兄弟で親友なおすすめアニメランキング 11

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの兄弟で親友な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月19日の時点で一番の兄弟で親友なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

91.1 1 兄弟で親友なアニメランキング1位
劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(アニメ映画)

2020年9月18日
★★★★★ 4.4 (562)
2623人が棚に入れました
――あいしてるってなんですか?かつて自分に愛を教え、与えようとしてくれた、大切な人。会いたくても会えない。永遠に。手を離してしまった、大切な大切なあの人。代筆業に従事する彼女の名は、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。人々に深い、深い傷を負わせた戦争が終結して数年が経った。世界が少しずつ平穏を取り戻し、新しい技術の開発によって生活は変わり、人々が前を向いて進んでいこうとしているとき。ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、大切な人への想いを抱えながら、その人がいない、この世界で生きていこうとしていた。そんなある日、一通の手紙が見つかる……。

声優・キャラクター
石川由依、浪川大輔
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最後の手紙(2回目感想を追記)

下手な言葉を使うとネタバレしそうなので、ポスターのキャッチコピーを一部引用しました^^;

 TV版本編の初放送は2018年で初視聴も同時期でした。。

===劇場版:初見での感想===
 2020年9月19日(土)、劇場版本編を観覧。
 (★舞台挨拶ライブビューイング付き)

全国の劇場で舞台挨拶が見られるとのことで、
予定を繰り上げて、あわてて劇場に行きました。

でも、TV版本編を少しでも復習してから、行くべきでした。。
2年の月日は自分にはちょっと長かった。。
ヴァイオレットへの愛情は忘れようがない。
そんな変な自信を持っていましたが、いかんせん物語の詳細をとどめておけるほどの記憶力は、現在の自分には持ち合わせていない事を突き付けられました。。トホホ

いよいよ物語の主人公、ヴァイオレット本人のストーリーが幕を開けます・・

■{netabare}
 ヴァイオレットには幸せになってもらわないと・・
 ひょっとして、社長とくっつくのかなぁ・・

なんて思ってたら、

 まさかと思うけど、少佐の兄?

と思ってしまうような展開でした。。

でもその上を行く、まさか・・・
少佐が生きていたとは、ね。
TV版完走時は死んだと思ってたから、
外伝も感動したんだけど。。

途中辺りから、

 え。ひょっとして生きてる?

てな展開。
ぶっちゃけ、ダマされた、という思いもw

いや・・・でも・・
これで、よかった。

思えばTV版を観ている時、実は少佐は生きていたというストーリーを妄想していたんでした。ちょっと忘れてました。
ヴァイオレットが幸せになる道は、それしかないですよね。

でもでも・・
少佐の生存がわかるシーンの感動が薄いせいか、
その分、ラストに至るまで延ばす延ばすw

 なんだよ、少佐・・
 ナニ自虐的になってんだ、そういうキャラ?
 てめ、ヴァイオレットを泣かすんじゃねーw
 身元を引き受けた責任と、
 何より「愛してる」と言った責任、
 男ならキッチリとりやがれw

てな展開は、個人的にはストレス展開でした。
いやわかりますよ。
その後の感動のための前フリだろうってことは。

でも、それならそれなりの想いの爆発に共感したかった。。
少佐が走り出した時って、なんか自分的には動機づけが弱かったんですよね。。
ドア越しにしゃべった時以上の動機が感じられなかったというか。。
だから、ラストの感動シーンも、ちょっとモヤモヤして感情移入しきれなかった。

さすがに、ラストシーンは感動的でした。
ただ、あんな遠い岸からのあんな掠れたような声が聞こえるのか、とか
ヴァイオレットは義手重いはずなのに泳げるの、とか
細かいところが気になって、これまた感動ボルテージ上昇の阻害要因となってしまいました。。トホホ

躊躇なく海に飛び込んだヴァイオレット、男っぽい。
惚れ直しそうw

そんな彼女も、ようやく・・本当にようやく、たどり着いた少佐の胸では・・ただただ・・泣き崩れるしかなく・・


さて・・
ここで触れずにはおけませんね。
ツイッターにも出ています。
舞台挨拶での石立監督の言葉。

 ~{netabare}
  ヴァイオレットが書いた手紙には、
  セリフに出なかった一文がある。
  これが、少佐をヴァイオレットの元に
  駈け出させた。。

  というもの。

  なんでしょうね。。
  気になる。。
  「あいしてる」かな。
  でもそれはドア越しに言ってたような。

  てかこれ、セリフにしてくれれば
  もっともっと感動できただろうに。。
 {/netabare}~

にしても、ポスター、いい絵ですね♪
ネタバレしそうですがw

でも・・

ああ・・完結してしまった><
(ホントはこれをタイトルに書きたかった)

もっと引き延ばして何作か出してくれてから、こういう結末になるんだと思ってました・・
原作はどうなんでしょう・・

未来からヴァイオレットを過去の人物として振り返る作りは、個人的にはあまり好きとは言えず、どうせなら子孫も見せて欲しかったけど・・

エンドロール後の1ショットは、救われました。
これで、よしとしましょう。

過去だからお幸せに、と言えないのはもどかしい。

ならば・・

良かったね、ヴァイオレット。

{/netabare}■

そう、エンドロールは最後まで、観ないとですね♪

ちなみに劇場で配布された、入場者プレゼントは
~{netabare}「ヴァイオレット・エヴァーガーデン if」{/netabare}~でした。

あ、3種類の短編小説ランダム配布って公式に書いてた。。
急いては事を仕損じる。
ゆっくり読もう。。


===劇場版:二回目の感想===

京アニはご存知のとおり寄付金を受け取ってくれません。
感謝の心、支援の心を込めて、再度劇場へ行きました。
TV版を観直した後、今度は目線を変えて。

その目線とは、ヴァイオレットであり、ギルベルト。
初見ではどうしてもホッジンズ社長というか保護者目線になってしまいましたが、この物語は、二人の物語であり、その目線で観るのは必定かと。

~{netabare}
まずは、1期を再視聴したことで1期を思い出させるシーンがとても胸に響きました。手紙が空を舞うシーンとか主要エピソードとか。
特にアンのエピソードは一番涙を堪えるのが大変だったかも。

感激は初見ほどではありませんでしたが、ギルベルトの気持ちが何となく理解できました。
愛するが故、自分はヴァイオレットにふさわしくない、と。
これは初見でもわかってはいましたが、わかって1期を観なおすと、彼はヴァイオレットを預かり戦場に送ったことをとても後悔していて、結果ヴァイオレットの両腕を失わせ、たとえ自分が生き永らえたとしても、自分の愛を貫くことは資格がないと考えても仕方がないかもしれない、と思えました。
彼がヴァイオレットに会えないと言ったのも、会ってしまえばその信念も揺らぎかねないからで、つまりそれだけヴァイオレットを愛しているからに他なりません。

ヴァイオレット目線で観ると・・・
心からの願いが叶えられないと知り、本当に切なくつらい日々を過ごして。
それが会えるかも知れないとわかり、本当にうれしくて。
でもやはり会えないことになり、とても悲しくて。
それでも生きていてくれたことが、やはりうれしくて。
最後に追いかけてきてくれたことが、最高にうれしくて。
この目線で観るのはとても切ない・・・

むしろ、ラブコメ風に・・・
「このまま会えないまま、どっちか結婚して、その後に会うことになってたらどうするのよ!ギルベルトおおおー!!」
と罵ってあげても良かったのにww

でも、やはりこれは二人の愛のストーリー。
これで、良かった・・

最後に、手紙の一文の考察を。
~{netabare}
映画の冒頭では、sincerelyの文字が出ます。
意味は「心から」かと。

また本シリーズは物語の最後にタイトルが出ます。
本劇場版では「あいしてる」。
つまり・・・
『心から 愛しています』
これが、ヴァイオレットからの、愛する人への最後の手紙の、最後の一文だったのではないでしょうか。

振り返ってみると、ヴァイオレットはドア越しでは「愛してる」は言っていません。彼はその事実を知らず、ただ父親のように慕っているものと勘違いしていたのかも知れません。
だから、この一言が、彼をヴァイオレットの元へ駆け出させたのだと、私は思っています。
{/netabare}~

いつか、ネタ明かしがされる事を期待します。


蛇足ではありますが・・
病院で亡くなる男の子のシーン・・
音がデカ過ぎて感情移入の邪魔になる思いでした。
もっと静かな曲か、むしろセリフのみでも良かったかと。
{/netabare}~

はぁ・・切なくて息が詰まりそう。
この劇場版と、1期・Extra・外伝で無限ループに陥りそうです・・

 制作:京都アニメーション
 監督:石立太一
 脚本:吉田玲子

 2020/09/19 閉館直前のMOVIX利府にて初視聴。
 2020/10/05 同じ映画館にて二回目視聴。


■余談
劇場内で完全新作ARIAの予告編が流れてました・・脚本が同じく吉田さんかな?と思ったら・・

 総監督・脚本:佐藤順一
 監督:名取孝浩
 アニメーション制作:J.C.STAFF

ほへ・・
ストレスフリーの世界でホッとしたい・・
違う作品の話ですみません^^;

投稿 : 2024/05/18
♥ : 57

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

上映してくれてありがとう 感動を与えてくれてありがとう

この劇場版は、世界の多くの人たちが待ち望んでいました。
様々な困難にもめげずに、この劇場版を完成された監督、スタッフ、関係者の皆様、ありがとうございます。


この映画は現代と過去の二つで物語が進行します。

現代での物語の主人公は、デイジー・マグノリア。どこかで聞いたことのある名前が含まれていると思いませんか?
そうです。デイジーは、テレビアニメの第十話で登場したあの少女の孫娘。

お婆さんが亡くなった後、デイジーはおばあさんが最も大切にしていた宝物(ひいばあさんからの手紙)を知り、その手紙を代筆したヴァイオレットに興味を持ちます。
ヴァイオレットのことを調べるうちに、デイジーは彼女の不思議な魅力に魅かれていきます。
やがてデイジーはライデンに行き、愛してるを知るようになったヴァイオレットのその後の足跡をたどるのです。

それと同時に、過去の物語が始まります。もちろん主役はヴァイオレットです。
とても感動する内容です。涙が出てきます。
ぜひとも劇場へ足を運んでください。「見て良かった」と、きっと思いますよ。

デイジーの声の役を諸星すみれさんがやってられました。諸星すみれさんは第十話でもあの少女の声の役をされた方です。
それだけで私は感動しました。


科学技術が進歩し、今では電話やEメール、LINEで遠くの人と気軽に話せるようになりました。
でも、心がこもった話を私たちはしているでしょうか? 相手の気持ちに寄り添った話をしているでしょうか?
特にEメールやLINEは気軽に発信できるので、つい相手の心を傷つけたりすることがあります。

手紙は不便だからこそ、時間をかけて相手の心に寄り添う内容を書けるのかもしれません。
そして手紙は、受け取った人が宝物として大切に保存しておくことができます。

もちろん、EメールやLINEも保存が可能ですが、いつの間にか削除されることが多いような気がします。
大切なEメールやLINEは、特別な場所に格納して一生の宝物にしたいですね。


この映画は、本来は2020年1月に公開されるはずでした。
しかし、2019年7月に、不幸な出来事が発生し、多くの社員の方々が亡くなり、京都アニメーションは存続の危機に立たされました。
それでも京都アニメーションの方々の努力と沢山の人たちの支援により、2020年4月を目指して製作が続けられました。
すると今度は新型コロナウィルスの影響で、またしても製作が困難になり、上映が延期となりました。

でも、なんとしてでも完成させるという信念を持ち続けた京都アニメーションさんのたゆまぬ努力により、2020年9月、ようやく上映されることになったのです。

上映してくれてありがとう。感動を与えてくれてありがとう。
これが私の今の気持ちです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 75
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

心と時代の火傷が癒やされていく……(ドルビーシネマ版・体験談追記)

【ドルビーシネマ版・体験記】

先日、京都MOVIXにてドルビーシネマ版で再鑑賞。
(大河ドラマ史跡探訪の寄り道)

色域の広さ、コントラストの幅を最大化した映像。
128個の音源により実現したサウンドの360°空間移動による臨場感溢れる音響。
が特徴の映像規格。

嵐の後のエカルテ島の朝焼けは、よりグラデーションが美しく、
光源処理も眩しく鮮やかに。
ライデンの夜景と花火は、通常は同じ黒に見える暗闇の中に、
描き分けられた家屋や夜空の明度の違いがハッキリと伝わり、より味わい深く。
紅葉シーズンの京都に匹敵する絶景が巨大スクリーンいっぱいに広がり、
私も景色で泣いているのか、物語で泣いているのか分らない状態にw


鳥や虫の音、床が軋む音も含む多彩な足音。
など環境音も芸が細かい本作ですが、立体音響により一層リアルに。
今回は空気が流れる微かな音までシッカリ聞こえて驚愕しました。

音が繊細なだけじゃなく、単純に音を振動として人体に伝えるパワーも強く、
心臓の奥まで突き動かされるような音響で、
私は終始、心拍のリズムがおかしかったですw

主題歌「WILL」等も生オーケストラ演奏級の大迫力でした♪

何より恐れ入るのが、誤魔化しの効かないこの規格で
むしろ本領を発揮するだけの手間とコストを京アニがかけていたという事実。

ひょっとすると本作の映像ソフト化では
Ultra HDブルーレイ版の展開等もあるのかもしれません。

私も音響までは無理でも、再生プレイヤーくらいは検討してみましょうか……。



以下、2020.9.21初回投稿


【物語 4.5点】
シリーズ集大成となる本作。メインシナリオ自体は単純。

だが、このシンプルな愛の話が成就するまで
主人公ヴァイオレットや周囲の人々の揺れ動いて来た心の曲折を、
最後まで丹念に描き切ることで“【不変】で【普遍】の愛の物語”が花開く。

時系列前後、TVアニメ版エピソードの延長線導入など、
脇にトリッキーなプロットも組んで来るが、

彼女とその想いは時代を越えて確かに存在していたこと。
手紙じゃなきゃ伝えられない事もあるが、大切なのは想いを伝える意志。

といった王道を整備、補強する材料として的確にシナリオがチョイスされ機能している。


【作画 5.0点】
元々、心情を気象現象等に投影する背景美術、アニメーション表現を追求してきた本シリーズ。

いよいよヴァイオレットの感情も開花し猛威を振るう本作では、
天候描写等も、何もここまで作画カロリーMAXにしなくても良いのに
という位の極致に到達。


京都アニメーションはさらにえげつなくなって帰って来ました♪


手元の描写に、顔に出さない心情を吐露させる表現も目立った本作。
ヴァイオレットの義手も、序盤でネジを締め直して調節する描写が入り、
来る感情表現に向けて準備万端。

失われた後で補った偽りの手でも、手紙をタイプすることはできるし、
{netabare}指切りやサムズアップ{/netabare}だってできちゃうんです👍


何より成長したヴァイオレットの笑顔が本当に素敵です。


通常の泣きアニメでは、
外部から露骨に泣かせに来る涙腺攻撃だけ警戒していれば良いのですが、
本作の場合は、心情から背景まで一体となった
ハイレベルな表現に琴線を触れられた心の奥底から
溢れ出て来る感情により、涙腺が内部から崩壊させられる感じ。

ふとしたシーンの何気ない風景や表情にすら、グラッと来るから油断できません。
このパターンで涙腺決壊したら、
以降はずっと涙が氾濫しっぱなしになると思われます。

ファンの間ではハンカチより大型タオルの持参が推奨されていますが、
決して大げさではないと思います。
自身の涙腺耐久度等に応じて備えましょう。


【キャラ 4.5点】
すっかり喜怒哀楽が豊かになったヴァイオレット。
「あいしてる」や、ギャグも少しは分るようになった模様。
但しギャグセンスは『ターミネーター2』のT-800(演:シュワちゃん)レベルでしょうか?w
今後の成長を温かく見守りましょう♪

消息が気になる少佐については、{netabare}心を閉ざしてしまった青年として、
兄・ディートフリートとの関係も含めて掘り下げられる。
それにしても本作のディートフリート兄さんは汚名返上して、
さらに高性能なツンデレとして
ハートを全部持って行きそうな勢いを感じますw{/netabare}


人々との出会いがヴァイオレットの感情を育む。
シリーズのキャラ作りの基本線は本作でも踏襲され、
ヴァイオレットの背中に最後の一押し。

今回は新たな依頼主として{netabare}病気療養中の少年・ユリスが登場。
TVアニメ版のアンのエピソードの、死んでも想いが残る手紙という美談に対して、
生きているうちに想いを伝えなくても良いのか?{/netabare}
という反証材料を提供し、物語の洗練に寄与。


戦乱の時代に武器として傷つけ傷付いて来た少女を、
平和になった時代が恋する乙女として再生させた。

本作は世界が「あいしてる」を取り戻す物語でもあるのです。

【声優 4.5点】
ヴァイオレット役の石川 由依さんが感情を振り切った熱演をする傍ら。

ディートフリート役の木内 秀信さん。
それと{netabare} ギルベルト役の浪川 大輔さんに、ユリス役の水橋 かおりさん。{/netabare}
この辺りの男性役が、憎まれ口で本音を包み隠してしまう素直になれない男共を好演。


誰かさんは女の子を持ったら身が持たない。いや男の子も……。
などと愚痴っておりますがw

本作については、男の私から見ても、男の方が断然、面倒臭いですw


【音楽 4.5点】
足音だけで何種類あるんだろう?と感心させられる、
多彩かつ繊細な効果音、環境音は健在。


私は田舎で選択肢がありませんでしたが、
これから鑑賞される方は、音響にはこだわって欲しいと思います。


劇伴はEvan Call氏の続投。吹き荒れる感情の大嵐に寄り添うべく、
ドイツの映画音楽専用スタジオで収録した音源を提供する本気度。

主題歌はTRUE「WILL」こちらも作曲・Evan Call氏。
相変わらず壮大なオーケストラにも押し負けないパワフルなボーカルで、
作品のキーワードを押さえた歌詞を歌い上げる。
「帰ろ~うか♪ 帰~ろうよ♪」帰宅ソングの新定番が誕生♪
TRUEさんは他に{netabare}本シリーズのボーカルアルバムより
「未来のひとへ」がオーケストラVerでED曲に起用。{/netabare}

また、同じく{netabare}茅原 実里さんの「みちしるべ」もEvan Call氏の劇伴と、
歌詞にマッチしたクライマックスシーンと化学反応し輝きを放つ。{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 61

76.6 2 兄弟で親友なアニメランキング2位
ロミオの青い空(TVアニメ動画)

1995年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (253)
1383人が棚に入れました
スイスの小さな村、ソノーニョ村に少年ロミオ11歳が生活していた。 平和に暮らしていたロミオ一家にある日村にやってきた人身売買人、死神ルイニの魔の手が襲い掛かる。 ロミオの父ロベルトは、頑なに息子ロミオを売り渡す事を拒み続けるが、遂に病に倒れてしまう。 それを見たロミオは医者を呼んで父を救うため、自分の身を売る事を決意する。 こうして、ロミオは煙突掃除夫として、ミラノの街へ旅立つのであった。

声優・キャラクター
折笠愛、藤田淑子、岡村明美、川村万梨阿、安西正弘

Tnguc さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

【お気に入り】 ロミオが私の心にくれた青い空

~
街並見おろすのさ一番高い場所で
涙や悲しみなどすぐに消えてしまうから
(オープニング曲「空へ…」より抜粋)

