NOMADで高校生なおすすめアニメランキング 2

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57.9 1 NOMADで高校生なアニメランキング1位
よくわかる現代魔法(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (257)
1690人が棚に入れました
プログラム化された現代の魔法が存在する世界で、ドジな主人公・森下こよみや、最強の現代魔法使い・姉原美鎖らが繰り広げる物語である。

声優・キャラクター
野中藍、生天目仁美、戸松遥、寿美菜子、浅沼晋太郎

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

よくわからない現代魔法

2009年7月 - 9月TV放送。全12話 + 未放送1話

2003年12月桜坂洋著のラノベが原作。イラストは宮下未紀。


あらすじ。

プログラム化された現代の魔法が存在する世界。

東京銀座を中心とした舞台でドジな主人公"森下こよみ"や、
最強の現代魔法使い"姉原美鎖"らが繰り広げる物語である。

これは全ての魔法を盥に変換してしまう少女の物語である。

0話を視ると略全容がわかる安心安全設計のようです。
序盤からドタバタしつつ萌え演出のみのサービスカットで
基本的に美少女しか出てこないようです。

何処と無く寒くて痛いギャグが多い感じで滑ってる感が・・

基本トリオコントの様な構成で・・ロリ・お嬢・無表情・・
お姉様系眼鏡・・+鈍感男?で・・登場人物が寂しい。

ロリ天然ドジっ娘アピールが中途半端。
ですわですわのお嬢様キャラも滑舌強調の演出でヒス乙。
無表情キャラは抑揚のない言葉と棒読みを勘違いのまま。

原作者の嗜好で25歳のお姉様系眼鏡キャラ推しで主人公が
呆けてくすんでしまってる。メインで唯一の男子キャラが
時々出て苛々発現しかしないので邪魔。

あれだけ派手にパソコンなどでコード組んで魔法使うのに
手品はないだろ・・設定甘すぎ・・無から盥召喚で手品は
無理だろう・・ナンセンスギャグのつもりの"タライ"落ち
を唯一のポイントにしてるが・・寒い・・痛々しい・・
プライドが超高いお嬢様キャラが魔法を否定されスルー?
それでドジっ娘にだけ魔法否定要員の男性キャラの意味が
全く分からない・・設定ミス以外の何者でもない・・

時系列を弄るのはいいけど・・収集ついてないパターン。
矛盾だらけの設定を御都合主義で中途半端に時間超越させ
てしまい・・整合性が全くない設定の杜撰さ・・

元システムエンジニアらしい設定だけど・・基本ギャルゲ
の没シナリオのような描写が多い・・原作がそこそこ売れ
たからアニメ化したのでしょうから脚本が酷いレベルかな。
特に台詞にセンスを感じない。

作風が中途半端で世界観と音楽とキャラデザや演出がバラ
けて纏まりが悪い感じで盛り上がりが無く平坦な感じ。

特にスリリングな描写での音煽りと実際の描写の酷さが・・
音楽だけやたら本格的にサスペンスやミステリーもの風。

ギリギリの▽領域推しとノーパンバトルと水着回だけで6話
使ってその"隙間"に大きな企みを阻止。"良い最終回"です。

7話以降も中途半端にスリルとサスペンスな雰囲気で今度は
眼鏡推しの回想展開?原作は面白そうだけどアニメは描写が
無理に媚びたり使い古しの台詞を嵌めただけで軽すぎる・・
20年前なら凄く良かったかも?・・センスが古過ぎる感じ。

原作からストーリーの時系列が一部変更され、第1話は原作
3巻の過去編にあたるエピソードから始まり、第2話から原作
1巻に相当するストーリーを開始するという変則的な形式を
とっている。また、原作に無いオリジナルストーリーも多く
挿入されている。

なるほど・・視聴者層に媚びて数字取りに行って逆にコケた
パターンぽい・・弄り過ぎて世界観もぶれちゃったんだね。

飛行機とかキャベツかよ・・動く絵はパンツと顔以外酷い。
デティールとかそういうレベルではない・・

結局スカートの裾のひらひらギリギリやローアングルの描写
が8割の力で残り2割が魔法のエフェクト。

足りない部分は声優の予算から削って申し訳程度に書き足し
たという感じしかしない・・美少女が視れたら良い人には
充分といえるかもしれないが・・エロもチラも多いわけでは
なく・・シュチュに萌えるほどの描写も無いので微妙。
中途半端にシリアスっぽく暗いのでハマリにくい感じ。

