温泉で親子なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの温泉で親子な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月07日の時点で一番の温泉で親子なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.8 1 温泉で親子なアニメランキング1位
若おかみは小学生!(アニメ映画)

2018年9月21日
★★★★☆ 4.0 (160)
732人が棚に入れました
小学校6年生のおっこ(関 織子)は交通事故で両親を亡くし、おばあちゃんが経営する旅館<春の屋>に引き取られることになった。

旅館に昔から住み着いているユーレイのウリ坊や、美陽、小鬼の鈴鬼、ライバル旅館の跡取り・真月らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみ修行を始めることになった。

慣れない若おかみ修行に、毎日失敗の連続…。

「あたしって、全然しっかりしてないじゃん。」

落ち込むおっこだったが、不思議な仲間たちに助けられ、一生懸命に接客していくうちに、少しずつ成長していくのだった!

声優・キャラクター
小林星蘭、松田颯水、水樹奈々、一龍斎春水、一龍斎貞友、てらそままさき、小桜エツコ
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

【酷評注意】是々非々 貶してから褒めてみる

☆制作スタッフ
▼原作:青い鳥文庫(講談社)
▼原作者:令丈ヒロ子
▼アニメーション制作:DLE、マッドハウス
▼話数:劇場版94分{netabare}
▼監督:高坂希太郎
・実績
(監督)
『CLOVER』『茄子 アンダルシアの夏』『茄子 スーツケースの渡り鳥』
▼脚本:吉田玲子
・実績
(シリーズ構成/脚本)
『カスミンシリーズ』『マリア様がみてる 』『けいおん!』『ガールズ&パンツァー』『のんのんびよりシリーズ』他多数
▼音楽関係
主題歌:「また明日」
▼CAST(略)
テレビ版に掲載{/netabare}

☆エピローグ
冗談抜きに酷評します。
劇場版のみの方、テレビ版と劇場版、原作既読と劇場版と様々な立場があると思いますが、私はテレビ版視聴済みの立場でレビューをします。
なお、閲覧の際、本レビューでは、本作ファンの方々の気分を害する可能性があることを特記します。

原作未読
テレビ版視聴済

【本文】{netabare}
辛辣なレビューになるから、本作の劇場公開が終了したタイミングで書くことにした。
先にテレビ版をレビューするか迷ったが、圧倒的に出来が良いテレビ版のレビューより、問題の多い劇場版からレビューすることとする。
タイトルの意味はそういう事である。
テレビ版を視聴した者の立場として素朴に「これ、劇場版《製作》する必要があったのか?」である。

テレビ版の後半クールのEDは劇場版のカットシーンで、劇場版鑑賞に来て下さいアピールが見え見えだったことからも、本作はテレビ版既視聴者をメインターゲットにしているのだろう。
ま、それでも内容が伴えばそれで良しだが、あっさりと言えば劇場版はテレビ版のダイジェストで横手さんの脚本を吉田さんが書き直したようなものだ。
それでも宣伝効果で前評判が高く、連休中の公開初日から数日は確かに休みも続き客入りも良かったそうである。
しかし、その後は失速し、興行成績向上のために有名監督や評論家を動員しての鑑賞批評をネット媒体やマスメディアでキャンペーンを張ったのも、一般鑑賞レビューが増えるに従いテレビ版と差異がないことが世間に周知されるとともに、テレビ版と変わらないなら劇場版の鑑賞は別にしなくてもいいな、となりつつある傾向に製作側が危機感を抱いたからだろう。
それを裏付けるかのように、他のサイトではステマ的なレビューすら散見された。
一部の劇場では公開延長があるようだが、マスコミが宣伝するように人気が高いのが理由ではないだろう。
私が鑑賞したシネマで本作は一番小さい劇場割り当てであり、かつ、公開最終日前日にも関わらず、客入りは良く見積もっても6割程度。
子供客で確認したのは1人だけ。
後は私のようなオヤジばかりの『ガルパン』と似たような客層だw
つまり、フェイクニュースを垂れ流してまで興行実績を残すことに必死なのが本作の現実ではなかろうか。

劇場版とテレビ版の大きな相違は、①交通事故のシーンとテレビ版第1話「おっこ」が旅立つカットシーンの追加②「ウリ坊」登場シーンの変更③美陽登場シーンの変更④「おっこ」の両親を殺した加害者運転手家族が「春の屋」へ宿泊したハプニングエピソードの追加⑤神楽の舞子をきっかけに「ウリ坊」「美陽」「鈴鬼」との別れを示唆するシーンの追加⑥両親との回想シーンの追加⑦「ウリ坊」と「みねこ」(祖母)のエピソード追加拡大といったところだ。

