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77.1 1 図書館アニメランキング1位
無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (360)
1556人が棚に入れました
2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始されて以来絶大な人気を誇る“なろう系ラノベのパイオニア”『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』。理不尽な孫の手の著による本作は、多くの作品が生み出されている「異世界転生系ラノベ」「なろう系小説」のまさに先駆者的作品であり、幅広いファンを獲得している当ジャンルの代表作。働きもせず他人と関わりもせず、ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、ある日交通事故に遭い死亡…したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生!少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と壮大な冒険が描かれる大河ファンタジー。


声優・キャラクター
ルーデウス・グレイラット:内山夕実
前世の男:杉田智和
フィッツ:茅野愛衣
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

【ネフィリム】の【生存戦略】

●一見するとスピンオフみたいな今期?

もちろん主人公は登場しますが、わざわざ「エピソード0」みたいな
スピンオフの展開を噛ませてくるのにはどのような意味があるのでしょうか?

本作のアンチである当方には{netabare}「シルフィ」{/netabare}なる耳長キャラには印象が皆無な状態でありまして
正直このキャラが前期で登場したかどうかも記憶があやふやであったりします。

前期では作画を含めかなりの高評価を得た本作でありますが、{netabare}この耳長キャラを
全面的に押し出したような展開には微妙なものを感じた人も少なくはなく、
恐らくは前期と比べると評価の方もかなり厳しいものとなるような気がいたします。

特に今期は、一般的に見て面白いと言える要素はほぼ無く、どちらかというと
マニア向け作品の傾向が強く、例えば円盤が普通に売れない現代にも拘らず
円盤の売り上げで奮闘してる「鬼舞い」に似たものを感じます。

熱狂的なファンには好評であるようですが、そうではない人からしてみると
高評価のポイントが今一つ見えないわけであります。{/netabare}

個人的意見では9話「白い仮面」こそが本作の本筋に繋がる展開でありまして
もっとそちらの描写に尺を割くべきであると考えるわけですが、{netabare}フィギュアやら
獣人族やら阿修羅男爵?やら、一見すると脇道それ過ぎでどうでもいいような話が
多かったような印象を受けてしまいました。

もちろん、裏設定的に考えれば耳長族のヒロインとの絡みに意味があると
解釈も成り立ち、アホ毛同士は結ばれるというのも鉄板法則と言えるのでありますが、
一般論として言えば、{/netabare}特に今期は第三者にお奨めできるほどの作品ではなかったように思います。

主人公のキャラ設定等には当然意味があるのですが、理解はできても面倒くさいと言いますか
{netabare}「ルー」+「デウス」という主人公の名前由来が【ケルト文化】であるように
ケルト、フェニキア、アングロサクソン、等々混血種族の文化的なバイアス負荷が
かかり過ぎているため車酔いにも似た感覚を覚えてしまいます。{/netabare}

「異世界行ったら本気出す」のタイトル回収のために今期の展開は必要不可欠であったと
考えられるわけですが、そのために各種の設定に「諸刃の剣」が仕込まれてしまうのが
本作の致命的な欠陥であると言えるのかもしれません。

{netabare}主人公は中身がおっさんの変態的なエロ人格者でありますが、
「異世界行ったら子作りに本気を出す」のが本作のテーマである以上
エロくなければ話が成り立たなくなるというわけであります。

結論から言いますと色々な種族と交わり「混血種」を作り出し種族を繁栄させるのが
「彼ら」=【ネフィリムの眷属の生存戦略】であります。

耳長ヒロイン=「シルフィ」の名前の元ネタは「風の妖精シルフ」でありまして
妖精とは【妖魔族】であり、【魔族】ということになります。

魔族の頂点に君臨するのは【魔王=サタン】でありまして、【堕天使ルシファー】であります。

【堕天使】とは人間の女を孕ませる衝動が抑えきれずにこの世に堕天した
【堕落の天使】でありまして、その特性は【エロ】ということになります。

【堕天使】と「人間の女」から生まれたハイブリットを【ネフィリム】と言いますが、
【ネフィリム】の第一世代は【巨人族】であり【鬼族】であるとも言われています。

【鬼族】は【ネフィリムの眷属】でありますので、頭に【角】が生えておりまして
その【角】は【堕天使】の遺伝子に由来するわけであります。

【堕天使】の血が濃い【ネフィリム】はノアの大洪水でほぼ壊滅しまして
現在に生き残った【ネフィリムの眷属】は混血化が進んだ影響もあり、人間化しておりまして
見た目では人間種と区別が不能な状態であったりするようです。

「名家」や「名だたる英雄」こそが【ネフィリムの眷属】のでありまして
例えば【オリンピアの祭典】では【黄金の魂を持つ勇者】を讃えるわけですが
【黄金の魂を持つ勇者】は後の【王家】となり、故に「王侯貴族」は【ネフィリムの眷属】
であるということになります。

「天皇すり替え説」という奇説もありますが、もしも今の天皇に「異能」の類があるとしたら
恐らくは【ネフィリムの眷属】ということになるのでしょう。

もしも「天皇すり替え説」が真だとすると本物の帝は【八咫烏】ということになるでしょう。

通常の人間には魔法の類は使えないのでありますが、【シャーマン】であった【卑弥呼】には
【呪術】などの異能が使えたようでありまして、だからこそ「邪馬台国の女王」に
なれたわけであります。

通常の人間とは違う【ネフィリムの眷属】を表すために頭に「アホ毛」を描くわけですが
その元ネタが「ゲゲゲの【鬼】太郎」の「妖怪アンテナ」であるように
「鬼の魂」を有する【ネフィリムの眷属】には【角】が生えていて然るべきというわけであります。

何度も繰り返される【人狼ブーム】についての詳細は「生首女」の方で書くつもりですが
【獣人族】、「ウェアウルフ」の類の元ネタが何なのかと言えば、神話であり古代宗教
でありまして、【人狼】に限らず亜人種の類は古代宗教の神々である故に
アニメなどでは当たり前のようにごり押しされるわけであります。

「おおかみかくし」という作品がありますが、タイトルが何故「ひらがな」表記
なのかと言えば、ダブルミーニングが仕込まれているからでありまして
「おおかみ」は「狼」であり=「大神」というわけであります。

【獣】の種族である「もののけ姫」の名は「サン」でありますが
「サン」=「sun」は「太陽」であり、従いまして太陽神「天照大神」を暗示しています。

「天照大神」は「あまてらすおおみかみ」ですが
「あまてらす【おおかみ】」とも読んだりもします。

「狼の神」と言えば【アヌビス】であり、【フェンリル】でありまして
【フェンリル】に似たものに【エンリル】というのがいまして
この【エンリル】と【エンキ】兄妹が神社にいる「狛犬」の元ネタであると言われています。

【エンリル】のことを「アッカド語」では「ベール」とも言いまして
「ベール」が転じて【ベル】となり【バアル】となるわけであります。

「狛犬」には「角」が生えていますが、【エンリル】にも「角」が生えており
【フェニキア人】の神=【鬼神バアル】そして【ケルト人】の鬼神も同様であります。

【ケルトの鬼神】その名を【ベル】と言いまして、
「ジングルベル♪ジングルベル♪鈴が成る♪」の【ベル】=「鐘」が教会やお寺に
当たり前のようにあるのは【ベル】が「神の名」を意味するからなのであります。

「12月25日」は何の日でしょうか?
「イエス・キリスト」とは全く関係ありません。
この日のルーツは【ベル】と【バアル】と【ニムロド】の物語に由来しますが
詳細については長くなるため今回は割愛いたします。

要するに【ローマカトリック教会】は謎の宗教儀式を世界に拡散しているのであります。

アホ毛の耳長族エロ女=エリナリーゼ・【ドラゴン】ロード
一見するとどうでもいいキャラのようでありますが、
「異世界行ったら子作りに本気を出す」というのが本作の主題でありますので
このエロ女キャラも伏線的な意味合いが込められているというわけでありまして
本作【8】話でそれとなく描写された決闘=求婚の儀式につながるわけであります。
獣人族の発情期が「収穫祭」と重なるわけですが、そもそも収穫祭というのは
地母神信仰に基づく宗教儀式でありまして、実りをもたらす地母神=【豊穣の女神】に
感謝の意を示す祭典であります。

豊穣の女神には様々な名があり、【イナンナ、フレア、ヴィーナス】などがありますが
これらは【金星の女神】であり、よって【8芒星】=【イナンナスター】で
暗示されるわけであります。

【金星の女神】は「エロエロ」の女神でありまして、なのでそのエロ属性を持つ
エリナリーゼがクローズアップされ、獣人族の求婚儀式に繋がるわけであります。

「イースター」は春に行われる復活祭という祭典ですが、元ネタは
【イシター】=【イシュタル、アシュタルト、イシス】という女神の名が由来でありまして
復活祭というのは大嘘であり、実は古代から伝わる女神信仰の儀式を単に
リメイクしただけだったりします。

「天空の城ラピュタ」の「シータ」もこの女神の名が由来と言われています。

本来の【イースター】では女神に多産を祈願する意味合いがありまして
そういうことで女神信仰を暗示する「収穫祭」と「子作り」が繋がるわけであります。

エリナリーゼ・【ドラゴン】ロードの【ドラゴン】と言えば【竜】でありまして
オルステッドも【竜神】ということで同じキーワードで繋がります。

【龍】も【竜」も同じわけでありまして、【竜】とは年老いた【蛇】が変化したものと言われています。

【蛇】と言えば「アダムとエバ」を誘惑して【禁断の果実】を食べさせた【サタン】でありまして
【光の天使ルシファー】であります。

【明けの明星】のことをラテン語で【ルシフェル】と言いますが
【明けの明星】は【金星】でありますので「エロエロの女神」と【堕天使ルシファー】は
等号で結ばれ、【女神アシュタルト】が【鬼神バアル】の妻であることから
【堕天使】と【鬼神族】が同じ種族であるのが見えてくるのであります。

そしてバーディガーディは阿修羅であり、カーリー、ドゥルガー、
へカントケイル(百手巨人)と一致します。

阿修羅は【鬼族】であり、へカントケイルは【巨人族】でありますので
バーディガーディ=魔王は【ネフィリムの眷属】ということになります。

【エリス】にもアホ毛が生えていまして、故に【ネフィリムの眷属】と言えるわけですが
名前がギリシア神話の不和と争いの女神でありまして、新型567変異株の名前とも一致します。

ギリシア神話の女神と言えばエロいのが当然でありまして、しかも
先代の最高神【クロノス】が【ティターンズ】=【巨神族】であることから
【エリス】なる女神も【ネフィリムの眷属】であることが確定します。

「白い仮面」の転生者が登場するわけですが、「仮面」と言えば【マスカレード】でありまして
貴族文化の【仮面舞踏会】を意味するわけであります。

【マスカレード】の発祥の地は【ヴェネツィア】でありまして、ここを拠点に
活動していたのが【ヴェネツィアの黒い貴族】であります。

「黒い貴族」と言われる理由は肌の色がスレッタ・マーキュリーのように浅黒い感じだった
からでありまして、中東から来た種族であると言われています。

「黒い貴族」は「ユダヤ人」であるという説もあるのですが、商業や金融業に向いているのは
どう考えても【フェニキア人】でありまして、しかも【マスカレード】はかなり
いかがわしい宗教儀式でありますので、ユダヤの思想とは全く接点がないことからしても
黒い貴族の正体が判明するわけであります。

【マスカレード】とは乱交パーティー的なものであるようでして、
その詳しい内容については「ベルセルク」の原作に詳しく描写されています。

ざっくり言えばダークギャザリング的な黒ミサでありまして、
「ベルセルク」ではドラッグを吸引した上で行われていました。

ヴェネツィア発祥の【マスカレード】の秘密について命がけで暴露しようと試みたのが
今は亡き「スタンリー・キューブリック」監督でありまして、その作品が
「アイズ・ワイド・シャット」であります。

そして【マスカレード】と全く同じような仮装するのが
「ハロウィンパーティー」の元ネタとなった【ケルト人】の【サウィン祭】であります。

悪霊からの攻撃を回避するために悪霊と同じ格好をしたのが仮装パーティーのルーツ
であるようですが要するにコスプレの起源も【ドルイド教】の宗教儀式にある
ということになるわけであります。

悪霊は【ケルト人】にとっての神に匹敵するため、これに生贄を捧げるわけですが
「ガリア戦記」に記されていたように彼らは「人間」を供物として捧げる
【人身御供】を行っていたと言われています。

【ドルイド教】の【サウィン祭】は【ハロウィン】に継承され、大変残念な話でありますが
【人身御供】の儀式も現在進行形で続いているわけであります。

元「サタニスト」であり現在は「クリスチャン」へと転じた「ジョン・ラミネス」の証言によれば
【ハロウィン】では人間の子供を生贄に捧げる儀式を行っているということでありまして
熱狂的な信者の信仰心というものがいかに恐ろしいかを物語るわけであります。

奴隷は【人身売買】と繋がりまして、個人的見解では【人身売買】と彼らの宗教儀式も
繋がると予想しています。

本作では【人身売買】と「ダークギャザリング」が繋がる描写はなかったようですが
【呪術文化】ではドラッグを用いた「儀式」を積極的に行っており、最終的に
主人公のEDを回復させたのもなにかしら薬物であることから、「ベルセルク」で
描写されていたドラッグを用いた性的儀式に通じる要素があると見ることができるわけであります。

「ドラッグパーティ」は芸能界にも普及しており広末涼子やキムタク、酒井法子、
ジャニーズなどがその関係者であるとして名が挙がっています。

現在進行形で騒がれているジャニーズの問題は、ある種の【人身売買】案件でありまして
大規模な人身売買マーケットの起源が何処なのかと言えば恐らくは【古代バビロン】でありますが
それが現在の形に整備されたのが【英国東インド会社】設立の時なのでしょう。

ドラッグとは【呪術文化】の宗教儀式には必須のものでありまして
【偶像崇拝】とは【呪術文化】特有の形態であります。

【呪術文化】では【人身御供】が当たり前のように行われるため人命が軽視され
【人身売買】も気軽に実施されるわけであります。

本作だけの話ではありませんが、人身売買案件を当たり前のように描写するのは
【呪術文化】の思想が背景にあるからであると考えられます。{/netabare}

フィクションなんだから表現の自由を尊重すべきだろうという意見もあるかもしれませんが
主人公の倫理観があまりに破綻し過ぎて話になりません。

倫理観が破綻した性犯罪者みたいな主人公に感情移入できるのかと言えば
それは無理というのが結論であります。

銀魂の銀さんの生き様と本作の主人公を比べると同じおっさんでも
ここまで差があるのには愕然とするしかありません。

年取ったおっさんほど清く正しく美しく生きるべきであるというのが個人的意見であります。


●「ルー」+「デウス」が示す【ケルト人】の信仰

正直ぱっと見は意味不明な変態的フィギュア回であります。
わざわざ{netabare}奴隷{/netabare}を購入してまで行おうとする壮大なるフィギュア構想・・・
更にフィギアに関するただならぬ彼らの拘りから今回事件が起こります。

正tお直当方としてはフィギュアマニアの気持ちは理解できませんので、非常に冷めた目でフィギュア回を
見送るつもりでおりましたが、 {netabare}主人公の「例の下着」に対する異様なまでの信仰心を見て
フィギアの意味するところが見えて参りました。

「フィギュア」は【偶像崇拝】のシンボルでありまして
「例の下着」も同じく【偶像崇拝】を示しているというわけであります。

【ケルト人】は【鬼神】を崇め奉るという意味では【フェニキア人】と一致します。

お宝フィギュアを破壊し侮辱した獣人2匹を拘束し顔に「呪文」の類を書き記します。
「偶像」を侮辱した2匹を断罪する【生贄の儀式】を実施したわけであります。

【生贄の儀式】では「家畜(ゴイム)」が供物として捧げられます。
半人半獣の獣人族ですので【人身御供】の意味合いが秘められているとも考えられます。

主人公は拘束した獣人に対して体を触るというエロ行為に及びますが、
このエロ行為も【偶像崇拝】の儀式を示しているのだと解釈できます。

「刺青」、【偶像崇拝】、【生贄の儀式】や「性的な儀式」
これらはすべて【呪術文化】と密接な関係があり
【ケルト人】や【フェニキア人】に繋がります。

獣人族に辱めを与える儀式を【フリーメイソン】を暗示する「魔法大学」内で
敢えて行うことに特別な意味があったという話であります。

【フェニキア人】がもたらした「黒魔術【カバラ】」と【ケルト人】の【ドルイド教】が
融合され混血の種族が誕生した真実を暗示しているように思えて仕方がありません。

【アシュケナユダヤ人】が褐色の肌ではなく白人種であるのが世界最大のミステリーでありますが
【ケルト人】と融合したと考えれば合点のいく話であります。

「ユダヤ人」とは人種に関係なく「ユダヤ教」を信じている信徒のことでありますが
「バビロン捕囚」以降の「ユダヤ教」は、パリサイ派のラビ(司祭)によって取り込まれた
【バビロニアタルムード】の影響を受け異質なものに変えられてしまいます。

「魔法大学」の元ネタである【フリーメイソン】で研究されていた【黒魔術】のことを
「ユダヤ神秘思想」【カバラ】というのもパリサイ派による宗教改変が関係している
というように推測できます。

「ユダヤ人」という人種が確実に存在していたのは【ソロモン王】以前のことであり
それ以降に発生した「ディアスポラ(=離散)」以降は「ユダヤ教」や「ユダヤ人」という概念は
曖昧になり、今ではどういうわけか180度違う意味合いのものとなったようであります。

【バビロニアタルムード】を信仰するものが「ユダヤ人」であるなら、【フェニキア人】や
【ケルト人】も「ユダヤ人」ということになり、「ルー」+「デウス」という名の
【偶像崇拝】信者も「ユダヤ人」ということになります。

日本のアニメの主人公やヒロインが白人であるパターンが多いのも、
【アシュケナユダヤ人】=【アシュケナジー】が世界の勝ち組であることを
暗示しているからなのかもしれません。

混血種を続々と生み出し彼らの子孫を繁栄させることが彼らの【生存戦略】でありまして
そして「グレートファミリー」による世界支配の構想が実現するわけであります。

【ケルト】の神の名を持つ主人公は魔法大学で【カバラ】の真理を会得し
恐らく「グレートファミリー」の眷属になるのでしょう。

「エリートになりたきゃ楽しちゃだめだよ心臓どくどくマヤマヤポン」であります。{/netabare}


●やはり本作は今期人気アニメの筆頭格か?

例えアンチの糞レビューでもそれなりの方々に読んでもらえることは有難いことでありまして
ただ作品を貶すだけではなく、わざわざ読んでくれる人に伝わるものを書くべしと
思うに至るわけであります。

「魔法大学」なるものが登場しますが、もちろん元ネタは「ハリーポッター」でもお馴染みの
「魔法学校」の類でありまして、【フリーメイソン】であります。

現在の【フリーメイソン】はただの社交クラブ化しておりまして、由緒正しき「古代メイソン」とは
まるで違うものになってしまいましたが、本来の「メイソン」は【黒魔術】研究機関でありました。

{netabare}「古代メイソン」で研究していた【黒魔術】のことを(「ユダヤ神秘思想」)【カバラ】と言いますが
「ユダヤ教」を信じてる「ユダヤ人」が【黒魔術】に精通している?という発想はそもそも
ズレておりまして、矛盾しているのでございます。

「ユダヤ人」と言えば「創造主ヤハウェ」に選ばれた「選民」でありまして
創造主との契約により選民性と創造主による特別な庇護を賜ったのであります。

父なる「創造主」は、生み出した子どもたち=「ユダヤ人」に対して律法=戒律を介して
「やるべきではないこと」を教えるわけであります。

純血の種族ユダヤ人が最もやるべきでないことと言えば、「異教徒」に関わり
「異教徒」の思想や文化に染まることでありまして、【偶像崇拝】とはまさに
創造主が最も忌み嫌うユダヤ人の最大タブーでありました。

【黒魔術】とは【呪術】とほぼ同じ種類のものでありまして、【呪術文化】で有名なのは
【古代エジプト】や【古代バビロン】でありますが、これらの【呪術文明】がユダヤ人に悪影響を
及ぼすということで、創造主はユダヤ人保護の名目で【呪術文化】の国々に災いをもたらし
容赦なく次々にこれをぶっ壊すのでありました。

創造主はユダヤ人に安住の地として「カナン」を与えるのですが、そこに住んでいた
先住民=【カナーン人】については聖絶=殲滅してよしとユダヤ人に指示するのであります。

捕虜としたり奴隷として生かす選択肢など全くなく皆殺しの一択なのは、子どもたちに
与える悪影響の芽を完全に摘んでしまおうという創造主の親心の現れでありました。

【カナーン人】は【アモリ人】と同じ血族であり、【呪術文化バビロン】の眷属であります。

【カナーン人】は【モレク神】を信仰しており、
【モレク神】を崇め奉る【偶像崇拝】の儀式にご執心でありました。

【鬼神】をかたどる【モレクの偶像】の下腹の当たりには炉が備え付けられておりまして
そこで火を焚くことができるわけであります。

【モレクの儀式】の際には「ドラム」をガンガン叩いて盛り上げて火を焚いて、そうして
【モレクの像】の火の中に子供を生きたまま投げ入れて【モレク神】に供物を捧げるわけであります。

かなり残酷な【生贄の儀式】でありますが、【等価交換の原則】により「※願い事」が
何でも叶うと言われるこの【偶像崇拝】の儀式に自分の子どもたち=ユダヤ人が嵌ることを
嫌う創造主は【カナーン人】に対して容赦することはなかったのであります。

【古代エジプト文明】は「ユダヤの預言者モーセ」を支援するために発動した
創造主の災いにより衰退し、そして滅び去りました。

【バビロンの王国】も(自分の子どもたちのために)それを望んだ創造主の預言通りに崩壊しました。

選ばれた民=ユダヤ人に対抗する勢力=【バビロン】の血族
最後に残ったのは【フェニキア人】であります。

「ノアの大洪水」、「ソドム」と「ゴモラ」、「バベルの塔」の計画も
勝つのは常にユダヤ人でありましたが、【フェニキア人】の「生存戦略」が功を奏し
「ユダヤ人の選民性」を覆すことに成功するわけであります。

ユダヤ人には創造主の鉄壁なる庇護があるため、まともにやり合っても勝てる見込みがないと
考えた【フェニキア人】は、ユダヤ最強と謳われる【ソロモン王】を懐柔する計略を企て
そしてユダヤ人を異教徒文化に染め上げて【堕落】させることに成功したのでありました。

「イスラエルの国旗」にも記される【✡】=【六芒星】は「ダビデの星」とも
【ソロモンの星】とも言われます。

【✡】を神として崇めたり、神聖視することは【偶像崇拝】と同じ意味があり
「ユダヤ人のタブー」であるはずなのですが、【✡】のことをどういうわけか
【ソロモンの星】と呼ぶのであります。

【ソロモン王】は預言の警告を無視して、【フェニキア】のティルス王である【ヒラム】と関わり
【666】タラントの報酬を得たと言われています。

【6】つの頂点、【6つ】の三角形、内部に【6】角形で構成される
【✡】は【666】を表していると言われます。

ユダヤの【ソロモン王】が【666】=【獣の刻印】を受けたことにより
ユダヤ人の「選民性」は失われます。

【フェニキア人】と交流を持ち異教徒の文化に毒された【ソロモン王】は拝金主義者となり
異教徒の宗教の影響が鮮明に表れた【ソロモン神殿】を建設するのであります。

そしてこの【ソロモン神殿】建設に関わる重要人物が、
【フェニキア人】のカリスマ石工職人の【ヒラム・アビフ】であります。

【ヒラム・アビフ】には高度な建築学の知識があっただけでなく神秘主義的な秘術に精通しており
恐らくそれが【錬金術】と呼ばれるものであります。

石工職人と言えば【バベルの塔】や【ピラミッド】を建設したのも彼らの仕事であると
言われていまして、数学や幾何学やなどに精通していただけでなく、
どうやら【錬金術】の知識もあったようであります。

【錬金術】とはほぼ魔法と同じようなものでありますので、
【黒魔術】であるとも解釈できるわけであります。

【ソロモン神殿】には【ボアズ】と【ヤキン】の柱がありまして、これと同じものが
現在の【フリーメイソン】のロッジにもシンボルとして設置されております。

【古代メイソン】で研究されていた【黒魔術】のことを「ユダヤ神秘思想【カバラ】」
と言うのですが、【ソロモン王】の堕落と【ソロモン神殿】の建設の逸話は
ユダヤ人的には災いをもたらす駄目駄目なNG行為の事例ということになります。

更に言えば黒魔術の【カバラ】にしても【フリーメイソン】にしても、そのルーツは
ユダヤ人ではなく敵対していた【フェニキア人】にあったと考えるのが妥当でしょう

「魔法大学」の元ネタは【フリーメイソン】であり黒魔術=【カバラ】であるのですが
そもそも【カバラ】と「ユダヤの思想」には明確な関係性などあるはずもなく
【黒魔術】や【呪術】なら【バビロン】の種族に繋がると見るのが自然と言えます。

【黒魔術】の元ネタとして一つに【カバラ】というものがありますが、
もう一つは【ケルト人】の宗教である【ドルイド教】の神官=ドルイドの秘術であります。

【錬金術】と言えば【古代メイソン】の石工職人との関係性が強いと言えますが
一般的な「魔法」と言うなら【ドルイド】の呪術の類というように区分できるのかもしれません。

純血の人間には魔法は使えません。

魔法が使える種族がもしいるとしたら?それはそもそも純粋な人間でない何かの混血か?
特別な【禁断の秘術】をどこかで得たということになるでしょう。

【呪術文化のシャーマン】はドラッグを服用してトランス状態になり
神々や悪霊の類と【チャネリング】します。

所謂「神降ろしの儀式」でありまして、例えば【鬼神バアル】などから啓示を受け
特別な「知恵」を賜るわけであります。

人類に【禁断の知識】を与えたのは【鬼神】であり、【ネフィリム】であり、
【堕天使】であるわけであります。

【呪術文化】に毒されたものたちは【堕天使】の種族であり【ネフィリム】の眷属であります。

「知恵」を得て「目」が開け「明るく」なることを【啓蒙】と言うわけですが、それは
【プロビデンスの目】を得たということでありまして、「光の祝福を受けた」
ということを意味します。

【イルミナティ】とは「光の祝福を受けた」者でありまして、教科書に載ってる
【啓蒙思想家】とは【イルミナティ】のことでありまして、
「フランス革命」を引き起こしたのも【イルミナティ】であります。

「光をもたらすもの」は「エデン」にいた「蛇」でありまして、
アダムとエバに【禁断の果実】を食べさせた【光の天使ルシファー】であります。

【ルシファー】は【堕天使】であり、【デーモン族】の悪魔であるので
頭に【角】が生えているわけであります。 {/netabare}

【堕天使】は人間の女に欲情し女を孕ませるため地上に降りたということで
その性質はエロで満ちております。

本作の主人公並びにエロエルフの女が「アホ毛」ホルダーであるのは
【堕天使】の血族=【ネフィリム】であることを示しています。

「アホ毛」は【鬼の角】を表し、その種族の血統を示すのであります。

「アホ毛」ホルダーは特別な知恵や能力を持っている一方で、【堕天使】のエロエロの特性も
継承しているという表現でありまして、「アホ毛」ホルダーの性格はエロでも
あったりするということであります。



「無職転生」には残念ながら悪い印象しかありません。

今期の0~2話くらいまでは主人公が大人しくしていたのでまだマシだったのですが
やはりこの作品特有の脂っこい感じのエロネタ、エロ表現が炸裂しまして
それを見るとゲンナリするわけであります。

嫌なら見なければいいというのは正論でありますが、{netabare} 何故この作品がここまで評価されているのか
気になり、分析してみたいということで視聴継続しているわけであります。

結論から言えば、前期にしても今期にしても大して面白くもなく、主人公のキャラ設定にクセが
ありすぎて、感情移入することができず、このやり過ぎ設定には多くの疑問が残ります。{/netabare}

「Re:ゼロから始める異世界生活」と本作を比べてみれば一目瞭然でありまして
人気もあり実力もありキャラ設定も機能している「Re:ゼロ」に対して本作は
{netabare}あらゆる面で劣っているわけであります。{/netabare}

前期の作画が良かったと意見については理解はできますが、物語のレベルは
せいぜい「3」がいいところで、{netabare}そこにマニアックなフィギアネタとか下ネタ
エロネタなどなどの要素を減点したら、最悪「1」にもなり得ると個人的には考えております。

一番ひどいのは主人公のキャラ設定でありまして、エロゲーマニア程度なら許容できますが
猥褻性犯罪行為を犯す主人公というのはかなり厳しく、例え原作がそうだったとして
アニメ化するなら自主規制した方が良かったのではないかと思えて仕方ありません。

成長物語を描こうとしているのはなんとなく理解できますが、その点についても
「Re:ゼロ」比べると全く描けていないと言わざるを得ません。{/netabare}

「ルーデウス」という名は「ルー」+「デウス」という形で構成されています。
「デウス」は「神」を意味します。
「ルー」は【ケルト神話】の「太陽神」=「光の神」であります。

主人公が【ケルト人】の神の名を持つことが重要なポイントでありまして
このことが極端なキャラ設定の秘密に関係するとも考えられます。

{netabare}【ケルト人】と言えば【ドルイド教】という宗教でありますが、今ではいつの間にか
日本でも祝われている【ハロウィン】は【ドルイド教】由来の宗教行事であります。

11月1日の【サウィン祭】の前夜祭に当たるのが【ハロウィン】であります。

【ケルト人】は【フェニキア人】とよく似たところがあり、宗教儀式として
【人身御供】を行います。

所謂【生贄の儀式】でありまして、【ウィッカーマン】という木でできた巨大な人型の檻に
人間を閉じ込め火を放ち焼いて供物を捧げるわけであります。

「ベルセルク」では黒ミサ的な儀式の描写が詳しく示されていますが、どうやら
【ケルト人】や他の種族の実際にあった儀式を参考にしているようでありまして
非常にリアリティがあったわけであります。

【人身御供】に最も好ましいのは「子供」でありまして、そもそも「子供」には
「供物」の意味合いがあったと言われています。

「祇園祭」でも子供を生贄に捧げる【人身御供】が行われていたとのことであります。

【フェニキア人】か【ケルト人】か他の民族かは定かではありませんが、子供を
性的凌辱する儀式の類があるようでありまして、「ベルセルク」で性的な儀式の
描写があったのと関係してくるのであろうと考えられるわけであります。

児童人身売買を暴く大ヒット映画「サウンド・オブ・フリーダム」は現実世界のタブーに
触れていまして、【グローバルエリート】たちが「ペドフェリア」であり人身売買に
深く関わっているというネットの噂話を補完する内容が描かれています。

「ペドフェリア」とは「小児性愛」と訳されますが、「ロリコン」よりも
変態性癖が強いニュアンスが含まれる言葉であります。

因みに当方が「鬼舞い」アンチな理由は「ペドフェリア」と関係する
【ジェフリーエプスタイン事件】を知ったからでありまして、ジャニーズの件も含め
現実世界の酷い有様を目の当たりにしたことにより、ロリコン変態は誉め言葉であるという
冗談めいたご意見には全く以て理解不能という立ち位置なったというのがあります。

【ケルト】の神の名を持つ主人公が「アホ毛」ホルダーであり、猥褻性犯罪を行う
「ペドフェリア」であるのが設定であるとするならば、そこから導かれる結論はやはり
【グノーシス主義】的な宗教思想というのものが作品の背景にあるということなのでありましょう。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャプテンE.D.

世の中、たいていのことには『良い点』と『悪い点』が混在いたします。
禍福は糾える縄の如し、とはよく言ったもの。
EDのもつ最大の良点は『腹上死する危険性がなくなる』ところかと。

死というものは万人に等しく訪れますが、
その価値は、ほんとそれぞれ。
欧米では『友のための死が最も尊い』とか言われます。

  腹上死というのはたぶん、
  その対極に位置する存在ではあるまいかと。

もちろん『性欲はオレの友だ』と言い張ることもできるにはできます。
キャプツバ的に『リビドーはトモダチだよ』と爽やかに言うこともできます。
ほんとできるっちゃできるんですが、
それはあくまでも『言論の自由』というケンポ-上の話であり、
うんうんそうだね、と言ってくれるヒトは、
早くその話題を終わらせたいから相づち打ってることをお忘れなく。

  実際の話、そういう大往生をしてしまうと、
  残されたご遺族の心境もけっこうフクザツでありましょうし、
  弔辞の書き方にも困ってしまいます。
  さらに、お葬式の雰囲気も微妙なものになってしまいかねませんので、
  オトコがなるべく避けたい往生の仕方の一つと言えるでしょう。

  その心配がゼロになる、というのですから、
  EDというのもなかなか捨てたものではないのかも知れません。
  (自分がなるのはゼッタイごめんですが)


さて、本作『無職転生Ⅱ』第一ク-ルは、
エリスに去られて自己憐憫をこじらせたルーデウスがEDになり、
魔法大学でシルフィと再会してそれを克服するまでを描いたおハナシです。
完全に前作『無職転生』の続きなので、
まだ見ておられない方はまるっとおいてけぼりですね。

今ク-ルはこれまでの血わき肉踊る異世界冒険譚とは趣を異にし、
どちらかと言うとせせこましい、
ぶっちゃけ半日常系みたいな話がちくちく紡がれていきます。

とは言っても、話のすすめ方がザツ、ということはありません。

0話まるっと使ってシルフィが魔法大学に入った経緯を説明してから、
1~4話がいわゆる『泥沼編』。
大切な放送期間まるまる一か月をかけて、
ルディ(ルーデウス)の見事な自己憐憫っぷりからのED発覚、
そして魔法大学入学までを描きます。

  これを『しっかりと経緯や心情を描いている』と評価するか、
  あるいは『展開が遅くてまだるっこしい』と考えるかは人それぞれ。
  きちんと物語を描きたいカントクの意図はわかりますが、
  昨今はやりの『なぜもへったくれもない』展開になじんだ方々は、
  早よシルフィだせやゴラァ、と思うかも知れません。

  まあ実際、
  そんなに面白い・引き込まれるエピソードでもないし、
  鬱モードに入ったルディがうっとうしいし、
  プロットヒロインのサラがええとこなしでかわいそうなので、
  半分の尺でもよかったかな、とは思うところ。

そして5話からがラノア魔法大学編。

基本的に『魔法学校』という舞台設定は、
おなかいっぱいというか、創造力のないラノベ作家が選ぶド定番であります。
あまりにも亜種が多すぎてよくわかんないほどなんですが、
本作は草分け的存在なので、
発表当時はまだ鮮度が残っていたかも知れませぬ。

ただし、ルディが魔法大学に入学した目的が
向学心のためとか祖国のためとか憧れの師匠に追いつきたいためとか、
そういう内面的かつふわっとしたものではなく、
  EDの治療法を探すため
という『はっきりしていて切実』なものなので、サベツ化は充分かと。
てか、ぶっ飛んでいて好きかもです。

で、ここからはおハナシの趣がガラリと変わり、
けっこう既視感の強い、下ネタおおめの異世界学園ラブコメふうとなります。
旧キャラに加えて新キャラもけっこう出てきます。
{netabare}
  ロキシーがパンツしか登場しないため、
  萌えという絶対領域はシルフィがほとんど一人でカバ-いたしております。
  ドワーフっ子のジュリエットもかわいいっちゃかわいいのですが、
  萌えとしては、上級者向けではあるまいかと。
  ケモナ-さん向けにもふたりご用意しておりますが、扱いがリョナ。

  ナナホシという、
  今後の物語展開でキーパ-ソンになりそうな娘も再登場しますが、
  今ク-ルで何かが大きく動くわけではありません。

  ヒトガミとルディの前世姿の登場も、泥沼編の一回こっきり。
  ルディがこまめに肉体を鍛え、
  ふつうのファンタジーヒ-ロ-っぽく、かっこよくなっていきます。

  つまるところ、
  小さなプロットがけっこうあるものの、何をやっても物語の主たる関心が、
    シルフィがいつ身バレするのか
    ルディがどんなふうにEDを克服するのか
  の二点に帰結してしまうという、
  わりとミもフタもない展開のク-ルだったりするわけです。{/netabare}


それじゃつまんないんですかと問われると、
決してそんなことはなく、
熱狂するような感じじゃありませんが、ふつうに楽しく見られます。

個々のキャラの心情もしっかりと繊細に描かれていますし、
『萌え』『笑い』『シリアス』『業』『バトル』
みたいなものがきちんと、しかもほどよく配合されておりまして、
  ヨ-グルトがけグラノーラ、オレンジジュースつき
みたいな、バランスの良い朝食的仕上がりなのではあるまいかと。

  ただし『ED』というクセの強いシードが含まれているため、
  とりわけ女性の視聴者さんにおかれましては、
    えっと……笑ったらいいんですか?
    それとも同情した方がいいのかしら?
  などと、咀嚼に困惑される場合もあろうかと存じまず。

  どうぞ笑ってやってくださいまし。
  そもそもルディの未熟な自己憐憫が原因ですから自業自得ですし、
  同情なんかされたらそれこそいたたまれませんから。


拙的な本作のおススメ度は、
前期を視聴済みという前提でAランクです。
(てか、第二ク-ルから見はじめる人ってあんまいないよね)

前期みたく、
エンタメ性を存分に発揮しながらも『人間の業』に深くえぐり込む、
というキレッキレ感はあまりありません。
もちろん、ヒトガミやナナホシとの会話などで片鱗は見せるのですが、
通して視聴すると、
やっぱ下ネタおおめの異世界学園ラブコメみたいな印象かと。

  なんでそうなるのかとと言うと、
  物語全体の印象というかインパクトを、
  シルフィ(茅野さん)が全部もってっちゃってるんですよね。
  ひさびさの茅野さん無双でありまする。
   {netabare}
  とりわけラスト二話、
  シルフィの身バレとED完治が同時ではなく別プロットになり、
  茅野さんがそれぞれのプロットで披露したお芝居、
  ゴジョ-先生もまっつぁおの領域展開が、インパクトやばいレベルです。
  
  ふつうのアニメだったら、
  身バレでソッコ-完治、愛はEDを救う、みたくなると思うんですよね。
  だけど本作では、
  『それはそれ、EDはED』
  ということで仕切り直し。キビしいです。

  え~~、やっぱあっちとそっちって違うもんなんですか?
  とか女性の方から聞かれても、なったことないからわかりませぬ。

    ほんとわかんないんですが、
    何となくわかるような気がするかも、
    というのがこっち側の大半の意見なんじゃないかしら。

  でまあ結局、ふたりでクスリ飲んでキメ〇ク、という
  かなり身もフタもない解決方法に至っちゃうわけでありまして、
  まさにディ-プインパクト。ぜひもなし。{/netabare}


作画は、相変わらずの高水準ですね。

ただ、前期に比べると粗くなったという声もあり、
そう言われると確かに、
ロングやモブの描き方がザツだとか仕上げがちょっとアレかなあとか、
前期になかった「ん?」は感じますが、
それでも他社との比較論で言うならけっこうなお点前ではあるまいかと。

  今ク-ルから監督が、
  前期まで副監督を務めていた平野宏樹さんに変わっております。
  また、成長したキャラを描くにあたり、
  キャラデの担当者も前期とは違う方になっており、
  そのへんの影響は、やっぱあるでしょうね。


役者さんは、キャラ替えもなく、全員ハイレベルです。

特にルディ役の内山夕実さん。
前期からルディの年齢が変わって肉体的に成長していますし、
おまけにEDという女性には理解がムズカシイ役どころなんですが、
うまく咀嚼して『青年ルディ』を創り上げています。

その他、今期からは新キャラで
上田麗奈さん(アリエル役)や若山詩音さん(ナナホシ役)など、
旬の実力派役者さんも参加していて百花繚乱。
プロットヒロインのサラを演じた白石晴香さんも、
けっこうアシリパ入ってたけれど頑張っておられました。

ただ、そんな中においても、
インパクトという観点においては、
すでに述べたように茅野愛衣さん(シルフィ役)が無双状態かと。

茅野さんって、
最近はご自身のyoutubeでお酒ばっか飲んでるイメ-ジなんですが、
もともと卓越した演技力をお持ちの方なんですよね。

  彼女のお芝居で拙が「マジすげえ」と思わされるのは、
  セリフの『硬度』と『温度』の使いわけです。
  これはもう、天性のものと呼んでいいんじゃないかしら。
   {netabare}
  本作でも物語冒頭、アスラ王国に飛ばされてきてすぐのときは、
  ガチガチに緊張した、バリカタの声ですね。
  それから『無言のフィッツ』として新生活になじんでくると、
  緊張がややほぐれて声の硬度が一段階さがります。
  (それでも初対面の相手と話すときは硬度かために)

  そして、フィッツとしてルディと会話している時には、
  リラックスできるのか、
  まったく同じ話し方なのに声のトーンはやわらかくおだやかに。

  こうした同じ話し方での『声の硬度』の使いわけ、
  『バリカタ』『かため』『ふつう』が自然にできてるんですよね。
  あの『氷菓』伊原摩耶花役でも披露してましたが、
  なかなかマネできない、ものすごい技術だと拙は思います。
  (たぶん、鳴らす場所や緊張させる筋肉を微妙に変えてるんでしょうね)

  で、それに加えて『声温度』の上げ下げができるんです、この方は。

  ナナホシとの会話などでは、声温度かなり低め。
  ルディとの会話でも、
  感情の起伏に伴って面白いぐらい上がったり下がったりいたします。

  そして、今ク-ルで最大の見せ場は、やっぱ最終話。
  ド-ピングの前後で声温度爆上り。
  その温度のまま究極の最終奥義、オトコ殺しの頂上セリフが炸裂します。

    どうぞお召し上がりください。

  これはあかん。
  わりと身持ちのかたい僕ではありますが、耳元でこれは殺られる。
  まさにアルテマウェポン。奥さんほんとごめんなさい。

  というか、マジなハナシ茅野さんって、
  『声バリカタ冷え冷えで』とか『声やわ激アツで』とか、
  どんなオーダ-にも応えられるすごい役者さんだと思う次第であります。
{/netabare}

音楽は、
劇伴は前期と同じく藤澤慶昌さん。
古楽器を駆使した安定した音作りで、世界観もドンピです。

OP/EDは、
前期は大原ゆいこさんが全部やってたんですが、
今ク-ルのOPはLONGMANさんが担当。
わりといいんじゃないかしら、世界観にもハマってますし。

あと、最終話のEDは大原さんの曲を茅野さんが歌唱しております。
ただし、セリフにかぶせてBGM的に使っちゃったので、
印象としてはかなり薄めかと。
(拙は初見のとき気がつきませんでした。お恥ずかしい)



いずれにいたしましても、
見て損をするようなアニメでは決してありません。
他の『なろう系』を見るぐらいならぜひこっちを、という感じかと。

ただ、前期については、
 『異世界転生もののハイエンドモデル』
と評価させていただいたのですが、
今ク-ルについては、さすがにそこまで言えませぬ。

既に述べたことだけど本作品の通奏的なテ-マは
  『人間の業と再生』
みたいなモノだと拙は愚考しているわけです。

そこんところ今ク-ルは、かなり薄味になっちゃってるんですよね。

そして『テ-マ』ではなく『ギミック』の一つである、
ルディのEDが前に出すぎちゃったことで、
なにがしたいのかイマイチわかりづらいク-ルになっちゃったなあ、と。
{netabare}

  もちろん、ルディがEDになったのって、
  エリスの真意をはかりきれないルディの『未熟さ』と、
  それがゆえの自己憐憫をこじらせちゃったのが原因であります。

  前世で死んだのが34歳だから通算年齢ほぼ50歳、
  ええ歳こいたおっさんがそんなんでええんか、自業自得やんかジブン、
  という意味では『業のなせるワザ』と言えなくもありません。

  ただ、その乗り越え方が、
  なんか頑張ってジブンの弱さを克服した、みたくリッパなものではなく、
    クスリでキメたらうまくいったぜキャホホイ
  という、リアルではあるけれどドラマ性のかけらもないものでして、
  え……あ……よかったね、としか言いようがありませぬ。

  人間の未熟さとか腐った性根というものはカンタンに治んないですよ、
  という背骨の部分は前期から一貫しているのですが、
  だからといってこの展開で、
    何かカンド-したり学んだりしろ、
  なんていうのは、さすがにムリ筋に過ぎるかと。{/netabare}


とはいえ、ルディくんの冒険譚は、まだまだ道半ば。
見てくれがいっぱしの青年になったとしても、
いきなり中身までリッパになられては、お話が回せません。

第二ク-ルは来年四月からとの由、
  とりあえず性的に充足したルディくんにどんな冒険が待っているのか、
  おパンツ以外のロキシーの姿は拝めるのか、
  ヒトガミやフィットア領転移事件の謎は明かされるのか、
  いいかげん下ネタを卒業してドラマにシフトしてくれるのか、
いろいろと興味の尽きないところであります。

今ク-ルはちょっとまあアレな感じでナニな出来ばえでしたが、
それでも面白いっちゃ面白いし、
物語自体はよく練られていてすごく興味深いものなので、
次ク-ルを楽しみに待ちたいと思います。

  あと、レビュータイトルがアレなので、
  某所からクレームが入り、
  BANされたらごめんしておくんなまし。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

失意のルーデウス…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
そう言えば原作は完結しているんですよね。
メッチャ原作の気になる作品ですが、時間が無くて手に取ることが出来ないのが分かり切っています。

時間を捻出するには…
もう宝くじを買って一攫千金を狙うか、仕事を定年退職した年金生活の老後の2択しか頭に浮かびません。
しかし、私たちが老後になった時って、年金ってどれだけ貰えるんでしょうね…^^;
その前に何歳まで働かなければならないのか、さっぱり見当が付きません。

さて、そんなお先真っ暗な状況はルーデウスも一緒…
ルディに課せられた精神的苦痛が、肉体にまで影響を及ぼすようになってきました。
きっとこの辛さは体現した人にしか分からないと思います。

ルディはこの経験を経て、これまで以上に人に優しくなるのではないでしょうか。
そうあって欲しいと期待しています。


「俺は、この異世界で本気だす!」
34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。
両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックに轢かれ命を落としてしまう。

目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた!
ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていく事を誓うー!

ルーデウスを待ち受けるのは、ロリっ子魔術師、エルフ耳のボクっ子幼馴染、凶暴ツンデレお嬢様、
そのほかの様々な人間との出会い。そして過酷な冒険と戦い。

新しい人生が動き出す!
「人生やり直し」ファンタジー、開幕!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

公式サイトのINTRODUCTIONやSTORYを見ても殆ど物語の内容に触れられていません。
これは切り売りせずとも視聴者を納得・満足させられるクオリティであることを作り手の皆さんが自負している何よりの証だと思います。

こういう潔さって個人的には嫌いじゃありません。
寧ろこの作品「らしさ」を感じる気がします。

TVアニメ第1期ではロキシー師匠とエリスにスポットが当てられて物語が展開してきましたが、今回はまさにシルフィ回でしたね。

これまでルディは過酷な旅路を強いられてきました。
エリスに対する心情の変化も、あまりにも過酷過ぎた帰途の日々であったことも拍車をかけていると思います。

誰もが等しく刻まれる時間を生きてきたシルフィも、やっぱり大変だったと思います。
シルフィは元々引っ込み思案な性格なんです。
それが強制的に独りぼっちで生きていかなければならない選択を突き付けられたんです。
心を許せる人が居ないって、物凄く寂しいと思うんです。
でも、シルフィは見事その壁を乗り越えました。

そんな頑張り屋さんなシルフィも大好物ではあるのですが、個人的にはルディと接点を持った以降のシルフィの方が大好きです。
故あって身分を明かす事は出来ませんでしたが、サングラスの色味を通して時折覗くシルフィの瞳が兎にも角にもヤバい…

見た目だけでもシルフィは十分可愛いのに、演者がかやのんってどれだけ…
もう言葉になりません。
かやのんがシルフィの魅力を限界まで引き出してくれたからでしょう。
終盤は何度も萌え死にそうになりましたよ。
特に「なに…ルディ?」の台詞には電撃が流れました。
流石かやのん…
最高のシルフィを見せて頂きありがとうございます!

これから物語がどの様に動いていくかが楽しみで仕方ありません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、LONGMANさんによる「spiral」
エンディングテーマは、大原ゆい子さんによる「ムスビメ」

1クール全13話の物語でした。
今、視聴順序がメチャクチャなのでBEST10が何時作れるかは自分でも分かりませんが、間違いなくBEST10のトップクラスに入る内容だったと思っています。
第2クールは2024年の4月から放送される予定です。
あと半年…きっとあっという間だと思います。
第2クール、メッチャ期待しています!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

79.3 2 図書館アニメランキング2位
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (514)
2041人が棚に入れました
現代の日本で生活している「本須麗乃(もとすうらの)」 は、念願である図書館への就職が決まったその日に亡くなってしまう。もっと多くの本が読みたかった、そんな未練を抱いたままの彼女は気が付くと異世界の幼女マインとしての身体を持って意識を取り戻した。物語の舞台となるのは 魔法の力を持つ貴族たちに支配された中世のような異世界の都市エーレンフェスト。厳格な身分制度の中、現代日本の知識を持つ少女マインが、本を手に入れるために奮闘する。

声優・キャラクター
井口裕香、速水奨、中島愛、折笠富美子、小山剛志、田村睦心、子安武人、日野聡、前野智昭、内田彩
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

題名の軛

[2019/10/15 v1:知識は紡いで繋いで使ってなんぼ]
[2019/12/06 v2:うつわとなかみ]
[2019/01/14 v3:題名の軛]

原作知らず。
全体としてかなり長くなってしまったので適当に畳んでおきます。

[v3 題名の軛(くびき)]
続編決定ということのようで、1期は区切りの良いところまでだったのでしょう。

アニメ作品として、絵柄が少々独特ながら異世界商工記として十分に面白く、最初の数話を問題なく視聴できるならそのまま全部見て損はない作品と思います。転生者である主人公にちょっと都合の良い幼稚化が感じられますが、「私TUEEEE」することはなく、地道・実直に下克上のステップを踏んでいます。これって昔のNHK朝ドラに通じるものがあるような・・・おしん的な?(憶えちゃいませんがね・・・)


ですが、僕個人にとっては、不満の残るお話の展開であり、終わり方でした。v1、v2で述べてきた「本とは何か」「何を残すのか」といった本の機能・役割、そこに記すべき情報・コンテンツに関する物語や展開は一切ないまま終わりました。本好きとはいったい何を指すのか。

とはいえ、この不満はタイトルを勝手に解釈した僕の妄想・期待と作品内容の不一致によるもので、原作者さんや制作サイドとしては「んなもん知るか」で終わる話でしょう。なにより、本作を楽しまれた多くの皆様にとっても同様のはずです。

―そも、タイトルに何を思ったのか
{netabare}
本作のタイトル「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」というのが、僕にとってはミスリードをうみ、また、そうは言いながら僕自身がタイトルをちゃんと吟味していなかったのかな、と思います。ラノベやなろうものにしては珍しく、タイトルに強い方向性と状況の限定が盛り込まれたものだと思っています。

「本好きの下克上」という主題から、“本のない世界に本をもちこみ、本の力で何かしらを改変・改革していく”ようなものを読み取ってしまいました。もしもそうならば、当然そこには本によって(本のない世界と比べて)爆発的な勢いと実効力で拡散していく知識、情報による人々の変革、思想の変化と発展とを背景にした主人公の「下克上」が描かれるに違いない、、、と。

でも本作は、副題である「司書になるためには手段を選んでいられません」が本当に大事なことだったのですね・・・結局、本が身の回りにありさえすればよい、という選択を主人公が終盤でしたことで、そう判断せざるを得ませんでした。
{/netabare}

―でもこのタイトルだからこそ、観てみようと思った作品
{netabare}
タイトルって、大事だと思っています。作者がそれなりに考え、作品全体を過不足なく表すものとして付けるもののはずです。だからこそ「本好き」が「下克上」するんだ、というタイトルはこの上なく魅力的に思えたのでした。僕個人の性質ですが、副題は相手にしません。場合によってはなくとも成立するのが副題なので。

なので、無理やり文句を言うならば「タイトル、もう少し気を使って付けてほしかったよ。」です。もちろん、アニメ化されたのは原作の途中までで、今後の展開でいよいよ「本そのもの」を問うていくお話になるのかもしれませんが、それならそれで片鱗だけでも見せてほしかったです。
{/netabare}

――作品タイトル一考:一面的だし、まとまってないですけど
{netabare}
アニメやラノベにかぎらず、週刊誌連載の漫画などでも思っているのですが、作品タイトルってかなり局所的なものか、最大公約数的なもののどちらかが多いと思っています。そして、長寿作品や成功した作品って、上記のケースが多いように思っています(が、数字取ったらどうなるんでしょうね・・・)。

局所的というのは、端的には主人公そのものをタイトルにするケースです。あるいは、作品に欠かせないアイテム・物品をタイトルにする場合もありますね。他には、作品の舞台となる世界をタイトルにしているケースもこれですね。「鋼の錬金術師」「オーバーロード」「ナルト」などは主人公そのものを指す(実質)固有名詞で、作品が続く限りそのタイトルが作品の中で描かれるものであり続けます。ちょっと気になって週刊ジャンプ掲載作品の一覧を見てみたら、半分近くがこれですね。

最大公約数的な例としては「ガールズ&パンツァー」などがその例にあたると思います。「女の子と戦車」であり、この組み合わせは作品の最大公約数以外の何物でもないとおもいます。銀英伝なんかも最大公約数的な例ですね。最近だと「超人高校生~ようです」も無理やりですがこちらの例にあたると思います。死なない限り、とりあえず嘘にはなりませんから。

こういうタイトルって、作品そのものの展開が大きく変わってもタイトルと作品内容が大きくずれることってそんなにないと思います。ある意味、お話をどう転がしてもタイトル詐欺にならない、安直ではあるけど堅実なタイトルの設定だと思います。逆に言えば、設定・世界観の大枠しかまとまってない段階では、こういうタイトル以外につけようがないと思います(もちろん、すべて練り込んだうえであえて狭いタイトルをつけることはあり得る:例・はがれん)。なお、偉大な例外としてドラゴンボールを挙げておきます。存在忘れてましたよ、後半以降。たまに出てきてびっくりしたもの。

これらと異なるのが、行為や属性・性質を盛り込んだものだったり、作中の人物の状況を語るようなものでしょうか。いってみれば、中途半端に限定的な情報が付加されたタイトル。本作も「本好き」がこれにあたると思います。上で述べたことの反対に、こういうタイトルは、ある程度以上作品の方向性や描くメッセージなどが固まっていないと付けられませんし、読み手・視聴者の僕としては「結構練り込まれた作品の可能性が高い」と判断する材料ともなります。

ですが、現実にはタイトル詐欺に近い状態になることが多いようで、少々残念に思っています。繰り返しますけど、タイトルって大事だと思いますよ。

スマホ不要になった「いせすま」、ダンジョンに潜らない「ダンまち」、もはや成り上がる隙間の消えた盾の勇者とか、どうすんのよ(笑)
{/netabare}

[v2 うつわとなかみ]
{netabare}
10話まで観て。

観続けていて良かったと思える作品になってきた。
言うなれば「異世界商工記」とも言うべき形になってきたように思う。その視点で見れば、それなり以上に面白い。

また、ここに来て「マイン」という器と「麗乃」という中身の食い違いがドラマを生み出している。ルッツ君(6歳)の男前っぷりに驚喜しながらも、先々の不安も感じさせる展開は良いと思う。マインが抱える病の問題も決して楽観できるものではなく、先が気になるテンションを作品に与え続けている。

ただ実際のところ[v1]で述べた不満はなにも解決しておらず、現状もモヤッとしたままである。紙は完成したものの、肝心の「本」に至っていない。結局、紙・本という器を作ることにだけ精一杯で、今の段階でなお「何を本にするのか」「何を伝えるのか」という中身についての話がひとかけらも見当たらない。お母さんのおとぎ話でいいのか。

もしもこれが、「マインの器と中身」と「本の器と中身」とを対比的に紡いでいく物語になるのだとしたら、、、あるいは、僕はそれを期待しながらこの先を観ていくことになるのだと思う。
{/netabare}

[v1 知識は紡いで繋いで使ってなんぼ]
{netabare}
二話まで一気に見て、今後どうしようか判断に困っている状態です。とりあえず次回を見て判断というところなのですが、自分の中ではどうにもDrop気配が濃厚なので今のうちに記しておこうと思っています。

作品タイトルを見て、ふわっと心躍った作品でした。かなり期待しながら見始めたのですが・・・作品タイトルで期待したものと、実際に展開されているものとが違いすぎなのです。まぁ、こちらの勝手な期待なのですから制作・原作サイドからすりゃぁ「知ったことか」なのでしょうけれど。

今のところ、ネガティブに働いているのは本作の次の二つの要因です。自分の理解のためにも、文書にしてみる。

要因1=本当に[本]そのものの作成過程を描くだけなの?という疑念。

本作が「本」「活字」に執着しすぎているのに違和感を感じている、といってもよいかもしれません。「本」や「文字」を扱うものにとって、本は確かに重要ですが、最終のOutputは本そのものではなく、そこに書かれた「中身」です(出版社・出版業は「もの」を出す側面もあるのでその限りではない)。

{netabare}
人類の歴史において、確かに「本」が果たした役割はとてつもなく大きい。しかしそれは、「本」という存在そのものではなく「本」が担った役割にこそ意味がある。その役割とは、記録、保存、体系化と継承である。
結果的に恐ろしいまでの耐久力を持った紙という媒体(保存)に、文字によって記された知識・経験・思想その他もろもろ(記録)が、何らかの意図や目的をもって取捨選択され、束ねられたものが本となる(体系化)。それは当代の知識・文化を後世に伝えるものとなり、後世の人間はその「本」から知識・文化を学び、時に発展させ、それをさらに本へとまとめていく(継承)。これが「本」の機能。本は本のために存在しているのではなく、本が伝えるコンテンツ=情報にこそ意味がある。(蓄積、移動・波及、複製、なんてのもあるわね)。

およそ「文字」に関わることをやっていると、こういう考え方になっていく人は多いのではないかと思います。極端なことを言えば、上記のようなもろもろを、記し、残し、再現可能な方法が文字+紙以外にあったなら、それが「本」にとって代わっていた可能性はあると考えます(いわゆる「伝承」などがそれに近いわけです。保存と継承に難がありますが)。耳から得た情報の記憶が100%保持されるなんて機能をヒトが持っていたら、文字すら出てこなかったかもしれない。

しかし、2話までのところ、こういった話は一切現れず、ただ「本」が欲しいを繰り返しているだけなのです。

{/netabare}
今後の展開で「本」とは何なのか、「本」は何のためにあるのかといった議論が出てくるのならばもう少し見ていきたいのですが、今のところそのような気配を感じ取れずにいます。教育が云々という言葉が出てきたので、少しは期待しているのですが・・・どう転ぶかなぁ。

要因2=本当にその設定どおりの人物ですか、本須さん?という疑念。

端的に言えば、「司書として就職予定だった本の虫」という設定が成り立っていないと判断しています(「図書館に就職」だったか。だとしたら司書補?いずれにしても大差はないと思う)。

{netabare}

現状、私の眼には「ご都合主義の記憶と知識の封印、思考力の低下をお話の展開に使っている」と映っています。こういうのは嫌い(完全に好き嫌いの問題)。この子、都合よく頭悪い、もしくは、都合よく物事を忘れすぎに見えます。転移とともに5歳児並みの思考能力になり、さらに記憶も消し飛んだ、とかいうのならまだしも、そうではない(ちゃんりんしゃん作れる)。

司書になれるくらいならば、「本」の歴史くらいはおさえているはず。中世ヨーロッパ然とした世界における本の位置づけ(希少性)、その希少性がどうして生じるのかについては知っていて然るべき。そのターニングポイントとなる活版印刷の登場と普及、その前後での識字者の価値の変化、文字・本を媒体とした情報の伝搬速度の変化などは大前提としてお話を作ってほしかった。要因1で述べたことも、明言するかどうかは別にして、意識してほしかった。なんで本を読みたいのか。なんで「文字」を見たいのか。

もしかして、そういうのちゃんと調べず、考えずに書いているのだろうかという疑念にもつながっています。

一話で「本がない」→「何か読むもの、せめて新聞」みたいなことを言っていたけれど、彼女の「本の虫+司書」の設定が正しいのならこれはあり得ない発想。二話でも気軽に羊皮紙をねだる姿が描かれているが、これも腑に落ちない。また、「その世界の紙」が羊皮紙であることが判明した段階でパピルスが即座に出てこないのが本当に腑に落ちない。
{/netabare}

現時点での本須さん像が「ただの活字中毒で、本を読んでも知の獲得ができない、知の連結ができない、知の活用ができないお馬鹿さん」というところに来てしまうのです。そんな人物ならば、別に本なんてなくてもよいではないか。繰り返しになりますが、知識の活用と連結が「お話の都合に合わせて遅い、できない」というのが嫌なのです。そのうえ、「本の虫」設定が空虚に映ってしまっています。

演出や作画面にも少々苦手なものが見られたりするのですが、これらは僕にとっては小さな問題かと思っています。大逆転を期待しつつ。。。。他を探す感じかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 42
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

好感のもてる異世界転生♪

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
やや子供向けか?と思いましたが、、、いやいや、これは面白い。

異世界に転生した活字中毒主人公が、本のない世界で本作りに邁進するアニメなんだけど、数多ある「なろう系」異世界転生作品に、お手本にしてほしいアニメ。

ゆったりと時間が流れるアニメでありながら、ピリッと香辛料も効いてます。オススメです♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
異世界転生モノで、マインもチート。しかし、それを緩和させる上手い設定、ストーリーが光った。

まず、「マインが虚弱である」ということ。いかに知識があろうと、それを実現させるだけの体力がなければ無意味。特に序盤はこの性質を生かし、うまくジレンマを演出していた。

しかし、ジレンマばかりではストレスになってしまい、創作物としては単純に面白くない。

そこで、「マインが成長し、体力がついてくる」「ルッツなどの理解者」を通して、「虚弱」は徐々に解消していく。この辺のバランス感覚の上手さは、作者のセンスかな~と。

次に、「マインが身喰いである」ということ。ただの虚弱ではなく、命に制限があると分かったことで、作品に深みが増した。中盤の「命(本)か家族か」という葛藤。まさか、「家族」を選ぶとは思わなかったけど、ここが、二流と一流の分かれ目だったかと。

そして、「マインが平民の子供である」ということ。マインの身食いは、ぶっちゃけ金と権威でなんとかなる。でも、マインがどれだけ前世の、異世界の記憶をもっていても、どうしようも出来ない、身分の差。

13話目に、神殿に魔法具があることや、神殿が身食いを必要としていることをベンロが知っていることが示されました。その時、「なんでベンロはその事実をマインに知らせなかったのだろう? 魔力を売れば?」と思ったが、14話目で鮮やかに解決。ようは、「貴族は交渉できる相手ではない」という、圧倒的な理不尽。そして、理不尽な暴力に対しては、理不尽な暴力で応じていた。

これは凄くリアリティがあったと思う。

この作品で素晴らしいのは、「転生先の異世界に、しっかり時間が流れている」こと。

数多ある「なろう系異世界転生モノ」では、転生先の世界は、転生者によって蹂躙されるだけの「軽い」存在である。しかし、本当はその世界にも長い歴史と伝統、文化があり、人々はその世界の価値観の中で生活している。それは、とても「重い」ものだ。

本作には、この「転生先の異世界」に対する深い理解と、尊重する気持ちがあると思う。つまらない言葉を使うならば、設定がしっかりしているということ。

一見地味で、とてもじゃないけど高評価は得られなさそうに見える。

でも、じっくり観ていくと、このアニメの面白さ、凄さが「じんわり」とわかってくる。多分、たくさんのアニメを観てきた人の方が、刺さるんじゃないかと思う。玄人向きというか、オジサン向きというか(笑) たまにディフォルメされるマインも、可愛かったしねw ギャグとシリアスのバランスもよく、声優さんの演技も良かったしね。2期、楽しみ!
{/netabare}

【余談~ 司書って、なかなかなれないし、給料安い ~】
{netabare}
大学で文学部行ってれば、ある程度頑張れば、司書や司書教諭の免許はとれます。私も、司書はとりました。

覚えたな~、日本十進分類法とか(笑)

ちなみに、私は今の仕事ができなければ、「図書館」か「ジュンク堂書店」で働きたいと思っていました。

でも、非正規で図書館の職員というなら多少は求人があっても、司書で正規職員として図書館に勤めるのはめちゃくちゃ狭き門です。

調べてみると、(やや古いデータですが)2010年の調査で、専任で働いている司書・司書補は、全国でわずかに6,188人。2012年の求人は、公立図書館(公務員)に限れば、全国で36件。50名以下の求人です。県立・公立大学や公立学校の図書館での募集は5件、6名程度。それに対して、司書免許をとる人は、年間約1万人。

そりゃ、キツいわな。

しかも、平均給与は、300~400万。非正規の場合は時給900円程度であり、同年の日本の平均給与(422万)より低い結果に。

これでも司書になろうとするのは、本作の主人公のように、「本に囲まれていることが幸せ」って人ですよね~やっぱり。大変な仕事です。
{/netabare}

【余談~ 読書のススメ ~】
{netabare}
本作りというと、「舟を編む」が思い浮かびますね(あれは辞書ですけど)。私は原作で読んだので、アニメは観ていませんが、、、めっちゃ良い小説です。

三浦しをんさんは、「まほろ駅前多田便利軒」「風が強く吹いている」「舟を編む」と読みました。他2作ではあまり感じなかったんですが、「舟を編む」は、言葉のリズムが凄く心地よかったことを覚えてます。

平易な言葉遣いながら、スッと本の世界に没入させてくれる感覚は久々に味わいました。キャラクターも生き生きしていて、(実は去年読んだんですがw)なんか、久々に心から読書を楽しめました。

社会人になってから、本を読むことがものすごく少なくなり、今や、1ヶ月に1冊読むか読まないか(その分、アニメ観ていますがw)。たまに、東京に出張する時、新幹線の中で1、2冊読むのが、楽しみで楽しみで。そんな生活をしています(笑)

私が最も本を読んだのは、中1~高3にかけて。この時期は、最低でも年間200冊は読んでいました。

きっかけは、中1で出会った「ロードス島戦記」。そこから、貪るようにラノベを読みまくり、本が好きになり、中2くらいから、エッセイや小説、ノンフィクションや新書など、色々読むように。

読む基準は、「近所のBOOK・OFFで、100円以内で買える本」w。この6年間、雑多な本を読みまくった、「多読」が、自分の人生最大の財産だと思っています。

大学時代は、「精読」。近代小説を中心に、1冊の本や1人の作家と、じっくり付き合うような読み方になりました。

今は、「息抜き」ですかね。人生で一番ルーズな態度で、本と向き合っている気がします(笑)

ということで、もしよかったら、皆さんが最近読んだ本で面白かったのを教えて下さい♪ 純文学でも大衆文学でもどっちも楽しめますが、グロやホラー、サスペンス、ノンフィクションは、あんまり読まないっすね。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ある意味で、異世界無双か。元々のマインが、どうなったか気になる。記憶は統合されても、人格は完全にモトスウラノに入れ換わってる。マインが、病気で死んだところに魂が入り込んだ、とかなら分かるけど。これだけ言語や文明が発展しているのに、文字がないってのも、納得できないな。

2話目 ☆4
マインのツッコミが笑える(笑) ディフォルメされたところね。異世界転生しても、その世界の理に勝てないのは素晴らしいね。

3話目 ☆4
報酬もなしに、働く女じゃない(笑) ホッコリ、良い家族話だな~。

4話目 ☆3
きちんと努力してるし、出来ないこと、苦手なことがあるのが良いね。つい、計画的に(笑) 怒り。まあ、焼き物は簡単にはいかないわなw

5話目 ☆3
色々やるより、単純に、紙を作れないの? 繊維の強い植物と糊(デンプン)で、作れないの? てか、「燃やさないで」と言うので、なんとかならんの?

