仲良しで女子高生なアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の仲良しで女子高生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月01日の時点で一番の仲良しで女子高生なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

91.6 1 仲良しで女子高生なアニメランキング1位
映画けいおん!(アニメ映画)

2011年12月3日
★★★★★ 4.3 (3042)
15419人が棚に入れました
「放課後リターンズ!」「けいおん!」は、いつでも進行形!!あの大人気TVシリーズが遂に映画化!TVシリーズでは描かれなかった、桜が丘高校在学中の軽音部5人の繰り広げるゆるやか部活ライフを描く。卒業を控えた軽音部3年生 唯、澪、律、紬の4人は、いつもどおり部室でお茶したり、バンドの方向性を話し合ったり?とゆるやかな時間を送っていた。そんなある日、教室で同級生たちが「卒業旅行」を企画していることを知り、唯たちも卒業旅行に行こうということになる。そのことを聞いた梓も参加することになり、各自、候補地の希望を出す中、くじ引きの 結果「ロンドン」へ行くことに決定!ガイドブック等旅行の準備をしながら、各自、ロンドンへの思いをはせる。

声優・キャラクター
豊崎愛生、日笠陽子、佐藤聡美、寿美菜子、竹達彩奈、真田アサミ、米澤円、藤東知夏、永田依子
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

出会えた奇跡に、ありがとう

これで、けいおん!シリーズの週刊連載もいよいよ最終回。私にとって、「始まりと終わりの物語」である映画けいおん!最後まで、お楽しみいただけたら幸いです。


◆出会いは、あの日あの場所で◆

時は、2011年12月18日。場所は、横浜みなとみらい。この日、この場所で、私は運命の出会いをしました。

その日友達ととある用事で出かけていた私は、流れでいっしょに映画を観ることになりました。作品は、『映画けいおん!』

実は当時の私はアニメの駆け出しで、けいおん!という作品は知っていたけれど、一度も見たことがありませんでした。そう、私はけいおん!という作品に、映画館で初めて出会ったのです。

「観たい」という友達に言われるがままについて行った私は、正直まったく期待していませんでした。が、その期待は見事に裏切られました。なんだこの、楽しそうな女の子たちの表情は。なんだこの、きらきらと輝く青春は。気がついたら私は一人、彼女たちの姿に涙を流していました。

その日のちょうど2ヶ月くらい前、当時の私にはとても悲しい出来事がありました。それも相まって、輝いて見えた彼女たちの永遠。その日から私も、ある永遠を手にしました。きっと色あせることのない思い出たちと、ずっと愛し続ける名曲を。

けいおん!という天使に出会えた奇跡。その奇跡に、心からありがとう。


◆この作品で伝えたかったこと◆

この映画けいおん!で伝えたかったのはきっと、「ありがとう」という感謝の気持ち。

この作品では、卒業旅行とあずにゃんへの贈り物が中心となって、お話が展開されていますよね。卒業旅行に行く中で、あずにゃんへのプレゼントを、伝えたい気持ちを一生懸命考えた。今まで過ごした大切な時間。忘れることのない思い出。伝えきれないありがとう。

そんな、いっぱいのありがとうから生まれた一つの名曲。

この曲も、あずにゃんの羽根になるかな?

なる!と思いたい

なるわ。たくさん詰め込んだもの。あずさちゃんへの気持ち、いーっぱい

気にってくれるといいな

あんまり上手くないですね

でもね、会えたよ! すてきな天使に

ゆい、りつ、むぎ、みおからの、あずにゃんへのありがとう。そして、あずにゃんからの、4人へのありがとう。その両方のありがとうが、この曲に込められているんだと思います。

でも、もしかしたら、それだけじゃないのかもしれませんね。けいおん!を見てくれたすべての人たちに。けいおん!の制作に関わったすべての人たちに。

この作品が描きたかったのは、けいおん!を通して出会ったすべての人に贈る、ありがとうの気持ちだったのかもしれません。

改めて、出会えた奇跡に、ありがとう。


◆まとめ◆

本編の中では、2期の第22話から第24話の間にあたるこのストーリー。まさか、けいおん!ファンの方でまだ見てない人はいないと思いますが、もしいたらすぐ観るべきです。そう、今すぐに。

女子校生ならではの友情と音楽を描いてきた、けいおん!シリーズ。

きっと、50年後も100年後も、色あせることのない唯一無二のその魅力を、一人でも多くの人に感じてもらえたら幸いです。


だいぶ私の個人的感想が強かったと思いますが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。


◇余談◇

『聖地巡礼?~玄のイギリス訪問記~』

※私が以前行ったイギリス旅行の紹介と、それを参考にしたゆい達の旅行のちょっとした解説です。興味のある方はどうぞ読んであげてください。

{netabare}はい!実は私も、この映画を観たちょうど後、イギリスに旅行に行きました。(たまたまですが)

時は、2012年8月下旬。日数はゆい達と同じ3泊5日。当時、私の姉がイギリスのロンドンで働いていて、父と二人で訪れたって感じです。(ちなみに母と弟は、同じ年の3月に行っています。)もう3年も前の話ですが、覚えてる範囲で書いていこうと思います。


☆1日目☆
たしか、お昼頃に成田発の飛行機に乗りました。飛行時間は13時間。電車以外の乗り物だと眠れない私は、ぜんぜん眠れず苦労しました。機内食は美味しかったです。出され過ぎて、常に満腹でしたけど ^ ^

☆2日目☆
夕方頃に、イギリスのヒースロー空港(ゆい達と同じ)に到着。クイーンズパーク駅にある姉の家に一旦寄って、ロンドン市内散策へ。イギリス初日にもうビックベン(世界遺産の時計台)を見て、その後、ロンドン・アイの観覧車に乗りました(ゆい達が乗ってたあれ)。もう夜だったので遠くはあまり見えなかったけど、輝く夜景はきれいでした。夕食は最寄り駅のイタリアンレストランへ。2種類のパスタとピザを食べました。そこそこ美味しかったと思います!