【各論】
<物語の批判点>
(1)前述のとおり、テレビ版視聴前提であれば②を除き「美陽」や「鈴鬼」の登場シーンを焼き直して尺を浪費する必要はなかった。そのまま「春の屋」の幽霊として登場させればいいし、テレビ版未視聴者でもさして不思議とは思わないだろう。
(2)②の「ウリ坊」の登場シーン変更だが、おっこが事故にあった瞬間ウリ坊が救出した設定としている。
その後の物語の展開を考えると「ウリ坊」が「おっこ」の両親を殺して、おっこを春の屋へおびき寄せた「悪霊」ようにも見えてしまう、かなり、疑問を抱いた設定変更だった。
なお、⑦は「ウリ坊」が「春の屋」の地縛霊となった経緯のエピソードであるが、さして尺も浪費しておらず「みねこ」のCVに花澤さんを起用し、ファン層の拡大という意味からも設定すること自体はストーリーの大局上、毒にはならない。
(3)③だが、妹を庇う姉としての登場が劇場版、「秋好旅館」に居場所が無くて「春の屋」に悪戯しに来ていたのがテレビ版、劇場版は「おっこ」と「真月」の出会いと合わせて登場シーンを設定し直しているが、前述のとおり物語に大きな影響を与える準主役の「ウリ坊」と立場が違う「美陽」の登場シーン変更ため態々尺を取る必要はないし「美陽」の境遇を考えるとテレビ版の方が共感する。
寧ろ、劇場版でイメージまで変更する必要はないキャラなのだ。
(4)⑥の演出にも関わらず、両親を失った「おっこ」の子供らしい感情発露の心理描写はテレビ版の方が遥かに丁寧であり上手だった。
劇場版では回想シーンを増やしたにも関わらず、テレビ版より劣ったのは、回想シーンのカット映像と他のエピソードとのジョイントの意味付けが希薄であり、結果、共感に至らなかったこと。
テレビ版のように「おっこ」の心理描写は派手な事故アクションや両親との思い出カット挿入ではなく、独立した尺を取り丁寧に描写をするべきだった。
(5)①の事故シーンだが、作画に関しては迫力があった。
しかし、このシーンの挿入は微妙であり、子供が鑑賞する想定ならショックが強すぎる。
もう少し和らげるか、子供には理解し難くても、続く電車内でハシャグ親子を窓の反射で間接的に眺め、悲しみを堪える「おっこ」の心理描写のメタファーと事故を繋げるメタファー演出と後の④のエピソードとオーバーラップするように繋げた方が作品の「品」が断然向上する。
(6)「真月」のキャラを立て過ぎている。
テレビ版でもやり過ぎではないかと思っていたが、劇場版ではよいよ…?(苦笑)である。
テレビ版では小学生らしい描写があったから救いもあったが、劇場版では彼女の部屋の描写を含め小学生が「哲学」に達観するなど、ほとんどギャグに等しい設定だ。
このため同じクラスメートの「おっこ」とのギャップが更に激しくなり興醒めした。
更にキャラデザがテレビ版以上にデフォルメされたプリキュア状態で見るに耐えなかった。
(7)「真月」もだが「美陽」のデフォルメも激しかった。ただでさえ本作の子供キャラは子供の視聴を前提としたデフォルメ系である。
確かに劇場版では背景美術に拘っただけあって素晴らしい出来だ。
しかし、逆に子供キャラがデフォルメされ過ぎていて、折角の素晴らしい背景に対し著しく浮いてしまうのだ。
『ゆるキャン△』のレビューでも述べたが、作品とは総合的な観点で評価されるものである。
キャラデザの性質を考慮せずに、背景に力を入れても徒労ではないのか。
自動車の精密描写も含めて作品の基軸ではなく傍系に拘っても、単に演出の自己満足にしか見えないのだ。
(8)テレビ版と同じエピソードを劇場版でやる必要性を感じない。
特に「あかね」と「おっこ」のやり取りはテレビ版第2話横手脚本、劇場版吉田脚本と明確に分かれるシーン。
だが「あかね」に説教する「おっこ」に説得力があるのは断然テレビ版である。
何故かというと、テレビ版では「あかね」への説教の以前に両親を亡くした「おっこ」の子供らしい素直な悲しみの感情表現が伏線として丁寧に描写されていたが、劇場版ではこの部分が圧縮され「おっこ」は両親を亡くしたという事実のみで、父親が健在で母親を亡くした「あかね」に説教を垂れただけの説得力の片鱗もない描写になってしまっている。
演出や脚本が「(4)」で述べたような「おっこ」の心理描写は既に済んでいるとしたのか、はたまた、テレビ版を視聴したのであれば深い説明が要らないと判断したのか定かではないが、その程度の描写なら「あかね」のエピソードの意味はなく不要であったし、尺の無駄遣いだ。
(9)これは批判というよりも疑問に近い。
⑤のシーンは本作の「完」を連想させるのだが、劇場版では曖昧な形「暗喩」で表現されている。
テレビ版の最終回を視聴した限りでは2期もあり得る終わり方であり、ネタバレになりかねない⑤のシーンは本当に必要だったのか?
テレビ版の2期はありません!劇場版でシメます!という製作ポリシーがない限り、やってはいけないシーンであったのではなかろうか。
喉にモノがつかえたような後味の悪さである。
(10)「グローリー」とのエピソードも焼き直しでありほとんど必要がない。これも「グローリー」の紹介程度にして、既に「おっこ」とは信頼関係が構築されている前提で劇場版のストーリーを立てれば良かったのだ。
このエピソードを冗長化させたのは、背景に拘った動機と同様に「ポルシェ911タルガ4」の3Dモデリングを観客に自慢したかった演出の自己満足にしか見えないし、本当にポルシェのステマ?wかと思うほどこれだけは良く出来ていた。(ステマをしなくても売れる有名なスポーツカーだけどねw)
本エピソードは物語がもうダメだと考えていた頃なので、ポルシェばかり見入っていた。
欲しくても買えないからねw
それにしても、本作のスタッフは相当カーマニアなのだろう。
現代では非現実的なT型フォードや初代クラウンが現役で花の湯温泉街を走り回っている。
「おっこ」の学校も木造校舎で現代では非現実的なのだが、クラッシックカーも遊び心のあるファンタジーとして許容は出来る。
しかし、ポルシェをあれだけ精密なモデリングとするなら、フォードやクラウンもポルシェと同等の精密モデリングとするべきであり、中途半端である。

以下はどうでもいいことだが、和の風景に合わせたオープンカーなら、マツダロードスターや絶版ではあるがホンダS2000など、国産の名車をプロップとして採用するのもアリではないかな。
「グローリー」のブルジョア生活を強調するのなら、ホンダNSX(23,700,000円)レクサスLFA(37,500,000円)という手もあるし、本作は子供が対象なのだから、我が国の工業技術の結晶である国産高級スポーツカーを採用し、将来の日本を担う子供達にモノ作りの夢を託す配慮があっても良かったと思う。
因みに、本作に登場するポルシェ911タルガ4だが、外観で分かる範囲で推測してみると、LEDヘッドライトが標準装備であるからグレードはGTSで21,540,000円。
ブレーキキャリパーがイエローであるから、オプションのセラミックコンポジットブレーキ(1,545,000円)がプラスされる。

<物語で評価される点>
残念ながら本当に少ない。
(1)ポルシェに乗って買い物に出かけた「おっこ」が事故の記憶を思い出しPTSD症状を起こした点。
これが、批判点(5)で述べた事故のメタファーだが、折角こういう名演出があるのに作品全体の軸として繋げきれていないのである。
(2)④はテレビ版にはないエピソード。
加害者一家が春の屋に泊まったシンクロニシティと、両親を殺した加害者を知った「おっこ」が両親との死別を乗り越えて花の湯での新たなスタートを誓い、明るく前向きに生きようとしていた矢先の実に残酷なシーンだ。
「おっこ」の複雑に絡み合った、いたたまれない心理描写は見事であった。
劇場版では実質吉田オリジナル脚本はここだけだが、流石、吉田脚本だと感じたシーンである。

(★は一個0.5点)
物語
★★★★★☆☆☆☆☆2.5
(各論のとおり。)
キャラ
★★★★★★☆☆☆☆3.0
(デフォルメ減点有り。)
音楽
★★★★★★☆☆☆☆3.0
(劇伴はまあまあだが、劇場のサウンドシステムを活かしているとは言い難い。主題歌は記憶に残らなかった。)
作画
★★★★★★☆☆☆☆3.5
(各論のとおり。)
声優
★★★★★★★★☆☆4.0
(テレビ版と一部キャスト変更があるが、大局には影響を与えていない。)

