ホラーで残酷なTVアニメ動画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のホラーで残酷な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月22日の時点で一番のホラーで残酷なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.5 1 ホラーで残酷なアニメランキング1位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1118)
5369人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

原作既読組にとって、この手の作品は・・・?

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
連載開始当初から、緊張感満載のこの作品はお気に入りの作品でした。
お気に入りの作品のアニメ化なので、本作も、とても注目していました。

【原作既読組にとって、この手の作品は?】
原作既読組は、当然、先々の展開を把握しています。
そんな状況の中で、この作品の一番の魅力である『緊張感』を楽しめるかどうか?
そこが、この作品の評価の分かれ目だと思います。
{netabare}
言うまでもなく、私も先々の展開を把握しています。
それでもハラハラドキドキが止まりません。

力のこもった作画。
巧みな演出。
映画のようなカメラワーク。
声優さんの熱演。

全てが上手くかみ合った本作は、『名作』に分類されるべき作品だと思います。{/netabare}

【正直、原作と比べるとかなり話が省略されているんだけどね・・・】
{netabare}全ては、大感動の11話~12話へ繋げるため。
ここから逆算して、必要最低限の物語を紡いでいったという印象です。

エピソードはもっとたくさんあるんだけど、あえて必要最小限のエピソードに絞った。
第2期に回せるエピソードは第2期に回す。

そんな制作陣の苦渋の選択が伝わってきます。{/netabare}

【食用児・・・って、凄い単語ですよね】
{netabare}この単語だけで、この物語の世界観が凝縮されている気がする。
エマをはじめ、子供たちの必死さが伝わってくる。
何かが狂った世の中であることが、ひしひしと伝わってくる。{/netabare}

【ところで、各話のタイトルの意味って分かりました?】
{netabare}各話のタイトル、例えば第1話なら『121045』。
これの意味って分かりました?
{netabare}あれって、『日・月・年』なんですよね。
『121045』=『2045年10月12日』という意味。{/netabare}
要するに、1話から9話までは20日余りしか時間が経過していませんが、9話と10話の間だけでも2か月以上に時間が流れていることが分かります。

この間、エマたちはママだけではなくレイの目も欺き続けたことに・・・。
だから、11~12話にかけて、レイは驚きっぱなしだったんですね。{/netabare}


第2期も期待しています。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 78
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

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2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 83
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

幸せな一生

アニメーション製作:CloverWorks、監督:神戸守、
シリーズ構成・脚本:大野敏哉、
キャラクターデザイン、総作画監督:嶋田和晃
原作:白井カイウ、出水ぽすか

森の中に佇む、グレイス=フィールドハウスという孤児院。
そこでは12歳までの子供たちが楽しく暮らしていた。
周りとは隔絶された世界。
外部とつながっている場所には鉄製の大きな門。
そのほかは深い森に囲まれている。
優しいママのいるハウスは子供たちの楽園。
里親が見つかった子供たちは、
定期的にハウスから去っていくのだった。

タイトル名はよく考えられており、
ふたつの言葉を合わせたものだろう。
旧約聖書の創世記12章に記されている、
イスラエルの民に神が示した土地である「約束の地」。
そして『ピーターパン』で、
森林の奥地に住み、親のいない
年をとらなくなった子供のいる国「ネバーランド」。
物語のストーリーをイメージしやすくなっている。
「ネバーランド」というと、
マイケル・ジャクソンの邸宅も思い浮かび、
その内実を思うと、さらに印象深い。

主人公のエマ、ノーマン、レイの3人がいい。
ストーリーはもちろんだが、このキャラクターたちが
物語のなかにどんどん引き込んでくれる。
真っ直ぐな性格で頭が良く、運動神経に優れるエマ。
ずば抜けた頭脳を持ち、正しいことを知るノーマン。
冷静な判断力と鋭い観察眼、卓越した記憶力を持つレイ。
彼らの動きや考え方を見ているだけでも楽しい。
いわば、小学生のときのクラスにいた、
何かするたびに驚かされ、私たち凡人を
いつもワクワクさせてくれる同級生たちを想起させる。