 屋根の上から見えるミラノの青空は、涙や悲しみを抱擁してくれるほどに大きくて深くて美しい。それはミラノで生きる奴隷少年たちの心の拠り所であり、主人公・ロミオもまたその1人である。ロミオたちが立ち向かう過酷な毎日には、決して捨てることのない自前の優しさと正義感、そして、同じ境遇の仲間達と乗り越えていく団結力が根底にあり、どこまでも誠実に描かれている。ロミオを通して、仲間、親友、家族などから伝わってくる「愛」とも呼べる確かな感情が物語や人物に溢れていて、コミュニケーションが稀薄になりつつある現代においてその大切さを再確認できる掛け替えのない作品だと確信できる。体裁は児童向け作品であるが大人が観ても得られるものは沢山あるはず。全33話という手軽さや、佐藤好春(さとう・よしはる)の親しみやすいキャラクターデザイン、そして第二の主人公でもあるアルフレドの存在が人気を後押しした。あにこれβで高く評価されていたことをきっかけに視聴をしてみたが、名作と呼ばれるのも納得できる素晴らしい作品だった。放送当時、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件の被災者・被害者に多くの勇気を与えたこの作品は、世界名作劇場の終焉期に産み落とされた不世出の名作である。唯一文句をつけるとすれば、原作を改変したことによって生じた歪みが最終話で表面化したことくらいだ。

総合評価:★★★★★(5.0点)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19
ネタバレ

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

まさに、世界”名作”劇場

世界名作劇場。子供の頃に見ていた人も多いだろうけど
自分はまともに見た作品は一つもないんですよね。 
名犬ラッシーを見た記憶がおぼろげにあるぐらいで。

本作「ロミオの青い空」は知名度こそ低いものの
一部から絶大な支持を受けており、高評価されている作品ということで観てみました。

まずOPが名曲すぎる。もうイントロ部分からジーンと来ますね。
煙突の中を登っていき、青い空がパッと開けてタイトルが出る映像演出が実に素晴らしい。

ストーリーは、村に住む少年ロミオが、とある事情でミラノの煙突掃除夫として働くことになり
その中で、煙突掃除の子供達により結成された「黒い兄弟」の結束であったり
家族間の心温まるエピソード、無二の親友であるロミオとアルフレドの厚い友情などが描かれます。

キャラクターが本当に魅力的で、メインキャラのみならず
陽気なお調子者だけどどこか達観してる感もあるダンテ、
ロミオの仕事の親方であるロッシ、不良グループのリーダーで厨二病全開なジョバンニなど
脇を固めるキャラもいい味出してます。そしてヒロインが皆可愛い!(重要)

ただ不満というか、物足りなかった点もあります。
それは「煙突掃除」という仕事の過酷さや危険性に対する掘り下げが浅かったこと。
スタッフの狙いは分かるんですよ。原作をだいぶ改変してるとのことですが
名劇は子供向けだし、話が重くなり過ぎないように配慮するのは懸命な判断だと思います。
後半以降、感動・友情路線を強調するのも悪くないし
不覚にも何度も涙ぐまされた身としては文句も言いづらいんですけどね。

{netabare}アルフレドの死因は親方から過酷な労働を強いられた結果だと推測できますが
そもそも煙突掃除という仕事自体が相当に危険を伴うもので
落下による怪我や火傷、そして煙突内の大量の煤を吸い込むことによる肺病の恐れがあります。
狭い煙突内を移動できるのは小柄である子供だけですが
だからと言って子供にこのような仕事をさせるのは異常としか思えない。
(実際、イギリスでは1875年に煙突掃除夫法が議会を通過して児童労働が禁止になったとのこと)

煙突掃除夫として働くことがいかに過酷であるかをもっと描写していれば
アルフレドの夢をロミオが受け継ぎ、新たな時代を切り開かんとする流れも
最終回ラストのナレーションも、もっと心に響くものになったかと思います。
もちろん、子供達の煙突掃除夫としての誇りは決して否定されるべきものではない。
初めて煙突から屋根に登った時の「煙突掃除の少年だけの世界」は
観ているこちらにも伝わってくる感動的な光景でしたし。{/netabare}

いずれにせよ、本作が素晴らしい傑作であることは間違いない。
どんな困難にもめげない、勇敢な心を持ったロミオ達のたくましい生き様に胸打たれ、
観終わった後は心の中に青い空が広がるような澄んだ気持ちにさせられます。
老若男女問わず、もっと多くの人に観てもらいたい作品です。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 35
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「世界名作劇場」の看板に偽りなし!!

あにこれに来てからもうすぐ3年になりますが、
レビューというのはコンスタントに書いていないと、
書くのが億劫になってきますw
「別に俺が書かなくてもいくらでもいいレビューを書く人はいるし。。」
「書こうにも何も思いつかないからまた今度気が向いたら書こう。。」
このように思いつく限りの言い訳を並べているのが現在の私の状況なんですけど、
この作品のレビューはなんとか書かなきゃいけないと思ったのが、
本作、「ロミオの青い空」です。

1995年に「世界名作劇場」枠で放送。全33話です。
ある程度アニメに精通しているアニメファンの中では、
その評判は知れ渡っていますし、
私も以前から「いずれ視聴しなければ」とチェックしていました。
そして実際に視聴したんですけど、
まさに「世界名作劇場」の看板に偽りなし!!という出来でした。

古い作品ですし、知る人ぞ知る名作なので未視聴の方も多いと思います。
そういった方たちになんとかこの感動を伝えたいと思ったので、
もうレビューの書き方なんて忘れかけている私が今一度筆を執った次第であります。
重大なネタバレは回避しますが、若干のネタバレ有りです。
事前の情報を一切遮断したいという方はこれ以上は読まないでください。


{netabare}「大まかなあらすじ(知っている方は飛ばして下さい)」(wiki参照)
スイスの小さな村、ソノーニョ村に住む少年ロミオ(11歳)が家族の為に
人身売買人である死神ルイニと契約して身を売ることを決意するが、
それはイタリアのミラノで煙突掃除夫として過酷な労働を強いられることを意味する。
ミラノへ向かう道中、同じく煙突掃除夫として売られた少年アルフレドと出会う。
一旦は離れ離れになるもアルフレドとミラノで再び出会い、二人は親友となる。
ミラノでは過酷な重労働、そして不良少年ジョバンニ率いる狼団等
ロミオたちに幾多の困難が立ち塞がる。

まず、本作はキャラクターが良いです。
素直で快活、強さとやさしさを併せ持つロミオ。
才能・見識・人格とすべてが優れていて、まさに貴公子と呼ぶに相応しいアルフレド。
不良少年で狼団のボスであるジョバンニは、アルフレドをライバル視してますが、
狼団の仲間がアルフレドに卑劣な罠を仕掛けたことを厳しく咎めます。
正々堂々と勝負して勝たなければ意味がない。まるでどこぞの誇り高きサイヤ人の王子のようですw
狼団のメンバーである少女ニキータもよかった。
近年の瞬間的に性格が豹変する情緒不安定なツンデレでなく、古き良きツンデレでしたw

私は本作を、ロミオを中心として、
幾多の困難を乗り越え如何にキャラが成長していくのかという成長物語として観ていたのですけど、
ロミオの性格というはある意味完成されているんですよね。
素直で快活、強さとやさしさを併せ持っているわけですから、
成長の余地は残されているのかと視聴途中は疑問を抱いていたのですけど、
その心配は杞憂でした。
様々な人たちとの出会いや別れを経てロミオは様々なものを得てきました。
狼団に対抗すべきアルフレドと共に結成した黒い兄弟の仲間たちとの絆もその1つでしょう。
また、最初文字を読むこともできなかったロミオはミラノで大学教授のカセラ教授と出会い、
これをきっかけとして書物に触れ、知識の海へ泳ぎ出します。
この描写が本当によかった。最後まで本作を観終えた後に、
最初と比べてロミオは人間としてひと回りもふた回りも大きくなったと強く実感できて、
成長物語として気持ちよかったです。実に清々しい気持ちでした。
ところで、本作の悪役として登場するキャラのほとんどはとことん悪ですw
ロミオを煙突掃除夫として買い取った親方の息子のアンゼルモもその1人です。
なにかとロミオを虐め、そのやり口も陰湿極まりないもので、
性根が腐りきっているんですけど、
個人的には彼が改心し、成長することを期待して観ていました。
まぁ、どうなんでしょうねw 彼も少しは成長したのかもしれませんねw

本作と言えば、ロミオとアルフレドの熱い友情、そして黒い兄弟の仲間たちとの絆です。
ロミオはアルフレドを崇拝していて、
アルフレドには何をやっても敵わないと思っていますが、
アルフレドはそうは思っていません。
本当に凄いのはロミオの方だと。本当の強さを持っているロミオを心から尊敬しています。
こうした二人の思いは様々な台詞に滲み出ています。ぐっときます。
人間関係において最も大切なことは、信頼関係を築くことだと思います。
様々な苦楽を共有し、築いてきた人間関係というのは何ものにも代えがたい宝物であると
本作を視聴して改めて感じました。


(おまけ)

無粋なのは承知の上でなんですけど、
煙突掃除夫として売られた子供たちは二度と帰ってこれないというのはなんだったのかw
序盤こそ煙突掃除夫としての過酷な労働状況を示す場面はありましたが、
中盤くらいから結構余裕あるなこいつらと感じずにはいられませんでしたw
カイジの地下の強制労働くらいの絶望感は覚悟していたんですけど、
これだとかなりきついけど稼ぎはいい出稼ぎなのでは・・・
まぁ本作の性格や放送時間を考慮したらあれくらいが丁度いいのかもしれませんねw{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 31

72.6 3 兄弟で親友なアニメランキング3位
機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (274)
910人が棚に入れました
その魔女は、ガンダムを駆る。 A.S.(アド・ステラ)122―― 数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。 モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の地・水星から一人の少女が編入してきた。 名は、スレッタ・マーキュリー。 無垢なる胸に鮮紅の光を灯し、少女は一歩ずつ、新たな世界を歩んでいく。

声優・キャラクター
スレッタ・マーキュリー:市ノ瀬加那
ミオリネ・レンブラン:Lynn
グエル・ジェターク:阿座上洋平
エラン・ケレス:花江夏樹
シャディク・ゼネリ:古川慎
ニカ・ナナウラ:宮本侑芽・白石晴香
チュアチュリー・パンランチ:富田美憂
デリング・レンブラン:内田直哉
サリウス・ゼネリ:斧アツシ
ヴィム・ジェターク:金尾哲夫
ニューゲン:勝生真沙子
カル:小宮和枝
ネボラ:沢海陽子
ゴルネリ:斉藤貴美子
ラジャン・ザヒ:花輪英司
ラウダ・ニール:大塚剛央
フェルシー・ロロ:高田憂希
ペトラ・イッタ:広瀬ゆうき
セセリア・ドート:山根綺
ロウジ・チャンテ:佐藤元
プロスペラ:能登麻美子
マルタン・アップモント:榎木淳弥
ヌーノ・カルガン:畠中祐
オジェロ・ギャベル:KENN
ティル・ネイス:天﨑滉平
リリッケ・カドカ・リパティ:稲垣好
アリヤ・マフヴァーシュ:島袋美由利
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

女性の男性社会への間違った復讐劇…だから魔女なのか?

 さて、23年を代表するアニメとして、通しで2回目の視聴をしました。リアルタイムで考察していたよりも素直に視られたかなあという気がします。
 その結果、非常に深く面白く感動できる話だということを再認識しました。

 ウテナを彷彿とされる設定から始まった本作ですが、最後はプロスペラマーキュリーの復讐譚となります。夫を失った妻と娘ですね。
 ウテナが女性が裸なって王子様幻想から脱して自立せよ、のような結末でした。一方本作はあえて言葉を飾らずに言うと、ウテナで提言した女性像に対して、女性たちの強くなり方、男社会への復讐のやり方は間違っている、という話に見えます。というのはやはりクワイエットゼロの形状はどう見ても女性器のアナロジーです。クワイエットゼロは個人の復讐であり、間違った復讐です。
 一方でそれを壊すべく発動した、送電器に偽装した兵器は男性器のアナロジーでした。要するに性によっていがみあうことで生じる分断の象徴ですね。

 魔女というのはガンダムを操るものでありガンダムを作るもの。パーメット粒子というものを操れるものです。パーメット粒子は情報の塊ですから、情報を操る女たちの復讐劇、つまりフェミニズムの誤った形の実行かなあと現時点では見えました。ここはまた考察したいところです。今回気が付いた部分なので。

 一方でグエルがなぜあんなに極端な古風なキャラだったのか?ですね。力こそ正義とか分厚い鎧をかぶったような性格、威圧と権威主義は古い男性性の象徴でした。彼のような生き方をしていると、女性=スレッタに婿の地位を奪われるところからスタートしました。

 つまり、彼は間違った男性性の否定をするためのキャラだったのかなと思います。
 親殺しはすなわち男にとっての成長です。彼は裏方というかサポート役に回ったのはなぜか?あのフェンシングの一騎打ちは本当に実力だったのか?

 シャディクはグエルと対照的な、スマートでクールなキャラです。現代的な男性性だと言える気がします。彼は自分の信じる正義を陰謀によって実現しようとします。つまり、目的の為なら手段を択ばないという現代的な生き方の象徴だったと思います。何を考えているかわからない、常に茶化したような態度なども非常に今風です。

 で、ミオリネですが、彼女は最高の地位の後継者であり、トロフィーワイフでもある…ように見えて、実は父親の愛情ともっと視座の高い理念を理解できない優等生少女の象徴でした。命のやり取りや差別による貧困や争いの現実を知り打ちのめされました。
 彼女の髪型の変化にも注目です。大人びた髪型にした後の落ち込み方。部屋に引きこもった後がなんともいえませんでした。

 母親の遺伝子コードにより彼女は目的を達成するわけですが、親の子を思う気持ちの象徴ですね。
 これはほぼすべての主要キャラに言えますが、単純な「大人なんて」という子供の視座の問題意識で、一段上の現実の世界で生きている人たちを馬鹿にする今の子どもたちのアナロジーも感じました。まあ、ユーチューブを見て世の中間違っていると学校で騒いでいる子供たちですね。 その証拠にこの3人の行動が学校で考えていた思惑が全員失敗に終わります。

 彼らはお前は一人で生まれて生きてきたのか?というくらい不遜です。自分の遺伝子がどこから来たのか、そして自分が遺伝子を残す役割を果たさなくていいのか。

 一方で、世界をメチャメチャにしているのも資本主義の理屈であり、その点において大人は間違っているのですが、それは文明の恩恵が得られる原因でもあるので非常に難しいことです。

 スレッタです。母親の目的のために型にはめられた教育を受けた娘。毒親問題ですね。と同時にエアリアルという、スレッタを庇護するものの象徴から、キャリバーンといういう自ら戦うガンダムに乗り換えるということの成長です。庇護されてきた家族を自らの手で暴走を止め守り救済しました。
 学校生活やミオリネなどとの交流や、挫折の果てに成長して行くところなどが丁寧に描かれました。

 他に秀逸なキャラは沢山いて、それぞれの生き方を追うだけで多様な生き方が見えてきて、しかも、どこにも正解の提示がない、というのが本作の特に優れてていたことろだと思います。

 それと終わり方ですけど、やはり資本主義体制というのは簡単に変わるものではないということです。そのために必要なのは何か?それが学校という事だと思います。つまり幾つもの世代を通じないと急に変革など起きない、今学校ですべき事があるんじゃないの?という風にも見えます。

 アーシアン、チュチュやニカとガンダムパイロット2人と比較するのもいいと思います。つまりアーシアン側の2人がなぜ魔女、つまり情報を操るものとして描かれたのか考えると、分断とか親ガチャで騒いで相手を攻撃するよりも、努力して生き方を見つけろと言うようにも見えます。

 ということで、ガンダムというメカや企業とか軍の設定にはほとんど興味がいかないでキャラが何を意味しているのかばかりを見てしまいました。

 まあ、メタ的な意味でガンダムが消えるところを見て、ちょっと思うところはあります。

 OPは1クール目の祝福に比べるとちょっと凡庸でしたね。EDはアニメが良かったです。絵も綺麗だし意味深でした。


 本作は兵器とか戦争のようなテーマとかニュータイプというコミュニケーション論が中心だった過去のガンダムより、現代的なテーマを的確に描けた名作だと思います。
 本作を見た後だと、富野ガンダムが古く見えてきます。もちろん、今でも名作と呼べる作品は沢山ありますが、時代性と言う点で本作は現時点ではテーマ性が既存のガンダムから脱してアップデートされていました。

 アニメも綺麗だし、2クールの中に密度濃く、いろんな視点を入れてかつ面白い話に仕上げたと思います。

 物語の展開に若干ご都合主義があるものの、20年代以降の作品はテーマとエンタメの融合を優先して、展開の不自然さは多少目を瞑ったほうが良いと思います。

 本作のターニングポイントというか視点がはっきりするのは、19話と21話でしょうか。

 評価はオール5に修正します。初回は分割2クールで2クール目は集中できてなかったですね。今回見て話の深さに感動しました。特に主要4人のキャラがとても良かった。
 もう2回くらいあとで見たいですね。本当に深くて面白かったです。


以下 視聴時およびその後の考察レビューです。


{netabare}this is the story concludes the witch from mercury って出た以上、これでお終いということでよろしいのでしょうか。
 やはりシェイクスピアの「テンペスト」オマージュでメインキャラは誰も死にませんでした。何を言っているのかは本編でご確認を。トマトの人は気の毒ですけどね。

 PROLOGUEからのつながりでいえば復讐は何も生まない。という結論であると同時に一つの事件では何も変わらないのか?という感じに見えます。1年戦争のアバオアクーの結論で何かが変わったような気がした初代ガンダムでしたが結局その後も延々と続いたガンダムを連想します.
 が、その変わらなさをあえて連想させる終わり方だった本作の方が、少しずつの変革に向かいだした、という希望につながるような気がします。

 というのは、ガンダムが消えていくシーンです。あれが象徴的でした。まさに消滅して行きました。と同時にガンダムの素材が維持できないということはパーメットリンク消えたのだと思います。つまり、オカルトにも似たニュータイプのようなものは残らないということでしょう。
 ガンダムとニュータイプ=パーメットリンクはもうないよ。つまり、水星の魔女はこれ以上作ると蛇足になるので続編はないよ、ということだと思います。

 エリーが小姑ということは、まあ、そこはハッピーエンドと言えるのでしょう。戦争と医療というテーマがなかなか面白い作品でしたが、思っていたよりもスケールの小さな終わり方でした。

 
 結末については少し咀嚼したいと思いますが、しかし、平穏な終わり方という最も意外なほうに持って行ったのは、ある意味上手い裏切りですよね。なかなかいいと思います。

 ウテナ的な終わり方が見たかったですけどね。それだと今の時代にそぐわないのかも。逃避や急な変革じゃなくて、意識改革こそ新時代には必要な事なのかもしれません。つまり、ガンダムという超兵器=1つの答えで何とかなるような処方箋はないし、単純な力では何も変わらないよ、と。

 なんとなく宇宙世紀もののガンダムを追っている視聴者およびステークホルダーに対する引導に見えなくはないです。これをやられるとシードはまだしも、ハサウェイが色あせてしまう気がするのですが、大丈夫でしょうか。

 前半と後半のバランスが悪い気もしますが、どうしてもトマトの部分。つまり学園の内と外というのを中間に持って来たかったのでしょう。それは我々のような成人ではなく、本来ティーンに見て欲しいという事なのかもしれません。
 音楽は1期の方が圧倒的に良かったです。最終回はズル過ぎ。

 やっぱり構成はちょっと減点したいかなあ…もう2話、26話で出来なかったんでしょうか。まあ、言いがかりですけどね。むしろ説明が足りないからこそ、自分の頭で考える楽しみがありました。
 そう…こんなに楽しんだアニメは久しぶりです。もう1回どこかで見て、総括したいですね。

 ということで、非常に良いガンダム、良いアニメでした。制作陣に感謝を。


追記 学校が舞台だったことをどう読み取ればいいのか。

 ガンダム史上初めて学校が舞台でした。1期終わりの時点ですと、戦いの形だけ教えて、実際人を殺すのに役立たないということで学校の無力さを歌っていたのかなと思っていました。

 ただ、最後ですよね。学校のつながりで仕事をしていました。習った事はあまり役に立たないけど、つながりが仕事になるということでしょうか?

