18禁ゲーム原作で泣けるなTVアニメ動画ランキング 14

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の18禁ゲーム原作で泣けるな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月12日の時点で一番の18禁ゲーム原作で泣けるなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

85.6 1 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング1位
Fate/stay night[フェイト/ステイナイト][スタジオディーン版](TVアニメ動画)

2006年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (3131)
15726人が棚に入れました
日本のとある地方都市「冬木市」に数十年に一度現れるとされる、持ち主のあらゆる願いを叶える「聖杯」。7人の魔術師(マスター)は7騎の使い魔(サーヴァント)と契約し、聖杯を巡る戦争に臨む。聖杯を手にできるのはただ一組、ゆえに彼らは最後の一組となるまで互いに殺し合う。魔術を習うもその才能を見いだせず、半人前の魔術師として生きていた主人公・衛宮士郎。彼は偶然にもサーヴァントの一人・セイバーと契約したことから、聖杯戦争に巻き込まれてゆく……。

声優・キャラクター
杉山紀彰、川澄綾子、植田佳奈、下屋則子、伊藤美紀、諏訪部順一、中田譲治、門脇舞以、浅川悠、神奈延年、田中敦子、神谷浩史、小山力也、真殿光昭、中田和宏、西前忠久、水沢史絵、三木眞一郎、関智一

アシュコロン さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

聖杯戦争に懸けるさまざまな想い。

大まかな内容は…
もともと異世界同士の二人が魔術によって巡り会い
その二人でどんな望みでも叶えられるという
「聖杯」を巡って最後の一人になるまで
勝ち残っていくという物語。
二人はマスター(魔術師)、サーヴァント(使い魔)
という関係性で必然的に組まれる。

この作品を観て…
本作のヒーローヒロインである
マスター【衛宮 士郎】とセイバー【アーサー王】の
心のつながりや絆が聖杯戦争を通して
徐々に深まっていくのを感じるとることができた。

また深まっていく中で
セイバーは元世界での王としての
使命感や誇りが高くそれを忠実に果たすことしか
考えていないので
それに関係の無い例えば、恋愛、娯楽などは
一切邪道と捉えているのに対し
一方マスターはセイバーに徐々に想いを寄せるようになり
セイバーには一人の女性として
この世界で幸せに暮らしてほしいと願っている。
そんな二人のすれ違いや
互いの心の葛藤をとてもよく感じることができた。

それはセイバーと衛宮に限らず
他のマスター、サーヴァントも三者三様
さまざまな想いを抱いて戦っています。
その想いや願いがぶつかり、相まみえる時には
とても迫力があり、時に儚く感じました。

この作品は
・異世界という壁を乗り越えて二人がどのように
向き合っていくのか
・そして聖杯を巡りさまざまな想いが入り乱れる戦いの
果てにある本当の真実とは何か
というところが見どころです。

Fateシリーズを観る順番ですが
映画やゲームなどたくさん作品がありますが
基本的には
Fate/stay night

Fate/Zero
がいいと思います。
でも私はFate/Zeroから観たのですが
問題なく観ることができました。
ただ作画のクオリティがどうしても
stay nightが劣ってしまうことは否めませんでした。
なので前者が無難かと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 91

Key’s さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

UBW始まったんで見直しました

感想


どうやらFate/Zeroのスタッフで
リメイクされるそうですね
どう変わっているのか今から楽しみです♪

まず設定はありがち?かどうか分からないけど
王道な感じの魔法バトルといった感じを受けた

でも細かな設定や真相などは
やはり原作をやっていないと
分かりずらいと思う
(気づく人は気づくと思うが)
僕もアニメを見たあと原作を見て理解した

それと主人公の考え方については
好き嫌いが分かれていますね
僕は結構好きなんですが
確かに観ててイライラするというのも
まぁ分からなくもないが・・・


戦闘に迫力が足りないと思った
いや正確にいうと昔は何も思わなかったが
Zero見た後だとやっぱり差がありすぎてw
そこはリメイクに期待しましょう

マスターとサーバントの関係は
恋愛というより絆とか尊敬に近いものじゃないかと
思ったな

世界観も好きだし
個性的なキャラ達も良かったし
音楽も好きだったので
全体的に見れば良かったと思うが
どうも細かい点で少し不満が残るかな

やはりこれは原作をやっているから
出る不満だと思う
原作の評価が高いので
期待外れということで評価が厳しくなっているかも
昔は思わなかったし

あとはアーチャーがめっちゃかっこよかったなw
まぁ原作やってない人には
素直に薦められる作品です


この作品を見た後で
Zeroも見てほしいw
Zeroから見ると見劣りするかもw
リメイク楽しみにしてますw


というわけでUBW始まりましたけど
戦闘シーンだけ比べちゃうと
リメイクの方がやっぱり良いですね
こっちも好きですけどリメイクの方が
ストーリー的にも好みかな

投稿 : 2024/05/11
♥ : 88

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Fateシリーズはこの作品から観るのがオススメ

TYPE-MOONの伝奇活劇ビジュアルノベルを原作とするアニメで、シナリオは奈須きのこ。
時系列的には『Fate/Zero』から10年後の話になるので
この作品から先に観るのも良いし、zeroを観てから観るのもなかなか感慨深い。

舞台は、日本のとある地方都市「冬木市」
数十年に一度現れるとされる、持ち主のあらゆる願いを叶える「聖杯」をめぐり、
7人の魔術師(マスター)によって召還された、
7騎の使い魔(サーヴァント)が抗争を繰り広げる物語。
聖杯を手にできるのはただ一組。
それゆえに彼らは最後の一組となるまで互いに殺し合う。

主人公は、魔術を習うもその才能を見いだせず、
半人前の魔術師として生きていた衛宮士郎。
偶然にサーヴァントの一人・セイバーと契約してしまったことから、
彼は「聖杯戦争」に巻き込まれてゆく。

まず、サーヴァントたちのそれぞれが、かつての英霊なため、かなり魅力的。
霊体なので本来は意思を持たない純粋な力として行使されるのだけれど、
彼らはクラスごとの人としての人格や姿を再現できるので、
この聖杯戦争では、人らしい想い、考え方、戦闘法が健在。
また、マスターには絶対命令権である縛りが課せられているため、
ほぼ、歯向かうことはないという設定。

クラスというのは、
「セイバー(剣の騎士)」「アーチャー(弓の騎士)」「ランサー(楯の騎士)」
「ライダー(騎乗兵)」「キャスター(魔術師)」「バーサーカー(狂戦士)」
「アサシン(暗殺者)」の7つの器のこと。

こういった物語なので、中心となるのは当然バトル。
それぞれの持ち味を生かしたサーヴァント同士の闘いは、
後半にいくほどに激しくなっていく。

同時に、主人公である士郎とセイバーの向き合い方、信頼関係の変化や
彼の同級生など、人間関係を中心に日常も描かれているが、
そのあたりはほんと、クッションのような役割であって
あんまり重要な話にはなってなかった気がする。

個人的には、主人公クラスの扱いをされているセイバーよりも、
男気のあるアーチャーや、佐々木小次郎っぽいアサシンがお気に入り。
また、実際にそばにいたら嫌味な奴であろうギルガメッシュも、
作品の中においては、その傍若無人ぶりも様になっていて
キャラとしての魅力にはあふれていた。

ただ、サーヴァントだけでなく、マスターたちそれぞれの人物像に
深みがあったか?というと、そこは少し疑問が残る。
もしかしたら、原作のゲームを経験している人になら、
そのあたりがもっとよくわかった上で視聴できているのかも。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 72

87.1 2 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング2位
AIR エアー(TVアニメ動画)

2005年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (3345)
16519人が棚に入れました
国崎往人は旅を続ける人形使い。「法術」と呼ばれる不思議な力を用いて、道行く人々に芸を見せることで生きてきた。特にあてがある旅でもないが、彼は密かに探しているものがあった。
幼い頃、母が繰り返し語ってくれた「今も空にいるという翼を持った少女」。ある夏の日、偶然立ち寄ることになった海沿いの街で、彼は1人の少女と出会う。それが全ての始まりだった…。

声優・キャラクター
小野大輔、川上とも子、岡本麻見、柚木涼香、久川綾、冬馬由美、田村ゆかり、今野宏美、西村ちなみ、神奈延年、井上喜久子
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

夏になるたびにAIRのことを思い出す・・・

あらすじ

人形を操る不思議な力である法術を
使うことのできる青年・国崎往人は
母から託された言葉の意味を求め
人形を操る芸を駆使して
金を稼ぎつつ旅をしていた

だが海辺の田舎町で金が尽きてしまい
困っていたそんな彼の前に
話しかけてきた一人の少女
神尾観鈴は人懐っこく無邪気に笑う

彼女との出会いをきっかけに
往人はこの町で暮らし始める

夏の情景に包まれて穏やかに流れる日々
そんな中さらに様々な少女に出会い
母に託された言葉の真意に迫り
往人は真実に近づいていく

※wiki引用


感想


夏になるとAIRが見たくなりますよね~
ヒロインの観鈴が自分と同じ
7/23が誕生日ということもあり
思い入れが強いですね~


まず最初にAIRを12話でよくまとめたと感じた
原作をやっているとどうしても24話くらいかかると思っていたので
しかし、その分駆け足気味になり
原作をやってない人にとっては
説明不足になっているとは感じた

アニメしか見てない人のために
2クールにしてゆっくりやった方が
良かったかもな~と思った


作画は京アニということで問題なく良いし
OPの鳥の詩が良いね~
理解した上で聴くと誰の事について歌っているのか
分かってさらに面白いですね

あとやっぱりBGMの夏影が良く
要所要所で物語を盛り上げてくれていた
もう曲を聴いただけで泣いてしもうようになった…
もちろん、他のBGMも良いものばかりである


Key作品だけあってストーリーも抜群に良い
神話っぽくなっていて小難しい話になっているので
やはりアニメしか知らない人は
どこかで解説を読む必要があると思う
(下に私なりの解説書いておいたので良ければ読んでください)

ストーリーはちゃんと理解できれば
ちゃんと良いものだとわかるが
理解できないと浅い物語と勘違いしてしまうと思う


全ての女の子の話が
SUMMER編の話とつながっていて
最初の話は伏線になっているのが凄かったですね


Key作品全部に言えることかもしれないが
良くも悪くも普通の恋愛アニメと違い
ボーっと見ていると展開が早くてついていけないだろう
それに奇跡が起きるのもKey作品のおなじみですね
そこが普通の恋愛アニメとの違いであり
好き嫌いが分かれる所かもしれない

絵が合わないと敬遠すること多いのも
Key作品には多いと思うが
それを補って余りあるほどストーリーが良いと思う

また、一話一話の引きが良かった
そのおかげで次が気になりどんどん引き込まれた
特に後半の演出は盛り上がり
そして、11話と最終回は後半ずっと号泣してたな

素晴らしい作品だったと思う
めちゃくちゃ泣かされた
Key作品を代表する作品だと思う
Key作品の中でもかなり好きな作品です



考察



ここからはネタバレとなるので
まだ見てない人は見ないでください
見たけどAirのことが理解出来なかった
という人のために自分なりの解釈を
追加して書きたいと思う

あくまで自分の解釈なので
絶対合ってるわけではないから
参考程度に見てください

{netabare}



観鈴は、1000年前の呪いと
翼人の転生時の記憶の継承の肉体にかかる負担により
あの様に苦しんでしまいやがて死んでしまいます。
〔観鈴が見ている夢とは翼人(神奈)の記憶です。
彼女が誰かと友達になろうとすると
観鈴が体調を崩したり、
周りの人間の体調がおかしくなるのは
1000年前の呪いの為です。〕


国崎往人は、法術を使い観鈴を救おうとします。
翼人の記憶の継承に耐えられるよう強化させ、
観鈴の命を少しだけ伸ばすことに成功します。
(その短い時間が、観鈴にとって晴子との絆を結ぶ
大切な時間となります。)

しかし、そのために力を使い果たした、
国崎往人は、その存在を維持できなくなり、
消滅しましたが観鈴を見守りたいので
カラスの『そら』として過去に転生し
観鈴の側に戻ってきます。
(往人の法術は、もともと神奈の生まれ変わりを
 救うために受け継がれてきた力です。)


その後、観鈴と晴子は、本当の親子の絆で結ばれ、
観鈴は翼人の記憶を受け継ぐことに成功します。
観鈴がすべての記憶を受け継ぎ、晴子に見守られ、
満足して人生を終えたことにより
1000年前の呪いは解除されました。


観鈴は、「神奈備命」からの転生を成功させ、
最後は、普通の人間、女の子として息を引き取ったので、
観鈴の魂の継承者は、転生の際に、苦しむことが無くなります。

観鈴が満足して人生を終えたことを見届けた、
そら(往人)は、観鈴の魂を迎えに、空に上がります。


そして過去に転生、エピローグの少年と少女になります。
少年と少女には、もう呪いはかかっていません。

少年の方にはおそらく「そら」の魂が、
少女の方には「そら」が「連れ帰った」観鈴の魂が転生したもの
と考えられます。

1000年間続いた呪いは、ここに終わったのでした。
そして、法術の影響か少年は、往人の記憶を引きついでいました。
砂浜にいる往人と観鈴がどんな運命をたどるのか知っています。

だから、
「彼らには,過酷な日々を
 そして,僕らには始まりを」
という台詞になるのです。


彼らというのは往人と観鈴のことで
僕らというのは往人と観鈴が転生した少年と少女のことだと思います。

つまり、ここで翼人に関する物語が終わったということです。
「そら」は願い通り観鈴の魂を再び地上に連れて帰り、
新しい人生を「共に」歩きだしたのではないかと思っています。

(AIRの転生は法術の影響か
 なぜか、過去に向かって行われ、時間がループ状になっています。
 往人の魂は、一度目は、往人として
 二度目は、カラスのそらとして
 三度目は、少年としてラストシーンの状況を
 見ていることになります。)


最初見た人は
二人とも生きてはいないためBADENDじゃないかと
思う人もいたかも知れませんが
そうではなく、HAPPYENDというわけでもないのですが
GOODENDという感じでしょうか

呪いは終わったので
良かったという感じです



質問で、全ての女の子の話が
SUMMER編とどう繋がっているのか分からないとあったので
解説しておきます

この女の子達の話は、原作ではDREAM編と
呼ばれているのですが
結論から言うとこの女の子達は神奈の見ている『夢』です

観鈴は転生してるから別として
佳乃や、みちるは
神奈の羽を通じて空に囚われている
神奈が経験をしているのではないかと思う

羽と関わっている、佳乃、みちる、観鈴は神奈
聖、美凪、晴子は裏葉と同じ立場になっているとも思います。
また、佳乃、みちるが経験した幸せの記憶が
神奈も羽を通して経験したことで
最終回の呪いを解く助けになったと考えられる


佳乃の様子がおかしくなるのは
羽の記憶のせいですが
では、なぜ最初に触った聖には何もないのか?
それは、羽の記憶は八雲の記憶であり
何も出来ずに母が死んでしまった記憶である

そこで、自分が生まれる事で
母が死んでしまったと思って負い目を感じていた
佳乃の方とシンクロしてしまい取り付かれたのだと思う

佳乃は神奈と同じで空にいくことで
住人や聖など大事な人を救おうとしてます
ですが、佳乃は神奈とは違い空から帰ってきて
住人達や町の人と暮らそうとする

これは神奈が選ぶ事のできなかった未来
これにより、叶わなかった神奈の夢が叶えられ
結果として神奈の願いが果たされるということです

また、白穂のエピソードは
負い目や罪の意識を佳乃に克服させるためのものである
佳乃は母親の愛を知り自分を責めるのをやめて
空から帰ってくるというわけです


次に、美凪の方ですが
美凪は裏葉の立場として考えると
みちるは空に行きいなくなってしまった神奈
そして、美凪母は裏葉達の子供、子孫ということでしょうか

現実で、裏葉は神奈を救うため
自分達が神奈のことを忘れて
幸せになる道もありましたが
それを捨てて、子孫に希望を託しました

しかし、これは子孫にも
自分達と同じ苦しみを背負わせる事と
同義です

かといって、裏葉にも
迷いが無かったわけではないと思います
子供にも幸せになってほしいという思いもあったと思います
住人の母さんも住人が幸せになるような道を
用意していましたので…


