「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(アニメ映画)」

総合得点
69.1
感想・評価
320
棚に入れた
2007
ランキング
1846
★★★★☆ 3.6 (320)
物語
3.7
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

遅々として進まない黒ずくめ関連のストーリーに嫌気が差して視聴することを止めて数年。
先日、地元のTSUTAYAを訪れた際、店員による手製の帯に書かれた解説に興味をそそられて、劇場版を初視聴してみました。


で……これがまぁ、自分の予想よりも遥かに出来が良くてビックリ。
TV版はミステリ色の強い推理モノだが、この劇場版は映画に相応しく、サスペンス性に秀でた作りに仕上がっている。
導入部の説明パートにやや肩透かしをくらったものの、100分間の中でのストーリー構成は抜群。
一本の大筋の中で、きちんと小さな山場を設けている。しかも、その規模は段階を踏んで大きくなっていく。これが素晴らしい。
本作では犯人によって次々と爆破の予告をされ、その度に時間制限を設けられた上でコナンが推理に腐心する。
その推理が一つの結論に至った瞬間、今度はあわただしく状況が動き出す。これら一連の流れがいくつかあって、退屈しないのだ。

特筆すべきは、やはり犯人逮捕からのスカイタワー、そしてエンディングまでの流れだろう。
TV版や【金田一少年の事件簿】を見慣れた僕にとって、本作の犯人の動機は、とても新鮮だった。
今までの犯人像と言えば、本作の導入部の犯人に代表されるような、典型的な【同情できる可哀想な人】だ。
そういう犯人がいてもいいけど、僕としてはそういう話にされてしまうと「悲しい事件だったね……」としか言いようがなくて、困る。
というのが、今まで僕がコナンという作品に対して抱いていた感想だ。

が、そこへいくと本作の犯人は、自分勝手な理屈を振り回す、同乗の余地のない【犯罪者】である。
こういう人物を犯人に据えることで、事態の緊迫感が増して、作品としてグッと面白みが増したように思う。


で、その犯人は作中で言うワケだ。

「愛なんて要らない」


が、そんな犯人の企みを阻止したのは、コナンの名推理でも咄嗟の機転でもなく、蘭の【愛】だったのだから、実に痛快だった。



近年のコナン映画に比べれば幾分地味に映ってしまうだろうけど、作品の出来としては申し分ない。
現実味のあるスケールなのがかえって緊張感が漂っていて、個人的にはむしろグッド。満足しました。

投稿 : 2015/07/20
閲覧 : 286

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