くろゆき* さんの感想・評価

4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態：観終わった

私に出来るのは想いを伝える努力と、変わる努力だけです。

【良い点】
しっかり可愛くヒロイン達が描かれている
テンプレだけど小野寺みたいな娘、自分は好きだなあ・・・
いわゆるシャフト演出の癖が目立ちすぎず良かった

【悪い点】
決められないのが面白さなんだけれど、さすがに優柔不断すぎると感じる場面が多数
主人公が約束にこだわり続ける「理由」が、ちょっと弱いか

【総合評価】
もどかしさを前面にだしたラブコメ作品の割には、ジャンプ掲載作品らしく爽やかさを持っている。
当初はシャフトの一風捻った演出が合わないなあと感じていたが、話が進むにつれてこれもアリか
と思うようになった。特にちょっと首をかしげたような感じのヒロイン達の表情や可愛らしさを
前面にだした描写と、目立つ動きがなくともカメラワークで魅力を高める工夫を感じた。
そして漫画的なアングルと実写的なアングルのマッチングも良好だったと思う。

ストーリー的に主人公さえ決意すれば、すぐに解決してしまうような恋模様は、本格的なドラマを
期待する人には、ちょっともの足りないかもしれない。でもなんだろうなこの甘酸っぱさの演出。
決めるには勇気とタイミングが必要だし、それぞれ魅力的な部分を持ったヒロイン達が登場するの
だからどっちつかずとも仕方ないか、決めるまでが華だしね。と思えば徹底したシチュエーション
萌えの連続だから、結果として関係が変わらずとも、あまり単純な繰り返しとは感じなかった。

誠士郎を含め計4人のヒロインが登場するが、彼女達の関係だけに集約するという割り切りを感じ
展開上ラブコメ要素以外の余計なものをほぼ省いているので、とにかく自分の好みのヒロインを
応援しながら楽しむというのが、一番わかりやすい楽しみ方だろうか。
正直言えば主人公がなぜ鍵の約束にこだわり、約束を破るとなぜ駄目なのかにもう少し踏み込んで
描いてくれれば、もっと共感できただろうになあと思うけれど。今の気持ちで正直に選ぶことに
躊躇する理屈がいまひとつ共感し難かったので。(と書けばわかるかな。自分は小野寺派です)

振った・別れたという恋愛の側面に触れず、ひたすら恋というか好きを意識するキャラクター達。
観ているこちらが照れて恥ずかしくなってくるようなシチュエーションの数々。まあ駆け引きの
要素があまり無いのがちょっと残念だけれど、これは気が楽で良いのかもなあ。恋愛ゲームで
例えるなら、次から次へと複数のヒロインとの好感度UPイベントをこなしていく感覚。
基本的にストーリーではなく、とにかくシチュエーション萌えを楽しんでいく作品なのだろう。
評価は「良い」で。ちょっとずるいけれど主人公が決めないからこそ描くことができる世界観だ。