6話目 ☆5
市民権を得るために旅商人をやるのに、市民権を手放すのはあり得ない。非常に論理的な話。マインの夢を叶えるのが、夢。考え、作るのがマイン。売りあるのがルッツ。ここでも、マインの身体の弱さが生きている。急用を思い出さないか?(笑) 大人の時間を分かりながら、サラリと流すマインが大人(笑)

7話目 ☆5
契約の話、良いね。ちゃんと商人している。お前、マインだよな? そうそう、こういう流れが、「この世界の理の中でのチート」。ルッツにも、プライド。聞いてるふりして(笑) 確かに、マインとは読んでないな。こういう毒まで入れてくるか。

8話目 ☆4
子供にとっての1年は、大きいよな。「マインはほとんどお前だ」。なんか、泣けるな。マインの、達観したような、怒ったような、なんとも言えない表情と声色が素晴らしい。

9話目 ☆4
金の価値も分かってないのに、髪や髪飾りは作れるのは、びびるわな。マイン、あくまで客目線で考えられるから、商人向きってことね。新キャラのフリーダ、ここからどう生きるかな? 技術革新だもんな。身食いを治す相方になっていくのかな? フリーダも、生きることに必死というか、生き急いでいるわけやな。

10話目 ☆4
ストーリーが、しっかり進んでいくし、成長していく。マインの表情の作り方が上手い。涙が手に落ちる演出、良いな。男なら、金を稼げ。シンプルで、良い。

11話目 ☆4
フリーダ、キチッとしてるな。女子会、爽やかだね。マインが、さらっと「家族」って言うところとか、良いね。これ、Cパートで神官長を出してきたのがマイナスだな。多分、神官長がなんとかするんだろうし。

12話目 ☆4
ルッツ、デレる(笑) なるほど、洗礼式で神官長と繋がりが。マイン、ツボる(笑) ここに、図書室があるからです(笑) 神殿長ゲスイな~。テンション高いマインが、可愛い回だった!

13話目 ☆3
この回はいまいち。もし、ベンロが神殿のことを詳しく知っているなら、選択肢の1つとして提示しておくべきだと思う。なぜなら、命の問題だから。神殿に務めるとは、貴族の愛娼とは違うよね。家族とはなれるのは同じだとしても。それに、神殿に「魔力を売る」という交渉をする方が、本作らしいと思う。あの魔法具のことは、ベンロも知らなかった方が、設定として良いと思う。

14話目 ☆5
最善が図書室かい(笑) 家族の時間じゃないんきい(笑) 「生きるために足掻け」。なるほど、貴族相手の交渉が死の危険を孕むなら、私が13話で書いた感想は的外れですね。権力のもつ暴力性がちゃんと出ている。そして、暴力には暴力。まったくもって、納得する。よくこんなわけわかんない娘を。確かに(笑) 神官長は神殿長より偉いの? じゃないと成立しないよな。もしくは、神殿長がマジでビビったか(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 45

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

まだ離陸してない

本好きな主人公が異世界転生。本がないと生きていけないほどの本好き。その価値観はいまいち理解できないが、どうにかして本を読もう作ろうと工夫していくところは面白い。
というか井口裕香の声がぴったりな気がする。そこが良い。

きちんと格差も描かれているし、下克上がある。穏やかに作品が進むのかなと思ったけど、最後のほうはかなり不穏な感じになって少々びっくり。
まだ序章の序章くらいで終わってそうだから、これからに期待したい。さらに話が進めばもっと面白くなってくるだろうな。


OP
真っ白 諸星すみれ
ED
髪飾りの天使 中島愛


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
目覚めると、そこは本のない異世界だった--活字中毒で本を偏愛する大学生・本須麗乃は、不慮の事故で命を落とす。それは、念願である図書館への就職が決まってすぐのことだった。気が付くと麗乃は、貧しい兵士の娘・マインとして転生していた。そこは、魔法を持つ貴族が支配し、厳しい身分制度が存在する異世界の街・エーレンフェスト。マインは、本があれば生きていけると自分を鼓舞する。ところが、識字率が低く印刷技術もないこの世界では、貴重で高価な本はお貴族さまのもの。兵士の娘では、とても手が届かない。どうしても本が読みたいマインは決意する。「本がなければ作ればいい」体力もない。お金もない。あるのは麗乃時代に読み漁った読書による膨大な知識だけ。果たして、マインは本を作ることができるのか!?マインの本を作る冒険が、いま始まる。


第一章『本のない世界』
本が大好きな女子大生・本須麗乃は本に埋もれて亡くなり、気がつくと別の世界で、病弱な少女・マインとして転生していた。本があれば、どんな環境でも耐えられると思ったマイン。さっそく本がないか家中を探し回るが、どこにも本が見つからない。さらに母親のエーファと一緒に街へ出ても、文字すらなかなか見かけることができない。そこは識字率が低く、本がとても高価な世界だったのだ--。

第二章『生活改善と石板』
本が貴重なこの世界で、マインは自ら本を作ろうと決意する。だが、体が弱いマイン。姉のトゥーリと一緒に、父親・ギュンターの忘れ物を届けるため門へ行こうとするが、少し歩いただけで息が上がってしまう。そんなマインの前に、ルッツが現れる。マインと同い年のご近所さんだ。転んだマインに手を差し伸べてくれるルッツにマインは感激する。そして、門へ着いたマインはそこで古い石板をもらい、字を書ける喜びをかみしめる。

第三章『冬のできごと』
冬。雪に閉ざされる中、マインは本作りの第一歩としてパピルスもどきを作ることに。一方、姉のトゥーリは夏に洗礼式を控え、母・エーファから様々な仕事を教わっていた。マインも見習い仕事について考えるよう言われるが、相変わらず本のことしか頭にない。そんなマインと家族との距離は冬を過ごす間に徐々に縮まっていき、マインはトゥーリの洗礼式のためにある物をプレゼントしたいと思いつく。

第四章『初めての森と粘土板』
春になり、家族に森へ行きたいと言うマイン。だが、体力がないからと反対されてしまう。しばらく門へ通い、皆に遅れずに歩けるようになれば、森へ行っても良いと言うのだ。オットーの書類仕事を手伝うことになったマインは、門へ通いながら体力をつけることに。そして、次第に歩けるようになり、ついに森へ行くことを許されたマイン。さっそく森で、粘土板を作ろうとするのだが……。

第五章『洗礼式と不思議な熱』
季節は夏に移り、トゥーリの洗礼式の日がやって来た。マインが作った髪飾りをつけ、注目を集めるトゥーリ。そして森へ行く機会が増えたマインは、ルッツに手伝ってもらいながら木簡作りを始める。そんな中、マインはルッツに、オットーに会わせてほしいと頼まれた。ルッツには、旅商人になりたいという夢があったのだ。だが、度重なる紙作りの失敗にショックを受けたマインは、オットーとの会合を前に高熱で倒れてしまうのだった。

第六章『会合』
ルッツをオットーに紹介することになったマイン。だが、それはただの会合ではなく、見習い先を紹介してもらうという意味を持っていた。身なりを整え、緊張しつつ会合に臨むマインとルッツ。そんな二人の前に、オットーとベンノが現れる。オットーの旅商人時代の知り合いだというベンノは、値踏みするように二人を見、ルッツに商人になって何を売りたいかを聞く。果たして二人の答えは……。

第七章『不信感の芽生え』
いよいよ紙作りをすることになり、わくわくするマイン。そんなマインとルッツに、ベンノから呼び出しがかかる。紙作りに必要な材料を、ベンノが調達してくれると言うのだ。マインは、材料の担保や今後の援助についてベンノと交渉。そして不思議なインクを使い、契約魔術を結ぶ。だがその帰り道、いつもは快活なルッツの態度がよそよそしいことが気になるマイン。ルッツは、ベンノと平気で難しい話をするマインに違和感を覚えていた。

第八章『ルッツのマイン』
本格的に紙作りの作業が始まった。マインとルッツは作業用の倉庫を借り、必要な道具を揃えていく。さらに二人は森へ行き、木の枝を蒸して紙を作ることに。だが、慣れた様子で紙作りを進めていくマインに、ルッツはさらに違和感を募らせる。紙ができたら話をしたいと言うルッツ。そして最初の紙が完成した時、ルッツはマインに、これまでの疑念をぶつけるのだった。

第九章『ギルド長の孫娘』
ベンノに連れられて商業ギルドへ行ったマインたちは、そこでギルド長に会うことになった。マインが作っているという髪飾りを見て、驚くギルド長。それは、ギルド長の孫娘・フリーダが欲しがり、ずっと探していた髪飾りだったのだ。ギルド長から、フリーダの髪飾りを作るよう依頼されたマインは、フリーダに会いに行くことに。フリーダは、可憐で可愛らしい少女だったのだが……。

第十章『二度目の冬に向けて』
すっかりフリーダに気に入られたマイン。フリーダの話から、マインは身食いという病気だったことが分かる。治すためには、多額のお金がかかるらしい。そのことに気づいていたベンノは、商品についてのマインの情報を買ってくれる。さらに髪飾りの注文を受け、新しい商品のアイデアも次々と考えていくマイン。だが、そんな最中にも身食いの熱はマインを蝕んでいき……。

第十一章『究極の選択と家族会議』
気がつくと、マインはフリーダの家にいた。フリーダの持っていた壊れかけの魔術具のおかげで、マインは命を取りとめたのだ。だがフリーダは、これで身食いを治せたわけではないと言う。この先、魔術具を持つ貴族と契約して貴族に飼い殺されて生きるか、このまま家族の元で朽ち果てるか、二つに一つを選ばなければならない。マインに残された時間は、あと一年。しかし、マインは家族に本当のことをなかなか話せずにいた。

第十二章『洗礼式と神の楽園』
それぞれの進む道が決まったマインとルッツ。そして、二人の洗礼式の日がやってきた。初めて神殿に入ったマインは、神殿長が読む聖典に目を奪われる。その洗礼式の最中、ひょんなことからマインは神殿の中で迷子になり、偶然、図書室を見つける。転生してからはじめて目にする図書室に感激するマイン。しかし、中に入ろうとしても入れない。図書室には神殿関係者しか入れないのだ。その話を聞いたマインは……。

第十三章『巫女見習いという選択肢』
神殿の巫女見習いになりたいと言うマインに、激怒するギュンター。神官や巫女見習いは孤児がなるもの。しかも神殿に住み込みで、きつい仕事をしなければならないらしい。マインは、巫女見習いになるのを諦めることにする。そして再び神殿へやって来たマインは、神殿長と神官長のフェルディナンドに、巫女見習いの話を断ろうとするが……。そこで思わぬことが起こってしまう。

第十四章『決着』
神殿に呼び出されるマインと両親。交渉次第では、貴族に近い扱いの青色巫女見習いになれるかもしれないと聞き、ギュンターはマインを守る覚悟を決める。そして、交渉の日。神殿長は、マインの両親の貧しい身なりを見たとたん、これまでの温和な態度を一変。両親の言葉には聞く耳をもたず、マインを差し出すよう命じる。断固として断るギュンター。そんなギュンターに神殿長が牙を剥く!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

78.5 3 図書館アニメランキング3位
本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (358)
1530人が棚に入れました
本のためなら巫女になる!「三度の飯より本が好き」な女子大生・本須麗乃が兵士の娘・マインとして転生した世界には、本がなかった。平民は識字率が低く、羊皮紙で作る本は高価でお貴族様のもの。そこでマインは決意する。「本がなければ作ればいい!」試行錯誤の末、商人のベンノと出会い、商人見習いになるために植物の紙を完成させるが、マインの体は「身食いの熱」に蝕まれていた。貴族が魔力を持つこの世界で、時に魔力を宿して生まれる平民がいる。それが「身食い」。増え続ける魔力を吸い取る魔術具がなければ、生き長らえることはできない。そんな時、洗礼式で神殿の図書室を発見したマインは、巫女見習いになりたいと神殿長に直談判する。すったもんだの末、マインは魔力を奉納する青色巫女見習となることが決まった。しかし、本来、貴族に与えられる「青の衣」を平民上がりのマインが纏うことを快く思っていない者も多く、マインの行く手は前途多難。問題児ばかりの側仕え、神殿の階級社会……。麗乃時代とも下町時代とも異なる神殿の常識がマインの前に立ちはだかる。果たして、マインが心ゆくまで読書できる日は来るのか!? そして、マインは本を作ることができるのか!?

声優・キャラクター
井口裕香、速水奨、田村睦心、子安武人、中島愛、小山剛志、折笠富美子、日野聡、前野智昭、内田彩、中博史、三瓶由布子、狩野翔、都丸ちよ、鈴木みのり、安野希世乃
ネタバレ

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

オッス、私、マイン いつか巫女になっぞ!(ホントはプリキュアになってビッキーに追いつきたい)☞願いは叶ったッ...!

前のあらすじ

転生前は大学生の本須 麗乃
彼女は本の雪崩に巻き込まれてしまい
気が付いたら兵士の娘マインに転生していた

本が読みたい一心で
まずはシャンプーを作り、パンケーキを作り、環境を開拓
そんな中、親父さんの同僚であるオットーが渡した石板を見つけ、字を書けることに幸せを覚えた

しかし本は貴族が読むものだから手は出せなかった。それでも諦めきれないマインはルッツと共に紙を制作していく中(彼には転生をバラした)、巫女見習いになれば本を読めるのではないかと最終的な考えが浮かび、家族に相談

そして交渉の席
神殿長が親を極刑にしようとしたのを必死で守ろうとしたので、体の中を蝕む身喰いが強引に吐き出され、怒りに身を任せ、神殿長を始末しかけたが、神官長によって説得され、無事に交渉を終えることができた

こっから(自分の意志を貫くから神なぞいらぬの)マインに待ち受ける運命は...

因みに、マインが神殿での交渉を終えた後、神官長は部下2人を下町に送り出し...

15話 神殿でも環境開拓
{netabare}やっと巫女見習いになれたのに
ったく、(1回殺しかけた)神殿長め、余計な使いを渡しやがって...
それとあの神に感謝ポーズもめんどくせーし...{/netabare}

16話 人を使役したくないマイン
フラン(筆頭側仕え)=神谷幸広(アイマスsideM)
ギル(見習い)=のぞみ、サーシャ、加賀見かずや
デリア(見習い)=椎名法子(デレマス)
{netabare}さてこの3人、どうしよ...特にデリアはあの神殿長の差し金ではあるが、無下にはできねえし...

しかし、やっと図書室で本を拝むことが出来たマイン
いつ以来だろ...ああ...インクの匂いがなつい...www
しかも昼食の時間そっちのけで読んでいたので...
「...邪魔しないで...」
ま ー た シ ェ ム ハ か...
(心臓握り潰される...)がよぎったため退室
「ふう、静かになった^^」

ああそれと、青の巫女服着てうろつかないで...基本馬車だから...
それと言葉遣いを改めてくれないかな、交渉の席だし
これによって商会と神殿の取り分は1割と決まった
しかしギルはいけすかない表情で...「腹減った...」{/netabare}

17話
{netabare}今日は神殿にルッツを連れてきた
そこで「あーあ出会っちまった」嘗てのピンクキュア(のぞみ)とビョーゲンズが...
ダルさん「キュアグレースじゃねーのかよ...」

おいちょマインを突き飛ばすな...!
怒ったルッツ、おい諫めろや!{/netabare}

18話
{netabare}自らの言動が誤っていたことを反省して、3人との関係を直したマイン
しかし、次の問題が転がり込む...
何だこの荒れた孤児院...背屈ばって服掴んでくるし...
これもショッキングだったため、まーたダウン...(豚の惨殺と同じく){/netabare}

19話
{netabare}気になって本が読めないから、孤児院を助けるマイン。そんだけ
まずは身なりを整えな、そして食え
孤児院の子供達によって、紙作りが捗り始めた^^
いやあ、部屋が綺麗だと、心も綺麗になる
安心と信頼の感謝ポーズwww

料理もそうだし、遊び道具のカルタも作り始めたようだ
しかし、果実をぶつけ合う祭りの件でちょっとしたトラブル(あの植物・トロンベが身喰いの魔力で生成)があったことが神官長にバレてしまったため、反省房に...
ま た ダ ウ ン{/netabare}

20話
{netabare}ルッツが家出した...マインが熱出して寝ている時なのに...
仕事が捗らないし、彼女は計算機じゃないぞ神官長www
まーた交渉か、しかもマインは口出しできないから、魔術具を握って心から話せ、彼にしか聞こえないから
どうやら、親父さんは話すことが苦手な様子だった
そして交渉後、マインは神官長、フェルディナントの名を知ることに{/netabare}

21話 キュアベーコンよ見ているか...
{netabare}母さんに新たな命が宿った...
そこで絵本を作ることに
まずは許可を得ないと、マインは絵が駄目だから...
他の側使いを雇わねば、けど子供の世話があるからNG
どうすりゃええねん、ってことで神官長に相談することに
そうか、音楽も学ばないといけないのか
急に歌うよ~(^^♪☞神官長が

彼女も上手に弾けるようになりなさいってことで...終わらせる訳にはいかん!だって本が読めなくなるもん!➡手伝いを減らすことで承認

早速新たな側使いを雇って楽器の練習をするのだが...
どうやら他の仕事は手をつけていない模様...確かに手を痛めるけれど
これじゃあギルも怒るわってことで話し合いすることに

この後、マインも急に歌いました{/netabare}

22話 やっとたどり着いた
{netabare}まずは三匹の子豚の文章を読み聞かせしたのだが、子供達や側使いは動物を知らない模様、さてどうしようか
いっそのこと子供用の教典を作るか!
でもその本を量産するならばコピー機は無いし、版画で行くしかない...
でも刷るためのインクが要るな...でも原価はちゃんと計算しないとwww
しかもインクは1種類しかない、代替品を探さねば
まずはススか(1期を思い出す)
でも文字が見にくいので、他の手を探すことに

そうか、普通の版画ではなく、紙を使った版画なら、綺麗に仕上がりそうだ
教典のチェックを神官長に見せに行ったとき、隠し部屋にて言われた。料理の女将さんも言ってたことが
「君は何処から来たんだ?」
ホントのこと(元は大学生)を言うわけにはいかない...

だが、やっと完成した1冊...
2年は長かった...
これを大量生産せねば...{/netabare}

23話 ここにユグドラシルあれば操れるのに...
{netabare}上司にあたる神官に挨拶をして今日も図書室で本を読もうとしたマイン
だったが...荒らされていた...
「ゆ”る”さ”ん”!!(誠に遺憾である)」(身喰いは吐き出されなかったので安心したが舌打ちはwww)
井口さん、演技してくださいwwwww

どうやら神殿長の息がかかった神官がやったみたいだとマインは独自に推理するんだが、まず新官長に報告することに
そして散らかった書物を十進分類法で分けることに
だが、この方法に疑問を感じていく神官長であった{/netabare}

24話 急にやってくるファンタジー
{netabare}そりゃあ小鳥が窓ガラスを突っ切って入って来ればそうなるわなwww元はカタギなんだもん
どうやら遠くの森であの木の化け物(トロンベ)が大きく成長したのでそれを討伐しに行く模様、あの化け物はマインが1期の時、森の中で見かけたんだよなあ
私しゃ祝福担当ですかい...{/netabare}

25話 身喰いの魔力の強さがここで分かる
{netabare}さーて狩りの始まりや
どうやら弓矢や剣で斬りつけたり射貫いたりして枯らしていく模様
と思いきや、無能な部下がマインを馬鹿にしたことで...

立場を弁えているマインはキレることはなかったけども、神官長に助けを求めて振り上げた手がナイフを掠めたことで切った血のせいであの化け物が...ここにビッキーおったら一目散に来るんに...
あの巻きつき方を見ると、未来の意識がシェムハに飲み込まれるのを思い出す...「響ぃ...!」
脱出の際体力を消耗してしまったが、薬を飲んだことで回復できた(これ苦いけどエリクシールか?それとも液体にした仙豆?)
さーて、この落とし前をどうつけようか...?{/netabare}

26話 そして儀式を行って一先ず終わる
{netabare}見せてやれマイン、貴女の魔力を...
トロンベによって傷ついた大地、そこに魔力を与えて元に戻すのだが
先に部下がやったんだけど、途中で魔力が切れてしまう
よしやってくれマイン

や っ ぱ す げ え

大地を直し、数日後
また隠し部屋へ、そこで1話の冒頭に繋がっていく...
しかし、マインは意識の中だろうと母さんに謝らないといけなかった...でももう戻れない...
その心は神官長の中に...
貴女の心を覗くのはもうこりごりだ...この装具は返却~

そんな中、魔力が高いマインは利用価値が高いってことで他の所で利用されやすい、だから養女にして後ろ盾を得るべきだという方針が...
兎に角、一先ず終わりを告げる下剋上だった{/netabare}

そんな中3期キタ!
となれば声優事務所の壁も高いからプリキュアの道は険しくなる...?

いや、そんな事は無かったッ...!
らんよ、過去世界だがもし貴女がすこやか町に来てたらどうなってた...?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

今期は下克上要素増えた感じ

神殿長には相変わらず嫌われるが、神官長の庇護を得て本作りに邁進する。

嫌がらせしたり、問題を抱えていたりする付き人、護衛どころか見下して傷つける兵。
見事に解決していく。
{netabare}神官長から見捨てられたと勘違いし、マインへの態度が良くないフランをまずは納得させ、ギルに仕事をすれば、食事を保証することを約束して仲良くなり、神殿長の愛人として生きる予定でそのために嫌がらせを続けるデリアが神殿長に見捨てられても、自分は見捨てないと名言して、和解にまでこぎつけた。さらに、孤児院の環境を整備。周囲の信頼を得て強くなっている。楽器も覚えて貴族らしくもなってきている。{/netabare}

さらには、過去の記憶を共有するイベント。どうなるんでしょう。

ルッツも新しい道を歩こうしている。彼の存在も物語に欠かせない。

従ってくれない側仕えを味方にして、シキコーザを見返す件とか見ていて爽快だったし、マインをどんどん応援したくなった。
3期が楽しみ。


OP
つむじかぜ 諸星すみれ
ED
エフェメラをあつめて 鈴木みのり
OPも映像と楽曲がよき。踊っている映像とか草原を走り回っている映像が好き。
EDがやなぎなぎぽい雰囲気を醸し出していると思ったら作詞で関わっていらっしゃった。ゆったりとした良曲。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
第十五章 『神殿の巫女見習い』
いよいよ神殿の巫女見習いになることになったマイン。神殿に入るまでの間、これまでのことをベンノに報告したり、カトルカールの試食会をしたりと、慌ただしく過ごす。そして、マインが神殿へ行く日がやって来た。フェルディナンドによって誓いの儀式が行われ、青色巫女見習いとして認められるマイン。そして、これからマインの身辺の世話をするという側仕えたちを紹介されるのだが……。

第十六章 『青い衣と異なる常識』
神殿での生活が始まった。新しい仕事を覚えていくマインだが、側仕えたちはマインに反抗的な態度を取る。中でもフェルディナンドの側仕えだったフランは、貴族らしさの欠片もないマインに仕えることに不満を持っていた。一方、マインも側仕えが信用できず、ちっとも神殿に馴染もうとしない。そんな中、寄付金を納めることになったマインはベンノを伴い神官長の元へと赴くことになった。

第十七章 『与えるべきもの』
フランの信頼を勝ち取ったマイン。しかし、ギルとデリアはまだマインを主と認めない。「与えるべきもの」を与えていないからだ。神殿では主が側仕えの衣食住を保証するのだ。マインは、麗乃時代とも下町とも異なる神殿での常識に戸惑いながらもギルに食事を与えるためにはどうすれば良いかを考える。一方、自分たちに歩み寄ろうとするマインの姿に、ギルとデリアの心も揺れて……。

第十八章『孤児院の大改革』
孤児院に案内してもらったマインは、飢えた幼い子供たちを見てショックで倒れてしまう。なんとか子供たちを救えないかとフェルディナンドに相談するが、孤児たちに対して責任を負えるのかと問われ、答えることが出来ない。しかし、飢えた子供たちの姿が頭から離れないマイン。大好きな読書も手につかなくなってしまう。そんな中、ルッツの一言からマインは孤児を救う方法があるかもしれない、と希望を見出す。

第十九章『大掃除と星祭り』
孤児院長に就任したマインは、手始めに孤児院の大掃除をすることに。さらに採集の仕方やスープ作りを教え、孤児院の環境を改善する。働けば報われることを知った子供たちは、率先してマインのために動くようになり、マインは子供たちから慕われる。そして季節は夏になり、子供たちにも星祭りを体験させたいと思うマイン。フェルディナンドの許可を得て、孤児院の庭でタウの実をぶつけ合うが、そこで不思議なことが起きる。

第二十章『ルッツの行く道』
ルッツが家出してしまった。ルッツが商人になることに反対していた父のディードと言い争いになり、飛び出してしまったらしい。一方、ベンノはルッツを養子にすると言い出し、ルッツの家族と険悪になる。どうすればいいのかと悩むマイン。フェルディナンドは双方の話を聞くようにと助言する。親身になってくれるフェルディナンドが意外なマイン。こうして、神殿でルッツの家族会議が行われることになる。

第二十一章 新しい側仕え
エーファに赤ちゃんが生まれることを知ったマインは、子供用の絵本を作ろうと決意する。絵本作りのため、絵が上手いヴィルマを側仕えにしてほしいと懇願するマイン。さらに、音楽の得意なロジーナも側仕えに加わり、マインは新たに二人の側仕えを迎えることになった。だが、ヴィルマは何か事情がある様子で、孤児院から出たがらない。一方ロジーナは、マインにフェシュピールという楽器を教えくれることになったのだが……。

第二十二章 ヴィルマと子供用聖典
本格的な絵本作りが始まった。マインはルッツやトゥーリ、孤児院の子供たちに協力して貰いながらインクを手作りし、試行錯誤をくり返して作業を進めていく。これまでの道のりを振り返り、ここまで来られたのはみんなのおかげだと胸がいっぱいになるマイン。一方、みんなが本作りを頑張っている姿を見て、頑なに孤児院の外に出たがらなかったヴィルマの心にある変化が起きていた……。

第二十三章 収穫祭のお留守番
秋になり、青色神官たちが収穫祭へと出発する中、マインは図書室へ行くことにする。久しぶりに本が読めると、うきうきするマイン。だが図書室の扉を開けたとたん、マインは茫然とする。図書室の中が荒らされ、本や資料が撒き散らされていたのだ。こうなったら十進分類法を使い、好きなように片づけようと奮起するマイン。一方、フェルディナンドはこの世界にはない不思議な知識を持つマインに疑念を抱くのだった。

第二十四章 騎士団からの要請
フェルディナンドから、冬の間、神殿に籠るようにと言われたマイン。家族に反対されるものの、神殿に残ることを決意する。マインには孤児院長としての、そして青色巫女見習いとしての責任感が芽生えていたのだ。そして、冬が近づいてきたある日のこと。騎士団から要請がきて、マインは儀式を行なうことになる。衣裳を着替え、貴族街へと連れて来られたマイン。そこには、鎧に身を固めた騎士たちが整列していた。

第二十五章『トロンベ討伐』
騎士団からの要請で、出動することになったマイン。フェルディナンドの騎獣に同乗し、空を駆ける。行き先は、森の奥。そこで、巨大化したトロンベが暴れているのだ。枝を振り回すトロンベを見て、驚くマイン。騎士たちは黒く変化させた武器で戦い、トロンベは弱っていく。だがその時、マインの護衛を任されていたシキコーザが、マインを平民だと見下し、威嚇したことで、とんでもない事件が起こってしまう。

第二十六章『夢の世界』
トロンベの討伐が終わると、マインは熱を出して寝込んでしまう。そして、ようやく回復したマインが久しぶりに神殿へ行くと、フェルディナンドの部屋に呼ばれた。フェルディナンドは、魔力がけた違いに多く、不思議な知識を持つマインの正体を見極めようとしていたのだ。フェルディナンドの薬を飲み、魔術具をつけたマインは眠くなり、気を失う。そこでマインが見たものとは--。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

この世界で生きていく、静かな覚悟。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
「なろう」「異世界転生」という要素が、もしも視聴を妨げているのなら、本作に関してはその先入観を捨ててほしい。

異世界に転生した主人公が、本作りに奮闘し、自身の生き方や周囲の人の考え方をゆっくりと変えていく物語。

これは、「1期を観ていないとダメなタイプ」の2期だと思います。興味を持たれた方は、1期からの視聴をオススメします♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
世界が上か、キャラが上か。

多くの異世界転生の場合、キャラは世界の上に立つ。その世界に生きてる人、文化、常識、積み上げてきた歴史は、現代日本に暮らす我々からすれば、時代遅れでクダラナイないものであり、主人公の活躍の為にあっさりと破壊され、踏みにじられる。

ところが本作の転生者マインは、「この世界の理の中で、地に足下ろして生きていく覚悟」をしている。

世界を救うとか、国を作るとか、そんなことは考えない。マインが考えているのはいつも、身近な人の幸せと、自分の幸せ。変えるのは世界ではなく、半径五メートルくらいの人の考え方と、自分の考え方や身の振り方。それが、「この世界で生きていく覚悟」

数多の異世界転生者に聞きたい。「君は転生前に、自分で世界を救いたいなんて思ったことが、1度でもあったかい?」

力を得たら、容姿や環境が変われば、人は変わるの? そんな単純なもんではないだろう。いくら、仕事がもの凄く順調で、美味しいものを食べて紹介するだけで大きな収入が得られて、めちゃくちゃ美人な奥さんや可愛い子供が出来ても、ゲスな奴はやっぱりゲスだ。「人から羨ましがられる境遇」になっても、いきなり聖人君子になるわけじゃない。

マインは、とても真っ当に生きている。自分の利益(本を作ること)には貪欲で、でも、周囲の人の迷惑や幸せもちゃんと考えていて。怒るときは怒り、落ち込む時は落ち込み、笑うときは笑う。人としてすごく当たり前のことだが、「当たり前ではない状況下(転生先)で当たり前が出来ることは、当たり前じゃない」のかもしれない。

本作に関しては、1期1話からずっとこのような姿勢は貫かれているが、特に感心したのは、2期最終話。マインが、転生元の世界を記憶の底に押し込み後悔の中に生きてきたことや、神官長がマインを疑い、国のために尋問したり利用価値を説いたりするシーン。

実にリアル。思えば、ギュンター(家族の幸せ)、ルッツ(将来の夢)、ベンノ(経済的利益)など、この世界の人物は、自分の幸せに貪欲で、一生懸命だ。そこに、イマイチ正体を掴めなかったフェルディナンドに、「国家の繁栄」という明確な目的が示されたのは意外で、でも、ようやくフェルディナンドが人間らしく感じた(まあ、本当の目的は別にあるかもだけど)。マインも、転生者らしい苦しみを抱え、なんとか消化し、でも消化できなくて、それでも少しだけ、前に進めた。

最終話、(転生前の)お母さんへの謝罪を、(転生先の)母さんに言い、感謝を伝える。素晴らしいシーンだった。

この作品のキャラクターは、実に「生きて」いる。人間臭い。そこが、高評価の理由です。

3期あったら、確実に観ます。よろしくです!
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
門番には、門番の役割。八男、よりもちゃんと貴族と渡り合ってるよな。貴族からは疎まれ、孤児からは嫉妬される。

2話目 ☆4
望む望まないではなく、青色巫女らしくなれる努力。商人も、神殿には頭が上がらない。「フランが なかまに くわわった!」w

3話目 ☆4
着替え、上手いな。働けば対価がある。当たり前のことだけど、この世界では、特に孤児にはあり得ないこと。ギルも、あくまで孤児。少し安易だけど、愛情と報酬で動く。まあ、マインは金あるからな(笑) 神官には、下町の常識を教える。これ、ルッツとギルで、将来マインを取り合うな(笑) 「チームマイン」が充実してきた(笑) 仕事しないと飯もない。テリアの仕事だって、ロリコンばかり相手のしてきたのかな。仕事は、信じて、任せて、誉めて、覚えさせないとね。

4話目 ☆4
衝撃ではあるよな。そりゃ、孤児院には戻りたくないよな。三者三様の考え方。常識が違う。孤児院の委員長。責任も持てない、お金も出せない。他の異世界転生に教えてやりたい。マインなら、孤児に仕事させそうだけどな。ルッツ~って、もう完全に恋人だな(笑) これに関しては、究極に安い人件費だしな。ベットで!って、流石アダルトマイン(笑) 心置き無く読書をするため(笑) これ、八男の人だったら、10秒で孤児院救うな(笑)

5話目 ☆4
ギル、孤児院の運営が仕事になるな。神の恵みではなく、報酬。平等ではない。そうやって、仕事を覚えさせる。やや旧体制的だが、この時代のこの世界の背景からすれば、正しいやり方だよな。聖女、マイン(笑) 教育がご褒美。カルタも売れる。まあ、神殿長が黙ってないよな。でも、この功績を、名誉だけは全部神殿長に流せばなんとかなるかな?

6話目 ☆4
この時代、というか世界では、親の反対する仕事に就くことはなかなかない、というか悪なんだろうな。第一次産業の方が上に考えられるのは、昔のヨーロッパとかと同じだよな。理由を言わない、言葉が足りない父親の問題があるんだよな、それをいちいち言わせる神官長が良いね。これ、ルッツやベンロは悪くないだろ(笑)

7話目 ☆4


8話目 ☆4


9話目 ☆5
知識は通用せず、教養や常識、理念は通用する。版画もなかなかうまくいかない。やりがいや生きがいを見つけていく。色んな人の力を借りて、完成させていく。2年。ここでの回想は、ズルいな(笑)

10話目 ☆4
ぶちキレマイン(笑) ブラッディーフェスティバル(笑) 日本十進分類法、大学の時に覚えたな(笑) テンション高すぎて失言? マイン、絵本完成でテンション高い(笑)

11話目 ☆4
ここまできて、まだ親の許可を必要とするのが良いね。いつもの優しいフランに(笑) いちいち驚くマインが良いね。これまでのアニメで「普通」と流されてきたことに、しっかり光を当てている感じ。

12話目 ☆3
信賞必罰。身分差には身分差を。

13話目 ☆5
神官長、格好良かった。厳しいところは、厳しく。マインも、押し引きが上手い。神官長フラグ(笑) 囲い込みは必須、エサは本。神官長、ちゃんと報告するし、国の利益を考えている。マインを養女に。お母さんへの謝罪を、母さんに言い、感謝を伝える。素晴らしいな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30

73.1 4 図書館アニメランキング4位
聖女の魔力は万能です(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (410)
1354人が棚に入れました
ちょっと仕事中毒な20代会社員・セイは、残業を終えて帰宅した夜、突然光に包まれ異世界に「聖女」として召喚されてしまった。しかも召喚されたのは二人!?現れた王子はもう一人の女子高生にかかりきりで、セイのことは完全スルー。それならこっちも自由にやっていいでしょう?と、セイは王宮を飛び出し、元々の植物好きを活かして、薬用植物研究所で一般人として働くことになった。所長のヨハン、教育係のジュードに支えられ、ポーション作りや魔力の使い方を学んでいくセイ。だが、作ったものはすべて効能が5割増しで、思いがけず「聖女」としての能力を発揮することになる。そんなとき、セイのポーションが瀕死状態だった騎士団長・アルベルトの命を救い、次第に、セイこそが本物の「聖女」ではないかという噂が囁かれはじめるのだった……!?

声優・キャラクター
石川由依、櫻井孝宏、江口拓也、小林裕介、八代拓、市ノ瀬加那、福山潤、上田麗奈、梅原裕一郎
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

6回目くらい。異常な出来の異世界もの。画面・表情が最高です。

22年11月 再評価 異常な出来の異世界もの。他と比べてどうしてここまで力が入っているのか?

 レビューを初めて1年半。昔からアニメ好きでしたが、この1年半でかなりの本数のアニメを見ました。
 この作品の脚本は素晴らしいと思いますが、作画、表情、背景、構図、演出等の画面作りの良さは異常です。なんで、ここまで美しいアニメが出来たのか不思議でしょうがないです。

 本数的にはまだまだで、目が肥えたとはいいませんが、いろんな異世界ものを見たと思います。ちょっと過大評価だったかなあ、と思って本作を再視聴(正確には再々々々々視聴くらい)しました。

 うーん、かえって過小評価だった気がします。1話でセイが髪をかき上げて耳を出す作画があるのですがそれだけでゾクゾクするくらいでした。顔のパーツのクローズアップが上手い。画面の切り取り方が上手い。気持ちを伝えようという意図が素晴らしいです。うーん、なんで他の作品もこれくらい出来ないのでしょうか?というかこの作品だけ異常だと思います。

 最後の3話が駆け足で評価を落としていましたが、良く見直すとちゃんとセイが聖女の術と向き合って、使えるようになるプロセスが、緊迫感と癒される両方からよく描かれていました。

◎アニメ作りとしていいところ。
作画に乱れがないのは当然。
表情・仕草に感情がよく表現されいている。
人物の構図がよくどこで何をしているか臨場感がある。
引き画とクローズアップを上手く使った演出で、人物の内面を見せている。
服装が美しくTPOをわきまえてきちんとデザインされている。
貴族が貴族っぽい言動をしつつも堅苦しくないいい具合の設定。
BGMがオーケストラっぽくて華やか。コミカルさも出ている。
セイの発声が感情が出ていて、聞きやすく素晴らしい。


◎ストーリーとしていいところ。
聖女設定とセイの一般人の性格のギャップがコミカルに描けている。
設定に設定を重ねるような感じではなく、ポーション(料理・化粧品)と回復魔法、聖女の力に集約しているので、シラケない。
ストーリーが職業物と恋愛ものとして、ちゃんと脈略ある展開をしている。
スキルウィンドウがない。
アイラちゃんを置いて話の展開に面白みが出た。
セイもアイラちゃんも異世界転生した人間の反応として自然。

等々挙げるとキリがないです。とにかくストーリーが面白いのは大前提ですが、しかし、アニメの出来の良さがすごい。「無職転生」もすごかったですが、本作は超高予算が付くような感じでもないし。画面作りという点で一般的な量産型のアニメとしては、本作の見やすさ、伝えたい事を伝える力、美しさはちょっと類例が見ないと思います。

 メジャーな他の異世界モノ作品を差し置いてなぜここまでの出来なのか理解できません。それくらい凄い作品だったと思います。

 一応、評価点はつけますが、主観評価は95点/100点くらい、心情的には120点です。




以下 初見の総評レビューです。

 俺TUEEEの振りをした、シンデレラストーリー 美しい作画と構図の良さが驚異的です。

 最後まで視聴しました。このアニメがきっかけで、非常に面白い原作小説と、その小説を美しい絵でコミカライズしたマンガを知ることができて、良かったです。
 が、アニメについては、どうでしょう。結末の付け方や最後3話くらいの駆け足感などで、少し作品としての出来に疑問符が残りました。
 この終わり方だと、普通の異世界転生ものとして、埋もれて行く数々の作品の一つになってしまいそうですね。残念ですが。

 とはいえ、1クール通じて十分楽しめました。面白かったです。以降は小説・マンガで続きを楽しみます。


以下、視聴中のレビューです。

{netabare}2話までみて、小説版、マンガ版を全巻購入。追加8話みました。

 この話「なろう」ということで、異世界転生、俺TUEEEテンプレになっていますが、実態は、平凡な女子が、急に美しさと力を手に入れたことで、別世界(貴族世界)の中心人物になる、というシンデレラストーリーです。

 そういう話を楽しめるなら、かなり良質の作品かと思います。大変楽しく見ています。

 ですが、マーケティング的に考えるとパッケージ(題名)と中身が違っていた感がかなりあるかもしれません。その意味で、試しに見た人の期待を裏切る確率が高いのでしょう。
 強敵に対して無双するとか、悪意のある貴族と対峙して叩きのめす、もあるにはあるのですが、それは味付けみたいなものです。敵と戦い打ち勝つ、魔王に挑むために旅立つ、そして…みたいなカタルシスを期待すると、評価は低くなるかもしれません。

 初めから、異世界とか聖女というのはギミックで、本当は恋愛エッセンス強め、一人の女性を取り巻く人間模様の話だと思えば、非常に面白いと思います。


5話までみて追加

 セイの作画はやっぱり素晴らしい。ちゃんと美人です。ですが、今回くらいは衣装はなんとかならないのかなあ、と思います。もうちょっと神々しくしてあげられなかったのかと。
 
 セイの衣装に絡んで。リズにしても、他の貴族も最小限しか宝石を付けていないのは、宝石は魔法付与のための素材とかいう設定を反映しているのでしょうか。だとすれば、想像以上に緻密にこのアニメというか原作は作られているようですね。

 ステータスウインドウの概念が出てこないのはいいですね。(原作はあり)

 今回のセイを鑑定する場面で、原作にはあったステータスウインドウがアニメ版だとほぼないことが確定しました。レベルとかHPとかそういった概念の有無はまだ不明ですが、無い感じですね。これは良い改変かと思います。となると何を鑑定しようとしていたのが、よくわからないですが。
 セイが聖女かどうかを本人も確信が持てない、という状態のほうが自然ですし、なにより、転生ものでいつも不満なのがこのステータスの数値化という安易な強さのモノサシだったのでこれは良いと思います。

 第1王子が原作ではあまり関わらなかったのですが、ストーリーに説得力を持たせるために関わってくるのでしょうか。これからの展開が気になります。


7話みました。
 アイラのスピンオフ、注文しているのにまだ届かないので、ここで見られて良かったです。アイラ、滅茶苦茶可愛いんですよね。 
 普通、セイの対立軸なら嫌なキャラになるはずなのに、そこを上手い具合に第1王子が引き受けてくれてたんですね。本当は第1王子は悪者じゃないのもいいですね。

 異世界に召喚された女子高生が帰れない、と言われて「泣く」という自然な反応が新鮮でした。

 それにしても、主要女性キャラのキャラデザが本当にいいですね。萌えではなく、素直に美人だなあ、可愛いなあ、と言えます。

8話見ました。
 セイの表情を少しコミカルに表現しているが今回はよかったですね。
 また、脚本というか構成ですが、かなり省略していますが、うまくカットしているので原作を知っていてもあまり不足感は感じませんでした。やっぱり丁寧に作り込んでいる感じがします。ただ、1点、最後の沼のところ、もう5分…いや3分でもいいので、もうちょっと丁寧にしてもらえれば完璧だったんですけど。

 ちょっとアルベルトホークを殺したくなったりしますが、まあ、それは仕方ないでしょう。

11話みました。
アイラちゃん、すっかりなじんで良かったですね。是非活躍してほしいところ。
それにしてもアルベルトホークは殺す。 {/netabare}


追記です。再視聴しました。初見の時は面白さは過大評価していたかもしれませんが、再視聴してアニメの出来の良さは逆に過小評価していた気がします。あらためて驚きました。

{netabare}  この半年で、かなりの本数のアニメを見ましたが、最近のアニメの中で、本作の人物の作画の美しさは驚異的です。キャラデザはもちろんですが、線の一本一本まで美しいです。衣装も良く考えられてデザインもおろそかにしていません。動きも表情も自然です。

 なにより人物の配置がいい…というか構図がいいんですよね。どういう部屋のどういう場所にいて、どこに誰がいてどいう位置関係でいるか、とか非常に見やすいです。で、構図がいいから人物がちゃんと演技しています。そこが素晴らしいです。
 どういう理由でこんなレベルの高いアニメが生まれたのかが気になります。
(追記 手がちゃんと演技しているのと、姿勢にも注目してください)

  私はセイのキャラが異常に気に入ったのであまり客観的な見方はできませんが、それでも異世界ものとしてのストーリー性、テーマ性は弱いと思います。
 が、頑張る女性のシンデレラストーリーとしてはかなり面白いです。魔法が出てきますし、ヒロインのアイデンティティでもありますが、設定に振り回されずヒロインの特徴としてストーリー上で機能しています。
 また、ヒロインの年齢が高めで、かつ年齢にあった性格をしているのが良かったのでしょうか。

 登場人物のキャラ造形が自然で、ヒューマンドラマが成り立っているのも良いのかもしれません。
 音楽が抑え気味でセリフがゆったりしているのもいいです(ただ、エリアヒールを始めてかけた時の声はもうちょっと抑えた演技の方が良かったですね)。

 やっぱりおしいのは最後3話ですね。駆け足で尻切れですね。2クールでやってくれれば…
{/netabare}


 アマゾンから単行本8巻が届いたら、なんと帯に2期の決定が。この先はキャラ萌えというか、パーティーとかラブラブ要素とか、これから8巻読みますけど、温泉とかでしょうか。もちろんいいんですけど、ストーリー的にはせっかくアイラちゃんのキャラが立ってきたので、アイラちゃんの成長が見たいかなあ。とまあ、うれしいので追記しました。


 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ナチュラルOLの『騎士団長ごろし』

けっこう痛い作品の多いなろう系ですが、
その中でもとりわけ視聴者に激痛を与えるテイストというのは、
  いい国作ろうキャバクラアニメ
みたいなハーレムものではないかと個人的に思っております。

モテ要素どころか人間的な魅力を全く感じられない男が美少女たちからもてもて、
という超自然的な現象は、
アニメかキャバクラ以外ではめったに観測されることがありません。

もちろんキャパ嬢の方々は男に「オレ、もてもてじゃん」
と誤解させてお金をしぼりとる『お仕事』をしているわけです。
ですがそうしたアニメキャラの女の子たちもまた、視聴者に
  ボクの前にもこんな天使みたいな子が現れてくれるかも
と誤解させて円盤等でお金をしぼりとる『お仕事』をしているわけで。

              現れませんて。たぶん、一生。

ただし、いわゆる逆ハ-レムもの、
ヒロインを男たちが取り巻くお話は、その限りではありません。
登場する男がどいつもこいつもホストみたいなのはいただけませんが、
ヒロインにはしっかりと人間的な魅力が備わっています。

これは「世の中、たいていは女の方が男より『オトナ』である」
という不変の定理をよく表しているのではないかと。

  a.いまの自分を肯定したままもてもてになりたい。
  b.もてもてになりたかったらいまの自分を変えなきゃダメよ。

のどちらがオトナの考えることなのか、という話であります。


さて、本作『聖女の魔力は万能です』は、
厳密に考えると、逆ハ-レムものに属する作品ではありません。
OLさんがイケメンに囲まれてスローライフを満喫する異世界召喚物です。
  ……こう書くと、やっぱ広義の逆ハ-レムものかな。

{netabare}
聖女召喚の儀でいきなり中世風の異世界に呼ばれてしまったヒロイン(セイ)は、
同時に召喚されたもう一人の少女(アイラ)が聖女ということになったため、
することがなく、薬用植物研究所というところで働き始めます。

はじめは魔法の使い方すら知らなかったセイですが、
少しずつ能力が開花し始め、
やがては身体の欠損部位まで再生するほどの奇跡を起こせるようになります。

そこで、たぶんこっちが本当の聖女さまじゃね? みたいな話になって、
研究所の研究員という立場のまま、
騎士団の魔物討伐に帯同するようになっていきます。

実際に、アイラではなくセイの方が本物の聖女さまだったわけで、
やがて聖女の術(広域浄化魔法)の使い方を会得し、
王国を救って、最後は騎士団長と甘々ハッピーエンドとなります。
{/netabare}

とにかく、出てくる男キャラが軒並みイケメンで、
一つ間違うと『逆ハレユカイ』みたいになってしまうところですが、
そこは何とか踏みとどまっています。

{netabare}
というのも、セイのことを恋愛対象の女性として見ているのは、
  騎士団長一人だけ
なので、無節操にもてもて、というわけではないからです。
あくまでも周りがイケメンばかりという、
いわば『環境ハ-レム』状態であるに過ぎません。

これ、現実的に考えると、かなりの理想郷です。

仕事の関係者が目の保養になるような美形ばかりというのは、
確かに楽しいことなのですが、
その中の複数あるいは全部から言い寄られるような事態になると、
めっちゃ仕事や生活に支障が出てしまいます。

まわりは美形ばっかり。だけどグイグイくるのは本命だけ。
お仕事と私生活を楽しく両立できる、まさにアヴァロンであります。

ちなみに、騎士団長以外がグイグイこないのは、
セイに魅力がないのではなく、
それぞれが余裕のあるオトナの男だからではないかと。
(女性目線だと、この辺もポイント高いのでは)

セイの飾らない性格は、男女を問わず好感度高いのではと思います。
誰に媚びることもなくナチュラルで、
適度にダレたり黒くなったりする部分もあり、 
かなり気軽に、友だちとしても楽しく付き合えるタイプの女の子です。
おまけに仕事ぶりが真面目なので、
           部下に欲しいわ。マジで。

イケメン騎士団長が惹かれていくのも納得。
というか、あまりもてない男に激しい誤解を与えそうな、
やや天然の『男殺し』みたいな感じであります。

{/netabare}

さて、設定だけ見ると腐ってんじゃね-かと疑われそうな本作ですが、
なかなかどうして、しっかりした作りであり、
物語にリアリティを持たせるための仕掛けがあちこちに見られます。

{netabare}
最初に「おっ」と思わされたのは、第一話の終盤でした。
セイが、大けがをした兵士にポ-ションを飲ませようとするのですが、
意識が朦朧としていてうまく飲んでくれません。

これ、男性作家なら十中八九、口移しで飲ませます。

だけど普通に考えると救急隊員でもない一般女性が、
朦朧とはいえまだ意識のある男性に口移しをしようだなんて、
いかに緊急事態であっても考えないのではないか、と。

で、セイはどうしたかと言うと
      飲みなさいっ!
と一喝。で、飲んでくれて助かってよかったね、と。

これ、ものすごく思慮深く作られた、いい演出だったと思います。

ただ単に一般女性の心理をトレースしているだけでなく、
実はこの兵士、騎士団長だったわけで。
ここで口移しなんかしていると、
物語がありがちな安いラブコメになってしまいますから。


ちなみに、原作では自分のレベルだのHP・MPだのがわかる
ステイタスウインドウが表示されるのですが、
ゲ-ム世界に取り込まれたのではなく『異世界召喚』なのですから、
こちらはばっさりカットされています。
             よくやった、井畑監督。

また、セイはオタクでもなんでもない普通のOLさんだったので、
元いた世界の知識でチート的な大活躍、というご都合展開もありません。

薬草やハ-ブが趣味的に好きだった、ぐらいで、
それが地味に役立ったりしますが、
特になにか画期的なことにつながるというわけでもないんです。


そして、舞台が中世風なのですから電子音が存在するわけもなく、
劇伴は全て管弦楽などのアコースティックのみ。
唯一、最終話のラストでEDテーマが重なるところだけが例外です。
しかもそのED、作詞・作曲は結城アイラさんなのですが、
わざわざ別人に英語の訳詞を依頼して、
本編の会話と日本語がかぶらないように配慮されているんです。
              見習って、新海監督。


セイが20代半ばにもなってカマトトではないか、という声もありますが、
少なくとも僕は、そんな感じしなかったです。

確かに草食系ですし、リアクションにウブなところが多いですが、
そもそも女性ってマジで恋すると『乙女がえり』をしてしまう傾向があり、
一概に「あざとい」とは言えないのではないかと。

というか、隣に超絶美男美女がきたら誰だってそうなるのでは?
僕にしたって、たとえば新垣結衣さんあたりが隣にすわり、
           ちょっと手相見せてね、
とか言って手なんかとられた日にゃあ、
周りに白い目で見られるほど上ずってしまう自信があります。
{/netabare}


おすすめ度としては、人にもよるけどAランク、みたいな感じです。

ナチュラルで素敵な女性の、環境ハ-レムにおけるスローライフもの。
ラストはややこっぱずかしめ。
考えさせられる部分や学べることはおおよそ一つもなく、
平和な世界観に浸りながら、
まったりゆったり見るのに適しています。

僕はけっこう好きだったのですが、
あまり難しい理由はなく、セイのキャラ一択だったような。

イケメン嫌いの方には、絶対におすすめできません。
あと、魔物とのバトルシーンがかなりしょっぱいので、
そっちに期待している人は、逆鱗に触れるかな。

人物作画や背景はかなり丁寧にできていて、
女の子目当ての方は、
セイの豊かな表情を追いかけるだけでも一見の価値ありです。

そして、そのセイに声をあてている石川由依さん、すごくいいです。

ミカサだのヴァイオレットだの、
シリアスでかたくなな演技イメ-ジが強い石川さんですが、
こんなに自然で愛らしい三の線も演れるんだな、と。
グリッドマンの宮本侑芽さんしかり、
ダイナゼノンの若山詩音さんしかり、
劇団ひまわり系列のナチュラルお芝居、おそるべしです。

ええ、もちろんイケメンボイス好きにはたまらないキャスティングです。
個人的には、あまりにも人の好さげな、
ジュ-ド(八代拓さん)の声が一番好きです。別に萌えたりしませんが。


ちなみに、騎士団長の名前はアルベルト・ホークといいます。

あえて名前を出さなかったのは、
そっちの方がわかりやすいかなと思っただけで、
決して村上春樹さんのマネをしているのではあらないのだよ諸君。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

9話までの感想{netabare}
面白い。
面白い…のは面白いのだけど、取り立ててここがこうと言える尖った部分は無くて、教科書通りに基本を忠実になぞった手習いの様。
それって教本が面白いのであってこの作品がということでは…ないようなあるような?
ついつい「これでいいんだよこれで」と言いたくなるのだけど、他の作品に無いもの・独自性を出そうとして変に捻ってコケた作品とコレ、どっちが良いのか?と考えるとナンとも言い難い。
女性向け(そうなのか?)って共通点から、ストーリーは全然違うけど感覚的に“アルテ”が近い感じかなぁ。
まぁその…これといって書くことが、無いw
ハハハ参ったね、面白くないってことじゃないんだけどねー。

それでも敢えて言うのなら、8話のイヤボーンがお手本の様な惚れ惚れとするイヤボーンで、こんなん爆笑せずには居られない。
こんな見事なイヤボーンは久々に見たかも?と思ったら、いや最近“ストライクウィッチーズ”で見たばかりだ。
ハテ?あっちは苦笑いするしか無かったのにこっちとは何が違うんだ?と考えると…まぁやっぱ「ハイ、教科書通りに作りました」という実直さをこっちからは感じるからだろうか?
「その教科書ちょっと古くない?」と思わなくもないけど、娯楽の本質って時代でそんなに変わるモンでもないのかなー?と“スライム倒して~”で思い始めてるのもあってか、そんなに悪くない。
分かっててやってる安心感があるというか…。

で、散々教科書みたいと書いたけどそれはストーリーの方で、演出は今っぽさを取り入れてる。
ネットミーム?ネットスラング?を多用してて、直近の9話だけでも「めっちゃ早口で言ってそう」「そんなふうに考えてた時期が俺にもありました」「言わせんな恥ずかしい」等。
そのままダイレクトには使わずアレンジを加えてイヤミにならないように気を配ってる(もしダイレクトに使ったら“のうきん”みたいになってたかと)あたりに丁寧さを感じる。
ひょっとしてスタッフにベテランが居るのかな?と思ったらそうじゃなくて、監督は作監上がりの新人で、シリ構が“俺ガイル”の渡航でした。
ああ、この人の力…なのか?


と誉めてる感じになったけど、これでも序盤は結構批判的でした。
書くほどでもないってことで黙ってたけど、評価変わったので「始めのうちはこんなこと思ってたなー」を忘れないウチに残しておこう。

まず、その作品の世界観を把握する重要な1話でのケレン味が弱い。
薬用植物研究所と謳っておきながら絵からそれっぽさを感じさせる小物が無い、研究所内が殺風景。
棚を覗くシーンで辛うじて乳鉢があったけど、他にもっとこう…薬研とか蒸留器とか無いのかと。
えーっと…ちょっと前のアニメであったじゃん?エンディングが実写で「いかにも錬金術やってる研究室のテーブルの上っぽさ」を再現(ハッタリ)かましてたヤツ…。
何だったっけー?と思い出せずに数日悩んだ末、思い出した、“ノブレス”のエンディングだ。
https://youtu.be/IsM6PoELeYs
ここまでしろとは言わんけど、こんな感じのを目指した形跡も無い。
ってか前のシーンでラベンダーを登場させたせいで、精油取りの蒸留器が無いのが余計に気になって…この世界にそういうのがあるのかどうか知らんけど。
でもってポーション作りの手順がヘボくて(原作がそうなのか?)、じゃあせめて鍋にそれっぽい呪(まじな)いでも彫らせときゃいいのにそれも無い。

で2話、この世界は薬効のあるものを食事に取り入れる発想が無かったってことなんだけど…。
いや厨房の背景にニンニク吊るしてあるじゃんw薬効を期待して使ってるんじゃないの?
味付けだか香り付けなだけで「ニンニク食ったらなんか元気が出るんだよねー」みたいなことを現地人はそれまで感じたことが無かったのか?
更に後半、化粧品を作るシーンで…あるじゃねーかよコイント剣がよ…じゃなくて蒸留器あるじゃん!
頭がグラグラするというか…まぁTVアニメだしねナーロッパだしねでそこら辺のディテールはいい加減なんだろう、と、序盤は凡そ「丁寧に作られてる」とは程遠い印象でした。
薬草の薀蓄もヘンチクリンだしね、気にしない様にはしてるけどさー。

あ、それでも7話だか8話だかで研究室の壁にパン焼き窯の蓋みたいなのが据えてあって…オートクレーブ?そんなのまであるの!?わっかんねーなぁ。
次回で薬草の聖地へ到着するそうで、そこで「如何にもそれっぽい(正確である必要はない)」と思わせるモノがあることに期待するけど…どうかなー?{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

64.8 5 図書館アニメランキング5位
魔法使いの嫁 星待つひと 前篇(アニメ映画)

2016年8月13日
★★★★☆ 3.6 (128)
561人が棚に入れました
羽鳥チセ15歳。身寄りも、希望も、生きる術も、何一つ持たぬ彼女を金で買ったのは、悠久の時と寄添うヒト為らざる魔法使いだった――。彼に『弟子』として、そして『花嫁』として招き入れられた時、少女の中で停まっていた針がゆっくりと動き始めてゆく……。

声優・キャラクター
種﨑敦美、竹内良太、内山昂輝、遠藤綾

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

イギリスファンタンジーに最大限の愛を込めて~グランドPVと一緒にどうぞ!