3人が互いに想いをぶつけ合い、理解し、
不可能なことをやり遂げようとする。
そして、それぞれに対する複雑な感情を抱えたまま
自らが信じた道を選び取ろうとする。
この関係性の妙が、作品の最も優れている部分だ。

1話からの構成力も見事。
原作の良さはあるのだろうが、
アニメスタッフの力も大きいことが分かる。
大きな流れを1話目で理解させ、
そこから各話ごとに盛り上げていく展開力は出色だ。

良質なハリウッド映画を観ているような感覚。
時代を象徴するような物語も含め、完成度が高い。

幸せな一生とは、どのような人生なのか。
子供たちやママの一生を考えさせられる。

{netabare}最終回でのイザベラの描写が秀逸で、
この時点で物語は完結している。
後のことを描くことが蛇足にならないかのほうが不安だ。{/netabare}
ここまでで実写映画を作っても十分に成立するだろう。

※EDのCö shu Nie 「絶体絶命」がお気に入り。
ピアノの打ち込みとベースが抜群にカッコ良い。
(2019年4月19日初投稿)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 97

71.1 2 ホラーで残酷なアニメランキング2位
地獄少女(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (813)
5077人が棚に入れました
最近、巷に或る都市伝説めいた噂が流れていた…。
深夜0時にだけアクセスできる「地獄通信」に怨みを書き込めば、どこからともなく「地獄少女」が現れて、憎い相手を地獄に堕としてくれる。晴らせぬ怨みや世に不条理はつきもの。納得できない理由や状況に抗えぬままに悲惨な運命を辿る者は多い。
地獄少女=「閻魔あい」は彼らの悲痛な叫びを聞きとげ、依頼主に契約の証である藁人形を渡し、「地獄流し」へ至る方法を語る。ただし、「その代償として自分自身も死後は地獄で永遠に苦しむことになる」とも言う。
地獄少女は全てを見通すかの様な涼やかな瞳を相手に向け、ただ一言告げる。「あとは、あなたが決める事よ」と…。

声優・キャラクター
能登麻美子、松風雅也、本田貴子、菅生隆之

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

いつの世も人の恨みの連鎖は消えません。だから私は流します。貴方の恨み、地獄へと

とても暗くて重いお話。基本鬱アニメです。苦手な方は視聴を避ける事を強くお勧めします。


そんな作品ですが、私はこの作品がとても好き・・・。そして閻魔あいさんがとても好き・・・。何故って? それは人の心を写す鏡の様なお話だから。人の心を覗いて、人の怖さを思い知る。そうして自分の気持ちを考える。あんまり見ていてスカッとする様なお話では無いけれど、こういう作品もあって良いと思うのです・・・。


(はじめに)
2005年に最初に放送されたTVアニメです。少し古いですね。
主人公の閻魔あいさんの声を担当されるのは能登麻美子さん。彼女の代表的な作品と言っても過言ではありませんね。儚く悲しげな雰囲気をもつ閻魔あいさん。能登さんはその声を、”か細く”、そして”囁く様”に話す事で表現しました。とても雰囲気にあった素晴らしい演技だと思います。私はこの作品から能登麻美子さんのファンになりました^^


(ストーリーについて)
基本コンセプトは必殺仕事人の世界の表現です。
とっても憎くて悔しくて、そして自分ではどうにもならない恨みやつらみ・・・。そういったものを地獄少女である閻魔あいさんが代わりに晴らしてくれると言う物語。
恨みやつらみを持つ依頼人は、地獄通信と呼ばれるインターネット上のwebサイトに、地獄送りにしたい相手の名前を書き込みます。だけど地獄通信は興味本位でアクセスしても開きません。本当に強い恨みを持つ人だけがアクセス出来るのです。そして無事に地獄通信に相手の名前を書き込む事が出来た依頼人は、地獄少女である閻魔あいさんから”藁人形”を渡されます。藁人形の首に巻かれた真っ赤な糸。この糸を引けば相手を地獄に流すことが出来るのです。但し古の昔より言われる通り、”人を呪わば穴二つ・・・”。相手を地獄に送った依頼人には大きな代償を求められます。その代償とは、自分も死んだら同じ様に地獄に流されると言うこと。生前は地獄行きを約束する刻印を胸に押され、常に死の恐怖を感じながら生きる事になります。そうして死んだら、今度は自分が閻魔あいによって地獄へと流されるのです・・・。


