「リーマンズクラブ(TVアニメ動画)」

総合得点
66.3
感想・評価
84
棚に入れた
229
ランキング
2867
★★★★☆ 3.4 (84)
物語
3.3
作画
3.6
声優
3.4
音楽
3.3
キャラ
3.3

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ネタバレ

ネムりん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

キャラクター原案が『デュラララ!!』だった件 苦手なスポーツ系アニメでも楽しめました

最後のエンディングの内容からすると日本代表ナショナルチームに続く前日譚として描かれていた内容なんですね。
少し物足りなさはありますが、ここが焦点だったのでしょう。続編があるということでしたら内容はこれぐらいのもので丁度良かったと思います。
あまり濃い内容だと過去の例を見ると次で消化不良を起こしてしまうので、実際のバドリーマンのどっちつかずの微妙なバランス具合が感覚的に描かれていたと思うし、高校生のような泥臭さを社会人チームの話に持ち込む自体が作風として間違っているのでそんなものはいらないでしょうから、仕事とバトミントンの両立することの大変さを実感しその掛け合いを前提で楽しむものと解釈して評価しました。
「ハイキュー」や「黒子のバスケ」、「スラダン」などの高校生が汗水流して頑張っている青春作品観たいならそちら観てくださいねというだけの話で正直期待もしていなかったし、お仕事部分は薄すぎるぐらいでもっと描いて欲しかったのだが、全体の構成を考えれば話数が短いからどうしても内容が薄くなってしまうのは仕方がないでしょうしそこがメインではないので、脚本ももっと詳細に描きたかったと思うが、全12話のバランスを考えて無難なところに落ち着いたという感想。

3シーズン78話もある「ハイキュー」や100話超えの「SLAM DUNK」と比べれば、当然熱いスポ根部分や個人の深堀りが描けるわけがないので、それらと比較対象にもならないわけだが、それも踏まえて全12話バドミントンとお仕事部分描ききれていない部分は多々ありましたが、全体を俯瞰して見れば二足の草鞋を履くことで内容が薄くなってしまうデメリットがある一方、実際に仕事をしながら実業団チームで奮闘するバドリーマンたちのリアリティさを追求するといった意味では特徴を捉えてよく出来た作品だと思いました。
次回作があるとしたらナショナルチームメインの話になり、お仕事部分がかなり削られてバドミントンの話がメインになると思うが、前哨戦としてのバドミントンのプレイということでしたら内容は十分すぎるくらい。メインディッシュをいきなり前菜として出すお店がどこにありますかっていうお話。

作画は同じライデンフィルム作品の「はねバド!」が個人評価で4.0点付けられたので4.5点。理由は他のスポーツ系アニメ作品と比較して魅せる力が圧倒的にあったから。作画の質はそれなりであってもCGエフェクトやサウンドエフェクト、アングルの捉え方やプロのトレーナーによる実技指導等を有効に使って差別化を図り向上心が見られた評価基準。

各話ごとの感想は物語を通じてすべて良かったというのではなく、アルファベットの Wのような形で起伏を持たせながら落とすところは落とす見せるところは見せるといった内容で、初回の入りは良かったけど中盤ダレてしまったところがあり、第5話で盛り返して8話、9話、10話で作画が足りていなかったり、必要性が薄いストーリーがあったりと少し弱い部分があって、11話の碓山さんのバドパートや最終話で次に繋げるための締めくくりで盛り返し、及第点に着地するといったものでした。
個人の心情描写については続編があるという前提ならば、本編で描ききれなかった部分を趣向を変えて丁寧に描くことも十分に考えられるので、ここで取り上げるべき内容ではないので割愛すべき。
ナショナルチームを組むということなら、ダブ1、ダブ2のどちらかで白石・宮澄ペアか霧島兄弟が組んで、シングルスで伊吹、もう一人の枠を新人が入るのか、尊や宮澄建、霧島兄弟の深堀りのできなかった部分を次回作で個別エピソードを挟んでシナリオが描かれると予想が付くが、脚本を考えれば本作品でそこまでの必要性は感じられず鹿を追う者は山を見ずで、作品を評価するということはこういうことではないのでしょうか?

この作品は他の評価サイトを見ると今期冬アニメ、30分枠の地上波放送で低評価している人が一番少なかった作品で、そもそも分母の数が少ないので評価している人も決して多いわけではないけど、脚本を理解して作品を観ようとしている視聴者がそれなりに多かったんだと思います。
評価なんていうものは結局は絶対評価ではなく相対評価であり、いかに他の作品をたくさん観て物語のボリュームや作品のコンセプト、ストーリーの繋がりや全体のバランスなどを大局的に咀嚼し、自らが課題点を挙げたものをディベートし意見を出せるかで、そこに主観が入る余地はないわけです。
正常性バイアスがかかって理想論を持ち込んだらそれは評価ではなく、単なる趣味・嗜好を押し付け物事を判断するため考えることをやめた機械仕掛けの人間モドキが屁理屈をこねているだけ。
そういう意味ではいろんな観点から評価はしましたが、当初から評価は変わらず。
次回作がなければ評価はもっと下のほうでしたが、あくまでも前日譚という話なら次に期待する内容としては十分だったので、個人的にはそれなりに評価できた作品でした。

次回作に期待したいと思います。




以下過去レビュー

7話まで視聴。

6話の種回で落として、7話のバドミントン回で話を繋げて見せる展開はとても良かったと思います。
前話のプレゼン回で感動話の展開に持ち込めば脚本をかなり疑うところでしたが、脚本がメリハリをつけてしっかりと理解しているのでしょう。