神奈は最後自分のことは忘れ
二人には幸せになって欲しいと
願っていました

美凪はみちると母のどちらと過ごすのか
葛藤していましたが
最終的に母と過ごしましたね

つまり、これは裏葉が
神奈を忘れて家族と幸せに過ごした
無かった未来なのです

また、美凪や住人と遊んだことも
神奈には出来なかった
幸せな記憶なのでしょう

これらにより、神奈の願いが
またしても叶ったというわけです


以上の説明で
DREAM編がSUMMERと繋がっていることが分かったでしょうか?
他の女の子の話は必要なかったと思っている人がいますが
この二人を幸せにしたことで
神奈も『夢』の中ですが救われ
結果として観鈴も救われるということです


{/netabare}
長くなりましたがこういうことです
これで理解してくれると良いのですがw

これで理解して見直すと
もっとAirが面白く感じるかもしれませんね!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 170
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「空気」の研究

いや、これ泣くがな

レビュータイトルは山本七平氏の名著から。
あらかじめ断っておきますが、やや難解の評もある本作についての研究発表は展開されませんので悪しからず。


『CLANNAD』を観た流れで未視聴key作品を続けて鑑賞しました。あにこれ評価TOP100圏内の一品です。

ひと夏の物語は夏真っ盛りの高揚感が反動となって季節の終わり際に切なさを感じさせるものが多く、本作はそういった系統に属する作品です。
サムネも背景は海だったりと夏に鑑賞するにはちょうど良い作品の一つかもしれません。
実際のところは、夏真っ盛りと季節の終わりの対比感は薄めだったり、ひと夏で片付けられない長いレンジのお話だったりするのですが、切なさ成分けっこう多めとしっかりと季節に合う仕様でした。
OPムービーで “the 1000th Summer” と示唆されたように、1000年繰り返される“とある女の子の悲しくも切ない輪廻のお話”となります。


ただしシンプルに切なさを感じられるかというと疑問もあって、

1.主人公が変わる?
神尾観鈴(CV川上とも子)国崎往人(CV小野大輔)二人が軸なのは間違いありませんが、全12話、3つに分かれた章構成で、語り部的役回りを担うキャラが変わります。このことで注意が分散するかもしれません。
{netabare}国崎往人、柳也(CV神奈延年)、神尾晴子(久川綾)と3段階です。{/netabare}

2.アニメアニメした登場人物
ヒロインの神尾観鈴が絵にかいたようなTHE不思議ちゃんで、評価が別れるところ。この点は『CLANNAD』で慣れたのか気にしないことにしました。
つまりこういうことですね。

“おとぎ話として捉える”

実際そうですし(笑) 『AngelBeats!』『CLANNAD』とファンタジー要素満載なのがkey作品の特徴なのかしら。そういうもんだと捉えたほうが幸せな気がしてます。


結果、1クールながらけっこうなボリュームを詰め込んで消化不良にならなかった良作。昨今のゲーム原作ものアニメの惨状を思えば、丁寧に作りこまれた全12話についてスタッフに敬意を表したいところです。
OPEDどちらも良曲ですね。とりわけOP「鳥の詩」のカットインは秀逸。劇中に曲のイントロが流れてEDに突入する演出には印象的なものが数多くありますが、OPでのそれはあまり記憶になく、本作のように一気に作品世界へともっていくOP演出を見るだけでも価値があるといえます。
内容について、、、自分こういうの弱いんです。“悲しい運命”“受け継がれるなにか” みたいなやつ。どんな方にお薦めかというと、

・『君の名は。』の宮水お祖母ちゃんが言ってた“結び”の概念に惹かれる
・墓参りを欠かさない

とか。※参考にならんな


きれいな締め方がなにより爽やかな余韻を残す良作であるが故、これからの方はサクッと1クール分一気に観ることをお薦めします。



※ネタバレ所感
■結局こういうことだったんかなぁ
感想の整理ですのでほぼ箇条書き

{netabare}スタート:かんなと柳也
ゴール:観鈴と往人

前提:翼人と娘(女性限定)の関係。引き継がれて死んでいくを繰り返す。
呪いの発生理由:かんな母と直接の抱擁にて発生し陰陽師たちの封術により固定化。
呪いの内容:呪詛を受け悪夢に悩まされるのと「人との交流」を絶たれるようなしかけあり。
スタート時:柳也と裏葉はかんなにかけられた呪いを解き放ちたいと願い子をもうける。
呪いの効果:解毒役(柳也と裏葉の末裔)と娘(かんなの転生先)はおおむね出会うのだが、共倒れになるように病んでいく。離れれば解毒はできないの二律背反状態。


母に会いたいなど愛と幸せを求めながら、結局は呪いを受けて失意のままに封ぜられた経緯を考えれば、“愛と幸せに満ちて”失意から解放された状態で次(の翼人)に引き継げられれば呪いからは解放される。
ただしこれまで1000年の間、例え柳也の末裔と出会っても、孤独の中で死を迎えてしまうことを繰り返してたのだろう。

{netabare}往人と観鈴の代でやっとできたこと。
往人は観鈴から離れて(からすに転生するが・・・)観鈴のロスタイムを引き伸ばし、愛と幸せを感じられる猶予ができた時に晴子がいたこと。これまでの蓄積、例えば往人母の魂が宿った人形が往人が去った後にも残されてたりといったことが飽和点を迎えていたこと。{/netabare}

救いたい側と「私から離れて(往人母の出会った少女)」とする側の悲しいやりとりが幾度となく繰り返されてきたわけで、それ思うとひたすら切ない気分にさせられます。{/netabare}


{netabare}「もう、ゴールしていいよね」

1000年間の宿痾からの解放でなければ意味を成さないし、最終話での少年と少女が手を繋いで歩くラストカットとの辻妻も合わなくなります。
たぶんこの少年少女が呪いからやっと解放された柳也とかんなの生まれ変わりという前向きなエンドなんでしょう。
どっかで2回目を観ることにします。{/netabare}




※オマケ
■声優さんやっぱり凄い
終盤の久川綾さんと川上とも子さん。{netabare}最終話の二人のやりとりは涙無しでは観られません。{/netabare}久川さんもともと大阪出身とのことで、堂に入った関西弁で感情を絞り出しての長ゼリフは圧巻です。
川上とも子さんは言わずもがなです。薄幸・病弱の泣きアニメ鉄板キャラをそのまま切り取ったようでいて意思の強さを感じさせる演技は素晴らしいものでした。

また、声優さんの演技とは直接関係ないものの、かんなの役回りを担うキャラ、柳也の役回りを担うキャラ、それぞれ別の声優さんを充てる配役は良かったと思います。
同一の声優さんで回すのと違い、観鈴に至るまでの何人も何人も引き継がれてきた物語であることを想像させてくれました。


■時代を感じる?
2005年冬期の作品です。
第1話で神尾晴子が泥酔しながらバイクで納屋に突っ込む描写ありましたが、これ今無理だろうな。
2007年9月道交法改正・施行で飲酒運転事故の罰則強化のインパクトたるやある程度大人の皆さんはご存じかと思います。もともと飲酒運転はNGだけど、それ以上に表現規制が進んでいる現在では晴子の行動にはけしからんとツッコミが入ってしまうでしょう。当時なら気にも留めないであろう描写にそんな違和感を感じてしまうのは、幸か不幸か慣れちゃったんでしょうね。

表現規制は主にノイジーマイノリティ向けの自主規制がほぼ全てですが、このへん山本七平氏に見解を伺いたかったところです。




-----
視聴時期:2019年5月 



2019.05.19 初稿
2019.11.24 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 67
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1000年の時空を越えて継がれていく因果

原作であるゲームは未プレイ。
元々のジャンルは恋愛アドベンチャーゲームなのだそうだ。

この作品、劇場版のほうから先に観ていたので
大体の流れは知っていつつも、やはりTV版は深みが全然違った。

青年は、亡き母から少年時代に聞いていた「空を飛ぶ少女」の話を
思い出していた。
少女は、翼を持つ母娘の悲しい伝説を信じ、自分と重ね合わせていた。
そんな人形遣いの青年・国崎とヒロイン・観鈴の出会いから始まり、
右手に黄色いバンダナを巻いた少女・佳乃のいきさつ、
無表情ながら温和な性格を見せる美凪の家庭の事情、
そして美凪の親友のみちるなどが登場。

さらに舞台は1000年前の夏に飛び、国崎と観鈴の
運命的ともいえる繋がりを匂わすエピソードが展開される。
終盤は再び舞台を海辺の町に戻し、1話からのさまざまなシーンが
今度は主人公ではないものの視点から繰り返され、
観鈴とその伯母・晴子のその後が描かれる。

1000年前からの因果は報われるのか。
家族とか姉妹とか、恋人とか・・そういう関係抜きに
「愛」というものが本来はどういうものであるか、が
込められた作品だったと思う。
1クールでよくここまで盛り込めたものだ、と感心してしまうが
多少の予備知識があったからか、違和感なくすんなり観れたし
劇場版は「もうひとつの別な物語」として受け取れば
あれはあれで焦点を絞り込んでいた分、
綺麗にまとまったお話ではあったとあらためて感じる。

とにかく耳に残る音楽がとても良かった。
というか、この作品を観るだいぶ前から実は『鳥の歌』や『夏影』を
知っていて、ドライブ中などによく聴いていたので、
青空や蒼い海の映像とこの曲がものすごく似合うことに
あらためて感動していた。
{netabare}
また、見落としそうだったエキストラ的な人物達が
実は重要な役割をしていて、
この物語は悲劇のようで実は違うのだということもわかった。
{/netabare}

そうだよね、人生っていうのはその人ごとにあって
その人自身だけのものである一方で、それは長い長い星の歴史の中の
ほんのわずかな時間でしかなく、実はさまざまなことが複雑に絡み合い、
繋がっていたりするものなのだろうね。

イメージ映像的に表現される地球誕生と生命誕生、恐竜時代からの歴史。
{netabare}
観鈴が恐竜好きなことも、困ったり哀しかったりすると「がおぉ」と
恐竜の真似をするのも、縁日で見たひよこを恐竜の赤ちゃんだと思い込んだ
子ども時代のエピソードも、なんとなく繋がりを感じさせるための
意味ある設定だったのだとわかる。
{/netabare}
人は人と、出会いと別れを繰り返しながら成長し生きている。
あっさり消えてしまった関係であっても、もしかしたら本当は
別なものに生まれ変わって、再び出会ったり、
そばにいたりするものなのかもしれない。
災いをもたらす関係も、惚れた相手も、自分を愛してくれる人も
良くも悪くも、因果や縁というものはきっとそういうものなのだろう。
そして自分だけのものだったはずの人生は、因果となって
他の人に転生し、また裏と表を繰り返して引き継がれていくのかも。

単なる恋愛物語でも家族愛の物語でもない。
もっともっと深いメッセージを込めた作品だったなとしみじみ思う。

ちなみに、舞台となった地域は和歌山県日高郡美浜町だそうだ。
教えてくださったkiryuさん、hiroshiさん
どうもありがとうございます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

87.4 3 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング3位
ef - a tale of memories.エフ・アテールオブメモリーズ(TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (2428)
12431人が棚に入れました
広野紘と新藤景は幼馴染の間柄。紘はクリスマスの夜、景のパーティーに呼ばれていたが、ふとしたキッカケで宮村みやこと遭遇し、紘はマイペースなみやこに振り回されるはめに。
紘のクラスメイトで映研部員の堤京介はクリスマスの街を撮影中、雑踏の中に少女の姿を見つけキャメラを向けるが、つい彼女の姿を撮りそびれてしまう。
一方麻生蓮治は駅で新藤千尋と出会う。翌日、そしてその次の日も蓮治は無人駅におもむき千尋と再会するのだが…。

声優・キャラクター
田口宏子、岡田純子、やなせなつみ、後藤麻衣、下野紘、泰勇気、高城元気、中島裕美子、遠近孝一、浜田賢二
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高級の演出に彩られたラブストーリー

原作は未プレイです。

「麻生蓮治、新藤千尋」
「広野紘、堤京介、新藤景、宮村みやこ」

この2グループに分かれ、同時並行でラブストーリーが展開されていきます。

同時並行なので状況をつかみにくいです。
しかし、並行していることが、重要な意味をもっている本作。
理由はこの作品の続きである「ef - a tale of melodies.」で分かります。

この作品のテーマは、「記憶」と「夢」。


【記憶について】

「記憶」とひとくちでいうのは簡単です。
しかし、どういうものか言葉で説明するのは難しいもの。
頭の中に蓄えたデータ? 映像? 文字? それとも音?
人によってどうとらえるか異なる、そんなあやふやなものです。

記憶に関しては女性陣が深く関わっています。


▽新藤千尋にとっての記憶
{netabare}
千尋は記憶が13時間しか持続しないため、毎日日記をつけています。
しかし、それはただ「文字としての記録」です。
記憶とは異なります。
例えば、他人が書いた「楽しかった」のひとことからどれだけのことが読み取れるでしょうか?

「何があったから楽しかった」
「何があってこういう気持ちから、ああいう気持ちに変化したので楽しかった」

これで多少は具体的になります。
しかし、いくら言葉を尽くしても、心の動きは正確に表せません。
「『自分という他人』の書いた記録」、それが千尋にとっての記憶の正体です。
{/netabare}


▽新藤景にとっての記憶
{netabare}
景は、自分にとって一番の出来事がいつまでも続いて欲しいと思っています。
また、自分にとって最悪の出来事を引きずり続けています。
一つの記憶がいつまでも心に残り、結果的に足かせとなる。
景にとっての「記憶」とはそういう存在です。
彼女はその足かせから自力で抜け出すことをせず、誰かが連れ出してくれることを待っていました。
{/netabare}


▽宮村みやこにとっての記憶
{netabare}
彼女にとって記憶とは、自分の「居場所」そのものです。
誰かの記憶の中に積み重なることを求めます。
自分が人の心から消えることを「音がない」と表現しています。
その結果として「自分が人の心から消えることへの怖れ」から「特定の人物への執着」へつながっていきます。
{/netabare}


【夢について】

「夢」とは何か。
男性陣は女性陣の記憶と関わりつつも、自分の夢を見つめ直していきます。

▽広野紘にとっての夢
{netabare}
彼にとっての夢はありません。
学校に通いつつ、隠れ漫画家として生活していますが、何もかもが中途半端。
漫画家の仕事も自分の意志で始めたわけではありません。
「絵が上手だね」という何気ないひとことがきっかけ。
それがいつの間にかライフワークになっていました。
自分の「夢」はそこに存在していません。
彼はそれを「色がない」と表現しています。
しかし、景とみやこと話をつけることで、中途半端な自分にけじめをつけます。
それが、みやこの世界に色を与え、自分自身もはっきりした「夢=色」を認識します。
{/netabare}


▽麻生蓮治にとっての夢
{netabare}
「王子様となってお姫様を守ること」、そんな漠然としたイメージが夢です。
人を守ると口に出すのは簡単です。
しかし、いざ実行に移すのはとても大変なこと。
そして、彼が出会い「守りたい」と思った人物は千尋です。
たった13時間でできることは何か。
苦しみながらもひたすら模索し、千尋に一筋の光をもたらしました。
もちろん、これからも苦労は絶えないことは承知の上です。
それでも「千尋を守ること」「小説家」という具体的な夢を得ます。
そして、「人の記憶のなかから自分がいなくなってしまうことが怖い」。
千尋のセリフに感化され、自らも日記を書くことに決めます。
それが冒頭の「それは45秒未満の邂逅(かいこう)だった」という言葉。
実際に出会ってから40秒もたたずに別れています。冒頭からOPまでの語りは、蓮治の日記の内容だったんですね。
{/netabare}