☆3日目☆
イギリス二日目。今日は本格的な市内散策へ。バッキンガム宮殿(たしかロンドンオリンピックのマラソンコースだった場所)を訪れて、お昼にイギリスの名物料理であるフィッシュ&チップスを試食。その後、トラファルガー広場と国立美術館を見学して、テムズ川の遊覧船クルージングへ。天気もよかったので、とても気持ちよかったです。そして、ゆい達も行った(はずの)大英博物館に行き、最後はどこかの劇場でミュージカルを見ました。演目はオズの魔法使いのエピソード0にあたる「ウィキッド」。といっても、私はほとんど眠っていましたが ^ ^

☆4日目☆
イギリス三日目。ずっと姉と父の金魚のフンだった私は、この日は一日一人で行動してみました。目的地は、ロンドン郊外にあるケンブリッジ天文台。小高い丘を歩いて登り、世界の中心、本初子午線をまたいで来ました。その後はロンド市内に戻って、ランチにハンバーガーを食べました。そして、ロンドン塔(ここの近くに、ゆい達が行ったはず)とタワーブリッジを見学し、リージェント通りでお土産の紅茶を購入。最後駅から姉の家に帰る途中、道に迷ったのには焦りましたが、きれいなイギリス人女性に助けてもらって事なきを得ました。家に着いてからは、夕食もろくに食べずに爆睡でしたが ^ ^

☆5日目☆
イギリス最終日。本当はアフタヌーンティーを飲む予定でしたが、飛行機の時間が13時くらいだったので、諦めることに(ここもゆい達といっしょ)。2度目の観覧車に乗って、イギリス旅行を振り返りました。4日間歩き回ったかいもあって、1回目よりも場所や地理がわかって楽しかったです。ラストはヒースロー空港から日本に、Sky High!


私がイギリスを訪れて特に面白いと感じたのが、いろんな人種の人々が集まっていたこと。ロンドンは年間1500万人以上が訪れる、世界有数の観光都市。ヨーロッパ系はもちろん、アジア系やアフリカ系などのいろんな人種の人がすぐ近くにいて、すごく不思議な気分でした。

また面白かったのが、アジア系の人々(日本人、韓国人、中国人)は顔が似ているのですが、服装でなんとなく判別できること。{netabare}中国人は二昔前のちょっとダ○い格好、韓国人はカッコつけた感じ、日本人は自然体、でした。(決して、悪口ではありません){/netabare}


ちなみに、ゆい達のスケジュールは以下の感じだったと思います。

♪1日目♪
成田出発(11時45分発)

♪2日目♪
ヒースロー空港到着→あずにゃんくつ購入(カムデン・タウン駅)→すし屋で演奏→ホテルへ

♪3日目♪
市内散策(ウェスト・ブロンプトン駅)→ベーカー街221b(シャーロック・ホームズ居住地跡)→大英博物館(ロゼッタ・ストーン)→アフタヌーンティー失敗→ロンドン・アイ(観覧車)→夜の屋台(バラマーケット)→ホテルへ

♪4日目♪
音楽店見学→ロンドン塔付近→買い物(グロスターアーケード)→ホテルへ

♪5日目♪
ロンドン・アイでライブ→ヒースロー空港出発(17時くらい)


私は家族のおかげもあって、楽しく安全にイギリス旅行を過ごすことができました。英会話はできなくてもなんとかなるし(できないと不便は不便ですが)、料理もそこそこ美味しかったと思います。お金や治安等については、各自気をつけていただければと。

私はいつになるかはわかりませんが、ぜひまた行ってみたいと思います。


ほんと無駄な長文を、最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m


{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 36

N0TT0N さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

終わらないで欲しいという感覚。

この映画を観るにあたって重要なポイントは1点だけです。

是非TV版を観てから映画版を観てください。
これだけでもある程度成立はしてるんだけど、やはりTV版とリンクしているお話なので断然1期→2期→劇場版の順で観ることをお勧めします。

で、早速結論を言わせてもらうとお勧めです。
てか必見です!
お父さん‥けいおんさんを僕に下さい!!

そういう感じですw


映画版はオリジナル脚本でしかも海外旅行ということもあり、下手すれば作品のテイストが変わってしまう可能性もあったと思うけど、そんなこともなくとてもいい出来だったとおもいます。
相変わらずのマイペース。
いつも通りの関係性。
どこまでいっても日常。。。

なんかこう書くと誉めてるように見えないけど全力で誉めてます。

特にオープニング10分位の紹介&ネタはTVシリーズを観ているとニヤニヤが止まりません(●´ω`●)デヘヘ♪

ゆるさとハイテンションの夢のコラボレーションでチャンチャラ可笑しいわね?!

‥いや、スゴく面白いオープニングでしたw

勿論実際にヨーロッパをやったのは言うまでもありません!
まあ、言うほどのことでもありませんが‥(笑)

1つ「ん?!」って思ったのは
いつも突然登場するさわちゃん先生ですが今回ばかりは流石に度胆をぬかれた件くらいでしょうかw
いくら自分がけいおんを下僕かのように盲信してても、この登場を擁護できる自信はありません(; ̄∇ ̄)
唯の英語歌詞をしのぐ正真正銘、完全無欠の「どないやねん」ですw

逆にキャラクター以外でうまいなぁと思う部分の1つに、ライブ時のお客の数とノリ具合というのがありますね。
劇中ライブを3回ほどやるんだけど、そのライブのお客とHTTとの関係、時間、場所によって、
「だよな、確かにそのくらいの感じになるだろうなぁ。。」
という客席の雰囲気を表現してる。

そこはTVシリーズから一貫して上手くて、
けいおんの音楽の部分を支える1つの重要なパーツだと言っていいと思う。

そしてもう1つ巧いなぁと思ったのが帰りのタクシーの中。特に何がどうという訳じゃないんだけど、光、暗がりの表現、表情、座り位置、どれを取っても素晴らしい名シーンだったと思いう。

TV版のフェスの後もあったけど「祭りのあと」の感じを涙が出るくらい完璧に表現していたと思うし、
物語のAメロとBメロを繋ぐ間奏としても満点の効果だったと思う。

あと、飛行機の日除けを開けるシーンや屋上で思わず駆け出すシーンなど、日常の延長線上にあるきらきらしたシーンがゆるい日常とのギャップでスゴく胸に染みました。

着眼点も、まずこの卒業前の部分を映画化しようと考えたことに「いいところに目をつけたな♪」と思います。
さらに、無理に「曲作り」という本題を押し出さず寄り道、道草メインで展開した演出はお見事でした♪

