小学校アニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の小学校成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の小学校アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.7 1 小学校アニメランキング1位
映画 ゆるキャン△(アニメ映画)

2022年7月1日
★★★★☆ 4.0 (210)
802人が棚に入れました
高校時代、キャンプを通じて関係を育んでいった、なでしこ、リン、千明、あおい、斉藤。時を経てそれぞれの道を歩んだ5人が、とあるきっかけでキャンプ場を作ることに。 『ゆるキャン△』が演出する、自然の美しさや美味しい食事、焚火を眺めるようなゆったりと流れる時間――。 「美味しいご飯を食べたり、きれいな風景を眺めたり、温泉にゆっくり浸かったりして……明日もまた頑張ろう」 そんな気持ちになれるひと時の体験。2022年の夏は、映画館で野外活動しよう。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

受け継いでいきたい優しさの連鎖がここにある

【物語 4.0点】
『へやキャン△』、『ゆるキャン△』2期、映画『ゆるキャン△』。
2018年冬・1期終了後に立ち上がった足掛け四年に亘る3本制作企画の総決算。

大人になった社会人・なでしこたち野クルメンバーが、{netabare}年末戦士サンタクレンジャーから週末戦士作業着レンジャー{/netabare}に進化して、キャンプ場作りに挑むというオリジナルストーリーがメインだが、
決して、1期、2期の人気の余勢を駆った蛇足ではない。
じっくりと煮込まれた設定、脚本、シリーズを横断する伏線芸が提供される。


子供の頃、大人になったら何でも出来ると思っていた。
だが大人になったら案外出来ないことも多かった。
それでも大人になっても楽しいと思うことを皆と一緒にやって行こう。

官民含めた組織を越え始まったキャンプ場プロジェクトに対して、
周りの大人たちが優しく、さり気なく見守るのも暖かい構図。
しがらみの中にあっても、皆、本当はワクワクしたかったんだとの性善説に包まれる癒しの120分。

鑑賞後は凝り固まった心身が、心の芯から解きほぐされるのを実感しました。
整体やマッサージ店に高額なサービス料払うくらいだったら、
本作に鑑賞料金払って身も心も軽くなりましょう♪(←強引な勧誘w)


【作画 4.0点】
アニメーション制作は1期以来のC-Station。

2期では比較的温存していた?富士山も今回は冒頭から押して来ます。
未だかつて、これほどまでに、配給会社がロゴ富士山の松竹で良かったと思った瞬間があったでしょうかw

{netabare}カニだの鮭{/netabare}だの今回も飯テロは即死級の威力。
腹ペコで鑑賞するのは危険なので、何かつまめるフードは用意しておきましょう。

東京、名古屋、横浜と、なでしこたちの活動圏拡大に伴い背景も(聖地巡礼地もw)大増量。
その描き込みに労をいとわず、彼女たちの成長を好表現。
広がった大人の世界を、志摩リンが祖父から受け継いだ大排気量のバイクで駆け回る描写も感慨深いです。


【キャラ 4.5点】
東京・昭島市のアウトドア用品店「フォレストオウル」店員となった各務原なでしこを見守る店長・小牧。
刹那的にノルマを達成する営業ではなく、長期的にアウトドアファン層拡大に寄与する、
なでしこのある種の甘さをも容認するステキな女性。
なでしこに、この仕事本当に向いているわと評価しますが、あなたも相当に向いています。

{netabare}女子高生3人にランプにお試しで火を付けたりしてアドバイスするなでしこの接客に、
なでしこが「カリブー」に何度も眺めに来たランタンをお買い上げするまで見守った店員の姿が重なります。{/netabare}
TVアニメ版で客として優しくおもてなしされたなでしこが、
今度はキャンプの楽しさを広める店員となる優しさの連鎖が温まります。


名古屋の「しゃちほこ出版」編集部員として苦闘する志摩リンを見守る先輩アフロ社員・刈谷。
{netabare}部下が伸び盛りと見て、裏でフォローする心情を上司・白川に吐露する件。
それを受けて白川がお前のほうが大変だったとイジり返す。{/netabare}
先輩が後輩を育み会社の将来を繋ぐ。
氷河期に断絶した当たり前の育成精神がこの会社では連綿と続いています。
こんな暖かい社風なら、ブラックに呑まれて消えていったアイツも凍えずに済んだのかな……。
そう考えたら目頭が熱くなるものがありました。


大垣千明、犬山あおい、斉藤恵那と他の野クルメンバーも成人。
映画では恩師の“グビ姉”鳥羽に続いて{netabare}千明{/netabare}が酔いどれ2号として覚醒w
早速、{netabare}酔った勢いで名古屋から遠征し、タクシー料金メーター9万オーバーの{/netabare}武勇伝を打ち立てるw
ですが、これがプロジェクトの始まり。“飲みニケーション”も悪くはありません。


【声優 4.5点】
実はメインキャスト陣が成人した野クルを演じるのは1期12話の妄想シーンに続いて2回目。
因みに、キャラ設定等も、その妄想シーンから組み立てられており類似点多数。
イメージトレーニングも万全で、キャラを崩さずに成長を演じる好対応。

ナレーションは引き続き大塚 明夫さんで盤石の安心感。
最後、{netabare}兼任する志摩リンの祖父役として発した「いいキャンプ場だ」{/netabare}との一言に報われます。

犬山あおい役の豊崎 愛生さんは映画でも、まつぼっくりさんで\コンニチワ/などと暗躍している模様。
終盤、{netabare}帰って来た原付ビーノで\マカセロ/{/netabare}と男気?を見せたボイスも決まってました。


