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「天使のたまご(OVA)」

総合得点
62.6
感想・評価
91
棚に入れた
421
ランキング
4696
★★★★☆ 3.4 (91)
物語
3.2
作画
3.9
声優
3.1
音楽
3.5
キャラ
3.2

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天使のたまごの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「ポストモダン」アニメ

「あにこれ」ではやはり不評(笑) やたら難解で暗く澱んだ雰囲気が昨今のアニメファンにはウケが悪い。

しかし、この作品が発表された1985年当時、制作関係者が試写でこの作品を初めて観て青ざめたそうで、理由は「全く売れそうにないから。」だそうだ。この期、押井守は「パトレイバー」で復活するまで業界を干されて冷や飯を食う羽目になる。

この「天使のたまご」は難解ではあるが、デヴィット・リンチ監督作品やヒッチコック、キューブリックなどの映像派の作品を見てきた人にとってはさほど苦にはならないだろう。

この作品で思い出すのはアメリカの画家エドワードホッパーの「ナイトホークス」やイギリスのロマン派画家ジョセフターナーの絵画であり、印象派やシュールレアリズムの絵画類である。つまりは「ポストモダン」だ。

「ブレードランナー」の話をいつもしているが、退廃的な世界観と善悪のはっきりとしない人物像。暗いモノトーン調で、宗教的衒学的な雰囲気は「ポストモダニズム」の特徴であり、村上春樹の小説のような一人称で周囲がぼやけてはっきりとしない印象を与える。

元々は1930年代のハリウッドノワール映画や「カリガリ博士」や「フランケンシュタイン」などのホラーでお馴染みドイツ表現主義が源流にあり、当たり前だがそういった映像に造詣が深い押井監督が知らないわけないのだ。わざとやっている。

普段、アニメのしかも娯楽作品しか見ない人にとっては何が何やら知らんこっちゃないだろうが、そういう芸術に触れてきた人間にとってはまさか「アニメ」でこういったことが許されるなんて思いもよらないことだろう。

現在の制作体制じゃまず作られない貴重な映像作品である。

投稿 : 2022/09/04
閲覧 : 616
サンキュー:

20

camuson さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

印象度:87

服の下に大きなたまごを抱え込み、
妊婦のようにお腹を膨らませた少女が、
人のいない古いヨーロッパ風の街並みの中をひたひたと走る様子を、
ひたすら追っていく、前衛的な作品。

少女は白い長い髪で、
キューティクルがダメージを受けてパサついた感じで、
どこか老婆にも見える雰囲気です。

暗くひんやりとした世界。
過剰なディテール。
まるでバンド・デシネの中に入り込んだような感覚。

暗喩の意味が分からなくても、
心地悪くはない、というかむしろ心地いい不思議。

投稿 : 2022/03/02
閲覧 : 210
サンキュー:

2

ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ほぼセリフ無し!!

2021/12/27 投稿

ウィキペディア日本語版によると,1985年制作のOVA
押井守 原案・監督・脚本
天野喜孝 キャラクターデザイン・原案・美術設定

雰囲気アニメです
セリフはほとんどありません
したがって,ストーリーもほぼ無いと行って差し支えないかと思います。
しかし,自分は言語化されてない物が劣っているかというと,それは違うと思います。
絵画や音楽など特にストーリーが無くても素晴らしいものはいっぱいあります。
アニメーションにもそういった作品は多くあります。
この作品も天野喜孝の美術世界と押井守の演出を主に楽しむ物かと思います。
そういった意味では,作品の世界の絵的な雰囲気は最高だと思います。
また,作中多く描かれた様々な水の描写も美しかったと思います。(もしかしたら新海誠に影響を与えているかも知れないと感じました。)

全体的に見たら,自分は雰囲気重視なので満足なのですが,しっかりしたストーリーが無いとダメだという人には受け入れられないと思います。


ただ,自分としては決定的にマイナスと感じる面がありました。
あくまでも個人の趣味の問題なのですが,天野喜孝のキャラクターがあまり魅力的に感じなかった点です。
自分としては美術設定は天野喜孝そのままでキャラクターデザインは別な人が良かったと思います。(妄想としては末弥純や山田章博あたりで見たかったも)そもそも天野氏のキャラクターは線が複雑すぎてアニメーションで動かすのに向いていない(手間的な意味では無く,存在感の整合性が取りにくいという意味で)と思います。
それから,やはり36年前の作品なので,今見ると肝心の絵がちょっとだけ古く感じてしまいそこもマイナスポイントです。(ちょっとしか感じないという意味ではすごいとも言えるのですが^^;)


レビューを書こうして,あにこれの作品情報を見ると下のような記述を発見w

{netabare}ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう1つの世界。巨大な眼球を模し、中に複数の人型の彫像が鎮座する宗教の象徴のような機械仕掛けの太陽が海に沈み、世界は夜を迎える。方舟の中の動物がすべて化石になった頃、忘れ去られた街で一人の少年と一人の少女が出会う。(OVA『天使のたまご』のwikipedia・公式サイト等参照){/netabare}

なるほど,そういう設定があったとは!これって先に見ておくべきだったのか?
いやでも,自分としては作品外で語られていることとかは作品と切り離して考えるスタンスなので,事前に見ないで良かったのかな(笑)

投稿 : 2021/12/28
閲覧 : 256
サンキュー:

11

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

その銃は、きっとニシンで出来ていた

いろんな意味で押井カントクの本領が発揮されたゲージツ作品。
「難解な作品であるキリッ」するには最適。


キャラやストーリーを楽しむ作品ではなく天野センセイの世界観を味わう作風。
試したい方はセリフはほとんどないので5倍速くらいでも観れます。


イミフ自己満っていうのはまあそのとおり。ただなんか不思議な満足感はあった。昔のSF作品でよくあったラストカットでドン!ってな演出が好きなのもあるが。SFにある程度馴染みのある方ならそこまで酷評するようなものでもないような気がする。全ての描写において納得する意味付けを見出せないと気が済まない方は発狂ものでしょうが。

漫画だったら隠れた名作判定だったかも。そもそもキャラやストーリーで何かを語る気はサラサラ無くて世界観勝負というか世界を創造することが目的っていうか。そう言う意味では漫画版BLAME!に近いと思う。(アニメ版BLAME!もアニメ版攻殻同様に設定だけ借りた別物。)

なのでいちいちこの形はこれを表しててとか、これがこの色なのは実はこう言う意味でとか考えても無駄というか多分いちいち細かいところはなんも考えてないと思う。意味を持たせてるのって男の十字架くらいなんじゃないかなあ。これこそある意味頭カラッポで観ればよくてそもそも正解は用意されてないと思う。「なんでこれはこうなってるの?」って言われても「この世界ではそうだから」で終了みたいな感じじゃないかなあ。