 資本主義社会の矛盾…結局大企業が勝つという雰囲気の中でしたが、しかし、アーシアンやどの企業に属している子供たちも、一緒に働いてましたよね。垣根を超えるのは新しい世代だというのと共に、学校時代に一生懸命やったこととつながりが花になる、という意味かもしれません。

 現状肯定ではなく、現状否定の物語ではあると思いますが、やはりガンダムによる一発逆転はないよ。次世代は若い人たちが学校でしっかり勉強して作っていってね、という事かもしれませんし、結局は親の背中を見ながら子供は育つという風にも見えました。

 また、ガンダムの技術はちゃんと医療に役立っているという感じもありました。戦争の傷跡を見せると同時に科学が肉体を補っていました。あとミオリネが持っていたトランクも同じ技術?



再追記です。

 ウテナ設定ですね。関係ないじゃんとは思いません。なぜかといえば、やはりガンダム・スレッタ・キャリバーンはウテナカーの対比だったからです。
 ウテナは王子様幻想とか闘いに明け暮れる学校という制度から裸で脱却し、女性の生きざまについてもう一度考えろ、という投げかけで終わっていました。

 本作については、逃避だけでなく提案がありました。今の社会の枠組みの中でどう生きるのか?ということです。
 上にも書きましたが、ガンダムでの一発逆転はないし、ニュータイプのような科学技術では分かり合えないということに加え、ウテナのような逃避も何も生み出さない。復讐は虚しいだけ。それよりも自分で目標と居場所を見つけ、少しずつ社会を変えて行こうという風に見えました。

 つまり、脱ガンダムと同時に脱ウテナということでしょう。だから、ウテナとの対比として百合設定が活きてきました。






以下 視聴時のレビューです。


15話 考えながら見ると面白い。新旧世代の橋渡しとなるガンダムの再定義にふさわしい作品。

{netabare}  15話(2クール3話)までで本作については、設定を考察してどうこう言う話ではないことは分かります。というか隠す気が無いくらい結構基本的な設定の構造はヒントを意図的にばら撒いていました。

 学校という牧歌的な舞台を描きつつ、外の不穏な世界を徐々に読み取らせていった1クール目が活きてきています。

 全員が信念に基づいて動いている。そして単純な悪意だけで動いている人はおらず、正義のためにやっているということでしょう。地球と宇宙の分断もそうですし、企業の経営者の考え方もそうです。
 あるいは医療という人を救う技術と兵器という人を殺す技術というテクノロジーの2面性も入っています。核開発時のアナロジーは強く感じます。

 結果としての戦争と対立。それがまるで宿命のように描かれています。これを国家に置き換えればほとんど現代の世界の状況そのものです。

 また、進歩したテクノロジーのブラックボックス、医療の生命倫理などなども読み取れます。親と子の意見の違い、毒親。そういったものがストーリーに組み込まれていて、素晴らしい脚本だと思います。15話のいろんな親子の関係を描いたのは良かったですね。2クールという情報が本当なら、それがいい方に作用しているのでしょう。テンポがいいし飽きさせません。
 また、単話しかでてこないような登場人物にドラマを感じさせる演出は大したものです。

 富野監督の時代とは違う。宇宙時代ではなくテクノロジー時代の新しいガンダムです。「テクノロジー」「多様性」「世代」「経済」「両義性」が生み出す摩擦により生じる人類の混乱。非常にアップデートされたテーマを描いています。
 それがまた無理なく1期の種まきからの続きとして描けているのがいいですね。ちょっと説明しすぎな気もしますが、分かりやすくしないと振り落とされる人もでてくるのでしょう。

 当然人間ドラマが中心になるわけで、既にロボットアニメではなくなっています。
 本作の楽しみ方は、考えることでしょうね。今我々が生きている家庭から世界戦争までを本作を見ながら考えることでしょう。EDのフワフワした捉えどころがないアニメを見ると不穏ですけど、おそらくはそこにヒントを隠しているのでしょう。スレッタの髪と衣装の感じから「女」を強く感じます。そういうテーマもでてくるのでしょうか。

 エンタメとしても緩急があって、複雑だし面白くできています。ガンダムの再定義作品にふさわしい出来だと思います。 {/netabare}


17話 面白過ぎて草。過去のいろんな作品が思い浮かびます。

{netabare}  SF的な問題として、エリクトの精神あるいはゴースト(魂)はどこにあるか、ですね。どうもコピーしたような雰囲気でしたので、この問題をスルーされてしまうと、深さが半減する気がします。
 逆に鉄腕アトム問題にもなりますが、それは本当の家族なのか?人格とは?という問題に肉薄できれば素晴らしいと思います。

 その一方で、グエル、ミオリネ側の親の意思を自分の意思で継ぐ、スレッタ、エレン側の毒親にコントロールされているのか、という対比があります。これは分かりやすいですが、2つ。グエル、ミオリネ側の意思もどうも操られている感があります。それがクワイエットゼロにつながる感じです。
 クワイエット・ゼロ。静寂そして零。そこがコロニー落としになるのか人類補完計画みたいになるのか。一方で、過去の遺物を消し去るために、親世代が自らの滅びか新世代の旅立ちを計画しているのか。

 メタ的に見ると日韓関係やバブル崩壊後の失われた30年のような世代間の責任問題にもつながってきます。分断の責任。これを相手に押し付けるだけでニュータイプというオカルトに救いを求めるだけだった旧ガンダムシリーズの引導としての作品です。

 ここを見ると「すずめの戸締り」の評論が無力だったことを想起します。あれだけ新海誠氏に稼がせてもらったユーチューブのインフルエンサーが何一つ分解できませんでした。まるでなかったことのようになっています。
 当たりまえですね。宮崎駿監督を認めつつ、旧世代はもう捨てようよ。つまり50歳以上の世代は自分たちの体験や知識価値観で、もう現代をネガティブな意見ばっかりで引っ掻きまわさないでよ。過去は悼みつつも新しい世界を覚悟して生きて行くからという話ですから、自己否定を突きつけられました。

 となった時に、本作ですね。過去のガンダムの否定はもちろんですけど新しい世界と価値。SNSもネットワークも当然の価値観に組み込まれた「ユーレイデコ」的な他人の言葉による不自由。自分の欲望は誰の欲望なの?という話、つまり構造の奴隷の中でも主体的に生きて行くのはどういう意味なのか、と言う要素も感じました。
 グエルが地球で体験してきた意味とか、その辺は効いてくるのでしょうか。うーん。と考えるとちょっとミオリネの思想のバックグラウンドが弱い気もしますね。これからかなあ。

 で、その元凶となるプロスペラの思惑は?というところはこれからなのかなあ。単なる復讐劇だと浅い気がしますので、やっぱり逆シャアの思想になるのかなあ。クワイエットゼロは。ただ、そこに過去の世代の責任を後に引きずらないという考えが入ると新しくなりますね。

 ゼロ…ゼロかあ。「日本人を名乗るみなさーん、お願いがあります…」もちょっと思い出しますね。


追記 総集編なので残念。ですが、今回企業グループが地球も宇宙も牛耳ってました。ということは、GAFAMのことのような気がしてきました。今まで宇宙と地球の対立軸で語られて今回も今のところ地球が敵っぽく見えますがどこか敵の正体が見えてきません…というか、何のために何と戦っているストーリーなのかが見えてきません。

 この見えない敵というのがGAFAMのことの気がしました。だからガンダム=ガンドアーム=禁断の技術、技術開発、つまりデファクトスタンダードの奪い合いがメインになっているのかなあ、と思いました。{/netabare}



18話 最高過ぎる。面白い。来週「一番じゃないやり方」ですね。

{netabare} 不穏です。「一番じゃないやり方」もう言葉が不穏です。むしろ、SFの名作「たったひとつの冴えたやり方」の否定ならいいですけど。つまり、ミオリネかグエルの自己犠牲に焦点が当たるんでしょうか。とにかく不穏でドキドキします。主要キャラの死が少ないのが気になってるので、どうなるんでしょう?
 そして、やはり人類補完計画の下地になるような技術に焦点が当たり始めました。最後の最後でミオリネVSプロスペラの予感です。

 まあ、それはいいとして、本当にこの作品いいですね。最高です。毒親かと思ってたプロスペラがそうでるとは…ドローンのような追従するタイプのガンダムのサブ機(Xガンダム的なやつ?)もありましたが、つまり、子供が犠牲になるガンダム、そして、少年の自己拡張としてのガンダムを否定です。

 あなた方の望むガンダムじゃないんだよ。というメタ的な視聴者へのメッセージの意味だとしたら最高です。ガンダムの力ではなく自分の力で立て…きついメッセージですね。

 作画ですけど、今週は発色が綺麗だった気がするのですが…ミオリネ美人でしたし、他のキャラもすごくビビッドでした。特に髪が良かったです。
 それにしてもミオリネ…彼女の内面が早く見たい。そして、その選択は?
 あと婚約者…なんかスレッタだと子供の遊びだったのに生々しいこと。なんか微妙にエロくて良かったです。まあ、そうではなくて2人の思惑がなんかあるのかもしれませんが。

 この作品2クールが前提なんですよね?そのせいでしょうか。いつものガンダムみたいに遊び回もないし、本当に密度が濃くていいです。最高です。 {/netabare}


19話 盛り上がってきました。ここまで来たら一度ガンダムにピリオドを打てばいい。

{netabare}  佳境に入ってきました。どんどん面白くなって行きます。

 母と娘…そして娘たち。そして復讐劇からスレッタを解放したエリ―。分断に直面し無力を露呈するミオリネ。学園から離れて始まる生徒同士の本当の意味での戦い。

 いままでの学園パートで描かれていた、牧歌的な雰囲気が一気に収束してゆきます。が、こうなるのはプロローグあるいは1期の頭数話見ればわかったことだし、それを隠そうともしていません。

 では、その意味するところ、つまりどこに向かうか、です。こうなるとクワイエット・ゼロはつまりモビルスーツを全て破壊する…つまりガンダムの歴史を一回リセットしようという意味に見えます。
(クワイエット…黙れの意味があるので、ファースト厨の老害黙れという気もします)

 そうじゃない、平和利用しようよ、というのがミオリネですね。企業体はガンダムを兵器として利用する。

 そこでスレッタは?という展開になりそうです。スレッタは覚醒の予感です。家族への回帰…新しい家族の形…今回ガンダムの能力の使用方法のさらなる拡張の可能性が見えました。
 やはりガンダムを使った新しい人間のコミュニケーションに帰着するのでしょうか。

 あるいはですけど、皆騙されたと思っている「ウテナ」ですね。やっぱりスレッタ=ガンダムでミオリネと共に全裸で荒野=宇宙へ…だと最高です。
 もうここまで来たら、大河内脚本やらかしてほしい。そしてガンダムにピリオドを。

「一番じゃないやり方」の意味は自己犠牲ではなく、みんなが善かれと思ってやっていることがベストの選択になっていないということで、ゲーム理論の話みたいに見えました。つまり皆の戦略的選択を変更する要因がなく、しかしゲームの結果、つまりナッシュ均衡解がパレート効率、すなわち戦争ということですね。 {/netabare}


21話 髪型はスレッタの髪型はいつ変わるのでしょうか?

{netabare} エンジェルハイロウ+モビルドールシステム?サイコフレームかもしれません。大量破壊兵器としても機能するんでしょうか。ガンダムのラストは大量破壊兵器との戦いです。ソーラーシステム、コロニーレザー、ジェネシス…つまりガンダムマナーはしっかり受け継いでいます。

 プロスペラはエリーとともに復讐は果たすのでしょうが、スレッタをガンダムから下ろした意味を考えれば、当然スレッタのことも愛しているのでしょう。
 結果的にプロスペラは何かと刺し違えて、スレッタ(+ミオリネ)を守るために殉じる気がしますが、これは読みというより本作の意味を考えるとそうあって欲しいということです。

 やはり最後はウテナ的な二人の旅立ちで在って欲しいなあ。水星か他のところでやり直しかなあ。

 この第2クールですが、要するに本作は議会連合とかベネリットグループとグループの数社が学園の子供たちとの対応関係になっているので、設定がややこしいように見えますが、ここで重要なのは各子供たちの親との関係でしょう。エレクトもクローンでしょうがクローンとして生まれてきた意味を問われれます。

 ですので、敵対の図式はプロスペラの復讐と企業・議会の「大人たち」になるでしょう。では子供たちはどういう選択をするのかが、本作第2シーズンの意味です。

 で、第2クールで肝心なのはやはり髪型でしたね。髪型が変わる=大人の世界に入る。その途端実際の戦争と人の生き死に関わるということでした。そしてスレッタの髪型がまだかわってないですねえ。チュチュの髪型は変わって欲しくないですけど。


 今回のガンダムは過去SFのオマージュまではいきませんが、何か過去のSF的発想を感じます。で、マキャフリーという人のSF小説で「歌う船」シリーズというのがあります。
 この「歌う船」を知っていると、エリクトの設定そのものなのであまり悲壮な感じがしていないなあ。特に「旅立つ船」のヒュッパティアが可愛いので、SF好きな方は。{/netabare}


22話 アニメはたった1つのシーンの為だけに存在することもある。

{netabare}  前半話が猛スピードで過ぎて行き、ガンダムあるあるのフェンシング対決など一瞬で終わってしまいました。

 が、いいんです。いろいろ展開とかテーマを考察してきましたけど、要するにスレッタ覚醒、自力でガンダムを操縦する…そして母親と対決。そのシーンこそ私は見たかったということです。

 もちろん半年以上かけて見続けたせいもあるでしょうけど、本当に良かった。最高です。アニメ作りは、たった1つのシーンのために存在するということもあり得るでしょう。今回で私にとっては、1つのカタルシスでした。
 もし、後は自分で考えろと今回で最終回であったとしても、私はいいと思います。いや、嫌ですけどね。それくらいこのシーンを待ち望んでいました。

 スレッタは無茶をするなといわれても無茶はするでしょう。大河内脚本なので悲惨なのも覚悟しています。していますが、ハッピーエンドの一縷の望みをドキドキしながら待ちます。あとは結末を見守るだけです。{/netabare}


23話 もう少し肉親同士の結論をじっくり見せて欲しかったなあ。

{netabare}  データストームを停止するコードをプロスペラが変えたと言っていて、ミオリネの遺伝子に組み込んであった言葉で停止して「お母さん」と言っていたので、プロスペラがミオリネのお母さん???と一瞬混乱しました。良く良く画面を見ていると、停止コードの入力画面と管理者権限のエマージェンシー用の画面を切り替えてたんですね。
 つまり、デリングの妻への愛なのか、夫婦のミオリネへの想いなのか、母の残されたメッセージなのか知りませんが、そういうことなんですね。

 設定とか裏設定とか、そういうのはいくら分かりづらく組み込んでもらってもいいんですけど、ここはもうちょっと入力のインターフェイスを分かりやすくかえるとかしてほしかったです。

 その意味でいうと、戦闘シーンは削っても、もう少しミオリネとプロスペラの舌戦が欲しかったなあ。
 もちろん人間は気持ちが昂るとどんな議論でも相手を受け入れなくなるでしょうからなにかもう一つ、ミオリネ・スレッタ・デリング・エリー・プロスペラおよびミオリネの母親の遺志の関係で、何かエピソードが欲しかったです。

 その点では、グエルの兄弟は後始末としては意外性が何もないので、もっと短くしても良かった気がします。

 ということで、いよいよです。巷では本作はテンペスト(シェイクスピア)のオマージュ云々という話がでています。
 キャリバーン、エアリアル、プロスペラ、データストーム(嵐)ですので、まあ、そういう意図もあるのかもしれませんが、復讐譚で名前だけじゃん、と思ってましたが、ひょっとしたら「関係者が一人も死なない話」という意図もあるかもしれません。
 グエルとデリング等々を見るとそんな気も…と言う事は死んだと思っていた人が…???{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 15

Acacia さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

単純に好みじゃない。

素材は良さそう。
いざ実食すると不味くはないけど好みじゃない
そんな感じ。

好みじゃない点。

①スレッタを女性にする意味が余り感じられない。
キャラクターの造形にナヨっとした男臭さを感じる。成長の過程も。
放送前のPVで振り向くスレッタを観た時は
ミステリアスな雰囲気。女性の持つ冷たさを期待してしまった。

②子供が動かす戦争。
今までのガンダムでは少年達はあくまで戦場でもがく1兵士であり、
世界を動かす程の力を持つのは大人たち。みたいな描写が多かったと思います
てか、それが当たり前です。しかし今作は、まぁ子供が暗躍するする。
会社を興したり、大人の社会に介入する少年少女を描いていましたが、
子供が戦争をコントロールなんて始めたらいよいよラグナロク。

③2クールで終わってしまうのも世界観が狭く、消化不良。
アーシアンはただただ虐げられている存在とて描かれるだけ
彼らの日常、息遣いは余り描かれない。

自分ならこの素材をこうは料理しないと思っただけなので、
単純に好みじゃないんだと思います。
最終回で一番テンションが上がったのは、
ガンダムSEEDフリーダムの予告でした。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 20

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それは復讐の始まりと終わり

全12話 Season1試聴済

機動戦士ガンダム 水星の魔女の2クール目です。1クール目から観ることをオススメします。

衝撃の1クール目の最終話、2クール目はさらに企業や政府、人々が複雑に絡み合っているので実にガンダムらしい展開でした。

復讐に利用された主人公が、復讐を止めようとするお話でしたね。

最後はダイジェストのようにそれぞれこの作品に関わったキャラたちのその後のお話が描かれており、駆け足ではありましたがきちんと終わっております。

OPはyamaさん、EDはアイナ・ジ・エンドさんが歌っています。

最後に、ガンダム初の女性パイロット作品、私は難しかったけど面白かったです。今度はどんなガンダム見せてくれるのか楽しみですね^^

投稿 : 2024/05/18
♥ : 12

65.9 4 兄弟で親友なアニメランキング4位
青のオーケストラ(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (148)
424人が棚に入れました
バイオリニストの父の影響で中1まではコンクールで活躍していた青野一(あおの・はじめ)。父親が家を出たことでバイオリンから離れ、無気力になってしまう。しかし、中3の秋に秋音律子(あきね・りつこ)と出会い、初心者の彼女にバイオリンを教えることで再び音楽と向き合っていく。 音楽の楽しさを再確認した青野は、秋音とともに強豪オーケストラ部のある海幕(うみまく)高校に入学。ライバルや仲間たちと切磋琢磨し、自分自身や過去と対峙し才能に磨きをかけていく。青野だけでなく、家族や才能をめぐるさまざまな悩みを抱える部員たち。それぞれに乗り越えながら、定期演奏会に向けて自分たちの演奏をともに作り上げていく。音楽で心を通わせていく、青春群像劇。

声優・キャラクター
青野 一:千葉翔也
秋音 律子:加隈亜衣
佐伯 直:土屋神葉
小桜 ハル:佐藤未奈子
山田 一郎:古川慎
立花 静:Lynn
羽鳥 葉:浅沼晋太郎
原田 蒼:榎木淳弥
青野 龍仁:置鮎龍太郎
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