自分の地獄行きと引き替えにしてでも晴らしたい恨み・・・。本当に相手と差し違える覚悟が必要ですね。地獄行きへの恐怖を感じながら、依頼人が赤い糸を引くまでの心の揺れ動きの描写が素晴らしいです。
お話は26話構成。それぞれの回では”恨みの内容”こそは異なりますが、基本は依頼人の恨みを閻魔あいさんが地獄に流して解決するという構成になります。なので連続して見ると途中で中弛みを感じてしまうかも知れません。但し、物語は中盤から少しづつ違った展開を見せてきます。
地獄送りを繰り返す閻魔あい。その行動をある少女が垣間見る事が出来る様になるのです。そしてその少女と父親は閻魔あいの謎を追い始めます。閻魔あいは誰なのか?どうしてこんな事を繰り返すのか?そして何が彼女の目的なのか・・・。少女と父親はいつしか閻魔あいに翻弄され、そして閻魔あいの悲しい過去と正体を知ります。とても悲しく衝撃的なラスト。必見だと思います。


(私なりに考えてみたよ)
閻魔あいさんはとても美人。真っ白な透き通る様な肌に、真っ黒でサラサラの長い髪。日本人形の様に美しい彼女。だけどその目はとても悲しげ。そして見開いた瞳は人の心を見透かすかの様です。
地獄送りにする相手は基本的には恨みを買うような悪い人。だけど人の恨みって言うのは、いつ、何処で誰から買うのかは解りません。例えば良い行いをする為に悪人を懲らしめる。そうしたらその悪人の子供は親を懲らしめた相手を恨みますよね?コレが人の恨みの連鎖・・・。いつまでも消える事の無い悲しい恨みの鎖。だから閻魔あいは時には良い人さえも地獄へ流します。悪人も、良い人さえも、依頼があれば地獄へと流してしまうのです。閻魔あいは決して正義の味方では無い・・・。何が悪で、何が正義かなんて、当人同士にしか解らない事だから・・・。
だからかな。彼女の目はいつも悲しげ・・・。自分の感情を押し殺し、心の扉を閉ざして地獄送りを行います。そこに正義や悪を考える余地はありません。ただ黙々と地獄送りをこなすのです。彼女は悲しみを知っています。人の業を知っています。それ故に彼女は全てを背負う事が出来るのかも知れません。


そんな彼女がたった1度だけ、物語の最後で自分の感情を爆発させます。私はこの時の閻魔あいさんがとても好き。普段は人形の様な彼女だけど、彼女が見せる初めての感情。変な表現ですけど、彼女にとても親しみを感じ、そして包み込んであげたい愛おしさを感じました。

彼女が見せる涙・・・。どうして泣いたのかは作品は語りません。だから私は作品を観終わった後でも時々思い出すのです。彼女の悲しげな顔と涙を・・・。そして、人間らしい閻魔あいさんをとても愛おしいと思うのです。


今宵も閻魔あいさんは誰かを地獄に流しているのかも知れません。誰かの恨みを小舟に乗せて・・・。


さぁ・・・「あなたの恨み、地獄へと流します・・・。」


投稿 : 2024/05/18
♥ : 43

たま。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

鬱アニメ

 最近世間で、ある都市伝説めいた噂が流れていた。「午前零時にだけアクセス出来るホームページ『地獄通信』に晴らせぬ怨みを書き込むと、地獄少女が現れて憎い相手を地獄に流してくれる」 。 しかし、その噂は真実だった。。。

 1クール目は一話完結型で話が進みます。水戸黄門のような勧善懲悪ものもあれば、ドロっとした居たたまれない話もあり、しっかりとした内容です。2クール目も一話完結型で話は進むのですが、ところどころにはじめちゃん&つぐみが現れ、地獄少女について調べていきます。この展開がかなり面白い。特にラストの話の鬱具合と言ったら。。。
 私は当時はちょっと泣きました。



投稿 : 2024/05/18
♥ : 18

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

その場限りの救い

「いっぺん死んでみる?」
閻魔あいのこの台詞は、案外奥深いものがある、とは思う。

人の恨み、憎しみはどうやったら消えるのだろう?
憎しみや哀しみなどの負の感情が芽生えるとき、
その人間にとって実際に報われる時というのは、
相手が消えてなくなる時なんだろうか?

