合体で戦闘機なTVアニメ動画ランキング 8

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の合体で戦闘機な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の合体で戦闘機なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.2 1 合体で戦闘機なアニメランキング1位
機動戦士ガンダムSEED DESTINY[シードデスティニー](TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1313)
6550人が棚に入れました
舞台は前作『機動戦士ガンダムSEED』での第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦(コズミック・イラ71年)から2年後。
プラント最高評議会議長 ギルバート・デュランダルとの非公式会見の為、新造艦ミネルバの進水式の準備が進むアーモリーワンを訪れたカガリとアスラン。
だがその最中、ザフト軍が開発した新型MS(モビルスーツ) カオス、ガイア、アビスが何者かに強奪され、周囲は混乱に陥る。これを阻止すべく、ミネルバからも新型機インパルスが出撃。そのパイロットは、プラントに渡り、エリートとしてザフト軍に入隊したシン・アスカであった。
新型機を強奪した謎の部隊を追い、ミネルバは出撃するが混乱の中、安定軌道にあったはずのユニウスセブンが地球に落下し始めたという報せが入る。それはナチュラルへの憎しみを募らせ続けるザフト軍脱走兵達の仕組んだもので、この事件を利用しようとする者達も動き始め、世界は再び混乱と戦火に包まれるのだった…。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

“愚行の自由”と“パターナリズム”の相克を描いた良作かも?

HDリマスターになって作画が良くなっただけでなく、評判の悪かった一部シナリオが手直しされて見易くなったようです。

◆予(あらかじ)め本作の難点を述べておくと・・・

①ヒロインのひとりカガリ・ユラ・アスハが、
{netabare}一国の指導者であるにも関わらず、ひたす幼稚な感情論ばっかり振り回して、周囲の人たち(とくに自分の国の軍人たち)を無駄に戸惑わせ、犠牲者を次々生み出してしまう{/netabare}、見るに忍びないお馬鹿キャラである。

②キラ&アスランに次く第三のSEED発動者シン・アスカが、
{netabare}度を越した逆ギレ凶暴キャラ{/netabare}で、ときどき見ていて胸糞悪くなる。

・・・という2点がまず挙げられると思います。


◆逆に本作の良い点をいくつか挙げると・・・

①ガンダム・シリーズの中では相対的に敵が好人物で目的も確りしている。

無印ガンダムのジオン公国の指導者を始め、一般にガンダムシリーズの敵役たちは口では何か信念のようなことを唱えても実際のところは只の権勢欲に取りつかれ陰謀に走るクソキャラばっかり・・・という印象がありますが、
本作の敵役{netabare}デュランダル議長{/netabare}は高潔さが目立つ人物であり、むしろ{netabare}彼のその高潔な心情(愚かな人類への憐憫の情)から「ディスティニー・プラン」という、究極の“パターナリズム”が実現され個々の人々の“愚行の自由”が失われてしまう計画が導き出された{/netabare}、という点が本作の一つの見どころとなっています。

②前作『SEED』に引き続き、シナリオがドラマチックで先が気になる展開。

・・・ということで前作『機動戦士ガンダムSEED』が楽しめた方ならば、引き続き視聴をお薦めしたい作品です。


因みに、レビュータイトルに掲げた“パターナリズム”とは
--------------------------------------------------------------
(WIKIPEDIAよりコピー)
{netabare}パターナリズム(英: paternalism)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいう。
親が子供のためによかれと思ってすることから来ている。日本語では家族主義、温情主義、父権主義、中国語では家長式領導、溫情主義などと訳される。
語源はパトロンの語源となったラテン語の pater(パテル、父)である。{/netabare}
---------------------------------------------------------------
・・・ということで、こうしたパターナリズムが行き過ぎた社会では、人々の“愚行の自由”が大きく毀損されてしまいます。

そういう社会では、カガリ・ユラ・アスハやシン・アスカが犯したような愚行(※これは極端な例ですが)も起きないでしょうが、それで果たして人々は本当に幸福といえるのか?(多分「言えない」という方がほとんどでしょう)

⇒ポイントは「パターナリズムを行おうとする方も、その心情から言えば全くの善意からだった」ということで、まさに

「地獄への道は善意で舗装されている」
(イギリスの箴言:原文“The road to Hell is paved with good intentions.”)

ということを過不足なく描き出した点で、本作は意外にも個人的に見所のある作品、という感想になりました。
(そのため、本作の個人評価 ★ 4.1 と『SEED』の ☆ 3.7 よりもかなり高めの点数を付けました)。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
ガンダムシリーズ第1話恒例の極秘開発MS(新型ガンダム)強奪イベント回。
・第6話視聴終了時点
ガンダムシリーズ恒例のコロニー落とし&大気圏降下イベント回。またラクス&キラが登場。
・第12話視聴終了時点
母艦ミネルバの大ピンチに際して、シンに初めてSEED発動し無双の活躍をする回であるとともに、シンにインパルスのパイロットとしての適性があると予めデュランダル議長(※政治家になる以前は遺伝子解析の専門家だった)が見越していたことが示される回でもある→終盤のディスティニー計画への伏線。
・第14話視聴終了時点
この回からEDが「Life Goes On」に切り替わり、やっとテンション上がる曲に(さすがの梶浦由記・作曲){/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作          矢立肇、富野由悠季
監督          福田己津央
シリーズ構成      両澤千晶
脚本          両澤千晶、吉野弘幸、高橋ナツコ、大野木寛、兵頭一歩、森田繁、野村祐一
キャラクターデザイン  平井久司
メカニックデザイン   大河原邦男、山根公利
音楽          佐橋俊彦
アニメーション制作   サンライズ{/netabare}


◆パート別評価

(1) 第1~13話(PHASE-01~13) (13話) ★ 4.0
(2) 第14~25話(PHASE-15~25) (12話) ★ 4.0
(3) 第26~37話(PHASE-26~37) (12話) ★ 4.1
(4) 第38~49話(PHASE-38~50) (12話) ★ 4.2
(5) TV未放送話(FINAL PHASE)  (1話) ★ 4.2
-----------------------------------------------
  総合      (計49話+未放送1話) ★ 4.1


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


========== 機動戦士ガンダムSEED DESTINY (2004年10月-2005年10月) =========

  - - - - - - - - OP「ignited-イグナイテッド-」、ED「Reason」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話(PHASE-1) 怒れる瞳 ★ 地球連合軍のオーブ侵攻戦(シン・アスカの家族喪失)、停戦から2年後の世界、カガリ(オーブ代表)&デュランダル(ザフト議長)会談、ステラとシンの出遭い、新型G強奪事件(生体CPU)、インパルス出撃(シン搭乗)
第2話(PHASE-2) 戦いを呼ぶもの ☆ 続き(兵器工廠プラント・アーモリーワン内のMS戦)、連合軍の仮面の男(ネオ)、ザフト新造G母艦ミネルバ(MV)発進
第3話(PHASE-3) 予兆の砲火 ★ 生体CPU、シンの暴言、MVの不明艦「ボギーワン」追撃
第4話(PHASE-4) 星屑の戦場 ★ 「ボギーワン」vs.MV(タリア艦長)、MV轟沈の危機、アスランの機転、MV脱出 ※バトル回として〇 
第5話(PHASE-5) 癒えぬ傷跡 ☆ 廃棄プラント(ユニウス7)落下開始、ブルーコスモス(BC)の新盟主(ジブリール)、アスラン発進
第6話(PHASE-6) 世界の終わる時 ★ MV&ジュール隊のユニウス7破砕任務、所属不明部隊との戦闘、実行犯の叫び
第7話(PHASE-7) 混迷の大地 ☆ 破片落下・地上の大被害、MV地球到着、ブルーコスモス(BC)&デュランダル双方の謀略始動、シンの詰問
第8話(PHASE-8) ジャンクション ☆ カガリ帰国・MVオーブ入港、セイラン首相父子とカガリの齟齬、アスランの指輪・プラント行き、地球連合の共同声明(プラントへの最後通牒)
第9話(PHASE-9) 驕れる牙 ★ ジブリールの目的、開戦、連合軍の核攻撃失敗、アスラン&ラクス再会? ※大西洋連邦(=軍産複合体ロゴスに操られた米国)との描写あり×
第10話(PHASE-10) 父の呪縛 ★★ デュランダルのアスラン接近、アスランへの新型MS(セイバー)搭乗依頼、「ラクス」(ミーア)の一般市民への呼びかけ(歌姫を使ったプロパガンダ)、ミーラとアスランの晩餐
第11話(PHASE-11) 選びし道 ☆ オーブ中立放棄(大西洋連邦との同盟締結)への圧力、ザフトの「積極的自衛権」行使、アスラン墓参、MV出港、ユウナの結婚要求{/netabare}

  - - - - - - - - - - - - OP(変わらず)、ED「Result」 - - - - - - - - - - -
{netabare}
第12話(PHASE-12) 血に染まる海 ★★ MVオーブ領海外追放、連合軍艦隊のMV包囲、シンSEED発動(インパルス無双)、アスランFAITH(特務隊)再任命・セイバー発進
第13話(PHASE-13) よみがえる翼 ★ ザフト特殊部隊のラクス別荘襲撃、フリーダム起動、キラSEED発動・フリーダム無双、ラクス暗殺計画失敗・ザフト兵自決{/netabare}

  - - - - - - - OP「PRIDE」、ED「Life Goes On〜ReMix2013」 - - - - - - -
{netabare}
第14話(PHASE-14) 明日への出航 ★ カガリからキラへの手紙、アークエンジェル(AE)発進、結婚式場のカガリ略奪、AEオーブ離脱
第15話(PHASE-15) 戦場への帰還 ★ アスラン機オーブ入国拒絶・ザフト艦MV着艦、タリアFAITH任命、地球連合第81独立機動群(ファントムペイン)
第16話(PHASE-16) インド洋の死闘 ★★ ファントムペインvs.アスラン&シン、ニーラゴンゴ轟沈、シンの難民キャンプ解放
第17話(PHASE-17) 戦士の条件 ☆ AEスカンジナジア王国潜伏、MVマハムール基地(ペルシャ湾)到着
第18話(PHASE-18) ローエングリンを討て! ☆ MVの地球連合スエズ基地制圧任務、アスランの作戦指揮、シン大戦果
第19話(PHASE-19) 見えない真実 ☆ MV黒海ディオキア・ザフト軍基地入港、ミーア&デュランダル到着 ※「軍産複合体が戦争の元凶」とする場違い感のある話が・・・
第20話(PHASE-20) PAST × シンの回想の形をとったSEED, SEED DESTINY含めた総集編(見なくてよい回) 
第21話(PHASE-21) さまよう眸(ひとみ) ★ トンデモ・ミーア、もう一人のFAITH(ハイネ)MV配属、シンとステラの出遭い(実は再会)、CPU隊との接触
第22話(PHASE-22) 蒼天の剣 ☆ オーブ艦タケミカズチ発進、地球軍の黒海侵攻作戦、MVオーブ艦砲撃寸前のフリーダム(キラ)出現
第23話(PHASE-23) 戦火の蔭 ★ AEの介入、カガリの停戦要求、ユウナの拒絶、混戦、ハイネ戦死 ※脚本ごちゃごちゃし過ぎ(三つ巴バトルが支離滅裂)×
第24話(PHASE-24) すれ違う視線 ☆ アスランとミリアリアの再会、アスランとカガリ・キラの再会、デュランダル議長への疑念、レイの異常{/netabare} 

  - - - - - - - - - - OP「僕たちの行方」、ED(変わらず) - - - - - - - - -
{netabare}
第25話(PHASE-25) 罪の在処 ★ アスランとキラ・カガリのすれ違う思い、ロドニアのラボ(地球軍の秘密発覚)、ステラ単騎突入・シンとの遭遇戦{/netabare} 

  - - - - - - - - OP(変わらず)、ED「I Wanna Go To Place」 - - - - - - -
{netabare}
第26話(PHASE-26) 約束 ★ シンのステラMV搬入(エクステンデット)、ラクス(本物)プラントへ出発
第27話(PHASE-27) 届かぬ想い ☆ クレタ島沖海戦(オーブvs.MV、MV苦戦、ミリアリアのAE復帰、キラ&カガリ発進)
第28話(PHASE-28) 残る命散る命 ★ 続き(再度フリーダムの介入、カガリとオーブ軍の苦悩、アウル戦死、セイバー空中分解、再びシン無双、タケミカズチ轟沈・トダカ艦長戦死) ※カガリ&キラ(AE側)の思考・行動が支離滅裂で現場に無用な混乱を招いているだけにしか見えない点が× ※ED「tears 〜ReMix2013」
第29話(PHASE-29) FATES ☆ デュランダル議長の回想(クルーゼ&レイ、タリアとの関わり等)と自問自答・決意 ※過去シーンの使い回し過多は×
第30話(PHASE-30) 刹那の夢 ★ アマギ副長以下オーブ兵のAE合流、ステラ救命(シンからネオへ、レイの幇助)
第31話(PHASE-31) 明けない夜 ★ シン&レイ営巣送り、地球連合の中欧侵攻(新型巨大MAデストロイ(ステラ再出撃)、ベルリン市街炎上)
第32話(PHASE-32) ステラ ★ 続き(AE&フリーダム介入、シン来援、ネオ機撃墜(キラ)、デストロイ暴走・破壊(キラ)、シンの腕の中でステラ死亡) ※見せ場だが脚本がごちゃごちゃし過ぎな点は×、ED「深海の孤独 〜ReTracks」
第33話(PHASE-33) 示される世界 ★ 最強フリーダム(キラ)への憎悪(シン)、ネオ身柄拘束(AE)、デュランダル議長会見(真の敵=軍産複合体ロゴス撃滅宣言)・世論掌握 ※ネオの正体が無理筋×
第34話(PHASE-34) 悪夢 ★★ ザフトのAE包囲戦(エンジェルダウン作戦)、MV参戦・AEへの降伏勧告、AE降伏拒絶・轟沈の危機、シンの猛攻・フリーダム撃破
第35話(PHASE-35) 混沌の先に ☆ AE脱出、アスランのシンへの怒り、デュランダル議長の策略進行、MVジブラルタル入港・最新鋭機(ディスティニー(シン)、レジェンド)
第36話(PHASE-36) アスラン脱走 ★ 反ロゴス派の議長着参、アスランと議長の決裂、ミーア&メイリンのアスラン逃亡幇助 
第37話(PHASE-37) 雷鳴の闇 ★ アスラン追跡戦(レイ、シン)・アスラン&メイリン機撃墜、ロゴス派連合軍最高司令部(ヘブンズベース(HB))への最後通告{/netabare}

  - OP「vestige -ヴェスティージ-」、ED「君は僕に似ている〜ReMix2013」 -
{netabare}
第38話(PHASE-38) 新しき旗 ★ HB攻防戦、AEに救出されていたアスラン&メイリン、シン無双、スティング戦死、ジブリール逃亡、HB降伏
第39話(PHASE-39) 天空のキラ ★ ラクス秘密基地への敵襲、AEのエターナル救出戦、最新鋭機ストライクフリーダム出撃・キラ無双
第40話(PHASE-40) 黄金の意志 ☆ シン&レイFAITH任命、ザフトのオーブ侵攻、アカツキ発進・カガリのオーブ軍掌握、シンFAITH権限で出撃・カガリとの激突 ※脚本やや安直
第41話(PHASE-42) 自由と正義と ★ ラミアスのネオ解放・参戦、キラ機降下、シンvs.キラ再戦、AEvs.MV、最新鋭機インフィニットジャスティス発進(アスランの選択) ※脚本のごちゃごちゃさは×、ED「遠雷 〜遠くにある明かり〜」
第42話(PHASE-43) 反撃の声 ★★ アスランのシン説得失敗、ジブリール再逃亡(月へ)、ザフト軍撤退、ミーア(替え玉歌姫)を利用するデュランダルの情報宣伝戦にラクスの反撃開始
第43話(PHASE-44) 二人のラクス ★ 続き、全方位戦略砲レクイエム発射(ジブリール)・ザフト首都周辺モジュール壊滅、デュランダル議長の目的判明(ディスティニー計画)
第44話(PHASE-45) 変革の序曲 ★ MVの地球連合ダイダロス基地強襲、ジブリール死亡・ロゴス壊滅、AEオーブ出航・月面へ
第45話(PHASE-46) 真実の歌 ★ 月面中立コロニー(コペルニクス)、ミーアからの救助要請、罠、ミーア死亡 ※作画乱れは×
第46話(PHASE-47) ミーア ☆ 日記を通して彼女の心の推移を描き出す回、ラストにデスティニー計画導入・実行宣言(デュランダル議長) ※作画使いまわし過多×
第47話(PHASE-48) 新世界へ ☆ 各国・各人の動揺・困惑、オーブの拒否、レイの真意吐露、連合軍アルザッヘル基地破壊(大量破壊兵器レクイエム)
第48話(PHASE-49) レイ ★ 中継基地(ステーションワン)攻撃(AE&エターナル)、MV隊との対決、フラガ記憶回復、大量破壊兵器ネオジェネシス発射
第49話(PHASE-50) 最後の力 ★ 最終決戦(デュランダルvs.ラクス、AEvs.MV、キラvs,レイ、アスランvs.シン、レイ機&シン機撃墜) ※脚本のごちゃごちゃさは残念×
第50話(FINAL-PHASE) 選ばれた未来 ★ 続き(宇宙要塞メサイア(ザフト本部)陥落、デュランダル/タリア/レイ死亡、停戦)、その後の世界{/netabare}
-------------------------------------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)28、☆(並回)16、×(疑問回)1 ※個人評価 ★ 4.1

