2021年度のファンタジーTVアニメ動画ランキング 51

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2021年度のファンタジー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月01日の時点で一番の2021年度のファンタジーTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

90.1 1 2021年度のファンタジーアニメランキング1位
無職転生 ~異世界行ったら本気だす(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (1081)
4494人が棚に入れました
「俺は、この異世界で本気だす!」34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックにひかれ命を落としてしまう。目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた! ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていくことを誓うー!ルーデウスを待ち受けるのは、ロリっ子魔術師、エルフ耳のボクっ子幼なじみ、凶暴ツンデレお嬢さま、そのほかのさまざまな人間との出会い。そして過酷な冒険と戦い。新しい人生が動き出す!

声優・キャラクター
内山夕実、小原好美、加隈亜衣、茅野愛衣、森川智之、金元寿子、Lynn、浪川大輔
ネタバレ

NEKONYAN さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アニメ組は最後まで見てから判断下してほしい

原作読破済み
主人公マジキモイよな。原作ファンからしてもそう思う。ただそのキモさにも意味がでてくるので、ぜひアニメ組にも最後まで見てほしいなと思います。精神的な成長が見どころです。

1話
まずみんなにはディザーPVを見てほしい。(https://youtu.be/Qx01pn9l-6g)
本作は山場までアニメ化するには尺が足りないので期待しないようにしてたが、これだけ魅せられたらもう原作ファンも期待するしかない。

本作のために立ち上げた制作会社というだけあって、とてもクオリティが高いです。
作画はもちろん、絵コンテやキャスティングや心理描写にも力を入れているのが伝わってきます。
アニメ見始めて10年くらい経ちますが、初めて深夜アニメを見た時のように興奮しました

2話
{netabare}
動くロキシーかわいかった。この後しばらくは直接出てこなくなりますが、2クールあるのでまた会えるところを期待してます。
ロキシーが優秀なルディに劣等感を覚えていたり、ルディが心の底から師匠と慕っている所が好きです。
まだまだ前世の記憶を引きずった子供ですが、こうやって一つ一つ成長していくのはいいですね。 {/netabare}
3話
{netabare} キャラの表情と独白が相まってキャラの心理描写がわかりやすいですね。人間臭いキャラたちが好き。息子と父親というより悪友って感じ。
OPの演出が最高。ARIAしか知らないのでARIA方式と呼ばせてもらいますが、OP流しながら村の風景映すの最高です!
あとロキシーのパンツをご神体って呼んでますが、あの信仰はどの程度かというと(原作内容含むプチ{netabare}あの信仰は作中の宗教の信者と同じ目してるって言われるくらいガチの信仰ですw {/netabare}。)
この頃のルーデンスは打算的てまだ成長してないのがよくわかる。シルフィを助けたのはイジメに対する正義感かもしれないが、その後仲良くするのはイケメンのおこぼれもらう気満々っだたりね。あれは照れ隠しじゃなくて多分本心。パウロとの口論ももっとうまくやれただろうに、相手を論破することに拘ってて、まだまだ精神は稚拙であることを表してて好きです。異世界転生して、いい師匠に出会って頑張ってきたつもりでも、人間早々に変わることはできませんね。{/netabare}
4話
{netabare} OP冷え冷えで笑った。尺の関係上アニメではここではカットされてましたけど、ゼニスママが悩んでいた原因の一つは彼女の宗教のせいだったりもします。ハーレムはそこまで珍しくもないけど、ゼニスの信じてるミリス教の教義的には妻は一人じゃないとだめなのです。作中ではスルーされがちだけど、ルーデウスのキモさに作中のキャラから指摘されるのは貴重ですね。アニオリでパンツ盗んだのが父親にもばれたの面白かった。にしても、シルフィを自分の都合のいい女にするためによその子の学費も出せとかほんと自己中心的。それを象徴するセリフとして「僕のためになるかと」は印象的。あと無詠唱できる主人公はチートって言われてますけど、 パウロに負けることでそこまでチートじゃないことが伝わったかと思います。{/netabare}
5話
{netabare} はい、さっそく主人公死にかけましたね。敵の剣士も弱くはないけど、ゴロツキやってるくらいには普遍的な強さです。この世界剣士強すぎ!あとエリスの教育のために色々考えてるのが心の声で伝わってきてよかった。3話ではパウロとの喧嘩の原因となった引きこもり時代に鍛えたレスバ力が珍しく役に立ったwww口で暴力の権化みたいなエリス言い込められるの凄いw {/netabare}
6話
{netabare} 今さら気づいたけど、OP映像が作られてないのは尺不足をOP流しながら日常の風景映すことで解決するためでは?提案したの誰かわからないけど採用した監督さんを称賛したい。今回はようやく特に大きな事件もない日常回でしたね。褒められたり、パウロの息子っぷり(変態)に呆れてるギレーヌの表情が可愛かった。今回は日常回なので、アニメ組へのネタバレも配慮するとこのくらいしか感想書くことないですね。 {/netabare}
7話
{netabare} 元ニートとは思えないルーデウスがなぜここまで頑張れているのかわかる回だったと思います。色々投げ出してきてしまったからこそ、魔術をはじめとした成功体験を大切にし、糧として頑張れてるわけですね。エリスがルーデウスをどういう目で見てるかもよくわかる回だったと思います。エリスにとってルーデウスは完璧な人間に近い存在だということは今後も重要になるので覚えておいてほしいです。 {/netabare}
8話
{netabare} ターニングポイント1
ようやくルーデウスの精神的な成長を感じられるようになってきましたね。場の空気を読んだり、エリスに謝ろうってセリフが自然に口から出るようになったり。まあ、えっちなところは相変わらずですが、DTの自分に自己嫌悪できるようになっただけでかなりの成長だと思います。原作既読組としては、今回で初登場した重要キャラたちの声がイメージ通りで感動しました。前にも書いた気がしますが、本当にキャスティングがファンの心をつかんできますね。話のまとめ方も上手く、シナリオ構成の手腕が輝る回でした。欲を言うならこの終わり方ならED聴きながらこれからどうなってしまうんだってなりたかったですが、尺が足りないので仕方がないですね。 {/netabare}
9話
{netabare} 初めて原作とイメージ違うキャラ出てきた。ヒトガミの見た目と声が想像してたのと違った。でもこの話し方はかなり特徴出てていいと思う。 魔神語話すときに字幕になるのすごい好き。読むの疲れるっていう人もいるみたいだけど、それはふだんからアニメ見ながら何か別のことしててちゃんと見てない証拠では?それと今回も心理描写凝ってて最高でした。ルイジェルドが自分を怖がらない子供にどう接するべきか戸惑ってたり、「傷だらけの誇り」って言う時に目線を左にそらしてたり。魔大陸出てきてついに始まったなーって感じ{/netabare}
10話
{netabare} エリス強い。マジ強い。剣王ギレーヌとデットエンドのルイジェルドと過ごせばそりゃ強くなるなって。あと門に入る前の時にエリスがルーデウスのアホ毛つかんでるシーン可愛かった。ルーデウスの根本的な倫理観(殺し、近親結婚)などはこれだけこっちの世界で経験しても前世基準のまま変わりませんね。それにしてもここら辺は雰囲気がギスギスしてて見ててつらい。 {/netabare}
11話
{netabare} ついに1クール目最終回。アニメ組は冒頭のシーンで魔力災害の規模が初めて分かったんじゃないでしょうか。ルーデウス視点しか見てなかった視聴者が災害規模を知らなかったって事は当然ルーデウスも家族が巻き込まれてることを…。今回出てきた新キャラも声ぴったりで驚いた。特にエリナリーゼ(耳長族の女性の方)の声が脳内CVとこれ以上なく一致してて本当に驚いた。キャスティングしてる人たちと俺の感性が一致してて最高に楽しい。ちょっとした場面でもエリスの動き可愛すぎ。表情だけじゃなくエリスの性格も込みでよく動くw今回は1クール目ラストってこともあって戦闘やストーリーに見ごたえありましたね。ルーデウスにとって初めての大きな失敗とそれで弱い部分も露呈してました。命かけてるのに打算的なのは褒められませんが、助けるタイミングを間違えたのは周りの人たちが強すぎるからしょうがないかなって。ルーデウス自身語学やフィギア作りには自信持ってるけど、パウロやエリスの誘拐犯に負け、ギレーヌやルイジェルドやエリスにまで力の差を見せつけられているし自己評価低いのと、だからほかのパーティーの強さの判断間違えるのは残当。ルーデウス以外の所だと、ルイジェルドが小さい冒険者を子供扱いするのやめて、頭撫でようとしたのをやめて肩叩くのに変更したの良かった。雨降って地固まるって感じでこれでギスギスした保護者と子供から仲いいパーティーに成長できる。 {/netabare}

忙しくてまだ2クール目見たけど感想かけてない…

投稿 : 2024/10/26
♥ : 34

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

全てにおいて、地に足のついた高品質

<2021/4/18 追記>
「無職転生」のネーミングのネタ元ってやっぱ「無想転生」なんですかね?
北斗神拳の究極奥義のアレ。
ふと疑問に思ったので。

<2021/3/24 初投稿>
原作未読。

なんでも「なろう異世界もの」の元祖なんだとか。
この作品が世に出て人気を博した為に
「自分も書けるのでは?」と続々と異世界転生・転送をプロットとしたなろう系作品が生まれたのだとか。
そう聞くと罪深い作品だなぁと思ったり 笑。

でも実はそんな予備知識なしに本作見始めました。
「また異世界なろうか。まあ、とりあえず1話見てみるけれども」
なんて緩み傾いだ心構えで見始めたら、おや?
作画、キャラ造形、演出、音楽、背景、そして物語全ての質がお高い!
それもしっかり地に足のついた感じ。

なにこれ?
と思って調べたら元祖だったということで納得・・・できない。
よくあるなろう系と比べてレベル高過ぎでしょ 笑。
後発組は流石に恥ずかしくないのかな?
と思ってしまうぐらい。

特に物語がしっかりしてるところが好みですね。
もし仮に、本当に死んで異世界に転生したら。
どのように感じ、
どのように反応し、
どのように順応し、
どのように楽しみ、
どのように苦しみ、
どのように変化し、
そしてどのように成長していくのか
そうした一つ一つがしっかり、現実感を持って描かれています。
その分、派手さは薄まってしまってますが、それが味なんだと。

声優は杉田智和のキョンのようなモノローグ。
これが妙にマッチしている。
もうこの人しかいないというくらいのベストマッチ。

OPEDの曲も好みですし、物語のアバンから繋がる毎話異なるOP映像も秀逸。
ARIAと同じ手法ですね。

キャラクターはいわゆる一般的にキャラ萌え(この娘が可愛いとか、このキャラが強烈に好きとかの意)しそうな人は見当たらないようです。
でもキャラは一人一人十分立っている。
「生きた」キャラって感じ。

なろう系異世界ものの中では「ログ・ホライズン」「本好きの下剋上」と並ぶ好きな作品になりそうです。
2期次第では。

セクハラ表現がそこかしこにあるのでそういうのがNGな女性にはおすすめできません。
つまり男子向け。

男子には無条件でお勧めできる作品です。

あ、でも。
2期以降どうなるかわからないけど、ハーレム・ラブコメ的な匂いはあまりしないので、そういうの求めてる方にはお勧め致しかねます。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 62
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

なろう界隈のレジェンド(笑

ネット民いわく、異世界転生ブームの火付け役であり頂点とのこと。
なんだかスゲーな。
(ちなみに日本における異世界転生モノの元祖は嘘か真か古事記らしいぞw)
そんなわけで、アニメ化での力の入れようも尋常ではない模様。
{netabare}第1話は主人公のCVのせいもあってかハ○ヒ臭が鼻から離れなかったが、
見ているうちに気にならなくなった。{/netabare}
原作の世評通り楽しめるアニメとなることを願うだけだ。

・第2話
杉田智和のモノローグがこのアニメ全体を底上げしてるのは間違いない。
{netabare}これが勢いに任せて花江夏樹とかだったらどうなんだろうね。
(別にディスってるわけじゃないぞwww){/netabare}
映像も劇伴も素晴らしい上にCVも完璧。
あとは展開次第で今期どころかいきなり今年のベスト作品になる..........かも?
まあ原作知らないから期待値込みということで。

・第5話
3人目のヒロイン登場。
{netabare}男性声優陣のせいかやっぱりハ○ヒと被るわ(笑
つーかね、99%の「ツン」と1%の「デレ」を装備したヒロインはやっぱ最強。
しかも金では買えないらしい。
もしかして筋肉ダルマさんもそのうちデレるのかな?
あまり興味はないけどw
耳鳴りシーンといい、今回も演出が冴えていた。{/netabare}

・第8話
ネット民いわく、ここまでがプロローグなんだそうで。
{netabare}作中に出てくるフィギュアは、そのうち実際に販売されると思うぞ。
ギレーヌ人形は人気出そうだ(笑){/netabare}

・第10話
本編?に入ってからまだ2話目だが、見ていてどうにもテンションが上がらない。
まあ長いストーリーの中で当然起伏はあるだろう。
でもなんだ..........ちょっとだけダルくなってきたかも(笑
物語上の設定とはいえ、字幕で読まされる会話が多いのも好きじゃないわ。
しばらくはずっとこんな感じで進むんかな?

・第11話
え? 1クール目はここで終わり? しかも次回は夏期?
2クール立て続けにやるものだと思ってたわwwwww
もし2期以降もあるとすれば、やっぱ1年以上間が開いたりするんかいな?
そのうち物語シリーズのような公開状況になったりして..........。
まあ始まれば必ず見ると思うので待ちますよ(笑

投稿 : 2024/10/26
♥ : 17

72.7 2 2021年度のファンタジーアニメランキング2位
蜘蛛ですが、なにか?(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (434)
1499人が棚に入れました
女子高校生だったはずの主人公<私>は、突然ファンタジー世界の蜘蛛の魔物に転生してしまう。しかも、生まれ落ちたのは凶悪な魔物の跋扈するダンジョン。人間としての知恵と、尋常でないポジティブさだけを武器に、超格上の敵モンスター達を蜘蛛の巣や罠で倒して生き残っていく……。種族底辺・メンタル最強女子の迷宮サバイバル開幕!

声優・キャラクター
悠木碧、堀江瞬、東山奈央、石川界人、小倉唯、喜多村英梨、奥野香耶、田中あいみ、榎木淳弥
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

中盤まではかなり好きだった。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
異世界に転生したら、蜘蛛だった、のバトル系作品。

基本、正座して吟味するアニメではなく、横になってビール呑みながら気楽に楽しむ、娯楽系の作品。

きっと低評価だろうなと感じつつ、実は結構楽しめた。序盤(8話くらいまで)は☆5をつけてたくらい。

ただ、中盤以降どんどん面白さが減衰し、最後は☆3か☆2でも良いくらいだけど、二期に期待を込めて、最終的な評価は☆4でいきます。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作のダメなところはまず、作画。後半はかなり酷い。バトルモノであるならば擁護できないレベル。

それから、人間サイドの話になると途端に退屈になる。ずっと蜘蛛子の話でも良かったくらい。

あとはややこしい構成。時系列があっちゃこっちゃ行って、非常に見ずらい。

が、そこは良さでもあって。特に、「アリエル」と「蜘蛛子」の関係性については、上手いミスリードで、正直騙された。序盤は、蜘蛛子の人間形態がアリエルだと思ってたからね。

とはいえまあ、あんだけミスリード連発されると、流石に観にくさが勝っちゃうかも。これ、原作と同じ構成なの? じゃないとしたら、ちょっと原作ファンの意見を聞きたいところだね。

作品の良さとしてはキャラクターの良さ。蜘蛛子は結構好きです。声優さんにボーナスだしましょうね(笑)

それに、バトルの面白さとスキルゲットの感じは楽しかった。特に序盤1~5話は、完全なる弱キャラである、「スモールレッサータラテクト」「スモールタラテクト」が、限られたスキルや「素早さ」という限られた戦力を駆使して戦う、単純なバトルが続き、会得するスキルを慎重に選ぶ。

人によってはこの単調な流れの中で気持ちが離れるんだろうけど、そこはハイテンションギャグの連打や悠木さんのマシンガントークで惹き付ける(誤魔化すw)。

中盤以降、一気にバトルが雑になるのが残念ではあったけど、スキルやステータスをちゃんと観ると、勝つには勝つなりの理由が見えて楽しかった。

あと、転生する主人公に不快感がないし、強くなる過程がしっかり描かれ、世界のナゾみたいなのもちゃんと描いている。定番と言えば定番。

大別するならば、(なろう原作か、転生かは別として)「灰と幻想のグリムガル」のような、シリアス本格派でもなく。「オーバーロード」のような、無双爽快系でもなく。「この素晴らしい世界に祝福を」のような、ギャグ全振り系でもなく。「本好きの下剋上」のような、スローライフお仕事系でもなく。勿論、「スマホ太郎シリーズ」のような、チートハーレム系ではなく(笑)

一番近いのは、「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います」のような、ゲームを楽しむエンタメ系。私は「防振り」も高評価なので、こういう気軽な作品が好きなんでしょうね。

なろう系って、商業ベースで作られたプロの作品と違い、個人の妄想が具現化されたものが多いので、自分の趣味と合えばドハマりするし、合わなければ酷評って感じです。

ラストのぶん投げエンドもどうかと思うけど、2期が楽しみではあります。ただ、もうミスリードはいらないから王道の構成で観たいかな。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
異世界転生受け入れ早い。OPは小洒落てるな。鑑定スキル、不要w 蜘蛛、不味いんか。さて、どこまで最弱を貫けるかな。頼むから、人間化はしてほしくないな。よきところで、人間世界との対比を魅せる。

2話目 ☆4
異世界転生を、珍しく生かしてる。ステータス、弱い(笑) 地竜の卵を食べて、ドラゴンスレイヤーのスキルを取らせないあたりが、良い。わからずにジョブチェンジはキツイ(笑)

3話目 ☆4
ホントに地道に強くなっていくな。人間サイドになると、とたんにつまらなくなる(笑) そして、同じ地竜を使った対比か。

4話目 ☆5
猿退治。一気のレベルアップも、チートとかじゃなく、しっかりと。

5話目 ☆3
場繋ぎかな。泣く程旨い鯰。

6話目 ☆3
スキル剥奪、パラメーター下げ。運営、仕事してるな(笑) 神様がいるなら、生きていると言えるか? か。

7話目 ☆4
生前をガッチリ。スキルを得たら変わる? 強くなるのは良いけど、一気に強くなったな。単純なバトルは面白い。

8話目 ☆5
なるほど、15年のタイムラグがあるわけね。ナイス、ミスリード。管理者。スマホで翻訳(笑) そしてすかさず現代か。人間化は残念だけどね。第二部として楽しむか。仲間を集める過程とか、ゆっくりちゃんと観たいな。なるほど、勇者が死んで、勇者を受け継ぐと、スキル的にはこうなるのか。

9話目 ☆3
最強の魔法使い。ゾア・エレの段階でこんなに強かったの? 人間サイドからの蜘蛛子を見せたのは価値あるが、こうなるとつまらないな。

10話目 ☆4


11話目 ☆3
対アラバ、準備。ステータスを見せるのは丁寧だね。アラバ、強い強い言いながらも、レベルは6しか違わないし、攻撃力、防御力は約半数だとしても、速度は1.5倍以上。アラバの魔法力4022に対して、蜘蛛子は、の抵抗は11104。また、アラバの魔法抵抗4138に対して、蜘蛛子の魔力は11158。攻撃は回避できるし、魔法戦なら圧倒。しかも、スキルを見ると、アラバは感知系が高く、隠密完ストに空間機動や韋駄天もあるし、打撃大強化とか完ストしているので、本来は一撃離脱の、暗殺スタイルなんじゃかいかなと思う。なのに、回復系や消費緩和、防御系といった持久戦に向いたスキルも持っていて、よく言えばマルチだが、悪く言えば一貫性のない育成。恐らく、幼竜時代は忍者的に戦い、成竜になってから要塞化したのでしょう。それに対し、蜘蛛子は、魔導の極みから始まり、基本は魔法系のスキルを取りまくり、あとは回避系や空間魔法、治療魔法などを完スト。外道無効や苦痛無効、痛覚大軽減、思考加速などのメンタル系も取り、邪眼に腐食攻撃など、一撃必殺技も多い。プラス、竜殺しの称号&地の利ありでしょう? 普通に勝つと思うんだが。

12話目 ☆3
確かに、アラバのスキルポイントは気になってたけど、ここでちゃんと使うか。う~ん、そういう哲学的な叫びは、なんか違うかな、

13話目 ☆3
大分強くなっちゃったのね。OPチェンジ。前の方が好きかな。ん? 時系列が難しいな。二重のミスリード? ちょっとこの回はよく分からん。何が出来て何が出来ないかが。

14話目☆2
人間も喰ってたの? 大分やべぇな。他人は他人、蜘蛛は蜘蛛(笑) 人間側にも色々。作画が怪しい。大分、枚数ケチっているな。魔王サイド、強すぎだな。

15話目☆5
マザーのステータス、エグいな(笑) まあ、時間稼ぎして、並列意志がマザーのメンタル倒すの待ちたいが、情報がないからな。

16話目☆4
ここでも、ミスリードか。念入りだな。

17話目☆3
人間サイドはつまらないな。んで、蜘蛛子になると面白くなる。

18話目☆3
魔王アリエル。エルフ王ポティマス。教皇ダスティン。まったく知らないのに、蜘蛛子がかき回す(笑)

19話目☆3
マザーのステータス吸収。チート一直線。つまり、魔王のステータスもゲットできると。

20話目☆3
管理者はプレイヤーに手出しできない。過去の戦争と、現在の戦争。色々分かりにくい構成にしているのは、わざとだろうな。本当に都合のよいスキルだが、未来の死の情報が分かるのはキツいな。

21話目☆2
作画はかなりヤバいな。

22話目☆3
時系列を跨いでの戦争。最初はミスリードして機能していたけど、今や、煩わしいだけだな。

23話目☆2
なんか、エルフがネルフって感じだな(笑) 似合わないよね、エルフと機械って。作画、大分やべぇって。

24話☆3
結局、アリエルとは仲間だったってオチね。二期楽しみ。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 25

あ~にゃ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

やや引っ張り過ぎな印象…

蜘蛛に転生した主人公?のシーンと、人間に転生したクラスメートのシーンが交互に繰り返される展開です。
作画のレベルが高く、キャラデザはとても良いと思います。

ですが、ストーリーの前半がダラダラし過ぎ、途中で視聴を断念しようかと思った程です。

最終回に近づくに連れ、やっとストーリーが面白くなり、これから盛り上がると言うところで終わってしまうので、前半をもっと圧縮し、1クール(13話)ぐらいにまとめた方がもっと評価も上がったのではないかと思います。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 5
ネタバレ

kabaj31 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

OP/EDは神ですが、はて?

第1話視聴。
ちょこまかと動く蜘蛛が可愛いくて、声優さんも頑張っていて
面白いと思いました。
どういうストーリーなのかまだわからないけど、注目してみたいと思います。

↓追記
視聴完了。全24話。
ビジュアル的に、蜘蛛が可愛いだけだったかも。

1クール目は、CGの蜘蛛が可愛くて、敵のカエルとかトカゲとか
モンスターのCGがキモくて、スキルをたくさん獲得したり
進化したりして、強くなっていくお話でした。
蜘蛛の1人劇場と、箸休めとして人間パートがちょろっとある感じでした。
蜘蛛の動きとか、アクションが見ていて面白かったし、
モンスターが喋らないので
蜘蛛がひたすら、あーでもないこーでもない独り言を喋り続けて
いるのも面白かった。

2クール目は、{netabare}人間パートを引っ張るまで引っ張って
引っ張り続けて、中途半端なトコで、俺たたエンド。
ないわ~w
ってな感じで終わりました。そして、
蜘蛛が人間になっちゃった。
というか、蜘蛛は乗り物? みたいになっちゃった。
あの可愛い蜘蛛はもう戻ってこないのかな、と思うとちょっと残念です。{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 6

79.8 3 2021年度のファンタジーアニメランキング3位
転生したらスライムだった件(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (561)
2738人が棚に入れました
「転生したらスライムだった件」は、伏瀬さんによって小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載されたWeb小説を原作としたTVアニメ。異世界で一匹のスライムに転生した主人公が身につけたスキルを駆使し、知恵と度胸で仲間を増やしていく異世界転生エンターテインメントだ。2018年10月から第1期が2クールで放送され、第2期は2021年1月から放送となることが決定している。

声優・キャラクター
岡咲美保、豊口めぐみ、前野智昭、古川慎、千本木彩花、M・A・O、江口拓也、大塚芳忠、山本兼平、泊明日菜、小林親弘、山口太郎、福島潤、田中理恵、日高里菜、春野杏、櫻井孝宏
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

進化の果てに深化する物語

(2021.4.3最終投稿 2021.8.7改定と推敲)

 第2期 第1部:閑話+全12話 (第24.9話, 第25話~第36話)

 なろう版読了。書籍版、コミカライズは継続愛読中。

 原作ファンである自分にとって、2期はちょうどお気に入りの部分のアニメ化ということで評価ポイントはかなり甘め。コミックと比べてしまうとやや物足りない部分はあるものの、アニメで動き話すキャラたちは第1期と変わらず非常に魅力的。また第1部の全話に関して、重要なポイントは外していないし無駄も少なかったと思う。

 原作を十分咀嚼した、よく練られた構成と脚本だと思える。二回放送延期になったことが、脚本の精査をもたらしたのかもしれない。

 とは言うものの、終盤残り2話のあたりから急に詰め込み感が増して若干不安が湧いた。が、最終的には許容範囲内で収まった。

❮放送前投稿❯
{netabare}
<2020.4.4初投稿分>
{netabare}
 2020年3月22日に公式HPにて発表されたスケジュールは、2020年4月からの転スラ一期再放送の後に

2020年10月 二期 第一部
2021年1月 転スラ日記
2021年4月 二期 第二部

とのこと。なんと、9か月に及ぶ転スラ祭り!

 同期ではログホライズン三期と共に転スラシリーズも今から非常に楽しみにしています。ヒナタがいよいよガッツリ物語に絡む二期。転スラの面白さが加速するだろう。

 ディアブロ、テスタロッサ、カレラ、ウルティマ。スーパーカー由来名の原作の中でも個人的に好きなキャラたち。

 ディアブロは、公開されているキービジュアルでもわかるように二期登場確定。でもその他3名は、1クールでは登場は無理。しかし、上記のように本編は分割2クールの尺なので物語の構成次第では彼女らも登場する可能性があるのも密かな楽しみ。

以下2021.2.17追記

 二期始まって1クール目の丁度半ばの30話まで観て、今期のシリーズ構成は多少の前後の入れ替えはあっても原作を丁寧になぞる方針と受け止めた。この調子だと2クールで最低書籍6巻の最後迄、もしくは途中からペース早めて切りの良い7巻の最後迄が限度かも。

 原作での彼女達の登場は第11巻なので、どう考えても彼女達の今期の登場は無理。こうなるとこのシリーズが3期4期と長く続くことを祈りたい。
{/netabare}
<2020.11.28投稿分>
{netabare}
 2020年5月末、放送・配信開始時期が2020年10月から1クールずれる形での延期発表あり。

第2期第1部が2021年1月から、転スラ日記が2021年4月から、
第2期第2部が2021年7月から放送・配信開始とのこと。

 延期は残念だが、2020年3月発売のコミック14巻限定版付属OADから始まったコミック付属OADは、リムル愛豊かなキャラたちの平和な魔国連邦の日常を描いた、

OAD1「外伝:Mの悲劇?」、OAD2「外伝:HEY!尻!」。

 そしてOAD3以降は、リムルとシズの5人の教え子たちの新エピソードでリムルの教師就任時の強力な原作補完となっている。

 原作:伏瀬書き下ろし完全新作エピソード「外伝:リムルの華麗な教師生活」三部作。(2020.11.27発売のコミック16巻付属のOAD5で完結)

 コメディ要素多めで、なおかつ原作の隙間を埋める独創性が好ましい。リムルのみでなく、アニメオリジナルの魅力ある教師キャラたちとの絡みの中、5人の教え子たちの成長と活躍を堪能できる。

 転スラアニメ1期は、シズ関連描写のアニオリ要素が原作補完で感動アップしたが、さらにこのOADでシズの重要性も深まった。リムルにもちゃんと活躍の場があったし、2期の新キャラも巧く登場させてグッド。そして2期の冒頭に繋がり得るタイミングで終了。

 このOAD三部作のおかげで2期に期待が非常に高まった。来年の放送が楽しみだ。
{/netabare}
{/netabare}
❮各話レビュー❯
{netabare}
◎ 2021年1月初回放送分
★#00-03『24.9 閑話:ヒナタ・サカグチ/25 リムルの忙しい日々/26 獣王国との交易/27 楽園、再び』
{netabare}
<あらすじ>

 三上悟はスライムとして転生してあっという間に二年が経った。

 様々な困難を一つ一つ乗り越え、その転生名リムルの名声は増々拡がり、続々と新たな出会いも生まれる。

 成り行きで興した魔物と人類の共生を目指す国も、順風満帆に発展する。

 異世界でリムルと縁があった故人、シズの遺言にあった地球より召喚された5人の教え子たちの命を救うこともできた。

 そして一時の平和が訪れた。

 周辺諸国との新たな国交樹立とそれらとの交易のチャンス。富国の予感でハッピーな日々。

 しかし、この束の間の安らぎはいつまで続くのだろう?

<波乱の序章>

 アニメと原作では教え子の救済と国交樹立のエピソードは時系列としては逆になる。その結果、国交エピソードは1期ではカットされたが2期で復活した。

 伏線の配置は抜かりないが、敵となる存在はまだ表にはあまり出てきていない。この間に登場したキャラたちは、新旧共に今後重要な役者たちとなろう。

 序破急の構成の妙を感じる。その”序”として活きた4回だったと思う。

 かけがえの無い家族、仲間、場所があるのは幸せなことだ。バカで他愛もない平和な日常も貴重で、いつまでも当たり前にあるとは限らない。やがて訪れる”破"そして"急”の展開で起こる悲劇の悲しみを、より引き立てるために時系列を変えてまでもエピソードを復活させることは必然だったのだろう。

 日常が一旦壊されてしまうと、再び平和に戻るにはエネルギーも時間もかかる。笑顔が消え失せ殺伐とする。ならば先をいそがず、平和の有り難みを噛み締めこの笑顔の一時を楽しみたい。しかし、原作やキャラクターに思い入れがないと話のテンポが悪いと思うかもしれない。

 ところで、ここまで毎回のように登場する大浴場シーンだが、サービスと言うよりキャラたちの親睦を深める人間関係発展の場として有意義に活かしてる。和テイスト満載の露天風呂は、リムルの国の心と富の豊かさの象徴。このシーンはほのぼのとして心地よい。そんな原作とは一味違うアニメの独自性が好ましい。
{/netabare}
◎ 2021年2月初回放送分
★#04『28 謀略のファルムス王国』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルは盟主としての大切な外交後、一旦イングラシア王国に戻った。そして教え子たちの無事な進級を見届け、安心して学園を去る準備を始めた。

 リムルが懇意にする大商人ミョルマイルとの商取引も順調で、テンペストは表面上は相変わらず平和な日常は続く。

 一方、魔王クレイマンの陰謀の影、魔国連邦(テンペスト)の軍事力や技術力を脅威と感じる外国勢の存在。それらが具体的に浮き彫りになり、きな臭さが増してきた。

<風雲急を告げる>

 1期の第24話から今回迄で、2期第1部の物語の必要な役者が全員揃った。次回いよいよ物語が大きく動きだしそう。

 アニメでは、リムルが安心して生徒を任せられる先生キャラクターを独自に追加した。今回僅かに登場のティス先生のこと。

 ティス先生はOAD3-5のエピソードで、リムルと生徒たちの信頼を獲得している。彼女と5名の生徒たちがひとつの危機を共に乗り越えることで、お互いに深い絆が生まれた。

 おかげでリムルは、彼女に生徒たちを安心して任せ、国事のため一定期間テンペストに戻ることも出来た。さらに、今回の引き継ぎ描写が自然になる効果もあったと思う。
{/netabare}
★#05『29 災厄の前奏曲』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルは未だイングラシア王国に赴いたまま。そんなリムル不在の首都リムルで事件は起こった。

 リムルと連絡も取れず訳も分からないまま、魔国連邦(テンペスト)は未曽有の災禍に見舞われた。

 魔王ミリムによる獣王国ユーザラニアへの宣戦布告の速報と難民受け入れの要請が、獣王国幹部アルビスから届くものの、詳細は不明のまま通信は途中で断絶。

 一方、100名ほどのファルムス王国の武装した騎士団の首都への接近の報告がソウエイから届く。

 街中では、冤罪事案を切っ掛けに引き起こされた工作員との戦闘発生で大混乱となった。

 さらに都市内部から、大魔法・魔法不能領域(アンチマジックエリア)と都市外部から、四方印封魔結界(プリズンフィールド)が、ほぼ同時に首都全体に発動される。

 その二重結界は、人間には無害だが魔物には有害なもの。魔法の無効化により外界と完全遮断。魔素が浄化されることにより魔物は弱体化。テンペストにとって非常に不利な状況となった。

 その他様々な要因が絡み合い状況は混沌へと誘われ、その日、平和な日常は一瞬で壊され笑顔が掻き消された…

《躍進のための組曲 その1”混沌”》

<出る杭は打たれる>

 今回のアニメのサブタイトルは、書籍第5巻の第二章のタイトルからそのまま採用され、その章の後半部分を元に構成された脚本だった。(二章前半部の内容は前回で登場) 今回、主人公リムルの出番が全くないのはその影響が大きいと思われる。

 今回、ヨウムとミュウラン、グルーシスのエピソードは今後の物語上必要で、アニメで丁寧に描かれて安心した。

 リムル単独では乗り越えられない大きな試練が待っている。今期、今までは大賢者の出番があまりなかったが、間もなく大賢者とリムルの最強タッグ再び、となろう。

 テンペストの本当の躍進は、打(伐)たれてからが始まり。ずっと平和なままだと国の進歩も緩慢で、場合によっては停滞してしまうかもしれない。物語としても面白くない。逆境をバネに、試練の苦しみあればこそ、その後の達成の喜びは大きい。

 いよいよお待ちかねのキャラクター参加の次回、アニメでどんな作画で動くのかとても楽しみだ。
{/netabare}
★#06『30 動き出す麗人』
{netabare}
<あらすじ>

 テンペストではファルムス王国の手勢により住民被害が拡大。取り返しのつかない事態が起こっていた。

 一方リムルは、生徒たちと名残惜しい別れをしていた。テンペストで起きていることを全く知らぬリムル。

 そしてリムルとランガは、イングラシア王国から少し離れ、空間転移でテンペストに戻ろうとしたが転移出来ない。

 さらに、ソウエイの分身体からの警告があった。そこで初めて危機を覚るが、さらに周りに違和感が拡大すると…いい迷惑な、全くありがたくない出逢い。

 「初めまして、かな? もうすぐサヨウナラだけど」

 問答無用に魔物にとっての天敵との激闘が始まった。

《躍進のための組曲 その2”激突”》

 今回の様々なバトルシーンはキレがあって好い。前回は作画に若干の手抜きを感じたのだが、今回に注力するためだったのかと勝手に納得。第1クール半ば最大の見せ場として申し分ない。

 全く不満がない訳ではないので大甘だが、今回で作画評価を4.5→5.0に上げた。アニメスタッフの健闘を讃えたい。

<聖騎士団筆頭ヒナタ・サカグチ(坂口日向)>

 思えば彼女は1期の第1オープニングから登場しており、ヒナタを本編で描きたかったスタッフの思い入れが今回の作画に反映されてると思う。

 アニメが3期以上続くことが前提ではあるが、この制作スタッフなら彼女は1期のシズ同様、アニメで原作以上に輝く可能性を感じた。

 2期でリムルとの最終決着まで描けるか、尺的に微妙な気がするがどうだろうか。無理やり詰め込まずこのまま丁寧に3期へ繋げて欲しい。

 リムルとヒナタの会話の応酬は、ヒント垂れ流しで視聴者にヒナタをリムルにけしかけた黒幕が誰か、あからさまに暴露していたようなもの。ミスリードできるキャラも存在してないのでバレバレだ。ユウキ・カグラザカ(神楽坂優樹)しかいない。

 ここであえて黒幕をボカす必要はないと思うのでこれでいい。黒幕が誰であるかよりも、黒幕の陰謀を暴き阻止することの方が大切だから。

 今回、冒頭の生徒たちとのお別れシーンで、ようやく第1期本編最終、第23話の最後と連結した。そのためそのシーンは23話の使い回しが多い。

 見比べると見送りにティス先生が遠景でワンカットだけ参加してたり、ユウキの台詞のある部分をカットしたりと23話とは若干の違いがあって面白い。

 次のリムルがランガに跨り駆け去るシーンは完全別もの。23話制作当時、2期制作が決定していなかった可能性が高いと思われる。

 23話ではヒナタは木陰でリムルたちの会話の観察のみ。当時はキャスト未決定ゆえ、台詞は当然無い。リムルたちが走り去った後もその場に留まったままで、襲撃の機会を見逃したかともとれる。

 今回とはまるで平行世界のようになってしまったが、今となってはこれはご愛嬌と言うものだろう。
{/netabare}
★#07『31 絶望』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルはヒナタに完敗した。ヒナタはリムルの消滅を目視して討伐完了と判断、その場から立ち去った。

リムルは戦闘途中、自身の分身体と入れ替わることでヒナタを欺くことに成功、実は九死に一生を得ていた。その後ようやく首都に帰還したが、そこは誰もが悲しみに暮れる街と化していて愕然とする。

 しかし大賢者のサポートで冷静な分析と判断はできるのは不幸中の幸い。幹部たちの言動に何かを隠すかのような含みあれど、それはさておき、リムルは慌てず事実確認と情報収集をすることに...。

《躍進のための組曲 その3”悲壮”》

 今回もポイントを絞った手堅い脚本で安心して楽しめた。ここで浮き彫りになるのは、人間の狡猾で強欲な側面と魔物の単純明快な忠誠心の側面の対比。

 王に実力とカリスマさえあれば、配下は忠誠心揺るがず、裏切りの可能性が低い、優秀な人材豊富なら比較的箱庭ゲーム感覚で維持出来るのが魔物国家。対して優秀な人材豊富でも、その強欲性が厄介で、建国と維持の面倒臭さが倍増の人間国家。

 裏切りの心配と苦労ばかりの人間国家だったら、リムルは王の責任を途中で放棄しているかもしれない。

 リムルの為政者としての責任感とやる気の源は、配下のブレない忠誠心。彼はスライムの特性上、子孫は持てない身だがその代わりテンペストの住民全てを家族のように慈しむ。そんな彼が国家安全保障のために何を決断、実行するのかが今後の見所か。

 ところで、魔王クレイマンは毎度必ず回すワイングラスと共に登場。ここまで徹底したテンプレな悪役画は、狙ったギャグか、と思う反面、深読みすると手のひらで踊らされているのは実はクレイマンだ、と暗喩しているともとれる。
{/netabare}
◎ 2021年3月初回放送分
★#08『32 希望』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルはかけがえのない仲間が喪われ絶望しそうになる。しかし、冒険者エレンから一縷の希望が...それは死者の蘇生のお伽噺の類い。

 大賢者はそれを聞き、あとひとつ条件を達成してリムルが進化すれば蘇生も決して不可能ではないと言う。さらに現状の多重結界は、魂拡散防止になり蘇生には都合がいいとのこと。

 リムルに迷いは一切無くなった。かつて出逢ったばかりの魔王ミリムから奨められた存在への進化、しかも蘇生伝承自体もミリム由来のよう。元来、野心の希薄なリムルにとってそんな進化は全く興味ない、と一蹴したことだった。しかし今は最優先で、どんな手段を使っても成し遂げようと決意した。

 失いたくないという一点の想いでリムルは動きだす。布石を打ちながら粛々と、着実に。

 その後、2万の軍隊が首都接近中との報せが届く。それはファルムス王国軍17,000と西方聖教会所属の神殿騎士団3,000の連合軍だった。

 それを知ったリムルは、慌てるどころか穏やかに笑みを浮かべていた。

《躍進のための組曲 その4”黎明”》

 今回も意外性はなくとも安定感がある。25-28話の一見他愛なかった日常描写がここで活き、おかげでリムルに深く感情移入できた。

 さて、祭りのお膳立てが整った。災い転じて福と成すリムルの強運は筋金入りだがそこがいい。
{/netabare}
★#09『33 全てを賭けて』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルは自身の前世を皆に打ち明け、人間と共存する理由を述べた。そして人間との今後の具体的なつきあい方を明確に。

 二度と人間に舐められない国家になると、そしてそのために魔王に進化する、と宣言する。

 その第一歩は、犠牲となったテンペスト住民たちの蘇生。そのためには単なる魔王ではなく、真なる魔王(覚醒魔王)への進化が必須であり、それには一万人以上の生け贄(ヨウブン)獲得が不可欠と判明した。

 そこでリムルは作戦を立案。

 都市の結界維持と見張りのため、都市周辺の東西南北四ヵ所に陣取る先遣隊への反撃は、幹部たちに適材適所で任命、三日後に到着する位置で休憩中の二万の軍勢本体には、けじめの意味を込めてリムル単独であたることにした。

《躍進のための組曲 その5”覚悟”》

 出過ぎた杭になって打たれなくなるため、為すべきことは明解。国民の安全保障のため清濁合わせ飲める、薄情でないゆえに非情に徹底できる主人公リムル。しかもその罪と業を自分だけで被ろうとする。

 彼の一切の迷いも力みも無い、明鏡止水の境地は清々しい。原作で転スラがますます好きになった、リムルが真の王となった瞬間のこのエピソード。アニメはこれが含まれたゆえに、個人的に2期の方が1期よりも高評価になった。

 今回は大賢者の出番なし。おかげでリムルは全てを主体的に決断し、その責任は彼一人が被る潔さがある、と伝わる。謙虚だが他への依存がない彼はとても頼もしい。

 嘗てないリムル無双へ...。次回、テンペストの新たな伝説がひとつ生まれる。
{/netabare}
★#10『34 神之怒』
{netabare}
<あらすじ>

 テンペスト幹部たちの怒りは消せない。仲間を大勢殺し、主リムルをコケにした敵。一切の縛りから解き放たれ持てるスキル全開で、因縁の異世界人との雪辱戦を含む大反撃が始まった。

 一方リムルは、ミュウランと同じアンチマジックエリアを発動させ敵側の魔法を無力化した上で、太陽光とレンズを使った、シンプルだが殺傷効果絶大の大魔法·神之怒(メギド)を仕掛けるのだった...

