近未来で戦闘なTVアニメ動画ランキング 6

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の近未来で戦闘な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の近未来で戦闘なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

57.9 1 近未来で戦闘なアニメランキング1位
ガンスリンガー ストラトス(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (370)
2160人が棚に入れました
二十二世紀。かつて日本という国が存在した列島は、「第十七極東帝都管理区」と呼ばれていた。少しばかりの窮屈さと引き替えに、安楽な生活を保障された世界。明日が今日と同じであると誰もが信じる社会。しかし、その社会は人知れず大きな危機を迎えていた。「デグレイション」――生きた人間が砂のように崩れ消える奇病は、少しずつ、しかし着実に世界を侵食してゆく……。平凡な学生「風澄徹」は、もう一つの世界「フロンティアS(ストラトス)」との争いに巻き込まれる。それは、もう一人の自分との対決を意味していた。衝突する二つの未来。 交錯する少年たち。二つの世界に救いはあるか?

声優・キャラクター
阿部敦、金元寿子、西田雅一、沢城みゆき、植田佳奈、保志総一朗、小山力也、大原さやか、子安武人、小林由美子、藤田咲、秋元羊介、早見沙織、伊瀬茉莉也、大川透、水樹奈々

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

この設定は予想できませんでした・・・^^;

この作品の基はアーケードゲームだったようですね^^
私はゲームに疎いので、このゲームの存在を知りませんでしたが、虚淵玄さんが制作に関わっていること、綾野ましろさんがオープニングテーマを歌うことを知ったこと、そしてキャラデザも嫌いじゃ無かったのが視聴を決めた作品です。

この物語の世界には、同時並行で進む2つの異なる世界があり・・・それら2つの世界が互いに干渉し合った結果、「デグレイション」という生きた人間が砂のように消えてしまう現象が発生するようになっていました。

一方、同時並行で進む世界の干渉により、互いに行き来が出来るようになるのですが・・・
そこでもう一つの世界の人物とタイムキーパーの存在が明らかになり、破滅に向けた物語が動き始めるのです。

ゲームが原作と知って色々納得しました^^
この作品・・・やたらと銃でバンバン攻撃するシーンが多いんです^^;
そして・・・それは弾丸が当たっちゃうでしょ^^;
と思える場面でも登場人物は傷一つ無し・・・
と思ったら、大切なキャラは流れ弾に被弾するという両極端な展開・・・^^;
やたらと重そうな銃もひょいひょい扱っているし・・・
正にアニメの成せる技ですね^^

でも、ストーリーは嫌いじゃありませんでした^^
謎の少女からの救いの声・・・
触れそうで触れることのできない少女・・・
お互いが争うことによる代償・・・

そのような殺伐とした雰囲気の中、ヒロインである片桐鏡華(かたぎり きょうか)は主人公である風澄徹(かざすみ とおる)を一途に想い続けている・・・
個人的にこういう設定は大好物です^^

でも、真相が明るみになりつつある頃からの展開は早かったですね^^;
主人公があの考えに至った経緯は、もう少し丁寧な説明が欲しかったように思います。

それでも物語は進み・・・ある程度予想できたとても気持ちの良い結末を迎えるのですが・・・
私はこの作品に対してここからビックリしました^^;

それは、12.5話を視聴した時です。
私はテレビ録画が基本で、ネット(ニコニコチャンネル)はテレビ録画がうまくいかなかった時の保険として予約していますが、テレビがちゃんと録画されればネットの予約は削除していました。
どちらも撮っておくと直ぐにデータが一杯になってしまいますし、どちらも視聴する時間もありませんし・・・^^;
なので、この作品も最終的に撮り残したのはテレビ版のみです。

でも・・・まさかネット配信版とテレビ版で内容に違いがあるとは思いもよりませんでした(゚o゚;;
12.5話ではお互いを比較しているのですが・・・確かに違います。
最初はほんの些細な違いなのですが、その違いも積み重ねれば大きな違いとなるんです。
これって、1本の作品を作る工程にプラスして制作していた・・・ということになると思いますが、制作された関係者の皆さまには脱帽です^^;
この設定は予想できませんでした・・・^^;

できれば、どの様な形でも構わないので最初に知りたかったのが本音です^^;
今となっては見る術の無くなってしまったネット版・・・考えれば考えるほど残念で仕方ありません^^;

オープニングテーマは、綾野ましろさんの「vanilla sky」
エンディングテーマが、GARNiDELiAさんの「MIRAI」
挿入歌は、GARNiDELiAさんの「pledge」
ましろさんの曲の格好良さは鉄板です^^
個人的にはエンディングのMIRAIが心に染みたので毎回欠かさず見ていましたが、遠景の人物像がもう少し緻密に描いてあれば更に良いと思いました。
完走して振り返ってみると挿入歌だったGARNiDELiAさんの「pledge」の方が、私にとってより心に染み入る曲になったようです^^

1クール12話の作品でした。この作品の秘密を知るまで評価は普通でしたが、
12.5話を視聴して私の中で一気に評価が上がりました^^
もう一度ネット配信版が放送されることを願っています^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

karinchaco さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

挑戦的な作品?なんだこれ!でもOP・EDはよかったよ。

アーケードの格ゲーが原作のアニメ。

2015春アニメ最恐の地雷アニメ。最後まで設定が良くわからなかったです。原作ゲームをやっていればもう少し上手く世界観をとらえられたかもしれないですけどね。
格ゲーをアニメ化するっていうのはとても難しいですね。同キャラ同士別次元に存在していて、それを呼び出して同じ時間軸で戦わせるというアイディアはよかったものの格ゲーゆえの登場キャラクターの多さと相まって、事態は複雑怪奇になるばかり。
戦わないとそれぞれの世界が崩壊するとか、悪いのは{netabare}自分たちを同じ時間軸に呼び出して戦わせていた張本人{/netabare}だとか、面白くなるような要素もあっただけに、上手くまとめられなかったのはとても残念。

しかし、12話で最終回を迎えたはずなのにその後放送された12.5話に度肝を抜かされましたね。まさか、{netabare}放送版と配信版で内容が微妙に違っていたとは。しかも、それは最終話のみならず、途中の話でも行われていたということ。12.5話が放送されるまで気づきませんでしたねw。普通、熱心なファンがいれば少しはネットでも話題になるはずなのにそれもないというのは…w
まあ、制作側の意図が全く視聴者に伝わらなかったというのは皮肉としか言うことはできません。{/netabare}

挑戦的な試みをいくつも行うというのは立派なものですが、それが理解されないというのは悲しいことですね。しかし、制作側の独りよがりではそれも仕方がないことなのかもしれません。

ただ、OPとEDはそれぞれとてもよかったですよ。OPは綾野ましろさんが担当。テンポのよい小気味よいナンバーです。
EDはGARNiDELiAが担当。彼女たちにとっては珍しいバラード。常日頃からアップテンポな曲でデビューを飾ったアーティストが徐々にバラードにシフトすることを苦々しく思っていたのですが、そんな私の思いを撥ね飛ばすような心に響く曲でしたね。バラードもちょっといいなと思ってしまいましたよ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

2つの世界

ゲームが原作で近未来の日本が舞台。
2つの世界が同時進行しているパラレルワールドようなもので同じ人物が存在して世界を救う為に争うようになる。

この作品は実験的要素が多く含まれています。
まず、テレビ版とネット配信版で結末が違う事。
自分はテレビ派なので配信版は見ていないのですが、とても面白い事を考え付いたなぁという印象です。

最終話が終わって次の12.5話ではテレビ版と配信版の細かい違いがあったと説明されています。
小さな違いによって、その後のストーリー展開が違う。
見る側としても2つチェックしなければいけませんが、制作者側では同時進行で2つの世界を作っています。
相当、負担がかかっていると思うのですが、制作者側のこだわりなんでしょうね。

個人的にはバトル物があまり好きではないので正しい評価ができません。
作品自体が面白いかと聞かれたら疑問に思ってしまいます。
ただ実験的な要素が大きいので、その点は評価したいです。

実際にゲームをプレイしている人のほうが楽しめるのでしょうね。
ゲームのキャンペーンコードが画面に出てきます。
おそらくゲームをプレイするのに有利に展開する事ができるコードなのでしょうが自分はゲームをプレイしていないので、その点は関係ありませんでした。
アニメだけを見ている人が実際にゲームをプレイするかどうかは、その人の余暇時間がどのくらい残っているかどうかで決まるのでしょう。

それほど本作品が話題になっていないので、大量生産されているアニメの中に埋もれてしまっているのかもしれません。
ただし、同じ設定でも違う解釈ができるという挑戦的な試みは評価したいです。
バトル物が好きな人にとっては、より面白く感じる事ができる実験的な作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

72.8 2 近未来で戦闘なアニメランキング2位
UN-GO(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1143)
6622人が棚に入れました
“終戦”を迎えたばかりの未来の東京。そこでは、探偵業が流行らなくなった代わりに、メディア王・海勝麟六が膨大な情報量と優れた頭脳を生かして、幾多の難事件を解決していた。しかし、実は麟六の推理には裏があり、それをあぶり出すのが、「最後の名探偵」を自称する結城新十郎と、その相棒・因果。世間からは、「敗戦探偵」と言われているが、それでも2人は力を合わせて、様々な難事件の解決に挑むのだった。

声優・キャラクター
勝地涼、豊崎愛生、山本希望、本田貴子、入野自由、三木眞一郎

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

劇場版ありきの本編ですね(^_^;)

■「UN-GO」ってどんなアニメなの(゚∇゚ ;)!?
坂口安吾の「明治開化 安吾捕物帳」という探偵物のストーリーを近未来的にアレンジしたオリジナルストーリーなのですね♪
タイトルに「UN-GO」って付けている事からも、坂口安吾の作品を題材したのがこの作品の最大の売りなのでしょうね( `ー´)ノ
ところで「坂口安吾」を知っている人はどれだけいるのでしょうか?
この作品を知るにはまず「坂口安吾」を知るべきではないかと思うのです♪
ということでちょっとだけ勉強してみましょうね♪
 
【坂口安吾】
昭和初期に活躍した小説家の一人で小説界の異端児的な一人なのです♪
既成文学に異を唱え、戯作復古を思想とした無頼派と呼ばれた小説家の第一人者。
まぁ簡単に言っちゃえば、お堅い文学が評価される世の中に、江戸時代に流行った「洒落本(エロ本)、滑稽本(漫画)、談義本(ラノベ)、人情本(恋愛小説)、読本(小説)、草双紙(絵本)」といった誰もが楽しめるお気楽な書物がもっと評価されてもいいでしょって言い張った個性的な人なのです♪
無頼派で有名な小説家と言えばあの人間失格や走れメロスで有名な「太宰治」もそうなのですよ♪
 
※注意※
()の中は現代風に解り易くする為にσ(^_^)アタシ的ニュアンスで適当に当てはめてみただけなので、本来の意味とはちょっと違うのであしからずなのです(o*。_。)oペコッ
 
そんな「坂口安吾」の作品はもう著作権が切れているので無料でネットで読むことが出来るのです。
もし興味のある方は、下記のURLにてご覧になってみてくださいね♪
きっと本作品の作風と坂口安吾の魂の叫びが読み取れると思いますよ(゚ロ゚;)エェッ!?
・明治開化 安吾捕物帳
 http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/card43204.html
・堕落論
 http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42620_21407.html
 
 
■「UN-GO」と出逢った日の日記m( ̄○ ̄)mアーン♪ε=ε=ヘ(;゚∇゚)ノ ゴーゴー♪
本作品のホームページには「本格探偵ストーリー」とハッキリ書いちゃってましたけど、正直原作自体が「本格」推理小説って言うわけではないので、自分で首絞めちゃってますねってちょっとだけ思っちゃいました・・・( ´△`)アァ-
原作と同様のパターンを用いているならば、名探偵の「結城 新十郎」と「海勝 麟六」と「虎山 泉」の掛け合いがこの作品の面白さになっていくのかなって思っているのですけど・・・
1話を見た印象では、推理じたいは捻りがなくって簡単に犯人が解るようなものでした。
近未来的にアレンジしたのが・・・一秒で着れちゃう洋風ドレスw
しかも推理に関わっているなんてね・・・(。・w・。 ) ププッ
まぁそれは良いとしても、人一人死んでるのに緊迫感がなさ過ぎなんですよぉシーー( ̄、 ̄*)ーーン
しかも騒いでいるのが奥さんだけなんですもん・・・(A゚∇゚)ハテッ?ナゼナノ?
推理ものとして楽しく見ていくにはちょっと辛い内容かもしれませね!
それにGOSICKの様な恋愛や家族愛に発展していくようには思えないので、どこに面白さを求めればよいのか1話だけではちょっと見えなかったのです。。。o(゚^ ゚)ウーン
 
