約束で中学生なアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の約束で中学生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月09日の時点で一番の約束で中学生なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

64.2 1 約束で中学生なアニメランキング1位
カラフル-Colorful(アニメ映画)

2010年8月21日
★★★★☆ 3.5 (412)
1773人が棚に入れました
死んだはずの“ぼく”は、プラプラという天使らしき少年から“おめでとうございます。あなたは抽選に当たりました”と話しかけられる。大きな過ちを犯して死んだ魂のため輪廻のサイクルから外れてしまうはずだったが、再挑戦のチャンスが与えられたというのだ。そして、自殺したばかりの中学生“小林真”の体を借りて、自分の犯した罪を思い出すため下界で修行することに。ところが、父は偽善者で、母は不倫中、そして自分をバカにする兄とは絶縁状態という最悪の家庭環境。おまけに学校でも、友だちがひとりもいない上に、秘かに想いを寄せる後輩ひろかが援助交際をしていた事実を知ってしまうなど、まるで救いのない日々だった。そんな中、真の体に収まった“ぼく”は、真っぽくない振る舞いで周囲を困惑させてしまうのだが…。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

簡単そうで実は難しいこと

金木犀の花が満開の日から散っていくまでの短い間、
死んだはずの少年が、中学生の小林真としてもう一度命を与えられ
日々の生活の中で修行をし、あることに気づけるか否かで
生まれ変われることができる、と天使から言い渡されるところから
展開していく物語。

小林真という少年を生きる、そんな修行期間を与えられた彼。
天使から言い渡されたその本当の目的は何なのか?
以前の記憶はないので、戸惑いながらも「小林真」という人間をみつめ、
彼を取り巻く家族やクラスメイトをみつめなおし、
そして一番、気づかなくちゃならないことを見出していく。

ここでひとつ、大切なのは、甦る前の記憶がないという枷のおかげで
客観的に自分をみつめることができる点だと思う。

全体通して流れる、穏やかなピアノの旋律も綺麗だったし
いろんな色を持つ人間と言う生き物の、愚かさ滑稽さの中、
普段当たり前のように思っているさまざまなことへの
ありがたみについても、気づかされる作品だった。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 68
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

人生の追試

原恵一監督作品、サンライズ制作。
原作は森絵都のロングセラー。

前世で大きな過ちを犯し死んだ「ぼく」が、
罪深い魂の償いであるかのように、
自殺したばかりの少年「小林真」の体を借り、
もう1度下界へ戻され人生を再挑戦をする。
自殺した少年の日常を追体験し、
人生を違った角度から見直し始める。

平凡な少年の静かな日常と、
丁寧に書き込まれた美しい街並み。
{netabare}その背景には家庭内の不和や学校でのいじめ、
密かに想いを寄せる少女の援助交際と、
前半は陰鬱とした展開が淡々と描かれます。
少年には絵を描くことだけが救いだったのですが、
未完成の絵を残したまま死を選ぶのです。{/netabare}

小林真の中に入った「ぼく」は、
彼の世界を知り、息苦しい日常を知るにつれ、
青臭くも反発しながら人生の意義を見つけていく。
これは小さな現代版ファウストでしょうか。

生きるということはたくさんの人に支えられ、
知らないうちにたくさんの人の支えになっている。
見方を変えれば世界はこんなにも色で溢れている。

世界を肯定するまでの繊細な物語です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 47

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人生とは普通である。

人間の記憶って怖いものですね。
この作品は2年ぶり2回目の視聴ですが、ラストの記憶が完全に欠落してました。
それだけラストの印象が普通だったと言うことでしょうか。

内容は、何らかの理由で死んだ人間が、少年として人生の追試を受ける話です。
設定に強引さを感じますが、シナリオが巧みなため時間を忘れて視聴しました。

人生とはカラフル。
この訳を考えるうちに、生きる上でもっとも大事なことに気づく筈です。

最後に残念なお知らせです。
声優さんの演技がちょっと・・・普通すぎます。
人生とは普通といえば、それまでですが・・・。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 41

80.6 2 約束で中学生なアニメランキング2位
蛍火の杜へ(アニメ映画)

