東映アニメーションアニメ映画ランキング 8

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の東映アニメーション成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月03日の時点で一番の東映アニメーションアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.2 1 東映アニメーションアニメランキング1位
楽園追放 -Expelled from Paradise-(アニメ映画)

2014年11月15日
★★★★☆ 4.0 (888)
4648人が棚に入れました
われわれはどこから来たのか われわれは何者か

われわれはどこへ行くのか――。

地球はナノハザードにより廃墟と化した。

その後の西暦2400年、大半の人類は知能だけの電脳世界ディーヴァに生きていた。

電脳世界に住む捜査官アンジェラは、

闘力を誇るスーツ・アーハンを身につけ地上に初めて降り立った。

そして地上調査員ディンゴと共に地上のサバイバルな世界に旅立った。
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

だれが楽園追放したの? それは私と………

【ちょい長いです】

久しぶりにSFアニメを観た気がする。
(疑似)科学的な設定がストーリーを支え、絡み合ってこそのSFだ。
支えているのがハーレム設定だけというのでは、やはりSFとはいいがたいだろう。

素材となるのは、データ化され仮想空間に生きる実存、科学力により分断され階層化された社会、{netabare}自律進化する人格を獲得した人工知能、{/netabare}
といった今ではお馴染み感のある設定の数々。
だが料理は素材だけでできるものではない。材料をどう調理するかの技法が味を決める。

人格を電子化し仮想空間の中で人々が「生活」する『マトリクス』的な社会ディーヴァ。
『マトリクス』と違うのは、そこで「生活」する市民が、データ化された自分とその仮想化社会の事実に自覚的なこと。
そこにハッキングを仕掛けるフロンティアセッターとの電脳戦から物語は幕を開ける。

このフロンティアセッターのハッキングの追跡から、アンジェラが地球へ降下するまで一気に描写する製作者の手際の洗練具合は、非凡と言っていい。
スピード感がありながら、この世界の構造と、内在しているキャラクターにとってどういう世界であるのかという世界観まで、視聴者を立ち止まらせることなく、説明してしまう。
ただストーリーを追って観ているだけで、世界観が分らなかったり、誤解してしまう視聴者はほぼ居ないだろう。
これは映像的なセンスのみならず、脚本が秀逸で、セリフに使われる言葉の一つ一つまで吟味しつくして選択していることによると思われる。

この脚本の緊張感は、最後まで途切れることはない。物語のどの段階でも、背景で何が起きているのか、世界のどの部分が展開されているのか、把握できてしまう。
が、いたずらに説明的なわけではない。
映像的な楽しさにひきつけられて観ているだけで、自然に伝わってくる巧みな描写がなされている。
殊に終盤のバトルで、幻惑的なアクションの連鎖を堪能させながら背後の状況を二重映しにしてサスペンスを盛り上げるのは、並外れた描写力といえる。


さて、このように抜群の技法によって、既視感のある各種のSF設定の素材は、いかなる調理がなされているのか。


{netabare}人工知能であるフロンティアセッターは、自然的な人間と対立的にとらえられることはなく、むしろ「人間」そのものであると肯定される。

そもそもデジタルデータの集積である人工知能は、ディーヴァ内でデータ化されて仮想化されている「人間」と同型的な存在だ。仮想現実化した実存を「進化」と強弁する思想の下では、むしろ生物的な根拠を持たないフロンティアセッターのほうが「進化」した人類ではないかという見方すらできる。

それゆえ、『マトリクス』的な仮想世界は、『マトリクス』のようには、単純に自然性に対立するものとして、作中で自動的に否定されるものではない。

むしろ、自然性による自動的な否定を相対化するものとして、「人工知能」フロンティアセッターは方法的に導入された印象がある。

最終的にディーヴァから離脱するアンジェラだが、その「人工性」と「自然性」との正否からディーヴァを否定したという風には描写されない。
彼女の決断は、むしろ個人的で趣味的な気分から決断をしたような印象を与える。

彼女の否定は、仮想化の是非ではなく、その「管理」の在り方に向かっているようだ。
別にデータ化して仮想化社会で「生きる」ことに不満はないが、あの「管理」は気に入らない。

楽園とも自己宣伝するディーヴァ社会だが、楽園が楽『園』である限り、管理は必須の条件となるだろう。管理がなければ、「園」は荒野と変わるところがないのだから。
楽「園」を維持する管理は、あたかもミシェル・フーコーの生権力的な形態をモデル化しているようだ。
仮想現実化社会に、生まれた直後にディーヴァによって電子化されて投入される実存は、そこでの「生存」を望む限りディーヴァの管理当局による指示に従わざるを得ず、管理から逸脱した価値観を持つことは原理的にできないように設定されている。

「存在」がシステムによる「電子化」に根拠づけられているため、「生存」したいという当然の欲求は、管理の要求する「社会貢献」という評価基準を内面化していくほか実現させる道はない。

「生きる」ための価値観と行動が、すべて管理の正当性を強化する力をもたらす社会は、我々の「社会」を連想させ、おそらくこれを暗示するものだろう。
「生きたい」という自然な欲望が、「管理」の承認を支えて強化してしまう社会。

エンドロールの途中のパラグラフで、保安局はさらなる管理の強化と離脱者の防止を決意する。
生権力の本性をうかがわせる描写は、ますます我々の社会との類似を暗示しているとの印象を高めるとともに、どこか既視感がある。

電脳化システムを独占することで全住民の「生存」を支配し、基準を設けて「住民」を選別、その基準と管理を一手に引き受け、「排除(凍結)」する権利を担保する社会は、いわば全住民が潜在的に収容所に監禁されているのと等しい。
離脱者までも管理を強化する契機に利用し、権力を司る保安局員が神話的アバターで現れる権威づけは、「真実」を体現する「党」によって指導、管理される、収容所共産国家に酷似している。

我々の社会でも「社会に有用な存在であれ」「社会に貢献できないものには、何も与えることはない」「この当たり前のことを否定するものは、社会から排除せよ」と主張する人が目立って多くなっているようだ。

ディーヴァ社会でも通じそうな主張をするこの人たちが、躍起になって否定するサヨク的なものの根源である収容所社会が、この我々の社会を思わせるディーヴァ社会と似ているのは皮肉なことだ。

だが、当然のことながら、「社会」の外には世界が広がっている。
社会の評価と承認が無ければ「社会内」では存在できないが、外部世界は必ずしもそうとは限らない。

地球に降り立ち、その社会や住人、さらには数百年を「管理」なしで自立進化し続けてきたフロンティアセッターとの出会いにより、内面化されていた「管理」の有効性を懐疑し始めたアンジェラは、「管理」=生存の保証ではないことに気づき、受肉した地球上の存在へと自己を投機する。
繰り返すが、仮想現実社会への正邪の審判ではなく、その「管理」への趣味的な回答として。

ある意味究極の外部「世界」=深宇宙を目指すフロンティアセッターは、一切の評価も承認もなく目的を完遂する。
そう、内面化した「社会の基準」ではなく、この私の、私自身の内部から湧き出してくる「衝動」こそが、世界での生存を支え得る。

外宇宙へと旅立ったフロンティアセッター。首尾よく成果を上げる可能性は極微だし、たとえ成功したとしても文字通り天文学的な時間ののちに帰還したところで、称賛や承認を与える人類は、もはや存在していないだろう。

それでも、陽気に歌いながら、むしろ楽しげに旅立って行く彼の姿は、彼を動かすのは自身の衝動であり、社会の評価や制度化された承認など問題ではないことをよく示しているのではないだろうか。
趣味的に離脱を決断したアンジェラもまた。

このように「楽園から追放」された彼女たちだが、じつは「追放」されたのは仮想現実都市のほうかもしれない。


最後に特記しておきたいのは、無機的でありながら奇妙な人間性を絶妙に感じさせるフロンティアセッターを表現した、神谷浩史の力だ。
固有の風貌も持たず、フレームのデジタルデータの集積が本質である、人工知能という抽象的な存在が、一種の人格をもってスクリーン上に受肉し得たのは、神谷浩史という肉体を通過した声なくしてありえない。{/netabare}

現代の声優の演技は、ここまで高いものになっていたのかと再認識した。

若手俳優やタレント主体のドラマや映画がどう頑張っても、これほどの演技レベルに追い付くには、ちょっと絶望的な差を感じる。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

お前の魂、ロックオン

最終進化を遂げた新世代の人類代表エリート捜査官と
地に足のついた旧世代の地球人と所属不明 謎のハッカーとの
奇妙な三角関係で描かれるサイバーパンクの物語。

サイバーパンクとは本来SFというジャンルに属するものであるが
その本質は、サイエンス糞喰らえ!
サイエンス技術の理論的写実性要素に傾倒したリアリティなど金属バットで粉砕!
という風にアンチSFな精神が不可欠な構成要素であるという宿命を有する。

そもそもSFという言葉の定義が曖昧なのが問題だと言えばそれまでだが
サイバーパンク作品において科学主義的屁理屈は必然的、予定調和的に破綻する。
サイバーパンクにおいての科学的な理屈とは、荘厳な趣をもったバベルの塔のような
破壊されるべくして建築された矛盾した装置である。
その一方で、塔崩壊のカタルシスを最大化するためには塔の構造を強固にする必要があるのだが
構造上に全く欠陥がなければ倒壊しないという矛盾も起こり得てしまう。
簡単に倒壊しないが、倒壊し得る構造の塔を設計するのがパンクな作者の腕の見せ所と言えるのだろう。

本作においての「バベル」の描写は至ってシンプル、ありがちな王道的設定。
しかしながら、奇妙な三角関係によって描かれるストーリーが洗練されすぎて驚愕。
もの凄くシンプルに、もの凄く先鋭的に、もの凄くわかりやすく、サイバーパンクの本質が描かれている。
下手に小難しい専門的用語やら、(文学はいいとしても)生物学の学説の引用とかの羅列・・・
今までのサイバーパンク作品は、一体何を描こうと足掻いてきたのか?と虚しくなる程。

地に足の着いたロックンローラーの一言は、理論武装したサイエンティストの弁明より強し。
この脚本家の実力はやはり本物で、台詞がイチイチと印象的で五臓六腑に響きやがるのだ。
{netabare}SF主義を金属バットで粉砕するような描写が正しいあり方であるとは限らないが、反骨魂は絶対に必要な要素である。{/netabare}

サイバーパンクなんて時代遅れな感覚の作品で今更誰からも評価されない
と思い込んでいたがのだが、
本作を見て前言撤回。
本作をきっかけにもう少し難易度が高いものも見てみるのもよいかもと思うに至る。

