電脳で未来なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の電脳で未来な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月10日の時点で一番の電脳で未来なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

64.6 1 電脳で未来なアニメランキング1位
フラクタル(TVアニメ動画)

2011年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (815)
4300人が棚に入れました
舞台は世界を管理する“フラクタル・システム”が完成し、人類が働かなくても生きていける楽園に足を踏み入れてから1000年後の未来。システムはかろうじて稼働していたが、誰もシステムを解析することはできず、ただ維持し続けることが幸せの条件だと信じて疑わなかった。しかし、大陸の片隅ではフラクタルが崩壊し始めていた。漫然と日々を生きる少年・クレインは、ある日何者かに追われ崖の下に転落した少女・フリュネを助ける。少女との出会いに心躍らせるクレイン。だが、フリュネはブローチを残しクレインの前から姿を消した。ブローチに残されたデータには、少女の姿をしたアバター、ネッサが閉じ込められていた。ネッサとともにフリュネを探し旅にでるクレイン。そこで彼は“システム”の秘密を知ることになる―

声優・キャラクター
小林ゆう、津田美波、花澤香菜、井口裕香、浅沼晋太郎
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ヤマカンとあずまんと、時々、マリー

【概要】
 2011年冬。原作に思想家の東浩紀ことあずまん、脚本に岡田麿里ことマリー、監督に山本寛ことヤマカンという豪華制作陣で送るオジリナルアニメ。アイルランドを舞台に繰り広げられるSFファンタジー。放送前の期待値は高かったのだが、結果は撃沈。コミカライズを担当している漫画家から「こんなつまらない作品の連載を続けたくない」と愚痴られて揉めたり、原作のあずまんから「監督が耳を傾けてくれたらいいアニメになってた」と後日批判されたり、作品の内外問わず悪評高い作品でもある。

 駄作といえば「フラクタル」、「フラクタル」といえば駄作。2010年代の有名クソアニメとして必ず名前の挙がる不名誉な作品。クソアニメと言っても最近ありがちな「いもいも」「メルメド」等の作画崩壊系ではなく作画はむしろ良い。(特に第7話は凄いと思う。)でも作画が良いということは裏を返せばそれだけ製作費がかかっているということであり、事前の宣伝も力が入っていたらしく、放送後ヤマカンは最大の戦犯としてボロクソに叩かれたそうだ。

 評判的にもパッケージの売上的にも散々な結果に終わったフラクタル。原作のあずまんは「震災があったのにサブカル批評なんてやってる場合じゃねえ!」と早々に逃亡。マリーは同年「花いろ」「あの花」等のヒットで汚名返上できたのだが、「この作品が失敗すれば引退も辞さない」と事前に決意を語っていたヤマカンのダメージは大きく、カリスマ的な権威は失墜、その後は奈落に落とされるようにして、先日破産にまで至ったのである…

 フラクタルについて、ヤマカンはBLOGでこう語っている。(何を隠そう、僕はヤマカンBLOGの愛読者なのだ。)
 https://lineblog.me/yamamotoyutaka/archives/13018660.html

 この記事の後も「フラクタルは名作、ネットの評判に潰されただけだ」「フラクタルは必ず再評価される」など自己弁護的な発言を繰り返しているヤマカン。往生際が悪いにもほどがあるのだけど、彼はフラクタルが失敗作だとは絶対に認めたくないらしい。そこまで意地になるフラクタルとは一体どのようなアニメなのか、気になっていたので観てみた。

【感想】
 結論から言うと作画が良くて、音楽も良くて、世界観も深くて、声優さんも上手くて、それでいて心躍るものがないという、何とも残念な作品でございました。世間の評判と大差ない感想になってしまったんだけど、「つまらない」と言われる原因ははっきりしているように思う。

