王子で陰謀なおすすめアニメランキング 12

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの王子で陰謀な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の王子で陰謀なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

83.1 1 王子で陰謀なアニメランキング1位
ACCA(アッカ)13区監察課(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (826)
3666人が棚に入れました
13の自治区に分かれた王国にあある、巨大統一組織"ACCA(アッカ)"。
かつてクーデターの危機により結成されたACCAは、国民の平和を守り続け100年が経とうとしていた。
ACCA本部の監察課副課長 ジーン・オータスは、「もらいタバコのジーン」の異名をもつ、組織きっての食えない男。
飄々とタバコを燻らせながら、13区を廻り不正がないか視察を行っている。
そんなジーンを見つめる視線、不穏な噂と――おやつの時間。
ジーンの平和な日常は、ゆっくりと世界の陰謀に巻き込まれていく!

声優・キャラクター
下野紘、津田健次郎、悠木碧、諏訪部順一、遊佐浩二、大川透、緑川光、安元洋貴、田中敦子、後藤ヒロキ、上田燿司、前野智昭、八代拓、宮野真守、上村祐翔、中尾隆聖、石塚運昇
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ローマは一日にしてならず、ぢゃ

原作未読


{netabare}“Kokuouheika 99 saino tanjoubi"

ローマ字かよ!{/netabare}

原作はナツメ、監督も夏目、OPAメロはケツメ(?)。OPが終ればおやつの時間。だいぶぬるめの立ち上がりでした。


黒基調のサムネと番組タイトルから受ける印象はなんか固そう。
そんな視聴前の先入観なんてどこ吹く風。オシャレでかっこよくて、でもどこかしら抜けてて、そしてたばことスイーツに満ち足りたお話でした。地上波再放送をきっかけに、途中から配信に切り替え一気に観ました。全12話です。

あらすじ:もともとは別々の国だった13の国が統一されたという経緯のある土地でクーデターが勃発。それを国王は各地方に高度な自治を認めることで平定。13区に分けられたドーワー王国のそれから99年後の世界が舞台です。平定後に発足した“ACCA(アッカ)"と呼ばれる組織の監察課に勤める職員ジーンオータスが主人公の物語。監察課というお役柄全国を飛び回ってます。そして降って湧いたクーデターの噂を耳にするところから物語が動き出し、徐々に巻き込まれていくというサスペンス系統に分類されるであろう作品です。
それでこの所属組織ACCAがなかなかパンチが利いていて、警察・消防・医療その他公共性の高い各分野を一手に担ってる強大な組織なんですが、、、
不採算でも畳めないですよね?収入源はどうなんすかね?そもそも民間に治安組織の手綱を握らせたらダメじゃん、それじゃ傭兵とか民兵じゃないですか(笑)
この設定のせいで第一印象が良くありません。企業(サラリーマン)なのか公共組織(役人)なのかで見立てが変わるからです。公に奉仕する公僕が組織の論理との狭間でどうバランスを取るのか?が面白いのに民間組織設定だと無理が生じるはずなんです。{netabare}案の定、組織の性格上かなんなのか民間ならではの営利目的な描写を匂わせることもなく、いや描くことが出来ずに役人寄りの展開で推移したのでだったらはじめから公務員でいーじゃん、と思いました。{/netabare}
またクーデター解決(鎮圧?)手段が各区の自治の担保って、それってクーデター成功と同義では?としっくりこなかった序盤です。

些末なことでしょう。が、大概そんな些細なところが没入感を削ぐものです。
イケメン二人が主役級。5長官がイケボ揃い。そして毎度のおやつタイムにオシャレな雰囲気。うーん、女子向けかな?
男子には妹(ロッタ)か本部長(モーブ)をあてがっとけば安パイだろうよ。
というアニメかと最初は思ってた節があります。まあそれも最初の2,3話くらいのこと。回を重ねる毎に面白くなっていきました。


なぜなら、ちょっと冗長そうに見えて実はテンポが良かったから。
{netabare}第1話がいい例でしょう。最初の視察地ファーマス区訪問がAパートで終了。だいたい初回なら1話丸々使ってもいいところをそうしません。{/netabare}
ゆったり進んでいるように見えて、原作全6巻のラストから逆算して12話を作りこんだのが容易に想像できます。これは完走した後に振り返ったり2周めいくとわかるかも。伏線やミスリードの宝庫だったりするのです。

“クーデターの首謀者は?目的は?”

この物語のストーリーラインの軸はクーデター騒ぎにかかる人の動きです。謎を提示し情報を小出しにしながら興味を引かせ、その横でおいしそうなものを食べてるロッタちゃん(CV悠木碧)を眺めて楽しむ感じ。シリアスと日常パートの按配が良く、テンポの良さも加わって飽きることはありません。
各区もさすが高度な自治を実現してるだけあって区毎の性格がまるで違います。バラエティに富む各区を眺めることも毎度の楽しみだったりしました。政体でいえば都市国家の集合体みたいな感じかしら?アメリカの州よりも独自性が高く、昔のドイツやイタリアのイメージに近いです。
名残が残っているのはイタリアでしょう。ヴェネツィアはもともと国だったと教科書で習った方も多いかと思います。イタリアも州毎の独自性やプライドが高く、サッカー代表アズーリよりもおらほの町のチームが大事みたいなところがあって、このへんの歴史的経緯も比較文化の観点で面白かったりしますが、本作のドーワー王国はそんな国家です。

いつも通り脱線したところで話を戻すと、キャラも脇役含め棲み分けが出来ていて名前もすぐ覚えられました。キャラ紹介は省略ね。


起承転結のある物語は“転”からが勝負だったりしますが、『ACCA』の場合は、その前段も退屈しませんでした。
そしてお待ちかね{netabare}の第8話{/netabare}。わりと早めにバカでかい“転”がやってきます。これ自分がこれまで観た中でもトップクラスの“転”の回です。テンポよく進んで詰め込まれた情報が一気に繋がる感じ。そしてまだまだ明かされない謎を残しつつ結末に期待をもたせる神回でした。
これまだ観てない人いましたらお薦めですよ。残り話数で上乗せしていき結末も納得できる終わり方。ほんと12話あっという間とはこのことだと思います。


以下、ネタバレ所感
■二度おいしい作品
完走してからもう一回リピートしたくなるのではないでしょうか?
{netabare}・「こっちは30年間見てる」(ニーノ第2話)
・第3話の成人祝賀パーティーって孫を一目見たかっただけなのね
・同じく第7話のケーキ屋さんお立ち寄りも孫とお話ししたかったのね
・りんごのケーキが最後出てきて泣きそうになった。ニーノぉ~(第8話){/netabare}
視点をジーンやロッタではない他の誰かに移して鑑賞すると見え方が変わります。

■クーデター騒ぎへの落とし前のつけ方
予想が当たった人も驚いた人も納得の終幕かもね
{netabare}我こそは正義!の推進力は強いものがあるものの、一番やらかすタイミングでもあります。路線がすでに出来上がっている中でのどんでん返し。痛快でした。{/netabare}


思えば、作品を彩ったスイーツ群もバラエティに富む各自治区の描写もサイドストーリーと思いきや、結末を迎えた後に振りかえると意味を持ったものが多くありました。
原作の出来が良いのでしょうか。予想の展開を心地よく裏切られながらハラハラドキドキ、良く練られた良作だったと私は思います。


■オマケ
アッカについてのあれやこれや。
{netabare}私事ですが趣味でイタリア語やってた時期がありました。ビジネスには全く役に立ちませんが、現地のトラットリアで意気投合しワインの一杯を奢られるくらいの実力があった時期があります。
でこのACCA。イタリア語で“H”の読みがアッカなんです。アルファベットで8番目。やけに気合の入った第8話を観了後、一人にやっとした次第です。スタッフの遊び心だったら素敵ですね。

それと、スペイン語やイタリア語などラテン語由来の言語ではHを発音しないものも多く、イタリア人は大の苦手。転じて“H”は取るに足らないもの、なくてもいいものといったニュアンスも。作中のACCAの置かれた立場を表してるかのようです。

最後にもう一つ。中田英寿というイタリアで活躍したサッカー選手がいました。愛称は『ヒデ』。現役の頃は『ナカ~タァ』で現地で通じたものですが、日本では何て呼ばれてんだで返した時に、彼らは『イデ』になっちゃってました(笑)
その彼の現地での情報発信のメルマガだったかがたしか『H(アッカ)』だったと思います。彼の性格からして、自分を取るに足らない者だなんて謙遜するはずもなく、「ちゃんと『ヒデ』って呼べや!」なんでしょうね、きっと。{/netabare}


{netabare}ムールのワイン蒸し(ベルギー)、チーズフォンデュ(スイス)、ドーワーのお城はドイツのあの有名なお城かしら?…といったヨーロッパの装いと、ハレ区は東洋、フラワウ区はアラブとさしずめ万国博覧会みたいなアニメでしたが、自分が抱いたイメージはなぜかイタリアでした。また行きたいな。{/netabare}



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視聴時期:2019年4月~6月 地上波再放送 


2019.06.18初稿
2019.12.09配点修正 +0.2

投稿 : 2024/06/01
♥ : 64

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

静かにゆっくりと進んでいくストーリーは、密室で立ち昇る紫煙のよう…

この作品の原作は未読です。正直最初は視聴を迷いましたが、悠木さんが出演される事を知り視聴を決めた作品です。

物語の舞台はドーワー王国…元々は国王による独裁制の国でしたが、かつて発生したクーデターを機に13の地区による自治制に生まれ変わった国が舞台となっています。

もう一つクーデターで変わったのは、ACCAと呼ばれる民間組織が立ち上げられた事です。
このACCAは、各自治区の運営状況をチェック…つまり監視する業務も行っており、この物語の主人公であるジーン・オータスはその監察課の副課長を担っています。

この監察課の仕事は個人の業務配分量が極端に異なっており、オータスは乗り物嫌いな課長に変わって全13区の監視状況を視察に行くという監察課の中でもハードワークを日々こなしています。

ACCAの業務は基本的に各自治区に身を置き、その地区に密着した仕事を基本としているので、各自治区を飛び回っているのは監察課だけ…
完走して振り返ってみると、これも立派な伏線でしたけれど。

物語の序盤は正直展開が良く分からない…が本音でした。
オータスが各自治区を視察して回る…そして各自治区は文化、生活、環境が全く異なっていて、どの地区もオータスへのねぎらいともてなしを欠かしません。

それだけ監察課が持っている力は絶大である事の裏返し…
まぁ、オータスが上層部に対して虚偽の報告をするとは思いませんが、万が一不正が発覚でもしたら、当該地区にとって有益な事は一つも無い事は間違いありませんので…

それにオータスは物腰は柔らかいものの要所で目が利くんです…
若くして監察課の副課長にまで上り詰めた理由の一つなのかもしれません。

もう一つ、この物語の舞台の特徴は、煙草が極めて高価な価格で売買されているという事です。
具体的な金額は分かりませんでしたが、趣味嗜好の範疇を超えていて富裕層にしか楽しめないモノになっているとの事でした。

それなら喫煙シーンはさぞかし少ないのでは…と思いきや、オータスが愛煙家なので喫煙シーンは結構な頻度で画面から流れてきます。
そして少し違和感を感じたのは、オータスが喫煙する煙草は人からの貰い煙草が多いんです。
富裕層の娯楽と化した煙草も1本だけならそう高くはないのかもしれません。

ですが、本当の愛煙家なら喫煙する煙草はちゃんと自分で買わなきゃ…と思ったのも事実です。
私は煙草は吸わないので、煙草に高額の税金が課せられても生活に変化は無い…と思っていましたが、この作品を視聴して思ったのは、必ずしも生活に変化が生じない事は無い…という事です。

本当の富裕層しか楽しめなくなってしまったら、喫煙人口が激減してしまいます。
個人的には昔に比べると圧倒的に値上がった印象がありますけれど…
喫煙人口の減少に伴い、税金の収入も比例して下がる事になります。
そうなると、これまで煙草の税金を投入していた部分に穴が開いてしまう事となり、結果的に非喫煙化の人たちにも影響が生じる可能性がある…という構図です。

でもこの作品で印象的だったのは煙草ではありません。
一つは結末に向けたあっと驚く展開と…妹のロッタ嬢です。

あっと驚く展開は本編でご確認頂きたいと思いますが、ロッタ嬢の魅力は是非伝えておきたいところです。
ロッタ嬢のCVは悠木さんなので、演技には期待だけしておけば全く問題ありません。
天真爛漫で少し危なげで思わず手を差し伸べたくなるようなキャラを見事に演じられています。
スイーツが大好き…お兄ちゃんに出張のお土産にパンをおねだりするくらいパンが大好き…
そして何より兄妹ともなんですが、どちらも優しく思い合っているのが手に取る様に伝わってくるんです。

この兄妹の事を考えると不思議な事もあるんです。
例えば、住んでいるのは高級セレブマンションの最上階…
ACCAは民間組織なので、公務員より給料は良いのかもしれませんが副課長クラスでそんな場所に住めるか…と考えると答えはクエスチョンです。

それにオータスもイケメンですが、ロッタ嬢の可愛らしさは群を抜いている上、佇まいも気品に満ち溢れているんです。
そんな二人の魅力の理由も本編で明らかになっていきます。
結構見どころの多い作品だったのではないでしょうか。

1クール12話の作品でした。
完走した最初の印象はとにかく痛快だった…という事です。
やっぱり世の中には完璧な筋書きは無いんだ…
仮にあったとしてもそれが実行できるかはまた別の問題なんだ…
そんな事を感じさせてくれる作品だったと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

オシャレな駆け引き

たまにはこういう作品もいいですね。

【どんな作品】
一言で言うならオシャレ。
甘い物やジャンクフード。お酒とたばこ。
主人公は推理力というよりは洞察力が鋭い。自分の事は抜けている。
主人公は大きな陰謀に巻き込まれていく。

【OPから溢れ出るオシャレ感】

この作品の魅力といえば、なんと言ってもオシャレなOP。

オープニングテーマは「Shadow and Truth」
作詞 Konnie Aoki / 作曲・編曲 高橋諒 / 歌 ONE III NOTES

ONE III NOTESというユニットはメンバーの高橋諒氏がACCAの世界観にインスパイアされ「ドーワー王国にもし人気バンドがいたら」というイメージで結成されたユニットだそうです。

最高に乗れる華麗なライミングからの、力強くカッコ良い女性ボーカルへの受け渡しがオシャレな心地良い曲です。

そしてOP映像のカッコよさも語らなければいけません。
この映像、実は伏線があったりすることが回を重ねるごとによく分かります。構図からある人物は重要になってくることが示唆されています。回を重ねると映像に変化があるので、気になる方はチェックしてみてください。

キャラクターの個性もOPで良く表しています。
ジーンならタバコと、制服・・・でしょうか(どのシーンでも仕事をしているという印象です)
ニーノならカメラとバイク
ロッタはケーキと、その姿にハートを射抜かれる男(笑)
他にもACCA監察課の局員が可愛くおやつを食べる姿や、ACCAの5長官と呼ばれる男達の生き様を表したような姿が印象的です。5長官のシーンとその時の曲歌詞とシンクロすると、ドーワー王国に何かしらの不穏な争いがあるようにイメージ出来てゾクっとワクワクしてきます。

【もらいタバコのジーン-登場人物の個性が良く出てる】
さて、この作品は登場人物の個性が魅力的です。

ジーンに関していえば、この世界ではとても高級品である「たばこ」を吸っていることです。それを人目を憚らず吸っていることからいえる彼の性格は、あまり人の目を気にしない。どこか抜けている。そんな彼が「最近、誰かに見られている気がする」という違和感を感じるのは、相当な人数の注目が集まっているという意味として捉えられるかもしれません。

「もらいタバコ」という言葉からも、彼はどこかでタバコをもらっている。裕福な誰かとつながりがある。つまり、それを見たジーンを知っている人は、彼の人間関係にミステリアスな部分を感じてしまうのが、ジーンの魅力なんだと思います。本人は聞かれないだけで、秘密にしているわけではないのが「ぬけている」(笑)
そして、1話の彼は、洞察力が鋭く、監察課に向いている。仕事は真面目だし、寡黙にこなす。ですが自分の事となるとどこか抜けているところがあるので、そのギャップも魅力です。

他の人物についても少し話しましょう。
ジーンの妹であるロッタ。「お菓子」が好きで、楽しそうに食べるその姿に純粋さを感じます。
ニーノはジーンの友達。「カメラ」が好きなのか、良く持ち歩いていますが、彼の職業や立ち位置を良く表している物だと思います。



【ジーンを取り巻く人間と陰謀-オシャレな会話劇】

ジーンは1話で5長官にある嫌疑をかけられ、密かに監視対象とされます。
その嫌疑はドーワー王国を揺るがす計画の物なのですが、ジーンは果たして疑いを晴らす行動を出来るのか?ジーンの知らないところで密かに彼の人間性を探られ「ジーンに嫌疑をかけたのは誰?」「計画の中心人物は?」という猜疑心が常に視聴者の心にあるのが、この作品の魅力です。
オシャレな会話劇に、腹の探りあいや察しあいが含まれ、視聴者を作品の深みへはめさせていきます。

ジーンは色々なドーワー王国の自治区をめぐり仕事をこなすのですが、そこから見えてくるドーワー王国の情勢、自治区による人間や状況の違い等も、世界観にはまる要素になっています。

【最後に-余韻が残る良い作品です】
この作品は再視聴して話の流れを再確認したいことが多いです。
裏で誰が何をやっているのか、登場人物の立ち位置がどうなっているのか。
作品を見ている途中で考えたくなる作品です。
タバコが取り上げられがちですがあくまでそれはジーンを表すキーワードでしかなく、話の中枢である「国を揺るがす陰謀」の影に期待感を膨らませながら、作品全体に感じる大人びた雰囲気を楽しんでいる作品です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 32

77.5 2 王子で陰謀なアニメランキング2位
王様ランキング アニメ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (461)
1459人が棚に入れました
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが“王様ランキング"である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

独特な絵柄による雰囲気だけのアニメ。

1クール目から微妙だったけど2クール目もやっぱり微妙だったかな。

↓1クール目時点感想
{netabare}
障害を抱えた主人公が旅したり色々する話。
正直この時点でもうきついが、主人公が「アウアウ」しか喋らないのがきつさを加速させてる。
で、3話とかそうだけど、その主人公ががんばってる様子を見せて感動させようとしてくる系の作品。
さらに毎回のようにキャラの泣き顔を映してくるのがキャラデザも相まって、感動の押し売り感がしてきつい。
つべにあがってるEDの公式動画のサムネとかもまさにそれ(曲自体はめっちゃいいけど)

感動ポルノだ!とか、感動ポルノだからだめだ!って言いたいんじゃなくて、単純にこういうのが気持ち悪く感じる。
まあ、24時間と何が違うんだとは思ったけど。

あと、耳聞こえないはずの主人公が普通に聞こえてるような行動を取りまくるって言うねw
ちゃんと手話をやってるシーンもあるんだがそうでないシーンの方が多いし、
ボッジ→カゲ以外の他のキャラとかも割と意思疎通ができてるみたいで。
耳聞こえない設定もしゃべれない設定も「かわいそう」感をだして感動させるためだけのものになってる。
11話で障害者を弱者と見ることへの批判をしてたけど、この作品がまさにそれなんだよね。

最近はまだマシだけど最初の方はほんとに見てられなかった。

で、最近になって感動させようとしてる感はなくなって見られるようにはなってきたが...
特段これと言って面白い要素、いい点がない。
作画がいいのとデザインが独特なので面白そうな雰囲気は出てるがそんなことはない。
だらだらと話が進んでいくだけ。
主人公が剣の特訓をして最終的に針のような剣を扱えるようになる、とか展開自体はいいんだが、なぜ過程をちゃんと描かない?ってなった。
丁寧そうに見えてあまり丁寧ではない。
同じような感じのアニメにしても、まだ不滅のあなたへの方が面白かったと思う。
まあとは言え感動させようとして来なければ不快感はまだマシなので(正直主人公はきついが)2クール目でたぶん少しは評価上がるかな。

2話のカゲの話はめっちゃよかったと思います。
あと、11話も序盤のダイダのところは結構良かったかな。
EDは名曲だと思う。

どうでもいいけど、無職信者が複垢でこの作品に☆1評価連投しまくってますね。思ったより評価低いと思ったら。

↓一話毎メモ(1~11)
{netabare}
1話 ☆0
OPなんて? 気の抜けた炭酸みたいな声だな、全く聞こえん。
もっといい歌手を...
障害者主人公かよ...。耳が聞こえないとは。
ああ、こいつとだけ話せるのか。
国民がこんなに王子バカにしてるけど王様は何も反応なしかよ。
何で入れって聞こえてるの?
普通に言葉通じてて草。
障害感強調されたらこれは切り候補かも。
EDはめっちゃいいな。

2話 ☆9
これよく名前聞くKing Gnuなのか。
何でこんな歌手が流行ってるんだか。
過去回引っ張らないスタイルか。
こっちの方が戦い方汚いじゃん。
カゲだけでいいな。主人公いるときつい

3話 ☆1
暗殺されそう。
は?主人公耳聞こえるか聞こえないかどっちだよ。
まあそりゃ王はきついでしょ。
ボッジの力になりたいっていうと第二皇子を暗殺するのが目的ってとらえられそう。
槍使い強い。駄目だ、主人公きつすぎる。
いや死ぬだろw 
神様になった日最終回がボロクソ言われてこのアニメが絶賛されるのはなぜ?w

4話 ☆4
今回は手話ちゃんとやってていい。24時間やん。
旅だったんじゃないの? 回想声聞こえてて草。
カゲってあの手みたいなやつで手話やってたん。
ほんと主人公きっついわ。

5話 ☆7
再会早すぎ。弟のキャラいいじゃん。
ボッジを裏切ったから信頼できないと。
きたない 焼き鳥 洗脳開始w 
けどボッジとの戦闘で不正してたよね。
ボッジが力を奪われた巨人で、カゲが神に姿を変えられた存在?
腕がああああ王の力があああ
ボッジがいなければ面白い

6話 ☆5
だからなんで主人公悲しんでんだよ、言葉通じないんじゃねーの?
アウアウやめて
ダイダのキャラはめっちゃいいと思う。
主人公の期待に沿うよう努力したり。
これほんと話普通だよな、まだ不滅の方が展開凝ってて面白かったと思う

7話 ☆3
見える子 いや草、言葉めっちゃ通じとるやんけ。
紫色料理の昭和ギャグおもんないからやめろ。
主人公がきっつい。
まあ孤独な方が訓練には向いてるわな。

8話 ☆6
腹から声出せ。なんだこいつ
世界一強いのボッジか? 