あと、1つポイントだと思うのが、
例えばけいおんの笑いって、他の4人に向けたボケやら失敗など‥
つまりほぼ登場人物達の内輪ネタでできていて、視聴者が居ようが居まいが5人の世界で完結しています。

それを視聴者の特命工作員であるスタッフが気付かれないようにコソッと覗いてくれていい具合のアングルでいい具合に切り取ってくれて視聴者にお届けしてくれているような感覚です。

1人1人が別に視聴者を意識することなく存在してるのです。

もし、全国の人に覗かれていると知ってたら
もっと頑張って、
キレのあるネタを提供してくれたかもしれないけど、5人はそんなことにはお構いなしで、永遠のような限られた時間の中で「好きな音楽」と「やらなければいけない練習」と「目の前のティータイムとおしゃべり」の間を行ったり来たりしているだけなのです。

大切なのはそのときどきの今。

物語のエンディングってとても重要だけど、けいおんに対して思うのはエンディング来ないでくれ。

今がずっと続いてくれ

ということにつきます。


個人的には‥

観に行った。。
というより再会しに行った。と言う方がしっくりきます。

面白い!
というよりふわふわ時間をおすそ分けしてもらってありがとう♪と言う方がしっくりきます。

レビュー♪
というにはどうにも客観性が著しく欠けてしまいます(^^;)

どこからかこんな声が聞こえてきそうです。


『あんまり上手くないですね♪』

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ほるもん!

映画としちゃダメダメだけど。
だけど。。これ、けいおん!だからね。
ハルヒとは違うから。
だから同じダメダメでも遥かにあっちよりマトモっていう・・・。志的に。ポリシーがある。


映画作品の必須条件として最低限だけどサラッと初見さんフォローをしてるのがなんというか・・
申し訳なさそうに『すいません・・一応映画なんです・・』という、そのオーラが良い。

某消失でイラっとした初見とか予備知識なしのヤツがみるわけねえだろ?ってアホな態度がない。
これが初めてならTVも観てくれたらうれしいなってか。
わかってらっしゃる。監督とか演出さんがまともな人間だよな。


でこの作品、ビシっと締っちゃったらそれは『けいおん!』じゃなくなっちゃうんだな。
だからロンドンいらなくね?話の都合が良すぎね?ツマンネって人がいても問題ナッシング。唯のバカさがちょっとやりすぎ?・・ウザ・・は同感しとく。
大学はAOとか流行のカンニング・・・いや全部マークシートだったとか・・。

相変わらず山もオチも締りもない。最初から最後までふわふわ。ゆるゆるのグダグダ。
かといってドラえもんみたいに映画になったら冒険と友情の感動巨編だと作品をぶち壊しだからな。
結局OVAでもよかったんだろうし、2時間ただTVシリーズを繋げただけっていう雰囲気。切り売りできるレベル。
作画だってカット、コンテの切り方が映画用になってるだけでフルアニメでぬるぬるじゃないYO。全国じゃないんだからそりゃ予算も時間もガチには敵わない。
しかしエピソードの塊というか。元々4コマなんだし、それがこの作品の作風だし、これもあえてそうしてるんだろう。いいと思います。



ストーリーはせっかくのアンコールだから、梓の補完をしたかったのかしら。
TVはけっこうドライに終わったし。4人は大学が同じだけに。あずキャットかわいそうに。。
あとは原作で続きがあるがゆえにか。。

唯がでしゃばり過ぎだとも思うが、これはニーズに答えて?なのかな。唯あずの百合成分補給ってことでいいんでね。
アニメキャラとしては珍しい短足なキャラデザ、でもカメラは基本フトモモw2期の頃とブレてねえな。あのラストがすべてを物語るなぁと。。


ただし、作品から伝わるのは『もうけいおん!はやりたくない!』というメッセージ。
あくまで女子高生の時間こそが至高であることを強調してきますね。この感じ、どうしてもってなら、過去か、梓単品しかありえませんね。
分かりやすい例として{netabare}最後の最後まで制服は意地でも脱がせない。卒業してるけど式直後なんだからありしょ?という{/netabare}
すべてケジメはちゃんとつけたぞと。
その心がけやよし!


んで、ファンタジーだったTV版と違い男が大量に出る。モブだけど、先生も家族もでるし、しかもトイレもいく。2回?普通は描く必要のないことだし、わざわざ分かりやすく描くってことは・・。
{netabare}ロンドンでお茶もしないよね。ここも意味深。彼女達の世界はやっぱりここではないと?放課後だけが彼女たちの世界だったと。{/netabare}
修学旅行で京都から京都へ行く、男はクラウザーさん他しか存在しない。そんなTVシリーズでしたが、
要するに彼女たちがついにあの摩訶不思議な世界から一度だけロンドンという現実に似た世界へ出てきてしまった。

これもう、みんなもいっしょに軽音部を卒業してげんじつ!へ帰ってかなきゃいけないでしょ?もうそろそろいいしょ?みたいなことなのかしら・・・・。実際そんなもんだしね。
視聴者が歳をとっちゃう。
ナウシカがオームを帰すようなかんじで。。
森へお帰り的な・・・。
別の形、ご都合主義で受け取るなら梓=視聴者となる。
ありがとうと。
とにかく彼女達の人生は終わらないが、物語はおしまいですよと。勝手に読み取った。


余談だけど個人的にツボったのが冒頭、まさかのw{netabare}MMDけいおんモデル、恋のメガラバのリスペクト?!!{/netabare}やるなぁ公式wwあんだけ人気ありゃそりゃ巡回済みだったんね。まんまじゃんか。
消されてるのてツベ探すとのこってるよ・・

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

63.8 2 仲良しで女子高生なアニメランキング2位
劇場版 フリクリ オルタナ(アニメ映画)

2018年9月7日
★★★★☆ 3.4 (60)
230人が棚に入れました
モヤついている高校生・河本カナ。嵐のごとく登場するハル子。その時カナの額にお花が生えた! 煙を吐きがら街をぶっ潰すアイロン。毎日が、毎日毎日続いていくと思っていた・・・。力を手に入れたカナはアイロンをぶっ飛ばせるのか!?