 1つはフラクタルシステムに関する設定が分かりにくく、最後まで見ても何を訴えたかったのか漠然としている点。もうひとつは主人公のクレインが受け身体質で、理不尽な出来事に巻き込まれながら淡々と話しが進んでいくため盛り上がりに欠ける点。見た目はジブリ風の冒険活劇で、特に「天空の城ラピュタ」を連想させる雰囲気を醸し出しているのにワクワク感や達成感、人物の成長を感じられる場面に乏しく見た目とのギャップが大きい。王道の冒険ストーリーを期待すると失望することになるだろう。

 フラクタルのストーリーのあらすじはこうだ。(公式ページから転載)

 “世界を管理する「フラクタルシステム」が完成し、人類は史上初めて、もはや働かなくても生きていくことができる圧倒的な楽園に足を踏み入れた。それから千年 ―― システムはいまだに生き残り稼働し続けていたが、もはや誰もそのシステムを解析できなかった。多くの人々が、その維持こそが、人類の幸せの条件だと信じて疑っていなかった。物語は、そんな「フラクタル」が崩壊し始めた、ある大陸の片隅の島で始まる。漫然と日々を生きる少年・クレインは、ある日何者かに追われ崖の下に転落した少女・フリュネを助ける。少女との出会いに心躍らせるクレイン。だが、フリュネはブローチを残しクレインの前から姿を消した。ブローチに残されたデータには、少女の姿をしたアバター、ネッサが閉じ込められていた。ネッサとともにフリュネを探し旅にでるクレイン。そこで彼はシステムの秘密を知ることになる”

 要するに典型的なディストピアものであり、ボーイミーツガールである。その定型に従えば、主人公のクレインが世界の危機に勇猛果敢に挑み、一目惚れした少女フリュネを助け出し、フラクタルシステムの再起動を阻止し、デカダンスに陥っている人々の生活に潤いを取り戻す…というストーリーが頭に浮かんでくる。ところがこのアニメは視聴者の予想を見事に裏切ってくれるのだよ。

 {netabare}主人公クレインはフラクタルを否定し昔ながらの生活を是とする集団「ロストミレニアム」と出会うが、彼らは暴力に訴えるテロリストという一面があり全幅の信頼を置ける仲間とはいえない。見続けると、フラクタルシステムに依存する暮らしが当たり前になった世界で、システムを停止させることが正義なのか段々疑わしくなってくる。システムの管理者であり存続を図る「僧院」とシステムの破壊を狙う「ロストミレニアム」の間で板挟みになったクレインは確固たる信念を持って行動できない。そもそも設定上、彼に人々を動かし世界を変えるだけの力は一切与えられていない。見ている側からすると非常にもやもやする。

 フリュネへの恋心はぶれないが、フリュネが「何を考えているかよく分からない」女の子で話も噛み合わず、勝手に行動するから盛り上がるはずの恋愛要素で全く盛り上がらないという状態。{/netabare}

 以上、ヤマカン自身も認めているように本作はエンターテイメント性が希薄で分かりやすい面白さがないんだよね。(そこは認めておきながら、なぜ名作だと言い張るのか…)これでは「退屈」「楽しくない」「何をしたいのかよく分からない」といった感想が並ぶのも致し方無い。僕は嫌いじゃないんだけどね。少なくともハルヒ1期より好きだ。(フラクタル以下ってどんだけハルヒ嫌いなんだよと突っ込まれそうですが)

【考察】
 この不人気アニメの考察を読みたい人がどれだけいるか疑問だし、見たことある人自体少なそうだけど、折角なので書いてみよう。

 ネット上のログを見るに、原作のあずまんは制作の途中で「あなたが入ると話がまとまらない」と脚本会議から追い出され、どうも後半のストーリーは彼の構想とは違うものになったらしい。したがって本来のフラクタルについては勝手に想像するしかないのだけど、あずまんがやりたかったのはトラウマを抱えた可哀想な少女を救うKEY的な物語だったんじゃないかと思う。東浩紀ことあずまんはポストモダンという視点でサブカルチャー批評を行い話題になった人だが、「動物化するポストモダン」や「ゲーム的リアリズムの誕生」を読めば分かる通りアニメよりも美少女ゲームに造詣が深く、とりわけKEY作品が大好きなんだよね。(いわゆる鍵っ子)