【雑感】
本作は原作も素晴らしく、また、テレビ版は良い出来で一定の評価ができるのに何故こうなったのか不思議でたまらない。
問題の核心はテレビ版を焼き直したプロットにあるのだろうか。
その責任が何処に起因するかと推測するとき、DLEやマッドハウスをはじめ製作委員会が制作に相当関与したと思われる。
おそらく、製作委員会で企画したプロットありきで、コンテと脚本を仕上げた結果が本作ではなかろうか。
つまり、監督も脚本もほとんど関与出来ない次元でプロットが決定している可能性が高いのだ。
原作ではテレビ版以外のエピソードもあるはずだが、テレビ版のエピソードを多用したところをみると、芸術的判断よりも政治的判断が濃い印象を受ける。
国内のファン向けであれば、テレビ版のエピソードよりも劇場版オリジナルの④のエピソードを軸に、テレビ版では触れられていない「おっこ」と両親の平和で心温まる日常、つまり前日譚にも尺をしっかり取り、天国と地獄の如く不幸のどん底に落ちた「おっこ」をより強調することと、若おかみ修業を通して悲嘆から立ち直り成長していく「おっこ」の成長物語とすることが出来たし、脚本吉田さんの起用はこのようなオリジナル性があってこそ生きるのだ。
純粋に芸術的視点で作品を作り込むのなら、テレビ版に左右されず、一からプロットを考えるはずであるが、本作はそういう構成にはなってはおらず、国内のファン向けではなく「アヌシー国際アニメーション映画祭出品」審査員向け作品と考えるのが妥当かもしれない。
審査員は恐らくテレビ版を観てはいないだろうから、相応の評価は受けるだろう。
本作ファンの一人として、可能であれば、マッドハウスのエースいしづか監督を起用し、吉田さんとコンビで作品を作り直してもらいたい気持ちだ。

高坂監督はマッドハウスで活躍し、ジブリ作品も参加経験が多く『風立ちぬ』の作監も務めた有名なアニメーターではあるが、業界キャリアに対して監督経験はそう多くないし、テレビ版のマッドハウス増原監督やDLEの谷東監督とは違いフリーだ。
この状況で劇場版の監督を依頼された経緯を考えてみると、公開されている事情の他、本作はアヌシー祭出品に向けて、カンヌ経験があり、ジブリ作品を手がけていることから国際的に名の通る監督の起用が政治的に必要であったのだろう。

なお、公式の高坂監督コメントに、本作はマルクスの世界観【下部構造が上部構造を規定する】で表現したとのコメントがあるが、本作を鑑賞した限り、テレビ版のシーン流用で独自性発揮の制約もあるし、また、演説でもない限り94分程度の映像では弁証法的唯物論のフル展開は厳しいだろう。
穿った見方をすれば小学生が労働する様は『蟹工船』的とも言えるが、本作はプロレタリアの悲惨さを強調し階級闘争を求めたものではないことは皆様御承知のとおり。
また、実際、本作はそのような組み立てにもなっていない。
ゆえに、誰かが本作を高く評価したといっても、それはコミュニズムへの感化とは無縁の出来事であると、あえて釘を刺しておく。
ま、あのコメントは当然好ましくはないが、監督本人の思想がマルキシズムに立脚しているという程度の意味だろうから。{/netabare}

率直に本音を述べれば、本作を鑑賞した後の気分は詐欺にあったときと似たような感覚だった。
テレビ版を視聴済みなら、あえて1,500円を支払い鑑賞に行く必要は感じられないし、いずれ「Amazonプライム・ビデオ」にエントリーされるだろうから、それを待って視聴しても良いと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

明日、親が死んだらどうする?

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
このアニメ映画は、物凄く評価が難しい作品だった。多分、これまで観てきたアニメの中でもトップレベルに、☆を迷った。

子供向けの作画ではあるけれど、「家族の死」という、とにかく重いテーマを、かなりライトな雰囲気で描いている。

物凄く不安定で微妙な綱渡りを、ギリギリのところで渡り続けるようなアニメ。

このアニメのクオリティは、間違いなく高い。あとは、好みの問題。

ギリギリまで☆4と迷ったけれど、う~ん。やっぱり☆3とします。レビューは、その辺りの理由と、じゃあ自分ならどうしたいかを書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
作品のテーマは、「両親の死を受け止め、どう前進するか」で、これは色々な媒体でやられてきたと思う。

それを、「児童向けアニメ映画」の中でやったのは、スゴいチャレンジだと思う。

両親が、自分の目の前で事故死する。

多分それは、子供にとって、世界でこれ以上ないレベルの苦しみだろう。

序盤はそんな悲劇を感じさせないように、明るい、むしろ明る過ぎる、軽すぎる雰囲気の中でストーリーが進む。が、「流石に最後までこのノリなわけはなく、どっかでシリアスくるよな」と思うので、あまり不謹慎な感じは受けなかった。

中盤の、「あかね&幸水」の話は、子供らしく親の死を悲しむあかねと、まだ死を受け入れられていないオッコとの対比を魅せ、「水領」の話は、オッコにあるトラウマを魅せ、オッコの深い悲しみを魅せる、上手い展開になっていたと思う。

問題は、「木瀬文太」だ。オッコの両親の死の原因になった劇場版オリジナルキャラ。ここのエピソードで、おそらく評価が分かれるのだろう。

私は、やや否定的。

オッコの「春の屋旅館の若女将ですから」というのは、確かに感動したけど、当然、「小6でそれは聖人君子過ぎないか?」と思う人もいる。

私はやっぱり、「無理」だ。今、私は30半ばで、親も健在だけど、(仮に相手の過失が小さくても)もし事故の加害者と会ったら、あんな風にはできない。ましてや、オッコは小6。いくらアニメだとしても、ちょっと理解できない。

また、お客さん(加害者)の立場でも、「絶対に泊まりたくない」。そこで、「自分がツラい」と加害者に言わせた、脚本の吉田さんは流石だとは思ったけど、あそこはそのまま春の屋に泊めなければ、私は☆4にしたかな。

もし私なら、①オッコが宿泊を勧める→②木瀬家は、「ありがとう。でも、自分達がツラいんだ」と言って、春の屋を後にする→③祖母から、「頑張ったね」的な励まし→④オッコ、号泣しながら笑って、「春の屋旅館の若女将ですから」→⑤大人達も皆泣いてフェードアウト→⑥神楽のシーンに移行。に、するかな。