声優・キャラクター
新谷真弓、美山加恋、吉田有里、飯田里穂、田村睦心、小西克幸、永塚拓馬、鈴木崚汰、伊藤美紀、真坂真帆、森功至、松谷彼哉、青山穣
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

17歳の叫び

アニメーション製作Production I.G×NUT×REVOROOT
監督:上村泰、副監督:鈴木清崇、脚本:岩井秀人
キャラクター原案:貞本義行、キャラクターデザイン:高橋裕一

何がフリクリなのか分からない。
2000年製作のOVAフリクリの監督である
鶴巻和哉から発せられた言葉だ。
それだけフリクリという作品には、
多様性があるということだろう。
音楽、作画、パロディ、ロボット、SF、青春などなど、
渾然一体となってさまざまな要素が盛り込まれていることが、
ひとつの特徴といえるかもしれない。

舞台は何の変哲もない田舎町。
ごく普通の女子高生、河本カナ(カナブン)は辺田友美(ペッツ)、
矢島聖(ヒジリー)、本山満(モッさん)という
3人の友達といつも一緒。
秘密基地「ハム館」を拠点に、楽しい学生生活を送っていた。
しかし、彼女たちの前にハルハラ ハル子が現れて、
日常は大きく変化していく。

街にできた大型ショッピングセンター、
カナブンのバイト先の蕎麦屋で
男がいつも同じ月見そばを注文することも
ひとつの象徴だろう。日本初の女性総理大臣は
国民に何かを隠して計画を進めている。
激動の予感を漂わせながら、カナブンの日常は過ぎていく。

女子高生たちは日々の暮らしを満喫している。
ヒジリーは大人ぶって年上の恋人と付き合っている。
モッさんは進路を決めて自分の力で夢に向かって邁進している。
カナブンはある男子が気になり始める。
ペッツは高村薫の『照柿』を読みながら、
幼馴染のカナブンを特別な存在として意識し、秘密を抱えている。

日本での公開はこちらが先だったが、
『フリクリ プログレ』の製作が決まったあとに
オルタナの製作が開始されたため、
プログレの内容とは、違う形でのやり方が求められていたという。
つまり、プログレのほうが正当派の続編であって、
こちらは、あくまで番外編。本編とは少し外れた内容になっている。

そして、違いをどこで出すかということで、
女子高生の日常を描いた青春ストーリーに
ハル子が絡んでくるという展開になっている。

正直なことを言うと、この話であったなら
『フリクリ』である必要性はほとんどない。
女子高生の青春ストーリーが中心にあって、
ハル子や世界観が重なってくる。
そのため、ハル子のポリシーというか哲学が
ずれているように感じてしまう。
監督がこの作品で重視したのは、
「女子高生のリアル」だとインタビューで語っている。

監督の上村泰はガイナックス時代に『トップをねらえ2!』の
設定制作補助を務めたところからキャリアをスタートさせ、
その後もいわば鶴巻和哉の下で仕事を覚えた人物。
鶴巻和哉のやり方をつぶさに見てきたため、
フリクリの監督としてはうってつけの人物だったのだ。
そして、脚本は舞台作家で演出家でもある岩井秀人を起用。
これは鶴巻和哉が昔のインタビューで語っていたことだが、
フリクリを考案していたときには、色々な舞台を頻繁に見に行っていて、
演出は舞台の手法にかなり影響されたそうだ。
アイロン型の工場やギターを武器のように
使用するというような小道具の使い方は確かに舞台っぽい。
そういう面も踏まえた抜擢だったことが想像できる。
上村泰監督はフリクリのファンだと語っており、
その結果、完成したのが、この『フリクリ オルタナ』なのだ。

ここで、冒頭の鶴巻和哉のコメントが浮かぶのだが、
どれだけ近くにいても何が正しいのかは、分からないのだろう。
特に、このフリクリという作品には、
当時の時代性やガイナックスの社風が色濃く反映されている。
そういう意味では、このフリクリも「アリ」なのだとは思った。

物語の核をなすのは、主人公カナブンとペッツの話となる。
彼女たちの関係性が、この世界の命運を決定づけるキーとなっていく。
{netabare} 女子高生の叫びが世界に関係していくというのは面白いが、 {/netabare}
この作品は良くも悪くもOVA版『フリクリ』を意識しすぎているのが
マイナス方面に働いてしまっている。
それと、この2人を話の中心にするなら、
もう少しそれぞれの想いを前面に出したほうが良かったと思う。
ほかの2人のエピソードを削ってでも、
こっちに持ってくるべきだったのではないかと感じてしまった。

個人的なフリクリという作品に対するイメージは、
「バットを振り切る」ことが重要で、
色々なことに縛られていない自由度が最大の魅力だと思っている。
しかし、この作品では女子高生のドラマを
丁寧に描いていくこと以外では、
ほぼ前作の方向性をなぞっただけという印象は拭えない。
プログレの方向性があったにせよ、
もう少し前作に縛られない部分もあったほうが良かった。

また、この監督は音楽に対して、
あまりにも無頓着すぎるのではないだろうか。
ピロウズの曲が流れているところで、
キャラクターが歌い出すシーンがあるのだ。
どうしてこういうことをやって良しとしたのかは理解できなかった。
理由はあるのだろうが、これは百パーセントあり得ない演出だろう。

それぞれのドラマはよく作りこんでいて、
完成度が高いだけに色々と惜しい作品だったと思う。
ピロウズの曲自体は相変わらず聴かせてくれる。
(2019年10月20日初投稿)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 41
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

いつまでもこのままでいたい!・・・・ そう思ったって良いと思うです。

   久々の初日、初回上映で見れたです。
 かなぶんを中心としたペッツ、ヒジリー、モッさんの仲良し4人組の日常、非日常をそれぞれの視点に描かれたお話だったです。かなぶんと出会ってかなぶんの能力に気づいた、お姉さん自称なのか?宇宙捜査官ハル子が、やたらちょっかいを出してくる展開です。長い上映時間だったです。

 かなぶん、ハル子やたら目立ってたです。敵なのか侵略者だかわからない、突然出てくる機械生物とハル子が戦うです。宇宙だか火星の話が、何の関係があるやら出てくるです。

 4人でバカやって騒ぎつるむ日常は、ありがちな女子高生なでしょうか?です。4人で興味本位に共同制作して作るロケットは、楽しかったと思うです。

 4人それぞれに互いに、何も知らない事情が描かれていたところも見所です。心配なのか?役に立ちたいと思うのか?ハル子の行動に注目です。
 大人だかの恋のことだったり、進路で自分でつかむために進む夢だったり、同年代の恋する気持ちはどういうものか?だったです。自分が思ってきた変わらないでほしいと思う毎日は、友達にしてみればどうだったか?を破天荒に描かれていたです。