▽堤京介にとっての夢
{netabare}
「夢を撮ることが夢」という抽象的な言い方をしています。
前に進もうとする輝きをとらえることが「夢」です。
しかし、彼の「夢」は一瞬で消えてしまうもの。
普段は、心を揺さぶられるその瞬間をとらえるため、ビデオカメラを回し続けています。

ストーリーの中では、紘と景の背中を後押し。
最後には、記憶の束縛から逃れて前に進み出した景に対し継続する「夢」を見つけることに成功しました。
{/netabare}


さて、この作品の一番の魅力は「演出」です。
単に目をひくためにしか見えないような映像が、大事な伏線になっていることに気付きます。
{netabare}
分かりやすいのはみやこです。
みやこの視点では世界がモノトーンで描かれています。
その後、紘との距離が縮まると色がついたり離れるとまたモノトーンに戻ったり。
そのときの心情をそのまま表しています。
目は口ほどにものをいいます。

夕日を背景にして、影になった千尋には、ひたすら強い孤独感、寂しさが表れています。
また、仕事中だけ世界が白黒の線画になる紘。
そこに本当の夢=色がないというヒントだと思います。
{/netabare}

・人と人との距離で心の距離感を表す
・絵のタッチで現実味を表す
・海や雲の描写で時間の移り変わりを表す
・カメラの位置で空気感を表す

細かいメッセージが、演出や背景の中に隠されています。


セリフを背景や演出に語らせる。
意味に気付いたときには鳥肌が立ちました。


各話のタイトルも凝っています。

1.eve
2.upon a time
3.paradox
4.honesty
5.outline
6.rain
7.I...
8.clear colour
9.forget me not
10.I'm here
11.ever forever
12.love
coda.dream

頭文字を取ると「euphoric field」。
OPテーマソングのタイトルになります。
直訳すると「幸福の領域」ってとこでしょうか。


さらに、

テーマソングの「euphoric field」の頭文字は「ef」です。
{netabare}
OP中に流れる背景に描かれているのは、千尋の書いている小説の内容です。
{/netabare}

また、

回を追うごとにEDの曲が変わっていきます。
同じ曲でも歌詞が内容に応じて変化します。


これでもかといわんばかりの徹底した演出へのこだわり。
それを伏線にしてしまう本作。
そして、この物語と伏線は、2期の「ef - a tale of melodies.」へと引き継がれていきます。

・速いペースでの群像劇
・抽象的な会話
・頻繁に入る独特な演出。

1度見ただけでは、ただのシリアスで小難しい恋愛アニメに感じるかもしれません。
しかし、そこで評価してしまうのはもったいない!

本番は2周目以降から。
内容を知ったうえで視聴をすると隠れたメッセージが、山ほど見えてきます。
それが2期「ef - a tale of melodies.」での感動につながります。

ぜひ見ていただきたいオススメの作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 104

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

13時間って長いんですね!!

●これから観ようと思っている方、一度は挫折して観るのを諦めてしまった方へ♪
私も最初の1話・2話はとっても退屈でした〃´△`)-3ハゥー
でもそれ以降は、話が進む度に物語に引き込まれていって、感動のあまりに涙を流しておりました♪
物語の前半は、この物語の構成上退屈なのはしょうがないのかもしれませんね(^。^;)
というのも、別々の2つ物語が同じ時を並行して進行しているのと、1話の中でその2つの物語が、
折り重なるようにスイッチしていくので、キャラクター間の相関関係が判り辛いのかもしれません。
また、物語がまだ大きく動き出していない点も助長しているのかもですね♪
まぁ、嵐の前の静けさってやつですね(*^▽^*)
なので、差し支えなければある程度のキャラ把握と、簡単なあらすじを理解した上で視聴したほうが
スムーズにこの作品のストーリーに入っていけるのかなぁーって思いました。
 
■この作品の特徴。
見ている人の深層心理に働きかける演出が(゚ー゚☆キラッっと光る作品なのです。
過剰演出じゃないの?って捕らえる人もいるかも知れませんが、私はそうは思わなかったです♪
ただ、虚を突くだけの奇抜な演出ではなく、こだわりを持って一貫して綿密に練られた演出だからこ
そ、物語に深みを与えて見ている人に感動を与えられるのだと思うのですよ(゚ー゚☆キラッ
たとえば、キャラクターを中心に捕らえるだけではなく、わざと視点をずらすような、カメラワーク
だったり、色彩豊で写真のように美しい情景だけではなく、単調な色彩だけで表現したり。
そういった演出にプラスして、言葉や活字、光と影の使い方が絶妙だからこそ物語りにグッと引き込
まれていったのです♪
 
■物語の紹介
先に2つの物語から構成されているとご紹介しましたが、ここで簡単に整理しておきますね♪
 
★広野紘を中心のストーリー
・広野紘・・・・幼少のころ景や千尋を喜ばせようと思い、少女マンガを描き始めたのをきっかけに
        漫画家となる。新藤姉妹とは幼馴染。持病は腱鞘炎。
・宮村みやこ・・活発な気まぐれっ子。家庭環境が原因で寂しがりやな一面も。だんご大家族好き!?
・堤京介・・・・カメラをこよなく愛する好青年。(゚ー゚☆キラッと光る才能がゆえに映研のメンバーと
        はうまが合わなくなる。
・新藤景・・・・千尋とは双子の姉。紘の幼馴染。バスケットボール部のレギュラー。
        紘に、ただの幼馴染以上の感情を抱くようになる。
・雨宮優子・・・風のように現れて、風のように去っていく、不思議な女の子!?
 
★麻生蓮治を中心のストーリー
・新藤千尋・・・景とは双子の姉。紘の幼馴染。ある事故をきっかけに左目失明・記憶障害となる。
        肌身離さず日記帳を持ち歩いている。
・麻生蓮治・・・今は使われなくなった駅のホームで千尋と運命的な出会いとなる。
        本を常に持ち歩く読書好き。
・火村夕・・・・千尋の保護者代行をしている。
・久瀬修一・・・火村の昔ながらの友人。麻生家のお隣さん。
 
 
●総評
どちらのストーリーも涙が止まらなくなるような感動を与えてくだました♪
ただ、ラストまでの恋愛の質とプロセスがまったく違うので、ひとつの作品なのに、2つの作品のラ
ストシーンを同時に体感したような、今までに感じた事のない余韻に浸れました♪
これが同じような感動のストーリーだと、こうは感じなかったでしょうね(^ー'*)(,_,*)
一回観ただけではこの作品の良さを見切る事は不可能だと思いますので、個々のキャラクター目線で
見返していくもの良いかもしれませんよ♪千尋の日記帳みたいにね(*^▽^*)
そのまえに「melodies」の方も観たいと思いますw
 
 
※以降は個人的なネタバレメモです♪
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
■45秒未満の邂逅であった。
いまいち意味が理解できていませんw
45秒未満で運命の出会いと気付いたっていうことなのでしょうか???
 
■13時間しか記憶を維持できない千尋の日記帳のルール
この日記帳を毎朝必ず読み返してください・・・これがあなたの記憶です。
必ず日記を残してください・・・その日の会話・行動・医療記録など。できる限り正確に残してください。
できるだけ他人との接触を避けてください・・・
日記に対して、これは私自身なのです・・・
 
■12歳と13時間を生き続けてきた千尋
無理した千尋が13時間を超えて日記を読まなかった時、12歳の少女に戻ってしまう。
「鎖に繋がれた羊と同じ」
鎖の長さ=12年、手の長さ(手を伸ばしても)=13時間、草食べつくす=小説を書き終える
好きですと言える間にお別れしたいと言う千尋、泣きながら最後に日記を読む千尋・・・
切ないですね。゚゚(>ヘ<)゚ ゚。ビエェーン
  
■かなり怖かったよ!!みやこちゃん!?(* □ )~~~~~~~~ ゚ ゚
デートの待ち合わせですっぽかされたみやこちゃん!!
過去のトラウマから、蘇ってくる「消えたくない」という恐怖がMAXに・・
紘の留守電へ訴え続けるみやこの心情は尋常ではなかったですね♪
その夜・・・
「もう届かないよ!!私が届かせない!!私が・・・・!!もう終わったの・・・」
必死のみやこと冷酷な千尋とのドロドロ展開ってヒイィィィ!!!!(゚ロ゚ノ)ノ
なんか、「ひぐらしのなく頃」っぽい怖さをちょっと感じちゃったのは私だけ・・・
 
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 90

だんちょー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

個人的にシャフト最高作品だと思っている(レビュー全訂正)

全12話。efの1期です。

原作ゲームは未プレイ。

ストーリー構成は学園恋愛物。エロゲ原作ですがアニメでは全編通してシリアスストーリー。

原作プレイ者には結構不評みたいですが凄く面白かったです^^

少しダークな感じがあり取っ付きにくいかもしれませんがストーリーや演出が素晴らしい出来でした。

シャフトと言えば化物語や魔法少女まどか★マギカが有名ですが私はこの作品が一番好きです。泣きアニメが好きなのでかなり補正かかってますがねw

1期単体で見ても充分に素晴らしい出来なのだが、結構謎を残して終わるのし、サブキャラ扱い(?)の皆さんが活躍するので続けて2期も見て頂きたい。2期も1クールなので見やすいと思いますよ。

しかしながらシャフト独特の凝った演出。大まかに分けて2つのストーリーが同時進行の展開、各キャラの心情など1クールの中に詰め込まれた作品なので、アニメ観はじめたばかりの方にはハードルが高い気がします。

それでも素晴らしい作品なのでオススメしちゃいます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 77

82.7 4 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング4位
グリザイアの果実(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1856)
11089人が棚に入れました
──その学園は、少女達の果樹園だった。
外敵から隔離された学園にやってきたのは、生きる目的をなくした一人の少年。
守るべき物を見失い、後悔と贖罪のみに費やされる人生の中で、
その少年に残されたのは首に繋がれた太い鎖と、野良犬にも劣る安い命。
そして少年は、その学園で少女達と出会い、新たな希望を見つけ出す。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、田中涼子、田口宏子、水橋かおり、たみやすともえ、清水愛、やなせなつみ、鳴海エリカ

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

1作目としては及第点かな(・∀・)v

18禁ゲームが原作となる学園恋愛もの。
とりあえず主人公最強ですw
全13話。


それぞれが事情を抱え外界から隔絶された
学園に籍を置くわずか5名の女子。
唯一の男子生徒となる転校生・風見雄二を
主人公に展開されるハーレムストーリーが軸。

世界観や設定は現実離れしたゲーム世界。

各ヒロインに用意されたストーリーは
どれも悪くなかったと思います。
キャラそれぞれの魅力も伝わってきました。
ただ、使い古されたネタやツッコミ所が
多かったのも事実かなぁと(´∀`;)

作画、キャラデザがしっかりしてるので
キャラ重視の視聴でも良いかもですね。
声優陣はエロゲ原作作品でよくお見かけする
方々も多くツボを抑えている印象でしたw

多少エロゲ原作らしいシーンもありますが
見るに耐えない程ではなかったですw
あんなシーンやこんなシーンが(〃艸〃)
……やっぱりエロ注意かなw


少女たちの前に現れた1つの果実である主人公。
彼女たちにとって甘い果実となるのか
毒を持つ果実となるのか……。

せっかくの3部作。
ここからもっと盛り上げてくれるんですよね!
しっかりとした結末を期待しています!!
「迷宮」「楽園」と続く続編が楽しみです♪




《キャスト》

風見 雄二(CV.櫻井孝宏)
榊 由美子(CV.田中涼子)
周防 天音(CV.田口宏子)
松嶋 みちる(CV.水橋かおり)
入巣 蒔菜(CV.たみやすともえ)
小嶺 幸(CV.清水愛)
橘 千鶴(CV.やなせなつみ)
春寺 由梨亜(CV.鳴海エリカ)
風見 一姫(CV.友永朱音)



《主題歌》

OP
『楽園の翼』/黒崎真音
ED
『Eden's Song』/はな(第2話)
『あなたの愛した世界』/南條愛乃(第3、6-9話)
『SKIP』/茶太(第5話)
『Rainy veil』/やなぎなぎ(第10話-第12話)
『創世のタナトス』/飛蘭(第13話)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 66

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それぞれの過去という運命のくびきから解き放て!自由の楽園へ・・・

フロントウイングより発売された学園アドベンチャー

ゲームを原作とする作品で全13話、原作未プレイ。


三嶋崎という海辺の町に私立美浜学園という全寮制の

学校がある。風見雄二は普通の学園生活を送りたいという

ことでこの学校に転入する。他の生徒は5人しかおらず

全員女子であった。彼女らと関わっていくうちに

皆それぞれ過去に深い闇を抱えているのだった・・・


原作は一切知らないのですが偶然ネットを散歩していたら

アニメ化決定のニュースを聞き(当時はアニメはほとんど

見てはいない頃だった)とにかく面白そうだと思ってかなり

期待をしていた作品でした。(ほとんど見ていないにも

関わらず期待していたのであるw)

結論を先に言うとその期待を裏切ることなくやってくれた

と思います。


まず物語についてですが、最初はお決まりという感じの

所謂共通ルート的な学園生活を送っているという感じでした。

面白さで言うとたぶんここが一番なのではないかと

思います。インパクトが強いのはやはり第3話です。

第3話の出だしからの勢いは衰えることなくマキナや幸、みちる

とのあの会話の部分はとても面白かったです。

あの名ゼリフもありましたしw

ここからみちる、由美子、幸、マキナ、天音の順に

それぞれの抱える闇とその選択が描かれていきます。


各ルートではそれぞれにお家事情や過去にあった

出来事によって渦巻いている闇という枷とそれを雄二

と関わっていくことでそれぞれの思いによっての選択を

していくという感じでしたが、一部尺不足かなと思える

ところはありましたが物語の繋がりは大きく切れている

ところはなかったように思いました。

なのでまあなんとかやりきったかなという感じでした。


曲はアニメのOP「楽園の翼」はもちろんのこと

ゲームの各ヒロインのEDが各所で使われていてとても

良かったです。みちるEDのあの映像は・・・という

感じでした。それにゲームのOPの「終末のフラクタル」

や最終話の続編制作決定の時の迷宮で使われている

「創世のタナトス」も結構良かったです。


最終話の次回予告で続編決定で4月からの予定というのが

ありましたが迷宮と楽園をどんな風にやるのかが今から

とても楽しみです。

とにかく期待していた分はきちんと取ってくれたかなという感じです。

付け加えでこの作品では多少グロイところもあるかと思うので苦手な人は

注意をしておいてください。

◆個人的点数評価 84.931点

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

タイトルなし

去年、グリザイアをやっていたときはリアルタイムでは見てませんでした。
2015春アニメでグリザイア系のアニメが複数出ていて興味が出てきたので、
ニコ生一挙放送の機会に早速視聴です^^

■第1話~第5話
{netabare}
原作が18禁PCゲーということもあり、サービスシーンが
多めです。が、このギャルゲー的展開はやっぱり王道ですね~
第5話のみちる回はとてもよかったです^^
表みちる、裏みちる共に攻略しちゃいました。
主人公のユージも思い切ったこと(=生き埋め)やりましたが
これは惚れてしまいますね~^^
{/netabare}

■第6話~第13話
{netabare}
天音回すごかったです。
エンジェリック・ハウルは原作だともっと長いんでしょうけど、ミステリアスな終わり方をしています。
一姫は結局生きているのか?続編で明らかにされるんでしょうか??
これから放送される迷宮・楽園に期待です!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 60

84.9 5 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング5位
Kanon カノン[京都アニメーション版](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1832)
10348人が棚に入れました
静かに雪の降り積もる北の街。高校2年生の相沢祐一は、両親の都合で、7年前によく訪れていた北の街に住む叔母の家に居候する事になった。従姉妹の名雪とも7年ぶりの再会になる。名雪に街の案内をしてもらっていた祐一は、月宮あゆという少女と出会う。そして偶然知り合ったにも関わらず、追われているという彼女と一緒に逃げる羽目になってしまい…。

声優・キャラクター
杉田智和、堀江由衣、國府田マリ子、田村ゆかり、佐藤朱、飯塚雅弓
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Key作品の始まり 雪を見ると思い出す・・・

