「五等分の花嫁(TVアニメ動画)」

総合得点
86.4
感想・評価
1087
棚に入れた
5046
ランキング
198
★★★★☆ 3.7 (1087)
物語
3.6
作画
3.3
声優
4.0
音楽
3.6
キャラ
3.9

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ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「ハッピーエンディング」を目指す良くできた恋愛シミュレーション!?

観る前は、「五等分」ってどう言う意味なんだろう?と言うのが正直なところでした。
例えば、記憶障害で五重人格が入れ替わるとか、死んだ姉妹が入れ替わるとか。
どちらにせよ「花嫁」ってつくからには報われない切ない物語かなと思っていました。
そのため観るのをためらっていた作品です。

でも、巷では、大人気。
なぜかアニメを観ていない年上の先輩にも勧められる始末。(お子さんの影響らしい…)
そして、今は、劇場公開で大盛り上がりみたいなので、この機会に観てみました。

そしたら、実際はもっと単純で五つ子の日常ものでした。
オーソドックスなラブコメで面白かったです。

でも、単純に面白かったのは、最初だけ・・・。
実は、「五等分」の意味が分かってくると、ある意味その残酷さが垣間見えます。
そして、視聴者に対しては、一種の拷問です。
だって、最後は、誰か一人を選ばなければならないのですよ・・・。


■五人五色
{netabare}
五つ子は、五人五色、つまり、まったく性格や特性、趣味嗜好が異なります。
一応、髪型や色、服装で描き分けられていて、区別はつくようになっています。
でも、設定上は、全員同じ顔で、他人から見たら区別がつきません。

その5人が主人公のことを好きになってしまいます。
すると、五つ子特有の「問題」が出題されます。
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■好きな人は、五等分できますか?
{netabare}
超「難問」です。

・だれかの失敗は5人で乗り越えること
・誰かの幸せは5人で分かち合うこと
・喜びも、悲しみも、怒りも、慈しみも、いつも一緒に全員で5等分

そんな絆で結ばれ、今までいろいろ乗り越えて生きてきた五つ子です。
小さい子供のうちは、確かにそれで良かったです。

でも、大人になるに従って、その絆が試される時がきます。
5人は、性格や特性が違うので、将来は、当然同じ道には進めません。
いつも一緒にいられなくなり、分かち合うことが難しくなります。
でも、そのくらいならなんとかなるかもしれません

しかし、同じ人を好きになってしまった瞬間、それはもうどうにもならなくなります。
なぜなら、結婚できるのは、当然5人のうち1人だけですから。
好きな人を仲良く5等分するわけにはいかないのです。
実際にそれをやったら怖いです。
そうかと言って、選ばれた誰か一人の幸せを5人で分かち合えますか?


この物語は、主人公が落ちこぼれの5人の家庭教師になります。
そして、いろいろな「問題」を解けるようにして試験のクリアを目指します。
5人は、努力のおかげで徐々に「問題」を解けるようになっていきます。

しかし、最後に解かなければいけないのが「五等分」と言う超「難問」なのです。
もちろん、普通に考えたら解けるはずもありません。
では、いったい5人は、どのような「解答」を導き出すのでしょうか?
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■視聴者に対する挑戦状!?
{netabare}
真っ先に思いつく「解答」は、「5人は、だれもくっつかない」です。
でも、第1話の冒頭で早々にそれは否定されます。
なぜなら、5人のうちのだれか一人とは、必ず結婚するからです。
でも、その結末の明かし方が憎いのです。
結ばれる一人が誰だか分からないようになっているからです。

この物語では、このように冒頭ですでに結末を明かしています。
それでいて、その結末は、どうなってしまうか分からないのです。
この矛盾は、ある意味視聴者に対する挑戦状にも受け取れます。
{/netabare}


■よくできた恋愛シミュレーション
{netabare}
原作は、「週刊少年マガジン」に連載された漫画です。
この雑誌は「少年」と言うからには、10代の男の子が対象なのでしょう。
そう考えると、この物語の人気の理由が分かりますよね。

ヒロインは、性格や雰囲気がまるで違う女子高生の5人。
中学生にとっては、自分よりもちょっと大人のあこがれの女性。
高校生にとっては、ちょうど自分と同じぐらいの恋愛対象の女性。
つまり、思春期の男の子にとっては、"ヒロイン"そのままの意味の女性です。

そして、「結婚」と言う「ハッピーエンディング」と言うゴールが示されている状況。
もちろん、どのヒロインとゴールできるかは、最後まで分かりません。
ここまでくれば、もはやよくできた恋愛シミュレーションゲームです。
自分が攻略したい"ヒロイン"は誰か?
その答えを見つけ、後はゴールまでその子のことばかり考えてしまいます。
この作品は、10代の「少年」の攻略魂に火をつけてしまったのかもしれません。

ちなみに私は「推し」と言う表現は、少し違う気がしました。
これは、「誰を応援したいか?」になり10代の「少年」の感覚ではない気がします。
どちらかと言うともっと上の年代の男性からみた感覚なのかなと思います。
{/netabare}


■原作に忠実
{netabare}
この機会に原作漫画も少し読んでみました。

キャラデザ、作画、ストーリー、セリフ・・・。
このアニメは、どれをとっても、これでもかってくらい原作に忠実です。
これは、すごいことですね。
人気原作漫画がそのまま動いて、しゃべってアニメになっているんです。
これなら、アニメも人気が出るのはうなずけます。
アニメで人気がでると、原作の人気もさらに加速します。
とても良い循環が生まれ、日本の漫画・アニメ文化の理想の姿の1つだと思いました。
{/netabare}


■まとめ

答案用紙は、まだ白いまま、終了のチャイムが鳴ってしまいした。
つまり、結ばれる一人が誰だか答えが出ていません。
そして、私たち視聴者のやきもきも続くのです・・・。

投稿 : 2022/05/23
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サンキュー:

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