《躍進のための組曲 その6”降臨”》

 今回の一番のお気に入りは、大賢者によるヨウブンのリアルタイムカウント。原作には無いので新鮮だった。アニメならではの臨場感アップと大賢者活躍中アピールに貢献していた。

 次回のサブタイトルは、書籍第5巻の第4章タイトルと同じ。第4章相当エピソードはアニメでは33話から始まっていたが、次回の35話での3話分で第4章を描き切るということだろう。配分として5章にも入りそう。

 つまり次回、アニメ2期のキービジュアル、外伝のTVアニメ第24話とOAD5でお馴染みの悪魔が本編合流確定。リムルとの初対面が楽しみだ。

<転スラは時々奥が深い>

 主人公による敵側の無差別大量殺戮。これは人によっては釈然としないかもしれない。しかし転スラの場合、今後は今回と同じような敵兵の殲滅があっても、リムルによって死者の蘇生が出来るので選択肢は広がり殺人の後味の悪さは多少は軽減されるのが救いだ。

 他者への思いやりを美徳にする平和な日本に住んでると、支配者の駒に使われてる兵士には罪は無い者もいるから慈悲を、などとつい甘く考えてしまう。

 私心無く民の笑顔のため手段を選ばす自らの覇道を守る。リムルは、怒りで我を忘れることもなく、冷静に粛々と為すべきことをしただけ。無益な殺生をしたとは言えない。

 今回のリムルの行動は、老子の言葉「天地に仁なし、万物をもって芻狗(すうく)となす。聖人に仁なし、百姓(ひゃくせい)を以て芻狗となす」を思い出す。

(天地が優勝劣敗弱肉強食にて万物を自然のなりゆきにまかせることは不仁に見えるが、これこそ本当の仁。それと同様、聖人や君子が人々を自然の成り行きにまかせ、ときには、ワラで作った犬を焼き捨てるようなことをするのは一見不仁だが、これこそ本当の仁である、という意味)

 もしアニメ構成上、テンポ重視で前半駆け足で進んでいたら、原作未読の視聴者の多くは敵側へのヘイト不足で、今回の報復内容に納得しきれなかったかもしれない。

 人によっては退屈だったかもしれない構成。テンペスト側の大義名分の確立のために間違いではなかった、と今回新ためて思った。

<今回、皆殺しが外せない既定事項となった理由>

 今後の国家安泰のために、リムルは人類にとって魔王として畏怖されることは好都合だが、その反面、益ある存在としても認識してもらう必要あった。

 しかし今回のように、たった一人で万単位の軍勢をあっという間に殲滅という真実が世に広まると、リムルは全人類共通の極悪非道の悪者として間違いなく確定される。

 故にそうならないよう、真実をねじ曲げ都合良く改竄する必要があった。そのため真実を伝える生き残り、すなわち目撃者を一人たりとも残すわけに行かない。

 結果、進化に必要な定数以外の残り含めた皆殺しが実行され、生き残りは戦後の交渉に必要な戦犯数名のみとなった。

<三者三様の末路>

 今回は、己が力に溺れ増長してしまった末の因果応報とはいえ、異世界人の三名が最大の憐れだったが、彼らの物語からの退場に関して、原作者は非常に巧いと思う。そこには捻りと工夫があった。

 まずキョウヤ・タチバナ(橘 恭弥)。彼は因縁のハクロウの剣技の報復で単純明快に決着。

 次にキララ・ミズタニ(水谷希星)。彼女のスキルは精神干渉に特化しており、体力は普通で戦闘能力は皆無ゆえにテントで待機していた所、ゲルドによって追い込まれたショウゴ・タグチ(田口 省吾)により絞殺。

 最後はショウゴ。彼は人格的にもスキル的にも、三名内で最も危険な存在。彼はキララのスキルを自身に取り込むためだけに彼女を殺害。その時点でクズキャラレベル最大値。そして、ゲルドによる容赦ないフルボッコで瀕死まで追い込まれ、ここで視聴者はある程度溜飲を下げることができた。

 ところが原作者はさらに一捻り。最終的に彼らの上司ラーゼンが、ショウゴの若い肉体を自身が乗っ取り、スキルも吸収するために彼の心を壊して抹消。ショウゴは、キララ殺害の報いが早くも訪れ、最も救いようのない最期を迎える。

 以上の流れから思うこと。

 キララのスキルの殺傷能力は、他者の精神を支配して自害、もしくは他者を煽動して害するもので、自身は一切手を汚さぬもの。しかしシュラによってそれを封印されたので、テンペストでは結果的に住民殺害は未遂だった。ならば、テンペスト側のキャラに害されるより、同胞に裏切られて害される方が納得しやすい。

 彼女だけは、本人の了承なく勝手に召喚され、日本の家族から引き離された被害者としての側面が一瞬滲み出ていた。しかも、彼女の名前の意味とは真逆の絶望の末路。なんと皮肉な運命。しかも仲間に殺されるなんて…。

 故に、悲劇の拉致被害者として同情してもらえる余地が生まれ、救いが少しはあったと思う。過去の彼女のスキル完遂時の具体的な罪は、アニメでは明示されていないのだから。

 彼女の最期には同情を禁じ得ない。18歳の現代風ギャル、カラメル多めのプリン頭という個性で、充分なキャラ立ちの彼女。ここであっさり退場させたのは、もったいなくも残念だったとさえ思えた。

 それに対してキョウヤとショウゴは、質が悪いことにテンペストの民を弄んで害した。故にハクロウやゲルドに容赦なく報復される資格が十分あった。その末路はまさに自業自得と言えよう。

 ショウゴの最期の流れは、28話の王国での御前会議ではまだモブのようなラーゼンが、実は王国で最悪な曲者だった、と知らしめる効果もあった。結果的に彼の最期は新キャラの紹介も兼ねた、一石二鳥の流れだったと言えよう。

 また仮に、ショウゴより圧倒的に強いゲルドによっての止めでは、ゲルドの弱い者いじめ感が発生して、多少の後味悪さがあったかもしれない。
{/netabare}
★#11『35 魔王誕生』
{netabare}
<あらすじ>

 ごく僅かな時間で敵軍二万は全滅。生き残りは僅か三名だった。

 必要なヨウブンは十分に収穫された。そしてリムルは進化のため急激な眠気に襲われる。そこでランガに、動けないリムルを捕虜二名と共に首都に連れ帰るよう指示。残り一名の捕虜の確保は召喚した悪魔に託すのだった。

 リムルは進化の眠りに入り意識不明。そのため首都帰還後、大賢者が進化したユニークスキルがリムルの代行者となって死者蘇生を実行した。それは"反魂(はんごん)の秘術"と呼ばれる。

 首都ではリムルと魂の繋がりある者すべてに進化の恵みが等しく与えられ、住民一同もまた進化の深き眠りに落ちた。ゆえに、その奇跡の秘術成功の瞬間に立ち会えた者は非常に少ない。

《躍進のための組曲 その7”収穫”》

 今回は、原作コミックのファンにとってダイジェスト感が強い。

 個人的には以下の点でポイントが高く十分に面白かった。

▪原作同様に、アニメでも魅力溢れる悪魔キャラ
▪大賢者の進化過程のCG作画
▪大賢者と智慧之王(ラファエル)の、繊細な声の演じ分け
▪ハーベストフェスティバルの見せ方やまとめ方
▪荘厳な儀式感を壊さぬ”反魂の秘術”の演出、作画
▪ラファエルによるリムル代行の演出、作画、声優の演技
▪ファルムス国王のエドマリスと西方聖教会大司教レイヒムの情けない暗愚演出
▪シオン蘇生の瞬間シーンの、コミックを基本にしたと思われる作画

 以上で100点満点なら78点の満足度。

 次回のサブタイトルはラノベ書籍5巻5章、コミック16巻の第71話と同じ。コミックの69話からの3話分の内容をアニメ1回分に収める、と思われるがどうだろう?

 今期の区切りをどうまとめるかに注目したい。

 ついにリムルは新たなステージの第一歩を踏んだ。まもなく、この異世界での知名度も爆発的に上がり、交遊関係、活躍の場も、大きく様変わりするだろう。
{/netabare}
★#12 (第1部終)『36 解き放たれし者』
{netabare}
<あらすじ>

 リムルはシオンの膝の上で目覚めた。目の前には戦争以前と変わらないテンペストの顔ぶれが勢揃い。以前と変わらない穏やかな光景が広がっていた。

 魔王に進化したリムルだが、スライムの外見も内面も全く変わらず。変わったことと言えば、リムルの人型時に身長が伸びたことと、テンペストに頼もしくも愉快な仲間が二名ほど増えたことだった。

《躍進のための組曲 その8 終曲”新星”》

 今回は、分割クールならここしか区切りようがない、と思ったところで締めくくられていて概ね満足だった。

 コミックの第69話から第71話の内容を基に構成されたと思われるエピソード。

 23分ほどのアニメの尺に収めるため、かなりのカットや改変があったがポイントは外してなかったと思う。むしろアニメのテンポ感尊重の観点からみると、これくらいはやむを得ないだろう。逆にコミックとの違いを楽しめるほどだった。

 ヴェルドラ復活シーンもかなり簡略化された。原作では、まず元の竜体で復活して、ひとしきり言葉を交わした後の人型への変身だった。アニメでは再会の余韻が楽しめなくて残念。しかし急展開のインパクトがあり、テンポとしては悪くなかった。

 願わくば、2部の初回でうまく事象の前後を入れ換えてカットされた台詞を復活させ、リムルとヴェルドラの再会の、原作の持つしみじみとした味わいを少しでも復活させて欲しい。

<脱皮、そして飛躍>

 今回遂に、後に”新星(ニュービー)”の二つ名を与えられる魔王誕生。リムルと物語に新登場のディアブロと人型ヴェルドラ、そしてリムルと共に進化した幹部たち。

 最高位の悪魔の一柱ディアブロが配下に、守護神ヴェルドラが仲間になった。それすなわち、テンペストは戦略核兵器を手に入れたようなものだろう。

 2部でレベルアップしたリムルたちの躍進に注目したい。
{/netabare}
{/netabare}
❮全話鑑賞を終えて❯
{netabare}
<今期の脚本について>

 転スラ1期と2期のシリーズ構成と全話脚本は、筆安一幸氏

 近年、氏の名前は異世界ファンタジーもののアニメのエンドクレジットでよく見掛ける。氏が構成と全話の脚本を担当した、私が観たことある作品は、「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」、「魔女の旅々」、「神達に拾われた男」。

 以上鑑賞して、原作の持ち味を壊さないのが氏の長所だと思う。良くも悪くも原作通りで、原作を超えるような魅力をアニメに与えるほどではないが、不快なほどの改変は少なく、一定のクオリティーは約束してくれる安心感のある脚本家、というのが氏に対する個人的イメージ。

 転スラに関して、氏の脚本の割り切り方は自分と相性良かった。取捨選択の上手さはさすがプロの仕事と思えた。

<原作とアニメの構成について>

 転スラ1期は、連続2クール全23話で書籍4巻まで進んだが、4巻は途中のカットが非常に多かった。4巻は序章+全8章だが、シズの5人の教え子に関わる以外の部分はほぼカット。丁寧に描かれたのは5章から7章のみで、そこまでが1期の区切り。

 2期の第1部は、書籍第5巻のタイトル「魔王覚醒編」をメインテーマとして構成された。そのため2期では、話の整合性のため、4巻のエピソードの一部が序盤で蘇った。

 まず4巻の序章を初回の閑話に織り込んだ。

 次に本編1話目の25話から27話迄の3話分で、1期で丸々カットの第1章の獣王国の使節団来訪、2章の武装国家ドワルゴンの外遊エピソードを織り込んだ。4巻8章相当の終章は、今期の30話で描かれた。

 獣王国との交流は、今期ミリムの天災から救援を施すだけの国家間の親密度がある、とアピールするために必要。

 外遊エピソードは、特にリムルのスピーチが重要な伏線。ファルムス王国の為政者達が、リムルは世間知らずで無能な君主と誤解させるイベントだから。つまりテンペスト侵攻は、王とその取り巻きの判断ミスがすべての始まりだったで因果関係上、外せないエピソード。

 上記の3話は他にも、ガゼル王が有力なテンペストの後ろ盾であることを強調した。それは2部の伏線となるだろう。

 また、テンペストは他国が羨むほどの国力があることを示したが、それがファルムス王国に目を付けられるきっかけとなった。

 以上、振り返れば3話分の地味な展開も重要な内容だったと思う。

<第2部の予想をするのが楽しい>

 夏クール予定の第2部。原作をどう料理してどこに着地するか今から興味深々。出来れば3期に繋げるつもりで、ゆっくりと丁寧に描いて欲しいものだ。

 1部の構成から予想すると、書籍6巻最後迄進むのは確実だろう。しかし1クールで1巻分のみというのは考え辛い。7巻にも突入する可能性大だろう。しかも、リムルとヒナタが背中合わせの2期のキービジュアルの存在で、2部は7巻のほぼ最後まで描いて区切りを迎える可能性もあり得る。

 その場合、1クール12話程度でほぼ2巻分のエピソードを収めることに。2部は1部以上の原作の簡略化もあるかもしれない。

<余談:レビュータイトルに込めた祈り>

 レビュータイトルにある”深化”のここでの意味とは何か。

 魔王への進化は物語のターニングポイントでこれ以降、リムルの交遊関係のレベルと他国への影響力は格段に上がっていく。その流れの中で、テンペストはある部分で実際に”深化”することで国庫が非常に豊かになり、魔物だけでなく人も爆発的に流入、国として短期間で大発展する。

 そのあたりはシムシティなどの都市育成ゲーム感覚で楽しめたが、ファンタジーならではの発展の要因が非常に面白かった。”深化”による一石三鳥もの結果にリムルと一緒にワクワクした。また、周りから馬鹿にされていた存在に光を与える流れに感動し、その辺は原作で最も好きなところになった。

 但しそれは書籍第8巻半ば以降からのエピソード。つまりアニメは3期がないと味わえない。そのため3期制作の願いをレビュータイトルに込めた。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 13
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

リムルの静かな怒り

原作未読 全12話

転生したらスライムだった件の2期第1部です。1期から観ることをオススメします。

スライムに転生したリムルたちが作ったテンペスト王国、今回はその王国に最大の危機が訪れます。

最初はほのぼのとしたところから始まりましたが、徐々にテンペストへの敵対者たちが暗躍して、大変なことになってしまいます。

とても悲しい出来事がたくさんありましたが、そこはこの作品、最後はスッキリとして終わります。
{netabare}
異世界転生者3人は酷い性格でしたねw

ヒナタはもう少し聞く耳を持ちなさい!と観ていて思いました。

シオンの死はとても悲しかったです。リムルがシオンの亡骸と会うときの「ああそうか、俺はもう心から魔物なったんだ」が心に刺さりましたね。

その後のリムルたちは容赦なかったですね。
{/netabare}

ただ、まだ解決には至っていないことが多くあり、実際最終話は続きを思わせる終わり方でした。

凄い新キャラ{netabare}(ディアブロ){/netabare}も出てきたこともあり、夏にある第2部が楽しみですね。

OPは1期と同じくTRUEさん、EDはSTEREO DIVE FOUNDATIONさんが歌っています。

最後に、春期の転スラ日記を観て、夏の本編を楽しみに待っていますw

投稿 : 2024/10/26
♥ : 26
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

第2期もサクサク視聴できる、良く練られた物語①

原作未読。最終話まで視聴。

【第1期に引き続いて優しい物語】
{netabare}第1期に引き続き、主人公が攻められる側という所が面白いです。
主人公一行が、周囲の国々に攻め込むことはない。
主人公一行は、いつも降りかかる火の粉を払うだけ。
その結果として、仲間を増やし、レベルアップしていく。

こんな優しい物語なので、サクサクと視聴できます。{/netabare}

【賛否の分かれる戦場での大虐殺】
{netabare}仲間たちを蘇生させるためとはいえ、人間を1万人も大虐殺しちゃうのは賛否分かれちゃいそうですね。
オーバーロードでも”大虐殺”は賛否分かれましたからね。
この作品の場合、ここに至る過程で、人間のクソっぷりが強調されていたので、個人的には、全く不快感なく視聴出来ました。
このあたりの物語もしっかり練られていて、好感度高いです。{/netabare}

第2期後半も、とても楽しみにしています!

投稿 : 2024/10/26
♥ : 33

69.0 4 2021年度のファンタジーアニメランキング4位
精霊幻想記(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (309)
987人が棚に入れました
前世と現世が交錯――二つの記憶を持つ少年が運命に立ち向かう!!幼い頃、母を殺され孤児となったリオはスラム街で必死に生きていた。ある日、幼馴染との再会を夢見て事故死した《天川春人の記憶》と《強大な魔力》がリオの中で覚醒し、剣と魔法の異世界に転生していたのだと気づく。さらに、偶然出くわした王女誘拐事件の解決に貢献したことで、貴族の子女が集う名門学院に入学することに……。階級社会の最底辺から這い上がるリオは、出会いと別れを重ねながら過酷な運命を打ち砕いてゆく。

声優・キャラクター
松岡禎丞、諏訪彩花、藤田茜、桑原由気、楠木ともり、原田彩楓、鈴代紗弓、本渡楓、金子彩花、浜田賢二、田丸篤志、遊佐浩二、東山奈央、新田ひより、首藤志奈、西明日香

U-yan さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

松岡さんにピッタリなストーリー&キャラ設定!

SAOを観た人ならわかると思いますが、これぞ松岡さん!と思いました。
キリトと被るのは仕方ないと思うけど、ストーリーは別物なので文句はありません。転生、最強、ハーレム、萌えキャラが好きな方にはお勧めです。最終話の終わり方はとても気になります。最終話まで観た人は間違いなく2期を期待していると思います。上からで申し訳ないのですが、円盤売り上げ等は関係なく、あのような終わり方をしたからには2期も必ず制作して欲しい!!!

追記

2期制作決定発表ありましたね!うれしいっす!

さらに追記

2023.3月
何故かもう一度観たくなって視聴。
この手のアニメの中では1番好きかもです。
やっぱキャラデザがいいからかな。
動きがもっと良ければ作画は4.5にするくらいです。
あと再視聴したら音楽が良い事に気付きました。
ラストの衝撃の再会からどういう展開になるんだろ~。
2期が待ち遠しいです。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 7

大重 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

とてもちゃんとした異世界転生物。ちゃんとしていて普通に面白いです。

私、本来は異世界転生ものって大好物なんですよ。

ところがなろう系のせいで、なんか普通じゃない異世界転生ものが流行りすぎているんですよね。
・主人公が全く苦労も苦戦も何もしない無味乾燥な話
・主人公がやれやれ系で全く感情移入できない
・面白みもひねりもなにもないチート最強能力
・ヒロインが魅力が全くなく、ただ主人公を賛美し続ける
といった、私にとって全く面白いとも魅力的だとも思えない要素で味付けされた異世界転生ものが多すぎて、異世界転生もの自体が嫌になりかけてしまいます。

もちろんそうじゃない転生ものもいくらでもあるわけで、なろうでも無職転生とかね。全部を嫌いになるのは早計過ぎるわけですが。

本作も、そうじゃない異世界転生ものですね。いや、それが普通なのですが。
主人公は普通に苦難にあいます。
そのままでは死んでしまう絶体絶命のピンチでチート能力に目覚めるなら、応援もできます。目覚めなきゃ死にますからね。
ちゃんと事前に魔力の才能がある、と伏線も貼っているので、事前に期待もできる。こういうのは物語作りとしてちゃんとしていると思います。

ヒロイン達も優しそうな人、性格が悪そうな人、色々揃っていて今後が面白くなりそう。
というわけで、これで良いんだよ、と言いたくなる、私が好きな異世界転生ものです。
作画も良いですし、これは視聴継続。先がとても楽しみです。

全話感想
1話感想に書いた通りですがとても素直な作りで楽しめました。
別にテンプレチートものではあるのですがちゃんと最低限のピンチがあるだけでちょっと違うのですよね。
まあ中盤以降はチートっぷりが激しくなって周りが対抗できなくなってしまい、面白さが減っていきましたが…。
でもヒロイン達はそれぞれに可愛かったので。
内容的には全く終わっていないですが、2期をやる気はあるのでしょうか。
ゲームが人気が出れば続くのでしょうかね。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

前世と現世が交錯する――異世界転生ファンタジー

この作品の原作は未読です。
主人公のCVが松岡さんで、藤田茜さん、桑原由気さん、楠木ともりさん、原田彩楓さん、鈴代紗弓さん、本渡楓さん、金子彩花さん、奈央ぼう、西明日香さんという強力な布陣を見たら気にもなりますよね^^


前世と現世が交錯——二つの記憶を持つ少年が運命に立ち向かう!!

幼い頃、母を殺され孤児となったリオはスラム街で必死に生きていた。

ある日、幼馴染との再会を夢見て事故死した
《天川春人の記憶》と《強大な魔力》がリオの中で覚醒し、
剣と魔法の異世界に転生していたのだと気づく。

さらに、偶然出くわした王女誘拐事件の解決に貢献したことで、
貴族の子女が集う名門学院に入学することに……。

階級社会の最底辺から這い上がるリオは、
出会いと別れを重ねながら過酷な運命を打ち砕いてゆく。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思うこと…
まず松岡さんの演技…まんまSAOのキリトの様に思えたのは私だけでしょうか^^;?
別に嫌な訳じゃありませんでしたが、気になってしまいました。

キリトに思えたもう一つの理由…
この作品もリオを中心としたハーレム構成がちゃんと出来上がっていたこと…
旅先で立ち寄ったところの美少女を次々と陥れていくところなんでそっくりじゃありませんか。
リオにその気がないのに、いつの間にかその構図が出来上がっているところとか、羨ましい限りなんですけどっ…

この作品はどのヒロインを推して視聴するかで評価が変わりそうなんですけど、今回はそれぞれのキャラがそこまで深掘りされませんでしたね。
もう少し尺をとってそれぞれのヒロインを掘り下げていくと、もっと違った魅力が見えてきそうですね^^

wikiをチラ見して知りましたが、本作品のメインヒロインは藤田茜さん演じるセリア・クレール、楠木ともりさん演じるラティーファ、そして原田彩楓さん演じる綾瀬 美春の3人なんだそうです。
綾瀬 美春は最終話で少し顔を見せただけですので、主人公争奪戦は未だ序盤といったところなんでしょうね。

そう言えば友人も言っていましたが、最終話の終わり方がムッチャ気になる感じでしたよね。
東京リベンジャーズの終わり方とそっくりではありませんか…
巷の噂によると東京リベンジャーズの2期は可能性が高いとのことでしたが、ネットをググってみると続編の可能性が結構高いと記載されている記事をいくつか目にすることができました。
そうですよね…ここじゃ終われないですよね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、高野麻里佳さんによる「New story」
エンディングテーマは、大西亜玖璃さんによる「Elder flower」
どちらも通勤中に聞いている楽曲です。
個人的にはオープニングのC/Wの「さよなら星空」も大好きな楽曲でした。

1クール全12話の物語でした。
個人的には毎週の視聴を楽しみにしていた作品でした。
続編制作の発表を楽しみに待ちたいと思います。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/10/26
♥ : 14

89.2 5 2021年度のファンタジーアニメランキング5位
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (748)
3243人が棚に入れました
「俺は、この異世界で本気だす!」34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックに轢かれ命を落としてしまう。目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた!ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていく事を誓う。フィットア領転移事件で魔大陸に転移後、冒険者パーティ「デッドエンド」を結成し、魔大陸最南端の港町・ウェンポートに到着したルーデウスたち。ルーデウスは「魔界大帝キリシカ」と出会い新たな力を手に入れる。魔力災害に巻き込まれた家族や仲間の行方はー。「人生やり直し」ファンタジー、再始動!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

評価が難しい。レビューの長さがすごいので影響力は大でしょう。

22年11月 追記 本年のアニメも出そろってきた中で、私の本作に対する評価がブレブレです。

 この作品って、ひょっとしてルーデウスというキャラの意味合いというか世界観の謎解きが最後のカタルシスで、それが驚きなのか、心地いいのか、なんだろうなあと思うと現段階では過大評価な気がします。知っている人に引っ張られている気がします。

 ただ、アニメ作品として家族や恋愛、強さ、引きこもりの精神など描けている部分に見るべきものがあるのは事実だし、冒険ファンタジーとして面白いです。作画や演出などは言うに及ばずです。

 そこで皆さんのレビューをザーッと読ませてもらいました。本作は5以外ありえない的なレビューもあれば、エロやキャラの気持ち悪さ、残酷さ、ストーリーの半端さなどで途中断念の人や低評価の人もいました。その両方の気持がわかります。私もどう評価すればいいか迷います。

 ただ、気が付いたのはレビューの本数もそうですけど、1本1本のレビューが長いです。とにかく長い。良きにつけ悪きにつけ、とにかく言いたい事がいっぱいできる作品というのは間違いないと思います。
 言い換えると、人物描写が丁寧なので好悪の感情がわくくらい上手く人物のキャラ造形が出来ているということともいえます。

 心がざわつく作品はいい作品だと思いますので、4.5と言う評価、そして評価点以外の主観的な評価でも80点以上でいいのではないと思いました。思いましたが確信が持てないなあ、2期またはそれ以降で評価が上下する作品だと思います。

 おもしろい、おもしろくないの数を投票するサイトでも結局は、その比率よりもトータルの票数とコメント数でアニメの出来の良さが決まるようなところがあります。

 うーん。全部読もうかなあ…なろうにまだあるんでしたっけ?




以下 再視聴時のレビュー

 2期に向けて再視聴。秀作でしょう。異世界転生というカテゴリ ーを忘れて見られました。


2期に向けて再視聴中。どうも初回ですべてを拾いきるのが苦手なので、引っかかる作品は時間たってから再評価しています。2期がある前提なので説明不足は甘くみていますが、1期だけで評価するとしたらどうなんでしょうね?

12話~14話まで。

{netabare}  重大な勘違いをしていました。ロキシーの視点のパートがあるので夢オチは絶対にありえないですね。1クール目のロキシーが王子の家庭教師場面は、手紙の中の場面の説明なのでミスディレクションかと思わなくはなかったですが、最後の行方不明の掲示板のところからロキシーパートがありました。ということはルーデウスの中の人が昏睡で実は夢でした、は無いはずです。物語の構造の話なのでさすがにやらないでしょう。

 で、12話以降、分割2クールということもあり、作画は1クール目より動かしていた気がします。12話と13話の同時刻の視点の切り替えも入って、展開も凝ってきました。
 キシリカの能力を得て剣ではかなわないエリスの優位に立ってしまい、これが伏線になる感じです。キシリカの出現を予言あるいは預言したヒトガミはつまりキシリカよりは上位ということでしょう。あの空間を考えるとやっぱり世界そのものをルーデウスが作っている可能性を考えたくなりますけど。

 強さや能力、神などの超常の階層が沢山ありすぎて、すっきりしないのがいいのか悪いのかです。正直今のところ設定と仕掛けが多すぎて面倒になります。ストーリーを展開させるために、ばらまきすぎな気がします。

 獣人族のエピソードは正直丸ごとカットでもいい気がしますが、一方、冒険譚だからロードムービー的にエピソードの積み重ねでいいと言えばいいんですけど、だったら設定と登場人物の種類…竜神とかヒトガミとかラプラスとかキシリカとかその辺の種類が多すぎる気がします。
 設定の説明はもう十分頂戴したのでお腹いっぱいです。これ以上世界観や設定を広げられても…なあ。

 ルーデウスが何に向かうのか方向性に意味を付けて欲しいなあ。要するに何を我々は追うのかという視点ですね。成長は当然テーマとしてありますけど…。まあ、2クール目をじっくりみてヒントを拾ってみます。{/netabare}


15話~17話

{netabare}  さらりと7大列強という設定がまた出てきましたね。その中に龍神という単語がありました。ルーデウスの転生に関わるとヒトガミが最初に言っていたのが龍神だとすると、7大列強は俗世というかこの異世界の中の話ですよね?ヒトガミとの関係性が分かりませんが、これはどうなるんでしょうか。

 それと犬の聖獣ですね。これもこの世界に危機が訪れると現れるとか言っていた気がします。これも意味がどうなるかです。動物が出てかつ、7大なんとかがでましたね。

 例えば中国の四象のように、東‐青龍、西‐白虎、南‐朱雀(赤鳥)、北‐玄武(黒亀)みたいな対応になるんでしょうか。そうしないと世界観がゴチャゴチャすぎですね。キシリカもこの体系に組み込まれるなら随分とスッキリする気もします。1番強いのがギシンとか言っていたので音は似ている感じもあります。これらの設定が話的にまとめて出してきました。原作者がここでなにか思いついたのかもしれません。つまり世界観は恐らくこのパートで原作者の中で形になったのではないか、という気がします。

 で、親子問題ですね。ここが一番の見どころですね。1クール目でシルフィのイジメを助けたときの怒られ方に対応するルーデウスは、前世の知識で「揚げ足を取る」「マウントを取る」方式のやり方でした。今回はこれが実際に戦いにおいて父親に勝ってしまいます。この対比は面白いと思います。ただ、これは本当に父を乗り越えたイベントだったか…をちょっと考えてしまいました。

 ルーデウスの天才性と中の人のせいで、この2人は父子関係に歪みがもとからありました。そもそもルーデウスはまだパウロとよび父としてみなしているか不明なところもありました。これは微妙な部分です。妹に対しては兄としての家族愛がルーデウスからは感じるのですが、両親に対しては他人でした。

 初回見たときはオイデプスコンプレックスを父越えにより克服するイベントかとも思いましたが、今回じっくり1クールから見て、父を父として認識できていない感じです。

 また、父側の乗り越え方もまた父としての威厳というよりルーデウスの妥協に乗った結果の和解となってしまいました。ここは本当の意味でのお互いの成長だったかどうかですが、このモヤモヤした描き方からするとそこは制作者側も意識しているんでしょう。むしろ他人になった…という印象がものすごい強い場面でした。今後家族になれるのでしょうか。

 ということで2クール目の中で一番興味深いパートでした。本作は家族関係については目が離せません。

 なお、コミカル部分を出す表現のときの作者のポケットに入っているのがエロなんでしょうね。それはそれでルーデウスのキャラ付けにもなっていました。

 それと作画ですが、横顔の時の作画の唇の動き。ちゃんと輪郭線まで動いています(唇が歪んで前についていない)。1クール目もやっていましたがそう多い場面では無かったです。2クール目にはいってこの横顔の作画が増えた気がします。これは相当作画レベルの高いアニメでないと最近はやっていません(海賊王女とかやってました)。
 分割2クールは興ざめするので好きじゃないんですが、本作の2クール目の作画については効果があったと思います。{/netabare}

18話~20話

{netabare}  ロキシーのサイドが描かれました。他のキャラの扱いから言って最終はやはりロキシーエンドなのでしょうか。

 エリスはキャラとしてはルーデウスとの出会いで成長し、また、元から強かった剣術も旅の中でどんどん強くなってアイデンティティとしていっています。
 キャラ造形は非常に魅力的に描かれていますが、内面という意味では少々弱いキャラです。ツンデレのデレ状態になって以降は描写が少ない気がします。既に2クール目は一回見ているので結論はわかりますが、この結論は多分エリスについてこれ以上ルーデウスと一緒にいても描くことが無くなったんでしょうね。
 成長して強くそして更にエロくなって再登場なのは間違いないでしょうけど。肉食系っぽいですしね。

 ということでリーリャ親子が見つかったところでこの家族探しの冒険もゼニスだけとなりました。16話で思った事ですが、ゼニスを探すのは本来はパウロの役割だし、やはりルーデウスは妹たちに思い入れはあっても両親に無関心ですので、これで一区切りでしょう。
 つまりは2期はシルフィ登場…なんでしょうね。どうなっていますか。

 ということで次の展開に向けての閑話という感じでした。ルーデウスの成長とかこのパートの家族を探す、元の生活に戻る、という部分については話が進んでいます。

 1クール目の印象より面白さは2クール目の方が面白いです。エピソードの作り方がこなれた感じです。親子とか成長も描けていると思います。ロキシーのキャラも見えてきましたし。{/netabare}


最終話まで見ました。

 前見たときオルステッドの前に龍神が付くって、すっかり見落としていましたね。多分、超強敵の唐突感に拒否反応があったのかもしれません。ヒトガミと対等なんですね。で、龍神はどうも時間を超える存在っぽいですね。キシリカは魔界大帝だから、やっぱりNO1?あるいはジョーカーとか超越した存在?目の設定からいってそんな感じでしょうか。

 最後の3話はこのオルステッドへの拒否反応で過小評価していたと思います。最終話の元の世界の映像も、ルーデウスはすべてそこに持ってゆけば内面も動機も描けている、というクリーエータ側の甘えが感じられる演出がちょっと好きになれなかったせいかもしれません。

 そう、この過去映像だけで、父母への距離感がここで急に変わったような気がしました。ルーデウスの内面…立ち直りについては、映像でごまかされたような感じで、ご都合主義じゃないという気がするのは今回も同じ印象でした。あの母親の過去のイメージとか、水中や泡の描写もそうですね。母はいままでルーデウスに勇気や立ち直りのきっかけって与えてましたっけ?そこがひっかかりました。

 母親はまあ、新しい冒険のタネですから、記憶喪失とかどうしても守らなきゃいけないとかいろいろあるんでしょう。

 エリスは思っていたよりもいい描写でした。2クール通じて成長とルーデウスに対するコンプレックスは描き切れたと思います。旅に出る理由も良かったと思います。上がり3話のエリスの内面は良く描けていたと思います。
 初体験のワインを破瓜の血に見立てた演出は、まあ、婉曲ではありますが、クリエータが狙ったほど詩的ではないし、直接的でしたね。

 エリスに殴られたルーデウスとオルステッドに殴られたルイジェルドの動きが一緒だったりしてましたね。反復の演出がすきなんでしょう。

 気になったのがルーデウスはラプラスよりも魔力量が多いって言ってましたね。それとヒトガミっておっぱいある?


 で、総評すると、2期が来る前提ならかなり評価は高いです。ただ、1期だけで投げ出された状態だとなんとも微妙な終わり方でしたね。本好きの下剋上みたいにどんどんやってくれるなら、更に評価は上がるでしょう。

 1クール目にくらべて2クール目はエリスとルイジェルドの成長が継続して良く描けていて、そこに視点を向けると面白いと思います。ルーデウスに関しては父親問題や家族問題が、初回で感じたほど突っ込めていなかった印象です。最終話の中の人の過去も効果的なように見えて、思っていたよりも深さを感じられませんでした。

 ヒトガミ、キシリカ、犬の聖獣、オルステッドその他設定が思いっきり広がったので、散らかすだけ散らかしてなんじゃこりゃ?だったですね。これは今回見返しても、やっぱり最後まで見ないと、ストーリーそのものの評価は保留せざるを得ません。

 ということで、かなりの秀作だと思います。が、この段階では名作認定はできないかなと思います。この23話ではまだやり散らかしていて、とりあえずの区切りも見せていませんし。さすがにせめてテーマ、謎の畳み方、キャラ達の成長の結果、世界観の全体像などなどが見えないと名作かどうかは評価できないと思います。

 そうはいっても話として23話かけてルーデウスの成長だけでなく周囲の人間の変化も描けていて、中身もあったし面白かったと思います。
 それと「異世界転生」というカテゴリーとしてのマイナスを初回より全く意識しないで見られたのは、物語の組み立てがしっかりしているからだと思いました。

 作画がいいのはもちろんですが、本作はOPの尺の使い方や演出、背景美術やエフェクト・撮影などの画面作りに感心しました。

 

 アニメってリアルタイムの楽しみもありますけど、時間をおいて再視聴して、じっくり見る方が良く見えてくる部分がありますね。


 音楽は点数調整です。さすがに4.5以下にはできないかな、とは思います。

 初回のレビューは長くなりましたので消しました。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 55

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

真摯な異世界転生

<2021/11/17 初投稿>
原作未読。
前期同様リアタイで視聴してます。

相変わらずアニメーションのレベル高いっすねぇ
それだけで見る価値あろうというものですが。
もちろんそれだけではない。

というわけで今回改めて思ったことを少し書いてみます。

なろう系異世界転生モノの原点であり原典というべき本作。
ここまで視てコンセプトがはっきりしてるように感じられてきました。

それは
「前世で生き方をしくじった主人公が、
しくじりと真正面から向き合い、
異世界で授かった新しい生で同じ轍を踏まないよう
真摯に生きる」
というもの

そのしくじりは普通なら直視できないようなあまりに痛々しい、情けない自分。

「◯◯は死んでも治らない」とは言いますが、
「死んで生まれ変わったらやり直せた!」
と最後言えるような物語なのではと。

人生に絶望した人が本当に人生をやり直そうとしたらこうなるのか、と思えるような。
そうしたテーマに真摯に取り組んで生まれた作品なのかもですね。

<2021/11/30 追記>
20話爆笑しました。
せっかく16〜18話で感動したのに
俺の感動返せ 笑

そして今日のYahoo!ニュースに
「<無職転生>ロキシーのフィギュアがフィギュア化」
って記事が!
「フィギュアがフィギュア化」ってこれまたメタなw
やはり腕は3本あるんだろうか?w

<2021/12/21 追記>
最終回まで見終えました。
良いラストでしたね。
3期が見たくなる。

物語の楽しみ方には大きく三つあると思います。
一つは登場人物に感情移入していく
二つ目は俯瞰的に見る
三つ目は感情移入と俯瞰をなんとなく使い分けながら見る

でも結局俯瞰だけ、ということは少なく、大なり小なり誰かに気持ちを入れ込んで見ていくことが多いと思います。
全く誰にも感情移入しないのは難しい。
つまり一か三。

本作の場合、やはりルーデンスになったつもりで見ていくのが王道。
そこで問題は前世の男。
ルーデンスになった気持ちで見ていくと突然この男が現れる。
まるで自分の嫌な過去を見せられたような気分になる人もいるのではないでしょうか。
そう思わせてしまうってことは、それだけ上手く作品を創り上げてるってことなんですが。
でも、自分の嫌なとこ見せられたような錯覚を覚え、これに我慢できない人はこの作品を生理的に受け付けられなくなるかも。

なんてことを考えてしまいました。

ざっくり言えば、嫌なことに正面切って向き合ってますよね。
私は本作のそういうとこ好きなんですけど。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 70
ネタバレ

ゆーな さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

面白いアニメって言いたいのに主人公が変態すぎてこまる

二期になってもとっても面白くて毎週楽しみにしてました\(^▽^\)
またまたいいとこで終わっちゃいましたね(´・ω・`)

各話に盛り上がるところと、先が気になるところがちりばめられていて、いつも面白い( v ̄▽ ̄)
ロキシーがかわいくてかわいくてちょっとしか出番ないのがつらいけど
ルイジェルドやエリスとずっと旅してるからルイジェルドもエリスも好きになってきちゃった(*´艸`)
主人公だけじゃなく一人一人が失敗したり経験したりして学んで、成長していくのが好き☆

面白すぎて大好きだけど、1クールからずっとヘンタイなシーンがいっぱいあって、大好きなアニメって友達に紹介したいのにこまるー(/□≦、)
せめてここだけでもオススメって紹介したくてレビュー書きました☆

でもエッチなシーンが好きな人も多いだろうから、やめてなんて言えなくて
私が見なきゃいいだけだけど、面白くてやめられなくてホントこまる。。。

{netabare}
こういうとき素直に興奮して見れて楽しめる人がうらやましいなあ(-ω-;)
いあ、だってさ、主人公がパンツ頭にかぶるようなアニメを堂々と好きだなんて友達に言えないぢゃん(`□´)

ルーデンスの変態なところが気持ち悪すぎて、むりー

胸の横のほくろまで正確につくられたロキシー人形、どれだけじろじろ観察してたの?
それを脱がして観察してハァハァしてるとことかうわぁって感じでドン引き
なんであれ売ったの? 男性が買ったらああなるの想像できるよね?
自分そっくり精巧につくられたフィギュアをあんなヘンタイに所有されて、毎日じろじろ観察されるんでしょ? やだもう(/_<。)
ロキシーがかわいそう(´・ω・`)

特にヤバかったのが、ロキシーの下着盗んで御神体にしてるとこ。なにあれキモい|電柱|ヽ(_ _|||))))ウゲェェ
それから2クールで下着のいちばん汚い部分をピンポイントで匂いかいでなめてるところが本当に気持ち悪すぎて、吐きそう。
せめて持ち主のいないところでやってあげて、なんで持ち主の前でやるの?さいていー(`□´)
あんなことされたら泣いちゃうよ(/_<。)

これ見てて中学の水泳の授業の時に男子に着替え盗まれたの思い出してふるえた((((;゚Д゚))))
デリケートな話だからって言われて、着替え戻って来なかったし、犯人も男子ってことだけしか教えてもらえなくて、誰かわからない男子がこういうことしてたのかなって思うと気分悪くなった。それで同じ学校行くの嫌だったから女子校に進学することにしたのよね。
でも、女の子のいじめじゃないってわかっただけでも良かったって思ってるの。アニメとは関係ない話☆

