「蜘蛛ですが、なにか?(TVアニメ動画)」

総合得点
72.5
感想・評価
429
棚に入れた
1482
ランキング
1112
★★★★☆ 3.2 (429)
物語
3.1
作画
3.1
声優
3.6
音楽
3.2
キャラ
3.2

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ゲリオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 2.5 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ミルパンセですが、なにか?

制作を担当した板垣伸監督とミルパンセという制作会社について…
2017年の"Wake Up, Girls! 新章"、2019年の"コップクラフト"と大規模なやらかし事案を起こした監督&会社として記憶に残っております。(ここでも酷評レビューをしたと思うけど)
まず、最初に書いておくと、本作はこんなんでも過去2作に比べれば、ミルパンセ史上もっとも力を入れて頑張ってたアニメだと思います。
問題の作画は良かったり悪かったりギリギリの線を推移してきましたが最後の最後、最終話を落としてしまった件は失笑せざるを得ないんですけど、なんとか1週遅れでオンエア出来て良かったんじゃないでしょうか。
「最終話を3ヶ月先延ばしにします!」なんていう某前クールの作品に比べれば。

皆感じたところと思いますが、同時進行する「蜘蛛子パート」と「人間パート」が全く違う時間軸だった件は非常に分かりづらかったです。
ちゃんと視聴すれば割と早い段階から時間のズレに気づけますが、この手法はあまりに従来作品と異なるやり方だったので、最後まで違和感が半端なかったです。
また「蜘蛛子パート」の方が作画等含めて明らかに出来が良かったように感じました。
多数のキャラクターが登場する「人間パート」の作画は、海外に外注したせいか崩れも目立ったし細かな演出もテキトーに映り、何度かあった人間パートのみの回ははっきり言ってハズレでした。

どうせなら「蜘蛛子パート」のみ1クールでやった方が高い評価を得られたのではないかと思いますが、別の時間のお話を同時進行で進める手法は作品の根幹に関わる部分だったので仕方がなかったのでしょうか。
最も最適だったのは「人間パート」を別の放送枠に設けて、毎週1時間番組でオンエアする手段があったんですけど、さすがにミルパンセさんには荷が重かったですかね?(笑)
昔"ダンガンロンパ3"という作品で、別の時間軸のシナリオを1クール2番組でやった前例があったので、ふと感じてしまいました。

ストーリーについては、2クール通しの作品だった為さすがに中身について語りたい気持ちも重々ありますが、もしかすれば今から視聴する人もいるかもしれないし(いないか?)ネタバレ回避のため割愛します。
ひとつだけ、蜘蛛子が未来の「人間パート」でどうなっているかについては、最終話で明らかになります。
随所で伏線があったので予想通りではありました。
とりあえず魔王アリエルが蜘蛛子の正体という線はミスリードで、しかしながらアリエルの性格が未来と過去とで違う理由も判明して自分的にはスッキリしました。
結果的に蜘蛛子の正体が判明するまでのストーリーこそが、本アニメの終着点だったと言えるでしょう。
原作継続中の作品なので物語が完結に向かうことはなく、特に「人間パート」は非常に中途半端に終わったのは残念でした。

個々のキャラクターに関しては、「人間パート」では主人公のシュンは典型的なヒーローキャラでいまいち面白味のないキャラでしたね。
前世の記憶を持ったまま異世界転生してるのに、真面目に王子(→勇者)を気取ってることに違和感を感じます。
ヒロイン勢では東山奈央さん演じるカティアが印象に残りました。
転生前はシュンの親友の男子だったんですが、転生後年月を経るごとに身も心も女子になってしまい、シュンに恋心を抱くようになった点は、非常にホモホモしくて良かったです。
普段ホモが大嫌いな自分も何故かこれはアリでした!!
「蜘蛛子パート」は中盤まで基本的に蜘蛛子の独り言に終始したので、まさに悠木碧さんの独壇場でしたかね。
同クールの"スライム300年"の主人公は他の役者さんでも務まったでしょうが、こちらは圧倒的な演技力を持つ悠木さんしか適任がいないキャスティングだったと思います。"幼女戦記"の2期も楽しみです。

最後になりますが、本作はあらためて「ミルパンセ史上最高傑作!」と言えます。
まあ、比較対象が"WUG & コップクラフト"というクソアニメ史上に残る2作のみというのがアレですが…w
そもそも"蜘蛛ですが、なにか?"自体、コップクラフトと違い原作力がある内容には思えなかったし、ミルパンセが請け負うに相応しい作品だったんじゃないかと。
国内では酷評が目立つ本作ですが、なぜか中国では人気アニメとして話題となってる模様。
アニメの海外人気沸騰率については、国内以上に偶然が重なる産物と思われますね。
どっちにしても中華人気で2期の可能性が出てきたのは朗報ということで。
話題作や大手会社が制作したアニメと比べたら褒められた出来ではなかったかもしれませんが、続きが気になるか気にならないかでいったら正直気になります。
「2期は別の会社が作ってほしい」との声も聞こえますが、自分としては次回もミルパンセでいいんじゃないかと…
他の作品を手掛けてぶち壊されるのもたまったものではないので…(笑)

投稿 : 2023/07/04
閲覧 : 138
サンキュー:

3

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