昔のアニメの挙動は今と全然違うからよく動くなースゲーって感心はするけれども、主役の二人が動かない時間が多いのがなんとも。AKIRAや王立宇宙軍なんかは作画スゲェだけでも観る価値はあるが、これはあそこまで動かないから天野センセイの世界観が気にいるかどうか。そこがすべて。



単純に少女がちっとも可愛くないってのが一番ダメなんだと思う。

投稿 : 2021/06/03
閲覧 : 194
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

作者や他人に答えを求めない。自分で考えらる人向けでしょう。

 押井守です。気をつけてください。
 
 始めの手の移り変わりはすなわち老いですよね。その後、トリの卵。そして機械の太陽。人が沢山彫像として並んでいます。

 舞台はヨーロッパのイタリア的な都市。人なのか彫像なのかわからないものが、魚の影と戦っているだけで、他に人影はなし。

 暗く不安定な映像。画面がいつも揺れています。影と水、そして光。心をかき乱します。たまごを持った少女は、一人街をさまよいます。どうやって生きているのかわかりません。ジャムを食べている映像はありますが、食品もそう手に入ると思えません。

 つまり、死または虚無というイメージが強く付きまといます。そこに現れる十字架にも似た武器らしきもの持った青年。冒頭にも出ていました。

 青年はモノを食べている=生きている雰囲気がありません。少女は青年になつきます。
 少女はたまごを大事にお腹で温めます、といっても真剣にそれをかえそうという雰囲気でもありません。大事にしている、それだけです。

{netabare}  青年はトリを探しているといいます。そして、化石になったトリを少女は青年に見せます。青年は少女を眠らせると、考えます。というより何か悩んでいたのでしょうか。少女が寝がえりを打ち、たまごから離れると、青年はたまごを奪い、割ります。

 そして少女は、悲しみ草原を彷徨い、やがて川に落ちます。少女は成長した姿になります。
 少女が寝ている、たまごを「奪い」そして「壊れる」、少女が泣く、成長する…つまり性行為があったと考えられます。たまごに棒状のものを突き立てるのだから疑いようはありません。そして、少女は死んだのか違う世界にいったのか。あるいは受精…でしょうか。考えすぎか。

 青年が海岸に近づくと機械の太陽が現れます。そこにたまごを抱えた少女の彫像が見つかります。冒頭の繰り返しということは、次の誰かの数日の夢または生命が始まるのでしょう。つまり少女のたまごの中には次の人の命がはいっていたのかもしれません。{/netabare}

 さて、ノアの箱舟は、鳩がオリーブをくわえて戻ってきて、陸地が現れたことを知ります。本作で青年が説明する話では鳩は戻ってきません。世界に人類はいない、ということでしょう。つまり、なんらかの虚構、青年=神で神が孤独を紛らわせるために作った夢。神ではなくノアの箱舟の最後の1人で、本来陸地が戻れば存在したかもしれない人々への追憶なのでしょうか。

 とレビューらしきことを描いてみましたが、いや、正直わかりません。まったくです。ただ、少女が夢とは考えたくないですね。やっぱりあの数日はそこにいたのでしょう。

 ここからはメタ的な話です。これを商業的にやったらそりゃあ、干されます。うる星も攻殻もパトレーバーも面白いかといわれれば、エンタメ的には面白くありませんし。

 こういう作品が作られる下地があったほうが、そりゃあ、日本のアニメ文化のためにはいいと思います。だとすれば、そういう理解をスポンサーに貰えればいいですがまあ絶望的でしょう。
 クラファン(当時はもちろんないでしょうが)とか、自分で資金を調達して作るアニメでしょうね。

 文学的な何かに触れたい、あるいは触れた気になって見たい、考察できる深みがある、あるいは深みがあるように見える作品に触れたい人にお勧めです。

 私的には、時間が経っても記憶によみがえり、ふと考えてしまう映画やアニメを文学的な良作と定義していますが、この作品は微妙でした。少しだけエンタメに迎合したのかもしれません。個人的な感想です。

 ただ、映像美としては一見の価値はあります。

投稿 : 2021/05/23
閲覧 : 246
サンキュー:

3

ネタバレ

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

停滞的な雰囲気アニメ

ウテナと関係あるらしいのと、ぶらとらぶをみたのでなんとなく視聴。
台詞がほとんどなく画面も色も動きも少ないため退屈だが時々印象的なシーンが心に残る。
{netabare}女の子が男の子に付いてくるなと言いながら蠱惑的な笑みを浮かべるシーンとか。天使の化石の現れるシーンとか、卵を静かに打ち砕いてしまうシーンとか。{/netabare}

{netabare}絶望的な世界で希望の象徴たる卵の孵化を期待して無限の時間を待つ女の子とその希望を壊してしまう男の子の話。男の子にとっては卵の中には何もなかったけど、女の子はそこに希望の胎動を感じていた。天使の化石に少女は希望を見出したが、男の子はそれを見てニヒルな絶望になおさら沈んでいく。希望を失い、死した少女は天に登り、機械仕掛けの太陽にその身をおく。{/netabare}そんな話だろうか。象徴的意味も考えてあるだろうけれど単純に自分の空想世界を表現したかったんだろうな。
{netabare}女の子が卵を吐いて、道に天使の白羽がしるべと引かれているあたりの意味はさっぱりわからない。少女以外にとっては中身のない卵を増やしてそれで何になるのだろうか?{/netabare}

雰囲気アニメは好きだが初見の人に親切なアニメではない。個人的に2度見ることを強制するタイプの演出の多用は適切ではないと思う。だけどやっぱり世界観重視の雰囲気アニメは好きだから許す。

投稿 : 2021/02/21
閲覧 : 239
サンキュー:

3

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ストーリーよりも雰囲気を楽しんだ方がいい

これほどまでに説明のしにくいアニメってなかなかないのではないかと思います。ネタで「あらすじが本編」という言葉がありますが、まさにそんな感じ。ジャンルは何か?と問われれば、ダークファンタジーと答える…かも。

ウィキペディアや評価のコメント等で「わけのわからないアニメ」的な文章はたくさん目にしたので、結構覚悟を持って臨みました。そして私の感想も「わけのわからないアニメ」となってしまいました。少女と少年の台詞も少なく、作品内での説明は一切ないと言ってもいいぐらい。そこかしこに暗喩があるらしいですが、私にもっと教養があれば何か自分なりの解釈を持てたかもしれませんが…うーん、難解です。

ただ単純に「アニメ」と呼ぶよりは「アニメーション作品」と呼んだ方が相応しい気がします。ストーリーよりも雰囲気を楽しんだ方がいい作品ですね。音楽は独特な世界観とマッチしていていいなと思いました。