それでも変態なとこは、お姉ちゃんと「きゃー、やだー、きもーい」って叫びながら見てたから良かったけどホント困ったのが普通のえっちなシーンはなんか生々しくて恥ずかしくなっちゃって、「きもーい」とか気軽にいえなくてちょっと気まずかった。 



シナリオの良かったとこは、2クール目は何度か転生前の姿になるシーンあって、そのたびに元の身体に嫌悪してるところあったけど、転生前に優しい言葉をかけてくれていた友達や両親の優しさに気づいていって、本当は元々気づいていたけど気づいてないふりをしていて、最終回でルーデウスが、転生前の姿で引きこもりをやめて玄関から外に出たという描写が、過去の自分の弱さを乗り越えたって感じがしていいラストだったなヽ(ω・ヽ)

{/netabare}

ヘンタイなところとエッチなところだけどうしても受け付けなかったけど、面白かったです。
2期がとっても楽しみです。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 39

77.2 6 2021年度のファンタジーアニメランキング6位
不滅のあなたへ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (438)
1621人が棚に入れました
フシは最初、地上に投げ込まれた“球"だった。持っていたのは「刺激を受けた物の姿へ変化できる能力」と「死んでも再生できる能力」。球から小石、オオカミ、そして少年へと姿を変化させていくが、赤子のように何も知らぬままさまよう。やがて出会う人々に生きる術を教えられ温かい感情を知り、人間を模して成長していくフシ。宿命の敵・ノッカーとの壮絶な闘い、大切な人との別れ…痛みに耐えながら自分の生き方を選びとり、力強く生きるフシの永遠の旅を描く。

声優・キャラクター
川島零士、引坂理絵、内田彩、愛河里花子、斎賀みつき、津田健次郎
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

フシの出会いと別れの物語

[2021.8.31]
1期見終わりました。
通してみると、やっぱりグーグー編が一番好きですね。
でも最終話もなかなか良い締め方だったと思います♪
2022年秋に2期の告知がありました。
1期はちょうど原作6巻までだったので、同じペースだと2期は原作12巻まで
で、ちょうど第1部の終わりまでになりそうです。
ここまできたら、第2部も見てみたいですねー。3期とかになるかもだけどw
最終話の感想は一番下に書きました。

[2021.4.14初投稿]
原作は、「聲の形」の大今良時さんということで読みました。現在は第二部連載中です。
手塚治虫の「火の鳥」を想起させるスケールの大きさを感じる物語で、これがマガジンで週刊連載で描かれていることに作者の凄さを感じました。

ただ、アニメ化して面白くなるかな、とちょっと不安なところもあって。
作品のテーマがぱっと見、掴みづらいので、他にも作品が沢山あって、飽きやすいアニメ視聴者にはなんだかよくわからない作品だなーと投げられちゃう可能性もあるのかなと。
好きな話はグーグー編です。

NHKでアニメ放映ということで、それなりのクォリティの作品になるのかなと思ってましたけど、期待通りの出来みたいでとりあえず嬉しいです♪
全20話みたいです。
第一部の最後までやってくれると嬉しいけど、話数的に大丈夫かちょっと不安。

お話が進んだらまた感想など追記したいと思います☆

【第1話 最後のひとり】
{netabare}レッシオオカミのジョアンがなぜあんなに離れたところで死んでしまったのかを考えてみました。
私の妄想ですけどジョアンは少年のために楽園の場所を探していたのではないかと。
その途中で足にケガをしてしまい・・と考えるとちょっとせつないですね。
「僕のこと、ずっと覚えていて」がずっしりときます。
結局あの少年の名前って不明なんだよね。{/netabare}

【第2話 おとなしくない少女】
{netabare}マーチ編が始まった。
アニメは丁寧に進めてるみたいで進行はゆっくり目っぽい。
これだと第一部の途中で終わりそう。
「それ」はマーチと出会って幸運だったと思う。
最初に自分に愛情を注いでくれる相手と出会えたんだから・{/netabare}・

【第3話 小さな進化】
{netabare}ラストのアリガトオの声、インパクトあって良かったです。{/netabare}

【第4話 大きな器】
{netabare}この作品、ひとつ残念に思うところはオッケーとかハッピーとかスケジュールとか言ってるところ。
現代が舞台ならいいんだけど、こういう世界観を大切にしてほしい作品でやられちゃうと萎えます。。
作品が軽くなっちゃう気がする。
連れてこられたヤノメから脱出するマーチたち。
そして次回・・・! {/netabare}

【第5話 共にゆく人】
{netabare}フシは「刺激」を受けて、「器」を獲得する。
そして今回も新たな「器」を獲得するんだけど、こういうのなんだかやりきれないです・・
でも、フシは出会った人や動物たちをずっと覚えててくれるんですよね。
フシの中で彼らは永遠に生き続けるのでしょう。
次回、いよいよ「敵」が現れます。
このあたりからわけわかんないって思われそうでちょっと心配。{/netabare}

【第6話 私たちの目的】
{netabare}ヤノメから一緒に逃げた老婆ピオランとの再会。
彼女はフシに言葉や知識を教える。
前半はそんな二人のやりとりやフシが成長していく様子が微笑ましいです。
後半はいよいよ「敵」が現れて物語の雰囲気も変わります。
これは賛否あるでしょうね。何このバトル?って。
次回はいよいよグーグー編が始まります!
原作読んでた時から好きな話だったので、とても楽しみです♡{/netabare}

【第7話 変わりたい少年】
{netabare}グーグーいいキャラしてますね。やっぱりグーグー編は面白いです。
グーグーもリーンも原作よりもコミカルな感じになったかな。
ピオランのアップの作画が気合入っててちょっと笑った。。
グーグーはフシの兄貴分として、フシにとって大切な存在になっていきます。
次回も楽しみです♡{/netabare}

【第11話 過去からの贈り物】
{netabare}今回の話は原作の時から好きで、アニメもうまく演出してたと思います。
夢桔梗の花から、グーグーとリーンのあの日につながっていくところ、じわっときます。
グーグー、フシ、リーン、ピオラン、酒爺。
彼らの平穏な日々がずっと続けばいいのに。
これを言ってもどうしようもないのだけど、ノッカーいらない。{/netabare}

【第20話 残響】
かなり久々の感想になりました。
というのも私ジャナンダ島編(トナリ編)があまり好きじゃなくて。。
今回のピオランの話、とても良かったですね。
フシと再開したときのピオランのとても嬉しそうな笑顔。
老いていくピオランの面倒を見続けるフシ。
二人の関係には愛情が感じられて、{netabare}最期のフシの号泣に{/netabare}ちょっとうるっときちゃいました。
1話の頃と比べると、フシの成長がとても感じられたラストでした。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 44
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『死』と『永遠』

この物語のテーマは、『死』と『永遠』なのでは?
と感じました。

出会う人が亡くなるたびに、その人の容姿を真似ることができるフシ。
そのフシが少しずつ成長していく物語。

球の頃は何も感じなかったフシ。
それがやがて、暑さ寒さを感じ
視覚や嗅覚、聴覚、触覚を感じ、
言葉を覚え、文字を覚え、生きる術を覚え、
そして心を成長させていく。

フシにかかわりをもった人たちがフシを成長させていき、やがて亡くなる。
そして新たな出会いがフシに訪れる。そしてその出会った人もまた…


人間はいつかは必ず亡くなる存在ですが、その心は永遠に受け継がれていく。
それをうたった物語なのかもしれません。

この物語の主要な人物を紹介します。


マーチ:{netabare}
マーチは大人になることを夢見ていた幼い少女。
誰よりもお話するのが好きな彼女は、フシに言葉や木の実の取り方を教えてくれました。
体こそ幼いけど、フシにとってお母さんのような人です。
だけど彼女は、自分の夢をかなえることができませんでした。
{/netabare}

グーグー:{netabare}
あらゆる運から見放されていたグーグー。
だけど彼は心根の優しい立派な少年です。

グーグーには幸せになってほしい。
私はそう願わずにはいられませんでした。

でも、フシと出会う主要な人は…。それがわかっているので悲しくて悔しくて…
グーグーは今でもフシと共に旅をしている。そう思いたいです。
{/netabare}

ビオラン:{netabare}
ビオランは罪を背負っている老婆。
いつ亡くなってもおかしくない彼女は、フシに文字を教えます。
そして年老いて死ぬということがどんなことかを、フシに身をもってわからせてあげたのです。
人間はいつか必ず命が尽きる。フシはそれを理解します。
{/netabare}

トナリ:{netabare}
小説家になることを夢見ていた彼女。
彼女は、フシにみんなで戦うことの大切さを教えます。
小説家にこそなれませんでしたが、彼女は罪人の暮らす島で島長(しまおさ)として過ごします。
彼女は、いつか再びフシに再会するかもしれません。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 59
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ツンドラの白夜の森から

イワ…ンじゃなかった石からでしたね
原作未読


アニメを観るようになって再評価したものの一つがNHK。
定評ある残酷描写が柔らかくなるかもと危惧してた『進撃の巨人』はごりごりだったし、進撃だけが聖域というわけでもなく『ヴィンランド・サガ』もごりんごりん。
『ツルネ』は京アニ大賞特別賞かなんかで鳴り物入り感があったし、大作『ピアノの森』ではガチ世界的ピアニストからの音源でした。内容評価はともかく力の入れっぷりには信用を置いてます。

 不滅のあなたへ

ここでいう“あなた”は主人公。
ざっくり概要だと、死なない主人公が人間を見送っていく物語です。と同時に見送られる側は去り際に何かを残していくという意味でこのタイトルかもしれないたっぷり全20話。

NHKアニメ班にもガイドラインあると思うんですけど、生と死をわりかし真面目に扱ってる印象です。本作もその系統。
真面目に扱ってるが故か某民放を出汁にして感動ポルノ批判をしてたりもする最近のNHK。とある民放の24時間某番組で頑張る障碍者やってる裏番組で聾唖少女の厳しい現実を活写した『聾の形』ノーカット放送をぶつけたりするぐらい不真面目を許さない社風(適当)。
その『聾の形』作者大今良時氏の原作です。ナレーションにはこれまた朝ドラナレーション士の資格を持つ津田健次郎さんが担当します。ずぶずぶやんとツッコミがないのが不思議なくらいです。


そのNHKの次に関心をひいたのが宇多田ヒカルが唄う主題歌『PINK BLOOD』。ビッグネームなのはもちろんですが、作品と歩調を合わせた主題歌は好感度高しです。

 ♪ 自分の価値も解らないまま子供でいられない ♪

歌詞より一部抜粋しとります。そんなお話になってます。

主人公について
ツダケンさんが観測をすると決めて投げ入れた“球体”の特質“刺激を受けて変化する”が唯一のルールです。そう何もないところから。それが主人公だという冒頭。どう転ぶかわかりません。
球体はそのうち自我みたいなのが芽生えたり言葉を覚えたりとアップグレードしていきます。そこに適宜ツダケンさんが球体にアドバイスらしき助け舟を渡す描写が続くことから、なんとなく親子関係に近しい間柄を基軸にした成長物語に見えなくもないのですけどあくまで

 刺激を受けて変化する“それ”の観測

であります。刺激となりうるものは何か?とどのような変化がもたらされたか?との視点を外さなければ迷子にはならないでしょう。
どうも観念的な話ですみません。
一個人の成長物語としての見方を否定したいわけではなく、環境因子がもたらす進化の物語とやや壮大な仕掛けを堪能するがごとき全20話というのを言いたい私です。
人類の起源はアフリカとなってますがそれと対極にある酷寒の地からこれまた異なる進化の過程を追ってみるのも一興。

もちろん娯楽作品であるためドラマティックなエピソードもままありますよ。 



※ネタバレ所感

■フシとゆかいな仲間たち

フシ役の川島零士さんは初主演とのことですが好演されてましたね。どんどこアップデートされてく主人公に合わせて声優として成長してったというわけではなく第1話からして引き込まれる演技をされてたと思います。

この作品のユニークなところはフシが主人公ムーブ起こしまくらずむしろ控えめで周りを囲む人たちが話を進めているところでしょうか。フシは観察者(CV津田健次郎)の観察対象でありながら、我々視聴者にとってはゆかいな仲間たちに触れるための触媒役を担ってくれてました。
例えるならネイチャーサイエンス系番組で森の中に定点カメラ置いて場合によっては数か月単位で計測してレア動物の生態を探る的なアレです。

そこを通り過ぎる人たち↓
{netabare}・ニナンナとヤノメ
 マーチ:生贄にされそうだった幼女
 パロナ:マーチを気にかけてた戦闘力高めな少女
 ハヤセ:大国からの使者で後にフシをストーキング
 ビオラン:婆さん
・タクナハ
 グーグー:仮面被った不遇の少年
・ジャナンダ島
 トナリ:褐色の不遇の少女{/netabare}

{netabare}最終回まできて初めてフシが寿命による人間の死を知ることとなるのがなによりの驚き。殺されない=死なない…ってフシは思いこんでましたね。
フシに変化をもたらす“刺激”とやらがこれまで不幸一辺倒だっただけに

 「お前の夢は何だ?フシ。ワシみたいにやりたいことをやれ!」

未来を見据えたメッセージを最後にもってくるとこがよかったです。2期決定の報もあり新たな角度からフシの変化の旅に随伴できることが楽しみです。{/netabare}

今よりも自身を大切にできるのかどうなのか含みを持たせたヒッキーの歌詞も響きます。

{netabare}「私の価値がわからないような人に大事にされても無駄」
「自分のためにならないような努力はやめた方がいいわ」
「誰にも見せなくてもキレイなものはキレイ」{/netabare}


■不死を巡る思惑たち

不死身や不老不死に向き合うにあたってちょっと不思議に思ったことがありました。

{netabare}誰もこのチートスキルを自分のものとしようとしないのよね。ハヤセだって自らを不老不死にしようとしてなかったと思える。この後どうなるかはわからんけど今のところそうである。
不老不死を個性の一つくらいの感覚で受け入れてる世界観。これこそ真の多様性の受容かと思います。
始皇帝や徐福みたいにエターナルパワー獲得が目的じゃないところが極めて日本らしい。
島では「とりあえず不死身だからお前行っとけ」とならずに子供が身を挺す。
なんなら貨幣をささっと作り出すこともできるだろうにそれもしない。

ある意味それを突破しそうなのがハヤセだっただけに2期の注目点ですね。{netabare}※最終回にちらっとご存命カットあったような…{/netabare}
彼女もともと生贄制度も鼻で笑ってるなど信仰心に乏しく、それが尋常ならざるフシと出会ってしまってそこにある種の“神”を見出しちゃったんでしょうね。カルトにハマる過程と酷似してますがいかんせん教祖はいない。ピュアな信仰心で抱く“畏怖の念”と“帰依(執着)”の感情を自分なりに消化しようとしてこじれてあんな風になったのだと理解しております。

思いのほかハヤセへの言及が長くなりましたが、物言わぬノッカーの存在も示唆に富むと思いますよ。
不老不死/不死身なんてこの地球見回してもあまりにも異質。この星の白血球やキラーT細胞みたいな設定だったとしても驚きはしません。{/netabare}



視聴時期:2021年4月~8月 リアタイ視聴

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2021.09.05 初稿

投稿 : 2024/10/26
♥ : 40

80.1 7 2021年度のファンタジーアニメランキング7位
Re:ゼロから始める異世界生活 2nd season 後半クール(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (546)
2420人が棚に入れました
俺が必ず、お前を救ってみせる。コンビニからの帰り道、突如として異世界へと召喚されてしまった少年・菜月昴。頼れるものなど何一つない異 世界で、無力な少年が手にした唯一の力……それは死して時間を巻き戻す《死に戻り》の力だった。幾多の死を 繰り返しながら、辛い決別を乗り越え、ようやく訪れた最愛の少女との再会も束の間、少年を襲う無慈悲な現実 と想像を絶する危機。大切な人たちを守るため、そして確かにあったかけがえのない時間を取り戻すため、少年 は再び絶望に抗い、過酷な運命に立ち向かっていく。

声優・キャラクター
小林裕介、高橋李依、内山夕実、水瀬いのり、村川梨衣、新井里美、子安武人、岡本信彦、天﨑滉平、名塚佳織、高野麻里佳、田中あいみ、能登麻美子、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今日も元気にレム睡眠

ナンバリングは#39 - #50と続きもんです。分割2期の後半に該当することもあってここでいったん区切りつけますね~な全12話。
地上波の録画での視聴で気づいたこと。30分の尺をぱんぱんに使ってる説が濃厚です。CMが少ない気がします。なんならOPも削ってストーリー用の時間を確保してるかのようでした。
あいかわらずレム睡眠中ということになるので物語そのものはノンレムで進行しますよって…んっ!?

言えることは2つ

 ・劇場版観ておいて良かった
 ・よく理解できなかったけど面白かった

前者:たまたまエミリアたんの過去をモチーフにした『氷結の絆』を観てたわけですが、今回は彼女が過去に向き合うお話。キチンと劇場版でのネタが良い意味でフラッシュバックしてくれました。もうひとつの劇場版『Memory snow』は未見です。
後者:「あれ!?どんな話だったっけ?」「なんでこんなこと言ってるんだろう?」が頻発しました。拒絶感が出てきてもおかしくないのに不思議と平気。よく理解できなかった理由は悪い意味で原作準拠と想定。行間をだいぶ省いてたのだと思います。それでも面白いと感じた理由はわりとはっきりしていて“一区切りつけたから”に他なりません。その結論に至るまでの大きな流れにブレがないので迷子にならずにすみました。


前半終了時点での着目点はこうでした↓

{netabare}・“暴食”の大罪司教ライに名前と記憶を食われたレムと記憶を食われたクルシュ
・強欲の魔女エキドナの試練(エミリア?orスバル?)
・精神壊れたエミリアたん
・【重要】エルザとメィリィの屋敷襲撃
・【重要】多兎の聖域襲撃
・亜人ガーフィールの暴走
・ベアトリスの契約
・とにかくロズワールがイラッとするわ{/netabare}

なんかしら結論が欲しかったのが8つありました。結果はそれら8つのうち1個目以外の7つが解消。大きな流れがブレてないよねと言ったのはこういった理由からでございます。これからの方は一気に2クール駆け抜けるでしょうがリアタイ組は余裕あればおさらい推奨です。

2期は制作側も冒険でした。1期で確立した作品の強みをあえて隠してますから。それはなにか?

 1.レム不在
 2.死に戻らない(後半2クール目)

職場にもレムのフィギュア持ってる強者がいます。あにこれの中でしたら「○○かわいい」頻繁に飛び交ってますが、こうして身近に嫁認定してるのがいるくらいには強烈な魅力を放つキャラクターです。客観的に4番エース不在でウケるのか?は不透明でした。
そして“死に戻るスバルの苦悩”。安易な死に戻りを是としないことをついに決意したナツキ・スバルが

 シュタインズゲート(仮)に辿りつけるか?

リセットせず最適解を手繰り寄せる最難関ミッションに取り組む2期後半です。タイムリープ風な楽しみ方のあった作品の視点の置きどころを変化させてなおそれを上回る魅力を提示可能かは不透明でした。
結果、レム不在や死に戻りのない展開はかえって良かったんじゃないかしら?と感じます。
エミリアに集中できて彼女の魅力も1期より引き出せてたと思いますし、エルザの屋敷襲撃と多兎の聖域襲撃を同時に防ぐ無理ゲーをどうクリアするかの謎解き要素も“リセット不可”縛りで面白みが増したと思われます。
だからこそよくわからんかった自分の理解力の無さを嘆いております。

{netabare}・エミリアの母って?
・ミネルヴァ(憤怒の魔女)なんかエミリアに思い入れありそう
・ペテルギウス えっ!? ペテルギウス???
・ベアトリスとロズワールの『先生』はエキドナでよい?
・虚飾の魔女パンドラさんってことでいいんですかね?7つに入ってないですけど…
・↑彼女時間操作できる能力っぽいからスバルの死に戻りの鍵になるのかしら?
・そもそも封印のメリデメがよくわかってないぞ
他にもスルーしてて気づかないの多々と思われる{/netabare}

あまりにも散漫となるのでここまで。
どこかで再度覗いてみよう。原作読めばいいんでしょうがなかなかそこまで辿りつかないんですよね。



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ

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2021.04.18 初稿
2022.01.28 修正

投稿 : 2024/10/26
♥ : 41
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

残機0のバルスと強情な猛者たち

【紹介】
2期後半戦ということで、1期と2期前半戦は必ず視聴しましょう。できれば劇場版も視聴しているとなおよいですね。

【シナリオ】
2期の後半戦。増えすぎてあちこちに散らばった伏線を一気に回収してきましたね。それとともに各キャラの過去の話をたっぷり時間かけて見せてきました。キャラクターに深みが出てとても良かったです。
ちょっと本編からの脱線が長すぎる気はしましたが。

【ちょっと残念だったこと】
{netabare}
エルザ、ロズワール、ガーフィールの行動原理が思っていた以上にしょうもなくて残念。3人とも生き方にリアリティがなさすぎる。
彼らのしょうもないこだわりがなければもうちょっと2期はすっきりして見やすかったと思う。
あとは怠惰司教が狂ったいきさつも意味不明だった。確かに同情はするが、ああはならんでしょ。
{/netabare}

【作画や音楽など】
作画、音楽、キャラ、声優、どれにおいても相変わらず素晴らしい。
テーマソングはどれも良曲ですね。Belive in you、Door。特にいい曲です。
綺麗に丁寧に作っていただいてありがとうございます。

【キャラクター】
キャラクターとしては、相変わらずエミリア推しです。

【総評】
相変わらずくどいところがたまにきずだけど、面白かった。
まだまだ謎は多く残されています。この壮大な物語の行く末を、最後まで見届けたい。


【ネタバレあり感想】
{netabare}

今までさんざんたくさん苦しんでもがいて、耐えて苦しんで、泣いてのたうち回ったことが、そうやって集めた欠片が、どうやってスバルや周りのみんなを幸せなルートに導くのか?

まるまる一クール使ってまったく話が先に進まないという前代未聞の手法を用いた前半戦。人によっては退屈で投げ出した人もいるでしょう。
それでも付き合い続けた視聴者に対する、ご褒美とでもいうのでしょうか?

すべてがうまくいく世界線にたどり着くためとは言え、スバルは失敗した世界を放棄することに慣れていきました。
ところが、スバルが捨てた世界に生きたエミリア達にとってはそれが唯一の世界線。どうせやり直すからと言って命知らずな行動をとるスバルは周りのみんなの気持ちを無視していると、魔女は指摘する。

そして後半は、これが最後だと腹をくくって一つ一つに全力でぶつかりました。
材料がそろったからこそ言えるセリフではありますが、やはり一度しかない人生だからこそ人は輝けるということなのでしょうか。
無限増殖で残機∞にしたゲームで人の心は動かせない。

これまで丁寧に垣間見せて来た欠片が、2期の後半戦で一気に結合しましたね。
エミリア達の抱えた苦しみ、乗り越えた悲しみ、それらを乗り越えてきた心のよりどころ、それは、それぞれの愛の形。

一生懸命頑張ると美少女の膝枕というご褒美があるから、バルスも頑張らないとバチが当たるよね。
ラム様の場合はさらに罵りと暴力という追加のご褒美つき。バルスには勿体ない。


{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 35

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

毎度おなじみの三大魔獣(大兎)

本作放送の直前に1期目の新編集版が放送されるといった配慮はあったものの、2期目から新規で観る人のことはまったく考えていないので本作視聴の前には1期目を観ておくべきです。もちろん2期目の前半クールも観終わっていないと本作は意味不明です。

ということでまだの人はここでさようなら…。


1期目は白鯨戦で綺麗に終わって、2期目の前半クールはその高揚感からの突き落とし展開で、分割2クールならそれらしく作られているかと言えばそんなこともなく単純に話数で前半と後半に分けられ、そして始まった2期目の後半クールがこちらとなります。

前半クール、あるいは既に1期目からも本作ではOP/ED主題歌が流れる頻度が他作品よりも少ない傾向がありましたが、この第2期後半クールに至ってはOP/ED主題歌ともにほとんど流れることはありませんでしたね。

そして地上波放送枠の都合などお構いなしのCM無しで29分間ぶっ通しなのが当たり前という、テレビ放送作品としては異例な構成で作られていました。

これだけ尺を使いながら中々ストーリーが進行しないこの2期目後半クールでしたが、終盤ではストーリー進行が一気に加速して放送前の期待にある程度沿った最終話を迎えることができたと思います。

1期目の白鯨同様、今期も三大魔獣の一角である大兎との戦闘はありましたし、人物的な掘り下げとしてはメインヒロインと目されるエミリア、王選でエミリア陣営の重鎮であるロズワール、聖域を作った魔女エキドナ、聖域の管理をしているリューズさん、禁書庫に閉じこもり出てこないベアトリスといった面々にフォーカスが当たっていました。

またBD/DVDのテレビCMでスバルに「何で」と言われながらもしゃしゃり出るオットーも、それに見合った大活躍をしていました。

エミリアを付け狙うエルザの再登場とそれに付き従うメィリィ、彼女たちとの戦闘も本作の特に終盤を盛り上げてくれましたね。

ロズワールに関する疑惑と、それに伴う王選での陣営の亀裂にまつわる第2期でしたが、3期目への期待をつなぐ形で穏当に終えることができたのではないでしょうか。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 28

72.4 8 2021年度のファンタジーアニメランキング8位
月が導く異世界道中(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (342)
1139人が棚に入れました
平凡な高校生だった深澄 真は、とある事情により“勇者"として異世界へ召喚された。しかしその世界の女神に「顔が不細工」と罵られ、“勇者"の称号を即剥奪、最果ての荒野に飛ばされてしまう。荒野を彷徨う真が出会うのは、竜に蜘蛛、オークやドワーフ…様々な人ならざる種族。元の世界との環境の違いから、魔術や戦闘においては常識外な力を発揮する真は、様々な出会いを経て、この世界でどう生き抜くのか…… 神と人族から見捨てられた男の異世界世直しファンタジー開幕!

声優・キャラクター
花江夏樹、佐倉綾音、鬼頭明里
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みにくい白鳥の子

(2021.5.2初投稿, 2021.9.24更新)

 ◎ 略称『ツキミチ』1クール全12話
  ※ 最終話後、第2期制作発表あり。

🌕 ❰全話試聴して❱
{netabare}
 本作は原作ファンとして今期の期待作のひとつだった。ゆえに期待を込めてアニメ評価は最初はオール4.5からスタートして視聴中に修正。最終的には、原作を100点とするなら80点の満足度でとても楽しかった。

 主人公と従者達を主軸にして話の寄り道をせず、キャラの登場を制限したことが吉となったと思う。コメディ演出でライトな作風だったことも結果的によかった。作画は彩り豊かな亜空風景が印象深い。とりわけ優秀な作画という訳でもないが、作風との相性が良く、見せ場に相応のリソースが割けていたので不満は全くない。

 最終話後に2期制作も発表されて頼もしい。2期で主人公は、人と魔族との戦争にどのように対応していくのか。主人公とある意味同じ立場の新キャラ2名が、主人公とどう関わるのか。

 1期は原作にあった上記の新キャラに纏わるサイドストーリーは潔くカットされた。それを2期に持って来ることは間違いないだろう。そこに構成の妙を感じる。1期が亜空建国が主軸なら、2期は主人公の亜空外での商売上の人間ドラマが主軸に、と色合いが明確になりそう。

 必ずしも原作通りに進むとは限らないだろう。場合によっては、1期では省略された豪商レンブラントの真実の深堀りも描かれるかもしれない。2期が実に楽しみだ。
{/netabare}

以下、放送前投稿 (2021.9.23推敲)
{netabare}
 原作は、2012年2月から2016年8月迄『小説家になろう』にて連載された。現在、なろうアカウントは無くなった。

 2013年5月からアルファポリスより書籍が刊行。2021年7月時点で既刊17巻(本編16巻+番外編1巻)、コミカライズ既刊9巻。2021年4月時点でシリーズ累計発行部数170万部突破、アニメ放送直前には200万部突破と勢いある作品。

 アルファポリスサイトで無料で読める小説は、書籍のダイジェスト版。漫画は最新の一部のエピソードは無料で読めるよう。

 本作は2020年10月に「2021年アニメ放送決定」のニュースがあった。それがきっかけでコミックを読み始め非常に気に入った。その後ラノベも読み始め現在2周目突入中。

 2021年4月28日、昨秋の特報に次ぐPVが公開され、そこで本作が同年7月放送開始と初めて告知された。

 同時期放送作には、大好きなラノベ原作異世界ファンタジー作品が多い。本作以外では、「はめふら2期」「転スラ2期第2部」「現国」「精霊幻想記」と合計5作品もある。個人的にアニメに費やす時間がますます増えそうだ。

 上記の中では最も遅い告知となった本作、PVを視聴してお笑いの真打ち登場の感。キャストが豪華で皆さんの演技が楽しそう。PV最後の劇伴がツボだった。以上の中でコメディ要素は「はめふら」といい勝負だろう。日本神道の神様が登場したり、日本の時代劇かぶれの主人公の配下がいたり、と他作品とは一味違った日本推しがなかなかユニーク。

 監督は『ログ·ホライズン』『FAIRY TAIL』などの長期シリーズが代表作の石平信司氏。ファンタジーにコメディを馴染ませ長期人気を保った実績がある。本作でも期待している。
{/netabare}

❰主人公について❱
{netabare}
 17歳の高校2年生の深澄 真(みすみ まこと)は、両親と神との昔の契約で理不尽にも勇者として片道切符で異世界に召喚させられた。

 彼は異世界では日本での年格好のまま。配下の多いカリスマ最強主人公となるが、飾らない人柄で天然。だが、ある事情で勇者にはならなかった。それでも異世界での彼の魔力量が人外。戦闘力もチート。さらに周りの助力も大きく、商材にも恵まれ彼の立ち上げた商会はどんどん大きな存在となる。彼はその甲斐性と性格の良さから、ハーレムも可能なほどの財力と地位をじわじわ築くがその気が全くなく特定の異性との色恋とも無縁。

 そんな所は転スラのリムルによく似ている。但し容姿が日本基準では平均、本作の異世界基準ではブサイクという設定で、人型時の美形なリムルより親近感がある。

 個人的に真に魅力を感じるのは、弓道で一芸に秀でている所。所属していた高校の弓道部では彼は副部長だった。弓道の才能以外は全てにおいて平均的だが、地道な努力家で面倒見も良く彼を慕う美人の部員が二名いた。しかし鈍感で恋愛には不器用。女性から告白されてもギクシャクするのが関の山。弓道があるので恋愛優先になることはなかった。ありのままの自然体で、まだ若いのにどこか落ち着いてる彼。しかし道理や礼節を弁えない存在は、たとえそれが神様であろうと堂々と立ち向かう。そんな鷹揚な雰囲気と反骨精神を持つ主人公像が好ましい。

 弓は異世界で彼の戦闘手段として最大の武器となる。彼は召喚後も、時間があれば無心に的を射る鍛錬を欠かさず、弓道を精神修養の一貫として続けている。そこに禅定の静寂美が感じられるが、弓道ならではの魅力だろう。一芸に秀でその道を極めんとする彼。普段は一切の力みが無いが、いざという時は極限の集中力を発揮して敵を討つ彼。なかなか格好いいと思う。
{/netabare}
❰配役について❱
{netabare}
 初回は声優の配役で、シン(巴)の声に個人的にかなりミスマッチ感があったので評価を下方修正。

 美女になってからの巴の外見上の声はあやねるでも合ってるが、竜体の声は誰ともわからない下手な物真似を聴かされてる気分で失笑した。まあ竜体の声は1話以外は出番ないだろうし、アニメは原作よりギャグ主体で作風が軽い。その内に忘れて気にならなくなるかもしれないが初回はがっかりだった。

 巴は外見が美女に変化して後、ヲタクで残念な部分もある。が、本質はこの世界を管理する女神も干渉できない何千年も生きている最強の上位竜の一柱である。その賢さと強さは半端ない。原作中、マコトは巴を頼りになる兄貴のようだと表現したことがある。やはり相応の落ち着きと滲み出る風格も感じられる演技とそれに合う声を期待する。

 姉御肌感が自然に滲みでる声優に演じて貰いたかった。女性らしい声のみならず、時に男前でドスも効く声色が出せる、例えば沢城みゆき、本田貴子、田中敦子あたりの幅広い演技力ある声優が理想。

 その後、巴役の佐倉綾音の演技は田中敦子に似てる感あり。しかしまだ若い。滲みでる年輪が足りない。やはり人生経験豊かな30代半ば以上の声優演じる巴が望ましい。

 それ以外のキャスティングは概ね満足。特にハイランドオークのエマ役の早見沙織。キャラの透明でキラキラの瞳以外は早見沙織の声に全く合わない、というのがギャグとして笑える。

 2話から登場の災害の黒蜘蛛の化身の澪の声は巴ほど違和感なくていいと思う。世界的大ヒット作『鬼滅の刃』の炭治郎と禰󠄀豆子兄妹コンビがそのまま真と澪の主従コンビに。大ヒットの験担ぎか。ネタとしても悪くない。炭治郎と真はすぐに同一声優と気付くが、禰󠄀豆子と澪はキャラクターが違い過ぎて、声を聴いただけでは同じ声優とは気付きにくいと思う。共通点はどちらもかけがえのない家族であること。炭治郎と禰󠄀豆子は血縁者で家族なのは当たり前だが、巴と澪は真にとって恋愛対象でなく家族同然の関係性で愛情と信頼を深めていくから。

 また『神様になった日』の主人公とヒロインのキャストが本作の真と巴になってたが、そちらは視て無いのでインパクトゼロだった。
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}       (2021年 TOKYO MX 初放送日時)
🌑第一夜「勇者…失格」(7月7日 23:00 - 23:30)
 物語4.5→4.0, 声優4.5→3.5
{netabare}
 漫画第1巻(第一夜『勇者…失格\(^o^)/』第二夜『「世界の果て(ピリオド)」のその先で...!?』第三夜『フラグは立つか立たざるか』第四夜『おしかけドラゴン』)より

〈異世界の 水戸黄門に なり得るか〉

 原作からのバイアスが掛かったため、予想以上に大袈裟なギャグシーンの多用と軽すぎる作風に初回は馴染めず戸惑ったため評価は若干下げた。しかしもう一度視て、コメディアニメとしていい線いってると思い直した。作風にもっと馴れたらまた評価上げるかもしれない。

 一番ウケたのはEDテーマ。まさかまんまの水戸黄門...やってくれる、いいセンスだ。時代劇の勧善懲悪+ファンタジーコメディのエンタメとして割り切った方向性か。今後も石平監督の手腕に期待。

 OP映像の登場キャラでラノベ第3巻(漫画第6巻)迄をアニメ全12話で描くと予想。果たしてどうなるか楽しみ。

 原作の『ツキミチ』は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』同様、小から中の山場の積み重ねで、成り行きまかせでも主人公の強運とチート能力がじわじわと主人公の立場を引き上げる系の物語。それではアニメの1クールから2クール程度の尺では話をどこで切っても間違いなく中途半端になる。

 『ツキミチ』は主人公が三枚目であり、特に漫画版は、ギャグネタ豊富でコメディに徹底できる資質が『デスマ』以上。ならばストーリーで魅せようとするより、視聴者に「ストーリーは中途半端だったけど楽しかった」と思ってもらえれるようコメディに振り切って、キャラの魅力を耀かせた方が成功しそう。

 この初回のノリが最終的に吉となり、2期が生まれることを祈りたい。次回も非常に楽しみだ。
{/netabare}
🌘第二夜「災害の黒蜘蛛」(7月14日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第1巻(第五夜『おとぼけ侍』第六夜『「災害の黒蜘蛛』第七夜『ディープラバー🖤』)より

 いいテンポで話は進む。作風の軽さも少し馴れてきた。

〈亜空間 なつかし夢の 秘密基地〉

 本作の魅力の一つは、子供の頃に秘密基地を作って遊んだワクワク感を呼び戻してくれること。ただ秘密基地といっても亜空はスケールが違い過ぎる。

 彼の記憶にある日本の原風景がモデルの亜空は、水があり自生する自然の恵みありの全ての生き物が生活出来る1つの大地。真はその力をコントロールする事は出来ないが、規模も徐々に成長し拡大し続ける。その力を与えたのは日本神道の神様。当に天地創造の神業。

 アニメで非常に楽しみだった一つがこの彩り豊かな亜空を拝むことだった。異世界の中の異世界、この原作者の発想は素晴らしい。

 また亜空は避難(逃亡)先。この異世界で何でも好き勝手出来てしまう両刃の剣。夢がある反面、テロリスト、サイコパスや世界征服の野望ある者には絶対に渡してはいけない危険な存在と言える。そこが真のこの異世界での立位置に大きく影響していくが、それがどうなるかアニメでも楽しみだ。

〈制作に 遊び心が キラリんと〉

 水戸黄門のテーマは初回のみの特殊EDだったようで出落ちのネタだった。本作は鬼滅兄妹の声優採用など、他にも探せばネタがいくつか仕込んでるかもしれない。これは楽しみだ。
{/netabare}
🌗第三夜「ヒューマンショック」(7月21日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第2巻(第八夜『シム亜空!?』第九夜『人外大移動』第十夜『理解不能』第十一夜『ヒューマンショック』)より

〈あらすじ〉

 マコトが巴と契約した時に生まれた亜空に、マコトを領主と認め忠誠を誓う住民が一気に増えた。初めての縁あったエマを筆頭とするハイランドオーク族おおよそ100名にプラス、エルダードワーフ族たち、上位竜の巴とその眷属のミスティオリザードたち、元災害の黒蜘蛛の澪とその眷属のアルケーたちだ。

 その後、マコトは残酷な現実を受け止めざるを得なくなった。亜空の住民には崇敬に近い愛され方をされたので油断してたら、まさか同族のはずのヒューマンと呼ばれるこの世界の人類には露骨に見下され、さらには魔物認定され討伐を仕掛けられた。しかも他の言語は自由に使いこなせるのに、ヒューマンの使う共通語だけ不自由だった。読み書きと聞き取りは努力で可能になっても、発音は努力虚しく身に付かなかった。

 しかしマコトは従者と共に逞しく生きていく。天敵の女神に対し、さらに怒りを蓄積しながら。

 そしてマコト、巴、澪の三名は、諸国漫遊する豪商の息子と従者という設定で、亜空産の果物を馬車に大量に積み込み出発。初めてたどり着いた街は"絶野"と呼ばれるヒューマンの住まう最果ての地だった。

〈理不尽な 神の仕打ちに 凹む日々 心安きは 人外のみか〉

 無尽蔵な魔力が源の神レベルのチートな能力と、(異世界基準の)不細工なルックスの主人公。これくらいの絶妙なバランス感覚が原作の売れている要因の一つなのかもしれない。

 アルケイの初期移住者は原作は4名のみだが、なぜかアニメではミスティオリザード(ラノベ原作では108名)並の数になってたり、僅かなカットと流れ等の細かい違いはあれど、ここまでほぼ漫画に忠実。そのため新鮮な面白みは少なく物足りなくなってきた。が、アニメならではのネタが時折顔を覗かせ新鮮でアニメも悪くない。

 今回笑えたのはBGMがいい仕事した悪代官と廻船問屋ネタ。

 あと巴が飯抜きで荷物番となった際、原作では「お、鬼ですか若ー!!!」の台詞が、アニメでは「あーっ、鬼ですかー!」で、そこはクスッと。

 台詞をマコト1人から、花江夏樹と鬼頭明里演じるマコトと澪の2人への語りへと微妙に変更。これはネタとしてよりわかりやすくするための変更かもしれない。
{/netabare}
🌖第四夜「あとのまつり」(7月28日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第2巻(第十二夜『ざわめきの夜』第十三夜『姉妹の事情』第十四夜『あとのまつり/(^o^)\』)より

 今回は水戸黄門エンディング第二段が実に楽しい。曲調をオリジナルからよりロック寄りに、歌い手を主人公からヒロインへ、ソロからデュエットへ、と第一段と趣をがらっと変える工夫がいい。第三段をかなり期待。もしあるなら今度はどうアレンジするんだろうか。

 ここまで視聴して言えること。どうやらアニメ2話で漫画版1巻分(エピソード7話)消化、という制作の基本方針があるということ。そしてアニメは堅実で動くカラー漫画として優秀。作風の軽さも味方してテンポが実に良く、今回では水戸黄門風一件落着シーンの演出、特殊ED2などの独自ネタもあってとても楽しかった。

〈あらすじ〉

 マコトと澪が宿へ戻る途中、リノンという名の一人の少女が泣きながら接触してきた。聞けば、行方不明の姉を探してさ迷っていたという。マコトはその姉トアが弓道部後輩の長谷川と外見が瓜二つと知り、リノンの接近がたとえ罠でもこのまま放っては置けなくなった。

 そして巴が望む勧善懲悪道中の始まりは、リノンの姉の救出劇となるのだが...。

〈格さんは 当てる言の葉 核となる 街消え去りて 虚しき荒野(あれの)よ〉

 最後のマコトのアニメの台詞「バレたら隠せないし。ああっ、もうっ、日本語が変だ」が妙に心に残った。世直し道中の最初が一つの街の壊滅というトンデモなオチ。なんとなく大掛かりな舞台セットを用いる懐かしのドリフの全員集合コントを思い出した。

 アニメがギャグコメディに振り切ってるのは正解。そうでないとツッコミたくなる。

 街の破壊中、住人は関係者以外は全く出てこずぼかしてるが、状況的に巴と澪の所業は住人の大量殺戮をもたらすはず。住民の安否確認すらしないマコト。普通はシャレにならないが、おばかなギャグと思えばスルーできる。

 まあ魔物が横行してる命の軽い異世界のこと。マコトも不慮の事故としてドライに割り切って、やっちゃたものはしょうがないと、犠牲者のことはそれほど気にしてないのだろう。犠牲者はヒューマン族で、知り合い以外はマコトが大切にしたいと思える存在でもないし。

 マコトは本気出したら巴も澪も敵わないという。アニメでのマコトの実力発揮はまだまだこれからだろうがこの3名の所属する亜空は既に、この異世界唯一の核兵器保有国、と言っても問題なさそうだ。
{/netabare}
🌕第五夜「よくばり馬車の旅」(8月4日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第3巻(第十五夜『よくばり馬車の旅』第十六夜『グロリアス·ディナー』第十七夜『亜空改造計画』第十八夜『ファンキー·コート』)より

〈あらすじ〉

 マコトは"巴と澪は混ぜるな危険"と判断。巴を武者修行の名目で別行動させた。その後マコトと澪はトア姉妹と偶然救出した冒険者3名を馬車に乗せツィーゲの街を目指す。

 ひとつの街の壊滅という不祥事は魔物来襲のせいにしてごまかし、冒険者として、また商人として、マコトと従者はしたたかにその歩みを続ける。

〈異世界の 男のロマン 冒険者 旅は道連れ 友は増えゆく〉

 道中遭遇した魔物を討伐しながら進む道のり。同行冒険者の生々しい獲物の解体にドン引きしたり、憧れの漫画肉を堪能したり、場違いなほどハイテクな冒険者ギルド発行の冒険者カードに感動したり。

 マコトは、残念な外見と言葉の不自由、という欠点を抱えつつも、いつでも戻れる安全で快適な亜空があって、いざとなれば自身の底知れぬ力があって、頼れる多くの家族のような仲間もいる。

 なんだかんだあっても、マコトの異世界道中は刺激的で楽しそう。今回もアニメの原作再現度は高く安定して面白い。原作未読の方が新鮮でもっとワクワクしそうだ。
{/netabare}
🌔第六夜「ナイスミドルの憂鬱」(8月11日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第3巻(第十九夜『情に厚い人格者(ナイスミドル)の憂鬱』第二十夜『商人ギルド加入試験...!?』第二十一夜『いカニも美味!』), 漫画第4巻(第二十二夜『あの夏の記憶』)より

 今回は漫画4話分のエピソードを無駄を省くことでアニメ1話に巧くまとめていた。巴の分体の柿のつまみ食いはアニオリ。原作のどこかにあるかもしれないが少なくとも今回の漫画の該当部にはなかった。そのセンスはポイント高し。どうやら漫画では出てなくてもアニメでは毎回分体の出番を作るつもりなのかもしれない。同じくアニオリの蜃気楼都市の解説演出もグッド!

