2014年冬(1月~3月)に放送されたアニメ映画一覧 29

あにこれの全ユーザーが2014年冬(1月~3月)に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月07日の時点で一番の2014年冬(1月~3月)に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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72.3 1 2014年冬(1月~3月)アニメランキング1位
THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!(アニメ映画)

2014年1月25日
★★★★★ 4.1 (537)
3102人が棚に入れました
芸能事務所765プロに所属する13人の少女たちが、アリーナライブに向け切磋琢磨する様子を描く。

声優・キャラクター
中村繪里子、長谷川明子、今井麻美、仁後真耶子、浅倉杏美、平田宏美、下田麻美、釘宮理恵、たかはし智秋、原由実、沼倉愛美、若林直美、滝田樹里、赤羽根健治、大塚芳忠
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

春香の「夢」「成長」「未来」

[文量→特盛り・内容→感想系]

【総括】
「THE IDOLM@STER」の続編にあたる劇場版。当たり前ですが、「THE IDOLM@STER」の視聴が前提となり、ここから観てもダメなタイプの劇場版です。

ファンなら必見、ファン以外なら観ても、ん? かな(私はファン♪)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
冒頭の765プロ総出演の映画ですが、実写であれだけのCGや特殊効果は、リアルだったらムチャクチャ金かかるんじゃ(笑) てゆうか、シンフォギアっぽいし、何より同時上映の紹介までする姿勢には笑ったw

日曜夜のゴールデンに事務所単独でアイドル番組もってるって、全盛期のモー娘。や、AKB48以上やないか~い(カン♪)w

海での合宿、ここから入った視聴者は(ほとんどいないだろうけど)、「なんだ、水着回に温泉回か」なんて思うかもしれないけど、本編から観てきた視聴者は当然、「春香の夢、願い、叶って良かったね!」と、早くも涙腺緩むに違いないのです(断定w)。

アリーナでのライブというか、その前に、皆で向えることが、ね。

研修生との対比で各自の成長を魅せるのは良い演出です。平和な765プロの中に波風立てないために、今さら765プロ内に優劣はつけられないし。

劇中歌「ラムネ色 青春」に乗せ、合宿の様子を伝えるのも良かった(ガーリッシュナンバーの九頭Pなら動画回して売り出すな、とか思ってしまったw)。前から何度か書いてるけど、セリフなしで魅せられるアニメは優秀です。キャラがたってる証拠だしね。

事務所での窓越しの雨のシーン。実写かっ!? というレベルの作画力。ちょっとびっくりしました。でも、可奈と春香がお菓子食べるシーンとか、ミキと春香のトイレでの会話シーンとか、律子が屋上で走り出すシーンとか、なんか人物の動きが奇妙な感じがするシーンがいくつかある気がするんだけど、気のせいかな?

しっかし、提供だろうけどローソン無駄に出過ぎw

バックダンサーにそこまで気を遣うってのは、?

ファンはそこまで観ないし、シホはバックダンサーなのに出過ぎでしょ。イラッとする(笑)

春香は苦労を背負いこむ星の下に生まれてきたんすね、きっと。まあ、でも似合ってるから大丈夫(笑)

ただ、これはちょっと苦言だが、スクールの後輩たちの悩みについて(あまり苦言を述べたくないアニメなので隠しておきますがw){netabare}可奈の逃亡期間、春香にしては対応が遅れた気がする。あの「こうだと決めたら真っ直ぐ突き進む」「良くも悪くも空気読めてない」春香なら、可奈のサボりを聞いて、あるいは辞めたいメールを見たら一目散に駆け出していきそうだけど。あのウジウジは、なんか春香っぽくない。それに、可奈の太ったクダリは、気持ちは分かるけどやはり叱られて然るべき行動だと思う。多少まるくなったとはいえ、千早や伊織あたりはプロ意識高いからイラッとしそうだし、志保に関しては間違いなくキレるはず(バックダンサーのくせに春香に食いつくくらいの活きのいいルーキーですからw)。う~ん、春香を筆頭に皆が熱い気持ちを吐露するアリーナの場面、感動はしたんだけど、やっぱりひとつ突き抜けなかったのは、可奈の我がまま自堕落っぷりに引いてた部分があるかも。みんな可奈をかばってたけど、(一人で自主練習してたとかなら良かったんだけど)あからさまに可奈が単独で悪いだけだから、なんか同情できなかったです。それなのに{/netabare}少し尺をとりすぎたかな、と。

春香が以前経験したような悩みを、今度は先輩という立場で見せたかったのもわかるし、今後の商業的な展開からも新人達も魅せたかったのでしょうが、やはりみんな本編のファンなわけで、しかも多人数ヒロインのアニメ。もっと、少しでもたくさん765プロの面々のストーリーを観たかったのが本音。それこそ、研修生には引き立て役に徹してもらって。

ただ、その中でも、伊織と雪歩の成長はよく描かれていました。プライドが高くて野心家で、ワガママお嬢様だった伊織が周囲に気を使えるようになったり、引っ込み思案で常にみんなの足を引っ張っていた(と少なくとも自分では思っていた)雪歩が、春香と一緒に研修生の食卓についたりと、「大人になったな~」と感動する場面も。研修生や他のメンバーを自宅に招いたがこの2人だったのも驚き。これが(家の広さは別として)千早やあずさだったら驚きはしないのだけれど、「へ~、この2人が副キャプテン的な役割をこなすようになったのか~」と感慨もひとしお。

逆に、千早や美希は本編で準主役級の扱いを受けていたこともあり、少々大人し目でしたね。まっ、要所要所での一言には含蓄があり、やはり他の面々より一歩先に進んでるな~とは思わされましたが。

そして、私が好きな真は今回もほぼ出番なし。贔屓だぁ、不憫だぁ(笑)

終盤、合宿の集合写真をバックに「私もみんなと一緒に変わっていきたいな」と春香が言ったことに驚き。本編で、あれだけみんなとの関係性が変わっていくことに悩み、暴走した春香も、しっかり成長していたんだな~と実感。

ラストを飾るライブに関しては圧巻で何の文句もなし。歌もアイドルっぽくて(まあ、ライブの1曲目に歌う曲じゃないけどw)良いし、なによりカメラワークと作画! 特に、アイドルを手前に置きながらなめるように2階席までうつした時の観客との一体感と、花道をアイドル達が走ってくるのをカメラで迎えたり追いかけたりする所の疾走感は並みじゃない! 気合い入ってるな~と素直に拍手!
{/netabare}
ED含め、THE IDOLM@STERという名作を締めくくるに相応しい劇場版でした。満足!

(蛇足)
{netabare}ラストのライブシーンの直前や最中、ジュピターの面々や音無さんをうつすのは良いんですけど、善澤さんうつす余裕あるなら、千早のお母さんうつそうよ(汗) まさかシンプルに忘れたってことはないだろうけど、あそこで登場させない意味が分からない。それと、横浜アリーナのキャパで、メインのアイドルが12人いて、バックダンサーが7人って少なすぎるんじゃ? (アニメには出せないが)せめて20人くらいほしいって思うけどw{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

音楽に生かされ、音楽に殺された不遇の迷作か!?

グレンラガンのキャラデザで名を馳せた錦織敦史の初監督、元京アニのネ申演出家である高雄統子を招き入れ、A-1Picturesと名立たる豪華スタッフに支えられて2011年に幕を閉じた『アニマス』
その豪華スタッフが再度集結し今度は劇場版を作ると来たもんです
いやはや、仰天やで・・・っておい!どこにも「待田堂子」の名前が無いぞw
(お察し下さい、待田さんはWUGで忙しかったんです)
もうこの時点で実はちょっとガッカリ気味だったんですわ
「待田×高雄」のタッグが描く『少女像』ってのがあってこそのアイマスだとオイラ思ってたんで










テレビシリーズ26話の後、遂にアリーナでのライブをすることになった765プロダクションのアイドル面々
アリーナライブはアイドルとしての一つの到達点である
またこのライブの後に美希はハリウッドデビュー、千早も海外での本格的な音楽活動を控えていた
そんなアリーナライブでの演出の一環として、765プロオールスターズは初のバックダンサーを従えることとなる
新人育成の意味も込めて、プロデューサーと律子は久々に全員集合した765プロオールスターズと新人ダンサー7人で合宿を取り計らった
しかし現役アイドルとして鍛え抜かれた765プロとの実力の差は激しく、現実に強く打ちのめされる新人達
やがて新人達の間にこのままアイドル志望でいるべきか悩む者が現れ、それをきっかけに軋轢が生じてしまう・・・
プロデューサーから今回のライブのリーダーに抜擢された春香は彼女達をとりまとめようと奮闘するのですが・・・









まず冒頭からテレビシリーズの「生っすか!?回」で荒れまくった(笑)高橋龍也の脚本らしい劇中劇ネタが飛び交います
これはホント素直に面白かったですw
そしてOPには永遠の名曲「THE IDOLM@STER」が流れ、テンションは高まる


本編でとにかく注目したいのは今作でようやく劇場デビューを果たした春香役の中村繪里子さんの熱演ではないでしょうか
自身も「春香に飲まれる(春香しか代表作が無いということ)」を深く気にしつつも、そんな春香というキャラとそのファンに支えられ辿り着いた現在(いま)
「今までの全てがあって現在がある」
劇中の台詞通り、重みを感じる一言です


続いて今作のもう一人の主人公となる新キャラクターの「矢吹可奈」を演じた木戸衣吹ちゃんも素晴らしかったです
今作の一部では木戸ちゃんの歌声も炸裂(笑)しており、今期の『pupa』と『ノブナガ・ザ・フール』じゃ木戸ちゃん成分物足りん!と思っていたオイラには一安心でしたわ


そして、今作には3人目の主人公がいると言っても過言では無いでしょう
それは美希・・・じゃなくて!千早・・・じゃなくて!なんとまぁ【伊織】だったわけです(爆)
一見してワガママに見えても本当のところはメンバー想い
そんな成長した伊織が、かつての自分を見るかのような態度を取る新人、北沢志保に【良き先輩】として指針を示す様は今作のアツいポイントの一つ
オイシイとこ持って行きやがりますホントw


時系列が過去に移ると撮影効果で淡い光に画面全体が包まれる高雄演出のお約束もあり、この辺はマニア泣かせ(?)


ただ、とにかくすんげぇ残念な部分が多いのも事実なんです
『WUG』が7人のキャラクターに上手くスポットを当てつつ上映時間90分で収めたのに対し、こっちは引っ張りに引っ張って120分
長い、長過ぎます


千早の趣味がカメラになったのは何時からだ!?
これはオイラのリサーチ不足かもしれませんけど、伏線まるで張れてませんよ?


765プロの事務所にある箱○とPS3がカットによって色違うし!(←単純に背景ミスですね、これは)


とまあ一回観ただけで気付くポイントが多い


プチシューをとっちらかすカットは何故ロトスコ(?)なのかw
まあ作ヲタ的には笑ったけどw


クライマックスのライブシーンはCG+作画、ですが2次元と3次元の境目がわかっちゃっててそーゆーのはまだ『ラブライブ!』の方が上手いと思います


一番ダメダメなのは音楽ですかね
【劇伴がとにかく五月蝿い】
劇場音響意識したボリュームなのはまだわかるんですが、問題は劇伴の入れ方です
静まり帰ったシリアスな会話に飛び込んでくる耳を劈くようなBGMのイントロ・・・これは酷い、本当に酷い
しかもそれが一回や二回ではないのです
せっかくの声優さんの熱演を掻き消すようなBGMの使い方、こいつぁちょっといただけませんでした


うーん、結局のところテレビシリーズ以上に色々な課題を残してしまった感があります
単純に一本の映画としてはこちらより遥に低予算で仕上げられた『WUG』の方が良く出来ていたと思いますし
まあ、なんにせよファンが観て幻滅するような内容ではないのでギリギリ及第点ってとこだとオイラは思ってます
錦織監督自身が重視しているのもソコだしね

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

一人ひとりの想いが伝わってくる、私の考える最良・最愛のアニメ

この作品の魅力を、ひとことで語るのは結構難しいです。
ただ、一点だけ指摘しておきたいのは、鑑賞した回数によって、この作品の見え方が微妙に変わってくるのではないか、ということです。

まず1回目は、誰だってこの作品のストーリーを追いかけます。
鑑賞し終えての感想は、大方は「幾らか波乱はあったけれども、最後は予定調和的に綺麗にまとまって良かった」でしょう。
2時間ちょっとという尺では、やはり少し物足りなく感じる方が多いのではないでしょうか。

※以下は2回目の鑑賞時の感想です。
ストーリーは既に頭の中に入っているので、今度は作品のテーマを読み取ろう、という鑑賞姿勢になっています
→後から読み直すと、強引で一面的な見方をしていて結構恥ずかしい内容ですが当時の率直な感想として。
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{netabare}
この作品のテーマを一言でいうと、社会人教育の定番中の定番

△ディール・カーネギー『人を動かす』
△スティーヴン・コヴィー『7つの習慣』

の説く「動機づけ型リーダーシップ」の哲学をまんまアニメ化した作品!!!!
に私には見えた!
まず間違いないだろう。バンダイナムコ狙ってたな。

つまり、少しだけ解説すると、リーダーシップというものには実は、

①自分がグイグイ引っ張るタイプのリーダーシップと、
②周囲の人の想いを掬いあげ、メンバーの各々の力を引き出していく動機づけ型リーダーシップ

の2種類があって、普通の人は、①だけがリーダーシップだと思いがちなんだけど、本当に凄いリーダーってのは②ができる人のことなのです(とカーネギーとかコヴィーは言っている)。

で、プロデューサーがなぜ春香をリーダーに任命したのかというと、それは春香が自分では気づいていなくても、②が出来るタイプの人だったから、というのが、このアニメのミソです。(※追記あり)

可奈ちゃんを切り捨てていたら、一時的にはライブは上手くいったかも知れないけれども、それはそれだけの話。
結局は、彼女らは大切な仲間を一人永久に失うはめになってしまいます。

あそこで可奈ちゃんの心を拾うために最大限の努力をしたからこそ、765プロは仲間を誰も失わずに、前よりも高いステージに進むことが出来た(できる)はずで、ビジネスの言葉でいうと、貴重な人材を失うことなく全体の戦力を高められた、ということになるのでしょう。

※追記
一番のビッグ・アイドルの美希が「本当は春香が羨ましい」「春香はプロデューサーが選んだリーダーだから」「美希は自分の出来ることを頑張るの」といって、春香をそれとなく勇気づけるこのアニメのキーシーンがあります。

春香とは対照的な性格の美希は、典型的な①タイプで、その持前のグイグイ引っ張るリーダーシップで、竜宮小町が台風でライブに遅れて765プロが困っているときに、人一倍頑張ってステージを支えて、竜宮小町以外のメンバーも注目を浴びるきっかけを作った功労者(第13話)なのですが、TV版の最後のほうでも、この映画でも、春香の自分とは違った良さをちゃんと認めて、彼女を支える発言をしており、美希もまた春香とは別の個性が光っていてやはり好感度が高いです。
{/netabare}
(終わり)
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このようにストーリーを把握し、かつ、妥当か否かはともかく作品のテーマを自分なりに推測したあとの3回目から4回目にかけての鑑賞時は、
主人公である春香および本作のキーキャラである可奈の感情推移をじっくり追いかけて推測していくことになります。

さらに、5回目以降の鑑賞になると、春香や可奈に加えて、千早・美希・伊織さらには他のメンバーたちの一瞬毎の行動や発言に対しても、その意図や想いについて推測する余裕が出てきます。

そこまでくると、この作品が、どこまで細やかに一人ひとりのキャラの想いを描き込んでいるのか、ということに気づいて改めて感嘆の気持ちを強く抱くことになると思います。

私はこの作品を劇場で10回近く鑑賞しましたが、それでも飽きない感動がありました。
10月8日のBD/DVDリリースが待ち遠しいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 59

68.6 2 2014年冬(1月~3月)アニメランキング2位
劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-(アニメ映画)

2014年2月8日
★★★★☆ 3.9 (311)
2175人が棚に入れました
一度引退を決意したもののヒーローに復帰したワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹とバーナビー・ブルックス Jr.。復帰から数ヶ月後、2部リーグのヒーローとして活躍する2人は、相変わらず言い合いをしながらも日々、街の事件・事故の解決に取り組んでいた。そんな中バーナビーは、スカイハイ、ブルーローズ、ドラゴンキッド、ファイヤーエンブレム、折紙サイクロン、ロックバイソンらHERO TVで活躍する1部リーグのメンバーを見て、1部に復帰したいとこぼす。虎徹はバーナビーを諭しつつ複雑な思いを抱くのだった。一方、“マーベリック事件”によりオーナー不在となったアポロンメディアは、新たにカリスマ実業家のマーク・シュナイダーを新オーナーに迎え会社の立て直しを図っていた。立て直しの一環として、シュナイダーはバーナビーを1部リーグへ復帰させる。だが、バーナビーの相棒はワイルドタイガーではなく、シュナイダーがスカウトした新ヒーロー、ゴールデンライアン(ライアン・ゴールドスミス)だった。時を同じくしてシュテルンビルトでは奇妙な事件が起こり始める。街に古くから伝わる女神伝説になぞらえた不可解なものだったが、それはシュテルンビルトを揺るがす未曾有の大事件への序章に過ぎなかった…。

声優・キャラクター
平田広明、森田成一、中村悠一、寿美菜子、楠大典、伊瀬茉莉也、津田健次郎、井上剛、岡本信彦、遊佐浩二、小山力也、水樹奈々、麦人、大塚芳忠
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

自分と誰かを比べないこと。みんなそれぞれ違うけど、それでいい。

TIGER&BUNNY(タイガー&バニー)、
略してタイバニの劇場版第二弾♪

テレビシリーズ最終回の
その後の物語が描かれています。

ヒーローたちが帰ってきたよ♪

タイバニを全話見ていなくても、劇場版第一弾さえ見ていれば、
ストーリーをつかむのは問題ないと思います。

100分ほどの作品です。


● ストーリー
超能力を使える能力者・NEXT(ネクスト)が
ヒーローとして市民を守っている近未来の街。

二部リーグのヒーローとして活動中の
ワイルドタイガーこと虎徹(こてつ)&バーナビー。

会社の方針で、
一部リーグに復帰できることに!

だけど復帰できるのはバーナビーだけ。
虎徹の代わりに新しいヒーローがスカウトされていた。

その頃街では、
伝説の女神を模した不気味な事件で大騒ぎだった。


ヒーローをやめた虎徹の姿は
なんとも寂しいものがあって…。

やっぱり彼は、
ヒーローとして動き回っている姿が一番合っている♪

肝心の映画の内容は、うーん…。
なんだか途中で飽きてしまいました。

ストーリーかな、
ストーリーに飽きたのかな。

ヒーローいっけええええ!な見どころも
全体的に少なかったし。

敵もぼんやりとしていて、
ひとつの事件が引き延ばされている感じがしました。


しかし!

抑えるべきポイントは
よくわかっていらっしゃる!

ラストシーンまでに私が見たいと思っていたポイント、
{netabare}
虎徹の見せ場、
タイガーとバーナビーのコンビ復活、
そしてヒーロー総活躍…。 {/netabare}

これらをしっかり見せてくれました!

山場、ラストシーン、そしてEDまでの流れが、
すっごくよかったです!!興奮したわー!


≪ 個性 ≫

今回のヒーローたちは、
何かしら悩みを抱えている様子が描かれます。

それぞれの悩みは違うけれど、たどり着いた結論で共通しているのが
「どんな自分もそれでいいんだ。」という個性に対する受容。

それぞれがこれまでの殻を破った
新しい一面を見せてくれました^^

自分らしさに対する葛藤を受け入れるには、
仲間の存在が欠かせなかった。

「おまえはおまえだ。」的なことをさらっと言える関係、
素敵なライバル関係だなーとかっこよく思ったよ^^

見ている人にも「おまえはおまえだ。だから自信を持て。」と
応援したいメッセージも込められていたのでしょうね。


● キャラクター
新しいバーナビーのパートナーが、
今回のNEWヒーロー・ゴールデンライアン。

嫌な奴だなーと思っていましたが、
だからこそ前パートナーの虎徹のよさが際立つというもの。笑

さらに中村悠一さんの声が好きなので、
嫌いになれませんでしたw


ヒーローたちはみんな相変わらずかっこいいですね♪

私のお気に入りはTVシリーズから変わらず、
ずっと虎徹です^^

今回もかっこいいおじさまだったわ♪


● 音楽
【 OP「ネメシス」/ NOVELS 】

前作に引き続きNOVELSが担当で嬉しい♪

前作のOPの方が個人的には好きですが、
こちらもOPらしい雰囲気の曲で、悪くはなかったと思います^^


【 主題歌「harmonized finale」/ UNISON SQUARE GARDEN 】

きましたよー、神曲ですよ!!

前作の主題歌も大好きなのですが、
この曲はそれを越えてきた。

タイバニきっかけで
ユニゾンの曲が大好きになったのですが、

この曲、私の中のユニゾンの曲ランキングで
トップ5に入ると断言できるほど好きな曲なのですよね♪

曲単体も好きだったのですが、
ラストシーンとこの曲のイントロへの流れがまた素晴らしい…!

なんかもう、
感極まって泣きそうになりました(´;ω;`)笑


● まとめ
これまでのヒーローたちには深みを。
NEWヒーローで新しい風を。

そしてやっぱりヒーローかっこいいな!という満足感を。

完成度の高さを底上げする総合力は
さすがだなと思える劇場版でした♪

完全新作ストーリーですし、
タイバニが好きなら、きっと楽しめると思います^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

オイラの期待の仕方が悪かったのか?┐(´_`)┌

タイバニシリーズ最新作
ユニゾンさんが歌うEDテーマの歌詞の通りなら
「ずっと続けばいいな けど 終わりが近いづいているのもわかるよ」
とまあたぶん暫くは今作を完結編として位置づけるっぽいです


で、完結編として観ちゃうと至極中途半端です(爆)


前作『The Bigining』とは違い完全にオリジナルストーリー
冒頭に軽く入るテレビシリーズのダイジェストが親切設計
『星空サンライズ』に寄せられたファンの投稿によれば初めてタイバニに触れたお父さんでも楽しめるとのことで、初心者ウェルカム構成はgoodです
この辺はアメコミヒーロー映画をお手本としているだけあって評価すべきところだとオイラ思います
























マーベリック事件の完結後、衰えを隠しきれずも2部リーグのヒーローとして奮闘するワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹
しかし新オーナーの命令で虎徹は解雇され、海外から雇われてきた若者「ゴールデンライアン」がバーナビーの新たなパートナーとして選ばれる


ヒーローを生業とすることの決断を迫られ悩んでいたテレビシリーズまでとは違い、今作では遂に【ヒーロー=サラリーマン】であることを突きつけられ如何ともし難い理由で引退を余儀なくされた虎徹


一方凸凹コンビながらもゴールデンライアンの実力の高さも相まって活躍する新コンビ「ライアン&バーナビー」


しかしシュテルンビルトに伝わる伝説になぞらえた事件を起こす謎のNEXT能力者が現れ、彼らに圧倒されてしまい苦戦強いられるヒーローの面々
さらに犯人逮捕をこじらせるヒーロー達を見かねたダークヒーローのルナティックまでもが動き出す騒ぎ
謎に満ちたNEXT思想犯達の真の目的とは・・・?
虎徹の命運はどうなるのか・・・?
かつては復讐に生きた男バーナビー、己が信念こそが正義だとするルナティック、復讐を成し遂げんとするNEXT思想犯
3つの正義がシュテルンビルトでぶつかり合う
























まず明らかに後付けな今作のキーワード「女神伝説」が全然しっくりこない
それに敵味方共にポッと出の新キャラに美味しいところを持っていかれて翻弄されるヒーロー達ってのが情けなさ過ぎる;
ドラゴンキッドは明らかにテレビシリーズより弱い
本作のエピソードの約1/3を占める「ファイヤーエンブレムの出生」はテレビシリーズで特にその素性が語られていなかったとはいえわざわざこのタイミングでやるのには無理がある
ってか何によりオイラが期待していたのは結局のところテレビシリーズでは決着が着いていない「ウロボロス」の真相
これが一切なんも絡んでこない


『The Bigining』もあったわけですし、せめて新キャラクターや女神伝説の伏線は欲しかったですね
初心者ウェルカムは大変結構ですがシリーズを追いかけてきたファンへのサービス、もっとあっても良かったんじゃないでしょうか?
上記した主題歌が奏でる【卒業感】やさらにパワーアップしたCGのバトルシーンは素晴らしかったです
作画に関してはフルアニメーションを多用したヌルヌル感で欧米アニメを意識してるっぽくこれは好みが分かれそうな部分
楓がちょっと大きくなってたのは微笑ましいところ(笑)


良かった部分が大きいだけあって詰め込み過ぎは「映画」としてよろしくない
その辺は『モーパイ』の方が上手く出来てましたし、個人的にはさとうけいいち監督の次回作の方が楽しみですわ

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

PPN さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

がんばれ虎徹おじさん O(`・ω・´)O

2014年完全オリジナルストーリーで公開された
“TIGER&BUNNY”2作目となる劇場版作品。

面白かったアニメ本編、劇場版Beginningと視聴済。
完全新作であるこのRisingはイヤでもハードルが
上がってしまいましたw

ストーリーはアニメ本編のその後。
活躍するのは新キャラを含む他のヒーローたち。
その陰で『ヒーロー』として悩み、必死にもがく
虎徹の姿を上手に描いています。
虎徹おじさんの活躍を期待していた方には
ちょっと残念な展開かも知れませんね^^;
ただ、『見せ場はアクションだけじゃない』という
いかにもタイバニらしい演出がとても良かったと思います。

独特のアメコミ風作画は健在。
アクションシーンはさすがの一言!
迫力満点で格好良かったです(*´∀`*)♪
ブルーローズ可愛かっただす(*´∀`*)♡

それにしても、虎徹役の平田広明はハマってますねw
いつものレギュラーメンバーも好演♪
個人的にはファイヤーエンブレム役の津田健次郎が熱かったです!
中村悠一、大塚芳忠、小山力也、水樹奈々とゲスト声優も豪華。
UNISON SQUARE GARDENが今回も主題歌を担当。
しっかりと世界観に合わせた良い曲になっています♬


期待通りTIGER&BUNNYという作品の世界観が
凝縮された素晴らしい出来だと思いますヾ(≧∇≦)
「まだ視聴してない」という方には
ぜひ、この世界観を味わって頂きたいです!

