ひろたん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ヒロインの毒舌ドSっぷりはクセになるほど清々しいです。。。
タイトルからしてなにやらシリアス。
最終話まで重い話が続くのかなと思って、ちょっと後回しにしてきました。
ふたを開けたら、あらびっくり。意外とラブコメでした。
内容も数話完結のオムニバス形式、問題解決型のストーリーで観やすかったです。
「怪異」の謎を解き明かしていくストーリーは、オーソドックス(正統派)です。
それを会話を通じで解いていく様はとても面白い。まるで探偵推理物のようです。
主人公「阿良々木 暦」とヒロイン「戦場ヶ原 ひたぎ」の会話も面白いです。
お互いにセリフをかぶせてかぶせて、これ以上かぶさらなくなったら次の話題へ。
表現微妙ですが漫才とコントを足して2で割ったような面白さです。
特にひたぎの毒舌ドSっぷりは、クセになるほど清々しいです。
ここで自分の性癖さらしてどうするんだと思いつつ見下されたいキャラベスト3。
(1)化物語/ひたぎ、(2)俺ガイル/雪ノ下雪乃、(3)青ブタ/桜島麻衣 ※毒舌順
でも、彼女たちの不器用な愛情表現は、観ていて微笑ましく可愛いです。
この作品の監督は、新房昭之さん。
あれ、この作品は、あまり絵が動かないですね・・・。
あっ、これが有名な「シャフト演出」ってやつですね。
この作品は、基本会話劇なので、動いてもどうせ口だけです。
口パク見せられるよりも遠巻きの俯瞰構図の方が逆に会話に集中できるのかも?
と、思いつつ、それならオーディオドラマでいいのでは?って話もありますよね。
でも、たぶんそれではダメなんです。
セリフかぶせ劇なので、最後は、キメ顔を見せてオチを作らないと。
しかし、シャフト演出は「まど☆マギ」の時はあまり気になりませんでした。
やはり、オリジナルとラノベ原作の違いは大きいのでしょうか?
前者は観て楽しいか、後者は読んで楽しいかです。
その生い立ちからして違います。
どうしても後者は、説明やセリフが多く動きが控えめになってしまいます。
会話主体の作品とシャフト演出が融合すると、すごいことになるんですね!
自分は、面白い試みだと思いました。
自分がラノベ原作で良いと思うところは、心情描写です。
原作では、ヒロインの繊細な気持ちをこれでもかって深堀して突き詰めています。
アニメ化する際、その細かいニュアンスが表情や仕草となってあらわれます。
先に挙げた3人もラノベ原作ですが、表情、仕草がとても豊かで丁寧な表現です。
そのおかげで、セリフと相まってとても魅力的なキャラになっていると思います。
この作品では、ところどころアニメでは分かり難い言葉遊びがあります。
5話の最後の暦がひたぎに言ったセリフは、漢字を見ないと分からないです。
これは、ラノベ原作の弊害としか言いようが・・・。
演出であれだけ字幕を差し込むなら、最後まで入れてほしかったかも。
最近、良く動く作品ばかり見ていたせいか「シャフト演出」はとても新鮮でした。
現実指向の背景や演出が多い中、こういう抽象的な演出の作品はとても貴重です。
ただ、観終わるころには、よく動く作品がまた恋しくなるのも事実です。