姉御でバトルなおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの姉御でバトルな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月10日の時点で一番の姉御でバトルなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.9 1 姉御でバトルなアニメランキング1位
BLACK LAGOON ブラックラグーン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★★ 4.1 (5049)
23602人が棚に入れました
日本の一商社・旭日重工(あさひじゅうこう)の社員だった岡島緑郎は、会社の機密ディスクを運ぶ任務中、南シナ海で違法な運び屋・ラグーン商会にディスクを奪われ、自らも拉致されてしまった。ラグーン商会(レヴィ)の狙いは、旭日重工から岡島の身代金を取ることだったが、機密の漏洩を懸念した会社と彼の上司・景山は、会社のためにはやむを得ずとして彼をディスクもろとも抹殺せんと画策し、傭兵部隊に商会を襲わせる。自分が旭日重工から見捨てられたことを知った岡島は、ラグーン商会のメンバーにアイディアを提案し、この危機を脱することに成功する。

声優・キャラクター
豊口めぐみ、浪川大輔、磯部勉、平田広明、小山茉美
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「しっかり読まねぇと、**の穴溶接して、ドタマにでっけぇ風穴あけてやるぜ!」

原作未読。
1期2期まとめてのレビューです(OPに変化がなく、そのまま繋がっているので)。
2期はコレ → http://www.anikore.jp/anime/951/

日本のサラリーマン、岡島緑郎(おかじまろくろう)は、企業秘密を運ぶ任務の途中、海賊に襲撃されてしまう。
企業は秘密の漏洩を防ぐため、岡島緑郎ごと闇に葬ろうとするが、失敗。
その後、岡島緑郎は「ロック」と名乗り、自らを拉致した「ブラック・ラグーン号」で、運び屋稼業を手伝うことになる。


無法者だらけのバイオレンスな物語。
タイトルに書いた、英語のスラングを直訳したかのような台詞まわしが特徴的です。

基本的に3話程度で完結するオムニバス形式。
さまざまな事件と関わっていきますが、その中でのロックの葛藤や、変化が描かれています。

見所の一つは、ガンアクション。
ヒロイン(?)のレヴィは二挺拳銃の使い手で、名うてのガンマン。
抜群の身体能力で敵をなぎ倒していく姿は、とてもスタイリッシュ。
2006年のアニメですが、今見ても鳥肌が立つような身のこなしを見せてくれます。

もう一つの見所は、テーマにも繋がりますが「価値観の相違」との戦い。
日本という平和な国で、ある程度、正論がまかり通る人生を送ってきたロック。
しかし、自分がいるのは、そんなものとは無縁の、命が軽く扱われる世界。

自分は、日常側の人間なのか、非日常側の人間なのか。
登場人物のほとんどは非日常側の人間ですが、ロックは違う。
二つの世界の境目に立つロックを通して、視聴者に感情移入を促していきます。
そしてロックはどういう結論を出すのか……。
{netabare}
自分の置かれている境遇と、双子(ヘンゼルとグレーテル)の事件を通して、ほんのささいなきっかけが人の人生を狂わせることを知ったロック。
それが、最後の鷲峰雪緒(わしみねゆきお)の件での葛藤に繋がっています。
単に「昼」と「夜」の境界線である「夕方」に立つだけではなく、どちらかに身を投じなければならない。
雪緒が自決するとき、レヴィは「アイツを見るなロック! 傷になる!」と言いましたが、ロックは目をそらしませんでした。
自ら「夜」の側に身を投じたのでしょうか。

