嫉妬で恋愛なアニメ映画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の嫉妬で恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月15日の時点で一番の嫉妬で恋愛なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.6 1 嫉妬で恋愛なアニメランキング1位
冴えない彼女の育てかた Fine(アニメ映画)

2019年10月26日
★★★★★ 4.3 (483)
2424人が棚に入れました
ある春の日、安芸倫也は桜舞う坂道で運命的に出会った少女・加藤恵をメインヒロインにした同人ゲームを制作することを思いつく。美術部に所属していながら、同人イラストレーターとして活動する澤村・スペンサー・英梨々と、学年一位の優等生でありながら、ライトノベル作家として活躍している霞ヶ丘詩羽を誘い、blessing software を結成。やっとのことで一作目を発表した――。英梨々と詩羽は大作ゲーム『フィールズ・クロニクル』を開発するために、人気クリエイターの紅坂朱音のもとへ。blessing software 代表の倫也はサークル活動を継続し、副代表の恵とともに新作の開発を開始した。イラストレーターに後輩・波島出海を起用、プロデューサーを出海の兄・伊織へ依頼し、氷堂美智留と彼女のバンド icy tail とともに新作の開発を進めるが……。英梨々と詩羽の大作はどうなるのか? 倫也と恵の関係に異変が? はたして blessing software の新作の行方は?

声優・キャラクター
松岡禎丞、安野希世乃、大西沙織、茅野愛衣、矢作紗友里、赤﨑千夏、柿原徹也
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

冴えまくり彼女に萌えそびれた私

ついにここまでやってきた!

1期2期を経て堂々完結の劇場版。fine(フィーネ)と言ってる以上終わるもんは終わるのです。
完パケしてるためこれからの方はパッケージで視聴検討されたらよいシリーズものかと思います。

 冴えないヒロインは育ったのでしょうか?

完結編で求められるはこの一点。恐らくダブルミーニングで

1.加藤恵の魅力はさらに増すだろうか?
2.渾身のギャルゲーは完成するだろうか?

しっかり育っての大団円だったと思いますが、どうなるかはもちろん自分の目で確かめて下さいね。


“お約束”を登場人物使ってとことんコケにしながらその“お約束”をありったけ投入し
“オタク”をさんざんをこき下ろしながらもその“オタク”へ注ぐ視線がこのうえなく温かい。
そして加藤恵という唯一無二ヒロインが異彩を放っている作品です。一言で言えば尖ってる。

いったんラブコメとラベリングし経過を辿ればこんな感じでもありました。
1期→ラブ2:コメ8
2期→ラブ5:コメ5
これが劇場版では

 劇場版→ラブ8:コメ2

くらいでしょうか。これまでを踏まえた流れに無理はないしきちっとラブはキュン死不可避でしょう。
なのでTVシリーズからのファンは迷う必要ありません。迷わず行けよ!行けばわかるさ!

ちなみに私はさほどこの劇場版では踊れませんでした。尖っておらず只のめちゃくちゃきゅんきゅんするラブストーリーだったことが理由。

自分の過去レビュー読み返してもみました。どうやらこの作品にはラブtheオンリーを期待してなかったみたいです。己の心の姿勢の問題。
過去の私の評価は1期(3.7)2期(4.1)です。面白いかどうかの分岐は4.0。つまらないかどうかの分岐は3.5として、クリエイターの産みの苦しみとラブコメが調和した2期を高く評価しました。なおシリーズ通して加藤恵に萌えてはいません。
唯一無二ヒロインについては『擬似三次元女子』と評し1期レビューにまとめております。平たく言えば現実には存在しないリアリティ無き女子です。存在に現実味がないため“ラブ”が深いところに刺さらない。響かない。
作品の柱ギャルゲ作りも産みの苦しみはどこかに消え作業ゲーになってました。障害はトモヤくんのサボりですもんね。これは比重をラブに置いた結果ですから仕方がありません。


あくまで私の心の姿勢の問題ですからね。シリーズの流れを逸脱しない自然な展開。劇場版ならではのグラフィック。きちっとタイトルを回収しながらの大団円。本来なら減点要素はない。どれも及第点だったけど自分には引っ掛かりの薄い佳作でした。



※ネタバレ所感

■遅らばせながら…

気づいたこともありました。遅せーよ!

{netabare}ストーリー展開がそもそもギャルゲーだったんですね。
加藤恵を模したヒロインでゲーム作ってるのに、お約束やフラグのギミックで遊んでいるって指摘してたのに、すこーんとこの観点が抜けておりました。

振り返ればエリリルートや詩羽先輩ルートを経てからのメインルートが劇場版の位置づけでした。
ギャルゲと思って1期から振り返ることは意義があるように思えます。{/netabare}


■高校生のスケジュール管理

納期より大事なものはあるっ!→いやそんなもんねーよ!
自由すぎるトップに翻弄されてた加藤恵が工程管理表を手にしていたのに驚いた。有能ですねこの子。

{netabare}項目を大中小分類に分けていて、分量(カット/差分)、月での区割り(上旬中旬下旬)のシンプルなやつ。

ええ一時停止してガン見しました。高校生にしてゴールから逆算して考える発想があることに驚き。
それでも人生の先輩ヅラしておせっかいを焼きたくなりましてちょっと失礼…

 {netabare}追加したほうがいい項目 → 担当者、予実、マイルストーンいやクリティカルパスかしら
 修正したほうがいい項目 → 区割りを日単位{/netabare}

自由人を縛れるかはまた別の話っす。{/netabare}


■エモかったとこ

もっとも胸を締めつけられたのはここ

{netabare}エリリが「トモヤがいても描ける」と淋しそうに目線を落としたところ

想い人との関係が深まるのと反比例しイラストが描けなくなってったエリリでした。クリエイター魂を優先し袂を分かった2期のクライマックス。整理すればエリリルートの終焉。
それが今は描ける。ちょっとしたボタンの掛け違いで別れる関係もある。今だったら素直に飛びこめるのに、でも今の自分があるのはあの時の別れがあったから。このジレンマがたまりませんでした。{/netabare}


■紅坂朱音(CV生天目仁美)のお仕事

ほんとにトモヤの…ひいては作品の魅力はこれでした。

{netabare}「クソみてぇなキモヲタの妄想を垂れ流せるのがお前の強みなんじゃねーか」{/netabare}

{netabare}「鳥肌が立って恥ずかしくなって目を背けたくなって…」
「それでも読めちまうのがお前のクソシナリオなんじゃねーか」{/netabare}

{netabare}「真のキモヲタは絶対お前についてくる」
「今は上手くなろうとするな」
「キモいまま突き進め」
「てめぇの妄想をそのまま垂れ流せ」{/netabare}

S.ジョブズの劣化版みたいなキモヲタ主人公のキモイ情熱をもっと見たかったのでした。
でもそれを望むのは酷なのかも。ヒロインと一緒に陰キャの代表選手みたいなキモヲタも人間的に成長したものと思うようにしました。

末永く爆は…いやなんでもありません。



※閑話休題

なんだったんだろう?