誰かから、これでもかというほどの酷いいやがらせを受ける。
当然、哀しみに打ちひしがれ、相手を恨んでみたりするものの、
自分さえいなければ・・とまで思い詰める。

そんなギリギリの感情がMAXに達したとき、閻魔あいたちが登場。
「あなたの恨み 晴らします」

そう、かつてのTVドラマだった『必殺仕事人』そのものの台詞。
仕事の請け負い方と、それぞれの顔ぶれもそっくり。
だけど、ただひとつ違うのは、そのシステム。

お代の変わりとなるのは、「人を呪わば 穴二つ」

つまりは、自分の恨みを晴らして相手を地獄送りにしたら、
自分も同じ地獄送りになるよ、ということ。
それを納得させた上で、仕事は実行されるというわけだ。

結局、嫌がらせを受けたりする発端も、
憎しみや嫉妬からきているわけで、もちろんそれは正しいこととは
言えないまでも、嫌がらせをしてくる相手を恨んでしまったら
同じ立ち位置になってしまう、ということなのだ。

だから自分も地獄送りになる? 恨みを恨みで返す?
そのループがどうにも哀しすぎて、1話完結型であるがゆえになおさら
毎回救いようのない虚しさを覚えてしまい、観ているのがつらかった。

そしてさらに、あい達、仕事人達によって成敗してもらうという
他力本願なところも、あぁそうか・・人を使ってやらせるから
罪が重くなるんだよね、なんて思ったりもした。

憎んだり恨んだり、己のことを呪ったりした時、
心の底から報われるには、やはり他力本願でもいけないし、
人のせいにしていないで、自分の力で這い上がらないと
どうしようもないのじゃないかなと。
また、嫌がらせしてきていた相手と直接、自らが渡り合って
想いをぶちまけ合うことは必要だと思えてならない。
そうした上で、自分を自力で変えることができたり、
何かに気づき報われた時、人間は成長するのだと僕は思う。

というわけで、どうしても共感できない想いを抱えたまま、
次は何か進展するだろうと信じて観続けてしまった。

この物語は2期、3期と続くので、もしかしたら今後
閻魔あい自身の地獄少女となった所以とか、違った解決法とか出てくるのかもしれない。
なので近々続きを観てみようかと思う。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 82

66.8 3 ホラーで残酷なアニメランキング3位
殺戮の天使(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (341)
1445人が棚に入れました
ビルの地下の最下層で目を覚ました少女、レイチェル。 彼女は記憶を失い、自分がどうしてここにいるかさえ分からずにいた。 地上を目指し、ビルの中をさまよう彼女の前に現れたのは、顔を包帯で覆い、死神のような鎌を持った殺人鬼ザック。 「お願いがあるの…お願い、私を殺して」 「一緒にここから出る手助けをしてくれよ。そしたらお前を、殺してやるよ」 二人の奇妙な絆は、その””誓い””をキッカケに深まっていく。 果たして、ここはどこなのか。二人は何の目的で閉じこめられたのか。 彼らを待ち受ける運命とは。 密閉されたビルから脱出する二人の決死行がはじまった……!

声優・キャラクター
千菅春香、岡本信彦、櫻井孝宏、藤原夏海、伊瀬茉莉也、大塚芳忠

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

タイトルで損してる

タイトルを見て「明らかにクソアニメ臭がする」

ただ絵とロリ・ヴァイオレットエヴァガーデンなヒロインが好みだと思い、興味でイントロだけ見てやろうと思い、唐突に始まる情報の無い物語に一種サブカル的興味を惹かれて二話辺りまで見てみると、ギャグアニメ的要素を感じて爆笑の渦に巻き込まれた。

サイコホラーと謳ったものの意味が分からない点が多すぎて、笑いどころが多かったのだが(所謂生死を賭けたギャンブルと見せかけて、その実シリアスもクソもないギャグエロ漫画アニメであった賭ケグルイ的な)、話はだんだん少しずつ公開されてきて笑いどころ抜きでも面白いものとなってくる。