 それを踏まえるとフリュネの不幸な境遇、ネッサの純粋無垢な性格はKEYヒロインにありがちだし、フラクタルシステム自体は緻密な設定を構築しておきながら再起動の鍵になるのが16歳の少女という物語の核心的な部分について何のロジックもないというのもある意味でKEYっぽい。美少女ゲームの「運命」や「奇跡」って往々にして理由付けがなかったりする。

 「ゲーム的リアリズムの誕生」によればノベルゲームには「メタ物語的」な構造が見受けられるという。あずまんは自著で「ひぐらし」「AIR」「ONE」などの作品を取り上げ、これらの作品にはゲームのプレイヤーとゲーム内の主人公の視点を同一化させてしまう巧妙な仕掛けが施されていることを説明している。たとえば「ひぐらしのなく頃に」はストーリー自体は一本道で購入者はクリックして話を進めることしかできないのにも関わらず、各編は選択肢に失敗したがゆえのバッドエンドであるかのように錯覚し、プレイヤーは自分の力で物語を正しい在り方へと導くような感覚があるといった具合だ。

 フラクタルが「メタ物語的」な想像力を実践する作品だとすれば、わがままで自分の意のままにならず話の通じない一方、なぜか惹かれてしまうし性的な存在でもあるフリュネは現実の女性の象徴、人懐っこくいつも笑顔で自分の身近にいてくれる一方で、実存しないアバター「ドッペル」でしかないネッサは虚構のキャラクターの象徴だと思えてくる。

 ここに自分を愛してくれるのは実体のない二次元キャラで、本当に愛されたい三次元の女性とは分かり合えないという悲しい構図が見て取れる。あずまんは視聴者をこの皮肉な構図に嵌め込み、男性の不能感(フリュネを救えないバッドエンド)あるいは全能感(フリュネを救うハッピーエンド)をトコトン味わわせて泣かせようという魂胆だったのではないかと予想する。ヤマカンに没にされ小説版フラクタルもなかったことにされた今となっては想像しても詮無き事ではあるが…

 結局フラクタルはヤマカンが作りたいものを作ったことになるのだけど、「アニメ業界批判(藤津亮太)」、「80年代への回帰(宇野常寛)」といった評論家の方々の評価は少し外れているように思う。萌えアニメの台頭によってキャラクターが記号化・パターン化し、客に媚びた作品やストーリーを軽視した作品が増えているという問題意識は当然あるだろう。ヤマカンがBLOGやtwitter(問題を起こしすぎて現在はアカウント凍結されているけど)で度々言及していることだ。でも当時は批判一辺倒ではなく、もう少し前向きな気持ちで作っていたんだと思う。下記の対談記事で語っている内容が一番真意に近いのではないだろうか。

 http://www.billboard-japan.com/special/detail/99

 {netabare}最終回でフリュネはフラクタルシステムを再起動させるという道を選び、クレインもフリュネの決断を止めようとはしない。見せかけの虚構によって人々の心を支配するフラクタルシステムがアニメ業界のカリカチュアであり、仮に萌えアニメを業界から一掃したいという考えがヤマカンにあるならば本システムは唾棄すべきものであり、主人公たちに破壊する道を選ばせるはずなんだよね。でも、そうはしなかった。フラクタルの聖域でフリュネとクレイン、ネッサの三人は「神」なるものの姿を観るのだけど、スクリーンに映し出された神はただの女子高生で、彼女は「ネッサ」と名付けたウサギのぬいぐるみに愛おしそうに話しかける。この演出の意図するところは、アニメの視聴者とアニメのキャラクターの関係を女の子とぬいぐるみの関係にスライドさせ、キャラクターに抱く特別な感情(もちろん萌えも含めて)を人間らしい感情だと肯定しているように僕には思える。

