相棒で戦いなアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の相棒で戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の相棒で戦いなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.9 1 相棒で戦いなアニメランキング1位
魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st(アニメ映画)

2010年1月23日
★★★★★ 4.2 (471)
2802人が棚に入れました
自称・平凡な小学3年生高町なのはは言葉を話すフェレットが負傷し倒れているところを発見、保護する。フェレットの正体は異世界ミッドチルダからやってきた少年ユーノ・スクライアだった。\n 彼がこの世界に来た理由。それは彼が発掘したロストロギア(異世界に存在した高度な魔法技術の遺産)「ジュエルシード」が散らばってしまったためであった。成り行きから事情を知ったなのはは、ユーノと共にジュエルシードを集め、封印することを決意した。

声優・キャラクター
田村ゆかり、水樹奈々、水橋かおり、桑谷夏子、高橋美佳子、五十嵐麗、浅野真澄、松岡由貴、久川綾
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

“魔砲少女”再点火!!

3期終了で主要キャラが“少女”から卒業していき、
『なのは』シリーズの勢いが下降気味の中、
TVアニメ1期のリメイク劇場版として公開され、
新規ファンの開拓にも成功した、シリーズ中興の祖。

なのはVSフェイトのシナリオを軸に、名場面を劇場版クオリティに再構築した堅実さ。
それに加えドラマCD『~サウンドステージ02』等で
メディアミックス展開された良エピソードからも、
フェイトや事件の容疑者側の心情を描く要素をチョイスし映像化。
マニア心をくすぐる“恩返し”要素もあって、当時『なのは』熱がやや冷めていた、
例えば私のようなファンのハートが再燃するのに十二分な良作でした。


派手な劇場版によりTVアニメ版が無価値化したかと言えばそうでもなく、
例えば主人公なのはと周りの人々を深く掘り下げたTVアニメ1期。
ライバル・フェイトとその関係者を深く掘り下げた本劇場版。
といった感じですみ分けができています。

よって、もし本作から『なのは』シリーズに入った方がいたら、
そこからTVアニメ版を見ると、
なのはの家庭環境や生い立ちの一端などを垣間見ることができ、
なのはがあの娘に想いを重ねた心理がより理解できると思います。


本作ではTVアニメ版2期や3期で追加された魔法、SF要素等で、
再定義された1期の設定を確認できる点も旧来のファンには楽しみなポイント。
なのはさんの変身……なんかメカっぽいですw


より厚みの増した設定により現象に説得力を持たせようとする試み。
その探求心はさらに、ある意味『なのは』最大の謎……
自称“ごくごく普通の小学生三年生”高町なのはが、
突如としてAAAクラスに匹敵する“魔砲少女”として覚醒した、
超常現象についても解明を試みていきます。

が、なのはさんの卓越した主人公力については、
具体的に説明しようとしたことで、一層その規格外の凄さが際立った印象w


一応……{netabare}なのはが授業中もレイジングハートと空中魔法戦闘における
“知恵と戦術”についてイメージトレーニングしていた。
バインド技についても実地経験で教唆されていた。
等の追加描写により、小三女子が全力全開の大砲撃に至った
道筋が明示されているわけですが……。

でも結局これって要するに、魔法教育が確立されたミッドチルダで、
特筆すべき魔法素質を持つエリートがジムや訓練施設に通い詰め、
何年もかけて鍛錬しても開花させられるかどうか分らないレベルの魔法を、
“幼女”が相棒デバイスと一緒に数ヶ月足らずで練り上げた野良プレイで体得した。
ってことですよねw(苦笑){/netabare}

なのはさん……やっぱ無茶苦茶だわwこの人(笑)


今年七月公開予定の劇場版3rdとの関係で私が1期&本作で注目しているのは……

{netabare} 9歳児・高町なのはが早くも考え始めた!(驚)将来の進路について。

この立志の願望を受けてTVアニメ2期では、
なのはたちが将来進む方向性は示されましたが、
そこからTVアニメ3期で具体化するまでの過程は、
これまであまり語られて来なかった感じ。