投稿 : 2020/11/29
閲覧 : 152
ネタバレ

kazz さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

押井沼への試金石

まっっったく分からない。
けど何か意味ありげ。
そんな意味を追ってネットを駆けずり回った青春時代。
気づけば立派な押井信者になっていました…。

押井熱病もだいぶ治りつつある今でも本作が忘れられないのは映像として印象的なシーンが多いからだと思います。
機械仕掛けの太陽、たまごが無くなって青ざめる少女、少女の吐いた気泡が無数のたまごとなって浮かび上がる水面の描写

そんなシーンをふと思い出してはまた観たくなってしまうのです。

投稿 : 2020/05/23
閲覧 : 233
サンキュー:

5

のりもり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

雰囲気が嫌いになれない

面白い!って思える作品ではない。
素直に楽しめる作品でもなければ、笑える作品でも泣ける作品でもない。ただ、じわりと心に残り続ける作品である。
なんていうか、雰囲気が嫌いにならない。アニメ視聴時は睡魔に襲われてしまい、集中して見続けることは難しいが、それでも何度も見てみたいと思える。作画、演出などなど、異様なこだわりがあり、何よりあの独特の空気感がたまらない。
評価されない理由ももちろん理解できるが、それでも影響される人はとことん影響されるだろう。
オススメはしないが、個人的には好きな作品である。

投稿 : 2020/02/12
閲覧 : 233
サンキュー:

2

ウィラード さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

台詞の皆無な作品

意味の分からない作品というか
意味を求めてない作品だと思います

監督も
新しい事に挑戦したかったなどと言ってたらしいので
この作品を放送した後から「意味の分からない作品を作る監督」と少しの間言われ続けたらしいです


視聴したら分かると思いますが
台詞が無いです
台詞は皆無に等しいくらいの量しかないです

世界観に浸るアニメだと思いますが
背景自体が暗いので、そういう意味不明さを楽しみたい人に向いてる作品だと思います


結局何がやりたかったの?と思う方もいれば
何かよく分からなかったけど面白かった
っていう評価をおせる作品かと思いました

作画というか映像を楽しむ作品だと思います

投稿 : 2019/11/30
閲覧 : 271
サンキュー:

5

ネタバレ

ミュラー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1
物語 : 1.0 作画 : 3.0 声優 : 1.5 音楽 : 2.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

眠りたいときに

難解ではないと思うが、最初から最後まで、何を描いているのか分からない。ひたすら不思議な雰囲気に不思議な登場人物。ほとんど会話は無い。
何かの曲のPVとかなら話は分かるが、これを1時間以上はさすがにキツイのでは。でも私はこんな雰囲気が好き。
ゆっくりお酒でも飲みながら、この作品を見ながら眠りたいね。

投稿 : 2018/04/29
閲覧 : 356
サンキュー:

12

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 4.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

押井守作品の中でも非常に前衛的なカルトアニメ

この作品は、押井守氏が原案・監督・脚本を務めたOVAである。
他の押井守作品は、今の所視聴していないが
押井守作品の中では特に難解な部類のアニメに入ると思う。

あらすじを書こうにも、私自身が把握していない
というのもあり上手く説明できない。
他の方のレビューか解説サイトを参照してもらいたい。

不器用なりに頭をひねって書いているため
暇つぶし程度に見てもらえると幸いだ。

ストーリーはあるのだろうなというのはなんとなく
分かるのだが、セリフはほとんど存在しないのがきつい。
喋る際もひそひそ話をしているレベルで声が小さいため、
非常に聞き取りにくい。人によっては補聴器が必要になりそうだ。
それ故睡魔にも襲われやすい。

全体的に不気味な世界観というのもあり
難解さに拍車をかけている。
作画に関しては、トップクラスなので
途中からは映像を楽しむ芸術作品として認識していた。

強いメッセージが隠されているシーンもおそらく
存在するのであろうが、私には理解できなかった。
そのうちわたしは、途中から考えるのを辞めてしまった。
癖が強すぎたのだ。正直なところお腹一杯である。
もう一度見るかと言われると首をかしげるだろう。

この作品を見ていた時、真っ先に思いついたのは
マザー!と呼ばれる映画である。
マザー!は、今敏監督のファンとしてよく知られている
ダーレン・アロノフスキー監督作品の一つだ。
不運にも、日本で公開中止になってしまった。
難易度だけで見れば、マザー!の方が明らかに分かりやすいが
共通点があることに気づいた。下記に示す。

・二人の男女を元に物語が展開していく。
・女の方には終盤、理不尽な展開が起こる。
・物語の終わりと、始まりが繋がっている。

ダーレン・アロノフスキーが天使のたまごを参考にしたという
情報は今の所確認できていないが、両方とも聖書が題材になっている
ようなので、二人の表現方法に違いがあるのだろうと私は解釈した。

天使のたまごに関する、他の解説サイトなどを見ていて、
よく話題にされていたのは
イレイザーヘッドと呼ばれる映画だ。
デヴィッド・リンチのデビュー作でもある。
wikiによれば、押井守が影響を受けていた人物の中に、
デヴィッド・リンチが挙げられていたので、
イレイザーヘッドを参考にした可能性はある。
まあ、イレイザーヘッドよりは天使のたまごの方がわかりやすいか。
少なくとも、事前知識なしでイレイザーヘッドを理解できた方なら
天使のたまごは抵抗なく受け入れられるだろう。

リンチ作品がお好きな方は見るとはまるのではないかと思う。

投稿 : 2018/04/21
閲覧 : 448
サンキュー:

16

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 1.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

押井守監督って…。

制作:スタジオディーン
1985年12月に公開された劇場版作品。
原案・監督・脚本は、押井守。

【概要】

旧約聖書にて大洪水でノアの方舟が陸地を見つけられずに時間だけが過ぎていった、
生命を感じられない無機質で空虚な世界。
機械仕掛けの太陽が海に沈み、廃墟の街は暗闇に包まれます。
人がいないはずの世界で、卵を大事そうに抱えた幼い少女と十字架を模した銃を担いだ少年が出会います。

【感想】

押井守といえばアニメ監督としての名声とは別に偏屈な人間というイメージがあります。

原作付き作品であれば原作者の意向を無視してまでどんどん手を入れちゃいます。
自分の好みに合わなければ原作サイドを侮辱して喧嘩さえします。
(『パトレイバー』でのメカデザインを散々バカにして出渕裕と長年、仲が悪かったのは有名)

出来上がった映像はすべからく“俺の作品”
原作者が文句を言っても“俺の作品”

スポンサーはパトロンであり、ダミー企画を使ってでも金さえ引き出せれば、やりたい放題。
んで試写会で完成品をお披露目したら、斜め上すぎてお偉いさんから説教される。

人と同じことをやってウケたとしても、ちっとも納得しない。
そもそも、原作者に阿る気が皆無であり原作は作品作りの踏み台。
視聴者に気に入られようと思って作ってすらいない感じ。
クリエイターとして自分が表現したいことを発揮できさえすれば満足の自己完結型の考え方。

いろいろワケアリな監督なのに、高橋留美子や士郎正宗など異なる才能と化学反応を起こせば、
凄い作品が出来上がるというのですから、人格と才能は別物なんですね!