勿論、そういう展開にすれば評価を下げる人もたくさんいるだろうし。この辺は、好みの問題ですね。

あと、個人的な好みを言えば、「成長して幽霊が見えなくなる」と「親の死を乗り越えて前に進む」は、どちらか1つに絞って、そのぶん丁寧に描いてほしかったかな、映画の尺なら。まあ、要素が2つあることが詰め込みすぎなのか感動の倍増なのかも、好みの問題でしょう。

いずれにせよ、制作はそういう「良し悪し」を全て分かった上で、このようなストーリー、演出にしている、「意図」は感じたので、これはこれで良いアニメだと思った。

あと1つ。

レビュータイトルにもしたけど、それが何歳であっても、「明日、親が死んだらどうする?」ということは、常に思わなければいけないことなんだと思っている。

今年はコロナが怖くて実家には帰っていないが、親が60を過ぎたあたりからは、できるだけ実家に顔を出してきた。それはやっぱり、「親の死」を明確に意識するようになって、今のまま(あんまり親に顔を見せないまま)では自分自身が絶対に後悔するし、親自身を喜ばしてやりたいという気持ちもある。実際は、自分も仕事が忙しいし、休日は自分自身に時間を使いたい気持ちもあるけど、やっぱり、親は大切にしたい。

でも、いくら何をどうやったとて、もし親が死んだら、その時は絶対に後悔するんだと思う。仮に親が120まで生きようが、何をどう努力し、覚悟しようが、やっぱり後悔はするんだと思う。寂しくなるのだと思う。

まして、そこに努力や覚悟がないのだとしたら、どれだけ後悔するのだろうか。寂しくなるのだろうか。

私は今、道場で小中学生に剣道を教えているが、彼ら彼女らの中にも、親に対してひどい態度をとる者はいる。試合に応援に来たときとか特にそうだ。

まあ、年頃だし、分からなくはない。余計なお世話だとも思う。それでもそんな時、親御さんがいなくなったあとに、彼らには言う。

「もし、明日親が死んだらどうする? それでも、後悔ないか?」

彼ら彼女らの心には響かないかもしれない。でも、1人でも2人でも、考えてくれたら嬉しい。そう思って、たまに言っている。

このアニメ、是非とも子供に観てほしいな。

私のような深夜アニメ好きのオッサンが、演出が~とか作画が~とかストーリーが~とか言ってする評価なんて、本当はどうでも良い。

子供が、子供の目線からこのアニメを観て、100人中1人でも2人でも、自分の生き方や親との関係について考えるきっかけになってくれればそれで良い。

そんなアニメでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

今期イチの注目株と聞いたので観てみました

テレビ版と原作は触ってません。


以下ネタバレ内に推測上のテレビ版との比較を入れています。
(こんな状態で語るのはおこがましいと思いますが、あにこれに劇場版の感想書いてる人が少ないので一応記載させていただきます。勘違いしている部分があったらその都度指摘してください。詳細を書いてくれる人が現れたら消しますので参考程度で)

{netabare}1スタッフが違う
脚本もキャラデザも監督も違います。つまりはTV版のつぎはぎ総集編ではないということが言えます。

2原作は同じ
オリジナルエピソードではなさそうなので、エピソードの被りはあるかもしれません。

3視点を変えている
これでしょうね。テレビ版は織子が若女将として仕事をする中で、様々な困難に挑み、失敗しながら少しずつ成長していくお話がメインなのかな?{/netabare}
映画版は両親を亡くした織子のトラウマを少しずつ克服して行くところを中心に描いています。

これよりネタバレを含む感想{netabare}
家族との幸せな時間…両親との別れは突然に訪れます。
反対車線に飛び出したトラックに突っ込まれた乗用車。数分前まで会話をしていた両親が亡くなるのを目撃した織子はいったいどれほどのショックを味わったでしょう。
しかし、描かれたのは落ち込んだ様子の無い織子。
おそらくいつもやっているように誰も居ない我が家に挨拶をして離れ、引き取り先の祖母のもとへ向かいます。
移動中は特に両親の話題に触れず夏休みの間だけ親戚の家にお泊りに行くただの女の子のよう。

勿論徐々に両親について話題が出てきますが、
最初は「お父さんとお母さんは生きてる気がする」と言っていました。
幽霊がみれたことも一因なのでしょうか。
現実に目を向けられていない織子。仲居さんが気の毒そうな表情を浮かべますが、織子は気にする様子がありません。
そんな中、母を失ったばかりだという親子が旅館に泊まることとなり、時にお客さんと言い争いになりながらも、親身になってもてなしてゆく織子。
最初はやり場のない怒りを織子にぶつけていた同じくらいの年の子は、織子のやさしさにふれ、たまらず泣いてしまいます。

このあかねという子が布団に潜り込んで泣いてたところは印象深いシーンの一つです。
おそらくあかねさんは同い年の織子が両親を亡くしながらも強く正しく生きているのをみて、恥ずかしさ少々、自分に尽くしてくれたことで愛情を感じ安心して堰をきったのでしょう。
ひとしきり泣いて気持ちに整理をつけたあかねさんは、登場直後のひねくれた感じではなく素直で優しそうな子に変わりました。

続いて登場したのは恋人と別れた直後のお姉さんなお客さん。
織子と意気投合し、織子をドライブに誘いますが、事故のトラウマで震えが出て呼吸も大きく乱してしまいます。
最初は大丈夫でもちょっとした拍子でトラウマが呼び出されてしまう様子は、震災の体験談などで聞いたことがあります。
物語に関わりのないちょっとした仕草ですが、これによって物語のディティールがより細かくなったように感じます。

そして、心の支えにしていた幽霊が徐々に見えなくなっている織子。両親が死んだことも理解できるようになり急に孤独を感じるようになります。
織子役の小林星蘭さんの「置いていかないで!」と泣き崩れる演技、真に迫っていて織子が気の毒に思えて非常に胸が苦しくなりました。
一時自暴自棄になり飛び出す織子にハラハラ。
しかし、これまでの若女将の経験でいつの間にか大人になっていた織子、
事故で正面衝突をした張本人を前に、「私は関織子ではなく春の屋の若女将おっこです(どうぞくつろいでいってください)」と伝えます。
この時の織子がもう、どうしてこの娘はこんなにも逞しいのだろうか。まだまだ小学生だというのに…こんな良い子が…と、我が子の成長を見守る親の気持ちといいますか、そのような感じで胸がいっぱいです。
冷静になれば、菩薩か!と突っ込みを入れたくなるところかもしれませんが、そんな気分にはとてもなれませんでした。{/netabare}

