絶望で仲間なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの絶望で仲間な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の絶望で仲間なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

83.3 1 絶望で仲間なアニメランキング1位
86-エイティシックス-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (631)
2163人が棚に入れました
サンマグノリア共和国。そこは日々、隣国である「帝国」の無人兵器《レギオン》による侵略を受けていた。しかしその攻撃に対して、共和国側も同型兵器の開発に成功し、辛うじて犠牲を出すことなく、その脅威を退けていたのだった。そう、表向きは。本当は誰も死んでいないわけではなかった。共和国全85区画の外。《存在しない“第86区"》。そこでは「エイティシックス」の烙印を押された少年少女たちが日夜《有人の無人機として》戦い続けていた――。死地へ向かう若者たちを率いる少年・シンと、遥か後方から、特殊通信で彼らの指揮を執る“指揮管制官(ハンドラー)"となった少女・レーナ。二人の激しくも悲しい戦いと、別れの物語が始まる!

声優・キャラクター
千葉翔也、長谷川育美
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

外側で戦う少年少女と内側で戦う少女

この作品は内容が結構重いです。
何から書けば良いか上手く纏まりませんが、順番に。

作中に出てくる、サンマグノリア共和国……この国……控えめに言って腐ってます……

まず1つ。
この国では差別があります。
壁の中に住む者達と外に住む者達。

壁の中は平和です。
毎日好きな場所へ出掛けて、好きな物を食べて、好きな事をしている。

壁の外は戦う以外の選択肢はない……1秒後に……1分後に……明日、明後日、自分が仲間が死ぬかもしれない。
それでも戦い続ける86と呼ばれる者達。

壁の中はそんな人達の努力と犠牲の中で成り立っている平和……サンマグノリアは、その為に差別で86と呼ばれる人を追い出して、戦わせている。

壁の中では、今日の戦いの犠牲者は0でしたなんて幻想で真実を隠して、真実を知る者は人が命を落とした事に、無関心であったり、ゲームの様な楽しみ方、命を失うのを見て笑う人まで居ます。

これを見た時、私は、この人達は本当に人間なんだろうか?と思いました。
自分が守られてる事にすら気づけないお花畑の頭な上に、人が死んでいるのに、何も感じないの?と思いました。
その犠牲の上にある平和が続いているのは彼らのお陰なのよ?って…………

でも、こんな腐った人達の中に救いがありました。
レーナ……彼女はサンノマグリアの軍人。
彼女は86の真実を知り、それをどうにかしようと考えて動いている人です。

{netabare} でも、周りの人達は変わろうとはしません。
レーナの話を真面目に受け取ろうとしません。
1番ショックだったのは86を人間とすら思っていないこと…… {/netabare}

戦死者0は無人機が戦っている設定。
{netabare} 国の人達は、戦死者はいないと言う……何故なら……壁の中にいる人は人間で壁の外にいるのは人間じゃないと本気で思っている。
だから、戦死者0なのです。
86は無人機が搭載する補充の効くパーツと変わらないと考えられています。{/netabare}

正直、凄くムカムカしますね!
更に、レーナは軍人達の間で戦死者0の裏にある残酷な真実を告げますが、それを聞いた彼ら彼女らの言葉にはショックでした……レーナの言葉は何一つ伝わらない……

でも、レーナは負けません!
{netabare} 彼女は86の理解者で味方です!
彼女は、戦場の恐ろしさを知っている。
命の尊さを知っている。
86が自分と変わらない人間だと知っている。 {/netabare}


では、同じ国で育ったレーナと他の国民との違いはなんだろうか?
{netabare} 私の第一印象では、この国の人は腐ってる。
でも、考えて見たら悪いのは人より国の方にあるのかもしれません。

レーナに関して言えば戦場の残酷さや86に助けられた過去もありますし、それも影響があると思います。

ただ、それ以外の理由も考えて見ました。

産まれた時から、86は人間ではない、差別するものだと、社会が学校が……親が先生が大人が教えているのです……彼らの中で差別は当たり前で、おかしな事ではなく当たり前の環境がそこにあったのかもしれません。 {/netabare}

だからと言って許される問題ではありません。
{netabare} それを知った上で一人一人が考える事が出来たはずなんです。
考えることを放棄し、おかしい事を疑問にすら思わない人達が、この国の人達。{/netabare}

でも、一方で、おかしい事に気づける人達がいる。
{netabare} レーナを始めレーナパパやセオトの昔の部隊の隊長などです。
彼らはサンマグノリアの人間でアルバです。 {/netabare}

勿論、彼らはアルバですが86の人を人間だと知っています。
同じ命の重みを解っていて決して見下さない。
誠心誠意で接して居ます。

でも、それが本心で偽りなくても!
{netabare} その誠意が……86には中々伝わないのです……
彼らは対等に接して居ても、86の人間から見れば簡単に信用出来ないのです!
それだけ、サンマグノリアと言う国は彼らを傷付けてきたのです…………

それが、解るから……アルバの人間は自分の想を伝え続けるしかない……86に何を言われようと受け入れるしかない……

サンマグノリアのアルバが86にしている事を考えたら、受け入れて貰えないのも解って居ても……その人達は何もしていないのに……悪くないのに……寧ろ味方なのに……こんな辛い事が悲しい事がありますか…………

でも、アルバの人間には代わりありません。
だから、受け入れるしかない……アルバの人間として…… {/netabare}

さて、スペアヘッドとレーナについて。
1個団体と1人を繋ぐのは無線です。
無線しかありません。
映像もデータ上の地形や配置マップくらいで……声しか届かない。

声しか届かない上にアルバと86は基本的には犬猿の仲みたいなものです。
だから、そのイメージが邪魔をして、スピアヘッド部隊にはレーナの気持ちが中々伝わりません。

彼女はスペアヘッドを気遣い。
戦闘の話や何気ない話をしてコミニケーションを図ろうとします。
視聴者側から見ればレーナって凄く優しくて、思いやりがあり他のアルバと比べても凄くいい子だと解ります。

でも、スピアヘッドの皆から見たらどうでしょう?
{netabare} 声しか聞こえない……無線機を切った後には悪口を言ってるかもしれない、バカにしてるだろうと思うと思います。
それだけに、信頼関係を結ぶのは大変な事です。

私が印象に残るエピソードが、スピアヘッド部隊のカイエが戦死する話。
レーナは彼女の死を「残念でした」と言います。
でも、この言葉にセオトが、ぶちギレる。

仲間の死をアルバ(レーナ)が「残念」だと言う……彼女は決して簡単に口にした訳じゃない……お互いの顔が見えていたら、もしかしたら拗らせなかったかもしれない言葉のズレ……

きっと、スピアヘッドの面々は……言われて来たのでしょう……心がない偽善の言葉を。
だから、レーナの言葉も信用出来なかった。
上辺で言ってるようにしか聞こえないのです。

スピアヘッドからすれば当然です。
偽善にしか聞こえない……私なら、そんな言葉を並べるくらいなら、本当に少しでも苦しみが解るなら、この状況を何とかしてって思いますもの………… {/netabare}
でも、レーナに当たっても何も変わらない。

レーナの思いやりが伝わるのが、和解のエピソード。
セオトも自分が言い過ぎたと反省する。
このシーンって凄く救いのシーンなんです。
きっと、心無いアルバの人が相手なら反省しなかったと思います。

反省したって事は、少し……それは本当の本当に少しだけかもしれない……それでもレーナの本心が間違えなく伝わっていたんだって私は本当にそれを感じる事が出来ました。

ライデンは謝罪します。
{netabare} レーナの事を裏で偽善者のブタだとバカにしていた事を……それは少なくともレーナは、これまでのアルバの人とは違うと、解ったから……これは本当に大きな進歩です!

仲間にも友達にも、まだなれなくても……それが解って貰えた、それだけで心は救われる。
信頼関係ってそうして積み重ねていく。
世界一小さな信頼は世界一大きな一歩。{/netabare}

そして、「黒羊」がやってくる。
レーナは死者の声を聞いてしまう。
そして、黒羊の残酷な真実。

実はレーナがスピアヘッドを担当する時にハンドラーを壊すと言う話を聞かされて居ました。
担当したハンドラーは退役申請、担当変更、自殺をする者がいる。

私は、死霊の声を聞いた人を情けないと思いました…………
{netabare} 退役?担当変更?自殺?
何……それ?……だって……気づいたんでしょう?

86と呼ばれる人達の苦しみを!
辛さを悲しみを!聞こえるのが何なの?
戦場で無念に死んでく辛さが、死霊の声が聞こえる戦場の人達が1番怖いし苦しいのが……分かったのでしょう

なのに……真実に目を背けて、自分達は逃げるの?背を向けずに戦う86の人々が戦ってくれてるから実現してる平和に縋りついておきながら、自分が恐怖を感じたからって、怖い事に目を背けて誰かに恐怖と苦しみを押しつけて、退役して部隊変更して逃げられないから、最後は自殺……

動いてよ……それなら……1人の人間に出来ることなんて、限られてるけどさ……それでも動いているよ……間違えなく現状がおかしいと気づいてる人もいるのに……1人でも多くの人が声をあげれば変えられる事もある……小さな力でもあつまれば何かを変えることも出来るかもしれないのに…………逃げ出すなんて卑怯よ……情けない…… {/netabare}

この世界では2年ほどでレギオンとの戦争が終わり勝利すると言われていたようですが……

{netabare} スピアヘッドの隊長のシンは、それは間違えで86を含めたアルバ達も敗北すると言います。

そして、86が全滅したら次はアルバの全滅ですが、シンが言うにはアルバだけになると戦いを放棄したアルバは戦えないといいます。

当たり前です……当たり前なんです……武器を取らずに生きて来た人達が明日いきなり戦えと言われて戦えるほど甘くは無い……

正直、それくらいしないとサンノマグリアの人間は国は解らないと思うのです……
だから、そうなれば少しはこの救えない国は学ぶと思う……それくらいの事が起きないと変えられない……私なら少なくともそう考えちゃう。{/netabare}

でも、シンとレーナは必ず勝とうと約束する。
この2人は本当に強い。

そして、86の優しさを感じるエピソードがあります。
{netabare} レーナはスピアヘッドの人員補給が必要だと各部署に資料を送るも返答はない。
でも、レーナの要求する人員補給が準備されていると聞き彼女は喜ぶ。
私も、やっとレーナの気持ちを少し解って貰らえたと思ったのに人員補給の真実は酷かった。{/netabare}

でも、86は知っている。
{netabare} 人員補給は来ない。
スペアヘッドが処刑場である事をレーナに伝える……
でも、86はレーナを傷つけたくなくて、期待しているフリをする。
そこにレーナを思いやる優しさを感じます。

それでも最後は真実を明かす。
そして、それでも復讐しようとはしない。
何故なら、86はアルバの人が全員が悪ではない事を知っている。
彼らの戦う理由と意味がしっかりある。
戦いを放棄するのは、今まで守ってきた人達の犠牲が無駄になってしまう。

86は、アルバ事を含め自分達の事もよく考えています。
だからこそ復讐じゃなく戦う茨の道を行く。
そこには、彼らの優しさと強さを感じました。
本当に素敵です。 {/netabare}

レーナは真実を知って怒りと絶望を感じる。
そこで、救いを求めたのは親友のアネット。
でも、彼女の言葉は酷いものでした……

{netabare} アネットは実はシン兄弟と知り合いで、友達だったから虐めにあった……それが辛くてシン達を拒絶した……
そうして、レーナの事も同罪と言い放つ。

そうしてアネットは「アンタが余計な事をして長生きさせたからソイツらは死ねって命令されたんでしょう」と言います。

このセリフは本当に頭にきます。
レーナは何一つ間違えてはいません。
それだと、死ぬしかないじゃないですか!
誰かに死なないで欲しい、死なないで欲しいから行動をしようとするのは余計な事でしょうか?{/netabare}

でも、結局、アネットは怖かったのだと思います。
{netabare} 自分は拒絶して86を見捨てて、彼ら兄弟だけでも助けようとした父に反対する選択肢しか出来なかった。{/netabare}

逆にレーナは見捨てない。
{netabare} ずっと、1人で立ち向かい諦めずに戦い続けて上層部に掛け合い意見し、犠牲を出しながらも全滅回避に成功した。

アネットからすれば同年代の同じ1人の女の子が、ここまでの事をしているのです。
自分には何一つ出来ずに見捨てると言う選択肢しか出来なかったアネットからすれば、自分が情けなく感じたのかもしれません。 {/netabare}

