小学生で幼馴染なアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の小学生で幼馴染な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月03日の時点で一番の小学生で幼馴染なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.7 1 小学生で幼馴染なアニメランキング1位
どうにかなる日々(アニメ映画)

2020年10月23日
★★★★☆ 3.5 (42)
202人が棚に入れました
誰かを想う日常は、ときに甘くて、ときに痛い。そんな、なるようにしかならない日々も、きっと、いつか。青春群像劇の名手・志村貴子(「放浪息子」「青い花」)による、様々な恋模様を淡く繊細に描いたオムニバス漫画「どうにかなる日々」を、詩的な映像・音楽演出に定評のある佐藤卓哉監督(「あさがおと加瀬さん。」)がアニメ化。元恋人の結婚式、男子校の先生と生徒、心と身体の変化を迎える思春期の幼馴染。誰が相手でも、どんな形でも、全ての恋と生き方には同等の価値がある。そして、不器用に誰かを想った日々は、きっといつか愛しい思い出になる。そんな“誰かの恋"を優しく見守り、温かく描くオムニバスショートストーリー集。

声優・キャラクター
花澤香菜、小松未可子、櫻井孝宏、山下誠一郎、木戸衣吹、石原夏織、ファイルーズあい、早見沙織、島﨑信長、田村睦心、天﨑滉平、白石涼子
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

丹念な描写で風変わりな想いを日常に息づかせるオムニバス映画

単純な男女間とは限らない、ちょっぴり変わった人間関係やキモチを描いた
同名ショートストーリー集コミック(未読)の映画化作品。

【物語 3.5点】
構成はオムニバス形式。

{netabare}大人女性×大人女性(共通の"彼女”あり)

男性教師×男子高校生

小学生男子×小学生女子+AV出演歴がある男子の従姉
→中学生男子×中学生女子に成長した二人のその後

の三本立て(或いは三本目を二本と捉えれば実質四本立て){/netabare}

題材自体は禁断だが、刺激的な要素を強調するより、
日常の何気ないやり取りに多くの尺を割くことで、
そこにある関係や想いが鑑賞者と同一地平線上にあると伝え、
緩やかに共感を醸し出していく構成。

PG12指定要因はセクシャル表現であると思われるが、
そこも非日常感より普通の社会生活との連続性を重視し、
奇異に衆目を集めるより、繊細な心情に着目させる。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ライデンフィルム京都スタジオ

佐藤 卓哉監督がジブリ出身の演出担当・有冨 興二氏と目指したのは、
高畑 勲監督の『おもひでぽろぽろ』

ややイラスト風味の背景美術、キャラデザ&人物作画共に、
温かいタッチの色彩で主張しすぎず、自然体の生活空間を彩る。

想いがフンワリと盛り上がるシーンでは、
背景もさらにほんのりと淡く、幻想的にホワイトアウトしたりして、
心情描写を下支え。


終始、浸りたくなる心地良い空間でした。


【キャラ 4.0点】
どの登場人物も、映画的な決め台詞より凡庸な日常会話をこぼし、
我々と同じ日常世界に確固たる存在感をゆる~く示す。

例えば、この部屋散らかってるなーとか、今の声でっけーなーとか、
華やかな映画の中のヒーローは気にも留めない瑣末事だけど、
鑑賞者は心の中で思ってしまいがちなしょーもない感想を、
登場人物が先回りして言ってしまう痒い所に手が届く感w


私の推し?は{netabare}小学生→中学生男子のしんちゃん。
従姉のAVという妙な角度からエロを受容してしまい、
変容していく幼馴染みとの関係に困惑してしまう心の動揺が、
不器用なパンツ手洗い(笑)に滲み出た共感度の高い思春期少年でしたw{/netabare}


あとは某生徒の影響で、
首筋の綺麗さを観察するフェチズムが目覚めつつありますw


【声優 4.0点】
一週目・花澤 香菜さん×小松 未可子さん
二週目・櫻井 孝宏さん×山下 誠一郎さん
三週目・木戸 衣吹さん×石原 夏織さん×ファイルーズあいさん

本編前にキャスト対談が上映されるのが貴重な本作(私は一週目を鑑賞)

ナチュラルな演技に注力する方針表明は、
日常重視の作品世界没入の一助にもなる好企画で、
鑑賞者との齟齬を防ぐためにも、秘かに広まって欲しいと思いました。


ただ、如何に日常がメインと言えども、
上記のキャストのあんな性癖やこんな気恥ずかしいセリフには、
やはり、そそられる物がありますw
{netabare}みかこしが「はい。バンザーイ♪」と、ざーさんを脱がしに絡んでいく痴態。
ゆる~くてプレミアムですw{/netabare}


【音楽 4.0点】
冒頭。街の環境音と人々の会話が交錯して始まり、
同様に雑踏の音で終わる本作の音響。
これから語る人間関係を何としても日常に固着させるとの
意志を強く感じる音響方針。