この辺りが2期と3期の間に起こるであろう3rdの事件を通じて、
どう描かれるかが私が劇場版3rdに期待する点です。{/netabare}


そう言えば、劇場版3rd公開に先立ち、
今度5月20日~2週間本作が、次いで2週間劇場版2ndが、
4DXリバイバル上映されますね♪

砲撃による座席の振動が凄そうなw素敵な企画♪
連発で喰らうのは流石にしんどいw……というわけでもありませんが、
私は2nd4DX上映の方に観に行けたら挑んでみようと、
首を回して衝撃に備える今日この頃ですw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なのはの原点。魔法少女としての出会いと戦いは、ここから始まった。

なのはシリーズ劇場版第一作目。

テレビシリーズ1期をベースに作られた、総集編です。

が、テレビシリーズとはやや違うところもあったりするので、
“新しく作り直された1期”と言う方が近いかな。

ちなみになのはシリーズは4期の「なのはvivid」まで視聴済み。
1期と2期が好きでした。

1期を見てからだいぶ時間が経って内容はほぼ覚えていなかったので、
久しぶりに見て「やっぱり1期は面白かったなー。」と思いました^^

初めてなのはシリーズを見る人にも分かりやすくなっているので、
新規の方にもそうでない方にも、おすすめできます。

130分ほどの作品です。


● ストーリー
高町なのは(たかまち なのは)・小学3年生。

不思議な夢を見た次の日、
声に導かれて出会ったのは、傷を負ったフェレット。

ユーノという名の彼は“ジュエルシード”を集めるため、
異世界からやって来た魔導士だった。

彼に協力を求められ、
ジュエルシード集めを手伝うことになったなのは。

魔法の力を高めながらジュエルシードを集めるなのはの前に、
同じくジュエルシードを集める金髪の少女が現れる。

彼女の名は、フェイト・テスタロッサ。

フェイトの目的がわからぬまま衝突することに、
戸惑うなのは。


ストーリーの大きな流れは、
1期と同じです。

ジュエルシード集めに関するシーンは
あっさりしていたような。

その代わり、1期で重要なフェイトやその母に関する描写には
しっかりと時間がかけられていたように思いました。

劇場版という短い尺の中での構成がよく考えられていて、
個人的には満足でした♪


● キャラクター
なのはシリーズの魅力は、
キャラと設定にあると思っています。

主人公なのはは、
自称平凡な小学生。

3年生とは全く思えないほどしっかりしているけれど、
そこは私立に通っているお嬢様だからということにしておこう。笑

明るく元気、そして前向きなツインテールなのはに、
きっと多くの大人が(*´Д`)ハァハァしていたのだろうな…。笑


そんななのはの前に現れ、対立する形で立ちふさがるのが、
金髪ツインテールの少女・フェイト。

圧倒的な強さを持ち、
目的も名も明かさない。

敵であり、ライバルであるはずのフェイトですが、
このフェイトには辛い事情があるのが、1期のポイント。

それぞれの願いのため「ジュエルシードを集める」という目的は譲れず、
避けられない二人の争い。

ただのライバルとして争うのではなく、

なのははフェイトと友達になりたくて、
フェイトは辛い事情を抱えながら。

フェイトのドラマに切なくなりながら、
なのはのまっすぐな心に救われる。

どちらの立場のキャラも好きになれるのが
初期のなのはシリーズのいいところですね。


● 音楽
【 主題歌「PHANTOM MINDS」/ 水樹奈々(作中ではフェイト役) 】

なのはシリーズと言えば、
水樹奈々さんの主題歌ですね♪

今回もかっこよくて安定感があります♪


● まとめ
最近のなのはシリーズには
「何か違う…」という物足りなさを感じていたのですが、

この劇場版は楽しめました♪
作画もきれいになっています。

なのはシリーズが好きな方や、まだ観てないけど気になる方に
おすすめできる作品だと思いました^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

初見さんでも見ごたえ十分(80点)

劇場版 130分
TV版なのは1期総集編。

個人的満足点:80点
アニメ系統:魔法少女シリアス調

アニオタご用達なのはシリーズ1期の総集編映画となる作品。
TV版のころから人気があるのは知っていたのだけれども
なかなか見る機会が無く現在に至った。
そして、今更ながらに映画版から視聴してみたのだけれども、なかなか良かった。

