また、後半への移り変わりとしては良かったと思います。


キャラに関しては、“まほろ”さんが可愛過ぎ。ビジュアル面で言えばこれ以外ありえません。
あと、式条先生の倫理と言うものを教える公民の教師のはずなのに、倫理に反しまくっている言動をする暴走キャラというのがとても面白くてよかった。
残りのキャラは、あまり目立たなかったのでその2人を引き立てるための役にしか見えなかった・・・。


ほのぼの系の作品と比べてもなかなか観易く、スルスルと視聴が進みました。作品の若干の古めかしさを感じますが、好き嫌いのあまり出ない様なストーリーで楽しめるかと思われます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

60.5 4 アンドロイドで組織なアニメランキング4位
NORN9 ノルン+ノネット(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (197)
1026人が棚に入れました
列強各国が海外に進出した時代。長らく続いた閉鎖された時は崩壊し、革命と自由主義が世界中に広がっていった。新しい価値観はやがて新たな衝突を人々の中に生むのか…。魂と大地が病めるその時、空に光る球体が現れ、世界の囲いを取り去る、あなたは自分という輪の内側と外側どちらが大切ですか?

声優・キャラクター
藤村歩、梶裕貴、下野紘、佐藤拓也、高垣彩陽、小野大輔、斎賀みつき、遊佐浩二、瀬戸麻沙美、杉山紀彰、杉田智和、吉野裕行、阿部敦、市来光弘、浜田賢二、やなぎなぎ
ネタバレ

空知 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

想像以上にスケールの大きな物語に圧倒されました

乙女ゲーム原作。原作未プレイ。

鑑賞を始めてから、話がなかなか見えてこないため、どうしようか迷った作品でした。
ゲームプレイ組でないと話が分からないのだろうかとも思いましたが、結果的に最後まで観てよかったと感じています。途中で視聴断念した方の気持ちもよく分かります。
視聴には集中力が必要ですし、観ようという決意がないと完走できないと思います。
未プレイ組には、一度観ただけでは分からないほど複雑です。私の場合、もう一度見直したくらいです。2度目には見落としの部分も発見し、ようやくストーリーが掴めたものの、今なお不明の部分があります。

作画は、キネマシトラス×オレンジ。とても綺麗です。

話自体が謎謎のようになっているため、私の場合は、全貌を知りたいという好奇心が視聴意欲に拍車をかけました。
ミステリーではないのですが、ストーリー構成自体が謎に満ちた仕掛けになっており、「最後まで観て話が分かるのなら、この謎解いてやろうじゃないか」という好奇心旺盛な方にはおすすめです。

乙女ゲームらしく、男子は当然イケメン揃いですが、女子3人がとても魅力的なキャラクターです。

本作では、メインヒロインが「こはる」になっていますが、ゲームでは七海、深琴ルートもあるようです。
個人的には、七海が好み。どことなく綾波的で、謎めいた感じがよかったです。
まあ、アニメ化するに当たっては、こはるをメインヒロインにするのが一番無難だったと納得。

絵も綺麗、音楽良しですし、実に丁寧に作られており、予算をかけているんじゃないかと思います。
ストーリーもしっかりしていて見応えのある作品です。

一点だけいただけなかったのは、{netabare}一組の男女がイチャイチャしすぎで、あれではバカップルです。ただ、孤独が長かった彼女には、それほど相手を深く想う気持ちのわけも理解できます。{/netabare}しかし、せっかくの壮大な世界観なのですから、恋愛を控えめにすれば観やすかったのにといういう思いが残ります。

ラストも恋愛で終わったのは仕方ない幕引きですが、もう一工夫あればと残念。ただ、全体的には良作だと評価は高めです。

OPは、やなぎなぎの「カザキリ」。謎めいた歌詞で、曲の雰囲気も幻想的でストーリーにピッタリ。
やなぎなぎは、作品の中で声優としても活躍しています。

EDは、織田かおりの「ゼロトケイ」。この曲にはハマリました。
素晴らしい曲で、この壮大なストーリーにピッタリの曲であり、2016冬のアニソンでは一番好きになりました。
ダウンロード版を購入したほどお気に入りで、個人的には、べた褒め状態です。


ストーリー:ネタバレ注意です!

