鹿乃で姉妹なTVアニメ動画ランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月01日の時点で一番の鹿乃で姉妹なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.8 1 鹿乃で姉妹なアニメランキング1位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (683)
3750人が棚に入れました
【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。最強と名高い女剣士は今日も仲間たちと共に、広大な地下迷宮『ダンジョン』へと繰り出していく。様々な謎と脅威が襲いかかる深層域で、アイズが風を呼び、迷宮の闇へと一閃を刻む! 迷宮都市オラリオの地で、それぞれの物語が今、鮮烈に交差する! これは、強さを求め続ける少女と、その眷族の物語。

声優・キャラクター
大西沙織、木村珠莉、村川梨衣、高橋未奈美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ダンまちに外伝を求めるのは間違っているだろうか

原作未読


劇場版『オリオンの矢』を控えた本編の再放送を観了後。だいぶ後回しにしていた『外伝ソード・オラトリア』をやっとこ観ました。2期も始まりましたのでその前に予習しとこ!そんな感じです。


本編は至極真っ当な古典的RPGの薫り高い良作でした。主人公ベルくんの成長物語や紐…女神ヘスティアに魅せられた本編の1期です。
思ったより硬派じゃあーりませんか…ってのが、「タイトルでもったいないことしてるな~」の褒め言葉にも繋がりました。


今回のソード・オラトリアは本編と時間軸を同じくするもう一つの物語。ロキ・ファミリアに焦点を当てた外伝に相当します。
ファミリアの豪華なメンツはこちら↓

{netabare}アイズ・ヴァレンシュタイン(CV大西沙織) LV.5 剣姫
レフィーヤ・ウィリディス(CV木村珠莉) LV.3 サウザンド・エルフ
ティオナ・ヒリュテ(CV村川梨衣) LV.5 アマゾン
ティオネ・ヒリュテ(CV高橋未奈美) LV.5 ヨルムガンド
フィン・ディムナ(CV田村睦心) LV.6 ブレイバー
リヴェリア・リヨス・アールヴ《CV川澄綾子(外伝)、種田梨沙(本編)》 LV.6 ナイン・ヘル
ガレス・ランドロック(CV乃村健次) LV.6 エルガルム
ベート・ローガ(CV岡本信彦) LV.5 ヴァナルガンド

※サポートメンバーもそこそこ。一部紹介。
ラウルーノールドLV.4超凡夫 クルス・バッセルLV.4 リーネ・アルシェLV.2
 ⇒超凡夫って(笑){/netabare}


1期の健闘で期待値が上がり、聞けば外伝の小説もなかなか良いらしい。いわゆる期待作ポジションからのスタートということだったのに

・なんか胸囲の格差社会の話になっとる
・本編の主人公と思しき娘さんの百合百合しさ

あーダンまちよお前もか・・・ラノベの闇に沈んでしまうのか!? およよ・・・となりかけました。
レフィーヤの成長物語のようなので百合嗜好薄めの自分にはキャラへの共感が薄くなりそうと不安になった序盤です。
意外と硬派だった本編のノリを期待した皆さま。どうしてもしんどい場合は撤退も選択肢でしょう。


さて、そんななかで本作の価値は

 {netabare}“そりゃ他にもファミリアがあるわな”{/netabare} 


もともと暇を持て余した神々の遊びみたいなもんで“ファミリア”と呼ばれる各神様の眷属(出入りの自由度高いけど…)パーティが複数あることは本編でも説明がなされてました。
言うまでもなく主役はヘスティア・ファミリア。紐・・・ヘスティア様とベルくんです。
主役はフォーカスされて当たり前。しかし同時並行して各ファミリアが別の場所でクエストをこなし、当たり前ですが各々の思惑で動いているのです。
そこを拾ってくれてよかった。拾われたのがこのファミリア以外考えにくいであろうロキ・ファミリア。この物語の基本設定を考えれば一足とびで2期に移行するよりも外伝をリリースすることは自然な流れだったように思えてなりません。

というわけで、

1.ベルくんたちがすったもんだしている横で何が起こっていたのか?