 この後場面は一年後になり、クレインは自炊生活をしながらもドッペルの犬を可愛がっている様子が描かれる。要するにヤマカンは「萌え要素を残しつつも従来のストーリー重視でテーマ性も感じられるアニメを俺は作るから、お前らついて来い!」と言いたくて、これを作った当時はオタクと手を繋ごうという意志がまだあったんだと思うんですよ。だからこそフラクタルを批判されると反撥するし、このアニメを否定されると身を切られるようにつらいのではないだろうか。
 {/netabare}

 以上、長々と語ってきたけど、東浩紀のデータベース消費理論を知らない人にとって、人と社会の関係、消費者と創作物の関係に相似を見出すこと自体無理な話だと思う。(どうしてフラクタルのストーリーとアニメ業界の話が繋がるのか分からないはず)

 このアニメこそヤマカンが散々BLOGで言ってるスノビズムに冒されている作品のようにも見える。こんだけアニメについて熱く表現したところで視聴者からすると「そんなの知らんがな」で終わるような気がするのだけど、僕の思い過ごしですかね?やっぱりポタクの戯言ですか!?

 

投稿 : 2024/06/08
♥ : 21
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

こんなの間違ってる。

フラクタルシステム。
これにより、この世界の人間には一定額の収入が支給され、ある程度の自由が許されるようになった。
あくせくと働くことをしなくても手元にお金がある状況ができ、大衆は好きなことに好きなように時間の全てを使うことができるようになった。
まさにある種の理想が現実となった世界なのである。人々はその自由に心までどっぷりと浸かっていた。


その世界に生きる1人の少年クレイン。科学技術が進歩し全てがデータとなっている中で
彼はビンテージ(僕らが今使っているコンピュータ)をこよなく愛す、周りからしてみると一風変わった少年だった。
その日クレインはフリーマーケットの帰りだった。自転車に乗り風を切る。とても気持ちが良い午後だった。
あたりは芝生の綺麗ないくつかの丘によって小さな起伏の波ができておりとてものどかな眺めである。
砂利道はまるでフォークを手に持ち力づくに切リ分けたケーキのような崖に沿い、彼の家までずうっと続いている。
クレインは自転車を途中で止め本日の収穫を確認した。手には成り行きで持ってきてしまったデータが一つだけ。
中を調べてみるとそれは教科書のデータだった。期待外れの収穫にがっかりし、空を見上げる。
雲はまるで関係ないような顔をして去っていった。すると急に何かが視界を通り過ぎた。
彼にはそれが最初鳥に見えた。白い大きな鳥。それは何かに追われていた。
でもそれは白い大きな鳥ではなく1人乗り用の飛行機に乗った若い女の子だった。一目見て可愛いと思った。
クレインは急いで自転車に乗り追いかけた。頑張って並走しようとする。彼女とコンタクトをとろうとする。
けれど少女の飛行機は追跡者に撃たれしまった。そのまま飛行機と一緒に少女は崖に沿って下に落ちていく。
落ちていく、落ちていく。いや、すでに堕ちているのだ。



管理社会を扱った作品です。世界観や設定はとても良いです。すごく好きです。
でもあまり面白味がなかったのがとても残念でした。そして評判もあまり良くはありません。
1話から3話くらいまではとても良かったのにそれ以降は回を追うごとに悪くなっていく。
僕が一番感じたのは何人かの登場人物の魅力の無さでした。

まずクレイン。
彼にはフラクタルシステム下で生活していたせいか意志というものが欠落しています。
だから誰かを助ける!とか構うもんか!とならなければならないシーンで熱がない。足りない。ほぼみせかけでした。
他の面で良いところはあるかと探してみても特に見つからず、ぐだぐだとグラニッツというレジスタンスの中にいた印象しかありませんでした。
「彼が何かしたかい? いやいや、ただそこにいただけさ。」

次にスンダ。
彼はレジスタンスである「グラニッツ」のリーダー。しかし頭悪いし、リーダーシップないしで、魅力も0です。
彼とクレインが一緒になることで物語もどんどん面白さを失っていったと思います。
肝心なグラニッツ一家に関してもこっちには何も伝わってきません。やっと分かるのは名前くらいです。