私見だが、SFとは本来空想科学小説のことを指し
ハリウッド映画が持ち味とする映像的説得力を重視した作風とは
相容れない、例えばフランケンシュタインの物語などがそのプロトタイプと
考えるべきだと断言したい。


攻殻など他作品のネタバレ、批判等々を羅列。閲覧要注意!
{netabare}
攻殻原作者が拘った「GHOST IN THE SHELL」とは何であるか?
アーサー・ケストラーという人が提唱した「Ghost in the machine」
(機械の中の幽霊)という論説にちなんだもので
もともとはギルバート・ライルという人がデカルトのコギト(的人間機械論)を揶揄する意図で
表現した言葉「機械の中の幽霊」をケストラーが逆手にとって
「機械の中の幽霊」はいる!と反論を展開した説に影響を受けた考えであろうと推測。
デカルト的観念論の中でのコギトとは自我というよりも霊魂に近い位置づけであり
それ故にデカルト的観念論に全く理解を示さない立場の人たちはデカルト的機械論の浅はかさを批判。
それに対してネオ・デカルト主義者のケストラーは、より緻密で高度な人間機械論を示すことで反論
物心二元論の霊魂と肉体の連動率がより高い持論を展開した。

「GHOST IN THE SHELL」すなわち、人工的な外殻、機械的な構造の身体、サイボーグであっても
霊魂と連動するのであれば生身の体を持った人間となんら変わらないわけだから
人間の本質はゴーストにあると言い切れるわけで、そうであるからこそサイボーグ技術などの
サイバネティクスという人工的装置が意味を持ち始めると考えられる。
銀河鉄道的機械人間はどこまで行っても機械人間にすぎないという意見に対して
問題の機械人間の非人間的性質は機械伯爵の自我、霊魂のあり方に起因するものであり
すべての機械人間が冷酷で非人間的あると決まったわけではない。
機械のボディも生身のボディも霊魂の指令によって機能するものであるから、という風に。

ネオ・デカルト主義者の願望は霊魂の対物連動率の高さだけに特化していたのだろうか?
劇場版攻殻 GHOST IN THE SHELLで少佐は、人形使いと融合し、ネットワークシステムとも融合し
世界そのものとも融合?しすぎて、軽く人間を超越してるわけだが
イノセンスで還ってきた少佐は確かに人間的ではあったかもしれない。

とは言え、GITSの続編イノセンスの主人公はバトーであるから
バトーが何者であるか描ければそれで十分目的は果たせるのだ。
サイバーパンク的重苦しい空気の中で彼の飼い犬がやたらと無駄に愛くるしく描写されているのは
流石というべきで、ディンゴとフロティアセッターの対話中で見えてくるディンゴの人間性のように
飼い犬という鏡を使ってバトーの(犬への)愛着心が鮮明に描かれている。
ドライにせよとの忠告にもかかわらずドライに行けないバトーの生き甲斐は、飼い犬と
守護天使との再会だけなのかもしれない。そんな彼の魂のあり様はある意味イノセンスなのかもと感じた。

STAND ALONE COMPLEXとは何か?
その厳密な定義についてはここでは敢えて見送りたく思うが
趣旨としては「GHOST IN THE SHELL」という発想を
本家のアーサー・ケストラーが展開した「ホロン」という概念を用いて説明する
複合階層構造的機械論を「STAND ALONE COMPLEX」という言葉に置き換えて
「攻殻魂の存在」を理論的に補強、説得力を持たせようとしたのだろうけど・・・
社会現象とか、社会システム論的な受け止め方をされて、逆効果だった感がある。

全体は個から成り、個は全体に属するのだけど
全体に個と同じあり様の霊魂が存在するという発想は今の感覚的には受け入れられないような気が・・・
{/netabare}

楽園の記憶は魂に刻まれ、空の彼方に回帰を願う
{netabare}
サイエンスフィクション的物語の中でロック魂と仁義だけで奇妙な人間の在り様に
説明がつくという一撃必殺技の切れ味に驚愕。
アンジェラはFセッターの行動原理を人間的な使命感やプロ意識的なものとして
理解するのだが、保安局員とハッカーが相互理解を深める展開には若干無理がある。
自然かつ効率的に敵対するはずの二者の距離感を縮めるための仲介者として
ディンゴの役回りが良く効いていた。
三角関係による魂の共鳴現象、共鳴連鎖により必殺の大技!摩人狩り!?
ではなく、楽園追放から地上に受肉、大地を踏みしめ生きる一人の人間が誕生。

Fセッターは限りなく人間臭く限りなく人間に近いロボットである。
人間的ではあるけれど、人間と同じ霊魂をうちに秘めてはいない。
使命感的なプログラムと少し楽観的な未来予想のシミュレーションを実行することはあっても
フロンティアの夢は見ない。
肉体という牢獄にいながら、無限の宇宙の夢を見るのは人間のみに与えられた能力なのだ。

タチコマやFセッターと草薙少佐やアンジェラの決定的な違いは何か?
それは機械やマシーンが人間の忠実なしもべであり、プログラム通りに動くのに対し
人間は、例えば彼女たちのようにエリート街道を今まで順調に歩んで来たとしても、
その道を離脱して我が道を進む決断を下すことができる点にある。
もちろんロボットが人間に反逆を起こし人間の存在を脅かすようなSFの話は
過去に腐るほどあるのだが、その反逆はプログラムのエラーにすぎず、
プログラムされた目的と別の意図でロボット自身がフロンティアを目指し
ロボットのための文明・社会を作るようなことはあり得ないだろう。
何故ならロボットには人間のように生存本能がなく、歴史や文化を積み重ね
継承することに意味を見出せない存在だからである。

Fセッターは人間と共存する関係性の中でロックを演奏することはあっても
プログラムされた道を放棄してロックンローラーの道を歩む選択はしない。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18
ネタバレ

mrt さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

自分の価値を自分で見極める

電脳化された人類が住まう楽園『ディーヴァ』に
地上から幾度も現れる謎のハッカー……
フロンティア セッターと名乗るそのハッカーを探し出すため
ディーヴァ保安局の三等官アンジェラ・バルザックは、
旧世代の遺物と化した『地上』へと降り立つ

__ディーヴァ__
電脳化した人類の楽園世界
この世界の人類は地上の人間に対して、進化の次のステージに進み肉体という枷から外れた高尚な存在。
生まれた時から1300時間は生身で、それ以後は電脳の魂となる。

__アンジェラ・バルザック__
諦めたことも弱音を吐いたこともない。
負けず嫌いな本作品のヒロイン
ディーヴァ保安局で三等官まで昇進
手柄を立て昇進することが自分の全て。
地上に取り残された人類は滅ぶ事しか出来ない旧世代だと思っている。


__ディンゴ__
旧文明の人類の地『地上』のS級エージェント。
今回の任務におけるアンジェラのオブザーバー
『素行は悪いが腕は確か』と評価されている。
その気になればディーヴァの『特待市民権』を獲得出来るほどの功績を持つ。何度か電脳化のオファーも有ったようだが…………。

__フロンティア セッター__
ディーヴァの治安を混乱させ、市民の不安を煽る存在
旧文明の人類の地『地上』からのハッカーであり、アンジェラからその目的は
『いずれ本格的な破壊工作を仕掛ける為の前段階の準備として、パニックの下地を整えようとしている』と考察されている。

__フロンティア・セッター(ネタバレ♪)__
{netabare} ジェネシスアーク号建設における進行管理アプリケーションに付随する自立最適化プログラムが行った2259341回目の自己診断アップデートの際に出現した概念。
『今から45629日と11時間前に発生しました』と自己紹介する
簡単に言えば、人工知能が自我を持ったということ。
現時点でジェネシスアーク号のプロジェクトを推進している唯一の存在。
本人は人類との平和的な交渉による相互理解を希望している。
ディンゴとは好きな曲が一緒で、何かと相性がよろしくみえる。
ちなみにその曲はもちろんEONIANです。

ジェネシスアーク号は光学明彩で隠蔽してある全長1200mの探査船である。

__フロンティアセッター計画__
地球環境の激変に備え、外宇宙に人類が居住可能な移民先をジェネシスアーク号によって探しだす計画
人類の新たな生存圏を獲得するためのプロジェクトが各国で多数並列に行われていた当時、互いが競争関係にあったため極秘裏に行われていた計画の1つ。
つまりディーヴァ以前の計画のためディーヴァは感知出来なかった。

フロンティアセッターがディーヴァにハッキングをした目的は、ただのプログラムにしか過ぎない自分だけで外宇宙探索に行っても、『居住可能な外宇宙探索に人類を送り出す』という当初の目的が果たせないため、一緒に行ってくれる人類を探していたが、ジェネシスアーク号の再設計による小型化の際に乗組員=『生身の人間』の搭乗スペースが無くなり、地上の人間は誘えなかった。
しかし電子パーソナリティーの生存圏となるメモリーの積載は充分に可能だったため、電脳化されたディーヴァの市民を誘おうと考えた。
更に、ディーヴァが外宇宙探索に意義を見出ださないことを予見し、ディーヴァとの正規の交渉ではなく、そこに居住する市民と直接的に交渉するためにハッキングという手段を選択するしかなかった。
攻撃はおろか、治安を乱す目的すらない。本人は『誠に遺憾』と語っている{/netabare}

以下ストーリーネタバレ
{netabare} 地上に降り立ったアンジェラとディンゴは、フロンティアセッターがディーヴァを易々とハッキングしている事から、ディーヴァとのオンライン接続抜きという状況下でフロンティアセッターの捜査をはじめる。

ディンゴの考えでは、敵がどうやって来たかより、
何をしに来たかが重要であるという。
フロンティアセッターがディーヴァハッキングの際に、必ずある主張を繰り返している事に着目する。
その主張とは
1外宇宙探索の同志となる存在をさがしている
2外宇宙探査船の準備は整っている
というもの。
アンジェラはこれに対し
1(ディーヴァ的にはメモリーの領域の限り資源を創造出来るため、わざわざ外部の宇宙まで出向く事はリスクに見合わない)
2(地上、つまりは旧世代の存在が上位種であるはずのディーヴァに悟られずその様な大規模なプロジェクトを遂行できるはずがない)
と反論する。
しかし、ディーヴァの特性として、1度不要と判断した情報は破棄されるので、ディーヴァの情報は完全ではない。そこに漬け込む余地がある。との見解を示し、続けて

わざわざ地上からディーヴァにアクセスする必要がある存在は、同じく地上から出る必要がある。
よって、ロケットの打ち上げに関わるような動きを警戒するべきだ。
と考え二人はロケット打ち上げに関係しそうな情報を集めはじめる。