だからこそ、レーナの言葉や行動に心は締め付けられてゆくのかもしれません。
{netabare} 酷い言葉を浴びせて必至にレーナも私と同じなんだよって自分に言い聞かせて、レーナに言い聞かせてる……

それでも、気持ちの変わらないレーナから逃げ出して「もぅ、会いにこないで」の逃げの一言……現実から逃げ出したのだと思います。{/netabare}

一方、最終司令でシンは兄の亡霊と対峙します。
シンは亡霊になったお兄さんを救いたかった。
でも、兄もシンを救いたかった。

{netabare} お兄さんの救いは明確に解りませんでしたが、守りたい気持ちは伝わりました。
戦いの中でシンが他の機体からトドメを刺されそうになった時、攻撃から守るシーンがあります。

シンは、それを「殺すなら自分の手で……か……」と解釈をしましたが、私は単純に守りたかっただけに感じました。
殺し合いをしているのですが、兄はシンに殺すとは一度も発言していなかったからです。

亡霊の兄の表情が殺意と苦しみに歪むシーンが有りますが目を見てると、本当は殺したくないのかな?と思える目をしていたように感じる部分があったからです。

兄の回想にもシンに酷い言葉と暴力を振るうとは裏腹に心の声は自分の言葉の全てを否定して心はシンを守ろうとして居たってのも理由の1つです。 {/netabare}

この戦いでレーナは視覚共有を使います。
{netabare}視覚共有はハンドラーに失明の可能性があるらしいのですが躊躇なく使います。

更に許可のない命令違反覚悟の迎撃砲

それに対してレーナは86が気にしないように言葉を伝える。
私は、これはレーナの覚悟だと思います。
言葉や地図でのナビゲーションならハンドラーなら当たり前に出来る。 {/netabare}

でも、そうじゃない。
{netabare} それ以上に皆と一緒に戦ってるんだよって覚悟の現れ。
彼女は補給を要求する時に「私達の部隊」と言っていました。
「スピアヘッド部隊」ではなく「彼らの部隊」でもなく「私達の部隊」

自分も仲間の一員である覚悟を感じます。
そして、この行動こそが、その証明。 {/netabare}

で、レーナがシンの兄に不発弾を撃ち込むシーンで、小さい頃のレーナがビンタをするシーンがありました。
{netabare} このシーンは、過去に助けられたレーナが、次はレーナからの救いのビンタ……弟を殺したくないのに殺そうとする兄への救いの一撃。
本当に助けられ保護して生かしてくれたから……感謝してるから打ち込める優しい一撃だと感じました。 {/netabare}

実はレーナは親友であるアネットに協力させていました。
{netabare}それは脅しですが……これには優しい理由がある気がします。

1つは今まで見捨て続けたアネットへのチャンス……見捨てた幼なじみは生きている。
アネットは、見捨てた事を少なからず後悔していました。
なら、その幼なじみを救うチャンスを与える……見捨てたまま気に病んで生きるか……救って貴女だって救えるんだよって伝えて、少しの償いと勇気を与える……

2つ目は脅し。
2人で協力すれば2人は命令違反で罰を受ける……でも、レーナが脅してアネットを従わされたのなら……罪はレーナだけが被れる……アネットは罰を免れるか軽くなる。 {/netabare}

それがレーナの言葉と行動に隠された優しさだと思います。
否定されても罵られても、やっぱり大切な親友なのかな?って。

そして、戦いの後……
{netabare} 沢山の罰を受けようと失明を覚悟してでも生きて欲しかった仲間達……
自分の命令違反よりも失明なんかよりも優先したかった仲間の橘……

彼らは勝利の後にレーナと言葉を交わして楽しそうに旅に出る……彼らの言う自由になるの本当の意味……
レーナの「待って……待ってください……置いて行かないで!」

凄く切ない……勝利で喜びを分かちあって居たのに……その先の……彼らの選択……凄く楽しそうな会話には未来への希望…… {/netabare}

シンの最後のセリフ「少佐、先に行き(逝き)ます」
レーナは間に合うはずもないのに走り出す。
そうして、外へ出た彼らはレーダーから消え去ったる……レーナだけを残して。

外へ出た彼らは凄く楽しそうに生きていました。
{netabare} 伸び伸びしてるように感じました。
生活は裕福ではなく不便で大変なことの方が多いと思いますが心は清々しいと言いますか。{/netabare}


そして、ファイドの記憶(メモリー)
この子は、見ていたら凄く可愛くて心があるのかな?って思います。
仲間想いで優しくてシン達の必要なものを探してくれたり。

ファイドの記憶を見ているとファイドは皆の人気者の様な子かもしれませんね。
皆と喜びを分ちあって。
沢山の人が人の様に接してくれて、楽しい事や嬉しい事、悲しい事やら沢山の言葉と笑顔を記録して……ファイドの記憶を見るとファイドは本当に皆が好きだったんだって解る。
そして、シンが大好きなんだって。

ファイドの視覚レンズから液体が流れているシーンがあります。
{netabare}涙を流してる様に見えるだけなのか涙を流しているのか……私には、泣いてる気がします。
最後の焼け野原の大地でファイドが見たメモリーはファイドの幸せで楽しくて大切な記憶。

でも、泣いたのは壊れるのが嫌とかじゃなくて……あんなに楽しい時間を共に過ごした仲間が減ってしまった事に涙したのかな……って思いました。
それとも、シン達を残して壊れちゃう事が心残りなのか…… {/netabare}

さて、シン達は廃校に辿り着きます。
これは、少し切なかった。
{netabare} 廃校で学生の様に振る舞うけど……この子らも普通に生活してたら学生生活を楽しんでいたんだろうなぁ〜って。
そんな普通が当たり前にあったはずなんだよなぁ〜って。{/netabare}

道中……シンは敵を発見します。
{netabare} 機体は1機しかなくて当番制で乗っている人が戦う約束でしたがシンが優しい嘘で戦いに出ます。

それは仲間を守るため。
シンの立場ならそうすると思う。
生きて欲しいと思うから……でも、それは仲間も同じでシンに戦わせて逃げるなんて出来るわけもなくて……

結局、皆が来ちゃう……
機体はないから銃1つで……それで勝てるハズがなくても……
シンは「馬鹿だなぁ〜そんな武器でレギオンに勝てるわけない」って言う。
馬鹿だ馬鹿だと言うけど……

多分、私はシンの立場だと、そんな馬鹿が嬉しいかもしれない……死んで欲しくはないけど……それでも一緒に最後まで居て駆けつけてくれるのは幸せだと思います。{/netabare}

一方、レーナは最前線に視察に来ます。
前回の命令違反は謹慎処分で、時間が出来たので訪れた。
彼女は見てみたいと思ったのでしょう。
スピアヘッド部隊が過ごし生きたその場所を……

そこでレーナは彼らのメッセージを受け取ります。
{netabare} で、ファイドが記念撮影で撮った写真が同封されていてレーナはそこで初めて彼らの顔を知る。
レーナの口元が移されて涙を流すシーンがあるけどそれだけで泣けちゃう。{/netabare}


「いつか俺達が行き着いた場所まで来たら花でも備えてくれませんか」
シン達のメッセージを受け取ったレーナもまた。

{netabare} 「私もまた歩んで行ける。彼らはそう信じてくれた。
戦おうこの身の命運尽き果てるその最後の瞬間まで」と決意します。 {/netabare}

シンはどこかで無事でいる事を信じて自分に出来る全力で戦う決意をする!

86は10月に2クール目が放送らしく、これはかなり楽しみですね。

シン達は生きてるのか?死んでるのか?
レーナは、これから救いようのない国を世界を、どう変えて行くのか?
楽しみです!(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

やっぱり冗長で差別問題の掘り下げ不足だと思います。原作読後追記です。

原作の第1巻を読みましたので改めてレビューします。2クール目を見終わった後、冗長すぎて2クールの物語として成立していない気がしましたので確認のためです。

 やっぱり、アニメ版は相当引き延ばしがありますね。まったく1巻にないシーンがあります。ラノベは後から話を補ったり整合性を調整したりするために過去編とか補足を入れることがありますから、それを入れたんでしょうか。あの学園での講演のシーンって原作1巻にはありませんでした。スピアヘッドのシーンもアニメ版はやたらと冗長でした。

 話の構造についてはアニメ同様「差別問題」の不足感はありますね。差別問題はやっぱりセリフだけの説明に終始してしまいました。アニメ版の方がシーンで見させれれている分まだ感情的に動く部分がなくはないです。

 なんといってもSF設定として、社会の人口構成とか食料問題とか86の具体的な歴史とか兵器やITの技術レベル、部隊運用が差別とかの必然性が全く描かれていないので、セリフだけで終わってしまいました。差別はリソースの解消が主な理由ですが、86として有色人種を差別するという、その解決方法をとる必然性にまったく納得感がないと思います。
 また、差別の方法についても、自分の首を絞めているような馬鹿さ加減がリアリティを失わせていました。

 というように差別ありきのストーリ展開になっていますが、差別の結果の悲惨さをシンたちを使って描いた部分はわからなくはないですし、5人が生き残る経緯とレーナちゃんとのやり取り、過去の話は悪くはないです。

 で、原作と比較した印象と、アニメ版を改めて振り返って、アニメ版、本作の2話3話と最後数話の逃避行の部分が顕著ですが、そこの引き延ばしが冗長でしたね。

 原作は、SF小説ではなく「ラノベ」だと割り切って、楽しみ方は別にある。レーナちゃんとシンたちの素性の説明だと思えばまあまあかなあ、という印象でした。ちょっと厨2で熟語使い過ぎですがまあ雰囲気でしょう。
 これは原作が1巻に収まったからそう思えるので、1クールかかってやる話ではないです。一般論ですがラノベ原作なら1クールである程度丁寧にやっても普通3、4巻消化しますからね。
 あの設定過剰と言われる魔法科高校の劣等生ですら2クールで6巻分やってます。

 あのアネットの喧嘩と屋敷の実験の話はアニメ版が良かった気がします。あそこがあるから1クール目は成立した気がします。
 そして、最大の相違ですけど、レーナとスピアヘッド…特にシンとの交流が思ったよりも淡泊ですね。確かにレーナを見直してシンとのコミュニケーションはありましたが、それだけでした。

 つまりアニメ版 {netabare}レーナちゃんとの再会というか邂逅を2クール目のカタルシスに持ってきましたけど、原作ではその意図はもうちょっと違った感じです{/netabare}。その点ではアニメ版の方が上手く行ったかもしれません。それとも2巻3巻ではレーナちゃん、アニメよりも沢山でるんでしょうか。

 私に原作を買わせた点においては、アニメは成功?これから2、3巻チェックします。

 ただ、アニメのクオリティ、そして制作する姿勢は数多ある異世界ものより格段に丁寧だし、2クールの視聴に耐える内容はあると思います。
 私はSFには厳しいので酷評する部分もありますが、根本になるレーナちゃんとシンを中心にしたストーリーの出来は良いと思います。

 




以下 再視聴初回完走時の視聴時のレビューです。

 きっかけあって再評価しました。ちょっと面白いかも。

 かなりひどいレビューを以前しましたが、白い砂のアクアトープを見ていたら1クール目でJK館長の無力さを表現していました。で、その時「あれ、ひょっとして86も同じ構造だった?」と思いついて、断念した3話目の最後から視聴しました。

 なるほど、やっぱりそんな感じでしたね。まずレーナちゃんの挫折と覚醒の物語をやったわけですね。3話までのダラダラした展開と、レーナちゃんのミニスカとあまりに無能で独善的で押しつけがましかったのでムカムカして断念しましたが…その意味では以前の私の批評がそのまま演出意図だったのかもしれません。

 初回、2回目視聴時はレーナちゃんがケーキ喰ってるところ見るだけで「お前が死ね」という感じでイライラしましたが、それは自分事になっていないレーナちゃんの甘さの表現だったと。最後の方でアネットちゃんがちゃんと言ってくれたので、スッキリしました。

 で、あのアネットちゃんの話になるわけですね。これ勿体なさすぎます。1話か2話からもっとはっきり伏線這っておけば、興味が持続したし導入部として謎を上手く作れたのに。さらに兄の件もからめた伏線がはれれば結構分厚いストーリー展開になったと思います。(一応王宮の前云々という伏線はありしたね)