【音楽 4.0点】
劇伴もお馴染みの立山 秋航氏がオフィスシーンでもブレずに
笛とパイプのケルト風も散りばめる癒し系を継続しつつ新曲を量産。
今回は組曲「松ぼっくり」を編成し、キャンプ場完成までの道程を管弦楽も交えて生き生きと演出。

主題歌もお馴染みのお二人。
OPは亜咲花さんの「Sun Is Coming Up」
淡々と重ねた日々がちゃんと明日につながっていると励ます社会人応援ソング。

EDは佐々木恵梨さんの「ミモザ」
ふと立ち止まって振り返って変わった物、変わらない物を静かに確認するバラード。


【余談】
歴史文化財の保存と活用についても考えさせられた映画でもありました。
{netabare}特に、縄文、弥生の遺構辺りは、教科書に載るレベルの重文級であっても集客は厳しい。
実際、立派に整備された箱物に閑古鳥が鳴いている遺跡が当たり前になっている感があります。
土器発掘体験だけじゃ家族連れは中々やって来ないかと。
少子高齢化でインフラの維持すら難しくなっていく今後の日本にて、
遺跡の価値を損なわない程度のエンタメ化は検討に値すると感じました。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 34
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

楽しい時間はいつでもそこに

【感想】
少し長めですが見に行って良かった!

※詳細は下のほうに書いたけど作中に出た本沢温泉、冬に行くとたぶん危険なので聖地巡礼は夏に行ってください!

本編が毎日楽しくて仕方ない夢いっぱいの日々だったのに対して、本作は社会に出たなでしこ達のリアリティのある暮らしを見ることで現実を突きつけられて、全体的にもの悲しさを感じる映画でしたけど、離れ離れになっても仲の良い5人が見れて満足です!

本編の底抜けに楽しい雰囲気のほうが好きだけど、これはこれでアリかなあ

{netabare}
それでも程よくいい感じに大人になっていて、現実は甘くないってところと、トントン拍子にうまくいくところのバランスが良くって、現実的すぎて夢のない話にならなくて良かった!
でも、たぶん25歳前後くらいなので、誰にも彼氏や旦那さんいなさそうなのはちょっと夢見すぎかなー、リンちゃんのアフロ先輩との関係が気になります!

私は本編の感想を「最高のアニメだけど楽しい時間は必ず終わるという気がして視聴後に寂しくなる」と書きました、この映画では楽しい高校生活の夢から覚めた後の現実を見せられて寂しい気持ちになったけど、なでしこ達から「楽しい時間はいつか終わっちゃうけど、終わっちゃうならまた次の楽しい時間を作ればいい」ってメッセージをもらった気がして、前向きな話で良かった
{/netabare}
【本沢温泉の聖地巡礼は気を付けてください】{netabare}
私は山育ちなのでわかるのですが
映画では雪がつもっていましたけど、あの標高なので酷いときはマイナス10度~20度くらいになると思います、山は天気が変わりやすく、晴れていても急に雪が降りだして歩けなくなることもあります、軽装備で雪山を1時間以上も歩くのはとても危険なのでマネしてはいけません、聖地巡礼の時には冬はやめたほうがいいです!

なでしこは「誰も来ないから大丈夫だよー」って言ってたけど、この温泉は有料なので近くの小屋に人がいるし、女の子が見張りもなしで入るのはやめといたほうがいいかなー、出た後すぐに服着てもすごく寒いしかなりハードなことしてますね
男女別の内湯もあるので女の子が聖地巡礼するならそちらにどぞ!

うちの実家の近くにも秘湯と呼ばれる混浴の露天風呂があって、湯浴み着で入れます、地元の人は気にせず裸で入る人が多いですけどね
雪景色の露天風呂は最高で、小さいころは冬でも入ってたけど、お風呂から上がった後の寒さが尋常じゃないのでオススメはしません、きっとリンとなでしこもあまりの寒さに震えたでしょうね

{/netabare}
【ちくわ危機】{netabare}
タヌキだから良かったけど、日本アルプスあたりの山々はイノシシだけじゃなくクマも出るので危険!
ちくわが無事でよかったー
{/netabare}
【大人になったなでしこ達】{netabare}
なでしこ達仲良し5人組は大人になってもずっと一緒なのかなーって思ったら、みんな離れ離れに暮らしていて、ちくわは「もうおじいちゃんだから・・・」って言われてて涙出ちゃった
本編で「わたしたちの友情は永遠だー」って言わんばかりのみんなでわいわい賑やか楽しい日常だったのに、現実を思い知らされた感じ
あれだけ仲良くても大人になったら年に数回集まれるのがささやかな幸せなのかなーって思うと悲しくなるけど、みんな素敵な大人になっていたのは良かった
特に千明ちゃんは髪型変えてますます美人に!
{/netabare}
【名古屋について】{netabare}
名古屋駅前やジュンク堂の再現が凄かった!
りんちゃん一宮市民になったのね、一宮市は何度か行ったことあるのでなんか親近感♪
名古屋の職場まで電車で通ってるみたいだけど、一宮から名古屋は電車で片道30分くらいなので十分通えるのよね {/netabare}

【キャンプ場づくり】{netabare}
地元にいる2人はともかく他の3人は東京やら名古屋から山梨まで通って作業手伝うのはちょっとムリがあるかなー
土器が出てきてキャンプ場やめて土器ミュージアム?に変わったけど、たぶん田舎に土器ミュージアムなんてすぐ人集まらなくなるからキャンプ場併設案なかったらそのうち廃業になりそうね
{/netabare}
【作画】{netabare}
本編がアニメ的な穢れのないキレイさで、映画版はリアリティのある美しさで建物や自然の絵が美術的でキレイだったー
私は本編の塗りのほうが好きだけど、これはこれで良い!!
{/netabare}
【声優】{netabare}
本編より大人になったので、声優の演技も大人に寄せていて、ちゃんと大人の声に聞こえるのが凄い!
本編の元気な声が聴けないのはちょっと寂しいですが、声優さんの演技ってすごいなあ {/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