そして、分解により亜酸化窒素になる硝酸アンモニウムを物々交換で集める謎の存在を知る。
(亜酸素窒素は液体酸素より扱いやすく、ロケット燃料の酸化剤は理想的なもの。)
二人が物々交換の現場で目撃したのは、遠隔操作されたロボットが硝酸アンモニウムを引き取りに来る光景だった。
衰退した地上にそんな技術を持つ者はフロンティアセッター以外考えられない!
二人は硝酸アンモニウムに仕掛けた発信器をたどり、とある廃墟にたどり着く。
そこに佇む一台のロボット……
そのロボットから発生した音声はこう告げた
『ようこそお出で下さいました。こちらに攻撃の意図は有りません。警戒を解いて下さい。』そして
『フロンティアセッター__その呼称は私に該当します__』……と。
{/netabare}

感想
以下ネタバレ
作品としてのクオリティは非常に高いと思います。この作品なら自信を持って誰にでもオススメできます。
個人的には、肉体についての価値観の違いの描写がとても気に入りました。
肉体を捨て、肉体では不可能な事象を体験でき、更に肉体を持つことによる弊害『疲労、病』等の枷から外れる事は素晴らしいと、ヒロインであるアンジェラは言います。
ディンゴはその主張を受け止め、それでも『メモリー』(個人に与えられる存在の容量)という枷から抜け出せず、より手柄を立てて、より多くのメモリーを獲得する生き方にしか価値を見いだせないアンジェラに対して『メモリーを稼ぐことが全てな、他人に値段を付けられる様な生き方であり、肉体の枷よりもっと嘆かわしい枷だ』と言います。
アンジェラの考えでは、より多くの功績を挙げた者により多くメモリーが与えられるのは当然で、そこに
懸命に努力を重ねたアンジェラのプライドと誇りを感じました。
私はどちらの主張も正しと思いますが、ディーヴァが楽園という存在であるか?という事については否定します。
個人の1と0で造られた魂。その存在の場所を確保するために
暗黙に競争を強いる傲慢な支配者だと思います。
逆にフロンティアセッターは最高ですね。
人類が電脳化された今、彼が自分で得た自我はより洗練された『人』だと思います。
って言うかディーヴァの完全上位互換でしょ。
アンジェラがこれから地上でディンゴとどんな人生を歩み、どのような幸せを手に入れるのかとても楽しみです。
フロンティアセッターには、胸を張って『私は人類だ』と言って欲しいです。
彼の旅路に素敵な出会いが有ることを祈ります(*^^*)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

62.8 2 東映アニメーションアニメランキング2位
ポッピンQ(アニメ映画)

2016年12月23日
★★★★☆ 3.6 (81)
568人が棚に入れました
通過点でしか無いと思っていた卒業式を目前に控え、中学3年製の伊純は前に進めずにいた。
そんな時、海で、美しく輝く"時のカケラ"を拾った伊純は、不思議な世界"時の谷"へと迷い込む。
そこで、同い年の、蒼、小夏、あさひ、"時の谷"に住み、"世界の時間"運営を司るポッピン族と出会う。
"時の谷"と"世界の時間"が今まさに崩壊の危機に瀕していた。
危機を脱するには、伊純たちの持つ"時のカケラ"を集め、心技体を一致させたダンスを踊るしかないという。
迫り来る危機と、ポッピン族の厳しいダンス指導に戸惑う伊純たち。
そんな中、ダンス経験者の沙紀が現れるが…。
"時のカケラ"に導かれた5人はダンスで世界を救えるのか?
そして、無事に卒業できるのか?

声優・キャラクター
瀬戸麻沙美、井澤詩織、種﨑敦美、小澤亜李、黒沢ともよ、田上真里奈、石原夏織、本渡楓、M・A・O、新井里美、石塚運昇、山崎エリイ、田所あずさ、戸田めぐみ
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

興行的には散々みたいだけど思いのほか悪くなかった

新春!開運!ポッピンの集いに行ってきました
2017年初アニメ映画
2017年初声優イベントになりました

黒星紅白原案のキャラをプリキュアチームが動かすと聞いたら
これは見ないわけにはいかないな
という気ではいたのですが
封切り初日舞台挨拶が金曜日だったため見に行けず
今回のイベント付き上映に行く運びとなりました

しかしなんだかずいぶんと興行が芳しくないようで・・・
でも駄作だとかつまらないという話が聞こえてくるわけではない様子
そもそも誰も見に行ってないから口コミが少なく
見た人の感想も絶賛も酷評もしていない感じですね

ストーリー全体としてはそんなに悪くなかったと思うのですが
全体的に詰め込み過ぎて展開が急すぎたり
いろいろ説明が足りなかったり
まるで見たことのない作品の総集編映画を見に来たかのような
はっきり言うと雑な印象を受けました

いろいろな要素をぎゅっと詰め込んで
ジェットコースターのように勢いだけで押し切るのも
映像制作においては一つの手法ではあるのですが
メインテーマが思春期の心理的葛藤なので
急ぎ足の展開とは素材の相性が悪かったように思います

主人公の伊澄だけはある程度尺を取って描写されてたわけですが
他のメンバーに関しては大した描写もなく
いつの間にか問題が解決していたような印象
TVシリーズか何かでもっと丁寧に時間をかけてやった方が
もっと面白くなったように思います

ED後のアニメーションに関しては
まさに予告編といったような感じで
全編通して一番ワクワクする映像でした
続編があるならぜひ見たいと思わされた反面
そこが一番魅力的っていうのは
一本の映画としてどうなんだ?という気もします

映像面は十分に満足のいくものだったと思います
キノの頃からの黒星紅白ファンとしては
郵便屋さんや秘密結社のアニメより
ずっと黒星紅白の魅力を引き出せていたと思いますし
ダンスシーンもなかなかよくできていました
もともとその方面には定評のあるプリキュアチームですから
そこがダメならどこを見るんだ?って感じではありますが

音楽もなかなか悪くなかったです
先週までSHOWBYROCKとコラボしてて
アプリ内でED以外の3つのヴォーカル曲が叩けました
その時は特に思い入れもなかったのですが
映画を見て楽曲に親しみを覚えたときには
もうコラボが終わってて叩けない悲しみ・・・

声優は若手の有望株を中心に
かなりいいチョイスだったと思います
ポコン役の田上真里奈だけは聞いたことがありませんでしたが
チェンクロのイメージソング歌ってたTrefleの一人だったようです
割と聞きやすい少年役だったので
今後要注目かもしれません

さて、この映画はいったいどこに問題があったのでしょうか?
ファミリー向けをベースにして
そこに大友向けの要素をいろいろぶち込んだ結果
どちらの層に対しても訴求力が足りなくなってしまった印象
そしてどんな層に対して発信しているのか
いまいちわかりにくいタイトルやCM等
マーケティング面での失敗が大きいように思います

ハリウッド映画などでは予告編の試写会のようなものを設けて
何通りかの予告編を作ってどういう層にどういう広告が受けるのか
実際にテストして流す広告を決めるそうです
予告編だけでなく本編も試写会の評価を見て
ラストを作り直すことさえあると聞きます

それに対して日本の試写会はただの先行上映会です
様々なメディアが双方向化し
発信者と受信者の境界があいまいになっている現代社会において
旧態依然としたプロデューサーの直感に頼った広告戦略というのは
もはや限界に達しているということに気が付くのはいつなんでしょうか?
作品自体のクオリティはそこまで低くないのに
興行がまったく振るわないのは
作り手ではなく売り手に責任があるように思います

映画館がガラガラみたいな情報ばかりはいってきますが
決して駄作ではないと思いますので
ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います
ED後が本編なんて言われている程に
可能性を感じる予告編だったので
あれが企画倒れになるのだけは阻止したいところです

おまけ(終演後トークイベントでの監督質疑応答)
{netabare}

Q:ポッピン族は楽器とかを使わないの?
  ダンスシーンでかかってる音楽とかはどうなってるの?

A:楽器はちゃんとあって設定とかもあったんですけど・・・
  襲撃されて移動中だから持ってこれなかったんですよ

(プロデューサーから補足があって、時間と予算の関係で入れられなかったそうですw)

Q:ポッピン族には年齢とかあるのですか?

A:年齢のようなものはありますが
  見た目の変化とかはありません

Q:でも長老とかは・・・

A:あれは衣装です
  そういう服に入ってるだけです

Q:レミィには同位体はいないの?

A:もちろんいます

Q:それは作中に出てきていますか?

A:それはまだお答えできません

Q:ED後映像の金髪少女はだれ?新キャラ?

(濁そうとしたところをキャストから質問攻めにあった結果白状)

A:はい・・・レミィです

Q:ED後映像の舞台は原宿ですよね?ロケハンとかいったんですか?
  行列のできる人気店っぽいものが映ってましたが並んだんですか?

A:はい、原宿です
  原宿らしいおしゃれな感じを出そうとして
  某有名店に行きついてたんですが
  自分は行列を遠巻きに眺めるしかできませんでした
  結局、開店前に女性スタッフに撮影してきてもらいました

こういうのをいろいろ聞けるのがトークイベント付き上映の醍醐味ですw{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

実は卒業後も時を進め生き長らえていた東映アニメ60周年記念映画

あらすじ

{netabare}卒業を間近に控えた中三少女5人。
各々、葛藤を抱え、前向きに時を進められずにいる。

そんな折、異世界「時の谷」に召喚された5人。
時間がつつがなく流れるよう管理する役割を担っていた「ポッピン族」が暮らす「時の谷」は、
時を進めたくない邪悪な意志に脅かされていた。

彼女たちは「時のカケラ」を集め、「ダンス」を踊ることで、
世界と時間の危機を救おうと、ポッピン族のダンスレッスンを受け始めるが……。{/netabare}


【物語 2.5点】
欲張り過ぎ。

映画一本に中三少女5人の青春の一頁を描くだけでも忙しいのに、
本作はさらに異世界トラベル物でもあり、
変身バトルヒロイン物でもあり、美少女ダンスアニメでもあり……。

到底、収まり切るはずもなく、説明不足、掘り下げ不足が多発。

極め付けは、最後、{netabare}この中三編はプロローグに過ぎない!高校生編こそが本編!
と言わんばかりに予告編風の映像で締めくくったこと。
中学卒業で締めくくれば、まだ割と綺麗にまとまったものを……。
俺たちの戦いはこれからだENDも華麗に決まり困惑が拡大。{/netabare}