正直、100分の劇場版では時間が足りませんw
TVアニメ2期希望します♪♪



《キャスト》
ワイルドタイガー/鏑木・T・虎徹(CV.平田 広明)
バーナビー・ブルックスJr.(CV.森田 成一)
ゴールデンライアン/ライアン・ゴールドスミス(CV.中村 悠一)
ブルーローズ/カリーナ・ライル(CV.寿 美菜子)
ロックバイソン/アントニオ・ロペス(CV.楠 大典)
スカイハイ/キース・グッドマン(CV.井上 剛)
ドラゴンキッド/ホァン・パオリン(CV.伊瀬 茉莉也)
折紙サイクロン/イワン・カレリン(CV.岡本 信彦)
ファイヤーエンブレム/ネイサン・シーモア(CV.津田 健次郎)
アニエス・ジュベール(CV.甲斐田 裕子)
鏑木楓(CV.日高 里菜)
ルナティック/ユーリ・ペトロフ(CV.遊佐 浩二)
マーク・シュナイダー(CV.大塚 芳忠)


《主題歌》
『harmonized finale』/UNISON SQUARE GARDEN

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

66.7 3 2014年冬(1月~3月)アニメランキング3位
アナと雪の女王(アニメ映画)

2014年3月14日
★★★★☆ 3.9 (400)
2277人が棚に入れました
運命に引き裂かれた王家の美しい姉妹、エルサとアナ──触れるものを凍らせる“秘密の力"を持つ姉エルサはその力を制御できず、真夏の王国を凍てつく冬の世界に変えてしまう。妹のアナは、逃亡した姉と王国を救うため、山男のクリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、“夏に憧れる雪だるま"のオラフと共に雪山の奥深くへと旅に出る。アナの思いは凍った世界を溶かすことができるのか? すべての鍵を握るのは、“真実の愛"…。

声優・キャラクター
イディナ・メンゼル、クリステン・ベル、ジョシュ・ギャッド、サンティノ・フォンタナ、ジョナサン・グロフ
ネタバレ

NANA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

人気が出たから好きなわけではないです。低評価の人にありがちな誤解。

2016.12.23加筆

好き嫌いは人それぞれなので個人の評価をどうこう言うつもりはないですが、アナ雪は単純なストーリーなのに意外と理解されていないと思うことがあります。
批評するなら最低限以下のことは理解しておいて欲しいです。(伝わらないから駄目と言うのも評価のうちですが)

1.姉妹愛の物語
2.主人公はアナ
3.エルサの魔法を解いたのもアナ

{netabare}レリゴーがヒットし過ぎたせいか、そこに社会的な意義を見出そうとする人が多く、女性の自立だとか、マイノリティーからの脱却とかさらにはレズビアンまでorz。考察するのは自由ですが、間違った視点に拘っていると、メインのテーマが見えなくなってしまいます。この映画は最初から最後まで『姉妹愛』がテーマです。男女の恋愛でもなく姉妹愛。単純なテーマのようで、とても深い話だと思います。ディズニーで『真実の愛』とか言っちゃうと「王子様からのキスね!」と安易に考えてしまいがちですが、この作品は既成観念を覆しました。それは姉妹だからということではなくて、愛は求めるものではなく与えるものであるというメッセージを物語中に込めたのてす。
物語の前半では、愛情に飢えたアナがそれを求め、でも大好きな姉には受け入れて貰えず(舞踏会のシーン)、代わりに会ったばかりのハンスに愛情を求めます。自分が幸せになりたかったから。(自己愛)でも、終盤のエルサが殺されそうになるシーンでは、自らの命を投げ打って彼女を助けます。(無償の愛)例え姉が自分を見てくれなくても、自分の命や幸せよりも姉を守りたかった。見返りを求めず、エルサを守ったその姿こそ真実の愛でした。魔法を解いたのは、エルサではなくアナ自身です。
あえて男女の恋愛を選ばなかったのは、普遍的なものとして愛を描くためだと思います。(恋愛と愛は似ているようで大きく異なるので、男女だとこの違いが見えにくい気はします。)
{/netabare}

4.ハンスは心を映す鏡(説)
5.オラフは姉妹の幼い頃の思い出

{netabare}アナ雪はスタッフが皆でアイデアを出し合って、そこから不要なものを削ぎ落とし出来上がった作品だそうです。物語に深みがない?私は細部までよく練られた作品だと思っています。
意味のない描写がほとんどないのです。大半の描写は姉妹の関係に繋がります。

ハンスとの恋愛も姉妹の関係に繋がる話です。アナはエルサと仲良くしたいのにそれが叶わず愛情に飢えていた。エルサの代わりに自分を愛してくれる存在を求めたのです。だからハンスとは最初から本当の愛ではなかった。
ハンスとのやり取りは一見ただのラブコメに見えますが、ハンスが鏡の役割だと考えると、アナの孤独や積年の思いが見えてきます。

オラフは姉妹の幼い頃の思い出です。そして、それを作ったエルサの思いがオラフに宿っていると考えると、オラフがアナを大好きなのも、夏に憧れているのも納得がいきます。
オラフは言います。「愛とは自分より相手のためを思うこと。」その台詞はまさにこの物語のテーマであり、彼がただの愛玩キャラクターでないことが分かります。

トロールの歌も、一見アナとクリストフの歌に見えますが、実際はアナとエルサの関係を示唆する歌になっています。(アナの表情を見ていると、トロールの言葉に真剣に聞き入っているのが分かります)

ラブコメがないわけではないですが、メインテーマではないので。ラブコメを期待していた層(若年層が多い?)は姉妹愛の結末にガッカリしたようです。
一応ラストはディズニーらしいラブコメハッピーエンドでしたが、アナ自身はまだ恋愛のことよく分かっていなさそうです。クリストフのことは好きだと思いますが、これからかな。まあ、彼が誠実な人なので、アナを大事にしてくれるでしょう。

男キャラが活躍してないと不満に思う人もいるようです。
キスしてお姫様を助けた方が格好良かったでしょうか?見せ場がないからつまらない?

でも、アナのために吹雪の中駆け付けたクリストフは勇敢だったし、抱き合う姉妹をそっと見守り心から喜んでいた姿はとても誠実に見えました。
{/netabare}



以下は2016.06.19のレビュー内容

アナ雪は人気が出過ぎた反動か、過度に拒絶反応を示す人も多く、従来のディズニーアニメではありえないほど叩かれていたと思います。
否定派の人は、歌が良いだけでストーリーがスカスカだとか、ブームに乗せられてるだけだとか、言いたい放題で自分の考えが全てみたいな論調ですが、それこそブームに踊らされてニュートラルな見方が出来なくなっているのではないでしょうか?

好みは人それぞれなので、この作品が肌に合わないと言うなら納得しますが、こんなに持ち上げられているのはおかしい、○○の方が面白いのに!という論点でのレビューは意味がないと思います。

私は、アナ雪はブームになる前にCMでエルサが歌うシーンを見て、このシーンが観たい!という思いで劇場に足を運びました。実際、そのシーンだけでも観に行く価値はあると思っています。なので、歌が大きな魅力であることは否定しませんが、それだけではありません。ストーリー含めて予想以上に良かったので、生まれて初めてリピートしてしまいました。近くの劇場で3D上映がなかったことだけが悔やまれます。

というわけで、今更のアナ雪レビューです。
書きたいことが沢山ありすぎて、上手くまとめられそうにないので箇条書きで。
尚、今更ネタバレ気にすることもない気がしますが、長いので所々ネタバレタグを付けました。



1.主人公はアナかエルサか?

レリゴーのイメージが強いのと、序盤は自分の力に苦悩するエルサに共感しやすいので勘違いされがちですが、『アナと雪の女王』なんですよね。主人公はアナの方です。

{netabare}エルサだけに感情移入してアナを見ると、何も知らないくせに!と腹が立つでしょうし、ただの自分本位な尻軽女にしか見えないかもしれません。
主人公はこうあるべき!みたいな理想が強い人ほどアナというキャラクターを受け付けないのかもしれませんが、アナの心情を理解しないと物語の真意は汲み取れないと思います。

私はわりと駄目な子の行動を追うのが好きなのですが、何故彼女が間違ってしまったのか?を考えながら物語を眺めると色々なことが見えてきたりします。すごくリアルなんですよね。(ファンタジーなのにリアルはおかしいと言われるかもしれませんが)心の動きにリアリティを感じました。もちろん、私自身同じ経験をしたわけではないので、実際にそうなのかはわかりません。でも、十二分に心に響くものがありました。

アナ雪はアナに共感出来るかどうかで評価が変わってくると思います。ストーリー自体は単純な作りなので(むしろいらないものを省けるだけ省いて重要な要素だけ残した)、入り組んだ難解なストーリーを好む人には物足りないかもしれません。
あと、歌もストーリーの一部であり、キャラクターの心情や物語の真意が隠されていたりするので、そこを見逃してしまうと肝心なものが見えなくなってしまうと思います。(日本語訳は若干誤解されやすい表現になっています)
この作品はキャラクターの心情の掘り下げと演出が素晴らしいので、物語の表面だけでなくキャラクターの心情をしっかり追って見て欲しいと思います。
{/netabare}


2.『ありのままで』の意味するところ

日本語版の歌詞がポジティブで希望に満ちたイメージを持っているせいか、マイノリティの自立とか抑圧からの解放みたいなニュアンスで解釈する人が多い気がします。確かに、あの時のエルサにはそういう思いもあると思うので決して間違いではないでしょうし、私自身もエルサの悲しみ苦しみには共感しました。
でも、

{netabare}原語の方はもっと投げ遣りな歌詞で、最後の扉の演出が示唆するように、引き篭もってしまっただけなんですよね。エルサ自身はありのままに生きる!と思っていても、結局は現実(社会)から逃げているだけ。(あくまでも物語の意図として)本当の幸せはそこにはない。エルサ自身が乗り越えていかなければならない壁なんです。
{/netabare}


3.何故アナは間違ってしまったのか

アナはディズニー主人公らしく明るく元気な性格なので、心に抱える闇の部分が分かりにくいかもしれません。

{netabare}仲の良かった姉に突然避けられ、閉ざされた城の中で13年間。両親は姉に掛かりっきりだったでしょうし、話し相手もいなかったように思います。リアルに考えたら、もっと暗く歪んだ性格になってもおかしくありません。流石にそこまで鬱々した物語にはしませんでしたが。
アナはエルサが何故自分を避けているかも知らないんです。でも、幼い頃優しかった姉のことをずっと思っていました。(この心の闇は相当深いはずです。)

そんなある日両親が不慮の事故で亡くなり(この辺はかなり端折られています)、姉と二人きり。でも、相変わらず姉は引き篭もっていて…

戴冠式の日、久しぶりに城の門が開き、アナは希望に胸を躍らせます。恋に恋する乙女にも見えますし、エルサの苦悩を知らない能天気な妹に見えるかもしれません。
この映画では所々で扉の演出が効果的に使われています。エルサが心を閉ざす演出だったり、鬱屈した日々の終わりを告げる演出だったり。そこにも注目して欲しいところ。

この時は、アナは一人ぼっちの日々が終わると信じていたんですよね。また姉と一緒に暮らせると。でも、久しぶりに姉と交わした会話で彼女の期待は打ち砕かれました。(ここも日本語訳は若干伝わりにくいです)
エルサはアナの結婚を反対しました。当然です。でも、アナから見れば、姉には避けられるし結婚には反対される、自分が孤独から抜け出す道も閉ざされてしまう。挙句の果てに出て行けと言われる。アナにはエルサが自分を拒絶する本当の理由も分かりません。アナは姉に受け入れて貰えない悲しみと失意のまま広間を飛び出します。本当は姉と一緒にいたいだけなのに。

そこに現れたのがハンスです。ハンスとのデュエットシーンや後の台詞でも分かりますが、アナは愛情に飢えていました。姉と仲良くしたいのに受け入れてもらえない。そして、戴冠式が終わればまた一人ぼっちになってしまう。そんなのは嫌だと。だからハンスに愛情を求めたのだと思います。ハンスもアナと似たような境遇の持ち主でした。互いに傷を舐め合う相手として意気投合したのだと思います。(実際はこの時点でハンスには腹積りがあったようです)

アナの選択は浅はかですが、彼女の心情を思うと同情せずにはいられません。ハンスとの結婚については作中でも散々否定的に描かれていました。(それでも期待していた人は多いようですが)
{/netabare}


4.ハンスの役割と心変わり

以前どこかのサイトで、ハンスは心を映し出す鏡としての役割があるという考察を読みました。

{netabare}デュエットシーンはまさにそれですよね。姉と仲良くしたいのに自分を見てくれない。誰かに愛されたい。寂しい二つの心は瓜二つ。ハンスの存在はアナの寂しい心そのものを映し出していました。

一方では一人のキャラクターとしてのハンスの心情が分かり辛かったというのはあります。本人の台詞から察すると、最初から王位に就きたくてアナに近付いたようです。具体策はないものの、いつかエルサから王位継承権を奪おうと機を伺うつもりだったのだと思います。
エルサが城を出た後、アナの代わりに城を守っていました。この時の彼はアナの伴侶として国を守るつもりでいたと思います。(彼にとっても利害一致しているので)人々を守ろうとする彼の姿は誠実で、家臣達も信頼のおける人物だと思ったことでしょう。
でも、エルサを確保し、凍り付きかけたアナが戻って来た時に転機が訪れました。家臣に「もしもアナ王女に何かあったらあなただけが頼りだ」と言われ、ハンスの心に悪魔が宿ります。
ハンスが王位を得るためにアナはそこまで邪魔ではなかったと思いますが、エルサがいる限りハンスの思惑通りに事を進めるのは難しそうです。エルサを殺すにしても、アナにその事実を知られるわけにはいきません。姉妹のどちらか一人を殺すよりも、二人とも死んでもらう方が確実ですし、アナが死に掛けているこの機を逃すまいと思ったのでしょう。
{/netabare}


5.オラフは良キャラか?

否定派の中でもオラフだけは良キャラだと言う人がいます。マスコット的な場を和ますためのキャラと言うこと?でも、私はもっと重要な意味を持つキャラクターだと思っています。

{netabare}オラフは幼い頃の仲良し姉妹の象徴であり、エルサの心そのものだと思います。「ぎゅっと抱き締めて!」と言ったのも、夏に憧れているのも、アナが大好きなのも、エルサ自身が作ったものだからと思うと見方が変わってきませんか?
{/netabare}


6.愛か恋か

以前、別件で考察したことがあるのですが、恋愛は自己愛に近いものだと思います。相手への欲求(相手から愛されたい)を満たすことが最大の目的になっている。それに対して、愛は与えるもの。(無償の愛)

{netabare}オラフが言うように、「愛とは自分より相手のためを思うこと。」簡単なようでいて難しいことです。
恋愛も美しいのですが、より尊いのが愛だと思っています。そして、愛というのは性別や年齢関係なく誰にでも向けられるものです。

物語の前半アナはずっと姉の愛情が欲しくて、でもそれが叶わず寂しさを埋めるためにハンスに愛情を求めます。(自己愛)でも、やっぱり城を飛び出した姉が放っておけなくて追い掛けます。山を登りながら、「言ってくれれば良かったのに。本当嫌になっちゃう。」と苦笑いします。愚痴のような台詞ですが、自分の行為が姉を追い詰めてしまったこと、そして一人でずっと苦しんでいた姉の辛さを知り、もっと早く教えてくれれば一緒に問題を解決出来たかもしれないのにという後悔の念を感じました。
人々はエルサの力を怖れますが、アナだけは違いました。怖れるものは何もない。だって姉なのだから。エルサの力になりたい、また一緒に仲良く暮らしたいという思いに突き動かされて彼女の後を追います。
でも、アナが思っていた以上に事態は深刻で、エルサの力を止めることは出来ませんでした。

傷付き城に戻ったアナはハンスにまで裏切られ、自分の考えが甘かったことを思い知らされます。彼の愛は真実の愛などではなかった。
「愛が何なのかもわからないのに。」とつぶやくアナにオラフが言います。「愛とは自分より相手のためを思うこと。」それは溶けても良いからアナのそばにいたいと言うオラフの行動であり、アナの望みを優先してハンスのところに行かせたクリストフの選択でした。
仮に、ハンスとキスしたとしてもアナは助からなかったでしょう。アナ自身の中にハンスへの愛がないのだから。

アナは死の瀬戸際で姉の危機を知り、自分の命と姉を天秤にかけます。それまで自己愛でしかなかったアナがエルサのために自分の身を捧げた、その行為こそが真実の愛であり、自らを救う結果となりました。(勘違いしている人もいるようですが、エルサの魔法を解いたのはアナ自身の行動です。)
たとえエルサが振り向いてくれなくても彼女を守りたい。エルサのことが大好きだから。その思いはとても尊く見えました。
{/netabare}


7.王子役不在

ここまでの考察で分かると思いますが、この作品は姉妹愛がテーマになっています。男女の恋愛ではありません。(ましてや同性愛とか論外)

{netabare}一応恋の話もありますが、ハンスとの恋は姉への欲求が歪んだものでした。
この作品ではアナが従来の王子のような役回りをしています。白馬に跨りエルサのところに向かうアナはまるで王子のように勇敢でした。
{/netabare}


8.クリストフは損な役回りなのか

{netabare}終盤の城のシーン、クリストフはアナのために危険を顧みず駆け付けたのに、美味しい場面は姉妹に持っていかれてしまいました。従来のディズニーアニメならここは二人のキスでハッピーエンドの場面かもしれません。でも、この物語はそれでは駄目なのでしょう。アナ自身の愛の変化(自己愛→無償の愛)がキーになっていますから。

クリストフは抱き合う姉妹を見て一瞬困ったように笑みを向けます。でも、アナのことを思うからこそ心から喜んでいたと思います。美味しいところで活躍出来なくても、彼の誠実さはしっかり描かれていますし、キャラクターの格好良さは華々しいシーンがあったかどうかだけで決まるものではないと思います。クリストフはとても勇敢で格好良かったと思います。

ラストのキスは彼にとってはご褒美でしょうか。いつものディズニーっぽさの演出(大団円)だと思います。
でも、アナはまだ恋愛についてはよく分かっていないんじゃないかと思ったりもします。好意は持っていると思いますが。ても、クリストフが誠実な人なので上手くリードしてくれることでしょう。
{/netabare}


9.トロールの歌

トロールの歌もクリストフとアナではなくて、物語的にはアナとエルサに掛かっていました。

{netabare}孤独に暮らしているのは愛されたいから、とか、怯えていると道見失う、でも愛さえあれば最高の道選べる。誰もが完璧じゃない。それを補うために必要なのが真実の愛だと。アナの表情をよく見ていると、この歌の持つ意味が分かります。
{/netabare}


10.余談

一時期のテレビでの持ち上げっぷりには流石に私もうんざりしていました。それこそ人気作に便乗して視聴率を取りたいだけ。面白くもない芸人のネタもうんざり。作品に対するリスペクトなんて一切感じられませんでした。

それはともかく、アナ雪は良くも悪くも色々な方面に影響を与えました。アニメにもアナ雪の影響は波及しています。実は私の一押しアニメの『レディジュエルペット』がアナ雪精神を踏襲しています。演出も似た部分があり(おそらく意図的)、私自身最初は嫌悪感を抱いたのですが、いつの間にかのめり込んでいました。アナ雪の愛の考え方を踏まえつつその遥か先へ行ってしまった印象です。アナ雪ではあまり描かれなかった男女の愛はもちろん、様々な形の愛がこれでもかと描かれていたので、アナ雪絶賛する自分がはまるのは当然の結果かも。是非こちらも観て欲しいです。(ステマ失礼しました)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

True Love is ...

2D字幕版で観ました。
予想外に良かったです!素晴らしい!すっごい泣いてしまったよ!
いや、泣いたっていってもアレだよ?涙がぼろぼろこぼれただけだから!!!

宣伝などでもお分かりになる通り本作ではキャラクターがよく動き、よく歌います。
走ったり、跳んだり!顔の表情だけを観ていても目が追いつきません。
非常に立体的な映像です。奥行きがあり、遠近感がはっきりと表れています。
まるで実際にアニメーションの世界の中にカメラを持っていって撮ってきたもののように思えます。

映像美で言えば短編映画を3Dで観たら声が出るくらい感動したんじゃないかなと思います。
もちろん本編も良かったのだけれどこっちもこっちで虚を突かれます。

歌はとにかくすごい!実際にミュージカルを観ているような気さえしてきます。
台詞からちょっとずつ歌に入っていく感じが上手で、台詞を言うように歌を歌い、歌うように高らかに台詞を言う。
そんな演技の良さが全面にスクリーンいっぱいに広がっています。
どうしてもこればかりは素晴らしいの一言に尽きてしまうのが歯がゆい!実際に観てほしい!

ストーリーの方もよく考えられています。骨組みがしっかりしていて文句の付けどころがありません。
安易でなく、逃げもなく、堂々たる出来でした。ラストに向かえば向かうほどそれがより実感できます。

この作品は歌がたくさん挿入されているせいか、僕は観ていて時間感覚を失いましたw
今ストーリーのどの辺だろうとか、あとどんくらいだろうなど思いつかないほどにこの世界に夢中でした。
でも決して時間が早く経つわけでもないのです。たった100分なのにすごおく引き伸ばされた時間の瓶の中にいたようでした。
それが僕は不思議でした(笑)

{netabare}

物語はとても良い出来でした。それは映像にもはっきりと見てとれました。
雪山に入ったアナとクリストフ、スヴェン、オラフの息が白くありませんでした。
町の人間たちは息が白いのです。彼らは雪山に登っても白いままです。

姉妹の決別を視覚的に、または比喩的にも示したのはエルサが川を渡ったところでした。
これが今回の物語の、非現実への「入り口」となりました。
アリスは穴へ落ちて薬を飲みました。千尋はトンネルを抜けました。漫画でのナウシカは心の中の風景をそれとしました。
今回の「入り口」は地を隔てる川でした。そこを越えると山は言わば、エルサの心の中なのです。
ここはエルサの思い通りになる世界です。
空中に階段を作ることも、雪だるまが動くことも、雪の巨人が人を襲うことが起こっても不思議ではありません。
そして正式な招待を受けることができたのは、アナ、クリストフ、スヴェン、オラフの4人です。
エルサにコミットできるのは初めからこの4人だけだったのです。
他の人たちの息が白く、彼らの息が白くなかったのはそこをはっきりとさせるためにあったと思います。

では「出口」は?
出口の無い物語ほど悲惨なものはありません。救いがないし、無意味だ。
あえて言うならば「True Love」です。

エルサがアナと別れ、山に城を築く際に求めたのは
"No right, no wrong, no rules for me, I'm free!"
「善悪なんて私にとっては意味を持たない。私は自由なんだから。」意訳ですがこういうことでした。
こどもの頃はそれをアナと遊びにも使っていた魔法がそのときでさえその制御することのできませんでした。
その力は守りたいものまで意志にそぐわず傷つけてしまいました。
そういった自責の念はなぜか城の内部から内側に向かって生えるつららにも見られました。
こうした経緯から、また「王女」でありながら民衆に恐れられ挙句の果てに「モンスター」と罵られたエルサは
自分の力が、また同時に自分の存在すらそれらに板挟みにされ分からなくなってしまいました。
しかし、それを救ったのが「True Love」でした。
ひとりの人から愛し愛され、そして支配できるようになった魔法の力は人々に笑顔を与えました。
善悪なんて関係ない?違うわよ、エルサ。あなただってみんなと同じように愛される権利を持っているの。
だからもう大丈夫。あなたは大丈夫よ。

素晴らしい愛の形です。True Loveなんて良い響きでしょう(笑)
そしてひとつの物語としても丁寧に作り上げた本作は評価に値します。


このお話はアンデルセンの『雪の女王~七つのお話からできている物語~』をモデルにしたものらしいですね。
タイトルに少し注目したいです。
本場アメリカでは『Frozen』。こちらはマクロな視点で付けられたのではないかと思います。
大地のことも言えるし、エルサにも関わっているし、包括的です。
日本では『アナと雪の女王』でした。
これはただ単に”雪の女王”という言葉を入れたかったのでしょうか。
僕はアナの1人主人公として分かりやすくはっきりとアナとエルサを対比させ、分けていたように思えます。
物語の一部の構成から、そしてタイトルに名前を出すことから
ブロンドのエルサより、赤毛でそばかすのついた活発なアナに感情移入させることが狙いでしょう。
しかし実際映画を観てみると、どちらのキャラも非常によく立っていましたし、それぞれに物語がありました。
僕はこの映画の二人の主人公で同時進行していく面白さを評価したいです。
決してアナがエルサを助けにいくという一元的で平面な構造ではなかったと僕は思います。

{/netabare}

アニメなんてのはそのほとんどが泡のようなものだと僕は思っています。
自分の体の中で何処と言うには探れなければ、元を辿ることもできないような場所から生まれては消えていく。
僕は自分の視聴形態をその連続に例えることができます。
しかし、湧き出てくる泡の中に、稀に、ほんの一部だけが形を崩さずに自分の中に残ります。
それは靴の中に入った石ころのように気持ちを落ち着かせないこともあれば、
急になにかを思い出したかのようにせわしなく僕のドアを叩くこともあります。
僕はそんなふうにして残った泡を長い時間をかけてゆっくりと眺めます。
近くから見たり、遠くから見たり、いろんな角度からも見てみる。座って見ることもあれば、立って見ることもあります。
急な呼び出しにも雑な返答はせずに落ち着いて応えます。
そうしているとだんだんと見えてくるものがあります。
不確かではあるけれど鍵を手にしたという実感が生まれます。すると泡から薄っすらと白く光る糸が見えるようになります。
僕はそれを繭から糸を引くのと似た要領で優しく優しく引いていきます。切れないように、決してほどき過ぎないように。
そうやって僕はたくさんの物語と関わっているつもりです。まだ完全にほどかれたものはないけれど。

それとは逆に本作のような巨人が山に大槍を突き刺すようなインパクトを持ち、
ファンタジーの可能性を限りないものにしてくれる、極めて単純な感動と希望のようなものを与えてくれる作品です。
音、映像など感覚的なものに結び付き焼きついた記憶は生きるための熱源の一部となり、
自分がすり減ってしまった際には少しの元気とわずかばかりの勇気を与えてくれます。

「俗的かい?酔狂かい?いいや、違うね。これはひとつの作品との極個人的な尊い繋がりなのさ。」

本作は本当に素晴らしい作品でありました。ぜひ一度観てほしいです!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

歴代史上最大ヒットするわけだ、全世界がコレを待っていた~そして古典の中に織り込む『Wヒロイン&Wヴィラン』という新たな挑戦の意欲作でもある

生まれつき雪や氷を作り出す事が出来る魔法を身に着けていたアレンデール王国の王女エルサ
しかし上手く魔法をコントロール出来なかった彼女を不憫に思った両親は彼女を人目から隠すように育ててきた
一方、好奇心旺盛で破天荒な妹のアナは幼い頃から閉ざされきっていた城の門や自分と顔も合わせようとしない姉との生活に退屈し、外の世界へ憧れを抱いていた
やがてエルサは成人し、女王となるための戴冠式の日を迎えたがアナの軽はずみな行動から言い争いになった矢先、力を抑えきれずに魔法を暴発させてしまう
秘密だった魔法を知られてパニックに陥ったエルサは王国を捨てノースマウンテンに作り上げた氷の城に引き篭もるのだが、エルサの魔法の影響で夏季であったはずのアレンデール王国全体が極寒の世界となってしまった
エルサを追い詰める原因を作ったアナは責任を感じ、姉との“仲直り”を望み独り身で旅立つ・・・


まず昨今のディズニー映画・・・というかディズニー作品とピクサー作品で作風が2極化してるようにオイラは感じてます
インパクトあるキャラクターを重視して物語自体は比較的子供向け、寓話的な構成が目立ち奥底に抱える「アニメタ魂を隠し切れないピクサー」
(あくまでオイラの主観です、『トイ・ストーリー』のようにシリーズ化してよりキャラを掘り下げに入る場合もあります)
主人公に強過ぎる個性を求めず、感応的、情緒的、ロマンティシズムある物語を重視する「あくまで映画屋なディズニー」
『ニモ』にしろ『カーズ』にしろ、キャラは立ってるけど話しはダルいんですわ、正直
今作はディズニー制作ということで例の通り後者、キャラよりお話が先に立った作品だと感じてます


アンデルセンの童話『雪の女王』をベースとしながらもカイやゲルダが主人公ではありません
独自のキャラクター、全く新しい解釈、21世紀の今日らしいストーリーの中に力強いメッセージの作品に仕上がっており、やはりディズニーというチームはこういった元ネタをアレンジしていくのが上手いんだな!と再確認


実際視聴してみるとエルサが氷の城に引き篭もった事で大寒波に襲われるアレンデール王国の様はなんか「天岩戸伝説」っぽい
ハンスに初めて会った時のアナのたどたどしい喋りと後退りは隠し事をする「トイ・ストーリーのウッディ」に見えなくもない
アナとハンスがパーティーの夜に語り合う中、船のマストの向こうに見える二人の影はどことなく「ミッシェル・オスロ監督作品」に思えたのはオイラだけ?
クライマックスはどう見ても『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』ですね!わかります!