最終回の演奏の見せ方がこの作品を象徴している。

「新世界より」を新たな高校生活に仮託して、演奏時に想いを馳せるというのは、誰でも思いつく展開だよなあ、と思っていたので意外ではありませんでした。つまり、普通の終わり方でした。

 最終回なので、演奏にモノローグを乗せるのは邪魔ですけど、そうしないと物語にならないのは理解します。
 しかし、「のだめカンタービレ」でこの演奏の時間が終わってしまうのが残念だ、というモノローグそのままじゃないですか。それまでのドラマが個人的でオーケストラとしてのストーリーが弱い分、そのモノローグには違和感がありました。このオーケストラにそんなに思い入れするほど何かあったかなあ?と。

 で、第4楽章は黙って聞かせてほしかったなあ…せめて心情のモノローグかカットイン程度に留めて欲しかった。この辺はやはり「響け!ユーフォニアム」の1期最終回の見せ方を見習ってほしかったです。

 で、指揮者のドヤ顔。このドラマの最後の演奏で最後はそのクローズアップが正しいの?誰の物語?指揮者の物語?まあ、いい演奏ができたという表現なんだとは思いますが…

 原作はどうか知りませんが、やはり音楽アニメとしてCGを含めて、演奏の見せ方に不満が残る作品でした。

 さて作品です。部活ものとしては苦難がないとドラマにはならないでしょう。が、あまりにも苦労の作り方が、家族とか場外なんですよね…音楽に対する情熱とか、オーケストラ=いろんなパート、いろんな人がいて、その調和というドラマが必要だったのでは?指揮者の教師が強すぎて、その辺があいまいだったですね。

 楽器にそれぞれのキャラの意味性をのっけるようなキャラ付けでもないし…題名の「オーケストラ」に何を感じればいいのか全く分からないということと同様、最終回の演奏で何が言いたいのかさっぱりわかりませんでした。

 まあ、あまり深く入り込んでみていたわけでは無いので、これくらいで。演奏楽しみにしていましたが、本作に対する不満と同レベルで演奏の見せ方に不満は大きかったです。
 音楽の評価は5でしたが、最終回の不満の分、マイナス1で4とします。




以下、視聴時のレビューです。

4話 型通りの平凡な音楽もの。普通に面白いです。CGは気持ち悪い。

{netabare}  4話まで視聴。肝心の音楽が本格的に始まったらレビューしようとおもってたらここまで来てしまいました。
 音楽の漫画・アニメってなんで親との確執がいるんでしょうね?四月は君の嘘、ユーフォのあすか先輩、ましろの音…はおじいさんでしたっけ?のだめのイケメンもそうでしたっけ?何となく導入の雰囲気も似ています。
 音楽ものって、スポコン構造になるから型がきまるんでしょうか。男女混成になる分、恋愛要素も取り入れやすいし、病的な性格や家庭問題とも芸術との兼ね合いで絡みやすいのもあるでしょう。

 つまり型があるので、音楽の漫画・アニメって導入はみんなそこそこ面白いんですよね。そして本作も例外ではなく、導入はなかなか面白いです。この先がライバルとの切磋琢磨だけなら凡百な作品になるでしょうけど。話の雰囲気的に主要登場人物の音楽と家庭・性格の問題をクローズアップして解決するのでしょうか。

 要するに今のところ意外性はないですけど、普通に面白いです。できれば2クールで…といいたいですけど、無理かなあ。NHKならワンチャンあり?よくわかりません。

 で、アニメなんですけど、普通のパートはまったく問題なく見られていたんですけど、オーケストラのCGはなんとかしてほしい。あれは駄目でしょう。一番肝心の部分ですからね。

 あと海幕高校って海浜幕張の幕張総合高校がモデル?だとすると俺ガイルの稲毛高校の近くの意識高い彼のいる高校と同じ高校…かな?{/netabare}


5話 断念時のレビュー。

{netabare}  すみません。話がどうこう言う前にCGが生理的に無理です。不気味の谷の底っていう感じです。オーケストラならまだそういうものだと思って我慢しましたが、メインキャラの単独の演奏であれじゃあ…せめてOPぐらいの出来なら…秋音律子とか可愛くつくってるじゃないですか…

 まあ、もうしょうがないですね。NHKが技術協力したんでしょうか?話ではないので原作者さんのせいではありません。ただ、今週の展開でかなり平凡感はありましたけど。

 これから先、CGやめて止め画…いやイラストボードにしたらいいのでは?演奏がよければそれだけで一つの作品になりますよ?
 浅い回の断念は通常評価はデフォルトにしますが、作画だけかなり低めに付けさせてもらいます。{/netabare}


12話 追記です。「新世界より」やるのかあ…音楽だけ聴こうかなあ…

{netabare} Dアニメの12話のあらすじで「新世界より」の文字が。「新世界より」は私のもっとも好きな音楽です。生まれて初めて買ったクラッシックがこれと「くるみ割り人形」だったなあ。両方ともカラヤンです。
 高校生の頃は夏の夕方とかに聞くのが大好きでした。今でも年に10回くらいは通しで聞くくらい好きです。

 音楽「だけ」はこの作品いいので、ひょっとしたらそこだけは見るかもしれません。しかも第3楽章をクローズアップしてるみたいです。いいですねえ。バイオリンソロの主旋律も。
「響け!ユーフォニアム」では麗奈が第2楽章をやってました。あれはペットの響きがカッコいいので、そういう選曲はさすがです。
 そして「新世界より」は、高校生くらいが一番憧れる曲なのかもしれません。なんか、分かりやすいです。映画音楽みたいでカッコいいし。

 なお、ついでに話をポツポツと拾いましたが、話進んでねー…断念して良かったかも。というか、皆さんのレビュー読ませてもらいましたが、レビューもあまり進んでいない気が…{/netabare}

14話の前半の練習は良かった。音楽がいいとCGは(多少)許せました。

{netabare}  あとで音楽集は出してほしいですが「新世界より」第1楽章の練習を聞かされるとちょっと鳥肌でした。風邪をひいてしまうのではと言うくらいゾクゾクしました。

 何気にですけど、後半の第3楽章のバイオリンの練習もああいう形で聞くことがないので、良かったです。ただ、音楽の時間が短すぎです。もっともっと聞きたいです。

 この作品、オーケストラに青春をかける的なドラマとしては、残念ながらあまり琴線にはふれませんでしたが、音楽はいいですねえ…といっても、私、中学生の演奏だとしても好きな曲なら感動してしまう程度の耳なので、偉そうなことは言えませんが、14話の練習風景は非常に良かったです。

 CG受け入れるので、音楽パートをもっと下さい。

 なお、断念した、にしてますが、お話は多少追ってますが、ほぼ見てないので。音楽はしっかり聴かせてもらいます。 {/netabare}



23話 「新世界より」を演奏するということで毎週チェックしてきましたが、音楽を描きたい作品なんでしょうか?

{netabare} 例えばふざけているように見える「のだめカンタービレ」が名作なのは、才能とオリジナリティ、練習環境、師匠と弟子、恋愛と表現、演奏会とは?音楽大学とは?そういったものが丁寧に描かれていて、音楽とヒューマンドラマが相互に絡み合っていました。

「響け!ユーフォニアム」になると、スポコンものっぽく、多少「音楽の練習、表現論」と言う点で物足りなさはあるものの、モチベーション、定期演奏会に対する取り組み方、自分を確立するような表現があって、それを上手くブラスバンドの部活と絡めて表現していました。
(1期だけの評価。2期は本作と同じ。ヒューマンドラマ化しました)

 さて、本作です。本当に音楽が描きたくて描かれていますか?と聞きたくなります。前半でこそソロのうまさとファーストバイオリンの違いみたいなところはありましたけど、それだけだしなあ。
 父親の関係がどうのこうのとかなんかホームドラマで良くね?という話です。

 その姿勢はアニメを見ていると感じられますが、フルの演奏がほとんどありません。上にあげた2作と比較して極端に演奏シーンが少なくないでしょうか?そもそもCGが噴飯ものですけど。つまり、演奏をマンガ・アニメ表現として見せたいと思っていないということです。

 たまたま私が「新世界より」が好きだったので、楽しみにしていましたけど、出てくる音楽が「くるみ割り人形」に「四季」に「カルメン」って…まあ、好きなんですけどあまりにメジャー中のメジャーです。これでは原作者が交響曲を愛していると思えませんし、生演奏を楽しんでいる人の作品ではない気がします。しかも、2クールのアニメでフルで演奏見せないとかありえないでしょう?1クールのユーフォですらあれだけ音楽に尺使ったのに…

 マンガ作品ですから、すべてにおいて経験や愛着が必要ではありません。脳みそで舞台設定をしてテーマを決めて描けるのがマンガのいいところです。ですけど、この作品からは何か「このテーマのマンガが書きたいという」熱いものが伝わってきません。つまり取材不足か音楽への興味が薄いのか。原作者の熱量がヒューマンドラマに向かってしまっている気がします。要するにBLに見えます。
 しかもそのドラマが薄いというか…この程度のドラマなら1クールで結末つけてよ…と言いたい感じです。音楽が上手くなるのが要するにメンタルの問題に帰結しているだけだし。

 新世界よりは全部で46分くらいだと思いますので、2話で全部演奏してほしい。{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 15
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

NHKの目利きが一番の戦犯?!個人的には今年ワースト2かな/2023/11/23追記

【レビューNo.89】(初回登録:2023/10/9)
コミック原作で2023年作品。全24話。
「クソアニメのレビューを書く」という体験を1回しましたが、負のエネルギー
が体を突き動かすというか・・・
個人的にはクソアニメのレビューを書くのは、時間のムダだし腰を上げるのにそ
こそこエネルギーがいるので、基本「レビュー止めとこ」ってなるわけですが、
それでもレビューを書きたいと思うのは、相当なクソアニメってことなのかw

(ストーリー)
かつてはヴァイオリンのコンクールで数々の成績を収めていた少年・青野一。
しかし著名なヴァイオリニストの父親は不倫から家族を捨て離婚。そのため一
は父親を憎み、ヴァイオリンを止めていた。
しかし中学3年時、担任の武田先生の依頼から秋音律子にヴァイオリンを教える
ことになり、自身も自分と向き合い再び弾き始めることになる。
そして武田先生が指し示したのは、オーケストラ部の名門「海幕高校」へ入り、
音楽を続ける道だった。
秋音とともに海幕高校に進学した青野は、そこでコンクールでトップの成績を収
めていた佐伯直と出会い、ヴァイオリンの腕を競うことになる。

(評 価)
音楽モノってあんまり観ないのですが(特にバンドモノとか)それでも「のだめ」
をはじめ、「この音止まれ!」「ユーフォニアム」など「音楽モノに外れなし」
というのが今までの私の認識だったのですが、それを見事に覆してくれましたねw

・絶望的に魅力のない主人公
 ・陰キャっぽいビジュアルの悪さもあるんですが、なんか主人公に絶望的に魅
  力がないんですよね。
  一番の原因が、何をやりたいのかが分からず共感できない点ですね。
  まあ「メジャー:茂野吾郎」のようにギラギラしてればいいのかということ
  でもないのですが、まず最初の「海幕高校」もオーケストラ部入部も動機が
  曖昧なんですよね。
  「漠然とヴァイオリンが上手くなりたく、なんか流れのままに」
  って感じで。
 ・その後佐伯や先輩との出会いにより
  ・もっとヴァイオリンが上手くなたいという強い思い
  ・オーケストラ部のコンマスを目指すという大きな目標etc
  輪郭は強化されるのですが、見せ方が悪いのかこちらに熱く伝わるものがなく
  「ストーリー都合だけで、青野が本当にそういう思いを抱いているの?!」
  という感じで、何故か共感できないんですよ。
  ざっくりいうと、結局
  「青野一という『人間』をどう描きたいのか」
  をしっかり定めず、「設定」だけで見切り発車してるなっていう印象ですね。  
 ・あと何かにつけ「(不幸自慢の)親父が悪い」的な後ろ向きな点も。
  (この部分は、終盤で「自分の音楽の源流には父親がいる」と感じる描写が
   増え「原作者がやりたかったのはこれなんかなあ」って感じる部分はあり、
   改善の見込みはありそうですが)
 
・上っ面をなぞったようなストーリー
 ・ストーリーもなんというか、音楽モノや青春モノの外れのないテンプレ的な
  レールを集めてきて、その線路上で物語を走らせているという感じで、
  「『青のオーケストラ』という作品を観てワクワクする」
  といった満足感が皆無なんですよね。
  (以前レビューした「僕ヤバ」とは真逆だなっとw)
  王道展開というより、上っ面をなぞったようなストーリー展開って感じ?!
 ・あとストーリー構成のチグハグさも。
  主人公をろくに描いていないのに、高校入学早々秋音と(もう一人のヒロイ
  ン?)小桜ハルの中学時代の重いエピソードが展開され、そっちのキャラの
  深掘りが始まっちゃうので、なんじゃそりゃ?Iって感じで。
  それでいて青野の方は「いつ魅力的になるんや」って期待してたら、上述の
  通りでアニメ終わっちゃったよとw
  そして秋音の方も中学時代は魅力的なキャラに映ったのに、高校に入り上述
  エピソードが終わると、なんとなく埋没しちゃったなっと。 
 ・それに「名門:海幕高校」という設定も、まるで活かせていないのも致命的。
  原田や羽鳥がもっと魅力的に描かれていれば作品の見え方も違っただろうに、
  この辺も描写が甘く「ただのいい先輩やん」って。
  また顧問の鮎川先生も厳しく怖いらしいが、作品を観る限りいうほどかと?
  部の方針なのか分からんが、「ユーフォニアム」と比べてもなんか緊張感が
  足りず緩くないかと。空気にメリハリ感がなく、作品的には「名門校たる所
  以はどこにあるのか」よくわからんレベルだなっと。
  (時々それっぽいセリフや描写は入るが、作品としての一貫性が確立されて
   いないから「点」で終わり、そもそもアニメとしての演出も出来が悪いの
   で説得力がないんだよね。)
  高校では部活のシーンが大きなウエイトを占めるのに、ここに独自の面白さ
  がないとか、一体どういうことやねんとw

・最大の隠し玉も不発?!
 ・この作品最大の隠し玉は(以下重要ネタバレ)
  {netabare}「佐伯は青野の父親の不倫相手の子供だった!!」
  たしかにネタとしてはセンセーショナルなのですが、作品を観る限りなんか
  これも不発に終わったなっと。
  それによりどんでん返しがあった訳でもなく、作品の面白さに大きく貢献し
  た訳でもなく、「一体何だったんだ?!」って感じでwww
  (一応2人が完全に分かり合えたとか、青野が一皮むけた扱いになってるが、
   その辺の描写もアニメとしては・・・って出来なんだよなw)
  これなら、この設定がなくても大局には支障なかったのでは?
  (まあ原作者的には、最大のオリジナリティだから「なし」にはできないで
   しょうが。穿った見方をすれば、原作者もこの設定を思いついたところで
   満足してしまい、そこで思考停止しちゃったのかなっと。){/netabare}
 ・この作品も全体的にイベント頼みで、それに沿って人物を動かしてるだけで、
  結局「人間」をしっかり描いていないんですよね。
  個人的に魅力的だったのは、中学時代の秋音だけでしたね。
  (あとは武田先生位で、思えば中学時代がこの作品のピークだったかなっとw)

総評としては
・音楽モノをやってる割には、そこに特筆すべきエッジがある訳でもなく
・では青春群像的なものを見せたいのかといえば、「人間」をしっかり描いてい
 ないから、主人公以下主要キャラが魅力的に見えず
「『青のオーケストラ』という作品は何をやりたいのかよく分からない」
まま終わってしまったという印象ですね。
そもそも「著名なヴァイオリニストの父親」以外は「音楽モノ」である必要性が
あったのかという、根幹から疑いたくなるレベルで
「『音楽モノ』の作品として、『音楽』とどう向き合っていくのか」
という観点を軽視しすぎでは、という印象を受けました。
(それっぽい曲の解釈を入れたから、『音楽』と真摯に向き合った作品というの
 はちょっと違うだろうっと。それじゃこちらに響くものがない訳で、この辺り
 も『主人公の魅力のなさ』に大きく影響してるように感じる)
それに全般的にアニメとしての演出も弱く、センスが感じられなかったかな。
  
NHKで放送する作品って、どこか1本芯が通っていて「さすが」って感じが強かっ
たのですが、この原作のどこが琴線に触れたのか?
単純に出来の悪さなら「なろう系の量産型異世界モノ」など下はいくらでもある
でしょうが、この辺とはそもそも予算をはじめ土俵が違いますからね。
NHKがバックでこの出来とか正直救いようがねーなとw
そういう意味では、個人的には今年ワースト2の作品だといえるかも。
個人的な見解ですが、一番の戦犯は
「NHK、なんでこんな作品選んじゃったの?!」
目利きが曇ったのか、こんな上っ面だけの作品に騙されるんじゃねーよと。
(クラシック音楽という題材と「小学館漫画賞」少年向け部門受賞という看板だ
 けで選んだんじゃねーのかと)
2期決定らしいですが、なんだかなあって感じですね。
それよりも「アオアシ2期」をさっさと制作しようよとw

(訂 正)
・今年ワーストワン → ワースト2
 「Buddy Daddies」が今年のアニメってことが抜け落ちてました。
 個人的にはこの作品が断トツのワーストワンですね。
 でもそれに次ぐ印象の悪い作品かなっとw

(2023/11/23追記)
{netabare}個人的には「101匹足利尊さん」の「青臭い心の振動が響いてくる」というレビュー
が興味深く「なるほど、そういう見方もあるのか」と。

ただ個人的には「やっぱり評価できない作品かな」っていう点は変わらずで、その
辺を補足。

>一番の原因が、何をやりたいのかが分からず共感できない点ですね。
レビューを書いている時に感じたのは、逆に、
「自分がまだ未成熟で何者かわからないから、それを探していく物語」
として進めていく路線もアリじゃないかと。
でも本編をみる限りでは、そういうのをメインに置くわけでもなく
・父親の離婚という不幸自慢
・オーケストラ部の名門校
・佐伯の衝撃告白 etc
原作者は「青野という人間をどう描くか」よりも、いろいろキャッチ―なパーツは
集めたもののそこに深みはなく「どうストーリーが見映えするか」という表面的な
描写にご執心なのかなっと。
>「人間」をしっかり描いていないから、主人公以下主要キャラが魅力的に見えず
結局この原作者がやってることは「人物描写」ではなく、「彼はこういうタイプの
人間です」という「レッテル張り」レベルにしか見えなかったんですよね。

>オーケストラ部の名門校
> 原田や羽鳥がもっと魅力的に描かれていれば作品の見え方も違っただろうに、
ここも追加で書くと
・ずっとヴァイオリンを続けていた佐伯より、ブランクのあった青野の方が評価が上
 (一応青野の努力している描写もあるが、表面的でなんか軽い)
・2年のトップがダンス部と兼部のチャラい羽鳥(しかも1年に簡単に負ける)
で、名門校の威厳や演奏家の厳しさがまるで感じられないんですよね。
そして原田も凄いコンマスらしいのですが、人物描写が甘いので説明セリフメイン
で無理やり持ち上げている感じで、コンマスなんて知らなった私に一発でコンマス
の価値を理解させた「のだめ:カイ・ドゥーン」の描写とは雲泥の差だったなと。

