サーカスで仮面なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のサーカスで仮面な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月23日の時点で一番のサーカスで仮面なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

65.7 1 サーカスで仮面なアニメランキング1位
ポピーザぱフォーマー(TVアニメ動画)

2000年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (85)
400人が棚に入れました
キャラクターや背景が全て3DCGで描かれている、キャラクターのセリフや字幕が一切無い短編アニメーション。瑞鷹とキッズステーションが製作。ヴォルフサーカス団の見習いクラウンで、ピンクのウサ耳付きの被り物に、赤白ストライプ、三本指手袋と尻尾付きの全身タイツの「ポピー」と、ポピーの助手である仮面を被りトランクス一丁の青い謎の動物「ケダモノ」らが、時には爆弾を炸裂させる、やたらと凶器を振り回す、銃を乱射するなど、シュールでブラックユーモア満載の作品。あまりに過激な内容だったため、放送局によっては、放送を自粛した回が存在する。

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シュールギャグの隠れた名作

当初はこの作品、嫌いでした。
キッズステーション初のオリジナル。しかもオールGGで無声アニメ。
身の程知らずのCATVのチャンネルが、独自作が欲しくて背伸びして作ったショボイアニメなんだろう・・・と、バカにしてました。


でも、実際みたら目からウロコでした。
CGショボイ。声優もいない。金かかってない。萌えない。
だけど、すごい面白い!
シュールな笑いを表現するセンスが抜群にいいんです。

無声だから、このキモいCGキャラだから、ナンセンスギャグの世界にぴったり合ってます。


ぱっと見で敬遠する人も多いでしょうが、オススメです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 9
ネタバレ

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ケダモノの顔は

{netabare}お母さん似だったよ{/netabare}


<物語>
ふと深夜にこれを見てしまって、翌日友人らにこの奇妙なアニメの事を話しても理解を得られず、やはり見てはいけないものを見てしまったと小学生時分に悟らせる、都市伝説的な側面すら感じさせる作品でしたね。
"検索してはいけない言葉"としても有名ですかね、度を越えた残虐性には目を瞑りたくなる箇所も屡々。
しかしながら、原作者の増田龍治さんは自身のホームページでこんなことを仰ってます。

>争いと破壊。
>理想の自分をやたらと追いかけて、さらに他者との比較による競争心を持つことにより、人間は、いつも周りを巻き込んだ破壊を引き起こす。
>「誰よりも自分がトップでありたい」という思考が周囲を敵に見てしまい、意味のない争いを作り出して自滅する。
>そうした人間の内側にある狂気をユーモラスに表現して笑った作品。
>競争社会に翻弄されて自滅していく現代人の精神でもある。

当初は私もキチガイアニメとしか思っていなかったのですが、作者の意図を鑑みると、少しは違った景色が見えてきます。
これぞブラックユーモアの典型といったところでしょうか、コミカルに描き切られている内情はどこまでもシニカルで底が見えません。

<作画>
世に有名な「アルプスの少女ハイジ」を生み出した瑞鷹が製作しています。
これもまた騒然たる事実なんですが、こんなキッズステーションの低燃費CGアニメがDVD12万枚を売り上げて、コロムビアゴールドディスク大賞を受賞したらしいですね。
どこでそんなに流行っていたの?と俄かに信じ難いんですが、まぁ有り得るかもと思ってしまうのが本作の凄い所です。
さらに2話ほど過激すぎて放送休止になった回が存在するんですが、ぶっちゃけどの回もヤバいです。
該当するのが、11話の串刺しになる回と27話のカエルを刻む回ですか、逆に何故これが大丈夫なのと思う回は枚挙に遑がありません。

<声優>
サイレントコメディですので声優付きのキャラは居ない、かと思わせて実は一人(一匹?)だけ存在します。
しかも誰が声をあてているのか不明です。

<音楽>
青柳常夫さんが歌う「POPEE the クラウン」、何度か聞いてると脳から離れなくなる危険な曲です。
歌詞は全く意味が分からないんですけど、どうやらオリジナル版と日本語版の二つが存在するみたいですね。
日本語版の歌詞も見てみたんですけど、まぁこれの意味が分からなくたって今後生きていくことに支障はないでしょう。
その他にも"たーまごたーまごたーまご"って言ってる曲も頻繁に流れてましたよね、曲なんでしょうか。

<キャラ>
毎回ポピーの正気の沙汰とは思えない無茶振りを甘んじて受け入れるケダモノの構図が面白いですね。
後半の方はケダモノも知恵を働かせてポピーに逆転勝ちすることも多くて、さらにパピィも追随して制裁を加えてきますから、ポピーの立場が無くなってたのが笑えました。
それにしてもケダモノの表情がまた趣深くて好きですね、剥がれてから地面に着地した瞬間消えるのが謎ですけど。
どうやらケダモノの仮面が昔発売してたらしくて、デスクトップアクセサリーの付録みたいですね、機会があったら買いたいです。


本作以上の逸材って今後現れない気がしますね、「ウサビッチ」は良い線行ったのかな。
お勧めのCGアニメです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 5

負け猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

麻薬ザぱフォーマー

ポピーってケシの花で麻薬の事なんだよねー^^
確か制作スタッフの話でこの話してたわwww

ショート3Dアニメで内容はギャグでいいのか?