 常にハル子が中心にいるようで、絡むハル子の大胆かついたずらにも見える行動があったです。ハル子は、何をしたいのか?あまり私には理解できなかったところがあるです、

 全体を通して、かなぶんが望むいつも変わらない毎日は、自分としてもそんな気持ちは持っていたいと思うです。かな分が望んでいても、一番の親友は実は、どうなのか?、つらい現実も見せられたです。{netabare}最後の方で、人は年を取る、周りの風景も変わる、そんな中でも笑顔は変えないでいいとか言ってたようなセリフは、共感できるものがあるです。{/netabare}

 かなぶんが思うように、いつまでも4人仲良くしていきたいと思うのは、決して悪くない人として当然の願いであると考えるです。このお話は、そんな自分が望まなくても変わるもの、変えてはいけないものを訴えてもいるように見えたです。そこが、面白みなのかもしれないです。「これでいいのか?」な終わり方だったけど・・・・・・・・です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

やまだ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

反対の反対

ガイナックスのトンデモオシャレアニメ。かと思いきやガワをマネた別物。
本家がトンデモ過ぎてムリってな方はちょうどいい塩梅なのかもしれない。
オルタナっていうだけあって別物。難易度調整版ってことなのかな。

フリクリ本家より間違って先に見てしまった。聞いていた本家の評判の要素は確かに感じたんだけど、ピロウズは好みの問題としてやたらと言葉遊びが鼻につくしなんかいちいち掛け合いが間延びしてるし映像表現と作劇のバランスが悪い印象。80年代のドタバタマンガをアニメにしてみました風なガワだけど中身は今どきの量産アニメレベルの凡庸さがプンプンでそこまで有難がるようなものかね、と思ったら、違う作品だった(笑)。


オルタナティヴって単語はメインストリームから外れた別の可能性みたいな意味だと思うけど、そもそも本家のフリクリ自体がそうなんだからそこからさらにまたハズしてどうすんのって感じ。もともと本流から遠ざける意味で使われるはずの言葉なのに本流に戻すベクトルなのはどうなのか。プログレとのゴロ合わせとピロウズがオルタナティヴロックって言われてたからってだけなんでしょうけど。ここでのオルタナはイージーとかライトって意味になってる。そんなものにいちいち拘って言葉狩りしてもしょうがないけど、本家と比べてしまえば過去の遺産を食いつぶすだけの作品にしか見えません。

ピロウズに関しては嫌いな人は主張し過ぎって感じるかもしれないですが、YouTubeの動画配信で自分の好きな音楽流すのと同じようなもんでしょう。聴かせたくて流してんだからうるさくて当然。初めてマトモに聴いたけどこれは熱狂的な信者がいるのも解る。良質なルーツを感じます。KENZI&THE TRIPSは聴いてたけどこっちは当時は信者がウザかったので聴いてなかった。当時は拗らせてましたからやたら持ち上げられると引いちゃうのです。

フリクリとしてどうなのかとかはどうでもよくてドヤ感しか感じません。
本家観てみたら評判との相違が一気に解消されました。
全然違いますやんってなったのでこっちは撤退。これから本家観ます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

66.8 3 仲良しで女子高生なアニメランキング3位
『たまゆら~卒業写真~』第1部 芽-きざし-(アニメ映画)

2015年4月4日
★★★★☆ 4.0 (153)
714人が棚に入れました
この春、高校3年生へと進級した、楓、かおる、のりえ、麻音。かなえ先輩が卒業した写真部には、後輩2人も入部。新しい仲間を加えながらも、これまでと変わらないにぎやかな毎日を過ごしています。そんな中でも4人は、約1年後に迫った卒業に向けて、自分たちの将来の夢や進路について少しずつ想いを膨らませていました。そして、これまで過ごしてきた大切な時間の数々を思い返していた楓には、ある気持ちが芽生えてきて…。

声優・キャラクター
竹達彩奈、阿澄佳奈、井口裕香、儀武ゆう子、茅野愛衣、寿美菜子、東山奈央、内田彩、飯塚麻結、葉月絵理乃、大原さやか、福井裕佳梨、広橋涼、間島淳司、西村ちなみ、緒方恵美、松尾佳子、中田譲治

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今年のアルバムも、素敵でいっぱいにしていきたいと思っているので♪

たまゆら完結編4部作の第1部。

ぽって達が高校3年生になった春に、
物語はスタートします。

広島県の竹原に来て高校生になったあの日から、
あっという間に2年が過ぎた。

高校生活も残り1年。

今まで以上に大切に抱きしめたい時間を、
これからぽって達は過ごしていくんだなと感じられる第1部。

たまゆらシリーズをご覧になられていない方は、
まずはぜひ1期から(じっくり向き合うならOVAから)ご覧ください♪

50分ほどの作品です。


● ストーリー
高校3年生になった沢渡楓(さわたり ふう)こと、通称ぽって。

相変わらず、
父親の形見のカメラで写真を撮ることが大好き。

写真部には新入部員も入り、
仲良し4人組は進路について語り始める。

お菓子作りが好きな岡崎のりえ(おかざき のりえ)、

作家や演劇、さらには実家の旅館に
想いを巡らせる桜田麻音(さくらだ まおん)、

まだ進路は白紙だという塙かおる(はなわ かおる)、

そして自分の進路を決めたぽって。

残された時間は1年だけど、
あと1年ある。

今は真っ白なアルバムが、
今年も思い出の写真でいっぱいになりますように…。


たまゆらシリーズを見るのは久しぶりですが、
このたまらなく温かい雰囲気は全然変わらない^^

副題に「芽(きざし)」とついているだけあって、
物語はぽってたちがこれから進む道をかすかに見せてくれました。

物語はまだまだこれからですね。

50分なので、
これまでのアニメの2話分しかないからあっという間。

でもちょっとずつ癒しをもらえるから、
4部構成はナイスだと思います(*´ω`)

深く考えずに、
温かくて優しい気持ちになれる作品。

こんな作品、なかなかないよ…!