そんな押井監督が100%の純度を以って世に送り出して一時期業界から干された原因である、
曰く付きの完全オリジナル作品が、『天使のたまご』

観て思ったこと。暗い!眠い!71分の割に長く感じます!

天野喜孝のファイナルファンタジーのイラストをそのまま動かしているような動画。
宗教的な音楽。

長所といえばこの二点なのですが、はっきり言って観る人のことを一切考えてないストーリー。
旧約聖書を元にした創作なのですが、特にヤマもなく登場人物にも魅力がなく辛気臭いだけの退屈なアニメでした。

押井監督は世界観ありきの作品作りで、“胡蝶の夢”とか自分の好きなことしか描けない。
登場人物は監督自身の頭のなかにある言葉を紡ぎ出す依り代に過ぎず、
恋愛とか友情とか夢など人情の機微に溢れた登場人物を生み出すことが出来ない!
だから、『うる星やつら』みたいに他の人が用意した魅力のあるキャラを動かして、初めて作品に生命が宿るのですな。

そのくせに、自分の意見を絶対視してよく人と衝突しますので、
正直なところ、スポンサーやプロデューサーの立場ならこれほど使いづらい人材はいないですね。

それでも、数々の名作アニメを手掛けたことも事実ですし、それはそれ!これはこれ!ですね!


どことなく押井守氏に関する反感めいた内容になってしまいましたが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2016/11/01
閲覧 : 558
サンキュー:

34

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

きもすぎて最高。

こんなカオスできもいアニメは他にないと思う。押井さん張り切りすぎ。
まあとにかくきもい。きもすぎるから逆に見る価値あると思います。唯一無二のきもさ。ニパーっ。

投稿 : 2016/02/29
閲覧 : 325

ムッツリーニ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

評価していいのかもよくわからない

故に星評価は出来ません。

昔偶然視聴する機会があって目が点になった作品。文才のない人間にこの感覚を言葉で説明するのは何とも難しいですね。
明らかに哲学的なテーマが込められているのは解りましたが、何が言いたいのか、何を問いたいのか、結局私にはよく解りませんでした。
評価というよりは、これは一度観て考えてみて欲しい作品ですね。

哲学というか、「深い」テーマが好きな押井監督らしい作品だと思います。

投稿 : 2015/06/21
閲覧 : 315
サンキュー:

1

イカちゃん☆休止中 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

☆前衛的な押井作品

旧約聖書のエピソードをベースにした内容ですが
物語を解釈するより作画から感じとるような
作品です。

陰鬱で暗い感じですが詩的な表現力を
感じます。

押井作品の中では過度期の作品なのかなと感じました。

キャラクターデザイン/天野喜孝

アニメーション制作/スタジオディーン

1985年製作

投稿 : 2015/03/14
閲覧 : 366
サンキュー:

1

ネタバレ

ゅず さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

世界をみんなはどう感じてるんだろう?

【一言紹介】

生と死
を自分は感じました。

どんな選択を選んでも
人や動物たちは限りある命で
憎しみや悲しみがない
世界を選ぶことはできない
と改めて思いました。

憎しみや悲しみがないと
喜びや楽しみだって
きっと消えてしまう。。
と自分は考えてます。

【タイトル】
{netabare}
少女だったから天使
にしたんだと思う
最後
私には
聖母に見えた
{/netabare}

【自分の思ったこと】
{netabare}

彼が訪れて唇を開いた
嬉しくなって誓いは忘れていった。


この世界は
箱舟が沈んで
水の下、海の下の世界。

現実は見えてない


羽ばたけるものだけが
その状況を見ることができる。


綺麗な世界なはずなのに
みんなは、なぜ、怖がり、怯えているのかしら

息をするのが辛くて、生きているのも苦しくて
みんな溺れてしまいそうだよ。

こんな状況でも希望を抱き続けることができるものが
夢を見続けたものだけが
きっと空を飛べる。

そんな希望さえも壊されてしまった


だけど自ら、母となり
産みだせばいい

憎しみだってある、
それを許せる

そんな世界に
そんな母になろう

産まれるよ。
新しい世界に旅立つよ。
{/netabare}

投稿 : 2015/01/19
閲覧 : 644
サンキュー:

28

woa さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.0 状態:----

卵を割らずにオムレツは作れない

作品の世界感はシュールレアリスムで、人間のアメニティをまったく考慮していないような都市の風景はまさに人間疎外そのものである。ありきたりな悪夢に実体を与えるとこうなる。演出もエビデンスを求める視聴者には受け入れられないだろう。

監督はパトレイバーや攻殻やうる星やつらで有名な押井守。この中では自分はこの天使のたまごが一番好きである。

実際に見たのは数年前なので話の細部は覚えていないが、おおざっぱに言うと少女が卵状の球体を自分の身体のように大事にしている。この球体がどのような装置なのかわからないが孵化すると破滅的な災厄が起きるのか、あるいは卵の中身を利用するのかは不明だが、どちらにせよ男がやってきて卵を割らせようとするのである。

卵を割らずにはオムレツは作れないというのはフランス革命の名言であるが、厳密なSF作品というよりも男女の関係でこのアニメを考えるなら、卵が意味するのは中絶である。

ただ威勢よく卵を割ったは良いが、二人にオムレツを作るような器量があるようには見えないのが最大の問題だろう。

押井守作品一般にいえることだが、表現が抽象的なだけで特に難解というほどではない。製作者の意図を理解するのが作品を理解するという意味だけ取るなら、「わからない」という感動もおそらく製作者の意図の範疇なのだ。

まして、この手の作品に限って言えば必ずしも理解する必要性も必然性ないのである。

投稿 : 2014/11/23
閲覧 : 359
サンキュー:

4

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

who are you?