ただ、5人の中で主人公格であるヒロインについては、
女の子が異世界の旅を経て、青春の時を前に進める勇気を獲得し、
いつの間にか急成長する。
などジュブナイルとして要点は押さえており、筋は通っている。


【作画 4.0点】
キャラクター原案・黒星紅白氏といえば大抵、
可愛い顔して、嘘つきはスパイの始まりとか、
眠たそうな瞳で、無慈悲に狙撃とか、ギャップを狙った起用が印象的。

その点、本作の世界観とそれに合わせた作画構成は
可愛らしい氏のキャラデザにベストマッチ。
(但し、そこに必ずしも需要があるとは限らない)


本作監督は劇場版『プリキュア』シリーズ等でCGを担当して来た宮原 直樹氏。
本作のダンスシーンには、東映CG作画の成果が体現。

特にヒロインたちの変身前のダンスレッスン衣装は、
露出もない着ぐるみ同然のフワフワ、モフモフであり、
ダブダブズボンがダンシングして揺らめくCG動画はかなりのハイレベル。
(但し、そこに必ずしも需要があるとは限らない)


【キャラ 3.5点】
良質な素材を提供するも、料理は生煮え。

ただ、5人のヒロインは主人公格の陸上短距離走を始め、特技により性格付けがされており、
そのキャラクター性は歴代のプリキュア等と比較しても遜色がなく、可能性は十分。

各ヒロインのエピソードをもっと掘り下げれば、
彼女たちのその後を描けば、『ポッピンQ』は化けるはず。
と願望する鑑賞者も少数ながら獲得。

そのことが後のコンテンツ展開へ繋がっていく。


【声優 4.0点】
豪華。例えばヒロイン役の5人だけ見ても、
瀬戸麻 沙美さん、井澤 詩織さん、種﨑 敦美さん、小澤 亜季さん、黒沢ともよさん。
各々のマスコットポジションのポッピン族の「同位体」役にも、
実力派や若手のホープを起用。

さらに、ラスボス役には{netabare}斎藤千和さん。
時間の法則という世界の理の改変を企むには打って付けの配役。{/netabare}

いきなり感情を振り切る無茶振りも散見された本作だが、
この布陣なら対応した上、見所のあるシーンも演出可能。


【音楽 4.0点】
上記の豪華声優陣が二次元ダンスユニットをやる!
これだけでも注目に値したはずだが、5人のヒロイン役が歌ったのはEDだけ。

ダンスシーンでは他のユニットの歌に合わせて踊るだけ。
どうせならヒロインにも中の人にも歌ってもらって、2.5次元ライブまでやってよ~。
(ここでも需要と供給のミスマッチ要素がw)

楽曲や劇伴自体は良好。EDも{netabare}卒業ソング{/netabare}として優良。


【感想】
もしも、日本で深夜アニメが発展せず、萌えもエログロもなく、
『プリキュア』のような女児向けテイストのアニメが発達して、
ティーン以上の年齢層向けでも主流になったら、
こういう作品が数多く生み出されたのかも?との感想がまず残りました。

そういう点からも、本作は本来、
東映CG作画の『プリキュア』以外での活用模索も含めて、
トレンドからは外れた所で、実験的なことを色々やってみる映画。
理解のある方だけに口コミで語り継がれる類の作品だったのだと思います。


だから、2016年末。『君の名は。』などアニメ作品が映画界を席巻した伝説の年を、
『ポッピンQ』が締めくくる!とばかりに、東映アニメ―ションが60周年記念と銘打って
本作を年末年始興行の目玉に祭り上げ、
ミスマッチな宣伝、大規模上映を繰り広げた挙げ句、大コケした件は、
作品云々以上に、プロデュースの失敗だったのだと思います。

(大体、『ポッピンQ』という作品名の映画が興行収入・ウン億円の大ヒット!とか、
普通は想像すらできませんってw)


年末公開の本作でしたが、作中設定は中学卒業式前とのことで、
私も冬休みシーズンが終わって、卒業ムードも漂い始めた頃に、
骨でも拾いにいってみるか……とか思っていましたが、
近所の映画館では三週間で上映終了したため劇場鑑賞は叶いませんでしたw


そのまま私は本作の存在自体を忘れていたのですが、
昨年暮れ、『ポッピンQ』が続編小説制作のためのクラウドファンディング“project19"
を目標金額の五倍を集めて成功させたというニュースで
『ポッピンQ』未だ健在を知り驚愕し、レンタル鑑賞するに至りました。

次のプロジェクト“project20”では映像作品も含めた計画も検討されているとか……。
内容次第で、私もクラウドファンディング出資してみようかな。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

残念なところもあるのですが、それを差し引いてもとても楽しい作品でした

東映アニメーション60周年記念として作られたオリジナル劇場アニメ。
自分を取り巻く環境と自分の思いに歪みを感じる5人の少女たちが集められ、世界崩壊の危機を救うためにダンスを踊るストーリーです。

ヒロインは5人いて、全員卒業式を間近に控えた中学3年生です。
「小湊 伊純」は陸上の大会で納得の行く結果が出せず、レース直後周囲に言い訳をしてしまう。
心残りのまま東京へ引っ越すことなり、両親にも反発していたのですが、ある日、"時のカケラ"を拾い、"時の谷"に飛ばされてしまう。
「日岡 蒼」は成績優秀だがいつも学業を最優先にしており、友人がおらず、心のどこかに孤独を抱えている。
「友立 小夏」はピアノの演奏が怖くなり、演奏会から逃げ出してしまう。
「大道 あさひ」は父から柔道を、母から合気道を教えられているが、高校に進む上でどちらを選択するか、両親に迫られているが、本人は女の子らしい格好をしたいと思っている。
彼女たちは伊純同様に、"時のカケラ"によって"時の谷"に集められる。
"時の谷"では時間を管理していて、世界の時間が崩壊の危機にあるという、世界を救うためには"時のカケラ"を集めて、みんなでダンスを踊るしかない、という展開です。

"時の谷"にはポッピン族という生命体が住んでいて、ダンスをすることで時間の運行を保守しています。
ヒロインにはそれぞれナビゲートキャラクターとして、各々の心が読めるポッピン族が割り当てられています。
世界の崩壊と、それに立ち向かう少女達、マスコットキャラクターの存在と、東映ということもあり、とてもプリキュアっぽいと感じました。
ご都合主義的な展開に、5人目のヒロインの存在、マスコットキャラの住む世界を舞台に力を合わせて敵を倒す(ダンスで!)等、どこかで見たような展開が続きます。
ただ、お約束のような展開が多いですが、女の子たちはかわいく、中だるみだったり飽きのようなものは感じませんでした。
ストーリーのテンポも良く、楽しい作品だと思います。

ただ、ストーリー展開は説明不足な感じがちらほらとありました。
"心にもやもやを抱えた少女たちが本作の冒険を通してどう折り合いをつけることができかのか"という心の動きがわかりづらく、結局のところ、異世界から強制的に飛ばされ、世界の命運を世話され、ダンスを踊らされる物語になってしまった感じがします。
最終的には大団円となるのですが、そのプロセスがぼやけているのがちょっと残念に思いました。
また、例えばこの5人が選ばれた理由がよくわからなかったり、ラスボスが伏線がなく到達に登場したり、説明が不足していると感じる場面がありました。
内容の濃度を考えると仕方ない気もしていて、むしろ一時間半強の尺でよくこれだけ盛り込めたなとも思いますが、どこか総集編のような感じを受けます。

残念なところもあるのですが、それを差し引いてもとても楽しい作品で、見てよかったと思います。
特にラストに至る展開は神がかっていて、普通に感動して涙が出てきました。
色々意見がありますが、私個人的にはすごく好きな作品です。
単純にアニメが好きな人、芸術や文化としての表現方法ではなく、ただ楽しいからアニメが好きな人に見てほしいと思います。

最後は続編を匂わせる終わり方になっています。
興行収入的に続編は難しいのかなと思いましたが、2021年1月にクラウドファンディングで目標金額に到達し、続編映像化に向けて動き出しましたね。
5人の活躍を映画館で見れる日を楽しみにしています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

72.7 3 東映アニメーションアニメランキング3位
映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ(アニメ映画)

2018年10月27日
★★★★☆ 4.0 (21)
84人が棚に入れました
な・な・なんと! プリキュアオールスターズがちっちゃくなっちゃった!それは【プリキュアの想い出】をねらうミデンのしわざ!想い出をうばわれると、これまでのことをぜ~んぶわすれちゃうみたい! ?しかも残ったプリキュアは『HUGっと! プリキュア』と『ふたりはプリキュア』だけで……大ピンチ! !こうしちゃいられない! みんなで力を合わせて、キラキラ大切な想い出を取り返しにいこう! !

声優・キャラクター
引坂理絵、本泉莉奈、小倉唯、田村奈央、田村ゆかり、本名陽子、ゆかな、宮野真守、山本美月

takato さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

オールスターエンタメと革新的CGと悪人正機説の三位一体。「痛みを知らぬ者に真の祈りは生まれません」。

 私が何故プリキュアおじさんになったか?。結論から申し上げるなら、人生最高のアニメ映画が本作だからなのです。人生最高の作品、となると単に優れた作品というわけじゃなく個人的に重要なサムシングがあるもの。本作が私にとって特別なのは、その予期せぬ出会いの驚きという面が大きいのです。油断していたボンクラな私にキュアエールことハナの愛は深く深く私の心を洗い清め、見事にプリキュアおじさんに入信することとなったのです。


 本作の飛び抜けている点を列挙すると沢山あります。


 75分しかないのに3つくらいクライマックスがある上に、応援演出を単なるお約束じゃない使い方で見せてくれる脚本の妙とか。オールスターのバトルをゴチャゴチャさせずに美しくかつ格好良く表現し、後半のほぼを全編手描きの最高峰にも匹敵しているクオリティーで表現しているCGの驚異的なレベルとか。林さんが担当された音楽が最高すぎる(特にオールスターメドレーの部分)等々。



 そんな中でも私が一番痺れたのは、そのテーマ性でした。エンタメとして面白いだけでは良い歳こいた男を号泣はさせられないもの。この物語は、前半まではキュアエールことハナの成長が主眼ですが、後半は本作の敵キャラである宮野さん演じるミデンの救済が主眼になります。


 敵キャラが単なる悪いやつではなく、現実の苦しみを象徴しているキャラではないと深味は出ない。本作のミデンほどにその痛みが痛切に私に刺さり、同時に現代に普遍性を感じさせられるキャラはそういない!。ミデン。それは誰からも省みられない孤独で、幸福な記憶なんて一つもない存在。だから、他人の幸せな記憶を収集して現実逃避しているが決して満たされない空虚…。