● キャラクター
主人公の、ぽって。

どこか危なっかしくて、
目を離すのがちょっと心配になる女の子。

そんなぽっては、
温かい人たちに囲まれて成長している。

ぽってが温かい眼差しでカメラのレンズを向けるように、
みんなは温かい目でぽってのことを見守っている。

ストーリー云々より、
キャラがあったかすぎるの。

だから見るだけで癒される。
心がほわっと温かくなる。

こういう街、こういう人たち、いいなあ。


ちなみに私のお気に入りは、
ぽってより1つ年上のかなえ先輩。

「でもでも」「だからだから」など、
ついつい2回言っちゃう言葉が可愛い♪

茅野愛衣さんの可愛い声がまたぴったりで、
ずーっと見ていたくなる(*´ω`*)


そして私のショタアイドル、
こうたん(ぽっての弟)が、
まさか中学生になったなんて…!

なんかイケメンになってて驚いた!
一番驚いたよ、こうたん!!

かおたんも髪切ってイメージ変わったし♪

こういうところでも時間の流れが感じられますね^^


● 音楽
【 主題歌「これから」/ 坂本真綾 】

はい神曲きましたー。笑

これまでたまゆらでずっとOPを歌っていた坂本真綾さんが、
完結編のために書き下ろしたこの曲。

たまゆらシリーズが持つ、
目には見えない優しさが形になったかのような曲。

完璧。

たまゆらってどんな作品?と聞かれると正直難しいけれど、
この曲が「たまゆらってこんな作品」と歌ってくれています。

それぐらい完成度の高い主題歌なんだから…!
大好きな1曲。


BGMも優しくて心地よい曲ばかり♪


● まとめ
完結に向けた第一歩。

自分達の進路を選び始めた4人が、
どういう卒業を迎え、
どういう将来を思い描くのか。

これからの展開に期待が膨らむ、
素敵な第1部でした♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

不易流行

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
たまゆらシリーズ。3年生に進級し、卒業するまでが4部作で描かれますが、その第1部。

当然、1期から順番に観てください。まあ、ここから入る人なんて、なかなかいないでしょうが(笑) ということで、どんなアニメかなんて説明は、もういりませんよね(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ぽって達も3年生になりました。たくさんの人やモノ、コトとの出会いで少しずつ成長してきた、ぽって達。それでもまあ、未だに写真に夢中で橋からは落ちそうになるんですがw

3年生、ということもあり、話題の中心は登場人物達の進路。明確な進路が定まっている人、なんとなく決まっている人、まだ悩んでいる最中の人。様々ですが、みんなが真剣に考えてることは共通している。

「SIROBAKO」のように、「いつか皆で1つのものを!」というのも素敵だけれど、この4人のように、それぞれが自分の夢を持っていて、それに対して過度に干渉しないってのも素敵だね。

EDはちょっとウルっときた。あの映像にあの歌をのせるのは反則だって! そうか、ぽっては出会いと共に成長してきたというよりは、別れと共に成長してきてたんですね。

レビュータイトルの「不易流行」とは松尾芭蕉の言葉で、「奥のほそ道」で表現した概念であり、俳諧(俳句)の基本理念。簡単に言えば、「世の中のすべての物事には、変わらぬ部分(不易)と変わる部分(流行)がある。両者を統合することこそ、理想的な生き方(作品)である」というもの。

「奥のほそ道」冒頭の「月日は百代の過客にして 行き交う年もまた旅人なり」……四季は永遠に繰り返しているよう(不易)だけれど、毎年ちゃんと違いがある(流行)。それはまるで旅人のようだ。

芭蕉にとっての「旅」とは、「2度と出会えない今を繰り返し続けること」。つまりは、人生。

「たまゆら」には、この概念を強く感じます。冒頭の橋のシーンは分かりやすいですが、一期から変わらぬ竹原の様子と(少しずつだけど)成長してきた登場人物達、新メンバーを加えつつもやること同じなプチ秘境探検部wと、枚挙に暇がない。

そういう、「過ぎ去る一瞬」を記録し、共有するための装置が、ぽってにとっての「写真」なのでしょう。

将来の夢を「写真関係」か「旅行関係」にしぼった、ぽって。のりえは(おバカなのでw)あんまり関係ないって思ったのでしょうが、ぽっての中ではちゃんと繋がっているんだと思いますよ。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「みんなの笑い声、あたたかな町、なにもかもが大好きだった」

この作品は、TVアニメ「たまゆら〜hitotose〜」「たまゆら〜もあぐれっしぶ〜」に続く、「完結編4部作」の第1部になります。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

さらに、この作品を目一杯堪能されたい方は、「たまゆら〜hitotose〜」の5.5話、「たまゆら〜もあぐれっしぶ〜」の8.5話の視聴をお勧めします。
この2話を視聴しておくと、ぽってたちの思いや会話にしっかり付いていけると思うので。


この春、高校3年生へと進級した、楓、かおる、のりえ、麻音。
かなえ先輩が卒業した写真部には、後輩2人も入部。
新しい仲間を加えながらも、これまでと変わらないにぎやかな毎日を過ごしています。

そんな中でも4人は、約1年後に迫った卒業に向けて、
自分たちの将来の夢や進路について少しずつ想いを膨らませていました。

そして、これまで過ごしてきた大切な時間の数々を思い返していた楓には、
ある気持ちが芽生えてきて…。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

いよいよぽってたちの高校生活も残り1年…
進学するか就職するか、自分の将来と向き合わなければならない時期がやってきましたね。
誰にでも必ず訪れる人生の分岐点です。

でも焦って決める必要はありません。
自分のペースで納得できる答えを導き出せば良いのですから…
そういう意味では、ぽってたちにも焦りは全然見られませんが、この時期はそれで良いんだと思います。

それより高校生活最後の1年を如何に有意義に過ごすかに注力して欲しいと思います。
無駄に過ごしたら絶対後悔する1年になると思うので。

きっかけって、大小様々で十人十色…きっと一つとして同じモノはありませんが、必ず目の前に現れてくれると思っています。
それを掴めるかどうか、掴んだとしても良い方向に進めるかは自分次第ですけど…

そして今回ぽってが見聞きしたことは、きっときっかけに繋がっていくのではないかと思っています。
まだフワッとしていて、姿かたちだって朧げにすら見えないけれど…
本当は将来の自分の姿がイメージできると良いんですけど、流石に難しいですよね。
今の自分が学生時代の想像通りという人の方が皆無だと思うので。