 後付けで説明みたいに見せられる感じがして、なんというか脚本の弱さで評価的に非常に損している可能性があります。本作の最大の欠点は1~3話の視聴者を引き込む力が弱かったことだと思います。原作がどうかしりませんが、ここは脚本と構成でなんとかすべきだったかと。

 4話~9話は結構入り込んでみることができました。10話の最後のあのメモリーの部分を演出に取り込んで、スピアヘッドの過去の皆の半年をもっと早い段階で見せれば2話、3話はもう少しうまくできた気がしました。

 ということでSF設定も落ち着いて考察しましたが、やっぱり本作のSF設定は非常に甘いと思います。社会の人口比問題とか、レギオン側の戦略の問題、AIの発展度合い、貴族無能すぎて社会が維持できないだろう、9年でそこまで豚扱いできるの?とか言いたい事はいっぱいあります。
 また、過去の個人の因縁にみんなつながりがありすぎて、おいおいそれはご都合主義だろうというのもありました。

 あのレギオンと脳波が繋がるような設定は、シンは死にかけたからと言っていました。自覚してませんでしたが昔実験した後遺症なんですかね?
 あと帝国って日本だったってこと?で86は帝国と同じ人種で日本人の子孫だったっていうことになるんでしょうか?これは深読みし過ぎですね。2期で確認しますけど。

 ただ、話として、貴族社会で正義を叫ぶ無力で独りよがりな正義感に浸っている少佐と、自分たちの運命を知っている被差別側のスピアヘッドという関係を作りたかったのはわかりました。
 この関係をあまり深く考えず受け入れれば、それなりに面白い話だったといえるでしょう。という意味で先ほどいった1~3話がもったいなかったですね。


 やっぱりアニメは最後まで見て評価した方がいいかもしれません。特にSFとか作り込んだ話は、今後は(なるべく)切らないで最後まで見るようにします。
 言い訳ですが、最近3話以降の結構遅い回から面白くなる作品が増えてきた気がします。まあ、1話のキャッチ―さばっかり気にするとおかしな話になるからいいのですが、3話または9話くらいまでひどすぎる話が多いきがします。

 ということで、2期に期待できる終わりかっただったし、結構面白かったです。批判しすぎました。ごめんなさいと言っておきたいと思います。評価上げておきます。

(追記 あの混血の子の背中の文字ってわかるんでしょうか。見えてるところがaughなので第一印象では笑うlaughなんですが、ちょっと横棒が見えるのでaughtだとするとcaught(つかまった)、daughter(娘)、naught(ゼロ、無い、無価値)あたりでしょうか)

 あと作画はムラがありますが、アベレージで見ると良かったですね。こちらもごめんなさいと言っておきます。





以下 1回目、2回目の途中断念時の視聴時のレビューです。

{netabare}
 2回目挑戦して結局断念しました。少し冷静にレビューしたいと思います。
 
 断念の理由は、1つは、ヒロインの日常生活時の描写が戦場で戦っている人間を想っているようには見えないこと。人間として扱っていないのはヒロインじゃないか、とも思いました。結局は86という制度を肯定している、といいましょうか。
 もう1つは、本当に戦う人間が必要な状況なら誰かが戦わなければなりません。戦争ですから。誰をチョイスするかで、人種差別があってはいけませんが、死そのものは避けられません。ヒロインはそれを忘れてしまっているように見えました。じゃあ誰が変わりに死ぬんだ?他の貴族に行けって?なら、代わりにお前が死地に赴けよ、と。

 さらに、SFをやるなら「取材」「研究」「教養」「想像力」が不可欠です。なんといってもサイエンスのフィクション、ですから。Fがファンタジーならいいですけどね。
 SFをするなら裏で相当頑張って脳みそを働かせないと、いい物はできません。異世界転生ものや、VRMMO、日常ものなどなら、テンプレ設定でそこそこ面白い話が描けても、このSFの世界はその点は甘くありません。まして、差別とか戦場での死とかをSFで主張するなら、なおさらです。そこの不足感が相当ありました。世界観、兵器、社会制度、AIのテクノロジーの度合い、等々です。

 SFに挑戦しようとする意気込みは買います。が、やはり、取材不足でSF作品、戦争作品として成立していない気がします。
 途中で断念したのでこの辺りの説明があったらすみません。


以下 視聴中のレビューです。

 原作等全く知りません。レビューもあらすじも見てません。それくらい楽しみにしておりました。

 第1話からヒロインの作画の同一性が厳しいですね。場面によって別人に見えます。髪の艶、背景など低予算の感じですね。ディスプレイの映像や光の演出などでがんばって雰囲気はだしていますが。

 女性の制服、いい加減ミニスカにするのやめられませんかね。他の良作アニメの女性の服装のリアリティはどんどん上がっています。安っぽく見えますよね。せめて学校の制服とは区別してよ、と。
 少佐が無能力なティーンですか。貴族特権ですよね。他人の批判する前に自分の能力を磨いたほうがよろしいのでは?

 第1話でヒロインサイドにコミカルな雰囲気は必要なし。そのくせエピソードも演出も陳腐ですし。
 第1話は状況の厳しさ、命の軽さを嘆くヒロインの心情や人柄、または舞台や技術設定などにフォーカスすべきでしょう。やっているつもりなら全然できていません。

 戦闘シーン、兵器のCGはなかなかいいのが救いです。

 「壁の中の貴族」が差別階級に戦わせる。設定は、亡国のアキトとかマージナルオペレーション的ななにかの雰囲気ですね。でもハンドラーの役割の意味がちょっとわかりません。

 科学技術の差が大きすぎます。少数の人間の犠牲で持ちこたえるには不自然でしょう。銀髪軍団たちは、無気力の極みですし。一人優秀な人間がいたから何とかなってたんですか?1国を滅ぼした戦闘機械軍団なのに?なら、それほど脅威じゃないですよね。

 情報の伝達方法をハンドラーがいきなり間違うとかそれは軍隊の最低限のルールでしょう。
 相手がAIに滅ぼされているので、AIは使えないという設定なのですかね。それにしては研究所らしきところではコンピュータ使ってましたが。戦闘記録は人力で作成するレベルらしいですね。

 まあ、どこかでいろいろ説明があるのかもしれませんが、ちょっとこの辺りを考察する気力もなくなってきました。
 何かを主題にして、それを軸に、というのが3話くらいまでに読み取れるなら、ここまで設定とか作画、演出にこだわらなくていいんですが、世界観もヒロインの目的もなにも提示できていません。言葉で「命は大切」って言ってるだけで、お前主体的に何かしたのかよって言いたくなります。演出が上手くて引き込まれるわけでもありません。

 ああ、いい言葉が見つかりました。クリエーターの気持ちが伝わってきません。

 楽しみにしていたのでちょっと辛辣になりました。お好きな方には申し訳ありません。残念ながら第3話の延々とつづく日常シーンで心が折れましたので、視聴は継続しないと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

何もかもがダメ

ラノベ勢からやたら注目されていた作品だが、期待外れにもほどがある。
先に書いておくと個人的に良いと思ったのは9話、作画、声優、ED一曲のみ。

{netabare}
まず、設定からして既視感がありまくり。
自分はこういう批判の仕方は大嫌いだけど、この作品はほんとにアルドノアや亡国のアキト、オルフェンズ...の寄せ集めだった。
まあ既視感があるっていうのはまともな批判にはなってないからこの辺で。

設定が雑なのも良くない。
酷い時で5分おき毎ぐらいに突っ込みたくなる。

まず、差別描写が雑。「戦死0の戦場」や「有人の無人機」という売り文句や舞台設定に頼りすぎで作品内での差別の描写が甘すぎる。
それどころかほぼそんな描写がない。この作品内で「色付き」という単語なんて全然聞かないし、直接的な差別も戦場に送り込まれているという点をのぞいて全然ない。
講義で白銀種に対して「有人の無人機」の真実を平気で話せるのもおかしい。この世界観でこういうことしたら普通お咎めがあるのでは...?
ところで、この作品で最も印象に残る差別表現は「白豚」っていう単語。

あれ...? これを言ってるのって86側...。
ほんとに、86の方がレーナに対して高圧的でむしろ逆に86側が差別しているように感じる。

てか、そろそろ日本人(86)が白人(白銀種)に差別されていて、それに抗うみたいな話は日本人=正義、白人=悪と取っているように思えて気持ち悪く感じるからやめてほしい。コードギアスとかもそうだけど。
勿論そんな設定はないけど、そういう話を作りたいってことが目に見えてしまう。

他に違和感を感じるのは86が反抗しない点。
86は白銀種よりも戦場に詳しいし、新型レギオンの仕組みという重要事項も86だけが握っている状況。そして共和国は武器も枯渇しているし、白銀種は全然戦っていない模様。
そもそも、何でレギオンを鹵獲して研究してないんだよっていう点は突っ込んだら負け。
こんな状況なら簡単に反抗できるのでは?
戦い続けても自分らが死ぬということを理解しているようだし、それならまだたとえ死んだとしても反抗した方がマシ。
作中で一応反抗しない理由が述べられたが、意味不明で全く感情移入できなかった。

レギオンの設定も雑。死んだ敵の脳を使っているというのはいいんだが、後半になると、レギオンが敵意がないのに後をつけてきたり(=意志がある)する。これなら、死んで脳を利用されると、敵対して国を攻めてくる理由が分からない。逆にむしろ脳が利用されたらレギオンとして、レギオンと戦えるのでは?

とまあ短く書いたつもりだったけど色々突っ込んでしまった。
こんなに書いておいてなんだけど、自分は別に既視感があろうとも設定がガバガバであろうとも、話が面白ければ一切マイナス点にはしない。

けど、このアニメは設定とか以前に単純に話が面白くない。
話が面白くないから粗が目立つのかもしれない。
せっかく作画がいいのに戦闘シーンは何やってるかわからないし、そもそも少ない。指令の様子ばかり写される。(2話と9話の戦闘は良かった)
キャラの死に方も雑。もしかしたら戦場のリアルさを表してるのかもしれないが、それなら数話にかけて死人を出さなくてもと思う。
○○が死んだってなっても何も思わないし、そもそも「いやそいつ誰だっけ?」って感想にしかならなかった。
キャラの死と言えばこのアニメは何回死ぬ死ぬ詐欺をするんだ。
そもそも、やってることもワンパが過ぎるんだよね。

あと、設定の解説不足。無線が使えないとか壁でおおわれているとか空中戦はできないとかファイドとか調べないと分からなかった。脚本家もあまり設定理解してないんじゃないか。

キャラも微妙。86側は人数が多すぎてシン意外空気だし、レーナはどうかというと微妙。
キャラデザだけで言えばかなり可愛くてよかったが、あまりに無能でイライラさせられる。
司令官のくせに、人を殺めるところをまともに見られないし、指示も一切役に立っておらず足を引っ張るだけという...。
ある回で86に「綺麗ごと言うな」ってキレられたのに次の回以降ではまた普通に綺麗ごとばかり言ってて笑った。
あと、こういうアニメでところどころ萌えアニメの空気感を持ち込むのは違和感があったかな。

まあそんな中で唯一良かったのは9話。
シンが兄と決着つける回だけど、話も単純に良かったし、戦闘も珍しく滅茶苦茶面白かった。ここまでの戦闘は"強敵"と言えるような相手がいなくて、モブばかり殲滅しているようだったから。そしてそこまでは口だけで綺麗ごとばかり言っていたレーナが実際に行動に写し街を走るという。シンが先に行くといって、レーナに後で来いと暗示するのも良かった。

11話で兄がまだ消えてないという展開になってちょっと興ざめしたけど。
あと、結局まだレーナと合流してないのも残念。

↓一話毎の感想
{netabare}
1話
銀髪好きには最高かもしれない。
髪の色に意味を持たせてるアニメって珍しい。
86ってギアスのイレブンか?
専門用語多くてわかりにくい。
この作風で萌えアニメ見たいなコメディは余計かなぁ。
世界観とか戦争相手わからないけどまあ面白そう。
ただこういうリアリティのない差別表現は好きじゃないな。
誰でも書ける感じの雑な差別表現。
とりあえず設定でだけ迫害しとけみたいな。
あと、服がなんちゃって軍服。戦争ごっこ。
なんだこの自分に酔った奴が歌ってそうなOP。
息入れるの気持ち悪い。最後の尺余りも酷いし。

2話
敵がどんな国なのか描かれないのがわかりにくいな。
完全に相手無人機だし。戦闘がめっちゃかっこいい。この戦闘だけでも見る価値があるアニメ。
戦闘かっこいいけど注視しないとすぐ敵味方がわからなくなるw 
西暦ってことは地球舞台なのか? 
レーナめっちゃ真実ばらしてるけどこれ即捕まえられるだろ。
ええ...国の管理体制ガバガバすぎんか。
お咎め展開展開か、せめて注意喚起ないの?