!いつか視聴予定のある方は、以下を読まないでください!

【ノルン+ノネットは、ネタバレしてしまうと全く楽しめなくなるほどネタバレ厳禁の作品です】


{netabare}人類は世界大戦のような悲惨な戦いを防ぐためにリセットという操作を行ない戦争を回避してきたという歴史ループ作品です。登場人物たちが生きている世界は大正時代になっていますが、実際は3度目の歴史の中にあり、西暦8075年になります。リセットを行なうためには、愛音というアンドロイドが必要であり、そのアンドロイドがノルンという船に集められた9人の能力者の力を使う必要があります。船に乗っている能力者の能力は、

こはる:火で全てを焼き尽くす
久我深琴:結界を張る
不知火七海:記憶を消去する
結賀駆:緑を操り、植物の生育を促す
宿吏暁人:水を操る
遠矢正宗:過去を見る
二条朔也:未来を見る
加賀見一月:人に睡眠時の夢を見せる
乙丸平士:テレパシー能力

鈴原空汰という小学生は能力がないため、どうして船に乗っているのだろうかとずっと謎だったのですが、後半になってその謎が明かされます。彼は愛音を作った天才科学者のDNAを持った人物なのです。

歴史を操作する側の集団を「世界」といい、この「世界」がノルンに乗船している9人の能力者にリセットするかどうかを確認します。全ての能力者の同意があってリセットが行なわれるのですが、リセットに同意すると、自分の記憶が失われてしまいます。

ここで、「こはる」と「駆」の恋愛に絡んできます。
二人は船の中でお互いを想うようになるのですが、いざリセットを行なうかどうかにあたり、こはるはリセット後の世界がどんなものであるかを見ることになります(理由は不明)。

そのとき、こはるは、「駆くんのいない世界なんていやあーーーーー!いやぁ!!いやぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーー!!」と絶叫し(ここは笑うところではないのですが、私は笑ってしまいました)、能力である火を放ち、なんと船を燃やしてしまうのです!
こはるの駆を思う愛のすさまじさに圧倒されてしまいます w|;゚ロ゚|w
可愛い顔して、こえーな ∑(゚□゚;)

船から能力者達は逃げることに成功するのですが、駆だけが不明となります。こはるは駆を探しに後日船に戻り、半年後に駆が無事帰ってきます。
駆が「俺の名前、もらってくれない?」という場面で話が終わります。

このほか、「旅人さん」という「こはる」を船に乗るように言って去っていった男性(実は、駆の父親)や、深琴がいるノルンの「世界」とは対立していた側の男子との恋?、宿吏暁人と弟の関係、そこにまつわる不知火七海との過去などは、話が長くなりすぎるので省きます。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

やっぱり女性&原作組向けかも

8話までの感想はそのまま残して、視聴後の物語の感想を続きに書きます。

やっぱり視聴途中でコメントを書くのは止めといた方が良いかも...と思ったり。。

この辺は今後どうしようか、難しいなぁ。



乙女ゲーム原作のアニメ化作品、ということで当然女性向けなアニメなんでしょうが、

とりあえず興味本位で視聴開始。

雰囲気は幻想的な感じで、悪くない。

こういう雰囲気はいわゆる「男向けアニメ」ではあんまり見られないですね。


☆物語☆

「能力者」と呼ばれるイケメン男子9人と、可愛い女子3人が「船」という球体型の空飛ぶ乗り物に乗って、

どこかに向かっている...というくらいしか分からないまま謎だらけ。「世界」とは何なのか?