メイン登場人物は
ポピー (うさぎ)
ケダモノ(お面)
パピー (うさぎの父親 兼 太陽) などなど

いっさいセリフのないBGMとSEだけの限定サイレントコントを見るようなアニメ!!!

しかし、セリフがないにも関わらず、ストーリーがわかってしまうのはなぜなんだろうwww

以外にハードなギャグの攻め方をしてくるので、展開やオチを予測するのは難しく
良い意味で期待を裏切るでしょうwww

私のお気に入りのキャラはケダモノ(お面つけてます)で
彼は自分の感情や言いたい事を
全てお面の表情で表現します。それがまたカワイイのなんのw

1話5分くらい?だったはずです。
なので試しに見ても良いのでは?
見たなら正しく中毒症状を引き起こすアニメですよー^^

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3

67.5 2 サーカスで仮面なアニメランキング2位
死神坊ちゃんと黒メイド 第2期(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (83)
254人が棚に入れました
「触れたもの全てを死なせてしまう」 ......そんな呪いを魔女にかけられた、貴族の「坊ちゃん」。 呪いによって周囲から拒絶されてばかりだったが、決して孤独ではなかった。 いつも彼の側で仕えるメイドのアリス。幼いころから彼の面倒を見てきた執事のロブ。 最近では魔女の友達もできて、家族との距離も少しだけ縮まった。 それでも最愛の人に触れない呪いは解けないまま......。 そんな中、坊ちゃんの呪いを解くための手掛かりが見つかり始め、坊ちゃんとアリスの運命が大きく動き出す。 触りたいけど触れない、二人の物語が再び幕を開ける!

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ラッタ♪タラッタ♪

原作未読 全12話

魔女に手で触れたものを死に至らしめる呪いをかけられたせいで、家族とは離れて大きな館に住む貴族の跡取り息子(通称:坊ちゃん)と坊ちゃんの身の回りのお世話をしているメイドのアリス、そしてその2人に関わり合いを持つ人々のお話です。

今回も坊ちゃんの呪い解くことが中心に描かれています。

友人の魔女のカフ、ザイン、妹のヴィオラ、弟のウォルター、執事のロブなど1期に引き続き出ています。

新たなキャラも出て来ましたね。

今回はカフやザインも活躍しましたが、ウォルターが良い意味でも悪い意味でも一番目立っていました。

何とか呪いを解けそうな糸口が見えて来ましたね。

続きが楽しみですね^^

OPは、1期に引き続き、坊ちゃん役の花江夏樹さん、アリス役の真野あゆみさん、EDはなすお☆さんが歌っています。

最後に、第3期は2024年から放送予定なので、どんな展開になるのか楽しみですね^^

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

触れられなくても誰よりもあなたのそばに

キャラクターが魅力的な切なくもどかしい純愛アニメ
2期になって目立つキャラがさらに増えて賑やかで、やっぱり雰囲気がいいので面白かった

それぞれの恋愛模様が着々と進んでいくのも見ていてほっこりする
特に坊ちゃんとアリスは抱きしめることができないからこそ、相手に伝えたい気持ちを素直に言葉にするところがいいなあって思います
アリスが坊ちゃんをどんな気持ちで挑発しているのかって考えると涙が出てくる
いつもそばにいるのに、決して触れられない残酷な距離
でも、心と心で触れ合っているのがよくわかる二人の距離感が素敵でした

2期は坊ちゃんがいよいよ呪いを解くために動いていくので、話がどんどん進んでいきますが、物語の結末は来年に持ち越し
完結編の3期制作が決定しているので楽しみに待ちます!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それぞれの恋が運命が動き出す――

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
2024年4月から第3期が放送されていますので、それまでに視聴は済んでいたのですが、レビューを書くのがすっかり後回しになってしまいました^^;


「触れたもの全てを死なせてしまう」

……そんな呪いを魔女にかけられた、貴族の「坊ちゃん」。
呪いによって周囲から拒絶されてばかりだったが、決して孤独ではなかった。

いつも彼の側で仕えるメイドのアリス。幼いころから彼の面倒を見てきた執事のロブ。
最近では魔女の友達もできて、家族との距離も少しだけ縮まった。

それでも最愛の人に触れない呪いは解けないまま……。

そんな中、坊ちゃんの呪いを解くための手掛かりが見つかり始め、坊ちゃんとアリスの運命が大きく動き出す。
触りたいけど触れない、二人の物語が再び幕を開ける!