楽しむ側であり楽しませる側である

人気作品の劇場版。
物語は卒業してバラバラになっていたリン達が3年ぶり再開してキャンプ場を作り開店させるってのが劇場版になります。

まず、皆が社会人になっていて全員根本的には変わらないけど、それでも少し大人になって落ち着きがあったり、学生の頃は何でも出来るってイメージの大人にいざ自分がなった時にイメージ以上に出来ない事や大人になっても周りに助けらたりしている事に気付くリンとナデシコの成長も描かれてました。
キャンプの知識だけではなくそうした成長を入れてくる点も凄くよかったと思います。

リンの成長だと。
自分が知らない所で実は先輩が頑張ってくれて応援してくれてた事に気づいたと言う成長

私も学生の頃は学校がだるいしテストが面倒だしで、大人になれば働いてお金が貰えて自由に出来るって思ってました。
学校に行ってもお金は貰えないけど、会社に行けばお金な貰える、同じ学校と会社、同じ拘束時間ならお金貰える方がって……

でも、実際、自分が卒業すると自由に使えるお金は増えたけど、何でも出来る訳じゃないし周りの人にも助けて貰うことも多くて、あと子供の方が自由って意味ではお金なくても何でも出来た気もします。
世間体的な意味でもw
そういう意味では、リンの気持ちも解るかな。

成長出来るから立場が変わるから解る事もありますね。

なでしこの成長は凄く素敵でした。
キャンプを楽しむ学生時代のなでしこはリンにキャンプの楽しさを教えてもらいひたすらキャンプをしていました。

しかし、大人のなでしこは、キャンプ店で働き始めて、冬キャンしようとする家族がキャンプ回数も少ないしストーブは高いかや諦めようとした時に、値段の手頃なのを勧めておいて結果自分の店ではなく、お隣の店の商品を紹介したり、キャンプに興味がある学生さんにキャンプを好きになるきっかけを与えてあげたりしました。

その根本にあるものは、キャンプを楽しんで欲しい、楽しさを知って欲しい、ってのが根本で、楽しむだけだった彼女は今は大人になり自分が楽しむのは勿論、誰かに楽しさをススメてあげる側になるくらいに成長したんだなぁ〜ってw


後、キャンプ場の作り方を作中で紹介していたのが面白かったですw
あれは真似出来ないけど学びでしたw
後、草苅り鎌の使い方!初めて知りましたw

小学校の頃にグループワケされて、草苅り鎌渡されたけど上手く切れなくて邪魔だから使わなかったんですよねww
あの頃の私に教えてあげたいw

キャンプ場作り楽しそうですね。
仲のいい友達と楽しく自分が好きな場所を作り、誰かに好きになって貰える場所を作る楽しさが伝わってきました。

私も昔、子供達だけで集まって秘密基地を作っていた日々がありました。
何かを皆で作るって楽しいんですよね。

そんな、キャンプ場作りの最中に土器が発見されてキャンプ場作りが中断!
縄文土器らしいのですが、その場所をキャンプ場ではなく土器などを展示する施設を作ろうと言う話が出てキャンプ場製作が打ち切りに……

これは諦めるしかありません……覆すのは無理かもしれない……
全員、ショックだったと思う。
3年ぶりに皆が集まり楽しく作っていたのに、ここまで来たら完成させたかったはず。

でも、彼女達は反対するのではなく賛成して貰える方法で!
企画が通るのがアッサリ過ぎではある気がしましたが、まぁよかったですw

多分、私が覆そうとしたらキャンプ場を全面に押し出す事しか思いつかないで、その方向で交渉に入ると思いますが、リン達が選んだキャンプ場×土器がウィン・ウィンの関係に持っていくのが素晴らしかったですね。
否定するのではなく肯定する。
肯定して貰える様に持っていく。
素敵ですね。

キャンプ場が開店してもトラブルが起きました。
痛恨のミスですw
それでも彼女達は上手くフォローしていくし彼女達の対応は満点でしたねw


ゆるキャンは沢山の人から愛される作品です。
しかし、私は最初は劇場版と言っても何をするんだろ?と思っていました。

でも、いざ見に行くと時間もしっかり取ってるし、その中で何かを作り上げる意味や楽しさであったり成長であったりキャンプ場の知識であったりキャンプ飯の作り方であったり沢山のメッセージを詰め込んでいると感じました。

作中に出たサーモンスープ美味しそうでしたね(*^^*)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

63.8 2 小学校アニメランキング2位
虹色ほたる~永遠の夏休み~(アニメ映画)

2012年5月19日
★★★★☆ 3.7 (126)
579人が棚に入れました
ネット小説として人気を博した原作を、大人気アニメ『ワンピース』のシリーズディレクターを勤めた宇田鋼之介を監督に迎え映画化。現代から1970年代にタイムスリップしてしまった少年のひと夏を、日本を代表するアニメーターたちが表情豊かに描く。自然の美しさや、子どもたちの活き活きとした姿を“アニメならでは“の表現で描いている。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ボーイ・ミーツ・ミステリアス・ガール

これはホントもっと評価されるべきっ!!!
今年一番面白かった映画の最有力候補です!!!