いえいえ;
この作品をコケにしたいわけでなく、いい意味で既視感のあるお話と映像だったな、と
よくもまあこれらと『雪の女王』を結合したと、オイラはその辺り心の底から拍手を送りたいのです


歴代作品と比較すると毒々しさはかなり薄めで、そういった部分は昨年の『シュガーラッシュ』の方が風刺が効いていましたね
ディズニー作品に悪役の醸し出すオドロオドロしさや狂気染みた冒険のスリルを求める方には少しパンチが弱めな作品と言えます
伊集院光が毒舌で批評したように、ハッキリと好みは分かれます
ちなみにオイラは泣きませんでした


今作やはり一番讃えたいのは音楽、そして歌
もうホント、なんで今の今まで歌わなかったのか!?
ディズニーといえばやはりミュージカルなのです
2013年夏に主題歌が公開された時点から今作がミュージカル映画になると察していたオイラにとっては日本公開までの間そのハードルは上がる一方・・・
しかし、本編を見終えてみてオイラの想定を遥かに超越した圧倒的ネ申曲達のラッシュ!
途切れない!!歌が途切れないんですよ!!!
音楽に5.0評価あげてますが気持ち的には7.0ぐらいあげてやりたいんです!
「Let it go」だと?
今作の最大の見どころはどう考えても
「Na~na~na~heyana♪
Hahiyaha naha~♪
Naheya heya na~yanuwa~♪
Hanahe yunuwana~♪」
だろーがぁ(@д@


お話重視でキャラ立ってないというわけでもなく、今作でキャラクター性成分を補っているのがエルサに命を与えられた雪だるま、オラフ
彼の今作への貢献度は大き過ぎます
彼の存在で適度にコミカルな場面展開が計られ、鑑賞者(特に子供)を飽きさせない工夫がなされています


各所で話題になっているのが「原語で観るべきか?」「吹き替えで観るべきか?」
これに関しては甲乙付け難い、つまりどっちでもいいと思います
特に既に監督自身が賞賛している様にアナの吹き替えを担当した神田沙也加が素晴らしい
が、オイラとしては何よりも褒め称えたいのが前述したオラフを担当したピエール瀧でしょう、面白いw面白すぎるw
松たか子ももちろん悪くない
が、演技は別として歌声となるとやはり本家ブロードウェイミュージカルで活躍していたイディナ・メンゼルの足元には遠く及ばない
ってことで歌を楽しむつもりなら原語で、そこに拘らなければ吹き替えで、という選択をオススメしたいです
(まあMay.Jの“アレ”はいらんかったと思うが・・・)
ああそれと、「雪だるま作ぅろ~♪」は諸星すみれちゃんですねb
【すみれちゃんマジ天使】


ちなみに公開当初「2D吹き替え」「2D字幕」「3D字幕」という3つの選択肢しか無くなぜか「3D吹き替え」だけが後出しで約1ヶ月半ほど遅れて公開されました
よくわからんがこれが新しい商法?らしい
上映館数や1日の上映本数が東京ですら1/3になるというかなりレアな限定公開です、観れたアナタはラッキー
「3Dで観る価値は?」と聞かれたら「同時上映の『ミッキーのミニー救出大作戦』の面白さが全然違うよ」と真顔で答えます


昔ながらの“ミュージカル”に回帰しつつも、ディズニー史上初の“Wヒロイン”という新たな試みに挑んだ今作
流石、アナもエルサも両方魅力的ですb
しかし今作、これもディズニー初じゃないかと思われる“Wヴィラン”作品でもあったんですよね
そう、今作には悪役が2人おるんです
問題はこれ、試みとしては面白かったんですが正直一切何の含みも持たせていない所謂「超展開」でして・・・
昨今のディズニーは如何にもソレっぽい悪役を配することをせず、黒幕をサプライズ的に隠す傾向にあるんですが、、、やっぱ超展開は映画としてやっちゃダメよね・・・;

投稿 : 2024/06/01
♥ : 49

65.9 4 2014年冬(1月~3月)アニメランキング4位
映画 プリキュアオールスターズ NewStage3 永遠のともだち(アニメ映画)

2014年3月15日
★★★★☆ 4.0 (29)
166人が棚に入れました
プリキュアオールスターズNewStageシリーズが、遂に完結!感動のラストステージが、春休みにスクリーンに登場するよ!今まで出会った大切なおともだちがみんな集まって、今回は夢の世界へレッツゴー!なんとそこへ夢を操る妖精があらわれて、プリキュアが大ピンチ!!みんなもプリキュアを応援してね!

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

「みんなの未来を悪夢に変えようだなんて!サイアク過ぎるぅ!!」「そぉーゆぅーのは!!!ラァヴじゃないっ!!!!!」

テレビシリーズ計11作
放送開始からはちょうど10年
映画は今作で16本目
かつて野沢雅子が第1作目のときに「プリキュアを10年続くシリーズにしましょう」と言いましたが、その言葉がまさに現実のものとなったわけです
『プリキュアシリーズ』の最新にして最高の1本が遂に誕生


2012年より始まった『プリキュアオールスターズNewStageシリーズ』
今作は3部作の完結編として位置づけられており、今作単品での完成度もさることながら前2作との繋がりが非常に重要な要素であるため、前2作を観ていたほうがより楽しめます
また今作を観ると前2作を観返したくなる、そんな一作に仕上がっております




物語の舞台は「夢の世界」
子供達の夢に突如現れる、悪夢が具現化した怪物「アクム」
このアクムに襲われる子供達を救うのは、夢の世界のアクムを唯一倒せる力を持つ妖精「バク」のみ
かつてプリキュア達に支えられながら大きく成長した妖精のグレルとエンエンの友達で、幼いバクの子供「ユメタ」は怖がりでまだアクムに立ち向うことが出来ないでいた
アクムにも颯爽と立ち向かうユメタの母親「マアム」は、そんなユメタを想うがあまり、友達のいないユメタに友達を作ってやろうと子供達を夢の中に幽閉してしまう
一方の現実では、子供達が眠ったまま目を覚まさないという怪現象が多発し、キュアラブリーこと愛乃めぐみもまた目を覚ますことなく眠り続けていた
めぐみや子供達を夢の世界から取り戻すため、「ハピネスチャージプリキュア」と「ドキドキプリキュア」の面々、そしてグレルとエンエンは夢の世界に旅立つ
しかし無限に出現するアクムを使役することができるマアム、そしてマアムのホームグラウンドたる夢の世界ではプリキュア達には分が悪く、一時撤退を余儀なくされる
一同は歴代プリキュアに助けを求めることにするが、グレルとエンエンが持ってきた「プリキュアの教科書」をマアムに逆に利用されてしまい、歴代プリキュアの正体がマアムに知られてしまう
教科書に載っていないハピネスチャージプリキュアの一組を残して歴代プリキュアは各々の夢の中に閉じ込められてしまうのだった・・・




まず今作でプリキュア達の前に立ちはだかるのが「巨大な悪」ではなく【母の愛】そのものだというところが凄い
これまでのシリーズのどの敵役よりも強く、逞しく、確かな信念を持った存在が相手とあっては、さしものプリキュアオールスターズも苦戦を強いられるわけです
単純な勧善懲悪主義に走らなかったNewStageシリーズでしたが、その終着点がまさか【愛そのものと戦う】ことになるとは;
最終的にはプリキュア達やユメタの自立心が鍵となり、【親の愛VS子供の夢】というトンデモナイ構図が出来上がる
全く持って恐れ入ります


また前作でプリキュア達に支えられながら成長したグレルとエンエンが、怖がりな友達のユメタを逞しく引っ張っていったり、暖かく想いやったりする様子は前作視聴者には感涙モノ
そしてクライマックスに控える【37人目のプリキュアの登場】にはシリーズファンはもう歓喜でしょう


監督は前作に引き続き、ネ申回『スイプリ21話』を手掛けた小川孝治
プリキュアにも縁の深い監督だけあって想い入れも強く、どのキャラクターも平等に活躍させているのが分かります


作画はお約束のベテラン、青山充を作画監督に有望な若手が集結
アクションシーンは最初っから最後まで飛ばしまくり
特に初代組が肉弾戦主体、SS組が空中戦主体で戦うのにはスタッフの愛と拘りを感じるところ
拍手です
シリーズ10年の時を経て「プリキュアを観ていた世代のアニメーターが揃う」という歴史を感じる現象も嬉しいですね


初のプリキュアプロデューサーを務めたのは『アキバレンジャー』での東映出向を終えて東映アニメーションに回帰した永富大地
彼の奮闘もあり、歴代シリーズでは最高となる24名のプリキュア声優を集めることに成功
声優の数はそのまま各シリーズの見せ場の数に直結するため重要な要素です


本作の舞台は夢、つまりドリーム
こまけぇところかもしれませんがキュアドリームこと夢原のぞみがプリキュアになって追いかけ続けたもの・・・それを想うと今作の彼女の言葉には凄く重みがあります
流石は『プリキュア5』のシリーズ構成、成田良美の脚本です


音響にもシリーズ初の5.1chを起用するなど挑戦的な姿勢が素晴らしい
特に今や日本のCG業界全体が注目するというエンディングテーマに合わせた3DCGのダンスシーンでは、従来のモーションキャプチャーに加え今作で初めて新技術「フェイシャルキャプチャー」(人間の顔の動きを読み取る技術)を採用
これによって今まで踊るだけだったプリキュアが「歌」(に合わせた顔の動き)を披露することが出来たという
今後のシリーズや他作品でも活用されるかもしれません、これは要チェックです


お話、キャラクター、キャスティング、映像、技術・・・もはや全てが満点、なんも文句の付け所なんてないんじゃ・・・
と、思いきや!
一点だけどうにもならん部分が実はあるんですT_T


今作にゲスト出演した剛力彩芽が












いや、これはむしろなぜ剛力にあの役を宛がったのか?
その辺りの方が疑問です
関係者!出てこいやーっ!


ふぅ、最後になりましたが今作のラストシーンとDX3のラストシーンを比較していただくとわかる仕掛けがあったりします
こーゆー橋渡し感が『プリキュアオールスターズ』という映画のイイところだとオイラは思います


「転んでも 立ち上がり 繰り返す伝説」
まさにこの歌詞の通りです

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

キリン  さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

今年も超豪華で嬉しいな

プリキュア10周年

今回がNew Stage(以下NS)シリーズのラストと言うことですが、
最後に相応しい、豪華さで
まさにプリキュアの集大成でした。

2014年2月から放送開始となった『ハピネスチャージプリキュア』も
もちろん加わっています。

プリキュアオールスターズの映画は
DXシリーズ、NSシリーズ共に
毎年、この時期(3月中旬)に放映スタートします。

そしてTVアニメの新しいプリキュアは
毎年1~2月にスタートしますので
3月のオールスターズの映画とリンクさせる為にも
映画に登場することが決まっているプリキュアは
TVアニメ序盤で、ポンポン仲間になっていきます。

更にサプライズ的にまだ仲間のプリキュアが増えるのであれば
今度は秋のプリキュア映画に合わせて登場する流れです。

したがって、TVでまだ登場していないプリキュアが
映画で先に登場して「はっ?お前だれ?」ってなったり、
反対にTVで登場して仲間になっているにもかかわらず、
映画には登場せず「あぁ、そんなに親しくないんだ・・・・」
みたいなことにならない様にされているはずです。

で、今回は『キュアハニー』が映画のポスターに描かれているんですが
TVでは、まだ仲間になっていないんです。

「ああ、きっとこの子がキュアハニーになるんだろうな・・・」

っていう黄色い感じの子は登場していますが、
プリキュアとして変身して登場はしていません。

その状態のままオールスターズの映画が公開されてしまいました。
どうするんだろうと思っていましたが
うまいことやっていました。

詳しくはこちら↓(ネタバレ)
{netabare}ちょっと影がかかった
暗い感じ描写で(コナンの犯人まで黒くは無い)
他のプリキュアと接触せずに助っ人として登場→去る
でした。

こうなると、TVにキュアハニーは
映画公開が終わるまで、しばらく登場しない
と言うことが解かります。
それに、主人公達と友達なのに
しらない所ですでにプリキュアになっている可能性もあります。

こんなこと書いて来週『新たなプリキュア キュアハニー登場!?』
ってことになったらスンマセン・・・
{/netabare}

内容は毎度御馴染みの展開ではあるのですが
NSシリーズの総集編ということもあって
NS1 NS2 を観てた方が「あっ」ってなる要素もあります。

とにかく登場キャラの多さに毎度、驚かされるオールスターズですが
長年のプリキュアファンにとって嬉しいのが
旧作のキャラ設定がきちんとしていることですね。
ドリームの天然だけど、芯は曲がっていない所や
マリンの正義の味方とは思えない発言など
ホントになんでもない所で感動しちゃいます。

EDはいつものダンスです。
回を重ねるごとに進化するCGですが、
今回もすんげぇ圧巻されました。
全プリキュアがウネウネ動く映像は
凄いの一言です。



以下私事キュアエピソード

{netabare}昨年のNS2から
“友人の娘さん(キュア娘ちゃん)を連れて親子チケットで映画を観る”
という超必殺技を取得した私(キュアヤクザ)は
今回も堂々とプリキュア映画を楽しみました。
そんなキュア娘ちゃんも、4月から小学1年生
私の不安は、そんな彼女のプリキュア卒業宣言です。

他の友人から聞いた話で
そこの娘さんは小学1年生で
「小学生にもなってプリキュアって・・・恥ずかしい」
と言ってたそうです。
スマイルプリキュアの最終回まで観てたのに
ドキドキプリキュアでその発言ですよ。
一週間しか違わないのに、
何があったんだ!!
と思いますが、恐らく周りの友達がそんな空気なんでしょうね。
子供社会もいろいろ大変ですから。

私は現プリ友のキュア娘ちゃんが
プリキュア卒業しないように、
いろいろグッズとか買ってあげるんですが、
映画が終わるとゲーセンに行き
ポケモンとアイカツのゲームばっかりやって
プリキュアのゲームはスルーです。

不安がつのるばかりです。

お正月のとき
キュア娘ちゃんが
凧上げがしたいと言うので
ポケモンの凧を持っての公園に連れて行きました。
公園には近所の子供達がけっこういました。
今の時代は防犯の意味を兼ねて
保護者の方も子供と一緒に公園に来てる方が多いです。

早速凧を上げようと思ったら
キュア娘ちゃんは友達を見つけたらしく
走って行ってしまいました。
私も後を追って歩いて行きました。

そこには。子供6人、お母さん5人が
輪になっていました。

「あぁ~キュア娘ちゃん、明けましておめでとう」
「おめでとうございます」

と挨拶を交わしていました。
もちろん私はその人達にとっては「はじめまして」です。

当然キュア娘ちゃんのお父さんの顔も知ってるでしょうし、
何者?親戚?
という雰囲気に包まれたので
私も挨拶しようと思ったら、
先にキュア娘ちゃんが私を指差し

「この人が、大人なのにプリキュア大好きなキュアヤクザさんです」

一同「あぁ~」

私をこの上なく的確で簡潔に紹介してくれました。
その「あぁ~」の後に
「これが噂の」と言う心の声が聞こえてくるんですが・・・

私は

「あっ・・・・すみません」

しか言えませんでした。

かなり厳しいエキスパートモードの
ママ友デビューとなりました。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

にゃんちゅ(・ω・` さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

10年目の集大成オールスターズ

やっぱり全ての声優は集められなかったか…

初代~ハピネスチャージの3人まで、計36人のプリキュアが登場します。

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子供達が眠りから覚めない現象が世の中で起きていた。
めぐみも同様で、夢の世界に閉じ込められていると察知し、ひめやマナ達を夢の世界に送り出す。
マナたちは遊んでいるめぐみを発見すると同時に、ニュースで見た眠ったままの子供達を見つける。
そして、そこには夢の妖精・ユメタがいた。
事情を聞こうとするもユメタの母・マアムがその前に立ちふさがる。
かわいい息子のためを思って夢の世界での友達を作った、それを邪魔する物は許さないとプリキュア達を排除してしまう。

--------------------------------

今作品は、結構楽しめました。
歴代のプリキュア達も囚われてしまいますが、
個々の夢を再確認できて、昔から見ている人は懐かしかったのではないでしょうか。

戦いもしっかりしていて、
シリーズ問わずランダムに闘いますので、
そこも、オールスターズならではな感じです。

敵自体も、お母さんが息子の事を思い、移した行動なので、
最後はちょっぴり感動もします。

エコーの登場には心高まりました!!!

EDもとっても良かったです。

最後に、ブルーの図々しさが際立つ作品でした。
ほんと何もしないなお前は。
ちゃっかり集合写真には写るのな!w

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

65.3 5 2014年冬(1月~3月)アニメランキング5位
劇場版 世界一初恋 ~横澤隆史の場合~(アニメ映画)

2014年3月15日
★★★★☆ 3.9 (58)
491人が棚に入れました
原作:中村春菊、小説:藤崎都(角川ルビー文庫刊)、監督:今千秋、脚本:今千秋、キャラクターデザイン:菊地洋子/安田京弘、堀内賢雄、蒼月昇、堀江由衣、近藤隆、小西克幸、立花慎之介、中村悠一、岡本信彦、前野智昭、、、

声優・キャラクター
堀内賢雄、蒼月昇、堀江由衣、近藤隆、小西克幸、立花慎之介、中村悠一、岡本信彦、前野智昭

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

謎の新人声優、「蒼月昇」初のBLへ挑戦!?w

出版業界者が思わず“退く”、という出版業界を舞台にした中村春菊原作のBL作品『世界一初恋』シリーズ初の劇場版


シリーズの特徴は一つの出版社を舞台に多方面の視点で描かれる各々の恋物語がマンガ、小説など別々のメディアで展開するところです
群像劇をメディアミックス展開するシリーズってのは昨今珍しくはありませんが、ここまで同時多重に展開するのはBL作品としては唯一無二でしょう


アニメシリーズはバラバラに散った原作の視点を再びひとまとめに再構成、改めて群像劇として展開しています
が、今回の劇場版に関してはこれまで描かれなかったキャラクター、「横溝隆史」のエピソードに注力しています


























学生時代からの友人、高野政宗に片思いをしていた営業部の暴れ熊こと横溝隆史
しかし政宗に振られてしまい、自暴自棄になっているところを少年誌の編集長、桐嶋禅につかまってしまう
酒に酔いつぶれ一夜を共にした横溝は桐嶋に撮られたという“恥ずかしい写真”をネタに桐嶋に迫られる
さらに失恋を引きずったままの横溝は仕事でも大きなミスを犯し、桐嶋に借りを作ってしまったことで一人気まずくなる
しかしシングルファザーの桐嶋にとっての一人娘、日和に気に入られた横溝
自然と彼の家庭に馴染んでいくうち、失恋の傷も癒えていくかに思えた・・・かのように見えたが???


























大人の恋愛をテーマにしたBL作品です
今作に限ってはタイトルにあるような初恋でもなんでもなく“大人の恋愛”であることに集中しており、故に恋愛映画としては上手くまとまっていてシリーズファンならずとも楽しめる様に良く出来ています
主要スタッフはテレビシリーズからほとんど変更はありませんが監督の今千秋が初めて脚本も手掛けているのが気になるところ


キャストは堀内賢雄と蒼月昇の超ベテランコンビの絡みときたもんだから凄い
おおっとw蒼月昇さんは“謎の新人声優”ってことになってたっけか?www


さらに物語の鍵を握る小学生、桐嶋日和ちゃんには堀江由衣
可愛いwこの娘は反則過ぎるw可愛過ぎるw


エンドロールの後にはエピローグを含んだ書き下ろしシナリオの短編『バレンタイン編』が始まります
こちらはテレビシリーズと同じく群像劇風に4組のカップルが織り成す各々のバレンタイン模様が描かれ、原作ファンへ向けたサービスといったところに落ち着いています

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

aroe さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

個人的には満足♪

世界一初恋は、アニメを全部見てて。
原作は未読。
ちなみに腐女子ではないんで、積極的にBLが好きってわけではないのですが。

純情ロマンチカと世界一初恋をテレビで見て、思いの外楽しく見れてしまったので。
ならば!と思い、映画も見に行っちゃいましたw

世界一初恋と純情ロマンチカは、どちらも、一応メインの主人公カップルってのはいるんですが、それ以外の脇役たちもみんな男同士で恋愛してまして(笑)
複数のカップルが出てくる物語なんです。

で、どのカップルが好みかってのが一番重要。

好きなカップルの話だと、やっぱりテンション上がる。
いや、ツボでなくても、まあ見てて普通には楽しめるんですけどね。
ツボだとでかい!

で、今回の映画は、TV版では出てこなかった、新しいカップルの物語。

原作既読の方はちゃんと分かって行くのでしょうが、私は知らないので、多少バクチな気持ちで見に行ったのですが…

良かったです!

好みでした(笑)

私、基本的に、報われなかった子が報われるってエピソードが好きなのですけど。
今回は、まさにそれ。
TV版で主人公にふられちゃったキャラが、新しい恋を見つける話で。

うんうん、良かったね、と。
微笑ましく見れちゃいましたよ。


で、この作品に興味ある方なら誰もが懸念されているであろう…声の件ですが。

ワタシ的には、大丈夫!アリでしたー(笑)

まあ、堀内さんの方はTV版でも聞いてたから慣れてたし。
蒼月さんがね。
もっと高い声かと思ったら、以外にそうでもなくて、演技もナチュラルで…(って、すごい大御所の方に失礼ですね…)

いや、友達の中には、イメージ違ったー!(原作既読者)って言ってる子もいるので。
ダメな方もいるかと思うのですが。
個人的には、むしろちょっと好きだったかも…。

正直古谷さんて、元々はそんなに好みの声質ってわけでもないんですよ。
アムロにしろ、星夜にしろ、タキシード仮面様にしろ。

な・ぜ・か。

ガンダムOOの、リボンズの声がすごい好きで。
で、今回のセカコイのキャラも好きで…

え、あれ?もしかして私、蒼月さんが好きなのかーーー(゚A゚;)!?

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「俺を押し倒そうなんて100年早い」

世界一初恋〜小野寺律の場合〜のスピンオフ
律と高野が一緒に出張へ出かけた辺りの時系列です

オトナの「初恋」は、こじらせると――キケン。
ずっと好きだった親友・高野政宗に振られ
やけ酒を呷った出版社・丸川書店営業部の横澤隆史
我に返ると知らないホテルのベッドの上
しかもシャワールームから出てきた男は、
丸川書店の看板少年誌「ジャプン」のカリスマ編集長・桐嶋禅だった


~感想~
原作未読

メイン本編では特に横澤に対しては恋敵!と思うほどで
ちょっと可哀そうな立ち回りに役だったので
今作で吹っ切れるので良かったです
嫌な奴!って思う人も多いけどそこまで嫌いではなかったです


売れていても売れなくてももっと売れと言われる営業職だけど
大柄で人相が悪いとうあくの強さは
「暴れ熊」なんて言われている横澤にあっていると思う
人当たりが良いとは言えないけども。笑


桐嶋はところどころセリフでドSっぷりを発揮させてくれて
子持ちの敏腕編集長だけあって余裕を感じさせる大人のドSかな
横澤にはお似合いな人だと思います

不器用さも手伝って「営業の暴れ熊」とみんなに恐れられる横澤も
桐嶋の手にかかれば子どもみたいにあしらわれて
調子が狂うのも仕方がないのかな?桐嶋の方が1枚も2枚も上手です


逃げずに高野さんへの想いを清算し
友達として精一杯の誠意を見せる場面での
「きっとこいつ以上に気のおけない相手には二度と会えない…」
ってセリフには切なさを感じましたが
またその後に桐嶋に会ってしまうのが
グッドタイミングなのかバッドタイミングなのか…
あまりにもタイムリーに耳の痛い話をされ
ついカッとなって叫んでしまう横澤だけど
桐嶋についてちゃんと考えるきっかけになってよかったと思う


「俺ならお前をまるごと受け止めてやるよ
あいつを好きな気持ちは忘れなくていい
ちゃんと大事にとっておけ。お前は何も変わる必要ないから。」
桐嶋の最後のセリフなんて
経験豊富な器の広い大人の男でないとなかなか言えないセリフです!

心から応援できるカップルでした

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

65.1 6 2014年冬(1月~3月)アニメランキング6位
魔女っこ姉妹のヨヨとネネ(アニメ映画)

2013年12月28日
★★★★☆ 3.8 (116)
738人が棚に入れました
その時代その国には、魔法や呪いをかけたり解いたりすることを生業とする 人々がいました。その時代の魔の国。樹老長さんの森で、のろい屋を営む魔女の姉妹がいました。のろい屋では、姉のヨヨさんと妹のネネちゃんが、魔法や呪いに関する人々の悩みの依頼を日々解決していました。そんなある日、森に突然異形の大樹が生えてきました。よく見ると、大樹は見たこともない建物に絡みついています。それは、22 人が住む魔の国にはないはずの、現代的な高層マンションだったのです!さっそく調査にあたるヨヨさん。建物内で見慣れない人影を見つけて追いかけると、今度は足元に謎の魔法陣が浮かび上がり、不思議な光に包まれて……。ヨヨさんが飛ばされた先は、見知らぬ異世界。そこでヨヨさんは、孝洋と亜紀という二人の子供に出会います。孝洋たちは突然目の前に現れたヨヨさんに戸惑い、自宅へ逃げ帰りますが、孝洋の自宅で待っていたのは……何と“化物”になってしまった両親の姿でした!目の前の出来事が信じられない孝洋たち。そんな様子を見てヨヨさんは呟きます。「これは……呪い!!」異世界に迷い込んでしまったヨヨさんは、まずは孝洋たちの両親を化物に変えた魔力の元をたどることにしました。一方、魔の国に残されたネネちゃんは、魔の国と異世界で起こっていることには何か関連があるのではと考え始めました。魔の国と異世界に一体何が起こったのでしょうか!!かくして、2つの世界をまたいだヨヨさんとネネちゃんの不思議な冒険が始まるのです!!!!

声優・キャラクター
諸星すみれ、加隈亜衣、沢城みゆき、櫻井孝宏、佐々木りお、子安武人、中川翔子、長克巳、本田貴子、氷上恭子
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ほいっ!

 あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。100分くらいの子供向けの魔女っこファンタジー。
 生と死を軸として信じる心を問う作品、ってところですかね。あまり有名ではない作品のような気がしますが、もっと評価されていい作品だと思います。大人でも感動できる秀作に仕上がっていました。


もう少し子供への配慮を:{netabare}
 魔法の触媒の影響で魔の国に異変が起こる、というオープニングテーマ直後のシーンなんですけど、こんな感じで描かれていました。「触媒をまじまじと見る」→「触媒を目の前に置く」→「触媒が光る」→「会話」→「異変が起きる」
 この流れがちょっと不親切に感じました。触媒が光ったことが原因で異変が起きるんですけど、会話の当事者の誰もが触媒の光に気付かないんです。会話に気を取られたとはいえ、目の前に置いた触媒は露骨に光りますからね。何で誰も気付かないの?と違和感を感じてしまいました。

 普通こういうシーンでは、触媒を少し離れたところに置くとか全員が触媒から目をそらすカットを入れるとか、「登場人物は触媒を見ていないから、その光に気付いていませんよ」っていう説明をきっちり入れると思います。これによって「登場人物は知らないけど、視聴者は手掛かりを持ってるよ」という両者の情報ギャップが生まれます。

 この情報ギャップって、この作品に限らずかなり大事なものだと思います。視聴者は物語の概観が分かりませんから、どこを手掛かりにストーリーを追えばいいのかも分かりません。そこで、視聴者と登場人物の間に情報ギャップを生じさせることで、視聴者に「登場人物がいつそれに気付くのか?」という指針を与え、ストーリーの展開を予測させるのです。
 第一話が見終わっても、この作品は何をしたいの?なんて疑問が生まれてしまう作品は往々にしてありますが、その多くはこの「視聴者に予測させる」って視点が欠けているからなんだと思います。

 こういう情報ギャップって、ごく普通に使われているためにほとんど意識することはないと思います。例えば、名探偵コナンなら「犯人側の動きを見せる」だし、エヴァなら「ゼーレの会話を入れる」だし、戦争ものなら「敵国の動きを見せる」って感じですね。たったこれだけで「主人公たちは知らないけど、私たちは知っている」情報が生まれます。私たちが知っている情報に対して主人公がどう向かっていくのか、すなわち、どのように情報ギャップが埋まるのかっていうのがストーリーの理解に役立っているってことですね。

 で、この作品では出来てないって話ではありません。仕事の依頼人の顔が視聴者にはしばらく分からないんですけど、これも情報ギャップとして機能しています。「登場人物たちは知っているけど、私たちは知らない」っていう前掲の逆パターンで、「私たちがいつ知ることが出来るのか?」をフラグとして機能させるものです。つまり、私が言いたいのは「出来てない」ではなくて、「子供向けとしては不親切だ」って話です。
 触媒が光った後に会話のシーンがあるので、会話に気を取られて触媒を見ていなかったんだな、という理解は可能なんですけど、理解に労力を使ってしまうせいで予測が不十分になってしまいます。もちろん大人は理解した上で予測も出来ると思いますが、子供には理解するのが精いっぱいかも知れないな、とも感じました。子供に順序良く説明するって姿勢がやや欠けている気がしたってことです。子供向けの映画を作るのなら「大人が分かる」レベルではなくて、「子供にも分かりやすく」って意識の方が重要だと思います。
 これは単なる一例に過ぎませんが、信じる心が大事っていうメインテーマもちょっと分かりづらかった気がしました。
{/netabare}

話の進め方はかなり上手い:{netabare}
 上記の話っていうのは、正直言っていちゃもんレベルです。平たく言うと「触媒を目の前に置く」→「触媒が光る」の間にある「目をそらす」っていうのをもっと子供に分かりやすくしろってだけの話ですからね。大人向けの作品ならあの描き方で十分ですし、あのシーンのみをもって作品の質がどうこうって話でもありません。
 ただ、平尾隆之監督の作品を見るのはこれが初めてでしたので、こちらとしてはどんな監督なのか探ろうと細部まで目を凝らしますし、子供向け作品に必要な子供への配慮のところは優先的な確認事項になりますからね。


 じゃあ、この監督の話の作り方がヘタなのかって言うと、そんなことはありません。大きな流れも小さな流れも、話の進め方自体は非常に上手い監督だなと思いました。

 魔の国からこっちの世界に飛んで来て、「違う世界に来ちゃった!」と気付くシーンがあります。
 多くの作品では、飛んで来た直後にパノラマで別世界の景色を見せて「違う!」とやってしまう気がします。飛んで来たタイミングと気付くタイミングを一致させるのです。

 この作品ではちょっと凝ってて、「子供たちを追ってこっちの世界にやってくる」→「消火器を魔法のホウキ代わりにして追いかける」→「追いついた後に家の中で会話する」→「消火器に掛けてた魔法が解けて、部屋中に煙が充満する」→「『窓開けろ!』から外の景色を見て『違う世界に来てる!』」てな感じになっています。
 ここでの「子供たち」っていうのが主人公ではない主要人物なんですけど、主人公と主要人物の出会いのシーンと異世界に来たことに気付くシーンが、ぶつ切りにされずに綺麗につなげられています。オープニングではこれでもかとホウキで空を飛ぶシーンが描かれていますし、そこからもつながりを感じられます。
 また、このシーンからは、主人公の性格も分かりますよね。状況確認を優先する冷静沈着型ではなくて、考えるよりまず行動するタイプだったのが伝わってきます。話をスムーズにつなぐだけでなく性格付けまでしているわけですから、素直に話を作るのが上手い監督だなぁと思えました。

 小さな話の流れだけじゃなくて、大きな話の流れも上手かったですね。魔の国の死生観とこっちの世界の死生観が違うっていうのが、テーマ的にもストーリー的にも重要な要素になっているんですけど、ここも段階を踏んで綺麗に作られていました。
 主人公のヨヨが交通事故から小さな子を助けた後に、そのお母さんから感謝されるシーンがあって、このときヨヨは「なんで感謝されるのか分からない」と言っていました。こっちとしては感謝して当然の場面ですから、そんな感想を持ってしまうヨヨの方が分からない、というしこりが残ります。
 この後の魔の国のシーンで、いとも簡単に死者蘇生がなされます。そのため、「魔の国では死が重たくないんだ」という解答を得ることができて、件のしこりが解消されることになります。この後の展開は、こっちの世界での死に触れて、生に触れて、そして…って感じに流れますが、ネタバレが過ぎるのでここまでにしておきます。
 まず疑問を持たせて、次にそれを解消して、疑問が溶けているのに「この後どうなっていくの?」と感じさせるこの展開の仕方はお見事でした。
{/netabare}

山場がちょっと弱い:{netabare}
 これ100分くらいの作品なんですけど、最終局面に入ってからが40分くらいあります。感動を作るスローテンポな部分も含まれていて、それ自体は非常に良いんですけど、全体としては冗長な感じを受けました。
 子供向け作品には終盤のアクション要素って大事だと思います。子供の集中力ってそんなに長くは続かないですから、子供に気を引かせるための派手なアクションは欠かせません。大人ですら冗長な感じを受けたのなら、子供には尚のこと退屈だったかもしれません。

 で、この作品のアクションは序盤から空を飛びまくっているのもあって、結構派手で楽しいです。でも、ずっと同じ派手さではメリハリが無くなって息切れしてしまうっていうのもありますよね。しかも、終盤のアクションはビルをよじ登るっていう地味なシーンに尺が取られていますし、感動シーンはスローテンポだっていうのもあってかなり失速してしまったような気がします。

 個人的には、あのロボットにもっと活躍してもらうか、歌のシーンを入れて欲しかったです。
 ロボットの活躍はちょっと地味でしたよね。もっと街を破壊してもいいのではないでしょうか。子供向け作品とはいっても遠慮はいらないと思います。ポケモンでもドラえもんでも、人的被害の無い破壊シーンは結構派手にやってますからね。
 それか歌ですね。序盤の歌のシーンは、かわいくて楽しくてすごく良かったです。魔女っこもので序盤に歌を入れたのなら、最後の締めも歌で盛り上げちゃえばいいんじゃないの?と思いました。あれだけ楽しませられるのに序盤だけってのももったいないですからね。
{/netabare}

雑記:{netabare}
 平尾隆之監督って本作が監督デビューではなくて、「空の境界 矛盾螺旋」っていう作品を撮っているみたいですね。私は見ていないので分かりませんが、タイトルから察するに子供向け作品ではないと思います。平尾隆之監督が今後も子供向け作品を続けるかどうかは分かりませんが、小学生以下の子供をターゲットにした作品を撮るつもりなら、もっと分かりやすさを意識して欲しいかなぁなんて思います。

 なんか文句ばっかり書いているように思われるかもしれませんけど、決して文句が言いたいわけではありません。冒頭でも述べましたが、作品全体は良いものに仕上がっていますし、私は結構楽しめました。子供向け作品にはそれなりの気の使い方をすべきだっていう私の個人的な思いを述べているだけですからね。大人向け作品は相当良いものが作れそうだな、と思ったのは事実なので、次は続き物じゃない大人向け映画を見せて欲しいかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高!最高!!最高!!!老若男女問わずして、この映画の魔法にかかって存分に癒されて下さい!\(^ω^)/ホイ!(^人^)

原作はイラストレーターの「ひらりん」がCOMICリュウに連載していた漫画『のろい屋しまい』
漫画自体は割りと殺伐とした絵柄と内容なのですが、この『のろい屋シリーズ』は連載終了後も派生作品が作り続けられ、【絵本や児童文学】といった非常に多岐に渡る展開を見せており、コアな漫画ファンのみぞが知るところならぬ多くの世代から支持される作品なのです










この物語の主人公は幼い姿をしながらも絵本級大魔法使いと謳われ、底なしの魔力を持ち、33歳で世界を征服するであろうといわれる“ヨヨさん”
そしてヨヨさんが好きで好きで堪らない努力家の最優秀お手本級魔法使いの“ネネちゃん”
二人は姉妹で「かけます ときます のろい屋」をキャッチコピーに魔法や呪いが現実に存在する『魔の国』で『のろい屋』と呼ばれる職業を営んでいます


ある日のこと、魔の国に突如として高層マンションを抱え込んだ大木が姿を現し、それを調査していたヨヨさんはエレベーターに閉じ込められ、そのまま現代社会の日本、横浜へと転移させられてしまいます
ヨヨさんが現代社会で最初に出会った少年“孝洋”と幼い女の子“亜紀”の家族に起こった呪いと思われる不思議な事件を解決すべく、ヨヨさんはのろい屋として仕事を引き受けます
一方のネネちゃんはなぜ魔の国に現代社会の建造物が現れたのか?ヨヨさんが元の世界に戻る方法はあるのか?、を魔の国の側から調べていきます
二つの世界に裂かれた姉妹の絆、やがて明かされていく事件の真相のスケール感
老若男女ヒトを選ばない魅力は“いま最もジブリに近い作品”と言えるでしょう
前半は笑いが、後半は涙が止まらない、そして最後は癒される、一大エンターティメント作となっています^^b










まず魅力的な原作をあえてスルーし、本当の意味で子供も大人も関係なく楽しめるように練りこまれたオリジナルストーリーが素晴らしい
特にサムネイルを拝見していただくとわかるよう、異世界に渡ってしまったヨヨさんの体を彼女の精神年齢を具現化したような中学生ぐらいに設定したことはナイスです


また、始めは異世界の出来事に興味を示さなかったヨヨさんの心境変化の描き方
クライマックスで絶体絶命の危機に立ち向かうヨヨさんのひた向きな姿勢もアツいみどころです


ヨヨさんを心配するネネちゃんとの姉妹の絆は涙を誘う場面でありますが、この辺りは原作を読んでいるとネネちゃんがヨヨさんを溺愛するワケなんかも解って感動倍増しますよ



監督には『矛盾螺旋』『ギョ。』『桜の温度』の平尾隆之
これまでの監督の作品は画面のほとんどが一色の色で統一されていました
矛盾螺旋では小川マンションの電灯の色で“オレンジ”
桜の温度では廃屋に振る月明かりで“ブルー”といった具合です
対して今作では森林の木々一つとってもピンクやライトブルーを豊かに織り交ぜた色彩で魔の国の姿を描いているのが興味深いところ
尚且つこれが“温かみのある色”で目にドぎつい感じにはなっていないのがイイ!


音楽には『ゴッドイーター』の以降の平尾作品の常連、椎名豪
今作では電子音、クルマのエンジン音、時計の音など効果音を楽曲の中に組み込む実験的な挑戦をしつつ
ディズニーよろしくミュージカル風に歌い出すヨヨさんが楽しげに歌う挿入歌から
そして物語後半を盛り上げる厚みのあるオーケストラやスピリチュアル風のコーラスまで
いや、盛り上げるというよりかヨヨさんの悲しみや憤りのスケール感を演出するのに一役買ってるんですよね、凄いんですよ
よく聞けば挿入歌こそが今作のメインテーマであり、BGMのほぼ全てのメロディラインが挿入歌に集約されてることに気付きます


キャストの熱演も素晴らしく、みゆきち、しょこたん、本田貴子さんは言うに及ばず、特にヨヨさん役の諸星すみれちゃんが目(耳)を引きます
この近年成長が著しい“天才”の起用は実にナイスセンスでしたb
2013年はシュガーラッシュといいコレといい、個人的にはすみれちゃんイヤーでしたわぁ・・・


兎にも角にもこの作品の全部を諸手を挙げて絶賛したいんです!\(^ω^)/
監督も大人向けに作ったつもりは無かったというものの、“アニメの面白さ”や“魔法への憧れ”といった原初的体験を思い起こさせる今作は、それらを忘れてしまったオトナの心にも響くんだと感じましたよ!
2013年における【ベスト映画】でした!間違いねー!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 40

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

かけます! ときます! のろい屋しまい!

この作品の原作は未読ですが、完全オリジナルストーリーだったみたいですね。
すみれちゃん、くまちゃん、みゆきちが出演されているのを知り、視聴が楽しみになった作品です。


その時代その国には…
魔法や呪いをかけたり解いたりすることを
生業とする人々がいました。

その時代の魔の国。
樹老長さんの森で、のろい屋を営む魔女の姉妹がいました。

のろい屋では、姉のヨヨさんと妹のネネちゃんが、
魔法や呪いに関する人々の悩みの依頼を
日々解決していました。

そんなある日、森に突然異形の大樹が生えてきました。
よく見ると、大樹は見たこともない建物に絡みついています…
それは、2人が住む魔の国にはないはずの、
現代的な高層マンションだったのです!

早速調査にあたるヨヨさん。
建物内で見慣れない人影を見つけて追いかけると、
今度は足元に謎の魔法陣が浮かび上がり、
不思議な光に包まれて…。

ヨヨさんが飛ばされた先は、見知らぬ異世界。
そこでヨヨさんは、孝洋と亜紀という二人の子供に出会います。
孝洋たちは突然目の前に現れたヨヨさんに戸惑い、
自宅に逃げ帰りますが、孝洋の自宅で待っていたのは…
何と"化物"になってしまった両親の姿でした。
目の前の出来事が信じられない孝洋たち。
そんな様子を見てヨヨさんは呟きます。
「これは……呪い!?」

異世界に迷い込んでしまったヨヨさんは、
まずは孝洋たちの両親を化物に変えた魔力の元をたどることにしました。
一方、魔の国に残されたネネちゃんは、魔の国と異世界で
起こっていることには何か関連があるのではと考え始めました。
魔の国と異世界に一体何が起こったのでしょうか!?
かくして、2つの世界をまたいだヨヨさんとネネちゃんの
不思議な冒険が始まるのです!!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

少しボリュームのあるSTORYですが、この作品のポイントを的確にとらえていると思います。
主人公のネネちゃんは、元気いっぱいの女の子…すみれちゃんの声質も生き生きとしたキャラに彩りを与えています。。
何でも絵本級の大魔法使いなんだとか…

くまちゃん演じる妹のネネちゃんは、最優秀お手本級魔法使い…
姉のヨヨは無尽蔵な魔力の持ち主ですが、ネネちゃんは生まれつき魔力は多くありませんでした。
でも、努力家で魔法中学校を首席で卒業する頑張り屋さんなんです。

ネネとヨヨはとっても仲良しで、お互い思い合っているのが手に取るように分かるところも心地よかったですし高評価です。

ヨヨが飛ばされた異世界は、現代の日本みたいな感じ…
だから魔の国とは見た目からして大きく違うのですが、違いは見た目だけじゃなかったんです。
それは魔法使いの根幹にも関わる禁則事項…

全年齢対象の骨太ファンタジーなので、勧善懲悪的な展開は微塵もありません。
そう、最初は良かれと思って…それが人の役に立つから…幸せをおすそ分けしたいから…
きっとこれ以上の純粋な気持ちなんて無いくらいの場所がスタート地点なんです。
だけど、際限無い人間強欲が純粋な気持ちを汚していくんです。
そしてそれは気持ちから形へと姿を変え、きっちり本人に還元される…
所謂、この世の理というヤツでしょうか。
でもそれを不条理だと感じる人間を守るため全力で抗うのがヨヨさん…なんですよね。

一方、ヨヨだって万能ではありません。
それが在り方から異なる異世界ならなおのこと…
だからヨヨにとって今回の冒険は、貴重な体験になったことと思います。
命の尊さ…温かな心遣い…自分より他人を優先する心…
どれも魔の国じゃ体験できなかったことなのではないでしょうか。

アニメーション制作はufotableさん…
作画もしっかりうごいていましたし、本作品でも良い仕事してくれていますよ。

上映時間約100分程度の物語でした。
掛け値なしに面白い作品だと思います。
あにこれでの人気は決して高くはありませんが、もう少し評価されても良い作品なんじゃないかと思いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

64.8 7 2014年冬(1月~3月)アニメランキング7位
劇場版 薄桜鬼 第二章 士魂蒼穹(アニメ映画)

2014年3月8日
★★★★☆ 3.9 (54)
420人が棚に入れました
ゲームやテレビアニメ、OVA、舞台などさまざまなメディアで展開し、女性ユーザーから支持を集める人気作品「薄桜鬼」を、新たな書き下ろしストーリーで描く劇場版2部作の第2章。鳥羽伏見の戦いから撤退し、甲陽鎮撫隊として甲府に赴いた新選組。しかし、その方針に従えず、隊を離れていく者も現れはじめる。苦しい状況の中でも戦い続ける新選組と、彼らと共に生きることを選んだ雪村千鶴だったが、そんな千鶴に対し、土方もある決意を固める。

声優・キャラクター
桑島法子、三木眞一郎、森久保祥太郎、鳥海浩輔、吉野裕行、遊佐浩二、津田健次郎
ネタバレ

にゃろろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

生き急ぐ様はまるで、桜のようだ

乙女ゲーム原作の新選組物語
劇場版二部作、第二章「士魂蒼穹」


予想以上に楽しめました(*^^*)

第一章「京都乱舞」がちょっと期待ハズレだったので
個人的には上手く巻き返してくれたなぁと思います。

*原作プレイ済み
*薄桜鬼愛してます
こんな私なので評価は甘いかもしれません。
ご了承下さいましです。




物語の基盤は、2期「碧血録」と同じ流れです。


序盤は2期の印象強いシーンを
切り取って繋げたような感覚でした。


{netabare}
始まって早々戦シーン。
いきなり1話分まるまる吹っ飛ばしてきたので
なかなかアグレッシブな出だしだなぁと思いました(笑)

新選組が「甲陽鎮撫隊」として戦う「甲州勝沼の戦い」
時代の流れというものを思い知らされます。

「終わっちまったんだよ、気合で戦ができる時代は」

そして新選組も変わっていきます。
この戦は何度見ても悲しいですね。
{/netabare}

{netabare}
碧血録でも最も印象的だったシーン「近藤さんとの別れ」

「俺は何の為に、ここまでやって来たんだろうな
 なんで近藤さんを置き去りにして、てめぇだけが助かってるんだ
 絶対見捨てちゃなんねぇ相手を見捨てて…
 てめぇだけが生き残って!」

土方さんの背中、とても切なかった。
台詞が短くなっていますが、この時の三木さんの声が大好きです。
{/netabare}



このまま碧血録のリメイク版で進むかと思いきや
中盤以降、話の流れはガラッと変わります。


{netabare}
中盤早々、土方と千鶴はいきなり離れ離れに。
別れるの早くない!?と思ったら…

まさかの風間ルート?(笑)
風間が超絶イケメンです。
風間好きにはたまらないと思います(*´ω`*)
土方好きには物足りないと思います(´-ω-。` )

「行くな。お前はもう、苦しまなくていい」

あんなに風間が格好良いのに
それでも土方ラブな千鶴ちゃん。

私なら絶対風間になびきます(笑)
それくらい本当に格好良かったんですよ。
{/netabare}

{netabare}
そしてこちらもオリジナル。
斎藤が羅刹になります。

平助「どうやら寿命みたいだ
   どうにも、傷が塞がらないや…
   少しは役に立てたかな、俺…」

沖田「こんなことで倒れるわけにはいかない
   土方さんにひとこと言わないと、気が収まらないからね…」

そう言い残し、灰となってしまった二人を見届ける斎藤。
(斎藤さん、物凄く辛そうだった…)

そして変若水を飲み
一人で狂うように戦う姿が
忘れられません。

斎藤「新選組三番組組長、斎藤一
   これより先一歩たりとも、通す訳にはいかぬ!」

最期まで武士を貫き通した皆さん、とても格好良かったです。
{/netabare}

{netabare}
そうそう、1番びっくりしたのが
3期「黎明録」の主人公、井吹龍之介が登場したこと。

やっぱり好きじゃないなぁこのキャラ(笑)
と思いながらも、なんだか嬉しかったです(笑)
{/netabare}



終盤は、ほぼ碧血録と同じ流れでした。
何回見ても涙ぐんでしまいます。


{netabare}
ただ、エンディングがTVアニメと異なります。

土方VS風間の後、なんと土方さん生きてる!(ちなみに風間も)
ちょっと救われた気がしますね(笑)

そして、新選組の皆の隊服着た後ろ姿シーン
土方さんが生きているので、ちょっとオリジナルになっていて
不覚にも泣きそうになりました(笑)


「悪りぃが、まだそっちには行けねぇ
 こいつと二人で生きて、見届けてからな」
{/netabare}



綺麗な背景
迫力のある戦闘
碧血録での印象的なシーン
劇場版でのオリジナルシーン
個人的には十分楽しめました。

ただ、TVアニメ全シリーズ見た人向けだと思います。


主題歌はおなじみ吉岡亜衣加さん
しっかりと余韻に浸れる、良い曲でした(*´∨`*)ノ"

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

戊辰戦争をロードムービーとして再構築したアイデアには拍手

完全新規書き起しによる薄桜鬼シリーズの劇場版第2弾です
前作でTVアニメシリーズ第1期(第1話~第12話)に相当する部分を映画化しきったため、今作は所謂『碧血録』と呼ばれる第2期を映画化しております
実際は前作から少し時間を空けて第14話辺り(慶応4年、甲州勝沼の戦い)からの内容になる上に、前作のダイジェスト等も一切無いためシリーズ全容、もしくは史実を把握していないと入り込むのが難しいと思われます


前作同様、史実やTVシリーズからの改変が多くみられます
・宇都宮城の戦いをカット、TVシリーズでは土方に同行していた千鶴を江戸に残す形で二人が一度決別する
・江戸に残された千鶴を導くカタチで彰義隊入隊後の原田が千鶴と会う場面がある
・江戸に残された千鶴が土方を追いかけて北上していく、というロードムービー的な構成になったため千鶴の案内役に風間千景が付き、彼の役割がかなり大きくなっている
・千鶴の幼少期のエピソードを大幅カット、雪村本家の顛末は主に風間千景のセリフの中で説明される
・沖田と南雲の因縁に決着
・斉藤一が会津藩士から反発を受け孤立するエピソードをカット
・史実上の重要人物であるはずの大鳥圭介、榎本武揚が一切登場せず
・山崎烝の登場が皆無
・ゲスト的な扱いで『黎明録』から井吹龍之介が登場
龍之介の登場でハッキリしましたが『無印』~『碧血録』まででシリーズは一先ず完結したとみなされ、世界観をリセットして始まった『黎明録』を引き継ぐ形となったのが今回の『劇場版』ではないでしょうか


さて、前作は強引に所謂「土方ルート」へ押し込められていくカタチでストーリーが進んでいきましたが、今作では終始して「土方×千鶴」の恋愛ストーリーとして構成されており映画としての完成度はさらに高まったと思います


とはいっても沖田、原田、藤堂、斉藤といった脇を固める人物達にも少しづつ見せ場もあります
特に風間千景に関しては単なる敵役に終わらず、改めて「鬼」サイドの主役として描かれています


これはつまりゲーム版でいうところの「風間ルート」を統合した結果といえます
結末も波紋を呼んだTVシリーズ最終回よりもゲーム寄りになってました
この辺は少し好き好み分かれそうですが、シリーズのファン(特に土方ルートに思い入れのある方)には支持されそうなストーリーだと思います


しかしながら未だに生死が曖昧になったままのキャラクターもおり、土方と風間以外のキャラクターの大筋に変化はありませんでした
サイドストーリーのカットはともかく、オイラは本作のロードムービー構成には成功だと感じつつも、結末自体はTVシリーズの方が好きですねー


結局のところ消化不良感は拭えてないのですが、90分弱で戊辰戦争を描ききったことは賞賛すべき点でしょう
昨今2時間を超える上映時間を費やしておきながらgdgdになっている総集編が多々ある現状は、是非今作を見習っていただきたいところです


最大の見どころは「風間VS南雲」と「土方VS風間」の殺陣
TVシリーズのOPや黎明録最終回を手掛けたあの大張正巳が参加し、近年でも随一の迫力ある殺陣となっており、これだけでも十分価値のある映画だったのではないでしょうか

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12
ネタバレ

koaki さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

新しい

劇場版2章ですが、TV版2期とは随分と話が違ってます。
鳥羽伏見の戦いの後半から始まって、甲府からの撤退と
話が駆け足で進むので、TV版もしくは史実を理解してないと
きびしいかもしれません。
大幅にカットされてるシーンがかなりあるのはしかたないとして
内容が途中からゲームでいうところの風間ルートになるかと
思ったりもしましたが、タイトル上、それは出来ないですよね。

TV版では、総司の死に様が凄まじかったのですが
総司だけでなく、山南さんや平助の死もTVとは違います。
そして山崎烝は姿を見せず・・・期待してたのにぃ~

それでも風間の鬼としての生き様がうまく描かれていて
ある意味、新選組の誠を貫く生き方と共通するものを感じました。
だから最後はあれでよかったんだと思います。

個人的に泣けたのが、一瞬のシーンではあったけど
{netabare}風間と合流した不知火が、左之さんの槍を持っていた事。
左之さんと不知火のエピソードは回想として
少ししか出なかったけど、不知火は好きになった人間を
二人も亡くしてしまったんだなぁ~と思ったら泣けました。
TV版での「人間は弱っちいから、すぐに死んじまう」って
台詞が脳内再生されましたよ。{/netabare}

土方ルートが好きな人は楽しめるでしょう。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

64.3 8 2014年冬(1月~3月)アニメランキング8位
アルモニ(アニメ映画)

2014年3月1日
★★★★☆ 3.7 (221)
1106人が棚に入れました
人は皆、それぞれ自分の世界を持っている。34人の生徒がざわめくこの2年1組の教室の中にだって、沢山の世界がある。吉田や渡辺なんかと一緒に昨晩のアニメについて熱く語れるのが、僕---本城彰男の世界。楽しいし、居心地だっていい。……でも、本当はいつも考えている。教室の向こう側で華やかな友人に囲まれて笑っている、真境名樹里の世界のことを。ある日、僕は彼女の世界に触れることになる。言うほど単純なことではないんだけれど。

声優・キャラクター
松岡禎丞、上田麗奈、沼倉愛美、大地葉、松本健太、岩崎了、古川慎
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

隠されたハッピーエンド!

 初見でした。25分ほど作品です。
 ジャンルは、恋愛ものとは言い切れないように思います。正しくニュアンスを伝えられるとすれば、高校生の男の子と女の子の出会いに着目した作品、ということになるでしょう。最終的には恋愛ものでいいんですけどね。
 絶対音感(ぽいもの)を持った主人公が、ヒロインのオリジナル携帯着信音を聞いたことに端を発する物語。大雑把ですが、あらすじはそんな感じです。

 人間関係の描き方がとても上手いという印象を持ちました。人物を描写するのに、セリフや表情だけでなく、トラブルを用いていました。大きなトラブルに目が行きがちですが、25分という短い時間の中で、これでもかというほど小さなトラブルを見せています。この小さなトラブルの発生原因とその解決方法への振る舞いを描くことで、その人物の人となりや立ち位置などを伝えていました。この作品で描かれる教室内の人間模様は、異常なほどまでにリアルに感じられます。おそらくこれは、このトラブルの描写による効果であると思われます。トラブルがたくさん描かれるせいで、胸がチリチリ焼けるというか、そわそわするというか、そういう印象が積み重なっていきます。
 通常のアニメよりも狭く描かれる教室も、現実感や圧迫感を上手く演出していたと思います。

 結論としてはかなり面白かったです。あからさまなハッピーエンドではないんですけどね。あまり悪い点というのが浮かびませんでした。ショートストーリーということもあって、「もう終わり!?」という感じも確かにありましたが、その辺は理由があるので、考察で補足します。


対象年齢:
 思春期以上ならどなたでも。オススメするので、ぜひご覧になってください。


アルモニとは?:{netabare}
 アルモニというのは、フランス語のハーモニーのことです。フランス語ではHの発音がありませんからね。
 ということで、まずはこの作品の何がハーモニーだったのか、から考えていきます。

 作品内で最初に語られているのは、ホンジョウの友人が語る「共通の世界を持つこと」ですね。これが人間関係を進展させるのだと説明されています。そして、ホンジョウとジュリが夢の世界という共通の世界を持ったことで、二人の人間関係が進展していきます。このハーモニーが表面上のストーリーと紐付いています。

 ですが、これ以上に重要なハーモニーがあります。現実の世界と夢の世界のハーモニーです。

 夢の世界の女の子は、「ロボット、人形みたいな女の子」と表現されていました。これは当然ジュリのことです。眼鏡っ子が「高校デビュー頑張ったみたいだけど」と言っていましたからね。本心で語る人を人間とすれば、本心を隠しているジュリは人形ということになります。作中でも、ジュリの笑顔は張り付いた感じで表現されています。
 ジュリ自身も一番好きな夢のシーンについて、女の子が洋服をたくし上げて、機械の身体を見せているところだと言っています。ジュリは、本心を出して否定されてきた過去があり、高校生活では本心を隠している。つまり、本心を出したいという願望が根源にあるとみて間違いないのでしょう。そのためか、ホンジョウに理解を得られたと分かったときには、ものすごいハイテンションになっていました。

 夢の世界の男の子は、もちろんホンジョウです。男の子は、暗く狭い部屋に居て、そこに光が射し、女の子と出会う前に塔の屋上へと上がっていきました。この描写は、ホンジョウが教室内での居場所に乏しく、ジュリの着信音を聞き、学校の最上階へ上っている描写と一致しています。

 人物描写からもシーン描写からも、夢と現実は確かにハーモニーを奏でていました。面白いのは、現実世界ではボーイミーツガールのストーリーですが、夢の世界ではガールミーツボーイになっているというところですかね。
{/netabare}

エンディングその後:{netabare}
 中途半端なところで終わっているようにも見えますが、この作品はきちんと完結しています。なぜなら、現実の世界と夢の世界がハーモニーを奏でているからですね。
 以下では、具体的なハーモニーの内容を確認してみます。上が夢の世界で下が現実の世界です。

①暗く狭い部屋にいた男の子に、光が射す
→教室内に居場所が乏しいホンジョウに、ジュリの着信音が聞こえる

②他人の流れに沿って歩いていた女の子が、列を外れて駆け出す
→友達に合わせていたジュリが、独自の行動を取り始める

③男の子と女の子が、塔の屋上で出会う
→ホンジョウとジュリが、学校の最上階で出会う

④女の子が黒服の手によって男の子と引き裂かれそうになり、男の子の手から赤いビンが落ちる
→ジュリが彼氏()の手によってホンジョウと引き裂かれそうになり、ホンジョウの手から絵が叩き落される

⑤女の子が男の子の手を取って、駆け出す
→?