劇伴担当はクリープハイプ。
人気バンドの起用となれば、バンドを前面に押し出して、
シーンMV化で集客を!……とプロデュースしがちな昨今ですが、
クリープパイプの尾崎 世界観氏は上記の繊細な日常空間の演出方針を汲んで、
切れ端みたいな短尺の素材作成も厭わない献身ぶりで、
あくまでもバックグラウンドで作品を好アシスト。

ミュージシャンとして語りたいことは、
ED主題歌のクリープパイプ「モノマネ」だけで語る。

この姿勢。私はとても好きです。


【感想】
前年、劇場鑑賞した同じ佐藤 卓哉監督のOVA作品『フラグタイム』の次作
ということ以外は、ほぼ情報をシャットアウトし、
鑑賞前、原作が志村 貴子氏で、『マンガ・エロティックス・エフ』連載コミック
であることすら知らないまま、無謀にも劇場に突撃した私w

マニアックなエロスの提供に、みかちゃんの如く、
固まってしまった場面もありましたがw
想いを大切にする優しい日常空間という救済措置により?
無事、生還することができました。


『フラグタイム』原作は7年前のコミック。
本作の原作に至っては実に15年前のコミックの再発掘。

性的マイノリティがまだセンセーショナルだった頃に
世間一般から色物と敬遠された作品群の中には、
繊細な心情描写が光る、今の時代なら一般にも冷静に受け止めてもらえる。
そんな好素材がまだまだ埋まっているのかもしれません。

佐藤監督が次にどんな金鉱脈を掘り当てるのか。
今後も成果発表に注目して行きたいと思いました♪


尚、冒頭10分がYouTubeで公開されているので、
私みたいに固まりたくない方は、
作品空間との相性を確認してから挑むのも良いかもしれません。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

今だから言うけどさ…

視聴前 どうせ青春系なんだろうなぁ

視聴後 おぅ…

この話はとある結婚式で合った二人の話
ジャンルは青春
まぁタイトル、というかサムネというかでなんとなく「青春系だろうなぁ」という予想はしてました。実際青春系でした。しかし見終わった後に調べたところ「マンガ・エロティクス・エフ」という月刊漫画雑誌で掲載されていたそうです。うん。察してください。
具体的にそういうシーンは描かれていませんでしたが、それっぽいシーンは或ることにはありましたね。
いわゆるティーンズラブと呼ばれるものですが、ティーンズじゃない私でもストーリーは理解できるので偏見はよくないな、と実感しました。

基本的にというか四部構成になっています。まぁ3と4はつながっているので、実質3部構成と言ってもいいでしょう。
そして各部でジャンルが違います。レズゲイおねショタ中学生、と聴いてる分には過激そうな内容ですが、至って普通の恋愛ものとかわらない(はず)です。原作だと直接的な表現が多々見受けられるそうですが、本アニメではそこまででしたね。

結構軽い気持ちで見に行きましたけど、そこまで頭を使うほどでもなかったので帰宅途中にフラッと寄って正解でしたね。
どの作品も序破急がめちゃくちゃで非常にくだけた話でした。故にストーリーがあったもんじゃありませんが、逆にそこがリアルさを引き立て、まるで日常の青春の一ページを覗き込んでいるかのような一種の恥ずかしさに似た共感性を感じ取ることが出来ました。恋愛経験に疎い私ですら共感じみたことを行えるのでおそらく大半の方が共感できると思います。まぁその際には恋人と見ないことをオススメします。

キャラは好印象です。先程も言ったとおりリアルさを感じるくだけた展開と相まってとても穏やかな心でキャラたちを見ることが出来ます。共感してるはずなのにどこか他人視点のように感じる。まさしく「誰かの青春を覗き込んでいる」ような感覚に襲われます。あの感覚はすごいですね。珍しい体験だっと思います

皆様も暇があれば青春を覗き込んでみてください

原作は志村貴子さん。
監督は佐藤卓哉さん。朝顔と加瀬さんやフラグタイムなどの監督をされた方ですね
シリーズ構成は佐藤卓哉さんと井出安軌さんと冨田頼子さん。
キャラデザは佐川遥さん。
劇伴はクリープハイプさん。
アニメ制作はライデンフィルムさん。ロクでなしやあすかなどの制作をしたところですね

作画は普通でした。
主題歌はクリープハイプさんの「モノマネ」

総合評価 まぁ暇があれば

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

サブカル系マンガ文学のアニメ化は難しい。原作をお勧めします。

 太田出版でしかも志村貴子さんですからサブカルですね。つまり、マンガ文学ということです。
 志村貴子さんの作品は一番初めにこれを読みました。2巻にわたって読み切り短編集のような、連作のような感じの作品です。