 名も無き巴分体は本作では希少の、いやかわ(癒しの可愛い)キャラ。その推しは物語上もとても大切。今後も亜空シーンでは分体を出来るだけ登場させて欲しい。

〈あらすじ〉

 まだFランクのマコトが冒険者ギルドの掲示板でたまたま見つけたSランクの依頼。それはその求める素材が手元にさえあれば特殊ランク扱いで受けられる依頼だった。たまたま自身が既に持つ魔物ルビーアイの瞳が使える。

 依頼主はツィーゲの街随一の豪商。その商会に出向き、主パトリック=レンブラントと直接面会して素材提供。泣くほど感謝されるマコト。それは依頼達成と同時に商会立ち上げの志あるマコトに強力な後ろ楯が現れた瞬間であった。

 その後商人ギルドの登録と食堂での食事も済ませ、人心地ついた後亜空に戻ったマコトに巴から緊急に念話での呼び出しがあった。

 行ってみれば巴と澪はやはり混ぜると危険だった。澪もアニメや特撮のヲタクに目覚め、仲間には相変わらず気苦労が絶えないマコトだった。

〈商人(あきんど)は 清濁飲んで 進む道 右腕無くば 叶わぬ道よ〉

 まさに人生を語る水戸黄門のテーマソング『あゝ人生に涙あり』の歌詞こそが、この世界に生きるマコトには良きバイブル。

 商人としてド素人のマコトには商会運営のノウハウを教えてくれ、後ろ楯ともなる有力者が必要だったが、運良く街一番のパトリック商会に取り入ることに半ば成功した。

 パトリックは敵も多くやり手商人なのは誰でも分かるが人格者と言えるだろうか。実は漫画では、パトリックの美化された過去の伝聞を商人ギルドの受付嬢がマコトに滔々と語る。アニメではそれをカット。マコトはその話の先入観でパトリックを評価してしまう。

 まだ17歳のマコトは人を信じやすく見る目が甘い。が、さすがな巴。普段の暴走キャラとは裏腹。大人の洞察力で何かに気付いたよう。実に頼もしいマコトの右腕だ。

 軽いコメディでも人間描写はかなりシビアなのが本作の魅力のひとつ。強欲ではないお人好しキャラはマコト以外はかなり少数派。特にヒューマン族はそのほとんどが欲望に忠実でしたたかなキャラばかり。

 鏡のように悪意には相応の反撃で応えるマコト。時に情け容赦がない。しかし彼の本質は日本人らしく平穏を愛する17歳の高校生の甘ちゃん。それを補う従者との関係性はとても魅力的に思う。アニメでは今の所戦闘力以外は悩みの種に見える澪も、きっと巴とはまた違う方向でマコトの良きサポーターに成長していくだろう。
{/netabare}
🌓第七夜「秘薬精製」(8月18日 23:00 - 23:30)
 物語4.0→3.5 キャラ4.5→4.0
{netabare}
 漫画第4巻(第二十三夜『秘薬精製』第二十四夜『今日から僕は!!』第二十五夜『世直し劇場』第二十六夜『わけありトップランカー』)より。
 [第二十七夜『二つの顔』第二十八夜『裏道の小石』はカットされ今回で4巻終了]

 原作は今回のあたりから人間の暗黒面を赤裸々にする傾向がより強くシリアスでハードな部分が今まで以上。アニメの今後はコメディ路線を守るためどうするかに注目。

〈あらすじ〉

 マコトは絶野で知り合ったレベル114のアルケミーマイスターのハザルと共にレンブラント宅を訪れる。そこでマコトはハザルの秘薬精製を見学することに。ルビーアイを主原料とするそれは呪病の特効薬。レンブラント氏の妻と二人の娘がその病で絶望的だったがその薬さえあれば助かる。

 ハザルは難なく秘薬を作りだし投薬段階へ。しかしうっかり八兵衛も真っ青のハザルにマコトの苦労は続く。が、なんとか試練を乗り越えミッション完了。

 その後マコトは帰宅途中に巴と澪に合流。すると数十人の刺客の集団来襲。巴とマコトのみで難なく刺客はほぼ全員半殺し。事情を問えばレンブラントを恨む呪術者に嵌められ誤解があっての襲撃と判明。結果マコトは彼らを全員赦すことにした。

 刺客のリーダーは冒険者トップランカーのライム・ラテ。彼は贖罪として冒険者を引退した。しかし心根に男気溢れるライムは将来に見込みありと巴に評価される。そして巴の配下となり密偵として新たな人生のスタートを切ることになった。

〈弥七殿 八兵衛殿も あらわれて 世直しごっこ まことあわれに〉

 BGMがしっかり水戸黄門してた。弥七ポジションの役者も揃い巴は楽しそう。一方の若は体を張った苦労とご老公の定番台詞の羞恥でうち震えるのみ。なんとも哀愁漂う憐れさよ。

 巴とライムとの件は、往年の人情豊かな時代劇のオマージュとして成立するほど巧く演出してたと思う。マコトの柔道による捕縛の作画もなかなか様になっててよかった。巴分体がワンカットだけだが登場したのも好い。

 ただし人間の醜い部分がクローズアップされるエピソードゆえ、コメディとしては若干の不完全燃焼感あり。巴によるレンブラントの実像暴露とその対処を原作からかなり端折った。コメディに水を差ささない程度のシリアスに収める配慮か。レンブラントの本質は原作でもマコトは知らないままなのでそれもありか。

 おかげで巴の智恵の深さと度量の大きさが原作ほど伝わらなくなってしまった。原作未読なら気にならないだろう。しかし原作知るとやむを得ないとは言え物足りない。ゆえに今回は作品評価とキャラ評価を下げた。

 今までは簡略化されることはあってもエピソードを丸々カットすることはなかったが、次回は漫画第4巻の残りの2話と第5巻の前半の4話分をすっ飛ばすのは確実。そして5巻の後半の第三十三夜からスタート。話の流れ自体は自然に繋がりスキップしても問題は全くない。だが、特に5巻の4話分(第二十九夜~第三十二夜)の扱いに関しては今後どうするか非常に気になる。
{/netabare}
🌒第八夜「亜空ランキング」(8月25日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第5巻(第三十三夜『きっかけはオーク』第三十四夜『亜空ランキング』第三十五夜『シャドウテイル·ハンター』)より

 前回は原作の大幅カットでレンブラントの実態をぼかしたことで栄養不足だったが、今回は栄養に十分配慮してる健康的なダイエットに成功してる感。カットしても先々に問題ない部分は躊躇なく原作からすっぱりと。それでも原作の持ち味をアニメで申し分なく再現していた。

〈あらすじ〉

 亜空に戻ったマコトと巴と澪にエマからの問題提議があった。亜空の戦士の戦闘訓練で参加者は完敗が続くため、マコト達との実力差に凹み自信喪失中とのこと。そこでマコトは参加者を調査した結果、訓練に関する種族間の情報交換の少なさに気付く。

 その実状から巴は対策を立てる。それは全種族参加の個人戦を七日に一度開催してランクづけすること。それはお互いの秘術をぶつけ合い切磋琢磨することが目的だった。またランクづけは戦士としての適性を見極めることができ、別の道で亜空に貢献してもよいという弱者救済策でもあった。

 その後、マコトが冒険者ギルドに赴くといつものギルド嬢から依頼があった。レベル1,000超えの巴と澪に、ライム・ラテの後継となるトップランカーを育成して欲しいと。そこでマコトは巴を派遣して顔見知りのトアのパーティを鍛えることに。そしてトア達は巴のスパルタ式の指南により、否が応でもトップランカーとして羽ばたく基礎を身に付けることになった。

〈巴こそ 師とするならば 道極む 長き年月 生きる智恵ゆえ〉

 何千年も生きてる上位竜巴は全体を見ながら的確な判断を下せる参謀にして武の最高指南役。元災害級の魔物の澪は相変わらずマイペースでマコトと食にしか関心がない。そのコンビが絶妙で面白い。

 しかし澪は今回のトマトの件がきっかけで、巴とは別の道で亜空での貢献が始まりそうだった。少しずつ亜空は発展し、その住民も成長していく。そして、適材適所で亜空はこれからますます発展していくんだろうな、と思う話だった。

 亜空が磐石な存在になるほどに、駄女神の管理する弱肉強食のハードな世界に身を置かずともマコトは人外の仲間とだけで幸せに生きて行ける。だが、いつも面倒事を引き当てるのが彼の宿命。お人好しにも亜空外との人々とも付き合い続けざるを得ない。

 毎回のマコトの川柳の心の嘆き、それは逆にどんな時も前向きな彼の器の大きさの表れ。常人は嫌なこと面倒なことが降りかかっても嘆く前に放り出すのが一般的。しかし彼は一旦関わった以上は好き嫌い関わらず最後まで責任を持つのだ。

 主人公の特技が"弓道"という設定がここで生きる。弓道で培った集中力と忍耐力で的を射た結果を最後は達成してしまうのが彼の真骨頂。常に己はニュートラルで自力も他力も自在に活用できるマコト。彼は若くて甘ちゃんに見えて実は達人かも。でなければ多くの実力者を従える彼の人望の大きさは生まれようがない。

 さて、個人的に原作で好きなキャラが今回最後に登場。次回アニメでどう描かれるか楽しみだ。今の所はアニメは別キャラ中心のサイドストーリーを挟まぬ方針のようで、主人公マコトと従者中心のエピソードが続く。原作は群像劇としての旨味もあるが、アニメも回が進めばその味わいも楽しめるだろう。ぜひアニメ第2期を制作して欲しい。

 今期は残り4話。原作とアニメそれぞれの味わいを楽しもう。
{/netabare}
🌘第九夜「喰うか喰われるか」(9月1日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第三十六夜『人外大宴会』第三十七夜『深澄神!?』第三十八夜『喰うか喰われるか』)より

 アニメでようやく登場のツッコミとボケのお笑いコンビ、スポーツ飲料アクアエリス。いつも一緒で天然ふしぎちゃんに振り回される常識人の真面目ちゃん。他の類似作品ではいそうでいないコンビ。特にエリスが好きでアニメ登場が楽しみだった。電波系の独特なキャラで原作では一人ぶっ飛んでて存在感が抜群だったが、アニメでどこまでその妙味を再現出来るか楽しみだ。

〈あらすじ〉

 ツィーゲでの商会設立の祝いの宴で盛り上がる亜空。マコトは屋外の壇上の玉座に在って住民たちとの交流を楽しんでいた。

 そこで澪の配下のアルケーのアキナから報告を受ける。万能の秘薬素材として希少種のアンブロシア。マコトは澪にその花の群生地を調査してもらっていたが、ついに見つかったとのこと。それはティナラクの森にあるという。しかし、その地にはアンブロシアを管理する種族が住んでいるらしい。

 その他にも様々な報告があったが万事順調そうで安心のマコト。その夜、彼は弓の修練に時を忘れて没頭する。するとマコトの気配の変化に慌てる巴と澪。それはマコトが死んだかのようで、巴と澪は心配のあまりマコトの側に駆けつける。

 そこで、巴の分析により衝撃の事実が判明。射に集中する度に、マコトの魔力の保有量が膨大に上がり、同時に亜空も拡張し続けると。マコトは理解不能のその事実に落ち込んだ。澪はマコトの無事に泣いた。そして巴は、もはや神業としか言い様がないマコトの力の前に、ただ笑うしかなかった。

 その後、ツィーゲでの逗留先での一騒動などもあり、マコトは澪のご機嫌取りも兼ねて、アンブロシアの群生地の視察に二人きりで向かう。その道すがら、見ず知らずのヒューマン三人の冒険者たちがマコトたちを尾行していた。マコトは界の探知で彼らは無害と判断、澪に蜘蛛の糸で足止めだけさせてとりあえず無視。そして現場に無事到着。するとそこには、アンブロシアの保護者が二人待ち構えていた。

〈亜空こそ 生きる喜び 育む大地 主(あるじ)加護満つ 寄る辺なるかな〉

 万事順調の陰にマコトあり。天地創造の神業は、マコトを貶めた駄女神でも出来ない。日本の神様がマコトの守護神だからこそ、亜空の存在とその維持も際限なく可能なのだろう。気候は穏やか。自然の恵みも豊富で、外界で食べらない種類豊富な自生の果物がある。農作物もすくすく育つ。ドワーフの生活技術が行き渡り、巴あって最高の武芸向上環境がある。当に楽園。住める民は幸せだ。

〈まちづくり 主違えど 人外の 民似てくるは 不思議なるかな〉

 『ツキミチ』マコトと亜空の住民は、たまたま同期で放送中の『転スラ』リムルとジュラ・テンペスト連邦国の住民の関係と非常に似ている。

 リムルとマコト。性格は世代設定は違えど結構似てる。だが、強さと見た目はそれぞれ独特のものがあるため意外に被る印象は少ない。とは言え、リムルは困難を乗り越える度に、その世界の生きる者の頂点を目指すかのような進化が続く。対してマコトは、自ずとその能力は世界の創造神に近づいていく。その意味ではマコトの方が突き抜けてユニークで面白い。
 
 ついでながら『ツキミチ』と『転スラ』の主人公の配下は、役割や外見上でなどで被るキャラが多いと思う。たまたまなのか意図したものかは不明なれど、キャラ被りは探すと結構沢山いて、ネタとして面白い。

 キャラ被り濃厚なのはエマとシュナ(正反対な外見はギャグか)。澪とシオン。巴は複合性強く、大賢者とヴェルドラが主成分でベニマル、ハクロウ、ソウエイの隠し味ありか。
 
 外見上もろ被りは、エルダードワーフのベレンはカイジン。ミスティオリザード上位戦士のリディはガビル。ハイランドオークの上位戦士アガレスはゲルド。そして今回登場のアルケーの進化した姿の白衣姿のミナトはベスター、修験者の法衣着用のホクトは初期のクロベエ。

 そしておそらく次回登場予定のガイコツさん。アニメ同時期で、僅か一週間の誤差で初登場の転スラのアダルマンと丸被り。よほどご縁があるようだ。

 また、アキナと転スラのハルナも、出番少なく地味ながら同じ立位置で結構似てるキャラ。本作のアキナは澪の配下で助手のアルケー、ハルナはカイジンのお手伝いでシュナに師事し織物勉強中のゴブリナ。種族や外見こそ違えど、どちらも内外共に可愛く存在感あり。

 以上、同時期放送で視聴中ということもあり、つい転スラと比較してしまったがどちらもお気に入りの作品だ。一番の共通点はどちらの作品も都市開発ゲームの魅力があり、主人公は仲間を家族として非常に大切にすることか。

 なろう発表開始時期が1年遅い転スラの方が、本作を参考にした可能性があるかもしれない。だがパクリとは思わない。設定上で多少の類似性があっても話には独自性があり、面白さに甲乙は付けられないからだ。


 さらにアニメのネタとして、マコトと転スラのユウキは同一声優であることから、穿った想像も成り立つ。例えば、リムルのライバルのユウキは、リムルのせいで世界征服の目的果たせず、宿命として死して後、無意識にマコトに生まれ変わることで、別な異世界で再び覇権に挑むってこと。

 今生は世界征服は懲り懲りのユウキの魂。それよりも、リムルを参考に権力自体には興味無く、仲間を守ること優先で周りから自然に後押しされる形で不動の地位を得ることが天命だったりして。特技は別として、マコトとユウキは外見上、小柄な黒髪日本人な所とか似てるし、そんな妄想するのも楽しい。


 ところで今回、アンブロシア(保護する種族はこの花を紅蓮華と呼ぶ)の群生地で澪を妹扱いして手を繋ぐマコト。そして次回のアニメのサブタイトル(漫画の第三十九夜と同一タイトル)。

 以上から『鬼滅の刃』思わせるもの複数浮上。本作はどんだけネタがあるのやら。もう今回の巴同様に笑うしかない。
{/netabare}
🌗第十夜「鬼の隠れ里」(9月8日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第三十九夜『鬼の隠れ里』第四十夜『嵐の前触れ』第四十一夜『しょんぼりアンデッド』)より

 この調子だと、コミカライズ第7巻の最後がアニメ今期の描く範囲になりそうだ。

〈あらすじ〉

 マコト達と、澪の蜘蛛の糸をかいくぐって付いて来たヒューマンの冒険者3名は、アンブロシアの保護者アクアエリスコンビに泥棒とみなされ攻撃を受ける。その時、澪は怒りで冷静さを欠き頼りにならず。そこで、攻撃に巻き込む危険がある冒険者達をなんとかしてもらおうと、仕方なく念話で巴に救援を要請した。

 そして足手まといな冒険者達は全員、巴により亜空内の蜃気楼都市に転送する。そこで一転、マコトと澪は反撃に。勝負は一瞬で決まり、アクアエリスを拘束して彼女たちの住む里に向かった。

 アンブロシアをヒューマンから守っていた種族は森鬼と呼ばれるエルフに似た種族。里の長老たちにアンブロシア収奪の誤解を解くため事情を話すマコト。

 とりあえず表面上は理解され歓待される流れになったが、その後、思わぬ出逢いとトラブルがマコトに降りかかることとなった。

〈出逢いには 亜空の未来 変える鍵 あると思えば 全てが吉よ〉

 マコトと亜空に起こるいろんな変化がアニメでも面白い。ただ、アニメのエリスは全体的にコメディ演出が多いためか、雰囲気に埋もれて原作ほど存在感がなかったのは少々残念だった。

 今回から登場の新キャラ、森鬼(もりおに)のモンドに大塚明夫、そして新従者のリッチは津田健次郎、と渋い声のキャスティングで少し意外だった。主役が明るいテノールで、上記二人は落ち着きと深みあるバスバリトンの声域と声質。既に登場のレンブラントの井上和彦も同類で地声はバリトン系。

 以上、若者主人公と彼を取り巻く同性の年長者は、コントラストがはっきり。キャラが絡んだ時、ハーモニーとしてとても味わい豊かだ。
{/netabare}
🌖第十一夜「さようなら」(9月15日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第6巻(第四十二夜『さようなら』)、第7巻(第四十三夜『亜空改造計画 Season 2』第四十四夜『ととさま』第四十五夜『人ではないナニカ』)、第8巻(第五十三夜『深澄真の消失』第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』)より

[上記は、第四十二夜以外は、内容の一部でもアニメで描かれたものを含む。第7巻(第四十六夜~第四十九夜)、第8巻(第五十夜、第五十一夜)は完全カット]

 予想から外れ、原作が大幅アレンジされエピソードは大胆にスキップ。アニメは最終話に相応しいドラマチックなエピソードを選択したためと思われる。

 そのため、Aパートは第四十二夜の内容がほとんどだが、Bパートはそれ以降のエピソードをかなり簡略化して、今回の最後への繋がりのため必要最低限の内容にとどめていた。アニメ最終話のサブタイトルは、漫画第四十九夜と同一だが、内容は全く違うだろう。

〈あらすじ〉

 亜空で原因不明の爆発が起こり、巴が血反吐を吐いて倒れ意識不明になった。マコトは巴の介抱は澪に任せ、新従者のリッチと共に亜空に戻ると、爆発現場は惨憺たる状況で死傷者多数。

 そこに、蜃気楼都市に招待した冒険者の生き残り一名の記憶がマコトの頭の中に流入。そのためマコトはすぐにこの惨禍の原因が冒険者達にあったことを突き止める。そして悪意と傲慢で亜空の住民を殺した冒険者の生き残りを処刑するマコト。彼は初めての自身の殺人の罪を冷静に受け入れた。が、その後感情が爆発。殺人は後悔はせずとも犠牲者の死に慟哭した。

 その後、気持ちの整理をつけたマコトは、反省し今後の蜃気楼都市の改善策を講じ、新従者を"識"と命名。そして彼を伴い学園都市ロッツガルドに、レンブラント氏の後ろ楯で自身の商会の支店設立と留学のため向かうことになった。

 ところがその道中、女神にマコトは見つかり彼は単独で見知らぬ地へ突然転送される。そしてその先で思わぬ未知の強敵に襲われることになった。

〈新しき 骨太配下 加わりて 識と歩むは 人の道かな〉

 ”識”は、元リッチでアンデッドだったが、生前はヒューマン。ヲタク趣味もない同性の求道者同士。マコトより年上だが従者の中で一番マコトと気が合いそう。

 そして人間の常識で分かり合える仲間が増えたマコト。識は、この世界で商売する上でも、実務上この上なく頼もしい存在になるだろう。

 原作者の作りだすキャラは、役割分担をよく考えた上で巧妙に配置されてると思う。

 今回はシリアス多めでコメディに徹底出来ない状況になり、マコトの心の川柳はなし。今回、亜空の王として脱皮したマコトには愚痴のような川柳は場違いだからだろう。

 今回のメインエピソードは個人的に好きな所で、Aパート全体の作画と演出は秀逸。モノクロ演出で血を強調して殺人の罪を象徴するセンスもいい。そして、原作とは違うアニメの予想外の展開は新鮮で、個人的にはこれはこれであり。果たしてどんな最終話になるのか非常に興味深くなった。

 原作未読のアニメ視聴組でこの作品が気に入った方は、ぜひ漫画版だけでも読んでアニメとの違いを味わって欲しい。原作には、より複雑な人間模様が描かれ、アニメと違う楽しみが必ずあるはずだ。

 ところで、今回初登場の新キャラのソフィアの声優は、沢城みゆきが担当。❰配役について❱で書いたが、個人的に本作では巴役のベスト筆頭は彼女。意外、まさか彼女が別の役で出演するとはびっくり。それなら、キャリア違いのギャラの差で予算が上がるかもしれないが、巴とソフィアは声優を入れ替えて欲しかった。

 そうすれば、人生と声優キャリアの差により、滲み出る風格がアップして、巴の存在感は今以上になったと思う。佐倉綾音も実力派で、田中敦子の声にやや似ている感の巴の演技は、決して悪くはない。だだ比較すると、ソフィア役の方がより相応しいと思う。
{/netabare}
🌕第十二夜 (終)「月が導く...」(9月22日 23:00 - 23:30)
{netabare}
 漫画第8巻(第五十四夜『気まぐれ女神の御使い』第五十六夜『変態頂上決戦』)、漫画第9巻(第五十七夜『青い光』第五十八夜『痛み分け、あるいは勝者なき朝』第五十九夜『おかえりなさい!』)より、AパートとBパートの冒頭迄。以降は第7巻と第8巻から最終話に相応しい部分を抽出してエピローグとして構成。

〈あらすじ〉

 マコトと対峙したのは、ヒューマンと魔族との戦争で魔族側についた冒険者最強とされる"竜殺し"ソフィア=ブルガと、巴と同じく上位竜が人の姿になった”御剣(みつるぎ)”ことランサー。そこは戦場で、彼らはマコトを女神が寄越したヒューマンの加勢とみなし問答無用に命を狙い攻撃する。

 嘗てない強敵にマコトは間一髪で攻撃を躱すが不利な戦いが続く。そこで最後にマコトは指輪による魔力の封印を全解除して反撃。結果、神業級の魔法が発動し、その威力は核攻撃か天変地異の如くとなった。そして、その大地の抉られた跡地には巨大な湖が誕生。ソフィアとランサーはかろうじて生き長らえたものの、戦場の兵士の犠牲者多数となる大災害となった。

 マコトは亜空の自室のベッドの中で目が覚めた。澪によって既に傷は跡形もなく癒やされ、再び順調な日々を取り戻す。そして、マコトが代表で識が実務補佐、新たに巴がスカウトした森鬼たちやドワーフを従業員とするクズノハ商会のツィーゲ店がオープン。マコトのヒューマンの世界での躍進がいよいよ始まった。

〈クズノハの 勢い誰も 止められぬ 国はもとより 女神だといえ〉

 ということを2期に暗示した今回、核撃級バトルアクションになかなかの見所あって面白かった。構成が絶妙で、今期の主要キャラは僅かながらでもほぼ全員登場。最終話に相応しいまとめ方だ。

 巴の分体推しが僅かでも毎回必ずあったので、コモエが登場することは想定済みだったが、いいタイミングで登場した。最後のマコトの独白と、上げて下げる心の川柳二首もセンスいい。

 ひとつ残念だったのは黄門ED第3段は無かったこと。ひそかに"識"歌唱によるそれを期待していた。来期でもあったら嬉しいが、ネタとしては賞味期限切れでさすがにそれは無いか。

 今期の第七夜から原作と構成が異なり始めた。そして最後の二話はアニメ独自の流れになったので、2期は原作とアニメの構成の多くは一致しないと思われる。今回ちょっとだけ登場した勇者二名とその仲間たちのエピソードも盛り込まれ、マコトたちがあまり登場しない回もあるはず。2期制作は既に発表済み。どんな続きが視られるのか、今から楽しみだ。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 12
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

量産型異世界物

2021/10/30 投稿

説明不要かと思いますが異世界物です。

率直に言えばB級です。それ以下とも言えるのですが
印象としてはチープ,良く言えば,手作り感がある異世界物です。
国作りなどからか,転スラと比較される事が多いように思われる本作ですが
自分の印象としてはむしろ
「魔王様、リトライ!」←自分としては印象が最も近いと感じる作品
「ありふれた職業で世界最強」
「たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語」
に近いような気がします。
有象無象の一つです,勝手に量産型異世界物と括らせてもらいます。

ここまで,全然褒めていませんが結構面白かったです。
原作が優秀なのか,割と軽く視聴できて,先が気になるので結構なハイペースで見終わりました。軽く視聴できたのは,水戸黄門を意識したらしい(あまり似ていないけど・・・)勧善懲悪を基本としたストーリーのためでしょうか。{netabare}そして,1話と何話だったかのEDはちょっと衝撃でした。{/netabare}また,もっとも惹き付けられた点は,巴と澪のキャラクターだと思います。


一方,若干違和感を感じるところもありました。

まず,エマさんのキャラクターデザイン。ちょっと気持ち悪かったです。具体的に言うと,手足と目。もっとカワイイ感じにして欲しかった。アルケーも気持ち悪かったのですが,こちらはヒューマン形態に変身したのであまり気になりませんでした。

もう一つ,気になったのがネーミングセンスの悪さ。巴と澪の名前が序盤なんか居心地が悪い気がして仕方がありませんでした。途中で慣れたけどw

総合的に言って,すごいアニメとは思えないし,良い作品とも思えないんだけど,面白かったです。面白かったので,これでいいんだと思います。
うん!これでいいのだ!!(続けて読んじゃダメ^^;)

投稿 : 2024/10/26
♥ : 21

むす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そこそこ楽しめる

異世界物。 冒険者チート+開拓物。ある程度テンプレだが主人公がやりたい放題なわけじゃないから
そこそこ楽しめる。話が進むにつれ開拓部分がおろそかになってるのが気になる。
初期設定がある程度細かく ゲーム寄りじゃないから自然。しかし細かすぎてあとから矛盾がでないか 回収できるか心配。
とくに主人公だけ不細工設定や後輩激似のキャラは偶然で済ませたらいけないし、主人公が高校生なのにあらゆるものに詳しいのも理由付けがないと不自然。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 6

65.6 9 2021年度のファンタジーアニメランキング9位
たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (321)
1232人が棚に入れました
都会から遠く遠く離れた村で暮らす少年・ロイド。軍人になる夢を抱く彼は何を隠そう「村で一番弱い男」。そんな彼が軍人を目指すことに周囲の村人は大反対。けれどもロイドの決意は固く、王都へと旅立っていきました。しかし、彼を含む村の人々はある重大な事実を知らなかったのです。自分たちがかつて世界を救った英雄の末裔で、全員が人間離れした力を持っていること。そして「村で一番弱い」ロイドも一般的には常識外れに強いことを……。身体能力バツグン! 古代魔法も完璧! 挙句の果てには家事もおまかせ! 己の強さを勘違いした村人による無自覚最強ファンタジー、ここに開幕です!

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日岡なつみ、朝日奈丸佳、津田美波、伊藤美来、山下誠一郎、斉藤壮馬、日野聡、M・A・O

うばうば さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

個人的には割と好きだった

タイトルから「あ〜どうせああいう系だろな〜」って感じで期待はせずに見始めました。

だいたいは想像通りで、しかも主人公は自分が強いことに気づいてない鈍感系と来た
「うわ〜『俺、またなんかやっちゃいました?』系はきちぃ〜、、、」と最初は思いました

しかし、作品を見ていく事に主人公の鈍感っぷりが度を超えすぎてて気づいたら笑ってみてました。
鈍感っぷりをネタにしたコメディって言えばいいんでしょうか?

私は色んな人が勘違いしたまま話が進んでいく話に凄く弱いので、この作品は私のツボにハマっていたようです笑
人に勧めるかと聞かれると、正直別に勧めるレベルでもないかな、、というレベルではありますが。
思ってたよりは面白かったです。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 2

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

見る人によって評価が大きく分かれるだろうなぁ、って作品

原作未読。最終話まで視聴。

『主人公最強系ハーレムラブコメ』
大まかにまとめるとこうなっちゃうんだろうけど、この作品はちょっと違う。

まず『主人公最強ではない』点。
主人公・ロイドはラストダンジョン前の村・コンロンでは最弱の少年(という設定)。
これでは、主人公最強とは言えない?

『ラブコメではない』点。
主人公・ロイドが純真無垢過ぎて、所謂、ラブコメとは異なる気がする。

『子供向け(?)コメディ』
子供向けだと思うと、かなり笑える作品。
私の評価は、これが一番近い気がする。
正直、かなり楽しめましたからねぇ。

出オチ感満載の本作ですが、最後までキッチリ楽しめました。
第2期こないかな?

投稿 : 2024/10/26
♥ : 20
ネタバレ

とろとろとろろ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

真冬に楽しむ冷凍庫

第2話まで見た。
{netabare}ギャグが寒い..........寒すぎる。
まるで今年の寒波に合わせたかのような瞬間冷凍アニメ。
だがそこは神が君に与えた試練だと思って忍耐で乗り切ろう。
冷え切った空気が痛いを通り越して快感に変わってきたらしめたものだ。
その先には「選ばれた者だけが導かれる悦楽の世界」への扉が見えてくるはず。
..........ということで、☆評価は畏敬の念を込めて満点にしておこうかな。
まあ俺のような凡俗には100年早かっということでさようなら(笑{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 4

66.4 10 2021年度のファンタジーアニメランキング10位
回復術士のやり直し(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.5 (458)
1118人が棚に入れました
【癒】の勇者としての素質に目覚め、勇者たちと世界を救う冒険の旅に出ることになった少年・ケヤル。しかし戦闘能力のない回復術士には、勇者たちにその能力を搾取され虐待を受ける日々が待っていた。自由と尊厳を奪われ、自我すらも失いかけたケヤルはある日、正気を取り戻し《回復》の真実に辿り着く。《回復》はただの癒やしではない。《回復》は世界を、人を、根源から揺るがす力である、と。ケヤルは世界そのものを《回復》し、四年前からすべてを“やり直す"ことを決意する。そして勇者たちへの報復に胸を躍らせるのだった……。「さあ、パーティー<復讐>のはじまりだ─」

声優・キャラクター
保住有哉、渋谷彩乃、石上静香、相川奈都姫、高森奈津美、津田美波、ふじたまみ、稲田徹

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

個人的には神アニメになってしまいました(追記あり:北米版BDを購入して)。

>3話まで視聴して
原作未読です。

1話観た段階では、単純に”なろう系作品”の過激エロ版??・・といった印象。

2話観終えた時点で、「あれっ?結構、面白くないかコレ?」って思って

3話観終えた時点で、それは確信に変わりました!。


面白いです!!。

たしかに完全にほぼエロゲなんですが、かなり良質エロゲなのでは??(詳しくないw)。
もしエロゲ版あるなら買ってもいいくらいだし
それがアニメで毎週観れるというのも、これはこれでかなりありがたい!。


個人的に何が高評価なのかというと
単純な安易なエロイベントの乱発とかではなく
登場人物たちの置かれた環境における絶望がしっかり描かれている。

渦巻く人々の悪意、裏切り、策略など
また恨み恨まれといった連鎖
人間の本質をえぐって描いているあたりなど

今、思い浮かぶのは、コードギアスやひぐらし(初期TV版)
等の要素をしっかり取り込んだ、良質エロゲ!
といったところでしょうか?。


1話2話では見えてこなかった
主要キャラ2名(主人公とフレア)も
3話の時点で、自分の中でかなり魅力的に変化してきました!。
これは話の構成が上手いのでしょうね。

フレアの中の声優さんも、素晴らしい演技されていて
魅力的な演技に感じています!。
これを機に、今後も羽ばたいていかれることでしょう。

4話以降もさらに主要キャラが増えていきそうなので、目が離せませんね!。


-------------------------------------------------
>6話まで視聴して
3話までで感じた確信はゆるぎないです!。

毎週楽しみで仕方ないですし
毎週期待を越えてくる、いろんな意味での”濃さ”が素晴らしい!!。
よくあれだけの要素を詰め込んで
なおかつ成立させていることに驚愕っ。

とにかくアニメ化スタッフ様方が、かなり優秀なのでは??。


まず、ケアルの幼い顔であの言動・・は、ホントイライラさせられますw(誉め言葉)。
それを逆手にとった展開や演出に唸ります!。

作り物?であるかもしれませんが
ケアルガでみせる表情や、おだやかな語り口調にはかなり好感^^。
(ここはケアルガの声優さん絶賛^^)
・・かと思えば1周目で受けた苦しみへの本音吐露と憎しみの感情爆発表情!。

物語の展開や重要なセリフ、キーワードなどの随所に
コードギアス感が溢れてしまってますw。

・・ここは、むしろエロ特化した同人劣化ルルーシュ?
的な楽しみ方もできてしまって、残念ながら評価は下がりません><。

下手したら、単純なパクリといわれてしまうかもですが
この物語にあわせた、新たな上手い使い方、再構成がなされてるので文句なしですね^^。


作品の3種類のバージョン違い!?
(2種は知ってたが3種あるのは今調べて知ったw)・・も見逃せません!。

・テレビ放送版
・やり直し版
・完全回復版

はい。完全回復版というネーミングセンスも秀逸ですし
テレビ放送版も、単純なただの光規制にとどまらず
どこか、のんのんびより的な素晴らしい自然の背景と
時間が止まったかのような、ゆるやかな平和な時間の流れが表現されていますw。

これは、2度・3度おいしい♪。


主人公があまりにゲスいという評をよく目にしますが
1周目であれだけのことをされてしまった人間が
正常でいられることは、まずありえないでしょう><。

本人も語っていますが、いろいろ壊れてしまっています・・。。

でも、壊れてしまっているながらも、なんとかしようとしているところ

なんだかんだいいながらも
時折見せる人間らしさ・・。


また、ただの狂気に描かれているようなところも
それらは本来人間があらゆる両面持ち合わせてるところ・・?
と感じさせられるような
突っ込んで描かれたようなものに、なにか惹かれてしまうのです^^。


音楽面ではED曲がとにかく素晴らしい!!。
3連符??のところのリズム感と世界観の変化が心地よく
まず最初に本作を好きにさせられた要因は
間違いなくこのED曲でした♪。


-------------------------------------------------
>12話まで視聴して
結論から言うと1話から12話まで終始完璧でした!。

エロ系に寄った作品って、序盤数話までは素晴らしいと感じた作品でも
後半はネタ切れ等で失速してしまうことが多いように感じますが
本作は、毎回ネタの捻り方が秀逸でした♪。

特に10話での日笠さん登場は完全に予想外の神展開&神キャストでした!!(絶賛)。


最終話のラストは、若干説明的な感じにもなってしまってましたが
ケヤルガの心情変化描写が描かれていた点がよかった。
(もちろんそのままを鵜呑みにしてるわけではなく)


終盤で仲良くなった彼って魔族だったのですね。
ずっと人間だと思ってました。
生存させておいてほしかったな~。


ケヤルガは心を開いてしまって自分が変わってしまうことを恐れてるのですね・・。
本来の王道正義もの作品では、そっちルートが正解なのかもしれませんが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
ほぼ完全に(99%くらい?)壊れてしまっているので
そちらの方にケリをつけない限りは
もう前に進めなくなってしまっているように感じられます。

でも、時々、わずかに残っている1%の良心のケヤルガが見え隠れする
ところがグッときます。
でも99%の壊れケヤルガによって、打ち消されてしまうのですが・・。
(仲良くなった彼を助けない結果になってしまうあたりも)


あと、毎回のエロ描写ですが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
日課となってしまっているので(立場は逆ではあるが)

逆に壊れてしまってるがゆえに
この日課をこなすことで安心感を得たり
自我が保てているようにも感じられてしまいます。
限られたコミュニケーション手段の1つなのかもですね・・><。

まあ日課ならば仕方ない?・・ですか。。


ああ、書き忘れるところでしたが
クライマックスでの戦闘シーン描写もなかなかよかったように思いました。

あと、キャラデザは文句なしの満点です!!。


はい。2期切望します!。


-------------------------------------------------
>北米版BDを購入して
国内版BDの購入をずっと迷ってましたが金額との折り合いがつかず、ずっと保留にしていましたが
北米版BDが発売されたことを知りました。

レビューでは強制字幕が消せないとあったので、そこがひっかかってたのですが
金額が国内版に比べて圧倒的にリーズナブルだったため、強制字幕を納得したうえで買ってみました。

で、まず家庭用のBDレコーダーで再生を試みたところ再生できませんでした。
リージョンコードは問題ないのですが、国コードロックで機種によっては再生できないようです。

次にPS4で再生してみたところ、再生できました。
ただし、強制字幕は消せませんでした。
まあこれはこれで、英語に親しむ教材に・・。なる?。
・・まあ視聴には問題ないのですが、消せるものなら消したい・・のが本音です。

次にパソコンでの某社の有料再生ソフトで試したところ
最初、再生できなかったのですが
国コードを変更したら再生できました^^。
ただし、強制字幕は消せなかったので、PS4と同じ結果でした。

最後に、無料再生ソフトを試してみたところ、設定で消せました^^。
ただし、日本製の再生ソフトではないので、もろもろ自己責任で・・ということですね。。
まあでも、やはり快適に視聴できたので、結果満足でした。


ひさびさの再視聴でしたが、評価が揺らぐことは全くありませんでした!。
むしろ盤石に。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 36

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人の心理として説得力がある展開。性表現の線引き問題。

 アニメにおいて性の欲望をどこまでどうやって表現するか、ですよね。

 さて、最近のアニメの性表現ですが、たとえば少女擬人化、不必要な露出の多い戦闘服、一見無垢な女の子の集団が温泉に入っているなど、欲望を持っていないように見せかけて表現し、妄想や2次創作で消費しています。

 これは庵野秀明からの系譜を見ればわかりやすいですが、一見SF設定としてのプラグスーツが、実際は彼のウルトラセブンのアンヌ隊員の制服への性的な欲望であり、また、大きなお友達としてセーラーマーキュリーが大好きでそれを綾波にした、と聞きます。

 庵野秀明から始まったのかは知りませんが、俺は変態じゃない、性欲なんてないよ、というアニメを作ってそれを性的に消費するという手法が今の深夜アニメの流れなのでは、と思います。

 また、処女厨が巷にあふれた結果、物語の男子から性欲がどんどん消えてゆきます。いや、性欲はそのままで、ミニスカやビキニアーマーの戦闘美少女、ラッキースケベまでの寸止めが横行してゆきます。
 加えて、人の悪意や辛い経験をアニメとはいえ見るのが不快という状況が日常系アニメ、おっさん趣味を少女が行うといったまったりアニメにつながってゆきます。

 さて、このアニメです。このような理由から登場人物にクズしかいない、過度な性的表現が視聴者に不快な思いをさせているという事実はあるでしょう。

 ですが、面白かったです。
 中世から近代革命までの間の、戦闘するための集団、今の転生ものでいえば、パーティーですが、娯楽もない、貞操観念も低い、まして戦いでアドレナリンが出まくっている状態です。ここに男女がいれば普通毎晩セックスするでしょう。

 人間の行動原理としてセックスが中心になるのは当たり前ですし、金銭欲、権力欲、人を貶める快楽などが人の行動原理になるのも自然なことです。

 この物語の展開は、その意味ではこの1,2年で見てきたアニメの中で一番自然でした。ちょっと盾の勇者もそういう表現に近づきましたが、やっぱりマイルドです。このアニメは、物語として見ていて主人公の行動原理で「それはないだろう」みたいな展開がほとんどなかった気がします。

 ヒロイン?も復讐の対象として主人公を盲目的に愛するように仕向けられますし、奴隷の美少女が主人公にのめり込む心理も自然でした。だって、命の恩人、村の恩人、そして、性欲を満たしてくれる相手ですから。奴隷の私に優しいから好き!という展開でないのは素晴らしいです。

 もちろん、まずセックスシーンが必要かという配慮は必要ですが、この物語は、人間の醜い欲望の上に成り立った世界観や倫理観、物語の展開上、違和感がありませんでしたし、あれがあるから、主人公の行動原理が物語として説得力を持ちます。

 人間の性欲を無視して、いい子が集まる物語にちょっと飽きていたので、非常に面白かったです。

 ただし、性的な表現、残虐な表現があるよ、ということが視聴する前に表示される配慮が必要です。特に女性視聴者に対し、不快に思える表現が多々あるのは事実です。そういう前提を見る前に提示し、視聴者側が自己責任でフィルターを掛けられるような配慮、つまり、ゾーニング(線引き)が必要だと思います。


 この作品への評価は、今のアニメ事情を考える上で、ものすごく参考になると思います。話としても面白かったです。ちょっとアンチテーゼ的に評価は高めにつけましたが。
 なお、女性の方は、そういう作品OKの方だけにしたほうが、いいでしょう。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 8

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

復讐劇

ひたすら復讐そしてエロ。
一気見してしまった。
意外とバカにできないぞこの作品。

チートながらもどんどん復讐していく様子は痛快とも言える。
復讐するにあたって、我を失うほどのかなり命がけな行動もしているわけで単に俺つええっていうわけでもない。

凌辱してきた相手を潰す作品が個人的に好きなのかもしれない。
現実には復讐はできないが、エンターテイメントで少しは憂さ晴らしになるのかも?