3話
急にラノベっぽいノリになった。普通に暗い空気感でやった方がいいのに。今回話は何も進まなかったけどレーナと86の人らの仲を深めたいい回だったと思う。
こういう話が丁寧に描写されるのはいい。
誰かがが死んだ、誰だよ。
86が差別されてる感が足りないなあ。
むしろ逆に白銀種のほうが差別されているように感じる。
めっちゃ切れてたけど、こんな世界観なら本来歯向かってはいけない雰囲気になってるはずでは。
これ、戦闘シーンが一切描写されないし、誰が死んだのかも全くわからない。(ちゃんと見たらわかるんだろうけど)
指揮官視点実際の戦闘の情景なんてわからなくて、誰が死んだかなんて対岸の火事だということを暗示してるのか?
そういう意味があっての見せ方ならかなりうまいと思う。

4話
ほんと差別してる側じゃなくてされてる側みたいになってるじゃねーか。
レーナが綺麗ごとばっかだから怒るのはわかるけどさ。
あんな怒ってたくせにもう空気感戻ってるという。
人が死んだ翌日みたいな空気感じゃねーな。
高みの見物というのはその通り。今後一緒に戦うのか?
結局電話越しに謝罪って前と同じじゃないのか?
このアニメありふれた設定で目的もなく無難に進んで言ってる感があるんだよなぁ。

5話
赤髪メガネに助けられるロリの頃のレーナ。
この年齢なのに、差別してるのに何で助けてくれるのってセリフは言わされてる感が。
ギアーデ帝国がレギオンの開発国でこの物語の敵?
ほんとに共和国の人は現場のこと分かっていないんだな。
レギオンの核には人間の脳が使われているっていう重要事項。
鹵獲して研究してないのか?
そもそも黒羊の情報、そんなにいっぱいいるならなんで上に伝わってないんだ?反乱でも起こそうとしてるから伝えてないのか?
結局レーナは指示をするだけで、現場にも出ずに1年でレギオンを殲滅出来たら...と理想論を語ってるで笑った。

6話
ほんとにむしろ逆に白銀種が差別されているようにしか見えないな。
キャラがあっさり死ぬなぁ。
てかレーナいる?全く命令役に立ってないじゃん。
人が撃たれるところすら見たことないのかよレーナ。
なんで司令官なの?見るのが責任ってなんだよ。
なんでレーナが司令官務まってるのかわからん。
話も何も見えてこないのがなぁ。
モブを倒してるのとキャラが死んでるだけで話が何も進んでない。
軍の司令のままに全員が動くだけでなんかなぁ。
迎撃砲とかいう王国の武器があるかと思えばもう動かないらしいし、86もそのことを把握している。
ほんと反乱起こせば勝てるんじゃないの?
何かシリアスから急に萌えアニメの雰囲気になったりもう滅茶苦茶だな...。
こんな状況で死んだ人からもらったチョコレートをもらって笑顔になってるし。
主人公も前に怒られたのに結局理想論ばっかで何もしてないじゃないか。

7話
86に正論を言われるレーナ。またこの展開か。
ほんとレーナ耐性なさすぎだし、情に任せすぎだしなんで司令官なんだ。
これ以上誰も死なせないって、司令官がどうやって。
キャラの死亡シーン雑すぎる...。
これリアリティ重視でわざとやってるのかなぁ。にしても雑だなぁ。
レーナの頭がお花畑すぎる。理想論しか言わない。何もしない。
反逆しない理由も意味わからん。
叛逆した方がこの状況の場合正義だろ。しかもレーナの前で白豚呼びとかほんと逆に差別じゃねえか。

8話
レーナ理想論しか言わんからイラつく。
行動に移さずに他人に頼ろうとするばかり。
いやいや何が86はほろぶべきだよ。滅んだら共和国と戦えなくなるだろ。
しかも負けた後86の存在を完全に隠蔽とか無理もある。
それにレーナは何で平気で毎回国を裏切ってんだ。
もう通信つなぐなってレーナ何のためにいるんだよ。
なんでこんな体制ガバガバなんだよ。

9話
珍しく戦闘が面白い。兄との決着。
兄の掘り下げもうちょっと欲しかった感と、もう回収しちゃうの感はあるけど今回結構面白い?とうとうレーナも行動に写すか?
やっと口だけのキャラじゃなくなった。
シンが先に行くと言って後でレーナも来いって暗示するのもいいな。
ほんとに今回どうしたんだってぐらい面白かった。

10話
いや逃げるんかよ。結局これなら反逆しても良かったじゃないか。
このロボ何者。
てかレギオンに意思があって近づいてきたみたいになってるけどこれなら死んで脳をレギオンに利用されたら自分の意思で操れるんじゃないか?
EDはやいな今回
ファイドってなんだ? これ死ぬ流れか?
この世界北極あるってことは地球なのか
ああ、そういう系の回想か。え、このロボ殺す意味あった?
ファイドの出番ここまでにもっと欲しかった。あったなら感動してた。

11話
日本語!?
結局日本人=正義 白人=悪ってしたかったような作品か。
コードギアスとかもそうだけどこういうの気に入らないな。
シンがせっかく囮になってくれてるのに他の奴がもたもたした後に加勢する。
こういう展開ほんと嫌い。何のために囮になってんだよ。兄まだ生きてたんかよ。
戦闘が唐突すぎて一切盛り上がらないラストバトル。
いや、結局加勢してピンチになるしほんと何のための囮だよ。バカすぎて呆れる。このおじさん誰だ。
ほんとむしろレーナらの方が差別されてるじゃねーか。合流もしないのか。まああの4人はどうせ生きてたオチかな。

{/netabare}

OPはミュートするほど微妙でした。自分がミュートしたアニソンはこれが3曲目です。EDはいつもの澤野音楽といった感じだけど良かった。
澤野氏が曲歌ってるアニメは地雷の法則。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

69.4 2 絶望で仲間なアニメランキング2位
約束のネバーランド(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (414)
1575人が棚に入れました
「約束のネバーランド」は、白井カイウさん原作、出水ぽすかさん作画による、「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)にて連載中の人気マンガを原作としたアニメ作品。「週刊少年ジャンプ」28号(2020年6月15日発売)にて完結。コミックス1巻(2016年12月2日発売)から20巻(2020年10月2日発売)までの全世界での累計発行部数は2,500万部以上。第3回「次にくるマンガ大賞」コミックス部門2位や、宝島社「このマンガがすごい! 2018」オトコ編1位など、国内の数々のマンガ賞を受賞。TVアニメ化に際し監督は神戸 守さん、シリーズ構成は大野敏哉さん、キャラクターデザインは嶋田和晃さん、音楽は小畑貴裕さん、アニメーション制作は、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」「PERSONA5 the Animation」のCloverWorksが担当する。

声優・キャラクター
諸星すみれ、茅野愛衣、林鼓子、伊瀬茉莉也、日野まり、久遠エリサ、植木慎英、森優子、白城なお、Lynn、青山吉能、神尾晋一郎、石上静香、河野ひより、種﨑敦美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

姑息な俺は連れて行かないだろう

原作未読 続きもの全11話

鳥籠の鳥が籠を出てから、もとい牛舎の牛が鎖を断ち切り外へ飛び出してからを辿る第2期。
1期は自身クールトップ評価かつ滅多に出さない4.5点と非常に高く評価をしてます。
その際「農園出るまでがピークだよん」の声もあったりで冷静に期待値は控えめで迎えた今回の2期。
籠やら牛舎の中と外と舞台が変わるのに合わせて物語がどんな変化を見せるのか期待というより不安が先行してました。

だからでしょうか。評点は大幅に下げますがそれなりに楽しめた私。
「愛してたのに裏切ったわね?」の気分無きにしもあらずとはいえ許容範囲内に収まった感ありです。
そのへん後述するとしてダメだったとこ↓

構成ですね。全11話・短尺・駆け足・端折り過ぎでした。
やや外野の話。10話までシリーズ構成を原作者の白井カイウ氏が担当。なんで最終話やらんの?で邪推がはかどりそうです。
原作未読のためアニオリどうこうには無頓着ながらそれでも説明不足と感じろところ多々。ただしそれは最終盤に顕著だっただけで、それまではややご都合はあって好き嫌いあるかもねぐらいのレベル。
最終話至る前にやや好意的な評価を固めていたこともあって、飛ばし過ぎスピード違反の最終盤に戸惑いつつもまあこれはこれでいっかぁという感想です。

さてこれからの方に向けたおすすめポイントをば。
ヴィルク(CV上田敏也)なるアニオリキャラクターの醸し出す雰囲気がすこぶるよかったです。あの「小鬼だ…小鬼がおる」で有名な『ラピュタ』のポムじいさん感抜群で常田富士男さんが蘇ったかのよう。中の人上田さんも御年88歳と凄味が伝わる演技でした。
良くも悪くもトータル2クールで完結(たぶん)する手に取りやすいパッケージであることと、やや斜め上から見た「努力・友情・勝利」を楽しめる作品になってると思いますよ。

 

※ネタバレ所感

ここからあえて褒めるターン

■ベストセラー確約

『マム・イザベラの頭脳明晰/強い意志を持つ子供の育て方』

育児本出したら売れそうです。特に日本で。
{netabare}良い意味で引っかかったのは彼女の孤独。子供たちそっちのけで彼女の半生に想いを馳せると目から汗がでてきそう。
エマたちと違って仲間がおらず悲しみも苦悩も一人で受け止めるしかなかった彼女。友がいるからこそ乗り越えられる少年少女らのジャンプらしい“友情”を前に出しながら、むしろ一人で抱えてなお意志を貫いた大人の彼女に亡き友や息子(たぶんレイね)へ抱く強い愛を感じる。他のマムも同様に一人一人がイザベラだったことも想像に難くない。
やや駄々っ子、もはや鬱陶しさすら感じるエマの子供っぽさよりも深みのある情と聡明さを感じる傑出キャラでした。
最終話では“なぜそうしたの?”の説明は省かれてます。私は“そこまでしてでも守りたい一線だったのね”という角度から捉えております。{/netabare}


■エマへ相反する評価

{netabare}「今、日本の会社は、みんな失業者をかかえとるのや。私どもでも一万人は遊んでいる」

松下幸之助の弁。従業員を家族のように扱っていた在りし日の経営者の考え方がよくわかる一言です。
エマの選択で思い出したのがこれ。稼ぎ頭の幹部候補生がノーマンやレイなら平凡なサブリーダークラスがドンやギルダ。遊んでいる社員はちびっ子たち。
実際私だったらレイが言ってたちびっ子たち切り捨て案に乗るんだと思います。効率/生産性や利益確保を考えての合理的判断ってやつです。
しかしながら自身も就職氷河期世代の身。いまさら氷河期世代のリーダークラスいないって言われてもそこを育ててこなかったのお前らじゃん(怒)ってルサンチマンは正直あるんですね。
はっきり言ってエマは理想主義過ぎるのと、掲げる以上提示してほしい具体案に乏しいので苦手です。むしろ嫌いなタイプといってよい。
それでも理想と情熱が合理的判断の壁を越え良い結果をもたらすってのは匙加減間違えなければ大丈夫なわけでして、本作についてはOK組。なにもしないで転がり込んだ幸運ではなく、意思をもって動いたことで幸運の女神が微笑んだものと捉えてます。{/netabare}

お花畑と紙一重なのが悩ましいところですね。ここの線引きは“当事者として振る舞ってるか?”で分けてます。たとえ主義主張が真逆でもケツを拭く覚悟があればついていくのも選択肢。


■そう簡単ではない

なにが正義でなにが悪かわからなくなるモチーフは物語に深みを与えるものです。
こちら二方面から迫っていて良かったですね。

:其の一 正義を標榜し残酷をなす
{netabare}十字軍なんかそうですけど、正義を掲げた時に人は最も残酷になりやすいとか。
ノーマンプランは薬を利用した民族浄化計画でした。
ラートリー弟は品種改良しての食用児大量生産/供給を企ててました。
なかなかの鬼畜の所業。対立する立場の双方えげつないことやってる描写はもちろん、随所で“正義を標榜する”セリフを両陣営に散りばめてました。筋を通してます。{/netabare}

:其の二 主従の逆転
{netabare}圧倒的な人<鬼の格差社会かと思ってたところへの貧しき鬼たちの登場はファインプレーでした。
農園を頂点としたヒエラルキーの存在。上位に位置する人間(ラートリー家のことね)もいれば、そんなとこからのわずかな供給にすがる貧しい鬼たちがいるという仕組み。そしてその仕組みを維持するために汲々とする既得権者としてのわずかな人間。
搾取する側に抵抗する民衆の構図って一歩間違えると赤に染まるわけですが、ここでは善悪の逆転、主従の逆転、そして価値の逆転を提示されて得た驚きを評価したく。{/netabare}

とってつけた“人間が悪い”はむしろ浅さが悪目立ちして逆効果になるところをそうならずに、ここだけはきちんと時間かけて描いてたと思います。


■いやこれ異世界っしょ?