{netabare}題字協力 松岡禎丞 茅野愛衣{/netabare}



視聴時期:2020年10月 

-----

2020.10.28 初稿
2021.08.26 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

これが本当のメインヒロイン

原作未読

いやぁー面白かったw

お話のざっくり概要
サークルで冬コミに向けてギャルゲー制作お話
1期2期で陰に潜んでた加藤恵が
その真の最終形態へ変貌!つ…強すぎるヒロイン力
あ~胸がキュンキュンするんじゃ~
だいたいそんな感じ

集大成となっているので1期2期を楽しめた方は
絶対に楽しめる内容になっていると思います。

見せ場の作画も凄い気合が入ってて綺麗だった
松岡さんの演技は相変わらずキモいけどw
なんていうかその分、シリアスな所が際立って
恵の可愛さを引き立てたように思います。

感想
{netabare}
まさかの冒頭からの飯テロ…
そして浮気をバラされるというテロwww
なんてか恵の満面の笑顔は少し怖いよね(苦笑)
うん。
お二人のスタッフロールは大分下になってたww

合鍵…朝食…
つーか、もう既に嫁だよね?

フィーネみてて思ったのは
1期2期と違い恵の表情バリエーションの多さ
それだけ感情を表に出すようになったって事かな
ハッキリ言わないめんどくささがリアリティあって
更に恵を愛おしい存在に押し上げてますね~

しかし、あの高坂茜というおばさん、劇場で
オ〇ニー、オ〇ニー連呼しすぎじゃないですかねw
隣に座ってた女性の方の反応が気になって
妙にソワソワしちゃうでしょw

涙の作画はどれも渾身の出来ですね。
恵のセリフで特に印象的だったのは
「特別じゃないから、いいと思った」
ってのです。めちゃくちゃ恵らしいと思った。

特別じゃないから自然に好きになって
好きになったから倫也に自分の他に特別があるのを
大切にしてあげたい気持ちと
自分を特別に思って欲しいという
両方の感情で揺れてます。切なくて愛おしくて
本当に本当のメインヒロインでした!

しかしスタッフロール後のドッキリには見事に
引っかかりましたw

え!?別れちゃうの??って困惑しました…
…ラブストーリーは突然にが流れるまではw
さらっと自分をメインヒロインに据えようとするw
その後の10秒ぐらいの下りとか
ウタハさん最後まで冴えカノらしさを貫きましたね

最後は笑顔で終われる良い構成でした~
{/netabare}

えーと、もともと恵は凄い可愛いかったですけど
ほんとにフィーネでは完全ヒロインですw
是非、劇場でキュンキュンして下さい♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 43

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ラブコメ

<2019/11/4 追記>
映画館で配布された小冊子(原作者による超短編 第2話)読んで評点引き上げました。
↓の方で「物語はご都合主義でイマイチ」とか書いちゃいましたけど、原作の方はそこら辺もっと掘り下げてるのかも、と思えて。
原作読んでみようかな。

<2019/11/4 初投稿>
あにこれで軒並み高評価なので重い腰あげて観てきました。
映画館で映画見るのはいつ以来だろう?

テレビ版は二期まで視聴済み。
といっても本放送で観ただけなのでかなり忘れており。

始まってすぐ
「あれ?どういう状況なんだっけ?」
「このパワハラ姉さんはどういう人だっけ?」
「あれ?下の名前で呼び合ってるけどそんな関係だっけ?」
とクエスチョンマークだらけに。

それでもなんとか思い出して楽しんできました。

一期のレビューでも書きましたが
「冴えない彼女」という新しいヒロイン像が秀逸ですね。
気がついたら人ん家に居つく「ぬらりひょん」ヒロイン。
その魅力は余すところなく発揮されてたのではないでしょうか。

ところで映画館の帰りのエレベーターで
「加藤って面倒だよね。だから推しにできない」
とか盛り上がってる高校生ぐらいの男の子たちがいました。
彼らを横目に
「ラブコメではその面倒くささが美味しいのにわかってないなー」
と秋刀魚のハラワタの旨みのようなこと思ったり。
そう思ってしまうぐらいラブコメとしては◎でした。

ゲーム制作の物語そのものははっきりご都合主義で今ひとつなんですが、まあ観て欲しいのはそこじゃないんだろうな。
(私がギャルゲとかコミケとかに無縁なせいかもしれませんが)

映像は相変わらず綺麗です。

最後のエンドロール。
使用楽曲に「ラブストーリーは突然に」が入っててあれ?
とか思ってたら・・・ちょっと笑かされました。
使い古されたバラエティのコントのよう 笑。

やはり映画館で映画観ると楽しいですね。
良い一日になりました。。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37

87.5 2 嫉妬で恋愛なアニメランキング2位
劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~(アニメ映画)

2019年4月19日
★★★★★ 4.3 (406)
1872人が棚に入れました
昨年度の全日本吹奏楽コンクールに出場を果たした北宇治高校吹奏楽部。2年生の黄前久美子は3年生の加部友恵と、4月から新しく入った1年生の指導にあたることになる。全国大会出場校ともあって、多くの1年生が入部するなか、低音パートへやって来たのは4名。一見すると何の問題もなさそうな久石奏。周囲と馴染もうとしない鈴木美玲。そんな美玲と仲良くしたい鈴木さつき。自身のことを語ろうとしない月永求。サンライズフェスティバル、オーディション、そしてコンクール。「全国大会金賞」を目標に掲げる吹奏楽部だけど、問題が次々と勃発して……!?北宇治高校吹奏楽部、波乱の日々がスタート!

声優・キャラクター
黒沢ともよ、朝井彩加、豊田萌絵、安済知佳、石谷春貴、藤村鼓乃美、山岡ゆり、津田健次郎、小堀幸、雨宮天、七瀬彩夏、久野美咲、土屋神葉、寿美菜子、櫻井孝宏
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

京都アニメーションについて

はじめに注意書き

本稿は 劇場版 響け!ユーフォニアム ~誓いのフィナーレ~ の要素をそれほど含みません。予めご留意くださいませ。


-------------

※本作に関する評価は評点にて

実は公開直後の2019年4月に本作品を劇場で鑑賞し、なにかしら書こうと思ってましたが筆が進みませんでした。

 「この続きの物語を早く観たい」

真っ先に沸き上がった感情がこれで、それ以上でも以下でもなかったことが理由です。

鑑賞後の感想が「続編早く観たい」だったので、その後の続編発表はなによりの朗報でした。無名の大学生の小説を発掘し素敵な物語に仕立て、数年かけて育ててきた魅力的なコンテンツ『響け!ユーフォニアム』。拙稿のTV版のレビュータイトルは1期2期を通じて “ モブはいない ” としております。
コンテンツの歩みは仕上げの工房から始まり、地方のハンデを乗り越えながら三十年以上かけて築きあげてきた実績と、一人一人輝きを見せるキャラクターたちは誰一人として欠けてはいけないクリエイター集団としての京都アニメーションという制作会社の実像とイメージを同じくするものでした。



2019年4月。
「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」の公開前後、京都府宇治市にある京アニショップの店頭ボードにはこのようなメッセージが添えられていました。