9話 ☆6
父さんクズ過ぎません?w
母はもっとキレろ

10話 ☆5
刺されそう
お前はもう死んでいるとかいいそう。
キャラの泣き顔毎回写されるのがきつい。

11話 ☆7
ここは障害者を弱者とすることへの批判なのね。
だけどこの作品は障害者を弱者として描いてる気がする。
不滅で見た。戦えるんか?

曲評価(好み)
OP「BOY」☆4
ED「Oz.」☆9
{/netabare}
{/netabare}

↓2クール目視聴後感想
{netabare}
1クール目の時はお涙頂戴感がきつくて酷評したが、2クール目ではそれほどお涙頂戴感はなくて普通に不快感無くみられるようになった。
ただ、それと引き換えにもともと大して面白くなかったストーリーがさらに酷くなって本当に酷い有様になってた。

まず何と言っても尺のさき方が酷い。1クール目の最初の方からやってたミランジョの話がまさか最終話まで引っ張られるとは思わなかった。実際やってる内容もミランジョとボッスが子を犠牲にして生き延びようとしているのをみんなで阻止するという内容だけなのになんでこんなに引っ張られるのか。
特にオウケンVSボッジたちの戦いはほんとに毎回はよ終われと思いながら見てた。あの戦闘のダレ具合は本当に酷い。
かと思えば、途中で主人公が特訓して戦いに参加できる力を身に着けようとするパートはめっちゃ短い。
短いというかちょっと特訓しただけで最強格ぐらいにまで成長してると言うw
なろう系かよって言いたくなるしこういうパートこそ尺割けばいいのにって思う。本当にいきなり強くなりすぎていて面白みがない。

それと「○○が死にそう!」からの回復魔法での復活コンボがマジで面白くない。
最後の方はもうボッジが切られてもその他大勢が大けがをしても「どうせ生き返るんだろうな...」って思えて茶番にしか見えなくなった。
で、案の定誰も死なないし、この作者はキャラを殺せないんだろうなって。
転スラ二期の前半の死者回復展開も酷かったけど、あっちの方がまだ過程がかなりあったぶんこれに比べると数倍はマシだったと思う。なろう系以下。
子供向けアニメみたいな全員集合からの集団戦闘とか、戦いが終わった後の子供向けみたいな大団円も寒い。そういうノリを何回も見せられた気がする。

それで、ボッスとミランジョの話はどうかと言うと、引っ張った割に結局ボッス側に正義は一切なくボッスはただ自分の保身のためにボッジやダイダを利用しただけのただの悪人で、この作品全体を通してやったのはただの勧善懲悪だったっていう。子供向け作品でももっとマシなんじゃないか?
で、ミランジョもなぜか命を取り留めて王のダイダが婚姻を結ぶという。
ミランジョは国に多大な被害も与えてたんだし、処分なしじゃダメでしょって。
で、揚げ句の果てには最終回でまたも不死身のオウケンが復活して...。
これ原作だとこのあともまだgdgdとオウケンと戦ってるんだろうか...。

このアニメ、WIT STUDIOが作っていて作画がすごいのと、絵柄が独特なこともあって名作っぽさがあるから持ち上げられているだけで、これがもしJ.C.STAFFでなろう系っぽい絵柄だったらこんなに評価されてなかったと思いますね。

2クール目のオープニングは本当に良かったと思います。
EDは1クール目が圧倒的だけど。

↓一話毎メモ(12~23)
{netabare}
12話 ☆6
総集編? 嫌いなシーンばかり切り取られてるw
馬の話だけ面白い。こっちのおじさんは許されるのね。

13話 ☆5
最高のOP。ヒリング逃げろやw 
魔法的なのあるのかよ。はよ逃げろ。
ミランジョ何がしたいんだ? 食うの遅くね?
お前らどうせ噛ませだろw 

14話 ☆6
アウアウきっつ。草、なろう系じゃん。
何でその針折れないんだよw
なるほど、言葉はそれで通じてるのか。

15話 ☆3
つまんねえ。え? シリアスにすべきとこでギャグシーンw
なんでこいつら戦ってんの? 

16話 ☆6
泣き顔写すのきつい。まあ許せんわな。
あの変態騎士どう絡んでくるんだ? 

17話 ☆4
ボッジ強すぎんかw
戦闘は面白いんだけど戦う意味ないよねこれ...。
なんかずっとgdgd進行してるイメージがある。

18話 ☆3
は? ポーション、治癒魔法とか言うなろうのご都合主義アイテムが本当に面白くない。アピスは殺しとけよって思う。
どんな国だよ。そうはならんやろ。
ピンチの時に誰かが駆けつけるパターン多すぎない?
ラストは面白かったな。

19話 ☆3
ほんとOPは神なんだよな。進撃の巨人かよw
これまた治癒魔法くる?w 三途の川 テンプレ展開
このだるくなりがちな展開のわりには短くていいな。
これ妄想の世界なんでしょ?感動できないよ。結局助け来るのかよw
やっぱり回復魔法なのね、面白くない。
オウケンが主人公モード入るの草。まあ戦闘は面白いかな。

20話 ☆2
どうやって見せたんだよw
そろそろ死ぬ死ぬ詐欺やめて誰か退場しろよ。
はーつっまんねww なろう系もびっくりだわww
転スラ以下だろこれw 転スラの復活でももっと過程踏んでたぞ。
てかそもそもVSオウケン間延びしすぎでしょ。戦う意味ある? 

21話 ☆4
ボッスゴミすぎやろ。進撃の巨人。
強くなりすぎやろw 略してオウケン なろう主人公
こいつら結局何がしたってん。
子役嫌い。地獄にでも落ちた?

22話 ☆5
また過去回やるんか。落ちる先が手のひらでも死ぬやろw
妻になってくれは唐突すぎる。オウケンいつか助かるんか?
こいつら最終回直前に何する気なんや。

23話 ☆3
ここは決闘のやり直ししろよw そうはならんやろ
ええ、ここでオウケン生き返らせるんかよ。
もう展開が滅茶苦茶。オウケンどこまで引っ張るの
いや結局王位譲るの? ああ、自分で国を作るのね。

曲評価(好み)
OP2「裸の勇者」☆9.5
ED2「Flare」☆5.5
23話挿入曲「」☆6
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ボタンの掛け違い

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
良いアニメだと思います。

基本は、「少年の成長と旅立ち」という、超王道のストーリー。一見すると、NHKやジブリでも通用しそうな、安心安全の世界観。

ただそこに、多くの不幸や悲しみ、残酷な現実なども混ざり合い、単なる児童アニメにはない深みがあります。大人でも楽しめるというか、大人だから楽しめるというか。

本作は考察しがいがあるアニメなので、久々に考察系で真面目に書いてみました。主に、人物描写について思うことを書きました。相変わらずクソ長いので、大変申し訳なくは思います(苦笑)。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
本作の特徴として、登場人物が「全員不幸を背負っている」「全員他者のために動いている」ことと、それが、「どれもこれも上手くいっていない」ことがあると思う。

例えるなら、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」のようなものだろうか。尤も、「賢者の贈り物」に比べれば、清廉でもないし、幸福でもないけれど。

私は、本作の面白いところは、人物描写の巧みさにあるように思っていて、どの人物も実に「人間らしい」のだ。

日頃から、高い教養と倫理性、社会的制限の元に生み出されたキャラクターを見慣れている我々現代人は、ついついキャラクターに整合性を求めてしまう。しかし、本来の人間は「支離滅裂」なことが普通なわけで。近代の純文学などでは、そういう人物描写がよくみられた。

利己的で、情動的で、短絡的な人間。それでも、100%の悪人とは断罪しきれない人間。大宰作品なんかが分かりやすい。

本作のキャラクターが、なぜ、他人のために動いているのに、誰も上手くいってないかというと、「他人のため」がいつの間にか「自分のため(自己救済)」になってしまっているからではないだろうか。多分、本人すら気付かないうちに。

皆さんの身の回りにもいませんか? 人を救うのが趣味や生き甲斐みたいになっていて、それはとても素敵なことなんだけれど、ちょっとウザがられている人。

簡単に言えば、「余計なお世話」。

論語に、「己の欲せざる所は人に施すこと勿れ」という有名な一節がある。幼小中学校の先生は当たり前のように「自分がやられて嫌なことは人にやるな」「もし自分がやられたらどうか考えてみなさい」と言うが、これは間違いとまでは言わないが、正しくはないと思っている。

本来は、「人の欲せざる所は人に施すこと勿れ」だ。「己の~」は、あくまで価値観が自分の側にある。自分が良いか悪いかはさておき、本来は、「その相手」がどう感じるかを見とる洞察力や想像力こそが、正しい意味での優しさなんだと思っている。

本作の登場人物は、正にこの「余計なお世話」が多い。特に、

ミランジョがボッスを子に転生させようとすること。ボッスがミランジョの魂を救おうとすること。

の2つは分かりやすい。どちらも別に、(今となっては)本人は特に望んでいない。そして、ミランジョがボッスを転生させたいのも、「自分がボッスと共に永久に生きたい」からだし、ボッスがミランジョを救おうとするのは、「自責の念」からだ。彼らはそれを死の間際に気付くけれど、それまでは「相手のため」を免罪符に、悪行の限りを尽くす。

なぜこうなったかというと、ボッスもミランジョも、過去に大きな悲しみを背負っており、そうして胸に空いた穴を、「何か」で埋めなければならなかったから。2人にとってそれは、「互いを救う」ことだった。(宗教なんかもそうだけど、本当に怖いのは、ご立派な大義名分の為にどんな手段でも正当化してしまう、どこまでも盲目的で利己的な人間なんだと思った)

これは、本作のヒロインとも言える活躍をした、ヒリングにしても、少しそういう部分が見える(ちなみに、私が本作で一番好きなキャラはヒリングです)。

序盤、ヒリングがボッジに冷たくあたっていたのは、「無能」な「我が息子」が王位につくことで、かえって苦しむのではないかという、親心(愛情)から。実に母親らしい思考。ただ、ボッジは単純に王になることを応援して欲しかった。

一方、ダイダは、母から「王への期待」をかけられているが、それは、「ボッジの代わり」であり、「ボッジを救う手段」だと(ヒリングの深層心理に)気付いていた(だって、ヒリングの性格上、もしボッジが優秀だったら、実子という理由だけではダイダを王には推薦しないだろう)。

正に、「代打」だと自分を卑下していたのである(本当は優秀だから、期待され、手をかけられなかっただけだが)。

だから、必要以上にボッジを見下し、いじめたのだ。あれは、母親の愛を独占したいという寂しさや、母の深い愛を受けるボッジに対する劣等感からの行動なのだろう(基本的にいじめっ子は、親からの愛情が不足している者がなりやすいという研究結果もある)。

ヒリングがあそこまで息子に大きな愛情を抱いたのも、実は、夫であるボッスからの愛情不足があるのだと思う。2人の夫婦間系は破綻までいっておらず、表面上は良いのもしれないが、実は、冷え込んでいる。

だって、旦那は仕事(王様)ばかりに熱心で、自分以上に亡妻を愛していて、更に心のど真ん中には別の女(ミランジョ)がいる。旦那はそれを上手く隠しているつもりだろうが、女性はそういうところに敏感だ。

ヒリングは根が良い人なので、そういう「満たされない思い」を「子に愛情を注ぐ」ことで埋めていたし、ダイダも、「足りない母の愛」を「ミランジョに頼る」ことで埋めていた。こういう歪なバランスの上で安定している関係は、何か1つのキッカケで崩壊するものだ。

だからまあ、最終話でダイダはミランジョを妻とし、ヒリングはドルーシと良い感じになったのだろう。ダイダのような男が、母性的なものを求めて姉さん女房をもらうのも、ヒリングのような女性が、無骨だが一途に自分だけを思う男性に惚れるのも、ままあることだろう。

この辺の背景を絡めないと、最終話の突然の展開に驚き、場合によっては嫌悪を抱くかもしれないが、私は、本作を「弱き、哀しき、不完全な」大宰的なキャラによる話と捉えていたため、そういう「利己的で、情動的で、短絡的な人間」を愛おしいと思った(これは、近代文学好きならではの歪んだ思考ですねw)。

私は、人間らしい人間が好きだ。そして本作のキャラクターは、実に人間らしい。

話は少しずれてしまったが、ドーマスがボッジに寄せる思いと行動も、デスハーやデスパーがオウケンに寄せる思いと行動も、本人の願いとは少しずつズレているように感じ、

「本質的に優しい人間達の、他者を思いやる尊い行動が、悲しみを背負うことで僅かに感覚を狂わせ、まるでボタンを掛け違うように、悲劇を生み出してしまった話」

のように感じた。これが、本作における主たる感想である。

さて、そんな中、主人公のボッジだけは、「他者の理屈」で動いている。アドラー心理学によると、「共感とは、自分の価値観に合うものを見つけるのではなく、他者の価値観で物事を見聞きすること」だそうだ。

ボッジは、耳が聞こえないため、幼少期から周りを見渡す洞察力に長けていた。そして、口がきけないため、自分の思いを表現することが苦手になった。さらに、力が弱くいじめられたため、他者の弱さに寛容になり、共感的に他者を受け入れる素養をもった。

穿った見方をすれば、それが彼なりの「処世術」だったのかもしれない。

そんな彼が歪まなかったのは、彼が多くの愛情に包まれていたから。父、母からの愛情。継母からの愛情。師匠からの愛情。そして唯一足りなかった、友からの愛情。

それらは一部を除き、本質的な意味では「無償の愛」とは言えなかったが、ボッジはそれを最大限好意的に受け入れている。一昔前、「鈍感力」という言葉が流行ったが、その力が強いのだろうか。

確かに、多くの愛情を受けた子供は、他者を受け入れ、自分を見失わない。多くの挑戦と失敗が出来る。

それはそうのだが、如何せん、ボッジの境遇の辛さと、彼の人柄の良さが乖離しすぎていて、ここに「ご都合主義」を感じてしまった方も多いのではないだろうか。私はそうである。

私は本作を「純文学のような人間らしいキャラに魅力がある」と評したが、そういう意味で、一番「人間らしくない」のがボッジである。

たくさんの人物の歪みや悲しみを、まるでスポンジのように一手に引き受け、包んでしまう優しさ。それはもう、「王の器」を飛び越えて、「神の器」とすら思ってしまう。

ボッジが子供だったのもいけなかったのかもしれない。本来、子供なんて自分の理不尽を周りに撒き散らすのが役割で、それを受け入れるのが大人の役目なのに、本作はその逆。そこが、自分的には一番受け入れ難い部分だった(よって☆4)。

それだけに、ボッジがドーマスに見せた、恐怖と怒りの感情は、大変見応えがあったし、ボッジを「人」らしくしてくれた。ああいう場面が、もう少しあっても良かったと思う。

いや、なにも「歪んだ主人公」を見たいわけではない。性急すぎるのだ。ボッジの最終形態は今のボッジで良いとして、「強さ」も「優しさ」も、もっと時間をかけて獲得して欲しかったのである。

私は本作を観始めた頃は、「ジブリに、2時間映画にまとめてほしい」と思ったが、途中から、「世界名作劇場みたく、1年はやってほしい」と思うようになった。

本当は、ボッジとカゲの友情を丁寧に描き、たくさんの街を旅し、幾人もの「善」や「悪」に触れながら、葛藤し、次第に成長するボッジが観たかった。

尤もそれは、「今後」に描かれる部分だろうし、むしろそれかそが作品の主題で「王様ランキング」に関わるのだろう。

そういう意味で、作品のエピソード0(旅立ちの前)だけでここまで描き切れている本作は非常に優秀な作品だし、今後に期待がもてる作品だと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

以前はネットの漫画広告でよく見た

弱すぎる上に難聴のハンディキャップを抱えた国王の息子ボッジの話。
カゲとの出会いもまた重要。彼もまた苦難の道を歩んできている。

冒険譚だったり、途中裏切りのようなよく分からない展開だったり。
なんだかんだ息子想い・兄想いだったりと登場人物の想いが錯綜しまくりで途中、混乱したが、素直に面白いと感じた。
一応、登場人物の名前が彼らの本質を表しているみたいだ。

{netabare}ボッジが巨人の息子なのに小さくて非力なのは父である国王の望みが原因だったとは。これが物語の引き金になったようなものか。せっかく、息子にも素質があるはずだったのにね。前母の死は辛かった。継母が横暴に見せかけて凄く優しくて息子想いなのは良かったけど。{/netabare}

不老不死マンの問題も解決しといてよね。
結婚の話は予想もしておらず、驚いた。


OP
BOY King Gnu
裸の勇者 Vaundy
ED
Oz. yama
Flare milet
よく見かける歌手を集めた感じ。安定している。
中でもKing Gnuとmiletが良かったと思う。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが〝王様ランキング〟である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす―――― 。


第一話 裸の王子
生まれつき耳が聞こえず、口もきけず、まともに剣すら振れぬほど非力なボッジは、第一王子でありながら、家臣や民衆から「王の器ではない」と蔑まれていた。そんなある日、暗殺集団「影の一族」の生き残りのカゲと出会ったボッジは、着ていた服をだまし取られてしまう。

第二話 王子とカゲ
幼いころから盗みを生業として生きてきたカゲ。金目のものを盗むためにボッジの後をつけ城に忍び込むが、ボッス王国四天王の一人・ベビンに見つかってしまう。一方ボッジは、異母兄弟であるダイダと手合わせをすることに・・・

第三話 新しい国王
ボッス王が亡くなり、遺言で王の跡を継ぐこととなるボッジ。しかし、ヒリングにより遺言は覆され、新国王はダイダと発表されてしまう。そしてカゲもボッジの前から姿を消し、ベビンはカゲを探すボッジに「カゲは旅に出たので二度と会えない」と告げる。失意のボッジはとある行動に出る。

第四話 初めての旅
ドーマス、ホクロと共に道中の自然を満喫しながら旅を楽しむボッジだったが、買い出しに訪れた町でカバンを盗まれてしまう。一方、新国王となったダイダの元には、新たにランクを付けるため王様ランキング協会の審査員が訪れていた。

第五話 からみあう陰謀
ドーマスによって冥府に続く穴に突き落とされたボッジ。ドーマスは罪の意識にさいなまれながら、一人その場を後にする。そしてボッス王国では、魔法の鏡によって、ダイダがボッス王の力を手に入れるための儀式が行われていた・・・

第六話 冥府の王
冥府の王・デスハーのもとに連れていかれるボッジとカゲ。ボッジを強くしてもらうために探していた人物がデスハーだと思ったカゲは、ボッジを鍛えて欲しいと頼み込む。ボッジは、その実力を見せるため冥府騎士団の隊長と手合わせをすることに。

第七話 王子の弟子入り
デスハーの弟・デスパーに弟子入りし、カゲと共に家事をこなしながら住み込みで修行をすることになったボッジ。一方、ボッス王国では、復活の秘薬を無理やり飲まされていたダイダの体に異変が起こっていた・・・

第八話 夢のいけにえ
ボッス王の強さの秘密と、ボッスとシーナの出会いが明かされる。ダイダの体をのっとることで復活を果たしたボッスは、魔法の鏡に「今、世界で一番強い人物」を問う。鏡に映ったその人物とは・・・

第九話 王妃と盾
ダイダの体をのっとったボッスと対面した王妃ヒリングは、ショックのあまり気絶してしまう。倒れたヒリングに襲い掛かる魔獣。ヒリングを守らんと応戦するドルーシは、かつてボッス王から王妃の護衛を命じられた日のことを思い出す・・・

第十話 王子の剣
デスパー奥義免許皆伝を祝うため酒場に出かけたボッジ、カゲ、デスパー。楽しく食事をしていると暴れん坊・アバン三兄弟に絡まれてしまう。相手にせず食事を続ける三人だったが、悪口を言われたデスパーがとうとう相手を殴ってしまい・・・

第十一話 兄と弟
成長するにつれ、兄・ボッジを弱者だと見下すようになっていったダイダ。どことも知れない暗闇の中で助けを待ちながら、過去の自分を思い返し後悔するダイダの前に一人の少女が現れる。

第十二話 戦いの足音
冥府での修行を終え、帰国の途につくボッジたち。一方ヒリングたちは、精鋭を集め、一足先にボッス王国へ差し掛かろうとしていた。その頃ボッス王国では、何者かの手引きにより、凶悪な冥府の罪人たちが城内に引き入れられていたのだった。

第十三話 王国の乱れ
「この国を滅ぼしたい――」明かされたミランジョの望み。それを阻もうと立ち向かうドルーシたちを、冥府の魔物、そして罪人たちが襲う。ヒリングを守るべく奮闘するドルーシだが、強敵たちを前に劣勢を強いられる・・・