原案・監督 押井守
キャラデザ 天野喜孝
1985年 71分

あらすじ
あってないようなものw
これは人それぞれな感想を抱くと思う。
難解だとか、意味わからないとか。
考察してみたり感覚でみたり、感じたもの考えたものでいいのだと思う。
自分の感想は後ほど書くとして…

天野さんって以前から、ビアズリーや
アーサーラッカムの影響凄く受けてるっぽいよねと思っていた。
最近はそれにクリムト追加かなーって。
アーサーラッカムとか、テニエルとかあの辺の時代の模写を
かなり書いてたので、おおよそでなんとなく…そう思いました(;´∀`)
あ、嫌いじゃないよ!好きだよ!FFやってるし、尊敬もしてる。
天使のたまごは、今の天野さんの画風確定前の絵柄って感じ。
球体間接人形作家の恋月姫さんの人形の表情なくした画風と書けば伝わるかな。

作画自体は古いと思う。
会話はほぼないと言って問題ないくらい少ない。
モノトーンで建造物の退廃的な感じが素敵。
アーサーラッカム風な色使いを暗くした感じ。
ランプの緑がいい色してる。

さて感想。
こういうの嫌いじゃないので難なく観れたけど
眠くなる人もいるだろうなと思いながら見てました。

私の解釈ですが、少年と少女はアダムとイヴで
存在していた場所自体がノアの箱船。
卵は処女性の証で少年は飛び立った鳥はもう帰って来ない事を知っている。
少女は卵を抱いて夢を見続ける幼子。
いつか鳥は帰って来ると信じて待ってる。

少年が卵を割る→処女喪失→幼子から成長→水の泡は子供
夢を見ていた卵の中には何もなく現実を受け入れた。

鳥が帰ってくるのを待っていたけれど
随分時間がたって化石になってしまった。
少女もそのうち化石となり少年がただ残る。
でも、その前に卵ボコボコ(子供ボコボコ)あったから
子孫繁栄これからすんのかな?って解釈。
もしかしたら卵の中、何もないかもしれないし。

自己存在の概念のお話とも受け取れるし。

「あなたはだあれ?」

「いるよ、ここにいるよ」

などの会話の下りをついばむとそう捉えても面白い。

雰囲気楽しみたいな♪
考察したいな♪
って感じの人向けなアニメかと。

嫌いじゃないけど
哀しみのベラドンナのインパクトの方が強くて
こんな感想になりました(;´∀`)
かなり前衛的で難解な作品で人を選ぶのは間違いなさそうです。

投稿 : 2014/10/02
閲覧 : 269
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

宗教+少しの忍耐

 初見でした。70分の作品。
 廃墟のような街に住む一人の少女。彼女は一つの卵を抱えていた。その町に一人の青年が現れて、彼女と出会う。あらすじはこんな感じです。
 短めの作品なんですが、セリフがあるのは多く見積もっても全部で5分といった程度で、映像と宗教的なシンボルを使ってストーリーを進めていきます。シンボルをスルーしないように気を張っていたので、非常に疲れました。考察する内容が多かったので、ゆったりと進んでくれたのは非常にありがたかったです。一部のシーンでは、忍耐が必要でしたが、概ね退屈することはありませんでした。

対象年齢等:
 子供は耐えられないでしょうから、思春期以上を推奨します。ただし、最低限の知識として、ストーリーの外観を構成するノアの方舟の概要は知っておく必要があります。ノアの方舟自体は有名ですので、ある程度は知っていると思うのですが、「船を造った」程度ではなく、「大陸を見つけるために鳥を飛ばして」というエピソードまで必要です。これ以外にも旧約聖書と新約聖書から象徴物が出てきますので、基礎知識が乏しいと楽しめないかもしれません。これから視聴する方で、基礎知識に不安がある場合は、手塚治虫のマンガ版旧約聖書で十分ですので読んでおくといいかもしれません。もちろんググる程度でも構いません。少なくとも丸腰はやめておきましょう。時間を無駄にしてしまいます。



 ここからはざっくりですが考察です。個別に記載していきますが、相互に関連性をもっていますので、個々の内容にとらわれず、俯瞰していただければと思います。


世界観①太陽:{netabare}
 作中では、目を模した太陽が登場します。この太陽は、弧を描いているのではなく、上昇と下降で表現されてたように見受けられます。少女の過ごしてきた時間に関して、青年と少女の間で会話が行われていますが、それに関するテーゼであったように思います。つまり、時間が進行しているのではなく、停滞しているのだということの表現です。時間が進んでいなかったからこそ、少女は少女のままで、長い時間たまごを保護していられたのでしょう。これらは、この世界が時間的に発展性がないことと閉塞的であることの表現であり、ノアの方舟の閉塞感を強調するものでもあると言えます。魚なども閉塞感を描く象徴物だったと思います。{/netabare}


ノアの方舟と鳥:
 ノアの方舟は、堕落した人間を洗い流し、新たな世界を作り出すためのものですので、そもそも希望を担っています。しかし、船内の食料が限られているなど、閉塞感や絶望感が並立されているというのも捨て置けません。そんな状況の中で、ノアは「大地を見つけらたら戻って来い」と鳥を放ちます。これは本作ではなく、旧約聖書の話。
 鳥が戻ってこないというのは、①大地を見つけられなかったという「絶望」②大地を見つけたけれどもまだ戻ってきていないという希望の「可能性」を内包しています。鳥が戻ってきたというのが「希望の成就」です。この「希望」「絶望」「可能性」という3種類が、本作の大きな柱として存在しています。


たまご:{netabare}
 ノアの方舟と鳥の解釈と同様です。たまごが孵らない段階では、絶望とも言えるし、希望の可能性を孕んでいるとも言えます。このたまごに対する視点が、青年と少女の間で乖離しており、それがのちの展開に多大な影響を与えます。{/netabare}


少女:{netabare}
 少女にもかかわらず、たまごを抱えている妊婦の姿が、処女受胎をイメージさせます。彼女の羽織っているマントとも合わさって、聖母マリアを象徴していると思われます。聖母マリアは、神の子イエスを生みますが、生むまでは聖「母」ではないと言えるでしょう。この少女はあくまでも、聖母になり得るという「可能性」側の存在です。
 この少女は、閉塞的な世界においては大人になれません。先に述べた時間的な停滞に加え、現実を見ようとせずに希望にすがる精神性によるものです。ただし、大人になれる要素は抱えています。ボトルに入った赤い液体(血)を流す様は、生理を表現していたのだと思います。また、彼女は血と同じ赤いジャムのようなものを食べていました。手づかみで食べる様もセクシャルに描かれています。{/netabare}


青年:{netabare}
 青年は、男性の象徴であり、救済者でもあります。
 彼は登場時に、戦車に乗っており、その矛先は少女に向いています。この戦車は男性器を模しているようですし、攻撃的なアプローチを含みます。つまり、少女を大人にする男としての存在です。
 また、大きな十字架を背負っており、これはイエスをイメージさせ、何らかの救済を起こすであろうと想像させます。{/netabare}


少女と青年:{netabare}
 少女は青年の「行為」によって、処女を喪失し、大人になります。彼女は聖母になれる可能性を有していましたが、聖母マリアの子イエスが他に存在していた以上、あくまでも可能性に過ぎなかったということなのでしょう。「大切なものはお腹の中に入れておかなければ失くしてしまう」という青年の忠告にもかかわらず、少女がたまごを手放してしまったのは、マリアとイエスという母子の関係性に基づく「信頼」が背後にあったとも解釈できます。いずれにせよこの二人は、新世界のアダムとイヴにはなれませんでした。
 ただ、処女を失った少女は、新たなたまごを手に入れることが出来ました。この旧世界の破壊と新世界の創造は、救済者たる青年がいなければ実現し得ないものです。少女の石像化は、石化が解けるかもしれないとも、神格化(別の聖女化)したとも取れました。どちらか、またはその他の解釈なのかは分かりませんが、希望を担った可能性の少女が、絶望を経て、再度希望を担った可能性側に回帰したように思いました。{/netabare}