キャラも良い。
男性的観点で見ても、ヒロインやキャシーがめちゃくちゃ可愛く描けている。
下半身的要素だと勿論キャシーだが、どっちも最高だ。

女性的視点でも完璧だ。
オラオラ系ヒーロー、イケメン眼鏡、一途な美少年、ダンディなおじ様、この登場人物の選択から、私は昔はまっていた乙女ゲーを連想してしまった。
元ネタらしいフリーゲームはちょっと残念そうな感じであったが、まあきっと面白いのだろう。

さて、ここまでが途中まで見た感想だった。

まず教会編の中だるみはちょっとエグい。
慣れている私もだんだん面倒くささが出てきてしまい、ほんの少しだけ見るの辞めようかなと思ったほどだ。
というのも、何言ってんのか、そしてそれらの話の整合性があると思えないからだ。
ただ話に宗教性を含めて小難しくしてる様に見える為、毛嫌いする人からは本当に嫌なものかもしれない。

結論を言うと、有料版の13~16話の間の最終章であるレイチェル編にその話を組み上げるピースが出てくる。

主人公はイカれてる設定もあり、考えも一貫してるので、思想が人間離れしすぎているのは問題ないとしても、レイチェルの理解できないふざけた行動を全部解決するにはこの教会編が無ければ話にならない。



中盤の問題について考えを述べさせてもらったが、序盤にこれをつまらないと投げる人はそのままこのアニメを無理して見る必要はないだろう。

人の倫理観と言うのは個別で差があるのが、このアニメの名のある登場人物が理由あれど軒並み殺す事を悪として考えない者しかいない。

愛が欲しくて殺す者
愛情表現で殺す者
正義として殺す者
神の代行者として殺す者

そして

楽しいから殺す者
思い通りにしたいから殺す者

強いて言えば一番最後だけ悪として認知しているが、勘違いされそうだが、殺害に対しての罪ではなく、「自分の欲求の為に」やっている事について気付いた為に罪であるとして認識している。

要するにこのストーリーでのテーマは一貫して命を奪う行為について是としている。
そういった思想の多様性を受け入れられるか否かも結構重要になってくるので、余りオススメできる作品でも無いのかもしれない。
それこそ安楽死が善か悪かを唱えるか如く。

ただし、伴って中二病を拗らせて何の考えも無しに

「命を奪う行為は悪い事じゃない!」

と主張して回る(頭の)可哀そうな少年少女が絶対出てくるので子供には余り見せるべきではない。
よってタイトルももう少し中二病な名前を変えた方が教育的だろう。


何よりも、そういった思想についての道筋や行くべき方向性について語る哲学的物語でもない為、良い意味でも悪い意味でも考えさせられる事もタメになる事も何もないからだ。(あると思ったなら早く気付いてください。それはただの中二病です)

ただそういう思想を持った少女と他数名が、自分が何かを殺める時の理由の中に典型的利己欲求から大罪を抱えていると気づいたり、人として人足りえ、人として人あらぬことは無い。というような話だ


だからこそラストはその世界の全てが壊れるような。香にまみれた部屋を換気する、そんな感じの唐突の変化を感じる事になる。

これの裏のテーマは恐らく、各々の思想の尊重と各々の意志の尊重。と言ったところだろうか。


あと俺が言えるのはキャシーはyoutubeでも会えるし、アニメ版のレイチェルは物凄く可愛いという事だ

投稿 : 2024/05/18
♥ : 7

イムラ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

勉強になりました

<2018/9/22初投稿>
原作はゲーム?
よく知らないで見始めました。

少女レイチェルと殺人鬼ザックの地下からの脱出劇
謎解きホラーのような感じ。

正直面白いとこ全くなかったんですが、最終回がどうなるのかだけ気になって観続けました。
自分としてはそういうの珍しいです。

12話まできてサブタイに「終」つまり最終回マークが付いてたので「よーやく最終回♪」と観てみたところ、「To be continue」でかなり中途半端なところで終了。
そしてEDの後に「全16話。この続きはAmazonの有料ネット配信で」のご案内。