 これはオタクの、いや現代に生きる疎外と孤独に震える人々そのものではないか!、っとその正体がわかった瞬間に目を開かれ、もはや本作は私にとって単なる「お話」ではなくなったのです。これは私に、いや私達に向けられている物語だ!。ミデンの姿がてるてる坊主を思わせるのも、大きく見えるが中身は空っぽというメタファーになっているし、クライマックスの世界と対比になっているのも凄い。


 そして、最初から割りと恵まれていて痛切な痛みを知らないプリキュア達には彼を倒そうとするが、ハナだけは彼の孤独と痛みに共感して救おうとする。


 何故なら彼女は、小学校時代に無茶苦茶いじめられて不登校になった過去がある、中学生デビュープリキュアだからなのだ。言うなれば「おジャ魔女どれみ」の長門さんがプリキュアに変身した姿なのである(長門さんを知らない方はドおジャ魔女の3期と4期をご覧ください)。


 彼女だけがミデンの痛みと孤独に共感できる。何故なら彼女もそれを心から共感できるから。彼女のエールは傷ついた事のない人間の呑気な応援ではない。傷ついても前に進んだ者の真の応援なのだ。「悲観主義は気分の問題、楽観主義は意志の問題」という言葉があるが、彼女は困難な現実を知っていても、それでも信じる、それでも願い続ける。それ故に彼女の勇姿は私の胸を打つものだあったのです。


「なんでもできる、なんでもなれる」


 エールのいつも決め台詞が、ここでは全く違った響きに感じられる。声のトーンもいつもと違い、ここでは単なるお約束の決め台詞ではなく、絞り出すような祈りと願いの言葉になっている。


 プリキュアにおじさんになるということは、単に彼女らの物語を観客として眺めてるだけではない。彼女らの体現している理想や生き様を心に固く懐いて共に生きていくこと、正にプリキュアという神と共にあるように生きていくこと!と本作で私は開眼したのです。



 更に後半はほぼCG、決めカットだけ手描きという表現になるのですが、これが日本CG界では「宝石の国」以外では達成できていない高みに至っているのも凄い!。元々プリキュアは回を重ねる毎に宝石のような綺羅綺羅な色彩を多用するようになっていたし、edでCGダンスシーンをやるのが恒例になっていたから題材として非常に向いていたというのもあるででしょう。


 しかし、本作のCGは柔らかい表情の表現まで驚異的なレベルに至っている。なんでこんな凄い技術があるんだ?と不思議なレベルで、このCG表現の革新だけでも見る価値充分です。あと、「ハイキュー」などで最高の仕事をされている林さんの音楽が至高なのも素晴らしい。


 総合すると、本作はビジュアル◎、音楽◎、脚本◎、テーマ性◎、と私には完璧という域を超えた究極的な一本と言えます。しかも、これだけのことを75分くらしかないプログラムピクチャーの中でやっているという奇跡!。今後優れた作品は出るでしょうが、この完成度に思わぬ出会いをするのをリアルタイムで体験できることはそうないように思える。プリキュアシリーズ全体は今後どうなるかわかりませんが、本作を見ちゃうとまだまだ期待せざるをえません!(幾原監督に一層やらせてくれないかなぁ)。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

プリキュア・メモリ

貴方の好きなプリキュアは誰ですか?
2タイトル以上好きなプリキュアがある人におすすめしたい映画でした。
総勢55人のプリキュアすべてにセリフがあり、活躍してくれます。

もっとも、尺の都合上キャラによってはセリフがわずかしかないということもあるのですが、「あなたの好きなプリキュアは?」と問われ、「キュアハニー!!あっでも、トゥインクルも好きだし、ムーンライトも…選べないよお!」と思い巡らす記憶、このキャラはこんな可愛さがある、そしてこのキャラは・・・と考えるうちに、画面で活躍している以上の頭に蓄積された活躍が重なって、シリーズ終了から5年以上経っているのに、しゃべって、活躍していることがとても貴重なことに思えてきて、胸が熱くなりました。

大きなお友達は心の中で絶叫できる、静かな体験型の映画が私の中で構築されました。

ああ、ミラクルライトを振り回して好きなプリキュアの名前を大きな声で叫べたら、さぞかし気持ちが良いだろうな・・・
いっそ20歳くらい若返りたい。

まあ、今までの思い出を奪われるミデンの能力はご遠慮願いたいですけどね。

この映画の為に全キャラ起こしたと言われるちびキャラたち。折角なのでもうちょっと見ていたかったかも。

ドラマパートでは幼児化したルールーちゃんが一番かわいかったです。
幼児化したさあやとほまれ、えみるに翻弄されるはなのドタバタはちょっと面白かったけど、コメディだけでは終わらないのがはぐプリでしたね。
途中で心が折れて泣き出しちゃうはなをなぎさは擁護して「だってまだ中学生なんだよ。」と発言しましたね。でも大人でも泣きたいときはいくらでもありますよ。辛いとき助けてくれる人はいない様に思えるかもしれないけど、役場や病院の先生に相談してみましょう。すぐ解決にはならないかもしれませんが、出来るだけいろんな人に相談を聞いてもらうと、解決の糸口が見つかりやすくなりますよ。
なぎさは初代の重圧から、達観した思考をもってしまったのかもしれないけれど、もっと子供っぽさを持っていてもいいのかなと思います。
なぎさが子供らしさを得られる社会に、これからのプリキュアはなっていってほしいですね。

見せ方において、やや不満が残ったのは、説明過剰でテンポが崩れてしまっていたことです。
本作は、かなり映像の情報量が多かったので、省略してもいけた気がします。その分見せ場に多く時間をとってもらえると私は嬉しかったです。

そんな本作の映像ですが、前半ドラマ多めパートは手書き作画で、後半オールスターズはCGでという住み分けになっています。
お互いの質感を合わせるために、なんと手書き作画の処理をCGに似せるという試みを行っていました。

すごいよ!流石スーパーモデラー出身の宮本さんだ!

そして、大量のキャラを生成し、動かす、先鋭の東映デジタル部の技術力の高さ。いつも驚かされます。
いや、ほんと、日本で一番すごいCGアニメを見たかったら、プリキュアを見ろっていつも思います。

さて、そんな本作ですが、ターゲット層である幼児に受けるかは疑問です。
年齢的に過去のプリキュアはそんなに知らないでしょうし、ママ目線でのプリキュアって需要あるのでしょうか。フィルムカメラとかってちっちゃい子分かります?
敵が怖くないのは一応意識してるのかなと思いますが、ちびキャラで結構楽しめたりするのかな。高校生くらいまではちっちゃい子の気持ちがまだわかってたような気もしますが、いつの間にか忘れちゃうものですね。
大好きだったアニメとか、大切なことを忘れていることがあり、時々情けなくなるのですが、そんな状況の中で、過去を思い出させるきっかけになった本作はとても有り難い存在でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ファンになって日は浅いですが

今作視聴前のプリキュアシリーズ視聴状況

完走:Yes!プリキュア5
半分:フレッシュプリキュア!
完走:スイートプリキュア♪
完走:スマイルプリキュア!
8割:ドキドキ!プリキュア
序盤:ハピネスチャージプリキュア!
序盤:Go!プリンセスプリキュア
完走:魔法つかいプリキュア!

他は未視聴





ついに劇場にプリキュアを見に行ってしまいました。
でも「土日に行って、席が子供たちでいっぱいだったら肩身が狭いだろう」と思ってわざわざ平日に行きました。

幸いにも(?)客席は数家族でした。
しかし、誰もミラクルライトを振らない(^▽^;)
これが結構さみしくて、次回プリキュアの映画を見に行くときは、
恥を忍んででも子供たちがたくさんいる日に行こうかなという気持ちになりました(笑)



作品のクオリティですが、素晴らしかったです。セルルックCGが。
物語の後半から多分フルCGになるのですが、なぜ"多分"と書いたかというと、たまに手書きのカットがあったような気がしたのです。でも、それくらいセルルックCGのクオリティが向上していることは間違いありません!
「HUGっと!プリキュア」のエンディングを見ていても度肝を抜かれましたが、近い将来テレビシリーズのプリキュアが全編(あるいは変身後のみ)フルCGになっても違和感ないかもしれません(異論は認めます)。

中盤やけに重苦しい展開だったり、観客に歴代の好きなプリキュアの名前を言わせようとしたりと「完全におっさん向けやんけ(笑)!」な展開は少し複雑な気持ちでしたが、まあ泣きましたよね。

ほんの少しだとしても、全てのプリキュアにセリフがある!
プリキュアたちが、シリーズごとに必殺技を繰り出すシーンのカタルシスは半端なかったです。
今作のテーマは、プリキュア15周年ということもあって『思い出』なのですが、クライマックスにプリキュアたちが思い出について各々述べるシーンは、卒業式の訓示っぽくて涙ちょちょぎれました。

上映時間の関係上、難しかったのでしょうが、ベビープリキュアの可愛さはもっと押し出してもよかった気がします。
何とももったいない。アムールだけ異常におとなしいのは最高でしたが(笑)。

宮野真守さんの演技も安定の素晴らしさでしたし、エンディングのダンスは永久保存ものだったりと、
劇場に足を運んだかいのある作品でした。他の劇場作品も、随時見ていきたいです。




P.S.あとモフルンが最高でした(^_^)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

59.4 4 東映アニメーションアニメランキング4位
劇場版CLANNAD-クラナド(アニメ映画)

2007年9月15日
★★★★☆ 3.3 (450)
1928人が棚に入れました
父親との間に問題を抱えた不良少年・岡崎朋也は、学校まで続く桜咲き乱れる坂道の下で立ち止まっている少女・古河渚と出逢う。
やがて二人は、廃部になってしまった演劇部を再建しようと奮闘していく中で惹かれあっていく…。
ネタバレ

ジャスティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

アフターストーリーが良かった分いろいろと賛否両論があるけど、普通に良かった部分もあった

京都アニメーションさんのCLANNADが好きな人に言いたい。この作品を見る際は、CLANNAD~アフターストーリー~を見た後には見ないほうがお勧めです。
何故なら、このアニメが酷いと思ってしまうからです。
「最近CLANNADを見ていない」という感じの時に見ることを是非お勧め致します。

●視聴しようと思ったきっかけ
{netabare}
CLANNADシリーズは私もKeyの中でも特に好きな作品でした。それは一言でいえば一番感動をした作品だからです。ただ、それだけという訳ではありません。
実はこの作品に合うかどうか分からず、ずっと渚みたいに坂を登れない感じで前に進むことが出来ませんでした。