 短編の良いところは1話1話で言いたい事を表現しきっているので、無理無駄がなく文学性を帯びるところでしょう。「青い花」が連載のせいで、よくわからないことになったのと対照的です。
 志村貴子さんの作品の中では、私はこの原作が一番面白いと思っています。

 原作は、ちょっと変わった状況なんだけど、一方で日常を切り取ったような場面で、どこにでも転がっている「性」を描いている感じです。
 作品の一部をほぼ原作をそのままアニメ化してはいますが、原作にあった露骨な性表現の場面がある話を無くしています。とくに原作の1話目がないので、性がテーマの連作だというのが分かりづらいのかもしれません。

 本作は、エンタメにも近く、一番マイルドで甘酸っぱいような作品をチョイスしています。また、原作の登場人物の中には複数回出てくる人物がいるので、本作だけだと分からない部分があります。その辺が伝わりづらいですね。

 話は、女女、男男、男女(思春期前)、男女(思春期後)とバランスはとっていましたね。作品の内容から言って対象は高校生くらいに見て欲しい作品なのかもしれません。あるいは高校時代を生々しく思い出せる20代前半くらい?みんな高校時代が絡んだ作品ばかりです。

 サブカル系のマンガ文学的な原作のアニメですから、当然盛り上がりはありません。このサブカル系マンガの作法を知らないと評価は低くなるでしょう。感性、感情で見るのか、行間を読むのか、テーマ性・思想性をくみ取るのかは視聴者に委ねられます。
 
 アニメとしての本作はちょっと中途半端ですね。少なくとも高校教師のお姉さん関連の話は入れた方が良かったと思います。
 志村貴子さんはキャラの描き分けがあまり上手じゃないので、そこが分かりやすかったのが良かったですけど。あと声優さんもゴージャスで良かったですね。

 ということで私は原作を知ってますので、アニメ作品というより原作の補完として楽しめました。が、アニメ作品としての本作の評価はあまり高くはできないですね。原作が素晴らしいので、そちらがお勧めです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

63.4 2 小学生で幼馴染なアニメランキング2位
名探偵コナン 沈黙の15分[クォーター](アニメ映画)

2011年4月16日
★★★★☆ 3.6 (270)
1605人が棚に入れました
ある日、朝倉都知事宛の脅迫状が届き、翌日、都知事が開通した新地下鉄トンネルが爆破される。コナンの活躍でけが人は出さずに済んだが、都知事を狙ったテロ事件への懸念が高まる。コナンは、都知事が国土交通大臣時代に関わった新潟県のダム建設を巡って怨みを持つ者がいないか調査に乗り出す。やがてダム建設の村で8年前に起こった交通死亡事故と、同じ日に崖から転落して以来意識を失ったままの少年・立原冬馬の存在が事件の重要なカギとして浮上してくるが…。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、渡部陽一、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、山口勝平
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

黒い人影

朝倉都知事に届いた謎の脅迫状…。その翌日、都知事が開通した新地下鉄が爆破されるが、間一髪、コナンの活躍でケガ人を出さずにすんだ。コナンは、都知事が大臣時代に建設したダムの関係者で恨みを持つ者がいないか捜査を開始する。ダムを造るため移設された北ノ沢村を訪れたコナンは、8年ぶりに集まった幼馴染の5人の男女に出会う。8年前の交通死亡事故、ダム建設、そして意識を失ったままの「少年」冬馬、5人には暗い影がつきまとっていた。そんな中、冬馬は奇跡的に目を覚まし、事故当日の記憶を取り戻す…。彼の記憶に残された真実とは?地下鉄爆破犯が次に狙うものは何か?ダムの街を大規模災害が襲う!!というあらすじ。


しょっぱなの過去シーンで黒い人影が子供を追いかけるのはなんか不自然。
てかトンネル内に人が突っ立ってたら目立つから黒い人影たりえんやろ。
やはり爆発は劇場版らしいなあ。{netabare}地下鉄が飛び出ちゃうのに、人的な損害があまりないのは凄すぎ。

あの爆発から一転して豪雪の村でお祭りに参加。
{netabare}混浴にウキウキできた小五郎が女性だと思って話かけたのは猿。強烈なおばあさんでも良かったのに。{/netabare}

{netabare}ほかの幼馴染の妹ひき逃げについて曝露マンはあっさり死んでもた。護身用のスタンガン…。最初に見せたひき逃げ曝露の記事の裏を実は見ていた。同じ時期に起きた大きな強盗事件。というか同一人物。{/netabare}
戦場カメラマン笑

やはり爆発。てか慣れてるな。
狙撃もう顔隠す気ないやろ。
{netabare}盗んだダイヤモンドを村に隠したのにダムの底に沈んだから取り返そうとたくらむやで。{/netabare}
一貫してずっと悪い奴やったな。テロリストでもないのに、ここまで一貫してクソ野郎はなかなか
{netabare}猟銃であっさり成敗していたけど。あれ?お姉ちゃんがひき逃げの原因作ったんか~い。眼鏡外して髪型変えたのって…。{/netabare}
最後のスノーボードアクション凄いぞ。雪崩やぞ雪崩。まさに沈黙の15分