世界観②多段階構造:{netabare}
 少女と青年の項で書いたことの根拠になるのですが、少女と青年が見ていた方舟は、他の方舟の中に内在していたものだとエンディングで明かされます。つまり、一つのストーリーが「絶望」の終わりを迎えたとしても、新たな「希望」「絶望」「可能性」という枠に戻されてしまうということです。この新たな世界の太陽がどのようなものかは分かりませんが、時間が進む通常の世界(ノアの方舟が大地を見つけられた世界)に到達するまでは、「希望」に至ることはなく、「絶望」と「可能性」の狭間から脱することは出来ないのではないでしょうか。これがエンディングとオープニングのつながりに表現されていたのだと思いました。{/netabare}

投稿 : 2014/08/26
閲覧 : 464
サンキュー:

7

sukasuka さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9
物語 : 2.0 作画 : 3.0 声優 : 1.5 音楽 : 1.5 キャラ : 1.5 状態:観終わった

懐かしさついでに評価

その昔、LDを適当にジャケット買い(笑)していた時に入手したアニメ。
1回観て何これwwwwwと呆れた後、そのまま封印。
2年後くらいにヤフオクで売りに出したところ、なんと5万円以上の値が!
LDプレーヤー新調の足しになりました。

あ、作品自体についてはさっぱり面白くなかったですハイ。
同人アニメ的というか、俺の信者だけ観てくれればいいや~みたいな?

投稿 : 2014/06/07
閲覧 : 363
サンキュー:

2

1061000you さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9
物語 : 1.0 作画 : 1.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

意味不明

他に言いようがないです。

投稿 : 2014/05/04
閲覧 : 348
サンキュー:

0

ネタバレ

sinsin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

面白くないけど…。

【良い点】天野喜孝氏のビジュアルセンス。読み解く楽しさ。音楽。

【悪い点】難解で独りよがりな点。

【総合評価】この作品は、ノアの大洪水により滅びた世界で、沈んでしまった大陸有り無しを確かめにいった鳥を待ち続ける、ただ一人ノアの箱舟で生き残った少女の物語である。
押井監督が言うには、「鳥」は、「命」だそうだ。
少女は、その帰ってくるかもしれない鳥に対して、まだ世界は、滅びていないとゆう希望的観測、つまり世界に対して夢を持っている。つまり実際は、海の中に世界は滅んでしまったが、少女は世界はまだ滅びていないと思い込んでいる。
その、鳥を待つ少女の夢の世界に救世主、少年が現れる。

そんな、天使のたまごの世界観。
ノアの大洪水により滅んでしまった世界=現実。
対比
鳥=命を待ち続ける少女=希望的観測に基づく夢。
少女は、ずっとノアの箱舟の中で命の夢を見続ける。滅んでしまった絶望的な、命のないの世界で、鳥=命の帰ってくるのをずっと待っている。

テーマとしての天使のたまご。
少女の持つたまご=鳥が生まれる可能性=少女の夢の世界。
対比
少年の持つ十字架=男性の持つ道具=男性の性器=世界を壊す武器。
劇中では、男性の性器の形をした戦車が登場する。それで、男性の性器から世界を滅ぼす武器に転化できる。
少年は、手に持つ十字架で少女の夢であるたまごを割ってしまう。自分の夢ばかり見ていて外の世界を見ようとしない少女に、現実の世界を見せるためである。そのこと自体、男女の性交を象徴している。十字架は、救世主とゆう意味と、少年がその罪を背負っていることを象徴する。
なお、劇中で登場する魚は、押井監督が言うには言葉を意味するとゆう。劇中のセリフで少女が言うには、「魚なんかどこにもいないのに…」から魚は、「幻想の言葉」と転化できる。
つまり、劇中で巨大な魚の影を追っている人達は、偽りの言葉を信じている人達を表現している。つまり、情報化社会に踊らされている現代人を、象徴していると思われる。
少女は、そんな人達とは違いあくまでも、個人的な夢を見ているとゆうことだ。
以上のことからテーマは、「自己を制限し縛っている夢、呪縛からの開放」つまり、簡単に言えば「心を解き放て」だと思う。
少年は、少女の心を解放することで少女の可能性を、広げようとする。

シーンによっては、微妙なところもあったが、作画によるその繊細な表情は素晴らしい。
天野喜孝氏アートディレクションの、センスのある高密度ディテールの背景画は、不思議な存在感、リアリティがある。
海に沈んだ幻想の世界を巧く表現し、押井監督の要求以上の仕事をしたと思う。
レイアウトは、引き気味に遠くからキャラクターを映し、背景と世界観を強調した演出。
見ごたえがあり、評価、解明するのが楽しい作品。音楽も良くマッチしていた。アニメの域を超えた芸術作品。

投稿 : 2013/08/05
閲覧 : 390
サンキュー:

2

ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

考えることが好きなあなたへ

1986年のアニメ映画。

天野喜孝がキャラクターデザインを担当。
ファイナルファンタジーのパッケージ絵で有名な人です。
そのキャラクターデザインのまま、登場人物が動きます。
風になびく髪や、水に出来た波紋の表現が美しいです。


もの悲しく暗い世界。
常によどんでいて雨が降り続ける町並み。
そこで、何かの卵を大切そうに守る少女。
少女は、大きな武器を抱えた男と出会う。

そして尋ねる「あなたはだあれ?」

セリフが少なく、間が多い。
話す内容も、ノアの方舟や、シューベルトの「魔王」の変形版のような、抽象的な逸話。

明らかに哲学的なテーマがこもっており、かなり難解なストーリーです。
考察するのが好きな人に向いていると思います。


↓私の考察はこちら↓
{netabare}
まず、色に着目です。
子供の色は「赤」、大人の色は「青」。
これは、冒頭でキャラクターが白黒になったことにより気がつきました。

少女は赤い服を着て、赤い食べ物を食べている。
これは少女がまだ子供だから。
しかし、赤い水を捨て、集めているのは青い水。
ひたすら青い水にこだわるのは、大人になろうとする意志の表れだと思います。

一方、男は青い服を着ています。
これは、彼がすでに大人になっているから。
しかし、赤い夕焼け空を眺め、赤い機械から現れ、持っている武器には赤い石がはめ込まれている。
子供の夢に対する期待が、赤という色に現れているのでしょう。
そこに出現する青く巨大な球体=現実。


子供は、夢を持ち、大人にあこがれます。
その夢の象徴が「鳥」。
「あなたはだあれ?」という問いかけは、「あなたはどういう夢を叶えたの?」という意味で使っているのだと思います。