キャラクターの過去、回想なんかもちょこちょこと出てきてはいるが断片的で、

いったい物語とどのように繋がるのか、人物関係含めてなかなか読み取れないまま、

男女がいちゃつき出したりして...こりゃぁ切る人続出だろ(男は)、と思いつつ観てましたが、

ようやく8話で世界観の説明があり、物語の本筋が見えてきた感じ。

なるほど、そう来たか、と。

後半一気に伏線が繋がって盛り上がってくるか、期待したいところ。


☆声優☆

女性向けアニメ、に相応しい男性人気声優たちの起用に抜かりはない感じだが、

なかなかバリエーション豊かなんじゃないかと思う。

OPを歌っているやなぎなぎさんが、声優としても参加しているのは興味深いけど、

最終話観て納得した。


☆キャラ☆

謎が多くあまり掘り下げも無いので、なかなか魅力が伝わりにくいところだと思うが、

女性からすればイケメン揃いの男子の中で、お気に入りが見つかれば良いのでは、と言う感じ。

主人公?のコハルはちょっとアホっぽいというか、ぽわっとした感じのキャラだが、

印象としては、うたプリの主人公とかとかぶる感じ。

女性向けアニメでの女主人公って、だいたいこういう我の強くない、

空気っぽい感じのキャラが多いように思うけど、これはある意味お約束なのかも。


☆作画☆

背景がなかなか味があって、全体的に淡い色使いが雰囲気を作り出すのに効果的に作用していると思う。

キャラデザインもクセがなく、男女とも綺麗に描かれているといった印象で平均以上かと。

CGはオレンジが担当、こちらも違和感のない作りでよくできてる。

正直あまり馴染みのない制作会社だなと思っていたけど、大手と何ら遜色ない出来で驚いた。


☆音楽☆

OP、ED共に本作の世界観によく合っていて、しっとりと聴かせる趣きのあるもの。

EDを歌う織田かおりさんは2007年の「バッカーノ」以来のアニメとのタイアップ曲みたいだが、

かなり良い歌い手さんですね、もっとアニメの曲歌ってもらいたいと思った。

EDの歌詞は8話を観た後だと、よく作品にリンクしているなと実感できた。

作中のBGMもムードを大事にした感じは好印象。



---8話以降の物語の感想---

なかなか物語の本筋が見えなかったんだが、8話でようやく目的が理解でき、

乙女ゲームっぽくないSF設定に良い意味で裏切られ、その後を期待したんだけど、

やっぱりと言うか、乙女ゲームの範疇の予定調和内に収まってしまったような展開には少々残念。。

簡単に言うなら、とにかくSFを恋愛要素で綺麗にまとめてみました、的な感じ。


男は過去の女に未練がましく囚われる、と言うのは、女性と違ってそういう生き物だから、

ある意味仕方ないし、自分もこれは共感できるところなんだが、

カケルのオヤジ...いつまで引きずってんだよ(笑)

これ、女性から見て嬉しいの?ヒクの?どっちなんだろう。。


で、人類の未来や大転換を左右する決断(リセット)が、能力者のさじ加減と恋愛感情で決まっちゃうって...

結果はああなったけど、これはちょっといくら綺麗に描いてるといえども雑かなぁ。。

ていうか、自分だけかもしれないんだけど、そもそもコハルがカケルにそこまで惹かれる理由が、

イマイチよく分からないんだよなぁ。。

これは女性なら共感できるところなんだろうか、自分が鈍いだけなのか。。


最後は恋愛モノとして綺麗過ぎる感は感じるものの、うまくまとめた感じだけど、

前半の解り辛さやリセット関連のくだりとイケメンキャラたちの掘り下げ具合などを観る限り、

原作やってる人向き、もしくはゲーム買ってくれってことなんだろうな、というふうに感じた。

まぁ原作ファン&プロモーション的な意味合いでは、決して失敗していないと思える仕上がりかと。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

綺麗で緻密・・・溜息しか出ないほどキャラデザに惚れ惚れしちゃました^^;

この作品の事で知っていたのはオトメイトさんの作品である・・・という事だけです。
オトメイトさんの作品は、これまでAMNESIA、BROTHERS CONFLICT、DIABOLIK LOVERSと視聴してきて、これが4作目の作品になります。これらの作品には共通点が2つあると思っています。
一つ目主人公は女性でたくさんの男性に囲まれている・・・しかも男性はみんなイケメン・・・これは所謂逆ハーレムというやつなんでしょうか^^;?
純情可憐で儚げ・・・風が吹いたら飛ばされてしまいそうな弱さと脆さを併せ持つ女性・・・
逆ハーレムの主人公は、ハーレム主人公の無双系とは対極に位置するんですね^^
男性を対象としたハーレム作品があるのだから、その逆もあって然るべきだと思います。
そして共通点の2つ目はどれもキャラデザが半端無く綺麗・・・という事です。
キャラデザだけで魅入ってしまいそうな作品・・・がオトメイトさんの作品に対する私の印象です。