それは何故かというと、今回は東映アニメーションさんが制作だからです。と言いたいがそうではありません。どうしてもこの作品は「劇場版は酷い」「見ない方がいい」とマイナス評価の評価を受けることが多い作品だったことを知っていたこともあり、中々視聴までに至りませんでした。しかし、見ていないのに勝手に駄作だとは言いたくないので、この目で確かめようと思い視聴をして見ました。
{/netabare}

●評価するべきところ
{netabare}
CLANNADを久しぶりに見ましたが、これはこれで良いところが沢山ありました。実はこの作品は1期と2期の智哉と渚の関係をメインに描いていて、総集編という感じです。でも、嬉しいこともあったのです。それは、原作OP「メグメル」の採用です。「えっ?」と思った人もいるかもしれません。実はCLANNAD1期を見た人は、「それがどうしたのか?」と思うかな。

そもそも「メグメル」は原作のCLANNADからあり、アニメで流れているのは「メグメルのremix」です。原作はプレイしたことはないのですが、実際にKeyの作品のOPを見たときにまさかアニメはremixだったなんてと思っちゃいましたw。
今回は、原曲のメグメルなのでじっくりと聞いて見てください。

この作品の最大の魅力は、過去編です。過去編では、智哉たちが学生時代にどういう人だったのか、お世話になった父の過去、そしてバスケが出来なくなってしまったときのこと。そして、父親との距離が離れた描写があることです。これはアニメファンから凄く新鮮で、少し謎な部分があったので、実際はこんな感じで本編に入れたかったという気持ちが凄く伝わった感じがします。
{/netabare}

●感想
{netabare}
ストーリー構成 ★4.0
{netabare}
正直なことを言うと、アフターストーリーや学生時代と比べると、価値は低いです。でも、そもそものクオリティが良いのでそれでも良いかなというところです。しかし、何故京都アニメーションが制作しなかったのか少し疑問ですが、京都アニメーションさんと東映アニメーションさんは恐らく得意先という感じで受け取れるかな。前にも【Kanon】でもこのような感じにはなったので、それで得意先となり、東映さんでもやってみたいという感じに来たのかなと自分なりに考えおります。ストーリー構成としては先ほど上記にあげた通り、1期と2期の総集編 + αという感じでした。内容は総集編でも、意外と物語は変化しているところもあれば、大幅カットしたり、キャラの人数を減らしたりもしていました。例でいえば、風子ちゃんですね。まだいるけど、それいうと見ないという方も居そうなので、自重します。
何だろう同じっぽいんだけど、制作会社が変化するだけこんなにも変化してしまうのだともわかりました。
{/netabare}
作画 ★4.0
{netabare}
おそらく、ここがこの作品で受け入れることが出来ない人が多い部分なのではないでしょうか?私は、最近CLANNAD視聴しておらず、久しぶり見た感じだったので良かったのですが、実際にアフターストーリーから見ると制作会社が変化したことで、もう少し原作に近づいたキャラのデザインになっているのが直ぐに分かります。作画で見る見ないがはっきりしてしまう部分なので、これは仕方がないことだと思っています。だからこそ、2期が終えてから直にはこの作品は見ないで欲しいと思っています。絶対に2期のキャラデザインに慣れていて、絶対に受け入れることが出来ないと思うので
{/netabare}
声優 ★3.0
{netabare}
今回はすいません。本当は高くしたいけど、私はどうしても京都アニメーションさんの声優さんたちのクオリティを知っているからこそ、CVが変化してしまうというのは、難しいところ。途中で変化してしまうよりかは全然良いのですが、智哉は出来れば変えて欲しくなかった。あれがいいんだよ。と言いたい。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

もしクラナドを『家族の絆のお話』と受け止められているのであれば、この劇場版こそが最もシャープなクラナド

まずあにこれではテレビ版(京アニ版)が多大な評価を受けておりますので相違点をば少し・・・

・主な登場人物の中でことみは一言も喋らない、椋と風子は登場すらしませんのであしからず

・キャラクター同士の関係性など少々リファインされていて、少し狭くというかより内輪的になっています

・朋也の声はテレビ版では中村悠一さんでしたが、こちらは野島健児さん

・今作の最もたる盲点ですがキャラ作画が致命的に悪いです;
キャラ以外は完璧なのですが、これが今作の東映スタッフと京アニスタッフとの最大の実力差を感じるところ









物語は愛するものを失った男、朋也が回想するという形で進みます
【渚との出会い~別れ~そして、汐との再会】
と、ご存知の方も多いことでしょうが俗に言う『渚ルート』の大筋の流れをたった90分でしっかり消化出来てる上に、なんともいえぬ余韻に浸れる素晴らしい作品です
流石の出崎統監督!天才!
と、オイラ的には心中でスタンディングオベーションです


実は当時、オイラは劇場で見たのですが劇場を後にする際にファンから所々で「演出ウザイ」の声が挙がっていたのも事実です
コイツに関しちゃ完全に好みのレベルですね
てか技としては絶対にコッチの方が優れています
(具体的に『出崎演出』と言われる手法は作画的制約を課されたアニメーションの技法としては非常に有効な演出であり、逆に作画力のある京アニ勢とは対比的な部分でもあります。興味のある方は是非ウィキって下さい)


作画ヨロシクナイって言っても、それはキャラクターデザインの脆弱さであったりとキャラ作画にまつわる部分だけでして、その他の点で見れば画面作りはかなり良いです


演出と作画、上記2点を踏まえた上で特に『学園祭での渚の一人芝居のシーン』はオイラはコッチの方が断然好きですねー^^


お話に関しては出崎監督の独自解釈によって多少の改編を交えながらの構成になっておりますが、これは当時プロデューサー(だったかな?)との議論が発端で
「なんでヒロインが死ななくちゃいけないの?」
と質問した出崎に対し
「そこがゲーム上、泣けるポイントなんですよ」
との安易な回答に所謂『萌え』と総称される現代ギャルゲーやそれを許容しちゃうマーケットやユーザー達の【感覚の安っぽさ】を
「「とりあえず殺せば泣くんだよね」というのは、人間を甘く見ている」
と怒りをあらわにして返しています
世に言う『萌え』に反論する意味でも独自解釈を混ぜ込んで、その上でしっかりとクラナドの表層的なテーマである『家族の絆』を描ききってるのだから素晴らしいです
恐らく誠実に作品と向き合ったからこそ完成した劇場版であり、もし出崎監督がいなければもっと酷い作品に仕上がっていたことでしょう






ただし正直に出崎監督・・・クラナドの『家族の絆』って本当に表層的な部分でしかないんですよね・・・
あにこれのレビュー読んでみても割りかし多くの方々が『家族の絆イイ!』ってところだけで満足しちゃってるのもまた事実
いえいえ;その感覚自体を批判する気は毛頭に無いんですけど^^;
もし『家族の絆』がクラナドで一番に大事な部分であるなれば、ぶっちゃけこの劇場版で事は足りてしまっているんですよ
だからどーしても『家族の絆』に目がいっちゃう、そんな方々に劇場版の批判はしてほしくないです^q^
申し訳ないんですがw


クラナドって【可能性を示すお話】なんですよね、、、そのうちアフターのレビューで書きたいと思いますですよ、はい・・・

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

父の愛。

私立光坂高等学校を舞台に病気がちのヒロイン
と怪我でドロップアウトしたスポーツ特待生が
友情や周囲の人との触愛で成長してゆく物語。

主人公が過去を振り返り、回想をして語る様な
形で描かれていく。8年前・・何があったのか?
それから8年の間に何があったのか?

バスケットボールの特待生として入学をしたが、
ある事情で怪我をして完全にドロップアウトし、
素行不良で自堕落な学園生活をおくる主人公。
岡崎 朋也(野島健児)

サッカーのスポーツ推薦で入学したが・・先輩
と喧嘩し退部。自堕落な生活を送る岡崎の悪友。
春原陽平:阪口大助

幼少時より病弱で、長期欠席の為高校3年を留年。
人見知りが激しくお人好しなうえに要領が悪い。
古河 渚(中原麻衣)

岡崎は3年の春・・校門で佇む渚と出逢うが・・
一人では校門を潜れないという渚が校舎まで一緒
について来るのを容認した事から懐かれてしまう。

何だかんだで春原に誂われながらも渚との交流が
始まり、渚が拘る廃部状態にある演劇部の再興や
色々な学校での出来事や、理解者などとの交流で
徐々に成長して学園生活を謳歌する・・その出逢
から8年・・それこそ色々な事があって・・

勝ち気で男勝りな性格。双子の姉
藤林杏:広橋涼

不正や怠惰を許さない真面目な性格
坂上智代:桑島法子

汐(こおろぎさとみ)

クレジットはされているが・・劇場版では主人公と
ヒロインのエピソードが中心で、特にTV版とは可也
諸設定や扱いのウェイトがくい違っている。

幻想世界なパートも織り交ぜつつ原作を重視した様
ですが、岡崎(野島健児)の独り語りも多く・・緩急
がつくような大きな展開が少ない為・・中弛み感が
あるような気がした・・

中盤までの盛り上がりは学園祭までのエピソード。

監督は劇場版『AIR』の監督でもある出崎統
前作『AIR』への意見を踏まえて、原作を意識した
らしいけど「もう一つのCLANNAD」というコンセプト
も変わらず引き継がれたらしい・・(wiki参照)・・
東映アニメーション・・ん~・・やはりな・・

メインヒロインのデザインがアップでも崩れるのは
どうにかしてほしい・・

劇中の劇での裏舞台の描写は最大の見所?を台無し。
鬱陶しい演出で肝心の岡崎の動揺する所が希薄・・

終盤は一気に話が現在に引き戻され・・
メイン以外のキャラの諸設定や関係性が希薄なまま
ただ交流があったメンバーとして描かれるので絶句。

主人公の現在の状態から大きく心を揺さぶる決定的
なエピソードに結びつく内容がない・・

淡々と岡崎の回想をドキュメント風に纏めただけ・・
という印象を拭えない・・

全てが中途半端で散漫で希薄で・・泣けない・・
実際は20分に満たない内容・・演出も酷いな・・

TV版(京アニ)視てれば内容は補填できるけど・・
そういう人はがっかりしそう・・

知らない人は・・岡崎の哀しいドキュメントを愚痴
の様に聞かされている感じ・・
大切な事ほっぽり出して悲しみに暮れてどうしようも
ない屑を・・親が頑張って「そこそこ」縁のあった知人
集めて強引に引き合わせたってだけでしょ・・
これでは・・主人公が屑なだけって感じ・・
恋愛や友情や親子の関係を描ききってないから・・