主題歌はB'zでDon't Wanna Lie

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

シリーズ最高のクズ犯人

シリーズ15作目。このあたりからとても作画が綺麗になってくる。
{netabare}
全体を通し、サスペンスとアクションのバランスがかなり良い具合に仕上がっている。特に冒頭の地下鉄爆破事件はかなり迫力があって引き込まれた。

今回の犯人がなかなかマッドでクズでひどいやつだったのは良かったと思う。
借金作って宝石強盗し、その帰りで飲酒無免許運転でひき逃げし、都知事を地下鉄ごと爆破し、最終的には村一つ消し去ろうとするという、シリーズ中最も救いようのない犯人だったと思う。凶悪すぎてどうかしてるとしか思えない。というかもはや立派なテロ。これほどの重大な事件を引き起こしたのに、その背景には哲学もなく、本人はただただ宝石欲しさのためにやっているというところにかなりの狂気を感じてしまう。
でも、このように犯人をとことんクズに描き、同情の余地も与えないようにしたのは良いことだと思う。あんまり犯人に同情できちゃうと犯罪を正当化しているようにも見えちゃうから。

途中、ゲンタとミツヒコの喧嘩を仲裁するコナンが良いこと言っている。
今作は珍しく少年探偵団と灰原がフィーチャーされた作品。舞台が新潟なので警視庁の面々もほとんど出てこない。
灰原がコナンのボードと相乗りするシーンは灰原好きとしては萌えるものがあるね。

ラストのダム爆破からの雪崩ももはや人智を越えていて、一体どうすりゃこんな芸当ができるのかとツッコミを入れたくなるが、やりすぎなのは毎度のことなので今回は目をつむりましょう。
コナンを捜すシーンはなんだか感動してしまった。

長らく意識不明だった冬馬くんがその重い設定の割りにはあまり本編に関わっていないのは不憫ではあるし、全体的に小ぶりな感じはあるのだが、シリーズの中で考えればまずまずの良作の部類ではないかと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

生き延びるんだ、絶対に・・・

名探偵コナンの15周年記念作品です。
今作も突っ込みどころ満載ですが、そこは目をつぶって見ましょうね^^;

◆この作品の内容は・・・
今回の舞台は雪山。
「おまえの傲岸不遜な4年間の都政に対し天誅を下す!」
都知事に謎の脅迫状が届き、地下鉄爆破事件が起こります。
その事件の原因を探るべく、新潟県の雪国にコナン達は向かうが・・・。

◆ド派手なアクション・・・
コナンの劇場版作品は「ミステリー」+「アクション」+「パニック」という構成になっています。
特に今作では「アクション・パニック」>>>>>>「ミステリー」。
アクションシーンでは半端なくよく動き、オリンピック選手も顔真っ青になるような程のド派手なスケボー・スノボーテクニックをコナンが披露します(゚∇゚ ;) ス、スゲー!
その分、ミステリー要素は薄くなってしまっていますが、これはある意味劇場版作品として正しい。
TVシリーズと同じ事をやってもしかたがない、せっかく大画面の劇場で上映するのだから、とことんド派手にやって大迫力のアクションを楽しむといったところですね。

◆ゲスト声優陣に・・・
チョイ役ですが、戦場カメラマンの「渡部陽一」が声優をしています^^;
キャラデザもそっくり。
あのゆったりとした独特のしゃべりにちょっと笑ってしまいました( ̄▽ ̄)クスッ
でも、このキャスティングはちゃんと狙いがあったんですよ~。
この作品のテーマは「絶対に生き延びる」。
戦場カメラマンの「渡部陽一」は数々の戦場に出向いており「戦場報道とは生きて帰る事」と語ります。
これは遊び心のある演出でした♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

69.1 3 小学生で幼馴染なアニメランキング3位
名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(アニメ映画)

1997年4月19日
★★★★☆ 3.6 (320)
2007人が棚に入れました
ある日、一家で病院を営む黒川邸で主人の黒川大造が何者かに撲殺されるという事件が起こった。毛利小五郎を時計型麻酔銃で眠らせた江戸川コナンの推理によって、事件は解決した。数日後、東都大学建築学科教授兼建築家の森谷帝二から、工藤新一宛にパーティーの招待状が届いた。しかし新一は体が縮んでしまってコナンとなっているため、コナンは小五郎を代理人としてパーティーに出席する。そこでコナンは、殺人事件があった黒川邸が森谷の設計であることを知る。

声優・キャラクター
高山みなみ、山口勝平、山崎和佳奈、神谷明、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

爆弾処理はロマンチックに

もう何度目の鑑賞になるでしょうか。
劇場版第1弾から既に大成功大満足の作品。

ここから劇場版が毎年恒例になったと思うと
感慨深いものがありますね〜。

年代物ですからね、
今更どんな物語なのかは何も書きません。
ただの感想となります。


{netabare}憎しみの矛先がおかしいところとか、
爆発時間を0:00きっかりではなく日付超えて誕生日の
新一(コナン)の為に0:03に設定してあったり、
イカレポンチ具合が犯人として最高です!