ありきたりですいませんが、具体的に形にしたことをなにより評価するものであります。

本編あっての外伝ですのでこちら単体の視聴はオススメしません。私はすこし時間が空きましたができれば1期から続けて観ることをお薦めします。またはこれ観ておさらいするとか。
本編とのリンクでは一部怪しいところありなものの、ところどころニヤッとできることでしょう。

{netabare}・アイズがベルくんに稽古をつけた理由の一つは“強くなるためのヒントが欲しい”事情があったから{/netabare}

本編描写の答え合わせであり、また両者の意思がいいタイミングで絡んだ結果でストーリーが進んでいったことがわかります。
ファンタジーは作りこまれてるに越したことはありません。本編が一見、“ハーレム”+“俺TUEEE”のコンボのように見えて安直さを感じなかったのは、こういった作りこまれた物語だったからとの背景もあるでしょう。


外伝としてはこれで充分な気がします。ところがさらにもういっちょ

2.やはり主役はベルくんということに(笑)

時系列の繋がりと同様に、この作品のメッセージが本編と外伝で乖離することはありませんでした。
ちなみに本編の主役らは驚くほど登場時間が少ないのでそちらのファン(私含む)はご愁傷様です。この一言のために松岡さんと水瀬さんアフレコに呼んだんかいな?というくらい。
それでも主役は主役だねと感じられる展開はお見事。ぜひ作品を実際観て感じてください。

{netabare}ベルくんもそうだったように、高めの目標をクリアすること、作中では“冒険”と言われてる困難を克服しないと次の高みに辿り着けないという設定がお気に入りです。形を変えてアイズもレフィーヤも彼女らなりの冒険をしてましたね。{/netabare}


上記1.2.を感じることができたので多少の百合やティオナ・ティオネのバスト漫才にも惑わされることなく、いや正直邪魔と思ったのですが、価値ある一品だと思いました。
いやだって本編だって似たようなばいんばいんはあったとは思うんですが、比重掛け過ぎですよ。こういうのは塩梅が大事なのです。
できれば1期とセットで観たい。そんな不思議な作品でした。



■オマケ
アイズさん何考えてるかわかんないです

{netabare}うーん、なんでアイズさん、ベルくんに謝ることにあんだけ固執したんでしょう?
・怖がられてると思い込んでて誤解を解きかたったから
・責任感から迷惑かけてゴメンと本気で思ってたから
・それは方便でベルくんに興味があったから

結論が導き出せないので考えればいくつでも出てきそうです。
剣を壊したら「(店の人に)怒られる」と言ってみたり、服破いてレフィーヤに謝ってみたりと、無事でなによりとの周囲の反応がアイズさんにはよくわかってなかった模様。天然っぽい返しをするヴァレン何某さんであります。
人との距離の取り方を学習中って感じでしたね。そして本人も取れるようになりたいとの指向がある。親とのやり取りがいわくありげで影を落としてそうでした。

そうみると、謝んなきゃ!って思ったら思い込んだでそれ以外の融通きかなさそうですし、“助けられる→逃げる”を繰り返すベルくんはアイズにとって特異なコミュニケーションをとる人として興味の湧く対象でもあったし。
それらしい理屈は思いつくのですが決め手に欠けます。{/netabare}


{netabare}もしかすると、強くなりたい彼女にとって、逃げ足がはぐれメタル級のベルくんから得られる経験値量を感じ取り、つけまわしてたのかもしれませぬ。
それにベルくん「しあわせのくつ」持ってますもんね。
だいぶナナメ上方向でとっても納得した気分になったのでこのへんで。{/netabare}


読んでいただき有難う御座いました。



視聴時期:2019年7月

-----
2020.03.22追記

リリース順
 本編1期→外伝→劇場版→本編2期→?たぶん本編3期

外伝(本作)の放送をしたことによって、ヘスティアファミリアに視線が集中しすぎず、なかなかダンジョンに入らない後の展開も許容されてるのかと。


2019.08.05 初稿
2020.03.22 追記
2020.10.10 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 56
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

わざとつまらなく作った?