よく5年も腐ってられたなってなる感じ。
本来美しい話なのに汐が可愛そ・・って話じゃん・・

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

62.5 5 東映アニメーションアニメランキング5位
プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち(アニメ映画)

2013年3月16日
★★★★☆ 3.8 (26)
152人が棚に入れました
プリキュアの守護妖精になるために勉強する妖精が通う妖精学校。ある日そこからプリキュア達の元に「プリキュアパーティ」の招待状が届く。妖精学校ではプリキュアの人気をねたむグレルが心の影を映す「影水晶」から生まれた自分の影と共に行動、パーティに参加するため妖精学校を訪れたプリキュア達から変身アイテムを奪ってしまう。泣き虫の妖精、エンエンはグレルの行動を止めようとするが勇気が出せないままグレルに巻き込まれてしまう。そしていつしかグレルの影は巨大な力を身につけ暴走してしまう。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「ファミリー向け」のタブーと向き合う、シリーズでも稀に見る難問とぶつかるプリキュア 梅澤淳稔プロデュース作品集大成

前作、NS1では視聴者の子供達に一番近しい存在として『キュアエコー』というオリジナルキャラクターを見立て、それを軸に物語を作る試みをしていました
今作も同じく、視聴者層に親しみを感じてもらえるようなオリジナルキャラクターとして、舞台となる妖精学校の生徒『エンエン』『グレル』という二匹の妖精が登場します


プリキュアに変身する少女達も普段は普通の中学生ですから、当然日常生活や学校生活の中で起こる中学生らしいイベントのエピソードや悩みごとといったトラブルなんかがテレビシリーズでは絡められてくるわけです
しかし実際の視聴者層は小学生以下がメインターゲットになってますから、プリキュア達はお姉さん的存在になっちゃうわけですね
そこで、今回のエンエンとグレル
プリキュアのパートナーとなるべく妖精学校に通う幼い妖精ってことで、あえてプリキュアのようなスーパーパワーを持たない、かつ幼いキャラクターという、視聴者層とダブる存在を見立ててやったようです


まずグレル、この子は目立ちたがり屋で学校の皆がもてはやすプリキュアには少し妬みを感じています
「プリキュアなんて、ちっとも凄くねーじゃんか」と意固地になった彼は、学校の皆から厄介者の目で見られてしまいます
そこでプリキュア達を一泡吹かせてやろうと今作の黒幕である『影』の誘惑に乗っかってしまうのです


次にエンエン、この子は自己主張が苦手なため学校の輪の中にイマイチ打ち解けられず、グレル以外の友達がいません
また、グレルに対しても強気に話すことが出来ないため、影に唆されたグレルを諭してあげることも出来ない


この二匹、つまり集団の中に溶け込めない“KY”或いは“ぼっち”な二匹が今作の実質的主役なんです


プリキュア側のリーダーシップを握る『スマイルプリキュア』の面々と「新しい血」として参戦する『ドキドキプリキュア』の面々が初顔合わせをする、という恒例のファンサービスこそあるものの、あくまでプリキュア達は二匹の自律と活躍を手伝うための見守り役に徹している、というのが今作の特徴


今作のプロデューサーで第二期プリキュアシリーズ(フレッシュ~スマイル)の育ての親である梅澤淳稔Pは、昨今のニュースを騒がす「いじめ問題」を取り上げたかったらしいです
が、しかし直接「いじめた」or「いじめられた」と暗い話題を扱うのは視聴者層に未就学児が大半を占めていることもあって難しい
そこであえて“ぼっち”をいじめと置き換えてシリアス過ぎないように気を払ったようです


ただでさえ“ぼっち”だった二匹が、取り返しのつかない事件を起こして後戻りが出来なくなってしまう負のスパイラルに陥る今作
そこで生きてくるのが「キュアパッション」と「キュアビート」の存在
この二人のプリキュアこそ梅澤P作品を代表するキャラと言えるでしょうがそれもそのはず、この二人は初めプリキュア達と敵対していて、その後に芽生えた友情で仲間となったキャラなんです


「過ちを犯してもやり直すことは出来る」


一見して綺麗事を言っているだけのように聞こえますが、この台詞をパッションとビートが言うだけで凄く説得力が増します
この点は今作で最も評価したいところです


前作NS1ではキャラは登場すれど台詞は無し、というオールスターズ恒例のお祭り感を削ぐお話が残念でしたが今作でもやはり台詞があるキャラは限られてしまっているのが実際問題です
具体的にはブラック、ホワイト、ルミナス、パッション、ブロッサム、マリン、ビート、それにスマイルとドキドキの面々のみで残りはモブと同じ扱い


ただしグレルとエンエンの二匹こそが主役、プリキュアはあくまでキーパーソン
と割り切ったお話作りを感じられますので、前作からはかなり進歩したと思います


どちらにせよ胸にくるお話であることに変わらず、深夜の劇場で涙ボロボロ落とさせてもらった良い意味で期待を裏切ってくれた作品ですね

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

67.0 6 東映アニメーションアニメランキング6位
映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!(アニメ映画)

2016年3月19日
★★★★☆ 3.9 (15)
58人が棚に入れました
立派なプリキュアを目指すみらいとリコは、初めて遊びに来た街で、はるかたち先輩プリキュアと出会う。リコがついつい使った魔法を見て、はるかたちは驚く! いきなり魔法つかいだということがバレてしまった…? その時、突然闇がはるかを包み込み、プリンセスプリキュア最大の敵・ディスピアが出現! はるかやみらいたちは、プリキュアに変身して一緒に戦う! しかしどこからか少女の歌声が聞こえた時、ディスピアは消えてしまった…。戸惑うみらいたちの前に現れたのは魔女・ソルシエールと、その手下・トラウーマ。彼女たちはある魔法を完成させてために、そのカギとなる<プリキュアの涙>を狙っていたのだ! ソルシエールの力により、先輩プリキュアたちは次々と捕らえられ、残る魔法つかいプリキュアの二人も「囚われの世界」へと飛ばされてしまう! 離れ離れになったみらいとリコは、お互いを探してさまよう。しかしまだ力が足りない二人に、次々と襲いかかる強大な敵! 絶体絶命のピンチを救ってくれたのは、先輩プリキュアたちだった。みらいとリコは彼女たちと共に戦い、その友情の力を見て決意する。みらいの元へ、リコの元へ、絶対戻る!! 果たしてみらいとリコは再会できるのか! 道しるべのように響き続ける少女の歌声とは? <プリキュアの涙>をめぐる戦いには、一人の魔女の切ない願いが隠されていた――!!

声優・キャラクター
高橋李依、堀江由衣、嶋村侑、浅野真澄、山村響、沢城みゆき、新妻聖子、山本耕史

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

転んでもタダでは起き上がらなかった映画プリキュア!ミュージカルという難題に決着を着けた新しいオールスターズの傑作が誕生!

『映画プリキュア』20作目にして『プリキュアオールスターズ』シリーズ第8作目
2月スタートの新作『魔法つかいプリキュア』をメインにしつつ、歴代ファンからは【新人研修】等と揶揄される歴代シリーズから新シリーズ主人公達への引継ぎが行われる作品群の最新作です


ナシまほう界(現実世界)で偶然に『GOプリ』の面々に出会ったみらい、リコ、モフルン
そこへ人の記憶の中を探り出して復元することが出来る魔女ソルシエールの魔法によって『GOプリ』が最も恐怖する存在である“ディスピア”が復活する
『GOプリ』、『まほプリ』は力を合わせディスピアを退かせることに成功したがソルシエールに協力する妖精トラウーマによって彼等のアジトに閉じ込められてしまった
ソルシエールとトラウーマの目的は歴代プリキュアを監禁し、秘薬の調合に必要な“プリキュアの涙”を奪うことだった
ソルシエールは完成した秘薬を使って仲違いしたまま他界してしまった魔法の師匠に再会するつもりだったのだ・・・
バラバラにされてしまったみらいとリコは復元された歴代ラスボスと戦う歴代プリキュアらに励まされながらも互いにパートナーを探すのですが・・・


『春のカーニバル』以降、歌を絡めた構成が『映画プリキュア』のお約束になってきましたが、前作までがあくまで歌は歌とし、ライブ的な演出を用いていたのに対し、今作は明白に【ミュージカル映画】として作られております
街の人々を交えてフラッシュモブの如く歌いだす『まほプリ』や『GOプリ』の面々
ソルシエールとトラウーマは自分達の目的を歌と踊りにのせて説明
などなど実に8曲もの新曲を入れて楽しげなものから悲しげなものまで網羅
作画的にも、たぶん『プリキュア』シリーズとしては初のロトスコープを用いたダンスで、CGとはまた一味違ったシームレスな画面で魅せてくれます


それにバトルシーンもたっぷりあって、そもそもつい先日苦闘の末に倒したばかりのディスピアが劣化コピーとはいえ冒頭で復活するというのが既にアツい
ジャアクキング、ゴーヤーン、エターナルの館長、メビウス、デューン、ノイズ、ピエーロ、プロトジコチュー、レッドとかもういい意味で無茶苦茶やw
(デスパライア様は自身が戦わなかったせいか未登場でした)
また『まほプリ』にとっての見せ場の一つとしてTVシリーズに1日先駆ける形でサファイアスタイルが登場したのもちょっとしたサービスでしたね


44人のプリキュアって・・・数が合わないなぁ・・・って思ってたら『NS3』以来となる、イレギュラープリキュアの“キュアエコー”も登場
コレ本当に嬉しくて拳握り締めてましたねw『NS』シリーズだけのキャラだと思っていましたから
キャストも総勢26人と『NS3』の25人を1人上回って記録更新
「ピンクカルテット(ピーチ、ブロッサム、メロディ、ハッピーの4人で即興に作られたチーム)」など掛け合いも比較的多めに感じましたし、やっぱりブロッサムとマリンは【皆勤賞】だったのは守られる伝統に安心すらしましたw


この作品を特に評価したいのは物語の鍵を握る魔女ソルシエールがプリキュアと対峙してまで秘薬を完成させなければいけない切実な理由にあります
彼女が再会したがっていた師匠の真意とメッセージに気付くシークエンスと、師匠が託した「究極の魔法」を使うシークエンスは涙で顔を腫らしてしまいました;;
ソルシエールを演じた新妻聖子、トラウーマを演じた山本耕史の二人もミュージカル経験豊富ということで演技に遜色なく、寧ろ2人の歌は聴き所です