彼らのテロ行為もおかしいと僕は思います。
フラクタルシステムに反抗し、自活することができていればそれはそれで十分に戦っていることなります。
それはジョージ・オーウェルが『1984年』で綴った一文、「抱擁は戦いである」と同義です。
社会のシステムに身を委ねず、魂を売らず、強いられた生活の営みの中に反抗を見い出し、
自らが打ち立てる強い意志を保つことでそれが意味を成し、心の最も大切な支えとなり、剣となるのです。
それを他の人に広めたいのなら他にも手段はあったはずです。もっともこれは例えばの話ですが。
しかし、それを飛び越えて人を殺すことを目的に襲撃するのがスンダの「抵抗」と言うのなら、それはただの殺戮でしかありませんでした。
まったくもって、ただの人殺しです。
それでは世界はなにも解決されなし、誰も救えない。愚か者め。

ストーリーもはっきりしないことが多いです。どこに焦点を持っていっているのかもあやふや。
観ていて状況は分かっても結局なに?だから何なの?という感覚でした。
基本観ていて分かることはあんまりない。理解しようとする努力も水を掴もうとするくらい無駄なものでした。

良いところもたくさんあったのに全て自分達で潰してしまっている、非常にもったいない作品です。


{netabare}

1話は本当に面白かったのに!すごくすごく惹かれました。
でもあのグラニッツの2人組もすごくよかったのに片方を襲撃で殺しちゃうし…



僕がさらにここで書きたいのはフリュネについてです。

彼女は本当に悲惨でした。
彼女が登場した1話から僕は非常に好感を持っていたのであのような状況にはひどく傷つきました。
あの椅子や、あのアホの頬ずりや抱きしめられる姿には本当に胸が引き裂かれる想いでした。
最終話のアホの語りの部分は聞いているだけで頭がおかしくなるかとも思いました。
観終わった後20分くらい体育座りで泣いてましたww 俺も俺で相当気持ちが悪いww
でも本当に傷ついた。泣いた。

どうしてアニメにあんな設定が必要だったのでしょう。なぜフリュネは汚れなければならなかったのでしょう。
悲劇的要素を含ませたかっただけなのであればこれほど悲しいことはないと思います。
生み出され、汚され、自由もなく、そして無に消えいく。
最後のフリュネの姿も見るに絶えません。あんなのありえないでしょう。
道徳観がどうかしているとしか僕には思えません。どうしてあんなに酷いことができたのでしょう。

僕個人の見解としてはフリュネが汚される理由は特に無かったと思います。
ではどうしてこんなことになったか。それは作る側がただただ悲劇を生み出したかっただけだろうと思います。
話(物語と呼ぶには決して値しない)の終盤に向けてなんとか大義名分やら目的やらが欲しかったのでしょう。
単発型の扇情的な描写でしか引く手がなかったのでしょう。筆舌に尽くし難いほど素晴らしい脚本です。
視聴者を傷つけるような雑なプロットに、話は簡単には分からないように作り少しでも好奇心を持たせようというだけを目的としたストーリーはもはや灰に等しいです。


決して現実と虚構が錯綜しているわけではありませんよ!その辺はまともな人間であると自分を信じたいw
ただフリュネに関してはもっともっと掘り下げることもできただろうし、
他のことを通してあの積極的で頑固な性格を生かす手段がたくさんあったのではないかと思うのです。
おそらくこの想像があることも悲劇的運命を受け入れられない一つの理由かもしれません。
どうしてかは分からないけれど彼女にはすごくすごく惹かれました。というか大好きですねw
それも最後まで観てしまった今ではもう。とても悲しかったです。

2度とこの作品を観ることはありません。偏見の強い文章ですみません。

{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 19

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

宮崎作品の模倣? もう少しがんばって下さい。

フラクタルシステム確立後、千年後の世界。
ここでの人間は完全管理により幸せな生活をおくれる代わりに人間性を失っている。
この作品は、人間性を取り戻すための戦いを描いた作品である。