第十四話 王子の帰還
魔物たちと壮絶な戦いを繰り広げるドルーシ。しかし健闘もむなしく、瀕死の重傷を負ってしまう。ドルーシを治療するヒリングにギガンが迫る。窮地に陥る一同の前に思いがけない救世主が現れる。

第十五話 冥府騎士団
魔法が解け、正気に戻った冥府の魔物たちを冥府に帰すべく、ボッジたちは城の地下にあるという入り口へと向かう。一方、一足先にその入り口を壊すために地下へと入ったドーマスとホクロを待ち受けていたのは、逃げた罪人を追ってボッス王国に攻め入ってきた最強の冥府騎士団であった。

第十六話 王の威厳
デスハーが明かした黒幕の名は、ミランジョ。その名を聞いたボッジの中に、幼い頃のシーナとの記憶が蘇る。ギガンを捕らえ冥府へと連行しようとする冥府騎士団の前に立ちはだかるボッジたちだが、デスハーはギガンの過去、そして彼の犯した罪を語り始める。

第十七話 不死の呪い
かつて冥府を治めた王、サトゥン。その息子であるデスハー、デスパー、オウケンたち兄弟は、それぞれが超能力をその身に秘めていた。ボッス王の城で罪人たちを探すボッジとカゲの前に、不老不死の力を持つオウケンが立ちはだかる・・・

第十八話 神々との争い
冥府の罪人たちに自ら捕らえられたボッス。牢屋へとやってきたベビンは、ボッスにその真意を問いかける。ボッスが語り始めたのはミランジョとの出会い、そしてホウマ国とギャクザ国という2つの国の悲しい過去だった。

第十九話 最後の砦
オウケンとの戦いで瀕死の重傷を負ったデスパー、ボッジ、カゲ。三人が目を覚ますと、そこは大きな川の流れる不思議な世界だった。一方、残されたミツマタに斬り掛かるオウケン。その窮地に、ボッス王国四天王が駆け付ける——

第二十話 “不死身” 対 ”無敵”
大きな川のほとりでミランジョの悲劇的な過去を知るボッジ。そして、ミランジョの心が揺れ始める。生の世界へと戻ったボッジ、カゲ、デスパーの前に現れたボッスは、瀕死のボッジに向かい、こん棒を振り上げる・・・

第二十一話 王の剣
不死身のオウケンを圧倒的な力で打ち負かすボッス。最強であることを見せつけるボッスに、ボッジはダイダの体を取り戻すため、決死の覚悟で挑み、王としてその剣をふるう。

第二十二話 魔神との約束
ボッジの手によって魔法の鏡は割られ、ボッスの魂は天へと昇っていく。そしてボッスからミランジョを託されたダイダは、現れた魔神にある願いを告げる。

第二十三話 王様と太陽
ミランジョとの結婚を発表し、これまでに犯した過ちを償うことを誓うダイダ。その真摯な姿に四天王たち臣下は驚き、思いに応えようとする。そして、新たな王が誕生する。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

68.6 3 王子で陰謀なアニメランキング3位
天才王子の赤字国家再生術(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (282)
884人が棚に入れました
覇権国家の脅威に晒される弱小国家・ナトラ王国。 若くして国を背負うことになった王子・ウェインは、補佐官のニニムに支えられながら、才能を活かした見事な手腕を発揮し始める。 でも、この国……めちゃくちゃ詰んでる! 内政に手を入れようにも金がない。 よそから奪おうにも軍事力がない。 まともで優秀な人材は他国に流出してしまう。 「早く国売ってトンズラしてえ」 ウェインの願いは、とっとと隠居して悠々自適の生活を送ること。 大国に媚びを売り、国を売れば夢が叶うはず。 しかし、外交も軍事も予想外の方向へ転がってしまい……!? 知恵と機転で世界を揺るがす 天才王子の弱小国家マネジメント、ここに開幕!
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ガバガバというかご都合主義と言うか。

{netabare}
タイトル見たときはなろう系だけどもうしかしたら好みかもと思ったけど、やっぱりなろう感がきついのとガバガバさが目立ってて合わなかった。

だいたい主人公に都合が無駄に良くて、なんでそれを警戒してないんだよ、とかなんでそんなやすやすと相手の目の前に現れられるんだよとかツッコミを入れたくなる。
そもそも急に相手の前に出向いたり、滅茶苦茶な行動を取る割に、その発想に至る経緯とか理由が全然なくて、物語が主人公に合わせて動いてる感があった。
もう内容もあんまり覚えてないけど、一個覚えてるのは面会の場でヒロインが貶されたからという理由だけでその場で即対面相手を暗殺するやつ。あれは無策にもほどがあるし笑った。天才要素とはって感じ。

好みは分かれそうだけど、このアニメのノリは個人的には結構好きだったかもしれない。
それと、たまに戦略がしっかりとしている部分もあって、回によってはいい回もあった。それと、キャラデザはかなり好み。

↓一話毎メモ(意外と結構書いてた)
{netabare}
1話 ☆2
これもゴミそう。キャラデザはかわいい。なろうタウン。
なろうタウンw すでに面白くない。てか入りカットするなって。
わけわからん。
精霊幻想記は割とキャラアニメとして序盤楽しめたんだけど違いってなんなんだろうなぁ。これはその見方も無理だわ。
また俺なんかやっちゃいました? きっつ。
おいそのチェスみたいなやつで作画節約するな。あほくさ。
鵯越の逆落とし?w どうせ行かないんでしょ。
金鉱山に攻めるまでの流れもおもんないわ。こんな雑な展開ある?

2話 ☆7
キャラデザ可愛い。OPやなぎなぎだけで良くない?
いや攻めるところカットかよ。こんなガバガバ政策やるのどこが天才だよw 
てかそんなノリで金鉱攻めるとか全く現実味がないんだよ。
いやなんで本国側も金鉱の枯渇に気づいてないの?
チェスで手抜きするな。鎌倉か?w
いや、何で誰も監視してないんだよ。
丸太を山から転がす作戦は面白かった。
これで勝ったと思うなよー いやどうやって忍び込んだしw
なんで自ら攻め入ってるw 今回普通に面白かったな。

3話 ☆5
その昔の話をちゃんとやってくれ...。
昔話的に語られてもあんまり。君スライム300にいなかった?
王族らしい行動しろ。キャラデザが可愛い。
エミリアみたいな服だな。最後の回想は良かったな。

4話 ☆5
あのセリフの伏線回収いいな。そういうことか。
ことはありません(大嘘) 何やってんだよw ギャグアニメ? 
 
5話 ☆7
心の声いる? 僕の王の力がああああ 意外と戦術がしっかりとしてるのな。これ以外と面白いかも。要するにカプ厨。

6話 ☆8
白髪好きだけどこのキャラは黒の方が似合ってる感あるわ。
草。最初の下りちょっと面白かったわ。
今回内容まともだな。面白いじゃん。

7話 ☆2
ヨーロッパかな
草、いきなり暗殺を決めるとかむ計画にもほどがあるw
ほんと礼儀に反する ダメだこのアニメ最近面白いと思ったけど
知的な主人公と思ってたけど、こんな場で、こんな立場で感情を優先させるのは頭おかしいよな。この様でどこに才覚があるんだよ 

8話 ☆3
政治はお遊びじゃないんだぞ。そんな雑に会議に出席する人を決めるなw
ロアはしっかりと戦略だってるけど何だろうこのお遊び感。
しっかりと見返りを求めるのはいい。フ
ラーニャの成長のために会議出席させるって...。
その程度にしか思われてないってことなのね。
さすがにこの白髪あほすぎやろ。決められるわけないだろw
お前小国に怯え取るやろ。何で来るんだよwwww
キャラの行動言動すべてに違和感。

9話 ☆4
火曜日のアニメ地獄すぎるw 何で来たんだよw 王子なんで見限られてるんだ なんで毒見抜けた? あほくさw
毒で死んでないのかよw よそ者が出しゃばるな。まあ演説自体は良かったけども。主人公どこでもドア持ってる?

10話 ☆6
自殺に持っていくのは無理があるだろw
虚構推理。そんなにうまく偽装できるわけねーだろw
できるならだれかすでにやってるわw
都合がいい。ああ、ゼノとゼノヴィア同一人物なのか。

11話 ☆4
ゼノヴィアもイキリ出した。ばれてるじゃんw OPカットするな。
裏切られそう。食レポアニメ
ソルジェストの王めっちゃクズキャラな見た目なのにいい奴だな。
むしろソルジェストと責める予定の国が組んでるんじゃないかw
いや、おかしいだろw 責める理由が。

12話 ☆5
は? 屁理屈じゃんw そうはならんやろw バックアロウで見た。

OP「LEVEL」☆8
ED「ヒトリとキミと」☆8
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

天才ではないが人間としての大切な点はわきまえている王子かも

この物語は父親が急病のために16歳で急遽、摂政として国政を任されることになったナトラ国の王子、ウェインの物語です。
真面目に見ようとすると呆れますが、気楽に見ると、けっこう楽しめます。


ウェインは国政に興味ありません。国を売却してそのお金で余生を過ごすことのみ考えています。
隣国との戦が起きた際は、ちょこちょこと小競り合いをした後で休戦協定を結ぶ目論見でした。
しかし、予想に反して勝ってしまった。部下たちが予想以上に頑張ったためです。

部下たちの多くは、この勢いに乗り進撃すべきだと主張し続けます。
戦が好きでないウェインは、部下たちに撤収を発言させるため、絶対に勝つ見込みが無い金鉱脈を次の目標とします。
これで部下たちが猛反対して軍を撤収する目論見でした。
しかし、部下たちはこの目標を決めたウェイン王子を『先見性に優れた王子』と尊敬し、この金鉱山を攻略するのです。結果として勝利して自国の領土と資産が拡大します。

こんな感じで、この物語では、楽してどんどん領土が拡大していきます。
『天才王子』とありますが、そんな天才ではありません。仲の良い妹の行動すら予測できない平凡な王子です。

第一話や第二話は、稚拙な戦の話なので笑うことはできますが、頭脳戦を期待されている方は、内容を知ると呆然とするでしょう。

しかし、
ウェインは、人間としての大切な点をわきまえています…多分(^_^;)

一つは5千人もの兵士の顔と名前を憶えている点です。
一兵卒の部下の名前を呼び、気さくに話しかけます。
王子から名前を呼ばれて話しかけられた兵士は、おそらくそれだけで感激するでしょう。
王子のために精一杯頑張ろうと思うはずです。
ナトラ国の兵士が強い理由の一つは、これだと思います。


私達は学校や職場で、どれだけの人の顔と名前を覚えるでしょうか?
おそらく、200人程度? でしょうか?
名前を呼んで相手の顔を見て話しかける。これは基本中の基本ですが、私たちは、つい見落としがちのようですね。

そしてもう一つ、ウェインは友達を大切にしています。
ウェイン王子の側近にニニムというフラム人の女性がいます。ニニムはこの物語のヒロインなのですが…
フラム人は多くの国々で差別を受けており、奴隷としてこき使われたり、娯楽の対象として狩りで殺されたりしています。
しかし、ウェインはフラム人を差別しません。それどころかニニムの頭脳と優秀な剣技を認め、側近として雇っています。

ウェインがカバリヌ王国を訪問していた時、その国の王が「狩りをするためにフラム人を提供してほしい。一緒にフラム人狩りをしよう」とウェインにもちかけます。
このとき、ウェインは{netabare}怒りに任せてその王を殺します。{/netabare}
その話を後で聞いたニニムは、呆れます。
確かにウェインがしたことは、王子としてあるまじき行為でした。
でも、ニニムは心の中では凄く嬉しかったはずです。自分をこんなに大切にしてくれていると感じたはずです。

ウェイン王子とニニム、この二人はお互い愛し合っていますが、身分・血統などのしがらみで決して結ばれることはありません。しかし、ウェインはニニムを誰よりも大切にしています。


また、この物語は後半になると多くの登場人物が個性を発揮します。
その一人がウェインの妹のフラーニャ。
フラーニャは幼くてとても可愛いのですが、すごい頑張り屋さんです。
{netabare}兄のウェインに代わって特使として他国へ趣き帝国の王子たちに挨拶したり、商都ミールタースの市民議会に何度も足を運び、その仕組みを学んだり、戦乱に巻き込まれたミールタース市民を一人の死傷者も出さずに避難させたりと…、{/netabare}
もしかして兄のウェイン王子よりも凄いのでは?と思ってしまいます。

確かにフラーニャには兄のような知識がありません。しかし、覚えようと懸命に努力する姿は、思わず応援したくなります。
それは私達も見習うべきですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

天才王子による弱小国家運営譚、威風堂々(小心翼々?)開幕!

この作品の原作は未読ですが、りえりーと奈央ぼうが出演するのを知り視聴を決めた作品です。
視聴を始めてみると、くぎゅ、能登さん、日笠さんや千本木さんも出演していたので胸が躍りましたよ…^^

最近、国政や外交といったジャンルの作品が盛況なのでしょうか?
22年冬アニメでは「現実主義勇者の王国再建記」の第2期も放送されていましたし…
こちらは主人公が小林裕介さんで、メインヒロイン役をいのりちゃんが演じていたので、まんまリゼロのスバルとレムりんという感じでしたけれど…^^;

ですが、蓋を開けてみると物語のステージこそ似通っていますが、中身はまるで違っていました。
「現実主義勇者の王国再建記」の主人公は実直かつ着実な国政に軸足を置いていますが、こちらの作品の主人公である王子は、一見ちゃらんぽらんに見えますが実は天才肌…
そして内政よりは外交を主体とした物語になっているので、「現実主義勇者の王国再建記」とは似て非なるモノという感じでした。


覇権国家の脅威に晒される弱小国家・ナトラ王国。
若くして国を背負うことになった王子・ウェインは、
補佐官のニニムに支えられながら、才能を活かした見事な手腕を発揮し始める。

でも、この国…めちゃむちゃ詰んでる!

内政に手を入れようにも金がない。
よそから奪おうにも軍事力がない。
まともで優秀な人材は他国に流出してしまう。

「早く国売ってトンズラしてえ」

ウェインのネギは、とっとと隠居して悠々自適の生活を送ること。
大国に媚びを売り、国を売れば夢が叶うはず。
しかし、外交も軍事も予想外の方向へ転がってしまい…!?

知恵と機転で世界を揺るがず
天才王子の弱小国家マネジメント、ここに開幕!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

始めに申し上げておきたいことがあります…
マネジメントってこんな生半可なモノでは無いということです。

国家規模のマネジメントの経験はありませんが、少なくてもマネジメントしている姿は微塵も見られなかったような気がします。

例えば「PDCAサイクル」或いは「SDCAサイクル」といったマネジメントの基本とも言うべき要素の片鱗でも見えていれば、また違った印象を受けたんでしょうけれど…

ですが、国家マネジメントという枠組みを考慮しなければ、純粋に物語を楽しむことのできる作品だと思います。

常に行き当たりばったりの状況に遭遇し四面楚歌の状況もしばしば…
そこを持ち前の機転だけで何とかしてしまうのですから、痛快極まりありません。
この機転こそ天才王子と呼ばれる所以なんだと思います。

この作品のもう一つの見どころは、見方同士の駆け引きにあると思っています。
例えば、奈央ぼう演じる帝国第二皇女のロア…
主人公のウェインとは学友であることも頷けるしたたかさを備えた女性ですが、お互いを騙し煽りあいながらも、ウェインの出方を先読みした言動により状況を好転させ、交渉に有利なカードを引いていくのですから…
そしてこの駆け引きの演出も相まって相当面白い構成に仕上がっていると思いました。

アニメに大切な要素を持っている作品だったのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、やなぎなぎさん×THE SIXTH LIEさんによる「LEVEL」
エンディングテーマは、南條愛乃さんによる「ヒトリとキミと」
個人的にはオープニングが好みでした。

1クール全12話の物語でした。
続きを感じさせながらもしっかり物語を着地させる終わり方は良かったと思います。
原作のストックがどの程度残っているか分かりませんが、私にとって続きの楽しみな作品になりました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

76.4 4 王子で陰謀なアニメランキング4位
マギ The Kingdom of magic (2期)(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (911)
5827人が棚に入れました
迷宮ザガンを攻略し、シンドリア王国での宴を満喫するアラジンたち。
そこでアラジンはシンドバッドから、『三人のマギ』について聞かされ、シンドリア王国のマギとしてレーム帝国に行くことを持ちかけられる。
アラジンはその言葉に対し、自分はシンドリアのマギではないと微笑む。

宴の中、アラジンはアリババに、この世界を終わらせないことを誓う。
「……でも、僕はこれからどこに向かって進めばいいんだろう?」

声優・キャラクター
石原夏織、梶裕貴、戸松遥、小野大輔、木村良平、櫻井孝宏、細谷佳正、森久保祥太郎、堀江由衣、大久保瑠美、羽多野渉、杉田智和、藤原啓治、水樹奈々、瀬戸麻沙美、花澤香菜、小野賢章、福山潤、森川智之、松岡禎丞、逢坂良太、井上喜久子、チョー、柿原徹也、日野聡、坂本真綾、阿澄佳奈、高垣彩陽、谷山紀章、宮野真守
ネタバレ

GvwT さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

感想

マギの第2期
迷宮ザガン攻略からお話は始まります

第1話
{netabare}いきなりアラジンがすごいことになってる!?
知らない間に話が進んでるかと思ったわ
前作のラスボス的存在がエロ担当とわね
3人一緒で冒険に行くわけではないのか・・・{/netabare}

第2話
{netabare}紅玉ちゃんは相変わらず可愛いなあ
いい感じに魔法バトルでハジケてたな
てかまだ「旅立ち」しないのかい(゚Д゚)ノ
皆が進む道を決めたってことですね{/netabare}

第3話
{netabare}アリババくんはボッチになってしまうのか・・・
ってΣ(゚Д゚ υ) アリャ
結局同じ船に乗ってるやんけ!
最後に海賊が出たぞおおおお
半分禿げてるぞおおおおwww{/netabare}

第4話
{netabare}白龍くんがとても有能ですた
あの根っこには流石に気づくと思うのだが・・・
マドーラおばさんの目がヤバイ
怖い(´д゚`ll)
モルさんマジかwww
{/netabare}

第5話
{netabare}つまりあれだろ
母の愛は偉大ってことですね
あんな怖い母さんは嫌だけど・・・
白龍うううううううう!!!!!
アラジンの”皆”の中にいなかっただけはあるねww{/netabare}

第6話
{netabare}白龍お兄さん見事な暴走ぶりでした
洗脳がとける前もとけた後もね・・・
むしろ後の方がやばかったwww
まさか盛大にマミるとは思ってもみなかった
モルさんを泣かすなんて許さんぞ白龍ううううううううう!!!!!
{/netabare}

第7話
{netabare}顔芸するモルさんは可愛いですねえ
そして3人は別々の道へ・・・
なんか殺し大好きガキンチョが出てきた((((;゚Д゚))))
何人真っ二つにするのさ
次回からはハリポタですか?
{/netabare}

第8話
{netabare}いつの間にか体育会系も真っ青のスポ根アニメに((((;゚Д゚))))
アラジンとスフィントスの絡みがお約束過ぎて面白い
スフィントスがアリパパの師匠にそっくりだけど・・・
ありがとう、教官のおっぱいには吹いたwww
喜久子教官は実はいい人なんだね
アラジン大成長!!
{/netabare}

第9話
{netabare}今回からアリババ回
やはりお笑い担当だけあって面白いですね
ギャグ多めで観てて楽しいです
アリババくんは意外と強いことが判明!
彼はマゴイをうまく扱えるようになるのか!?{/netabare}

第10話
{netabare}シェヘラザードとかいうロリが出てきた!
ロリが一番偉い国はいい国のはずです
アリババ苦戦するも、圧倒的なタフネスで生き残る!
そしてマゴイが融合して覚醒するオプション付きでした
トトも簡単に落とすし流石です
{/netabare}

第11話
{netabare}アリババお兄ちゃん'sが登場
随分丸くなってるデシ
その後モルさんがcv石田彰と遭遇
cvが石田さんだと信用できないのは私だけ?
そろそろ大きな戦争が起こるとかなんとか
煌帝国に視点を移すと・・・
白龍が完全に闇落ちしてました{/netabare}

第12話
{netabare}母親強すぎいいいいいい!!!
しかも怖いし
白龍味方いねええええ
と思ったらジュダルが手を差し伸べてくれるかも?
これって堕天確定じゃんww
年明けからはアラジンのターンかな〜{/netabare}

第13話
{netabare}アラジンが主席じゃない!?
ティトスとかいう性別曖昧野郎が主席だそうです
そんなティトスとの魔法バトルがいきなり始まりました
かなり激しいバトルだった( ゚Д゚) ス、スゲー!
ティトスの腕にもあれが!!!
ロリのしもべだったのね、、、
{/netabare}

第14話
{netabare}OPがチェンジ!
ティトスくんの移り身が早すぎる〜
しかもなんかキャラが変わってる気がするし
スフェントスくんって回復魔法使い
ドラクエで言うと僧侶か
似合わねええええええwwwwww

5等許可区はマゴイ生産場
そこに住んでる人から無理やりマゴイを奪うための場所だった・・・
そこには今にも命を落としそうな幼女が
許さんぞマグノシュタット( ゚Д゚)ドルァ!!
ジジイなら百歩譲ってもいい、だが未来の明るい幼女の命を奪おうなんてこの俺が絶対許さない!!!{/netabare}

第15話
{netabare}一瞬でやられたティトスくん
どうやらマゴイが足りないご様子
マイヤーズ先生が姉さん!?
そして学長は簡単に許してしまったぞ(・□・;)
何か裏があるのか?