爆弾犯が誰なのか謎を解いて終わるのではなく
むしろそこからが事件の本番となり蘭に迫り来る危機。

これはあれですね、
いつどこで誰とどんなことをするのか詳しい予定を
初対面の人に気軽に話しちゃダメよ♡
という注意警報作品にもなってますねw


建物の爆発で開かなくなった扉越しに
蘭と(新一としての)コナンが会話するシーンが好き。

蘭のお喋りにより2人のラッキーカラーが
赤だと知っていた犯人は爆弾の赤の線を切ったら
爆発する仕組みに作ってあったけど、
新一にも分からない最後の赤と青の線どちらを切るか
任された蘭がロマンチストだったが為に!!
青を切って爆弾は止まり、犯人の思い通りにはならず。

この線を切る瞬間からモノクロ描写になり
どちらを切ったのか分からないのがハラハラしました。
古い演出だけど効果としては抜群。

赤い糸を切りたくなかったというロマンチックな理由が
とても蘭らしい選択で本当に素敵(​ *´꒳`*​)
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

記念すべき劇場版名探偵コナン第一作

記念すべき劇場版名探偵コナン1作目の本作は、
万人受けを狙った作品と言えよう。
しかし、名探偵コナンの魅力を存分に表現出来ている。

以降の「ネタバレ」はWikiから引っ張ってきたあらすじです。
読みたい人は読んでください。核心には触れていません。
{netabare}
ある日、黒川邸で殺人事件が起こった。
黒川家の主人、黒川大造が何者かに撲殺されたのだ。
毛利小五郎を時計型麻酔銃で眠らせた江戸川コナンの推理によって事件は解決したが、
数日後、東都大学建築学科教授兼建築家の森谷帝二から、
工藤新一宛にパーティーの招待状が届いた。
しかし新一は体が縮んでしまってコナンとなっているため、
コナンは小五郎を代理人としてパーティーに出席する。そこでコナンは、
殺人事件があった黒川邸が森谷の設計であることを知る。
{/netabare}

視聴者を飽きさせないテンポの良い展開や、
緊張感のあるシーンに富んだ構成で、何度も見返せる良作である。
子供向けにと配慮して死体があまり登場しないことや、
新一と蘭とのラブコメ路線も他作と比較して多く盛り込んであることも好感だ。
また、犯人のクレージー振りも他作に類を見ないものだ。
序盤から、犯行や動機の伏線を展開している点も良い。
おそらくコナンの映画の中では一番見やすい映画ではないかと思う。
劇場版コナンの視聴が初見な人にはオススメである。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

夫婦で楽しむにも最適、でした。 B+

休日にテレビをつけていたところ、コナンが始まったので視聴。あれ、これ、尺(30分)に収まらないぞ、連続モノか?と思ったら映画でした、というくらい注意力散漫の状態で見始めたのですが。

さすがに長年やっているアニメの劇場版第1弾だけあって、視聴者を引き込んでいくツボは心得ているものだなぁ、と関心しました。連続する爆破事件とそれに対するコナン(+毛利小五郎w)の推理。爆破シーンの迫力とスリリングな展開は劇場版ならではと感じました。

中年の私には、大野克夫氏の音楽が効果覿面、さらに引き込まれる要因となりました。それにしても、有名なメインテーマに歌がついていたなんて、この映画で初めて知りましたよ(私が知らなかっただけ?)。

最後は推理からちょっと外れた終わり方をしましたが、新一を思う蘭の気持ちも見せつけられました。高校生なのにけしからん・・・いや、うらやましいなぁ。

余談ですが、嫁がトイレに行くのを我慢していたくらいの作品でした^^

投稿 : 2024/06/01
♥ :

71.3 4 小学生で幼馴染なアニメランキング4位
雨を告げる漂流団地(アニメ映画)

2022年9月16日
★★★★☆ 3.8 (53)
238人が棚に入れました
まるで姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽。
小学6年生になった二人は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクしはじめた。
夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに
取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。
その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。
航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。
すると、突然不思議な現象に巻き込まれ――
気づくとそこは、あたり一面の大海原。
航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。
はじめてのサバイバル生活。力を合わせる子どもたち。

泣いたりケンカしたり、仲直りしたり?
果たして元の世界へ戻れるのか?
ひと夏の別れの旅がはじまる―
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