それにストーリー構成のチグハグさも追記すると、通常2クールアニメなら
・1クール目は丁寧な下準備をして
・2クール目に入った辺りからメインテーマを解放して一気に面白くみせていく
という感じなのですが、
・1クール目で下準備ができていない
 → 中学編の導入部はよかったが、それ以降は秋音と小桜の掘り下げが始まった
   り(それが後の展開の面白さに繋がるなら理解できるが単発で終わった感じ)
   上述の通りいろいろサボってるって感じで、漠然と部活の様を見せられてい
   るだけ
・2クール目のここからというところで
 → 青野のお母さんが倒れた
 → 佐伯の衝撃の告白
 で、話の腰を折るという・・・
 しかも、佐伯の衝撃の告白はかなり重い話で、もっとここで深堀してもいいとこ
 ろだが、結局中途半端で終わり。
 これなら「部活の方針等で大喧嘩して本音をぶつけ合って分かり合えた」という
 展開とどう違うのって感じなんですよね。
 せっかく意味深な爆弾ぶち込んだなら、それをしっかりと活かせよと。
 なので、大事なタイミングでこんな話をぶち込んでくるから「この作品は一体何
 をやりたいんだ?」という評価になっちゃうんですよね。
・で、こんなことをしているから、物語的には「定期演奏会」までしか進まず
 → 定期演奏会前に長い原田らの思い出語り
   これで演奏会は演奏に集中するのかと思いきや
   演奏中にも更に思い出のフラッシュバックって、感動の押し売り演出がウザい
 しかもここに原田→羽鳥への厳しい言葉とか、ホンマ意味分からん。
 これどのタイミングで言ってたんや?!それにより物語の整合性が・・・

>上っ面をなぞったようなストーリー
こんな感じで個人的には褒められる部分がほとんどないって感じなんですよね。
しかも2クール使ってこれだと弁解の余地はないかなっと。
(エピソードは進むも、こちらに積み上がってくるものがないという・・・)
唯一評価できるとしたら
>終盤で「自分の音楽の源流には父親がいる」と感じる描写が増え
「人間としては最低だが、音楽家としては認めることができる」という流れが2期に
みられれば、青野の成長として本作の意義も少しは出てくるのかなっと。
それ以外は「『青のオーケストラ』という作品を観てワクワクする」が皆無って感じ
で、私には全く合わない作品だったかなっと。{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

それでも皆、前を向いて歩んでいく

原作未読 全24話

子供の頃、とても優秀なバイオリニストだった主人公の青野 一(あおの はじめ)はある事情でバイオリンを演奏することを止めていました。中学3年生なった青野は同級生で初心者で必至でバイオリンを練習している秋音 律子(あきね りつこ)に出会い、少しずつバイオリンとかかわっていくことになる青春群像劇です。

メインである登場人物がそれぞれ悩みを抱えていることで、それぞれのぶつかり合いが凄かったですね。
{netabare}
(父親の不倫の件でマスコミが大挙自宅を来襲したり、いじめらている子をかばいいじめられるお話や父親の不倫相手の息子とオーケストラ中で友人でもありライバルだったなど、ライバル心も物凄いものがありました)
{/netabare}
高校生に入ってからのお話が大部分ですが、けして奇麗ごとではない部分も結構描かれています。

演奏は良いのですが、人物の描き方が非常にブレることが多く、CGも一昔前の感じして、作画がとても残念でした。

それでも最終話の先生、それぞれ学生たちのセリフが実に良かったですね。

OPはNovelbrightさん、EDは粗品さんが作詞作曲、歌は「ユイカ」さんが歌っています。

最後に、何度か演奏会を観に行ったことがありますが、演奏の迫力は実際会場ではないと味わえないですね^^

投稿 : 2024/05/18
♥ : 16

68.9 5 兄弟で親友なアニメランキング5位
柚木さんちの四兄弟。(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (66)
166人が棚に入れました
親を2年前に亡くした柚木家四兄弟。一家の大黒柱で、苦労人の長男・隼(はやと)、クールで”釈迦”と呼ばれる一面がある一方、湊が大好きで全てを「かわいい」と許容するブラコン気味の次男・尊(みこと)、元気で兄弟思いだが空回りをしがちで不器用な三男・湊(みなと)、しっかりもので”仙人”と呼ばれ達観している小学1年生の四男・岳(がくと)の四兄弟による、家庭で、学校で、ご近所で巻き起こる日常が描かれます。

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ガキのウザさは良く出ていたかな。でも好みじゃないし女性向けかと思うのでさようなら

子供の頃はガキが出てくる作品が糞うざくてですね。
なんでガキってこんなにうざいんでしょうね。
同じ子供だからか余計に苛ついたものです。

で、大人になって、親目線というものを身につけると、子供の子供らしさを多少は微笑ましく見る気持ちも多少は身についたのですが…。
まあやっぱりガキはうぜぇと思う気持ちはまだまだ残っています。

一応、うざいけれど家のために頑張った結果であり、良い子であるのはわかるのですが… でもうざいです。
ただ、ガキなんてこんなものですけれどね。

そういう点ではガキの生態をよく見ていてクオリティ自体は悪くないのかと。
でもまあ、全然好みではないのでさよならです。

結局男ばかり出てくる女性向け作品だとも思いますし。
女性目線ですとうざいガキも許容範囲だったりするのでしょうかね。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 0

ミュラー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

最近珍しいかも。静かに時の流れるアニメ

こういったアニメは最近めずらしい。
両親を亡くし、男4兄弟だけで生活する家族の話。
それぞれの兄弟の視点から、家族の日常が描かれる。
何気ない日常なのに、家族っていいなと思わせる、感動の作品。

特に特徴的な最終回。
墓地に向かう兄弟がバスに乗っているのだが、雨音だけが響いている。
現実にはバスのエンジン音があるので、
あんな雨音が聞こえることはないはずなのだが。
お墓参りが終わった直後、空が晴れて虹がかかる。
見事な演出だった。

特に大きな出来事が起こるわけでもなく、
どこにでもある日常が描かれていく。
素晴らしいアニメと思います。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

タイガー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『俺たち兄弟はどんなことがあってもずっと家族なんだから』

4兄弟の心温まる日常ストーリー

登場人物も少なく1人1人掘り下げてくれるから感情移入しやすかった

4兄弟と家の前に住んでる家族との良い関係が私的にゎ昔の一家のようでよかったですね。

今ゎなかなか近所付き合いやらないし、こんな真っ直ぐに育つ子供ばかりでゎないからねぇ〜

こーゆー家族を知ってる方ゎ暖かいと感じると思う。
opゎ頭に残る良い曲だし、キャラも可愛いし、たまにリアルな街並みなのも目を引いた箇所です!

兄弟って愛おしい❤️
自然と続きを視聴しました!

まぁ、でも感想を聞かれると普通。と答えてしまう作品

投稿 : 2024/05/18
♥ : 0

66.2 6 兄弟で親友なアニメランキング6位
コクリコ坂から(アニメ映画)

2011年7月16日
★★★★☆ 3.6 (561)
2843人が棚に入れました
船が遭難し、行方不明となった船乗りの父と、仕事のためにアメリカに渡ったカメラマンの母を持つ小松崎海は、母の留守中、小松崎家を懸命に切り盛りしていた。そのころ、海たちが通う港南学園では、新聞部部長の風間俊と生徒会長の水沼が起こす騒動によって、生徒と教師が翻弄されていた。突如として新聞部によって発表される「ミスター・ミス港南」、物理法則をめぐる風間と水沼の賭け、制服廃止運動をめぐる風間と水沼の対立…。こうした一連の騒動を海は冷ややかに見つめていたが、制服廃止運動の敗北の責任を風間が一身に負わされるのを見て、いつしか海は風間を擁護する声を上げるようになる。

声優・キャラクター
長澤まさみ、岡田准一、竹下景子、石田ゆり子、風吹ジュン、内藤剛志、風間俊介、大森南朋、香川照之

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ジブリファンタジーの硬い殻を破ってきたのは、いつも若手スタッフの手によるドラマだった ジブリはここ蘇った!

オイラの超主観的な考察ですが、
ジブリファンタジーの一つのピークは「千と千尋の神隠し」だったと捉えています
当然それ以後の現代に至るまでも「猫の恩返し」や「ハウルの動く城」といった秀作もありましたね
それはよい


しかしながら近年「ゲド戦記」や「借りぐらしのアリエッティ」といった作品を若手に託した宮崎駿でしたが、
ファンタジーという枠組みの中では過去のジブリファンタジーのスケールを越えられない、ぶっちゃけ被る、古臭い
という点を徐々に露呈していったとも思います


あくまで超主観的ですが;
ちなみにオイラはゲド戦記もアリエッティもマジ大好き(え



監督の宮崎吾郎は試写会で
「ジブリはもうファンタジーはやらないんですか?」
という質問に対してこんなことを言ったそうです
「東日本大震災というあれだけの現実を真に受けた今となっては、生半可なファンタジーはもう描けない」


これからのスタジオジブリが『ファンタジー』よりも『現実的な舞台でのドラマ』
を中心に据えていくという指針を表す一言だと思います



吾郎監督がドラマ的な方向性で行く、
と言うのならばオイラはこれを支持したいと思います


思えば宮崎駿監督作品を中心とする往年のジブリファンタジー達に対して、
そのイメージを打ち破ってきたのはいつも「海がきこえる」や「耳をすませば」といった若手スタッフの手によって描かれた新鮮なドラマものでしたよね


ジブリは良い意味で『ドラマによってリセットされてきた』と思います



宮崎駿自身も今作では脚本を執筆するなど、
若手スタッフ(吾郎監督)達にかなり前向きな姿勢で協力をしているようです
(しかも作中では親子がキーワード)



『ジブリの描くドラマ』
この名に恥じぬ出来栄えでした
ドラマ好きの方には是非オススメしたいですね



また同時に現代の若者である我々からすれば、
この作品の舞台である『高度経済成長期の日本』という親しみの薄い時代背景にはある種の『浪漫』を感じられると思います
あの時代を知っている年配の方には『ノスタルジー』なのでしょうが、僕らからすれば『浪漫』です
この『浪漫』がファンタジーにも似た隠し味となっていてとても新鮮さのある作品でもあると思います



吾郎監督だからといって期待は裏切らないです(笑)
素晴らしい内容に仕上がっています!



「まるで安っぽいメロドラマだ」→メロドラマ大好物だから問題なし(^_^)v



いや、しかし・・・
これはもしかすると、個人的に一番好きなジブリ作品になるやもしれない・・・

投稿 : 2024/05/18
♥ : 28

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

エスケイプも時には必要ね♪(* ̄  ̄)b

■コクリコ坂からを観る前に…d(゚ー゚*)ネッ!
この作品は、原作:佐藤哲朗、作画:高橋千鶴さんの漫画が元となったのジブリ作品☆彡
舞台は横浜、年代的には1963年で戦後から10数年たった頃のお話ですね♪

港が一望できる見晴らしの良い丘にある下宿屋「コクリコ荘」、それが主人公「松崎 海」(愛称:メル)のマイホームなんです♪
海外で仕事中の母の代わりに、妹の「空」、弟の「陸」の面倒をみながら、下宿人と共に賑やかに暮らす毎日。
そんなメルには欠かせない日課が…(*゚・゚)ンッ?
コクリコ荘から掲げれれている旗…「安全な航海を祈る」というメッセージの信号旗…
朝鮮戦争時に行方不明となった父に向けてその旗を掲げること…それがメルの日課なのです。

そんな忙しい毎日を過ごすメルが通う高校では、時代の風潮から学園紛争が起きてましたΣ(゚□゚(゚□゚*)ナニーッ!!
文化部の部室代わりになっている、伝統と歴史と想いのこもった「カルチェラタン」という建物の取り壊しに学生たちが猛反対!!
その反対運動の中心人物「風間 俊」がメルと出逢い、物語は急展開を迎えていくのでした…


■総評
「コクリコ坂から」は1960年代を知らない私達にも、当時の時代背景がわかるようにコンパクトにまとめた作品だったと思います。
むき出しの蛇口や、手動の印刷方法など、物語の端々からノスタルジーでインパクトある描写が目に飛び込んできます♪
また、すこしでも関わりを持った仲間に対しては、家族や学校という垣根を取り払って、誰とでも別け隔てなく接する事が出来る温かい人間関係もこの時代の魅力なのでしょうね!
いまの時代だとお節介に思われてしまうような行動や発言が、素直に受け入れられている描写が数多くあるのも見所なのかな?って思います。
とにかくこの作品からは、戦後10年ちょっとで戦前以上の復興を遂げた、バイタリティー溢れる日本人の気質みたいなものが映像を通して感じられました♪

でも、ちょっとわかり辛いというか、説明不足なシーンが目立った作品でもあったと思うのです。
まず、いきなり主人公の名前で混乱しましたw海?メル?(*゚・゚)誰?wって感じでしたね♪
フランス語で「海」が「ル・メール」って読む事からそんな愛称がついたみたいですけど、わからないよぉ…(^=^;
また「カルチェラタン」についても、学生達にとってどんな建物なの?どれだけ大切な場所なの?って事がぼやけていて、映像とストーリーから読み取って貰える事が前提みたいなシナリオになっていたように思えました…c(゚^ ゚ ;)ウーン
ある程度の年配の方なら学園紛争や学生運動を知ってるでしょうし、連想することも容易だとは思うのですけど、それを知らない世代にとっては「何こんなに熱くなってるの?」って思われてもしょうがないような気がします(^o^;
そもそも「コクリコ」っていう言葉もフランス語で「ひなげしの花」っていう意味みたいですけど、どのような意味でタイトル名にしたのでしょうかね?
この時代のフランスとの関係も気になりますね(^ー^* )フフ♪

それと個人的には声優さんのキャスティングには疑問をもちました…c(゚^ ゚ ;)ウーン
俳優さんや女優さんは演技力に長けているかと思いますけど、やっぱり第一線で頑張ってる本職の声優さんと較べてしまうと見劣りがしてしまう気がします(^=^;
宣伝としてのキャスティングととられてもしょうがないかなって思いますし、純粋にアニメを追求するのであれば、キャラを活かせるキャスティングをもっと考えて欲しかったとも思います。

いろいろ不満はありますけど、作品全体を通しては上手にまとめた印象です♪
観る人を選ぶ作品かもしれませんけど、生きるエネルギーを貰える作品なのでヤル気が出ないなって時にまた見てみたいと思います(*^▽^*)


■MUSIC♫
主題歌『さよならの夏 〜コクリコ坂から〜』
 【歌】手嶌葵
 ゲド戦記でも歌ってくれていた抜群の歌唱力を持った手嶌葵さんですね(*^^*)
 憂いを感じさせる中にも、力強さや包容力を感じられる物静かで素朴なナンバーです♪

挿入歌『上を向いて歩こう』
 【歌】坂本九
 改めて歌詞を見るとものすごく力強さを感じました!

挿入歌『朝ごはんの歌』
 【歌】手嶌葵
 楽しく朝ごはんを作る姿が浮かんでくるような明るい曲です♪

挿入歌『初恋の頃』
 【歌】手嶌葵
カントリーミュージック風の曲に甘酸っぱい初恋の歌詞を乗せたナンバーです♪

挿入歌『紺色のうねりが』
 【歌】手嶌葵
 学校やコンクールの合唱曲にもなりそうな穏やかなナンバーです♪


2012.09.23・第一の手記

投稿 : 2024/05/18
♥ : 48

にち さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

うーん…

「コクリコ坂から」をレイトショーで観てきました。

他の方のレビューなどから好き嫌いが大きく分かれる作品だろうなーというのは承知の上だったのですが、残念ながら私は後者でした。。。

はじめの流れは全く違和感なく進み、昭和ノスタルジー的な雰囲気が出た話のテンポも悪くなく、音楽や声優の方の演技もよかったです。

ですが、結局作品を通してなにを目指した(伝えたい)お話なのかが明確にわからないまま進み。。。


え!?

終わりですか?

私的にはなんだか肩透かしをくらったような終わり方。
せっかくつかみは良かっただけに少し残念でした。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4

75.3 7 兄弟で親友なアニメランキング7位
タッチ(TVアニメ動画)

1985年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (362)
2104人が棚に入れました
上杉達也、上杉和也は一卵性双生児。スポーツも勉強も真剣に取り組む弟の和也に対して、何事にもいい加減な兄の達也。そして隣に住む同い年の浅倉南。3人は小さい時から一緒に行動している、いわば幼馴染だった。そしてお互いがお互いを異性として意識し始める。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、難波圭一、日髙のり子、林家正蔵、銀河万丈、千葉繁、小宮和枝、増岡弘、塩沢兼人、鶴ひろみ、中尾隆聖、井上和彦、冨永みーな、田中秀幸
ネタバレ

ダビデ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最も,もっと評価されるべき作品

{netabare}和也が死んじゃう{/netabare}のは嫌な描写ですが、そこからの展開、ストーリー、画、キャラクターなどなど最高ですよね。
子どものころから学生の頃まで、再放送で何回も観ましたし、原作も読みました。


{netabare}柏葉監督と達也との信頼関係が構築されていくさまがとても好きです。
3年の地区予選の決勝,達也に対して,和也の妬みのような話をしながらも,達也のピッチングをさせるアドバイスをしたシーン。
それで,和也を追い求めていた達也が,達也のピッチングを始めたシーン。
ピンチになり,達也の鼻血を見て,柏葉監督が立ち上がり,バッターに指示を出し始めるシーン。
三塁打を打った後に達也に対して,見えないはずの眼でアイコンタクトで,ホームスチールをさせるシーン。
達也:「おれもたまにはホメられてみたいもんですね」,柏葉監督:「おれはおまえが嫌いだ」,達也:「どうせなら徹底的に嫌われてみたいもんですね」と言った後の,「だったら,甲子園に行くんだな」の柏葉監督のセリフ。
最後の最後で,新田に対する敬遠を決めたはずなのに,みんなで,達也に勝負をさせるシーン。
最後の一球。
達也が病院で柏葉監督に「リンゴ」を手渡すシーン。
その,余韻の,柏葉監督の「夏は好きなんですよ。」。

初めて観ていたときは,柏葉監督の正体がバレて,はやく監督が変わって欲しいと感情移入をしていました。
でも,最後の最後には柏葉監督が・・・,涙涙で,言葉にできない存在になっていました!{/netabare}

そして,{netabare}達也の浅倉南への告白は,(個人的には漫画の,開会式に達也がいないところからの,電気屋での抱きしめからの,つま先立ちの方が,南のピンチに必ず達也が現れるという意味でも,好きなのですが。)話の積み重ねの終着として,{/netabare}どんな恋愛アニメ・恋愛ドラマでも,超えることはできないシーンだと思います。


長いけど,名作であることは間違いないと思います。


☆の評価をするにも,物語は,あだち充先生の傑作なので,☆5.0は間違いありません。スポーツアニメとしての物語は最高なうえに,恋愛アニメとしての物語も最高です。
声優は,頭の中で,登場人物のイメージがそのまま構成されていますので,☆5.0は間違いありません。
キャラは,登場人物それぞれプラス要素しかなく,☆5.0で間違いありません。(浅倉南の性格があざとすぎて,万能すぎるとして,マイナス要素で評価する人もいるかもしれませんが,多くの男性には,浅倉南のキャラはプラス要素にしかならないはずです 笑。)
音楽は,「タッチ」のイントロだけでも☆5.0になっちゃいます。その他の挿入歌,ピンチの時の音楽などなど,含めても最高評価になるはずです。
作画だけは,時代的な理由で,☆4.0になってしまいますが,当時の他のアニメの中では素晴らしいと思いますし,試合の描写も素晴らしいと思います。

観た人の数も多いはずですし,評価をしたら高い評価となることは間違いありません。
なので,(平成27年11月14日時点でのランキングは334位の74.0点ですが,)個人的には最ももっと評価されるべき作品だと思います 笑

