セシウス さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
勝手に期待し勝手に肩透かしをくらった
源平に関する本は小中学生時代に図書館で借りて何作か読んだことがあります。完訳ではなく抄訳版だったとは思いますが平家物語も読んだことがあります。様々な勇将猛将が大活躍する一方、盛者必衰の悲哀が描かれていて古典の傑作のひとつですよね。
そのアニメ化作品とのことで、モロ男子向けの軍記物語を女性の監督や脚本がどのように仕上げるのかちょっと楽しみにしていました。
結論から言うと、原典とされている図書にかなり忠実な内容になっていました。びわという未来が見える架空の超能力少女を主人公に据えましたが、平家の盛衰を俯瞰したストーリーは特に驚きなく概ね原典通りに進行し終わります。女性の登場人物のウエイトが少しだけ重くなっただけで、女性目線での「武士の時代の始まり」を勝手に期待していたのでちょっとがっかりしました。まあシナリオは丁寧だしつまらないストーリーではないです。
全11話ということでキャラクターの造形は浅いです。人の持つある一面だけを特徴的に描写していて記号っぽいです。
主人公のびわが直情的な性格なのも少々違和感がありました。人の運命が見えてしまうわけですからもっと無気力無感動なキャラのほうが自然では?ただ救いのない話の中でびわの直情的な言動にはすこし癒された気になったのも事実です。
声優さんたちは皆上手です。ただ名前の呼び方が「シゲモリ」など正名なのがちょっとひっかかりました。「ゴシラカワ」とかって没後につけられる諡号じゃなかったっけ?シナリオ書くときに協議した結果なんでしょうけど・・・
作画は特徴的です。絵巻のように美しいと感じるか塗り絵のように平板と感じるか、ですね。キャラクターの絵はあまり好きになれませんでした。合戦のシーンは琵琶法師の弾き語りPV風です。音楽は更に特徴的です。OPはJ-POP、EDはなんかトランス系みたいな感じです。劇伴はレベル高いと思いました。和風も現代風もよかったです。
駄作ではないと思いますが、予想以上に普通のアニメ化でした。歴史や軍記に興味のない人はどう感じるんでしょうかね。
海外の評価は意外と低くないですね。監督バイアス?というのは意地悪すぎですかね。あと化物語シリーズと勘違いしている人がいたのには笑ってしまいましたw