巫女で友情なおすすめアニメランキング 20

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの巫女で友情な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月28日の時点で一番の巫女で友情なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.2 1 巫女で友情なアニメランキング1位
犬夜叉(TVアニメ動画)

2000年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (575)
3542人が棚に入れました
犬夜叉と巫女・桔梗は、あらゆる願いを叶えるという「四魂の玉」をめぐる陰謀に巻き込まれ、愛し合いながらも殺し合ってしまう。そして犬夜叉は50年間、かごめが現れるまで封印された。
現代の中学生・日暮かごめはある日、自宅の神社の祠の井戸から500年前の戦国時代(犬夜叉のいた時代)へタイムスリップ。桔梗の生まれ変わりであるかごめは封印されていた犬夜叉を蘇らせ、四魂の玉を再び現世に戻してしまった。しかも玉は無数のかけらとなって飛び散ってしまった。
そのかけらを集めるために旅することになった二人。最初は嫌々だったが、二人は次第に惹かれ合っていく。だがその旅の中で、50年前、犬夜叉と桔梗を罠にかけた張本人・奈落の存在が明らかに。彼らは七宝、弥勒、珊瑚、雲母らと共に、奈落に立ち向かう。

声優・キャラクター
山口勝平、ゆきのさつき、渡辺久美子、辻谷耕史、桑島法子

弑羅魏優夜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

何回見ても面白い!これぞ名作!!

私が小さい頃放送していたこのアニメですが、最近ふと思い出して急に見たくなりました。

*物語
 現代女子高生の「かごめ」が、ある日突然戦国時代に異世界トリップしてしまい、そこで出会った犬耳少年。出会った時は封印されていた彼ですが、「かごめ」によって封印は解け、そしてバラバラに砕け散った四魂のかけらを「かごめ」と共に探すことになります。笑いあり、ハラハラあり、胸キュンありの名作です。

*作画
 この頃だと、普通の作画です。ただ時折酷い作画崩壊が見受けられます(笑)

*声優
 たまに犬夜叉が何言ってるかわからない時がありますが(笑)、皆さん有名な方です。私はこのメンバーが一番ぴったりだと思います^^

*音楽
 OP・EDもいいですが、BGMは場面によって使う楽器も違ったりして個人的にすごく好きです。戦闘時の曲はとてもかっこよく、たまにギャグシーンでもシリアス曲を使用しているときはすごく笑えます。

*キャラの評価
 作者さん、よくぞここまで素敵なキャラを揃えてくださいました!!ほんとに皆いいキャラしてます。敵は敵で超上から目線だったり、阿呆だったりで面白いです。王道が出来上がった根源と思えるくらい?

かごめと犬夜叉と桔梗の三角関係もハラハラしてて好きですが、かごめを犬夜叉とコウガで取り合う姿も好きです(笑) たまに、「犬夜叉はっきりしろよ~」とツッコミたい部分もありますが、それもこの作品の良さなのでニコニコと受け入れて見ています。毎日少しずつ見ていきたい人にオススメです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

オキシドール大魔神 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

月曜日のゴールデンタイムの一角だった

当時の月曜日と言えば犬夜叉→コナン→世界丸見えと日テレゴールデンタイムが最高だった。OPはV6にELT、島谷ひとみなど豪華だったし、映像も良かったうえにSEもついていたのがさらに良かった。
キャラは主人公の犬夜叉はもちろん、ヒロインのかごめ、兄殺生丸に元恋人の桔梗、風穴の弥勒に巨大ブーメランの珊瑚、狼の足が速いやつに、奈落になんとか七人衆の敵キャラまで個性があって良かった。まあ奈落は引っ張りすぎたとは思ったが。
勝平や雪野をはじめ、声優もなかなか豪華。
鉄砕牙のバリエーションと必殺技のロマン感と言ったら、当時はかなり興奮したのを覚えている。一番好きだったのは金剛そうはで、終盤はアニメオリジナルだったが、最後に、普段は横凪ぎに振るう金剛そうはを縦振りで放ったのだけは良かったと記憶している。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10

イカちゃん☆休止中 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

☆半妖・犬夜叉

今さらですけど、作画が綺麗です♪♪♪~☆

ちょくちょく見てましたが、本腰入れて始めから
拝見中☆

登場するキャラも面白くてやっぱり楽しいです(*^_^*)

序盤は殺生丸と犬夜叉の対決などが見所です。

あと曲がいいです♪♪♪~☆

オープニング「CHANGE THE WORLD」(1話-34話) V6


原作/高橋留美子


アニメーション制作/サンライズ (全167話)


2000年10月16日-2004年9月13日

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

57.6 2 巫女で友情なアニメランキング2位
うみものがたり あなたがいてくれたコト(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (97)
579人が棚に入れました
マリンとウリンは、海底で人間の姿をした少女「海人」として生活していた。ある日、海の上から美しい指輪が落ちてくるのを見たマリンは、空の世界へ指輪を返そうと考える。ウリンは空の世界(人間の世界)への恐怖から反対するが、マリンに押されて一緒に空の世界へ旅立つ。空の世界で指輪の持ち主である宮守夏音を見つけるが、その指輪は別れた彼氏から貰ったものであったため、再び今度は山の方へ投げ捨ててしまう。

声優・キャラクター
阿澄佳奈、寿美菜子、堀江由衣、福井裕佳梨、間島淳司、永井幸子、納谷六朗、儀武ゆう子、豊崎愛生、沢城みゆき

イブわんわん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

意外と内容は深かった

サトジュン監督作品で全13話。

OPとEDはサトジュン監督らしい柔らかくて暖かい綺麗な感じです。
で、前半はサトジュンらしさはちょっと控え気味な感じだが、中盤あたりからは監督らしい内容なので、見るときはそこら辺を意識しないと、つまらないアニメで終わってしまいそうです。
私の場合ですが、前半は軽い感じで見ておりましたが(見ていられる)大げさかもしれませんが、中盤あたりから別のアニメのような印象を受け五感をフル稼働してました。

新白雪姫伝説プリーティアやプリンセスチュチュみたいな感じの物語で、人間の心の光と影を監督らしい描写で表現しております。

最後はちょっと切なかったですが、サトジュン監督の意図が汲み取れれば、結構面白い作品ではないかと思います。
キャラに萌え萌えしていると、大事なところ見失う恐れがあり。

予想以上に楽しめた良作アニメだと思いました。

ただ、作品の作り込みにどこか余裕が無いような印象も受けたのだが、大人の事情かな?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人は誰でも悲しみを経験している。だからこそ優しくなれる

このアニメは、人の心の悲しみを丁寧に描写しています。
監督はARIAの監督もされた佐藤順一さんです。

物語は、海底で暮らすマリンと幼い妹のウリンが、落ちてきた指輪を持ち主に返すために島に上陸するところから始まります。

島で二人は、空の巫女の夏音と出会います。そしてマリンは海の巫女として目覚め、邪悪なセドナの手下と戦います。

最初は美少女戦士の物語かな?と思いましたが、中盤から内容が一変します。

まずは、ウリンの心の悲しみに共感しました。
{netabare}
自分がトラブルの原因をつくり、しかもそれを解決しようとする姉マリンの役に立つことができないため自己嫌悪に陥ります。
そして、大好きな姉が夏音と仲良くなるため嫉妬します。
人間誰でも、大好きな人が自分よりもほかの人と仲良くなったら、心が痛みます。
{/netabare}

失恋した夏音の心にも感じるものがありました。
{netabare}
夏音が「こんなことなら好きにならなきゃよかった」とつぶやいた言葉は、心に突き刺さります。
でも、人を好きになるのは、どうしようもないことだから・・・誰でも抑えることができません。
{/netabare}

そして、邪悪なセドナの正体を知ったとき、つらくなりました。
{netabare}
どんな人にでも、いつかは悲しみは訪れます。そして、誰でも、その悲しみから逃れようとします。
その行為を非難することはできません。
{/netabare}
人は、自分の悲しみや弱さを経験しているからこそ、他人にも優しくできるのだと思います。
夏音の母が経験した悲しみを知ったとき、胸が強く締め付けられました。

オープニングは marbleが歌う violet です。
エンディングは、伊藤真澄さんが歌う 透明な祈り です。
よく出てくる挿入歌は、宮原永海さんが歌う てぃだぬひきゃり です。
どれもこれも癒される曲です。
特に『てぃだぬひきゃり』は島唄ですが、この物語の展開に欠かせない重要な曲です。心に深く染み入ってきます。

登場人物に思い入れをしながら見られる方には、お勧めのアニメです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 19

woa さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

空と海は分かちがたい

2009年放送。全13話。

舞台は奄美大島である。外見や出自に似合わず内容はあるひと夏の出会いと別れがテーマとあって、大変シリアスなものだ。

最初はほのぼの日常系アニメかと思ったが、シリアスへの心情変化も丁寧だったのでよりこのアニメの日常パートがどれだけ貴重だったかを思い知った。

ある人間が失意のあまり海に落とした感情を人魚が送り届けるという童話のようなストーリー。

海から来る脅威に空と海、ふたつの世界の巫女は立ち向かう。実際には海の脅威とは花音の指輪が象徴する人間の弱い感情そのものであり、空の巫女の視点で見ると、この脅威は海の巫女自身を含むものである。それは巫女の血を引く妹や巫女自身が最も日蝕の影響を受けやすかったことからも明らかである。しかしこれは彼女たち自身の不安定な心理によってというよりもふつうは5分の日蝕が10分間続いたことによる人間側の不安な心理がセドナを介してマリンたちに伝わったものと思われる。しかし二人を陸に上げる原因を作ったのは人間である空の巫女自身なのだ。

島唄が示すように空と海が、人間の負の感情と正の感情の因果関係が分かちがたく結びついているように、相互に繋がっているというのがこの作品の世界観なのだ。

しかし、ウリンが指輪を花音に返すことで唐突に別れ、空と海が分かたれる掟が訪れることからもわかるように、逆にお互いが強固に繋がっているからこそ分ける必要もあるのだ。マリンが沈んでいるときは花音がフォローしたように、空と海は同じではないし、あってはならない。

そして花音とマリンは再び出会うことは無いのである。ラストの空と海の巫女がお互い相容れない世界にいながらも、心は通じ合っていると小島が言い、マリンもいつかジュゴンたちと会える日が来るだろうと妹のウリンに言うシーンは実際には二度と会えないことが小島にもマリンにもわかっているからこそ良いのである。一方でウリンと花音は再び会えると信じて海洋学を勉強したり、サンゴを修復したりすることが出来るのだ。

海と空を分かつ掟というのは、今回の指輪の経緯から考えて、海の人間の空の世界における心理的な影響を受けやすい性質を考慮して作られたはずなのであり、それゆえにウリンや他の海人たちは空の世界に憧れつつも恐れているのだろう。

最終話で描かれるように、自然開発によるサンゴ礁の減少や乱獲や餌場の縮小によってジュゴンの個体数が減っている等の描写から見ても、海にとって人間は大きな脅威なのだ。

マリンやウリンなどを見ても、確かに海人というのは人間の世界で暮すには繊細すぎる。しかし、亀によれば将来的には海人と地上の「人間自身」が変われば海と空を分かつ掟が変わり海と空が共存できる日もいつか来るかもしれないのである。

追記

OP演出の変化は必見である。マリンたちが見つめる二匹の魚が次のシーンでワリンとサムに入れ替わるのは、海人が魚の擬人化であることを示唆しているように思える。


最初指輪を綺麗だと思ったように、花音の目の輝きは綺麗だとマリンは言っているのだ。だから彼女は最初から外の世界を恐れなかったのである。

一方で、迷子になったウリンを見つけるのはいつも海人のマリンではなく、人間の花音なのである。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

72.9 3 巫女で友情なアニメランキング3位
ささみさん@がんばらない(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (1335)
6828人が棚に入れました
引きこもりの「ささみさん」と奴隷体質の「お兄ちゃん」のささやかな生活に降りかかる、八百万の神々による怪奇現象。
そして、個性あふれる「邪神三姉妹」とのありえないラブコメ。
そんな日常系として描かれる非日常の物語。

声優・キャラクター
阿澄佳奈、斎藤千和、花澤香菜、野中藍、大塚芳忠、沼倉愛美、日高里菜
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

がんばらないで見るのが調度良い、シャフト演出が光る作品

2013年1月より放送
全12話。


【前置き】

「物語シリーズ」「まどか☆マギカ」等で有名なシャフト制作。
放送当時も見ておりましたが、ふともう一度この独特の世界観に触れたくなりDVDで視聴しました。

シャフト制作アニメは毎作DVD版で、「そこまでこだわらなくて良いでしょ!」って思う程の異常な量の作画修正をしてくれるので、2度見するのもまた楽しいですしね。



【あらすじ】

主人公、『月読 鎖々美(つくよみ ささみ)』通称「ささみさん」は、ヒキコモリです。
着替えるのも、食事をするのも、とにかく「がんばらない」。
その生活の面倒を見るのは、異常なまでの奴隷体質の「お兄ちゃん」唯一人。

そんな彼女は、実は神霊「最高神のちから」をその身に封じた『月読の巫女』であり、これまでの環境や辛く非人道的な修練の日々から、遂に逃げ出して来ていたのでした…。

この兄妹と、難癖もある『邪神(やがみ)三姉妹』を中心に、八百万(やおよろず)の神々による怪奇現象が、面白おかしく時に残酷に…彼女の身に起こっていきます…。


【論じてみる】
{netabare}
本作は、シャフト制作作品の中では今一つの知名度ですね。
しかし、その独特の雰囲気や演出は、まさにシャフトらしさに溢れています。
前知識が無くても、これ「物語シリーズ」っぽいっと思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。

キャラクターも皆可愛らしく描かれ、それを彩る作画に関してもシャフトの中でもかなりのクオリティ。
ささみさんの部屋でのみ入る、シャボン玉越しに画面を眺めているような淡い七色タッチの演出も、とても独創的でしたしね。
本編が終わったかと思えば、エンディングでは毎回キャラクター達のガヤが激しかったり、次回予告でも趣向を凝らしたヒキコモリ小ネタが色々と用意されたり…。

こういう、普通ならただ仕上げるだけで終わるところに
「もう一癖入れてやろう!」
という製作者の心意気を感じたのが、私が本作をもう一度見たくなった理由だったのかもしれません。

ただ…、肝心のシナリオに関しては、改めて観直してもイマイチでしたね。
原作が完結していないこともあり、全12話で全容が全く描ききれていない…、もとい描き切ろうとする感じすらなかった点が、何よりの残念要素だと私は思います。



冒頭は、まさに謎だらけのキャラクター達の理解不能な展開が続き、置いてけぼりをくらいます。
(この時点で、既に初見の人は視聴をやめかねないかもしれませんね…。)

世界観の説明は、第3話での「ささみレポート」。
ここでやっと、この「日本神話」を主軸にした世界観と、人物設定が明かされていきます。
ささみさんが、これまで色々な柵に縛られていた自分を断ち切る為に、あえて今は「がんばらない」ことにしていることが垣間見えてきましたね。

ただ「最高神のちから」と一言で言われても、意味不明な人も多かったかと思います。
とても分かり易く言えば「涼宮ハルヒ」に近いチカラを、ささみさんも持っていると思えば大きな差異もないかと…。
ただ、ささみさんはハルヒと違い、その自身のチカラを理解し、コントロールしようとしているのですが…。



さて、どこかファンシーな ささみさんの雰囲気とは違い、描かれるのは日本神話を元とした八百万の神々達。
これを、シリアスに見たらいいいのか、気楽に見たらいいのか…。

それこそ、タイトル通りの「がんばらない」。
世界観や台詞を覚えて、シナリオを熟知しようというよりは、基本的に演出や小ネタを見て気楽に楽しむが一番の作品のように私は思いました。
そうして身構えていないからこそ、世界観がガラリと変わった時も余計に楽しめるかと思いますしね。

何より、キャラクターがそれぞれ可愛いので、そう楽しむのが一番です。
変に萌えに走りすぎていないキャラクターデザインも、個人的には好みでしたし。


ささみさんは、阿澄佳奈さんの声が非常にマッチしていて、気怠さと頑張らなさ加減が光っていましたね。
「邪神三姉妹」も、でっかいロリから、ロリババァに加え、メカ女子高生と、バラエティーに富んでますし。
この姉妹に関しては人によって好みが大きく分かれるので、論争の火種にもなりそうですが…(笑)

ちなみに私は断然、次女のメカ女子高生『邪神 かがみ』派でした。
ちびまる子ちゃんのような黒髪ショートの髪型は勿論のこと、特徴的な「~のです」の喋り方や、時に挟む暴言、さりげないオヤジギャグ等々。
そしてそして、毎度眠たがる際の彼女の

『ふにゃぁ~~♪』

に、私はもぅイッチイチと悶え苦しんでおりました。
(この苦しみには、恍惚がブレンドされています。)

声を演じられているのは大人気声優の「花澤香菜さん」。
私としては、彼女が演じた数多くキャラの中でも、このかがみが個人的にかなり上位に食い込む程大好きなのです。
「千石撫子」「黒猫」「結城美柑」「天使ちゃんマジ天使」と、少し上げるだけでも名立たる超有名キャラが揃い踏みですが、それでも決して負けてはいません。
不器用ながら、とても友達思いの良い子ですしね。

いやまぁ、後の姉妹も良いんですけどね。
ロリにロリですし(*´Д`)ハァハァ



さて、物語としては中盤の、ささみさんとお母さんとの回が最高潮でした。
ここに関しては、本作をアニメ化にまで押し上げる人気となっただけの良エピソードだったと思います。
あのお母さんの、頑なな姿勢とその反面の内にあるデレっぷりは、とっても可愛かったですしね。
(しかしまぁ「働きたくない」「がんばりたくない」に加え「死にたい」を連呼するお父さんといい、ささみさん一家のキャラは濃すぎますね…。)

ただ、以降のエピソード「悪徳オカルト結社『アラハバキ』との一戦に関しては、かなり投げっぱなしで終わっている感が強く、多くが謎のまま先の展開を暗示せず物語が終わります。
この点が、本作最大の短所と言えるでしょう。
シャフト制作では、原作シナリオを忠実に再現することが多く、このように話が途中で終わるケースが多少ありますが、「化物語」などはそれでも物語の区切りはしっかりしておりました。

今現在の話題性を顧みて、まず2期がないことを考えると、本作は結局ただの原作販促アニメでしかなくなってしまい、非常に残念です。
決して内容が悪くないだけに…、余計にそう思います。
{/netabare}



【変態お兄ちゃん、月読 神臣(つくよみ かみおみ)】
{netabare}
さて、前述でも述べた通り本作は、ささみさんや邪神三姉妹が、可愛く個性的なキャラ立ちを見せるのですが……。
私的には、この奴隷体質の「ささみさんのお兄ちゃん」の強烈なキャラ立ちに、全部食われてしまったのでは…とすら感じましたね。

作中一切顔を見せないその風貌だけでも、既にかなり異質に見えるのは当然として…。
(この顔を見せない演出も見所!)
その行動や言動は、全て妹のささみさんへの溺愛に満ちており、


『お兄ちゃんはいつでも、ささみさんの側にいますよ~。

 お兄ちゃんを1人見かけたら、30人はいるものと思って下さ~い。』


なんてゴキブリ染みた変態発言は、最早日常茶飯事。

彼女への奴隷的な振る舞いも非常に板についており、回転寿司での一コマでは会話の合間にある

「あっ、次サーモン」「シャリ半分にして」「ワサビ嫌い」「シャリにお醤油付けたら殺す」「フーフーして」

という、ささみさんのワガママ要望に全て迅速に対応したりと…、気持ち悪い反面なんだか私もこんなお兄ちゃんが欲しくなっちゃいました。
…いやまぁ、その後すぐ全裸になって、

「僕を…、僕を食べて下さ~~~~~い!!!」

と言って、回転台から流れてくるような人なんですけどね……。
まぁ一応ちゃんと、お寿司を乳首に乗せてはいたようですけど。(←なんのフォローだ!)


ただ、基本的にゴキブリのような扱われ方をされているワケですが、その実ささみさんも

「お兄ちゃんが変態だったから、私は落ち込んでいる暇もなくって…。

 ……おかげで救われた。」

と言っているシーンもしっかり描かれているのが、また良いんですよね。
にくい兄貴ですね、こういうキャラクターはホント大好きです。


声優「大塚芳忠さん」(ワンピースの「Z」や、NARUTOの「自来也」等を担当されています)の起用は、「お兄ちゃん」というにはいささか高齢の声に思えましたが、それを補って余りある演技力に脱帽しました。
あの低い声での剽軽な言動の数々は、非常に耳に心地良かったです。

彼のその異質さの起因は結局、作中で明らかになることはありませんでしたが…、そのミステリアスさも含めて作中でもダントツのインパクトでした。
お母さんから「哀れな存在」と呼ばれていた彼ですが、その言葉にはこの個性以上の何かが、きっとあるのでしょうね…。
{/netabare}



【総評】

やはりアニメ単体として見る限り、説明不足で尾を引く展開のまま終わっていることは大きなマイナス。
あえて説明していない点があるにしても、それが人気に繋がらなければ商業作品としては失敗と言っていいでしょう
そういう点からも、人には自信を持ってオススメは出来ない作品です。

ですが中盤までの展開は、日常とシリアスを上手く表裏させた作りで、高クオリティの作画で彩られる可愛いキャラクターと、その演出や多くの小ネタも含めて、個人的には大いに楽しませてもらいました。
オープニングの「Alteration」(ZAQ)も、とても好みでしたしね。


しかし、やはりなんといっても…、ささみさんのお兄ちゃん。

『婚姻届は既に、ささみさんの名前を書くだけのものを用意してありますからね!

 法律だけが、僕らの敵ですねぇっ!!!』

なんて異常な台詞を繰り返す、この上なく残念なキャラクターを愛でる、そんな作品でした。
視聴の際は、是非がんばらないで♪


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『月読 神臣(お兄ちゃん)』 声 - 大塚芳忠さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『邪神 かがみ』 声 - 花澤香菜さん



以下、私がもし「お兄ちゃん」になったら……。
(※どーでもいい話なので〆ますね。)
{netabare}

ちなみに私も、ささみさんのような可愛い妹がいたら、

きっと本作のお兄ちゃんみたく、この上無い愛情を行動で示そうと躍起立つのではないかと思います。


ともすれば当然、私も彼と同じように、妹に美味しく食べられたいという気持ちから、

回転寿司で、妹の眼前に全裸で流れてしまうのでしょうね。


あぁ一応、ネタとしては「おいなりさん」となります。


どうでしょう…。

こんなお兄ちゃんで良かったら………。。。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 41
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

12話鑑賞後。第1稿。間隔開いてしまいましたので総評のみでお願いします。

原作小説・コミカライズなどはノータッチ。

新房シャフト製でなかったら、切ってたタイトルです。続けておいて良かったと感じております。

物語:先々の展開は全く読めませんが、テンポなど合っているようで素直に楽しめているので、4.0。次回予告&EDも好評価です。
声優:良くも悪くも、いつもの面々で、安心して観られます。やっぱ千和さん&花澤さんは良いですね~。いえ他の方もOKだと思います。4.5。
キャラ:話が進まないと細かいところは見えてこないのだと思いますが、問題無くいけました。4.0。
作画:こちらも問題無く観ています。このタイトルは「よく動いているな~」というのが印象。シャフトの印象というと、やはり「美麗さ」「細かさ」「独特さ」でしたので。4.5。
音楽:ZAQさんのOP、鎖々美さんのED。どちらも良いですね~。EDはそこで展開されている物語も面白いです。4.0。

総評っぽいもの。
{netabare}
・ストックすることもなく、順調に消化していました。のですが・・・神話(のような物)をベースにしたお話なのは理解できたのですが、そちら方面の知識が足りなく、コメントができずに終わってしまいました。
・個人的な評価としましては、確実に面白いと思える部類でした。
・ただのヒッキーかと思いきや頑張る鎖々美さん。いつも顔を隠していて謎ですが妹思い(?)な神臣さん。ビジュアルと年齢が真逆な鎖々美さんの応援団(?)邪神三姉妹。メインキャラからサブキャラまで見た目も立ち位置もわかり易いキャラ立てしてたと思えます。
・物語は基本先が読めない物で、次回予告もあれど予告するつもりが全く無いことが伺えつつも、面白いものでした。下手すると本編を台無しにし兼ねないEDも毎回楽しみでした。
・ただ・・・恐らく原作小説の方は終わってなさそう(あくまで推測)な上に、途中までのアニメ化っぽいでの・・・中途半端さが拭えない点が悔やまれます。
・一度ED曲をフルコーラスで聴いてみたいです。が・・・これも手に入れるには(以下略)。
・新房シャフト作品では常連のキャスト様達含め、声優陣の方々におかれましては素晴らしいクオリティだったかと思います。
・画的な方面では・・・個人的に「シャフト」といいますと「静」的な綺麗さを思い浮かべるですが、この作品では戦闘シーンを始めとした動きのある部分も印象に残りました。
・2期があるなら観たい作品です。
{/netabare}

以下各話レビュー(4話までですが・・・)
{netabare}
4話鑑賞後-----------
3話までで各キャラの設定や背景・立ち位置などが一通りわかって、「さぁどうなる?」と構えてみたわけですが・・・。

1回目では「???」となる展開でしたw
つるぎ先生のセクハラやら、月読兄のカブリ物とか、その他諸々のネタは楽しかった、そんな感想でした。

2回目でようやく、特に前半部分の、意味が理解できたわけでして。一筋縄では行かないな~と、しみじみ感じた次第です。

今でこそ続けておいて良かったと思えるタイトルです。
が、前情報無しで観始めていたら・・・とも思います。

(追記)
同僚に「明るい家族計画」について質問しまくってみました。いや・・・場合によってはセクハラなんですが、答えて頂けました。

とりあえず・・・わからない世代、いましたw
正直ショックでしたw ヒントを幾つか出して、ようやく正解にたどりつく始末でしたw

3話鑑賞後-----------
前回「改変=兄の力」と踏んでいたわけですが・・・見事に裏を掻かれたようですw 原作側にしてもアニメ側にしても、僕は思惑通りに観てしまったわけですね~。脱帽しました。

この回は各キャラの説明などが主だったと思いますので、ストーリー的な部分はスルーで。
ただ1つ思うのは・・・力の継承の為とはいえ、薬を使って意識を混濁させてまでというのは、正直重いといいますか、引くといいますか。
「外の世界を知らなければ」「何の疑問も持たなかった」のかもしれませんけども。

