ハートフルでファンタジーなアニメ映画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のハートフルでファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月17日の時点で一番のハートフルでファンタジーなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.6 1 ハートフルでファンタジーなアニメランキング1位
planetarian ~星の人~(アニメ映画)

2016年9月3日
★★★★☆ 3.9 (373)
1897人が棚に入れました
始まりは、どこかの国が放った遺伝子細菌兵器であった。やがて、その報復として核弾頭が使われ終わりのない世界大戦がはじまった。地上では星すら見えなくなり、雨が降り続く世界へと変わっていった。滅びゆく世界の中、空から降り続ける雨は、気が付けば雪へと変わり人々の暮らしは地下へと移っていった。
かつて貴重物資を回収することを生業とし“屑屋”と名乗っていた男は、若いころあることがきっかけで、多くの人々に星の素晴らしさを伝えるようになり、訪れる集落で星の世界を語り継いでいった。いつしか人々は彼のことを“星の人”と呼び、敬うようになった。そんな彼は、ただ一つの“心残り”を持ちながら、世界を旅していたが、志半ばにして行き倒れてしまう。
一方、地下集落に住むレビ、ヨブ、ルツは外の世界に興味津々。大人たちに隠れて、地下の集落から抜け出て外の世界を探索していた。降り積もる雪の世界の中で興奮冷めやらぬ中、三人は埋もれていた一人の老人を発見する。
彼は、三人に助けられて、無事一命をとりとめた。そして、村の長エズラと話をしていく中で、彼が星の人と分かり歓迎されることになる。
「あなたを歓迎します、星の人」

無邪気に話しかけてくる、レビ、ヨブ、ルツ。三人と話していくうちに、若いころ自身が訪れた【封印都市】のことを思いだしていった。そこは、世界大戦初期の遺伝子細菌兵器の影響で、人々から放棄された街。彼は、まだ見ぬお宝を求めて、探索していた最中、追跡していく戦闘機械(メンシェン・イェーガー)から逃れて、デパートのプラネタリウムに迷い込んだのだった。
そんな彼の前に、一人のロボットの少女が現れた―。

「プラネタリウムはいかがでしょう。どんな時も決して消えることのない、美しい無窮のきらめき……。満天の星々がみなさまをお待ちしています」

星すら見えなくなった滅びゆく世界で、彼は何を見たのか。

一人の男が生涯を賭して旅する中で、出会ったものとは ― 。

声優・キャラクター
すずきけいこ、小野大輔、櫛田泰道、滝知史、佐藤利奈、篠塚勝、福沙奈恵、日笠陽子、津田美波、石上静香、桑原由気、竹口安芸子、大木民夫

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

星とAIと浜松と

<2018/11/18 初投稿>
原作はゲームらしいですね。

keyのアニメは根本的に自分と合わないようなのですが、本作は完走できました。
珍しい作品です。

keyが苦手な自分がなぜ見始め、なぜ完走できたか

・星やプラネタリウムが好きだから見始めました
・よく知ってる場所が出てきたので見続けられました
・シナリオが落ち着いてて良い感じだったので完走できました

核や細菌兵器かな、などが使用された戦争により荒廃した地球が舞台。

おかげさまで、常に空は分厚い雲で覆われ、
寒冷化が進み、
シェルターの外はマスクなしでは生きられない、
ナウシカの世界より住みにくそうな世界になってます。

当然、星空なんか見えない。
つまりそこに生きる人々は
「星空なんて見たことないから知らない」

そんな世界のお話です。


というわけで気になったポイントを二つほど

まずは「よく知ってる場所」のことからです。
予備知識無しにボーッと見てたら「封印都市」のシーン。

あれ?これ、アクトシティだよね。
これは松菱デパート?
市街戦もこれはどう見ても「浜松市」の駅そばだ!
テンション上がりましたよー。
だって私、浜松出身ですから。

浜松って特筆するようなもんが鰻と餃子くらいしかない地味な街なんで、まさか映像作品に使われるとわっ!

でもよくよく考えたら、枯れて寂れた「封印都市」にぴったりのロケーションかもしれません。
だって全く盛らずに現実のまんまでも十分に枯れて寂れてるし 笑。
人口は60万くらいいるはずなのに豪勢に再開発されたはずの浜松駅周辺の寂れっぷりはなかなかのもんですよ。

評点は浜松補正で少し高めです 笑


もう一つはAI

「自我を持つ一歩前のAI搭載ロボ」という今の時代にマッチしたテーマを扱ってます。

昨今のAIブームの前から様々な映像作品で「自我を獲得したAI」が描かれてます。
ですが、「その一歩手前のAI」を取り上げ上手く物語にした作品は意外と少ない。
そんなところが気に入ってしまいました。

ほしのゆめみというゆるキャラみたいな名前の自立型の案内ロボが出てきます。

お客さんの質問や要望に都度応える学習機能付きの人型チャットボット。
チャットボットとしては今実用化されてるものよりちょっと高性能な感じ。
なので明確な自我はありません。
ロボとしては人間そっくりの外観と挙動で、現在より格段に高いレベルにあります。
これが本作のヒロイン。

封印都市で半ば朽ち果てたプラネタリウムに配置されたままほったらかしにされてました。
何十年も放置されてたせいか壊れかけ。

主人公はこの壊れかけのRadioなゆめみさんと出逢います。

今、AI業界は機械学習の面で大幅な飛躍を遂げました。
データを与えると自分で考える機能のこと。
でも人間のような自我を獲得するにはまだまだ道のりは遠いようです。
そこで自我を持つAIの前に「意味を理解するAI」の開発が必要とか言われてるそうですが、これが猛烈に大変らしい。
10年や20年のスケールじゃ無理なんじゃないのという声もあるそうです。
(つか、「意味を理解できたら自我の獲得と殆ど同義なのでは?」と私なんかは思ってしまうのですが。)

ゆめみさんはまだ「物の意味を理解する」能力までは獲得していないようです。
ですがその一歩手前ぐらいまで行っている感じ。
主人公が求めるものを必死に理解しようとしてるようにも見えます。