ただ、結城 新十郎と海勝 麟六との関係がどうなっていくのか、そこに不思議な「因果」という探偵助手がどこまでストーリーを盛り上げてくれるのか、麟六の娘である梨江がどこまで物語をかき回してくれるのか、そんなところに注目しながら少し様子を見てみようと思っています♪
 
 
■個人的に注目していたキャストφ(^∇^ )
因果(声:豊崎愛生)
 あきちゃんはやっぱり「けいおん!」の唯ってイメージが強いのですけど、かなり器用な声優さんです
 ね♪
 本作品でも彼女の声優としての幅の広さを感じることが出来ましたよ(*^^)

風守(声:松本まりか)
 松本まりかさんは最初全然わからなかったのですけど、女優からナレーターまで幅広く活躍していた
 人なんですね♪それとFF X でリュック役の人でもあったのです!
 FFシリーズで唯一プレイした事のあったのが「X、X-2」だったので懐かしいです♪
 
海勝 梨江(声:山本希望)
 のぞふぃすの事を知るきっかけは「僕は友達が少ない」で幸村役の声を担当していたからでした♪
 幸村役では声のトーンを落とした役で、セリフも少なかったのですけど、梨江役ではとっても頑張って
 ましたね!
 まだアドリブ等はなさそうな感じでしたけど、面白い子は嫌いではないので今後も応援したいです
 (*^_^*)(かなり天然っ子みたいなのでw)

 
■総評
結城新十郎と海勝麟六のそれぞれの因果の軌跡を描いた本作品は、決して交わることのない新十郎と麟六の理念を数々の事件を題材に表現してきた作品だと思うのです!
それは坂口安吾の原作「明治開化 安吾捕物帳」の世界観をトレースして、舞台背景を現代風にアレンジするという挑戦は風守というキャラと今話題になっているクラウドコンピューティングなどの言葉が出きたりして観ているうちに馴染んでいく感じでしたね♪

ストーリーの方も前半はなかなか波に乗れない感じでしたけど、中盤から後半にかけては面白かったですね♪
「UN-GO」にはTV放送と並行して劇場版「episode:0」が上映されるというノイタミナの営利主義的戦略に翻弄された感じがしました!
その問題の劇場版なのですけど、ズバリ見ないとダメですねwつД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚
TV版だけですと、別天王と因果などがただの不思議なキャラで終わってしまうのです♪
最終話に新十郎が麟六の娘の梨江に、因果との関係を話し始めた所で終わってしまうのですけど、その話こそが劇場版で描かれたとっても大事なエピソードなのですΣ(^∇^;)えぇ~
「UN-GO」の楽しみ方がイマイチわかりづらいなぁって思う方は劇場版から観ると本編もかなり楽しく見れるんじゃないでしょうか?
逆に、記憶力が良い方であれば、本編を見終わったあとに劇場版を観るとなるほどそういう事だったのかぁっていう気分を味わえると思いますよ♪

この「UN-GO」って作品をどんな視点から視聴するかによって大きく評価がわかれそうなきがしますね!
σ(・・*)アタシは劇場版も観ていたので、結城新十郎の『死生観』からの正義と、海勝麟六の『合理主義』からの正義の掛け合いがとっても面白かったなぁって感じました♪
萌えや笑いなどは一切ないのですけど、登場人物の生き様を描いた作品をたまに観るのも良いもんですねo(*^▽^*)o~♪


■MUSIC♫
OP曲『How to go』
 【編曲】江口亮【作詞・作曲・歌】School Food Punishment
 キタ━(゚∀゚)━!わたしの大好きなスクパニの7thシングルナンバー♪
 「東のエデン」で出逢い、Album「amp-reflection」で虜になりました(*^^)v
 変拍子・転調など、技巧的で複雑な曲構成が特徴的で、その中でシンセサイザーなどの電子音楽が
 メロディーを引っ張っていて疾走感と心地よさを引き出しているんですよね♪
 そんなところからもプログレやエレクトロニカの要素が強いバンドって言われているんですよ(^▽^)/
 また、前に出すぎない控えめで柔らかいボーカルが音楽に調和していて楽器の一つという役割を
 担っていたりとポストロックっぽさも感じられて、今の時代にあった中性的で柔軟な世界観をもった
 バンドって言えるんじゃないのかな(^ー^* )フフ♪
 アレンジャーの江口亮さんは「いきものがたり」の曲作りに携わっていて、センスの良さが光ります
 ( ̄ー☆キラリーン
 聴けば聴くほど良さがわかってくるスクパニの曲は今後も長いお付き合いになりそうです♫

ED曲『Fantasy』
 【作詞・作曲・歌】LAMA
 元SUPERCARと元NUMBER GIRLのメンバーが作ったバンドの2ndシングルですね♪
 ファーストシングルは「NO.6」のOP曲でしたね!
 スクパニと同じくエレクトロニカの流れを汲んだバンドなのですけど、UN-GOの世界観らしく近代的な
 電子音とレトロなピアノの音色を融合した優雅な曲調がアンダーグラウンドな雰囲気で前作よりも
 オルタナティブ・ロックっぽいですね♪

2011.10.16・第一の手記
2011.12.30・第二の手記(追記:■個人的に注目していたキャスト、■総評)
2012.01.11・第三の手記(追記:■MUSIC)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 72
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

これは、「ミステリーとは何か」を考えるアニメです

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総評】
基本は、1話完結のオムニバス形式のミステリーアニメ。ミステリーの質はそこまで高くはないが、そこに込められたメッセージや問題提起は深い。坂口安吾の諸作をごちゃまぜにしたようなものを原作にしているため、かなり尖った思想も散りばめられ、そこで賛否が分かれるかもしれない(安吾を知らなくても全く問題ない)。

いずれにせよ、「一風変わったアニメ」であり、テンプレ作品に飽き飽きしている方は、視聴するのも良いかもしれない。わりと、「記憶に残るアニメ」だった。

坂口安吾は、「堕落論」しか読んだことがないニワカなんで、彼の文学性については詳しく言及できない。というか、ウチのゼミの教授の受け売りで、「安吾の堕落論は素晴らしいが、文学的には見るべき点は少ない。彼は小説家というより、思想家だ」という持論を真に受けてここまできたので。でも、このアニメの原作である「明治開化 安吾捕物帳」や代表作である「白痴」にも興味が出てきました♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1話目を観た時、「これは駄作かな?」と思った(が、駄作ではなかった)。

推理は穴だらけというか、力業で解決してる。しかも、「因果」と「風守」というチートを2つも使ってるし。純粋なミステリーとしてみれば、明らかに二流。

もっとも、「サイコメトラーEIJI」や「僕だけがいない街」のように、「主人公が特殊な能力をもっている」系のミステリー作品は、謎解きそのもの(や、犯罪トリック)より、事件が起きる背景だったり、人間ドラマの方に重きがある場合が多く、本作もその系統だと思う。

1話目を観たときは、オムニバス形式の推理小説のような作品をイメージしていたため、「駄作」と感じたが、視聴を続けるうちに、これが、安吾の「思想」や「思考」を伝えるストーリー作品なんだと感じ、なかなかの「問題作」だと思った(良くも悪くも)。

本作で面白いのは、「結城新十郎」と「海勝鱗六」という、二人の探偵の思想、価値観の違いだ。

それは例えば「金田一少年の事件簿」における、「金田一」と「明智警部」のような、性格や捜査方法の違いでもなく、「名探偵コナン」における、「江戸川コナン」と「服部平次」のような、ライバルや仲間といった関係でもない。

「結城新十郎」は、「真実そのもの」「真実を解き明かす行為」に価値を見出だしている。だから、それが如何なる真実であろうと、謎を「解き明かさずにはいられない」。

一方、「海勝鱗六」は、「真実が明かされた後に起きる事象」に価値があると考え、それが(誰にとってかはともかくとして)不利益が大きいようなら、真実をねじ曲げることも厭わない。

この辺の対比は面白く、様々なことを考えさせられた。レビュータイトル「ミステリーとは何かを考えさられるアニメ」とはそういうことだ。「果たして、真実は解き明かされるべきなのだろうか?」という問題提起は、ミステリーアニメとしてはコペルニクス的転回だった。

中盤以降は「別天王」との対決にメインが移る。この「別天王」は、はじめは「神」のような存在として描かれ、「因果」もビビりまくっていた。しかし、最後に、別天王は神ではなく、たんなる「言霊」だとバレた(正体が明らかになった)後は、「因果」によって喰われて消滅する。その際、新十郎から「以前の戦争で、上層部の命令で、自ら命を投げ出して戦った若者がいた。そのように、言葉が力をもつこともある(言霊)」という主旨の説明があり、「別天王」という名前と併せ、完全に、戦時下における「天皇」(や勅命、特攻など)を意識している。

「因果」とは、「原因と結果」「運命」であり、「別天王(天皇)」が喰われていく様や、その後に日本が辿る道も、「自業自得」であるという、痛烈なメッセージが込められているように思う。

このように、右とか左とか騒ぐ人が出てきそうな主張を繰り広げるアニメは、個人的には好かない。しかし、それは安吾が「堕落論」で述べた主張に近いものがあり、ラストシーンでも「堕落論」の内容が使われていたことからも、この作品の(坂口安吾の様々な作品を原作とする)性格上、避けては通れないことなのかもしれない。

この辺が、評価の分かれ目になると思う。

「真実は解き明かされるべきか」「戦時における天皇の言葉の是非」「テロが蔓延した世界」「未来のエネルギー問題」など、この作品は、提起した問題に対しての明確な答えは述べていない。それは視聴者に考えろということか。

いずれにせよ、分かったことがひとつだけある。

それは、「風守は可愛い」ということだ(ん?)。

自分でロボっぽい擬音語を出し「あっ、これはサービスです」とか言うあたり、もぅ、メッチャ可愛いよね~♪

(え? 今までの真面目な文体は、これを書きたいがための長い前フリですか? ハイ、そうですw)


《総括》
×ミステリーとしてはパワープレイ
◎探偵二人のスタンスの違い
△右とか左とか言い出す人がいそう
◎風守が可愛い♪
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
なんかこう、芸術的な雰囲気だけ残したね。テンポ早すぎないかい?

2話目
謎解き云々というより、因果を含めた、メインキャスト達の人間ドラマが気になってきた。

3話目
八つ墓村?