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

廻る廻るデスティニー(劇場版での解答を受け加筆、評価上方修正)

(初回投稿2019.11.25)
前回レビュー時、私は本作は混沌としていて折り合いを欠いた。
デュランダル議長の正論をキラたちが具体的な対案もなく否定し世界の行く末もまた混沌としている。
ただし、新作劇場版の出来次第で評価は変わって来るとしました。


で、劇場版『FREEDOM』での解答を受けて。

デュランダルの提唱した「デスティニープラン」は合理的だが、
人間には非合理な面が多々あり、それらを織り込めないプランには欠陥がある。
『DESTINY』でもおぼろげながらも示された反論が、
『FREEDOM』で反復されより強固になりました。


『FREEDOM』では特に愛は不合理だがかけがえのない物という主張がより明快でした。

『DESTINY』でも政治をチェスのように操るデュランダル議長が、
コーディネーターは第3世代を生み出せないという遺伝子不適合により、
恋仲だったタリアとは思うように結ばれなかった。
運命をも管理するプランを構想する議長が自らの運命を悔恨する皮肉を示唆する回想シーンが繰り返し提供され、
合理的な計画にも管理できない部分があるイメージ共有はなされてはいましたが不完全だった印象。

一方『FREEDOM』では不合理な愛すらも各々が与えられた役割を成すプランの必要性に応じて、合理的に管理されるべきとの主張に対し{netabare}ラクスから「必要だから愛するのではありません。愛しているから必要なのです」{/netabare}などとより明確な反論が示されました。


何より『FREEDOM』で花開いたキャラたちのお祭り騒ぎ。
『DESTINY』で奔放なキャラたちの言動に合理的なデスティニープランや作品を壊されたとの私の悪印象が、
『FREEDOM』では、不合理な人間の運命を管理すると考える方が間違っていると180度転換。
大体、こんなラブとネタだらけの面白い連中、デスティニープランごときじゃ管理不可ですw
私もキラやラクスたちに観念させられたので、物語3.0点から4.0点に上方修正致します。

『FREEDOM』は『DESTINY』の混沌をも価値ある物として救済した素晴らしい劇場版でした。




以下、初回投稿分。


とにかく目が回る続編だったな~(苦笑)
と言う印象が私の中に残っている本作。


人は過ちを繰り返す。悲劇を繰り返さないためにも、
野放図に自由を与え続ける世界は変革が必要。

否、何度間違えても人は人として歩み続けるべきだ。


といった相克がテーマ。


これを反映してか、全編通じて、
既視感を引き起こす作画構成、演出も交えて
色んな運命の繰り返しが強調されます。

話題になった終盤の{netabare}前作主人公の主役奪回劇{/netabare}だけじゃない。
様々な登場人物が転生、復活を遂げる。
或いは空席になった人物の代役を担うためコピーを演じる。
その上で、各々が繰り返される過去や宿命に苦悩。
そこに差し出される“処方箋”は薬か?毒か?


この辺りの主題提示に止まれば、
まだ比較的無難な続編だったと思うのですが、
本作の場合は、ガンプラを売り続けるために何度も再生産される『ガンダム』?
といった業界等で繰り返される宿命をもメタフィクション的に投げかける、
“場外戦”まで仕掛けてしまった所がカオスw

元々『~SEED』自体が、ファーストガンダムの再構成を志向した面がありますが、
本作は、前作のヒットの繰り返しを担った続編であり、
加えて、かつてファーストガンダムの続編と言うプレッシャーを背負った
『Z』の再構成も意識した内容。

廻る運命でギュウギュウ詰めになったるつぼに、
強化人間の悲劇等の繰り返しまでもが加わり事態はいっそう混沌。


前作も元祖のメカニックから、
ガンダム、“木馬”、ハロなども拝借していましたが、
一方で、ジンとか四足歩行のバクゥとか個性的な量産機も活躍する、
ご新規さん開拓アニメでした。

ですが、本作に至っては、この無限廻転祭りに古参ファンも引きずり込むとばかりに、
ザフト特務隊FAITHに支給された専用ザク群を皮切りに、
「ザクとは違うんだよザクとは」とか、ジェットストリームアタック?とか、
CV.池田秀一さんとか……もはや見境がありませんw


放送当時もまた、エンタメ全体を覆うリメイクの嵐に対して、
これは停滞だとの批判が続いていましたが、
本作はこれらの批判に対して、コンテンツ全体でスクラムを組んで、
リサイクル、リバイバル、何が悪い?繰り返しながら進んでいくのが人間
と言わんばかりに開き直って喧嘩を売りに行っている感が伝わって来て、
私は目眩で頭がクラクラしましたw


正直、私にとっては、最後の最後まで折り合いに苦しみ、苦手意識を払拭できない作品でした。
けど今にして思えば、回し過ぎたコーヒーカップのような、
ハイテンションと乗り物酔いが入り混じった、
あのグルグルした感覚が何だか懐かしいですw


シナリオについては、繰り返す運命を詰め込み過ぎたのか?
終盤が駆け足になってしまった感じがしました。
加えて、私はラスボスが余りにも“正しすぎた”と思いました。


{netabare}『~SEED』の世界でも自由の代償により起こった戦乱で、
既に億単位の殺戮と大量破壊が起こっている。
多少、中世回帰と言われようが、暗黒時代と嘆かれようが、
自由を一時制限して、文明を一休みさせないと立ち行かないと私は思うんですよね……。
暫定措置としてのデスティニープランには一定の正当性があったと私は感じています。

できれば『~DESTINY』ではデュランダル議長のデスティニープランが完成し、
シンたちがキラたちに一端勝利を収め、理想の“新世界”が実現する。

間を置いて、劇場版完結編等で、問題点を露呈し始めたデスティニープランに対して
自由を求めるキラたち抵抗を描く。

といったシリーズ構成の方が良かったのかな?と私は思っています。


デュランダル議長の提唱に対して、反発した人たちが、その後の世界を率いていく訳ですが、
後日談を描いた特別編等を観ても、方向性は示されているものの、
具体的な対案はまだ見出せていない印象。{/netabare}


ただこの辺りの私の評価も、発表されたまま長らく放置されている、
新作続編劇場版の出来次第で、選択した未来次第で変わっていくのだと思います。

いや……流石に新作劇場版はもう無かったことになってるでしょw
と思われる方が大半だと思いますが、
2010年代になってもHDリマスターが繰り返される程度の需要はある本コンテンツ。
私は目を回しつつもw新作を待ち続けたいと思います。


よって本作についての私の評点、特に物語については、暫定評価となります。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 23

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オーブ海軍のトダカ一佐が地味に好きです∑(゚ロ゚〃)

■「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」という作品の位置づけってなんでしょうね?(*゚・゚)
「機動戦士ガンダムSEED」の続編に位置づけられている本作品「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」(以降DESTINY)は、前作を視聴していないとまったく楽しめない内容になってますね!
かなり酷評の多い本作品なのですけど、視聴者がどう捉えるかによって見方がだいぶ違ってくるような気がします。

たとえば、前作「SEED」と本作品の「DESTINY」を一つの作品の前編・後編と捉えて考えた場合、そんなに出来の悪い作品には思えないのです!
「宇宙世紀シリーズ」を手本にしたようなフローや演出に、キラ・アスラン・シンの3人を主軸のキャラクターとしてキャスティングすることで、必然的に多角的な心理描写や人間関係が展開・構築されるので、宇宙世紀の遺伝子を継承しつつもSEEDとしての個性の確立はなされたんじゃないかなって思ってます。
ただシンについては、「DESTINY」からの登場で一見主人公の様な扱いになってましたけど、最後まで過去に囚われ、自らの意思で戦いの大儀を見出すことが出来ずに、「DESTINY(運命)」に翻弄されてしまったキャラとして描かれていたような印象を受けたので、「SEED」シリーズとして考えた場合「サイドストーリーの中の主人公」でしかなかったような気がします♪

また、「DESTINY」を「SEED」の流れを汲んだ単体の作品と考えるなら、シンの扱いにはやっぱり疑問を抱かずにはいられないですね(/∇≦\)アチャ-!ミテランナイ
やっぱりいつまでも考え方が稚拙で成長のないキャラ設定は見ていて面白くないし、主人公と位置づけるにはちょっと無理がありますよね!
それにアークエンジェルのメンバー達はすでに「SEED」で自らの理念を確立しているので、「SEED」というタイトルを引継いでいるのならばどうしても比較対象としてみてしまうし、前作のキャラが出てくるのは嬉しいのですけど、「DESTINY」からの新キャラの個性を一部打ち消してしまっているようにも感じちゃいました(/□≦、)

■総評
個人的には「SEED」シリーズとして8クール分を一つの作品として捉えてます♪
ガンダムを見たって気持ちになれましたし、感動して(。>0<。)ビェェン ってなったシーンもいくつもあったし、楽しく最後まで観ることが出来ました(*´∇`*)
でも観て良かったなぁって思う反面まったく不満が無かった訳ではないのですよ∑('◇'*)エェッ!?

まず残念だったのは「DESTINY」の制作に対する作品へ注がれる愛情が「SEED」の時と明らかに違っているって作品からも伝わってきました・・・
とある「あにこれ」仲間から監督の福田さんと脚本家の両澤さんは夫婦だって聞いて知ったので色々調べてみると・・・
夫婦でやるのは良いけど、監督の迷言の数々を見てしまったら、ちょっとひどくないですかって思ってしまいましたw

デスティニープランに関する描写がうまく視聴者に伝わらなかったのは、自分が組んだ演出がスタッフやキャストに伝わらなかったから・・・(゚ロ゚;)エェッ!?
それって監督の仕事でしょ・・・(;´Д`)× ダァメ!ダァメ!
それに「劇場版では、TVシリーズのことは忘れてほしい」・・・∑( ̄ロ ̄|||)なんと!?
最終話でもバンク(動画の使いまわし)を多様しないといけないほど多忙で悲惨な現場にも関わらず、夫婦でラジオ番組の観覧って・・・認めちゃってるし・・・(;`O´)oコラー!
両澤さんの体調が悪くて作業が遅れるのは目をつむるとしても、プロとして作品に対する情熱をもっと持って欲しいところですね!
まぁどこまで本当かわからないのですけど、その後2人の仕事の功績がめっきり減ったというよりも殆ど無い所を見ると・・・

回想シーンやバンク技法は他の作品でも多く見受けられるのですけど、ここまで多用されると正直手抜きとしか思えなくなってしまいます。
それとオマージュ!?いやいやパクリでしょ!!って言われてもおかしくない演出の数々 o(*≧д≦)o″ンモォー!!
あっでも、過去の「宇宙世紀」シリーズを知ってる人ならそんな演出を見つけるのも楽しいかもしれませんねw
私もゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイって突っ込みながら呆れながらも楽しんでたかもしれません(・-・*)ヌフフ♪

また、キャラとして一番残念に思ったのはルナ・マリアでした!
とっても良い立ち位置だった彼女を見事に使いこなせず台無しにしてしまった印象です(>o<")
隠密行動で知ってしまった事実からストーリーをかき回してくれると期待してたのですけどね・・・
それと、ストーリー後半のルナとシンの関係はσ(-_-)ワタシには理解不能でした・・・

とまぁ不満は多いのですけど、のびしろが大きく感じられただけに本当にもったいないなぁって思っちゃうのです♪
SEEDを本気で愛することが出来るスタッフ達だけで本気でリメイクして欲しいなぁって思った作品でした!


2011.12.12・第一の手記

投稿 : 2024/06/01
♥ : 42

67.8 2 合体で戦闘機なアニメランキング2位
機動戦士Vガンダム [ヴィクトリー](TVアニメ動画)

1993年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (356)
1654人が棚に入れました
宇宙世紀0153年、地球圏を統治している地球連邦政府は形骸化し、宇宙に存在する各サイドは連邦政府の統制を離れた独自の道を歩み始め、各地で紛争が勃発する「宇宙戦国時代」に突入していた。
そのなかでもサイド2に存在するザンスカール帝国はギロチンによる恐怖政治と、救済と慰謝を基調とするマリア主義を掲げて急激に民衆の支持を獲得し、地球に向けてベスパと呼ばれる帝国軍を派遣した。ベスパはヨーロッパの都市 ラゲーンを制圧下に置いた後、地球侵攻のための拠点とする。また、ザンスカール帝国への抵抗活動を続けている組織 リガ・ミリティアの構成員たちも、それに対抗してヨーロッパで散発的な抵抗を始める。
こうした中、ヨーロッパの都市 ウーイッグ近くに存在するカサレリア近辺にてパラグライダーを操っていた主人公の少年 ウッソ・エヴィンはベスパのMS(モビルスーツ) シャッコーとリガ・ミリティアに所属する小型戦闘機との戦闘に巻き込まれ、シャッコーに引っかかり取り付いた挙句、パイロットを引き摺り落としてMSを奪ってしまう。これを発端に、その後ウッソはリガ・ミリティアと共に、数奇な運命をたどることになる。
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

《戦士の哀しみ》は無印やゼータよりもずっと上手に描けてる気がしました。

※2周目完了したのでレビューを更新します。
(個人評価を × 3.4 → ☆ 3.6 に改訂)

同じ富野監督のアナザー・ガンダム作品である∀の視聴と並行しながら、嫌々視聴していた前回と違って、今回は落ち着いてじっくり視聴してしていくことが出来、レビュータイトルに書いたような本作の美点にも気づくことが出来ました。

ただ、難点をいえば、やはり富野監督作品の常として、①やたらとシナリオがあっちこっち飛んでゴチャゴヤしてて、②敵も味方も上層部は自分の保身や味方を裏切って自分が成り上がることばかり考えてる食わせ者ぞろいで、③そのうえ、肝心なところで精神感応やオカルト現象が都合よく発生する等で、真面目にシナリオを追っていくのが途中で虚しくなってしまう感じは、やはりあると思います。

やはり今回も、しばらく前に2周目を終えた∀の方がずっと面白かったと思うので、両作とも未視聴の方は、∀の方を先に視聴して、本作の方は、そのあと“ついでに”視聴する程度で十分ではないでしょうか。


※以下は1周目時点の感想です。
{netabare}
無印・Z・ZZのあとの第4作目の《機動戦士ガンダム》TVシリーズということで、見とかないとイケナイかな?と思って一気観しましたが・・・並行して視聴していた「∀ガンダム」の方が個人的にはずっと好印象でした。

それから、ひとつだけ本作を見てて「なるほど」と思ったのは、これが∀のいう《ガンダム世界》の「黒歴史」のヒトコマなんだな、ということでした。

本作は《宇宙世紀(UC)》という紀年法で時期が示される最後の期間の作品、ということなので後に続く物語はありません。
→正確に言うと、この後、{netabare}2,000年だが10,000年だか経って「∀ガンダム」の時代になる{/netabare}、ということらしいです。
→ということで、《ガンダム世界》の行く末が知りたい方は、本作と併せて「∀ガンダム」に手を伸ばしてみるのも一興です。{/netabare}


