戦いでファンタジーなおすすめアニメランキング 139

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの戦いでファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年04月28日の時点で一番の戦いでファンタジーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.2 1 戦いでファンタジーなアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (446)
1504人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

面白くてはいけない作品を面白くしてしまい、余韻が無くなったかも。

 コミック1巻あるいは本作1話は素晴らしかったと思います。最近「すずめの戸締り」もありましたが、古い時代を思い出し、鎮魂するという話が増えてきたのは、次の日本を作っていこうという雰囲気がやっとでてきたのかな、と思います。

 ただ、アウラ編のバトル要素満載と、オシリスの天秤(とは違いますが)のようなもので、少し安易な形で魔力を隠す意味を魔族との戦いの要素にしてしまったことで期待外れとなりました。何より「葬送」の意味を魔族を倒した数と矮小化してしまったのは、非常に残念でした。

 1級魔法試験も「天下一武道会」が始まったか…というがっかり感はありました。

 ヒンメルおよびその仲間を思い出しながらの「葬送の旅路」はつづけていました。
 ゼーリエのところで人は駄目だと言いながら、花を出す魔法が嫌いと言いながらツンデレのゼーリエで、エルフの生き方の寂しさの様な部分を一旦総括していました。また、フェルンとゾルトラークで「人間の魔法」「人間の強さ」について表現していました。ただ、それを露骨に見せすぎだろう、という気はしました。

 全体としてどんどんエモくなっていきました。全体に「いい話」にこだわりすぎて、サラリとしたのが良かったのに、人との関係が強くなった、ならざるを得なかった感じが平凡な面白さに近づいていったなあという印象です。言い換えるとキャラと思い出話に寄りかかってしまった気がします。

 アニメで言えばコミックではつまらなかった、1級魔法のところをかなり面白く仕上げたのは素晴らしいと思う反面、この作品における期待の真逆になってしまいました。テーマを丁寧に説明してくれてしまいましたので、感じる喜びが無くなってしまいました。

 つまり、キャラ萌えとバトルの平凡な面白さになたということです。テーマも感情も見やす過ぎて引っ掛かりが無くなった感じがしました。この作品は面白くすると、かろうじて残っていた引っ掛かりも余韻も消えてしまう気がします。

 コミックスの原作の第1印象はアウラ編から「面白くない」でしたが、それでも読み進められたのは、フリーレンが旅路の果てに見るものは何かが気になるからです。その点は未だ気になっている反面、同じようなテーマを延々繰り返している感じもあるので、きっぱりとダラダラしないで終わって欲しいと思います。

 評価はこの作品は結末を見るまでわかりませんので、保留です。が、オール3もどうかと思いますので、オール4にしておきます。





19話 本作のつまらなさと深さの両立が上手く言語化できないので、再度レビュー。

{netabare} 断念したにしておきながら何度も書き直してすみません。ちょっとこの作品は正しく言語化したいので。文句いいながらも見てますので、やっぱり今見てるにしておきます。

 フリーレンの旅が、アイゼンとハイターの弟子2人と共にあるのは、つまりヒンメルとの旅をフリーレンの内面で思い出す…つまり4人の旅を再現しつつ、ヒンメルの代替はないからでしょう。ヒンメルの言動の意味を今思い出しながらかみしめる旅です。

 なぜヒンメルが銅像を残したのかと考え合わせると、物語全体の発想はものすごくいいと思っています。ヒンメルが一番先に逝ってしまったのはこの構造を作りたかったからです。
 その旅の中で、ヒンメルとすごした10年を特別にして行くことが葬送なのかなと読み取りました。だから、結果的にエンデの城についてもヒンメルの魂と合うことはできず、旅そのものが葬送なのかな?と。だから、ヒンメルの死後のカウントが作品の時間経過の基準となります。

 
 そしてほぼ不死に近いフリーレンの長命による非人間性は下手をすれば魔族に近いです。子供のようなフェルンとシュタルクがなぜ物語に必要だったかと言えば、人間は知識や想い出を前の世代から受け取り、後ろの世代に渡して行く営みがあるということだと思います。魔法が魔族のものから人間が解析して進化しているという点が象徴的で、人間は生死…つまり世代があるから進化する…それをフリーレンが理解するという話を描こうとしているととりました。

 で、興味としては、フリーレンとフェルンが魔法の能力を隠すことに長けている点、ここに何かアナロジーがあるのではないか?と。感情を持たない魔族と組み合わせると、現代社会か資本主義的なアナロジーも感じます。そこが何を描きたいのかな、と思っていました。2023年は戦後78年という意味もあるかな、と思ったりもしました。フリーレンが千年以上生きていて生殖をしないという点で日本人のことかなと。ほろびゆく種族と言う意味でも。
 魔族も一部の人間のアナロジーではあると思います。騙すために人語を解する理性も感情も良心もない存在。

 そこで始まったのが、アウラ編で魔力を隠す意味とかバトルとか、なんか世界観が矮小化してしまった気がしました。原作を読んでいるときにここでかなり醒めて、つまらなさを感じました。期待が高すぎた落差なのかもしれません…もちろん、期待よりもっと高い視座を読み取れていない可能性もあります。

 そして今度始まったのが、一級冒険者ですねえ。ランク化です。まあ、なろう系のレベルウインドウと違い、フリーレンの過去の資格が役に立たないことを考慮すると、ランク化は学歴とか資格とかそういう本質ではないランク付けのアナロジーとも取れますけど。ただ、バトルもそうだしかなりテンプレ感が強いので、ここであーあと思いました。

 こうして文章に書くと整理がついてきます。やっぱり悪い話じゃないし、浅い話とも思いません。とにかくアウラ編まではかなり感動してましたし、展開が楽しみでワクワクしてました。

 アウラ編から一級試験まで間が空きすぎたのと、展開や想い出の描き方がパターン化したこと。バトル要素が強くなったりして、急激につまらなくなったなあ、と感じました。
 ただ、魔族の1人1人が何かを表現したいような気はしてるんですよね。そこがアウラの魔力比べでよくわからなくなってしまいました。

 この後の話も2期3クール目ということになるのでしょう。設定とアナロジーから言って、浅くはないのはわかっています。まだまだ考察すべき部分もあるでしょう。魔法がなんのアナロジーかは読み取りたいところです。

 が、不思議なくらい面白く感じないんですよね…キャラが淡々としているから?何か視点がかわると面白くなるかも…というポテンシャルは感じます。私の読解力の無さなのかなあ…{/netabare}


21話 21話は面白い。それ故に唯一無二の作品ではなくなってしまった。

{netabare}  21話は面白いです。マンガでは退屈でしたがアニメの動きが入るとかなり良くなっています。つまり言い換えると、その面白さとはキャラ萌えとか戦闘シーンのカッコよさあるいはフリーレンの魔法の俺TUEEEでした。
 その面白さは本作に求めているものではなく、葬送=想い出を振り返ることで勇者の想いを理解するということとはちょっとかけ離れています。

 1級魔法士という設定が持つメタファーはもちろん感じますし、強さや力の使い方などの思想的な部分なども読み取れますし、おじいちゃん魔法士のセリフからしてもちろんキャラ萌えだけではないと思います。人間社会側の様々な人間の考え方の違いをしっかし考えて作っているところは興味深いです。

 また、1級試験はちょっとサブキャラが濃いですよね。濃すぎる感じです。その濃さがまた面白さになっているのでしょうが、その描き方に全部が持っていかれてしまった気がします。

 葬送の他に魔法というテーマ性が消えているわけではないし、そこの仕込みもあると思います。が、やっぱりこういう派手な面白さは他の作品でいいかな、と思います。

 つまり、21話の面白さに象徴されるところが、本作の唯一無二の作品になり損ねたという意味で私にとっては面白くなくなったということかな、と思います。{/netabare}


23話 マンガ版より分かりやすく面白い…うーん、再評価してもいいかなあ

{netabare} 22話のような話はいいですよね。この作品を見始めた理由に近いエピソードでしょう。
 一方で23話です。まあ、作画すごかったですね。特に最後の場面のフリーレンモドキは鳥肌が立つくらいにカッコ良かったです。

 どうなんでしょうね?この作品の評価ってやっぱり結末を見るまでは保留にすべきなんでしょうか。アウラ編で魔法の設定が安っぽくなったこと、バトルが長かったことなどで、脱落しかけましたし、途中のエピソードがちょっと冗長すぎたのはありますけど、この数話の出来は本当に素晴らしいと思います。マンガ版になかった迫力という点でアニメータは本当に良い仕事をしていらっしゃると思います。

 正直マンガ版だと1級試験編そのものがあまり面白くなかったですし、試験が入ることでジャンプメソッド的な引き延ばしに感じて作品の質が落ちたと感じていましたが、そうとも言い切れない面を上手く拾ってもいる気がします。その点でデンケンの使い方は秀逸かな、と思っています。

 うーん…評価は一旦ニュートラルにして、マンガではないアニメ版のフリーレンをもう1度再評価してもいいかな、と思わせるくらい21~23話は良かったですね。

 一旦、ニュートラルという意味のオール3に評価は戻しておきます。また、改めて。 {/netabare}



24話 フェルンの性格はなぜああなのか?なぜゾルトラークだけなのか?
 
{netabare} なるほど…フェルンの嫉妬の描写ですけど、家族というか自分のテリトリーの侵害に対して敏感なんでしょうね。これは両親を早くに失くしたことに関係があるのかな?ハイターの杖とかプレゼントへのこだわりというか執着もそうですよね。

 夜更ししてジュース飲むと怒られる理由です。ここの性格造形の作り方はなるほどなあ、という気がしました。育ての親のハイターの教育で「ちゃんとしてない」ことに対して許せないということでしょう。
 もちろん大食いなのも甘いモノ好きなのも、幼少期の苦労つまり食料不足が影響していると想像ができます。となると愛情への飢えもあるので、シュタルクとの恋愛は疑似恋愛の気もしますけど。

 夜更しジュースの件は、今回フェルンも贅沢していましたから、どちらかといえば自堕落だから起こったのではなく一人だけで楽しんだから頭に来たのかな?

 こういうことの裏を返せばフェルンはフリーレンを誰よりも理解している、ということでしょう。だからラストの「フリーレン様を…」になるんだと思います。フリーレンも嬉しそうでしたし。

 一方でフェルンの設定としてなぜゾルトラークと一般的な防御魔法なのか?ですね。今回の「フリーレン様を…」でふと思ったんですけど、フリーレンとゼーリエの設定から言って、魔族とかエルフに対抗できる魔法を人間が持つなら、魔法のバリエーション、つまり種類の多さじゃなくて、一つの魔法を極限まで極めるという方向性しかない、ということかもしれません。

 そうなると初めに出てきたゾルトラークを80年間改良を続けてきた、人間の魔法という意味と重なってきます。これは人間の命の短さで、でも組織的に習得できるものとエルフの長寿で孤独な生き方の違いのアナロジーにもなっているのでしょう。

 ゾルトラークの説明があったエピソードからそこは意図していたのかな?中国拳法のように「一意専心」的なことと、師匠の魔力を隠すという意味もちょっと中国拳法的ですよね。練習も功夫も人に見せるなというのがあります。

 まだ、野心があるゼーリエには魔王は倒せなくて、フリーレンなら倒せるということと、平和の時代の魔法使いという矛盾の説明が何となくわかった感じですね。なんとなくですけど。

 つまり1級試験編の2次試験はフェルンの描写の為の回ということかあ…連載時にバトルで話数を引き延ばしていたわけじゃない…のかもしれませんがどうなんでしょう? {/netabare}

25話 バトルが長すぎてテンポが…テーマ的には同じことを繰り返してますし。

{netabare} 話が進まないですね。やっぱり面白くない…という気もしてきました。21~24話はアニメの出来は良かったと思うのですが、23話のフリーレンの複製登場からが余りに長いです。

 花畑と人間が魔法を得て強くなってゆくという話は、かなり前の回で一回なぞった話ですからね。その重複感はやはり1級試験編は強いかもしれません。アニメの出来はもちろん作画は目立つところですが、テンポというかスピード感もあります。原作が冗長だったところを更に引き延ばしている感じがすごかったです。

 やっぱりアウラ編の途中からバトルが長くて、妙にテンポが悪くなるのとセリフで全部説明するのでどうかな、と思っていた悪いところがこの数話極端に出てますね。アニメになって余計感じました。 {/netabare}


26話 やっと1級試験も2次試験が終わりました。

 魔法とイメージがこの数話にはテーマとして出てきてますね。フリーレンを殺せるというイメージ。そして布を切るというイメージ。それとエルフと人間の魔法に対するスタンスの話もありました。で、もちろんフェルンがゾルトラークを極めるということでしょうね。その辺が本作はテーマとしてありそうですね。そこをはっきりさせたのが1級魔法試験かな、という感じでした。このテーマ性は悪くないと思います。ただ、試験編は長いなあ…やっとここまで来たかあ…

 なぜか模倣フェルンが出てこなかったのはフェルンがそこまで上手く魔法を隠せているということ?一瞬メトーデを狙っていたけど攻撃を受けきったように見えましたけど…拘束魔法が上手くいく前に攻撃は受けたみたいですよね。それをよけ切っていた?メトーデが強すぎるってこと?それともたまたまなんでしょうか。

 作画はやっぱりバトルシーンは力が入ってますけど、私は惹かれないですね。むしろ作戦会議の時のフェルンの表情の変化が良かったですね。









前回のレビューです。

正直に言うと原作アウラ編の途中からつまらなくてしょうがなかった。

{netabare}  2クールらしいし人気作になったので一人くらいいいでしょう、遠慮なく言えるので今言っておきます。
 
 正直に言うと原作はアウラ編の途中から凡庸でつまらない作品になったなあと思いました。つまらないとは言いずらい…つまらないと言ったら負けかなとは思い、言葉を濁しましたが。

 作品として評価したのは冒頭だけです。以降はなんだかなあと思って読んでました。で、アニメが人気なので見てみればちょっと見方が変わるのかなあと期待したので、チェックはしてみました。

 要するに原作は人気作故に「葬送」の意味を途中で変えてしまったのではないか?と思います。そう、バトル控えめで過去の戦いと死んだ仲間の意味を振り返りながら旅をするだけだから面白かったんです。それが「葬送」かなと。

 アウラ編以降、ジャンプ系?という感じでバトル要素が色濃く入って来て、この話以降も変な言い方ですけど、どんどん凡庸になって行く気がしました。

 ちゃんと人気作になったとのことで、アンチの批評が少しはあっていいでしょう。私はこの作品、冒頭ではポテンシャルが非常に高い素晴らしい作品だと思っていました。人気故に名作になる道をすて引き延ばしによる凡作化を進みつつある作品だと思います。その落差にガッカリしたので、断念したにしていました。で、改めてアニメを見てもやっぱりがっかりかな、と。原作よりは演出面等でがんばってますけどね。ただ、結末次第では盛り返せる部分もあると思います。{/netabare}
 


第5話 原作マンガが良すぎるのでアニメは休みます。

{netabare} 別にアニメがつまらないわけではないですが、雰囲気としては原作コミックスが好みということです。
 ただ、やはり「推しの子」と同じです。1巻2巻あたりがピークな気がしたというのも同じくアニメを追わない理由です。
 原作も11巻既読しましたので後は完結したらでいいかな、と思っています。理由はネタバレになるので言いません。ただ、週刊連載の人気作の悪いところが出始めています。

「葬送」の意味は魔族を一番葬ったからということですが、それはダブルミーニングというかむしろ後付けでしょう。エンデの魔王城とは、「モモ」のミヒャエル・エンデからのネーミングだとすると、時間の価値の話になるはずか、当初はそれを想定していたと思います。

 目指す目的が死後の魂と話をするということですから、フリーレンの中にいる想い出と向き合う話、死と時間を理解する話になると思いますので「葬送」の意味が「人を見送る意味」じゃないと作品の価値がありません、と私は思います。

 ということで、原作が良すぎるのでアニメを見る意味がないと感じましたので、やめておきます。{/netabare}
 

視聴前 私は冒頭が好きです。「間」と「静けさ」がキモになる作品。

{netabare}原作途中まで既読。多分全部読むでしょう。

 この作品は面白いですがキモはテンポです。間延びがあると間抜けになります。11巻ですか。ちょっと2クールとか2期とか考えると色気がでてしまう巻数です。人気作だけに下手をすると変な尺稼ぎで時間を伸ばす可能性がありますので、それだけが心配です。
 本作は淡々とテンポ良く静けさを感じるくらいに表現されるのが面白い作品です。そこが上手くできているかどうかがポイントになります。第1話に力が入りすぎているのがちょっと心配です。「チェーンソーマン」になりませんように…。

 それと、どこまでになるかわかりませんが「推しの子」と一緒です。あの作品よりも緩やかですけど、冒頭とそれ以降楽しみ方が変わる作品です。といってもテーマは同じなんですけど…単純に面白いのは後からですが、私は冒頭が好きな作品です。
「さよならの朝に約束の花を…」をこの時期にレビューしたのは、この作品の下準備と言えばわかりやすいかもしれません。

 過大評価、期待過多はやめた方がいいです。「感じる」作品でエンタメとしてはそれほどです。「タイパ」重視の人にはまったく向かない作品でしょう。制作者側もそこは理解していると思いますが…{/netabare}


第1話 素晴らしいアニメだけど、面白くはない。過大評価はしない方がいい。アニメはマンガに比べて格段に情報量が多いのがどういう影響になるか。

 初回…というか2日前、金曜ロードショーの放送の時に、戦後78年のアナロジー云々と書きましたが、やっぱり再視聴してみて、この作品は頭を使わない方が良さそうですのでレビューを書き換えました。
 考察するよりも、生きるということと時間経過の意味を感じる方が良さそうです。
 1点だけ。魔法とはなにか?魔力感知とは?魔族は?そこのアナロジーは嫌でも考えてしまいます。

 そして、やっぱり面白くはないです。エンタメとして評価するなら退屈です。それでも「いい作品」だと言えます。3回目ですけど全然OKです。
 ストーリーもテーマもキャラも抜き出してしまえばありきたりです。過大評価、期待過多、そして何よりも他人の意見。見方は人それぞれですから、こういったものは排除した方がいいと思います。向くか向かないか。まず自分でそれを判断しないと苦行になる可能性があります。
 特に情報として作品を観賞する「タイパ」重視の見方をする人は早々に退散した方がいいと思います。

 アニメ版、ちょっとフリーレンの顔が丸くて笑ってしまいますが、時間の経過の感覚はゆったりしていてけど、場面のテンポは速くて上手く原作を表現しています。
 音楽や声優さんの声質、演技。効果音、色、何より動きなどアニメならではの情報量の増加しているのが下手をすればノイズになります。(1例を挙げると30分単位の2話。岩を魔法で打ち抜く修行をしているところのシーンが顕著です)
 また、制作者の解釈が分かりやす過ぎて、原作より文学性は落ちている気がします。

 ただ、この作品は視聴中は頭を使わず受動的に見て、後から味わった方が良い気もしますので、そこはアニメのアドバンテージでしょう。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 48
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

(最終)ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華

【レビューNo.114】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
コミック原作で2023年作品。全28話。
元々娘がコミックを買っていたので原作既読です。コミックは「マンガ大賞
2021」を受賞するなど前評判も高く、後はいつアニメ化されるかって話でした
がついにきましたね。

(ストーリー)
勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンら勇者パー
ティー4人は、10年間もの旅路の果てに魔王を倒して王都に凱旋する。
ヒンメルら人間にとっては10年は感慨深いものがあったが、1000年は軽く生き
る長命種のエルフであるフリーレンにとっては、ほんのひとときであった。
あれから50年、流星群を観るために4人は再会を果たすが、見た目は全く変わら
ないフリーレンに対し、ヒンメルら人間は随分と年を取っていた。
(ドワーフのアイゼンはそれほどでもなかったが)
そして間もなくヒンメルが天寿を全うする。
彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしな
かったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑したフリーレンは、人間を知
るためと魔法収集のために旅に出る。
それから更に20年後、フリーレンは老い先短いハイターを訪ねる。ハイターは
戦災孤児のフェルンを引き取って育てていた。ハイターはフェルンのことを弟
子にするようフリーレンに依頼するのだが・・・
これは人間を知るために、人間と交わり旅をする彼女と新たな仲間達の物語。

(評 価)
・第1-4話:フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 {netabare}・マッドハウスの本気度を感じさせる精力的な動き
  ・金曜ロードショーで2時間(4話分)を一挙放送
   昔から第1話1時間拡大ってのはありましたが、「推しの子」の90分を凌
   ぐ2時間拡大スペシャルで勝負にきました。しかもまだ他作品が出そろっ
   ていない9月中にぶっ込んでくるなど、かなり精力的な動きが見られます。
  ・連続2クールまで明言
   コロナ以降分割2クールの作品が格段に増えましたが、一気に連続2クー
   ルで放送することも明言!
   初回の作画もかなり力が入っていましたが、これを最後まで維持できる
   力があるのか、視聴者としては嬉しい限りですが、逆にちょっと心配な
   部分もあります。
   とはいえ、賽は投げられました。後はマッドハウス頑張れと。
  ・OPに「YOASOBI」
   OPは「勇者/YOASOBI」と、いやーこの辺も抜かりないですなw

 ・フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
  正直本作は「面白可笑しくテンポよく」という作品ではないので、その辺
  りどうなのかと心配でしたが、本当に原作のもつ「緩やかな空気」や「間」
  といったものをしっかり意識して作っているなという、作品の理解度の高
  さに驚きました。4話分の放送で(コミック1巻+2巻1話の)全8話分を完
  全再現したんじゃないですかね。
  それゆえに初見の方には「テンポが悪い」と映る方もおられそう。
  でもそういう作品じゃないんだよなあ。

 ・何気ないセリフや会話が心に響く
  勇者パーティーにいた頃のフリーレンは(どうせ彼女にとってはひととき
  の出来事に過ぎないとして)他人には無関心でしたが、今振り返るとあの
  時の何気ない言葉たちにいろいろな思いが込められていたことに気付かさ
  れます。
  {netabare}また2話の「ヒンメル像のために蒼月草を見つける」エピソードでは、
  フリーレン「もう少し探したら切り上げるよ。」
  フェルン「もう少しって何年ですか?」
  という2人の時間に対する感覚の違いも巧み表現されるなど、こういう細か
  いセリフ回しとかも実にいい。
  (この花を見つけるエピソード自体も素晴らしい){/netabare}
  そしてアイゼンとの会話
  {netabare}「お前は人の時間を気にするような奴じゃなかった。」
  という下りも、人と交わり他人を気遣うようになったフリーレンを上手く
  表現しており、こういうところも巧みだなっと。{/netabare}

 ・戦闘シーンも丁度よかった
  {netabare}異世界の魔法使いの話ながらも戦闘が話のメインじゃないんですよね。そう
  いう意味でも3話の初めての魔族との戦闘シーンも派手過ぎず、地味過ぎず
  作品の世界観にマッチした、程よいバランスで描かれていたと思います。
  {netabare}(ここでもこの魔族が封印されていた間に80年が経過、その間にこの魔族の
   強力な攻撃魔法を研究し、新たな防御魔法を開発(魔族の「たった80年か」
   に対し、人間の営みを舐めるな!的な)人間と魔族の時間感覚の違いを上
   手く表現している。){/netabare}{/netabare}

 初回2時間スペシャルでしたがそれほど長さも感じさせず、それでいて原作の
 もつ空気感も壊すことなく、上々の滑り出しだったと思います。作画もよかっ
 たですし。懸案事項とすれば、
 ・上述の通り、連続2クールなので作画がこのレベルを維持できるのか。
  (それに落とさず放送できるのか)
 ・(気が早いですが)原作未完なので、どうしてもラストが・・・
  それに2クールなので、原作の大半を消費しそうで、2期があっても数年後に
  になりそう。
 という感じでしょうか。
 まずは制作陣の素晴らしい仕事ぶりに拍手喝采というところですね。{/netabare}

・第5-8話:他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →アニメはアニメで面白い
 {netabare}>フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 5話では逆に
 「忠実さを意識しすぎて窮屈になっていないか?!」
 という不安もあったのですが、以降はエンジンがかかってきて
 「アニメとしての面白さがきちんと表現されている」
 という印象ですね。

 ・会話劇がちゃんと面白い
  「人間を知る」というのがフリーレンのテーマになっていて、そうなると
  必然的に会話劇がキモとなるわけですが、
  ・原作のセリフの秀逸さを活かしつつ
  ・種﨑敦美さんの名演
  ・それを支える他のキャラとのキャッチボールの上手さ(共演者も◎)
  ・その他アニメ的な細やかな演出
  等でちゃんとアニメとしての面白さが確立してるなと。

 ・他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →時間経過の描写が秀逸
  8話がかなりよかったと思うのですが、
  ・フリーレン VS ドラート
   「今の魔族はダメだね。実戦経験が少なすぎる」
   ・フリーレンの経験の豊富さは普通の作品でも思いつくところで
   ・上述のセリフも、普通なら「まだまだ青いな」位のセリフで済ませそう
    なところですが、これまでの作品の流れからフリーレンというキャラが
    しっかり確立してるから、いかにもフリーレンらしい言い回しがピタリ
    とハマり
   ・同時にこのセリフが、魔族側にも大きな時間が流れ、しかも人間界と同
    じような問題を抱えているという世界観を的確に表現してるという。
  ・リュグナー VS フェルン・シュタルク
   ・「我々魔族は永い寿命の中で一つの魔法の研究に捧げる」
    普通の作品なら魔族は「生まれながらのチート」で済ますところを、魔
    族側も日々研鑽してるという世界観を提示し
    (その集大成ひとつがクヴァールの魔法「ゾルトラーク」だと)
   ・しかし3話で既にその「ゾルトラーク」は一般魔法レベルに陳腐化してお
    り(人間は防御魔法を開発)、フリーレンはそれを対魔族用の「ゾルト
    ラーク」に改良、今回は更に弟子のフェルンに伝授できるレベルにまで
    解析が進んでいるという時間経過を表現。
    その様をアニメならではの戦闘描写でしっかり面白く魅せるという。
   
  このような感じで、魔族という種族も案外人間臭いんだなという独自の世界
  観を提示しながら、フリーレンの長寿命を単なるヒンメルたちとの死別だけ
  で終わらせるのはなく、魔族の未熟さや魔法の進化といった人間界・魔族界
  それぞれの時間経過という作品全体できちんと昇華されている描写が秀逸。

 そしてリュグナーは思い出す。
 → 歴史上もっとも魔族を葬り去った魔法使い――「葬送のフリーレン」       
 タイトルにはもうひとつの意味が込めらていたと!!
 それをアニメとして最高の演出で印象付けるという・・・
 製作陣の原作の理解度の高さおよびそれをアニメとしていかに面白く魅せるかと
 いう次元までしっかり落とし込まれているなっと。
 「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 すが、同じ土俵では戦わず
 「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 という姿勢は賞賛モノですね。
 原作既読でも「アニメはアニメとして面白い」と感じられる仕事ぶりかなっと。

(追 記)
6話でのフェルンのセリフ
「ちっさ」
の反響がかなり大きいらしいですねwww
・シュタルクで検索すると「シュタルク ちっさ」が候補に挙がる
・育ての親ハイターの「巨●ン」説が浮上
・LINE公式スタンプが発売されるetc{/netabare}

・第9話:あの淡泊な原作での戦闘シーンが・・・アニメはこの水準でやってくれるのか!!
 {netabare}>「鬼滅」や「呪術」に比べ「戦闘シーンは劣るのかな」という懸念はあったので
 >すが、同じ土俵では戦わず
 >「『葬送のフリーレン』という作品全体像の中でどう魅せていくか」
 >という姿勢は賞賛モノですね。

 前回こう書きましたが、すいません前言撤回します!!
 ・リュグナー VS フェルンの魔法戦闘
 ・リーニエ VS シュタルクの近接戦闘
 これ、どっちも「鬼滅」や「呪術」に負けてないでしょ!!
 正直原作の戦闘シーンは淡泊な感じなので(それをウリにしていない)あまり
 期待していなかったのですが、これは度肝を抜かれました。
 この制作陣有能すぎるwww
 こんなに動くとか完全に想定外ですわ。
 ・師匠フリーレン →弟子フェルン
 ・師匠アイゼン →弟子シュタルク
 回想シーンを挟み、その教えをよりどころに強大な魔族に立ち向かう弟子たち
 の激アツ展開もいい。
 それに構成も
 ・Aパートにフリ―レン VS 断頭台のアウラの前哨戦でウオーミングアップ
 ・Bパートで上述全開バトルをぶち込み、時間キッチリに両方とも決着とかw
 「鬼滅」や「呪術」が無駄に戦闘シーンが冗長化してきて、食傷気味になって
 きてるのをみると余計その辺が際立つというか・・・
 最後の決めシーンも8話で魅せたフリーレンが月をバックに夜空に浮ぶ構図を
 今度は弟子のフェルンで再現してみせるとか、ホントいい仕事してますわw

 完全にこの制作陣の作画力を侮ってました。すいません__|\○_
 このシーンだけでもアニメ化の意義が十分あったといえる神回だったかなと。{/netabare} 

・第10-12話:ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 {netabare}・断頭台のアウラ編
  ・魔族
   ・人間の言葉を操り人間を欺く
   ・魔族は組織を統率するために強さ(魔力量)にて格付けが決まる
    → 魔力の放出を制限するという概念が存在しない
  ・フリーレン
   ・(そこを逆手に取り)魔力の放出を制限して魔族を欺く
  魔法使いにおいては、ある意味魔法を愚弄する卑怯な手段だが、フリーレン
  は「一生を掛けて魔族を欺く」という覚悟を持って挑んでいる。
  「力を隠してのビックリ展開」自体はバトルモノではあるある設定ですが、
  それを細やかな設定や描写で、ひとつのドラマとしてストーリーに落とし込
  んでいる創りは本当に見事。

 ・他のエルフ(クラフト)との出会い
  ・長寿命のエルフゆえに、自分の成してきた正義や偉業を知る者はどんどん
   死んでいく。
  ・だからクラフトは女神を信仰して、死んだら女神に褒めてもらうのだと。
   → 女神を信仰しないフリーレンは、俺が代わり褒めてやる。
  ・回想でハイターにすでに褒められていたことに気付き、遠慮しておくよと。
   → いい友人をもったな
  「長寿命のエルフゆえの寂しさ」というアイデアから
  ・「褒めてやる」という些細なエピソードを細やかに創作し
  ・最後はきちんを勇者パーティーに回帰させ、すでにそんな優しさを受け取っ
   ていたことに改めて気づかされる。
  これも「人を知る」という本作のテーマに沿って、きっちり創り込まれている
  なっと。

 ・剣の里
  ・英雄譚では、ヒンメルがこの地で守られていた「勇者の剣」を見事に引き抜
   き、それを振るい魔王を討伐したとなっているが
  ・実際はヒンメルは「勇者の剣」を引き抜くことが出来なかった。
   それでもヒンメルは魔王を打ち倒し「真の勇者」となった。
   (「真の勇者」が実は「勇者の剣」を引き抜けなかったでは恰好がつかない
    から、そういう英雄譚になった模様w)
  これも「勇者の剣」のネタを逆張り的に創った感がありますが、ここまでのヒ
  ンメルの描写がしっかり出来ているから、
  「あのヒンメルらしいエピソードだな」
  って納得せられてしまうんですよ。物語の全体像がしっかり創り込まれている
  から違和感なく、むしろヒンメルというキャラに積み重ねが生まれるという。

 面白いアイデアや一見いいシーンだな思う作品はあるのですが
 ・アイデアを出したことに満足して、そこで終わってしまっている。
 ・全体像がしっかり練られてないから、いいシーンも「点」にしかならず、むし
  ろ全体像との整合性から違和感すら覚えてしまう。
 というケースが結構多いんですよね。その点本作は
 ・全体像をしっかり練り込んだ上で
 ・ひとつのアイデアをもう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
 というところがきちんとできているなっと。
 私がレビューでよく使う言葉で
 「きちんと汗をかいている」
 というやつで、だからこそ(「暗殺教室」のレビューでも書きましたが)
 >そこに私たちも心動かされ、 
 >「やっぱりプロのクリエイターは、私たち素人と違って凄い仕事をしてるんだなあ」
 >という制作陣や作品に対するリスペクトが生まれるんだと思うのですよ。
 本作もそれに準ずる作品かなと。
 (逆にその辺をサボり、即効性のある「見映えだけ重視」のシーンに頼り「ドヤ、感動
  的な作品やろ」みたいなのが鼻につく作品には、つい辛口なレビューを書いてしまう
  んだよなw){/netabare}

・第13-14話:新キャラ・僧侶ザインも上手く大局に織り込んでいる
 {netabare}「断頭台のアウラ編」以降地味な展開が続いていますが、あの戦闘シーン
 はある意味「制作陣からの特別ボーナス」って感じで、「人間を知る」と
 いうフリーレンの旅の目的からすると、本来の姿に戻ったって感じですね。

 ・13話からは新キャラ・僧侶ザインが登場。
  「戦士ゴリラ」という冒険に出たまま音信不通となった親友を探すため、
  (兄の親心もあり)暫し同行することになります。
   「酒・たばこ・ギャンブル・女好き」のちょいワルおやじ系ですが
   ・フェルン、シュタルクがまだ「未成熟な子供」なところがあり(で、
    フリーレンは人の心が分からないw)、その関係がギクシャクした
    ところを「大人」としてサポート。
   ・「ハイターとも面識がある」
    こういうフックを持たせることで、フリーレンの回想にスムーズに
    繋げていく一端を担う。
   という感じで、単に目新しさだけでなくしっかり大局に織り込まれて
   いる点はさすがだなっと。