{netabare} 劇場作品を一本作り上げるには、すべてのスタッフが
一丸となって取り組まなければ乗り越えられません。
 クリエイターが、日々真摯に作品の制作に向き合うの
は勿論、制作を支えるスタッフも、クリエイターが自分たちの
作業に集中できるよう、最適な環境を整えてくれました。
 全てのセクションが毎日細かな情報まで共有し、遠く
離れたスタジオにいるスタッフでも、まるで隣の席にいるか
のように感じることができました。そして、時間との戦い
になっても、一人として諦めることはありませんでした。
 最後は、各スタジオのスタッフが一ヶ所に集まり、この作
品の完成を一心に目指しました。あの時の高揚感は忘
れることができません。一人として欠けては、この作品が
皆様のもとへ届くことはなかったでしょう。

 「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」には、
京都アニメーションとアニメーションDoの“いま”を余すこと
なく詰め込んでいます。映画を通して、私たちの想いを
感じていただければ幸いです。
 
 そして、ここから続いていく劇場作品もまた、同じように
大切な想いが詰まっていて、『京アニ映画year』はそうし
た想いが寄り集まって始まります。

 私たちの想いが、皆様に響きますように-----。

    京都アニメーション・アニメーションDo一同 ※原文ママ{/netabare}



届きました。響きました。


しかし、ここから続いていったであろう大切な想いが詰まった作品たちは現在足踏みまたはゆっくりと歩を進めている状況です。
「今暫く、時間をください。」「必死に戦っていきます。」公式コメントで誓われてる以上、我々は再起を信じて待つほかありません。


次は自分たちの番だと思ってます。


 『一人でも多くの人に京アニの作品を知ってもらいたい』


“ 夢に向かって一生懸命な人たちのプロの仕事を紹介する ” とのスタンスで普段はアニメを観ない層へ働きかけています。けっこうな方が実際の作品を観て感想を寄せてくれました。

『らき☆すた』『CLANNAD』『涼宮ハルヒの憂鬱』『けいおん!』『氷菓』『中二病でも恋がしたい!』『Free!』『響け!ユーフォニアム』『聾の形』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』etc
アニメに興味のない層はこれらのタイトルを知りませんから、技術的なことや内容よりもクリエイターのモノづくりへの想いに言及することで一般層の琴線に触れる場合が多いと感じております。


あにこれはレビューサイトです。
レビューを書くことは抽象的な映像作品を言語化するというやっかいな作業です。そのやっかいな作業を質量関係なくおこなった経験が皆さんにはおありです。
一介の在野レビュアーごときの世迷い言に少しばかりでも共感してくれて、どこかで思い出して行動に移していただけるのなら望外の喜びです。



願わくば、地上波のゴールデンタイムで京アニ作品が流れるその日まで。



世間の話題に挙がらなくなっても京アニの必死な戦いは続きます。
私たちも決して希望を捨てることなく、また、アニメファン一人びとりがこれからも長く心を寄せ、京アニ再興の道のりを見守り続けていきましょう。


令和元年九月七日 記


※本稿に関するサンキューには御礼メッセージを控えさせていただきます



-------------
2020.03.20追記

○周忌や月命日でもないなんともない日にあらためて更新です。
レンタルなり配信が開始されたのでしょう。レビュー新規投稿なりサンキューをいただく機会が増えました。劇場公開からそろそろ一年。

何かの折にコンテンツに触れられることはありがたいことです。
一方で、消費される宿命にあるのもコンテンツの事実。
忘れない。想い続ける。いざやろうと思っても四六時中というわけにはいきません。


さて、実績報告となります。
事件後、普段アニメを観ることのない4名の知人に京アニ作品を鑑賞していただきました。反応は様々でしたがそれでいいかなと。

引き続き、各々が現実世界で動いていく。
今後更新するかはまったくの未定です。


2019.09.07 初稿
2020.03.20 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 75

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ただただ感無量

いやー凄く良かったです。
黄前ちゃんをはじめとして、麗奈、葉月、緑輝、などの懐かしい人達に会えることができました。
この短い映画の時間で、よく一年間をまとめられたものだと、製作スタッフの方々に感謝します。

最初に 「響け!ユーフォニアム」が聞こえてきたとき、
胸がジワーとこみ上げてきました。
あの名曲は、あすか先輩から黄前ちゃんに、しっかり受け継がれていました。

この映画では、黄前ちゃんは2年生。彼女はいつも、巻き込まれキャラです。
今回は、一年生の悩みにいろいろと巻き込まれます。

誰も悪い人はいないのに、悩み、涙を流す一年生たち。
そう、みんな一生懸命生きているからこそ、悩むのです。
奏ちゃんやさっちゃん、みっちゃん、それに求。
一人一人の悩みは違います。でも本人にとっては真剣な問題です。

そんなとき、黄前ちゃんみたいに、気軽に相談できる人がいたら、安心します。
話しを聞いてくれるだけでいいのです。それだけで、安心するのです。
自分は一人じゃなかった。そう感じて安心するのです。

でも、黄前ちゃんは、話しを聞いてくれるだけじゃなく、納得できるまで追いかけてきます。決して手を抜きません。
そして、ときには厳しいことを言って叱ります。
一見、人畜無害そうに見える黄前ちゃんに叱られると、誰もが驚いてしまいます。
でも、それは、相手を思いやって叱っていることに、すぐに気付きます。
だから、みんなは黄前ちゃんを好きになるのです。

ところで、今回も立派だと思ったのは、中川夏紀の行動です。
一見怖そうに見える彼女は、本当に立派な副部長です。
自分に不利になると分かっているのに、あえてみんなのために頑張っている。
一年前も彼女はそうでした。彼女の心は、とても清らかです。

こんな人たちがいる吹部は、素敵ですね。

最後に、あすかのお父さんがつくったあの名曲を、後輩の奏ちゃんも受け継いでほしいと思いました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 72
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

想いはつながっていく

製作:京都アニメーション、監督:石原立也、
シリーズ構成:花田十輝、
作画監督:池田晶子、原作:武田綾乃

久美子が高校2年生に進級した
原作の2冊分をまとめた作品の映画化。
ただ、希美とみぞれの関係性を描いた部分は、
『リズと青い鳥』で映画化されたので、
それ以外の部分ということになる。

物語は黄前久美子と塚本秀一のシーンに始まり、
桜が舞い散る新入生入学時に
吹奏楽部員がパフィーの『これが私の生きる道』を
演奏して歓迎するところからから描かれる。

物語は最初から最後まで
久美子と新入生のユーフォニアム担当・
久石奏との関係性が軸になっている。
これはある意味、映画『届けたいメロディー』と
同じような構成だ。
ただ、今回はそれに加えて、久美子の脳裏には、
卒業生のあすかの姿がいつも思い浮かぶ。

2年生になった久美子は、
トランペットの加部ちゃん先輩とともに
1年生指導係となり、後輩たちの面倒を見ることなる。
低音パートには、チューバの鈴木美玲と
鈴木さつきのW鈴木とコントラバスの
月永求、ユーフォニアムの久石奏が
新たに加わり、波乱を巻き起こす。

