「Wake Up, Girls!続・劇場版 青春の影(アニメ映画)」

総合得点
61.6
感想・評価
84
棚に入れた
330
ランキング
5219
★★★★☆ 3.6 (84)
物語
3.6
作画
3.5
声優
3.6
音楽
3.8
キャラ
3.7

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

途中で終わります。

【概要】

アニメーション制作:Ordet、ミルパンセ
2015年9月25日に公開された劇場アニメ。
監督は山本寛。

【あらすじ】

波乱だらけの出発となった、仙台の新人アイドルグループ「Wake Up, Girls!」
一度は芸能事務所の運転資金を持ち逃げして行方をくらませた丹下順子の社長復帰。
社長がとってきた契約による地元TV局のTV番組のミニコーナー出演やライブなどで、
ご当地アイドルとしてガールズは地道な活動をしていた。

そして、ライブを観た天才作曲家設定の音楽プロデューサーの早坂相が、
何故か自発的にノーギャラで「Wake Up, Girls!」のプロデュースを申し出る。
早坂に一任された「Wake Up, Girls!」は、スパルタなレッスンとライブスケジュールで、
疲労困憊。彼女たちは、くじけそうになるがグループの結束を固めて乗り越えるのだった。

そして、年末に開かれるアイドルの祭典に参加。
不慮のトラブルでピンチになるが七人の結束で乗り越え、新曲「7 Girls War」で、
最初は興味なかった観客を熱狂の渦に巻き込んだ。優勝は逃したものの、
真の勝者は「Wake Up, Girls!」であった。そして後日、芸能事務所に一通の電話が。
それは、東京の大手レコード会社「bvex」からのメジャーデビューの誘いだった。

【感想】

監督が全部自分でチェックすると言いつつも、とにかくチェックが進まないし、なかなかOKを出さない。
とにかく没しか出さないので苦し紛れに最初に提出したカットを再提出したらOKが貰えたという、
監督のリテイクには明確な基準が無く、その時の監督の気分次第という悪循環なアニメ制作現場。
こんな、『SHIROBAKO』16話の小笠原倫子の過去エピソードにも若干似た話が日常茶飯事。

アニメ制作の作業を止めるダムとして現場を混乱させるリテイクの山を積み重ねたり、
普通にやってたら間に合わないので、お金で人を集めたりで膨れ上がった人件費。
湯水のように制作費を使い込んだものの、売上などの業績が振るわない。

現場のスタッフがコンテの清書・代筆や演出補佐などで全力で介護をして、
なんとか完走したTVアニメ版1期ではあるが契約で請け負った仕事は完遂したのでこれで終わりと、
企業の経営判断として区切りの良いところの損切りでタツノコプロが撤退。
(監督が原因であるが製作が進まず、無許可でタツノコプロの名前でアニメーターの急募をかけた、
TV版の作業遅延の影響でタツノコの人的リソースを大幅に割かざるをなくなったなど、
問題点が多岐に渡っていたという話)

そして、タツノコプロの代わりに共同制作に参入したのが、
監督が代表を務めるOrdetを傘下に持ち、サンジゲン、トリガー、ライデンフィルムの親会社でもある、
「株式会社ウルトラスーパーピクチャーズ」(以下、USPと略す)からの協力依頼を引き受けた、
ミルパンセ(後に新章を製作)であり、新体制で作られた前後作品の前編。

もっとも、Ordet単体ではアニメを作れる環境も人員も揃っていなく、
A-1 Picturesやタツノコプロが今まで製作作業を請け負ってきたように、
後の新章スタッフ(ミルパンセ)が主体となって完成させたということ。

USPが金銭の流れをチェックしようとしてたのにも関わらず、
予算1.6億円+追加予算1.2億円=合計2.8億円かかってしまい、USPがordetの予算をたてかえたのだが、
両方ともに興行収入0.1億円(数値化の最小値であり1000万円未満は100万でも500万でも、こう表記される)
を記録して会社に大損害を与え、キルラキルや蒼き鋼のアルペジオで稼いだ利益が軽く吹っ飛んだとか。

USPが資金を貸した先のOrdetの社長である監督は1億2000万円分の貸借契約の保証人であり、
事業失敗の責任による返済を免除する代わりにWUG(さんざん迷惑をかけられた女性声優やスタッフ)
に一切関わらないとの内容の念書を監督が書かされたという温情措置がとられたと一説にはあるが、

その後も監督がWUG声優への付きまとい(作品舞台となった仙台のラーメン屋の交流ノートの、
声優がWUGファンへの感謝を綴ってるページに中傷コメントを書き込んで自分でネットにアップする)
自身が追い出された後の新章でも楽曲担当の、広川恵一・神前暁の両氏の、
ガールズへの応援コメントに対する悪態などの問題行動が止まることが無い。

契約違反で暴言が止まらない → 契約不履行による負債の返済請求をUSPがするも監督が拒否。
で、債権者破産執行という流れ。
自分は悪くない!アニメ業界は極悪人だらけで、むしろ自分は被害者だ!と責任転嫁。
WUGの足を引っ張ったのはミルパンセだ!とタツノコプロを除く関係各社をゴミ会社と罵り、
反撃にと多数の関係者をイニシャル表記にした告発文をブログで書いてみたものの、反響が薄い。
同調者が一部のファンのみ。むしろ、名誉毀損で裁判になったら敗北する事案。

予算と納期を守る意識が皆無のトラブルメーカーであり、対人関係の破綻を何度も重ねた挙げ句に、
WUG製作に関するトラブルでの悪評が決定打となり、業界内で居場所が完全に無くなってしまった。

自分が関わった作品の権利は全部自分のものであるという考え。端っこにいただけのハルヒや、
人間性と能力を適切に判断されて監督を4話で解任された、らきすたですら我が物扱いなのですから、
自身が密接に関わっているWUGという作品全てや声優ユニットを私物化している監督が、

・自分の芸術作品が極悪人たちによって奪われた!