投稿 : 2024/05/18
♥ : 19

えーりか☆かなで さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

有名野球アニメ

~声優さん~

上杉達也:三ツ矢雄二
上杉和也:難波圭一
浅倉南:日高のり子
松平孝太郎:林家こぶ平(現・9代目林家正蔵)
新田明男:井上和彦
新田由佳:冨永み~な
原田正平:銀河万丈
坂田:稲葉実
黒木武:塩沢兼人
西村勇:中尾隆聖

~感想~

呼吸を止めて一秒
あなた真剣な目をしたから
そこから何も聞けなくなるの
星屑ロンリネス

きっと愛する人を大切にして
知らずに臆病なのね
落ちた涙も見ないふり

すれ違いや回り道を
あと何回過ぎたら
二人はふれあうの
お願い タッチ タッチ ここにタッチ
あなたから(タッチ)
手を伸ばして受け取ってよ
ためいきの花だけ束ねたブーケ
 
いい曲ですよねー^^

いまでも上杉の投げる球の音が印象的です^^

本格野球アニメ観たいならコレですねー

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

非常に繊細な人間模様

最近、十数年ぶりにあだち充の新作野球漫画「mix」を読んで驚いた。
鳥山明や高橋留美子などの名だたる巨匠ですら、歳相応でまともな漫画が描けないというのに、あだち充はきちんとストーリーを追って、骨太な青春野球漫画を描いていると。

80年代の空気感をこれ以上なく高らかに描き切れるのは今や、あだち充くらいであり、しかも確実に面白い。

それはすごいことであり、普通の漫画家が60代だとストーリー目線も描画も歳相応に衰えてしまうものだが、あだち充は全く衰えないどころか、最近の漫画家の中では1.2を争うほど読みやすく洗練されている。

これが熟練の漫画家の技というものだろうか。非常に巧みである。

巨匠は数多くいるだろうが、ここまで爽やかな漫画をおじいさんレベルの人が描けてしまうことに、ほかの漫画家と一線を越えた天才ぶりが発揮されている。

僕は「タッチ」よりも世代的に「H2」だが、「mix」もまた現代に通用する良い青春野球漫画だ。いやはや恐れいりました。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 11

59.2 8 兄弟で親友なアニメランキング8位
プレイタの傷(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (55)
180人が棚に入れました
東京―『暁特区』。国が新たに打ち立てた経済特区予定地で、大企業『サキシマ・ホールディングス』に行政権が譲渡された。特区内でのみ適用される課税軽減などの利権を巡り、敵対企業が陰謀を巡らせた結果、大型な暴動・暁抗争が勃発。内政は荒れ果て、『サキシマ・ホールディングス』も解体。暁特区は国の自治も及ばない不管理地域となる。その無法地帯となった街を守る男たちがいた。『ディヴァイン・タトゥー』という、荒ぶる神獣の力を封じ込めたタトゥーを持つ人間、通称『スカード』はそれぞれ固有の特殊能力と、全ての攻撃を無力化するほど―銃弾が身体に届く前に弾け飛び、刀は砕ける―の防御力を有する。タトゥーの能力を生かし、街を守る『ヘリオス』、組織を守る『アルテミス』、秩序を守る『公安特務』たちが新興勢力となり、暁特区に鎮座する。未だ日常的に、微力ではあるが抗争が続く中で、それでもなお彼らは自らの『正義』を貫く。これはそんな激動の中を生きる彼らの、当たり前の日常を描いた物語である。

声優・キャラクター
高坂篤志、千葉翔也、榎木淳弥、ランズベリー・アーサー、益山武明、野上翔、八代拓、畠中祐、福原かつみ、津田健次郎、上田燿司
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

大きな矛盾は無いが特段面白い部分も無い

前情報一切ナシで1話を見た個人的な感想、作品の感想というよりスタジオへの感想
{netabare}まず“K”は見てません。
その一方で“ハンドシェイカー”は見てまして、話が途中で終わってて「なんだよー」と思ったらまさかの“W'z”という続編が始まって一応の完結を迎えてくれました。
気になるのは、なんで“ハンドシェイカー2”ではなく“W'z”って別タイトルだったのか。
そもそも“W'z”の開始前の宣伝がまるっきり女性向けの別作品かのようなもので、実際本編を見るまで続編だったと気付かなかった人は多いんじゃないかな。
そこで思うのは…ひょっとしてアニメスタッフは「今度は女性向けに『新作』作りまーす」とスポンサーに偽企画を言いつつコッソリと続編を作ったのではなかろうか?と。
“ハンドシェイカー”が途中で終わっててモヤモヤするのでどうしても最後までやりたかったとするなら視聴者のこっちとしては「よくやった」と感謝の極みなんだけど、その一方で「そんなことやって業界から干されない?」という心配までしちゃいましてw
今作“プレイタの傷”が放送されたことで干されてなかったみたいでいや~良かった良かった、と胸を撫で下ろすと同時に、これ、ひょっとして…。

“W'z”を作る時に出した偽企画の内容通りに作ったモノなのでは?

なぁ~~んてことを思ってしまったりw
もはや陰謀論ですかね?けどそう考えて見るとなかなかに感慨深い…かも?
まぁ“K”を見てないんでねー、思い切り見当違いなこと言ってるかも…“K”見た方が良いっすかね?しんどいんだよなぁ…。{/netabare}

1話感想
{netabare}背景に対しキャラが浮いてるのは“ボーンフリー”みたいなものだと思ってまだ我慢しよう。
けど…終盤のジッポの炎、なんだアレは!?
他の方も指摘されてるけどキャラの髪がバザバザなびくほどには風が吹いてるのに…あんなんじゃ点かないってw
ついでにその後のタバコの煙もあまり風の影響受けてないし、もの凄い違和感。
髪の毛作画する人とタバコの煙描く人が別で連絡上手く行ってなかったのか?
似た現象は前期“100万の命の上に俺は立っている”でもあったけど、こっちの方が作画頑張ってるせいで余計に目立つ。
“ハンドシェイカー”→“W'z”でクオリティが下がった印象だったけど、こっちはW'zから更に落ちた?大丈夫か??

で内容だけど、前半で逃がした少年の件、匿ってもらうんじゃなくてどこかに姿をくらましてしまったけど、依頼した側はそれでいいのか?
今後もあの少年登場する?
でもっていきなり専門用語(ギリシャ神話由来で造語ではないけど)が多数飛び交って…勢力は3つ?いやそれ以上あるみたい。
覚えるの面倒臭いようだったら脱落しちゃうかも。{/netabare}

3話までの感想{netabare}
2話は公安、3話はアルテミスという勢力の紹介ってところかな。
これでこの世界はどんな力関係なのかの説明が終わって、ようやく次から本格的に話がスタート…と思って良いのだろうか?

3話、「アルテミスの監視の目をかいくぐってダスクが特区にこんな武器を持ち込めることはありえない→アルテミス内に裏切り者が居る?」
ということからの、ヘリオスの溜まり場(エイジの弟のレストラン、まだ本部かどうか分からないので)に「アルテミスに追われてる、特区の外に逃がしてくれ」と少女が駆け込んでくる。
で、その後の「双翼」の態度やダスクの行動からして、少女や両親を追ってた「アルテミスの怖い人」とやらは単なるダスクの成りすましなだけかアルテミス内部の裏切り者か。
エイジを撃った「魔弾」の出所やフェンリルがそれに絡んでる…のか?
──と、いかにもな謎は提示されてるのだけど、いやちょっと待って。

1話の「ただその場から逃がすだけ」でその後の身の安全に無関心だった少年の扱いに疑問だったのだけど、3話で駆け込んできた少女が…特区の中に入れてくれと外に逃がしてくれとの違いはあれど、ある意味では焼き直しで。
逃がした後まんまとダスクに囲まれて~って展開は…な、なんて言えばいいんだ。
「そうそうこれこれ、1話で逃がした少年もその後こういう目に遭ってるんじゃないの?」って思ったワケなんだけど、「ハイそうです」と別のキャラで答えを見せられた感じ。
答え分かってんなら1話の段階でどうにかせーよw
もしくは1話の少年もあの後アルテミスか公安に助けられてたってタネ明かしが今後される…のかなぁ?
ぶっちゃけ1話と3話は混ぜて1話にまとめられた気がする。

まぁそれよりも、エイジが死んだことは世間にバレててパワーバランスが大きく崩れたと思うのだけど、ヤマトが昏睡してた一週間何も大きな動きは無かったのか。
ヤマトもヤマトで公安に置いてきた弟のことを心配しようよw
ハンドシェイカー→W'zと同じノリで「対立することもあったけど実は皆イイ人」ってことになりそうなんだけど、現時点では公安はコワイ人扱いじゃないの?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
4話は公安にせっつかれてヤマトがヘリオスに正式加入する話。
ああ、この回までが世界観説明回か。
ここまでに提示された謎は「フェンリルとは?」「ダスクが特区に銃器持ち込みできたのは?」「魔弾の出どころは?」。
ヘリオス、アルテミス、公安、各勢力の持ってる情報がそれぞれ別で、それを集結させて真実に迫る展開なのかな?

と思ってたら5話、3話の続きでダスクの銃器持ち込みにはアルテミス内部(厳密には隠居)に裏切り者が居たということでソイツを始末する話。
おや?これで「ダスクの銃器持ち込み」は解決しちゃった?
ダスクはネームドキャラ不在でスポットを当てた話も無く、無条件でやっつけていい悪モノ扱いなので、もうちょいダスク側の事情に迫ってくれると有難いんだが…。
と思ってたら6話、ダスクのイケメンキターー!
最後の方でちょろっと出ただけなので掘り下げるのは次回か。
これは俄然次回が楽しみに……うーんどうなんだろう?

「これって何?」→「ハイこういうことです」→「これってどうなるんだろう」→「ハイこうなります」。
と、視聴者の興味の持つ方向へリードしてく…視線誘導でいいのかな?それは出来てる気はするんだけど、如何せん肝心の「興味を持つ」の熱量が低い。
私にしたってこうして文章に起こしてるから把握してるだけで、ただダラっと見てただけでは何が起きてるのかサッパリ分からなかった予感。
話が難しくて分からないのではなく、興味が薄くて頭に入らない。

絵面が淡々としてる(BGMも眠い)せいかな?とは思ってるんだけど、それに加えて世界がキレイ過ぎるのが没頭することを妨げてる?
酒瓶持った浮浪者がドラム缶の焚き火で暖取ってる後ろでゴロツキ同士が喧嘩してる、そんな世界観じゃないのん?と。
町には掃除のおばさんが居て子供も一人で通学してそう、みーんな身奇麗で電気ガス水道等のインフラ完備で毎月律儀に光熱費払ってるかのよう、マッポー感では“エクスアーム”に劣る。
他の作品でもこういう現象ってあるけど、手描きアニメだとフィルターがかかるせいかあんまり気にならないハズなんだけどなぁ。
雰囲気が近い作品として“千銃士”を個人的にはちょいちょい思い出すのだけど、あっちはこの件(キレイすぎる問題)に関しては気にならなかった。
ところがゴーハンズはそうならない、CGアニメで起きがちな違和感(※)を手描きで起こすってのは凄いことなのかどうなのか。
意図的なのは分かるけど、どうにも作風が内容に合ってない気ががが…。


手描きアニメだと手描きならではの歪みの部分に「汚れ」を感じるのかな?
比較例として…“モンストアニメ”の3期がフルCGで、ルシファー編は「まぁこいつらみんな天使だからな(宝石の国と同じ感覚)」で脳内処理できたけど、アーサー編に移ったらどいつもこいつも新品卸したての装束を纏ってるような違和感が凄かった。
祝典に参列って設定ならまだしも、数ヶ月間放浪してたランスロットも超身奇麗で、一応マントのスソがビリビリにはなってはいるものの「最初からそういうデザインの新品のマント」にしか見えなかった。
それと同じ現象がこの作品に起こってる感じ、手描きなのにw
こういう画風で作品作るなら、そもそも人間じゃないとか物凄く管理の行き届いた世界とかを舞台にする方が向いてると思うんだけどなぁ…。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
7・8話、アルテミスのトップ(アズサ)の強さのお披露目&攻めてきたダスクを退治する話。
ああ、アズサがこんだけ強いなら公安(政府)もおいそれと手出しできずに特区が特区でいられるワケか、と一定の説得力はあったものの…えっ、これでダスクやっつけたってことでダスク絡みはお終い?
ダスク側が「なんでアルテミスが手出ししてくるんだ」みたいなこと言ってたが、アルテミス幹部を抱きこんで武器密輸してたのがバレたんだから報復はむしろ当たり前のような?
悪巧みがバレたってのを気付いてなかった設定だったのだろうか。
報復を食らう前にヘリオスを制圧して地固めしよう、って展開の方が自然だったんじゃないかな。
ってかよう、エイジが死んでから一週間=ヤマトが昏睡してた間、これといって大局に変動が無かったのが不思議で、その期間にダスクが襲撃しなかったのは何で?の説明は…無し?
追い詰められたホクトの「計画が狂った、どこからだ?」は、エイジが死んだと聞いて即座にヘリオス潰さなかったせいだと思うぞ、その時期ならまだ武器密輸もバレてなかっただろうに…う~ん?
序盤ホクトに余裕ぶっこいた演技させてたせいでひっどくアホキャラに成り下がってしまった。
「ダスクとフェンリルは繋がってなかった」って情報は重要かも知れないが、ホクトはそのためだけの噛ませキャラだった?

そんなことより7話、1話で逃がした例の少年が再登場し、更に今まで画面に映さない様にしてた特区で生活してるらしい一般住民も登場。
…。
なんで「か弱い村民」みたいな描写なんだ?
外ではお尋ね者で生きていけない犯罪者共が特区に居座ってるんじゃないのか。
(公式のB1の項目にも「暁特区で最も荒れた場所。貧しい者、犯罪者、訳ありの者たちが流れつく無法地帯。住人のほとんどが不法居住者。」と書かれてる)
設定的には火炎瓶の一つでも投げそうなモンで、1話の少年もそこらに転がってる死体から耳削いで生活してる(花の慶次ネタ)んじゃないのか。

9話、フェンリルの正体に何か勘付いたカガミがティターンを飛び出し、その頃アルテミス本部ではアズサがフェンリルに襲われたらしい。
「あんなに強いアズサがどうして!?」とビックリして欲しいところなのかな、いや全然。
秘書?から「何かを聞いた」双翼がカズマ達に襲い掛かり、「カガミが倒れてるのでちとタイム」ってところで次回へ続く~。
「フェンリルの正体は一体…?」ってことに興味持って欲しいのかな、いや全然。
秘書?が何を言ったのかは一応気にはなるけど、それよりその…魔弾の件はどうなったんだろう?
まだフェンリルと魔弾は出所が同じとは明言されてないよね?
実はエイジがフェンリルで、魔弾撃ったのはフェンリル倒そうとしてたヤツって可能性は…どうだろ?
そもそも上記の感想にも関係するけど特区のパワーバランスに係わるエイジ死亡情報はどうやって世間にバレたの?という部分には違和感を覚える。
身内のヘリオスですら公安(コウガ)から聞かされたヤマトから聞くまで知らなかったくらいで、英雄の死を悼んだ大々的な葬儀がB1地区で行われたワケでもないみたいだし、なんでアルテミスとダスクは知ってるんだ?と。
ホクトの身柄も公安が預ってるみたいだし、公安ないしその裏がなにか企んでる?
次点でアルテミスの秘書。{/netabare}

10話感想{netabare}
フェンリルの正体はカズマでした、但し「今この瞬間だけ」って可能性は消えてないかな。
ある意味順当ではあるんだけど…何て言えばいいんだろうなぁ、「あれ?これおかしくない?」って部分が意図的(伏線やミスリード)なのかヘボいだけなのか、判定できるのは先まで見ないとどうにもならない。
最後までおかしいままだったら総評の方に書こうと思ってたのだけど…どうやらミスリードを狙ってたっぽい。
で、そのおかしい部分というのは「カズマがフェンリルを目の仇にしてる理由が薄い」。
ちと気になって公式のあらすじを見てみたけど、こっちでもやっぱりそう。
3話あらすじの一部「エイジの死に関わった可能性がある謎の男『フェンリル』のスカードとの関係~」って…可能性なだけじゃねーかw
しかもそんなに高くない、「え、関連あったっけ?」ってレベル。
今一度整理すると──

・エイジにトドメを刺した(まだ疑わしい)のはあくまで魔弾
・魔弾を撃った者とフェンリルが同一だとは語られてない
・なのに、何故かカズマは魔弾はスルーしてフェンリルを「あたかも」エイジの仇とばかりに捜査にご執心

理由が「無い」ではなく「薄い」で、好意的解釈を広げればなんとか理屈が成立するのが厄介なところ。
カズマは、エイジが死んだのはヤマトのせいだと責めたいのだけどそうもいかず、行き場を失った怒りの矛先をフェンリルに向けた?、とか。
そもそも1話がヘンテコで、エイジが撃たれた場所とカズマがフェンリルと遭遇した場所は離れてる。
「ダスクに追い回されて孤立したエイジの援護に向かいたいところをフェンリルに邪魔された→だからフェンリルを恨んでる」と思おうにも、カズマがフェンリルと遭遇したのはエイジが撃たれてケルベロスをヤマトに譲渡した後で、フェンリルに邪魔されずに合流できたとしても手遅れ。
これは視聴者にしか分からないことなのでカズマが思い違いしてるでも構わないのだけど、そうはいっても、じゃあ次に恨むのはフェンリルじゃなくてダスクじゃね?となる。
そこから更に「ダスク如きがエイジを倒せるワケない」→「犯人=TUEE奴」と信じたがってるって描写が一応あるので「そう解釈しろ」ってことなんだろうけど…いやぁまどろっこしいって。
正直深読みしないと「なんでエイジ殺したのがフェンリルみたいなことになってるの?」だし、そんなゴチャゴチャしたことよりも…魔弾を気にしろよと。
魔弾は関わった可能性があるどころじゃなくて「確定」だろ?何故そっちを優先しない?
で、この感想はカズマだけじゃなくて他のキャラにも当てはまることで、フェンリルフェンリルって、そんなん放っておいても向こうからやってきてくれるってw

どこかの感想で「キャラ達が何をやってるのか分からない」ってのを見たけどそりゃそうだ、勘違い(ミスリード)させようとして騙しきれてない。
ミステリー系で、物凄く怪しい容疑者が居るのにそっちには目をくれず、容疑者とも呼べない他人を追い続ける話を(後で繋がるとしても)ダラダラやられても「何やってんだコイツら?」としかならない。
まぁ今後魔弾について掘り下げてくと思うのでその締め方次第かなぁ。
これで魔弾に話が向かわなかったらちとヤバいかも。
ヤマトにわざわざ魔弾の件を教えた公安になにかウラがありそうな気がするが、果たしてどうかのう。

ついでに今回新たな謎が生まれました。
フェンリルはどうして瀕死に追い込むだけでトドメ刺さないの?
これについてもちゃんと理由提示されたらいいなぁ、宿主の良心が寸でのところで阻止したでもいい、単なる作り手側の事情(商品展開的にキャラを殺せない)だけだったらヤダなぁ。{/netabare}

11話感想{netabare}
予想では「1話より前の時期からフェンリルはエイジにとり憑いてて、魔弾に撃たれたことで離れてそこでカズマと遭遇したってことかな?」と思ってたが違った。
ずっと前からカズマに憑いてたんだって、へーえ。
1話で現れたフェンリルはカズマ自身の欲求が見せた幻だって…えええええ。
カズマの「エイジを殺したのは魔弾なのにそっちを追求しないでフェンリルを必死に追う」という異常行動の説明もされたけど、そもそもそれが異常行動だと感じるのはかなり真面目に見てないと分からない(キャラがおかしいのかシナリオがおかしいのか分からない)ワケで、もうちっと分かり易くしても良かったような?
ってか魔弾についても調べてたって、後から言われてもちょっと…。

でもって肝心の魔弾、作ったのも撃ったのもカガミでした。
これは順当…かな?ってかこれ以上新キャラ出されても厳しいのでホっとした。
けど、やっぱり動機がなぁ。
英雄という重しから開放したかったって、寿命縮めてそんなことしたってエイジ的には悔いが増すだけのような…。
…ハッ。
婦女子向けってことでそれ的に考えると、カガミはエイジの心に自分を刻みたかった?
実は先代ケットシーに嫉妬してたとか?
ってかそれくらい病んでるのなら動機としては充分だけど、だったらなんでそう描かないの?って疑問。
婦女子的に妄想の余地を残したってこと?う~んわからんなぁ…。
あと「魔弾を撃つためのライフルも特注品で、それを特区に持ち込むためにダスクとアルテミスの裏取引を利用した」みたいなのを期待してたんだけど、それは無いのか。
先代フレスヴェルグが噛ませ扱い過ぎな気が…ダスクのトップ(ホクト)といい、出したはいいけど扱い切れてない様な?