4話目
なんか、テーマ性が強くなってきた。享楽ってことだね。

5話目
アムロが(演説とは言え)戦争を賛美してる(汗)

6話目
お~、この回は面白いよ! 二人の真実に対する違いだね。

7話目
白痴なんて言葉、今じゃ使えないよね。戦争についての3人の考えの違い。興味深いし事実だと思う。

8話目
攻殻機動隊?
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 37
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

UN-GOってのが秀逸すぎてレビュータイトル思いつかないんですが 【76点】

ある“敗戦”の後、最後の名探偵・結城新十郎は相棒・因果とともに、メディア王海勝麟六が流す美しい嘘の背後にある真実を探し続ける。
戦後混乱期を代表する無頼派の作家・坂口安吾の探偵小説を原案とする、近未来ドラマ。

多少の事前知識と劇場版の視聴が無いと、物語をすべて見通すのはちょっと難しいかもしれなくて、微妙にハードルが高かったり。
とはいえ、ノイタミナらしい挑戦的な作風で、たぶん安吾のエッセンスにも忠実な秀作です。


■薦めてみる(勝手に事前知識)
私も、他のレビュワーさんが書かれた評価を読んでいないと全うに楽しめなかったかも、と思うので、UN-GOに興味がある方へ向けてほんの少し事前知識を。

①テーマはミステリーではなく、人間ドラマ
主題は、敗戦によって価値観が転換・崩壊した社会での人間ドラマです。
社会道徳・倫理の変化に翻弄される人々と、その真の姿を見つめる新十郎、真実を嘘で隠し続けるメディア王、それぞれの葛藤を楽しむのが良いみたい。

②坂口安吾の主張:「堕ちよ、生きよ」
私は『堕落論』文庫版と短編数編、安直なマンガ解説本しか読んでない安吾素人ですが。
主に太平洋戦争後すぐの時期に活躍した安吾の主張は、この言葉が象徴しているように思います。
戦前・戦中は暴走する軍部と共に、国民・メディアも一体となって、日本社会全体が戦争を称揚・推進していた一面があります。
それが敗戦後、「戦争は悪である」「天皇は人間だ」と、それまでの日本社会の価値観が根底から覆された。
そうして、よって立つ価値規範を失い途方に暮れる日本人に、安吾は、「堕ちよ、生きよ」と呼びかけました。
『人間は堕落するけれど、それは戦争に負けたからではなく、人間の本性が堕落するものだからだ。
社会道徳やモラルは時々によって変わるけれど、人間の最も自然で根本的な部分は変わらない。
日本社会が一度まっさらに戻ってしまった今、我々は自分の根本が見えるところまで徹底して堕落し、本性に根差して生きていくべきではないか。』
意訳だけど、たぶんこんな感じ。
社会的な価値観に囚われるという次元を捨てて、人間本来の姿を見つめ直して生きて行こう、というメッセージに取れます。
※安吾の作品は「青空文庫」(無料Web小説データベース)にあるので、興味ある方はどうぞ。

③難しいこと抜きにしても、音楽・キャラが魅力的
OPはノイタミナ御用達のSchoolfood Punishment、EDはLAMA(元Supercar)で、各ムービーもセンスに溢れてカッコイイ。
線が細くどこか抜けているけど真実をひたすら希求する新十郎はいい主人公だし、ヒロイン(?)勢も
・ショタ兼妖艶な美女
・無表情電脳ロリ美少女
・好奇心にあふれたお嬢様 と、紳士諸兄にもお楽しみいただける陣容を誇ります。


■「UN-GOって素晴らしいネーミングだよね」みたいなネタバレ感想
{netabare}
だってun-goですよ。
前に進むこと(go)を否定してる(un)んだけど、安吾的には同時に、まさしく前を進むことを示している。
社会的に縛られた価値観の上で前進することを否定し、堕ちて堕ちて堕ちまくって、逸脱の先に生きる道・真実を見つけ出すという主張を、半角5文字できっぱりと表してるように思えます。
思いついた人、その瞬間全能感に酔いしれたのではないかしら。

奇しくも、本作の放送は2011年秋(オリジナル企画だからスタートは震災前のはずで、奇跡的なタイミング)。
その半年前の3.11によって、日本社会の価値観や権威は、大きく転換を余儀なくされました。
作中の「敗戦」と状況が重なります。

言葉によって真実を書き換えるラスボス・別天王は、社会の作り出した規範の象徴でしょうか(それを、魔物である因果が神として恐れてるのも風刺が効いてる)。
「罪を犯す」という堕落の果てに落ちる人々を通じ、人の真実の生き方を探す新十郎。
口当たりのいい嘘で犯罪の真実を隠蔽することで、戦後の復興を優先する海勝麟六。
嫉妬という、価値観うんぬん以前の、ある意味「堕落」した人間の本性に最も近い動機から、別天王を駆り二人に立ちはだかる速水。

震災から4年半経ちましたが、日本社会を貫く価値観はずっと揺らいだままです。
UN-GO作中では、際どい時事ネタとか当時の社会風刺に見える部分も多く、そこで表層的に盛り上がってしまいがちなのですが。
それはそれでスパイス程度、大人の嗜みでフフッと笑って流しつつ。
新十郎、海勝、速水の三人や、他すべての登場人物の姿を通して、もっと根本的な、「今の日本で我々はどう生くべきか」、「何がgoで、何がun-goなのか」という問いを、しんみり考えてみるのも良いのかもしれません。

以上、ちょっとほめ過ぎではあるので、
・ミステリーにしか見えない外見とか
・1話完結ゆえの各話の重みの不足とか
・ボンズなのに見所の少ない作画とか
・スロースターターすぎる物語構成とか
・映画観ないと新十郎の行動原理を(安吾の主張、にとどまらず)真に理解できないところとか、
欠点もはっきりあるんだけど、今でも、というか今だからこそ、観る価値ある作品だと思います。
凄く偉そうなこと書いたけど、他のレビュワーさんの感想に視聴を大きく後押しされたので、改めて皆さんにサンキューをm(__)m

堕落ついでに。
風守まじprpr。
声優さんの演技もビジュアル面も性格付けも、素晴らしすぎるんだが(・ω・)ブヒ{/netabare}


【個人的指標】 76点

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

76.9 3 近未来で戦闘なアニメランキング3位
未来少年コナン(TVアニメ動画)

1978年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (444)
2296人が棚に入れました
2008年、核兵器をはるかに上回る威力の「超磁力兵器」による最終戦争が勃発。人類は大半が死滅し、それまで築かれてきた高度な文明の多くが失われてしまった。地形は大きく変化し地軸も曲がり、多くの都市が海中に没した。戦争から20年、コナンは「おじい」と二人、のこされ島と呼ばれる小さな島で平穏に暮らしていた。ある日、海岸に少女ラナが漂着する。ラナはハイハーバーという島で暮らしていたが、科学都市インダストリアの者たちにさらわれそうになり、隙を見て船から逃げ出していた。インダストリアは、前時代の巨大な塔(三角塔)を中心とした都市だが、塔を維持するためのエネルギーが乏しかった。そこで、太陽エネルギーのシステムを復活させるため、その技術を持つラオ博士を探していた。しかしラオが見つからないため、ラオとテレパシーで会話できるという孫娘のラナを狙ったのだ。コナンの奮闘空しく、ラナは再び連れ去られ、おじいは死んでしまう。コナンはおじいを埋葬し、ラナを救うため、そしてまだ見ぬ人々に出会うために島から旅立つ。やがて、多くの仲間を得て、世界征服を目論むレプカに立ち向かうことになる。

声優・キャラクター
小原乃梨子、信澤三惠子、青木和代、山内雅人、永井一郎、吉田理保子、家弓家正、神山卓三、増岡弘、池田勝、若本規夫、水鳥鐵夫、石丸博也、つかせのりこ、宮内幸平、田中秀幸、伊武雅刀
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アニメ好きなら一度は観るべき

一応原作はあるものの、かなり改変されており、制作しながらも新しいアイディアを多数導入。
宮崎監督のほぼオリジナルの物語です。
言わば、明るく前向きなヒーローエンターテイメント。

<宮崎アニメと自分>
実はこの作品以降の宮崎アニメで絶賛するほど面白いと思ったものはありません。
僭越ながら、仮にコナンを100点とするなら、
この作品以前では、ルパン第一TVシリーズ95点、パンダコパンダ90点。

この作品以降では、カリオストロ&ルパン第二シリーズ宮崎演出回85点、
ナウシカ87点、ラピュタ88点、トトロ80点、千と千尋75点、もののけ姫70点。
それ以外、観たことあるものはすべて70点未満。

シンプル・イズ・ベスト派のあくまで自分の好みなのであしからず。

<自分がアニメ好きになったきっかけ作品のひとつ>
この作品は民放で再放送されてる時に初めて観ました。
もしこの作品とファーストガンダムとハーロックに出会ってなかったら成人してもアニメ観続けてなかったかもしれません。

このすぐ後に、ガンダムで名を馳せる富野氏も絵コンテで参加していて
後に第一線で活躍するアニメクリエイターたちに多くの影響を与えたとされる作品です。

Blu-ray BOX-SET初めて入手したのもこれ。
だから生涯のベスト1アニメと言えばこれだし、コナンと言えば探偵の方ではないんです。



★以下、敬意を込めて語ります
※ 裏ネタの情報源は主にBlu-ray BOX特典の冊子のスタッフインタビューから頂きました。

{netabare}
<認めるべきものだな、若さゆえの情熱と言うものを>
宮崎駿氏当時37歳。30代の体力でしか成し遂げられない入魂の賜物。
この制作に掛かりきった一年間は、深夜2時3時まで仕事しても朝10時には現場入り。
現場が家になってたようで帰宅時の一言は「お疲れ様」じゃなく「行ってくる」
すべての作画、脚本、自ら担当以外の絵コンテにもチェック欠かさず気に入らなければ自ら修正。

高畑勲氏の絵コンテまで手を加え高畑氏から顰蹙も買ったこともあったらしい。
(9,10話のサルベージ船のあたり)
演出は、ともかく面白ければなんでもいい、という主義で一貫。

そのエネルギーが作品全26話すべてに漲っている。

当時のTVアニメ1本分の作画数は世界名作劇場が4000枚目標だった時代。
名劇で高畑勲さんは6000枚は使ってたらしい。
コナンはそれ以上で7000枚以上(8000枚くらいという説もある)。
1978年はセル画の時代、デジタル時代の今とは比べ物にならない苦労が偲ばれる。
初めてのNHKの連続アニメで、スタッフも宮崎さん中心に一丸となりいいもの創るぞ、
とやる気と意欲に満ち満ちて徹夜はあたりまえ。

チーム宮崎のケミストリーがあるからこそ作品に魂が宿った。
作画監督で参加した大塚康生さんは、ルパンなどで気心知れた宮崎さんの最高のパートナー。
この時期、所属会社が違っていたので本来は組めなかったが、
宮崎さんの強い要望で大塚さんの会社が黙認する形で参加できた。

<ヒーローの鑑>
ほとんどがランニングに短パンで裸足姿の主人公、12歳の少年コナン。
ラナや仲間のためなら例え火の中水の中、一寸の躊躇いもなくどこでも飛び込む。
ともかく飛んで飛んで跳ねて跳ねて動く動く。
ひたすら前向き積極的。後悔したり落ち込んだりなんてする暇なし。
逆に単純な衣装で素肌の露出が多いのが幸い。
動きが細かい動画をタイトなスケジュールの中でも生み出すことが出来た。

<面白いから許す!>
コナンはどんな高所から落ちても死なず、腕力、脚力、足の指先の器用さ力技、超人間離れ。
体の丈夫さ天下無双、サイボーグなみ。

<ごまかしの天才、これ褒め言葉>
コナンとそれに引っ張られるジムシーとダイスの活躍ぶり、嘘で嘘を塗り固め、
「そんなばかな」のツッコミも力技で捻じ伏せる。宮崎先生の真骨頂。

<まるでアリが象を倒すが如く>
そんな宮崎マジック最大の見せ場は、ギガントでの対決。
機体の性能差、物理法則、風圧の威力&機体内外の気圧の差なんてどこへやら。
ラナ救出のためコナンたちが乗るレシプロエンジンのファルコは、
飛行中のロケット推進ギガントにたどり着き、自然落下で翼に突き刺さる。
超高速の中、翼を走り回り、外壁破壊と内部潜入成功、破壊の限りを尽くし墜落までの演出は全く目が離せない。
まさに圧巻の一言。「そんなばかな」の嵐。

<NHKだからこそできた奇跡の名作>
放映前に8本納品済だったがスタッフが徹夜しても週一本制作することなど到底不可能。
当然、放映開始と共にストックはじわじわと減少。
民放ならスポンサーもあり毎週欠かさず放送と言うのが鉄則。
しかし、NHKなら特番挟めば調整も可能。
実際、第15話以降次回まで1週間伸ばしが続出した。
そのためストックは最低でも4本はなんとかキープできたそう。
おかげでストーリーもじっくり練り込めたし、宮崎先生のチェックも抜かりなく作画崩壊などとは無縁だった。