主題歌は、坂本真綾さんの「これから」

1時間弱の作品でした。
この作品独特の雰囲気を満喫しながらの視聴は最高の贅沢ですね。
引き続き、第2部 響 -ひびき-を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

68.7 4 仲良しで女子高生なアニメランキング4位
『たまゆら~卒業写真~』第3部 憧 - あこがれ -(アニメ映画)

2015年11月28日
★★★★☆ 4.0 (105)
457人が棚に入れました
校内でも、卒業後の進路についての話題が増えてくる高校3年生の初夏。ある出来事をきっかけに、のりえが「スイーツ封印」を宣言。大好きなスイーツを食べたり作ったりするのを止めただけではなく、卒業後の進路も白紙に戻してしまいます。楓、かおる、麻音は、そんなのりえを心配しながらも、将来を左右することだからと何も言えずにいました。一方、「お好み焼きほぼろ」の店主ちもから4人にとあるイベントの内容を考えて欲しいとの依頼が。「私たち展」でも中心になってさまざまな企画を考えたかおるは、迷わず快諾。しかし、いまだに将来の目標が見つからないという進路についての迷いもあって、受験勉強とどっちつかずの状態になっていき……。

声優・キャラクター
竹達彩奈、阿澄佳奈、井口裕香、儀武ゆう子、茅野愛衣、内田彩、飯塚麻結、大原さやか、福井裕佳梨、宮本佳那子、広橋涼

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「少しづつ少しづつ いつのまにか変わっていく あたりまえだった毎日」

この作品は、TVアニメ「たまゆら〜hitotose〜」「たまゆら〜もあぐれっしぶ〜」に続く、「完結編4部作」の第3部になります。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。


同級生たちが次々と志望校を決めていく中、物語、イラスト、音楽、芝居など
興味のあることが多すぎて、いまだに進路に迷い続けている麻音。

両親が大崎下島で営んでいる実家の旅館のどか亭を継ぐことも、たくさんある夢の一つだった。
ところが、三者面談の場で、父親が旅館を継がせるつもりはないと宣言。
突然の父の言動に、麻音は困惑する。

そして、竹原の町並み保存地区が竹灯りで照らされる「情景の路」の日。
楓が使い続けてきた父の形見のカメラ・ローライ35Sが、また故障してしまう。

日の丸写真館の店主マエストロは、すぐに直せると言うが、楓の心はなぜか落ち着かない。
そして、かおるたちも、どこか普段と違う楓のことが気にかかるものの…。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

今回のキーパーソンは、麻音と楓…
第2部で4人それぞれの目標が決まったと思っていましたが、人生を懸けた選択は、やっぱりそう簡単に決まるものではなかったんですね。

4人の中では一番温和…時折口笛で会話するのが得意な麻音のあんなにも声を荒げたシーンを見るのは、きっと初めてだったと思います。
自分で考えている将来の夢の一つを頭ごなしに否定されたのですから無理もありません。

でも、父親の言うことも分かる気がします。
公式HPのSTORYにも記載されていましたが、物語、イラスト、音楽、芝居と旅館の経営はどう考えても同一線上にはありません。
物語~芝居までは趣味の延長線上にあるモノで、ゼロからスタートして途中で躓いて嫌になったら、別なモノに乗り換えても誰も困りませんし、これらを職業としない道だって選択できるんです。

ところが、旅館の経営となるとそうはいきません。
趣味の一つの様にあっさりと乗り換えることなんか絶対にできないんです。
自分が困るだけじゃなく、これまでお互い支え合ってきた人たちにまで迷惑が及ぶから…

麻音はどういう答えを導き出すのでしょう。
その答えは是非ん本編でご確認頂きたいと思いますが、個人的にはようやく地に足が付いた気がしました。

そして物語の後半は楓の物語…
大好きなみんなとずっと一緒に、大好きな竹原でカメラの勉強をするため、広島市内の大学を受験する…
それこそ正解なんて無いので、信じた道を突き進めば良いと思っていましたし、筋も通っていると思います。

きっかけは父の形見のカメラが故障してしまったこと。
そこから何かにつけボーッとすることが多くなった楓…
そんな楓のサインを親友が見逃す筈がありません。

気持ちばかりが先行してしまっていました。
どちらかなんて選べないから、選択肢として考えていませんでした。

だから、かおたんが楓の心の声を代弁してくれたんだと思います。
でも、楓の心の声を聞いて分かりました。
楓が絶対口に出せるようなことじゃなかったから…

大粒の涙をポロポロこぼしていた、のりえの姿が目に焼き付いて離れません。
怖いという気持ち…嫌と言う気持ちがきっと痛いほど分かるからなんでしょう。
しかも、坂本真綾さんのエンディングに合わせて流れる背景は、初回OVAからの思い出の数々…
これ、反則じゃありません!?
うぅ…涙で目が真っ赤になってしまいましたよ^^;

こんな展開になるとは予想だにしていませんでした。
この全4部作を視聴する前は、勿体無いからじっくり視聴したいと思っていましたが、良い意味でそんな生易しい作品ではありませんでした。
今では余計な雑念を一切入れず、このまま一気に視聴したいと思っています。
それでは引き続き、第4部 朝 -あした-を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

大切な場所、大切なひとたちにありがとうな気持ちでいっぱい、なので。

たまゆら完結編4部作「卒業写真」の第3部。

相変わらず温かさにあふれている作品です(´;ω;`)

2話構成で1時間ほどの作品です。


● ストーリー
写真を撮ることが好きな、
沢渡楓(さわたり ふう)こと、通称ぽって。

しっかり者でツッコミ担当な
塙かおる(はなわ かおる)。

お菓子作りが大好きなにぎやか娘、
岡崎のりえ(おかざき のりえ)。

やりたいことや興味がたくさん、
桜田麻音(さくらだ まおん)。

仲良し4人。
徐々に進路が固まる高校3年生の秋。


【 前半 】
夢はたくさんあるけれど、
進路はまだ決まらない麻音。

実家の旅館を継ぐことも夢だと話すと
旅館は継がせないと父親に言われ、ショックを受ける。

自分の夢を分かってほしくて、
みんなで麻音の実家へ行くことに。


やりたいことや夢がたくさんあるけれど、
全部をあきらめたくない麻音。

だけど、そうして自分が夢を見られるのは、
いつでも自分を応援してくれる存在があったからだと気づく。

それに気づいた麻音の成長と、
家族の温かさに涙が…(´;ω;`)