最初からその予定だった感じですね。
最初の12話をテレビで無料で流してネット配信へ誘導か。
それも謎解きもので。

テレビはもう撒き餌扱いの時代なんですね 笑

勉強になりました。
という意味で記念レビューです。

ちなみに13〜16話は観ないと思います。
そこまで最終回が気になるわけでもないので。

・・・この撒き餌作戦、もし気に入った作品でこういうことされてたら不快な気分になってただろうな。そういう意味で助かりました。

<2018/12/31追記>
昨日、ATXで残り13〜16話やってたので見ました。

感想は「やっぱ見なくても良かったな」

投稿 : 2024/05/18
♥ : 47
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

マ・ジ・で~!?

原作未読。第12話まで視聴。
(あえて”最終話まで視聴”とは言わないけど、鑑賞状況は”見終わった”で)

{netabare}『つづきはwebで!』{/netabare}
第12話まで視聴した視聴者に向かって、こんな斬新な回が待っているとは、夢にも思わなかった。

さすがに少々ショックで、コメントする気になれない(笑)。

【だけど、ここは”少しだけ”大人になろう】
{netabare}中盤までは普通に楽しく視聴していたんだけど、神父の発する言葉が、意味深なのに意味不明で少々興醒めしました。{/netabare}

レイチェルはとても可愛かったし、アイザックも何やかんや良いヤツだった。
作画は丁寧に描かれている印象。

遠藤正明さんのOPが、少々物寂しい作品とは裏腹に、とてもアツくて良かった。


2018.11.02追記。
16話まで視聴しました。
結論から言うと、わざわざ課金してまで視聴する必要は無かったかなという感じです。

最大の謎である、{netabare}あのビルの正体と個性豊かな住民の正体については{/netabare}最後まで明かされませんでした。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 32

63.2 4 ホラーで残酷なアニメランキング4位
伊藤潤二「コレクション」(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (137)
439人が棚に入れました
『伊藤潤二傑作集』『魔の断片』を原作とする。
『伊藤潤二傑作集』は、『富江』『双一の勝手な呪い』『フランケンシュタイン』など、伊藤さんの人気作を全11巻に収録した作品集。
『魔の断片』は、「Nemuki+」に掲載された読み切り『解剖ちゃん』『黒い鳥』など、全8作品を収録。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、下野紘、名塚佳織、緑川光、小山茉美、末柄里恵

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

気持ち悪いけれど、かなり笑えるホラー作品

ホラー漫画を原作として、毎回2つのエピソードで構成されるオムニバス形式の作品。全12話で計24のエピソードが描かれています。
内容的には、不気味だったり、不思議だったり、あるいはかなり気持ちの悪い物語が多く描かれていますが、どの話も発想が面白かったので、最後まで飽きることなく、とても楽しめました。ただ、ホラー作品として、観ていて怖かったかというと正直微妙なところ。作品の中で起きることがあまりにも現実離れしているためか、全体的にシュールな空気が漂っており、また、毎回の話のオチも、「え?これで終わり!?」みたいな唐突さがあって、なんだか笑ってしまうことが多かったです。
個人的に特に印象に残っているエピソードは、第2話Aパート「ファッションモデル」と第10話Aパート「グリセリド」で、前者のキャラはとんでもなく強烈でしたし、後者の内容の気持ち悪さは尋常ではなかったです。
声は、毎回なかなか豪華な声優を起用していて普通に良かったです。作画は、それほどリアルな系統の絵柄ではないので、グロいものが得意ではない自分でも意外と平気でした。全体的に独特な雰囲気や味があって悪くなかったと思います。また、EDの映像は、毎週その回の内容に合わせて変えていましたが、遊び心が感じられて楽しかったです。
最後まで観終わって振り返ると、24のエピソードの中で全く面白くないという話はなかったようで、どの回も平均して楽しめました。いちおうホラーというジャンルなので、意図したものかどうかはわかりませんが、笑ってしまうような場面も非常に多くあり、シュールコメディとして、とても出来の良い作品だったように思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 12

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ありのまま起こったことを話すぜ ホラーアニメ見てると思ってたらいつの間にかギャグアニメを見ていた