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
「新しいガンダムの合体シーンを真っ先に視聴者に見せたい」というスポンサー(プラモメーカー)の強い要望で、第1話からガンダムを登場させるために、本来は第4話に相当する話を最初にもってきて、第2~4話まではヒロイン(シャクティ)の回想という形式にしているため、話が非常に分かり辛くなっていることに注意。
白いガンダムを駆る少年(ニュータイプの少年ウッソ)vs.赤いモビルスーツを駆る顔を隠した青年(連邦軍の将校クロノクス)・・・という『初代ガンダム』のアムロvs.シャアを本家どりした構造が早くも示されている点にも注目。
・第4話視聴終了時点
この回のラストでやっと第1話につながる。
・第6話視聴終了時点
ウッソと死闘を繰り広げたワタリー・ギラ小隊長が、ウッソの姿を見て驚愕し自決する後列な印象の残る回。
・第7話視聴終了時点
ここまでシリアスな脚本にするなら作画・演出もっと頑張らないと・・・
・第14話視聴終了時点
ケイト戦死の瞬間にウッソが精神感応→またニュータイプとかいう陳腐な異能力者かと少し幻滅。
・第26話視聴終了時点
マリアの恩寵ということで、完全に異能力ものに。
・第35話視聴終了時点
ウッソ&オデルがシャクティ自身の意思に逆らって彼女を敵艦から救出してしまう注目回。
オデロの脱出間際に艦内で雑用をしていた少女が「ハイル・ザンスカール」と叫んで事切れ、オデロが「ザンスカールの主義者だったのか。マリア主義ってのはそういうんじゃないんだろう!」と叫ぶシーンが入っていることにも注意。
・第36話視聴終了時点
主人公ウッソが「母さんです」といって血のしたたるヘルメットをマーベットに手渡す有名らしいシーンがラスト付近で見られる回。
・第47話視聴終了時点
富野作品おなじみの精神官能満載のメタメタ展開・・・
・第50-51話視聴終了時点
こちらも毎度もカオス状態&メタメタ意味不明のオカルト展開満載で興醒め。
但しラスト(後日譚)だけは割と良い感じ。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作            矢立肇、富野由悠季
総監督          富野由悠季
キャラクターデザイン 逢坂浩司
メカニックデザイン   大河原邦男、カトキハジメ、石垣純哉、佐野浩敏
音楽            千住明
アニメーション制作   サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========== 機動戦士Vガンダム (1993年4月-1994年3月) =========

 - - OP「STAND UP TO THE VICTORY」、ED「WINNERS FOREVER」 - -
{netabare}
第1話 白いモビルスーツ ★ 東欧の森のMS戦(ウッソvs.クロノクル中尉)、リーガ・ミリティア隠れ施設への敵襲、ヴィクトリータイプG合体・赤いMS撃退
第2話 マシンと会った日 ☆ シャクテイの回想(不法居住者の村カサレリア、MSシャッコー奪取(ウッソ)、ベスパの特別区ウーイッグ爆撃、ウッソ初MS戦)
第3話 ウッソの戦い ☆ 続き(ベスパの民間人殺戮、ウッソのカテジナ&カルル輸送、ベスパMS2機との交戦・撃退)
第4話 戦いは誰のために ☆ 続き(ウッソ自宅地下の秘密、サバト隊の森焼き討ち・再MS戦、コアファイター出撃、赤いMSとの戦)、シャクティの心配
第5話 ゴッゾーラの反撃 ★ リガ・ミリティア秘密工場、クロノクル潜入、ガリー・タン機来襲、ウッソ再出撃、ガリー・タン捕囚、カテジナの苛立ち、ベスパ再襲撃
第6話 戦士のかがやき ★ クロノクルのオイ・ニュング伯爵&カテジナ拉致、ウッソ敵MS隊撃退、ワタリー・ギラ小隊長自爆
第7話 ギロチンの音 ★ ガッタール隊のリガ逃亡部隊追撃、オデロ等少年達の奮闘、ピピニーデン大隊降下・撃退、オイ・ニュング伯爵ギロチン刑(ファラ中佐)
第8話 激闘! 波状攻撃 ★ ウッソ&シャクティ帰村、VG(マーベット搭乗)vs.ピピニーデン隊、パイロット交代(ウッソ)・苦戦、救援到着(オリファー搭乗VG)
第9話 旅立ち ☆ クロノクル&カテジナ来村、カテジナの決別の手紙、離村
第10話 鮮烈! シュラク隊 ☆ ウッソ&シャクティの単独行動と危機、シュラク隊来援(女性部隊)、オリファーの制裁
第11話 シュラク隊の防壁 ★ ベチエン飛行場到着、ウッソの父ハンゲルグ・エヴィンの噂、ヘレン戦死、宇宙引越公社所属輸送機発進(ジブラルタルへ)
第12話 ギロチンを粉砕せよ ★ 初めての海(ロブ爺さんとの出遭い)、港町バルセロナの一幕(ファラと少年たちの出遭い、ウッソのギロチン台破壊、ファラ隊撃退)
第13話 ジブラルタル空域 ★ 中立地帯アーティ・ジブラルタル到着(両親の消息、母の用意したチケット、伯爵の仇ファラ)、クロノクル&ファラ隊との戦、マヘリア戦死
第14話 ジブラルタル攻防 ★ マヘリアの葬儀、カテジナの意図判明(スパイ)・ウッソの申出拒否、ケイト戦死(マスドライバー死守)、シャトル(カテジナ乗船)発進(クロノクル&ファラ同乗)
第15話 スペースダスト ★ ウッソ等宇宙空間へ(シャクティとの一時的な別れ)、ファラ中佐の宇宙漂流刑(タシロ大佐)、凄腕ゴッドワルド&ウッソ遭遇
第16話 リーンホース浮上 ★ 連邦所属・旧式戦艦リーンホース発進(シャクティ宇宙へ)、ハイランド周辺臨検事件
第17話 帝国の女王 ☆ ザンスカール帝国の指導部(マリア女王・カガチ首相)と国是(マリア主義) ※半総集編
第18話 宇宙艦隊戦 ☆ 太陽電池施設ハイランド、戦艦リーンホース救援、リガ・ミリティアの指導者ジン・ジャハナム(?)登場
第19話 シャクティを捜せ ★ タシロ大佐のシャクティ収容、シャクティの素性判明(マリア女王娘)
第20話 決戦前夜 ☆ シャクティ&カテジナ再会、敵カイラスギリー艦隊強襲(ウッソ発案)
第21話 戦略衛星を叩け ☆ 続き、リーンホース突入・白兵戦、タシロ大佐撤退、カテジナの伝言(シャクティの無事)
第22話 宇宙の虎 ★ ラビアンローズ4入渠、ゴッドワルドとの再会・死闘
第23話 ザンスカール潜入 ★ マルチナ発病、学徒兵との小競り合い、ウッソ達の密入国、建設工事用ロボットとの交戦、首都アメリア(スージとの再会)
第24話 首都攻防 ★ シャクティ&マリア面会、シャクティ&ウッソ再会
第25話 敵艦と敵地へ ☆ ウッソの再潜入、式典中の女王との対面、式場騒乱、マリア人質に
第26話 マリアとウッソ ★ 続き、ペギー戦死、捕らわれたウッソ&マーベット、マリアの恩寵、公開処刑寸前のVG機動、カテジナ機飛来
第27話 宇宙を走る閃光 ★ ウッソvs.初陣カテジナ、連邦MS奇襲、コロニー脱出成功・レーンホースJr合流、シャクティの悪い予感、ジュンコ爆死(カテジナ設置爆弾)、ビッグキャノン発射(ザンスカール艦隊直撃)
第28話 大脱走 ☆ マケドニア・コロニー退避(捕虜収容所へ、マーベット&オリファー結婚)、クロノクルのモトラッド艦隊の司令官抜擢、カテジナ機来襲、ウッソ以外コロニー脱出
第29話 新しいスーツV2 ☆ ウッソ捕囚、ルペ・シノ大尉との入浴騒動・脱出、ウッソの新ガンダムV2搭乗・敵機撃退、母(ミュ-ラ・ミゲル、V2開発者)の所在
第30話 母のガンダム × 月面都市セント・ジョセフ入境、母との再会 ※半総集編だが編集の仕方が適当過ぎる
第31話 モトラッド発進 ☆ シャクテイ独断でネオ・カタルヘナ行き、カテジナvs.ウッソ、母の身代わり(シャクティ救出)、オリファーの敵艦アドラステア突撃・戦死{/netabare}

 - - - OP「DON'T STOP! CARRY ON!」、ED「もう一度TENDERNESS」 - - -
{netabare}
第32話 ドッゴーラ激進 ★ モドラッド艦隊旗艦アドラステア地球へ、MAゴッドーラvs.マーベット指揮MS隊、ゴッドーラ撃滅、オリファー等の宇宙葬
第33話 海に住む人々 ★ リーンホースJr大気圏突入、マリア主義の信者たちの集会、ゴッドーラ来襲、シャクティ再確保(クロノクル司令)
第34話 巨大ローラー作戦 ☆ 地球クリーン作戦開始(ピピニーデン指揮)、戦艦による市街地踏み潰し、核爆発
第35話 母かシャクティか ★★ 仕組まれたゴズ・バール脱走(ウッソ&オデロ敵艦潜入)、シャクティ自身の意思に反した救出(再び母ミューラの身代わり)
第36話 母よ大地にかえれ ★ ミューラ奪還作戦、ゴズ・バールの卑劣な罠(ミューラを盾にしたウッソ搭乗V2撃滅作戦)、母の死、ザンスカールと連邦の一時停戦
第37話 逆襲ツインラッド ★ 北回り欧州航路(久々の休暇)、停戦協定違反のホワイトアーク強襲(ガッダール隊)、島の腐臭とマルチナ&エリシャの動揺(シャクティの喝)、連邦の援軍到着
第38話 北海を炎にそめて ★ ガッダール隊々長ドゥカー・イク&副官レンダ猛攻・戦死、オデロ&エリシャ進展、オデロ突撃と苦い勝利 ※ラストのバイク演出はやや唐突△
第39話 光の翼の歌 ★ 欧州到着、故郷カサレリアでの敵襲、マチス隊特攻・全滅、マチス・ワーカー大尉戦死(シャクティの弔歌) ※光の翼のメガ粒子で・・・というチート技はイマイチ×
第40話 超高空攻撃の下 ★ ラゲーン居住区でのマチス大佐家族との出遭い・墓参り、上空からのリーンホースJr.砲撃(鈴の音の敵MS)、故郷への別れ
第41話 父のつくった戦場 ☆ MSザンネック(ファラ搭乗)との交戦、ハイランド到着、リガ・ミリティア新旗艦ジャンヌ・ダルク乗船・父(ハンゲルグ・エヴィン)との再会、連邦軍への合流(ムバラク・スターン提督)・正規兵拝任
第42話 鮮血は光の渦に ☆ 巨大脳波発信装置(エンジェル・ハイロゥ)建設進行、ルペ・シノ(ピピニーデン隊副隊長)戦死、ピピニーデン爆死
第43話 戦場の彗星ファラ ☆ ザンネック(ファラ少佐搭乗)vsGV2(.ウッソ搭乗)、ファラ宇宙漂流刑の顛末、ザンネック撃破・ファラ脱出、リーンホースJr.のエンジェル・ハイロゥ接近
第44話 愛は光の果てに ★ 偽装輸送船(エンジェル・ハイロゥ潜入)、シャクティの決意・脱走・捕囚、近衛師団所属カリンガ&恋人キスカール同士討ち、ファラ機シャクティ確保、シャクティのタシロ対面
第45話 幻覚に踊るウッソ × マリアのサイキッカー達を利用した精神攻撃 ※半総集編
第46話 タシロ反乱 ☆ シャクティのアドラステア乗艦、タシロのカガチ離反・マリア連れ去り
第47話 女たちの戦場 ☆ エンジェル・ハイロゥ作動(シャクティ)・退行現象発生、ファラ戦死、マリアの後悔と祈り、ジャンヌ・ダルク来援、シャクティの祈りの波動(地球へ拡散)
第48話 消える命 咲く命 ★ ウッソの敵艦ブリッジ突入(マリア死亡、タシロ死亡)、タシロ旗艦シュバッテン轟沈、マーベットとオリファーの子
第49話 天使の輪の上で ★ ユカ戦死、V2エンジェル・ハイロゥ突入(サイキッカーの犠牲、カテジナの姦策(ネネカ隊の特殊装備)撃破、シャクティ救出)、エンジェル・ハイロゥ大気圏降下(シャクティの悲鳴)
第50話 憎しみが呼ぶ対決 ★ シャクティ&ウッソのEH再突入、戦艦ジャンヌ・ダルク特攻・轟沈、シャクティの浄化の歌声、戦艦リーンホースJr.突撃(リガ・ミリティア老人たちの見せ場)・モトラッド艦隊全滅、コニー戦死(シュラク隊全滅)、ウッソvs.クロノクル一騎打ち
第51話 天使たちの昇天 ☆ 続き、EH分解、ジャンヌ・ダルク突撃・爆裂、オデロ戦死、クロノクル戦死、カガチ死亡、ウッソvs.カテジナ、後日譚(数ヶ月後のカエサリア){/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)27、☆(並回)22、×(疑問回)1 ※個人評価 ☆ 3.6

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

あと"1Click"でガンプラ買うところだった・・・というわけでロボもの:第10弾

「宇宙世紀」のガンダムシリーズのなかでは
一番最後のエピソードにあたる作品です

とりあえず
宇宙世紀の括りで
手前のお話である「F91」まで視聴してからこの作品を観ました


観ていて一番に気になったのは
ガンダム作品でありながら
「ガンダム」という”名前”があまり出てこないこと

主人公の「ウッソ・エヴィン」君が搭乗する機体は
見るからに
まんま「ガンダム」なのですが
「ガンダム」って呼ばれてないのです

特に
機体を開発した
リガ・ミリティア(地球連邦軍)側での呼称はほとんど「ヴィクトリー」
(「Vガンダム」の”V”ってヴィクトリーの頭文字のことらしい)

たまに違う呼び名が出てきたと思ったら
「Vダッシュ」とか
「ヘキサ」とか
オプション強化型の呼び名だったり

「ガンダム」という名前がそもそも忘れ去られているのか?

しまいには
{netabare}「なんか敵が“ガンダム”って言ってたよ~」{/netabare}みたいな
台詞まででてきたり

逆に相手の「ザンスカール帝国」側にとっては
「ガンダム」は忌々しい過去の記憶のように忌み嫌って
最初こそ「ガンダム」と呼んでいたのに
徐々に
「白いヤツ」や「(ガンダム)もどき」「ヴィクトリータイプ」になってしまって

私が記憶している限りでは
「ガンダム」っていう単語自体
10回くらいしか出てこなかったかも(かなりテキトーですよ)

でも
よくよく考えたら
なんか不自然ですよね

この物語の時代は
宇宙世紀では0153年

アムロ君が活躍していた「一年戦争」(0079年)の
74年後です

私たちのいる世界での74年前って言ったら
今が西暦2014年としたら
西暦1941年
昭和15年
太平洋戦争開戦の1年前です

太平洋戦争で活躍した有名な戦闘機といえば
そう
たいていの方は
「ゼロ戦」が思い浮かべられるはずです

戦艦だと「大和」あたりでしょうか

あの全人類の約半数を死に至らしめた
「一年戦争」や
後の「グリプス戦役」から「ネオ・ジオン抗争」
での「ガンダム」の活躍を考えれば
人々の記憶の中に
特に
地球連邦の人達には
「ガンダム」という名前は
記憶の中に強く刻まれているはず

なのに
「ガンダム」が名前もろとも
忘れさられてしまっている感じなのです

まあ
兵器モノアニメって
こんなものなのかな



つまらない疑問で
長々と書いてしまいました


さて
物語についてですが

この作品
視聴後に他のレビュアー様のレビューを
いろいろ
読ませていただいたのですが
一番多かったのは
ガンダムシリーズの中では
一番の
「鬱展開」であること・・・

同感です

激しく同意です^^

よかった
私もようやく人並みの感性が備わったのかな~
な~んて
感じるに至り改めて安堵しています^^

とにかく人がたくさん死にます
しかも
とても惨たらしい最期^^!(ちょっと言い方が変?)