でも、この作品は先の3作品とは少し異質です・・・なぜなら登場する女性キャラが一人じゃないので・・・^^
この作品では11人の少年少女が「ノルン」という空飛ぶお城の様な乗り物で世界を旅する物語です。
11人の少年少女はそれぞれ「特異能力」の持ち主でもありました。
彼らは同じ特殊能力の仲間を集めながら旅を続けてきました・・・まるで運命に導かれるように・・・
そして最後の一人である「こはる」がノルンに乗り込み・・・物語が動いていきます。

一つの場所に集まった11人の少年少女・・・彼らは見ず知らずの人達だけで構成されている訳ではなく、中には消えない確執をお互いの胸に刻みあった同士や、幼い頃に交わした約束を忠実に執行していたり・・・そのため、相手によってお互いの関係がとてもいびつに歪んでいるんです。
その関係が物語の進展と共にどの様に変化していくかが見どころの一つだと思うのですが、正直この作品は尺の足りない系の印象です^^;

主要登場人物が11人・・・それが3人の女性を軸に物語が回りだすという展開は悪くありませんでしたが、この展開で11人を描くなら間違いなく1クールでは短かったと思います。
制作側もそれを意図して特にスポットを当てるべきキャラを重点的に描いていたのは理解できます。
でもそれぞれ背負ってきた過去・・・そしてこれから紡ごうとしている物語は当然一つじゃないので、規模の拡大した物語をしっかりと受け止める事で物語が流れていくのだと思うのですが、この作品ではそこに尺の限界があったように感じました。

それに11人以外にも物語の中で鍵となるキャラも出てきてましたし・・・
こうして振り返ってみると、ゲームって物語の内容がアニメより深いんですね^^;
でも、ゲームでは3人の女性を攻略する内容の様ですが、アニメを見た限りだと攻略する・・・は個人的に路線が違うように思いました。
攻略って、相手から何かを攻め取ったり相手を打ち負かすこと・・・じゃないですか。
彼らの抱えていた確執は攻略したら払拭できる・・・そういう類のモノでは無いと思っていたので。

尺の足りなさによる説明不足は否めませんでしたが、それでも毎週結構視聴を楽しみにしていたのは、惚れ惚れするようなキャラデザと声優さんの演技・・・そしてサプライズがあったからです。
そのサプライズが気になる方は是非本編をご覧下さい。
エンドテロップを見たら・・・きっとビックリすると思います^^
一度知ってしまったら、もう気にせずにはいられません・・・^^;
毎週の出番が楽しみでした^^

オープニングテーマは、やなぎなぎさんの「カザキリ」
エンディングテーマは、織田かおりさんの「ゼロトケイ」
どちらも発売当日に購入しちゃいました^^;
やなぎなぎさんの曲は抜群の安定感・・・思い切り身を委ねながら聞いています。
今期のアニソンBEST10に入る事間違いなしです。
ゼロトケイも私のツボに入る曲でした。

1クール12話+総集編1話の作品でした。もし総集編ではなく本編として描かれていたら・・・とも少し考えましたが、この物語をしっかり描こうとするときっと+1話くらいじゃ足りなさそうですね^^;
こういう作品がしっかりと尺を取って制作されると視聴者としてはとても嬉しく思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

64.2 5 アンドロイドで組織なアニメランキング5位
まほろまてぃっく もっと美しいもの(TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (116)
627人が棚に入れました
本作は、2001年10月~2001年12月に放送された「まほろまてぃっく」の続編。
リューガとの対決を終えたまほろは再び平穏な日常生活を取り戻す。そんな折、彼女たちのもとへ管理者から逃げてきたというサイボーグ・みなわが現れ、まほろの妹としてかくまうことに。敵対していたリュウガもまほろ達に心を開くようになるが、地球を外敵から守る目的で存在している管理者とのさらに激しい戦いが展開していく。

声優・キャラクター
川澄綾子、瀧本富士子、清水愛、高田由美、菊地由美、水野愛日、真田アサミ、石塚運昇、荻原秀樹、私市淳、野田圭一、子安武人

紫煙の心 by斑鳩 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

ドタバタラブコメディー?

