「若おかみは小学生!(アニメ映画)」

総合得点
77.7
感想・評価
159
棚に入れた
730
ランキング
589
★★★★☆ 4.0 (159)
物語
4.1
作画
4.1
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

花の湯温泉、春の屋さん!お〜い、時間ですよ!

普段は、事前情報を入れずに劇場に行くのですが、
今回は、かつてなく半分青い気分での鑑賞でした。

それに、大方のお客さんは女子小・中学生でしょ。
りぼん、キラピチ、ニコ☆プチ、JSガールの世界。

ブルーなんだけど、ピンキーな空気感にたっぷり包まれてきました。♡


こほん、さて、と。

第一印象は、起承転結の脚本がしっかりとしていることです。
それでいて、12歳前後の知識なら十分に理解できることです。

12歳のあどけなさと、若おかみの初々しさがあいまって
エピソード毎に、視聴者の心をぎゅうっと鷲摑みにしてきます。

あたかも、おっこと花の湯温泉を縦横無尽に走り回るようです。
だからでしょうか。ウリ坊、美夜ちゃん、鈴鬼くん、真月さんにも
ぐっと親近感が増してくるし、頼りにしたくもなります。

同じ世代、似た境遇の女の子は、夢が膨らむでしょうね。
支えてもらえれば、私もがんばっていける!って、
きっとそう思えるはず。


寂しい子は、{netabare} みんな春の屋に来ちゃえばいい!
ユーレイだって、鬼だって、独りぼっちは寂しいんだ。
いっしょのほうが、寂しくないもんね! {/netabare}

とは、おっこのことば。

誰とでも、つながれるきっかけが作れるおっこの秘密は、
若おかみとしての責任感。でも、それは寂しさの裏返し。

おっこの心理描写は、視聴者の年齢層に合わせてあって
そんなに深めてはないけれど、そこがいいなと思います。

大人なら、悔恨とか未練とかいう言葉で、思いを切り分けて
ゆっくりじんわり、収斂させていくのかもしれないけれど、
おっこには、そんなテクニックは、まだ難しいでしょうね。

だから、おっこは、グッと踏ん張って、いつだって全力疾走。
言葉と気持ちと行動が、いつも一緒なのがおっこの持ち味。
そこがいいんだと思います。


物語は、おっこの春の屋に、3組のお客さんがやってくるんです。

あかねさん。
水領(すいりょう)さん。
木瀬さん。

このお客さんのエピソードが、程よいアクセントになっています。
おっこの喜怒哀楽が詰まった、春の屋ならでは深い味つけです。


おっこが若おかみになってから、一番変わったのって、
ご両親と自分だけで100%だったときとは違っていて
お客様といろんな人たちも加えて、100%になっているってことなんじゃないかな。
それはつまり、おっこの時間の密度が濃くなったっていうことなんじゃないかな。

おっこは、余裕もなにもなくってぶっつけ本番の毎日だし、
ドタバタでおっちょこちょいなんだけれど、
ウリ坊や美陽ちゃんや鈴鬼くん、そして真月さんが
いっしょうけんめいにサポートしてくれるおかげで、
若おかみの振る舞いの中に、余裕が生まれてきたみたい。

それって、ゆとりってことだよね。
気持ちにゆとりが生まれれば、あせりのかわりに伸びしろができる。
伸びしろが生まれたら、少しだけ先が見えてくる。楽しく思えてくる。

そうしたおっこのポテンシャルって、たぶんもっと高くって、
同じ世代の、千尋やシータやキキが隣にいても、負けてない。
いい雰囲気でやれてるんじゃないかなって夢見てしまいます。

私が一番うれしかったのは、おっこが {netabare} 真月さんと神楽を舞ったこと。
そこに、{netabare} ウリ坊と美夜ちゃんも一緒に舞うことが{/netabare} できたこと。
本当に、美しくて、喜びに満ち溢れているような神楽舞 {/netabare} でした。
わずか数分の神楽舞の場面なのですが、私には一番印象的で、お気に入り。大好きなシーンになりました。


若おかみは小学生!って、TV放送で知った人が多いと思うんだけど、(わたしもその口なんですけどね)
ちょっと調べてみたら、凄いことになっていました。

小学中級から、青い鳥文庫(全20巻。300万部超の大ベストセラー)
同じ文庫版は、電子版としても配信中。
一般向けで、講談社文庫。(これがアニメ映画の劇場版原作)。
2歳以上で、ゴールド絵本(16ページ)。
6歳から小学校低学年のアニメ絵本(112ページ)。
とまあ、一気呵成の "大人気 児童文学" なんですね。

この作品で、世界に出るなんて、ステキなことだと思います。

いや、本当に子ども向けではありますが、見どころ満載。
飽きることはないと思います。私はとっても満足いたしました。

さぁ、おっこみたいにがんばってみよう!
そんなふうにも思える良作ですよ。

長文を最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本作が、皆様に愛されますように。

投稿 : 2018/10/03
閲覧 : 308
サンキュー:

21

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