OP
残酷な夢と眠れ 栗林みな実
ED
夢で世界を変えるなら ARCANA PROJECT
栗林みな実さんの歌声いいよね。好きだ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
【癒】の勇者としての素質に目覚め、勇者たちと世界を救う冒険の旅に出ることになった少年・ケヤル。しかし戦闘能力のない回復術士には、勇者たちにその能力を搾取され虐待を受ける日々が待っていた。自由と尊厳を奪われ、自我すらも失いかけたケヤルはある日、正気を取り戻し《回復》の真実に辿り着く。《回復》はただの癒やしではない。《回復》は世界を、人を、根源から揺るがす力である、と。ケヤルは世界そのものを《回復》し、四年前からすべてを“やり直す”ことを決意する。そして勇者たちへの報復に胸を躍らせるのだった……。「さあ、パーティー<復讐>のはじまりだ─」

第一話 回復術士は、やり直す!
幼少の頃から勇者に憧れていたアルバン村の少年・ケヤル。穏やかな日々を過ごしていたが、ある日、どこからともなく森の奥へいざなう声が聞こえてくる。湖にたどり着くと目の前に現れた星の精霊から森羅万象を見通す「翡翠眼」を譲り受けたケヤルは、かつて【癒】の勇者として生き、この世界を《回復》した記憶を取り戻すのだった。

2. 回復術士は、フレア王女を壊す!
想像を絶する《回復(ヒール)》の苦痛。ケヤルは拒絶するも、フレアの謀略によって《回復(ヒール)》の使用を強制されてしまう。暴行、陵辱、薬漬け……。それは勇者としての威厳だけではなく、人間としての尊厳も奪われる、まさに地獄であった。耐え忍ぶこと、約半年。薬物耐性の熟練度が上がったケヤルはついに正気を取り戻し、フレアと対峙する。

3 回復術士は、奴隷を買う!
身を隠すため、フレイアとともに王都を離れることにしたケヤルガは、その道中、勇者たちと過ごした日々の夢を見る。フレアの犬となり、ブレイドの暴力にさらされ、ブレットの異常な愛を受け止めていた毎日。虐げられた記憶は、改めてケヤルガの復讐心に火をつけるのだった。そして辿り着いたのは自由都市ラナリッタ。この街には原因不明の奇病が蔓延していた…。

第四話 回復術士は、セツナを手に入れる!
ジオラル王国軍--それはセツナの仇であり、ケヤルガの復讐対象でもある。王国軍が再び氷狼族の村を襲撃するとの情報を得たケヤルガは、セツナにその情報を伝えるも今のセツナでは対処できないと厳しく指摘。強くなるためにケヤルガの“力”を借りるかどうかを迫る。復讐を遂げるためならなんでもすると話すセツナは……。

第五話 回復術士は、新しいおもちゃを見つける!
水辺で戯れるフレイアとセツナを衝動的にかわいがったり、魔物を使った極上のごちそうに舌鼓を打ったり……氷狼族の村を救ったケヤルガは、束の間の休息を楽しんでいた。そこへ忍び寄る影が一つ。ゴルドマンとの取引を終えたケヤルガに鋭い剣が襲いかかる。目の前に現れたのは、ケヤルがかつて癒した人物だった。

第六話 回復術士は、血と涙を流す!
ある朝、ラナリッタにジオラル王国軍がやってくる。彼らが引き連れているのは、ケヤルガの故郷アルバン村の村人たち。ケヤルへの復讐に燃える近衛騎士隊長・レナードが、ケヤルをおびき出すために準備した人質だった。ケヤルガは兵士に扮装し王国軍の情報収集に当たるが、そこでレナードたちの“大罪”を知り激しい怒りをあらわにする。

第七話 回復術士は、正義を執行する!
怒声が響き渡るコロシアムに、姿を現した【癒】の勇者ケヤル。敵指揮官は、次々と兵士を仕留めていくケヤルを恐れ、磔になった村人を人質に彼を制止する。しかしケヤルは一切動じる様子もなく、己の正義を貫くため、ある行動に出る。一方、フレイアたちもまた追い打ちの一手を準備していた。

第八話 回復術士は、魔王と出会う!
人間と魔族が共存する街ブラニッカ。かつての戦争でジオラル王国に見捨てられたこの街は、魔族と手を取り合うことで生きながらえ、独自の文化を築いていた。ブラニッカに到着して早々に酒場で情報を集めるケヤルガたち。すると、そこへ魔族の少女・イヴがやってくる。初対面のはずだが、その面影には見覚えがあり……。

第九話 回復術士は、食べ物の恨みを晴らす!
ケヤルガたちの“日常”に戸惑いと恥じらいを隠せないイヴ。そんなイヴに、ケヤルガはある提案をしてくるのだった。それは魔王の追っ手を振り切り、復讐を遂げたいイヴにとっては願ってもない提案で……。一方、ケヤルガは情報収集のため、昨夜襲撃を受けた酒場へ向かうが、そこには生き残っていた狂牛族の男が現れるのだった。

第十話 回復術士は、可憐な一輪の花になる!
ブラニッカへ進軍してきたジオラル王国軍。先導するのは第二王女ノルンと三英雄が一人【鷹眼】、そして【剣】の勇者ブレイドだった。ケヤルガは、意気投合した商人カルマンからブレイドの情報を仕入れる。彼女は女癖が悪く、街中で女性を漁ってはひどい目にあわせているという。それを聞いたケヤルガはブレイドに近づく為、とある秘策を思いつく。

第十一話 回復術士は、ノルンの蛮行に心を痛める!
ケアーラとしてブレイドの部屋へ潜り込み、仇敵を拘束したケヤルガ。憎き【剣】の勇者に復讐を果たすため、ケヤルガが用意していたのは、ブレイドにとってもっともおぞましいものだった。態度を急変させ必死に許しを請うブレイドに、ケヤルガはある“ゲーム”を持ちかける。それはブレイドにとって恥辱と苦痛にまみれたもので……。

第十二話 回復術士は、新たなる旅に出る!
ジオラル王国軍の殺戮と略奪を食い止めるため、戦場に降臨した王女フレア。絶対的なカリスマ性で戦況を変えようとするが……。一方、ケヤルガはこの惨劇の元凶であるノルンのもとへ向かう。そこに立ちはだかるのは、王女の護衛であり、王国の三英雄が一人である【鷹眼】だった。故郷を奪われ、親友を殺されたケヤルガの復讐の結末は--。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 11

77.8 11 2021年度のファンタジーアニメランキング11位
王様ランキング アニメ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (468)
1505人が棚に入れました
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが“王様ランキング"である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ボタンの掛け違い

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
良いアニメだと思います。

基本は、「少年の成長と旅立ち」という、超王道のストーリー。一見すると、NHKやジブリでも通用しそうな、安心安全の世界観。

ただそこに、多くの不幸や悲しみ、残酷な現実なども混ざり合い、単なる児童アニメにはない深みがあります。大人でも楽しめるというか、大人だから楽しめるというか。

本作は考察しがいがあるアニメなので、久々に考察系で真面目に書いてみました。主に、人物描写について思うことを書きました。相変わらずクソ長いので、大変申し訳なくは思います(苦笑)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作の特徴として、登場人物が「全員不幸を背負っている」「全員他者のために動いている」ことと、それが、「どれもこれも上手くいっていない」ことがあると思う。

例えるなら、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」のようなものだろうか。尤も、「賢者の贈り物」に比べれば、清廉でもないし、幸福でもないけれど。

私は、本作の面白いところは、人物描写の巧みさにあるように思っていて、どの人物も実に「人間らしい」のだ。

日頃から、高い教養と倫理性、社会的制限の元に生み出されたキャラクターを見慣れている我々現代人は、ついついキャラクターに整合性を求めてしまう。しかし、本来の人間は「支離滅裂」なことが普通なわけで。近代の純文学などでは、そういう人物描写がよくみられた。

利己的で、情動的で、短絡的な人間。それでも、100%の悪人とは断罪しきれない人間。大宰作品なんかが分かりやすい。

本作のキャラクターが、なぜ、他人のために動いているのに、誰も上手くいってないかというと、「他人のため」がいつの間にか「自分のため(自己救済)」になってしまっているからではないだろうか。多分、本人すら気付かないうちに。

皆さんの身の回りにもいませんか? 人を救うのが趣味や生き甲斐みたいになっていて、それはとても素敵なことなんだけれど、ちょっとウザがられている人。

簡単に言えば、「余計なお世話」。

論語に、「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」という有名な一節がある。幼小中学校の先生は当たり前のように「自分がやられて嫌なことは人にやるな」「もし自分がやられたらどうか考えてみなさい」と言うが、これは間違いとまでは言わないが、正しくはないと思っている。

本来は、「人の欲せざる所は人に施すこと勿れ」だ。「己の~」は、あくまで価値観が自分の側にある。自分が良いか悪いかはさておき、本来は、「その相手」がどう感じるかを見とる洞察力や想像力こそが、正しい意味での優しさなんだと思っている。

本作の登場人物は、正にこの「余計なお世話」が多い。特に、

ミランジョがボッスを子に転生させようとすること。ボッスがミランジョの魂を救おうとすること。

の2つは分かりやすい。どちらも別に、(今となっては)本人は特に望んでいない。そして、ミランジョがボッスを転生させたいのも、「自分がボッスと共に永久に生きたい」からだし、ボッスがミランジョを救おうとするのは、「自責の念」からだ。彼らはそれを死の間際に気付くけれど、それまでは「相手のため」を免罪符に、悪行の限りを尽くす。

なぜこうなったかというと、ボッスもミランジョも、過去に大きな悲しみを背負っており、そうして胸に空いた穴を、「何か」で埋めなければならなかったから。2人にとってそれは、「互いを救う」ことだった。(宗教なんかもそうだけど、本当に怖いのは、ご立派な大義名分の為にどんな手段でも正当化してしまう、どこまでも盲目的で利己的な人間なんだと思った)

これは、本作のヒロインとも言える活躍をした、ヒリングにしても、少しそういう部分が見える(ちなみに、私が本作で一番好きなキャラはヒリングです)。

序盤、ヒリングがボッジに冷たくあたっていたのは、「無能」な「我が息子」が王位につくことで、かえって苦しむのではないかという、親心(愛情)から。実に母親らしい思考。ただ、ボッジは単純に王になることを応援して欲しかった。

一方、ダイダは、母から「王への期待」をかけられているが、それは、「ボッジの代わり」であり、「ボッジを救う手段」だと(ヒリングの深層心理に)気付いていた(だって、ヒリングの性格上、もしボッジが優秀だったら、実子という理由だけではダイダを王には推薦しないだろう)。

正に、「代打」だと自分を卑下していたのである(本当は優秀だから、期待され、手をかけられなかっただけだが)。

だから、必要以上にボッジを見下し、いじめたのだ。あれは、母親の愛を独占したいという寂しさや、母の深い愛を受けるボッジに対する劣等感からの行動なのだろう(基本的にいじめっ子は、親からの愛情が不足している者がなりやすいという研究結果もある)。

ヒリングがあそこまで息子に大きな愛情を抱いたのも、実は、夫であるボッスからの愛情不足があるのだと思う。2人の夫婦間系は破綻までいっておらず、表面上は良いのもしれないが、実は、冷え込んでいる。

だって、旦那は仕事(王様)ばかりに熱心で、自分以上に亡妻を愛していて、更に心のど真ん中には別の女(ミランジョ)がいる。旦那はそれを上手く隠しているつもりだろうが、女性はそういうところに敏感だ。

ヒリングは根が良い人なので、そういう「満たされない思い」を「子に愛情を注ぐ」ことで埋めていたし、ダイダも、「足りない母の愛」を「ミランジョに頼る」ことで埋めていた。こういう歪なバランスの上で安定している関係は、何か1つのキッカケで崩壊するものだ。

だからまあ、最終話でダイダはミランジョを妻とし、ヒリングはドルーシと良い感じになったのだろう。ダイダのような男が、母性的なものを求めて姉さん女房をもらうのも、ヒリングのような女性が、無骨だが一途に自分だけを思う男性に惚れるのも、ままあることだろう。

この辺の背景を絡めないと、最終話の突然の展開に驚き、場合によっては嫌悪を抱くかもしれないが、私は、本作を「弱き、哀しき、不完全な」大宰的なキャラによる話と捉えていたため、そういう「利己的で、情動的で、短絡的な人間」を愛おしいと思った(これは、近代文学好きならではの歪んだ思考ですねw)。

私は、人間らしい人間が好きだ。そして本作のキャラクターは、実に人間らしい。

話は少しずれてしまったが、ドーマスがボッジに寄せる思いと行動も、デスハーやデスパーがオウケンに寄せる思いと行動も、本人の願いとは少しずつズレているように感じ、

「本質的に優しい人間達の、他者を思いやる尊い行動が、悲しみを背負うことで僅かに感覚を狂わせ、まるでボタンを掛け違うように、悲劇を生み出してしまった話」

のように感じた。これが、本作における主たる感想である。

さて、そんな中、主人公のボッジだけは、「他者の理屈」で動いている。アドラー心理学によると、「共感とは、自分の価値観に合うものを見つけるのではなく、他者の価値観で物事を見聞きすること」だそうだ。

ボッジは、耳が聞こえないため、幼少期から周りを見渡す洞察力に長けていた。そして、口がきけないため、自分の思いを表現することが苦手になった。さらに、力が弱くいじめられたため、他者の弱さに寛容になり、共感的に他者を受け入れる素養をもった。

穿った見方をすれば、それが彼なりの「処世術」だったのかもしれない。

そんな彼が歪まなかったのは、彼が多くの愛情に包まれていたから。父、母からの愛情。継母からの愛情。師匠からの愛情。そして唯一足りなかった、友からの愛情。

それらは一部を除き、本質的な意味では「無償の愛」とは言えなかったが、ボッジはそれを最大限好意的に受け入れている。一昔前、「鈍感力」という言葉が流行ったが、その力が強いのだろうか。

確かに、多くの愛情を受けた子供は、他者を受け入れ、自分を見失わない。多くの挑戦と失敗が出来る。

それはそうのだが、如何せん、ボッジの境遇の辛さと、彼の人柄の良さが乖離しすぎていて、ここに「ご都合主義」を感じてしまった方も多いのではないだろうか。私はそうである。

私は本作を「純文学のような人間らしいキャラに魅力がある」と評したが、そういう意味で、一番「人間らしくない」のがボッジである。

たくさんの人物の歪みや悲しみを、まるでスポンジのように一手に引き受け、包んでしまう優しさ。それはもう、「王の器」を飛び越えて、「神の器」とすら思ってしまう。

ボッジが子供だったのもいけなかったのかもしれない。本来、子供なんて自分の理不尽を周りに撒き散らすのが役割で、それを受け入れるのが大人の役目なのに、本作はその逆。そこが、自分的には一番受け入れ難い部分だった(よって☆4)。

それだけに、ボッジがドーマスに見せた、恐怖と怒りの感情は、大変見応えがあったし、ボッジを「人」らしくしてくれた。ああいう場面が、もう少しあっても良かったと思う。

いや、なにも「歪んだ主人公」を見たいわけではない。性急すぎるのだ。ボッジの最終形態は今のボッジで良いとして、「強さ」も「優しさ」も、もっと時間をかけて獲得して欲しかったのである。

私は本作を観始めた頃は、「ジブリに、2時間映画にまとめてほしい」と思ったが、途中から、「世界名作劇場みたく、1年はやってほしい」と思うようになった。

本当は、ボッジとカゲの友情を丁寧に描き、たくさんの街を旅し、幾人もの「善」や「悪」に触れながら、葛藤し、次第に成長するボッジが観たかった。

尤もそれは、「今後」に描かれる部分だろうし、むしろそれかそが作品の主題で「王様ランキング」に関わるのだろう。

そういう意味で、作品のエピソード0(旅立ちの前)だけでここまで描き切れている本作は非常に優秀な作品だし、今後に期待がもてる作品だと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 30

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

現代版「柳生兵庫介」。もともと王様ランキングの勝利条件が活人だったんでしょう。

 評価が難しいです。王様ランキングはどこへ?というのはまったく気になりませんでした。このレベルで引っ掛かる話では無かったです。まあ、途中で作者が表現したい内容に気が付いて路線変更したんでしょう。

 テーマは「活人剣」=無刀取り=政治の哲学として、個人の力ではなく人を活かすことこそ最強という話なんでしょう。

「活人剣」は津本陽氏の「柳生兵庫介」という小説で読んだくらいなので詳しいわけではありませんが、上泉信綱から石舟斎という系譜で誕生した徳川のお家芸の剣技、柳生新陰流の「無刀取り」です。

 逃げる=負けない剣、細い剣=急所を突く、そして、相手の力を利用する。西洋的な世界観の中でボッジの強さは極めて東洋的なので、物語中ずっとそのことを連想していました。まあ、それだけならありふれていると言えばありふれてるんですけどね。ただ、いろんな強さがありました。

 巨人というのはゴヤの絵画とかマーラーの交響曲にもありますが、極めて西洋的な印象を受けます。ダイダラボッチもありますけど…本作はまあ西洋の巨人でしょう。力=パワーです。そしてパワーは権力という意味もあります。
 不死というのはゾンビもあるし、人魚もありますが、私はターミネーターを連想しました。特にターミネータ2ですね。非人間的なところもT1000みたいでした。

 魔女、暗殺、剣技、怪物…強さの種類上げればキリがないですが、そう言った強さの中で、最強なのは活人剣…人を許し活かして行くことだと思いました。

 障碍、非力設定はその為でしょう。「力ない物は活人の道しかない」ではなく「活人こそ最強」だから「肉体の力は関係ない」です。だから、それぞれの内面を描いているようですが、そこにはテーマ性が見えなかったのかもしれません。

 結末もそれぞれの人が説得されて来たわけでなく「活人」されたわけです。しつこく魔法で傷を治す描写があったのは、このことを表現していたのかもしれません。倒すのではなく懐へ、です。
 王様ランキングという題名、1話の剣の戦いのプロセスとボッジの特徴からいって、この「活人」が描きたかった、主要なテーマだというのは間違いない気がしてきました。キービジュアルも裸ですからね。無力=無刀=最強を表しているんでしょう。

 ただ、それを各国を回って王様同士が比べっこして…とやるとあまりに露骨で寓話的になるので嫌だったんでしょう。あるいはデスパーやミランンジョ、オウケンを動かしているうちに話が変わったか。あるいはダイダとヒリングを動かしているうちに母について書きたくなったのかもしれませんね。 

 オウケン=王権、ダイダ=代打、ヒリング=ヒーリング治す、デスハー=ハーデスのアナグラム、ミランジョ=鏡女ですから名前の付け方単純ですよね。で、オウケンということは多分、初めは違う役割だったんだろうなあ、と思ったりもしました。

 最後魔人がどっかに行きます。つまり、無敵だけど人類の善悪に関わりないですね。彼に人間ではないし政治にも関係ありません。だからどうでもいいということでしょう。

 構造として中身は津本陽氏の「柳生兵庫介」というより柳生一族の「活人剣」がテーマで、舞台設定をシンデレラ、アナユキ、シンドバッドなどのディズニーにしたのでしょう。そこに母の愛がのっている感じです。
(追記 類似性は劉備玄徳でもいいですけどね。活人剣と明確に言っているのでやっぱり柳生でしょう)


 ただ、なぜボッジが活人の達人になれたか、です。耳が聞こえない部分=彼の無垢さ…それはイグノランス…愚かさにもつながります。ただ障碍者だから、ピュアというのはちょっとイヤです。「聲の形」の西宮硝子が障碍者だから不幸だ、少し馬鹿に見えると言っているのと一緒です。

 彼には本質が見えるのでしょうか。それとも母親の愛情を受け取った結果なのでしょうか。その辺、彼の純粋性については明確に読み取れませんでした。強さと表裏だとは思いますが。
 王様ランキングの初期の話からぶれたと思うのは、ここもあって活人の意味が読み取りづらいと思います。

 まあ1回目ということで、評価はマイルドにしています。読み取れない部分もあったかもしれません。

 いずれにせよ2クールで作家性がある完結するアニメを作ったことは素晴らしいと思います。話も単純では無かったので面白かったです。
 再視聴はどうでしょうか。ちょっと長いし原作者が良く勉強しているのかもしれませんが、かえって見たことがあるようなエピソードも多いのですぐは辛いですね。半年、1年たったら見るかもしれないし、放置かもしれません。





以下 2話までの第1印象です。

寓話や感動ポルノでなければいいのですが。結末で評価は決まりそうです。

 現時点ではなんとも言えない作品みたいですね。この悲惨な話はこの絵柄じゃないとみられないでしょう。

 みにくいアヒルの子+手塚治虫(どろろ、ブッダ等々)や999的な母との別れからのスタートでした。

 障碍やダイバーシティ、王様ランキング制度の無意味さみたいな題材の寓話あるいは感動ポルノならがっかりですが、王子とカゲがそういう既存の価値観を超越してくれたところで活躍してくれるなら面白そうです。

 途中経過より見終わった後でないと価値がわからなさそうですね。最後を楽しみに視聴継続します。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 20

kittys さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

いろいろな評価がありますが.....

現3話まで視聴しています。

王様の順位を決めるアニメですが、流行りの最強系ではありません。
むしろ最最最最弱からのスタートです。

結果として昇りつめて行く作品ですが、王様の成長はすこぶる悪く急成長するものでもありません。

では何が面白いのか。結論はまわりの人間関係や敵勢力の立ち位置あります。
ですので、派手なアクション、洗練された作画が好きという方は合わないです。

簡単にあらすじを説明すると王様はしゃべることができず、聞くこともできないのでコミュニケーションを取ることもままなりません。そして力も子どもなので皆無です。

しかし、まわりをどんどん味方につけていきます。理由はぜひ見てください。

噛めば噛むほどいい味を出して行くアニメです。まだ3話なのですが次の4話を見たくてたまりません。

王様ランキングのまわしものみたいなコメントですがそれくらいよかったので素直書いたつもりです。ぜひ一緒に楽しみましょう。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 3

64.0 12 2021年度のファンタジーアニメランキング12位
俺だけ入れる隠しダンジョン(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (338)
1170人が棚に入れました
稀少な魔物やアイテムが⼤量に隠されている伝説の場所――隠しダンジョン。就職⼝を失った貧乏貴族の三男・ノルは、幸運にもその隠しダンジョンの⼊り⼝を開いた。そこでノルは、スキルの創作・付与・編集が⾏えるスキルを得る。さらに、そのスキルを使うためには、「美味しい⾷事をとる」「魅⼒的な異性との性的⾏為」などでポイントを溜めることが必要で……︖

声優・キャラクター
逢坂良太、富田美憂、大久保瑠美、堀江由衣、鬼頭明里、長野佑紀

KYY23 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

脱力系 癒しアニメ

昨今の悲しい現実から逃れることができるアニメ。
キャラデザもかなり好みで、サブキャラも含めてかわいい。頭を空っぽにしてみられるアニメで癒やしとなります。

シリアス展開も全くないので、安心して観られます。
変テコなBGMや効果音が流れてすぐ、明るい雰囲気になります。
このバカげたストーリー展開を癒やしと感じる方には合うアニメです。
物語性を大事にする方には合わないと思いますが、ここまで飛び抜けているアニメ(褒め言葉)は個人的には大好きです。

巨乳キャラが多く、胸の形の作画が丁寧だったり、パンチラも様々出るので、しっかり描いてくれているかなと思います。たまに作画が怪しいシーンはありますが、全体的に綺麗な作画です。なによりキャラデザが可愛いし。
結構、制作現場で頑張ってくれていると思います。
U-NEXT1080p配信で8Kテレビや有機ELテレビ、タブレットで視聴してますが、発色や解像度も良好です。


声優さんは有名声優が多く、サブキャラでも声優さんが上手いので、楽しめてします。
良作アニメです。
以下、キャラについて書きます

エルナ先生cv雨宮天
黒髪短髪で可愛い、個人的には性格も好きです。

アリス cv長野佑紀(主人公の妹)
兄想いで理想の妹、家の中でイチャイチャくっつくのが好きです。

オリヴィア CV堀江由衣(主人公の師匠)
いつも、明るく声優さんの個性を活かせていると思います

ドリアード CV原村奈々 (7層の魔物!)
8話で登場。エマの幼少期に似た姿で現れた大樹の魔物。性格も明るいし、良いキャラ。声優さんも上手いと思いました。

エマ CV富田美憂 (主人公の幼なじみ)
主人公の為にいつも寄り添う、可愛い女の子。やはり、胸に目が言ってしまうが、他の女子に嫉妬する姿も可愛い。

ローラ CV大久保瑠美 (冒険者ギルドの受付嬢)
エマといい具合にライバル。3話での化粧直しは笑いました。たしかに、目元が化粧して補正してるっぽいですね。現実でも目元がすっぴんとは全然違う方がいますし。FGOの男の娘キャラの声優さんですが、優しい明るい声がキャラに合っている。

エンディング後のアリス劇場も好きでした。
正直、ストーリーについては、深入りしない方が良いです。
6話では、ゾンビ化した男性エルフを主人公パワーで一瞬で元通りにしたり、最終話ではあっさり剣で切られて偽物師匠がやられるなど、謎仕様のストーリーがありました。
5話や8話、11話での大人数での歓声シーンが何度も出て、個人的には苦笑いしました。


放送時期に全話観たあとも、U-NEXTで見返しています。
疲れた人の心に寄り添うアニメだと思います。このアニメの低評価が多い中、少しでも観てくれる人が増えると、嬉しいです。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 12

ラムネ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「開き直り系異世界ハーレム」と命名したい

「ご都合主義」「テンプレ」「気持ち悪い」といった感想が多いが、私は気に入った。決して世間では低評価されているから逆張り・・というわけではない。


昨今の異世界物は、従来のテンプレから脱却し、主人公に何らかの足かせをさせたりあえて視聴者の期待を裏切るような展開にする作品が多いが、この作品は現在のところ昔ながらの俺Tueee系といった感じである。ただなんだか見ていて安心するというか、「そうそうこんな感じでいいんだよ」という感想を本作は抱かせてくれる。例えるならばロッキーやウルトラマンを観ている感じだ。ご都合主義であるからこそストレスなく純粋にアニメを楽しめる。変に難しい考察をしたり、実は登場人物に裏があるのではないか?!と疑う必要もない。

作画担当の上武さんは今作がデビュー作らしいが、女の子は可愛いし作画も気になるところはなかった。ソファーにどっかり座ってお酒を飲みながらリラックスして楽しむには良いアニメだと思った。ただドキドキハラハラ手に汗握る展開を求めている人には向かないだろう。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 4

73.5 13 2021年度のファンタジーアニメランキング13位
聖女の魔力は万能です(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (418)
1383人が棚に入れました
ちょっと仕事中毒な20代会社員・セイは、残業を終えて帰宅した夜、突然光に包まれ異世界に「聖女」として召喚されてしまった。しかも召喚されたのは二人!?現れた王子はもう一人の女子高生にかかりきりで、セイのことは完全スルー。それならこっちも自由にやっていいでしょう?と、セイは王宮を飛び出し、元々の植物好きを活かして、薬用植物研究所で一般人として働くことになった。所長のヨハン、教育係のジュードに支えられ、ポーション作りや魔力の使い方を学んでいくセイ。だが、作ったものはすべて効能が5割増しで、思いがけず「聖女」としての能力を発揮することになる。そんなとき、セイのポーションが瀕死状態だった騎士団長・アルベルトの命を救い、次第に、セイこそが本物の「聖女」ではないかという噂が囁かれはじめるのだった……!?

声優・キャラクター
石川由依、櫻井孝宏、江口拓也、小林裕介、八代拓、市ノ瀬加那、福山潤、上田麗奈、梅原裕一郎
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

6回目くらい。異常な出来の異世界もの。画面・表情が最高です。

22年11月 再評価 異常な出来の異世界もの。他と比べてどうしてここまで力が入っているのか?

 レビューを初めて1年半。昔からアニメ好きでしたが、この1年半でかなりの本数のアニメを見ました。
 この作品の脚本は素晴らしいと思いますが、作画、表情、背景、構図、演出等の画面作りの良さは異常です。なんで、ここまで美しいアニメが出来たのか不思議でしょうがないです。

 本数的にはまだまだで、目が肥えたとはいいませんが、いろんな異世界ものを見たと思います。ちょっと過大評価だったかなあ、と思って本作を再視聴(正確には再々々々々視聴くらい)しました。

 うーん、かえって過小評価だった気がします。1話でセイが髪をかき上げて耳を出す作画があるのですがそれだけでゾクゾクするくらいでした。顔のパーツのクローズアップが上手い。画面の切り取り方が上手い。気持ちを伝えようという意図が素晴らしいです。うーん、なんで他の作品もこれくらい出来ないのでしょうか?というかこの作品だけ異常だと思います。

 最後の3話が駆け足で評価を落としていましたが、良く見直すとちゃんとセイが聖女の術と向き合って、使えるようになるプロセスが、緊迫感と癒される両方からよく描かれていました。

◎アニメ作りとしていいところ。
作画に乱れがないのは当然。
表情・仕草に感情がよく表現されいている。
人物の構図がよくどこで何をしているか臨場感がある。
引き画とクローズアップを上手く使った演出で、人物の内面を見せている。
服装が美しくTPOをわきまえてきちんとデザインされている。
貴族が貴族っぽい言動をしつつも堅苦しくないいい具合の設定。
BGMがオーケストラっぽくて華やか。コミカルさも出ている。
セイの発声が感情が出ていて、聞きやすく素晴らしい。


◎ストーリーとしていいところ。
聖女設定とセイの一般人の性格のギャップがコミカルに描けている。
設定に設定を重ねるような感じではなく、ポーション(料理・化粧品)と回復魔法、聖女の力に集約しているので、シラケない。
ストーリーが職業物と恋愛ものとして、ちゃんと脈略ある展開をしている。
スキルウィンドウがない。
アイラちゃんを置いて話の展開に面白みが出た。
セイもアイラちゃんも異世界転生した人間の反応として自然。

等々挙げるとキリがないです。とにかくストーリーが面白いのは大前提ですが、しかし、アニメの出来の良さがすごい。「無職転生」もすごかったですが、本作は超高予算が付くような感じでもないし。画面作りという点で一般的な量産型のアニメとしては、本作の見やすさ、伝えたい事を伝える力、美しさはちょっと類例が見ないと思います。

 メジャーな他の異世界モノ作品を差し置いてなぜここまでの出来なのか理解できません。それくらい凄い作品だったと思います。

 一応、評価点はつけますが、主観評価は95点/100点くらい、心情的には120点です。




以下 初見の総評レビューです。

 俺TUEEEの振りをした、シンデレラストーリー 美しい作画と構図の良さが驚異的です。

 最後まで視聴しました。このアニメがきっかけで、非常に面白い原作小説と、その小説を美しい絵でコミカライズしたマンガを知ることができて、良かったです。
 が、アニメについては、どうでしょう。結末の付け方や最後3話くらいの駆け足感などで、少し作品としての出来に疑問符が残りました。
 この終わり方だと、普通の異世界転生ものとして、埋もれて行く数々の作品の一つになってしまいそうですね。残念ですが。

 とはいえ、1クール通じて十分楽しめました。面白かったです。以降は小説・マンガで続きを楽しみます。


以下、視聴中のレビューです。

{netabare}2話までみて、小説版、マンガ版を全巻購入。追加8話みました。

 この話「なろう」ということで、異世界転生、俺TUEEEテンプレになっていますが、実態は、平凡な女子が、急に美しさと力を手に入れたことで、別世界(貴族世界)の中心人物になる、というシンデレラストーリーです。

 そういう話を楽しめるなら、かなり良質の作品かと思います。大変楽しく見ています。

 ですが、マーケティング的に考えるとパッケージ(題名)と中身が違っていた感がかなりあるかもしれません。その意味で、試しに見た人の期待を裏切る確率が高いのでしょう。
 強敵に対して無双するとか、悪意のある貴族と対峙して叩きのめす、もあるにはあるのですが、それは味付けみたいなものです。敵と戦い打ち勝つ、魔王に挑むために旅立つ、そして…みたいなカタルシスを期待すると、評価は低くなるかもしれません。

 初めから、異世界とか聖女というのはギミックで、本当は恋愛エッセンス強め、一人の女性を取り巻く人間模様の話だと思えば、非常に面白いと思います。


5話までみて追加

 セイの作画はやっぱり素晴らしい。ちゃんと美人です。ですが、今回くらいは衣装はなんとかならないのかなあ、と思います。もうちょっと神々しくしてあげられなかったのかと。
 
 セイの衣装に絡んで。リズにしても、他の貴族も最小限しか宝石を付けていないのは、宝石は魔法付与のための素材とかいう設定を反映しているのでしょうか。だとすれば、想像以上に緻密にこのアニメというか原作は作られているようですね。

 ステータスウインドウの概念が出てこないのはいいですね。(原作はあり)

 今回のセイを鑑定する場面で、原作にはあったステータスウインドウがアニメ版だとほぼないことが確定しました。レベルとかHPとかそういった概念の有無はまだ不明ですが、無い感じですね。これは良い改変かと思います。となると何を鑑定しようとしていたのが、よくわからないですが。
 セイが聖女かどうかを本人も確信が持てない、という状態のほうが自然ですし、なにより、転生ものでいつも不満なのがこのステータスの数値化という安易な強さのモノサシだったのでこれは良いと思います。

 第1王子が原作ではあまり関わらなかったのですが、ストーリーに説得力を持たせるために関わってくるのでしょうか。これからの展開が気になります。


7話みました。
 アイラのスピンオフ、注文しているのにまだ届かないので、ここで見られて良かったです。アイラ、滅茶苦茶可愛いんですよね。 
 普通、セイの対立軸なら嫌なキャラになるはずなのに、そこを上手い具合に第1王子が引き受けてくれてたんですね。本当は第1王子は悪者じゃないのもいいですね。

 異世界に召喚された女子高生が帰れない、と言われて「泣く」という自然な反応が新鮮でした。

 それにしても、主要女性キャラのキャラデザが本当にいいですね。萌えではなく、素直に美人だなあ、可愛いなあ、と言えます。

8話見ました。
 セイの表情を少しコミカルに表現しているが今回はよかったですね。
 また、脚本というか構成ですが、かなり省略していますが、うまくカットしているので原作を知っていてもあまり不足感は感じませんでした。やっぱり丁寧に作り込んでいる感じがします。ただ、1点、最後の沼のところ、もう5分…いや3分でもいいので、もうちょっと丁寧にしてもらえれば完璧だったんですけど。

 ちょっとアルベルトホークを殺したくなったりしますが、まあ、それは仕方ないでしょう。

11話みました。
アイラちゃん、すっかりなじんで良かったですね。是非活躍してほしいところ。
それにしてもアルベルトホークは殺す。 {/netabare}


追記です。再視聴しました。初見の時は面白さは過大評価していたかもしれませんが、再視聴してアニメの出来の良さは逆に過小評価していた気がします。あらためて驚きました。

{netabare}  この半年で、かなりの本数のアニメを見ましたが、最近のアニメの中で、本作の人物の作画の美しさは驚異的です。キャラデザはもちろんですが、線の一本一本まで美しいです。衣装も良く考えられてデザインもおろそかにしていません。動きも表情も自然です。

 なにより人物の配置がいい…というか構図がいいんですよね。どういう部屋のどういう場所にいて、どこに誰がいてどいう位置関係でいるか、とか非常に見やすいです。で、構図がいいから人物がちゃんと演技しています。そこが素晴らしいです。
 どういう理由でこんなレベルの高いアニメが生まれたのかが気になります。
(追記 手がちゃんと演技しているのと、姿勢にも注目してください)

  私はセイのキャラが異常に気に入ったのであまり客観的な見方はできませんが、それでも異世界ものとしてのストーリー性、テーマ性は弱いと思います。
 が、頑張る女性のシンデレラストーリーとしてはかなり面白いです。魔法が出てきますし、ヒロインのアイデンティティでもありますが、設定に振り回されずヒロインの特徴としてストーリー上で機能しています。
 また、ヒロインの年齢が高めで、かつ年齢にあった性格をしているのが良かったのでしょうか。

 登場人物のキャラ造形が自然で、ヒューマンドラマが成り立っているのも良いのかもしれません。
 音楽が抑え気味でセリフがゆったりしているのもいいです(ただ、エリアヒールを始めてかけた時の声はもうちょっと抑えた演技の方が良かったですね)。

 やっぱりおしいのは最後3話ですね。駆け足で尻切れですね。2クールでやってくれれば…
{/netabare}


 アマゾンから単行本8巻が届いたら、なんと帯に2期の決定が。この先はキャラ萌えというか、パーティーとかラブラブ要素とか、これから8巻読みますけど、温泉とかでしょうか。もちろんいいんですけど、ストーリー的にはせっかくアイラちゃんのキャラが立ってきたので、アイラちゃんの成長が見たいかなあ。とまあ、うれしいので追記しました。


 

投稿 : 2024/10/26
♥ : 26

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

異世界転移モノの秀作

原作未読。最終話まで視聴。

異世界転生・転移モノと主人公最強は、決して相性が悪いとは言えない。
異世界転生・転移モノと中二病は、かなり相性が悪い。
異世界転生・転移モノとハーレムは、主人公が中二病を発症していなければ問題ない。

まあ、個人の見解ですが、おおむね以上の通りかと。
もう少し補足すると、主人公が大人(もしくは元大人)で、その大人っていう設定が活かされてさえいれば、おおむね間違いないように思います。

さて、本作の主人公は大人です。
しかも女性。
大人の女性という設定はしっかりと活かされています。

主人公最強と言えば言えなくはありませんが、それはあくまでも結果的にという話で、いわゆる主人公最強系とは異なります。

逆ハーレムの兆候は見受けられますが、主人公が中二病を発症していないので問題ありません。

ゆっくり、まったりと物語は展開していきます。
これはお気に入りの棚直行ですねぇ(笑)。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 34
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ナチュラルOLの『騎士団長ごろし』

けっこう痛い作品の多いなろう系ですが、
その中でもとりわけ視聴者に激痛を与えるテイストというのは、
  いい国作ろうキャバクラアニメ
みたいなハーレムものではないかと個人的に思っております。

モテ要素どころか人間的な魅力を全く感じられない男が美少女たちからもてもて、
という超自然的な現象は、
アニメかキャバクラ以外ではめったに観測されることがありません。

もちろんキャパ嬢の方々は男に「オレ、もてもてじゃん」
と誤解させてお金をしぼりとる『お仕事』をしているわけです。
ですがそうしたアニメキャラの女の子たちもまた、視聴者に
  ボクの前にもこんな天使みたいな子が現れてくれるかも
と誤解させて円盤等でお金をしぼりとる『お仕事』をしているわけで。

              現れませんて。たぶん、一生。

ただし、いわゆる逆ハ-レムもの、
ヒロインを男たちが取り巻くお話は、その限りではありません。
登場する男がどいつもこいつもホストみたいなのはいただけませんが、
ヒロインにはしっかりと人間的な魅力が備わっています。