部活において「頑張るとは何なのか?」と
いうのが、大きなテーマのひとつ。
効率良く技術を上達させていくことか、
それとも部内の皆と仲良くして
溶け込んでいくことなのか。
難しい問題だが、どちらも正解というのが
正しいのだろう。ほかにも正解はあるだろうし、
また、部内の状況によっても変化する。

純粋に正しいことと間違っていることだけで、
部活内は割り切れるものではない。
時には間違っていたと思えることでも、
人間関係によっては
正しいことになることもある。
無理をして何かを合わせなければ
いけないこともある。
久美子はそれらを踏まえた上で、
現在の北宇治において「頑張る」ことに
ついて、踏み込んだメッセージを奏に送る。

{netabare}奏は過去の経験から、部内の人間関係を鑑み、
自分自身の演奏を諦めることを決断した。
そんな奏を諭すために久美子たちが
連れ出した場所は、あすかを説得するときに
利用したのと同じ校舎裏のゴミ収集場だった。
かつて、あすかに跳ね返されたのと
同じ場所だったことは、その時の出来事と
関係性をしっかり対比させる制作陣の意図だろう。
(当時は、あすかも演奏を諦めていた)
1年前、久美子は同じ場所で自分の他者に対する
距離感をあすかから思い知らされることになるのだが、
今回は、距離感を詰めて雨中に飛び出した奏を追いかける。
「気になって近づくくせに、
傷つくのも傷つけるのも怖くて、
なあなあにして、安全な場所から見守る。
そんな人間に相手が本音を
見せてくれていると思うの?」と
あすかから言われた自分から脱却するために行動する。
「本音」が知りたいと久美子は奏にはっきりと問う。
そして自分の経験から本心で
「頑張ることは無駄ではない」ことや
「頑張っている奏のことを
自分たちは見ている」し、
「奏のことを守る」ことを伝える。

かつて麗奈から教えられたように
頑張ったからこそ、コンクールがダメ金で
「死ぬほど悔しい」と思うことができる。
結果が出なくて死ぬほど悔しいのは、
頑張ったことで得られる本物の気持ちなのだ。
あすかや麗奈から久美子に、
そして、久美子から奏、そのほかの部員へと
想いがつながっていく。
今回の物語で監督がこだわったのは、
そういう何かを受け継いでいくことなのだろう。

雨に濡れて、次第に久美子の天然パーマが
ストレートになっていく様や、
あすかに対したときのような熱のこもった
説得シーンには引き付けられた。
これは、奏への説得と同時に
1年前のあすかに対しての久美子の回答でもあった。
そしてコンクール当日にあすかが現れ、
名残惜しそうにする久美子に絵葉書を渡していく。
わざわざ映画で原作のこのシーンを入れたのは、
続編で回収するつもりだろうと考えたい。

時間を短くまとめるために、奏との関係性と
そこから垣間見えるあすかに対する想いを
強調したことで、久美子の成長を軸にした
1本の作品としてまとまっている。
初見のときは、観賞の直前に
また原作を読み返していたこともあって、
展開に無理があると感じていたが、
100分という時間制限を考慮すると、
最初から最後まで計算され尽くされている構成だと思う。

ただ、奏と夏紀の関係性についての描写が薄いため、
問題が起こって解決するまでの経緯が
今ひとつ腑に落ちない感覚に陥ってしまう。
また加部ちゃん先輩との関係性も
積み重ねられていないだけでなく、
先輩の努力などもあまり分からないため
その重大な決断が心に響かない。
時間がないので仕方のないことだが、
久美子が部長になる際の優子や夏紀との
やりとりや黄前相談所創設の説明も
全くなかったことは残念だった。
(黄前相談所創設は、久美子が後輩から
信頼を得て、スムーズに部長として活動できるよう
優子が1年前から計画して行ったことだった)

これらを考えると、本来は2期で入れるべきところを
敢えて無視した秀一との関係を無理して入れる
必要があったのだろうかと感じた。
しかも秀一と別れる理由が原作での
部長に指名されたからということなら分かるが、
映画では曖昧にした上に、
秀一が納得しているのも気になってしまう。
ただ、この関係性を描くことは
石原監督のこだわった部分だったようで、
しかも、秀一との会話を入れることで、
奏と夏紀の関係性や求についてのこと、
麗奈との友情の機微などを表現できているので、
物語全体に深みを持たせられたとは思う。
また進路に悩むということで、原作にはないのに
敢えて久美子が父と将来のことを話すシーンまで
入れている。そこには父の姉に対する
後悔の念も滲んでおり、父親も何かに迷う
ひとりの人間であることを示しているのが面白い。{/netabare}

初見のときは、原作との違いや描写不足から
細部に不満を感じたが、何度か観ると、
限られた時間内での完成度の高さが目に付く。
しかし、やはり描写不足が拭えないのも確かで、
できれば最終章はテレビ放映することを願う。
音楽は相変わらず聴かせてくれて、
部員それぞれの動きも迫力があった。
(2019年5月26日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 68

71.9 3 嫉妬で恋愛なアニメランキング3位
千年女優(アニメ映画)

2002年9月14日
★★★★☆ 3.9 (445)
2150人が棚に入れました
芸能界を引退して久しい伝説の大女優・藤原千代子は、自分の所属していた映画会社「銀映」の古い撮影所が老朽化によって取り壊されることについてのインタビューの依頼を承諾し、それまで一切受けなかった取材に30年ぶりに応じた。千代子のファンだった立花源也は、カメラマンの井田恭二と共にインタビュアーとして千代子の家を訪れるが、立花はインタビューの前に千代子に小さな箱を渡す。その中に入っていたのは、古めかしい鍵だった。そして鍵を手に取った千代子は、鍵を見つめながら小声で呟いた。「一番大切なものを開ける鍵…」
少しずつ自分の過去を語りだす千代子。しかし千代子の話が進むにつれて、彼女の半生の記憶と映画の世界が段々と混じりあっていく…。

声優・キャラクター
荘司美代子、小山茉美、折笠富美子、飯塚昭三、津田匠子、鈴置洋孝、京田尚子、徳丸完、片岡富枝、石森達幸、佐藤政道、小野坂昌也、小形満、麻生智久、遊佐浩二、肥後誠、坂口候一、志村知幸、木村亜希子、サエキトモ、野島裕史、浅野るり、大中寛子、園部好德、大黒優美子、山寺宏一、津嘉山正種

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

女性そのものを描くことへの挑戦

2002年のアニメ映画で監督は故・今敏監督です。

では、簡単なあらすじを。(知っている方は飛ばしてください)

昭和の時代を駆け抜けた銀幕の大女優藤原千代子は
現在では70代になっており静かに暮らしていたが、30年ぶりに取材に応じることになる。
藤原千代子を崇拝しているインタビュアー立花源也(映像制作会社社長)
と井田恭二(カメラマン)は藤原千代子宅に訪問し、取材が始まる。
今まで語られることのなかった藤原千代子の過去が少しづつ語りだされていく。

この藤原千代子はある撮影を機に失踪、そのまま引退して
その後一切表舞台に立つことはなかったという設定なのですが、
なんか原節子さんっぽいなと思っていたら案の定モデルは原節子さんでしたw