2011年9月17日
★★★★☆ 4.0 (1070)
5197人が棚に入れました
祖父の家へ遊びに来ていた6歳の少女・竹川蛍は、妖怪が住むという山神の森に迷い込み、人の姿をしたこの森に住む者・ギンと出会う。人に触れられると消えてしまうというギンに助けられ、森を出ることができた蛍は、それから毎年夏ごとにギンの元を訪れるようになる。

声優・キャラクター
内山昂輝、佐倉綾音
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋は儚い人の夢

「夏目友人帳」の緑川ゆきが原作で、同作品のアニメスタッフによって作成された短編映画です。


恋は儚い人の夢。
蛍の様に光り、白銀の雪のように輝き、やがて……。


誰もが開始3分で「あっ……これは」と思うはず。
分かってるんですよ、分かってるのに30分後には泣いている私がいる。


蛍は裏表のない、明るくも利発な女の子。

ギンは雰囲気こそ神秘的なものがあります。
しかし、その行動は迷い、恋し、決断する、真っ直ぐな男。

ピュアなキャラによるピュアなラブストーリーです。


{netabare}気軽に触れられる{/netabare}男子生徒。
蛍から{netabare}のプレゼントのマフラーを身につける{/netabare}ギン。
二人が{netabare}会えない季節も{/netabare}どんどん距離が縮まっていく。
ちょっとしたシーンにも説得力がありますね。

夏のイメージが強い本作ですが、冬があるからこその夏。
それが夏の風物詩である「蛍」と冬のイメージがある「ギン」という名前に込められた意味なのかもしれません。


そしてラスト。
涙が止まらない。

{netabare}
お面越しのとてもとても美しいキス。
その後ギンは転びそうになった人間の男の子に触れてしまいます。

「来い、蛍。やっとお前に触れられる」

お面の向こうの蛍の顔はそれまでにないほどの笑顔でした。


……でもね、これは事故ではないんです。
何年も何十年もお祭りに参加しているギンが、うっかりミスをするとは思えない。

「何があっても、私に触らないでね」

この約束がある限り、ギンも蛍も直接お互いに触れることはできません。

そして、後の妖怪の言葉。

「ギンはやっと人に、触れたいと思ったんだね」

つまり、これはギンの意志だったわけです。

確固たる意志を持っていたわけではないのかもしれません。
しかし、ギンは、蛍との約束を破ることなく、罪悪感を残すこともせず願いを叶えたかった。

そのためにギンは事故を装い、{netabare}「人の手というチャンス」{/netabare}を掴んだのでしょう。
{/netabare}


わずか45分という短くシンプルなストーリー。
それでいながら洗練されていて、温かさ、切なさ、色んな感情が溢れてきます。

美しいお話で完成度が高く、今まで見たアニメ映画の中では一番。
本当に大好きな作品です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 140
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

出逢ったのが彼女で良かった

『夏目友人帳』でおなじみのスタッフでおくる50分ほどのアニメ映画で、
なんともせつない、だけど心にやさしくしみるお話。

主な登場人物を公式サイトから抜粋すると


〔ギン〕
山神の森に住むキツネの面をかぶった少年。

〔竹川 蛍〕
6歳の時 森で迷子になったところをギンに助けられて以来、
彼に懐き、毎年の夏 彼のもとへ通うことになる少女。


ある夏、妖怪たちが住むと言われている山神の森で迷子になった蛍。
泣いているところを助けてもらったのが、ギンとの出会い。

それ以来の毎夏 森で逢うことを重ね、強く惹かれ合っていくのだが、
人でも妖怪でもないというギンには
「人に触れると消失してしまう」という掟のようなものがあり、
互いに触れ合えないまま蛍だけが高校生へと成長し、
やがてふたりは・・・というお話。

触れ合えないという大きな枷があるせいで、
手を繋ぐことも、抱きしめることもままならない関係。
蛍がまだ幼さの残る少女だった頃は面白おかしく描かれるのだけれど、
中学、高校へと成長していく彼女の、彼への想い方や、
お互いの向き合い方の変化、そしてなんとも初々しい二人の逢瀬など、
丁寧にきめ細やかに描かれていくので、
観ているこちらはもどかしくも切ない想いに駆られる。