登場人物が其々に個性と出番を潰し合ってる感じ。



キャスト他

森下こよみ:野中藍
ドジっ娘の高校1年生。幼児体型で私服姿は小学生。
どんな魔法コードでも金盥召喚コードに変換する特異体質。
召喚できる盥は銅→鉄→銀と次第にランクアップしていく。

姉原美鎖:生天目仁美
現代最強の魔法使いの1人。近眼の眼鏡をかけた大学院生。
現代魔法の第一人者で、実用化にまでこぎつけた人物。

一ノ瀬弓子クリスティーナ:戸松遥
古典魔法の使い手。美しい容貌と抜群のスタイル。
曾祖父は天才的悪魔祓い。物言いが高飛車。正義感が強い。

坂崎嘉穂:寿美菜子
こよみのクラスメイト。理系が得意な委員長。
幼少から機械が好き。プログラム等に関しても心得がある。

姉原聡史郎:浅沼晋太郎
美鎖の弟で高校2年生。魔法の存在を認めようとしない。
長身で料理が得意。常識の無い姉の言動に頭を痛めている。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

隠れファンは多そうな気がする・・・ 2000年代《魔法つかい&魔術系》の惜しい作品

古典魔法の使い手はお約束どおり呪文を唱えるのに対して、現代魔法の使い手は携帯やパソコンに仕込んだプログラムを起動させて魔法を発動する・・・という発想は面白いし、登場するヒロインたちは、お姉さんキャラや魔法を使わない一般人の子も含めて全員文句なく可愛いんだけど、このアニメなんで人気が出なかったのだろう?と考えてみた。

(1).敵キャラに魅力がない。

もう少し悪賢いとかトンデモな性格とか美形とか、もっと色々と特徴のあるキャラだったら注目度も上がったのかも知れないけど。 
ヒロインズの出来の良さに比較して、本作はなぜか敵キャラの作り込みが適当過ぎる気がしました。


(2).ストーリーが分かり辛い。

前半のエピソード(第1話~第6話まで)は、時間軸があちこち飛びすぎていて、原作ラノベの読者でもない限り、初見でこれをきちんと理解するのは不可能と思われ(←嘉穂委員長風)。

※因みに本作の原作者・桜井洋氏は、トム・クルーズ主演の実写映画『ALL YOU NEED IS KILL』(※2014年、タイムループ&対異星生物バトルものSF)の原作者でもあるそうで、両作の余りの作風の違いにちょっとビックリ。

《まとめ》
確かにシナリオは微妙だけど、別に後味の悪い結末にはならないし、OP/EDは揃って明るい歌詞と曲調の良曲だし、ドジっ子《和み系》ヒロインは可愛いし・・・ということで、例えば今放送中の『とある魔術の~』シリーズが好きな人なら、取り敢えず第1話をお試し視聴してみてはどうでしょう?


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      桜坂洋(『スーパーダッシュ文庫』2003年12月-未完)
監督         黒田やすひろ
シリーズ構成     門田祐一、戸塚直樹、黒田やすひろ
脚本         門田祐一、戸塚直樹、伊藤美智子
キャラクターデザイン 古賀誠
音楽         橋本由香利
アニメーション制作  ノーマッド{/netabare}

◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= よくわかる現代魔法 (2009年7-9月) ================
{netabare}
第1話 hello,world ★ 一ノ瀬・弓子・クリスティーナの姉原十字魔法学院捜し、ギバルテス来襲、森下こよみ&の弓子の再会、姉原美鎖参上
第2話 wizardry ★ 6年後、こよみの姉原邸訪問、デーモン知覚能力、秋葉原アイドル事務所事件
第3話 Deus In Machina ★ 古典魔法使い(弓子)&こよみのデーモン追跡、弓子の6年ぶり美鎖邸来訪
第4話 jini ★ 改造ウィルス犯人捜し、ホアンと美鎖の接触、プールの悪戯精霊(ジニ) ※水着回
第5話 jump off into never-never land ★ 6年前の12/24(第1話の続き)、ギバルデスの目的(ケリュケイオンの杖に封印された伝説の魔女ジギタリスのライブラリ)
第6話 ghostscript ★ 百貨店屋上の魔法戦(ギバルテスvs.美鎖/弓子/このみ、弓子の両親からのプレゼント)、このみ帰還{/netabare}

 - - - - - - - - - - - - - - シナリオの切れ目 - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
第7話 voodoo programming ☆ このみの魔法アイテム選び
第8話 scratch monkey ☆ 美鎖の過去回想、搭乗機への爆弾警告メール、賢十郎の剣窃盗(ゲーリー・ホアン)、緊急着陸成功
第9話 Open DeathTrap ★ ギバルテス復活、新築高層ビルへのおびき出し、美鎖vs.弓子、美鎖死亡?
第10話 quick-and-dirty ☆ 瞬間移動のコード(坂崎嘉穂活躍)、秋葉原へ 
第11話 Dragon Book ★ 美鎖のゴーストスクリプト、魔法使い殺し(姉原聡史郎)、美鎖生存確認、伝説の魔女ジギタリス・フランマラキア復活(弓子の筐体化)
第12話 TMTOWTDI ★ 続き(伝説の魔女vs.美鎖のGS、このみの献身・ジギタリスの怨恨氷解、ホアン&美鎖GS異世界へ)、後日譚{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)9、☆(並回)3、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.7

OP 「programing for non-fiction」
ED 「Made in WONDER」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「現代魔法」と「古典魔法」・・・それと「たらい」

この作品の原作は未読ですが、タイトルとキャラデザに惹かれて視聴を決めた作品です。
これまで気になりっ放しでそのまま放置状態でしたが、ようやく視聴する機会を作る事ができました。

物語の舞台は魔法が常態化された世界・・・この世界の魔法は「コードを組む」事によって具現化する事ができ、魔法には大きく「現代魔法」と「古典魔法」が存在しています。
私たちが一般的に知識化している魔法は「古典魔法」で、魔法の杖を使ったり呪文を詠唱します。
一方「現代魔法」は、コンピューターを用いてコードを組んで発動させる魔法の事です。
「古典魔法」が複雑な魔法を発動させる事ができ、「現代魔法」は一度に多くのコードを処理できる魔法・・・といったところです。

この物語の主人公は、高校1年生の森下こよみ。性格は明朗快活ですがドジっ娘・・・でも将来の夢は魔法使い・・・という感じの女の子です。
物語はこよみが魔法学校のチラシを見つけ訪ねてみると・・・魔法学校を営んでいたのはだいぶ昔で今は普通の一軒家として使われていました。
ですが、そこに現代魔法の第一人者との呼び名の高い姉原 美鎖とその弟が住んでおり、紆余曲折を経てこよみは美鎖に現代魔法を教えて貰う事となり・・・物語が動いていきます。

こよみちゃんはある意味魔法の天才だと思います。
何せどんな魔法のコードも全て「たらい」にしちゃうんですから・・・^^;
対峙する相手はビックリすると思います。
例えば自分が「剣のコード」でこよみを攻撃・・・すると剣がいつの間にやら「たらい」に早変わり^^;
何故「たらい」なのかは結局良く分かりませんでしたが、インパクトのある魔法だと思います。

こよみが行動を共にするのが、古典魔法使いの一ノ瀬・弓子・クリスティーナ。
容姿端麗で銀髪紫眼の持ち主である彼女は、正義感が強く魔法も正しく使われることを誰よりも尊んでいます。

物語の方は序盤に見知らぬ男性と一悶着ありましたが、魔法とこよみたちの生活の深掘りを中心に進んでいきます。
日常系の作品を見ていると物語に抑揚や起伏が無いのは当たり前ですが、日常系じゃなくても物語に抑揚や起伏の有無に関わらず視聴ってできちゃうもんなんですね^^;