原作は『ネットから生まれたベストセラー』の代表格、川口雅幸が04~05年頃に自身のホームページに掲載したものから


亡くなった父親との思い出の地へ昆虫採集にやって来た小学六年生の男の子『ユウタ』は山奥のダム湖で不思議な老人に出会う


山からの帰り道で大雨と土砂崩れに巻き込まれてしまい、気を失ったユウタに老人は救いの手を差し伸べるのだが、気が付いた時にユウタはなんと1977年にタイムスリップしてしまっていた
そしてこれからダムの湖底に沈むはずの地に、小さな村と人々の営みが広がっているのを目撃する


なぜか全く見覚えのない祖母と名乗る老婆はユウタの素性を知っており、心温かな村人や村の子供達にすんなりと受け入れられる
謎の老人はユウタを元いた時代へ帰すことを約束してくれるが、それは1ヶ月も先になることを告げて姿を隠してしまう


そんな中、村で一番最初に出会い「ユウタくんは私の従兄弟」だと言い張る謎の少女『さえ子』にも秘密が隠されていることをユウタは知ることとなる・・・


さえ子に隠された秘密が、今作を大きく引っ張ってくれる魅力になっています
最後まで目が離せないっす!










まず今作は色々と不幸な偶然が重なってしまったことで業界内外での話題が振るわなかったことが非常に残念でした


『虹色ほたる』と『タイムスリップ』というキーワードが、まんま【今年の映画ドラえもん】の『ゴールデンヘラクレス』と『タイムスリップ』というキーワードと丸被りだったのです
オイラもてっきりドラえもん的なSF映画なのか?と激しくカンチガイw


さらに1ヶ月ほど先立って公開された映画【ももへの手紙】が今作と同じ『主人公が母子家庭』で『日本の田舎風景が舞台』というのですからトコトンツイてないw
こうなってしまうと“圧倒的に後発の方が不利”なのは古今東西相変わらずですよね;


ただ今作で描かれている村の風景は『地方の○○が舞台』という特定のものではなく、日本の原風景とも言うべきドコの田舎にでもありふれていそうな親近感あるものとなっています
ダムの底に沈んでしまう村という儚いお話も、ダム大国日本ならではのポピュラーなネタで、老若男女問わず入り込み易い作りになってると思います


それとCGなどは使わず、暖か味ある手描きの背景画で日本の自然を表現することへの拘り、これ自体は割りとドコの作品でも見られるんですが、今作の最もたる特徴の<作画>
この作画が世界観を引きたてる画面作りに大いに発揮されておるんです!


例えば、ふと空を見上げたときの『太陽から照り付ける夏の強い日差し』といったエフェクトの類は、普通ですと撮影処理で作り出すもので作画することは無いんです
ところがこの作品の場合、なんとその日差しのエフェクトを手描きの作画でやってしまっているのですw
もうこれは正気の沙汰とは思えないwwwwwwwwwwww
他にも川の水しぶき、舞う様に飛び交う蛍の淡い光とゆるやかな動き
なぜこうもアニメ向きじゃないことばっかり手描きでやってしまうのかw
これらデジタル技術に片寄らぬ手描きによるアニメートが、作品全体の雰囲気を作っているんですよ!
ちょっといくらなんでも凄すぎますw


作画、のお話が出たところでオイラが最も燃えたポイントをば・・・


この作品が公開される直前まで、オイラは例の【ももへの手紙】での素晴らしい作画に感銘を受けていたわけなのですが、今作は【ももへの手紙】とは全く違うアプローチの作画をしているんです


【ももへの手紙】はスタジオジブリ作品など大型アニメ映画作品の例に従い、作監によって整ったカタチに修正された、アニメ映画として最も純然たる美しさを目指したまさにメジャー向けな作品でした
多少ですが原画を担当したアニメタの個性が見え隠れしますが、それをキャラ表のデザインに近づけたり、特定のカットだけ突出してヌルヌル動いたりしないように
と、作品全体の画面作りに調和が図られているのがよくわかります


対して今作では腕は立つがアクの強い絵柄のアニメタを場面ごとに上手く配置して各々のアニメタの個性を打ち消すことなく自由に作画させているのがポイント!
アニメタによってはやたらとフルアニメーションでヌルヌル動かしたがって、それが涙に揺らぐユウタの心情を表現していたり
また大平晋也さんなんかは相変わらずキャラデザを無視しまくってラフなアウトラインのデッサン調でいわゆるリアル系に描いていたりもして、それが使われるのが現実と虚構の入り混じった極めて抽象的な場面であったりとか
作画に興味の無い人にしてみれば「キャラの顔がコロコロ変わってイミフ?」なことになること請け合い;


単純に綺麗なのはモチロン【ももへの手紙】タイプなのですが、【鉄腕バーディーDECODE】や【ハガレンミロ星】の作画に理解を示していただける方ならきっとこの作品の作画の凄さに気づいていただけると思います!
オイラ的には今作の方が断然好きで、どちらも作画評価は5.0点にしてるんですが気持ち的に今作には10点ぐらいあげたいですw
マジでw


で、もちろんどれほど作画が良かろうがお話がツマランかったら容赦なくぶった切りたいトコロだったのですが、、、お話もホント良いんですよ!


はじめにユウタが手に持っている携帯電話がロッドアンテナ付きで白黒液晶
それと1977年の村の少年の「ゴレンジャーの何が好き?」という問いに対してユウタの「タイムレンジャー・・・とかかな?」という会話
これらですぐユウタのいた時代が2000年前後に設定されている、とオイラにもわかったんですが、それにしてもなんで?
そこは2012年でいいだろw
超無意味じゃん!
そう思っていた時期が、、、オイラにもありましたw


その辺をしっかりラストで伏線回収
マジで最後の最後までハッピーエンドに転がるのか?切なさを残すような〆方に転がるのか?もう目が離せないんすよ!
とにかく手放しのエンディングってワケではないんで!作画だけでなくお話にも期待していただきたいっす!


