たんたんたぬき さんの感想・評価

4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

ゼロ年代の代表作

これは私が見た刺激がなんだったのか？と解明しようと様々なもの見て今分かった事。

何より刺激的だった。何かこれ違うってものを感じた。

まずは表面的なものを、ハルヒのキャラが良い。キョンのボヤキが良い。ＳＯＳ団皆のキャラが良い。設定が良い。全体のストーリーが良い。これに付け加えて単発のストーリーがあるけど、これも良かった。いかにも間を埋めてますってミエミエなのに、こっちがハルヒの本当に見せたいものかも？と思わせた。結局ハルヒは奇抜な遊びを皆で楽しみたいと思ってて、それがすべて実現されている。その対比としてサムデイインザレインが良い。好きな仲間と過ごす時間は、退屈な時間であっても心地良いというのがハルヒの態度から伝わってくる。この作品のパラレルなハッピーエンドだと思わせる。意表をついたミクル映画の構成とそのグダグダの内容。そしてライブが良い。氷菓まで見て思ったのは京アニに文化祭を作らせたらアニメ界一と言いたくなる。忘れてならないのは京アニの実写的な背景とアニメ的キャラデザを完璧と言いたくなるぐらい美麗に融合させた作画と実写的演出。映像に拘らない私がこれは人目で気に入った。

後ハルヒのキャラで、ハルヒの語る野球場の観客の一人になりたいくないって思春期らしい心の動き。これはこの先この小説がどうなるのか？で変わってくる。この１期の評価ではほんの少し貢献してる。

さて、私が真っ先に感じたなんだこの作品はと感じた衝撃と個性について語ってみたい。

タイトルにそれが繋がる。

エヴァンゲリオンが何故９０年代代表作として満場一致になるか？それは８０年代、９０年代、ゼロ年代、こういった流れの中の過渡期を示す作品だから。ポストエヴァの方がポストエヴァらしい。エヴァはポストエヴァらしくない。それは何故か？エヴァは８０年代アニメを引きづった部分があり、その中で８０年代とは違うズレを内包してしまったから。だからこれまでのファンも取り込みつつも、これは新しいと刺激的であり新しいファンも取り込んでいった。

ハルヒにはこれを感じる。ポストエヴァをどうまとめるか？で登場してきたどことなくエヴァ風な作風。制服とキャラを見れば意識してるのはすぐに分かる。消失は二人のヒロインを巡ってまんまエヴァラストと同じ事をしてる。でも流れはＫＥＹ作品などを京アニは手がけていて、同時期に時かけが誕生した。日常的な青春と言う大きな流れが押し寄せていた。どこかハルヒは日常的な青春を作品に内包している。アニメオリジナルのサムデイインザレインが、ハルヒ作品として完璧に違和感無く作品に嵌ってるのがその証拠とも言える。

時代の転換点とも言える流れに居たと言う事でこの作品をゼロ年代の代表作品にしたい。

賛否両論があるのはわかりきっている。でも８０年代からのロボアニメの流れを持つギアス。これは古い。完全に日常の中に入り込んでしまったけいおん。これはポストエヴァのゼロ年代の前半を内包出来ない。しかも同じ京アニがハルヒ後けいおんを作ってるのに意味がある。けいおんのライブとハルヒのライブにシンクロを感じたのは私だけじゃないだろう。１０年代のあの花などに続く、遅れてきたラノベとらドラ。これはあの花などの流れの源流になっていて、もう時代は１０年代に入ろうとしたアニメ的日常にリアル感覚を意識し始めた先駆けの作品だと思う。ＫＥＹ作品は独立してＫＥＹ作品まとめてで意識してる。私は正直言ってゲームとしての完成度の方がやってないけど、高いと思う。どうも見ててゲームの方がすっきり表現できるのにと思う部分が多い。ハルヒはラノベの方が良いのか？と言うとそれはある。しかし、言えるのは、ＫＥＹ作品と比較するとアニメ向きだと思う。その差に過ぎない。ゼロ年代のラノベと言うのはゲーム系のものを上手く小説として取り入れた作品が多かったと思う。その点化物語がその代表だと思う。しかしそれはラノベの時点であり、ゲームが持っている雰囲気だけをアニメとしてＫＥＹ作品を手がけてきた京アニがラノベに付加出来てるんじゃないか？と思わせるのがハルヒ。これはちょっと京アニ褒めすぎかな…。