学長の過去から学んでいこうのコーナーが始まりました
まあこれだけのことがあったらこういう考えにたどり着くわな魔導師の魔導師による魔導師のための国
でもこの考えはうまくいかないんだろうなあ{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

大好きな人たちと笑い合える世界のために、強くなりたい。

マギの2期です。

2期を見る前に1期の視聴は必須です。
1話は何の振り返りもなく始まります。

1期も楽しめましたが、
2期も怒涛の展開でわくわくと楽しめました♪

キリのいいところまで進むために、
だいぶ無理して詰め込んでいる感じもしましたが。笑

2期は全25話です。


● ストーリー
“ダンジョン”と呼ばれる迷宮が突然現れた世界。

ダンジョンを攻略した者には、そのダンジョンの支配者であるジン(魔人)が宿る金属器(きんぞくき)を手に入れることができる。

自分が何者なのかということや世界の謎など、
今までわからなかったことがだんだんわかってきたアラジン(♂)。

アラジンは魔法の勉強をするために、
アリババ(♂)は自分の金属器(きんぞくき)を使いこなすために、
モルジアナ(♀)は故郷に帰るために、

それぞれが新たな目的地への出発を決意する。


1期も面白かったけど、
王道の展開を恐る恐る辿るような少し不安定な印象がありました。

だけど、2期の面白さには安定感がありました。
どんな冒険が待っているのだろう?というわくわくを素直に感じることができました♪

さらに、ジンを宿す金属器や、それを使いこなす金属器使い達がバンバン登場して、バトルも盛り上がる!

強い人たちがどんどん集まってくるわ、戦う相手も強すぎるわで、
途中からちょっとぽかーんとなってしまいましたw

特にラスト2話は展開詰め込み過ぎで、
なんとかギリギリ終わらせましたという感じでしたw

確かにキリのいいところで終わったけれど、
個人的には詰め込まれ過ぎて少し不完全燃焼。

後日談もしくは3期が欲しかったなー。

メインディッシュで終わってしまうより、
最後はデザートでホッとしたかったという感覚です。笑


≪ 並行して進む物語 ≫

7話からは3人がそれぞれの目的地に向かうため、
物語も3つに分かれます。

強大な力を持つ煌(こう)帝国の話も絡んでくるから、
正確には4つぐらいのストーリーが並行して進んでいます。

1つずつでも濃いストーリーになりそうなのに、
ちょっとずつ進めることでいろんな味で飽きずに楽しめる^^

全く交わらないと思うそれぞれの話が、
3人の絆でつながった時、この作品の本領発揮だなあと感じました。

やっぱりこの3人は一緒がいい♪


● キャラクター
これまで登場したキャラ達も安定していますが、
新たなキャラもたくさん♪

たくさん登場するのに、
それぞれにちゃんと魅力があるのがいいね。

今回の私のお気に入りは煌帝国の皇子&皇女たち♪

1期でも登場していた練紅玉(れんこうぎょく)は、
2期になってさらに魅力が増して大好きなキャラに♪

強いし乙女だし純粋だし、
なんて可愛い姫さんだこと^^

登場したものの、君は誰?状態のキャラもいるし、
まだまだ掘り下げてほしいキャラもたくさん。

恋心とアラジンの顔の広さが世界を救うんじゃないかと思うぐらい、アラジンは誰とでも仲間になる天才です♪


● 音楽
【 前半OP「ANNIVERSARY」/ シド 】
【 後半OP「光-HIKARI-」/ ViViD 】

どちらもこの作品と合う前向きな雰囲気の曲です♪

シドの曲とマギは相性いいですね^^

1期同様、曲とアニメーションの合わせ方も好きです。
後半OPのアニメーションはネタバレが多すぎた気がしますがw

最後にはこういう展開になるのねーって、
新しいOP始まった瞬間にわかってしまうのは、どうなのw


【 前半ED「エデン」/ Aqua Timez 】
【 後半ED「With You/With Me」/ 9nine 】

「エデン」は神曲ですね。
今回一番お気に入りなのは、この曲です。

後半EDは、戦いに向かう勇ましさとの相性がよかったです。

本編と一緒にこの曲が流れる展開は盛り上がりました。
テンション上がったー!


● まとめ
内容に関しては大満足です。
私は1期よりも2期の方が好きでした^^

ただ、十分に回収できていない伏線や気になるところも多いのが引っかかるー。
{netabare} モルジアナは何をしていたのか、白竜はどうなっちゃうのか、など。 {/netabare}

まだまだ彼らの冒険が終わる気配がないだけに、
3期がないのが残念(´;ω;`)

それでも十分原作が人気な理由はわかりました。
面白かったです^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大陸全土を巻き込む壮大なストーリー&マギの好きなキャラクターランキング

原作は少年サンデー連載は未読
マギ1期視聴済み


「マギ」という作品は作者曰くアラビアンナイトで知られる「千夜一夜物語」を
ベースにした作品だということです。

登場するキャラクターはアラジン、アリババ、シンドバッドは
アラビアンナイトに登場する人物としてとても有名ですね。とにかく魅力的な
キャラクターが勢揃いしています。

1期から続く2期、1期視聴は必須です。

TVアニメ第1期に続くストーリーの第2期は舞台を魔法使いの国
「マグノシュタット」に変えています。

主人公のアラジンが魔法技術の習得と闇の金属器の謎を解明するため
マギという立場を隠し、マグノシュタット魔法学院の生徒として入学します。

同じ頃アリババも修行をしにレーム帝国の闘技場に来ていた。
お互い別々の場所で順調に道を進んで行こうとしていた。

{netabare}
後半に向けて物語はマグノシュタットとレーム帝国の戦争へと移っていきます。
レーム帝国のシェヘラザードの理想は魔法ではなく人の力で国を発展させること
マグノシュタットのモガメットの理想は少数の魔道士たちの力で国を発展させる
こと。この思想の対立ですね。一般的な正論はシェヘラザードでしょうが
結局ティトスを取り戻すという口実を使いマグノシュタットに侵略する戦争を
始めるのはレーム帝国なんですよね。
どちらの思想も間違いとはいえないので、異文化の者との共存の難しさを
考えさせられました。

ここからの展開が凄い。
レーム帝国からはファナリス兵団も出てきてそれに対抗するため、
アラジンが覚醒したり、アリババが登場したり。更にそこに煌帝国も現れる。

結果堕天したモガメットは暗黒点を呼び出し、練玉艶 (れんぎょくえん)が
アルマ・トランのマギと衝撃の事実が発覚する。

金属器使いたちが一斉に集結し、それぞれが魔装化して依り代に向けて
極大魔法の連射。

これだけの金属器使いたちの総力戦は圧巻です。絶望的な力を持つ依り代に
対し争ってた皆が力を合わせて立ち向かう。

依り代を破壊しようとするが、しかし全く通じない。この絶対絶命の中
駆けつけたのはシンドバッド率いる七海連合。


もうこの男に持っていかれました!七海の覇王登場!
この世界が生んだ 奇跡!!「第一級特異点」シンドバッド!
シンドバッドの「バララークサイカ」巨大な落雷が依り代へ

七海連合の凄まじい力に絶対絶命のピンチを回避することに成功しました。

出番が少なかったモルジアナも到着。アリババを助ける。
またモルジアナにお姫さま抱っこされています。

ただ、金属器使いたちが集結する中、1人だけ戦いに来なかった白龍。
暗黒面に堕ちたのでしょうこの後の展開が気になります。


アラジンとアリババとモルジアナの3人が揃い3人の拳タッチ!
それぞれ自信に満ちた表情ですね。


シェヘラザードが次のマギを自分では無く、ティトスを迷わず指名
したのが素敵でした。また生まれて来れて良かった。
{/netabare}

原作が進んでからまた3期という形で彼らに会えますように。終


●ランキング
マギの魅力的なキャラがこれだけ勢揃いしたので気になる世間のランキングを
いくつかまとめて集計してみました。

【キャラクター人気ランキング】
1 位
アリババ・サルージャ

2 位
ジャーファル

3 位
シンドバッド

4 位
ジュダル

5 位
モルジアナ

6 位
練紅覇

7 位
アラジン

8 位
ティトス・アレキウス

9 位
練紅玉

10 位
練白龍

アリババさんすごい人気なんですねジュダルちゃんの人気は嬉しいです。

【これは私の好きなキャラクターランキング】
後であにこれbest10に。。
1 位
練紅覇

2 位
シンドバッド

3 位
ジュダル

4 位
練紅玉

5 位
練紅炎

6 位
モルジアナ

7 位
アラジン

8 位
ティトス・アレキウス

9 位
アラジン

10 位
アリババ・サルージャ

魅力的なキャラクターが本当に多いです。ジュダルちゃんはアクセラレータ系で
気に入っています。練紅覇は迷いなく1位です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24

68.8 5 王子で陰謀なアニメランキング5位
スクラップド・プリンセス(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (271)
1770人が棚に入れました
ラインヴァン王国の王女だったが、マウゼル神より下される預言により“16歳になった時世界を滅ぼす猛毒”と告げられた幼い王女は秘密裏に処分されるはずだった…。
しかし、助けられ15歳にまで成長していた。パシフィカと名付けられた王女は、生存を知った王国軍と教会に狙われることになり、血の繋がらない兄・シャノンと姉・ラクウェルと共にあての無い旅に出る…。

声優・キャラクター
折笠富美子、三木眞一郎、大原さやか、近藤隆、川澄綾子、水島大宙、水橋かおり
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

原作を尊重しながら、アニメ版として完成度も高い

2003年4月~10月放送のTVアニメ。全24話。

実は原作もアニメもリアルタイム組だったりします。
ストーリーもテーマも一貫していて、良いキャラクターも多く、完成度の高い作品という印象です。

原作はうろ覚えですがそれなりに長くて、ドラマガの読者層にあわせて男性向け、ハイティーン向けにバトル、エロ、グロ要素も結構あったと思います。人気作だったので(引き延ばしとまでは言いませんが)脇にそれる話もそれなりにありました。全体的に派手で勢力図も複雑で、万人向けではなかったと思います。(イラストレーターもエロで主に活動している人だったはず)

アニメ版は全体的に優しく爽やかな印象になり、SF要素が若干難解であることを除けば、割と広い視聴者層に受け入れられやすくなっています。
ストーリーのまとめ方や様々な要素のブラッシュアップのし方からも、原作を尊重しながらアニメ独自の方向性を貫いたと感じます。
個人的にはアニメ版の方が好みかな。

今回かなり久しぶりにDVDBOX引っ張り出したんですが、「あれ、こんなに地味だったっけ?」とw
ストーリーはスケールが大きいのですが、とにかく地味です。そしてそこがイイ!

まずキャラクターデザインから地味。原作の絵は服飾デザインが少しエロティックなので女性キャラクターはかえって良いバランスになってます。
キャラクターの可愛さ格好良さはよく出ていました。
作画は大変そうな所もたまにはありましたが、全体的に崩れる所はなかったと思います。
感情表現を表情よりも仕草や行動に頼る少し珍しい作風で、それに加えて表情も小さな動きに留まっているのに豊かです。よく見てないと見逃しかねないかも?
演出も良くも悪くも地味です。

音楽はOP、ED、BGMどれも作風に合っていて、使い方も抑え目で心地良い。

配役も良かったと思います。どの声優さんも自然な演技で、その辺りは作品の方向性に合わせている印象。
特に女性陣の演技が皆自然かつ個性的で、キャラクターに合っていて楽しいです。

【ストーリー】
舞台は剣と魔法の世界、ダストヴィン大陸のラインヴァン王国。
マウゼル神の託宣により「16歳になったときに世界を滅ぼす」とされた〈廃棄王女〉は、15年前、生れ落ちたと同時に秘密裏に殺されたはずでした。
しかし彼女は命を救われ「パシフィカ」と名づけられ、養父母と義理の姉兄に育てられ、15歳になっていました。
その生存を知った王国とマウゼル教は彼女を殺そうと刺客を差し向け、父親が殺されたことをきっかけに、三兄弟の逃亡の旅が始まります。

【キャラクター】
パシフィカ…廃棄王女。誰に対しても裏表が無く、自分の立場に悩みはするものの基本的に前向き。シャノンに対しては生意気ですぐに手が出るが大のお兄ちゃん子。
シャノン…義理の兄。ラクウェルとは双子でシャノンが弟。剣の達人。普段はやる気ナシだが妹を護りたいと思う気持ちは本物。割と悩む性格なのか、色んなことを割り切れずに本編内で一度思い切りへたれてました(まあ状況的に仕方ないか)。
ラクウェル…二人の姉で魔法の達人。常におっとりしているが三兄弟の中では一番大人で、精神的に二人を支える。どんな事をしても妹を護ると誓っており、時にえげつない戦法を取ることも。

【作風】
{netabare}
状況としては結構深刻なんですけど、パシフィカの気持ちの強さと明るさ、良好な人間関係や日常の穏やかさがそう思わせません。

行く先で出会う人達はパシフィカを疎ましく思うばかりではなく、友達になったり、いきなり一目惚れしてプロポーズしてきたり、敵だったのに本人の気持ちの変化から助けてくれるようになっていたり。

日常描写にもかなり尺を割いています。それこそ最終回手前まで食事やら洗濯やらw
逃亡生活の緊張感の中にこういうシーンが入ってくるのが好きですね。
(あと何故か地味に馬の描写が入ります。レオの白馬がカスール家の馬車馬の片方にアプローチかけてて可愛い。ラストで子馬が産まれる!って言ってて和みましたw)

戦闘シーンは対人の接近戦とドラグーン対ピースメイカーのバトルがあり、どちらもこだわりが見えました。
対人戦の方はシーン自体少ないですが、ただ剣を打ち合うだけでなく、牽制や足払いやなど殺陣のような駆け引きが魅力です。
ドラグーン戦は派手さはないですが、読み合いやエフェクトの表現などわかりやすく工夫されていたと思います。
{/netabare}


【パシフィカの成長と答え】
{netabare}
ラストでパシフィカがシリア・マウゼルに言った「私も姉兄のためならなんだってすると思う。でも、皆が自由に選べない世界は何か違う」という答は長い旅を経験して成長したから言えたのだと思います。
ラストでレオを男性として意識しはじめているのも含め、姉兄離れの第一歩かなw
記憶はないとは言え、フューレとの一件は(ストーリー全体からすると無くても成立しますが)パシフィカを成長させたと思いますし、レオがパシフィカへの想いと彼女を守るという決意を強くする良いエピソードだったと思います。

フォルシスとの兄弟仲も良好そうで何より。
{/netabare}

設定などは重い部分がありますが、綺麗にハッピーエンドを迎える心が暖かくなる作品です。
映像で語る部分が多いのでじっくり観るのが好きな人にお勧めです。(2016.1)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

うぃず さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

捨て猫王女の前奏曲

最近、2000年代前半のアニメが心地好いみたい。
現在に比べるとキャラクターデザインに違和感が....なんて部分も多々ありますが、この時代に於けるアニメのキャラクター、ストーリー、音楽等、他には無い物を生み出さそうとしている気位の高さが伝わってくるのです。

こちらの作品からも笑いや涙を沢山貰いました。
そして.....ちょっとだけ寂しくなってしまうのはきっと愛着を感じていたからかもしれません。

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16歳になると「世界に災厄をもたらす」と予言された事を発端に処理された筈の「廃棄皇女」(凄いネーミング....)と称された「パシフィカ」(CVは現在「リトル・ウィッチ・アカデミア」でロッテ役をされている折笠富美子さん)と彼女を守る義兄妹「シャノン」(CV:三木眞一郎さん)と「ラクウェル」(CV:大原さやかさん)が様々な刺客から逃れるべく荷馬車で旅を続けて行く冒険ファンタジー。

世間の人々は「廃棄皇女」が噂により苛まれた恐怖の存在である事は知られています。ただそれが具体的にどういうものなのかはパシフィカ自身も疑問を残す所でもあり、なかなか明かされません。

逃亡を続けてきたパシフィカが求めたものは何て事のない平凡な日常生活。
セリフを聞いても判ると思いますが、パシフィカの口調はいかにシリアスな場面でさえ、凡庸かつ無邪気な可愛らしさで溢れています。

後半「王都ザウエル」篇に入ると、とある理由からパシフィカが生き生きしているのです。それまでに味わう事が出来なかった平凡な幸せを謳歌している姿にこちらもホッコリ。でも、その幸せは一過性のもの。現実との落差はとても大きく、とても辛く、感傷的に成らざるを得ません。しかし、そんな状況に陥ってしまったのにも拘らずパシフィカはまだジョークを言うのですよ。
なんて逞しい娘かしら。笑 

そしてシャノンの格好良さ!
名セリフのオンパレードですよ。

いずれの話も練り込まれた演出には感心するばかり。
特に吉田玲子さんが脚本を手掛けた19話には涙腺崩壊してしまいました。

キャラクター的に全員がボケ役という状況なので、
ギャグも「クスクスッ」ってな感じであっさり気味ではありますが、
そこがまた登場人物各々の関係性を窺わせる様で微笑ましい。
*個人的には17話の似顔絵シーンが大好き♪

後半にかけてはパシフィカとの交流で培ってきた各キャラクターが抱いた思いが如何なく描写されます。それは喜怒哀楽を経た心強さとは表裏一体の脆さを孕んではいるのですが。

あと、ゼフィリスが可愛いです。(ボソッ)


EDは伊藤真澄さんが担当。(嬉!)
毎話ごと物語の余韻を引きずる様にフェードインされる不思議な歌声とメロディに酔いしれ、現実に戻る事を拒んでいる私......そんな不安と期待が入り交じる名曲ですね。

本当に素敵なファンタジーアニメでした。
「うたわれるもの」が好きな方も良かったら是非~

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

papa0080 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

え?何コレ面白い

特に見る物がなかった時に友人と何か見るアニメないかねぇ?
そんな感じでとりあえず見た作品、全く期待してなかったのですが予想外に面白かったです

16歳になると猛毒(いわゆる災厄)をもたらすと言われる王女が実は生きていて
その王女を守るため血のつながりのない兄と姉が同行する逃亡劇
王女パシフィカはその由来から廃棄王女と呼ばれている

旅を続ける際、様々なエピソードがあり、なかなかどうして面白い
笑いあり、感動あり、涙あり、ツボをきちんと押さえている
まさかこんな適当に選んだ作品が自分の中でアニメBEST100に入るとは思いもしませんでした

廃棄王女と知れれば周りから恐れられ、生きている事が発覚すれば追手をかけられる
その中においても明るく振る舞うパシフィカはとても無理をしている様にも見れた
何とか自分を保っていられるのは血の繋がりもない兄と姉が居たからだと思う
と、同時に何も出来ずただ守られているだけの状況は辛かったんじゃないだろうか

兄と姉は何故そこまで他人でもある、しかも廃棄王女を守るのか
それは彼女が本当にただの女の子だからかもしれない
何も悪い事もしていない、ただ生きているだけで憎まれる、15歳の妹
たとえ予言があろうが、長年ともに生活した家族を殺される
納得出来る物じゃないのは多くの人は理解出来るのでは
でも、しかしそれが全く関わりのない他人だとしたら・・・

もしかしたら自分は災厄が起きるかもしれないなら、殺して欲しい
なんて思ってしまうかもしれない自分が少しいやになります
そんな事を考えさせられる重い物語でもあるなと思いました

逃亡中、廃棄王女とわかると多くの人が恐れ憎んだが、中には違った反応を見せる者も
明るく振る舞うただの少女、その事を理解してしまった人達はどういう選択をするのか
16歳を迎えた時、何が起こるのか、曖昧だが恐ろしい物でもある事実に対しては?