<そんな名作を視聴者が放っておくわけがない>
初回放送時は、さほど話題にも上らなかったし視聴率も関東地区で平均8%。
しかし放映終了後、NHKに何万通ものハガキによる再放送の要望が殺到。
すぐに再放送開始。以来、民放含め再放送多発。
人気はうなぎ上りとなり武道館でのイベントも企画され名作の殿堂入り確定。
コナン役の小原乃梨子さんによると、サイン会があると来るのは大学生が多かったらしい。

<元祖ツンデレか?>
ダイスとモンスリー、宮崎監督含め最後ああなるとは誰も思ってなかった。
キャラクターが意志を持ち勝手に成長したかのよう。
モンスリーの「ばかね」は回を追うごとに意味が変わり、まさかの○○。
これにはかなり感動した。
観るたびに注目してしまう人間関係の絶妙な変化。
{/netabare}

何度観返しても面白いので万人におすすめです。
亡父も70代だったけど楽しんで観てました。

絵柄は古臭いと感じる方多いとは思いますが、普遍の名作です。
ご家族そろってどうぞ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19
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ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

面白さって何だろう

【文章整理】
ここは感想と評価のコーナーなのだが、問題作は、しばしば両者がコンフリクトを起こす。

感想:素晴らしい。数十年にわたり数十回視聴しているが、そのたびに主人公コナンの躍動にワクワクと心揺さぶられる。すでに歴史的ともいえる古い技術であるのに、動きのダイナミックさに古いという言い訳を全く必要としない。アニメの魅力の一部は、間違いなく動きそのものだと実作で証明している。

評価:基本設定とストーリーが衝突し、破綻している。その結果、ハッピーエンドを目指したストーリーは難破して、デストピアとしか言えない暗澹たる未来へ、それと知らぬ登場人物たちが突き進んで終幕する、ストーリーの破綻に終わってしまっている。


敵役である社会「インダストリア」は高度に工業化された社会であり、その複雑なテクノロジーを支えるエネルギー不足のため危機に瀕しており、生き残りをかけたエネルギーの争奪が、ストーリーの一つの柱だ。
この高度文明に対し、野生児コナンの「自然の」パワーの炸裂が、このアニメの見どころであり、この活劇ぶりは、何度見ても飽きることがない。

その大活躍が、今一つの社会「ハイハーバー」の性質にいわば目くらましをかけ、設定上の重大な齟齬を隠蔽する結果となってしまっている。

物語の後半、コナンたちの拠点として、「インダストリア」社会に対抗する、オルタナティブな社会として登場するハイハーバーは、細部まで工業化された「インダストリア」に対し、いわば「田園世界」の外見を持つ。

一見して「自然」的な風景を持つ「ハイハーバー」だが、両社会の描写を見比べると、「インダストリア」と「ハイハーバー」の根幹にある文明原理は、全くの同一のものと気づく。
文明化世界の高度な技術がもたらした破滅的な戦争の反省から、農業主体の文明を選んだかのように見えるハイハーバーだが、その運営は、高度産業社会と全く同一の原理、「人間の利便を高めるための、自然環境の改変とエネルギーの利用」に基づいている。

人間に奉仕する利用可能な資源としての環境とエネルギーという理念は、両都市で共有され、差異は無い。

ハイハーバーの美しい風景を支えているのは、農業という、土地の環境を人間の食糧生産ために改変する技術であり、風車という機械装置で、自然エネルギーを人間に有用な形に変換して使用してもいる。養殖もまた、当然のごとく、生態系と生殖に人為的な改変を加え、有用なものへと生物固有の特徴を改造していく技術にほかならない。

本物の野生児であるコナンやジムシーが初めてハイハーバーを訪れた際、この「技術文明化」になじめず、決裂を予感させるような描写があったことは、製作者が無意識でこの問題を察知していたことを示しているかもしれない。

いってみれば、ハイハーバーは、環境改造が中途半端な、発展途上のインダストリアだ。
おそらくインダストリアでそうであったような、より多くの人口を支えるための効率的な食糧生産の必要からより多くのエネルギーの必要が生じる、というループの手前に位置しているだけの違いしかない。
同じ問題が起これば、同じ経路をたどって、やがてインダストリア化するしかないことは、原理的に避けることができない(風車による風エネルギーも、太陽エネルギーも、原理としては同じ再生可能な自然エネルギーであることに注目)

同じ文明原理の2つの社会の闘争が、それと見えないのは、これは正真正銘の自然の申し子、野生児コナンがハイハーバー側の人物として繰り広げる、圧倒的な魅力を持ったアクションの数々による、あまりに華麗な幻惑効果のせいだ。
このアニメーション=動きの、それこそ原始的な魔力によって、2都市間の、「科学/技術」対「自然」といった根本原理の対立ではなく、同型的な競争相手の勢力争いという構図は、全く意識されない。

{netabare}これを示すように、終幕においてインダストリア難民を受け入れ、過剰人口に陥ったハイハーバーは、対処方法を生み出す必要に迫られる。
人口増に対し食糧生産のバランスの調整が必要であり、突き詰めれば、事実上わずか数日でほぼ自動的に数十万食もの食糧を生産しえたインダストリア型へと向かうことになるだろうが、ハイハーバー段階では、農地=改造して技術化された土地の拡大が必須となる。

最終話で、希望を求め陽気に旅立つ楽しい船出の描写とは裏腹に、孕んでいるのは、生産量の拡大と、そのための「自然」の文明化の拡大と強化のストーリーだ。
残され島が隆起した大陸の発見で幕を閉じるのだが、コナンの晴れやかな笑顔と裏腹に、その先にあるのは、やがてインダストリアへと行きつくだろう、自然の改造と人工化に呪われた技術文明の世界への拡大と強化、そしてコナンが回帰していくべき「自然」の不可逆的な消滅だろう。

このようなストーリーの破たんにも拘らず、今後も、何度もこのアニメを視聴し、楽しむことだろう。それほどアクションの説得力と魅力は圧倒的だ。

まったく問題作というのは、一筋縄ではいかない。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
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ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

第8話が《神回》、お姫様だっこ満載のボーイ・ミーツ・ガール古典名作

昔の作品だけに、ところどころ脚本や設定の甘さが気になりましたが・・・第8話はオドロキの胸熱展開!
これ、ラピュタよりずっと面白くないですか?

宮崎駿監督の描くアニメ・ヒロインといえば、『天空の城ラピュタ』のシータ、『風の谷のナウシカ』のナウシカの2人が代表的と思いますが、個人的には、本作の第8話を見てしまったあとでは、本作のヒロイン(ラナ)に、この2人を遥かに超えるインパクトを感じてしまいました。

冷静に考えれば、この回って、少年マンガ・少女マンガの定番みたいな脚本ですが、これをNHKのお茶の間の時間に放送したのがまた凄いと思いました(WIKIPEDIA参照)。
これでは本作や宮崎駿監督に、熱狂的ファンが付いてしまったのも納得です。


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


============= 未来少年コナン (1978年4-10月) ============

{netabare}第1話 のこされ島 ☆ コナンとラナの出遭い  ※作画・演出は古いが、EDが気になる曲調(*3)
第2話 旅立ち ☆ モンスリー隊のラナ拉致 ※主人公コナンが脳筋キャラで好感度微妙かも・・・
第3話 はじめての仲間 ☆ ジムシーとの出遭い
第4話 バラクーダ号 ☆ ダイス船長のインダストリア行き船 
第5話 インダストリア ★ 到着、ラナ救出に飛び出すコナン
第6話 ダイスの反逆 ★ 救出失敗、レプカ行政局長の目的 (*1) 
第7話 追跡 ★ ダイス船長のラナ奪取・逃走
第8話 逃亡 ★★★ ※かなりの胸熱展開、なるほどこれが本作の魅力か・・・
第9話 サルベージ船 ☆ コナン&ラナの逃避行、パッチ(サルベージ船のボス)登場
第10話 ラオ博士 × 天変地異の発生 ※パッチが実は・・・は脚本が安直× 
第11話 脱出 ☆ フライングマシンvs.モンスリー隊、再びインダストリアへ
第12話 コアブロック ☆ 三角塔地下の秘密、地下の人々、レプカ隊の攻撃
第13話 ハイハーバー ☆ ラオ博士再びインダストリアへ、ラナの故郷の人々  
第14話 島の一日 ☆ ※珍しい日常回
第15話 荒地 ★ オーロ兄妹との悶着、ラナの母の形見
第16話 二人の小屋 ☆ コナンとラナの約束、インダストリア艦の襲来
第17話 戦闘 ☆ オーロ隊壊滅、村の覚悟、砲撃開始、オーロの裏切り
第18話 ガンボート ★★  麦畑での逃亡、再び囚われるラナ、救出 ※第8話に次ぐ見せ場
第19話 大津波 ★ モンスリーの過去回想、大津波発生、モンスリー隊の降伏
第20話 再びインダストリアへ ☆ 村総出の麦刈り、モンスリーの戸惑い
第21話 地下の住民たち ☆ レジスタンス、ラオ博士の現状、独裁者レプカ、モンスリーの反逆
第22話 救出 ☆ 地下への水責め、ラナ人質に、ラオ博士との再会、モンスリー救出  
第23話 太陽塔 ☆ フライングマシンからのラナ救出、レジスタンス勝ち鬨、太陽エネルギー復活
第24話 ギガント ★ レプカの逆襲、沈船サルベージ、巨大戦闘機ギガント (*2)、翼上の戦い
第25話 インダストリアの最期 ☆ 続き、ギガント炎上、難民船出航
第26話 大団円 ★ コナン救出、ラオ博士の死、結婚式、のこされ島へ向け出航、新大陸{/netabare}
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★★★(神回)1、★★(優秀回)1、★(良回)7、☆(並回)16、×(疑問回)1


OP 「いま地球が目覚める」
ED 「幸せの予感」


(*1)この回(第6話)を見終えた時点では、本作のヒロイン(ラナ)も、ナウシカやシータといった典型的な宮崎ヒロインと共通した気質の持ち主に見えました。
→{netabare}敵役のレプカが、コナンの額にヤキゴテ銃を向けて、「協力しないと、こいつの悲鳴を聴くことになるぞ」と脅しても、「知っていても教えない」とキッパリ拒否{/netabare}
→つまりラナは、自分の大切な人よりも自分の信念・思想を優先してしまうタイプに見えてしまった。
→ただし、この印象は、第8話視聴後は、完全に消え去りました(この回を高評価した理由)。

(*2)たった{netabare}一隻でも世界を滅ぼす力を持つ巨大戦闘爆撃機ギガントの復活{/netabare}。
→この展開って、まるで「ナウシカ」の巨神兵じゃないですか。

(*3)最後に、本作は、ED「幸せの予感」が最初から最後まで印象的でした(OPは音程ズレてて微妙でしたが)。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

52.3 4 近未来で戦闘なアニメランキング4位
ジビエート(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★☆☆ 2.3 (157)
356人が棚に入れました
舞台は2030年の日本。地球全土にあるウイルスが広まっていた。ウイルスの感染者は怪物になり、年齢、性別、人種により姿が変化する。そのウィルスは、変化する多様な種類から「ジビエ(ジビエのようにバラエティに富んでいる)」と呼ばれた。そんな荒廃した日本に現れた、一組の侍と忍。江戸時代初期からタイムスリップしてきた二人は、ジビエを治す研究をしている博士に協力し、行動を共にすることになる。時を置かず襲い来る数多のジビエ、食糧を求めて旅人を襲う無法者、周囲を敵に囲まれた命懸けの旅が始まる…。

声優・キャラクター
柿原徹也、藤井ゆきよ、東地宏樹、羽佐間道夫、池田秀一、木村良平、石井康嗣、郷田ほづみ、落合福嗣、七海ひろき、崎本大海、伊藤えみ
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

俺の考えた画期的“和風”

1995年の開幕戦/巨人軍のスタメンオーダー

1番セカンド・岡崎(4番経験者)
2番ショート・川相昌弘
3番ライト・松井(4番経験者)
4番ファースト・落合(前中日の4番)
5番サード・ハウエル(前ヤクルトの5番)
6番レフト・広沢(前ヤクルトの4番)
7番センター・マック(次の年一時期4番)
8番キャッチャー・デーヴ大久保(4番経験者)
代打:原辰徳(元主砲の晩年)、吉村禎章(怪我さえなければ…)、岸川勝也(ダイエーの元4番)
監督:長嶋さん

まあ優勝できないのは当然として、監督がカリスマだったからまだAクラスに留まったものの、似たような布陣のこちらのアニメでは長嶋さんを確保できなかったんでしょうね。当時の巨人以上にチームが機能せず見事に瓦解してました。
1番から9番まで打線には役割があるのに4番並べたところでというのもだし、こういうことやられると目の肥えたファンはやる前から期待より不安が先行します。そこに上乗せして、中身云々より金に物言わせやがってというのはアンチ巨人が結束する魔法の言葉でした。
聞いたことある名前を並べることにお金を使って中身がスッカスカになりました、たぶん。

ジビエ+エイト:ジビエを食べて堪能するアニメ?
ジビエ+エール:ジビエ食を応援もしくはビールで胃に流し込むアニメ?

