Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「面白きことは良きことなり!♭」
この物語の内容は前期の続きになっているので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。
正直この作品の続編が制作されるとは全く想像していませんでした。
古の都、京都では人の姿をした狸と天狗が人と共生していて、そこで天狗と狸の織り成す一風も二風も変わった彼らの生き様を描いた作品になっています。
思い返すと1期では主人公である下鴨 矢三郎が、時に狸…時に天狗と一緒になって起こす色んな騒動はそれなりに面白かったと思いますが、そこだけを見ると決め手には欠けていたように思います。
でもその時には続編が制作される事も知らなかったので、この作品の見どころを探しながら視聴していました。
2期が制作されるならそんな事しながら視聴する必要なんて全く無かったと思います。
何故なら、1期の騒動はいわば伏線…そして今期でばら撒かれた伏線をしっかり回収しにきましたから…
だから1期でうやむやだった事も今回で次々と明らかになっていく事から、正直面白さも1期とは段違いです。
決して1期が面白くなかった訳ではありません。
でも向かうべき先がはっきりしていなかったので、頭の中に「もしゃもしゃ」は残っていました。
それらが次々にすっきりしていくんです。
だから面白さに加え、爽快感も感じられたと思います。
でも、いくら狸の騒動だからといって終始あっけらかんとしていた…なんて事はありません。
下鴨一家の狸がちょいとした悪巧みを働いたり、夷川家の狸どもと意地の張り合いをしている間は楽観視できるのですが、海星(CV:あやねる)や玉瀾(CV:日笠さん)が絡んでくると、物語にピリッとしたスパイスが効くのを感じられます。
特に…今回海星は可哀想…というより彼女の事を知れば知るほど切ない気持ちで胸が一杯になりました。
一時はとても良い仲通しになった間柄だというのに、頑ななほど矢三郎の前に姿を見せなかった海星…
でも、そもそも何故海星はそんな面倒な事をし続けなければいけなかったのか…それにもちゃんと理由があったんです。
もちろん、そんな事を自ら進んでやっているとは思いませんでしたが、海星の涙ながらの真実の告白に対し、私は貰い泣きする事しかできませんでしたけれど…
二人で肩を並べて歩きたい…きっと何度もそんな事を考えたと思います。
でもそれが絶対に叶わないと分かっていても、何かと矢三郎の周りで陰から彼を支えていました。
ある意味究極のいじらしさ…きっとこれ以上のいじらしさってこの世に存在しないと思います。
あやねるの演技が拍車をかけていたのも間違いありませんけれど…
それと物語の構成も個人的には大好きでした。
今期も色んな騒動は起きるものの、心に染み入る出来事…或いは言動を噛み締めているとfhanaさんの歌うエンディグテーマ「ムーンリバー」が聞こえてくるんです。
これはちょっと反則だったかも…気持ちが昂った状態で聞くと心の震える曲でしたから…
この曲は今期のアニソンBEST10に入ってくる楽曲だと思っています。
1クール全12話でした。
能登さんの弁天…いつ聞いても最高でした。
でもこの作品を見て思います。
最初から2クール作品と知っていれば、視聴の仕方や評価が変わる人ってきっと多いんじゃないかと思います。
まぁ、色んな大人の事情も絡んでくるかとは思いますけれど…
でも、最後までしっかりと纏めて頂いたのが感じられたのは嬉しかったですし、視聴して良かったと思えた作品になりました。