バトル物としては少々物足りないかもしれませんが、人間模様は大変面白い
視聴した時、重い物語ながら不思議と重苦しく感じなかったのは
パシフィカのキャラによる物なんだな~と思いました
萌えとは遠いキャラですがとても好感のもてる女主人公です、記憶の中でですが・・・

正直評価される程の作品ではないかもしれない
それでも自分の記憶に残っているのは、後半のある話がとても印象深いものだったから
正直全てを覚えていなくて、見たのは何年も前なのにそこだけは今でも鮮明に思い出せます

一般的に評価は低いと言われるかもしれませんので、期待せずに見てください
ただ色んなアニメを見てきて、内容全部忘れちゃった、てへっ☆
とはならなかった作品なので個人的にはおすすめです

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

64.2 6 王子で陰謀なアニメランキング6位
リボンの騎士(TVアニメ動画)

1967年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (38)
148人が棚に入れました
サファイア姫は王子として育てられているけれど、本当は女の子。天使のミスで女の子の体に男の子の心が入ってしまったお姫様が誕生してしまったのです。そのサファイアは世継ぎのいない王国で男の子として育てられますが、大臣たちはサファイアが本当は女の子であることを暴こうとします。そんな王国にはびこる悪に黙っていられずに、サファイアはリボンの騎士へと変装して正義の剣をふるうことになります。そんなサファイアの恋と冒険を描いた少女漫画のアニメ化で、これが日本で最初の少女向けテレビアニメーションとなりました。

声優・キャラクター
太田淑子、貴家堂子、小林恭治、新道乃里子、塩見竜介、武藤礼子、雨森雅司、北川智恵子、納谷悟朗
ネタバレ

天神 羅愚羅 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

僕の見る夢は秘密だよ

原作で、サファイア王女の瞳に星がキラキラってのはこの作品が初の技法だってことで
知られる作品ですね(゜ω゜)
 
天使チンクのいたずらで、男の心と女の心を持って生まれてしまったシルバーランド王国の王女
サファイアの物語。
 
{netabare} 王国には王位を男しか継げないという法律があり、王子として公表され、男として
育てられたサファイア。
そんな彼女を不憫に思った国王は、王位継承権を男女どちらにも認めるという
公布書を作成した晩、実はサファイアが女ではないか?といぶかしむジュラルミン大公によって
拉致され、公布書を暖炉に投げ込まれてしまう。

ジュラルミン大公は国王の従兄弟であり、法律が改正されず、サファイアが
女であると証明できれば、息子のブラスチックに王位継承権が移るからである。

サファイアは、政敵ジュラルミン一派と戦うため「リボンの騎士」に変装し
様々な危機を回避するが、ついには女性であることが暴かれ、王妃とともに
塔に幽閉されてしまう。

国王失踪から、一定期間が経てば、プラスチックが国王として即位できるのだ。

はたして、シルバーランドの命運やいかに? {/netabare}
 
ところで、作品に登場する天使「チンク」モデルはやっぱりティンカーベルですかね?(´ω`)
ティンカーベルの愛称は「ティンク」だし、衣装はピーターパンに酷似してますもんね(´ω`)
 
神様にもお手本はあるんですね(´ω`)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

巨匠や重鎮達の頂点に立つ【漫画の神様】

巨匠や重鎮達の頂点に立つ【漫画の神様】の
代表先のひとつですね。
王位が継げるのは男に限るというシルバーランド王国の掟が
存在するために、
主人公・サファイア王子は実は女であるが世間の目を欺くために
男の姿をしているという設定。

かの神様の記念館が宝塚にあることからも
この作品が【宝塚歌劇団】に関係がある事は容易に想像が付く。
神様は幼少の頃親しんだ、タカラジェンヌに感銘を受け
この作品を生み出した。

今思い出せば設定だけでなく、主題歌を含めた
全体のイメージもズカっぽい
ちなみに私は神戸生まれにも関わらず、ズカへの
関心が少し薄い、、、当然私は【阪神】沿線の人間。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

男の娘じゃなくて男装女子(*´∀`)

中性的な子が好きなルーツはここかも?w

手塚プロのアニメで
「海のトリトン」「ジャングル大帝」
と並んで好きですね~

当時の虫プロはウォルト・ディズニー作品の
影響が大きくて、リボンの騎士も随所に
作画やキャラデザ、背景などにカラーが出てました。

漫画は3巻しか出てないのもあり、
アニメ版、52話が1話完結型で制作され
本編の悲劇的なストーリーはほとんど無いです。

アニメから入ったため、漫画を読んだときは
結構ショッキングでしたねw

今では珍しくない女性主人公。
先駆け的に「魔法使いサリー」があり、
テレビまんがとしては2作目の作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

65.9 7 王子で陰謀なアニメランキング7位
アリソンとリリア(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (365)
2754人が棚に入れました
大きい大陸が一つだけある世界。
そこでは2つの連邦が長い間不毛な戦争を繰り広げている。空軍のパイロット・アリソンは孤児院で育った幼なじみのヴィルと共に、あるホラ吹きで有名な老人のいう「戦争を終わらせるほどの価値のある宝」を探す旅に出る。

声優・キャラクター
水樹奈々、くまいもとこ、吉野裕行、山寺宏一、桑島法子、能登麻美子、森川智之
ネタバレ

PeachFly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

NHKのアニメにしては、…もうひと押し、といったところ

いつも安定感抜群のNHKアニメですが、この作品はストーリーの展開方法の事もあって、ちょっと辛口の評価をしました。 大人から子供まで全ての年代で楽しめる設定になってはいますが、ちょっと若年向けかな。
二頭身のアイキャッチだったりとか、ちょっとギャグめいた味付けも見受けられました。

{netabare}
アリソンとリリア… おそらくこの作品の主人公であろう二人について、アリソンは1話目から登場したのですがリリアって誰?? …。 それもそのはず、リリアはアリソンの娘で、この作品自体が前半のアリソン編と後半のリリア編に分かれています。 (1~13話、アリソン編。 14~26話、リリア編)

話の展開も時系列に進んではいきますが、3~4話毎にイベント的な事件が勃発し、アリソンやアリソンの恋人ビルを交えた登場人物たちにより解決されていきます。 事件と事件との間は、割と数か月~十何年とかで簡単に飛びます。 これらの事件はその後に続く全く別の事件にも微妙に関わり、またこれらの事件の背景には戦争がモチーフとなっていて、「戦争はしてはならない事…」といったメッセージが込められています。

原作は大量虐殺や戦場の描写があったようですが、TVアニメではこれらの描写はカットされ、少年・少女の冒険活劇にアレンジされています。

作品中の事件・エピソードは大きく分けて、7つあり、
1.宝(最古の壁画)発見
2.フィオナの王家復活手助け
3.列車旅行中の武器商人の殺人事件、
4.アリソンとビルの同居と別れ
5.リリアとトレイズ編の始まり。 孤児人質の奪回事件
6.イクストーヴァ年越し、王宮離れ襲撃事件
7.トレイズ暗殺の阻止

4.は前編と後編をつなぐストーリー展開であって、事件というわけではないのですが、作品の流れから1つのエピソードとして挙げました。

アリソンとリリアは同じ声優さんがされていて、二人ともやんちゃでお転婆、自己主張の強い点で性格は一致しています。 リリアの性格は母親譲りなんでしょう。 リリアより朝ちょっとしっかりしている所は父親譲りなんでしょうね。

思いっきりネタバレですが、実はリリアの父親はビルです。 大学に進学した後アリソンと同居して、この間に子供ができますが、ビルは生まれたその顔を見ないうちにアリソンの父親(死んだと思われていたが、実は生きていて、情報部の幹部だった)が組織する部隊へスカウトされ、この世からいなくなります(いなくなった事になります)。 でも、リリア編では「アリソンの恋人のトラヴァス少佐」という設定でちょくちょく出てきます。

それで、感想ですが。
原作に沿って話が進んで行くので、まどろっこしい所とか、話の設定が苦しいところ等は作画製作側の責任ではなく、企画・脚本の問題でしょう。 作画は綺麗で、お金がかかっていると思います。 もうちょっとストーリー展開が上手く言ったら面白い作品になったと思います。

{/netabare}
ただ、まぁ、全体的にまとめられており、可もなく不可もなくというテイスト。万人受けし、ドキドキ・ハラハラする場面もあるけれど先が読めてしまう…。 悪人と対峙した時の緊張感が全くない…。等、対象年齢が少し低めに思われ、込み入った推理の展開がされていないところが惜しいかな。


<<PeachFlyの「また観るかな~」判定>> : 2

0:途中で挫折、 
1:もう観ない、
2:もしかしたらもう1回くらい観るかも、
3:たぶんもう1回は観るかな、
4:もう2~3回は観るつもり、
5:ベスト10に入る逸品!。きっとこの後何回も観ることでしょう^^

2014.2.18 / 3.2 誤字訂正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3
ネタバレ

ガムンダ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

飛行機ものと聞いて観てみたら NHK海外ドラマみたいだった

休戦中の2大国(それぞれ連邦制の様である)のある架空の大陸が舞台。
時代は1920~30年代くらい。
射撃が得意で秀才の高校生ヴィルの所に、空軍パイロットになった幼馴染のアリソンがやって来た所から物語が始まります。

飛行機あり、アクションあり、ミステリーあり の色々てんこ盛りです。
まず、全26話で大きく13話ずつ前後編に分かれます。
後半は時代が18年ほど進んでアリソンの娘リリアが主人公です。

更に全体の中で個々のエピソードに分かれる形式となっています。
そのエピソードが何というか、取り立てて熱中はしないが観てられる、と言う程度の物でしてこの感覚…
「名探偵ポワロ」とか「ビバ高白書」とか、なんか海外ドラマみたいでした。
こういう風にテンポ良く区切ってくれると観易いですね。

思えば昔はこういうのいっぱい有りましたね。「ダーティペア」とか「スペースコブラ」とか、分かり易い所で言うと「北斗の拳」とかジャンプ系バトル物もそうだし。
アニメと言えば2クールどころじゃない時代にはたくさんありました。

いうてほら「エヴァガ」もエピソード抱き合わせ物ですしね。
「エヴァガ」は個々のエピソード進行中本筋は殆ど進行しませんが、こちらは個々のエピソードが巧く本筋に絡んで来るのが巧い所。

なんですが、脚本がこれがまたガバガバで…
{netabare} テクテク歩いて行ける所にある遺跡を見つけたら戦争が終わってハイ英雄、って・・・ {/netabare}
あと悪役が馬鹿過ぎます。ひたすら状況を作る為だけに動いてくれます。
最近嘆きのレビュー書いた気がしますが「リコリコ」的ご都合展開ですね。
「いやそうはならんやろ」がハリウッド映画。
「いやそんな事せんやろ」がジャパンアニメ。この違い。


私が脚本考えた方がマシじゃね?って事がよくあります。

例えば最後
{netabare} 敵の目的はトレイズとマチルダ婚姻阻止なんだから、ピンチの所でトレイズとリリアをくっ付けさせれば盛り上がるじゃない。
大体トレイズは登場時はあんなチャラ男だったくせに途中から何であんな奥手になっちゃうのかよ。{/netabare}


しかしまあ母娘ツンデレヒロインに皇女(出番少ない)もツンデレとツンデレ好きとしてはアザマッス!でした。


それで、飛行機ものとしてどうかと言えばダメですね。
殆どの方にはどうでも良い事なので畳んどきますがネタバレはありません。
{netabare}登場機種当てゲームが難しいんですが、時代考証が全く出来てないです。
前半はユングマンみたいな複葉機で謎のエンテ式水上機が最新鋭だそうです。
後半にはフロート付フォッカーD21みたいなんのとドーラ9みたいなんのドッグファイトあります。
全体に同一技術水準ではないのが一緒に出て来ます。地上の乗り物とか無線機とかインカムとかもなんか時代が変ですし。

最初の方ですが同型機のドッグファイトあり得ない機動をします。
エンジン停止でテールスライドに移行、垂直姿勢のままエンジン始動でバックを取ると言う…。しかもどう見ても推力重量比の極小の戦闘機で。

この時点で、「あ、飛行機ものじゃない」と割り切りました。

複座水上機を遊覧用にバルクヘッド後に3座目を追加してある所なんかは結構リアルなんですけどね。バルクヘッドも軽量化してあるし。
飛行機詳しいのか詳しくないのか今一測りかねます。

他にも飛行機は色々出て来ますよ。
Ju52とか、正立エンジンのAr68Fぽいの。

詳しい方詳しくお願いします。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

全年齢対象活劇

主人公が二人いる本作。(タイトルどうり、アリソンとリリアです)
彼女たちが、良きパートナーや友人達と共に、旅をしたり事件に巻きこまれたりする物語。
血生臭い事件も起きますが、20世紀中頃のヨーロッパのような舞台で明るい作風。
架空の世界ですが、ファンタジーやSF的な要素はなく、我々の住む世界となんら変わりはありません。飛行機や列車といった乗り物がレトロな雰囲気を醸していて素敵です。


主人公その1、アリソンのお話。
気っ風がよくアグレッシブ、何にでも首を突っ込むチャキチャキな女の子アリソン。この子が幼なじみの男の子とともに、冒険したりミステリーに巻き込まれたりするお話です。物語のスタートは戦争中(休戦状態ですが)それで軍人という設定の主人公ですが、本作は戦争のドロドロや殺したり殺されたりは、大きく扱ってはいません。
事件の中、かけがえのない友人を得たり、世界を平和にしちゃったりと、色々活躍してます。
もちろん恋にもアグレッシヴ。

主人公その2、リリアのお話。
気丈で正義感もあり、基本的にはお人好し。危ない目に合っても人の善意を信じる女の子。パートナーからは愛されていますが、その気持ちに応えればいいのかどうか態度を決めかねているといった立ち位置。ちょっとツンデレも入ってます。
性格は行動的なんでしょうが、事件に巻き込まれても自分から攻めて出るのではなく、王子様に護られて飄々としている受け身のヒロインです。ナイトであり幼なじみであるトレイズ君が、リリアに愛を伝えるまでに起こった様々な事件のお話です。
可愛いって、得だなぁ(^。^;)
実質、主人公はトレイズ君。間が悪く不格好でも懸命に彼女を想う物語になっています。


作品全体を通して、基本的には冒険物語といっていいですが、2人の主人公に関わる人々との人間関係を描いた色合いが強いです。
謎解きやアクションはそんなに深くはなく、事件を通じて彼女達がパートナーとの絆が深めていく事が話の中心。
調べると、原作の過激な部分の描写はこのアニメ化に際して改変されているとのこと。
ぬるい内容で多分に御都合主義的なところは見られますが、テンポよく次が見たくなるような展開の連続で安定感は抜群。さすがにNHK、ソツがない出来です。
声優陣も手堅く、文句なし。作画は、まぁそれなりです。


爽快冒険活劇(恋愛入り)、として万人に楽しめる作品に仕上がってます。
お子様にも安心な一作なので、ぬるめの冒険モノとしてご鑑賞ください。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24

66.4 8 王子で陰謀なアニメランキング8位
花咲ける青少年(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (222)
1215人が棚に入れました
アメリカに本拠を置く世界的大企業のバーンズワース財閥。1代でその財を築き上げた現会長ハリー・バーンズワースの一人娘である花鹿は、幼い頃に誘拐されかけたためにカリブ海にある孤島で10年あまりのあいだ世間から幽閉同然に隔離されて過ごしていたが、彼女が14歳になったある日世間に出ることを許され、自らの希望で母の母国である日本の中学に通いだす。
しかしそれから1ヶ月、突如ハリーからアメリカに呼び戻される花鹿。久しぶりに顔をあわせたハリーは花鹿に「おまえは重い宿命を背負っており、世間から隔離して育てたのも本当はその宿命のためだ」と告げる。その宿命とはなにかと問いただす花鹿に対して、ハリーはいきなり「ゲームをしないか」と持ち掛ける…。

声優・キャラクター
遠藤綾、森川智之、小野大輔、浪川大輔、福山潤、柿原徹也、子安武人、諏訪部順一、土田大、郷田ほづみ

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ん~・・微妙・・

2009年4月-2010年2月迄NHKで放送された。全39話。

マハティ編は1987年。本編は1989年10月から連載の少女漫画
を元に制作された。

設定&あらすじ。

世界でも屈指の大財閥の一人娘の宿命の謎を「夫捜しゲーム」
での展開を軸に描く物語。貴種流離譚風の謎を含みロイヤル
な雰囲気で何処までも華やかで優雅な家系の御子息御令嬢の
恋愛模様の側面や裏側を描いたような・・世間一般とは隔離
されて育った色んな意味で天然御嬢様が洗脳していく物語。

感想。

浮世離れした上流階級の恋愛物で内容はコテコテの古典。
色々シリアスに描く様々矛盾したギャグなので覚悟を。
兎に角ぶっ飛んでます。主人公はカリスマ教祖様です。


1話目数秒で頭が異常にデカイヒロインの幼少期の回想・・
只でさえ目立つのですから云々というが地味なヒロイン。
基本ヒロイン以外はMOBまで美形なり可愛いのだけれど。
兎に角構図や演出含めて作画が酷すぎる。不安定だし。

ヒロインは体と顔のバランス不可思議な描写が多い・・
首が異様に長かったり変な角度で捻ってたり不思議・・

顔と体と別に書いて切接したのでは?と思う描写も多い・・
3D描写等は特に酷く・・初期の特撮ヒーローものクラス。
この手のアニメにしてはアクション等の構図も含め汚い。
NHKでなければ1クールで打ち切られたであろうという感じ。

当然の如く??男性キャラは鉄板の美形揃い。
徹底的に庶民とは隔絶したブルジョワとロイヤルな世界観。

2話目ユージィン=ムスターファの件は主人公の頭の悪さを
徹底的にシリアスに描くギャグなのでスルーしよう。

3話目悟りを開いた無敵頑固無双の様でアンバランスな一面
も描いて苛っと落として良い台詞も入れてフォローする。

4話目流石教祖!破天荒な原始人はムスターファ洗脳成功。

5話目王子登場!9話目以降唐突にコメディ展開や過去の話。
1クールで飽きて視聴を止めたが、展開そのものは苦手では
無く、見始めた以上結論は気になってたので再視聴。

再視聴で先ず感じたのが・・NHKだからこそ許されるスロー
スタートで徐々に盛り上がっていく。といっても低空飛行。

1クール最終話迄にギリギリ盛り上がり、梃入れもある。
唐突ではあるが、意味不明の学園パートの補足でギャク回も
設けられている・・そして2クールまでの繋ぎに伏線を引く
形で跨いでいる。主人公の謎の問題にも結論を見せている。

2クール以降はその事に関して沿った形で分り易く絡め手の
エピソードが軸になっている。
主人公の精神攻撃や洗脳にも慣れて・・物語に集中できる。
鉄板王道の展開でも有り、時より入る子供っぽい演出での
ギャグのようなトラブルと解決の展開にも慣れてくる。

一番の謎である主人公の宿命についてネタバレしているが、
20話以降は、含みではなく明確に提示されて潔い感じ。
其処が無ければ唯の引き伸ばし=中弛みに感じてただろう。

この後は明示された事により、更に何かあるのか?其の侭
鉄板王道を行くのか?物語の作風からいって主人公の大きな
成長描写は見込めない。宿命の相手が洗脳されて善人に進化
して・・主人公が其れを好き=好意?恋?愛?意識が変わる
か?っと愛も親愛か深愛・・そして一生を賭けられる相手か
を見極められるか?というだけの物語なので視聴が楽。
後は1話目で想定していた相手とどういう結論になるのか?
意外性のある展開はあるのか?という部分に3クール12話?
が・・長いので中弛みが無い事を願いつつ・・

2クールもクライマックス前にはギャグパートが入る♫
超意味不明の謎の学園パートに二度目のスポットも当る♫
道理で一般人だが主人公より可愛いだけのことはある!!

3クール目に入って色々急展開。とても素直に分り易く展開
していくのでとても視見易くスッキリ。

どの人物も予想通りの動きで待ってたよ~って感じw
24話も耐えてると其の侭王道で行ってくれないとね^^;

34話にはホッとした・・EDとか視てると間違いない方向に
進むことは予想できたけど・・尺が余ってるんで少し不安。

此処から先はもう・・ぐちゃぐちゃ弄らずストレーに・・
だって散々緩い展開や意味不明のシリアスギャグを耐えて
来たので・・最後は此れ以上無い!という王道で・・

以降も流石に色々溜め込んでいたものを一気に出してくる。
でも変に弄くるより、方向性が見えた状態のラッシュなので
何だか盛り上がって良い感じかな~

作り手の意思は何となぁ~~く・・そこはかとなく受け止め
るけど・・1クール目もう少し何とかならなかったものか?

女性層を意識した感はあるけど効果あったか微妙だし・・
純愛モノとしても・・盛上がるまで時間かかりすぎだし・・

私的には後半は評価できるのだけど・・ふぅ・・
その評価も序盤に対して待たされた分やっときたぁ~・・
なので・・制作側の狙いにハマれたのか? 待ってあげたと
言うべきか・・人に聞かれて面白いとは言い難いのは確か。

興味あるなら最低1クールは我慢。できれば18話くらい迄は
視る気で立ち向かったほうが良いかもJ?




花鹿・ルイーサ・陸深・バーンズワース:遠藤綾
世界的大財閥"バーンズワース家"の一人娘。14歳。
父親譲りのカリスマ性を持つ奔放な性格の美少女。
幼少から10年程カリブ海の孤島で隔離されて育った。
一般常識に欠ける面があり、周囲をハラハラさせる。

倣 立人:森川智之/幼少時代:井上麻里奈
華僑の大財閥・倣家の若き総帥。英才教育を受けて育つ。
知的な美貌で長身の中国人。若くして辣腕を揮う実業家。
外面は良いが内面はひねくれ者。初登場時は19歳。

寅之助・V・芳賀:柿原徹也
花鹿のボディガードを務める童顔の日系アメリカ人2世。
ボディガードの腕は確かだが、素直でやや子供っぽい。
アクの強い面々に囲まれ、日々気の休まらない常識人。


バーンズワース一族

ハリー・バーンズワース: 郷田ほづみ
花鹿の父親。自身の出生に重大な秘密を抱えている。
一代で世界的企業・財閥にのし上げた、希代の実業家。

キャスリーン・バーンズワース:久保田民絵/木村亜希子
ハリーの母親で、花鹿の祖母。拉致事件の時亡くなった。

フレドリック・バーンズワース:千田光男/野島裕史
ハリーの父親で、花鹿の祖父。愛称はフレドで、小説家。


花鹿の夫候補

ユージィン・アレキサンドル・ド・ヴォルカン:小野大輔
19歳。フランス貴族・実業家ヴォルカン家の三男。
コロンビア大学留学中。放浪癖。女性トラブルが多い。
魔性の魅力を持つ泰然自若だが若干嫌味な性格をしている。

ルマティ・イヴァン・ダイ・ラギネイ:浪川大輔/溝邉祐子
14歳。東南アジアの小国ながら、ラギネイ王国の第二王子。
王子らしく傲岸不遜な振る舞いだが、純粋で真直な性格。
神格化されたラギネイの王族の中でもカリスマ性を持つ。

カール・ローゼンタール:福山潤
20歳。名門財閥・ローゼンタール家の長男で跡取り。
仕事のできる切れ者。根が優しいく非情になりきれない。
ハーバード大学院迄を飛び級で卒業。閉所・暗所が苦手。

ラギネイ王国

クインザ・ハフェズ:子安武人/大原桃子
ルマティに仕える切れ者の侍従。

セズン・ハフェズ:入野自由
ルマティの従者の一人で、クインザの弟。

イオエ:川野剛稔
ラギネイ王国の侍従で、ソマンドに仕えている。

イザック・ノエイ:土田大
ラギネイ王国の元近衛士官の少尉。

ソマンド・イリヤ・ダイ・ラギネイ:山中真尋
ラギネイ王国の王太子でルマティの兄。気弱な性格。
病弱で王宮の外に出た事が無い。ルマティに確執がある。

イズマル:興津和幸
ラギネイ王国の王族でルマティ、ナジェイラの従兄弟。

ナジェイラ・イサ・シャドリ:新井里美
ラギネイ王国の王族でルマティ、イズマルの従姉妹。

リリカ:五十嵐麗
ラギネイ王国の王族でナジェイラの母親。

マハティ・シェイク・ダイ・ラギネイ:浪川大輔
ラギネイ王国第73代国王でルマティの祖父。
後進国だったラギネイ王国を近代化に導いた名君。
王座を退いた後は神座王として神殿の奥深くで暮らす。


倣一族

曹 望青:諏訪部順一
立人の側近にして良きアドバイザー。
曹の一族は代々倣一族に仕えてきた家系

倣 東旋:梅津秀行
倣一族の五長老会の一員で立人の伯父。

倣 玲莉:浅倉杏美
立人の従妹で、五長老会が勝手に決めた許嫁でもある。
おしとやかで、良くも悪くも天然な性格の少女。
幼い頃から立人のことを一途に慕っていた。

ローゼンタール一族

ネルソン・ローゼンタール:水野龍司
ローゼンタール財閥の会長で、カールたちの父親。
ラギネイでのオイル利権をハリーに奪われ確執がある。

カールの三人の姉たち
カールの腹違いの姉であるイザベル(声:高口幸子)
リザベル(声:溝邉祐子)マリーベル(声:上田純子)。

その他

山手 由依:松来未祐
花鹿が日本の中学校に転入した際のクラスメートの少女。

エディ・ロバーツ:間宮康弘
フリーランスの記者。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 2

じぇりー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

逆ハーレムもの?果たして本当にそうなのか?