巣立ち〜大切な場所から羽ばたく物語〜

取り壊しが決まっている団地
別名、幽霊団地に忍び込んだ小学生6人が団地ごと別世界に飛ばされて帰る方法を探すってお話です。

実は、この団地は主人公の船祐とヒロイン夏芽が住んでいました。
夏芽には母が居ますが一時期訳ありで、船祐と船祐のおじいちゃんと暮らしてます。

しかし、おじいちゃんも亡くなり今は別々になり元の家にくらしていました。
夏芽は当時{netabare} 家庭環境に悩まされていて…船祐達と暮らす中で、こちらが本当の家族みたいに感じて居て…… {/netabare}

でも、船祐は彼女を{netabare} 居候{/netabare}としてしか思っていなくて……今も昔も
なんか寂しいよね。
{netabare} 自分は家族の様に思っているのに認めて貰えないとか感じて貰えないのはさ…… {/netabare}

昔は多分…悪気はなかった。
{netabare} 病院で船祐の「お前のおじいちゃんじゃないのに」ってセリフがショックで病院を飛び出す夏芽を「追いかけろ!」と船祐を叱りつけるおじいちゃん。 {/netabare}

船祐は多分単純に解らなかった…夏芽が飛び出した理由もおじいちゃんが怒った理由も。

けど、今は多分解っている、、、
でもそれを認められないのは、もしかしたら船祐は……
恥ずかしかっただけかな?
なんか照れくさがったり、少し意地を貼ってみたり?
中々素直になれないお年頃?
相手が女の子だと余計に見えを張っちゃったり……

{netabare} サッカーでも点数を取れるのは夏芽らしいし、その事も気にしていたのかな?

夏芽は2人でツートップって言っていたのにね。 {/netabare}
多分、本当に思う事が色々あって認められなかった。
それが今……でも、漂流する事で夏芽の{netabare} 家族への想い{/netabare}を知って成長します。


謎の少年ノッポ

彼の正体は知りません(´・ω・`)
{netabare} 謎のままで終わりました。{/netabare}

なので、私なりの推測を立てました。
彼の正体は多分、付喪神かな?
誰かに大切にされた物や場所に宿る存在。
またはそうした気持ちから生まれる精霊。

彼はずっと団地の住人を見てきたと言います。
{netabare} 中でも船祐と夏芽の笑った顔が好きだった。
きっと、ノッポはそんな2人だから、夏芽の目の前に現れた。{/netabare}

でも、船祐と夏芽は喧嘩を始める。
{netabare} それはノッポが好きだった2人じゃないし、喧嘩をする2人の怒りと泣きそうな顔が辛かったでしょうね。
しかも、夏芽が足を滑らせ屋上から転落……
漂流したのもその瞬間でした。 {/netabare}

多分、無意識にノッポが{netabare} と助けようとしたのかな? {/netabare}
だから、ノッポは{netabare} と 「君たちを連れてきたのはボクかもしれない」と{/netabare}話した。

あんなに幸せそうな2人の笑顔で1杯の団地の思い出が悲しい思い出になる……それが悲しかったからあのタイミングでの漂流……

あの世界がなんなのかもわかりませんが。
もしかしたら、大切な物や場所が行きつく場所……人で言う天国や地獄……あの世的な世界だったのかな?と思いました。

あの観覧車もそうです。
{netabare} 令依菜の大好きな観覧車…… {/netabare}
彼女も大好きだった場所……あの観覧車が作品のMVPだった気もしますね。
観覧車の{netabare} お姉さん {/netabare}凄く頑張ってましたからね。

{netabare} 沈んでしまいそうな団地を全員で助け出すシーンは{/netabare}素敵でしたね。
皆さん、超怪力です。
{netabare} 1本のワイヤーに沈みかけの団地をすくい上げる訳ですからね {/netabare}
最近の小学生は力がありますね。

さて、ノッポも夏芽も多分1番大好きな物が詰まったいた団地…… {netabare} だから帰ることよりも団地にいる事を選ぼうとする。 {/netabare}

大好きな場所に居たい。
ここから出たくない……そう思える場所ってあると思う。
でも、そこに囚われていてはいけないのです。
船祐が言う通り出て行かなくてはいけないのです。

その場所が無くなっても……思い出や気持ちは消える事はなくて……その場所があったから私は今ここを進んで行けるんだって胸を張って思えるように。

帰ってきた夏芽は母に聞きます。
{netabare} 「甘えていいの?」と……母の答えは…… {/netabare}

結局、夏芽にとってあの団地での生活は本当に素敵な家族との日々だったのだと思います。
でも、今はその家族の形はなくて……帰らないで団地に引きこもっていても多分いつかは孤独に押しつぶされていたと思うし、何より……本当に娘を大切にしているお母さんとの大切な家族の形を失っていたと思います。

