「わかば*ガール(TVアニメ動画)」

総合得点
63.8
感想・評価
407
棚に入れた
1830
ランキング
4051
★★★★☆ 3.5 (407)
物語
3.4
作画
3.6
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

ダレイオス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

普通の女子高に通う大金持ちのお嬢様の日常

高校が舞台の日常系で長めのショートアニメ
おそらくは30分アニメでよくある3本立ての1本と
同じくらいの内容だと思います。

設定は学力が低くて「お嬢様学校」に行けなかった。
主人公の若葉を中心にした「普通の女子高」を舞台にした日常系ですね。
どちらかと言えばキャラクターの見た目の可愛さを描いた作風とういうより
プールに行ったり、学校帰りにアイスクリーム屋に行ったり
文化祭など
よくある女子高校生の「日常」をお嬢様が体験した中に生まれる
ギャグ、ボケ、ツッコミをやっているのが作風ですね。
基本的にこの構造なのですが日常的にありえるさり気ないネタなのに
お嬢様独特のボケやツッコミが加わって面白いです。
こうしたボケやツッコミは第三者の目で見て微笑ましく
感じることが出来るのが良かったかな
キャラの表情も豊富なのでそういったシーンは可愛くて和みますね。
ただそういった可愛さはあるのだけど
あくまでもこのアニメはお嬢様独特のボケやツッコミから生まれるキャラ同士の掛け合いが良かった。
キャラクターの見た目の可愛さを楽しむよりも
単純に内容が面白いと思える日常系で
ボケやツッコミのネタはしっかりしていて結構考えてるなと思いました。

そしてその注目すべきは、主人公の若葉ですね。
主人公が「ですわ」系のお嬢様て所です。
最近では「ですわ」系お嬢様はアニメではあまり見かけませんが
昔でも主人公が「ですわ」系のお嬢様なのはあまりいないのではないでしょうか
脇役では結構いましたが主人公だと個人的には記憶にはないですね。
そのおかげで新鮮味はありました。
ただし若葉は学力はあまりよくないことなので、そういった設定は和みますし
若葉は女子高生に憧れ、ギャルにも憧れ、お嬢様なのにミーハーだったりの
ギャップも良くて1話見ただけでもキャラ付けは成功していて
続きは見たいと思いました。
お嬢様なので若葉は女子高生&ギャルぽいことしているはずなのにズレてるのがポイントでしょう。
わかりやすい例としては「ギャルゲー」のことをギャルがする
すなわち、女の子がやるゲームと勘違いして購入してしまった。
と笑える話、個人的には普通は中々思いつかない高度なボケに見えましたね。
このネタ考えた人はセンスがあると思います。
まあそれでも若葉はボケる時はボケますが一応ギャルらしいことはしてますね。
買い食いとか庶民的なことに憧れる
アイスクリームひとつ食べることも嬉しく感じる
それらに一喜一憂する姿は女子高生らしいのではないでしょうか
そういうシーンは可愛らしくて良かった。
女子高生らしい所もあるけどお嬢様らしく
さり気ないズレがこのアニメの面白さになってました。
個人的には、黒焦げのお菓子を作って学校に持ってきたり
カラスに餌をあげたりしたり、しかも本人は小鳥に餌をやっているつもりと
常識を超えたズレっぷりは驚かされました。
お金持ちキャラらしく楽しく遊んでくれた友達にお礼にお金を渡そうとしたり
ブラックジョーク気味にズレた話には爆笑してしまいました。

要するに若葉は「お嬢様」なのでお嬢様にとっての「日常」は
我々視聴者にとっての普通の「日常」ではなく「非日常」で
「普通の女子高生」の若葉の友達にとっても普通の「日常」ではなく「非日常」
さらに「普通の女子高生」の若葉の友達にとっての「日常」は
「お嬢様」の若葉にとっては普通の「日常」ではない。すなわち「非日常」
そこから生まれるズレが本作の面白さだと思うのです。