原作は随分昔にはなるが既読。少女漫画はあまり好まなかった私でも、当時夢中になって一気読みした、思い入れのある懐かしい作品。

1989年連載開始の作品が、2009年放送開始と20年の時を経てアニメ化。
しかも全39話構成と、NHKさんの熱気が伝わってくるようだ。
さすがにン年も経っているので、細かい所までは覚えてはいないが、原作をほぼ忠実にアニメ化できていると思う。
当然結末も知っているので、今回はストーリーやキャラ以外の部分に、より注力して視聴できたと思う。

…故の、辛口評価だ。
まずは作画が安定せず、回によっては見る気が削がれるほどに崩れている。
キャラが美形揃いの本作にとって、これはやや致命傷。
次に音楽。OP/EDは作品のイメージには合っており、楽曲自体は良い方だとは思うものの、アレンジにどこか古さを感じる。
それよりも、BGMの古臭さといったらない。これがどうにも作品を安っぽくさせている感じがする。

さて、ストーリーに関してだが、私は本作を成分にある「逆ハーレムもの」とは捉えていない。
大財閥のお嬢様であるにも関わらず、カリブ海の離島で幼少期を過ごしたため、天真爛漫で奔放に育ったヒロイン・花鹿(かじか)が、ある日突然父親から「夫探しゲーム」なるものを提案され、魅力的な男性たちと次々と出会って心を通わせて行く―。
ここまで聞くと、やっぱ逆ハーレムものじゃん!と言いたくなるが、このゲームの過程で花鹿たちが一国の政変に巻き込まれていくことになり、そこがこの物語の壮大な「核」となってくる。
この国を巻き込んだ一大事が、少女漫画という枠を超え、秀逸に考え上げられたストーリーとなっている。

花鹿のキャラクターも、浮世離れはしているものの、お嬢様お嬢様している訳ではなく、それどころか「~だ!」「~だよ」と男の子っぽいしゃべり方をする、割とざっくばらんでサバサバした嫌味のない性格なので、美形揃いの男たちに次々好かれるおいしい役どころであっても好感が持てる。
恋愛模様の部分でこの作品を見たとき、最終的に花鹿がどういう道を選ぶのかは割と早い段階で察しがついてしまうが、そこも含めてどうやってその結末にたどり着くのかを見ていくのもこの作品の楽しみ方の一つではないだろうか。

花鹿を取り巻く男性陣も、花鹿の家に負けず劣らずの金持ちやらご身分の方々で、時折まるで雲の上の世界を見ているかのような気分になるが、各々がその頭脳と花鹿への気持ちを駆使して、それぞれの立場の中で花鹿の難局に手を貸していく様が実によく描かれている。

ただ…最終回の演出はちょっとクサすぎた。やっぱりどこか古臭い。原作こんな終わり方してたっけ…?と思った。
個人的には38話が終盤の見所としては最も感動的だった。

まぁ、色々と書き連ねたが、結局は子供の頃夢中になって読んだコミックが、こうして年月を経てアニメ化され、息を吹き込まれたことに関しては嬉しかったの一言に尽きる。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ゲームをしないか・・?未来の夫探しゲームだ・・・!

アメリカに本拠を置く世界的大企業の
バーンズワース財閥の一人娘
「花鹿」
カリスマ性を持つ奔放な性格の不思議すぎる少女。
幼い頃から10年あまりをカリブ海の孤島で
世間から隔離されて育った野生児であり、
出会う男の子達にめちゃモテモテな彼女が・・

父親からある日突然・・
「お前は重い宿命を背負っている。
なぁ、ゲームをしないか・・夫探しゲームだ・・!」
という感じで・・父親が選んだ3人の男のうちから、
花鹿のことを生涯守ってくれる夫を選べと言うものだった。

ムスターファと花鹿に呼ばれる美しい「ユージーン」
暗所恐怖症のライバル財閥の「カール」
ラギネイ王国のカリスマ王子「ルマティ」
そして、花鹿を守るお兄さん的存在の「立人{リーレン}」

全39話なので長いです・・。
1-20話ぐらいまで本気で面白かったけど
途中、中だるみ?あります。

評価で作画が☆一つなのは
第一話で、花鹿の等身バランスがいきなりおかしかったり、
ほとんど毎回作画崩壊があって
{特に花鹿・・スタッフは花鹿に嫉妬したのだろうか・・}
ほんと「!?」でした(笑)
もう、こればかりは仕方ないですね。笑って許しましょう(*´∀`*)

ストーリー的に、ハーレムと恋愛と政治的戦略や歴史的ロマンも
含まれていて良かったと思います。

個人的にはムスターファの20のバースデーで・・
{netabare} 母親と同じように人生を終わりにしようとするところを
花鹿が体を張って止めるシーンがぐっときました(´・ω・`) {/netabare}

{netabare} ルマティのおじいさんのマハティ。すごく好きです。
最初偏見を持ってアメリカに来た彼でしたが、恋に落ちて
その人と愛し合って生まれたのが実は花鹿の父親で
花鹿とルマティがいとこ同士なんてびっくりしました。
突然マハティ編が始まったとき、ルマティとそっくり過ぎて
しばらく混乱しながら見ましたけど^^; {/netabare}

夫探しゲームなんて聞いたらなんだかワクワクしちゃって
見始めたんですけど、いろんなタイプの素敵な男の子と恋に落ちるのに
友情で片付けようとする花鹿は14歳の中学生の女の子だからなのか・・
それともわかってそうしているのか・・うーん。

そもそも、男性と女性のあいだに
恋愛感情が全くない
友情はあるのかな・・?

私だったら、友達になる前に好きになっちゃうかもしれない。
むしろ、友達のことさえ愛しちゃうかもしれない。
このアニメは、色々深く考えさせられちゃうなぁ・・^^;

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

62.7 9 王子で陰謀なアニメランキング9位
牙狼〈GARO〉-炎の刻印-(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (171)
867人が棚に入れました
国王の側近が、大規模な「魔女狩り」を行った。
しかし、被害に遭ったのは「守りし者」であるはずの魔戒騎士や、魔戒法師たちだった。</p>

<p class="text-hide">ひとりの魔戒法師が、火刑に処されながら、赤ん坊を産み落とす。
それは、黄金騎士の血を引く者。
赤ん坊は、魔戒騎士の父によって命を救われたが、
母の胸に抱かれることは、一度もなかった・・・。

時が流れた。赤ん坊=レオン・ルイスは、少年へと成長していた。
果たして彼は、黄金の鎧を受け継ぐことができるのか。
・・・今や国の実権は、かつての国王の側近が握っていた。
国王の父は病の床に臥せ、母と共に国を追われた王子アルフォンソ。
彼は国を取り戻し、民を救うため、伝説の光の騎士を捜し続ける。
しかし、その王子もまた、数奇な運命の星の下に生まれた存在だった。
レオンとアルフォンソ-ふたりの少年をめぐり、物語が動き出す。

声優・キャラクター
浪川大輔、堀内賢雄、野村勝人、朴璐美、影山ヒロノブ、矢島晶子、井上喜久子
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

面白かったし出来は良いけど、エロが下品なこととゲストキャラの扱いが苦手で再視聴は躊躇われる…

2014年放送のTVアニメ。全24話。
雨宮慶太氏の特撮作品牙狼シリーズより派生したアニメの1作目です。

特撮は『牙狼〈GARO〉』(テレビシリーズ第1作目)、『牙狼〈GARO〉 〜RED REQUIEM〜』(初の劇場版)、『牙狼〈GARO〉 〜MAKAISENKI〜』(テレビシリーズ第2作目)を視聴済み。
アニメは4作目『牙狼-GARO- -VANISHING LINE- 』視聴済み。


【物語】
王道でそつのない展開で、全ての要素が繋がりラストまで綺麗に纏まっています。
それでいて一貫した個性もあり、王道好きさんにはオススメしても良いかな。下記の問題点が大丈夫な人ならですが。

【声優】
メインキャラは盤石な声優さんが多かったです。この人ならハマるでしょう、という安定の配役。
ですがその中で、アニメではあまりお見掛けしない声優さん方に凄く良い演技を聞かせていただきました。
アルフォンソ役の野村勝人さん、ララ役の逢葉まどかさん、オクタビア役の土井真理さんはもっと色んな作品で活躍して欲しいなあ。どなたも上手でキャラクターに合っていて、とっても良かった!

【作画】
キャラクターデザイン、私は良かったと思います。パッと見て色とシルエットですぐ誰だかわかるってアニメではとても大切。
グロテスクなシーンや個性的なCGテクスチャも使用していますから、独特の絵柄もこれが良かったんじゃないかと。
アクションも多い作品ですから、シンプルになりすぎない程度に線を減らしているのもポイント高いです。
演出も良かった。作画は不安定な時もありましたが、演出は毎回外しませんでした。

【音楽】
OP,ED,BGMどれも個性的なラインナップでした。私は後期OPと後期EDが好き。
最も特徴的なのは効果音かも。特撮で使われていたSEに近い印象で、鎧を装着した状態の台詞に独特のエコーが掛かっていたりして結構耳に残る。特撮版を見た人は慣れていると思いますが、苦手な人もいるかもしれません。

【キャラクター】
{netabare}レオンとアルフォンソ。この二人に尽きる。
二人は正反対に見えてどこか朴訥さと生真面目さがあって、「守りし者」として力と精神を成長させていくのが良かったです。二人とも苦労しながら戦っていて、見ていて応援したくなりました。最終的に無二の親友といった関係になるのも良いですね。

メンドーサ、邪悪で格好良かったけど最終話でああいった方向に振り切ったのが何だか作風と合わない感じで、少し面くらってしまいました(苦笑)。 {/netabare}


【良かった点】
・原作からのテーマ性の引継ぎとオリジナリティのバランス
{netabare}原作から踏襲するべき「守りし者」と「力と想いの継承」はしっかり入れ込みましたね。小林靖子さん流石のシリーズ構成。
今作の独自性は男女関係の良い面・悪い面を両方しっかりと描いていることにあります。
特に男女の関係は母子、夫婦、戦友、想い人と色々ですが、時に愛情と思いやりを生み、時に憎悪と執着を生む。感情の正と負を描き、原作のテーマにきちんとリンクさせていたのはとても良かったです。 {/netabare}

【残念だった点】
エロと女性ゲストの扱いの問題点。(今作もグロはそこそこありますが私は大丈夫な範囲でした。)
この2点の耐性の無い方は見ない方が吉。

{netabare}・序盤のベッドシーンが下品すぎる
第1話見た時点で、品が無さ過ぎて先に進めなくなりました。3ヶ月くらい撮り貯めてモヤモヤしてた(苦笑)。意図があるのはわかっていても、やっぱり不快なのには変わりないので。…TVアニメもR指定わかるようにしてくれたら良いのに…
最終的に男女の営みの「俗」な面と「尊さ」は対比的に描かれていくわけですが、まあ苦手な人は見ない方が良いですよね。本筋は良いのでいっそ第1話飛ばしてしまっても良いですよ(笑)。

・ゲストキャラ(特に女性)の扱いが悲惨すぎる
ララはまだレオンの挫折と再起のためにどうしても必要な悲劇ですから、舞台装置感はありますが、他にどうしようもないかなと思います。脚本上大切にされているのは感じましたし。女の子だけでなくワンコもな!!
でもラウラはちょっと可哀想過ぎた。とても良い子なのに…。こちらもオクタビアのキャラクター描写のために不可欠なんですけど、だからこそ舞台装置感が強いんだよなあ…。

小林靖子さんのシリーズ構成のオリジナル作品ではいつも「面白くて良く出来ているけど、こういう描写が私には合わないなあ…」感があるので、わかって視聴してはいますが。 {/netabare}

良い作品なのですが、個人的にどうにも苦手な所があるという結論になりました。
とはいえ今作が一定の人気を得なかったら続くアニメ版牙狼は制作されていなかったでしょうから、全体の出来も良いですし観る価値は十分にあるかと思います。
大丈夫な人は視聴しても良いかもしれません。
(2021.6.19)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

しんばくん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

使命・怨恨・正義・悲運・忠誠・野望・業火 -剣と魔導の世界-

ジャンル        :ファンタジー、ヒーロー、アクション
話数          :全24話
原作          :雨宮慶太(特撮)
アニメーション製作 :MAPPA
監督          :林祐一郎
脚本          :小林靖子、吉村清子、村井さだゆき、瀬古浩司、村越繁、久保亨
キャラデザイン    :菅野利之
音楽          :MONACA
OP           :「炎の刻印-DIVINE FLAME-」作詞 - 奥井雅美 / 作曲 - きただにひろし
              / 編曲 - 須藤賢一 / 歌 - JAM Project
             :「B.B.」作詞 - 影山ヒロノブ / 作曲 - 福山芳樹、影山ヒロノブ
              / 編曲 - 三宅博文、須藤賢一/ 歌 - JAM Project 
ED           :「CHIASTOLITE」作詞・歌 - 佐咲紗花 / 作曲 - 橘尭葉 / 編曲 - 橘尭葉、妖精帝國
             :「FOCUS」作詞・歌 - 森久保祥太郎 / 作曲・編曲 - R・O・N

参照元        :Wikipedia「牙狼-GARO- -炎の刻印-」参照

【あらすじ】
 国王の側近が、大規模な「魔女狩り」を行った。しかし、被害に遭ったのは「守りし者」であるはずの魔戒騎士や、魔戒法師たちだった。ひとりの魔戒法師が、火刑に処されながら、赤ん坊を産み落とす。それは、黄金騎士の血を引く者。赤ん坊は、魔戒騎士の父によって命を救われたが、母の胸に抱かれることは、一度もなかった……。 牙狼 炎の刻印 公式ページ「INTRODUCTION」より冒頭

【特徴】
①ファンタジー
②バトルアクション
③モンスター
④悪

【長所】
①心揺さぶられる展開
②派手な3DCGアクション
③キャラの扱いが丁寧
④スッキリ終える物語

【短所】
①予定調和な展開
②滑り出しの悪い序盤、中々前進しない展開
③影があまり描かれていない作画

【総括】
 凄惨な物語背景が設定されている西洋ファンタジー作品です。物語は魔戒騎士の運命を背負った牙狼が、謀略巡らす魔戒法師の野望を阻止しようとする大筋の流れを描き、最終的に牙狼達はどのような局面を迎えるのかという内容。雰囲気は日中に放送しても問題のない展開とストーリーで恐らく王道と呼ばれる類の作品です。「コテコテのファンタジーが観たい!」という方にはお勧めです。



【蛇足】

●3DCG
変身すると牙狼となり
光沢のある鎧を纏います。
顔は狼。
そして本作最大の特徴である
アクションシーンに使われます。
動画は滑らかで素早く動き
動作は非常に派手です。

間違いなく長所。

更に蛇足ですが
アクションは『ブラスレイター』と似ていました。
こちらも3DCGが使われており
かなり派手でした。
3DCGの質は牙狼の方が向上しているように見えました。
因みに
ブラスレイターはSFアクション作品。
気になった方はどうぞ参考までに。


●歌
第1クールのJAM Projectが歌う主題歌
「炎の刻印-DIVINE FLAME-」
タイトルコールから始まる曲です。

とてもカッコイイです。



【思った事】
タイトルに挙げた単語が似合う
王道ファンタジー作品でした。
隠れた良作と言えるかも。


長所にも挙げましたが
キャラの扱いは非常に良くて
敵味方双方の掘り下げも十分。
更には成長過程も描かれます。


因みにどんなキャラが登場するかと言うと
・怨恨をいだいて復讐を心に誓うキャラ
・果たすべき使命を全うしようとするキャラ
・自身を捧げようと忠誠を心に誓うキャラ
等々
ごく一部ですがこんな感じのキャラが登場します。
兎に角本作はキャラの扱いが丁寧でキャラ立ちが良かったと
そう感じました。
私はキャラが本作の一番の長所だと思います。


物語については悪を打倒するまでの道程が描かれ
その道のりには
熱い場面もあれば
悲しい場面もあります。
この様に起伏のある展開はキャラの描き方を含め
感動に繋がるポイントとしてしっかり盛り込まれていると思います。


けれど
私は物語自体にあまり面白味を感じませんでした。
というのも、物語の筋道に捻りが無く
予想しやすかった事が大きいと考えます。


この状態ではいずれ・・・ とか
そろそろだな・・・ とか
この人物がこのままなはずがない・・・ とか
その後想定通りの流れとなり
今一つ驚けない。


けれども全く楽しめなかった訳ではなく
困難が待ち構えていて否応なしに立ち向かわなければならないと予想はしてたものの
あまりにも残酷過ぎる結果となった場面は想定の範囲を超えたので
そこに限り非常に楽しめました。
それに
深夜放送らしい部分は唯一ここだけだったかも。




最期に
総括でも書きましたが
どんな作品と聞かれれば
コテコテのファンタジーと答えます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

飾らずにありのままに生きる

{netabare}子作りが肝心☆{/netabare}
ま、まさか、親父がために制作会社選んだのか!!!!?

おもしろかった。
牙狼たちの戦いがカッコイイだけで見てきたのに、
まさかこんなにも心揺さぶるものだったとは。

バハ様と共に、ファンタジー美女を満喫できた、最高の素晴らしい作品だ!!!!!
・・・そういう作品だと思っていた。

炎が{netabare}
痛みや悲しみ恨み、ではなく、守ろうと想う強いとても強い願い{/netabare}だったとは。



先に普通の感想を述べよう。
1クール目から作画は良かった、というか牙狼のCGだけが桁違いに美しかった。
CGとそうでない敵キャラとの戦い。
最初は違和感があったが、2クール目から絶妙に感じたのは、
慣れだけではなく、映像の組み合わせ方に磨きがかけられたのだろう。
{netabare}途中までは、レオン×アルフォンソの戦いが1番と思えるほど壮観だった。{/netabare}

音楽は1期OPとBGMはものすごくいい♪ やたらと激しいEDもGOOD☆
2期はOP,EDともに微妙だったが、
SEにBGMは磨きがかかる一方だった。



この作品は、
1クールをまるまるキャラ紹介と導入に使ったひどい作品だ。
レオンが主人公だろうこともあるだろう、と思うようなイントロ。

父のヘルマンと共に変わらない息子、レオン。
そこに吹き込む爽やかな風、王子アルフォンソ。
相容れないながら離れはしないエマ。

まさか、こんなに感情を揺さぶる物語だったとは。

変わり始めたのは、終わりを迎えただろう、レオンがただの人となってからだ。
何も残っていない、もともと何も持たない、
ただ、ただ憎しみだけが突き動かしていた、繋がりを殻にした空洞。

最初から何もなかったのに、何も気付けなかったのに、
傷ついて、ないものを失って、何にもなくなってから始まった。


その始まりは悲しみの終わりではなかった。





さて、カッコつけたものだが、そんなこと一番星の前では霞む。

一番はヘルマンだ、ゾロだ、銀色の戦士、{netabare}全裸だ!!!!!
リーサルウェポンを心から流れる熱い魂を脈々と宿す第三の脚だ!!!!!!!!!!{/netabare}

それを、それだけは絶対言いたかったのだ。

その武器は柔軟で隠されたものだが、ひとたび牙とか剥くと、
金色の宝玉を携えた伝説の剣と化す。

強固でそびえ立つ槍にも似た魂の塊に貫けぬものなどない。

人を苦しめる魔と、冷静さを脅かす魅力を、
激しい戦いの後にあるべき穏やかな夜へと帰す。



人は苦しみ、学び、後悔する生き物だ。
否、そうできる人間が前へと進む。

取り返しのできない過ちもあるだろう。
それでも、一人の狼として孤独ながら暖かな触れ合いに身を焦がし、
見も心も凍えさせないように生きるしかない。

キレイごとはいい。
それでも生きるんだ。







{netabare}・・・レオンのやるべきことって何だろ?? 分からんかったwww{/netabare}



★1話感想→{netabare}

『そうじゃろそうじゃろ、タイトルから漂ってくる ~1話感想~』
2014.10.12 16:32 ★★★☆☆ 3.9
物語 : 3.5  作画 : 4.5  声優 : 4.0  音楽 : 4.0  キャラ : 3.5



B級、中二、つまらなそうな感じ、臭うぜプンプンするぜ~

正直手を出すか悩む作品だったが、
なんか作画のイイ王道と聞いて観てみました。

魔女狩りをネタにした変身ヒーローもの。
世界はダーク、バトルはロボがいない戦隊ものな感じ。

正直、好物ですwwwww

OP曲から溢れる懐かしいロボや戦隊ものの熱さ。
あ~いい香り。
曲と映像が合ってない、いや作品には合ってるかwww

熱い熱いぜ!文字通り{netabare}おまえの息子が{/netabare}燃えているぜ!!