物語の展開はほんとファンタジーです。しかし映像や見せ方のディティールがリアルなのでドキュメンタリーのように錯覚してしまう節があります。
また、両親の死を使った感動ストーリーに一瞬思えますが、最後まで見るとこの作品が織子の成長を描いたものであることがわかります。
この作品は一言で表すことが非常に難しいです。
変なレッテル貼りになっていないかとドキドキしています。

やはり、実際に見ていただくのが良いでしょう。
そして、それぞれ心に感じたことを自分の中で消化していただくのが良いと思います。
私は私の感想を大切にして、さらに読み込んていきたいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

85.2 2 温泉で親子なアニメランキング2位
ゆるキャン△ SEASON2(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (622)
2434人が棚に入れました
これも、ある冬の日の物語。山梨の女子高校生である志摩リンは、愛車の原付に乗って一路浜名湖を目指していた。大晦日に始めた、久しぶりのソロキャンプ。山梨を出発して静岡県は磐田へ。年越しを磐田で迎えて、今日はその三日目。かなり距離の長い運転だが、なんだか楽しい。そんな折、立ち寄った海辺でふと思うリン。「やっぱり、一人のキャンプも好きだ私」一方、そんなリンの思いを知ったなでしこにも、新しい気持ちが芽生えていた。みんなとのキャンプは大好き。ご飯を作って、喜んでもらうのも、嬉しい。だけれど。「私もリンちゃんみたいに、ソロキャンプやってみたいな」なでしことリン、二人の出逢いから始まったアウトドア系ガールズストーリーの第二幕がいま、上がる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、東山奈央、原紗友里、豊崎愛生、高橋李依、黒沢ともよ、大塚明夫
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

それはまるで、同じキャンプ場で別々のテントに寝るような、適度な距離感と空気感。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
近年でもトップレベルの人気作となった1期の良さはそのままに。作画や音楽などは確実にレベルアップした2期。

1期の方が評価は高いのでしょうが、個人的には、2期も同じくらい好きです。

まあとにかく、好きです(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
予定は未定で、自由に失敗して、不便で楽しいのがキャンプ。

1期は確かに、「冬キャン」「ソロキャン」という、オリジナリティある面白さがあって、その点で2期が薄れたというのは、まあ確かにその通り。

でも、2期は「みんなでキャンプ」が増えただけに、彼女らの絶妙な距離感が、より際立ったと思う。

例えば、3話。バイトも予定もバラバラ。家族優先。でも、時々集合して、笑顔で過ごす。

例えば、11話。皆で行ったキャンプで、1人抜け駆けの早朝温泉。それを、誰も咎めない。真似しない。笑って終わり。

何事も無理強いせず、踏み込みすぎない独立独歩の姿勢。さりとて、寂しさはない。なんて絶妙で、心地よい距離感だろう。

それはまるで、同じキャンプ場に行って、別々のテントに寝るような、居心地の良さ。

スマホで繋がる程度、ということを、これだけ温かく描いている作品を、私は他に知らない。

本作で、リンは「皆でキャンプ」の魅力に気づき、なでしこは「ソロキャンプ」の魅力にハマっていった。しかしそれは、誰かに勧められたとか、無理強いされたとかじゃなくて、あくまで、自分が興味をもっただけのこと。

本作の登場人物は、サブキャラも含め、誰も押し付けがましくない。それは、相手をリスペクトしているから。なんて、心地よい世界なんだろう。

また、本作は、キャンプの魅力を、丁寧かつ誠実に描いていた。

キャンプの良さ、は当然として、その不便さや危険さも、きちんと描く姿勢が好き。

私が本作で特に好きなカットが2つある。

1つ目は、リンがバイクで発進する時。しつこいくらい後方確認をすること。ウィンカーもちゃんとつける。

次に、8話の美しい夜景。なのに、どう考えても邪魔な、無い方が良い手前の鉄塔を、省かずちゃんと描いていること。

どちらもいらないシーンなんだけど、あえて描いている姿勢に、視聴者に対してとても誠実に向き合っていることを感じる。

他にも、好きなシーンはいくつもある。

1話Cパートのいぬ子は、へやキャンを観た人へのサービス。3話、丸いなでしこ。4話、せっかく買ったキャンプ用品を、まず家族の前で使ってみるなでしこらしさ。6話、道具の管理や洗浄をちゃんと魅せるところ。8話、なでしことリンのソロキャンの違い。10話、伊豆の美しい景色。11話、眠くても化粧水はつけて寝るリン。12話の、野クル5人だけで観る日の出(あえてあそこに、ちび犬子と先生を入れないところ)。13話、富士山の形でただいまを感じるリン。

私は1期を☆4にしていたが、それは作画にやや文句があっただけで、物語もキャラもシナリオも、元々☆5の力はあった。だから、そこに作画が追い付いた本作は、やはり☆5の評価になる(ちなみに、私は☆5は年間1~2作品、お気に入りに棚は2~3年に1作品程度しかつけていません)。

私は今、悩んでいる。本作をお気に入りに入れるかどうかを。

ついでになぜか、干物妹うまるちゃんも、「だったらあれもお気に入りになるんじゃないか?」と、今さら悩んでいる(笑)
{/netabare}

【余談 ~ゆるキャン飯、作ってみた♪~】
{netabare}
私の1週間で1番の楽しみは、日曜日に、昼から呑みながらアニメ(かゲームセンターCXか水曜どうでしょう)を観ることなんです(笑)

普段は忙しくて、惣菜やコンビニ飯ばかりだけど、日曜日だけは結構ちゃんと料理します(趣味の1つなので)。

そこで今週は、「ゆるキャンサンデー」と勝手に決めて、伊豆キャンプ(11、12話)を見直しながら、最終回13話を初めて観ることにしました。

そこで作った料理は「具だくさんアヒージョ」と「ホット・バタード・ラム・カウ」。上記は11話、6話にそれぞれ出てきましたね。

まず、アヒージョですが、なるべく原作に忠実に作りました。材料は、「オリーブオイル、ニンニク、鷹の爪、マッシュルーム、しめじ、タコ、エビ、ウインナー、ナス、長芋、ニンニク、パプリカ、ヤングコーン、ブロッコリー」。