 ・14話も「鏡蓮華の花言葉 → 『久遠の愛』」というアイデアを
  (アクセサリーの装飾モチーフにして)
  ・「フェルン×シュタルク」の誕生日プレゼントという単体のエピソー
   ドだけで終わらせるのではなく
  ・「フリーレン×ヒンメル」の回想 → 指輪のプレゼント
   それまでその指輪に執着がなかったフリーレンが、(アクシデントで)
   扮失した指輪を必死に探すという「人間を知る」というテーマにまで
   落とし込む。
  1話の尺をフルに活用してしっかり創ってきてるなっと。
  それがより際立つように演出なんかも工夫されていて、ちゃんと「アニ
  メとして面白く魅せる」という仕事ぶりでしたし。

 原作既読ながらもその時は見落していた事項を、改めてアニメで観て、こ
 うやってレビューのために言語化してみると、結構新たな発見があるもの
 だなあっとw{/netabare}

・第15-17話:後半「一級魔法使い試験編」に向けての前半の総仕上げ
 {netabare}2クール目に入り、OPが変わったりといよいよ新章に突入かを思わせます
 が、「一級魔法使い試験編」は来週からということで、今回は前半戦の総仕
 上げ。
 
 ・シュタルク回
  オルデン卿の戦死した長男の替え玉を引き受けることになったシュタルク。
  ・オルデン卿のシュタルクや彼を通しての長男への想い
  ・オルデン卿の次男に、優れた兄を持った自分を重ねるシュタルクの想い
  そういったシュタルクを中心にした人物の掘り下げに加え、
  ・社交界でのシュタルク×フェルンの社交ダンスシーン
  アニメ化の意義をしっかり見せつける華やかな作画・演出も良き(^^♪
  
 ・僧侶ザインとの別れ
  元々親友「戦士ゴリラ」を探すために旅立ったザインですので、彼の消息
  の手掛かりを掴んだ彼とはここでお別れです。
  物語的にも「一級魔法使い試験編」までの繋ぎの短編が続く展開の中に、
  新キャラとしてザインを登場させ、彼にしかできない役割を演じさせてい
  たのは上手い構成だったと思います。
  エピソード的にも
  ・親友が「戦士ゴリラ」を名乗り出した理由
   どんな英雄も名前をいつか忘れられてしまう。
   → 忘れられないよう名前のインパクトは大事!
    (ザインは「勇者あごひげ」と命名されたw)
   それが頑固婆さんを介して、ひとつの物語として回収されるという・・・
  ・大人のザインらしい最後の仕事
   フリーレンが苦手とするフェルンとシュタルクの喧嘩の仲裁。
   → そして名言
     「もう付き合っちゃえよ!!」
   へと続くというwww

 ・ヒンメル曰く「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
  ・長寿友達・フォル爺とのやりとりでの一節。
   エルフの長寿命を出オチで終わらせずしっかり活かしてきますねー。
   この辺も死んで名前しか残らない人間、
   ・ヒンメルのように(フルーレンが寂しがらないよう)銅像を残したり
   ・前述「名前のインパクト」勇者ゴリラのエピソード
   と見事にリンクさせ、長寿フリーレンとの対比も綺麗に描写しているな
   っと。
   冒頭のヒンメルのセリフですが、勇者パーティーにいた頃のフリーレン
   には、本当の意味は分からなかったのだろうなと。でも今だから理解で
   きることがある。こういう魅せ方がホント上手いですね。
  ・最後にフェルンが病気になって、フリーレンが手を握るというひとつの
   アイデアから 
   ・実はそれはヒンメル譲りの行為。
    → 前述「僕たちの記憶はフリーレンが未来につれていってくれる」
      がきちんと受け継がれていることを印象付け
   ・でもフェルンは「子供扱いしないで」と拒絶してしまう。
    そしてシュタルクのフォロー。
    → 年頃の娘が若い男の前で子供扱いされるのが恥ずかしかったとい
      う複雑な乙女心を描写し、「人間を知る」という本作のテーマに
      深みを与えている。
   ホントひとつをアイデアをしっかり膨らませているなっと。
   
来週からは「一級魔法使い試験編」が始まりますが、ここまでは(いい意味で
予想外だった)ド肝を抜く戦闘シーンを始め、味わい深い「人間を知る」ハー
トフルなエピソード等、原作のよさを再認識するともに
「アニメはアニメとしてちゃんと面白い」
と思える制作陣の仕事ぶりだったのかなっと。
後半戦も「アニメとして面白い作品」に仕上げにしてもらえればと思います。{/netabare}

・第18-22話:長期連載を明確に意識した流れなのかな
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の一次試験を描いていました。
 一部では
 ・「フリーレン」には「バトル展開」は似合わない
 という意見もあるようですが、まあこれだけ原作に人気がでてくるとねえ。
 長期連載を意識すると、いろいろな可能性を模索していく必要があるわけで
 ・今後も使える新キャラを育てていきたい
 ・魔法使いを魅力的にみせるには?
  → 魔法使い同士のバトル展開
 という流れは、ベタながらも一番堅実で王道な展開なのかなっと。
 
 例えば「暗殺教室」のように「中学卒業までの1年間」という明確な終わり
 が定められていれば、そこから逆算してタイムスケジュールに落とし込み
 つつ「一つの色に染め上げていく」というのは可能でしょうが、結局原作
 者も(ラストのイメージは決まっているかのもしれないが)、そこに至る
 までの道は「編集者と手探り」という感じで進めていってる状態だと思う
 ので、どうしても「玉虫色」的になっていくのは避けられないでしょうね。

 それで作品が迷走しだしたら大問題ですが、個人的には
 ・新キャラも魅力的に描かれていた
 ・バトル展開の中にも原作者のこだわりが垣間見れ、世界観は担保されて
  いた
 ということで、よかったのではないかと。
 ただ原作だとバトルシーンが多くなると、漫画に迫力が足りてないのでど
 うしてもトーンダウンしたように感じてしまう部分はあるんですよね。
 しかしアニメでは
 ・原作者の意図は理解しつつ
 ・バトルシーンはきちんと「アニメとしての面白さ」を追求している
 と感じるので、原作越えの面白さがあるのかなっと。
 またアニメ化されたことにより、原作を読んだときには気付かなかった新
 たな発見もあり、原作のよさを再認識したところもありますし。

 ここまでは「アニメ化して大成功」といっていいのでは、と思います。{/netabare}

・第23-26話:原作者の魔法に関する世界観が完璧に確立していることかよく分かる
 {netabare}「一級魔法使い試験編」の二次試験終了いうことで。
 二次試験も
 ・「コピーレン」をはじめとする複製体とのバトルがあちこちで勃発
  → 各キャラを魅力的に描写(幾分冗長感はあったが)
 ・バトル作画ももう何の魔法を使っているのか分からんぐらいに超特盛w
 って感じですが、私が一番印象に残ったのが
 「ユーベルの『だいたい何でも切る魔法』→『レイルザイデン』」
 これを「裁縫」に見立てて解説するシーンですね。

 「分かってることならほぼ言語化できる」
 私の「理解度の尺度」のひとつなんですが、例えば小学生に勉強を教える
 とかなら、分かりやすい例え話等でしっかり言語化して説明できるじゃな
 いですか。
 そういう感覚で、本作では「魔法はイメージ」というセリフがよく出てき
 ますが、それはどういうことなのか
 「原作者の中では魔法に関する世界観が完璧に確立している」
 というのがよく分かるシーンだったなっと。
 このシーン自体は小さなものかもしれませんが、こういうしっかりしたべ
 ースに裏打ちされた描写の積み重ねが、大きな差となって本作独自の世界
 観を創っているのだと思うと、やっぱりプロのクリエイターさんは凄い仕
 事をしているのだとリスペクトしかないですね。
 アニメではこの辺りも上手く魅せていたと思いますし。
 そりゃ面白いはずですわ。

 あとアニメのユーベルさんは、何故か異常にエ●チに見えてしまうんだよなw
 ・たれ目具合や口元などの表情
 ・セリフ回しやネットリした(?)しゃべり方
 ・垣間見えるぶっ飛んだサイコ感(倫理観がとこか壊れているというか)
  (あと謎の脇チラw)
 等なんかアンニュイさがあるというか、妙に色っぽさがあるというか隠し
 きれないエ●チさを感じるんですよね。
 ・胸を盛るとか露出の高さ
 ・喘ぎ声っぽいセリフ
 など、エ●チな作品を創る制作陣はこういう分かりやすいエロさより、ユ
 ーベルさんをしっかり研究するべきだと思いますねw{/netabare}

・第27-28話:最後まで味のある会話劇
 {netabare}・三次試験 →ゼーリエとの面接
 ・試験終了 →別れ、旅立ち
 ということで、会話劇メインでしたが
 ・「フリーレン×ゼーリエ」
  → 2人を介しての「フランメ」という人物像や2人の思想の違いの描写
 ・「フリーレン×ヴィアベル」 
  → 試験では絡むことのなかった2人だが、最後に邂逅
 など各キャラを魅力的に描いていてよかったかなっと。
 今後の再登場も楽しみですし。
 ラストも仰々しく飾り立てする感じではなく、この作品らしい終わり方だ
 ったと思いますし。
 (2期を意識しているというのもありそうですが){/netabare}

(最 終)
原作は結構漫然と読んでたのかな(笑)
アニメ化されたことで原作のよさ
・「人間を知る」というテーマの深さ
・エルフの長寿命を活かした時間経過の描写の妙
・魔法や魔族等に対する独自に確立した概念
などを再発見するところが多かったですね。いやー細部までホントしっかり
考えられているなっと。

そして制作陣の原作の理解度の高さに加え、アニメだからこその表現
・原作では弱かったバトルシーンの特盛
・味のある会話劇
・その他アニメ独自の細やかな描写
など「アニメはアニメとして面白い」をしっかり追求してくれていた仕事ぶ
りだったと思います。
劇中音楽などもよかったと思いますし。
個人的には原作越えでアニメ化大成功という評価ですかね。
いろいろと大変なご時世ですが、いい作品を連続2クールでしっかりみせて
くれるのは本当にありがたいですね。

全体的には
「ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華」
というのがしっかりできている、「きちんと汗をかいている」作品だったか
なっと。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 33

83.3 2 戦いでファンタジーなアニメランキング2位
サマータイムレンダ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (572)
1887人が棚に入れました
「潮が死んだ―――。」幼馴染・小舟潮の訃報を聞いた網代慎平は、2年ぶりに故郷である和歌山市・日都ヶ島に帰ってきた。家族や友人との再会。滞りなく行われていく葬儀。しかし、親友・菱形窓は「潮の死には不審な点があり、他殺の可能性がある」と慎平に告げる。翌日、近隣の一家が突如として全員消えてしまう事件が発生。時を同じくして、慎平はある不吉な噂を耳にする。「自分にそっくりな“影”を見た者は死ぬ。影に殺される――!」さらに、潮の妹・澪が「お姉ちゃんが亡くなる3日前に影を見た」と言いだして......!?紀淡海峡に浮かぶ夏の小さな離島で、時をかけるSFサスペンスが、今幕を開ける――!
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイムリープ連打

原作未読 全25話

離島を舞台に、都会に上京していた主人公が幼馴染の死をきっかけに離島を訪れ、色々な疑念が出てきます。離島に伝わる「影」の存在、失踪していく島民たち、その真相を追って解決していくお話です。

残酷で悲しいお話で、最初は絶望と恐怖しかありません。何かのホラー映画を観ているような気分になりました。
{netabare}
影、怖かったですね〜 無表情に人を殺すところ、最初の村祭りで村人がどんどん殺されていくところは絶望的でした。
{/netabare}
タイムリープを繰り返して次第に光明を見出していくのですが、敵もなかなか曲者、簡単に光を届ける展開にはなりません。
{netabare}
シデはなかなか尻尾を出さなかったですね。ハイネとの話はおぞましかったです。
{/netabare}
最後はHappyEndで終わりますが、少し切なさが残るお話でした。
{netabare}
結局、あのタイムリープや激闘の記憶は慎平の心の中にわずかに残っているだけで、他の人には分かち合えないのは少し寂しい感じがしましたね。
{/netabare}
最後までドキドキハラハラするお話でしたね。2クールと長いですが、しっかり最後まで描いています。オススメです^^

OP は亜咲花さん、EDはcadode さんが歌っています。

最後に、福岡にも有名な能古島(福岡内で有名)や離島ではありませんが志賀島に久しぶりに行ってみたいですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

オペレーション:スレッジハンマー

「狂気のマッドサイエンティスト」(大事なことだから二回いいました、ってか?、厨ニ病乙)の高笑いが聞こえてきそうな作品であった。

さらに言えば、きっと海外ドラマ大好きな原作者であることは、容易に想像がつく設定・展開がこれまた素敵だ。

いわゆる“ムラ社会”、西部開拓時代を彷彿とさせる辺境感と隔絶感をして、この治外法権的世界観への説得力となってゆく。
そういう意味では『ツインピークス』と同じ香りがするのも納得だ。
ウシオはローラ・パーマーであり、南雲先生はクーパー捜査官のオマージュであろう。
加えて、警察官である凸村さんが保安官スタイルである念の入れよう。

さらに、『洋食コフネ』は、正に西部劇のプロローグでお馴染みのウェスタン・サルーン的な役割を演じ、全てのキャラクターが出入りする重要な場所という気の利きようだ。
看板娘の潮と澪のコントラストも良い。
ブロンズとメキシカンと言えば、酒場の踊り子の定番メニューである、等と調子に乗っていると、ポリコレハンマーの鉄槌が下されそうな気もしないではないが…、もう少し。

南雲先生のスレッジハンマーである。

ウィキによれば、スレッジとはアングロサクソンの言葉の「Slaegan」、相手を「激しく攻撃をする」に由来するそうで、そのまま形容詞として使えば、「強力な、圧倒的な」、場合によっては「残酷な」という意味となる。
そして、チェンソーと並ぶ『制圧兵器』であるショットガンはポンプアクションのショートバレル、ってのも良い。
そう、シュワちゃんのスピンコックもカッコイイが、サラ・コナーのワンハンド・アクションも良いということで…。
本編で是非ともチェックして欲しい。
あと、凸村くんの護身用もレミントンの2連装のデリンジャー!
これまた、オープニングで慎平くんがカッコよくこめかみに当てるニューナンブと共に印象的な逸品だ。

しかし何といっても、最強のリーサルウェポン(大事なことなので二度言う)は、“金髪スク水”と“コパトーンセーラー服”の姉妹ではなかろうか。

ただし、『ネタバレ』R18の南雲先生と時をかける合法ロリの『ネタバレ』ちゃんは対象外とする。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

繰り返す熱い日々

ある夏の日々、ひたすら時間をまき戻すお話です。
舞台は和歌山沖の孤島、幼馴染の死により主人公慎平が帰郷するところから始まります。
閉鎖された空間でのバイオレンスサスペンスホラー的なスリリングストーリー。
ハラハラドキドキの展開です。

正直私、物語の流れをつかむことが出来ませんでした。
だから、己の記憶の喪失と記憶力の無さに絶望しながらの視聴でした。
それでも緻密な構成が透けて見え、各話の惹きが強いから次回が待ち遠しかったです。
もう一度観たらたぶん新たな発見があり、ますますお気に入りになるでしょう。

序盤から、伏線的な出来事がバンバン出現します。
それを回収したり、回収しなかったり、はたまた、新たな伏線が登場する。
それらが有機的に絡み合って物語が複雑に進行します。
ということで、これから視聴する方には一気観推奨、徹夜必定です。

ヒロイン潮が冒頭から亡くなっていることが驚きです。
{netabare}しかしその内、影として復活します。
この潮が魅力的。
長い金髪に容姿端麗、それにスク水。
性格は大胆不敵でとにかく明るい。
事ある毎に突拍子もない行動に出るものだから楽しい。
シリアスな場面でも、彼女のおかげでコメディーチックになる所が好きでした。{/netabare}

最終的に{netabare}ハッピーエンド。
そりゃそうだよね。
悲劇のラストだと作品が報われない。
良かった良かったでOKではないでしょうか。
なお、最終話の穏やかな結末は見事な締めでした。{/netabare}

飽きさせない謎解きストーリー、巧妙で考えつくされた演出、それに美しい映像。
グロ要素満載ですが、なかなかの秀作と言ってよいでしょう。

<聖地について>
{netabare}物語の舞台は紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島です。
若かりし頃、船で行きました。
人形供養で有名な淡嶋神社を横目に乗り込んだ船は小さかった記憶があります。
島は無人島で、目立ったものはなかったよう。
島北側の遊歩道を西にほどなく歩くと、砲撃台跡がありました。
戦時中の遺構ってやつです。
それ以外は、ただただ自然。
鬱蒼とした森には妖が巣食うよう。
帰りの船から見る紀淡海峡は潮の流れが速く、島を増々神秘的にみせていました。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 25

74.0 3 戦いでファンタジーなアニメランキング3位
陰の実力者になりたくて! 2nd season(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (211)
836人が棚に入れました
「陰の実力者」に憧れた少年は、道半ばで命を失い、シド・カゲノーとして異世界に転生した。新たな世界で「陰の実力者」設定を楽しむことにしたシドは、陰に潜み、陰を狩る者――シャドウを演じ、付き合いのいい配下の少女たちと闇の教団に対抗する「シャドウガーデン」を組織する。すべては妄想の産物……そのはずだった。ところが世界の闇たる「ディアボロス教団」は実在し、シドの知らぬところで「シャドウガーデン」は教団との抗争を繰り広げていた。次なる舞台は「血の女王」「妖狐」「暴君」の三勢力が統治する無法都市。そこは、ならず者がはびこる弱肉強食の世界だった。吸血鬼たちの支配者「血の女王」の討伐のため、姉のクレアに連行されてきたシドは、またとない「陰の実力者」ムーブの機会に心を躍らせるのだが……。「血の女王」を巡る陰謀が動き出し、無法都市は三つの勢力が入り乱れる。さらに姉のクレアも騒乱に巻き込まれ、シャドウガーデンも独自に行動。混沌を極める中、シドは人知れずシャドウとして暗躍しようとする。赤き月は昇り、覚醒の刻は来た――!
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「月が赤い……暴走が始まる……もう時間がない」

引き続き原作未読で視聴継続。

【物語 4.0点】
全体構成は1期の2クールから2期では1クールに。
その中で「無法都市編」「偽札編」「オリアナ王国編」3つのメインエピソードを展開する。

内容は相変わらずシャドウ様が転生異世界にて、
陰の実力者プレイ時々モブムーブを満喫。
シャドウ様が最強過ぎて周りが深読み、翻弄されるループ。
シャドウもレビュタイに拝借させて頂いたお気に入りの決め台詞を何度も繰り返し、
ロールプレイをエンジョイされているようで何よりですw

とは言え、そろそろこのパターンも2期でさらに3ループもすると飽きてくる頃?
と思い始めた矢先の最終回。
(※核心的ネタバレ){netabare} 異空間転移を経て元の世界に戻ってきたシャドウ様。
彼が転生後サイバーパンク気味に崩壊した故郷という{/netabare} 衝撃的なシナリオ転回からの、
続きは劇場版「残響編」で。

これまで私はシャドウの陰の実力者妄想に現実が追い付く物だと思っていましたが、
転生にまで突き抜ける彼のロールプレイ願望そのものが次元レベルの崩壊や新生をもたらす特異点なのでしょうか?
私にとっては近年でもかなりワクワクする続きは劇場版で!の“叡智”の提供を心待ちにしております。

本作は2期1クールというより1クール+劇場版≒2クール相当の企画として捉えた方が良いのかもしれません。


「偽札編」にて信用創造が“陰の叡智”として転生異世界にもたらされ、経済戦争を巻き起こす件。
異世界転生界隈でもこうした経済ネタが提供、消費される素地があると分かったことが収穫でした。

無自覚に世界を振り回す主人公最強同士として『オバロ』のアインズ様とコラボすることが多いシャドウ様。
ここは同じくKADOKAWAが今年4月の新作アニメ放送から再起動を目論む『狼と香辛料』のホロ様との絡みも見てみたいです。
「偽札編」ではケモ耳も多数供給されたことですしw
ジョン・スミスとロレンス中の人同じですし。


【作画 4.0点】
アニメーション制作は引き続きNexus

バンパイアあり、列車上でのワイヤー武器による高速バトルありとバトルアニメーションは変わらずリッチ。

そんな中、作画の力を感じたのは最終回でのデジャヴを狙った対比。
(※核心的ネタバレ){netabare} 崩壊した現実世界にて、1期1話と同アングル、構図を多用して、{/netabare}
1期からの伏線も回収しつつ視聴者にカタルシスを与えたり、{netabare} バール最強{/netabare} のトラウマをほじくり返したりするw絵作りが巧妙でした。
視聴者の記憶を呼び覚ますには、説明都合のセリフや文字情報を長々と垂れ流すよりも、
映像で刺激した方が効果的であることを再認識させられました。


息抜き回となった8話のアニオリ水着回。
巨乳(一部虚乳)揃いのシャドウガーデンの美女たちの水着姿も眼福でしたが、
私が嬉しかったのは1期OPの白スーツの彼女たちの躍動が本編でも見られた事。

あの1期OPは現実世界の高校にヒーローとして身を潜めるシャドウガーデンというネタ映像かと思っていましたが、
2期を完走した上で見返すと、
シャドウが異なる宇宙の自分を観察している感もあって何とも意味深に感じちゃうんですよね。

そんなこんなで2期OPで描かれたシャドウ様の半生振り返り映像風にも、
何かヒントはないかと深読みしてしまう私。
完全に掌の上で踊らされていますw


【キャラ 4.0点】
私が1期で今後一番注目したいと思っていたオリアナ王国の王女ローズ。
「オリアナ王国編」でピックアップされ、おまけにドエム・ケツハットの陰謀も再提供され、
金髪や姫の転落ネタが好物の私は大満足。
シャドウ様はローズに闇の覇王覚醒ルートなどをご所望のようですが、
私は姫にはもう少しピュア路線寄りで救済と幸福をつかんで欲しいと願ってはいます。

もう一人私が1期で、またいつか見てみたいと思っていたヒロインの(※核心的ネタバレ){netabare} 西野アカネ。{/netabare}
意外と早い供給かつ、戦う黒髪美少女という、こちらも好物に再加工され提供され、望外の喜び。
そういう意味でも新作劇場版「残響編」の鑑賞は私にとってマストです。


1期では名前すら把握しきれない内にいつの間にか増殖していた感のあったシャドウガーデンの美女たち。
私は誰が推しかは未だ目移りしたままですが、一緒にいて安心できるのはデルタかなとは思いました。

シャドウに崇高な哲学があると信奉して真剣に迫ってくる絶世の巨乳美女ばかりだと肩が凝りそうでw
それよりはご主人様~♪とペットみたいに懐いて来るデルタ辺りとアホな掛け合いを繰り広げながら、
埋蔵金を発掘したりしている方が楽しいかなとw


【声優 4.0点】
主人公シド・カゲノーことシャドウ役の山下 誠一郎さん。
モブから最強までの振れ幅をカバーする彼の演技をさらに補完するゲストもスパイシーな本シリーズ。

今回は「偽札編」でシャドウが変装したジョン・スミス役に福山 潤さんを起用。
シャドウ様の特徴も捉えつつ、シャドウと既知の中であった狐も騙す変装の説得力も押さえる流石の演技。


“血の女王”エリザベート役に早見 沙織さん、教団第9席モードレッド役に子安 武人さん、強そうだったのにあっという間に退場した{netabare} CV.杉田 智和さんw{/netabare} など、
対峙する勢力の要所に実力者を配しキャスト陣は豪華。
シャドウ様も暗躍しがいがあります。


一方でヒョロ・ガリ役の松岡 茉優さんは、引き続きジャガ・イモ役の松重 慎さんとのタッグで、
アフレコで突如アドリブで{netabare} 「シドくんお金~♪」{/netabare} と高らかに歌い出すwなど、
届かぬ美女ナンパと一攫千金の夢を追い掛けるお約束のモブムーブを磨き上げる。


【音楽 4.0点】
OP主題歌はOxTが「grayscale dominator」で続投。
これまた複雑なピアノ伴奏にテクニカルに裏声を交える、カラオケで歌えなさそうな難曲でして(苦笑)
余人が立ち入れない世界観を構築し、『オバロ』と比肩するOxTの異世界転生アニメシリーズ主題歌提供は続きそうです。

『オバロ』方面からの刺客と言えば偽札編をバラード曲「Everything is Changing」で締めくくった前島 麻由さん。
楽曲提供は作詞・川田 まみさん、作編曲・中沢 伴行さんの夫妻。
まみさん歌手引退後もこうして音楽活動が続いていることを確認できると私も嬉しいです。


ED主題歌は引き続きシャドウガーデンのヒロインズが持ち回りで「Polaris in the Night」を歌唱したり。
最近知って衝撃的だったのが、ED担当順は監督がサイコロ振ったりして適当に決めていたという事実。
一見ランダムに思える順番にもきっと意味があるはず?と考察しかかっていた私w
やはり私はシャドウ様の言動を深読みし過ぎて踊らされるタイプの凡俗のようでw

そんな単純な私が、ラスト、最終話タイトル回収と共に挿入された{netabare} 1期OP「HIGHEST」{/netabare} で舞い上がったのは言う間でもありません。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

3期早く。同時発表しなきゃダメでしょ?追記 やっぱり映画でしたねえ…

 まあ、最後にきてすごい引きでした。世界観の提示とあの方の再登場。途中不満がないわけじゃないですが、上がりの3話が面白かったので、問題ありません。

 そう…物語というのはこうじゃなきゃいけません。伏線とか設定とかエピソードとかそういうのもいいですけど、重要なのは「展開」です。当初は凡百の異世界ワールドかと思っていたら…ですね。1期のOPとかいろいろ仕込んでそうでしたけど。

 本作はテーマ性は薄いですし、シャドウそのものはギャグ・アクション担当です。
 しかし、アルファ、オリアナ、クレア、アレクシア、シェリーなどサブキャラのキャラ造形がとても良くて、そこに感情の部分がはいります。この2重構造が「ワンパンマン」とは違った(いや、似てるか?)究極の俺TUEEEを実現しています。加えて、最終回でこの世界観です。エンタメとはこうでなければ。

 最終回はすごかったですが、オリアナをもう少し描いて欲しかった気がします。

 2期はやっぱり6話のアルファとオメガの対比が一番面白かったかな…単一回の演出というか脚本のうまさでいえばかなり上位に入るくらい良かったです。
 で、スタッフ調べたら、2期は脚本・シリーズ構成が全話加藤還一さん、絵コンテ・監督も全話中西和也さん、総作画監督が1話除いて飯野まことさんという方が担当されたんですね…え、ということは完パケなの?だからクオリティが高かった?

 どうせ人気出るのわかってるなら、同時発表しなきゃダメだろう?と思ってしまいますが…どうでしょう?こういう贅沢な作り方だと3期時間かかるんですかねえ…それとももう準備してるとか…早く発表してほしい。

 続きの発表ないのと、ちょっと面白くない回が2,3話あったので今回はストーリーは満点にしません。4かな。音楽と声優も4。キャラと作画を5とします。
 3期の発表みて、8話を再評価した上でもう1回評価すると思います。え、劇場版かも??考えたくないなあ…


 原作5巻くらいまで読んでて6巻も買ってるんですけど、アニメの方が圧倒的に面白くて途中から寝かしています。もう我慢できないので読みますけどね。



追記 映画かも…といやな予感が走った直後に映画の発表があり、ちょっと落ち込んでます。

 映画…お金はいいんですけど、面倒くさいのと1回だけしかみられないのでコスパと言うより、面白いところを何度もみたいんで…お金取っていいから配信になりませんかねえ…

 それと、テレビだったら見ていた視聴者は離れないんでしょうか?シリーズが下火になって逆効果はないんでしょうか?私は「青ブタ」は面倒になってしまいましたし…せっかく原作ファンだったのに作品そのものから心が離れてしまいます。その辺、マーケティング的な成功失敗は大丈夫なんでしょうか?





1話 話が分からない人は置いて行く潔さが爽快。期待以上です。

{netabare} 2期になってレベルが上がって帰ってきました。この作品を楽しもうと思わない人を置いてけぼりにする展開のスピードが潔くて素晴らしい。登場人物の説明もないです。「死にたくなければ逃げろ」「月が赤い」が気に入って、言いたくなってついでに人助けしている、というのは本作を理解している人に説明は必要ありません。そこが分からない人は1期から見てください、2期なんだから分かる人だけ見ればいいという感じです。
 この作品のクオリティに自信が感じられる無駄を省いたテンポがいい演出が素晴らしい。この制作陣には信頼がおけます。変な課金も独占もないし、風格すら感じられます。

 この超悪乗りでご都合主義の展開が面白く爽快なのは、原作の面白さをちゃんと理解し、マインドをそのままあるいはそれ以上に再現しているからでしょう。
 数多の作品が2期でクオリティを落とす中、大満足の1話となりました。このまま突っ走って欲しいです。{/netabare}


4話 通貨についてかなり面白い話です。
 
{netabare} 信用の本質はやはり感情です。貨幣に疑いが起きればハイパーインフレと取り付け騒ぎになります。そして紙幣の発行は国だけが出来るというのは法律があるからで、その法律が無ければ自治体や私企業でも紙幣は発行できます。その点では本作の今話のやり取りは正しいです。というか、その点を取り上げたのは面白い視点です。複数の紙幣が混在している状況でニセ札による信用のダウンはなかなか物語として理屈が通っています。

 そして、結構鋭い話なのに、相変わらずすっとぼけと真面目が混在して非常に面白かったです。導入の3話のあとで雰囲気が変わらないか見届けました。今期も安定のクオリティですね。{/netabare}


5話 本編が面白いというレビューはもういいでしょう。EDが良いですねえ。癖になります。

{netabare}  5話のEDテトリス花嫁オメガ…よかったですねえ。まあ、そこまでキャラには萌えないのですが、センスといか見せ方というか、とにかくいいです。クセになります。前期のアルファがかなり良かったので、2期はちょっと落ちるかなと思ってましたが、5話で認識を改めました。

 曲ですが、ドラムと管楽器の使い方が面白く、不思議なリズム感がものすごい引っ掛かりがあります。ただ、メロディーを思い出そうと思っても思い出せないという現象で、また聞いてしまうという感じです。
 この難しい歌を平然と…かどうか知りませんが、歌い切る声優さんは本当にすごいですねえ。

 本作はこういうところまでレベルが高いです。原作06巻も届きましたのでしばらくは楽しめそうです。{/netabare}


6話 あれ?信用創造じゃなかったっけ?兌換紙幣なの?俺TUEEEが生み出す歪な構造が、かえって色んな視点の物語を構成している。

{netabare} あれ?換金っていってますが、兌換紙幣だとすると、信用創造の問題じゃない気がするのですが?信用創造の場合は貸付と貸出の規模を裏付けなく「信用」だけで増やすから、取り付け騒ぎが起きるんであって、換金する「金(キンのほう)」があるならその金の範囲でしか、紙幣って発行してないからそもそも取り付けが起きようがない気がするのですが。

(追記 ちょっと調べました。話を追うと金の預かり証としての紙幣の性質と、信用創造をごっちゃにしているみたいですね。信用創造を始めた段階で金本位を止めないと、そりゃあ破綻します。これはニセ札関係ないです。そもそものミツゴシ銀行のやり方が詐欺みたいになってます。金との交換に応じるなら、紙幣と金の量をそろえないと…ドルで言えばそれがアメリカの中央銀行の地下金庫にあったと言われている金の備蓄です。たしか「007ゴールドフィンガー」に出てきた気がします。)

 それはともかく、面白いです。デルタとアルファの戦闘シーンが非常に良かったです。

 そして、俺TUEEEの歪さを逆手にとって立場による違いが非常に興味深い物語の構造になっています。デルタとアルファの知能の差によって、その構造が上手く表現されていました。
 ワンパンマン的ではありますが、本作はアルファ、オリアナそしてシャドウ等々いろんな立場がエピソードで途切れるのではなく、ストーリーの本筋になっているのが秀逸です。6話はそこにデルタが加わったのがいい対比となりました。無条件の信頼の対比ですね。
 1つのストーリーなのに様々な視点から状況を俯瞰するような展開が非常に面白いです。

 アニメの出来も含めやっぱり出色です。6話も非常に満足しました。


追記 デルタとアルファという対極ともいえるけど、もっとも強い2人のキャラとの戦いを1話に入れて、対比を見せるのが工夫したなあと思います。

 そして、その映像化の迫力が凄い。デルタが列車に迫ってくるシーンは鳥肌もので、一方で待ち受けるアルファ。性格が表れています。戦闘シーンも他では見ない丁寧で工夫があるバトル映像でした。

 そしてどちらもシャドウの正体に気が付きますが、その反応の違いがまた良い。
 ストーリーというより演出、画面作り、声優さんの演技も含め、コミカルでもありシリアスでもある見事な映像化でした。{/netabare}


7話 アルファの美しい涙すらギャグにする2重構造が素晴らしい。

{netabare} 本作の面白さが良くでてましたね。シャドウの思惑は矮小で目先の金が欲しい。それ以外のシャドウガーデンや大商会連合は真面目に経済戦争をやります。七陰はシャドウの考えが読めずシャドウの思惑の曲解で一喜一憂している。

 この2重構造が生み出すギャグを端的に見せたような話がこのニセ札編でしょう。
 それはまさにアルファとデルタの対比であり、本編と「かげじつ」の関係でもあります。

 まあ、ちょっと強引ではありますけどね。シャドウというよりはアルファのキャラ性が優れているからこそできる構造でしょう。原作をビジュアル化するときにこの2重性が胆であり、そこを強く意識したんだと思います。それが6話の2つのバトルだったんでしょう。原作にほぼ準拠しているのにアニメの方が各段に見せ方が上手かったです。だから、7話でのアルファの感動の涙がギャグになるということになるんだと思います。 {/netabare}


8話 くだらなすぎて草。逆説じゃなくて本当にくだらなかった。

{netabare} アニオリで期待してたのに…正直あの2人は普段から邪魔だったので、もう出さなくていいです。{/netabare}


9話 少しシャドウの出番を減らして真剣なパートを描いて欲しいかな。

{netabare} オリアナの深刻な想いと、シャドウのいつものフィクサー芸ですね。面白いし、演出はさすがという水準ではあります。

 が、シャドウのコミカル面よりそろそろ女性たちの物語中心に描いていいんじゃないかなと思います。シャドウパートは清涼剤としてコミカル担当で、もうちょっとじっくりオリアナとか他の女性を描いて欲しい。

 まあ、新エピソードのスタート回なのでしょうがないですが、6話のアルファとデルタの対比が素晴らしかっただけに、少し緊張感のある掴みが欲しいですね。{/netabare}


10話 9話よりかなり面白かった。視点なんでしょうか?