あらすじ

家庭の事情により北国「雪の街」の
叔母の家に居候することになった相沢祐一。
7年前には結構遊んでいたりして
友達と過ごしていたはずにも関わらず、
彼には当時のことが思い出せずにいた。
そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、
幼い頃の大切な記憶を取り戻していき
そして様々な問題と向き合うことになる・・・


※wiki引用


感想


東映版のkanonもありますが
そちらは見てないです

それと僕は原作やってますから
展開は知ってたんですが
それでもまた泣かされましたね


映像に関してはさすが京アニ
文句の付けようがありませんね
ほんと描写が細かくて圧倒されます

内容は、主人公が以前よく訪れていた
雪の降る町に7年ぶりに帰ってくる
そこで少女達と出会いその少女達との
不思議な物語を描くストーリー
全体的に綺麗で悲しい話がメイン。

シリアスな展開が多い中にも
コメディ要素でところどころにボケとツッコミがあり
それが結構笑えて良い


ただ色々なkey作品を見た後にこのアニメを見ると
少々インパクトに欠けるかもしれません。
しかし、1つ1つの話がとてもしんみりした気持ちになり、
心にグッとくるものがあります

何といっても、真琴ルートとあゆのラストが
切なくてめちゃくちゃ感動しました…

特に真琴は最初ウザい感じのキャラだと思っていただけに
ラストとの落差が凄く衝撃を受けた
あまのじゃくな性格も後半の感動に拍車をかけていた

本当は祐一ともっと色んなことを
したかったはずなのに
その性格のせいで出来なかった真琴と
ラストで、逆に素直になる真琴が
本当は最初からこうしたかったのだろうかと思い
切なくなりました…


それに原作をやってる方としては上手く
原作の全ルートをまとめてるなと思った


やっぱりKey作品の特徴として
作画というかキャラデザの好みはわかれるでしょう
それに他のKey作品でも書いたが
結末としてご都合展開とも思える
奇跡がやっぱり好き嫌いわかれるでしょうね

ですが、Key作品だけあって
やっぱりBGMやOPなどの音楽が非常に良く
切ない曲で冬の雰囲気に合っていて
Key作品の中で一番好きかもしれない


感動もできたし
充分楽しめたので良かった
東映版もいずれ見てみたいと思う



ここからは、いつも通り
解説・考察を書いておくので
見たい人だけ見てください
{netabare} ~

と、いってもKanonは他のKey作品に比べてそこまで
難しく無いと思うので
そんなに書くこと無いです


真琴の話ですが、
真琴はなぜ死にそうになったのか?

真琴は元々祐一が世話をした子狐で
再び出会うために人間に化けていました
そして化ける際に狐は寿命を
削っている様でその為に死んだそうです


また、ピロは真琴のお母さん、若しくは仲間だと思います
真琴がピロが財布を持ってきてくれた気がすると発言したり、
また、真琴が異変を起こす途中からピロがいなくなり
美汐が妖狐がたくさん集まると奇跡が起こるのかもしれない
そう言ってることから

ピロは真琴を救うため
仲間を説得していたのだと考察出来ます
そして、最後ピロと真琴が丘で
横たわっていることから
奇跡が起きて真琴は人間になれたのでは無いかと思います

希望的観測過ぎますかね?
でも、祐一の理想だとしたら
ここで、ピロがいるのは少し違和感を感じるので
私はこっちの解釈だと思っています

この奇跡は、あゆによるものか、妖狐によるものか
判断に困りますが個人的には妖狐のおかげだと
思っています



舞について、
この話が1番難しいかもですね

舞には、生命力を回復させる力があり
それで死にそうだったお母さんを救ったのですが
マスコミなどのメディアで紹介されてインチキや偽物と言われ
名雪達のいる町に逃げてきたんですね。


舞と祐一は10年前に既に出会っており、
祐一を引き止めたい一心で「魔物が来るから一緒に戦って欲しい」と嘘をつく。
まぁ、正確には魔物=建設会社だった訳ですね

さらに、祐一が自分から離れていったのは自身の「力」を
疎ましく思ったからだという舞の誤解が「力」を拒んだ結果、
「力」は舞から分離し、魔物として本当に舞に襲いかかる。
また、舞より祐一を狙うのも拒絶された原因が祐一だからでしょう

こうして、舞は自分の分身と10年間同じ場所(かつては麦畑で今は校舎)で戦い続けることになる。

魔物(=力)は自分の分身であるため、
魔物を倒すことは舞自身を傷つけることになる。
舞は魔物の正体は主人公に聞かされるまでわからなかった様だが、
最後の一体を倒したら自分も死ぬというのは経験的に理解していたため、
主人公の前ではあえて止めをささず、牛丼を買いに行かせることで主人公を遠ざけた後、相打ちする気だったと思う。

もう一人の「まい」(=力)である。それによって主人公は昔の記憶を思い出し、事の顛末を舞より早く理解し、その後止めをささんと教室に入った舞を制止する。
そして、舞に全てを思い出させ、誤解を解くべく説得する。それでもあくまで「力」を拒否する舞に対し、「力」を含めた舞の全てを受け入れると語りかけ、佐祐理と三人でもう一度やりなおそうと提案する。

自殺を図った舞ですが、
これは2人に迷惑をかけるくらいならという思いがあったためだと思います。
また、舞は力を受け入れることで、傷は塞がり治りましたね。

そして、最終回ですが佐祐理と舞が退院してましたが
佐祐理さんの回復はあゆの奇跡の恩恵なんでしょうね

{/netabare}

どのキャラも大概最後は
あゆの『奇跡』で救われる
Kanonはまさしく奇跡の物語であったと思う

投稿 : 2024/05/11
♥ : 91

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私は「奇跡」を信じたいです!!

■Kanonの魅力って
ご存知の方も多いのですが、Kanon・AIR・CLANNADは同じkey作品としてよく比較されますよね♪
「key作品らしさ」とよく耳にしますが、「らしさ」ってどんな所だろう・・・(*'ω'*)うぐぅ~?
作画!? キャラクター!? 演出!? そうですね!!
視覚・聴覚で「似ている」って感じる部分は少なからずともあると思います!!
では、観ている人に伝わるメッセージ的な点で考えた場合はどうでしょう・・・(^・ω・^)あぅ~?
友情や家族愛といった人と人との繋がり「絆」だと思うのです♪
そういう、「らしさ」にもうひとつのメッセージを練りこむことによって別々の「らしさ」が現れて
三者三様に魅力的な作品となっているのだと思います。たとえば・・・
AIR →「運命」、CLANNAD →「人生」
では、Kanonはといいますと、ずばり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「奇跡」・・・・・っだよ!!
奇跡って想いがあれば誰もが起こせる可能性はあるのですよ♪
信じる気持ちがなければ、それは奇跡ではなくただの偶然なのですね♪
まだ、観ていない人は是非「Kanon」の感動のストーリーを体験していただきたいです。
 
■物語のポイント
物語の前半は、(〟-_・)ン?って思うシーンが沢山でて来るのです♪
最初のうちはちょっと不完全燃焼って感じなのですが、これが後々なるほど!!となるので
記憶力の良い方は沢山覚えておいてください。
特に主人公の祐一を筆頭に7年前から失くしてしまっている、記憶とはどんな記憶なのか注目です♪
 
物語の中盤以降からは、ちょっと悲しいストーリーが多いかもしれません。
そして、主人公の祐一と真琴・舞・栞の3人の女の子とのストーリーが動きだしていきます。
思い出す記憶の欠片と共に涙を流さずにはいられないシーンが出てきまよq(T▽Tq)
しかし、まだ完全にすべての謎が解けぬまま、物語の後半へ・・・
 
いよいよ物語は盛り上がって行きます。
祐一・あゆ・名雪・秋子 それぞれの記憶欠片がすべて揃う時・・・・・・・・・
ぜひ感動して涙してください♪
最終話はちょっと急ぎ足になってしまいましたねw
終わり方はとっても好きな終わり方ですが、もうちょっと余韻を楽しめるように構成して
欲しかったかなってちょっとだけ思っちゃいました♪
 
●総評
「Kanon」に出てくるキャラクターって誰ですか?というよりも、どのストーリーが良かったですか?
と聞いたほうが良いかもしれませんね♪
大きな物語の流れの中に、うまくショートストーリーを組み込んだような感じがしたのです!!w(゚o゚*)w
しかも、真琴中心のストーリーのイメージを次のストーリーにどうしても引きずってしまって、ひょ
っとしたらこの子も・・・って思っちゃうと先のストーリー展開が読みにくくて逆にそれが良かった様な
気もしましたよ♪
Kanonでも案の定たくさん涙を流しちゃいましたwやっぱり名作ですね♪
 
▽お・ま・け
1話でメインキャラクターがすべて登場していたのですが、皆さんは気付きましたでしょうか(゚ロ゚;)エェッ!?
真琴に関してはキ○○ですがw2回目観てみようと思われた方はちょっと注目してみてくださいね♪
 
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 56
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「麻枝+いたる絵」三作品連続で観てみた

それは君のせいではなく自分のせいです。

一通りKeyの泣きゲー系列は踏破した感じ?
『CLANNAD』『AIR』ときて、締めはこちら『KANON』となります。

今回はあまり内容に触れません。


で、似てるんですよね。キャラデザ/音楽/シナリオ作る人一緒だし、こうして一通り観た後だと比較しながら総括したくなるところです。

一連の作品群は、

1.キャラデザインを不問にする
 ⇒俗称“いたる絵”。頭身低くして野球帽被せたらパワプロで使えそうな勢いです。
2.電波な女子を不問にする
 ⇒メインもサブもだいたいキツイです(当社比)。
3.リアリティには目を瞑る
 ⇒奇跡という名のご都合主義

こちらは少なくとも私の場合は、視聴する上で最低限のお作法でした。
そこまでして観る必要がないと判断すれば放置するか、どれか一つを手に取ってみて相性をはかってみる、が吉でしょう。
私はこれで3本目になりますので、そもそものところでは気に入ってはいるのです。


それで本作『KANON』です。
女の子につける名前ランキング2018年/30位。放送当時2006年/26位。となかなかの人気です。東映アニメーション版の2002年はデータがありません(明治安田生命版)。音の響きが素敵でリアル周囲での“かのん”ちゃん率けっこう高めです。え!?違う?
アニメの『KANON』は元ネタが“パッヘルベルのカノン”がモチーフということらしく、こちらは誰もが聴いたことある音の響きが素敵な楽曲だったり。
正式名称は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲。カノン自体は、輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する技法、またはその様式の曲のことです。身近なところでいえば“カエルの歌”。

{netabare}作中では佐祐理曰く
「同じ旋律を何度も繰り返しながら少しずつ豊かに美しく和音が響きあうようになっていくんです。」
「そんな風に、一見違いのない毎日を送りながら、でも少しずつ変わっていけたらいいですよね。」
だそうです。(第14話){/netabare}

複数のメロディーを構成する人達は以下の通り。けっこう多いんですよね。

相沢祐一(CV杉田智和) 主役
月宮あゆ(CV堀江由衣) うぐぅ たいやき 
水瀬名雪(CV国府田マリ子) 祐一のいとこ 
川澄舞(CV田村ゆかり) 魔物討伐
美坂栞(CV小西寛子) 病弱
沢渡真琴(CV飯塚雅弓) あうーっ 肉まん 
倉田佐祐理(CV川上とも子) 舞の親友。料理上手
水瀬秋子(CV皆口裕子) 名雪母
美坂香里(CV川澄綾子) 名雪親友
北川潤(CV関智一) ムードメイカー
天野美汐(CV坂本真綾) 不愛想

ギャルゲの宿命のようなもので、主人公祐一が女の子たちを単体撃破していくような体裁をとってます。標的はあゆ、舞、栞、真琴がコア。すでに3つのヴァイオリンの数を超えております。コアに準ずるサブとしては名雪が頭一つ出てますが、残りの女の子たちにも相応のエピソードを用意し全方向です。

欲張り過ぎちゃった気がしております。

尺は充分なので掘り下げが足りないことはなく、それこそ繰り返すメロディーが次第に美しい和音となって響いたかを注視してた私にとっては微妙でした。“名実ともにタイトル回収できたん?”についてイマイチだったということです。{netabare}例えば美汐は、真琴のエピソードが終ればお役御免でその後出てきません。{/netabare}
戦線拡げ過ぎちゃってにっちもさっちもいかなくなった大日本帝国のような印象を受けました。例えがアレですがね。


とはいえ泣きゲーの元祖とも言われた名作ゲームが元ネタです。やはり面白い部分は面白いのです。
季節は冬で舞台は北海道。『CLANNAD』が春、『AIR』が夏、と季節感を上手く取り入れたシナリオとそれを視覚に訴える作画で応えてくれた京アニの作画班。『KANON』においても同様です。
繰り返しですが、レビュー冒頭でのお作法をクリアすればヒット率は上がるでしょう。複数あるサブストーリー(個別エピソード)は良いお話がほとんどです。
ラストもハッピーエンドと言えるオチのつけ方をしてきましたし、サブストーリーのネタを集約しようと試みている節も確かにありました。このへんスタッフサイドの纏める苦労がしのばれるところです。


そうです。努力が垣間見えるのでした。
ゲームまで遡ればおよそ20年前の作品です。アニメとしては2002年の東映アニメーション版と先例のある歴史の古い作品です。
エヴァンゲリオンやハルヒなどその後の流れを作った名作同様、泣きゲーアニメ展開の始祖とされたのが本作。0から1を産み出そうとしたものです。その後、1から100を目指す作品が産まれその多くを目にしてきたな、というのが今なのです。
となると、それはクラシックカーを愛でる感覚に近い。スペックやユーザビリティは劣っていても当時の技術の粋を集めたものに憧憬を覚えるような感覚をこの作品からは受けました。後続の手垢のついた手法を考えなしになぞったようなものとは違うなにか。
よって自分はこの独自性を買い、評点に下駄を履かせときます。
戦線拡げたと文句を言うのは簡単ですが、同時にアメリカ、イギリス、ソ連、そして中華王朝に喧嘩を売るなんて芸当は到底できないことです(結局それかっ!?)。

個別展開が集約されてくるであろうリアル“カノン”な物語は他の作品で触れることにいたします。


■ちょい反省
“マンガ日本昔ばなし”のように捉えとけば良かったかも。
ガッツリファンタジーだけども示唆や教訓に富む各ルートの集合体。各々ばらけてても気にならなかったことでしょう。

■オマケ
パーティでの楽曲“ワルツ”はいい感じ。
別の作品で登場した{netabare}(『四月は君の嘘』で公生と凪が連弾した){/netabare}曲。聞き惚れてしまいました。



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視聴時期:2019年5月 



2019.05.26 初稿
2019.11.27 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55

81.7 6 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング6位
うたわれるもの(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1476)
8827人が棚に入れました
ここではないどこか、今ではないいつか。
時は戦国時代。国は分かれ争い、民草が飢え苦しむ時代。ある山奥ののどかな辺境の村に、瀕死の怪我を負った男が運び込まれた。
彼は村人に助けられる以前の全ての記憶を失っておた。新たに『ハクオロ』という名を村長から授かった彼は、村の生活を豊かに発展させ、村を襲った災厄を退け、村人達の信頼を勝ち取ってゆき、既にこの村の無くてはならない家族となっていた。しかし戦乱と貧困の風は、この平和な山村にまで吹き付け、人道に反する重い税を押し付けた藩主に反発したことが原因で、村人に強く信頼されていた村長が殺害されてしまう。
ハクオロの中に生まれた、深く静かな怒り。ハクオロは指導者として謀反を起こし、暴虐の限りを尽くした圧制国家を打ち崩して、新たな国トゥスクルを建国する。
戦いは終わったかに見えたが、まるで何らかの作為が働いているかの如く、次々とトゥスクルとハクオロの元に戦の業火が降りかかる。ただ平和だけを望む自分の存在や行動が、結果的に戦渦を広げている事に苦悩するハクオロ。しかし、もはや彼に逃げ道は何処にもない。人の身には余る知識と知略、積み重なっていく重責と不条理な現実。そしていまだ深い霞に隠されたままの自分自身の正体。
多くの苦悩を抱えつつも、ハクオロはトゥスクルの『皇』として、いまだ終わる兆しの見えない戦争の日々に身を投じる事となる…。

声優・キャラクター
小山力也、柚木涼香、沢城みゆき、京田尚子、桐井大介、中原麻衣、渡辺明乃、石川ひろあき、ゆきのさつき、浪川大輔、小山剛志、大原さやか、釘宮理恵、田中敦子、三宅華也、吉野裕行

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

独特な世界観が個人的に好きです♪

あの昔ながらで独特の世界観好きです!
個人的には原作よりもアニメの方が良い感じがします!
エロゲが原作の、この作品ですがエロ要素は一切無し!!
エロゲ作でエロを取り入れない=シナリオが素晴らしく、
十分勝負できる内容であることの裏づけだと言っても過言ではない内容です!!