ダンまち本編は見たことないです、内容も全然知りません。
という状態で見始めた外伝、感想はというと──

{netabare}つ、つまんない…。
ただひたすら盛り上がりに欠けるばかりで、「自分こういう点が苦手だわー」という大きなマイナスになるところが無いのがこれまた厄介。
退屈で面白い所がないってのが正確な言い方だろうか。
なんだろこれ?本編が物凄く売れてて、税金対策でワザと赤字出すためにつまらなくしてるのかな?
おそらく6話くらいまでの内容って少年誌原作モノだったら1話で収めちゃう程度なんじゃないかな。
ピンチらしいピンチもなく、さりとて圧倒的な力でいなすでもなく、ファッションピンチも「死力を尽くしてピンチ」ではなく「持てるパフォーマンスを発揮できなくてピンチ」って…。
じゃあパフォーマンスが発揮できないのは重たい理由があるのかといえば大したこともなく…ガクッガクッと肩透かしの連続。

なにより口をあんぐりしたのは6話、レベルアップを目指してアイズがウライオス?をソロ撃破目指すってところ。
ウライオスとやらがどれだけヤベー奴なのか口で説明するだけで全然緊迫感が無いのもさることながら、もしソロ撃破が無理そう(気を失うなど)な時はリベリアンが援護してくれる状態での対決って…マジか!?
そこは地面に線でも引いて「これより後退することがあらば私を撃て」とするところじゃないのか?
倒すのは目的ではなく強くなるのが目的であってソロ撃破はあくまで手段でしょ?
いわば修行みたいなもので、そこで自分を追い込むどころか保険かけまくりで、それでめでたくソロ撃破できてレベルアップおめでとーって…え?ええええっ?
なんだこの緊張感の無さ…。

でもって8話、ここでまた「えーなんで?」と不思議に思うことに。
オリビアが追い詰められてもないのに親切に自ら仮面を外して説明をベラベラしゃべって、その後でバンシーに「あの時の生き残りか」と気付くんだけど…順番おかしくね?
過去の惨劇をほのめかしたらしくこく食い下がられ、「あの時の生き残りか」って気付いて、その後にベラベラ喋るのが順番としては自然だと思うんだけど…。
「折角ここまで事件に関わったのだから教えてやってもいいか」みたいな感じでね。
そうでないとあの場にバンシーが居る意味が薄い(「居たから聞き出すことが出来た」っていう活躍?必要性?を潰してる)というか、オリビアが唐突に饒舌になって笑ってしまいましたよ。
単に順番入れ替えるだけのことなので作画(予算)的な制約は考えにくいし、やっぱりワザとつまらなくなるように作ってる?

最終話の12話も…う~ん…。
対精霊戦だけど、相変わらず強さが分からない。
まぁ舞台がダンジョンなので山吹き飛ばすとか数キロに渡って焦土にするとか海水を沸騰させるとか、そういった「パっと見で分かるハッタリ」が描きにいのは分かるけど…。
退路絶たれたとか制限時間あるとかじゃない…よね?見逃してる?
道中鍛冶屋キャラが小躍りしてたようにレアなアイテムが転がってたみたいだし、それ持ち帰って装備強化してから挑めばいいんじゃ…と思ってしまったり。
他にも10話の意図の通じてない「警告」や11話の狙撃って先言えやとか意味のないパーティ分断等々、要らん部分はカットカットで詰めれば全2話程度で終わる話をダラダラやってるだけのような?
ジャンプアニメの引き伸ばしかな?レズエルフも要らんよね。
と、思い出せるものだけでもあれこれと突っ込み所満載で、それでいて「不快」とまではいかないのが始末に悪い、不快だったら視聴切れるんだけどねぇ。