藤原千代子は鍵の君(初恋の人)に会いたいが為に女優になり、
本作自体も様々な撮影描写を通して鍵の君を追っていくという作りになっています。
藤原千代子の回想シーンに脇役として立花源也や井田恭二を登場させるという作りや
構図、カメラワーク、そして今敏監督得意のカット割りと
その発想力だったり映像を魅せる技量はこれぞ今敏監督作品!という出来で
素晴らしいのですが、如何せんテーマがものすごく地味です。
だって言ってしまえばただひたすら藤原千代子が鍵の君を追っているだけですからねw
映像を観ているだけでもおもしろいのですが、
大きな事件や謎もあまりないのでエンタメ性は希薄なんですよね。
意外性という面でもオチが読めたという人は多いと思います。
従って全体的な印象としてはすごく地味な作品です。

本作のキャッチコピーは「その愛は狂気にも似ている」。
今敏監督が描きたかったのは恋する女の情念?
いや、私は女性そのものを描きたかったのではと思っています。

これは極めて私的な見解ですが、
私は男性と女性は違う生物だと思っています。
女性には女性にしか分からない感情や心情があり、
それは男性には理解できないものであるなんてことは
もはや古からの言い伝えと言ってもいいでしょうw
ただ、私は分からないからしょうがないで済ますことが出来ない性分なので
何故この場面で泣き出すのか? 怒り?嫉妬?それとも・・・
といった女性の感情や心情を分析・考察し、
なんとか理解そして言語化したいと思っているのですが、
おそらくその謎を解くことは一生できないと思います。
ありふれているのかもしれませんが極めて深遠なるテーマなんです。

さて、ここまで言えば私が何を言わんとしているのかもう分かると思いますが、
今敏監督は男性には理解できないと言われている女性の感情や心情を映像化するということに
挑戦したのではないだろうかと勝手に思っています。
「女は恋をすれば誰だって女優になる」
ならばその女優を描き切ることができればそれは女性そのものを描くことができたと言えるでしょう。

もし私が今敏監督の立場だったら本作のレビューを読みたいと思うのは、
それこそ酸いも甘いも噛み分けた成熟した女性のレビューですね。
そういう方が「この作品は女を描けていた」なんて評価をしてくれたら
きっと私はそっとほくそ笑むことでしょうw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 50
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今敏監督による、斬新なアニメーション・トリックアート

今敏監督作品。2002年。

映画スタジオの社長とカメラマンが、大御所の映画女優、藤原千代子(ふじわらちよこ)にインタビューを申し込む。
そこで、ドキュメンタリーとして彼女の回想を聞くことになるのだが……。


言うなればアニメーション・トリックアート。
インタビューの中で千代子の過去を回想していくのですが、その見せ方が特殊です。

普通、回想シーンというのは、中心となるキャラクター視点でエピソードが進み、回想が終われば元のシーンに戻ってきます。
しかし、この作品の場合は、回想シーンにインタビュアーとカメラマンがそのまま登場し、回想シーンを撮影するという、非常に特殊な表現方法がとられています。

しかも、千代子は映画女優。
つまり、「過去に映画を撮影しているシーン」を、また別の映画で撮るという摩訶不思議な見せ方をしています。

その結果、どこが回想シーンで、どこが映画のシーンで、どこが現実なのか、まったく分からなくなるという奇妙な感覚を味わえます。

唯一の救いは、カメラマンのツッコミ。
「あれ、映画撮影シーンをとってたんじゃなかったんかい」など、道案内をしてくれなければ、本当に迷子になります。
このツッコミが鋭くて笑えるのですが、それはまた別の話。

そうして、伝説の女優、藤原千代子の半生が描かれていくのですが、それで終わらないのがこの作品のもう一つの魅力。
単純な引っかけを、もう一段昇華したオチが待っています。

この映画のテーマとはいったい何なのか、女性の純真な恋心なのだろうか……それとも?

そんな疑問を最後の最後に視聴者に投げかけてきます。
ここまで徹底的に騙される作品には初めて出会いました。

そのほかにも、

・シャフト協力による演出
・シームレスな画面切り換え
・表情豊かな登場キャラクター
・平沢進氏による独特なBGM

など、見所はたくさんあります。

物語そのものを楽しむと言うより、その極めてユニークな見せ方を楽しむ作品です。

もう、ジャンル特定不能な映画ですね。
87分と短いですし、一度は観ていただきたいです。
そして、見終わったら、冒頭の数分をもう一度確認してみてください。
そこである事実に気づけば……。

{netabare}
千代子がいまわの際の回想で、あらゆる映画の中を走り回り、最後にロケットに乗って、「だって私、あの人を追いかけてる私が好きなんだもの」というシーン。
声こそありませんが、よくよく見ると、冒頭シーンのビデオフィルムに、このシーンを逆再生した映像が収められています。

また、ときどき出てくる睡蓮の花。
花言葉の「純真」は、鍵の君への想いを表しているように見えますが、おそらくミスリードです。
むしろ、この花が仏教における「輪廻転生=繰り返し」の象徴であることに注目。

すなわち、「今までやってきたインタビューすら、すべて別の映画の一部だった」のではないか?
視聴者は、ドキュメンタリーを作っているシーンを見ているのではなく、すでに完成したドキュメンタリー映画を見ているだけではないのか?
そんな、入れ子構造になっている可能性を示すオチなワケですね。
{/netabare}

「へぇ! こんな作品の作り方・見せ方もあるんだ!」と、新鮮な気分になること請け合いですよ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 45

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

千年を納得させる女優の回廊

今敏監督作。

本作は大女優千代子に、取材を行い談笑しながら物語が進まれる。名女優ゆえ、めったに取材に応じないが、何かを開ける鍵を渡すため訪れた取材陣。ただ話はソファーに座りながら、その一女優の出演作を時代と合わせ、女優の年齢の順に流されていく。

本作の面白い所は、何の前触れもなくその映画の世界に入り込ませ、そんな中、取材者2人も同じ世界に入り込み取材を行うという疑似パラレルな展開。それを現代の取材時間(ソファーでの取材)と、疑似パラレルの取材時間(映画の中)を唐突に移り変えて、時間の感覚をずらしてきやがる所。

最初の出演作で女優になる決意をした彼女と同じように、見てる側にも映画(本作)を見る価値ある、風な演出ほどこし、彼女は恋人を探して疑似パラレルの幾つもの世界を渡り歩くことになる。

出てくる疑似パラレルは、関東大震災、満州、戦時中の投獄等々。時代劇からSF風までの彷徨う時の回廊。ここが社会派アニメ的にも魅せられ、深みみたいなものを感じるし、勘ぐって社会派としても見ちゃった回廊。

疑似パラレルの変化を通して様々な役をこなしながら幾つもの物語を魅せてくるし、取材野郎も役者としても噛んでいたりして、一癖あるドキュメンタリーなのか、ロマンティックな恋なのか、社会派アニメなのか、鍵という伏線によるサスペンスなのか、と、いうフェイクらしいものを入れてくる。

「現在の取材による時間」「様々な疑似パラレルによる時間」
「疑似パラレルの中で経過する役と年齢」「演出のフェイクによる感情変化」
そんな側面を持ちながら、一つ芯を通した鍵と恋。だがその芯にも癖演出。

千年を感じさせる為に用意された幾つもの疑似パラレルやメッセージ的フェイクは、重みと不思議な軽さを伴った、心が安堵したような悲しい心地よさに包まれた。私ごときが、ことの顛末まで書くのは野暮ですなこりゃw視聴して頂きたい一作。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37

67.5 4 嫉妬で恋愛なアニメランキング4位
同級生(アニメ映画)

2016年2月20日
★★★★☆ 3.9 (80)
478人が棚に入れました
メガネの優等生・佐条と、バンドマンのイマドキ高校生・草壁のラブストーリー。

声優・キャラクター
野島健児、神谷浩史、石川英郎

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

秘かな握手の記憶は 僕の言葉を話す君

皆さんは、『ボーイズラブ』に、どんな感情を持っていますか?