⑥塔の屋上で、男の子が叩く三色のビンに合わせて女の子が踊り、女の子が三色のコードを見せる
→?

 ①~④までの描写は夢の世界と現実の世界がピッタリ一致しているのが分かると思います。ですが、現実世界で描かれたのは、⑤の途中まで、すなわち、女の子が男の子の手を取るところまでです。ここに該当するのが「私と一緒」というジュリのセリフです。
 ⑥の機械の身体を見せることというのは、本心を明かすことに相当しますが、「私と一緒」というセリフはあくまでも共感であって、本心を明かしているわけではありません。男の子と女の子が互いに手を伸ばす描写が、ホンジョウとジュリの互いを思い合う行動になっているのだと思います。したがって、現実の世界で描かれたのは、⑤の途中までだということになります。

 ⑤の「駆け出す」以降は、作中で描かれていないわけですが、夢の世界と現実の世界が強くリンクしていることを見せているからこそ、同様のことが現実の世界でも起こるだろうと考えられるのです。具体的には、「ホンジョウとジュリが二人で学校の最上階に上がり、ホンジョウの弾くピアノに合わせてジュリが歌い、ジュリが本心を語る」といったところだと思います。ジュリが踊るということは、さすがにないでしょうからね。
 描かれたハーモニーと描かれなかったハーモニーがある。でも、ハーモニーを奏でているのだから、現実の世界も夢の世界と同じようにハッピーエンドに至るんだ、ってことですね。「ハッピーエンドではない」のではなくて、「ハッピーエンドが隠されている」のです。


 この作品では、ハーモニーが「人間関係」と「夢の世界と現実の世界」という重層の構成になっており、また、描かれたハーモニーに対して描かれなかったハーモニーという構成にもなっています。25分の短編ながら、内容の詰まった非常にいい作品だったと思います。まさにアルモニというタイトルに相応しい作品でした。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

アルモニ、エルメス、アマグリ

学校の生徒たちの空気感がリアル(なのかな?)でハラハラでした。
繋がると思えなかった縁が繋がる、というのは面白いですね。
さえない男友達のヨシッ!がヨシッ!でした。

勘違いが恋に発展したとして、誤解させたままでいいのかな。誤解がほどける時がドラマティックなのかもしれない。
あるいは誤解だったとしても、彼がまず彼女の歌を素敵だとこっそり思っていたって、その眼差しが、大事なのかもしれないですね。彼女は友達にもあまり心を開いている様子ではなかったし。
自分の夢中になっていた世界に魅力を見出してくれた、ということが有難く重要で、あんなに堰をきったような態度になったのでしょうか。わかってくれる人がいる。
また、 {netabare}聴くことで同じような夢をみられた、 {/netabare}それで充分、誤解でもなく本当に繋がりあえたってことなのかもしれないし。
打ち明けられる相手に出逢えたのだから、これから先は過去に縛られず、彼女自身が本当に心惹かれる世界を楽しめたらいいのかもしれない。案外わかってくれる人が増えて彼と疎遠になったりして^^;

彼がオタクな友達たちと仲間うちでだけ共有できる楽しみを持っていたってことが、効いてますね。
コレが無くて、絶対音感だけ携えて登場した主人公だったら、もっとキザな話になっていた気がします。誰にでも自分の世界がある(オタクでなくても)。
そこに触れ合えるかというラブストーリーでした。
彼はどうして彼女が気になっていたのかな?高校デビュー前の夢見がちな匂いを感じ取っていたんでしょうか。



お母さんがいろんな人連れてくるって…そのへんを心配すると、女の子の夢の真偽よりも、お母さんの処置がどうなんだと…気にしすぎか

なんだこの煮え切らない感じ。


ある日娘が彼氏を紹介するとして
{netabare}「お母さん!私の夢の中での話を知っている人に出逢えたの!もう一人じゃないの!!」ってきたらば

さあ お母さん、どうするんだ。

・「まぁ…この子にも、心を打ち解けられる相手が出来たなんて。この子、現実離れした事ばかり言っているでしょう…至らない子ですが、よろしくお願いしますね。」

・「夢を共有…?ちょっと座ってください。本当にあなたも同じ夢を見られたのか、その相違点をきちんと検証させてください。」

・「この子の特殊性は、今にして思えば才能です。あなたのご好意はありがたいのですけれど、無理に同調はしていただかなくとも構いませんのよ。」

・「趣味は?アニメ、あー、なるほどねー。そんな年頃だよね。(この子らしい子を選んできたわね)」

それとももしも、ジュリがお母さんをそこまで信頼しなくなっていたら、「夢を共有しているのは二人の秘密ね?」ってコトになるのかしら。


彼が催眠学習的に夢を見られたのだから、彼女のほうも始まりはそういった断片や刷り込みが繋がったものだったのかもしれない。 {/netabare}


まことにまことに邪道ながら夢判断
(参照http://www.geocities.jp/dreamusic7/)

{netabare}機械、ロボット
「繊細な感情レベルや心と身体と精神の相互のふれあいを欠いている。鍵のかかった思考力。無感動。自分が出来ないことを代わりにやってくれる存在。現在の自分の非力や社会的存在感が希薄な状況。」

「心理的確立。精神的到達。霊的精神力。権威。力。明瞭さ。見通し。理想や目標。攻撃性。孤立。自己防衛。」
葬列
「今までの複雑な人間関係から解放されて本来の自分の姿に帰りたい願望。」
孤独、集団の中で自分だけが独り取り残される
「他の誰かが自分を捨てたいと思っているのではないかという不安。」
水の入った美しい瓶「輝く未来。」 {/netabare}


アルモニ〜。フランス人はハヒフヘホの発音ができないので、ヘルメスはエルメスになるようで、知り合いがフランス人の料理教室に通ったとき「アマグリがない!アマグリを買ってこい」と言われ、右往左往で甘栗を買ってくると「これはっ、アマグリじゃ、ナーイ!!」と激怒したそうな。
そう、彼が求めたのはハマグリでした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 41

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

これは面白いっ!

アニメミライ2011~2014のレビューまだ全然書けてないけど、他のレビューは後回しにして、とりあえず今はこの感動を伝えたい!
ということで、一押しの作品です。

軒並み高クオリティだったアニメミライ2014でしたがその中でも本作は頭一つ抜け出た、話の独創性と面白さを持っています。(好みの問題かもしれないけど)
観る前は、アルモニっていう良く分からないタイトルと、ぼけ~っとした女子の表情から、シュールなギャグアニメなのかな?と思っていました。が、やっぱり全然違いました(笑)

【あらすじ】
とある学校の、どこにでもありそうな教室の風景。
ちょっとイケイケな人たちや、じめっとしたオタクっぽい人たち、あとその他大勢。
普段通り友人とアニメのネタをくっちゃべっている「本城」(主人公)の目に映るのは、華やかな友人に囲まれて笑う「真境名樹里」の姿。本城は、一曲の歌の世界を通じて彼女の意外な一面・過去を知ることになる。




以下感想↓

根暗でオタクな男子生徒の目線からみた学園の人間模様、その陰鬱さを描く作品も増えてきていますが、人物の極端な描き方に納得できず「なんだかなー」と、少し嫌気を感じていました。
こういうのって他の素材と違って身近なものだったから、やっぱり丁寧に描いて欲しい。過去にそんな男子生徒だった一人としては。ヒエラルキーだったり中二病だったりと、作品ごとに強調されるものが違いますが、比較的シリアスな作風が多く、その割には中途半端で粗が目立つものが多い気がします。本作も、そういうテーマを扱った作品なのかなぁーと思って最初みてたんで全然期待はしていませんでした。

しかし見進めていくうちに、一曲の歌の世界を共有し合う男女の不思議な関係性がテーマなのだと気がつき、そのファンタジー要素が強いおかげで嫌味がなく、なんだかふわっとした気持ちになれました。
でもそう言うと、登場人物の頭の中にお花が咲いている感じの話を想像してしまいがちですが、下手にシリアスぶったものよりも生徒同士の会話がリアルです。人間観察がきちんとなされている。主人公が友人たちとする会話には笑ってしまうこともしばしば。良い意味でオタクの特徴を押さえています。場面一つ一つに「ありそうな光景」が広がっている。
夢の描写も、幻想的な美しい空間の中に不安や恐怖を感じさせる部分なんかもあったりして何とも言えない雰囲気が出ている。現実と向き合うドラマでありながらも、幻想的な世界を見せつける。その往復というか、絶妙なバランスが個人的にはツボ。

カメラワークで魅せる演出も多く、見所がたくさんあった。
特に、絵の束を床に落とすシーンとラストシーンがお気に入り。
ラストシーンの「引いて、一旦止めて、また引く」というカメラワークで主人公の感情を表現する演出は見事で、感動を覚えた。あのシーンの良さをぜひとも観て感じ取って欲しい。


1つの曲から想起させる物語というのはやっぱり刺激的で面白い。
(あれ、もしかしたら物語が先にあるのかな?)
アニメ化された(される)ものではブラックロックシューターやカゲロウデイズが思い浮かびますが、本作のサウンドプロデュースにボカロPで有名なトラボルタさんが参加していることからも、そういった流れを汲んでいるんじゃないかと思います。いろんなところからインスピレーション引っ張ってくる作品がアニメミライの企画にはたくさんあって、作品の出来不出来関係なく観ていて飽きません。

今回、原作・脚本・監督を務めたのは吉浦康裕さん。
彼自身まだまだお若いのに第一線で活躍されていて、本作では新人さんたちの指導も引き受けるなんて・・・すごいですね。そんな彼の姿が、今の若手アニメーターのモチベーションに貢献してるんだなぁ~なんて想像すると、ますます応援したくなります^^
購入したBDに付いてきたポストカード裏のメッセージには「おもしろかった」「楽しかった」という言葉が他の作品の中でもひときわ目立っていた。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

64.1 9 2014年冬(1月~3月)アニメランキング9位
映画ドラえもん 新・のび太の大魔境~ペコと5人の探検隊~(アニメ映画)

2014年3月1日
★★★★☆ 3.9 (20)
120人が棚に入れました
テレビアニメ第2作2期声優陣としては第9作目で、1982年3月13日に公開された『ドラえもん のび太の大魔境』のリメイク。藤子・F・不二雄生誕80周年記念作品となっている。

声優・キャラクター
水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、千秋、COWCOW、小栗旬、夏目三久

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

【リスペクト】は大いに感じたが【サプライズ】は全くの皆無でした

34年の歴史を持つ映画ドラえもんシリーズ最新作
昨年の『ひみつ道具博物館』は個人的に歴代最高傑作でした
故に今作への期待のハードルはオイラの中では少し上がっておりました


監督は生粋のドラえもん生え抜き演出家で今作が初監督となる八鍬新之介
内容は1982年に公開された大長編ドラえもんの第3作のリメイクです
近年のリメイク作では原典に新たな設定や新たなキャラクターを追加することで新訳とする傾向にあったのですが、今作では初めて【純粋に原典をなぞり、既存キャラクターの掘り下げを重視する】という形が取られました


構成や展開はモチロンのこと、なんとほとんどのセリフの一語一句までもが同じ
まるで当時の脚本をそのまま使っているんじゃないか?とすら疑うレベルの再現度
ビックリしたのが旧作でも有名なシークエンスである、ペコに合流したジャイアンがペコと言い争う、という場面での「セリフなし、効果音なし、挿入歌のみが流れる」って演出をまさかの【そのまんま踏襲】したところでしょう
(しかしすげーな、子供の頃に観たきりの映画でしたがバッチリ覚えてるよこの演出)


いわゆる「オチ」も含めて全て原典通り
なので旧作ファン、旧作を見尽くした方には特に目新しい発見は無くハッキリ言って退屈かと思われます


一応新規に追加された「ペコとのび太が二人だけで語り明かす」シークエンスがあるものの、これを今作のみどころとするにはあまりにか弱く
むしろ新スタッフの作画による「しずかちゃんVSゴリラ」とか小林ゆうが演じたことで「よりイケメン度が増したペコ」の方がオイラには楽しかったですねw


毎年泣かされる映画ドラえもんなんですが、今年は全くほろっとこなかった・・・
モチロン初めて『大魔境』に触れる方にとってはわざわざ原典を観る理由もなく、単品でオススメできる作品となっております

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

剛田旨味成分配合

うむ。
剛田さんとこのたけしくんが、カッコワルイところとカッコイイところと詰め合わせて魅せてくれました。


ジャイアンが「こんなの冒険じゃねぇ〜!」と指摘する通り、結構ドラえもん達って、冒険と言いながら道具に頼って冒険している気がします。。
よく「キャンプ」と言いながら全然それアウトドアじゃないよ…ってな室内道具でお泊まりをしてたような。今回も。

食べ物も…
密林の中で、不思議道具で出した遺伝子操作しまくったやつを喜んで食べてましたが。


キーを握るペコの故郷の山村の暮らしぶりの、粉挽き小屋や家畜の世話などの牧歌的な描写が良かったです。
この家畜が馬のように働いてくれるんですが、ラストまでちゃんと働いてる姿が描かれててホッとしました。


それにしても、子供映画は終わった後で明かりがつくと床がポップコーンの海なんですね。
掃除スタッフさんご苦労様。
友人が「家族で券買ってキャラクターのポップコーンセットとか付けたら5千円コース」と言っていました。
ポップコーンは買いませんでしたが、ドラえもんのカプセルトイをしたら「暗記パン」ばっかり出て笑えた…。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

イカちゃん☆休止中 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

☆藤子•F不二雄80周年

静ちゃんがゴリラを振り回すシーンが笑えました♪♪♪~☆V(^_^)V

3歳から7歳ぐらいの幼児が充分楽しめる内容ですけど
もう少し短めでもいいかなと思います。

ドラえもん…果たしていつまで続くのか興味深いです(^_−)−☆


2014.3.8公開

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

63.5 10 2014年冬(1月~3月)アニメランキング10位
ジョバンニの島(アニメ映画)

2014年2月1日
★★★★☆ 3.8 (42)
176人が棚に入れました
色丹(しこたん)島を舞台に、主人公たち少年の視点から、ソ連軍の進駐する光景や島民の不安、ソ連側の人々とのふれあい、そして家族の絆を描く。

声優・キャラクター
市村正親、仲間由紀恵、柳原可奈子、ユースケ・サンタマリア、横山幸汰、谷合純矢、ポリーナ・イリュシェンコ、北島三郎、犬塚弘、八千草薫、仲代達矢
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

狭間の物語

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。100分くらい。実話をもとにした作品。

 終戦前の色丹島を舞台として始まり、その後のソ連軍侵攻によって起きた生活の変化を描いた作品です。これを俯瞰的な視点ではなく、一つの家族の視点から見続けます。現在の北方領土問題のきっかけとも呼べるものですが、政治的な主張は脇に外し、あくまでも家族愛や人間愛を描くことに主眼に置いています。


 視聴に際して特に基礎知識は必要ありませんが、余裕があれば二つのことを予習しておくといいと思います。

 一つ目は、歴史的な背景です。
 最初から最後まで一家族からの視点で描かれますから、大局的な視点による解説というのはほとんど入りません。その裏で何が起こっていたのかは、視聴者側の知識に委ねられています。ですから、最低限の歴史的な背景は押さえておくと更に理解が進むものと思います。

 二つ目は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』(以下、『銀河』)に関する知識です。
 タイトルに入っている「ジョバンニ」は『銀河』の主人公の名前ですし、重要なシーンは『銀河』の描写と絡めた演出がされています。この作品自体が『銀河』をモチーフにしていますから、『銀河』に関する知識があれば、より楽しめるでしょう。

 誤解してほしくないのですが、基礎知識がなければダメ、というわけではありません。この作品自体はきちんと完結したものとして成立していますし、知らなくても十分楽しめることは間違いありません。ただ、この作品を見た後にこれらの知識を習得しようとする欲求が出てくるものと思います。ならば、後手を打つよりも、先手を打つ方がいいのではないのかな、と思った次第です。
 とはいえ、「めんどくさい!」という方も多いでしょうから、このレビューではその補完を目標として位置付けたいと思います。


歴史的背景:{netabare}
 1945年2月 ヤルタ協定(全ての元凶のような…)
 4月5日 ソビエト、日ソ中立条約の不延長通告(一方的な条約破棄)
 8月8日 ソビエト、対日参戦
 8月11日 ソビエト、日本の国境侵犯
 8月14日 日本、ポツダム宣言受諾(事実上の戦争終結)
 8月25日 ソビエト、南樺太占領(日本の武装放棄後の侵攻)
 9月2日 日本、降伏文書調印調印(形式上の戦争終結)
 8月28日~9月5日 ソビエト、択捉・国後・積丹・歯舞群島占領
 1946年2月2日 ソビエト、北方四島の自国領編入
 1947年~1949年 日本人の強制帰国

 作品内で描かれる期間は、玉音放送前から日本への帰国までです。ソ連軍が侵攻してきたものの、ポツダム宣言受諾後であるため交戦できず…と展開していきます。
{/netabare}

『銀河』のテーマ①:{netabare}
 『銀河』は多くの作品に引用されていますが、引用される中心はほぼ決まっています。蝎(サソリ)の話です。「ほんとうの幸」について考える主人公ジョバンニが、「蝎のようになりたい」と願う話。

 蝎は虫を殺して食べて生きていた。ある時イタチに見つかって食べられそうになってしまった。一生懸命逃げたけど、いよいよ捕まりそうになってしまった。その時、井戸に落ちて溺れてしまった。
 蝎はイタチに食べられなかったことを後悔した。どうせ死ぬのなら、イタチに食べられていたら彼を一日生かすことができたのに。神様お願いします。むなしく死ぬくらいなら、まことのみんなの幸のためにこの体を使ってください。
 すると蝎は真っ赤なうつくしい火となって、闇を照らし続けた。

 私の他作品のレビューでも『銀河』については触れていますが、今作のレビューとしてはもう少しだけ踏み込みます。
{/netabare}

『銀河』のテーマ②:{netabare}
 「蝎は虫を殺して食べて生きていた」というのは、原罪について述べられたものです。「生きるためには、他者を犠牲にしなければいけない」ということ。
 これに続く「逃げる蝎」というのは、心情について述べられたものです。「他者を犠牲にすることは厭わないけど、自分が犠牲になるのは嫌だ」ということ。

 蝎が井戸に落ちた際に感じたのは、自分が犠牲にならずに死ぬことが、結果として無駄死にになってしまうのではないかということです。「原罪を避け心情を優先したことに価値はあるのだろうか」ということ。
 そして、蝎が見せたエゴから自己犠牲への転換が、世界に希望をもたらしました。

 ジョバンニは、この「無駄ではない死に方をすること」を「自分の生き方」と捉え、「みんなのほんとうの幸」のために身を捧げようと心に決めます。ですが、「みんなのほんとうの幸」というのが何なのか分かりませんでした。これを探すことがジョバンニの目標となり、同時に私たちに対する問題提起となります。
 『銀河』における銀河鉄道とは、この世からあの世へと向かう鉄道です。そこにジョバンニとカンパネルラの二人が乗り合わせることで、死に方と生き方を考える話、これが『銀河』なんだと思います。

 おそらく、『ジョバンニの島』を見た方は、私が何を言わんとしているのかは分かると思います。
 「生きるために犯す罪とは何なのか」「自己犠牲を厭わないほどのほんとうの幸いとは何なのか」「なぜ銀河鉄道に乗れないのか」「なぜ銀河鉄道に乗れてしまうのか」、この『銀河』と関連したテーマが作中で描かれていきます。

 蛇足ですが、私は他のレビューでも『銀河』の話を書いていますが、特別この作品が好きなわけではありません。ただ、多くの作品に引用されていることを考えると、教養としては成立しているんだろうな、とは思います。
{/netabare}

 基礎知識は以上で終わりです。次項は単なる感想です。
 国の狭間、人種の狭間、親子の狭間など様々な狭間が描かれているこの作品。私が視聴後に感じた時間の狭間と共感の狭間について述べてみたいと思います。

時間の狭間と共感の狭間:{netabare}
 時間には二つの概念があります。クロノスとカイロス。
 クロノスというのは、刻一刻と流れる客観的な時間の流れを指します。実時間とも訳されます。「時刻」や「スケジュール」や「タイム」をいうときの時間の概念に相当します。
 カイロスというのは、体感時間とも訳される主観的な時間の概念です。「集中しているときは時間の進みが早い」というときの「時間」はカイロスに含まれます。また、ある書籍によれば、カイロスは「その出来事が起きる前と後で、人間に質的変化が起きる時間」であると書かれていました。つまり、「タイミング」の概念です。

 例えば、「私が誕生した日」は、私の家族には質的変化をもたらしたでしょうから、私の家族にとってのカイロスに該当します。ですが、その他の人々にとっては「いつもと変わらぬ日」でしょうから、単なるクロノスに過ぎません。つまり、同じ時間に対しても、立場の違いによって認識の相違は当然生まれ得るということです。

 このカイロスによる共感というのは、個人的なものだけには留まりません。多くの日本人にとってのカイロスというものも存在しています。カイロスの質的変化に着目するのなら、現代の日本人にとってのカイロスは二つあると思います。一つ目が1945年8月15日の終戦の日、二つ目が2011年3月11日の東日本大震災の日です。
 もちろんここで俎上に載せたいのは、前者の方です。

 1945年8月15日が私たち日本人のカイロスになっているからといって、それが世界的な共通観念となっているわけではありません。英米ソなどにとっての終戦のカイロスは、おそらく1945年9月2日だと思います。なぜなら、これらの国々は、日本が降伏文書に調印した日をもって対日戦勝記念日としているからです。

 現在の日ロ間における北方領土問題は、政治的または法的に解決することは出来ると思います。ですが、どのような解決策が図られたとしても、両国民間におけるカイロスの差は埋まらないように思えます。おそらく、その差は感情の差として表出することでしょう。フォークランド紛争によってイギリスとアルゼンチンの領土問題が解決したとしても、両国民間の不和が拡大したように、です。個人的なカイロスに差があるように、集団的なカイロスにもまた差がある。

 この作品のエンディングがあのような形になったのは、国や人種の差はあれど、同じ時間を過ごしたという個人的なカイロスの共有が出来ていたからだろうな、と感じました。これは、国や人種が違えども個人的なカイロスなら共有できるという希望の形の一つだと思います。
 ですが、この延長線上に集団的なカイロスの共有があるのかは、私には分かりません。延長線上なのかもしれないし、別次元なのかもしれない。クロノスをカイロスにすることができるのかも、個人的なカイロスが集団的なカイロスになるのかも、別のカイロスを持つ集団同士が歩み寄れるのかも分かりません。端的に言えば、どこまで共感を育むことができるのか分からない、ということです。

 私は合理主義的な性格も強いですから、どのような問題にも「白黒はっきり解決させろ」という意見を持つことが多いことは自覚しています。ですが、何を持って解決とするのかという問題解決のスタート、やはりここが一番難しいようにも思えます。
{/netabare}

対象年齢等:
 家族愛と人間愛が主題ですから、全年齢が対象で良いと思います。戦争ものではありますが、凄惨な場面というのも描かれませんからね。
 ここに関しては「凄惨でない戦争があるか!」との批判もあるかもしれませんが、私はこの作品に関してその批判をするのはやや的外れなような気もしています。この物語はあくまでも主観で進行しているため、凄惨な場面に出会わなければ凄惨さは描きようもないでしょうからね。実際にそうだったのかは分かりませんけれど。

 私の感想はともかくとして、視聴後のすっきり感もいいですし、素直に見てよかったなと思える作品でした。何を見ようか迷っている方はこの作品に手を出してみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

戦争、てこの原理、銀河鉄道の夜

第二次世界大戦が終わりを告げ、アメリカの占領下に置かれ変わっていく日本。北方領土だけはソ連に占領された。
戦時下であったのにも関わらず、静かで穏やかだった村の人々は、武装したソ連の兵隊を見て一瞬にして恐怖に凍りついたのだった。
この作品は北方の色丹島のある一家の兄弟に視点をあてたお話。

映画自体は、全体的にスムーズな進行で飽きることなく最後まで観ることはできるが、
戦争の影響で抑圧された人々を描くには、いささかその内容とフットワークは軽過ぎる。
ストーリーは、貧しく辛い環境の中でもなんとか楽しく暮らしている描写から、だんだんと雲行きが怪しくなるように進んでいく。
初めは戦争の枠内で描かれてきたことは、少しずつ主人公の純平と寛太にフォーカスされていく。
戦争の中で生きる幼い兄弟のことを描くつもりが、兄弟愛に傾き過ぎているように(少なくとも僕にはそう)見える。
ちょうど天秤の秩序が乱れ片側に傾くように、ストーリーの大きな2つの要素のバランスを欠いてしまっていることが、この作品の玉に瑕なところである。

そうなると何がいけないのかというと、せっかく実際に起きたことを持ち出して語ろうとしているのに、
それをてこにしてしまい、この作品が匿名的な感動ものへと落ち着いてしまうことにある。
抑圧に耐えながらも必死に生きるという話は、兄弟愛を描いた泣ける作品へとシフトしてしまっている。
結果、実際に観ても心に迫ってくるものはないし、骨身に沁みるような感触もまったくない。
こんなに悲しいこともないんじゃないかな。


この作品には宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が出てくる。純平と寛太のお父さんが好きで彼らも影響されて読んでいる。
ちなみに、”純平”と”寛太”はの名はそれぞれ、”ジョバンニ”と”カンパネルラ”からきている。
本の内容が出てくるシーンはとても綺麗である。夢や希望は空にある星のようにひたすら輝き続ける。
彼らもそれに手を伸ばす。
『赤毛のアン』のようなクレイジーさはないにしろ、ちょっとした現実逃避や明るい未来の幻想を抱くがために、彼らの前に銀河鉄道はどこからともなく現れる。
そんなものを見ることができたら誰だって、宇宙の果てまで連れて行ってくれるのだろうと思わずにはいられない。
純平と寛太も、あるいはジョバンニとカンパネルラも、そう思わずにはいられないのだ。

僕は『銀河鉄道の夜』をそんなに熱心に読んだことはないのでわからないけれど、
おそらくは、本とこの作品は筋書き通りに関係していたと思う。そのへんは詳しい人に。


否定的なことも言ってきたが、当時の人々が見たこともない外人に押しのけられるようにして生活している描写には、
やはり観ていて辛いものがある。その絵は比較的簡素に描かれる。影の付け方なんかは独特で不安を感じさせる。
引きで映るときの建物や、教室を俯瞰で映す際に画面の隅に映るものを極端に曲げて描いている。
これも、そこには見えない重圧があることを示唆しているように感じる。
人々の不安や混乱、ぶつけようのない怒りはこうしたものを通して十分に描かれている。
アニメであることの意味はちゃんとあったけれど、ストーリーの辿り着く先はいまひとつだった。
それは何に重点を置くかによって大きく異なっただろうと思う。
しかし、戦争というテーマを引っ張り出してきながらも、誰もが手に取りやすい作品を作ろうとしていたならば、これは正しかったと思う。
子どもでも入っていきやすいし、画面上で起こっていることがじんじんと伝わってくる。
個人的にはもう一歩二歩踏み込んでも良かったような気もするが、そういうことであるならば頷ける良い作品である。