中盤くらいまでは大きな動きはなく粛々と物語が進んでいきます。
「ずっとこんな感じで進んでいくのかな・・・^^;」と思った矢先、終盤に入ると物語が一気に動き始めます。
一度歯車が動き出すと・・・ここからは予期しない展開のオンパレードです^^
「現代魔法」というワードだけでは括れない様々な出来事や設定が飛び出してきます。
「真打ちは最後に登場」とは正にこの事だと思いました^^
そしてここから先は是非本編で内容をご確認頂きたいと思います。

オープニングテーマは、麻生夏子さんの「programming for non-fiction」
エンディングテーマは、美郷あきさんの「Made in WONDER」
個人的にはオープニングが大好きでした。もちろん曲も良いんですが、オープニングアニメが私のツボに入りました。こよみが体勢を入れ替えながら海の上を低空飛行する1シーン・・・顔には満面の笑み・・・その屈託無く自由奔放な笑顔に色々持っていかれてしまいました(//∇//)

1クール12話の作品でした。正直現代魔法が良く分かりましたか? と問われると、何て答えて良いか難しいですが、こよみの直向きさ・・・明るさ・・・そして何より可愛らしかったので良し・・・という事にしておこうと思います^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

67.3 2 NOMADで高校生なアニメランキング2位
sola-そら(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (676)
3634人が棚に入れました
御池学園に通う高校一年生の森宮依人は友達とワイワイ遊ぶよりは一人で趣味に勤しむタイプ。そんな依人の趣味は「空」の写真を撮ること。
石月真名は活発な依人のクラスメイト。真名の妹、こよりは小学二年生。体調を崩し、海が見下ろせる丘の病院に入院している。この病院で、こよりは、依人の姉・蒼乃と知り合い、依人と真名はよく二人のお見舞いに来ていた。
その日も夜明けの空を撮ろうと、森公園に日の出前からやってきてカメラを構えていた依人は、不思議な少女・四方茉莉と出会う…。
依人と茉莉が出会い、少女達が出会ったとき全員の物語が動き始める。
ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

トマトしるこ美味しい? 追記

全13話 オリジナルアニメ 
ジャンル ファンタジー異能バトル恋愛
テーマ 
空にかけた一途な想い

簡単な内容
空の写真を撮る主人公・森宮依人と空に憧れる少女・四方茉莉との出会いが狂った日常への始まり。知るべきではなかった過去の記憶・陽射しを避け人の傍に佇む夜禍人とは・・・それぞれが空に掛けた想いにある隠された真実の先に残るものは。

いつか観たいと想いつつ6年越しに至った訳だが、ストーリー展開は醤油ソース味である。薄いとも濃いともいえる不思議な切り口が持ち味の作品。

本来、アニメとして描く上で主人公目線の一人称で進むが、この作品は三人称で描かれていると想う。依人はあくまで主人公であって語り部としての役割から感情移入しがたいキャラとなっている。シナリオをそのまま絵にした部分が強調され、序盤は淡白な展開が目に付く。アニメとしての工夫が乏しいが、中盤より核心に迫る流れに引き寄せられる。
キャラの心情描写は確かに薄いがあえて行っていると分かるだけに、茉莉が憧れる空を想像させるような意図があったのではないかと考える。 同時に想像させる観方を求めているだけにファンタジー設定が面白いか面白くないか判断される自らハードルをあげた作品である。 だが、結末は綺麗に纏めている為に後味は良いのだから不思議な感覚に陥る。 

それぞれのキャラ+空という願望を軸に過去・現在・未来を見せているのが持ち味。そこにかける想いの強さが恋愛と繋がっているが、ラブコメでは描かずシリアス調で表現し死を引き合いに出されている。

死とキャラ設定・ラストシーン{netabare}
ファンタジー設定において、この手法は使い古しの如く未だにある訳だが廃れる要素がない。同時に観る側を飽きさせる要因にもなりかえない傾向もある。元々、泣きゲーから波状した所が多い。多くの方が心に憂いを持ち感動を求めているからだろう。そして死をどう演出するかが決め手になる。結末の蛇足となる死では無理やり超展開で安っぽさを増すだけで感動に繋がらない。最終的なご都合主義、もしのパターンを作っていない。この”もし”があることで全てを潰すことにもなりかねない。