あの隠し方を考えたヤツと昼間っからバカ騒ぎしたいwwwww{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 19

66.2 10 王子で陰謀なアニメランキング10位
クレヨンしんちゃん ブリブリ王国の秘宝(アニメ映画)

1994年4月23日
★★★★☆ 3.5 (122)
632人が棚に入れました
野原家の嵐を呼ぶ園児・しんのすけは商店街の福引を当て、ひろし、みさえの両親と共にゴールデン・ウィークは南の島のブリブリ王国へ。だがそれは王国の秘宝を狙う秘密結社ホワイトスネーク団の罠だった。何と誘拐されたスンノケシ王子と瓜二つだったしんちゃんは、親衛隊の美人少佐ルルの努力にもかかわらず、ホワイトスネーク団の参謀ミスター・ハブとおかまの部下ニーナ&サリーに連れ去られる。


声優・キャラクター
矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『殺す!殺す!って、気安く言わないでよ!! 子供が見てるでしょうがっ!!』

劇場版クレヨンしんちゃんの第2作。
1994年公開。

前作は夏休み公開でしたが、本作以降はゴールデンウィークに公開となっております。
よって、本作に限っては前作から1年経たずして公開。
スタッフの皆様お疲れ様でした。

前作は作品紹介も兼ねた作りであったのに対し、今作は今現在では定番の、野原一家が大騒動に巻き込まれ、家族の絆を深めながら立ち向かうという方向性を見出した作品でもあります。
くわえて、ファンタジー色も勿論強いのですが、それ以上に強烈な格闘シーンが目白押しで、こちらも後々に継承されていきました。

あと、記憶にある方も多いかもしれませんが、オープニングはクレイ(粘土)アニメで制作されており、以降こちらも劇場版クレヨンしんちゃんシリーズの定番となりました。
これが毎度、クオリティが高く見ていて楽しいんですよね。



あらすじとしては、福引で「ブリブリ王国」への旅行券を当てた野原一家が、旅客機内で
{netabare}
実はその旅行を画策し、しんのすけをある理由から誘拐する算段を立てていたホワイトスネーク団と対峙し、その陰謀に巻き込まれていくというストーリーです。


本作を見た方なら誰もが感じると思いますが、内容はインディ・ジョーンズとアラジンをクレヨンしんちゃんとして上手く混ぜあわせたような作りとなっています。
特にアラジンへの、オマージュが強いですね。

だからこそ読めてしまう部分も多々あるのですが、本作の魅力はなにより、個性的で魅力的なキャラクターが多いことなのです。


まず、初期からしんのすけを付け狙うオカマの2人組、ニーナとサリー。
この2人が、悪党ながらも人間味があり、しんのすけと行動していく内に心境に変化が湧いていくんですね。
勿論、オカマなりにですが。

当初は、「そのガキを渡しなさい!」と声を荒げていましたが、いつの間にか2人は寝ているしんちゃんに対してこうも言っていました。

「寝顔だけは可愛いじゃない…?」
「寝顔だけはね……。」

この内、サリーの声を担当された塩沢兼人さん(本編ではぶりぶりざえもんの声優)は、後の5作目でも味方のオカマキャラで再登板されています。
実際、オカマっぷりが絶妙にハマってらっしゃいましたからね。
ブチ切れた時の口調なんか怖かったりもして、幼少期はちょっとビビりましたけど。
(塩沢兼人さんに関しては、語りだすと長くなるのでメインの第6作で……。。。)


そして、メインのボスキャラの一人。
逆三角形をまさに絵で描いた体格の、ミスター・ハブ。
俳優として活躍されてらっしゃる中田浩二さんの声の渋さが凄まじく、敵キャラらしい冷徹さを見せ、その圧倒的な格闘術?もインパクト抜群。
のワリに、作中とある場面では真面目にコミカルなダンスも披露する万能ぶりも見せてくれます。

悪党でも、ただの悪党では終わらない。
これが、特に初期の劇場版クレヨンしんちゃんシリーズは強くて、個人的に大好きなところです。


しかしなにより私が個人的に押したいのは、劇場版全シリーズ内でも3指に入る程大好きな女性キャラクター。
そのミスター・ハブと世界の命運をかけて戦う

『ルル・ル・ルル』

ですね。
ブリブリ王国の秘宝を求め、秘宝に繋がる鍵となる王国の王子スンノケシと、スンノケシと全く同じ身格好のしんのすけを連れ去るホワイトスネーク団に対し、王の奪還のために動くキャラクターが彼女なのですが…。
その活躍っぷりは、作中でも際立っていました。

基本的に真面目一本で、見た目もショートカットの(私好みの)綺麗なお姉さんなのですが、どこかズレた感覚の持ち主で、流石の野原一家でさえ表情を曇らせる場面も……。。。。
あげくには、オカマの2人組にまで

「あたし達の方が、よっぽどノーマルじゃない?」

なんて言われる始末。

しかし、いざ師匠(カンガルー)直伝の格闘技を披露すると、その圧倒的強さに惚れ惚れしてしまうのです。
彼女が最終戦で言い放った

「鼻が高過ぎたみたいねぇ、ミスター?」



「殺す殺すって、気安く言わないでよ!! 子供が見てるでしょうがっ!!」

の台詞のシーンは、今でも他のアニメでは中々味わえない程の熱さがあります。
私は、何っっ度見ても痺れます。


王子に対しての、愛情にも似た献身ぶりも良いですね。
終盤では、人間味溢れるニーナとサリーが、ルルのその健気な献身ぶりに涙してしまう場面も…。
しんのすけが絡むことにより

「何笑ってんの?」

「感動してんのよ(怒)」

ってやりとりになっちゃってましたけど…。。。。
{/netabare}


総評として。
本作は、前作同様に子供向け色の強い作品ではありますが、初期10作の定番となる『魅力的なオリジナルキャラと、熱いバトルで魅せる』シリーズの地盤が固められた内容です。

そして、今回の敵はしんのすけの誘拐が目的である為、ひろしとみさえが、しんのすけをどれだけ大切に想っているかが垣間見えるのも良いですね。

勿論、定番のギャグも今作はピカイチ。
スカイダイビングのシーン、野生の猿とのやりとり、誘拐直後のしんのすけの立ち振舞いなど、思い返してもニヤついてしまうシーンが多いです。
初期の作品は毎度毎度、よく90分弱でこの内容をまとめたなぁと感心してしまいます。

総じて前作よりも、大人も子供も一緒にっていうより関係無く、誰もが見やすいエンターテイメント作品になっているかと思います。


ではでは、読んでいただきありがとうございました。

次回作は、第3作「雲黒斎の野望」です。



末筆となりましたが、メチャクチャに格好良く、時にはコミカルな天然さを見せて可愛らしい。
そんなルルの声を御担当された、声優の紗ゆり(さゆり)さん。

後に本編でも、しんちゃんの憧れの女性ななこお姉さんを演じて下さいましたが、2012年に55歳という若さでがんにより他界されました。

今回レビューを作るにあたり本編を見返しましたが、やっぱり最っっ高にハマリ役で、ときめくような声でした。

本当に声優さんは、お亡くなりになってもファンの中で耳に刻まれ生き続けるのですね。

改めて、なんて素晴らしい職業なのだと感じ、こんな気持ちを抱かせてくれたことに、感謝の気持でいっぱいになりました。


◆一番好きなキャラクター◆
『ルル・ル・ルル』声 - 紗ゆりさん


◇一番可愛いキャラクター◇
『ルル・ル・ルル』声 - 紗ゆりさん


◆嫁にしたいキャラクター◆
『ルル・ル・ルル』声 - 紗ゆりさん


◇罵られたいキャラクター◇
『ルル・ル・ルル』声 - 紗ゆりさん

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

優れたバトルアクションと脚を楽しみましょう…それだけですけど。

 クレヨンしんちゃん人気絶頂の時期の作品ですね。興行収入も良かったみたいですが、面白さでいえばそうでもないです。他の作品のレビュー用に見返そうと思ったら作品を間違えました。せっかくなのでレビューしておきます。

 小学生向けの活劇ですが、大人が見ても楽しめる水準です。90分なのでテンポがいいので飽きる頃には終わるでしょう。私は大変面白く見た記憶があります。1回限定ですが。今回見返しましたが、10年以上間があると思いますがちょっと辛かったです。(クレしんは不思議なことに、劇場版になると対象年齢が下がる気がします。コミックは大人用、TV版は薄く広くで、劇場版は小学生から中学生までしょう)


 それを補ってくれるのがアクションシーンでしたね。冒頭の賊が侵入するシーンからかなり見せてくれます。人が非常に良く動いています。完全なギャグ体型がヌルヌル動いているのがちょっと不思議な身体感覚ですね。ルル=ル=ルルというヒロインのアクションが良かったです。かなり動いていました。それと御御足を大胆に見せてくれてます。

 ドラえもんもそうですけど劇場版になると女性キャラが急にエロくなりますね?お父さん向け?クリエータがなんか表現したくなる?

 それと作中の地下ダンジョンのようなところのギミックの表現が他からの流用だとは思いますが、見せ方が上手くてここは面白かったです。
 
 クレヨンしんちゃんですから、親子3人の冒険譚ですね。珍しく幼稚園組が全く登場しませんでした。みさえとひろしが積極的に物語に関わってくるのが劇場版の特徴ですが、本作については解決に夫妻がかかわったかというと、ちょっと脇役感が強かったですね。
 加えて夫婦喧嘩を頻繁にするのですが、内容がヒロシがみさえに状況を作った責任を押し付けるような攻め方をしていました。これが結構不愉快でしたね。モラハラ…覆水盆に返らず…うーん。時代ですかね。LGBT的な表現もちょっとスレスレでしたね。

 牽強付会的に友情とか欲というテーマが付けられなくはないですが、まあ、童話的な寓意が若干ある程度です。

 
 ブリブリ大魔王…ブリブリ左衛門ではないですが、やはり塩沢兼人さんがよかったなあ…他の役で出てるのにもったいない。やっぱりマクベの声だからいいと思うんですけどね。

 OPのクレイアニメはやっぱり良かったですね。今は3Dですからね。貴重です。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

インディ・ジョーンズ風のアクション映画

当時はハイグレ魔王と雲黒斎の中間で地味な印象でした。

まだ劇場版2作品目ということもあり方向性が決まっていなかったと思います。

覚えているのもルルくらい… 見たのが昔ということもあるかもしれませんが全体的にパンチが足りなく地味な印象でしたね

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

62.3 11 王子で陰謀なアニメランキング11位
薔薇王の葬列(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (72)
215人が棚に入れました
中世イングランド。ヨーク家とランカスター家が王位争奪を繰り返す薔薇戦争時代。ヨーク家の三男として生まれたリチャードは、母からは「悪魔の子」と疎まれる一方、同じ名を持つ父からは真っ直ぐな愛情を受けて育っていた。 リチャードの願いは、この世の光である父・ヨーク公爵が王位に就くこと。だがリチャードの純粋な願いは、イングランドに戦乱の嵐を招くことになる。 さらにリチャードは、男女二つの性を持って生まれたという秘密があった。 誰にも明かせぬ秘密を胸に秘めたまま、リチャードもまた戦いの渦中に巻き込まれていく。そこで待つのは愛の温もり、絶望の痛み。痛ましくも美しい邂逅と別離が、「悪」への道へとリチャードを誘っていく――。
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

シェイクスピア原案のドロドロ系アニメ

{netabare}
今期一、というか個人的に視聴済みの全アニメの中で二番目に良かった。
昔のGONZOが作ってそうな気がしないこともないアニメ。
一話を見て今後面白くなりそうと感じたなら最後まで見るべき、地味でつまらないなと感じたなら切るべき。
個人的にはコメディ要素など一切なしでずっと真面目な雰囲気の本作は常に筋が通っていて好感が持てた。

薔薇戦争中の出来事を描いた作品だが、戦争自体にはそれほど焦点は当てられず、登場人物の関係性などに重きが置かれた作品。
リチャードを中心に各キャラの心理描写が丁寧でかなり深い部分まで描かれるので共感しやすく、それぞれのキャラの顛末には感慨深いものがある。

ヘンリーの話も、バッキンガムの話も主人公が固よりの立場を取るか、それともその立場を捨てて情を取るかの狭間で揺れ動くという話。
そう言う内容だからこそ、主人公の両性具有設定も、主人公の女性的な側面と男性的な側面を表す象徴としても機能していて良かった。
時々見せる恋心的なものは女性的、だが本人は恋愛感情を優先させたくはなく、王(王族)としての立場(=男性的)を取りたいと思いつつも、時には誘惑やヘンリー、バッキンガムの後押しもあり、その狭間で葛藤する様が良く描けていた。

ヘンリーやバッキンガムがその時のリチャードにとっての心の拠り所になってることがそこまでの話の内容的に見て取れるため、実は敵だと分かったヘンリーとの接触や、バッキンガムに対する最後の決断の辛さには共感ができ、両者の殺害/処刑シーンには哀愁が漂っていた。
だからと言っても、ヘンリー編では父を亡き者にしたランカスター派に対する憎しみも理解でき、バッキンガム編では一度選んだ道でもある王の道から今更引けないことも理解でき、恋愛的感情と立場を優先しての意思双方が理解できるからこそ見ている側もより辛いものがあった。
バッキンガム編に関してはバッキンガムはリチャードとは対照的に立場よりも恋愛的感情を優先させており、その面で相反する二人のすれ違いには悲しいものがあった。

母の話も、リチャードが大きく孤立して初めて母の気持ちを理解できたということなのだろうか。
その直前のアンの愛してほしかったのに愛されず荊に縛られ続けたままだったという本音の訴えもあってこそ、同じように父から愛されずに孤立していた母の気持ちに同意できたというのもあるんだろう。
序盤から引っ張られてきた部分もきちんと回収されて良かった。

最終回のオチも良かった。
ティレルと言うヘンリーに瓜二つな存在が、(声優的にも物語的にも辻褄が合うため同一人物だろうが)、12話のリチャードの「どうか、愛してくれ」と言った頼みに呼応するかのように「愛しているよ」と言うセリフで締めるのは、ここまでの話の繋がりが感じられて完璧だった。
ただただ話が進んでいくように見えて序盤の話も後半にしっかりと活きており綿密に作られた物語だというのが実感できる。
最後には序盤からずっとリチャードのそばにいたケイツビーに行きつくのだろうか。悲しくも救済があるオチ。

キャラの描写以外にも様々なキャラの思惑が錯綜する群像劇としても見応えがあった。
主人公を含め誰がどんな行動を取るかが読めない作品でもあり、常に誰かが裏切るのではないか、敵対するのではないかと言う緊張感があった。この時代の王権は歴史の教科書などを見るだけでも暗殺とかばかりで不安定なものだというのが分かるし、その雰囲気が作品内でも見て取れた。

話が良かっただけに作画が今期でも最低クラスだったのは本当にもったいない。基本的に紙芝居。
一か所褒められるのは背景がずっと暗い色調だったのがこの作品の陰鬱な雰囲気にマッチしていて良かったということ。
よくよく考えれば、モブキャラ全員のっぺらぼうなのも、この作品の暗い雰囲気に合致していて、むしろ作画の悪さすらも偶然とはいえこの作品の暗い雰囲気を強調させていた説も微レ存...?
いやさすがにそうだとしても重要な部分で枚数が少なかったり褒められたものではないけど。

最後まで見た後にもう一周すると見える物も変わってきそうなので今年中に二周目視聴したい。
↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆6
跡継ぎ闘争? やばい話が全く頭に入ってこない。難しい作品。
父のために王位継承権を持つヘンリー(友人)を主人公が殺そうとしてるってこと? 

2話 ☆7
特に書くことがない、雰囲気がいい。演劇風の演出見にくい。
作画を演出で誤魔化すな。主人公父の死体見て正気なんか。
主人公狂ってる? これ後半面白くなる奴かな。

3話 ☆8
何がどうなった? ヘンリーは? 直訴大丈夫なんか。
兄弟二人どこ行った。草、エリザベス上手くいきすぎやろ。

4話 ☆6
ホモアニメ? やばいもの入ってそう。直接的すぎるたとえ話w

5話 ☆8
いつか化けそうと思って見続けているアニメ。
ほんとちょろすぎやろw 顔省略すんな。
回想に見えるから紙芝居やめろw
この脳内会議の奴結局何なんすか。
この作品の女ほんと裏があるキャラ多いな。
いや悪気はないんだろうけど。悲しいなぁ。
女が生まれたらどうするんですか()

6話 ☆8
女生まれ取るやん。手抜き作画。
同姓同名多いしキャラの書き分けもあまりできてないし単純に話が難しいしで疲れる。
ジョージとウォリック普通に組んでそうだけどな。
組んどるやんけ。主人公もやる気出してくれていい。面白い。

7話 ☆7
エドワード女好きすぎだろw
演出というか手抜き作画が滑りすぎだ。
ガバガバ警備 準備万端だな。ウォリックの方がまともじゃねーか。
言い訳苦しいぞ。なんでそこでヘンリーが出てくる

8話 ☆7
? ウォリックがやっぱ黒幕的位置なのね。手抜き作画やめろw
ほんと作画ひでーな。そこに愛はあるんか?
ホモ?

9話 ☆8
BL まだ気づいてないんかよ正体
主人公が父の影をちらつかせたおかげか。作画手抜きするな。

10話 ☆9
エドワードはほんと無能なんだな。
この謎空間結局何なんだよ。あっ

11話 ☆10
誰が殺してたっけ。主人公だったか?
ヘンリーつかまってんのかよ。ヘンリーじゃなくてエドワード?
のっぺらぼう兵士。同名多いからほんとわかり辛い。
こいつもランカスター側なんか。
主人公仲間と思ってた奴らに裏切られてばかりだな。
何で同じとこで暮らしてたの?
マーガレットも仲間思いなキャラなんだな。
くっ...殺せ! ヘンリーどこいったの?

12話 ☆8
外普通に許すのねw ヘンリー死んだか...
死体ないけど実は生きてましたにはならないよね。作風的に
作画は圧倒的に平家だけど話は個人的にこっちだったな。

13話 ☆8
2クール目。口の動きが合ってないw
草、こいつ女癖悪すぎだろ。運命の媚薬。毒盛られてそう。
やっぱり媚薬かよwイザベル一瞬で退場するじゃん。
ジェーンド正論で草。そこは殺すとこでは。EDめっちゃいいな。

14話 ☆9
ベスって誰。エリザベスの子供? バッキンガムとか言う有能。
実際悪魔のごとき所業。リチャードって言うても結構サイコパス。
ヘンリー処刑してある意味吹っ切れてんのか。

15話 ☆9
やっとあの女癖悪い奴消えるのかw キャラだいぶ減ったなぁ
エリザベスのゲスさを久々に見た。バッキンガム裏切ってて草。
まさかの再会。真っ白。モブはモブだった。悪魔の契約。
なぜ、やった。イキリモード。結局こいつらも裏切る気なの?

16話 ☆9
森(暗喩) 過激は怖い。毎回ヤってる。
殺したら同情されて、殺さなかったら単純に勝つのね。
エリザベスが噛ませになるとは。マッマ怖すぎ。
いや腕何があった。

17話 ☆9
失言。
ケイツビー空気。光が呪いに変わりとか、OPの歌詞とセリフがマッチしてていいな。芝居感ですぎやろ。宝塚かよw ここだけ本当。
そういやあの心の声の人どこ行ったの。
今更だけど国王になりたい行ってるけど目的は?
なること自体が目的? NTR また裏切るのか? 誰?