{netabare} 9話よりも圧倒的に面白かったです。オリアナ、七陰等の真面目な行動が相対的にギャグになるから、視点をシャドウに合わせない方が面白いということでしょうか?

 そしてギャグと同時にオリアナのシリアスストーリーにも感情移入ができるので、本当に不思議な作品です。 {/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21
ネタバレ

こま さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

12話最終回視聴。穴に吸い込まれる主人公!そして劇場版制作決定!やったぜ!!

1期視聴済み。マンガは最新刊まで購入済み。2期以降の部分だけ読んでない(あとから読む派)


なんやかんやあって、あんながこんなで、そんながどんなで、これこれこうして、こんな感じがこうなってぇえええ!こうだ!
ワロタw

まあ1期からそこまで経ってないし、ある程度は覚えてるので個人的には問題無いが…2期から観た人は…2期観れるなら1期も観るよねたぶんw
とは言え2期から観ても作品の雰囲気、どんな感じなのかは分かりやすいと思う。
作品紹介も既存キャラ紹介も分かりやすい。

シャドウも7陰も相変わらずで良いなぁ。
ベータも変わらないなぁw

盗られたら盗り返す倍返しだ!
シャドウ、セリフが気に入ったのか同じセリフを繰り返す。壊れたラジオかなw
不穏な空気が漂うもののシャドウはあの感じなのでギャグアニメにしか見えないの笑うw

待ちに待った2期が来た!楽しみ!視聴確定。

2話視聴。
{netabare}〇〇アトミックで終わるw

相変わらずシャドウは壊れたラジオの如く「死にたくなければ逃げろ。暴走が始まる」
「月が赤い…もう時間がない」「死にたくなければ逃げろ。残された時間はあと僅かだ」
人がいるところでひたすら言いまくるwどんだけ気に入ってるのだろうw

今回もシリアス回だが、シャドウが気の抜けた喋り方で登場するのでアレ?シリアス回だよな?とか思ってしまうの笑うw

アレは流石に予想外の出来事だった…。初見で予想出来るわけがないw
登場の仕方を変えたいと言って登場した瞬間終わった()

これから始まる!とか思ってたのにアレはちょっとw
ちなみに3話以降はちゃんとあるよ!やったね!{/netabare}

3話視聴。
{netabare}シャドウ何も考えていなかった事が分かるw
ベータが戦ってるのを見るの初めてかな?
〇〇〇〇がアトミック唱えてるのワロタw
毎回思うが会話が噛み合ってないの笑うw
「ガンバえー」確かに3歳児w
改めて思ったがシャドウってチートだよねコレ…。
そう言えば忘れてたけどこの都市の建物の景観ヤバいなとw
貯金箱とか言ってるぞコイツw

はぁ毎回面白くて良い…。{/netabare}

4話視聴。
{netabare}最初新キャラかと思ったよw
そう言えば地味なあったよなぁ()
話しの内容で察した()
一般女性が盗賊っぽいのに襲われてナイフで服と下着を切ったと思ったら…。

毎回思うけど計画がガバガバなの笑うw
指摘されるもごり押し→深読みした結果驚かれるいつもの展開()
まあ確かに子供なら誰もが考えそうな事だけどもw実行したやつ初めて見たw
そしてデルタ回。いつものように全裸w(下は履いてたか?)
シャドウの上で毎回いろんな体勢でいるのにいつも通りなシャドウ。まあ無いもんねw
「なら1人くらいは良いか」1000は凄いなぁw
コレまた無駄に終わるんだろうなぁ(トオイメ{/netabare}

5話視聴。
{netabare}ガンマの実力が明らかに…ビームサーベルの持ち方が野球のバットの持ち方なの笑ったw
とにかくテキトーに攻撃するが当たらないwただのごり押しである()
そしてひたすら転ぶ…転んだ瞬間終わっていた…。
最後のアレはやりたい事リストの1つなのだろうか?指の動きが無駄にカッコイイの笑うw {/netabare}

6話視聴。
{netabare}匂いで分かるの草wそしてコレ前にも見たなw
そして話しを聞かない噛み合わない同じ話しを繰り返すwうーん、この()
ジョン・スミスの実力が明らかにw
相変わらず糸を使って今度は7陰2人を圧倒。

シャドウ演出を優先するあまり健康を害すw演出<健康とは?
今回は糸を使ってのバトルが凄まじい。相手が強いと戦いが映えるの良いねw
この感じだとこれ以外も使えるのかな?
杉田さんも大概だったけどそれより酷いとかw{/netabare}

7話視聴。
{netabare}まあ簡単に言うとこれの所為で聞こえなかったの草なんだ。
まあ確かに何か聞こえてた気はしてた。
ようつべで確認してああ、なるほど()
なのでようつべで確認するか2度観ることをオススメする。

今回も気の抜けた話し方するのと相手の所為もあってシリアスがシリアスになっていないw
ボイ◯レ◯ーダーで世界が消滅するだと!?血濡れのサン◯ク◯ースとかよく分からん話しになってるよw「アレ?アレ?話しが繋がらないね?繋がらないね!」

今回で2回目だからね仕方がないね!といういつもの展開デスネ。
そして見つかったアレの中身は何だったのか?{/netabare}

8話視聴。{netabare}8話だけ観るのもオススメ!
男の腹筋ピクピクとか乳首なんていらんのよw
モブ2人に関してはいつも通りなので安心して観れると思う(少しだけ見たけど結局…)
相変わらず扱いが酷くてワロタw

とにかく7陰の水着はエロかったw
他にも温泉に裸にウサミミバニーガールにお尻。…に便○薬w
一瞬欲しいとか言ってた気がするが気のせいだろうw
副作用で穴という穴から体液がダダ漏れw〇〇○ピンチ!幼児化wウサミミバニーのお尻w
こんなので良いんだよw回w

前期のOPのアレをここで回収。

そして当然の流れ…2人の戦いはコレからだ!
声すら出ないのは初めてか?{/netabare}

9話視聴。
{netabare}そう知ってる人は知っているドラゴンクエストである!たぶんゾーマな気がする…。
…だけど女の子にこの格好はちょっと…とか思ってたけど、なんか違うからいいか!

最初誰だっけ?とかふつうに思った。名前で呼んでるし親しいよねコレ、学生?先輩?それともそれ以外で誰かいたっけ?と。
そのまま観てると思い出した。暗くてちゃんと見えてなかった気がするけどこの人か!
服着てるとこんな感じなのかー。

そして…女の子が自分の胸を持ち上げていた…ただそれだけ。
たとえどんなにシリアスで女の子が大変な状況でも見てしまうのはしょうがない…しょうがないよね?
久しぶりのシドの弱弱モブプレイ。ボコボコにされお尻が半分とか久々見たなw
「誰だか知らないけど分かってる奴がいるじゃないか!ボクも負けてなられないな!」…うん

「前からやってみたかった囚人生活を堪能しつつ…」!?違うそうじゃないw絶対違うw
スリル&サスペンス!そしてプリズンブレイク!!目立ちつつ目立たないで目立つとは?

欲しい物は殺してでも奪い取る。良いよね?無法都市ルール。ボクは好きだよ?
要するに強い奴が正しい。つまりボクが正義だ!

「社員番号か何かかな?」まあ知らなきゃそんな反応になるよねw
ただ全く何も知らなかったのには驚いたけどw

〇〇…?ローズ先輩が〇〇!?ボクの陰の実力者プレイを捗らせる為には彼女が〇になる事が必要なんだ!待っていろ!ローズオリアナぁぁぁぁあああ!!{/netabare}

10話視聴。
{netabare}テンプレ悪巧みが始まる!と思ったら始まるのかコレ…。

今こそ僕の磨き上げた縮地が輝く時!…まあ飛んでるしね今更だよね。
縮地って聞くと個人的にはネギまかな。あと似たようなのだとBLEACH、ワンピースもかな?

「スライム率99%…重心の移動に合わせて常に微細な魔力操作を繰り返しているカオス理論すら想定した無駄に無駄の無い無駄な努力。〇の努力の賜物かなって。」
ここまで分かるのも凄いがここまでしてるのも大概w

テンプレ悪役w
「モブにすら手を抜かないテンプレ悪役スタイルとは。その生きやよし。」
「みんなの血税の仇は僕が取るよ。」いつものやつw
触手が見えてんの草。
かなり目立ってたけど大丈夫?

メイドさんはスライム率0%!
手を擦って外したのかアレw
年俸制かーw
美女の誘惑を宗教の勧誘てw
確かに落ちかけてはいたような?

足が震えている?少なくとも主人公は震えてない…。てかすごい体制だなw

一言も喋ったことがないのに愛し合ってるとは?
相手の事を全く考えてないとああなるのか(白目 
表情が分からないってスゴイネ!
自分の好きな相手がイケメン王子様に見えるアレかなw

クッキー食べながら真面目な話ししてるんだけどナニコレwそれも喋ってる間中()
シリアスな場面なはずなんだけど…。食べかすも気になってしょうがないw
ただ…「あなたには覇王になって欲しいんだ!」「私の事をそんなに…!」コレである()

またもやお風呂で股パチンする主人公!オシリw
ベータに対するイータのアレは昔からかーwなるほど前回のアレはそう言う事か。

まず中身を確認しようか!
悪者さん色々企んでるんだけど…さて中身はどこに行ったのでしょうか?(トオイメ{/netabare}

11話視聴。
{netabare}握られた手を外そうとするが外れないwそして顔よw
ストーカーは自分がストーカーである事には気付けない!さてストーカーは誰でしょうか?
へのへのもへじ草。
何で裸にネクタイで演奏してるのに皆んな気付いてないんだろうね?

男女2人が部屋に居て男がズボンを履いてるとアレに見える不思議。
黒きバラ…ああ脱獄した後のやつか。リーダーはあの2人w「アレはなんか違ったしなぁ。」
いつもの話しが噛み合ってない花壇のお話し。
地面歩いてると思ったら…。

母親と濃厚なディープキッス!したのは誰でしょう?
ある場面を目撃したが…この顔は初めてかなw
「コレはアカン。異世界ファンタジーじゃなくて○ドラになってる。どうにか夕方6時台に軌道修正しないと。」やってるの草。コレ見せたらあかんやつ()
なるほど一期の黒幕はこの2人か。ああ…うん…なんか…ごめんじゃないw
ここで耳にくるやつ来たー!!

お風呂で体を洗おうとしたら…本物に見えるレベルかー。
相変わらずの比較対象w「よくぞここまで辿り着いた。」
そして一緒にお風呂!まあ見えるわけがないけどね!

やっと気付いたか…おせぇよ!3回同じ事してんのホントw慌て過ぎるのもまあ分かるw
まだ探してるよ()この子はどこにでもいるなぁほんとw

こうなる事を分かっていて託したのか…。分かっていてもああいうの好き。

そして最後!個人的にアレはテンション上がる!こういうの好きな人多いじゃないかな?
…まあでも一言。がんばぇぇぇぇ!{/netabare}

12話最終回視聴。エロいだけじゃなかったメイドさん!
生首二つと体が半分。今回結構グロいかな。

「流石異世界!コウモリもスケールがデカイ」アレをコウモリ呼ばわりw大災害来たー!
やっぱりこのメイドさん有能だったか。

前髪焦げただけで済んでるのホント草。
糸がお気に入りになったシャドウ!観てて楽しいからイイけどね!
モードレットさんアーティファクトフル装備なのに重症!見た感じ体削られてる?
いつもの、みんな死ぬんだからペラペラ喋ろうか回。
イイよね!別世界!神隠しにアトランティス!
オレは逃げるけどお前達は滅ぶのだ!!グシャ()コレもいつもの。

「ラスボス戦みたいで楽しい」「挙げ句エフェクトは使い回しか」
生きてたけどぼろぼろだったので融合!
「典型的な失敗作だな」デルタ以下とか言われるラスボスさんかわいそう…。
そして宇宙…来たーー!!

色々説明してるんだけど途中から分からなくなり何時ものなんやかんや以下略。
「とにかく凄いエネルギーで。まあ原理なんてどうでもいいか」
ここで耳に響く新アトミック!相手は消滅した!
「たまには力押しの脳筋プレイも悪く無いよね?」
アレ?何時ものは脳筋じゃないと?

アトミック放った後に土星?と惑星がいくつか見えた。似た世界なのか?

フラグはいつもの様に立っていた…ので開いた穴に吸い込まれるシャドウ!
ここってもしかして…。でも何か違う?何この終末世界…。
ある人物が救世主扱いなのだが…。酷い目に遭うのは運命なのだろうか?
何とかスレイヤーさんを知ってる人が居るって事は…。

救世主さん見た感じ魔法みたいなの使えてたし魔力があるのかな?
とは言えあっさり捕まってるし、ここはそこまでじゃない?
そうなると最近観た現実世界をも無双する展開になるんだけどいいのかw
さてホントにこの世界にシャドウが必要なのかw
オマケでベータ巻き込まれてて草。

劇場版(続編)制作決定は素直に嬉しい!けど3期も来て欲しい。
まだまだ先になるだろうけど気長に待ちますか。

最初から最後まで楽しく観れるアニメって良いね!終わり。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

77.1 4 戦いでファンタジーなアニメランキング4位
無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (357)
1546人が棚に入れました
2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始されて以来絶大な人気を誇る“なろう系ラノベのパイオニア”『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』。理不尽な孫の手の著による本作は、多くの作品が生み出されている「異世界転生系ラノベ」「なろう系小説」のまさに先駆者的作品であり、幅広いファンを獲得している当ジャンルの代表作。働きもせず他人と関わりもせず、ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、ある日交通事故に遭い死亡…したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生!少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と壮大な冒険が描かれる大河ファンタジー。


声優・キャラクター
ルーデウス・グレイラット:内山夕実
前世の男:杉田智和
フィッツ:茅野愛衣

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

評価が減点方式になってしまう

第零話、おぉ久しぶりの登場キャラ!
その名もフィッツ!これは楽しみ掴みOK。
えっ?誰やねんって?
とりあえず視聴しましょう初めての方は1期から。
٩(^‿^)۶

分割1クール目ですが、ルーデウスとフィッツの話がメインで着地もして非常に良い話です。1期の2クール目のレビューのタイトルを物語点を5.0にしたいとしましたが、またしてもダメでした。なぜならまたしょうもない下ネタを入れるから。せっかく面白いアニメなのにもったいないんですよ、エリスの事が忘れられずそんな気分になれないとかでいいでしょ、それを下の話にする必要が分からない。ロキシー拝んだり、ザノバも変態だし、もうその辺はいらない気がするんですが。
面白い下ネタならまだしもすべってると思います。どうしてもその路線でいきたいならウケるやつお願いしたいです。

多くの方がおっしゃってますが作画は残念でした。けっしてダメなわけでなく十分なんですが、1期が話題になるほどの出来だっただけに、制作会社も変わってないし2年近くあったので頑張って欲しかったです。

1期1.2クールと今回すべて平均満足度が4点台で私的には評価高いんですよ。でも悪い点が目立つ不思議なアニメですほぼ下ネタの件ですが。
フィッツは本当に可愛いキャラですごい焦らされて良いラブコメでした。
気になるキャラも登場しましたし2クール目も楽しみです。

2024年2月28日

投稿 : 2024/04/27
♥ : 20
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

杉田転生Ⅱ

明らかに絵のクオリティ変わった感。
先行き不安・・・

12話
{netabare}
不能のあなたへから、まさかの1期で出た媚薬で、
不能治療完了とは・・・

そして、策士アリエルにより、シルフィエットとの結婚END
良い1クール目の〆だった。
{/netabare}

11話
{netabare}
フィッツ先輩、ダクネス化していたね(中に人同じだし)
無事、シルフィエットと認識してもらえたけど、
ルーデウスのアレは不能のあなたへのまま?
{/netabare}

10話
{netabare}
ルーデウスの1日のルーティーンと息子の再起動回。
フィッツの正体が次回判明かな?
{/netabare}

9話
{netabare}
サイレント・セブンスターとの再会。

ルーデウスからしたら、トラウマ事案だよね。
龍神と一緒にいた仮面の女性だし・・・

若山さん、リコリコから、いい役が増えて行ってる印象。
{/netabare}

8話
{netabare}
クリフ先輩とエリナリーゼの結婚を前提としたお付き合いの開始、
魔王バーディガーディの登場と今回も情報量の多い回。
{/netabare}

7話
{netabare}
リニアとプルセナを監禁する回か~
展開早いな。

ギレーヌの姪だけあって、リニア脳筋だよねー
{/netabare}

6話
{netabare}
ザノバの修行開始と奴隷購入回。

ゼニス救出までやる勢い?
{/netabare}

5話
{netabare}
魔法大学編スタート。

クリフ先輩、声合っていた感。
リニアは、フィールズさんということで、
陰実デルタからの違和感なしで、ワクワク感しかない。
{/netabare}

4話
{netabare}
ゾルダート兄貴との旅終了。

早すぎる。

次回から、魔法大学編だけど、
コミカライズ版抜いちゃいそうだね。

原作ノベルは完結したからいいのかな???
{/netabare}

3話
{netabare}
杉田劇場がひたすら面白かった!

サラが追い打ち、ゾルダート死体蹴り、
更にサラが追い打ち、スザンヌが追い打ち、
EDから抜けれないルート。

急接近というタイトルは、ゾルダート兄貴と急接近ね。

内山さん、迫真の演技回でもある。
{/netabare}

2話
{netabare}
ゾルダートの煽りからのまた鬱。

カウンターアローは、疫病神なのか?
ルーデウスに救われてばかりだけど、
ルーデウスの心を救ったのもカウンターアローというWin-Winな関係

次回のタイトルから、サラがルーデウス好きになるんだよね???
{/netabare}

1話
{netabare}
杉田さん、1話で立ち直る。

ロキシーのパンツで自戒するの観ていてシュールすぎる。

そして、エリスの髪を暖炉へ・・・
想いの断ち切り完了。
{/netabare}

0話
{netabare}
登場しました変態アリエル様。

ルークさぁ、アリエル警護外してご婦人の相手とか、
流石、ルーデウスの従兄弟。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

2つの物語

原作未読 全13話(0話を含む)2期第1クール

無職転生の2期第1クールです。第2クールは2024年4月より放送予定です。1期ともし機会があれば番外編(エリスと2期のあるキャラが出てきます。)まで観ることをオススメします。

第1クールは大きく分けて2つのお話に分かれています。泥沼編・学園編(ラノア大学編)です。

泥沼編は、あることで失意の底にある主人公ルーデウスは、あるパーティーに出会って立ち直るきっかけになるお話です。お酒はほどほどにいう感じでしたw

学園編は、1期のキャラが色々とでてきます。あることを解決する(この作品らしい悩みですがw)ためにラノア大学に入学します。紆余曲折ありましたが、良かったねって感じの終わり方でした。
{netabare}
なんといってもシルフィエットの登場ですね。彼女の行動や仕草、表情もゆたかでとても可愛く描かれていました。

終盤まで正体を明かすことに躊躇い、もどかしい気持ちが観ている私にもとても伝わりました。最後は2人が結ばれて良かったですね。
{/netabare}
作画は1期に引き続き綺麗に描かれています。演出も良かったですね。{netabare}(特にルーデウスとシルフィエット2人の場面){/netabare}

重要な鍵になるような人物{netabare}(ナナホシ・シズカ){/netabare}も出てきて、第2クールも楽しみですね。

OP はLONGMANさん、EDは大原ゆい子さんが歌っています。

最後に、神棚は早く処分した方がいいと思いますw

投稿 : 2024/04/27
♥ : 27

71.8 5 戦いでファンタジーなアニメランキング5位
アンデッドガール・マーダーファルス(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (204)
606人が棚に入れました
19世紀末。吸血鬼・人造人間・人狼など、異形な存在がまだ暮らしていた世界。首から下のない不老不死の美少女探偵・輪堂鴉夜が、“鬼殺し”の異名を持つ半人半鬼の真打津軽と、彼女に付き従うメイドの馳井静句と共に、怪物専門の探偵 “鳥籠使い”として数々の事件を解決しながら、鴉夜の奪われた体を探してヨーロッパを巡る―――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

評価修正。作品の完成度は高いけど3つ目の話以外は物足りないかも。

 本作は3つの話に区切れていましたが、1つめの話のときはスノビズム臭が強くて「本格推理」のトリックのデータベース紹介を、オカルトと合わせて視点のズラしを狙った作品なのかなあと思いました。

 1つめの話は本格推理として、若干アラは感じますがその狙いが上手くいっていて、オカルト設定を絡めながらフェアな本格推理として成立していることに関心しました。が、まあ面白いけど飽きるかなと思いました。

 しかし、2つめの話で突然ロンドンで恥ずかしいくらいの「有名どころ」を集めて活劇を始めました。アレ?と思いましたが、結構引き込まれて行き、結果的にかなり面白いです。ルパンVSホームズ的な作品の中ではかなりレベルが高いと思います。

 話はベタな予告盗難もので、トリックというよりは仕掛けですが、これの仕掛けの大がかりですが説得力がありました。展開もいいです。主要3人のキャラも立ってきて愛着がわき出すのもあるでしょうが、上手くゲスト・サブキャラと絡まっていました。

 そして、3つめ。この活劇のままで行くのかなと思ったら、また視点が変わりました。〇〇モノと書くとそれだけでネタバレになるので書きませんが、舞台設定とキャラの動き、そして肝心な幹になるストーリーが絡まって面白い、迫力がある、考えさせられる話になっていました。

 本作全体が、推理+オカルトという題材でしたが、3つの話でその方法論が違うのに、主要キャラ・サブキャラの動きに違和感がありません。これは原作者が相当優れたストーリーテラーなんだと思います。

 推理スノッブの人でもそうでない人でも楽しめる上に、ラノベ的な痛快さとキャラ萌えを両立できていると言えるでしょう。

 それを支える作画、美術、演出、声優さんの演技、構成などなどすべての要素の水準が高かった思います。OPとBGMの水準も高いと思います。

 テーマというか作品の構造ですが、仮面ライダー的あるいは人魚伝説的な根底にある不幸と、ゲストキャラの素性の悲惨さで、決して軽いだけの作品ではないです。
 ですが、それを覆い隠すエンタメ要素があるので表層ではまず楽しめる。けどやはり感じるもの、考える素材も提供してくれる感じです。1クール作品としての完成度はかなり高いのではないでしょうか。

 あまりこの辺、作品の構造を詳しく書くとネタバレになるのでこれくらいにします。シリーズとしては、主要キャラの目的は達成できていませんが、逆にもっと続いて欲しいと思わせてくれました。

 今期のアニメ、途中で嫌になる作品が多く、あまり完走した作品は多くありませんが、いまのところ作品の出来としては本作がナンバー1かなあという気がします。
 ただ、この作品を面白がれるかどうかは、人を選ぶかもしれません。その要素は…言わないでおきましょう。一つだけ言うと推理小説が好きかどうかは必要条件な気がします。

追記 23年夏のベスト1にあげていましたが訂正です。3番目のエピソードは深みがあって面白かったし完成度は高かった。ここは高く評価していいと思います。
 真ん中のエピソードは活劇として面白かったですが、ドタバタ劇だったかなあ…ここの評価は下げたいですね。
 本格推理のところも、トリックの壮大さとかハッとする感じではなかったかな。ただ、オカルトと本格推理の組み合わせは良かったです。

 評価4.7でしたが、4.3に修正します。夏の中では良かったほうには変わりないですが、ナンバー1ではないですね。



以下、視聴時の感想です。

3話 「その怪物を殺す独特な方法」による殺人を推理する?首だけの意味を出せるか?

{netabare} 1話目を見ると、初め題名にマーダーが入っているし、頭だけの存在=頭脳で勝負するという感じで、探偵ものかな、と思って見ました。
 なんだ、妖怪もの?という感じで、ただ、話の建て付けは、石ノ森章太郎氏的な改造人間の悲哀とか、人魚伝説のような不老不死の物語のような感じでした。

 ところが2話です。やっぱり探偵かい!というツッコミを入れたくなります。急におどろおどろしい感じが無くなって、古き良き探偵ものの始まりです。完全な頭脳だけで勝負の安楽椅子探偵というのがありますが、この作品は首だけでも動き回るのが面白いところですが、その首だけ設定がどこまで生かせるか?

 現状では首だけというのは、画面と設定としての面白さ以外には、あまり効果的ではないです。首だけだからこその探偵というのが描けるかどうかでしょう。あるいは、不死・改造人間問題がありますので、焦点はそこだけなんでしょうか?だとしたら、探偵ものとして描く必要があるか、です。

 Mでシャーロックホームズがいる世界ですから、オールマイティーの悪役である、モリアーティーだとしたら、ちょっと笑ってしまいますが。
 本格の推理作家の人はシャーロックホームズをネタに使い勝ちです。ですが、シャーロックホームズ的な推理はジョークネタとしてはやっても、肝心な部分の推理の組み立ては「君のシャツのエリは…」ではないと思います。

 少なくとも「ノックスの十戒」を守るとは思います。殺人に関する探偵ものとしては、トリックのズラしとして「その妖怪・怪物を殺す特有の方法」がミソっぽいですね。そこ以外は多分フェアにヒントと証拠を入れてくるのでしょう。

 ということで、設定を活かしきれるかどうかという不安はあるものの、結構妖怪殺人の探偵という流れは面白いです。
 なお、メイドはロベルタにしか見えませんでした。

 それと声優の黒沢ともよさん、さすがですねえ。あの生首っぽい声がだせてます。クレジット見るまでわかりませんでした。
 なんで生首が声だせるんだ?空気漏れないの?という疑問はさておいて。{/netabare}


4話 ちゃんとフェアな推理小説の形式になっていると思います。

 本作はやはり本格推理の様式に乗っ取り「その妖怪の特性」を作中で提示することにより、読者(視聴者)も推理可能な証拠を提示していると思います。ただ、吸血鬼編は3点ほど理解できてない部分がありました。

 ネタバレになるので未視聴の方はご注意を。

以下、トリックのネタバレ含みます。気になる点3つ。
{netabare}

1つめ。 氷のナイフによる殺人というのは非常に古典的な方法でつららを凶器にするなど、さまざまなバリエーションがります。
 そもそも、氷の凶器で人を殺せるか問題は議論があるところですが、本作は推理の古典的様式にのっとっているのでそれは不問とします。

 本作の問題は吸血鬼の弱点として「銀の杭なら殺せる」というミスリードが上手いかどうかです。
 というのは、聖水でやけどするのは明示がありましたが「聖水で殺せる」というのが明示されていない気がします。
 アリバイ工作の銀の杭が、唯一の殺せる武器だとも言っていないので、間違いではないのでしょうし血液のトリックが活きる部分ではあります。しかし、単なる杭でも心臓に突き刺せば殺せるのでしょうか?そうすると、普通の氷でもいいんじゃね?という気もします。やはり銀の杭の代替として聖水は機能するという説明は必要だったのでは?
 それと銀の杭の破壊力から言って、傷口が綺麗すぎるというのもあると思います。名探偵なら気が付くと思いますが、どうでしょうか?

2つめ。左側の血液が少ない…と言っているのは血液を採取したからという画でしたが、説得力あるかなあ?。衣服の上を流れる血液をビンで採取したんでしょうか?それにそんな左右で差がでるくらい左から採るという状況が物理的に分かりません。

3つめ。穏やかな笑顔で死んでいた、といいますが、その伏線回収が弱いです。心臓を貫かれて即死にしても、表情は変わるのでは?息子が犯人だから覚悟して穏やかに殺された、とならないと説得力がありません。本格でわざわざ言うからには、そこの説明は必要でしょう。寝てたからで終わりでしょうか?{/netabare}

 もちろん初見ですので、見落としているかもしれませんが、ここは後でフェアだったかどうか考察したいところです。

 と文句もありますが、行き詰ったジャンルとしてのパズル的な本格推理に古典的で知名度が高い妖怪の弱点を組み合わせたのは面白いところです。
 本格推理は「人が描けない」ことも特徴ですので、メインキャラへの感情移入は難しいでしょう。つまり、首だけ=頭脳の役割、鬼は怪異を殺せる以上のキャラ付けではない気もします。

 それと、予告編で今後の登場人物出てましたね。モリアーティまで出てました。これは興をそがれるなあ。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大乱闘大衆カルチャーブラザーズ

“怪物一掃”が推し進められる架空の近代世界。
鳥籠の中に佇む主人公の“不死”の生首女探偵・輪堂鴉夜(りんどうあや)
半人半鬼の“鬼殺し”真打津軽(しんうちつがる)
鴉夜(あや)に仕える色々な意味でクールなメイド・馳井静句(はせいしずく)
怪物専門の探偵グループ“鳥籠使い”の3人が、鴉夜の奪われた身体を探し求め、
欧州各地を巡り、怪異事件を解決していく。
同名小説シリーズ(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
一応の基本ジャンルは伝奇ミステリーですが、
ルパンやホームズなど誰もが知っているようなフィクションの登場人物との絡みあり、
真打津軽らとヨーロッパでお馴染みの怪物とのバトルもあり、
五体が不満足どころか皆無な鴉夜が繰り出す自虐ネタのノリは落語の小噺のようでもある。

近代は、教育の普及による庶民の識字率の上昇と共に、
彼らに向けた大衆文学や新聞などのマスメディアが急速に発達した時期でもあります。

本作の近代世界においては“怪物一掃”により、
怪物は人間を襲撃せず共存を誓った「親和派」以外は撲滅される一方。
ですが、実際は近代こそが、怪物だの怪盗だの、
庶民の妄想ワールド(切り裂きジャックにまつわるゴシップなども含む)が急拡大した時代。

ジャンル横断的な展開は闇鍋感たっぷりで、悪く言えば的が絞れていない感じもしますが、
本作は大衆文化のオールスター展開により表現された、
近代空想世界の爆発的なエネルギーを浴びる作品なのだと思います。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ラパントラック

始まり地・明治日本や欧州各地などの多彩なロケーション。
多種多様な怪物たちやその社会性を反映した建物、小物。
再現すべき要素は多いが無難に対応。

バトルシーンも極上と言うわけではないですが、
広い空間を躍動する人物や怪物のスピード感には時々目をみはる。

表情変化の描写もまずまずですが、
脳裏に焼き付くのは、いつ何時でも変わらない生首探偵・輪堂鴉夜の不敵な笑みw
作中では一度、{netabare} 馬車に轢かれて真っ二つになった後でも微笑み続けた{/netabare} 不気味なことこの上ない不死の生首ですが、
900年以上生きている間に鴉夜様が泣いた夜とかあったのでしょうか?