物凄く好意的解釈をすれば、上記の突っ込みどころは全て「本編と対比」してる箇所で、本編を知ってれば楽しめるって内容なのかも知れないが…正直これで「本編見てみよう」という気持ちは起きない。
更にタイミングが悪いことに同期にはグラブルが放送されまして…。
そっちは1~12話までを無(もしくは低)課金モード、13話を廃課金モードのシナリオ展開で、それぞれの対比を描くという荒業を見せてくれました。
廃課金モードでは主人公が激強で、ハエを叩き落すようなノリで敵をサクサクいなして「うおーこいつヤベーくらいつえー」というのをありありと見せつけてくれました。
オラトリアはダンまちと対比して高レベルパーティの話なんだよね?
いかにも高レベルらしい「うおーこいつらヤベーくらいつえー」というシーンがあったかといえば何話かの「アイツ一人に任せればいいんじゃね」くらい。
重要な1話からして武器失うわ魔法うまく使えないわミノ取り逃すわで(それでいてファッションピンチ)、設定では強いと語られてるけど全くそうは見えない。
グラブルの13話みたいなノリを1話でやれば印象は全然違ったんじゃないかなー?と思うと残念でならない。
尺的にそんなシーン入れる暇がなかったとはとても思えないし…むしろ尺稼ぎウゼーって内容だし。
ってかね、グラブルは13話だけでも、見よう、カブトボーグ好きなら必須。

で、こんな内容になってしまったのはやっぱり税金対策と考えるのが一番ハラの立たない平和的な解釈だと思う、皮肉とか抜きでね。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ダンジョンに百合を求めるのは間違っているだろうか?

[文量→大盛り・内容→考察系]

前作、「ダンまち」は視聴済み。★4つと楽しめました。続編ではなく、スピンオフなんですね。

【総括】
ダンまちの、幕の内弁当みたいなアニメだな~と。色んな要素が詰め込まれすぎ、初見(本編未視聴)では辛いかもしれません。

ホントに、純粋にエンタメ作品だったと思います。今期(2017夏)は、純愛ものに本格SFと、濃い作品が多かったため、このような作品は楽しく観られました♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
レフィーヤを筆頭に、ロキファミリアの面々の成長物語、なのだと思います。

物語序盤、ビビり魔法使い(&それなのに重宝される様子)にイライラさせられましたが、ラストバトルでは、レフィーヤの魔法によりアイズが救われるという熱い展開に感動。ちゃんと、努力の描写もありましたし。(ラストにロキを投げ飛ばすなど、精神的にも強くなりましたw)

最終話、デミ・スピリット(穢れた精霊の分身)の大魔法によりピンチに陥った時のフィンによる檄は格好よかったけれど、「それとも、ベル・クラネルの真似事は、君たちには荷が重いか?」という台詞だけは違和感を感じました。なんでこんな大事な場面で(主人公だとしても)ベル「ごとき」の話をするのかな、と。

でも、きっとそれくらい、ベルがやった(Lv1ながらミノタウルスに勝利する)ことは、冒険者的に、凄い(有り得ない)ことだったのです。多分、経験の長い冒険者ほど、「勝つための準備」を怠らず、「勝算が高い戦い」をしているのでしょう。例えばライオンなど野生の獣は、狩りを成功させることより、自らが傷つかないことを優先させると聞きます。だから自然界においては「威嚇」が大事な要素になっています(戦わずして=互いに傷つかずに、優劣を決める)。いくら大物を仕留めても、そこで負った傷が化膿して死んでしまったり、弱っているところを他の動物に教われたら意味がないしね。

規模的には、オラトリア最大のロキファミリア。しかも、その主要メンバーであるフィン達は、いつの間にか「勝ち目の薄い戦いをすること=冒険」からは遠ざかっていて、それ(不確定な未来への挑戦という冒険者の本分)を、ベル君の姿や、デミ・スピリットとの戦いの中で取り戻していく様子は、かなり胸熱でした。魔法、バトルと、作画は流石で、かなり迫力もありましたしね。

