「ワンパンマン(TVアニメ動画)」

総合得点
86.0
感想・評価
2073
棚に入れた
11557
ランキング
211
★★★★☆ 4.0 (2073)
物語
3.9
作画
4.2
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

強すぎるということ

 原作は未読。
 主人公がピンチに陥ることなく展開される作品をネット上などで「俺TUEEE系」などと
呼ぶようだが、そういう点では本作は究極的な俺TUEEE系。
 ただ、ここまで強いとその設定だけで充分ギャグになるし、この設定自体は既存の
俺TUEEE系のパロディとも言えそう。

 単に強いだけでなく、その強さ自体がワンパンというシンプルなものであるところも
おかしさに繋がっているが、シンプルゆえにより圧倒的な強さというものが感じられる。
 この強さを感じさせる描写は、やはり敵自体に強さを感じさせる必要があるわけで、本作に
おける敵はその登場からいかにも強敵感を感じさせる描写が多く、更にキャスティングも結構
豪華。それをワンパンで倒してしまうからサイタマの強さが引き立つわけだが、勿体なささえ
感じさせる贅沢な作りという感もある。
 この敵の強さに関してはバトルものによくある強さのインフレ現象的なものも見られるが、
より強力な敵が出てきてもサイタマがワンパンで終わらせてしまうわけで、インフレ現象が
あまり意味を持たないところもおかしい。さすがに終盤のボロスに関してはある程度の
ラスボス感は感じられたが。

 強すぎる悩みというのも贅沢なものだが、やろうと思っていることがあまりにも安易に
できてしまうと、やはり達成感は得られないだろうなと思う。
 あと常識の範疇を超えるようなものはなかなか理解されにくいもので、一般市民から同じ
ヒーローに至るまで、なかなかその真価が理解されにくいのもしょうがないのかなという気が
する。

 強さを得た方法がそれほどたいしたことないトレーニングによるものという設定はギャグ的な
面白さががあるが、この行為自体はサイタマがヒーローを目指して努力したことを現しており、
多くのヒーローものでは主人公が力を持っていたためにヒーローになったのとは真逆。
 努力してヒーローになっただけに、サイタマには「ヒーローとはこうあるべき」といった
ヒーロー像があるようで、随所にそいうった描写が見受けられる。
 特にヒーローとしての精神性を強さ以上に重視しているように見え、強さ自体はたいしたこと
なくても常に正義のヒーローであろうとする無免ライダーに好感度を抱いているのも納得。
 メタ的にも、コメディでありながら展開自体は結構熱いストーリーだったのは、この
サイタマの精神性が大きかったんじゃないかと。

 サイタマ以外のジェノスを初めとする他のヒーローもなかなか魅力的で、こちらも敵同様に
なかなか豪華なキャスティング。
 特に個々のヒーローとしての考え方や矜恃などが興味深いが、いかに素晴らしい考え方や
精神であろうとも、ヒーローである以上(敵も含めた)純然たる強さのヒエラルキーが存在し、
精神論で簡単に覆るものではないところが現実的。
 そして、表面化はされていないものの、実質的にはサイタマがそのヒエラルキーの上を
行っている図式がこれまたおかしい。

 「強すぎるヒーロー」という設定の面白さに負っている作品だけに、当初は出オチで
終わるかと思ったが、意外なほどうまいことストーリーを引っ張っていた印象。
 1クールアニメ作品としてはエピソードの羅列というブツ切り感も多少感じられたが、
そういった部分を吹っ切るような勢いが感じられた。
 謎が残る要素も幾つかあったが、この辺は次に期待かな。
 作画に関してはバトルシーンがよく動くし、迫力がある。とにかく気合いが入っていた感が
あるが、そんな中でサイタマの気の抜けた顔が挟み込まれるとこれまたおかしくなる。

投稿 : 2017/04/22
閲覧 : 237
サンキュー:

8

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