TV版は13話あるので気合をいれて視聴しないといけないが
映画総集編ということで2時間ちょいで見れるのが幸いした。

当然、映画ということで日常シーンなどかなり省かれてはいるのは想像できる。
それでも、話が分からなくなるような省き方はされていない。
初見さんでも話しに入っていけるように重要であろうシーンは
収まっていたのではないだろうか。

特に私のようにぐいぐい押して欲しい派には問題ないかと思う。
展開は急ではあるものの、ついていけないような展開ではない。
脳内想像で十分補完できるレベル。
そして、後半のフェイトがらみがなかなかうまく描かれていたように思う。

私は友情ものには弱いので、こういった話は好みであるし
最後の方は涙腺がやばかった。
さすがに泣くところまではいかなかったのではあるが
これは物語の展開が早いので感情移入の度合いが低いためかもしれない。
それでも、これを見てTV版にも興味が出てきたのは間違いない。

作画などは申し分ないレベル。
映画なので当然ではあるが、やはりキャラの表情などは秀逸。
戦闘シーンもばりばり動いていた。
変身シーンもかなり格好いい。

細かい内容などはTV版で語るべきところだろうと思うため
映画版としてこの辺りにしておきたい。

2期の総集編映画も7月あるようなのでそちらも楽しみになってきた。

兎に角、TV版の視聴はちょっと辛いという方には
まず、こちらを試していただくのがいいのではないかと思う。
それで気に入ればTV版で細かいところを追うのがいいのかもしれない。


と、まあTV版も見ていないのに一応書いてみたのだけれども
つまり、何が言いたいかというと

TV版今から観てみるわw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

67.2 2 相棒で戦いなアニメランキング2位
マルドゥック・スクランブル 圧縮(アニメ映画)

2010年11月6日
★★★★☆ 3.8 (335)
1804人が棚に入れました
 『天地明察』で2010年本屋大賞に輝いた人気作家・冲方丁の出世作にして2003年日本SF大賞受賞の傑作サイバーパンク小説『マルドゥック・スクランブル』を、原作者自らの脚本でアニメ化する全3部作の映画プロジェクト、その第1弾。特殊な証人保護プログラムによって死の淵から甦った一人の少女娼婦が、不思議なネズミの捜査官と協力し、自分を亡き者にしようとした男の犯罪を暴くべく戦いを挑む姿を描く。声の出演は、ヒロインのバロット役に林原めぐみ、その相棒ウフコックに八嶋智人。マルドゥック市で生きる未成年娼婦、ルーン=バロット。働いていた店が摘発され、行き場を失った彼女は、カジノ経営をする資産家、シェルに拾われる。しかしその後シェルの非情な計画によって、彼女は車ごと爆破されてしまう。業火の中から辛うじて助け出されたバロット。彼女は、マルドゥック市の事件担当官ドクターとウフコックによって、特殊な強化繊維で再構成された人工皮膚を移植され一命を取り留める。これにより特別な能力も手に入れたバロットは、シェルの犯罪を追っていたドクターとウフコックの捜査に協力していくのだが…。

声優・キャラクター
林原めぐみ、八嶋智人、東地宏樹、中井和哉、磯部勉、田中正彦、若本規夫、かないみか、三宅健太、脇知弘
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

底辺少女が金のネズミと共に、生きる目的を獲得する再生のストーリー

 原作は文庫本の新・旧版・単行本すべて読んでいます。大今良時さんのコミック版も読んでいます。円盤も購入済み。日本のSFで3本の指に入るくらい好きな作品です。

 配信版確認しましたが、アダルトなシーンが全カットでしたね。これではヒロイン、ルーンバロットのどん底からの再生物語が描けるわけがないです。できればノーカット版であるいは原作を読んだ方がいいと思います。


「圧縮」のあらすじの説明です。まあ、高校の技術等で習うと思いますが、「圧縮」「燃焼」「排気」はエンジンの4ストロークのサイクルになります。つまり第1部の事ですね。

 サイバーパンク的な都市が舞台ですが、イメージとしてはソドムでしょう。「バットマン」のゴッサムシティのような爛熟退廃した都市です。
 この都市では、スクランブル09という非合法な肉体改造に関する戦争テクノロジーが、有用性を示す限りにおいて認められます。