{netabare}同じ地球上で全く異なる価値観をもった世界(文化圏)が棲み分けできてるって…ありえないよね(笑)
最終話のネタバレになるのでさらに閉じます↓
{netabare}現代の超高層ビルが立ち並ぶ人間の世界{/netabare}

大航海時代とかやるメンタリティを持つ欧米列強だったり、版図拡大に余念のないCHINAが鬼の世界をほっとくわけないです。軍事格差すなわち力の不均衡が生じた時に軍事衝突起こるもので、こちら人間を捕食する危険な生命体をほっとく理由がありません。つい数年前の協定を破る同じ生命体が近くにいるくらいなのに1000年前の約束?なんて律義に守ったりはしませんよ。ただしそこにツッコミ入れるのは本意ではありません。{/netabare}

{netabare}エマらの人間世界への憧憬に楔を入れるラートリーが吐き捨てたひと言。

「だって人間同士で残酷なことやってきたんだぜ?」

そこから間もなく場面が現代に飛んだところが示唆に富むメッセージだったんじゃないでしょうか。
火が垂れると書いてホタルと読む某映画の演出同様、なんか問いかけてないかなー?って思うのです。
ま、繰り返しになりますけど、そうだと説明する箇所がほぼないのが玉に瑕です。いやここまで挙げてきたあれやこれやも説明ないですからね。いち視聴者の妄想の域を出てないとご承知おきください。{/netabare}



さて実写版が公開されます。演じるは現在二十歳の女優さん。大人の事情は考慮するにせよ現実問題として演じられるローティーンの役者を揃えるのは不可能です。
そんなえげつない制約はアニメはないはずでして尺がないならないでなんとかやりようはあったでしょう。これしっかり拾ってたらというのはもちろんありますが、足りない尺での取捨選択においてギリ伝わってくるものがあったので私は良しとします。



■最後にもう一点

インド洋に北センチネル島っちゅう、上陸を試みるとそこの部族に殺されちゃう島があります。近接するインド含め現在この島はノータッチ状態になってます。もちろんかの部族も外には出てこない。この物語もそんな感じと思えばいいのかしら。

{netabare}たしかちょい前にアメリカの宣教師がここに渡って消息を絶ちまして、渡航理由聞かれて「ここはサタンの最後の砦」と答えたそう。
この感覚を多くの日本人には理解しづらい。ほっときゃいいじゃんとつい思ってしまいます。

作品に戻って、鬼が人を食わなくてもよいように数年現地に残って奮闘したエマたちって、みかたを変えれば史実のピサロ/コルテスみたいなコンキスタドレスと変わらんし、いくらしんどかろうがラートリー家は秩序を保つ役割を果たしていたわけでして、どうにもこうにも立ち位置の違いで異なる正義の落としどころって答えがないのよね。といつもながら思ってしまうのです。{/netabare}



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ視聴

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2021.04.03 初稿
2022.01.30 タイトル修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 49
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

期待通りではないが、叩くほどでもない

原作とは話が違うようで。
原作大好きな人からは批判あびがち。
確かに原作中の重要人物をカットしているけれども、ifストーリーとして見るとそこまで叩くものでもないかと。
期待しすぎていたからかノイタミナで話数が少なく、物足りない。
一応、完結させているのは良いんじゃないかな。

大筋を合わせた感じはする。でも、別物かな。
{netabare}鬼は絶滅させたくない。鬼は人を食べて人型になり、知能を保っているが、ムジカとムジカの血を飲んだ鬼は問題ない。あとはイザベラが裏切って守る側につくところ。{/netabare}


OP
アイデンティティ 秋山黄色
ED
魔法 Myuk


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
EPISODE1
ハウスからの脱獄に成功し、ノーマンが残してくれたペンが示した目的地へ向かうエマたち。しかし、その道中で巨大な野良鬼に遭遇してしまう。レイは野良鬼を自分に引き付け罠にかける為、エマ達とは別行動をすることになるが、さらなる窮地へ陥ってしまう。一方、野良鬼から逃れたエマたちだったが、エマの耳の傷が開いてしまい、出血と高熱から意識を失ってしまう。一同の危機を救ったのは、全身を布で包んだ人間らしき謎の少女と大男?だった。

EPISODE2
エマたちを救ったのは鬼だった。名前は「ムジカ」と「ソンジュ」。二人は宗教上の理由から、人間を食べないのだという。エマとレイは、他の子供たちが眠っている間にソンジュの元を訪れ、30年前人間に何があったのか。この世界が今どうなっているのかをソンジュに訊ねた。そしてソンジュはこの世界のこと、そして「昔話」と称し、鬼と人間の世界で交わされたとある「約束」について語り始めた。そして、この世界の真相を知ったエマたちは「鬼の世界」からの脱獄を決意する。

EPISODE3
この世界で生きていく術を学び、ペンが示す目的地への道案内をしてくれたムジカ、ソンジュと別れたエマたちは、ウィリアム・ミネルヴァが居ると思われる「B06-32」を目指し荒野を進む。目的地であるはずの「B06-32」に到着するが、そこは見渡す限り何もない荒野だった。しかし、ペンに新たにパスワードを入力すると、現在地周辺の地図が表示され地下シェルターへと続く入り口が現れた。シェルター内には充実した設備があり、子どもたちは、久しぶりの安息を得るが、生活していく中で、いくつか不思議な点に遭遇する。

EPISODE4
唐突に鳴り響く電話の音。エマは恐る恐る受話器を取ると、それはウィリアム・ミネルヴァからの連絡だった。しかし、その音声は録音されたもので、ミネルヴァから告げられた事実を噛みしめる一同。子供たちは人間の世界を目指すため、ミネルヴァが用意してくれたシェルターで生活基盤を築き、その後GFハウスに戻り、フィル達を救出する計画を立てるのだった。一方、農園本部の地下室には、イザベラの姿があった。脱走者を全員連れ戻すことを条件に、農園からの開放を提案された彼女は、決意の表情とともに、「必ず連れ戻します。」と答える。

EPISODE5
シェルターの襲撃から逃れたエマ達は、鬼の集落から少し離れた廃墟の神殿を拠点としていた。しかし、シェルターやGFハウスの時とは違い食料も限られ、生きていくのがやっとの状態だった。エマは妹弟たちの寝顔をみながら、この状況を打開しなければいけないと思いつつも、その方法が見つからず責任を感じてしまう。そんな中、エマたちと一緒に食料調達へ行っていたトーマとラニオンは、帰り道、鬼の集落で人間だと発覚してしまう。

特別編「道標」
エマとレイの目の前に現れた、出荷されたはずのノーマン。ノーマンが残してくれたプランによって、グレイス=フィールドハウスから脱出できたこと、そして脱出後、今に至るまで何があったのかを、エマとレイは語り始める。

EPISODE6
エマとレイの目の前には、出荷されたはずのノーマンがいた。もう叶わないと思っていた再会に涙し、ノーマンに抱き着くエマたち。神殿に戻り、他の子供たちとも念願の再会を噛みしめる。その後、ノーマンは出荷の日からこれまでに、何があったのか語りだす。自分が移送された「ラムダ7214」のことや、そこで知った「なぜ鬼が人間を食べる必要があるのか」その真実を。そして、エマの望んだ「食用児が笑って暮らせる未来」を作る為、ノーマンは、鬼を絶滅させ、鬼の世界で食用児が安全に暮らせる世界を作る、と伝える。その作戦を聞き喜ぶ子供たちの中で、エマだけは浮かない顔を見せる。

EPISODE7
ノーマンから「邪血の少女」である、ムジカの伝承を聞いたエマとレイ。ムジカの持つ力に驚きつつ、エマはその力に希望を抱く。しかし、ノーマンは自分の作戦に対する危険要素であると考え、ムジカとソンジュを殺すという。エマは、「鬼たちを滅ぼしたくない」と、ノーマンに告げるが、ノーマンも引かず、淡々とエマを説得する。完全に対立してしまった二人だったが、エマは、ノーマンにある取引を提案する。

EPISODE8
発作により血を吐くノーマン。ノーマンがラムダで実験をされていないというのは嘘だった。ノーマンは自分に残された時間の中で、生きてエマ達と再会し、エマ達が安心して暮らせる世界を作ることを望み、戦っていた。一方で、エマ、レイ、ドン、ギルダの4人は、ムジカとソンジュと再会を果たし、二人に助けを求めるが、突如爆発音が聞こえる。ノーマンの作戦が実行されたと考えたエマ達は、集落へ急ぐ。

EPISODE9
エマたちの帰りを待たずして、作戦を実行したノーマン。ヴィルクとその孫鬼を殺すことを躊躇している中、ノーマンの前にエマとレイ、そしてソンジュが現れた。ノーマンは、「作戦は実行され、もう手遅れだ」と告げる。エマは、今からでも絶滅を止めるようノーマンを説得するが、ノーマンはエマの言葉を聞き入れない。そんなノーマンにエマは、彼の本心を見透かすように声をかける。一方、農園本部では子供たちがシェルターの無線を使い、農園の定時連絡を傍受していると気づいたイザベラは、GFハウスの食用児全員を出荷するという情報を流す。

EPISODE10
気球を使い、上空から農園に侵入する作戦を漏らすヴィンセント。その報告をうけピーターも農園の警備を変更、来たる脱走者たちの侵入に備える。しかし、ヴィンセントの裏切りもエマたちの作戦の一つで、気球を陽動につかい、農園への侵入作戦を開始する。一方ハウスでは食用児たちの出荷作業が進み、フィルは既に門へ到着していた。そこへジェミマが現れ、エマの伝言を受け取る。エマはハウスの子どもたちに合図を送り、シスターから子どもたちを引き離すことに成功。ハウスの子どもたちと合流し、みんなで人間の世界へ通ずるエレベータに乗り込むが、グランマとなったイザベラ率いる武装した大勢のシスターとピーターに行く手を阻まれる。

EPISODE11
ピーター・ラートリーは、ラートリー家の前当主である兄ジェイムズを幼い頃から尊敬していた。しかし、約束を守ることが一族の使命であると信じるピーターは、ジェイムズが、「ウィリアム・ミネルヴァ」と名乗り、食用児を救うための支援者となった事が理解できず、兄を犠牲にしてでも、世界の秩序を保つ道を選んだ。自分の運命を悟ったピーターは、「自由になろう」と彼に手を差し伸べるエマに穏やかな表情を向け、自ら命を絶った。そして、遂に人間の世界へ繋がる門に到着した一行は、ミネルヴァのペンを使い、その扉を開け先へ進んで行く。しかし、エマ、ノーマン、レイ、シスロ、バーバラ、ザジは鬼の世界に残り、全食用児の救出を目指すのであった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

なんだか切ない。。大人の都合で成り立つ世界 

 
塀の外はどんな場所なのか・・こんな大勢の子供達を抱えてどうなるのか・・この世界はいったいどんな成り立ちなのか・・

1期終了後、気になって仕方がなかったのはこれらでした。
評判はイマイチっぽい印象ですが、果たして・・・

 原作:週刊少年ジャンプの漫画
 制作:CloverWorks
  ダリフラ、青ブタ、FGO・・
  A-1系列。さすがです。
 放送:フジのノイタミナ枠
    第1期 2019年1-3月(全13話)
    第2期 2021年1-3月(全11話)
 視聴:2021年4月(Amazonプライム)