雰囲気は、古き良き宮崎作品を彷彿とさせ、ナウシカやラピュタの影響がチラチラする。

途中までは、面白そうな展開であった。
しかし、ストーリーとして洗練されておらず、世界観を十分描き切れていない。
もう少しシナリオを練り込めば、成功作になり得た作品でしょう。

OP曲;なんかハマります。
ED曲;アイルランド民謡、いい感じです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 18

64.2 2 電脳で未来なアニメランキング2位
紅殻のパンドラ(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (360)
1839人が棚に入れました
先進国では、一部ではあるが、サイボーグや自律ロボットが一般に出回り始め──
戦争や災害をはじめ、世界はあらゆる災厄に覆われ、救いをもとめて人々がさまよっていた時代。
これはそんな時代に──全く関係なく、『彼女が、彼女に出会う物語』

声優・キャラクター
福沙奈恵、沼倉愛美、田中敦子、森田順平、松田颯水、村川梨衣

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

明るく可愛い全身義体の女の子だや〜

原作未読 全12話

主人公の七転 福音(ななころび ねね)が両親と死別し、親戚の引き取られた先のセナンクル島で、ある大事件に巻き込まれるお話。島に向う途中で知り合ったアンドロイドのクラリオン(クラリン)と一緒に物語は進んでいきます。

原案が士郎正宗さんというこで「攻殻機動隊」と同じ世界観らしいのですが、こちらはシリアスな部分を極力抑えて、明るく楽しいコミカルな感じになってます。

福音とクラリンの愛情に近い友情物語という感じですね。とにかく明るい前向きな福音に対して、いつも冷静なクラリンの極端な性格でバランスが良かったです。

良くも悪くも可愛い作画やコミカルなところ挟んでいるので、ハラハラドキドキというような危機感を全然感じませんでした。

お話も切りがいいところで 終わってい ますが、伏線が全然回収されていないので全容が最後まで把握できません。

福音とクラリンの近未来な日常として割り切って観ると楽しいかも知れませんね。

OPはZAQさん、EDはこの作品の主役キャラを演じている福沙奈恵さん、沼倉愛美さんの2人が歌っています。

最後に、変身シーンだけはちょっといただけませんね^^;

投稿 : 2024/06/08
♥ : 33

offingbook さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

LOVE&PEACE!

2016年1月から3月まで放送。全12話。原作漫画未読。

サイボーグやロボットなどが一般にも出回り始めた近未来。ある島を舞台に、
脳以外を全身機械化した少女・七転 福音(ななころび ねね)と、
その島で福音と出逢った美少女型のアンドロイド・クラリオン(通称・クラりん)、
2人の活躍や日常を描いたSFアニメ。

シリアスな雰囲気になっても、思わず笑っちゃうユーモアが入り込む作風。
SFだけれど、難しくなり過ぎない軽やかさ。
目を惹く近未来的な映像表現がありつつも、ほのぼのとしたやわらかさを失わないゆるやかさ。
SFであり、変身ヒロインものであり、でも日常コメディであり、
そして可愛い百合もある、そういうの全部合わせたカオスな感じ。

いろんなものが盛り込まれているのに、すっきりとした気持ちで観れる、
その、絶妙なアンバランスなバランスの良さ、全部ひっくるめてすごく僕好みでした!
(僕は何を言っているんでしょう?(笑))
まぁ簡単にいえば、すっごく面白いアニメ作品でした!2016年冬アニメで一番好きです!

いろんな要素が描かれつつも、それでも今作を重さなく、とことん楽しく視聴出来たのは、
何といってもメインヒロインの2人・福音とクラりんの可愛らしさです!