でも
グロいとか
大量の流血シーンが盛りだくさん
といった
視覚的なものより
人の死に対するシチュエーションが
「鬱」な気分に拍車をかけている感じです

ギロチンによる斬首刑や
宇宙漂流刑といった
残酷な処刑方法

あるいは
家族や
恋人同士
尊敬する人や
憧れの人なんかが
目の前で悲惨な死を遂げたり

ビームサーベルで生身の人間が焼かれたり
首がヘルメットごと飛んでいったり
モビルスーツから放り出されて頭を強打したりで

なんだか
とことん
死の悲惨さを追及しているのでは・・・
と思ってしまうくらい

そして
見てられなかったのは
そんな死に至る状況が
ウッソ君(13歳)をはじめとする
子供たちの目の前で起きていること

なかでも
ウッソ君のお母さんのシーンは
とても直視できる状況ではありません

ぶっちゃけて言うと
{netabare}お母さんの首がヘルメットごと飛んでいっちゃったんですが・・・{/netabare}
{netabare}それを
ウッソ君が拾ってきて
血が滴り落ちる中身が入ったままのヘルメットを
誰かに渡すシーン

ウッソ君泣いてます{/netabare}

下手なグロアニメより
よほど酷いものです

でも
そうは言いながらも
悲惨なお話ばかりというわけでもなく
子供たちのほのぼのとしたエピソードや
初心な恋愛なんかのお話があったり

戦闘シーンも・・・まずまず・・・かな?(後述)

ついでに
{netabare}ストーカーまがいや
セクハラじみたシーンもあったりと^^{/netabare}

ストーリーの全体的な構成としては
そこそこバランスよくできていると感じました


さらに
もっと酷かった(?)のはメカ設定

ツッコミどころ・・・
と言うより
唖然とするメカキャラがてんこ盛り

ヘリコプターがモビルスーツに変形したり
(ビームシールド(盾)がローターになってる)

蜘蛛みたいなモビルスーツや(関節毎にパーツが分かれる)
竜みたいなもの(同上)
大きいタイヤに乗っかって動き回るもの
(タイヤが奪われたら奪った側もそのタイヤを再利用可能というスグレもの)

バイクみたいな巨大な戦艦が出てきて
{netabare}「地球クリーン作戦」なる大義を掲げ
その太いタイヤで地面を均して回ったり
(「これ倒れたら起こすの大変だろうな~」って余計な心配をしそう){/netabare}

新しいメカキャラが搭乗するたびに
{netabare}「んんん!」「おぉぉぉ!!」「なんじゃこりゃぁ!!」「ふざけんな~!!」
「ガシャーン!!」(リモコンをぶつける音)と
悲鳴をあげて暴れてしまうほど{/netabare}

でも
一番酷かったのは(酷いものばっかり^^!)
最初に出てきた
「ガンダム」(ヴィクトリー)ですね(怒

とにかく
いろいろな形に変形するわ
各部が引っ付いたり離れたりするわ

変形途中の形態でもなりふり構わずに
ビームを撃ったり
ビームサーベルで切り付けたりと
超反則技まで出るわ

「特攻をかける!」とか勇ましいこと言いながら
ちゃっかり
足のパーツだけ切り離して敵にぶつけるわで

なにやってるのか
さっぱりついていけない

なにより
気に入らなかったのは(生意気なこと書いてスイマセン)
その”おもちゃ”のようなデザイン

「そうか~ここから”AGE”に至るまでの悪夢が始まるのか~」って
いらん感心までしてしまうほど(AGEファンの方ごめんなさい)

ちなみに
その見事な変形とドッキングのシーンに魅了(?)されてしまって
「これガンプラってどんなつくりになってるんだろ?」って興味が湧き
ググって調べてみました

ブツは「バンダイ」の
「MG 1/100 LM312V04 Vガンダム Ver.Ka(限定クリアパーツ付き)」(まったく意味が分からん)
ある方のブログに組立て方の解説が詳しく書かれていたので拝見させていただきました

「すごい」の一言ですね
最近のガンプラは凝ってます
昔のガンプラ知らないので偉そうなこといえませんが

ちゃんと変形するし
ドッキングするし
ビームシールドやビームサーベルは透明の部品使って
それっぽくなってるし(これをクリアパーツっていうの?)

前述した
途中変形の形態や
腕部(トップ・リムというらしい)と頭部パーツがくっついた形態(トップ・ファイターというらしい)
脚部(ボトム・リム)と頭部パーツがくっついた形態(省略)なんかもできる・・・

って
書いてる私がよく分かっていません

細部まで忠実に再現されていて
まるで本物のようです(アニメだから本物もなにもないのですが)

正直
私も作ってみたくなりました~
Am○zo○で¥3,700・・・(ToT


総括して
「鬱」とか
メカキャラの酷評ばかり書いてしまいましたが
全体の仕上がりはとてもよくできていると感じました

ストーリーの構成も分かりやすくて
最初に書いたとおり
「宇宙世紀」最後のエピソードだけあって
時代の流れというか
世界観や設定の進化(一部で後退)が随所に見られる作品でした

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

女性の生き方、親と子、戦争の狂気、洗脳、環境、世代交代…濃すぎます。

 水星の魔女がガンダムの何を引き継いだのかを確認したくなって再視聴。ガンダムシリーズは4クールあるので考察に時間がかかるのが大変です。

 ただ、見て良かったです。ガンダム作品としてはあまり人気が高いとは言えない本作ですが、メッセージ性という点では非常に深い作品だったと思います。

 老人と女性と子供のゲリラ部隊のリガミリティア。男1人が率いる女だけの部隊、シュラク隊。洗脳装置であるエンジェルハイロウ。マーペットの妊娠。ギロチンとは?

 Vガンの登場人物の特徴は、個人対個人の場面だとみんなまともで、紳士淑女で優しい大人なことが多いです。そして子供が戦場にいる事に驚く描写が何度も繰り返されます。
 また、男女ペアの登場人物が非常に多く、そしてまともな人ほど死んでゆく。狂った人間が強くなるという感じだったと思います。親子の関係が数組描かれていたのも特徴でした。

 老人たちが子供たちのために自分たちの意思で…というのもまた世代交代を感じます。

 それと初見でタイヤのモビルスーツや艦隊は富野監督もやる気ないのかと思いましたが「進撃の巨人」の先取りでしたね。また、環境破壊への提言ということで逆シャアとは違う意味の地ならしでした。
 車の形をしていたのは、バブル期で猫も杓子も高級車高級車で、核やコロニー落としとは違う形の環境破壊を揶揄していたのでしょうか。
 モビルスーツの破壊時の核爆発にも注目していました。結局どんな理屈をつけても戦争も文明も環境を破壊するという意味でしょうか。

 エンジェルハイロウは、ネット…だと時代的にうがちすぎかもしれませんが、価値観の洗脳ですね。TVによるバブルの洗脳という意味なのか、権利に胡坐をかいて戦争を忘れた平和ボケなのか。もちろん人類補完計画でもあります。
 そしてガンダム的にはニュータイプ…分かり合えると思っていたこの設定が結局洗脳装置になったのはなぜでしょう?

 とにかくテーマとしては、女の生き方、子供に対する親、老人は去り子供に場所を残せ、環境問題、経済第一・女性は職場に出ろという画一的価値観、バブルに浮かれた平和ボケ日本に対する強烈なアンチテーゼが感じられます。

 
 女性の登場人物は、なんといってもカテジナですね。平和を願い世界が間違っているという意識はいいし、子供を戦争に使うことに反発し力がありスマートな戦いをするクロノクルに惹かれるというのは極めて自然です。
 ただ、だんだん変わってゆきます。主義主張ではなく自分の思う通りになるかどうかが大事。ならないとイライラする。力を持つウッソへの憎しみは迫力がありました。最後結っていた髪の毛がほどけ長髪になる意味です。平和や理想を捨てて最後で女になったと言う事です。

 カテジナの女性であることを利用した戦術(エロ水着部隊)はひどかったですね。恋愛から男にすがった女の生き方の象徴な気がします。また、ウッソの成長を見誤っていたのかもしれません。富野氏のミソジニーが女性キャラ、特にカテジナに乗っていますが、一方で富野氏は女性に母性の他、聖性も見ているるのがややこしい。決してカテジナを憎み切れないように描いていた気がします。それが最後です。

 初見では評判通り嫌な女という印象がありましたが、最後のシーンが非常に印象に残っていました。なぜ、あんな描き方をしたのか?今回見て、彼女に拒否反応は起きませんでした。彼女もまた狂わされたんだろうと思いました。

 その点でマーペットとは対照的です。どこが違ったんでしょうね。かなり初めの方では嫉妬という醜い部分も見せていました。母は強いということでしょう。大人では彼女だけというのがまあすべてでしょう。

 そして、シュラク隊はなぜ全滅するのか。戦う女性の象徴でした。バブル期の作品ですから、これは今のままの男と同じ立場で戦おうとする女性の姿から屍を予想したということでしょうか。特にケイトの衝撃はすごかったですね。

 ルぺシノもまた女を使って生きる感じですが、したたかな印象です。ウッソというかショタっぽい感じもありましたので、感情と行動を切り離せるという感じで上司に媚びて出世を狙う感じ?

 ファラですね。なぜ妊娠に驚いたのか。そしてなぜ男を道連れにするのか。愛されていなかったことに対する復讐でしょうか?ギロチンが何を象徴していたんでしょう?残酷な殺しではありますがTV中継ですね。ショーとして殺しを見せるガンダムという作品への自己批判かもしれませんし、人の不幸を娯楽とする世評、誰かの犠牲の上になりたつ社会。

 シャクティ…うーん。語るものが余りないです。ガンダムシリーズの歴代ヒロインの中では一番薄い感じです。それはやはりカテジナとファラが本当のヒロインということでしょう。あるいはルぺシノやシュラク隊を含めてヒロインを分散した感じです。
シャクティは最後の場面。カテジナであることに気が付いていたかどうかです。私は気付いていたと思いますが、どっちとも取れます。人相が変わってしまっていたとか酷い怪我で顔わからないのをアニメ的表現でああしたとか解釈はあります。が、シャクティもまた女という意味で気が付いたと取りたいです。

 とまあ、書きだすとキリがないですね。とにかくVガンダムは濃い。濃すぎるくらいテーマが詰まっている作品だと思います。だから、登場人物もストーリーも歪に感じるのかもしれません。戦争の狂気は前提としていろんな視点から何かを感じることができる作品だと思います。

 もう1回見たいけど、51話。うーん。見落としがいっぱいありそうだなああ。


 追記 なおWW2の従軍女性を描いたノーベル賞作品「戦争は女の顔をしていない」のコミック版があります。その帯に富野監督がコメントを載せています。アニメには「戦う女性もの」の作品が沢山ありますので、是非参考に1巻だけでも読んでおくとよいと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

69.8 3 合体で戦闘機なアニメランキング3位
ゾイド-ZOIDS(TVアニメ動画)

1999年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (222)
1634人が棚に入れました
辺境の村 ウィンドコロニーに住む天真爛漫な熱血少年・バン。遊びに出た惑星Zi(ジィ)のエレミア砂漠で盗賊団に追われ、逃げ延びた砂漠の遺跡でオーガノイド ジークと、同じ型のカプセルから出てきた古代ゾイド人 フィーネと出会う。遺跡を次々と破壊しながらバンを追いつめる盗賊団のゾイドの攻撃をなんとか凌ぎながら隠し部屋を見つけたバンは研究所のような部屋の中に、巨大な楕円形の装置、ゾイドエッグが放置されているのを発見する。ついに念願のゾイド(ティラノサウルス型)を手に入れたバンは執拗に迫ってくる盗賊団に立ち向かい、以後フィーネの過去を探るため旅に出る事になった。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

死ぬまでにもう一度観たいアニメの筆頭格(→5/1(月)~YouTubeで毎週1話ずつ無料配信開始!)

最近40周年を迎えたトミー(現・タカラトミー)が展開する玩具シリーズ『ZOIDS(ゾイド)』
その初の本格的な連続TVアニメとなった本作の放送開始は1999年。
コンテンツ発足から20年近く経った後と意外と遅い。

ではそれまでの『ゾイド』はどう販促していたのかというと、実写ジオラマがメイン。
地球とは異なる惑星にて金属生命体を武器に抗争する共和国VS帝国という世界観設定を、
実際の製品を並べて撮影し表現。

他のロボット玩具が再現性はともかく、販促アニメにより売り込んで来る中、
安易にアニメ化せず、獣などの非人間型メカのジオラマでひたすら押してくる『ゾイド』は、幼少の私にとって憧れを抱く孤高の存在。
ロボ好きなだけでなく、恐竜少年でもあった私は当時『小学○年生』に載っていたゴジュラスの写真などをうっとりと眺めていたものです。


だからこそ20世紀末、あの『ゾイド』がアニメ化すると聞いた時は衝撃的でした。
同時にCGの進化もゾイドの再現に挑戦できる所まで来たのかと興奮したことを覚えています。


内容は共和国VS帝国の伝統の設定に、古代ゾイド人文明にまつわるボーイ・ミーツ・ガールを走らせた構成。
バンやフィーネの顔の模様も神秘的なキャラデザです(タトゥーではなく{netabare} ゾイド人の体内に含まれる金属が浮き出た物{/netabare} )

本作の放送面での快挙は、アニメなんて局の都合で枠ごと切り捨てるあの冷淡なTBSを相手に、
当初1年程度の予定の所、好評につき5クール目まで延長を勝ち取った所。
その後もアニメ『ゾイド』は数作品シリーズ化。
90年代しばらく休眠中だったという『ゾイド』を再起動させた、まさにコンテンツ中興の祖。

その長尺も生かした2部構成。第1部の少年少女の冒険譚などに留まらず、第2部にて2年後成長した彼らの活躍まで描いたスケール感も特徴。

ですが物語自体は私はそれほど覚えていなくて。
脳裏に焼き付いているのは、XEBEC制作のアニメーション。
蒼穹の下、疾走するシールドライガーの勇姿。
トゥーンレンダリングで構築、駆動するゾイドがただひたすら格好良すぎる。


『ゾイド』史上だけでなく、CGアニメ史上でもエポックとなった重要作。
ところが当時はVHSからDVDへのメディアの転換期。視聴困難作が多数発生する谷間。
本作もまた長らくレンタルDVDも配信もなく、視聴方法はプレミア化したBlu-ray BOX(現在Amazonで新品13万円)くらいしか無かった幻の作品。

今年40周年企画の一環として4月からTOKYO MXで再放送開始。
さらには東京以外でも放送しろよ、配信しろよとの私や全国のファンの叫びが届いたのか、
5月1日(月)19:30からYouTubeのタカラトミー公式ホビーチャンネルにて毎週1話ずつ無料配信されることとなりました👏


悲願の再視聴。心ゆくまで堪能したいと思います♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

papa0080 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

OPは隠れた名曲

ロボットアニメ好きに是非おすすめの作品

なんと言ってもゾイドが3DCGで動いているのが凄い
この年代でこんなにクオリティの高いCGを駆使したアニメは思い当たらない
ゾイド自体は結構前から存在していたがアニメになったのはこの作品が初めて…のはずです

ストーリーは平凡なはずなんだけど各話が新しいキャラによる物語であったり
新しい出来事が展開する事が多かったので退屈する事はありません
前半終盤戦、後半終盤戦ともに王道ではあるものの
熱い展開を見せてくれるのは大変よかった

キャラクター達ひとりひとりが中々の個性があるのも良い点
特に主人公の成長ぶりは見ていて本当に清々しく、誇らしく思える物でした
他にも脇役含め魅力的なキャラが多くクールをきどってる癖になりきれていない奴や
非撃墜王(笑)荒野の運び屋お姉ちゃん、不思議ヒロインちゃん
特別なゾイド、オーガノイドの相棒はメカの癖に可愛いと多彩

動物を元にしたメカは様々な種類があってモチーフも多彩
ライオン、虎、狼、恐竜、昆虫等、独特な良さがあり素直に格好いいと思えるものも多い
さらに良い点として機械生命体である事があげられます
生命体であるため傷つけば命を失う、そのためゾイドと搭乗者の間に絆が生まれる
これは家族として扱われる犬や猫と似たものであると思います

本来30話程度で終わるはずが人気が出たため60話程度制作されたのも
今後ゾイドシリーズは多数作られるもこの作品が一番人気があるのも納得出来る面白さ

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

zemin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

シリーズで一番熱いゾイドバトル

辺境の村に住むゾイド好きの少年が、共和国一のゾイド乗りになり、国の危機を救うまでの成長の物語は、王道な展開ですが見応えがありました。遺跡で出会った少女と旅をするストーリーは、ルナシルバーストーリーに似ているかもしれません。

第一部(少年編)と第二部(ガーディアンフォース編)の2部構成ですが、自分は第一部の方が好きです。第二部も首都陥落からの展開はかなり熱いです!