邪神三姉妹の助力を得たEDでしたが・・・やっぱりちゃんと歌えてないw
次回予告は「料理番組」という体裁でしたが、レンジでチンしただけな上に、作ってるのはお兄ちゃんという、これまたがんばれてない仕様w
でも面白いので有りです。

2話鑑賞後-----------
「改変」の原因がお兄ちゃんにあるんではないのか?ということに気付いたのは、1話を繰り返し観ていたときのことです。しかも結構何度も観て、ようやくw

世界観みたいなところは見えてきましたが、
・アマテラスの力は何時お兄ちゃんに移ったのか
・三姉妹の(力の)正体
そこら辺が現在抱いている謎です。

1話で家の外に出ようとしては、ケロケロして戻るというのを繰り返していたのは・・・兄妹どちらかの「力」によるものなのでしょうか。

がんばらない占いのみずがめ座の結果を楽しみにしていたのですが、占いですら無かったw ちなみに僕は「非リアの山羊座」ですw
今回はがんばらない天気予報。札幌、東京、名古屋、大阪、長崎しか無いって・・・アバウト過ぎw もうちょっとがんばってw

OP好きです。今回のZAQさんも良いと思います。咲阿知賀編の時から気に入ってます。音使いとでもいいますか、その辺り。
ED好きです。でも今回はボーカル無かったようなw でもエンドロール内では「歌・月読鎖々美」ってw がんばれ大塚さん。

1話鑑賞後-----------
と書いてみましたが、冒頭にありますように、肝心な部分が不明すぎです。ので真っ当なレビューには・・・。

・やさぐれ気味な阿澄さんが新鮮でした。
・三姉妹のサイズがおかしくないですか?w
・お兄ちゃんは妹を溺愛してますが、逆方向は? 監視装置ってw
・鎖々美さん、どれだけ体力無いの?w それとも何か要因が?
・徐々にでも肝心なところは明かされていくでしょうから、そこら辺期待してます。

{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 25
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

やべーこういうのちょうだいすきー 

諸事情により、涼宮ハルヒの憂鬱ともののけ姫のネタバレを含みます。その点に留意の上、お読みください。

タイトルと明らかに気だるげなオーラを放っている主人公ささみと甲斐甲斐しく世話を焼くお兄ちゃんを見て、なーんだ今流行の無気力世代を中心に据えた脱力形アニメかー、まあはがないの繋ぎにでも見てやるか。と最初はそこまで期待せずに第1話を視聴してました。うししししし。

所が1話の終盤から引き込まれました。{netabare}突然世界を襲う明らかな異変、それに対し、三姉妹が武器を持って切り込んだり、某最終兵器みたいに変形したり、肉弾戦を挑んだり、世界が改変? 何か某エンドレスエイトのような作品ですなあ、と思いながらも、そこはシャフトさん流石の作画力。三姉妹の名前の由来がそれぞれ三種の神器と分かったりして、日本神話をベースにしたアニメと分かってからは毎週楽しみに視聴しておりました。{/netabare}OPの格好良さも素晴らしい。中ニ病でも思いましたが、流石は、サッカー日本代表監督と同じ名前を持つだけの人なのです。ふにゃあ~。

日本神話が元ネタといっても、じゃあ話が滅茶苦茶かというと別にそういうわけでもなく、知らない人でも話をちゃんと聞いてれば充分理解できるレベルではなかったでしょうか。 {netabare}ジュジュ様のエピソードで若干中だるみしましたけど、その後のアラハバキの話でまた盛り返してきた感が。アラハバキは根源の説が一杯あるんですけど、大和朝廷がどうたらこうたら言っていたから、蝦夷説かも。ちなみに蝦夷はかつて、私達のご先祖様と戦って、負けて、東北の辺りに逃れたという民族です。有名所で言えば、もののけ姫のアシタカは蝦夷の末裔ですね。その蝦夷が崇拝してたのがアラハバキだから、今の世界は気にいらねえ!作り変えてやるぜ!という流れになって、ささみ達と対立したと思います。最後に何の説明もなく出て来た唐突な赤髪の男はツルギの関係者っぽいので、アマテラスと関係深いスサノオ神かもしれないですね。{/netabare}ふにゃあ~。

という事でその手の話が結構好きなせいか、私は楽しめたんですが、不満も勿論あって、 {netabare}おにいちゃんが終盤になるに従って空気化していったのが残念ですね。ほーちゅうボイスの魅力もあって、私は好きなキャラだったんで。2期がもしあったら私はおにいちゃんを大活躍させて欲しいと思います。最後にこれだけは言わせて!この作品を見て、神様達ってこんなに俗っぽい人達なの?ちょっと盛ってんだろ?と思う人いるかと思います。そうなんです!神様って全部が全部とは言いませんよ。でも凄く人間臭いし、いい加減な奴等もそれなりにいるのです!だって人間が作り出した話なんですから。{/netabare}これで『古事記』とか『日本書紀』に興味を持ってくれる人が増えると嬉しいのです。図書館に行けば、『まんが日本の歴史』みたいに漫画で詳しく説明してくれる本もありますしね~。結構面白いっすよ!だおー。

ちなみに私が一番好きなヒロインは〇〇〇です!
ヒントは本文中に隠されているよ!
ほぼこのレビューネタバレじゃね?知らんがな。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 33

72.1 4 巫女で友情なアニメランキング4位
STAR DRIVER輝きのタクト-スタードライバー(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (935)
5111人が棚に入れました
日本南方に浮かぶ島・南十字島。ある夜、島の海辺にツナシ・タクトという少年が流れ着く。本土から身一つで泳いできたタクトは島の学校・南十字学園高等部へ入学し、その明るく前向きな性格で、アゲマキ・ワコやシンドウ・スガタら学園の生徒たちと交流を深めていく。だが学園の地下には、「サイバディ」と呼ばれる人型の巨大な像が多数眠っており、生徒たちはそれぞれサイバディにまつわる秘密を抱えていた。そしてそれは、タクト自身も例外ではなく…。

☆彩花 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

銀河美少年の視聴率が日曜5時最低記録からあがっているw

      R2  002  鋼FA 戦弐 輝   
第01回…3.0%  4.5%  3.8%  5.3% 1.2%  
第02回…2.6%  4.4%  5.3%  2.1% 1.7%  
第03回…2.8%  4.2%  3.3%  1.8% 3.2%  
第04回…1.4%  3.0%  2.6%  2.5% 2.9%  
第05回…1.8%  5.1%  3.4%  3.0% 3.6%

002>鋼≒輝>R2>バサラ

ギアスに勝って! 銀河!美少年!!

これ今期いちばんいろいろな意味でおもしろい。
いろんな要素が詰まってて、女子的には高評価なのよ。

学園だし、テンポいいし。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

まいまい さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

バカにされがちですが、普通におもしろいアニメ。

おもしろい。

銀河美少年とか綺羅星☆とか、変な言葉がたくさんでるから
笑えるアニメとされがちですが、実はその変な言葉は
説明されずに使われてるから笑われているんです。

アプリポワゼとかフェーズ1とか。

でも、それって言い換えれば全て伏線なんです。

この綺羅星とかおとな銀行とか、
謎の言葉の秘密がこれから後半にむかって
徐々に解明されていくんだと思います。

でももし解明されなかったら、ただの笑えるアニメですw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8
ネタバレ

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

σ(o・ω・o)のスタドラ愛は本物のようです。(さらにさらに追記あり)

【はじめに】
 一部で評価が突出して高いものの、
 全体的に見れば「ネタアニメ」的に認知されているのかな?。
 かく言う自分も、はじめてこの作品に触れた時は
 「何だコレは!?wwww」的に軽く見ていましたが、
 見れば見るほど惹きこまれてさらに見たくなる・・という謎の中毒性。。
 結論としては自分がアニメに求めているものが
 ほぼすべて詰まった素晴らしい作品だったことに最近気付いてきました。
 ということで、気合を入れてレビュー全書き直しです^^。


【ジャンル】
 まず最初に、このアニメのジャンルは何だろう?って考えてみましたが
 「学園もの」
 コレが自分的には一番しっくりきます。自分が一番好きなジャンルかもです。
 えっ?ロボットものなんじゃないの?って未見の方は思うかもしれませんが、
 ロボットはおまけ要素だと思います。
 なんというか、ロボットというよりは
 そのキャラの現実世界の延長線上にあるものが具現化されたもの?
 ・・みたいな感じのものだと自分は思っています。

 こういった代替のものを使って表現されているものとしては
 演劇部による演劇や、某キャラが語り聞かせる物語、もそうですね。
 物語の核心を”別のカタチ”をとって抽象的に示唆しているのかな?。
 謎めいた表現っぽく感じられて、好奇心そそられますね。


【印象的な言葉】
 あとこの作品には忘れようとしても忘れられない「印象的な言葉」が多々あります!。
 全部は書ききれないし、ネタバレにもなってしまうので、いくつかだけ紹介します。
①「銀河美少年」
 美少年なんて言葉を聞いたのはパタリロ以来ですw。それに「銀河」をくっつけるなんてw。
②「アプリボワゼ」
 ずっと造語だと思っていたのですが、ちゃんと意味があったのですね!。
 『星の王子様』という本を読めばわかるそうです(自分は未読ですがいつか読みたい)。
   {netabare} “きずなをむすぶ”、”関係を築く”、”能動的に仲良くなろうと働きかけること” {/netabare}
  他にも解釈はたくさんあるのでしょうが、とても美しい言葉の響きだと思います。
③「やりたいこととやるべきことが{netabare} 一致する時、セカイの声が聞こえる {/netabare}」
 これ、すごくグッときた言葉ですっ。σ(o・ω・o)がタクト君を好きな理由の1つでもあります。
④「何が○○○○○だ、○○○○○○」
 すごくツボに入った言葉でした。いろんな捉え方のできる素晴らしいセリフだと思います。


【登場キャラ+声優さん】
 自分がアニメ作品を好きになれるかどうかの1つ目安として、
 ”どれだけ好きなキャラがいるか?”というのをいつも考えるのですが、
 本作でもほぼ全員好きになってしまいました。
 本作は”かなり登場人物が多い作品”と言っていいんじゃないかな?。
 ・・正直、細かいところは今でも全部覚えきれてない部分もありますが(名前や担当声優さんとか)。
 特筆すべきは「どのキャラもすごくキャラが立っているのに全くイヤミがない!」というところです!。

 全員は書ききれない(全員書きたいが)ので、自分が特に惹かれたキャラを数人だけ紹介します。
①主人公
 このキャラに出会ってはじめて声優の宮野さんのことを知り、どちらも好きになりました。
 主人公のことは、とにかく本編をみて感じ取ってください^^。
 宮野さんって演じるキャラの年齢や性格とかをホントに上手く意識して演じられてると思います。
 あと、ファンや視聴者に対するサービス精神が群を抜いて素晴らしいと思いました!!。
②おとな銀行頭取
 物語全体の中で、すごく重要な位置にいるキャラだと思います。
③保健の先生
 完全におバカなネタキャラですよね。でもそこがいい!^^。


【挿入歌、OP/ED曲】
①サカナちゃんの歌
 四方の巫女の歌はどれも素晴らしく、一般的なキャラソンの枠にはとても納まりきりません!。
 中でも気多の巫女(戸松遥さん)の歌「モノクローム」は最高ですね♪。
 吸込まれるように神秘的な歌声だと思います。
 この曲のおかげ(せい)で本作を好きになったともいえます!!。
 また、サカナちゃんの語りに耳を傾けるヘッドの姿も印象的でした。
①1クール目のED曲
 同立の1位で、9nine「Cross Over」がハズせません。
 何気なくEDに流れてくる主人公3人の仕草とこの歌声、歌詞。
 気付くと、この曲のせい(おかげ)で本作を好きになっていました。


【演出・その他】
・全体的にテンポがよくて、キャラの描写が明るい(性格的に)。
 適度なデフォルメ描写、言葉選びや、間のとり方等も絶妙です^^。
・”お色気の表現”がお洒落で素晴らしい!!。
 BGMだったり、声優さんの熱演だったり、シチェーションの妙だったり、間接的な映像だったり・・
 ワコの妄想だったり^^、
 想像をかきたてることで、よりいっそう臨場感を高めていますよね。


【背景の描写】
 背景の描写、素晴らしいですね。
 星空に流れ星が流れるところなんて、ワクワクさせられてしまいます。^ヾヾ☆ヾ
 他にも海面の水のゆらぎ、夕日に照らされる木々やその他もろもろ。
 舞台が南の島でホントによかったです!。
 そういえばつい最近、田舎の描写が素晴らしい某アニメ作品がありましたよね。
 それに通じるものがあるんじゃないかな?って自分は思ってるのん。
 後の”本作の劇場版”で都会が背景になったのを見た時、正直自分にとっては魅力が激減しました><。
 やっぱ南の島でこそ見れる自然あふれる風景、
 澄んだ空気でなければ決して見ることができない、目を奪われるほど美しい星空(ゼロ時間の星空にも通じてると思う)。
 これは本作の大きな特徴の1つだと思っています。


【ヘッドの描く絵】
 寮に飾られているあの絵、素敵だなあ。描いてる人の感情まで映し込まれている気がします。
 うちの部屋にも飾りたいなあ。


【結論】
 気合入れて全文書き直したのに、ぜんぜんまったく書ききれていませんっ><。
 とにかく書ききれないほど、この作品はいろんな輝きに満ち溢れています!。
 1度見ただけではなかなか見えてこなかったり、
 時間が経って改めて見ると全く違う見え方をしたりする作品だと思います。
 とにかく現時点での”自分のお気に入り”、”人へのオススメ”
 ともにNo.1の作品なのです☆。

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※懲りずに早くも追記。。

【全25話】
 「イタいw」「馬鹿馬鹿しいw」「くだらないw」「どうかしてるw」「ネタアニメ」
 いろいろ評される本作ですが、どの言葉も実際その通りなんですよねww。
 でもほんのちょっと角度を変えたら、それがすごく魅力的に映る”稀な作品”なのだと思います。
 間違いなく”人を選ぶ作品”ですが、でもやっぱり多くの人にこの作品の良さを知ってもらいたいです^^。

 自分にとっては他作では替わりのできない”かけがえのない傑作”だと思っています。
 1話から25話まで全話が素晴らしい出来で、それぞれに意味がありつながっています。
 (・・あ、劇場版はなかったことにしてる自分です)。


【キャラへの思い入れ追記】
 タクトくんの幼馴染2人、これは欠かせません><。あの話が一番好きかもです。


【結末】
 ワコのモノローグで締めくくられる本作ですが、自分にとっては最高のエンディングでした!!。
 {netabare} 2人の間でどちらも選べず、どっちつかずで残念だったとガッカリされる方も多いようですが、
3人にとっては、まだまだこれから物語が続いていくわけですから、こういう形がベストだったと思います。
それに作品が終わってしまってからも、視聴者に妄想する楽しみを残しておいてくれるなんて、
なんともうれしい最後の贈り物だったと思っています^^。 {/netabare}


【タクトくんの第一フェーズ】
 ワコのモノローグで語られます。これはぜひぜひ実際に本編見てから聞いてほしいですね(∩.∩)。

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※またまた追記><。

【魅力】
やっぱり最高の作品です!。何周でも観られます。というか見る度に理解が深まって愛着が倍増します。
登場キャラそれぞれの人間性がとても魅力的なんです。
「秘めた想い」「ふと見せる表情」「負けを認められる潔さ」「秘めた優しさ」etc,
ぜひぜひ、作品を見て感じてほしいです。


【3人という関係】
主人公組はもちろんですが、他にもいろんな組み合わせの”3人という関係”が物語の中に多々出てきます。
同じ3人でも、その関係のカタチはいろいろさまざまでその対比がとても面白い(興味深い)です。


【デザインや色使い】
キャラデザインは自分にとっては満点です!。感情の微妙な変化まで、すごく巧みに表現しています。
色はありとあらゆる色彩すべて使ってるんじゃないかな?。
でもそれぞれの色が主張しすぎず見事にやさしく調和しています。
野球エピソードの色使いが特によかった。


【やっぱりキャラが好き^^】
(スガタ)優しく見守る笑顔が最高です。
(演劇部部長)7話でタクトに言った言葉が強く強く印象に残ってます。
(ヘッド)憎めない人だし、やっぱり魅力あふれる人だなあ。
     マスクの三角目と口元だけ見てるとシャアに見えてくるww。
(リョウスケさん)若い時のエピソードにグッときました。
(マリノ )呪文のセリフと、野球のシーンがお気に入り。
(ケイト)カラオケシーンは誰もが魅了されましたよね^^。
     あと、野球のシーンも超お気に入りです♪。
(ベニオ)超絶好きなキャラのうちの1人です。主役回が特によかった。
(ホンダ・ジョージ)12話、最高に((o・д・)bグッジョブ♪。
          顔アップのデフォルメ目が最高でしたっ。
(サカナちゃん)天使です^^。
(ハナ)実はかなり好きなキャラです!。声もいい演技だったと思います。
(ナツオ)タクトの○○ですよね。笑顔とあのセリフが最高でした。

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※またまたまた追記。。

【五十嵐さんx榎戸さん対談記事読んで】
対談形式で、作品に込められたテーマが語られていて、
あそこのこれはこういうことでって、ちょっとだけ明かしてくれてとても感動しました。
「タクトは1度、○○している」
なるほどー、たしかにたしかに^^。これすっごく大事なポイントですよね。
「この物語は主人公が○○○○○○に○○○○○○○○○もらうまでの物語」
って語ってたことに、なるほどー、そうそうそう^^。って感激。

【何周も見てさらに追記】
もう何周も見てるんですが、ホント1話1話、最初の1コマから最後の1コマまで、
ちょっと目を離したら見落としてしまいそうなところに
フッと各キャラの心情描写が描かれていたりして、
後で繰り返し見る事でそれらの理由が徐々に理解できて、それらがつながって、
その想いの強さだったり深い心情に、すごくすごく満足感が満たされるんです!!。

なんというか、1つの長編映画を見てるような気分にさせてくれる作品だなあ。
やはり現時点で自分の中で「最高傑作な作品」なのです^^。

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※またまたまたまた追記。。

★最も好きな回は?
はい。正直いって全部です!。全部の回が1位といってもいい。順番なんて意味がありません!!。
しかし、その中でも特に!というのをあげてみます。
①第16話「タクトの○○○」:
 幼なじみとのエピソードが描かれるこの回が一番好きかもです。
①第22話「神話前夜」:
 素晴らしいタイトル^^。物語の核心に触れるエピソードでしたね。
①第19話「3人の日曜日」:
 タクトとスガタの優しさがあふれ出てる回。2人がいかにワコのことを大切に想っているか、またワコがどれだけ2人のことを想っているかがにじみ出ています。
①第8話「いつだって流星のように」:
タクトとスガタのぶつかり合いですね。最後のゼロ時間の雲が○○○演出は2人の心を同時にあらわしていて、ほんとうに素晴らしかった!。
①第21話「リビドーなお年頃」:
 最期のワンシーンでワタナベカナコがシモーヌに言った言葉が最高にシビれます!。かっこいい!!。
 σ(o・ω・o)もそういう本当に強い人間になれたらなって思いました。
①第12話「ガラス越しのキス」:
 最期のシーンでワタナベカナコがポロッと自分自身に言い聞かせる言葉が、もうたまりませんでした!。これは反則レベルでキュンときました^^。


★タクトと宮野さん
レビューを追記すれば追記するほど、再視聴を繰り返せば繰り返すほど、
タクト役が宮野さんで本当によかったと思ってしまいます。
・・というか宮野さんじゃなかったらこんなに本作を好きになることはなかっただろうし、
繰り返しみることもできないでしょう(何度も見ると飽きてしまって)。
何回もみてストーリー展開わかってるハズなのに、
何度見ても(さすがに連続周回は飽きるので、1周したらしばらく時間おいて)
新たな新鮮な気持ちで何かしらの驚きと喜びを感じてしまうのです。
他作品でも「変態役をやらせたら右にでる者はいない!」という意見をよくみかけますよね。
実際σ(o・ω・o)も以前からそう思ってたし、それはそれでいつもほんと期待してるし楽しませてもらってます。
しかし!、自分が思う宮野さんの神髄は、なんといっても「ポジティブな精神」を
キャラに吹き込むことだと思うのです。そして、それはまさにタクト君の第一フェーズに通じる
ものがどこかあると思います。
あ、そうか!。宮野さんはタクト君と同じ第一フェーズをきっと持ってるんだと思います!。
いまこうやって書いてて初めて納得しました^^。


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※さらにさらに追記。

8か月ぶりのレビュー追記です^^。
・・よく8か月も追記せずに我慢できたなと自分をほめてあげたいくらいw。

・・何回も再視聴していますが
「飽きてしまわないか??」という以前からのσ(o・ω・o)自身の心配をも跳ね返して
毎回毎回そのクオリティーの高さに酔いしれてしまうんです・・。

このサイトではあまりレビューが上がってこないですよね・・(寂)。

そりゃあ、放送当時はかなり話題になってましたが
それももう何年も前の話だし
最近アニメを観始めた方にとっては
まず知る機会もそんなにない作品なのかな??って
少し勿体ない気がしてしまいます。

あと、”本作が誤解されやすい要素”として

「よくあるハーレム作品じゃないの?」

ってのが危惧されるのですが
自分にとってはまったくそれはあてはまりません!!。

・・だって”魅力ある人物”に多くの異性が惹かれてしまうのは
ごくごく当然のことであるし
本作はそういった”主人公の魅力”がしっかり描かれ演技された作品であることを
納得させられてしまったからです!!。

主人公以外の全ての登場人物も
それぞれに”それぞれの輝き”(それぞれの銀河の綺羅星)
を見せてくれる他にはなかなか見られない素晴らしい作品ですので
何かの機会があればぜひ試しに観てみてほしい作品なのであります。

自分にとっては本作が”何より人に薦めたい作品”なのです!!!。

追伸:最近SHIROBAKOの影響を受けて本作の原画集を購入しました!。

改めて本作を作り上げてくださった全てのスタッフ様、アニメーター様、その他もろもろの方々に

感謝感謝なのですペコリ(o_ _)o))。


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放送開始、祝10周年!・・とかで何かお祝いみたいなのないかな~?と思っていましたが
まさかの緊急事態宣言が発令される現在の情勢・・。

こんな厳しい現実の中ですが
自分は本作をまたまた再視聴し、結果、たくさんの元気と喜びと勇気をいただきました!。


さすがにもう飽きて観れないんじゃないか・・と毎回おそるおそる再視聴開始するのですが
不思議なことに、観れば観るほどさらに好きにさせられてしまいます!。いまだに発見も^^。
そしてまた追記したくなってしまいましたw。


実は数か月前にTVを買い換えました。4K対応でそこそこの画面サイズです。
ということで、今回は今までの視聴よりも大きいサイズ・高精細な画面での視聴でした。
所有BD BOXのフルハイビジョンの映像が最大限発揮されていて
画面から伝わる構図や動き・発色の素晴らしさ等が何倍にも倍増しまくりました!!。

自分は画質至上主義ではありませんが
できればやはり本作は大画面・高解像度で観てもらったほうが
より伝わるものが大きいと確信しました^^。


本作の絵の構図、ホント素晴らしいです!。

あと、手書きとCGも絶妙にいいとこどりで融合してると感じます♪。
キャラクターはしっかり手書きで
でも水面のゆらぎやゼロ時間に入る直前のシーンなど、目を奪われます^^。

あと、やっぱ夕日の輝きの美しさと輝きの強さ・やさしさです!!。


ストーリーの状況や謎のほのめかしも
キャラ同士の自然な会話で見事に成立させている。


ワンパターンとよく評される序盤の戦闘シーンも
実は毎回バリエーション違いの工夫がすごいですよね!
戦闘から帰ってきたドライバーに対するかけあいも最高!。


あと、次回予告のバリエーション工夫!!!。
これはエウレカセブンTV版でも感心した工夫でしたが
いろんなキャラを巧みに組み合わせて、感情芝居もしっかりつけている!。


あと、単純なパクりではなく、本気の素晴らしきオマージュリスペクトの数々!!。
本作の完全な一部として機能し、原作とはまた違った次元で昇華させている!!!。

わかりやすい例)
 ・ジョジョ  スタープラチナVSザ・ワールドのラストシーン
        ノトーリアスBIGほか
 ・ガンダム  シャアの名セリフ(○せてもらおうか(以下略))ほか
 ・Zガンダム  カミーユの名セリフ(○○○にはわからないよ)ほか
・マクロス  ブリタイの名セリフ(我々にも失われた○○が(以下略))ほか
        最終話のあの爆発シーン
        あのキスシーンでも一条君と○のシーン思い出すw
        喫茶店での夕日バックは一条君と○のシーン思い出す^^
 ・エヴァ   同一声優さんの名セリフ(○ってのはいいねえ(以下略))ほか


音楽・音に関してもこだわりがハンパないですよね!。
例のあの目覚まし時計の音が使われる場面の対(複数場面)。
水滴が一滴落ちるシーンの対(複数場面)。
BGMの音の差し引きが素晴らしい。無音込みで。


セリフも似たセリフを
影響された別キャラが違うシチュエーションで使う破壊力!!。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 59

72.6 5 巫女で友情なアニメランキング5位
かみちゅ!(TVアニメ動画)

2005年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (808)
4567人が棚に入れました
瀬戸内の町で暮らす普通の中学生・一橋ゆりえは、極度の上がり症でしかもドジ。でも、心は真っ直ぐな女の子。がある日突然、神様になってしまった!?
その後は神様として拝まれたり、いろいろな人の望みをかなえたり、イベントに出演したりと忙しい日々を送っている。
人は予想もできない大きな力を手に入れたら、どうするのだろうか?
でも、大切なことは一生懸命がんばること。みんな持っていた大切なものがきっと見つかる。

声優・キャラクター
MAKO、森永理科、峯香織、野中藍、宮崎一成、岡野浩介、斎藤千和

ゆりえ命 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

「萌えとエロは違う」を証明してみせた奇跡の大作

80年代の田舎の素朴な女子中学生の生活を、尾道の自然と古い街並み、八百万の神々という極めて日本的な情景の中に豊かに描ききり、萌えとエロとは違うということを証明して見せた。

主人公の一橋ゆりえは世界で一番かわいい日本の神様。現役女子中学生だ。友人の光恵と祀、思いを寄せる健児君との素朴で穏やかな関係を軸に、登場する人たち、もののけたちのまなざしは一様に優しい。『かみちゅ!』をあえてカテゴライズすれば、メルヘンということになるのだろうか。しかし、どんな言葉によっても『かみちゅ!』の魅力を語り尽くすことはできない。

尾道を行けば、今も、彼女たちが上った坂、座りこんだ路地、立ち止まった交差点、尾道水道に向かうベンチ、自転車で走った陽のあたる道、そこかしこに、いつも通り生活するゆりえたちの気配を感じ取ることができる。ほんとうにこの街のどこかに、日の出町に抜ける内緒の入り口があって、そこをくぐると、ゆりえたちやもののけにばったり出会ってしまいそうだ。

ロケハン(ロケーションハンティング)は丁寧に行われ、その後に続く都市を舞台とするアニメの先駆けとなった。しかし、これほど広域的に街全体を、また、街が持つ特有の匂いを違和感なく物語りに取り込んだ作品は、まだ見あたらない。

『かみちゅ!』を名作足らしめている別の要素は、作中、繰り返し流れる昔懐かしいレトロなサウンドだ。この上品で格調高く、それでいて親しみやすいメロディーは、作品全体とよくマッチし、『かみちゅ!』の世界観を作り上げるのに欠くことができない役割を果たしている。

まったく時を同じくして登場した同じ14歳に綾波レイがいるが、彼女は全編を通じ、緊張感に満ち、しばしば全裸もしくは半裸で描かれた。対してゆりえは、ほがらかで、たいていは緩んだ日常を過ごし、無防備な寝顔をさらす。年齢相応に余裕がなく、焦り、慌てている。しかし半裸はおろかパンツさえちらりとも見せず、どこにもない絵に描いたような萌え声で、聴く人の心を打ち抜くのだ。

『かみちゅ!』の登場は、まさに「神様がくれた最高の贈り物」。アニメ史上、21世紀の奇跡として、百年後も千年後も語り継がれていくことだろう。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 19

にゃんた さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

官房長官がやってるんだ!