レシピはアニメの通りです。長芋を先に下茹するのは意外でしたが、ヌメリが残っていると臭みがあるので、正解だと思いました。

具の中で特に好きだったのは、粒ごとニンニクです。お隣青森県で、日本一と名高い田子産ニンニクを使ったのですが、臭みはなく、ホクホクの食感。旨味の塊でした。

あと、茄子や長芋、ヤングコーンは初めてアヒージョに入れたのですが、茄子とヤングコーンはアリだなと思いました。茄子が油と相性が良いのは分かっていましたが、ヤングコーンは、油の旨味は染みないのですが、食感が楽しかったです。箸休め的に入れるのはアリですね。

失敗したのは、ウインナー。

今回、レビューで紹介するために、あえて岩手の食材を使おう思い、「八幡平白マッシュルーム」や「銀河フーズ いわて花巻工場発あらびきポークウインナー」などを使いました。

マッシュルームは良いとして、ウインナーは、「単品で旨すぎる」から、微妙でした(笑)

なんていうか、「アヒージョより旨いのがあると、バランス崩れる」んですね(笑) アヒージョのコクを活かすなら、むしろ普通の安いウィンナーで良かった(という、逆説的な銀河フーズウインナーの宣伝ですw 私が愛用しているウインナーは、銀河フーズのポークウィンナーと、業務用スーパーの「こだわり生フランク ハーブ入り」です。どちらも、めっちゃ旨いっすよ♪)。

あと、私は結構アヒージョ作るんですが、普段必ず使うのが、「貝類(アサリやハマグリ)」と「玉ねぎ」です。入れた方が絶対に旨いので、オススメします(今回は入れませんでした)。

話がズレましたが、「具だくさんアヒージョ」ですね。結果として、「これまでアニメで再現したレシピ」では、一番旨かったです。

私は、カリカリに焼いたフランスパン、白ワインと合わせたのですが、最高に旨かったです。

ただ、普段はアヒージョの汁をバゲットに染み染みにして食べるのですが、今回は、アクアパッツァパスタに備えて、汁と白ワインを残しておくのが、もったいな苦しかったです(笑)

さて、昼飯はバゲットで腹一杯になったので、アクアパッツァパスタは、夕食に。

まず、パスタを茹で、その間にアヒージョに白ワインとパスタの茹で汁、ニンニク、ミニトマト(激ウマ!)を入れる。

さて、パスタが茹で終わったので投入、、、あ、魚焼いてねぇわ(笑)

てなこともあり、パスタは一旦冷蔵(後日食べます)。金目鯛の干物をグリルで焼きます(余談ですが、スーパーで、赤魚の干物で妥協しようかめっちゃ悩みましたが、せっかくなので奮発しましたw ただ、白ワインと食材全部合わせると、4000円以上かかる、高級飯になりました 苦笑)。

焼き終えた金目と、茹で直したパスタを入れて、ひと煮立ち。いよいよ実食です。

うん、旨い! でも、、、期待以上じゃないし、金目鯛の良さを活かしているかと言われれ(費用対効果を考えれ)ば、微妙かな~。

このアクアパッツァパスタ、スープパスタなんですが、それより、アヒージョの汁をそのまま使って、ペペロンチーノっぽくする方が旨いと思います。また、焼いたベーコンと油を足すのも良さそうに思いましたし、さらに卵黄を加えてカルボナーラ風にするのもアリだなと思いました(つまり、万能ですね)。

金目鯛は、普通に焼いて、ご飯と味噌汁で食べた方が、幸福度高いかも(苦笑)

ということで、アクアパッツァパスタはやらなくても良いかもしれませんし、やるとしても、赤魚等安めの白身魚で充分な気がします(笑)が、基本は美味しい食事でした(スープがまだ残っているたので、翌日の夜にチーズと白米入れて水気を飛ばし、リゾット風にしましたが、これはめっちゃ旨かったですw)。

あと、夜にパスタを食いながら、「ホット・バタード・ラム・カウ」も試してみました。

作り方は簡単で、温めた牛乳にバターを溶かし、ラム酒とシナモンを入れるだけです。

ちなみに牛乳は、岩手県産「くずまき高原牛乳」。ラム酒は、普段よく呑む「キャプテンモルガンスパイストラム」。

アニメでは、ラム酒のアルコールを飛ばし、ノンアルコールにしてましたね。あと、シナモンもスティックタイプのものでした。

私は当然、アルコールは飛ばしませんし、シナモンもパウダーを使用しましたが、まあ、味に大差はないでしょう。

結論として、「これは女子ウケするな~」と、「ラム酒入れすぎたわ(苦笑)」ですね(笑) 

ラム酒のアルコールを飛ばしてないせいか、最初、むせました(笑) が、徐々にじんわりと温まり、幸せな気持ちになります。

ただこれ、アルコール度数は結構高いので、アルコール弱い方は注意した方が良いでしょうね(呑みやすいだけに)。

感じたのは、「寒い屋外で呑んだら、もっと旨いだろうな~」ということ。う~ん、ソロキャンしたくなってきた(しないけど)w
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆5
作画に違和感あったけど、なるほど過去か。OPやたら良いな。白い息遣いが見える。そうそう、これがゆるキャンだよね。作画の本気度、増したな~(笑) Cパート、ホラ吹き犬子で、へゆキャン見た人にサービスか。完璧だな。

2話目 ☆4
上手くいかないところも含めて、だね。そこで悔しがらないのが、なでしこ。リン、子ども(笑) ちゃんと法定速度(笑) 予定は未定。

3話目 ☆5
このほどよい距離感だよね、何事も無理強いしない、独立独歩の姿勢。バイトも予定も別々。たまに合流。特上に目が落ちた(笑) キャンプ周辺の楽しさも、キャンプ。新キャラ、土岐綾乃。なでしこ、丸かったの?(笑)

4話目 ☆3
買い物、楽しいよね。道具揃えるの、醍醐味だよな。ランプ、一回家で使うあたりが、なでしこだよな。

5話目 ☆4
サブの3人回ね。鍋しこ(笑) ここで、どうでしょう(笑) 流れと関係ないワカサギの時点で、もしやと思ってたけど(笑) うまくいかないのも醍醐味だよな。

6話目 ☆4
道具の管理、洗浄。冬キャンの厳しさ。ちゃんと魅せる丁寧さよ。マイナス15はキツいな。うちの地元もマイナス8くらいは平気でいくけど。良い先生だ。そこで窓がちょっと開いていると、完全にどうでしょうオマージュだけどな(笑)

7話目 ☆4
旅行も、準備や下調べがむしろ楽しいよね。やはり東日本でしょ(笑)