なお、最終話のタイトルは「The Gunslingers」
ガンスリンガー・ガールというアニメでちょっと触れたのですが、「ガンマン」には「悪党」というニュアンスが、「ガンスリンガー」には「どちらでもないグレーゾーン」というニュアンスがあります。
境界線上にいるロックと雪緒の二人を表した、うまいタイトルだと思いました。
{/netabare}
そんなドス黒い物語ですが、徹底してシリアスなわけではありません。
会話はフランクで、アメリカンジョークが冴えていますし、存在自体がシュールで笑いをとってくれるキャラクターも多数出てきます。
{netabare}
暴力教会のシスターたちは出オチでしたね。
黒すぎて笑ってしまいましたw
{/netabare}
ブラック・ラグーン号のメンバーも魅力的。
メンバーは、ダッチ・レヴィ・ベニー・ロックの4人。
中でもロックの境遇に近いベニーという人物が安心感を与えてくれます。

また、今置かれている状況を、的確な言葉で説明してくれるため、話が分かりやすく、内容に入り込みやすいのもミソですね。
単なるガンアクションでも、ヒューマンドラマでもなく、どちらもうまく両立させ、ブラックジョークを織り交ぜた作品。
エンターテイメントとしての質が高いです。

平和ボケを吹き飛ばしてくれる勢いのある作品。
刺激を求める方へ。
どぎつい言葉や、暴力描写に耐えられるなら一見の価値ありです。

なお、第1話がニコニコ動画で無料放送されています(公式、アカウントは不要です)。
→ http://www.nicovideo.jp/watch/1318132114

百聞は一見に如かず。
興味を持ったらどうぞ!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 81

こなぱんだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

悪党達の生き様を描いた大人向けアクションアニメ♪

このアニメを見るきっかけは、ここのランキング上位にあったからです♪
個人的にはここのランキングは今のところ外れ無しです!!!


さて物語ですが、
「ロアナプラ」というタイにある(架空の都市です)犯罪都市に屯する裏社会の人間達や、そこで運び屋を営む「ラグーン商会」の面々達が繰り広げる日々の争いや撃ち合いなんかを描いたアクションアニメです。

主人公は日本の商社マンである岡島緑郎とラグーン商会のレヴィの二人です。
岡島は、ある日突然海賊に襲われ、色々ありながらラグーン商会に入り「ロック」という名で活躍していきます。

ここまでがあらすじです(*´ω`*)
本編を見ていただければ数話でハマっていくと思いますよ♪

このアニメ、凄く暗い部分も多々有って、決して楽しい気分になるアニメでは無いです。

バンバン人が死んでいきますし・・・

裏社会の日々を凄くシリアスに描いている本当に大人のアニメです♪


話数は1期と2期とOVAを合わせた全29話です♪

見応えある上に、内容も濃いのでオススメですヾ(*´∀`*)ノ

ですが、やはりそんなに楽しいアニメではありません。
だからといって、暗い雰囲気になってしまうようなアニメでもありません!!!
そういうところの脚本・演出は凄いなと思いました(*^_^*)♪

是非、時間があれば数話視聴してみて下さい♪♪
私はハマりました(笑)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 63

suggest@休止 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

正義なんてものはなくても、地球は回るんだぜ。

日本のサラリーマンである岡島緑郎は何も知らされないまま会社の秘密ディスクを運んでいた際、ラグーン商会に拉致されてしまう。
緑郎はそこで会社が自分を見捨ててディスクとともに消そうとしていることを知る。
緑郎の知恵でなんとかピンチから脱した後、緑郎は会社や日本に別れを告げ、ブラックラグーン号に乗り込む・・・

ロックの立ち位置が良くてクズの街、ロアナプラでもスーツ姿で悪党になりきれてない感じがいい^_^
そこからレヴィと対立することもあるけど、ロック自身も自分の仲に秘めた思いがあり、時折強くでたりしてるとこをみるとやはり好感がもてる!

レヴィは私の中でかなりいいヒロインでした。
銃撃戦の最中はなぜか物凄く楽しそうで可愛らしいのに、真っ白で自分の正反対にいるロックを見たり、自分の過去に触れられたりすると途端にオーラが変わったりと、よく描かれていたと思います。(^^)

ロックとレヴィのコンビはめっちゃ好きです(-_^)


本作を観ていて思ったのは、登場人物が数話前ではあんなに仲良く喋っていたり、共闘していたりしてもなーんか気づいたら敵同士であったりと最初は変な感じでしたが本当に信じていたり助けようとするのは身内のみなとこを見ると、皆んな割り切ってんだなーとロアナプラの世界観が見えてきます!