さりげない笑いがちりばめられており、それが私のツボに完璧にハマった。
リアルに笑い泣きさせられたのは久しぶりだ。
控えめなボケ&放置・・・が本当にツボなので、もう我慢できなかった。
本作のネタを考えた人とは友達になれる自信がある。


中盤以降は、上記のような笑いは減ったものの、各キャラクターがサッパリと描かれているため、
楽な気持ちで自然に視聴できた。
何も考えずに物語や世界観に入り込めたのは
作画、音楽、声優、演出、ストーリー構成などのバランスが適度に保たれていたからだと思う。
そういう部分でも優れている作品だと思った。


~考えたこと~
表現物は、相手の「喜び・悲しみ・驚き・怒り」などの感情を刺激することによって感動を感じさせるものだと思う。
刺激される感情の種類が多ければ多いほど、また、刺激が強ければ強いほど、
他の感情との落差を感じて、得られる感動が大きくなったり、余韻が強くなったり、疲れたり・・・する。
反対に、種類が少なく刺激が弱いと、単調に感じたり飽きたりする。


この作品を私が心地よく視聴できたのは、おそらく「喜び(笑いによるもの)」の感情が相当大きく刺激されたからだと思う。
そのため、その後の「驚き」への刺激が小さいものであっても、落差が大きかっために、大きな楽しみを感じられたのだろう。


自分の求める刺激と、作品からもたらされる刺激。
これらが合致すれば、その人にとって「面白い」作品になるのかな、と思った。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

破天荒な世界観の中にある、楽しさ、暖かさを味わって欲しいです

オリジナルアニメーション。
日本のメディア芸術100選にも選ばれています。


中学生の一橋ゆりえ(ひとつばしゆりえ)がひょんなことから「神様」になってしまう。
友人、家族、街の人々、八百万の神々と関わりあいながら、成長していくファンタジー。

パッケージイラストから「けいおん!」などの、女学生の日常ものを想像するかもしれません。
しかし、だいぶ違います。
周囲の人々や八百万の神々との交流をメインに描いています。
どちらかといえば「夏目友人帳」シリーズに近いかもしれません。
心温まるエピソードや、笑える小話を通して、主人公のゆりえの成長と恋物語を描いています。


設定は破天荒です。
1話から飛ばしまくってます。

どうして神様になったのか。
どうして神通力が使えるのか。
そんなことはどうでもいい。
バカボンのパパは、パパだからパパなのだ。
設定の細かさではなく、出来事に注目して見るアニメです。

中盤~終盤になると、設定はまったく気にならなくなります。
ただ、序盤にゆるい伏線を張り、終盤で回収するため、印象が薄れてしまうのが玉にキズ。
それでも、ラストの大事なシーンでは、しっかり応援させてもらいました。


時代は1980年代。
黒電話にガチャガチャ式のテレビなど、ノスタルジーを感じさせる風景が印象的です。
{netabare}
1994年に設定された「ニボシの日」を知っているケンちゃんは、きっと未来人です。
火星人が出てきたんだからいいじゃないか!
{/netabare}

笑いは豊富にちりばめられていて、バリエーションに富んでいます。
何気なく見ていると気付かないものもありますが、相当量のネタが仕込まれています。

・ダジャレ
・シュールな笑い
・鋭いツッコミ
・あとからじわじわくる笑い

さらに、歴史上の人物の名言を使った雑学系ギャグなどもあります。
そのため、雑学の知識があると、なお笑えると思います(といっても中高生の授業レベルです)。
また、ゆりえの両親のふわふわな夫婦漫才も見どころです。


キャラクターの絵柄は特徴的ですが、とっても丁寧。
作画の綺麗さではなく、ダイナミックな動きが見せどころ。
きちんとセリフにあった表情の動き、感情を表す顔や髪の変化など、細かいところにこだわりが感じられます。
ある程度ブレはありますが、ジブリ作品と錯覚するほどの回もありました。

特にしぐさ。
中学生らしさがよく出ていると思います。
恋に不慣れな、もじもじした感じが十分すぎるほど伝わって来ました。


全編を通して感じられたテーマは「自分で行動することの大切さ」です。
そこまで全面に押し出している感じはしませんが、会話の端々にメッセージ性が感じられます。

神様は「神頼み」ができないんです。
{netabare}
光恵「そりゃお願いがかなったらうれしいし楽だけど、そうしたらみんな何もしなくなっちゃうんじゃない? きっと今ぐらいの不便さがいいのよ、私たちには」
弁天様「最後に頼りになるのは、自分と、友達だよ!」
祀「でも、最後の勇気は自分で出さなきゃ!!」
{/netabare}

また、{netabare}戦艦大和の回は良かったですね。
大和「君は十分立派だよ。諦めずに、目的地に向かって、そして、戻ってきたんだ」
大和のセリフだからこそ重みがありました。


ちなみに、ラムネは実際に大和に積まれていました。
大和にかかわらず、南方への出陣ではよく見られる光景だったそうです。
潮風で塩分を吸収してしまうため、兵士が喉の渇きを訴えます。
そのため甘い飲み物が求められ、ラムネ製造機が搭載されていたとか。


閑話休題。
{/netabare}

設定に原理を求めたり、考察したい人には向いていません。
また、子供だましっぽいエピソードがあることも否定できません。
しかし、日常系よりはずっと型破りでドラマチックです。
安心して鋭い笑いを楽しみたい、心を暖めたい、そんな人におすすめです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 67

67.4 6 巫女で友情なアニメランキング6位
ぎんぎつね(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (701)
3489人が棚に入れました
ここはとある町の小さな稲荷神社。主人公まことは十五代目にあたる跡取りの女の子。現在の神主はお父さんですが、神さまの使いである“神使”の狐・銀太郎の姿が見えるのは、正式な跡取りのまことだけなのです。
ちょっとだけ未来が見えたり、失くしたものを探せたりする不思議な能力を持つ銀太郎ですが、やる気はないし口も悪いです。でも、まこととは気があうのか、まあ仲良くやってるようです。そんな稲荷神社を舞台に、いろんな人たちがふれあう物語。
神さまの杜へ、ようこそ――。

声優・キャラクター
金元寿子、三木眞一郎、関俊彦、小野賢章、藤村歩、小清水亜美、赤﨑千夏、関智一、杉田智和、野島裕史、井上和彦

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

神社には、人間と神様とをつなぐ存在―神使がいるそうで^^

ストーリーは全然知らなくて、fhánaのOPに惹かれて観始めた作品です。

OPが大好きでそれだけで満足だったから
内容は全く期待していなかったのだけど、

こちらの予想をはるかに上回る良作でした!

心がほっこりしたよ♪

全12話です。


● ストーリー
江戸時代から続く冴木神社の跡取り・冴木まこと。

彼女は神使(しんし:神様と人間とをつなぐ霊的な存在)を
見ることができる、神眼(しんがん)を持っている。

冴木神社には、面倒くさがりでちょっぴり口の悪い狐の神使・銀太郎がいる。


神使という特別な存在は登場するけれど、
どちらかというと日常色の強い作品です。

まことと友だち(この子たちは銀太郎の存在を知らない)の友情や、
神使がメインのファンタジーや、
催しごとを通して描かれる神社のしきたりなど、

様々な要素が取り入れられていて、
ストーリーは飽きることなく楽しめました。

川のせせらぎのように、ゆったりと流れる時間。
力を抜いて楽しめる作品です^^


● キャラクター
登場するキャラクターみんな温かくて、観ていて心がほっこりします♪


≪ 人間 ≫
主人公のまこと。

困っている人を放っておけない、人が良い性格です。

まことの笑顔が大好き^^ 

この作品で何に1番癒されたって、まことの笑顔ですよ!

天真爛漫でかわいくて、いいヒロインだった♪

のんびり屋のお父さんも大好き♪


中盤から登場する、神尾悟(かみお さとる)。

OP映像では初めから登場していて「イケメン剣道男子!(*´Д`)」と
楽しみにしてました(笑)

制服男子のシャツイン、たまらなく好きなので…
ごちそうさまでした(*´Д`)ハアハア


≪ 神使 ≫
メインの神使は銀太郎ですが、私がここで紹介したいのは、ハルちゃん。

銀太郎と同じく、狐の神使。

口の悪い、やかましい子どもは苦手なので、
ハルちゃんも最初は苦手でした^^;

でもだんだん慣れたのか、
終盤はハルちゃんのかわいさにすっかりメロメロでした。

悟のことが大好きで、やきもち焼くところなんかかわいすぎて…(*´Д`)
あ、もちろん悟もかわいいのですけれど(*´Д`)ww


神使は動物の姿をしていて、
この2匹?以外にもいろいろな神使が登場します。

日常色が強い中で唯一ファンタジーな存在であるかわいい神使たちには、
すっかり癒されました♪


● 音楽

【 OP「tiny lamp」/fhána 】

初めて聴いたときにすぐ好きになりました。

明るい曲調とぎんぎつねの雰囲気が見事にマッチしていて、
アニメを観てさらに好きになりました^^

fhánaの曲は今のところ外れがなくてうれしい♪


【 ED「月光STORY」/SCREEN mode 】

夜の静かな雰囲気に包まれているかのような、優しい曲。

アニメのEDとしては普通な印象だったけど、曲としては結構好き♪


● まとめ
いいアニメだった!!

1つ1つのシーンがとても丁寧に作られていて、
制作側の愛情もたっぷりと感じられました。

観終わった後にもっと観ていたかったな、とさみしくなったよ。

温かい雰囲気にはとても癒されました。
登場人物の温かさにほっこりしたい人には、おすすめです♪

余談
≪ 今年挑戦したくなったこと ≫
・みかんの芸術的な皮むき!
・夏越の祓(なごしのはらえ)に行ってみたい♪

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24

にゃっき♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

peaceful easy feeling

お稲荷様を祀る冴木神社の娘として生まれ、幼くして母親を亡くした時に神眼(しんがん)を受け継いだ、女子高生の冴木まこと(さえきまこと)と、神使(しんし)として冴木神社に住んでいる狐の銀太郎(ぎんたろう)の物語です。

人の願いを神様に送り届ける仲介役である神使を認識できるのは、神眼を受け継いだ者だけです。
神眼を受け継ぐのは、それぞれの神社の正当な跡取りであるひとりだけで、冴木神社の宮司である、のんびり屋の父親は婿養子なので銀太郎を見ることも話すことも出来ません。
動物の姿をしていている神使は、神社で願う人たちの心の声が聞けたり、将来を占う事ができますが、神社から長く離れていると力を失い消えてしまうようです。
作中には狐だけではなく、狛犬、亀、猿の神使も登場しますが、みかんが好物の銀太郎は屋根の上で昼寝ばかりしています。

誤解やら偏見が解消されて広がっていくまことの友人関係。
同じく神眼を持ちながら居場所がなく、周囲に壁を作ってきた神尾 悟(かみおさとる)や神使のハルとの出会い。
将来を悩みながらも成長していく、まことや友人たちを優しく見守る銀太郎。
物語はほとんどが一話完結型で、決まった時間に収めるために、間延びしている印象を受ける回もありましたが、目頭が熱くなるような話も多く、オトナや老人も丁寧に描かれているのが印象に残りました。

初詣ぐらいしか神社に行かない私には、お参りの作法など参考になりました。
お守りは自分で買うよりも、人に貰う方がご利益があり、相手の事を思ってプレゼントするとより効果があるそうですので、友人と初詣に行くときは、お互いにプレゼント交換するといいかもしれませんね。

境内で子供たちがチャンバラするぐらいで、派手なバトルなど一切ありませんから、地味で退屈に感じる方も少なくないでしょうし、キャラも萌え系に馴染んでいる方にとって魅力に乏しいとは思いますが、心の穢れを洗い流してくれるような作品で、小さな子供さんにも安心して見てもらえると思います。
TV放送が早い時間帯でなかったのは残念でしたが、興味を持たれた方が、肩の力を抜いて気楽に家族といっしょに視聴してくださると嬉しいです。

水無月の 夏越の祓 する人は 千歳の命 延ぶというなり
(みなづきの なごしのはらえ するひとは ちとせのよわい のぶといふなり)

年末の「年越の祓」同様に、半年分の穢れを落とし、健康と厄除けを祈願する行事である「夏越の祓」の茅の輪くぐりももうすぐです。
あなたにもご利益がありますように。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 36

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

神社の琴浦さん

原作未読 全12話

お話は、お狐様を祀っている神社の宮司の娘で、神の使いである神使(しんし)が見える神眼の持ち主の高校生、主人公の冴木 まことが、神使である銀太郎とともにまこと自身や友人、他の神使たちとの交流や日常の出来事を描くほのぼのとした物語です。

タイトルは、第1話を観たイメージです。
2013年冬期に放送された「琴浦さん」とこの作品の主人公 冴木 まこと(さえき まこと)ちゃんと中の人(金元寿子さん)が一緒で声のトーンや喋り方もよく似ていたので、このタイトルにしました^^

銀太郎は見た目も怖くぶっきらぼうで「めんどくせー!」が口癖、よくまことと喧嘩しますが、本当はまことを大事に思っている不器用な神使ですね。
他にも見た目は子狐で可愛いけど毒舌な神使ハルや狐以外の神使も出てきます。

1話完結で心暖まるエピソードが満載です。神使など特別な存在も出てきますが基本日常のお話が主で、主人公たちが少しずつ成長している姿を銀太郎のように見守っている感じで観ていました。

起伏があまりなく地味な作品ですが、日常系のお話の作品が好きな方には是非観てくださいね。

OP ほのぼのしている作画で、アップテンポな明るい曲ですね。
ED 心暖まるバラードでこの作品によく合ってました。好きな曲です。

最後に、ハルちゃんぬいぐるみみたいで可愛かったですね。すねているところなどわがままいっぱいで「よしよし」したくなるキャラでした^^

投稿 : 2024/04/27
♥ : 46

85.7 7 巫女で友情なアニメランキング7位
Dr.STONE(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (753)
3292人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚める。「石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がってやる!」。絶体絶命の状況で、千空は仲間を探し、世界を取り戻すことを決意する!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、佐藤元、中村悠一、市ノ瀬加那、沼倉愛美、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

はーすげー!へーすげー!の連続

原作未読


JUMP案件全24話。
謎の石化ビームで人類が活動を止め3,700年。いにしえの時を越えて石化が解けた一握りの人類が科学の途絶えた地球でその科学の知識を駆使して失地を回復していく物語。
主人公はどんだけ幅広く深く網羅してんのよ!なスーパー理系高校生の石神千空(CV小林裕介)。見た目は下仁田ネギを擬人化してオーケンのメイクをしたような感じ。ジャンプっぽいデザインです。そして同級生の高校生ら数名。

『戦国自衛隊』だと現代兵器を信長時代に持ち込んで大暴れとなりますがこちらは持ち込み不可。3,700年ほったらかしだとさすがに文明は絶えて石器時代以前の原始時代かのよう。
同期の『本好きの下剋上』のように現代の頭脳を持ったまま後進文明に乗り込んで「無ければ作ればいい」を試行錯誤するのに似てます。『JIN』も同系統でしょう。そしてさらに文明がないところからスタートするのが本作なわけですからこのテのものでは最難関ハードル。ちょっとワクワクします。

それと自分幼稚園の時でしょうか。世界名作劇場『ふしぎな島のフローネ』から漂ってきた匂いと同じものを感じます。OPもEDも覚えてます。木の上の家は憧れでした。
つまりあぁそういうことか。原体験からくる刷り込みがどうやら自分にはあるようです。
イキリ主人公が教育上どうかとは思われど、少年少女が“科学の面白さ”に触れる良い機会になるやも。


 {netabare}オイラ文系でラッキー?{/netabare}


化学ならびに物理の理系科目に不案内なため、アニメで描かれている試行錯誤の産物が乾いたスポンジに水が浸み込むようにすーっと入ってきます。

{netabare}パクチーとライムなんかでコーラ作れんの?マジでスゲー!{/netabare}

信じるかどうかは俺次第 キリッ なんす。

そして前半のOP「Good Morning World!」がすこぶる良い。なにが良いかって作品にばちっとハマる感覚。久しぶりです。ピストルさんっぽい声質もしっくりくる良曲です。


障害ももちろんありますよ。
文明を起こそうという主人公らを妨害するのは野生の肉食動物や自然の猛威だけかと思いきやそう簡単ではありません。
アンチ文明の敵対する勢力もわりと序盤から登場し、主人公らの前に立ちはだかります。まあバトル要素ですね。


 科学の試行錯誤+バトル要素


このバランスが崩れず2クール完走でした。原作が続いているので続編期待な感じでの終幕。
大袈裟でしょうが“人類の叡智”の触りを感じるのにちょうどよい良作です。ごちそうさまでした。



※オマケ

■“霊長類最強の男”獅子王司ってどうよ?

あらためてこうして見るとすごい名前ですね。さてこの方について
好きですか?嫌いですか?どんなキャラだと思いますか?
私はちょっと受けつけないですね。作者の術中にはまってるのかもしれません。

1.{netabare}動くゴールポスト

敵視する対象が最初は“我欲にまみれた汚い大人”。ピュアな若い連中のみ石化解除しようともちかけ、それを千空に拒否されることで対立の芽が生じました。描かれてませんが、「お前らが年くったらどうすんだ?」と疑問符が浮かびます。
それがいつの間にか“科学を信奉し文明を起こそうとする者”へと。考えが深化したとみるよりゴールポスト動いてんじゃんとみてます。でさっそく作中でツッコミが入りました。途中出会った集落の科学?青年クロムについて千空が言及「俺を殺しても次が出てくる」と。まさにその通りなんですよ。
そのため獅子王司の目指す未来は破綻が約束されてるようなもんです。{/netabare}

2.{netabare}ポル・ポトと変わらん

毛沢東と迷うところですがこっちかな。最初は知識階級だけだったのが順次粛清対象が拡大して…
力で押さえつけるしか方法がないので、この世界で肉体での戦闘力に秀でた司が首領ポジションにいるのがしっくりきます。原作未読の戯言ですが、司陣営でそのうち粛清が始まることでしょう。{/netabare}



■スイカ役の高橋花林さん

超個人的なつぶやきです。
この方1年前の迷作『ソラとウミのアイダ』で主役張られてた方です。すでに多くの方の記憶から消え去っているかもしれない作品ですね。
新人でおそらく初めてゲットした主役級の配役があれでと。そのことをもって高橋さんの今後を案じる旨をレビューで書く、という余計なお世話極まりないことをした記憶があります。
こうして、再会できたのはなによりです。ぜひ頑張ってください。



視聴時期:2019年7月~2019年12月 リアタイ  

------


2020.02.07 初稿
2020.07.19 修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/04/27
♥ : 68
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悠大で悠久な物語

<2019/12/22 追記>
全24話見終えました。

面白かったー!

科学の蘊蓄だけでなく、
文明がほぼ原始の世界というだけでなく、
現代に在る科学の凄みだけでなく、
逆転の発想で「今は過去からつながっていて、そして未来に続いていく」ことまでも実感できてしまう。

『悠大で悠久の物語』

ハリウッドが狙ってきそう 笑。

ここは無理があるんじゃないの?という部分ももちろんありますが、そこは架空のお話。
気にしないで見れたモン勝ちです。

二期があるとのことで今から楽しみです。

<2019/7/11 初投稿>
観始めなので評点はデフォルトの3.0です。

原作未読。
あにこれのあらすじ紹介だけで期待値上げてた作品ですが・・・面白いやんけ( ・∇・)

ざっくり言うとタイトルの通り
「ララーシュタインのような髪型した少年が科学でファンタジーに挑む」
と言う感じかな。

ララーシュタインってなに?と言う方は是非、画像検索してみてください。
ついでに言うとこのララーシュタインさんが登場する作品。
OP曲はグラムロックの名曲ですよ。

閑話休題

さて本作、ちょっと変わってる印象です。

普通、物語の分類で
ファンタジーと言えば「科学的裏付けの全くない空想」作品で。
SF(Science Fiction)と言えば「科学的裏付けがあったり、あるように思わせる空想」、 つまり科学と空想が入り混じった作品なのですが。

ところが本作はどちらとも言い切れない。
強いて言えば
「Science(科学) &(そして) Fantasy(空想)」
で「SF」かな

科学的裏付けが全く感じられない現象に対して
めちゃくちゃ地味な科学的考証の積み重ねで立ち向かう。
ScienceとFantasyの二つが融合せず、お行儀よく隣り合ってる印象です。

地味なウンチクも多い。
そう言うの好きな人にはぴたっとハマると思います。

例えば理系のアニオタの私とか( ・∇・)♪

自分は今期、「ヴィンランド・サガ」「炎炎ノ消防隊」「コップクラフト」と並んで注目しております。

<2019/7/15 追記>
2話目観ました。

炭酸カルシウムの4番目の使い道が意味ありげで気になるー笑。

そして新キャラ登場。
獅子王さん。
濃いですねぇ。
{netabare} 空飛んでる鳥を木の上から飛びかかって捕まえちゃったよ、この人 笑。
チート武力{/netabare} 担当だそうです。

さあこれで3人。
人間、3人集まると派閥が生まれるというような言葉がありますが、もしかしたらこれからはそんな展開なんでしょうか。

獅子王さんの発想は昨今の{netabare} 世代間の断絶{/netabare} のようなものを表してて面白いです。

でも、それを是としたら{netabare} ジャンプのような商業誌には載せられなくなってしまいます。
というわけで主役のララーシュタイン、もとい千空さんはかっこよく反発して、{/netabare} 引きへ・・・

でもですよ。
ちょっと思うんです。
もし{netabare} 獅子王さんの考え方に千空さんが同調して物語が進んだら・・・
結局、若い世代同士が新しい利権を奪い合って理想郷なんてできないってことがわかってEND{/netabare} とかSFっぽくてそれもありかなーなんて 笑。


ところで全く話は変わりますが。
他の方のレビュー拝見してて{netabare} 「石化してるのが表面だけならなんで中身の生物は何千年も生きてるの?」{/netabare} というような疑問を複数見かけました。

そこはファンタジー部分だから、と私は飲み込んでおります。
それ言い出したら、{netabare} 石化したら息できなくて数分で死ぬじゃん、という話だし。
仮に呼吸できたとしても水も食料もなければ一週間ももたないし。{/netabare}
そこら辺はファンタジーなんじゃないですかね。

<2019/9/3 追記>
9話まで観ました。

アニメでも映画でもドラマでもなんでもそうですが。

登場人物に対して「なんでそこ気がつかないの?」とツッコんでる自分いませんか?
それは俯瞰して見てる視聴者だからこそのツッコみな訳で。
物語を進める上での重要な部分ほど気がついてくれない。
それが物語の面白み。

ところが、たまにそういうのが極端に少ない作品もあります。
デスノートとかそうですよね。
登場人物が賢いので先の先、裏の裏まで読む。
ところがそれでも裏かかれちゃう。
で、そこが面白かったりする。

本作もデスノと同じ匂いがします。
千空さんはもとより、獅子王さんもかなり思慮深く用心深い。
お互いに裏の裏の裏を掻きあってもう痒いところもないくらい。

もしかしたらデスノの系譜と言える作品なのかもしれないですね。

デスノのようなイケメンいないので女性人気は覚束ない感じですが、理系男の私はハマってます。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 53
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

紡がれ、途絶え、繋がる

[2019/12/15 V1]
[2019/12/16 V2 追記・修正]

原作については、週刊少年漫画誌連載であるということ以外何も知らず。
こんな物語が、いま、少年漫画誌に掲載されていることに安堵を感じる。


最初の3話でいったんDropしていました。ですが、よく見る海外Reactorさんたちがこぞって応援していたのを見て視聴を再開しました。最近は本当にReaction動画を見るためにアニメを見る傾向が強くなっています。

6話以降は本当に楽しかった。23話は、どうしたのそれっていうくらい走った感じを受けましたが、それ以外はおおむねよいペースだったと思います。回の跨ぎ方が秀逸で、どうしても次の話が見たくなる構成になっていました。キャラデザは最初のころは違和感を感じていましたが、すぐに慣れました。後半に入って少々作画が荒れる場面もあった感じがしましたが、崩壊までは程遠く、十分な質が維持されていたと思います。

本当に楽しめました。


最初に数少ない難癖(?)からやっつけたいと考えます。

{netabare}
===スタート時点ですでに老害・司
{netabare}
正直、敵役としては魅力が薄いなぁ・・・・少年誌の悪いところがここに出たかな。

ま・・・僕自身も社会にでたての若い世代からは老害認定されていてもおかしくない程度には年取ってるんですがね。とはいえ「ケッ、あの老害が」と思う側でもあるわけですよ(強硬に主張する)。

以下、老害予備軍(候補生?)の悪あがき

{netabare}いろんな形で「老害」ってあらわれると思っています。そんななか、僕自身が気を付けようと心掛けていることがあります。それは「自分とは異なり、かつ、それを理解することも共感することもできない考え、思い、感じ方をする人が必ずいる」と考えることです。「いるかもしれない」ではなく、「必ずいる」です。同時に、自分自信が他の誰かにとっての「理解し得ないもの」だとも考えるようにしています(大事な一文忘れてた。。。)。