そんなゆみめさんと触れ合ううちに主人公はゆめみさんに「自我」のようなものを感じてしまったようです。
チューリングテストのように。

そんな二人のやりとりが物語になっていくわけですが・・・



不満もあります。

正直言えばキャラデザイン苦手ですし。
シナリオも後半はちょっと冗長。
最後の方はしっくりとはきませんでした。

でも、
チャレンジングなテーマで、
上手くまとまっていて、
ちょっと心に残る。

そんな良作だと思います。

<2018/11/18 追記>
主人公の声を大木民夫さんが演じられてたのを思い出しました。
昨年他界された名優です。
それこそ数えきれない数の役を演じらた名バイプレイヤーでしたが、個人的には「灰羽連盟」の「話師(わし)」役が心に残ってます。
本作、大木さんの主役でしかも遺作というだけでも作品の価値が上がってると思います。
なので評価値を引き上げました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

その一言が聞きたくて…

この作品は、「planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜」の続編に位置する作品です。
物語の内容に繋がりはありますが、本作品でも振り返る事になるのでこの劇場版から視聴しても問題無いと思います。

物語は「ちいさなほしのゆめ」から「星の人」へと繋がっていくのですが、ほしのゆめみとの出会い…そして無窮に煌めく星々は「屑屋」を生業としていた男の人生を大きく変えることとなりました。

we配信版の5話のラストで「俺は星屋だ」と応えた男は、星の美しさを伝えるため世界中を旅していました。
彼にとって星の美しさを伝えるのと同じくらい大切なのは、あの日交わした約束を守る事…

きっと何度も諦めそうになった事があると思います。
でも、荒みきった心に安らぎと彩を与えてくれた彼女と彼女が紡いだ星の物語が、諦めそうになる心の抑止力になっていた…

流れる時間は無常で、やっぱり世界には救いが無くて…そんな歯痒い思いを積み重ねながら今まで生きてきた…
そんな男がとある集落に流れ着き…この物語が動き出します。

改めて思うのがほしのゆめみちゃんの可愛らしさです。
ロボットで「少しだけ壊れています」と話す彼女…
でも本当はそれすら奇跡の賜物なんですけれど…
だってインフラは全て途絶えていたのですから…
本来なら絶対に有り得ない出来事…

そんな綱渡りの様な軌跡の果てにあの星の投影があったのかと思うと、星の物語を全身全霊で伝えようとする彼女が愛おしく思えて堪りませんでした。
「あなたが暗闇に迷い、本当の星空が見えなくなってしまった時、そっと思い出してみて下さい。それが…ちいさな、わたしの願いです。」
思わず噛みしめたくなるような台詞が印象的です。
客席にはたった一人…
でも彼女にとってそんな事は些細な事だったんだと思います。
彼女にとって一番の幸せは星の美しさを伝える事なんですから…

だから星の美しさを伝えて欲しい…と頼まれた訳でもないのにその道を選択したのは、彼女の代弁者である事が自分の存在意義だと考えたからなんだと思います。

そんな男が流れ着いた集落には、レビ、ヨブ、ルツの3人の子供たちが暮らしていました。
好奇心旺盛な子供たちは、男が持っていた初めて見る機械に興味津々…
そりゃそうだと思います…
何故なら大人ですら星を知らない世界なんですから…

朝になったら周りが明るくなるように太陽も月も…星も変わることなく私たちを照らし続けてくれている…
こんな当たり前の事が、人間が犯した過ちで太陽も月も目にする事のできない世界になってもその存在はそのままであり続ける…

星の美しさを知った人が、本物を見るために立ち上がる…
きっと本物の星を見るまでには時間がかかると思います。
だけど、立ち上がらなかったら何も始まりません。
そのきっかけになるなら、星屋として男が頑張ってきた時間は決して無駄じゃ無かったと思います。

天国を(ふたつに)分けないで下さい…
ゆめみちゃんの唯一の願いの顛末は…?
ラストの展開は想定外で胸に染み入る一言によって、これまでグズグズだった私の涙腺は完全に壊れてしまいました…この一言が貰えると思って頑張ってきたわけじゃないのに、温かくてすべてが優しく包まれるような魔法の一言…
気になる方は是非本編でご確認下さい。

劇場版主題歌は、Liaさんの「星の舟」
1/fゆらぎを所持するクリスタルヴォイスの歌姫…やっぱり流石です。

上映時間117分の作品でした。
パンフレットを見て思ったのは、10年間温め続けた思いが形となった作品、という事です。
それに一番大好きなシーンが1頁丸ごと使って描かれていたのはラッキーでした。
こういう感動できる作品にまた出会えたら…と思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

星の人の物語は続いていく‥

かつて屑屋を名乗り、やがて星の人と呼ばれる様になった老人の、長い旅の果てに辿り着いた終着点、ある集落での出来事、※1ヨブ、レビ、ルツ、3人の子供との交流を老人の回想を交えて描きます。

物語には新しく加えられたカットも多数有りますが、回想シーンが多くを占めていますので、完全な新作を期待するなら、すでに「Planetarian~ちいさなほしのゆめ~」を視聴済みの人にとっては物足りなく感じるかも知れません。

私はというと、前もって予告編に目を通していたので、総集編+という内容になるのかな? という気構えが出来ており、抵抗無く視聴する事が出来ました。「ちいさなほしのゆめ」の内容がほぼ全て収録されていますので、この作品に初めて触れる方はこちらから入っても良いかも知れません。

上映時間2時間程の内、約1/3だけが追加カットになります。なので続編や新作としてでなく、新編集版、ディレクターズカットとしての視聴をお勧めします。

物語の舞台は「ちいさなほしのゆめ」の終幕から40~50年後の世界。冒頭の子供達3人組が登場するシーン、教会の地下シェルターを中心に作られた集落で生きる朗らかな人々の描写からして、物語の雰囲気は過去パート-ちいさなほしのゆめ-にある荒涼とした無人都市にたった二人という、寂しげなものとは大きく異なります。

そんななので現在パートの方は、見方によってはジブリ作品とか世界名作劇場の一場面を見ているかの様な、穏やかな空気に満たされている印象を受けました。登場人物も増えていますので「ちいさなほしのゆめ」ではほんの少ししか触れられていなかった世界の現状や、そんな世界の中で希望の見出せない、変遷していく人々の心についても、僅かながらですが情報の開示がありました。「ちいさなほしのゆめ」の世界観を補完する側面も持ち合わせている作品なのではないかと思います。

人にせよ、ロボットにせよ、いつかは死に、壊れていくもの、消えていく命が後に残る者に何かを託すという事、子供を残したり、物を作ったりするという事だけじゃなく、言葉によって、関わりによって知識を残すという事、それも命を残すという事。