へー、なんか、雰囲気は好きです。
間もいい。会話やシーンを詰め込もうとする余り、演出や会話を感じ取って余韻を楽しむ時間を削られる作品も多い中、作中の人物の想いや世界の雰囲気を感じる「間」を有難く感じました。
またEDがいい。絵が写実的でありながら曲と溶け合っててとてもエモい。

■キャラ/キャスト
キャラの声が良かった(演技は言うに及ばず)。
~{netabare}
 エマ  :諸星すみれ
 ギルダ :Lynn
 アンナ :かやのん
 レイ  :伊瀬茉莉也
 ムジカ :種﨑敦美
 ノーマン:内田真礼
 ナット :石上静香

子供キャラが多いせいか男役の女性声優が多かったですねえ。
子供だからってこうまでいつもいつも笑顔でいられるか・・
なんてふと、そんな想いも湧き出てもきますが悲愴感オンリーよりいいアクセントなのかもな、とも思ったり。
{/netabare}~

■ストーリー
今回ツッコミたかったのは・・
~{netabare}
第4話・・追ってきた人間に捕まるも、都合よく野良鬼が出て来て敵だけを食い、銃が効かなかった鬼に弓矢1本がたまたま当たって撃退。。一人も欠けないって、たまたま過ぎるっしょやw
あと例のペン・・どんだけ電池が持つんだらうw

第6話「道標」・・いるの?それとも万策尽きたの?
この回自体は悪くはないけど、そのせいで終盤駆け込みになり過ぎたとしたら、惜しい、惜しすぎる。。いい作品だけに。

脱獄モノはその後はどうしてもテンション下がりますよね。そこは予想していたので残念感はあまりなく、それなりに楽しめたと思います。

でも、次期の可能性を消すような形での無理やり感満載の終劇・・
モヤモヤ感ない終わり方は好きだけどこれじゃ劇場版やるとしても外伝ぽくなるじゃん・・鬼滅みたいに、ちゃんと順を追って丁寧に世に出して欲しかったよフジテレビさん。。
(まさか資本どころか社内が既に外資に乗っ取られてないですよね)

原作未読ですが、アニメを観終わっただけでの感想は・・
塀の外の世界はソマリの世界じゃんってこと。
「ソマリと森の神様」に人間を飼育する農園の設定を追加したインスパイヤ・・といった印象になってしまいました。
(そういえば知性ある敵との共存みたいなテーマはダンまちⅢとも似てますね)

<参考:原作発表時期>
 ソマリと森の神様 :2015年~
 約束のネバーランド:2016年~

企画陣は脱獄編だけがアニメ化に耐え得ると考えたのでしょうか。。
確かにこれだけでも物語としてまとまっているとは思いますが。。
{/netabare}~

せめて・・

~{netabare}
 続きあるかもね?的な終わり方の方が、原作組の怒りを買わなかったかも知れませんぜ。。

 もったいない。。
{/netabare}~

でも・・

 生死の危険を考えず生活できる世の中。。
 それは人類が求めてきた社会。
 今では当たり前なもの。
 でもそれは、たまたま得られるものではない。
 そんな先人の悲願に想いを馳せるのもいいかも知れません。

機会があれば原作を読んでみたいですね。全20巻ならいけそうかな。
 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28

94.4 3 絶望で仲間なアニメランキング3位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1658)
6899人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

流行にのってみた

流行にのって視聴。見終えてだいぶ時間が経過して今更のレビュー。

鬼に家族を殺され、妹を鬼にされた竈門炭治郎が妹を人間に戻して敵討ちをするために奮闘する物語。

設定は割とシンプルで見やすいとは思う。
話の分かりやすさと日常的に使いやすい全集中とか~柱(そんなに使いやすくもない?)とかも人気が出た要因の一つかなと思った。
あとはみんな大好き必殺技というか技の名前。
少年マンガにつきものの主人公の成長もあって、やっぱり成長見るの好き。

素直に面白いと思った。流行しただけはあるのでは?
見ていた人多かったから、初対面の人と話すときの話題に困ったときにもしかしたら使えるかもしれない。

何も考えずにボーっと見るのにも良い。

キャラクター達も個性的な設定にしてある。
上半身裸で猪の顔を被った伊之助なんか衝撃的。ご本人の顔とのギャップ。


OP
紅蓮華 LiSA
ED
from the edge FictionJunction feat. LiSA
挿入歌
竈門炭治郎のうた 椎名豪 featuring 中川奈美
紅蓮華やっぱし良いですね。紅白に出るだけのことはある。ずっと聴いていたい。そして、EDの溢れる梶浦由記感。
竈門炭治郎のうたも注目すべき楽曲のようだ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は大正、日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎は、ある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。さらに唯一生き残った妹の襧豆子は鬼に変貌してしまった。絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、“鬼狩り”の道を進む決意をする。人と鬼とが織りなす哀しき兄妹の物語が、今、始まる--!

1. 第一話 残酷
時は大正。竈門炭治郎は、家族とともに山でつつましくも幸せな日々をおくっていた。ある日、町で炭を売りに出かけた炭治郎が山に戻ると、家族は鬼に襲われ血だまりの中で絶命していた。唯一、一命をとりとめていた妹・襧豆子を救うべく、降りしきる雪の中背中に背負い必死に雪山を下りる炭治郎。その途中、襧豆子は突然唸り声を上げ、炭治郎に襲いかかる。

2. 第二話 育手・鱗滝左近次
炭治郎は冨岡義勇の導きにより、鬼になってしまった妹・禰豆子とともに狭霧山を目指す。夜の道中、炭治郎はお堂から血の匂いを嗅ぎつける。誰かが怪我をしているのかもしれないと駆け寄ると、なんとそこにいたのは、人を喰らう鬼。突如、鬼に襲われた炭治郎は、斧でなんとか応戦するが、鬼の圧倒的な力に、たちまち鬼に組み伏せられてしまう。鬼がとどめを刺そうとしたとき、助けに入ったのは--。

3. 第三話 錆兎と真菰
鬼殺隊--古より存在し、鬼を狩る組織。入隊のための試験「最終選別」に向けて、鱗滝左近次による炭治郎の訓練が始まった。様々な罠が張り巡らされた山下り、刀の素振り、滝修行、そして呼吸法……。狭霧山に来て一年、鱗滝は「もう教えることはない」と炭治郎へ言い放ち、巨大な岩の前で、最終選別へ行くための条件を突きつける-。

4. 第四話 最終選別
最終選別の合格条件は、鬼殺の剣士が捕らえた鬼たちが閉じ込められている藤襲山で七日間生き延びるということ。若き剣士と鬼の生き残りをかけた戦いが始まる。炭治郎は、鱗滝左近次のもとで身につけた呼吸法と型で着実に鬼を斬っていく。二年にわたる鍛錬は無駄ではなかった。しかし、そんな炭治郎の前に、藤襲山にはいるはずのない異形の鬼が現れる-。

5. 第五話 己の鋼
朝日が昇り、七日間の戦いの果てに生き残った剣士たちはたったの四名だった。生き抜いた炭治郎たちを出迎えた案内役からは、鬼殺隊についての説明が行われる。それぞれに鬼殺隊の隊服、伝令役となる鎹鴉が支給され、最後に、自身の日輪刀を造る玉鋼を選んだ。そして、鱗滝の家へと帰宅した炭治郎を待っていたのは-。

6. 第六話 鬼を連れた剣士
鬼殺隊の隊服に身を包んだ炭治郎。腰に日輪刀を携え、禰豆子が入った鱗滝特製の木箱を背負い、鬼殺隊の初任務として毎夜少女が失踪しているという北西の町に向かう。そこで炭治郎は、恋人をさらわれ、憔悴しきっている和巳と出会う。たしかに、近くに鬼の匂いを感じるが、鬼の姿はどこにも見えない。不穏な事件に鬼の影を疑う炭治郎は-。

7. 第七話 鬼舞辻無慘
三人に分裂した鬼が炭治郎を追い詰める。そのとき禰豆子が鬼に襲い掛かった。鬼になってしまった妹は守らなければいけないほど弱い存在ではない--。意を決した炭治郎は、分裂した鬼のひとりを追い、地面に広がる沼へ飛び込む。沼の中で待ち受けていたものは。

8. 第八話 幻惑の血の香り
次なる任務の舞台は東京・浅草の町。大正の華やかな都会の街並みに戸惑う炭治郎だったが、そこで鬼の匂いを嗅ぎつける。匂いを追った先で出逢ったのは鬼舞辻無惨だった。鬼舞辻を斬ろうとする炭治郎。だが、鬼舞辻は行きかう人間を鬼に変え、町を混乱に陥れる。必死に事態を収拾しようとする炭治郎の前に、 とある人物が姿を現す-。

9. 第九話 手毬鬼と矢印鬼
炭治郎を助けた者は、珠世と愈史郎という鬼だった。珠世は炭治郎たちを、”目隠し”の術を施した屋敷へといざなう。そこで炭治郎は、珠世との会話から、鬼を人に戻す方法についての活路を見出すのだった。そのとき--炭治郎を追うふたりの鬼が屋敷の場所をつきとめ、猛烈な攻撃を繰り出す-。

10. 第十話 ずっと一緒にいる
炭治郎の苦境は続く。矢琶羽が最期に繰り出した血鬼術”紅潔の矢”を、炭治郎は水の呼吸の型を駆使し、なんとかしのいでいた。一方で禰豆子と朱紗丸の戦いは続いており、状況を危惧した珠世は、自身の血鬼術を使い-。

11. 第十一話 鼓の屋敷
鎹鴉から告げられた次なる鬼退治の地は南南東--。その途上で炭治郎は、最終選別で生き残った同期の剣士・我妻善逸と出会う。炭治郎は、善逸の消極的な態度に手を焼きつつも山の奥地へ向かうと、屋敷の前で兄を連れ去られたふたりの子どもたちに出会う。そこで、善逸はどこからか鳴り響く鼓の音を聴くのだった……。

12. 第十二話 猪は牙を剥き 善逸は眠る
鼓を打つ度に、部屋が回転する不思議な屋敷の中で、炭治郎は善逸と離ればなれになってしまう。炭治郎と別れてしまった善逸は正一を連れ、恐怖に絶望していた。その頃、炭治郎は、屋敷の主である鼓を打つ鬼と、猪の頭をかぶった奇妙な姿の男に出会う。

13. 第十三話 命より大事なもの
屋敷の主・響凱が鼓を打つたびに部屋が回転し、炭治郎は苦戦を強いられる。前の戦いで骨折している炭治郎は弱気になる自身を鼓舞して、必死に立ち向かう。響凱が使う血鬼術による攻撃にも圧倒される炭治郎。果たして、無事に響凱の頸を討ち取ることができるのかー。

14. 第十四話 藤の花の家紋の家
死闘の末、響凱との戦いに勝った炭治郎。屋敷の外へ出ると、先に脱出していた善逸と出会う。だが、禰豆子の入った木箱を抱えボロボロになった善逸、そして二刃の日輪刀を抜いた猪頭を被った男が立ちはだかる異様な状況を目の前にする-。

15. 第十五話 那田蜘蛛山
次なる目的地は北北東。炭治郎と禰豆子は、善逸や伊之助とともに那田蜘蛛山へ向かう。その山は蜘蛛の巣が張りめぐらされ、無数の蜘蛛が蠢く山だった--。怯える善逸を残し、山に入った炭治郎と伊之助は、蜘蛛の糸に絡み取られた鬼殺隊員に遭遇する。

16. 第十六話 自分ではない誰かを前へ
蜘蛛の糸に囚われた鬼殺隊員と戦う炭治郎と伊之助。糸を斬り、蜘蛛の巣を破り、ふたりは山の奥へ。森を進むにつれ、蜘蛛の糸がだんだん太くなり、操られている者たちも人間には不可能な動きをしはじめる。操られた隊士たちを、傷つけずに動きを止める方法も困難になる中、炭治郎がとった行動とは--。

17. 第十七話 ひとつのことを極め抜け
ここには鬼舞辻無惨直属の配下・十二鬼月がいる--。那田蜘蛛山の母鬼を倒した炭治郎は、妹の禰豆子を人間に戻す手掛かりになる鬼が、この森にいることを知る。傷だらけの伊之助とともに、ふたりはさらに森の奥へ。一方、ひとり寂しく森を進む善逸の前に、人面蜘蛛が現れる。