 さて、ヒロインは12歳の時から父親に常習的に犯されていて、兄が父に発砲し刑務所へ。ヒロインも手をかけていますが、兄がすべて引き受けたのでしょう。
 ヒロインは少女売春婦・少女ポルノのスターでもあります。警察のガサ入れで留置されていたところを、シェルというカジノの大幹部に愛人として拾われます。

 ヒロインはシェルの秘密を知ろうといして、殺されかけます。そこを救ったのが、ドクターとウフコックという金色のネズミです。ヒロインはスクランブル09の技術で死にかけていたところを何とか救われます。

 治療中のバロットの潜在意識に生存の選択をさせた上で、バロットのスクランブル09使用の根拠とするため、バロットの生存をかけた裁判が始まります。生命保全プログラムです。

 バロットは生きたいという潜在意識と裏腹に、自分を否定しています。この葛藤が前向きに生きる気持ちの阻害要因になっている感じです。この過程でウフコックはバロットに生きるための教育をして行きます。

{netabare} 信頼を結べたかに見えた2人ですが、バロットは想像を超える強大な力を手に入れ、自分の力に酔いしれてしまいます。そして、少女は自分が男たちに犯され続けた過去への復讐を、戦いに重ねてしまい男たちへの攻撃を楽しんでしまいます。
 その結果、パートナーであるウフコックを道具として濫用してしまい、危うく壊しかけてしまいます。{/netabare}


テーマ性です。

 少女が主人公なのはなぜか?それは都市において「もっとも弱いもの」だからでしょう(もちろんその方が見栄えがいいのももあるでしょうけど)。性的に消費され続け、自らそういう生き方を選択した結果、生きる理由を失い、愛情とは何かが分からなくなってゆきます。

 少女の性的な虐待と売春の描写はそれが生きるための手段です。バロットの他人に知られたくないという気持ちからそれを恥じていることが分かります。自分の過去の否定=自分の存在の否定になって、自分の存在が分からなくなっている感じです。ピッタリしたタイトな服を好むのは孤独感などの不安な精神状態を表しています。

 結果、生きたい・死にたいのアンビバレントな精神状態に陥ってしまいます。そして少女は生きる目的として、他人の愛情を欲します。ですが、本来的な愛情が理解できていません。だから父親の虐待を愛情として受け入れたし、シェルにすがったし、ウフコックに依存します。

 そこまでグロテスクにする必要があるか?という残酷描写もありますが、底知れない都市の欲望と残虐性のアナロジーになっています。ヒロインの生存の根拠ための戦いです。

 ヒロインは声を失っています。これは自分の本音を語ることができないアナロジーだと思います。ウフコックを使って話せるようになるという含意が読み取れます。

 作品全体は「狂った都市」つまり現代の東京・日本・資本主義的な欲望の中の狂気と、どん底を見た=聖性を得た少女の戦いということでしょう。つまり、過去ではなくどうやって前に進むのかという話です。
 
 また、戦争が生み出した、技術の非人間性も表しています。

 いくらでも語ることがある作品ですが、これくらいにしておきます。


 アニメ作品としてですが、ヒロインのデザインも声優も素晴らしいです。特にヒロインの身体が非常に華奢で壊れそうに描かれているのがいいです。それが「壊れそうな」少女を表現しています。

 EDのアベマリアですが、故本田美奈子さんの歌声がいいですが、本作の象徴するのは、ヒロインが、マグダラのマリアのように…娼婦という穢れの中で聖性を帯びる存在だということです。バロットの象徴として非常に良く作品と合っていました。


 恐らくは欠点は、この重厚な物語に対してちょっと説明不足なこと。アニメとして楽しむ分には上で書いた事は読み取れますが、サブスク等で1度しか見ていなければ、アニメとしては理解が追い付かない可能性もあるでしょう。

 予算または技術的な関係か作画が物足りないこと(高水準ですが、今の最新技術と比べるとちょっと見劣りする)。

 ということで点数は4.6ですが、主観では230点/100点くらいです。あまりに好きすぎて冷静になれません。


 以前2021/05/03に書いたレビューを全面的に更改しています。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