相変わらず雰囲気が温かくて泣かされます(´;ω;`)


【 後半 】
竹原で催される年に一回のお祭り、
“憧憬の路(しょうけいのみち)”。

ぽってが竹原に来て、
3回目の憧憬の路。

父親の形見であるカメラの調子が悪くて、
写真館に預けることになったぽって。

いつも通り振る舞っているが、
いつもと様子が違うように感じられるぽってが、気になるかおる。


しっかりしなきゃと思いながらも、
無意識のうちに不安を抱えていたぽって。

それは進路の事でも将来の事でもなくて…。

進路を選び、自分の道を進むということは、
新たなスタートを切るということ。

新たなスタートを切るということは、
これまで当たり前だと思っていた日常が変わるということ。

時が経ち、自分の周りの物も人も、
変わってしまう未来を想像すると寂しくなる…。

夢を追って新たな世界へ飛び出したい気持ちと、
今の大好きな生活を守りたい気持ち。

大好きだからこそ揺れて迷う。

新しい一歩を踏み出すことに不安を感じる。
これも青春ですなあ。


≪ 温かな友情 ≫

この作品の温かさの源は、
温かな人たち。

中でもぽって達4人の友情が、
優しく描かれています。

誰かが悩んでいる時は傍にいて、一緒に悩む。

そして心配しながらも、
その子が自分の答えを出すまで待つ。

気持ちに寄り添いながら、
そっと背中を支える。

優しい友情だ(´;ω;`)


≪ 写真の力 ≫

ぽっては写真を撮ることが好き。

私も写真を撮ることがよくあります。
趣味というほどではないけれど。笑

つい先日、一年間撮りだめた写真を使って
スライドショーを作成しました。
(職場で見せる機会があったので。)

いろいろあって大変だったけど、
いろんな人の笑顔を見ていると、
いい一年だったかな、と思えてきました。

写真に写る笑顔が、
見る人を幸せな気持ちにさせてくれるのなら、

写真は過ぎ行く時間を閉じ込めた
小さなタイムカプセルですね^^


● 音楽
【 主題歌「これから」/ 坂本真綾 】

1部・2部に引き続き使用された主題歌。

何度聴いてもこの優しい曲に涙を誘われます(´;ω;`)

今回は最後のシーンと重ねて使用されましたが、
それもまたよかった。


● まとめ
はじめて竹原に来たときのシーンや、
今までの思い出を入れるの卑怯だ(´;ω;`)

1部・2部と比べると、
感動の波は少し弱くなった気がしますが、

最後の4章へ大きく羽ばたくために、
力いっぱい踏み込んでいるエネルギーも感じました。

次回がいよいよ最終章。
泣ける予感しかしません(´;ω;`)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

女心と将来の夢と秋の空と思春期の情緒

まおんたんの優柔不断っぽさと思い付きって高校生っぽい

若干イラッ☆ってくるけど
それでもみんな大好き(?)まおんたん、オレは超好きだー!!!

前半はまおんたん、後半はぽって。
二人を含め彼女らが将来を真剣に考えていて、
もっと適当でもいいんでない、って思ってしまいます。
一番はアレ、二番はコレ、三番はソレ、どれでもいいやって。


三者面談でまおんたんのお父さんが激おこだったけど、
{netabare}子どもの多過ぎる将来の選択肢を親が削るのはありだと思う。
ただ自分の人生的に既視感を覚えるけど、
意味不明で感情的に「ダメなものはダメ」的に言うのはゴミとしか言いようがない。
全てを語る必要はないけど、意味が通じる程度の説明があれば
{/netabare}ありだと思う。難しいかもだけど

将来の夢って側ばかり見てしまい、よくよく掘り下げると中身がないこと多いよね。
行動を考えることはできても目的目標まで辿れない。
逆に目標が壮大過ぎてその過程を考えられないパターンもある。

ちなみに私は仕事の目標地点『金』を一番に設定し、
しかもほぼ達成してしまったので動機付けが空中遊泳しております。

まおんたんは大丈夫だと思う、楽しそうだしそれなりに努力するし。


ぽってはよく分からん。

まず、大切な場所も人も身近ではなかった自分には共感ができない。
※スルー推奨自分の話{netabare}
『場所』自体をそんな大事に思えないし。
遊牧民族とは異なる生き方をしている。
地元も『元』同級生も親すらも「呪い」とか「足枷」に分類することが多かったので、
こういう作品を見ると羨ましさと忌避感が拮抗する。
今回の話はそういうのが多分に含まれている。{/netabare}

ですが、憧れる気持ちは分かる。

この作品がバトルものやスポ根なら
「追うものと、その先を見据えるものの違いは歴然だ」とでも言う所だが、
勉強や仕事って割とそうでもない気がする。
目標が何であるかよりも、動機云々は置いて
どれだけ行動したのかで人の能力も魅力も変わると思う。

大きな目標を据える人もいれば、
今月の今週の数時間後の目標で行動する人もいる。

納得して行動する

ってのが大事なんじゃないかな。
空っぽで行動しても後に続かない、
見栄えのよい目標を掲げるだけでは意味がない。

心と行動の一致が人を成長させるのだろう。


ぽっての気持ちは分からないけど、
それを汲む友人や知人がいることは幸せだろうな。

写真を軸に交友を深めて広げてきた一方、
その輪が強く縛り付けて囚われている感じが否めない。
彼女の場合は失ったものが大き過ぎるから、
そこから得たものも大き過ぎに感じたように思える。

ただそれを決めるのは当人なので。


そんな風にもやもや観ていたので『物語』『キャラ』の評価を下げてしまいましたが、
これだけは確実に言える、
まおんたんは最高で、成長したぽっては至高だ。
ぽってってすげえ人を大切に考えられるなぁ。

何がいいのか分からないけど、
これだけは確実に言える、※二回目
まおんたんの髪が伸びて大人っぽくなっていると!!!


ぐだぐだケチ付けたけど、おもしろかたよーーー
蜻蛉の作画がすげぇ良かった♪♪♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ページの先頭へ