また、音楽関連は完璧です!Suaraの歌唱力も素晴らしいですが、
挿入歌の入れどころなども非常に良い!!また、あの世界観を再現する独特の曲調やサウンドが素晴らしい☆

シナリオに関しては、スピード感があり、話がどんどんと進んでいくため、飽きを感じさせないです!
唯一の欠点は、地名や人名を舞台であるアイヌのものを使用しているため、
なかなか馴染みがなく、結構覚えにくい点のみ!

キャラに関してはエルルゥ・アルルゥを中心に個性的な良いキャラ揃い!!
そしてまた、感情の起伏を表情や言動で感じられるため、
その分凄く感情移入しやすく、物語に深く入り込めます!!
特に【沢城みゆき】演じるアルルゥは本当にヤバイ!!!!
トゥスクルが亡くなった時の、アルルゥの泣く姿は本当に強烈でした!!

個人的にはほぼ満点の作品!!是非、オススメしたいアニメの1作です!!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 66

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

奥の深いストーリーと緻密な設定・・・見応えのある作品でした^^

この物語の主人公は、「ハクオロ」という絶対に外れない仮面を被った青年です。
ある日、ハクオロが傷付き倒れていたところを辺境の村人が助けてくれました。しかし、目覚めた時、ハクオロは過去の記憶を失っていることに気付きます。
一方、悪政が国を蝕み始めており、やがてハクオロ達は自由と平和を求めて立ち上がります。

この物語は、上に立つ者の苦しみや悩み、そして記憶を無くしている空白の時間に対する恐怖や不安に立ち向かっていく青年のお話です。

この作品は、2クールの作品なのですが、ストーリーの奥が深く、時代背景や登場人物の設定がとても緻密に練られていて、とても見応えがあるのが特徴です。

比較的登場人物の善悪の立ち位置がはっきりしていて、登場人物も真っ直ぐです。従って、相手から受けた恩に報いたりする登場人物の「義」を物語の随所で感じることができ、とても気持ちの良い作品です。

また、登場人物の心が折れそうになった時の心理描写は秀逸です。「悲しい時には、とことん深く悲しいところまで自分を持って行けばいい・・・そうすれば、その先は上るだけだから・・・」多少言い回しの違いはあると思いますが、この台詞は名言だと思いました^^;

それと、常に傍で見てくれている人の大切さも、この作品を通して感じることができます。
迷ったり悩んだりしたとき、傍でいつも見てくれている人が差し出す手って、勇気づけられるし、ホント温かいと感じられるんでしょうね・・・^^

物語の終盤・・・思いもよらない展開に発展していきます。
終わり方・・・は賛否両論あるかもしれませんが仕方なかったのでしょうか・・・
ただ、振り返ったエルルの笑顔がそのまま続けばいい・・・そう思えるエンディングでした。

オープニングテーマはSuaraさんの「夢想歌」という曲です。これから始まる事を期待させてくれるようで大好きでした。

私にとって、見応えのあるとても良い作品だったと思います^^

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

観はじめると、とりあえずファンタジー戦記っぽい。

同タイトルのエロゲー原作と言ってしまうと身も蓋もありませんが、事実なのでしかたがありません。ゲームの方は、PS2およびPSPで遊べる全年齢対象版もあります。

細かいところは良くわかりませんけど、大雑把なところではストーリーは原作ゲーム準拠だと思います。

主人公のハクオロは、負傷して行き倒れていた状態でエルルゥに助けられますが、目覚めると記憶を失った状態でした。ハクオロもエルルゥの祖母(集落の長老)につけてもらった名前でその時点では本名は不明。

エルルゥたちの集落が圧政を受けていたため、ハクオロは結果として集落の反乱に手を貸してしまい、そこからお話がどんどん動いていきます。

ハクオロ達を中心とする戦記物要素とそれの付随するバトル、そしてハーレム要素(これはエロゲーが原作だから当然?)で進んでいきますが、最後の方まで観ていって改めてEDを観ると「そういうことかあ!」と納得するという作品です。

「ファンタジー戦記っぽい」の「ぽい」が意味するところは、最後までご覧になってご確認いただければと思います。

未見であればストーリーに意外性があると思いますし、作画も制作当時を考えるとわりと良いと思います。ハクオロ以外がケモ耳ついてたり尻尾があったりするのがどうなのかは、好みの問題もあるとは思いますが私は問題なかったです。

けっこうお勧めです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

85.0 7 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング7位
ef - a tale of melodies.(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (1575)
8426人が棚に入れました
天才美少女の広野凪にいつも振り回されている火村夕は、ある日、雨宮優子と言う不思議な少女と出会う。優子は夕の事を知っているようだが、彼女の事は夕の記憶には無かった。優子は、夕に不可解な言葉を残して立ち去る。
一方、従兄妹の麻生蓮治の家に泊まりに来ている羽山ミズキは、美しいヴァイオリンの調べを耳にする。それは蓮治のお隣さんの音楽家、久瀬修一の奏でる演奏である。蓮治の母、麻生すみれは、休暇中のミズキの世話を久瀬に頼むのだが--。

声優・キャラクター
中島裕美子、遠近孝一、後藤麻衣、浜田賢二、伊藤静、古澤徹
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

efの集大成、演出が奏でる音色

原作は未プレイです。
内容は1期の「ef - a tale of memories.」の続きとなっています。

1期レビュー→http://www.anikore.jp/review/397865

1期で残された謎や伏線を回収しつつ、現在・過去・未来、重なりつつも進んでいく。
まるで1期と表裏一体の世界にいるような感覚。
{netabare}
しかし、ほんとに表裏一体だったとは……音羽というそっくりに作られた二つの街。

一瞬入る雪の結晶のような演出。
吐く息が白いかどうか。
雪が降っているかどうか。
服装はどうか。

それで舞台がどちらなのか、1期の時点で判別できていたんですね。
{/netabare}
また、シリーズを通し、最初から最後まで演出が光り続けた作品でした。

・キャラに語らせる。
・動きに語らせる。
・背景に語らせる。
・音楽に語らせる。
・色に語らせる。
{netabare}
melodies=音色。
「音の色」。ちょっとダジャレが入ってますが、色の使い方が秀逸です。
差し込む光の色。
キャラクターの目の色の変化。
キャラクター目線での世界の色の変化。
室内で光になっている部分と影になっている部分の違い。
そういったものが、キャラクターの心理状態を表しています。
{/netabare}
1期同様、見る度に新しい発見があります。

そして、OPがすごいですね!
「ebullient future」。
和訳すれば「あふれるような未来」。
頭文字を取れば「ef」。
{netabare}
OPがどんどん変化していく。

時には色が薄れ、時には色を失い、時には誰もいなくなって、音すらも失う。
しかし、それでも少しずつ色や形を取り戻していく世界。
{/netabare}

普段は飛ばしてしまうことの多いOPやEDテーマ。
しかし、この作品でそれをやってはいけません。
「きこえますか?真実のメロディ」がキャッチフレーズ。
この言葉を守りましょう!

{netabare}
11話で1期のメンバーが集ったときには2回のOPが。
しかも、1期のもの。
しかし、姿は消えることなく形を保ち、傍らには誰かがいて、鎖は破られる。

最終話のED。
……今までのOPやEDでは見えなかった人々の姿が現れ、ついに彼は束縛から抜け出し、すべては色を取り戻す。

もはや、OPとEDだけでストーリーができあがっています。
{/netabare}

ストーリーもクオリティが高いし、演出も相変わらずすごい。

まあ、突っ込みどころが無いわけではありませんし、演出の完成度は、1期の方が上の気がします。
しかし「1期と比べて」というだけであって、これ単体での演出力も相当な高さです。
1期から積み重なってきた物語と演出の集大成が、大きく心を揺さぶってくれます。

最終回、最後の5分の演出は……・゚・(つД`)・゚・ ウワァァァン


残されたテーマ。

{netabare}
最後のセリフ―

街を風が吹き抜けていく。

風は冷たく、時には立ち止まってしまいそうになるけれど。

そういうときは、ゆっくりでもいいから進んで欲しい。

いつか必ずたどり着けるから。

悲しいことがあっても大丈夫
手を伸ばせば、そこには誰かがいて。

ぬくもりを分け合うことができるから。

ひとりでは辛い道のりも、つないだ手を離さなければきっと乗り越えられる。

だから、あきらめないで。
長い長い道の先には、幸せが待っている。
幸せが重なり合い、さらに大きな幸せに。

そして、いつの日か気づいてほしい。
あなたがあるいてきた道の途中に、いくつもの幸せがあったこと。

忘れないで、あなたはひとりぼっちじゃない。
確かな足跡を刻み、季節を越え、空を見上げて

翼がなくても、きっと行ける

いつか夢見た

光あふれる「明日」へと――


重くて辛い苦難の中、みんなが諦めないで努力して生み出した絆。
その絆と絆がつながり合うことで、奇跡のような結末へと繋がる。
偶然でも何でもない、そこにあるのは必然。

そして流れる「ever forever」。
また「ef」。
{/netabare}
切ないながら希望を与えてくれる言葉。
これが、この作品にこめられたメッセージそのものですね。


なお、同時期に「とらドラ」「CLANNAD AFTER STORY」「とある魔術の禁書目録」などのビッグタイトルが放映されています。
その影に埋もれた、ある意味不遇なアニメですが、アニメーションの力を存分に引き出した、非常に完成度の高い作品です。

シリアスな内容なので、苦手な方もいるかもしれませんが、私のお気に入りのアニメ。
1期から通してぜひ観て欲しいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 67

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

初体験させてもらっちゃいました(^ー^* )フフ♪

■「memories」を観てから「melodies」を観ましたか!? (^・ω・^).....ンニュニュ?
「memories」を観ていない方がいましたら、気を付けてくださいね♪
えっと、スペルがなんとなく似ていますよねw実は・・・私の家の近くのレンタル屋さん・・・(;`O´)oコラー!
やっちゃっていました・・・最初に並んでいたのが「melodies」だったのですwww
しょうがないのでそっと直しておきました・・・・o(`⌒´*)oエッヘン!
 
とまぁ~前置きはさておき、「melodies」を視聴して思ったのですが、
「ef」は「memories」と「melodies」を1期2期と分けて考えてはいけない作品だと思うのですよ♪
2つ合わせてひとつの「ef」なんです!!
それを踏まえた上で・・・・・・・名作と呼ばざるを得ないでしょう(」゚ロ゚)」(」゚ロ゚)」(」゚ロ゚)」オオオオオッッッ
 
■ここがすごいよ「ef」
演出は「memories」のレビューでも書かせて頂きましたのでここでは省略しちゃいますけど、
引き続きストーリーに深みを与える演出でよかったと思います。
それよりも光っていたのが、シナリオ構成に非常に感心させられちゃいました♪
 
前作の時と同様の手法なのですが、本作品では「過去」と「現在」が交互に語られていくのです!!
しかも、前作ではなかなか気付きにくいですが、実は、2つの音羽町が存在しているのですね♪
日本の音羽町とオーストラリアの音羽町なのです☆彡
「memories」ではサブキャラの設定だった「久瀬 修一」「羽山 ミズキ」「火村 夕」「雨宮 優子」
がメインで物語が展開していくのです♪
時空も違う、そして遠く離れた2つの音羽町で、とっても切なく悲しい物語が展開されていきます。
 
でもね、物語が進むにつれて、不思議と遠く感じられた距離がだんだん近く感じられるようになって
くるのです♪
そして最後は「memories」と「melodies」でバラバラだった関係や想いがすべて繋がって見事なまで
に融合した結末がまっているのですよーオオーw(*゚o゚*)w
だからこそなのですよー♪「memories」と「melodies」で「ef」なのです☆
そうです・・・「それぞれの想い」と「それぞれの旋律」が重なった時、「ef」が完成されるのですね♪
 
■旋律=メロディーについて
なんと・・・私は「melodies」で貴重な初体験を経験してしまいました!!!(* v v)。ハズカシイ・・・
バイオリンの音色でホロリと涙が零れ落ちたのです・・・しかも・・・まだ物語の最初の方の演奏でww
そんな調子だったので、優子やミズキちゃんの歌を聞いた時は・・・(TT▽TT)ダァー でした!!
おそるべしって感じでしたね♪
もちろんOP曲やED曲も胸にジーンと来ましたよ♪でも「A moon filled sky」は凶器ですw
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
生きる勇気と~抱く未来と~皆がくれた強さ~愛を信じて~
細い指先~綺麗な瞳~忘れないのmemory~刻む面影~
もっときっと遠くを~夢に目指して~私寝顔思い出す~触れる幸せ~
空の彼方に~届いて願い~心遠く飛ばすわ~私と歩こう~
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
ところで皆さんは、途中で割り込んでくる 『01「Mut」』とかの意味は分かりましたか?
どうしても判らない人は、メール頂ければこっそり教えてあげますよ(゚ー゚☆キラッ

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

想いの強さって大切ですね。

鬱系恋愛アニメ2期。
2組の場所も時間も異なる物語が並行。
本作は、前作のサブキャラが主役です。

人の死を扱っており、10話までは救いようのない鬱展開。
その後、徐々に2つの物語が融合します。
結末はその目で確かめて下さい。
私には希望ある結末に見えました。

想いの重要性を再認識。
ミズキの強さと優子のやさしさが印象に残りました。

OP曲は、シャフトさんらしくやはり芸術的。
ただし、1期と似ています。
はずかしながら、私、未だに両曲の区別がつきません。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 43

78.7 8 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング8位
Phantom ~Requiem for the Phantom~(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (1089)
7156人が棚に入れました
犯罪組織・インフェルノの暗殺者・ツヴァイは、ファントムの称号を持つインフェルノ最高の暗殺者・アインと共に、与えられたミッションをこなす日々を送っていた。実はツヴァイは平凡な日本人旅行者だったが、インフェルノの幹部・サイス=マスターに暗殺者としての才能を見出されて記憶を消去され、インフェルノに取り込まれていたのである。ツヴァイを暗殺者として養成する際、サイスは思考能力が失われるほどの激しい訓練をツヴァイに課し、彼を完全な組織の奴隷として育て上げようと目論んでいた。しかし、サイスの知らないところで、ツヴァイは運命の力に負けない意志を取り戻す。サイスの目を盗み、彼の上司であるクロウディア・マッキェネンがツヴァイの耳元で「君は組織の奴隷と思ってはいけない」とささやき、自由な生き方が残されている可能性を示唆していたのだ。自分が本当は何者なのかも思い出せないながら、ツヴァイは心の奥底で組織の奴隷ではない生き方を模索し始めた。

声優・キャラクター
高垣彩陽、入野自由、沢城みゆき、久川綾、千葉一伸、渡辺明乃、千葉進歩、志村知幸、保志総一朗

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あなたのいない世界に私は生き残りたくない。

なんだかちょっと重めのアニメが観たい。
そう思い皆さんのレヴューを参考にこの作品を選びました。


シリアスな内容で全26話ほぼ笑いなんてなかった。
突っ込みどころは多々ありましたがっw(マグワイヤのお風呂とか・・っw)