この作品では、そうやって脈々と受け継がれる命のリレーの中に、人もモノもない交ぜになって紡がれていくという、そんな当たり前の世の理を、殺伐と絶望ではなく、静けさと希望をもって優しく描いている様に感じました。その語りかけは深く心に染み入るものでした。

願わくば遠い未来のお話、いずれ自分が命を失う時、誰かに何かを渡して、笑って死んでいければなと、そんな感慨に耽ってしまうブリキ男なのでした。


※1:旧約聖書に含まれる書の題に見られる名。作中にはエズラ、エレミヤの名も確認出来ます。いずれも預言者や祭司などの名を指します。こういった名付けは、彼等の住んでいるシェルターの上に教会があるという事に起因しているものと思われます。

※2:作中には人間以外の動物が登場しません。絶滅してしまったのでしょうか? でも動物が天国に行けなかったらと思うと寂しい気がします‥。本作ではロボットのゆめみさんを通して、人間にのみに与えられるというキリスト教の天国の概念に対して、問いを投げ掛けている様にも感じました。

{netabare}
終幕近くの星の人の台詞「例の門、二つじゃないだろうな?」
この一言から、屑屋さんがゆめみさんの事を生涯愛し続けていた事がはっきりと伝わってきました。‥泣くしかないですね。

物語終了後のスタッフロール、宇宙(そら)を飛ぶソーラーセイルはどこへ向かうのでしょう、速度を速めたり遅めたり、明るくなったり暗くなったり、延々と続く命の輝きを象徴しているかの様にも思えました。
{/netabare}

久しぶりに映画鑑賞した感想
{netabare}
今回劇場に足を運ぶに際して、予め(初めて)ムービーチケットというものを購入しておきました。普通の前売り券として使えますが、加えてネット上から視聴席の予約が出来るというスグレモノ。でも劇場によっては上記のネット予約が出来ないとの事、私の住んでる近所の映画館ではそれが無理だったので、ただの前売り券と化しました。でもムービーチケットは普通の前売り券と違ってカード型、ゆめみさんカードもらえたので少し得した気分でした。

上映中に奏でられる音楽は全て素晴らしいものでしたが、シオマネキの杭打ち機のアスファルトを突き破る音、レールガンの轟音は強烈でした。屑屋さんの感じたであろう耳鳴りも観客の私にそのままの形で伝わって来ました。家でのほほんとアニメを見る事が好きな私にとっては、良いのか悪いのか、若干の緊張感を覚えました。映画館での視聴を予定している人は覚悟すべし(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32

69.7 2 ハートフルでファンタジーなアニメランキング2位
シュガー・ラッシュ(アニメ映画)

2013年3月23日
★★★★★ 4.1 (129)
846人が棚に入れました
アクション・ゲームの悪役キャラクターのラルフの願いは、みんなに愛されるヒーロー・キャラになること。ある日、ついにラルフは我慢ができなくなり、自分のゲームを飛び出してしまう。迷い込んだのは、お菓子の国のレース・ゲーム“シュガー・ラッシュ”。そこでラルフが出会ったのは、不良プログラムであるためにレースに出場できない少女ヴァネロペだった。嫌われ者のラルフと、仲間はずれのヴァネロペ──孤独な2人は次第に友情の絆で結ばれていく。だが、ラルフの脱走はゲームの掟に反し、このままではゲームの世界全体に災いをもたらすことになってしまうのだ。ゲーム・キャラクターたちがパニック状態に陥る中、ラルフは“シュガー・ラッシュ”とヴァネロペに隠された恐るべき秘密を知ってしまう。はたしてラルフはヴァネロペを救い、ゲーム界の運命を変えることができるのだろうか? そして彼は、“本当のヒーロー”になることができるのだろうか…?
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

今年観た作品で一番でした。

結論を先に言っちゃいます
…めちゃくちゃ好みでした♡
うん。約2年ぶりにお気に入りの棚に収納しようと思える1作に出会えたので、この思いの丈を書き綴っておきたくてレビューを書きました。

※ストーリーには触れていますがネタバレしないように書いている紹介&感想レビューになります。

舞台はとあるゲームセンター 私たちの知らない裏側 感情があるゲームキャラクターたちの世界。
実はゲーム内のキャラクターは人間を楽しませるために自分の役を演じるというお仕事をしていたのです。

誰だって一度は憧れのヒーローやヒロインになりたいと思った時があるかと思います。

悪役だって皆に感謝されたいし!
悪役だって皆に愛されたいのです!!

ゲーム世界でずっと嫌われ者の悪役を演じてきた男が
『自分だって皆に愛されるヒーローになりたい!!』
という夢を叶えるために他のゲームへと冒険に旅立ちます。そんな男の運命…は?
また悪役がいなくなってしまったゲームに待っている運命…は?

ディズニーらしい愛と夢にあふれたファンタジーの中に現代に通じる悩みを抱えたキャラクター達がおりなすストーリー。
深みがあるシナリオは私の心に届きました。

カラフル、ゴージャス、ファンタジック等の言葉で表現されるディズニー映画の世界を象徴するような映像と多彩なキャラクターに思わず笑顔になるほど
色とりどりの世界 どこを見てもワクワクがいっぱいなんです。
とくにシュガーラッシュという お菓子の国のレースゲームでは「うわぁ♡」と嬉しい声をあげたくなるような驚きの甘くてかわいい(?)セカイが広がっていました。
ここで開催されるレースゲームがまるで任天堂のゲーム マリオカートみたいなんです。
カートのパーツがお菓子だなんてどうカスタマイズしたら速いカートになれるのかな?