余談

僕はもっともっとこういう作品が増えればいいな、と思う。
アニメだから少年漫画原作、ラノベ原作であることはないし、必要以上にファンタジックになることもない。
もっとアクチュアルなものを取り入れて、現実にコミットするだけのパワーを持った作品があっていいと思う。
エンタメや娯楽ばかりの「アニメ」だけでは、アニメーション自体が停滞を続け、ヲタクのものだと蔑視を受けたままだ。
「アニメ」が日本の文化だなんて僕はちょっと言えない。
それはたまたまコーラがよく売れるから、たくさん売っていることと同じことだ。そこには進化も、発展も、昇華の可能性もない。少し極端な意見だけれど、もうちょっとマシなものが受け入れられる余地があってもいいなと思う。
そうすれば声優も、わざわざ有名人なんて使わなくたって、本職の方々にやってもらえたりしないかな?
まあ、ともかく『ジョバンニの島』のような作品がもっともっと増えることを僕は期待したいです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

悲観や同情はいらない ただひた向きに この映画が伝えるのは説教ではなく【現実】

北方領土の一つ、色丹島を舞台に「終戦~ソ連侵攻~日本人強制退去」を描くフィクションです
作品の随所に宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフとしたイメージを挟み込んでくるのが特徴


この映画を観る前、北海道を旅したときに訪れた札幌の北海道庁旧本庁舎にいらした北方領土出身のガイドさんのお話を思い出しました
結局、北方領土に住んでいなかった僕ら世代が、あの島の問題をとやかく言っても肩透かしなんだと、虚しさを感じた話でしたね
ただ生まれ育った故郷に帰れない人々がいる、その事実を僕らは知っておかなければいけないわけです
キャッチコピーが「忘れてはいけない物語」と、なっていますがこれはちょっと違うと感じますね




1945年、戦時下の色丹島では比較的緩やかな日々が送られていた
しかし終戦直後、ソ連軍による突然の占領を受けて島を守っていた日本軍は武装解除とシベリアへの抑留を余儀なくされ、残された島民達もソ連軍による制圧や略奪を受ける
密やかに、しかし必死に今日を生き抜こうとする島民たち
そんな島の一部始終を、父親が島の防衛隊長を務めている兄弟、ジュンペイとカンタは幼い目で見つめていた
やがて島にやってきたロシア人の少女ターニャやその家族、ロシア人の子供達と自然と打ち溶け合って交流を深めていく日本人の子供達
しかし兄弟の父親がソ連軍に隠れて日本人に備蓄品の配給を行っていたことが発覚
父はソ連軍に連行され、歩み寄っていたかに思えた日本人とロシア人の間にまたも軋轢が生じる
そしていよいよ日本人は島を追われることとなってしまう・・・




まず興味深いポイントなのが戦争という題材を軍人や政治家ではなく市井の人々の目線で描いている部分でしょう
それもどちらか一方に偏ることなく、日本とソ連の両面が描写されているのが説教臭くなくていい


大人のピリピリした空気をヨソに、日本の子供が「カチューシャ」を歌い、ソ連の子供が「赤とんぼ」を歌い出す場面はミュージカル風で特に印象的
今作はあくまで領土問題を示唆することがメインなのではなく、双方の人々を好意的に描いているのが素晴らしい


プロ声優は用いず有名俳優や声優未経験の役者だけで固められたキャスティングも恐らくこれ以上は無い!というぐらいバッチリ決まっており、強烈なキャラクターのユースケ・サンタマリアや一家を見守る担任教師役の仲間由紀恵も良かったです
なによりジュンペイとカンタの幼い二人を演じた子役達には力一杯の賛辞を送りたい
天才です!最高!b


随所に挿入される『銀河鉄道の夜』の一文は、妹の死で傷心した宮沢賢治が訪れた樺太の地で体験したことが執筆の元となっているという説によるもの
主人公のジュンペイとカンタの兄弟の名前も、ジョバンニとカンパネルラを文字っているもの


また、想像の中に登場する銀河鉄道が巡る世界のイメージの表現も美しい
作画スタッフに西尾鉄也や黄瀬和哉や大平晋也といった実力派アニメーターを揃え、芝居、表情、光、影、雪、煙、etc,etc・・・
キャラクター造形や背景、ハッチング、CG、そのどれもが大変素晴らしいかったです


史実を学ぶことはそれこそ大切なことです
でもこんな名作が埋もれてしまうこともほっとけない
いい映画ですb







(まぁw7月とはいえ色丹の海に飛び込む冒頭のシークエンスはちょっとありえないと思いましたがw)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

62.8 11 2014年冬(1月~3月)アニメランキング11位
劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵(アニメ映画)

2014年2月22日
★★★★☆ 3.7 (107)
620人が棚に入れました
白鳳女学院高等部に通う加藤茉莉香は宇宙海賊船・弁天丸の船長。3年生になる目前の春休み、豪華客船での海賊営業の仕事で、乗客リストを見た際に銀河パス所有者の少年・無限彼方がいることを知る。彼方の父で亜空間ダイバーである無限博士との約束を果たすべく、茉莉香はあることを実行するが……。
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

決断は自分の選んだベスト!

お台場の舞台挨拶付の上映を観てきました

茉莉香が1~2年生の頃を描いたのがTVシリーズでしたが
こちらは2年生~3年生に上がる春休みのエピソード
これは公開時期に季節を合わせてきたのかな?
とか一瞬思ったわけなのですが、
よくよく考えてみると舞台は地球ではなく鯨座宮たう星系海明星
地球とは自転公転の周期が違う上に赤道直下という設定だったはずなので
日本の四季感覚を適用するのはだいぶナンセンスでした
っていうか赤道直下に春休みってなんぞ!?

そんなどうでもいい話は置いておいて本題に入りましょう
今回の劇場版のメインゲストは劇場版オリジナルキャラ無限彼方少年
演じるのは下田麻美さん

下田麻美と聴いて真っ先に思い浮かぶのはおそらく「とかち」だと思いますが
Vocaloid鏡音リン・レンの中の人でもあるので
少年役という事にそれほど違和感はありませんでした
しかし舞台挨拶でのお話によると、こんなにしっかり少年役をやるのは初だそうでした
確かにレンの声のモデルは少年を「演じる」のとはだいぶ違いますし
キューティクル探偵のゆーた君は女装男子で女の子役に近いかんじ
ちゃんとした少年役は初めてに近かったんですね
佐藤監督によるとオーディションの他の声優さんは
もっとキラキラしたいかにも美少年という感じだった中で
ちょっと擦れた感じの演技が決め手になったそうです

これまでのモーパイは周りが茉莉香とタメか年上ばかりの状態からはじまり
途中で増えた後輩たちも女性キャラばかり
年下の男性キャラは全くいなかったんですね
ですから年下の少年目線で見えるちょっとおねいさんな茉莉香
というのがテーマの一つに有ったそうで
それはとてもうまくいっていたと思いました

良かった点がもう一つ
下田さんが「収録があまりに大人数でびっくりした」
と言っていましたが
TVアニメのメインキャラはほぼ総出演といっていい状態
弁天丸クルーや梨里香さん、セレニティ姉妹にランプ館のマミ
ヨット部はOGから後輩たちまで総出演、
チアキちゃんはバルバルーサクルーまで引き連れて出てきます
さらにそれぞれのキャラにしっかり見せ場を作ってあるので
TV版が好きな人には嬉しいファンサービスになっていたと思います

しかし、それはいい方向だけに機能しているとはいえませんでした
彼方が自分の運命を選択し切り開いていく部分が
この映画のメインテーマだと思うのですが
既存のキャラクターたちを万遍なく活躍させた結果
彼方の描写がすごく薄くなってしまっています
作り手側としてはレビュータイトルのセリフが真中にあって
彼方が自分自身の未来を選択していく話を描いているつもりでも
その決断までの心理描写がさっぱり足りていないので
格好いい宇宙海賊のお姉さんに感化され
雰囲気に呑まれて勢いで動いているだけにしか見えませんでした

おなじみのTV版からのキャラたちをメインに動かしつつも
物語の中心にはゲストキャラを持ってくるというのは
この手の劇場版の作りとしては王道パターンだと思います
しかし。それが傑作になるための条件として
既存キャラの力に頼らずとも
そのゲストキャラがメインの物語としてみて面白いことが大事です
原作ファンへのサービスに注力し過ぎて
彼方の物語が今一つ盛り上がっていないのが残念です

もうひとつ気になったのは後半のアクションシーン
監督も舞台挨拶で「彼方が決意した時点で話は終わってるんだけど
でも、折角のスクリーンだし(アクションシーンが)欲しいじゃない?」
と、笑いながら蛇足であることを認めていましたが
あのアクションシーンは個人的には減点要素しかありませんでした
{netabare}彼方の乗るマシンが変形したり、オデット2世とバルバルーサが合体したり・・・
まぁ苦笑いしか出てきませんでした
確かにモーパイファンは一般のアニメファンよりも高い年齢層に多くいます
簡単に言うと超合金世代ですよ
変形とか合体とかそういうのに憧れて育った世代です
だけど、いやむしろだからこそ
そういう要素の扱われ方には敏感なんですよ

某ゲームの分類を借りれば変形とか合体とかはスーパーロボットの領域
それに対して茉莉香達の戦い方は機体性能に依存せずに
優秀なクルーの技術と茉莉香の大胆な戦術によるもの
これらはどちらかというとリアルロボットの戦い方に通じるものがあります
茉莉香達の操っているのはロボットですらありませんが
リアルロボットから人型ロボットというアンリアルな部分を捨て去って
よりリアルに志向させたものが戦闘する宇宙船だと考えることもできます
つまり変型とか合体とかはモーパイの魅力とはベクトルが真逆なんですね
この違和感はTV版終盤のオリジナル部分にもありました
あの時は最新鋭の試作戦艦であると説明されて
なんとなく腑に落ちないものを抱えつつも納得はしましたが
今回で違和感の正体がはっきりした感じです{/netabare}

ああ、でもそんな中で流れた小松未可子さんの「Sail away」は良かったです
劇場まで足を運んで映画を見る意義の一つは
どんな立派なホームシアターでも絶対不可能な音響設備にあると思います
そんな中で、ももクロの例のアレを聞かされてスタートした時はどうしようかと思いましたが
「Sail away」と舞台挨拶だけでも見に行った価値がありました

しかし・・・興行的にはかなり残念なことになっているみたいですね
今まで人気作品の舞台挨拶付上映とか大体チケット取れなかったり
取れてもすごい後ろの方だったりしてきました
それが今回は前から4列目という映画を見るには前過ぎるにしても
舞台挨拶の観覧としては相当な上席が取れたのに
周りにぽつぽつ空席があって自分の左も空いている始末
これは普通の回はほとんど入ってないんじゃないかなぁとは思っていましたが・・・

TV版レビュー
http://www.anikore.jp/review/291621/

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

【ジュブナイル】×【サイバーパンク】×【スペオペ】×【ちゃんじゃない】=これぞモーパイの全て!

思春期の決断
大宇宙の冒険
巨大組織の陰謀
電子戦
独特の芝居臭さ
無理やりなドンパチ
そして・・・「ちゃんじゃない」


素晴らしい映画でしたb
『モーレツ宇宙海賊』というシリーズがやってきた要素をオリジナルストーリーながらも全て詰め込んだ贅沢な一作です


「超光速跳躍」の鍵を握る亜空間を研究していた「無限博士」を実の父に持つ少年、「無限彼方」
彼は超VIPの証である「銀河パス」と謎めいたメッセージを放つオウム型のロボット「フリント」を亡き父から託されたと同時に、謎の組織から身柄を追われ宇宙を逃亡していた
逃亡生活の果て、彼を捜していたという宇宙海賊船「弁天丸」の船長「加藤茉莉香」に保護され、行動を共にすることとなる
茉莉香は彼女の亡き父である「加藤ゴンザエモン」と「無限博士」との間に交わされたという約束の謎を明かすため彼方を匿う
やがて彼方を追う組織の目的が無限博士が亜空間に残した遺産にあることに辿り着く
が、彼方と関わる者として茉莉香や弁天丸、やがては白鳳女学院ヨット部までもが謎の組織の標的となっていく・・・


上記した通り、原作には無い(というか時系列的には原作を追い越した)完全オリジナルエピソード
さらにテレビシリーズが持っていた魅力的要素を今作の中に全て詰め込んでくるという大胆な構成を無理なく92分に落とし込んでいます
流石の佐藤竜雄監督、『ナデシコ』以来の劇場版とは思えぬ働きぶりには感服です


また、テレビシリーズでは描写が解り辛かった【電子戦】をSD化されたアバターキャラの動きで可愛く魅せた試みはgood


キャラデザは竹内浩志さんから堀内修さんに変更
キャラの年齢が上がったことを意識したのか全体的に大人びた感じで頭身チョイ上げ、輪郭線スマートに、ムッチリ太腿、下まつげ強調が主な違いか


さらに劇場版らしいスペクタクル要素としていわゆる【ドンパチ】が描かれるのも本作の魅力の一つだと思います
遂に梨理香さんの本気が拝めますw


ドンパチに関しては本来の『ミニスカ宇宙海賊』シリーズの魅力とは離れるという指摘もあるでしょうが、この辺はアニメシリーズ独特の魅力として機能しているので本作にもそれが反映されるのは当然のことと感じております


また、わざわざOPにテレビシリーズそのままの「ももクロ」を引っ張ってきたのもまたアニメシリーズの特徴でありますし、好印象でした


モチロンみかこしの挿入歌、angelaとしょこたんコラボによるEDテーマも不服は無いのですが、強いて言うなればももクロまで引っ張ってきたことだしスクリーンで「Black Holy」を聴きたかった・・・ってのが個人的な本音ではあります(笑)


モーパイファン、スペオペファン納得の素晴らしい一作に仕上がったと思います
拍手です

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

天啓 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

海賊の時間だ!アゲイン

茉莉香たち弁天丸クルーと白鳳女学院ヨット部の面々が 亜空間ダイバー無限博士の息子
無限彼方を敵の手から救うお話

感想
前半は面白かったんだけどね
後半はなんか詰め込み過ぎてグダグダって感じだったね
劇場版で90分という尺じゃ、このシナリオは無理だったんじゃないかな
OPはTV版と同じモモクロ(個人的にはサビからラストあたりまでが癖になってる曲)

モーパイと言えば茉莉香のコスプレと電子戦でしょ
茉莉香の海賊衣装はやっぱりいいよね

電子戦ももちろんあったんだけど、結末うやむやだし
どうなったんだよ!?
敵の電子制御メッタメタにして敵があたふたしてるところまで描写して欲しかったな

TV版の登場人物ほぼ全員登場させたのは、ファンサービスで、その心意気はいいんだが
逆に尺を足らなくして、シナリオの足引っ張る形になっちゃってる
ちあきちゃん(ちゃんじゃない!)も出したけど、必要あったんだろうか?
なにより、彼方少年の掘り下げ不足から彼方少年を襲おうとする敵の行動原理が不明になってる。


{netabare}亜空間潜水艇が変形ロボって・・・おいおい世界観違うだろ!
オデットⅡとバルバルーサの合体って!? {/netabare}

このためだけにちあきちゃん(ちゃんじゃない!)出したみたいだね
なんか無茶苦茶だ

敵の艦隊とのバトルもどうなったか、不明のままだし

なんか中途半端感が大きかったな

モーパイの設定は好きな部分も結構ある
敵の組織の目的が営利目的で、経済の話を盛り込むところとか
結構好きなんだけど
敵の艦長の[サラリーマンの意地を見せてやれ!]は面白くて爆笑したけど
最大の黒幕がどうなったとかまでちゃんと描写してくれよって感じだった。
色々と不満で後味がすっきりしない作品だった。

まあ、茉莉香の海賊衣装と、[サラリーマンの意地」だけだったな

ちょっと酷評気味になっちゃったけど、モーパイは結構好きなんだ
だから、もっとしっかり作って欲しかったんで辛口にさせて貰いました。
続編もあれば 今度はきちんとシナリオ練りこんでやって欲しいな。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

62.8 11 2014年冬(1月~3月)アニメランキング11位
BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-(アニメ映画)

2014年2月8日
★★★★☆ 3.6 (11)
57人が棚に入れました
出家したシャカ国の王子シッダールタは、片目のデーパと、予知能力を持つ少年アッサジとともに、苦行林へと向かう。そこで、病に侵され死を待つばかりのかつての恋人ミゲーラを盗賊タッタと共に救うが、それは、怒りと悲しみに満ちた彼らの心をも救うことになった。アッサジ少年は、飢えたオオカミの家族に自ら自分の体を与えて、死ぬ。その壮絶な死を前に、狂気の苦行を行い、死の淵で、大いなる自然の摂理・魂のつながりを知るシッダールタだが、デーパにより、シャカ国がルリ王子率いるコーサラ国に滅ぼされ、家族の安否も不明の事態を知る。思い悩むシッダールタに、傷心の巨人ヤタラが問う。人はなぜ苦しむのか? 人は何故生きるのか?

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

全体的にパワーダウン感が否めないが真木よう子目当てで観るのは真面目にアリですb

純粋に前作からの続きであり特にダイジェストも無いので予習が必要不可欠です
また、前作との間にいくつか端折ったエピソードもあるので初見さんは基本的にお断りとなっています


前作のラストで実質的な主役であった「チャプラ」が壮絶な死を遂げ、恋人との仲を裂かれた悲しみと戦争の悲惨な現実を目の当たりにしたことで王子の身分を捨てて出家することを決めた「シッダールタ」
今作では彼が修行の果てに悟りを開くところまでを描きます


苦行を積むことで徳を得る、苦行こそが絶対の道だと信じる先輩僧の「デーパ」
シッダールタに王として立ち上がってもらいたいと望む義賊、「タッタ」
かつての恋仲であった「ミゲーラ」との再会
そして、自分の死を予言しておきながら穏やかに過ごす少年「アッサジ」
数々の修行、人々との出会い、そして別れを経て、遂にシッダールタは『目覚めた人=ブッダ』となる・・・


前作がチャプラを主役としたピカレスクロマンだったのに対し(実際に原作の初期がそうなので)、今作はより説教くさい内容になるので少し好みの分かれるところ


シッダールタが悟りを開くまでの過程を進行する一方で、敵国側では王子でありながら奴隷の子であるという苦しみを抱える「ルリ王子」のエピソードが同時に展開されます


今作最大の注目ポイントはこのルリ王子でしょう、このドラマティックなキャラクターを演じるのはなんと【真木よう子】
めちゃくちゃ上手いです、『ミチコとハッチン』の時とは比べ物にならない
水樹奈々、沢城みゆき、藤原啓治とまあ一流声優がごったがやす中でも全く埋もれていない
もうこのまま本格的に声優やった方がいいと思います


監督が交代したので前作のオリジナル構成で多少矛盾が生じたタッタの年齢のズレなどを修正してきました
ただ前作のようなアクションシークエンスも減ったため、作画的な見どころは「ヤタラ」の『おっかぁ救出劇』ぐらいになってしまいました
全体的な見どころは薄くなってしまった感は否めません
ただ登場人物はほとんど揃いましたから最終3部作目へと期待をしたいところです
なんども言いますが真木よう子は今作のベストキャストですb

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

まだ初心者 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

苦行おもしろい

1作目同様の評価です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

62.7 13 2014年冬(1月~3月)アニメランキング13位
劇場版 プリティーリズム・オールスターセレクション プリズムショー☆ベストテン(アニメ映画)

2014年3月8日
★★★★☆ 3.8 (10)
69人が棚に入れました
女子小中学年に人気のおしゃれをテーマにしたゲームから生まれたテレビアニメの初の劇場版。『プリティーリズム・オーロラドリーム』『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』『プリティーリズム・レインボーライブ』という過去3シリーズのプリズムショーの中からベストテンをランキング形式で発表する。

声優・キャラクター
三宅健太、神代知衣、伊藤かな恵、阿澄佳奈、原紗友里、榎あづさ、米澤円、明坂聡美、大久保瑠美、高森奈津美、津田美波、佐倉綾音、加藤英美里、小松未可子、芹澤優、戸松遥、後藤沙緒里、内田真礼
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

『プリティーリズム』を知らない人にこそ見てほしい、シリーズ3年間の軌跡と魅力

知らない人にこそ。ということでまず簡単にプリティーリズムおよびプリズムショーについて説明したいと思います。



プリティーリズムとは、タカラトミーが提供しているアーケードゲーム・及びこれを基としたアニメ・漫画・ファッションブランドなどのメディアミックス群の総称です。


ゲームにおいては、キャラクターの女の子を可愛くコーディネートし、リズムに合わせてダンスを披露し、そのファッションの表現力とダンスの完成度を得点として評価することでキャラクターを成長させていくことが目的とされています。



アニメではこのゲームの設定を踏まえ、アイススケート上でのダンス・ダンスに合わせたファッション・シチュエーションやイベントごとに新調される歌を融合させた、
通称‘プリズムショー’に憧れる女の子たちがその頂点プリズムスターを目指すことが主なテーマになっています。


つまりプリズムショーとは具体的に、スケートリンクを滑りながら、ダンスを踊り、歌を歌うという高難易度な技に挑戦する。

はっきり言って常人離れした、曲芸のようなハイレベルな種目です。


アニメで展開されるのは、プリズムスターを志す女の子たちの成長と挫折・友情と対立などの内面的世界。
そして可憐で華麗なプリズムショーの生み出す蓄積された経験の実践と感情の発露。

これらが相互に作用することで、人間ドラマとしてもエンターテイメントとしても楽しめるという訳です。



今回の映画は、今までのシリーズの‘ベストプリズムショー’を独自にランク付けし、プリズムショーを通してアニメを振り返っていこうという趣旨になっています。

{netabare}ベストテンと言いつつ、途中で11~20位も紹介してくれる心遣いには内心感謝しました。{/netabare}


では何故知らない方にこそこの映画を勧めたいかというと、プリズムショーは誰にでも楽しめるように分かりやすく、それでいて見ている人を感動させる、実際のショーさながらの魅力があるからです。


今からアニメを見ようとすると約150話という膨大な量のエピソードを消化しなければなりません。

しかし、映画で披露されるプリズムショーを見るだけでもこの魅力の内の8割は堪能できると思います。

それほどプリティーリズムというアニメにおけるプリズムショーの役割は大変大きく、アニメの面白さを最も感じられる瞬間でもあります。

キャラクターによってショーへの考え方が異なり、よってダンスの形・歌の性質・ファッションコーデの組み合わせは多種多様です。


最大の見せ場は1期のプリズムジャンプ、2期のプリズムアクト、3期のプリズムライブと呼ばれる云わば秘技のようなもの。

それぞれプリズムショーにおける花形であり、これが無くてはプリズムショーは始まりません。
段々と迫力と技術を増していく、シリーズにおける進歩が最も見られるシーンです。


シリーズそれぞれが別々の終着点、プリズムショーの捉え方を目指している所も非常に面白い点です。


また、2Dと3DCGの融合した映像や各シリーズの特色が見られるショーの演出は、アニメーションとしても抜群の完成度です。

特に3期レインボーライブのCG技術とダンス演出は、近年のアニメでも抜きん出て素晴らしいです。


既存のファンの方ももちろん、劇場での大スクリーンに映し出されるショーと立体的な音響で流れるテーマソング・マイソングは、
TVで見るのでは絶対味わえない満足感と感動が得られると断言できます。

(ファンならニヤッとできるネタやギミックもたくさん用意されているので、それ目当てに見ても損はしないです。あと映画の最後にちょっとしたサプライズがあります。)


上映館数がとても少ないことと、上映時間が49分と短めなことはとても残念で、宣伝も十分でないようです。知名度自体が低いです。

このレビューを機に劇場へ足を運んで見に行ってくれる方が増えれば、これ以上嬉しいことはないです。興味と暇があれば、是非見てほしいと思います。


後は、映画本編に関することを書き綴っていこうと思います。ネタバレ注意です。

{netabare}
映画館お決まりのNO MORE 映画泥棒のマナームービーの後にさらに、劇中劇マジカルみおんを使ってマナームービーを挿入するという発想には驚きました。

観客も恒例の影絵モブではなく、全キャラがずら~っと並んで座っているのを見て、思わずスクリーンを眺め回してしまいました。

この時点でちょっと感激してしまいました(笑)


本編の始まり方も、マスコットと先生とオーナーがさながらマリオパーティーのOPのように動く様は映画ならではですね。

合間で挟まれるコウジとヒロの放送事故は面白かったです。特にヒロ様はああいう役回りが合ってる気がします(笑)


まず10位MARsのHop!Step!Jump!は好きで何回も聴いていた曲なので嬉しかったです。CGも心なしか綺麗になっていたような。

この曲はやっぱりりずむちゃんに目が行ってしまいます。


9位のベルローズによるRosette NebulaはCGのレベルの違いを見せつけてきました。流石圧巻の迫力です。


8位SproutsのMirage JET。映画で初めて「あ、カッコイイな」と感じた曲でした。各キャラが本当に生き生き動いてると思いました。


7位なるちゃんのハート(はーと)イロ(はーと)トリドリ~ム。レインボーライブでは断トツでなるちゃんが好きなので当然この曲も大好きです。

この回のなるちゃんのパフォーマンス良かったなと改めて思います。

ただ、なるちゃんのランクインなんだからせめてりんねちゃん遠慮してくれよ・・・!と内心歯ぎしりしてました(笑)
決してりんねちゃんのことが嫌いな訳じゃありません。


同時発表で6位はPrizmmy☆のDear My Future ~未来の自分へ~。この曲が流れた後で一瞬EDのmy Transformも流れましたね。EDの方が個人的には良い曲だと思いました。


5位MARsでQue sera。ディアマイフューチャー時の曲ですね。実はこの曲見逃していたようで初めて聴きました。

曲自体よりもあいらみおんりずむがすっかり大人びていたことに改めて驚きました。もう三人とも人妻オーラが出てます(笑)

最後あいらが地球を無限ハグで包み込むインパクトったら凄かったですね。

出てくる感想が大体ペンギン先生とモモと一緒です。


4位はハッピーレインのどしゃぶりHAPPY!。

本編だと何話か続いたりして飽き気味だったときもあったのですが、改めて聴くと良い曲。元気がどんどん出てきます。


3位発表の前に11位~20位の発表が入ります(だったかな?)

