てとてと さんの感想・評価

3.3
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態：観終わった

分割統治された日本でAIと組んで戦うサンライズロボットアニメ。良い点も多々あるが…

コードギアスめいて外国に占領されちゃった日本で、AIを相棒にロボットバトルする。
2期までで全24話。

【良い点】
2020年代の軍事のトレンドである無人機と、やはり最近のアニメのトレンドの一つAIとの共生という題材は良い。
未来の戦争はこうなるかも？と示している、SFアニメとして目の付け所が良い。
主人声とAIは良き友であり、戦いを通して友情結んでいく。
AIと無人機が戦争の主流となる舞台で、主人公らとAI組がいかに戦うか。

戦争や祖国意識に希薄な主人公が戦争に巻き込まれ、成長していくドラマは真摯に描けていた。
特にガシンが兄貴分の裏切りを経験する回はかなり良かった。

リアル路線ロボットアニメとしては近年でも屈指の見応えあり。
CGがハイクオリティー、多彩な武装で近接戦も射撃戦も非常に良かった。
敵が殆ど無人機なので安心して無双を見ていられる。
主人公たちの精神コマンド使いそうなシャウトやカットインなど、良きサンライズアニメのお約束も完備。
AIロボ軍団は融通が利かない設定も、人間主人公チームの活躍に説得力出ていた。
敵も最強のAIや、ミスターブシドーぽいブラッド大尉など濃いキャラ複数。

日本が分割占領統治されてしまう仮想戦記としてインパクトのある設定。
様々なエピソードで主人公たちが葛藤し答えを模索していく。
題材の割には政治思想臭くなり過ぎない塩梅も良い。
正義の日本人が侵略者外国勢力倒すんだ！的な臭い勧善懲悪に傾き過ぎない配慮はあった。
日本人虐げているのは一部の不貞軍人や役人で、モブでも大半の軍人は良識ある描かれ方。

【悪い点】
リアル過ぎる舞台背景としては薄っぺらい。
良い点と裏腹、敵が甘いのもあってか、ストーリーが地味。
序盤から日本人というワード多用されるが、良くも悪くもイデオロギーが弱い。
ここは娯楽作品として悪い事でもないが、題材をあまり活かせていたとも言い難い。

2期に入り政治劇が加速するが、良い線までいきながら中途半端な御都合主義で興醒め。
総じて中途半端で底の浅い作品な印象が拭えず。

主人公たちは悪いキャラではないが、地味で華に欠ける。
キャラ間の交流掘り下げは無いわけではないが、AIとの掛け合いばかり目立った。
特に紅一点のシオンちゃんがヒロインとして地味。
一番分かり易く愛国心持っているが、陶芸窯守りたい云々では動機として弱すぎる。

1期は良かったが、2期に入りブラッド大尉が汚いブシドー状態。
敵としての魅力半減。
代わりにアレクセイ少佐の好感度上がってくるものの、大して交流なかったキャラと組む展開に違和感。

【総合評価】4～3点
ロボットバトル、AIとの掛け合いや友情など2クール楽しめた要素は多いものの、舞台設定や政治劇を活かし切れなかったか。
駄作寄りだけど、駄作と切り捨てるには勿体無いくらいには面白かった。
まだ続編がありそうな気配もあるが果たして…？
評価は良い未満の「普通」