事前情報なしで突入し、吉田兄弟とか天野喜孝はエンドクレジットで気づき喜んだ第1話です。
野生動物のお料理に舌鼓を打つ事前の予想は全く的外れで、バイオハザードものに戦国時代からお侍さんがタイムスリップしてきてみたいな作品でした。

技術的なツッコミはされまくる仕様となってます。そこあげつらうといくらでも掘れちゃうし誰かやってくれそうなので技術的なことは私から一点だけ。

 {netabare}御大“池田秀一”氏が素人のよう

役柄に合ってないのか第1話でどこの素人だ?と思ってEDクレジットを見てびっくりというかショックを受けました。お歳もお歳なのでルパンPart4の小林清志さんみたいに老いは隠せないのかな?と一瞬思いましたが、他の主要キャラ神崎千水(CV柿原徹也)、船田キャスリーン(CV藤井ゆきよ)、真田兼六(CV東地宏樹)も軒並み違和感があったり聞き取りづらかったりする。これ音響の指示間違ってるとか編集下手くそとかそういうことなんじゃないかな。誰か詳しい人教えてください。{/netabare}


実はキャスリーンの第1話での一言が悪い意味でめっちゃひっかかったものの、こういうキャラや脚本・作画・演出も含めて挙句には世界観に至るまでスベリ倒しているくせにスタッフは大真面目に作ってそうな勘違いアニメは好きです。よって第1話時点で細かいことを気にしちゃいけないと受け入れ態勢を作る腹積もりでした。
しかし結果は途中撤退です。後日、本作のプロデューサー青木良氏の日経ビジネスの記事を読んで、その悪い意味でひっかかった部分について妙に納得感を得られたこともあって撤退を決めました。

ちなみに受け入れ可能としたのはこんなとこですよ↓
{netabare}・お侍さんの受け入れが早い
・現代人の受け入れが早い
・要は「すごい!」の一言でタイムトラベラーを受け入れる度量
・てゆーかみんな飲みこみ早過ぎる
・丁度いいことに家に刀が!
・お侍さんに「DNA」「ワクチン」と言って通じる世界
・そのワクチンは予防ではなく治癒薬の扱い

これ全部第1話だけの話で第2話3話4話と回を重ねるごとに増えていくのは内緒です。{/netabare}


著名な方々はしっかり仕事されてたと思います。ただし機能はしていない。
{netabare}・毛筆でアルファベットはもったいない
・和の音階を多用すれば三味線が活きたのに
・キャラデザの原型はどちらへ?{/netabare}
コンセプトやプロデューサーからの指示/依頼内容がしょぼかったのでしょう。
さはさりながらB級アニメと割り切って、スベリ倒しっぷりを愛でようとの構えだったのは確か。
アニメ的にどうかはともかく一般的には豪華メンバーと断言してよい布陣。稀有な作品に変わりありません。ネタとしてどうぞ!



※ネタバレ所感

■記事内容骨子

日経ビジネス記載のプロデューサー青木良氏と天野喜孝氏へのインタビュー記事です。引用や纏めた骨子はほぼ青木氏の発言部分。

{netabare}グローバルを狙うと明確に目的を定めた上で立ち上がったプロジェクト。
オリジナルアニメは「フック」の弱さが課題。よって世界的に知名度のある方とコラボしようとした。

【日本アニメの課題】
まず前提として日本アニメの強み弱みを研究してきたと氏は自認。

日本のアニメは日本のファンに応えるためにガラパゴス化した、と。
ツンデレ等キャラ変は理解が追いつかない。ハリウッド映画ではキャラの一貫性が保たれてる。
高い教育を受けてない人が見てもわかるようにストーリーは単純化しなければいけない。

お約束を裏切ることに腐心するあまり複雑化した日本アニメはグローバル市場では勝てない。
海外で大ヒットを記録した作品の誕生は2000年代以前。最近のではない。

【日本アニメの処方箋】

お約束の復権。お決まりを避けるのではなくそこをずんずん押していこう、と。
和風なものはそれだけで魅力はあると思うのでそのまま使ってあげよう、と。

※以上ここまで。。。{/netabare}


胡散臭いでしょ?
ポスト安倍の魔人ブウ似なあの方並に「だから何?」感が漂います。表層だけ舐めてる感じ。
口ぶりから『ドラゴンボール』や『キャプテン翼』が海外でウケた強みをもう一度思い出そうよ、ということかと。たしかに設定ガバガバでも『キャプつば』に文句を言う人はいません。

現物に戻ってみると、たしかにキャラの二面性はなさげだし仲間も増えてって氏曰く『和製アベンジャーズ』を意識した展開になってます。そこに和モノ被せということでむしろ往年の『忍者タートルズ』を理想としてるのかもしれません。

と理解を示しつつ、結局は海外向けを意識しすぎていて、国内でも海外でも評価されない未来が待っているのでしょう。失敗前提で話しちゃいますけどきちんと分析して次に繋げていただきたい(棒)と言い切れる惨状です。

海外と一口に言っても、アメリカとヨーロッパ、東アジアと中東、全然マーケット違うのにね。ハリウッド比較でアプローチをアメリカに寄せるならディズニーという巨頭にどう向き合うの?ってのもあると思います。
だったら自身の強みをということで“和”ということなんでしょうけど、思いつきで推敲してないだろうよと思われるレベルで稚拙でした。


■“和”をプッシュするなら…

作ってる本人が自国のあれやこれやの理解が足らないため何が魅力か整理できてません。よってそれをどう魅せるかの処方箋がずれてます。
これを日本人クリエイターがやっちゃったのが情けない。私の撤退理由です。
普通はできるんもんですけどね。ジブリの稼ぎ頭『千と千尋』『もののけ姫』は言わずもがな和テイスト満載でしたし、そんなに和をプッシュしてない『君の名は。』ですらスパイスを効かせたパートはありました。
この『ジビエート』はOPに三味線を使い、サムライを引っ張ってきて、タイトルは書家に頼んで毛筆、とこれでもかと投入。しかしそこまでしても和を感じない。海外のどっか片田舎で日本料理店と銘うった店に入ってがっかりする経験に近い。味噌汁がナンプラーの味してたり、チリソースで食べる照り焼きだったり(笑) 頑張ってカリフォルニアロールを寿司というくらいなら微笑ましさがあって『キルビル』みたいに笑えるんですけどそれもない。


むしろ和を捨てて、お約束重視と熱弁してた部分だけを磨き上げといてほしかったです。なぜか?

ジビエートの“和”問題①:軽い考証間違い

{netabare}・関ヶ原の時点で“藩”の概念も言葉もありません
・日本刀は繊細です。刃こぼれする使い方を現役がするわけない
・一向宗の僧侶は嫁子供います。比叡山=女人禁制のイメージからくる安直な発想{/netabare}

まあ外人は気にしません。とはいえ同胞からは「お前知らねーだろ」と見透かされます。
それに持ってくるネタも微妙。例えば“女人禁制”を無理解なまま下手に扱ったらポリコレ棒で叩かれそうなもの。そのへんのマーケティングできてるのか微妙だと思って次↓


ジビエートの“和”問題②:マーケティングミス?

{netabare}・秀吉ネタで朝鮮出兵を持ってくるのって韓国でウケるの?
・ヴェネツィアではなく武漢発祥だったらパンチ効いてて良かったのに
…あとなんか忘れた{/netabare}

センスがイマイチ。売るものがコンテンツではなく喧嘩になってないか心配です。
なおCHINAネタは当局に怒られるけど人民にはウケると思います。そして本丸。こちらしゃれにならん。わざわざ嘘で自国を貶めなくてもいいでしょうというのが最後↓


ジビエートの“和”問題③:無自覚な自虐

{netabare}・千水の仕えたお殿様。侍大将に罪被ってもらいましたー!って家康が許すわけないじゃん
・『あなた達の江戸から今はもう何百年も経ってるの。より平民が住やすい世の中になったのよ。この80年以上日本は戦争もしてないわ』
・南蛮人を剣の師匠とかナメてんの?(差別ではないです)
…あとなんか忘れた{/netabare}

スペインの世界戦略に気づいて安全保障の面で大陸にくさびを打とうとしたのが朝鮮出兵で大名もそれ承知だっちゅうに。侵略目的の連中に国内を自由に移動させるわけないじゃない。そんな国内事情で、千水の剣のお師匠さんがアレというのはあり得ないことです。侵略してこようという相手に尻尾振る行為。さらに上乗せでこれはついぞ最近『スターウォーズ』にアジア人キャスト入れたような不自然さを感じる。主人公がハーフなことを含めてとりあえず欧米人入れとこ的な魂胆がミエミエ。
さらに納得いかないのが千水の上司。さすがに部下の独断で同盟先を取り違えるとか現代においてもありえないし、部下の不始末は上が取る美学がより濃かった時代にトカゲのしっぽ切りみたいな発想の賤しさもなんだかね。しっぽ切り許さんって同調圧力もハンパないはずなのにあの上司の態度はありえません。ゲスはどの時代にもいたでしょうがこれは質が違います。
キャスの第1話のセリフは撤退の遠因。この戦後民主主義の申し子が放ったかのような一言に萎えたことは間違いありませんね。その他『(戦国時代の)大名はメンツのために戦った』みたいなセリフもひどかった。なんで自国の歴史を矮小化しようとする人がいるんでしょうね。そんな人が作る“和”ものなんて見たくありません。というか日本を語ってほしくないなぁ。

そもそもディズニーじゃない日本人ならではのアニメーションをアピールしたいのに魅力的じゃない日本人像をこれでもかと見せつけて逆効果じゃないですかね。


考えすぎとのご指摘があれば甘受します。
ただ私はこの作品に外国人から見た日本によく見られるちんちくりんさのような違和感を覚えましたし、この人エンタメなめてんじゃねーの?と突っこみを止めることができそうにないです。
アニメーションの品質以上に底に流れる哲学への非共感が先に立った作品でした。


 national 知らなきゃ“inter”national わかるわけないよね


久々にこのシンプルな原則を思い出しました。
アニメは繰り返しになりますがネタ枠です。

 青木良?