茉莉
夜禍人(不老不死)であり死の概念がないが、過去の依人より寂しさから人の温もりを知り依人がいつか見せてくる空に憧れを忘れられずにいた。数百年後に死んだはずの依人が生きているが、それは依人であって依人ではない別人に惹かれ恋する。過去の想いをダブられせ現在と死を結びつけた恋。

依人
存在そのものが死に直結している。蒼乃の願望が詰まった擬似的に生きる紙。全ては蒼乃の意思に委ねられるが、足枷となるような生き方をさせたくない蒼乃の未来を望んでいた。依人の意思を尊重し茉莉の共倒れする展開は少し泣かせるご都合主義もあるが、茉莉が生きていると空の憧れ設定を意味を無さなさいw

蒼乃
過去の弟・依人の死を受け入れられないヤンデレ資質。記憶を刷り込ませた紙で依人を生成し終わることの無い未来を夢みていた。生贄として死ねず弟を殺した罪悪感から死ぬが、茉莉によってそぐわぬ夜禍人となったが、成就した想いは本当は何も無いと最初から死を理解していた。二人の死によって”空の向こうは夜空、一つの繋がった空”と夜禍から人へ未来に生きる空に恋すがる。

死とキャラ設定のバランスが巧く余韻に浸れる。もしの設定があるとしたら、剣で繭子を殺し人となった茉莉・依人の報われない恋愛だろう。

ラストシーン
トマトしるこの解釈は、これからは一緒だね。と茉莉の我侭、二人にとってのHappy END解釈。
茉莉は蒼乃と昔から接点があったが、お見舞いに行くまで蒼乃との関わりが無く依人の素性が分からなかったが、ホームで蒼乃との対話で納得した。
理由は、夜禍の存在理由から始まる。
”人が寝ている間に捨て去った憎しみや悲しみが集まってできた、人が忌み嫌うもう一人の自分。だから、夜禍は一人なの、一人で生きていかないといけない。”最初から茉莉は夜禍であった為、人から決して必要とされる存在ではなく人の業を背負う者として祀られていたと解釈できる。だが、蒼乃を生き返らす過ちをおかした。
蒼乃は、生贄として本来死ななければならなかったが依人が死(村人に殺されたか、山神に祟れたとでも解釈する)に自分の所為と感じたことにより、その罪悪感から自殺した。
その意思を踏みにじり夜禍にされた蒼乃は依人がいない世界では生きている意味がなかった。 よって、夜禍の宿命とは無縁の存在であり、優しさが妨げになり茉莉は夜禍にした罪悪感に捕らわれ過ごしていたが、蒼乃が紙の依人を作った関係を知り蒼乃の幸せを願って依人と決別しようとした。(6話学校に行く理由)
だが、消えた茉莉を探し依人は作られた存在と知らず茉莉を刺すことになる。蒼乃が操作し記憶改ざんに失敗したことから歯車が狂った。
本来ここで茉莉は二人と関わらず消え去り蒼乃と依人の擬似姉弟関係ENDになる。
だが、ひたすら追いかけてくる依人に紙と過去の記憶の存在であることを教える。依人自身も植え付けられた過去の依人の存在意義に疑問を持つことになる。同時に茉莉自身は過去と現在に生きる依人が好きであることは屋上シーンで告白していることでわかるように、また依人も茉莉のことが好きであるが決して結ばれることは無い関係であった。(蒼乃が妨害するだろうし、蒼乃は茉莉を恨んでいる為)だから、茉莉は依人と結ばれたい為に”消えて”と口に出した。
そして茉莉自身の罪悪感と依人の恋を成就する為に蒼乃を人へ戻す算段を企てる。依人と茉莉の一方的な我侭が一致した結末に繋がる。依人は姉が過去に捕らわれて生きていることに痛々しい様が見え、自分を消す優しさと解釈による推測。
茉莉の我侭によって生き返えらせた罪から関わっていけない人に恋をし傷ずつけ夜禍の宿命よりも依人を優先にしてしまった罪深き女。だが、夜禍としか生きていない彼女の最初で最後の我侭なんだから許して欲しい。報われない二人への手向けとしてトマトしるこが描かれた。
蒼乃は弟であり依人を結果、自ら殺し授かることになった人としての命を全うしなくちゃいけない と覚悟した夜禍人として過ごした記憶と供に・・・。
この辺りの心情描写を明確であれば、もっと評価された作品である。{/netabare}