何かこう崩れ落ちそうなものがギリギリのとこで耐えてるそんな危なっかしさがあり、かっこ可愛いシーンも多くあり、とても楽しめた作品でした。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 63

81.7 2 姉御でバトルなアニメランキング2位
うたわれるもの(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1476)
8829人が棚に入れました
ここではないどこか、今ではないいつか。
時は戦国時代。国は分かれ争い、民草が飢え苦しむ時代。ある山奥ののどかな辺境の村に、瀕死の怪我を負った男が運び込まれた。
彼は村人に助けられる以前の全ての記憶を失っておた。新たに『ハクオロ』という名を村長から授かった彼は、村の生活を豊かに発展させ、村を襲った災厄を退け、村人達の信頼を勝ち取ってゆき、既にこの村の無くてはならない家族となっていた。しかし戦乱と貧困の風は、この平和な山村にまで吹き付け、人道に反する重い税を押し付けた藩主に反発したことが原因で、村人に強く信頼されていた村長が殺害されてしまう。
ハクオロの中に生まれた、深く静かな怒り。ハクオロは指導者として謀反を起こし、暴虐の限りを尽くした圧制国家を打ち崩して、新たな国トゥスクルを建国する。
戦いは終わったかに見えたが、まるで何らかの作為が働いているかの如く、次々とトゥスクルとハクオロの元に戦の業火が降りかかる。ただ平和だけを望む自分の存在や行動が、結果的に戦渦を広げている事に苦悩するハクオロ。しかし、もはや彼に逃げ道は何処にもない。人の身には余る知識と知略、積み重なっていく重責と不条理な現実。そしていまだ深い霞に隠されたままの自分自身の正体。
多くの苦悩を抱えつつも、ハクオロはトゥスクルの『皇』として、いまだ終わる兆しの見えない戦争の日々に身を投じる事となる…。

声優・キャラクター
小山力也、柚木涼香、沢城みゆき、京田尚子、桐井大介、中原麻衣、渡辺明乃、石川ひろあき、ゆきのさつき、浪川大輔、小山剛志、大原さやか、釘宮理恵、田中敦子、三宅華也、吉野裕行

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

独特な世界観が個人的に好きです♪

あの昔ながらで独特の世界観好きです!
個人的には原作よりもアニメの方が良い感じがします!
エロゲが原作の、この作品ですがエロ要素は一切無し!!
エロゲ作でエロを取り入れない=シナリオが素晴らしく、
十分勝負できる内容であることの裏づけだと言っても過言ではない内容です!!

また、音楽関連は完璧です!Suaraの歌唱力も素晴らしいですが、
挿入歌の入れどころなども非常に良い!!また、あの世界観を再現する独特の曲調やサウンドが素晴らしい☆

シナリオに関しては、スピード感があり、話がどんどんと進んでいくため、飽きを感じさせないです!
唯一の欠点は、地名や人名を舞台であるアイヌのものを使用しているため、
なかなか馴染みがなく、結構覚えにくい点のみ!

キャラに関してはエルルゥ・アルルゥを中心に個性的な良いキャラ揃い!!
そしてまた、感情の起伏を表情や言動で感じられるため、
その分凄く感情移入しやすく、物語に深く入り込めます!!
特に【沢城みゆき】演じるアルルゥは本当にヤバイ!!!!
トゥスクルが亡くなった時の、アルルゥの泣く姿は本当に強烈でした!!