公安(政府)の“当初の狙い”はエイジが死ぬことでダスクがヘリオスを倒し、次いでアルテミスと直接対決をおっ始めて治安が悪化することだったらしい。
ん?アルテミス(アズサ)の戦力を割く、じゃないの?「つまりはそういうこと」ってこと?
今までの描写を見る限り戦闘力だけならアルテミス以外のスカードはぶっちゃけ機動隊でもなんとかなりそうで、政府が特区に手を出せずにいるのはアズサを警戒してるからって感が強い。
抽象的な言い回ししないでハッキリ言った方が良い気がするんだがなぁ。

公安(コウガ)がまだなにか企んでるみたいなのでそれに期待か、頼んますよ。{/netabare}

13話までの感想{netabare}
前から指摘してる通り「エイジの死亡、なんでみんな知ってんの?」が不思議だったのだけど、案の定公安が嘘の情報を流したってことでした。
あーあ。
魔弾は作るだけでなく撃つ時にも寿命を犠牲にするらしい。
ってことでエイジ生存でカズマに揺さぶりをかけてフェンリルを抑えてたところにエイジが魔弾を撃ってフェンリルを倒して今後カガミと一緒に呪いを解く方法を探そう、でエンド。
いやさ、エイジの死を誰も疑わなかったの?と。
カズマはもとよりカガミなんて、エイジからスカードの能力を奪って英雄という社会的地位から抹殺しようとしてたワケで、本当の本当に目論見は失敗したのかどうか気にするでしょー。
「死体見せろ、それを見るまで信じない」と散々公安に詰め寄るんじゃないの?
ってか視聴者的にも死体見せてないので死んだという実感が無く、「死んだと思ったでしょ?実は生きてたのでしたー」も全然騙せてない。
ニセの死体を用意して葬式を偽装するシーンくらいはあっても良かったんじゃないかな?

ってかよう、物語的にヤマトって居る意味あった?弟とは結局離れ離れのまま終了だし。
意味が無かったといえばイツキもそうだし、更には前任者との思い出なんて物語を分かりにくくする雑音でしかなかった。
物語に直接関係なくても世界観に深みを増すための描写なら良いのだけど、ほかにもっと優先すべきと感じるシーンがおざなりの状態でそれをやられても…。
一番はなんといってもエイジを英雄と称える特区の住人(民衆)が一切出てこないこと、ティターンもいっつも閑古鳥だし。
いくらセリフで英雄だ英雄だ言われても全くピンと来ない。
そしてこれはかなり個人的なことになってしまいそうだけど…ダスクのトップのホクトがど~にも可哀想に思えてしまって。
まんまと公安に踊らされて、アルテミスに裏工作が利かなくなって、フェンリルの噛ませになって、最後は公安に捕まってエイジと同じ様な扱いをされるのだろう。
なんか脚本家にとって都合の良い駒って感じで、何も悪いことしてない(悪いことしたのかも知れないが、それはアルテミスも同様)のにヒッデーなぁ、と。
続編は無いだろうけど、もしあったらホクトを主役とした復習劇をやって欲しい。{/netabare}

総評{netabare}
大きな矛盾は無いが特段面白い部分も無い

あえて言えば「特区」の設定が大嘘過ぎて受け入れられないかも?
こういう特殊な世界設定でありながらそこに住む住人の暮らしぶりが見えないのはキツい。
普通に現実の世界の延長にして、マフィアの抗争──アルテミス組とダスク組が縄張り争いをしてて、地元素人集団のヘリオスが自警する話──ではいけなかったのかな?
いや、そのつもりだったのかも知れない、が、いかんせん皆がみんなピッカピカの小奇麗な格好で、リアリティというか生活感が無い。
ヘリオスのアジトの喫茶店?軽食屋?そこに食事目的の客って来るのかどうかも疑わしい。

が、これもよくよく考えると矛盾ポイント(ツッコミどころ)ではなくなるのが話しにくい部分でしてw
フェンリルにしろ魔弾にしろ、騒動の火元は少人数しか居ないヘリオスばかりで「ヘリオスって問題しか起こさないな」と思う一方で「ま、素人集団だしね」ってことでは筋が一応通る。
サキシマの御曹司が居てソレ?って思わなくもないけど、エイジを救いたくて頭がおかしくなったってことなら、まぁ…。

特区の住人の暮らしぶりもさることながら「描かないことで視聴者の想像に任せる」部分が多く、目一杯好意的解釈をすれば矛盾は無い(面白いかどうかは別)のだけど、そんな好意的な視聴者ばかりじゃないでしょう。
テキトーに流して見る分には「何をやってるか分からない」だし、肝心のミスリード(騙し)をした後で真実を明かして驚かす展開も、そもそも前提の「騙し」で騙せてない。

・フェンリルの正体は、な、なんと味方であるハズのカズマだったのでした!
・エイジを魔弾で撃ったのは、な、なんと味方であるハズのカガミだったのでした!!
・エイジは死んだと思ったでしょ?な、なんと実は生きてたのでした!!!

この作品のビックリポイントは上記3つだけど、「ああ、味方だったんだ」「ああ、死んだ扱いだったんだ」程度しか受け取らないのが大半じゃないかな。
実際あにこれ外で感想を収集してみたところ「この前敵対してたのになんで親しくなってるの?」とか、逆に「この前親しくしてたのになんで戦ってるの?」とか、状況を把握してないことが多い。
…まぁそりゃそうだよ、細部(主に汚い部分)を隠してるせいで世界観そのものに興味沸きづらいんだもの。
また、分かったところで大して面白くないのも…リアリティ(主に汚い部分)が無いので感情移入できない、どれも「へー、そーなんだ」としか心が動かない。
例えば3番目で言えば、匿ったエイジを死んだと偽るために公安は物凄いトリックを仕掛けたのか?というとそんなモノは無い。
「おお、そんなことをして世間を騙したのか、やるねぇ」と思えることが何も無い、スカしてるだけで誰もカッコ良くない。
個人的に一番感情移入できたのは登場頻度の少ないホクトで、こういう現象(登場の少ないキャラが一番マトモに見える)って…その…クソアニメではよくあることで…。

結論、キレイキレイ過ぎて全然その世界に没頭できない。
「キレイキレイ過ぎ=汚い部分を隠してる」で、その隠してる部分まで想像を働かせば色々と納得(矛盾を感じない)はできるけど、そこまで付き合うのはかなり億劫。
そしてそこまでしたところで面白くはない。

そうそう、作画に関しては、ハンドシェイカー→ウィズ→コレ、で確実にクオリティが落ちてる。
アクションシーンとか頑張ってる様に見せかけてカメラをグルグル回してるだけだったり。
どうしたんだ一体?だだだ大丈夫か?{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 8

mimories さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

視聴対象はピンポイント

作画はパーツごとは良く見えるけど不自然すぎる。
合わせたら全然マッチしなかった…というか最初からそこは軽視してまともに指示してないのでは?、と見える。なかなか残念なレベル。

それより気持ち悪かったのが台本。
ストーリーよりオレ様を見ろよ的セリフばかり吐いて萎える。
作画もそうだが「アイドルの舞台」であれば内容は二の次。誰かを推してくれさえすれば成功になる。

そうか、ストーリーどうでもいいなら観続ける意味が無い。というわけで2話で失礼します。
せめて映像で魅せてくれれば継続したんだが。

あとOP曲、ていうか歌が残念すぎて苦笑い。
ある意味そこに作品が集約されてると言える。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

実はKの続編だったと言われても、信じる(笑)

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
いや、Kの続編ではないですよ(笑) ただ、制作会社が同じで、作画やキャラデザ、雰囲気がとても近いということです。

GoHandsのキラキラした作画、私はあまり得意ではありませんが、こういう、「この作画や演出はあの制作会社だ」と分かる、個性豊かな制作会社は結構好きです(だからこそ、盗作問題はいただけませんが)。

基本的には、イケメン達のバトルアクションを観るアニメですが、そこにミステリー的要素が入るのが新しかった。ネタバレ厳禁系ですね。

意外と、と言っては失礼かもしれませんが、意外と面白かったです。

レビューでは、本作の複雑なストーリーを、時系列にまとめて整理してみました。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ヘリオス、アルテミス、特務、ダスク。様々な組織が絡み合う展開なのに、複雑になりすぎないのは、各組織の主要人物が2~4人程度に絞られていたから。

この辺、Kっぽい。

あと、登場人物が皆、もったいぶった言い方をするのも、厨2秒丸出しなのに格好つけているのも、

Kっぽい(笑)

いや、悪口じゃなくてね、それが個性だよなと思うんです。

さて、本作の場合、「フェンリルが実はヤマト」「エイジが実は生きていた」という、2つのビックリ箱をどう評価するか、というのがポイントでしょうね。

個人的には、「動機と結末には納得できるが見せ方が不十分」でしょうか。

本作を時系列にまとめると、

①カズマ、フェンリルになるも、ケットシーで封印。
②エイジ、戦いの果てに心が壊れかける。
③カガミ、エイジを救いたいと考える。
④コウガ、カガミに魔弾でのケルベロス破壊を提案。
⑤カガミ、エイジを救うため魔弾を作製。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑥アニメ1話スタート
⑦カガミ、エイジを魔弾で撃つ。
⑧ヤマト、エイジを庇い、魔弾を受ける(計算外)。
⑨エイジ、ケルベロスを譲ることでヤマトを救う。
⑩エイジ、瀕死の重症(死んだと思われる)。
⑪コウガ、エイジ助け、手札とする。
⑫カズマ、エイジの死を受け、暁特区を憎む。
⑬カズマ、強い憎しみにより、フェンリル顕現。
⑭ヤマト、カズマと共にフェンリルを追う。
⑮ダスクやアルテミスになんやかんや(笑)ある。
⑯カガミ、カズマがフェンリルであることを明かす。
⑰エイジ、再登場。
⑱なんやかんやあって、全員が救われる。
⑲終わりよければ、全て良し(笑)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑳今後、エイジはカガミを助ける方法を探し、ヤマトとカズマは暁特区を守る。

ということでしょうか、多分(間違いあったら教えて下さい)。

まあ、どう見てもコウガが悪者ですよね(笑) でもそれは、先輩の死を受け、一般市民や公安に出来るだけ被害を出さず、スカード内の抗争で、物事を納めようとしたからであり、その動機や方策には納得できる。

カガミもまあ、エイジのことが好きだんだねぇ、ということで、ちょっと色々間違えているけど、その後、自分の計画を台無しにした、でも、自分の愛するエイジが守ったヤマトを、複雑な心境の中で支え続けた苦しみで、間違いが帳消しになっている感じ。(ふと思うが、殺気を感じるケルベロスを持つエイジなら、カガミが自分(ケルベロス)に向ける殺気にはとうに気づいていたのではないだろうか。タイミングは別にして、いつかカガミに撃たれることを、望んでいたのかもしれないなと思う。)

ヤマトとカズマに関しては、主要人物なのに蚊帳の外、何も知らないからな~。何も出来ようがない。

ラン、ジン、アズサの3人(アルテミス)は、自衛の為の戦いであり、巻き込まれただけ。本筋には関係ないし。イツキ君もまあ、己の正義に従って、知り得る情報の中で懸命に戦っているだけだしね。

誰が悪いということはなく、少しボタンをかけ違えたことが、大きなドラマを生み出していくというシナリオ構成は、とても良かったように思います。

ただ、「カズマがフェンリル」も「エイジ生存」も、もう少し伏線を視聴者に提示しないと、ただの後出しジャンケンになるから、その「見せ方」が、ミステリーとしてはイマイチだったかもしれない。

最上のミステリーとは、誰もが聞き流したり見過ごしたりする、何気ない発言や行動が、ネタバレ後に見直すと「確かに変だわ。クソ、なんで俺はここで気づけなかったんだよ!」という1本取られた感があるものだが、本作はここが足りなかったと思う。

特に、「エイジ生存」は、「生きてたんか~い」という視聴者の総ツッコミが、聞こえたような気がした(笑)

まあ、多少の問題はありつつも、男でも楽しめたし、女子にはちゃんと素敵なカップリングを魅せられた、良いアニメだと思う。

ただ、「世界から見捨てられた街の、最も危険な街」なのに、ヤマトがやたらオシャレで綺麗な部屋に住んでいるのは、気になりましたが(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
なんか、ゲームのOPみたいだな。Kの制作会社だっけか。世界から見捨てられた街の、最も危険な街なのに、やたらオシャレで綺麗な部屋だな。

2話目 ☆3
う~ん、ケルベロスって、そんなに強いか? まあ、未来予知だけど、定番は、回避不能の広範囲攻撃だよな。

3話目 ☆


4話目 ☆


5話目 ☆3
津田さん、わりと早く退場。アルテミスの内情ね。

6話目 ☆3
いい、パジャマだ(笑)  

7話目 ☆3
返り討ちに。互いを認めてきたか?

8話目 ☆3
何話観るつもりだよ(笑) 少し面白くなってきた。

9話目 ☆


10話目 ☆


11話目 ☆3
ケットシーでフェンリルを封印。カガミが魔弾を? 早送りみたいなバトルだな。

12話目 ☆3
生きてた(笑) それやっちゃうと、な~。まあ、ハッピーエンドは好きだが、これまで全ての話が茶番になるんだよな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14

69.5 9 兄弟で親友なアニメランキング9位
名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)(アニメ映画)

2016年4月16日
★★★★☆ 3.9 (186)
1184人が棚に入れました
劇場版「名探偵コナン」20作目にあたる。

物語は動画にも登場したオッドアイの持ち主である謎の女性が、記憶喪失状態でコナンたちと出会うところから動き出す。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【コナン×公安×FBI×黒の組織】の直接対決が初めて描かれる20周年に相応しい一大スペクタクルムービー

劇場版『名探偵コナン』シリーズ第20作目(『ルパンVSコナン』は除きます)
監督は『沈黙の15分』以降お馴染みとなった静野礼文
脚本は『絶海の探偵』と『業火の向日葵』の櫻井武晴
劇場版では初めて安室(公安)と赤井(FBI)が題材にされ、また原作やテレビシリーズに先立って黒の組織のNo.2と目される‟ラム”自身が登場します


警察庁で極秘に管理されていた世界各地のノックリスト(スパイリスト)を盗み出した黒の組織の女性工作員
自身も黒の組織に潜入捜査しているバーボン、こと安室透は逃走する女を追跡しカーチェイスを繰り広げる
そこにFBIの赤井秀一も乱入し大事故の末に女は海に転落する
翌日、記憶喪失になってしまいノックリストの行方や自身が黒の組織の一員であることを忘れてしまった女は偶然にもコナン達に保護される
女の記憶を取り戻してあげようと奮闘する少年探偵団だったが、灰原哀は女が黒の組織の‟ラム”である可能性を示唆し警戒する
一方で公安、FBI、黒の組織は各々に女の行方を追っていたが、ジンは女が送った不完全なノックリストに従ってノックと思しきメンバーの始末を始める
そのリストの中にはバーボン(安室透)とキール(水無怜奈)の名も入っていた・・・


黒の組織が絡む劇場版は大概しょうもないオチがついて終わるものばかりですが、今作は原作の根幹に関わる部分が描かれているとあって黒の組織を廻るキャラが総出演
20周年に相応しい大作に仕上がったと思います


冒頭の首都高11号線(レインボーブリッジ)をモデルにしたカーチェイスは『頭文字D』も真っ青の迫力のCGで描かれ、多重クラッシュや大爆発も相まってコレだけでも劇場に足を運ぶ価値ありますし、中盤までは謎の女の正体が‟ラム”なのか否かが物語を強く引っ張ってくれます


本来なら協力関係を結ぶべき公安とFBIが安室と赤井の私怨のせいで仲違いし、その仲をコナンが取り持つってのには笑ってしまうところですが、二人の対決(素手で殴り合うwガンダムかよw)は作画もめちゃくちゃ良くって大きな観どころの一つです
公安が表立って登場するということで目暮警部はじめ警視庁は蚊帳の外に置かれてしまうのもリアルでしたね


ウォッカやベルモットの静止も聞かず、ノックの始末に躍起になって暴走するジンは本当に怖い
クライマックスでは遂にオスプレイまで担ぎ出しお台場と葛西臨海公園をモデルにした舞台を大破壊する様は圧巻
最後まで全く目が離せず釘付けになりました
コレにイレギュラー的に巻き込まれる蘭や少年探偵団は最早お約束ですが【日本映画においてここまで派手に名所を破壊しまくってるのは『コナン』と『ゴジラ』ぐらい】なもんでしょうw
とにかくドキドキする映画がお好きな方には率直にオススメ出来ます!


しかしバーボンとキールを捕らえ躊躇無く始末すると断言したにも関わらず「待ってやる」と約束を守ってくれるジンは本当は優しいヤツなのかな?とも思ったりw


今作、唯一惜しいなと感じたのが鍵を握る記憶喪失の女を演じるのが天海祐希だということでしょうか
正直違和感というか・・・声優は初めてじゃないはずですし、天海祐希ほどの大女優を持ってしても声の演技とは難しいものなのか・・・と、痛感致しました


今作ラストの手放しでない結末はオイラとして最も評価をしたいポイントです
まあ、あれほど好き勝手やっておいてタダではすまんだろうとは思っていましたが
観終えた後に何色の気持ちになるか?とは今作に添えた青山剛昌先生のコメントですが、オイラは‟良い意味で”ブルーになりました
さあ、あなたは何色に染まりましたかな?