サイスにより記憶を奪われ教育され暗殺者に
仕立て上げられてしまったアイン(後に→江蓮)とツヴァイ(吾妻 玲二)。
インフェルノという組織の最高の暗殺者に贈られる「ファントム」の称号を持ち
ファントムとして暗殺業をしていきます。
めちゃくちゃ強いコンビ♡

派手なシーンとかは特になく静かに淡々と展開していくストーリーなんすが
不思議と地味におもしろくて、続きが気になる気になる・・。

後半舞台がツヴァイの故郷日本へとなりますが、
個人的には海外での舞台のが楽しめたかなーと思います。
ツヴァイは制服よりホストみたいスーツのが似合うっw
普通にイケメンだと思いました。

※これより下は名前で呼びます。
アイン→江蓮
ツヴァイ→玲二

途中から登場する少女のキャル。
(ツヴァイと離れたのちサイスによりドライという名になりファントムになります。)
キャルの2年後の成長した姿にはびっくりです。
2年であんな小さい子がこんなミラクル美人になるのか・・。
憎しみを抱えてましたが笑って最後を迎えられてよかったと思います。


江蓮と玲二がお互いをお互いが必要としてる2人の雰囲気好きです。
最後に江蓮の故郷へ2人で行けてよかったです。
そこで玲二が終わりますが・・
良かったバッドエンドだったんじゃないでしょうか。
ただこの先の江蓮を勝手に想像すると胸が痛みます。


ですがとても私は楽しめた作品でした。
年齢設定どうなってんの?って途中からすごく気になりだしました^^;
が、置いておきます。
全26話で観る前はちょっと長いな〜とは思ったものの
観始めてハマったらあっという間ヽ(*´∪`*)ノ"
観てよかったと思います。
重めなアニメ!そんな気分な時はぜひっw

読んでくださりありがとうございましたヾ(●´□`●)ノ

投稿 : 2024/05/11
♥ : 57
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「うん、良い、良いのだが……」と、どうしても否定形がぬぐえないアニメ

原作未プレイ。

自分が何者か、どこから来たのか、何も思い出せない主人公。
分かるのは、ただ「生き残る能力が高い」ということだけ。
ツヴァイと名付けられた彼は、帰る場所もなく、インフェルノと呼ばれる組織の「最強の暗殺者=ファントム」として育て上げられることになる。


まず最初に言うと、徹底的に救いのないアニメです。
ハッピーな物語を望んでいる人には向いていません。

では、どんな人向けかというと……。
ちょっとその前に解説。

まず、演出面から。
銃撃戦がメインの作品なので、銃についてはかなり細かな描写がされています。
銃を使ったアクションや、暗殺のテクニックの見せ方は実に丁寧。

しかし!

ファントムというのは「最強の暗殺者」のはずなのですが、正直、強さがよく分かりません。
無茶な場面を余裕顔で切り抜けたかと思えば、話の都合のためには、一般兵にも簡単に撃たれます。


次に音楽。
メインテーマの「KARMA」は、かなり良い曲ですし、物語の雰囲気に合っています。

しかし!

途中で流れるBGMは何だ……。
BGMの中に「あえぎ声」が入ってるんですよ、雰囲気ぶちこわしです。


そして、キャラクター。
主人公のツヴァイには記憶がありません。
それをサポートするアインという人物にも記憶がありません。
そして、二人とも感情を表に出さないように訓練されています。

これが何を引き起こすかというと……感情移入不可能です。
むしろサブキャラクターの方が引き立っており、主人公が誰か分からなくなります。


最後に、肝心のストーリー。
全体的な雰囲気や、場面場面の見せ方は素晴らしい。
先が読めない展開も見所です。

しかし!

これはおそらく原作重視のためでしょうが……詰め込みすぎです。
肝心なシーンも、どうでもいいシーンも同じような尺で描く。
これでは、どこが話の中心なのか分からなくなってしまいます。
{netabare}
あれだけ盛り上げたインフェルノの活動はどこへやら。
途中からは、完全にファントムと梧桐組の物語になっていますね。

結局、マグワイアは脳みそお花畑だったし、最後の敵が変態仮面のサイスマスターってのは……。
{/netabare}

……と、だめだししまくりましたが、一つ一つのクオリティは高いんです。
26話を一気にみせてしまうだけの力は持っています。
ただ、原作知らずとしては、見てるときは楽めるけど、振り返ってみるとツッコミどころ満載。
食材は高級なのに、料理人が素人だったって感じです。


・細かいことを気にしない
・感情移入スキルが高い
・ガンアクションが見たい
・救いのない鬱展開が見たい

このうち3つ以上当てはまっている人にお勧めです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 56

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

運命に翻弄されても抗い続けた暗殺者の物語です^^

裏社会の組織インフェルノ・・・このインフェルノが養成した最高の暗殺者に贈られる称号が「PHANTOM」・・・このPHANTOMの言葉の意味と同じ「この世に存在しない幽霊」として・・・人を殺めることしか生きる術がない・・・この作品は2人目の暗殺者を養成するところから物語が始まります・・・

この組織では、最高の暗殺者を作り出すため、その人物の意志・欲求・心理を滅失させる・・・或いは増幅させる事で、従順さや人を殺める気持ちを高めているのですが・・・
ノンフィクションの作品なので、実際には有り得ないのでしょうけど、PHANTOMから溢れ出る雰囲気から、養成方法と結果に思わずリアリティを感じてしまいました^^;

本作品の主人公は吾妻 玲二(あずま れいじ)・・・彼が2人目の従順な暗殺者・・・まるで奴隷のような生き方に染まっていく筈でした・・・

でも、彼は奴隷ではなく人間として生きる方法を耳にするのです・・・
「殺し屋として生き方は強要する・・・けれど、駆け抜けるスピードは自由・・・」
リアルに置き換えてみると、「私達って、誰かが敷いた線路の上を進んでるだけ・・・だけど、その進み方は自分次第」と考えると、とてもアグレッシブな名台詞だと思いました・・・^^;

この件をきっかけに、彼の模索が始まり・・・波紋が広がっていき、物語も急展開を見せます。

この作品には、江漣(エレン)とキャル・ディヴェンスという2人のヒロインが登場します。性格も立ち位置も異なる2人が主人公に与えた影響も、この作品の見どころだと思います。

彼は人を殺めることに躊躇います・・・けど、そこでしか生きていく場所がありません・・・この場所にいては得られないものを望んでいる自分に気付き・・・葛藤します・・・
でも世の中はそんな彼の葛藤は待ってはくれません・・・優しさと強さを持ち合わせていても、自分で出来る事に限界がある事を時には見せつけられながらも・・・彼は自分の進む道を選択していくのですが、感動の展開でした・・・^^;

そして、しっかりと練られたストーリーに沿って物語は進んでしくのですが・・・終盤は、アッと驚く展開でした。
あのラストシーンは賛否両論あるようですけど・・・私は賛否両論あるのに納得です^^;
ゲームのエンディングに合わせているから・・・??? 続編のプロビジョンがあるから・・・??? 

私の中でもモヤモヤが消えていないのですが、私はどちらかというと賛否の「否」側の印象を持ちました。
ラストシーン以外は、とても良かったのに・・・と思うとちょっと残念な気持ちです^^;

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

77.7 9 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング9位
WHITE ALBUM2(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1111)
5607人が棚に入れました
学園祭まであと一月と迫った秋の日の夕暮れ。

崩壊した軽音楽同好会の最後の一人、北原春希は、
放課後の窓際で学園祭のステージを目指してギターを弾いていた。

それは、二年半ずっと真面目に過ごしてきた優等生が、
卒業までの半年間に成し遂げようとした、ささやかな冒険。

けれど、その拙いギターの音色に、
流れるようなピアノの旋律と、鈴が鳴るような歌声が重なったとき……

一人からふたりへ、ふたりから三人へと重なっていった新生軽音楽同好会の、
夢のような、夢であって欲しかった半年間が始まった。

声優・キャラクター
水島大宙、米澤円、生天目仁美、寺島拓篤、中上育実、杉山紀彰、梶裕貴、夏樹リオ
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2+1-2=?

原作未プレイ。
無印は見なくて問題なしです。


主人公の名前は北原春希(きたはら はるき)。
彼は学園祭のライブに向けて、バンドメンバーを探していた。
そこに聞こえてきたのは歌とピアノの音色。
メンバーを集めるため、春希は交渉に乗り出すのだが……。


コテコテの三角関係ものです。

13話という短さですが、濃密な時間を過ごせました。
1話がとっても長く感じます。
話が重たいし、丁寧な心理描写をしているからかな?


前半はバンドメンバーを結成していく課程を描いています。
そのあたりは先が読めてしまうので、茶番臭がするかも。
後半に入ってからが本番。
7話がターニングポイントです。

輝いていた物語から、一気にドロドロとした展開に。
そこから面白さの加速。
前半部分の裏側が描かれる終盤は、食い入るように見ていました。


ただ、春希を取り巻く境遇が特殊すぎます。
学校のアイドルと天才少女の板ばさみ。
普通はこんなシチュエーションにはならないので、ちょっと感情移入しにくいかもしれません。

また、「3人」ということを強調しすぎで、他のキャラがないがしろになっていたのは残念。
もう少し活躍の場をあげてもよかったと思います。
武也(たけや)はふぐぅ。。


テーマは「逃避」だと思います。
{netabare}
・自分の気持ちに向き合わず、ぶれまっくていた春希
・3人でいることで、結論を回避しようとしていた雪菜(せつな)
・距離を置くことで、直面している問題から逃げようとしたかずさ
{/netabare}
登場人物はみんななんらかの形で結果から逃げています。
そこにどうけりをつけるかが見所です。

まあ、某アニメなら刺されて終わりですが。
かなーしーみのー。
そういう斬新なカタルシスはありません(いりません)。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 75
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

争闘の恋は情熱の恋に負ける

情熱の恋がなぜ真の恋であるかといえば、それは恋している当事者たちさえもが、それが恋だと自覚できていない種類の感情だからだ。

要するに、それは、自分で自分の感情をコントロール出来る程度の「趣味的な恋」、相手の好意を獲得するための「駆け引きの恋」、あるいはブランド品を友達に見せびらかす類いの「虚栄的な恋」ではない。

このアニメでいえば、
{netabare}
雪菜の恋→争闘の恋
かずさの恋→情熱の恋
{/netabare}
ということになるのだろう。

争闘の恋というのは、他人の情熱を見て嫉妬し、それに取って代わろうとする(={netabare}雪菜自身のセリフで言えば、「割って入る」{/netabare})、いわばニセモノの情熱に突き動かされて進行する恋である。
そして、この恋は、当事者自身が、「この恋は決して本物の恋ではない」ということを心の奥底でハッキリと自覚しているが故に、返って、本物の恋(=情熱の恋)以上に激しく対象者に恋焦がれて、強烈な行動を引き起こしてしまう。

一方、情熱の恋の側にとっては、大切なのは自分の恋の対象者の幸福なのだから、争闘の恋の側が突進してきた場合には常に身を引いてしまう。
こちらは、そもそも、自分の感情が恋であることすら、確りと自覚できていないのだ。

だから、争闘の恋は、その突進力によって一時的には勝つ。

ここで、問題は、春希の恋である。
{netabare}
春希の恋もまた、かずさの恋ほどgenuine(純粋)ではないが、一応は情熱の恋といってよいと思う。
なぜなら、彼もまた無自覚のうちに、かずさに惹かれて、結局は彼女の幸福を最優先に考えて行動してしまうからだ。
春希は確かに雪菜の恋を一時的には受け容れたのだけれど、しかしそれが彼にとっても、雪菜にとっても真の情熱ではないことに、どこかで勘付いていたのではないか(その辺りの描写は残念ながら曖昧だが)。
{/netabare}

「だって俺、きっと見つけてしまう」

{netabare}
春希は恋の自覚もないままに、「届かない恋」という歌詞を書き、かずさもまた恋の自覚もないままにこの歌詞に楽譜をつけてしまう。
この新曲のヴォーカルを任された雪菜だけが、「届かない恋」に秘められた二人の想いの強さに嫉妬して唇を噛み締める。
{/netabare}
=========

【全話を視聴して】

作品のテーマとしては、男1×女2の三角関係のリアルな推移を正面から扱っており、かつ、あにこれで人気の「とらドラ!」とは全然違った恋模様を描き出していて、かなり楽しめました。

ただ、テーマの面白さに比較して、作画や演出のレベルが余り高くなかったのが残念で、その点で評価を幾分低めにつけてしまいましたが、少なくとももう一回は通しで視聴したいと思ってしまう作品でした。


(2019.6.23) 誤字修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 73

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

誰かが誰かに恋をする。ただ、それだけの物語。

【総評】
概ね良かったです。今回アニメ化された部分は選択肢のない一本道であるため
アニメ化しやすかった面もありますが、毎回の引きも良く、回想シーンの使い方も見事で
原作通りでありながらアニメ向けにきっちりリファインされたシナリオ構成になっていましたね。
作画は全体的に低調でしたが、やはり音楽は素晴らしかった。
挿入歌による演出がストーリーをグッと盛り上げてくれます。
そして本作を象徴するOP曲「届かない恋」の存在感。歌詞にも是非注目して頂きたい。

三角関係モノなので、そりゃ男はだらしないし、女は面倒くさい性格として描かれるわけです。
それぞれのキャラの立ち位置から考えれば、一見ありえない言動も安易に否定はできないでしょう。
結末の後味の悪さはかなりのもの。本当に「どうしてこうなった」と言いたくなるw
原作よりも雪菜の本心が分かりやすく描かれていて、同情してしまった人も多いんじゃないかと。

本作はあくまで原作の序章に過ぎず、本番は大学生編からになります。
というわけで、原作ファンとして是非続きも作って欲しいです。




↓以下、1話終了時のレビュー↓


タイトルに「2」って付いちゃってるもんだから
続編モノと勘違いして0話切りしちゃった人がたくさんいそうですね・・・
とりあえず、前作とストーリーの繋がりはなく
登場人物も一新された「完全新作」だということを、この場で強く言っておきますw

原作プレイ済。
エロゲ原作ですが、ここ数年のエロゲの中でトップクラスの出来栄えとの評判。
私はここ数年の間に出たエロゲはこの作品以外全くプレイしてないので
比較してどうこうは言えないけど、高評価されてるだけのことはあると思った。

萌え、厨ニ、ファンタジー等といった流行りの要素は一切ない
「誰かが誰かに恋をする。ただ、それだけの物語。」です。わりとマジで。
胃薬必須な超絶鬱ゲーとも言われていて、人によっては作品に没頭し過ぎるあまり
リアルに影響出ちゃうぐらいの破壊力を秘めています。
自分はそれ程でもなかったけど、とあるルートの、とある一連の流れにおいては
読み進めるのが相当キツかったですねw
まあそれぐらい、シナリオに引き込まれていたということです。
恋愛オンリーの作品ってそこまで好みじゃないんだけど、この作品だけは別格でした。

アニメ第1話観ましたが、予想以上によく出来てますね。
原作ライターの丸戸さん自ら、アニメのシリーズ構成・脚本も手掛けていて
それが良い意味で作用したんじゃないかと思います。
ラスト屋上シーンまでの流れが秀逸で
原作ファンも新規の人も「おおっ・・・!」ってなるんじゃないでしょうか。


類似作品で言えば「true tears」が真っ先に浮かびました。
ttの終わり方に納得いかない(○○エンドじゃなかったから、このアニメは糞だ!)
とか言う人でなければ楽しめるんじゃないかと。恋愛ドラマが好きなら強くお勧めします。
本作の出来次第で、かつての乃絵派vs比呂美派のような壮大なヒロイン論争が
新規アニメファンの間でも勃発するんじゃないかと妄想w

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

71.6 10 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング10位
SHUFFLE! シャッフル(TVアニメ動画)

2005年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (796)
5529人が棚に入れました
人間が生活する「人間界」に突然扉が現れ、神族が住む「神界」と魔族が住む「魔界」とが繋がって人間界に「魔法」がもたらされてから10年。
人族、神族、魔族の通う国立バーベナ学園に通うため、幼馴染みの同居人、芙蓉楓に、朝、起こされる主人公、土見稟・高校2年生。
いつものように登校し、いつものように授業が始まるはずだった…。しかし、そんないつもの日常を一変させるような出会いが、彼を待ち受けていた!?

