「天使のたまご(OVA)」

総合得点
62.6
感想・評価
91
棚に入れた
421
ランキング
4703
★★★★☆ 3.4 (91)
物語
3.2
作画
3.9
声優
3.1
音楽
3.5
キャラ
3.2

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woa さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:----

卵を割らずにオムレツは作れない

作品の世界感はシュールレアリスムで、人間のアメニティをまったく考慮していないような都市の風景はまさに人間疎外そのものである。ありきたりな悪夢に実体を与えるとこうなる。演出もエビデンスを求める視聴者には受け入れられないだろう。

監督はパトレイバーや攻殻やうる星やつらで有名な押井守。この中では自分はこの天使のたまごが一番好きである。

実際に見たのは数年前なので話の細部は覚えていないが、おおざっぱに言うと少女が卵状の球体を自分の身体のように大事にしている。この球体がどのような装置なのかわからないが孵化すると破滅的な災厄が起きるのか、あるいは卵の中身を利用するのかは不明だが、どちらにせよ男がやってきて卵を割らせようとするのである。

卵を割らずにはオムレツは作れないというのはフランス革命の名言であるが、厳密なSF作品というよりも男女の関係でこのアニメを考えるなら、卵が意味するのは中絶である。

ただ威勢よく卵を割ったは良いが、二人にオムレツを作るような器量があるようには見えないのが最大の問題だろう。

押井守作品一般にいえることだが、表現が抽象的なだけで特に難解というほどではない。製作者の意図を理解するのが作品を理解するという意味だけ取るなら、「わからない」という感動もおそらく製作者の意図の範疇なのだ。

まして、この手の作品に限って言えば必ずしも理解する必要性も必然性ないのである。

投稿 : 2014/11/23
閲覧 : 361
サンキュー:

4

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