と、ここまでは好評。ここからは、やや問題点を。

とにかくこの作品、百合&日常系? バトル系? ミステリー? と、いったいどこを目指しているのかがわからなくなるように、作風が動いて(ブレて)いましたね。ラストも、無理矢理(しかも説明会話だけで)まとめた感じで、しかも、(レヴィスのことなど)ちゃんと伏線を回収しきれずに終わりましたし。まあ、スピンオフですし、それはそれとして、本編のファンだから楽しめましたよ。「本編のファンだから」楽しめたのかもしれないけれど。

個人的には、序盤や8話目のような、百合百合した日常系展開の方が好きでした。というか、スピンオフなんだからそっちを観たかったかな、という感じ。まあ、バトルもかなり熱かったので、バトル一本に絞ってもらっても全然よかったけど。

あと、本作、久しぶりに「OPもEDも作品に合ってないな~」と感じました。音楽自体は良かったと思いますが。

ただ、全体的にはかなり楽しみました。評価、4と迷うけど、本編には及ばないので、3で!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
あの場面で、ビビり魔法使いに一番大事なポジション任すというのもね、う~ん。バトルはなかなか迫力がある。

2話目
バラメーターが(上がり幅含め)ランダムアップというのは、本人にとっては辛いやな。

3話目
ここで魔法の真価が。なんか、固有スキルとかパラメーターのランダムアップとか、才能でかなりの部分が決められる感じですね。

4話目
ここで、本領発揮ですね。ん? エロ? と思ったらグロだった。

5話目
バトル、バトル、バトル! 団長格好良し。

6話目


7話目
ユリユリしてますな~。

8話目
こういう日常系の方が良い感じ。

9話目


10話目


11話目
ベルVSミノタウルスは、やっぱり燃えるな。

12話目
ちょっとドズルさんがいらっしゃったw
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

59.5 2 鹿乃で姉妹なアニメランキング2位
実験品家族 -クリーチャーズ・ファミリー・デイズ-(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (91)
361人が棚に入れました
マッドサイエンティストの両親に孤島の極秘の実験で改造人間にされた、5人の兄弟姉妹たち(内1人は改造を免れる)がやがて両親と離別、孤島を追われ一般社会へ。
しかし、主人公タニス(兄弟姉妹の末っ子)以外の兄と姉たちは誰一人として現代人の常識を持ち合わせぬ怪物(モンスター)だった。。。
タニスと4人の改造人間兄姉は人間社会との齟齬やギャップと直面、自分たちの特異能力という秘密を隠しながらも、受け入れてくれる運命の人を求めて「ふつうの家族、本当の家族を創りあげる」為、運命の旅を始める。。。

声優・キャラクター
杉山里穂、早見沙織、森なな子、生田善子、浪川大輔、多田野曜平、雨蘭咲木子、笹本優子、立花理香、堀江一眞、久保ユリカ

やまだ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

★4/ 天衣無縫のタクティクス

2周目

「オレたちは"普通"じゃねえ。
だがそれが何なんだ。
そもそも何でオレたちがオマエに合わせて
"普通"にならなきゃなんねぇんだ?」

・適応と自意識の物語
情動を操作出来ない獣人、長兄スノー。
異形の双子、長女アシスと次女アイスリ。
感情を喪失したテレパス、三女スイシ。
"普通"の暮らしに憧れる天才少年、末弟タニス。

とある事情から兄弟5人の暮らしが始まる。
改造人間だとバレてしまえば普通の生活は絶望的。
タニスだけは人間だが世間知らずのただの子供。
生活していくには周囲の大人の協力が必要不可欠。
自覚的でない4人の態度は反発から無関心まで様々。
大人に不信感しか持ち得ないあてのない兄弟5人。
周囲の大人と触れ合うのち彼らの出した答えとは…