小学生のときにリアルタイムで見ていました。いまだにシールドライガーからブレードライガーに進化した回と、少年編でのバンとレイブン決着回は覚えています。

OPとEDの曲もこの作品によく合っていて素晴らしいです。毎週、OP曲のWild Flowersが流れるのを楽しみにしていました。

My Favorite Character
バン・フライハイト(少年編)。明るく、ガッツがあり、そして子供なのに鬱陶しくない、お手本のような少年主人公キャラだと思います。バンが大人になってからは破天荒さが減って、妙に常識人になってしまって少し残念でした。(フィーネも)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

67.3 4 合体で戦闘機なアニメランキング4位
銀河漂流バイファム(TVアニメ動画)

1983年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (71)
385人が棚に入れました
地球から遙か四十数光年。イプザーロン系宇宙にある人類の植民惑星が異星人ククトニアンに攻撃され、護衛の守備隊は全滅、13人の子供達が取り残されてしまう。彼らは異星人に囚われた家族や友人達を自分達の力だけで救出するために、人型兵器ラウンドバーニアンで異星人と戦いながら、地球軍の練習艦ジェイナス号で旅をする

声優・キャラクター
難波克弘、鳥海勝美、竹村拓、野沢雅子、菊池英博、冨永みーな、笠原弘子、羽村京子、原えりこ、千々松幸子、佐々木るん、滝沢久美子、あきやまるな、古田信幸

やまだ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

🏅戦火を生き残る、ただそれだけのお話

過去の名作回顧シリーズ
15少年漂流記+ロボ

ロボアニメ乱造時代、どうやって子供をロボに乗せるかに苦心する中で、宇宙船に取り残された少年たちのサバイバルというアイデア。戦時下ではあるが軍属ではない避難民たちの奮闘記。ガンダムが揃いも揃って老け顔だったので、今作は素直に子供っぽいキャラデザ。漂流記ということなのであまり逞しい感じは出せないですからね。現在ほど洗練された感は無いものの萌えも可能な範囲なような気もするのですが、絵柄の古さから豚の餌にはならないでしょう。

お話
通年アニメなのでエピソードには事欠きません。感動、別離、喧嘩なんでもあり。大人もたまに登場しますが、基本的には子供たちの内輪劇。といっても13人いるので群像劇と言えるかも。青年から幼児までの年齢差、国家や種族の違いまで取り揃えながら宇宙船内という狭い世界。発生する様々な問題からは逃げ場も無く、否が応でも彼らは成長していきます。バトルが主題ではないので宿命のライバルもいないし、序盤はロボはチラ見せ程度。ほぼ戦闘描写がないまま話が進みます。派手なドンパチムービーを求めると退屈でしょうが、ロボをあえて見せないことで作品の方向性を序盤から提示しています。現在のアニメでよくある「掘り下げが足りない」「キャラが成長しない」という不満は通年アニメでは感じられないと思いますが、そこをじっくりやったらやったで退屈って言うなら知らんがなとしか言えん。


ロボ
ガンダム以前のスーパーロボットアニメは地球外からの侵略者を迎撃する作品が殆どで地上戦メイン。ガンダムはコロニーありきの話なので宇宙空間での戦闘は不可避。人型である必要性は地上よりも苦しい。しかしプラモ販促である以上人型でなければならない。「手足を動かした際の慣性によって姿勢制御することで推進剤等の使用量を抑える」という苦し紛れの言い訳設定でお茶を濁していたガンダム。

今作の機体…ラウンドバーニアン(RV)
機体の各部バーニア噴射によって俊敏な姿勢制御が可能ッッ

自ら言い訳を放棄した潔い決断である。

ガンダムの成功でロボアニメが市民権を得た状況ではどうでもよくなったんでしょう。でもRVって特にバーニアをフィーチャーしたデザインでもなく、目立つのは裾の大型バーニアくらい。要するにジオン系と大差ない。でもガンダムが地上で高く飛んだり合体したりしてたのに比べればまだリアルに近づけてはいたのかな。

バイファムが量産機であったのもポイント高い。エースパイロット同士が専用設計のワンオフスーパーマシンで戦い個人間の決着で戦局が左右されるような作品ではないです。バイファムは設定は量産機といえど脱出ポッドまで搭載の主役機っぽいデザインですが本当にロボデザインまで量産機にしてしまったエガオノダイカは酷評の嵐(笑)。ロボデザインというよりもガンダムのようなヒーローもの、英雄譚では無かったのが不人気の原因だと思いますが、こっちはヒーローものの爽快感っぽさは一応あるので、まだガンダム寄りだと言えるとは思います。昨今のロボというかガンダムはやたら情報量の多いデザインが人気ですが、宇宙空間ならやたらめったらハッチを開けるわけにもいかず、ツルっとした外装のシンプルなデザインは好きです。


サンライズ作品ですが、ガンダムを求めると退屈かと思います。自分は回顧シリーズとして最初に持ってくるくらいに好きだった作品。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

け~・える・い~ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

等身大の物語

個人的には、サンライズのロボットアニメの中でも一番の良作だと思ってます。
{netabare}
この作品には、ニュータイプも、他を圧倒するような新兵器も登場しない。
人類が滅亡の危機に瀕するような事態も起こらない。

主人公たちは、どこにでもいる普通の少年少女たち。
目的は、ただ生き残ること、そして家族と再会すること。
登場する兵器は、主役メカのバイファムも含め完全量産品ばかり。

今のアニメにあるような派手な要素はなにもない。

年上の女性にほのかな憧れをいだき、エロ本を見つけて喜んで、女子に見つかりそうになって慌てふためく。思慮足らずで相手を傷つけ、けんかして、落ち込む。自分勝手、わがまま。落書きをする。
そんな年相応で、見ている誰にでも当てはまりそうなキャラクターたち。
自分たちの手の届く範囲にあるものを守りたいという当たり前で、誰にでも理解できる行動原理。
変に大風呂敷を広げることなく、一貫して家族との再会を目指すというシンプルにまとめられストーリー。

等身大のキャラクターの等身大の物語、それが銀河漂流バイファムなのだと思う。
等身大だから、分かりやすく、素直に共感することができる、物語の世界に入っていける。
主人公たちが、旅のなかで仲間と協力し合い、時には反発をしながら経験を積み、思い悩み少しずつ成長していく姿に引き込まれていく。
地味かもしれないが、すごくいい作品だと思います。

音楽もよいです。
オール英詩のOPもいいですが、番組後半から使用された挿入歌「君はス・テ・キ」は、作品にすごくあっていて名曲です。この曲の流れるラストシーンは・・・是非、見てください。
同じく番組後半の挿入歌「THE ASTRO ENEMY ミューラァのテーマ」も敵のテーマなのに、哀愁漂う感じでかっこいいです。

※古い記憶に基づいて書いてるので、思い違い等が含まれているかもしれません。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

kakizaki さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

子供というイメージ  それだけで観ないというのは惜しい作品

どうしても、この作品が観れなかった。


中心キャラが子供で、自分勝手にやってそれがまかり通ってしまうそんなアニメになってしまうと感じたからだ。


実際このアニメを観てみて、現実的に不可能というか、そのアニメの設定を入れても、そうなるのってホールインワンより確立低いだろというものがいっぱいあったが、


少年や少女達がゆっくりと成長していく姿やほんとに小さい子達がまったく成長しない姿は、結構リアルだった。



そしてロボットものには、よくある主人公一人で、敵の軍隊を一掃してしまうチートのような卑怯な設定は、このアニメには、なく皆で協力して、
{netabare}
皆で協力して、自分たちの目的を達成した。そこが素晴らしくメッセージ性があった。

普通ならば、この争いが終息するところまでをアニメにするが、彼らの目的は、そこにはなく両親に会うためという一つの目的のために動いた。その目的が達成したところでアニメが終わらせるのは、このアニメの主要キャラをとても若い世代にした意味でもあるように感じた。

また、最後のラストシーンは見ものである。
{/netabare}


普通80年代アニメは、ここまで長い作品は、打ち切りされるのが多いが、この作品は、その当時の中高校生などの署名によって2クール打ち切りを逃れ、当初の通りの4クールになったらしい。

その当時の署名した人たちに感謝して、この名作をぜひ観てほしい。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

70.3 5 合体で戦闘機なアニメランキング5位
無敵超人ザンボット3(TVアニメ動画)

1977年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (86)
347人が棚に入れました
富野由悠季(当時は“喜幸”)監督の手がけた異色のロボットアニメ。後の「機動戦士ガンダム」へと続く、リアルロボットものへの先駆けになったリアルな作劇が支持される。やんちゃな少年・勝平を始めとした神ファミリーの祖先は異星人であり、彼らには地球を襲う凶悪な敵ガイゾックに対抗できる超メカニックが受け継がれていた。それを操り人々を守る勝平だが、その戦いを眺める民衆の視線は冷たかった…。

声優・キャラクター
大山のぶ代、森功至、松尾佳子、永井一郎、川島千代子、鳳芳野、古川登志夫、渡部猛、島田彰

ace さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメ史に残る、残虐外道な敵たち

・大山のぶ代
なににつけてもこれを1番に報告せねばならない
ザンバードのパイロット、主人公勝平の声優は大山のぶ代である
これがまたドラえもんにしか聞こえない
大山のぶ代は声優の仕事のときにわざわざ声を変えたりしない、と答えている
その答え通り、あのドラえもんの声は地声である
そして、この勝平の声も地声である
つまり、ドラえもんの声そのままで演じているため
もうドラえもんであるwww
非常に貴重であるため、大山のぶ代のドラえもん以外の主演を見るためだけに
この作品を見るってのもあり
あのドラえもんが「オレっち」とか言ってる~~!っと楽しくなるね

・地球を守るのは地球人ではないwww
主人公ら神(じん)家は、「ビアル星人」であり、地球人ではないため
地球を守るのは実は宇宙人という衝撃のアニメでもある

・この手の主人公には珍しい
第一話から主人公の神勝平はパクったバイクで暴走行為をしているwww
警察の話では他にも様々な非行行為をしている様子
珍しいねぇ
この手の主人公ってのは、基本的にテストは悪いが正義感があり、
非行行為などもってのほかだと思うが
ちなみに12歳・・・

・敵さんは凶悪
一般人死にまくりです
昭和アニメ特有と言える
主人公側のサブキャラも次から次へと死ぬ・・・

・視聴アニメ史上最も残虐なアニメ
多分ね
すぐ上でもちらっと書いたけど人間殺しまくり
勝平が攻撃を避けたせいで後ろにいる人たちが10人くらい死んだり
人間に爆弾を埋め込み「人間爆弾」として次から次へと爆発して死にまくり
まぁ、これがロボットアニメの裏側よな・・・

◯よい

・型破りな主人公
この手のアニメには珍しく主人公勝平はいわゆる非行少年
第一話からぱくったバイクで暴走し、警察にも名を知られている
おまけにライバルの少年、香月慎吾にザンボットで殴りかかろうとする
資材を売ってくれない店から資材をパクろうとする
その店の店主が死にかけても無視しようとし、おまけに「見ろよこの欲張った格好(笑」
と、氷漬けになり死にかけの店主を小馬鹿にするwwww
良い子ちゃんばかりの主人公はもうあきてたので、
正直けっこう好きwww

・宇宙太もやばい
勝平の操縦仲間
宇宙太とケイコってのがいるんですが
この宇宙太、勝平と同じレベルのやばさ
怪人(ガイゾック)に氷漬けにされ船員が皆殺しにされた船に乗り込み
死体の山を無視し、船の資材をパクろうとするwww
良い子ちゃんばかりのロボットものはもうあきてたので新鮮で良い!

・ばあちゃんもやばいwww
勝平のばあちゃん
第一声を聞いたときは、大山のぶ代が2役やってんのか?と思ったくらい声が似てた
こいつ、初恋のじいさん(旦那のことではない!)が死にかけていると
なぜかこのじいさんが初恋の人だと皆に告白し、照れてふざけまくるwwww
周りの人間が殺されまくるなか、初恋のじいさんの顔がアップで写っておおはしゃぎwwww
しかも自分が助けに行くと、ロボットに乗り込み救助に向かうも
案の定失敗し、みなに迷惑をかけまくる
遊んでんのかこいつ・・・

・だが、勝平の家族はかっこいいヤツぞろい
勝平のオヤジ、兄の一太郎は非常に人間出来ている紳士
母ちゃんも周りの人間を助けるために命がけで尽くし、殺されそうだというのに一切の動揺なし!
なぜ次男の勝平だけぼんくらなのか・・・
特に勝平のオヤジは熱い熱血漢でこいつこそが主人公の性格
兄の一太郎も「お前がみなと心を合わせられないのならここで終わろう」と、
ガチで勝平が操縦するザンボットを司令室からコントロールし、自由を奪い敵に負けかけるなど、
非常に熱い性格!

・珍しく町の人間たちの反応がクローズアップされる
このアニメで最も良い部分
宇宙人が攻めてきて、勝平たちがザンボットに乗り込み撃破

戦闘の影響で町を破壊、町の皆は勝平らを激しく憎む

しかし勝平らは命がけで彼らを守っていることがわかる

町の皆が変わっていく・・・

と、まぁこんな感じで町の人間の反応なんざ、他のロボット系アニメでは
テンプレ通りにヒーローだなんだと祭り上げ、いるのかいないのかどうでもいい存在なんですが、
このアニメではかなり密接に町の人間たちの反応をとり上げる

勝平の戦闘で町が破壊され怒り狂った町の皆は勝平たちに冷たい態度を取り続け、
ライバル香月などはどこで手に入れたのか、ショットガン(本物)を持ち出し
勝平たちのロボット基地を襲撃し
司令室を破壊、そのせいで司令室が使用不可の状態に陥りその修理に
勝平たちが奔走するという事態にまでなる
他のロボットアニメで普段放置されている町の人間たちが
主人公一味にここまで大きな影響を与えるのは珍しい・・・
とても良かった!

・香月の存在
勝平のライバルで、13歳
勝平とは非行仲間であり悪友で、たびたびバイクで暴走行為をし警察からも名を知られている
ザンボットを収容している勝平たちの基地、キングビアル(司令室)をめちゃくちゃに壊した首謀者で
こいつの頭のおかしい言動にイライラしていたが
その実、男らしい、正義感の強い熱血漢で
体1つで敵の基地を爆発させたり、人質を逃したりする
このアニメに欠かすことのできない「もう一人の主人公」へと成長する
いいキャラだった

・OP
一度聴いてみてください
なんか・・・初代妖怪人間ベムみたいに独特すぎるOP・・・
結構良い!

◯わるい

・フラッシュ
昭和アニメの特徴ですね
眩しすぎるフラッシュ連打
危険なので、これが起きたら目線を外そう!
けっこうの頻度である

・全然目立たない宇宙太とケイコ
勝平とまったく同じ立場
ザンボット3のパイロットではあるが、
勝平が目立ちすぎのためか「あ、いたんだ」となる悲劇の二人
作中でも「悲劇」が待っている・・・
もっと存在感を光らせてくれてもよかった

・搭乗機械がよくわからん・・・
ザンバード→勝平が乗っている戦闘機で、独自にザンボ・エースという人型に変形できる
ザンブル→宇宙太が乗っている戦車
ザンベース→ケイコが乗っている、WIKIを確認してもなんなのかよくわからない・・・爆撃機らしい
この上記3機が「ザンボット・コンビネーション」で合体すると
ザンボット3という巨大人型ロボットになる


◯THE VERDICT

10/10

良かったです!!
これは文句なしにお勧めやな!
「古いロボットアニメなんか興味あるかボケー!」
など言わず、騙されたと思って見てみるといいです
すぐにおもしろくなる

自分も正直1ミリも興味なかったが
やっぱ食わず嫌いはあかんな・・・と再認識

・明らかに「人間狙い」の凶悪すぎる敵たち
俺はロボットアニメ自体ほとんど見たことがない
たしか、これの他には・・・つい最近見終わった「ライジンオー」くらいかな
ライジンオーに出てくる敵は人間には無関心だったんですが
このアニメはまったく逆!!
むしろ人間だけを標的にしており非常に凶悪

敵司令官のブッチャーは「殺しまくれー!」とか毎度騒いでいる
人間に爆弾を埋め込み自爆させる「人間爆弾」
和平交渉に来た政府要人を飛空艇から弓の的にして落とすなどやばすぎ
WIKIにも「人類を殺戮することを楽しむ」と書かれるしまつ

俺はロボットアニメをあまり見たことがない、と書いたが、そんな俺でもわかることがある
それは
ブッチャーはロボットアニメ史上間違いなくトップクラス(というかトップ?)の
凶悪外道な敵である

自分的に「ロボットアニメ」というジャンルは今熱い
ライジンオーとこのザンボット3がとても楽しめたからだ
どんどん視聴リストにロボットアニメを取り入れたいと考えている
ブッチャーを超える凶悪な敵が出てくることを期待しているwww
というか、いるか?

・どんどん盛り上がる
正直最初の方はよくわからんキャラがわらわらいて
なんかやってんなぁ・・・わかんね!
って感じだったけど
キャラの役割や個性がわかったらきたら楽しくなってきてどんどん盛り上がってくる
お勧め!

◯まとめ
悪役だった主人公一味が英雄になる様子は爽快だった!
とても楽しめたよ
凶悪極まりない敵たち!
「全滅エンド」とまで言わているかつて例を見ない凄まじい展開!
勝平の熱い性格と香月との友情!
一見価値はあると断言できる!