マッグガーデンとコミックブレイドが発掘した最後で最大の財産、ヤマザキコレのコミックを原作に、コミックでは描かれていないオリジナルエピソードをOAD化、劇場で先行公開する3部作の第1話
30分の本編と関係者インタビューを中心としたメイキングをセットで上映


普通の人には視えないものが視える珍しい魔法的性質を持つ15歳の少女、チセ
孤児だった彼女はイギリスで闇のオークションに出品される
彼女を弟子に、ゆくゆくは嫁として迎え入れようと、頭が牛の頭骨の魔法使い、エリアスはチセを500万ポンドで買い取る
摩訶不思議な魔法の世界で、チセとエリアスと仲間達の異種族婚礼新生活が始まった・・・


まず本編ではチセとエリアスの馴れ初めや世界観の説明は極力省かれています
今作の世界観を把握する為には素直に原作を読んでいただくか、今作に先駆けて原作をダイジェスト的に映像化した【グランドPV(https://www.youtube.com/watch?v=CoCwUzbkfdk)】をご覧いただきたい


原作はイギリスを舞台にしているだけあって、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリーポッター』で描かれるような西洋魔術の世界を緻密な設定で描写しています
これを全て映像化するのはさぞ大変だったことでしょう
背景や小道具や呪文の一語一句に意味がありますから
この膨大な情報量を纏め上げたWit STUDIOと長沼範裕監督には感服です
グランドPVの時点で分かる通り、アホかとおもうほどのハイクオリティです


本編自体は、チセがエインズワース邸にやってくる前、日本での出来事を描くつまりは“過去篇”になっていて原作では描かれていない未知の部分になっています
まあまだ残り2話控えていて、原作コミックスの発売に並行したアニメ作りなので続きがお目見えするまで半年もあり、「待たされる感」は結構なものです;


ただ本編の中でエインズワース邸の朝食と日本でチセが養子として暮らしていた日本の朝食風景が対比的でめちゃくちゃ面白い
駄食文化圏イギリスらしい【クソ不味そうな】朝食を家族で囲んで和やかに取るエインズワース邸
メニュー自体は美味しそうなのに、肩身狭い思いをするチセの圧迫感でわびしく映ってしまう日本の食卓
この、“イギリス食を必死に美味しそうに描く”スタッフの気苦労は計り知れなかったことでしょう(笑)
実際エインズワース邸の食事はジブリ映画並みに食欲をそそりますw
でもきっと実物を目にしたらむしろ胃が痛くなるんでしょうけどw
(だってパンケーキにベーコンのせて上からシロップぶひゃーっですよ?w)


ちなみにシルキーにはほぼセリフがありませんがw上映前のマナーCMで饒舌(?)なところを披露してくれていますw
ファンサービスに徹してくれてますねw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

正に始まったばかりの前編

 劇場アニメというより、TVアニメの第一話のような印象だったです。背景画など、非常にいいと思ったです。

 どっかの魔法使いのお姉さんが呪文を唱え、妖精と共に鳥に荷物を積み込み、送り出すことから始まったです。
 OP直後、チセ出てきて、人になれる犬?ルツや、朝食の準備するシルキーと、魔法使いの先生エリアスと共にいつもの日常なという感じでしたです。
{netabare} お姉さんの送った荷物が絡み、荷物の中にあった本から、チセの過去の回想が始まるです。
どうも、全体の流れがトントン拍子な感じに見えて、森の魔法使いを名乗るお兄さんと出会ってEDとここまで約30分?と{/netabare}今回これだけ?とあっという間な感じで、劇場アニメとしては、少し驚いたです。

 対外TVアニメは、一話終わって来週というように流れるです。このアニメだと{netabare}続きが、来年の2月だったか?で{/netabare}何だ?っていう感じです。

 キャラが少し経ったと思えた場面{netabare}は、エリアスが荷物の中の本に興味を抱き、何なのかを教えてとチセにねだる場面。どこか甘えるようにも見え、チセも恥ずかしがったように見えた所ですね。このエリアスは、口を結んだままや、開けたまま喋る{/netabare}です。

 物語としては、この前編においては評価できるまでに至ってないと思えるし、だからといって悪かったわけでもないので、3.0以外になかったです。劇場CNなどで宣伝されているのに、劇場上映アニメでこれだけというのは、その他を今まで見て来た中、私には初めてだったので、腑に落ちなかったです。

 上映の後半{netabare}として30分だと思うけど、このアニメの原作の担当の人や、製作者たち、声優さんと完成秘話が語られたです。これは、特番とかアニメ番組とか、舞台挨拶、パンフレットなどで触れられるようなものだと思うので、アニメをみんな見に来ているのに好きな人は良いと思うけど、上映として{/netabare}流すのはどうか?と私は考えてしまったです。

 次回の中編や後編にまでこれやられるとアニメを見に来ているのに、上映時間の半分を費やされるとしたら非常に違和感を感じてしまうです。自分としては、最初から最後まで「魔法使いの嫁 星待つひと」のアニメを時間いっぱい流して欲しかったです。

 何だかんだ、続きも見に行く予定です。ちゃんと劇場で上映する以上、最初から最後までアニメを流して欲しい事に期待したいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

茨の魔法使いと出会う以前…チセに訪れた一片の前日譚。

たまたまボーっとNETFLIXの画面をスクロールしていた時、「魔法使いの嫁」のタイトルが目に入りました。
何気なく開いてみると、アニメ本編の他に「星待つひと(OVA)」と書かれているではありませんか。
あれ、この作品にOVAがあったんだ…と思い公式サイトをググって分かりました。

このOVAは、コミック第6巻・7巻・8巻に同梱された作品だったんです。
それで思い出しました。
アニメ本編を視聴した際にこのOVAの存在を知りましたが、特装版に手を出す勇気が無くて視聴を断念していた作品だったんです。
もう絶対視聴できないと思っていたのに、まさかこんな形で出会えるなんて…
NETFLIXに加入していた旨味を感じた瞬間でもありました。


羽鳥チセ 15歳。
身寄りも、生きる術も、希望も何一つ持たぬ彼女を金で買ったのは
ヒト為らざる魔法使い・エリアスだった。
彼に「弟子」兼「花嫁」として招き入れられたチセは戸惑いつつも、
停まっていた時を動かし始めてゆく……。

そんなゆっくりと、しかし着実に時を育む、穏やかな或る日…。
ロンドンのアンジェリカより届いた書籍を整理しようとするチセが見つけたのは、
日本語で描かれたひとつの本。


チセとこの本との出会いから紡がれるのは、チセがまだ幼く独りぼっちだった頃の物語でした。

チセは生まれつき「人ならざるモノ」が見える特別な能力を持っていました。
アニメ本編でも人ならざるモノは沢山でてきましたが、エリアスとチセの暮らす家で見かける妖精などに悪意は感じられませんでした。

ですが、チセの幼いころ、彼女の周りには醜悪なヤツばかりで、チセに嫌がらせばかりしてくるのですから堪りません。
彼女はみんなと同じ様に生きていくことを望んでいますが、人ならざるモノがチセの行く手を阻むのです。
この悪循環…チセは相当苦しかったと思います。

話をしても信じて貰えなくて、疎まれて、嫌われて…

今とは大違いですが、あの頃を乗り越えてきたから、今の暮らしがより大切に思えるのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

OVAの主題歌は、Julia Shortreedさんの「CLOCKWORK QUICK AND LIGHTNING SLOW」

1話23分の物語でした。
懐かしさを感じながら引き続き「中篇」を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

81.9 6 図書館アニメランキング6位
図書館戦争(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1982)
11546人が棚に入れました
時は2019年、公序良俗を乱し人権侵害の表現を取り締まる「メディア良化法」が施行された現代。
強権的かつ超法規的な「メディア良化委員会」とその実行組織『良化特務機関』の言論弾圧に唯一対抗できる存在、それが図書館だった。かくして図書館は武装し、良化機関との永きに渡る抗争に突入することになる。図書館の自由を守るために。

声優・キャラクター
井上麻里奈、前野智昭、石田彰、鈴木達央、沢城みゆき、鈴森勘司、佐藤晴男、田中理恵
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ただの良作ラブコメですが、何か?

[文量→中盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
ジャンルは、(Wikiを見ると)SF、ディストピア、パラレルワールド、アクション、ミリタリー、ラブコメディと、多岐に渡る。

つまり、オンリーワンの作品。

図書館戦争という攻撃的なタイトル、原作小説の厚さや地味な表紙で敬遠しないでほしいな。普通に気軽に楽しめる作品ですよ、アニメも原作も。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
いわゆる、「言論の自由」「表現の自由」などをテーマにした社外派アニメ、なんだろうけど、私は単純にラブコメとして楽しみましたよ(笑)

ヒロインの笠原郁(熱血バカ)はかなり可愛いです!明るいバカって良いですよね♪ キャラデザも好きで、(個人的)歴代好きなアニメキャラで上位に入ります♪ 堂上篤(怒れるチビ)もナイスな奴で、こちらは、同ランキングの男性部門でもかなり上位です。珍しく、応援したい二人でした♪

他にも、小牧(笑う正論)や、手塚(頑な少年)、柴崎麻子(情報屋)など、この( )内の言葉がスバリ的中のキャラ達はみな魅力的です。う~ん、一期尺だったのが勿体ない。

変に社外派アニメと思い敬遠している方がいれば、勿体ないです。単純にラブコメとして、十分に良作ですので、是非、視聴してみて下さい♪
{/netabare}

【余談 ~皆さんは、ゴミクズみたいな人間が作った作品はゴミクズだと思いますか? ~】
{netabare}
まず最初に、「どちらの視点でもOKだ」と言っておきます。個人の好き嫌いで良いでしょう。

その上で、私の意見です。

一応、私は文学部出身ですし、今もまがりなりにも文章に関わる仕事をしているので、この話を酒飲みながらすると1時間は話すので、今回は手短に(笑)

文学を読むとき、「作家論」と「作品論」という2つの立場がある。

「作家論」とは、作品を読むときに、作者を意識して読む読み方。「この表現はこの作者の場合」という読み方。

一方、「作品論」とは、作品を読むときに、完全に作者を意識外に置いて読む読み方。作品自体を純粋に読む。

私は、「作品論」の立場をとっている。理由は、大学の時の師匠(ゼミの教授)がそうだったことと、志賀直哉が好きだから。志賀直哉は、「小説とは作品自体を純粋に評価すべき」という立場をとっていた。

作家を意識するのは、2周目かな。作家が誰かなんて、飲食店の卓上調味料のようなもので、味変に使うくらいがちょうど良い。

ちなみにこれは、私はアニメに関しても同じように考えていて、アニメを観るときは、可能な限り事前情報は入れないで観るようにしている(観終わった後に、色々調べる)。

話は変わるようで変わらないのだが、図書館行って「マジか?」と思うのは、夏休みの(小中学生向け)読書感想文コーナーに、「ノルウェイの森」が置いてたりすること。司書さん、ちゃんと中身読んだかい? 有名作だから、作者が有名だからと、これで感想文提出したら、先生赤面しちゃうよ(笑)

小説は、額縁で高評価も低評価してはいけない。読み、己の感性でのみ語るべし。

例えば、近代文学なんて、作者の人間性を求めたら、ほとんど読めない。太宰治なんてほぼ人殺しだし、島崎藤村の「新生」なんて、姪っ子に手を出してそれを小説にって、オイオイ(汗) しかもそれが、「名作」と言われ、崇められていり。

いや、私はむしろ、近代文学が好き。専門は芥川や川端、漱石、鴎外、志賀、太宰なんかだし、彼らの狂ってる感じをむしろ愛おしいと思って読んでる。

ところが最近は、あまりにも文学に道徳性を求め過ぎに感じがする。

元々、文学とは不道徳、否社会的なものだった。近代の小説家なんて、当時の社会ではアウトサイダーが多い。古典に関しては、庶民とは乖離したところに文学があったわけで、そこから人々が何かを学ぼうという概念すらなかった。

川端は、「小説には作家の孤独の影がある」と述べているが、正にその通り。元々(純)文学なんて、ごく個人的なもので、エゴイスティックなもの。だのに、いつの間にか、「良い話」を期待され、勉強の「教材」にされることが増えてきた。

文学なんて、酒や煙草と一緒で、嗜好品でしょ?

以前、私の好きな作家が逮捕され、全国ニュースになり、その後、書店から彼の本が消えた。私はそれに、怒りを感じた。

「作者に罪はあっても、作品には罪がない」「だったら芥川や大宰の小説も全部撤去しろや」と。

(勿論、彼の犯罪自体を肯定するつもりはない。被害者もいる。だから彼はきちんと捕まり、罪を償う必要があるが、だからといって、彼がこれまで書いてきた作品を、全て無かったことにするのが正しいとも思えないのだ)

きっと、こんなことが国会権力により、更に広範囲に行われるのが、「図書館戦争」の世界なんでしょうね。原作の有川さんも後書きで、「こんな世界は嫌だな~」と述べてますが、全くの同感です。

でもそれこそ、「嫌だな~」程度のもんで、銃をぶっぱなす程のことではない(笑) それに、「コンビニにエロ本」置くのは、私も嫌ですし。「成人向け書店で売れば?」とも思う。

まあでも、もし今規制するなら、本よりネットですけどね。有川さんには悪いが、悲しいけど本にはもうそこまでの力はない。スマホ買ってビックリしたけど、「これ(画像)を小中学生も普通に観られるのか~」と思うと、流石に「日本、大丈夫か?」と心配になってしまいますが(汗)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 40
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

表現の自由のためにミリタリーで闘うラブのコメ

2021/5/29 追記>
今日「ノイタミナpresents シネマティック オーケストラコンサート」ってのに行ってきました。
ノイタミナ放送開始15周年を記念してのコンサートだそうで。
「図書館戦争」「四月は君の嘘」「約束のネバーランド」三作品のOP曲、ED曲、劇伴曲のクラシックアレンジをオーケストラで名シーンの映像とともにお届けする、というものです。

君嘘と図書館戦争好きなんで行ってきたんですが、予想外に良かった!!!

生のオーケストラはやはり迫力があります。
その演奏とテーマごとに丁寧に編集された映像がうまーくマッチしている。
タイミングもぴったり♪

図書館戦争の映像見るの久しぶりだったんですが、こうして見ると{netabare}郁と堂上{/netabare}の熱血ラブコメですね
熱量と糖度激高で成人病が心配笑。
久しぶりに視てみたくなりました。

<補足です>
こういうご時世、徹底したコロナ対策が施されてました。
会場に入る時、アルコール消毒、検温はもちろん。
座席は半分間引いて一列空け。
登壇者にMCなし。曲目の説明もなし。
淡々と映像を流し、ストイックに演奏する。
一曲終わるとオベーション。
聞こえてくる声は休憩時間を告げるスピーカーからの案内のみ、という徹底ぶり。
おかげさまで安心して楽しむことができました。

<2019/1/7追記>
CS-333(AT-X)で1/12(土)20:30から再放送が始まるそうなので番宣です 笑

詳細は去年書いたレビューが下の方にありますのでそちらでどうぞ。

設定に変わったところのある作品ですが、
とにかく甘いラブコメを堪能したい方は是非お試しください。

見てるとたぶん
「ここに乙女がいまーっす!」とか
「あっまぁーーーい!」とか
「ハンバァーーーグッ」とか
叫びたくなること請け合いです


<2018/4/27初投稿>

有川浩原作小説のアニメ化。
今からちょうど10年前です。

有川浩さんというと自衛隊三部作(「塩の街」「空の中」「海の底」)のようなちょっと不思議なミリタリー&LOVEが基調の作品をイメージしてしまいます。
「図書館戦争」はそんな有川浩さんの代表作。
表現の自由のためにミリタリーで闘うラブのコメです。

舞台は現在に極々近い未来の、でも現実とは少し事情のことなる架空の世界の日本。
(wikiで調べたら2019年ってことになってるんですね)

何が違うかというと、その世界の日本では"人権を侵害すると国が判断した"表現を規制する「メディア良化法」が施行されています。
メディア良化法に基づいて国は「メディア良化隊」を立ち上げあらゆるメディアの検閲を暴力的に行なっています。
プチ軍事力をもって。
恐ろしい。
(といっても現実だって知らんうちに言葉狩りが進んでいる昨今。事態はあんま変わんないですね。
暴力が付いて回っているか、いないか、だけの違い。)

そんな「暴力的な検閲」に対抗し「表現の自由」を守るため、図書館が立ち上がります。
その対抗手段が「図書館の武装」
法的な裏付けもとりつつ、図書館は図書隊を立ち上げ武装を進めていきます(マジかおい!)

つまりこの物語は
「武力による検閲に対する武装した図書館のレジスタンス」

最初見る人はこの設定にびっくりしてしまいますが、これにだんだん馴染んでくるとこの作品が楽しくなります。

この作品をこれから視ようという方は上記の突拍子の無い設定を予備知識で持っておいた方が良いと思います。


と言ってもですよ。
この作品の魅力の半分はさらに別のところにあるんですよ。

それは「ラブのコメ」

図書館の戦闘部隊「図書隊」の以下の5人を中心に物語は進んでいきます。

主人公:笠原郁♀「熱血バカ」22歳、身長170cmと長身
図書隊の新人。脳筋。意外と乙女。

堂上篤♂「怒れるチビ」27歳、身長165cm
郁の上官。真面目、誠実、責任感強い、よく怒る(郁に)

小牧幹久♂「笑う正論」27歳、身長175cm
堂上の同期で同僚、同チーム。穏やかで冷静、笑い上戸

手塚光♂「頑なな少年」22歳、身長180cm
郁の同期で同チーム。万能の優等生。

柴崎麻子♀「情報屋」22歳、身長157cm
郁の同期で寮のルームメイト。良いオンナ。ちょっと不二子っぽい。声も今の不二子でしたね。情報通。

他にも多数出てくる登場人物も交え、シリアスなエピソードに絡めるようにしてLOVEがコメディな感じで展開されていきます。
それもカロリーバカ高のとっておきに甘ーいやつ。
むしろこっちがメインじゃないのか。

人の気持ちの揺れ動きなども繊細に描かれていて、そうしたところも○

まとめると、
表現の自由という、現代社会がひっそりと抱える深刻な問題に焦点を当てながら、人間ドラマとミリタリーな濃厚LOVEコメが楽しめるという、無国籍料理のような味わいの一品です。

私はどハマりしました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 66

にゃんた さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

視聴スタンス次第

2011.4.18第1レビュー
2012.3.12第2レビュー
(原作未読)

★結論★
「教官!私はドジでノロマな亀・・・&戦闘シーンもあるよ!あ、あと、表現の自由は大事だよね!」

背後にあるメッセージに着目すると、あまりにも浅くてお粗末だが、
肩の力を抜いて、難しいコトを考えずに気楽なラブコメだと
思って観れば、満足できる作品だと思う。

★以下、詳細★
恋愛コメディ要素と軍隊バトル要素、青春成長要素を含めた作品。
すべての要素がある程度の作り込みで、一応満足できるが、
結局どっちつかずの印象もある。

もっとも、これが制作者の狙いなのかとも思う。

つまり、作者の伝えたいメッセージを、より多くの人に伝えることが目的なのであるから、
そのための手段として、多くの人に受け入れられやすい平均的で無難な作りにする必要があったのだと思う。

その点では、
「表現の自由の危機を、より多くの人に知ってもらう」
という、作者の目的は十分果たせたのではないだろうか。

ただ、肝心のメッセージ部分が浅くて薄い。
たしかに、多くの人に知ってもらうために内容を簡素化するのは、
1つの方法だとは思う。
しかし、そのために一番大事なメッセージ部分まで簡素化してしまっては、
本末転倒なのではないだろうか。
それとも、作者はこの問題について、この程度の理解で問題提起をしたのだろうか。

(或いは、原作者はしっかりと書いていたが、アニメ化するにあたり、
話数の都合で浅くせざるを得なかったのかもしれない)


この作品のメッセージ部分は、
「表現の自由が、国や自治体の規制によって危機に瀕している。
表現の自由を守らなければならない!」

という主張なのだが、
これが極めて一方的な主張に過ぎず、説得力が弱い。

ある主張をする場合には、自分の主張だけを声高に主張するだけでなく、
反対側の立場の意見を考慮したうえで、
さらにそれを上回る反論をして説得力を増す必要がある。

本作品には、そこがまったくない。

主人公サイドの掘り下げはあったが、敵対組織サイドの掘り下げがほとんどない。
敵側人物の掘り下げをすることで、メッセージの説得力も増すし、
アニメ作品としても面白さが増したのではないかと思うのだが・・・。

表現規制の合憲性という、最高裁でもたびたび争われてきた深い問題について、

表現の自由を守る側=善 規制する側=悪

という単純な構図で描かれていたように感じられたのが残念だった。


★さらに詳細(表現の自由に関する問題点)★

~問題点~
出版物について、
その内容や描写が「有害である」との指定をして販売を規制するのが、
問題となった条例のおおまかな内容です。

~規制する側の言い分~
エロ本、エロマンガ等を野放しにすると、
青少年の健全な成長に悪影響を与えます。
青少年は保護しなければなりません。
悪影響を与えるような本は、
「有害図書」に指定して、出版方法を規制しましょう。


~規制される側の言い分~
エロ本じゃなくて芸術なんだ。表現なんだ。
「有害図書」とか、お前が決めるな。
規制されるかもって不安があったら、自由に作品を書けなくなる。
また、青少年にも、色々な出版物を読んだり知ったりする権利があるんだ!
それに、一律に規制したら、関係ない成人にも影響するんじゃない?


両者の言い分は、どちらが正しいのか?
それらをどのように調和させていけばいいのか?


最高裁は、平成元年の判決で、
岐阜県の青少年保護育成条例について
憲法に反していない、という判断をしました。

この判決(の多数意見)は、条例が憲法違反となるかどうかについて、
明確な判断基準を示していないと言われています。

このような判決の下では、同じような条例がどんどん制定されたり、厳しく改正されやすくなるかもしれません。
表現の自由や知る権利が無防備に規制される可能性があります。
そして、東京都で改正された青少年育成条例の問題がマスコミ等にも大きく取上げられました。

ですので、このアニメの良化委員会が「公序良俗!」だけを理由にどんどん規制をしてくる姿勢は、
実は、このような不安定な状況まで含めて表現している、とも受け取れます。

・・・もっとも、この作品が、判例解釈まで含めた深い考察をしていたかについては、かなり疑問ではあります。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

77.6 7 図書館アニメランキング7位
宙のまにまに(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (1342)
7772人が棚に入れました
主人公・大八木朔は、かつて暮らしていた町に引っ越してきた高校生。朔は読書好きで、静かで平凡な学園生活を望んでいた。\\nしかし、そんな朔の前に現れたのは、過去にこの町に住んでいた時の幼なじみ、明野美星。朔にとって美星との過去はトラウマになっていた。\\nそんな中、美星が作った天文部に入ることになった朔。そして、天文部を舞台にしたドタバタラブコメディが、いま始まる。

声優・キャラクター
前野智昭、伊藤かな恵、戸松遥、小清水亜美、早見沙織、高木礼子、間島淳司、チャン・リーメイ、松風雅也
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」君は指さす夏の大三角♪

原作は未読で視聴しました

ジャンルは学園ラブコメ
舞台となるのはとある高校の天文部です

天文部で思い出されるアニメ作品といえば
他には
「えびてん」くらいでしょうか

そこで早速
本サイトの売り(?)である成分タグで"天文部"タグを見てみました・・・
・・・?
・・・ま~置いといて^^!
※「えびてん」は「天悶部」でした^^

かなりマイナーなジャンルですね^^!

登場人物は
主人公で高校1年生の大八木朔(おおやぎさく)くん
高校2年生の明野美星(あけのみほし)ちゃん
朔くんと同じクラスの蒔田姫(まきたひめ)ちゃん
そして
"その他もろもろ"・・・(ちょっと多め)


さくくんはメガネをかけたちょっとイケメン
みほしちゃんに対する幼い頃のトラウマが残っています

みほしちゃんはさくくんが小学校2年生までのお友達の・・・
そう
恋愛作品では定番の「幼なじみ」

ひめちゃんはというと
さくくんラブの可愛い女の子
さくくんにいつもまとわり付いてるみほしちゃんにちょっと嫉妬ぎみ

さらに作品を構成する要素が
学園・・・
高校生・・・
部活動・・・
星・・・
夜・・・(^^!
プラネタリウム・・・
暗闇・・・(--!

このなんとなく意味深なシチュエーションで考えられるとしたら・・・!!
青春真っ只中の熱いラブストーリー!?
それとも
ドロドロドロロ君の"修羅場"展開!?
キャ~~~!!(ホラーじゃないよ^^)

って
絶叫覚悟で
期待して最後まで観てたのですが

ラブ・・・ほとんどありません

終始
みほしちゃんと"その他もろもろ"のハイテンションコメディ
後半はみほしちゃんがちょっとウザいくらいで
私のテンションが持ちませんでした^^

ただ
最終回では
{netabare}"その他もろもろ"の中の二人に恋が芽生えてしまって
なんだかちょっとだけ照れましたよ^^{/netabare}

それより
この作品
デザインがとても良かったですね
特に星空の描写がすご~く綺麗でした

ちなみに
作品名でググってみると
「星空の作画は通常のアニメではスパッタリングなどの手法により適当に星をちりばめることが多いが、本作では原作者の柏原麻実と制作スタッフが実際に天体観測を幾度も敢行して時間帯、方角、星の位置関係などを研究したという。加えて、アストロアーツの全面協力を得たことで、劇中で取り扱われる星空に限らず、背景イラストに及ぶまで手の込んだものとなっている」(wikipediaよりコピペ)
※スパッタリング・・・塗料などを小さな粒子として飛ばし付着させる手法

という具合に(手を抜いてゴメンナサ~イ)
星空の作画にはかなり力が入っているようです

天文部が舞台の作品だけあって
部活動での天体観測では星空が映し出されるシーンが多く
実際に
私が小学生の頃に使っていた星座板(まだ充分使用に耐えうる程ですよ(汗)
を引っ張り出してきて
見比べてみたのですが
星の位置などがとても正確に描写されていました

それに加えて
作中での天体観測の説明がとても分かりやすかったですね

印象的だったのは
第5話「言葉の星」の
天文部と文芸部の合同合宿でのお話です

{netabare}天文部がある理由で文芸部のみんなを急遽天体観測に招待したのですが
まだ星座初心者であるひめちゃんの最小限の説明を聞いただけで
文芸部員のみんなが星座板もなしに星座を言い当てしまいます
実は天文部が事前に配った
観測のためのチラシに書かれていた星座にまつわる「物語」から
星座を頭のなかにイメージ出来たんですね{/netabare}

ま~
{netabare}文芸部だから言葉をイメージ化することに長けているという
前提もあるのですが{/netabare}

そして
そのときのさくくんと
琴塚文江(ことづかふみえ)ちゃん(愛称:フーミン)
(生徒会長・文芸部員・メガネっ娘・ちょっと堅物)
の会話がステキでした

{netabare}(さ:さくくん、ふ:ふみえちゃん)
{netabare}さ:星座ってはじめに物語があって
  あとでそれを当てはめたものが多いんです
{netabare}ふ:"言葉の星"ね・・・
  伏線が回収されていく感じ・・・
  言葉はパズルのピース・・・
  組み合わされるのをまっている・・・
  知らずに見聞きした言葉が私の内に溜まって
  こうして空を見上げるのを待っていたのね
(全部書いちゃった^^)

かっけ~!!
これ本当に高校生どうしの会話かよっ!?{/netabare}{/netabare}{/netabare}

ていうか
{netabare}このあたりから
この二人の関係も
結構気になりだしたのですが
それはこの作品を観てのお楽しみです{/netabare}


ラブコメはともかく
天文学や星座を扱うジャンルとして
新鮮な感覚で見られた作品でした


最後に・・・
もうすぐ七夕(レビュー投稿日:7月1日)
せっかくだから
引っ張り出してきた星座板片手に(もう片方はチューハイ^^)
一人寂しく星空にお願いしてやる~(T_T

{netabare}そこのモテナイ君
お目当ての女の子を落としたいなら
お星様にお願いしてみては?{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君といっしょに観る星空は、ずっとずっときれいだよ(※作品紹介レビューとして更新)

「夏に見たくなるアニメ」シリーズの第2弾です。星を観る。そんな何気ない行為の奥にある、本当の魅力を味わっていただけたらと思います。

※この作品については以前レビューを書きましたが、この度大幅に加筆修正してあります。


◆作品情報◆

ジャンル、原作、監督、話数、放送期間、アニメーション制作会社の紹介です。(wiki参照)

{netabare}ジャンル:学園、ラブコメ、天体
原作:柏原麻実さん(漫画、月刊アフタヌーン)
監督:高松信司さん
話数:全12話
放送期間:2009年7月~9月
アニメーション制作会社:スタジオコメット{/netabare}


◆キャラ&声優さん紹介◆

キャラ名、(声優さん名)、二言紹介、で書いてあります。(wiki参照)

{netabare}大八木朔(前野智昭さん)・・・本作の主人公。本当は本が好きなのに、天文部に籍を置いているイケメンメガネ。
明野美星(伊藤かな恵さん)・・・本作のヒロインで、朔の幼馴染。ただ真っ直ぐに、星が大好きな女の子。
矢来小夜(早見沙織さん)・・・美星と同級生で、小学校からの親友。美星のよき理解者で、黒髪ロング美人。
蒔田姫(戸松遥さん)・・・朔のクラスメイト。朔のことが大好きで、近づこうと天文部に入った健気な女の子。
路万健康(間島淳司さん)・・・天文部部長。本当は、熱い気持ちを内に秘めている病弱メガネ。
江戸川正志(高木礼子さん)・・・朔のクラスメイト。本当は写真部だけど、なぜか参加しているお調子者。{/netabare}


◆あらすじ◆

みんなで星を観に行く、本格的な天文部のアニメです。7年ぶりに、小学生の頃に住んでいた街に戻ってきた主人公の朔(さく)。彼が幼馴染で星が大好きな美星(みほし)と高校で再会し、天文部に勧誘されるところから物語は始まります。


◆オススメポイント◆

① 誰かと星を観に行きたくなる

ふと空を見上げて星を見ることってよくありますけど、一人で見る星はどこか切ないような寂しいような、そんな感じがしますよね。でも、誰かといっしょに観る星空はとても感動的で、なんだかいつもより輝いて見える。この作品では、天文部のみんなで星を観に行くシーンが何回もあるわけですが、いっしょに星を観る楽しさがとてもよく伝わってきます。私はこの作品を見る度に、「私も誰かと星を観に行きたいな」と思ってしまいます。


② 星座がきれいでわかりやすい

星の描写はとても美しく表現されていて、思わず見入ってしまいます。またそれと同時に、星座の解説がわかりやすくて、とても勉強になります。「このアニメでもっと勉強して、実際に星を観に行きたい」と素直に感じました。(ただし本当に星座の知識を身につけるためには、別に本か何かで勉強する必要があるかとは)


③ 仲間との楽しくてちょっと切ない青春物語

仲間といっしょに星を観たり、部員の勧誘をしたり、文化祭を頑張ったり。どれも派手なものではありませんが、なんだか楽しそうで心地よく感じました。高校生らしい気持ちのすれ違いもよかったです。


④ 音楽が素敵

主題歌や挿入歌はもちろん、星空を観察している時のBGMもとてもいい。特に、OPの「Super Noisy Nova」がよかったです。全12話を一気に観ましたが、OPは飛ばさずに全部見てしまったくらいです。ちなみに、高垣彩陽さん、寿美菜子さん、戸松遥さん、豊崎愛生さんの4人の声優さんたちからなる「スフィア」というグループが歌っています。


◆注意点◆

① 派手なストーリー展開はありません

基本的に、天文部のみんなが星を観に行くお話なので、派手な展開はほとんどありません。季節によって変化する、星空と人の心を楽しんでもらえたらいいんじゃないかと思います。


② ギャグシーンは好み次第

星を観るシーンはとてもきれいで幻想的。その一方で、日常シーンではメリハリをつけるために、ギャグやパロディが多用されています。なんとなく、君嘘のそれに似た感じです。私は好きなのでいいですが、人によっては合わないかもしれません。


◆感想&まとめ◆

おそらくこの作品が伝えたかったのは、「みんなで星を観るのは楽しいよ」ということだと思います。

そして、星座には物語があって、それを知るともっと楽しむことができる。そんなこともちゃんと届けてくれる作品です。難しいことを考えずに見ていただいて、みなさんが「星の魅力」を少しでも感じ取れればいいのかなと思います。

何故だろう。夏になると、無性に星を観に行きたくなります。今年の夏は、行けるといいな。(たぶん、私は無理でしょう)


~友と観た 星降る夜よ 胸の中~


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。


オススメ度 ★★★★★★★☆☆☆



◇余談◇

『プロフィール、更新しました』

※どうでもいい情報かもしれませんが、私のプロフィールを更新しました。アニメ以外の趣味なども書いたので、興味のある方はご覧ください。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 47

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

忘れ物を思い出させてくれるような素敵な作品です(-ω☆)キラリ☆彡

■「宙のまにまに」ってこんなアニメなんです☆彡
月刊アフタヌーンで連載していた柏原麻実さんの漫画をアニメ化した作品なのです☆
この作品のテーマはずばり『星』なんですよ☆彡
 
主人公の大八木 朔[ooyagi saku]くんは読書好きで目立たない・・・いや、目立ちたくない高校生活を送ろうとしていたのですけど、そんな彼の平穏な日常を見事に打ち破ってくれる存在がいたのですw
その存在とは・・・明野 美星[akeno mihoshi]ちゃんなのです!
実は朔くんの1つ先輩で幼馴染なのですけど、星空を見られないと衰弱してしまうほどの「星」大好きっ子でもあるのですよ♪
美星ちゃんはかなりの暴走列車っぷり&トラブルメーカーなので、朔くんの理想だった平穏な日常は彼女に振り回されてサヨーナラー(_´Д`)ノ~~.。・:*:・゚`☆、。・:*:・゚`★* なのでしたw
そんな2人が所属している天文部を通して、繰り広げられるほのぼの青春ラブコメディーなのです♪
しかも、星の魅力をたっぷり堪能できちゃう『癒し』のおまけ付きなので、アタシσ(゚-^*)の大好物な作品であることは間違いありませんでした(o^∇^o)ノ
 
 
■総評
この作品は見る人の感性によって評価が分かれるんじゃないかなって思ってます!
評価目線が萌えとか、ラブストーリーとかだとちょっと物足りなく感じるかもしれませんね♪
でもこの作品の最大の魅力は、普段忘れがちな「星」という素敵な存在を思い出させてくれた事なんじゃないかなってかってに思っちゃってるのです(´- `)フッ(´ー `)フフッ(´ー+`)キラッ
 
古今東西、四季折々に変わらない表情を見せてくれる夜空に輝く満点の星達☆彡
街の明かりにその美しい表情をみる事が出来なくなってきている今日この頃でですけど、きっと誰もが星空をながめてその美しさに酔ったことがあるんじゃないかな?って思うのです♪
忙しない日常が、そんな綺麗な星空を眺める事さえ忘れさせてしまってるんですよね・・・!!
そんな忘れてた感動や感情を思い出させてくれたのがこの「宙のまにまに」でした♪
 
ラブコメ主体のストーリーの方もとっても爽やかで好印象でした!
特にお気に入りのキャラは姫ちゃんですね(*^o^*)
くせっ毛で湿気が天敵でドライヤーにこだわりを持っている姫ちゃんには共感しまくりですw
アタシσ(゚-^*)もちょっとくせっ毛なのでマイナスイオン発生装置付きじゃないと・・・とかのこだわりがあるんですよ(*'ー'*)ふふっ♪
美空ちゃんと朔くんがまだ付き合ってないって事だけで前向きにがんばっている姿や好きな人に少しでも可愛く見られたいって言う気持ちや表情がとっても良く描かれていてとっても可愛かったです♪
 
それと、後半登場のキャラが近江 あゆみ[oumi -]ちゃんの存在は爽やかな印象を与えてくれました♪
積極的なお嬢様キャラなんですけど、嫌味がなくってそれでいて一途な彼女のサイドストーリーは見ていて清々しさを感じました!まだ見てない人は必見です♪
 
お笑い担当の江戸川君も大好きなキャラの一人です♪
ちょっとエッチな写真部の男子なんですけど、朔くんよりも頼りになるし天文部には欠かせない存在になってて何故もてないのかなぁ・・・身長低いとか・・・エロイとか・・・暴走するとか・・・w
 
この作品はもっとたくさんの人に見てもらいたいなって思います♪
天文学なんか全然わからなくっても楽しめるし、今度星空でも見に行ってみようかなって思ったり、星座からギリシャ神話を覚えてみようかなって思ってもらえたらいいなって思います♪
美星ちゃんも言ってたように、たくさんの人達と星の魅力を「共有」できたら素敵ですよね☆彡
 
 
2011.11.05・第一の手記

投稿 : 2024/05/04
♥ : 52

83.2 8 図書館アニメランキング8位
けものフレンズ(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1217)
4709人が棚に入れました
この世界のどこかにつくられた超巨大総合動物園「ジャパリパーク」。
そこでは神秘の物質「サンドスター」の力で「アニマルガール」へと変身した動物と、訪れた人間たちが賑やかに楽しんでいました。
しかし、時の流れは残酷なもの。数年前の事件をきっかけに 、今では訪れる人もいなくなってしまいました・・・。
そんなパークに、ひょんなことから迷い込んだ主人公“かばん”。
帰路を目指すための旅路が、アニマルガール達も関わって、大冒険になっちゃった!?

声優・キャラクター
尾崎由香、本宮佳奈、小野早稀、内田彩、佐々木未来、根本流風、田村響華、相羽あいな、築田行子、近藤玲奈、津田美波、藤井ゆきよ
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

古めのRPGを髣髴させる、かばんちゃんとサーバルちゃんのロードムービー

動物を擬人化した外見を持つ※1フレンズと呼ばれる少女たちの住む「ジャパリパーク」。そこに迷い込んだのが(多分)人間の"かばんちゃん"。どうやってそこに着たのか自分が何者なのかも分からない様子。

かばんちゃんはジャパリパークで初めて出会った"フレンズ"サーバルちゃんと共に"図書館"を目指します。

原作ゲームはバトル成分多めのステージクリア型ゲーム。漫画版は奈々という主人公が飼育員として「ジャパリパーク」で働く日常もの。アニメ版では世界観のみを継承し、両者とは違うオリジナルシナリオが展開される様です。

アニメでもバトルものの要素が一話にほんのちょっとだけありましたが、セルリアンという危険生物の紹介程度の意味合いで、前面に持ってくる意図は全く無い様です。作品形態はサファリパークを思わせる大自然の中を急がず焦らずのんびりと色々と見物しながら目的地に向かうロードムービーの趣です。何でもない所で立ち止まって休んだり遊んだりする光景が描かれるのはBBCの※2テレタビーズみたいな幼児向け番組を思わせてちょっと和みます。

ポリゴンモデルのキャラ表現が気になる人はいると思いますが、私は見てる内に慣れちゃいました。むしろ気になるのはフレンズの着る服のデザイン‥誰が何処で仕立ててるんだろう? ケモノっぽさはあるものの普通の萌えキャラの着る様な服でした。気にしちゃいけない点かも知れませんね(笑)

1~2話の感想
{netabare}
かばんちゃんの、非力ながら思考して、物を作ってフレンズを助けるという設定はとても良かったのですが、1話の紙飛行機のおとりはまだしも、2話のサファリバスの片割れを※橋の残骸とツタを編んで作ったロープを使って川越えさせる方法など(途中までわくわくして見てたんですが)は必然性があまり感じられず、結局はフレンズの力に頼ってしまっている印象が強かったので、もうちょっと工夫が欲しかったです。

※サーバルちゃんの怪力で車体を担ぎ上げ、川に浮かべたいくつかの足場を連続ジャンプで渡ってしまうという超力技(笑)
{/netabare}
3話の感想
{netabare}
山頂のカフェにてサファリバスのバッテリーを充電すべくロープウェイ乗り場に辿り着いたかばんちゃんとサーバルちゃん。そこでトキさんとの出会いがあり、山頂ではアルパカさんがお出迎え。

終始和やかな雰囲気で歌ったりお喋りしたり、フレンズはみんな仲良しなんですね~。静かな声で話す(歌う時以外は)ちょっと傷付きやすいトキさんにも、のんびりとしたおばあちゃん口調のアルパカさんにもそこはかとな~く癒されました(笑)

カフェに向かう道すがら(空中だけど)トキさんの話していた「この羽は動物だった頃より便利‥」という言葉は気になります。フレンズは元々ただの動物だったという解釈が出来そうですが、サンドスターの噴出とともにフレンズは生まれるのだとしたら、火山の火口とかに人類滅亡?前に建設された研究所か何かがあったりして(汗)アルパカさんにお茶の入れ方を教えた"ハカセ"という存在もその辺に係わりがある可能性が濃厚‥。

カフェに着いて、バッテリーの充電が終わるまでは、かばんちゃんの謎の思い付きでみんなで草むしり。充電が滞りなく終わって一安心したら、今度は和やかにティータイム。かばんちゃんのアドバイスとアルパカさんのハーブティーのおかげで綺麗な声が出せる様になったトキさんもご満悦。草むしりの努力が早くも実ってカフェに新しいお客さんがやって来てアルパカさんも大喜び。あれやこれやと丸く収まって良かったですね(笑)

次のシーン‥ボスがバスを急発進させてサーバルさんに追突したシーンにはゾッとさせられました。ボス、フレンズを動物としてしか認識していない様ですが、ガイドロボの行動だとしてもこれはちょっと酷い。壊れているんでしょうか?

そして終幕、短い間ですが前回から同行者として旅の仲間に加わっていたジャガーさんとコツメカワウソさんに別れを告げ、一行は砂漠エリアへと向かいます。

ロードムービー+廃墟探索アドベンチャーと言いましょうか、ゲーム好きの私は着々と旅の行程を消化していき、振り返ると広大な景色が見下ろせる様な、山登りを思わせる作風にのめり込むたちなので、1話で受けた絵柄に対する抵抗や2話のサーバルジャンプ(笑)にもものともせず、今回も楽しんで視聴させて頂きました。キッズ向けアニメの雰囲気だけど、このアニメなんかいい‥。
{/netabare}
4話の感想
{netabare}
今回はタイトル通り砂漠地方のお話。

砂漠地方では熱しやすく覚めやすい体と好奇心を持つスナネコさんが登場。移り気で一見捉えどころの無いフレンズですが、やはりそこはかとなく親切。砂漠の暑さに悩むかばんちゃんとサーバルちゃんを我が家に案内、砂から掘り出したジャパリまんを振舞ってくれました。

このジャパリまん、かばんちゃん(あるいはトキさん?)も持ってましたが、フレンズ間では周知の食料の様です。ボスの存在が広く知られている点もそうですが、私たち(視聴者)と作中キャラ(主にフレンズ)たちの間には、叙述トリックよろしく表面化されていない認識の齟齬がいくつもあります。視聴者がかばんちゃん視点ですらこの世界を見る事が出来ていないのだとしたら、不気味ながらも面白い描き方ですね。

前回のジャパリバス追突シーンも一見危険なシーンですが、フレンズの頑丈さが人間のそれとは比べ物にならないから、笑い話で済まされたという事が何となく分かりましたし、ボス(ラッキービースト)がどのエリアのフレンズにも知られている事からはボスは複数体存在するのでは?とも思われました。パークの広大さからしても、前回のボスの台詞「ぼくら」からも、1体のみ存在する訳ではないという事も推察されます。一見何の変哲も無い描写の中にも隠された謎がまだまだたくさんあるのかも知れませんね。

次のシーン、スナネコさんのお家の奥のトンネルを進んで行くと、ジャパリパークに併設された遊園地内のアトラクションの一つ「地下迷宮」に辿り着きました。

そこにもまたフレンズの姿が。未確認生物なだけに? 姿を見られるのを嫌い、コミュ障気味なツチノコさんに出会います。ぶっきらぼうな態度ですがフレンズなだけにやはり優しい‥。迷路の道案内役になってくれました。※ピット器官による赤外線感知能力あり。

終幕近くのツチノコさんの台詞からは、今回もまた人類絶滅が仄めかされました。話の流れからサンドスターの噴出とともに生まれたと思われていたかばんちゃんでしたが、フレンズが"異変"と呼ぶ災厄を何らかの理由で免れた人類の生き残りなのかも知れません。

終幕後にいつも描かれるフェネックとアライグマ=あらいさんコンビの追跡行も、台詞を繋ぎ合わせると、何者か(ハカセ?)の支持でパークに危機をもたらすかばんちゃんを捕らえる事が目的らしいという事が段々と分かってきました。ハカセの目的って人間のいないフレンズだけが住む、争いの無い世界を作ろうとする事だったのかも知れませんね。とするとセルリアンはフレンズを駆逐する為に放たれた人類の尖兵だったりして‥。「ヒトは死の先触れなり」って、洋画「猿の惑星」に出てくる物騒な台詞を思い出しちゃいました(汗)

※:ハブ、マムシ、ガラガラヘビなどのクサリヘビ科マムシ亜科のヘビたちの上唇辺りに付いている小さな穴みたいな赤外線感知器官。サーモグラフィーと同じ働きがあり、闇夜でもあれこれ見えるらしい。
{/netabare}
5話の感想
{netabare}
ビーバーさんとプレーリードッグさんが登場するお話。

ビーバーが木や小枝、泥などを使って※aダムやトンネル付きの家を作ったりする習性は良く知られていますが、フレンズのビーバーさんが設計したのは丸太を組んで作るログハウス風。川の中州に建て、床下には陸地から続くトンネルの出口があるという変り種。

ビーバーさんとプレーリーさん、片や慎重派、片や行動派、どちらも一人での家作りは難しい様子。

そこでかばんちゃんの「二人一緒に作ったらどうでしょう?」というアドバイス。得手不得手を互いに補い合うかたちで、ビーバーさんは良く考え、プレーリーさんは良く動き、あっという間に立派な家が一件出来てしまいました。丸太を組むやり方は※bハンドアックスログハウスと同じやり方みたいでした。読んで字の如く熟練の人だと手斧一本で造ってしまえる家だそうです。プレーリーさんは前歯だけ‥凄腕建築家ですね(笑)

ジャパリまん=通貨の様なものと前回のツチノコさんの台詞の中でも触れられていましたが、今回のビーバーさんの台詞の中にもハカセとの取引の未払い分として"ジャパリまん3ヶ月分"という言葉が出てきました。‥。そもそもこの"ジャパリまん"はどこで入手するのでしょう。ハカセが作っているわけでは無いとしたら火山の火口に制御不能の完全オートメーション化した工場があるとか?

フェネックさん&あらいさんパートでは"おたから"というまたもや意味深な言葉が‥。どうやらかばんちゃん(の帽子の飾り?)を指すらしいのですが、それがパークの存亡とも関係が有る様子。かばんちゃんがトリガーとなって起動するボスみたいな機械がどこかにあるのかも知れません。この二人、使命らしきものを帯びている様子がフレンズにしては異質なので、謎の存在"ハカセ"の支持で行動しているのではと思っていましたが、もしかしたらジャパリ図書館で得た何らかの情報に従って行動してるのかもしれませんね。

次回も楽しみです。

※a:2011年までに確認されている世界最大のビーバーのダムはカナダ・アルバータ州のウッド・バッファロー国立公園内で発見されたものだそうで、全長850mもあるのだという。

※b:丸太の両端近くを半月形にえぐり、同じものをタテヨコタテヨコと次々と積み重ねて造る小屋の事。
{/netabare}
6話の感想
{netabare}
今回は戦争のお話、ではなくて戦争ごっこのお話。

動物で戦争らしきものをするのは人間を除いてはチンパンジーくらいのもの。フレンズ間の戦争はそのどちらよりも平和的に行なわれました(笑)

相手に怪我人が出るかも知れない事を心配して組織立った戦いを仕掛けるというのは、戦争ではなくスポーツの領域かも知れません。

戦争の話からは少し外れますが、オオカミなんかも群れのボスを決める為に儀礼的な戦いをする事があります。その場合はあくまでも1対1が基本で、ドッグファイトという言葉がある様に、※お互いに相手のしっぽ目掛けてぐるぐる回り、相手を組み伏せた方(弱点である首筋を捕らえた方)が勝者という暗黙の了解がある様で、殺し合いにまでには発展しないと言われてます。オオカミの様に強力な牙や爪を持つ動物は自分の持っている武器の強力さを自覚していて手加減する事を心得ているそうです。(鶏とか鳩とか鳥類の地位争いやいじめは殺すまで容赦せず凄惨なものだという。でもそれも飼育小屋とかの狭い環境に押し込められているストレスが主な原因らしい。)

私はこれと同じ事をねこの中にも見た事があります。ねこはちょっと怒って引っかいたり噛み付いたりする時にはちゃんと手加減してくれ2割も力を出して無いんじゃないかなって思います。恐怖を感じた時にのみ恐るべき顎と四肢の力を開放するのです。病院に連れてって注射打たれそうになる時とかそうなってしまってました(汗)

人間にも他生物を思いやる気持ちはありますが、本能というよりは理性で闘争相手を殺してしまえます。殺人や戦争や害獣(虫)駆除は動物的な欲求がそうさせるのではなく、打算に基づいている面が強いからです。

その点フレンズは相手に怪我をさせちゃうかも知れないと心配する辺りが上述の様に動物的です。かばんちゃんはそれに更にルールを与えて、戦いをより安全なスポーツに変えてくれました。元々大した事の無い小競り合いだったんですけどね(笑)

それにしても今回のお話の舞台について、何故にジャパリパークにお城?とか思ってましたが、ちょっと昔、京都に「伏見桃山城キャッスルランド(2003年閉園)」という遊園地があったそうで、園内には日本のお城の他にジェットコースターもあり、ゴーカート乗り場やプールも併設されていたとの事‥。西洋のお城のある遊園地ならあれこれありますが、日本のお城というのが中々カオスですね(笑)

物語全体の動きとしては、前々回のツチノコさんに続いてハシビロコウさんがかばんちゃんの正体に気付いたくらいで物足りない印象を残しましたが、中休みと軽く見流し次回に期待したいと思います。

追記:あらいさんかばんちゃんの帽子に付いてるみたいな羽持ってましたね。どこで手に入れたんだろう? 謎です。

※:コンラート・ローレンツ先生の「ソロモンの指輪」参照。
{/netabare}
7話の感想
{netabare}
ナゾナゾが書いてある立て札が行く先々にある森を抜けてかばんちゃんとサーバルちゃんはついにジャパリ図書館に到着。

謎の存在"ハカセ"の正体は図書館の主でフレンズのアフリカオオコノハズクさんでヒトではありませんでした。助手はワシミミズクさん。

二人の新しいフレンズに料理を作ってあげて、代わりに自分の正体を教えてもらったかばんちゃん。

作中では語られませんでしたが、ジャパリまんの材料は調達出来るのに、ジャパリまんをハカセが欲しがる(ビーバーさんの話によれば)のは、料理が出来ないという事はもちろんですが、調理済みのものはより手に入り辛いという事なのでしょう‥。にしてもフレンズたち、どこからとも無くジャパリまん取り出して毎話の様にモグモグやってます‥入手先が未だ謎です。

OPムービーも新しくなり物語はちょうど折り返し点? 図書館で自分の正体を知るというかばんちゃんの当初の目的は無事果たされ、次の目的は同族探しという事に。

よくよく考えてみるとフレンズたちにはそれぞれの同族が登場していません。つがいならばノアの箱舟の話の様な滅亡と再生の物語を想像出来ますが‥偶然とは遠い人為的あるいは作為的な原因がある様です。

ハカセにもらったPPP(ペパプ)復活祭のチケットと謎の小箱を手に、かばんちゃんとサーバルちゃん(とボス)の旅は続きます。
{/netabare}
8話の感想
{netabare}
ペンギンフレンズの5人組アイドル"ペパプ"ライブ回。

これまでのお話では、一見無力に見えるかばんちゃんが知恵を使ってフレンズを助け、かばんちゃんおよび視聴者が自分(ヒト)の価値を再確認するというのが大まかな流れになっていたと思いますが、今回活躍したのはヒトであるかばんちゃんではなく、むしろ声マネでプリンセスの背中を押してあげたマーゲイさんでした。

お話の内容についても、アイドルとかファンとか内輪もめとか、フレンズの嗜好や行動がヒトそのものだったので、両者の境界が曖昧になっている印象を受けました。6話の戦争ごっこでも顕著でしたが、こういう強い社会性を匂わせる描写を見せられると、フレンズたちの思考形態が、動物本来のものとはかけ離れている事がはっきりと分かります。動物達はフレンズ化によって姿形だけでなく(に付随して)心もヒトのそれに近くなってしまった様です。

本筋について、プリンセス(ロイヤルペンギン)によれば人の姿が最後に見られたのは港なのだという。生き残りの人々がいる可能性が見えてきました。

今回はありがちなアイドルアニメみたいで、私的にはあまり楽しめませんでした(汗)次回に期待したいと思います。
{/netabare}
9話の感想
{netabare}
ボスから発せられたみらいともう一人の声について

「こんなかわいらしいフレンズさん」と言う言葉を発するみらいさんはフレンズであるわけは無いので、ヒトかあるいはボスの様なロボットと思われます。もう一人の声の主はサーバルちゃんの聞き覚えのある声の様でしたので、単純に考えてフレンズか、1話の巨大セルリアン登場時の悲鳴の主なんでしょうね。

みらいさんはセルリアンの調査をしていると言う事なので、前々回にあったヒトとセルリアンは一緒にいる事が多いとは、この事なのかも‥。

追跡者パートではサンドスターが動物か"動物だったもの"に当たるとフレンズ化するというペパプの説明がありましたが、後者はどういう意味なのでしょう? ジャイアントペンギンがその類のフレンズらしいのですが‥。動物だったもの? 動物なのに? 謎です。

初回近くにちょっと気になっていたフレンズの服の事、観客にウィンクする類の描写だと思っていたので、本編中で言及されるとは驚きでした。フレンズたちが服とは知らずにそれを着用してた事にも(笑)
{/netabare}
10話の感想
{netabare}
今回のお話では人の姿をしたセルリアンがいるという事、同じ種類のフレンズがいるという事、サンドスターが複数種存在する事が明かされました。

動物をフレンズ化させたり、気候をコントロールしたり、単一の物体が多様な働きをする事についてかねがね疑問を持っていたのでサンドスターに関しては妥当な設定と感じました。

多分サンドスターはナノマシンの様なもの。これまでにお話で触れられたのは次の4種類だと思います。

1.動物をフレンズに変化させる。
2.動物だったものをフレンズに変化させる。
3.気候を制御する。
4.無機物をセルリアンにする。

2の解釈の1つは死体や化石をフレンズにするというもの(他の方のレビューを参照)これに該当するのがジャイアントペンギンさん。この場合DNAから生体を復元するので記憶の引継ぎは無い筈ですね。かばんちゃんは1話で紙飛行機を折っているので、これに該当しないと思います。

2のもう一つの解釈は動物だったもの=フレンズを別の?フレンズに変化させると言うもの。"動物だったもの"という表現が敢えて用いられているので考えづらい気はします‥。かばんちゃんと一緒にいるサーバルちゃんがみらいさんと一緒にいたサーバルと同一個体なら一度セルリアンに食べられて動物に戻り、その後にサンドスターでもう一度フレンズになった姿なのかも‥。

4については、特定の無機物という解釈で良いと思います。セルリアンの正体はラッキービーストではないでしょーか? フレンズ化をリセットする安全装置的な存在かも知れません。

かばんちゃんの正体について

1.ヒトのフレンズ
2.ヒトのフレンズであるみらいさんがセルリアンに飲み込まれてただのヒトに戻った姿
3.ヒト型セルリアン

という3つの可能性があります。

かばんちゃんはあらゆる点で人間そのものに見えますし、身体能力の低さからしてもフレンズらしくないので1ではない気はします。

2は音声記録からみらいさんはセルリアンと戦う力を持っている様に見受けられ、かばんちゃんにはそれが無いというところから。

3はみらいさんがヒト型のガイドロボットだとすればですが、かばんちゃんにはセルリアンらしい特徴が1つも無いのでやはり違う気がします。

前回の台詞が引っかかりますが、2が一番それらしい気はします。全くの別人と言う可能性も残ったままですけど‥。

今回はおばけ屋敷を舞台にしたミステリー風味でとても楽しめました。終幕近くには港にて船を発見という場面があり、行動範囲が一気に拡大する様は古典RPGの中盤以降の展開を思わせわくわくさせられました。

次回にも期待したいと思います。
{/netabare}
11話の感想
{netabare}
船旅は持ち越しで、黒いセルリアンとの戦いのお話。

フレンズたちが協力して敵と立ち向かう姿にはバトルものの色が濃く感じられました。フレンズとセルリアンが直接戦う描写は1話以来ですね。危難の描写の少ないアニメだけに黒いセルリアンの巨大さと不気味な造形がより一層恐怖を煽ります。

サンドスターを噴出する山の山頂にかばんちゃんとサーバルちゃん辿り着いた所で、フェネックさん&アライさんの追跡者コンビがとうとう2人に追い付きます。帽子泥棒とかばんちゃんに食って掛かるアライさんでしたが、これまでにフレンズづてに聞き及んできたかばんちゃんの足跡を思い出し、いくつかの問答を経て和解(笑)晴れてフレンズとなりました。

山頂にはテクノロジーの名残があり、複数種のサンドスターを放出している模様。その中の1種が黒いセルリアンにエネルギーを供給している様ですが、何故動物をヒト化(フレンズ化)するサンドスターとフレンズの天敵であるセルリアンを作ったり力を与えたりするサンドスターが一所から噴出されるのかが不明。

フレンズが動物のヒト化した姿という部分を切り取れば、サンドスターを発明、製造したのは人類である事はほぼ間違いなく、それを食べる(実際はフレンズの体内にあるサンドスターだけ)セルリアンもまたそうであるのが自然な解釈だと思います。

山頂で何らかの事故が起きた為にサンドスターの噴出を制御出来なくなり、フレンズを作るサンドスターと、それをリセットする(元の姿に戻す)セルリアンを作るサンドスターが同時に放出される様になってしまったとも考えられます。火口を覆うフィルターは応急処置で、元々はサンドスターの噴出は種類毎に完全に制御されていたのではないでしょうか?