僕が見てきてしまった老害ライクな方々に共通していたのが「自分の視点・思考・嗜好がすべてであり、人間共通であると思い込んでいる」ように見えたからです。同じ我を通すでも、自分と違う視点を意識しながらのそれと、そうでないものとでは軋轢の大きさが段違いだ、と思っています。
{/netabare}

で、だ。司くんよ・・・・・きみの「気持ち」はわからんでもないがよ。
なにより君も年は取るんだろ?その時どうするの?
{/netabare}

===唆るのは勝手にしろ、だが、100憶パーセントはやめろ。
{netabare}
癖の強い千空の言い回しは、最初のころは面倒に思っていました。でも、慣れました。次の一点を除いて。

何かとの比較において100憶%はありうる。が、千空がいうそれは可能性や確率として絶対=全体であることを意味している。なので「100%」を超えることはない。千空ほどのものがなぜこんな言い方を・・・・。ま、後半に入るあたりではどうでもよくなっていましたがね。
{/netabare}

===ご都合・・・いや、いいよいいよ。
{netabare}
おそろしくご都合展開。だけどこれは仕方がないかな。
村民も復活人も、とんでもない奴らしかいない・・・いや、いいよいいよ、少年誌だし、楽しかったし。
3700年カウントし続けた(想い続けた)わけだが、脳はそんな長い間エネルギー補給なしで保てるものなのかな。それとも、これが「石化」の謎につながるのだろうか。ここがだるい言い訳にならないことを願う。
[追] っていうか、文字どうした。創始者たちもなぜ「文字」「読み書き」を早々に諦めた?まぁ、その場合は創始者の面子からして日本語って選択肢は消えるなぁ・・・妥当な線は英語かな。創始者の子供たちの主言語がいつ日本語に切り替わったのかも不確かだな({netabare}白夜が百物語の構想をしているシーンで「日本語で良い」「あなたの母国語を知りたい」的な話があることから、その時点で白夜たちが交わす言葉は英語もしくはロシア語だったはず。{/netabare})。ちょっと「言葉」「文字」に関するところが甘い感じはする。何か理由があるのかな。
{/netabare}

{/netabare}

まぁ、こんなところです。



以下、僕なりの推しポイント。

「一歩一歩問題解決へとくさびを打ち続ける、揺らがぬ信念」。

6話でコハクが千空に対して言った言葉です。
多分これを聞いた時点でこの作品を気に入っていたんだと思います。

===科学の1側面(だけ)を描いている。だからこその描かれ方。
{netabare}
さて、この物語ですが。。。口悪くいうならば千空による「コロンブスの航路確認」の連続です。もちろん、足りない設備、材料を補うための試行錯誤はあるのだと思います。しかし、基本的には科学史をたどる道程であり、石化前に得た科学知識に基づく再発見・再発明です。

科学を正しく知り、用いることは重要ですが、科学にはそれまでになかった知を紡ぎだす役割もあります。

学生時代に「巨人の肩の上」という言葉を教わりました。科学・研究に携わる者の心得(?)だそうです。曰く、巨人とは人類の積み上げてきた知識・技術の全体を指し、その肩の上に当代の科学・研究者がちょこんと座り(立つ?)今までより少し遠くを見渡しに行く。そしてその科学者もまた巨人の一部となっていく。これが人類200万年の知の発展をあらわすメタファーなのだそうです。

この物語の主人公である千空も、巨人の肩の上に乗って少し遠くを(あるいは、だいぶ遠くを)見渡しに行く、つまり、新たな知を紡ぎだす側に立つはずだった人物なのだと思います。残念ながら謎の石化によって、千空がその肩の上に乗るはずだった巨人が消えてしまい、千空自身が「起き上がる巨人そのもの」になってしまった。彼の死はそのまま人類の200万年の知が瓦解することを意味する状況の中で、彼はどう思って日々を過ごしたのか、少し気になります。一人の少年に押し付けるには、たとえそれがあんな人物だとしてもあまりに荷が重い。

あくまで僕の主観ですが、この点はきっと原作者も気を付けて描いているのだと思います。凄いのは「科学」「人類200万年」であって、千空自身がすごいものであると称賛されることはなかったと記憶しています。コハクが千空を褒めるのは、千空自身の判断、考え方や行動であって、千空と「科学」は別物として描かれているように感じました([追]{netabare}とはいえ、千空の考え方、判断の仕方こそが科学の賜物だともいえる。その点では千空=科学も成り立つ部分があります。{/netabare})。また、千空含め自らを「科学使い」(科学者ではなく)と称しているのもその表れなのでしょうか。

この描かれ方は、とてもよかったと思う。


これを踏まえて、あえて物語全体に難癖をつけるなら「科学」とともに「哲学」も巨人の根幹をなすものなんだよ、と言いたいです。

{/netabare}

===だからこそのクロム
{netabare}
途中から主役がすげ変わったのかと思うほどでした。

200万年の巨人が倒れたとしても、3700年の巨人の肩の上に乗るものがちゃんといる。この描写、というより構図に痺れました。彼がなしたものは、我々から見れば「コロンブスの新大陸発見」に等しいものですが、3700年の巨人の視点からなら間違いなくコロンブスの卵であり、発見だったのだと思います。当代の科学者であり、エンジニアであるクロムが中盤以降は本当に頼もしく見えました。

{/netabare}

===サポートキャラのサポート力の高さ
{netabare}
コハクはもっとヒロインヒロインしていくのかと思っていましたが、全然そんな感じではなかったですね。それが良かった。科学の応援者、千空の理解者として機能していたと思います。

スイカはお役に立ったんだよー。千空のお役にも、物語のお役にも立ったんだよー。

ゲンはお話を通して僕の中で大きく育ったキャラクターでした。現代科学・工学を見知っているが故に状況説明役として完璧な立ち回りができたと思います。彼自身の心の動き、行動もかっこよかった。彼がいることで、千空・クロムだけでは生み出せないドラマを引き出したし、千空の内面を代弁することもできたと思います。

カセキの爺様は、出オチレベルでキャラ設定が見えてしまいましたが(OPのおかげもある)、クラフトマンシップはいつも人の中にあるのだな、と素直に思ってしまいました。まぁ。。。舞台装置としては最重要キャラですけどね。この人いないと中盤過ぎてからの工作はもうどうにもならない。

親父の話は、、、とてもよかった。くそう、よかったよ。

{/netabare}

===いずれもよかった OP/ED x 2
{netabare}
特にOPが印象に残りました。

曲もですが、OP映像が前後半ともに凄くよかった。
構成としては、作中のキャラクター像が見て取れるカットと、作中のキーポイントとなるシーンでつながれていました。
クール開始時点で、キーポイントのシーンがあそこまで形になっている(転用元がOPかもしれないけど)制作工程のゆとりが、作品にも表れていたように思います。
最終話で、ようやくOP構成が全部明らかになったときはちょっとしびれました。

前半OPはただ不気味に描かれていたゲンが後半OPでは一転してかっこかわいらしくなっていたり、後半OPのクロムが千空と対等に描かれていたり、前後半間の変化も楽しめました。

カセキの爺さま、ばかかっこいい。

{/netabare}


2期、楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 50

63.5 8 巫女で友情なアニメランキング8位
緋色の欠片(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (443)
2329人が棚に入れました
主人公の春日珠紀は、両親の海外転勤を機に、祖母が住む母の実家に引っ越してきた。だが、着いた村で珠紀は突如カミサマと呼ばれる奇妙な生き物達に襲われる。珠紀を救ったのは、不思議な能力を操る鬼崎拓磨という少年だった。祖母は彼女を村に呼んだ理由を打ち明ける。それは、先祖代々続く「玉依姫」の使命として鬼斬丸という刀の封印をすることだった。村に鬼斬丸の力を狙う異形の集団「ロゴス」が集まってくる中、珠紀を守るべく守護者と呼ばれる少年達が現れる。戸惑いつつも彼らに支えられ、珠紀は玉依姫としての使命に目覚めていく。

あんももも さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あらがう事の出来ない運命を背負った人生ってなんだか

乙女ゲーム発祥。
イケメン男子が姫様を守護していきます。

こちらは第一期、続いて第二期へと続きます。

よくある設定だけど、絵イラストの綺麗さ
敵・仲間・中立の3つの集団がまだまだ謎めいていて
知りたい欲望に駆り立てられる作品でした。

登場人物の一人である銀髪のどこでも寝れる先輩
「狐邑 怜(こむら れい)」の声は
別アニメ”新ハンターハンター”の「ヒソカ」と同じ声優さん。
ヒソカ押しなので別の意味でも楽しめました。

それにしても美男美女は目の保養になります。
カズキヨネさんの絵やっぱ好きだなぁ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

maa.. さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

即、お気に入り!!

見終わってすぐお気に入りにしました!!

まず、
ヒロインかわいすぎ///
私も惚れてしまいそうでした・・・
「たまよりひめ」としての努める姿は心を打ちましたねぇー^^

守護者の皆さんとも
なんだかんだと絆を深め・・・
みんなの黒いの部分は
「たまき」を守る気持ちに変わっていく・・・

いやぁー
語りつくせない・・・

ぜひ観て!

2ndシーズンも
お忘れなく!!!
とはいっても観たくなってしまいますが・・・^^

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

hanapoko30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

原作ゲームを先にやってます

薄桜鬼もですが、キャラクターデザインがカズキヨネさんなのでアニメは作画がいまいちです。
でも薄桜鬼くらい頑張ってほしかったなぁ。
なんかアニメの琢磨も遼ものっぺりしてる……。
声優さんは変わらずイケボイスなのだが。

でも守護者として覚醒した一同がそろうところ(2期かな?)は「おおっ!」と思いました。
ゲームは攻略対象1人1人しか見れないので。

ゲームした人はわかると思いますが基本琢磨ルートにそれぞれの名シーン入れた感じ。

2期含め26話ですが内容は上手くまとまっているとおもいます。
ゲームが長編で攻略対象が6ルートもあるため、まとまりきらないかと思いましたがちゃんと26話でおさまってます。

私は緋色の続編である「蒼黒の楔」のストーリーがけっこう好きなので、アニメ見てはまった人にはぜひ続編をゲームで遊んで欲しいと思います。
緋色では見れない守護者として覚醒したときの式服姿がかっこよすぎるのでおすすめです(^ω^)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

62.8 9 巫女で友情なアニメランキング9位
神々の悪戯(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (383)
2121人が棚に入れました
神々に、人間について教えるためある日突然、神の世界へ導かれた結衣。戸惑いつつも始まったのは神々との学園生活だった。「人」とは何か、「愛」とは何かを神々に学ばせるうちに芽生えるのは、愛か、あるいは??。

声優・キャラクター
早見沙織、入野自由、小野大輔、上村祐翔、豊永利行、神谷浩史、細谷佳正、梶裕貴、森川智之

nani-kore さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

定番が心地良く、ほど良~く萌えられマス(^ З ^)~♪

終わっちゃった。。
駄作の声(特に男性から)もちらほらな本作ですが、この私にとっては、週に一度の大事な大事なお楽しみでした;
。。グスングスン;;
でも七月からはFreeが還ってくるもん、だから泣かないモン!

以下、自分流ヘンなあらすじ。

第一話:わぉ、セ~ラ~ム~ン☆
男の子が変身したっていいよね、いいよね!(アポロン流リピートw)
不思議な館で目覚め、色んな美少年たちに次々出会い、とまどう少女。
素敵な逆ハーレムとなりそうです♪

第二話:神々との学園生活
実は神である美少年達と、一緒に学園生活って羨まスィ~
私だったら、永遠に現実世界へなんて戻りたくねぇよ~3

第三話で神々の水着コンテスト~
ベタですねぇ~良いですねぇ~(*^ ^*)
しっかし、露出度の少ない神々多すぎ=33
アポロン様の小学生水着って、ありえねぇ。。
お色気を感じさせたのは、デュオニソス様のビキニと、尊様のおフンドシだけ~3
視聴者様の期待を肩すかしちゃあ、ダメだゾっ!
。。時折みせるアポロン様の愁いって、何かしら~?

第四話:頬を赤らめるハデス叔父様、きゅゅううと~~33
こんなにカワユイ大人の男の表情ったら、観たことないス(*=Д=)!!
実は神々の中で声も一番好き、シブ甘です~3
次に好きな声は月人様かな~?

第五話:一本気な日本男子、尊様にキュンキュンの回=33
お言葉通り、守られてェ~;;

第六話:月人様の声って、不思議な魅力。
無感情なのに、静かに心に染み渡ってくるようで、何だか気持ちが落ち着いてきます。
キュンキュンもえもえするキャラではないけれど、居なきゃ困るぅ~

第七~八:いよいよラストに向かって、物語が動き出して来たゾ!
。。まさかココに至って、ロキロキにキュンキュンしてくるとはっ!!
タダのオネェっぽいキャラだと思っていたのに~~
心なしか声も男の子らしくなってきて、キュンキュンキュン♪♪

第九話:おバカ系で明るいアポロン様に、あんな暗い過去があったなんて。。おバカだったのは私の方ね~;;

第十話:怒涛のラストに向けて、ちょっと箸休め的な回。
トト様のナレーションが面白過ぎて、抱腹絶倒ww

第十一話:クライマ~ックス!!
やっぱりそうなるのね。。でもおねがい、やめて~;;
ロキロキとバルバルの友情に、目頭が熱くなります;
物語中、一番面白い回カモ。。

第十二話:月にかわっておしおきよ☆なラスト
物語冒頭のシーンは、ココで繋がります。
こーゆー事情で戦ってたんだなぁ~3
セーラー戦士。。じゃないや、神々が変身して戦うゾ!!
ラストはお定まりのハッピーエンド、羨まし過ぎるゼ!

感想;
ハーレムは男の子だけのものじゃない、ハーレムはエロだけじゃない。
愛と信頼が広がっていくようなハッピーエンド、定番だけど大事かも♪

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

future☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

タイトルなし

.。o○ ○o。.あらすじ.。o○ ○o。.

神話の世界において、ひとつの問題が起きていた。それは「神々の中に、人間嫌いの問題児がいるらしい」ということ。これを重く見た神々の代表は人間を真似て学校を作り、希薄がちだった「神と人間のつながり」をもう一度認識してもらうことにした。学校には日本神話・ギリシャ神話・エジプト神話など様々な神話に登場する神に交じって、ただひとりの人間の女の子が在籍していた。


.。o○ ○o。.キャスト.。o○ ○o。.

草薙結衣:早見沙織
アポロン・アガナ・ベレア:入野自由
ハデス・アイドネウス:小野大輔
戸塚月人:上村祐翔
戸塚尊:豊永利行
バルドル・フリングホルニ:神谷浩史
ロキ・レーヴァテイン:細谷佳正
ヌビス・マアト:梶裕貴
トト・カドゥケウス:森川智之


.。o○ ○o。.放送日.。o○ ○o。.

2014年春アニメ(2014年4月~2014年6月)

TOKYO MX 4/5(土) 25:00~


.。o○ ○o。.OP、ED.。o○ ○o。.

OP「TILL THE END」アポロン(入野自由)、ハデス(小野大輔)、月人(上村祐翔)、尊(豊永利行)、バルドル(神谷浩史)、ロキ(細谷佳正)
ED「REASON FOR…」アポロン(入野自由)、ハデス(小野大輔)、月人(上村祐翔)、尊(豊永利行)、バルドル(神谷浩史)、ロキ(細谷佳正)



.。o○ ○o。.お話.。o○ ○o。.

1話「禁じられた箱庭(がくえん)」

2話「美しき呪縛(かせ)」

3話「海風の葛藤(いさかい)」

4話「冥王の不幸(のろい)」

5話「許されざる激情(こころ)」

6話「月光の指輪(きもち)」

7話「雪原の約束(ちかい)」

8話「光たる羨望(こどく)」

9話「昏き花散る迷宮(おり)」

10話「愛すべき日常(うたかた)」

11話「宿命の牢獄(くさり)」

12話「永遠の終止符(わかれ)」(最終回)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10

ベキオの姉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

予想していたより面白いく、一気に見てしまいたくなってしまった

正直なところ、
キャストの皆様がとても豪華でしたので、
お話の内容のほうはあまり期待しないで見始めてしまいました。

ですが、

結構神話通りにストーリーが基づいていたりして
楽しめました!

かなり笑いポイントも多くw
くすくす笑えます(∩´∀`)∩

ストーリー設定は不思議な部分も多いかもしれませんが、
神々の遊び(笑)なのでそこは多めに、、w

美男子パラダイスです☆w
女性の方にお勧め

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

63.7 10 巫女で友情なアニメランキング10位
神霊狩/GHOST HOUND(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (335)
1955人が棚に入れました
遥か古来より、この世界“現世”は、別の世界“幽世”と重なり合っていた。
 日本の原風景の面影を残す地方の小さな町・水天町。この町に住む中学生、古森太郎と大神信は、それぞれ消し去ることのできない過去を持っていた。町の誰もが忘れられないでいる、11年前に起きた一つの事件。ある日東京から引っ越してきた転校生、中嶋匡幸は2人の過去に触れようとする。3人の出会いによって、各々に背負ってきた過去が絡み合っていく。そして、太郎の持つ力がもうひとりの少女との出会いを導いていく。

声優・キャラクター
小野賢章、保志総一朗、福山潤、矢島晶子

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

古今東西における普遍的な人間心理。

心理学・脳科学・宗教学・民俗学などの学問領域から援用される専門知識を包括する難解な作品であり
多分野の学問から形成される知の連携と総合はぺダンチックとも捉えられるほどの観念性を含意する。
尚、魂抜けと呼称される幽体離脱やバイオエシックスなどは、士郎正宗の世界観を知る上で重要であり
本作の範疇を超えて、他作品と通ずる一定のロジックを構築し、そこにシャーマニズムが織り込まれる。
そして不可思議な心霊現象を科学的に可視化しようとする過程が思考的かつ実験的に考察されていく。

一般的に考えれば、オカルトと科学の双方を極めることは竜頭蛇尾に陥る恐れがあるが、現世と幽世を
設定上のバックボーンとして機能させているだけあってか、破綻することはなく、精妙に探求されている。
伝承や方言、「serial experiments lain」を連想させるノイズなども細部まで抜かりなく徹底されており
ある事件から心的障害を発症した主人公に対する精神療法と連鎖的な「サスペンス」を醸成させている。

それ故、高踏的にならざるを得ないが、「Production I.G 20周年記念作品」の冠には恥じぬ作品であり
次回予告における台詞は示唆に富んでいる。その上、ジュブナイル作品としても非常に良く出来ている。
一見すると敷居は高く感じられるかもしれないが、硬軟を織り交ぜながら、一定の均衡が保たれている。
古来から人類が科学的根拠が存在しないにも関わらず絶対的なものとして信仰心を抱いてきた神話を
心霊現象や占いに置き換えると、古今東西における普遍的な「人間心理」が透けて見えてくるのである。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 11
ネタバレ

lll1 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大傑作!!やはり、中村隆太郎は天才だった。

 監督:中村隆太郎
 脚本:小中千昭
 の『Serial Experiments Lain』(以下:lain)のコンビがおくる本作。

 原案は士郎正宗(攻殻機動隊原作者)とProduction I.Gだが、士朗正宗は本作の制作には特に関わってはいないらしい。
 Production I.G20周年記念作品として作られた本作。20周年記念で、中村隆太郎にこんなくせのある作品を作らせたのは凄い。

 ネタバレ有り。また本作以外にも、今敏の『パーフェクト・ブルー』についても重大なネタバレを含みます。

 またnoteの方にも同様の感想を上げていますので是非。読みやすい方を。
https://note.com/24_98000/n/n3b3484f7962a

 端的に言って”大傑作”でした。しかし、本作は万人受けはしないでしょう。なんていったってlainのコンビです。

 lain同様に音と音楽に、絶大なこだわりをみせ、ここまで効果的に使用しているアニメは珍しい。そして何よりも製作者たちが、その音によって生まれる効果を理解している点。なかなか賭けに近い部分があったと思われるが、それでも貫き通した。

 lainの音響監督を務めた鶴岡陽太は、中村隆太郎の音の演出を唯一無二だと言っており、私もそう思う。たくさんのアニメと映画と海外ドラマを観てきたが、中村隆太郎の演出の影響元となる作品がまるで浮かばない。
 渡辺信一郎の『Cowboy Bebop』は音楽を多用したこだわりの演出をしているが、影響元は間違いなく『パリ、テキサス』を代表とした、洋画の影響が見られる。
 しかし、中村隆太郎は全く分からない。彼の特徴的な演出の一つは”雑音”を取り入れること。日常に潜む、聞き取れはしない人の話し声、コンピューターが起動している低い地鳴りのような音。ゲーム機しかり、機械や人、及び物は多くの音を発するが、「我々は雑音(ノイズ)に囲まれて生活している」とでも言いたいのか、彼はふんだんに取り入れている。
 
 また、中村隆太郎の音楽センスも良く、lainのオープニングテーマとなったBôaの'Devet'。未だに他のアニメとは一線を引いている見事な選曲。当時はもっと衝撃的だったのではないだろうか。
 そして本作は小島麻由美の'ポルターガイスト'。本作のために卸された曲ではなく、『ご近所探偵TOMOE』というWOWOWで放送されたテレビドラマの主題歌である。それをおそらくそのまま使っている。本作もWOWOWでの放送のため、彼の意志なのかレコード会社からの圧力かは分からないが、オカルトちっくなジャズを披露している、この曲は本作にはぴったりだった。
 
 前置きが長くなってしまいましたが、ようやく本作について触れていきます。

以下ネタバレを含みます。
{netabare}
①概要
 本作の舞台は九州北部。県は明確には分からない。
 ミステリーを基調としつつも、ホラーと微量のコメディを取り入れ、何ともオカルトちっくな作品となっており、原案の士郎正宗が考えるネットワークに対するオカルト的な部分が香る。

 主要な登場人物は四人で、タロウ、マコト、マサユキの男子中学生三人と、ミヤコという女子小学生。
 本作の魅力的な部分の一つが、この四人が抱えるトラウマと親との向き合い方、及び家庭の問題。

 ストーリーは、前半は特に男子中学生三人のトラウマを描き、中盤からはホラーとミステリー要素が増す。そして、後半はやや壮大になっていく。



②キャラクター
 まずはキャラクターについて。
 主人公のタロウは、幼少期に"姉"と共に拉致監禁された過去を持ち、またその時に姉は衰弱死している。
 タロウは当時、小学生にも満たない幼児であったため、姉の記憶は断片的で、姉のことを思い出したいが、同時に恐怖が襲ってくるという雁字搦めな状態にいる。

 タロウは、現在もその悩みを抱え、カウンセリングを週に一回受けている。本編開始とともに、カウンセリングの先生が変わり"平田"という男が現れるが、またこの男があからさまに奇妙に描かれた登場をする。
 正直、私は平田の登場シーンの奇妙さから、彼は本当は奇妙ではなく、また悪い人でもないだろうと思った。
 今敏の『パーフェクト・ブルー』でいうストーカー的な役割だと。あからさまに怪しいストーカーを描き、マネージャーから目を背けさせる。この平田が全く同じ役割を務めている訳ではないが、意図としてストーカーに似た意味を感じた。
 私的に最も面白いと感じたキャラクターは、平田です。理由は後術。

 マコトは、地元で程度な権力を誇る、宗教の一人息子で、父親の自殺を目撃するという経験を持つ。おそらく、最も異様な環境にいるのが彼だが、それが少し私の理解からかけ離れていたかもしれない。

 三人の中でかなり共感を得やすいのがマサユキだ。彼はかつて東京の学校におり、そこでとある生徒をいじめて飛び降り自殺に追いやった。本人は自殺をするとは思ってもおらず、また、自殺した被害者が黒板に書き残した中には、マサユキの名前以外にも多数の生徒の名前が記されていた。
 マサユキはいじめっ子の一人に過ぎないが、彼はその責任をとても重く感じており、それがトラウマと化している。
 しかし、本人はそれを認めたくはなく、"高所恐怖症"(被害者が飛び降り自殺(高所)したことが関係)と思いこむことで、そのことから逃れようとしているが、上手くはいっていない。

 学生時代、人権問題といじめに関するビデオ等を見せられたことがあるが、描かれているのは被害者ばかり。加害者は決して描かれない。自動車教習や更新の際にも、自動車事故の被害者が描かれ、加害者は僅かなもの。故意のものではない者も、自動車事故の加害者にはなり得るのに。
 いじめの被害者を救うことだけでは、いじめそのものがなくなることには繋がらない。何とも悲しいことですが。

 また、マサユキの家庭は、両親が共におり、かなり裕福な家庭で育っている。だからこそ、彼の両親の異様さがより際立ち、また共感も得やすい。
 マサユキの父が、仕事から帰って来た時、母はただパズルゲームを黙々とやっている。彼女には生気というものがまるで感じられず、「もし、母がこんな姿になったら、相当怖いだろうな」と思わせる。
 タロウの母のように、原因があれば、気遣いもあるが、彼女にはそれがない。描写されていないだけも知れないが。そして、後半、父の異様な姿もまた、見たくは無い姿の一つだ。

 ミヤコは神社の神主の娘で、霊感が強く、ときおり自身の身体に霊体が降りて来る経験をしているが、それを制御することは出来ていない。
 本作のこの霊体を降ろすという、見方がまた面白い。本編中ミヤコは、乗っ取られたかのようにとある神の名を名乗るが、彼女の父はかつて、その神の研究をしていた。娘がその研究文書を呼んでいたとするなら、霊体が降りたのではなく、ふざけているのか、無意識の内に言っているだけだと、霊体が降りるということを否定した見方をする。これが、また一定の説得力を持ち、非常に面白い



②ストーリーと演出
 本作のジャンルはホラー・スリラー。視聴者に恐怖を味わってもらうため、キャラクターはそのパイプとなる。共感・共鳴の役割を果たす。キャラクターが怖がっていることに共感・共鳴し、視聴者も怖がる。

 物語の序盤はこれが、子供たちの役割だった。三人の男子中学生だ。しかし、中盤から彼らは成長し、恐怖を退けて行く。では、後半誰がその役目を果たすかというと、本作ではそれが"大人"だ。
 本作は、先に子供たちがオカルトの領域に足を踏み入れ、克服する。その後、大人たちが子供たちの異変に気付き、オカルトの領域に足を踏み入れる。子供はどこか怖いもの知らずの一面があるが、大人は違う。経験から何が真実で何が虚構かを判断する。しかし、成長した大人たちでさえ、自身の理解を遥かに超えた体験により恐怖を齎す。