私だったらクッキーのフレームにオレオのハンドル、オレンジを輪切りにしてチョコをディップしたタイヤを装備して、仕上げにはポップでカラフルなカラーのシュガーをたっぷり振りかけておめかし
はい、これで私のオリジナルカートの完成!
そしてシートクッションにはふわふわマシュマロを使いたいんだけど…美味しそうなカート。速いかな?♬*

ゲームキャラクターも可愛くて可愛くて、現実のゲーム世界のキャラクターに、そこらじゅうで出会えます
(お気に入りはスーパーマリオのクッパさん)
観ているうちにあの重要なマル秘キャラ{netabare}(アクションゲームの美人な大佐){/netabare}にゲームでお会いしたくなってしまいました。

音楽とセットになっている挿入歌も頭の中でずっと流れています
『Shut Up And Drive』はリアーナさんの中で好きな曲の一つだったのですがここで使われていたのですね。

冒険の中での心の苦しみや葛藤がとても丁寧に描かれていました。
言葉以上に物語るキャラの表情がとっても繊細で、ついついつられて画面の前で私も同じような表情になってしまっていたかも…
{netabare}
主人公を初めて見た時は好きになれそうもないゴリラさんみたいなキャラクター?(ゴメンナサイ!)と思っていたのですが
観終わった今は筋骨隆々な体型もビルを壊すためのショベルカーみたいな大きな手も、そして笑顔も本当に可愛くて仕方ないのです。

私の胸に響いた一番 大好きなセリフがあります。
『ヒーローになるのにメダルはいらなかった、あの子が俺を好きでいてくれるなら悪役も悪くない!』

大切な女の子のたった一人のヒーローになったことで悪役の居場所に戻っても今の自分を受け入れ毎日の時間を心豊かに過ごす様子には本当に心が温かくなりました。
気がついたらゲームをこえて皆を惹きつける存在になっているんですもの!
{/netabare}
こんなにも優しい気持ちになれる作品 なかなか出会えないかも…
お気に入りの棚へと収納しました。

12月になりどんどん寒くなってきましたが
是非シュガーラッシュを観て
…心を温めてください*❁*⋆ฺ。*

投稿 : 2024/05/11
♥ : 65

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【美女と野獣】全米のロリコンが泣いて喜んだというコレ【幼女とおっさん】(つまりオイラも泣いたわけだが)

ゲームの世界を舞台にしたディズニー映画
任天堂、セガ、カプコン等、実在のゲームのキャラクターもカメオ出演しているのでそれ目当てで観ても十分おもしろいですb


レトロゲーム『Fix it Felix』の悪役、ラルフは30年という稼働時間の中で悪役として働くことに既に疲れ果てていました
他のゲームに介入することは「ターボする」という合言葉の元、ゲームの世界最大の禁忌であったが、ある日その掟を破ったラルフは他のゲームの世界を往来し悪役の自分でもヒーローになれる世界を探し始めました
彼が辿り着いた先、レースゲーム『Sugar Rush』ではゲームのバグとみなされ他のキャラクター達から爪弾きモノにされていた少女、ヴァネロペがそれでもレースで1位になりたいと孤軍奮闘していました
ヴァネロペとラルフは紆余曲折ありながらも友達として互いを支え合い、協力してレースで1位を取ることを誓い合う
しかし『Sugar Rush』の王、キャンディ大王からバグであるヴァネロペの勝利はゲームの世界の崩壊を示すことになると告げられたラルフはヴァネロペを裏切る形で別れてしまう
そんな矢先、ラルフが連れ込んでしまったFPSゲームのモンスター、サイ・バグが『Sugar Rush』で大暴走をしてしまい・・・


レースシーンやアクションシーンの迫力もさることながら、まず目に止まるのが前半でラルフが訪れる「悪役セラピー」
これが面白いですね
ザンギエフ、ベガ、クッパ、ドクターエッグマン・・・
ゲーム界の名立たる悪役達が輪のように並べた椅子に向かい合って座り、お互いの悩みを赤裸々に喋る・・・
あまりにもシュールすぎるw
流石のリッチ・ムーア監督、この時点で既にディズニー映画としてはアウトロー過ぎることをやってのける!そこにしびれるっ!!あこがれるぅぅぅ!!!


そしてなにより今作の魅力はカップリングですよw
男勝りなカルホーン軍曹に対する3頭身フェリックス、これはまだ序の口
極め付けはやはり乱暴者の大男ラルフに対する小悪魔的幼女ヴァネロペ
爪弾き者同士、肩身狭き者同士身を寄せ合う二人
やがて芽生える友情、それを超えた何か・・・
これは凄いw
ソフィア・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』、或いはリュック・ベッソンの『レオン』を思い出す胸が締め付けられるような組み合わせw
おっさんと少女というこのフェティシズム溢れるカップリングをディズニーがおkしてくれるとは、よか時代になったもんすねぇw


ラルフの吹き替えは山寺宏一、ヴァネロペは諸星すみれちゃんということで、リアルおじさん、リアル幼女のベストキャスティングも素晴らしい
こんなにも満足のいった吹き替えキャスティングは初めてです、凄い


近年、ディズニーも少しアウトローな方に寄った作品が増えてきていますが、今作はかつてのセオリーを逸脱しています
まさにディズニー映画の最左翼
特に手放しのハッピーエンド、ではない独特の結末には拍手です


いやぁいい映画、ディズニーを見直した1作でしたb

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ゲームの悪役だってヒーローメダルが欲しい?→TURBOしちゃえば良いのさw

ドット絵、8-bit音源、レトロゲーム……。
ゲーム業界でもすっかりジャンルとして定着した感のある懐古趣味は
日本だけでなく米国や世界でも根強い印象。

ゲームセンターの裏側。“営業”を生業とするゲームキャラたち世界。
“悪役”主人公のヒーロー願望に起因する
プログラム逸脱から巻き起こる一連の騒動を描いた、
2012年作のディズニーCG映画も、こうした風潮の一端と思われます。


最新の技術で、カクカクした往年のゲーム世界を表現してみせる。
これ位はクリアして当然のボーダーライン。
それを土台に、スイーツなファンタジーレース世界は柔らかくデリシャスに、
ハードSFシューターでは甲殻にエッジを効かせて……。
新旧、硬軟織り交ぜたCG作画構成、音響で、
エンターテイメント性を実現してこそ世界標準。

そう言わんばかりの、質感自在なディズニーの演出には、
異なるゲーム世界を行き来し、混ぜこぜになるカオスな状況を描いても尚、
世界観が破綻せず、むしろ遊び心も差し挟む余裕と貫禄を感じます。

隠しキャラ、隠しコマンド、バグ技……。
レトロゲーマー心をくすぐる諸要素を適宜トッピングしつつ、
真のヒーローとは何か?という王道を語るシナリオ展開もお見事です。


そんな中、グッと来るのはやはり、
夜な夜な開催される、ゲーム世界・悪役の会。
主人公悪役キャラの不遇を慰める面々は、
ゲーム業界・悪役サミットと言って良い豪華な顔ぶれ♪