たぶん1期も含めリアルタイムで視聴していたら高評価していたんだろうな
もし、今この作品を新作として放映されたら間違いなく
「これ同人作品かな?」などの酷評して低評価にしただろう。

10年以上前の作品なのであまりケチをつけたくは無いが
ある意味すごい作品ではある。
まず声優陣の違和感のある不自然な演技がひどすぎる、もしかすると
そういった演出なのかも知れないが、リューガ役の子安武人さんやスラッシュ
役の野田圭一さんはそんな様子は無く違和感を感じない演技なので作品独自の
演出ではないと思う。
まほろ役の川澄綾子さんも時々、稽古が足んないのかな?と思う微妙な演技の
時がある、その他のキャストで現在でも名前を良く見る、真田アサミさんや
清水愛さん以外が耳障りなぐらいの違和感のある不自然な演技でした。
もっとも二人ともほとんど決まった台詞を繰り返すだけなので判断しようが
無いが・・・(笑)

アニメーションの方も動画は止め絵を多用する手抜き的な演出がとても
気になる、まぁ製作がGAINAXとシャフトなのでしょうがないかなと思うが(笑)

ストーリーは原作がまだ未完の状態の中でよくまとめたなと思うが
最終話で無理やり陳腐なハッピーエンド?みたいな落ちをつけたそんざいな
ストーリーがとても残念。
原作がどんな終わり方をしたかは知らないが、もう少し捻った
ストーリーにして欲しかった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

最強メイドまほろさん

原作未読 全14話+総集編

ガイナックス×シャフト制作、キャラクターデザインがストパンやビビットの高村和宏さん、OPの絵コンテにはエヴァ監督の庵野秀明さんと豪華な制作陣で作った作品です。

「ヴェスパー」「セイント」「管理者」という組織が陰で争う世界、「ヴェスパー」の最強のアンドロイドで主人公の安藤まほろさんが任務を終えて、余生を美里優の家にメイドとして優のクラスメイトと先生wなどのドタバタラブコメの2期です。

アンドロイドと言いますが、ほとんど人間と変わりません。
今回は訳ありアンドロイドみほろが登場します。

お話は日常ラブコメがメインですが、バトルシーンもあります。
やっぱりお風呂のシーンが多いですねw

10話以降ははシリアスなシーンが多くなり、結構ウルウルする場面もありました。{netabare}でもいきなり20年後ないですよね〜優変わりすぎ、先生変わらなさすぎw{/netabare}

なかなか面白い作品でした。

可愛くて、ドジで、心優しく、心清らかな心を持つまほろさんともし出会う事があれば観てくださいね。

OP まほろさんの中の人である川澄綾子さんが歌ってます。さわやかな曲です。
ED パレードのような曲です。まほろさん以外の女の子キャラの中の人が歌ってます。

次回予告とサテライトポエマーというコーナー好きでした。

最後に、えっちなのはいけないと思いますw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

おきらく さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ほのぼのからシリアスへと急展開へ

一番の失敗だったのが、原作よりも先に結末ができたことだと思います。
先に進みすぎ。原作者の、じったま先生は、どう思ったのでしょうか?

最終話も賛否があるが、たいていの場合、リアルタイムで見た人にとっては、ショックな内容。当然、この最終回だけで、いや11話のラストで、優さんを守るために大爆発した時点で、リアルタイムで見た人には(?)。何がおきたのか!というショック。最終話の初めは別のアニメ作品のような雰囲気。優さんの人格が、やさぐれた青年へと変化しすぎ。最終話は不評だというのは誰もが知っていると思います。

実は「まほろまてぃっく」は、3期くらいかけても良かったような気もします。大人の事情もあり、たいへん難しいと思いますが、即急すぎたと思います。

何もベタなハッピーエンドが良いとは思いません。本当にラストのラスト、まほろさんが復活して再会したところだけに救いを感じました。この辺の演出が、もう少し良ければ、良かったような気がします。

最初は良かったけど、最後になってこけてしまったような気がして残念に思います。個人的には思い出の作品で、十年前にDVDを何度も繰り返し見ました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