これは「世の中、たいていは女の方が男より『オトナ』である」
という不変の定理をよく表しているのではないかと。

  a.いまの自分を肯定したままもてもてになりたい。
  b.もてもてになりたかったらいまの自分を変えなきゃダメよ。

のどちらがオトナの考えることなのか、という話であります。


さて、本作『聖女の魔力は万能です』は、
厳密に考えると、逆ハ-レムものに属する作品ではありません。
OLさんがイケメンに囲まれてスローライフを満喫する異世界召喚物です。
  ……こう書くと、やっぱ広義の逆ハ-レムものかな。

{netabare}
聖女召喚の儀でいきなり中世風の異世界に呼ばれてしまったヒロイン(セイ)は、
同時に召喚されたもう一人の少女(アイラ)が聖女ということになったため、
することがなく、薬用植物研究所というところで働き始めます。

はじめは魔法の使い方すら知らなかったセイですが、
少しずつ能力が開花し始め、
やがては身体の欠損部位まで再生するほどの奇跡を起こせるようになります。

そこで、たぶんこっちが本当の聖女さまじゃね? みたいな話になって、
研究所の研究員という立場のまま、
騎士団の魔物討伐に帯同するようになっていきます。

実際に、アイラではなくセイの方が本物の聖女さまだったわけで、
やがて聖女の術(広域浄化魔法)の使い方を会得し、
王国を救って、最後は騎士団長と甘々ハッピーエンドとなります。
{/netabare}

とにかく、出てくる男キャラが軒並みイケメンで、
一つ間違うと『逆ハレユカイ』みたいになってしまうところですが、
そこは何とか踏みとどまっています。

{netabare}
というのも、セイのことを恋愛対象の女性として見ているのは、
  騎士団長一人だけ
なので、無節操にもてもて、というわけではないからです。
あくまでも周りがイケメンばかりという、
いわば『環境ハ-レム』状態であるに過ぎません。

これ、現実的に考えると、かなりの理想郷です。

仕事の関係者が目の保養になるような美形ばかりというのは、
確かに楽しいことなのですが、
その中の複数あるいは全部から言い寄られるような事態になると、
めっちゃ仕事や生活に支障が出てしまいます。

まわりは美形ばっかり。だけどグイグイくるのは本命だけ。
お仕事と私生活を楽しく両立できる、まさにアヴァロンであります。

ちなみに、騎士団長以外がグイグイこないのは、
セイに魅力がないのではなく、
それぞれが余裕のあるオトナの男だからではないかと。
(女性目線だと、この辺もポイント高いのでは)

セイの飾らない性格は、男女を問わず好感度高いのではと思います。
誰に媚びることもなくナチュラルで、
適度にダレたり黒くなったりする部分もあり、 
かなり気軽に、友だちとしても楽しく付き合えるタイプの女の子です。
おまけに仕事ぶりが真面目なので、
           部下に欲しいわ。マジで。

イケメン騎士団長が惹かれていくのも納得。
というか、あまりもてない男に激しい誤解を与えそうな、
やや天然の『男殺し』みたいな感じであります。

{/netabare}

さて、設定だけ見ると腐ってんじゃね-かと疑われそうな本作ですが、
なかなかどうして、しっかりした作りであり、
物語にリアリティを持たせるための仕掛けがあちこちに見られます。

{netabare}
最初に「おっ」と思わされたのは、第一話の終盤でした。
セイが、大けがをした兵士にポ-ションを飲ませようとするのですが、
意識が朦朧としていてうまく飲んでくれません。

これ、男性作家なら十中八九、口移しで飲ませます。

だけど普通に考えると救急隊員でもない一般女性が、
朦朧とはいえまだ意識のある男性に口移しをしようだなんて、
いかに緊急事態であっても考えないのではないか、と。

で、セイはどうしたかと言うと
      飲みなさいっ!
と一喝。で、飲んでくれて助かってよかったね、と。

これ、ものすごく思慮深く作られた、いい演出だったと思います。

ただ単に一般女性の心理をトレースしているだけでなく、
実はこの兵士、騎士団長だったわけで。
ここで口移しなんかしていると、
物語がありがちな安いラブコメになってしまいますから。


ちなみに、原作では自分のレベルだのHP・MPだのがわかる
ステイタスウインドウが表示されるのですが、
ゲ-ム世界に取り込まれたのではなく『異世界召喚』なのですから、
こちらはばっさりカットされています。
             よくやった、井畑監督。

また、セイはオタクでもなんでもない普通のOLさんだったので、
元いた世界の知識でチート的な大活躍、というご都合展開もありません。

薬草やハ-ブが趣味的に好きだった、ぐらいで、
それが地味に役立ったりしますが、
特になにか画期的なことにつながるというわけでもないんです。


そして、舞台が中世風なのですから電子音が存在するわけもなく、
劇伴は全て管弦楽などのアコースティックのみ。
唯一、最終話のラストでEDテーマが重なるところだけが例外です。
しかもそのED、作詞・作曲は結城アイラさんなのですが、
わざわざ別人に英語の訳詞を依頼して、
本編の会話と日本語がかぶらないように配慮されているんです。
              見習って、新海監督。


セイが20代半ばにもなってカマトトではないか、という声もありますが、
少なくとも僕は、そんな感じしなかったです。

確かに草食系ですし、リアクションにウブなところが多いですが、
そもそも女性ってマジで恋すると『乙女がえり』をしてしまう傾向があり、
一概に「あざとい」とは言えないのではないかと。

というか、隣に超絶美男美女がきたら誰だってそうなるのでは?
僕にしたって、たとえば新垣結衣さんあたりが隣にすわり、
           ちょっと手相見せてね、
とか言って手なんかとられた日にゃあ、
周りに白い目で見られるほど上ずってしまう自信があります。
{/netabare}


おすすめ度としては、人にもよるけどAランク、みたいな感じです。

ナチュラルで素敵な女性の、環境ハ-レムにおけるスローライフもの。
ラストはややこっぱずかしめ。
考えさせられる部分や学べることはおおよそ一つもなく、
平和な世界観に浸りながら、
まったりゆったり見るのに適しています。

僕はけっこう好きだったのですが、
あまり難しい理由はなく、セイのキャラ一択だったような。

イケメン嫌いの方には、絶対におすすめできません。
あと、魔物とのバトルシーンがかなりしょっぱいので、
そっちに期待している人は、逆鱗に触れるかな。

人物作画や背景はかなり丁寧にできていて、
女の子目当ての方は、
セイの豊かな表情を追いかけるだけでも一見の価値ありです。

そして、そのセイに声をあてている石川由依さん、すごくいいです。

ミカサだのヴァイオレットだの、
シリアスでかたくなな演技イメ-ジが強い石川さんですが、
こんなに自然で愛らしい三の線も演れるんだな、と。
グリッドマンの宮本侑芽さんしかり、
ダイナゼノンの若山詩音さんしかり、
劇団ひまわり系列のナチュラルお芝居、おそるべしです。

ええ、もちろんイケメンボイス好きにはたまらないキャスティングです。
個人的には、あまりにも人の好さげな、
ジュ-ド(八代拓さん)の声が一番好きです。別に萌えたりしませんが。


ちなみに、騎士団長の名前はアルベルト・ホークといいます。

あえて名前を出さなかったのは、
そっちの方がわかりやすいかなと思っただけで、
決して村上春樹さんのマネをしているのではあらないのだよ諸君。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 30

69.9 14 2021年度のファンタジーアニメランキング14位
ログ・ホライズン 円卓崩壊(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (199)
1017人が棚に入れました
ある日突然、人気オンラインゲーム『エルダー・テイル』の世界に、数万人のプレーヤー『冒険者』が閉じ込められた!モンスターや魔法がリアルに存在する異世界で人々は混乱し、冒険者の街『アキバ』は秩序を失っていた―人づきあいの苦手な青年・シロエもそんな冒険者のひとりだったが、意を決したシロエは盟友の直継、アカツキ、にゃん太らとギルド『ログ・ホライズン』を結成。さらに、持ち前の知略を武器に冒険者の結束を呼びかけ、自治組織『円卓会議』を立ち上げ、街に平和と安定を取り戻す。この『円卓会議』を中心に、ゲーム世界のもともとの住人である『大地人』との交流も進み、筆頭貴族コーウェン家の令嬢・レイネシアがアキバに赴任するなど、冒険者と貴族や商人、一般市民などとの外交や取引も活発化していく。しかし、冒険者たちが異世界に飛ばされた『大災害』から1年が過ぎ、つかの間の繁栄を享受していたアキバの街には、新種のモンスター『典災』の襲来や東西の貴族どうしの権力闘争、冒険者間の格差・思惑の違いなど、多くの火種がくすぶり続けていた。そして、ついに冒険者の結束の象徴『円卓会議』に決定的な危機が訪れる…

声優・キャラクター
寺島拓篤、前野智昭、加藤英美里、中田譲治、山下大輝、田村奈央、松井恵理子、柿原徹也、藤井ゆきよ、原由実、高垣彩陽、久野美咲、伊瀬茉莉也、葉山いくみ、井上麻里奈、櫻井孝宏、名塚佳織、村川梨衣、下野紘、後藤ヒロキ、岡本信彦、日野聡、西田雅一、中村悠一
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

待ちわびてました

<2021/4/10 追記>
先日完走しました。
楽しかったんですが、1クールだとちょっと短く感じますね。
その分消化不良だったような。
原作のストックもそこまではないだろうし仕方ないのかな。
OPED曲はちょっと残念。
特にOPは「database」が大好きだったので。

それとけしかけられたとはいえ意外とあっさりと{netabare}ミノリがシロエに告白{/netabare}、そして意外にあっさりと{netabare}シロエがお断り{/netabare}するという。
おそらくシロエもちゃんと気がついてたんですね。
アニメ・漫画・ラノベ界隈では朴念仁を貫き通す{netabare}ラブコメ{/netabare}が跋扈しておりますが、本作はそこら辺、物語としてしっかりしてて好感持てます。

いよいよ次は{netabare}ミナミ{/netabare}へ、ですか。
次回作が待ち遠しいです。

<2021/1/24 追記>
1/31(日)0:55〜Eテレで1〜3話の再放送するそうです。
見たかったのに見逃してしまったという方は是非。

<2021/1/13 初投稿>
始まったばかりですがとりあえず評点つけておきます。

一時は続編絶望的なんじゃないかと思っていたぢけに喜びもひとしお。

ついに3期が始まりました。
レイネシア姫の婚姻話から始まり
オネスティの不穏な動き
そして、物語の確信に迫るピースのカケラの情報が・・・

良い感じで始まって参りました。

OPは1期、2期のマンウィズ「database」からついに変わってしまいましたね。
そこはやはり寂しい。

ところでそのOP最後の方。
ログ・ホライズンのメンバーが並ぶ後ろ姿。
一番右の二人は誰なんだろ?

<2021/1/20 追記>
第2話視ました。
うわ、なにこれ。
面白い。
楽しいアキバの街ライフが、気がついたら状況変わってるとか。
やっぱ、これ好きです。

あと、リ=ガンの声。
誰が継ぐんだろうと気になってましたが、藤原啓治さんとかなり違うんでびっくりしました。
も少し寄せてくるかなと思ってたんですが。
そして、藤原さんがもういないんだな、と思うと哀しくなりました。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 27

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

要復習!!

2021/04/26 投稿

楽しみにしていたログ・ホライズンの3期です(^0^)/

しかし,見始めると衝撃の事実が・・・
けっこう,忘れているのです・・・
ストーリーのアウトラインは覚えているのですが・・・
この人誰だっけ?ってのがかなりありました。

ちなみに自分が2期までを見終えたのは,いつのことかとアニコレのレビューを確認してみると,投稿が2020年2月1日,ミャンマーのクーデターのちょうど1年前。今から1年3ヶ月ほど前で割と最近です。
なのに結構覚えていない・・・

理由を推測すると,一つは視聴スタイルでしょう。動画配信で短期集中で見たため,登場人物名などが短期メモリーで処理されたのでは無いかと思われます。
それと,もう一つ,2期までで全50話とボリュームが多く登場人物もかなり多い事,またそれぞれのキャラクターについて冒険者か大地人か,所属ギルドや冒険者としての職業など何かと情報が多いこと。
そんなわけで出だしちょっと「この人誰だっけ?」と言う方に気を取られてしまいました。
でも途中から,ストーリーに引き込まれて気にならなくなりました。

終盤は若い世代の冒険者にスポットが当てられ良かったと思います。
一方,メインのストーリーはほとんど進んだ感が無くまだまだ続きそうです。できたら,あまり間を開けずに続けて欲しいと思います。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 13

がおー敦煌 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

見終わって。

OPが変わって、EDが路線変更・・・なんてことだ・・・・
話が暗いのが続くと言ってもこれはあんまりだ・・・

・・・・
デラッベッ デラッベッ 
ジャスリビンザ デラッベッ 
(「゚Д゚)「 オッオー


見終わっての感想。
ついに原作を追い抜いてしまった名作。
前後半で話が違うので違う話をじっくり二つ楽しめる。

ログホライズン1.2期と遜色がない出来だったので言う事ありません。

あ OP変えたのは絶対に許さない。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 6

67.3 15 2021年度のファンタジーアニメランキング15位
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (347)
1128人が棚に入れました
「君は真の仲間ではない──」最前線での戦いについていけなくなってしまった英雄・レッドは、仲間の賢者に戦⼒外を⾔い渡され勇者のパーティーから追い出されてしまう。「──はぁ、あんときは⾟かったなぁ」レッドが抜けた事で賢者達が⼤パニックになってるとは露知らず、当の本⼈は辺境の地で薬草屋を開業しようとワクワクした気分で過ごしていたのだが・・・・・・「私もこのお店で働いていいかな︖住み込みで︕」突如かつての仲間であるお姫様が⾃宅まで訪ねてきて!?"のんびり楽しい薬屋経営"、"お転婆姫とのイチャイチャ⽣活"、報われなかった英雄による素晴らしき第2の⼈⽣がはじまる︕

声優・キャラクター
鈴木崚汰、高尾奏音、大空直美、雨宮天、八代拓

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

心地いい音楽

2022/01/29 投稿
  同日  加筆・訂正
2022/02/03 評価訂正(間違えて0.5高くつけてたため…f(^^;)

タイトルがダメなやつですw
9文字✕5行(笑)
こう言うのに限って,実は面白かったりする場合が意外と多いのです。
いざ視聴!


結論から言うと,かなり良かったです!
ツッコミどころは満載なのですが・・・
不思議に気にならない
何でだろう?


考えてみた


おそらく,最もいいと感じた要因は音楽ではないかとおもいます。

OP ゆいにしお「息を吸う ここで吸う 生きてく」
あまりにスローライフイメージぴったりのテンプレ的な曲調だけどそれがいいw

EDJYOCHO 「みんなおなじ」
相変わらずの見たこと無いような不思議なギター奏法から生み出される絶妙なギターサウンド

自分としては珍しくどちらも毎回しっかりと見ました。ホントに一度も飛ばしませんでしたw

BGMも曲としての主張は弱いものの,スローライフ感が有ってほとんどいい曲に感じました。

ここら辺は,現在の自分の音楽の好みにマッチしたというのが大きいかなと思います。
具体的に言うと,音の隙間があって一つ一つの音がハッキリしている,アコースティックサウンドが現在の好みなのです。楽器の質感が音から感じられるような曲が好きです。
そういった意味で,この作品の音楽はかなり好みにぴったりと合っていました。

音と言えば,自分は叫んだり怒鳴ったりといった声の演技もうるさく感じることが多いのですが,この作品はそこら辺も押さえられていました。
なんと言っても勇者が無口で無言で超絶攻撃を繰り出す設定ですからw
音的にうるさく感じたのは,あの「賢者」くらいのような気がします。
全体的にこの作品,音だけ聞いていてもなんかいい感じになれると思います。




以下はツッコミ所に関する系


自分はアニメに関しては基本的に「反エロ」を自称しています。(あくまでアニメに関してです^^;)
なぜかこの作品のエロに関しては気になりませんでした。
ヒロインのリットはかなり胸が大きいキャラデザインで普段着ている服も胸元が大きく開き胸が強調されているデザインなのですがなぜか気になりませんでした。
むしろ気になったのは,服の腕の部分に穴が開いているのですが,その穴の位置からは絶対に見えないだろう,脇の下部分が度々描かれていることでした。「たぶん描きたかったんだろーなー」と送り手の性癖が透けて見えるように思いました。
二人のいちゃいちゃも気にならないというか,むしろ心地よく見ていました。最終回も含めてw
なんだろう?二人のお互いを好きなのが前面に出てきているからなのでしょうか?


ストーリー的には「追い出された」エピソードは初回とストーリーが進行してからの整合性がとれていないように感じました。

勇者がらみのエピソードはすごくいい話になりそうで,設定を生かし切れなかったように感じました。色々思いついて突っ込んでみた感・・・自分のレビューと同じ臭いがしますw


作画はわりとひどいですw
リットとルーディーの止まっている絵は割としっかりかけているのでそれほど印象は悪くないですが,動きはひどいです。限られた予算で最善を尽くした結果なのかも知れません。


もしかしたら,音楽に癒やされて優しい気分で評価したのかも知れません(笑)



加筆部分
書き忘れていましたが,「辺境」のイメージが視聴前のイメージとかなり違っていました。
勝手なイメージでアリューシャン列島とかグリーンランドとかシベリアとか極寒の地にある小規模集落のイメージだったのですがかなりの規模の都市が近くにあったりなんかイメージと違いました。
気がついたのですが設定が辺境の「村」とかではなく辺境の「国」でしたw
ヨーロッパの人間が極東と言われる地域にある日本に来た的な設定ですよねw

投稿 : 2024/10/26
♥ : 22
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

いつも傍にいて欲しい

(初投稿2021年5月2日)

 略称「真の仲間」。原作は『小説家になろう』に2017年10月から投稿開始されたが、本編は2020年11月17日の第163話で中断。2021年5月時点で依然更新停止中。

書籍は2018年6月から刊行され、2020年11月時点でシリーズ累計発行部数100万部を到達した。

❬あらすじ❭
{netabare}
 主人公には、天より勇者の加護を与えられた妹がいた。そして彼には、勇者のサポーターとして相応しい加護を与えられた。
 彼はそれを己の宿命と捉え、己の加護を最大限に高める努力を怠らなかった。裏方の縁の下の力持ちに徹することを甘受した。

 しかしその加護は、どんなに努力して磨こうとも伸びしろには限界があり、勇者パーティーの中での戦闘において、いずれ自分が足を引っ張る存在になることは明白だった。

 そしてとうとう、仲間の一人からお前は足手まといで邪魔だ、と責められる日がやってきた。

 そのとき彼は、妹はもう一人前と思い込んだ。妹はもう自分の助けなどいらない、自分は妹離れしなければいけない、と。

 しかしそれはとんだ誤解で、妹にとっては兄はいつまでもずっと傍にいて欲しい存在だった。

 仲間たちも文句を言った者以外は、彼は必要不可欠な大切な存在だった。

 結局彼は誰にも相談せず、行き先も告げず、こっそりと一人でパーティーを去った。そして辺境の地での薬草採取を主とする冒険者になった。

 そこで彼は今までの修羅の日常とは真逆の、穏やかな日々を望む。新天地では偽名を使い、目立つことを避け身バレを防ぐ。しかし隣人に助力を望まれたなら、暗躍してでも持てる自分の能力は惜しみ無く使う、やさしさと包容力がある彼。

 そこで早々に良縁の恋人と歩む新たな生活がスタート。

 最高の二人、強運は彼らと共にある。そして二人の人生は、地に足が付いた彩り豊かなものになった。
{/netabare}

 私はアニメ制作発表前から本作の書籍を読んでいた。刊行開始からまだ3年弱、2021年4月時点で既刊本編8巻+前日譚1巻と、同時期放送の他のなろう系アニメなどと比べると原作の巻数は割と少ないが、個人的にこれからますます楽しみな作品。

 僅か2年半で100万部超えるほど。慌ただしい日々で様々なストレスにさらされがちな現代日本において、スローライフで心穏やかな平穏な日々を求める主人公に共感する読者が、自分を含めて多いのだろう。

 アニメがどんな作品になるかは現時点では未知だが、期待を込めてアニメ評価は最初はオール4.5からスタート。視聴後に適宜修正するつもり。

 本作は当初、2021年7月からの放送予定だったが、同年10月からの放送に延期された。
 2021年夏クールは、大好きなラノベ原作アニメが大量に放送されるので、延期はむしろ個人的には好都合。秋の放送が今からとても楽しみだ。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 5

Sat さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

テレビ小説のような雰囲気のアニメ

息を吸う ここで吸う 生きてく
オープニング曲がとても心地よく朝のテレビ小説のような雰囲気があり、このアニメとぴったりですね。

漫画も大好きでしたが、しっかりとアニメに落とし込まれていて大変観やい丁寧な造りだなぁという印象です。

リットの声はもう少し高いイメージでしたが、慣れてくると不自然さは無くなりました。

KADOKAWAのアニメは毎回この作品ほど丁寧に造ってくれたらいいんですけどねぇ。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 1

69.9 16 2021年度のファンタジーアニメランキング16位
最果てのパラディン(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (312)
989人が棚に入れました
かつて滅びた死者の街――人里離れたこの地に一人の生きた子供、ウィルがいた。少年を育てるのは三人の不死者(アンデッド)。豪快な骸骨の剣士のブラッド。淑やかな神官ミイラのマリー。偏屈な魔法使いの幽霊のガス。彼ら三人に教えを受け、愛を注がれ少年は育てられる。そしていつしか少年は一つの疑念を抱く。「……この『僕』って、何者なんだ?」ウィルにより解き明かされる最果ての街に秘められた不死者(アンデッド)たちの抱える謎。善なる神々の愛と慈悲。悪なる神々の偏執と狂気。――その全てを知る時、少年は聖騎士(パラディン)への道を歩みだす。

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

単なるRPGのジョブとかじゃない聖騎士(パラディン)

本作の原作は「小説家になろう」に掲載され、主人公は現代日本から転生したということになっていますが、その設定のことはほとんど忘れて良いんじゃないかと思うくらいにまともなファンタジー作品で、個人的にはけっこうお勧めです。

ただ、主人公が生まれ育ってから「最果てのパラディン」になるまでほぼ1クールを使ってしまうという、人によってはそのテンポ感に堪えがたい作品にもなっています。続編の制作が既に決定しているのが救いです。

あんまり似たアニメ作品を思い浮かべることができませんが、『グランクレスト戦記』とかを楽しめた人なら大丈夫な気はします。

神が想像上の物ではなく実在することを一般人もある程度認めていて、神官は場合によっては神と直接向き合うという世界観はとてもファンタジーっぽいです。

さて、皆さんは聖騎士(パラディン)と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。

騎士(ナイト)は中世ファンタジーでもおなじみですし、歴史上にも多数実在しますし、実は現代でも爵位として残っておりナイトを名乗れる人は存在しています。でも、たぶん現代にパラディンはいないですよね。

物語で聖騎士(パラディン)として出てくる人物というと、違う人もいますが概ね「騎士でもある聖職者」みたいな雑なイメージがあります。

で、聖騎士(パラディン)として物語や伝説として語り継がれる人もいるんですけど、基本的にはRPGとかで聖魔法的な物が使える騎士の上級職的な物としてしか認知されていません。そういう聖騎士は必ずしも神に日常的に祈ったり聖職者としての立ち振る舞いをしたりはしなかったりする人もいます。

翻って主人公のウィルくんはブラッドという元戦士に剣術や格闘を仕込まれ、ガスという元魔法使いに魔法を仕込まれ、地母神マーテルの神官だったマリーに神への祈りや聖職者としての在り方を学び、正式に「灯の神グレイスフィールの神官」としてグレイスフィールに認められています。

そして、王弟エセルバルドに正式に叙任されてパラディンとなるのですね。

こんなに聖騎士然としたキャラクターも創作物といえども珍しくて、価値判断や考え方が周囲から浮いていてそのギャップとかも面白いと思います。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 30

van2013 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

言いたいところは多いが。

小説、漫画に関してはいうことがないくらい素晴らしいお話でです。
アニメについては、若干の端折りやキャラデザ等気になる点は
多々あります。ただ、今日びの乱造「なろうアニメ」の中では
まだ、しっかり作られているほうだと思います。
 最初の旅立ちの部分がとても濃い部分でもあり、
しっかり作ってくれてうれしい。

 今日びのなろう系の「キャッキャ、ウフフ」で向かうところ敵なし
気に入らないのは踏みつぶす、悩みなし、やりたい放題の
主人公に食傷気味の人は是非見てほしい。

 確かにこの主人公も「最強」に匹敵するタイプかもしれないが、
前者とは一線を画してて、人としての悩みや葛藤、それでも進む
勇気を見せてくれるいい作品だと思う。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 2

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

灯火

転生ものだけど、転生ものの影は薄い。
だって、前世の描写がほとんどない。
だから、強いて転生ものにする意味が感じられない。
べつに、ひょっこり生まれても良かったんじゃない?

主人公ウィルは、最果ての街で育てられます。
それも廃墟の街。
育ての親はアンデット。
おどろおどろしい設定が不気味です。

アンデットは幽霊のガス、骸骨のブラッド、ミイラのマリー。
それも連中は古の強者。
ウィルは鍛えられ、信仰深く成長します。
そう、最果てのパラディンの誕生です。

序盤5話までは、廃墟の街から一歩も出ません。
同じような鍛錬が続き、挫折しそうでした。
でも、6話以降の冒険譚はそれなりに楽しい。
特に、ウィルの謙虚な強さが頼もしいです。

話変わって、灯火の神グレースフィールのc.vに驚きました。
碧様ではありませんか。
背景に溶け込み、個性を殺しているのでわかりません。
まるで、カメレオンボイスです。

あと、ED曲「標火」に惚れました。
2021年もっとも聴いた曲です。
なぎさんの囁きは真に尊い。
揺れる炎に癒される感覚でした。

このアニメ、2期ってあるんだっけ?
確かあるんだよね。
てか、ないとオカシイ。
2期が仄かに楽しみです。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 22

69.6 17 2021年度のファンタジーアニメランキング17位
バック・アロウ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (213)
494人が棚に入れました
リンガリンド。その地は、壁に囲まれた世界。壁がその地を覆い、守り、育み、育てた。壁は神――それがその大地、リンガリンドの根幹である。ある日、リンガリンド辺境の地「エッジャ村」に謎の男「バック・アロウ」が現れる。アロウは記憶を失っているが、自分が「“壁の外"からやってきた」ことだけはわかると言う。記憶を取り戻すために壁の外を目指すアロウだったが次第に、自身をめぐる争いに巻き込まれていく――

声優・キャラクター
梶裕貴、洲崎綾、小澤亜李、小野賢章、置鮎龍太郎、杉田智和、潘めぐみ、小清水亜美、小松未可子
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ガンソード×グレンラガンなのか

<2021/1/9 初投稿>
見始めなので評点はデフォルトの3.0です。

今期新作7つぐらい第一話見てみましたが、今のところ一番好感触!

どうやらオリジナルアニメのようで。
EDクレジットが原作「谷口悟朗、中島かずき、ANIPLEX」になってました。

谷口悟朗と言えば「コードギアス」「ガンソード」「スクライド」などの魅力的なオリジナルロボアニメを生み出す名監督。
原作付きでも名作「プラネテス」を始め「純潔のマリア」などでも手腕を発揮。
「ガンソード」「プラネテス」「純潔のマリア」は特に大好きです。

かたや中島かずきといえば「グレンラガン」「キルラキル」「コンクリートレボルティオ」、最近だと「プロメア」とか「DNA」とか「ノリと勢いと熱量」で押し切る名作、良作、迷作を多数輩出する作家さん。
ちなみにこちらの中では「グレンラガン」が大好き。

この二人が手を組んだ、ということのようです。

で、本作の第一話を見ての感想。
谷口監督の方が芸風が広い分、中島かずきテイストに少し寄せて少し暑苦しい感じはします。

一応、{netabare}ロボもの{/netabare}のカテゴリになるんでしょうが、
谷口「ガン×ソード」と中島「天元突破グレンラガン」の空気感を混ぜこぜにしたような。
でも出てくる人はみんな普通そう。
カミナのような気合いでなんでも解決可能な人も、ヴァンのような真性「バカ」もいなさそうです。
そういう意味ではキャラの人格的には「コードギアス」っぽいかな。

という作品です。

世界観とかキャラ紹介などは2話以降、もう少し見てから追記したいと思います。

<2021/1/24 追記>
三話まで視聴しました。
グレンラガンやガンソードがお好きな方なら好きな展開ではないでしょうか。
同じような展開とも言えますが 笑。

少し内容に触れます。

周囲を高さ十キロの壁に囲まれた、いわゆる異世界。
その世界の住人は「壁の外には何もない」と言います。
そしてその世界には二大国を始めとするいくつかの国があります。
中世の中国っぽい国、独立前のアメリカみたいな国、コードギアスのブリタニアみたいな国。
文明レベルはレボルバーや大砲は普通にあるので現実世界で言えば1800年代くらいなんでしょうか。

ちょっとアンティークな世界観。
ただ一つブライハイトという巨大ロボットの技術を除いては。
と言っても謎のオーパーツ的なものなのでその世界の人々は技術を理解してるわけじゃないのですが。
ここら辺のロボの扱いもグレンラガンやガンソードとよく似てますね。

第三話で{netabare}巨大戦艦を入手したバックアロウ御一行はエッジャ村の村人全員と一緒に壁に向かって旅立った{/netabare}のでした。
やっぱり{netabare}ロードムービー{/netabare}でした 笑

そしてやっぱりこういう展開好き。

登場人物は相変わらず正常な人が多いけど、でもそのうち鉤爪の男のようなイカれポンチが出てくるんじゃないかと期待してますw

やっぱこれ楽しいな。

<2021/6/18 追記>
最終話まで見終えました。
ラストはなんか{netabare}ポカン{/netabare}としましたよ。
バトルのところ{netabare}最終回での畳みかけ方はグレンラガンやガンソード{/netabare}のそれを思い出しました。
それ、というのは{netabare}対アンチスパイラル戦や対鉤爪の男戦{/netabare}のことです。

でも本作はカタルシスがちょっと足らない。

しつこいと言えば良いのか。
確かに{netabare}ルドルフ{/netabare}は良いキャラしてたし、やはり{netabare}三木眞一郎さん{/netabare}は凄い。
でもこんだけ引っ張るとなー

そしてこの世界のカラクリ。
良かったですよ。
これは予想できない。
ちょっと{netabare}LAST EXILE{/netabare}を彷彿とさせる。
でもなんかその割にカタルシスが足らない。

なんでなんだろうな。
全編通して展開は早く、盛り上げ方もさすが。
でもなんか噛み合ってない。

もしかしたら谷口悟朗監督と中島かずきさんは作風が少し似てる分、相性がさほど良くないのかも。
美味しいウスターソースに美味しい醤油混ぜたら微妙な味になった、って感じかも。

ちょっと評価の難しい作品でした。。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 34

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

壮大な物語だが実際は極微、だが大いに楽しませてくれた物語

壁に囲まれた世界『リンガリンド』。
なぜ壁ができているのか、壁の外に何があるのか、誰もわかりません。
この物語は、壁の外からやってきたバック・アロウを中心に多くの登場人物が活躍する内容です。
SF群勇伝のようなものかもしれません。

バック・アロウには過去の記憶がありません。自分が何者かもわかりません。
ですが彼には正義の心があり、人の命がかけがえのないものであることを彼は知っていました。

最初は作画に迫力がないため、たいしたことないだろうと思っていましたが…、
いつの間にかそれぞれの登場人物の生き方・信念に共感し、気づいたときには次回が待ち遠しくなりました。


リンガリンドでは武力の国「レッカ凱帝国」と慈愛(?)の国「リュート卿和国」とが覇権を争っていましたが、それぞれの国には独自の複雑な内面があります。それが結構興味を注ぎます。

そして、レッカ凱帝国の天命宮大長官だったシュウが自国を捨ててエッジャ村の住民になったことから物語は急展開をします。
彼は頭脳明晰な男です。彼の望みは『壁の外を知ること』その好奇心を探求するだけの理由で自国を捨てたのです。
実は、シュウこそがこの物語の真の主人公です。少なくとも私はそう感じました。

バック・アロウが空から落ちてきたエッジャ村は毎日の食べ物にも困る貧しい村でしたが、アロウとシュウが加わることで、やがてこの村が世界を統一する架け橋へとなります。

そして、やがて壁の外へたどり着きますが、そこは…

最後の結末を知ったとき、私は昔、手塚治虫さんの書かれた「火の鳥」未来編に説明されていた『コスモゾーン』を思い出しました。
それは、素粒子理論と宇宙理論とは同じようなものであるという仮説。例えば原子の周りを電子が周回している姿と太陽の周りを地球や他の惑星が周回している姿とは似ています。
さらに発展して、銀河は高次元生命体の細胞の一つなのかもしれないという仮説。
まさにリンガリンドは、手塚治虫さんが説明されたコスモゾーンのようなものでした。


この物語は実に多くの登場人物が自分の信念を語ります。
主人公のバック・アロウの存在が薄く感じられるほど、個性的な連中が出演します。
私はリュート卿和国のフィーネ姫の信念「愛こそ全て」が大好きです。

もしまだ見てない方は一度見られることをお勧めします。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 26

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

何かちょっとザブングルとかを思い起こさせるような話ですね…。

== [下記は第2話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話は録画だけしていて、まとめて第1話と第2話を続けて観ました。

「世界は壁に取り囲まれていて、その外側は存在しない」というリンガ・リンドという世界の成り立ちに何らかの知性体の作為を感じさせる訳ですが、実際の世界の成り立ちについては秘匿されていてそれに触れようとすることは禁忌とされているみたいです。

また先進文明的な物は「ラクホウ」なるカプセル状の物が降ってきたときにそこに入っている物しか得られないようで、リンガ・リンドの住民たちは自力で生産することはできないみたいです。

この辺りの人工的な世界観を見て何となく『戦闘メカザブングル』みたいな設定だなと思ったんですが、何しろオリジナルTVアニメ作品なので本当に似たような話なのか全然違う話なのかはわかりません。もちろんリンガ・リンドの形状的に「惑星ゾラ」とは事情は違っているんでしょうしね。

とはいえ、さすがに新作で作画の方は特段の古さは感じませんでした。ただ、演出面ではちょっと古くさいかもしれません。でも一周回って良い方に転ぶかもしれないし、監督が同じ『ID-0』とかはわりと楽しく観れたので世間の評判とは別に個人的には合うかもしれないです。

信念が具現化してブライハイトと呼ばれる巨大ロボット的な兵器になるとか、ラクホウに入って降ってきた主人公が素っ裸とかそういう辺りは「脚本:中島かずき」的な暑苦しさを感じます。

視聴開始を後回しにしておいてなんですが、意外と面白かったのでこれからは毎週ちゃんと観ようと思います。
== [第2話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.25追記:
最終話まで視聴終了。

「ザブングルみたい」とか書いてたら「アイアン・ギア」までやってしまいましたね。まあ見た目からそのこと自体は予想はされていましたけど、そこから合体までやってのけるとは(笑)。リンガ・リンドに外側があるのは想定通りでしたが、その「外側」の設定はちょっとビックリしました。

しかし中盤はフィーネ、終盤はゼツ凱帝が大活躍でしたね。その分アロウの影が薄くなっていましたが…。

これも作品設定を考えれば「SF作品」といえますね。最近SFは意外と多いかも。復権の兆し…?

投稿 : 2024/10/26
♥ : 32

70.7 18 2021年度のファンタジーアニメランキング18位
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (346)
1314人が棚に入れました
ごく普通のOL・相沢梓は働き過ぎが原因で過労死し、不老不死の魔女アズサとして異世界に転生した。前世での反省から、辺境の高原でのんびりスローライフを始めた彼女。スライムを倒して小銭を稼ぎ、魔女らしく薬を作って麓の村のお世話をする。あとはとくに何もしない。そんな暮らしを続けるうち彼女は「高原の魔女さま」と親しまれるようになっていた――。ところが300年後。スライムを倒し続けた経験値で、いつの間にやらレベル99=世界最強となってしまっていたアズサ。その噂は広まり、腕に自信のある冒険者はもちろん、決闘を挑んでくるドラゴン娘や、アズサを母と呼ぶ謎のモンスター娘まで押し掛けて来るようになってしまい――!?

声優・キャラクター
悠木碧、本渡楓、千本木彩花、田中美海、原田彩楓、沼倉愛美、和氣あず未、杉山里穂、田村ゆかり
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

作者の地力が覗える

1話感想{netabare}
D&Dはよく覚えてないけど、T&Tでは明確に単純作業の繰り返しでは経験値は入らないと説明してたハズ。
一撃で倒せる蛇が無限に湧き出る穴を例に挙げてたと思うのだけど…詳しい方いらっしゃいませんか?
そりゃそうだ、経験値はあくまで冒険者の経験を数値化してるだけで熟練工の経験ではない。
攻撃ミスって反撃される可能性があるならまだしも、命中判定の無いT&Tでは妥当な判断かと。
で、この世界のスライム退治は危険を伴う行為(=冒険)だったのかい?というと…う~ん?
しかも倒したら魔法石に変わるって…今更って言われそうだけどアベル伝説設定もいい加減にしてくれないかな?とは思ったり。
ドラゴンもコロコロすると魔法石に変わるのかな?
更に300年の間に疫病の流行を食い止めたことがあるって…それシナリオ報酬入らないの?
ってか最初から不死者(イモータル)って…えええ。
そっちでは騒ぎにならなくてレベルMAXは騒ぎになるというのもよくワカラン。
このテの作品でよく思うのだけど、経験値減衰起きないんだ、それにしちゃあMAXレベルの必要経験値低すぎじゃね?エナドレ持ちは存在しないの?

と、ツッコミを入れたところで…ええ分かってますよ、そんなのナンセンスだって。
ただ気になるのは、それらを分かった上でパロディとして描いてるのか、天然で描いてるのか。
アリアハンでアバカムを覚えるのが元ネタだろうけど、例のコピペ(※)は知ってるのかどうか気になる。
前世は過労で死んだことになってるが、それはやりがいのある仕事だったのか、同じことの繰り返しでウンザリする仕事だったのか。
前者だったら未練があるだろうし、後者であるなら不老不死になって300年間スライム退治なんて前世と大して変わらない、いや前世より酷い地獄。
それが自覚できない主人公は知的障害なのかな?と思ってしまったり。
ぶっちゃけ「穴掘って埋める拷問を300年受けてたら、知らないうちにレベルMAXになってました」ってタイトルの方が個人的には惹かれたと思う。

実際人との接触は極力避けてたみたいだし、17歳の肉体でありながら恋話の一つも…無いの?
愛した相手が年老いて先立たれる物語なんてゴマンとあるハズで、まぁそれ言ったら退屈は死よりも苦痛って話もゴマンとあるハズで、そういうエピソードは…無いのかい?
あ、原作未読です。
確認のために視聴は続けるつもり、繰り返しになるけど「分かった上でのパロディ」と思えるなら良いんだけど、どうなんだろうねぇ?
前世でブラック企業勤めで精神が壊れたキチが転生先で人間性を取り戻す話──なら良いのだけど、キの字のウワゴトを聞かされるだけの作品が多いようなそうでないような。



ワカラン方は「小学校のとき、先生に知能に障害がある子のうちに遊びに行かされた」でググって。
事実かどうかは知らんが個人的にはウソっぽいなぁと思ってる。{/netabare}

2話感想{netabare}
う、うん?
スライムの精霊が何故人の姿?
頑張って好意的解釈すると…この世界は神様が実在してそれが人と同じ姿をしてるので、スライムの霊的上位存在も同じ様な法則が作用してる、とかか?
とはいえ、そうはいえ、生態や価値観は人間のそれとは大きくかけ離れてるモンじゃね?
親子の情があるとかセロリが嫌いとか、人間と同じ過ぎてなーんか違和感。
鳴いてるセミをパクっと食っちゃうとか、暗くてジメジメしてるところが好きとか、そういうの無いのん?
それこそ睡眠時間は要らないって種族が居てもいいワケで…。
モン娘系だとそういった人間とは違うギャップに拘るというか楽しむもので、それが2話段階では全く無くて肩透かし。
更には善なるスライムと悪のスライムが居るそうで…えええ、それ誰が決めたんだ?
えーっと、確か“神達に拾われた男”でも善人悪人判定装置みたいなのを疑問を挟むことなくシレっと出してて「ひえっ」と思ったことがあるのだけど、そういう所を気にする方のがおかしいのかなぁ?

まぁその、主人公は精神が壊れてて、異世界での生活で癒されてく話なのかなーと思ってたのだけど、親しくなるキャラが人外ばかりだと…その…“妖怪アパートの優雅な日常”みたいになりそうな危うさを感じる。
(人外の価値観を知る主人公は偉く、知らない一般人は愚かだという精神)
これを見てると途中で脱落しちゃった“くま熊ベアー”って結構マトモだったんじゃないか?と思い始めたりw


ところで余談、1話感想で触れたT&Tの続報?
同期別作品で「塔の攻略で外壁を登る」というネタがありまして、最近でも同じのがあった気がするのだけど思い出せない、何だっけ?
同時に元ネタも気になって「ドルアーガの塔のゲームブック(1986)かな?」と思って調べたら、そこで経験値無限稼ぎが出来るポイントがあって物議を醸したことがあったらしいことを知りました。
ああ、それがあったからT&Tのルールブック(1987)は口酸っぱく言明してたのかも?
ちなみに「不正をさせないシステムにのみこだわることは、読者への愚弄である」ということで落ち着いたみたいなんだけど、その結果現在はどうなったか見てみると…う~ん…。{/netabare}

5話までの感想{netabare}
3話、巨乳ドジで無駄にお色気を振り撒く手品先輩みたいなエルフが登場。
ライカ役の人はどう思ってるんだろうwと思ってたら…ん?

その栄養ドリンクって本当に栄養ドリンク!?