好き?嫌い?どうでもいい?

色々だと思いますが、

なんとなく感じるのは、変な線引きをしている人が多いのでは?ということ。

『BL』には様々なジャンルがあり、どんどん発展しています。

そして、1度はまると、抜け出せない中毒性もあります。

それに触れもせずに否定的なのは、ちょっともったいないかな…


それに
恋愛は「自由で在るべきだ」と、私は思うので。




この作品が、それを語ってくれています。


とことん造り込まれた美しい水彩画風の背景の中で、ゆっくり流れる2人の恋の物語。


一見、チャラそうな、表情豊かなバンドマンの草壁君は、
相手の気持ちを心底大切に想い、素直で優しい男の子。

一方のポーカーフェイスの左条君は、一見おとなしそうに見えるけれど、頑固で、結構怒りっぽい、焼きもちやき。


この2人はいつも光りに照らされています。
朝の光り、昼の光り、夜の月明かり…

そして
好きな人が悲しむと雨が降り、
好きな人が笑うと雨が止む。


これらの演出は、いかにこの2人が美しい恋をしているかを物語っているようです。


季節と共に変化していく2人の距離。
変わらないのは、相手を想う気持ち。


相手に『こうして欲しい、ああして欲しかった』と望むのではなく、


『ただ側に居る、それだけでいい。』


恋とは、愛とはこういうことでしょう?



色彩と共に美しい、押尾コータローさんのギターの音色。

本当に
静かで、優しく美しい、恋の映画です。


『永遠』という言葉はあれど、『永遠』を信じきれないあたしは、

2人の中に永遠を見るのです。

2つの『光』に。



この映画を観て、
誰か一人の心が、開いてくれたら、嬉しいな、と思うのです。



どうか伝わりますように。

本当に、美しいから。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

BLと呼ぶのもおこがましい程に真摯で爽やかで丁寧な【ファンタジーではない恋物語】

『同級生』、と音だけ聞くとエロゲの方が真っ先に思い浮かぶタチです;
今作は中村明日美子が2006~7年頃にOPERAで連載していた漫画を内容ほぼそのまま60分の作品に映画化したものです
ジャンルは男子高校生同士が恋に落ちるというもので所謂BLなのですが、そう呼ぶと途端にファンタジーっぽく聞こえてしまうのでオイラとしては普通に恋愛モノとして受け止めたいです
鑑賞料金は特別興行の為に一律1500円
未成年が喫煙&飲酒するシークエンスがあるためレーティングはPG12


初監督となるアニメタ出身の中村章子に、キャラデザ林明美、美監は中村千恵子と超豪華スタッフが集結しました
アナログな絵柄の原作の雰囲気を、細い線と柔らかいタッチの作画、淡い色彩、温かみのある背景で見事にアニメートしており、今年観た全アニメの中で画作りはぶっちぎりの1位と言えます
馬越組やら北田勝彦さんやら錦織敦史さんらをはじめとした超一流のアニメタが集結しており、適度にデフォルメや金田的ポージングをコミカルに取り入れた作画だけでも必見の価値あり
さらに劇伴をアコギタリストの押尾コータローが手掛け、Galileo Galileiの尾崎雄貴をフィーチャーした主題歌が爽やかにエンドロールを飾るというこれ以上に無い完璧な布陣といえるスタッフ陣です


物語は男子高校2年の夏
金髪癖っ毛ちょい不良なバンドマンの草壁光
黒髪七三にメガネで優等生な佐条利人
一見して真逆の二人だったが、ある日に草壁は同じクラスで真面目一本木の優等生、佐条が合唱祭の練習で一人だけ歌わず口パクしていることに気付く
その日の放課後、偶然にも教室で一人歌をカゲ練する佐条を目撃した草壁が、彼に興味を持ったことから始まる・・・


全篇は【夏】【秋】【ばかと大馬鹿】【二度目の夏】の4篇で構成されており、基本的にモノローグがとても多いのが特徴
BL云々以前にこーゆー構成が苦手な人には意見が別れる作品だと思います
BL、と言いましたが前述した通りファンタジーっぽさは皆無
【等身大の男子高校生】の【等身大の恋愛】が描かれているのが今作の魅力です
ただそれが【男の子同士】だってことだけが普通でないだけで、男同士であるが故の恋路の障害なんかも描かれているから、これを単純に「BL」と一括りにしてしまうことにはオイラは抵抗があります
それぐらい恋、というものに真面目な作品です


と、言っても原作が短くまとまっていることを見ての通りそれほど重苦しい内容ではありません
サクッと観れるのがまた良い
それでも前半2篇は少し展開が早い様に感じてコミカルな部分以外ではちょっと物足りないように思いましたが、後半2篇は素直にトキメキを覚える清々しい内容だったので皆様に強くオススメ出来る一本に仕上がってると感じます
個人的にはクライマックスでチョロっと出て来るCB400スーパーボルドールの走行シーンがとても丁寧だったことにも拍手です(笑)


それにつけても四十路過ぎて高校生を演じれる神谷浩史ってホント素晴らしいですなb

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ズゴックでなくて、ズコック??

 うちの近くの映画館でやるということもあり、劇場CNでも良く見ていたので、何となく見に行ったです。絵柄を見たときから、女性向きかとは予想はしていたけど、行くと女性客が多かったです。10代後半から年輩の方まで、幅広かったのには驚いたです。

 男子校での佐条、草壁を中心に少し原先が絡む展開のアニメだったです。物語が進むうち見せつけるシーンが多くなっていきました。これが私が学校に行っていた頃から聞いたことのあるBLというものなのでしょうか?です。
 女性の方が興奮するのかなぁ?な、男と女ではあるような見せつけるシーンが、佐条と草壁の仲が深まるうちに発展したと思うです。最初、歌の練習をする友人同士から進み、雰囲気に流されたのが、きっかけだったのに・・・。

 自意識過剰に見えた、桜Trickを思いだしますです。でも、自意識過剰というでもない、また違った男同士の恋の形なのでしょう?です。今、日本でも同性婚が、認められてきているのでそうなのだろうです。
 
 流れる曲とか良い感じだし、背景画など色彩も良くCGではない良さを引き出していて好きなほうでしたです。眼鏡の佐条、金髪の草壁、担任の原以外のキャラは、白目だったりのっぺらぼうだったり、点目だったりでしたけど・・・。このアニメでそれだけ、2人を強調したかったのでしょう。原作あるようですが、どうかは分からないけどアニメ色というより、色彩良くした漫画がそのまま動いたり、喋ったりに見えたです。