{netabare}俺もヒーローになりたいとのラルフの人生相談に、
『ストⅡ』のベガがTURBOすれば良いと答える件は、
プレイアブルへの願望が倍増する含蓄あるやり取りでニヤニヤが止まりませんw

(その傍らで悪役のクセにパーティーやカートレースやテニスやゴルフで、
メダルやトロフィーを乱獲している事実を黙秘している亀の大魔王は中々に腹黒いですw){/netabare}


今のゲーム業界を嘆く、懐古にありがちな毒が仕込まれているのも本作の特徴。

暴力的なゲームの傾向を嘆く本作のブラックジョークを見ると、
ゲーム内でも銃乱射が続くことへの疑問が、
米国人にもあることを窺い知ることができて、何だか安心します。

だからと言って、本作においては、お菓子なファンタジーレース世界もまた、
陰謀渦巻く、砂糖に覆われた闇ですがw


今月、およそ6年ぶりに公開される続編『~オンライン』では、
美味しそうなグラフィックの中に、果たしてどんな毒針が潜んでいるのでしょうかw
オレオでも摘まみながら、とくと味わってみたいと思います♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24

68.3 3 ハートフルでファンタジーなアニメランキング3位
魔法使いの嫁 星待つひと 後篇 (アニメ映画)

2017年8月19日
★★★★☆ 3.6 (97)
499人が棚に入れました
詳細不明

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そして物語は、始まる。

三浦から受け取った一冊の本。
それは彼に遺された悔恨の記憶であり、寄す処でもあった。 本を託されたチセは三浦の想いを伝えるために奔走する。

『その夜僕には、果たさなければならない約束があった』

彼が果たせなかった約束、森の図書室の秘密が今明かされる……。

たとえ雲厚く見えずとも。
星はいつか、待ち侘びるひとの元へ。

語られなかった前日譚、三部作がここに完結——。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して振り返って思うこと…
なんて濃厚な24分だったんだろう、これに尽きます。

物語は綺麗に纏まっていました。
この物語に必要なエキスも全て注入されていたと思います。

何故、森の奥に図書館ができたのか…
そしてその図書館の正体は一体何だったのか…
そして二つの約束の真実とは…
三浦さんから手渡された本が一体何だったのか…

これらの謎が一気に明るみに出るのですから濃厚感が半端無いのは想像するに易しいと思います。

でもそれだけじゃありませんでした。
人ならざるモノが見えるチセだからこそ辿り着いた場所であり、チセが図書館を使用するのは運命だったんだと思います。

実際にチセが借りたのは本でした。
しかも1さつずつ…
でも言い伝えでは別なモノにも置き換えることができるとエリアスが言っていました。
その別なモノというのが心底あったかいんです。
この作品ならではの優しさなのだと思います。

3部作を完走して思うこと…
元々はコミック同梱作品ですが、期間限定で劇場公開もされたんだそうです。
愛おしくて切ない珠玉の物語…
何故この作品に触れられる機会を狭めるんだろう…と率直な疑問を感じます。
確かにプレミア感は出るのかもしれません。
ですが、もっと沢山の人が視聴して、共感できる作品だと思いますのに…
そういう意味では勿体ないと思いますし、NETFLIXで視聴できたのは素直に嬉しいと思います。

コロナウイルスの影響でNETFLIXの加入数が伸びていると聞いています。
この作品に触れる人が増えてくれるのを期待しています。
私はしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

星が放つ光は全て過去からのものである。

だからこそ、目を凝らして見るならば、現在の自分を照らす光の在り処に気付くことができる。

自分の本を見つけること、それは自身の過去、すなわち星の光と向き合うということだ。
それが哀しみや苦しみ、あるいは憎しみを映すものであったとしても、それらを感じた自分自身との対話を通じて、残りの人生に向き合う力を与えてくれるのである。

チセは旅立つのである。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

魔法使いの嫁の過去話3

原作未読 30分

「魔法使いの嫁」のOVAです。AT-Xで放送していたので観てみました。

主人公チセの過去のお話ですが、今のチセに繋がるお話なのでこの作品が好きな方は見てもいいかもしれません。
{netabare}
三浦には好きな人がいました。一緒になれなかった人でした。

そして三浦の思い人、歳をとり孫もいる中、病院でチセは三浦に託された本を渡そうします。

とても暖かな方でしたね。

この一件で、チセの境遇が変わったわけでもないのですが、図書館で本を読んでいるチセは幸せそうでした。

そして長閑ないつものエリアス家に戻ります。話すのに夢中でお茶の用意をしていて忘れられていたシルキーの「ジー」のセリフの後の主張が可愛かったですw

とても綺麗な星の子たちでした。
{/netabare}
OPはJulia Shortreedさん、EDはinocenciaさんが歌っています。

最後に、この作品を観て心に残る本が自分自身にあったのかと問いかけるいい機会になりました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

70.8 4 ハートフルでファンタジーなアニメランキング4位
きみと、波にのれたら(アニメ映画)

2019年6月21日
★★★★☆ 3.6 (101)
381人が棚に入れました
小さな港町へ越してきたひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、消防士の港(みなと)と偶然出会い、恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は溺れた人を助けようとして、海で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子。そんなある日、ひな子が二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。「ずっとひな子のこと助けるって約束したろ?」死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。奇跡がもたらした二人の恋の行方は?そして、港が再び姿を見せた本当の目的とは?

声優・キャラクター
片寄涼太、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

彼女の素直な気持ちが伝わってきます

実写には表せないSF感はアニメの長所です。
そして、アニメに多い中学生、高校生ではなく、大学生と社会人(消防士)の恋愛にある意味新鮮さを感じてしまいました。
一緒に歌うおのろけソングはとても印象に残るシーンです。私的には羨ましく感じました。

幸せなシーン。悲しいシーンが随所にありますが、アニメとしての表現の仕方、アニメによって悲しいシーンも映像によってちょっとだけ優しい感じに。また逆も然りで表現できるのアニメの良さを充分に用いているように感じました。

結論としてはエンターテインメントとして非常に優れた作品です。
もっと宣伝しても良かったのではないでしょうか。

本日レンタルで久しぶり観ましたが、やはり楽しかったです。
パッケージは完全に夏ですが冬のシーンもあるので12月に観ても問題なしですよ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ポニーテールとシュシュ

湯浅政明監督、脚本吉田玲子。
制作サイエンスSARU。

大学入学を機に海辺の街へ越してきたひな子。
波乗りが大好きな天真爛漫な少女である。
{netabare}とある火事騒動をきっかけに、
ひな子は消防士の港と出会い、恋に落ちる。{/netabare}
季節を色鮮やかに綴る青春ラブストーリー。