尚、作画も闇鍋なので唐突に部位欠損や出血多量が飛び出したりしますが、
主人公が生首でも視聴するような奇特な方なら心の準備はできているでしょう。


【キャラ 4.0点】
津軽による真打とは名ばかりの前座レベルのネタを
鴉夜(あや)に吹っ掛けてはヤレヤレといった感じで流される。
津軽の落ちないネタを、メイドの静句(しずく)の毒舌に痛打される。
灰汁が濃い掛け合いが珍道中の定番。

生首だの鳥籠だの、こんな濃厚な闇鍋メインキャラ要るの?
となりますが、オールスター級の面子を相手に事件に挑むなら、
むしろ、これくらい濃くないとメインがゲストに負けて埋没してしまいます。

某話にて、{netabare} 鳥籠使いの3人が名探偵らと共に、怪盗の挑戦を受ける展開があって、
これは灰汁の濃い闇鍋が出来上がったな。そろそろ灰汁取らないとアブナイな。
と思っていたら、引きでさらに、怪物界隈の“夜宴(バンケット)”の一味が横槍を入れて来まして。
闇鍋にまだゲテモノを放り込むのかと、私は胃もたれしながらも、ブラックな笑いに酔い痴れましたw{/netabare}


鬼の力を持つ津軽だけが“不死”の鴉夜を殺せる。
死を願う鴉夜に、津軽が、肉体の捜索がてら、もう少し人生を楽しんで頂きましょう。
といった感じで始まったこの欧州行脚。

落ちたら旅も人生も終わってしまう。
だから津軽の話は滑ったまま落ちなくて良いのですw


ただ持ち越しとなったシナリオの方は決着して欲しい所。
鍵となる黒幕の夜宴(バンケット)首魁・{netabare} モリアーティ。{/netabare}
不死を求めていると思しきラスボスが、不死に飽きて来ている鴉夜とどう対峙していくのか。
拡大し続ける大衆文化の妄想ワールドの大風呂敷を鮮やかに畳む一手はあるのか。
鴉夜様の本気。是非見てみたいです。


あとはパリの新聞特派員・アニー。
メディア・スクラムを通じてマスコミの発達と弊害が印象付けられる中、
真っ直ぐな14歳記者がどんな取材で食い込んで来るのか。
私が地味に楽しみだった隠し味です。


【声優 4.5点】
鴉夜役の黒沢 ともよさん。
動けない生首でも、探偵は頭脳さえあればできる職業などと鴉夜様は述べられますが、
数分間、人外含む曲者相手に論理的な推理に傾聴させるなど、
口車が回らなければ出来ない芸当でもある。

津軽役の八代 拓さん。
時に落語の演目も拝借しつつ鴉夜や静句や怪物たちに減らず口を叩き続ける。
こちらもスタミナが要るタフな役柄。

メイン2人には噺家の如き長尺のセリフをオーディションの段階から要求し選出。

前期『スキロー』みつみ役で主演を務めた、ともよさんのロスを埋めるように本作を観始めた私ですが、
田舎出のほんわかJKから不敵な生首探偵へ。この落差w
聞く度に毎回ニヤニヤが止まりませんでしたw


【音楽 4.0点】
劇伴担当はyuma yamaguti氏。
ジャズやクラシックを軸に伝奇ミステリーを演出。
民族音楽を想起させるコーラスや、電子音なども幅広く取り入れる大胆なアレンジもまた、
ジャンルをまたぐ作品の志向性を後押し。


OP主題歌はCLASS:y「Crack-Crack-Crackle」
明治日本、近代欧州と来て、主題歌はK-POPともはや何でもアリですがw
トレンディーなダンス音楽が、混沌としたOPアニメーションと割りとマッチしていたのが意外性。

ED主題歌はAnna「reversal」
不気味な電子和音に乗せて生首探偵の矜持を述べる怪作バラード。
いくら常識に囚われた人間が浅はかだからといって、
脳の蜜を吸い取ってしまうのはあんまりなので、
鴉夜様落ち着いて欲しいのですw


【余談】
掛け合いも独特な本作の余韻に浸ろうと。
また、落ちない津軽の講釈ばかり聞いてないで、たまにはちゃんと落ちる話を聞こうとw
先日、落語の寄席に行って参りました。

正真正銘の落語の真打の演目はラスト、少々の感動も伴いながら、見事にストンと落ちました。
俺たたENDとなった本作のモヤっとした気分も晴れて、今はスッキリとした気分。

続編のアニメ化は微妙なラインでしょうが、無心で待ちます。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

作画も雰囲気も素晴らしかったが・・

こういう雰囲気大好き。
明治時代を背景としているが、ハイカラな感じがたまらない。
そんな雰囲気の中、怪しく妖艶な女の生首がしゃべりまくる。
そういう意味で、雰囲気の素晴らしいアニメ。
ただストーリーはあまり進まない。

ルパンやシャーロックホームズ、モリアーティ等が出てくるが、
あまり関係ない事件を解決して終わり。
盗まれた体を探していたんじゃなかったの?
続編作られるのか?
中途半端なところで終わってしまったのは残念。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 11

69.9 6 戦いでファンタジーなアニメランキング6位
マッシュル-MASHLE-(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (240)
712人が棚に入れました
ここは、魔法界。 ここは、魔法が当然のものとして使用される世界。 そんな魔法界の深い森の中で、一人筋トレに励む少年。 その名はマッシュ・バーンデッド──彼の秘密は、魔法が使えないこと。 家族との平穏な暮らしを望む彼だったが、ある日、突然命を狙われ、 なぜか魔法学校に入学し、トップである「神覚者」を目指すことに。 彼の鍛え抜かれた筋肉は、精鋭の魔法使いたちに通用するのか…!? 鍛え抜かれたパワーがすべての魔法を粉砕する、アブノーマル魔法ファンタジー堂々開幕──!!

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ONE先生版ワンパンマンとハリポタの悪魔合体

ワンパンマンをファンタジー世界にぶち込んできた的な感じの作風っぽい?
しょうもないけどクスッとくるようなギャグがそこそこ面白い。現段階じゃそこそこ笑える程度でめっちゃ面白いかと聞かれたら微妙ではあるけどキャラが揃ってから面白くなるらしいし継続して見るかな?

5話まで追記
メインキャラらしき人物が揃ってきてかなり面白くなってきた感。物理で魔法の常識をぶち壊す的な痛快な作風がすごく面白い。

8話まで追記
マギアルプスという悪役集団が現れていよいよ物語が本格的に動き出してきた感じ?

最終回まで追記
かなりキリの悪いところで終わったけど2期やるのか。2期は試験編だけど面白いかな…?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

N(ヤバめ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

午前もしくはゴールデンタイムレベルだが、内容はそれなりに良い、おすすめ度★★★★☆

ブッ壊すしかないでしょ、グーパンで。

ジャンプ系アニメの中では売上198枚と大爆死した分類で原作自体もかなり賛否が別れているが、面白さとしては上位に入ると感じる。

脱力系のギャグがとにかく笑いを誘う。無表情仏頂面な主人公マッシュの異常な筋力から繰り出される脳筋ギャグの数々は単純ながら笑いを誘う。

キャラについても魅力的で、マッシュは普段はスカしていて無表情だが友達思いで心根は優しく、マッシュを取り囲む友人も一癖二癖あるメンツでインパクトが感じられた。

一方で個人的に物足りなかったのは、マッシュ以外のバトル描写。目立っていたのはドットとランスくらいで、レモンはともかくフィンはただのリアクション要因くらいにしかならなかったのが惜しかった。

また、シリアス面以外での展開が少しワンパターンになりがちだったのも、個人的にはややマイナス気味。

とはいえ総合的に見て楽しめたのは事実ではある。来年冬から続編がやるようなので、そちらも追うつもりではある。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

くまさん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シュークリームが好きです。

はじめの方は、面白く見させていただきました。
俺、強ぇ系なアニメです。

魔法ありの世界で魔法の素質が全く無し。けれども、筋肉ならある!
バトルも学校の課題も、筋肉で解決!

それも筋肉で解決かよ?そうはならんだろう笑と
とても可笑しく、笑って見られるアニメです。最初のほうは・・・

後半からちょっとシリアスっぽくなるのですが、
そのあたりから、うまく入り込めなかったです・・残念。

マッシュの性格を心地よく感じられれば、見ていられるかも。

EDの「シュークリーム・ファンク」な感じで本編も軽快だったら、
最後まで楽しめたのかな?

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

60.5 7 戦いでファンタジーなアニメランキング7位
帰還者の魔法は特別です(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (111)
322人が棚に入れました
絶えず世界を侵食する異次元空間「影の世界」。 その中でも最悪の災害と呼ばれる「影の迷宮」に人類は直面した。 「デジール・アルマン」は仲間と共に「影の迷宮」最後のボス、破滅竜ボロミア・ナポールと対峙するも、世界は滅亡を迎えてしまう。 全てが終わったと思った瞬間、デジールの目の前に広がる光景は...13 年前の世界だった。 自身の出身校でもある、帝国最高の魔法学園「へブリオン学園」の入学式まで戻ってきたデジール。 きたる滅亡の未来を変えるべく、仲間たちを再び集めて世界を救うために立ち上がる!

73.2 8 戦いでファンタジーなアニメランキング8位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 深章 厄災篇(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (249)
781人が棚に入れました
悪夢は終わらない。 絶望は破滅を誘い、厄災は惨禍を招く。 ジャガーノートとの闘いのさなか、奈落に消えたベルとリュー。 行き着いた先は、全ての冒険者が恐れるダンジョンの深淵――『深層』。 満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。 迷宮決死行の渦中、五年前の後悔に苛まれる妖精はかつての仲間を追憶する。 一方、ベル不在のパーティの前に現れたのは、双頭の巨竜アンフィス・バエナ。 破壊の化身が吐き出す凶悪な炎流が全てを呑み込む。 希望も光明も失われた迷宮で、冒険者達が辿る運命は幕切れか、それとも…… これは少年と妖精が押し寄せる死に抗う、過酷に満ちた【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】――。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ダンジョンRPG視点で見て、良い感じでカビ臭くなってきた

引き続き原作ライトノベルは未読。

【物語 4.5点】
これぞ迷宮(ダンジョン)。
展開はハードで、お気軽異世界ファンタジーが量産される昨今のトレンドからは外れており、人は選ぶが、ダンジョンRPG好きには断然オススメ。

2期、3期と、意外と迷宮に潜らなかったので、ヤキモキさせられました。
ですが、一方で、ここまでダンジョンRPGの諸要素を巧く設定・シナリオ化しているとの手応えもあり……。

例えば……
{netabare} ・迷宮を巡るパーティー間競争→ファミリア間の抗争、駆け引き。
・倒されたモンスターが転生しながら無限POPする迷宮の異様→「人造迷宮ークノッソスー」建設者の狂気。
・迷宮内の“友好的なモンスター”への対応を巡る相対的な善と悪→冒険者たちから迫害される「異端児-ゼノス-」を助けることにした【ヘスティア・ファミリア】{/netabare} etc.……

そこにダンジョン愛を感じることができていれば、「迷宮決死行ーデスパレートー」となるこの4期分割2クール目は、迷宮の醍醐味を収穫できる至福のひと時となる。
信じて視聴し続けて本当に良かった。


構成は、満身創痍で「深層」に落ちた主人公ベル・クラネルと“疾風“のエルフ、リュー・リオン。2人の脱出サバイバル。
「下層」にて“英雄”ベルを失いパーティー瓦解の危機を抱えながら、ベル救出か撤退かの狭間で揺れる仲間たち。
かつてリューを襲ったパーティー壊滅の悪夢の回想。
3本柱のプロットで迷宮(ダンジョン)とは何かを徹底的に思い知らされる最悪で最高な{netabare} 四{/netabare} 日間。

中級以上のパーティーにとって一番恐ろしいのは落とし穴(シュート)からの格上モンスターによる数の暴力(また、そういう敵に限って仲間を呼ぶんですよw)

本作の決死行には、次エンカウントしたら絶体絶命。一歩進むのにも手に汗握る。
迷宮の緊張感が見事に再現されており、私も『Wizardry』シリーズ等でやらかした時のトラウマも思い出し悶えながら視聴しましたw


ダンジョンRPGで最も脳汁が出る瞬間と言えば、
パーティー全滅の危機を、普段は気にも留めないアイテムやシステムをフル活用して切り抜けた時。

この観点からグッと来たのが、{netabare} ヴェルフ即席の鍛冶による《魔剣》生成と反抗。{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・J.C.STAFF

率直に『ダンまち』も視聴者の選別も進み、1期に比べたら話題性も収益性も落ちているはず。
それでもアニメ化し続けてくれる同スタジオ。この律儀さが有り難いです。

「深層」“白の迷宮”のムードを演出した、くすんだ色彩選択も印象的。
ここもまたグラフィックの変化と共に緊張感が増す迷宮の魅力を伝えていました。

ドロドロ、ネバネバな迷宮サバイバル食の数々。
大体ダンジョンに飯テロを求めるなんて間違っているんですよ。
{netabare} 腐った死体から漁った傷んだポーションでも、スライムの粘液{/netabare} でも、飲める物は何でも啜(すす)って生き残らなければなりません。
(でも{netabare} リューさん先輩面して、絶叫するベルくんにゲテモノ喰らわせておいて、結局、自分は口付けませんでしたよねw{/netabare} )


そして、ベルくんとリューさん。装備大破して裸同然となった男女の脱出劇。
ある意味、豪奢な大鎧より難しそうなボロを纏ったキャラを粘り強く描写し、サバイバル感を盛り上げる。

それにしても、こんな危機的状況でもラノベ的ラッキースケベに遭遇してしまうベルくんw
第21話。{netabare} 肌を密着して濡れた身体を温め合う2人{/netabare} の描写には不謹慎ながら欲情しそうにw
ただ、あの場面はリューを縛り付けていた恐怖と贖罪意識が淡い恋慕により溶解する重要なカット。
決して安直なサービスシーンではなかったです。


【キャラ 4.0点】
“例の紐”も“ヴァレン某(なにがし)”もまともに登場しない。
メインヒロイン飛車角落ちで大丈夫か?となった4期。

ヒロイン枠のリューも終盤まで謎だらけでヘスティアやアイズには遠く及ばない印象。
ですが「深層」を彷徨い、リューの過去が深掘りされる内に、
ベルくん争奪戦でも強力なヒロインに化ける。

リューが過去に所属した【アストレア・ファミリア】のメンバーたちも、モブではなく確立され、リューの人格に深みを与えていました。
“正義”に関する問答が、上述のダンジョンにおける相対的な善悪とも混じり合って味わい深かったです。


モンスターでは迷宮(ダンジョン)の仕組みを脅かす輩に災厄をもたらすジャガーノートの異端性。
まるで『不思議のダンジョン』の死神みたいな番人ぶり。
期待する目的から外れた冒険者たちの言動は許さない。抵抗する間もなく瞬殺する寒々しさ。
大迷宮を創造した者の強烈な意志と狂気を想起させられる手強い一体でした。


【声優 4.5点】
リュー役の早見 沙織さん。
トラウマが積み重なった人格を好表現。
「深層」より深い人間表現ができる。その上デレると、とびきり可愛い。
清楚ボイスだけじゃない。はやみん流石です。

ベル・クラネル役の松岡 禎丞さんは今回も良く叫びました。
痛恨の一撃に、毒味に、不可抗力的スケベシーン。何でも叫べる。
「貴方は尊敬に値するヒューマンだ」


【音楽 4.0点】
劇伴担当は1期以来の井内 啓二氏。
本格的に迷宮の絶望を掘り下げる深章に合わせて選曲も重厚化。
リューが諦めて贖罪にかこつけた自己犠牲に逃避しようとする度に、
手を差し伸べるベルを奮起させるように鳴り響く「英雄願望」のメインフレーズ。
シビれました。

OP主題歌はリュー役・早見沙織さんの「視紅」
ED主題歌はsajou no hana「切り傷」
いずれもリューの心境を捉えたバラード。

“一緒に帰ろうって決めた 優しい陽だまりへ”

投稿 : 2024/04/27
♥ : 27

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

悪夢は絶望へと続く――迫り来る厄災の脅威 妖精の脳裏に蘇る追憶の光景 間違った私に「正義」はもう…… 過酷な「現実」に抗う少年と妖精の決死行

この作品の原作は未読ですが、アニメ版は本編、劇場版、OVAと一通り視聴済…
かと思ったら、第3期のOVAは未視聴でした。

本来なら、OVAは円盤を購入した方への特典なのでしょうけれど、最近は配信サイトでOVAが視聴できるようになっています。
第3期のOVAもdアニメストアで配信されていましたので。

まぁ、棚の目につくところに置いておけば、そのうち気になって視聴するでしょう。
自分のことながら、この安直さに時折辟易することもありますが、きっとこればかりはもう治しようもないと思いますので^^;


悪夢は終わらない。
絶望は破滅を誘い、厄災は惨禍を招く。

ジャガーノートとの闘いのさなか、
奈落に消えたベルとリュー。

行き着いた先は、
全ての冒険者が恐れるダンジョンの深淵

――「深層」。

満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。
迷宮決死行の渦中、
五年前の後悔に苛まれる妖精は
かつての仲間を追憶する。

一方、ベル不在のパーティーの前に現れたのは、
双頭の巨竜アンフィス・バエナ。

破壊の化身が吐き出す凶悪な炎流が
全てを呑み込む。

希望も光明も失われた迷宮で、
冒険者達が辿る運命は幕切れか、
それとも……

これは少年と妖精が押し寄せる死に抗う、
過酷に満ちた【眷属の物語(ファミリア・ミィス)】


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

振り返ってみると新章・迷宮篇だって相当過酷な展開の連続でした。
でも今回の深章・厄災篇を見てしまうとこの印象は大きく変えられることになります。

満身創痍、孤立無援、迫り来る厄災の脅威。
公式HPのINTRODUCTIONには、少年と妖精の置かれた状況をこの様に表現していました。
ですが、目の前に繰り広げられる惨劇は、こんな言葉に置き換えられるほど
易いモノなんかじゃありませんでした。

時間の経過に伴い、どんどん死に引っ張られているのを身体全部で感じざるを得なくて…
1分1秒…その場に留まる時間が長引くほど恐怖が加速度的に増していく…
きっとこれまで、これほどの身の危険を感じたことは無かったのではないでしょうか。

ですが、こんな人生の最後を迎えるような状況であるにも関わらず、悠長な感傷に浸る暇なんて二人には微塵もありませんでした。

「殺らなければ殺られる…」

そのために存在するのがこの深層なのですから…
だから、例えここで二人の冒険が終わってしまったとしても少しも不自然じゃありませんでした。

主人公は死なない…
そんな暗黙のルールが通用する様な甘い場所じゃありませんでしたので。

だから考えるのは、次の瞬間のその一手…
自らの身を挺して仲間を逃がす…そのためなら何をも厭わない鋼鉄の意志の赴くままに動く…
かつての仲間に自分がして貰ったように、今度は自分がその役目を追う番だとはっきり認識できる。

でも、ダメなんです…
もう一人が二人で一緒に帰るんだの一点張りで、握った手を放してくれないんです。
それに、未だ早いとかつての仲間も認めてくれず門前払いでしたので…
色んな思いや願いが幾重にも繋がって、人間の生へと続いているのを実感します。
だから人は生に執着するのかもしれません。

身体中が痛くて前に進むのが苦しい…
誰でもこういう場面には遭遇すると思います。
ですが、途中で諦めてしまったら、もっと違う痛みと苦しみに苛まれることになるのを、無自覚で無意識ですけれど私たちの本能が知っているのかもしれません。
これだけでも十分に頑張る理由になると思うんですけれど…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、はやみんによる「視紅」
エンディングテーマは、sajou no hanaさんによる「切り傷」
歌い手さんが新章のオープニング・エンディングと入れ替えになっていました。
最近、ちょいちょいはやみんの楽曲を耳にする機会がありますが良きですね~
今度の楽曲も大好きでした。

1クール全11話の物語でした。
視聴には痛みと苦しみを伴いましたが、それ以上に仲間の絆と信頼を感じることができたと思います。
人には変わらない部分と変わる部分が存在していて、その案配は人それぞれで決して否定するモノではないことを実感させて貰いました。

続編…は私が心配することではありませんよね。
必ず制作されると確信していますので^^
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 26

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

求めたつもりはなかったろうが、ダンジョンで出会ってしまった…。

オラリオのダンジョンには「吊り橋効果」があるらしい(笑)。

完全にヤラれてしまっているリオンさん。
そしてまったく出番がないヴァレン某さん…。

シリーズを通して見るとⅢのテーマの堅苦しさはどこへ行ったのかと思うくらいにわかりやすい冒険と恋の物語。依存の逆転の過程がとても良いです。

1期目から観ていないとあんまり面白くないかもしれませんが、エンターテインメント性はシリーズ1高い気がします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 28

67.0 9 戦いでファンタジーなアニメランキング9位
望まぬ不死の冒険者(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (119)
370人が棚に入れました
「……絶対に、俺は神銀(ミスリル)になる」 その決意を胸に冒険者になって早十年。レントは地道に剣の腕を磨き、知識を蓄え、冒険者組合(ギルド)へ貢献しながらも銅級下位のまま。それでも毎日のように迷宮に潜り、努力を続けていた。そんな中、低位迷宮《水月の迷宮》で未踏破区域を発見するが、そこで遭遇した《龍》に喰われてしまう。 命運尽き果てたと思われたレントだが、何故か意識を取り戻した――最弱の魔物・スケルトンとして。それでも絶望に陥ることなく己にできることを模索するレント。手始めに魔物の特性である《存在進化》を利用して上位の魔物を目指し、人間に戻る道を探すことに。 不死者(アンデッド)となったレントは、再び神銀級冒険者を目指す。

サルモネラ菌 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

普通に面白かった

普通に面白かったです。
ストーリーは、何十年も剣や魔法の努力を重ねても一向に報われない銅級(ギルドでの称号みたいなもの)主人公レントが、ある日龍に襲われ、手も足も出ず殺された...と思いきや、なんとスケルトンになってしまった。だが、レントは諦めず、水銀(ミスリル)級になる目標を達成するために奮闘するという物語。
異世界好きな人ならハマると思います。
終盤らへんの展開がちょっと退屈だったかも。
2期あったら見ます

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なろうでもタイトルがスッキリしてるのは良さそうな法則が

無いこともないですね。

で、ある程度期待して見ましたが…
おお、良いじゃないですか。

迂闊にダンジョンの新エリアに入ってしまって裏ボスが。あるあるですね。
迂闊だったのはその通りですがこれくらいの失敗は普通にあることで、もちろんその結果命を落としたわけですが…

アンデッドとして復活するまで1日以内だったんですね。早!
この世界のアンデッド化は早いのか、ドラゴンに飲み込まれたことで何かあるのか。
あ、ドラゴンのデザインは不気味さと神々しさがあって良いと思いました。
格好いい。

で、スケルトンとして復活した主人公がそこから進化して復帰を目指していくと。
前向きで良いですね。
魔物が進化する現象を知っていたなど、展開が自然で、自然に主人公を応援できます。
新人ちゃんと合流して果たして無事ごまかせるのか、気になります。

これは今期なろうでも特にクオリティが高い方かな。
視聴継続確定でも良さそうですね。

全話感想
作画はやや微妙でしたが… なかなか楽しめました。
主人公を好きになれたので、だんだんと成長していく様子を素直に応援して楽しめました。

ただ、生前の主人公が元々なんでここまで芽が出なかったのかは不思議ですね。
主人公は3つの魔力、気力、聖気でしたっけ。を扱えるレアな存在で、5歳から高い目的意識を持って修行を続けてきて…。

それで20年頑張って、アンデッドになるまで一切芽が出なかったというのは、才能がないだけで通るのかなぁ? あまりにも理不尽なような。

大抵の人は本当の努力というものができないだけで、本当の努力をすれば、誰でもある程度の一流にはなれるものだと、私は思います。

そうなれないなら努力をしていないか努力が間違っているか、後はよほどの悪運に見舞われたかですが…。
主人公はどれにも該当しない。さらに特異な才能まであって…。

これで10年不遇はちょっと納得できないですね。
それとも銅級ってある程度一人前の称号でしたかね? デビュー2~3年目くらいでなれるような描写に見えましたが。

まあ多少ガバはあっても、主人公を好きになれればいいです。
あとヒロインのロレーヌが良かったですね。
基本あっさりしていて主人公とはあくまで友達、という雰囲気が。
まあ衣装はやたら露出していますが、そこもいいですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 2

こま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

1話は何時ものなろう。主人公は最終的に狩られてしまうのだろうか!?

2023年12月時点でシリーズの累計発行部数は200万部を突破している。


成り上がり作品ではある「魔物として」が付くけどw今期2人目最弱冒険者。
個人的にはこっちが好みかな。

何時ものようにソロでダンジョンに潜るが、興味本位で入った隠し通路の先でドラゴンに殺されるが気が付いたら骨になっていた…!

最弱なので慎重派ではあるけどそれでも冒険者。それは行きたくはなるよね。
そして誰に迷惑かける訳でもないソロ。
何も出来ないのに行きたくない人を巻き込み結果複数人が死ぬよか万倍マシ()

骨と言うかスケルトンになった主人公が魔物を倒す事によって進化出来る事が分かり、出来るだけ人に近い魔物になる話し。で冒険者として成り上がって行く感じか。

1話だけだと何時もの無双になりそうな、なろうな感じ。
だけど魔物の見た目で(仮面付けてる描写が)それを隠して、人として冒険者をやって行くのは面白そうではあるんだけど、どうなるか…。

3、4話辺りまで観て判断かな。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

88.1 10 戦いでファンタジーなアニメランキング10位
十二国記(TVアニメ動画)

2002年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (1680)
9089人が棚に入れました
周囲に合わせるだけの日々を送ってきた平凡な女子高生・中嶋陽子。
ある日、ケイキと名乗る人物に連れられ、たどり着いた異世界。 そこは、十二人の王と十二頭の麒麟によって治められる十二の国々からなる不思議な世界だった。なぜ自分はここへ連れてこられたのか、ここはいったいどこなのか、異世界でケイキとはぐれてしまった陽子は疑問を抱えたまま、生き延びるために見知らぬ世界で生活することとなる…。

声優・キャラクター
久川綾、石津彩、うえだゆうじ、子安武人、相沢まさき、山口勝平、鈴村健一、岡野浩介、釘宮理恵、勝生真沙子、ゆかな、藤原啓治、進藤尚美、石田彰、若林直美、桑島法子、高山みなみ、山崎和佳奈、鈴木れい子、西村知道、平松晶子、川上とも子、千葉千恵巳、大川透、中田和宏、野島健児、西凜太朗、松本保典、大倉正章、家中宏

440 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

チャイナドレスじゃないんだよ!

前半は主人公をマジ殴り倒したくなりますが、色々なことに挫折、絶望して、そしてはっと主人公が気が付く場面。いいです。そこからが主人公、マジかっこいい。悩んでいる内容も異世界に行ってしまった主人公特有の悩みではなく、あくまで等身大の女子高生。
深い・・・めっちゃ深い話です。
OPは歌ではなく、曲ですが、かっこいい。挿入歌、ED共々いい仕事をしています。
個人的に王や高官の式服にはまりました。かっこいいっす。こんなのアニメしかねえよ的な奇抜な色彩ではなく、リアル古代中国っぽい感じ。満州民族の民族衣装ではなく、漢民族の民族衣装がベースのこの作品。
屍鬼、ゴーストハントの作者でもある小野不由美さんが書いた作品。いまだにランキングに入るような根強い人気を誇るこの作品は一見の価値ありです。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 31

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

異世界ファンタジーの域を遙かに超えた成長記。

人の顔色ばかり伺う、八方美人の陽子の成長を描く、小野不由美原作の異世界ファンタジー傑作であり
優柔不断で未熟者だった人格が、全く別人の如く、己の意思を力強く主張する39話の締め方は感無量。
突如、喚ばれた異世界空間の過酷な経緯を経て、漸く序盤の布石が実を結ぶ作中屈指の名場面であり
NHK特有のメッセージ性を投じる。序盤が鬱屈なのもあり、その反動は、並々ならぬ感動を醸成させる。
その上、十二国という異世界を完全なる空想世界とせず、ある程度、現実味のある世界とすることにより
現代社会の個人は政治的関心が希薄であり、メディアや周囲の考えに流されやすいというマイナス面を
明確な形で、クローズアップすることに成功しており、画一的かつ受動的な大衆へ喚起が促されている。
無類の才覚を陽子に宿さず、人間的に成長していく過程においても決して避けては通れない苦行があり
説教臭さが鼻に付くと感じる方もいるだろうが、これをなくしては「十二国記」シリーズは成り立ち得ない。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 43

ポクレウル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最近ではもう見かけることができない種類のアニメ

人の心の成長を描いた物語でした。

彼ら、彼女らが旅を隔て、さまざまな人と出会い自分の固執していた考えが間違い(社会的には間違いではない)であることに気づく。

例えばそれはどうすれば人とうまく接することが出来るのか、彼ら自身がいろんな物事に対して抱く感情とどう向き合っていくのか。人を通して自分自身を改め成長していく。その成長過程がすごくリアルに描かれています。

最初のほうは唐突ですが、基本的なストーリーはしっかりしています。しかし未完で気になるところもいくつかありますが。

あんまり用語や登場人物の解説などがないので考えないと飽きるかもしれません。区切りがつくとそこでまとめて解説が入ります。(例えば1~12話で13話で解説)



感想
中盤がおもしろかったです。こいつがこんな風に変わったのか、人が変わる様がかなり明確で、見ていてなんか心地よかったです。この作品を見て自分自身に置き換えてすこし考えてみようかという気になりました。

しかし一気に見ないと変化というのが捉えずらくなり、実際にテレビで見た方はあんまりおもしろくなかったかもしれません。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15

71.3 11 戦いでファンタジーなアニメランキング11位
転生したら剣でした(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (248)
801人が棚に入れました
転生したら剣でした――。 「知性を持つ武器(インテリジェンス・ウェポン)」と呼ばれる”剣“として異世界に転生した彼は、装備者との出会いを夢見ながら、孤独にスキル収集に励んでいた。 ある時、迂闊にも魔力を吸収される「枯渇の森」へ踏み入り、一歩も動けなくなってしまう。途方に暮れる中、奴隷として虐げられていた黒猫族の少女フランに出会う。 フランは巨大な魔獣に襲われ、絶体絶命の危機に陥っていた。彼女は眼前に突き刺さっていた彼を引き抜き、その力で窮地を脱すると、彼を「師匠」と名付けて正式に装備者となるのだった。 冒険者となったフランと師匠は、お互いにスキルを磨きながらクエストをこなしていく。フランは強さの果てにある「進化」を目指すために、師匠は少女の「願い」を叶えるために。 猫耳少女と親バカな剣の大冒険が始まる!

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

減点は少なくキャラが加点要素で総じて高評価ななろう原作アニメ

本作の作品タイトルは『転生したら剣でした』であり、つまり転生の主体は異世界転生した「師匠」なんですが、物語としての主人公要素はむしろ黒猫族の獣人少女フランの方にあると言えるのではないでしょうか。

ちなみに「師匠」というのは転生者である「剣」に対してフランが呼びかけにつかっていて、「剣に意志がある」とわかった人たちの間ではそのまま名前として認知されている呼び名です。

魔物を討伐して得た魔石を吸収して「師匠」は魔物のスキルを吸収することができます。そして「師匠」の装備者であるフランは自身のスキルに加えて「師匠」が得たスキルを共有することができます。

当初は「師匠」のスキルに頼りきりのフランですが徐々に自身も強くなってゆくという順当な成長ストーリーですし、フランは「師匠」とはぐれることで危機を演出することもできて、「圧倒的に主人公が強い」というストーリー的な単調さから逃れることができるようになっています。

フランの冒険の旅は適度な爽快感と危機の発生によって、主人公補正による安心感もありつつ楽しめる物になっているように思われます。

終始作画的には安定していましたし、フラン自身がキャラクターデザイン的にかなり可愛く、また周囲を固める人物たちの個性もあいまって特に目立った減点要素はありません。

平凡なストーリーと言ってしまえばそれまでですが、「なろう原作のアニメで手始めに観るなら何が良い?」と訊かれたら本作は充分にその候補たりえる良作だと考えます。

なお、この1期目が終了して早々に2期目の制作決定がアナウンスされました。そのうち続編が観られるだろうという点においても安心してお勧めできます。

余談:「師匠」の転生者としての要素はそれほど目立っていない本作ですが、こと料理という分野においては転生者としての知識が如何なく発揮されており、「師匠」のカレーやハンバーグはフランを虜にしています。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24

甘口なアニオタ見習い さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あるところに強さを求める黒猫がいました

ある日突然剣に転生してしまう物語です。
まぁ俺TUEEEEEってやつですね
剣のくせにかなり強いです
もうこんなの相手の方がかわいそうにさえ思えちゃいます

が、剣が強いだけの話ではありません!
タイトルにも書いたようにある一人の強くなりたいと願う黒猫の少女がいます
「力がほしいか」的展開により少女は剣を取る…
って感じですね

バトルシーンもなかなかかっこいいですしなによりかわいい
つよくてかっこよくてかわいい、なんか求めていましたよ私はこれを
個人的に刺さった作品なので熱くなるの早めておきますw

転生モノなどが好きな人は見たら面白いと思えるのではないかなと、おすすめできるんじゃないかなと思います!!!

ありがとうございました

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

マイク〇マガジンしゃァ~~

今、遅ればせながら“鬼滅の刃”を観ている。
その中に、“真菰”ちゃんという可愛い子が…。
声優は加隈亜衣さん。
すっかりファンになってしまった。
儚くも芯の強が感じられるキャラにぴったりくるのだ。
そして、“フラン”ちゃんである。
良いではないか!
“剣生を懸ける”価値があると確信した訳だ。
“纏 流子”と“鮮血”(キルラキル)とはまた違い、とても緩い関係性ではあるが、ブレずに楽しいんでゆこうと思う…。

晩御飯はカレーにしようかな。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 16

64.8 12 戦いでファンタジーなアニメランキング12位
聖剣学院の魔剣使い(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (103)
367人が棚に入れました
最強の魔王レオニスは、来たるべき決戦に備え自らの存在を封印した。 だが、1000年の時を超えて目覚めたとき、彼はなんと10歳の少年の姿に戻っていた! 「なんでだ!?」「君、どうしてここに閉じ込められていたの? もう大丈夫よ。お姉さんが守ってあげる」 <聖剣学院>に所属する美少女リーセリアに保護されたレオニスは、変わり果てた世界に愕然。 未知なる敵<ヴォイド>、<第〇七戦術都市>、武器の形をとる異能の力———<聖剣>。 聞き慣れない言葉に戸惑いつつも、彼は<聖剣学院>に入学することに。 魔術の失われた未来世界で、最強魔王と美少女たちの織りなす聖剣と魔剣の学園ソード・ファンタジーが幕を開ける!