そして、少女が男に見せた秘密(夢)は「巨大な鳥の化石」。
彼女は、卵が成長し、その鳥が育つ、つまり思い通りの夢が叶うことにあこがれています。


一方、男は自分の夢に未練を抱きつつも、現実を知っています。
夢に向かって行動しても、待っているのは子供の頃に思い描いていたものとは違い、辛い現実であることもある。
それが、「卵は割ってみないと、中身がわからない」という言葉。

そして、まがまがしさすら感じられる「巨大な鳥の化石」を見たとき、男は悲しそうな顔でつぶやきます。
男「知っていたよ。きっとそうだと思っていたよ」
この言葉には「叶わない夢を見ていると思っていたよ」という意味がこもっていると思います。


卵という夢の起点。
それを壊してしまえば、いざ現実を知ったときに辛い思いをせずに済む。
そのため、少女が語った夢が叶わぬものだと知って、男は卵を割ったのでしょう。


また、存在しない魚を追いかけている人々。
彼らは、大人になってからも、いつか逆転することを夢を見続け、ただひたすら日常を生きている、そんな大衆を表現しているのではないでしょうか。

冒頭部分。
少女の小さな手。何かをやさしく包み込むように扱っています。
そして男のごつごつした手、何かを確かめるような動きをしつつも、卵を握りつぶすような動作。


つまり、このアニメは、子供の純真無垢な夢と、大人の現実的な考えの対比を描いた作品。
そう解釈しました。

…人の夢の起点を叩きつぶすような行動。
ひょっとしたら、髪の色が同じである、少女と男は、親子関係を象徴しているのかもしれませんね。
{/netabare}

投稿 : 2012/12/23
閲覧 : 707
サンキュー:

29

ネタバレ

あややん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

すさまじい世界観

作画は細かく繊細ですごく綺麗でしたが、まぁーよくわからないww
少女が青年と出会うまでほとんど(というか全く)台詞がありません。

少女がなぜ卵を持っていたのか、どこで手に入れたのか全くわかりませんwそんな状態でこの話はスタートします。

終始盛り上がりもなく淡々と進んでいきます。

ですがそのなんとも言えない独特な世界観に引き込まれていきます。私もその1人ですw

好き嫌いはっきり分かれそうな作品ですが、作画はとにかく芸術と言えるほど綺麗ですので是非!

投稿 : 2012/12/18
閲覧 : 359
サンキュー:

1

ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

押井監督から投げかけられた挑戦状

押井守監督が天野喜孝氏をアートディレクターとして迎え、
旧約聖書の『創世記』に記述されている「ノアの方舟」を
監督独自の解釈によって創り出された物語をベースに、
まるで視聴者へ宿題を投げかけているような作品です。

天野嘉孝氏の絵の幻想的な雰囲気そのままの、大人のためのファンタジー。
こういった作品はかなり好みですが、観終えてからしばらく考え込みました。
あれこれ討論したり調べたりするのは楽しいけれど、
ここまで深く考えさせられた作品は久しぶりでした。、

登場人物は・・・

廃墟の町に独りで暮らす、大きなたまごを抱いた幼い少女と、
どこからともなく現れた、十字架のような武器を持った少年、の2人のみ。

セリフらしいセリフは開始後45分くらいしないと登場しません。
それでも、説明的なことは一切語られないまま進行していきます。
が、2人が出会って行動を共にしている時に登場するあれこれや会話で
ほんの少し、言わんとしている輪郭が見えてきました。
でも終始、深い意味がきっとあるであろうさまざまな映像が、
闇にも似た空間の中、やや宗教的な音楽とともに次々と続きます。

自分がこの映画を観て真っ先に感じたのは、今は亡きソビエトの映画監督 
アンドレイ・タルコフスキーの撮る映像と似通ってるなと。
極力少ないセリフと登場人物。
長回しを多用した上に動きの少ないカット。
そして最大の特徴である「水」や「雨」の、様々な視点から捉えた描写。

押井監督の言葉を借りれば、「単純な男と女の物語」とのことで、
「たまごの中に何が入っているのか」という点が見所だそうです。
でもきっと、答えはひとつではない気がします。

物語の中の少女は、たまごはちゃんと孵るのだと信じており、
愛しそうにたまごをみつめ抱きしめている様子からは、
なんとなく母性の芽生えを感じさせました。

もしかしたらこの物語は、命を産み出す胎内を持つ「女」が
命を創り出す源を持つ「男」と出会い、
彼は彼女のそれまでの幻想(化石のような卵)を破壊して現実を見せつけ、
彼女を真の母体として新たな卵を生ませる話。ということなんでしょうか。

しかしそこには、まったく「愛」を感じることができませんでした。
それまで孤独だった2人が出会っても、恋をするわけじゃなく、
恋どころか、ただの通りすがりでしかないほどの感情しか見えませんでした。
自分がこの作品を観て、一番腑に落ちない点はおそらくそれです。

それと、この物語・・・
後半で冒頭のシーンに繋がるということは、
少女と少年の出会いと別れのシーンは回想だったってことになりますよね。

そう思うと、なんとなくパズルのピースが埋まっていきそうな気がするのですが
でもきっと、解釈は観る人の数だけあるのでしょうね。

あらすじを書くほうがネタバレになりそうなので、
これは押井監督の夢想の中なんだと仮定し、
登場するあれこれをキーワードとして、
ユングの分析心理学とノアの方舟についての記述から、
この物語の全容を推察していくほうが、見えてくるものがあるかなと
以下のとおり分析してみました。

観ていない方には「何のこっちゃ?」な内容ですが、どうかお許しを。。

-----------------------------------------------

〔廃墟〕や〔化石〕は、いずれも死。 

〔鳥〕 自由 逃避 巣立ち
    その卵ということは、まだこれらが叶えられてないということ。

〔鳥の化石〕自由の喪失 魂の窒息

〔魚〕 富や名誉
    その魚が幻として影のように描かれており、
    人々が魚狩りを競っているということは、
    幻の富を追い求める人間の愚かさを表現しているのではないかと。

〔卵〕 生命のシンボル

〔水〕 飾りのないありのままの姿の象徴 生命力を培う源

〔雨〕 涙を流す象徴 鬱積した感情を洗い流すという表現。

〔天使〕純粋で慈悲深くありたい象徴 死に対する恐れや母親のシンボル
    少女はこの「天使」になりたかったのかもしれないです。

〔洪水〕感情の荒れ 憎悪や悪意などのマイナス感情の象徴
    ノアの方舟についての記述どおり。

〔湧き水〕自分の希望が叶うという象徴

〔泉の水を飲む〕自分自身を肯定する欲求の高まりの象徴

〔太陽〕活動のエネルギー 生命力 精力のシンボル



《A》創世記による記述
地上に増えた人々が悪行を行っていることに神は怒り、洪水で洗い流した後、
ただ一人神と共に歩んだ正しい人であったノアに、方舟を作るよう命じ
完成後の40日40夜 再び洪水を起こして地上に生きているものの
すべてを滅ぼしつくした。

《B》『ギルガメシュ叙事詩』における記述によれば、
大洪水のあとすべての人間は粘土に変わっていた。

《C》『シュメルの洪水神話』(粘土板)における記述
大洪水が聖地を洗い流すだろう。人類の種をたやすために。
やがて洪水の後、ウトゥ(太陽神)があらわれ、天と地を照らした。


作中に登場する機械仕掛けの太陽は、おそらく
《C》の太陽神を意味しているのではないかと。
空が真っ赤に染まっていたのも納得できる気がします。
そして少女がたまごを持ったまま他の人々と同じ金属色の像になっていたのは、
《B》にある「粘土に変わっていた」に通じるものを感じます。
ということは、少年の正体は方舟漂着後、
何百年も生き続けているノアなのか?とも考えられます。
彼が海辺に佇んで水平線をみつめながら、
かつての大洪水前に出会ったひとりの少女のことを思い出してる?