疾走感・躍動感溢れる演出の数々、
ポップソングが軽快に流れ合唱は始まり、
色彩豊かな季節の風景に心まで踊り出す。
監督の真骨頂はここにあって、
いつもながらに美的感性を刺激されます。

物語は至ってシンプルな構造で、
恋愛を謳歌する2人の日常が描かれる。
リアルなデートは空気感まで伝わる。
と、ここまでは大成功でしょう。

僕としては中盤以降が少し気になる。
{netabare}まるでダイジェストを見ているようである。
監督特有の機敏な感情表現の妙技も、
あまり有効に機能していないのか、
悲劇的なものへの眼差しに疑問が浮かぶ。{/netabare}
声優さんの力量不足もあるのでしょうか。

波乗りも人生もバランスが重要だ。
どこに重心を置くのかで方向が決まる。
懸命にパドリングし逆境と向き合わねば、
きっと波には乗れないのでしょう。

波に乗るための、前向きな物語です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 39
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ひな子が波に乗れるまで

ターゲットは俺たちではない

だが良い!

オリジナルアニメ劇場版


試しに湯浅監督の他のを観て「あまり相性良くないかも」と感じてた頃にご紹介いただいた一本。
相性悪いと見切る前にいくつか観てはおきたいなと思ってみたり、公開当時の記憶で「そういえばラブストーリーだっけ」と愛を求めてみたりという理由での鑑賞です。

それにしてもですよ…

 {netabare}顔小っさ!!{/netabare}

そして…

 {netabare}井戸田連れてこ―い!!{/netabare}


実写映えしそうな8頭身モデル体型の若い男女が紡ぐとことん甘ーいラブストーリー。
自転車にサーフボードキャリアつけてジモティーのフリしながら女の子に声かけたる!私みたいなゲス野郎とはとことん対極にいる好印象波乗りさんのお話とも言えるでしょう。
この爽やかなお付き合いっぷりに嫉妬混じりの感情を抱かずにはいられません。

小さい頃過ごした海のある町に大学進学とともに戻ってきた女の子。
その町で消防士として生きてる男の子。

主要キャラの演者さんは本職の声優さんではありませんがご愛嬌。絶対嫌だという感じはしません。
サーフィンのシーンはエグいアングルの空撮ありました。ダイナミックで良いです。最新だとドローンでなんとかなりそうだなーと思ってみたり。


甘い甘いミルク&ハニーな96分。胸焼けするような甘さとは少し違う。幸せが溢れてきます。
海辺の街という舞台もポイント高め。夏真っ盛り。終わる夏の夕暮れ。冬の静けさ。全部入りでした。
ひとつ前の劇場版『夜明け告げるルーのうた』とは相性の良さを感じたりもしており、湯浅氏の“水”モノは続けて当たりを引いたような気分です。吉田玲子脚本との組み合わせも自分には合うのかも。


キャラクターもテンプレアニメキャラに寄せてないですね。ターゲットが普段アニメを観てない層なんでしょう。というより明確にカップル狙い。うっかり一人で劇場に向うと爆死しそうです。
実写寄りで甘めのラブストーリーに触れてみたい。そんな気分にはぴったりな佳作だと思います。




※ネタバレ所感

■「Brand New Story」

{netabare}二人で口ずさんでるのが仲睦まじくて良かったですね。
港が亡くなってからが本番のこの作品において、短時間で二人のラブラブで幸福なストーリーを凝縮させて見せる効果があったように思います。{/netabare}


■洋子ちゃんこそ向水

{netabare}向こう見ず。ヒロイン向水さんの比ではありません。さすがに通報せずに突っ込むのは違うと思うよ。{/netabare}



海から上がっての淹れ立てコーヒーは美味い!!
夏の海しか知らないとまずは出てこない発想です。これ作った人、海が好きそうだなと勝手に自分の中で好感度上がってました。



視聴時期:2020年3月

-----


2020.05.11 初稿
2020.08.10 修正
2020.12.06 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36

71.4 5 ハートフルでファンタジーなアニメランキング5位
映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(アニメ映画)

2019年11月8日
★★★★☆ 3.7 (60)
232人が棚に入れました
ある日の午後、お気に入りの喫茶店「喫茶すみっコ」へとやってきたすみっコたち。おなかをすかせて注文した料理を待っていると、突然、地下室から物音が。 「地下室のすみっこに誰かいる・・・?」 みんなで中に入って行くと、そこには一冊のとびだす絵本。ひどくボロボロで、ページの大事なところがなくなっている。桃太郎のお話のページには背景があるだけで、おじいさんもおばあさんもいない。すると突然、大きな影が現れて、えびふらいのしっぽが絵本にすいこまれてしまう! すみっコたちがおっこちた物語の世界にいたのは・・・新しいすみっコ?

声優・キャラクター
ナレーション:井ノ原快彦
ナレーション:本上まなみ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゆるキャラが織り成す涙腺がうずく幼児向け物語

このアニメは幼児向けです。
ですが、学生が見ても大人が見ても大いに感動します。
私も思わずポロリと涙がこぼれ落ちました。

物語はすみっこをこよなく愛するゆるキャラたちが絵本の中に吸い込まれてしまい、そこから抜け出る内容です。

ゆるキャラたちは声を出しません。
声を出すのはナレーションの人だけですし、ときどき説明する程度です。
物語の大部分はゆるキャラたちのかわいらしい動作が中心です。
その動作に癒されます。
この動作がつまらないと思われる人は途中で寝られると思います。中盤まではいたって単調です。

しかし、ラスト七分、今までとはうって変わって、シリアスな展開となります。
あるキャラクターのとても可哀想な現実を見せつけられます。
アニメだから魔法とか奇跡とかで幸せにできるはずなのに、この映画ではそれをしません。
幼児向けアニメでここまで可哀想なことをする必要ないだろうと、私はつい思ってしまいました。
近くの席にいた幼稚園の男の子が、思わず「かわいそう」とつぶやいていました。そして後ろの席からは、すすり泣く観客の声が聞こえました。

でも安心してください。魔法も奇跡も起こりませんでしたが、最後はハッピーエンドで終わることができました。しかも、ハッピーエンドにする方法が、実に現実的で暖かみがあり感動します。
魔法や奇跡を起こさなくとも幸せにする方法があることを、私は教えられました。