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

予想だにしない展開が待ち受けている作品でした^^

物語の舞台は、人間、神族、魔族が共存する・・・日本ぽい場所です。主人公は、高校2年生の土見 稟(つちみ りん)。両親を事故で亡くしたことから、ヒロインで幼馴染の芙蓉 楓(ふよう かえで)の家に引き取られて暮らしています。
そんなある日、神王と魔王の娘が転校してきて主人公は突如許嫁候補になってしまうのです・・・
主人公が誰を選ぶのか・・・まさにハーレムの王道を行く作品で人間界、神界、魔界のたくさんの美少女が登場します。

全般的にシリアス基調のストーリーで、それぞれのヒロインに対して、丁寧にスポットが当てられながら物語は進んでいくのですが・・・
登場するヒロインが背負っている過去が回数を重ねる毎にあからさまになっていきます・・・どれも辛く哀しい思い出です・・・でも、登場人物が自分の置かれた立場と過去に向き合い・・・成長していく様を見ることができます^^

そして、主人公が選んだ相手・・・まさかね・・・と思っていたのと、個人的には結ばれて欲しいヒロインが他にいただけにビックリでした^^;

複数の人が一人を好きになって・・・その一人が誰かを選ばなくちゃならない時・・・選ばれなかった人は自分の気持ちの向け先を見失って・・・苦しい思いをする事になるのですが・・・この作品はその苦しみに対する心理描写が抜群である上、急展開でもあったせいか・・・本気であるが故の一挙手一投足から目が離せませんでした^^:

展開がシリアスなハーレム系の作品ですが、私はのめり込んで視聴することができました。
この作品の後にオリジナル+ディレクターズカット版で構成された『SHUFFLE! MEMORIES』が制作されています・・・
機会があれば、そちらも視聴してみたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

えんな さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

予想に反して

ファンタジー要素はほとんど無かった
そして無駄にパンツ多すぎ、原作は知らないけどここまで見せつけなくても・・・

魔界、神界、人間界とあるんならもっと異世界も見せて欲しかったけど
恋愛系アニメだからそこはしょうがないですね・・・

ハーレム物には少数派な、主人公がちゃんと相手を選ぶところは好感が持てますね
誰を選んだかは見てのお楽しみで

タグの「空鍋」の意味は後半で分かりました・・・ヤンデレ怖いヨー ^^;

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

神にも魔にもなれる男

神界から来た神、魔界から来た魔族、そして人間が共に暮らす人間界でのお話。
(彼ら彼女らの外見は人間とほぼ同じ)
神や魔族がその辺で歩いてる光景が当たり前の世界です。
初っぱなからファンタジー丸出しでちょっぴり驚きました。

本作はそんな世界での、恋愛ハーレムを描いたもの。
恋に種族の壁はありません。



この作品、巷ではヤンデレの原点とも言われていたり。
本作で登場する『空鍋』はヤンデレを代表するものとなっています。

実際のところ、まぁ、うん、なかなかです。
苦手な方はやめておきましょう。
とか言う私が得意じゃなかったりするんですけどね。
某作品で少々の耐性は付きました。



途中から年齢制限(R15+指定)が追加。
段々と過激な描写に。
まぁこの年齢制限についてはあまり参考にしなくていいです。


展開は全くの予想外で驚き。
誰とくっつくのかも・・。
本作が実力の片鱗を見せ始めるのは、中盤後半から終盤にかけて。
観応えとしては十分すぎます。
盛り上がりましたね、あまり良くない意味でw
でも最近はこういう作風が好きなのかもしれません。
観てるうちに変わるものですね。



それで、楽しめたかどうかなのですが、これに関しましてはYesです。
ありきたり感はなく、新鮮な気持ちで最後まで観れました。
正直最後のアレは謎ですが、
結果、ああいう風に収まるのも悪くないかなと感じました。



キャラはけっこう魅力的。
みんな可愛らしい女の子たちです。
私は亜沙先輩が好きですね。


主人公は17話くらいからかな、いや、もっと前からかも、
ダメ男になっていった気がしますけど。
思えば全てこいつが・・いや、何でもないです。



それと、変顔は見所です。
あたかも作画が崩壊しているようなw
キャラが生き生きとしてて良かったと思います。



OP「YOU」 歌-YURIA
ED「innocence」 歌-橋本みゆき

OPは前から大好きな曲です。
自然とテンションが上がります。


--------------------------


一味違った恋愛モノを観たいときはこれ。
あなたを混沌の渦に巻き込んでくれるはずです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

69.9 11 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング11位
D.C.ダカーポ(TVアニメ動画)

2003年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (558)
3554人が棚に入れました
7年前から1年中枯れない桜が咲いているという不思議な島「初音島」。
主人公朝倉純一はそんな初音島の風見学園付属に通う3年生。彼には不思議な力があった。一つは「何も無いところから和菓子を生み出す力」、もう一つは「他人の夢を強制的に見せられる力」。
そんな彼が卒業間近に見せられた夢の中の幼馴染、目覚ましにやってきた同居中の義理の妹、「かったるい」とつぶやきながら通う学園で出会うクラスメイト・先輩・後輩の女の子達。そんなヒロインたちとはじまる「ちょっとこそばゆい」恋愛の物語である。

声優・キャラクター
野川さくら、田村ゆかり、神田朱未、堀江由衣、伊月ゆい、松岡由貴、松来未祐、秦勇気、岸尾だいすけ

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

桜舞い散るその時には・・・

CIRCUSから発売された恋愛シュミレーションゲームを

原作とする作品です。全26話(そのうち2話は総集編)

原作未プレイ


けっして枯れない桜が咲く初音島の風見学園で主人公朝倉純一は

不思議な力を持っていた。それは「何もない所から和菓子を生み出す力」、

「他人の夢を強制的に見させられる力」である。

一緒に暮らす義理の妹や学校のクラスメイトや先輩との物語である。


D.C.シリーズの一番最初のテレビアニメ作品です。

前半は各ヒロインとのエピソードを主に1話完結の形で描いた

コメディ色の強い感じでした。

この島の枯れない桜や不思議な力に触れつつみんなで海に行って

みたり、学園祭があったりと笑える部分がたくさんありました。


後半はこれまでの雰囲気とはうって変わってこの島の桜が

とても大きく関わってくる物語展開でシリアスな調子が多い感じ

でした。枯れない桜は何故枯れないのか、ある一本の桜の木は

この島で何を生み出しているのか、そこにおいてヒロインらが

抱えている秘密とは・・・。

とそれぞれが乗り越えていかないといけない問題に直面していく

のでここまで変化して差があると見るのがちょっとばかりつらく

なってしまう所もありました。

でもこの島で新たな変化が生まれていく時にまた1つ消えていく

存在があり、違う何かが生まれていく。そうやって一歩踏み出して

いく部分は良かったと思います。


OPの「サクラサクミライコイユメ」は前半部分ではここから先に

向かって澄んだ世界が広がっていくような印象を受けましたが

後半部分になるとただひらけた世界が見えてくるだけでなく、その

奥にこの島の桜が今までとは違う形で咲き、その先を見せている

ような気がしました。

それとことりの挿入歌がその時のタイミングというか雰囲気というか

そういうのにマッチしているようで良かったです。


前半と後半で雰囲気がガラリと変わりましたがどちらもそれなりに

楽しめて良かったと思います。

◆個人的点数評価 79.969点

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33
ネタバレ

とってなむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

舞い散る桜に願いを込めて

聞いたことはあるが、シリーズが多くて何となく敬遠。
私恒例のパターンで今まで視聴をしてこなかったダカーポ。
いざ観てみると、思わず観入ってしまいました。
面白かったです。


舞台は桜が一年中咲いているという奇妙な「初音島」。
この島では魔法の力が働いているようです。
本作はこの初音島で風見学園付属に通う主人公・純一を中心として起こる、
ちょっと不思議な恋愛物語を描いています。
それにしても、この手の作品で純一と聞くとアマガミをついつい思い出してしまいました。


視聴を進めまず驚いたのが、意外にもファンタジックだったこと。
手から和菓子が出せるだとか、他人の心を読むことができるだとか。
後半の展開にも魔法が大きく関与しています。


内容は前半と後半で様変わりします。
極端にいえば前半は1話完結の恋愛ギャグアニメ。
ヒロイン一人一人のエピソードは観てて楽しかったです。
後半は下で感想として触れたいと思います。



以下、私の感想です。(音夢とさくらについて)
伏線はありましたが、16話からは特に盛り上がりました。
それと同時に軽く鬱になりかけました。
それもこれも、ドロドロした恋愛模様のお陰です。

{netabare}音夢 vs さくら は凄かったですね。
特にさくらの『音夢ちゃんだけはダメなんだから!』
と、音夢の『さくらちゃんだけはイヤ!』
の台詞の壮絶さから窺える屋上での直接対決。
息を呑む一幕でした。
二人の言いたいことは分かります。
どちらも純一を心から愛しているのですから。

こんな凄まじい修羅場が見れるのも、本作の魅力の1つかもしれませんね。


この作品で面白いと思うのが、
純一がわりと早い段階で相手を選ぶところ。
それが音夢なわけですが、そこから順風満帆に行かないんですよね。
さくらの逆襲が待っていました。
桜の魔法の力(呪い)も・・
私は音夢派なので、胸が苦しくなる展開。
口から桜の花弁だなんて、普通とは違ったエグさがありました。



音夢が好きなためか、視聴中どうしても思ってしまったのが
さくらの方がずるくね?です。
「「桜の木の下で約束したことは必ず叶う」」
そしてさくらは木の下で純一とのことを願いました。
それも木の陰に音夢がいることを知ってて。

さくらは自分がアメリカに行っている間、音夢が純一とずっと一緒にいたからもう十分、これからもだなんて欲張りだ!と主張してますが、ただの自分勝手にしか思えませんでした。{/netabare}


・・みたいに、相当感情移入して観てしまっていたようです。


{netabare}とりあえず音夢が死ななくて良かった・・{/netabare}
最終的にはこれに尽きます。
さくらにも感謝。
正直、さくらは当時は嫌いなキャラでしたが、今では(D.C.S.SやD.C.Ⅱも影響してか)かなりのお気に入りとなっています。


心残りは最終回、{netabare}正常状態での音夢とさくらが再会できなかったこと。
互いのことを改めて理解した二人がどのように再会するのか、楽しみにしていたので。{/netabare}
他にも全体的に、最終回はやや説明不足でした。
ですが、物語としては上手く纏まっていたと思います。
ほんと面白かったです。


音夢はドストライクでした。可愛い。



OP「サクラサクミライコイユメ」 歌ーyozuca*
ED1「未来へのMelody」 歌ーCooRie
ED2「存在」 歌ーCooRie

OPが素晴らしい。
CooRieの曲も相変わらず魅力的です。


--------------------------


これを書いている私は、D.C.S.Sを観終わり現在D.C.Ⅱを視聴中。
D.C.ワールド、存分に楽しめてます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

ともか さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

≪酷評気味≫ 長いシリーズ作品の原点。 視聴前のハードルが高すぎたかも?

ゲーム原作(未プレイ)、全26話。

私は個性的なキャラを求めて、
ゲーム原作の作品に興味を持つことが多いです。
このシリーズはいわゆる「信者」の方が多い印象を受けているので、
私も楽しめれば嬉しいと思い、視聴を決めました。

こちらの「ファーストシーズン」が2クール、
続編の「セカンドシーズン」も2クール(全26話)ありますが、
ここでは前者単体についてコメントします。

前半はギャグパートで、登場人物の紹介のような位置付け。
主人公の妹・音夢は毎回登場し、彼女との関係を軸に
他のキャラとの絡みを描いていたようで、
恋愛よりもキャラの個性をアピールしていく。
物語15分と、残りの時間はPV映像付きのキャラソンという構成。
私としては後者は要らず、普通に物語を20分見せてほしかった。

後半は雰囲気が一変し、
主人公・朝倉 純一、音夢、従姉・さくら が繰り広げるドロドロの三角関係を中心に
他の女性キャラも絡んでくる展開。
さくらの行いが単なるやきもちなのか、何かの警告を放っているのか。
そこだけに興味があって視聴を続けたものの、シリアスで暗い話が多く、
前半のような楽しさは全く無くなってしまった。。
物語15分と、残りの時間は「サイドエピソード」という構成。
サイドエピソードは正直言って面白い物でもないけれど、
暗い物語を観てしまった後の口直しとしては良かったかもしれない。

ゲーム原作の作品は、物語をまとめるのが難しいと思う。
ただ、それにしてもこの作品はあらゆる場面において
「プロセス」の描写が全く不足している印象で、
あっちに行ったりこっちに来たり、編集面でも非常にたどたどしい感じ…


古い作品なので作画については全く期待していなかったものの、
桜の描き方がきれいでキャラの作画も及第点。思っていたよりも良かった。

キャラは、メインの2人が嫉妬深い感じの性格で、
ドロドロ展開も彼女たちによって起こされたので、今のところ嫌い。
他も、特別気に入ったキャラは見つからなかった。
1期の時点で私としては気に入らなかったけれど、今後の変化に期待。


音楽はどれを取っても、いかにも美少女ゲームという感じ。
個人的に雰囲気はわりと好きで、中でもOP曲が印象に残っている。
ED曲の「存在」も観てる(聴いてる)時は良曲のように思えたが、
後まで記憶に残るほどのものではなかった。

OP曲: サクラサクミライコイユメ
ED曲: 未来へのMelody
ED曲: 存在(第21話以降のみ。OP曲と差し替えられることも。)
ED曲: うたまるえかき唄(第8話と第15話のみ)


総合的に見て、私の期待度をずいぶん下回ってしまった。
今回は残念だったけれど、
『D.C.III 〜ダ・カーポIII〜』までトータルで5期に渡って続いている
長寿のシリーズなので、今回だけで懲りず最後まで見届けたいと思う。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

69.1 12 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング12位
D.C.II S.S. ダ・カーポII セカンドシーズン(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (423)
2709人が棚に入れました
『D.C.II S.S. ~ダ・カーポII セカンドシーズン~』はD.C.II ~ダ・カーポII~の第2期シリーズ。
一年中、桜の花が咲いている三日月の形をした不思議な島“初音島”を舞台に繰り広げられる恋物語を描く。

とってなむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

イモウト アマネク ワガココロ

シリーズ4作目。(OVA含めると5作目)
D.C.Ⅱのセカンドシーズンとなります。

ファーストシーズンでメインを張ったヒロインは出番がガクンと減り、逆に不完全燃焼で終えたヒロインは今回で挽回しました。
要するに、小恋と美夏が隠れ音姫と由夢がスポットを浴びたのです。
小恋好きの私にとってはやや残念。
まぁ由夢がⅡのヒロインで一番好きなので問題ありませんけど。



大まかな内容としてはこれまでの3作品と同系統でシリアス調。
そのなかに幸せの日々があるといった感じです。
平凡な日常と魔法が絡む非日常。
前作らよりもはっきりとした対照であるため、どちらの場面に切り替わったときでもこれでもかというほど映えます。特に非日常。


これはあくまで個人的な感覚ですが、非常にダカーポらしい展開でした。
ファーストシーズンも面白かったのですが、ダカーポという作品としては少々不満の残るストーリー構成でしたので、今回はそういう意味でも満足できました。


何気に杏もヒロイン化。
ファンの間で安定した人気を誇るらしい女の子。
杏ルートはおまけみたいな感じでしたけどね。

さくらは今回も大事な役回りでした。



しかし由夢はほんとに可愛いなぁ・・
ツンデレデレで大変よろしい。

というか今書きながら気付いたことなんですが、
シリーズで好きな3人を挙げろと言われたら私は
音夢(Ⅰ)、由夢(Ⅱ)、姫乃(Ⅲ)と答えます。
1シリーズ毎に一人になったのはたまたまです。
それにしてもです。
全員、妹ポジじゃないかッ!
これもたまたまだと信じたい・・