TOKYO MX公式サイトのストーリーを引用させて頂きました。

いやぁ…今回も真野あゆみさんの演技が最高でしたね!
最初に真野さんの演技が気になったのは、やはり「デート・ア・ライブ」の時崎狂三でした。
最初はそれほどで意識する訳でもありませんでしたが、それは単に狂三の出番が少なかったから…

個人的には第3期頃から徐々に狂三の出番が増え始め、第4期からアニメーション制作会社がJ.C.STAFFからGEEKTOYSに代わったのが起点になっています。

アニメーション制作会社の変更に対する意見は賛否両論あったようですが、個人的にはキャラデザがより綺麗になったと思うので結果オーライです。
だから現在放送されている第5期も第4期から継続して貰えているのが嬉しいです。

この作品には、いのりちゃんや日笠さんが出演されているので、作品全体が底上げされているのは認識しています。
それでも、真野さんの演技が輝いていたと思っています。
アリスと狂三ではキャラのイメージが大分異なりますが、しっかり演じ分けされていたのではないでしょうか。

それとこの作品は作画が特徴的です。
それは、トゥーンレンダリングを駆使した3DCGで描かれているのが理由だそうです(wikiより)。

トゥーンレンダリングは、写実的(フォト・リアリスティック)な映像表現を求める3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)とは若干異なり、3DCGの技術を使いながらも従来のアニメの印象に近い(手描きに似せた)表現を実現する手法なんだとか。

本作品以外にもトゥーンレンダリングの手法を用いた作品は結構あるみたいです。
・蒼き鋼のアルペジオ
・亜人
・シドニアの騎士
・ブブキ・ブランキ 等々。
こう見るとサンジゲンさんや、ポリゴン・ピクチュアズさんのお得意分野みたいですね。
本作品のアニメーション制作会社は、J.C.STAFFさんですけれど。

さて、本作品のレビューから思いきり脱線してしまいました^^;
脱線してしまいましたが、現在進行形で放送されている第3期を視聴するのが一番だと思うと、頭がさっぱり回転してくれません(涙)。

坊ちゃんとアリスの立ち位置と、ヴィオラのロブ好きは相変わらず。
カフとザインとの距離感は少し縮まったかな。
そしてビックリするくらい変わったのは、日笠さん演じるダレスで決まりでしょう。
気になる方は是非本編でご確認頂き、引き続き第3期を視聴頂ければ、きっと真相に辿り着けると思います。

オープニンブテーマは、坊ちゃん(花江夏樹さん)&アリス(真野あゆみさん)による「君とレヴュー」
エンディングテーマは、なすお☆さんによる「星屑レクイエム」

1クール全12話の物語でした。
しっかり堪能させて頂きましたが、心は既に現在放送中の第3期に傾いています。
レビューを書くタイミングが悪かったんでしょうね^^;
もう既に第3期の視聴に入っているので引き続き視聴を進めたいと思います。
本作品もしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 10

66.1 3 サーカスで仮面なアニメランキング3位
空中ブランコ(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (267)
1406人が棚に入れました
不眠症を患うサーカスの空中ブランコ乗り・山下公平は、着ぐるみを着た謎の精神科医、伊良部(いらぶ)一郎の診察を受けた。
それからというもの往診と称し公平につきまとう伊良部だが、公平のもとを訪れるヘッピリ腰の区役所職員やスキーゴーグル着用のヤクザといった、ちょっと変な人々をおもしろがってばかりいた…。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、朴璐美、杉本有美、森川智之、三木眞一郎、浪川大輔、平田広明、入野自由、高橋広樹、岩田光央、羽多野渉、置鮎龍太郎、古谷徹

ostrich さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

中村健治は今敏の後継者だと(勝手に)思う

リアルタイム放映時は、
「電気グルーヴがテーマソングを担当しているから」
という動機で1話だけちら見しました。

当時はアニメから若干、遠ざかっていたので、
「(旧)エヴァンゲリオンの発展系? いや、立喰師列伝か」
などと知ったかぶりをしつつ、私自身がサブカル寄りにも関わらず、
本作のサブカルなルックになぜか嫌悪感を抱いてしまい、
また、精神医療を扱っているのも、なんか鼻につき、
ちょっと、物珍し「気(げ)」なアニメなんでしょ、と断じて
以後、追いかけず。