サンドスターがジャパリパークと言う場所を、環境を、フレンズを、明確にデザインする為に作られたナノマシンなら、その環境を元に戻す手段も用意してある可能性は高く、それがセルリアンなのかも知れません。

だとしたら人類は動物をおもちゃにしている(強制的に改造をしたり元に戻したりしている)も同然なので、セルリアンの暴走によりパークを放棄せざるを得なくなった事など相応の報いを受けたとも取れます。かと言ってその様な人類の暴挙がなければ、かばんちゃんとフレンズ達の出会いもあり得ず、これまでの冒険も無く、そこに愛も友情も生まれなかったわけで、そう考えるとちょっとやるせない気持ちになりますね。
{/netabare}
12話の感想
{netabare}
みらいさんの落とした帽子に付着していた髪の毛から復元及び変化させられたフレンズがかばんちゃんだったと言うのは、ジャイアントペンギンさんが(恐らく)化石から復元されたという事に繋がりますが、かばんちゃんの身体能力が他のフレンズと比べて大きく劣っている事(確かにヒトは大きさの割に非力ですが)と記憶を失っているにも係わらず日本語を読解出来る事と紙飛行機の折り方を知っていたと言う点には矛盾がある様に思えました。(こういうのは学習するものなので)

セルリアンの正体は?とか、髪の毛一本からフレンズが生成されるのだったら、ジャパリパークがフレンズだらけで大変な事になりはしないかな?とか、みらいさんといたサーバルのフレンズと"サーバルちゃん"は同一個体なのか?とか、結局サンドスターとは何だったのか?とか、みらいさんはどこに帰ったの?とか色々な疑問(多すぎて済みません)が残りましたが、続編で解決出来れば良い問題が半分ですし、まぁ些細な事ですね。あれこれと考察し甲斐があり、最後まで全く飽きさせないアニメでした。

黒いセルリアンとの戦いの最終局面におけるフレンズ大集合のシーンとボスの自我の目覚め?のシーンには長い旅の道程が一度に思い返される様で涙腺が緩んでしまいましたね‥。こういうのには慣れっこになっている筈なんですが(笑)無駄に長い回想シーンを差し挟む演出とかよりも、ずっと鮮烈で心に響きました。
{/netabare}
ケモ耳キャラって髪で耳の辺りが隠れている事が多いので、耳が2つなのか4つなのかあやふやだったんですが、この作品ではちゃんと?4つありました。コスプレじゃないなら2つで十分だと思います(笑)

ゲーム版のキャッチコピーは「あなたは、けものがお好きですか?!」というものだそうですが、フレンズの見てくれは明らかにコスプレした人。ケモ耳少女好きならもちろんですが、けもの好きにも割とお勧め出来るアニメの様です。

謎の生命体?セルリアンとか、2話のジャングル内のエピソード、川を隔てて運転席部分と客席部分に切り離されて放棄されていたサファリバス、かばんちゃんにしか話しかけず反応しない正体不明のロボ"ボス"(ラッキービースト:声優さんは???)の謎が気になりますので最後まで見てみたいと思います。

最後まで観終えて

舞台を変えず一所にこもりがちで、主要キャラが定められ、狭い世界で起こる事件だけを描くアニメと違って、未踏の地を旅し、出会いと別れを経て、より広い世界を知り、成長し、成すべき事を獲得していくと言う、冒険物語として堅実でオーソドックスな構成ではありますが、昨今では隅に追いやられがちな正統派、古典的手法の魅力を十二分に伝えてくれるアニメでした。アニメを通してかばんちゃんとサーバルちゃんと共に旅をして、旅を終えた時に現実に戻って来るという、正にゆきてかえりし物語ですね。私たちのいる世界とアニメで描かれる世界の繋がりが強過ぎると、こういう旅は成立し辛くなるものです。

絵柄がコミカルなので子供向けに見られがちですが(笑)提示したルールをないがしろにせず、SFとしての義務をよく守っている点、製作者本位のご都合超能力とかを登場させず、全ての問題をかばんちゃんとフレンズの頭と手で解決させている点も高く評価したいです。

多くの謎を残したまま第一章?の幕引きとなりましたが、かばんちゃんとサーバルちゃんとラッキーさんの旅は続きます。

いつか3人の旅の行く末を最後まで見届けたいですね。

優しさと謎に溢れた心から楽しめるアニメでした。


※1:動物の力を宿したケモ耳少女、得意な事も苦手な事もだいたい本物の動物の特徴通り。それぞれ何らかの"技"を持っているとの事。ゲームっぽい表現ですね(笑)

※2:赤ちゃんみたいなモンキーみたいな4人の仲良しテレタビーズが、うさぎがぴょんぴょん跳ねる緑の丘やお家の中で遊ぶだけの子供向け番組。初見ではテレタビーズの奇妙な外見に戸惑う事うけあいですが、見ている内に段々と親しみが湧いてくるから不思議。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 78
ネタバレ

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

やっと最終決着がついたようで何より。改めて1つのアニメが作られる”奇跡”を思い知らされました。

ゲームアプリ未プレイ。漫画版未読です。

>3話まで視聴して
全然見てなかったのですが
最近話題?のようなので、お試し視聴してみた結果・・

あら。これはいいものですね^^。
主に3Dで低予算?(勝手な想像)で作られていそうな作品ですね。
以前にも他に3Dで作られたショートアニメっぽいものが記憶にありますが
それらにはイマイチハマれなかったのに対して
本作は不思議な魅力に溢れてますね!!。

なんかお気楽に頭空っぽで観れそうな雰囲気でありながら
ちょっと前に放送されていたplanetarianのような
もの悲しさみたいなものも同時に溢れている。
今日急速に発達しつつあるAIへの警鐘のようにも感じられます。

3Dで描かれることによって全てにおいて”かわいさ”があるのですが
逆に”生身感”を失っているところが本作の真骨頂のようにも感じてしまいます。

最近、ちょっと”かわいい”満載のアニメだと
すぐに「〇〇動物園」・・みたいに表現されてしまうことが多々あるかと思いますが
本作は最初から、まんま、どうぶつえんですよねw。
種が絶滅してしまった世界なのでは・・という危機感も心のどこかに・・。

本作中では今のところ、とことん「やさしい世界」が描かれていて
それはそれで自分自身の幼児期への逆行体験のような錯覚を覚えるところがあったり
日常に疲れた自分自身にとっては、すごく癒しになってたりもするのですが
心のどこかで「それでいいのかな?」って感じさせてくれてるのも
面白いところだと思います。

余談ですが、3話でのアルパカさんのボイスに
思わずこっち世界に引きずり込まれそうになってしまいましたw。

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>5話まで視聴して
何気にちょっとした中毒状態に陥ってます。
1話~5話をリピート視聴するまでに^^。

4話では、声聞いただけであの方とわかる声優さんが出てきましたね!。
うれしいと思うのと同時に、いっそこの作品長寿アニメ化して
世の中のすべての声優さんに出演してもらったらどうだろう・・という妄想がw。

1回目の視聴では見落としてましたが
4話ED手前で、けっこう大事なこと発言してましたよね。。

3話で出演された金田朋子さんて、実はそれまであまり良い印象もってなかったし
これまで出演された役等もほとんど知らなかったのですが
本作で好感度がとても上昇しました!。いい演技される方だったのですね。
織田信奈の五右衛門も、いつか再視聴してみたいと思いました。

5話はいろいろ攻めてきてましたね!。
秋山殿のフレンズですか?。それと某番組チックな展開とBGM♪。

あとから見ると4話の某状況がAngel Beatsの某シーンでの絶望感を彷彿させられたり
砂漠地方でのバス移動がP5のアレとカブって見えたり
考えすぎで心配性なビーバーさんが自分自身と重なって見えたり
予想外にいろいろ楽しめる要素ある作品だなって、今は夢中になってます^^。

★の評価、若干UP↑しました。

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>6話まで視聴して
毎回キャラが増えて、思わぬロケーションと思わぬ方向に話が進んでいくので
毎回新鮮で飽きないです^^。

ラストでは、視聴者が一番気になっている核心部分?にちょっと触れましたね♪。
せっかくここまで意味深にうまく興味をひいてくれたのですから
まさかオチはSAOのような「電脳世界ダイブでした~」みたいなのじゃなく
シリアス寄りな現実世界であることを期待します!。

また1話からリピートしてしまうほどハマっちゃってる自分ですが
今現在の素直な気持ちとして
自分の中では本作はまさかの今期1位もしくは2位ポジションにいます^^。

何がそんなに惹きつけるんだろうと、ちょっと考えてみましたが
例えとしては
”昔のファミコンゲームのドットゲームならではの魅力”
・・に、近いモノがあるのかもしれません。

近年、超絶神作画のアニメ(たとえばユーフォ)とかだと
画面からの情報量が豊かすぎて、視聴者は(ある程度)考える努力をしなくても
それらがいやがおうにも伝わってしまう(それはそれでもちろん絶賛!)のに対して
本作は、適度に絶妙にデフォルメされた少ない情報量の作画であるため
ストーリー表現が限りなくシンプルになり
視聴者に想像する楽しみをかなり多く与えてくれているのではないかと思います。

自分はプレイしたことないですが、マインクラフトみたいなゲームが
近年でもなお多くの人を魅了しているのも、そういった要素があるからではないでしょうか?。

あと、”けものならではの動作表現”もいいですね♪。
・・といっても単純にサーバルちゃんのいわゆる”ねこパンチ”みたいなことなんですが。
人間が手を自由に使えることの素晴らしさを再認識させられるのと同時に
今まであまり気にしてなかった”けもの達の動作のかわいさ”
に改めて気づかせてくれる喜び・・でしょうか?。


いきものフレンズではなく
どうぶつフレンズでもなく
けものフレンズ・・としてるところも興味深いですね。
確かに今まで登場してるどうぶつ達は、いちおうケモノ分類でOKなものばかりなのかな?・・。
おさかなフレンズでもなく
けもの限定?・・なところも絶妙な設定なのかもしれません。

あと、4話ラストで我々のことを心配してくれての某有名声優さん演じる某けものの発言ですが
本当に存在してるかどうかもわからないあのキャラが
私たちのことを心配してくれてるっていうのも、なんか感慨深いですw。

あと、本作の影響で動物園に行く〇○が増えているという各種報道・ニュース等を見かけましたが
いや、実際自分も行きたくなりました!!!。
「会いにいけるアイドル」・・じゃないですけど
リアルに現実世界に今同じ時間を生きているいろんなけもの達について再認識させてくれて
そのかわいさを知ってしまったわたしたちは・・
はい。現実とリンクして楽しめるって、自分がアニメに求める醍醐味の1つですわw。

★の評価、さらにUP↑しました。

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>7話まで視聴して
今回も話の展開の持って行き方が上手かったと思います!。
かなり重要な核心に迫りつつあるけれども
まだまだ真相は見えてきませんね。ニクい演出です^^。
フレンズ達の現段階での認識は明らかになりましたが
それが真相かどうかはまた別の話ですもんね。
一部ネットで見かけた「サービス終了した〇〇説」の
現実味が濃くなってきた気がしますが
でもそれだけだとまだまだ説明つかないことも多いですよね。

ちょっと前に本作が急激に注目度が上がった際の
制作サイドが出した?安全宣言的なコメント?
あれは出さないでほしかったなーw。
それとも、あえて逆を言ってるのかな??。

ここに来て1話からのあらいさんの言動が気になって再確認。
P5でも重要なキーワードだった〇〇〇〇ですか!?。
あと、セルリアンとラッキーさんの真の役割も気になります。


あ、作画についてですが
SHIROBAKOでも、某話で動物を描く難しさが語られてましたよね
それを考えると、〇〇化されてる分、動物そのままではないですが
動物個々の特徴や動きを見事にとらえて
動きやキャラデザに昇華されていると思います。

最近PS4のSTEEPで雪山にハマったこともあり
オープンワールドで緻密な自然が描かれた世界に非常に惹かれています。
本作の山々の景色を見る時も、なんとなくそれに近い感覚があり
できれば本作での全く新しいオープンワールドゲームが作られて
フレンズ達や、フレンズ好きなフレンズ達(私たち)と
まったり同じ時間を過ごせたらなあって思っています。

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>8話まで視聴して
この1週間、待つのはホント長かった・・。楽しみで仕方なかった^^。
・・で、待ちに待ってた最新話ですが、今回はちょっと違和感が。。

まず、細かいところなんですが、今回のメインキャラ達のセリフで
「すっげー〇〇だな」とか「〇○前で」とかの発言でまず違和感w。
フレンズが〇〇化した世界であることが前提の世界だから???。

あと、あれだけ毎回特別枠?で扱ってきた今回のメインキャラ達が
やっと出た重要な回のハズなのに
あんまり物語やこの世界との関連性を感じさせない扱いに違和感。。

個々のキャラも衣装が同じ?ため自分の中で何が特徴なのか全く見えず
どれも同じに見えてしまう・・。
あえて違いを感じれたのは、口調の違いによる性格的な違い程度?。
でも個々の種類の違いは全く頭に入って来ず・・。
この作品はいつも、その動物独特の特徴や動きなどを
的確にとらえてるところが素晴らしいのに、今回は・・・。

率直に言うと、彼女たちのセリフそのままに
彼女たちは〇〇にしか見えない><。

今回に限って話の展開がちょっと強引で
なんか理由づけというか動機というか・・
今回のメインキャラの心情に同意できない・・。

うーん、これってなんか後付け設定なんじゃないのかって考えてしまう><。
まさかとは思いますが、SHIROBAKOで某〇〇さんが言ってた
〇○的〇○〇○〇○〇??。
最初からそれありきでぶち込んできている感が・・。
次回あたりで、そうじゃないという逆転弾を打ち込んでほしいです!。


あ、今回の別の新キャラ見てたら
ツチノコさんが歌ってる某別作品を再視聴したくなり再視聴開始^^。

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>山田玲司のヤングサンデー第63回を視聴して
https://www.youtube.com/watch?v=dEyc2eUHvfE

何気にyou tubeで”けものフレンズ”関係探してたら
山田玲次先生のこんな番組見つけてしまいましたw。
こんな番組されてたのですね!。
うーれしーい!!。
(←このセリフはレビューでは書くまいとずっと封印してきてたのですが
 番組中での山田玲次先生がハマりすぎて解禁です♪。)

そういえば、けものフレンズ視聴していくうちに
なんとなく無意識に脳内でBバージンの秋くん思い出してました(ホントだよ)。
作中で炸裂する山田玲次先生の動物愛&いきもの愛!。
崩したオタクキャラの絶妙のくねくね具合。
短編集で顕著だった怖いくらいの絶望感や破滅願望といった一面。
ゼブラーマンも1話チラ読みして、続きを読もう読もうと思ってますが
なんかまどマギと通ずる不穏な空気を感じて、なかなか読み出せずにいます><。
たしかに”けものフレンズ”と山田玲次先生は
共鳴しあう部分が大きいんじゃないかな?。

とにかく”けものフレンズ”視聴中の方もそうでない方も
山田玲次先生のこの番組は必見だと思います!!。
いろんな事が語られていて、すごく胸に届きました!。
you tubeでは1時間だけど、ニコニコで続きがあるのかな?。
あとで確認してみます。⇒続きは有料だったのでやめましたw。

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>9話まで視聴して
本編に戻ってきた感が顕著でしたね^^。
文句なしに満足させてもらった回でした!。

今回はやはりあの2人の声の主が気になります。
←サーバルちゃんは何かに気付いてましたね。
 サーバルちゃんが聞き覚えのある声といえば
 そういえば1話のあの声って回収されてない気が・・。

ラッキーさんの再生音は
〇〇〇〇〇〇〇紹介ポイントで発動?、それともかばんちゃんとの通信?。
過去のものなのか、リアルタイムのものなのか?。

なぜフレンズになる必要があったのか?。
なぜかつてそこにいた〇〇が今はいないのか?
いられなくなったのか?、去っていったのか?。
なぜいまかばんちゃんがここにいるのか?。記憶がないのか?。
フレンズ化してるのか、していないのか?。

いろいろ新事実が出てきたけど
え?、この世界のどこかに素の動物っているの?。
パークの外ってこと??。
じゃあそこに〇〇もいるのでは?。

フレンズは〇〇が着脱可能という事実が判明したが
え?。今までトイレってどうしてたの???。
トイレの必要のない世界?。やっぱゲーム内世界なの??。
単に〇〇に食べられたらゲームオーバーでパーク退場ってこと?。

ジャパリパークは何のための施設なのか?。
種の保存・保護・補完目的?(トキの歌の歌詞がココロにひっかかってる)
異種間コミュニケーション施設?
研究施設?、それとも単なる〇〇のための娯楽施設?

いろいろ好き勝手妄想させてもらってる
視聴者自身の今この瞬間が一番楽しいのかもです♪。
いろいろheavyな想像もさせてもらえますよね^^。
箱舟的な想像だったり、宇宙船妄想だったり
Angel Beats!のあの世界だったりしたら
ありえなさすぎて逆にうれしいかも?w。

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>10話まで視聴して
9話ラストの引きがあまりに気になりすぎて
10話を待つこの1週間がとてつもなく長く感じて
苦痛とも言えるこの1週間を乗り切って、やっとたどり着いた先で
また新たな苦痛の始まりが待っていました~♪(褒め言葉)。

2話続けての神回&神引きラストでした^^。

あれ?。この作品って1クール?。11話まで?12話まで?。
なんか、ここまで見事に謎を引きずってくれると
冬アニメで終わってしまう?なんてことをすっかり忘れさせられていました。

ちょっと今から真剣に
いつか確実にやってくる”けもフレロス”が怖すぎます・・・。
グッズでもイベントでもゲーム化でもなんでもいいので
コンテンツは継続してほしいな~。

あ、10話本編についてですが
σ(o・ω・o)的に気になったのは
やっぱ〇〇ちゃんの、あのシーンです。〇〇〇。
「たぶん私は〇人目だと思うから・・」的なセリフが
今後来ちゃうのかも・・なんて妄想だけで、ビール3杯いけます!。

あと、露伴先生??・・と、〇〇〇の孤島回??。

あらいさんとフェネックの扱いが絶妙ですね~♪。心地良すぎます。

〇〇〇ちゃんと〇〇〇さんの共通点といえば、
やっぱアレを付けたアレをかぶっていることと
傍に〇〇ちゃんがいることですよね。
やっぱ〇〇〇の世界なのかな?。ここは。
〇〇〇ちゃんって実はナビゲーター的な存在??。

あと気になってるのが、ここ2話ほど連続して
ゲームって単語をあえてわざわざ2回印象的に使ってるのが気になる。
ゲームって言葉入れることで現実世界感を出してるけど実は逆とか・・。

まあ何はともあれ、視聴期間中のこの満足感・・は突出しています!。
★の評価、文句なしに全5までUPしました。

----------------------------------------------------------------------------
>11話まで視聴して
文句なしですね!。どっぷり惹きこまれます!!。
また新たな苦行の1週間の始まりですっ♪。
・・というか、どうしてくれるんですか、この1週間www。

あらいさんパートの扱いが絶妙ですねー^^。
フェネックさんとの掛け合いが心地良すぎます!!。
←・・って、10話レビューと全く同じ文面になってるw。
でも、先週より何倍も何倍もパワーアップしています!。

もう後はラスト1話なのかな?。
結局もってここがどういう世界なのか未だに全く予想できません。
でもやっぱ現実ではない何かの異世界もしくは仮想世界な気が・・。
でもこの世界に生きているフレンズ達は、やっぱ生きてる実感を感じるし
フレンズ達の持っている感情はホンモノであってほしい!。

もう後は、OP曲の歌詞にある
「ホントの愛はココにある」を信じて待つのみです!!!。

----------------------------------------------------------------------------
>12話まで視聴して
{netabare} ・・これホントに最終回なんでしょうか??。
なんか今までの丁寧な作りと比べてしまうせいか
・・すごくすごく雑な気が。。

前半は、どこかの消費アニメのような
テンプレ感ありありの安易な展開・・・。

ラストも、とにかく終止感が全く得られない・・><。

”ひろげた風呂敷そこらへんに転がしたまんまEND”でした。。


最終回でのこの感覚は
”クラウズ1期”で感じたものと非常に近いです・・。

1話から最終話までのσ(o・ω・o)のテンションでいうと
「→↑↑↑↑↓」です。

やっぱ「終わりよければ・・」の逆パターンは
”がっくり具合”が3倍増しですね・・><。
(ちなみにサムメンコの時の1話から最終話までのσ(o・ω・o)のテンションは
 「↑↑↓↓↑↑」で、終わり良しでした)


・・ということで一気に熱が冷めてしまったため
「けもフレロス」は発生しませんでした。


幸い予約してた1巻も、納期延期のお知らせがきてるので
いっそキャンセルしようか考えているところです。

某サイトで公開されてた「妄想END」の方がしっくりきたので
また再度そちらを読ませてもらうつもりです♪。

最終的に★の評価リセットせざるをえませんでした><。{/netabare}


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最終話でσ(o・ω・o)が感じていた違和感の正体は
ひょっとしたら今現在(2017.9.27)の事態の前触れだったのかも・・?
と、今になって感じています。

明らかに死に絶えてしまっていた本コンテンツを
奇跡的な手腕によって蘇らせてくれたのは、間違いなくこのアニメ1期です!!。

アニメ1期に込められたさまざまな製作者様方のそれぞれの想いと、途方もない努力と愛情。
それらなくしてこの奇跡はありえなかったと思います。

自分が魅せられたのは
そういった「作り手の魂が感じられる過程」であり
放送終了後にも絶えず提供してくれたサービス精神その他もろもろです。

残念ながら本作は放送されていた途中において
まったく予想していなかった大反響となり
販売戦略が大きく見直されてしまったのではないか?と、自分は勝手に想像してしまっています。

1期ラストで、本来ならばしっかりとした終止感ある1作品として
終わる予定だったのではないかと思いますが
途中で方向転換の指示?がかかり、やむなく2期制作もあるかも的な
うやむやな終止にせざるをえなかったのではないでしょうか?
(えらいひとのしじによって)

そこまではまだ良しとします。

どうしてこのタイミングで
本作をここまで立て直してくれたクリエイターの方々や関連会社さん
また、ひょっとすると担当声優さんに至るまで
切り捨ててしまう・・なんていう判断がくだされたのですか???。

現状では真実は闇のままですが

なんかこの闇は、本作で描かれていた不穏感そのものですねw。

まさかこんなカタチで本作が幕を閉じてしまうことになろうとは、思ってもみませんでした><。
・・リアルはフィクションよりも〇〇ってことですか??。

もう本日現時点以降の、いかなる新たなけものフレンズコンテンツも
自分にとってはとても受け入れ難いものとなってしまいました・・><。

非常に残念です。。。。

ということで、アニメ1期はもともとつけていた★5評価に戻させていただきます。
(期待を込めてあえて下げていましたが、もうそうする意味もなくなってしまったので・・)

某監督はもちろんのこと1期のスタッフ様方やキャスト様方抜きのアニメ2期であるならば、それが永遠に制作されないことを切に願います・・><。


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>新たな動きで感じたこと
まず、岡田〇〇〇さんの動画を拝見しての感想です。
基本的に「トップをねらえ!」でスゴくスゴく尊敬している方ですが
いろんなスキャンダル報道もある方ですよね~><。
もちろん語られていたすべてを鵜呑みにするワケではないですが
とても「なるほど~」と思ったり「そういう側面があるのか~」と参考になりました。

やっぱ「金のなる木」問題といった側面もあるでしょうね。。
さらに大きな「金のなる木」にするのか
もしくは今のサイズの「金のなる木」で地道に続けるか。
とても興味深いテーマでした。
たしかにガンダムなんかは、当時続編に絶対否定的だった自分でしたが
後々振り返ってみると、そういうので得られた意外性の産物って
そういった判断が下されなかったら生まれなかったわけで
ベースとなるアニメ1期がが売れた現在、さらに多くの人の手にゆだねてみるのも
ありといえばありなのかもしれないですね・・。

でも、本作に限って考えてみると
σ(o・ω・o)は、本作はそういった展開は似合わない作品だと思います!!。

細々とクリエイターさんが地道に頑張ってるのを
かげながら応援させてもらってる的な満足感というか
メジャーじゃないからこそ好きっていう優越感というか
放送が終わってからも意外なもの(自主制作的なものだったりコラボだったり)
で、終わらないコンテンツ化してくれていた某監督の功績は
ほんっっっっっっっっっっっっっっとに計り知れないと感じています!!。
(メジャーになりすぎると逆に冷めてしまう可能性大です)

ゆえに、現在の流れのままに
違った監督の手によって大々的に大きな予算と体制で2期が制作されたとしても
それが現在のファン層には、とうてい受け入れられないものになってしまうでしょうね。
(そこは明白だと思います)

さすがにこの点においては某KAD〇〇〇〇〇さんも声明?発表に至りましたね・・。
願わくばいろんな関係者がうまく和解してくれて
制作者様側、キャスト様側、版権者様側、視聴者側、すべてがwin-win-winに到達する未来を希望します。


某監督のあの例の引き金ツイートは
一般的に考えると、社会的マナー?から若干逸脱してるのかもしれませんが
自分にとっては、とても勇気付けられたツイートでした。
おかげで自分が望む未来へのわずかな希望が残されたわけですから。

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>2017年、年末を越えて

もう何というか、ある意味本作ほど現実世界とリンクした作品って・・ない!と思いました。
やはりヒトはフレンズにはなり得ない存在だということが証明されてしまった気分です・・><。
これでもまだアニメ2期に期待したり、新規アプリ等を楽しめるファンがいると
本っ当に思っているのでしょうか??。

新規アプリはまた過去の産物に逆戻りするようですね・・><。

少なくとも今までの自分は
メディアミックス展開される作品は
アニメはアニメ、漫画はマンガ、ゲームはゲームと
それぞれがそれぞれの独自の味のある
”同じ作品名だけど全くの別作品”だと思っていましたが

本作に関しては、「それが許されない」ようですね・・・・(絶句)。

他の別作品でも2期を切望してる作品があるのですが

こういうのを目の当たりにすると

1つアニメが作られるのは

いろんなもろもろのタイミングが偶然一致した

ほんと、奇跡のカケラみたいなモノなのかもしれないですね。

・・しみじみ実感させられました。


ってことで、けもフレアニメは自分の中では1期で完全に完結してしまいました><。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 56
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

受け過ぎちゃって困るの

2話まで視聴。
{netabare}これは…外の世界はどうなってるんだ?そもそもジャパリパークとはなんなんだ?という、世界の謎に迫る作品だったりするのかな?
のんびりした教育系アニメに見せかけ、ディストピア方向に話が進んだら化ける…かも?
ってか、1話最後に出てた追跡してたっぽいヤツの出番ナシって、忘れてしまいそうだ。
ってか1話で2度目のセルリアン登場前に「きゃー」って言ってたのは誰だったんだ?どうなった…?


…。
まぁそんなことよりヤツデの話をしよう。
自称園芸ヲタ(面倒だからそう略してるだけで実際はニワカ)による、本編とは恐らく全く関係ない園芸ウンチクをば。

2話で熱帯雨林ゾーンに入った際、ボスの説明でここは樹木が層になっていて、ツル植物のように他の木を利用するのも多いみたいなことを説明してるシーン。
その時画面にはある植物がアップで映ってるのだけど…。
ツル植物のことを話してるのに、また熱帯植物でなくてはならないハズなのに、

どこからどう見てもヤツデ

場面的に考えたら難しく考えないでポトスでもモダマでもいいのに、何故にヤツデ?
あ、けしからんと怒ってるのではないです、むしろクスっと笑ってしまいました。
ひょっとしたらスタッフは天才なのかも知れない、もしくは外国人?

というのも、ヤツデってのは日本なら裏庭や神社など、そうでなくてもどこかに勝手に生えてるほどお馴染みの植物で、見たことがない人ってのはそうそう居ないかと。
それだけ身近な植物のせいかあまり注目されてないけど、実は海外では結構人気のある植物らしい。
冬に雪が降るような寒い地方でも、あれだけ大きな葉っぱで常緑のまま過ごす植物ってのは貴重らしい。
また、Fatsia japonica(ヤツデの学名)で動画検索すると面白い生の声も聞けたり。
カナダのハーディネスゾーン8a(北関東以北の低地部と大体同じ寒さ)の地域に住んでて、庭をサブトロピカルガーデン(南国風庭園)造りしてる方が複数の動画をアップしてるのだけど、
そこでヤツデをベタ褒めしてます。
(日本ではあまり馴染がないけど、海外では南国風庭園って珍しいものでもないっぽい)
英語殆ど分からないけど褒めてるというのは分かる、ベリービューティホーとかベリートロピカルルッキングくらいは聞き取れるので。
要はヤツデを南国っぽい見た目(それでいて寒さに強い植物)として重宝してる。
仕立て方も日本とは違って、日本では大体背丈を抑える方向に剪定するものを、トロピカルガーデンではむしろグネグネと丈を伸ばし、いかにもシュラブって感じに作ってます。
こんな仕立て方があるのか、とちょっとビックリ。
それ以前に日陰を好む特性上、最後まで雪が残るような場所に生えてるヤツデを普段から見てた自分としては、南国風と捉える発想自体がビックリでして。
確かにヤトロファやヤツデアオギリとか本物の南国植物でヤツデと似た葉をした植物はあるけど…言われてみれば、へーえなる程ねぇ、いい勉強になった。

で、そんなリアル海外事情を知った上で話をけものフレンズに戻すと、クスっとこないかな?
アニメーターもそういう海外事情知ってて敢えてヤツデを充てた?そもそも担当が外国人とか?独創であのシーンにヤツデを充てたとするならかなり優れた発想力の持ち主かと。
まぁ「ここに熱帯の植物のアップ描いといて」って指定されたのが回ってきて、妥当な資料が無くてどうしようどうしよう慌てふためいて、たまたま近くに生えてたヤツデを使っただけなのかも知れない、日本ならアニメスタジオの裏に生えててもおかしくないので。
またはひょっとしてひょっとして、ジャパリパークの所在地が実は…っていう伏線だったりして!?(さすがに分かりにくいって)
と、なかなか想像が捗ります。

たった1カットの画像だけで何言ってんだ?
と自己ツッコミも一応しておこう。
ちと縁あって去年から育ててるってこともあるかな、まだ発芽したばかりの小さい苗だけど。{/netabare}

5話までの感想、ってか考察?
(ゼーガペインとDTエイトロンのネタバレもあるので一応注意)
{netabare}あの世界はDTエイトロンとゼーガペインを足したような感じじゃなかろうかと予想。
量子コンピュータなりで動物のデータを保存してあって、けどコンピュータの仕様の問題でプログラムは常に実行し続けてなくてはならない、とか。
で、その実行方法は幻体にループさせときゃいいってのではなく、エイトロンのような水素結合体だか珪素だかなんだか、少なくともなんらかの実体を持ったフレンズという形態が必要。
原則一体のフレンズに何百個体分のデータが詰まってる。
ってかスタッフは結構動物について詳しいみたいだし、50・500測(あーもうググってちょ)は知ってると思う。
ということで50個体以上の情報の詰まったフレンズは目にハイライトがあって、50を切ってる・またはスキャンではなく手打ちで組んだ幻体プログラム(架空の生物など)はハイライトなし。
セルリアンはDT保有者を探してる?もしくは全てのDTが集まって元の動物に戻すために回収してるとか。
って感じじゃないかなー、と考察してみたり。

けど、あんまり深く考えるのはやめといたほうがいいかな?
ちょっと話が逸れますが…
今まで他のアニメで感じたことがあるのだけど、主人公とその周辺だけしか人物が画面に映ることはなく、それでいながらやれ戦争だやれ世界を守るだのやられると「盛り上がってるのは主人公と周辺だけでそれ以外は滅亡してんじゃね?」と思ってしまうことがしばしば。
自分があにこれでそれを書いたのでいえばアンジュヴィエルジュやイリアドライ、感想を書いてない作品でもそう思ってしまうのは多数あります。
またはもうちょい深刻なものでは幸せのパンのように「実は主人公は死んでて(幸せな世界に飛ばされたけど)気付いてないだけなんじゃ?」と思ってしまうようなものまであったり。
要は戦争や世界の危機を謳っておきながらそこに住んでるハズの一般人=守るべき対象(文民でも家族でも国土でも)が不在だと、個人的にはすっごく気持ち悪く感じてしまうんですよね。
まぁこれは単に予算の問題で群衆を描いてなんかいられないって事情があるんでしょう。
(もうひと言、主人公周辺のみという狭いコミュで偏った価値観に支配されて全員が右向け右するのも気持ち悪く感じる。ワザとそうしてるのならいいけど作ってる側もそれに染まってるように思えるやつはちょっと…)

で、けものフレンズに話を移すと──
「低予算で作るとそういう印象を持たれてしまう作品になりやすいというなら、いっそその通りの話にしてしまえ」という逆転の発想で作ったのではなかろうか?
もうちょい言い方を変えると、滅茶苦茶予算が少なく、そんな中で「どうにか形になる話を考えたらこんなのになっちゃいました」って感じではなかろうか。
「描くのが面倒なのはフレームアウトさせて映さない」とか、顔の3Dモデリングの…えっと雛形っていうの?テクスチャ剥がしたワイヤーフレーム状態はgdgd妖精から流用してる?とか、2話のフレンズ紹介は止め絵に留めて口パクすらさせないとか、とにかく予算が無い感じはひしひしと伝わる。
そんな中でよくアニメ化にゴーサイン出したものだと呆れる一方、大変な中作ってるスタッフは報われて欲しい=作品が成功して欲しいと判官贔屓してしまう側面もあると思います。

ただねぇ、あくまで低予算で作れる話を作っただけで、そこまでヒットを狙ったワケでもないだろうってことも思ったり。
作った側自身が今後期待に沿える展開になってるかどうかヒヤヒヤしてるんじゃないかなぁ?
ってことで期待はしてるけどそこまで過剰ってほどではありません。
ってことで考察も程々にしてあります。
琴浦さんみたいなことにならないよう願うばかり…(琴浦さんが悪いって訳ではなく、加熱っぷりが、ね)。


ところで吉崎観音といえばメルティーのゲーメスト(新声社)は、後期にはサントラをCDではなく書籍扱いとして販売してました。
けものフレンズも円盤はガイドブックの付録ってことで書籍扱いらしい。
吉崎観音本人のせいではないだろうけど、妙な販売手順を踏むコンテンツに縁がありますなぁ。{/netabare}

全話見終わっての感想
{netabare}放送中の一番の懸念材料は、ヒットはしたものの作ってる側がどこがどうヒットしたのか理解してないのではないか、いつ“ウケてたポイント”を外してしまうのではないか、とヒヤヒヤしてたのですが大きく外すことなく最後までやりきってホっとひと安心。
他の回に比べ評判の悪い8話(PPPの回)も、「フレンズの体は集合データ体で本物の動物のソレとは根本的に違う?」と疑ってたヒネクレ者の自分としては「マーゲイの鼻血」によってその可能性を否定してくれた重要な回だったり(流血すら擬態の可能性はあるけど)。
なによりその8話、観客の描きこみが雑で(ついでに何度も登場した木は枝垂れ柳っだと思うのだけど、それすらも雑)、人手や予算的にもうこれが精一杯といわんばかりでした。
おかげで11話を終えての最終回の予想時、全員集合の案は浮かびはしたものの手間的に無理じゃね?として早々に予想から除外してました。
そこへ全員集合を持ってきたのは、ベタではあるけど素直に驚くことができました。
これ計算じゃないよねー?たまたまだよね?

さて、肝心のウケた部分だけど、この作品の系統としては一応“白人酋長モノ”になるのかな?
かくいう自分も最近この言葉を知ったのだけど、要は文明の劣る蛮族の中へ文明が上な現代人を放り込んで凄い凄いと褒め称えられる系…詳しく書くともっと細かいんだろうけど、詳しくはググってちょ。
まぁ大抵の異世界転生モノがコレ。
ただ、よく見かけるラノベ系の異世界転生モノだと蛮族共はあくまで下の存在で、そこへ放り込まれた主人公の立場は絶対に上で、対等の関係ではないし教えることはあっても教わることはない(無双系なんかもこれに当たりますね)、といったものが多い気がします。
他者を下に敷くこと──これまた最近知った言葉だけどマウントを取ることに必死。
で、けものフレンズはそれとは違って、相手には対等に接し教えもすれば教えられることもある。
ぶっちゃけ、他の作品でマウント取るのに疲れたor飽きたところにこの作品がポーンと飛び込んできてヒットしたんじゃないかなーと思ってます。
感情移入するのは主人公だけって人ならまだしも、なんだかんだで蛮族側にも多少なり感情移入してしまうのが普通だと思うので、マウント取ってばかりなのは息苦しく感じてしまう人も多いんじゃないかなー?と。
ここの成分タグにもある「やさしい世界」ってのはそれを指してるのではなかろうかと。
また、酋長たる主人公は基本作家以上に賢くは描けないため、それより下な蛮族をあり得ないくらいアホに書かれるとウンザリするものだけど、そこを「元は動物」ということで気にならない作りだった点も大きいかも?

それと、これって全12話って範囲からは外れるけど名目上監督の趣味として投稿された12.1話、こりゃ凄いや。
いやね、今まで他のアニメ見てて思ってたのだけど、円盤の最終巻売り切るまでは忘れられないようになにか“繋ぎ”をした方がいいんじゃないかーってね。
やってるのもあるけど大抵はネットラジオも終わらせて、あっという間に記憶から消え失せてしまうのって勿体ないなーと思ってたんですよ。
ってかこの作品も最初はそうだったと思うんだけどね…そこはそれ、低予算・少人数制作による強み、フットワークの軽さを目一杯生かしているかと。
先にも書いた通り、何がウケたか理解してなくてそのうちポイントを外してしまうんじゃないか?という点を懸念してたのだけど、どうやら“強み”はしっかり理解してるみたいだし、今後もし続編やるとしても心配しなくて平気かな。


さて、褒めるのは以上で、以下はツッコミ。

最終回にボスがフレンズと会話しなかった理由で「生態系の維持」と言ってたが、ここでいう生態系とはなんぞや?
ボスがセルリアン退治に協力したのはあくまでヒトであるかばんちゃんを救うためだったり指示がそうであったから。
かばんちゃんが関わってない場所ではフレンズがいくらセルリアンに襲われようがボスは手出ししてないと思います。
つまりは、「サンドスターの影響で起きた現象はフレンズだろうがセルリアンだろうが分け隔てなく」生態系として捉えてた、と。
これって外部に人間が居て、サンドスターでどんなことが起きるのか“観察”してるんじゃなかろうか…実験観察みたいな感じで。
そういう方向で、サンドスターの謎に迫る話を(もし続編があるなら)続けてくれたら自分好みではあるのだけど…SFに寄り過ぎかな?{/netabare}

園芸ネタ
{netabare}ここではないどこかの感想でカレーの件、スパイスの材料を収穫するのは大変なのにという意見を見たことがあるのですが、それに突っ込んでる人は甘口カレー。
1話、例のキノヴォリのシーンで登ってた木、バオバブですが、それがあれだけ巨大に育つには数百年~千年以上かかります。
舞台の島で元から生えてた(その場合あの島はマダガスカル島になる)としても他の気候の樹木だって数十年かかるものはあるし、やはりここはサンドスターでどうにかなったと考えるのが妥当かと。
で、そこまでサンドスターでどうとでもなるのであれば、香辛料の栽培・収穫なんて容易いもんです。
むしろね、畑がとんな気候になってるのか、どんな景観をしてるのか見てみたい…けど描いたらボロが出そうなので描かない方が良いのは必定。

1話でサーバルが寝てた木は多分アカシア、種小名までは不明。
4話で出たサボテンが柱ではなくウチワだったのに拘りを感じる…って、監督関西の人なのか、それでか?{/netabare}


2017、9月26日追記・二期に向けての動き
{netabare}昨日、監督のたつき氏のツイッターで二期から外された報告が出され、現在ファンの間で混乱が起きてる模様。
自分もグッズを買ったり動物園に行ったりはしてないが、死に体のプロジェクトを復活させ、続々とイベントや商品展開やコラボ、更には二期決定などの躍進を眺めて他人事ながら目を細めていました。
で、そんな中冷や水をぶっかけるようなこの事態、そりゃあファンが混乱するのも当然だわ。

一方で自分個人は残念ではあるけど「まぁこんなもんでしょ」と思ってたり。
こんなの書く場所間違えるとやれ業者の消火だ対立煽りだ言われそうなのでここに書くことにしますが──
たつきを弾いたのは角川側らしい。
で、けもフレのヒットを受けての再放送したりゲーム化だったりを見てて、ちょーっと不穏な気分はありました。
二期決定は嬉しいけど、キッズ向け…というか長期コンテンツ化を目指しちゃうんじゃなかろうか?と。
酷い例を挙げれば、毎回新しいフレンズと出会ってその紹介をちょろっとやって事務的にセルリアンを倒す、のテンプレ化。
「あの世界の謎」に追及(縦の広がり)することなく、フレンズのストックだけは膨大にあるのでそれのキャラ推し(横の広がり)しかやらない、とか。
角川側がそっちを指示してたつきが首を横に振ったって感じじゃないのかな~、と思ったり。

いやぁこれって角川は前例があるので…。
ストライクウィッチーズ、あれなんかそうじゃない?
{netabare}一期で提示した謎「人型ネウロイの登場で人類と意思疎通ができて将来武力以外の解決の道が開けるかも?」っていうのを二期でまるっと投げ捨て、ただ単にネウロイを事務的に倒すだけの展開にしてくれました。
二期はまだギリギリキャラ人気で持ったけど、その後のブレパンではそれも限界が来て別部隊メインにして、しかも501ゲストにしてももうボロボロという、そんな前例があるじゃな~い?
そこまでなっても相変わらず「ネウロイって何やねん」「戦争を終わらせる」っていう根本解決・縦方向へ話が進まない辺りどこまで続けるんだ?と呆れるレベルなんだけど、けもフレもそっち方向に向かわせる気なんじゃないかなー、と。
(ってことを考えると高村監督もかなり断腸の思いで二期やブレパンの監督やってたのかなぁ、と思えてきたり。ビビオペは知らん){/netabare}

自分的には横ばっかりに話が広がっても付いていけなくなります、ってか飽きる。
やっぱり根本解決…すぐさま解決しないでも縦方向への広がり(謎を解いても新たな謎を設置する)が無いとどうにも楽しめない。
もっと欲を言えば「完結しちゃって絶対続編は出せません」ってくらいの作品を見せてもらいたい。
で、けもフレは酷い言い方をしてしまうと受け過ぎた。
ギリギリ二期やれるかやれないか、コケても別にいいやって位が丁度良かったんだけど…。
で、もし長期化キャラ推し世界観掘り下げナシ展開であるなら、たつき続投でも多分大して面白い作品にはならないと思います。
だったらもう降りるのもひとつの手かなぁ、と。

いやぁ…根っからのファンには申し訳ないですが色んな意味で二期が楽しみになってきました。
ホントにキャラ推しするだけだったら見るの止めます、ストパンで懲りた。{/netabare}

2019、2月10日追記
一度ちゃんと考えをどこかにまとめておいた方がいいかなぁ、と思い、この場にて追記。
けもフレ放送以降の騒動と、けもフレ2とケムリクサの両方に対するスタンスといいますか。{netabare}

まずけもフレ1は個人的に評価は高いけど、もしかしたら世間の多くの方が評価してるのとはポイントがズレてるのかも知れない。
で、そんな自分が評価してるポイントは「薄氷の上のユートピア(それってディストピア)感」。
これはどこで書いたっけかなぁ、異世界転生系で多いけど主人公ageするために現地人無能化が行き過ぎて、主人公登場してご高説垂れるまでどうやって生きてきたのか不思議に感じてしまう作品、自分はそういうのがどうにもダメで。
でもってけもフレも、一見するとフレンズ達は狂気レベルで頭お花畑で「どうやって今まで生きてこれたんんだよ?」とツッコミたくなるところを、ちゃんとそれの理由が明かされてる。
サンドスターによって強靭な肉体を持ち、糧は無条件でラッキービーストがじゃぱりまんを配給してくれる。
生物として一番重要な繁殖をオミットし、今以上に快適な生活を得ようという欲求(あいつより良い生活がしたい→略奪)も薄い。
ただひたすら与えられるものに胡坐をかき、退屈で退屈で娯楽に飢えてるのであれだけ優しく接することができる。
物凄い悪い言い方をしてしまうと「ラッキービーストに管理されてる・飼われてる」世界であり、フレンズがそれに気付くか気付かないかギリギリのところを踏み止まってる「あやうさ」にこの作品の魅力を感じたのです。
(だってねぇ、ラッキービーストがじゃぱりまんの配給止めたらどうなる?殺して奪い合う殺伐とした世界しか思い浮かばないぞ。
またはじゃぱりまんを独占することに娯楽を感じるフレンズがいつ現れるか分かったもんじゃない。
もしくはそういう世界のバランスを崩すフレンズを処分するためにセルリアンは存在してたりして?とか、考え出したらそりゃあ考察が捗る)
なので最終回でクマが博士に指示されて屋台開いてるシーンでは「あ、略奪と身分格差の生まれる前触れか?」と不穏なものを感じてたり。
ポスアカ要素はあくまで「ラッキーに飼われてる」って条件を作るための装置であってそれがメインじゃない…というか、ポスアカとディストピアのバランスの絶妙さが素晴らしいワケで。

ふと思ったけどこの世界設定は“祝福のカンパネラ”が似てるかな?他にもあるんだろうけど。
{netabare}一見人々は豊かで穏やかな暮らしをしてるように見えて、実はそれを支えてるのはロストテクノロジーのマナ発生装置のお陰で、今や誰も修理できないそれにガタが来始めてるっていう設定。{/netabare}
自分こういうの好きみたい。

そして気になるのは、この「ポスアカとディストピアの絶妙なバランス」は偶然なのか実力(狙ってやったもの)なのかという点。
たつき降板による騒動はそんなに気にしてない、前にも書いたけど仮に続投したところで周囲からの注文が煩くてロクなもんにはならなかっただろうと思ってるので。
なにより10年だか100年だか続くコンテンツとか言ってて、完結させる気が無い作品はもう見たくないなーとも思ってて。
ここら辺で「たつき続投だったら100年続く名作になりえたのに」と言う方とは意見が合わない。
ってか「IQ溶かしてたーのしー言ってるのが楽しい」って方とも合わないし、やっぱ自分はポイントがズレてるのかなぁ?
(合わないだけでその方々の意見を否定する気はないです、むしろそういった幅広い層にウケたのが凄い。あ、でも「完結して欲しくない(すぐに続編続編騒ぐ)」って人はちょっと…)

そんな中、幸か不幸かケムリクサとけもフレ2とで分かれてアニメが作られることとなり、じゃあどっちが自分が評価した部分を踏襲してくれるかなーと注目してます。
どちらか片方を贔屓するってことは無いし、ひょっとしたらどっちも自分の評価ポイントとは別な部分推しになる可能性も…。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35

70.2 9 図書館アニメランキング9位
バケモノの子(アニメ映画)

2015年7月11日
★★★★☆ 3.8 (637)
4205人が棚に入れました
原作・脚本 細田守監督。


舞台となるのは、人間界のほか、動物のようなバケモノが住む「渋天街」が存在する世界。

人間界「渋谷」から「渋天街」に迷い込んだ一人ぼっちの少年が、強いけれど身勝手なために孤独だったクマのようなバケモノの剣士・熊徹と出会うことで物語が展開する。

少年は熊徹の弟子になり、九太という名前を与えられ、彼と共に修行や冒険の日々を送ることになる。


声優・キャラクター
役所広司、宮﨑あおい、染谷将太、広瀬すず、山路和弘、宮野真守、山口勝平、長塚圭史、麻生久美子、黒木華、諸星すみれ、大野百花、津川雅彦、リリー・フランキー、大泉洋
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【ネタバレ無し】熊徹と共に吠えろ!!

2015年7月より劇場公開
本編119分


【前置き】

細田守監督の長編映画第4弾。
(ONE PIECEの映画を除くと。)
「時をかける少女」の頃は、原作を上手くアレンジし名作に仕上げた監督の手腕が高く評価されておりましたが、「サマーウォーズ」以降、その評判は一般層をも巻き込むカタチで大きくなり、今やポスト宮崎駿とすら呼ばれるまでとなり、その観客動員数も他のオリジナルアニメとは一線を画すレベルとなりました。
それに従い、批評する側の目線も高くなったり、偏った意見も多くなっていった印象を受けました。

私的には、監督の作品はどれも大好きです。
大手を振って褒められるかどうかはともかくとして。
なので、評判が上がるのは勿論嬉しいのですが、批評の中には闇雲な感情論による悪態でなくしっかり的を得ている意見も多くあり、色んな意見から新たな視点を得る機会に恵まれたことに楽しさも覚えました。


前置きが長くなりましたが、そんな監督の第4作目。
普段はあまり映画館へは足を運ばないのですが、知名度の高い細田監督の作品だけは評判が出尽くす前に見ておきたいと思い、前作品らと同様に出向いて来ました。



【あらすじ】

人間界「渋谷」とバケモノ界「渋天街(じゅうてんがい)」という、通常交わることのない二つの世界。
ある日、とある事情から渋谷で途方にくれていた少年「蓮(れん)」は、渋天街の熊のような風貌のバケモノ「熊徹(くまてつ)」と出会います。

蓮は、熊徹から強くなるため弟子になるよう説得され、渋天街で「九太(きゅうた)」という名を貰い、日々修行に明け暮れるのでした。

8年後、成長した九太は偶然渋谷へ戻ってしまうのですが、そこで高校生の「楓(かえで)」から新しい世界や価値観を吸収することで、自身の生きるべき世界を模索するようになります。

そんな中、両世界を巻き込む事件が起こるのです…………。



【(劇場公開中なのでネタバレ無しで)語ってみる】

監督の他作品と比べて、本作はどこが優れていたか。
それは、この少年漫画的なシナリオからくる『熱さ』にあると、私は思いました。
サマーウォーズでもあった、「キングカズマVS人工知能ラブマシーン」の徒手空拳の格闘シーンが好きな人なら、本作でもまず燃えられるでしょう。
徒手空拳の格闘技だけでなく、本作はバケモノ達(と言っても怪獣ではなく熊男や猪男のような人型)による格闘技で、非常に力任せであり泥臭いところもあるのですが、迫力は満点でした。
作画は前作同様、映画であることを差し引いてもしっかり描ききれており、そこから上記のような魅せるシーンの更なる力の入れようは視聴者を大いに湧かせてくれます。
約2時間とアニメ映画としては少々長い部類ですが、私は一度も退屈させられるようなことはありませんでした。


ただ、映画のテーマとしては少々監督の引き出しが少ないと感じてしまったのも正直な話。
本作は、異種間を含めた「親子の絆」を描いた作品。
それこそ、前作「おおかみこどもの雨と雪」でもそうでしたし、広く家族と捉えれば「サマーウォーズ」でもそうでした。
細かく分ければ「おおかみこども」は完全に親の視点である為、本作とはまた少しテイストも対象となる年齢層も違うのですが、端から見れば一緒である時点で、多くの視聴者に既視感を与えてしまう点は残念です。
加えて、「熊男」「狼男」というのもまた、ニアミスしてると言わざるをえません。
舞台設定こそ監督の作品の中では新しい「渋天街」も、それこそ他作品で言えば見慣れた世界観であり、新鮮味には欠けてしまいましたね。


キャラクターに関しても、主人公の「九太」は、幼少時代は横着な熊徹のもとで子供なりに必死に学ぼうとする(加えてコミカルな)様に心打たれ愛着を持てたのですが、8年後のスマートになった青年「九太」は少々魅力に欠けました。
なんと言うか、見た目も含めて格好良過ぎたんですよね。
これは、前作でも主演声優を務めた「宮崎あおいさん(幼少期の九太)」と「染谷将太さん(青年期の九太)」とのキャリアの差も大きかったのかもしれませんが。
彼の見せ場のシーンも、そこに至るまでの過程や肝心の敵が少々腑に落ちなくて、首を傾げながらということもありましたしね。

何より、九太の師匠である『熊徹』が非常にキャラ立ちしている為、主人公の九太の活躍が、どうしても霞んでしまうんですよね。
私的には、青年九太が頑張るどのシーンよりも、熊徹が無骨に挑みかかる格闘シーンのほうに目を奪われてしまいました。

まず「役所広司さん」の演技が抜群に良いんです。
声をヘンに作っているわけではなく、でも役所広司さんの地声とも少し違う、まさに「熊徹」というキャラクターを自身で作り上げて演じ切った感じでした。
横柄で、人の話を聞かず、短気で、ぶっきらぼう。
そして、たった一人で自身を鍛え抜いて、自分の力で強くなった…、…強くなってしまった熊徹。
そんな男が、世界の違う人間の子供に目をかけ、なんだかんだで必死に育て上げていく様。
泣くには至りませんでしたが、やっぱり心に訴えるものがありましたよ。

この作品の評価は、この熊徹が好きになれるかどうかが大きな分かれ目となると思いますね。
私は、こういう男臭くて人情的なヤツ大好きなんです。
弟子になりたいかと言われれば、それはまた別の話なんですけどね……(笑)

勿論、魅力的なバケモノは熊徹だけでありません。
やはり見た目もインパクトのあるバケモノ達が中心となるのですが、中でもその熊徹の元で九太に目をかける豚顔の僧侶『百秋坊(ひゃくしゅうぼう)』は魅力的でした。
度々の彼の諭しがあってこそ、九太も…そして熊徹も、道を違えず成長出来たんでしょうね。
視聴後に声優さんが「リリー・フランキーさん」だと知りましたが、とても落ち着いて演じられていて、あの声だからこそここまで好感を持てるキャラになったんだと感じました。


主題歌であるMr.Childrenの『Starting Over』も非常に作品に合っている名曲でした。
いつぞや、ONE PIECEの主題歌を担当された時の曲は個人的に好きではなかったのですが、今回は自分にとっても大当たりでした。
このレビューも、この曲を何度もリピートしながら作りました。
聴くと自然と作品の良いシーンがフラッシュバックする、そんな1曲でしたね。



【総評】

映画館で見る価値があったかと言われれば、私的には十分ありました。
ただ、やはり初見且つ映画館というインパクトも含めて、評価が上乗せされた感はあるので、そういう意味では少し抑え気味な評価となるかもしれません。
まだ前評判の無かった「サマーウォーズ」を公開初日に映画館で見た時のインパクトと比べると、視聴後のテンションはかなり違いましたし。

ですが、やはりシナリオからも分かる通り王道ながらしっかり見せ場のある熱い作品なので、ファミリー層を中心にまた興行収入としては成功の作品となるでしょう。
勿論、変に偏り過ぎでなければ大人も十分楽しめる内容ですので。
私は同じ作品を映画館で二度見ることはまずないので、また足を運ぶことはないでしょうけど、早くBlu-rayでもう一度見直したいです。


ただ、やはり次回作以降の引き出しには不安を感じさせるものであったことは確かです。
アニオタ界隈では「ショタ好き」「ケモナー」等の名誉?なレッテルを貼られている細田監督。
そこが真実かどうかはさておき…この監督は、しっかりと面白いところが分かっていて且つ視聴者の目線にも立てる、そして「ショタ」等の偏った需要を上手く一般層向けに紛れさせ商業作品へと仕上げるセンスを持つ、数少ない実力のある監督だと私は思っています。

と言うわけで、次回作は
『ブッキラボウな男+そんな彼を慕うロリ少女』
という私の大好きな設定を是非、一般層にも受けるような作品へと昇華させ仕上げていただきたい。

……最後の一文は忘れて下さい。

読んでいただきありがとうございました。

◆一番好きなキャラクター◆
『熊徹(くまてつ)』声 - 役所広司さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『チコ』声 - 諸星すみれさん



以下、声優を務めた「広瀬すずさん」について。
(低俗な文章を含みますので、〆ます。)
{netabare}
本作のヒロイン「楓」を務めたのは、女子高校生ながら話題の女優『広瀬すずさん』。

とある番組での、悪質に切り取られたかのような彼女の言動が世間の反感を買い、謝罪騒ぎにまで発展したのをご存じの方もいるでしょう。

そう言えば以前にも彼女は、「明星一平ちゃん夜店の焼きそば」のCMで、一部言動が誤解を招くとして差し替えとなる騒ぎも起こりましたね。
これも謝罪騒動同様、私的には少々解せなかったんですよね。

全く………、


『ぶっちゅ~~~~~~~~~~、全部出たと?』


という言動の、一体どこに誤解を招く要素があったと言うのでしょうか。

しっかり口をすぼめ(ソースを)絞り出す様の、一体どこに何の誤解が生じていたのでしょうか。

広瀬すずさんには、これからも逆境に負けず作中の「楓」と同様に、自身の信ずる道を邁進していって欲しいものです。




………………………………ふぅ。

シュッシュ、フキフキ
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

“新冒険活劇”の意味は分からずじまいでしたが・・・

2018.08.11記


「時をかける少女」に続き「未来のミライ」公開記念で地上波で放送していたのを鑑賞。
細田監督作品は「おおかみこどもの雨と雪」「時をかける少女」に続き3作目の鑑賞となります。


今日も渋谷駅周辺は外国人で溢れ、きょろきょろしながら歩いたり、めいめい写真を撮ったりして楽しんでますね。これだけ多くの作品で取り扱われる街ですからなんの聖地巡礼かはさっぱりわかりません。ハチ公前交差点は都会の雰囲気を描写できる上、空間を広めにとれるため引きのカットをいろんなアングルから撮れることが作り手にとって魅力なんじゃないかと勝手に思ってます。

で、その渋谷の街とその渋谷に隣接する異世界「渋天街」が舞台のお話です。
お約束のハチ公交差点前もしっかり出てきますので、渋谷ファンは要チェックです。


家族関係で闇落ちしている少年“蓮”の視点から物語は始まります。夜の渋谷を走り回ったりするのですが、この時の背景しかり通行人の描写、防犯カメラを使った数枚のカットなどの工夫はさすが劇場版といえる作画です。ひょうんなことから迷い込んだ渋天街もプチ千と○尋の幻想的な作りだったりと導入はバッチリでした。ただプチ神隠し感が出たことで、否が応でもポスト宮○駿を無駄に意識させちゃったかもしれないのは余計だったかも。

物語は、作品タイトルやポスターの絵柄からバケモノ(熊徹)と蓮(または九太)の親子関係または師弟関係を軸とした展開が予想され、実質その通り進んでいきます。ただそこに焦点を絞り過ぎると中盤以降の追加要素に混乱してしまうかもしれません。《詰め込み過ぎだよん》という評はしかりで、父子愛というメインテーマを補足するための追加要素がわかりづらいです。父子関係に加え蓮の成長も描こうとしてますので尺を考えればギリギリ、劇場版の宿命とはいえ、多くを観客の解釈に委ねてます。


じゃあ自分はどうだったかというと、、、普通におもしろかったです。
ただもうちょい脚本はわかりやすく出来なかったかと注文はあります。
テーマは普遍的なものを扱ってますので、その一点突破で感動するかもしれない佳作と良作の中間と言っていいでしょう。


熊徹はいい味出してました。大正生まれか昭和一桁世代の佇まいです。イメージは星一徹(大正)か銭形のとっつぁん(昭和一桁)あたりでしょうか。頑固親父かと思いきや猪王山から子供のようと指摘されてる通り、がきんちょのようでもあります。このへんのイメージはLEONっぽい気もします。子供(っぽい大人)と子供の組み合わせもなんとなくLEON。


なにかと評判の悪いリアル俳優が声優を務める劇場作品の例に漏れず、本作もそうなのですが、全く違和感のない方がお一人いたと思います。
うさぎの宗師さま役津川雅彦さんです。 
{netabare}「お前という奴は迷いなど微塵もない眼をしおってぇ」{/netabare}
合掌…


細田作品のおおかみこどもの雨と雪では母子の愛を、本作では父子の愛ということになるんでしょうが、なかなか難しいのかもしれませんね。母と子の組み合わせが物語を作りやすいのかもしれません。であれば父と子の関係を扱った本作は意欲作ということでいいんだと思います。

{netabare}「君は俺と同じだよ。バケモノに育てられたバケモノの子だ」{/netabare}
蓮が初めて言葉にして父親と認めた瞬間、親父冥利に尽きるなと感じた瞬間でした。目の前で言われるかいなくなってから言われるか、男にとってはどうでもいいことかも。
多少のご都合展開は目を瞑って親父の自分が自己投影できたので評価が甘くなったことは認めよう(笑)


ちょっと気になったところはネタバレで隠します。

■白鯨の処理
{netabare}蓮と楓を繋いだメルヴィル著の『白鯨』。たしか船長さんが船もろとも鯨と運命を共にした話だったことは覚えていて、本編では一郎太が鯨に化けたあたりから嫌な予感しかしなかったのですが。。。
{/netabare}

以下ほぼ私見かつ妄想です。

■楓の役割って
{netabare}主人公と同年代の女の子だからといってヒロインではありません。九太が蓮に、彼が人間界に戻るための触媒と思えばたぶんすっきりします。
序盤、多々良と百秋坊が触媒となって蓮と熊徹を結びます。楓はもともと蓮が持っていた好奇心を現実世界に落とし込む存在として役割を果たします。
途中から出てきたのもあって恋愛要素を前面に出すと話がぼやけるため、あのくらいの按配で良かったことでしょう。{/netabare}

■女よ、GOMEN
{netabare}虎徹への弟子入り直後、剣士としての成長きっかけとなったのは母の幻影「なりきる。なったつもりで」の一言。宗師さま巡りを経て『大事なことは自分で見つける』と気づきがありました。これまで他人のせい、自分の殻に閉じこもっていた蓮が一皮むけるために母は必要でした。
楓もそう。8年ぶりに人間界に戻ってきた蓮は楓がいなければ路頭に迷って野垂れ死にしてたかもしれません。一郎太とのバトルでも早まって差し違えて終わってたかも。
父子愛がテーマの作品で、といいつつも結局女がいなければ何もできないのが男だったりするような。こうゆうこと言うのは女性に言わせれば男の甘えだそうです。{/netabare}



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2019.01.19追記
《配点を修正》


「おおかみこどもの雨と雪」で母子の愛、本作は父子の愛。
私は昭和の人間なので、父と子ってペラペラ話し合う印象が薄く、その延長線上、エンタメとして成立しづらいのでは?と邪推。
「クレイマークレイマー」のようなのも良いが、頑固一徹親父とその息子の物語をこの時代にこそ観たいとぞ思う。そういう意味で本作は及第点です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 40
ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ぼくはケモノもオッサンもすきなので熊鉄のこと可愛いとおもいました(まる)

月曜メンズデーの夜に行きましたが客の少なさにビビりました。
3週連続細田作品地上波放送で、宣伝にも力入ってるのに……。
先が不安になりましたが、平日の夜だし、単に山形がアニメ過疎地ということ、なんですかね。

ケモナー細田の真骨頂!!
バケモノの造形が可愛らしく、現代的です。
どっちかというと人間に近い。もののけ姫のそれとは大違いです。
まさしくケモナーが好む、ケモナーのための映画といっていいでしょう。

本作を見て一番に感じることは、広い意味で男の子が好きそうな映画だな、ということ。
(話と関係ないのですが、「おとこのこ」を変換したら普通に「男の娘」というワードが真っ先に出てきたw 打ったの初めてなのに。なんという時代……)

主人公の男の子が、熊鉄というバケモノに出会うところからはじまり、ともに成長していくお話で、子供の目線、子を育てる男親の目線、どちらからも楽しめるんじゃないかと思います。
今までの細田作品では珍しいくらい激しいアクションシーンが多いのもポイントです。
個人的には、どっちの目線にも共感できたなと思います。
熊鉄の乱暴でぶっきらぼうな接し方が、自分の父親と似ているせいかもしれません。
だんだん、顔まで父親に似て見えるもんだから不思議。バケモノにもかかわらず、です。
でも、それくらいリアリティのあるキャラクターだったと思います。
熊鉄を演じた役所公司さんの演技が素晴らしかった、というのも大きいですね。
違和感なさ過ぎてエンドロールまで気が付きませんでした。
「ああ、俺の父親もこんな感じだったよな……」なんて、少し懐かし気持ちに。

先週「おおかみこども」が放送していましたが、それと比較するのも面白いですね。
熊鉄と花のキャラクター性の違いは、父親と母親の子どもへの接し方のスタンスの違い、とも言えそうです。
本作パンフレットの細田監督インタビューでは、
「最近、うちに男の子が生まれまして。父親として何ができるかなって、考えたんです。」
と、綴られており、作品には男親としての理想がやはり込められているんだな、と感じました。
確かに、父親だったら男の子が生まれたら、一緒に体を鍛えたり男としての強さを教えてあげたいって気持ちになるかもw

前作に比べると、キャラクターのセリフでメッセージ性となる部分をはっきり伝えるから分かりやすい。
その分かりやすさに徹しているぶん、想像の余地が少なく、物足りなさを若干感じるところが欠点。
なので、ふわふわした映画の余韻を好む人には不満があるかもしれません。説明不足の部分もあります。
が、それでも完成度は高く、この作品の評価はほぼ好みの問題になるんじゃないかと感じています。
お涙頂戴なくカラッとしていて、後味爽やかで笑いがある作品は個人的には大好きです。

見ているだけで高揚感を得られる、しっかりと作られた王道ファンタジー映画は本当に久しぶりです。
宮崎駿が引退したらしたで次世代の監督が良い作品を作ってくれる……。素晴らしいですね。
会社は違えどバトンは受け渡されていくものなのかな、と感慨深くさえあります。
この幸福な循環がずっと続くといいですね。


P.S. バケモノの子展行きたいです。一郎彦の帽子欲しいです(大人サイズ)。2015/7/17

【追記】
{netabare}
ひとつ気になったのは、ケモノらしさについてです。
作中、「ニオイ」に触れられませんでした。ケモノ臭いだとか、人間臭いだとか。バケモノとは言っても、獣人なんできっとケモノ臭がすると思うんです。