 平田というカウンセリングの先生が主に、この共鳴の役割を務めるのだが、先述したように、彼は最初怪しげな男として登場するのだ。こんなことは普通はありえないだろう。『パーフェクト・ブルー』でいうストーカーが、マネージャーの恐怖に晒され、しかも視聴者が共感するようなもの。
 この平田の変化が大変おそろしく、あたかも彼が感じている恐怖が嘘ではないということに、高い説得力を持たせ実現させている。
 カウンセリングの後、子供を追いかけ、教室を見渡すシーンは絶品だし、テープを聞いて、臨場体験をするシーンも見事。またそれを主観(平田の視点)と客観(タロウの視点)で撮っているから素晴らしい。一気に本物になる。
 これらの変化により、私にとって平田は非常に興味深い人物になっていった。アニメーターが描く表情も上手く、声優の演技も見事。

 本作のホラー演出は、はっきり言って”見事”だ。本当に怖いし、不気味で異様。

 とある地縛霊のようなものが、道路に走っていってトラックに跳ねられるシーンがある。そして、その地縛霊はそれを繰り返すのだ。

 「ポーン、ポーン、ポーン、ポーン」という、一定のリズムの足音のあと、車に跳ねられる。
 「ポーン、ポーン、ポーン、ポーン」という、一定のリズムの足音のあと、車に跳ねられる。
 「ポーン、ポーン、ポーン、ポーン」という、一定のリズムの足音のあと、車に跳ねられる。

 このループととれる現象と、奇妙な足音がとてつもなく怖い。ループがかなりの効果を齎していると思われるが、中村隆太郎らが、この現象が与える効果を熟知しているというのもまた恐ろしい。

 そして、本作はジャンプスケアを一切使用しない。

 エンタメ性の高い王道の演出から外れ、常に邪道と現実味を重視する。セリフにノイズを掛け、何て言っているのか分からない。子供の視点から見た大人、壁の高さと恐ろしさ。悪くない天気。拉致されるシーンは昼間で天気も良いんですよ。まぁこれが気持ち悪い(褒めてます)。

 また、方言についても無視してはいけないポイントの一つ。聞き慣れぬ方言に、僅かな違和感を持つ。人によっては大きいかもしれない。この方言は水面下での違和感の発生を齎している。
 私は、濱口竜介の『寝ても覚めても』に似たものを感じた。『寝ても覚めても』では、関西出身ではない役者に関西弁を喋らせ、異様な雰囲気を作っている。演技もちょっと不気味。しかし、演出力が低い訳ではない。どちらかと言えば高い。いや、むしろ高すぎるのかも知れない。当然、本作も『寝ても覚めても』と同じく演出力は低くない。とても高いのだ。
 この方言による違和感を中村隆太郎と小中千昭は既にやっていたのかも。

 ストーリーについては、克服、そして改善・修復という点に関して弱さがある。トラウマの克服は説得力に欠けるし、終盤家族の修復も描写不足。この2点に関しては残念だった。マコトとミヤコ、強いていうならタロウは良かったが、最も異様なマサユキの家庭の修復は全く描写がない。非常に残念なポイントだった。マサユキの母親の奇妙さは、本当に素晴らしかったからこそ、思ったことだ。

 脚本の統一も良かった。第19話以外の全てのエピソードを小中千昭が脚本を務めている。第19話を観てもらえれば分かるが、これは、小中千昭が苦手とする分野だったのかも知れないと思わせる。
 テレビシリーズは脚本・絵コンテ共に、統一性をはかるのが難しい。違う方が務めることが必ずあるからだ。しかし、本作は小中千昭がほぼ、脚本を書き、中村隆太郎の絵コンテに合わせた他のアニメーターたちの絵コンテも見事だった。中村隆太郎自身が他の絵コンテを直しに直している可能性はあるが…。


④映像
 本作の映像は新しかった。新奇性が見られた。CGとデジタル技術を用い、一人称で見せたりと興味深いものがあった。ホラーの描写はやはり圧巻。
 しかし、アニメーションそのものに視点を向けたとき、さほど高品質ではなかったかなと。序盤は、わざわざ歩いている他の生徒を描いたりと、映像に彩を加えていたが、やや鈍いシーンもあった。日本のテレビアニメが抱える問題は、本作も対象外ではなかった。
 
 それでも先述したように、映像は実に見事です。最高だと思う。
 ノイズだらけの摩訶不思議な前話回想からのオープニング。私はこれを毎回飛ばさず観ていた。毎回微妙に演出が異なることが理由の一つではあるが、この前話回想だけで、ゾクゾクするものがあり、また映像ファンの視点から見ても類のあるものではなかった。演出・映像に興味のある方には、この摩訶不思議な前話回想だけでも是非観て頂きたいもの。

 キャストに関してはそんなに不満はないですが、メインキャストの保志総一朗の演技はいまいちだったかなと。脇役は素晴らしい方ばかりでした。
{/netabare}

おわりに
 やはり中村隆太郎は天才だった。彼の演出は最高だし、絵コンテもめちゃくちゃ上手い。
 本作に合わせ彼の監督作『キノの旅』を観て、『lain』を再観賞した。キノの旅はやや、中村隆太郎らしさを感じにくいものだったが、lainと比べると、本作の演出はやはり似ている。
 また、lainを補完する上でも、本作の観賞はぜひおすすめしたい。中村隆太郎、小中千昭に触れるためもあるが、微小ながらもlainに繋がる部分はある。


 最終評価は 8 / 10点です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

momomax さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

私好みで面白かったです!!

霊的現象と科学(脳科学、バイオetc.)、宗教。
心理学用語や脳科学用語などが難しいけど惹かれます。
理解仕切れない部分もあるのですが
感覚的に凄く面白かった! 私好みです!!

かなり前に一度だけ体外離脱をしました。
天井を抜け、自宅の屋根を見下ろし、町並みや山々を浮遊しました。
超常現象好きな私は貴重な体験をしたと思っています。
夢かもしれませんが、夢でも中々見られないので
体外離脱したという事にしておきます。(笑)
神霊狩の第1話を観て、その浮遊感が似ていて嵌りました。

なにげなく人物がみんな魅力的です。
派手さは全くなく、地味なくらいですが、声優もキャラに合った演技で良かった。

好みが分かれると思いますが、いろいろな要素が含まれていて
とても面白い作品でした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24

60.7 11 巫女で友情なアニメランキング11位
レンタルマギカ(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (221)
1695人が棚に入れました
人が思うより、少しだけ世界には魔法が多い人が思うより、少しだけ世界には神秘が多い。臆病で弱気な高校生・伊庭いつきが父の失踪を機に継ぐこととなった魔法使い派遣会社「アストラル」。慣れない社長業に悪戦苦闘するいつきが、個性的な社員たちと共に迫りくる敵と戦う異種魔法戦闘ファンタジー。

声優・キャラクター
福山潤、植田佳奈、高橋美佳子、諏訪部順一、釘宮理恵、伊藤静、小野大輔

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

社長命令だ!

ラノベ原作で、原作はいっぱい売れた。タイトルの台詞が主人公の決めセリフ! 2007年のアニメだから、ちょっと古い。魔法使い派遣会社の2代目社長(主人公)とその社員(魔法使い)、魔法結社が絡んでくるというお話。ケルト魔術にソロモン王の秘術、神道や陰陽道となんでもありの魔法バトルが展開されちゃいます。気弱だけどすっごく優しい主人公と、やや強気なヒロイン達の恋の行方もお楽しみ要素。可愛いんだよね、このヒロイン達がまた。私的にはすっごく好きなアニメなんだけど、イマイチ売れなかった印象が・・・。これ多分主人公のXXXが直接的にXXXじゃないからだな。あ、でもヒロインの1人、”アディリシア”さんは人気あったな~。金髪に縦ロール(ドリル)ヘアーと言う典型的なお嬢様。私も憧れたもんだ・・・。オープニングの”宇宙(そら)に咲く”は日本語版の方をお勧め。とっても良い曲です。っと言う訳で、もちょっと評価されても良いアニメかな~と思うので、今更ながらレビューなぞ書いてみました。お時間ある人は観てみて下さいませ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

視ろ!見ろ!

オカルティックファンタジーアクション?全24話。

人が思うより、少しだけ世界には魔法が多い。
人が思うより、少しだけ世界には神秘が多い。

ケルト魔術・ソロモン王の魔術・錬金術・陰陽道・神道
神楽・祓魔式・死霊術・ルーン魔術・密教・禁呪等様々。

其処に所謂「魔眼(妖精眼)」を持つ主人公を軸に展開する。

如何にも和洋折衷で方程式的魔法や神話的なものや伝承
のような曖昧なものも含めたオカルト風の魔法ものです。

主人公他メイン登場人物が高校生位の年齢ということで
学園ラブコメ要素も可也強く盛り込まれている。

序盤は謎展開の伏線張り以外はドタバタなギャグ展開も
あったり、友情や仲間意識やライバルとしての確執など
人間関係中心のエピソードや個々の掘り下げ回想も多い。

メインキャストがひと通り掘り下げられる頃には大きな
伏線が陰謀として露呈して、其々の想いに信念を持って
精一杯立ち向かうという解りやすいストーリー。

其処までのエピソードが結構面白かった。
正直馬鹿にしてた魔眼(眼帯もの含む)で初めて楽しめた。

福山さんが開眼する時の「ルル」と被る台詞の言い回しで
この後逆にルルを視ることになったのだけど・・笑った♪
諏訪部順一さんも掴み所のない雰囲気が良い感じでした。
猫いっぱい纏わりついてて可愛いしw
釘宮さんはどの作品も釘宮病全開ですねw
伊藤静さん・・何でも熟すね・・
植田佳奈は大阪出身か・・

その他の声優も結構良かったです♪
OP/ED他音に関しては可也好みでした。
キャラデザも男女平均のデフォで見易かった。

眼が・・眼が・・の呪力テンプレネタは結構好き。
時々啀み合いの仲裁に使うとかw結構知能犯w


臆病で弱気な高校生・伊庭いつきが父の失踪を機に継ぐ
事となった魔法使い派遣会社「アストラル」。
慣れない社長業に悪戦苦闘するいつきが、個性的な社員
たちと共に迫りくる敵と戦う異種魔法戦闘ファンタジー。


伊庭 いつき(福山潤/大浦冬華※幼少時)
呪力を見る事が可能な魔眼「妖精眼(グラムサイト)」を持つ。
「アストラル」2代目社長。勇花という義妹が居る。
異常なほど恐がり。特徴は右目にある大きな眼帯。

穂波・高瀬・アンブラー(植田佳奈)社長秘書兼教育係
「アストラル」ケルト魔術・魔女術課正社員であり魔法使い。
眼鏡をかけ関西弁(神戸弁)を話す。古びた箒で空を舞う。
大きな帽子に闇色のマント、片手には樫の木の杖。

Adilisia=lenn=Mathers(高橋美佳子)
魔術結社「ゲーティア」首領。名門貴族メイザース家の娘。
ソロモン王の魔術によりソロモン72柱の魔神を行使できる。
胸には五芒星のペンダントを下げた少女。典型的なお嬢様。

猫屋敷 蓮(諏訪部順一)猫をこよなく愛する陰陽術師。
「アストラル」専務取締役兼陰陽道課課長。情報収集が得意。
4匹の猫の使い魔(式神)は青龍、白虎、朱雀、玄武。

葛城 みかん(釘宮理恵)神道系魔術結社本家直系の生まれ。
「アストラル」神道課契約社員。血族から落ちこぼれ扱い。
千早に紅袴という巫女装束に身を包むツーテールの少女。

黒羽 まなみ(伊藤静)事務所の掃除やお茶くみをする見習。
「アストラル」幽霊課契約社員。魔法使い以外には見えない。
自我認識により、ポルターガイストを念動力のように使う。

隻蓮(小西克幸)布留部市にある竜蓮寺の住職で放浪癖。
「アストラル」真言密教課契約社員。武術と武具の手練れ。
常に虚無僧の格好をしており、10代で密教を修めている。

影崎(小野大輔)「協会」における「アストラル」担当者。
中肉中背であまりにも普通すぎる顔他特徴がないのが特徴。
禁忌を犯した魔法使いを裁く「魔法使いを罰する魔法使い」

オズワルド・レン・メイザース(中村秀利)
アディリシアの父で「ゲーティア」先代首領。

ダフネ(甲斐田裕子)「ゲーティア」の徒弟。
石動 圭(櫻井孝宏)「協会」の監査員
ラピス(名塚佳織)12歳くらいに見える謎の少女
フィン・クルーダ(宮野真守)チェンジリング。
城 桔梗(田中理恵)‎鈴香の娘であり、香、みかんの母親

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

70.4 12 巫女で友情なアニメランキング12位
刀使ノ巫女(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (321)
1298人が棚に入れました
古来、人の世を脅かしてきた異形の存在・荒魂を御刀によって祓う神薙ぎの巫女。
制服に帯刀が主な出で立ちの彼女たちは、刀使(とじ)と呼ばれる。
正式には警察組織に属する特別祭祀機動隊。
御刀の所持を公認された超法規的な国家公務員でありながら、
そのほとんどは全国に五ヶ所存在する中高一貫の訓練学校に通う女子生徒たちである。
ごく普通の学園生活をおくる彼女たちだが、ひとたび職務となれば、
御刀を手にし、様々な超常の力を発揮して人々を守って戦う。

この春。
全国五校から選りすぐりの刀使たちが集い、各々の技を競う恒例の大会が催されようとしていた。
大会に向け、多くの刀使たちが修練に励む中、ひときわ強い思いを秘め、ひとり技を磨く少女がいた。
彼女が構えた御刀の切っ先が向くその先は―。

声優・キャラクター
本渡楓、大西沙織、和氣あず未、木野日菜、松田利冴、鈴木絵理、瀬戸麻沙美、内山夕実、M・A・O、渕上舞、水瀬いのり

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ある種、王道ストーリーといえばそうなんですが…。(最終話: 「いい最終回だった!」(笑))

とりあえずオリジナルアニメらしいです。ということで原作はありません。

御刀(おかたな)と呼ばれる心霊的なパワーを上乗せできる特殊な日本刀に、自身の巫女としての霊力っぽいものによる独自の技を乗せて荒魂(あらだま)と呼ばれる悪霊っぽいものと戦う「刀使(とじ)」っていう職業があるらしい世界のお話のようです。

が、物語序盤でどうやら刀使の組織である警視庁刀剣類管理局の局長であるはずの折神紫(おりがみ ゆかり)が荒魂に取りつかれているらしいことが露見します。

その事実を知る十条姫和(じゅうじょう ひより)、姫和と折神紫の戦いの中でそれを看破した衛藤可奈美(えとう かなみ)が刀使による御前試合の会場を脱出して物語は始まります。

「組織を掌握している人が敵」とか「敵の正体に気づくことができたり説得されたりした人間が所属する組織に反乱を起こす形で上位者と戦う」っていうのは、例えば『聖闘士☆星矢』の序盤とかにもあった王道展開なわけですけど、王道というのはやはりそれが形として気持ち良いからこその王道なので観ていて不快感がありません。

姫和、可奈美たちを中心にまとまっていく青銅聖闘士(ブロンズセイント)的な刀使、折神家親衛隊という黄金聖闘士(ゴールドセイント)的な刀使の登場で物語の方向性はある程度予想は着くのですが、刀使たちが使うのが実在の流派という興味もあってついつい見入ってしまう私なのでした。

秀才型の姫和と天才型の可奈美という鉄板の組み合わせもポイントですね。

2018.4.16追記:
12.5話: 1クール目総集編。良く出来ていました。

13話: アマチュア(モブ刀使)とプロ(可奈美以外のメインキャラ)、そしてそういうのを越えたところにいる天才(可奈美)みたいなのが見えてなかなか良かったです。

14話: ベタだけどこういう「敵か味方か」みたいな展開は、バトル物定番として欠かせません。なかなか良い感じ。

2018.4.29追記:
第16話。一柱しか出ないのは不自然だよね、と思っていたからある意味当然の宗像三女神。サイズ小さいけど、あのお社の形は大社造?
(まあ、系譜を考えるとそうなるのか。)

しかしだとするともしかしてラスボスはまだお出でになっておられない?

2018.6.2追記:
前回で新OPの伏線も回収され、いよいよ佳境に。宗像三女神とくれば、今のところ一切そんな気配はないけど実はラスボスはあのお方だったりして…。
(まあ、たぶんこの予想は当たらないと思いますが。)

なお、ここに来てバトルシーンの演出と作画は良くなってきています。

2018.7.9追記:
最終回まで観終わっていましたが、更新し忘れ。ラスボスの大胆な予想(?)は外れて、スサノオは出てこなかったです(笑)。← 宗像三女神のお父様なのでちょっとだけ期待していました

最終話がエピローグ的に使われつつも、この世界での刀使の仕事はなくならないといった感じで無事にアプリの世界観につながった模様。

物語的にはきちんとけりが付いているので、消化不良感はありませんでした。面白かったです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 42
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

鎮魂の剣は今日も舞う

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既刊原作なきオリジナルアニメ 全24話
(月刊少年エース2017年12月号よりコミカライズ連載中)
放映中に本作のスマホゲームが発売されたが未プレイ。

原作:伍箇伝計画
監督:柿本広大
シリーズ構成:髙橋龍也
キャラクターデザイン:しずまよしのり(原案)、八尋裕子
音楽:橋本由香利
アニメーション制作:Studio五組
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”古来、この国を脅かしてきた荒ぶる神、荒魂(あらだま)。
それを祓う神剣、御刀(おかたな)に選ばれた神薙(かんなぎ)の巫女(みこ)。
人は彼女たちを刀使(とじ)と呼ぶ。”
(第1話 アバンタイトル内ナレーションより)

<はじめに>
バトルものでも「装神少女まとい」のような日本神道ベースの
和風設定ものが好きで試しに視聴開始した。

期待値込みの高めの評価からスタート。
オリジナルアニメゆえ最後まで話の行方は一切不明なので
最終話までに大きく変動するかもしれない。

<17話まで視聴>
より多角的視点でキャラクターが描かれ、面白さ継続中。
対モンスターバトルより、人間群像ドラマとしての側面が大きいのが好い。
このまま失速しなければ自分の中で、傑作とは言えずとも佳作以上にはなりそうだ。

作画は、ばらつきもありチープな所も結構あるが、
脚本の魅力がそれを補ってくれている。

また、作画には古式術の専門家を交えた5名ほどの剣術監修が入っている。
そのため、ヒロインたちのバトル時の決めの型はしっかりと描かれ、
端折る部分はあっても、剣術の格好良さは十分伝わってくると思う。

これから視聴開始される方は、
キャラクターのテンプレイメージの先入観をなるべく持たないほうがいい。
キャラの掘り下げ方と、キャラ同士の関係性の構築が巧い脚本なので
素直に作品と向き合えば、意外な面白みを発見できると思う。

<”男は全員空気&ヒロインは全員中高生”系>
{netabare}
アニメのこの手の、初めて触れた作品は「けいおん!」。
以後、2012-13年の「ガルパン」「ラブライブ」のような
メガヒットが出現したあたりから、雨後の竹の子のごとく
やたら増えた気がする。

男が不甲斐なさ過ぎというか、たまに現れると「あれ?いたの」的で、
ツッコミ所も多く、バランス悪く超がつくほど非現実的。
この手の作品はダメな人は全くダメだろう。
自分もどちらかと言うと苦手なほうだったが、最近慣れたせいか、
いつの間にか普通に観れるようになってきた。

同クールの「宇宙よりも遠い場所」「ゆるキャン△」もそんな傾向だが、
あにこれで2018年冬アニメランキングの堂々のベスト3入りだし、
個人的にも非常に気に入っている。

さて本作でも男は、まるで絶滅危惧種。
第1クールだけで言えば、おおよそ98パ-セント以上の男はモブキャラ。
日本を舞台にしてるが、一人を除き、
出てくる組織の幹部や管理職に男が見当たらない。
その一人だって日本人じゃない。
このノリでは総理大臣もきっと女性に違いない。

対峙すべきは、”荒魂”と呼ばれるモンスターで強敵。
とは言え、人vsモンスターの単純なものだけでなく、
人に憑依することもあるゆえ人vs人の構図も多い。

正直第1話は、それほど惹かれるものがなかった。

ただ次回は気になったので視聴は継続。
3話迄は、まあまあ。そして4話から面白さ倍増。
5話視聴後からは、次回が非常に楽しみになった。

7話終了時点で、丁寧な人物描写の積み重ねに
6名のメインキャラの行く末に目が離せなくなった。
最後まで楽しみになりそうだ。
{/netabare}
<2+2+2=6 じゃなく 2×2×2≒∞ の魅力>
{netabare}
7話視聴終了時、シリーズ構成&脚本で
非常に巧いなと思ったことがあった。

それは、6人の主要キャラを漫然と一塊にすることなく
2人の友情×3で描いているところ。

各キャラの背景もさりげなく織り込みずつ、
3ペアの絆を3乗させることで、各個人の個性のみならず
各ペアの個性も加えられチームの人間模様は実に多彩。
感情移入のストライクゾーンも広がってると思えた。

僅か半クールの間で初対面のキャラもいるのに
6人の絆深きチームが生まれる様に全く無理がない。

また敵対するキャラたち。
口数少なく謎多く、カリスマ性のあるラスボス。
そのボスに心酔する多様多彩な強敵たちは、
キャラも立ってて非常に魅力的なのも好い。

キャラの評価は以上から★5とした。
敵味方誰一人として無用な存在なく
群像劇としての価値も大きい。
{/netabare}
<音楽>
{netabare}
第1クールOP「Save you Save me」が秀逸。この一曲だけでも★5確定。
第1クールED「心のメモリア」は佳曲。
第2クールOP「進化系Colors」も佳曲。
メロディ以上にベース&ドラムのリズム隊が心地よい。
聴き込むほどに好きになる。
12話挿入歌&ED「今この身が果てようとも」、
第2クールED「未来エピローグ」の2曲もなかなか好い。
{/netabare}
<各話レビュー>
◎ 胎動編
★ 第01話「切っ先の向く先」脚本:髙橋龍也
{netabare}
<ヒロイン3人で物語が動き出す>
衛藤可奈美(えとうかなみ)と柳瀬舞衣(やなせまい)は、
全国に五校設立された中高一貫の
特別刀剣類従事者訓練学校(伍箇伝)の一つ、
岐阜の美濃関学院の中等部在籍、同じクラスで13歳の二年生。
二人は学内トップの実力を持つ刀使。

大の仲良しの二人だが、舞衣にとって可奈美は超えられないライバル。
舞衣はコンプレックスを感じているようだ。

全ての刀使の頂点に立つ折紙家。
そんな二人は、伍箇伝の代表が集うその御前試合に
学校代表として参加することになったが...。

初回は以上に加え、やはり伍箇伝の一つ、
奈良にある平城学園中等部三年生の14歳、
十条姫和(じゅうじょう ひより)も登場。

胸に一物ありそうな面構えの姫和と、無邪気な明るい可奈美が
明確な陰と陽のコントラストを生み出す。

しかしキャラの魅力が未知数で、序盤は既視感あって
単なる剣の試合が続くのかと思ってしまい
途中で観るの止めようかとさえ思った。

しかし最後に起きた、決勝戦での
姫和vs可奈美が引き起こした事件が興味を繋ぎとめた。

姫和以上に可奈美の取った行動が謎。
折紙家当主、折神 紫(おりがみ ゆかり)の謎。

それらのおかげで1話切りせずに済んだ。

美術では、和風建築の建物全般が印象的。
中でも折紙家の京都御所をイメージするような格調高い御殿は別格。
その、和風の中でも超一流な浴場に浸かってみたい。
雅な貴族気分を味わえるに違いない。
{/netabare}
★ 第02話「二人の距離」脚本:髙橋龍也
{netabare}
<可奈美と姫和の逃避行のはじまり>
事の重大さに関わらず、相変わらず楽天的な可奈美。
姫和の行動の理由も問わず不思議な娘だ。
姫和は当初、可奈美のマイペースに持て余し気味だったが
たまに核心をつく発言をする可奈美に少しずつ心を開く。

刀をギターケースに入れ刀使であることがバレぬよう移動。
なんだか、「けいおん!」の唯と律に見える。
見た目だけでなく天然×生真面目で性格も似てるし。

チョコミント愛を語る姫和に、
人間的魅力を感じるようになってきた。

舞衣の推理力、実行力も素敵だ。

謎を小出しに明かしつつ、少しずつキャラクターが輝きだした。

これは悪くない。次回が楽しみになり始めた。
{/netabare}
★ 第03話「無想の剣」脚本:髙橋龍也
{netabare}
<敵と味方>
鎌府女学院の学長、高津 雪那(たかつ ゆきな)。
折神家親衛隊の第四席、燕 結芽(つばくろ ゆめ)。

この二人は絶対ヤバイ。
きっとこれから色々ヒロインの足を引っ張るのは確実だろう。
基地外キャラ登場に、不穏な空気がさらに広がる。

美濃関学院の羽島学長は、どうやら今回の不祥事には全く動じず。
意外にも、可奈美たちの味方のようだ。

そんな学長が手配してくれた学校OGにより、
可奈美と姫和は匿われ、一時の安らぎを得る。

<謎は広がる>
相変わらず泰然自若の当主ユカリ。
彼女の考えが全く読めない。
可奈美の気付いたユカリの正体とは一体何なのか。

毎夜、可奈美の夢の中に現れる剣術師匠とは何者なのか。

<新たなヒロイン3名が物語に合流>
長船女学園高等部一年生15歳、
益子 薫(ましこ かおる)、古波蔵 エレン(こはぐら えれん)。

神奈川の鎌府女学院中等部一年生の12歳、
糸見 沙耶香(いとみ さやか)。

実は1話から顔見せは済んでいた以上の3名だが、ここから話に絡みだす。

可奈美と姫和に立ちはだかる敵側の沙耶香。

場違いに水着で登場し、舞衣に初対面の挨拶する薫とエレン。
薫のペットといい、どこかぶっ飛んでる感じの二人。
1話からその片鱗を覗かせていたが、二人はお笑いコンビになりそうだ。
{/netabare}
★ 第04話「覚悟の重さ」脚本:髙橋龍也
{netabare}
薫とエレンが物語に本格的に絡みだした。
薫の脱力系淡泊さと、
エレンの人を食ったような掴みどころがない性格の組み合わせが絶妙。
まさか二人がここまで魅力的になるとは予想外のサプライズ。
{/netabare}
★ 第05話「山狩りの夜」脚本:あおしまたかし
{netabare}
今回の脚本の、あおしま氏は太田雅彦監督作で馴染みが深く、
個人的に割と好きな脚本家。コメディ描写がさすが。

演出上の間合いも良かったが、
脚本上も、キャラクターの台詞の応酬で
キャラがより輝いた。

薫とエレン。今回の二人はお笑い担当として大いに魅力的。
アバンは、上記凸凹コンビの漫才状態に爆笑!!