18. 第十八話 偽物の絆
那田蜘蛛山の父鬼と対峙する炭治郎と伊之助。応戦する炭治郎だったが、父鬼の怪力に吹き飛ばされてしまう。川の近くに落下した炭治郎は、姉鬼を痛めつける鬼の少年・累と出会う。恐怖と憎悪で結ばれた関係を「家族の絆」と呼ぶ累に、炭治郎は激怒する。累と炭治郎の戦いが始まる。

19. 第十九話 ヒノカミ
鬼殺隊最強の剣士である柱が那田蜘蛛山に到着した。父鬼を一太刀で切り伏せる水柱・冨岡義勇。 その太刀筋を見た伊之助は己との格の違いに興奮し、戦いを申し込む。一方、全身に毒が回り、瀕死に陥っていた善逸の前にも、蟲柱・胡蝶しのぶの姿が--。

20. 第二十話 寄せ集めの家族
累より放たれた血鬼術により死を覚悟した炭治郎。走馬燈の中で亡き父が舞っていた神楽を思い出し、水の呼吸とは異なる新たな技を放つ。”ヒノカミ神楽・円舞”--、相打ち覚悟で繰り出したその技で、ついに累の頸を斬り落とす。満身創痍の中、傷つき倒れる禰豆子のもとに向かおうとする炭治郎の前に現れたのは--。

21. 第二十一話 隊律違反
倒れながらも禰豆子を庇おうとする炭治郎を見て、累の中で過去の記憶がよみがえる。かつて病弱だった彼は、鬼舞辻無惨に出会い、血を分けてもらうことで鬼になった。だが、鬼になった自分を、父と母は殺そうとする。そのときから彼は家族を探し続けてきた。どうしても手に入らない絆を求めて--。

22. 第二十二話 お館様
戦いを終えた炭治郎は、禰豆子とともに鬼殺隊本部へ連行される。そこでは鬼殺隊の当主・産屋敷と最強の剣士・柱たちによる「柱合会議」が行われることになっていた。鬼を庇うという鬼殺隊にあるまじき隊律違反をした炭治郎を、柱たちは糾弾する。そして風柱・不死川実弥は、禰豆子に刀を向けた--。

23. 第二十三話 柱合会議
鬼殺隊の当主・産屋敷が、ついに炭治郎の前に現れた。彼は、炭治郎と禰豆子の入隊を容認するという。だが、柱たちはその判断をすぐには飲み込めなかった。風柱の不死川実弥は自らの腕を傷つけ、禰豆子の前に血を晒して、鬼の本性を引き出そうとする。

24. 第二十四話 機能回復訓練
傷ついた炭治郎と善逸、伊之助は蟲柱・胡蝶しのぶの屋敷で治療を受けることになった。二週間後--炭治郎と伊之助は機能回復訓練を始める。だが、その訓練は過酷であり、炭治郎たちの心はへし折られてしまう。その厳しさも知らず、遅れて訓練に参加した善逸は、女の子を前にしてひと際やる気を見せるが--。

25. 第二十五話 継子・栗花落カナヲ
蝶屋敷で機能回復訓練中の炭治郎は、全集中の呼吸を一日中続けられるように修行に励む。最初は全く敵わなかった同期の剣士・カナヲとの訓練も少しずつ効果を上げるようになってきた。毎日修行を休まぬ炭治郎を見て、善逸と伊之助も訓練に復帰するが…

26. 第二十六話 新たなる任務
炭治郎たちが機能回復訓練に勤しむその裏で、鬼の絶対的支配者・鬼舞辻無惨により、十二鬼月の下弦が集められ、鬼側もあらたに動き出そうとしていた。訓練も終盤をむかえ、カナヲとの訓練も互角の勝負ができるようにまで成長した炭治郎のもとに、鎹鴉より新たな任務が伝えられるのだった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
--------------------------------------------------------------
2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 105
ネタバレ

いしゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

♪強くなれる理由を知った♪~観終わった後の充実感ヤバです!

あらすじはあにこれを参照ください。

放送時間:2019年4月~

◎物語
冒頭から救いのない展開です

大正時代を舞台に家族を鬼に殺され 
唯一の生き残りの妹(禰豆子)も鬼にされ絶望の"炭治郎"が
"冨岡義勇"という剣士に出会い 物語は始まります。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇鬼殺隊入隊 1話~5話{netabare}
家族が殺され途方に暮れている"炭治郎"に対して"富岡義勇"が放つ一言

”生殺与奪の権を他人に握らせるな!

みじめったらしく蹲るのはやめろ 
そんなことが通用するならお前の家族は殺されていない!

奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が妹を治す?
仇を見つける?笑止千万!!

弱者には何の権利も選択肢もない 
ことごとく力で強者にねじ伏せられるのみ”

厳しいですが真っ直ぐな正論 しかし心の中では

”泣くな 絶望するな そんなのは今することじゃない

怒れ! 許せないという強く純粋な怒りは
手足を動かすための、揺るぎない原動力になる

脆弱な覚悟では 妹を守ることも治すことも
家族の仇を討つことも、出来ない!”

厳しいけど心に沁みるセリフです○o。. 

彼の人柄が見えると同時に 
厳しい世界観を考えさせられる場面でした。 

そして”判断がおそい”
厳しさの中に優しさや思いやりがある
"鱗滝さん"のもとで修業が始まるのですが渋くて格好良いです。

選別試験で現れた手鬼
"錆兎"と"真菰"たちを殺した憎い鬼も最初は人だったんですよね
少し複雑な思いです。

”よく生きて戻った”
"鱗滝さん"が二人を抱きしめるシーンは胸が熱くなりました。
{/netabare}
☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇鬼舞辻との邂逅 6話~10話{netabare}
”鬼舞辻無惨”の近い鬼から血を採取する!
医者の”珠世さんと”珠世さんラブが深すぎる"愈史郎"の登場で
”禰豆子”を治す方向性が明確になります。

最初に現れたのは 
16歳以上の女は醜いと食べてしまうアホな”沼鬼” 
しかも3体に分身するし歯ぎしりがすごい耳障りでウザ過ぎでした。

さっさと処理して次の目的地東京浅草へ 
薄々感じていましたが
やはり世間では鬼は認知されていなかったんですね

平和な日常を守るため 鬼を狩る鬼殺隊 まるで歴史の闇のようです

そして本来は蹴鞠が好きな小さい子供だったのに
呪いで死んだ"朱紗丸" 残酷だなって思うと同時に 

その人の意思関係なく勝手に鬼にして
蜜をやり操っていると思っていたら
都合が悪くなると殺してしまう ”鬼舞辻”ヤバすぎ許せないよ!

最後に"珠世さん"と"愈史郎"を人と思い守った”禰豆子”に
涙する"珠世さん"に思わず感動 心に響きました。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇仲間との出会い 11話~14話{netabare}
同じ鬼殺隊の”我妻善逸”と”嘴平伊之助”との出会い
そして元十二鬼月の”響凱”との戦いを描いています。

頼りなくて剣士らしくない”善逸”と
猪突猛進でナイスにデレるチョロ男子”伊之助”

10話まで結構シリアスだったからお笑い回かなって思っていたら
良い意味で裏切られました。

”善逸”の気を失ってからの本気! 度肝を抜かれました。
( 剣士らしくないとかいってごめんなさい )

そして骨折してる”炭治郎”が心の中で
”折れてる”炭治郎”もすごいんだというのを見せてやる!”
根性は凄いと認めますが 最近心の声が多くなってませんか?

14話 お笑い回ですね 和みました○o。.。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

那多蜘蛛山に住む鬼の一家の討伐 15話~21話{netabare}
"炭治郎"と"善逸"そして"伊之助"が向かった先には十二鬼月がいた。
鬼殺隊の柱 "冨岡義勇"と"胡蝶しのぶ"も交えての乱戦が始まる。

そしてついに”累”と対峙する"炭治郎"と”禰豆子”
爆血からヒノカミ神楽への流れの場面から挿入歌エンディングの流れ
すごい!すごい!すごい! ここ何度も観返しました○o。.

その後"冨岡義勇"の凪 
ヒノカミ神楽が動とすればこちらは靜のようです 

美しい!と同時に美味しいところ全部持っていきましたね
嫌でも好感度上がるやつじゃん!

もう一人の柱”しのぶ”登場
黒目大きくて口調も軽やかで可愛いのに
”正しく罰を受けて生まれ変わるのです”
聖女の様な会話がいつのまにか気付けば他人を煽っている
やっぱり柱 一筋縄じゃないようです○o。.。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇柱合裁判 22話~23話{netabare}
"冨岡”や”しのぶ”を観ていて何となく感じてました
彼等人の話あんまり聞かないですよね・・・

期待したほかの柱も自由過ぎでしょ
この中だと”富岡”や”しのぶ”がまともに見えるから不思議
{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇蝶屋敷の機能回復訓練 23話~26話{netabare}
弱くてゴメンね あの元気な"伊之助"が弱って
女子との訓練にこわれる"善逸"(平常運転?)

選別試験以来同期の”カナヲ”や”玄弥”との再会 

"胡蝶しのぶ"と”カナヲ”の過去 
過去を知るまでは何か達観してるような感じにみえた
"胡蝶"と”カナヲ”でしたが 今は180度考え変わりました

最初嫌な奴かなって思わせて 実は・・・
鬼滅の刃ってこのパターン多くないですか?
毎回騙されてる気がする○o。.。
{/netabare}

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇キャラ
暗い内容に主人公たちの重い過去
それでも暗くならないのは個性的な彼らのおかげでしょう

幼いのになぜかお父さん目線の炭治郎や
女子大好きな善逸 そして単純な伊之助

そして普段のふわふわしてる態度からは想像できない戦いの顔
このギャップにやられます♪

◎作画
時代背景は大正時代
人物が太く描かれていてかつ背景が落ち着いた配色
凄く丁寧で特に自然現象の表現は綺麗って感じる作画です。

あと この作品で一番好きなのは
夜の闇の背景に華やかで色彩豊かな戦闘シーン!
まるで夜空に浮かぶ花火の様な迫力がある描写はとても優雅です♪

これまでもこういう関係の評価の高かった制作会社ufo
今作は表現に加えて人物の表情が豊かになって凄いと感じました。

〇音楽
OP曲 紅蓮華
ED曲 from the edge 共に歌うのはLiSA安定してますよね
”強くなれる 理由を知った”思わず口ずさみたくなるフレーズです。
{netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

泥だらけの走馬灯に酔う こわばる心
震える手は掴みたいものがある それだけさ
夜の匂いに空睨んでも
変わっていけるのは自分自身だけ それだけさ

強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして

イナビカリの雑音が耳を刺す 戸惑う心
優しいだけじゃ守れないものがある? わかってるけど
水面下で絡まる善悪 透けて見える偽善に天罰
逸材の花より 挑み続け咲いた一輪が美しい

乱暴に敷き詰められた トゲだらけの道も
本気の僕だけに現れるから 乗り越えてみせるよ
簡単に片付けられた 守れなかった夢も
紅蓮の心臓に根を生やし この血に宿ってる

人知れず儚い 散りゆく結末
無情に破れた 悲鳴の風吹く
誰かの笑う影 誰かの泣き声
誰もが幸せを願ってる

どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
{/netabare}
挿入歌は中川奈美が歌う”竈門炭治郎のうた”
思わず鳥肌立ちました 何度も見直す場面です。
しかし題名のインパクト凄いですよね 何歌ってるか気になりますよね
{netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
我に課す 一択を
運命と覚悟する
泥を舐め 足掻いても
目に見えぬ細い糸

泣きたくなるような優しい音
どんなに悔しくても
前へ 前へ 向かえ
絶望を断ち

傷ついても 傷ついても
立ち上がるしかない
どんなに打ちのめされても
守るものがある
守るものがある
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
{/netabare}
映像ばかりに気を取られていたのですが
うん 結構男の子らしい歌詞なんですね○o。.。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇観終わって
”禰豆子”を元に戻すために鬼殺隊に入隊し鬼と戦う!
物語の目的しては非常にシンプルで◎

そして鬼との戦いも頭脳戦とか基本無く
力と技のせめぎ合いでこちらもシンプルでわたしは嬉しい。

映像も綺麗ですし流れるような表現の数々には思わず見入ちゃいました
その中でも お勧めしたいのは鬼との戦闘シーン○o。.