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

元・最強魔王×お姉さん 学園ソード・ファンタジー

この作品の原作は未読です。
聖剣×美少女を組み合わせた作品って、久しぶりではありませんか?
あれ、2023年夏アニメで放送された「七つの魔剣が支配する」は聖剣じゃなく魔剣だから除外で良いですよね^^;

加えてメインヒロインを演じるのはあの石川由依さんと来たら私に視聴しない選択はありません。
過去作の未視聴作品をメッチャ積み上げていますが、今期リアルで視聴した作品の一つになりました。


最強の魔王レオニスは、来たるべき決戦に備え自らの存在を封印した。

だが、1000年の時を超えて目覚めたとき、彼はなんと10歳の少年の姿に戻っていた!
「なんでだ!?」
「君、どうしてここに閉じ込められていたの? もう大丈夫よ。お姉さんが守ってあげる」。

〈聖剣学院〉に所属する美少女リーセリアに保護されたレオニスは、変わり果てた世界に愕然。
未知なる敵〈ヴォイド〉、〈第〇七戦術都市〉、武器の形をとる異能の力――〈聖剣〉。
聞き慣れない言葉に戸惑いつつも、彼は〈聖剣学院〉に入学することに。

魔術の失われた未来世界で、最強魔王と美少女たちの織りなす聖剣と魔剣の学園ソード・ファンタジーが幕を開ける!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

リーセリア役の石川さんが、最初に原作を読んだ時の印象をインタビューでコメントをしてくれていました。
「女の子たちがみんなかわいくて、そして「けしからん」というシーンがたくさん出てくるなと思いました(笑)。」

「けしからん」部分の多くは、リーセリアが担っている気もします。とツッコまれると、
「確かに。レオくんも「この世界の倫理観はどうなっているんだ」と言っていましたよね(笑)。」と返していましたが、これ、メッチャ分かります。

レギーナ役・洲崎綾さんも、
「まずは「おねショタ最高!」と思いました(笑)。
由依ちゃんが言っていたように「けしからん」シーンも随所で出てきますが、しっかりと読むとストーリーが重厚なんですよね。色々と抱えている人たちが集まっていて、シリアスなシーンもしっかりあって、見ごたえのある作品です。」
これもメッチャ理解できました。

おねショタ最高!かぁ…
きっとリアルの構図では見るに耐えない気がするのですが、アニメだと不思議と違和感無く受け入れられるから不思議ですよね^^;

でも、古の時代から転生する設定って、割と存在する様な気がしますけれど…
それに、赤子に転生する設定も然り…
「魔王学院の不適合者」のアノス・ヴォルディゴードは2,000年前から転生してきましたし、「無職転生」では、ルディが幼少期をたいそう満喫していましたしね^^

でも10歳という中途半端な設定で始まる展開は、確かに珍しいかもしれません。
思い返してみると、赤子で転生というパターンが多いような気がします。

まぁ、この様な些細な事は置いておいても十分満喫できる作品だと思いますよ。
リーセリアの直向きさ、レギーナの面倒見の良さなどなど…
リーセリアたちが所属する第十八小隊の皆さんは容姿端麗な方ばかりなので、声優さんたちの演技と相まってしっかり堪能できると思います。

少しご都合主義的に思えるところが全くない訳ではありませんが、それはご愛敬で良いかと…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、藤川千愛さんによる「1000年愛」
エンディングテーマは、果歩さんによる「ゆるり」
どちらも通勤中にヘビロテした楽曲です。

1クール全12話の物語でした。
個人的にはしっかり堪能させて頂きました。
この手の作品で唯一残念だと思うのは、続編が中々制作されないことです。
原作のストックも沢山あるようなので、続編が制作されると良いんですけれど…

投稿 : 2024/04/27
♥ : 8

87.2 13 戦いでファンタジーなアニメランキング13位
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1278)
6320人が棚に入れました
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく──。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

声優・キャラクター
新井良平、田所あずさ、Machico、上原あかり、荒浪和沙、水瀬いのり、水間友美、久保ユリカ、石見舞菜香、木野日菜、小日向茜、井上喜久子、千葉繁、小杉十郎太、佐藤聡美、井上ほの花、佐藤利奈、麦人
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

クトリの幸福

極端な話、タイトルは「クトリが可愛い」、
本文は「それだけの作品。以上。」という投稿もありかも知れない。
勿論、駄作などでは毛頭なく、明確な個性をもった質の高い作品である。
感動作としてそれなりに評価が高いのも十分納得できる。いや、だからこそ
実に惜しい作品。そこを説明するのが中々に難しい。

明らかな欠点はヴィレムの過去に関わる部分に厚みがないことだろう。
1クールに詰め込み過ぎた結果の消化不良とも言えるのだろうが、
おそらく原作そのものの問題だと思う。未読だがWikiの情報を見る限り、
根幹と細部設定のアンバランスが著しく、末端肥大のような印象があった。

白状すると本稿は一度書きかけて、途中で断念した経緯がある。
まとめきれなかったのは伏線回収などの問題ではなく、別の困難に直面したためだ。
本作が一種の幸福論を内包していることには容易に気づかされるが、
「終末」という特殊な条件下における幸福の在り方を示しつつ
より普遍的な、幸福とは何かという問題へと展開していく筋道を
手繰っていこうとすると、途中でプッツリと糸が切れてしまうのである。

具体性と抽象性がどうもロジカルに連続していないようだ。
平穏な日常の幸せを象徴するささやかな対象。バターケーキ。いわば「知足」の含意。
クトリに訪れたのは、未来を孕んだ大きな幸福の予感。願うことさえなかった幸せ。
問題はこの対比の文脈に即した場合、クトリのあの「幸福宣言」が、
それが垣間見えただけで十分幸せだった、というようなニュアンスに受け取られかねず、
要するにラッキーだったという結論になって、幸福が幸運に矮小化されてしまうことだ。

つかみかけた幸福を失っても、自分は世界一幸せだと断言するクトリが
いかにも健気で哀れを誘うヒロインという感じになってしまうのはどうも違う気がするし
そんなやわな作品であって欲しくもない。どうにか「終末」の幸福観を抽出するべく
クトリの表象にすべてを賭けて、一点突破を試みたい。


{netabare}我流の切り口を設定してみる。と言っても特段目新しいものではないが、
便宜的に伏線回収ならぬ「動機回収」と呼んでおこう。
キャラクターの内面に焦点を絞って展開を見届ける通常の観方をやや方法的にし、
動機が見出され、行動によって具現化され、成就ないしは挫折によって完結する
一連のプロセスを想定してみただけのものだ。

すると、本作においてこの流れを完結させているのはクトリただ一人だと分かる。
戦いで死ぬ宿命を受け容れていた彼女が、生きていく動機を発見する。
すなわち、ヴィレムという存在をとおして彼女は貪欲に幸福を追求するようになる。
だが、夢みられた幸せに手が届こうとした刹那、それは無残に断ち切られ
明らかに幸福への望みは潰えたかのように見えるのだが、そこに反証のように、
彼女自らのあの絶対的な幸福宣言が高らかに響くのだ。

「いつまでも一緒にいるよと誓った
 誓えたことが幸せだった
 この人のことが好きだなと思った
 思えたことが幸せだった
 幸せにしてやるよと言ってもらえた
 言ってもらえたことが幸せだった
 こんなにもたくさんの幸せをあの人に分けてもらった
 だから、きっと、今のわたしは誰が何と言おうと、世界一幸せな女の子だ」

見落としてはならないのは、この宣言と彼女が臨もうとする最後の戦闘とが
その動機において一続きであり、一体をなしているということだ。
悲壮という言葉そのままの、悲しく壮絶な戦闘シーンでありながら、なぜか
その底に言い知れぬ深い安らぎが流れているような、不思議な感覚をもたらすものだが、
それを解く鍵となるのが物語の冒頭に続いて再び流れる「スカボローフェア」である。

ハプニングでヴィレムと出会い、二人で街の迷路を探検したあの始まりの日。
街角で奏でられる音楽に合わせて自然に体がリズムを刻みはじめ
抑え切れない心の躍動と高揚が迸り出るままに、くるりと旋回したり、
そのまま踊るようにターンをしながら塔の階段を上っていった、あの日のクトリ。
二つのシーンをつなぐ歌によってその記憶が自然に喚びさまされ、印象が重ねられる。

そしてこの二つのシーンは完全にシンクロする。
冒頭場面のクトリの旋回が同じタイミングでフラッシュバックされる。
これは単に回想として挿入されるのではなく、今まさにこの瞬間に、
あの日の幸せなクトリが再臨していることを表現しているのだ。
そして今、苛烈な戦場で壮絶極まる戦いを繰り広げるクトリの姿はさながら、
軽やかにステップを踏み、一心に散華の舞を舞い狂うかのようだ。
あの時と同じように、彼女はいま、確かに幸福の絶頂にあるのだ・・・。
「スカボローフェア」は単に場面の効果を深める伴奏曲ではなく、それ以上に
彼女に慎ましく寄り添い、心に溢れてくる幸福感を淡々と表出してゆく
クトリの心が歌う「心の歌」なのだと思う。

物語の両端でシンメトリカルに向かい合う、渾身の演出と映像で描かれた
二つのシーン。ここに作品のエッセンスは集約されていると言っていいだろう。
さらに本作のテーマもまた、ここに可視化されていると自分は考える。
つまり、幸福というテーマはヴィジュアルな語法によって表現されているのである。

すでに兵士ではない彼女が戦う理由、それはただ無心に
自分が手に入れた幸福を全身で表現するため、行為によって証しするためではなかったか。
死ですらも取るに足らないほどの、至高の幸福がここに確かに存在している、と。
つまり、クトリの動機回収がここで見事に完遂されるわけである。
幸福な瞬間の中に全てを燃焼させる、いわば永遠を凝縮したような一瞬、
そこに刻まれる浄福の姿に、言葉による詮議を超越した幸福の像が鮮やかに結晶する。
これこそが「終末」の幸福の極限のかたちであると見なしてよいのではないだろうか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

実は、この動機回収によって浮かび上がる決定的な問題がある。

クトリの動機は幸福への意志、一方のヴィレムの動機は戦い、守ろうとする意志。
彼女を幸せにしてやる、との彼の決意の根底には本来の動機である
誰かを救いたい、守りたいという、過去への悔恨に起因する衝迫が明らかにある。
クトリの純粋で真っ直ぐな愛に比べるとあらゆる意味で不完全なものだ。

クトリの幸福宣言にヴィレムも唱和しているが、その言葉からは
彼にとってクトリの存在は安らぎや喜びにとどまっているようだ。動機ではないのだ。
つまり、彼らの互いへの想いがすれ違っている事実が最後に露わになるのである。
クトリの幸福は疑いようがないが、それは彼女だけのものであって
二人の幸福が重なり合うことはついになかった。それが実は本作の結末である。
(クトリが可哀そうなので本当は書きたくなかったのだが…。)
クトリの雄々しさと並べると、ヴィレムのヘタレっぷりは歴然とする。
それがクトリを輝かせている面もあるにしても、見ている我々はやはり釈然としない。
・・・愛において女性は、相手の男性を超越した心の高みに達する。
これは文学では広く認知された命題であるが、本作もまたその一例と言えそうだ。{/netabare}


この見えにくい、いわば断層は多分、本作のストーリーにも及んでいる。
ヴィレム側の諸々の事情とクトリ側のそれとが有機的に織り成されずに遊離するのを
よくあるラブロマンスでうわべを取り繕っているような印象を受けてしまうのだ。
ならば並行的に処理するか、せめて前景と背景に描き分けるかして構成すれば
もっと充実した作品になっていたと思う。

以上記述した所感を総括すると、最初に示した冗談投稿のように、
本作がクトリ一強アニメだという結論にどうしても導かれてしまうのである。
とは言え、このヒロインの破壊力は史上最強クラス、作品の価値は揺るぎないが…。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終末ヒロインの幸せとは何なのかを探し求めた結末…儚さと切なさを感じる作品

このタイトルを見た瞬間、訳がわからない感情がわき、ひかれました。タイトルで視聴を決めてしまいました。

1話…「私のこと忘れてくれると嬉しいな」
{netabare}ある島で出会う青年と少女。島の外れで遠くの島を眺める。少女はこれが最後みたいなことをいう。
青年は知り合いのゴブリンから軍の仕事を斡旋される。武器倉庫の管理だった。倉庫に向かうと、幼女に襲われる。が、そこに現れたのは島で会った少女だった。少女に導かれた先は大きな屋敷で、青年の知り合いのとおぼしき女性(トロル)と会話する。
青年の名前はヴィレム。なにかしら軍に関係した人物のようだ。そして、明るいのに影がある少女の名前はクトリ。青年にひかれているようだった。
この世界はすでに滅んだあとの世界で、青年は最後の戦いを経験した生き残りらしかった。

冒頭でいきなりクライマックスのシーンが出てきて、最後は…とかなり悲しい始まりでした。兵器=人間ということなのでしょうね。この二人がいい感じで、でも最後は辛い別れが待っている…考えただけで切ない。
作画の感じも良いし、展開も笑いあり、グッと来るようなシーンもあるし、これは毎週待ち遠しいです。{/netabare}

2話…幼女たちに信頼されるには
{netabare}武器倉庫とはいったものの、幼い子供たちの施設になっている状況にいまひとつピンと来ないヴィレム。子供たちは大人の男性に慣れていないため、接し方が分からない。そこでヴィレムはプリンを作って子供たちに食べさせる。その結果、ヴィレムはあっという間に人気者に。
ヴィレムが気になるクトリ。アイセア、ネフレンとの会話で「あと10日」というキーワードが嫌な感じ。
ある日、ボール遊びに夢中になっていた子供の一人が崖から転落。大ケガをしているにも拘らず、平然としていることに戸惑うヴィレム。
ナイグラートに武器庫に案内され、真実を知るヴィレム。子供たちは人間の武器が扱える妖精で、世界の驚異となっている獣たちと戦えること。飾られている聖剣は強力で、自らの命と引き換えに大爆発を起こせるということ。つまり、子供たちは命を落とすことが前提で生きていて、死を恐れていないのだった。しかし、ヴィレムには聖剣に見覚えがあった。聖剣は人間族の真の勇者だけが扱えるもので、ヴィレムにも関わりがあったのだった。
クトリとアイセアが数日消えた。獣たちと戦っていたのだった。迎えたヴィレムは疲れ果てていたクトリを介抱する。クトリは心の準備(死への)ができていたが、なにか違う感情が芽生えていた。

2話で「あと5日の命」という展開…。はじめから死しか選択の余地がない子供たちは…切ない。
クトリと同年代のアイセアとネフレンを置いたのは物語的に締まっていいように感じます。性格もバラバラだし、クトリ一人では重すぎだったので。
ヴィレムにも重い過去があって、ちょっとずつ明らかにしていく感じです。{/netabare}

3話…フラグ立てるな
{netabare}ヴィレムはネフレンに手伝ってもらい妖精たちの戦いの記録を調べた。翌朝、クトリが目を覚ますと、ヴィレムがネフレンと寝ていることに嫉妬(ジト目で)。ヴィレムがクトリに朝の運動と称して戦うことに。聖剣の使い方を伝える。クトリは戸惑うばかり。
戦い終え、ヴィレムが倒れる。ナイグラートに処置してもらい、落ち着く。そしてナイグラートは子供たちにヴィレムのことを話す。ヴィレムは人間族の唯一の生き残りだと。子供たちは驚くどころか、ヴィレムに益々興味を持つのだった。一方で、クトリはヴィレムから受けた戦いかたに混乱していた。空を飛び回り、ライムスキンと会話する。そこでクトリは本音を言い、ライムスキンはクトリに自爆せずに生き残ることも選択と伝える。
帰ってきたクトリにヴィレムは聖剣とは何かを話し、クトリは生き残ることもあることを話し、帰ってきたときの約束をする。そして戦場へ…。

濃い回でした。少しずつ明らかになるヴィレムの過去。そしてクトリの変化する心がなんとも言えません。三人娘が戦場に向かいますが、全員生き残ってほしい…。{/netabare}

4話…待つ者
{netabare}クトリたちが出陣してから半月、その結果は伝わってこない。心配するなか、ティアットが夢を見たという。ナイグラート曰く、一人前の妖精兵になる兆しだという。そこで診療所のある島に向かい、検査を受けるため、ヴィレムに一緒に行ってほしいと頼む。これはヴィレムに気晴らしをさせたいナイグラートの気遣いでもあった。
診療所に向かうヴィレムとティアット。飛行挺の中でヴィレムは夢を見る、それは悲しい夢だった。初めて島を出たティアットは検査を受けるためだと思いながらもウキウキ。ティアットが夢中になっている蜥蜴映画の聖地を巡り、あちこち引っ張り回されて検査に向かう。この検査、実は妖精兵になるための調整だった。これについてはティアットも心得ていて、立派な妖精兵になると言うものの、ヴィレムは「本当に良いのか」と問う。
翌日、雨降るなか、建物の雨漏りを見ていると外が慌ただしい。作戦は失敗したとかなんとか言っている。夢の中の描写と一緒になったヴィレムは焦る。そして情報を聞き出し、本当に失敗だったことを知る。愕然として膝から崩れるヴィレム…。そのとき、聞き覚えのある女の子たちの声が聞こえてきた。振り返るヴィレム、そこには三人娘がいた。ヴィレムは能力で瞬時に三人のもとへ飛び、そしてクトリを抱き締める。

先ずは無事に帰ってきて良かったよ…。ヴィレムがところ構わず抱き締めてしまうシーンはグッときたけど、表情がいまいちな気が…。それと、けっこう大雑把な流れになった気がします。もうちょっと丁寧に、じっくりためてからでも良い気がしました。とはいっても、この流れの話は好きなんですけどね。
今回の作戦が失敗だったということはどうなるんだろう? このあたりは次回明らかになるのかな? あと気になったのは噴水の像。確かOPに出ていたような気がするんだが…。{/netabare}

5話…ヴィレムはなんだかんだで
{netabare}三人娘の戦いの様子が語られる。敵は精神攻撃、予測を超えていた。そのための撤退だった。クトリは調子がいまいちである。
フィラのお願いにライムスキンは応えない。それどころか、ヴィレムに押し付けてしまった。かたくなに断るヴィレムだったが、その考え方は正論だった。フィラといつの間にか観光になっていた。しかし、それを狙う輩が。フィラの父親は市長で、反対派が反乱を起こそうとしていたのだ。そのために娘のフィラを誘拐しようと狙っていた。
ヴィレムはわざと狭い場所へ連れ込み、その一団をのしてしまう。なんだかんだ言いながら優しいのである。
島へ帰る直前、軍の一人に呼び止められる。ヴィレムはその名前を聞いて残らざるを得ないと考え、三人娘とティアットを見送った。

クトリに変化が生じてきた感じです。ヴィレムと離れてしまうことにかなり不安なんですけど…。
ヴィレムが残る理由は次週へ持ち越しですが、ヴィレムの過去が明らかになるのでしょうか。どうも転換点に差し掛かっているようで、目が離せません。{/netabare}

6話…良い最終回…じゃないのね
{netabare}ヴィレムが残った先には大賢者が待っていた。賢者はヴィレムの500年前の知り合い、スウォンだった。スウォンはヴィレムが石化した後も戦い続け、一度死んだが呪いをかけ不老不死になっていた。
ヴィレムはさらに意外な人物と接触する。頭蓋骨姿になっていたヴィレムが倒したイーボンキャンドルだった。スウォンとイーボンキャンドルからヴィレムが空白になっていた500年の話と妖精の話が若干される。二人はさらに核心を隠していた。
一方、クトリは苦しんでいた。何者かに精神が乗っ取られようとしていたのだ。これは生き残った妖精の宿命らしかった。ヴィレムが島へ戻って、クトリの状態を知る。ナイグラートと語らう。そのとき、クトリが目覚ます。クトリは先を考えず、ただただヴィレムに会いたい一心で帰ってきたのだ。

やっととというか、世界観が見えてきたような回でした。淡々と進むけど、もう中盤なんだ…。ヴィレムとスウォンの会話の珍妙なこと…。あの声で少年のような話しぶりは違和感より笑ってしまいましたが。
最後、単純な手法なのに、クトリの一声で涙止まらなくなってしまいました。弱いんだな、こういう展開…。これが最終回でもいいよと思うくらいです。{/netabare}

7話…続くのですね…
{netabare}クトリが目を覚まして数日。クトリには微妙な変化が生まれていた。ナイグラートに調べてもらったところ、反応が変わっているという。聖剣に近づかない方がいいと言われる。
ヴィレムは約束のケーキを作っていた。子供たちも大喜びだが、それはクトリとの約束だったケーキだ。クトリはそれを食べ、帰ってきたことの思いをヴィレムに伝えた。
一方、妖精兵はクトリたちの他にもいたのだ。ラーンとノフト、二人は地上の探索隊に加わっていた。そこに獣が襲ってくるが、ノフトが斬ってしまう。

ラーン、見た目がイカちゃん…。獣は某新マンのツインテールだし、ちょっと気になりました。二人のキャラがどう絡んでいくのでしょうか。ED、あれ?っと思って見比べたら、ちゃんと今回からラーンとノフトが加わっていたのにビックリです。細かい。ということは、一応、この回から後半突入ということになるんでしょうね。
クトリが約束だったケーキを食べることができて本当によかった。此のフラグは折ってほしかっただけに。でも、1話冒頭で赤い髪がクトリであることはバレているし、最後は…なんだろうけど、こういうシーン積み重ねていくと、最後は本当につらそうです。{/netabare}

8話…日常からの
{netabare}上官(とても嫌みな)との会話で地上の偵察隊について話を聞くヴィレム。見せてもらった写真はヴィレムのふるさとで、しかも自分がすんでいた家の跡地だった。
ヴィレムについてきたクトリ。もはやデートである。ヴィレムが地上に降りる話を聞き、クトリも一緒に行くことに言ってきかない。上官はなぜか簡単にOKが。どうやらクトリはヴィレムの愛人と思ったらしい。
夜、流星を見る子供たち。そのうちの一人が転落し、クトリが力を使って助ける。そして、クトリは異常が進行し始めた。

クトリとヴィレムの幸せそうな展開で、そのまま進む…分けがないのがこの作品ですね。最後だけでなく、途中にも先を案じる場面が織り込まれて、不穏でしたし。回数考えると、どんどん鬱展開に入っていきそうです…{/netabare}

9話…終わりの始まり
{netabare}クトリの変化に気づいたアイセア。クトリにアイセアの真実を話す。アイセアから励まされたクトリ、日常を明るく生きる。
ヴィレムはクトリの変化に気づいていた。それでもクトリは前を向くことを決意した。
冬の日の夜、壮行会を兼ねた降雪際パーティー。幸せな時間が過ぎる。そして、ヴィレム、クトリ、ネフレンは地上に向けて出発する。

クトリの一人語りが切なく、重いです。もう戻れないであろう、いるべき場所との別れ。最終回終わって見直すとじわじわ来るような作りなのかもしれません。
時折見せていたアイセアの違和感。その伏線の真実にビックリでした。その発想はなかったです。
とうとう地上に降りました。もう残り話数を考えると地上での話を繋いで1話冒頭の場面に行き着くのでしょうね。{/netabare}

10話…地上の日常
{netabare}地上に降りたヴィレム一向。ラーン、ノフトと出会う。地上の探索隊員から蔑みた目で見られたクトリ。クトリは自分のすべきことを行動で示し、隊員たちから信頼されるようになる。
クトリの脳裏に浮かぶ赤い髪の少女。その少女に立ち向かうこれまた赤い髪の少女。
ヴィレムはクトリのための聖剣を探し出す。そしてノフトの聖剣を手入れしている時に真実にたどり着き、愕然とする。

最後へ向かっての序章という回でした。真実を知ったヴィレム、クトリがクトリでなくなる寸前の状況、二人の着地点はどこにあるのでしょうか…。{/netabare}

11話…クトリの魂
{netabare}ヴィレムの求婚に応えたクトリ。二人は照れあい、普段通りとはいかない。ヴィレムの思い出の家に着いた時、地下から衝撃が。そして落下。
地下は空洞になっていたが、クトリの様子がおかしい。クトリが向かった先には氷付けになっていた子供がいた。セニオリスの呪詛によって閉じ込められたのだった。気を失うクトリ。
そのころ、飛行艇の周りは獣たちに襲われ大ピンチ。ラーンとノフトが抑えているが、二人は覚悟を決めた。気を失っているクトリ。クトリは意識のなかで赤い髪の少女と会話する。その子供は神で、過去に勇者のリーリァの一撃によってこの状態になっていたのだ。そして、クトリの存在が何であるかを知る。
飛行艇を襲いはじめた獣。ネフレンが必死に抑える。そしてヴィレムも戦う。

いよいよラストだな…という感じの回でした。重い、重いなぁ…。
せっかく幸せなろうとしたときに起こるピンチ。まぁ、1話冒頭で分かっていたこととはいえ、あれに繋がるのか…。みんな助かって欲しいけど、どう見ても悲しい感じだもんなぁ…。来週はハンカチ用意しておこう。
いままで謎だったクトリの真相、リーリァのこと、赤い髪の理由、とにかく詰め込んだので一回では掴みきれず、結局三回見てようやく納得。もう少し丁寧に描いてほしかったです。1クールだから仕方ないのかな。{/netabare}

12話…クトリの幸せとは
{netabare}飛行艇が獣たちに襲われる。ラーンもノフトもネフレンも限界に近い。ヴィレムは勇者になりきれなかった勇者。聖剣を使わなくても倒してしまうが、体がもたない。ラーンに自分の過去を話す。
限界を越えようとしていたネフレン。飛行艇から落ちそうになる。ヴィレムは救おうと手を伸ばすが、ネフレンは自ら落ちていく。追って落ちていくヴィレム地上に落ちる瞬間、クトリが救う。クトリはヴィレムを救うために自らを犠牲にしようとしていた。ヴィレムとのこれまでが幸せだったとこを強く思い戦う。そして消えた。
日が経つ。ヴィレムとネフレンの消息は分からない。クトリは消えた。そして青い髪の毛の少女が誕生し、大賢者の探査装置には波紋が二つ広がっていた。

1話冒頭で結末分かってはいたが、辛い結末でした。クトリの「誰がなんと言おうと、世界一幸せな女の子なんだ」はいかん…堪えきれません。その前のネフレン落下シーンですでに堪えきれなかったんですけどね。スカボローフェアはキツいなぁ…無理、堪えるのは無理。アイセアがぼろぼろ泣くシーンは泣き返しです。{/netabare}

今期もっとも期待した作品ではありましたが、一番とはいかなかったかなという感じです。それでも十二分に見ごたえあったと思いますし、良い作品でした。
ラストにきて次々と明らかにされていく真実や世界、頭追い付くのが精一杯で、2、3回見直していました。腑に落ちない点があったので、原作のあらすじを確認しましたが、なるほど、あと3話くらいあっても良い感じだったのですね。
ヴィレムが氷付けになる前の話し、リーリァとの繋がり、そういったものがもうちょっと掘り下げてくれたならもっと面白かったでしょうしょうね。

クトリというヒロイン、本当に良くできたヒロイン像だったと思います。ヴィレムとの出会いから信頼を寄せるまで、好きになっていく過程、自分の真実を知り、それでも前を向いて幸せになろうと進むところも良いです。最後のクトリとヴィレムの掛け合い、さすがにツラかった…。

OPの田所さんの曲、今期一番のお気に入りです。すごく心情に迫る感じがとてもよかったです。EDのTRUEさんはあんていしています。歌詞が書き込まれていたのは今どき珍しい。

二期があるとすると、別のヒロインの物語になるとのこと。クトリの物語が良くできていただけに、どんな話になるんだろう。やっぱり原作は読んだ方が良いのかな。

儚く散ってしまう少女の生きた過程を題材としています。こういった切なくなる話が好きだなという人にお勧めします。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 51

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

各話タイトルを繋げてみると……

01話 太陽の傾いたこの世界で
02話 空の上の森の中の
03話 この戦いが終わったら
04話 帰らぬ者と、待ち続ける者たち
05話 誰も彼もが、正義の名のもとに
06話 消えない過去、消えていく未来
07話 ただいま帰りました
08話 いづれその日は落ちるとしても
09話 たとえ未来が見えなくても
10話 いまこの時の輝きを
11話 どうか、忘れないで
12話 世界で一番幸せな女の子

と特に8話~最終話はちゃんと文章として読めますね。
タイトルにもちゃんとメッセージが込められています。

クトリという悲しい運命を背負った女の子の一生を1クールで
感動的に描き切った作品でした。
誰も彼もが、正義の名のもとに死んでいく悲しい世界、
設定自体が重いものであるため、キャラは可愛い萌えキャラですが、作品全体にも良い意味で重い空気があります。
戦いがメインというよりはそれぞれのキャラの心の動きを慎重に描くことに
重きを置いていたかなという印象でした。
特に主人公であるヴィルムとクトリには多くの時間が割かれていて
その分最後の感動も大きい。

クトリの運命(未来)が髪の色の変化で分かる、
その髪の色が主人公の過去に関係している所が中々残酷な設定だと思いました。

原作はラノベで5巻で一応完結しているという情報をネットで見たので
この先皆がどうなったのか気になる方は原作を買うのも全然アリだと思います!

一話の挿入歌である「Scarborough Fair」はイギリスの伝統的なバラッドで聴き手に
ー以前の恋人への伝言を頼むー
という形式を取っており、このアニメにマッチしていることと
何よりとてもいい旋律の曲です。
有名な曲ですので知っている方も多いかと。
アニメverアレンジもとてもファンタジーチックで良かったです。

挿入歌は上のものも含め全部良かったです。

あにこれでも多くの方が高評価にあげていた本作、
ぜひ視聴されてみてはいかがでしょうか。(^_^

投稿 : 2024/04/27
♥ : 43

89.3 14 戦いでファンタジーなアニメランキング14位
ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(アニメ映画)

2017年7月15日
★★★★★ 4.1 (851)
5111人が棚に入れました
それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる
《盤上の世界(ディス・ボード)》が
創造されるはるか以前の出来事。
世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。
天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、
戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。
強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、
存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。
一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、
擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で
機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。
機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、
仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、
リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。
これは六千年以上もの昔に紡がれた
《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。
記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。

声優・キャラクター
松岡禎丞、茅野愛衣、日笠陽子、田村ゆかり、井口裕香、能登麻美子、沢城みゆき、釘宮理恵
ネタバレ

みむう さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

みんなジブリール嫌いにならないであげてね(´・ω・`)

僕は小説でも読んで映画でも見ました。
{netabare}神が生まれる前のお話なので空白の二人が出てこないと聞いていたので「つまらないんじゃね?」と思いながら小説を読んでみるとあらビックリ
面白さがあるいつものノゲノラでした。そこにシュヴィとの別れのシーンで感動という要素が入りとても良い作品だなと思いました。
映画では声優さんが演じているのでより臨場感あふれるものに。大スクリーンで見るのと小説で読むのはまた違った面白さがありました。
あとシュヴィ倒したからってジブリールを嫌いにならないであげてね!
今はいいやつだから!{/netabare}
2期が来ることを期待します!

投稿 : 2024/04/27
♥ : 9

くまくまちゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

涙が止まりません・・・

 映画館は苦手で、暗いとすぐ眠くなり、過去には気付いたら終わっていたなんてことも度々あり、行くかどうしようか悩んでいました。
 最初の20分間ぐらいは、睡魔との戦いです。2度ほど落ちかけましたが、主人公リクとオートマタの少女との出会いからは、眠気が飛んでしまいました。
 舞台挨拶で松岡さん達が「ネタバレできないけど、とにかく泣ける。スタッフ達は4回見ても泣き続け涙が止まらない。」と言っていました。ノーゲームには、楽しくコミカルなイメージしかなかったので、何を言っているのか、さっぱり分かりませんでした。ポスターの雰囲気ではなんとなく戦闘シーンとかあるんだろうなとは思っていましたが、とてもシリアスで切ない恋物語で純愛ストーリーでした。
 恥ずかしいから絶対に泣かないと決意して観ていましたが、後半は、とにかく涙が溢れ出て、ハンカチがビショビショになりました。隣の男性は鼻水垂らして泣いているし、隣の女性もすすり泣いているし、とにかく館内の皆が同じ気持ちを共有しているんだなとヒシヒシと感じられる素晴らしい時間でした。
 素敵な作品に出合えて感謝です。ヨガに行ったときに感じる、心洗われるような気分に浸れる秀作だと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 24
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私の「感動したら負け」クリード(信条)を易々とクリアされてしまった!