覚えときます。



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2021.06.08 追記

比較してむこうも迷惑だと思いますが、『ましろのおと』で吉田兄弟と再会しました。
そうそうこれこれ!感すごいあるのが実状です。
いいよねぇ三味線…


2020.08.29 初稿
2021.06.08 タイトル修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 43
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

日本アニメ界を困惑させた、伝説になる迷作

アニメーション制作:ランチ・BOX、スタジオエル、
監督:小美野雅彦、キャラクター原案:天野喜孝、
音楽:古代祐三、
企画・原作・製作総指揮:青木良

アカデミー賞の前夜にその年の最低の映画として
表彰される『ゴールデンラズベリー賞』。
アニメ界に同様の賞があったら、
ダントツの票数で選出されることは間違いない。
まだ今年は終わってないが、
それほど群を抜いたポテンシャルのある
ある意味2020年度を代表するアニメだ。

その圧倒的な破壊力は1話を観ただけでも
感じ取ることができる。ここまで突き抜けた作品は、
なかなか思い出せないほど驚きの連続。
つい最近なら、『いもいも』や『メルヘン・メドヘン』という
伝説級の作画崩壊作品があるが、それを超えているインパクト。
私が観た中で比較するなら
中国web小説が原作の『剣王朝』に近い。
何しろ、『剣王朝』は、数分ごとに引っ掛かり、
突っ込みどころばかりが気になる、ほぼギャグアニメ。
ストーリーが支離滅裂で、
辻褄の合わない場面のオンパレード。
観ていると、ずっと突っ込まないといけない。
必要なものがカットされているので、
なぜそうなるのかということが理解できないのだ。

この作品も同様のタイプ。
ただ『剣王朝』は、元々あったアニメーションの尺を
短くして作り変えているというエクスキューズがあった。
この作品にもコロナ禍という部分があるが、
おそらくそれとは関係のない部分が問題なのだ。

製作総指揮の青木良という人物に力があるのは分かる。
よくいるワンマン社長タイプで、
顔が広く、色々なところから仕事を取ってくる。
口が達者で人を引き付ける魅力があるので、
入口までは大きな仕事を持ってこられるが、
自分で多くのことをこなせるため目立ちたがり屋が多く、
現場のことも知らずに下手な指示ばかりして
物作りを破綻させる典型的な人物だ。
こういうヤツは現場に口出しさせてはいけない。
金だけを集めさせておけばいいのだ。

それにしても集めた面子の顔ぶれを眺めると大したもの。
それがこの作品のとんでもなさの印象に
より拍車をかける。

FFシリーズ・キャラクター・デザインの天野喜孝氏、
津軽三味線奏者の吉田兄弟、書道家の紫舟氏、
刀鍛冶の石田四郎國壽氏、日本人形職人の金林真多呂氏、
三味線職人の小松英雄氏、音楽プロデューサーのSUGIZO氏、
ドラマーの真矢氏、ヒット歌手の大黒摩季氏。

これだけの面子を一アニメ作品に関わらせるのは、
普通の人には、なかなか難しい。
ところが、集めた人物は有名人ではあるが、
アニメ制作には、それほど関係のない人ばかり。

翻って制作側に目を移すと、数年前にできた
アップルパイ屋とグロス受けを専門とする会社のタッグ。
一応、監督は立てているが、作監上がりの
経験不足の人物。モンスターデザインは、
『バイオハザード』公式漫画の作画担当の芹沢直樹氏。
企画・原作・シリーズ構成・製作総指揮を
青木良氏が1人で手掛けているためやりたい放題。
最初から上手くいく可能性は相当低い。

作品を観ると、ストーリーが稚拙で作画が動かない。
アップと止め絵の連続の紙芝居だ。
脚本はSFパニック作品なのに、何かが起こったときに
人間はどのような反応をするのかという
基本的な想像力が欠如している。

細かいことを言い出したらキリがない。
1話で前田という老人は、ジビエが大量に跋扈する廃墟に
嬉々としてひとりで刀を取りに行ったり、
6話の山奥のトンネル内で夥しいジビエと戦っていると、
なぜか女性警察官が突然ひとりで現れて加勢したりと
一つひとつの行動を見るだけでいくつもの
疑問符が浮かび上がる。
いわゆるB級ホラー映画のテイスト。
これを真面目にやっているのだから、
観ているほうは数分おきに困惑してしまう。

物語は2030年の未来の日本で起こったパンデミック。
まるで現在のコロナ禍のような背景。
人を怪物に変化させる感染症の病が蔓延する。
病気は、人種や年齢などによってさまざまに変化することから
(そんな設定なのにモンスターは数種類しか存在しない)
ジビエートと呼ばれたのだった。
そんな未来の日本にタイムスリップした侍と忍者が現れ、
まるで何事もなかったかのように現実に対応し、
怪物たちと戦いを繰り広げる。

製作総指揮の青木良氏曰く、
日本のアニメでグローバルを狙おうと思った、とのこと。
おそらく大ヒット海外ドラマの『ウオーキング・デッド』あたりを
意識したのだろうが、売れる作品が
「単純で分かりやすければいい」という考え方は、ずれている。
そこには、キャラクターの設定や世界観などを
しっかり作り込んで、視聴者を納得させなければならないし、
作品全体に通底する価値観を作らなければならない。

ところがこの『ジビエート』という作品は、全てが浅薄。
「恋人が手籠めにされて、相手を殺してしまったんだ」と告白され、
「本当にその人のことが好きだったんだね」と
笑顔で話すキャスリーン。
こんな脚本を書くことが、許される体制。
しかも、一部だけではなく、
全てで、こういう会話が繰り広げられる。

キャラクターたちのことは、ほとんど何も考えられていない。
主人公である仙水と兼六、雪之丞の過去話が突然挿入されるが、
日本史の部分について表面をなぞっただけ。
何よりそのエピソードがほとんど本編に
関係してこないのにも驚かされる。
途中で参加する仁侠映画に登場しそうな親分は、
ひとりだけ劇画調タッチで、ヤクザ映画さながらの
立ち居振る舞いにいちいち吹き出してしまう。
またこの親分と彩愛の親娘ストーリーが陳腐すぎて面白い。
そして親分の子分たちが爆弾魔や棒高跳びの選手、
拳銃使いで、それぞれの安直なストーリーを時おり挟んでくる。

最大の見せどころは11話。
{netabare}3話から登場していた昼でも動けるジビエ・
メテオラが現れ、あっけなく退治されてしまうのだが、
そこからヨシナガ博士のとんでもない告白が始まる。
自分とメテオラは同じ星の宇宙人で
結婚を約束した間柄だったというのだ。
メテオラが特殊な血を誤って口にしてしまい、
それが原因でジビエになってしまった。
彼女を冷凍カプセルに入れて宇宙船で移動中に
太陽に近づきすぎたため、冷凍カプセルが切り離され、
地球に落ちてしまったというのだ。
メテオラを追いかけて日本に降り立ったヨシナガは、
ジビエを人間に戻す薬を開発し、
メテオラに知性を持たせることを目論んでいた。
ところが、それが叶わなくなったので、
お前たちは生かしておけない、と宣告する。
しかし、3話でメテオラが登場したときの
ヨシナガ博士の反応は、普通にジビエとして対応しているし、
兼六がヘリコプターで体当たりして爆発させたときも
何の反応も示していない。
おそらく後付けで思いついたストーリーだったのだろう。
この話を11話の数分でヨシナガ博士が一気に話すため、
視聴者は全くついていけない。
話の流れや理屈、感情もあったものではない。
これはもう完全なB級ホラー映画だ。
ただB級ホラー映画の場合、映像やコメディなどで
楽しませてくれるのだが、
この作品には何もないというのが決定的な違い。

ヨシナガ博士が自分の研究した薬でジビエに変身するが、
その姿はドラゴンボールのフリーザやピッコロ、
ハンターハンターのメルエムを混ぜたような造形。
ラストはよくある自爆劇だ。{/netabare}

褒められるところがあるとすれば、
ジビエウイルスに感染すると、
水の滴る音がするというイメージと
3人がタイムスリップしてきたことに、
宇宙船の落下が関係していて、
それがキャスリーンの「祈り」に端を発していることだ。
ここにはオリジナリティが感じられる。

自分でもよくこの作品を最後まで観たと思う。
ただ、やはり最後まで観ると、
作者が何をやりたかったのかは見えてくる。
グローバルだとか、アクションだとか、
「和」を表現するとか青木良氏は
色々とインタビューで語っているが、
仁侠ものと時代劇をやりたかっただけなのだなと感じた。
ゾンビ(ジビエ)やSFというのは、
あくまでグローバルを目指すための隠れ蓑であって、
実際にやりたかったのは別にあったのだ。
それを証明するかのように劇伴は完全に
時代劇の曲調で、視聴していて集中できない。
要するにSF作品には全くそぐわない。

そしてやりたかったことは分かるが、
その内容があまりにもお粗末といえるもの。
仁侠にしても武士道にしても全く中身がない。
これでグローバルなんてことを言うと、
外国人に対して失礼だ。最近では日本文化に詳しい
外国人も多い。例えばジム・ジャームッシュ監督の
映画『ゴーストドッグ』を観ればいい。
深い日本文化への理解に感心させられる。

私はあまり評価の低い作品はレビューしないが、
これは、時代を代表する1本ということで、
書かないといけない気持ちに駆られた。
不出来なアニメを観る趣味はないので、
断言はできないが、史上最低レベルの作品だ。

まず、今後はお目にかかることのできない
純日本製C級アニメーションといえるだろう。
(2020年10月17日初投稿)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 48
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

認めたくないものだな。世界を意識した故の、日本をダサく見せてしまった過ちというものを。

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
バイオハザードですね。ゾンビになるか怪物になるかの違いはあれど。そこに、タイムスリップした侍が、、、という、B級映画のような設定。

コロナ渦中で、キー局が(内容的にタイムリー過ぎるので)放送を見送ったのは、不幸な偶然だったとは思いますが、仮に平時に放送していても、視聴率とれたかは微妙です。

本作は、「海外でウケる」ために、意図的に「和」を取り入れた作品になっています。それ自体は別に悪くないのですが、作画が紙芝居なのと、脚本の古くささにより、何ともダサい作品に仕上がってしまっています。

一応、「世界の謎」的なものはまだ明かされていないので、今後ひと盛り上がりくらいはありそうですが、そこまで視聴を続けたいとは思えないので、3話で断念とさせて頂きます。

《以下ネタバレ》

【視聴断念(3話まで)】
{netabare}
私は、ゾンビNGなのですが、そこは逆に大丈夫でした。なんたって、リアリティがない(苦笑)

ゾンビものの良さ(私にとっての悪さ)の1つに、「身近な者がゾンビ化」し、その命を奪うかどうかの葛藤なにをもって生きているとするかという議論があると思うが、(今のところ)本作にそれ(複雑な心理描写)は感じられません。

ファイナルファンタジーのキャラデザインで知られる天野喜孝さんや、シャア・アズナブルの声優である池田秀一さんの起用など、嬉しいサプライズはあったものの、それが効果的かと問われれば、微妙。

天野さんのデザインは、元々かなり好き嫌いがはっきり分かれる(私は好きですが)と思いますが、本作のキャラデザも、おそらくは「合わない」と感じる方の方が多いと思います。また、池田さんのボイス、たまらなく格好よくて好きなんですけど、本作のB級感の中では(あのA級ボイスが)悪目立ちしている印象を受けました。

また、「侍」「忍者」「僧兵」など、いかにも外国人が好みそう(と、これまた日本人が勝手に思っている)キャラクターがそのまま、何の工夫もなく使われているのが、安易で安易で。

近代兵器が普通にある世界で、時代遅れの忍者や侍がさほど役に立つとも思えません。周りも、「ジビエがいるんだから、タイムスリップがあっても不思議じゃない」なんてメチャクチャなロジックをすんなり信じているし。ビックリしたわ(苦笑)

日本の、「和」の魅力って、なんでしょうね? 江戸時代以前に戻らなければ、表現できないものなのでしょうか?

そもそも、「今の日本らしいアニメ」が世界で充分に評価を受けているのだから、日本人らしい繊細さや直向きさで、単純にクオリティの高いアニメを作る方がよっぽど日本の魅力を出せたと思います。

てゆうか、かなりに力を入れたプロジェクトだったはずなのに、なにに予算割いたのさ? 

題字に世界的書家(アーティスト)の紫舟さん、刀剣のデザインやコラボ企画に、刀匠の石田國壽さん。ジビエのデザインは、漫画版バイオハザードを描いた(読んだことないけど)芹沢直樹さん。さらに、音楽はイースなどを製作した古代祐三さんや、プロ三味線奏者の吉田兄弟、X JAPAN、LUNA SEA、のメンバーでもあるギタリストのSUGIZOさんやドラムの真矢(+中国のロックバンドVOGUE5さん)が作るサウンドに、大黒摩季さんの歌声。

どの方もその道では超一流なんでしょうが、アニメで生きていました? 