58.8 6 アンドロイドで組織なアニメランキング6位
コヨーテ ラグタイムショー(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (64)
307人が棚に入れました
人類が外宇宙にまで進出し、己の運と腕だけで一攫千金を夢見るコヨーテと呼ばれる無法者達がしのぎを削る、宇宙開拓の時代。銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星グレイスランドには、伝説の海賊王ブルースが遺した100億宇宙ドルが眠っていると噂されていた。コヨーテならばその名を知らぬ者はいないと言われている、通称ミスターとその仲間達は、ブルースの娘である少女フランカと共にブルースの遺産の回収に挑んだ。犯罪集団クリミナルギルドのマルチアーノ率いる殺し屋集団も、ブルースの遺産を狙って動き出す。しかし、統合政府は戦争を終結させる為、グレイスランドに光子爆弾を投下すると宣言。

声優・キャラクター
大塚明夫、広橋涼、堀内賢雄、関智一、湯屋敦子、下屋則子、沢海陽子

rurube さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アニメ史上屈指のシーンがある。

アニメ作品において数字が付く組織・異名は多い。
1 ゴルゴ13    一人の軍隊
2 パトレイバー   特車2科
3 機動戦士ガンダム 黒い三連星
4 セーラームーン  外部太陽系四戦士
5 北斗の拳     南斗五車星
6 マシンロボ    デビルサターン6
7 銀河英雄伝説   獅子の泉の七元師
8 エイトマン    エイトマン
9 甲殻機動隊    公安9課
10ジャイアントロボ 十傑衆
11ガオガイガーFINAL  ソール11遊星主
12コヨーテラグタイムショー マルチアーノ12姉妹

マルチアーノ12姉妹の登場シーンはアニメ史屈指の名シーンだと個人的には思っている。しかも一話目なのもポイントが高い。
全体としてむかつくキャラ達のどうでも良い会話から刑務所の上空から12姉妹が円になって降下してくるシーン。音楽もカメラワークも12姉妹の動きも全て神がかっている。円になって降下してきていたはずの12姉妹が次のシーンでは横一列になって胸に手を置いて祈っている。普通に考えたらありえないはずなんだけどこれぞアニメ。圧倒されるから小さい事はどうでも良いと思わせる程のスタイルッシュさ。
どこか良いシーンがあるとそこまで悪く言わないのが個人的なスタンスなのと実際にこのシーンはまず観て損は無い。
実際に全体的に面白い作品より何処かで燃え尽きている作品の方が評価高いべきだと個人的には思っている。ただ面白い作品て記憶に残らないから。
観た事ない人はこのシーン20秒ぐらいだから是非観て欲しい。
1話目の後半2分目位から。ついでにニコニコ動画には登場シーンだけの動画がある。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ufotable版カウボーイビバップ

このアニメは簡単に言えばufotable版カウボーイビバップでしょう。

ufotable代表近藤光氏がプロデュース、構成、脚本、作詞ともう自分の好きな事をこれでもか!と盛り込んでいるのが伝わってくるというか。

コヨーテと呼ばれるならず者集団のベースは特攻野郎Aチーム。
主役のミスターはハンニバルのまんま。
ビショップとカタナはなんとなく白バイ野郎ジョン&パンチの雰囲気もある。
ブルースの最初の子分のスワンプはブルース・ブラザースで牧師役だったジェームズ・ブラウンだろう。

キャラデザは平井久司氏風でCV広橋涼ちゃんのフランカはめちゃくちゃかわいい。

1話のインパクトは特にすごくて、俺たちは天使じゃないも醸し出しつつ、ナウシカのオームかよ!?
マルチアーノ12姉妹なる殺し屋集団の登場場面は、フタコイオルタナティブのOPだよな(笑)
女性捜査官アンジェリカの補佐役のチェルシィのちょっと間が抜けた感じはR.O.D 大英図書館のウェンディだよ(笑)

銀河統合政府と植民地解放軍の間で戦争が続く惑星に隠された遺産を巡っての三つ巴の追跡劇は、途中ちょい緩い回もあったけどそれほど気にならなかったし、ミスターとアンジェリカの追いつ、追われつだけではなく、カリ城のクラリス状態。やつはとんでもない物を盗んでいった。貴方の…
自分好みの内容だったので文句無しです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

2010sw さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

大塚明夫ショー

自分の車のナビは、こんな風にナビる。
”おい! グズグズしてると敵に発見されるぞ!!”
大塚明夫の声だ。
高まるキンチョー感とアドレナリン。
一体誰と戦っているんだ??
どこなんだここは!?

