レオン博士 さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
輝ける日のために
【紹介】
宝塚歌劇団の音楽学校をモデルにしたアニメ。
音楽学校と言うのは、劇団の研修生が通う職業訓練学校だと思ってもらえればいいです。
本公演に出演するための準備やオーディションの場という性質が強いです。
原作は未読ですが、宝塚は子どものころから見るのが好きなので、楽しみにしていたアニメでした。
人を好きになるタイプなので、特定の組が好きというのはありません。
通常、音楽学校に入ること自体が難しく、東大に入るよりも難しいと言われています。
そんな狭き門を潜り抜けた選ばれた少女達。
入学できた時点でエリートと言えます。
そんな一般人には縁遠い華やかな世界を舞台にした作品です。
【総評】
今期では1・2を争う良作なのは間違いない。
とても面白くて、オススメのアニメです。
続きがとても気になるし、まだまだ見ていたいので是非2期を作って欲しいですね。
【作画・声優】
作画が綺麗で音楽も声優も文句なく、丁寧に作られている。
キャラデザは原作漫画のキャラデザとちょっと印象は違うかも。
【宝塚用語について】
元ネタの宝塚歌劇団の専門用語がいくつか使われていますが、作中ではできるだけ一般人には馴染みのない専門用語を使わないように配慮していたし、
使ってもちゃんと説明していたので不要とは思いますが、ちょっとややこしい言葉だけ軽く解説します。
{netabare}
エトワール・・・フランス語で「星」という意味、歌姫のことですね。一番最初にソロで歌う非常に重要な役で、高音ソプラノの娘役が務めることが多いです。当然ながら人気も競争率も高いポジションです。
娘役トップ・・・女性の役のトップスター。つまり主演女優のこと。
トップスター・・・各組の花形役者です。通常は男役のトップが務めます。男役のスターでも、演目によっては女性役をやることもあります。
トップスターを目指すと言う場合は男役のトップを目指すのと同義の場合が多いです。
{/netabare}
【シナリオ】
それぞれが華やかな舞台を夢見て頑張っている少女で、
みんな長所と短所、そして悩みを抱えており、
その悩みと向き合いながら長所を伸ばして夢をかなえようとするひたむきな姿が見ていて応援したくなりますね。
題材からしてもっと針の筵というか、派閥とかいじめとかえげつない話なのかな?と思ったらそういう負の側面よりも、お互いに高め合い競い合うライバルという側面が強いのがとても良かった。
実際の宝塚歌劇団と一緒で例えるなら野球のポジション争いに似ている。
男役を狙う子、娘役を狙う子、エトワールを目指す子などそれぞれ目標は違う。
単純に全員がライバルってわけでもないかも。
【キャラクター】
キャラクターが非常に魅力的。
宝塚歌劇団と言うと、ものすごい競争率が高く、実力主義の格差社会だという印象ですが、このアニメもそのイメージ通りで、周りがみんなライバルなので最初のうちはギスギスした展開になることも多いけど、主人公がいい感じにかき乱して和ませているためか、思ったよりもギスギスすることは多くない。
主人公に辛辣な対応をするキャラクターもいますが、徐々に打ち解けていい雰囲気になっていくのも王道な展開ながらやっぱりいいなと思った。
音楽学校の同期や先輩には俗物も何人かいますが、さすがに各組のトップスターは俗物ではなく、スターたる所以の大物ぶりを発揮しているところも良かった。
夢を売る仕事なので、やっぱり内面もカッコよくあって欲しいですからね。
キャラクターは多いがとても個性的で、モブのようなキャラですらキャラがちゃんと立っていて魅力的なキャラクターが多い。
純粋にこういう業界の話は興味深いというのもあるし、話としても面白いので毎週楽しみに見ていました。