◯超どうでも良い企画
ロボット系アニメのレビュー毎にやっていこうと思っている
「どちらが強いか」

まずはライジンオーVSザンボット3が戦えばどちらが勝つか・・・
それは・・・

おそらくザンボット3です

理由は、「銃器」ですな
ライジンオーはたしか殴ったり剣で斬ったり特攻したりだったけど
ザンボットの基本武器は銃やバズーカ、ロケット砲です
水爆でも壊れないロボを「イオン砲」で破壊したり攻撃力も最強クラス
ライジンオーは近づくこともできず粉々じゃないかなぁ・・・と思う
接近戦も別に弱くないし
ザンボットのパイロットが「睡眠教育」で戦闘の
イロハをずっと学んできたエリートってのも理由の1つ

ということで、ザンボット3が勝ち抜き
次の相手は誰になるか・・・

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

無印ガンダムやイデオンの前触れ的な作品・・・ということで視聴してみましたが。

子供向け“ロボット・アニメ”という触れ込みでスポンサーを騙しておいて、安っぽい“社会派アニメ(※意識高い系ともいう?)”を作ってみました、的な何かか?

これ、商業倫理上どうなんでしょうか?
アニメーターとスポンサーのチカラ関係で、昔はこういうことは業界では別に珍しいことではなかったんだよ、とか言われそうですが、これで企画書どおりにお金を出して、玩具も作って売り出したスポンサーは一体どう思ったんでしょう?

まあ、私の心配することではないでしょうけれども、こんな風にあからさまにスポンサーを騙して金だけ出させて(※損までさせたわけではないと信じたい・・・)、専らアニメーターの自己満足の産物を作ってしまって、本当にそれで良かったんでしょうか?

※このシナリオでは、当時視聴していた子供たちには余り受けなかったのでは?と思いますが、富野監督と同世代の仲間たちには大変に評判が良かったようで、今でも本作を“名作”と評価する声もあるようです、念のため。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点
作画等は年代相当だけど、「睡眠学習」で主人公が戦闘機&ロボット操縦スキルを既に取得済みという設定が結構笑える。
・第5-6話視聴終了時点
毎回来襲するメカ・ブーストとの格闘ではなく、町を守っているはずの住民から神ファミリーが忌避され排斥されていく展開に一応の見どころがある作品らしいと気付く。
とくに主人公勝平はやはりアムロの原型か?
・第10話視聴終了時点
ガイゾックが日本国使節団を捕らえて風船に吊り下げて銃で人間狩りをする(撃ち落されるシーンまであり)は、小学校低学年向けアニメとしては明らかに場違いじゃないのか?という疑念から、初の×(疑問回)認定。
・第15話視聴終了時点
モブ以外のキャラが初めて死亡する注目回。
・第16話視聴終了時点
「人間爆弾」が初めて登場する注目回だが、酷いシナリオで×。
・第17話視聴終了時点
北の“七ヵ所村”の避難民キャンプがガイゾックの「人間爆弾」対象者調達基地になっているという設定→明らかに青森県上北郡の六ヶ所村(※原子燃料サイクル施設などの原子力施設がある村)をモデルにしている。
・第18話視聴終了時点
主人公=勝平の幼馴染ブスペアの片割れが“人間爆弾”で爆死で、ここから欝展開本格化か。
・第23話(最終回)視聴終了時点
この回のシナリオは酷くて弁護の余地なし。
この当時は、こんなんで“社会派アニメ”を気取ってたの?{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作           鈴木良武、富野喜幸
総監督         富野喜幸
脚本           五武冬史、荒木芳久、吉川惣司、田口章一、星山博之
キャラクターデザイン 安彦良和
メカニックデザイン  平山良二、大河原邦男、スタジオぬえ
音楽           渡辺岳夫(作曲)、松山祐士(編曲)
アニメーション製作  日本サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 無敵超人ザンボット3 (1977年10月-1978年3月) ===========
{netabare}
第1話 ザンボ・エース登場 ☆ キラーザ・ブッチャー復活、神勝平ザンボ・エース搭乗・出撃、メカ・ブースト・ドミラ撃破
第2話 燃える死神の花 ☆ 神(じん)ファミリーの使命(ガイゾック撃退)、勝平苦戦、ザンブル来援(宇宙太搭乗)、ザンベース来援(恵子搭乗)、ジドブラー撃破
第3話 ザンボット3出現! ☆ 剣道奉納試合(勝平vs.香月)、宇宙太&恵子苦戦、勝平の我儘と一太郎の怒り、3機合体(ザンボット3完成)、ガビタン撃破
第4話 集結!キング・ビアル ☆ 神ファミリーの秘密(ビアル星からの宇宙移民の子孫)、移動要塞ビアルⅠⅡⅢ合体(キングビアル完成)、ドヨズラー撃破
第5話 海が怒りに染まる時 ☆ 避難民の神ファミリーへの誤解・嫌悪、家族と生き別れた香月の逆恨み
第6話 父が帰ってきた日 ☆ 勝平の父・源五郎登場、勝平の香月への反発と父の怒り
第7話 さらば!我が友よ ☆ ブスペア(アキ&ミチ)の危機、ミチ救出とアキの反感、香月ら住民の恵子人質・キングビアル侵入、勝平の母・花江の怒り
第8話 廃虚に誓う戦士 ☆ 宇宙太の母・すみ江の反感、ガイゾック東京襲撃、ビアルⅡ離脱、宇宙太活躍・バアルⅡ帰還
第9話 危うし!キング・ビアル ☆ キングビアルの資材調達の困難、大滝社長救助・死亡、資材入手・キングビアル分離
第10話 バンドック現わる! × 埴輪型ガイゾック巨大基地バンドック出現、日本国使節団への人間狩り、野崎副首相救助(梅枝婆さん活躍)
第11話 決死の爆破作戦 ☆ 続き、兵左エ門・源五郎とブッチャーの対談、ブッチャーの黒幕ガイゾック登場
第12話 誕生日の死闘 ☆ 恵子の14歳の誕生日・帰省、松本城騒乱、恵子の親友ヒロミ達の非難・悪罵、傷ついた恵子の立ち直り
第13話 果てしなき戦いの道 ☆ 巻き添えを出さない戦い方、勝平の自暴自棄、香月の励まし・勝平の立ち直り
第14話 スカーフよ永遠なれ ☆ 北海道・札幌避難民キャンプ(アキ&ミチとの再会)、ブスペアとの仲直り・二人の贈り物
第15話 海に消えた老将 ☆ 国連防衛軍からの援助申し出、B.ジェイムス提督壮絶死(囮船団壊滅、補給物資到着)
第16話 人間爆弾の恐怖 × 謎の爆破事件、神ファミリー年少組(和之・公子・きいろ)の人質救出、人間爆弾自爆 ※酷いシナリオで・・・
第17話 星が輝く時 × 避難民キャンプの秘密、健太脱走・救助、勝平キャンプ潜入、香月囚わる、浜本爆死 ※同上
第18話 アキと勝平 ☆ 避難民乗船拒否、アキ救出・爆死、ミチ脱出・救出
第19話 明日への脱出 ☆ 香月奮闘・ガイゾックの正体目撃、敵基地バンドック強襲、人質脱出、バンドック撤退
第20話 決戦前夜 ☆ 国際防衛軍のキングビアル&ザンボット3接収、防衛軍苦戦、パイロット交代、水爆爆発、神ファミリー宇宙へ
第21話 決戦!神ファミリー ☆ 宇宙空間の激戦、バンドック突進、ビアルⅡ突撃・轟沈(平左ェ門夫妻)、バンドック逃亡
第22話 ブッチャー最後の日 ☆ 避難民・非戦闘員の地球送還、青騎士&赤騎士撃破(源五郎戦死)、ブッチャー撃破・爆死、ラスボス登場
第23話 燃える宇宙 × 続き、恵子&宇宙太突撃・爆死、コンピュータードール8号との問答、8号爆発、一太郎・久作・大太爆死、勝平地球帰還(ミチの介抱){/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)20、×(疑問回)3 ※個人評価 × 2.9

OP 「行け!ザンボット3」
ED 「宇宙の星よ永遠に」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

トラウマと言えばこれ

<2017/10/28初レビュー>
富野由悠季監督作品。
キャラクターデザインは、ガンダム、クラッシャージョウ他で著名な安彦良和。
主役の声優さんはドラえもん。
となかなか豪華(?)な感じの"子供向け"アニメです。

子供の頃観ました。
確か、土曜の夕方5時。

その頃は子供向けロボットアニメ全盛でした。
ガンダムがまだ出る前。
アニメと言えば子供のもの。
ロボアニメも当然子供向け。
そんな時代です。

当時のロボアニメは毎週、敵が一体襲ってきて、主役ロボが撃退。
バトルでは街並み壊しまくりますが、翌週にはきれいに元どおり。
そしてまた敵と戦って壊す。
そんな主役ロボを街の人は絶賛。
それが当たり前のお約束でした。

このザンボット3も見始めた時はそうした勧善懲悪の水戸黄門のようなロボものだろうと。
更に、ロボもopテーマもそれまでのどのロボものよりもカッコ良い、と最初ものすごく期待してたのを今でも覚えています。

でもこの作品は違いました。

熱血小学生"神勝平"の操るザンボット3は幾度となく襲い来る敵を撃退していきます。
ところが壊された街は元に戻りません。
住む場所を失った人々は列を成して疎開していきます。
そんな街の人々は「敵はお前達を狙って攻めて来てるんだ。お前らは地球から出ていけ!」と主人公達に石を投げつけます。
そんな人々の中には仲の良いクラスメイト達もいました。

そして真骨頂は勝平のガールフレンド、あきの顛末です。
{netabare}敵はある時から地球人を誘拐、体に爆弾を埋め込んで人間爆弾として地球に返す、という非道な作戦を始めます。
あきも攫われてしまい、主人公がなんとか助け出すのですが実は既に・・・{/netabare}

最終回は{netabare}皆殺しの富野{/netabare}でした。{netabare}主人公以外の主要登場人物、同じザンボットのパイロットの従兄弟二人も、おじいちゃんもお父さんもお兄さんも親戚のおじさん達も皆死んでしまいます{/netabare}

アニメ観て鳥肌立つ、初めての経験でした。
いろいろと悪い意味で。

当時、これ観終えてからロボアニメ観るの数年やめました。
なのでガンダムもリアタイでは観てません。

この作品は私にとってのトラウマアニメです。

ですが、年を経て今となるとやっぱりもう一度観たいなー、という気持ちもあります。
でもこの作品なかなか再放送されないんですよね。

とか思ってたら、明日、BSで一挙放送やるそうです。
これは録画しないと!笑
と思ってレビューした次第です。

(おまけ)この作品、昔イタリアでも放送されてたそうです。イタリアサッカー界でレジェンド級のイケメンストライカー"ピッポ"フィリッポ・インザーギも観てたのだとか。

<2021/5/8 追記>
OP曲好きだったんですよ。
「(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
(ザンザンザーザザン♪)
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー♪
ザンボット・スリー・GO!
愛と勇気と力とが静かに眠る海の底♪」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

66.3 6 合体で戦闘機なアニメランキング6位
連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (107)
302人が棚に入れました
世界各地を巡り、ネウロイと戦う人々や故郷を追われた人々に、ひとときの安らぎと心の癒しをもたらす異色の航空団それが彼女たち「音楽隊ウィッチーズ」戦ってみんなを守る統合戦闘航空団のウィッチ達とは真逆の航空団、戦わないウィッチである彼女たちは、“歌や音楽”でみんなの笑顔を守る!それが彼女たち「音楽隊<アイドル>ウィッチーズ」なのです。

声優・キャラクター
鳴海まい、細川美菜子、藍本あみ、真宮涼、都月彩楓、花江もも、結木美咲、琴坂みう、橘きょう
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ストパンシリーズのアイドルアニメ

{netabare}
ストパンシリーズのアイドルアニメ。
最初はこういう路線にいっちゃうかと印象は良くなかったけど、想像以上にいいアニメでした。
自分がストパン好きなのと、監督がエイラーニャ回とか、その他諸々自分の好きなアニメの脚本やってる人なので最初からハマるだろうなとは思ってたけど。
ライブに足運ぶぐらい好きになれたアイドルアニメは初めてでした。
本編の方と甲乙付け難いぐらい好き。
ズボンは見えません。
残念と言う気持ちと真面目度が増していいと思う気持ちが半々()
その代わり、他シリーズではちゃんと描写されていなかった使い魔たちがこの作品ではしっかりと描かれ、それに関連したストーリーもいくつかあった。

ストパンシリーズとして見た場合少し暗さが足りない気がしないでもないし、ファンの間で賛否別れるのはわかるけど、自分はそこは割り切って見られたので特に気になりませんでした。
まあ、実際軍隊にも音楽隊って実際にあるしね...? 歌いはしないけどw
ただ、話の構成や作りは、アイドルアニメと言うよりかは、対ネウロイ戦をライブに置き換えたストパンと言う感じはします。
深夜のアイドルアニメ全然好きじゃない自分が楽しめたのは結局その部分だと思う。
キャラの個別回もこの時代、この世界観ならではみたいな、ストパンっぽい話が多かったし、このシリーズだからこその強みを活かせていて、他のアイドルアニメではできないような話が多かったのも良かったと思います。

この作品の一番の良さは最初から最後まできっちりとテーマに添えていたこと。
自分たちだけにスポットを当てた音楽隊としての成長物語方向に舵が切られないか心配だったけど、そういう方向ではなく、常に観客と言う存在が重視されていて、民を喜ばせることを第一に考えてあれこれ工夫をするというのが毎回の話の流れだったので、「歌で民を幸せにする」というテーマに最大限添えてたと思います。
6話など時々そっち方向の話もあったけど、観客を喜ばせるという前提がしっかりと重視された上での話だったので、どの話も根本の目的から逸れていなかった。

そのテーマを回収しつつ、一話で提示された「戦わないウィッチでも世間に認められる」と言う目標も全話にわたって上手く回収できていたかなと。
3話や4話などのように、戦わない音楽隊に対する世間からの風辺りの描写がしっかりしていたのも良かったし、そんな状態から徐々にそういう好意的でなかった人たちが心変わりしていく様も上手く描けていたと思う。
各地で子供たちを喜ばせたり、ライブを行ったり、その他にも最初に書いた通り民を喜ばせるための工夫など、民のことを考えて行動する描写も多かったので、人々の心境の変化には説得力があった。
最終回の大舞台でのライブに繋がる流れも、王道とは言え丁寧に描けていたと思う。
最終回でのライブのナイトウィッチの特性が活かされた大掛かりなライブは本当に良かった...。
本編1期の6話もそうだけど、ナイトウィッチの能力ってこの世界観では大変なことも多そうだけど、色々と素敵。
あとは、ストライカーを使った空での演出(特に9話)は素晴らしく、このシリーズだからこその強みも活かせていて印象的です。

民を元気付けると同時に、最初は音楽隊であることを厭わしく思っていたメンバーたちも含めて、音楽隊の存在価値を認識して、自身づいていく様子も良かったです。
最終回のラストの締めゼリフとして「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズです。」と堂々と名乗っての終わるのは、序盤時点からの音楽隊に対する認識の変化がみられてすごく良かった。
全話通してシリアス要素はあまりないから起伏がないという人がいるのも分からないでもないけど、「民を元気づける」と言うのがテーマなだけに、あまり重苦しい作風にしなかったのは正解だったかなと思います。
暗い雰囲気でギスギスした話を続けられると、設定上は民を楽しませていることになっていても視聴者側からしたら全然そうは見えなくなってしまうだろうし、行き着くのはアイドルとしての成長モノになってしまうだろうし。民を楽しませるならまず自分たちからというか。
大きなシリアス要素が排除されていることで、作中のキャラだけでなく、このアニメを見てる側も元気づけられる/癒されるいい作品だったと思います。

話も良かったけど、この作品は何よりもキャラと雰囲気が好き。
どのキャラも優しくて、ギスったりせずにお互いに支え合っているのが、すごく好きだった。
悩み事などを抱えているキャラがいたら、他の子がそれを解消してあげたり、家族のためにライブの演出を考えたり、全話通して優しさにあふれているアニメで毎回すごく癒された。
特に、1話からずっとモフィーを元の居場所に返したいという一心でずっと動いて、実際に優しく見送って返してあげるジニーはほんとに優しさが伝わってくる。
キャラがめっちゃ好きになれたので、普通のアニメだったらそんなことはないんだろうけど、最後の方の展開はずっと泣きっぱなしだった。
10話の羽が見えなくなる演出はかなり印象的。
都合のいい展開ではあったけど、11話のモブ含めての優しい空間が本当に好き。モブ達も含めて、支え合っているのがすごく心に刺さった。
直接的な意思はなけれど、ここまでのライブの還元というか...。
1クールと言う短い尺の中で主要キャラが全員がちゃんと印象に残る作りになっていたのはすごいと思う。