例えば、地震や台風で家を失った人にとって、つらい現実は変えようがありません。でも私たちは義援金やボランティアをすることで、少しは被災者の方を癒すことができると思います。
決して無理をせず、自分たちができる方法で困っている人を助ける。
日本中の人がそのように行動してくれたら、未来は明るくなると思います。
この映画を見終わって、そう感じました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

だいじなこと

よこみぞゆり原作。
Amazon Primeにて視聴完了。

いつもの喫茶店、いつもの隅っこ。
すみっコたちはお気に入りのお店で、
古くなった1冊の不思議な絵本を見つける。
絵本の中で知り合ったひよこのために、
おとぎ話の世界を巡る旅が始まる。

心を豊かにする素敵で優しい物語だ。
ももたろう、あかずきん、にんぎょひめ、
子供の頃、良く聞いた童話の世界で、
{netabare}ひとりぼっちのひよこは迷子になっている。
どの世界にも居場所がなく涙がこぼれる。{/netabare}

色鉛筆で書いた絵本のような素朴な絵が、
子供だけではなく大人の心にも響いてくる。
のこりもの、にせもの、自分をもてないもの。
すみっコたちにも理由があるのだろう。
そしてきっと僕たちもどこかで、
心から安らぎ落ち着ける場所を探している。

素直な気持ちで楽しめました。
新しいものなんて落ちてないけど、
だいじなものがたくさんここにあります。

実り豊かな時間が持てます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

自分らしさの檻の中でもがいてるなら♪……おいでよ すみっコへ

「すみっコぐらし」というキャラクターコンテンツについては、
私は名前を知っている程度。

ただ、サンエックスが生み出す不可思議生物?については、
昔ちょっとハマっていた「たれぱんだ」等、
何だか大人の心にも引っ掛かる物を感じていて……。

本劇場版でサンエックスの最新成果&集大成の一端を確認したい。
という気持ちはありましたが、映画館までわざわざ足を運ぶ程では……
と部屋の片隅で躊躇していたわけですがw

本作の反響ホント凄いですね(驚)
せいぜい傍流で細々と語られる程度の映画かと高をくくっていたら、
いつの間にか、この秋冬のアニメ映画では、
『アナ雪2』に次ぐ位の勢いで、エンタメニュースのド真ん中で持て囃されている。

押し出されるように私もいつの間にか、お子様連れのママさんに混じって、
映画館のド真ん中に座っていましたよw


滑り出しの感触は簡素なキャラクターアニメ。
隅っこで落ち着いている、各種“すみっコ”にも声はなく、
セリフは、無言のキャラたち仕草等を補完する
井ノ原快彦さん&本上まなみさんのナレーションのみで、淡々と場面が進んで行きます。

序盤は部屋の隅に落ち着くまでの来歴等
“すみっコ”の生態紹介にゆる~く費やされ、
これは初心者にも優しい間口の広いお子様向け映画かな?

……と油断してたら、“すみっコ”たちが、
おとぎの国々の各登場人物に落とし込まれる“本番”以降、俄に高度化。

この“すみっコ”……そのキャラで、あんな役とか務まらないだろうw
というツッコミ待ち等、ハイレベルなキャラ芸も次々と繰り出されるので、
最初の方でしっかりとキャラを把握しておくことをオススメします。

いつの間にか、作画も音響も簡素な中に力強さがあることも分かり、
これは単純にアニメ映画としても侮れない出来と、
“すみっコ”ワールドに没入させられて行きます。


「号泣した!」、“すみっコ”好きの男性のための限定上映会開催!
との評やニュースも耳にしていた本作。

皆、各々、社会の役割を演じる中で、俺はちゃんとこなせていない、
こんな端役は俺の役割じゃない、自分らしさを見失ったなどと、
精神を磨り減らしている。

いや……もはや、自分らしくなければ幸せじゃない!
と自分を探すよう脅迫する言説にすらゲンナリしてしまっている。

本当の自分だろうが、偽物だろうが、
今、自分がここで落ち着けるなら、それで良いじゃない?

こんな感じで、“すみっコ”たちに世の大人たちの涙腺は
突き崩されて行くのでしょうか?


私は号泣!までは行かず、涙が氾濫しそうになる程度でしたが、
本作がブームになるなんて……世の中まだまだ荒んでるんだなぁ~と、
むしろ、そちらの方にも泣けてきますw

但し、終盤の{netabare}鬼の助太刀{/netabare}には、
ベタですが、私の涙腺も一部決壊しましたね……。あれはズルいw


自分の役割に囚われず手を差し伸べられる人間に私はなりたい。


心に養分を補給され、再び社会の隅っこに戻っていく私なのでした……。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

67.9 6 ハートフルでファンタジーなアニメランキング6位
岬のマヨイガ(アニメ映画)

2021年8月27日
★★★★☆ 3.5 (40)
131人が棚に入れました
居場所を失った17歳の少女。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ"だった。それは、“訪れた人をもてなす家"という、岩手県に伝わるふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけどあたたかい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ"でいま始まる――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

心がざわつく優れた映画だと思います。青少年へのメッセージかな?

 他人が集まることで家族となる疑似家族ものの一種ではあります。東日本大震災の後の復興の一面を切り取ったような話でもあります。さらに、あらすじ通りではない部分もあるので、ネタバレとしておきますが、{netabare} 妖怪大戦争もの{/netabare}でもあります。

 これらがご都合主義的に組み合わさって、比較的派手な絵もなく音楽の無い場面も多く淡々と話が進みますので、退屈する人はするでしょう。

 ですが、この2人の少女が不幸を背負った原因を考えたときに、果たしてそんな単純な話なのか?と気が付きます。震災という大きな大きな不幸と、家族に起こった世間から見たら個人的な不幸。そのどちらも人々にとっては逃げ出したい現実になります。

 その中で自分は誰といたい、どうしたいという気持ちと向き合いましょうと。そして、誰を守りたい、どこで暮らしたいと言えるようになると、不幸から脱するきっかけと新しい何かがみえてくるよ、という風に見えました。

 この3人を助けてくれるのはなんといっても {netabare} 土着の妖怪 {/netabare}たちです。つまり、土地であり共同体です。これは人間も一緒でした。人間は弱いので、辛いもう離れたいと思う気持ちが出てきます。それが地域を滅ぼすことになるという事だと思います。