作画
キャラデザインは好み次第。全体的に良くも悪くも無いが、空の絵にもう少し拘りを持って欲しかった。最終話に出てくる空の絵を全体的に組み込むべきと感じた。

色々と書いたけど、過剰な期待をせずファンタジー設定に抵抗が無ければ楽しめる作品。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

良い意味で裏切られる作品その3か4ぐらい。

パッケージ絵からは全く想像も出来ない、まさかのバトルアニメなのです。当然の様に恋愛ストーリーを期待したのですが、良い意味で裏切られる作品でした。(あ、勿論恋愛もバッチリ有りなのでご心配なく!)


(ストーリーについて)
”空”が好きで、勉強そっちのけで空の写真を撮ることが趣味の高校生、森宮依人君が主人公。彼はある日明け方の公園でいつもの様に空の写真撮影をしています。そこで不思議な少女、四方茉莉さんと出会います。明け方の公園、時間は午前4時。どう考えても普通じゃないこの少女。彼女は森宮依人君の話す”空”の話に引かれ、そして”空”を見てみたいと願うのです・・・。あれ?空って普通に見れる物じゃないのかな?? この少女、一体誰なの??

空を見たいと願う少女、四方茉莉さん。そして空が大好きな森宮依人君が紡ぐ切なく儚い恋愛ストーリー・・・。依人君は茉莉さんの正体を知りながらも、彼女に本物の”空”を見せてあげたいと願うのです。
そんな2人の前に茉莉さんを執拗に付け狙う謎の男が登場。どうやら彼女の正体に関係して、深い因縁をもっている様子。果たして依人君の望みは、そして茉莉さんの願いは叶うのでしょうか?


(作品について)
お話の舞台は長崎です。眼鏡橋や実在の建物がモチーフに使われ、長崎を訪れたことがある方なら思わずニヤリとしてしまう筈。キャラクター原案は七尾奈留さん。彼女のキャラクターが大好きなワタクシは、この時点で既に☆×4評価....異論ウケツケマセン。原案はKanonで有名な久弥直樹さん。非常に良く練られたストーリだと思います。声優さんはヒロインの四方茉莉さん役に能登麻美子さん。いつも明るい不思議少女役を好演しています。そしてもう一人のヒロインで、主人公の森宮依人君のお姉さんである森宮蒼乃さん役に中原麻衣さん。AngelBeats!の天使ちゃんを彷彿させる(いや、こっちの作品の方が遥かに古いんですが)ぽつりぽつり喋りキャラが実にハマっています。主人公のクラスメイトの妹で石月こよりちゃん役の清水愛さんも実に名演技。化物語で言う八九寺真宵さんの雰囲気と言えば解って貰えますかね? 他にもともかく個性的な声優さんが多く、すごく豪華な印象! 音楽は全部の曲が良いですね。作品に非常にマッチしています。だけどあえて上げるなら、OP曲では「colorless wind」(結城アイラさん)、ED曲の「mellow melody」(Ceuiさん)がお勧め。特に「mellow melody」は何度も聞くほど味の出る、ひじょ~に味のある神曲。ともかくお勧め!