投稿 : 2024/05/18
♥ : 11
ネタバレ

ちっち さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ハードボイルドなコナン+ある作品のオマージュ

前回の映画がちょっとしょぼかった反動?と思えるほど、スケールがでかくなってます(笑)
ある意味、ダイハードを見ているような感覚で、今回はミステリーはほぼなく、かわりにド派手なアクションシーン満載な映画です。
黒の組織やFBI、公安などの最近の設定をあまり知らないとちょっとついてけないかもなので、予習しておくと良いと思います。
物語としては、非常に最後まで凝ったつくりになっていて、エンディングまでハラハラドキドキな物語です♪ クールなものからハートフルなエピソード、そしてガ○ダ○好きな人には思わずニヤリとするシーンもあるので、いつものテレビでは見られないコナンを見たい方にはぜひおすすめな作品かも♪
{netabare} ガンダムのライバルキャラクターといえば、アムロとシャアが有名ですが、原作者の青山先生が大のガンダム好きなおかげで、今回の作品ではアムロとシャアの戦いや、セリフのオマージュが満載な作品になってます(笑) 緊迫なシーンなのに私はちょっと笑ってしまいました。シャアのセリフのオマージュとしては、アムロくん、墜ちろ、ここからでは~、坊や、などなど細かいネタが仕込まれてます。名前もそうですが声優が同じで、そのまんまなので、狙ってやってますよね。ガンダム以外には、今回はタイトルの通り、冒頭のアクションシーンのイメージは黒色ですが、エンディングでは何色になっているでしょう?という作り手の狙いが非常に面白い作品です。今回は新一と蘭の進展は皆無でシーンもおまけ程度ですが、それ以上にハリウッド並のアクションがありますので、そんな作品好きなら見ても損はないですよ♪{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 6
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ド派手アクションと心境の変化を楽しむ作品

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第20作。

黒ずくめの組織VSコナン+安室(公安)+赤井(FBI)という構図のアクションを楽しむ作品。
そして、人の心境の変化を楽しむ作品。
まさか、コナンの映画で泣きそうになるとは・・・。

{netabare}
結果的に少年探偵団の無謀な行動が最後に吉と出たり、蘭ちゃんが活躍する場面がなかったりと、過去の作品と比べてかなり異色な作品。
ミステリー的な要素が全く無く、アクション中心というのも異色。

そして何より、{netabare}本来、敵であるはずのキュラソーの人間味あふれる行動には感動しました。{/netabare}
{/netabare}

ゲスト声優の天海祐希さんは凄く良かったと思います。
個人的には劇場版コナンの中で3本の指に入る良作。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 12

67.0 10 兄弟で親友なアニメランキング10位
王様ランキング 勇気の宝箱(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (114)
410人が棚に入れました
耳が聞こえず、話すことができない非力な王子・ボッジと、その親友・カゲの冒険を描いたTVアニメ『王様ランキング』。 そして本作『王様ランキング 勇気の宝箱』では、ボッジやカゲ、彼らの周りに集いし仲間たちの、知られざる“勇気の物語”が描かれる。

nyamu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

前シーズンの隙間エピソード集、かと思ったら本編ちょっと進んだ→劇場版へ続く

1話、2話まで見ました。
前シーズンのお話の間にはこんなことがありましたよって言う、単発エピソード。

おいおい、これを1シーズンやるのかよ!って言うのが感想。

王様ランキングがキャラ萌えアニメだったらファンも喜んでアリだとは思うけど、ボッジにそんな需要があるとは思えない。

ストーリーも、用事しながら横で流してても良いぐらいの内容。前シーズンの話の間にこんなヌルいことやってたんかと、むしろ前期のイメージが悪くなるんだが。

原作のストックがあまり溜まっていないようなので王様ランキングという作品が忘れられないための繋ぎ、と言うのがこのアニメの存在意義なのかもしれない。

ーーーーーーーーーーーー
⋯と言いつつ7話まで継続して見てます。
ボッヂが主役じゃない回の方が面白い。

ボッヂはカゲがいた方が幸せかもしれないけど、いない方が主人公として輝けると思う。なぜって、耳が聞こえない、だから上手く喋れない設定なのにカゲが全部翻訳(しかもヨイショ付き)して何も不自由がなくなってるから。カゲが付いてるとボッヂのこれからの成長ってなさそうな気がしてきたけどどうなんでしょうね。

それはともかく、7話の「四天王の宴」が絵的に面白くて凄かったので、絵コンテ・演出の亀田祥倫さんを覚えておこうと思ったのでメモ。

ーーーーーーーーーーーー
⋯全10話なのですね。
11話とか12話とかあるのかと思って待ってました。で、公式サイト確認したら「劇場版制作決定」だとか。

やはりこのシリーズは劇場版までの火を消さない繋ぎだったんですねぇ。
本編続くぞ~!と思って見ると違ってガッカリしますが、隙間を埋めるエピソード集と分かって見たらそれなりに楽しめるかと思います。
各話見た後にAimerさんのエンディング曲が染みます。

「そんなの見てられんわ」というせっかちさんには10話でいよいよということで本編の続きのストーリーが動き出すので10話だけで良いかなと。

点数つけるとあまり上がらないのですが、途中から結構楽しく試聴できたので満足度では付いている点数より高いです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

王様ランキング「解」って感じかな。

このレビューの前に他の方のレビューも拝見。
意外とこの「~勇気の宝箱」が短編集、過去回だったことについて辛口の皆さんがいらっしゃったことには驚いたかな。
もっとも、これは物語の進捗、ボッジたちの今後が気になっている方が多くいらっしゃるという事の裏返しではないかと思います。
この今後が気になるというのは、もちろん私も同様なのですが、今作も非常に興味深かったです。

1期で見えていなかった各キャラクタの深掘りや、エピソードを観ることができました。
その分、ボッジ自身のエピソードは少ないというか、薄味だったかもしれません。

そういった裏エピソードが垣間見れたことを踏まえてのレビュータイトルになります。
勿論モチーフは「ひぐらし~」です。
解釈というか、裏エピの披露的なパートなのが似ていませんかねwこじつけすぎでしょうかw。

さて、いつものとおり、具体的な内容には触れないようにしたいのですが、私の心に一番響いた一連のエピソードはデスハー、デスパー、オウケンの3兄弟のエピソードでした。

1期の印象からはだいぶイメージが変わった兄弟の関係、兄弟の情愛が感じられました。もちろん男兄弟という事で、いろいろなしがらみ(私も男兄弟なのですが、なかなかテレビドラマの中にある様な仲のいい兄弟の様にはいきませんwという実感も込めて)はあるもののです。

そして、この中で一番印象が変わったのがデスハーです。
デスパーはまぁ、押さえるところは押さえますが、あんな感じですし、オウケンは何なら敵役的な位置づけでした。
デスハーも良くわからない得体のしれない感じがしたものですが、今作では意外と兄貴らしい、そして王らしい采配、判断を見せます。
正直、だいぶイメージが変わりましたね「むむむ、意外と器がでかいんじゃないか?やはり、王になるだけのひとかどの人物ではないか」とね。
キャラクタとしての魅力が増しました。

ただ、その他のエピソードでもいろいろな人物の個性や、いい面、魅力を多く垣間見れたのは言うまでもありません。
なかなかに見ごたえはありました。


もしも、苦言を言うとすれば、1期にあった様な少し大きめのテーマというか、作品が持っていた持ち味は薄めだったかもしれません。
そのポイントについては「ボッジの冒険≒さらなる成長」はココから始まる的なレベルに収まってしまっていたかもしれませんね。
これについては、今後の作品を待つことになりそうです。


この作品は1期を観ていないと、ちょっと伝わらない点も多いと思いますので、是非、1期を視聴の上、ご覧くださいませ。
話数も10話ですし、ほんの少し、物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、次の作品へと繋がる物語として考えれば、この作品でいろいろなキャラクタの過去を埋めてくれた事は意味があると思います。次の作品では、ボッジが大きく羽ばたく物語になるのではないかと期待をしています。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 13
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

これやる意味あった?

{netabare}
王様ランキングの続編・・・かと思いきや本編とはほぼ関係のない外伝。

ほとんどすべての話がどうでもいい。
本編に一切関係のない取るに足りない短編をひたすら繰り返すだけの外伝。オウケンの話を除いては本編の補足にすらなっていない。
王様ランキングという作品でやる意味すら感じない。
絵柄からバイアスがかかってるだけかもしれないけど、子供向けの絵本とかにありそうな話ばかりだったなと。話が毎回薄すぎる。

オウケン復活だけは本編の補足にもなっている話だったけど、なーんかあっさりだったなぁという感想。
結局何で復活できたのかもよくわからないし...。
デスパーも行方不明なまま終わってしまって、外伝なのに何とも中途半端。
自分の理解力がなかっただけかもしれないけど、時系列も無駄にわかりにくかったような。

総評を書くと、最後の話以外は何でやったのかわからないような外伝。

私的評価:21点
私的ベスト回:4話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆4
もうやることなくなってて草。元気なおばあちゃんだな。

2話 ☆3
王様ランキングっていつから短編集になったの?
夢遊病だろ。もうこれ引き伸ばしてるだけだよね。

3話 ☆5
後方支援の分際で…。戦い急かしてた癖にビビりまくりじゃん。
アウアウアー こいつら小さくね?

4話 ☆7
ドキュメンタリ番組みたいなナレーション。
いや、オウケンの過去は本編の方でやれよ。モブ兵の顔が怖い。
なお見捨てられた模様。一応助けてもらった相手に化け物呼ばわり。
今回ホラーじゃね? L5か?

5話 ☆4
オウケンの話まだ続くのか。フレンの話になった。
鎧のせいでわからん。馬の話に脱線するな。
オウケンの話どこ行ったんや。

6話 ☆3
アウアウいつ聞いてもキツイ。独裁政権かな。時系列どこだ?

7話 ☆4
誰だよこれ。狡猾な商売。いや、Aパートあれで終わりかよ、話うっす。
そりゃ危機が訪れたら団結する。

8話 ☆1
マジでいくらでも深く掘り下げられそうなのに話が軽すぎる。
何この作画。マジでなんなのこの作画。信じるんかよ。優しい世界。
この絵大嫌い。けどボッスてとんでもないクズだよな。
今更こいつ善人のように描いてもイメージ変わらんが。

9話 ☆0
この絵柄やめて。子役嫌い。家帰っただけで草。
内容無さすぎんだろ…。マジでこのアニメやる意味あった?
クソアニメ。

10話 ☆2
どうせ戻せんってわかってるのにこの話長々されても全く面白くない。ん? これ時系列どうなってんの。結局何で戻ったのw 汚い。

曲評価(好み)
OP「GOLD」☆5
ED「あてもなく」☆6.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

58.5 11 兄弟で親友なアニメランキング11位
遊戯王ゼアル(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (105)
413人が棚に入れました
舞台は近未来。ひょんなことから学校一の不良・神代凌牙に決闘を挑んだ九十九遊馬の前に謎の生命体アストラルが現れ・・・!?新たな伝説の幕が開ける!!
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

子どもたちの「信じる心」の強さ

アニメ遊戯王シリーズ第4作目。
2011年4月放送開始。全73話。続編のⅡ(セカンド)もあります。

ストーリー、音楽、演出・作画、キャラクター、声優の演技など、全体的に非常にクオリティが高く、大人も子どもも楽しめるとても良い作品だと思います。
特に作画は素晴らしくて、1年半もの間毎週高いクオリティを維持し、ローテの面でも重要回には必ず主要作画班を配置し、アニメーターの個性まで考慮していた(と感じる)のは本当にありえない。潤沢な予算があるというだけでは絶対に出来ないことだと思います。


子ども向けを大前提として、全体的にデュエル初心者や遊戯王アニメが初めての層をターゲットにした作りで徹底しています。クイズコーナーや解説コーナー、モンスターカードの紹介や遊馬とアストラルのコントなど、ED後まで凝っていて凄く楽しめました。
そして{netabare}ゼアル初登場の時には爆笑しましたwやっぱり遊戯王だなって{/netabare}

基本的には2話1エピソードの構成で展開がゆっくりに感じるところもあるので、一気見した方が全体を理解しやすいと思います。
ストーリーを大切にしていて、主人公以外のデュエルも多くて色んなデッキやモンスターが見られるのも楽しかったですね。

ただデュエルコースターだけは良くなかったなあ。


【ストーリー】
本作は二部構成になっています。
{netabare}
・序盤(26話まで)・
ハートランドシティに住む中学1年生の九十九遊馬が、異世界からやってきた精神体アストラルと出会い、お互い理解を深めながら、特殊なモンスターエクシーズ「ナンバーズ」を集めるストーリー。ナンバーズはアストラルの記憶が散らばったもので、不思議な力を秘めたカードです。
序盤には学園もののようなドタバタした楽しさ面白さがあり、事件を解決し仲間を増やしながら新しいナンバーズを手に入れていきます。
アストラル、遊馬の父親、父から遊馬に託されたキーアイテム「皇の鍵」に関する謎も散りばめられていきます。

・WDC編(26話以降)・
ハートランドを舞台に、ワールドデュエルカーニバルが開催されますが、この大規模な大会の裏には主催者ドクター・フェイカーの思惑が。
前半では予選として個性的な出場者とのデュエルが楽しい。
後半ではナンバーズを集める遊馬とアストラル、ナンバーズの力を手に入れようとするドクター・フェイカー、ドクター・フェイカーに復讐しようとするトロンの三つ巴が展開されていきます。
最後は続編へ続く要素を残した以外は伏線なども綺麗に回収されました。
{/netabare}

【テーマについて】
{netabare}
いわずもがな「かっとビング」。不思議な言葉…というかダジャレですw
要は困難な事にチャレンジすること、失敗してもあきらめないこと。
子ども向けでは必ずといって良いくらい描かれる要素ですが、本作はその徹底ぶりがスゴい。
序盤では遊馬のやりきろうとする気持ちを表す言葉、迷った時に遊馬自身を支える言葉という面もありました。それが次第に、人の心を信じ抜き誰かを助けることをあきらめない遊馬の行動に一貫して表れるようになり、子どもも大人も皆が遊馬の「かっとビング」に影響されていきます。
最初から最後までぶれず、作品と主人公を端的に表す言葉になりました。


もう一つ、裏のテーマとして「家族の絆」を感じました。
遊馬にとって家族は行方不明の両親も含めて強く温かい絆であるのに対し、カイトやⅤ達兄弟にとっては歪んでいても逃れられないものとして対照的に描かれます。
親の思惑に翻弄される子ども達は可哀想なんですが、それでも信じる心をどこかで捨てずにいて、彼らの心の強さと温かな家族を取り戻したいという渇望が物語の中で際立ったと思います。
カイトとV、シャークとⅣ、遊馬とⅢの対比や因縁・個性も、それぞれの家族への想いの描写と上手く噛み合い、自分の想いを誰かに託す流れが無理なく描かれました。
トロンがフェイカーを赦したのも子を持つ親としての共感からで、最後まで自分の家族のために頑張った子ども達の気持ちが届いたと感じられるラストで素晴らしかったと思います。
{/netabare}

【キャラクターについて】
{netabare}
遊馬は凄く良い主人公ですね。
本編開始時ではデュエルは弱いけれどもとにかく真っ直ぐ。
どんな困難も辛い選択も、恐れず前に進むことで道を切り開いて行きました。その姿に影響されたキャラクター達が遊馬を信じ助けてくれて、より良い結果を引き寄せることになります。心の強さと広さを兼ね備えた少し珍しい主人公かもしれません。
アストラルとの出会いが空回りしていた遊馬をスタートラインに立たせ、さらには対等でかけがえのない相棒になっていく過程もよく描いていました。

ただデュエルについては以前できていたことがしばらくすると出来なくなっている場面が時折見受けられ、脚本の都合を感じてしまったことも。


小鳥は本当に可愛かった!
遊馬の幼馴染みの小鳥はデュエルをしないヒロインですが、遊馬と仲間たちのために何処へでもついていき皆を支え続けました。芯の強さから叱咤激励する場面も良かったですが、遊馬を信じて送り出すようなシーンもあって凄く好きだなあ。
脚本と演出で徹底して小鳥をプッシュしていて(本編内やEDでの衣装替えの多さがまたw)、見せ場を作りにくいキャラクターにも関わらずよく最後まで愛を注いでくれたなと思います。


ライバル達も素晴らしかったですね。
カイトとは5歳の年齢差があり、ある意味では憧れで、追いつきたい認められたいライバル。
対してシャークとは歳も近く、反発もしあう悪友のようなライバルで、本作は上手に二人を立てていたと思います。

遊馬は苦境にある二人におせっかいなまでに関わって行って、時には冷たくあしらわれながらも最終的には二人の心を開き、遊馬自身も成長し認められ、強大な敵を前にして共に並び立つ間柄に。
遊馬とシャークのラストデュエルが消化不良だったことだけ心残りなので、続編でそこが拾われれば嬉しいのですがどうでしょうね。

カイトとシャークが関係するデュエルはどれも良かったのですが、特に好きなのは遊馬とカイトのラストデュエルで、心温まると同時にすごく燃えました。
家族にさえ話せない気持ちも、デュエルでなら吐き出せる。その相手がいつも追いかけてきては自分の背中を押してくれた遊馬だったことが、カイトの戦いがどれだけ辛い道程だったか、どれだけ一人で抱え込んでいたかがわかるような気がして…でもやっぱり燃えました。
{/netabare}

【デュエルについて】
実際のカードゲームをしたことない人間の戯言だと思ってユルく読んでね!
{netabare}
ゼアルのデュエルは強力なカード効果の応酬が凄く多い印象で、しかも新しいカードも頻繁に登場するので、たま~に置いてきぼりな気分になることが…
シャイニングドローでファンタジーなりにご都合カード創造の設定付けをした事自体は悪くないと思います。シリーズ初期もご都合っぽいカードが急に出現することは決して少なくなかったですし、ボス格のデッキは今も昔もほぼ毎回オリジナルなのは変わっていませんし。
ただゼアルの場合は、複雑で強力なカード効果が多いことに加え、2話構成で総デュエル回数が少なくなったことなどから、相対的にそう感じたのかなと。

あと、WDC後半のデュエルコースターはデュエルじゃないよなあ…。デュエル開始の宣言もない、複数人で合意なしにデュエルが始まる、助っ人が飛び入りしてくる、運営がそれを止めない…とか全体的におかしい。
{/netabare}

欠点が無いわけではありませんが、それを忘れさせてくれるような素晴らしい部分が非常に多い作品です。総じてクオリティも高く、全73話という長丁場でも視聴意欲が衰えずに一気に見終わることが出来ました。
熱血系が好きな人、ハッピーエンドが見たい人、長編アニメに抵抗が無い人にオススメできると思います。(2017.6.11)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 7

サラサラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

歴代でも特に好きな作品

発表当時はキャラデザの幼さにびっくりしましたね~。本編の作画の良さにはもっと驚かされましたが(笑)色彩センスや造形センスが素晴らしく、今見てもあまり古さは感じさせません。立ち絵を一枚描くのも面倒くさそうなキャラたちがグリグリ動くのは圧巻でした。デュエルディスクが皆個性的なのも良いですね!Ⅲの羽型の物がお気に入りです。

お話も全うに少年漫画してて好き。ゼアルはお涙頂戴チックな話が多めでしたが、遊馬君の言い分に筋が通っているから見ていて気持ちが良い。

あと初代ファンならニヤニヤしてしまうオマージュ多数。一話目Aパートとかね。もろパクリじゃなくて、大事なところを抽出して、リスペクトしてくれてるのが大好き。原作者が企画に関わった最後のTVシリーズということも相まって、古参の自分は見ていてノスタルジーを感じました。

今ではすっかり売れっ子になったキャストの方々の、駆け出し時代の演技が聞けるのもポイントです。(みかこしとかだーますとか畠中さんetc)彼らのファンにはぜひ見てほしい。熱演ぶりが素晴らしいです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

HZR さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

5点評価じゃ足りない

物語の評価点は-10点を付けたいくらいです
音楽と作画はとても良かったので平均点は悪くなくなってしまうのが非常に残念です。
総評としては良質な素材(作画、音楽、設定)から悪質な調理人(監督。脚本)によりゲロマズ料理と化したアニメです
No.の設定とか公開時は主人公が敵を倒してNo.を手に入れてを繰り返し、集めたNo.を駆使して戦うのを期待したら殆どのデュエルでホープホープ…ガガガのレベル変動効果はどこへいったんでしょうか…No.もアニメ本編では40枚しか出さず残りは漫画版やKONAMIの尻拭いで埋めてもらってるなんてこんなのが遊戯王シリーズを名乗ってるのが悲しくなります
ストーリーもろくに伏線を回収しない最終回は監督、脚本は遊戯王ファンをどうでもいいんだと思ってるのを感じ悲しくなりました

投稿 : 2024/05/18
♥ : 1
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