20位はCOSMOsのcheer! yeah!×2。

何よりみあが目立ってましたね。元気な曲がみあには似合います。


19位Never Let me Down ~がんばりやぁ!~、せれのんの曲です。

凄く元気の出る、歌詞も考えさせられる良い曲なのに順位低すぎなような気がしました。

そもそもプリズムショーの採点は基準がよく分からないのでしょうがないです・・・。


18位かなめのShall We Go?。

この曲も素晴らしい曲なんですがいかんせん尺が短すぎる。そこが難点なんでしょうか。


17位P&Pのサンキュッ!!。

ディアマイフューチャーは演出が一番見栄えが良いと思います。ヘインの仕草が個人的にとてもキュートです。


16位みおんのSwitch On My Heartは正にみおんを体現した曲だと思います。時間の都合で「みおん・スイッチオン!」が聴けなかったのが残念。


15位はべるのGet music!です。

最初の頃のいかなる時も気高く孤高でいようとするべる様の意志が強く表れていて、良いマイソングです。


14位はいと&おとはのALIVE。

本編のエピソードがショーに表れていて大変良いです。

おとはちゃんが強くいとちゃんの手を握るシーンが見どころ。


13位りずむのココロ充電!。

りずむちゃんの性格や心情がよく表現されていると思います。

この曲もりずむちゃんの「ココロ・充電!」のセリフが欠かせません。


12位はあん&わかなのcherry-picking daysです。

フレーズが非常に耳に残りやすいですね、それからコーデも。

二人のシンクロ具合が曲に上手く合っています。


11位はジュネのnth color。

この曲は衝撃的でしたね。歌声はもちろんショーの演出からレベルの違いを見せられた感じでした。

ジュネ様が映画でちゃんと出番があって良かったです。


そしてまたベストテンに戻り、3位はあいらのDream Goes On。

正直この曲は1位でもおかしくないと思っていました。

曲単体での完成度はもちろん、用いられたシーンがオーロラドリームのクライマックスでしたから。

あいらちゃんのセリフ一つ一つ、そしてあいらちゃんがオーロラライジングの呪縛をついに解き放つ感動の瞬間。

見ていて涙が出たのは劇中このショーだけです。感無量です。


2位はりんねのGift。

曲自体も素晴らしいながら、シーンの選択もベストだったと思います。

りんねちゃんが皆の前でショーを初めて披露する回で、幻想的な映像が見る人を魅了します。


そして1位はオーロラドリーム&ディアマイフューチャー全員でのYou May Dreamでした。

壮観な光景でしたね。紅白のフィナーレのようなショーはランキングの域を超えてこの映画にふさわしいです。


ベストテンが終わって、ゲームのダンスCGを流しながらEDです。

こうして見るとゲームのショー演出もアニメに劣らず大迫力だと分かります。

また、EDテーマはYou May Dreamの劇場版Verです。このためにオリジナルで曲が用意されているのは嬉しい誤算です。


EDも終わってここで終わりかと思いきや、マジカルみおんの後半始まりです。

正真正銘オールスター登場の何でもアリな展開は最早おまけとは思えません。

そして最後の最後に、放送予定の4期主人公らぁらの登場です。
まさか映画の中に登場するとは思ってなかったので驚きました。

次につながる、期待の持てる終わり方にスッキリしました。


全体的に、1期2期のクライマックスの場面が多く出ていてファンとしても満足でした。

3期はこれからがクライマックスなので、まだ物足りないのも致し方なしですね。

でもりんねちゃんにジュネ様、色んなペアのデュオショーが見られて、現状でのベストな見せ方なのではないかと思います。


プリズムショーとしても、ファンムービーとしてもとても満足のいく映画でした。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

オイラの知る限り史上最高の総集編映画!名画誕生の瞬間!!【3年12クール150話以上を49分で振り返るまさにオールスター映画!!!】

言うまでも無く原作は女児向けアーケードゲームシリーズ
キャラクターデザインに「ぽよよんろっく」と「okama」を配し、「歌える声優」を片っ端から集めたともいえる超豪華なキャスティングが最初の話題をさらいました
(阿澄佳奈、原紗友里、榎あづさ、大久保瑠美、高森奈津美、津田美波、伊藤かな恵、三宅麻理恵、金香里、明坂聡美、米澤円、加藤英美里、小松未可子、芹澤優、戸松遥、後藤沙緒里、内田真礼、佐倉綾音)


「着せ替え×歌とダンス×フィギュアスケートのジャンプ」とまあ異種混合イイトコドリをした革新的コンセプトの異色作で、発表当時はオイラも大いに期待をしておりましたわ
が、結果的にテレビアニメそのもののクオリティはライバルとなる女児向けアニメ群より俄然低く
肝心要となる玩具の売り上げも『プリキュアシリーズ』や『ジュエルペットシリーズ』に遠く及ばず、後発となった『アイカツ』にすら後塵を期すという事態が現状です


テレビシリーズは実に3年3シリーズに渡って放送され、シリーズ共通した世界観を持ったまま次々に登場する多彩な登場人物の多さが魅力のひとつ
その反面、シリーズの途中で一体誰が主人公なのか迷走する、という混乱が度々あるのが予てから疑問視されてきた問題作でもあります


さて、そうこう言いながらも無事3年間を走りきった大作シリーズ
初の劇場版は劇中で「プリズムショー」と呼ばれるフルCGで描かれるライブシーンの総集編
【全国のプリズムショーファンのBoys&Girlsの心の煌きを集計した】というベスト10+αを選出(実際はスタッフの独断と偏見)
これをカウントダウン形式で発表するというもの
あくまでショーのダイジェストであり、細かなエピソードの振り返り等は割愛されています


司会進行を務めるのは濃厚な個性とハイテンションな毒舌で印象深い「ちっとも可愛くないマスコット」のペンギン先生とモモが初共演(競演?)
冒頭からこの二人(二匹?)が本来のストーリーテラーであるはず赤井めが姉ぇを<頭から叩き潰す>という鮮烈過ぎるテンションで始まります


そう今作、初の劇場版にして短い時間の中に執拗なぐらいネタを盛り込んだ(やはりというか)ツッコミどころ満載のコメディだったのです(笑)


特に大人の事情や声優ネタ等、わざわざ子供が知らんでもいいようなことすら晒しておいて「大きいお友達は最初から知ってる!」と一刀両断してしまうのだから笑わずにはいられませんw
いいのかwこれで?







面白いからおk!w


もちろんメインとなる数々の名場面を劇場のスクリーンとサウンドで楽しめる上、それも鑑賞料金は大人でも1200円とは恐れ入ります
アニメ全体の出来はともかく、プリズムショーのCGはいつ観ても大変美しくとても素晴らしいです
流石の京極尚彦演出
また、あえてショーのダイジェストとしたことで先述した物語のネガティブな面がオミットされたのも良かったですb
一部の劇場ではミニライブや熱唱上映会も頻繁に行われ、あくまで【ライブ感】を尊重した作品としたことは、十分評価に値すると思います


と、言いつつもw
シリーズファンにはもはや【伝説】とも言える“あの”「無限ハグエターナル」がスクリーンで炸裂したのには思わず鳥肌がwww


エンドロールで映画の最後を締めくくるのはシリーズ第1期の劇中ユニット「MARs」と連動した声優ユニット「LISP」が歌う主題歌「You May Dream」のNewMix
既に解散したユニットながらも最後まで“名曲”として大切に扱われているのにはスタッフの愛を感じますね


そして・・・最後の最後で全員集合する歴代キャラクターと歴代キャスト!
もう泣くしかないw全然泣く場面じゃないんだけどw
改めてこれだけは言いたい
プリティーリズムのスタッフさん、キャストさん、3年間お疲れ様でしたー!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

62.0 14 2014年冬(1月~3月)アニメランキング14位
劇場版 Wake Up,Girls! 七人のアイドル(アニメ映画)

2014年1月10日
★★★★☆ 3.5 (254)
1188人が棚に入れました
グリーンリーヴズ・エンタテインメントは、仙台で活動する弱小芸能プロダクション。しかし最後の所属タレントに逃げられ、社長の丹下は次の手としてアイドルユニットの結成を思い立つ。丹下の無茶振りにしぶしぶ街に繰り出しスカウトを始めたマネージャーの松田は、公園で一人歌を口ずさむ少女に出会う。その素晴らしい歌声に思わず声をかけるのだが、彼女は「アイドル」という言葉に表情を曇らせ、逃げるように立ち去ってしまう。松田は知らなかったのだが、その少女こそかつて国民的人気アイドルユニット『I-1クラブ』のセンターを務めながらも、ある事情で脱退した元アイドル、島田真夢であった。

takarock さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

2.5次元アイドル、その名もWake Up,Girls!

まず、あらすじよりもこの作品が制作されるまでの流れを簡単に紹介したいと思います。

2012年9月10日に東北を舞台としたアイドルアニメの制作が発表されるとともに、
スタッフが公開された。
主役7人の声優はプロダクションに所属していない一般人から
81プロデュースとavexが共同でオーディションで選考することが発表された。
(wikipediaより抜粋)

原案・監督 はヤマカンこと山本寛監督です。

上記の通り、Wake Up,Girls!メンバー7人の声優は素人です。
また、島田真夢→(声優 吉岡茉祐)、林田藍里→(声優 永野愛理)という具合に
役名と声優の名前をリンクさせています。
さらにキャラデザもその担当声優をモデルにしているという徹底ぶりです。

この作品ではアイドル界の汚い部分や業界の裏側も描写していくということなので、
メンバー間の争い、事務所の資金繰りやTV業界やスポンサーとの関係、セクハラシーン、
さらにいえば枕営業を強要されるシーンなんていうのもあるのかもしれません。

言い方は悪いですけど、
これはアイドルアニメを介して新人声優を見世物にしていると言えるでしょう。
泥に塗れてそれでも必死に夢に向かって頑張っていくメンバーの姿を応援することは
メンバーの声優を応援することに直結するような作りになっているわけです。
2.5次元といったところでしょうが、正直かなりえぐいやり方です。

最近では女性声優は声だけの役割だけでなく、アイドルとしての役割を
求められているのはすでに周知のことだと思います。
例えば、「探偵オペラ ミルキィホームズ」はアニメの思わぬヒットにより
その声優(若手中心)のLIVEは武道館も満員御礼になる程の
人気っぷりだったのは記憶に新しいところです。

この作品もアニメがある程度人気になれば、
無名の新人声優を一躍有名にすると共に
雀の涙程度のギャラの新人声優のLIVEで客を埋め、
イベント収入やそれに付随するグッズ収入等で
稼げるコンテンツに育っていくのかもしれません。
DVDやBDの売上に頼っている形態からの脱却という点でいえば
おもしろい試みだとは思います。
あまりに露骨で阿漕なやり方なのかもしれませんが、
「悲しいけど、これ商売なのよね」とスレッガー中尉もおっしゃることでしょう。
もっともこれは単なる私の推測に過ぎない話なんですけどねw

一応ストーリーにも触れておきましょう。
映画ではメンバー結成→初LIVEまでの話です。
アニメの0話の位置付けの話となります。

私はアニメから視聴したのですが、
まぁ映画を観てなくてもなんとか脳内補完できるとは思いますが、
やはり映画を最初に観るべきでしょう。有料ですがニコニコ動画でも視聴できます。
でもこの話は無料で流せよ。撒き餌を有料にして誰が食いつくんだよって話です。

俺か・・・でもそんな奇特な人はそんなにいるわけもなく
案の定あにこれだけでなくアニメから視聴した層からは大不評です。
「意味がわからない」「超劣化版アイマス」などと散々な言われようです。
奇しくもこの状況は誰からも期待されていない
地方の無名アイドルWake Up,Girls!のはじまりと似ているのかもしれません。
(ただ、この作品は無関心どころか嫌われている状態なのかもしれませんが)

ちなみに現在放送中のアニメは2話まで視聴していますが、
未だにメンバーを把握し切れていません。全員同じ顔に見える状態ですw
この辺もある意味リアルなのかもしれませんねw

Wake Up,Girls!はこれから作中でどんどん有名になっていくのでしょうが、
この作品もそうなっていくのでしょうか?
まぁ正直無理だとは思いますが・・
現実でも数多のアイドルが存在する中でトップアイドルになるのは
それこそ奇跡といえるような確率だと思います。
この作品も奇跡を起こせればいいですね。
まぁ正直(以下略)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 39
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

WUGの始まり

舞台は仙台。WUGのメンバーが集められ、貧乏事務所に所属して活動を始める。
ただの高校生だった林田藍里、民謡好きで歌唱力があり、東北のど自慢大会で優勝したことがある片山実波、ローカルタレントの七瀬佳乃、光塚歌劇団を志している最年少の久海菜々美、バイトで店長と折り合いがつかず、辞めたばかり最年長の菊間夏夜、メイド喫茶でアルバイトしていた岡本未夕の7人で活動。さらに担当する声優たちもリアルでユニットとして活動していた。

アイドルアニメでは珍しくファンの行動に焦点が当たっていることもある。社長の丹下は日高のり子さんなんだけど、こんなキャラクターをやるイメージはなかった。

タチアガレ!はWUGを代表する曲で最初の曲である。作品やユニットの出発として素晴らしかった。

以下は備忘録
{netabare}
2013年7月、宮城県仙台に拠点を置く弱小芸能プロダクション「グリーンリーヴス・エンタテインメント」は所属していた最後のタレントにも逃げられ、危機を迎えていた。社長の丹下順子は打開策としてアイドルグループの結成を思いつく。さっそく命令でアイドルのスカウトを始めた事務所のマネージャー、松田耕平は公園でひとり口ずさむ少女の歌声に魅了され、声をかけてみる。かつて人気アイドルグループI-1clubの中心メンバーだったものの、ある事情から脱退していた島田真夢だった。
広告や街での勧誘の結果、6人のメンバーを選抜。オーディションに応募してきた林田藍里の付き添いで真夢も現れ、丹下や松田が再度勧誘するも拒絶され、6人でアイドルグループWake Up, Girls!の活動を開始する。真夢はレッスンの会場前まで藍里の付き添いで行った際、Wake Up, Girls!がダンスをする光景を見て思わず歌に合わせてステップを踏んでしまう。松田は真夢に、I-1club時代の輝いていた真夢が映ったDVDを無理やり渡す。
Wake Up, Girls!はCDデビュー&デビューライブ。デビュー曲も丹下と懇意にしていたユニット・Twinkleに作詞・作曲の提供をしてもらい、インディーズながらCDが完成。しかし、丹下が会社の金を持ち逃げ。デビューライブは中止となり、松田やWake Up, Girls!の6人は互いに今後を考える。デビューを望んでいた藍里が危機を泣きながら真夢に話したことで自分の過去と重なる部分を思い出し、松田から渡されたDVDを自室で一人泣きながら見る。自分のしたいことに気づいた真夢は家を飛び出し、雨の中を走って、グリーンリーブスの事務所に飛び込んだ。
松田と6人のメンバーが1回だけでもライブをやろうと話し合っていた。真夢がWake Up, Girls!に入りたいと宣言すると、リーダーである七瀬佳乃が真夢の覚悟を問いただし、加入が決定。真夢を含めて最初で最後のライブを12月24日のクリスマスイブに行うことが決まった。しかし、飛び込みでやることになったライブは事前告知も出来なかった。雪も降り出し、人もまばらな夜の勾当台公園野外音楽堂で、Wake Up, Girls!の7人は見せパンを履かずに制服で1曲だけのステージ。観客の一人が「アンコール」を連呼。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「松田、アイドルとは何?」「アイドルとは物語よ、物語とはすなわち可能性よ」

まずはおかえりヤマカン!
そしてアニメ映画デビューおめでとう!
大変素晴らしかったです^^b


新人声優の育成とアニメ作品を同時進行させる『Wake Up Girls!』の【エピソード0】となるのが本作です
コレを観てからだとテレビアニメ第1話の印象がだいぶ変わります


監督はアニメ業界にダンス作画ブーム、ライブ作画ブーム、聖地巡礼ブームを巻き起こしたヤマカンこと「山本寛」
脚本に『らきすた』、『アイドルマスター』の「待田堂子」
キャラクターデザインにTV版『今日の5の2』、『ヤマノススメ』7話、『宮河家の空腹』1話の「近岡直」
そしてもはやヤマカン作品の常連、「神前暁」
とまあ、まずスタッフが実にオイラ好み(笑)


シリーズの最大の特徴は主役に抜擢された“ド新人”声優の7人を劇中のヒロイン達とリンクさせ、虚実混在の物語とするというもの
当て字こそ違うものの、登場人物と担当声優の名前が同じで、キャラデザも実際の声優の容姿をモデルとしているのです
おかげで名前と顔はすぐ覚えられそうですw


仙台に拠点を置く弱小芸能事務所のマネージャーを務める「松田」
彼は社長の命令でアイドルユニットを結成するべく“金の卵”となる美少女のスカウトに勤しんでいた
偶然にも国民的アイドルユニット「I-1 club」の元センター、「島田真夢」を見つけるがアイドルは彼女にとって過去の傷であり、オーディションに参加することを頑なに拒む
一方、彼女の他に6人のアイドル候補生を見つけ出すことに漕ぎ付けるものの、センターに相応しい存在感のある少女が欠けていることが問題視されていた
各々の思惑で参加したアイドルオーディションだったが、やがて一つのユニット「Wake Up Girls」(略称:WUG)として結束していく6人
しかしCDデビュー直前になって社長が運転資金を持って失踪
WUGのデビューは白紙となってしまったが・・・


時はアイドル戦国時代
いや、アイドルアニメ戦国時代です!
豪華ベテランスタッフが集結した実力の『アイマス』、CG演出を効果的に挟んでくる技術の『ラブライブ』、そしてポップアートを積極的に取り入れて老若男女関係なく人気幅を広げる挑戦の『アイカツ』


それらどれとも違った2014年の急先鋒となった『WUG』ですが、近岡の緩いラインと自由奔放な作画を軸に若手故の勢い余る演技で魅せる声優陣とまあ、今作はどの部分をどの作品と比べても実に【未完成】であると言えます


しかしながら【未完成】であるとはすなわち、劇中の台詞通りに【可能性】を感じさせてくれるものだと思います
これから広がっていくテレビシリーズの展開、「WUG」の行方、さらにその先にある新人声優たちの未来
その全てが“この映画をスタートにしている”と言える日が来ることをゆっくり待ち望みたい、そんな気持ちにさせてくれる希望感に満ち満ちた作品ですb


こんな素晴らしい映画が1発目とは・・・2014年もアニメ映画から目が離せない!
ちなみにオイラは夏夜さん推しだ!w

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

62.0 14 2014年冬(1月~3月)アニメランキング14位
大きい1年生と小さな2年生(アニメ映画)

2014年3月1日
★★★★☆ 3.7 (42)
164人が棚に入れました
1年生のまさやは体が大きいのに泣き虫で、通学路の暗い坂道が怖くて1人で歩けません。そんなまさやと手をつないで歩いてくれるあきよは、背は小さいけれどしっかり者の2年生。あきよのようにしっかりしたい、とあこがれているまさやですが、ある日、あきよが涙をながす事件が起きてしまいます。まさやはあきよを元気づけるため、あきよが大好きなホタルブクロの花を探しに、はるか遠くの一本杉の森へと歩いて行くのでした。

声優・キャラクター
田村睦心、矢島晶子、久野美咲

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

偉大なまさやくん

小学一年生にしてはとても背の高い「まさや」くんと、背の小さな小学二年生の「あきよ」ちゃんのほっこりするようなお話。

まさやくんは体格が大きいものの、気の弱い性格で通学路挟むようにしてある森にさえおびえてしまいます。
彼とは反対に、あきよちゃんは背が小さくてもしっかりしたお姉さん。
そんなまさやくんをあきよちゃんは堂々と先導していきます。でも、もうちょっと背が高かったらと思い悩むあきよちゃんです。
そんなある日のこと、上級生からもらったホタルブクロという綺麗な花を大切に抱えている下校途中で、
同じ小学生の暴走自転車がぶつかってきてホタルブクロがつぶれてしまいました。とても悲しいことです。
特に、いつも元気で自分を励ましてくれているあきよちゃんの涙はまさやくんにとって衝撃的でした。
かける言葉も見つからず、ただただ帰り道を彼女の後ろをついて行くことしかできませんでした。
しかし、まさやくん決心します。なんとかあきよちゃんに元気になってもらおうと。
以前、おじいちゃんの家に行く途中、バスの中から見かけたホタルブクロのおぼろげな記憶を辿りながら、
あきよちゃんからもらった首飾りを頼りに、勇気を振り絞りまさやくんは1人で冒険に出かけていくのだが……

「アニメミライ」という若手アニメーターを支援する文化庁の企画らしく、2010年から毎年行われているらしいです。
アニメの短編、または長編映画好きの僕にとっては嬉しいものではありますが、
あまり面白そうなものや観たいと思わせてくれるものが少なく、いまいちパッとしません。
『リトル・ウィッチ・アカデミア』もこの企画で作られたものでした。うーん、やっぱりいまひとつでした。
この作品もそんなに面白いというわけではなく、興味がないとおそらくすぐに飽きてしまうような作品です。

原作は1970年に出版された児童文学。
ストーリーは、上にも書きました通り、気弱な少年が自分の意志でひとつ成長する姿が描かれます。
体が大きいからといって心も強いわけではありません。背が高いから顔もかっこいいというわけではないし、
必ずしも運動ができるわけでもない。男が誰しもラジオの修理ができるわけではないように。
小学生の頃から、もっと言えば幼稚園の頃から皆より背が高かった僕には、まさやくんの気持ちがよくわかります。
背が高いのになにもできない木偶の棒というのも案外キツイものです。
だから、内なる恐怖に頑張って立ち向かい、大好きなあきよちゃんのためにと奮闘する彼の姿は立派だと思うのです。

あきよちゃんが涙を流すシーンもくるものがあります。尊敬している、特に年上の人の弱い部分は、
なんだか見てはいけないような気がするのものです。そしてそれはとても心に残ります。
『マリア様がみている』で祐巳の前で祥子さまが泣くシーンなんてとてもびっくりしました。
またこの作品にしろ、『マリみて』にしろ、これを上手くストーリーの中で使っています。
場合によっては涙する側は立場を失いかねないので繊細な配慮が必要になるこの場面ですが、
両作品ともちゃんと物語を前に進めることができていて、話の作りとして上手いと思いますし、なにより結末がより魅力的に輝いていました。


この作品の特徴をあげるときに絵は欠かせません。
水彩絵の具で塗ったような温かい雰囲気のある背景に交じる小学生たちの姿は不思議とじっくり見てしまいます。
精密というよりはアバウトに大胆に描かれたそれらは、むしろ小学生視点の世界を忠実に描いていました。
日常が非日常で、周りのものが神秘的で幻想的。森は悪魔の巣窟に、タコは正義の味方になるのです。
話の終わりの方で、自転車で小麦畑の間を駆け抜けるシーンは特に綺麗でした。

少年の冒険と呼ぶにはいささか大袈裟な気もするし、深く感動するようなこともなかったけれど、
小学生のあの頃、隣町でさえ自分にとっては未開の地であり、目に映る全てが新鮮であると同時に、
自分がどこにいるのかわからず、帰れなくなる恐怖感が常にあったことを思い出しました。たしかに、あれは怖かった。
そんな子供の頃の感情を生のまま掘り起こされる作品でもありました。

こういった子供の話や日常を背景にした作品には思いのほか感動してしまうことがあります。
僕にとってこの作品は違いましたが、たとえそうでなくともなかなか良い作品ではないかと思います。
話の展開があまりに平板過ぎるのが少し瑕なんです。でもだからといってまさやくんの行動の偉大さは少しも減じられません。
立派でした。これからの2人の関係と、成長していく彼らの姿が、続きはないのだけれど楽しみにもなる作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

大きくなるために、等身大の冒険物語

40年以上も前の絵本が基になっていると聞いて、絵本の世界はいつも変わらない素晴らしさがあると実感しました。
子供の頃読んだ絵本は今読んでも感心させられる教訓や戒め、笑いや感動が詰まっています。

あらすじ
{netabare}
体は周りの子より大きいけど臆病で引っ込み思案な小学1年生の‘まさや’は、体は小さいけど気が強くて世話焼きな小学2年生の‘あきよ’にいつも手を引っ張ってもらっていた。
ある日クラスの女の子にあきよ達はホタルブクロの花を貰い、その花が好きなあきよは大層喜んでいたが、学校の帰り道で乱暴な上級生に花を踏みにじられてしまう。
普段は強気なあきよが泣き出す姿を見て、まさやはホタルブクロが多く咲いているという一本杉の森まで一人旅立つ決意をする。
{/netabare}


なんだか懐かしい気分になれました。

大きくなればなんてことない悩みや怖さに振り回されていた体験は古今東西、誰にでも共感できるものだと思います。

通学路にある暗い道がなんだか怖くて足早に通ろうとしたり、背が伸びないのを気にして毎日牛乳を飲んだり、そんな経験を丁寧に、かつドラマチックに描いているので大人から子供まで楽しめるはずです。


今の技術でアニメ化するとなると絵がすごく派手だとか演出が過剰だとか懸念されると思うのですが、そんなことは全然なく昔の絵本をそのまま動く絵本にしたような優しいタッチと演出で違和感はなかったです。


特徴としては変にノスタルジー、懐古的なお話にしていないところが決定的に違うと思います。

大人に向けたお話ではなく子供に向けたお話だと分かる、子供ならではの目線が今やなかなか無い貴重な要素ではないでしょうか。

例えば
{netabare}
・一緒に学校に通いたくて朝ごはんを食べないで登校した結果、学校でお腹を空かす
・下敷きで髪の毛を逆立たせて、背伸びした気分を味わう
・飴玉の包みで透かして風景を眺めて、違う色の包みで何度も楽しむ
{/netabare}
ほんの一部分です。もっとたくさん子供ならではの発見がありました。



絵本をアニメ化する、とても壮大な挑戦だったと思いますが見事な映像化でした。まさにアニメでしか出来ない表現力。

途中巻き起こるファンタジーな展開もアニメにしたことでより興奮が増す仕上がりになっていたはずです。(原作は未読です)

声優さんも皆子供になりきって演技しているようなリアルさでした。
矢島晶子さん、久々に女の子の役を見ましたが変わらず素晴らしい。
久野美咲さんはもうリアル少女という感じで出てくれて嬉しかったです(笑)



まだレンタルは開始してないのかも。もしレンタルされているのを見かけたら是非一度は見てほしいお話です。
動く絵本という言葉は見てもらえれば分かると思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

【44年の時を経て名作がアニメ化する瞬間】

文化庁が主催するアニメミライ、2014年度の一作


原作は1970年に出版された絵本(というか絵物語)
恐らく小学校の図書室で目にした事のある方も多いでしょう、オイラもその一人
実に44年の時間を経て、この名作絵本が遂にアニメ化するのです
それも一流スタッフの手腕と国の金で(笑)


監督は『宇宙兄弟』『謎の彼女X』の渡辺歩
キャラクターデザインは金子志津枝
このコンビは4月スタートの『彼女がフラグをおられたら』のメインスタッフでもありますね
監督自身も子供の頃に読んだというこの原作
いつかアニメ化したい、と考えていたようです
そんなベテラン監督に従えられたA-1Picturesの若手アニメーター達が挑むのは、渡辺歩監督が得意とする【現実と虚構が混濁する世界】です










1年生なのに身長が大きすぎる「まさやくん」
背は小さいけど2年生らしいしっかり者の「あきよちゃん」
泣き虫なまさや君は登校途中にある薄暗い森のある坂道が怖くて一人で歩けませんでした
そんなまさやくんと手を繋いでくれるあきよちゃん
けれでとある日、あきよちゃんが泣いてしまう出来事が起きてしまいます
まさやくんはあきよちゃんを元気づけるために、あきよちゃんのお気に入りだったホタルブクロの花を捜し求めてはるか遠くの森に一人歩いていくことを決意します・・・









まず可愛らしい感じに低めの頭身でまとまったキャラデザ、田村睦心と矢島晶子の新旧少年役声優の競演、44年前の東久留米の姿を再現してみせた世界観と背景
とまあパッと見でわかる見どころの多さに惹かれます


さらにまさやくんが怖がる暗い森
これを渡辺歩作品お約束の現実(リアル)と虚構(イメージ)が混濁して重なる様として表現
昨今では珍しい、ラフで荒々しい大胆なタッチの背動(背景動画、背景ごとアニメーションさせる作画の手法)が拝めるのが最大の見どころかと


いやはやしかし;
44年前の絵本をアニメ化させようだなんて考えが今日浮かんでくるとは・・・しかもそれが実現しようだなんて・・・
正直驚きです
次に何がアニメ化するのか予想できませんw

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

60.8 16 2014年冬(1月~3月)アニメランキング16位
劇場版 HUNTER×HUNTER -The LAST MISSION-(アニメ映画)

2013年12月27日
★★★★☆ 3.5 (164)
845人が棚に入れました
「かつて、ハンター協会には強大な力を持つハンターたちが存在した。彼らは《光》と《闇》に引き裂かれ、それぞれが選ぶ道へと進んだ―そして今、全てのハンターを抹殺する為に《闇》が動き出す。《闇》の猛攻により、傷つき倒れるキルア、死に瀕するクラピカ・・・。ハンターたちを追い詰める《闇》の真の目的とは?そして、明らかになるネテロとハンター協会の罪深き真実。全てを知ったゴンは、傷ついた仲間を助ける為の“力”を求め禁断の《闇》世界へ足を踏み入れてしまうのか・・・!?」
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

HUNTER×HUNTERの劇場版オリジナルストーリー。偉大なキルアの存在!