Jacks さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

本能に目覚めろ

その女性はある理由を探し求めて生きていた。利用され騙されながらも。裏社会は常に彼女を含む罪なき人々を支配する。
麻薬密売、娼婦、カジノ。そして科学技術。その上、様々な殺し屋達が蔓延している。苦痛で満たされているのだ。
罪悪感と罪の意識は等しい概念。時々戦士達はそれらに悩まされながら悪と闘う。その光景は表裏一体だ。ただ樹木という名の材料として燃え上がるだけ。
人々が彼らの心理を読み解くのは疑いようもない事。その答えは簡単だ。暗号化された人類だから。他に何がある?
そしてまた、一つの新世界が誕生する。未来を担うあの女性は躍進していく。真の悪との闘いの幕開けだ。彼女の名は...ルーン=バロット。

マルドゥック・スクランブル三部作は独特なサイバーパンクアニメ映画です。圧縮(The First Compression)は文字通り第一章。つまり導入部を意味します。
主人公は上記の通りルーン=バロットです。彼女は多くの敵に翻弄されながらも、立ち向かっていきます。これが基本的なストーリーの流れです。
設定とキャラがとても精密で、話に大きく関わります。この三部作は比較的大人向けです。本作に限れば無数の性的描写と血まみれバイオレンスがありますから。続編では緩和されています。
同時に、本作は人間の価値観について色々と考えさせられる部分もあります。バロットの存在理由は?なぜ人類は進化し続ける?良い意味で疑問が尽きません。
一見、本作は説明台詞のおかげで難解ですが、実は違います。伏線とメタファーの塊なのです。原作者である冲方丁さんは話の組み立て方を理解しています。SFの知識が豊富ですから。
特筆すべき点は銃の重要性ですね。本作の中ではただの凶器ではありません。本作での銃は命の必然性を表しています。殺るか殺られるかではなく、問うか問われるかです。
それを念頭に置けば、ますます本作を楽しめるでしょう。銃は確かに人を殺します。しかし、それ以上に命の大切さに該当します。この三部作はありきたりな作風ではないのです。

世界観と作画が素敵です。僕はこの頃のGoHandsの手腕を既に認めています。かなり印象的です。美しいとも言えますね。
キャラに関してはすごく良いと思います。バロットがセクシーすぎです。ウフコックとドクター・イースターも良い味出しています。
シェル・セプティノスの一つ一つの台詞が意味深ですね。ディムズデイル・ボイルドの哲学も興味をそそります。
戦闘シーンはとてもカッコいいです。エフェクトも派手で、スプラッターです。バロットとウフコックがナイスコンビネーション。
声優陣の演技も洋画の吹き替えみたいで素晴らしいです。特にバロット役の林原めぐみさんは見事。バロットのあらゆる感情表現を巧みに演じ分けています。さすがですね。

本作は序章のため、ストーリーは未完結です。なので、続編を観る必要があります。肝心の続編ですが、個人的に面白さが少し半減しています。それでも十分見応えがあります。
燃焼(The Second Combustion)は心理戦が主なテーマで、排気(The Third Exhaust)は黒幕との決着が描かれています。それまで辛抱が必要ですね。

正直に言うと、本作だけに限れば目新しさはそこまでありません。ですが、もう一度言うように面白いです。この三部作がテレビシリーズかOVAだったらどうなっていたのでしょう?
僕個人の意見としては映画化で良かったと思います。それぞれ良さがありますからね。本作が気に入れば、続編も好きになるはずです。
ちなみに僕は3年前に全三部作を観ました。久々に近未来的要素を体感できました。この作品に出逢えて本当に良かったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

面白いけど圧倒的に尺が足りてない。 全部見終わった感想です。

特殊な科学技術によって死の淵から甦った娼婦の少女が、不思議なネズミの
捜査官と共に、自分を亡き者にしようとした男の犯罪を追うってお話。

『圧縮』『燃焼』『排気』の全三部作で構成されている物語です。


まず最初に、この作品は全体的に暗めで内容的に重い部分も多いですし、
残虐な殺人行為や性的虐待など、暴力的でエログロな描写なども
結構あるので苦手な人は注意が必要です。



では、注意書きもしたのでココから感想w


かなり見るヒトを選ぶだろうなって作品ですが、なかなか面白かったです。

作品の持つ独特な世界観や雰囲気、綺麗な映像、スピード感あるアクションなど、
惹かれる要素の多い作品でしたが、この作品の一番はやっぱり映像ですね!!