バケモノの子を見て後、もののけ姫が無性に見たくなって見てみると、その部分において明らかに違います。
バケモノの子に出てくるケモノたちは臭いも無ければ、見た目以外ほとんど人間と違いが無い。
文明も発達しており、異国風と思わせといて玉かけご飯を普通に食うくらい、生活にも違いが無い。
もしかしたら、生活型が日本人と同じで無臭になってしまった・・・という裏設定が(!)
なんて妄想したりw
熊とか、体臭すごいですし、ニオイの演出も加わるとより面白くなってたんじゃないかと感じました。
九太が人間界に戻ったときに、九太に染みついたケモノ臭さに楓が鼻をつまむシーンとか見たかったんですけどね(笑)
でもニオイに突っ込むと、一郎彦の正体がすぐばれてしまい話がややこしくなるから、なんて事情が見え隠れするのであえて入れなかったのかなー、なんて勘ぐったりしてw

仮に、ニオイがあったら熊鉄のオヤジらしさに、より一層リアルさがあったのかもしれない。
一方で、ニオイなど生臭い要素をなくしたことが、マスコット的な愛らしいオヤジキャラの演出に一役買っているんだろうなとも思うので、結局この作品には「無臭」のバケモノが正解だったんでしょうね。
熊鉄のことを「可愛い」と感じる背景に、実はニオイも深く関係してるんじゃないかと、一人納得しましたw
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

65.2 10 図書館アニメランキング10位
大図書館の羊飼い(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (647)
3989人が棚に入れました
学生数5万人、教職員8000人を数える国内有数の学校法人「汐美学園」。数多くの学生寮、各種スポーツ施設はもちろん、カフェレストランから路面電車まで備える充実ぶりで、特に「大図書館」は国立図書館に次ぐ規模と言われている。筧京太郎はここ大図書館で、幽霊部員だらけの「図書部」に所属し、一人ゆったりと本を読んでいた。

4月。どんな願いでも叶えてくれることで有名な謎の羊飼いから「今日、貴方の運命を変える出来事があるでしょう」というメールをもらった筧は、白崎つぐみと知り合う。友人の桜庭玉藻とともに学園をもっと楽しくするための活動を始めていたつぐみは、玉藻や筧の友人・高峰一景とともに図書部へ入部する。

声優・キャラクター
間島淳司、米澤円、斉藤佑圭、山本希望、仙台エリ、種﨑敦美、森久保祥太郎、中島沙樹、佐藤利奈、柏木美優、瑞沢渓、大地葉、楠大典、鶴岡聡

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

修羅場ってみましょうか・・・^^

この作品の原作は18禁恋愛アドベンチャーゲームとの事です。結構ゲームを題材にしたアニメって多いんですね^^
アドベンチャーゲームを題材にしていると、どのルートが作品化されるかでアニメも・・・そしてややもするとゲームそのものの評価に繋がってしまうのが、難しいところなのだと思います^^;

私は原作は未プレイですが、事放送前特別番組「前夜祭」を視聴したので、作品のあらすじやそれぞれの役どころを知りながらの視聴となりました^^
個人的には米澤円さんの出演が嬉しい作品でしたけれど^^;

在籍学生が5万人という超マンモス学校である「汐見学園」の大図書館は、国内トップクラスの規模を誇っています。
この主人公である筧 京太郎(かけい きょうたろう)は、幽霊部員だらけの図書部の一員で、いつも図書館の一室で本ばかり読んでいました。

そんなある日、京太郎は羊飼いと呼ばれる謎の人物から「今日、貴方の運命を変える出来事があるでしょう」というメールを受け取るのです。
そして白崎 つぐみ、桜庭 玉藻と出会い、学校を楽しくするためのハッピープロジェクトが動いていきます。

図書館と羊飼い・・・結びつきが全く無い両者ですが、この作品では羊飼いという存在が良いスパイスになっていたと思います。

ハッピープロジェクト・・・生徒からの相談に応えたり、校内美化活動に勤しんだりと、所謂何でも屋さんです。
ちょっと後回しにしたいなぁ・・・などと人が思うことを率先して引き受ける・・・
これって、中々できることじゃ無いと思うのですが・・・気の持ちようなんでしょうね^^
それらの活動中の皆んなはとても楽しそうですし、一つ一つの出来事を乗り越えることで仲間の結束も固まっていくのが見ていて分かります^^

最初は少人数での小さなさざ波でしかありませんでしたが、理解者も増え小さなさざ波はおおきなうねりへと変貌していきます。
そしてそのうねりは「ミナフェス」という独自のイベント形に姿を変えるのですが、皆んなの根底に流れていたのは「自分たちの力で何とか成功させたい」という強い思いでした。

でも、思いが強ければ願いが叶う・・・
残念ながら世の中はそんな順風満帆にはいきません^^;
願いが大きければ大きいほど立ちはだかる障害も大きくなるのが世の常です。

彼らの前に立ちはだかる障害とは・・・?
皆んなの思いの行方は・・・?
気になる方は是非本編をご覧下さい。

ここまで羊飼いという存在に殆ど触れてきませんでしたが、どう書いてもネタバレになりそうなのでレビューは割愛します。
ちょっと不思議な存在で、人々の受け止め方は千差万別・・・
嬉しいと思う人、悲しいと思う人と色々・・・それが羊飼いだったように思います^^

オープニングテーマ
「On my Sheep」歌 - 中恵光城さん
エンディングテーマ
「青空とグリーンベルト」歌 - 西沢はぐみさん
元気の良いオープニングとしっとりとしたエンディング・・・どちらも良かったと思います^^

1クール12話の作品でしたが、原作が18禁ゲームであることをあまり感じさせない作品だったと思いますし、無理に風呂敷を広げずしっかり纏め上げた感があり良かったと思います^^
最初は米澤さん演じる白崎つぐみちゃん推しで視聴していましたが、途中から小太刀 凪に色々と持っていかれてしまいました(//∇//)
私は総じて楽しめた作品だったと思います♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30

totehi さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

元に戻ったAugust作品。

なんか久しぶりに暇で見た。
色々と感じることがあるからブログや日記のようなくっだらねえ感想になります。



原作を出したAugustと言えば5年以上前だったら代表作は「けよりな」だったと思う。
萌えゲーとして可愛いキャラが居てシナリオもそこそこ良くて、べっかんこうの絵と本当に会話してるかのようなテキストに定評のあった。
そんな立ち位置のブランドであった。

個人的に今までプレイしたゲームで一番といえばこの大図書館の前作にあたる作品なのでどれほどこの作品に期待していたか。発売一週間前なんかは夜も寝れる状態じゃないほど待ち焦がれました。
それは世間の反応も似た感じだったように思えた。

しかし、ユースティアのような凄さを味わっただけにイマイチのような感想しか持てなかった。Keyで言えばCLANNADプレイ後にリトバスやった感じと言えばいいのかな。兎に角、神作の中の神作をプレイ後に同じブランドから良作が出てもそれは凡作のようにしか感じない。
そんな感じでした。

「殻ノ少女」で言うならば「穢翼のユースティア」という作品のパラノイアに支配されていたのだろう。
だから個人的に評価も低かった。



で、今回何故見たかというと「千の刃濤、桃花染の皇姫」が今年発売なのかな楽しみだな。よし前作もう一回みたいな暇つぶしの感覚で見た。

キャラに関しては一々可愛い。どうもAugustはキャラを可愛く見せることに対しては上手だなと感心。
ここはラノベとか他のブランドでも滅多に見られないAugustらしい良さがある。
例えばNavelのライター王雀孫さんや「パルフェ」や「冴えない彼女の育てかた」で有名な丸戸さんみたいにキャラ同士の真理描写や関係が上手なのだけど、まさしくAugust作品もそれがある。しかも独特な感じなのでこれはこれで素晴らしい。

結果として「FORTUNE ARTERIAL」よりも全然面白かった。と断言してやりたい程、大図書館は面白かった。
エロゲアニメは失敗するって言われるけど、正直なところこの作品も失敗に近いかもしれない。
原作の良さの60%なところじゃないかなって思うけど、それでもアニメなんだから動くし可愛い。
作画もきゃべつのようにならなかったのだから…「けよりな」よりもましだろう。
それに、シナリオ的にちょっと無理も有るし思うところ有ったけど、いい感じにまとめてたし結果としては「ご都合主義でいいからハッピーENDが見たい」って思えるようなシナリオだったし、そんなこと感じれる作品ってのはすぐに見つけれるもんでもない。

だから世間から酷評されるのがちょっと辛い。
だっていい作品じゃないかって言いたい。
確かにくだらないと思うところもあったし見てるこっちが恥ずかしい部分もあった。でもいい所を見ようと思えばそれ以上に出てきた。

最近見たアニメだといい所と駄目だししたい部分を天秤にかけるといい所が少ないような作品だったと思う。


例え自分の好きな終わり方。喪失感、虚無感のような「辛いけど、でも辛いだけではなくどこか救われたような強いメッセージ性のあるEND」でもない。

久しぶりにハッピーENDも悪くないなって思えた。「SAO」もそうなんだけどハッピーENDには腑に落ちない終わり方と、これが見たかったみたいな終わり方があるんだけど後者の方だったなと自分は感じました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

道明寺桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

1クールギャルゲアニメ歴代最高の作品

ヒロイン勢が全員可愛く個性的で、悪友キャラも良い味を出しています。
主人公も特別格好いいとまではいかないかもしれませんが不快さがなく、スムーズに視聴者の分身として受け入れやすいキャラとして描かれて好感が持てます。


ストーリーや設定においては、基本的に現実と大きく差があるようなファンタジー面や未来的要素は多くありませんが、現実に存在しない規模を誇る学校を舞台とする点、人々の人生を軽く手助けして導く羊飼いというファンタジーであるがファンタジーすぎない存在が良い具合に世界観の味を引き出しています。

また、サブヒロインやサブキャラも交えて織りなす学園の日常の描写がとても楽しく、萌えと笑いに富んでおり、シリアス面も含めてバランス良く楽しめるストーリー雰囲気が構成されています。


この作品のように、メイン格のヒロインが平均5人前後いる美少女恋愛ゲーム、いわゆるギャルゲーを原作とするアニメを、
1クール(10~14話)でそれぞれのヒロインの魅力を引き出しながらストーリーとしてもまとめるのはかなり難しいことだと思います。

そのため、1クールでギャルゲー原作をとするアニメを作ると中途半端な打ち切り的な終わり方になるか、中心的に描くヒロインを絞るかという形になりやすいのですが、

大図書館の羊飼いは玉藻ちゃんの描写は比較的少なくなったものの、上手い具合にメインヒロイン全員の魅力を表現しつつ、メイン格の中のメインであるつぐみちゃん&凪ちゃん2人の魅力と見せ場を多く用意し、ストーリーとしてもきっちりまとめられていて素晴らしいです。

特に最終話視聴後のなんともいえない心地良い余韻はギャルゲーアニメというジャンルの枠を外して見ても最高クラスのものでした。


各キャラの声優も非常に声質・演技力ともに魅力ある人を揃えていて作品の魅力を補強するのに大きく貢献しています。

音楽面でもOPテーマとEDテーマが当然のことながら作品に合っていますし、単体の曲としても良い曲だったと思います。


1クールギャルゲー原作アニメを作る時のお手本にするべき作品というぐらいの価値があります。各種スタッフには賞賛と感謝を捧げたいです。


余談となりますが、サブヒロインも含めて今作にて焦点が大きく当たらなかった中にも魅力的なキャラはまだまだ多くいるので、番外編などがあっても面白くなると思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

67.9 11 図書館アニメランキング11位
ダンタリアンの書架(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (717)
3922人が棚に入れました
蒐書狂(ビブリオマニア)である祖父から、古ぼけた屋敷とその蔵書を引き継いだヒューイは屋敷の地下で静かに本を読む少女、ダリアンと出会う。彼女は禁断の『幻書』を納める『ダンタリアンの書架』への入り口、悪魔の叡智への扉だった……。

声優・キャラクター
沢城みゆき、小野大輔

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

雰囲気が良いですねo(*^▽^*)o~♪

■「ダンタリアンの書架」ってどんなアニメなの(*゚・゚)ンッ?
ラノベが原作のダーク・ファンタジーなのですけど、ミステリーっぽい内容にもなってますね♪
ミステリーと言い切れない点は、基本1話完結だと思うので、綿密な伏線も張れないでしょうし、絶対に謎解き不可能なシナリオ構成もありますので、本格的なミステリー小説と比較してしまうと、物足りなさを感じてしまうのではないでしょうか?
そう考えると、やっぱりファンタジー作品なのでしょうね♪
 
日本では、マジックリアリズム的な表現を用いている作品が多くなってきているようですけど、「ダンタリアンの書架」の独特な雰囲気もその部類に入るのでしょうね♪
そう考えると「GOSICK」に似た感じを受けるのも頷けるような気がするのです。
ミステリーとファンタジーの狭間でグレーな部分の位置付けの作品って評価の目線をどこに持ってくるかでだいぶ評価が分かれそうですけど、アタシσ(゚-^*)はこういう作品は大好きです♪
どうせ推理しても解らないので・・・
(´ρ`)ヘー・・・とか( ̄。 ̄)ホーーォとか・・・(^ー'*)bナルホドとか言いながら雰囲気を楽しめれば良いなって思ってます♪
 
 
■注目はやっぱり「ダリアン」と「ヒューイ」ですよね(-ω☆)キラリ
ヒロインのダリアンは小さくって、とっても可愛い女の子なのです♪
そんな小さな体に、90万666冊の幻書を封印している迷宮図書館の入り口と、その錠前を胸元に持っているのです。ちょっとインデックスっぽいですねw
お人形さんのような美貌と、赤ワインのような瞳が魅力的なのですけど、その美貌とは裏腹に、強烈な毒舌の持ち主でもあるので・・・
ポカッ! (._+ )☆ヾ( ̄ヘ ̄; ) ォィォィって思わずしたくなっちゃいますねw
でも可愛いからなんか許されちゃうのかなw
 
「ダンタリアンの書架」の鍵を持つ主人公のヒューイがどのように立ち回っていくかがこの作品の方向性を決めていくような気がします。
迷宮図書館内の子供の頃の回想シーンをどう結び付けていくかも注目ですよね♪
 
 
■前半まで視聴した感想(*^o^*)
まず、沢城みゆきさんの演技がとっても良いです。
ダリアンの魅力を余すことなく出し切っている所はさすがですね♪
まり†ほりの寮長先生とはまた違った毒舌っぷりでした!!(*`◇)<毒毒毒毒ブオォォオ*_*;)
 
舞台は20世紀初頭のイギリスで、その街並みや情景とシリアスな展開が非常にマッチしていて、コントラストの使い方がしつこくなく、重い空気感を演出していてダークな雰囲気をさりげなく演出しているような印象を受けました。
 
残念なのは幻術をつかったバトルシーンには物足りなさを感じちゃいます。
せっかく良い雰囲気を作っているのに、幻書の危険な香りや重みが感じられずに、魔法少女的なきらびやかな演出で綺麗に終わってしまっているのです・・・。
幻術を使わない格闘シーンは悪くはないので、もったいないなーって印象です。
  
 
■総評
各話単体での出来自体はショートストーリーとしてそこそこ面白いのです♪
でも・・・最終話まで通しての印象としては、各話の出来栄えにバラつきがあるので全体を通してのストーリーがぼやけてしまっていましたね。
なんだかドラえもんのポケットを迷宮図書館に例えるなら、ポケットの中のアイテムが幻書ってところでしょうか!
色んな幻書をクローズアップしてショートストーリーを構成するのはもちろん魅力的なのですけど、この物語の根底でもある迷宮図書館や鍵守や読み姫の関係などの説明や描写が不足しているのです♪
「ダンタリアンの書架」の世界観を作るだけ作って放置という状態になっちゃってますね!
雰囲気の作り方が良いだけに、肝心の物語に深みが感じられない要因となってるのが残念だなぁって思っちゃいました><
 
ともあれ、ダリアンちゃんの毒っぷりと可愛らしさは一見の価値はありますね♪
続編みたいですか?と言われたら。。。o(゚^ ゚)ウーンとなりますけど、他の読み姫との絡みも気になりますし2期やるならきっと観ちゃうと思いますけどね(*v.v)
 
 
■MUSIC
OP曲『Cras numquam scire』
 歌:Yucca
 寂しさを感じさせる、しっとりとした歌声で作品の雰囲気作りに一役買っているナンバーですね♪
 
ED曲『yes,prisoner』
 歌:maRIONnetTe
 意味腐なED映像はさておき・・・この曲のタイトルもかなり鬱ですねw(@`▽´@)/ ハイッ囚人!!
 聴くと心が病んでいくようなプログレッシヴ・ロック的?なナンバーですw
 
 
2011.08.28・第一の手記
2011.10.02・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 49
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

結局よく分からなかった(55点)

全12話。
ライトノベル原作。原作未読。

個人的満足点:55点
アニメ系統:ダークファンタジー

舞台は1900年ごろ?のヨーロッパ。
「幻書」によって引き起こされる出来事を
主人公ヒューイとダリアンが解決する物語。

作品の雰囲気はかなり好みだったが
どうも、毎回、パターンが同じで退屈。
さらに、急に話がすっとんでいくので大筋が見えない。

7話では急に新たな登場人物と読姫が出てきて
またもや、話がつながらない。
11話も何の前触れも無く過去の話が出てきて
新たな読姫?出現。
12話で3人とも出てくるが何のことだか意味が分からない。
雰囲気はお気に入りだっただけに少々残念な出来だった。

しかし、ダリアンはいい。
この毒舌に沢城さんの声。
毎話、ダリアン見たさにアニメを観ていたのは間違いない。
過去の自分の感想みても、ほぼダリアンで吹いたw

音楽の雰囲気は非常に良かったが
EDの実写が少々違和感を感じた。

全体的に残念な作りだった。
お勧めではないが沢城さん好きなら
それだけでいけるかもしれない。


と、まあ、残念な内容になってしまったが
つまり、何が言いたいかというと

ダリアン=真紅+翠星石 つまり俺得w


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以下、毎話後の感想。
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}
1話視聴。

作品の雰囲気は結構好み。
今後、どのように物語が展開するのか楽しみである。

ダリアンの声優さんが沢城さんなのも見逃せない。
個人的にはダリアン役の沢城さんはかなりツボだ。
ダリアン可愛いよダリアン。
(真紅+翠星石と感じ「ゴチです」と思ったのは内緒w)


2話視聴。
作品の雰囲気はかなり好みぽい。
だが、面白いかと言われれば今のところ、そこまで面白みを感じない。
それでもダリアンが好きだわ。
アニメの雰囲気とダリアンだけでしばらくはいけそうw
来週も継続。


3話視聴。(3話、4話)
ダリアンが可愛い♪
スコーンを出すのですっ!
スコーンは?
可愛すぎるw

展開は相変わらず幻書のからんだ事件。
少々展開に飽きてきてしまった。
が、ダリアンが可愛いので継続w

4話視聴。(5話)
物語は可もなく不可もなくかな。
ちょいとグロイ所もあるので
グロ耐性が全く無い人は気をつけたほうがいいだろう。

そんなことより、ダリアンの1つ1つのセリフがいいね。
あのしゃべり方で毒吐くのがたまらないw
ダリアン可愛いよダリアン。

5話視聴。(6話)
なんだか飽きてきたw
毎話幻書がらみで事件が起きて解決の繰り返し。
何かこうもっと盛り上がる展開にならないものかな。
でもダリアン可愛いのでがんばります。

7話視聴。(8話)
あれ、俺のダリアンは?
ダリアンが出てこないんだが・・・
ダリアーーーーーン。
変わりに幼女思考の変態とガラクタなるものが出てきた。
一瞬違うアニメ見てるのかと思ったw
どうやら、主役はダリアンだけじゃないようだ。
話によって違うみたい。
ダリアンは「黒の読姫」でガラクタは「銀の読姫」らしい。
まあ、ガラクタもいい味出てたのでこれはこれでよしとしておこう。

8話視聴。(9話、10話)
ダリアン復活\(^O^)/
久しぶりにダリアンの毒舌が惜しみなく炸裂。
毒舌を堪能できて満足。
しかし、毎話同じことの繰り返しかな。
盛り上がりに欠けるね。

9話視聴。(11話)
作画が変わったのかと思ったw
どうやら本の世界に入っていたようだ。
うむう、しかし、毎回代わり映えしない。

10話視聴。(12話)
今回は楽譜が幻書みたいな感じ。
そして、いつもとあまり変わらない。
10話だな内容は12話。
次で終わりなのかな?

11話視聴。(13話)
ヒューイの過去の話かな?
何か意味がよく分からなかった。
来週まであるみたい。
ふむう、なんだか微妙だなあ。

12話視聴。
結局最後も意味が分からず終了。
まあ、ダリアンが可愛いので、許すとしようw
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ゴシック―ロマネスク

ミステリー? いや、凝ったトリックも謎解きもないし、
魔法もの? といっても壮大な世界観もバトルもないし、
何やら不思議なアニメではある。
個人的な、ざっくりの印象で強いていうなら、
奇譚風に仕立てられた、正統派ヒューマンドラマといったところか。


幻書、というものをめぐって物語は展開する。
幻書とは、この世界にあってはならない禁断の書物で、
世界の秩序を変えてしまうほどの、恐るべき魔性の力を秘めている。

このアニメが最終的に人間ドラマとなる理由、それは、
各話それぞれの事件がつねに、おのれの歪んだ願望を遂げるために、
幻書のもつ強大な力を利用しようとする、世の人間たちが引きおこすものだからだ。

その結果、幻書を管理する立場にある主人公の二人が、
事件に巻き込まれるたびに、いやでもそこに見ざるを得ないのは、
人間のかなしい業であり、愚かさであり、狂気である。
二人とも、そうした人間模様を、どこか達観して眺めている風があって、
この作品を一貫する静かな、はかなげな雰囲気はどうもそこから来ているようだ。


ゴスロリ幼女に全部持っていかれた感はあるが、
主人公のヒューイはそれなりに魅力的なキャラクターだと思う。
一抹の影を帯びた、若くして老成してしまったような彼の人格の奥には、
確実に戦争の傷跡がある。この事実は11話で明らかにされる。
大空への無垢な憧れが壊されてゆく、この11話が、最も詩的で、美しい。
ラストは、来るべき次の動乱への予感をはらんで、張りつめた終末感を漂わせているようだ。

人間の最大の狂気としての戦争、どうやらこれが本作の隠しテーマであるらしい。
うっかり見過ごしていたが、全編見終えてから1話を見返すと、
過去のプレイバックの中に、しっかりと予示されているではないか!


舞台となる英国の風土を象徴する霧が、冒頭から立ちこめているように、
繊細な情景描写がストーリー以上に雄弁なのも、このアニメの特色だろう。
明暗のコントラストの効果は全編を一貫しているが、
とりわけ印象深いのは、しばしば描かれる月明かりの場面だ。
月は古来、狂気を象徴するものとされている。ここに、
隠しテーマの暗示を推測するのは、うがちすぎる深読みだろうか。


オープニングのソプラノ独唱に代表される、
静謐な作品世界のトーンを際立たせる音楽の素晴らしさも付け加えておきたい。
一方で、そうした雰囲気からは突出した異物のような、
エンディングの不気味な実写映像は何を意図しているのだろうか?

「この世界には知るべきでない事があるのです。」
・・・作中、ダリアンが時折つぶやく言葉だ。

決して見てはならない、知ってはいけない禁忌の領域の一端を垣間見せるために、
あえて実写を用いて、現実そのものに潜む禍々しさを象徴風に表現した、そう解したい。
おどろおどろしくも不思議に懐かしい、寺山修司の世界などに通じるものが感じられる。


最後に総評です。

いぶし銀のような渋さと、深い余韻が味わえる、玄人好みの秀作。
O・ヘンリーの短編などを好まれる文学愛好家には、特にツボかもしれません。
勿論、ダリアンの可愛さを愛でるためだけでも、断然、視聴する価値はありです。
(え? こっちが王道ですか? 失礼しました。)


(初投稿 : 2019/07/07)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

73.7 12 図書館アニメランキング12位
舟を編む(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (667)
2928人が棚に入れました
三浦しをんさんの小説「舟を編む」が原作。

玄武書房に勤める馬締光也(まじめ・みつや)が、辞書編集部で新しい辞書「大渡海」を編集することになる……というストーリー。定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる学者、徐々に辞書に愛情を持ち始める“チャラ男”など個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、神谷浩史、坂本真綾、金尾哲夫、麦人、榊原良子、斎藤千和、日笠陽子
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

色盲の人に色という概念を伝えるにはどう説明したらいいと思いますか?

原作は三浦しをんさんの同名小説。2013年には実写映画化もされたそうです。

辞書の編纂者として抜擢された、生真面目かつ※1エキセントリックな印象の馬締光也(苗字はまじめと読む。そのままじゃないか‥!)と、その同僚で、いかにも世渡り上手な軽~い印象の西岡正志、二人青年を中心に描くお仕事の物語の様です。

耳に心地良い言葉と言うのは簡潔な表現である事が多いもの。アニメとか映画を見ている時に、台詞を聞き逃したり、見逃したりする時、そんな場面には必ずと言って良いほど、独白や会話の中に耳慣れない表現や珍しい単語が含まれるものです。

複雑に入り組んだ言葉の連なりにはそれを口にする人の個性や心情が如実に表れ、時として人物描写をより精彩のあるものとして際立たせますが、一方で不明瞭な表現と取られてしまう可能性を多分に含んでおり、視聴者にとっては優しく無い表現とも言えます。比べるべくもありませんが、それよりもずっと酷いのは、簡潔に表現出来る事柄を難解な言葉で表現するという行為で、これは不合理この上無く、またひどく滑稽なものです。

辞書を編纂するという行為は上記の真逆。言葉の持つ本来の意味、精髄をいかに簡潔な言葉で短くまとめるかに重点が置かれた作業と言えます。

誰が読んでも理解出来る文章を作るというのは簡単な様で難しいもので、誰々だったらどう解釈するのかな?とか、子供だったらどう思うのかな?とか‥、出来得る限り他者との隔てを無くす必要があります。自身を他者に投影するのではなく、他者を自身に投影しなければなりません。独り善がりの表現は禁物なのです。

ブリキ男は過去に知人から「※2色盲の人に色という概念を伝えるにはどう説明したらいいと思う?」と質問された事がありますが、難しい質問だなぁと思った後、ちょっと想像力を働かせて、色盲の人になったつもりで考えてみる事にしました。すると自然と視点は変わり、色という概念を形状や濃淡などの視覚的な認識の一種として広義に解釈する事によって、どうにか説明に至る事が出来たのです。皆さんは"色"をどういう言葉で説明しますか?

作中にて馬締さんが"右"という言葉に与えた定義、これも同様で、"箸を持つ手"や"心臓の無い方"では不十分。左利きの人にも、心臓が右にある人にも、万人に分かる"右"で無くてはなりません。彼の"右"に与えた明瞭な表現、お見事でした。本編にてご確認下され。
{netabare}
馬締さんの"右"の定義、良く考えたら宇宙空間とか他の天体上(系外惑星とか自転していない星とか)では通用しませんでした(汗)壁掛け時計を正面から見据えた時の3時(左なら9時)の方向という言葉で端的に表せますが、エレガントではないですね‥まぁ宇宙で"右"の項引く人なんて皆無でしょうが‥(笑)
{/netabare}
2話の感想とあれこれ
{netabare}
「大渡海」編纂の志、とても崇高なものですが‥優れた辞書があっても言葉の海をすいすいと渡れるのはその辞書を持っている人に限る‥。値段張りそうだし‥。今ではオンライン辞書もかなり役立つし、こういう辞書手に取る人は限られるのかも‥。タウンページの配布とか毎年いらないから、5~6年に1回でもいいから、税金使って各家庭に一冊ずつ国語辞典の配布して欲しいとか思ったりしました。

ちなみに私が今良く使っている国語辞典は「明鏡国語辞典[携帯版]」。2003年出版の定価3000円のやつですが、今だったら中古で何と200~300円程度で手に入る! 古いからってあなどれない、中々のスグレモノなのでオススメです。常にネットにアクセス出来る環境をもっていないので、割と重宝しています。

本はあれこれ読んでいるけど人付き合いの下手な私は、馬締さんに他人とは思えない様な親近感を抱きました。見守っていきたいと思います。
{/netabare}
3話の感想
{netabare}
どんな男だって、夜ベランダで突然女性と出くわしたらびっくりするだろうと思いますが、朝玄関先で会ってもあからさまにたじろぐとは、馬締さん、どういう学園生活を送っていたのだろう? ちょっと気になりました。何というか、好きな子にばったりと出くわした時の高校生並みの反応‥。

作中で描かれた様な一目惚れを推奨する描写は、私的には手放しでは賛同はしかねます。周囲の人達も馬締さんの恋愛に関して全肯定で、当然の様に応援するし‥。なんかサザエさんとか、ちびまる子ちゃんとか、大衆向けアニメで描かれがちな本質の良く見えない恋愛観を見ている様でした。‥本をたくさん読んでいる人って、人の事を良く観察する癖が付いたり、懐疑的になったりする事が多いから、もうちょっとユニークな価値観を持っているのでは? とか思いました‥。

松本先生の辞書編纂に対する姿勢。恋愛も含め、視野を広く持つ必要があるという意見には納得‥でも終幕のテロップの恋についての説明が微妙‥。

「人を好きになり、いつまでもそばにいたいと思う気もち」

"いつまでもそばにいたい"って、相手の事がある程度分かってくればそうなると思いますけど、知り合ったばかりの片思いの段階では、話したり、顔を合わせるのが恐かったり、逃げ出したい気持ちになる事だってあると思います。大雑把過ぎる印象を受けました。

わたしが恋の項を書くとしたら「主に異性に対して抱く病的な好意、または独占欲。」とします‥が、こんな冷たい言葉で綴られたら恋という文字が可愛そうですね(汗)
{/netabare}
4話の感想
{netabare}
今回は西岡さんの有能さが発揮されるお話。この人もまた馬締さんに負けじと劣らず仕事熱心な人でした。「大渡海」編纂中止を阻止すべく奔走します。初回の印象からはとても想像出来ない機転と行動力を見せてくれました。適材適所とは正にこの事。誰かに出来ない事を誰かがやる。そうやって上手いこと歯車が噛み合う様に、人間関係が絡み合ったら世の中もっと円滑に回るのに‥。理想的なチームの一端を見た様でした。

でも西岡さんのやった様な会社の利益に関わる独断専行をしたら、現実ではどうなるのだろう? 私には分かりません。作中の人物の台詞にある様に「ただでは済まない」事になったりして‥。

続く馬締さんと香具矢さんのデートのシーン、偶然と、半ば強引に引き合わされた二人ですが、言葉の分かる異性と会話出来るって事は嬉しい事ですよね‥。二人を応援したくなる周りの大人たちの気持ちも何となく分かってきました。(大人の癖に何を今更‥)

そしてお約束の最後のテロップ、今回は「漸進」でした。

「漸進」の「漸」の文字は水の流れを切って徐々に導き通す事を意味し、そこから「だんだん」とか「次第に」という意味に変わっていったそうです。

作中では「立ち止まらず、少しずつ進む事」とありますが、前回の「恋」に続いてかなり淡白な表現という印象‥。導き通すという所が欠けていますが流れる水のイメージは感じられるので無難な解釈なのかも知れません‥。

言葉の意味を端的に表現する事は辞書編纂において重要な事だとは思いますが、要約が過ぎて本質から外れた意味を持たせると、言葉の精度が落ちてしまう気がします。かと言って複雑過ぎると編纂者の主観が強くなってしまう‥馬締さんの様に活字に耽溺した者のみが持つ微妙なバランス感覚が必要な様です。

「鏡の国のアリス」に登場するハンプティ・ダンプティは、言葉に給料を払えば、その言葉に好きな意味を持たせる事が出来ると豪語していますが、そんな話も少しだけ思い出してしまいました。

※:エンディングの語釈は「三省堂国語辞典」を参考にしている様です。シンプルな語釈で有名な辞書だそう‥。わたしは持ってません(笑)
{/netabare}
5話の感想
{netabare}
馬締さんの恋文は試金石の様なものかも知れませんね。受け入れてくれる人がいれば運命の人、そうでなければ縁が無かったという事‥。自分を偽ればいつか必ず綻びが生まれて後々大変な事にならないとも限りませんので、意外と相手の心を確かめる懸命なやり方なのかも(笑)

揺蕩う(たゆたう)‥ゆらゆらとゆれる。説明これだけでいいんでしょうか? これじゃあ"ゆらめく"と同じ気がします(汗)
{/netabare}
6話の感想
{netabare}
一目惚れに近い感じの馬締さんもそうですが、恋文なのか何なのか分からなかったのに、伝わってきた真剣さだけで「好きです」って言ってしまえる香具矢さんにもちょっと軽薄な印象を受けてしまいました‥。現実ではそうやって付き合い始める人も多いかも知れませんが、ちょっとこの物語にそぐわない恋愛の描き方だった様に思います。お互いの事をまだ良く知っているわけでも無いのに、決断が早過ぎて思慮深さに欠ける印象を受けました。

共振‥前回に続いて他の語に簡単に置き換えられてしまう語釈でがっかり。共鳴と置き換えても差異が全く無い表現でした。言葉を扱う物語なのだからこういう細かいところにも気を使って欲しい気がします。
{/netabare}
7話の感想
{netabare}
大渡海の執筆依頼を受けていた小田先生の原稿が届くお話。

小田先生、伝えられた執筆容量を無視している上に、馬締さんにダメ出しされまくり‥。この人、名声とかはあるのかもしれないけれど能力は甚だ疑問でした。それに人に土下座させて喜ぶ人の精神構造って、小中学生とかのいじめっ子並みに幼い気がします。要はどっちが偉いかという事を確認して喜ぶおばか思考‥。視野が狭い人の様です。

元々商売としての意義は見出せない大渡海編纂なんだから、権威は無くとも若い人の中から優秀な人材を探すべきだった気がしないでもないです。最初から足手まといにしかならないこんな人に頼まなきゃいいのに‥とか思ってしまいました。でも現実ではコネとかで物事が進む事は良くあるので、ある意味リアルな描写なのかも知れません‥。

馬締さんと西岡さんコンビの「西行」修正シーンは、この作品ならではの面白さを見出せて大満足でした。文字の海の中で戯れる二人の姿は素敵なおもちゃを与えられて喜ぶ子供の様でした。

「遍歴する人、流れ者」という拡大解釈を追記するに至った動機については、西岡さんの「この意味を載せれば心強く思う人がいる」という情に偏った意見に依存しますが、客観性をそれほど無視した選択ではないとも思われたので好感が持てました。

ただ今回の山場、西岡さんの小田先生へ向けた止めの一言「地球のコアより固く、マグマより熱い」という大仰な表現については蛇足気味で、あまり心に響きませんでした。こういう"してやったり"な展開自体わたしは好きではありませんが、最後の台詞がバトルものにありそうな大見得なのでさらに残念。人物や作風にそぐわない気がしました。
{/netabare}
8話の感想
{netabare}
馬締さんと香具矢さんいつの間にか結婚してる(笑)というのは置いといて。

終幕近くのシーン、辞書編集部に新しく入ってきた岸部さんの"右"の説明が1話の馬締さんのものと同じだった点には作為的なものを感じました。性別の違いも経験の違いもあるし、あれこれ違っても良かろうと思われました‥。違った説明を考えるのが面倒なのと、それに続く西岡さんの「君、辞書向いてるよ」という台詞を言わせたかっただけの様に邪推してしまいました‥。

お約束の終幕の語釈について、今回は"編む"でしたが、「文章・歌などを集めて本にまとめる」との事。編むには当然他の意味もあるので、いくつかある語釈の内の一つだとして、それでもかなり雑な印象を受けました。

先ず文章と歌という語が並列に扱われているのがおかしいのと、用例もそれに合わせて「辞書を-」となっている所に強引さがあります。

"など"と入っているので文章という語と用例の辞書からは離れて、歌と並べて記すなら"物語"とし(他に"思想"とかもあるけれど‥)、文章という語は完成品を指す語なので後に置くのが適切かと思われます。二つ例を挙げると‥

「物語、歌などを集めて本にまとめる。」

「物語、歌などを文章にして本にまとめる。」

となりました。まぁ、いつもながら要約し過ぎな気もしますけれど(汗)
{/netabare}
9話の感想
{netabare}
前回に続き製本までの流れを描くお話。

西岡さんのいたずらは端的に馬締さんの性格を伝えようとした試みかも知れませんが、ラブレターのコピーを無断で読ませるって結構ヒドイ気が‥。西岡さんだからしょうがないんですが(笑)

松本先生の"言葉を大事にする"の説明シーン、内容そのものはなるほどと思わせるものでしたが、先の恋文の話の続きとしてみると、流れが間逆の方向に進んでいる様で若干の違和感がありました。馬締さんは例の恋文の中で言葉を大事にしていたのだろうかと‥。

後半、あけぼの製紙の宮本さんが岸辺さんをデートに誘うお話と予期せぬトラブルのお話がありましたが、ドラマ部分はやはり、毎度の取って付けた感があり馴染めませんでした。後者については編纂作業にPCを導入していれば回避出来たかも知れない問題なので、辞書編集部の頭の固さに閉口(汗)作業効率も格段に上がるでしょうに何故そうしないんでしょう‥理由は不明。

文章について、専門書など特定の読者層を想定して編まれた本と違って、辞書やこのレビューの様に、不特定の読者に向けた文章というのは平易な文体を心掛ける事は元より、多くの人にストレス無く読んでもらえるよう、専門用語、難解な表現は極力避けて綴られねばなりません。かと言って平た過ぎる文章には面白みが無いし、情報の詰まった文章というのは面白いもの。やはりバランスが肝要‥。

万人に理解されうる文章にする為には語彙を限定せねばならず、そうすると必然的に表現の幅が狭まり、大まかな意味は伝わっても精密さの欠ける曖昧な文章となってしまいます。逆に馬締さんの恋文の様に知力を総動員して綴った文章では理解が困難になる可能性が生じます。

言葉は生き物と作中にありましたが、その生き物を使って生き物である人間に意志を伝えるという難しさ、今もまたひしひしと感じるブリキ男なのでした。
{/netabare}
10話の感想
{netabare}
大渡海に"血潮"が抜けていたので再チェックというお話。

これまでのお話で既に語られた、未だに用例カードの集積をデータベースとして利用しているという設定にも驚きましたが、今回の24万語の手作業によるチェック作業もかなりきつそうでした。作業量もさる事ながらヒューマンエラーによる問題が次々と出そう‥。時代設定が現代であるという事も相まってPCを利用せずに行う人員を動員しての力技にはやはり前時代的な印象がありました。

日本では辞書などの手書きデータの電子化は80年代あたりから着々と進んでおり、1985年三修社によって発売された日本最初のCD-ROMコンテンツ「最新科学技術用語辞典」を皮切りに、翌々年1987年には「広辞苑第三版CD-ROM版」が発売されていたとの事。当時富士通のワープロ専用機(価格が200万円位もしたらしい)のソフトとして利用可能だったそうです。

現場の事など何も知らないわたしとしては、上記の流れからすると電子化作業は現在ではとっくに完了している様にも思えてしまいますが、実際の所はどうなんでしょう? 近い未来に紙媒体の印刷物自体が無くなる事など、まずあり得ませんが、作業効率の向上や生産コストの削減という観点からすれば、電子化は必然の成り行きとも言えるので、今回の様な時代錯誤とも言える非効率なやり方にはどうしても疑問を抱いてしまいました。

終幕の語釈については特に思う所が無いので今回もはしょります。
{/netabare}
11話の感想
{netabare}
後半の松本先生の死、「大渡海」初版刊行のお話はエピローグ扱いと受け取り、私は前半の松本先生の家の縁側のシーン、延いては荒木さんと真締さんが駅のホームで言葉を交わすシーンをこの作品の終幕と受け止めました。

松本先生の話によれば、日本では辞書編纂に公金が使われた例は皆無との事、それゆえ権威付けや支配の道具として使われる事も無いという‥。以前私はこのレビューで"タウンページの代わりに辞書を配って欲しい"と考え無しに綴ってしまった事がありましたが、いつもながらに浅知恵でした。

日本では一般的な書に関しては、人権侵害や著作権の侵害による出版の差し止めを除き、検閲が禁止されているため、法制度上の発禁は原則として存在しないというのが建前だそうですが、菊タブーだの鶴タブーだのという、いくつかの言論の禁忌に当たるものも確かに存在し、それらを避けなければならない暗黙の了解もある様です。報道についてはその傾向が特に顕著だそうな‥。責任の所在はマスコミ自体にあるそうですが、暴力的なものも含め様々な圧力が掛かる中で公正な記事を書くというのも難しい事なのだと推察されます。

言葉によって綴られる文章の内容については言うまでもありませんが、言葉そのものにまでその様な規制が掛かってしまうと、さらに窮屈この上ない社会になってしまいそうですね‥。松本先生の懸念はもっともな事だと思いました。

「大渡海」出版を待たずして逝ってしまった松本先生でしたが、生前に自分の仕事を引き継いでくれる荒木さん、真締さん、西岡さんを始めとする何人もの人たちと出会えた事は幸運であったと思います。「循環する命の営みほど我々にとって励みになるものはありません。」と話した松本先生は、辞書作りには完成が無い事を誰よりも深く理解してました。世には辞書編纂に限らず様々な未完成品が存在しますが、個人の死により永遠に未完となるものもあれば、引き継がれ完成に至るものもあります。松本先生は引継ぎ先を、命のバトンを渡すべき相手を見つけ、心安らかに息を引き取っていった事でしょう。結果よりも過程に意味があると常々考える私はそう信じます。

人の命もまた、廃れ編み直される辞書の如きに死に生まれ行くもの‥。定まった目的に向かって進む事も時として大事ですが、毎日を悔いなく過ごす様に努める人生の方にこそ真に尊いものがあると改めて教えられたブリキ男なのでした。
{/netabare}

主人公の馬締さんの声を演じるのはサイコパスの槙島聖護役でも有名な櫻井孝宏さん。西岡さん役は、こちらも言わずと知れた人気者、神谷浩史さん。それにしても馬締さんど~りで堂に入った話し方をする訳で‥紙の本とはよほど相性の良い方の様です(笑)朗読とかドラマCDとかの語りが好きな方なら櫻井孝宏さんの淡々とした言葉運びを耳に心地良く感じる事でしょう。

起伏のあるドラマを期待出来る様な作品では無いと思いますが、台詞そのものと落ち着いた作風に魅力を感じました。目に楽しいねこさん作画、丁寧なお料理描写も相まって、最後まで飽きずに視聴する事が出来そうです。

最後まで観終えて、一足飛びで目まぐるしく進む展開には戸惑いを覚える事もありましたが、辞書編纂というお仕事の一端、それに掛ける人々の情熱、真摯さの伝わってくる素晴らしいドラマだったと思います。

アニメのキャラについつい敬称を付けたがるわたしですが、それも極々自然な事と今更ながら確認出来たアニメでもありました。松本朋佑というキャラに対しては"松本先生"と言う呼び方以外は考え付きませんでしたもの‥。本作の落ち着きのある作風を根幹から支える、自ずと敬意を抱きたくなる好人物でした。


※1:奇人、変人と訳される事もあるあまり有り難く無い言葉? 女性名詞"不思議ちゃん"もこれに含まれるらしい。

※2:知人は白と黒しか知覚出来ない全色盲を指していた様でした。

※:"舟を編む"と言う言葉、ちょっと不思議な響きですが、編む様にして作られる舟は実在します。私が知っている限りではアリュート・インディアンの作る伝統的な船"バイダルカ"がそれに当たります。無数のパーツを何本もの紐でしっかりと結わえ付けて作られる、剛性、柔軟性を備えたカヌーで、"バイダルカには間接がある"とまで称されています。

アニメとは全然関係ないけれど、ケネス・ブラウアー著「宇宙船とカヌー」に詳しい描写がありますので、ご興味が湧いた方は是非ご一読を。素晴らしい書です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 56
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「超エモい」は、「マジヤバイ」であり、「いとあはれ」でもあった。

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
辞書作りに邁進する社会人にスポットを当てた、オンリーワンの作品。ノイタミナらしく、大人で、静かな魅力があります。

原作既読。アニメはかなり丁寧に、原作を大切しつつも、アニメーションとしての良さを出そうとして作られていた印象です。このアニメの出来自体にはなんの不満もないんですが、それでも言いたい。

「原作を読んでほしい」

レビューでは、その理由や、原作との印象の違い
アニメの感想などをざっくばらんに。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
日国(にっこく)と聞いて、何を思い出しますか?

そこで、「日本国語大辞典」という貴方は、さては文学部(もしくはよほどの国語好き)ですね(笑) 

「日本国語大辞典(日国)」は、全14巻(本編13巻・別巻1)、50万項目、100万用例を収録し、別巻には漢字索引、方言索引、出典一覧を収録する、日本最大級の辞書です。

あの重厚感のある深緑色の辞書は、学生時代にだいぶお世話になりました。小説を読んでいて、分からない言葉が出てきたらとりあえず日国を引く。今思えば、不思議とネットや電子辞書は使ってませんでしたね。身近に図書館があったのもあるけど、やっぱり私は、紙の本が好きなんですよ。未だに、電子書籍には手を出せてませんし。

という私にとって、元々興味があった作品。ただ、原作を読んだとき、「アニメにする必要はない」と思ってはいました。明らかに実写向き。それはアニメを観た後でも変わらないのだけど、それでも本作をアニメにする価値があるとすれば、

「なんか、良いよな、社会人」

と、子供達(高校生~大学生)が観て感じてほしいということかな。「職業に貴賤はない」という言葉があるけれど、働くことの楽しさ、やりがい、眩しさ。それを感じてほしいな~。

辞書編集なんて、本当に地味でこの上ない仕事を、ちゃんと熱く格好良く描けています。

子供達(小中学生)は別に良いんだけど、大学生くらいになってまで(実力も実績も努力も足りないのに)、「プロ野球選手になりたい」的なことを思っている、オシャレなところ、花形なところ以外は仕事だと思っていないバカがいますよね、いっぱい。

仕事なんてのは、(どんなものでも)必死にやっていくうちに段々面白くなっていくものだし、真剣にやっても何も面白さを見出だせないなら多分、自分が面白いと思っていたことを仕事にしたとしても、次第に楽しめなくなってくる人だと思いますよ。

だからこのアニメで、特に西岡を観てね、良いな~と思ってほしいな~。大人も充分に楽しいんですよ、人生は。

さて、原作好きからして、アニメとの違いだけど、細かなところは置いといて(以下は原作ネタバレありです)、

①西岡の活躍が増して、馬締めの心理描写が減った。
②佐々木さんが明るい

かな、気になったところは。

原作は小説媒体だけに、心理描写が厚い。特に馬締。

原作は掛け値なしに馬締の物語でした。

静かに、しかし情熱と拘りをもって辞書を作ります。香具矢への恋慕(ちなみに原作だと、香具矢が夜這いをかけて童貞喪失で、恋文の返事が夜這いというのはインパクトでかかったけど、不思議と魅力的なヒロインだったんですよね)、西岡との友情が、地味な作品を彩ります。

ただ、馬締は元々寡黙なキャラクターだから、会話文を拾っていけば、アニメのように少し薄味になってしまいますね。まあ、それを補うように西岡が原作以上に格好良く描かれていましたけど。

あと、佐々木さんは、原作だともっと地味で、居るのか居ないのか分からない、熱量もそこまで感じないんですよ、途中まで。だからこそ、少ない決め所をバチっと決め、契約社員だけれど熱意をもった仲間なんだよなという感じがして、好きなキャラでした。

アニメだと、口数が増えたというか、明るくなったというか、正社員感っていうか。

まあ、だから嫌ってことではなく、「アニメにしようと頑張っているな~」と、生暖かく観ていました。

岡崎体育さんのOPも、正直アニメの世界観には合ってないです。作中で文字が乱れ飛ぶような演出もあらましたが、それら全て、この地味な作品を、なんとかアニメーションの枠の中で表現したいと、制作の頑張りを感じました。

それでも、私が「原作を読んでほしい」としたのは、この作品最大の魅力が、三浦しをんさんの紡ぐ、透き通るような文体、日本語のリズムにあるからです。これは、上手く言葉にすることができず、ましてやアニメでは表現しきれない「小説の強み」と言える部分なので、実際に原作を読んで頂くしかない。

よくアニメ化される有名な小説家といえば、森見登美彦さんかなと思いますが、彼の、少し酔ったような、非常に個性的な文体(も勿論好きですが)とはある意味真逆で、とてもシンプルで読みやすい。スッと心に入ってくるような、透明感がありました。言葉の流れに無理がないから、小説の世界に没入できる。

この小説を読んだのが4~5年くらい前ですが、その年に読んだ小説としては一番楽しめました(ちなみに、この本の前に、「スクラップアンドビルド」「火花」と話題作を読んでいましたが、あの2作はあくまでアイディア賞であって、文章の上手さという点では、あまり感じませんでしたね。ただ、本作が楽しかったからその直後に読んだ「風が強く吹いている」では、ちょっと稚拙というか、そこまで美しい日本語の流れを感じなかったので、三浦しをんさんが本来持っているものというより、本作までに成長されたのかなと思いました)。

やっぱり、1クールのテレビアニメに一番向いているのは、1巻で完結している小説なんじゃないかなと思いました。小説原作のアニメ、もっと増えて欲しいです。

レビュータイトルにしたのは、最近読んだ新聞の記事から引用。当たり前だけれど、言葉は変化しながらも、人の心には変わらない部分がある。それを端的に表現しているなと思いました。

ただ、SNSや交通機関の発達により、言葉の変化はこれまでにない速度で進んでいます。これから、どこに行くんでしょうね、日本語は。

日本語を愛する立場としては、世界の中で1国しか使っていないこの小さな舟が、英語という大波に飲み込まれて沈没しないことを、切に願っています。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
作画は綺麗だな。渋い、小説より地味なアニメってどうなのだろう(笑)

2話目 ☆4
言葉は舟、全くの同感。追いやられたのではなく、残った。恋愛模様は、なんか思ってたのと違うな~。

3話目 ☆4
童貞は、辞書作りの障害(笑) 何気に、松本先生、好き者だよな(笑)

4話目 ☆4
デート。2周目(笑)

5話目 ☆4
なんか、良いよな、社会人。そう、子供達に思ってほしい。Cパート、このコピーのシーンが実は重要なシーンになるとは、、、誰も分からないよな(笑)

6話目 ☆4
実は必要とされてた、喜び。童貞卒業シーンは、描くのかな?

7話目 ☆4
彼女の足の短さを笑顔で見られるのは大事だよな。西岡、良いキャラだよな~。「はい、遅れないように行きます」の、真面目な文体は、西岡が本気で自分を見てくれたことに対する返答だよな。上手い。

8話目 ☆4
13年後。岸辺さん。まあ確かに、この部署にきたら引くよな(笑) この「ヌメリ感」って、印象深いな~。松本先生見ると、泣けてくるな。

9話目 ☆3
ラブレターのやつ、5話Cパートの伏線回収。原作ならもっと、グッときたのだけれど。

10話目 ☆3
う~ん、ここまで楽しかったとなるのは、やや違和感。

11話目 ☆5
間に合わなかったのがな。松本先生の手紙、というか、遺影の前にある日本酒から、少し泣いたな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゆっくり

三浦しをん原作。読んではいない。
辞書制作に携わる出版社の社員の物語。人生の多くを費やし、ゆっくりと完成させる辞書だけにゆったりとした話の展開。時間がとんでも歳をとって見た目が変化する以外はそこまでの変化はない。

主人公がこれまたゆったりとした人で時間が経過しても香具矢との関係も出会った当初のままという感じ。それはそれで良い。

作中に挟んでくる教えて!じしょたんずは色んな有名辞書が擬人化して辞書豆知識を教えてくれる。

OP
潮風 歌 岡崎体育
ED
I&I 歌 Leola
Leolaの歌は初めて聞いたけど、EDにぴったりなゆったりとした曲だった。


1. 茫洋
辞書編集部員の西岡は、街の本屋でとある営業マンのお粗末な仕事っぷりを目撃する。それは、西岡も勤める玄武書房の社員である馬締(まじめ)という男だった。一方、辞書一筋のベテラン編集者・荒木は、定年を前に後任者を探していた。そんな荒木に何気なく馬締の話をする西岡。すると荒木は突然立ちがり、足早に営業部に向かった。突然の訪問者に戸惑う馬締は、荒木からの『言葉』に関する質問に自分なりの答えを語る。その瞬間、荒木は馬締のセンスを見抜き、辞書作りに向いていると確信する。そして、その場で馬締をスカウトするのだった---。

2. 逢着
辞書編集部へ異動になった馬締は、荒木や監修の松本先生の辞書作りへの情熱を知ることになる。編纂途中の中型辞書・『大渡海』への想い、そしてなぜ新しい辞書を作り続けるのか……。そんな馬締は、彼らの期待に答えることができるのか……という不安に襲われていた。しかし、下宿先の大家・タケさんは言う。「頼ったり頼られたりすればいいと思うよ」そんな満月の夜。下宿先のベランダで、馬締は美しい女性と遭遇する---。

3. 恋
馬締が、タケの孫娘・香具矢に恋をしたことが発覚。そこで辞書編集部の一同は、香具矢が板前修業をしている店を訪れることに。西岡の雑談にも程よく答えながら、真剣に料理と向き合う香具矢に見惚れる馬締。彼女もまた、辞書作りと同じ長く困難な道を極めようとしているのだ。帰り道、西岡と馬締は語る。馬締は、場を作るのがうまい西岡を尊敬していた。そんな馬締を変な奴だ…と呆れる西岡は、これから面白くなるかもな…という期待も感じていた。しかしそんなさなか、西岡は『大渡海中止』という噂を耳にしてしまう---。

4. 漸進
社内で噂される『大渡海中止』の動きを阻止すべく、辞書編集部は西岡発案の大胆な策を実行する。一丸となって奔走する一同。そんななか西岡は、今までにない生き生きした表情を浮かべていた---。数ヶ月後。久しぶりに休日を取った馬締は、タケの後押しもあり香具矢と二人で出かけることに。二人は観覧車に乗り、東京の街を見渡した。そして、料理への情熱を語る香具矢。感動した馬締も、自分なりに想いを伝えようとするのだが……。その夜。馬締は香具矢へ想いを伝えるべく、手紙を書き始めた---。

5. 揺蕩う
局長に呼び出された西岡は、『大渡海』続行の条件を言い渡される。それは、別の辞書の改訂と、西岡の宣伝部への異動だった---。辞書作りへの情熱を感じ始めていた西岡はショックを受ける。しかし、『大渡海』の見本刷りを見て喜ぶ編集部員たちや、既に条件である小型辞書の改訂作業を始めている馬締。そんな彼らを目の当たりにし、「異動までに俺ができることは全部やる!」と意気込むのだった。一方、恋文が完成した馬締は、勇気を振り絞り香具矢に手渡した---。

6. 共振
恋文を渡した翌朝、香具矢に遭遇した馬締は思わず逃げ出してしまった……。その日の昼、今後の対策について話しあう編集部員たち。そこで、西岡が自身の異動を告白する。衝撃を受ける一同。西岡さんが……と呆然となる馬締は、不安に襲われつつ帰宅するのだった。その夜、恋文の返事を香具矢に迫る馬締。絶対今日中に聞けと西岡から助言を受けていたのだ。しかし、動揺した香具矢は部屋に戻ってしまった。振られた……と肩を落とす馬締。しかし、恋文の文面を再確認してきたという香具矢は、馬締へ想いを告げる。「私も、好きです」---。

7. 信頼
大学教授から上がってきた原稿に問題が見つかり、西岡と馬締は修正案を作成する。そのなかで馬締は、大渡海には西岡が必要だと改めて感じる。そんな馬締に、西岡は力強く語る。たとえ離れても、お前をフォローし続けると---。数日後。修正に激怒した教授から連絡が入り、西岡は一人謝罪に向かう。露骨に不機嫌な態度をとる教授。しかし西岡は機転をきかせ、教授に今後の協力を約束させる。大学を後にした西岡は、晴れやかな表情で新たな道を歩き出した。そして馬締も、新たな決意を胸に一人作業を続けていた---。

8. 編む
13年の月日が流れ、新たな社員・岸辺がやってきた。しかし、入社以来ファッション雑誌を作ってきた岸辺は、なぜ私が辞書を……という悶々とした思いを抱えていた。そんななか岸辺の歓迎会をすることに。そこで馬締は、岸辺が「言葉を大事にする人」だと言う。しかし理解できない岸辺は、自分に辞書作りは無理だと店を飛び出してしまった……。そんな岸辺と遭遇した西岡は、ある質問をする。それはかつて、荒木が馬締のスカウトを決めた『言葉』に関する質問だった。岸辺の答えを聞いた西岡は、微笑みこう言った。「君、辞書向いてるよ」翌日。辞書編集部には、率先して仕事をする岸辺の姿があった---。

9. 血潮
新たなスタートを切った岸辺は、松本や馬締との交流のなかで、『言葉』や『辞書』についてより理解を深めていく。そんななか総仕上げの作業が始まり、並行して『大渡海』専用の紙の開発も続けられていた。来る日も来る日も机に向かい、黙々と作業をする一同。そして季節は移り変わっていく---。約一年が経過し、とうとう紙が完成した。そして同時に、営業や宣伝といった他部署との打ち合わせも重ね、日に日に大渡海の完成に近づいてく。そんなある日、重大なミスが発覚してしまう---。

10. 矜持
抜けている単語が見つかり愕然となる編集部員たち。そこで馬締は、24万語全てのチェックをやり直すと決断した。そんな矢先、松本が入院してしまう。焦る馬締は、いち早い『大渡海』の完成を目指し、黙々と作業を続けるのだった。そうして、編集部員とアルバイトたちの壮絶な合宿生活が始まる。昼夜問わず作業を続け、限界まで働き続けた。馬締は他部署との打ち合わせなどもこなしつつ、かつての自分を振り払うかの様に作業に没頭した。そして時は流れ……とうとう全ての再確認が終了した。西岡も駆けつけ歓喜に湧く一同。こうして、『大渡海』の完成が迫ってきたが---。

11. 灯
馬締と荒木は大渡海の刷り出しを手に、松本の自宅を訪れた。嬉しそうに紙に触れる松本。しかし松本は告白する。食道に癌が見つかったのだ……。そして初春を迎えた頃、とうとう『大渡海』の完成が目前に迫る。そんななか、編集部の電話が鳴り響く。それは、松本の死を知らせるものだった---。『大渡海』は完成し、華やかなパーティが開かれた。そんななか、荒木が取り出した手紙を読んだ馬締は涙を流す。そこには、松本からの感謝の言葉が綴られていたのだ---。そして……桜舞う春の日。馬締と香具矢が歩いている。馬締は、松本の言葉をかみしめながら、辞書作りについて思い巡らせている。「僕らはくり返し、舟を編む」香具矢としっかり手を繋ぎ、馬締は歩み続けるのだった---。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

70.3 13 図書館アニメランキング13位
世界一初恋(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (466)
2505人が棚に入れました
小野寺出版の御曹司小野寺律はコネ入社と言われるのが嫌で父親の会社をやめて新しく文芸をやろうと意気込んで丸川書店に入社する。だが配属されたのは、変人ばかりで他の編集から避けられ、乙女部とまで言われている少女漫画部門・エメラルド編集部。その上、編集長高野政宗が自分の初恋の人だったと知りパニックになる律に、高野は「もう一度俺を好きって言わせてやる。覚悟しておけ」と宣言する。

声優・キャラクター
近藤隆、小西克幸、堀内賢雄、立花慎之介、中村悠一、神谷浩史、岡本信彦、緑川光、森川智之

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

とある出版社の恋愛模様(/ω\)☆

BL。ボーイズラブ。
そう、この作品のジャンルはBLです。

全体の雰囲気はコメディ要素も多いので、
初心者にも優しいBL作品♪

BLは私にとって初挑戦のジャンルです。

男性を愛している友人(♂)がいるので、
そういう関係に偏見も萌えも感じないのですけれども、

2次元に関しては
ちょっと抵抗があったんですよね。
だって同人誌とかすごいじゃないですか。
(幼い頃に普通の漫画だと思って開いてしまったトラウマ…。笑)

そんなこんなで楽しめるのかどうか、
ちょっとドキドキしながら手に取った作品です。

さて、私の新たな扉は開くのか!?笑

全13話です。


● ストーリー
小野寺律(おのでら りつ)【♂】は、
丸川書店に転職してきた25歳。

高校時代に付き合っていた先輩【♂】にひどい振られ方をし、
それを今でも引きずって恋愛ができない。

そんな彼が配属された部署は、少女漫画。

敏腕編集長・高野政宗(たかの まさむね)の厳しい指導を受けながら
新人編集者として仕事を覚えていく。

そしてある日、気付く。
編集長は昔好きだったあの人だ…。


ベッタベタの展開ですが、
この作品の場合、ストーリーはさほど重要ではないのでいいんです。笑

だって大事なのは
「くっつくの!?」「ドキドキするシーンに突入するの!?」という
恋の駆け引き。

ドキドキできればなんでもいいんです。笑

BLと言っても艶やかな感じではなく、
どちらかというとギャグっぽい描写も多い。

イケメンにきゃーきゃー言うノリで楽しめるので、
イケメンが好きなら間違いなく楽しめます。笑

自分でも驚くぐらい、
どんどん続きが観たくなっていました^^


この作品、
ストーリーが3種類あります。

◇小野寺律の場合
・・・昔好きだった先輩に迫られ、振り回されながらも、
   自分の気持ちは恋じゃないから!と頑なに認めない。
   新入社員として今は仕事を頑張るぞ!