時を経て、人は変わる、風景も変わる、子供も大人になる、でも変わんないものもある
それでも、こどもたちは今を生きる―――そして未来へ


【銀河へキックオフ】といい、オイラの中で最近の宇田鋼之介監督の株は急上昇ですw
ホントにいい映画をありがとうございましたm(__)m
今作、埋もらしておくにはモッタイナイ名作ですぞ!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35

らしたー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

「きれいすぎるもの」に対する耐性があれば。

さる方面から猛烈にプッシュされ、観た。

人に勧めたいかと言われると、2分くらい悩んでしまうのですが、「きれいすぎるもの」に対する耐性があるのであれば、まあ、けっこうベタに完成度高いので観ても損はない、とは思います。

なんかこう、あらん限りの「きれい」を集めてきたなあ、という意味で感心した。なにせ、虹色でほたるで夏休み、ですからね。もう軽く引くくらいの眩しさだったりするわけです。
切なさとか甘酸っぱさとか、そーいうとこもひっくるめた上での、物語の味わいとしての「きれいすぎる」に対応できる方ならたぶん楽しめる。

※個人的にこの手の宝石箱みたいなアニメってご無沙汰なんで、わけのわからない久しぶり補正みたいのがビシバシ入っちゃってるかもしれません


どなたかのレビューで「これ完全に大人向け」みたいな指摘がありましたが、たぶん、ていうか間違いなくその通りで、疲れた大人がやわらかい魔法に包まれたい時に観る、そういう映画でしょう。むしろそうとしか考えられない。

ユウタの異常な適応力の高さとか、まあ子供ならではの柔軟性という解釈もあるけれども、あれ余計な描写をオミットしてるだけって気もするんですよね。現代とのギャップにその都度一喜一憂されてもカット数を食うだけで、大人に訴えるものは皆無ですから。

だからもうほとんど社交辞令的に黒電話とか500円札とか、ある種の記号的なものにだけさらっとツッコミを入れてもらって、あとはもう「そーいうもの」として世界に溶け込んでいってもらう。

そのほうが制作側にとっても受け手にとってもありがたい。ウィンウィンで正しい判断かと思います。子供目線でのエンターテインメントだったら、もっともっと時代的なギャップに目が行くように描かないと、いわゆる感情移入てのが浅くなりますから。

そういえば、どうでもいいことだけど、携帯電話をちゃっかり持っていかないあたりが、制作側の時空パトロール的な老婆心を感じて笑ってしまった。まあ別に、このアニメの緩さであれば、持ってったら持ってったでどうせつながらないし、「おまえ珍しいもん持ってんなァ」でさっくり終わる気はしますが。

でもこれさ、よく考えるとこの作品のオールドグッドデイズ指向って案外ぼやっとしてるのもかもしれない。というのは、「古き良き」という時代的な対比に、もうひとつ「都会と田舎」という対比が微妙に入り混じってて、それらが互いに互いをファジーにし合ってる感覚も多少なりとあって。
だからって何がどうでもなく、それ込みで「原風景」を表現しているわけだから、テーマがぶれたりってことでは全然ないですが。


こういうベタベタなものって、今の時代どんどん難しくなってきてると思ってて、過去に出されたアレとかソレとか、偉大な先達に対して明確な差異を打ち出していかないと、駄作とは呼ばれないにしても、非常にスルーされやすい、って気がしてるのです。事足りちゃってる、みたいな。

ましてや本作みたいに「アニメを見る大人」がターゲットになると、どこかしら苦にならない程度の「尖ったもの」があったほうが肌感覚的にむしろ受け容れられやすいんじゃないかと思うのですよ。

そんな中で、こういうケレン味がなくて優等生なノスタルジックファンタジーを出してくれるってのは、それはそれで貴重っていうか、歓迎すべきことなんだろうなあ、とか。いろいろ考えてしまった。

この手のやつ、定期的に作ってほしい。
まあ、あえて望まずとも毎年夏になると一本や二本それっぽいのが勝手にどこからか湧いてくるのだけども。変な話ですが、「自分は観ないかもしれないけど定期的に作っていてほしい」という思いがある。たまに見ると一周して逆に新鮮だったりするから、その時にたくさん選択肢があると嬉しいし。


全然関係ないけど、この「永遠の夏休み」って副題どーにかならないですかね。なんかこう字面からビューティフルドリーマー的な肌寒さを覚えるのは私だけでしょうか。

そこにくわえて、雰囲気こそぜんぜん違うけれど、物語のテイスト的にどこかしら一昔前のギャルゲADV的なものを感じていて、

BAD END 02 終わらない夏休み

みたいなのを期待しちゃう黒い自分がいたりして。

そんな真っ黒い人間ですら軽蔑せずに包み込んでくれる、母親のように優しい作品でした。



あと、うん、能登ですよ能登。じらしすぎじゃね?w

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

スカウターが派手に壊れた。

最高でした!^^


ジャンル:心のサプリ系アニメ。

2012年5月公開。上映時間105分。

「夏休み。とある少年と不思議な老人との出会いからすべては始まる。
昆虫採取のために父と訪れた思い出の場所。その近くのダムの底には昔、村があった。
少年は、老人の手引きでその村が無くなる直前の過去へとタイムスリップしてしまうことに。
そこで出会った人たちとの心温まるストーリーが展開される。」


7月1日に観に行きました!公開から一カ月以上経ってたのでメチャクチャ空いてました。


以下、感想↓

序盤の方は、展開がゆっくりで謎に包まれている部分も多いので、退屈な感じがしなくもないです。
ですが、細部まで描き込まれた昔ながらの美しい田舎の風景や、子供たちの自然と一体になって遊ぶ姿など、懐かしさを感じさせてくれる部分も多く、なんかジンワリきちゃいましたw

そして何といっても印象に残ってるのが、夜空を舞う蛍のシーン。
足元にはひんやり冷たそうな清流が静かに波打ち、真っ暗な夜空には一面に輝く虹色の蛍が。

凄まじく綺麗で感動的。このシーンで一気に心奪われました。
良すぎて目からアツいものが…w
それから中盤にかけてさらに盛り上がりを見せ、最後まで目が離せなくなります!