この劇場版を見るまでは、異世界ファンタジー/異世界召喚ものジャンルで一番出来の良い作品は、『ソードアート・オンライン』シリーズで、対抗馬は『Re:ゼロから始める異世界生活』、そして『ノーゲーム・ノーライフ』は3番手かな、と何となく思っていたのですが訂正します。

①キャラクター&世界観設定の練り込み具合
②シナリオ自体の面白さ&作品から受ける感動ないし感銘の度合い

・・・を総合して考えると、同ジャンルでは、劇場版までを含めた『ノーゲーム・ノーライフ』が№1と考えます。

なお、上記3シリーズはいずれも原作未完(※アニメももちろん未完)であり、今後の展開次第で私の個人的評価もまた変わってくると思いますが、現時点で制作・放送(ないし配信・上映)されたアニメ作品を視聴した限りでは、個人的には本シリーズの今後に一番のポテンシャルを感じました。
というのも・・・

◆《トンデモ異世界ファンタジー》の顔をした《想定外の感動作》

本作は榎宮祐氏のラノベが原作ですが、アニメ制作スタッフは本年(2018年)の話題作『宇宙よりも遠い場所』(略称『よりもい』)とほぼ同じ方々です(監督・シリーズ構成・アニメーション制作会社が同じ)。
以前レビューした通り、その『よりもい』は“感動する”作品と事前に何度も聞いており、それなりに期待して視聴を始めたのですが、途中から「あれ?これハズレだな・・・」と気づき始めて、結局そのまま視聴し終えてしまいました。

因みに、英語表現だと“楽しむ”は have fun もしくは enjoy と能動態ですが、“感動する”は be moved と受動態となるのが通例で、私の場合も、アニメ作品は確かに大いに「楽しみたい」(※能動態)のだけれども、「はい、ここ泣くところですよ」みたいな制作側の誘導に簡単に引っかかって「感動させられ」(※受動態)たくないな・・・という拘(こだわ)りが以前からずっとあります。

⇒個人的に、これを「感動したら負け」クリード(信条)と呼んでいます笑。

私がアニメを見るときに一番大切にしている信条で、この「感動の壁」を超えるシーンに思いがけず出くわしてしまうと、その作品の個人評価が ★★ 4.5 を超えてきて、私の「お気に入り」作品の座に昇る可能性が出てきます。
(※実際には、この後さらに、その感動が「一時的なもの」に過ぎないのか、それとも「今後も継続的に感動できるもの」なのか、という厳格審査を実行するので、結局 ★ 4.2~4.4 程度の個人評価に留まる作品が大半ですが)

・・・で、本作なのですが、TVシリーズの時の視聴経験から、「はっちゃけた面白さには十分期待できると思うけど、感動できるタイプの作品ではないだろう・・・」と、さほど期待せずに見始めたところ、全体の2/3くらいを見終えたところで、思いもかけない《こころの震え》を覚えてしまい、「え?こんな作品に感動しちゃっていいの?」とビックリして、見終えて直ぐに、それが果たして正当な感動なのか、更に数回繰り返し視聴して自分に問いただしてみました。

結論からいうと、やっぱり本作は、

<1> よくあるような、音楽や演出などの技巧を凝らして視聴者の一時的な感動を喚起するタイプの作品(=一過性の感動しかない作品)ではなくて、
<2> 一見フザケた装いにも拘わらず、視聴者の感動が一時的なものでは決してない(=繰り返し見てもやはり確りと感動出来るくらいに)緻密に計算された設定&シナリオを備えた作品である、

・・・と思いました。

※なお、この「感動」には、前作であるTVシリーズ『ノーゲーム・ノーライフ』(※但し時系列的には劇場版の6.000年前の話)の事前視聴が、絶対必要とはいわないまでも、やはりある方がずっと良いと思うので、以下、併せて同TVシリーズの各話も再評価します。

《まとめ》
とにかく本作については、前作となるTVシリーズの、とくに第2-3話で、主人公たちの悪フザケに閉口して視聴を打ち切ってしまう方が多く発生している感じですが、そのTVシリーズが急に面白くなるのが第6話(ジブリール回)で、そのあとは最終話まで休みなしに駆け抜ける痛快さをもった《面白作》、そしてこの劇場版までくれば、視聴前は思ってもみなかった心の震えに出遭える《感動作》と思うので、これから初めて本シリーズを見始められる方は、何とか我慢してこの劇場版迄たどり着いて欲しいです。


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      榎宮祐(『MA文庫J』2012年4月-刊行中)
監督         いしづかあつこ
シリーズ構成     花田十輝
脚本         花田十輝、あおしまたかし、下山健人、榎宮祐
キャラクターデザイン 榎宮祐(原案)、大舘康二(TVシリーズ)、田﨑聡(劇場版)
音楽         SUPER SWEEP(TVシリーズ)、藤澤慶昌(劇場版)
アニメーション制作  MADHOUSE{/netabare}


◆作品別評価

(1) 『ノーゲーム・ノーライフ』(TVシリーズ)  ★ 4.4   (2014年) ※計12話
(2) 『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』(劇場版) ★★ 4.7  (2017年) ※約1時間45分(4~5話相当)
----------------------------------------------------------------------------
  総合                    ★★ 4.5         ※計16~17話相当


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= ノーゲーム・ノーライフ (2014年4-6月) ==============
{netabare}
第1話 素人《ビギナー》 ★ 対テト戦(チェス)
第2話 挑戦者《チャレンジャー》 ☆
第3話 熟練者《エキスパート》 ☆ 対クラミー戦1(チェス)
第4話 国王《グランドマスター》 ☆ 続き
第5話 駒並べ《ウィークスクエア》 ☆
第6話 一手《インタレスティング》 ★★ 対ジブリール戦(具象化しりとり)
第7話 死に手《サクリファイス》 ★ 希望の鍵
第8話 起死回生《フェイクエンド》 ★★ 種の駒、※特殊ED
第9話 解離法《スカイ・ウォーク》 ★ 対クラミー戦2(オセロ)
第10話 指向法《ブルー・ローズ》 ★★ 対いづな戦(テレビゲーム)
第11話 誘導法《キリング・ジャイアント》 ★★ 続き ※OP「おねがい☆すにゃいぱー」
第12話 収束法《ルール・ナンバー・10》 ★★ 続き、対巫女戦(コイン・トス){/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)3、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

OP 「This game」
ED 「オラシオン」


============= ノーゲーム・ノーライフ ゼロ (2017年7月) ===========

全1話 ★★ 4.7 {netabare}TVシリーズより6,000年前に星杯(スーニアスター)を巡る古き神々&15種族の戦争を終結させた人類(イマニティ)の少年(リク)と機械種族(エクスマキナ)の少女型個体(シュビ)の物語{/netabare} ※1時間45分

主題歌 「THERE IS A REASON」

投稿 : 2024/04/27
♥ : 29

74.9 15 戦いでファンタジーなアニメランキング15位
終末のイゼッタ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (795)
3900人が棚に入れました
西暦1939年、帝国主義国家ゲルマニア帝国は突如隣国に侵攻を開始した。その戦火は一気に欧州全域へと拡がり、時代は大戦の渦に巻き込まれていく。そして1940年、ゲルマニアはその矛先を美しい水と緑に恵まれたアルプスの小国エイルシュタット公国に向けようとしていた。

声優・キャラクター
茜屋日海夏、早見沙織、内田彩、東山奈央、花澤香菜、諏訪部順一、高橋広樹、花江夏樹、KENN、細谷佳正、遊佐浩二、置鮎龍太郎、間島淳司、平川大輔、森川智之、山寺宏一
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

第二次大戦を下地にした魔女と王女の物語…信じ尽くす大切さを問う物語

この秋、ユーフォ二期とともに期待した作品でした。第二次世界大戦のヨーロッパをモチーフに、小国の皇女が大国に立ち向かう。それに加わる魔女、これは面白そうだし、1話で引き込まれてしまいました。展開しだいではそうとうな作品になる予感がしました。

1話…あっという間に引き込まれてしまいました
{netabare}小国の皇女(モチーフはスイス?…ではなくリヒテンシュタインだったようだ)フィーネが、大国で戦争しかけているゲルマニア(どう見てもドイツ)の脅威から自国を守るために、同盟を求めてイギリスっぽい国にいく話でした。
道中で敵から逃れるために奮闘するフィーネ。従者は倒れ、自国はとうとう戦争に巻き込まれ、自らも囚われとなっても信念を曲げないフィーネがカッコいいです。それからキャラデザインも良いです。最後に主役のイゼッタが登場してフィーネを救う場面で次回へ。箒でなく銃に乗った魔女のイゼッタ、こんな設定もありかと。

1話があっという間に終わった感じです。これは面白そう。最後までこの面白さが持続しますよう祈ります。{/netabare}

2話…二人の絆
{netabare}フィーネのピンチを救ったイゼッタ。国にたどり着いたは良いけど、フィーネは重傷。イゼッタとフィーネの関係が深いものだった事が分かり(1番肝心なところは後回しみたいだが)、イゼッタはフィーネの国を救うことを決意する。

魔女狩りのピンチをフィーネが体を張って救ったのかなと思いますが、イゼッタがどうしてゲルマニアに連れられそうになったのか、興味がありますね。とにかく深そう。まだ2話か、先が楽しみで仕方ないです。{/netabare}

3話…最終兵器魔女
{netabare}大国に攻められる小国、兵士たちのフラグたちまくりのなか、戦闘は圧倒的不利な状況。大国の軍は余裕降りまくり、これフラグだよな?
そこにイゼッタが参戦、なんだこの魔女は?圧倒的ではないか!ランスのファンネル?楯?おいおい、つえぇぇぇぇぇl!
ピンチはたった一人の魔女によって救われた。という展開。それと、フィーネの心の強さと王的資質いったら…惚れます。これは思っていた以上に面白い。つかみはすごく良かったです。でも、鬱な話も有るんだろうな…{/netabare}

4話…魔女の秘密
{netabare}魔法が使えるのは特定の場所のみ。そこから外れると使えないという。
フィーネの父、つまり王が亡くなり、フィーネが王位へ。そこでイゼッタを登場させて白き魔女の再来を告げ、他国への牽制も狙うという。
イゼッタとフィーネの過去が明らかとなり、イゼッタが忠誠を誓う理由が分かりました。それにしてもフィーネがカッコいい。

白き魔女の裏切り、気になります。イゼッタがゲルマニアに捕らえられていたこともあり、再び捕らえられて洗脳させられ…なんてことないよね? あまりにもフィーネとイゼッタの絆が強いから、イヤなフラグに感じます…{/netabare}

5話…探り探られ
{netabare}フィーネの王位継承式でイゼッタを面前に披露。その能力を世界発信して、他国を牽制させる狙いだ。
白き魔女の末裔の存在はやはり影響が大きく、小国を無視できなくなっていた。が、ゲルマニアはその存在を見透かし、イゼッタに弱点が有ることを察知する。
ゲルマニアの侵攻が再びはじまるが、そこは魔法が使えない場所。フィーネ達は策を練り、その侵攻を食い止める。という展開でした。

大国対小国の心理合戦、なかなかの筋書きでした。ただ、ゲルマニアの諜報部員が入り込み、イゼッタの弱点がバレそうな気配、眼鏡君も加わりそうな気配が…眼鏡君、いっぱいフラグ立てているからなぁ…。

ここに来て、ちょっと粗が見えてきた気が…。近衛が全員女子というのはさすがにないかと。しかも、先祖伝来って言うからね。近衛師団の女子団っていうことにしていいのかな? ま、細かいことだけど。{/netabare}

6話…貴重な眼鏡君
{netabare}小休止の日常回…と思ったのは前半だけ。ゲルマニアには何か研究施設があったり、新型戦闘機が製作されていたりと着々と準備始めてます。研究ってまさか核じゃねぇよな?
ブリタニアで会議が行われるためイゼッタ、フィーネが向かうことに。その頃、スパイの報告が入り、ジークが向かい、イゼッタの秘密を知っている眼鏡君を射殺…そうだ、この話は戦争の物語だったね。ジークの決意を聞いたときに、そういう役目を負う人間が必要だよねと思った。

バチバチ戦う以上に緊張感あるストーリーだったように思います。前半の日常も良かったですけどね。フィーネの可愛い部分が見えて。ただ、パイを食べているフィーネがどうしても小鳥ちゃんに重なったのは何故だろうか…。{/netabare}

7話…いっしょにおいで
{netabare}ブリタニアに到着したフィーネとイゼッタ、そこにはゲールに対抗する諸国のお偉いさんが会議をしていた。ゲールは空母を完成させ、さらに強力な力を手にしていたという。フィーネはイゼッタが空母を蹴散らすと告げる。
魚雷を従えて空母に向かうイゼッタ。しかし、空母はすでに出航、敵に動きが読まれていたのだ。待ち構えていた敵兵に狙われるイゼッタ。4発あた魚雷は2発失い、しかも海に墜落。魔法使える地場からずれたのだ。魔力使えるポイントには空母が、そこでイゼッタは空母の隙を狙い、魚雷をぶち込む。見事空母を撃破。しかし、その動きでベルクマンに弱点がばれてしまい、しかも、なぞのカプセル登場で次週。

ゲルマニアはイゼッタのほかにも魔女を捕らえていたようだ。ということは、イゼッタを逃してものうのうとさせていたのは、魔女の力がどんなものか、弱点は何かを探っていたということなのかなと思う。ゲルマニアも実際に魔女の力がどんなものか計りかねていたのではないだろうか。
イゼッタが戦っているシーンは痛快なんだが、服の汚れぐあいとか、一生懸命さとか見ていると、なんか切なくなる。不幸な話にならないでほしいと心から思います。{/netabare}

8話…スパイと近衛の小さな恋物語
{netabare}エイルシュタットに潜入したリッケルト。目指すは旧城、その途中で出会ったのがビアンカとロッテだった。ロッテの実家の宿屋に宿泊し、ビアンカとも仲良くなるが、目的である旧城に潜入。そして発見した白き魔女の秘密。その証拠を持ち帰る途中に近衛に見つかり、ビアンカに撃たれて絶命するリッケルト。ビアンカもまさかの展開に呆然とするしかなかった。リッケルトに証拠を託されたローレンツもまた、近衛に狙撃され死亡する。証拠は謎の住民に引き継がれ…
一方、ブリタニアでは仮面舞踏会が開かれ、フィーネとイゼッタが外で踊ろうとしたところに現れたベルクマン(なぜお前がここにいる?)と謎の少女。謎の少女はイゼッタの唇を奪い、口を切らせて血を吸う。その瞬間、謎の少女は白目を剥き気を失う。
イゼッタの力を知ったアメリカ…アトランタ合衆国ではこの戦争に本格参戦を決定した。それはゲルマニアとともに、脅威となってきたエイルシュタットも撃ち滅ぼすために…

後半の伏線を張った回でした。ゲールの魔女は何なんだろう?人工物?となると、イゼッタを捕まえていたのはイゼッタの魔力を抽出するためだったのか?
アトランタの本悪参戦で戦局ががらりと変わるんだろうな。エイルシュタットはどうなってしまうのか…。
なんだか悲しい結末待っているのではないかとハラハラします。ED物悲しいし…{/netabare}

9話…展開急変、あぁ…ヤバい…
{netabare}ブリタニアの会談から3ヶ月、包囲網が築かれつつあり、ゲールの動きが鈍くなっていました。イゼッタは世界から注目されるようになり、エイルシュタットも束の間の休息感に浸っていました。
そこから一転、ゲールが西を囮に東から攻めてきました。イゼッタは新兵器とともに向かいますが、打ち込んだミサイルが何者かに撃退されてしまいます。なんと、ゲールが送り込んだのは魔女。しかも、伝説の白き魔女(のクローン)なのです。クローン技術使ってきやがった! 伝説の白き魔女はイゼッタに止めよう説得しますが、フィーネのために戦うと言う。イゼッタは白き魔女と戦うけど、魔法使える場所なのに墜落、白き魔女はアンチ魔法の道具使えるものと思われます。敗れたイゼッタは鎖に吊るされ…
イゼッタの敗北により、空ががら空きとなり、ゲールはエイルシュタットに突入。首都がぼろぼろ…

急展開でした。どうなるのか気になって仕方ありません。いちおう、これまでの伏線を回収しつつ、次の展開に入ってきてますが、一気に重い展開になってしまいました。白き魔女の過去に何があったのか、戦争はどうなるのか、イゼッタはどうなってしまうのか…。

これ、一期で終わるのかな? どうせなら丁寧に描いてほしいので、二期までいかないかな? このままだと半端になってしまう気がします。面白いだけに、丁寧にいってほしいです。{/netabare}

10話…絶望か、希望か、どっちに進む?
{netabare}イゼッタが捕らえられ、エイルシュタットは首都が陥落。イゼッタを命がけで救うエイルシュタットの兵士たち。イゼッタはなんとか救われ、首脳陣たちが避難した防空壕兼秘密基地で療養。
そのころ、ゲルマニアはゾフィーの力を使い、ブリタニアに大量のミサイルを撃ち込み、ロンドン…ロンデニアを木っ端微塵に。ゾフィーがゲルマニアの兵器として確立したことにより、ベルクマンがお役ごめん。ほぼ捨てられて状況に。ゾフィーの量産化が図られ、さらにはどう見ても「核爆弾」を開発したゲルマニア。もはや怖いものなしとばかりに各国に講和の条件を突きつけ、さらには東の大国ソ連…ヴォルガ連邦と不可侵条約結んで(当然表面だけ、侵攻する気満々)、最後はアメリカ…アトランタを攻める気でいる。

ジークから白き魔女の秘密が語られ、その力の源になっている魔石の半分を見せられたイゼッタは…で次週。

フィーネがその先をどうするのかを迷い、イゼッタは姫を助ける決意は変わらない。どう転んでも魔石を使うんだろうね…となると、イゼッタの命は…。
ゲルマニアの先も見えてきたようです。二次大戦をトレースしているので、ゲルマニアは連合国から逆襲され、首都陥落、皇帝自殺(もしくは暗殺)という全体の流れなんでしょう。しかし、イゼッタ対ゾフィーの決着はどうなることやら…なんとかイゼッタが生き残れる決着にならないだろうか…イゼッタがあまりにもけなげ過ぎて、見ていると切なくなるんだよね…{/netabare}

11話…そういう展開になるよね…
{netabare}秘密の基地がゲール軍に発見され、急襲される。フィーネは投降を覚悟し、絶体絶命のピンチ。そこに魔法を使って救出するイゼッタ。魔石の片割れを使い、魔法を使えるようになったのだ。それはつまり、命を削ること。フィーネが弱気になっているのを檄するイゼッタ。フィーネも覚悟を決めて最後まで戦うことに。
ゲール軍に付いてきたベルクマン。ベルクマンは自分が生き残るためにゲールの情報を伝えた。その内容は国の終末を意味し、それを阻止する必要があり、フィーネとイゼッタは最後の決戦に向かう。

かなりすっ飛ばしましてつじつま合わせがスゴいのですがが、内容は濃かった回でした。ベルクマンとジークの会話が良かったです。
えっ?もう終わり?…やっぱり一期では短い…イゼッタ、生き残って幸せな結末になってほしい…。{/netabare}

12話(最終回)…「地球のみんな!ちょっとずつ元気を分けてくれ!」
{netabare}ゾフィーとイゼッタの最終決戦はこんな感じでした。
ゲールが主催する会談に向かうフィーネ一行に立ちはだかるバスラー。これを振り切り会場へ向かうが、その途中、ジークが倒れる。彼が最後に観たのは眼鏡君の幻だった…。
一方、ゾフィーとイゼッタの最終決戦は魔石の力を全解放した激しいものとなる。二人は信頼する者のために戦い、一方は裏切られ絶望し、一方は最後まで信じ抜くことで戦った。ゾフィーがイゼッタとの戦いから離れられないことに、ゲールの部隊はミサイルを発射する、クローンの力を使って。
ゲールと諸国の会談に現れたフィーネ。フィーネはイゼッタがゾフィーと戦っていることを伝え、終息させると宣言する。しかし、魔女が残ると同じことになると憂慮する首脳たち。それに対しフィーネは言う、すべての魔力をこの世から無くすと。これはイゼッタからの提案だった。
イゼッタはすべての力を使い、この世にある魔力の全てを吸い上げる。ゾフィーの魔力もゾフィーのクローンの魔力も、ミサイルに搭載された爆弾の魔力も…。
これによってゲールの力は弱まり、大戦の流れも変わり、3年後にはゲールが敗れる。フィーネはとある森にあるコテージを訪ねる。そこには成長したロッテに車イスを押される赤い髪の女性が待っていた。

終わっちゃった…どんな終わり方するかと思ったら、あるあるな感じでした。イゼッタが全てを背負い、最悪をを除去する。よくある。生きていたことを示唆する終わり、あるある。
ゾフィーが救われなかったのは可哀想かな。最後に何かしら笑顔にできるシーンがあってもよかったように感じます。{/netabare}

第二次世界大戦をトレースしたこの物語。キャラは本当に良かったです。イゼッタは最後の最後までブレませんでした。とにかくフィーネのために戦い、やり遂げました。綺麗な衣装着てボロボロになるイゼッタの姿は切なかったです。フィーネは小国ではあるが国王として苦労と悩みを抱えながらも国のために戦いました。エイルシュタットの幹部、ゲールの幹部、それぞれ曲者揃いだけど個性強くてそれが絡んで物語を盛り上げました。

ストーリーは12話でギリギリまとめた感じは否めません。世界観が大きいのに、こじんまりとテンプレのようなまとめ方です。これだけのキャラと内容なら二期とは言いません、せめて5話くらい余裕があったらもっといい作品になったと思います。映像は好きでした。特に戦闘の場面は滑らかで迫力ありました。

魔女と王女の世界を変えるための戦い。戦争をモチーフにしてますが、人間の物語が強くなってます。期待分のものは見れたように思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 53

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

西暦1940年…そして少女たちは、世界に挑む。

この作品は亜細亜堂さんの制作したオリジナルアニメだったみたいですね。
正直存じ上げない会社だったのでwikiでググってみたところ、制作元請の下で制作に協力する体制で制作に参画するケースが多い会社みたいです。
この会社が元請として入ったのは、直近では「北斗の拳 イチゴ味」が該当するようです。
でもはやみんと東山さんが出演される事を知り、早々に視聴を決めていた作品でした。

物語は第2次世界大戦時のヨーロッパのような世界を舞台としています。
ゲルマニア帝国は、欧州の中でも大国で圧倒的軍事力をによって周辺諸国の支配に乗り出します。
そしてそれは辺境の小国であるエイルシュタット公国も例外ではありませんでした。
欧州全域を舞台に激しい火蓋が切っておとされ…物語が動いていきます。

エイルシュタット公国の第一皇女であるフィーネは、ゲルマニアと敵対する隣国の要人と会談するため秘密裡に動いていました。
そんな激動の真っただ中…それぞれ敵国の囚われの身となっていたフィーネと…この作品の主人公であるイゼッタが劇的な出会いを果たし…物語が動いていきます。

この作品…枝葉を取り除いて幹だけを見ると、主人公であるイゼッタと、イゼッタの友人でエイルシュタット公国の第一皇女であるフィーネの…二人の物語だったと思います。

1話での出会い…本当は再会で、前に二人が会ったのはどちらも幼かった頃…
でもその頃には、現在のフィーネの下地は出来上がっていました。
大切な国と国民を守るためには、自分の身を厭わない強さです。
持って生まれた資質…といっても過言では無いと思います。

イゼッタの脳裏に焼き付いているのは、両手を広げて自分を守ってくれている幼いお姫様の姿…
ふと気づくと、目の前の状況はまるで昔をフラッシュバックしているかのよう…
きっとここで会うべくして出会った2人なんだと思います。

あの時と一緒…何度だってお前を守ってやる…
あの時は守って貰ってばかりだった…だから今度こそ私が絶対に姫様を守る…
お互いがお互いを思い合う気持ちが随所に感じられるんです…

イゼッタは魔女一族の末裔です。イゼッタは手に触れたモノは自在に操れる魔力を持っていますが、これは本来人が持ちえない力…だからイゼッタはこれまで力を隠しながら暮らしてきました。
これは一族の掟でもある絶対遵守事項…

だからイゼッタは人前で魔力を使う事は絶対しない…そんな女の子でしたが、フィーネが困っているとなると話は別です。
ゲルマニアの猛攻によりエイルシュタットは、選択肢が殆ど無くなってきています。
選択肢が無くなるという事は、それほそのまま国の敗北に直結するのです。

姫様が…国民が笑って明日に迎えるならと…禁忌を冒すのを厭わないイゼッタ…
本当は苦しい時こそフィーネが国民にかけてあげたい言葉があるのをイゼッタは知っています…
でもそんな状況を作れなかったフィーネは自分を不甲斐無いと責めるんです…
次期大公として背負わなければならない荷物は、フィーネにはまだ重すぎるのかもしれません。
でも自分の立場をわきまえたフィーネは国民に対してどこまでも真摯…
そんなフィーネだからイゼッタも心が動かされたんだと思います。

でもイゼッタの申し出を二つ返事で了承するようなフィーネではありません。
何故なら自分の命令によって、イゼッタを最も危険な最前線に送り出す事になる訳ですから…
いつ命に重大な危機が訪れるかもしれない最前線…大切な友人に「死んでくれ」と言っているようなものです。
だから一度は申し出を拒否はするものの…2度目は拒否できないのがフィーネなんです。
だって、イゼッタが最前線に赴かないとそこで苦しい思いをするのは同じエイルシュタットの大切な民なんですから…
只のお涙頂戴的物語ではなく、頭首の聡明さが垣間見えたところでもあったと思います。

数あるフィーネの命令の中で…やはり物語終盤のイゼッタへの命令が一番我が身を切られる思いをしたのではないでしょうか…
そう…イゼッタがフィーネにお願いする時って…いつも笑ってるんですよね…
一片の曇りのない本心からのお願いをしているんです…
この二人のやり取りには何度も目頭が熱くなりました。

だから後戻りのできない崖っ淵での最後の勝負…一筋の光を見てフィーネが号泣するのも納得です。
こうなる事は分かっていたし予見もしていた…けれど、想像と実際とでは雲泥の差がありますよね…
本当に悲しい時って…きっと人目を憚る事なんてできないんだと思います
こんな二人の絆の物語…こう書いてしまうと軽いですが中身のギッシリ詰まった重厚な物語の上で展開される二人の立ち回りの気になる方は、是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、AKINO with bless4さんの「cross the line」
エンディングテーマは、May'nさんの「光ある場所へ」
どちらも物語の重厚さを支えた素晴らしい曲だったと思います。
これもアニソンBEST10行き決定です。

1クール12話の作品でした。
この作品の様な終わり方…大好きです。
世の中は絶望と悲しみだけで出来ている訳じゃない…そんな気持ちを持つ事ができました。
物語もしっかり纏まっていたと思います。しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 37
ネタバレ

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

戦争+魔女=?(絶賛レベルではないですがまあまあ面白かった)

原作なしのオリジナルTVアニメ作品。

W主人公二人(公女フィーネと魔女イゼッタ)の名前を合わせると、タイトルの『終末のイゼッタ』になる(?)といういきなりのタイトルネタ回収…。
(真面目なドイツ語のタイトル "Izetta, Die Letzte Hexe" は「最後の魔女、イゼッタ」の意味。"fine" はイタリア語での「最後」の意味なので本気にしないでくださいね…。)

話の設定としては、現実に似ているっぽい架空の歴史を舞台とする『GOSICK』方式ですが、年代は『GOSICK』よりも後で第二次世界大戦相当の時代が舞台です。似たような設定の『ストライクウィッチーズ』よりはリアル寄りな感じ。

国の名前はぼかしてあるけど、モデルとしている国はまあ普通にわかる。

エイルシュタット(フィーネの故郷)= リヒテンシュタイン
ゲルマニア帝国 = ドイツ第三帝国(あえて「第三帝国」表記(笑))
ブリタニア = イギリス
テルミドール = フランス
ウェストリア = スイス
リヴォニア = ポーランド

ゲルマニアがリヴォニアに電撃侵攻して同盟国のブリタニアとテルミドールが参戦することで欧州大戦となったという経緯もほぼ史実通り。

ゲルマニアの使用している兵器も当時のドイツ軍が使用していたものがモデルになっているようですね。

そしてエイルシュタットでは、ドイツ語が話されているっぽい。そして史実のリヒテンシュタインとはきっと異なる過程を経て{netabare}ゲルマニアによる占領を免れて{/netabare}終戦を迎えます。

{netabare}ドイツ語タイトルの方がストーリーとマッチしている気がするけど、軽いネタばれ感。{/netabare}

なお、作中登場兵器の実戦投入時期は史実と若干のズレがある模様。それを細かく気にするのか、あるいは戦史自体が異なっているから気にしてもしょうがないと考えるかで視聴者の軍事面の描写に関する評価は別れるかも。

ちなみに私は「戦史自体が異なる」派かなあ。あと、フィーネとイゼッタの関係をあえて性的なものに見えるように演出している感があるのも賛否別れるかなあ…。

音楽については、特に劇中音楽はかなり良かったと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 62

65.2 16 戦いでファンタジーなアニメランキング16位
クロノクルセイド(TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (174)
1238人が棚に入れました
第一次世界大戦終結後の1920年代。それはまだ現代よりも夜の闇が濃かった時代。
アメリカ合衆国は大戦による軍需景気に湧き、同国に生きる人間たちはその繁栄を謳歌しながら、自らの持つ「心の闇」に捕らわれていた。好景気と投資によるにわか成金。マフィア・カジノ・禁酒法…。その光と闇に狭間に乗じて、ヒトの心の弱さを突き、暗躍する者たちがいた。悪魔と呼ばれる人外たちである。
マグダラ修道会ニューヨーク支部に在籍する、悪魔祓い専門のシスターロゼット・クリストファは、かつて悪魔アイオーンによって連れ去られた弟ヨシュア・クリストファを取り戻す為、相棒であるクロノと共に激動と繁栄と闇に満ちた米国を駆け巡る。


声優・キャラクター
川上とも子、石田彰、千葉紗子、榊原良子、速水奨、皆川純子、桑谷夏子、井上和彦

Moji さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

悪魔と教会のシスターとのバトル

今では当たり前になったが、放送当時は画質のキレイさに驚きました。
クロノという悪魔と契約したロゼットが悪魔と戦う話です。
主人公のロゼッタのハチャメチャぶりが魅力で、強いて言えば「ダーティペア」でしょうか(もちろん規模は小さいですが)。
結末ではウルウルっと来るところがあります、もう一工夫あったら涙腺爆発だったのにと悔やまれます。

OP「翼は Pleasure Line」/ED「さよならソリティア」。
OP/EDそろって好きな曲はめずらしい。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 5

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ダレがないガッツリ作り込まれたアニメ。結末が有名かな?

 2000年代中盤くらいにレンタルDVDでアニメを結構見ていた時代の作品の中ではかなり印象深いものです。数年の時間をおいて2回見ていると思いますので、話はまあまあ記憶に残っており、今更全話を見返すつもりもないですが、今回レビューにあたりポチポチと確認しました。

 まず驚くのは、作画がいいですねえ。画面全体が非常に丁寧な造りです。キャラデザは当時のラノベ的な感じがしますが、実際はコミックスです。原作と違いがあるということでコミックスの一部を確認しましたが、アニメ以上に綺麗な絵(特にロゼットとアズマリア)で驚いた記憶があります。

 で、本作が印象に残っている一番大きい理由は結末ですが、その他のキャラたちのエピソードも結構救いがなかったと思います。

 宗教的なギミックが散りばめられいますが、宗教を深掘りするわけではありあません。修道女設定も雰囲気や設定にはマッチしますが、テーマは生み出していません。
 キリスト教の教義の堅苦しさに対する人間性としての欲望を求めるような、善悪の相対化を狙っているとは思いますがそこが成功しているかどうかはちょっと不明です。ただ、宗教が人の不幸を救ってくれないような世界の歴史の理不尽さについては感じることはできました。

 宗教的なテーマが機能しない理由は、登場キャラがいろんなマイナス要素を背負わされて、そのマイナスをどうして行くのかにストーリーの大半を取られているからです。そこにあるのが宗教的な理不尽さではなく運命論的なもので、主に兄弟姉妹の因縁が中心でした。

 同様に、アストラルラインとかパンデモニウムとかいろいろあり、物語としては奇麗に機能していますが、テーマ性やアナロジーとしてはあまり機能していなかった気がします。

 ただ、それが面白くないという意味ではありません。多少の遊び回はあるし、1クール12話の現在に比べれば緩いテンポの回もあるものの、結構無駄なく2クールでストーリーが進みます。
 先ほど言った通り、キャラの背景が説明されているので、次にどうなるかという興味が持続します。

 惜しいのが、ちょっと因縁というかストーリーの作り込みに力が入りすぎて、キャラが記号化した気もします。例えばロゼットの好物は?何が苦手?得意なのは?それはなぜ?みたいな作り込みが甘い気もしました。クロノとアイオーンも要するにロゼットの奪い合いでした。2人の思想的な葛藤が過去回想からもうちょっと描けてれば、と思います。

 そして、何といっても結末です。クロノの力を発揮するための代償として、ヒロインの命の時間という非情な設定が物語全体を貫いて、それがどうなるのか?という問題が一番大きいです。聖痕=マリアで非人間的な存在としてそれを上手く処理するのかなあ、などと思っていたら、そうきますか!!という最後で、かなりの衝撃を受けた記憶があります。

 ということで、エンタメとしてはガッツリと面白いし、かなり見ごたえがあるアニメだと思います。2クールですがダレはないと思います。ストーリーキャラはもちろんですが、作画が丁寧で色合いも良く「アニメを見た」という満足感が高いです。
 声優・音楽は今見るとそこそこですが当時のスタンダード以上だとは思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 4

69.5 17 戦いでファンタジーなアニメランキング17位
聖闘士星矢[セイントセイヤ](TVアニメ動画)

1986年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (194)
903人が棚に入れました
この世に邪悪がはびこるとき、必ずや現れるという希望の闘士聖闘士(セイント)。その拳は空を切り裂き、蹴りは大地を砕くという。彼らは神話の時代より女神アテナに仕え、武器を嫌うアテナのために素手で敵と戦い、天空に輝く88の星座を守護としてそれを模した聖衣(クロス)と呼ばれる防具を纏う。6年もの厳しい修行を経てアテナの聖闘士となった少年星矢が、同じ境遇の仲間の聖闘士たちとともにこの世に蔓延する邪悪と戦う。

声優・キャラクター
古谷徹、鈴置洋孝、堀川りょう、橋本晃一、堀秀行、潘恵子、山本百合子、宮内幸平、小山茉美
ネタバレ

だわさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君は、コスモを感じたことがあるか

全117話



聖闘士星矢。聞いたことがないという人はいないんじゃないだろうか。
いわゆるバトルスーツ系のはしりとなった作品だ。
星座に因んだバトルスーツ、所謂クロスを纏い、
物質の根源である原子を砕く力をコスモとし、自分のなかに感じるコスモを燃やして戦う。
強烈な個性とともに熱く描かれたバトルは今も色褪せることは決してないと信じている。
117話は、聖域編・アスガルド編・ポセイドン編と分かれているが、聖域編の中の41~73話の十二宮編が最も人気のある部分であり、
シナリオが完成されている。長すぎて嫌だと思う人でも、ここまででいいからぜひ見て欲しい。
のめり込んだら、自分のように黄道十二星座を丸暗記してしまうかもしれない。
それほど聖闘士星矢の魅力はこの十二宮編に凝縮されてて、
十二宮編の他の話は、全ておまけと言っても過言ではないと思っている。
むしろ、他は十二宮編の人気の亡霊である。続編はことごとく人気に伸び悩み、ことあるごとに十二宮編と比較されてきた。
聖闘士星矢Ωなんかより十二宮編を現在の作画技術でリメイクした方がよっぽど人気がでるんじゃないだろうか。

車田作品として、リングにかけろでも同じことが言えるんだけど、
主人公の力量に対して目の上のたんこぶのようなキャラを作ってるところがいい味を出している。
主人公と仲間の力量をある程度均衡させて描く場合、この目の上のたんこぶ、つまり主人公以外の仲間キャラの強さを主人公より多少上げておく
キャラ構成によって各キャラの成長を分かりやすくしているんじゃないかと思う。
車田さんについてもう少し言えば、上に吹っ飛んで頭から落下する車田作品の派手な演出はもう古典的典型と言ってもいいんじゃないだろうか。
基本バトル演出の礎のひとつになったと思う。
知らない人は、ぜひ見て欲しい。本当に。


十二宮編について↓
原作漫画もテレビアニメもバトルではアクティブな戦いより会話の方が多い。
それでも面白いと感じるのは、キャラの個性を闘う相手に受け止めさせているからだと思う。
キャラの個性に合った宿敵と、双子座ジェミニの二面性をうまく利用した真相とその結末。
これ以上のキャスティングとシナリオは無かったと思う。
現行の星矢Ωの十二宮編にはこのどちらの要素も欠落している。

以下、キャラ設定を生かした魅力的な十二宮対戦カード
{netabare}
星矢 VS アルデバラン・アイオリア
星矢は正義の象徴であり猪突猛進キャラだが、逆に同じ個性を持つ相手をぶつけたカードとなっている。
正義を根性で貫くという主人公らしい戦いをアルデバランの角折りやアイオリアのカシオス登場で味付けしている。
実際、ここで星矢が先に進むことで星矢含めブロンズの正義の前進を視聴者は実感できたんじゃないだろうか。
1秒100発の星矢の流星拳がアイオリアの1秒1億発のライトニングプラズマを凌駕することは頭で理解しやすく、
視聴側も手に汗を握る。

瞬 VS アフロディーテ
美形対決のカードであり、師匠殺しの因縁対決。お互い生身の拳で相手を殴りつけないので距離が埋まらないまま決着がつくのが特徴。
優しい男の娘キャラである瞬が勇猛な兄一輝と最後まで男らしく戦うことを約束した戦いであるところも惹かれるが、
追い詰められることによって発揮される瞬の本来の力の衝撃は十二宮編のどの戦いより驚かされる。
普段大人しいキャラの高い潜在能力というギャップは美形対決を最後まで美しく締めくくった。

紫龍 VS シュラ
流血担当紫龍に、いかにも血流戦になりそうな「いかなるものも切り裂く手刀」をもつシュラを相手としてあてがったカード。
そして、従順に老師の教えを守ってきた誰よりも誠実な紫龍が禁じられた技を使うシナリオは本当に完成されている。
「老師、お許し下さい。この紫龍、老師の戒めを破ります…」の言葉には死以上に優先されるべき目的を果たさんとする意思がうかがい知れる。
その禁じられた技というのも、天に昇っていく自殺技ということろが紫龍らしく、龍らしい。
昇龍となって昇天する姿は美しい。ポセイドン編やハーデス編で明かされるシュラの最後の瞬間に紫龍に託したものも、美しすぎて涙がでる。

氷河 VS カミュ
師弟対決。唯一無二のマザコンキャラ氷河の母が眠る氷海の底の沈没船を深海に突き落としてマザコンからマザーを奪うのは仁義が無い。
氷河がそれでも感謝の心で凍気対決で凍気の真髄に辿り着く過程に感動する。カミュが「その力、信じる者のために使わせてやりたかった」
というのは立場の事情を悔やむばかりである。後にも先にも凍気使いの聖闘士はもう出てこない。
師弟対決が強烈過ぎて氷河VSミロがかすむが、ミロも非常にいいキャラだった。

一輝 VS シャカ
ブロンズで最も神に近い男と対峙できるのは不死鳥だけだっただろう。地獄の果てからも甦る不死鳥のイメージを遺憾なく発揮した。
また、仲間の中で最強の一輝が黄金聖闘士最強クラスを相手にする対戦カードはもうそれだけで感涙もの。
猛々しい一輝のコスモがシャカのコスモを覆い尽くし、十万億土とやらに旅立つ一輝の男らしさと儚さにはロマンが凝縮されている。
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 28

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

聖闘士に同じ技は通じない!