◇吉野千秋(よしの ちあき)の場合
・・・男を好きになる?そんなことには疎いけれども、
   幼馴染のあいつならいいかな…。
   というか、あいつのことが気になって仕方がないよ。

◇木佐翔太(きさ しょうた)の場合
・・・男を顔でしか好きになれない。
   結果、本気で恋愛をしたことがない。
   今気になっているのは、書店で働くあいつ…。


3人とも丸川書店のマンガ家さんだったり編集さんだったりです。
まったくいけない会社だこと(/ω\)

3つのストーリーはランダムで構成されています。

3つの話に共通しているのは、
迫られる男の子は「みんな可愛い」ということです。笑

可愛い男の子がモテるのですね、わかります(/ω\)

「そこまでやっちゃうと激しい…(/ω\)」
なところもありましたが(笑)、

相手に振り回されてどぎまぎしたり、
そんなところは普通の恋愛作品と何ら変わりなくて。

可愛い女の子が登場しなくて、
可愛い男の子が登場するだけですよw

ね、ハードル下がるでしょ?笑


● キャラクター
私のお気に入りは、
りっちゃんこと小野寺律です。

とにかくりっちゃんの可愛いこと!!!!!!
何度キュン死の危険を感じたか(*´Д`)

高野さんは積極的にりっちゃんに迫る。
そして赤面して逃げ出すりっちゃん。

「くっそー。悔しいけどときめくぜ。」
な表情がやばいかわいいきゅんとする…(*´Д`)昇天

そして相手の高野さんは
仕事ができるクールなイケメン。

「どんな恋愛しても、俺はお前が忘れられなかった。」
「もう一度俺を好きって言わせてやるよ。覚悟しておけ。」
↑普通に言うだけでもドキドキするこの台詞を
 さらっと言えちゃう高野さんマジイケメン…。
 (ただし男に向かって。笑)


結論:この作品、私には相性ぴったりでした。

照れる可愛い男の子、
大好物ですもの(*´Д`)(りっちゃんに限らず)

クールなイケメン男子が迫り、(キャー(/ω\))
可愛い男の子が照れて恥じらい、(キャー(/ω\))
両想いのような片思いのような、もどかしい関係。

いやー、男同士とかそんな偏見無駄でしたわー。
もうずっとドキドキきゃーきゃーしながら観てました(*´Д`)

刺激の強い恋愛アニメを観ているような…。笑

攻めるのが男なら、
受けるのも男。

積極的な男性が好きでも楽しめるし、
恥じらう男性が好きでも楽しめる。

一度で二度おいしいじゃないっすか!(/ω\)

恥じらうりっちゃんが可愛すぎて、
それだけでもう大満足な私です(*´Д`)

恥じらうりっちゃんをずっと観ていたい…(*´Д`)←変態


● 声優
キャラの見た目はなんだか全員似ているのだけど(笑)、
私の大きなお気に入りポイントは「声」です。

どのキャラもいい声をしていて、
耳に心地よかった♪

特に羽鳥芳雪(はとり よしゆき)役の中村悠一さんが素敵でした♪

「俺をやる。」←中村ボイスの破壊力よ…。
現実的に考えると笑えちゃう台詞なのですけど、
この素敵ボイスで言われたら恋に落ちてしまうわ。(確信)


● 音楽
【 OP「世界で一番恋してる」/ 喜多修平 】

歌詞が作品にぴったり♪

曲はポップ調で、
話の内容によっては合ってない気もしたけれど、

私はこの曲好きです^^


【 ED「明日、僕は君に会いに行く。」/ ワカバ 】

OP以上にこちらの方が好きです♪

ちょっぴり切ない感じが、
作品が持つ「背徳感」の雰囲気によく合うのですよねー。

好きな気持ちに違いはないのに、
「男同士」というだけでちょっと秘密が大きくなった気分。

その分こちらはドキドキが増すのですけれども♪


● まとめ
イケメン同士いちゃいちゃするのは
思ったほど悪くなかった。

そんなわけで、
私の新たな扉は見事に開きましたー\( 'ω')/Open the door!

どの話も完結しておらず、
2期に持ち越しです。

まだりっちゃんの話を楽しめるのかと思うと嬉しい(*´Д`)早く観たい!

男性にはおすすめしにくいですが、

恋愛ものやイケメン男子が好きな女の子には
おすすめできる作品だと思います♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

くそっ、なんてBL物なんだ!

私の初のBL物への挑戦作品となった本作。
正直BLなんて気持ち悪くて観る気はしなかったのだが
とにかく少しだけ見てみようと挑戦した。

まず、本作は3人の主人公が出てくる。
そして、それぞれの話が個別に進んでいく。
そのため、いきなり主人公が変わり???になることがある。
絵もキャラが似ているため、区別が付き難く
わけがわからない状態に陥ることも。

私は序盤の律編から千秋編に代わったときに
???になってしまった。
あれ?何か話がつながらない。
え?なんか微妙にキャラ変わった?
なんだ?なんだ?ってな感じw

その辺りがもう少し分かりやすいと良いと思う。
と、マイナス要素から入ったが1つ1つのストーリーはなかなかよいと思う。
個人的には特に律編が面白いと思う。

漫画編集での上司と部下の話はかなり面白く
律と高野のやり取りから目が離せなくなってしまった。
この律編はBL要素も抑え気味だったのも良かった。
(無いわけではないので注意w)

BL要素が強いのが千秋編なのだが、
個人的にはここは我慢我慢だったw
とにかく律編が観たいがために我慢していた。

木佐編もBL度が結構あるが千秋編ほどではない気がした。
話もなかなか面白い印象だった。

と、3人のBLストーリーが展開していく。
個人的には律編だけで構成してくれたほうが良かったのではと思う。
律編はBLさえ抜けばかなり面白かった。

OPED曲はかなりいい。
特にEDはその週のBLどんより感をきれいに洗い流してくれたw
BLなんか観たくないって人も曲だけでも聴いてくれw

なかなかひどい評価だが最後まで観れたのは
このアニメがそれだけの物を持っていたからではないだろうか。
勇気のある方は1度チャレンジしてみてくれ。
新しい世界が開かれるかもしれない。

そして、更なる新しい世界。
2期がこの秋に決定した。
2011年10月から待望?の2期が始まる。
未視聴の方は今から視聴して準備していただきたいw

とまあ色々書いてきたが
何が言いたいかというと

やっぱり女の子がいいと再認識したwww


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以下、これまでの視聴後の感想履歴。
微妙にネタバレ含むかもしれないので
見てない方はスルー推奨。

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{netabare}
1話視聴。
BL物と思ってかなり抵抗があり、なめてました。
恐る恐る見てみたら結構面白い。
そこまできついホモ度でもなかった。
(ところどころありますけど・・・)

それより、今後の展開がすごく気になった。
怪しい漫画編集部に配属され、さてさてどうなるのやら。
今後に期待したい。

2話視聴。
何これ面白い。
BL部分がなければ最高なのだが(笑)
BLに抵抗はあるが続きが気になって仕方ない。

3話視聴。
出版社ってあそこまで手いれるんですねえ。
漫画ってほとんど作者が作るんだと思ってた。
それよりも・・・・

くそ面白い。
BLには抵抗ありまくるのに
続きが気になって仕方ない。
どうしたらいいんだ・・・
来週も見るしかないじゃないか。

4話・5話視聴
BLがかなりきつくなってきた。
キャラもなんか見分けがつきにくくなってきた。
ここまでなかなか面白かったのだが
少々きつくなってきた。
しかし、まだ、がんばってみる。

6話視聴。
千秋編に入ってからホントきつい・・・
BL三角関係。
ここまで来たんだ最後まで見てやる・・・
でも、ED曲はいいんだよね。

7話視聴。
戻ってまいりました。
小野寺律編。
やっぱこっちは面白いわ。
千秋編はホントBLきつかったけど
小野寺と高野のやり取りが面白い。
また、見る気が出てきた。

8話視聴。
木佐編。
またまたBLきついいいい。
うぐぐぐぐ。
だが、面白い。
雪名のキャラが良すぎる。
木佐の心の動きがなんとも言えない。
BLは寒気するんだが、でも観たい。
この俺の気持ちはどうしたらいいんだ。
くそっ、仕方ないから来週も視聴する。

9話視聴。
雪名、ちょwwwww
いい男だが、これ男女ものじゃダメなのか?
木佐を脳内で女に変換するしかねえw
くそおBLがああああああ。
うわあああああああああああ。
寒気がするううううううう。
でも、来週も観るわw

10話視聴。
今回は千秋編。
やっぱり千秋編はダメだああああ
本能的に受け付けない。。。
ぐぼあああああ。
千秋をおんにゃのこに脳内変換する機能が欲しい。。。
しかし、ところどころで吹いたwww
それと毎度、ED曲に救われるわ。
この曲聴くと取り合えず変な気分は無くなるw

11話視聴。
やって参りました、律編。
相変わらずの面白さ。
ちょっとうぷっとなるシーンはあるもののw
ここに来て新事実発覚か?
盛り上がってまいりました。
来週も律編かな。
さて今週もED曲でさっぱりするかねw
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 38

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この変などきどきはどうしたらいいのですか。(結局変などきどきは置き去りにされました。が、また戻って来るようです(ll゚Д゚ノ)ノ)

さよならしたはずなのに・・。
また、戻って来やがった!12.5話「羽鳥芳雪」の場合、視聴(o・ω・o)

あの奇跡のトライアングルを観せてくれた、
吉野千秋と羽鳥芳雪。あれ?優は?
トライアングルは終焉したのか?(´`:)
【男が男を激しく取り合いする】のが、あの話の見せどころだったのに!
本編では、取り合ってる事を祈ってww
とりあえず、優抜きの2人のLOVELIFE♥なお話♪
しっかり者でクールなトリ。天然で明るい千秋。
全く似ても似つかないが、お互い【大好き】なのだ(苦*´・艸・`)(`・艸・´*笑)
現実にぶち当たる2人。しかし、そんな中で感じた変わらない事実。
トリは見つめる、千秋は赤くなる・・近づく唇。
この瞬間、久々に感じる変なドキドキと「こわい、こわい、こわい、こわい、こわい、こわい、
こわい、こわい、こわいΣ(゚∀。;)」
の私のつぶやき。
あの先にある現実を受け入れる事は、
果たして出来るのでしょうか?非常に先行き不安です(;´∀`)・・ァハハハ

とか言っても観るけどね!ニヤ(・∀・)ニヤ
1期のレビュー↓↓

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私の「BL」デビュー作。
まさか「BLなんて・・」と言って遠くから見ていたのが何ヶ月前。
ある軍団の話題に便乗し、
新たな世界に足を踏み入れてみました。
「片足位でいいや~」(的な気持ちで)
と観始めて書いたレビューが下記にあります。


しかし完走結果・・・
「マズイ」が「ナゼカタベテシマウ」
そして最後、心の中に「何か」を残して去っていかれました。
ナンダロウコノキモチ・・・


少女漫画の編集部。
そこで働く(関わる)男性達の花園のお話。
下記にも書きましたが、詳しくは「3組」いや?4組?
の「BL」が繰り広げられれいます。
では一つづつ紹介して行きましょう。


※「小野寺律の場合」
この作品の「主」のお話。
うむ、一言で言えば「一番激しかった!」
ですかね。目を覆う様なシーンの数々(/ω・\)チラッ←(実はめっちゃ観てる私。)
.∵・(゚ε゚ )ブッ!!となる「高野さん」の「臭い」いや「くさい」台詞の数々。
しかし「律」は顔を赤らめる。
しかし「律」は最後までツンデレでした。


※「吉野千秋の場合」
これも新しい。なんてったって「トライアングル」ですもの。
「羽鳥」と「優」の「千秋争奪戦」
「千秋」ったら罪な男でした。
勝利者やいかに?・・・


※「木佐翔太の場合」
本屋のアイドル店員「皇」に片思いをする「翔太」。
とあるきっかけでお近づきに。
しかも「皇」はめちゃくちゃ積極的。
本で隠すナンテドラマダケダロ・・・
2話だけにするのはもったいない!


という感じでした!
私が特に好きだったのは
「男に顔を赤らめる男」
これは3パターン全てにおいて言える事です。


最後に、この作品を通して多くの方達と繋がりあった気がします。(そこのあなたです!!)
みなさんの心の中にある「腐」の部分に触れた気がしました。
感謝します。


「ありがとう、世界一初恋」


完。


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8話まで視聴。

今回また違う1組が増えました!
今回のドキドキは何かが違う。
観てて本当にドキドキしちゃいましたw(大丈夫か自分w)
翔太の気持ちがすごく分かってしまったから・・・
こんな感じでさらーっとキレイに終わってくれたらいいと思うのですが・・次回また「おぇ」しちゃう予感・・・
 

下記7話までのレビューです!


BL初挑戦の火蓋が今切っておとされた!


え?1組ぢゃなくて何組もLOVEるの?
えっ?そんな言葉でせめちゃうの?
えーっ?そんな事・・そんな、そんな事まで・・・
えーーっ?何やってんすか!!?
きゃー!!ぎゃー!!!    「おぇ。」


いや、恋愛は自由だと思います。


投稿 : 2024/05/04
♥ : 35

80.2 14 図書館アニメランキング14位
BANANA FISH(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (541)
2445人が棚に入れました
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。


声優・キャラクター
内田雄馬、野島健児、平田広明、石塚運昇、古川慎、細谷佳正、川田紳司、福山潤、森川智之、千葉翔也、斉藤壮馬、上田燿司、小形満、村瀬歩
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

どうせみんなホモになる

自分には珍しい原作既読。{netabare}
とはいえ記憶は殆どなく、印象としては「どうせみんなホモになる」。
アッシュ捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げて捕まって逃げてーの繰り返しで、そうしてる間に「なんでそんなにアッシュ狙われるん?」って思ってたエイジが、狙ってるヤツらはみんなアッシュのケツ目当てで「ああ、そんなに良いものなのか!」と目覚めてエンドだった記憶。
出てくるキャラがみんなホモで原作読んでる最中結構笑った記憶がある。
自分は隠れホモが嫌いなだけで、最初から「ボクホモです」って言ってる分には気にしないので問題無く見れると予想。

って、アニメ見て「あーそうそう、こういう内容だったわ」と思い出せることを期待したけど全然思出せないw
どうせ捕まって逃げるだけだしw
まぁ出てくるヤツはみんなホモ(この世界はホモしか居ない)って思っとけば間違いないので気は楽なんだけど、ちょっと悔しい。

あ、それと原作の段階から大友克洋っぽい部分がちょくちょくあって、これってライブラリあったりするのん?とかちょっと思ったり。
もしあるならアニメ化は結構効率化できるような?{/netabare}

15話までの感想{netabare}
なんでも作中の銃がまるっきりモデルガンなんだそうな。
実銃には無くてモデルガンに施されてるディテールまで絵で再現しちゃってるらしい。
手元にある資料(モデルガン)をこれでもかと精巧に再現しちゃったんだろうね、当然ながら自分は全然気付かなかったけど。
で、一部では笑い者になってるらしいが…個人的には好感度アップ、実直でいいんじゃなーい?
銃がメインの話でもないしなぁ、これがガンスミスキャッツやガンスリンガーガールだったら「おいおい」ってなるけどさ。
そんなん気にしだしたら植物なんて結構アレだし、オタ友の電気屋は背景の建物の配線に「それはない」と突っ込もうと思えばいくらでも突っ込めると言ってたし…バナナフィッシュに限ったことじゃなくてアニメ全般ね。

と、好意的ではあるとはいえ飛び抜けて面白いってこともなく、ダメってこともなく、だら~んと見続けてるのだけど…15話にしてツッコミどころキター。
色仕掛けで看守の隙を突いて脱獄って、おま…永井豪やすがやみつるの漫画で見た記憶があるが、今の時代にこれって…あるのか?
現代風にリファインした結果がこれ?まぁいいけど。
いや最近もあった気がするが…LOSTSONG…じゃないなぁ、何だっけ?
それよりも色気振りまくのがアッシュで全然嬉しくないw
これ、女性視聴者はキャーと喜ぶところ?それともギャグシーン?
ってか看守はホモだったのか、やっぱりこの世界にはホモしか居ないのか。
もういっそのことポリスアカデミーのブルーオイスターみたいなん出せばいいのに、あそこまでやれば自分もギャグとして楽しめるんだけどなぁ。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
原作読んだハズだけど殆ど記憶が無く、辛うじて残ってる印象は↑で書いた通り「捕まっては逃げ捕まっては逃げ~」。
んでアニメ見てみたら、うっひゃあ、自分の記憶以上に捕まっては逃げ~でした。
病院や刑務所も「捕まって」にカウントすると何回捕まった?数えとけば良かったなぁ。
いっつもアッシュを逃がすためーアッシュを逃がすためー(たまにエイジを逃がすためー)で周囲が右往左往する、いっつもコレで正直飽きる。
フォックスと初顔合わせの時ゲイバーだったけど、やっぱりブルーオイスターほどパンチはなくてう~ん。
またフォックスとの最終対決でお互い鉄パイプ持った時「お、ここでアッシュは棒高飛びのワザ使うか?」と思ったが無かった、まぁいいけど。
そしてラストは…あれ、こんなんだったっけ?全然覚えてないや、ジェットマンオチでした。
ジェットマンオチにしても元ネタあるのでべつにパクりがどうこう言うつもりは無いがなんかやっぱりどこか懐かしい。
あーそれとこれは…何の感想で書いたんだったかな?
その昔“風と木の歌”っていうBLモノの元祖になるのか?っていう少女マンガを読んだことがあって(アニメ化もされてるみたいだがそっちは見てない)、登場キャラが男の筈なんだけど中身がまるっきし女で「こんな男いねーよw」と思った事がありまして。
こっちでもユエルンがソレで、男として見るよりただのヒス女として見た方が理解しやすいと思う。
むしろ「ヒス女」としてはよく描けてて、普通に女性キャラで書けばいいのに…と思わなくもない。

大して面白くもなかったけどこういう系はこういう系で残って欲しいので(ホモは抜きで)、まぁ並ってことで。
とりあえずあれだ、ハードボイルドを謳うのであれば横一列になって滑走路を歩いてくれないとピンと来ないんだ、うん(スゲー偏ってるって自覚はある、あああ~ああああ~んんん~んんんん~※)。

面白くなかったといいつつ評価する点。
例えIQ高かろうが町のチンピラ上がりのアッシュとしては、本場モンのホンモノのフォックスや師匠には手を焼きました。
パワーバランスとしてはこれが正解だよなぁ。
殺し屋養成所出にも関わらず安く買い叩かれ、また実際大して強くなく昨日今日殺し屋になりましたって素人に苦戦する“豚骨ラーメンズ”のアホアホさが際立つ。
それとオチに繋がることだけど、やむを得なかったとはいえショータを殺したことで恨まれ続ける(事情を話そうにもヤバいネタで話せない)ってのは久々に見た気がする。
アンゴルモア?知らんなぁ。
最近は主人公格(作者が投影するキャラ)が悪し様(あしざま:相手を実際よりも悪く、また、いかにも悪いものとして扱うさま)に扱われるのって避けられてる気がするので。
そこら辺も「古い」に組み込まれてしまうのはちょっとイヤかも。

※参考動画
https://www.youtube.com/watch?v=GfJSNWHuFhY


余談、園芸ネタ
バナナフィッシュの原料としてブルグマンシアが出たけど、原作でもそうだったっけ…覚えてないや。
元はダチュラの一種扱いだったけど近年ブルグマンシアは分けようって扱いを受けてる植物で、そこらで観賞用として園芸植物として普通に出回っている、流通名はエンゼルトランペット。
たまに蕾をオクラと誤食して死亡事故が発生する(ボケ老人がやらかす)けど、それは恐らくダチュラのほう…とはいえブルグマンシアも同等の毒性アリ(と言われてる)。
ブルグマンシアでフリー素材検索するとアニメそっくりな画像が出るのはナイショだ。
またアッシュがアタリをつけてニアピンだったペヨーテはサボテンの一種(ロフォフォラ)、メスカリンを含有してるとされてるけどとても幻覚作用を引き起こせるほど抽出できないので“日本では”栽培を規制されてない。
ってかオレ育ててるし…邪な目的は無いヨ。
草餅みたいなカワイイ植物です。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

キース・へリングやバスキアが生きた時代

2019.01.03記


原作未読


書店で平積みされてたり、学校で女子が話題に挙げてたような挙げてないような。20年以上前の記憶です。
タイトルだけは知っていて中身がどんなか知らないものの、吉田秋生先生でノイタミナでという話題性に食いついてみました。

全24話2クール作品です。
舞台はアメリカN.Y。若くしてストリートギャングのボスであるアッシュ・リンクス(♂)は容姿端麗・頭脳明晰・殺人スキルも無問題の完璧超人。イラクで消息を絶った兄が残した「BANANA FISH」という単語を追って動き始める。
同じ頃、カメラマン助手として日本からやって来た青年奥村英二がひょんなことからアッシュと出会い、BANANA FISHを巡るいざこざに巻き込まれながら友情を育んでいく物語です。
けっこうハードなクライム・サスペンスで、コルシカマフィア、華僑の闇勢力、ストリートギャング、はたまた国家機関も出張ってきての組んずほぐれつ。諸悪の根源はBANANA FISHということになるんでしょう。

設定が設定だけに人が死ぬのはしょうがないとして、これでもかこれでもかと不運がアッシュに降りかかるのが本作の特色でしょうか。
30年前なら『おしん』、20年前なら『家なき子』、最近だと『東京喰種』の金木研ばりに過酷な試練の連続です。どうしようもない沼に嵌りこんでいるアッシュをもうこれ以上いじめないでください、となります。
このアッシュに共感できるなら作品にすっと入れると思います。
対する英二は平和ボケの権化みたいな向こうの人から見た“Tipical Japanese”を地でいく青年です。私は苦手なタイプですが、なぜか完璧超人アッシュにとっては安らぎを得られる存在。
生い立ちから歩んできた人生からまるで違う二人がなぜ共鳴し合えるか?
この友情物語を紐解くカギとなります。


私はけっこうながら見でした。
英二がまぬけというか、いや普通そんなんやったら死ぬで!の局面でけっこう素っ頓狂な行動を取ったりでイライラが募り、ストーリーに没入するのを邪魔します。
アウトローが自分に無いものを求めて無垢な存在に惹かれるというモチーフはよくあるため、逆側の無垢な存在がどうアウトローにシンパシーを感じるかの部分で弱い気がしました。

『だから二人は惹かれ合うのね』

ここがもっと欲しかったかな。男同士、女同士、男女でもそれは変わらないと思います。
クライム・サスペンスと友情物語がリンクする作風の中で、前者がなかなか面白いのは事実なものの、後者がしっくりこないと早々に“腐”認定してとりわけ男性視聴者が離脱してもおかしくないでしょう。
逆に両者がかちっとはまるとめちゃくちゃ面白く感じそうです。私はその一歩手前でした。

とはいえ完走はできました。佳作の域にはあると思います。

※メモ//石塚運昇氏遺作



■余談 
地味に良かったのがN.Yの雰囲気。
1985~1994年連載の原作でベトナム戦争帰りの設定だったのがアニメではイラクだったり、スマホがあったりと現代に合わせた調整はしょうがないとしても、ベースとなったであろう1980年代前半の超凶悪な街N.Yの雰囲気がよく出てたのは良かったです。
今と違って観光客が地下鉄に乗るなんてご法度もいいところで、昼間でもサウスブロンクスを歩けるわけがなく、例えばタイムズスクエア近辺のホテルから地下鉄でヤンキースの試合を観戦しに行くことは「死にたいの?」という世界。・・・だったらしい。なにぶんこの時期ガキンチョだったので見聞きした話です。
一方でアートやファッションはとても魅力的だったり。キース・へリングやバスキア。元は落書きの“グラフィティ”は画集を買ったこともあるし、ヒップホップも発祥はこの頃のN.Y。自分がはまったのはちょっと後の東と西でドンパチしてた頃ですが、私には興味惹かれる場所なり時代だったりします。

作中でも地下鉄でドンパチ普通にやるし、建設中ビルや廃墟などいたるところで銃声が響きます。このやさぐれ感はたまんなかったです。

リアルのN.Yで初の黒人市長が出て警官増員したのが1989年。ジュリアーニの登場が1994年。治安は急速に改善してきました。
私の初N.Yが2001年だったのでその頃はもう快適に過ごせましたね。

{netabare}超高層にもかかわらずガラス張りではなく屋外に出られるスポットがあるぜ、とN.Y出身知人のススメで訪れたのがワールドトレードセンター。訪問日は2001年8月11日午前。なんというかね。。。{/netabare}


やっぱり、あんな危ないエリアだったりストリートの悪がきがたむろするところを無警戒でほっつき回る英二って“なんだかなぁ”と思う私でした。


■余談2 ※最終回ネタバレ有
国民的愛唱歌『とんぼ』言わずと知れた長渕剛の名曲ですが、元は本人出演ドラマ「とんぼ」の主題歌です。
{netabare}最終回はヤクザ役の剛が腹を刺されて、倒れた剛をカメラが引きのカットでおさめて終了。図書館ではなくこちらは路上でしたが似たようなカット割りです。{/netabare}

{netabare}ヤクザ剛の役名は “英二” 

すまぬ。これ言いたかっただけです。{/netabare}


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2019.06.02追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/05/04
♥ : 52

Jacks さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

二人が紡ぐ絆

街の中に紛れ込んだ男。その男の名は誰も知らない。彼は殺しと仲間の為に生き、そして自分の為に戦う。だが、それだけではない。
復讐、償い、親友。これらは彼にとって大きな鍵となっている。特に親友...もう一人の少年は彼を慕っている。二人は互いに強い絆で結ばれた間柄なのだ。
もしその少年と別れてしまったら、彼はどうなると思う?怒りと悲しみ。あらゆる感情に左右され、成すべき事を見失ってしまう。その可能性がある。
出逢いは難しそうで簡単にできるが、別れはすぐにやってくる。死が二人を分かつまで、彼は足掻く。たとえどのような目に遭っても。
彼がその親友と仲間達を大事にする引き金となったのは、彼自身のモットーだ。同時に彼を取り巻く多くの陰謀と黒幕が関与している。
果たして彼は突き付けられた現実を輝かしい未来へと変えることができるのか?それとも、このまま堕ちていくのか...

舞台はアメリカ。本作の主人公であるアッシュ・リンクスはギャングのボス。彼は自らの手を汚してまで今の地位にのし上がってきました。
裏社会という名の犯罪行為は頻繁に起こり、その中でアッシュは生きています。頼れるのは自分の力と仲間達との協同です。特にショーターはアッシュにとってかけがえのない存在。
そして訳あって日本から来た奥村英二(おくむらえいじ)もアッシュの仲間の一人。彼らは次第にお互いを大切に思いやるようになります。
アッシュの本心はこの闘争を一刻も早く終結させ、英二達と一緒に平和で幸せな日々を過ごす事でしょう。それがアッシュにとって非常に望ましいと僕は思っています。
しかし、それを邪魔するのはゴルティネを始めとした極悪非道な連中。アッシュは何度も苦渋を味わい、拷問に近い罰を受け、そして時には利用されることになります。
それでもアッシュは諦めません。何故なら、彼には確固とした信念があります。目の前の敵を躊躇なく殺す。それが強き者の使命であり、宿命です。

本作の魅力は何と言っても非常に作り込まれた登場人物と世界観。MAPPAの美麗で安定的な作画も相まって、鮮明に描かれています。
アッシュは基本的にクールで頭脳明晰。自分が認めた人間を受け入れる寛容さも兼ね備えています。とにかく渋いですね。
英二は世話焼きで心優しい少年。アッシュを友人としても仲間としても意識していて、そこに好感が持てます。
他にも李月龍(リー・ユエルン)という後々のエピソードに登場するキャラもいますが、彼もまた魅力的です。
個人的にシン・スウ・リンも好きですね。声と容姿が僕のタイプだからでしょうか。良い意味で威勢のある好青年です。

僕は原作を読んでいませんが、吉田秋生(よしだあきみ)さんの類まれなエッセンスとストーリーテリングが本作を絶妙に味付けしています。
利口で筋の通った会話の数々、予想の斜め上を行く流れ、スリル満載の怒涛の展開。これでもかというぐらいバラエティに富んでいて、視聴者を飽きさせません。
少女漫画らしからぬハードボイルドな作風が本作の特徴ですが、随所に挟まれる意味深なシーンや柔らかな絵柄が実に優秀です。そこに少女漫画らしさを感じます。
台詞回しも海外ドラマのようなカッコよさですね。現代版ゴッドファーザーと言うべきでしょうか。マフィアものが好きな方はハマること間違いなしです。
比率としては男性キャラが圧倒的に多く、女性キャラは申し訳程度でしか出演しません。そこに好みは分かれるでしょうが、僕は気に入っています。

OPとEDは素晴らしいの一言です。1クール目のOPはこれから壮大な物語が始まる予感を匂わせ、EDはアッシュの葛藤が精巧に描かれています。2クール目も同様です。
Survive Said The Prophetの記念すべき初テレビアニメのタイアップでもあります。歌詞とメロディが本作に合いすぎです。そしてカッコよすぎる。
僕は本作がきっかけで、このバンドのファンになりました。僕の好きな音楽はロックとメタルなので、相性はバッチリですね。
King Gnuも本作のおかげで僕は彼らのファンになりました。ミクスチャーとは思えないほど本作に合った曲調に天晴れです。
声優陣の演技も完璧で、キャラにピッタリです。特にアッシュ!彼の魅力が更に増したのは言うまでもないでしょう。

生々しくて胸が痛くなるようなシーンが多い。これは話の展開上仕方がないかもしれませんが、確実に人を選びます。

人間は窮地に陥っても必ず救いはあります。それを改めて実感させられたアニメがBANANA FISHです。
本作は決して万人向けではありません。遥か彼方の程遠い位置です。それぐらいリアリティがあります。
ですが、僕はこの作品を多くの人々に推したい。理由は単に面白いだけでなく、身近にいる大切な人達のありがたみを再び知ってほしいからです。
僕はアッシュと英二が羨ましいです。二人の関係性は僕と実兄に似ています。それだけ本作に感情移入しています。
原作と同様に後世に語り継がれてほしい名作です。僕は明らかに過小評価だと思っています。もっと観られてもらいたいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

68.0 15 図書館アニメランキング15位
劇場版 図書館戦争 革命のつばさ(アニメ映画)

2012年6月16日
★★★★☆ 3.8 (467)
2434人が棚に入れました
日本を揺るがすテロ事件が勃発する中、デートの最中だった笠原郁と堂上篤に緊急招集がかかった。新たな任務は、小説家・当麻蔵人の身辺警護。テロの手口に小説の内容が酷似しているとして、メディア良化委員会は作家狩りを始めたのだ。法廷闘争が始まる中、郁たち図書特殊部隊は判決まで当麻を守りきらなければならない。図書隊と良化隊の衝突が激化する中、重傷を負ってしまう堂上。動揺する郁に、堂上は任務の遂行を託す。郁は、当麻を守り、表現の自由を守ることが出来るのか!? ――そして郁と堂上とのもどかしい恋の結末は!?

声優・キャラクター
井上麻里奈、前野智昭、イッセー尾形、石田彰、鈴木達央、沢城みゆき、鈴森勘司、潘めぐみ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

“今度こそ”スタートラインに立てた図書館戦争

前作のテレビシリーズは2008年の春アニメとしてノイタミナ枠で放送されましたが、肝心の『メディア良化法』と呼ばれる架空の法律から表現の自由を訴えかけるという内容もソコソコに、ラブコメ要素がメインのトレンディドラマ風味の作品になってしまっていました;


仕舞いには原作でも重要視される【中澤毬江にまつわるエピソード】が放送局の自主規制によりオミットされるという自体に陥り、【表現の自由を問う作品が表現規制された】ということに原作者は肩を落とし、多くの原作ファンが憤慨するという賛否両論を巻き起こした問題作になったわけです
(上記のエピソードはちゃんとアニメ化され、セル版DVD3巻、もしくはBD-BOXには収録されております)


今作を鑑賞した劇場で今年のアニメ映画の中では初めての出来事だったのですが、来場者の年齢層がかなり高いことに驚き
有川作品ファンの幅広さとアニメ版図書館戦争の知名度を思い知ることとなりました











さて、今作ではやっとこさ肝心要の『メディア良化法』に対して図書隊が踏み込んでいき、表現の自由を訴えかけるという待望の展開が描かれます!


早速冒頭からテロリストがヘリで原発に自爆テロを図って建屋に穴を開ける・・・
という衝撃ニュースが飛び交い“見慣れたあの光景”がテレビから映し出されるというショッキングな幕開け


そしてこのテロ組織の犯行の手口が、原発テロを題材にしたエンターティメント小説の内容に酷似しているものとみなし、図書隊の宿敵であるメディア良化委員会は小説の著者である当麻蔵人を拘束しようとする


これを許しておけば事態を皮切りに良化委員会は『作家狩り』をはじめるであろう、と判断した図書隊の面々
すぐさま当麻蔵人を保護し、法廷で正々堂々と良化委員会、延いてはメディア良化法の在り方そのものに踏み込んで戦うことを決意し、彼の身辺警護を始める


初めのうちは事件に巻き込まれたことを他人事のように疎ましく思っていた当麻蔵人
良化隊が行う『検閲』にも、上手く逃れながら作家業を続けることがプロの仕事であると考えていた彼を通して、これまで読み手側の都合がメインに描かれていたメディア良化法が、初めて書き手側の目線で語られます


彼もまた稲嶺元司令の過去(通称:日野の悪夢)を語り聞かされ、これまで自分が無視し続けてきた検閲の非道極まりない実態を知ります
さらに図書隊の面々と触れ合っていくうち、自分の本を命懸けで守る若者たちがいた、という事実にもやがて心を動かしていくのでした・・・











当初から破天荒な世界観が物議を醸し出していた作品ではありますが、今作はやたらロケハンに凝っていて、、、
JR立川駅前
都営新宿線市ヶ谷駅
中央道諏訪湖SA
大阪御堂筋
大阪北区
そして新宿三丁目の紀伊国屋書店(新宿本店がそのまま紀伊国屋として登場)
とまあ、この辺の背景描写があまりにも丁寧すぎて映画を観終わって劇場を後にすると、ソコにはさっきまで映画の中に広がっていた景色がある・・・という強烈なデジャヴを感じました(´q`)
最近流行の【ご当地アニメ】もこういった架空の設定が前提の作品ではちょっと考えものですよね・・・


あとアニメ版で柴崎と手塚ってあんなに仲良かったっけ・・・?
いつの間に進展してたの?w
(これについては記憶違いかもしれませんので観直して来ます^^;ようつべで公式にオンエア版全話が配信中ですよー)


あとこれはこまけぇことかもしれませんが、夕食を食べてる当麻蔵人先生
どう見ても小食っぽいインドアタイプなのにご飯を「おかわり」発言ェ・・・
だって“おかずの揚物に手が付いてないよ・・・”
ご飯だけめっさを早く食べたのか?wまさかのおかず2週目なのか?w
真相は闇の中へwww


天ぷら屋でキスが揚がってくる「キスでございます」のくだりもまさかのダジャレかよ!とw
一瞬凍りつくかと思ったぜwww


音楽はテレビシリーズに引き続きオイラの大好きな菅野祐悟さんだったのですが唯一に一点だけ!どうしても気に食わないのがOPアニメーションで流れてくるかなりキャッチーで激しいロック調のインストナンバーが図書館戦争の雰囲気とまるで合っていない・・・;
そこは高橋瞳を連れてくるトコだろぉがーっ!


作画の面はとにかく笠原に注目したいですね(笑)
喜怒哀楽の激しい彼女のコミカルな表情
そして後半では、もはや一介の成人女子とは思えないジャッキー・チェンばりのアクションを繰り広げてくれますw
ホント、名実共に笠原から目が離せない作品となってますよ^q^
オイラの勝手な憶測ですけど、たぶん『わすれなぐも』でロトスコをやってた新人さんが、もしかして来てる???


いやはや、それはさておき
実弾が飛び交う世界なのに相変わらずな【絶対に死人が出なさそうな中途半端な緊張感】がこのシリーズのイチバン残念なところ;
予告編からして『堂上教官がまるで死にそうにない』のが薫り伝ってくるのは流石に問題視すべきw
あと露骨なラブコメ路線から多少シリアスな路線に回帰したことで、ラブコメとの両立が上手くいってないのも解るのがちょっとぉ・・・











んでもまあ日野の悪夢、笠原と堂上の出会いといったテレビシリーズのダイジェスト的な組み込みを説明臭くなく自然に潜り込ませたのには拍手
極めつけは劇中で一瞬ではありますが中澤毬江ちゃんが映るかつてのスタッフの罪滅ぼし的なシークエンスもあるんで多少大目にみてこのぐらいが妥当な評価
何より大事なことは、この作品を観たアナタが【表現の自由】とはどうあるべきなのか?をこの物語から汲み取って、少しでも考えるキッカケになってくれることであるはず・・・なのでは?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

背伸びしないでラブコメ書いてれば良いのに

TVシリーズの続編。
有害図書の検閲とそれに対抗した武装図書館の戦争のお話。

これだけ観ても大体わかりますが、状況設定が荒唐無稽なので先にTVシリーズで馴らしたほうが良いかも知れません。
詳しくはそちらのレビューをご一読願います。

概要を説明すると荒唐無稽の(悪い意味での)バカ設定そのままに映画版らしく活劇要素とラブコメを増量しました。

まずフィクションのIF設定は一つにすべきで、それがセオリーです。
IFにIFを重ねるともはや収集がつかなくなります。
「有害図書」が検閲の対象とされるというIFを設定したらその上でリアルなシミュレーションを構築する事がSFです。
この物語の場合更に「図書館が(合法的に)武装する」と言うIFを乗っけて戦闘を描きますが、まず何処から突っ込んで良いのかもわかりません。
順不同でざっと列挙すると

1.
図書館や書店にした所で、地下で営業するならともかく、斯様な状況で呑々と営業していて検閲隊の突入を許しています。
また検閲隊の側も普段はのんのんと出版を看過し、お日様の下で販売する事を看過すると言う、検閲する側もされる側も馬鹿ばっかりです。

2.
図書隊は行政機関なの?私兵集団なの?
もし私兵集団ならその財源は何なのか。まさか本の売り上げで賄っているわけでもないでしょうに、どこかにパトロンが居る筈ですがその説明も一切なしです。

3.
戦闘の武器が豆鉄砲のみ。
1で述べたようにまず肝要なのは諜報です。
劇中行われる大概の戦闘は間諜によって回避可能ですし決着がつきます。
交戦が開始されたとしてもその後の戦術もバカの極みです。
図書館側もUH60などの軍用ヘリを所有しているようですが、双方ロケット推進弾、対戦車ミサイルやガトリング砲、携行対空ミサイル等で一網打尽にすれば良い物を、ダラダラと撃ち合う事が目的化しています。
それもお役所仕事って事でしょうか。

4.
小説家トウマは狙う価値も守る価値もない雑魚です。
原発テロの模倣元となった小説を書いた小説家を検閲隊が狙い、図書隊が守るのがこの映画の大枠なんですが、トウマは特に反骨心があるわけでもなく、表現の自由に信念を持っているわけでもありません。
もしこんな世の中になっていたらもっと過激な論壇はウジャうじゃ居るはずです。
それともそれらは一通り片付いた後なんでしょうか?
だとしたらもう負け確です。今更トウマをながらえさせても無駄です。


また外国からメディア良化法に非難が出たりしますが、それは内政干渉というものです。
他にも告訴と提訴の違いを理解していなかったり、暗号が暗号のていを成していないのに至って作者は悪意のないただのアレだと確信しましたが。

表現の自由が何故必要なのか。
害があったとしても簡単に規制が出来ないのは何故なのか。
それは権力が自由を規制し民主主義が崩壊する事を防ぐためです。
国家権力の暴走による、より大きな害を恐れるからです。

しかしながらこの物語の世界ではもはやその防衛線は突破されています。
とっくにアノミーを呈し内戦状態となっていますから、事はもはや表現の自由を守ると言う次元の戦いではなくなっています。
全身癌が転移している時に虫歯の心配するようなものです。

原作者は自衛隊賛美小説も書いているようですが、事ほど左様に民主主義の構造と作動原理を理解していない者がそういう物を書く所に戦慄を覚えます。
単純に「表現の自由」と言えば絶対正義で万人の共感を得られると思ったのでしょう。
言葉を覚えた小学校4年生並の発想で小説書いてます。
そんなに銃撃戦が好きなら銃を買ってシリアにでも行けば良い。
「表現の自由」の向こうにある本当の意味を理解するでしょう。
命と引き換えに。


ただラブコメパートは小4では書けないですね。
ご立派なラブコメ作家です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

noira さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

図書館恋愛 革命のつばさ

本映画はテレビ版のその後を描いた作品であり、図書館戦争という物語は本作を含めて視聴することで綺麗に完結する物語です。
本作のみでも視聴に耐えることはできると思われますが、物語を深く理解し、楽しむ為にもテレビ版を先に視聴することを強く勧めます。

物語としては、2つの大きな柱で成り立っています。
とある事件の切っ掛けになったという疑いを掛けられた作家「当麻蔵人」を巡る図書隊と良化隊の争い、そして笠原と堂上の恋愛模様です。
尚、テレビ版とは異なり、恋愛要素よりもメディア良化法を含む思想観に関する争いの方が比重が大きい気がしました。

両隊の争いに関しては、映画ということだけあり随所で派手なアクションが展開され、とても興奮する映像でした。
又、テレビ版では本の読者が検閲の被害者として描かれていましたが、本作では本を作る側である作家を被害者として描いており、テレビ版と異なる視点での考え方や感情、それらの変化等が表現されていた為、視聴していて興味深い内容となっていました。

そして、笠原、堂上の関係についても綺麗に描かれていたと思いました。
{netabare}
笠原のライバル?も新たに登場することで良いスパイスになっていましたし、堂上と何かある度に恥ずかしがる笠原の姿は普通の女の子で、とても可愛く思えました。
笠原から堂上、堂上から笠原へのキスシーンは大変盛り上がりました。

恋愛と言えば、柴崎と手塚のストーリーも良かったです。
柴崎の乙女心、大人の恋愛にドキドキでした。
そして忘れてはいけない「キスでございます」笑
個人的には笠原の恋愛より柴崎の恋愛の方が気になりました。
…ちなみに、最後まで視聴したにも関わらず、柴崎の本心を未だ無駄に勘ぐってしまいます…汗
{/netabare}

総括すると、序盤は静かに話が進むこともあり、盛り上がりに欠けましたが、逆に丁寧に描かれているという印象も持ちました。
中盤から終盤では、視聴していてテンションも大いに上がる展開となっていました。
{netabare}
特に最後に車で突っ込む場面、そして絶対絶命のタイミングで黒塗りの車が現れる場面。
堂上から笠原への返事となるキスをする場面。
メディア弾圧を行っている日本の変化と未来を語る場面。
結婚して堂上姓となった笠原が教官となって新しい隊員達を指導する場面。
思い出すだけでテンションが鰻上りです。
{/netabare}

主要人物である当麻の演技やOP、ED、相変わらずなベタ展開には若干の不満は残ります。
しかし、それを差し引いたとしても、テレビ版を視聴した方には是非オススメしたい作品です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

71.7 16 図書館アニメランキング16位
R.O.D READ OR DIE - リードオアダイ(OVA)

2001年5月23日
★★★★☆ 3.9 (459)
2054人が棚に入れました
読子・リードマンは、神田神保町で非常勤講師の仕事をしながら読書三昧の自堕落な生活を送っている活字中毒のビブリオ・マニア(蔵書狂)であるが、同時に大英図書館特殊工作部に所属し『ザ・ペーパー』と言うコードネームを持つエージェントである。\nある日、アメリカ議会図書館が何者かに襲撃され、大量の稀覯本が盗まれる事件が発生した。犯人が「偉人」と名乗る正体不明の異能者であるという事態を重く見た大英図書館特殊工作部は、読子に稀覯本奪回作戦を命令する。
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

短いが、作画・ストーリーともに完成度の高い紙アクションアニメ!

原作未読。

活字中毒だが、紙を自由に操る能力を持つ、読子・リードマン(よみこりーどまん)。
彼女がある一冊の本を手にしたところ、正体不明の何者かに襲撃を受けてしまう。
その本を巡って、世界を巻き込んだ戦いが始まる。


アクション・バトルアニメ。
一部では称賛の意味をこめて「紙アニメ」と呼ばれているとかなんとか。

見所は、アクションそのものですね。
人物の動き、動物の動き、物の動き、どれも丁寧、かつ、スタイリッシュです。
細かいしぐさから、アクロバティックな格闘まで、手抜き無く描かれているのが特徴。

また、主人公の読子さんは、ドジッ子、眼鏡、三つ編みという3属性をマスターしているキャラ。
しかし、一度紙を使わせるとかっこいいんだなこれが( ゚д゚)!

10年以上前の作品ですが、古くささを感じさせることなく、十分に魅せてくれました。
{netabare}
・読子とリリエンタールの戦い
・三蔵法師と潜水艦の戦い
・ナンシーvsクローンナンシー
・読子と平賀源内のチャンバラ

かっこよかったですねー!
どれも垂涎ものでした。
{/netabare}


ストーリーは、3話という短さ。
しかし、しっかりと伏線を張り、視聴者を騙すテクニックがふんだんに盛り込まれています。

設定も独特で楽しいですね。
短いので詳しくは話せませんが、敵は「偉人」と名乗っています。
これが何を意味するかは……。

そして、ユーモアも効いたやりとりに、熱いストーリー展開。
「うーん、ウマイな!」と何度うなったことか。
何気ないやりとりが、あとで大事な意味をもってくるので、視聴の際はお見逃しなく!

また、命がけの戦いなのに、笑ってしまうシーンもしばしば。
{netabare}
・リリエンタール「しねええええええ……しぬうううううう!!」
・大英図書館スタッフ「北朝鮮からの返信が届かない……あ、今来た」
・大統領「核だ! まだ核攻撃がある!!」SP「取り押さえろ」→大統領失禁(実は1話目でも……)
{/netabare}
ブラックユーモアが効いてますねー。

続き物の原作が元になっているので、全てが解決するわけではありません。
しかし、世界観の紹介から、1つのエピソードを完結させるまでの流れとしては、とても綺麗にまとまっている作品です。

3話合わせてもおよそ100分。
能力バトルもの好きで、短くて楽しめる作品を探している方にかなりオススメです!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39

風の澪 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アクション映画を見る感覚で楽しむ作品

この作品単体で楽しむ場合は3本まとめて90分のアクション映画にストーリが多少あるという感覚で観るのが無難かなぁと思います

ただ、きちんと楽しもうと思うと
①小説版を読む
②パッケージ版でオーディオコメンタリーを聞く
この2点が必須にだったりします

作品の世界観やキャラクターのベースは小説にある分、アニメはかなり端折っていますので、ストーリの緻密さを求めると物足りなさを感じるでしょう
小説を読んでいる人には知っている説明を削っている分、テンポよく見れるという感じです
パッケージ版であれば、オーディオコメンタリーでそのあたり多少なりともカバーしていますが、動画配信サービスでは副音声はないので、世界観やキャラクターを知るには素直に小説を読むしかないですね

声の演技という意味では読子の声をどう感じるかでしょうか
小説から入った私としてはキャラクターのイメージがすでにあったのでそれほど違和感はなかったですが、読子というキャラクターを知らないと他のキャラクターの声の張りの違いに違和感があるかもしれないです
ただ、慣れてしまうと逆に読子はあの声じゃないとしっくりこなくなるかもです

作画に関しては当時の作品としてはかなり良いでしょう
特にナンシーはクルクルと動きまくって爽快です
一方で読子がトロく見えるのですが、しっかり動いていてその辺り画も当時としてはインパクトがありました

音楽は作品のマッチしており、戦闘シーンなどの曲はカッコ良く、アクション映画のスピード感を強めています

と、デフォルトの評価項目に対してはこんな感じなのですが…
そもそもこの作品に関しては動画配信サービスの視聴でフルに楽しもうというのに無理があったりします

『OVA』パッケージとして販売している作品なのでオーディオコメンタリーのグダグダ話も含めて楽しむというのが、この作品のあるべき楽しみ方なのでしょう
このあと『R.O.D TV』『かみちゅ』と舛成-倉田コンビの作品ではグダグダなオーディオコメンタリーが付くわけですが、かなり中毒性があってハマる人はがっつりはまってしまうと思われます

2001年の作品ですから、最近の作品に比べると画の奇麗さや動きはどうしても劣るものがありますが、それでもあまり深く考えず3本続けてみればサラッと見れますし、小説などの事前知識があればより楽しめる作品です

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

斬新な動機

まず驚いたのが主人公の行動する動機。
他のキャラたちが任務で本奪回に励む中、ただそれを読みたい一心で「本返して下さい!」と懇願する。
命を懸けてまで本が読みたいのか!? 恐るべし『読子・リードマン』。

設定の方も、かの有名な偉人が敵だったり、主人公が女性で能力が見た目地味(紙使い)だったりと少し風変わり。
その反面、ストーリーはテンプレで推進力はあまりないですが、この場合はあり。理由は下記に。

この作品の良いと思ったところをまとめてみます。
①わかりやすい
  上記の通りストーリーがシンプルで、かつ馴染みやすい設定なので世界に入りやすいです。(孫悟空の話やベートーベンの曲など)
  全3話という短さや動機、目的が明確なのも◎。
②構成がきっちりしている
  特別上手いわけではないですが、ちゃんと伏線が機能してます。
  特に設定を利用しているのが良いですね。(これは厳密には伏線とは呼ばないかな?)
  {netabare}紙のパラシュートで脱出、潜る能力で手を離す、など。{/netabare}
  例えば、かなづちのキャラがいたら
    A.海に入らなかったので一人だけ難を逃れる。またはその逆。
    B.溺れている友達を助けたいけどかなづちなので助けられない。
    C.馬鹿にする周りの人間を見返すために努力し続け、やがて凄い選手に。
  などストーリーや演出面で利用しないと設定の意味が薄いんですよね。
  当たり前のようでこれが為されていない作品って意外と多い気がします。

逆にちょっと残念だったところ。
・ナンシーさん関連
  短い故に一部分の心理描写がイマイチ。{netabare}なんであの男が好きなの?その割にはあっさり殺し過ぎじゃない?
一回くらいは”葛藤→やっぱりできない”くらいの展開が欲しかったです。{/netabare}
  あの設定と締めは流石にないかな。{netabare}クローンや双子はかなり上手くやらないと厳しい。尺を考えれば選択するべきではないと思う。
あんな仕打ちを受けて「妹(クローン)をよろしく」? しかも妹さんにはお咎めなし。
綺麗に終わらせたいのはわかるけど流れ的に不自然。{/netabare}

長々と駄文を連ねましたが、面白かったです。
私は本編の方をまだ見てないのでこれから見ます。o(^o^)o ワクワク
取っつきやすい作品なので見てない方は是非。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

70.5 17 図書館アニメランキング17位
R.O.D THE TV[リードオアダイ](TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (375)
1975人が棚に入れました
本作は、OVA版R.O.Dから5年後の設定。\n作家菫川ねねね(すみれがわ ねねね)は、読子・リードマンが行方不明になってから作家活動をやめてしまっていた。日本ではほとんど忘れ去られたねねねは、作品が香港で映画化されることになったため現地でのサイン会に向かう。\nそこで彼女は紙を自在に操る「三姉妹探偵社」の長女ミシェール、次女マギー、三女アニタと出会う。身辺警護をすることになった三姉妹との日々の触れ合いの中でねねねは執筆意欲を取り戻す。だが、映画の完成を記念してねねね達が再び香港に渡った際、ねねねが読仙社に拉致されてしまう。三姉妹はねねね奪還のために読仙社のビルに侵入し読仙社の紙使いと死闘を繰り広げる。\n一方、同じビル内で大英図書館特殊工作部のジョーカーとウェンディが騒ぎをよそに悠々と秘密資料を持ち出し、恐るべき陰謀が実行されていたのだった…。
ネタバレ

いっき さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

OVAから新要素大追加のTV版

主人公スポットは読子・リードマンからアニタ、マギー、ミシェールの三姉妹に変更。しかし読子ものちに登場、活躍する。

読子の親友にして大ベストセラー作家の菫川ねねね。そこから巻き起こる大英図書館の陰謀とそれに関連した読仙公司と三姉妹と元特殊工作員たちのお互いの''正義と世界''を賭けた勝負。

当時フジテレビ深夜放送で見た時はあまり入っていけなく、改めて見返してみました。

2クールとあってOVA全3話の前作と違い時間の余裕はあるが改めて見て展開の広げ方や説明回がちょっと中だるみ感というか沈黙回?葛藤回?の見せ方が退屈でした。

物語は先のOVAの物語とリンクした+αの要素が大きい話ですので結構壮大で物語要素は好きなのですが、話数をこう言ってはなんですが''無駄に消費した感''が否めませんでした。

それに少し風呂敷を広げすぎたような。。。アニタの学園要素は必要だったのか、とか。。。もちろん、あったからこそのこのTV版の展開なのですが。。。アニタとマギーとミシェールの過去も壮大な分、あまりちゃんと描けていない。。。ただでさえ、主軸の大英図書館の陰謀が壮大なので。。。少し雑に風呂敷を包んだ感が否めません。

最後の畳みかけの展開は見入るものがありましたが、全体的に惜しい作品という自分の位置づけです。

しかし近年あまり見ないアクション要素が主軸のアニメですので一回見て損はないと思います。斉藤千和さんの出だしのアニメでもありますで斉藤千和さんの演技も楽しめた作品でもありました。

特に、このアニメには面白いシーンもありますので、葛藤による鬱展開だけではありませんので見て面白いアニメでもあります。



{netabare}
中だるみ感を感じたのは読子の実家の埼玉のあたりの話でアニタが絶望する回から姉妹と自分の正体がわかる回のアニタの葛藤シーンです。

要素的に重要なのですが2~3話で十分じゃないかというくらい淡々とアニタの葛藤を見せられて退屈感が強くなってしまいました。

そしてこの回からアニタの暴走や身勝手な言動が見られるのですが、すみませんアニタにすこしイラッとしてしまいました。

中学生で事情があるにせよ、ちょっと身勝手感が強い描写だなと思ってしまいました。

元々読子に嫌悪感を抱いているにせよ、ねねねーマギミシェールが死んでしまったと思ったヘリ墜落の時の読子の当たり様にイラッ。

自分の正体が試験管ベビー、姉達が読仙公司が用意したものと分かった時の言動にイラッ。

最終作戦遂行時の身勝手な行動に言動にイラッ。

自分はあまり怒りを覚える体質ではないのですが、このアニタには感情移入できませんでした。

しかしこのアニメは話の要素が多くて。。。大英図書館の陰謀、読仙公司、クローン、洗脳、人間培養、風呂敷を広げすぎ感が半端なく終わりも強引でした。

アクション要素も断片的な話数でしか発揮していませんでしたのでアクションアニメというよりかは人間模様とそれを解決する物語アニメ要素が強いアニメかもしれません。

ちょっと叩きすぎたかもしれませんが、OVAからこのTV版を見て総じて楽しませてくれたアニメに間違いありません。見てよかったと思っています。

面白かったセリフのシーンは22話のナンシー

ナンシー「横でドレイクさんが寝てたから、起きてって蹴飛ばして」←www。そのシーンを見てみたいですw

和んだシーンは15話の読子とねねねの再会シーン。

お互い頬を赤らめた顔と沈黙の間が絶妙でその後の展開がほんわかしました。


新作アニメでまたこういうビバック系というかアクションアニメ(ぬるぬる動くやつ)を見たいです。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

ひな@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界はそういう風に出来ているんだから

失敗して落ち込んでいる時に誰かに「次頑張ろうよ」と励まされたり…
悩みを聞いてもらってる時に「苦しかったんだね」と慰めてもらったり…
一年に一度の特別な日に「誕生日おめでとう」と言ってくれたり…

声を掛けた人にとっては何気ないものでも、言われた方にとっては何にも代え難い”贈り物”が”言葉”なんじゃないかな??

その言葉次第で人は気分が良くなったり逆になったり
感情を大きく動かされたりすることがありますよねっ。

でも言葉だけじゃなくて、文字でも人は他人に想いを伝える事が出来るんです。

只の文字だけでは何の感動もないけれど、それが2つ3つ4つ5つと重なって
最終的にそれはその人だけの”言葉”になっていくから素敵ですよね。

1つの文章だけとってみても全く同じ感想を抱く人はいないですし。
極端な事を言えば「世界に1つだけの」ってフレーズがついちゃうくらいw

その感動が味わえる、色んな想いが自分の中で弾けていく…

だから、その文章が詰まった”本”はどの時代でも人を惹き付けてやまないものとして多くの人に長く愛されてきてるんだとそう思います。

♪このアニメはそんな本に魅せられた人達のお話です♪

日本を代表する人気若手小説家として活動しているけど今はある出来事がきっかけでスランプ状態になっている菫川ねねね。

ちょっと天然可愛い所があるけど何よりも本と妹が大好きな三姉妹の長女ミシェール。

体格の割に気が弱いけど実は三姉妹の中で一番バトルに強い次女のマギー。お姉ちゃんに負けず劣らず本大好き。

我侭だけどどこか憎めない元気印の三姉妹末っ子の弾丸娘アニタ。
この子も本が好き…と思いきや、この子は本が大嫌いなのです!

三姉妹の中で何故アニタちゃんだけ本が嫌いなのか??

それは…

見てのお楽しみデース(*^O^*)

私のレビューはとにかくネタバレなしでアニメを紹介して色んな人に興味を持ってもらいたいな、それで見て欲しいなって思ってもらう事が大前提なのでそこまで内容に踏み込んで詳しくは書きません!

でもですね。こういう人にはこのアニメ最後まで楽しんで見てもらえるかなって思うのでそこだけピンポイントで紹介します♪

皆さんはアニメを観ていて(…あ、今の台詞心に響くな)って思う事ないでしょか??

さっきも書きましたけど、このアニメは本がテーマです!

本の存在…文字と言葉が人に与える影響の大きさ。これが無限大の可能性って感じで物語の中ですごくすごく重要視されてます。

んでんでーその無限大の可能性を秘めていると考える根拠がさっき書いた「その人だけの特別な言葉になりえるから」って所ですね。

言葉・文字が与える影響って本当に大きいです!

今まで何とも思ってなかったものが、誰かのとても素敵な言葉・文章とかで興味を持っちゃったり好きになっちゃったりとかあると思います。

このアニメも言葉・文字というのを大切にして登場人物の台詞が1つ1つ丁寧に作られているのです。それはもちろんその重要性を知ってるから。

中にはギャグに走ったのもあるけど面白ければ全部オーケー!

音楽はメロディよりー歌詞派だ!
アニメはキャラよりストーリー派だ!
愛したいより愛されたい派だ!(それはあたしだ!w)

そんな言葉と文字とあたしの魅力に魅せられたダメ人間共に是非是非オススメしたいアニメです♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

読書狂の詩

<2019/11/3 初投稿>
確か本放送で観ました。
原作は多数のアニメ脚本・シリーズ構成と重度のオタクっぷりで有名な倉田英之御大(笑)のラノベ小説。
(ちなみに私は脚本・倉田英之と聞くとそれだけで少し安心します)

ちなみに本作視聴後に原作を5巻ぐらいまで読みましたが、原作とアニメはどうも違うようです。
アナザーストーリーなんすかね。

また2001年にOVAが出てまして、2003年放送の本作はOVAの続編に当たります。
ですがいきなり本作観ても大丈夫。
私がそうでしたから。

さてストーリー。

タイトルが「読まずに死ねるか!」の通り読書狂のお話。
異能の力を持つ読書狂達が紙を武器にバトルを繰り広げます。
なんだそれ?
と思った貴方は常識人。
まさに、なんだそれ?の世界です。

主人公は一般人の小説家・菫川ねねねと「紙使い」の三姉妹


「紙使い」とは紙でバトルできる異能な人たちのことです。
「紙」とは字書いたり、鼻かんだり、尻拭いたりするあれ。

作中、紙使いは敬意を込めて「The Paper」と呼ばれたりします。
直訳すると「紙」「新聞」
本作がアメリカで上映された際、「The Paper」って台詞のたびに「おいおい新聞屋かよ」って感じで笑いが巻き起こって困ったと倉田御大がオーディオコメンタリーで嘆いてました。

でも「紙使い」かっこいいんですよ。
よくある剣や魔法のバトルとは違う、よくこんなこと思いつくなーと感心するような紙の使い方。

紙がね、
カチーンってなったり、
シュッってなったり、
ペローンってなったり、
シュルシュルーってなったり、
ペペペペってなったり。
厨二心をこちょこちょとくすぐられます。
第一話のインパクトはかなりなもんです。


敵はなんと"あの"大英図書館の特殊工作部。
初めて見たとき笑っちゃった。
というのも当時少しだけ大英図書館と仕事のやりとりあって、それがいきなり悪の組織で出てきたもんだから。
「そっかー。あの人たちは悪の組織の人なのかー 笑」とか思って一人で笑ってました。

そういやシュタゲのSERNでも笑っちゃったな。

ついでに日本の国会図書館も出てきます。
なんでも製作にあたり国会図書館に取材に行って特別に地下8階まである書庫を見せてもらったのだとか。
そのせいか書庫の様子はめちゃくちゃリアルでしたね。

とまあこんな感じなんですが、
バックグラウンドには壮大で悠久な世界の秘密があり、
スパイものの要素もあり、
逃避行の要素もあり、
家族愛だったり、
途中、世に言う鬱展開もある

そんな異能アクションバトルです。

あ、そうそう。
OP、インストゥルメンタル曲なんですがカッコ良いですよ。
「カウボーイビバップ」や「ガン×ソード」と同じくらい好みでした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

72.7 18 図書館アニメランキング18位
俺を好きなのはお前だけかよ(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (479)
1919人が棚に入れました
ここで質問。もしも、気になる子からデートに誘われたらどうする? しかもお相手は一人じゃなく、クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼なじみ・ひまわりの二大美少女!! もちろん、意気揚々と待ち合わせに向かうよね。そしてそこで告げれれた「想い」とは――……「俺じゃないヤツが好き」っていう「恋愛相談」だった。ハハハ。……やめだ! やめやめ! 「鈍感系無害キャラ」から、つい本来の俺に戻ってしまった。でも、俺はここでへこたれない。恋愛相談に乗れば、俺を好きになってくれるかもしれないからな! そんな俺の悲しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。三つ編みメガネの陰気な少女・パンジーこと三色院菫子。俺はコイツが嫌いです。なのに……俺を好きなのはお前だけかよ!! 自分がモブだと気づけなかった主人公と個性的な華々しい女の子たちのちょっと刺激的な学園青春(?)コメディー、ここに始まる!?