数々の灯篭を乗り越えて…。
時の流れは止められない。失ったものはもう元には戻らない。
けれど、悲しみを乗り越えたその先にはきっと明るい未来が待っている。
そんなメッセージを感じました。


もうね…、何回泣いたか分かりませんw客が少ないのを良いことにw
完全に予想外ですねw
高評価を聞いてはいたので期待はしてましたが、まさかここまでボロ雑巾にされるとは…。
購入したポテトの為に用意されたおしぼりしか手元に無かったので、それで頑張りました。
ポテトの油と目汁が混ざり合って何だか気持ちの悪いことになりましたがw

スカウターがまじでぶっ壊れましたよ!ドッカーンとw派手にね。この子の破壊力は計測不能です!

ていうか、いろいろ卑怯なんですよ~。
松任谷タッグによる心地よい音楽。終盤でまさかの能登センサー反応!w
テンションの上がり方ハンパ無かったですw


~あと、作画とかについて~

人物画が凄く独特で、墨画に色を付けた感じ。
ぱっと見荒削りな印象を受けますが、どこか郷愁さ漂うタッチで作品の雰囲気と合っていて好感が持てました。
また、場面のもつ感情によって作画が急激に変化したり、やたらウネウネ?したりしますw

なんで、テーマ自体は万人ウケすると思うのですが、作画の変化などによるクセのある演出は人を選びそうな気がしますね。
でも、そこがツボにハマればお気に召すこと間違いなし!だと思います。


気になる方は、劇場で観ることをおススメしますよ!
終っちゃわないうちにお急ぎを!w

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

68.1 3 小学校アニメランキング3位
劇場版ユンカースカムヒア(アニメ映画)

1995年3月18日
★★★★☆ 3.8 (36)
164人が棚に入れました
共働きで忙しい両親を持つ小学6年生のひろみ。寂しい彼女を励ますのは、人間の言葉を話す飼い犬のユンカースだった。ある日ひろみは、片思いしている家庭教師の圭介に婚約者がいたことと、両親の離婚話を知ってショックを受ける。そんな彼女にユンカースは、自分は3回だけ奇跡を起こすことができるという。なかなか信じないひとみだったが、奇跡は次々に起こり…。

声優・キャラクター
古本新乃輔、押谷芽衣、木根尚登、紺野美沙子、峰野勝成、玉川砂記子、飯塚雅弓、中島啓江

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

素晴らしい

ぼくは奇跡を起こすことができるんだよ


次にキャラが発するであろう台詞、次に起こるであろう展開が予想できるときって、アニメ見てるとありますよね。
そういう場合って、演出面に何かしら伏線めいたものが張り巡らされていて、次の台詞、次の展開が予想できるんだと思います。
本作を見ていてそういう場面に多く遭遇したのですが、偏に、演出がより現実に沿った丁寧な運びになっているからじゃないかなーと思います。
会話の間とか、視線の向きとか、非常に考えられて作られているのが見て取れます。
トレンディドラマ風に少し不思議要素の利いた物語で、優秀な映画だと思います。

サトジュン監督、なかむらたかしさん、大平晋也さん、大橋学さんなど大ベテラン達の描くジブリみたいな作品ですね。
というか当時は、あの「耳をすませば」を抑えて栄誉ある毎日映画コンクールで賞を獲ってますからね。
ジブリなんて目じゃないと言わんばかりの作品ではあったとは思うのですが、商業的には成功と言い難かったようで、隠れた名作です。
日常の芝居作画がほんと旨いです、サトジュンも一原描いてるカットもあったり、なかむらさんの人形劇、大橋さんの背景動画、どれも激旨です。

声優はあんま有名な人いないんですけど、下手と感じることもなかったです。

TM NETWORKの木根さんの小説が原作という異色の作品で、そんなこともあって音楽は木根さん自身が担当しています。

ユンカースとひろみ、どっちが主人公なんでしょう。
あと、文江さんの存在感w


隠れた名作とはいえ、ほんとに隠れてしまって、実は長らくビデオ発売がされなかったんですよね。
そんな中、本作のファンが"ユンカース・カム・ヒアを観る会"というのを立ち上げ、小劇場を借りて有志の上映会を行う等の草の根活動が実り、ビデオ発売に至るという、"ファンが作品を動かした"例でもあります。
まさにユンカースの奇跡のような話で凄く面白いです。
上映会の主催者にインタビューを行った記事がありますので、こちらも是非合わせて見てみてください。
http://sprocket.eek.jp/monthsp/month2000July-3.htm

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

感動のファンタジードラマ、アニメって素晴らしいと思います

小学6年生の野沢ひろみと人間の言葉をしゃべれる犬ユンカースの友情、笑いと涙と感動をくれるファンタジーアニメ。主人公の野沢ひろみは明るい良い子ではありますが、辛いことがあっても本音を口に出さない子です。ユンカースはそんな主人公のために三つの願い事を叶えてくれるという・・・大学生の家庭教師に寄せる恋心と失恋、離婚の危機に瀕する両親に対する思い、淡い色彩を背景に思春期の少女を願いを丁寧に綴った傑作。知名度は低いですが、個人的には佐藤順一監督の最高傑作です。

どっかの魔法少女アニメに似ていますが、ひろみとユンカースのやりとりが実に面白く、細かな表情や仕草で笑えるというのがこの作品の大きな魅力。クオリティの高い作画が可能にする職人芸的な粋な笑いです。踊り出したり歌い出したりユニークな家政婦のおばちゃんも、これがまた良いんです。全ての登場人物が活き活きとしています。

主人公の野沢ひろみは本音をずっと隠し続けるんだけど、最後の最後で感情が爆発します。これがもう凄く心に染みる。ストーリー自体はありきたりなのに、心情描写が良いとここまで感動出来るのかと。夢の中で空を飛んだりするシーンはもう名シーンですね。これだけの名作が興行的に振るわなかったのは、もう本当に残念というか、もっと色んな人に見てもらわなければならない名作の一つだと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

ほねっこ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

素晴らしい・・・!