夏芽にとってこれからがスタート。
本当の家族としての……

さて、物語自体は普通かな?
まっ、物語自体が基本団地の中だけで展開されていくので飽きる人は飽きそうですね。

後は、少しメッセージ性が弱いかな?
感情移入出来なくはないけど伝わりにくくは感じます。
謎が多すぎてスッキリって感じもないですね。

私的には謎は残さないで欲しかったかもw
ミステリーならともかくミステリーではないので……

時間があるし見てみようかな?感覚で見る方が楽しめる作品かもしれません。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

団地は思い出を巡る方舟

石田 祐康監督のオリジナル青春アニメ映画及びNetflix配信作品({netabare}120{/netabare}分)
(劇場版を鑑賞)

【物語 3.5点】
小6最後の夏休み。少年少女たちの団地での“漂流記”を描く。
物語の柱は、団地育ちの航祐、夏芽二人。あとは団地に棲む謎の少年・のっぽ君。
特に取り壊しが決まった団地への未練が捨てきれないヒロイン・夏芽の抱えた物を、
漂流中の不思議なサバイバル体験、それに伴う子供同士の衝突などにより解き明かし、
ひと夏の成長を促すジュブナイルの王道。

よって種が明かされない漂流団地の仕組みについて説明を求めるよりも、
夏芽の心情周辺に焦点を当てた方が、迷わず航海できると思われます。
この視点から見れば、ここで起こしたトラブルで夏芽の何を掘り起こそうとしているのか、
明確な脚本意図が伝わると思います。
何より思春期一歩手前の小6の背伸び感たっぷりの人間模様は瑞々しく、
ロリショタは歓喜できると思いますw

惜しむらくは、団地アニメとしての個性がもっと欲しかった所。
築60年、様々な人生を見守ってきた団地。
とありますが、メインシナリオから共有できるのは航祐、夏芽の6年くらい。
歴史を感じる団地の描写や、団地伝統の夏祭りを示唆するカットなどで、雰囲気は味わえますが、
そこは団地建築当時の住民の営みなど、エピソードとして頂きたかったです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・スタジオコロリド

同スタジオの真骨頂である、ゲリラ豪雨などの圧巻の天候描写。
加えて“団地監修”を迎えて、描き込んだ漂流団地ほか建物、廃墟も出色の出来。

躍動する人物描写により再現された小6のワチャワチャ感も上々。
ちょっと目を離すと何しでかすか分からないガキンチョの危なっかしさが、
子供たちだけの漂流で解放されるドキドキの冒険要素。
終盤だけでなく、頭ぶつけたりするシーンも結構あったりして。
一歩間違えれば一人二回ずつくらい死んでます。


【キャラ 3.5点】
主人公格の航祐と夏芽。ツートップのキャラ解像度、団地への愛着度は良好。
“やすじい”に関するわだかまりと掘り下げは感動的。
夏芽は居場所を見失い漂流しがちな現代っ子の縮図です。

が、ここも団地と縁が深いのがこの二人とのっぽ君くらいというのが……。
七人で漂流するなら、過半数は団地関連の子供で固めて団地への愛を叫んでもらった方が、
クライマックスの共感度もアップしたと思うのですが……。
結局、団地以外のキャラの家族愛は隅に追いやられがちでしたし。
パワー担当で、{netabare}母ちゃんのコロッケ{/netabare}くらいしか愛を叫べなかった譲(ゆずる)君が不憫でなりませんw

ただし、団地を知らない子供たちの中でも、
令依奈は高飛車な憎まれ口で、シナリオの転換点として機能していました。
男子を原始人呼ばわりしつつ、航祐の前では赤面する。
ロリのツンデレは最高の遊園地アトラクションですw


【声優 4.5点】
主役の航祐役には田村 睦心さんの少年ボイスを、ヒロイン・夏芽役には瀬戸 麻沙美さんを、オーディションで選出。

他にはおっとり眼鏡枠の珠理役に花澤 香菜さんを指名し、
令依奈役の水瀬 いのりさんの喧嘩腰をなだめて見守る構図。

のっぽ役には声変わり前の少年も巧みに演じる村瀬 歩さん。
一人で場を賑やかにする大志役の小林 由美子さんのワンパク少年ボイス。

などなどキャストは声優陣で固める。

音響は、同じセリフを雰囲気を変えて複数収録し選りすぐる手法をしばしば用いる。
これは高確率でOKを連発できる実力を有した声優でないと難しい方法。
人気声優の名前じゃなく、技術を求めて、それを作品に生かせていると好感します。

ジーンとくる場面も多々ありましたが、
私にとっては物語以上に声優さんの演技にグッときた面が大きいです。

総じてロリショタ大歓喜ということで(←クドいw)


【音楽 4.0点】
劇伴担当は石田監督とは『ペンギン・ハイウェイ』でも組んだ阿部 海太郎氏。
ストリングスを押し出した感動系だけでなく、
“お化け団地”要素もフォローしたコミカルなホラー系も提供しエンタメ性を付加。
店内放送風のBGMで、思い出のトリガーとなる演出も、ノスタルジーを醸し出す。