だったのですが、最近になって「モノノ怪」を鑑賞。
「おー、すげー!」と感心して、監督「中村健治」を検索したところ、
「あ、あれ(空中ブランコ)の監督なんだ」と。

で、今さらながらシリーズを鑑賞。
すみません。完全に数年前の私が間違っていました。

確かに人を選ぶ(毒々しいとすらいえる)ルックではあるけど、
一度、世界に入るとなぜか不思議と温かいトラジコメディ(悲喜劇)。

おそらく原作の力も大きいと思うのだけど、
きわどい題材をうまく笑いで包む演出は傑出しています。
シリーズ構成もとても凝っていて、基本的には1話完結なのですが、
最終的には、全体を通した何かが感じられる作り。

その「何か」を、あえて言葉にするなら、
あくまで精神を病んだ人の側に立った上で、
「世の中、いろんな人がいて、面白いじゃん」
と笑ってくれる姿勢でしょうか。
この姿勢は下手な励ましより、人を救うと思います。

で、見終わった後にですね。
故今敏監督の「東京ゴッドファーザーズ」を思い出したんです。
これもホームレスという「気の毒な人たち」が主人公のトラジコメディ。

中村監督と今監督は「気の毒な人たち」に向けるまなざしが、
非常に似ているように思います。

ものすごく感情移入はしていないんだけど、
むしろ、距離を置いて徹底的に観察することで、
「いや、アンタ、気の毒だけど、とても面白い、最高!」
と一周した承認を与える感じなんですよ。
そして、そのまなざしが、作品に救いをもたらすというか。

さらに言えば、お二人は作風以前の「人となり」の部分で
似ているんじゃないか、とさえ思いました。

私は今敏監督作品が大好きなので、彼が亡くなって以来、
当然のことながら今敏的なものを見ることができなくなり、
寂しく思っていたのですが、本作を鑑賞して、
ひょっとすると、この人(中村監督)ならやってくれるんじゃないか、
とこっそり期待してしまいました。

もちろん、全く同じものは作れないだろうし、
そもそも作る必要もないけれど、
同じまなざしを持った人が作る作品は、とても観たい。
それは確実に誰かの心を決定的に揺さぶるはずです。

早く劇場用長編を作って欲しいなあ。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 7

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全てのカナリアの声を

全11話
オムニバス形式で心療内科の患者と
症状で構成されてるのだけど
面白い。

精神科や心療内科って、実際は白かったり落ち着いた雰囲気。
でも、この病院はとってもカラフル。
モノノ怪の監督とキャラデザの方がやってるからか
演出も構成も色使いも凝ってるんだよね。

人の心ってカラフルだから病院もカラフルなのかなって思ったり
モノトーンが病状醸し出してる感じだったり
病状も、一般的にかかりやすい病気を扱っていて
真面目に作ってる事が伺える。

伊良部先生が3パターンで登場して
パターン別に応答が違ってるのも見所だし
一話ずつ話数を重ねていくと
他の話の人がちらっとうつって
全部繋がっていたりして
上手いなぁって思った。

10話と11話が好きなんだけど

子供はみんなカナリアだよ
家族にとって
もっと見てよ
話してよって
思わず言いたくなっちゃった。
良い作品だと思うよ。
押し付けがましくもなく。

おしゃれにポップに作ってあるし
敬遠されがちかもしれないけど
それで判断してみないのは勿体ないなって思う。

行動療法・認知療法・暴露療法など
手軽にできる治療法をやってるのにも好感もてるし

普通の人が一番の下りは云々と思わず頷いてしまった。
大事な人のカナリアの声は
聞き逃さずにしたいものです。

OP・ED共に電気グルーヴで拘りがかんじられました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 49

もちすい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人気ないみたい

1話完結のオムニバス形式で、精神科医である伊良部のもとを訪ねてくる様々な患者を描いたヒューマンドラマです。

多少デフォルメしつつ、コミカルに描かれてはいますが、各患者が抱える悩みは、現代人なら思わず共感してしまうものばかりではないでしょうか。

そんな患者に対して伊良部というキャラを狂言回しに据えて、応対を通して患者の心を掘り下げて描いていくわけですが、この模様を断定的になりすぎず、観ている側に色々考える余地が残るように淡白に描いているのがいいです。

各話の結末は、ほぼ投げっぱなしな終わり方だったり、やや釈然としないまま終わったり、ほとんどは明確な解決というものが描かれることなく、前向きな方向性を示唆する程度の終わり方なのですが、実際に心の病気というものは、そう都合よく解決するものでもないので、この物語においては、これはありだと思います。

他の楽しみ方としては、実は各エピソードは同時系列上になっていて、お楽しみ程度にそれぞれの登場人物同士が絡んでいたりするので、そういう面白さもあります。

しかし、かなり癖のある作品なので、おそらく第一印象は、色彩やデザイン、実写レタッチなど、エキセントリックな映像表現や演出ばかりが目に付きますが、ただのセンスアピールな雰囲気アニメだと判断して敬遠するのはもったいないと思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 9
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