8話目 ☆5
なんだその替え歌(笑) ソロキャン、これだよな、ゆるキャンは。でも、リンのソロキャンと、なでしこのソロキャンはやっばり違うものなんだね。夜景、綺麗。邪魔になる手前の鉄塔をちゃんと入れるのが丁寧だし、誠実だ。

9話目 ☆4
旅行の計画、バイクの改造。こういうのも楽しいよね。出発時の後方確認とか、いちいち優しく丁寧。

10話目 ☆4
ホラ吹き姉妹(笑) 景色、力入れてるね。

11話目 ☆4
キャンプ飯、クオリティ高いな。ママシコ(笑) 化粧水つけるんか、女子だな。抜け駆け温泉。この辺が、本作の良さだよな。

12話目 ☆4
シカでした(byうれしー)w

13話目☆5
まだ、お年玉もらってないよ(笑) 疲れたら代わる、というどうでしょうネタ(笑) なんだろう、何にもなかったけど、良い最終回だな。具だくさんアヒージョ食いながら白ワイン1本開けたせいかな(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 36

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

誰も到達しえなかった、新しいゆるふわ系

最初にナマコを食ったやつはエラい、とよく言いますが、
お芝居においても『最初にこのキャラを演ったヤツはエラい』
というのが言えると思います。

代表的なのは、エヴァで綾波レイを演じた林原めぐみさん。

それまで、ああいうキャラ・芝居は存在すらしていませんでした。
だから誰も、先輩どころか監督でさえ、
綾波レイをどう演じたらいいのか答えをもっていなかったわけです。

庵野監督から「レイは感情がないんじゃない、感情を『知らない』んだ」
というディレクションを受けて役を作ったというのは有名な話ですが、
もちろんそれだけであの芝居が完成するわけもなく、
ものっすごい努力と試行錯誤を経て、
あの声の出し方や演じ方を『創造』したわけであります。

いまや「もうちょい綾波っぽく演ってみようか」で通じるほど、
一つのテンプレとした完成した感のある綾波調ですが、
最初に演った林原さんは、まさに『創造主』でありました。

なんでこんな話を書いているかというと、
『ゆるキャン△』の作品的な成功は、
東山奈央さんを筆頭とした、役者さんの努力の賜物だと思うからです。

もちろん、画も脚本も音楽もよくできています。

また、キャンプに馴染みのない人に向けた豆知識も豊富で、
何も知らない方が見ても作品に溶け込めるよう、
すごく丁寧で繊細なものづくりが至る所でなされています。

ですが、それでも、
このキャスティングじゃなかったら、
よくある『萌え系日常アニメ』の枠に収まってしまい、
これほど多くの方が『癒し』を感じる作品にならなかったんじゃないか、
というふうに僕は考えています。

それぐらい、東山さんの演じた役、志摩リンは難しかった。

そもそも志摩リンは、
人間嫌いでも引っ込み思案でも気弱でもありません。
それどころか、バイトでキャンプ費用を稼ぎ、
一人で原付に乗ってソロキャンに出かけて行くような、
アクティヴな要素すら持っています。

そして台詞も「刀のサビにしてやるぜ」という芝居がかったものから、
「スーパ-の実演販売か」というツッコミ、
さらに「こんちくしょ~っ」「おい、マジか」という男子言葉まで、
脚本の文字だけならかなりの元気っ子になっています。

おまけに、一番カラミの多いなでしこは、体力食欲もりもりで、
こちらは正真正銘の元気っ子。
しかも、なでしこ役の花守さんも基礎声質は東山さんと同じソプラノ。

これで作品を『癒し』『ゆるふわ』に仕上げるというのは、
ちょっと考えると無理ゲーです。
一つ間違えたらきゃぴきゃぴワイワイの萌えアニメになりかねません。

だけど、東山さんは『やり遂げた』。

東山さんの演った志摩リンは、
これまでのボソボソ系とは全く違う系統のお芝居です。
気持ちも行動もしっかり前を向いているのに、まったりゆるい癒し系。
おそらく、これから一つのテンプレになるであろう、
素晴らしい役作りだったと思います。ぱちぱちぱち。

そして、犬子こと犬山あおい役の豊崎愛生さん、
斉藤恵那役の高橋李依さんも、素晴らしい役作りをされていました。

まず、豊崎さんの関西弁が秀逸です。
犬子の関西弁は言葉が大阪でイントネーションが京都の山手という、
リアルではまず耳にすることのない方言です。

豊崎さんは四国生まれ、大阪芸大短期学部の出身で、
ネイティヴレベルの大阪弁が使えます。
だけどこの作品でネイティヴの大阪発音は『きつすぎる』。
そこで、大阪まるだしの脚本を自分なりに読み替え、
ゆる~くカドのない発音に変換しているんです。

だから、ちゃきちゃき喋る千秋とも相性がいい。
さらに、やや早口のなでしこ・千秋とスローに絡んでいくことによって、
作品全体のゆるさを崩さないバランサ―にもなっています。

豊崎さんは緻密で誠実な役作りをする方なのですが、
『けいおん』で大ブレイクしてしまい、
一時期、お芝居が雑になったことがありました。

年間でアニメ15本、ゲ-ム15本、ラジオに顔出しテレビ、
キャラソンにドラマCD、おまけに個人とスフィアの音楽・ライブ活動と、
ひと昔前のアイドルみたく過剰なスケジュール。

そんな状況でデビューして三年程度の若手が
一つ一つの役をしっかりと作り込めるわけもなく、
正直、その頃の出演作品の中には
「豊崎さんじゃない方がよかった」と感じられるものが、
少なからずあります。

だけど、その山が過ぎ、さらにご結婚されてからは、
しっかりと腰を据えた役作りが戻ってきたように思います。
犬子は、その代表的な好事例ではないかと。

高橋李依さんも、文句なしに素晴らしい。

高橋さんはもともとかなり器用な役者さんで、
『高木さん』や『かくしごと』みたく癒しボイスも得意なのですが、
この作品では共演者に同じソプラノが多いことを意識してか、
口調だけでなく、発声にもひと工夫したボイスを披露しています。

それを技術的に、かつ簡単に言うと『息を多めにはく』。

お色気のあるおねいさんの声を出すには、
背筋をやや曲げて息を多めに吐く、
というのが役者さんでは常識のテクニックです。

高橋さんは、その応用として吐く息の量を調整し、
お色気に代わる一歩手前にとどめ、
接地感の薄い、ゆるふわの癒しボイスで役を作り込んでいます。
だから、基礎声質はリゼロのエミリアと同じなのに、
耳に届いた時の印象がまるで違うものになっているんです。