個人的にはほぼ満点の作品!!是非、オススメしたいアニメの1作です!!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 66

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

奥の深いストーリーと緻密な設定・・・見応えのある作品でした^^

この物語の主人公は、「ハクオロ」という絶対に外れない仮面を被った青年です。
ある日、ハクオロが傷付き倒れていたところを辺境の村人が助けてくれました。しかし、目覚めた時、ハクオロは過去の記憶を失っていることに気付きます。
一方、悪政が国を蝕み始めており、やがてハクオロ達は自由と平和を求めて立ち上がります。

この物語は、上に立つ者の苦しみや悩み、そして記憶を無くしている空白の時間に対する恐怖や不安に立ち向かっていく青年のお話です。

この作品は、2クールの作品なのですが、ストーリーの奥が深く、時代背景や登場人物の設定がとても緻密に練られていて、とても見応えがあるのが特徴です。

比較的登場人物の善悪の立ち位置がはっきりしていて、登場人物も真っ直ぐです。従って、相手から受けた恩に報いたりする登場人物の「義」を物語の随所で感じることができ、とても気持ちの良い作品です。

また、登場人物の心が折れそうになった時の心理描写は秀逸です。「悲しい時には、とことん深く悲しいところまで自分を持って行けばいい・・・そうすれば、その先は上るだけだから・・・」多少言い回しの違いはあると思いますが、この台詞は名言だと思いました^^;

それと、常に傍で見てくれている人の大切さも、この作品を通して感じることができます。
迷ったり悩んだりしたとき、傍でいつも見てくれている人が差し出す手って、勇気づけられるし、ホント温かいと感じられるんでしょうね・・・^^

物語の終盤・・・思いもよらない展開に発展していきます。
終わり方・・・は賛否両論あるかもしれませんが仕方なかったのでしょうか・・・
ただ、振り返ったエルルの笑顔がそのまま続けばいい・・・そう思えるエンディングでした。

オープニングテーマはSuaraさんの「夢想歌」という曲です。これから始まる事を期待させてくれるようで大好きでした。

私にとって、見応えのあるとても良い作品だったと思います^^

投稿 : 2024/06/08
♥ : 38

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

観はじめると、とりあえずファンタジー戦記っぽい。

同タイトルのエロゲー原作と言ってしまうと身も蓋もありませんが、事実なのでしかたがありません。ゲームの方は、PS2およびPSPで遊べる全年齢対象版もあります。

細かいところは良くわかりませんけど、大雑把なところではストーリーは原作ゲーム準拠だと思います。

主人公のハクオロは、負傷して行き倒れていた状態でエルルゥに助けられますが、目覚めると記憶を失った状態でした。ハクオロもエルルゥの祖母(集落の長老)につけてもらった名前でその時点では本名は不明。

エルルゥたちの集落が圧政を受けていたため、ハクオロは結果として集落の反乱に手を貸してしまい、そこからお話がどんどん動いていきます。

ハクオロ達を中心とする戦記物要素とそれの付随するバトル、そしてハーレム要素(これはエロゲーが原作だから当然?)で進んでいきますが、最後の方まで観ていって改めてEDを観ると「そういうことかあ!」と納得するという作品です。

「ファンタジー戦記っぽい」の「ぽい」が意味するところは、最後までご覧になってご確認いただければと思います。

未見であればストーリーに意外性があると思いますし、作画も制作当時を考えるとわりと良いと思います。ハクオロ以外がケモ耳ついてたり尻尾があったりするのがどうなのかは、好みの問題もあるとは思いますが私は問題なかったです。

けっこうお勧めです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 35

80.7 3 姉御でバトルなアニメランキング3位
精霊の守り人(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★★ 4.1 (1230)
6416人が棚に入れました
女用心棒のバルサはふとしたことから新ヨゴの第二皇子チャグムの護衛を依頼される。彼はその身に、この世(サグ)と重なって存在する異世界(ナユグ)の水の精霊ニュンガ・ロ・イム〈水の守り手〉の卵を宿していた。チャグムは、威信を守るため息子を秘密裏に殺そうとする父帝と、ニュンガ・ロ・イムの卵を食らうナユグの怪物ラルンガの両方から命を狙われている。チャグムを連れて宮から脱出したバルサは、卵がチャグムの体を離れる夏至まで、幼馴染の呪術師タンダやその師匠のトロガイと共にチャグムと暮らし始める。