プールに行ったり、学校帰りにアイスクリーム屋に行ったり
文化祭など若葉にとっては「日常」ではなく「非日常」なのだから
「普通の女子高」の若葉の友達にとっての「日常」と
そこから生まれるズレが面白く
そこを楽しむのがポイントだったんでしょうね。
逆に若葉にとっては「日常」はお嬢様にとっては比較的「日常」なのでしょう。
お礼にお金を渡そうとしたりはお嬢様にとっては「日常」なのでしょうけど
それは「普通の女子高」の若葉の友達にとっては「非日常」で
そこから生まれるズレはやはり面白かったです。
そんなさり気ないズレを楽しむアニメだったんですね。

さらにストーリー関しては日常系にしては話がしっかりとした回もあり
女の子同士の友情が強まる話などは、かなりいい感じに終わっていて
イイハナシダナ・・・と結構ジーンとすることもありましたね。
若葉と他のメインの女の子3人の友情話はかなり良かったです。
ただ、良くも悪くも「日常系アニメ」なので
ごく普通に日常で起こりそうなさり気ないまったりした雰囲気や日常描写
の中で生まれる友情だったのもポイントでしょう。
これが大事件や大騒動の中で生まれる友情だったら別のものになってたんでしょうけど
あくまでも「日常系アニメ」の枠組みを超えない感じになってたのは良かったです。

本編は6分と長めのショートアニメなのだけど
「日常系アニメ」と考えれば丁度いい長さに感じましたね。
長めのショートアニメなので十分な尺があるので
ショートアニメにありがちな尺不足になることもなく満足感はありました。
さらにこの手のジャンルの原作漫画は大体原作1話で6分くらいで収まる
感じがするので30分アニメだと原作4話くらいになり
無理がありストーリーを繋げた違和感が生まれやすいのだけど
1話ひとつの話題に収めることで見やすいし
1話1話の開始から終わりまで起承転結がきっちりと感じさせて
くれる作りになっているので
見終わった後でも頭の記憶にも残りやすく余韻に浸ることが出来ました。

季節の移り変わりも実感出来る流れだったのも良かったかな
入学式から始まり、プール、文化祭、初詣と
時間の流れを実感することが出来たので
1話1話だけでなく全体の流れでもストーリーの軸がしっかりしていて
良かった。

キャラについても最初は若葉を中心にしてまわるのだけど
段々他の3人にも話の中心になったりするので
中盤以降は面白さは増したかなと感じました。
最初は若葉のキャラが立っていたのが良かったけど
他の3人のキャラも立ってくることにより
各キャラの立ち位置がわかってくると
会話は面白く感じましたね。
キャラがしっかりしてくると不思議とギャグやツッコミやボケは笑えます。

作画に関してはいかにもショートアニメらしい作画でしたね。
背景はきめ細かくはないですが作風にあった感じがマッチしていました。
ほんわかした感じの背景は良かったです。
キャラの作画も思ったよりもキャラデザインは若葉以外は地味でしたね。
ただキャラの作画が自体はしっかりしてました。
地味なんだけど丁寧な作画は良かった。
ギャグ時の演出も凝ったものが多くて工夫しているなと思いました。
ショートアニメとして考えれば中々の作画クオリティーだったのではないでしょうか

声優さんについては演技がそうなっているのか喋り方が独特な感じでした。
若葉役の小澤さんの演技も独特でしたが可愛さは表現出来ていた思います。
直役の村川さんは主張しすぎないボーイッシュな演技は良かったですね。
独特の演技の方が多かったですが可愛さは表現出来ていて満足です。

ショートアニメの日常系としてはギャグのネタも面白くて
お嬢様にとっての「日常」は我々視聴者にとって「非日常」というズレが
本作の面白さのポイントだったかな
さらにたまにいい話もあるので素直にいいアニメだと思いました。
1話ひとつの話題で進めるので起承転結も出来ていて良かったし
日常系アニメに必要な作画クオリティーもありました。
アニメの出来は良かったです。

投稿 : 2015/10/12
閲覧 : 464
サンキュー:

3

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