なにを言ってるかわからねーと思うが俺にも分からねー。

世界の巨匠伊藤潤二氏のホラーコレクション集。

ホラーとは書いたが厳密に言えばホラーっぽい何かだと思う。
その何かが高度なギャグであることに気付くのに少々の時間を要するのだがそれはまた後ほど。

少なくともホラーと聞いて期待されるであろう恐怖感とかそういうのとは少しばかり縁遠い。

ただ雰囲気は妙におどろおどろしく悪く言えば気持ち悪い。
伊藤氏の絵柄は本来もっと気味が悪いと思うんだがこのアニメに関しては少しばかりそういうのが緩和されてる印象を受ける。
もっと忠実に気味悪く出来たはずである。

ともあれその抜群の気味の悪さ故にどうしてもホラー的ななにかを期待させてしまうんだがどういうわけかアニメで見ると絵柄 演技 見せ方 そのすべてが我々を恐怖より笑いに誘(いざな)ってしまうのだ。

シュールな笑いていうのかね こういうの。

怖いと思った回数より笑った回数のが間違いなく多いと思う。

そういう意味では下手な狙ったギャグアニメより笑えたぶん秀逸なギャグアニメであるとも言える。

笑わせようとする意図は無いのだと思うのだがそういうのに限って笑えてしまう。
そんな経験おそらく誰もがあることだろう。

繰り返すが雰囲気は実に素晴らしいのだ。
だからこそなんだかんだでラストが気になり見入ってしまう。

だが困ったことに物語のオチがよく分からん回もちらほら存在する。

例えばある不気味な存在がいたとしてソレがいったいなんであるのかとかいう説明が放棄されてるため不気味な話ではあったが結局なんだったんだ?て感じになってしまう回も少なくは無い。

知ってる人がどれだけいるかは知らないがホラー短編集「新耳袋」とかもそんな感じだった。
タイプ的には似たようなもんだろう。

そういう細かいとこを気にしたらダメなのかもしれないが気になるんだから仕方ない。
なんともすっきりしないこの気持ちをどうしろと言うのだろうか。

尚、オチの無い回の多い作品ではあるがたまに当たり回が紛れてるのがまた心憎い。

宝クジに当たるよりはるかに当たり回の確率は高いぶん随分良心的である。

不気味というだけでなくどこかシンミリとさせてくれるような秀逸な回も存在する。

個人的なお勧めだが「緩やかな別れ」と「案山子(かかし)」のラストは中々印象に残るものだった。

あんざんことか読んじゃうお茶目な人もいたらアレなんで念のため。

絵柄のせいなのかこれまた余り人気の無い作品のようだが回の出来自体は確かにピンキリではあるが惹き込まれるモノがあるのも確かであり間違いなく見て損はないであろう。

いや多分。

絵柄で敬遠するという行為はそれだけで人生の0.何%かは損していると言える。
絵柄が最優先されるのは薄い本だけで充分なのだと私は思う。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19
ネタバレ

おぼ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

おかしなホラー/1話感想(1.7)

原作未読/二クール

雰囲気が好き。

※星評価の基準は各話レビューのネタバレ内に記載
※レビューにネタバレはほとんど含みません
※最新1話のみ各話レビューから外しています
※基本的にはTwitterに書いた感想そのままです
※各話感想は殴り書きに近いです

( 'ω'o[各話レビュー]o
{netabare}
※星評価の基準
---------------- 8×キリトリセン ----------------
★★★★★/かなり面白かった
★★★★☆/面白かった
★★★☆☆/普通
★★☆☆☆/微妙
★☆☆☆☆/面白くない
---------------- 8×キリトリセン ---------------- {/netabare}

①「双一の勝手な呪い/地獄の人形葬」/★★★★☆
{netabare}
オムニバス形式のホラーアニメ。
伊藤潤二の作品は「ギョ」のみ視聴済み。
1話としては若干弱かった気もしないではないけど、ホラーなのにちょっぴりおかしな物語に最後までつかれそうで安心。
2話も楽しみ。{/netabare}

( 'ω'o[総括レビュー]o
※後日追記

投稿 : 2024/05/18
♥ : 16
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