声優・キャラクター
安藤麻吹、安達直人、辻谷耕史、真山亜子、野島裕史、楠見尚己、松風雅也、西凜太朗

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

日本アニメーションの本気

2007年放送全26話のNHKアニメ。

「簡単なあらすじ」(知っている方は飛ばしてください)
水の精霊の卵を体内に宿した新ヨゴ皇国の第二皇子チャグム(11歳)は
チャグムの父である帝の意向により命を狙われる身となってしまう。
チャグムの母、二ノ妃の依頼により
異国の女用心棒バルサ(30歳)はチャグムを連れ出すが、
新ヨゴ皇国の追手がすぐそこまで迫っていた・・・。

年齢を記載したのは本作がリアルファンタジーであることを強調する為です。
つまり10代の美少女用心棒がなんて萌えを全面に押し出したファンタジー作品とは
一線を画する作品ですということです。(そういう作品も嫌いじゃないですよw)

本作を観始めた当初は帝から次々と放たれる刺客と戦っては逃げ、戦っては逃げの
繰り返しという展開を想像していたのですが、そうではありません。

皇族から一夜にして追われる身となってしまったチャグムが
慣れない庶民生活の中でたくましく成長していく姿であったり、
バルサとチャグムのまるで母と子のような関係を築いていくその過程だったりを
非常に丁寧に描いています。

鬼神の如き強さを誇る短槍使いバルサですが、
チャグムの寝顔を眺めているその瞳は慈愛に満ちています。
そしてゆりかごの中で眠るように安堵の表情を浮かべるチャグムと
この二人の関係はとても印象的でした。
(でもバルサ姐さんはたくまし過ぎて父性を感じる場面もしばしばw)

そして本作を語る上で特筆すべきポイントはズバリ「映像と音響」です。
私は「こ・・これがNHKの本気なのか・・・」とひたすら驚嘆していましたw
本作はできれば大きな画面でじっくりと噛みしめるように堪能して頂きたい。
また、ある程度アニメを観慣れてから本作を視聴することをお勧めしたいです。
これまで自分が観てきたアニメ作品と比較対照することによって
本作の映像と音響の凄みをより鮮明に、より明瞭に感じ取ることができると思うからです。

映像ももちろん素晴らしいのですが、特に印象的だったのは音響でした。
このレビュー評価で音楽を満点の5点にしていますが、
これは厳密に言えばOP、EDの評価ではありません。作中の音響含めてです。
(OP、EDだけの評価ならば3.5くらいです)

水のせせらぎ、風に揺れる稲穂、馬の蹄が土を蹴る、
それらの音がとてもクリアでその音を聴くだけで
目を瞑っても作中の景色がすぐにでも想起できるようなそんな感覚でした。
音がリアリティを生み出していると言うべきでしょうか。
物語の世界観にすっと入り込めるということはこれまでにも経験してきましたが、
実はそれはストーリー設定や映像だけでなく
音響効果も極めて重要なファクターであったということを再認識させられました。
(これはと思った映画はやはり劇場まで足を運ぶべきということも再確認w)

本作こそまさに一見一聴の価値のある作品だと思います。
いや、作品ですと断言しちゃいましょう。
日本アニメーションの本気と言っても決して過言ではないでしょう。
ストーリー展開が・・・とか終盤の山場が・・・という意見もあると思いますが、
それだけでは語り尽くせないものが本作にはあると私は思っています。


原作の小説(シリーズ全10巻、外伝2巻)ではアニメの続編が描かれているようなので
是非機会があれば読んでみたいです。
さらに、2016年春からは3年に渡って
NHKでドラマ放送するようなのでそちらも気になりますね。

バルサ姐さん役は綾瀬はるかさんか・・・正直あまりイメージが湧かないなぁ
共通しているのは艶っぽい唇とおっぱ(自粛)
まぁ視聴してみないことには何とも言えませんねw