(私の感想だよ)
先ず感じるのは登場する女性キャラ全員が個性的で可愛いと思いました。ヒロインの皆さんは勿論の事、クラスメイトの女子までもが個性的であり、とてもキャラクタが立っていると思います。なので、お気に入りの女の子を見つけられると、より作品に深く入り込むことが出来るかと思います。

お話は4話までは正直少しダルいです。但し5話から徐々に盛り上がりを見せますので、5話まで観られた上で視聴を止めるか判断される事をお勧めします。5話の内容で面白く無いと感じるのなら、多分その先を観てもやっぱり面白く無いかも・・・。(残念ですが) そしてお話は10話からは急展開。恐らく誰も予想できなかったであろう衝撃の事実が判明し、一気に最終話まで駆け込みます。

バトルシーンは圧巻です。特にR.O.Dよろしく紙を武器に使ったバトルは素晴らしい! 流星のように降り注ぐ紙の刃、そして剣への変化。一瞬で形作られ、そして崩れていく様相の変化。七尾キャラの可愛さと相まって、素直に美しい、カッコ良いと思える描写でした。


悲しい運命を背負ったメインヒロインである四方茉莉さん。彼女はいつも一人でした。ずっとずっと長い間一人でした。そんな彼女が始めた触れた人の温もり・・・。彼女は人の温もりの心地よさを知り、そしてそれを求めた。ただ人の温かさが欲しかった・・・。ただそれだけの事なのに、その事は思いも寄らない悲劇を生んでしまいました。
彼女は狙われ、そして恨まれる存在。でも彼女は自分の命を狙う存在に対してまでも思いやりを忘れなかった。そして最後まで優しかった・・・。
彼女の優しさがどうか全ての人に届きますように。そう思った私にとって、ラストは納得がいく終わり方だった様に思います。しっかりと彼女の思いが伝わった様に思えたからです。


人に優しさを伝えた四方茉莉さん。果たして彼女自身は幸せだったのかな・・・。 ううん!きっと幸せだよね! だって2人はこれからもいつも一緒だもの・・・・。






投稿 : 2024/06/01
♥ : 37
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

過去と現在を結ぶ、幻想的で切ないストーリー

久弥直樹×七尾奈留によるエロゲ界で有名なライター&絵師によるオリジナルアニメ。
それなりに話題性は見込めたはずですが、やはり宣伝量が足りなかったかなあ。
同時期放送にグレンラガン、電脳コイル、DTB黒の契約者、らきすた、なのはStrikerS、などなど
そうそうたるラインナップの中に埋もれてしまったのも大きい。何かと不遇な作品です。

内容に関しても序盤の引き込みが弱かったのが痛い。
思わせぶりな描写ばかりでストーリーが進展せず、退屈感は否めません。
しかし5~6話辺りから、なかなかの盛り上がりを見せてくれます。
バトルシーンが蛇足という意見が多いですが、個人的には全然アリ。
作画もよく動くし、周囲の壁や柱を駆使した戦術など無駄に凝ってますw

「依人が茉莉に本物の青い空を見せる」ことがメインテーマではありますが
最後まで見ると依人の姉・蒼乃の救済の物語、という印象が強いですね。
もっと言ってしまうと、蒼乃が主人公兼ヒロインですw 中原麻衣の演技も絶品。
普段は無口で無感情な蒼乃が抑えていた感情を爆発させるシーンにゾクゾクさせられました。

敢えて描写を省くことで、視聴者に脳内補完させる作りになってるのが本作の特徴。
これは本作の美点であり、同時に欠点にもなっています。
キャラの心情や設定など必要以上に語り過ぎると安っぽくなってしまいますが
必要最低限の描写がなければ説得力に欠けるし、モヤモヤ感も残ってしまう。
エピローグが特に顕著。釈然としない人、綺麗に纏まったと感じる人に分かれるでしょう。

個人的にエピローグの存在は嬉しかったですね。
この作品、「折り紙」や「トマトしるこ」などの小道具の使い方が秀逸で
そういった小道具を見事に活かしたエピローグは、非常に切ない余韻が残るもので良かったです。
{netabare}ラストカットの、2つ並んだトマトしるこの缶。ベタですがこれは反則級の演出( ;∀;){/netabare}

OP/EDも素晴らしい。過去と現在を結ぶ、幻想的で切ないストーリーを引き立てています。
1話OPと最終話EDは特別仕様。冒頭とラストに相応しい雰囲気を与える心憎い演出です。

シナリオの完成度よりも、どちらかと言えば雰囲気重視。
傑作とまでは言えないけど、個人的にかなり好きな作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 49
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