ああいう世界なら日本の栄養ドリンクなんかよりずっと効果の高い(ついでに依存度も高い)ヤツとかフツーに出回ってそうじゃない?
それこそ村民がそこらに生えてる大麻の葉っぱ咥えながら野良仕事してたり、村の片隅で老人が水パイプふかしててもおかしくないワケで、あの世界では確かに栄養ドリンクであっても現代日本に持って来たら法律に引っかかる成分が入ってそう。
先人が全年齢向けとしてそういった部分を伏せて作った作品ばかり見てて、それの発展系を書いたら伏せた部分に気付かず地雷踏みかけてる様な恐さを感じる。
…。
いや待て、もうちょい考えてみよう。
あやしいビタミン剤で一財を築き、一国の王と思われる魔王が直々に頼みに来るくらい。
しかも最後は自分を見捨てた祖国に税金払いたくないから亡命するって…。
これ、作者だかスタッフは分かっていながらしらばっくれて書いてる可能性って無いかな?

エルフ「ち、ちがう、これはただの栄養ドリンクじゃ」アズサ「ムスビうそをつけ」スラ双子「ギギギ…」ベル「くやしいのうくやしいのう」
なぁんて展開が来たら1周どころか何周も回って面白いけど、どうかなー?

ってことで4話飛ばして5話。
麻薬王が新たな阿片工場を作ろうと思ったが、お上に目を付けられると面倒なので目立たない物件を当たったら地元住民(幽霊)が反対して居座りをしたので、懇意の他国の軍(魔王)に頼んで排除しようとする。
が、殺すのは忍びないのでファミリーへの入団を誘い、そこで麻薬王も一肌抜く。
厳しい入団試験の末ファミリーの一員となった幽霊は、他の地元住民への説得役という形で働くことになりました、って話。
恐らくそんなに間違ってない。
暫くはファミリーのメンバーが増える話が続くのかな?
早く他のカルテルとの抗争に移って欲しいトコロだが…えっ、そんな作品じゃないって?まっさかぁ。
ガワを可愛らしいものに変えてるだけで中身はヤクザモノと変わらない気がする、なにより幽霊が任侠臭いのがまたなんとも…そのうち鉄砲玉役やりそう。
しかもこの回、新たな情報として魔王は祖国で農業を取り仕切ってることが判明。
こ、これは…魔族の領地でケシ畑(本編では婉曲表現するだろうが)を始める前フリだったりしない…かなぁ?
やっぱこれ分かっていながらしらばっくれて書いてないか?
違うのかなぁ…確認のために見続けるのか…。{/netabare}

7話までの感想{netabare}
地方の抗争を諌めた功績を買われ、大組織の魔族組の組長と盃を交わすこととなったアズサ組。
族上がりのロザリーはそんな祝典に着てく服が無いとして特攻服を誂ってもらう。
そして送迎用のリムジン(リヴァイアサン)に感動しつつ魔族組の屋敷へ到着。
顔も知らぬ組長はまさかの子供で、川谷拓三役のハルカラが無礼を働いてしまいケジメ案件へと発展。
「子分の不始末はワシの不始末じゃけぇ」とアズサは組長へ直談判に向かうがなんやかんやで決闘する羽目に。
そしてアズサが勝ったと思ったら組長は突如アニキとしてアズサを信奉し出す。
実は組長は幼少の頃から御曹司として傅かれ、叱ってくれる人が居ず、アズサがそれになってくれたとしてご満悦の様子。
かくしてハルカラの不祥事も不問となり、盃の儀は恙なく行われましたとさ、めでたしめでたし。

というのが6・7話の大まかな内容、多分そんなに間違ってない。
よくあるっちゃある内容ではあるけど、なんていうんだろう…狙ってなのか、意図せず娯楽として収斂が起きたのか、昭和時代のくっだらない邦画と根っこが同じに感じるんだよねぇ。
私もそんなに詳しくないんだけどさ、一番星とか実写コ-タローまかりとおるとか実写ドカベンとか、あそこら辺。
7話の変装して魔王の部屋へ入ろうとするシーンなんて、植木等なら「衛兵に変装を怪しまれる→探りを入れられる→すっとぼける」のやり取りだけでコントを数分続けたんじゃないかな?
なーんていう、共通点を見つけつつ現代版へのアレンジ具合に思いを馳せながら見ると結構面白い…かも。

ただ、そういうのを抜きに純粋にこの作品だけで見ると…どうなんだろう。
先の植木等の例の様に、昭和映画は「あのスター俳優が出てる」という付加価値ありきの作りなワケで、それが無いこの作品で同じ様なノリをやられても…どうしてもキャラが弱い様な?
各キャラの見せ場が弱いというか、特性を見せ付ける描写が弱いというか。
特に個人的にはスライム子の「スライムならではの特性」を生かしたエピソードが無いのが謎で仕方ない、北斗神拳はスライム関係無いし。
というか見せるチャンスはいくらでもあったのに、それをしないことに「なんで?」と疑問符が付く。
例えば5話でベルを召還した時、風呂に水が張ってあったのは畑に水を遣るためとのことだが、普通にスラ子の水浴び用ってことではアカンかったのか?
また6話で長く漬かると溶ける温泉のエピも、実際スラ子が溶けて大変だとなるがスライムだからへーきアハハで終わると思ったんだが…なんでやらないんだろう。
ベルもハエになれる特性は登場時のみだし、ロザリーが薬草の生えてる所を見つけてライカが小型化してこっそり取って来るというのも、別に幽霊やドラゴンでなくても出来る程度でしかない。
で、そんなキャラ推しが弱い中で魔族の送迎用リムジンの運転手に強く自己主張されても邪魔に感じてしまったり。
キャラを掘り下げるよりも次々登場させて畳み掛ける方向を目指してるのかな、そういうのってスマホゲーが原作のアニメだけで充分だと思うのだが…。
出揃うだけ出揃ったら掘り下げるのかなぁ?

ところで魔王が女の子でしたって件、もうそっちのが普通って感じで何も驚きはしないけど、このデザインはどこか見覚えがあるぞ?
何だっけー何だっけー?と暫く悩んだ末ようやく思い出した、“ドクロちゃん”のサバトだ。
で、サバトちゃんの方がずっとキャラが立ってたワケで、ここでもまた余計に「キャラ弱いなー」って印象が強まることに。
結局7話までの段階でキャラが立ってるのはハルカラくらいで、けどそれも手品先輩の延長って感じでしかないのがナンとも…。


と、文句めいたことを書いてしまったので褒める点。
“ゆるキャン”の松ぼっくりの「コンニチワ」演出…なんて言うん?マンガだと写植じゃなくて手書きでちょこっと書く程度のセリフやオノマトペをアニメで音声で囁くヤツ。
あれがこっちでも使われてて、それは結構好きだったり。
ゆるキャンが起源ってワケじゃないけどゆるキャンのヒットを受けて取り入れたんじゃないかな?
こういうのは他の作品でももっと使って欲しいトコロ、コメディ作品に限るけどねー。
…と思ってたら7話、家族愛としてのキスシ-ンで「ジュテーム」が飛び出してさすがに不意を突かれたw
上記の様に昭和時代の映画を思い浮かべながら見てたせいかエマニエル夫人が頭に浮かんで、本編とのギャップに妙な笑いがこみ上げて来ました。
やっぱスタッフはその頃の時代の作品を意識してないか?違うのか?

あ、そうだ、それと6話。
温泉シーンが作画崩壊してるという声をどこかで聞いたのだが、え、そうか?
まず入浴の前に、長く漬かると溶けるという説明を受けてハルカラが溶けた姿を想像するシーンがありまして、そこは多分“崖の上のポニョ”のパロをやっている。
で、そういう前振りがあった上での入浴シーン、ポニョっぽさを匂わせた崩した作画にすることで「やべぇ溶けかけてる溶けかけてるw」と視聴者に突っ込み(突っ込みが悪いってことではない。「志村後ろ後ろー」みたいな楽しみ方)を入れさせる意図だったんじゃないかなー?
意図的にそうしてるのを作画崩壊と言っちゃうのはどうなんだろう。
「折角の入浴シーンが崩した作画でケシカラン」って意味なら分かるけど…あっそういうこと?照れ隠しで紛らわしい言い方になってただけか?{/netabare}

8話感想{netabare}
冒頭から爆笑w
「最近肉食ってないから怒りっぽい」って、ヴィ…某団体に喧嘩売ってない?大丈夫か??
めっちゃ攻めるなぁww
ま、まぁ人間じゃなくてドラゴンだしねってことで逃げ道は用意してあるけど、「それも所詮言い訳なんですけどねー」と最後に舌を出すようなこともしてて、ホントまぁ攻めること。
というのもAパート最後、ドラゴン二匹が夜中に倉庫の肉を貪るワケだけど、本当にドラゴン(人外)として扱ってるなら「ドラゴンってこんな生態なのか」で終わると思うんだ。
せめて貯蔵庫漁るのはどっちか一匹にして、もう片方がそれを見て呆れる様にすれば「人間だドラゴンだ関係無くマナーに背くことをしてる」ということを飲み込みやすいのに“敢えて”それをしない。
わざわざ二匹に肉を貪らせてアズサが怒るオチにしたのは完全に人間扱いしてる前提になってて、先の「人間じゃなくてドラゴンだしね」の理屈がただの言い訳であると吐露しているとしか思えない。
…本当に敢えてなのか単に何も考えてないのか、ここの判断は迷うところではあるけどヒントというかガイドめいたものはあります。
エルフのハルカラは「肉調達にイノシシをコロコロしに行くぞ」と聞いて何もリアクション無いの?と、疑問抱かない?
現代のエルフの一般的なイメージってどんなだか私も分からないし作品ごとに好きにすりゃあいいけど、これといって説明が無いなら菜食主義者だろうと思ってて「あれ?」と引っかかりを覚える人はそれなりに居るんじゃないかな?
で、本編ではハルカラは途中まで画面に映さずにスルーしてたんだけどとうとうAパート後半、みんなで猪肉を囲むシーンを入れることになりまして。
そこでそれぞれ肉を口に運ぶカットがあったのだけど…ハルカラだけ、な、なんと酒を呷ってる絵で肉を食べていない(と、それを眺めるロザリー)。
その後“引き”の絵になるがハルカラの前の皿はオムレツに見える様なそうでない様な?
こういう細かい所に気を遣ってるのにはちょっとビックリ、それとも偶然?
やっぱスタッフ分かってるんじゃない?分かっていながらすっ呆けてる。
(これで次回ハルカラが肉を豪快に齧ってるシーンがあったりしたら、その時は爆笑しよう)

で、前回の感想で書いたスラ子がスライム(の精霊)ならではのエピが無いという点も含め思うことは、ファミリーに人外ばかりを集めておいて人外っぽさはかなり抑えている。
作品が作品ならそれこそ先述の「肉食ってなくてイラつくドラゴン」に向かってエルフが低俗だと詰(なじ)る展開があっても良いハズ。
異種族間交流がメインテーマじゃないと言われればそれまでだけど、この触れなさっぷりは意図的なものだと確信して良いんじゃないかな?
なーんてことを思ってたさなかのBパートですよw

高原の魔女のニセモノが出たそうで、やれ簀巻きだ道頓堀の水は冷たかろうだと物騒なことを言う手下をなだめつつ犯人を捜索することに。
って、いや待って。
アズサの面って一般人に割れてないの?
フラタ村の連中だけ?…ただでさえ普通の人間と距離を置いた感じだったのに、より一層それが強まった印象。
でもって聞き込みに向かった先でブレンドSごっこをして犯人の居場所を突き止め追い詰める。
どうしてこんなことをしたのか動機を聞いてみたらニセ魔女の願望は「知る人ぞ知る存在になりたい」「有名になりたい」の両立で、それは矛盾してるとライカが指摘。
それに対しアズサは人間は矛盾してる生き物だと説明するという展開で──。

ただの人間とは距離を置いてるクセに人外に人間の倫理を当てはめて家族ごっこをしてるアズサが一番矛盾してるってw

視聴者にそういう突っ込みを入れさせる狙いか?
ひょっとしてこの作品って、人間不信だけど人の温もりに飢えてるという、ヤマアラシのジレンマというか木枯らし紋次郎的なテーマが根底に流れてたりして?
もしくは不老不死を選んだ時点で腹を括ったとか、300年の間に親密になった人間に先立たれて辛い思いをして「もう人間とは親しくしない」と心に誓った出来事があったりして?
まさか今後そういう話をやる前フリか?
ホラ、さ、日常系のアニメでも後半妙にしんみり来る展開入れる作品ってあるじゃん?その可能性は…どうだろう?


それはそうと昭和時代の映画になぞらえた解釈の方だけど、これも相変わらず健在。
「ただの人間=カタギ」「人外=筋モノ」と捉えると、アズサが距離を置いてるのも妙に腑に落ちる。
で、ニセ魔女は「あっしもアズサの親分みてぇにヤクザになって一旗上げてぇんでい」って配役で、そういう話も昔よく見たぞw
大概はカタギがヤクザの道に入っちゃいけねぇと反対するもんなんだけど…ああ、この作品では既に詐欺前科持ち&身寄りナシって扱いなのね。
だからといってただの人間をファミリーに迎えるのはイヤなので、準構成員扱いということで落ち着きました、というオチ。
地元の不良が密造酒で小遣い稼ぎしてる感じかな、あまり派手にやるようならアガリを要求することになるとハルカラに釘を刺させてエンド。
ってか薬作るの好きだねぇこの作品w{/netabare}

9話感想{netabare}
朝起きたらファルファがスライムになっててさぁ大変、“元”に戻すため手がかりを持つ者を尋ね歩くって話なんだけど…ちょっと待てぇい!
「元」って、何?
スライムの精霊のファルファの本来の姿って、ヒトとスライムのどっちなんだ?
突然哲学めいた話題が飛び出して来て…すげぇなこの作品w
変身能力を持つ者が何度も変身してたらいつしか自分の姿を忘れちゃった、なーんて話ってよくあるじゃん?
何度もスライムならではの生態が描かれてないとは指摘したけど、こんな形で提示するとは…。

本編作中ではあたかも「本来の姿はヒトの形である」かのように振舞ってるけど、キャラクターがそう思ってるだけで事実かどうかはまた別問題。
ってかスタッフは言葉選びにかなり気を遣ってるだろw
「うわぁスライムになっちゃったー」であって「うわぁスライムに戻っちゃったー」とは頑なに言わせない。
実は私もこの回の感想の1行目を「スライムに“戻ってて”さぁ大変」と書きそうになったのをグっと堪えたんですよね、「元の姿のスライムに戻ってしまったので元の姿のヒトに戻す」だと変な文章になるので。
この違和感は問題提起・興味を引かせるための意図的なものだと思うんだけど、どうだろう?

例によってヒントはありまして…スライムの餌は土や雑草でも構わないらしいのだが、スライム姿のファルファへはどうあってもヒトの料理を与えるという、キャラの意固地さが覗える。
意固地さでいえば武道大会でベルが正体を現しても観客は誰も魔属だと疑わない。
これって「魔族が出場するなんてことはない」という先入観というか思い込みに支配されてて、この作品はそういう連中で形成されてると暗示してるようなそうでもないような?
そして魔法使いスライムや武道家スライムは「変化の術でヒトの姿になってるだけ」が示されてて、ファルファだけが例外というのはなかなか怪しい。
(ってか魔法使いスライムに診てもらうシーンで「そのスライムさんを元の姿に戻したいと?」ってセリフがあるんだけど、その後に「これが元の姿ですよ?」って言葉が続くんじゃないかとヒヤっとしたぞw)
最後の方、弟子入りを請うブッスラへ「究極奥義の無想転生は教えようとして教えられるものではない」とアズサは断るが、引き下がらないので仕方なく立ち合いをしたら、アズサの背負う究極の哀しみのオーラ(“強敵(とも)”の影)を察してブッスラはビビって諦める、多分そんなに間違ってない。
が、すぐに次に強かったベルへ弟子入り先を切り替えて~って展開でして…。
これって、スラ双子が2話で懐柔された出来事を知らないブッスラとしては、そんなに恐ろしいアズサに懐いてるのは不思議で仕方無いと思うのだが、「強いヤツに弟子入りする」が頭の中一杯でそんなことまで考えが回らない、というのを描いてるのでは?
つまりは視野狭窄・思い込みが強いことをここでも見せ付けてる…様な?

総じて、実はファルファの元(本来)の姿はヒトかスライムかはよく分かってなくて、だけど思い込みの激しいキャラ達はヒトだと信じて疑わない、という勘違い系コメディの回だったのでは?
という考察だか妄想。
「ファルファの正体は実はスライム」って前提で見るとまた違った趣が見えてくるというか…そういうのをスタッフ狙ったんじゃないのかなぁ?どうかなぁ?


それはそうとスライム化したファルファへ顔を突っ込むシーンが何度かあるが、ふとドラクエ8のぱふぱふ屋を思い出した。
ひょっとして「双子がこんな姿になっちゃってえぇ~」と勘違いしてハルカラの胸へ飛び込むネタが今後あったりして?そのための双子設定?

それと武道家が寝違いを治せるって理屈、「武道とはつまり体術、整体にも明るい」ってことなんだろうけど、ちょっと遠い様な?
ってか以前スライムの秘孔突いてたんだしシャルシャだけでも何とか出来そうなんだが…激震孔か刹活孔辺りを突いてさ、え、ダメ?{/netabare}

10話感想{netabare}
ずっとヒヤヒヤしっ放しでした、いい意味でw
同期に“オッドタクシー”をやってるせいってことじゃなく、昔からヤクザが歌手を目指すもなかなか芽の出ない女と付き合うようになって~って話は幾らでもあるじゃん?

例えば──
ククの歌に感動して同時に付き合い始めた下っ端ヤクザのフラットルテは「彼女を本気で支えてやりたいんだ」と足抜けを申し出て、兄貴分の哀川翔役のアズサは寂しく思いつつもそれを応援する。
そんな折ベル親分の口添えでククは大舞台に立たせてもらうこととなり、アズサとフラットルテは良かった良かったと目頭を熱くする。
が実はそれは泡に沈める前に商品価値を上げとくための計画で、それを知ったフラットルテは親分に直訴するが「ヤクザと付き合った時点でどうなるかは分かってただろ?」みたいなことを言われてもみ合いの末死亡、ククは予定通り泡風呂へ。
それを知った哀川翔は、舎弟の敵討ちと世話になった親分に歯向かうという仁義の板挟みの中、前者を選んでベルの屋敷に殴り込みに~…って話、あるじゃん?哀川翔かは知らんけど。
あ、ククは泡風呂へ落ちる前にハルカラにヤク中にさせられる、も忘れずに。
まぁ決して登場キャラ全員が幸せになる話ではない。

10話はそんな展開になるんじゃないか?と常時ヒヤヒヤで(まず有り得ないけど)、実際歌手の道を諦めて風俗で働くみたいなことも言ってて、そう考えちゃう様に…誘導してるだろ!やっぱ確信犯だろ!?
皆で歌を披露するシーンでは「男の~旅は一人旅~」や「男なら~闘うぅとき~が来るぅ~」と、とりわけ「男」を前面に推した演歌が飛び出したらどうしよう?と思ったよ。
さすがにそれは無かったけど、代わりとばかりにスラ双子の歌が「私とは何?」みたいな歌詞で…前回「元の姿はスライムかヒトかハッキリしてないのでは?」と疑問に思った私としては、やっぱそうか!と膝を叩くことにw
作ってる側やっぱ分かってるって、意図的だってww


更には別視点からの…これは全話見終わった後で総評で書こうと思ってたのだけど、それに係わるエピだったのでここで。
私の1話感想や2話感想を見れば分かる通り、序盤はかなり批判的に見てました。
単に私がこの作品の作風を掴めてなかっただけかも知れないけど、そうは言っても「良いスライム悪いスライム~」なんて今思い返してもはぁ?と言いたくなる。
つまり途中からガラっと作風が変わった感じで、じゃあどうして変わったのか?を考えたら…あ!、これってなろう作品なんだよね?
ひょっとして、「なろうで始めるにはとにかく最初は閲覧数を稼がなきゃお話にならない」と、信念や拘りを捨ててなろうに媚びへつらった作りを目指した、タイトルも含めて、だったりして?
で、ある程度固定客を掴んでからはそういった忖度は辞めて自由に書く様になった、とか。
或いは一発ネタを思いついて、だけど所詮は一発ネタなのですぐにネタが尽きて、どうしようどうしようとなって昭和作品を参考にし出した、とか?

キン肉マンの序盤も序盤はへっぽこヒーローモノだったのがプロレス勝負に転向したり、遊戯王がいろんなゲームに纏わる悲喜こもごもだったのがカードゲーム一本へ転向したり等、途中から方針がガラっと変わるケースは無いワケではない。
これもそれなのでは?
不老不死のせいで周囲や親しい人が年老いてく中自分だけ取り残される悲哀だとか、レベル99と言ったっていつキャップ開放されるか分かったモンじゃない不安とか、転生者は他にも居るんじゃないかとか、序盤で提示したからには「あっても良さそうな重たい展開」はぜ~んぶ放棄して、それこそ序盤の設定は無くても構わないレベルの話が中盤以降展開されてる。
実際中盤以降の展開を、きららだかそこら辺で新スタートした方がもっと広く受け入れられたんじゃないか?とさえ思ってたり。
1クール作品のアニメくらい最初から最後までテーマを一貫しろって意見も分からんでもないけど、原作からそうであるならまぁ仕方無いかなぁ、とも。

そう妄想してたところでの10話ですよ。
風刺というか暗喩というか…それらを飛び越してかなり直截に作者の叫びをぶつけてないか?
ヘビメタに拘ってたククは鳴かず飛ばずの泡沫ラノベ作家(失礼)の作者そのもので、「どうだ素人のフラットルテ様でもこれくらい演奏出来ちゃうのだ」とダメ出ししたフラットルテは素人出でヒットを飛ばしたなろう作家。
「わかりやすい歌詞」は「なろうに媚びた設定」で、最後の方の「お前は世の中の流行に合わせられるほど賢くはない、賢かったらもっと前から売れている」は…もう、作者の自虐というか戒めとして言い聞かせてるんじゃないか?
なんかすっごい被るんですけど!?
実際作者のwiki見りゃ分かるけど結構暗中模索してるみたい、決して素人じゃないし素地はあるみたい。
え~っと“こみっくがーるず”の爆乳姫子先生のエピソ-ドで「本来描きたいジャンルは別にあるのにエロマンガがヒットしちゃってさてどう気持ちの整理をしよう」ってやつがあったのを思い出した。
なんかあのエピソードとこっちの10話は同じテーマを描いてる気がする、作家の苦悩が滲み出てるというか。
特にこっちは「知り合いの作家がモデル」ではなく作者本人の身の上と被るというか…。

果たしてこの作品がアニメ化までなって作者は嬉しいのだろうか?この作品は本来書きたかった作品なのか?
これが代表作と言われて作者は本意なのか不本意なのか?、気になるなぁww
サイン会とかで「スライム倒して~を読んで先生のファンになりました!他の作品も読みましたがスライム倒して~が一番面白いです!!」とファンから言われたら、作者は表情を曇らせながら「あ、どうも」と力なく返しそう。
え、そこまで未熟じゃない?達観してる?
もし達観してるならもうちょっと遠回しに描いたんじゃないかなー?どうかなー?{/netabare}

12話までの感想{netabare}
11話…とその前に。
何話くらいでだったかな、某所の感想で「ハルカラはキャラが立ちすぎててあんまり前に出すと他のキャラ食っちゃうので、作者も扱いには苦労してる(のではなかろうか)」みたいなのを目にしました。
確かにハルカラは別作品なら手品先輩で主役張れるキャラで、逆に言えばコイツを使えば「騒動」を起こすのが楽チンという便利なポジション。
どうやってハルカラを出しゃばらせない様に抑え込んでるか?に注目しながら見てみると、また新しい発見があるかも?

ということに留意しながらの11話、早速ハルカラの手違いでアズサが毒キノコを誤食して解毒薬を求めて東奔西走するって話。
いやぁ~、ハルカラ便利だなぁw
解毒薬は富士山の山頂にあるとのこと、但しリムジン(リヴァイアサン)やセダン(ドラゴン)では7合目までが限界なので徒歩でせっせと登ることになるが、実は4WD(ワイバーン)なら頂上まで楽々行けたというオチ。
更にその薬は魔王城にも納品されてるそうで…いわゆる青い鳥オチを被せる。
ペコラが意図的にすっ呆けて登山という名目でリムジン運転手に旅行をプレゼントした、ということだったが──。
ここは市場のヤクの流通を把握してなかったハルカラが責められる展開も有り得たんじゃないかな、それだとさすがにハルカラが前に出すぎると判断して避けたのかも?

というか、さ、「若返りの薬」は果たして毒か否か?って、これまた哲学めいたことやってないか?
あくまで若返ったのではなく「ノームの様に小さくなる」とは言い張ってるけど、扱いとしては若返りだよなぁw
また子供になっちゃうネタは他の作品でもよくあるけど、精神まで幼くなる気持ちの悪い展開にはならなくて良かった良かった。
で、精神は幼くならず相応のままではあるんだけど…ハテ?300年生きてるアズサの「年相応」って何!?という、やっぱり哲学がががw
羞恥心はあるみたいで、300年生きててそうなるのかなぁ?けど肉体が17歳のままだったらそうなのかなぁ?と、考え出したら夜も眠れない。


でもって12話、ナルホドそう来たかー。
これまでに登場したキャラ勢揃いの、いかにも最終回らしい「今までのまとめ」的な内容で…。
最初の頃はなろうに媚びたアレな作品だったのが途中から様変わりしたワケだけど、そのままおさらいするとまとまりが無くなっちゃうと思ったのか、最終回はどちらかというと序盤の頃のなろう媚び時代に寄せた感じでした。
まぁつまり「う~ん…」って感じ。
だってねぇ、これまでのノリなら、祭でアズサ組がテキ屋を出す話なので、アズサ組のことをよく知らんモグリに「おうおう、お前ぇ誰に断って勝手に店開いてんだ?」とイチャモン付けられる話になったんじゃないかなー?
またはアズサ屋が大繁盛すぎて、閑古鳥の他のテキ屋から恨みを買うとか。
組長の親分(ペコラ)がやってきて親密そうに接してるのを見て、分かるヤツだけ「コイツに手を出したらヤバイ」と慄くとか…無いのか。

特に気になったのはメイド服のライカを、描写からは全くそんな気配がしないのにモブがしきりに「尊い尊い」と口だけ言って「そういうことだと解釈しろ」と視聴者に押し付けるヤツ。
作劇としては下の下。
しかもその後リムジンの運転手まで手伝うことになるせいで…こいつらの方が本職中の本職、国のトップや国賓を相手に給仕をしてるハズで、それに比べりゃライカなんて路傍の石と化すんじゃねーの?とどうしても思ってしまう。
なーんか全話通してもライカはお嬢様的ポジになり切れてなかった気がする。
結局ハルカラ以外はキャラが弱いことをまざまざと見せ付けられちゃったかなぁ?

けど良いんです、全話のおさらいとして序盤のノリを復活せざるを得なかったと思えば気にならない範囲。
まぁあれだ、普段企画書から外れて好き勝手に作ってるのに、上司が視察に来た時だけ企画通りに作る作業現場、みたいな。
いかりやが後ろ向いてる時はダラけてて振り返ると真面目に働くフリをするドリフのコント的な…そこまで考えちゃうのは私が昭和ネタに囚われすぎてる?

気がかりなのは1話と最終話だけ試しで見て「あ、この作品ってこういうのね」と早合点されてしまう可能性…え、そういう人は1話で見切り付けてる?{/netabare}


総評{netabare}
序盤なろうに媚びまくりの呆れた設定だったけど、途中から激変して滅茶苦茶面白くなる。
何話くらいから変わったのかなぁ?と考えてみると──
3話のハルカラ登場回自体は催淫効果のあるキノコ誤食が「あーはいはい」って感じでそこまででもない。
5話の地元住民説得と6話の盃の件で「あれ、ひょっとして?」と思わせてからの7話の「ジュテーム」が決定打だった…のかな?
ここら辺の私の感想の移り変わりっぷりは各話感想を見てもらえればよーく分かるかと、長くて申し訳ないケド。

9話でスラ双子の「元の姿」って何よ?と疑問を抱かせて10話挿入歌でさり気なく落とすのはもはや芸術的にすら思えるw
ファルファとシャルシャは少女のマスクを剥がすと天地茂と北大路欣也が出てくる、そうに違いない。
ここでようやく作者の経歴を調べて、紆余曲折あって今に至るということを知りました。
昭和映画を現代向け&萌え化してるのではないか?という疑いも、疑いじゃなくて意図的にやってる可能性が濃厚かと、知ってるでしょーこれだけの人なら。
で10話は「本来自分が書きたいジャンルじゃないけどウケるために嫌々やってるんだ」という作者の胸の内の吐露かな?と視聴直後は思ったが、時間を置いたら「タネ明かしだったのかも知れない」と解釈してます。

総評としては、なろう媚びのバカバカ設定でも地力のある人が調理すりゃ絶品になるという、こちらもいい勉強になった素晴らしい作品でした。
「何も考えずに~」みたいのはこの作品に限らずよく聞く言葉だけど、だからといって作ってる側まで何も考えてないワケではない。
視聴者に考えさせない様にする仕掛けが施されてるはずで、そこを考察するのもまた楽しみ方としてはアリかなぁ、と。
で、この作品は考察(という名の妄想)が捗る、言い方変えりゃ考察し甲斐のある懐の深さがありました。
ジャンルというか雰囲気としては“バミューダトライアングル”が近いかな?
個人的にはかなり上位の誉め言葉なんだけど、バミューダ~の良さを上手く説明できない文章力の無さがもどかしい。
作品によっちゃあ考察するだけ空しくなるモノもあったりするので、今後比較用にこの作品を挙げることが…あるかも?

しっかしこういう作品があるとにわかに1話切りできなくなっちゃうなぁ…それはそれでキツいんだが…。{/netabare}

投稿 : 2024/10/26
♥ : 16

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

昭和のホームドラマもしくはシリアスなしのUQ HOLDER(ただし男はいません)

イメージされるのは『寺内貫太郎一家』とかそういう奴?
(↑古すぎてメインのあにこれ会員は誰も知らない(笑)。)

高原の魔女アズサのファミリーと、その友人・知人によるホームコメディー的なストーリーです。

設定やキャラの把握に冒頭2~3話使った後は、ひたすら「あってもなくてもいいような話」をダラダラと連ねていくスタイル。もちろん基本的に各話完結で前後編は1回だけでしたか? 伏線とかも難しく考える要素がありません。

シリーズ通じてのちゃんとしたストーリーみたいなのは特にないんですが、単話でのメリハリという点では高得点を付けて良い作品だと思います。毎回ぼーっと観てて、めっちゃ笑って、いつの間にか終わる(笑)。

以前の回のゲストキャラが再度出てくることもありますが、そのキャラが出てくる回を見損ねていたからといって特にストーリーがわからなくなるといったようなこともない平坦な異世界日常系アニメとなっています。

メインキャラは不老不死もしくは長寿というのも、本作の特徴になっていますね。見かけ通りの年齢ではないキャラばっかり。


アズサは無敵だけど身の回りの平穏維持にしかその能力を発揮することはなく、たぶんファミリーの財力もおよそ個人レベルではあるはずもなく、地元の伝統的なはずのお祭りよりもアズサは長生きしているといった、ある意味アホに徹したようなお話ですけど原作者の森田季節先生は京大卒でいらっしゃるらしいですよ。

近所のおっちゃんのちょっと盛った小話レベルでも、頭のええ人の手にかかるとめっちゃおもろいんですわ…。

しかもたぶんアニメ制作スタッフも、そういう話とキッチリ割り切って真面目にコメディ作品として作ってるんでしょうね。


余談: このアニメには「エフェクトボイス: 中村 桜」という謎のキャスティングがあります。特にコミカルな描写においてSE(効果音)を声優が演じる場面があるのですが、これが実に良い仕事をしているんですね!

ある意味、このアニメのストロングポイントといえるかもしれません。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 35

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

女の子の女の子による女の子のためのスローライフ

これって、異世界転移ものだっけ?
300年前の話なので、忘れてしまいました。

300年間スライムをやっつける生活をしていた高原の魔女さん。
それなのに、TV放送が始まったとたんに同居人が次々と。
不自然な人口増加により、一人っきりのスローライフが・・・。
環境の激変もなんのその、高原の魔女さんの順応力はMAXなのでした。

様々な種族が集まる忍者屋敷と化した高原の魔女邸。
増築工事も順調です。
ここはひとつ、温泉など作って一大リゾートにしたいところ。
しかしこの作品、そういうアニメでありません。

可愛い女の子だらけのドタバタ異世界コメディー。
碧様のツッコミ力も光って、それなりに楽しめました。
もっと続くと登場人物も増え、収拾が付かなくなるところ。
絶妙の終わり所でした。

碧様の主題曲を久しぶりに聴きました。
なんと、この物語にふさわしくないぴーぴー声って。
ぶっ飛んでいて、ちょっと引きました。
多才なのも考えものかもしれません。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 19

71.9 19 2021年度のファンタジーアニメランキング19位
ワンダーエッグ・プライオリティ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (317)
1023人が棚に入れました
「高校教師」「家なき子」「高嶺の花」ほか話題のドラマを多く世に送り出した、脚本家・野島伸司さんが初めてアニメ作品の原案・脚本を手掛けるオリジナルアニメーション。監督は「22/7 あの日の彼女たち」キャラクターPV、「僕はロボットごしの君に恋をする」アニメーションPVの監督他、数多くのアニメ作品に携わる気鋭の演出家・若林信さん、アニメーション制作は「空の青さを知る人よ」「約束のネバーランド」などのCloverWorksが手がける。2021年1月より日本テレビほかにて放送予定だ。

声優・キャラクター
相川奏多、楠木ともり、斉藤朱夏、矢野妃菜喜

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

残念ながら「まどか」や「ウテナ」にはなれないかな…。作画は最高だけに勿体ない。

 最初の5分ぐらいでこのアニメは半端ない…ってわかるクオリティー。やはりキャラクターデザインと総作監が一緒な作品はレベル高い。内容は野島脚本らしい痛みがある話を、イクニさん的な象徴的な物語として描く感じかな。最近あんまりないタイプの作品なので期待大。


2話になっても作画は緩まず!。というか、戦闘シーンの作画も凄いし、背景との調和も見事。そして物語の流れを上手に作る演出があるからこそそれらが活きている。クライマックスで表情をあえて隠すとかわかってるぅ〜。opedのセンスも良い。


 ほんまに作画すげぇ…。単に端正なだけじゃなくイマジネーション爆発の勢いとオリジナリティーあるセンスが半端じゃない。本作で連想するのは個人的にはやはりウテナである。


 象徴的なテーマ性、人間のダークさが活きているストーリーの味わい深さ。それでいてエンタメな要素もしっかりしていてゲーム的な独特のバトル、美しくて立っている一筋縄じゃないかないキャラといった甘味もしっかりしてバランスを取っている。なにより不穏なエロスの予感が匂っているのが近年なくて良い。


 3話まで来ての予感だが、真ん中あたりで「まどか」における魔女システム判明みたいになってうぁ…ってなるか、小糸ちゃんの真意がわかって絶望のズンドコ展開になりそう。最近は低反発枕な作品が多すぎて食傷気味だったが、やはりハードもないとね。


 10話まで見て、残念ながら序盤に予感された広がりには至らない感じかな。SFとして割と小さくまとめちゃいそうだし、「まどか」の脚本の緊密さや、「ウテナ」のヤバさや象徴性の深淵さには至らないかな。


 今回の話を5、6話、遅くても8話くらいにやらないともう時間がない感じかな。総集編も一回挟んじゃったし。まぁ、今回は第一弾としてこの方向性でオリジナル作品をもっと突き詰めてくれるなら大歓迎である。


 

投稿 : 2024/10/26
♥ : 25
ネタバレ

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

普遍的な名作になり得たかもしれないのに・・・。

タイトルのとおり、普遍的な名作となり得るスペックと可能性を秘めた作品と感じた。
が、最終的にアリはアリだが、もう少し深掘りできた可能性を活かせなかった印象。
ただ、それでも全体的な雰囲気と作品のスペック自体は相当高い。

私は、相変わらず某アベマなTVでまとめて放送されたものを視聴しての感想なのだけれども、
この作品、とある方のyoutubeを拝見すると、最終話の放送回を遅らせて、特別編として放送する旨を告知の上、実際に特別編が放送されたとのことだ。
で、そのお方も仰ってられたように「なんで延長した最終回の半分を振り返り回にしたんだよ」との印象は私も持った。
とてももったいない時間の使い方と感じた。
その30分があれば、もっと物語を深掘りできただろうに・・・と言う意味でだ。

以下、今から、オッサンがネタバレの要素と自身の妄想も含めたきもい表現をします。
{netabare}
この物語、ある意味非常にデリケートでセンシティブな話題「自○」と言うものをキーとしているポイントがある。しかも、対象となっているのはいわゆる「少女」たち、そしてその自○の原因として描かれる理由もまた、様々(物語的には、本当の「理由」があるとされるが)。
この自○の理由となるエピソードも、この現代では望ましい事ではないが、確実に存在し、これもまたセンシティブでデリケートで胸糞悪いものだ。

さらにメインの主人公たちもまた、いわゆるところの「少女」たち。
この少女たちが、自身の現状に悩みながら、さらには戦う理由にも迷いながら、それでも自分の生き返らせたい人の為に、どこかの魔法少女のように戦いに巻き込まれていき、さらには、昨今流行りのAIネタまで登場してくる。

これらを物語の流れの中で「ワンダーエッグ」をキーツールとして繋げていく。
この多彩な要素を含む物語を終盤までは、いや、一応最終盤までも何とかまとめていたのは大したものだと思う。
途中までは「これどうまとめるんだ?話数足りるのか?映画でもつくんのか?」と本気で思っていたくらいだし、私的に。

そもそも、これらのセンセーショナルなワードを多く含み、その主人公たちが「少女」となれば、丁寧につくれば大抵の場合興味をそそる物語にはできると思う。
男女平等、ジェンダーフリーが叫ばれる中で、こういう表現はいかがなものかとは思うけれど、
いわゆる「思春期の女性」の持つ、幼さ、大人と子供の間の不安定さ、ミステリアスさ、はかなさ、力強さ、微妙な色気、美しさ、可愛さ、etc・・・。
この時代の女性を表現する言葉は数えきれないほどあるだろう、
オジサンの今もってしても、当時の自身からみても「そういう季節の女性」が大変魅力的にうつるのは否定しようもない。
これは、洋の東西、古今を問わずこの年代の女性が主人公となった文学、映画作品などに名作がある事からも明らかだろう。
そういうテーマとして扱いたくなる素材であるという事だ、
そういう、魅力的な素材を使っているのだから、そこにこれだけのエッセンスをぶち込めば、良くも悪くも興味深い作品にはなるものだ。

と、素人的には思う。


{/netabare}

この作品、
物語は本当に心が苦しくなるシーンもあったが、ユニークで面白かった。

この辺りは野島伸司が脚本となれば、納得のいくところ。
この彼が、いつからかドラマにも「コンプライアンス」が侵食して、僕のような物書きは翼をもがれた感覚で、より自由度の高い場所を模索していました。今回、アニメの世界を描く場をいただき、本当に久しぶりに楽しかったです。
と語っていることから、こういう意味でもドラマよりも少し羽を伸ばして脚本を書いたことがうかがえる。

これどうなるんだろうという興味がそそられたし、実際、進んでいく物語の中で主人公の少女たちの成長(使い古された安易ないい方だなぁw)が見て取れる。
実際は、成長と言うより「(気持ち、目的を含めた上での)変化」と言う方が印象に合っている気はするけれど。
途中から、物語の裏(真相)のエピソードが語られると、なお一層この先に興味がそそられた。

そして、作画は本当に綺麗に丁寧に描かれており、美しかった。
クオリティとしては映画並み、と言ってもいいのではないだろうか。
私的には、キレイな作画が視聴の原動力となるケースが結構あるので、そういう意味では素晴らしい求心力を持っていたと思います。

声優優さんたちも、キャラに合っていて素晴らしかったと思う。

また、音楽もノスタルジックな雰囲気をもちつつ、作品の世界観とはほんの少し、意図的にずらした感じ(う~ん、EVAで翼をくださいが流れた感じ?)がギャップが活かせていたと思う。

キャラもそれぞれが、それぞれの思いと影と明るさと・・・闇、色々な表情、個性を持っていて魅力的でした。
それぞれがそれぞれの意見と行動をし、それでも友達になれてよかったと言っている姿がほほえましかったです。

だからこそ、最終話でもうひと頑張りをしてほしかった。
どうすればよかったのかはわからないんですが、やはり振り返りTIMEで時間を費やしたのはもったいなかった。
ここで、少し手を抜いた感が・・・いや、頑張りきれなかった感が生まれてしまったのはもったいなかったと、本当に思います。


この作品、ジャンルは違うかもしれませんが、
「マギカ」のように名作の一つとして記憶に残る作品になり得た作品ではないか、と私的には思っています。
作品のクオリティとしては十分そのレベルには達していると思うのです。
現在の終わり方でも、それは揺るがないとは思うのですが、もうひと頑張り、もうひと頑張りしていただければ・・・と言う思いが残ったままなのは残念です。

少々、心に苦しい要素も含む作品なのですが、
観る価値はある作品だと思います、機会がありましたら、ぜひご覧ください。

好きか嫌いか?はい、好きな方の作品でした。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 20

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

脚本: 野島伸司は当然仕事してるけど、これはプロデューサーが頑張ってるのかもしれません?(6/29に「特別編」が放送されました)

脚本: 野島伸司と言われれば当然気になるわけで、視聴のきっかけは間違いなくこれです。で、第2話まで観ました。

ストーリーに関してはティーンエイジに向けられたいじめとか部活指導時のパワハラとかをテーマにした話で、とにもかくにも主人公の大戸アイが並行世界的な謎の空間に入り、ガチャで購入した「エッグ」から出てきた子が怪物に襲われないように助けるために戦うというフォーマットで進むみたいです。

が、全部観終わったら別かもしれませんが今レビューとして書きたいのはそこじゃないです。

ということで、以下の話です。

私はアニメの製作体制について人並みにしか知りませんが、多分テレビでシリーズ放映される深夜アニメ作品の場合は作品自体のコンセプトを決めてるのは「総監督」って肩書きの人がいればその人、そうじゃなければ特定の個人ではなくぼんやりと製作委員会みたいな感じだと思っています。

肩書きが「プロデューサー」っていう人はスポンサー集めや放送局への売り込み、マルチメディア展開時の窓口とかの事務屋さんのイメージで、クリエイター寄りの仕事をしないわけではないでしょうが、そっちがメインという感じはあまりしません。まあとにかく企画の大枠は先にあって、その企画のための調整役としてプロデューサーが付くものなんじゃないでしょうか。

一方、テレビドラマではそんなことはなくて、企画内容について一番力があるのは局プロデューサーでしょう。もちろんスポンサーの意向を無碍にはねつけたりはできないでしょうが、「どんなドラマにしたいか」を大雑把に決めるのは局プロデューサーの仕事と思われます。

で、本作を観ていて「脚本: 野島伸司」の起用も含めて何かグループ合議だけではなくドラマとかにありがちな強めのプロデュース力を感じました。

普通テレビアニメでそんなことは気にして観ていませんが、公式サイトの「STAFF&CAST」を見てみると企画プロデュースの欄に「植野浩之」という名前がありました。別に名前を知っているわけではないのでググってみたらこの方は映画プロデューサーなのですね。

今回は日本テレビ側の局プロデューサーとして参加されているようで名前の横にあるフキダシをつつくと企画に当たっての言葉みたいなのが読めるんですが、それを読んで私が感じていた「プロデュース力」みたいなものに納得がいった次第です。

ということで、『GREAT PRETENDER』なんかもそうでしたが今後は映画やテレビドラマを作っていた人材がもっとアニメに流れてくるかもしれないなと思いました。

作品としての評価、特にストーリーは典型的な「終わってみないとわからない」タイプの話だと思いますが、気にはなるので視聴はたぶん最終回まですると思います。その時に何かあったら追記しますが、たぶん途中の各話でのレビュー更新はしないと思います。
==

2021.3.10追記:
第9話まで視聴終了。上記の通りレビュー更新の予定は特にはなかったんですが、作中で「夢が記録できる」という話が出てきたので、日テレつながりですがだいぶん前に放送された『悪夢ちゃん』というドラマを連想しましたという記録です。

※『悪夢ちゃん』には「獏」という装置が出てきて、「夢札」という記録媒体に明晰夢を記録して後から夢の映像を見ることができるという設定がありました。

……でも、『悪夢ちゃん』の知名度は低そう(笑)。北川景子とか小日向文世とか優香とか、キャストはそこそこ豪華だった気はするんですが。

2021.3.31追記:
第12話まで視聴終了。「打ち切り」最終回みたいな形で終わりましたが、公式から6/29に「特別編」が放送されることがアナウンスされたので、事実上最終回を落としてしまい「特別編」が最終回ということになるんじゃないかと思われます。

ただあにこれの登録的にはそちらは別作品ということになりそうなので、本作の視聴状況としてはとりあえず「観終わった」となります。

ここまで面白かったんですが、「最終回」を観ないことには最終的なストーリーの評価はできないと考えるので、とりあえず評点は「3」にしておき、2021年冬作品1クール終了時の評価もここまでの視聴状況で付けようと思います。

2021.7.2追記:
特別編まで観終わりました。前半振り返り総集編+後半新作映像という2話分の時間を使った構成です。

アイは主人公だけどメインの4人の立場が比較的フラットなのかなとも思いがちでしたが、特別編前半の振り返りで「アイは特別」であること、そして特別編後半そんなアイにとって「ねいるは特別」であることが改めて示された感じでした。

でも本編だけでも「アイは特別」なのは描かれていたので、本編最終回は打ち切り最終回ではないし、特別編は本編の補強であっても新たな主張や問題の提示ではないんだなと思いました。
(たぶん本当の意味で「戦う力」を持ってたのは、アイと寿ちゃんだけ?)