18話 ☆10
このドロドロ感いいわ。
いつのまにかバッキンガムを本気で好きになってたんか。
この仮装シュールすぎる。
別に女装してもばれないのでは。レズ堕ち。
ヘンリー生きてる? 最初から女だったらこんな感じだったのか。
最後の家パートが悲哀感漂ってていい。

19話 ☆9
ヘンリーの話あっさり終わったと思ったからあれで終わりじゃなくてまだあったみたいで良かった。二人の仲が。
廃嫡したらしたらで事実認めてるようなものでは。

20話 ☆9
恋愛思考なバッキンガムと王になりたいリチャードどっちの考えも理解できるから辛いものがある。

21話 ☆9
リッチモンドの強敵感。
前回のリチャードを殺せって、もしかして、王としてのリチャードを殺せという意味だった?
こいつらいつの間にこんなにゲスくなった。
しょけえええ
序盤とは打って変わって段々と可哀想になってくるエリザベス。

22話 ☆10
一人で突っ込む。案外平和的なオチだな。
確かにバッキンガムが一番の茨。リチャードの方が歳上なのか。
EDへの入りがずるい

23話 ☆10
中毒じゃん。結核移りそう。議会ってこの頃からあるんだ。
処刑対策。負ける前提かよ。リチャード女っぽくなったな。
アンの話が合っての母親の話か。
アンもリチャードも母もだれにも気にかけてもらえなかったのね。
本当に話が繋がっててすごい。

24話 ☆10
怪しい。いつものナレーション遅いぞ。
やっぱりバッドエンド不可避なのか。
相変わらずの紙芝居。ティレルが身代わりになったということか。
最終回も最高だった。

OP1「我、薔薇に淫す」☆9
ED1「悪夢」☆8.5
OP2「荊棘輪舞曲」☆6.5
ED2「螺旋」☆9.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ベルサイユの薔薇族

往年の名作よろしく男装の麗人つまり女性のお話のような、某ニッチ雑誌つまり男性のお話のような愛憎劇全24話。いろんな意味で薔薇祭りでしたが本筋は15世紀のイングランド界隈の歴史イベント“薔薇戦争”にまつわるあれやこれやです。日本では“応仁の乱”とかやってた頃合い。
史実を基に(A)、シェイクスピアが戯曲にしたものを(B)、原案にして日本で漫画化したもの(C)です。
原案=シェイクスピアってけっこうなパワーワードですよ。そして歴史ものってアニメ単品での面白さ判定とは別に元ネタ知っているとより楽しめたりします。私なんか中途半端で

(A)色違いの薔薇を模した家紋を持つランカスター家ヨーク家の家督争いだったことは覚えてる
(B)イギリスの劇作家で四大悲劇など悲劇のイメージ強し。触れたのは映画のロミジュリだけ
(C)未読

キリスト教社会の宿命なんですが名前のヴァリエーションに乏しく、リチャード・ヘンリー・エドワード同名が複数出てきて混乱します。リチャードと聞くと“獅子心王”を思い出したりしますがそれは1世、こっちは3世。ついでに主人公もリチャードなら父親もリチャード。同族だから同じ名前なのかというとそういうわけでもなく主人公兄(ヨーク家)とヘンリー6世息子(ランカスター家)は互いにエドワードだったりします。「名前を覚えられない」と苦情がきそう。
ただし“名前”は重要でした。

 「リチャード、私の名を残せ!王の名だ」

主人公父の遺言に沿って進む物語でした。
冒頭「薔薇薔薇してる」と茶化しましたが、耽美的なノリで終始進行してたのは事実ですが、両性具有主人公の愛の葛藤だけと見るのは尚早な気がします。男性の名前である“リチャード”を残せとの言葉は特殊な性である主人公にとっては十字架でしかないし、偉大な獅子心王“リチャード”を想定してるのは明白で家柄・血筋を残せってのも十字架。父の呪縛が物語に深みを与えています。
我々日本人がリチャードと聞いてもピンとこないでしょうが、ゴジラ松井選手や村神様が背負った背番号“55”みたいな意味合いです。王の誇りと重荷を背負ってるとみないと容易に道に迷うでしょう。


取り急ぎ迷子になりそうな作風なのと、2クール分と長丁場なのもあって、「薔薇戦争ってなんだったっけ?」とwiki洗うくらいのことしても良いと思います。

そして本題の中身です。だいぶマニアックな感じがしますね。
人の多さは人物相関を片手にしながらなんとかクリア。漠然と観てると取り残されそうです。戦争と言いながら合戦シーンはこじんまり。それに代表されるようにアニメーションは止め画を多用してるのが気にかかる。人が多くて迷子になりがちな仕様と動画のちんまり感はあまりウケる類のものではないでしょう。感情移入するには終始暗いトーンなのも気にかかります。

そんなでも私は本作を推したいですね。
人物相関図をなんとか頭の中で描ければ、ちんまり動画もある意味“観劇”の再現といえる動画表現だと腑に落ちる。モブの目線が消えてるのをよく見かけましたが、手抜きというよりスポットライト浴びてる演者の芝居に注目してねということなんだと思います。演劇の照明さんがやるようなことはアニメで表現できませんがなんとかかんとか再現してみたらこんなん出ました!ってところでしょう。そしてスポットライト浴びた演者さんの台詞回しは聞きなれたアニメ的やり取りとは違う。往々にして大仰なんです。作風からしてベテラン・新人問わず数多くの声優さんが参加されており普段とは違った演技を楽しんでたんじゃないかと想像してます。

繰り返しますが物語は終始暗いです。シェイクスピアって悲劇が得意なんでしょ?で割り切りましょう。漫画家さんの元ネタへのリスペクトを感じました。
主人公リチャード3世にとっての父ヨーク公リチャードを常に念頭に置いて楽しめた私ですが皆さんいかがでしたか?



※ネタバレ所感

■『リチャード3世』『ヘンリー6世』そして『ルパン3世』

原案としていた2点『リチャード3世』も『ヘンリー6世』もシェイクスピアの劇なんですって。それをガッチャンコしてマゼマゼしたのが本作。
{netabare}そのメインどころ主人公リチャード3世(ヨーク家)と敵方ヘンリー6世(ランカスター家)の関係性がなんとも切なかったです。
ヘンリーは最初リチャードに“天使”を重ねそう見立てていたのに、政局絡みの入れ知恵によって終にはリチャードに“悪魔”と呪いの言葉を残して非業の死を遂げるわけでして。
彫刻や絵画見てわかるようにマッチョりした男性や柔らかそうな女性、つまり“おとこおとこ”して“おんなおんな”したのを良しとする文化が根っこにあるとこでよりによって両性具有とはありえない、すなわち“悪魔”としか考えられないって彼の地の人々が考えるのはごく自然で腑に落ちるのですよ。そんなキリスト教世界での“悪魔”の意味合いは宗教的観点から重く、当事者リチャードも身体的特徴から実母から疎まれーの、本人も諦観してーの、って中での“天使だ”と好意を寄せてくれたヘンリー6世との出会いと結末がなんともほろ苦かったのですね。{/netabare}

{netabare}そして一見関係なさそうな『ルパン3世』。ま、実際にこじつけだけど以下

『この手の中に 抱かれたものは
 すべて消えゆく 運命なのさ』

ルパンの主題歌のひとつでこれほど作品の世界観を一言で言い表した詞は無いと思うのですが、本作のリチャードがまんまそれ。

ヘンリー6世(CV緑川光)は前述の通りだし
ウォリック伯の娘アン(CV鈴代紗弓)の不用意な一言で心閉ざしちゃうし
好き好き光線全開だったヘンリー息子エドワード(CV天﨑滉平)もまんざらでもなかったのよ

ご破談しまくった末「ともに地獄に…」のバッキンガム(CV杉田智和)とまるで救いがありません。{/netabare}


■ハイスコアカップリング

いやほんとどうでもいいんだけど…
先の項目で挙げたCVさんにピンとくる方いそうなんだけど…
{netabare}天﨑さんと鈴代さんってハルオと大野ですよね?
夫婦役だったし 鈴代さん声出してるし そういえば杉田さんも担任役で爪痕残してました。
某ハイスコア作品ご存じない方すみません。悪ノリついでにこれで小春いりゃ完璧だなと思ったら…

{netabare}いましたね。リチャード兄で女好きエドワード4世の子供役で広瀬さんの名が!あざっす{/netabare}{/netabare}


■これまたタイムリーなことに

{netabare}好色な長兄エドワード4世が悪い女に掴まって…

そりゃ遺恨残すだろうよって女性を妃に迎えたら王室荒れるじゃん、と雑魚キャラスタートした彼はなぜかしら中盤あたりで賢王っぽい描写が増えていく。別に成長したわけでも、なにかを起点にガラッと変わったわけでもないがそれとなくできちゃう。いかにもな感じです。家柄も大事だけどほとばしる愛も大事よねって文化。

そんでもって現代に目を移してイギリスの王室ですよ。不敬かもしらんが新国王は不倫の末に奥さん入れ替えちゃった方。前妻の息子さんの一人もある意味愛に生きちゃったかもわからん方。人間って変わらんな~と思うのです。そんで序列だなんだとマウント取り合いしてみたり。
新国王は不人気だからスコットランドが足抜けするみたいなネタも冗談と言い切れないし、権力闘争で王朝がころころ変わった歴史も納得の情勢です。{/netabare}


なんとなしに史実もののエッセンスを消化している作品に思えて満足しました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

男と女の心が愛と憎しみに揺れ動く愛憎劇の傑作

【紹介】
イングランドで起きた史実であるばら戦争をモチーフにしたシェイクスピアの歴史劇を原案とした話
人物の関係や歴史背景などがとても複雑ですごくわかりづらいですが、背景が複雑なだけで意外と単純な話で、わかれば面白いです。
たくさんの人物の思惑が複雑に絡み合ったドロドロした愛憎劇なのと、BLが苦手な人にはつらいかもしれなくて、好き嫌いが分かれそうな作品
この作品を見るなら、人物相関図や目的なんかを1話ごとに紙にでも書いて整理しながら見るといいかもです

【はじめに】
最初に身もふたもないこと言いますが、原作漫画読んだほうがいいです!
私は「この漫画が凄い!!」って感じのテンションで妹からオススメされたので原作を読んでみたのですが原作はとても描写が細かく面白くて絵もとても綺麗で繊細で妖艶な感じの絵柄ですが、その美しさとシナリオの面白さが十分に再現されていないのでとても勿体ない。

【感想】
複雑で視聴はしづらいけど話は面白い。でも原作はもっと面白い。
正に愛憎劇で、ただ愛と憎しみと嫉妬と裏切りだけの話じゃなくて、愛のカタチも結構歪んでて一人一人の愛が重くてどんどん話がややこしくなっていくし、それぞれのキャラクターの意思が強くて絶対譲れない信念とか目的があるので、激突したりすれ違ったりする
そういった面倒くさい複雑な人間関係と重たい愛憎劇がこの作品の魅力!
{netabare}
また、主人公が両性具有で男の気持ちと女の気持ちの間で揺れ動く葛藤がさらに人間関係を複雑にしていて見ごたえ抜群です!
女の気持ちの時は恋愛対象が男で、見た目が男性っぽいし本人は男であろうとしているのもあってBLに見えるんですよね
私にはその時のリチャードは女の子で普通の男女の恋愛に見えるけど、BLが苦手な人にこれがどう映るのかはわかりません

主人公は母親から愛されずに育って厄介な身体で生まれてきて不幸だと思うけど、作中ではいろいろな人から愛されるようになったのは良かったと思います
今後リチャードが愛に目覚めて幸せになるのか、愛に溺れて不幸になるのかはまた別の話ですが

とにかくダメなのは人の作画とシナリオ構成、どちらも原作の良さを殺しています
こういう題材は多少間延びしてもいいから多めに枠確保してゆっくりやったほうがいいと思いますよ。もちろん作画の予算もちゃんとつけて・・・
コミカルなキャラクターを使って各話の冒頭に人物の相関図をわかりやすくまとめてくれれば視聴もしやすいと思う。
{/netabare}
【主人公について】{netabare}
主人公はヨーク家の3男
リチャードは両性具有という扱いで、男性でも女性でもあるみたいです
母親からは忌避され、父親からは愛され、男性として育てられたので男性であろうとしていますが、
恋愛対象は男女両方なようで、どちらにも惹かれている描写があります

男性として育てられたから女性が恋愛対象になるってことはたぶんないと思うので、男女両方恋愛対象なのは身体が影響しているのでしょうね
ドロドロ愛憎劇としては面白い設定ですが、どう考えても生きづらそうな設定ですね・・・
ポジティブに考えれば男にも女にもなれるとも言えるけど、私は絶対に嫌です{/netabare}

【キャラクター】{netabare}
原作の良さが十分に発揮できていませんが、それでも素晴らしいです。
みんなドロドロしてますね。戦乱の種があちこちにあって目が離せない。

主人公の設定が人間関係をより複雑にしていて面白いと思いました。
{/netabare}
【作画】{netabare}
背景の描き方で雰囲気は良く出ているけど人物作画は残念すぎます。
また、ほとんど動きがなく、止め絵ばかりでアニメと言うより紙芝居のようです。
原作の美しく妖艶で強い意志が感じられ、どこか儚さを感じる絵柄がまったく再現できてなくて、ただ暗いだけののっぺりした絵になってしまっています。
できるだけ動かさないように、顔を描かないように手を抜くならなんでアニメ化したのでしょうか?
また、話し手以外の顔を描かないようにするのは演出なのか知りませんが、より紙芝居感を増す結果になっていると思う。
{/netabare}
【シナリオ】{netabare}
何度も言いますが、これは原作の漫画を読んだほうが絶対にいいです。
説明不足で場面が飛び飛びなところがあってとても不親切でわかりづらい。大事な場面をさらっと流しすぎで勿体ない。

派閥、血族、愛、嫉妬、政略、陰謀、裏切り、復讐、利害関係、リチャードの複雑な気持ち
そういった様々な要素が背景にあって、誰がどんな行動をとるのか予測不能ですごく面白い話なのですよね。
ただ残念なことにアニメはただでさえ複雑でわかりづらい関係性が描写不足と低質な作画でさらに分かりづらくなってる。
原作から色々なシーンをカットして無理やり収めている感じ
失敗とは言わないけど納得いかないですね。本当に勿体ないことをしてる。
{/netabare}
【主題歌】
1クール目と2クール目で曲が変わりますが、どれも作品の雰囲気に合った良曲です!

【薔薇戦争(史実)について調べたことまとめ】{netabare}
わたしも詳しいわけじゃないので史実を調べてまとめてみました。

大雑把にいうと、フランス人の大貴族同士(親戚同士)による誰がイギリス領土を統治するかを決める内乱です。
中世ヨーロッパの国のほとんどは、国っていう意識はあまりなかったようで
中世欧州の戦争はだいたい国同士じゃなくて有力貴族同士(しかもみんな親戚同士)の勢力争いです。
だから欧州の王族はみんな似た顔しているんです。ちなみに今のイギリス王家は元々ドイツ系がルーツです。
第一次世界大戦の時に、家名が敵国ドイツの名前だからわざわざ変更したっていう経緯があります。
この作品から400年ほど前の1066年にフランス系のノルマン人によるノルマンコンクェストという事件が起きて
フランスの一諸侯によってイギリスが統治されていて、それを気に入らないフランス王と戦いになった。それが百年戦争。
その百年戦争の敗戦責任などの言い争いから発展して戦いになったのが本作のばら戦争です。
こちらはイングランドの有力貴族であるランカスター家とヨーク家(親戚同士)の権力争いですね。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

62.0 12 王子で陰謀なアニメランキング12位
舞-乙HiME S.ifl - マイオトメ シフル(OVA)

2008年2月22日
★★★★☆ 3.6 (59)
298人が棚に入れました
最後の総力戦を辛うじて生き延びた人類は、かつて星星を渡り惑星をも作り変えたその技術の多くを封印し、主となる王侯貴族達と命を分かつ事で超常の力を振るう少女たち”オトメ”にその世界を委ねていた。幾度かの戦乱で多くのオトメと王たちの命が失われはしたが人々は今だ決定的な破滅を彼岸に留め置いていたそんな時代。
大陸横断鉄道では、14歳の少女シフルがシュバルツたちに捕らえられ移送されていた。そんなシフルを謎の青年ブルースがオトメたちと救出するところから物語がはじまる。少女シフルの謎。オトメの力を持ちつつもそれを拒絶するレナ。ガルデローベの謎。五柱の裏切り。すべてが絡み合い物語がはじまり、そして「舞-乙HiME」の謎が解き明かされる。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「蒼天の青玉」の伝説

乙HiMEの膨大な力に翻弄され、思い悩んでいた
レナ・セイヤーズ(遠藤綾)

天涯孤独ながらも力強く生き、乙HiMEに憧れる
シフル・フラン(小清水亜美)

二人の出逢いから「蒼天の青玉」の伝説が始まる。


謎の組織「シュヴァルツ」達に誘拐されるシフル
は間一髪、黒衣の紳士とメイド達に救われる♪
黒衣の紳士はブルース・ワレス(置鮎龍太郎)と
名乗り、メイドはレナ・ユメミヤと名乗るが・・

ヴィントブルーム王国の王子とその乙HiMEだった。

その事で、更に乙HiMEに強い憧れを抱くシフル
は、ブルースと共にヴィントブルームを目指す。
だがシフルは知らない。出生の謎や秘られた力を・・

といった、貴種流離譚を用いて、秘めた力を求め
動き出す陰謀、組織、そして国家に翻弄され・・
自身の膨大な力に悩みつつ乙HiMEとして戦うレナ・・

シフルの血に反応して覚醒るシュヴァルツが発掘
した旧時代の戦闘用アンドロイドM-9(井口裕香)に
よって事態の謎はいっそう深まっていく・・

ニナの髪型そっくりの猫ニナ(ゆかな)が登場したり
スターシステムのキャラネタや声優ネタや使用武器
形態や等の前作からのパロディも多い。


■マリア・グレイスバート(松岡洋子)
「久遠の碧玉」を持つ乙HiME。オガルデローベの重鎮教師。

■ミユ(浅井清己)
移民暦以前からレナの一族を見守るアンドロイド。

等は健在です♪

M-9との戦いで傷ついたレナを助けた、生物学者の青年
シロー(保志総一朗)や、生意気な弟レイト(木村亜希子)
との交流等も丁寧に描かれ・・「婆ちゃんが言ってた」?
あれ?・・という内容も♪


■サクラ・ハザクラ(ゆかな)
タイユアンの第三皇女で、レナ達の先輩にあたる乙HiME。

■ベル・グラン・アルタイ大公(石田 彰)
サクラのマスターでアルタイの君主。好色で複数の妃と
十数人の子を残し、国に家督の禍根を残したナギの父?

えっと・・声優ネタ?


■ラケル・マヨール(茅原実里)
シスター・シオンに仕えるマイスター乙HiME。
天真爛漫で、笑顔を絶やさないムードメーカー。

■シスター・シオン(喜多村英梨)
惑星エアル最古の宗教「エアル教団」の派遣司祭。
知的な雰囲気を漂わせる美少女。

■エリオット・チャンドラー三瓶由布子
五柱と呼ばれるガルデローベ直属の乙HiMEの一人。
レナの同級生でレナへ密かに恋をしてる百合っ子。

■ウーナ・シャムロック(桑島法子)
ガルデローベ学園長であり、五柱の乙HiMEの一人。

■ジョン・スミス(阪 脩)
本名不明シュヴァルツのネゴシエイターで作戦指揮官。

■キッド柿原徹也
スミスの直属の部下。後の2代目?ジョン・スミス。

■レイ・ジャガーノート木村亜希子
「奏凛の橄欖石」を持つ五柱のまとめ役。 ウーナの補佐。

■キョウコ・ツマブキささきのぞみ
「旋風の紅水晶」を持つ五柱の四の柱。典型的武闘派。

■イルマ・バンデベルド渡辺明乃
「氷雪の銀水晶」を持つ五柱の乙HiME。

既存のキャラをスターシステムで再配しつつも?
新キャラ等も取り入れて、なんとなく巧く纏めた感じ。

まだまだ多くの設定の謎や伏線を残しているし・・
移民歴からも、地球での出来事や移民直後のヒストリー
等、続編を作れる可能性は多分に残ってるかな??

一応Zweiの時系列での締めの作品かな。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

Comprends さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シリーズ最後?の感想です

さらに物語性強化路線でOVAを出してみたという感じでしょうか。

いろいろ苦労したかいもあり、随分と良くなりましたよね。
シリーズで一番バランスがとれているかもしれません。

これで終わりなんですかね?
せっかく、これからって感じなんですけど。
(企画的にも、物語的にもです)

でも、このシリーズで得た経験は生かして欲しいです。
それと何事にも努力は必要ですよね。ただ漫然と製作していると、いつか『萌』自体が衰退するときが来るかもしれません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最後に、このシリーズの感想四連発を、ここまで読んでくださった皆様に感謝と私自身の反省の意味も込めて。

この作品シリーズは論理的に萌作品を作ろうとした(と勝手に思ってますw)のですから、特に偉そうに分析的な書き方をしてしまいました。

自虐ではないですがwww悪く言うのは簡単なんです。粗を探して追及するだけですから。逆に良い部分を見つけ出し、今後につなげてもらう方がずっと価値あることだと思います。

ただ私が言いたいのは、作り手側も様々な制約があり100%満足がいくように製作するのは難しいのでしょうが、鑑賞者に良いところを褒めてもらえるような努力はして欲しいということです。

良いところに気が付いたら、必ずそれを感想に書き評価したいと思ってます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 0

イブわんわん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

舞乙HIMEの前に見るべし

OVAですが、なかなかどうして面白い。
「HIME」シリーズを見ようとしている方がいれば、乙の前に見ておいた方が「舞乙HIME」をより理解できるのではないでしょうか。

ストーリーは「舞乙HIME」ヒロイン、アリカちゃんのお母さんのお話。
見ごたえ十分です。
バトルシーンもかっこよかったです。

アリカのお母さんで伝説の最強オトメ、蒼天の青玉ことレナ・セイヤーズ。
で、あの台詞。

「お姉さま方、恐れ入りますが歯を食いしばって下さい。よそ見してると死にますよ!」

目茶苦茶かっこいい~~~~~!
恥ずかしながら惚れてしまいそうでした(笑)

しかしながら、レナ・セイヤーズにしてアリカのばっちゃってどんな女性だったのだろう・・・。

(2013.9.23修正)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5
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