明るくて優しい、感情豊かな福音。福音と出逢い少しずつ変わっていくクラリオン。
2人ともすごく可愛らしくて、とても魅力的。いっしょに少しずつ成長していって、
少しずつ深まっていく信頼や繋がり、観ていて愛らしく、とても癒やされました。

たとえどんなことが起ころうとも、2人が正しくまっすぐ進んでくれたから、
観ているこちらも、最後まで清々しく、温かい気持ちで視聴できました。
二人を見守る(?)ブエルの存在も楽しかったです。(笑)

福音とクラリオン、2人にはこれからどんな日々が待っているのでしょう?
きっとまだまだ慌ただしい未来が待っていそうで、とっても気になりますね。
まぁ簡単にいえば…続編が観たい!すごく観たい!(笑)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 31
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ルールをちゃんと守る悪役(苦笑)

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
90年代後半のアニメの良さを出している感じの作品。

エロは苦手だけど、ギリギリ許容範囲かな? 絵は、あえて少し古めを意識してるのかな? メカがタチコマっぽくて、攻殻機動隊ファンとしてはニヤニヤ。もちろん、他にも共通点多数。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
う~ん、面白くなかったな~。パンドラデバイスはひとつの装置として良かったと思います。少年がいきなりモビルスーツを操縦できるよりは、インストールという方がなんとなく納得できるし、あの位置にあるのもまあ、他人にバレにくい部分にあると思えば、なくはない。ざっくり言うと、士郎版ひみつのアッコちゃん、ですね。

中盤の日常回がいらなかった気がします。最初と最後をシリアスバトルにするなら。あと、敵も味方も、みんな浅いな~と思いました。特に、メインの敵であるイアン・クルツの小者感がひどかった。

「ブエルの真の価値は……」と気をもたせ、「荷電粒子砲だ!」……ん?? 「荷電粒子砲なら、条約に触れることなく、中枢を破壊できる!」……って、真面目か(゜o゜)\(-_-)wwwww

なに、悪のくせに条約気にしてんねん(笑) というか、最初は条約外でも、すぐに条約化されるでしょ? そしたらなに? ブエル使うのやめるの(笑)?

ある意味で、ここ最近一番笑った台詞です(笑) 死に方まで小者だし(笑)

あと、ところどころでガンダムネタが雑に扱われて、腹がたちました。シリアス場面での笑えないパクりネタは、原作への冒涜、つまり悪です。と、ガンダム好きとしては、思わずにはいられませんでした。

まあ、士郎さんは、世界観の設定とざっくりしたキャラ設定までの原案で、ストーリーその他諸々は、漫画家の六道さんが担当しているそうなので、しょうがないかな~とも思いました。最初は面白かったのに、残念。シリアス展開追いかけ(微百合、微ギャグ程度で)、2期目があったら、化ける可能性も感じるアニメでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 29

63.3 3 電脳で未来なアニメランキング3位
RD潜脳調査室 アールディー(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (272)
1687人が棚に入れました
2012年、フリーダイバーの波留真理は、建設中の人工島沖合で観測実験の最中、「海が燃える」現象に遭遇し、49年間も昏睡状態に陥った。2061年、長い眠りから覚醒した波留は81歳の老人となり、車椅子生活を送らざるを得なくなった。そんな中、波留は旧友・久島永一郎によって、メタリアル・ネットワーク(通称:メタル)の情報を調査する、電理研外部委託調査員に任命される。メタルは、安全で人々の欲望を満たす一方、現実世界(リアル)の世界に歪みが生じたからだ。こうして、波留は蒼井ミナモとバディ(英語で『相棒』の意)を組み、メタルとリアルの間で起きる事件や謎を追う事になる。

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あなたにリアルドライブ!