小学6年生のひろみと、彼女の飼い犬で人の言葉を話せるユンカースを中心に紡がれる、心温まる少女の成長と家族の物語
ラストめっちゃ泣いてしまった・・・

両親が共働きで家を空けがちであるため、「良い子」になること(=自分の素直な気持ちを抑え込むこと)に慣れてしまった、主人公の微妙で繊細な心情がとても上手に描かれていて素晴らしかったです!

犬がしゃべりますが、ファンタジー的な要素はそこだけで、とにかくキャラクターの演技もストーリーの展開も自然そのもの。
キャラクターデザイン含め、所謂アニメ的な可愛らしさ・派手さはないのですが、その写実的な描写はとにかく素晴らしい!

一見地味に映るかもしれませんが、もっと広く知ってもらいたい作品ナンバーワンです。

・・・犬を飼うようになったら、ユンカースって名前にしよう!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

68.2 4 小学校アニメランキング4位
きんいろモザイク Pretty Days(アニメ映画)

2016年11月12日
★★★★☆ 3.9 (155)
684人が棚に入れました
イギリスからやってきた高校生、アリス・カータレット! 大親友・大宮忍の家にホームステイしています。アリスに忍、凸凹コンビの小路綾と猪熊陽子、アリスを追いかけてきたもう一人のイギリス人留学生・九条カレンたち仲良し5人組は高校2年生の秋を迎えます! アリスと忍、二人一緒に玄関をくぐれば朝日に照れされてキラキラ輝く通学路。通い慣れた道を小走りに駆けていって、いつもの駅前でいつものメンバーと待ち合わせて。綾に陽子、そしてカレンが笑顔でアリスたちを迎えます。どこにでもあるようで、世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常――プリティ*デイズ! 二度目の学校祭が近づいてきたこの頃、忍の様子がちょっとおかしい!? 「このところ、なんだか朝が眠くて……」いつものんびりしている忍ですが、クラスの演劇で脚本&衣装リーダーを任され、頑張りすぎているみたいです。違うクラスのアリスと陽子も、その様子は気にかけているけれど……果たして忍たちの劇は無事成功するのか、どうなる学校祭当日!?

声優・キャラクター
西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常…プリティ・デイズ!

この作品は2013年の夏アニメ、2015年の春アニメとしてテレビで2期分放送されている上、この劇場版は2016年の11月に封切りしています。
これまでテレビ放送はリアルタイムで視聴してきましたが、劇場版まで手が回らず封切りから2年…ようやく今回視聴することができました。

自分の視聴履歴を振り返ってみると、テレビ放送の視聴が主体になっています。
最近、テレビ放送の続編がは劇場で…のパターンが決して少なくないなか、この作品を含めて結構視聴できていない作品が多い事に気付きました。

現在の視聴スタイルは今後も維持したいと思っていますが、時間を作って劇場版の視聴も進めなきゃと本作を見て痛感しました。

この作品では、大きく2つの時間軸における物語が描かれています。
一つは現在進行形でテレビ放送後の一幕…
そしてもう一つは、5人組になったいきさつ…アリスとカレンは高校からの留学生である事は周知の事実なのですが、これまであまり触れられなかった「しの、あや、陽子」が親友になったきっかけが描かれているんです。
そしてこれが…テレビ版視聴済の方にとっては堪らない作品に仕上がっていたんです。

監督は天衝監督…アニメーション制作もStudio五組とテレビ版のスタッフが踏襲されており、クオリティは折り紙付きです。

となると、気になるのは物語の展開…になる訳ですが、個人的には「しの、あや、陽子」が親友になったきっかけの物語が胸に響きました。

この物語の視点…種ちゃん演じるあや目線で描かれているんです。
5人の中で一番真面目な性格の持ち主である彼女は、普段みんなから一歩引いた場所が彼女の立ち位置…
5人の輪の中における立ち位置は、自然に…だけど全員納得の上で決まっているとばかり思っていました。
けれど、性格が真面目な上、少し引っ込み思案だけどツンデレ成分を含んだ彼女は、仲間の中で一歩踏み出すタイミングが遅かったり機を逸したり…
もちろん、仲間思いの優しい良い子なんですけどね…

でも…「しの、あや、陽子」は初めから3人組では無かったんです。
しのと陽子は小学校からの幼馴染で、二人の通う中学にあやが転校してきて接点が生まれたんです。

大切なのは一緒に過ごした時間の長さじゃない…
どれだけ濃密な時間を一緒に過ごしたか、の方が時として大切なこともあるんです。
年を重ねて振り返ってみると、その当時頑張っていたことが今では良い思い出になっていますから…

3人には目標がありました。
目標は別々…だけど必ず通らなければいけない通過点です。
「どの様にクリアするか」と「どれだけ本気で取り組んだか」の2点が大切なこの通過点…
「しの、あや、陽子」はどの様な軌跡を描いたのでしょうか。
感じられるのは成就させたい願いに込められた努力と沢山の優しさ…
やっぱりこの作品はあったかいなぁ…と心の底から思いました。