立ち並ぶビルや光を帯びた道路など近未来の街並、楽園での草木や水などの自然風景、
色鮮やかなカジノでの背景などなど、映像だけでも十分引き込まれる位の魅力が
ありました。 特に「楽園」での光と水の描写はすごくキレイ!!

それに、この作品の見所の一つだと思う 戦闘でのアクションシーンなども
とても綺麗で良かったです!!


ただ、かなり自分好みの作品ではあったのですが、ストーリー自体が
面白かったかと言えば、それはまた別の話で...


大筋のストーリーは良いのだけど、展開が速くて元々わかりづらい内容な上に、
描写不足、説明不足が加わって更にわかりにくなってます。
やはり世界観や設定、バロットやボイルドの能力、心理描写などの
説明不足は大きいですね。

それに、人物描写はもっと欲しかった... 一番描かれていたバロットにしても、
それでも足りないって思うし、せっかく魅力的なキャラがいるんだから
もっと掘り下げあっても良かったと思う。
まぁバロットの心情、不安定さや心の弱さなどを、言葉だけじゃなくて
目線の動きや仕草などでも表現してるのは上手いと思うんだけど、
やっぱり足りてない...

あと、ラストは少しあっさりしすぎだったかな... それに加えて最終決戦のBGMが...
BGMがヒドかった。 なんで最後だけ... それ以外は良かったのに...


そんな感じで、ストーリー自体に対しては 物足りなさを結構感じますね。
原因は確実に尺の問題なんだろうけど...


でもまぁ、一部では華麗なアクション、二部では楽園での映像美、三部ではカジノでの
緊張感ある心理戦など、それぞれ見所もあって良かったと思うので、
一概によくなかったとも言えないんですよねw

そう、悪くは無いんですよね、なんとも惜しい作品なんです!!


自分としては、残念だった部分を含んでも、差し引きで「見て良かった」って思えますが、
好みがかなり出ると思うので、人にはあまりオススメは出来ないかな。

ただ、この映画って原作読んだ後に見ると かなり面白いんじゃないかなって
思ったりします。 自分はすごく原作読んで見たくなりましたしねw

というか、おそらく読むと思いますww

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29

69.7 3 相棒で戦いなアニメランキング3位
グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー(アニメ映画)

2020年11月27日
★★★★☆ 3.7 (45)
262人が棚に入れました
トーカ(獅子ヶ谷桐花)は、SORDメンバーたちと共に海外合同合宿に参加するも、その予定は変更され、脱走者・グミ(九真城恵)を追う作戦に参加することとなる。
任務に際しトーカは、両親との記憶や、昔の友人・シホとの果たされることのなかった約束と邂逅し、グミの境遇に想いを馳せる。それぞれが交差する中、トーカの導き出した答えとは――?

声優・キャラクター
佐倉綾音、三森すずこ、内田真礼、南條愛乃、名塚佳織、種﨑敦美、井澤美香子、代永翼、長妻樹里、小見川千明、依田菜津、友永朱音

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『ビルマの竪琴』の美少女アニメ版が完成したと聞いて!!!「みもり~ん、一緒に日本に帰ろう~」途中から『コマンドー』か『エクスペンタブルズ』になってるとか言いっこなしよ?

エロゲでお馴染みの『グリザイア』シリーズの全年齢版、かつ現在進行形で展開中の『グリザイア:ファントムトリガー』のvol.3をアニメ化した61分の映画です
↓ちなみに2019年にvol.1とvol.2をアニメ化したのが前作になります↓
https://www.anikore.jp/review/1907909/
過去のシリーズとの接点は希薄で、さらには前作のダイジェストも劇場では流れますのでイキナリ今作から観始めても良いと思います


美浜学園に通う生徒達は皆ワケあり
国家諜報機関の汚れ仕事を担うSORD(ソード)と呼ばれる殺し屋として育成されている
前回の事件を機に新たにSORDとなったマキを加えた美浜学園は修学旅行…という体裁でフィリピンのジャングルで山岳訓練を控えていた
しかし合同で訓練を行うはずだった聖エール外国人学校から脱柵兵の捜索依頼をされる事に
脱柵兵の名は九真城 恵(クマシロメグミ)通称グミ
実は以前の作戦中、現地で捨て兵にされてしまい、復讐心を燃やして敵を1人で壊滅し、ゆくゆくは自分を捨てた上司を殺害するのでは?と恐れられているスナイパーだった
グミと一緒に捨て兵にされ戦死したのが、かつての自分のパートナーだと知った美浜のスナイパー、トーカ
トーカは同じスナイパーであるグミの暴走を止めるべく作戦に参加するが、その内心では複雑な想いをめぐらせるのだった…