このお話は詳しく書いたら野暮なのであまり書けないが、
{netabare}
ギンの正体の真相というか素性に加え、
胸が苦しくなるような出来事が起きた後の妖怪たちの言葉に、
{/netabare}
「あぁ・・・そういうことだったのか」と
山神様がかけた術の本当の意味がわかり、
こらえていた涙がどっとあふれてしまった。

雰囲気的には、『夏目友人帳』1期の8話「儚い光」や
3期の4話「幼き日々に」に近いテーマを感じた。

せつないけれど、悲しいのとは違う温かさ。
妖怪たちや山神の純粋でやさしい想いと、ギンへの愛情。
それらは、観る前に想像していた以上のもので。

また、これは2回以上観るとすぐに気づけるのだが、
蛍の選んだ道がわかる部分にも、ほっとできて。
とても良い後味と、しっとりした余韻に、
エンドロールがなくなってもなお、みつめ続けてしまうほどだった。

満天の星がきらめく夜空や、緑深い森に流れる木漏れ日のようなピアノ曲や
少しとぼけた感じのオルガンのメロディーも、
ふんわりとしたこの作品の空気感を盛り上げてくれる。

現実的に考えれば、少女がたった一人で森に行くというだけで
事件が起きそうな不安がよぎるし、ましてやギンなんて不審者扱いを受けそうな
今の世の中なのに、なんて平和なんだろう・・と。
観ていると・・・のどかでゆったりしていた時代が恋しくなる。

そして個人的に、ずっとずっと大切にしておきたい愛すべき作品の1つです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 81
ネタバレ

cross さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

儚い恋の始まりから終わりを短い時間の中で纏め上げた感動作品【総合評価:77点】

2011年9月に放映された作品。

夏目友人帳の原作、緑川ゆきの短編をこれまた夏目友人帳のスタッフが作り上げた作品です。
夏目友人帳のスタッフが手掛けていますんで、雰囲気、絵、音楽、更には人間と妖怪の心の触れ合い、どれをとっても夏目友人帳を彷彿とさせます。

人に触れられると消えてしまうという妖怪のギン
祖父の家に遊びに来て、森の中でギンと出会った少女蛍。
とある夏の日に森に迷い込んだ蛍と森に住まうギン、二人の偶然の出会いから、徐々に恋へと移り変わる10年に渡る物語
祖父の家に訪れる夏の間の数日だけ会う約束をする二人。
子供から徐々に大人になるにつれ、ギンへの想いが強くなる蛍。
出会った時から、全く姿は変わらないもののギンも徐々に蛍に心を許していく。

触れさえしなければ、何時までもそこに居てくれるギン。
しかし、成長していく自分に対してギンはほとんど成長しない。
いずれ自分がギンの歳を追い越してしまうのか?
そんな不安を抱えながらも、はやく夏になって欲しい、ギンに早く会いに行きたい。
思春期を迎える蛍は、日々そんな風に考えるようになっていく。

蛍とギン、触れ合うことは出来ずとも心の距離を会う度に縮めていった二人の心情がとても丁寧に描かれています。
展開としては非常にシンプルで時間も50分と言う短い作品ですが、それでもラストでしっかりと感動できたのは、やはり二人の心情描写をしっかりと描けていたからでしょう。

{netabare}そして迎えるラストシーンではもう感動せずに入られませんね。
時を重ね、互いへの思いを深めていった二人が最後の最後に抱き合うシーン
消え行く中でも、今まで触れたくても触れる事が出来なかった蛍へと触れられる喜びに「やっとお前に触れらる」と顔をほころばすギン
そして、最後の最後にギンに触れ、残されてしまう蛍に、今まで蛍とギンを温かく見守って来ていた妖怪達の「ありがとう」と言う言葉にも感動でした。
何というか、本当にギンは幸せの中で消えていったんだなぁと感じさせられました。{/netabare}

予想に容易い展開ではありましたが、切なくも儚い展開には感動を抑え切れませんでした。
視聴後、非常に心温まるとても素晴らしい作品、夏目友人帳が好きな方なら、絶対に楽しめると思います。
終始、暖かく優しい展開、それでいて夏目友人帳以上に心情描写を丁寧に描いている様に思えます。
それ故にラストでの感動は、寧ろ、夏目友人帳を超える作品ではないかと思います。
是非とも一度視聴してみる事をオススメ致します。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 60
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