OP「サクラ アマネク セカイ」歌-yozuca*
ED「僕たちの行方」 歌-CooRie

ダカーポの曲は揃いも揃って素敵な曲。


--------------------------


やはりこのシリーズはお気に入りです。
前の3作品を楽しめたなら、必ずと言っていいほど楽しめるであろう充実の内容でした。

ダカーポ、全部合わせると長いですけどお勧めしたい。



それと最後に。
詳細は語りませんが、『Sora』にとある部分で似てました。
幻想的恋愛作品はこういうの好き?(仮説)
私は好き。

・・妹ポジも好き!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

ともか さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ここまで観てこそ、前期の設定が活かされる。

ネタバレ無しで感想を書くのが難しいので、今回は普段よりも淡々と書きます。

『D.C. 〜ダ・カーポ〜』
『D.C.S.S. 〜ダ・カーポ セカンドシーズン〜』
『D.C.II 〜ダ・カーポII〜』
私は上記の作品を視聴済み、原作のゲームは未プレイでこの作品を視聴しました。

この作品の視聴に際して、最低でも
『D.C.II 〜ダ・カーポII〜』を視聴済みであることが前提となります。


舞台は相変わらず「初音島」という場所で、物語も前期の続き。
今回のイベントはクリスマス、スキー、年越し、桜の季節。
登場人物は主人公・桜内義之と、その幼馴染で実の姉のような音姫(おとめ)、
妹のような由夢(ゆめ)の姉妹。この3人を中心として描かれている。
また、シリーズ初期から登場を続けている さくらも物語に深く関わり、
それと同時に、前期でほとんど役目がなかった「魔法の桜」も ここに来て頻繁に登場。
前期スポットが当たっていたキャラは、今回は影が薄く、
アンドロイドの美夏(みなつ)に至っては一度も登場しない。


この作品の見どころだと思う部分を書き連ねてみる。
ひとつは、義之が姉妹と共に謎の解明に向かってひたむきに努力していく物語。
中でも、義之という存在と魔法の桜の関係について明かされていく終盤の数話が、
物語としての最大の見どころのように感じた。
また、前シリーズを観た人にとっては、前にあった設定を活かした
祖父との会話まで物語の一部として楽しむことができる。

もうひとつ、様々な要素が詰め込まれた姉妹のキャラそのものを楽しむこと。
音姫…天然系だけど面倒見がよく、義之を「弟くん」と呼んで溺愛する。
由夢…ツンデレ系、料理下手、(家では)メガネ、容姿は良いのに緑のジャージ、
  怠そうな態度、義之を「兄さん」と呼ぶ。
この2人を気に入るか否かによって作品自体の評価に大きく影響しそう。
ちなみに、私は両者ともにとても気に入った。

さらに、むき出しの感情が飛び交っていたようなシリーズ過去作品と比べて、
登場人物の心理描写も丁寧だった気がする。この点にも好感が持てた。


音楽は、相変わらず聴いている時の雰囲気が良い。

OP曲: サクラ アマネク セカイ
ED曲: 僕たちの行方
挿入歌: 消えないで…(第12話)
挿入歌: 雨上がり君のもとへ(最終回)

最終回ED直前に挿入された「雨上がり君のもとへ」は挿入されるタイミングと
雰囲気も とてもよく合っていたと思う。


総じて、私はこの『D.C.II S.S. 〜ダ・カーポII セカンドシーズン〜』が
これまでに観たダ・カーポ シリーズの中でいちばん好きです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

願いを叶える桜の木の下で・・・

CIRCUSのブランドCIRCUS NORTHERNから発売された

恋愛アドベンチャーゲームを原作とする作品です。全13話、原作未プレイ


音姫と由夢ルートを中心とした話となっています。

季節は冬、学園でクリスマスパーティーを開催するので各クラスの

催し物を決めようとしているのだった・・・


ⅡSSは2クール目と称されて音姫と由夢ルートが中心で

それまでの無印等で大きく関わっていたこの初音島の謎めく魔法の力

がこのⅡSSでも物語の根幹に関わってくるので終盤は無印等と同じ

感覚になれる感じでした。


桜の木が物語の裏に魔法という形で関わっていることもあって

サクラさんもまたあのままでちょっとずつ力を干渉させている感じ

でした。


無印の純一がじいさんになっていて本当にあの枯れない桜の事件

から半世紀が経っているのだなぁと実感出来る感じでした。


ⅡよりもⅡSSの方がそれまでの作品と同じ感じがして良かったかな

と思います。

◆個人的点数評価 78.031点

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

64.7 13 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング13位
Kanon カノン[東映アニメーション版](TVアニメ動画)

2002年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (181)
1296人が棚に入れました
家庭の事情により北国(「雪の街」)の叔母の家に居候する事になった相沢祐一。7年前まではよく訪れていたにも関わらず、彼には当時のことが思い出せずにいた。そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、幼い頃の大切な記憶を取り戻していく。
家庭の事情により、北国の町にある従姉妹の少女の家に居候する事になった少年と、その町で出会う少女たちとの儚い恋愛物語。

イブわんわん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

京アニ版と両方見て感動が深さを増した

最初に京アニ版を見てしまったので・・・。とは言え、東アニ版もまた味わいがあります。心理描写が京アニ版と若干異なりますが、やはり幻想的で泣けます。
(2013.4.上旬あたり)

後日感想
最初見たときは、京アニ版と比較してしまい、どうしてもキャラデザや展開にやや不満があった。
 が、何度か見るうちに「Kanon」と言うアニメの本筋が見えたような気がして、こちらも見るようになりました。
 京アニ版のOP曲の「Last Regrets」は東映版を見ないと、その意味を理解できないのではないのかなあ。(直訳すると最後の後悔ってところかな・・・)
 京アニ版ではあまり描かれていない、各女性キャラの淡い恋心を歌ったこの曲は、keyとしてグループ初の歌詞曲です。

京アニ版は「奇跡」が印象的ですが、東映版は各キャラの「乙女心」が印象的ですね。
 まだ、東映版見てない方おりましたら、是非見て欲しいな。
「Kanon」というアニメが、単なる奇跡アニメでないことが理解できると思います。

また、真琴のその後についてはこちらのほうがうまくフォローされています。
(2013.10.12修正)
(2013.11.24修正)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17
ネタバレ

01oinaris さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Keyアニメの原点 鍵っ子集まれ〜!

まさにタイトル通り。鍵アニメはここから産声をあげた、まさに原点。
Keyアニメはそこまで多く見ておらず(CLANNAD, CLANNAD AS, 劇場版CLANNAD, AIR, 劇場版AIR, Angel Beats!の6作…とはいえ結構見てきたなぁ)、あまり専門家的なことは言えないが、超個人的な本作の見解・評価。

Keyはいわゆるギャルゲーに「泣き」「感動系」要素を付加させたパイオニアであり、
それらのゲームから派生したKeyアニメもまた、感動的要素をふんだんに含む。
本作はKeyが手がける18禁ギャルゲーを元に作られた、初めてのアニメ作品。
Keyアニメは作画やキャラも特徴的であり、特に本作を嚆矢とする初期のKey作品はその特徴が顕著である。
顔の半分を占めるヒロインの大きな瞳、そしてヒロインがすべからく幼女的。
あぅぅ… とか ぐぅぅ… とか がお〜(これは神尾観鈴:AIRのヒロイン)などの独特な感嘆詞の使用。
やたらと人懐っこい、まるで4−5歳の女の子を相手にしているかのような関係性。
(現実の女子高生には、まずこんな娘居ませんよ…。)
だからこそ、視聴する男子は「守ってあげたい、抱きしめてあげたい」といった言わば雄性特有の庇護本能がくすぐられる。
存分に庇護本能を刺激しておいた上での、Keyの十八番とでも言うべき、身に降りかかる不幸とヒロインとの別れ…
わかっているけれど、あざといと思うけれど、強制的で嫌だ…と感じるけれど、それでもつい感動してしまう。
こういったKeyアニメの特徴・原点が、本作には全て詰め込まれている。
これまで小生が見てきたKeyアニメの源流が、ここにある。

舞い散る雪…降り積もる雪…吹き荒ぶ風雪…登場人物の心境を暗示させる「雪」の秀逸な使い方に、雪国への憧憬を抱いた者、冬になると本作が見たくなる者が多いことだろう。

ただ…おいらは{netabare}名雪派だ。だからこのエンディングは納得していない!
(いや、むしろ秋子派だ。というより皆口裕子派だ。)
國府田マリ子(名雪)も好きだし、堀江由衣(あゆ)もいいけど、やっぱり皆口裕子や井上喜久子(CLANNADの早苗さん)がいい!
…と思った私はもう中年だね…涙。「もう中」乾杯!{/netabare}

おっと…心は少年・体は中年の心の叫び(&よだれ)が出てしまった。失敬。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

浩平 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

京アニ版を見た後からでも見てください。特別編『風花』の感想を追記です

初めて見たkey作品のアニメです。

様々な方達の意見にあるように、確かに残念ながら原作のシナリオを13話に収めきれてなかったとは思います。ですが、シナリオの時間軸を5人分に上手く振り分けてあり、よく出来ていたと思います。特に第一話のプロローグはゲームをした人なら分かる、京アニ版にはない素敵な部分なので、一見の価値はあると思います。

また、OPとEDは京アニ版が原作と同じだったのに対し、オリジナルとなっている部分も東映版の魅力でもあります。

「AIR」や「CLANNAD」を好きな人はぜひ見てほしいです。「Kanon」はそれらの原点ともいえる、keyを代表する素晴らしい作品です。
また、京アニ版を見終わってからでも構わないので、この東映版、そして特別編『風花』を一度見て欲しいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

62.1 14 18禁ゲーム原作で泣けるなアニメランキング14位
ななついろ★ドロップス(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (188)
1205人が棚に入れました
石蕗正晴は、ごく普通の高校2年生。ところがある日、怪しいジュースを飲んでしまい、日が沈むと羊のぬいぐるみになってしまう体質となる。
元に戻るためには、星のしずくを七つ集めて作る薬が必要だと如月先生に知らされる。しかも、星のしずくを採るのは選ばれた人間にしかできない。偶然にも秋姫すももの許に降り立ち、すももは星のしずくを集めることになった…。


声優・キャラクター
野島裕史、結下みちる、後藤麻衣、清水香里、松岡由貴、谷山紀章、高橋広樹、黒河奈美、日野聡、久保田恵、あおきさやか、本井えみ、井上和彦、伊藤美紀
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

純粋な学園恋愛ファンタジー

原作は18禁恋愛アドベンチャーゲーム 未プレイ

全12話

ハーレム&エロなしです!

魔法少女もので、とにかくピュアな恋愛ものなのです。^^

主人公・石蕗正晴 高校2年生
根は優しいけど人付き合いが苦手な、少し不器用な少年。純情で思いやりのある性格。

ヒロイン・秋姫 すもも
正晴のクラスメイト。恥ずかしがり屋で臆病だが、がんばり屋の女の子。純粋で優しい性格。


ストーリーは単純。

間違いで可愛い羊のぬいぐるみになってしまった主人公を、元に戻すため、魔法少女になって、「星のしずく」を七つ集めます。
昼は人間の姿でいられるが、夜は羊のぬいぐるみになってしまいます。

ベタな設定、展開、ストーリーなんだけど、それでもいいんです!

二人はピュアで純粋な恋愛をします。キュンとなる。 (いい歳してるのに。) (^^;

{netabare}
星のしずくを七つ集め、元に戻ったら・・・今までの事をすべて忘れてしまいます。
切ないです。 うわぁ~ん (ToT)

11話で正晴が元に戻る前に言います。「なにもかも忘れてしまっても、俺、もう一度すももを好きになる。」
ちょと泣ける。
元に戻った正晴は、やっぱりすべて忘れてしまっています。
すももが可愛そうで・・・
切ないです。
最後は・・・・・
{/netabare}

全12話で余計な寄り道的な話も少ないので飽きずに見れました。

声優さんも、知らない人がメインになってて新鮮でした。^^

恋愛ファンタジーものが好きな人には絶対おすすめです。
もう少し評価されても良い作品だと思います。

ベタだけど、ラストは感動でした。 (●´ω`●)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 68
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

あまぁ~い!!

あまり引き付けられるところがなくて、これ当時は1話で切っちゃったんですよね。
で、あにこれで幾つかのレビューを読んで気になったので再視聴することに。

いやー凄いですねコレ。今時こんなぴゅあぴゅあハートな恋愛ストーリーも珍しい。
これがエロゲ原作なんてシンジラレナーイ
ある意味同じエロゲ原作の「スクールデイズ」と対極に位置する作品でしょう。
この2作品、放送時期が完全に被ってるのが笑えますw

エロゲ(ギャルゲ)原作アニメは、ヒロイン全員の恋愛的見せ場を作るために
各ルートをつまみ食いするパターンが多く、そのため焦点がぶれてしまいがちなんですが
本作は完全にすももルート一本に絞っていて、そこがまず良かったです。

主人公の取り合いとか、ハーレムとか、そんなものとは無縁。
どこまでも不器用で初々しい主人公とヒロインの恋愛模様を終始描いていて
サブヒロインや脇キャラ達は皆、2人を応援するという立場で徹底しています。
そして視聴者もそんな2人を暖かく見守ってあげたくなる、そんな初恋応援アニメです。

全編通して甘酸っぱさ全開の恋愛が見所ですが、終盤の展開には素直に感心させられました。
恋に障害はつきものっていうベタな展開ではありますが、
主人公とヒロイン、2人の切ない心情がうまく表現されていて、物語にグッと引き込まれます。
{netabare}そして何より素晴らしいと思ったのは、絆創膏・携帯といった小道具の使い方。
特に携帯の予測変換、これはガチで感動。
何かとドラマの妨げになりがちな「携帯」というアイテムをこれ程上手く使うとは!{/netabare}

エロゲというより、少女漫画(それこそ「ちゃお」辺りで連載してそうな)の世界観、
いずにれせよ人を選ぶ作風です。甘酸っぱい雰囲気・純愛好きな方なら見る価値十分。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

とにかく気持ち良いくらい真っ直ぐな恋愛物語でした^^

ゲームが原作のこの作品・・・まだ初々しかった幼き日のあの頃を思い出せる・・・そんな恋愛物語です。

この作品の主人公は、クラスメイトと中々打ち解けられない高校2年生の石蕗 正晴(つわぶき まさはる)。ごく普通の高校生活を送っていた彼なのですが、ある日自分の身にとんでもない事が起こってしまいます。自分自身を元に戻すには「星のしずく」が必要・・・けれどその「星のしずく」は誰もが手に入れられる物ではなく選ばれた女の子・・・ステラスピニアしか採れないものでした。そして、巡りあったステラスピニアと一緒に「星のしずく」を集めることとなり、物語が動いていきます。

彼の身に起きた突然変異・・・選ばれたステラスピニアとの出会い・・・「星のしずく」を集めるお話ですが、この恋愛物語をより面白くするスパイスのようなもので、恋愛の王道を突っ走っているような印象の作品です。

「・・・あの時、何であんな事言っちゃったんだろう・・・」
「あの場所で、何で何も言えなかったんだろう・・・」
このような後悔の経験って、誰にでもあると思います。

妙に恥ずかしくなったり、自分に自身が持てなくなったり・・・
何気ない出来事に一喜一憂していた幼かったあの頃・・・
好きな人に片思いをしていた頃・・・

好きだから、一生懸命になって・・・
でも、何も出来なくて・・・
そして、たくさん泣いて・・・
それでも、勇気を出して一歩踏み出した時の結果がやけに嬉しかったり・・・

そんな頃の出来事が走馬灯のようにグルグル頭の中を駆け巡ってしまう・・・そんな作品でした^^

序盤は少しスローテンポですが、それもあっという間です^^
そして迎える物語の結末も私好みで良かったと思います。

ニヤニヤしながら恋愛物語を見たくなったら、この作品・・・悪くないと思いますよ♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18
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