あと、これはニコニコのコメントで見かけたけど、最終回「みんなの世界」のサブタイ表示の時に☆が10つとその上に3つ離れて描かれているのは、10つはグレイス少佐+9人として、残りの3つが降りられた声優さんを表しているらしく、まさにサブタイを体現できているし、この作品の作品内だけではない優しさが伝わってきて感動した...。
2ndライブに行ってきたけど、実際声優さんも皆仲がよさそうで、優しくてもっとこの作品を応援したくなった。

やることはやり切った感あるけど、いのりやマナの個別回はなかったので2期をやって欲しい。あと、ジニーの転属問題も未回収だし。
声優さんは新人だけどかなり頑張ってたと思います。
2ndライブに行ったら声優さんのことを応援したくなったし、悪くは言いたくない。
ほんとにライブ最高だった。円盤化はいつなんだろうか。
全員これからももっと頑張って欲しい...。

話での評価だからそこで減点はないけど、作画に関しては残念だった。
もうシャフトって駄目なんだなって...。RWBYとかぶってるとは言え延期してこれかよってなった。特に最後の方はさすがに酷すぎ。
シャフトだからBDで修正されるとは思うし、自分はBD買ったから別にいいんだけど。
CGはENGIとかいう会社に委託してほしくはなかった。
まあキャラはあまり崩れてはいなかったし、キャラデザめっちゃ好きだったから大きな不満と言うわけでもないんだけど。

曲は好み補正も大きいだろうけど全部好きです。
アニメで流れた曲で言えば、「flying skyhigh」「わたしとみんなのうた」が好き。
欲を言うなら青空ダイブと未来FANFALEとMy Shining Lightは流してほしかったw

最近知ったけど、ストパン同様こっちもキャラの元ネタがいるんですね。
基本的に、この作品同様パイロットではなく歌手で。(アイラ様やグレイス少佐は例外っぽいけど)
ヴァージニア・ロバートソン→ジーニー・ロバートソン
リュドミラ・アンドレエヴナ・ルスラノヴァ→リディア・ルスラノヴァ
渋谷いのり→淡谷のり子
などのように。
いのりの元ネタの方はwikiを見る限り、まさにこの作品に合っている人物像。
ちゃんとこういう面もしっかりしていて、アイドル路線とは言えストパンシリーズなんだなと実感しました。

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆8
ヒーラーガール枠? 歌うまいな。ストパンの世界観のわりに緩すぎない?
まあ、今後次第って感じだな。もっと後先考えろw

2話 ☆8
ジニーちゃんと別れたんかよ。
人の事ポンコツ言う割にこいつらもポンコツじゃねーかw
人から奪う方が美味しいとかいう畜生。アイラ様可愛い。
野生のナイトウィッチw なんかほぼ合格ムードで草。エリーも可愛い。
結成までの導入が少し急だけど、キャラは割と覚えられる。
アイラ様だけ1人。そういやネウロイって出るの?このアニメ
ジニーはストライカーつけたことない?

3話 ☆10
やっぱ戦い求められてるのね。これは無能上司。ジニーちゃんマジで好き。
歌で戦後に笑顔を取り戻す的な? マジで可愛い。
音楽隊を誇りに思えないのはまあ仕方ないよね。
こうやって世間に認められていくまでの物語?
過去作の印象があってこその話でもあるからストパンシリーズでやることに意味がある。
タイトル回収
人を喜ばせると同時にアイラも音楽隊であることを誇れるようになったのが、この作品のテーマにもあっていて良かった。

4話 ☆8
サビのミュージックの言い方可愛くて好き。
結構な王道アイドルアニメしてるなw 可愛い。髪型変えんでも
。このキャラデザならメイクやっても可愛くなくなるだけなんだよな。
なんで和曲あんだよw 言うほど多いか? バラバラすぎるw
アイドルアニメの機材弱すぎ問題。ゲームみたいなCGだな。???
謎のセッティングやめろw

5話 ☆10
たまにいる飛行機恐怖症。
確かに音楽隊って伝えるの躊躇いそうだなと思ったけど、父も音楽隊であることは認めてるのね。ガバガバ。
けどお金のためみたいな理由の方がはっきりしていていいかもw
俺っ娘だったの?
素の自分で話し合うのほんとに仲良いってのが伝わってきて尊い。
シルヴィだけ無駄にガタイでかくない?w 作画?

6話 ☆10
厳しいな。階級差。数学ノートかよ。ジニー可愛い。
そんな同じとこに飛ぶもんか? 百合回かな? マリア可愛い。百合最高。

6.5話 ☆-
声かわいいなほんと。モーションキャプチャーなのか。
CG割と浮いてるけど確かに凝ってるな。
ジニーは物語の潤滑油的立ち位置な感じだなw
けど一番好き。
ワールドウィッチーズって間違えたよな?w

7話 ☆9
503 ストパン要素 車運転できるのか。モフィー可愛い。
じいさん声若いな。風呂じゃなくてサウナという謎のテコ入れ。
アイラだけやっぱ違和感あるな。若返りすぎやろw
ネウロイ出てくるんだ。戦闘に作画回すなw 時差なるほど。
サーニャ? てか、これって1期6話の別視点だったり?
本当にそうだった。良かったけども、1期の6話は超えられてない。

8話 ☆9
吉大 草。落ち込みミラーシャ可愛い。箸休め回か?
唐突に始まる水着回。結構浅瀬に落ちてるじゃん。今季一の百合アニメ。

9話 ☆8
そんなに有名になってんのかよw モフィって結局何もんなんだ。
テイクオフ! このCG何とかならんかったんか。
作画頑張って 一期が終わった。

10話 ☆9
けどルミナスは戦ってないよね? もふぃかわ 軍曹なの?
ああ、ナイトウィッチだからか?
てかジニーってそもそも直接この隊に任命された訳では無いしな。可愛い。
モフィーっていっつも元気ないからわからんw おるやん。
まあ楽しそうだったし放っといた? この話モフィーにも繋がってる?
エリーもジニーもあるべき場所に猫やモフィーを返すのが優しくて好き。
まあ、さすがにモフィーのオチは使い魔の設定上そういう感じにするしかないか。魔法力が。
質素な演出がより悲しさを出せてていいと思う。
このアニメ見てる時だけ涙腺が脆すぎる気がする…。

11話 ☆10
ジニーちゃん優しすぎて好き。ここの顔アップ可愛すぎる。
ジニーちゃんにとっての1番の居場所はルミナスウィッチーズだよね。
EDへの繋ぎが良すぎて泣いてしまった。全員が支え合ってる感がすごく好き。

12話 ☆10
モフィーあっさり帰ってきたw
この曲好き。シャフトさん、作画...。
ラストに音楽隊であることを誇って終わるのが一話からの集大成感があっていい。
終わらないで...。少なくともリアタイしてきた作品の中では一番好きな作品だった。

OP「WONDERFUL WORLD」☆9.5
1~11話ED「わたしとみんなのうた」☆10
1話挿入曲「永久の寄す処」☆8
3話挿入曲「優しい明かり」☆7.5
4話挿入曲「故郷の空」☆8.5
5話挿入曲「真っ白リボン」☆9
6話挿入曲「夢色コントレイル」☆8.5
7話挿入曲「太陽の理由」☆9.5
8話挿入曲「あの日々を忘れない」☆7.5
9話挿入曲「星と共に」☆7
12話挿入曲「みんなの世界」☆9.5
12話挿入曲「歌を歌おう」☆9
12話挿入曲「Flying Skyhigh」☆10
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

優しい空

シリーズ開始十周年記念のスピンオフ企画ということで、
当然、ファンと一般視聴層とでは関心に温度差が生じるだろうし、
かつ、先行してリアルの音楽ユニットの活動が始まっているそうなので、
いわゆる販促アニメという色目で見られてしまうのもやむを得ないところか。

心温まる良いアニメだったと思う反面、
ぬるくてとても観ちゃいられん、という意見にも頷ける気がする。
いちいち突っ込む意味もないほど、現実離れしたストーリーなのだが、
そこは作り手の意図を汲み取る度量がこちらにも求められてくる部分。
試しに自分も突っ込みを入れつつ、話の糸口を見つけてみたいと思う。


{netabare}「歌には人を救う力がある。」
こんな信念に基き、戦力外となったウィッチたちが寄せ集められ、
戦争で疲弊した人々の心を癒すことを目的に、音楽隊の活動が開始される。
ではなぜ、実際に歌で心が救われるエピソードを語らないのか?
(また、ワールドツアーと銘打って戦火の及んでいない地域にまで出向くのなら、
苛酷な状況下にある欧州に絞って集中的に回るべきではないのか?)

第3話で語られるエピソードを取り上げてみよう。
疎開中の淋しさが今も癒えず、明るさを失っている村の子供たちが、
メンバーとの交流をとおして笑顔を取り戻す・・・というものだが、
ストーリーの重点は、リーダーのアイラが抱える葛藤におかれている。
戦えないウィッチである自分を否定する感情を引きずっていた彼女が、
子供たちの愉しげな様子を見て、"歌うウィッチ"としての存在意義に目覚める。

救われたのが逆に、音楽隊側の人であったというのが可笑しい。
何のことはない、「歌には人を救う力がある」とは
自分の側も含めての言葉だったというわけだ。この相互的な構図はおそらく、
本作のコンセプトに関わる重要な意味をもっている。

多分、救おう、というような作為性は敢えて避けられたのだろうと思う。
心の傷に寄り添う、という態度に潜む無自覚な傲慢さに毒されていない、
歌や音楽が人と人とをつないでゆき、自然に心が救われてゆく世界。
ルミナスが表現しようとしたのはきっと、そういう世界だったに違いない。

子供たちの中に溶け込んで、一緒に歌っているような無心さ、
よく言えば慎ましさ、悪く言うなら素人臭さ、これがルミナスの個性だ。
本作の作風というか、基調となるトーンもまたこの延長上にあって、
よく言えばほのぼのとした、悪く言うならどこか緩くて締まりのないアニメなのである。

このイメージをそのまま擬人化したようなのが、主人公のジニー。
身元も考えていることもよく分からない、何ともつかみどころのないキャラだが、
物語の終盤は彼女を核に、メインテーマを落とし込む形でシンプルにまとめられる。

鍵となる歌が二曲、作中に挿入されている。「故郷の空」と「永遠の寄す処」。
後の方は有名な「アメイジンググレイス」のメロディーに
本作の挿入歌を手掛けた作詞家がオリジナルの歌詞をつけたもの。
とある個人ブログに採録されていた歌詞を以下に転載させて頂くと、

{netabare} 畦を駆けては 仰ぎみた
 光さざめく 山河
 忘れぬ鐘の音 鳴りわたる
 永久の寄す処や 故郷
 
 友と語らう せせらぎで
 風に託した 夢は
 今なおこの胸 こだまする
 永久の寄す処や 故郷

 心通わせ ときは過ぎ
 家路照らした 銀河
 変わらぬ思いを 包み込む
 永久の寄す処や 故郷{/netabare}


キーワードは勿論、「故郷」。
わざわざ指摘する必要もないほど、本作のテーマはわかりやすいものだ。
現実の、あるいは比喩となった「故郷」のモチーフからも浮かび上がるそれは
居場所を失くした少女たちが本当の居場所を見つける物語、というものだ。

(物語のテーマがこれらのテキストに集約されているのは、一種の簡便法であって、
見せ場となるライブシーンに尺を割かねばならないこの種の作品では
こうした手法を用いてストーリー部分を圧縮し、物語を成立させる。
通常の情報量を圧縮しているために、ストーリーがやや薄く感じられはするが…。)

念願がかなって、使い魔のモフィを仲間のもとへ帰せたが、その結果、
ウィッチではなくなったジニーは居場所を失い、ひっそりと音楽隊を去る。
しかし、発車を待つ列車の中で乗客たちがルミナスのナンバーを合唱する、
その歌声と、今度もまた無邪気な子供たちに背中を押されて、
自分の本当の居場所、「一番の場所」がどこであるかをはっきり悟る。

「ウィッチでも、ウィッチじゃなくても、私、みんなと歌いたい。
 ずっと一緒に飛びたいの。」

そして最終回、再び仲間と臨んだステージの最中に"奇跡"が起こる。
歌によって世界中の人とつながる様子をヴィジュアルに表現した奇抜な演出だが、
その起点となったのは、ジニーの慎ましい優しさだったと自分には思える。
彼女の気持ちに応えて帰ってきたモフィ。相手に向けた心が再帰するその同じ構図が
全世界規模に広がった結果の奇跡という、一貫した流れで捉えてみたい。

(・・・少しばかり想像力を働かせながら、内在する物語の水脈を探り当て、
そこからキャラクターの心情に即した固有のリアリティーを掬い取ること。
この種の作品の鑑賞はこんな風に、ひと手間かけた味わい方が必要になることを
「タクトオーパスデスティニー」のレビューを書いた時の経験から学んだ次第。)

「みんなを応援してるつもりだったのに、私たちの方が応援されてるみたい。」
疲れた心を癒すという、ささやかな目的で届けつづけた彼女たちの歌はいつしか、
歌の力ですべての人々がつながり合う、新しい世界を生みだしていたのだ。{/netabare}


歴代のウィッチたちが死闘を繰りひろげてきた戦場である、空。
その場所がライブステージに変貌したことに、本シリーズのファンは
割り切れない思いを抱いているかも知れない。だが、すべてのウィッチにとって
そこは躍動の舞台であり、仲間たちとつながり、絆を確かめ合う場所である。
戦うウィッチと歌うウィッチ。空は、彼女たち共通の故郷なのだと思う。

アイドルアニメにシフトしたものの、ウィッチーズ本来の世界は感じられる気がする。
そもそも本作からは、アイドル物に見受けられる殺伐さや不純さが一切感じられない。
純度100パーセントの優しさだけで出来ている、例外的かつユニークな作品である。
「歌うウィッチ」の誕生は、ウィッチの新しい在り方を示して見せた。
月並な派生作品ではなく、シリーズの世界をさらに広げる挑戦として相応に評価したい。
あるいは、価値の多様性が問われる現代にこそ、求められる試みだったのかも知れない。


蛇足:{netabare}本作には例の「ズボン」が一切登場しない。
あたかもそれが作品の意義を左右する大問題であるかのように嘆かれる
紳士諸兄のレビューに触れ、あらためて深く感じ入ったものだった・・・
・・・ああ、このシリーズは本当に愛されているのだなあ、と…(笑)。
もっとも自分にはさほどの絶景とも思われず、白熱した戦闘シーンに割り込んでくる
例のマニアックなカメラアングルは正直苦手だったのだが…。
・・・いや、本当ですよ、はい。{/netabare}

2022.10.2 投稿

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

戦わないウィッチたちによる活動記録。

この作品は、オリジナルアニメだったみたいですね。

オリジナルアニメですが、あのストライクウィッチーズから派生した「ワールドウィッチーズシリーズ」の一画を為す作品なので、ストパンを視聴済の方ならすんなり入れる作品となっています。

というか、ストパンシリーズを未視聴の方は、世界観やこの作品に登場するウィッチの立ち位置を知るためにも、是非過去作を先に視聴することをお勧めします。


世界各地を巡り、ネウロイと戦う人々や故郷を追われた人々に、
ひとときの安らぎと心の癒しをもたらす異色の航空団
それが彼女たち「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ」

戦ってみんなを守る統合戦闘航空団のウィッチ達とは真逆の航空団、
戦わないウィッチである彼女たちは、“歌や音楽”でみんなの笑顔を守る!