さらにはAパートで、今までは話上の一番メインだった
可奈美と、生真面目でお堅い姫和(ひより)も
すっかり彼女たちのペースに巻き込まれて食われた。
そして4人はお笑いカルテットとなりちょっとした息抜きに。

また今回、薫は幼少期の描写もあり、個人的に6名の中で一番好きになった。
特に脱力モードから本気モードへのチェンジがグッと来た。
やっぱバトルものは、本気出してなんぼのものである。

可奈美は、天然能天気なようで
実はとっても賢く侮れない本性の一端も垣間見れたのもグッド!
彼女は、まだまだ全容が計り知れない。
まだ何かがありそうでこれからも興味深くなった。
{/netabare}
★ 第06話「人と穢れの隙間」脚本:砂山蔵澄
{netabare}
<エレンの諜報活動とその顛末>
薫と別行動のエレン。
親衛隊に接触。敵の拠点に自ら飛び込む。

おとぼけ上手なエレン。
折神家親衛隊の第二席、此花 寿々花(このはな すずか)の尋問に
余裕でのらりくらり。

隙を見て、ドーピング用のノロアンプルをゲットするエレン。
しかし、発見した親衛隊の第三席、皐月 夜見(さつき よみ)の
ドーピング済の攻撃に苦戦。

あわやエレン絶命かのタイミングで登場の助太刀、姫和、薫、可奈美。

まずは姫和、薫の二人がかりで夜見に対峙。
エレンを安全な所まで退避させた後、可奈美も戦闘に合流。
さらなるドーピングで人と呼べぬほど荒魂化した夜見。
夜見を殺すことができない可奈美は絶体絶命に。
過剰なドーピング効果の反動で倒れる夜見。
可奈美も九死に一生を得る。
その後、エレンが手配した潜水艦で4人はようやく敵から逃亡できた。

その報告を受けても余裕綽々のユカリ。
「二羽の鳥は未だにこちらの掌の上にある。案内してもらおうではないか。」
と謎の台詞をつぶやく。

安心するのはまだ早い。本当の窮地はこれからなのだろう。

薫の「ホーームランっ!」、緊迫した中での一発芸が楽しかった。
薫がいるとシリアス展開でも必ず和む。やっぱり面白いキャラだ。
{/netabare}
★ 第07話「心の疼き」脚本:あおしまたかし
{netabare}
エレンが手配した謎の潜水艦の所属は米軍だが、
それを運用していたのはエレンの祖父だった。
また、ユカリの陰謀を阻止しようとしていた
謎の組織のベールが剥がれ始める。

<あおしま流ギャグのすすめ>
姫和の口撃に「エターナル胸ぺったん女」と反撃する薫。
以来、声優特番でも姫和をエターナルと呼ぶ視聴者多数となる。

包帯消費量の多さでエレンが最胸娘と判明。
その事実を突き付けられた姫和と薫の止め画の表情必見!
作画もノリノリだ。

<沙耶香の成長>
舞衣と出会うことで人の温もりを知った沙耶香。
今までは高津学長に従順な、戦う機械のようだった彼女に自我が芽生える。
舞衣は沙耶香の心のSOSを受け止め保護。4名と合流。
ついに6名のヒロイン勢揃い。

最後にはユカリの妹、折神朱音(おりがみ あかね)初登場。
キーパーソン勢揃いでクライマックスへ向けステップアップ。
いよいよ本格的な戦争の始まりか…。
{/netabare}
★ 第08話「災厄の日」脚本:髙橋龍也
{netabare}
世代を超えた物語。いいですね。

<相模湾岸大災厄>
ヒロイン達の母親世代の因果因縁は引継がれ、その決着の宿命を負う娘たち。
現在に続くすべての問題の発端となった最終決戦が描かれる。

それは、遡ること20年前のこと。
400年続く 刀使と荒魂の歴史の中で、
大荒魂による大災厄は記録上過去3回あり、今回で4回目とのこと。

大荒魂出現から4日目の被害状況…
死者1,089人、行方不明者864人、負傷者15,246人。

討伐隊は、伍箇伝の現学長も参加していたが、
最終的に大荒魂封じに向かったのは、ユカリと可奈美や姫和の母親の3人だった。

大荒魂の鎮めの儀は、姫和の母、篝(カガリ)が命と引き換えに執り行うもの。
しかし、当時の最強の刀使、可奈美の母、美奈都(ミナト)によりカガリの一命を取り留めた。
結果として大荒魂鎮めの儀は不十分で成し遂げられず。
大荒魂はユカリと同化し、現在に至るまで力を蓄え続けてさらに強大化してることが判明。

可奈美の夢の中の剣術の師匠はミナトだった。
可奈美と姫和の御刀(おかたな)は母親譲りのもの。
二人は宿縁によって出会ったのだろうか。

そして、すべてのノロアンプルはユカリと共にある大荒魂と繋がっているよう。
エレンがゲットしたアンプルにより、アカネたちの居場所を特定されてしまったようだ。
次回、急展開の予感。
{/netabare}
★ 第09話「祭りのあと」脚本:砂山蔵澄
★ 第10話「明日への決意」脚本:大久保昌弘
★ 第11話「月下の閃き」脚本:あおしまたかし
{netabare}
てっきりラスボス以外は、誰も死なないんじゃないかと高を括っていた。
その予想を見事に覆された回。

<今回の主人公…結芽:CV 水瀬いのり>
親衛隊の中で唯一、あどけなさ残す最年少の12歳にも拘わらず
最凶の存在でヒロインたちを苦しめてきた彼女。
戦闘狂になった経緯が明確になる
回想シーンが胸に突き刺さる…初めて見る彼女の笑顔。

延命のため荒魂を身に受け入れた彼女。
誰にも心酔せず、誰も恨まず。
ただ生きた証が欲しかった。

7話で、コンビニ前に彼女が表れた時、
剣の鞘に描かれていたウサギの顔とusa chanの文字。
その性格とのミスマッチが印象的で頭から離れなくなっていた。

本来は可愛いものが大好きなごく普通な女の子だったんだ。
誰からも愛されるような人生を送れたかもしれないのに…運命は残酷だ。

初めて敵方キャラの一人に深く感情移入した。

「何にもいらないから...覚えていてくれたら、それでいいんだよ」

水瀬さんの迫真の演技が素晴らしい。
一人寂しくその短い命燃え尽きるとき、
その切なさに涙流す直前までいったがかろうじて耐えた。

しかし、架空の人物とは言え、彼女の冥福を心から祈らずにはいられない。

やはり自分は、あおしま脚本と相性がいい。
{/netabare}
★ 第12話「ひとつの太刀」脚本:髙橋龍也

◎ 波瀾編
★ 第13話「次代の英雄」脚本:髙橋龍也
{netabare}
前回でヒロインの母親世代の因縁決着で胎動編終了。
今回から波瀾編突入でOP&EDが新しくなった。

サブタイトルは、可奈美を中心とした次世代の物語の開幕を告げる。

新オープニングで今後の展開が暗示される。
次代の英雄の中にもダークサイドに落ちるものが出るのだろうか。

12話のラスボス戦から四ヶ月が経過。
未曽有の大災害を切り抜けた6人のヒロイン中で、
最強認定されたのは可奈美だった。

関東での荒魂討伐で瞬殺の冴え。
ゆく先々で格上の英雄扱いの彼女。
彼女自身は奢ることなく、変わらない天然さのままだが、
そこに仲間たちとの思いもよらぬ溝が生まれそうな予兆。

薫とエレンは、一見お気楽マイペースに見えるが実は達人。

目上からもお覚えめでたく、重宝されてる(こき使われてる)日々のよう。
主人公より年上だし、これから何があっても動じない気がする。
きっとこれからもいい感じなコメディリリーフでいてくれるだろう。

舞衣は、前回までに最も精神的に成長したヒロイン。
心なしかバストもさらに成長した気がする。
豊かな包容力と逞しさを感じる。もう滅多なことでは動じなさそうだ。
これから6人のリーダーとして一層の活躍が期待できそう。

新たな荒魂と結びついた人災の不穏な動きもちらほらと。
彼女たちの本当の戦いはまだまだこれから。

さてこれから何が起こるのだろうか…。

ところで、今回一番印象的だったのは
折神朱音の国会での証人喚問の不毛な感じや
薫の公務員のぼやきのリアルさ。
リアルすぎてあまりシャレにならない。
脚本の髙橋氏は、政治にシニカルなんだろうか。
{/netabare}
★ 第14話「家族の場景」脚本:砂山蔵澄
{netabare}
さすが2クールの尺ならではのエピソード。
今までとは毛色の違う回で実に新鮮だった。

<柳瀬家と古波蔵家の小景>
第1クールでは、事件に巻き込まれたヒロインたちは
ひたすら逃走と日陰者の戦いの日々で社会から隔絶、アウェイだった。
ゆえに家族の存在感がゼロ。もしくはあっても非常に希薄。

第2クールの現時点では、その戦いも一端決着で一段落。
平時ともなれば当然、家族の元に帰るものがいる。

そこを丁寧に描き今回、キャラクターに現実味を与えてくれた。
今までは、男性の存在感が希薄だったが今回でその印象は一転。
父親を中心とした家族の有難みを描いてくれてうれしい。

<舞衣とエレンの異色コンビが新鮮>
感情をストレートにスキンシップで表現するアメリカ人と
中々本音を言えない奥ゆかしく照れ屋の日本人。
その違いの描き分けが上手い。

裕福な何不自由なく育ったお嬢様でも、
良識をわきまえた、社会的貢献度合いの高い、尊敬できる両親の下で
愛情たっぷり育ったからこそ、心身共に年齢以上に大人な二人。
そんな二人なら、刀使という役割に矜持を持って、
真っ直ぐにその使命を果たそうとするのも納得だ。

二人のバストの豊かさは愛情の豊かさの象徴かもしれない。

<刀使たちの社会的地位の失墜>
また、前回描かれた国会描写は今回の伏線だったことが判明。

ヒロインたちの命がけの成果は、
思った以上に社会からは評価されていなかった。
しかも誤解と批判に晒されている。

実際の日本社会の現状とリンクしてるかのような生々しさが
ファンタジーなのに人間ドラマとしての厚みを与えてくれている。

<本筋の動向>
フード姿の謎キャラが今回も出没。
ヒロイン周りに、不安を与え平和をかき乱す。
再び6人のヒロインが全員揃わないと勝てないほどの強敵かもしれない。

前回はフードキャラは一人だけかと思ったが、実は二人いる可能性が大。

仮に二人いるとしたら、
一人は行方不明の元親衛隊第一席の獅童真希と思われる。
こちらは危機一髪の刀使の助太刀に入った。

しかし、もう一人の姫と呼ばれる存在。
こちらは刃向かうものに情け容赦なく、邪悪なオーラに満ちている。

二人は繋がっているのか、全く別な立場なのか。
謎が深まり次回も目が離せない。
{/netabare}
★ 第15話「怠け者の一分」脚本:あおしまたかし
{netabare}
サブタイトルはキムタク主演映画「武士の一分」から
インスピレーションを得たものだろう。

今回、あおしま氏の、”かんぴょう巻き””ストップ安”など
意外なものを笑いに変える、冴えたセンスに脱帽。

<益子薫の憂鬱>
中の人、松田利冴さん大活躍の巻。

本作は、薫成分がないと気の抜けたコーラのようなもの。
彼女のポップではじけるギャグの世界がたまらない。
今回は、冒頭から親父モード全開の薫を堪能させてもらった。

「休んだり、遊んだりするのも任務の内だ」
「働くのは、普通に負けだろう」

怠け者には怠け者なりの一家言。

一見、言い訳の、しょうもない台詞だが、薫なりの体験から滲み出た一言。
最後まで観ると、一端の刀使として頼もしく見えてしまう(たぶん)。

その証として、今回のもう一人の主人公、沙耶香も話の最後には、
刀使として大切なものを教えてもらった、と本部長に報告していた。
(ただし、その後にオチも付いていい話で終わらせないのが、あおしま流)

<真面目ちゃん×おやじ>
今回、本部長の采配で薫指揮下の部隊の6人目の隊員となった沙耶香。
彼女は、真面目でストイックな所が姫和と似てる。
しかし真面目過ぎて人をいじるのが好きな薫にとって、
いじり甲斐がなくて苦手なよう。

薫は、真面目過ぎる沙耶香の心に柔軟性をと、様々なアプローチで沙耶香に絡む。
沙耶香は、薫の彼女なりの思いやりを受け止めることが出来るのだろうか。

<ヒヨヨン・ザ・ナイペッタン×オヤジ>
しかし、どんないじりにも暖簾に腕押しな沙耶香に疲れた薫。
LINEで姫和をいじり、ストレス発散も欠かさない薫であった。

「ねねが沙耶香になついた。つまり、沙耶香はヒヨヨンのホライズン胸より未来があるみたいだぞ★」TOJIRANGER_RED
「しょうちした きさまはきる」FROM:ひより

漢字変換すらしない姫和の速攻返信。
瞬間湯沸かし器のようなレスポンスの良さに、
”やっぱ、こーでないとな”と、意地悪にほくそ笑む薫。
それにしても、刀使レンジャー・レッドとはまた、薫らしいアカウント名だ。

ところでもし今後、”沙耶香×姫和”の回があったら、真面目×2で
会話が続かずお通夜みたいになっちゃうかもだが、それもまた一興。
観てみたい気がする。

<益子隊の憂鬱>
益子隊の桐生副隊長は、薫のぼやきを的確な対応とツッコミで
いつも冷静に受け止め、薫ギャグの冴えのアップに貢献。

その他隊員4名は、真面目で強い沙耶香を応援。
にこやかに偉そうな薫の発言をさりげなくスルー。
「清々しいまでに卑怯」「逆の意味で尊敬します!隊長」…
時には遠慮なく薫を直接ディスる。

薫は隊員から愛されてるんだか、単になめられてるんだか。
いじり好きな薫は、隊員には逆にいじられっぱなしなのは間違いない。

薫は時に、温泉卓球のシーンなど、オチが見え見えのお約束ギャグをかます。
それを事前に、副隊長「流れるようにフラグを立てますね」とか、
視聴者代弁フォローで笑えるギャグとして成立させる脚本のしたたかさが光る。

<真庭学長 vs おやじ>
薫の直属上司である特別祭祀機動隊の指揮官の真庭学長(本部長)。
「荒魂討伐任務、終了したぞ。ド畜生...じゃない、学長」
「信じてたぞ!本部長。あ、じゃなかったおばさん!」
…いじり好きの薫は本部長にも容赦ない。

人使いの荒い本部長には、日頃の恨みつらみが籠る分、
エッジの効いたものになるのは必然。

本部長は、そんな薫に関わると普段の冷静さはどこかに吹き飛ぶ。
小皺注意報が止まらない。

しかし、
本部長「お前には隊長としてをチームを率い、○○にいってもらう」
薫「オレ、パスポート持ってないし」
本部長「○○なめんな」
と、薫のボケに的確なツッコミを外さない本部長だった。

喧嘩するほど仲が良い二人。
上下関係や世代を超えて遠慮ない二人を見てると、
実は相性が良さそうで微笑ましい。

<本筋の動向>
話も少しは動いてた気がしたが、薫ワールドでお腹いっぱいで、
今回シリアス要素はあまり印象残らず。

ただ、今後の獅童真希の動向が一層興味深くなったのは確かだ。
{/netabare}
★ 第16話「牢監の拝謁」脚本:大久保昌弘
{netabare}
大久保氏の脚本回は、コメディ成分が少ない。
その分、話がどんどん進むようだ。

6人のヒロイン久しぶりの勢揃い。
ひと時の和みを経た後、話は本筋へと戻る。

やはりフードの刀使は二人いて、
一人は獅童真希であり、もう一人はタギツヒメが人に化身した姿だった。

ロンリーソルジャー獅童は、タギツヒメをつけ狙う。

<人と神の争い?荒魂の真の目的とは?>

大荒魂は12話で3分割された。が…

本作での荒魂とは、そもそもどういった存在なのか。
今回、今更ながらそんな疑問が起きた。

宗像三女神…湍津姫神(タギツヒメ)、田心姫神(タキリヒメ)、市杵島姫神(イチキシマヒメ)
3分割された荒魂のそれぞれの命名は、
以上の福岡県の宗像大社のご祭神から取られている。
ならば本来は、人に恵みを与える神でないとおかしい。

作者は、2017年に正式に世界登録されたばかりの沖ノ島に目を付け、
そこの沖津宮に祭られるタキリヒメから着想を得たのかもしれない。

今回初登場したタキリヒメの動向から
荒魂を絶対悪として描くつもりはない、というメッセージが籠っていた気がした。
今後はさらなる深いドラマを期待したい。

関東圏に住む自分だが、宗像大社は10年以上前にお参りして以来
大好きな神社の一つ。
宗像大神を単なる邪神に貶めて終了、というのは勘弁して欲しい。

<人側の敵とされる者も含め、多くのキャラの実際の目的があやふやな点多し>

・獅童真希の真の目的とは?
・ユカリの現状の役割とは?
(何と、妹のアカネの管理下でユカリは壮健。何かを任せれていた)
・荒魂側に付く人間たちの想いとは?

主要な敵キャラも揃い、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、新たな謎を提示。
また、可奈美に憧れる刀使の二人の運命にやばいフラグ立ってる。
今回は名前のみしか登場しなかったイチキシマヒメとは?

今後の展開に一層目が離せなくなった。

ところで、ほとぼり冷めて刀使の立場も復権したようだが、
大勢の一般の刀使が、あまりにもモブキャラでやられてばっかり。
どうしても存在価値が希薄に見えてしまう。ちょっと気の毒。
{/netabare}
★ 第17話「女神たちの狂騒」脚本:髙橋龍也
{netabare}
前回に続き説明の多い回だった。

獅童は、荒魂(タギツヒメ)側でなく政府側と合流。
彼女をリスペクトする此花との再会を果たす。
彼女が荒魂を受け入れたのは、戦い続ける力が欲しかったからであり
ユカリがタギツヒメと同化していたのは知らなかった。

タギツヒメと名乗った荒魂本体は幽世(かくりよ)に逃れユカリを切り捨てていた。
ユカリは尊敬されるべき刀使の頂点なのに、可奈美のストレートな
「トカゲのしっぽ切り」の失礼な例えは周りの目を点にする。
可奈美は、天然過ぎて賢いのか馬鹿なのかよく分からない。

ユカリは人として復活。今は密かに特別刀剣類管理局に協力。
イチキシマヒメ保護のため潜水艦での護衛任務に就いていた。
今回初お目見えとなったイチキシマヒメの弱気な人間臭さが興味深い。

今回、可奈美と姫和の御刀、千鳥と小烏丸が、
時々共鳴する理由もユカリにより明かされた。

<3柱の姫とは>
今、姫となって顕現した荒魂の3分身は、
どうやら宗像三女神の名前を騙る別な存在のよう。

今回、三女神のそれぞれの個性が明かされた。
それは一言でいうと、怒り、支配、融合。

3柱は戦って勝利したものが他を取り込むことが出来る。
3柱が一つになると禍神(まがかみ)として顕現。
日本にとって20年前の大災厄以上の危機となるらしい。

<タギツヒメに味方する高津学長や相楽学長一派の狙いとは?>
イチキシマヒメは、人と荒魂の融合による人体強化の技術を生み出した。
高津学長や相楽学長の一派は、人と荒魂の融合を推進させたいのだろうか?
それとも、タギツヒメの策略に単に踊らされてるのか?
タギツヒメに協力する理由が未だ不明だ。

一方、前回フラグの立った生徒たちは、
ノロを注入されタギツヒメの近衛隊の一員になってしまう。
相楽学長は、良心の呵責によりそれを阻止しようとしたものの夜見の一手で敵わなかった。

今回、夜見は殺人未遂罪を犯したが彼女は最終的に救われるのか?
神々の願い、人々の願い、それぞれの想いの行方は?

また、三女神の顔をよく見ると、
見ざる(タキリヒメ)聞かざる(タギツヒメ)言わざる(イチキシマヒメ)
になっていたが、深い意味があるんだろうか?

さらにイチキシマヒメは、OPで暗示されてるように〇〇と同化するのだろうか?

次回は、あおしま氏の脚本なので非常に楽しみ。
話がシリアスになると存在が消えてしまう薫。
そろそろ新ネタ引っ提げて戻ってきて欲しい。
{/netabare}
★ 第18話「荒魂の跳梁」脚本:あおしまたかし
{netabare}
<タキリヒメ、急に神様らしくなる>
当初タキリヒメは人を、虫や獣と同列に扱っていて、
アカネからの共闘の申し出を完全拒否。

しかしタキリヒメは、ねねと可奈美との短い交流の中で、
大らかになり、人と荒魂の共存共栄の可能性を見出す。

<タギツヒメ、強大なパワーで他を圧倒>
そこにタギツヒメ一行が、タキリヒメを保護していた市ヶ谷の防衛省を急襲。
人に優しくなったタキリヒメは弱体化してしまい、あっさり倒されタギツヒメに吸収。
その結果、タギツヒメは誰も敵わないかのようにパワーアップしてしまった。
ノロ強化によるタキリヒメの近衛隊も強すぎて誰も押し返せない。

<本筋の行方>
16,17話と、2話続けての説明回だったが、今回は物語が大きく動いて
各勢力のパワーバランスがおおきく変動。

今回は、夜見の薄ら笑いの意味が一番気になった。
また、可奈美へのタキリヒメの消えゆく間際のメッセージが印象深い。
「どこまでも飛ぶ姿が見えた。飛べ、人よ。速く、高く、遠く…」
可奈美は、一体どんな未来が待ってるのだろう。

現時点では、封印や討伐といった過去の刀使と荒魂の戦いの歴史から
人と荒魂の共存にパラダイムシフトすることで
400年の戦いの歴史に幕を閉じる物語になる可能性を感じる。

それは、益子家の荒魂への対応が生み出した
長き時を経て穢れ持たぬ荒魂となった、ねねの存在が大きなヒント。

また、三女神のキャラデザが象徴する、
よく見る、よく知る、よく語ることは今後も重要な鍵になりそうな予感がした。

今回で全体の3/4が終了。
今回の展開は、残り6話あるとは思えぬほど急。
まだ二転三転しそうで先が読めない。
気になる謎を温存しつつ、次回へ繋がる。

今回、あおしま氏の脚本は、得意なコメディ要素は少かった。
しかし、舞衣×沙耶香、獅童×此花、薫×エレン、可奈美×タキリヒメ
に見られるように、ちょっとした台詞のやりとりとスキンシップで
キャラ同士の関係性に親しみと温かみを与えてくれてよかった。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 19

Aisle さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

百合系御刀バトル物

御刀という神力を持った刀を用いて人を超えた強さでもって戦う作品

最初は対怪物ものかと思ったが、アニメ作中では対人戦がほぼメイン
これは荒魂がある程度の実力さえあれば苦戦せずに倒せるレベルのものに落ち着いてるためだと思われる。


話が終盤になるにつれどんどん伏線が回収されていき、また一から見直すと新たな発見が多くてとても楽しめる。

殺陣では、剣術史に詳しい方が監督されており、それぞれの流派の動きがとても高く再現されており、その方面でも楽しめるのは珍しい作品だと思う。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

65.8 13 巫女で友情なアニメランキング13位
装神少女まとい(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (276)
1154人が棚に入れました
西暦2016年――。釜谷市にある「天万神社」で、巫女のアルバイトをしていた中学2年生、皇(すめらぎ)まとい。幼少の頃に母と生き別れになった彼女は、父方の祖父母の家に長年預けられており、三ヶ月前からようやく父である伸吾とふたりで暮らし始めた。そんな境遇からか、まといは平凡で穏やかな日常に憧れていた。

まといの親友で、バイト仲間である草薙(くさなぎ)ゆまは、「天神社」の神主一族に生まれた次期巫女候補であった。彼女は、一族が悪霊を払うための「退魔行」を先祖代々行っていたことを知り、まといを誘って「退魔行」にまつわる儀式「神懸りの儀」にチャレンジしようとする。

学校が終わり、いつものように神社へと向かったふたりであったが、そこで荒らされた境内と、傷つき倒れたゆまの両親に遭遇する。さらに、刑事である伸吾が捜査を行っていた怪事件の重要参考人で、どこか正気でない雰囲気を纏った男の姿もあった。暴れる男を抑えようと、ゆまは咄嗟に「神懸りの儀」を執り行ったのだが、異変が生じたのはゆまの方ではなく――。

平凡で普通の生活を求めていた少女に与えられたのは、神を纏って悪霊を払う能力!? 皇まとい、誰にも邪魔されない穏やかな日々を取り戻すため、退魔活動(タイカツ)に励みます!