少女が崖から落ちて水の中に沈んでいきますが・・・
あの水中での時間はかなりの年月を経た転生を表現している気がします。
さらに、たまごの中身ですが、結果的には方舟そのものだったんじゃないかと。
方舟がたまごに入ってるんじゃなく、
方舟に乗せたすべての価値ある生命という意味で。

ノアの方舟が辿り着けなかったもうひとつの場所、ということで、
これはパラレルワールドかもな・・と
ラストシーンをみつめながら感じたのだけれど、
矛盾点もまだ多く、実際のところはわかりません。

長文にお付き合いいただいてありがとうございました。


-----------------------------------------------

声の出演: 根津甚八、兵藤まこ
監督: 押井守
製作: 徳間康快
原案: 押井守、天野喜孝
脚本: 押井守
キャラクターデザイン: 天野喜孝
美術監督: 小林七郎
作画監督: 名倉靖博

投稿 : 2012/02/29
閲覧 : 942
サンキュー:

26

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

全てがメタファー、押井守の超難解アニメ

舞台は、ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう一つの世界
卵を持った少女と大きな剣を持った青年が出会う・・・

これほどまでに視聴者を無視したアニメは無いだろう
押井守作品の中でも、一際難解かつ前衛的。
この作品は何回も見たのだけど、まぁよく分からないw
しかし何とも言えない魅力があるのは確かで
押井守という監督は映像作家としては紛れもなく「天才」なのだろうということは
この作品でかなり感じたのも事実。

天野義孝氏の魅力的なキャラデザと幻想的な描写
その世界観は圧巻で、ただただ静寂の中で物語が進む
ただ、その物語は輪郭すらはっきりしない。
全てがメタファーなので、視聴者に投げっぱなしのアニメである
まぁ感性で見て楽しめる人は、あまり考えず見るのが良い。
というか、まぁエンタメ作品としてゴミ以下のアニメなので
芸術の嗜みとして見るなら、まぁギリギリ見れる作品w


これ以後ネタバレ推考


ノアの方舟がモチーフの作品であるわけだけども
かなり独自の解釈をしているようで、どうもしっくりこない設定もあったりする
まぁいずれにしろ暗喩だらけで詳しいことは一切不明だ

wikiによると魚は言葉、鳥は命の暗喩なのだそうだ
本当は存在しない魚を追い求める影、いない鳥の存在を信じる少女
やはり絶望的な世界の象徴する暗喩なのだろうが
もっともっと深く掘り下げられるのかもしれない

男と女の関係性が一番よく分からないところ・・・
これがおそらく最も重要なポイントの一つなんだけどなぁ
アダムとエヴァ?というよりエヴァとサタンの関係に見えてしょうがないんですよね
剣も確か悪魔の象徴だった気もしなくもないですし・・・(多分)
人間はサタンの力を借りて賢明になったという、まぁその類の話はごまんとあるわけなので、
そういう話と見れば合点がいくところもあります。
知恵を授けられた女性は、罰として妊娠の苦しみを与えられるという話があるわけでして
それもこのアニメの内容と合致するものがありますしね
となると、舞台は実は楽園だった?ということになるわけですが。
まぁ、ノアの方舟がモチーフということ考えれば、全くの的外れなのかもしれない


最も重要なポイントはタマゴが一体何を指しているのか?というところなんでしょうが
絶望的な状況においての拠り所、「希望」と見るべきでしょうか
男性がそれを打ち砕き、少女に現実を見せつけるわけで
すると少女が大人へとなり、あらたなタマゴを生み出したと・・・
この作品そのものが現実世界のメタファーであるとするならば
かなり現実的メッセージを放っている印象はあります

まぁ全て妄想でした!っていう解釈も出来るわけですがw

投稿 : 2012/02/27
閲覧 : 666

Anna さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

押井守監督の、前衛的芸術!

「うる星やつら」や「機動警察パトレイバ―」「攻殻機動隊」で知られる、押井守監督作品。

舞台は、ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう1つの世界。物語を見せるのではなく、"旧約聖書創世記に登場するノアの方舟のエピソードを独自に解釈した物語をベースにしている"とのこと。街の中で出会った、たまごを抱えた少女と、謎の青年の物語。

台詞がほとんどなく、かなり前衛的な試み!
黒を基本に、物々しい色使いが印象的です。フランスの町並みや森の絵がとても雰囲気があり、独特の世界観をかもし出しています。
また、宗教曲のようなオリジナルサウンドが神秘的でした。

この多少奇抜な作品によって、監督は多くの批判を浴びたようですが…。
ストーリーをひとまず置いておけば、作画や音楽は印象的で美しいですし、好きな人は十分楽しめる作品です!

投稿 : 2011/07/18
閲覧 : 734
サンキュー:

9

7gatsu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/03/15
閲覧 : 4

終了 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/06/02
閲覧 : 20
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天使のたまごのストーリー・あらすじ

ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう1つの世界。巨大な眼球を模し、中に複数の人型の彫像が鎮座する宗教の象徴のような機械仕掛けの太陽が海に沈み、世界は夜を迎える。方舟の中の動物がすべて化石になった頃、忘れ去られた街で一人の少年と一人の少女が出会う。(OVA『天使のたまご』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
OVA
放送時期
1986年3月8日
制作会社
スタジオディーン

声優・キャラクター

根津甚八、兵藤まこ

スタッフ

原案:押井守・天野喜孝(アニメージュ文庫「天使のたまご」より)
監督:押井守、製作:徳間康快、企画:山下辰巳/尾形英夫、プロデューサー:三浦光紀/和田豊/小林正夫/長谷川洋、脚本:押井守、美術監督・レイアウト監修:小林七郎、作画監督:名倉靖博、アートディレクション:天野喜孝、音楽監督:菅野由弘、音響監督:斯波重治、撮影監督:杉村重郎、編集:森田清次

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