子供に見せたい少年マンガの王道だと思う。
そのためストレートにご都合主義バリバリ。
敵役はしっかりヘイトさせ、
外部はまんべんなくにべもない。
味方は何故か全力で優しい。
それが何か?
文芸作品じゃないんだからいいじゃない。
解釈の余地は少なめにして、
主題にまっすぐ目を向けさせる。
わかり易い作品って悪くないと思うんだけどな。
どこにフォーカスしてるのかっていう点が
改造人間設定を用いる事でわかり易い作品。
OPED共に名曲。
EDは実はほぼ静止画なんだけど、
そこに気付かず見入ってしまうくらい
仲の良い5人に癒やされます。
全てのカットが素敵過ぎる。
中でも5人が並んで歩くカットはマジで素敵。
大好きな作品です。

・"明鏡止水"早見沙織
可憐な美少女から○○ガイまで様々な造形のアニメキャラクターをフルレンジでこなす早見沙織。天性の声質を持ちながらもパブリックイメージを次々と覆す努力の人でもある。語彙力ゥ…と言われようが"透明感"という単語がこれ以上似合う声優はいまい。どの作品を見ても一発で彼女とわかる声だが、これはどんなキャラをやっても同じになるということではない。"強そうに見えて弱い"から"弱そうに見えて強い"まで実に変幻自在だが、曇りなく透き通る声の存在感はやっぱり早見沙織そのものだ。

・温和な支配者
本作で早見沙織が演じる長女アシスが素晴らしい。アシスは身体改造により知能の発達はそれほど…と言った設定と樹木人間のイメージから想像される温和な性格。声を荒げる事は無く終始おっとりふんわりとした発話である。ビジュアルを見れば誰でも早見沙織の起用を想起される黒髪ロング美少女のアシス。声だけでなく演技力にも定評のある早見沙織を怒号も絶叫も号泣もしない終始温和なキャラクターに起用するというのは、この情報だけなら勿体無いというかオーバースペックとも感じられる。だが作品を視聴すれば早見沙織の存在感は間違いなく本作には不可欠であると断言出来る。特にタニスとアイスリの衝突により不穏な空気に包まれる場面が多いのだが、樹木人間という設定のためなのかアシスは全ての場面において一切動じない。(アニメではそこまで深刻な表現はしていないにしても)緊迫した現場でヘタすれば自分に矛先が向くようなトボケたツッコミを入れるアシス。他の兄弟達と違って展開に対するエンジンにもトリガーにもならず傍観者の様な態度に見える事すらあるアシス。早見沙織の卓越した演技でなければ、間違いなく違和感バリバリで「何言ってんだコイツ」になり作品自体の評価もまるで違っていたであろう。樹木人間というマンガ設定を自然と受け入れてしまい"アシスならそうなんだろうな"と思わせる凄まじいまでの説得力。

この温和なだけに見えるアシスへの配役は偶然かもしれないが、黒髪ロングキャラに似合うただ声が柔らかいだけではこなせない難しい役だと思う。感情こめた"セリフ"だけが声優の本領ではないのだと知りました。場の雰囲気を変えてしまう"空気"の演出という1流の技を見せてもらいました。声優の名前を積極的に覚える気がない私が"覚えてしまった"唯一のお方。




初見
現代の日本では絶対産まれないベタベタな設定とストーリー展開。私は好きです。天才少年と改造人間の兄弟達のドタバタ日常たまにシリアス。

香港の漫画を中国の会社が制作したらしい。各話15分程度。日本の高品質アニメに慣れた目でみると簡単に酷評出来る程のバランスの悪さが目立ちます。アジア圏での制作による文化の違いからの表現の違和感、人によれば嫌悪感まで感じる方もいるでしょう。韓国ドラマとかで文化の違いに苛つく人は絶対ダメでしょう。

時間短い割に各話に前回のあらすじの補完と次回予告に「絶対見てね♪」とあるので児童向け作品のような印象。現代の日本のクリエイターならとても恥ずかしくて書けないようなベタな昭和の少年マンガみたいな設定。ドタバタ日常劇のキャラの非常識さを改造人間の個体差で担保。特殊能力を持つ子供達が人間社会をどう生き抜くのかといった描写はMARVELやDISNEY、PIXAR作品に通じるものがありシリアス回がそんな感じ。