声優・キャラクター
山下大輝、戸松遥、白石晴香、三澤紗千香、内田雄馬、三上枝織、東山奈央、斉藤朱夏
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

惰性で最後見たけど、別に悪くない

確かに3話で区切って終わらせても良いくらいではあった。
{netabare}兎に角、地区大会決勝が特異点になってるのは草。東口と西口でエースが負けて隠れて泣く様を見て惚れるひまわりとコスモス。そんで主人公にエースの太陽とくっつけてくれるようそれぞれ頼む。肝心なところであり得ないくらい緊張するし、安易に主人公に抱き着いたり、二人きりでデートしたり。ワンチャンスあるかもと主人公に期待させておいて地の底に突き落とす。
そんな主人公を好きなのがパンジー。僕もあんな娘が好きだけどね。主人公いい子ぶってるのは少々ムカつく。
そして、エースはパンジーが好きでこれまた主人公に手伝ってほしいと頼む。これまた、地区大会だし、例の白いベンチ登場。地区大会決勝で励まされたのが好きになった理由らしいけど、後で実はパンジーではないと明かされる。
断るとエースはひまわりとコスモスのあからさまな好意を利用して主人公に関することをあることないこと言う。好きな男の言うことしか彼女は信じないものだから、主人公は孤立していじめられる。
いじめかたが少しおしゃれ。机にゴルフコースできてたらむしろ嬉しいかもしれない。
パンジーだけは味方でエースのクズさを明らかにしつつ、主人公が下衆な面もあるけど、エースを親友と信じて串カツを大量に買って待つ良い男でそれが好きになった理由と語る。
{/netabare}
とりあえずスカッとした。ずっと主人公が可哀想で感情移入してもやもやしていた。普通のラブコメじゃないぞ。面白いぞ。

ニックネームが洒落ているところは好き。みんな花の名前とかだもんな。こんなあだ名で呼ばれたい。

残りは惰性で見てたけど、別に嫌いではない。通常ハーレムになってしまって残念な人多そうだ。
ただあんな仕打ちをしておいて、どの面さげて好きと言えるのかその心境は謎。
ホースは蛇足だったかも。とりあえず最後どうなるかに期待。


OP
パパパ 斉藤朱夏
ED
ハナコトバ ヒロイン、パンジー(戸松遥)・ひまわり(白石晴香)・コスモス(三澤紗千香)
斉藤朱夏のソロ活動を応援していきたい。


ここで質問。もしも、気になる子からデートに誘われたらどうする?しかもお相手は一人じゃなく、クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼なじみ・ひまわりの二大美少女!!もちろん、意気揚々と待ち合わせに向かうよね。そしてそこで告げられた『想い』とは---……「俺じゃないヤツが好き」っていう『恋愛相談』だった。ハハハ。……やめだ!やめやめ!『鈍感系無害キャラ』から、つい本来の俺に戻ってしまった。でも、俺はここでへこたれない。恋愛相談に乗れば、俺を好きになってくれるかもしれないからな!そんな俺の悲しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。三つ編みメガネの陰気な少女・パンジーこと三色院董子。俺はコイツが嫌いです。なのに……俺を好きなのはお前だけかよ!!

1. 第1話 僕ってほんと、どこにでもいる平凡な高校生なんだ
元気いっぱい笑顔がまぶしい幼馴染・ひまわりと、オトナっぽくて才色兼備な生徒会長・コスモス。そんな二大美少女からデートに誘われた超ラッキーな男子。……はい! それが僕、ジョーロこと如月雨露です! どこにでもいる平凡な高校生に、こんな素敵な幸運が訪れるなんて! よぉ~し、二人と素敵な時を……って、なんで僕、二人から恋愛相談されてるの!? ああ、僕の美少女ハーレムラブコメ計画がもろくも崩れ去っていく。ク、ククク……いいぜ! なら別の手段をとるだけだ! さぁ、準備はいいか? ここからは、平凡なラブコメの時間は終わりだ。

2. 第2話 俺に襲い掛かる負のスパイラル
まさかの『ダブル告白』によって、夢の高校生活が茨の道へと早変わりしてしまった……。あ、どうも。『俺』ことジョーロです。しかーし! そんなことでハーレム高校生活を諦める俺じゃねえ。ひまわりとコスモスの二大美少女の恋の手助けをしながら、おこぼれをもらう作戦を決行中よ。……にしても、目の前にいるこの毒舌ストーカー女はいったいなんなの? いやがらせひどくない? 名前もパンジーとかいうわりに可愛らしさゼロ。挙句の果てには、なぜか俺の大親友・サンちゃんからは、『パンジーとの恋を手伝ってくれ』とお願いされ……!

3. 第3話 俺はお前と会っていた
終わった、完全に終わったよ。誤解が誤解を呼んで、ひまわり&コスモスに愛想を尽かされちまった。それだけじゃねえ。パンジーの呼び出しで向かった図書室で、絶対に嫌われたくなかった親友・サンちゃんからも絶縁状を叩きつけられちまったんだ……。おまけで、俺の愚かで浅はかな『悪行』のウワサは瞬く間に広まっちまって、正真正銘、俺は何もかも失ってしまった。ハハハ……。けど、これでいいのかもな。俺みたいなクズには分相応の状況だよ。って、ちょっと待てよ、パンジー。……嘘だろ? 『そいつ』が俺を欺き、全てを裏で操ってた黒幕だったのか?

4. 第4話 俺がガンバった結果
『黒幕』の正体が発覚し、学校中を駆け巡った『俺の悪行』の誤解は解けて平和な日常を取り戻した。けど、まだ取り戻せてないものがある! それは、俺にとって大切な、サンちゃん、ひまわり、コスモスとの絆。そう、仲直りがしたい! 俺はみんなと仲直りがしたいんだ! でもどうしてもその方法が……あん? 何だよ、パンジー? いつもはムカつく毒舌ばっか行ってくる癖に、こういう時だけ優しい言葉で背中を押しやがって……。わーったよ。自分の素直な気持ちを正面からぶつけることにするよ。それでいいんだろ、パンジー?

5. 第5話「俺にしては、うまくいきすぎてると思ったんだよ……」
ときめけ青春! きらめけラブコメ! いやぁ~、いけちゃうよぉ~! 美少女達とキャッキャウフフだよぉ~! 今度こそ、素敵極まりないラブコメを……ってなんじゃこりゃぁぁぁぁ! ちょっと新聞部のあすなろさん! 俺が、ひまわり、コスモス、パンジーに三股をかけている『女の敵』ですって!? 違うよ! それは将来的な話で……え? その疑惑の真偽を確かめるために、百花祭まで俺に密着取材をすると? よーし! やってやろうじゃねぇか! 疑惑払しょくのために、徹底的にラブコメイベントを避けてやるよ! ……ぢぐじょう……。

6. 第6話「俺は、言う時は言う」
俺は不都合主義に愛されてる! ちょっとした手違いで、まだ真偽不明だった『ジョーロ君三股記事』が学校中に配布されちゃいました! そんな絶望的な状況の俺を助けてくれたのは、なんと記事制作者である新聞部のあすなろ。あいつのおかげで、どうにか状況を鎮静化することができた……のだが、これ以上誤解を重ねないために、俺はコスモス達三人と距離をおくことになっちまったんだ……。おかげで、百花祭でやるダンス練習もままならない毎日。そして迎えた百花祭当日、波乱につぐ波乱ってのはまさにこのことで……!はぁぁぁ!?

7. 第7話「俺は意外な一面を知る」
遂に来たぜ、この時が! 花舞展をやり遂げた俺達に訪れた束の間の休日。行く場所なんて一つしかねぇ! そう、プールだ! いつもはKYなパンジーも、今回ばかしはしっかりと空気を読んだしな! 煌めく肢体! 物理法則を無視した素敵な水着! 勝った奴が俺を煮るなり焼くなり好きにできる勝負! ……ねぇ、最後のおかしくない? どうして、平和に過ごさせてくれないの? ま、いっかぁ! だって、女の子達が俺のために色々とやってくれるんだもん! つうわけで、素敵極まりない水着回の始まりだぜ! もちろん、ボロリもあるよ!

8. 第8話「俺の悲劇は気づくと始まってる」
「これから、誠心誠意尽くさせてもらうよ」。突如現れた転校生が俺にそう宣言した! いやぁ~、遂にこんな俺にも優しい女の子が……って、んなわけあるかぁ! 知ってんだよ! どうせロクでもない企みがあるがあるんだろ! クケケケ! そう簡単に俺を利用できると思うな! 貴様の本性を暴き、完膚なきまでに潰してくれるわ! ……ん? なんだよ、パンジー? 俺と共通の話題が欲しいから、自分の大好きな本を読んでほしいだぁ? ……へいへい、分かったよ。んじゃ、家でゆっくりと……はて? なぜ、俺は借りた本を僅か一日でなくすんだ?

9. 第9話「俺なりに考えた結果」
パンジーの本を買い戻すため、ツバキの店でアルバイトを始めた俺! なれない仕事に苦戦したが、この調子ならどうにか……あ、あぁぁぁぁ!! とんでもない大失敗をやらかしちまった! しかも、俺がひた隠しにしてた秘密をパンジーに暴かれて、大喧嘩までしちまったよ……。く、くぅぅぅ! こうなったら、せめてパンジーの本だけは買い戻して……って、俺が買う直前で売り切れだぁ!? 誰だ、そんな空気を読めないことをしやがったのは!なんで俺は肝心なところでいつも失敗するんだ! ……ん? あの天然系ビッチは帰り道で一体何を?

10. 第10話「俺だってたまには活躍する」
さて、このアホはなんだろう? 突如として、俺を理科準備室に引き連れていった女は、野球部のマネージャー、蒲田公英……通称『たんぽぽ』。ややこしい花のあだ名を持つ女なんだから、可愛い女の子だと思うだろう? 確かにその通りだ。たんぽぽは可愛い。……だが、だがしかしだ! いかんせん、アホすぎる! こんなアホとかかわるのは時間の無駄だし、とっとと教室に……うっげぇ! な、なんで……なんで理科準備室に……ヤツが現れてるんだよぉぉぉぉぉ!!

11. 第11話「俺はいらないかもしれない」
大ピンチだ! 利用者が少なすぎるからって図書室が閉鎖されることが決まっちまったよ! コスモスがどうにかしてくれようとしたみたいだが、そいつも失敗。……だが、利用者を増やせれば閉鎖は免れるらしい! よっしゃぁ! こうなったら、俺が……すっげぇ都合のいい頼れる味方に手伝ってもらって、閉鎖を阻止してやろうじゃねぇか! つうわけで、頼むぜ葉月! かつて図書室の閉鎖を阻止した実力を俺達のために全力で振るって……おい、どうしたんだよ、パンジー? なんで、葉月を見てそんなに怯えてるんだ?

12. 第12話「俺が好きなのは……」
やるしかねぇ……。ホースによる『善意の呪い』からパンジーを解放するために、俺がパンジーに告白をしてやるよ! 俺達が恋人同士になっちまえば……は? どういうことだよ、パンジー? もう、恋人になる約束をしている人がいる? しかも、その相手は……サンちゃんだって! だから、俺はもう必要ない、図書室にしばらく来なくていいって。……分かったよ、俺は用済みってことか。コスモス、ひまわり、あすなろ、悪いが後は任せた。俺じゃホースに勝つことはできねぇ……、そんな俺はいたって無駄だよな……。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

観終わった

2話までの感想{netabare}
あれ?面白い?
八方美人を演じてたら窮地に陥ったって話…になるのかな?
今後、他人(主人公)を利用するだけ利用して、自分に都合が悪くなると責任を他人(主人公)に押し付ける連中を見返す展開になるのなら結構良いかも?

とりあえず2話での主人公の言い訳は、「オレもサンにパンジーは不釣合いだと思ってたんだ」「『パンジーなんかよりお前の方が良い』と振り向かせられると思った」じゃダメだったんかなー?
と思うが、あくまで俯瞰で見てるから言えることで当事者だと一杯一杯で難しいか。
まぁそれ言ったらラブコメが成立しなくなっちゃうけどね。
ぶっちゃけ「他の女より私の方が良いと分からせてやる・振り向かせてみせる」ってガッツの無いヤツが踏み台に利用した主人公に責任追及するのは身勝手だなぁとは思わなくもない。
他人を責められるほどお前はそんなに偉いのか?と。
ってことで復讐(カタルシス)に対する溜め(フラストレーション)パートだと思ってるんだけど、そうじゃなかったら単なる胸糞なワケで…いやぁどうなるんだろう?という意味では結構次回が楽しみな作品。
とはいえまだ2話なので、これから更に絡み合う話になってくのだとしたら…胸焼け起こすかもw{/netabare}

3話感想{netabare}
良い最終回だった。
2話で懸念してた「これ以上人間関係こじれるようだとさすがに胸焼け起こしそう」も杞憂に終わり、スキっと解決してホントに良い最終回だった。
但しあくまで問題が長引かなかったのが良かっただけで、その内容自体は「?」。
パンジーが実は巨乳の美人で…そこは「おいおい」と呆れ気味だけどまだいい。
巨乳は良くて貧乳はダメってのもよくワカランところではあるけど、問題は「そこまで嫌う?」のがイマイチ共感できない。
そうだなぁ、パンジーは折角ストーカーってことなので、もっと重篤で「期待に背く行動をしたらミザリーされかねない(こんなの私の好きなジョウロじゃない!、と殺されそう)」みたいな、なんか「この人と付き合うのは身の危険を感じる」という所を見せてくれないとあそこまで性格を嫌う理由が分からない。
または虚言癖で「レイプされました妊娠しました責任とってください」なんて言い出しそう、ってことなら関わらないようにする・図書館に行くのを避けるのも納得なんだけど、そうでもない。
これだったら“変態だけど可愛ければ~”のキャラの方がよっぽど付き合いたくないw
ってかそこまで嫌うならそれこそ2話でサンから相談受けた時「アイツだけは止めとけ」と言うでしょー、親友を第一に考えてることの説得力にも関わらない?
なんかトラウマでもあって「他の人は平気かも知れないがオレはどうしてもこういう性格はダメなんだ」って話でも今後あるのかなぁ?

と、自分の2話までの感想を読み返してみて気付いた。
この作品のキャラ達は「心変わりを許容する・期待する」価値観なのかそうじゃないのかがよく分からない。
恐らく物語の最後は「パンジーいいよな」になると思うので、作者は許容する精神でありながらキャラにはそれが無い前提で話を作ってる?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
うん、まぁ…こんなだよね。
ジョーロが3話までに迷惑かけられた連中を許したことについては、下心があるんだしまぁって感じ。
そうはいっても…新聞部の言うことを一方的に信じるって、そんなことあるんかいな?
いやあるんだけど…新聞部の言ったことだから間違い無いだろうと思考が止まってるヤツ、そういうヤツが大半であるなら人を陥れ放題だなぁとは思ってて。
ってことで6話は案の定ソレだったってオチで。
そこまではいい、そこまではいいんだ。
ただ…なんでジョーロを良いヤツみたいに演出したがるんだろう。
自分を悪者にして背中を押した?いやいや、普通にガチ怒りしたでいいんじゃね?
記事を無批判に信用させられる新聞部という「権威」を傘に着たというか、その権威に傷がつくというか、場合よっては廃部にまで追い込めそうじゃん、女子ネットワークとはワケが違う。
パンジーに友達作るよう仕向けたのは感謝のお返し?いやいや、体は好みだけど性格が嫌いって話だったじゃん?
今までボッチだったので友達作れば性格変わるかも?と自分好みに仕立て上げようと画策した、でいいじゃん。

なんでそんなにジョーロを良いヤツにしたがるのかちょっと意図が分からない、これは3話の「親友思い」でも引っかかってたことなんだけど。
下心アリアリの下衆野郎だから気にしないで居たのに、良いヤツだとスルーした部分にケチが付くというか…う~ん…。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
何やってるんだか分からなくなってきた。
なんかこう、イマイチ考え方に共感どころか理解すらできない。
ジョーロはハーレム目指しておきながら他人(他の女性)が何か下心ある素振り見せたらビッチ呼ばわりなの?
本絡みの一件は、キッズアニメでよくある「一人で抱えないで仲間を頼れ」って前提の元、そうでない行動をした主人公が責められてた…のか?
どうでもいいプライドにしがみついた結果誰かを傷つけたのなら責められても仕方ないけど、誰か傷つけたっけ?
まぁ本絡みに関してはまだ続くのかな?探すのを手伝ってくれた二人はこの後出てくる?{/netabare}

最終回?までの感想{netabare}
ありゃー、参ったね。
最終回の終わり方についてあれこれ下書き書いてたのだけど、そうしてる間に同期放送作品の“星合の空”の最終回が放送されて、そっちのがもっとアレだったらしい。
そっちの作品は私は1話で視聴切っちゃってたんだけどね…見続ければ良かった?
ってことでゴチャゴチャ書いてた下書きもどーでもよくなっちゃったw
それにしても今期ちょっとヤバいの多くない?
これまた他の作品の感想で触れたけど「ちゃんと締めてるだけマシなのかも?」という、我ながら基準がもう訳ワカラン。

と、とりあえずこの作品に関して言えば、3話まで見れば良いんじゃないかな?
そこから先は見ても見なくてもいい。
個人的に一番期待してたのは、前半パンジーが余裕ぶっこいてるポジションだったので、それが吠え面かく展開来ないかな~と思ってたのだけど…実際それに近い展開にはなったのだけど、その一方で今度はツバキという余裕ぶっこいてるポジが登場しちゃって。
じゃあ次はツバキが吠え面かく展開を…となるだけで、キャラの役割が変わっただけで構成は一緒なのを繰り返してる様に感じてしまった。
表現が辛辣すぎるかもだけど、引き出しが少なすぎじゃね?と。
主人公の心変わり自体はそれがテーマだろうからいいとしても、他のキャラの心変わりっぷりはなかなかついてくのが難しかった。
でも最後の恋敵を蹴落とすための裏切り投票は「ですよねーw」って感じで笑えた…のだけど、それがよりにもよって「続く」でウラがあるような無いようなで素直に受け止められない。
なんでこんな作りにしちゃったんだろう…それでも“星合の空”に比べればマシなのかなぁ?と思うと…う~ん…。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「俺は、すべてのすべてのラブコメを過去にする」

この作品の原作は未読ですが、キャラデザがブリキさんと知り視聴を決めた作品です。
それにハルカス、白石晴香さん、三澤紗千香さんに奈央ぼうと、これだけ役者が揃ったら視聴しない道理はありません。
この作品も期待値MAXで視聴に臨みました。


ここで質問。もしも、気になる子からデートに誘われたらどうする?
しかもお相手は一人じゃなく、クール系美人・コスモス先輩と
可愛い系幼なじみ・ひまわりの二大美少女!!
もちろん、意気揚々と待ち合わせ場所に向かうよね。
そしてそこで告げられた「想い」とは…

…「俺じゃないヤツが好き」っていう「恋愛相談」だった。ハハハ。
…やめだ!やめやめ!「鈍感系無害キャラ」から、つい本来の俺に戻ってしまった。
でも、俺はここでへこたれない。恋愛相談に乗れば、俺を好きになってくれるかも
しれないからな!

そんな俺の悲しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。
三つ編みメガネの陰気な少女・パンジーこと三色院菫子。
俺はコイツが嫌いです。なのに…
俺をすきなのはお前だけかよ!!
自分がモブだと気づけなかった主人公と個性的な華々しい女の子達の
ちょっと刺激的な学園青春ラブ(?)コメディー、ここに始まる!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品…登場する女の子の可愛らしさが半端ありません。
キャラデザがブリキさん、という影響も多分にあるのですが、ちょっとした仕草など細やかな部分も配慮しているのが伝わってきます。

そして何より声優さんの演技が堪らないんです。
今回序盤から色々持って行かれたのはパンジーこと三色院菫子役のハルカスの演技でした。
今まで聞いたことの無い声質…
あの声質で「寂しいわ…」とかジョーロみたいに傍で囁かれたら、卒倒してしまうかもしれません^^;

私は専門家じゃないので詳しいことは分かりませんが、声優さんの完璧な演技って、きっとこういう作品の事を言うんだろうなぁ…とか思ったり。

今、公式HPのトップページを見ながらこのレビューを書いているのですが、物語の中での彼女たちの言動が、頭の中でフラッシュバックの様に蘇ってくるんです。
ジョーロへのアプローチの仕方は人それぞれ…
だけどどのキャラも素直に愛おしく感じれるんです。
パンジーさんには色々持っていかれたので推しキャラとしては頭一つ分抜きん出ていますけれど…

そういえば、先ほどこの作品のwikiをチラ見した時に、面白いことが書いてあるのを見つけました。
「本作はラブコメディ系のライトノベルではあるが、本作はライトノベルでありがちな主人公が複数のヒロインに好意を持たれる(落ちもの・ハーレムもの)という設定は否定的に描かれている。」

「落ちもの」って何かな…と思って調べたら、「ストーリーの導入部分において、平凡な主人公のもとに魅力的な異性が突然現れるところから物語が始まるというもの。」なんだそうです。登場する女の子は次第に増えていき、殆どの出会いはいつも突然だったように記憶していますが、確かに誰も空からは落ちてきてはいませんね。

ついでに「ハーレムもの」についても調べてみました。
主人公である1人の男性(女性)キャラクターに対して多数の異性キャラクターが対置され、多くの場合は大勢の異性が1人の男性(女性)に対して好意を抱く。
また、主人公はハーレムを構成する異性に対して好意を持っていて平等に接することも多い。

…この作品の作風とハーレムものとの違いが分からないです^^;
確かに「ハーレムを構成する異性に対して好意を持っていて平等に接する」という部分では違いがあるかもしれません。
でも疑念が残ります…
この違いがフェイクという路線がどうしても捨てきれません。
というより、捨てちゃいけない気がします。
何故なら、その展開を一番望んでいるからです。

主人公が誰の事も好きにならず、誰も選ばないのだとしたらハーレムの構図は不成立となります。
でもジョーロがこれを選択するでしょうか…そもそもの目的から完全に逸脱してしまいますよ。
個人的にはハーレムものは嫌いじゃないので、その違いへの拘りが理解できないんでしょうね。
これらを差し引いても十分魅力的な作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、斉藤朱夏さんの「パパパ」
エンディングテーマは、パンジー、ひまわり、コスモスによる「ハナコトバ」
エンディングの発売が12/25って遅くありませんか?
エンディングはまだちゃんと聴けていないので評価は止めておきたいと思います。
オープニングのノリは好きでしたよ。

1クール全12話の物語でした。
全体的に面白かったと思います。
後半登場したホースには登場キャラ同様に違和感を感じましたし…
唯一残念なのは幕の引き方でしょうか。
最終回のラストに「あともうちょっと続く」と言うのは、発売日未定のOVAの前振りだったんですよね?
これをOVAにしちゃいますか…というのが率直な感想です。
確かに「TVシリーズの完結編、ジョーロ(モブ)とホース(主人公)の決着を描くOVA」らしいので、気にもなりますし売上枚数もきっと伸びると思います。
でもできるなら気持ちの熱いうちに全13話として描き切って欲しかったのが本音です。
まぁ、後日発表される詳細に期待しましょう。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

63.1 19 図書館アニメランキング19位
戦う司書 The Book of Bantorra(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (262)
1642人が棚に入れました
人の魂が結晶化した「本」に触れるとその人の生前の記憶の全てを知ることができるため、地中から掘り出された「本」は、過去神・バントーラの作った「神立バントーラ図書館」に収蔵されていた。それを管理する、常人を超える戦闘力と知識を持つ「武装司書」たち。
世界最強の武装司書・ハミュッツ=メセタを頂点に、武装司書たちは世界の調停機関、警察機構として機能していた。しかし、一見平和に見える世界の裏側で、ある闇の組織が動き出す。それは、「天国」に導かれることを最上とし、そのためには一切の欲望を肯定する「神溺教団」――。
武装司書に戦いを仕掛ける、彼らの目的とはいったい…。

声優・キャラクター
朴璐美、大川透、沢城みゆき、戸松遥、中村悠一、石田彰、竹口安芸子、三宅健太、広橋涼、入野自由、川澄綾子、大木民夫、置鮎龍太郎、納谷六朗、野島裕史、野島健児、小西克幸、佐藤利奈、釘宮理恵、野中藍、能登麻美子、櫻井孝宏

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

世界は素晴らしいんだ・・・・?

人間が死ぬと、その魂は『本』になるという世界を舞台にしたファンタジー。
「バントーラ図書館」に所属する戦う司書「武装司書」たちと、武装司書と対立する集団「神溺教団」との戦いを描いた作品。

様々な能力を用いて戦う異能バトルもの、なかなか複雑なアニメ。
序盤はやたら説明不足で意味がよく分からないのですが、終盤になれば色々と明らかになっていきます。
一応世界最強の武装司書と言われるハミッシュメセタが主人公なんでしょうが、彼女の視点で物語が進行するわけではなく、他の登場人物に焦点を当てつつハミッシュメセタの秘密や「武装司書」と「神溺教団」の関係性を明らかにしていく構成・・・なのでしょう。
「本」に触ると死んだ者の生前の記憶が明らかになるという設定は面白かったのですが、それゆえに毎回回想シーンも多く、非常に回りくどい構成に半ば辟易していた。とは言え、後か後から話が繋がっていくのは少し特殊ではあったけど悪くはなかった。

ただ、あまりにも「神溺教団」がえげつなさ過ぎてどうも私には合わなかった部分もありました。
特に階級の最下層に位置する「肉」は記憶を消されて人体実験やら人間爆弾やら、もう正直見るに耐えんものがあります。まぁ相当病的といいますか、この作品においての「死」というのものが、あまりにも軽く感じられた。主人公の被殺願望だけとっても相当不快というか、思い返してみればどいつもこいつも死にたがりばかりなので、もう作者病気なんじゃないかとすら思ったほどです(笑)
ラスコール=オセロとかいう傍観者にして元凶の一人、こいつも不愉快でしたね。もちろん一番の元凶のルルタとかいうアホにもムカつきましたが、不快な点をあげるとすれば限りがないです。
全然似てないけど「空の境界」とかに見る幼児性みたいなものが感じられてこの辺は見るのが非常に厳しかった。

最後は世界の存亡を巡る戦いに移行するのですが、これもまぁ伏線はあるんだけど相当強引に感じられたのは何故でしょうかね。あまりにスケールが大きく成りすぎてついていけなかっただけなのかもしれないんですが、RPGのラスボス戦みたいな最終回はなんかもうお腹いっぱい。
バッドエンドじゃなかった?だけ良かったかも知れないが、あんな展開にするなら、もっとシンプルにしてくれよと言いたかった。
つまらなくはないが、見ていて決して気分良くない、そんな感じの作品。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

kooodain さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

見る人を選ぶ…そんな作品。

この作品一周ではわからない事がかなり多いと思います。
分らない事をわからないまま見れない人はまず楽しめません。
さらに感情から何から何まで表現してくれる作品ではないです。
最近の作品は結構簡単にする為に全て説明してくれますがこの作品は異なります。
なので非常に見るのが疲れますし頭が痛くなります。
まぁ全話一気に見たので頭がいたいのかもしれませんが…。

正直見る前に必要な知識は殆どありません。
見ながら調べる必要もありません。
必要な知識といえば
・バトル物
・ダークファンタジー
・説明されない事が多く難解な作品
この3点だけである。
好きな人はかなり好きになるしそうでない人は全然面白くないそんな作品な気がする。
レビューを見れば明らかですが…。

確かに説明が少なすぎるしラスト周辺の展開は早すぎる…。
正直2クール分に収まるような話ではないのでしょう。
原作では恐らくもっと本に記された記録の部分は多いでしょうし…。
点在している司書やハミュッツの行動がもっと多かったのではないかと思います。
そういった意味でシリーズ構成は微妙でした…。

ですが話自体は面白く設定も面白く話の展開自体も面白かった。
最近は2クール作品を一気に見れないのに何の苦もなく見れました。
もっと知りたいので原作を読みたいですが…まぁ長いのでやめます('-' )w

▼物語の評価
設定から展開まで全て面白かった。
説明不足感は否めないがまぁそこもまた面白い所。
▼作画の評価
特にそこまで乱れた絵はなかったと思います。
まぁちょっと画面は暗いですが…。
▼声優の評価
超豪華ですw
どっからそんな資金出てきたんだって感じの豪華さ。
誰かも書いていますが朴璐美さんの演技がまたあれと違っていい。
▼音楽の評価
BGMはそこそこ壮大で世界にあっていた。
暗く中世的な雰囲気にもあっていました。
OPEDはよく聞いていないので何とも言えませんが…。
まぁアリプロはあっていたのではないでしょうか。
▼キャラの評価
魅力的なキャラが多い。
何よりイレイアさんが最高。イレイア最高。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

死してなお、本となる

[文量→小盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
バトルものの、ラノベ原作らしいアニメ。専門用語の連打と、アニメではフォローしきれないほどの設定。作品としての良さはかなりあると思いますが、難解なために観る人を選ぶと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
やはり、ハミュッツ=メセタの魅力でしょうか。

本作は主人公最強系でしょうが、ここまで「良い人じゃない」ことをちゃんと徹底したのも、珍しいのではないでしょうか。彼女の歪みを、私は興味深く観ることができました。
{/netabare}

【余談~ 死後に恥ずかしい日記w ~】
{netabare}
本作は、「自分の人生が、死後に本になる」という特殊な設定があります。イムラさんのレビューに「自分の恥ずかしいことが本になったら嫌だ(笑)」という主旨のことが書かれて、ちょっと思い出したのは、「一握の砂」で知られる歌人、我が岩手の誇り、「石川啄木」です。(以下、大学の教授から聞いた話です)

啄木は生前、奥さんにこんなことを言いました。

「この本には、自分の創作のアイディアが書いてある。他の人にアイディアを盗まれないようにローマ字で書いてあるが、もし自分が死んだら、(他の人には真似されたくないから)燃やしてくれ」

啄木が肺結核で亡くなった後、奥さんは本を燃やそうと思います。しかし、自分はローマ字を読めないけど、愛する夫が遺した本はやはり燃やせないと、その本を大切に保管します。

時は流れ、啄木記念館を作るとき、その本が調べられました。そこで分かったことは、その本が実は啄木の日記、それも、赤裸々な「浮気日記」だったということ。

その本は今でも啄木記念館に展示されています。

まさに、「死後の辱しめ」w このアニメの世界観だと、きっとこんな悲劇、喜劇が多発するんでしょうね(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

75.6 20 図書館アニメランキング20位
君の膵臓をたべたい(アニメ映画)

2018年9月1日
★★★★☆ 3.8 (302)
1447人が棚に入れました
それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。

「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜良の病気を知る人物となる。

「山内桜良の死ぬ前にやりたいこと」に付き合うことにより、「僕」、桜良という正反対の性格の2人が、互いに自分の欠けている部分を持っているそれぞれに憧れを持ち、次第に心を通わせていきながら成長していく。そして「僕」は「人を認める人間に、人を愛する人間になること」を決意。桜良は恋人や友人を必要としない僕が初めて関わり合いを持ちたい人に選んでくれたことにより「初めて私自身として必要されている、初めて私が、たった一人の私であると思えた」と感じていく。

声優・キャラクター
高杉真宙、Lynn、藤井ゆきよ、内田雄馬、福島潤、田中敦子、三木眞一郎、和久井映見
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

青春感動をアウトレットで

原作未読 実写版未視聴


これ小説けっこう有名ですよね。
それに実写もアニメも劇場版が作られるなど肝いりじゃないですか。その割にはイマイチでした。

身体の悪い部位があったらそこと同じ場所食っときゃ直るというお祖母ちゃんの知恵袋ネタはご存知の方多いのではないでしょうか。曰く「肝臓の調子悪いからレバー食っとこ」。
それを地でいく話となるのかどうか、余命短い相方との切ないラブストーリーを想像していた事前の私です。ベタ大好きなのでばっちこーい!と受け入れ態勢完璧でしたがこれまで視聴の優先順位は上がってきませんでした。地上波でやるってのを見つけたのがきっかけとなります。


 ベタだけどベタになりきれてない


長年培われてきた感動のお作法は世の中に存在します。そこをずらしての意外性を演出するにあたり事前の種まきがなされてないので感情を揺さぶるには至りません。そこ説明してくれりゃ感情移入できるのに!ってやつです。
悪目立ちしたのがキャラクターの行動/言動の根っこにある動機。これが良くわからない。取り急ぎダメ出しするよりも先に良きメッセージについて触れます。


■良きメッセージ

・{netabare}近づいたのは対極にいるからだと桜良(CV:Lynn)は言った。桜良逝去後に春樹(CV:高杉真宙)がとった行動は意趣返し。自分とは真逆の桜良に近づくための真逆の行動をする勇気。こうして故人の遺志は受け継がれていく。{/netabare}

・{netabare}心が通じ合えた、必要とされたことを実感してから旅立てたこと。死因よりも死んだ時期がこの物語には重要だったのだと思う。{/netabare}

生きる意味や執着。繋がりで得られるもの。ベタだったり変化球だったりそんなに外してるとは思いませんでした。ただしいかんせん説明不足です。雰囲気で乗りきれればOK!そんな作風でした。



■悪しきエトセトラ

くどいようですが種まきがありません。らしきものは見つかっても「それ理由になるかなぁ?」と首をひねるものが散見されます。ヒロインが主人公に惹かれる理由。主人公の突き放したヒロインへの態度の理由。恭子(CV:藤井ゆきよ)が頑なに春樹を拒む理由などけっこうコアなとこがダメ。
特に桜良と春樹。この主軸が惹かれあう妥当性を見い出せなかったのは致命的かも。「なんで二人一緒にいるの?」。しっくりくるこないで作品評価の別れるポイントになると思います。

{netabare}※春樹がモテ要素皆無なキャラに見えたので、なおさら桜良が彼に近づく理由に強いものが欲しかったのもあります。逆もしかりで、非モテコミュ障がかわいい子に言い寄られて舞い上がりましたとしか見えないのが極めて残念でした。{/netabare}

それと声優にも一言もの申したい。根本的に内罰的な主人公は抑揚のない中で感情を表わす難しい演技を求められます。この難役を演じるには声のお芝居経験に乏しい俳優では荷が重かったでしょう。俳優と声優の組み合わせでしたらむしろ男女を逆にしたほうが実力差が隠れてよかったと思われます。




画は綺麗で劇伴/主題歌は普通。
難病ヒロインと内向男子の別離の話ってそれこそ野球で打線を組めるくらい巷に溢れてるベタな題材で、こちらもいつもどうりに踊りたかったのですがそれができなくて残念です。
なお、著名原作がそれなりに骨子まとまってそうなので大崩れしてるようには感じません。推奨はしない佳作。そんなところです。



※余談

■お里が知れる

膵臓である意味/必要性はそれほどなかったと思います。音感とイメージの薄さで白羽の矢があたった臓器。それ以上でも以下でもない。
どういうことかというと、まずは“(仮題)君の○○をたべたい”というフレーズを思い浮かべてみてください。この○○に入るのが肝臓や心臓だと生々しいというかスプラッター要素マシマシですよね。大腸に至ってはウ○コをイメージしてしまうかも。なんの機能かわからなければわからない方がいい。
それで膵臓(スイゾウ)。脾臓(ヒゾウ)なんかも候補に挙がりますがそれだと音のリズムが悪くなっちゃう。というわけで膵臓。
これでも充分センセーショナルです。カニバリズムかなんかだと勘違いするしそれを狙っているのです。出自を見れば無理はありません。

{netabare}小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿{/netabare}

タイトルで目を引かないと埋もれますからね。「タイトルはアレだけど感動作だよん」話題になってた時耳にしたのはこんな声でした。
そして私あまり好きじゃないんですよねこの商法。作品の中身と乖離するから。WEBニュースの見出し勝負みたいになっちゃいます。今しがた漱石が『こころ』なんてタイトルにしてなろうに投稿したら埋没しちゃうのでしょう。弊害はしっかり出てました。

{netabare}膵臓の病気持ちでアルコール摂取はねーだろ{/netabare}

チュートリアル福田が発症した病気は「急性膵炎」。原因は酒です。入院したらしたで膵液が分泌されるとまずいので食事を経口摂取せず点滴のみ。後がないからってのも理解できなくもないですけど、実際に病名は明かされてなかったけど激痛必至だったんと違いますかね。

少なくともアニメ映画だけでみれば、タイトルのインパクト重視で中身を練られてないように見えました。本末転倒とはこのことです。




■声優Lynnのお仕事

これこそ余談です。私の深夜アニメの入口は『風夏』。ヒロインはLynnさんが演じられてました。今日びの声優さんは綺麗だな~と時の流れを感じた次第です。
そんで風夏のネタバレ込みでふわっと思ったのが以下、

{netabare}自分死んだ時の通夜に彼氏が来てくれないの一緒じゃん、と。{/netabare}

{netabare}アニメ『風夏』はアニオリで別の世界線。原作漫画との対比でした。では♪{/netabare}



視聴時期:2020年5月 地上波

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2020.05.09 初稿
2020.12.10 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「偶然じゃない。君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。」

小説が原作で、2018年に公開されたアニメ映画。

アニメの前は実写映画もやっていましたね。

私はどれも見ていなかったので、
アニメが初見です。

NHKで放送されただけあって、
考えさせられる内容でした。

100分ほどの作品です。


● ストーリー
「僕」が偶然病院で拾った本。

そこには膵臓の病気で自分はもうすぐ死ぬのだと書かれていた。

その本の持ち主は、
クラスメイトの山内桜良(やまうち さくら)。

桜良は病気の事をクラスメイトの誰にも話していなかったが、
本を読んでも動じない「僕」に興味を持つ。

「僕」はクラスの誰とも関わりを持たない男の子であり、
桜良は明るく活発な女の子。

真逆な二人だが、
「僕」は、桜良が死ぬ前にやりたいことに付き合うことになる。



桜良の死は、
最初から約束されてしまったもの。

人と関わることをあきらめていた彼が、
余命1年という残された時間と向き合い、
前向きに普通に生きようとする彼女と共に過ごすうちに変わっていく。

そんな二人の物語が、
きれいに綴られていました。

公開時それほど話題にならなかったので、
いまいちなのかな?と思っていましたが、

きれいにまとまっていて、
良い作品だと思いました^^

絵もきれいだったし♪

人の病気や死という描写は感情を揺さぶられて当然ですが、
そこに頼り切っているという印象もありませんでした。

残された時間をどう生きるのか、よりも、
人と人との関わりについて教えてくれる雰囲気の方が強かったと思います。

タイプが真逆だからこそ、
初めて見える自分がくっきりする。

「僕」は、クラスで誰とも関わりを持たない、目立たない存在で、
イケメンだから成り立つ物語だろうと思わなくもないですが(笑)、

彼女の明るいキャラだけでも十分魅力的でした♪


≪ 恋愛でも友情でもない、男女の物語 ≫

年頃の男女が放課後も休みの日も一緒に行動する。
となれば、クラスメイト達のように彼氏彼女のような関係を想像しますが、

この二人はお互いに惹かれはしているものの、
そういうものとはまた別の、不思議な関係。

「僕」にとっては、家族以外で初めて関わりを持った存在。
桜良にとっては病気のことを知りながらも普通に接してくれる存在。

彼女の思わせぶりな態度はちょっとやりすぎで、
「僕」がイライラするのもわかる。都合の良い男のようだもの。

だけど桜良の、普段は表に出さなかった気持ちを考えると、
桜良が求めていたもののひとつに“ぬくもり”があったから、

彼氏としての「僕」を求めていたわけではなく、
安心感を与えてくれる「僕」を求めていたのだろうなと、
思ったりもします。

年頃の男女の関係としては疑問が残らなくもないですが、
こういう友情とかを超えた、特別な関係も悪くないなと思います^^


● キャラクター
主人公の二人も良かったのですが、
私が強く印象に残ったのは、それぞれの母親です。

桜良の母親は、
娘の病気を当然知っていて、もうすぐ死ぬことをわかっていて。

娘の前で涙を見せまいと振る舞う姿が、
強いなあと(´;ω;`)

自分の娘が余命1年とわかっていて、
これまで通りに接することができるわけないですよね。

それでも桜良の母親は覚悟をし、
娘に心配させまいとする姿に胸を打たれました。


「僕」の母親は、彼の些細な変化もちゃんとわかっていて、見守る。

「友だちがいる」という嘘も見抜きながらも、
彼の変化に問いただすこともせず、
良い変化には探りを入れて。笑

見守り、さらっと声をかけるのが、
いい母親だなあと思いましたよ。


● 音楽
【 OP「ファンファーレ」/ sumika 】
【 挿入歌「秘密」/ sumika 】
【 主題歌「春夏秋冬」/ sumika 】

全曲をsumikaが担当しています。
もともとsumikaが大好きな私得な映画なのです(*´Д`)

曲は作品を観る前からずっと聴いていました。
「ファンファーレ」が大好きでした。

正直「春夏秋冬」はそれほどハマっていなかったのですが、
この作品を見て印象がガラッと変わりましたね。

エンドロールで流れる「春夏秋冬」。
なにこのハマり曲…!余韻半端ない…ずっと聴いていたい…。

ボーカルの片岡さんがこの作品と向き合い続けて、
ようやく完成したという曲。

この作品を見て、
この作品で聴かないとその魅力はわからないわけですよ。

ちなみにsumikaのメンバーの皆さんは、
作中でちらっと声優登場しています♪

どの役なのか調べずに見ていたら全然わからないぐらい、
溶け込んでいました^^


● まとめ
友人は「伝わるものがなかった」と評価していましたが、
私は良い作品だと感じました。

どの作品でもそうですが、
メッセージがない作品を良い作品だと思うはずがない。

この作品は鍵となるメッセージはあっても、
明確でインパクトの強いものがあるわけではないので、
自分でメッセージや意味を考えるタイプの作品なのでしょう。

二人の過ごした時間から何を得るかは、
受け止める人次第なのかもしれませんね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

賞賛したい。。けど受け入れがたい部分も。。

タイトルから敬遠していた作品。

結果として感動に至る物語は大歓迎なのですが、救いようのない結末が想像できるせいで泣かせるためだけに作られた作品のような気がしまして。。

ジャンルとしてはキライじゃないんですよ。
でも、いかにも泣かせてやるぜ~!的な雰囲気が見えてしまう作品は身構えてしまうのです。

セカチュウで心折られたせいか、「あの花」は好きだけど「君嘘」はちょっと・・みたいなw
(じゃあなんで観たの?についてはおいおいw)

さてそんな自分ですが、この物語はどんな感じなんでしょう・・・


【作画】どうかなー
 なんか人物と背景が合わないような。

【キャラ】ありがちかな。
 ありえないくらい元気な薄命の美少女。
 クールでぶっきらぼうな男子学生。
 キャラの顔は声優さんに寄せてるような気もします。

【ストーリー】意外性もあるけどおおむねありがちかな。
 人は誰しも明日死ぬかも知れないのに日々漫然と生きてるよねーみたいな、たしかに考えさせられる部分はあるけど。

【cv】個人的には歓迎。
 Lynnさんは、スクストの、りのまの、
 ウマ娘の、マルゼンなどなど
 声色を変えるのがうまいので気付かない事も多いですが
 Twitterフォローしてるので知り、観る気になりました。
 この頃の演技はフレッシュですねw
 cvに女優さんを使わなかったのは良かった。
 ちなみにオーディオブックでは堀江さんだったらしいです。
 「ゴールデンタイム」を思い出します・・

 なんと藤井ゆきよさんもいますね。
 最近ウマ娘では、たずなも。
 自分のBEST10に入っているお二人でした。
 今回、ちょっと好きになれないキャラでした。
 まあ好演ではありましたが。
 
【ツッコミ&感想】
 ~{netabare}
 不良を成敗・・ありがち過ぎ。なにかのフラグ?
 恭子ウザ過ぎ・・親友なら想いを汲むのが第一じゃね。
 予約の手違いで同じ部屋・・鉄板過ぎw
 自宅でKISS直前・・鉄板だけどマジふざけてやったのかは明らかにして欲しかったw

 で、観ながら妄想してしまいます。。

 もし自分自身が青年時代に短命とわかったら・・
 恋愛は外せないけど好きな人に告白はできないでしょうね。
 たとえ想いが成就しても相手を悲しませることがわかっているから。
 なので好きだけど友達として・・という思考回路はわからなくもない。
 まあこのヒロインの場合は恋ではなかったとは言ってますが。

 でも逆に、もしこんな短命美少女が自分に好意を寄せてくれたら・・
 自分の将来の悲しみより、彼女の瞬間の幸福に尽力するでしょう。
 その後の悲しみは大きいでしょうけど、漫然と過ごす人生よりはよほど有意義な人生と言えるかな。

 なーんて思いながら、観ていたら。。

 え、なにこの展開。
 刺されて死亡とか。。ないわ~。
 懲らしめた不良の復讐?
 刺される前に何かされてない?とかはゲス妄想過ぎ?そこまでダークな展開ではないか。原作者は悔いのないように生きようとかいう事を強調したかったんでしょうか。まあ「小説家になろう」投稿作品だったらしいので意外性を求めたんでしょうし、これがあったから話題にもなったんでしょうけど、好みで言えばナシ、ですw

 しかしそれにしてもですよ・・
 死後のヒロインは爽やかに描くしかないとは思うけど、彼女が刺された瞬間から死が訪れるまでの束の間、彼女の無念さはいかばかりでしょう・・
 短命であることが分かっていたがゆえに、やりたいことの多くはできたかも知れないけれど、これから、今度こそは・・という矢先ですから。
 その無念さをしつこく演出しなかったのは感動ポルノとの評価を避ける意図があったかも知れませんが、彼女の一瞬の表情や、犯人の扱いなどはちょっとは垣間見させて欲しかった。モヤモヤが残り過ぎて残念。
 {/netabare}~

 原作:小説
 制作:スタジオヴォルン・・?初耳。
  うしおととら、からくりサーカス、バック・アロウ、とかですか。
  新しい会社ですね。
 公開:2018年9月
 視聴:2021年7月 金曜ロードショー(録画)

人生の尊さを知る意味で若い人に観て欲しいけど、自分が若い時に観ていたら、ちょっと心的ダメージが大きかったかも・・
モヤモヤをスッキリできる手段を用意してから観るのがいいかも ^^;

 ~{netabare}さあ、気を取り直してウマ娘育成でもするかw{/netabare}~
 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

77.5 21 図書館アニメランキング21位
ヴァイオレット・エヴァーガーデン Extra Episode(その他)

2018年7月4日
★★★★★ 4.1 (201)
1290人が棚に入れました
ヴァイオレット・エヴァーガーデン BD&DVD第4巻に収録。

第4話と第5話の間の、数か月間に起きた物語。
ヴァイオレットのもとに舞い込んだとある歌姫からの代筆依頼を描く、特別番外編を収録!

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Times heals all sorrows_Get over, no worries_Cause nothing is more precious than love_Nobel, faithful, she is as pure as the driven snow_Oh dear heart, so sweet

好きだ好きだと言いながら円盤を買っていませんでした
奇しくも2019年7月18日の木曜日、京アニ第1スタジオで痛ましい事件が発生してしまい、何か僕に出来ることは無いのか?と模索した結果、「やはり僕には何も出来ない」という結論に至り、とりあえず好きだと公言している作品の円盤ぐらいは揃えておこう、とその日のうちに通販で円盤を取り寄せました
2018年冬期に全13話が放送、今観返しても京アニ最高傑作だな!と豪語できる名作中の名作ですが、テレビシリーズについてはそちらの方でレビュを書かせていただいたのでこちらは円盤の最終巻に1本だけ収録されてるOVAについて


第4話でアイリスの付き添いで初めて代筆の出張をこなしたヴァイオレット
第5話ではそれから数ヶ月経って、いくつかの大きな仕事をこなした後、婚約した姫と王子の国際結婚を手助けする大役を務めます
この第5話のラストでヴァイオレットは初めて劇中で笑顔を顔に出すのですが、いくらなんでも4話と5話の仕事の内容に差がありすぎる;
ってことで4話と5話の間にヴァイオレットが急成長、彼女のドールとしての人気も鰻登りするキッカケとなったエピソードが今作というわけです


ドール育成学校の師範、ローダンセ教官の推薦でヴァイオレットに初めて指名の依頼が訪れる
オペラ座の歌姫、イルマ・フェリーチェが恋文の内容を依頼したいという
しかしイルマの依頼は酷く抽象的で、全ての人が共感出来る恋文にする必要がある、と無理難題を押し付けるのだった
度重なる駄目出しに息詰まって弱音を吐いてしまうヴァイオレット
やがてその恋文の内容とは新作オペラのクライマックスを飾る歌曲の歌詞だと知る
愛を知らないヴァイオレットが、愛の歌など書けるはずも無い
愛について書かれた本を読み漁ったり、C・H郵便社の仲間達の協力もあり、ソレらしい言葉を選ぶことを覚えていくヴァイオレット
しかしイルマが本当に納得の出来る歌詞を書くためには、イルマがその新作オペラに強く拘る真意を知る必要があると悟るのだった…


5話で初めて笑う、と先述した通りこの話のヴァイオレットはまだ感情表現が希薄で、依頼主の真意を汲み取る力も拙い
その辺りが前半だいぶコミカルに描かれつつも、イルマがオペラに託す真意というのがあまりにも壮大で情緒的な為、後半では一気に真剣みが溢れだすスケールの大きなお話になっています
とても円盤のオマケというレベルではなく、クライマックスのオペラのシーン等も作画に要求されるクオリティがべらぼうに高い
もはや劇場版に相当する内容です!といっても過言ではないOVAとなっています
また、イルマ役のキャスティングに日笠陽子
イルマが歌う歌曲をわざわざTRUEに歌わせていることからも今作の“本気度”が伝わるかと思います


このエピソードのAパートのコンテ、演出はシリーズ演出も務めた藤田春香さんが行っています
ちょうど明日、藤田春香“監督”の処女作となる『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』を劇場に観に行くので期待が高まっているところであります


今作自体はネトフリでも配信されてるようですが個人的に円盤を揃えて欲しい理由は今作以外にももう1つあります
テレビシリーズ放送中に新宿ピカデリーにて数話分をまとめて再編集し、音声を5.1ch化した劇場公開版が各巻の特典ディスクについてるんです
これが結構テレビシリーズと違ってて、もちろん本編カットの数を増やしたり減らしたりしてるわけでは無いのですが、OPやEDの入りが全然違ったりと一気観するのに特化した繋ぎの良い編集になっているんです
OPが無いところにあったり、EDがあるところに無かったりとかね
一話一話に浸るのも良いのですが、改めて一気観してみても味わい深い作品であることが感じ取れる編集になってますので映画感覚で観るのにはコチラの編集が断然オススメです
ですから買ってくださいw揃えてくださいw円盤をね


今作でイルマがオペラに託した思いは、結果的に後々のヴァイオレットの感情を育んでいく事、すなわち娯楽文化が人の感情を育てるって事に繋がっているんです
京アニがアニメを作り続けているのも同じで、誰かの感情を育んだり、傷ついた人を救う事に繋がっているんだと思います


時間が解決出来ない事もありますが、逆に言えば時間が解決出来る事もあるんですよ
作品は生き続けますからね
今はただ、僕に出来ることを

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

筒井筒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

無料配信なのでツッコミ弱めですが・・・

依頼の仕方にアイディアがあるのだが、本人のプライド如何でなく、うまいといわせる表現が必要だと思いました。イルマの機知に踏み込まずにいる分、ただでさえ地味な展開が、さらに地味になっている気がするのです。要は、躍動感がないのです。
いろいろ、考えてみましたが、単純な話だけに、起伏がなければ、それまでの評価。歌詞の依頼と聴いて、郵便局のメンバーで貸しを出し合うシーンなどは、評価すべき点ですが、男性の意見のみ公開。これでは、期待が裏切られてしまいます。
あとは、ラストのシーンで使う恋文の歌詞が、聞き取りにくいところがよくない。譜面に歌詞が乗っているのですが、なぜか、歌詞が訴えてこない。主役個人の恋文を読み上げているだけなのですから、それでよいのでしょうが、・・・まあ、僕が2度3度見れば解決する問題ですが・・・万人の心を打つとかいう肩書きはどこに行ってしまったのか? 若干疑問が残りましたが、今回思ったのは、せっかくの話なんだから、時間の流れと画の光沢に統一感を持たすべきと思いました。暗めな色が多く使われていた気がしたので、凸ってる部分が気になりました。
作品としては、ストーリーが流れるだけ。僕のかいたコンクール作品の欠点および特長と一致するので、そう見えたのかもしれませんが、インパクトが足りないのは、共通の課題のようです。よしとするには、もう少し書き込みが必要だなと思いました。画になると、文字を追うような快感ではなく、も/2019っとなにか違うものを探ってみる必要はありそうです。個人的には、自分の作品がどう読まれて、どう、人に見られるのかのいい模範になりました。
展開が読めるわけでもないけど、サプライズもなしでは、やはり物足りませんね。

9/1 追記
改めてみてみると、「あれ?的外れなこと書いたかな?」と思いレビューを見て、思ったよりまともでよかったと思いました。
改めて感じるのは、オペラがオペラたらしめた時代のがオペラであって、現代劇には、現代劇的な方法(作中)と現代的な解釈(現在)の両方への共感がないと立体感が浮かび上がらないのではないか? と、仮説ですが。壮大であればよいわけでなく、現代の人が共感するものを、過去の縛りで作ってできるわけがない。やはり、エヴァガのよさは、イレギュラーではなく、・・・エキストラ回だった。汗・・・ヴァイオレットのひたむきな成長なのである。結果、「愛してる」を理解するのに、この回で一度にやられてもね。なのである。それにしても、軍人にシュッとした顔の男はいないのか? 男は食わなきゃ武器をもてないのか? などという、(おえらいさんに付き合いがあるのかな。貴族は戦せずなのか?)軍に光は似合わぬのかね?暁佳奈。と、ギルベルトがもう少し男前なら、再会もあったのに。と、少し思った。作品の完成度と、社会的な評価は別というのも、少し理解をしたほうが、数字も大事です。今回の作品が悪いとは言わないけどね。

2019/4/28 追記
長々言っても始まらない。
つまりは、人の心を打ったのは、今回の依頼の手紙が、役者としての彼女の表現、つまり、同時代を生きた人間に共通する心の、最もきれいなところが、一般人との垣根のない、彼女のすべての心を表現するところに、オペラとしての大きな価値があったのかな、などと今は考えています。女優さんの社会への視線が、女優というか一人の人間としての素養が、感動の原点である。ということは間違いなさそうです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

ふぁんた さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

陽だまりの中にあるようなボーナスエピソード

4と5の間の話ですね。
こんな一話完結物語をたくさん紡いで欲しかったです。


やはり戦争で引き裂かれる若い人々の想いというのはそれだけで心にくるものがあります。
このお話はさらにストーリーを上手いことヴァイオレットちゃんの仕事に絡めながらクライアントの、そしてヴァイオレットちゃん本人、さらには観客全ての人に戦争は終わりそれぞれの戦後を歩んでいこう、その先は陽だまりのように暖かな未来があるから、、、
というメッセージになっているような物語だと感じます。


もう、、{netabare}最後のヴァイオレットちゃんが作詞した歌のシーンは本当に嗚咽が出るくらい泣いてしまいました。丁寧に歌詞をわかりやすく歌ってくれていたのでヴァイオレットちゃんが、イルマの恋人に対する想い、そしてその想いを乗り越えて人々に希望を与えなければという想いに、最終的にに寄り添うことができた成長が詰まったシーンでした。{/netabare}

平和で恋人、家族、友人と普通に笑ってお話しして時間を過ごせる喜び。そんな普通だと思っていたような幸せを失ってしまった人々の、または奪ってしまう戦争、、、
そんな悲劇は本当に二度と起こってほしくないですね。



4から5話の急激な成長ー


合理的な無駄のない軍人としての思考から、{netabare}イルマとの修行を通して新旧さまざまな愛物語にふれ、目を見張るようなスピードで知識を蓄えるヴァイオレットちゃん。
この描写が後の貴族の教育係をできるくらいの教養を身に付けることができたのだと理解できます。

しかし、それだけでは本当にそれぞれの物語をもつ個人に届くような手紙は書けません。

知識を蓄えそれをただ美辞麗句として並べるだけではなく、イルマ本人の想いに触れ、さらに行方知れずの人々の愛に触れ、そして自分の想いを感じ、、
人の気持ちを解さなかったヴァイオレットちゃんがたくさんの人々の心に寄り添い、とうとうその想いをのせた今を生きる人々への詩を書けたことは、今までの感情を持たない道具としてのヴァイオレットちゃんを見てきているだけに涙が止まりません。{/netabare}

こんなこの時期のヴァイオレットちゃんの成長エピソードはもう少し見たかったです。


イルマの声優さんは、演技もさることながら、戦後の傷ついた人々を先導する女神のような力強い歌声で、苦難の時には人々を勇気付ける傑出した人物が出るものだなと、物語ながら感じてしまう演技でした。


もちろん今まで通り作画はため息が出るほど美しく、人物それぞれの表情も繊細に表現されています。光の表現も劇場という舞台設定があるため、もしくは陽だまりと対比するためか昼と夜、夜の闇の中での照らす光(それは戦争の傷)、曇り空、夕日、素晴らしくシーンと人物の感情を表していました。


個人的に駅にあったロウソクが並んでいる風景は、ミラノの教会で見た鎮魂のロウソクとオーバーラップしました。
心に打たれるものがありました。



行き詰って本棚の角でうなだれるヴァイオレットちゃんにはとにかく正直萌えます。笑

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

62.6 22 図書館アニメランキング22位
メルヘン・メドヘン(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (261)
1007人が棚に入れました
「きみのためだけの、
物語を。」

物語が叶える、少女たちの願い。
世界に散らばった物語の原書。

少女たちは「原書」(=メルヘン)と出逢い、
選ばれ、魔法を得てやがて「原書使い」となる。

これは、そんな「原書使い」を目指す
「原書使い見習い」(=メドヘン)の少女たちが、
「原書」と共に自らの物語を紡いでいく

夢と魔法と青春の物語―

松智洋&StoryWorks
× カントクが贈る
魔法少女ファンタジー開幕!

声優・キャラクター
楠木ともり、末柄里恵、Lynn、日高里菜、大津愛理、加隈亜衣、上田麗奈、本渡楓、岡村明美
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

口移しにメドヘンください、本当のこと教えてください

3話までの感想{netabare}
「妙に引っ張るねぇ」ってのが3話まで見ての感想。
主人公が実力を発揮できずに後まで引っ張るのはよくあるけど、他のキャラの変身姿や、それで何が出来るかの能力をロクに見せぬまま3話まで終わるってあんまり無いんじゃ?
お陰で画面に派手さが無い。
最近の深夜アニメの作りとして大丈夫なんかね?展開の遅いブラッククローバーですら3話ではもうアスタは大剣振り回してた気が…。

と、ここで自分語り、自分語り過ぎるので畳んどきます。
{netabare}その昔ジャンアントゴーグってアニメがありまして、裏番組で“らんぽう”がやってまして。
わたくし兄が居まして、チャンネル権は兄が持ってまして、こっちはらんぽう見たかったのにゴーグ見させられまして。
じゃあゴーグで我慢しようかと思えば、あれってロボアニメのクセに4話までロボ出ないんですよね。
当時の自分としては不愉快で不愉快で…。
ついでに言うとマノンタイプのプラモデルの素の色が下半身ゴーグカラー(青)のまんまで…もう、怒りを通り越して虚無感を覚えましたね、あれは。
で、ドリスを心の支えにゴーグを見てたワケですが(あの太腿はズルい)、メドヘンはそれを全裸やブルマで賄ってるって感じなのかな?
今の時代それで引っ張れるのか?私は別に…ってかドリスのミニスカのほうがよっぽどゲフンゲフン{/netabare}

また、妙に引っ張ってるなぁって感想を加速させるのがOPの出来。
現状未完成なワケだけど、これも各キャラの変身姿を見せないために完成版を伏せてる?と思ってしまいまして。
ってかすっごい出来が悪い気がする、いくらあり合わせでもどうなんかなー?っていう…Gレコかよと。
キャラのアップになってモノクロ調になるカット、普通余白の部分にテロップ入れると思うのだけどそんなのお構いなしに中心に配置して絵に被せまくり、またはテロップ無し。
(その後放送されるゆるキャンのOPがテロップの手前に絵が被さってて余計に完成度が目立ってしまうのかも)

内容的には7校の交流戦、それをすることで発生する魔法パワーが原書図書館に巣食うシミを浄化するんだとか。
な、7校かぁ、それぞれの代表全員に活躍の見せ場あるのかな?
設定的にどうしても“永久アリス輪舞曲”が頭を過ってしまうのですが、あっちは「エンディングで登場するゲストキャラ、本編で全員は出しきれなかった」という笑える内容だったけど、それでも「登場するゲストキャラをポイポイ使い捨て」しまくって…つまりは一応の努力は見せての結果だったので不快感はありませんでした。
果たしてこっちはどうかなぁ…ギガンティックフォーミュラみたいになりさえしなければ大丈夫だとは思うけど…。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
「まで」といいつつ6話の感想…これは書かざるを得ない。
…。
辛い。
内容がつまらなくて辛いんじゃなくて、スタッフの現場が辛いという思いがこっちにも伝わってきて辛い。
他の方も指摘してる通り、絵がショボい。
厳密には絵っていうか、脚本?演出?コンテ?レイアウト?何が該当するのかよく分からないけど恐らく全部がショボい。
(アームスの作品によくある「カット同士の繋がりがおかしい」ってのとは若干違う気がする)
絵はヒドいけど話は面白いっていうのではなく、構成からして奇妙で…冒頭の「前回の15分前」って…苦肉の策を通り越して自暴自棄さを感じる。
元々これまでも意図的にアクションシーンを避けてた印象があったんだけど、そのしわ寄せが遂に来てしまったというか…。
もしかして…アクションシーンお願いしてた担当のアニメーターが逃げた?逃げただけならまだマシで、身に不幸が訪れたとかそんなんじゃなかろうか。
それの対策として脚本の変更ってどれくらい融通利くのか知らないけど、不自然な出来はそうやって生まれたのかなぁ、と。

ハーメルンのネズミ焼きや攻城戦どうしたとか長靴猫優勢不利アベコベだったりリンが観客席のどこに居るか分かりづらかったり静の墜落がギャグだったり連合チーム回想で乞食が身綺麗だったり。
各キャラのデザインまちまちだったり…簡略化がどうこうって問題ではなく明らかに間違ってる部分も多く目につき、個人的にはこれが致命的。
シンデレラのアレンジバージョンの新タイトル「シンデレラは振り向かない」だけど、これ聞いてパっと思い浮かんだのは「ポニーテールはふり向かない」ってドラマ。
エヴァガでスチュワーデス物語、豚骨ラーメンズでザ・ハングマンを彷彿とさせ、最近頭が古いドラマとリンクしやすくなってるせいもあるのかも知れんが、思い出してしまったワケですよ。
内容は全然覚えてないけどタイトルからしてポニーテールには注目が向くワケで、そこで主人公の変身後のデザイン見てみると…。

最初キディグレイドのリュミエール(序盤)みたいに片側に髪を寄せてると思ったんだけど、カットによって真後ろになってるシーン多数。
あれ、どっちなんだ?
6話まで引っ張っての、満を持しての変身回でコレってどうなんだ。
キャラ表すら渡されない中無理して描いた感が…。
ってか現場ヤバいんだったらヤバいで非シンメトリなデザインは避けると思うんだ…事故しか起こさんって。
(カザンなんて左右間違えるだろーと注意しながら見たら、左右どころか腕巻きが無いカットがあって吹いた)
和服ベースのキャラが居るので純粋なシンメトリは無理だとしても…って、静の足元のアレは蓮華座(別パーツ)ではなくスソがめくれ上がってるってデザインだったのね。
それって描きにくくね?下っ端の原画マンには辛いデザインじゃね?