ほどなく認識する。
大塚明夫ワールドじゃないか!!。
同じ感覚である。

この作品は、コヨーテラグタイムショーと銘打っているが、
正しい読み方は オオツカアキオショー だろう。
まさに一部の隙も、そう敵に発見されることも無く
嵌りに嵌ったアキオdeショー。

ファンの人は当然ご存じと思うが
大塚明夫に興味を持った人は、一見おススメ。
そうだよな、ブルース。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

63.2 7 アンドロイドで組織なアニメランキング7位
キューティーハニー(TVアニメ動画)

1973年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (41)
225人が棚に入れました
ミッションスクールに通う女子高生・如月ハニーは如月博士が作ったアンドロイド。彼女は体内に装着されている空中元素固定装置の力で女戦士キューティーハニーに変身し、空中元素固定装置を奪おうとする世界の犯罪組織パンサークローと戦う。

声優・キャラクター
増山江威子、富田耕生、森功至、沢田和子、吉田理保子、つかせのりこ、渡辺典子、北浜晴子、津田延代、山本圭子、中西妙子

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

8時だよ全員集合に対抗?

土曜の8時30分だったよね、1973年当時観てた(笑)、裏の全員集合はたしかにバケモノだったかもだけどマンネリ感もあったしね、ってよりやっぱ変身シーンだよね、当時としては脱ぎっぷり気前良かった、永井豪氏面目躍如、原作本では変身途中素っ裸になった時運悪く?空中元素固定装置壊れたりね、
こちらの成分でも「エロ」で(笑)別に異論はないし言い訳でもないんだけど、
亡くなった娘の代わりに造られたアンドロイドなんだよね、
人ではない、人になれないって処、
アンドロイドものに共通した哀愁みたいなものがあったような、
エンディングテーマもそんな感じだったかな、

元々はスッチーとかモデルとか変身願望叶えるという事で少女向けに企画されたらしい、20年時隔て1997年セーラームーンの後番組で描かれた「キューティーハニーF」で当初の企画が生かされたって事なのかな、
当時裏番組対抗上インパクト付加な意図もあってかこうなってしまった昭和の怪作だったけど、
その後OVAや実写で印象的なOPテーマ曲と共に幾度もリメイクされてるし、魅力ある作品だったって事なんじゃないかな~、
デビルマン、マジンガーZ、当時の永井豪氏は凄かった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

カミタマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

世界を救う空中元素固定装置

ハニーフラッシュって結局着替えるだけじゃないの?って昔思ってたw

空中元素固定装置って中学校くらいで意味が分かりました。ふむふむ。

空中の元素を固定するという事は・・・空中の二酸化炭素を消費してダイヤモンドと酸素を作り出すという事になるのでは?

如月博士!大変です!!あなたの発明が地球温暖化への決定的な対策になります!!

パンサークローの皆さん!皆さんの欲望が地球を温暖化から救い,ついでにダイヤモンドを手に入れさらに二酸化炭素排出権取引によって巨万の富を築けますよ!!!

OP 「キューティーハニー」はサイケデリック!!
ED 「夜霧のハニー」泣ける!!ムード歌謡っぽいけど^^;

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

天神 羅愚羅 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

そうよ 一人なら いつまでも泣ける

・・・改めて考えたら、空中元素固定装置って究極のご都合主義だよね(゜-゜)
 
美少女戦士の元祖ですね(゜∀゜)
さすがにおいらの年代はまともに観れなかったんじゃないかな?(^_^;)
 
ちょいと調べてみたら、土曜の20:30に放映されてたんですね(゜Д゜)
本放送で観てないわけだ(゜Д゜)
メディアミックスとして企画された作品なんですね。
放送時間を考えると、もともと高年齢層をターゲットにした作品だったんですね(゜ω゜)

 夏休みなんかに必ずといっていいほど再放送していました(´ω`)
思春期手前の少年のいいお供でしたよ(´ω`)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
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