と叫ぶアニメは如何程のものなのでしょうか?

自分が考えるに、監督自身が考える世の定めを説く。

それは、子供じみた根拠のない万能感と無責任な夢の否定。と言えば格好良いのかもしれないが、
ラブライブやアイマスなど人気コンテンツであるアイドル作品シリーズの逆張り。

オトナ帝国→イマイチ
戦国大合戦→イマイチつか無理だろ
大地→口だけ、ダメダメ
富野→演出の能力無し
キンゲ→なってない
沖浦→ショボ(笑)
押井→「惜しい氏ね」。おわっとる、METHODS(本)が一番良かったんじゃない(笑)?
鈴木→脳みそ小さいアニメやくざ
大友→才能無し
橋本敬史→蒸気・煙がなってない
細田・新海→限界が見えた、ショボ
千明→絵描きでもショボ(笑)
加瀬充子・ときたひろこ・下田正美→ショボすぎる、アニメ汚し
西澤晋・かみやじゅん・えんどうてつや→実写のことを知らない無教養
猫の恩返し→グダグダ、しょうもない
森田→演出失格
吉田玲子→だめだこいつ
IG、ゴンゾ、ガイナックス→語るに落ちるほどの糞会社
渡辺信一郎→粗や不備があるが、まあ、認めてやるか
マクロス7→映像も音響も汚物
山内重保→ショボ(笑)ま、努力は認めてやんよ
大畑・錦織→イマイチ
佐藤順一→センセー(笑)あんたに言われることは何もない、もうちょいがんばれや
渡部高志→監督の才能なし

↑↑ 全て、監督本人の発言

元々がジブリ作品を除いて、ヒット作品や有名監督や脚本家などにネットで噛み付く悪癖があり、
(2000年代前半に、同業者の悪口を連載ブログで繰り返すスタッフとして京アニで問題になった)
反骨心なのか、アニメなどの創作物が持つヒット要素、『夢』といった輝き、御都合主義を極端に嫌う。

商業主義の否定と言えば聞こえが良いのだが、自信満々で送り出した『フラクタル』が討ち死にしたことで、
「売れるように作っていない」と言い訳しつつも、
何故自分のアニメが売れないのか?という現実から、背を向けるようになってしまった。

(京アニから実質的な戦力外通告である監督降板から何も自省せず、
 自分の仕事のことは棚に上げて、重箱の隅をつつくように、けいおん!をCLANNADと比較しながら、
 批判するなど意味不明な論説を展開しているなど、何があっても成長しない特質がある)

このアニメはリアル志向のヒューマンドラマ?というものの、
わかりやすいキャラ付けの否定で没個性で華のない少女たち。
髪型や身長はバラバラなのに、ガールズ七人全員が同じような顔。
まるで七人でひとつの群体のよう。
比較的作画が安定した反面で近岡直のキャラデザの特徴なのか、
一様に痩せこけていて柔らかみが無い体温の無い作画に見えてしまう。
少女特有のツヤツヤと若者特有のエネルギッシュさが絵面からは見られない。
常に不安げで疲れ切った幸薄そうな表情なので、見るものを元気にするのがアイドルなのに、
その役目を果たしていない。

それは、演出や脚本の意図通りで、単に「Wake Up, Girls!」の七人の特徴かと言えば、
トップアイドルグループであるはずの「I-1club」ですら華がない。
芸能人だって普通の人間なんだよ!という意図があるのかな?と思ったのだが、
売れてるアイドルと売れてないアイドルの差異が乏しく、
元々が人気アイドルだったはずの島田真夢と他のガールズメンバーの描き分けが特に無いという点で、
演出を起点としたキャラ表現のバリエーションが少ないのでは?と思った。

ストーリーも相変わらずであり、

『小娘の甘ったるい夢なんぞ捨てちまえ!夢をかなえるのは楽じゃないんだ!!
 そんなの大人の都合でどうにでもなるんだよ!!』

との前提が根底にあり、徹底的にネガティブに描かれた芸能界がガールズの壁となって立ち塞がる。
競争が激しく、嫌な男に媚びてでも生き延びるのが当たり前の薄汚れた嫌な芸能界の中で、
常に不安を抱えながら何度も挫けそうになる状況で、
それでもめげずに前を向いて頑張るガールズたちに美しさを感じ取って拍手する。
ガールズを応援するファン心理の醸成のポイントはここなのだろうけど、
そんな醜い芸能界でスターダムにのし上がる喜びは、なんだろう?という疑問。
苦難を乗り越えて迎えた末のステージの上での輝きが演出の技量不足から十分得られないためスッキリしない。

表現が足りていないカタルシスの弱さというTV版での弱点は後編のステージで解消されるのか?
という不安を覚えつつ、「青春の影」はエンドロールとなり、物語は「Beyond the Bottom」に続くのだった。

まあ、観た感じでは監督の価値観やメッセージを受信して共感できるかが全てで、
それをお金を払ってまで観に行きたいか?に対する回答が業績不振に繋がったのではないかと?

アニメ特有の虚飾や華やかさを全否定して監督が他者に求める美徳を全面に押し出した独自の作風であり、
人を選ぶのではないか?ファッショナブルで華やかなラブライブ!のキャラ描写やステージ演出と比較すると、
表現の差異がコインの表と裏のようであり、見比べると作品の特質がわかりやすいと思いました。

まあ、色々言いましたけどED曲『少女交響曲』のメロディは良かったですね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2019/10/14
閲覧 : 233
サンキュー:

20

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