声優・キャラクター
諏訪彩花、大空直美、戸松遥、東地宏樹、川澄綾子、檜山修之、阿部敦

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

装神→全裸じゃもう服がないよ。服を買いに行く時に着る服も無い。

2016年放送のテレビアニメ 全12話 ほかにOVAあり

監督 迫井政行 構成脚本 黒田洋介 キャラデザ 戸田麻衣
制作 WHITE FOX

新興会社でありながら矢継ぎ早に名作を生みだしたWHITE FOXの初の完全オリジナル作品。
ゼロから始める異世界生活に続く形で放送され、まさに絶好調の時期です。

神奈川県内にある架空の市を舞台に描かれる和風魔法少女アニメ。

皇まとい CV諏訪彩花 中学2年生の少女 父と二人暮らし 巫女のバイト
草薙ゆま CV大空直美 中学1年生の少女 天万神社の娘 まといのいとこ
クラルス・トニトルス CV戸松遥 15歳の少女 ファティマに所属

えーこれも全裸系魔法少女アニメです。
巫女風魔法少女に変身すると、着ていた服は消滅して元の姿に戻ると全裸という設定。
なので、主人公まといは嫌がっているのですが、後半は少し慣れてきます。
「魔法少女なんてもういいですから」と違って目的があると慣れるし工夫も考えるのです。

オリジナルなのできれいに完結していますから安心して見れます。
3人の魔法少女はもちろん、他キャラも非常に魅力的でレベルの高い魔法少女アニメです。
巫女服の退魔少女という設定もありがちですが、可愛くてかっこいいし面白いです。
戦闘シーンは今一つ印象に残りませんが全裸シーンでカバーしてるんでしょうね。

ただ、ストーリーはひねりがなく一直線で驚くような場面はありません。
分かりやすいと感じるか、つまらないと感じるかは体調次第かもしれないですね。
テーマとなる家族愛ですが、いまひとつ表現しきれていないような気がします。

最後のほうはともかく全体的にコメディ系が前面に出ていて、
コメディとしてみれば笑えるシーンも多く、満足できる作品でしょう。
実際、コメディアニメのラストに急展開を入れただけという見方のほうがいいような気がします。

大風呂敷を広げたように見せかけた適当魔法少女コメディアニメとしてなら文句なしに楽しめる良作です。
服が無くなってもみんなのために装神し続けるまといになんかいじらしさを感じて・・・

おそらく原作の中心人物であろう黒田洋介さんのベテランの味が最大の見どころかと思います。

もちろん、三人の退魔少女は可愛くて面白いので軽い気持ちで見れる作品かと思いました。
ランキング低すぎと思いましたが、レンタルしにくく(人気あるのか?)
ほかに見る方法があまりないのが原因かもしれません。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 32
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

実は・・・・毎週楽しみました

キャラクターからして今でも観るジャンルではありませんが、
つい1話観たらなかなか面白く視聴できました。
親子の関係と友情の話。3人のヒロインで話が進みまして毎回ちゃんと物語してました。
特に6話の装神少女ゆまちんはおもしろかった!

7話はサービス水着回でしたが、他の回の方が刺激(サービス)が強いですね。不思議。

最終回まで観終わりました。
正直、もう一話あったらなぁ・・・
{netabare} 24次元の厳しさを知りたかった。
そしてお母さんと一緒に敵を倒して大団円して欲しかった。
(母親の愛情は無敵です)みたいな!
普通が良いといっても退魔少女の非日常が続いてゆくところは
本アニメの一貫性のある楽しい一場面です。{/netabare}

まとい、ゆまちん、クラリス3人の友情を通して最後まで楽しい物語してました。

この類OVAが面白そうですよね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 50

Yuyu さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

お約束のブラッシュアップ

さすが良作ばっかのホワイトフォックス。
どこか昭和アニメなノリなのにいわゆるアニメのお約束がきちんと今時にブラッシュアップされていて面白い。マジ物のOP乗っ取りは、まといが初めてではなかろうか。てきとーさ、緩さの加減が絶妙だった。

ただ普通を願った主人公のまとい
イケイケな友達想いのゆまちん
辛い過去を持った情の深いクラルス

1クールの中できちんと見せ場ができてました。最終話のクラルスかっこよかったな。

個人的に制作の脚本のギャグが俺に合っていた。
最終話のオチも好きです。

後BGMがいいね
早くサントラ発売しないかな。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

68.3 14 巫女で友情なアニメランキング14位
ひぐらしのなく頃に卒(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (299)
944人が棚に入れました
2021年7月放送開始
ネタバレ

camuson さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

印象度:89

「ひぐらしのなく頃に業」の解答編。

{netabare}業の「〇騙し編」(「猫騙し編」を除く)は、
実は旧作の殻をかぶった騙し絵であったというコンセプト。

卒の「〇明し編」は、
旧作と表面的には同じ見た目の業の「〇騙し編」の裏側で、
旧作とは全く異なる黒幕が、
裏側でどのように画策暗躍していたかを見せていくという構成。{/netabare}

業の「祟騙し編」に旧作の解答編にあたる「皆殺し編」を
無理矢理突っ込んだ意味がよくわかりました。

作者は、邪悪を隠す殻として、ホラーだけでは物足りず、
感動物語の殻が必要だと考えたのでしょう。
旧作では感動を呼んだ「皆殺し編」までを含めた殻をかぶせることで、
その裏に隠された黒幕の邪悪さを引き立てたかったのでしょう。

ここにきて、さらなる上位世界に存在する「作者」の邪悪さまでもが露になり、
主要キャラたちは、邪悪な作者「竜騎士07」によるコマに成り下がっています。
主要登場人物たちが、まるでピエロです。心が痛みました(笑

ここまでやり切ってしまうとギャグとして笑えるものなのだなと、
気付かせてくれただけでも、作者は有能です。


そして「神楽し編」。(「かみたのし」ではなく「かぐらし」と読む)
怒涛の畳みかけと、まとめ力は、やはり天才的だと思いました。

「ドラゴン・ボール」「シン・エヴァ」「あしたのジョー」
爆笑に次ぐ爆笑。
殴り合った後に清々しくなって仲直りするテンプレートを、
女子の喧嘩に持ち込むというGJぶり。



おそらく作者は旧作「ひぐらし」制作中に、
作品内で表現しきれなかったメタ世界のアイデアを、
「うみねこ」内で思う存分発展させたと思うわけですが、

「うみねこ」で、ほぼほぼ、出し切ってしまったため、
その後、アイデアが枯渇して、
迫力ある作品がつくれていなかったように勝手に想像します。

ある日、登場人物をコマとして扱うメタ世界の住人たちは、
作品の壁など軽々超えるであろう、という悪魔的な気付きを得て、

「〇〇のなく頃に」シリーズを一つの世界観でまとめあげてしまうという
今回の悪行に至ったのだと邪推します。
(「キコニアのなく頃に」は全く知りませんが・・・)

なかなか広げた風呂敷を巧く畳めない作家が多い中で、
若干強引だとしても、まとめ力が凄いなと思った次第です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よく頑張ったと思う

業のレビューで旧作先に観て下さいと言ったんですが、卒でうみねこのなく頃にと言うスピンオフ?作品も絡んでいたようです。それは観てなかった(^^;

とは言え私は楽しく観たんですが、賛否両論と言うか、一部ひどいと炎上してるようですね(^^;
ツッコまれるだろうなとは思いましたが、(私も業よりは評価下げました)ここまでとは…

旧作からのファンとご新規さん楽しませるのは、難しいと思いますよ、しかも旧作の出来が良すぎる。インパクトで勝負するしかなかったのでは。ちょっと終盤、超展開すぎてひぐらしっぽく無くなってましたね。でも私はワクワクしたし、良い意味で驚いたり、笑ったり、よく頑張って作ったと思いますよ。

最後にですが、あるキャラが好き放題するんですよね。推しのファンの人は残念に思うかもしれません。それとやはりグロ注意です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 14
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

思えばこれって死に戻りの呪い、タイムリープの元祖だったのでは!

 「ひぐらしのなく頃に業」の続きです。「ひぐらしのなく頃に業」における梨花の夢により、数々の悲劇?に見舞われた沙都子。引き続き、自分も梨花も聖ルチーア学園入学を阻止し、雛見沢で一緒に暮らす現実にさせるためにとる沙都子の巧妙な手口の数々だったです。その結末?は、どうなることやらです。

 繰り返す者の力をエウアから授かった沙都子は、異常な高度の数々とその結末を描いていたです。あの手この手を使って惨劇を意図的に仕組み、仲間も周囲の人の命も顧みず沙都子だったです。
 生きていた記憶を持ったまま、都合の良い過去から何度でも、自分の思惑を満たそうとした沙都子だったです。また、高みの見物をするエウアだったです。

 惨劇が終わらないことに見当もつかない梨花は、いつ真相に気付くのだろうか?沙都子とのチキンレースの行方だったです。
 状況を打破するためにとった誰かさんの手助け行動が、終盤で惨劇の核心に迫るです。どんな逆転が起こるのだろうか?どのように真相にきづけるのか?見所です。

 結論的には、もっと早くこの結末?に至るのが遅すぎると思えた展開だったです。梨花、沙都子の決めた未来は、これで「ひぐらしのなく頃に卒」にしてもらいたいと思えたです。

 にしても梨花、沙都子について、圭一の語った親友の定義は、心に残ったです。{netabare}「たとえ一緒に居なくても、これから会うつもりがなかったとしても、いつかまた出会ったとき、自分も相手も絶対にずっと親友どう押しでいてくれると互いに信じあうこと」。{/netabare}これは、現実であってほしい理想を越した願いだと思うです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

69.2 15 巫女で友情なアニメランキング15位
あまんちゅ!~あどばんす~(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (211)
825人が棚に入れました
 伊豆の町で生まれ育った小日向光と、東京から引っ越してきた大木双葉。ともに夢ヶ丘高校に入学した二人は、スキューバダイビングと日常の何気ない出来事の中に、たくさんの幸せを見つけてきた。かつては何事にも消極的だった双葉だが、明るく前向きな光のおかげで一歩前に踏み出す喜びをいくつも経験。さらに、双葉は念願だったオープンウォーター・ダイバーの実習にも合格し、次はアドバンスド・オープンウォーター・ダイバーを目指すことに。一度きりのかけがえのない高校生活は、まだまだこれからが本番。素敵な日々は終わらない、二人でともに歩む日々が続くかぎり、ずっと。

声優・キャラクター
鈴木絵理、茅野愛衣、大西沙織、梅原裕一郎、伊藤静、久保ユリカ、井上喜久子、山本亜衣、加隈亜衣、洲崎綾

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

日常、ときどきダイビング。(たまに、オカルト風味(笑)。)

『ARIA』で有名な天野こずえ先生作の漫画原作『あまんちゅ!』のアニメ化作品です。

伊豆の海にある海の家兼ダイビングサービスの「あまんちゅ屋」と静岡県立夢ヶ丘高校周辺を主な舞台とする「日常、ときどきダイビング」なお話です。

タイトルに「あどばんす」が付かない『あまんちゅ!』というのがアニメ化の1期目で、「あどばんす」は2期目ですね。1期目からのキャラの関係性の歴史の積み重ねを踏まえた上で2期目である本作を観た方が良いでしょう。

「日常、ときどきダイビング。」は原作についていたキャッチフレーズ的なもので、アニメでもダイビングの描写よりは日常パートに時間が割かれている気がします。それでもたぶん「あどばんす」の方が1期目よりはダイビング描写は増えたかも。

というのも1期目では主人公のてこ(本名: 大木双葉(おおき ふたば))がもう一人の主人公ぴかり(本名: 小日向光(こひなた ひかり))に誘われてダイビングに興味は持ってオープンウォーター・ダイバーの資格取得を目指す期間のお話であるため、取得に必要な実習の描写はあってもなかなかダイビング描写に尺が割かれない展開だったのに対して、「あどばんす」では初級ながらも一応「ダイバー」であったということが大きいと思います。

とはいえやはり多くの尺が日常描写、それもお祭り的なイベント事などに割かれて、またそれに係わって新キャラなども登場し、賑やかなお話になりました。

そんな中でてこの意外な能力(?)も披露され、ちょっとオカルト風味というか不思議体験的な出来事もあって、1期目以上に幻想的な要素のある作品になっています。

なお1期目同様にキャラのデフォルメ描写は健在で、私は気にならないのですが一部の不評を買っているのは相変わらずのようです。

「日常の全てが大切」みたいな、思春期特有の煌めきのようなものがまぶしく感じられる作品です。幸せな青春を過ごした人には共感を、過ごせなかった人には羨望をもたらすのではないかと思います。

合う人には合うと思いますが、退屈に感じる人もいるかも。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 29

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

新たな出会いの予感に満ちた再出発…さぁ、"素敵んぐ!ワールド"の続きを始めましょう。

この物語の原作は未読ですが、天野こずえ先生といえば「ARIA」
「ARIA」といえば、私のお気に入りの棚序列第1位の「ARIA The ORIGINATION」(第3期)
2012年に本格的にアニメの視聴を始めてから不動の1位に輝いている作品…

その先生の書かれた漫画のアニメですもん…「視聴しない」という選択肢がある筈がありません。
もっとも、今期は「あまんちゅ!」の続編に位置するので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

公式HPのイントロダクションを拝見しました。
「美しい伊豆の海と豊かな自然、そしてあたたかな仲間たちに見守られて、二人の少女の絆が紡ぐ"蒼の物語"が、新たに始まります…」

…もう興味しか湧いてこないんですけど!

かやのん演じる大木双葉…中学までは東京に住んでいましたが、高校に入ると同時に伊豆に引っ越してきました。
もともと恥ずかしがり屋で引っ込み思案な彼女でしたが、ぴかりと…そしてスキューバ・ダイビングとの出会いが彼女を大きく変え始めていました。

中学までの彼女の面影を今はもう見る事はできません。
何せ大木双葉…いいえ、でこはもう「楽しいの達人さま♪」なのですから…
伊豆に引っ越してきてまだ1年も経っていないというのに…

この作品を見ると出会いの大切さを痛感します。
良い出会いほど心を豊かにしてくれますし、良い意味で自分を変えることができます。
この作品のでこが良い例です。

でも、出会うだけじゃダメなんですよね。
一番大切なのは、どんな風に同じ時間を共有できるか…
どれだけ素直のありったけでいられるか…
そして相手のありったけにどれだけ浸れるか…

きっと当たり前のやり取りで良いんだと思います。
そこに自分らしさと相手を思う気持ちがあれば十分及第点なんだと思います。

でこは前期でスキューバ・ダイビングとの出会い、ぴかりと一緒に海に潜りたい理由から、バディと一緒にダイビングできる「PADIオープン・ウォーター・ダイバー・コース」の資格を取得しました。
そして今期はもう1ランク上の「PADIアドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー・コース」の資格取得を目指すことになります。

この作品の素晴らしいのは、言わずもがなですが温かいという単語が陳腐に思えるほどのアツアツの人間関係です。
でもこの作品はそれだけじゃないんです。
題材にしているスキューバダイビングの表現が堪らなく素敵なんです。

海から上がったあとのやり取りでこんなのがありました。
こ「あの、でこさん。」
で「なに?」
こ「やっぱり、怖かったですか?」
で「全然…全然だよ。ライトのおかげで地上と同じ色だから、魚も人も空を飛んでいるように見えるんだよ。」
こ「…。」
で「海の劇場にキラキラのスポットライト…その中で空を舞う水の妖精ウンディーネたち。まるで異世界ファンタジーだよ。」

この台詞だけでも情景が浮かんできそう…
でも、みんなの目の前には、本当に異世界ファンタジーが広がっているかのような神秘的な空間が広がっているんです。
だからこの作品は、きっとスキューバダイビングの魅力を専門誌とは切り口を変えながら余すことなく伝えてくれているのだと思います。

そして絶対に忘れてはいけない人が二人…
水無 茜と姫野 ちずるです。
CVがそれぞれ葉月絵理乃さんと、斎藤千和さん…
もうピンと来た方もいらっしゃると思います。

そう…水無 茜はARIAの主人公・水無灯里にそっくりで声優さんも一緒なんですよ。
苗字は一緒ですしね…
そして姫野 ちずるはARIAの藍華・S・グランチェスタと声優さんが一緒…
苗字の「姫」はARIAの「姫屋」にも通じているのでは…?

この二人のやり取りを聞いていると、いつか定番の台詞が飛んできそうな気がしてなりません。
姫「恥ずかしい台詞禁止!」
水「えー。」

個人的な勝手なお願いですが…葉月絵理乃さんの活躍がもっと見たいです。
きっと仕事にもペース配分があると思うので無茶は言えませんが、改めて葉月さんの台詞が耳に入ると、その次が聞きたくて堪らなくなるんですよね。

オープニングテーマは、鈴木みのりさんの「Crosswalk」
エンディングテーマは、坂本真綾さんの「ハロー、ハロー」
こ、これは甲乙付けられないです^^;

1クール全12話の物語でした。
今期も素晴らしかったです。もう何も言う事はありません。
ですが、個人的にはARIAの構成を踏まえてもう少し先までアニメ化されると嬉しいです。
原作未読なので、予想でしかありませんけれど…
この2期はもう1クール後編があって、ことりたち下級生の成長に目を向けつつ、卒業する姉ちゃん先輩らを送り出す感動のストーリーが2期の後半。
これでARIA2期の「The NATURAL」と構成が合いますよね。
そして集大成となる3期はでことぴかりの高校生活最後の年…
きっと楽しいの達人さま♪らの残り1年を全力全開で過ごしながらお互いの進む道を見つけるんだろうなぁ…
でもこれじゃ「The ORIGINATION」の焼き直しになってしまう…?
そんな事ありませんよね。
それでも涙腺は決壊、破壊、壊滅するんでしょうけど…^^;

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ぴかりの定理

天野こずえ先生は、元々ファンタジー漫画を描いていたようです。
道理で「ARIA」に唐突なファンタジー回があったわけです。

「あまんちゅ!」(1期)ではファンタジー要素が全くなかったので、
このシリーズはファンタジー無しなのかな?と思ったら違いました(笑)

っていうか、ファンタジー回があまりにも多すぎて、ダイビングは何処へ・・・と言いたくなるほど脱線しています。

学園祭×ファンタジーの定番「ビューティフルドリーマー」的な話があったり・・・あと「ARIA」でも思いましたが、先生は「魔女の宅急便」大好きですよね絶対。空からの風景、ほうき・・・さらにデッキブラシまで出てくるし(笑)



「ARIA」を見ていて最も疑問だったのが"藍華がアルに惚れた理由"でした。しかし、今作の岬こころの登場で納得しました・・・先生の趣味なのですね(笑)何とは言いませんが。



1期でも思っていたのですが、声優陣で最も存在感を示しているのは梅原裕一郎さんではないでしょうか。女性陣の黄色い声が響く中で、場を締める役割を果たしているような気がします。改めて好きになりました。



いわゆる"崩し顔"は、「ARIA」シリーズではそこまで有効な手段に感じていませんでした。しかし、今作の・・・特にぴかるの(⦿▽⦿)は最高でした。キャラクターグッズとしても最高のモチーフなのでは。



原作も続いているということは、3期も期待して良さそうですね。





P.S.「こころちゃん言うな~!」

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

62.2 16 巫女で友情なアニメランキング16位
シムーン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (114)
589人が棚に入れました
宮国だけが持つ孤高のエンジン“ヘリカル・モートリス”を近隣大国の侵攻から守るため、選ばれし少女たちが戦う。

声優・キャラクター
新野美知、高橋理恵子、小清水亜美、細越みちこ、豊口めぐみ、能登麻美子、高橋美佳子、相澤みちる、水樹奈々、ゆかな、森永理科、名塚佳織、桑島法子、木内レイコ、水沢史絵、玉川砂記子、喜多村英梨

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

百合アニメにあらず?神聖なる少女たちの選択

舞台は大空陸(だいくうりく)という名の世界。
ここでは人類は全て女性として生まれ、17歳になった時、自らの意思で性別を選んで成人する。
シムーンを操れる巫女シムーン・シヴュラである少女達は、
様々な理由から戦争に身を投じていく

百合色がかなり強いアニメですが、ジャンルとしてはSFファンタジーでしょうかね
戦争を扱っていますが、その背景はあまり描かれないし
ガンダムのような戦争アニメとして見るべきではないです。
むしろ、モラトリアムに生きる少女達の悩みや結びつきに焦点を当てたアニメです
そういう意味では「スカイクロラ」と似ているかもしれません。

世界観はしっかりしているし、どこか美しい
単なる百合アニメではなく、深いテーマ性も感じられる良作です
単純に少女達の生き様を描いた作品とも言えなくもないですが
ラストは色々解釈が分かれると思われるので、考察の余地もかなりあります。

謎の多い作品だった記憶はあったのですが
色々な解釈に触れてみてると、この作品は凄いアニメだったなと・・・再確認。
結構分かりにくい上に、癖のあるアニメなので、かなり人を選ぶ。
しかし、独特な世界観は素晴らしいし、もっと評価されても良いと思える作品でした

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12

yuuga072 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

秀作

SF+戦争+百合系物です。キャラデザで好き嫌いがでそうです。
世界観がしっかりしてます。百合物っぽいんですが設定が、世界の全員が女性に生まれ「ある時期にあるところで性別が決定する」ので、厳密にいえば違います。まぁ、見てる分には百合ですが。
ストーリー的には王道かと。個性あるキャラ達がお互いぶつかり合いながら成長し戦っていく。そして結末は大円団・・・かどうかは見てください。
雰囲気は暗めです。

自分には合ってましたのでお気に入りです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

翠玉のリ・マージョン

2006年4月3日 - 2006年9月25日TV放送された。全26話。

メディアミックスが行われた。(漫画、小説、ゲーム等)

Simoon又はSamiel=中近東地域の砂漠の嵐。又は血の海。
この作品の世界観から言うと「血の海」の様な気がする。
※実際の表記は「シムーン - Simoun -」

あらすじ&設定。

大空陸という世界観を描く異世界風SFファンタジー。

人類は全て女性として生まれ、17歳の時、「自らの意思」で
性別を選んで「成人」する。

大空陸にある宗教国家"シムラークルム宮国"には、人々の
信仰対象の神"テンプスパティウム"に仕える巫女達がいた。

彼女達は"テンプスパティウム"の加護を受けた"聖なる遺物"
「ヘリカル・モートリス」を搭載した飛行艇「シムーン」にペア
で搭乗し、空に紋章(リ・マージョン)を描き、神に供える。
という世界観と設定。


「シムーン」に搭載される神秘の「ヘリカル・モートリス」の力
の秘密を欲し、隣国がシムラークルム宮国に侵攻してきた。

宮国は火急の危機に際して苦渋の決断をする。
それはシムーンを戦う為の戦闘兵器として利用すること…。

シムーンを操れる巫女"シムーン・シヴュラ"になれる者は
性別選択前の「少女」に限られており、その決断は巫女たちを
大人にせず、常に死の危険に晒す事を強要する事でもある。

美しく大空を舞う巫女達は戦士となり国を護る。
ある者は生き残る為、またある者は空を飛び続ける為に。

少女である事を運命付けられた"巫女"達の終わりなき戦いは
何時までも続くのか?・・


感想。

登場人物が女性のみ(※選択後の男性は居るが声優は女性)で
選択後の男性は宝塚風(元女性なので自然?)という設定に
思春期の少女の憧れ的恋愛等百合要素が多く含まれる様な
イメージで敬遠されそうだけど・・そんなに偏ってはない。

視聴層を意識した美少女満載女子校モノにゆるゆりテイスト
を取り入れて、やや誇張した感じでサービス部分的なのかな。

内容はシンプルな少女の思春期モノかな。

例えば神を信仰する巫女でありつつ自国の為とはいえ闘う。
闘う為には巫女で居続ける必要があり、成人出来ない。
性別を自分で選べる事・・又それが大人の条件で良いのか?

百合に関しては特に異様な雰囲気はない。こういう世界では
当然こうなるだろうという程度。男性が居ない方が良い等と
いう作風でもない。

ただ美少女を多く出す為の嗜好の方が強いのかもしれない程度。
演出に少女漫画風の演出が含まれているかな?特にアクション等
の心理描写とか。

リ・マージョンに色々意味を持たせた描写などは結構好き。
その紋章が攻撃や防御の魔法陣風の意味を持つのも世界観に
巧く当て嵌まっていると感じた。

オーパーツの発掘他科学と戦争と宗教の密接した関係性?
家柄によって巫女の適正を決めていたが戦争で適正重視に
なっていくなど実際にありえる諸事情の都合良さ。

キャラデザも萌系美少女風だけどやや少女漫画風かな?
メカデザは結構特異な形状で個性的に感じました。
声優は人気や実力の高い人も結構良い感じで出演している。
OP/ED他音関係はそれなりに世界観にハマれる良い感じ。

永遠の少女でいられるか?闘う事に意味を見出だせるの?
ステイタスの基準で自分の性別や少女である事を決める?

同姓しか居ない場合好きな相手に合わせる(男性)合わせて
もらう(女性)何方を選ぶ?また自分の性質は何方寄り??

視る人の角度で色々違う印象かもしれないけど色々考察に
自由度があって視た後色々妄想できる内容かな。

OP「美しければそれでいい」
作詞・作曲・歌 - 石川智晶 / 編曲 - 西田マサラ
※.hack/SEED/00等のOP/ED主題歌他楽曲提供等してる。
アンインストールの方が有名かな?