それが彼女たち「連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ」なのです。

この物語は「第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズ」と同じ世界、
同じ時間軸で行われている別動隊の、戦わないウィッチたちによる活動記録。

「戦闘不適合者」のレッテルを張られた彼女達が、
不思議な雰囲気をまといナイトウィッチの資質を持つ主人公・ジニーを中心に、
それぞれ僅かに持っている能力を歌と踊りに変えて、
どん底から這い上がりながらも世界中の人たちに笑顔を届ける物語。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

もし、ウィッチの才能に目覚めたのなら、きっと誰もが最前線でネウロイとの戦いに挑みたいと思うのが、ウィッチの課せられた使命であり名誉なんです。

祖国を守るため、或いは祖国を奪還するため、死に物狂いで死線をかいくぐっているウィッチたちは、まさに英雄そのもの…

だからこれまでの物語は、そんな彼女たちの英雄譚が描かれていました。
ですが、誰もがウィッチになれる訳では無いように、例えウィッチになれたとしてもみんなが最前線で戦える訳では無かったんです。

これまでも、坂本少佐のように魔法力を失ったウィッチは見てきましたが、常に最前線で第501統合戦闘航空団をサポートしてきました。
魔法力を失っても最前線で活躍できることを証明したと言っても過言では無いと思います。

この物語に登場するウィッチは、一度も表舞台で脚光を浴びることの無かったウィッチにスポットを当てています。
決して英雄として見られることはありませんし、その事に対する葛藤が彼女たちに無かったと言えば嘘になりますが、個人的にはこういう「縁の下の力持ち」的な活躍を描いた作品は大好物です。

ネウロイと直接戦う訳ではありませんが、世界中の人たちを笑顔にするため歌を届けることだって十分凄いと思いますし、結果的に世界中から受け入られましたから…

そして嬉しかったのは、この作品の制作がシャフトさんだった、という点です。
とても丁寧に作られており、作り手の愛情が感じられました。

それと、これはあくまで個人的な感想なんですが、このルミナスウィッチーズを見ていると、「アサルトリリィ BOUQUET」の一柳隊とそっくりだと思ったのは事実です。
隊の人数はどちらも9人ですし、主人公のジニーと一柳隊の一柳 梨璃…或いは梨璃を演じているぴちゃんに置き換えても通ると思ったのは私だけでしょうか…^^;?
どちらの作品もシャフトさんが手掛けているので、似てくる部分はあるとは思いますが、この作品からアサルトリリィを感じられたのは個人的に嬉しかったり…

すみません…すっかり脱線してしまいました(*ノωノ)
最近のシャフトさんらしさの溢れる作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「WONDERFUL WORLD」
エンディングテーマは、「わたしとみんなのうた」
どちらもルミナスウィッチーズの皆さんが歌っています。

1クール全12話の物語でした。
物語も1クールでキチンと纏まっていたのでこちらも好印象。
このワールドウィッチーズがどの様に展開されていくかが楽しみで仕方ありません。
「ワールドウィッチーズ UNITED FRONT」という全方位型シューティングゲームが配信されているようですが、これには手が出せないかな…^^;
また、アニメ化される情報を心待ちにしています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

61.5 7 合体で戦闘機なアニメランキング7位
超電磁ロボ コン・バトラーV(TVアニメ動画)

1976年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (41)
160人が棚に入れました
東映テレビ部の企画制作によるロボットアニメ第一弾。アニメ映像の実製作は、現在のサンライズの前身・創映社。古代に地球に飛来し、好機を狙っていたキャンベル星人が、悠久の時を経て侵略活動を開始した。科学機関・南原コネクションの南原博士は、合体戦闘巨大ロボのコン・バトラーVを建造。孫娘ちずるを含む5人の少年少女に人類防衛の使命を託す。戦いの中で南原博士を失ったコン・バトラーチームは、なおも侵略者勢と戦う。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、キートン山田、たてかべ和也、上田みゆき、千々松幸子、納谷悟朗、富田耕生、野沢雅子、市川治、つかせのりこ、緒方賢一

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

長浜ロマン3部作開幕 5機合体コンバトラーⅤ

東映アニメ事業部の初作品で制作は創映社が行った

原作 八手三郎(いわゆる東映の社員達) 監督 長浜忠夫 キャラデザ 安彦良和 脚本 辻真先他

勇者ライディーンで冨野氏から監督を受け継いだ長浜氏はライディーンの続編を望むが、局側の都合で新作制作となり、スケジュールがひっ迫した
長浜氏はライディーンの制作を招集し短期間で新作の放送にこぎつけたが、冨野氏の動向は分からない

20世紀ロボットアニメは玩具販促が最優先であり、物語性を重視したい制作陣との調整は監督の仕事だった
後に冨野氏は長浜氏のやり方に大きな影響を受けたと語っている

ガルーダ編26話ジャネラ編24話の計50話完走の成功作となった

5機合体ロボコンバトラーと言うことで5人の操縦士がメインとなるストーリーだが、影響力の強さでは紅一点の南原ちずる(上田みゆき)が突出する
現代にも通ずるお嬢様萌えキャラの初の完成型 性格はゆとり気味
もうOPですでにパンチラ パンチラしなきゃ戦闘機に乗れないという定め
安彦の女性キャラでも最高峰かもしれないほど

このロボットの兵器は種類が異常に多くスパロボでも使い切れないほど
最終兵器はおなじみ「超電磁スピン」

玩具販促アニメに大人が夢中になるなどと言うことは、当時はほとんどなかったし、完全に子供向け作品のようだけど、自分は大人になってから全話再視聴し十分に楽しめた
毎回ロボット登場⇒超電磁スピンで倒すの、ロボット戦闘日常アニメから、前半後半それぞれのラストへ向かって少しドラマがあるという長浜流の作品の基本形となった

超電磁ロボコンバトラーⅤ、超電磁マシーンボルテスⅤ、闘将ダイモス
の長浜ロマン3部作は、21世紀ガンダムに続くロボットアニメの大きな潮流を作った歴史的作品群であると考えている

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アニメの遺伝子

まだ「長浜ロボット」等と言う言葉さえなかった頃。
必死になって見ていた。

何故、敵が地球を攻めるのか?
その理由を調べようともせずに、、、
当事は水戸黄門のように、超電磁タツマキが出れば
いよいよ終わりの準備をし、
超電磁ズピンを待ったもの、、。
今見れば当然荒唐無稽だが、それを馬鹿にする気も、
当時の自分を卑下する気も無い。
こうやって培って来た歴史が、
現在日本が世界に誇るアニメの遺伝子を形作っていると確信している。

そう言えばガルーダの青い肌が当時怖かったが、
それよりいきなり顔から赤い鳥が飛び出すのがもっと怖かった。
ただ彼らが●●●●だと知ったときは少なからずショックだった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

そろもんのよげん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

本当に合体できるロボ

「ゲッターロボ」のアニメ的合体ではなく、玩具になってもちゃんと合体出来る最初のロボットアニメ。
5台の各種マシーンが合体して巨大ロボになるフォーマットはスーパー戦隊でも引用されていく。
創映社から日本サンライズに改名する間際の作品で、のちのロボットアニメに引き継がれて行くフォーマットもほぼ確定し、サンライズのロボットアニメ黄金期を迎える。
このころのアニメは多少スポンサーの意向は入っていても、オタクに媚びるところが少なく、現代版にリメイク出来る骨子があると思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

61.5 8 合体で戦闘機なアニメランキング8位
六神合体ゴッドマーズ(TVアニメ動画)

1981年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (27)
119人が棚に入れました
全宇宙の支配を狙うギシン星・ズール皇帝がその魔手を地球に伸ばしてきた。コスモクラッシャー隊の一人として活動していた明神タケルは、戦いの中で自らの出生の秘密を知る。タケル=マーズは、彼を守るため造られた「ゴッドマーズ」とともにズールに立ち向かっていくが、それは血を分けた兄・マーグとの悲しい戦いの始まりでもあった…。

声優・キャラクター
水島裕、鵜飼るみ子、富田耕生、石丸博也、川浪葉子、鈴置洋孝、塩屋翼、山田栄子、野島昭生、曽我部和恭、榊原良子、納谷悟朗、三ツ矢雄二

イムラ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

こうの史代さんのコメントが話題になってたので記念に

<2024/5/24 追記>
自分の中で評点の基準を変えたので、修正レビューです。
(3.0→2.2 100点満点換算で30点)
最初の1話ぐらいしか見ておらず、
全く面白いとも思わず、
むしろ原作好きだっただけに残念な気持ちなのだけど
ネタ的要素と
OP曲のかっこよさと
セル画描いてる女の子の思い出のせいでやたら印象には残ってます笑

<2018/8/8 初投稿>
原作既読。
アニメの方は後述の理由で数話でリタイアしました。

「この世界の片隅に」作者のこうの史代さんが今地上波で放送されている同作のドラマについて
「ご覧くださって、スペシャルサンクスです!!!」
「わたしはいちおう毎回、脚本を見せて貰ってチェックしているのですが、直してもらえるとは限らないみたいです」
「でも大丈夫…『六神合体ゴッドマーズ』よりは原作に近いんじゃないかな!?」
とコメントされたことが話題になってます。

うーん。
どう受け止めていいか難しいコメントですね 笑

というわけで、こうの史代さんから意外な単語が出てきて思わず笑ってしまったのでゴッドマーズについて記念レビューです。

とは言っても実はちゃんと見たことはなく。
なので評点はデフォルトの3.0、レビューとしては中途半端なものとなってしまいました。
ごめんなさい。


1981年当時の記憶。
原作の「マーズ」は横山光輝作、社会派SFとも言える少し地味目の作品で好きでした。
それがアニメ化されるというので喜んでいざ見始めたら、原作と全く違う。
というか類似点が見当たらない。
同じ所といえば
「主人公の名前」
「主人公が超能力者」
「主役?ロボが複数出てくる(でも数が違う)」
ぐらい。
「実は奇天烈大百科の原作はドラえもんです」と言われた方がまだ信じられる。
それぐらい違う。
なので数話でリタイアでした。

横山光輝御大は「アニメは別物なので好き勝手にやってください」という方針だったそうですが、それにしてもあんまりだ 笑

こうの史代さんのコメントもこの「原作と映像作品の乖離」をネタにしたものなんでしょう。
(と言ってもこうの史代さんが悪い意味で取り上げたようにも思えませんが)

今回、レビュー書くにあたり少しネットで調べてみました。
ゴッドマーズの特徴は
・原作無視(もはやネタ)
・主役ロボのゴッドマーズが動かないので有名。なのでついたあだ名が「不動明王」。
・ろくすっぽ動かないで敵を倒す(だから強い)
・でも動かないと思って油断してるとたまに意外と動くのでびっくりする
・OP曲がカッコ良い
・ストーリーは意外と人間関係に焦点を当てた練られた良いものに仕上がっている
・元祖腐女子アニメ(主人公マーズの双子の兄マーグが登場してこれが大人気)
だそうです。

思い当たる節ありますね。
OP曲は私も覚えてました。
確かに一回聞いたら耳に残るカッコ良さ。
ゴッドマーズも確かに動かない。

マーグも覚えてます。
超美形キャラ。
当然原作には出てこないキャラ。
という記憶。
マーグのセル画描いてる女の子が学校にいました(めちゃくちゃ上手な絵でした)
あれが元祖腐女子だったのか。

ストーリーはよくわかんないんですが、絵はネットの動画で見た限りで当時としてはきれいなのだと思います。
実は良作なのかも。



ところで今回のこうの史代さんコメントに端を発してツイッターでは
「#ゴッドマーズよりも原作に遠い 選手権」
なるものが開催され盛り上がってたそうです。

楽しそうでいいですね。

例えば
「デビルマンと実写版デビルマン」
「スパイダーマンと日本版特撮スパイダーマン」
とかでしょうか。
前者はシャレにならん感じですが、後者は(うろ覚えですが)良い印象が残ってます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21
ネタバレ

Robbie さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

長編アニメの長所と短所の両方が目立つ作品

原作漫画からほぼ別物までに改変されているこの作品。
自分はスパロボに参戦しているアニメ版の方が馴染みがある。
この作品は5クールあり3部に分かれている。
最初の2クールはギシン星篇、次の2クールはマルメロ星編、そして最後の1クールは地球編だ。
全てに共通するのは基本的に毎話それぞれ出てくる敵を主人公ロボのゴッドマーズで倒しラストに向かっていく点だ。
まあ要するに子供向けスーパーロボットアニメによくあるワンパターンな展開だ。
しかし、全体を通しての構成がとても上手いため通して観ると物語はかなり面白く古い子供向けアニメとは思えない位見せ場が多い。
私が特に印象的なのは{netabare}ロゼとタケル{/netabare}の再会であり視聴者であるこちらも懐かしい気持ちになり感動した。
これは長編アニメでしか表現出来ない良さだ。
その他にも印象的なシーンや描写多数。
ハッキリ言ってマルメロ星の序盤以外はよく出来ていると感じた。
マルメロ星の序盤は{netabare}三つ巴の戦い{/netabare}になるのだがどの勢力も全く話し合おうとせずバカに見えてしまう。
それとこの作品はキャラクターが魅力的なため人間ドラマが非常に面白い。
主人公であるタケルの境遇だったり設定がこれでもかという位上手く活かされてある。
それにタケルは他の味方キャラクターとは違う特殊な存在なため戦って戦果を出しても冷たい目を向けられてしまうこともしばしば。
それでも彼の心は{netabare}地球人以上に地球のことを思っている{/netabare}おり幾度となく危機を乗り越えていく
姿には胸打たれる。
熱血漢という訳ではなく爽やかな少年なのに芯が物凄く強く時には子供らしさもある非常に好感の持てる魅力的な主人公だった。
また、その他のキャラクターの心理描写も上手く魅力的なため必ず好きなキャラが見つかるだろう。
一方、戦闘に関しては出来が悪い。
これにより各話の後半がつまらなく感じてしまうレベルだ。
パッと見映像もまずまず綺麗だしキャラデザも古臭くなく良好な作画に見えるが本編を観ると粗だらけ。
人物の動きもカクカクで時々作画ミスもある。
機械による戦闘なんて動きのモーションが少な過ぎてつまらなくバンクも多い。
スパロボZシリーズでやたらゴッドマーズの戦闘アニメ動かないなーと思っていたがあれは立派な原作再現だったのか。
こういった手抜きは長編アニメの短所だろう。
声優に関しては調べてもらえば分かるが豪華。
他有名作品に出演している声優ばかり。
安心して視聴出来るだろう。
音楽も良好。
耳に残る劇中BGMは然る事乍らOPが特に素晴らしい。
あの駆け抜けていく感じがたまらない。
1度聴いてみることをオススメする。
最後になるがこの作品は単純なスーパーロボットものとして観てしまうと今の時代には正直需要はないと思う。
しかし、人間ドラマ重視の人には是非観てもらいたい作品だ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

『マーズ』の原型は跡形もない合体ロボアニメ

TV本放送当時に観ていましたが、なぜかうっかり買ってしまったDVD-BOXも持っています。

原作は横山光輝作のマンガ『マーズ』ということになっていますが、ストーリーに「原作」の面影は全くなく、マーズが超能力者である設定や六神体(アニメではロボットだが原作では人型なのはガイアー(アニメでは「ガイヤー」)だけ)の名前などが作中メカから一部引き継がれている程度です。

またマンガ原作ではマーズは古代に地球文明の監視のため異星人が置いていった人造人間なのですが、アニメのマーズは地球人「明神タケル」として育っており、出生の秘密を知ったのはマーズの生まれ故郷であるギシン星からの攻撃を受けてからです。

ダイラガーXVの15体合体はちょっと規格外にしても、6体での合体ロボというのはかなり数としては多い方で、なおかつ大抵は個々のパーツは合体前は戦闘機や戦車などのメカであり、個々のパーツもロボット型というのは当時珍しかったかもしれません。

ちなみに全パーツがロボット型だったゴッドシグマやアルベガスは3体でしたね。

で、この面倒な合体が仇になったのか作中で「六神合体」したゴッドマーズはほとんど動きません(笑)。刀(マーズフラッシュ)を構えた決めポーズのまま画面中でスライドしたり、ゴッドファイヤーという光線技で発射口がアップになったりするだけで、ロボットとして格闘したシーンは皆無でした。

話数はかなり多くてギシン星からの侵略を撃退する「ギシン星編」2クール、マルメロ星の被差別者(マイナス超能力者)を開放する「マルメロ星編」2クール、ズールが復活し逆襲してくる「地球編」1クールの全64話あります。

原作『マーズ』にはいないマーズの双子の兄マーグが作中で死んだときに『明日のジョー』の力石徹のような「葬式」が行われたことでも知られている作品です。

「地球編」で出てくるゲシュタルト1(ワン)~6(シックス)が全身タイツっぽいビジュアルで気持ち悪かったです。

で、肝心のストーリーですが冷静に考えると特に面白くはないですね。あ、原作マンガは面白いですよ。マンガの最終回は衝撃かもしれないですけど(笑)。

作画は、「そこそこ綺麗だけど動かねえ…」って感じですかね。キャストは、水島裕や三ツ矢雄二など、当時の人気声優が起用されていますね。

キャラは当時のアニメ的な美形キャラが多いです。先に挙げたマーグとその副官ロゼは人気キャラでしたね。まあ、各キャラはそこそこ立ってますけど当時並に古臭いので今観るとどうなんだろう…?

なお、OP「宇宙の王者!ゴッドマーズ」はノリの良い曲で、私のお気に入りのアニソンのひとつです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20
ページの先頭へ