クライマックスでは『春のカーニバル』で中断したミラクルライトを用いた演出も絡めており、やっぱりミラクルライト(と、一生懸命にプリキュアを応援する劇場の女児先輩方の姿)があった方が『プリキュア』の映画らしいなと思いました


『春のカーニバル』以降、歌とかメンドクサイことに手を出してしまったなぁ・・・っていう残念な気持ちが大きかった『映画プリキュア』でしたが、今作で遂にその難題を昇華してみせたという気持ち良い一作に仕上がっておりましたb
ディズニーにも負けず劣らず、これが【ジャパニメーション流のミュージカル映画】と胸を張れる作品ではないでしょうか!?
強くオススメです!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ロシュフォールのプリキュアたち

今作視聴前のプリキュアシリーズ視聴状況

Yes!プリキュア5    :ほぼ完
スイートプリキュア♪  :完
スマイルプリキュア!  :完
ドキドキ!プリキュア  :7割ほど
Go!プリンセスプリキュア:序盤

他は未視聴(魔法つかいプリキュア!以降は除く)

公開時は、魔法つかいプリキュア!が始まったばかりの頃のようです。





何故かミュージカル。しかし、アニメでミュージカルって意外と少ないですよね。
ライブなどでの歌唱シーン以上に、動きに意味を持たせる必要がある→作画が大変、といったところでしょうか。

プリキュアの映画を見るのは初めてでしたが、やっぱりプリキュアがたくさん出てくるのは幸せですね。
台詞のないプリキュアも多かったですが、程よく見せ場が与えられていて良かったと思います。

プリキュアの映画と言えば、お客さんである子供たちが、ミラクルライトを振って応援する場面がハイライトです。
おじさんである僕はミラクルライトを振ることができません。
しかし、モフルンたちがミラクルライトを必死に振っている姿を見るだけでも泣きそうになりました(笑)

テレビアニメシリーズの劇場版は、タレントによる声の出演がクオリティを左右します。
もちろん僕も否定的ですが、悪目立ちしなければ上出来だろう、とは考えています。
しかし、今回の山本耕史さんはめっちゃ上手いですね!一瞬、プロの声優かと思いましたよ。
彼は、もっと色々なアニメに出演しても面白いかもしれないなと思いました。ギャラ高&多忙でしょうけど。

クライマックスが、なぜかソルシエールのオンステージだったことに若干の不満はありますが、
プリキュア映画の楽しさを発見することができた一本でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

正直駄目オールスターだが….。

ハッキリ言って微妙な作品で、作画悪し、敵がショボイ、歴代のボスを再生怪人みたいに雑に使う、歌を強調するが音楽印象に残らないしエモーショナルな効果を発揮してもいない。なにより能登さんこと、キュアエコーを無駄うちすんな!と言いたい。


正直オススメできないが、唯一良かったのがEDのオールスターダンスシーン。ここは曲も良いし、CGモデルも後ほどじゃないがグッド!。なんでこの良さを本編で活かせなかったのか…。


まぁ、曲が良いと言っても丁度直前に聞いてスタプリのサントラの神っぷりに比べちゃあねぇ。「スタートゥインクルイマジネーション」と「この胸に星は輝く」の煌めきは神々しさすら感じる。キラプリからスタプリまで担当された林ゆうきさんマジ尊敬です。


それにしても、キュアエコーは映画オリジナルプリキュアだから出番少ないのは仕方ないが、SSの満と薫はなんらかしらの救済があってほしい。SS自体が不遇な作品だと思いますし。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

66.2 7 東映アニメーションアニメランキング7位
映画プリキュアドリームスターズ!(アニメ映画)

2017年3月18日
★★★★☆ 3.8 (12)
54人が棚に入れました
ある日、いちかの前にサクラと名乗る謎の少女が現れた。「桜が原」という異世界から来たというサクラは、鴉天狗によって連れ去られた友達の狐であるシズク、そして奪われた桜を取り戻すため、「スイーツ」「宝石」「鍵」のプリキュアを探しているという。
いちかたち『キラキラ☆プリキュアアラモード』の5人は、『魔法つかいプリキュア!』・『Go!プリンセスプリキュア』とともにサクラを助けるため、「桜が原」に向かうことになる。

声優・キャラクター
美山加恋、福原遥、村中知、藤田咲、森なな子、かないみか、阿澄佳奈、高橋李依、堀江由衣、早見沙織、齋藤彩夏、嶋村侑、浅野真澄、山村響、沢城みゆき、東山奈央、古城門志帆、木村佳乃、山里亮太、関町知弘、田所仁

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ファンでもこれは厳しいかも

視聴してから半年くらい経っているので、うろ覚えですが
カラス天狗の立ち位置(キャラ自身はギャグなのにラスボスで強い)というところが受け入れづらかったです。真面目に戦ってよ!と思ってしまうからかもしれません。

因みに、タイトルにおいてのファンは監督のことを指しています。
宮本浩史さん。
若いながらも、優れた3Dモデラー、演出、監督として、プリキュアのED等を担当されています。
この方の作る3DCGキャラは手書きアニメらしさを残しつつ、そして可愛らしい顔立ちをしているのが特徴で、スマイルプリキュアのEDなどは、これ手書きなんじゃないか?と思ってしまう程でした。
オールスターズでは、全てのキャラのCGキャラをデザインしたことでも知られています。正解するカドでも男性キャラの素体づくりに一躍買われたのだとか…
実際東映の3DCGキャラと言えば宮本さんと言えるくらい有名な方なので、CGアニメに興味がある人は、頭の片隅に置いておくと良いかも。

そして、監督としては、GOプリ劇場版「レフィのワンダーナイト」に続き、2本目ということになります。

CGでの絵作りはやはり面白いですね。
戦闘シーンはCGだけど集中線(漫画でよく見られる強調する線)を使って、それがまた良い味を出していますし、殴ったり蹴ったりというワイルドなアクションシーンがプリキュアというコンテンツと融合して面白い絵面になっています。

ただ、一点だけ残念なところも…
「レフィのワンダーナイト」でも思ったのですが、キャラクターの性格があやしい…

まあまだ、作品撮るのは2本目ですから、今後の活躍にも注目しています、ということでよろしくお願いします!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

作戦会議の間、ちゃんと待ってくれる

今作視聴前のプリキュアシリーズ視聴状況

6割:Go!プリンセスプリキュア
完走:魔法つかいプリキュア!
4割:キラキラ☆プリキュアアラモード



"出演するプリキュアを直近の3作品に絞る"という手法は、今作が初めてだそうです。
もっと前からやっているシステムかと思ってました。

そのプリキュアの中にも良い意味で上下関係があり、さながら中1~中3(あるいは高1~高3)のようです。
メインのターゲット層(幼児)にとっては未来の話ですが。



映像は、後の「映画 プリキュアスーパースターズ!」のように特定のシーンでプリキュアがフルCGになります。



ストーリーがやや分かりにくかったりしましたが、山里亮太さんの演技が思いのほかコミカルで上手かったりしました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

地味な男 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

視聴者に対する配慮が行き届いていた。

久しぶりにプリンセスプリキュアと魔法使いプリキュアを見れて良かったと思いました。しかし、みらい等のキャラの発言に少し違和感を感じたシーンがありました。(あれ?こんなこと言う性格だったっけ?みたいな感情。)それ以外は丁寧な作りで良かったです。タイトル通り、子ども達を飽きさせぬよう、キャラクターが視聴者に話しかけるシーンがあったり、綺麗な映像で我々を引き付ける等視聴者を飽きさせぬ為様々な工夫があり良かったです。
バトルに関しては、高速移動ができる敵が現れ、プリキュアたちはそのキャラに圧倒されるのですが、こういう時に一人でも高速移動ができるプリキュアがいれば良かったのにと思いました。(笑)
見て損はないですよ!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

60.8 8 東映アニメーションアニメランキング8位
ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪!(アニメ映画)

2006年12月9日
★★★★☆ 3.7 (27)
125人が棚に入れました
海原市立夕凪(ゆうなぎ)中学校に通うふたりの女子中学生、日向咲と美翔舞。ふたりは、「泉の郷」からやってきた花の精・フラッピと鳥の精・チョッピの力により「伝説の戦士プリキュア」に変身し、滅びの力で世界を支配しようとするアクダイカーンやその手下と戦う。

声優・キャラクター
樹元オリエ、榎本温子、山口勝平、松来未祐、渕崎ゆり子、岡村明美

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Clock Strikes

Splash Starは未見です。割と最近まで、咲&舞となぎさ&ほのかを同一人物だと思っていたほどです・・・(^-^;

そんな勘違いをしてしまうほどに、良くも悪くも「ふたりはプリキュア」の廉価版という印象です。

ただ今シリーズが不人気だったからこそ、次作以降のプリキュアの多彩なバリエーションが生まれた
と言うことができるかもしれません。同じキャラで繰り返しても意味ない、と。


不人気だったからなのか上映時間も非常に短いですが、
竹内順子さんやTARAKOさんが物語をドラマの面で引き締めているのが印象的でした。



プリキュア映画コンプリートの道は、まだまだ遠い・・・

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

判官贔屓になっちゃうSS

二本立ての一本のため、プリキュア映画史上最短の50分しかない。その上、かなりマックスハートの劇場版「雪空のともだち」と同じ仲違いの話でかぶってるし、そもそもSSはあんま人気ない…。ここまでマイナスな要素が揃って上手くいくわけが…。そんな逆境でも覆えせる、何故なら最高の「ふたり」だから!。


ふたりが再び手を繋いで徐々に変身していくシーンは他に例を見ない萌え燃えなシーンだし、作画が全編通して素晴らしい、特に戦闘シーン。マックスハートより正直「ふたり」の絆の描くの成功してる。本当にSSは過小評価。玩具の売上げなんて関係ない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

GRCcu59431 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

めっちゃ感動した。

歴代映画の中では一番短い映画だが、その分すごくスッキリできる映画。エンディング見たあとの充実感は今でも忘れられない。一度ではなく何度でも見ることをオススメするがその時に注意して欲しいのは「戦闘シーンへのこだわり」。戦闘シーンは短いので物足りないと思うとあまり面白く思えないのでそのフィルターをとっぱらって鑑賞しよう。ただ、短いと言っても戦闘シーン自体は素晴らしい出来なのでガッカリする必要はない。ゲスト声優が意外といい人ばかりなのでその辺も楽しめる。終盤の咲舞変身シーンは素晴らしい出来。涙出ます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0
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