ED祈りの詩」歌 - savage genius
※地獄少女 二籠ED/夜桜四重奏OP他楽曲提供等してる。



アーエル:新野美知
年齢17歳。コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。
戦闘に為の補充人員として配属。家柄から本来不適合者。
志願兵で卓越した操縦技術を見込まれたものと思われる。
何らかの理由により、泉行き(性別選定)を拒んでいる様子。

ネヴィリル:高橋理恵子
年齢18歳コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。
コール全体を統括するレギーナ。国民から尊敬されてる。
翠玉のリ・マージョン失敗によりパルを失っている。

パライエッタ:小清水亜美
年齢18歳。コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。
常日頃からネヴィリルに付き添い、傍で支える幼馴染。

カイム:細越みちこ
年齢16歳。コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。
同コールのアルティは自身の妹。ボーイッシュな性格。

アルティ:豊口めぐみ
年齢16歳。コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。
同コールのカイムは自身の姉である。勝気で一途な性格。

リモネ:能登麻美子
年齢不詳。コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。
可也幼い年齢。我が儘でお菓子が好きな幼い面がある。

ロードレアモン:高橋美佳子
コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。俗称「お嬢様」
過去に多くのシムーン・シヴュラを輩出した名家の出身。

フロエ:相澤みちる
コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。無邪気で軽口。
戦闘においては好戦的な性格で果敢に敵を追い詰める。

モリナス:水樹奈々
コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。シムーンオタ。
アーエルやリモネと同じく補充人員として配属されて来た。
ビジュアルのモデルは倖田來未らしい。

ドミヌーラ:ゆかな
最年長19歳。コール・テンペストのシムーン・シヴュラ。
テンペストに補充人員として配属されて来た。

マミーナ:森永理科
16歳。補充人員として別部隊から転属して来たシヴュラ。
低い身分の出でシヴュラである事に執着しプライドが高い。

ユン:名塚佳織
16歳。補充人員として別部隊から転属して来たシヴュラ。
非常に正義感が強く、シヴュラに対して追悼の念が強い。

グラギエフ 桑島法子
所属する全てのコールを統括している人物。
シヴュラの世話係であり、副艦長的な立場でもある。

アヌビトゥフ:木内レイコ
空中母艦「アルクス・プリーマ」の艦長。
冷静沈着で常に的確。ニヒルな風格を漂わせる美丈夫。

ワポーリフ:水沢史絵
アルクス・プリーマの整備士。二年前に泉にて男性化。

オナシア 玉川砂記子
最高位の巫女である大宮煌。元シムーン・シヴュラ。
性別を選ばず、永遠の少女でいる事を望んだ罪を背負う。

アムリア:喜多村英梨
元ネヴィリルのパル。実力、カリスマ共にリーダー的存在。
戦闘の最中、翠玉のリ・マージョンを失敗。行方不明。

アングラス:松来未祐
嶺国の巫女。宮国語を話せる。嶺国の和平使節の一員。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

72.1 17 巫女で友情なアニメランキング17位
結城友奈は勇者である 大満開の章 (TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (167)
545人が棚に入れました
TVアニメ新シリーズ『大満開の章』
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

結城友奈じゃなくても勇者である

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ゆゆゆ、は1期☆4、2期☆4と、高評価しています。好きなシリーズです。

本作は3期というより、ほぼスピンオフですね。ゆゆゆ自体は2期で大団円を迎えていますから、当たり前と言えば当たり前ですが。

本作、普通に普通以上の面白さがあるアニメです(だから☆4)。

ただ、「結城友奈は勇者である」という冠から、3期(2期の後日談)を期待した私が悪いのですが、思ってた作品とちょっと違いましたね、個人的には。

スピンオフならスピンオフと、言ってもらえればね、そういう姿勢で視聴するのですが。

本作、時系列が複雑なので、一応、余談に入れときますね。視聴の参考までに。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
正直、1度綺麗に完結した物語を、無理に引き延ばそうとしている感じがした。

おそらく、スピンオフにあたる「楠芽吹は勇者である」と「乃木若葉は勇者である」を、無理に「本編の中に入れたような演出」が違和感を醸し出していたのかな、と。

いや、2作とも単体として、とても面白かったですよ。

特に、「楠芽吹」はキャラの立ち位置として良かった。ああいう、「凡人の最強」みたいなの好きなんですよね。自分が量産型・消耗品でないことを証明するために戦ってきた結果として、本来なりたかった「勇者」として仲間に認められる。

良いじゃないですか。格好良いです。

加賀城雀や弥勒夕海子などサブキャラも魅力あったし。勇者部に匹敵する素敵なパーティ。まあ、やたら「ガンバスター」みたいな雰囲気でしたけど(笑)

ただ、本作の1話目を「勇者の章」の前(がっつり日常系)にしたせいで、「勇者の章」の続き(神を失った後の人類及び勇者部の営み)を期待していた私にとっては、???みたいな感じでした(これは、事前にアニメの情報は入れない私の視聴スタイルが災いした感じです)。

ファーストガンダムの後に、Ζガンダムの1話だけ流して、0083を放送したような違和感(ガンダム好き以外には伝わらないw)。

「勇者の章」ではバッチリ決まっていた、スピンオフを絡めながらの時系列シャッフル。それと同じことしているわけですが、本作ではハマらなかった感じ。

違いはやはり、「進行中の物語」でやったか、「完結後の物語」でやったか、かな。「進行中」なら、視聴者であるこちらも、内容を深めたいと思って観るけど、「完結後」、しかも、あれだけ熱く綺麗に完結した後に、今さら過去を掘り下げられても、もはや蛇足にしか感じられませんでした。

重ねて言うけど、「楠芽吹は勇者である」も「乃木若葉は勇者である」も、凄く面白かったんです。むしろ、もっと丁寧に、6話くらいかけてちゃんと観たかったくらいです(それぞれに単独で1クール使っても全然文句ないです)。

本作のタイトルを、「結城友奈は勇者である 大満開の章」とつけず、「楠芽吹と乃木若葉も勇者であった」とかにして、完全にOVA扱いにするくらいの、

「結城友奈という看板に頼らなくてもいける自信(作品に対する信頼)」

があれば、また少し違ったのですが。もしくは、本作の12話Aパート(純粋な3期)を1話目にもってきて、諸々を描き、12話編成でCパートまでたどり着くようにするか。

と、なんとなく酷評っぽくなっちゃいましたが、最後の友奈の幸せそうな笑顔見ちゃったら、もうどうでも良くなりますね(笑) 

1期からのトータルで、最後まで綺麗に完結した、素晴らしいアニメシリーズだったと思います。制作者の皆さん、お疲れ様でした♪
{/netabare}

【余談~時系列まとめ~】
{netabare}
複雑過ぎるので、多分、ですけど(苦笑)

①「乃木若葉は勇者である」
(アニメ3期5話~7話)
※西暦2018年。地の神VS天の神バトル開始。初代勇者、乃木若葉の物語。神世紀開始。

②「鷲尾須美は勇者である」
(アニメ2期1話~7話)
※神世紀298年。何代目になるかは分からないが、鷲尾須美たちが勇者として活躍していた時代の話。

③「楠芽吹は勇者である」
(アニメ3期2話)
※神世紀300年。あと一歩で勇者になれず、守人となった楠芽吹の話。

④「結城友奈は勇者である」
(アニメ1期1話~12話)
※神世紀300年。結城友奈をはじめとした、勇者部の話。以下、⑦まではほぼ同時期の話。

⑤「結城友奈は勇者である-大満開の章-」
(アニメ3期1話)

⑥「楠芽吹は勇者である」
(アニメ3期3話、4話、8話)

⑦「結城友奈は勇者である-勇者の章-」
(アニメ2期8話~13話&アニメ3期9話~11話)

⑧「結城友奈は勇者である-大満開の章-」
(アニメ3期12話)
※神樹様及び天の神がいなくなった後の世界。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
青い鳥。時系列は、神不在後? 楽器、上手いな。めっちゃ日常系。ゆゆゆの場合、さらなる悲劇への序章にしか感じないんだよね(苦笑)

2話目 ☆4
なんかもう、ノリがガンバスターになってきたな(笑) 量産型と量産型の戦いは熱い。そして、量産型でないことを証明しようとする主人公はもっと熱い。

3話目 ☆4
勇者部を外から見る。防人の歌。城マニア(笑) ここからシリアスか。やはり、勇者の章の前か。

4話目 ☆4
バーテックス倒すとか、かなり強いな。弥勒が犠牲者の1人目か。

5話目 ☆3
すごろく(笑)  ん? また過去編?

6話目 ☆4
さらに、スピンオフか。なかなか闇が深い話。もうちょい、ちゃんと観たいよな。

7話目 ☆5
郡と乃木。最後に、群千景は勇者であると宣言する乃木、格好良いな。

8話目 ☆4
ここでまた、楠芽吹の話に、また戻るか。カリンを励ます元ライバル。

9話目 ☆


10話目 ☆4
熱いバトルだったな~。銀の斧。台詞。千景砲。スナ~(笑)

11話目 ☆3
風の技、普通にめっちゃ格好良いよな。つまりは、ゆゆゆ完全版だね。

12話目 ☆5
ここでようやく後日談か。2期のCパートって感じだよな。やはりテーマは自立か。インフラ、資源はもう無限じゃないしな。クーデター(笑) 人の力になれるのは、人。4年後。むしろその4年を観たいのだが。天の神、放射能? チーム防人。まあ、希望を魅せたラスト、と。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

無理せず、自分も幸せであること

全12話

結城友奈は勇者であるの3期です。事前に1・2期を観ることをオススメします。

2期で大円団で終わったのでどんな展開になるのか思いましたが、エピローグ的な内容でしたね。

結城友奈たちばかりではなく、他の勇者のことや勇者ではない人たちのお話が多かったですね。

最初はほのぼの、段々と過酷なお話となり最後はこの世界の本当の決着がつきます。

最終的には結城友奈たちのお話でしたが、楠 芽吹たちが主人公ではないかと思うぐらいの活躍でした。

これで「ゆゆゆ」も最後となりそうです。(このあとの展開が想像できませんw)

OP・EDは讃州中学勇者部のみなさんが歌っています。EDの勇者部みなさんの穏やかな笑顔が好きでした。

最後に、2014年から始まり、途中映画もあり、約8年間お疲れ様でした。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 16

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

すべての想いを背負って戦う勇者

※間違えて一期にこのレビュー投稿してしまったことを教えていただいたので投稿しなおします。

【紹介】
これは3期にあたります。2期は「鷲尾須美の章・勇者の章」なのでそのあとに視聴しましょう
最初の4話までの時系列は1期と2期の間の話のスピンオフ的な位置で、2期の裏側を楠芽吹の視点で語られます。

【シナリオ】
序盤はものすごくダイジェスト感がありますが、仕方ないですね。こういうスピンオフは好き。
事前に1期と2期を復習しておいたほうがいいかも。

選ばれた勇者は替えがきかない英雄だけど、勇者じゃない防人は、替えがきく消耗品?
別に私じゃなくてもいい、それなら私たちはただ時間稼ぎして盾になるだけの生贄?
注目されることなく、一般兵Aとして大したセリフもなく一瞬で殺され誰の記憶にも残らないモブ戦闘員達。
彼女達がいなくても世界は救われるかもしれないし、何人死んだかなんて誰も気にしてないかもしれない。
世界を救う勇者だけが注目されるけど、そうじゃない一般兵士だって必死に戦ってるんだ、
セリフのないモブだって生きてるんだという当たり前のことを投げかける。

そういった当たり前が描かれるからこそ、託された勇者達の活躍がより輝きを増す。

そして満を持して登場する勇者たち。
すべての人類の希望を背負って、過酷な戦闘に身を投じる勇者
志半ばで倒れていった仲間の想いを継いで、ボロボロになって戦う勇者
応援せずにはいられなかった。

すべての人々が勇者を称えて期待して、絶賛ばかりされる栄光だけの物語とせずに、勇者に否定的な言葉や、感謝しない民衆もいて、多大な犠牲があって、戦う意義を見失いそうになる。
勇者だって人間だ、命がけで戦って、仲間が犠牲になって、理不尽な罵声を受けて平気でいられるわけない。
そういう勇者の苦悩を見せたところが良かった。

でも、一つ一つのエピソードがホントしんどいなあ。
しんどいからこそ、応援したくなるけど。

途中までは面白かったけど、最後のほうの神魂うんぬんが面白くなかった。

【文句も言いたい】
シリーズ通して女の子の自己犠牲の美化が激しく、本作品では「わたしたちは消耗品じゃない、一人一人生きてるんだ」ってところを強調していたけど、やっぱり消耗品扱いしていることは変わらないと思う。

【キャラクター】
歴代のキャラクター達のことは今さら語るまでもないと思いますが
楠芽吹編のキャラクター達もただのモブではないキャラの立ったキャラクター達で魅力的。
弥勒さんがテンプレお嬢様ライバルキャラだけど、すごく好き。

【作画】
とても綺麗で安定感がありますね。キャラデザも好き。
防人はフルフェイス衣装のせいで戦闘中誰が誰かわからないのが残念。

【音楽】
結城友奈OP「アシタノハナタチ」ED「地平線の向こうへ」
OPもEDもなんかグランドフィナーレって感じの曲調ですね。
どっちも激しい戦いを締めるに相応しいいい曲だと思うけど、このグランドフィナーレ感満載のEDが毎回流れるので毎回最終回みたいな感じに。

【総評】
世界観を理解するためにも1期2期視聴は必須。
ちょっと使いまわしが多かったのは残念だけど、何回見てもいいものはいい。

作品全体が最終回みたいな話ばっかり。
ご都合主義で自己犠牲崇拝しすぎだけど、そんなことは気にならないくらい強く引かれる魅力がありますね。

一話一話のエピソードがすごく重たくてかなりしんどかったです。
一気に視聴するのは精神的にかなりくる。

でもこのシリーズは本当にいい作品だと思う。
ここまでずっと見てきて良かったです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

61.9 18 巫女で友情なアニメランキング18位
X-エックス(TVアニメ動画)

2001年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (47)
359人が棚に入れました
東京を舞台に、人類の存続を求める天の龍と、汚染されたそれではなく、自然のあふれる地球に帰したがっている地の龍の戦いを描いている。CLAMP原作のファンタジー・アニメ。

Britannia さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

惚れた女のために出来る事

~あらすじ~
人類の存続を求める人間側(人の居る世界)と
人によって汚染された地球ではなく、自然あふれる地球に返す地球側(自然な世界)と
別れ、戦う能力者バトル物。

~見所~
上記の結果もさる事ながら
人間模様が素晴らしい、運命により戦わなければいけない
それぞれの立場・個性・心理描写が上手く描かれていて、切ないドラマに心が揺れました。

CLAMP作品の中で1番好きなアニメ
空汰・護刃シナリオにうるうる。

古いアニメだから視聴者が少ないのが残念
棚の整理中、面白かったがもう見ないので処分処分♪


‐神威‐

投稿 : 2024/04/27
♥ : 12
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

20年以上前の作品でも十分楽しめる普遍的な面白さは、さすがCLAMP!

【レビューNo.91】(初回登録:2023/10/21)
コミック原作で2001年作品。全24話。
今では、(魔法を含め)異能力モノと言えば異世界やゲーム世界への転生で
「凡人でも異能力者になれる」
作品が多いですが、本作は古い作品らしく陰陽師や霊峰高野山だの由緒正し
しき神社の巫女といった「神聖なる力を宿した血筋」という正統派。
そういう意味では、引きニートでもガチャが引けるいい時代になったのか?!

(ストーリー)
母の遺言で沖縄から東京に帰ってきた少年がいた。彼の名は司狼神威。異能を
有する彼には、人類の存亡を懸けた2つの選択肢が示されている。
・「天の龍」となり人類の存続を願う道
・「地の龍」となり人類を汚染とみなし、自然あふれる地球に戻そうとする道
 (人類の滅亡)
また「運命の時」が近づいたとして
・「天の龍」陣営 →「七つの封印」と呼ばれる者たち
・「地の龍」陣営 →「七人の御使い」と呼ばれる者たち
それぞれの運命を背負った異能力者たちも、続々と東京に終結しつつあった。
そして司狼神威は決断する。自分は愛する者を守るため「天の龍」になると。
その時、彼の幼馴染で「神威の添星」であった桃生封真が「もう1人の神威」と
して覚醒、「地の龍」として別人格が現れる。
こうして「天の龍」と「地の龍」の「2人の神威」が誕生した今、人類の存亡を
懸けた最終決戦が幕を開ける!!

(評 価)
・CLAMPお得意のスターシステム型のエンターテイメント作品
 CLAMPのアニメ化作品といえば「カードキャプターさくら」「XXXHOLiC」
 「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」などが有名ですが、本作はそれ以前の作品
 となります。
 (といってもいまだ原作は完結していないが)
 「X」以前の作品「東京BABYLON」等の登場人物が出演するなどクロスオーバ
 ー作品でCLAMPお得意のスターシステムを採用しています。
 両陣営の登場人物を下記に示します。

 『天の龍ー七つの封印(人類の存続)』
 {netabare}・司狼神威
  「天の龍」と呼ばれる者
 ・有洙川空汰
  高野山の秘蔵っ子で、高野山の開祖に匹敵する力を持つ。
 ・鬼咒嵐
  伊勢の隠し巫女で、伊勢の霊力総てをその身に隠す。
 ・蒼軌征一狼
  風使いの一族の出で一族最高の風使い。
 ・夏澄火煉
  火を操る異能者。
 ・猫依護刃
  三峰神社の孫娘にして、眷属神「犬鬼」を使役する。
 ・皇昴流
  陰陽師の最高峰・皇家当主。(初出は「東京BABYLON」){/netabare}

 『地の龍ー七人の御使い(人類の滅亡)』
 {netabare}・桃生封真
  「地の龍」と呼ばれるもう一人の「神威」
 ・麒飼遊人
  水を操る異能者。(初出は「破軍星戦記」)
 ・八頭司颯姫
  天才ハッカーで、スーパーコンピュータ・獣(ビースト)を操る。
 ・志勇草薙
  草木や動物と話ができる(パワーファイター?)
 ・桜塚星史郎
  皇家と双璧をなす暗殺者集団「桜塚護」。(初出は「東京BABYLON」)
 ・那吒(なたく)
  製薬会社の研究施設で造られた人造人間。
 ・玖月牙暁
  夢見と呼ばれる未来を予見する者。{/netabare}

 また「天の龍」の拠点として「CLAMP学園」も登場します。
 その他夢見という存在が物語に大きく関わっており、国会議事堂の地下で
 国を未来を予見して国事にかかわる丁(ひのと)の存在であったり
 (夢見で神威の運命を指し示し、人類存続のため神威に助けを求める)
 玖月牙暁を通じて(以下重要ネタバレ)
 {netabare}・桃生小鳥(司狼神威の幼馴染で封真の妹:覚醒した封真に殺される)  
 ・皇北都(昴流の双子の姉:「東京BABYLON」で星史郎に既に殺されている)
 といったキャラが、夢見の世界で物語を紡ぐ等作品に彩を添えています。{/netabare}

・東京は地球の要?!結界石を廻る攻防
 物語では「東京は地球を支える楔」として、数々の人為的な結界が張り巡
 らされています。
 ・(皇居を中心に仏手の形に敷かれた絃状結界の山手線
 ・サンシャイン60、靖国神社、レインボーブリッジ、東京タワー等
 これらの人工建造物は「結界石」と呼ばれ、全てが破壊されれば大規模な
 災害が発生し、文明が破壊され人類が滅ぶとされており、
 ・この結界石を守るのが「天の龍」の役目であり
 ・逆に破壊するのが「地の龍」の目的
 となっており、この結界石の攻防を廻って、両陣営の激しい攻防が繰り広
 げられます。

・しっかりした人物描写に恋愛模様、果てはBL要素まで
 2クールなので登場人物の掘り下げはかなりしっかりやってくれます。
 それに意外にも恋愛要素が多く、それも結構面白いです。 
 そして「神威×封真」や「東京BABYLON」から続く「昴流×星史郎」のBL
 要素までwww(それほど強い描写はないけどね)
 2000年辺りの少し古いキャラデザではありますが、当時のCLAMPらしさが
 発揮されており美少年・美少女ぶりが映えるって感じですね。
 (「コードギアス 反逆のルルーシュ」のキャラデザ原案もCLAMPが手掛
  けいるのですが、それをよりキリっとシャープにした感じですかね。
  作品全体としても終末の戦いを連想させるためか、暗めのトーンながら
  も結構はっきり目の強い感じですし。)
 四六時中バトルしてるわけではないので、むしろ3:7位でヒューマンド
 ラマの割合の方が高いって感じですね。
 (大体「2人の神威」誕生が12話と結構遅めなんだよなw)

上述の通り本作はいまだ原作が完結しておらず、途中からはアニオリ展開と
なりますが、きちんと結末まで描いてくれているのは高評価。
(休載理由として、阪神淡路大震災や神戸連続児童殺傷事件やその他の猟奇
 的な事件が起こったことでオチが難しくなったと述べている)
それでも2021年3月時点で累計発行部数は1200万部を記録するなど、原作は
かなりの人気作であります。
単純な異能力バトルだけでなく、良くも悪くも人間模様も細かく描写されて
おりその辺りが複雑に見えたり、2人の神威やら夢見や神剣のくだりなどい
ろいろ話を盛ってくるので、初見ではちょっと理解し難い部分が多いかも。
それでも作画のレベルも高く、物語もしっかり作り込まれているので、今の
量産型の異能力モノに食傷気味の方には、結構新鮮に映るのでは。
(ここまで手が込んだ重いダークファンタジーって今の流行じゃないしね)
20年以上前の作品ながらも普遍的な面白さがあるのは、さすがCLAMPといった
ところ。

それに毎回最後にかかる劇中音楽も、荘厳な感じで締めてくれるので高評価。

(追 記)
この辺りだと本作と「東京BABYLON」の原作は既読ですが、かなり前だったの
で、原作がどこまでだったとかは全然覚えてねえw
あと「東京BABYLON」は「東京BABYLON 2021」としてのアニメ化プロジェクト
が、まさかの盗作騒動で中止になるとはwww
(でも調べてみると、原作への敬意を感じないキャラデザとか、大コケしてた
 可能性も高そうなんだよな)

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10

60.1 19 巫女で友情なアニメランキング19位
シキザクラ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (71)
207人が棚に入れました
紅葉と共に桜が咲き誇るシキザクラの地―現世と異界の交わる特別な場所で、人の世を救うための儀式が行われようとしていた・・・高校生の『三輪 翔(ミワ カケル)』は、異界から現れ人を喰らう『オニ』と、パワードスーツとの争いに巻き込まれる。人に取り憑き、現世に顕(あらわ)れようとするオニ。人々をオニから守ることができるのは、古代の秘術と最新技術が融合したパワードスーツ『ヨロイ』のみ。翔は、ひょんなことからパワードスーツを身にまとい、オニと戦うチームのイレギュラーなメンバーとなる。ヒーローになる決意をした翔は、世界を救う宿命の巫女『明神 逢花(ミョウジン オウカ)』を守りオニと戦う。シキザクラの季節。紅葉と桜吹雪の中で、逢花は巫女として舞う。過去と未来、現世と異界、想いと願いが交差する、活劇英雄譚(ヒロイックアクション)、ここに開幕!

声優・キャラクター
野田雄大、茉白実歩、中元大介、水上翔斗、坂崎絵理、落合菜月、米山伸伍、矢方美紀、新井ユウト、イヲリ

68.4 20 巫女で友情なアニメランキング20位
刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火(OVA)

2020年10月25日
★★★★☆ 3.6 (20)
82人が棚に入れました
御刀で異形の存在<荒魂>を斬って祓う神薙ぎの巫女<刀使>たちの物語!

声優・キャラクター
茜屋日海夏、石原夏織、五十嵐裕美、藤田茜、沼倉愛美、上坂すみれ

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火」(とじのみこ きざみしいっせんのともしび、略称:とじとも)

この作品は、スマートフォン用アプリゲームに関連するOVAなんだそうです。
「胎動編」と「波瀾編」の2部構成になっているTVアニメ版は視聴済ですが、ゲームは未プレイなので置いてけぼりを食わないか少し心配でした。

ですが、TVアニメ版主人公の衛藤 可奈美(CV:本渡さん)や十条 姫和(CV:大西沙織さん)らも登場するので、全く別の物語を視聴している感覚には陥りませんでした。
それに「荒魂」を巫女が御刀で祓うという世界観は一緒ですしね…

そう言えば、レビューのタイトルにも記載しましたが、この作品には略称があるようです。
TVアニメ本編には略称なんて付いていなかったのに、OVAにだけ略称があるなんて不思議じゃありませんか^^;?


刀使――

それは人の世に災いをもたらす異形の存在『荒魂』を、
古来、御刀で祓ってきた神薙ぎの巫女である。

現代において、ほとんどの刀使は『伍箇伝』と呼ばれる
中高一貫の訓練校で学園生活を送る学生であり、
その一方で任務となれば特別祭祀機動隊という警察組織に属する公務員として、
御刀を手に職務を遂行する。
御刀が持つ特殊な力を引き出して戦う刀使たちの活躍が、
この国の平穏に大きく貢献してきた。

大荒魂タギツヒメによって引き起こされた『年の瀬の大災厄』から数ヶ月。
新たな春を迎え、甚大な被害を受けた東京都内も復興を遂げつつある。
しかし『年の瀬の大災厄』以降、関東一円ではさらに荒魂が頻出するようになり、
特別祭祀機動隊――刀使の力が必要となるケースは後を絶たない。
そんな緊迫した情勢のなか、タギツヒメと刀使の因縁の地である江ノ島で、
非常に強力な荒魂の反応が観測される。

前編のあらすじはこちら…
散逸した御刀の調査蒐集を主な任務とする赤羽刀調査隊。
安桜美炎は、調査隊の仲間と共に職務と鍛錬に励む日々を送っていた。
『年の瀬の大災厄』から数か月後のある日、特別刀剣類管理局は、
江ノ島にて正体不明の荒魂の気配を感知する。
行方をくらました荒魂の居場所を探すため、
美炎たち調査隊は、療養中の鈴本葉菜の補充要員として、
新多弘名という刀使を新たに迎え、捜索任務にあたるが……

後編のあらすじはこちら…
人型の荒魂コヒメは、美炎たち赤羽刀調査隊の面々と過ごす中で、
人間に対して心を開くようになっていた。
しかし「刀使は荒魂を斬って祓うことを使命とする」という事実を突きつけられ、再び心を閉ざしてしまう。
刀使と荒魂は敵対している――そのことに思い悩むコヒメと、そんな彼女を心配する美炎たち。
ある日、調査隊が荒魂討伐の任務に赴いている中、
コヒメは折神家の施設を抜け出して美炎たちの元へ向かうが……。


公式HPのINTRODUCTIONとSTORYを引用させて頂きました。

公式ホームページにはTVアニメ版「胎動編」の総集編のリンクが貼られています。
2020年12月31日までの期間限定配信なので、気になる方は要チェックです。
この総集編のために再編集され、新たに川澄綾子さんのナレーションが吹き込まれているという、気合の入った構成になっているので、懐かしさもひとしおです。

そしてOVA本編も序盤こそゲームから投入されたキャラで占められていますが、程無く可奈美・姫和が登場したと思ったら折神 紫・折神 朱音の折神姉妹の二人までも顔を拝見することができるのですから、ゲーム未プレイ組でも割とすんなり物語には入れる構成になっていたように思います。

それと少しだけ違和感を覚えた点がありました。
それは完走後にwikiをチラ見して気付いたのですが、ゲーム版の主人公である安桜 美炎(CV:茜屋日海夏さん)はTVアニメ版主人公の衛藤 可奈美のライバルとの位置付けなんだそうです。

私は刀使としての安桜 美炎の実力の底を知っている訳ではありません。
ですが、TVアニメ版で死線を何度も潜り抜けたことによって衛藤 可奈美は相当強くなっていると思います。
何せタギツヒメを圧倒する程の実力の持ち主であり、またTVアニメ版の物語終盤では十条 姫和に実力をも圧倒的に上回る剣技をお披露目してくれていましたから…
正直可奈美が本気になれる相手はもういないんじゃないかと思っていたので、この点には違和感を感じたかな^^;

本作のキーパーソンは、ここちゃん演じる「コヒメ」ちゃんです。
これまで居なかった新たな存在という立ち位置なのですが、転び方が見通せないので彼女の立ち振る舞いからは目が離せません。
OVA全2話なので尺はそれほど取れませんでしたが、コヒメの心の葛藤はしっかり描かれていたのではないでしょうか。
だからこそ、後半の展開が大いに盛り上がったんですけどね。

主題歌は、安桜美炎(茜屋日海夏さん)、瀬戸内智恵(石原夏織さん)、七之里呼吹(五十嵐裕美さん)、六角清香(藤田茜さん)、木寅ミルヤ(沼倉愛美さん)、山城由依(すみぺ)による「blurry shadow」
改めて出演されている声優さんの名前をみると、錚々なるメンバーが顔を揃えているのが分かると思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
私はしっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10
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