そして物語は現在進行形と結び付きながら怒涛のフィナーレを迎える事になるのですが、何ともこの作品らしい展開が待ってくれています。
こんなに面白いならもっと早くに見ておくべきだった…と本気で思えた作品でした。

オープニングテーマは、「Happy★Pretty★Clover」
エンディングテーマは、「Shining Star」と「Shining Star」
3曲ともRhodanthe*の皆さんが歌っています。

上映時間50分の作品です。
私の様にテレビ視聴済みで劇場版未読の方には、是非お勧めしたい作品です。
5人組のみんながこれまで以上に輝いて見えると思うので…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

受験生の皆さんにこのトーテムポールの歌を贈りたい。

原作コミックは五巻まで購読中。

短編アニメ映画一本のために、
わざわざ映画館に遠出するのもどうか?とも思いましたが、
冬の寒さが厳しくなっていく、ここ北陸でも、
一月遅れで映画館で難民向けに期間限定で金髪パワー配給が実施される
ということで行ってきました♪


短さ以上に、日常系だから、ふわふわしているだけで
上映時間が終わってしまうのではw
との懸念もありましたが、
それなりにストーリーもあって難民として
一定の満腹感はありました。


本作の実質的な主役は{netabare}小路綾でしょうか。

要は些細なことで仲間内での自らの存在意義を見失い、
クヨクヨしてしまう、あややの十八番(苦笑)
……あややが悩み出したら、映画一本くらい軽くできますねw


本作はそこから中学時代のあややとシノ、陽子、
三人の進路、高校受験のエピソードから、
あややの存在意義の再確認が行われる壮大な?展開にw

ある意味、『きんモザ』最大の?ミステリーである、
学力壊滅なシノと陽子が、偏差値に大差があると思われるあややと
何故、同じ高校に通っているのか?
という謎も解き明かされます。


この受験奮闘記を鑑賞していて、
ふと、受験と友情についての回顧から、
受験に友情は必要か?という問答が私の頭で回り出しました。

私の現役時代、教師の中には、
勉強は自分一人でやるもの。受験は孤独。進路は自己都合。
みんなでお勉強会なんて馴れ合い。
とお説教なさる方がいらっしゃいました。

確かに、一人で集中して学力を高め、合格を勝ち取ることができるなら理想的です。

ただ世の中、それを貫ける人は少数。
孤独に負けそうになったり、自分だけの視野狭窄に陥り空回りする人の方が多いと思います。

そういう時、進路や勉強について相談できる仲間がいれば心強い。
私も情報交換の中で勉学についても、ふと気付かされた視点が多々ありました。

自分一人で集中する時間も、仲間との情報交換も、
両方あって初めて受験を乗り切れたと私は思います。

だから、もうすぐ受験という大戦に挑む方の中で、
もし一人で煮詰まっている人がいらっしゃったら、
是非、周りとコミュニケーションを図って欲しいと思います。

残された時間はそう多くはありませんが、
アプローチの転換ひとつで一変するのが若者のポテンシャル。

恥を捨てて、周りやあややにしがみつけば、
トーテムポールみたいにニョキニョキ!っと
合格ラインまで偏差値が伸びるかもしれませんよ。{/netabare}


……とゆるふわ日常系で、無駄に熱弁してしまいましたがw
本作はTVアニメ1期の第一話くらいのストーリー内容はある作品。
難民の方なら、一見する価値がある作品だと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

ジャスティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

綾視点で送るいつもの日常物語

[きっかけ]
AT_Xで放送はされていたものの、きんモザについては2期を視聴してからが良かったので、少し遅れていましたが、期待しながら視聴を致しました。
[感想]
{netabare}
今回まさかのキャラクターの視点というのがあり、
指定されたのが私が一番大好きな綾ちゃんでした。

これは俺得すぎるんだけど、
綾ちゃんばかり出てきてくれるから素晴らしいかった。

綾ちゃんは、軽いスランプというか悩みを抱えてしまったけど、
私にとっては綾ちゃんがいないと陽子が大変になるから
絶対に必要なメンバーなんだよ。と伝えたい。

今回の話は過去編が中心でみんなが疑問に思っていた忍がどうやってもえぎ高校(忍たちが通っている学校)に入れたのか?
という疑問からストーリーが中心に始まって行きます。

というかもえぎ高校と言うんですね。(WIKIによればここで学校名が決定されたのこと)。

忍は確かにアニメの中でも断念で赤点ラインっぽい描写が多くあり、本当にどうやって受かったのか不思議な点でした。

学校見学はしっかりとやっていたんですね。
烏丸先生は相変わらずぶれない先生ですね。

忍がここまで行きたい学校というか見学を初めてしてからここにしたいと思ったのでしょうか?

雰囲気が良いというのも分かるけど、実際に行きたい高校がなかったから好印象に思ったのかな?と思っていました。

勉強会が開始。綾ちゃんはまさか違う学校を選んでいたなんて...でももえぎ高校に入っているということは、やっぱりその第1志望の高校に落ちたからここに来たのかな?

何故だろうと思いながら続けていくと受験当日。
まずは綾ちゃんからなんと合格。お嬢様学校に入れるなんて綾ちゃん入っていたら確かにそんな気がするような感じはする。

絶対に不合格になると思っていた。なんか落ちそうな予感しかしてなかった。

忍たちの受験当日はなんと綾も一緒に受験することに。ここも受験していたのはまさに日常系のいいところ。

そしてみんな合格したけど、綾だけが...離れることになるのか?
と思った...
入学式当日忍たちが学校に来ると、なんと綾ちゃんまでこっちに来ていた展開に。

まさか選んでここに来たという神展開(もう知ってたことなんだけど)でも、こうしなかったら陽子との関係も悪化していたかもしれないから
これで正解だよ綾ちゃん。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
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