 本作については、見て欲しい対象年齢を少し低めにしていると思います。それは不幸な現実とどう向き合うか、ということを分かりやすく伝えたいからなのかなあ、と思います。
 震災の不幸も初めは少々デオドランドして、見やすくしすぎでは?と思いました。が、震災の不幸をクローズアップしすぎないように、そしてそこの嫌悪感恐怖感で映画が伝えたい「不幸」の本質を見失わないようにするためかなあと思いました。
 そして、なぜそうしたのかを考えると、逃げる=自殺とか考えてしまう少年青年に対する何かなのかなあ、という気がしました。

 とはいえ、大の大人が見ても、見ている途中で心がざわめく映画ですし、視聴後感はハッピーエンドではありますがこれからもいろんな不幸が起きるけど、戻るべき場所、共同体があるから頑張れるんだ、という風に見えました。

 なお、初めの狛犬のシーンはここでは述べませんが2つの見方ができますね。
 そして、飼われるのが三毛猫です。必ずメスですからあの家には女性しかいません。つまり巫女という風にも取れましたね。

 アニメーションとしての技術的なところは、超一流ではないかもしれません。評価点が平凡なのもそのせいです。が、作品としては、脚本とメッセージ、演出などで良くここまで仕上げたなあという印象でした。青少年向けという前提でいえば、100点中88点くらいつけてもいいかもしれません。

 ということで、隠れた名作だと思います。1回しか見ていないので、もうちょっといろいろあるかもしれませんが、1回集中して見たのでかなり疲労感があります。つまり、出来が良いということです。
 刺激とキャラ萌えを期待すると退屈かもしれませんが、視聴中そして見終わったあと、心が動く映画です。いい映画でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

古いけど色々と良い家じゃん

見に行くか、見逃すかを悩んだ作品です。
でも、せっかくなら見に行こう!と見て来ました。
最初は岬の上にある家が頭上から映し出されるシーンの私の感想は。

森と草ばっかり、景色めちゃ綺麗じゃん、絶壁じゃん落ちたら死ぬ、家の庭めちゃデカいじゃんでしたw

私はユイとひよりは姉妹かと思って居たら違うのですね。
元々は他人同士だった2人をお婆ちゃんが引き取りマヨイガで生活する事になります。

ひよりは両親を居眠り運転の車に衝突され失ってしまいます。
きっと、それが原因?で喋れないのだと思いますが、その辺の説明がなくて……多分。

ユイは両親が離婚して父と二人暮しです。
父は、母が出ていったのはユイのせいだと言います。
挙句の果てに、ユイが用意していたご飯を、いきなりキレだして机から弾き飛ばすし。
自分が辛く当たるのは、全てはお前の為だ!と言う始末……

明らかに、奥さんが出てったのは貴方のせいですよ。って思いました。

作中で私が良いシーンだと思ったのは、ラストのユイが偽物の父に無理やり連れていかれそうになるシーンです。
ユイは父が怖くて何も出来なくて何も言えなくて……ひよりも助けようとするけど何も出来なくて……

でも、ひよりにとって、お婆ちゃんとユイと3人は家族だから、新しい家族を二度と絶対失いたくないから、彼女は声を出す!
両親を失って無くした声だけど、姉を失わない為に出した声……血なんて繋がってなくても、出会って数日でも間違えなく家族で大切だから、守りたいって気持ちから出た声。


後は、お婆ちゃんのピンチに駆け着けた、ひよりが、お婆ちゃんの「自分に出来ることを」って言葉から考えて行動したシーンが凄く良かったです。

さて、作品としては面白いと思います。
原作はもしかしたら面白いかもしれません。
でも、映画で見たら……設定がイマイチ理解しにくかったり視聴者側が想像で補わないとならない点が多すぎる気がします。

キャラの心情のヒントが少なすぎて感情移入が出来にくく、最後まで見ても消化不良って感じが残ってしまいます。
うーん、面白くはなくはないですが……普通くらいかな……

声優さんも余り上手くはないかな?
なるほど、ゲスト声優さんですか……
私はアニメでは物語が1番楽しめるポイントで物語が良かったり、キャラに感情移入しやすければ、あまりも酷くない限りは言わないのですが、物語も中途半端と感じる部分もあり。
そちらが更に浮き彫りになって感じたりもしました。

声優さんで言うと、座敷わらし役で、ナナニジの藤間さくら役をしてる天城サリーさんが出てます。
私のアイコンもナナニジの佐藤麗華ですが、ナナニジのアニメはともかく、ナナニジの音楽も聞くし、計算中も見てて好きなので、その辺も楽しみにしてましたが、セリフ少なっ!w(*꒪꒫꒪)

作中には、座敷わらし以外にもカッパや雪女など妖が沢山出てきます。
実は、私は妖怪が割と好きです。
理由としては父が妖怪などが好きで小さい頃から、妖怪番組やら本やらを見て育ちました。

だから、その辺も気にしてましたが、あれだけ妖怪居て殆ど山火事を消す方に回って出番と言う出番もなくw

面白いのは面白いとは思うし作品のメッセージ性も伝わりはしましたが、オススメしますか?となれば話は変わってくるかな?とは思ってしまいます。
好きな人は好きになれそうな作品かな?と思います。

お婆ちゃんの昔話の語りは面白いしわかりやすかったと思います。
作風をガラリと変えてくるのもいいですねꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

あっ、冒頭の山道の作りもすごく良かったです。
私の母方の実家がド田舎なのですが、山道の再現が凄く良かったです。
後は、落ち葉や枯れ草の種類や葉の色や道の色もリアルで上手く再現してるなぁ〜って少し懐かしい気持ちになりました(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 7

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

夏休みの妖怪映画

妖怪ウォッチが下火になってきたはずが、まさかの妖怪映画バブルが到来しましたねえ。
震災後の岩手が舞台という事で、どんな闇の深い映画なんだろうと気構えていましたが、心配していたような事はなく、10歳未満でも安心して楽しめる物語になっていました。良かった。
だからそうだとは限らないのですが、緊迫感は薄めです。大人が見るにはやや退屈に感じる場面がありました。
じゃあ、面白く無いの?
いえ、そうではありません。流石のデイビッドと思えるだけの作画良さがありました。
(マヨイガのCGはもう一歩踏みこんで欲しかったですが)
作画で楽しめるオタクならそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 6
ページの先頭へ