結局、作画は酷い(仮に作画監督に力があっても、単純にマンパワーが足りてないと思う)、監督は初監督だし(というか、初監督でこれだけ個性豊かなメンバーを1つにまとめろっていう無理ゲー汗)、脚本は……今まで何のアニメ書いた人?(調べたら、シリーズ構成が恋味パティスリーだけとか)

なんか、補強ポイント違うくないかい? 

ベテランで給料高い助っ人外国人フォワードを呼んでみたものの、守備陣やセンターラインが脆弱で、全くチームにフィットせず、選手とチームが互いに不幸になっているサッカーチームみたい。

日本のアニメは、複雑すぎてガラパゴス化しているから、ピクサーやディズニーのように、世界中の誰もが楽しめるシンプルなアニメを作りたいという志は素晴らしいと思うが、これでは、シンプルなアニメというより下手なアニメ。シンプルにはクオリティが伴わないといけないし、だったら京アニとかPA、A1あたりが本気出さないといけないのに、ランチ・BOXて(汗)。

いくら、「オールスター」を集めたといっても、寄せ集めの世界選抜とチャンピオンズリーグ優勝のクラブチームが試合すれば、たぶん、クラブチームが勝つわけで(というかこのアニメの場合、イチローやマイケル・ジャクソン、タイガー・ウッズ級を集めてサッカーさせているようなもんだし)。

公式サイト見たけど、天野さんや芹沢直樹さんのデザイン画はめっちゃ格好良い(のにアニメになるとダサい)、紫舟さんの書も石田國壽さんの刀も完全にクールジャパン(だが、アニメ的にはわりとどうでもよい部分)。

アニメ本編より、関連グッズの方が圧倒的に格好良いって、是如何に?
{/netabare}

【余談~ジビエは旨い? ジビエートは面白い?~】
{netabare}
奇しくもこの作品は、「ジビエ料理」のようなアニメになっていると思います。

岩手の山奥で育ち、ジビエがわりと身近にあった身としては、昨今のブームに疑問を抱いています。

ジビエの魅力は、その独特の風味や肉質を味わうものだろうけれど、それは、「美味しい」というより「面白い」という感覚に近く、あくまで「目新しさ」「希少価値」を含めた、総合評価としての魅力だと思います。

シカもイノシシも確かに旨いけど、単純な肉の旨さとして、松阪牛やアグー豚に勝てる気がしません(笑)

もし、本当にジビエの方が、品種改良を重ねた家畜動物より旨いのだとしたら、日本の狩猟はこんなにも廃れていないと思います(生産性の問題はあるが、それこそ、和牛やブランド豚以上の旨さがあるのなら。まあ、安全性考えると、安易にジビエは勧められないのもあるし)。

我々はとかく、「野生」とか「天然」とか「原種」を高評価しがちですが、「品種改良」や「養殖技術」というのは、人類が進化して得た武器です。努力の結晶です。だから、もっときちんと評価されても良いと思ってます(ブリなんか、旬じゃない時の天然に比べれば、養殖の方が断然旨いし)。

本作にもこういう「時代錯誤感」を感じました。

いや、何も天然モノを否定しているのではなくて、「天然=旨い」と盲目的に捉える人がいるように、「忍者=和=外国にウケる」という発想が、あまりにも安直に見えてしまったということです。

アニメだって、この何十年で、色んな努力をし、成長してきたのに、そこをあえて「古くささ」を押して海外に勝負するのが、なんとも時代に逆行していて、痛々しかったです。

色んな意味で、90年代の低予算アニメだったなという印象でした。

(、、、ちなみに、私はジビエの中では猪が好きです。鍋にすると旨い。でも本当は、猪よりも猪豚の方が、より旨いと思っていますw)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
バイオハザード? コロナの時期を狙ったわけではないけど、タイムリーではあるわな。鉄パイプを、「こんなもの」と言ったけど、江戸時代の人が鉄パイプ見たら、その技術に驚くと思うけどな。空気感染せず、1日に1人しか増殖できず、電撃が効くらいなら、人類はここまでやられるかな? 人々を安全圏に逃がして、爆撃で駆逐できると思うんだけど。

2話目 ☆2


3話目 ☆2
ラストシーンの止め絵には笑ったw 色んな意味で、90年代のアニメだな。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34

62.4 5 近未来で戦闘なアニメランキング5位
攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE(オルタナティヴ アーキテクチャ)(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (277)
1713人が棚に入れました
企業のネットが星を被い、電子や光が駆け巡っても国家や民族が消えてなくなる程、情報化されてない近未来――西暦2027年。高度化した電脳犯罪を前に、"攻性"の特殊部隊設立を望む内務省公安9課・荒巻大輔の前に現れる、陸軍501機関所属・草薙素子三佐。生まれる以前に全身を義体化されたサイボーグであり、超ウィザード級のハッカースキルと、卓越したサイボーグ操作技術を併せ持つ草薙は、事件の影に潜む電脳ウィルス「ファイア・スターター」の謎に迫るが――。

声優・キャラクター
坂本真綾、塾一久、松田健一郎、新垣樽助、咲野俊介、檀臣幸、中國卓郎、上田燿司、中井和哉、沢城みゆき

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

攻殻機動隊に初チャレンジ・・・色々と圧倒させられました^^;

前から気になっていたこのシリーズ・・・これまで中々手が出せませんでした^^;
その理由はただひとつ・・・構成が分からなくて、どの作品から視聴すれば良いのか分からない事でした。
1期、2期等と書いてあれば直ぐに分かるのですけれど・・・^^;

今回の視聴もリアルタイムで見るかは悩みましたが、製作がProduction I.Gさんと知り、きっと綺麗な作品が見れるんだろうなぁ・・・と思い視聴を決意しました。

今回視聴したARISEは、1.原作、2.劇場版(GHOST IN THE SHELL)、3.Stand Alone Complex、に続く4作目になるとの事です。
原作は漫画なので、アニメだけで楽しもうと思ったら劇場版から入る事になるんですね。
それで、劇場版には「イノセント」という続編があるようです。きっとイノセントはS.A.Cより先に視聴したほうが良い・・・のだと思いますが、もし間違っていたらご教示頂けると嬉しいです^^;

物語の舞台は、今より遥かに技術の進歩した21世紀の日本・・・
電脳、ネットワーク、義体、サイボーグにAIといったキーワードが散りばめられた世界観の中で物語が紡がれていきます。
主人公は、草薙素子という女性サイボーグなのですが、このお方の格好良さ・・・半端ありません。
「少佐」と呼ばれる彼女は、身体能力、ハッキングスキルが高い上、常に冷静で部隊を纏める資質にも秀でています。
物事の一歩先を読み、部隊に的確な指示を次々に出していく彼女・・・
時折、「少佐、少し人使いが荒いんじゃ・・・^^;」
と思うこともありましたが、部隊のみんなは文句も言わず黙々と任務をこなしていきます。
この部分に最初は少し違和感を覚えましたが、チームの最前線で体を張って犯罪に向き合う彼女にそれも直ぐに払拭されました・・・

それぞれが最も得意な分野を突き進む・・・
みんなのスキルもバラバラなので、一人一人の取り組みを見ると個人商店っぽいのですが、それらが絶妙に混ざり合い、結果的に凄いチームプレーに発展していくんです。
現実の仕事でも、こういうパートナーと一緒に仕事ができたなら、きっと導き出せる答えの質も変わるんだろうなぁ・・・と思いながら視聴していました^^;

この作品は、4本の劇場版をTV放送に再編集して、新劇場版に繋がる2話の新作エピソードが加えられて放送されましたが、攻殻初心者の私でもしっかり楽しむ事ができました。
劇場版で物語が完結したから・・・なのかもしれません。
でも、この作品をもっとちゃんと知って見たら、もっと楽しんで視聴できたと思います。
今では、続きの劇場版も気になりますが、この作品を始めから視聴したくて仕方ありません^^;
最初の劇場版から制覇する楽しみが一つ増えました♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

さえぽん さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

良き攻殻機動隊の時代は終わった。

率直に言うと名作が無難な普通のSF作品に成り下がってしまいました。
ストーリーも特にパッとしないし。
特にキャスト陣の変更がまずダメでしたね。
キャスト陣総変更の理由を、新しい攻殻をと、謳い文句は良いものの、実際の内情は大幅コストダウン化させる為というのがなんとも納得が行かないです…。
正直お金がないなら作らないでもらいたいですね。
にしてもプロダクションIGは平気でキャスト変更しますよね。

坂本真綾以外は、メインキャラを担当した事なんて今までほぼなかったような、知名度も無く普通ならこのまま消えて行きそうな中年声優陣を器用。
さぞ安く雇えた事だと思います。

真綾も、元の草薙素子を意識してかっこ良くは演じてますけど田中敦子さんのような色気が全く出てない。

バトーもそう。カッコイイけどひょうきんで愛嬌があって、温かみのある大塚さん演じるバトーとは全然違う。
ただカッコイイだけ。

パズなんてクールイケメンキャラだったのに窓際族にされた普通の冴えないオッサンみたいなキャラになってしまいました。
本当に「同じ女とは二度寝ない」と言ってたパズなんですか??信じられないですせめて今まので作品のキャラ設定くらいちゃんと引き継いで下さい。

監督もコストダウンさせる為にProduction I.G取締役の黄瀬和哉本人が外部に頼むとお金かかかるから今まで作監しかやったことないのに調子乗って総監督とかやるからこんな最低限の以前までのキャラ設定も引き継いでない欠陥品の駄作が仕上がるんですよ。

それにしてもとても魅力的だった9課のメンバーも演じる人が変わればこれほど魅力のない人物に成り下がるのか、と改めて思いました。

音楽もコーネリアス…今をときめく菅野さんがギャランティ高いのはわかりますけど、名前が出なくなって久しいコーネリアスに依頼したなんてこれも随分コストダウンになったでしょうね。

正直プロダクションIGが、良い作品を作り上げるという事ではなく攻殻機動隊という名作の名を使ってもう一儲けしようと考えて作った作品にしか見えません。

製作陣は自分が大好きだったアニメのキャストが途中で変わってしまったらどう思うのでしょう。大好きなバンドのボーカルが変わってしまったら?
そう考えると絶対に嫌なはずだと思います。
それを平気で行い、名作を金儲けの道具に使い集金目的とは、呆れるばかりです。

あの頃の魅力的な9課のメンバーはもう戻ってきません。

さようなら攻殻機動隊。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

北山アキ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

おしゃれな俺つええ的なもの

攻殻シリーズは押井守の映画を観た。大好き。
http://www.anikore.jp/review/633273/(映画の感想)
SACは3話まで観てなんとなく気分がのらず、そのまま。

これは1話目で画がきれいでびっくり。
劇場上映したものを再編集したと分かり納得。

良かった点を挙げれば、{netabare}
記憶の操作と自己同一性、そこから自己同一性と資本主義や国際関係まで
裾野の広がるテーマ性が垣間見られ、SFっぽい文法で作られている。、
記憶や身体は誰のもの(になるの)か?
企業?政府?自分の自分性はどう確認、あるいは確保されるのか?
みたいな問いかけが読み取れるところが面白い。{/netabare}

難点を挙げれば、{netabare}
前述のテーマは背景程度でしかなく、掘り下げられていない。
物語はテンポよく進むが、淡泊で、感情的な揺さぶりをもたらす展開がない。
戦闘シーンはアクションのためのアクション描写に終始し、
自己における身体性みたいなものを表現する手段にはなっていない。

「かっこいいだろ?」がやりたいだけのアクションが悪いわけではないが、
押井守版がテーマを表現するための手段としてアクションを用いたのと
どうしても比べてしまう。

押井版は「自己」という存在の不確実性や脆さを認識しながらも、
それを繋ぎとめようとする個人を描くことにテーマを絞った作品だ。
舞台設定に飲まれずに、切なくも力強い人間ドラマを描き切ったから
素晴らしいのだと僕は思っている。

ARISEはもっとドロドロしたものをろ過した
攻殻を描くための攻殻であり(人間を描くための攻殻ではないので)、
おしゃれな俺つええ的なものとして観たほうがいい作品だ。
小難しいテーマもあえて深入りしないなのだと思う。

まあ、特別面白くはないけどこれはこれでいいんじゃないでしょうか。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

62.8 6 近未来で戦闘なアニメランキング6位
サークレット・プリンセス(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (105)
355人が棚に入れました
AR技術の発展によるMR-ミックスド・リアリティ-システムを応用したインフラが普及した社会。MR技術を応用し、女子高生を中心とした新しいスポーツ、その名もサークレット・バウト。人気スポーツとなったサークレット・バウトは学園だけでなく、地域を巻き込んだエンターテイメントに急成長し、スター選手は国民的人気者になるほど盛り上がりを見せていた。一方、今や部の存続すら危うい弱小チームと化したかつての強豪校、聖ユニオン学園に一人の転校生が現れた。サークレット・バウトに魅せられ和歌山の山奥からやってきた、彼女の名前は佐々木優佳! 果たして、優佳は聖ユニオン学園の救世主になれるのか!?