と考えると、デザインした時には現場は余裕があったんじゃなかろうか?なにかトラブルが発生したんじゃ?と思ってしまってのう。
急遽ヘルプをお願いして…絵心無い人も狩り出した予感。
ネタじゃなくてガチでポプテミミッミ起こしてて…車のホイールとか、楕円は軸に対して垂直ってのは基本中の基本だと思うのだが…。


話の方では、これまた運が悪いとしか言いようがないのだけど、「デスマーチから始まる~」で、舞台の内容(創作ではなく史実ではあるけど)が権力者によって歪められてるってネタを扱ってまして。
まぁそんなのよくある話よね~って感じで、同様に童話にろ何にしろ元は結構残酷な内容だったのが時代によって変化してるってのはよくある話で(シンデレラにしろ姉は足を切り落とすんじゃなかったっけ?)。
それを踏まえた上で、では作中の“原書”が原書たる価値あるモノとして存在する理由は何ぞ?と考えると、全く改竄のされてない初版やそれこそ作者直筆レベルの原典に当たるモノなんかな~、と思ってまして。
けどそれ否定されちゃいまして、「オレだったらこうする」の二次創作バンザイになってしまいまして。
これまた「ハーメルンの笛吹き」が出たせいで余計に思ってしまうんだけど、「問題児たちが異世界から~」って作品がかつてありまして、そっちでは「広く伝えられてる内容は○○だけど実際は××なんだ」「ナ、ナンダッテー」って運びで敵の正体や目的を割り当てる話だったけど、それとは真逆なのね。
どっちが面白いかは知らんし別に構わんけど、その場合は“原書”ではなく新たな呼称を当てた方が良い気がする、今後そうなるのかね?

とりあえず、今回がトラブルによる出来の悪さであるなら今後復調する目処は立ってるのかな?ってのが気になるトコロ。
ずっとダメージ引きずったまま最後まで今回のようなクオリティだったら…それはそれで面白いかも?(下卑た笑み){/netabare}

7話感想{netabare}
自分が感想書く際度々名前を挙げてしまうのですが、脚本家に富田祐弘って方が居ます。
批判の意味でも賞賛の意味でも使うことがあるので、どうにも汎用性が高くてねぇ…。
これの説明ってどこかでしとかないとアカンのかなぁ?
ちゃんとこっちの意図が伝わってるかどうか不安に思うトコロもあったり。

で、7話、非常に富田祐弘チックでした。
要は出来が良かった(作画は置いといて)のだけど、それはあくまで7話だけなんじゃないかなー、と今後の展開に対しては期待が持てるモノではないというか。
“ゲンジ通信あげだま”が確変した時の雰囲気と非常に似てると言いますか…詰まるところはキャラ崩壊ネタってことなんですけどね。
1話からこのノリ、もしくは4クール作品だったら良かったのだけど、作画グダグダで、内部で色々問題起きてるんじゃね?と思われてる中でのコレですんで…。{/netabare}

10話までの感想{netabare}
こ、これは「観終わった」でいいのか?
残り2話、ちゃんとやってくれるのか?

↑で「アクションシーンお願いしてた担当が逃げたんじゃ?」「身に不幸が起きたんじゃ?」と書きましたが…半分当たっちゃってたらしい。
原作者が死去してたのは知ってたけど、てっきり出版されてる範囲でのアニメ化ってことで影響は無いだろうと思ってたら、実はアニメ制作(シリ構)にも係わってたらしくて…。
それが途中で居なくなってしまってこんな出来に…どこまで影響ある段階だったのかまでは分かりませんが、影響あったっぽい。
…。
さすがに人死にが絡んで来るとなると、その、批評しにくいッス。
参ったねこれは。
カントクついてないなぁって思ってたら、それ以上に原作者浮かばれんわ。
ってかね、穴が開いたら開いたで業界挙げてフォローしようってことにはならんかった、のか?
もし4月に放送ズレ込むなら6HP(シックスハートプリンセス)の枠潰して手伝ってもらえば…とか思ったもんですが、そういうわけにも行かんのか。
(村上も業界に恩売れて良いと思うんだが…6HPの新作を楽しみに待ってる人なんてそう居ないだろうし)
4月中もなんか無理っぽいよね。

話自体がゴタゴタのグチャグチャで、あと2話でどう畳むんだろう?ってのは純粋に気になるんだが…。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
もう何日も前になるけどギャオで11・12話が配信されてたので視聴。
ってか全話公開されてたんだけど、改めて1話から全部見る気力は無かった…。
本当に11・12話作ってたんだねぇ、永遠に未完成だと思ってたよ。
あれかな、これからの時代は配信なんかも視野に入ってるだろうし何があっても未完(打ち切り)ってのは避ける方向になってくのかな?
それはそれで良いことだとは思うが…。

とはいえ、放送されてた時の10話までの内容って殆ど忘れちゃってて…11・12話見ても「ああ、ちゃんと完結させたんですね」ってだけで面白いともつまらないとも思わない無味乾燥なモノに。
う~ん、一生懸命思い返しても、結局原書書き換えを行ったのは主人公だけなのか。
原書の中身によって持ち主の生き様が制限されてるような感じだったので、そこからの脱却として「シンデレラは振り向かない」に感化されて他の原書持ちも続々とオリ改変することを期待してた…んじゃなかったっけかな。
一応リンは開放されたことになるのか?あと団長アーサーもか…って、中の人“グリムノーツ”のレイナと一緒なのか、あーもう紛らわしい!
オチも「実は母親が~」からの「母親の残留思念に導かれて~」って感じになるのかな?
最後の最後まで葉月の義姉が友達のことをカレシだと勘違いしてたのが一番クスっとした部分だったような?本筋とはあまり関係ないなぁ…。

総評としては、10話までの内容忘れた状態で11・12話見てもしょうがないわ、これは私が悪い。
またどこかで配信がされたら…しかもその時に時間空いてたら1話から再挑戦したいところだけど、思うだけで実行しない予感。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

【11~12話完走分の追記】「きみのためだけの、物語を。」

2018年に冬アニメとして放送された本作でしたが、10話で一旦打ち切られました。
その後、作画の大幅な改善が図られ円盤では見違えるほどの仕上がりになったとか…
そして2019年4月に残されていた11~12話が放送されました。

まず、作り手の皆さまに申し上げたいのは…
「この1年間、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました」、これに尽きます。
きっと色々あったと思います。

カントクさんのキャラデザを引っさげて故人との約束を遂行する…
きっと最初は万全の布陣で臨んだことと思います。
でも、どこでボタンを掛け違えたのか…
蓋を開けたら待っていたのは全然望んでいない結果だったんですから…
様々な風評も飛び交っていたことと思います。
それでも全部巻き返して物語を完結させたことにプロ根性の神髄を見せて貰った気がします。

今回の視聴にあたり、いきなり11話から見ても展開についていけなくなるのが嫌だったので、
最初から視聴し直しました。

物語は、年に一度世界中の魔法学校からメドヘンが集い、魔法の力で戦う「ヘクセンナハト」の真っ最中…
優勝校には「どんな願いも叶える魔法」が与えられるので、参加校の気合は半端ありません。
それに、ただ戦うだけじゃない…自分の優先すべき大切なことや、戦う意義も模索しながらの戦いが繰り広げられていたのが10話までの展開…

物語は次の段階に進む…筈だったのですが、ヘクセンナハトに対する執着が展開を膠着させてしまうんです。
きっと起こっている事態は最悪…
過去にも同様の事態は発生したみたいですが、対処するのに相当の犠牲を強いられたようなので…

解決の仕方は全く無かった訳ではありません。
でも、それを選択するという事は、何を諦めることと同義なのか…
それが分からないメドヘン達ではありません。
でも踏み出さないとメドヘンの最重要事項への背信行為に値する…
まさに四面楚歌の状況…

そんな中、メドヘンたちが何を信じ、何を選択するのか…
物語の展開は全く予想外の変化球でしたが、綺麗に着地していたと思います。
特に後日談…個人的にあの纏め方は大好物でした。

物語が途中で終わっていたので気になっていましたが、
完結を迎えることができて本当に良かったと思います。



↓こちらが2018年の冬アニメを視聴して記載したレビューです。
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この物語の原作は未読です。
この作品の原作者は松智洋さん…代表作は「迷い猫オーバーラン!」や「パパのいうことを聞きなさい!」を執筆された方と聞けばピンとくる方もいらっしゃると思います。
私は、「パパ聞き!」でピンときました。
「パパ聞き!」ではアニメ化されたその後も小説化されて発売になりましたが、時をほぼ同じくして原作者がお亡くなりになっている…からです。

この作品の視聴にあたり調べてみたら、色々知る事ができました。
・松さんのシナリオとカントクさんのイラストを組み合わせたオリジナルテレビアニメとして、2014年にメディアミックス企画が始動していたこと。
・松さんが2016年5月に急逝され、その意志を松さんが代表を務めていたStoryWorksが引き継いだこと。
・企画の第1弾として小説が2017年2月に発刊されたこと。
・上記3点が今回放送されたアニメ化に繋がっていること。

故人との約束を遂行する…
生きていれば、当事者としてこういう場面に遭遇することもあると思います。
その時、残された当事者はその約束を全力で遂行させようと頑張ると思います。
この業界でいうと「ゼロ魔」の原作も一緒です。
原作者であるヤマグチノボルさんが完結までのプロットを残して死去されましたが、残されたプロットを基に続巻が刊行され、最終巻まで繋がりました。
これは、関係する人たちの思いのベクトルが合致したから出来たことであり、ベクトルを合わせるという点においては、日常の業務と同じで決して特別な事ではありません。

だから松さんの意志を継いで、アニメ化したこの作品を世の中に発信する…
当事者なら何としても成し遂げたい…使命感を持ってもおかしくないと思います。
だから満を持して世の中に発信されるべき作品だったんだと思います。

この物語の主人公は、物語が大好きな女子高生の鍵村葉月…
彼女は家族を含む周りの人とのコミュニケーションを取るのが苦手で、いつも本の世界に逃げ込むのが癖になっていました。

そしてとある日、いつもの様に本屋回りをしていたら、買った覚えの無い本が紛れ込んでいたのです。
それは「原書(メルヘン)」と呼ばれる物語から生まれた魔法の本だったんです。
そしてその原書は葉月を選んだ…
葉月が契約した原書は、長い間行方不明になっていた「シンデレラ」
その本は強力な力を持っているという…
こうして葉月は「原書使い見習い(メドヘン)」として自らの物語を紡いでいくのです。

物語としては、一寸の澱みの無い完璧な導入だったと思います。
でも原書とは契約したものの、それが「使いこなす」に直結するとは限りません。
それは葉月も例外ではありませんでした。
強力な原書ほど、強い意志と覚悟がなければ使えない…
でも強い意志と覚悟って…物凄く曖昧なので具体的にどうすれば良いか、その答えは自分で導き出さなければなりません。

それ以外にも張り巡らされた複数の伏線が、物語の展開を否が応でも期待してしまう…
これはその類の作品だったと思います。

原作は大人気の作品で、アニメ化を待ちわびていた声もたくさんあったとか…
そんな大きな期待を一身に背負ってこの作品は登場してきた訳ですが…どうしちゃったんでしょう、と思ったのが素直な完走です。

現時点で10話で一旦打ち切り…
その後の物語については「決定次第発表」との発表がありました。

この作品の歩んできた道は、成り行き上「特別ではない特別」だったと思います。
だから、この作品に臨むスタッフも並々ならぬ気合いが入っていたと思います。

物語の後半で「作画崩壊」の話題が上がりました。
でも、それ自体はこの作品に限った事ではなく、どの作品にも起こり得る事だと思います。
円盤では修正して…という記事を目にしたことがありますから程度の問題はあるにせよ、それ自体で私はその作品の評価を変えることはありません。

でも打ち切りという選択は尋常じゃないと思います。
だって、この結末は誰も望んでいなかった筈だから…
作り手の皆さんや声優の皆さん…など実際にこの作品の制作に携わった方が絶対一番悔しい思いをしていると思います。

今回のアニメーション制作会社はフッズエンタテインメント…
最近では「彼女がフラグをおられたら」「大図書館の羊飼い」「DRIFTERS」などを手掛けられているようですが、何の違和感もなく完走した作品ばかりです。

それが今回ばかりどうしてこうなってしまったのか…
きっと様々な事情が絡み合っていることは推察できますし、私たち視聴者がその原因を知る事もないんだと思います。
だから作り手の皆さんにお願いできるのは一つだけ…「初志貫徹」です。

オープニングテーマは、fhánaさんの「わたしのための物語 〜My Uncompleted Story〜」
エンディングテーマは、上田麗奈さんの「sleepland」
今回のfhánaさんの曲も格好いです。
もうfhánaさんの歌を毎期1曲は聞かないと駄目な自分になっている気がしてなりません。

当初想定していないからトラブルなんです。
だからといって決して諦めて欲しく無いのが本音です。
今後については待つことしかできませんが、個人的にはこの作品は嫌いじゃなかったので待つのは苦じゃありません。
現状を打破し、再びこの作品と出会えることを切に願っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

兎にも角にも完結しました~。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
いや、このアニメ、普通に、、、いや、普通より少しだけ上のレベルで、ちゃんと面白いと思います。

本好きの剣道部としては、本のタイトルをモチーフにした能力バトル(魔法少女)ものとして、普通に楽しんでいました。

しかし、これは「ヤシガニ」や「キャベツ」に並ぶレベルの(とまでは流石に言えないが、近年では1、2番と言えるほどの)作画崩壊を起こしたアニメとして、ある意味歴史に残るかもしれません。だから、あにこれの評価としては、苦しいでしょう。制作のバタバタもあり、12話が完結するまで、1年?を要しました。

もちろんそれは、マイナスでしかないんだけれど、これだけ時間を使っても完結させてくれたことには、素直に感謝ですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
作画に関しては総括で触れたので、中身として良いところを。

ロシアですよ、ロ~シア(7~8話)♪

こういう、「実在の国をモチーフにした争い」系では、とかく、悪者にされやすいロシアチーム。しかし、なんとも明るく、可愛らしく、おバカで素敵なロシアチームだったと思います♪

ウラーーー!。

Wi-Fi通じる(笑)

空手でフルボッコ(笑)

いずれも笑えたし、萌えました♪

ロシアチームを主役にして、スピンオフ作ってもらいたいな~と思うくらい、楽しかったです!

→延期放送の11話以降

まず、11話冒頭の台詞が、「分からない、覚えていない」って、いきなり自虐かよ(笑) 確かに、10話までの内容はあんまり覚えていないけれどもw

12話、「物語に準じろ」「いや、新しい物語は私たちが作るんだ」の問答。

ハッピーエンドの魔法。

この作品らしい台詞に、展開に、好印象。

う~ん、やっぱり、悪くない。

この作品をちゃんとした作画と制作スケジュールで作っていれば、63点くらいには達したのでは?

あ~、ロシアチーム、好き~(笑)

EDの百合、いらねぇな~。超蛇足。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
読書好きが、コミュ障の記号みたいになっているのは、まあしょうがないが、本当はそうじゃないこともあるんだよなと。ちょうど、「本好きヒロインベスト10」を作っている最中なんだけど、ランクインできるかな? 異世界モノになるのかな? 魔法少女?

2話目
物語のストーリーが、能力に関係するのかな? 主人公はシンデレラ。蹴りとか強いのかな(笑) 現実でも時間が進行してるんだね。んじゃ、学校サボりまくりか? 退学するよw 土御門さんはかぐや姫。竹取物語じゃなくていいのか? メタネタw シンデレラって、凄いんだ。基準が分からんが、認知度? じゃあ、不思議の国のアリスが最強か? 聖書の次に翻訳されてるし。あとは、ドンキホーテとか、ハリポタ、指輪物語なんかかな? 学園対抗戦とか(笑) お母さんも原書使いだったパターンだね、多分。

3話目
どんな願いでもって、破格だな。あ、放課後だけ行ってるのね。原書原理主義者? シンデレラがなぜそんなに強い原書なのか、教えてほしいな。

4話目
一寸法師ね。和の物語は分かりやすい。桃太郎もいてほしいな。ゼーレかよ(笑) 微妙にリアルの政治的だな(苦笑) 諸国連合、イスラエルとかがモデルなの? それともカザフスタンとかかな。ニュータイプかな(笑)

5話目
3Pして終わんない? より、それを即座に理解している葉月が(笑) 服を買いに行く服がないって、スロウスタートでもやってたね。鶴の恩返しね。チーム戦で世界的なエース(かぐや姫)がいるなら、むしろ補助回復系がいた方が良いんでない? ほ~、バトルの種類も様々あるのですね。学園長、ニクい演出。なぜ、ナルト走り(笑)

6話目
このタイミングで新OP? ここからが、新たな、本当の(葉月の)物語って比喩かな。上手いと言えば上手い。なるほど、鶴の恩返しらしいリスクだ。長靴を履いた猫にハーメルンの笛吹き男。なかなか能力に幅があって面白い。バトル作画がクソショボい(汗) へ~、原書にリスクもあるんだね。ハッピーエンドなら良いんだね、じゃあ。シンデレラ改変とかって、大事件やん(笑)

7話目○
タチアナ、可愛いな(笑) ウラー! 毒じゃないんかい(笑) ロシア校、可愛いな、人が良すぎる(笑) Wi-Fi、メール送信、確かに(笑) イワンのバカ、敵だけの魔法封じ込めとか、チートクラスに強くねぇ?

8話目○
風邪をひく(笑) サムい小話(笑) つまりは影真似の術ですね。空手でボコボコw ロシアチーム、良いね(笑) ほとんどのアニメでロシアチームは悪者だったりやられ役だったりするけど、こういうロシアチームも新鮮で良いね♪

9話目
やばい、バトル作画酷すぎて笑える(笑) 作画酷いのはわかるけど、準備体操前に画面がガタついたのはなに? いや、むしろ、偉いな、(残った)スタッフ。こんなんなってるのに、ちゃんと放送しようと頑張っていて。なんか、泣けるわ。

10話目
作画、やや回復したかな? まさかのメテオ(笑) 範囲魔法最強系かな? 原書の新章ってのは、面白い発想だと思う。原作者の出身地によって、ある程度、国ごとの戦力が決まるのも悪くないし。うちきりは、残念。。。
{/netabare}

「11話以降」
{netabare}
11話目
一番最初の台詞が、「分からない、覚えていない」って、いきなり自虐かよ(笑) 確かに、10話までの内容は覚えていないけれどもw

12話目
この作品の個性をちゃん生かした最終回に好印象。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 40

78.3 23 図書館アニメランキング23位
ジョゼと虎と魚たち(アニメ映画)

2020年12月25日
★★★★☆ 4.0 (185)
760人が棚に入れました
趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫に助けられる。海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、あるバイトを持ち掛ける。それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。

声優・キャラクター
中川大志、清原果耶、宮本侑芽、興津和幸、Lynn

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

深海少女ジョゼの解放と成長の軌跡。虎は苛政。魚は憧れ。(追記 原作読みました)

 ファンタジーかと思って敬遠していたのがちょっと悔やまれます。脚本も演出もテーマ性もすべてが高レベルの映画だったと思います。話としては昔ニコニコではやった「深海少女」を思い出しますね。ただ、深海少女よりも更に本作のヒロインは成長しました。

 ジョゼの自立といえば簡単ですが、心の動きが素晴らしいです。障碍者として箱入りで育てられた結果、我儘に外を恐れる何もできない人間に育てられました。
 主人公の出会いから心を開いて行くストーリーはありきたりと言えばありきたりですが、ここの人間の動き…心も含めてですが、非常に自然ですぐに感情移入できました。
 
 演出がいいですよね。猫が主人公に慣れて行く、部屋=内面を見せるタイミング。料理や図書館などできること=世界が広がる。服装で時間の経過も自然に描かれてました。車いすの轍(わだち)などを効果的に使っていたと思います。

 虎は苛政…過酷な社会の象徴でもあり、人間の心の一部でもあるのでしょう。事件事故のようなアクシデントももちろん含むでしょう。冒頭の男に押されたというのは命を狙われるとかの陰謀かと思ってたら結末で理由がわかります。そう…悪意がなくても、普通の生活が障碍者に牙をむく…それが最後にわかります。
 また、時折ひどいことをそれぞれの人間が言います。ひどいなあと思いながらも、虎が心の中にいるのが人間です。

 人魚と海への憧れ、あの部屋の様子。脚が不自由な人の実際の気持ちはわかりませんが、その内面について上手く描いていたなあと思います。
 自由に泳ぎ回る…外への憧れ。深海で一人になることで得られる安寧と暗い部屋と実際の外に出た海の広がりと「しょっぱい」という感覚。
 這って海に向かってゆくシーンで、醒めているようでもジョゼにも執念もこだわりもあるのがわかります。

 障碍者としての人生設計のむつかしさ。保護者がいないと夢も見られない現実もありました。海に向かって這いつくばるシーン。手が届くなら手を伸ばしたい。だけど、手が届かないというテーマと相まっていいシーンでした。

 主人公の手を借りて、というのも一つのポイントでしょう。海に行くのも砂浜を超えるのも、少し手を貸してあげれば子供の頃からの夢に手が届く。それでジョゼも笑えてましたね。

魚が弱い、あるいは人魚姫になっているのは、ひょっとしたら原作との差異なんでしょうか。海あるいは翼ですよね。この話なら。


 一方の主人公ですね。「あれ?不可抗力の『春琴抄』」という感じもありまいた。つまり事件のあとのこの段階で同じ立場にならないと、相互理解ができないのか、というストーリー展開になるのかなあ…と思いました。だとすれば陳腐だなあと思いましたが、そうにはならなかったですね。ジョゼが主人公を助ける。この成長が素晴らしかった。

 ジョゼの成長に胸が痛くなります。成長したからこそ我儘が言えない。主人公との別離の覚悟もあったでしょう。ただ、こうなったから2人は上手くいったんだと思います。

  実際の障碍者の現実はあまり気にすることはないでしょう。もちろんフィクションですから実際と違っていることはあるでしょう。言いたい事が伝わればいいと思います。
 障碍者という少数派ではあるけれど特別ではない「人」のストーリー。非常に感動的でした。「聲の形」は障碍のようで実際はコミニュケーションがテーマでしたが、本作は真正面ドストライクの障碍者を描いていました。
  それも感動ポルノ的な苦労話ではなく、自分と同じ障碍になろうとしている人間の夢を後押しして、本当の意味で対等な立場での恋愛が結論になるという素晴らしい話でした。

 婆さんはジョゼを思いやっているようで、実際は面倒で手間がかかると思っているのが何となく伝わってきますね。自立の助けをしないで囲い込む。我儘を受け入れ、危険だからと家から出さない。この婆さんがジョゼの成長を妨げていましたが、この婆さんと我々は同じことをしているのではないか?という点も注目点でしょう。
 自分が死んだ後の事も考えなかったんでしょうね。社会が手を伸ばしても、それを受け止めるだけの知識も覚悟もジョゼの側にはありませんでした。この婆さんの態度がジョゼの自立の最大の妨げでした。

 サブヒロインの女の子はわかりやすいし、ジョゼに対する態度で嫌な感じもありましたが、良かったですね。ジョゼを障碍とか関係なく、主人公をめぐるライバルだと認定したんでしょう。一番ジョゼを健常者・障碍者ということを分け隔てなく接していたのが、彼女でした。
 その彼女からすると障碍者というだけで、主人公を独占するのが許せなったんでしょうね。

 本作はすべてが高クオリティ―だったと思います。文学的でありながらも、アニメという媒体に合わせてわかりやすく…というと語弊があります。アニメという媒体の特性を生かして、演出や映像、小物などを上手くつかって、より受け取り手に何を考えればいいのか、という視点を沢山くれたと思います。

 素晴らしい作品でした。まあ、5点満点は安易なので、なるべくつけないようにと思っていた矢先にこの作品かあ。ストーリーとキャラは満点つけたいなあ。


 そうそう、原作も読みたい気がしますが、むしろサガンのほうを読みたいですね。何か象徴があるのでしょうか。



追記 原作読みました。

 原作を手に入れたので読みました。なお、サガンの「一年の後に」は絶版で5000円以上の値が付いていたのと、原作を読んだところ「ジョゼ」の名の意味性には「解放性」という意味しかなさそうなので保留ですね。

 結果的に原作と映画ではまったく違う意味と言えるし、ある意味共通性があるとも言えます。
 原作は、どうも結婚して家庭に入ることを「死」と捉えているようです。それを海底水族館の「魚」…おそらくガラスの枠で切り取られてゆらゆらと薄暗い空間に浮いている魚の様子を、アパートの一室で2人で日々を取り留めなく一緒に暮らす様子に見立てているようですね。

 障碍者=女の不自由とみている感じもありました。女を取ってジョゼを捨てた父親への愛着が捨てられないのは、不甲斐ないけど世界を広げてくれたのは父親でした。
 虎については、世間にある恐ろしいものに対して、好きな人と一緒なら立ち向かえる=本当の愛情という意味でしょうか。

 本作のお互いが生きる道を見つけて世界が広がる、というのはある意味原作の裏返しの結果です。が、障碍者でいること、女性でいること。主体性と世界の広がりがないセーフティーゾーンに幸せがあるのか、生きていると言えるのか、という意味では共通なのかもしれません。

 となると、本作のこの先にあるのが「魚」的な死かというと、そうではないと思います。なぜならジョゼは一人で生きる翼を手に入れたからです。そう…「虎」に立ち向かうことが一人でもできるということでしょう。つまり、2人の行先に何があるのかわかりませんが、現時点で2人は自分の「足で立っている」という意味です。ここに障碍者のモチーフが非常に効いていました。

 アニメ版があえてなのか、子供を意識したのかわかりませんが、性的なシーンをカットしたのは意味的に良かったかは考えたいところ。
 ジョゼが主人公を助けるモチベーションに愛情…というか生活とセックス=「依存的」なものがノイズになる可能性があるので、ジョゼの独り立ちの意味性を深くするには、いずれにせよ結ばれるシーンを入れるにしても結末近くでしょうね。そうなると、あまり効果的ではなくなるので、やっぱりセックスシーンは入れなくて正解だったかもしれません。

 原作については変な言い方ですけど、バブル直後、雇用機会均等法が1985年でプラザ合意と同じ年で社会が変わり始めた時代の感覚があります。本作は1987年ですね。これから社会が拡張してゆく雰囲気の中で、この原作に意味性はあったと思います。
 ただし、今現在、社会が停滞し閉塞感がある中の生きる道は意味合いが変わってきています。主人公が公務員になるのと、メキシコに魚を見る夢をもとめて努力して研究者にというマインドが全然違います。

 どちらも、いいと思いますが、今2022年に見るならやっぱりアニメ映画版ですね。これは同じモチーフを上手く換骨奪胎して、現代的にうまく昇華したと言えると思います。ジョゼというキャラ以外はほぼ別のストーリーなのに、原作を原作とクレジットした意図は、その時代の変化を言いたかったのかもしれません。
 
 ということで、書評ではないのでこれくらいにしておきますが、共通性はあって、まったく違うとはいいませんが…アニメ映画版は原作を裏から見た話です。そしてアニメ版の素晴らしさを再認識しました。両方触れるのがお勧めです。

 原作を上手くアップデートして現代の価値観に置き換えられた作品のビフォーアフターを見られたのは非常に良い体験でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

夢を諦めないで

海を添えた物語です。
恒夫には夢があります。
夢のために勉強を頑張り海外留学を目標に頑張っています。
そして彼は目標にしていた留学できる事になります。

ヒロインのジョゼは凄く我儘な女の子で助けてくれた恒夫を変態扱いしてお礼1つ言わない。
最初は私は、あぁ…このヒロイン合わないわ…って思いました…
ずっと捻くれていて当たりがキツくて、ジョゼのお世話を頼まれ始めたバイトの恒夫を無駄に正座させたり、畳の目を数えさせたり、嫌がらせばかり!
本当に何様?って感じ…

でも、物語が進むたび理由がわかりました。
彼女はお婆ちゃんと2人暮らし。
お婆ちゃんは外の世界は危ないからと彼女を外の世界に出してくれません。

何が危ないの?交通事故でしょうか?事件でしょうか?……いぇ違います。
{netabare} 人の心です…海に行くシーンの駅の改札で切符を買おうとして男性が車椅子に乗る彼女が邪魔なのか舌打ちをするシーン…車椅子とぶつかっても謝らないシーン…ジョゼとの出会いのシーンもお婆ちゃんの話によると、坂道で何者かに車椅子を押されたとの事。

もし、事故なら誤って押してしまえば押した人物も来るはずです。
それでも、坂を下ってきたのはお婆ちゃんだけでした。
つまり、シャレにならない悪意あるイタズラをした人物がいるわけです。{/netabare}

実は、私も人の冷たさは経験した事があります。
勿論、優しい方も暖かい方も居ることを知っていますが、実際そんな人ばかりではないのです。

子供の頃…小学生に上がりたてくらいの私は歩道で右足首を捻ってしまい激痛で立つ事が出来ませんでした。
痛くて上半身を立たせるだけで精一杯…激痛のあまり私は泣く事しか出来ず恥ずかしくもボロボロ泣きながら20分くらい歩道の真ん中で泣き続けました。
道行く人は、そんな私を見ながら私を避けていきます。

立ち止まる人がいても声を掛けて貰えず手を差し伸べてくれる人さえ居ませんでした。
この時は本当に人が冷たく感じました。
今は沢山の方に助け支えられて生きて来たで、暖かい人がいる事が判りますが、ジョゼもそんな気持ちだったんじゃないかな?

こんな世界しか知らなければ我儘になっちゃうかもしれません。
それを考えるとお婆ちゃんも心配で外には出せなくて…でも、そんな生活はジョゼには窮屈でしかなくて…

そんな中、恒夫はジョゼが海が好きなことを知り海を始め沢山の場所へ連れ出してくれます。

{netabare} 彼女は駅の人混みに驚き、飛行機と聞くとテンションが上がり、海の味に感激して、初めてクレープの美味しさを知る。
私達にすれば当たり前の世界にジョゼは感激する。 {/netabare}
それだけ彼女は狭い場所で生きて来たのかもしれません。

そんなある日…

{netabare} お婆さんがお亡くなりになります。
寂しさに打ちのめされるジョゼ…このあたりから彼女は趣味の絵描きを仕事にしたいと夢を持ち始めます。

そんな時に嫌味なオッサンが訪ねて来ます。
近所から心配の通報があったとか生意気なオッサンでジョゼの夢を馬鹿にします。
現実を見ろとか言うけど、ジョゼの夢の理由も絵も見た事がないオッサンが偉そうに!
自分の考える狭い世界の現実で他人の夢を否定するなよ!って私は内心ムカムカしてました!
しかも、最後に余計な事を言いやがって!

さて、お婆さんが亡くなられたので金銭的に余裕がなくて、ジョゼは恒夫のお世話のバイトを雇えなくなってしまうのです。
そして、自分の書いた絵も全て処分してしまい現実に打ちのめされてしまう。{/netabare}

そんな中、ジョゼは恒夫の最後の仕事として海に一緒に行くのですが……
{netabare} 恒夫が隠していた留学の件がバレてしまい打ち解け出していた2人の間に亀裂が入り、先に帰ろうとしたジョゼの車椅子がアスファルトの穴に車輪がハマり込んでしまい、それに気づいた恒夫は助けようとして事故にあってしまう。

この事故で怪我をした彼は留学を取り消されてしまう。
留学を取り消されるだけならいいけど…彼の趣味であるダイビングすら出来なくなる…彼の夢はダイビングが必須で、出来ないと夢すら叶わない…治るかもしれないけど、治らないかもしれない…そんな現実を目にして彼は夢を諦めてしまう。
ジョゼも事故でショックを受けていて塞ぎ込んでしまう。{/netabare}

この作品で私が一番好きになったのは、バイト先の後輩の舞
彼女は恒夫が好きでずっと見てきた。
{netabare} 彼女は恒夫の弱音を全て受け入れて告白してくれるけど、舞はその答えも恒夫の気持ちも既に解っていて。
彼女の力では立ち直らせる事が出来ないのを知ってる。

だから、彼女は自分に出来る事を考える。
それは「最低の女」を演じる事。
最低な女になりジョゼを煽る。
全力で嫌な女を演じる。

だって、彼を救えるのはジョゼしか居ないから…舞は、気持ちを伝えても自分には救い出す事すら出来ないのに、それが出来る唯一のジョゼが塞ぎ込んでいるのだから…ジョゼは彼女の言葉で立ち上がる。{/netabare}

舞は自分を「良い女だから」って言うけど本当にその通り!
彼女の気持ちの強さや勇気が凄く伝わる。
本当に恒夫が好きだから選べた選択肢だと思います。
世の中、これはチャンスだと考える人もいると思う。
それも間違いじゃないって思う。

でも……
{netabare} 彼女の様に好きな人の気持ちや夢を応援しようと行動に移せるのは本当に好きだから出来る事だし凄く感心する^ ^ {/netabare}
本当に良い女ですよ。

そして、同じバイトの同僚の隼人
こいつはチャラチャラしてて女の子ばかり追いかけてる奴なんですが、周りをしっかり見ていて、いつだって恒夫の味方であり、周りの頑張りに一早く気づいてサポートしてくれる本当に良い奴なんです。
恒夫とジョゼは本当に周りに恵まれてると感じます^ ^

話を戻して。
{netabare} ジョゼは自分の夢である絵本作家として出来る事を考え準備する。
恒夫はジョゼの翼としてジョゼを外の世界へ連れ出してくれました…
でも、その足と言う翼は動かなくて…リハビリすら踏み出す勇気がなくて…
でも、今なんだ!ジョゼが恒夫に翼を与えるために恩返しできるのは…

彼女は絵本作家として恒夫に自分の気持ちと思い出と恐怖を交えた物語を書き上げます。
その話は彼を奮い立たせ、もぅ一度夢を取り戻すためにリハビリを決意する。
結果は完治して、夢を追いかける事が出来るようになる。
これが彼女の唯一与えられる翼…心の翼{/netabare}

{netabare} 退院の日にジョゼが姿を隠してしまう…彼女を探して街中を駆け巡る恒夫{/netabare}

{netabare} そんな中、ジョゼは車椅子が滑ってしまい坂道を下ってしまう…大事故の寸前で救い出してくれた恒夫 {/netabare}

「あぁ!また足が!」って私は心で叫んじゃったけど2人は怪我なくて安心しました。
{netabare} そして、2人は気持ちを確かめ合い恋人になる。
そして、EDですが止め絵が多かったですねw
是非、動いて見たいシーンもありましたがそれでもしっかりEDに後日談をいれてくれてよかったです^ ^ {/netabare}

この作品は夢が題材となってるみたいです。

物語で起きる展開は結構リアルに感じられました。
1つ例えを出すと、夢の為に頑張っていたのにこんな形で夢を諦めかけてしまいそうになる恒夫。
この辺りは本当にありそうだと思いました。

でも、そんな絶望の中でも夢を支えてくれる人達が周りに居て自分のことの様に応援して支えてくれる人達がいる。
そこに希望がある気がしました。

夢って時に応援して貰えなかったり否定されたり、自分では、どうしようもない壁を超えられずに立ち止まってしまう人もいると思う。
そんな救いの無い現実でも、きっと周りの人に助けてくれる人もいるよ。って事なのかな?って考えてみたり^ ^

恒夫には夢が有って、だからジョゼの夢も応援したくて、恒夫は夢を失いかけて、それをジョゼの夢が救う。
素敵な連鎖です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

12月25日ロードショーってクリスマスに映画デート中のカップルを地獄に叩き落す気なのか!?と思いきやジョゼの可愛さに全大阪人が泣いた!?

1984年、つまり36年も前の田辺聖子の短篇小説が原作
2003年、つまり17年前にも犬童一心監督の手で実写映画が制作されました
『ノラガミ』のタムラコータロー監督、アニメは初となる桑村さや香の脚本、『たまゆら』や『リトバス』のハルコミンさんこと飯塚晴子のキャラデ総作監、別にアクションアニメじゃないけど(笑)ボンズ制作で98分


舞台は現代の大阪
大学で海洋生物学を専攻する22歳の学生、鈴川恒夫
趣味はダイビングで幻の魚と言われるクラリオンエンゼルを間近で観るという夢を持ち、メキシコ留学をする為のアルバイトと勉学に追われる日々を過ごしていた
ある夜の帰り道、坂道を猛スピードで暴走する車椅子に乗った女の子、山村クミ子を助ける
クミ子は先天性の下半身不随で祖母と二人暮らし
祖母はクミ子に対してやや過保護な面がありつつも、健常者社会の厳しさから孫を守っていた
金に困っていた恒夫はアルバイトを紹介する、という態で祖母からクミ子の世話を依頼される
クミ子は愛読するフランソワーズ・サガンの登場人物から「ジョゼ」と自分を呼ぶように恒夫に言った
ジョゼは不信感の拭えない恒夫に対しキツイ物言いで接し、無理難題な我侭ばかりを押し付ける
渋々とジョゼの我侭に付き合っていた恒夫だが、彼女が家の外にほとんど出た事が無く、そしてまた絵を描くのが趣味であるという事を知るとジョゼの“散歩”に積極的に付き添う様になっていき、次第にジョゼも恒夫に心を開き始めるのだった…


























原作や実写版を知らないまっさらな気持ちで観られる方にはストレートに“純愛映画”としてオススメします
原作や実写版はもっとエロティシズム溢れる内容でしてw
キャラの設定からして全然違うし、中盤以降は今作の完全オリジナルで全く別の作品と思っていただいて結構です


ですが、ややペシミズムの残る原作の終わり方や、恒夫とジョゼが道を分かつ事を決意する実写版のラストを知っていると、今作はハッピーエンドなのか!?バットエンドなのか!?というのがどうしても気になるところでしょう


ですがそんな論争は最早無意味であることを今作は教えてくれました


まず誤解しないで欲しいのですが、この映画のヒロインが車椅子生活者で舞台が現代、ということでハンディキャップのあるジョゼが可哀想…等という安い同情を求める映画では決してありません


そもそも原作、実写版共にハンデを背負ったジョゼと暮らすことは社会的には後ろめたい事、とネガティブに捉えているのですが、今やその価値観は遠く古臭い考え方であり2020年では到底通用しません


原作は社会から隔絶されたとしても自分達なりの幸せを見つければ良いというスローライフの賛歌であり、
実写版はハンデを背負ったジョゼを若者の恒夫が支えるという事の責任の重さを描いていて、
それぞれが別のテーマを扱っています


そして今作は前者どちらとも違い、ハンデのあるジョゼが外の世界に出て行く伸び代よりも、何不自由なく暮らしてきた健常者の方が遥かに心が折れやすいし脆い…という部分がテーマになっています


確かに序盤では道すがらでジョゼに冷たく当たる通行人が登場したりしますが、それはジョゼが車椅子だからではなくオドオドして佇んでいたからです
健常者だろう誰だろうと、突然すれ違い様に舌打ちされたり、逆ギレで捲くし立てられたら竦んでしまいます
ですので序盤のシークエンスはハンデを背負った辛さというより、社会の生き辛さそのものを描写する場面と捉えることが出来ます


根本的なテーマが違うので原作や実写版とは直接比較出来るものでは無いのです


特に大きな改変を感じる部分は登場人物が総じて清々しい人達として描かれているところですね
恒夫のバイト仲間が恒夫の夢を応援してくれてたり、ジョゼに理解者となってくれる友達が出来たりと、前述の通行人のくだりで社会の冷たさを描写しつつも、人間そのものの優しさが描かれている点は原作や実写版には無い部分です
特にジョゼのおばあちゃんはジョゼの存在に後ろめたさを感じていた原作や実写版のキャラから、ジョゼの成長を温かく見守るキャラに改変されていてだいぶ違います


そして恒夫は原作や実写版のモラトリアムを持て余す学生ではなく、夢の為に努力を続ける苦労人
結果として今作はジョゼやジョゼの背負ったハンデの話なのではなく、恒夫やジョゼが抱く“夢”をお互いで支え合う事の尊さが主軸になっているのです


ですからまあデートムービーではありますが老若男女問わずオススメしたい青春映画なのです、今作は


また逆に原作や実写版をリスペクトしてか、部分的に取り入れられた要素もあります
踏み切りの前で海に行きたいと言い出したジョゼが「おっぱい触ったゆうてクビにしたる」と恒夫を脅すくだりは原作や実写版では本当にジョゼにセクハラを働く迷惑人が登場した事へのオマージュでしょう
今作ではそこまでクズな人物は登場しませんので安心して観て下さいw


また原作や実写版との分岐点になるシークエンスが2回ほどあるのでこれらを知ってる僕にとっては、ココでこの映画終わってしまうのか!?っていうドキドキが味わえたのでそれもまた面白かったポイントです
新海誠作品を観すぎて『君の名は。』で「なんでもないや」が流れた瞬間、この映画ぁ…終わったぁ…と早合点したのを思い出しましたわw


さてだいぶ長くなってしまいましたが最後にコレだけは言いたい!
細かい御託は抜きにしても今作、“兎にも角にもジョゼが可愛い!!!”


オシャレな見た目に反して辛辣な口調のギャップ、外の世界にキラキラと目を輝かせるところ、大口を叩く割にコミュ障気味なところ、ややオーバーなリアクションなど、ジョゼのヒロインとしての魅力はかなり丁寧に描かれています
これを実写でやるとだいぶ大袈裟になってしまいますがアニメならではの魅力の伝え方が出来ている部分だと感じました
またリアリティのある可愛さ、現実社会を舞台にしているだけあってその距離感を縮める演出としてジョゼの髪型が劇中で5パターンも出てきます
髪型が変わるってアニメとしては逆に手間の掛かる事なので監督のコダワリが感じられました
特にボブカットになったジョゼはおばあちゃんの面影を感じられるようにと、ハルコミンさんのコダワリがあるようです


個人的には手作りのスケボーに乗ってるシークエンスが最高でしたw


あとまあコレはどうでもいい話なのですが、今は僕も右足の骨が折れて足を引き摺りながらのリハビリ生活中なので、ジョゼの「健常者にはわからん…」って台詞が刺さりました;

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

68.0 24 図書館アニメランキング24位
マナリアフレンズ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (137)
622人が棚に入れました
ここは、《人》《神》《魔》あらゆる種族の入り混じる神秘の世界ミスタルシア 快活なマナリア王国のお姫さま"アン" 内気な竜族のお姫さま"グレア" ふたりの出逢いからマナリア魔法学院の生活がはじまる。

声優・キャラクター
日笠陽子、福原綾香、水樹奈々、羽多野渉、こやまきみこ、井上喜久子、内田雄馬、沢城千春

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

キャラ萌え勝負!「毒にも薬にもならない」よりはやや薬より…?(おまけ: 作中でサブタイトルに使われていた文字を読んでみた!)

== [下記は第3話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
ゲームが本業と思われるCygamesが、本業の宣伝のために作ったようなアニメです。本作品の舞台ミスタルシアは複数のゲームに出てくるようなのですが、まったくプレイしない私には良くわかりません。

さて、そのミスタルシアにあるマナリア王国にはマナリア魔法学院という学校があり、本作のダブル主人公としてその学院で学ぶマナリア王国の王女アンと、竜族の姫グレアが登場します。

基本的にはこの二人を中心とした学院の関係者による、学院あるいは王都を舞台にしたお話ということのようです。ここまで観る限り二人の交友関係を中心とした完全に日常系のストーリーでしかなく、考察や伏線などの要素はほとんど考える余地はなさそうです。

結局、二人を始めとする「キャラ萌え」要素と「百合」要素で勝負しようという感じの作品なので、気に入る人は気に入るだろうという一方、特に「大嫌い」という人は出てこなさそうなある種「安全牌」的な作品と言えます。

毎話ともEDの背景画が数枚切り替わって、それが本編のエピローグ的になっているのはちょっと面白いかも。

そんな平坦なお話ですが、第3話では二人が王都散策中にある服屋を見つけて入店するというお話でした。

これ以上ストーリー自体には触れませんが、置かれていた服がどう見ても我々の世界の体操着とかそれ系な感じだったので「イベント・コスチュームはこうやってこの世界に供給されているんだよ」的なお遊び回だったのかなあと思いました。
== [第3話まで視聴時レビュー: ここまで] ==

2019.3.25追記:
第10話で最終回ということだったようです。結局、作中での経過年数は1年ということだったんでしょうか。全寮制の学院ですが、学年の変わり目には多くの学生が帰省するようですね。

王都出身のアンも実家である王の居城に帰るようで、たぶん遠すぎるからなんでしょうが寮に残るグレアは独り取り残されながら、これからアンと一緒に過ごせる時間はどれくらい残っているのかと思いを募らせるといった感じのお話でした。

おまけ:
『神撃のバハムート』などでも使用されていた作中の文字ですが、本作のサブタイトル表示にも使われています。どうやらアルファベットをベースに作られた文字のようで、解読は難しくないので読んでみると英語っぽく読めるみたいです。

各話サブタイトルで日本語の左側に出ていた物を英語表記に書き換えてみたものを並べてみます。

1. ANNE AND GREA
2. AGONY OF GREA
3. PRINCESSS HOLIDAY
4. TEST TIME
5. ACADEMY DOWN
6. FLOATING AT SEA
7. HIDE AND SEEK
8. BACKSTAGE CONFIDENTIAL
9. A SLICE OF LIFE
10. THE PAIRS PROMISE

3. は読めた通りに書いたらこうですが、英語的に正しくは’が入って「PRINCESS'S HOLIDAY」じゃなかろうかとかツッコミどころはあります。10. も「THE PAIR'S PROMISE」なんですかね?

まあ「読んでみたらこうでした」ということでご参考まで。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 36
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

なんか覗いちゃってすみません

ゲームはしてない


まあ明確なターゲットがあるんでしょうけど、、、

実は本作が『神撃のバハムート』系列の作品と聞いて、視聴にあたってはTVアニメ『神撃のバハムート GENESIS』と『神撃のバハムート VIRGIN SOUL』で予習しました。
これだけ聞くとすごい気合いが入ってそうですが、よくある続きものの放送前に旧作を漁る的なやつです。両作品ともソシャゲ原作らしからぬ面白さで観て良かったと思える良作。

さて、『マナリアフレンズ』ですが、そういった予習は一切不要(笑)
15分一本勝負の百合百合ガチンコバトルです。

前クールの『やがて君になる』でまんざらでもないと思ったのも束の間、やっぱあたし無理!と思ってしまい撤退を視野に入れながら録り溜めてたものを観てるうちにうっかり完走しました。さすがの15分です。


■とはいえ良いところは良いのでは?

1.アンとグレア
アン:快活なマナリア王国の王女さま(CV日笠陽子)
グレア:内気な魔竜族の姫君(CV福原綾香)
それが男同士だろうが女同士だろうが関係なく、性格が陰と陽である鉄板の組み合わせです。


2.常にデレる
15分あっという間なのでこっちがじらされることはありません。アンはさっきまできゃんきゃん吠えてたのが突然顔を赤らめ、グレアは言葉に出せず恥じらいながら顔を赤らめます。
{netabare}あまりにもほっぺが赤くなるので第1回の頬を赤らめた回数を数えてみました。

アン⇒6回  グレア⇒6回

実質10分ちょっとの尺でどんだけデレてますの?というツッコミは置いといて、両者五分五分のいい勝負です。・・・と思っていたら見落としがありました。グレア特有の感情表現で、嬉しいと尻尾がピョンと上に跳ねるため、その尻尾ぴょこんの2回を含めると若干グレアに軍配が。。{/netabare}

もじもじしながら、「べっ別に・・・(以下略)」大解放中です。
そこにアンが「べっ別に・・・(同じく省略)」被せてきます。

笑い飯だと思えばイメージしやすいかもしれません。


3.綺麗
背景も人物も綺麗。神撃のバハムートでも感じたところですが磨きがかかってます。


このような感じで、王女さまと姫君といったやんごとなきお家柄のご令嬢が、これまた由緒正しい学園を舞台に〇〇したり××したり。
EDのピアノ曲は旋律がこれまたとても美しく、綺麗な絵と合わせて、耽美というか退廃的な雰囲気まで醸し出す。触れちゃいけない覗いちゃいけない世界な気がしてきます。
毎話のセレブの宴を庶民が覗き見るみたいな姿勢で毎週15分お付き合いする感覚でちょうどよいのかしら?


物語がないように見えて一区切りつけさせましたし、無理にとは言いませんが、30分枠だと匙を投げだしてしまうそこのあなた!
日笠陽子さんのロリボイスに釣られて15分×10回完走してみてはいかがでしょうか?



19.03.27 初稿
19.08.22 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ミスタルシアを舞台に奏でる学院生活(ファンタジー)

この作品にパクっと食い付いた理由は三つ…

1.「神撃のバハムート」を冠名にしていたから。
2.「Cygames」の名前が目に入ったから。
3.日笠さんが出演されると知ったから。

「神撃のバハムート」の名前を見たら、テンションが上がっちゃいます。
これは反射…若しくは生理現象といった領域なのかもしれません^^;


ここは、≪人≫ ≪神≫ ≪魔≫あらゆる種族の入り混じる神秘の世界ミスタルシア

快活なマナリア王国のお姫様”アン”
内気な竜族のお姫様”グレア”

ふたりの出逢いから
マナリア魔法学院の生活がはじまる


公式HPのIntroductionを引用させて頂きました。
全10話のショート作品なので、導入部分はこれで十分…
きっとこの作品で大事なのはそこじゃないので…

物語が見始めたらまず気付くこと…
それは思わず溜息が出るような作画と、見惚れるばかりのキャラデザという
「最強」を兼ね備えた作品であること…

正直ビックリ…というか圧倒されたというか…
何かもう1話から全部持っていかれちゃいましたよ…

その原因が何かは分かっています。
全ては日笠さん演じるアンのせい…

もうアンが可愛すぎて悶えそうなんですけど…
天真爛漫さを武器に持つ最強のお姫様…
日笠さんとの相性も抜群過ぎなんです。

きっとアンの存在をこのアニメ以前から知っているのはゲームをプレイした人の特権なんでしょうね。
神撃のバハムート GENESIS / VIRGIN SOULのどちらにもアンは出てきませんでしたから…
私が忘れているだけなんでしょうか…?
でも、アンの様なキャラがそれなりに活躍したら絶対忘れないと思うんですけど…

お姫様の美少女…という点においてはグレアも一緒なんですが、個人的には完全にアンに軍配です。

どうしてアンみたいなキャラを作り出せるんだろう…?
どうしてこのアニメはこんなにも綺麗なの…?
3DCGじゃないんですよね…それなのにどうしてこんなにも緻密なの…?
視聴している間、頭の中はいつも???がグルグルでした。

つまり、何が言いたいのかというと…
アンにすっかりメロメロになってしまったということです^^;

何となく分かってたんです。
書き始めたら「アンが好き」しか出てこないってこと…
やっぱりそうなってしまいましたね。

1クール全10話の物語でした。
こういう心奪われる系の作品…大好物です!
これだからアニメはやめられないんですよねっ…!
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

61.9 25 図書館アニメランキング25位
ヤミと帽子と本の旅人(TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (98)
571人が棚に入れました
ヤミ・ヤーマ図書館の管理人であるイブは、図書館の管理人の仕事を姉のリリスに任せ、自分は本の世界で遊び始めた。だが、本の世界にイブは16歳の誕生日までしか居ることが出来ず、また話すことも出来なくなる。そして、周辺の人間がイブのことを自然と愛してしまうという弊害も持っていた。
ある本の世界…イブは高校生の初美として転生していた。一方、同性かつ姉である初美を激しく愛するようになっていた妹の葉月は、初美の16歳の誕生日に彼女を襲おうと、その寝室に忍び込む。しかし、初美は葉月の目前で消えてしまい、代わりにケンちゃんと名乗る鳥が現われる。
葉月が初美の行方を執拗に聞く為、ケンちゃんはやむなく葉月をリリスの所へ。一目で葉月を気に入ったリリスは、葉月と二人でイブを求め、様々な本の世界への旅へと出発する…。


声優・キャラクター
能登麻美子、神田理江、小林沙苗、三木眞一郎、清水愛、井上喜久子、大原さやか、笠原弘子、高木礼子、山本麻里安、福山潤、松来未祐、氷上恭子、嘉陽愛子

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

本の旅

2003年10月 - 2004年1月TV放送されたアニメ。全13話。
2002年12月20日発売されたギャルゲを元に制作された作品。

簡潔?に言うと・・本(物語)を其の侭ひとつの世界として、
図書館を無数の本=無数のパラレルワールドとした設定で、
行方不明になった義姉の初美を探して「図書館の世界」に入り
様々な本(物語)の世界を旅する主人公を描いた物語。

一応 "東 葉月" を主人公とすると上記のような物語。

この手の作品は破綻するものが多いので過度の期待は厳禁?
実際に時系列がぐちゃぐちゃに過去回想と進行中の話などが
入り乱れてミステリアスな雰囲気を作り出し、"世界観"での
方向性が見え難く、意味不明に感じる部分もあり・・その後
の上位の世界等の伏線も破綻?放棄したのかな?等と感じる
諸設定の煩雑さや説明不足感がある。今見るとどうか?・・

世界観やキャラの雰囲気で興味を持ち見たもののギャルゲ?
とは驚き(視た当時)女性キャラメインの物語だったので・・
ふぅ~ん?シスコンの百合萌え恋愛もの?とか思ってた。
良くあるアリスの難解verだとか迷宮もの?に似た雰囲気の
作品かな?とか漠然と不思議な世界を旅してる感じでした。

色々な話のパロ?オマージュ風の連続の冒険譚だとツバサ
みたいな雰囲気だけど・・似て非なる・・かな?微妙・・


東 葉月(声 - 能登麻美子)
初美の妹で僕っ娘の美少女。初美の事以外は眼中にない。
可也長いストレートの髪と凛々しい外見で女の子にモテる。

イブ(声 - 清水愛)
ヤミ・ヤーマ図書館の管理人で、リリスの妹。
大人しい少女を演じてるが、根は小悪魔的な女の子である。

リリス(声 - 小林沙苗)
ヤミ・ヤーマ図書館の管理人で、イブの姉。言動は子供。
仕事を押し付けたイブの行方をケンちゃんを使い探す。
自分達を創造したヤミ・ヤーマに似ている葉月に惚れる。

ガルガンチュア(声 - 三木眞一郎)(孤児院時代 - 朴璐美)
錬金術師。孤児院に居た頃はガルと呼ばれていた。
愛情に飢えた子供で、ジルの愛情を独占しようとした。

リツコ(声 - 井上喜久子)
ガルガンチュアの幼馴染で女錬金術師。
ガルガンチュアと共に不老不死の身体となった。

ケンちゃん(声 - 高木礼子)
リリスがイブの行方を追わせている鳥。関西弁を話す。
リリスらによって度々危険な目に遭わされる。

マリエル(声 - 笠原弘子)
ある王国の姫君だったが、ガルガンチュアに誘惑された。

玉藻の前(声 - 氷上恭子)
宇宙庭園の女主人。一日中飲んだくれている。

アーヤ(声 - 福山潤)
本の世界の案内人。読者(視聴者)を象徴した人物。
度々姿を現しては、その本の世界の事情を説明したりする。

皇 蓉子(声 - 大原さやか)
夜行列車の世界の住人。男装の麗人。

サイガ(声 - 田中秀幸)
夜行列車の世界の住人。「シベリアの虎」の異名を持つ。

ナンブ(声 - 吉野裕行)

クイル(声 - 山本麻里安) 原始創世の世界の少女。
その世界で唯一、リリスや葉月と言葉を交わす事が可能。

ミルカ(声 - 松来未祐)
ある時を境に、身も心も成長を止めてしまった少女。

セイレン(声 - 神田理江)

朱雀(声 - 渡辺明乃) 藤姫を狙うくノ一軍団の団長。

不知火 烈堂(声 - 市川治)くノ一軍団を配下に置く老頭領。

レイラ・マーズ(声 - 嘉陽愛子※アイドル歌手?)
移民宇宙船の世界に登場する少女。

ラムロ・ライン(声 - 野田順子)
移民宇宙船の世界に登場する少年。

ララ(声 - ゆかな)
レイラ達を導く宇宙移民船で稼動を続けるコンピュータ。
大人が居なくなった船内で、彼女達の親代わりをしてる。

コゲちび(声 - 清水愛)


参考までに・・
第3話Bパート+第4話+第5話Aパート+第9話Bパート(錬金術世界)
第7話Bパート+第1話Aパート(現代世界)
第3話Aパート(ヤミの図書館)
第6話+第7話Aパート(孤島の世界)
第5話Bパート(原始創世の世界)
第8話+第9話Aパート(アルカディアの世界)
第1話Bパート+第2話(夜行列車の世界)
第10話Bパート+第11話Aパート(移民宇宙船の世界)
第10話Aパート+第11話Bパート+第12話(宇宙庭園の世界)
第13話(現代世界・ヤミの図書館〔エピローグ〕)
私は放送順にしか視ていないので・・時系列視聴効果は不明。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

次の本をちょっと覗いて見よっと♪

図書館に管理されている本の中にある様々な世界を行き繋いで旅してくストーリーなんですが
見終わって私なりにこの作品のメッセージを考えてみると、、、
それぞれ独立し、相容れることのない世界を有する本と本を繋げるのは人が本を読むことなんだと、頭の中で本の世界が共生するんだと
なるほど、これは良い読書推進アニメだ。。。


まず一番の魅力は世界観です
「現代世界」「夜行列車の世界」「錬金術の世界」「原始創世の世界」「孤島の世界」「竹取物語の世界」「移民宇宙船の世界」「宇宙庭園の世界」そしてこれらを繋ぐ「図書館世界」
一粒で何度もおいしいを地で行くこの世界観
しかもそのどの世界もが、一作品として十分世に送り出せるクラスの物語背景
これぞまさしくアニメの集大成です
ただ放送順がバッカーノ以上に時系列がシャッフルされており、ちょっとわかりづらいかも

制作はスタジオディーン、作画もブレもなく丁寧に作られてます
キャラもかなり可愛く描けてますしね、カーネリアンキャラ
まぁエロゲ原作ということもあってか、当時にしてはかなり過激なシーンがあったことで話題に上りました
7話の「現代世界」での葉月のノトニーシーンは、むしろ作品より有名になってるのではないでしょうか
放送当時最速放送域であったtvkがこの話を放送中止に
憶測が飛び交う中、週を跨いで何事もなかったように7話は放送され、収束しましたが・・・
まぁ今や露出は当たり前、過激なエロスも有難味が薄れるくらいに多いご時世でして
当時のチンピク具合と比較して、感覚が麻痺していると自覚せざるを得ないなぁ・・・

能登かわいいよ能登
いやぁ能登さんのこういうボーイッシュな声はかなりツボっす
「初美を殺してボクも死ぬ!」とか演技も冴え渡ってました
このアニメの声優陣はやけに豪華でしたね、使い回しに立木さんや長嶝さんが入ってるし
三木眞さん演じるガルガンチュアとかかなりインパクトあります
ケンちゃん役の高木礼子さんとかもいい味を出してます
「夜になるとおもむろに・・・おもむろに・・・」

OPEDもBGMも良好です
OP「瞳の中の迷宮/嘉陽愛子」は紛うことなき神曲です
歌手の嘉陽愛子さんはレイラ役でアニメにも出てます
ED「永遠の祈りを捧げて」はリリス役の小林沙苗さんが歌ってるのですが、作中のキャラとのギャップがすごいです、これが声優の本気か・・・
予告編がEDのアウトロで地続きになってます
またこの演出が良くって、続きが無性に見たくなる仕様になってます

概ね私にとって好評の作品なのですが、物語のキーパーソンであるイブについては頷きかねます
アニメを見ただけでは話をごった返すだけのある種の愉快犯としか性格が取れませんでした


ハマる人には結構ハマるかも
ヤミと帽子と本の旅人、次の物語もお楽しみください

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

まさか能登さんがあんなシーンを・・・

最近声優の「能登麻美子」が気になり始めてネットで何かないかと探していたら・・・この作品に衝撃シーンがあるという情報を入手。
その衝撃シーンを目当てに・・・いえいえ、とんでもない!
「能登麻美子」の初期の頃の作品を見たいと思い視聴してみました(笑)。


この作品の概要は・・・
「能登麻美子」演じる主人公がいなくなった姉を探しに、ある図書館の管理人の魔女っ子や変な鳥?と一緒に、図書館の中にあるいろいろな本の中の世界に行くというお話であります。


見どころは・・・
やはり「能登麻美子」の演技でございます。
この作品の主人公はお尻まで長いストレートの黒髪で、セーラー服で刀を振り回すクールな女の子。
自分の事を「僕」と呼び、ボーイッシュなしゃべり方をする演技が見られました。
しかし無口なキャラでもあった為に会話が少ない点や、主人公よりもむしろ他のキャラの方が目立っていたのが残念なところ。
ストーリーが「本の世界に行く」という設定は非常にメルヘンで興味が持てましたが、実際見てみると私的にはイマイチの内容・・・。
とはいえ様々なメルヘンチックのキャラが登場するので人によっては楽しめるのでは?と思います。
中には「コードギアスのゼロ」がナルシスト化したみたいなキャラも・・・。


そしてこの作品の最大の特徴が・・・
エピソードがバラバラに進むという点にあります。
「涼宮ハルヒの憂鬱1期」の展開と言えばおわかりになられるかと思います。
なのでストーリーの繋がりにかなり困惑しました。
そこで制作会社の意図には反しますが、ウィキぺディアにエピソードが時系列に並べてあった記述があったので、私はそれを参考に時系列順に視聴しました。


さて肝心の「能登麻美子」演じる衝撃シーンは・・・
能登ファンなら「生唾ゴクリ」で見たいと思われるこのシーンは、第7話に収録されていました。
このシーン、放送中止になりかけたらしいですが、放送局側から「熱でうなされていただけ」という説明で放送されたらしいですが、あれはどう見ても・・・。
あっ、でも過度な期待はしないでくださいね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
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