長男/スノー/犬と人間のハイブリッド
長女/アシス/ 樹木人間
次女/アイスリ/クモ人間
三女/スイシ/テレパス
次男/タニス/未改造だが遺伝と教育にて天才児

ちなみに上記説明は原作参照(タニスは表記無し)
スイシはWikipediaでは読唇術との表記だがアニメはどう見てもテレパス。作品内では読唇術って単語すら出てない。読唇術表記レビューはWikipedia見て未視聴で書いたんでしょうね。


タニスは英才教育で両親が喜ぶ程の才能を獲得したが他の4人は改造の影響で知能の発達がそれほど見込めない。よって兄弟内でのリーダー役は自然とタニスになる。それゆえ少し傲慢なところもあり、特に勝気なアイスリとは衝突が多い。両親のいた研究所から出て子供達だけで街で暮らすハメになった5人。兄弟が改造人間であることがバレないように"普通"の生活を目指し奮闘する"人間"タニスに対して"改造人間"の4人は…。

基本ドタバタ日常ギャグ、時にシリアス展開。
特にアシスアイスリ姉妹のシリアス回が大好物。
この設定ならこういう話が見たいという期待にベタベタで予想通りの展開で応えてくれます。この回は多分スタッフも好きで作画もキレイです。子供向けなのでそこまでエグい描写ではないですが。

OPEDはどちらも素晴らしいですが、作品自体の品質は酷評しようと思えばいくらでも出来ます。

せっかくの設定も活かしきれてないです。
作画もわりと崩れます。
脚本も全然詰めが甘いです。
ご都合主義も物凄いレベルです。

原作からして狂った設定の割にライトな作風なので日本ウケは悪いでしょう。原作はマンガを読んで育った人が書いたマンガって印象。コレやりたかったんだな、この展開にしたいからこの設定にしたんだなってのが凄くわかり易い。この設定なら呪われた運命とか改造人間の悲哀とか憎しみとかそういうのが足りないのでダメとか言われそうですが、コレはどう見ても本筋はドタバタコメディです。海外作品にあまり触れてない方はオススメ出来ないですね。


それでも私はお互いを思いやる5人が大好きです。
特に早見沙織さんのアシスが良い。
EDの5人が並んで歩いてる絵は本当に素敵。
技術はともかく原作への愛を凄く感じる作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

日中雑誌に掲載されている作品を中国人スタッフがアニメ化したら…?

この作品の原作は未読です。
タイトルを見た時、中華系の作品だとピンときましたが、最近面白い作品も増えているのでこの作品も試しに…という感じで視聴を始めました。

完走して思ったこと…
当初の想像以上に堪能できた、ということです。
中国の作品において無双やチート系が多い中、こういう家族に焦点を当てた柔らかでハートフルな物語自体に出会った数が少なかったからかもしれません。

正直最初の設定にはビックリです。
両親がマッドサイエンティストで、一人を残し自分の子供に動植物などの遺伝子を組み込むという生体実験を行ったあとの日常が描かれているのですから…

しかも唯一生体実験が行われなかったのは末っ子の男の子一人で、それ以外は日常生活において必要な最低限の知識も持ち合わせていないんです。
そういう両親…まぁ、人道から大きく外れているので逮捕されますよね。

すると子供たちは当然残されます。
そして子供たちは親無しでも生きていかなければなりません。
おまけに兄や姉…その特殊性が容易に分かる容姿を人に晒せないというハンデも背負わなくちゃいけないんです。

世間の一般常識も…荒波への立ち向かい方も何も知らない子供が放り出されたら…どうなるかは想像に易しいことです。

末っ子が生体実験の対象にならなかったのは、その子が天才的な頭脳を持っていたから…
ですが、いくら天才的な頭脳を持っていても、人並みの生活を維持するスキルの足しには殆どなりません。