といっときながら食らうんだなぁ・・・
一ジャンルを築きあげた伝説の漫画のアニメ版。
以後、俗にファン、メーカーサイドではシュラトなどのフォロワー達を『クロスもの』というジャンルで呼んだ。
ジャンプ漫画らしく原作に追いつくまではおもしろい。
追いついても十二宮編まではなかなか。以後はDBを想像していただければわかるだろう。オリジナルストーリーと回想とバンクでがんばるのだ。ひたすら退屈w。

聖衣『クロス』のデザインが製品化(変形して星座の形になる)のためアニメ版ではぜんぜん違う。本来防御面積が狭いほど階級が低い。主人公たちは一番下っ端。
ファンのクレームのため後にバージョンアップしたものは原作に近い↑のDVDパッケージ写真のタイプへ変更されました。
そんな作品なのに1クールもたたずに商品であるクロスを否定する(正確には傷がついたから脱ぎ捨てる。あと生身の打ち合いが大好きなのだ)紫龍さんにみんな惚れてた。
当時の子供たちはみんなおもちゃの上を脱がせていた。

車田節はアニメでも健在で、みんな上にすっ飛ぶ。
パンチも歩かないでスライド式に相手を突き抜けるのがデフォ。アッパー、拳圧の描写もかっこいい。

現在でも根強く残るのが黄道十二星座、黄金聖闘士(ゴールドセイント)によるカースト制度である。
一番終わってるのは蟹座の人。地位が高いのは射手座、しし座、水瓶座あたり。のちに双子座も。要するにキャラの人気順。

地味にすごいのは聖衣に専門デザイナーがいて同じ変形はひとつとして存在しないこと。
若い方は半分ネタとしてごらんになってください。 
見たら外人に技を当ててみましょう。かなりの高確率で反応してくれます。  


投稿 : 2024/04/27
♥ : 9

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ロマン溢れる戦闘アニメ

放送された当時、このアニメはとってもカッコ良くロマンチックな戦闘アニメでした。
このアニメ世代の男性達の間では、「聖闘士星矢は男のロマンだった!」という声をよく耳にしますね。

◆この作品の概要は・・・
ギリシャ神話の星座を基に、女神アテナの化身である少女のもとに聖闘士と呼ばれる5人の少年達が集い邪悪な存在と戦う、ファンタジーバトルアニメです。

◆聖闘士とは・・・
ギリシャ神話の星座の数は88個。
その星座を守護星とする88人の聖闘士が存在します。
それぞれ階級があり下の階級から、青銅聖闘士・白銀聖闘士・黄金聖闘士とあります(厳密には他にも分けられますが)。
そしてその強さは半端ない!
一番最下級の青銅聖闘士でも1秒間に100発以上のパンチを繰り出すことができるマッハの速さで動く事ができます。
最強の強さを誇る黄金聖闘士にいたっては高速(マッハ90万)の動きを・・・。
ビックリするほどスケールの大きすぎる戦士達ですね!!

◆壮大なストーリー
聖闘士の少年達は自分達よりも圧倒的に大きい敵と戦いながら、傷つきながらも成長していき、時には奇跡を起こしながらも敵を打ち破っていきます。
全ては女神アテナのために・・・地上の平和のために・・・。
一昔前の作品なので、今見たらクオリティが低く感じるかもしれない。
でもこのアニメは最高です!

◆星座が覚えられます・・・
そういえばこのアニメのおかげで1月~12月の星座を覚えましたね。
「8月は何座?」って思った時、「デスマスクの次はアイオリアとシャカだったから獅子座か乙女座だな」というふうに(笑)

◆最後に一言・・・
当時は全然感じなかったけど、瞬=「ドラゴンボールのべジータ」という声優図式が今ではビックリですね。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10

67.7 18 戦いでファンタジーなアニメランキング18位
聖戦士ダンバイン(TVアニメ動画)

1983年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (140)
583人が棚に入れました
海と陸の間にある世界“バイストン・ウェル”。モトクロッサー志望の青年ショウ・ザマは、その夜、突然、仲間たちの目の前から消え去り、“オーラロード”を通ってバイストン・ウェルへと召還される。それは“アの国”の地方領主ドレイク・ルフトの仕業だった。野望を抱く彼は、地上人ショット・ウェポンがもたらした科学技術によって作られた人型兵器“オーラバトラー”を操縦する力、“オーラ力”を持つ地上人を“聖戦士”として欲していたのだ。 中世を連想させる騎士や城が存在し、フェラリオ(妖精)が暮らす、地上とはまったく異なるこの世界が、ドレイクによって支配されようとしている事実を知らされたショウは、抵抗勢力であるニー・ギブンたちと行動を共にすることを決意する。

声優・キャラクター
中原茂、川村万梨阿、土井美加、安宅誠、高田由美、田中正彦、速水奨、逢坂秀実、西城美希、立木文彦、大塚智子、横尾まり、高橋美紀、色川京子、佐々木るん、火野カチ子、曽我部和恭、大木正司、若本規夫

papa0080 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ロボットアニメでありながらとても幻想的

舞台となる世界はファンタジックで文明は高い物とは言えない中世あたりの設定だろうか

バイストンウェルという幻想的な世界とその世界に見合ったキャラクターと
とても特徴的なメカデザインがかなり魅力的に出来上がっている

地球から召喚された主役は特別な聖戦士と呼ばれ、争いを好まない
バイストンウェルの人間達より強い力を持つとされている
特別さは某SF映画のジェ○イの騎士というとわかりやすいかもしれない

幻想的な世界にとてもマッチしたメカのオーラマシンはとても良いデザイン
昆虫をモチーフにし、装甲等も甲殻をもつ生物から作られている 
今作のロボットは今までの物とは一味違うとても魅力的な物だと感じた
同じような感想を持った方も多いのではないかと自分は思っている
戦闘時も飛び道具を使うシーンもあるが同じぐらいの頻度で剣を使用する事が多い
中世的で幻想的な世界観にとても合っている装備であると言える
対エース時には特に剣を使ったシーンが映える映える

かなりくどくなってしまったが個人的にロボット物のメカで現在までに存在する
いかなるロボットより魅力的で自分の中でのNO1なので許して下さると有難い

オーラバトラー公式紹介ページ(後継機も載ってるため多少ネタバレです
http://www.dunbine.net/mecha/index.html

ちなみにストーリーは平凡ですが世界観はとても良いので新鮮に見れます
自分はどこで手に入れるの?そんなゲームでてたの?という程全然有名じゃない
この作品のPSのゲームをいまだにプレイしています
是非見て欲しい作品です!が・・・
正直アニメとしてはそこまで面白いとは言えないのが悲しいところ

投稿 : 2024/04/27
♥ : 10

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ひたすらカッコいい。

どうせストーリーとかキャラクターについては既にさんざん語られているに違いないので、本作のカッコよさをアピールしておきます。

1. OPがカッコいい
主題歌『ダンバインとぶ』ですがイントロのチョッパー・ベース、現MIQ(当時: MIO)さんのボーカル、(特に1クール目の)背景アニメーション、歌詞のいずれをとってもカッコよくないところがないという素晴らしいOP。当時の主題歌なので主役メカ「ダンバイン」の名をサビで連呼してしまうのはご愛敬。

2. オーラバトラーがカッコいい
実はたいていのロボットアニメで主人公機はあまりカッコよくないと思ってしまう派なのですが、そんな私でもダンバインは文句なくカッコいいと言える。

もちろんドラムロ、レプラカーン、ダーナ・オシーなどのカッコよさには及びませんが…。そしてビルバイン、お前は顔を洗って、もとい色を塗り直して出直して来い(笑)!

3. 世界観がカッコいい
文明はほぼヨーロッパ中世レベルなのに、オーラマシンのテクノロジーだけ突出してしまっている異世界バイストン・ウェルのファンタジーな設定が素晴らしい。妖精(フェラリオ)とかもいるし。いや、文明が中世レベルなんで(ガロウ・ランへの)差別とかもあるんですけど…。

4. ドレイク・ルフトがカッコいい
いや、敵の親玉を褒めるなっていう話なんですけどこれがヨーロッパでは凄くモテそうな精力的な漢なんですね。ハゲですけど(笑)。(← なのでアニメファンへのウケは悪そう)

知っている人は知っているエンディングのせいで物議をかもしたりする本作ですが、そんな最終回も含めて大好きな作品です。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 21

敦賀迷彩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ガンダムより好きです。

流石は、サンライズ作品と言う作り方、お話しですね。アタシには珍しく、主人公に共感出来ました。特に、チャム・ファウとショウ・ザマとのやり取りが印象的で、操縦席にチャムがいるから、ストーリーに幅が出た。操縦席でのシーン等は、どのアニメも真似が出来ない程です。
LDBOXもDVDBOXもCDもプラモデルも持ってます。サンライズ作品では、断トツのNo.1です。

動画サイトで、秋田大学アニ研 の農耕士コンバインOP・EDを視聴した。ダンバインへの愛が溢れていて良い作品だった。視聴されてない方は是非とも御覧下さいましm(_ _)m

投稿 : 2024/04/27
♥ : 6

67.2 19 戦いでファンタジーなアニメランキング19位
神無き世界のカミサマ活動(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (195)
549人が棚に入れました
怪しげな教団の教祖の息子・卜部征人は「産霊(むすび)の儀」という儀式中に命を落として異世界へ転生した。 その世界で彼に待ち受けていたのは...... 神と名乗るミタマの力を取り戻すために信者を集めること。どうやらミタマが発揮できる力の大きさは、信者の数に応じて変わるらしいのだが、肝心な信者数は......まさかの“0”!? 「うそ...ボクの信者、いなさすぎ...」 征人が楽しく暮らしている「カクリ」という村を敵から守るため、また村を発展させるためにはミタマの力が必要だという。 ミタマの力を取り戻すべく、征人はあの手この手を使いながら今日も信者集めに奔走する。 果たして、ミタマの信者は集まるのか。そして、征人はこの世界で生き残れるのか――! 神無き世界で繰り広げられる、ポンコツ神ファンタジーが今はじまる!

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

B級アニメだが相対的によくできてはいる

以前から感じているのだがなろう系的な異世界転生モチーフの作品でも漫画が原作のものは明らかに物語としての完成度が小説原作のものに比べ高く、小説原作に存在する不快感がかなりの部分ない。
これはなろう系に限らずライトノベル原作の作品には多くの場合漫画原作の作品に比べ不快感を感じることが多い。
これは文化圏の違いがあるのかもしれないし、文字を映像化する上で何か失われている面白さがあるのかもしれない。
ライトノベル、小説原作系の作品は、戯画化したりちゃかしたりせずに主人公を正当化するような描き方をしがちで、そこが苦手な部分だ。
(漫画は漫画でラノベ以上に物語としてのまとまりがないストーリーが苦手だが。)

とにかく筋はいわゆるなろう系、俺つえー的なもので意図的なまでに軽薄なものだが軽薄なだけでなろう系に特有の不快感はあまり感じなかった。

この作品の良い点は露悪的な人物の描き方で、御涙頂戴的なストーリーには決してしないことだ。ギャグにしても下ネタが多いので下品な人間や下品なジョークが好きな人間には好まれやすいだろう。また、アルコーンらを中心にキャラクターデザインなども独創性はないもののそれなりに厨二病感をそそるものになっている。

物語としての欠点はロキとの関係である。主人公にロキと対立する理由が十分描けていないと感じる。ロキは村を破壊しようとしている、という感じの描写もなかったし思想もそこまで描かれていないのでロキに対抗するとか、そのための力をつけるという必要性があまり感じられない。

また、なろう系的な問題点はやはり一部拭いきれないものがある。なろう系に典型なものとして、主人公の恩恵による村の成長の加速というものがある。だが戦いのスキルなどはまだしも街の発展や大人数での計略などという高度に政治力やコミュニケーション力の必要な分野について、現実世界の劣等者がほとんど理由もなく素晴らしい成果を重ねるというのは説得力に欠ける。
現実世界に存在しない問題を無理やり作り上げてそれを叩くというやり方も物語としてやはり比較的質の低い感じを与える。
主人公に好意を寄せる異性キャラが多く登場するのも、この手の作品では定番ではあるのだがやはり見ていて道徳的不快感を与える。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 0

あくつ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

神作品すぎる

最初からなんとなく面白いなという匂いがしていたが、作画が少し微妙と感じ不安になっていった。だけど、作画のいい所も多々見え始めたのとキャラの良さが作画に勝り不安は消えた。消えたどころか、キャラが個性的すぎたり、ぶっ飛んだ内容だったりと見る度に期待が膨らみます。特に4話の農作のシーンを観て笑わない人はいないと確信してます。OPは曲もよく、サビ前までは本編の内容が1部流れるのも見ていてちょうどよく笑える感じに仕上がっており毎回飛ばさずに見てしまう。見ていない人はぜひ1回見て頂きたい。まじおもろい

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

67.7 20 戦いでファンタジーなアニメランキング20位
大雪海のカイナ(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (163)
490人が棚に入れました
拡がり続ける「雪海」により、大地が消えかけた異世界――。 人々は巨木「軌道樹」の根元や頂から広がる「天膜」の上でかろうじて暮らしていた。 天膜の少年カイナと、地上の少女リリハが出会うとき、滅びかけた世界を変える物語が、始まる――。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ディストピアの未来を照らす妙にさわやかなボーイミーツガール

【物語 3.5点】
原作・弐瓶 勉氏による王道志向のオリジナルファンタジー。

<雪海(ゆきうみ)>に覆われた世界。
<天膜(てんまく)>に住むという賢者の伝説。
など世界観、設定には斬新さも見られる。

ですがプロット自体はディストピア下の不毛な争いに、古代文明の遺物が絡む典型。
展開も昭和のジブリ風でベタベタ。
奇抜と思ったのは{netabare} 女の子が上から降ってこないで下から浮上してきた{/netabare} ことくらい。
もっともこれも捻った設定から出てきたボーイミーツガールのバリエーションですが。

物語の都合で登場人物に嘘を付かせたくないという脚本方針。
そのため純朴な主人公少年や清廉なヒロインの性格など、キャラに脚本を合わせたそうで。

これにより例えば、そんな逃げ遅れた人々など、捨て置かないと間に合わない。
まるで往年のジャンプアニメの引き伸ばしみたいでシナリオのテンポが悪い。
こうしたシチュエーションも散見。

おまけにフジテレビお得意の続きは劇場版で!まで炸裂w

ところが、これだけ自分をイライラさせる要素があったのに、このボーイミーツガールは毎回、不思議と清々しく。
<軌道樹>に僅かにへばり付くように生き長らえている人類が、残された水を巡って戦争するディストピアで言うのも変ですが。
私は、この冬アニメの中で、観たらホッと安心できる作品として重宝しました。


【作画 4.5点】
ポリゴン・ピクチュアズ設立40周年記念作。

本作の雄大な雪海、巨大な虫、移動要塞国家パルギアなどCGが得意とする構造物の描写だけでなく、
CGが苦手な人物の表情描写にも果敢に挑んできた同スタジオ。

今回は無表情の使い方にも進歩を感じました。
CG技術が足りなくて表情が無くなっているわけではなく、
ちゃんとコンテの意志を反映した伏線も兼ねた無表情になっている。
CGアニメもここまで進化したのかと感慨を覚えました。

特にバルギアの女士官・アメロテ。
バルギア軍が他国を蹂躙し、周りが盛り上がる中でも意味深な無表情。
{netabare} 元々はバルギアに滅ぼされた国の被征服民で、実力主義の組織の中でのし上がって来た。
バルギアのやり方には思う所が多々あるが、抵抗の限界も悟っている。{/netabare}
という含みを示唆するのに十分な良い表情でした。


文明が後退し、文字が何らかの意味を示すことすら忘れられつつある世界。
こうなるともはや“看板じい”など限られた人間以外にとって、文字は刺繍や看板の模様に過ぎなくなる。
この弐瓶作品の文字もアート性がありました。
つい<東亜重工>の文字を探し出しては嬉しくなってしまいますw


【キャラ 4.0点】
<天膜>の少年カイナ。
老人ばかりになった天膜に生きる最後の子供。

<雪海>のヒロイン・リリハ。
大国バルギアに脅かされている小国アトランドの王女。
事態打開のため<天膜>に住むと伝わる<賢者>を訪ねた折、カイナと出会う。

二人の少年少女の純心が希望の光となる。

その対となる悪役がバルギア最高司令・ハンターギル。
ちょっと露骨なんじゃないか?ってくらい残虐な言動。
ただ必ずしも勧善懲悪ではなく、{netabare} 失われた文明の巨大兵器<建設者>{/netabare} の影響による狂気であることが明かされる。

この主人公サイドと悪役の両極。
どんな窮地でも人間らしい優しさを忘れないピュアな少年少女には協力も得られ道が開ける。
策を弄して、味方の{netabare} 船をも投擲する{/netabare} 犠牲まで強いる曇った近視眼で、コップの中の争いを繰り広げる大人は墓穴を掘る。
この一貫した哲学は、<樹皮削り>など高度な科学技術を誇りながら、滅び去った文明の教訓をも暗示するかのよう。

王道ファンタジーを志向するに辺り、どの点を押さえていくべきか?
キャラ対比を通じて整理できているという手応えはあり。
さわやかな余韻の一因になっているとも感じます。

この観点から再考すると、上述の主人公たちの寄り道の人助けも悪くはありません。


その他、<天膜>で長らく殺し合いをしていない村の老婆たちが、<雪海>のリリハの剣を見て長過ぎる包丁だと驚く。
リリハがこれは夢じゃない?と思って“耳”をつねる。
我々視聴者とは異なる文化、価値観を反映した所作を挟むキャラ演出も良いスパイスでした。


【声優 4.5点】
プレスコにて収録。
柔軟な調整が可能なCGの特性を活かし音声に合わせて作画することで、
声優のナチュラルなボイス素材の長所の最大化を目指す。

主人公カイナ役の細谷 佳正さん。
道中、カイナたちが主張する伝説の類を、対面したばかりの相手に即座に信じてもらわないと動かない展開があります。
でも、嘘も野心もありそうにない、ほそやんの気だるげピュアボイス。
この声色で淡々と語られると、宇宙人はいる!と主張されても信じてしまいそうですw
脚本上も大きな助力となった好演だったと思います。

ヒロインの王女リリハ。
この可憐で素敵な声は一体誰なのだろう?
時めいていたらCV.高橋 李依さんでした。
キャリアも中堅にさしかかり、りえりーは充実の一途ですね。
正統派ヒロインでもっと見たい声優さんです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当に澤野 弘之氏もスタッフに名を連ねるが、提供したのはメインテーマ「KAINA」他、数曲。
あとは近年、澤野氏とタッグを組むことも多いKOHTA YAMAMOTO氏がシンセ成分を補強。
さらに馬瀬 みさき氏が、雪海の静寂や民族音楽風などをカバーする陣容。

澤野 弘之氏は私も好きですが、正直、ここ数年来、供給過多だなと感じてもいましてw
本作のように澤野節も用法、容量を守って活用していくことが、
限りある水資源同様、澤野氏を消費し尽くさない上でも肝要かと存じ上げます。

OP主題歌はヨルシカ「テレパス」
言葉にならない気持ちを言葉にしてくれる二人の会話が詩的な歌詞世界。
かつて文字で栄華を極めた文明が寄り添えなかった心を、
このボーイミーツガールならすくってくれるのではないか?
淡い希望を抱く静かな滑り出し。

ED主題歌はGReeeeN「ジュブナイル」
相変わらずの前向き歌詞と、さわやか高音男性ボーカルで、
“燦然なシリウス”を目指して突っ走る、ベタベタ青春ソング♪
どんなに展開が曇っても、結末が中途半端でもw
最後に手を繋いだカイナとリリハの笑顔を見れば今日も気分はスッキリ♪

投稿 : 2024/04/27
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場版へのプロローグ

オリジナルTVアニメですが、原作者としてクレジットされているのは漫画「シドニアの騎士」の作者として知られる二瓶勉先生ですね。

ざっくりいうと、まったく異なる環境で生まれ育った男女(カイナとリリハ)が出会うボーイ・ミーツ・ガール物のSFジュブナイル作品です。

とりあえず「水は希少」ということと「陸地はほとんどなく惑星表面の大部分は何らかの液体で出来た大雪海と呼ばれる物で覆われている」といった世界で、大雪海を航行する移動要塞国家であるバルギア帝国と、水の確保が可能な軌道樹の周りに定住する人間による小国アトランドとの間での水を巡る資源争奪戦争が繰り広げられます。

制作が「シドニアの騎士」のアニメ化でもタッグを組んだポリゴン・ピクチュアズということもあり、3DCGによる人物やメカの動きなどは両者でけっこう似た感じに仕上がっていると思います。

本作は「現代文明が滅んだ遠い未来の話」ということだとは思うのですが、作中に出てくる天膜、大雪海(おおゆきうみ)、軌道樹といったものの成り立ちはおろかそもそも舞台となっているのがいま我々が住んでいる地球なのかそれとも違う星なのかということ自体が、作中では明らかにされていません。

ただ巨大昆虫は出てくるので、生態系に現代との何らかの連続性は示唆されていますね。本筋とは直接関係ないけど何億年も前から生き延びている昆虫すごいぜ!

予定されている劇場版では、もしかしたらその辺りが明かされるかもしれません。知らんけど。このTVシリーズでは戦争は決着しますが、全体のストーリーとしてはプロローグという感じで劇場版が本編っぽいです。

放送中は間違いなく毎回楽しく観ていたんですけど、1クール観て得られる満足感という意味ではTVシリーズだとそんなには得られない気がします。

以下、余談:

1. 大雪海の成分は結局何なんだろう?
気密性が不十分そうな服で潜っていても人体に害はなさそうなんですが、蒸留して飲用できる物でもないらしい。謎…。

2. サウナの謎
作中で蒸し風呂が出てきてロウリュみたいなこともやってるんだけど、水は貴重なんじゃないの?
蒸気トラップ的な物で回収して環水を飲料水として利用するんだろうか…。

3. レーザートーチの謎
カイナが持ってる工具のエネルギー源は何なんだろう?

4. 文明の残滓(ざんし)
機関が付いてる船とかロケット兵器っぽい物とか、意外といろいろな物が残っているといえば残ってますね。まあ、このあたりは「未来少年コナン」とか「風の谷のナウシカ」とかでもそうかも…。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 23
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

終わる世界の物語

事前評価で「オール4」の予想を立ててみましたが、
{netabare}「俺たちの戦いはこれからだ」的な劇場版へ持ち越しというオチでありました。

見てて退屈はしませんでしたが、絶賛できるほどとも言えず
悪くもないが優れて良いというわけでもない程度だったように思います。

提督が少しばかりちょろ過ぎたのは気になりましたが、「禁断のテクノロジー」を得て
完全に浮かれており、しかも「ケンセツシャ」が故障してることを知らないわけですので
自滅的な結末を迎えるというのも辻褄はあっていると言えるのかもしれません。

「ケンセツシャ」には「東亜重工」の文字が記されていますので、その正体は
「建設社」の土建ロボットいうことになるのかと思います。

土建事業で経済発展していった我が国日本を暗示しているかのようであります。

「アトランド」とは【アトランティス】が由来だと考えられますが、そうだとすると
超古代文明と現代文明の時間的関係性が逆になってるようなことになります。

歴史ループ説というものがありますが、これはスピリチュアル系の人が唱えるもので
オカルト傾向が顕著過ぎるため説得力には乏しいものを感じます。

ループ説に似たものになりますが人類は大洪水以外に2、3度滅んでいるという説が
ありまして、それだと【アトランティス】の前にある種の文明があっても辻褄は
合うということになるのかもしれません。

しかしながら【アトランティス文明】を描くとしたら、「ふしぎの海ナディア」や
「ラピュタ」程度のテクノロジーがあってしかるべきでありますが、アトランドの文明水準は
かなり低く、【アトランティス文明】とは別ものと考えるべきなのかもしれません。

ただ「軌道樹」は明らかに【世界樹】=【ユグドラシル】を表していますので
【アトランティス文明】とは無縁ではないということになるのかと思います。

【ユグドラシル】というシンボルだけでなく、「昆虫食」の予測プログラミングを{/netabare}
当たり前の如く強引にねじ込んで来るお約束には、いつものワンパを感じずにはいられません。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

68.0 21 戦いでファンタジーなアニメランキング21位
虫籠のカガステル(Webアニメ)

2020年2月6日
★★★★☆ 3.5 (98)
428人が棚に入れました
21世紀末、人が巨大な虫になる奇病「カガステル」が発症する。“虫(カガステル)"は理性を失い、人を襲う。だが世界的に“虫"の〈駆除〉が認められたのは、世界人口の三分の二が喰い殺された後だった…。カガステル発生から30年後の西暦2125年。人殺しと言われる無情な〈駆除屋〉の青年キドウは、“虫"の巣窟である“虫籠"に近い黄砂の地で絶命寸前の男を発見し、彼の娘を託された。その娘の名は、イリ。父の死の悲しみに打ちひしがれ動こうとしないイリの頬を叩くキドウ。この出会いが二人を、世界を変える。

声優・キャラクター
細谷佳正、花澤香菜、花江夏樹、櫻井孝宏、浪川大輔、森川智之、興津和幸、諏訪部順一、塩崎智弘、茅野愛衣、白鳥哲、間宮康弘、山下大輝、鬼頭明里、杉田智和、悠木碧、鳥海浩輔

KANO さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

全てが水準以上

時は西暦2125年、30年前に人が虫(カガステル)に
変貌する奇病が発見され、全人口の2/3を失う羽目に。
発症してから20分で、人から虫に変貌を遂げる前に
唯一の処理方法は首をはねる事…
ようやく認められた駆除屋として生きるキドウは、
郊外で虫の襲撃を受ける父娘を助けるが
父は瀕死の状態からキドウに娘のイリを母親の元へと
託される。
やがてイリを通じて、世界の謎、真実が少しづつ
明かされて行く…

NETFLIX独占配信作品 フルCGによるSF作品
原作未読
17才の駆除屋キドウと謎の少女イリを中心に
虫(カガステル)と戦う人間社会が描かれてます。
ストーリーは王道的な流れで1クールで比較的綺麗に
纏まっていると思います。

作画はフルCGなので、個人的にはキャラは未だに
見慣れないですが、バトルシーンなどは綺麗で見応えは
有ります。

声優陣も豪華で主人公を細谷佳正さん、ヒロインと
ヒロインの母親役を花澤香菜さん。全く安定ですが、
17才役と14才役なのでどうかな?とは思います。

OP、ED曲は共にHilcrhymeです。
TOCの歌声は久しぶりに聴くような…

NETFLIX独占配信作品だけあって全てにおいて
水準以上だと思いますので、
SFとしてのストーリー内容や世界観、作画等が好みの方に
とっては、良作だと思います。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

どうして、こんな世界に生まれてしまったのだろう。どうして、こんな世界でも生きたいと願うのだろう。

この作品の原作は未読です。
私はNETFLIXで視聴しましたが、久々にNETFLIXに入会した旨味を感じた作品だったと思います。
大人の事情による総集編祭りや放送日時の遅延など、TVアニメ放送における需要と供給のバランスが崩れている状況を最近ちょいちょい目にすることがあります。

個人的にはそれら全てが悪いことだとは思いません。
人間のやっていることですから、いくら重厚なバックアップ体制をとっていたとしても綻びが出るのはある意味仕方無いと思います。
インフルエンザや、新型ウィルスなども世の中蔓延していますし…
ただ出来ることなら、放送日の遅延は止む無しとしてもクオリティだけは最後の最後まで頑張ってほしいですけれど。
ただ言いたかったのは、NETFLIXならそんな心配は皆無であるということ…
放送が遅れることも無ければ相応のクオリティが約束されているって、当たり前のことかもしれませんが、視聴する側からすると嬉しい限りです。
NETFLIXの有料会員数が鰻登りで増えているのも分かる気がします。


西暦2125年一人が巨大な虫になる奇病"カガステル"が発症。
虫は理性を失い、人を襲い繁殖し続ける。

これはカガステルを狩る"駆除屋"の青年・キドウと
閉ざされた過去を持つ少女・イリの物語。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

人が虫化するのに前振りはありません。
発症してから完全に虫化するまで約20分…
この間に仕留めないと取り返しのつかない大惨事に発展してしまうのが、この作品の世界観です。

物語は虫に襲われて絶命寸前の男を極東で育った凄腕駆除屋であるキドウが発見するところから始まります。
その男からの最後の伝言は一緒に居た娘のイリを母親のところに連れて行って欲しいとのこと…
こうしてキドウとイリは出会い、物語が動いていきます。

キドウ役に細谷さん、イリ役に香菜ちゃんが起用されていること…
それにかやのんや鬼頭明里ちゃんが登場するのも相まって耳は幸せ一杯でした。
しかし香菜ちゃん…もうどれだけ鬼懸かった演技をするんでしょう。
しかも声質がとても綺麗…もう何度聞き惚れてしまったことか…^^;

ですが、このカガステルの世界は香菜ちゃんのスーパー癒しボイスをひたすら堪能できるほど甘くはありませんでした。
確かに虫の人当たりの厳しさは正直半端ありません。
大の大人ですら、一噛みで絶命させられるほどの強靭な顎と羽を持っていますし、硬い身体は銃弾ですら容易に弾き返すんです。

ですが、個人的にはその虫の脅威の物陰で暗躍する人間の方が怖かったかな…
確かに目的はあったのかもしれない…
けれど、目的と代償の大きさがまるで噛み合っていないのですから堪りません。
そんな理不尽が通用して欲しく無いと本気で思いながら視聴していました。