声優・キャラクター
長妻樹里、中島沙樹、生天目仁美、水橋かおり、後藤麻衣、種﨑敦美、平井祥恵、相川奈都姫、立石めぐみ、谷口夢奈、近村望実、丸山有香、藤田彩、櫻井浩美、湯浅かえで

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

仮想で戦い、現実を勝ち取れ。

この作品の原作はDMMが手がけるカードバトルRPGだったみたいですね。
完走してwikiをチラ見するまで全然気付きませんでした^^;

物語の舞台は今よりそう遠くない未来…
ネットワーク上の仮想空間およびVR・AR技術の発達は人々の生活を変貌させました。
その中で生まれた競技が「サークレット・バウト(CB)」という仮想空間内で一人ひとりが武器を手にした学園同士の戦いです。
そしてCBの勝敗はその学園の地域に莫大な富をもたらすスポーツへと発展していったのでした。

この物語の主人公は、田舎から東京にやってきた中学生の佐々木優佳…
彼女は大都会に翻弄されながらもCBの大会が行われているコンベンションセンターに辿り着いたのですが、手違いがありCBの大会に出場することになってしまうんです。
しかも、対する相手はCB無敗のエースである藤村千景…という、アニメでは割とあるあるですが、現実では決して有り得ない事態に巻き込まれてしまったんです。

大会関係者、そして対する藤村千景も手違いであることに気付かず…無情にも試合は始まってしまったのですが、奇跡って起きるんですね。
CB初体験である佐々木優佳は天性の運動神経と才能で藤村千景と渡り合ってしまうんです。
ここで初心者らしくあっさり負けていれば、周りも手違いに気付いたと思います。
だからこれは優佳の運動神経が災いしたと言っても過言ではないでしょう。
でも、優佳は知ってしまったんです…CBがこんなにも楽しいスポーツだってことを…
そして時は流れ、高校生になった優佳は聖ユニオン学園に入学し、物語が動いていきます。

完走して振り返ってみると色々と手違いの多い作品でした。
第1話の優佳と藤村千景との試合もそうでしたが、CBをやりたいから聖ユニオン学園に入学したというのに、この学園にはCB部が無かったんですから…
でも、その程度でCBの道を諦められる優佳ではありません。
学園のCB部の実態を知り、半ば強引に閉じ切った扉を開けようとするのですが、この作品が面白くなるのはここからです。

同じ志を持つ仲間が増えるのですが、仲間の誰一人蔑ろにすることなく一人ひとりスポットを当てて丁寧にキャラを掘り下げていくので、聖ユニオン学園CB部のみんなに愛着が持てたのが大きかったと思います。

心に傷を負っていない人は、きっと一人もいないんじゃないかと思います。
心の痛みを知っているから優しくなれる側面だってあると思うんです。
でもその傷にどう向き合うかはその人次第…
向き合い方に正解は無いのだろうけれど、その結果何が得られるかは千差万別…
真摯に向き合い傷を己の糧にするもよし…
目を逸らしてやり過ごすという選択肢だって無い訳じゃありません。

聖ユニオン学園CB部のみんなは自分に対して真摯に向き合っていたと思います。
それが成長に繋がったか…は未だ分かりません。
だって彼女たちは成長の過程なのですから…
でもお互いを知って絆を深めたことだけは間違いありません。
だから「プリンセスマッチ」の優勝がみんなの目標になったんだと思います。

もちろん、優勝への道のりは決して生半可ではありません。
他人に自分の弱さを突きつけられたこともありました。
でも高みを目指し壁を乗り越える努力を怠らなかった結果、それは進化に繋がるということをこの作品ではとても分かりやすく…しかも激アツに描いてくれています。

物語の展開としては王道でしたが、故に分かりやすい分物語にのめり込むことができたんだと思います。
唯一欲を感じたのはCBバトル中の作画…でしょうか。
CBはとても激しいバトルが繰り広げられます。
だからそれを緻密に描くのは想像を絶する大変さであることは理解しています。
それでも…と望んでしまうのは我が儘なのでしょうか。
キャラ立ちが良いだけに、もう少しヌルヌル動いてくれていたら…なんて思いながら視聴していました。

オープニングテーマは、橋本みゆきさんの「HEAT:Moment」
エンディングテーマは、橋本みゆき、佐咲紗花、美郷あき、CooRie、yozuca*、Minamiさんらの「Circle-Lets Friends!」
これはオープニングの楽曲が抜群だったので即買いしちゃいましたよ^^;

1クール全12話の物語でした。
声優陣もベテランばかりなので安心して視聴できる作品です。
聖ユニオン学園CB部のみんなは何を手中にするのか…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

まさか、ドラゴンボールZだったとは(笑)

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
レビュタイ、観た人には分かるはず(笑)

まあ、バトルもの、青春ものの、かなりクオリティ低いアニメですね。

堀川りょうさん、お疲れ様でした(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
最近思うことですが、将棋って良くできたゲームなんですよ。駒のひとつとしてムダがなく、それぞれが個性を発揮しつつも、チートはいなくて。麻雀の役なんかも、上手いバランスで作られていると思います。

勿論それは、そのゲームのルール内において、たくさんの先人達が試行錯誤しながら、戦術、対策を練ってきて、そのゲームを遊びつくし、不要な戦い方を淘汰してきた結果、今の素晴らしいゲームバランスがあるわけですが。ただ、土台としてのゲームバランスの良さというのは、大事なわけです。

んで、本作。

本作を含め、「オリジナル競技(ゲーム)」を題材にした作品はたくさんありますが、ほとんどの場合、プレイヤー(キャラやドラマ性)を重視するあまり、ゲーム自体は軽視されていると思います。色々と穴が多いというか。

本作なんかまさにそうで、「サークレットバトルのルールすらよく分からない」んですよ(苦笑)

ダメージ制なのか、ポイント制なのか。それすら、不明。

一番驚いたのが、6話で明らかになった、「データ容量は金で決まる」という、信じられないルール。もはや、スポーツですらない。

なんか、本作に(逆の意味で)触発され、「実際にあったら面白そうな競技ベスト10」とか、作りたくなった(笑)

あと、別に良いんですが、OPの最初の方が、なんか最近のガンダムのOPっぽい曲調に感じましたw

(このくらい、語ることのないアニメでしたw)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
烈火の炎、小金井の鋼金暗器を思い出すな。ハリボテのチャンピオンとはいえ、初心者がそこそこ互角にやり合うとか、ね。一応、2年の練習期間をもうけたのは、まあ。サービスシーン。

2話目 ☆3
2年間努力してたわけではないんだね。スポ根? とりあえず、普通に見られている。

3話目 ☆3
生徒会長は、普通に出る流れなの? 回避スキルが高いなら、盾系の大型武器より、小回り効く武器の方が良さそうだけどね。

4話目 ☆2
ん? 作画怪しい? コマが少ないかな?

5話目 ☆1
とってつけたような話。走りのフォームが(速い設定なのに)残念過ぎる。つか、「勝っても金持ちだからと言われるのが嫌」だから陸上を辞めて、始めたのが、サークレットバウト? いや、サークレットバウトの方が「金持ちだから」って言われるじゃん、絶対。なぜ、走っている相手に、走って追いつかないといけないの? 中央で待ち構えていれば?

6話目 ☆2
最適化を、なんかキモいって(笑) 使えるデータ量がチーム内で決まっててシェアするってのは、競技として良いと思うんだけど、それが「金」で決まるというのは、どうなんだろう?競技として。銃なのにスナイパーじゃないんかい。

7話目 ☆2
カラオケ、下手と上手いのリアルだな。お父さん、声が若いな(苦笑) 今までのどのサークレットバトルより、ちゃんとバトルしてるんだが、身内同士で(苦笑) オーバーヒート現象、、、ネーミングが、ダサい(笑)

8話目 ☆2
処理落ちによる、瞬間移動? なら、サーバーを強化したら、アドバンテージを失うということ? おにぎり、グロいわ(笑) ちょいシリアスに?

9話目 ☆3
ガケ登るなよ(笑) 説明回。梅干しで乾杯(笑)

10話目 ☆


11話目 ☆2
もはや、スーパーサイヤ人ですがな(笑)

12話目 ☆
元気玉(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

キャットファイトで町おこし

ゲームは発売前(放送時点)


例によって懲りずにゲーム原作!?に手を出してしまう私。

仮想空間とMR技術が発達し、そこから生まれたEスポーツ「サークレット・バウト」(CB)が地域の繁栄を左右する重要な要素となった未来。(wikiより)
とありますが、意訳すると

“キャットファイトで町おこし”

ということなんですかね。
そこで期待した男性諸氏には忍びないですが、高校の部活動でサークレット・バウト部があるくらいなのでガチのキャットファイトではございません。学校の許可が下りないと思います。武器をもって一対一で戦う格ゲー(女子限定)みたいなものでした。

なぜか肩口ぱっくりですし、コスチュームは露出度高めで、体のラインぴったりのしか着てないしで、ターゲットどこらへんに置いてるかもわかりやすいですね。なぜか毎話のように入浴シーンもあったりします。

面白くはありませんが、こういうシンプルなメッセージを発信してくれる作品は嫌いじゃありません。
サークレット・バウトの試合を見せたいはずなのに、その試合作画がびっくりするほどテキトー。B級感もハンパなく、けっこうこういうの好きな人いるんじゃないかな。
全方面で作りこみが甘いためB級好き以外にはおすすめできません。余力のある時にネタ枠として観ていただくのがよろしいかと思います。


{netabare}物語としては唯一のひっかかり部分。第一話で優佳との替え玉騒ぎに巻き込まれた相手がユニオン学園の総代さんだろー?の件はどういう回収のされ方をするんだろう?{/netabare}
{netabare}あの時に替え玉にされてたことで実は総代さんを救う結果となっていた、という予想ではありますが、ぜぇっっったいぃ、、雑な回収になるはずなのですごい観てみたい気がしますが。。。{/netabare}


性懲りもせず手を出しときながら、4話で途中撤退です。成長しませんね。


■みどころは声優さんか?
他のレビュアーさんに教えてもらいましたが、ゲーム原作だと直近で出演作の少ない中堅の声優さんが出ることが多いとのこと。あーあの人!的な懐かしい出会いが本作でもありました。

佐々木優佳(CV長妻樹里):最近「たまこマーケット」観たばかりですが、大工の娘かんなちゃん役がはまってました。本作ではうってかわってきゃんきゃん吠えてる(褒め言葉)ヒロイン役です。
相沢歩(CV水橋かおり):みんな大好き!?まどマギの巴マミ役の印象がとにかく強い方です。お元気そうで何よりです。


主役女子高生5人組を演じられてるのは40代か若くても30歳を超えてるお姉さま声優の皆さんでした。でよくよく見たら、ゲームは通常版とR18指定版の2種類出す予定みたい。
なるほど、、売出し中の若い子は事務所的にNGとか大人の事情も垣間見えるところです。

となると最強の女王役藤村千景(CV種﨑敦美)はゲームにも出演されるんでしょうか?

もうアニメそっちのけでこちらが気になります。そしてゲームはやらないと思います。



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2018.03.26追記
結局6話まで引っ張りました。


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2019.08.23追記
《配点を修正》 -0.1


視聴時期:2019年1月~3月リアタイ視聴



2019.02.01 初稿

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30
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