{netabare} 原先に佐条が迫られるのを見て、駆け付けた草壁がゲンコツを原先に加え佐城を奪還して、その後告白するところなんか、{/netabare}男と女とは違う形を見たです。{netabare}また、草壁のライブ見に行った後、やきもち??やいた佐条に追いかけた草壁が、砂場で寝ている所に飛び込むのも{/netabare}面白さあったです。

 誰かさんがやっているバンド名、ジャブローに出てきた水中用モビルスーツかと一瞬思ったです。

 仲が深まることは良いことばかりでもなく{netabare}、後半で進路を考えていない草壁にとって、佐条が進路を定めていることは分かれてしまうのでないかという辛さより、嫉妬だったというのは見ものでしたです。
 いったん距離を置いても、草壁がバイクで佐条を試験会場まで送るシーンは、良かったです(「あなた 待ってるわ~」とか)。今まで草壁が佐条詰め寄っていたのに、公衆の面前でも佐城の方から見せつけるようになるのは、驚きというより周囲も意識しない{/netabare}凄さを見たと思うです。

 これが、ゆっくり恋していくことなのだろうです。まぁ、これでいいのだです。
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

69.1 5 嫉妬で恋愛なアニメランキング5位
うる星やつら 完結篇(アニメ映画)

1988年2月6日
★★★★☆ 3.8 (70)
437人が棚に入れました
キュートな宇宙人・ラムと超女好き高校生・あたるが巻き込まれる奇想天外な現象や事件を描いた、高橋留美子の同名漫画をアニメ化。本作は、原作の最終話を元にストーリーが作られている。監督=出崎哲。撮影監督を「おじゃる丸」の大地丙太郎が務めた。ある日、黒ブタの馬車に乗った黒づくめの少年“ルパ”がラムの前に現れる。彼は曾祖父さん同志が決めたラムの許嫁だと名乗り、ラムに指輪をはめさせる。その瞬間、ラムの特殊能力はなくなり、彼女はルパにさらわれてしまう。ラムが連れていかれた先は、闇の宇宙。そこではラムとルパの結婚式の準備が進められていた。あたるはラムを救出するために闇の宇宙へ向かうが、ルパの巧みな妨害工作によってラムとケンカしてしまい、結局彼女を置いて地球に戻ってしまう。ところが、地球で起こった間抜けな事件の解決策として、ルパの持つブタが必要になり…。ラムはブタを提供する条件として、初めて出会った日と同じ鬼ごっこを要求してくるのだった!

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、神谷明、島津冴子、鷲尾真知子、千葉繁

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ラムとあたるの歴史的異次元ラブコメ完結編(仮)届け愛の電撃ショック!

1988年上映の劇場版 うる星やつら 第五作目 完結編ですが最終編ではありません

原作 高橋留美子 監督 出崎哲 脚本 金春智子 制作 マジックバス

1981年から1986年まで218回にわたりテレビ放送され、
劇場版も4作作られた「オタアニメのレジェンド」の原作版の完結編の映画化。

マジックバスは杉井ギサブローが設立した制作会社で主にグロス請けで現代でも活発に活動しています。
配給会社の東宝は「完結編」とすることで製作を了承した作品。
なぜなら、同時上映作品が「めぞん一刻 完結編」なので。

初の原作付き劇場版と言うことで、
作者特有の取っ散らかったキャラコメディになっていますが、
個人的には原作にやや難ありという感想です。

過去劇場版で何度も観たようなシーンの連続が原作コミックの最終章では、
作者の発想の貧困さを露見しているように思えます。
その劇場版も、本作未登場のクラマ姫編を金春さんが何度も脚色したものが多く、
本作もその路線ではがっかりです。
ちなみに、次作「いつだってマイダーリン」も同様。
作者が「ビューティフルドリーマー」の発想に嫉妬したのも当然かな。

この作品のアニメーションとしてのレベルは年代を考慮すると相当優秀です。
現代でもストレスなく観れる作画レベルで、
やや太めのキャラですが、体重が感じられる高度な出来です。
監督の出崎兄は無個性っぽく見せながら、各キャラに生命を与えられる、手練れ監督です。
名監督である弟の「エースをねらえシリーズ」で唯一監督を請け負った「新エースをねらえ」でも生命感が躍動しています。

個人的な評価としては、
押井守に奪われたうる星やつらを高橋留美子と金春智子が取り戻したが、
物語的には何も進展させられず、出崎哲監督の名演出に助けられた。
と言う感じです。

アニメ「うる星やつら」は多くの人がかかわった長期作品ですので、
制作側にもいろいろドラマがあったことが伝わっています。

原作でさえ最初は、お馬鹿ヒーロー「諸星あたる」の地球を狙う宇宙人撃退物語だったものが、
最初の侵略者「ラム」が戻ってきて主人公に居座ると言う破綻ぶりです。

それでもなお、「うる星やつら」はコミック界、アニメ界に燦然と輝く名作中の名作。
私も数十年に渡ってこの作品を愛し続けています。
物心つき始めの頃から知っていて、死ぬまで愛し続けるであろう作品は、
これと、「ゲゲゲの鬼太郎」だけかも知れないです。

ネガティブな意見はこのくらいにして、この作品最大の見どころは、
ランちゃんのUFOでしょうかw
初期の頃のラムのUFOはどうなったのかな?
弁天、お雪の活躍もいいです。レイさんはどうでもいいです。
宇宙戦闘の作画はなかなか凝ってまして監督と制作会社の実力がうかがい知れます。

先にも書いた通り、生命の躍動する人物画は、
ラストの輝くばかりのラムとあたるのシーンにスーパーノヴァの如く炸裂します。
素晴らしい部分もイマイチな部分も含めて、
これが「うる星やつら」の完結編(仮)。

永遠のヒロイン「ラムちゃん」完全復活の日を信じて、
今回はやや厳しい意見になりましたが評価点は平均以上です。

出崎哲氏制作のエンドロールには涙が溢れました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15
ネタバレ

ちあき さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

うる星やつら最終回。でもTVシリーズ視聴推奨

うる星やつら最終回の映画。
TVシリーズ積み重なっていくアニメとの思い出が溢れ出し、一気に「うる星やつら」の話全体を良作としています。言葉なしで伝える愛情もあるんですね。

残念ながらTVシリーズを観ていないと、恐らく半分、いや3分の1も良さを感じられないと思います。

【TVシリーズ、その他映画作品、OVAを含め作品全体を通して感じた事】
日常起っている何気ない出来事の数々は、本当に大切なものなんだなと思いました。完結編のおかげでTVシリーズの日々の日常が、本当にいいものだなと感じられました。{netabare} 失って初めて気がつくことがあると良く言われますが、できれば失う前に気がつきたいですね。 {/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

ごはんちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

好きって言葉は難しい

うる星やつら、ながーいながーいラムちゃんとあたるの
鬼ごっこの最終回です。涙なしでは見られないこの作品。
ラムちゃんの許婚がまさかの豚にのって登場します。
そこからラムちゃんとあたるの鬼ごっこ開始。
最後は、あたるから遠まわしではあるけれど、愛のメッセージが
ラムちゃんに…!よかったよかった。
やっぱりこの2人は、こうでなくっちゃね。

原作もアニメも、映画もOVAもどーれもとっても手抜きではなく
ぎゅっと濃縮した作品ばかり。
是非、高橋留美子ワールドにはいこんで下さる方が一人でも増えたら
いいなと思いつつ、レビューを書いています。
オススメしたい作品のひとつです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

66.8 6 嫉妬で恋愛なアニメランキング6位
うる星やつら オンリー・ユー(アニメ映画)

1983年2月10日
★★★★☆ 3.7 (74)
360人が棚に入れました
 高橋留美子原作の同名漫画をアニメ化した、劇場用作品第1弾。TVシリーズの好調を受けて制作された。監督は「攻殻機動隊」の押井守。無類の女好きで浮気ばかり繰り返す高校生・諸星あたると、その押しかけ女房となったキュートな宇宙人・ラムが日常的に巻き込まれる非現実的で奇想天外な事件をハイテンションに描いたSFラブ・コメディ。ある日、あたるの知り合い全員に結婚式の招待状が届いた。差出人は、“諸星あたるとエル”。謎の女性・エルの正体は、やっぱり宇宙人。だが、宇宙一の美女と言っても過言ではないほどの美しい女性だ。そのうえ、彼女と結婚すれば彼女の星の王にもなれる。ラムは当然のごとく嫉妬し、ふたりの結婚を阻止しようとするが…。ふたりは本当に結婚してしまうのか? そして、エルは本当にあたるに惚れて結婚しようとしているのか…!? 何やらこの結婚には裏がありそうで…。

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、榊原良子、島津冴子、神谷明、杉山佳寿子

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

完全無欠のうる星やつら これを見なきゃ始まらない20世紀を代表する名作アニメ

1983年公開の劇場用アニメ 公開版80分ノーカット版104分

原作 高橋留美子 監督 押井守 脚本 金春智子 制作 スタジオぴえろ

押井守氏の初監督作品は「うる星やつら」劇場版初監督は「うる星やつら オンリー・ユー」です。

監督降板(脚本が嫌だったのか?)を受けテレビ版監督の押井氏が急遽登板、
まったく進行していない状況で、脚本改編と絵コンテ作成を同時にほぼ一人で強行する、
それも、テレビ版の監督と同時進行、まさに「押犬大明神」と化していたという時期です。
脚本の人から文句が来るほど変えたそうですが、
この金春さんという人はテレビ版の「よっぱらいブギ」のみ執筆、
調子が悪いナツコさんのような回です。
「めぞん一刻」ではごく初期に2本執筆したのみということで、
ベテランの割にはあまり信用がおけなさそう。

おそらく、押井氏が不満だったのはこの設定の中枢であるエルについて。
宇宙人の王女「エル」が子供の頃した「あたる」と結婚の約束を果たすため、
地球に攻め込むというアイディアは、原作初期の「クラマ編」の焼き直し、
これではプライドの高い押犬としては、自分の黒歴史と思いたいでしょう。

ところが意に反してアニメは素晴らしい出来です。
傑作、いや名作級。
どうにも改変できなかった「エル」設定も含めて私には非の打ちどころがありません。
この時点での全キャラ登場のテレビファンのための特大ボーナス?
いや違います。
この作品こそがテレビの延長の「うる星やつら」本編本道の大作。
スピンアウト的位置の「ビューティフルドリーマー」のほうがボーナスです。

押犬に騙されてはいけません。オンリー・ユーこそが見るべき作品です。

諸星あたる CV古川登志夫  カイ・シデン ピッコロ大魔王
ラム Cv平野文    
三宅しのぶ CV島津冴子   フォウ・ムラサメ ダーティペアのユリ
面倒終太郎 CV神谷明    流竜馬 キン肉スグル 冴羽リョウ
テン CV杉山佳寿子     魔法のマコちゃん ハイジ 白鳥のジュン
錯乱坊 CV永井一郎     磯野波平 猪熊滋吾郎 八宝斎
サクラ CV鷲尾真知子
メガネ CV千葉繁      一堂零 レレレのおじさん ねずみ男
ラン CV井上遥       セイラ・マス おそ松
お雪 CV小原乃梨子     ドロンジョ コナン 野比のび太
弁天 CV三田ゆう子     ハットリ・シンゾウ ネコ娘
クラマ姫 CV吉田理保子   早乙女ミチル クララ 神崎メグ マリア・フリード
レイ CV玄田哲章      岩鬼正美 海ぼうず 多数

エル・ド・ローゼンバッハ CV榊原良子 ハマーン・カーン 竜崎麗香
ロゼ CV丸山裕子       ロボタン キノッピー

ラムの美しさは際立っていますが、同様にラン、弁天、お雪も超絶美しい。
見なきゃ損。
いや、お願いですから見てくださいレベルの個人的名作です。

押犬も心を入れ替えて自分が作った名作を認めなさい。

まったく未見の人はテレビ版1話からどうぞ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャラ設定が異様に濃い古典的ラブコメ

80年代を代表するラブコメ。
本作品は、その最初の劇場版です。

TV版は全話見た自信が無いので評価しませんが、とんでもないキャラが次々に出てくるので、当時面白おかしく見たものです。
TV版は、たいしたストーリーはないので、各話バラバラで見ても問題はあまりありません。
この劇場版はTV版のノリと変わりません。

この作品の基本は、宇宙規模で繰り広げられるドタバタラブコメディーで、展開がスピーディーです。
主人公のあたるがビリビリするお約束で、最終的には落ち着くところに落ち着きます。

メインヒロインラムちゃんは、わかりやすく表現すると「とある魔術の禁書目録の’御坂美琴’」と「To LOVEるの’ララ’」を足して2で割ったようなキャラクターです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

plum さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

らしさでいえば本作

1983年公開のうる星やつら劇場版第1作。

諸星あたると宇宙人エルとの、結婚を巡ってのドタバタコメディ。
劇場2作目のビューティフル・ドリーマーよりもキャラデザがTV版に近く、
ストーリーもあたるの浮気性を中心にしたドタバタがメイン。
しょーもないオチと、最後はお約束のドタバタで締め。

とっても、”うる星やつら”らしくて好きです。

宇宙を舞台にした、ちょっとだけスケールが大きいところが
劇場版って感じでしょうかね。
うる星やつらといえば、数多いサブキャラが魅力のひとつですが
弁天くらいしか活躍の場がないのは、少し寂しいところです。

ビューティフル・ドリーマーの評価が圧倒的に高く、
また監督自身が失敗作だと言っている、少し可哀相な作品ですが、
”うる星やつららしさ”が出ているのは、本作だと思います。


しかしこの時代って、半裸の女の子がでるアニメとか、
パタリロみたいなBLのアニメが、ゴールデンタイムにやってたんですよね。
いまからすると不思議なものです。
まぁ、親はチャンネル変えろってよく言ってたな。

それは野球みたいからだろう!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8
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