でも…この物語はそんな痛みだけの作品ではありませんでした。
揺れ動く心…これまでの生き方が言葉や態度を捻じ曲げてしまう…
それでも勇気を振り絞って一歩ずつ歩み入ろうとする姿勢が個人的には大好物でした。

キドウとイリは互いを知って何を選択するのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「Be ZERO」
エンディングテーマは、「臆病な狼 2019」
どちらもHilcrhymeさんが歌っています。
どちらも相当格好良い楽曲だと思いました。

1クール全12話の物語でした。
物語が1クールの中で綺麗に収まっていたと思いますし、見応えも十分だったと思います。
何より地に足の付いた丁寧な仕事っぷりが感じられたのも個人的にはプラスのポイントでした。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 18
ネタバレ

waon.n さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

原作の下地にあるものの上にアニメがある。

前半は未視聴の方後半は視聴済み推奨のためタグで隠しますね。
原作は未読のため、的外れな可能性は多いにあるので、その辺はお察しで。

葛藤と決断。過去と未来。
アニメの語り口ではこの切り口で見せてるのかなと感じました。
感動を呼び起こすような演出が良く、普通におじさんは泣いてしまった。しかも序盤だったのでかなりの不意打ちです。アニメを見てもらう事を意識すると掴みって大事で上手くやられたと思いました。
ちなみに、グロ注意な描写もあるので苦手な方は・・・でも見てほしいとは思います。挑戦する価値はあるかなと。

キャラの背景に時間を割いてしっかり描いています。特に主人公とヒロインの二人には一話づつプレゼントしていますね。これは中盤で物語全体の転換期に合わせて行われるので、キャラの行動原理が後半に向けて意味不明って事にはならないように配慮された上手い構成だと思いました。丁寧な作りだと思います。
しかも、また泣かされるっていう。お前一日で何回泣くの?って自分にツッコミを入れるレベルに痛い人になってました。

音楽は適所に無難なBGMが入ります。これを良いと思うかは個人的な嗜好だと思いますが、二度目に見た時にはちゃんと効果あったと自覚的に感じられたので、音楽としてではなく演出としての良さという点でベリーグッときました。無難である事が最高の演出になっているって事です。壮大すぎると絵が負けてしまうのはありがちな罠。
音という事では剣戟の音や銃弾、戦車のキャタピラなどの音も臨場感あって良いです。こういう所も丁寧な感じしますね。好きなシーンは主人公がRPGをぶっ放すシーンですね、砲弾を追う演出たまらないっす(音含めてね)。

声優は豪華すぎるのでどのキャラも聞いたことあんなみたいな感じ。演技が安定しているのは良いんですけれどね。
その中でもイリ役の花澤香菜さんは二役演じるんですが…スゴイの一言。二役演じる事も凄いんですが、キャラの変化による演技の変化に胸が締め付けられた。
もう一人、出番は少ないですがかなりの印象を与えるキャラの役として杉田智和さんも何かを抑えている演技が胸を締め付けて…ん?何度締め付けられてるんだ私は。

演出なんですけれど、基本的にCGでキャラを動かします。出来が良い悪いはこの際あまり語りません(正直よく分らんし)。ですがダイアローグの最中に視線が動く、キョドったり視線を外したり、逆に見返したり揺れたりする。こういう仕草の中にキャラの性格だったり内面が現れてくる事があるので、無いのと在るのとでは物語の説得力に違いが出る。
それに、まったく絵を使ってないかといえばそれも違う。随所に見せる作画には迫力がある。まぁ一度しか出ないキャラだからとかそういう理由かもしれませんけれどね。
美術背景が最高に良い。ちょくちょくアニメを見ていると、部屋の中などで違和感があったりする場合がある、んでそれを無くそうとしてカットが少なくなったり、簡単なパンもしくはスライドのみでしかカメラが動かない何て事はよくある。つまり定点カメラの多さがスゴイって話です。
これはCGだからできる芸当なのかもしれませんね。

全体を通して丁寧に良く作られていると思います。感動するポイントも前半中盤後半とちゃんと練られているし、どう見せたいのかとかもなんとなくわかる作品なので一本見た時の充実感はあります。ご都合主事的なところも多少見受けられますが、これ位許容しないと楽しめる作品なくなっちまいます。
楽しめる作品ですので、どうぞお召し上がりください。


ここからはネタバレガンガンして内容を掘り下げて行きたい。
{netabare}
さて、どこから語ろうか。

まず今作のテーマ性について書いていきたいと思います。
原作という下地には、不条理、人間のエゴ、人間と虫の境界。

不条理は元々虫になる素質のある者とないものにに分けられている事と、どうしてなってしまうかという明確な理由がなくいつなってしまうかわからないという所ですね。
人間のエゴは虫にならない人は虫籠を作り、安全を確保するためなら、虫になってしまう人を虫にさせて守らせるという事をする。これはその因子を持っているだけですでに虫であるという認識をもっている。悪だなと思うのは、駆除するにあたって決められたルールに翼が生えたら殺して良いって自分たちは間引いてるのによく言うわ、この東邦連合のアドハムさん。
エゴという点ではフランツもなかなかだと思うけれど、このキャラに関しては最後まで正直なところ分からなかった。純粋にカガステルの真実を見つけたい…?自分の無垢を信じる者は他人の罪には残酷だというセリフは自分は無垢ではないと言いたいのか、それとも無垢であり、他人の罪に残酷でありながらそれを自覚しているという事なのか。もっともエゴを自覚してるのはこのキャラだったのかしれないなとか思う次第です。まぁ分かんないんですけれどね。
人間と虫の境界。
翼が生えたら虫でその前に殺したら殺人だという。これは一つの境界の在り方ではあるが、この作品には大きな問題提起としてアハトという存在を生み出している。
主人公の葛藤はここにある。やはりラザロの存在が大きく影響する。育ての親を殺した彼は、それ以降(それ以前も)積極的に自分から他人との仲を深めていこうとしない。最終話で本人から語られる。

「明日誰の首でも落とす覚悟がある。だけどその上で誰かと生きる覚悟はできない。前にそう言ったよな(うんうん)でも本当はそうじゃない。~略~首を落とすのは大抵他人じゃない。それが怖くて少しでも距離を取りたかった、でも取った距離にまた後悔するんだ、何で生きている間にもっと…ってな」
このセリフはカシムの存在がマジで響く。あれありきでしかこの言葉の意味は通じない。そして私はここでもう一度泣いた。
このセリフから私は彼が殺してきたのは虫じゃない、人間なんだってその覚悟が言葉という形になったんだと強く感じた。
本当は境界なんてないんだって。だから一緒にいて大丈夫なんだって。そうイリに言ってるんや(勝手な想像です)。

というのが、この物語全体を通じて感じるポイントでした。

でも、これをアニメにするってなった時に方向性として、この12話の中でどうドラマを演出するか考えたんだろ思う。キャッチーで分かりやすいテーマとして選ばれたのが、葛藤と決断。過去から未来って話なのかなって。これらは作品のテーマ性と大きく重なる部分もあるので良い。
そして、主人公とヒロイン二人がそれぞれ抱える葛藤を振り払い未来へ進む決断をし共に歩んでいく良い話だなぁってなれる分かりやすいストーリーを組み立て、その葛藤を丁寧に演出した結果として原作の中にあるものをしっかりと掬いあげられているのではないだろうか。

カシムについて少し触れたのでついでに語りたい。
ここまで読んでいただいた方はご存じの通り殺されますね。
彼の死は序盤の山場という構成上の役割として、そして主人公の進む道を示す友人としての役割を担っていました。
そんな彼も、過去に悩み今の仕事に葛藤を抱き、未来に対してどうしていくかという考えを持っています。彼の持つ覚悟は地下に侵入した虫との戦いで見せてくれます。カッコ良かったです。
カシムと主人公は最初は敵対している。というのも、カシムは確か親を駆除やに殺されているんだったか、恨みがあったと記憶しています(見直したいけど場所忘れた)。そんなカシムも主人公の事を認めるようになる。主人公もおそらくそんなカシムの変化を嬉しく感じていた。
カシムは人殺しと言われた時の事を後悔はしていないだろうが心のどこかで苦悩していた。それが許されたと思った矢先にカガステル化してしまう。この暴力的な不条理をどうしてくれよう、ご都合主義だと言うのは野暮だろ?そんなこと思う余地は私にはなかった。
主人公はカシムの首を切る。
帰宅し、慟哭する。その姿に私は胸を打たれ、激しく泣いた。この時の慟哭をどういう気持ちでイリは聞いていたのだろう。だからこそ、彼の過去を知りたくなったのだろうか。
「目の前で誰が虫になっても首をはねる覚悟はできてる、だけどその上で誰かと生きていく覚悟はできない」
このセリフには重さがある。

ああ、ヤバい。もう一人語りたい人間がおる。
フランツなんだけれど…フランツってなるとアハトも書きたくなるし、でももう書くの疲れた。
書き始めて3日位この作品の事考えてたんで、とりあえずこの辺にしておきます。
奇跡的にサンキューが50超えたらフランツ追記でもするかな。いや、越えなくても書きたくなったら書きます。んな需要ないって知ってる。

長々書いてしまいましたが、多分この作品で最大の難点は声優にあったと思う。やっぱりCGは作画より表情がのっぺりする、だから表情に変化をつけて感情を伝えさせたりしたんだと思うけれど、やっぱり声って大きい。
どのキャラも素晴らしいけれど、やっぱり花澤さんだし、細谷さんだし諏訪部さんだし森川さんだし櫻井さんなんだよね。
まぁ全員好きだ!

あ、最後にEDのイントロはすっごい好き。曲だけで歌詞なしを一曲聞いてみたいなとか思ったりしました。
{/netabare}

さてそれではここまでです。お疲れ様。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 7

58.2 22 戦いでファンタジーなアニメランキング22位
レベル1だけどユニークスキルで最強です(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (131)
377人が棚に入れました
「小説家になろう」で日間・週間・月間・四半期1位を獲得した人気タイトルが、待望のTVアニメ化! ブラック企業に勤めるサラリーマン・佐藤亮太は、ある日ふと気がつくと、見知らぬダンジョンの中にいた……! そこは、あらゆるものがモンスターからドロップされる不思議な世界だった。 偶然出会った少女・エミリーの助けで自身のステータスを確認するも、体力や魔力などのステータスはすべて【F】(最弱)! さらにレベルは固定で【1】(最低)! 絶望の淵に立たされた亮太だったが、最強のユニークスキル【ドロップスキル・オールS】の持ち主であることが判明!! はたして亮太は、この不思議な世界で生き延びられるのか!? 最弱で最強の冒険が、今始まる──!

61.0 23 戦いでファンタジーなアニメランキング23位
アルスの巨獣(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (134)
372人が棚に入れました
大いなる獣は大地を作り、作った大地をヒトが盗んだ。 獣は怒り、ヒトを喰らい、ヒトは獣と戦うために、カミを呼んだ。 それは剣の時代。英雄の時代。神話の時代。 甚大な被害をもたらす「巨獣」が蔓延する世界で、「巨獣」を狩り、解体した中身を利用し、人々は繁栄していった。 巨獣狩りで日銭を稼ぐ「死に損ないのジイロ」は、何者かに追われる「二十と二番目のクウミ」と出会い、彼女を救うべく過去の憂いを捨て動き出す。 人類帝国の思惑と、謎の実験。襲いかかる巨獣たち。 約束の時へ向け、ジイロたちは世界の秘密に迫っていく――
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

自分を取り戻し大切な人と世界に殉じるヒロインが丁寧に描かれました。

この作品、実験体として生まれた少女が感情を得、名前を得、記憶を取り戻し、パートナーと心を通わせ、2つ名=アイデンティティを得、そして自分の使命に殉じて自分の生きた目的として死んでゆく話です。

 最終話で明記されないですが、寿命を延ばす儀式を放棄し力を使った以上はそうなります。1話で指輪を使えば救世主になる、約束を果たすと命を吸われるという説明もありました。要するに1話で12話以降の展開は既にありました。

 契約=夫婦か恋人のように描かれているところからいって、悲恋でもありますが、自分を取り戻し大切な人と世界に殉じる決心を自分でできたことが実験体として生まれたヒロインの幸せだったという物語です。

 ガンダムのプルシリーズでもあり、マクロスΔのヒロインにも通じる話でした。御坂シスターズでもあります。

 先史文明において、バイオテクノロジーが発達した結果、クローンと遺伝子操作、その他の技術で生物兵器として、巨人と守り人(もりびと)と神薙(かんなぎ)が生み出された感じですね。その他、猫の少女とかも連絡か司令機能を持った生物の成れの果てな感じです。

 SFの舞台設定として、それは別に明示される必要はないし、唐突感もなく1話から見ていればこれらのことはかなり丁寧に明示、示唆、暗示されていました。

 ストーリー・設定・世界観・そしてテーマ性。どれをとってもかなりの水準だったと思います。同時期の大雪原に比べれば同じジブリっぽい雰囲気ですが、内容がちゃんとあるし結末を描かないででも読み取れる最後になっていたと思います。
 
 アニメそのものもなかなか作り込んだ作品で、作画技術は悪くなかったです。キャラ造形が少し子供向けというか少しジブリ的な演出過剰で本作が過小評価・見辛くなっているのが惜しいですが、SFとアイデンティティ問題、そして最後の決意の感動があるなかなかの作品でした。


 本作が唐突だという意見もありますが、私にはかなり丁寧で説明がちゃんとされている作品で最後の3話は伏線回収が上手くできていたと思います。例えばクウミというおばさんは実験体でなく天然なんだろうなあという想像が働きます。
 そこから実験体は劣化しており、過去の技術ではちゃんと自然に溶け込んで寿命も普通なんだろうとか、想像を働かせれば読み取れるようになっていました。

 この話で、投げっぱなしとか説明不足とか唐突という感想を沢山見かけますが、どうなんでしょう?私としてはそういったのは読み取れる内容な気がするのですが…違う意味での感想なんですかね?私的にはよくできていると思います。オープンエンディング的ではありますが結末以降の道筋は1本の話だと思います。

 たとえ読み取れてない部分があっても、大事なのはヒロインの方のクウミが名前=自分と家族(恋人・仲間)を得てその人たちのために儀式を中断して敵に立ち向かうという部分がテーマですから、そこが分かれば他は些事な気がします。
(もう1段思考すると、結婚のアナロジーを描いていたとも言えます。男女のパートナー、2人で一緒に戦う、名前を変えるという風にも取れますね。特に名前…2つ名にこだわってましたし…どうなんでしょう?)

 OPの音楽はなかなかクセになるいい曲だったと思います。スピード感もあるし面白い演出でした。
 作画・エフェクトはかなり丁寧で好感がもてました。キャラはもう少しジブリ感を失くしてもらうともっと見やすかったです。




1話 少年向けSF的雰囲気は良い。「二ノ国」とか「ゲド戦記」臭が気になります。

{netabare} 人類の遠い未来で、遺伝子操作で生まれた巨大生物、その巨大生物と戦うための強化人間的なもの、先史文明の遺物の機械の不思議な力…みたいな話でしょうか。アンドロイドものかもしれませんが、今のところ実験体というなら違う気がします。
 舞台が完全なファンタジー世界で、そこに過去の遺物として機械文明を出すと過剰設定すぎると思います。その辺は上手く調整している(はず)と思います。「スクラップドプリンセス」「フラクタル」みたいな感じです。

 結構まじめにSFやりたいんだろうなあ、裏文明設定が多分ちゃんと世界観の後ろに隠れているんだろうなあ、という雰囲気に好感がもてます。演出が子供っぽいですが「未来少年コナン」のような大人でも視聴できるジュブナイル的少年向け作品っぽい感じが、なかなか期待を持たせてくれます。
 
 一方で、こういうSFもので「見られる」「視聴に耐えうる」作品になるためには、よほどのセンスオブワンダー、演出、伏線、整合性、謎、カタルシス、テーマ性…いろんな要素が必要になってきますので、がんばってほしいところです。

 正直、安っぽい作画、絵柄と演出、世界観が「二ノ国」とか「ゲド戦記」「星を追う子ども」みたいな失敗例を思い起こさせる感じなので、ドキドキしますけど。がんばりすぎて「サクガン」にならないようお願いします。

 二つ名は設定としては、階級社会で労働者は苗字を持たないみたいな設定を真面目にやったんだと思います。同名を区別するために習慣になったのでしょう。家族制度も関係しているのかもしれません。が、「男勝り」はないでしょう。もうちょっと何とかならないんでしょうか?翻訳小説みたいな雰囲気を出したかったんでしょうけど、そういう小技部分とかセリフが全体的にちょっと安っぽいですよね?{/netabare}


2話 テンプレの塊ですが話には引き付けられます。演出…うーん。

{netabare} OPの冒頭、宇宙船ぽいものの動きが妙に引っ掛かりました。どっかで見たことがあるなあと思ったら、ナディアとGガンダムの組み合わせですね。

 という感じであらゆる要素がテンプレ、そして、ひどく子供っぽい感じです。キャラ全員の言動があまりに型にはまりすぎて共感性羞恥発動ぎりぎりです。猫かぶりの娘っぽい狂言回しのサブキャラはあまりに作りすぎで存在自体が恥ずかしいです。

 しかし…しかし、なぜかストーリー自体は面白い…というか引き付けられます。謎のばら撒き、時間軸、世界観に何があるんだろう?という期待感があります。
 SF設定を使ったファンタジー的作品だとは思います。が、ひょっとしたら壮大なSF未来物語の可能性も感じます。こういうのって終わりの方じゃないと判断つかないですからね。その点で構成は上手なんだと思います。ナディア…の冒頭のワクワク感に近いのかもしれません。

 うーん。もし子供向けを意識していないなら、せっかくいい脚本…話と展開なのでもうちょっと大人向けに作って欲しかった。萌えでなくて、真面目系でいいと思います。子供から大人まで見られるサンライズっぽく…といえばいいんでしょうか。惜しいなあ…本当に微妙に惜しい感じがする作品です。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

審判の時――

この作品はオリジナルアニメだったようです。

主人公のクウミを演じるのは「羊宮妃那」さん。
最近、結構活躍していらっしゃいますよね。

私が羊宮さんをしっかり認識したのは」「その着せ替え人形は恋をする」で乾心寿ちゃんの演技を見た時です。
以前にも、「SELECTION PROJECT」の八木野土香役を演じられていましたが、こちらも方で覚えているのは北海道出身のアイドルだったことくらいで、キャラと声優さんが一致することはありませんでした。

それ以降、色んな作品に出演されるようになりました。
「それでも歩は寄せてくる」の御影 桜子や、「転生王女と天才令嬢の魔法革命」のレイニ・シアンなどは記憶に新しいと思います。

完走後にwikiをチラ見して知ったのですが、羊宮さんは2023年4月1日に青二プロダクションの準所属となられたそうです。

これだけ活躍して、知名度も鰻上り…
それなのに「準」所属なんですよね。
これこそ、声優業が狭き門である何よりの証だと思います。
確かに青二プロダクションと言えば超の付くほど大手で実力者も揃っています。
それでも…と思うのはきっと私だけじゃないと思います。
これからの活躍を期待…って、こんな事を私が書かなくても今後益々活躍されることでしょう。
体調に無理をしないようにして下さいね。


大いなる獣は大地を作り、作った大地をヒトが盗んだ。
獣は怒り、ヒトを喰らい、ヒトは獣と戦うために、カミを読んだ。
それは剣の時代。英雄の時代。神話の時代。

甚大な被害をもたらす「巨獣」が蔓延する世界で、
「巨獣」を狩り、解体した中身を利用し、人々は繁栄していった。

巨獣狩りで日銭を稼ぐ「死に損ないのジイロ」は、
何者かに終われる「二十と二番目のクウミ」と出会い、
彼女を空くべく過去の憂いを捨て動き出す。

人類帝国の思惑と、謎の実験、襲いかかる巨獣たち。
約束の時へ向け、ジイロだちは世界の秘密に迫っていく――


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品のキャラって不思議な冠名を持っているんですよね。
ジイロは「死に損ないのジイロ」で、クウミは「二十と二番目のクウミ」など、飾りっけの無い冠名が私にとっては結構新鮮でした。

この作品の特徴は、物語の構成がしっかりしていることが挙げられます。
物語に一本筋が通っていて、先の展開を気にせずにはいられません。

INTRODUCTIONにも記載されていましたが、人類帝国の思惑や謎の実験が良いスパイスになっている上、伏線の張り方と回収の仕方が上手いので気が付いたら完走していた類の作品でした。

イノチ大事に…
要らない命はただの一つもなく、生まれてきた瞬間から誰も存在理由が明確なんです。
いえ、命だけではありません。
思惑を完遂するために、ありとあらゆる犠牲を厭わない…
そんな人が上にいる組織に誰が入りたいと思いますか。

ジイロとクウミは、一番死ぬ確率の高い場所で踏みとどまる必要がありました。
誰もが、踏みとどまれる訳ではありません。
自分の本分を全うし、仲間を守るために踏みとどまるんです。
そして、それは時に自分の一番を捨ててまで為そうとするその姿勢には胸が熱くなりましたよ。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、PENGUIN RESEARCHさんによる「変幻自在」
エンディングテーマは、遥海さんによる「名もない花」
個人的にはエンディングが好みでした。

1クール全12話の物語でした。
こういうワクワクする展開ってオリジナルならではですよね。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 11

U-yan さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

こりゃちょっと評価に困るアニメ。

様々な種族が共存し謎の巨獣が存在するファンタジー世界。いわゆる異世界アニメ風のファンタジーではなく、「帝国の実験体の少女」「巨獣にあらがいながらも生活する人々」「ナギモリとカンナギの謎」など、こりゃなかなか深くて面白そうだぞ!?と最初は思いました。ただ徐々に雰囲気が緩くなってきてBGMも軽くなってきたwと思ったら後半から闇が見え隠れするような展開に。
まぁ結局1番醜いのは人類という事。そういう世界観だからこそ途中の緩みは要らなかったかな〜とは思いました。
でもまぁキャラデザ、音楽もなかなか良いし全体的に悪くないかな。そして個人的には日笠さんがいてくれて良かったw
んーあの終わり方。2期はあるんかな・・・

投稿 : 2024/04/27
♥ : 3

60.3 24 戦いでファンタジーなアニメランキング24位
即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (136)
348人が棚に入れました
全ての敵を即死させる!最強主人公爆誕!! 修学旅行中、高遠夜霧とクラスメイトたちは、突然異世界に召喚された。 召喚したのは賢者を名乗る女、シオン。彼女は《ギフト》と呼ばれる特殊能力を彼らに与え、賢者になるための試練をクリアしろと一方的に宣告する。 突然の事態に動揺しつつも行動を開始する一同。 だが、なぜか《ギフト》を与えられなかった夜霧や壇ノ浦知千佳ら一部の生徒は、 ドラゴンが迫る草原に囮として置き去りにされてしまう。 飛来したドラゴンによって次々に殺されていく残された生徒たち。 夜霧と知千佳も絶体絶命の大ピンチ! ……かに思われたが……。 「死ね」 夜霧はその一言でドラゴンを撃退。 なんと彼は、任意の対象を即座に殺せる《即死チート》の持ち主だった!!! 元いた世界への帰還を目指し、旅を始める夜霧と知千佳。 そんな彼らの前に現れるのは異世界にいるチート能力者たち。不死身の吸血鬼?   やり直しの勇者? 神に溺愛されし転生者? そんなやつら、即死チートの相手にはまるでならないんですが! 前代未聞のチート能力が武器のダウナー系少年とちょっぴり残念な美少女の異世界冒険が今、幕を開ける!!
ネタバレ

アニメ好き さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

メタコメディ×なろう

一歩、間違えればハメツノ王国のように、シナリオが破滅しそうなところだけど。現時点では破滅していない。
むしろ、3話時点では破滅する寸前を走らせながら、超展開で笑いをとりにきてる。

ようやく理解した。これ、上質なメタコメディだ


1話感想
{netabare}
プロローグって感じだった。
・この作品はあくまでもコメディです
・即死能力の開示
方向性はまだ見えてなかった
{/netabare}

2話感想
{netabare}
ルールが出てきたのが高評価。
感情論で能力を振るうのではなく、即死対象に基準が出てきたことで、見やすくなった。
{/netabare}

3話感想
{netabare}
なろうメタ。
馬鹿すぎて笑えるのだが、後から色々と考えさせられる3話だった。
チェンソーマンは「命を不平等に扱って、命の平等性なんてない」みたいなことをやっていたが、即死チートではあえて「命を平等」に扱うことで、命を平等化することに疑問を呈しているように思える。
命の価値について、色々と考えさせられた


また、人間以外のものも殺す、のがいいね。直死の魔眼かな。
死とはどういう状態を刺すのか?
という定義そのものに大して解釈してる感じがする
{/netabare}

4話感想
{netabare}
ゾンビものメタ。
アンデットの死で笑ってしまった。
そうだよな。動いてたら生きてるよな
死んでいるのに動いているって確かに言葉としておかしいし、アンデットとして生きているという解釈の方がしっくりくるし

即死とは、終わらせる力なのだろうか。レインのクローン人間?が生き残ったことで、記憶も感情も引き継いでいなければ、別人であるという解釈も見えた気がした。
{/netabare}


5話感想
{netabare}
主人公の過去。SCP的なあれっぽいな。
呪いとかの類なのだろうか?

ドラゴンのところも良かったが、何よりもお前たち、半分になるまで殺しあえ→「は?」ここすき
理不尽な展開に壇ノ浦さんがツッコミを入れたのに爆笑できた
ジャンプの試験とかでよく見るやつ。確かに言われれば馬鹿な展開だわな。

詫び石はなろうが元ネタか
なろうで一時期流行ったの、覚えてるからか妙に懐かしくなってしまった。

いきなり出てくる終焉とかいう設定。
高遠くん。お前、やっちまったか。
この約束破り、設定ぶち壊しが益々楽しくなってきた
{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

俺ツエーをラディカルに推し進めた作品

自分が本気で「死ね」と言ったら相手が死ぬんじゃないかとか、自分が念じたら車だって真っ二つに壊せるんじゃないかとか、そういうことは自分の中高生のころに半ば本気で思い浮かべる妄想の一つだった。

そうした妄想を素直に作品化したのがこのアニメである。

一度は考えるような厨二病的妄想をさまざまな形で出し惜しみせず表現しておりメタ的作品の風情がある。登場人物の振る舞いもゲームのような取ってつけた感があり現実感が乏しいのだが、妄想の素直な表現としてはそうしたところもある種一貫生が感じられ良かったと思う。(冨樫のレベルEを楽しむのと同じ類であった。)

世界観や登場人物設定はかなり詰め込んでおりそれが部分的に語られ、物語が進んでいくスタイルになっており、情報量の多さも良い点だと思った。

投稿 : 2024/04/27
♥ : 1

68.9 25 戦いでファンタジーなアニメランキング25位
最果てのパラディン 鉄錆の山の王(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (101)
340人が棚に入れました
死者の街を出てから二年が経ち、ウィルは数えで17歳になっていた。領主として「灯火の河港」を発展させ、徐々に「獣の森」には人々の営みと笑顔が戻ってきた。しかし、季節外れの花が咲き乱れ、森の異常が発覚する。この問題を解決するべく森の奥に向かったウィルたちは、森の王から不吉な予言を受ける。「鉄錆の山脈に、“黒き災いの火"が起こる。火は燃え広がり、あるいは、この地の全てを焼きつくすであろう」滅びしドワーフの都である「鉄錆山脈」に眠る災いとは…!? 新たな出会いと共に再びウィルたちの冒険が始まる!
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

こういうのが見たかったんです!!

2024/01/21 初投稿

久しぶりに視聴を終えてすぐに、感想を書きたいと思うような作品でした!

感情の爆発や
わちゃわちゃ騒いだり、笑いの要素もありません
お色気(死語?w)要素は皆無です
むしろ2期を終えても相変わらずヒロインすら不在です

まあ、地味って言えば地味なのかも^^;

作品の大半は静かな会話や思考で進んでいた印象です
でもそれがいい
言葉一つ一つに深さや重み、登場人物の信念などが感じられます
しかも、鼻につくようなことも無く
ウィルは誠実で
自分の強さを鼻に掛けるでも無く
その力をみんなのために使おうとしていきます。

終盤もちろん強敵との戦闘があり山場となるのですが、流石にそこでは叫び声とかもありますが、戦闘自体が必要最低限必要以上に引っ張ったりせず必要最小限むしろあっけない位の印象もありました。
{netabare}ただし、一度倒したかと思ったけどやはり違ったって言うのは、1期でもあった二番煎じにも感じました^^;{/netabare}


ところでこれって原作「なろう」だとか
セリフの味わい深さとかむしろ純文学のイメージに近く感じます
「なろう系と一括りに侮ることなかれ」ですね!!

しかもこれってなろうの中でもテンプレ中のテンプレ異世界転生物ですよね?(2期ではほとんど転生の設定は生きていないような気もしますが・・・)

何故これほどの作品が異世界転生ものなのか?
やはり人間誰しも人生いくつもの後悔を抱えて
「あの時ああしておけば・・・」という思いがあり
人生をやり直すという設定が心の琴線に触れるのでしょうか?
ウィルも1期では前世の自分への後悔の思いを抱いている描写が時折描かれていたような記憶があります。

ところでウィルの設定17才と言うことで、それにしては人間できすぎているよなと若干嫉妬を覚えたりするのですが・・・
転生前の人生を含めると精神年齢はかなりプラスされるのでしょうね
そういった意味で、根底では転生の設定が生きているのかも知れません。

まとめると、
全体的に地味なので好き嫌いは分かれるでしょうが

投稿 : 2024/04/27
♥ : 14
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

丁寧な世界観が心地いいハイファンタジー

[12.28見終わって]
面白かったですよ♪
異世界ファンタジーが溢れてますけど、ファンタジー風味やなんちゃってファンタジーがほとんどで、こういう真面目にファンタジー世界を描いてくれてる作品は貴重なのかなと思いました。
世界観が丁寧でしっかりしてるところは高評価でした。
エルフやドワーフの性格の違いや、精霊を使うエルフの呪文、魔法を唱えるときにちゃんと字幕が出たり・・
キャラが話す言葉も独特の言い回しが多かったりして、字幕があったらいいなと思ったり。。でも雰囲気好きです。
ドワーフの王の末裔ルウの成長物語でもありましたね。最終話ではいい表情してました。
調べてみたら原作の第3部まで今回アニメ化されて、第4部もあるみたいですけど、後日談的なショート集みたいです。
機会があれば読んでみようかな。

[初回感想]
3人の不死者(アンデッド)に育てられたウィルが成長し旅立ち、最果てのパラディンと呼ばれる英雄になるお話。
これは2期になります。

世界観や人物相関の把握・理解のためにできれば1期からの視聴をおすすめしますが、2期から見ても楽しめると思いますので、試しに2期を見て気に入ったら1期を後追いで見てもいいと思います。

原作は小説家になろうで連載され文庫化されたライトノベルになります。
実は主人公は転生したみたいで、俗にいう異世界転生ものではあるんですが、同系統の他の作品よりもファンタジーの世界観がとても丁寧に描かれていて好感が持てます。

一方、世界観にこだわった結果、独特の言い回しがあったり雰囲気が地味だったりするところがあって苦手な人もいるかもしれません。

同時期にやってる葬送のフリーレンもハイファンタジーの良作ですけど、あれも結構落ち着いた雰囲気で好きなんですが、フリーレン好きな人にはぜひこちらも見ていただければなと思ったり。

個人的には良作だと思ってるんですがあまり人気がないみたいなので紹介も兼ねて感想を書こうと思いました。

1話「聖騎士と詩人」
{netabare}ウィルの声が変わりましたね。1期から2年たって声変わりしたそうです。私的にはこっちのほうが好みかな。
ウィルと吟遊詩人のビィのちょっとした冒険いいですね。
ビィの名もなき英雄の話、彼女が吟遊詩人になったきっかけ。いい話でした。ねーのよのしゃべり方もツボりましたw{/netabare}

2話「狂える森」
{netabare}デーモンや森の王のキャラデザいいですね。
相変わらず口が悪いバグリー神殿長wでも実はいい人なんですよね。
ハーフエルフのメネル。ウィルが亡くなった後も墓を守るって話、フリーレンを思い出しました。{/netabare}

3話「最後の王」
{netabare}くろがねの山に住んでいたドワーフたち。
デーモンとドラゴンに追われ、流浪の民となったドワーフの王の末裔ルウと最果てのパラディンの出会い。
ウィルの従者になるルウの決意の言葉とドワーフの老戦士ゲルレイズの若は死んだことと思うとの渋い言葉。
ん~。こういう真面目で渋い感じのファンタジー、いいと思います。{/netabare}

4話「勇気の意味」
{netabare}この作品、渋キャラ多いかも。
ドワーフのゲルレイズさんとか、寡黙な戦士レイストフさんとか。
レイストフさんの言葉も相変わらず渋くてかっこいい。
勇気とは何かと考えているうちはその答えは分からないだろうとか・・渋い。{/netabare}

投稿 : 2024/04/27
♥ : 16

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

地味で硬派でマジメなちゃんとしたファンタジー

一期に引き続き、マジメなファンタジーアニメ、派手さはないけど普通に面白くて、私は好きです
でもとにかく地味で無骨で硬派でマジメすぎて、イマイチ人気出ないのもわかる
主人公は仏様?ってくらいいい人すぎるし

迫力のある戦闘、驚くような展開、変わった設定、イケメンに美少女、ラブロマンス、サービスシーンそういったわかりやすい魅力は何もありません
でもそこがいいんですよ、作りこまれたハイファンタジーな世界観とキャラクター一人一人にしっかりフォーカスした丁寧な作りが好き

投稿 : 2024/04/27
♥ : 15
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