前半クールのお仕事部分でも必要のない登場人物の深掘りをせず、感動回に持ち込まなかったのも評価ができ、ペース配分も切り返しの7話でバトミントン部分で味付けをしようとしているのでとても観やすく高評価。

今期30作品ほど観てますが、脚本に関して言えばトップレベルで良いです。安心して観ていられる。
バドミントンのラリーも迫力があるのもいいですね。

引き続き今後の展開に期待。




以下は過去の投稿です。

この作品の脚本を考えた時に必要な要素として「設定」が"バドリーマン"、「目的」が"バドミントン"、「動機付け」は"お仕事部分"になりますが、個々の人物を深掘りしてお仕事部分で感動できる展開に持ち込んでいない("人"ではなく"お仕事"でバドミントンの話の展開に持ち込もうとしている)ので、脚本はしっかりと描かれていると思います。

人との関係や繋がりに深みを持たせるため、個別エピソードを挟んでお仕事部分を描いてしまうとそれは純粋なお仕事アニメです。(その時点で脚本が崩れることになる。お仕事アニメが観たい方は『花咲くいろは』や『SHIROBAKO』を観ましょうね。)

中盤時点でこの作品に求められているのはあくまでも動機付けである"お仕事部分"を描くこと。(そこからバドミントンの話に派生させる必要があるという意味。)

主要人物以外の濃い味付けや必要のない個人描写など、全体のバランスを考え不必要なものをシナリオから外すのも脚本の仕事です。

{netabare} 画のタッチどこかで見たことあるなと調べてみたら、『ダンまち』や『デュラララ!!』のヤスダスズヒト氏でした。有名どころだけど作品があまり好きじゃないかな...。{/netabare}




5話まで観終わり。
評価変わらず。(上方修正してもいいくらい。)

おそらくこの作品の作りだと途中で中だるみがあると思って観てましたが、しっかりと後半の過去のトラウマを解消する話に繋げたところは評価したいと思いました。
前話で必要性を感じなかった白鳥尊が泥酔して軽口を叩く所作を、重要なシーンに絡ませてきたのもシナリオの巧さを感じ高評価。

白鳥はトップアンドバッグのフォーメーションをとった時に、チームメイトだった立花梓馬を傷つけてしまったことでハイバックショットで跳べないことに悩まされてたが、今のチームメイトに支えられて自らの意思で克服し精神的に成長していくシーンの演出は良かったです。
ありがちなのかもしれないけど、バドミントンの攻撃的プレーで魅せる想いの乗った演出は、言葉だけでは伝わらない映像で見せる旨みがあり見応えがありました。
同じライデンフィルム作品、女子高生がメインとなる『はねバド!』の迫力あるプレイシーンに男子プレーヤーならではの力強さも加わり、後半カットが多くなると思われる "バドミントンパート"にも期待が持てた。

話の流れは良く出来ていて、最初白鳥が所属先の会社をクビになり宮澄建とペアを組む導入部分があって、会社の同僚や営業などを通じて人との繋がりの大切さを知る承けがあり、6話から切り替えしと起承転結がしっかりしている。
ネギジンジャーの話や、5話のエンディングで宮澄の言った「最後に」の言葉に含みを持たせたまま次の展開を期待させるおもしろさも感じられた。

物語の中盤まだ話の全容は見えませんが、今後の展開も期待しつつ継続視聴したいと思いました。

{netabare}感じ方は人それぞれ、バイアスがかかって面白く観れないんだったらリモコンを置けばいいだけの話。{/netabare}




今のところ全般的に作品の出来がとても良いです。
作画は『テラフォーマーズ』、『山田くんと七人の魔女』、『アルスラーン戦記』、『寄宿学校のジュリエット』などを手がけたライデンフィルムが担当で、個人的にはかなり評価をしている会社だけどなぜか世間的にはあまり評価されていないですが、 初見観た感想を言えば京アニ作品の『Free !』を彷彿とさせるバドミントンのプレイに迫力があって、Production I.G作品の『ハイキュー!!』のようなキャラクターの動きに躍動感が感じられ、見応えがありました。
作画が細部に渡り繊細に描かれていたし、プレイヤーの動作がよく動いていたので、素直に"観たい"と思えた作品です。

総作画監督は『ばらかもん』や『マクロスΔ』のデルタ小隊やワルキューレのキャラデザを手掛けていた"まじろ"さんで、以前からセンスのある方だなと思って見てましたが、女性監督ならではのフェミニンなタッチで今回も所々技術を見せてきた印象で、1話観た感想を言えば好印象。
肉体美の描き方と遠近感やアングルの使い方の巧さを感じました。

声優は三木眞さんの軽妙のある言い回しの演技が、やはり安定感があってとても良かったです。
主人公の白鳥尊は"カノジョも彼女"の主人公の声が頭から離れず少し不安でしたが、キャラクターに合った演技ができていたと思います。

ストーリーは主人公の白鳥尊がインターハイでのトラウマが原因で試合に集中ができず所属先をクビになってしまい、転職先の弱小バトミントン部で今までプレイしてきたシングルスではなくダブルスで三木眞一郎さんが演じる宮澄建と"先読み"の能力を駆使して再起をかけるといったもので、一度底辺に落ちてから這い上がる結構ありがちなストーリー展開だが、同時にサラリーマンの日常を描く二面性を持った設定が悪くないので引き続き視聴したいと思いました。

昨年深夜枠として登場した『NUMAnimation』レーベルのオリジナルアニメーション作品として内容は未知数ですが、とりあえず2話目が観てみたい。

投稿 : 2022/04/17
閲覧 : 532
サンキュー:

10

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