劇場版 HUNTER×HUNTER
-The LAST MISSION-
98分


全ハンターよ、真実(闇)と闘え
今、蘇る悪夢。それはハンター協会の闇の歴史
数十年前のあの日、全ての悲劇が始まった… 浮かび上がるハンター協会の
闇の歴史―そして、ネテロの隠された過去 ハンター VS ハンターの死闘が今、
始まる!!!

上記は本作のキャッチコピーです。インパクトがありますね映画を観る
きっかけになるし興行成績にかかわると言っても過言ではないですよね。


私、冨樫は幽遊白書が最盛期と思っています。原作ハンターハンターは
現在分迄は既読しています。
前作劇場版は映画館に行きましたが、今作はレンタルでの視聴。


劇場版オリジナルストーリー
天空闘技場を再び舞台にし、メインの4人(ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ)や
ズシとウイングの師弟コンビ、久々に皆集結します。


{netabare}
今回の敵はジェド。かつてハンター協会の影の隊長だったジェドは過去に
ネテロによって壊滅させられた。報復のため動き出すジェドの末えいである
修羅(しゅら)、煉獄(れんごく)、餓鬼(がき)という劇場版のオリジナルキャラと
壮絶なバトルを繰り広げます。


念の設定は練られた設定のため扱うのに厄介であり非常にオリジナルが
作りにくいと思いますが本作は矛盾を感じさせない出来でしたね。
敵サイドを未知の強さを持つキャラと描くため念ではない怨という謎の能力を
使ったのはオリジナル設定として悪くはないです。

それからアクションシーン良かったです。技と技のぶつかりあい。
バトルはよく動きます。
ゴンの釣竿、キルアのスケボー、初めのハンター試験でしか観られなかった
アイテムが使用されているのもすごく良かったです。
ネテロ役を演じた永井一郎氏の劇場アニメ最後の出演作の百式観音も圧巻でした。
キルアの洞察力や機転の利かせ方もカッコイイです。
{/netabare}


強いて言うならあと少し原作のような「作戦と発想力の戦い」の要素があると
良かったかなと


個人的にゴンとキルアの友情も見せ場が沢山用意されていたのは満足。
ゴンの言葉に照れてるキルアの描写に大満足です。

冨樫的ストーリー構成なんて期待して観ているファンいないだろうし
限られた映画の時間枠を考えると健闘だと思います。

オリジナルでこれ以上は難しいのではないでしょうか。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24
ネタバレ

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ハンター十か条其乃四「ハンターたる者同胞のハンターを標的にしてはいけない」

映画館にて見てきました。前作が結構ひどかったので今回こそはと思ってました。

結論からいうとまぁまぁでした。前作よりはかなり良くなってました。

時系列としてはG・I編の後ですかね。(ゴンの技などから推察)
天空闘技場が舞台になっているのですが {netabare} とりあえずバトルオリンピアのフロアマスター達しょぼい奴多すぎるw キャラデザも微妙だし…
{/netabare}

前回と違って {netabare} ヒソカを戦闘に参加させなかったのは良かったと思います。前回強すぎでしたしw ネテロはまぁああなるのは予想できましたが、それにしても煉獄出番少なすぎてびっくり{/netabare}

どのへんがThe LAST MISSIONかわからなかったりしたし、やっぱりHUNTER×HUNTERってこういう劇場版にはむいてないのかなぁと思いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

こう言ったシリーズ物の劇場版はレベルは高い、、

見た事は無いですが、
恐らくワンピースやナルト(これは一作見た)等の
漫画原作でTVでそれなりに長くやっている
シリーズの劇場版はどれもそれなりに
レベルが高いですね。
プロットや作画等にしっかりとお金がかかっているのが
分かる。

ただ、少しうがった見方をすれば
必ず中庸を狙っているような気がする。
ここまでくれば、それが惜しい、、、
もっと突き抜けてやれるのではないかとさえ
思ってしまう。

後この作品に限らず、クラピカの役割は
必ずこうですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

59.9 17 2014年冬(1月~3月)アニメランキング17位
パロルのみらい島(アニメ映画)

2014年3月1日
★★★★☆ 3.5 (29)
103人が棚に入れました
遠い海の向こうに浮かぶ小さな島。そこには未だ人間に知られていない不思議な動物達が暮らしていた。その島の子供、パロル・ズーズ・リコットは、ある日人間の世界の写真を拾い、その美しさに魅了され、掟を破って島を飛び出してしまう。初めて見る人間の世界に驚き、興奮するパロル達。ただ、そこには思わぬ落とし穴が待ち受けているのだが…。果たして彼らは無事に旅の目的を達成する事が出来るのか?

声優・キャラクター
藤村歩、勝杏里、川澄綾子
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

見ている間だけ子供になれる素敵な世界

「パロルのみらい島」を手掛けたのはシンエイ動画。
シンエイ動画と言えばドラえもんを代表に子供向けの作品を多数生み出してきた会社です。
この作品も愉快痛快な子供向けアニメとして素晴らしいクオリティを誇る一作です。

あらすじ
{netabare}
動物だけの不思議な島で暮らすパロル・ズーズ・リコットの三人。
彼らは学校で絶対に島の外へは出てはならないと言いつけられていたが、ある日見つけた外の世界の素敵な写真にリコットは感激してしまい、パロルとズーズを連れて外の世界へ飛び出して行く。
{/netabare}


最初に飛び込んでくる島の光景でもうこの世界に引き込まれます。

広大な自然、そしてそこで暮らす動物たちの営みが躍動感をもって描かれています。まさしく夢の楽園といった感じの、憧れずには居られない世界でした。

動物といってもこのアニメのキャラクターは二足歩行で動くので人間とほぼ変わらず、違うのは文明のレベルが著しく低い事です。
そのためアナログな手段で島の中を移動しているのですが、その移動手段が凄い。よく考えたら人間にはあんなアクロバティックなこと出来ないので、人間より猿に近いかもしれません。

島の中を縦横無尽に駆け巡る姿は、自然と共生している彼らの生態を現しているようで印象的でした。


近代的な技術や文明は何も知らずとも、次々と新しい発明品を生み出すズーズはそれこそドラえもんにでも出てきそうです(笑)

科学者というよりはある種の職人のように、身の回りのものだけで便利な道具を発明していくズーズはパロルとリコットを支える縁の下の力持ちといった所です。

ズーズの力を借りて新しい世界へ飛び出した三人は、途中で小鳥の‘アン’に出会います。
アンの道案内で探していた場所へたどり着きます。

そこにはもう、異世界が広がっていてその困惑や感激がこちらまで伝わってくる様子でした。

私達にはそれほど違和感のない舞台であっても、パロル達には新鮮な光景であった。そのギャップをうまく表現できていました。
{netabare}
例えば自動車が往来する道とか。とっても驚いてましたよね。でもその後でバスに乗って移動していたような…アンの入れ知恵があったとはいえよく乗れたなあと思いました(笑)
{/netabare}

異世界に突然パロル達がやってきても浮かないような設定付けも辻褄が合うもので、納得できるし素敵な設定でした。
メモ{netabare}
その日は人間たちの祭りの日で仮装して街を歩いて良いことになっていたので、パロル達も子どもが仮装しているだけのように見えて目立たなかったのでした。
そう言われると可愛い子供が動物の着ぐるみを着て歩いているように見えてくるのが不思議ですね。
{/netabare}


それから起こるトラブルは、きっと島の大人が警告していた通りのことなのでしょう。
初めての危険に戸惑う三人。
島にいる頃から怠け者で臆病だったパロルが、今までの自分を思い起こし、このままじゃいけないんだと奮起し、二人のために闘う姿は興奮しきりでした。

やっぱりこういう葛藤とか成長って子供に見せる上で大事な要素だし、欠かせないシーンですね。


最後はハッピーエンドで、良い余韻を残して終わってくれました。

視聴者が予期していたエンドを見せるタイミングが完璧だったと思います。分かっちゃいるけど感心してしまう、匠の業でした。


当初の目的ともうひとつ、大事なのは恋愛要素。

パロルとリコットの関係もとても素敵でした。
リコットはいつもパロルの事を気にかけていて、だからこそいつも無気力に生きるパロルに腹を立てていました。
ズーズに好意を寄せているように見せつけて、本当はパロルに振り向いてほしいといわんばかりの態度は可愛らしくて憎めません。
変に良い子ぶらず自分の気持ちに正直なリコットは名ヒロインだと思います。


それから「アニメミライ」の作品はどれも作画は高水準で、あにこれ評価で5.0にふさわしいクオリティですが、その中でもパロルはずば抜けて作画が優れていると思います。5.0をカンストして10.0あげたい位高評価です。

色鮮やかな島のグラデーション、でも目に優しくずっと見ていたくなる美しさ。
アイランドという言葉が似合うような楽園そのものでした。

所変わって街の美術はとてもリアルで、パロル達と上手く溶け合うように工夫されているこだわりは圧巻です。
ヨーロッパのような街並みは最早ファンタジーのように感じられました。


ヒロインのリコット役が川澄綾子さん、凄い合ってたと思います。川澄さんにはもっと子供向けのアニメで活躍してほしいです。

そう言えばパロルの主題歌は一度聴いたら中毒になりますね(笑) ♪パロルパロル~と不思議な歌は面白い響きをしています。


よく「童心に返る」と言いますが、このアニメに限ってはその表現はふさわしくないですね。
見ている最中はもう子供に戻るというか子供になれる、何と言えばいいのか、童心に返る以上に素敵な気分になれる感覚です。

子供が見ていて喜ぶような、選りすぐりの面白要素に溢れていて感心しきりです。

タイトルのみらい島の‘みらい’はアニメミライにおけるアニメーターの未来と、このアニメを見てくれた子供の未来。その両方を応援するために付けられたように思えます。

子供の頃見ていたアニメを見返すようなワクワク感が全力で味わえる、またとない逸品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ケモナー歓喜である(笑)今年度アニメミライにおける最高の作画クオリティ!冒険と成長と三角関係を詰め込んだ、アニメの宝石箱や~♪

文化庁が主催するアニメミライ、2014年度の一作


制作はシンエイ動画
シンエイ動画といえば星の数ほどある日本のアニメ制作会社の中でもかなり特徴的な会社ですよね
『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』等など、ファミリー向け作品を専門とし基本的にアニヲタに媚びた作品は作らないのが方針
(いやw『となりの関くん』は例外でしたかな?w)


今作で初監督を務めるのは現在『ドラえもん』でメイン演出家も務めるアニメーターの今井一暁
今回氏がオリジナルキャラクターとオリジナルストーリーで作り上げたのはまさに【子供の頃見て、興奮したアニメの原初的体験】を追求した作品
つまり、どこまでも果てしなく子供向け


どこかの島で暮らす人間が知らない不思議な生き物の村
その村のオトコノコでいつも学校をサボってばかりの弱虫、パロル
活発で島の外の世界に憧れるガールフレンドのリコット
島に流れ着く漂流物で発明をすることが趣味のズーズ
三人は危険が故に決して島の外には出てはならない、という掟を破り冒険の旅に出る
そして辿り着いた先で初めて見る人間の文明に触れてしまう・・・


まずとにかくよく絵が動くw
アニメーター育成の企画であるアニメミライにおいて、作画はもちろん重要視されるところでありますが、今作は今年度の中でも特によく動かしてきます
喜怒哀楽がコロコロ変わるキャラクターの表情は魅力的に、身振り手振りの芝居、そしてアクション
もうやりたい放題でありますw


子供向けと割り振っておきながら、主役のパロル、リコット、ズーズは見る人から見れば三角関係の幼馴染
サクッと甘酸っぱい要素を入れてくる辺りは流石の老舗、シンエイ動画なんじゃないでしょうか
そしてリコット、この娘可愛すぎw
2012年度にはケモナー歓喜の作品(笑)『BUTA』がありましたがw今作はそれを超えますw
リコットに惚れた人、あなたにはケモナーの素質ありますw


「パ~ロ~ル~♪」って子供の耳に残り易そうな優しいトーンで強烈なインパクトを誇るテーマソングもバッチリ作られてたりで、かなり本気を感じた一作です^^b

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

神崎凛 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

こんなに面白いアニメだったとは...

遠い海の向こうに浮かぶ小さな島。その島の子供、パロル・ズーズ・リコットは、ある日人間の世界の写真を拾い、その美しさに魅了され、掟を破って島を飛び出してしまう。初めて見る人間の世界に驚き、興奮するパロル達。ただ、そこには思わぬ落とし穴が待ち受けていた……。


最初は得たいの知れない生き物3匹の気ままな物語なのかと思っていたけど全然違いましたww絵柄が何かに似てると思ったら制作したのが「ドラえもん」などのスタッフらしくて納得しました。

人間が出てこない作品と思っていたので人間の世界へやってきたのが1番予想外でした。作画も凄く良くて動くシーンはめっちゃ動いてます。まるで1本の映画を観てる気分でした。

王道をテーマに作ってるだけあって凄く王道な作品になってます!私は単純に観てて楽しい映画とかとても好きなのでかなり面白かったです!!声優陣もかなり豪華でした!!

ぜひ何も考えずに鑑賞してほしいです!!

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

58.0 18 2014年冬(1月~3月)アニメランキング18位
黒の栖-クロノス-(アニメ映画)

2014年3月1日
★★★★☆ 3.4 (50)
262人が棚に入れました
少し暗い陰を持つ高校生・中園真。彼には幼い頃より、魂を連れ去る「黒い存在」が見えてしまうという不思議な力があった。ある日不意に「黒い存在」の一人・瀬野晶に話しかけられ「自分たちの邪魔をする気か?」と問い詰められる。しかし真は「どうせ何も出来ないので邪魔はしない」と諦めの態度を見せるだけだった。そう、その時はまだ、幼馴染の葉月に迫る不穏な影に、真は気づいてはいなかったのだ……。

声優・キャラクター
花江夏樹、小野大輔、大地葉、前野智昭、松本夕紀
ネタバレ

まりす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

正しく実習用教材

文化庁が主導する若手アニメーター育成プロジェクト
「アニメミライ2014」の参加作品4つの内、STUDIO 4℃が制作を
担当した作品。


・・・うーん、短いのは仕方ないんだけど 話が印象に残らないというか。
色々伏線貼ってるのに全く回収していない。
行動の背景もイマイチ見えない。正に少年誌の読み切り漫画のような・・・

・・・・いえ、いいんです。アニメミライはアニメーター育成事業ですから。
売る目的で作ってないんです。作画に注目しましょう。
監督の恩田さんは本作が初監督作品。
完全に作画畑の方で(凄まじいキャリア)、後輩アニメーターにも
「いろいろやらせてみた」感があります。

キャラは結構細かく動かしています。ちょっとした仕草とか。顎とか。
2、3シーン 口の動きに違和感を覚えた箇所も有りました。
よくよく見てみると、セリフの母音に合わせて口を細かく動かしすぎている。
かなり丁寧な作業ではあるけど、これじゃ声優が発声をフレーム単位で
合わせないといけなくなる。細かいのも良し悪しですねー。

この作品もそうですが、STUDIO4℃の作品って独特の空気感がある。
萌え萌えしてないし、押し付ける熱血も無い。
社長が女性ってのも理由なのかな。本作もやっぱりそんな感じでした。

※本作はスタッフへのインタビュー記事と合わせてご覧になると
 より楽しめると思います。
http://animemirai.jp/2014anifav/production/studio4c/index.html


題名の話(蛇足){netabare}
 黒の栖→クロノス から時間を司る神「クロノス」を思い浮かべてましたが
 本編にそんな要素は全く無く。
 他方、ゼウスの父で農耕の神「クロノス」はアダマスの鎌を武器として
 います。
 もしかして黒服達が鎌を使うって理由だけでこの作品名にしたんでしょう
 か・・・
 (栖=巣だから黒服達の棲み処という意味?もうわけがわからないよ){/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

あえて世界観を消化しない伝奇モノ

2014年度のアニメミライにおける1作


地味な良作が揃ったアニメミライ2014の中では正反対な、ミステリアスなストーリー、ファンタジックな世界観、そしてバトルを中心に構築された割と単調な作品


制作はSTUDIO4℃
『ブラスレイター』や『緋色の欠片』等で繊細なキャラクターデザインを手掛けてきた恩田尚之が初監督


幼い頃から死を目前にした人の背後に現れる「死神」を目視できる能力を持った少年、マコト
死神が見えるというその能力を誰も信じようとはしなかったが、見えるというだけで何が出来るわけでもない
マコトはいつしか、死神を見て見ぬフリをするようにして生活していた
しかしある日、マコトが死神だと思っていた黒づくめの男、アキラがマコトに接触を図る
アキラの真の目的は理解できなかったが、やがてアキラの次の標的がマコトの幼馴染の少女、ハヅキであると知ることになる・・・


お話自体は謎に満ちた「死神」の存在を軸に、次から次へと登場する複数の人物の思惑が入り乱れて2転、3転とする急展開
とても世界観を消化し切れてるとは言い難い


続きを予感させるストーリーといえば聞こえは良いですが、実際のところお話の肝となる死んだ人間の魂がどうなるのか?
が、具体的にはわからないままで味気ない結末を迎えます


キャラクターデザインは繊細な絵柄が特徴の監督自身のタッチとは正反対に、ハイライトも陰影も入ってない大味な印象
作画自体もフルアニメーションを多用した所謂ヌルヌル作画でどちらかというと動画殺し(笑)的な独特の作風に仕上がっています


お話も画面も少し練り込み不足を感じ、特に他のアニメミライ参加作品とは違う試験的な立ち位置の作品ですね

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

運命に抗った少年。

アニメミライ作品「黒の栖」約25分

主人公の声優が花江夏樹さんでちょっと嬉しかったです。

死神が見える主人公。
そして死神は主人公の幼なじみに・・。

観始めて思ったのは少々癖のあるキャラクターデザイン(作画)だと感じました。
最近のアニメというよりは少し古い感じの様な雰囲気がしました。

死が関係あるだけに内容は暗めというか結構静かな感じ。
BGM(効果音に近い音)が作品の雰囲気や死神の存在を
うまくだしていると思いました♪

内容的には観てると予測できちゃう展開でした。
できちゃうけど、メインシーンは結構感動しました。
こんなに思ってくれる人がいてヒロインは幸せだなって。

この作品、まとめるのには25分じゃちょっと足りなかったように思いますが
雰囲気や空気感は良いし、つまらなくはないので
ちょこっと時間ある時とかに観てみても損はしない作品だと思いますヽ(*´∪`*)ノ"

読んでくださりありがとうございましたヽ(´∀`*)ノ

投稿 : 2024/06/01
♥ : 25

計測不能 19 2014年冬(1月~3月)アニメランキング19位
ゴールデンタイム(アニメ映画)

2014年1月11日
★★★★☆ 3.8 (6)
57人が棚に入れました
米アカデミー賞を受賞した「つみきのいえ」のROBOTが手がけた短編アニメーション。高度経済成長期からバブル経済期へと目まぐるしく発展する1980年代の日本を舞台に、廃品置き場に捨てられてしまった古めかしい60年代製のテレビが、捨てられたことに納得できず、廃品置き場から抜け出そうと試みる姿を描く。

三毛猫メリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ブラウン管TVの行く末

2019.8.29視聴完了。

ゴミ捨て場に捨てられたブラウン管TVを中心に描かれた作品。
会話は一切ないが効果音やしぐさ等で
それぞれの感情は読み取ることができる。

作品とは直接関係ないんだけど、ふとした疑問。
夢の島といえば粗大ゴミ捨て場だったと
わかる世代は何歳からなんだろう?

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

計測不能 19 2014年冬(1月~3月)アニメランキング19位
プレーンズ(アニメ映画)

2013年12月21日
★★★★☆ 3.9 (5)
54人が棚に入れました
農場で働く農薬散布機のダスティは、大空の世界一周レースで優勝するという“かなわぬ夢”を抱いていた。彼はスピードを競うために作られたレース用飛行機ではなく、おまけに高所恐怖症のため低空飛行しかできないのだ。それでも夢を諦められないダスティは、猛特訓と仲間のサポートによって世界一周レースへの出場権を手に入れる。トップ・レーサーたちが集結する中、様々なハンディを負ったダスティに勝ち目はあるのか?

声優・キャラクター
瑛太、井上芳雄、山口智充、石田太郎、天田益男、甲斐田裕子、小林沙苗、白熊寛嗣、塾一久、森田順平、中田隼人、大川透、我孫子令、中村秀利、花輪英司、河本邦弘、林勇、間宮康弘

計測不能 19 2014年冬(1月~3月)アニメランキング19位
くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密(アニメ映画)

2013年12月28日
★★★★☆ 3.6 (7)
41人が棚に入れました
偉大な発明家になることを夢見て、水を何でも好きな食べ物に変えることができる<食べ物マシーン>を発明し、一躍有名になったフリント・ロックウッド。ミートボールやハンバーガーが巨大化しあわや大惨事という一歩手前で町を救うことができたが、フリントと仲間達はスワロー・フォールの島を一旦離れる羽目になった。しかし謎の生物"フードアニマル"たちに島が占拠されてしまっているとわかった時、世界を救う為に再び島に戻るように要請される。フリントは自分の偉大な、けれど迷惑な発明品のために、おいしくて危険な戦いに再び挑むことに・・・・。

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

前作よりも明らかに魅力がなくなってしまった

このアニメ映画は、くもりときどきミートボールの続編に
あたる作品である。前作の終わりから話が続いているため、
前作の知識をある程度踏まえたうえで視聴した方が良いと思われる。

大まかなあらすじとしてはこんな感じ。
FLDSMDFRの事件が終結した直後、島に有能な発明家を求めて
巨大企業「リブコー」の社員達が来訪してきた。彼ら社員が
スワロー・フォールズを覆い尽くした巨大食べ物の撤去作業を
行ってくれるという情報を聞き喜ぶ市民たち。

しかし、余りにも膨大な量のため、一時的にではあるが島民達は
リブコー本社のある「サンフランノゼ」へ移住することになる。
そこで新たな生活を送るフリントたち。運よく、リブコーの
最高責任者であるチェスターVに声を掛けられ、リブコー社員
として働くことに。チェスターVから依頼された仕事を遂行する
ために、ひとりスワロー・フォールズに向かうのだが…。

全体を通した感想としては、前作の良さを全く活かしきれていない
印象を受けた。前作では大人でもかなり楽しめる作りになっていた
のだが、今作は子供向けにシフトしたようだ。人によっては
物足りないと感じても不思議ではないと思われる。
やはり、一作目は本当にストーリー構成力の高い素晴らしい
作品だったなと改めて認識した。
(後になって監督が違うということが判明した。
それなら仕方ないね☆)

いい所を挙げるとするならば、前作よりも可愛らしいキャラクター
が多い事と、全体的にカラフルな色彩になっている事だろうか。
今作では、FLDSMDFRが生み出した生命体「フード・アニマル」が
登場するということも相まって、色取り取りのキャラクターが
顔を覗かせてくれた。

個人的に印象に残っているのは、やはりイチゴちゃん。
たまに嘔吐するおっちょこちょいだが、使命感の強い
フード・アニマルだ。カリスマ性が高いのも大きなポイント
となる。彼の勇気に感銘を受けた子供達も多いだろう。

舞台がジャングルと化したスワロー・フォールズであるため、
色彩豊かな背景となっている。子供心をくすぐられるので、
無邪気な気分で見ることが出来るだろう。

それ以外で良いと感じたところは一切なかった。
前作では、主人公フリットと父が家族に向き合うという明確な
シーンがあったのに完全に省かれている。非常に味気ない。
というかしょっぱい。不要なものだと判断したのだろうか。なぜだ?

また、前作よりもやたらギャグを強調しすぎているため、所々で
冷めてしまうことが多かった。そこまでしてやる必要はあったのか?
絶対に要らないと断言できる。

一番致命的だと感じたのは、フリントが非常に優れた科学者である
という設定を無視していることだ。前作には確かにあった創意工夫
が活かされていないのだ。なんのための技術者か。それに加え、
主人公が成長しきれていないのも良くない。
前作が好きだった方からすれば憤りを感じても不思議ではない。
最早、蛇足でしかないのだ。誠に遺憾である。

以上の理由から、困った時はフード・アニマルで誤魔化してしまえ
という風に私は見えてしまった。制作中の段階で気づかなかった
のだろうか。かなり気になる所だ。

テンポよく進むのは問題ないのだが、如何せんストーリーがしょっぱい
出来になってしまったためこのような評価になった。内容重視の方は
見なくても特に問題はないと思われる。
私からも無理には勧めない。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

三毛猫メリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

くもりときどきミートボール 続き

2019.9.23 視聴完了。

前作のラストシーンから始まる。
前作の食べ物を粗末にしていると感じたのは
私だけなくて、たくさんいたようだ。
なぜなら今回はそれをフォローする内容になっているから。

島に放置されていた食べ物は
フードアニマルになっており
フリントたちは問題解決のため島に向かう。

食べ物が生き物になると粗末感が面白いほど消える。
フードアニマルたちは意外と可愛いし
愛と友情の物語という感じになっていて
前作よりも良かった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

計測不能 19 2014年冬(1月~3月)アニメランキング19位
ウォーキング with ダイナソー(アニメ映画)

2013年12月20日
★★★★☆ 3.9 (5)
37人が棚に入れました
7000万年前のアラスカを舞台に、一頭の恐竜の成長を追いながら、彼らが生きた太古の地球を旅する地球史上最大の“いのちの物語”。厳しい冬を生き抜くために南へ向かう草食恐竜の群れに、耳に大きな穴があいた一際小さな身体の一頭がいた。やがて彼は、群れのリーダーである父を亡くし、兄や仲間ともはぐれて迷子になってしまう。大きな肉食恐竜や自然の脅威と闘いながら、仲間に会うために旅を続けた彼は、様々な危険をくぐり抜けて大人へと成長し、思わぬ形で兄と再会を果たす……。

計測不能 19 2014年冬(1月~3月)アニメランキング19位
ミッキーのミニー救出大作戦(アニメ映画)

2014年3月14日
★★★★★ 4.3 (5)
32人が棚に入れました
『アナと雪の女王』の同時上映作品として劇場公開された。

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

斬新な映像演出にびっくり。

「アナと雪の女王」同時上映。
前座のショートムービーです。

内容はアニメタイトルそのまま。
とにかくドタバタで楽しいです。

しかし、このアニメの魅力はそこではありません。
最初は、モノクロの小映像から始まる普通のムービー。
そのうち突然映像が破れ、劇場側に登場人物が出現。
もうそこからは怒涛の展開です。
2Dと3Dの融合。
ノスタルジーと最新技術の共演。
アニメの原点もあったり。

もう参りましたとしか言いようがありません。
目がまん丸になりますよ。
こんなアニメ初めてです。
創造力と発想力の勝利でしょう。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26

計測不能 19 2014年冬(1月~3月)アニメランキング19位
劇場版 トレインヒーロー(アニメ映画)

2014年2月22日
★★★★☆ 3.7 (3)
17人が棚に入れました
2090年、アレスターリア国の宇宙基地より「アウリオン」という超優秀な人工衛星が打ち上げられた。しかしアウリオンは途中、恒星フレアに直撃され、消息を絶つ。宇宙空間で帰るべき星を探していたアウリオンはナゼか「地球」という星にひかれる。そこで、機械生命である自分の仲間のトレインヒーローたちが、人間にこきつかわれているという誤解をしたアウリオンは、地球に対して執拗な攻撃を続ける。その攻撃に立ち向かうトレインヒーロー達だが、何とアールが絶体絶命のピンチに!! アール、そして地球の運命やいかに…!

声優・キャラクター
浪川大輔、小野大輔、興津和幸

計測不能 19 2014年冬(1月~3月)アニメランキング19位
ワンダー・フル!!(アニメ映画)

2014年2月22日
★★★★★ 5.0 (1)
16人が棚に入れました
大学在学中に手がけた処女作「FANTASTIC CELL」(2003)が文化庁メディア芸術祭で審査委員推薦作品に選ばれて注目を集め、広島国際アニメーションフェスティバルでは、選考委員や審査員を務めるなど国内外で活躍するアニメーション作家・水江未来の短編を集めた。12年4月1日から365日間、1日1秒分(24コマ)を発表して完成させた「WONDER」をはじめ、水江監督が自ら選んだ全14作品の短編をつないで1本の作品として作り上げた。
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