それでも…末っ子のタニスは、兄妹一緒に暮らしたいからと一生懸命頑張ろうとするんです。
たった11歳の男の子なんですけどね。

そのタニスが一緒に居たいと願う兄と姉は以下の通りです。

アシス(CV:はやみん):16歳の長女で植物の遺伝子を組み込まれた
アイスリ(CV:森ななこさん):16歳の次女でアシスの双子の姉妹でクモの遺伝子を組み込まれた
スイシ(CV:生田善子さん):14歳の三女で改造により読唇術を習得
スノー(CV:浪川大輔さん):17歳の長男で犬と融合

タニスは普通の暮らしをしようと必死に頑張りますが、兄・姉との歯車がどうしても噛み合いません。
もちろん何度も衝突します。
いっそ他の大人に救いの手を求めては…とも思うのですが、万が一兄、姉の事がバレて離れ離れになってしまったらと思うと、どうしても躊躇してしまうんです。

たくさん迷って悩んで…いっぱい泣いて…
色んなことがあっても根底に流れる家族という絆だけは不変なんです。

お互いに出来ることと出来ないこと…
頼れることと頼られること…
自分たちのペースのゆっくりで良いと思います。

みんなで納得しながら歩んでいく一歩一歩…
地味ですが、きっと一番大切なことなのではないでしょうか。

オープニングテーマは、暁月凛さんの「Early Days」
エンディングテーマは、鹿乃さんの「春に落ちて」
制作スタッフは殆ど中華系でしたが、主題歌はお馴染みのお二人が担当されました。
どちらも通勤途中に聞いている曲です。

1クール11話の物語でした。
私にとってこの作品で唯一謎な部分があります。
それは物語の終わり方です。
停電でテレビがぶつっと切れたかのような感じで終わるんです。
何の脈絡も無いというか…
これが続編に繋がる布石なら納得もできるんですけどね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

なんかこう、メッセージ性が押し付けがましくて(汗)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
台湾? 中国? の制作会社が作ったアニメ。作画、シナリオともに、そこまで悪くはないのだけれど、雑さとか粗さが目立ったかな。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
感じたのは、「教育」の怖さ。「そう育てられた」ら、「そう考えるのが普通」になる。

本作、「家族愛」がテーマなんだろうけど、押し付けがましいというか、直接的過ぎて説教臭い。

「学ぶ」のは楽しいけれど、「学ばせられる」のは、なんか違う気がする。いや、本質的には大した違いはないのだけれど、そこは作り手が、どう誤魔化すかだと思う。

アニメは基本的に娯楽で、その中に学びがあるんだけど、最初から教育目的で作ったアニメって感じでした。

あと、大家さんがいい人過ぎたり、世間一般の人が悪い人過ぎたり、キャラにも魅力がなかったかな。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
なんか、クソ重い設定をサラッと終わらしたけど(苦笑)。普通にならなきゃいけないのか? は、まあ良いんだけど、単純に、あれだけ騒がれたら迷惑だけどな。

2話目
ちょいラブコメに、家族愛。まあ、分かりやすいスジだな。

3話目
自分は田舎者だけど、道案内とか、都会の人の方が親切に教えてくれる印象あるけどな。田舎者は、良い人でも、シャイだからw なんか、みんな酷いな。止め絵の風景画は綺麗なんだよな。

4話目
ディフォルメキャラに、違和感。

5話目
アクションアニメをやってみたかった感じかな?

6話目
ノリがサブいな(苦笑) なんかよく分からない3人娘。シリアス。

7話目
良い人、だよね。おしゃれ家具も良いけど、手作り家具や拾い物も良いよね。

8話目○
大家さん、めっちゃ良い人だけど、ただの大家と店子だとしたら、良い人過ぎるなと。心を読めてしまうスイシにとって、心を読めないネットや手紙が良いってのは、良いね。

9話目
私も、学生時代は貰い物やリサイクル品ばかりで、統一感なんかなったけど、それで充分だったな~。

10話目
スノー回。兄弟の中で一番まともっぽいけど、やっぱり悩みはあるわけですね。

11話目
ここで総集編とは(苦笑)

12話目
まあなんか、ハッピーエンド。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21
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