投稿 : 2024/06/08
♥ : 59
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

大河の一滴

神山健治監督作品、原作上橋菜穂子。
児童文学で有名な守り人シリーズのアニメ化。

人智を超えた精霊と人の世界が交錯する世界。
舞台は中央集権的な律令制で国を治める新ヨゴ皇国。
第二皇子チャグムは水の精霊の卵を体内に宿した事で、
憑き人として歴史の闇に葬り去られようとしていた。
帝(父王)は威信に傷が付くことを怖れたのである。
二ノ妃(母君)から皇子を守るよう依頼を受けた、
女用心棒バルサと皇子チャグムの逃走劇が始まる。

精霊の世界や先住民族ヤクーの民間伝承、
文化人類学者らしい丁寧で洗練された物語。
体の運び、カット割り、驚愕の対人戦闘シーンは、
ジャッキーVSベニーユキーデの域に達していますね。
鍛冶職人の話など秀逸な逸話が印象深いです。
バルサを筆頭にキャラクターデザインも良し。
今作があにこれ上位作品だとご存知でしたか?

古代ヨゴ文字の解読、嘘だらけの建国正史。
{netabare}ニュンガロイドの語り部が紡ぎ語る歴史の真実。
伝承された古い知恵の中に答えはあるのだ。{/netabare}
人の叡智と絆がまた歴史を前に進める。
余韻を残す終幕に希望が溢れています。

大人が嗜む心に優しく響く物語。
お時間ある方はぜひ楽しんで頂きたい。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 53

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

自己ベストアニメに新たな1ページ。

異世界の生物の卵を宿してしまった皇子チャグムと、それを護る女用心棒バルサの物語。

まず何と言っても作画のクオリティの高さに驚嘆させられました。
雪化粧した山並み、水田に反射する光のきらめきといった背景美術もさることながら、
槍を使った戦闘シーンは圧巻の一言。思わずコマ送りで何度も見返してしまった程です。
単純に激しく動かしてるわけではなく、一連の動作の組み立てがよく考えられていて
ダイナミックさや流麗さも感じられる点が素晴らしい。

いや本当に驚異的ですよ。もう7年前だし、週1放送のTVアニメで2クール全く質が落ちないって。
同ファンタジー小説の原作で、同NHKアニメである「十二国記」を
本作の作画クオリティで是非リメイクして欲しい。

宮廷の地下への隠された扉を開ける際の、複雑なパズルを解くかのような丹念な動作や
街頭で菓子職人が菓子を作る際の細かい動きなど、
通常のアニメであれば適当に誤魔化してしまうような描写でも
本作は決して手を抜くことなく、一つ一つ丁寧に描いています。
これは断じて無駄な動きなどではなく、こういった地道な描写の積み重ねが
言ってしまえばただの絵でしかないアニメに確かな実在感を与え、
現実に起きている出来事のように感じさせてくれるわけです。

追う者(宮廷の面々)と追われる者(バルサとチャグム)。
この相互から生まれる緊張感も特筆すべき点でしょう。
どちらもきちんと置かれている状況を考えて、その場その場で最善の選択を常に行っている。
キャラが物語の都合で動かされてる感が全くないので、どのキャラも非常に魅力的に映ります。
これで面白くならないはずがない。

追手から逃れて一段落ついて緊張感が削がれても
バルサの過去話やチャグムの成長、そして両者の擬似家族生活から生まれる絆など
心に染み入るようなシナリオも多く用意されています。
全体的に見て、確かにストーリーに捻りはないし、どちらかと言えば地味な作風ではあるけど
堅実に積み上げたドラマを結実させたラストは感動的。
余裕をもって最終話をエピローグのみに費やす構成も嬉しい限りです。

ちょっと褒めすぎだと思われそうだけど、正直これでも褒め足りないぐらい。
自己ベストアニメに新たな1ページ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 53
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