前作に引き続き、ハイクオリティな美少女ガンアクションが炸裂するGun&Girlsアニメです
単純に女の子が銃をぶっ放すアニメが好きな人は観て損は無いでしょう


前作の助監督であった村山公輔が新たに監督デビュー
脚本はあおしまたかし
もちろんキャラデ総作監は渡辺明夫、ですが前作と違いパート作監は複数に分担でされてます
それでも相変わらず作画クオリティは超高水準で安心しました
作画が良い、という言葉は今作の為にあるとすら感じます


物語はグミの姿に自分の過去を重ねていくトーカ、
孤独な戦いを続けようとする古風な軍人気質のグミ、
そしてSORD達のあまりの非日常的日常風景に翻弄される有坂先生ェ…
という3つが並行して進む群像劇になっています
さらにグミと同じ聖エールの生徒達も作戦に加わり、登場人物は一気に増えていくのが群像劇スキーには堪りません
特に新キャラの1人、ベルベットちゃんに小見川千明というキャスティングが憎いですねw
彼女達のシュワルツェネッガーかスタローンかって活躍にも注目です


グミに帰投を願う仲間達からグミの無線へ「一緒に日本へ帰ろう」という言葉が掛られるのは『ビルマの竪琴』を彷彿とさせます
グミがハルトと逢って初めて発した台詞も横井庄一さんから発せられられた流行語が元ネタでしょう
これを小見川千明や三森すずこに言わせたのが面白過ぎますw
次の『ガルパン最終章第3話』でも同じことをやるんじゃないか?とけみかけは踏んでますがさてどうでしょう?


そして『グリザイアPT』において最も重要視されてるテーマである生きる事、即ち食べる事、が今作でも健在です
61分の中でこんだけ飯テロを仕掛けてくる映画はグルメモノでもそうそう無いでしょう
下手にお腹が空いてる時に観ると辛いかもしれませんw


今作ではトーカが掘り下げられたので、このままクリスやムラサキのエピソードも是非このクオリティでアニメ化をして欲しいものです!
それでは、バイポッドになりたいっ!けみかけなのでした~

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

カエル、二羽鶏、牛丼

 前作「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION」から一年以上たった今回、新しい仲間ができた続きとなるです。初めて見る人にも、何となくわかるような簡単な解説があるです。

 今回は、美浜学園の生徒トーカを中心に過去に振り返えつつ、グミという少女の過去と現在と対峙決着という展開、何やら濃い内容のようなお話だったです。前回出でてきた生徒は、脇役みたいなかんじになったです。

 トーカ自信と家族を物語る過去と、復讐を背負ったグミとの対比が描かれているです。
 トーカと出会ったグミが、最後どういう反応をするのか?このお話の結末を左右するです。この上ない宿命のようなこの二人の過去は、一人の人物を知る共通点と、運命においてやや深いものがあったです。互いを知った時どうなるのか?、「過去を打ち抜く!」とは何なのか?お話として、前作より面白みがあったと思ったです。

{netabare} 別に印象に残ったのは、任務において出てきた修道服の女の子たちが、言葉遣い、行動、性格においてのギャップも見所だったです。
 でてきた太ったおっさん?が、どこか存在感を示していたのも・・・です。{/netabare}

 戦闘においてやや順調で、少し思わぬことが起こりながらも、淡々と遂行されてしまうトーカが、デューク東郷とも一味違う狙撃で、一度狙われたら相手もおしまいというのを現したある意味での凄まじさを感じたです。

 結局、スターゲイザーというのが、良くわからなかったです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

やまげん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

かなり良かった

今回はトーカがメインの物語。

ストーリーも良かったし、戦闘シーンは作画もバトルの展開も良かった。

グリザイアシリーズの中でも屈指の出来なのではないか。

この調子で続編を制作して欲しい

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0
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