これは、上田麗奈さんも得意にしているテクニックです。
ただ、上田さんはお色気をけっこう出すのに対し、
高橋さんは作品に合わせてそれをギリギリのところで封印しています。

いずれにしても、高橋さんがこのボイスを使っているので、
五人が会話していても聞き分けがスムーズになり、
かつ、全体にゆるふわの空気を纏わせるのに成功しています。



この作品を好きな方の多くは、
ただ女の子がきゃぴきゃぴとキャンプをしている様が好きなのではなく、
全体に流れる、ゆるく、まったりした空気が、
ともすれば刺々しくなりがちな心を癒してくれるから好きなのではないか、
というように愚考しております。

少なくとも僕は、その空気が大好きです。
そしてその空気は、
引き出しの少ない若手役者では創り得なかったものだと思います。

素晴らしい役者さんたちに、
最大限の賛辞とリスペクトを捧げさせていただきたく。


追記:
花守ゆみりさんの『食べる』お芝居、
そうとう練習したんだろうと思います。
あれ、めちゃくちゃ難しいですよ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 33
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

よい旅 よい友 よい家族

【物語 4.5点】
京極 義昭監督&シリーズ構成・田中 仁氏ら再集結したスタッフ陣。
続編アニメ化への手掛かりを家族に見出す。

ソロ活動の尊重→全員集合の流れで友情の深化という1期の繰り返し。

2期では、そこに、旧友や、家族の視点が挿入されメインキャラの解像度がアップ。


旅先の絶景にも心を奪われるが、家族を思いやる風景にも胸を打たれる。
{netabare}ソロキャンデビューした、しまりんのリュックにカレー麺&メモを忍ばせた母。
バイトで溜めた金をまず姉へのプレゼントに費やした、なでしこ。
なでしこが心配で、しまりん同様、こっそり様子を見守りに行ってしまう姉。
しまりんのバイク装備に不備があると、夜の甲府まで調達に行く祖父etc……。{/netabare}

旅に、心の浄化だの、自分探しだの、過度な依存をしない。
良い旅をする人間は、普段の日常も清らかである。
予定は柔軟でも構わないが、延々とあてのない旅より、帰る場所がキチンと温まっている旅。
旅が終わる寂しさと、帰って来た安心感の絶妙なブレンド。
いってらっしゃいも、ただいま&おかえりも心に染みる見事な構成。

それらを、間を重視した脚本により、視聴者がマイペースで受け取れる空気感も熟成。
9話の{netabare}しまりんと祖父のツーリング。{/netabare}
固い絆で結ばれた心情を表現するのに、もはや言葉は要らないのか。


【作画 4.0点】
背景美術は相変わらず富士が貫禄を見せるが、
終盤の伊豆キャンでは、富士に頼らず、多彩なジオスポットで地域の魅力を再発掘。
伊豆キャンのラストで{netabare}やっと富士を拝めたと思ったら、
富士を褒めたら呪われる?大室山の山頂だったりw{/netabare}

“飯テロ”も引き続き快調♪
{netabare}うなぎ美味し浜松~♪しぐれ美味し富士宮~♪
や伊勢エビなどの王者の食材もそそりましたが、
私は、なでしこの野菜丸ごとホイル包み焼きが垂涎ものでした。{/netabare}

その飯テロにほっぺたを落される、なでしこ他、
人物作画も顔芸含めて、ユルく安定。
と言うより、私も、{netabare}なでしこのほっぺたビロ~ンと引っ張ってみたいですw{/netabare}


【キャラ 4.5点】
鳥羽先生の日産・ラフェスタに併走する、しまりんのヤマハ・ビーノが象徴する、
単独行動も是認する縛りのユル~い人物相関図。


鳥羽先生は相変わらず酒に呑まれていますがw
{netabare}意外なメンバー構成となった山中湖キャンプでは、
顧問として生徒を心配し叱責する{/netabare}
大人の責任も見せ、緩みかけた視聴者に
冬キャンプの厳しさも注意喚起してくれました。
ま、その後、結局、飯田さんと飲んでましたがw

その飯田さんには終盤でも再会し、お世話に。
旅の出会いが繋ぐ人情の温かさ。


“イヌ子”こと犬山あおいのホラ吹きもアヒィィィー♪と舌好調w
“イヌイヌイヌ子さん”がしばしばCパートを侵略w
流石に{netabare}昔、富山に富士山があったから富山{/netabare}じゃ、なでしこすら騙せませんw
後半では、あかりとの姉妹コンビも頻出し、関西弁とホラ吹き顔が共鳴w


【声優 4.0点】
大塚 明夫さんのナレーションが『ゆるキャン△』の帰還を告げた2期。
兼任する、しまりんの祖父役でも、引き続き寡黙で渋い好演で魅せ、
理想的な年の重ね方の一例を示す。

土岐綾乃役の黒沢 ともよさん。
お馴染みの気だるげなボイスに、やや大人びた、ゆるいギャル成分を付加して、
浜松から身延に引っ越して来る前の、なでしこの過去を暴露。

また本作に限ったことでもありませんが、
コロナ禍で、一度にスタジオに入る人数が制限される中でも、
野クルの掛け合い等を違和感なく成立させる声優さんは流石です。


【音楽 4.0点】
劇伴は立山 秋航氏の続投。

フィルムスコアリング(場面に合わせて作曲)の方がやり易いと
1期の使い回しより、サントラ2枚組分量産した新曲を中心とした攻めの姿勢。
伊豆キャン用にはアンデスの民族音楽・フォルクローレを取り入れる等、開拓精神も旺盛。
「次のキャンプはどうしよっか?」や、
フォルクローレを構成する縦笛・ケーナの音色が味わい深い「歴史ある半島」
辺りは、今後も旅番組等で多用されそうな逸材。

登場人物に焦点を当てた楽曲も増加傾向。
私のお気に入りは{netabare}「なでしこ」が流れたシーン。
初給与を前にウキウキと充実する日常にマッチ。{/netabare}


OPは亜咲花さんが「Seize The Day」で通算4作目のシリーズ楽曲提供。
昨年『へやキャン△』放送後の声帯ポリープ除去手術の影響を感じさせない。
むしろ、より軽快なボーカルで夢が広がる♪


EDも佐々木恵梨さんが「はるのとなり」で透明度の高いボーカルにより
1期からの癒やしの流れを継続。
“お家に帰ろう”“「ただいま」ゆっくりおやすみ”などの優秀な帰宅ソングが、
春も近付く終盤になるにつれ効いて来る。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 48
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