投稿 : 2024/10/26
♥ : 45

63.2 20 2021年度のファンタジーアニメランキング20位
オルタンシア・サーガ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (167)
380人が棚に入れました
イエペタス半島に700年の歴史を誇る大国――オルタンシア王国。その豊穣な土地を狙う周辺国によって幾度となく侵略の脅威に晒され続けるも、王国に仕える二大公国――オリヴィエ公国とカメリア公国が剣と盾となり、長きに渡って戦禍を免れてきた。しかし、聖王暦767年12月5日。オルタンシア王国に対し、カメリア公国が突如反旗を翻す。カメリア公国の反逆、そして反乱と時を同じくして現れるようになった魔物によって、オルタンシア王国に混迷の時代が訪れようとしていた……戦乱の世で、様々な運命に翻弄されていく騎士たち。悲劇から始まった宿命の継承と戦いが、動き出す。

声優・キャラクター
細谷佳正、堀江由衣、津田健次郎、上田麗奈、内田彩、梅原裕一郎、小林ゆう、柿原徹也、子安武人、乃村健次、江口拓也、大坪由佳、堀江一眞、池田秀一

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全て、守り抜け

この作品の原作はゲームみたいですね。
2015年にサービスが開始されたそうですが、こちらは未プレイです。
ほっちゃんと麗奈ちゃんが出演されると知り視聴を決めた作品でした。


イエペタス半島に700年の歴史を誇る大国――
オルタンシア王国

その豊穣な土地を狙う周辺国によって
幾度となく侵略の脅威に晒され続けるも、
王国に仕える二大公国――
オリヴィエ公国とカメリア公国が剣と盾となり、
長きにわたって戦禍を免れてきた。

しかし、聖王歴767年12月5日。
オルタンシア王国に対し、
カメリア公国が突如反旗を翻す。

カメリア公国の反逆、そして反乱と時を同じくして
現れるようになった魔物によって、
オルタンシア王国に混迷の時代が訪れようとしていた…

戦乱の世で、
様々な運命に翻弄されていく騎士たち。

悲劇から始まった宿命の継承と戦いが、動き出す。


公式HPのプロローグを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
キャラデザや作画全般がとても綺麗な作品だと思いました。
アニメーション制作はライデンフィルムさん。
今期4作も制作しているにも関わらず、このクオリティが出せるのは素直に凄いと思いました。

主人公のアルフレッド・オーベル役は細谷さんで、主人公の従者である見習い騎士のマリユス・カステレード役がほっちゃんという配役…

マリユス・カステレードは男の子なのですが、ほっちゃんとの相性が抜群…
もともとほっちゃんは、リトバスでも男の子役を演じて違和感が全くありませんでしたが、今回も違和感を微塵も感じさせない演技は流石としか言いようがありません。

一方、物語の方ですが終わり方以外は展開含めて悪くなかったと思います。
でも、終わり方が…
大きな謎、というか展開が大きく変わったところで物語は終幕するのですが、正直説明して欲しいことが山ほどありました。
ですが説明は一切無く、今後の展開の危うさがサラッと示唆されるに過ぎなかったのです。
きっと「あれっ? これで終わり?」と思った方も多いのではないでしょうか。

続編があるならまだしも、これで終わったら中途半端な感じが否めません。
アニメーションとしてのクオリティが高かっただけに残念に思います。
続きが気になるならゲームで…という感じなのでしょうか^^;?
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、MY FIRST STORYさんの「LEADER」
エンディングテーマは、まふまふさんの「夜想と白昼夢」
どちらも格好良い曲です。

1クール全12話の物語でした。
細谷さんとほっちゃんの掛け合いが気持ち良い作品でした。
もし続編が制作されるなら是非視聴したいと思います。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 11

66.5 21 2021年度のファンタジーアニメランキング21位
裏世界ピクニック(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (296)
921人が棚に入れました
「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」……。実話怪談として語られる危険な存在が出現する〈裏世界〉。そこは、現実と隣合わせで、謎だらけの世界。紙越空魚(かみこし そらを)は廃屋内の扉から〈裏世界〉を発見し、そこで仁科鳥子(にしな とりこ)と出会う。この出会いが空魚の人生を一変させる。鳥子は空魚に〈裏世界〉の探索の協力を依頼する。彼女は〈裏世界〉で行方不明になった「冴月」という女性を探していた。探検と研究、そしてお金稼ぎのため、空魚は鳥子と行動をともにする。非日常へ足を踏み入れた二人は様々な怪異と遭遇し、危険なサバイバルが始まる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日高里菜、富田美憂

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「検索してはいけないもの」を探しにいこう。

この作品の原作は未読ですが、ゆみりんとかやのんが出演されると知り視聴を決めた作品です。
中盤から、ちゃんりな、とみたんも出演されるという嬉しいサプライズがあったのも、私にとって高ポイントでした。


「くねくね」「八尺様」「きさらぎ駅」……。

実話怪談として語られる危険な存在が出現する〈裏世界〉。
そこは、現実と隣合わせで、謎だらけの世界。

紙越空魚(かみこし そらを)は廃屋内の扉から〈裏世界〉を発見し、
そこで仁科鳥子(にしな とりこ)と出会う。
この出会いが空魚の人生を一変させる。

鳥子は空魚に〈裏世界〉の探索の協力を依頼する。
彼女は〈裏世界〉で行方不明になった「冴月」という女性を探していた。

探検と研究、そしてお金稼ぎのため、空魚は鳥子と行動をともにする。
非日常へ足を踏み入れた二人は様々な怪異と遭遇し、

危険なサバイバルが始まる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

裏世界は常に危険と隣り合わせなのでピクニックという感じはしませんでした。
だって拳銃の必要な世界なんですよ…
拳銃持ってピクニックって、そんな絵面は成立しないですよ。
ですが、日常の片隅と裏世界が繋がっている設定は面白いと思いました。

確かに裏世界での出来事がこの作品のメインディッシュではあるのですが、個人的に見どころだと思っていたのが、ゆみりん演じる紙越空魚と、かやのん演じる仁科鳥子の距離感です。

偶然裏世界で出会って、一緒に裏世界に行くようになって…
空魚は廃墟探検好きが功を奏して裏世界の入り口を見つける訳ですが、人付き合いは苦手で希薄…
加えて日常生活にも辟易していたから裏世界は空魚にとって一人になれる場所のはずだった。

だから鳥子の誘いも最初は決して乗り気じゃなかったと思います。
でも回数を重ねるごとに裏世界と…鳥子の魅力に少しずつ惹かれていったのではないでしょうか。
そして惹かれたのはきっと鳥子だって同じ…
最初は目的のためだけだった…
もちろん、その目的は無くなった訳ではありませんが、鳥子の中における優先順位はだいぶ揺らいだように思います。

寂しさが消えた訳じゃない…
けれど、空魚と一緒だったらこれまで届かなかった高みに手が届くんです。
これまで一人じゃできなかったことが、二人一緒ならできちゃうんですよね。
0が1になる…この違いって物凄く大きいと思うんです。

お互いに違いを知ってしまったら…きっともう後戻りはできないんだと思います。
きっとこれからも二人の目の前にはたくさんの危険が待ち受けていることでしょう。
鳥子の目的の大きさだって分からないし、空魚の身に起きている不思議だって全然解明されていません。

正に一寸先は闇という状況なのですが、それでも二人は歩みを止めないんでしょうね。
そのうち空魚にも裏世界での目的が出来るかもしれませんし…
空魚の目的を手伝わないほど鳥子も薄情ではありませんしね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、CHiCO with HoneyWorksさんの「醜い生き物」
エンディングテーマは、佐藤ミキさんの「You & Me」
どちらも良曲ですが、CHiCO with HoneyWorksさんの楽曲は、この楽曲のC/W曲である「鬼ノ森」がヤバいくらい格好良いです。
映画「樹海村」の主題歌になっているとか…
佐藤ミキさんの「You & Me」は、20年の秋アニメとして放送された「お兄様」のエンディングに引き続き2枚目のシングル曲が今回抜擢されました。
シングル2曲目であるにも関わらず聴き応えのある楽曲だと思っています。

1クール全12話の物語でした。
この手の作品は見応えがあって面白いですね。
原作は現時点で既刊6巻とのことなので、続編を制作するには少しストックが足りないかもしれません。
でも、空魚と鳥子のこれからが見れるなら是非視聴したいと思います。
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/10/26
♥ : 22
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

レッツお散歩!

序盤 うわ

中盤 へぇ

終盤 左様ですか

この話はなんか裏世界に来てる女子大生の話
ジャンルはオカルト・女子学生
はい最初に言っときます。オカルト系です

何も知らず「異世界でピクニックするほのぼのとしたやつなんだろうなぁ」という軽い気持ちで視聴。
結果。めっちゃビビった。

オカルトと言っても妖怪やモンスターとかそういう系じゃないです。異世界エレベーターとかそういう系です。正直それ以外の出てきたオカルトはまるで知りませんでした。だけど怖がるには十分でした。
別に日常行動にちょっと躊躇う程度なのでホラー苦手な方もおそらく行けます。

ちょっと関係ないですけどこれ見てる最中に視界の左端がなんか動いたんですよね。その時私ものすごく大声あげちゃってwww
物が落ちただけなんですけど反射的にすごい叫び声をあげてwwwあげた後に一人で爆笑してましたww

内容について触れます。
終始不思議な感覚にのまれます。実感わかないけど絶対にやばい状況でなぜか異様に冷静、みたいな場面が多いです。なんでしょうね。あの恐怖。
序盤の説明は案外すくないです。そこまで複雑なものはないのでキャラの自己紹介してすぐ展開。
と言ってもつながりはありません。一話完結です。一話につき一個、二個の(名称ありの)オカルトでした。ですが一話一話の内容が割と濃いです。
まぁ物語、という観点からすれば薄いと言わざるを得ません。結局のところ「謎」で終わるのですから展開もなにもあったもんじゃありません。「毎話巻き込まれた」これで完結してしまうんです。

個人的には割と好きですよ。こういう謎が謎のままの状態って美しいですよね。謎の美学というか不明確の美学というか。

ちなみに本作をみた支障「インターホンにビビる」「近所の固まっている主婦にビビる」「電話に出るとき、かけるときビビる」「エレベーターにビビる」「髪長い女の人にビビる」「老婆にビビる」「海の家にビビる」「青空にビビる」この程度です。全然平気ですね(白目)
また関係ない話をしますけど{netabare}私この間(本作放送二日後)通話してたんですよ。私含めた3人で。で、普通に会話してたんですけど一人が急にしゃべりだすんですよ。でもその子一人言デカい子だったので無視してもう一人の子としゃべり続けてたんですよ。でもブツブツ言ってた子が「あそれ知ってる!あれだよね。~~~~」て。私たちの「何に対しての知ってる?」を無視して。
その後いくら私たちがしゃべりかけてもずっとしゃべってるんです。さすがにアレだったので「え、聞こえてる...よね?」みたいなことを言っても全く返答なし。しゃべりに区切りがついても私達の応答しない。
もう怖くなっちゃって。もう一人の子と一緒にすごい騒いじゃいましたよ。怖くないですか?急に私たちを無視してなんの話題か分からない話をずっとするんですよ?マジで怖くなっちゃって...
実際はライン通話の遅延で5分くらい前の会話が急に流れてきたっていうオチがあるんですけど。たとえオカルトじゃないってわかっていても本作のせいでビビりにビビっちゃって。もう本当に。ていう話です。余談でした。{/netabare}

原作は宮澤伊織さん。そいねドリーマーは面白くもつまらなくもありませんでした。GG
監督・シリーズ構成・音響監督は佐藤卓哉さん。この人ホラーとは無縁の作品ばっかでしょ。好きっていいなよとか船を編むとか。
キャラデザは西畑あゆみさん。初単独キャラデザだそう
劇伴は渡辺剛さん。Sakiやロウきゅーぶなどを担当された方ですね。
アニメ制作はライデンフィルムさんとFelixFilmさん。
なんかホラーって感じじゃないですね。まぁ恐怖を与えるだけなのでホラーじゃなくても良いのですが。

opはCHiCO with HoneyWorksさんの「醜い生き物」いい歌ですけど合ってます?
edは佐藤ミキさんと坂詰美紗子さん作詞、maeshima soshiさん作編曲、佐藤ミキさん歌唱の「You & Me」
声優さんは合っていたと思います。

総合評価 割と好き。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 11
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

不思議

<2021/1/5 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベでしょうか
第一話見終えての感想は「不思議」

裏世界に紛れ込んだうら若き女子二人の「{netabare}命懸けのプチ冒険譚{/netabare}」
だからピクニック。

裏世界と言ってもカタギじゃない人の世界ではありません。
と言ってもカタギの人もどうもいないようです。

そこは現実世界の{netabare}裏側にある、都市伝説が具現化してる{/netabare}世界、ってことなんでしょうか。
そこら辺はまだよくわからない。
これから少しづつ紐解かれていくのでしょう。

で、何が不思議かというと。
「裏世界が不思議」とかではなく
なんというか。
その。
雰囲気?
微妙にズレてるというか。

主人公たちの掛け合いとか
第一話登場の「くねくね」のクネクネっぷりとか
キャラ造形とか
物語の作りそのものとか
それらが、ラノベ原作とも、漫画原作とも、たまにあるオリジナルアニメとも妙に異なる。
なんか古いSFジュブナイル小説の匂いがするような。

1話見ただけなのでまだわかんないですけどね。

<2021/3/23 追記>
見終わったよ。

点数つけるの難しいっすね。
特別良いところも、特別悪いところもあまり思いつかない。
かといって平凡でもない。

話が意味わからんところ多々ありますが。
でも昔のジュブナイル小説にはそういう何がしたいのかよくわかんないの結構あったし。
大昔の「や・お・い」、つまり「ヤマ無し・オチ無し・意味無し」と呼ばれるスタイルの作品なのかな。

百合っぽい雰囲気はちょっとマイナスですかね。
酒飲める年齢でこの「友達以上恋人未満な百合関係」はちょっと違和感。
しっかり・はっきり・がっつり現実的なレズビアンなら物語として面白味が増したかもですがどうでしょう。
百合ものが得意なわけではないので適当な感想ですが。

でも総じて空気感は好み。
決してホラーではなく「非日常を楽しむ日常もの」
ピクニックですし。

自分はハマるというほどではないけど、なんとなく毎週楽しめました。
なのでこの点数です。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 33

71.7 22 2021年度のファンタジーアニメランキング22位
世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (424)
1359人が棚に入れました
世界一の暗殺者が、暗殺貴族の長男に転生した。彼が異世界で請け負ったミッションは只一つ。【人類に厄災をもたらすと予言された《勇者》を殺すこと】それこそが世界最高の暗殺者が、新たな人生で果たすべき使命であった。現代であらゆる暗殺を可能にした幅広い知識と経験、そして異世界最強と謳われた暗殺者一族の秘術と魔法。そのすべてが相乗効果をうみ、彼は史上並び立つものがいない暗殺者へと成長していく――。「面白い、まさか生まれ変わってもまた暗殺することになるとはね」転生した"伝説の暗殺者"が更なる高みへと駆け上がる!限界突破のアサシンズ・ファンタジー!!

声優・キャラクター
赤羽根健治、上田麗奈、高田憂希、下地紫野
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトル通り

原作未読 全12話

お話はこの作品のタイトル通りで、現世で暗殺されてその後、女神に出会い異世界を破滅させるといわれる勇者を暗殺するように依頼を受けて、異世界貴族の中でも暗殺をする貴族の嫡子に転生させられ、異世界での様々暗殺術を学び仲間を増やし成長していくお話です。

現世で渋い姿形をしていたのに、異世界ではかなり可愛い少年になりましたねw

ハーレム要素満載の作品ですが、お話は結構シリアスな展開多いので見応えはありました。

作画もかなり安定していましたね。バトルも結構迫力がありました。色々な魔法が出てきて面白かったです。

お話は{netabare}勇者が出てきたところ{/netabare}終わっています。続きがあれば観たいですね。

OPはニノミヤユイさん、EDは結城アイラさんが歌っています。

最後に、原作の方は回復術士と同じ方なのですね。どうりでAT-Xで観たらそのままのシーンが多かったですねw

投稿 : 2024/10/26
♥ : 23

mimories さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

十分観るに値する

 
原作未読。
__________

(4話視聴後)

「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」というタイトルは非常にダサいが、ラノベってこういうタイトルのが食いつきいいのかな?

4話まで観た限りなかなか丁寧に出来てる。作画等もそうだし脚本も手堅い。原作は知らないが、これだけしっかり作ってあるなら見続けるのも苦がない。

少々やらしくも感じるが、本筋にそれなりの力を感じるので許容できる。グロめの描写もあるし誰にでも薦める作品じゃないが、今期50作程度観てるなかでは上位10作に入れたい現時点の期待度。

__________

(全話視聴後)

各要素、総じて一定のレベルを超えた作品と思う。放送前から少し期待していたが、裏切られることなく最後まで観ることができた。

いくつか微妙な回もあるにはあったが、飽きさせない構成になっている。最終話の戦闘も面白く、良い演出で緊張感もあったし武器もカッコよくて一瞬「Fate」を彷彿とさせた。

個人的には十分観るに値する作品だと思う。
聞くところによるとストックは多いそうだし、このレベルを保ってくれるなら2期以降の制作も期待したい。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 3

Sat さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

センスが良いスタッフが作るアニメ。

原作のパクリ疑惑は知りませんし、
そもそも異世界転生のお約束みたいなものを寄せ集めてるのが、なろう系だと思うのですが違うんでしょうか。

まぁそれはさておき、オープニングからとても引き込まれる映像で魅せてきます。
さながらピアース・ブロスナン主演の007のような渋いアニメから始まります。
声優さんの声も堪らなくそそります。

そこから異世界へとシフトして行くのですが、設定やセリフ割り、カットシーンや構成、脚本までしっかりと作り込まれていますので中々見応えのあるアニメではあります。

まぁご都合主義的な展開もありますが、その辺を丁寧に作りこめばもっと良いアニメになったかと思います。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 3

69.6 23 2021年度のファンタジーアニメランキング23位
現実主義勇者の王国再建記(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (298)
1008人が棚に入れました
たったひとりの身内である祖父を亡くした相馬一也は、ある日、突然、異世界に勇者として召喚されてしまう。召喚された先は、まるで中世ヨーロッパのようなエルフリーデン王国であった。勇者どころか、ごくふつうの青年のソーマだが、持ち前の合理的精神と現代知識から、次々と新しい政策を打ち出し、傾きかけていた王国の財政政治体制を立て直していく。ソーマと共に歩むのは、エルフリーデン王国の王女リーシア、王国一の武を誇るダークエルフのアイーシャ、怜悧な頭脳を持つハクヤ、大食いのポンチョ、歌姫のジュナ、動物と意思疎通できる少女トモエなど、多才で個性的な仲間たち。現代知識で窮地の王国を再生する異世界内政 ファンタジー、『現実主義勇者の王国再建記』。いよいよ開幕!

声優・キャラクター
小林裕介、水瀬いのり

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

現実主義はさて置いて、ためになるアニメです。

極めて地味な異世界召喚アニメ。
勇者カズヤが王になり、内政で国を立て直す物語。

まず、勇者の能力がぱっとしない。
そして、派手な魔法も剣技もない。
その上、戦争描写も緊張感がない。
さらに、部下も資源も人材もない。

しかし、何もない中でも地道に国を立て直す。
登用のために人を募集。
食・歌等の娯楽、情報の透明化で人心掌握。
経済再建のため、あらゆる手段で金儲け。
流通のため、道路整備や港湾整備。
果ては、リスク管理まで。
なかなか興味深く視聴させてもらいました。

私がもっとも感心したのは、港湾都市建設地の決定過程です。
伝承や地形を慎重に検討し、災害リスクのより低い場所に立地を変更。
これは、新設のためにもっとも重要なことです。
情報を軽視したことでの悲劇は古今東西枚挙にいとまがありません。

キャラとしては、やっぱりカズヤですね。
王の器ではないにしても、その謙虚で冷静な分析力は称賛に価します。
彼の人を大切にする姿勢は見習わなければなりません。
姫リーシアは何のかんのと言いながら、カズヤを信頼しているよう。
最初はツンだったけど、徐々にデレへ。
いい夫婦になりそうです。

物語はまだ序盤のようです。
様々な国や勢力、そして魔王軍も。
隣国アミドニア公国ロロアや大国グランケイオス帝国のユーフォリア姉妹。
各王女たちが話にどう絡んでくるか気になります。
2期は外交がメインになるかもしれません。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 19

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

内政無双のなろう小説原作アニメ(第2部制作決定: 2022年1月より放送予定!)

公式略称は「現国」です。

オーバーラップから原作が出版されています。既刊15巻で、今のところ外伝的な短編集などは出てなくて全部作品タイトル「現実主義勇者の王国再建記」+ローマ数字の巻番号の各巻タイトルで出版されています。

各巻のページ数はそれなりに多いですが、原作はわりとサクサク読めます。さすがはライトノベル(笑)。

アニメはどうやらキャラクターデザインも含めてコミカライズ版をベースにしているようで、トモエなどライトノベル版とアニメでは結構違った感じになっているキャラクターもいます。


さてお話ですが、主人公のソーマ・カズヤ(相馬一也)は両親を失った後に一緒に暮らしていた祖父とも死に別れ、天涯孤独となったところで大学入試合格直後に異世界の王国エルフリーデンに召喚されます。

アニメ第1話での経緯でエルフリーデン国王から王位を禅譲され、暫定国王として財政的に疲弊したエルフリーデン王国を再建するというのが、とりあえずのストーリーとなっています。

召喚勇者にありがちな「戦う上で最強」的な能力はソーマには特になく、主に頭脳労働+(やや強力な)遠隔操作系の能力で、作品序盤では内政強化を基本とする王国再建、それ以降は外交や軍事的な働きで王国の隆盛へと力を揮っていくお話です。

主人公最強系として楽しめる要素はほとんど無く、ある種大河ドラマ的なのんびりと長い話ですが、アニメではたぶん原作既読なら想定できるそれなりに良い区切りで終わると想定できるので、最終回まで観てもそれなりに満足できる最終回を迎えるんじゃないかと思っています。

ただ、7月中放送の5話でも(原作由来の)人によってはしょうもないと感じるかもしれないパロディやオマージュ的な描写が鼻につくかもしれないので、肌に合わないという人も当然出てくるとは思います。

たぶん、流血描写はゼロじゃないけど少なめだとは思います。必ずしもアニメ化向きの話じゃないのかもしれませんが、私は原作が好きなので最終回まで観る予定です。

2021.10.3追記:
最終話で「半端なところで終わるじゃん、どうするつもりなんだろう?」って思っていたら、番組が終わった後に普通に第2部の放送予定のアナウンスがありました。

ロロアがさんざん思わせぶりに出てたことを考えても、普通に分割2クール制作で単純に話数でクール分割したと考えて差し支えない気がします。原作は大好きな作品で、ここからも原作ストーリーは面白いので第2部に期待しています。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 33

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

好物

2023/04/18 初投稿

「天才王子の赤字国家再生術」とタイトルの印象がかなり被ります。タイトルだけでは自分はどっちがどっちやら分かりませんf^^;
でも「天才王子」の方は今ひとつというか,わりかし辛辣な感想を書いたのですが,こちらは面白かったです!

自分の好きな「まおゆう」とか「ログ・ホライズン」「狼と香辛料」なんかのタイプのストーリーでした。
財政再建
商品作物栽培の制限による食糧自給率の底上げを初めとした農政改革
人材登用
新食材による食糧不足対策とB級グルメによる地域おこし的取り組み
貿易拠点になる港湾都市建設と陸上交通網整備
伝承と防災
などなど,政治・経済面のエピソードは面白かったです。
反乱や戦争に関しては普通でした・・・

そしてこの作品の最も評価が高いポイントは割と気になったところに,作品時代がツッコミを入れたり説明したりしている点です。
例えば中二病っぽいネーミングだと思ったら,一也自身が「中二っぽい名前だけど・・・」とちゃんと言及したり,大陸北部で綿花の栽培が盛んだという設定に対しても,やはり一也自身が超大陸ランディアは北部に行くほど気温が高くなるといった説明をすかさず入れてくるので,なんと言うか精神的に安心してみていられましたw

強いて欠点を挙げるとするなら
一也の年齢の設定が18才と言う点です。設定と言動が乖離している印象でかなり違和感を覚えました。年齢をハッキリさせない方が良かったのでは?

それと,メインのヒロイン(リーシア)がビジュアル的にちょっと弱く感じましたw

そういえば「現代の知識で王国再生」って根底にあるのは「君主論」だったり「三国志」だったりするんですよねw

第2部レビュー・感想に続く(?)

投稿 : 2024/10/26
♥ : 5

70.8 24 2021年度のファンタジーアニメランキング24位
戦闘員、派遣します!(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (403)
1349人が棚に入れました
秘密結社キサラギ。今や地球上の誰もが知る大企業は、自ら悪の組織と名乗ってさまざまな悪事に手を染め、ヒーローたちを打ち倒し、ついに世界征服を成し遂げようとしていた。しかし、世界を手に入れれば大勢の戦闘員たちは不要になってしまう。このリストラ問題を解決すべく、キサラギの最高幹部たちは新たな侵略先として宇宙に狙いを定める。そして地球によく似た環境の惑星へ、「戦闘員六号」と美少女型アンドロイドの「キサラギ=アリス」を派遣するが、現地の人々は“魔王軍"の侵略を受けていて――。

声優・キャラクター
白井悠介、富田美憂、菊池紗矢香、村上奈津実、髙橋ミナミ

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

何だ、これってやっぱりSFなんじゃん…。

原作は読んでないけど、最終話最後の1カットの夜空でサラっと大きなネタを分かりやすくぶち込んできましたね!



……って、いきなり最終話を観てない人には意味不明な話で始めてすみません。一応ストーリーとしては、悪の秘密結社キサラギが世界征服を目前にして、征服後の組織維持のために宇宙の彼方に見つけた居住可能惑星を新たな征服地と定め、そこに組織古参の戦闘員六号と高性能美少女型アンドロイドであるアリスを先兵として派遣するというお話ですね。

侵略を目指した惑星には人間そっくりの知的生命体の他、魔族と呼ばれる存在がいて、自分たちが持ち込んだ科学技術とは別の「魔法」が存在するといった感じになっています。別の惑星上にある文明社会という意味では「異世界」ではありますが、人間や物が技術によって転送できている時点でいわゆる「異世界ファンタジー」ではありません。
(意思疎通も謎の能力ではなく翻訳装置的な物によってなされています。)

六号やアリス、そして二人が拠点とすることになったグレイス王国の王女ティリスなど人間的な外見の方が腹黒なキャラが多く、敵味方問わず「人外」キャラの方が純真な性格設定になっているのが特徴的です。

基本ゲスかったり腹黒だったりするキャラたちが時折見せる「悪に徹しきれない」ところや、逆に基本純真なロゼやハイネのようなキャラが欲望に正直すぎるあまり時々腹黒い連中をやり込めたりするドタバタ劇を楽しんでいた感じで、軽く流して観るような作品ですが、文物に関して軽い考察要素を入れることで設定に関して想いを巡らせる感じでもあります。

気付くと面白かったり気になったりする小ネタはちょくちょくあるので、そういうのを追いかけるのが好きな人には案外お勧めできる作品かもしれません。しかしニッチな需要とも言えるので、そんなに人気は出ないような気もします。

あと、ある意味古典的なアリスのツンデレはけっこうカワイイと思いました。

余談その1: 次回予告でキサラギ女三幹部が喋ってる内容に、案外情報量が多かった気もするしたいしたことなかったような気もします。とりあえずリリス様は非道い奴です(笑)。

余談その2: OP主題歌「No.6」のラテンっぽいアレンジが意外とハマります。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 40

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

下品な主人公を軽蔑しつつも共感してしまう男心の弱さを突いた作品

この物語の原作は、「この素晴らしい世界に祝福を!」の著者である暁なつめさんが作家デビューする前に「小説家になろう」に投稿されていた小説です。
つまり「この素晴らしい世界に祝福を!」よりも前に書かれていたようです。
だから内容は、あのアニメと同じく、下ネタたっぷりのお笑いアニメです。


このアニメもまた、下品な主人公を軽蔑しつつ、ダラダラと結局最後まで見てしまいました。

著者の暁なつめさんは、いやらしいほどに男心の弱点をしっかりと突いてきます。
健全な男であれば誰でも下ネタが大好きであり、まるで麻薬のようについつい下ネタ話を知りたくなります。
こんな下品なアニメを見ている自分を”情けない”と思いつつ、男の本能には勝てずに、ついダラダラと見てしまう自分がむなしい…。
皆さんもそうですよね。(^_^;)


物語の内容は…、語る迄もありません。
暁なつめさん原作のアニメには、物語の内容などどうでも良いのです。
愉快な仲間が集まって下品なことを笑いながら楽しくやっていればそれでいいのです。


悪行ポイントを積み重ねることで自動車や武器が手に入るのであれば、私も主人公と同じことをしたい。
でも実際にそれを行ったら間違いなく警察に捕まってしまいますね。
女性のパ〇ツをいきなり脱がしてパンチ一発で許してもらえるほど世の中は甘くありませんので…。
それと、どんなに酔っていても先輩や上司の頭に「ちょんまげ」はしないでくださいね。その瞬間に人生が終わるかもしれませんので…。
視聴者の皆さんは注意してくださいね(*^_^*)

最後に私はアンドロイドのアリスが大好きです。(^_^)
外見は幼い美少女ですが、口調は大人びており、辛辣な言葉で主人公をいたぶっているところがたまりません。
そして主人公が意識不明で入院中に下の世話をしてくれた意外な優しさが嬉しいです。
貴方は意識不明の友達の排せつ物の処理を3日間することができますか?

投稿 : 2024/10/26
♥ : 44

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

このすばと比べると可哀想

あまり期待せずに観たんですが、第1話が結構面白く第2話のOPで原作者がこのすばの人だと気づき納得しました。異世界転生みたいな話ですが、ギャグアニメ、主人公ゲスい、作画は普通、でもちゃんと女の子キャラが可愛い、非常にこのすばっぽいです。
美少女達が癖の強いのも良いですね、口の悪いアンドロイド、欲深い騎士や腹黒い姫等魅力のあるキャラが多いです。私は食いしん坊キメラのロゼが推しです。
このすばは名作だと思っている好きな作品で、比べるのは酷ですが、この作品も十分面白く、このすば好きな方なら評価高いはず!と思ってましたが、そうでもない様ですね、あまり話題にもなってないし^^;
確かに下ネタに頼りすぎた感はありますね。好きなんですけどさすがに多いです。
あと、このすばの原作者の作品だと大きく宣伝すれば良かったのにと思います。なんかひっそり放送してスルーされたんじゃないでしょうか、題名もインパクトないし。
とは言え、多くの方に観てもらいたいので私はお勧めします、特にこのすば好きな方はぜひ!
個人的には姫がパスワードこっそり叫ぶのが一番ウケました。伊藤美来が歌うOP地味に良いです

投稿 : 2024/10/26
♥ : 16

66.3 25 2021年度のファンタジーアニメランキング25位
ピーチボーイリバーサイド(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (255)
697人が棚に入れました
昔々のお話です。ある所におじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは山へ芝刈りにおばあさんは川へ洗濯に──(中略)ついには鬼を退治しましたが、外国にも鬼がいるようなので…桃太郎は海を渡りました。すごいのは倒したこと 喜ぶべきは救ったこと ただ一つ…駄目だったことは……────楽しんだことこれはもしもの話だが……もし流れてきた大きな桃が一つではないとしたら…日本に流れてきた桃が複数あるうちの一つに過ぎないとしたら…

声優・キャラクター
白石晴香、東山奈央、M・A・O、増田俊樹、戸田めぐみ、斉藤次郎

ボンゴレ11代目 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

オンエア版の意味 原作観てる

設定はシンプルで気軽に観やすい!だがオンエア版(テレビ放送)は本当に意味を感じない、まずこの作品はオンエア版とdアニメストア限定の時系列版があるがオンエア版は1話から視聴者を逃がさない工夫としていきなり盛り上がりシーンの時系列2話を1話として放送されている。(時系列版は原作通りの順番)なので説明もいきなりなしでいきなり始まる、制作してる側は意味があってのことだろうが本当に無駄だ、まずオンエア版から入ると2話からなので内容が頭に入って来ない盛り上がりシーンをいきなり見せたら視聴者がハマるとでも思っているのだろうか?
大間違いだ、現に話についていけないって言っている人達はオンエア版勢ばかり
それに比べてdアニメストアの時系列しっかり1話から放送されているので内容も入って来やすいので2話目の盛り上がりがしっかり伝わってきて良い
本当に原作も面白くアニメも作画悪くないのでオンエア版が本当に残念です。なのでdアニメストア入ってない人はオンエア版を時系列で辿ると面白いと思います。オンエア版での放送は確実に失敗している。
時系列版星4オンエア版星2くらいが自分の評価

投稿 : 2024/10/26
♥ : 4
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シャッフルされることで、クリアになるモノ

この作品、オンエア版と配信版で、
「シャッフルVer.」v.s.「時系列ver.」っていう2種類の構成があって、
「どっちが正解なんだ?!」
「シャッフルに意味なんてあるのか?!」
「時系列なんて面白くないゾ!!」
みたいに、ごく一部での事かも知れないけど、
議論巻き起こしてしまってて、
実は、{netabare}それこそが面白いです(^^♪
何故かというと、
こういう、自分と異なるものを認められない人に突き付ける
「立場を違えてしまった時、
お互いを認め合えるのか?」
という問いかけって、
この作品の中心にある命題なんですね!


そうなんです、この作品のテーマって、
ちゃんと、
あるにはあるって思うんです。

・異種族間での共生や相互理解は可能なのか?

・立場の数だけ、異なる正義が存在するのじゃないか?

・結果的に正義であれば、おこなった事が単なる快楽の追求であってもいいのか?

みたいなことではないかなとは、思います。


でも、私の場合、
見所はそこじゃなくて、
やっぱりバトル!

闘争本能とか
殺戮衝動とか
破壊欲求とか・・・

そして、それも、
舞台設定は、
実力伯仲とかじゃなくて、
圧倒的な力の差を見せつけられることで得られるカタルシス!!

時系列的には中盤にあたる、
自我を放棄というか、見失って快楽殺人(殺すのは鬼ですけど)に走る序盤のサリーが、
最終回では自我を保ったまま強大な敵(これももちろん鬼です)を滅する、
そんな有り様の違いの大きさに、
覚悟というか、
意志の昂ぶりというか、
自分でちゃんと快楽を制御できるレベルにまでになった、
そういう生き方を選んで、
桃太郎さんと肩を並べ得る存在となったという到達感。

これは時系列順にストーリーを追ってしまっていては、
きっと単なる「俺たたエンド」になってしまって、
平板な仕上がりでつまらなくなっちゃうんじゃないかな?
って、思ってしまいます。

そして、
こういう見せ方にカタルシスを感じられたので、
「シャッフル面白いよ」派であることは、
間違いないと思うんです。


あと、蛇足ですけど、
猿+鳥+犬、で、サルトリーヌ(笑){/netabare}
「座布団一枚!」って思っちゃいましたww

投稿 : 2024/10/26
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シャッフル版、アリなのでは…?(← 個人の感想です)

アニメの全話視聴が終了した現時点でも、原作漫画は未読です。お話としては、昔話の「桃太郎」をベースにした世界観になっています。

この作品では人外の存在として「鬼」がいるわけですが、「人外には人とは違った価値観や倫理観がある」という辺りは他の同一原作者(クール教信者)作品である『小林さんちのメイドラゴン』などと相通じるところがあるやもしれませんね。

本作は話数ナンバリング通りの放送順でない版と、dアニメストアで配信された時系列版が存在します。

ちなみに時系列版の第何話にあたるのかは、特にどこかのサイトで調べたりはしなくても、放送時もしくは次回予告時に表示されれるサブタイトル画面の右下の数字を見れば一応わかるようになっています。
(私は録画を保存するときに、サブタイトルを編集してこの話数番号を各話サブタイトルの前に付けてわかるようにしました。)

私が見たのはTV放送順のシャッフル版で、時系列版の存在は知ってはいましたが、これを見てしまうとシャッフル版の正当な評価が出来ないように思えたので、時系列版での視聴はしていません。

さて、シャッフル版を視聴していると当然のことながら、前に観た回で死んでしまっているはずのキャラクターが普通に生存して暴れてたりとかの違和感があるわけなのですが、それを些細な問題として横に置いて全体を観てみると、意外と違和感なく観れてしまったりします。

各話にその話の中のメイントピックみたいなものがあると思うんですが、そのメイントピックだけアウトライン風に並べてみるとなんとなく辻褄が合っているという感じなんですね。

価値観の異なるコミュニティ同士は放っておくと衝突してしまいがちですが、理性で並立/共存を図ることはできるはず、みたいなトピックで追っていくと、放送された順番にエピソードを並べたことを積極的に支持しないまでも、なんとなく共感はできたりするわけです。

なんというか、音楽で例えるとDJがオリジナル楽曲からリミックスバージョンを作る的な感じなんでしょうか。ただ、「原作漫画のアニメ化」としてそれは許されるのかと考えると、「絶対に許さない」という人もいて当然という気はするので、世間でシャッフル版が非難されるのもまた当然という話だとは思っています。

あと、おそらく原作既読者はシャッフル版を受け入れられないんじゃないかという予測は立ちますよね。

しかし個人的にはシャッフル版はそれなりに面白く観ることができました。ただ、時系列版で改めて観るかと言われれば微妙ですねぇ。

投稿 : 2024/10/26
♥ : 30
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