効果音も、実際に団地で生音を拾うなど、多彩な音源を駆使して、
団地が漂流する超常の中でも、地に足が付いた実在感で、あの夏が夢じゃなかったことを示す。

主題歌は、ずっと真夜中でいいのに。「消えてしまいそうです」
他に挿入歌「夏枯れ」も提供。
小6にしてはチョット背伸びし過ぎな感はあるものの、
詩的な歌詞で夏の思い出を噛み締めることができる佳作サマーソング。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

哀しみの感情、包み込む幸せ

アニメーション制作:スタジオコロリド
監督:石田祐康、脚本:森ハヤシ、石田祐康
キャラクターデザイン:永江彰浩、
演出:渡辺葉、間﨑渓、竹内雅人、木村拓、増田惇人、
作画監督:近岡直、西村幸恵、黄捷、加藤万由子、
荻野美希、三浦菜奈、薮本和彦、水野良亮、坂口歌菜子、
渡辺暁子、平井琴乃、櫻井哲也、宇佐美皓一、篠田貴臣、斎藤暖

海上を漂流している、
SOSの文字の描かれた団地。
屋上には人の姿。
石田祐康監督が映画制作に取りかかる前に描いた
1枚のイメージボードだ。

その絵から生まれ出たのは、
それぞれの心のなかで、
ひっそりと留まって固まっていた残滓が
海上を漂う物語だった。

主人公は小学6年生の熊谷航祐と兎内夏芽。
幼馴染の男の子と女の子。
ふたりは、夏芽の両親の離婚と母の仕事の事情から、
同じ団地で姉弟のように育ったが、
航祐の祖父である安次の死がきっかけで、
関係性が変化してしまう。
そのふたりに加えて、航祐のことが気になる
羽馬令依菜と令依菜の長年の友人である安藤珠理、
航祐の親友である橘譲と小祝太志、
謎の少年・のっぽという登場人物たちが
不思議な漂流生活を送ることになる。

どちらかというとイメージ先行の作品だが、
それが好ましいものなので、安心して観られる。
昔は絶妙なコンビだった航祐と夏芽。
今でもお互いのことを大切に考えているが、
安次の死によって負った傷があまりにも大きすぎて、
なかなか修復できない。
ふたりにとって、大切な思い出は、
取り壊しが決まった団地での暮らしだった。

幸せな時間は住んでいた場所に残り続けるのか。
大切な思い出は建物がずっと覚えていてくれるのか。
暮らしていた団地や場所が、
人に対して何か影響を与えることがあるのか。
{netabare}簡単に言うと「付喪神」と呼ぶのかもしれないが、
この作品に限っては、団地自体が
色々な人々の想いを受けて持つことになった
「心」と言ったほうが正しいと思う。{/netabare}

映画を観て思い出したのは、
重松清のニュータウンを題材にした一連の小説だった。
日本で一時期流行った、東京や大阪郊外の大型マンション群。
夢見て購入した自分たちの未来が次第に変容し、
思い描いた夢と大きくずれていくさまを
ユーモアとシリアスを交えて情感たっぷりに
描いた作品で、多くの共感を呼んだ。
そこにあるのは、心の底から求めた願いの形。
人々が傷つきながらも、大切なものを渇望する物語の流れに
どこか似た香りを感じたのかもしれない。

ただ、この作品で思うのは、
細部におけるキャラクターへの寄り添い方や
心情の描き方が物足りないということだった。
中心は航祐と夏芽なのだから、
このふたりの心情をもう少し丁寧に描いて欲しかった。
イメージとしては、とてもよく分かるのだが、
例えば夏芽と母親の関係性や
航祐と夏芽の大切な思い出を
もっと丁寧に描き、現在につなげても良かったと思う。
{netabare}正直なところ、令依菜絡みの話は、
ほとんど必要がなかったと思うし、
珠理との話ももっと短縮できたのではないだろうか。
そもそも遊園地の部分の話が長すぎるし、
個人的には枝葉に時間をかけ過ぎているように思えた。{/netabare}
これは構成と脚本の問題が大きい。
もっと時間を短縮できただろうし、
その分、航祐と夏芽のつながりが強固になる部分を
膨らませて欲しかった。

とは言え、絵的なイメージやキャラクターの感情表現などは
目を瞠る箇所がたくさんあった。
子どもたちと一緒にひと夏の冒険譚を楽しませてもらった。

誰にでも大切な思い出が心のなかに必ずある。
そして、昔の想いを自分のなかで
昇華させながら成長する。
マイナスの感情もプラスの感情も併せて、
心のなかで何かを生み出す。

そうやって、私たちは大人になっていくのだ。
(2022年9月24日初投稿)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29
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