全26話(攻殻機動隊未視聴)

攻殻機動隊の原作者 士郎正宗と制作したプロダクションI.Gの共同原作作品です。
設定は合わせているようですが、内容には接点がないようです。

ネットワークが発達した世界、通称「メタル」での様々な事件や謎を解決するため、電脳ダイバーで主人公 波留真理(はる まさみち)、ヒロインで中学生の波留さんのバディ(相棒)蒼井ミナモやその仲間たちの活躍を描いています。

キーワード「海」ですね。舞台は海が綺麗な人工島で普通にダイビングできそうな感じです。

基本、1話で1つのエピソードですので、観やすいです。
終盤は、連続したお話となります。

主人公が老人という設定はなかなか斬新でした。

キャラはみなさんちょっと太めです。萌え作画ではありません。

自然と科学技術は調和できるのか、対局にあるのか、そう言ったことを考えさせる作品だと思います。

電脳世界といっても基本人間同士のお話なので、人間味溢れるエピソードが多い作品です。楽しめました。オススメです。

OP/ED アニソンとはちょっと違う感じの曲です。アップテンポな曲ですが、儚さを感じました。

最後に、主人公 波留真理さんの声を担当していたのは森 功至さんですが、私には銀河英雄伝説のウォルフガング・ミッターマイヤーのイメージが強いですね。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 27
ネタバレ

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ある意味、インパクトの強い作品

内容は、「メタル」と呼ばれるネットワーク世界。それにより発生する、
リアルとメタルの間で起こる事件を解決していくって感じのお話。
基本的には1話完結で全26話です。

この作品は、主人公が81歳の老人だったり、女性キャラのデザインが
異様に太いなど、少し変わったアニメではありましたが、
個人的には楽しめましたww

電脳化や擬体化など、「攻殻機動隊」に近い用語が出てくるな~って
調べてみると、原作者同じらしいですね。まぁ繋がりはないようですがw


物語としては、地味かも知れませんが落ち着いて見られる
良い内容の作品だと思います。

犬の話、視力を失った少女の話、美食倶楽部の話などなど、
電脳化社会ならではの事件や出来事は、興味深い話も
沢山あって面白かったです。

それに、たまにある素手での格闘シーンが何気に良かったです!!
ホントたまにしかないんだけど、自分はとても好きでしたww


まぁ終盤の展開やラストについてはちょっとな... って思ったりもしたけど、
全体的に見れば楽しめたので、良しとしようって感じです。

それに、これより許容しづらかったトコがあったので... 太さとか...


では最後に、この作品を見て誰もが必ず思うであろう女性のキャラの
キャラデザについて。(ネタバレではないです。ただ、自分の感想を
ぶちまけてるだけなのでww){netabare}

とりあえず... ムチムチ具合が半端無いです!!


太ももは太いし,お腹の脂肪やたるみなどがしっかり描かれています。
明らかにぽっちゃりを超えてる気が...

う~ん... これには一体どんなこだわりがっ!? 誰の好みですか... !?
とツッコミたくなります!!

マジでありえないです!! どういう意図があるのでしょうか...
全く意味が分からないww

さすがに見続けると慣れてはきますが、見始めた当初は切るかどうかすごく悩みました...

個人的には、キャラデザだけで長文レビューが書けちゃうくらいの衝撃度だったし、
実際、見続けるにあたっての最大の難関でしたww
{/netabare}

まぁ攻殻の「姉妹作」、女性キャラの体型、地味な物語などなど、
気軽に見るには取っつきにくい要素もありますが、
個人的には楽しめた作品ではありましたww

投稿 : 2024/06/08
♥ : 25

えんな さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

もうひとつの電脳社会

攻殻機動隊でお馴染みのプロダクションIG、士郎正宗原作の近未来SFモノです
なんとなく攻殻機動隊と似たような世界、共通設定(電脳とか)ありますが別世界みたいですね
けっして二番煎じとは思いませんが、イマイチ影が薄い作品になっているみたいで残念です

主人公はなんと81歳のおじいちゃん!いい味出してます
ヒロインは15歳!オイオイ・・・と思ったら孫と祖父みたいな温かい関係です
主要な登場人物はそんなに多くないので関係性もすぐ把握できます
主人公のcv森功至さんは70年代のタイガーマスク役の方だったんですね
ニュース番組のナレーションで聞き覚えていたので、しっとりとした声で役にあってると思いました

攻殻機動隊とは違った電脳ネット社会を描いてるので楽しめました

個人的に「もっと評価されるべき」

投稿 : 2024/06/08
♥ : 25
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