鬼殺隊の武器の刀を使った
様々な”呼吸法”による技の表現はまばたき忘れるくらい綺麗!

激しくて荒々しいのもあれば 華やかな中に清々しさがあったりして
背景の黒(鬼は夜しか活動しないので)に広がる鮮やかな色彩は最高!

そして戦闘シーンと日常風景のギャップ

戦いで鬼と対峙して必死に戦ってる彼らも
なんだかんだ言ってもまだ少年 
彼らの会話の掛け合いとても和みます○o。.

まだまだ書きたいことはありますが

映像以外でも声や音などアニメの特色を生かした演出
これらを上手に化学反応させたすばらしい作品だと感じます
どんな変化なのかはその目でお確かめください♪○o。.

原作がマンガで斬新さはあまり無いですが 
それよりも非常に丁寧な作りで観終わった後のこの充実感ヤバです!


そして続きは劇場版 今から楽しみに待っています♪

以上 最後までお読み下さりありがとうございます。












  











 





 






 



 

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34

81.9 4 絶望で仲間なアニメランキング4位
ぼくらの(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1884)
9785人が棚に入れました
政財界の権力者たちは、「子供たちの契約を解く鍵を探す」という建前の元に、ジアースの技術を研究して産業や軍事に利用しようとする。子供の親たちは、子供を救う方向に世論を動かす為に、ジアースの情報公開を目指して協力し合う。しかしその企ても権力者の陰謀によりつぶされ、子供たちはこの地球からも孤立してゆく。

声優・キャラクター
皆川純子、阿澄佳奈、野島健児、三瓶由布子、牧野由依、能登麻美子、浅沼晋太郎、比嘉久美子、宮田幸季、高梁碧、織田圭祐、井口裕香、杉田智和、保志総一朗、阪口大助、東地宏樹、石田彰
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

鬱展開ではあるけど社会風刺でもある

このアニメのOP「アンインストール」を先に知ってからアニメを知りました。
OPめちゃめちゃ好きです!!絶対飛ばせないOPだ…

評判は最悪ですね。
鬱アニメ鬱アニメ。何処行っても鬱アニメってレビューばかり。
もう最高の絶望アニメ。って評価ばっかり。

たまには絶望したいのでこういうアニメは大好物!

このアニメを見てはいけない人
娯楽を求める人 頭からっぽにして見たい人 考えたくない人
暗い話が苦手な人 鬱病の人

このアニメをお勧め出来る人
考察だったり物語から色々と物事を考えてみたい人
絶望したい人 切ない物語が好きな人

遊び半分でこのアニメを見て欲しくない。
物語としっかり向き合いながら考える事の出来る人に見て欲しいです。


アニメを作った人達への思い↓
{netabare}よく出来た物語でもあるとは思うけどちょっと足りない部分はこの最終回での投げっぱなしな所ですね。
綺麗ではあるんですけど、このアニメはオチを付けることが出来なかった。
いや出来てるかもしれないけどなんか違う気がする。
これじゃない感が否めない。
ただ個人的には書きたかった方向性がどういう方向性だとわかったのでそれ程文句は無いですけどね。{/netabare}


各話の感想↓↓※長文注意
{netabare}1話
あれ?ロボット物だったの?

2話
コエムシって某アニメの魔法少女のQBかよw
なんか凄くエヴァっぽい。
大人数で動かすロボットは初めてだなぁ。
ってえ…誰か落下したぞ…
妹に八つ当たりしてる場合か!?は?どうなってんの?
えええええここで終わり!?何これ超気になる…

3話
あれ?死んだのに誰もなんとも思ってない感じ?
なんか凄くよくわかるようなわからないような…
子供の頃はやっぱ死には疎いんだよなぁ…
じいちゃんばあちゃん死んでもなんとも思わなかったっけなぁ。
まぁのちのちジワジワ来るんだけど。
ってわく君の扱いひでぇ…集団隠蔽やべぇ…
すげぇリアルな心理描写だ。
えええ操縦ばらしちゃうのかよ…
葬儀は泣けるなぁ。親の心境考えるともぅヤバイ。
メガネ…おまえ死ぬのか…

4話
受付のねーちゃんの目おかしいぞ!作画どうしたんだ…
まっ割と真面目に猫をエアガンで撃つ程度どうでもいい。
ってか撃つなって心はわかるがおまえは人間と動物のどちらに重きを置いているのかって話になるわけで…
ペット愛好家に良くある心理ですね。
「私は猫が好きだからあなたも猫が好きで当然でしょ?」
「だからあなたも猫の世話をすべきなのよ」的な…
こういうのりは本当に大嫌いだ。世話を押し付けて自己満足に浸るゴミクズだ。

コダマの気持ちはわかる。
こんなでかいの敵が出てきて「家を潰すな」とか考えている場合かよって話だ。
犠牲はつきものです。(現実を見ろ)
って親父…うん。どんまい。
しかしQB的な奴が気になるなぁホント…
戦いの後必ず死ぬだと!?一回戦うたびに一人死ぬのか!?
使い捨てかよ!!ヤバイぞこれ…

5話
自分を守るか地球を守るか…
さて皆さんはどちらを選びますか?
俺は躊躇なく地球を守る。そう言い切れる。
単純にそっちのほうがメリットがある。
お母さん…なんだよその青あざ…病んでるなぁこの家庭。
教師と付き合うチズ…カコ君が可哀想…
まぁこういう純粋そうな奴ほどひどかったりするんだよね…
あぁショックでかい…一番可愛いのに…
「先生とするとね体だけじゃないんだよ心のなかも満たされるの」
うわうわうわ…ゴミクズだった。
死ね死ね団にお出まし頂きたい展開ですね。
こんな歳でこんな事聞いたらトラウマになるわ…
中1だぞ中1(;´Д`)
まぁしかしわからんでもないけどね。
SOS思い出した…
あぁショックでかいよ…死にたくなるよ…
教師をぶっ○すしかねぇな。妄想だけに留めておけよ…

なかなか使える政府だなぁ。今の日本じゃこうはならんな。
コエムシはなんなんだwww
コエムシつええええええええええええ!!!
カコ君\(^o^)/

6話
まぁ独り占めする方向性は自然だな。
ホンダ…あぁショックがでかいでかすぎるよ…
ってか死亡フラグすぎるよ…
カコ君絶望的すぎる…ってえええそういう展開!?
ええええええええええ死んだのかよ…
チズとことんひどい扱いだなぁ。
あぁもう見るのが辛くなってきた…

7話
うわぁ…チズの話かよ…もう掘り下げないでくれよ…
リアルすぎて個人的なトラウマが蘇ってくる…もういやだこのアニメ…
なんだこれ戻ってきたら教師とおねぇちゃんが…って展開になりそうで怖い。
と思ったけどそうじゃなくてよかった。
先生に惚れちゃう女の子多いよなぁ…よし先生になろう!違うかw
まぁ理想の人間演じてる先生に惚れないほうがおかしいのかもしれないなぁ。
どう考えても一般の人間よりは良く見えちゃうもんなぁ。
羨ましい…
ってか先生みたいになりたいよなぁ本当に…
先生がイケメンすぎる…
ってええええええええええええええええええ
あぁぶっ飛んだ。ぶっ飛びすぎた。
うわぁ…
ってかなんか別のアニメになってねぇか?
ネット流出はやばいよなぁ…
ケツゲバーガー事件みたいなのいっぱいあるしツイッターなんてもう今じゃ馬鹿ったーでしかないし…
裏垢でぐぐるとクソみたいな事になってるし…
あぁすげぇリアルすぎてもう色々やばい。
胸がムネムネしてきた…
ぎゃあああああああああああ\(^o^)/
個人的に初めて付き合った彼女がレイプされた経験があったのを受け入れられなかったのがトラウマになっててこういう話はもう辛すぎる…
やっぱりだやっぱりそういう展開だった。おねぇちゃん…
このアニメ辛すぎるって…死にたくなってきた…

8話
まさか…おいやめろ…ニンゲンヤメマスカ?姉貴を殺しに行くきじゃねぇんだろうな…
ってあぁそうか教師の方か…
とことんクズすぎるチズ。ヤバイヤバイヤバすぎる。
おねぇちゃんともども死んでくれてよかったのに。
チズ…(´;ω;`)
急所の位置で吹いてしまったじゃないか!wあぁもう台無しすぎる…
うわぁ…チズの子供っておい…中1だぞ中1!
ぎゃあぁああああああ
もう辞めてくれよチズの扱いがひどすぎる。
あぁ恐ろしいアニメだ…
あぁもうほんとこんな見続けるのが辛くなるアニメは初めてだ。

9話
なんかエヴァのトウジっぽいな。
大地兄ちゃん(´;ω;`)
もうなんかこの先見るのが怖くなってきた…
グロとか鬱とか色んな耐性あるはずなのにどうしたんだ俺…

10話
うわぁうわぁうわぁこれまたひどい設定が来た…
もういやだこのアニメ…
しかし現実にはうじゃうじゃいるんだよなぁ体を売っちゃう子。
むしろ今時そっちの方が正義位の勢いだもんなぁ…
貞操観念が世界一希薄な日本女性怖いぉ。
婚活場では女あまりのこの世の中怖いぉ。
どんだけ壊れちゃってんだこの世界いやもとい現実社会か…
「私にお客さん探して」
ええええええええええええええええええええ
どうしてそうなった…
あぁもういやだいやだこのアニメいやだ…
死んでる死んでるよ俺のライフはもうゼロよ。
やめたげてよ俺死んじゃうよってかもう死んでるよ。
母を知ってるだとおおおおおおおおお!?
ええええええええええええ!?
うわああああああ
あぁ…
体を売る女が母親になると子供もこうなるよなぁやっぱ…
「わたしはまこが一番大事よ」
は?何言ってんだこのBBA。薄っぺらすぎる。
体も安ければ言葉も安いんですね。

最近の記事であったけどEUの女性のIQが下がり続けていて頭の良い女性ほど出産したがらないという記事がありましたが…
バカが馬鹿を生むんですねわかります。
これじゃ悪循環じゃないか…現実って本当に嫌ですね。

11話
余命一年ってこれまた急だな…
心臓移植ねぇ…
俺は絶対何があっても死んだ体をいじられたくないけどなぁ。
葬式だってして欲しくないしさっさと焼き払って欲しいわ。
葬式なんて生きてる人間のエゴだろエゴ。移植だって一緒だ。

あれ?分裂とかまんまエヴァじゃん。
まぁ色々と都合良すぎるなw
頭が吹っ飛んだああああっておいおいなんでもないのか!
「なぁ手術が成功したら…」
って下りなんという死亡フラグw


一回休憩しよう。なんか精神崩壊しそうだ。
絶望しか無いじゃないかこのアニメ…
一旦他のアニメ見て落ち着いてから再開。
救いはあるのだろうか…もうストレスはんぱない…


12話
カナちゃん可愛いなぁ…でも死ぬんだろうなぁ…
あぁなんか平和な回程死ぬんだろうなと切なくなってくる…
スパンキングフェチのお父さんwww
なんなんだろうこのアニメ…
こうやって一人ひとり掘り下げては死んで掘り下げては死んでって繰り返すのだろうか…
最後に何が残るって言うんだよ。なんか全滅ENDしか見えない…
もう死ぬための理由だけ書いてるんじゃないかって気がしてきた。
しかし救いがありそうなフラグを政府が…期待できるのだろうか…
近所のおばちゃんかっけぇーw
「初めての子供はおまえだよ」
この件泣ける…(´;ω;`)いい親父じゃねぇか!
「てめぇらの地球じゃねぇけどな」
え?

13話
え?平行世界かなんかか?仮想世界か?別の未来だと!?
世界線超えたようだな。
敵もこっち側も転送のされかたがまるでガンツだな。
あれ?なんかもしかしてこのアニメの終わり方は…
ループものになりそうな予感…
なんか希望が出てきた。
って敵にも人が乗ってたのかよってこれは予想通りだった。
弱肉強食ですね。
なんで町の人達逃げねぇんだよ…
特攻ェ…
あぁエヴァで言うならエントリープラグだな。
中から出てきた煙はなんだったんだ?
ってえええええええええええええええええええ
何が起きた!地球が吹っ飛んだのか?宇宙が消し飛んだのかよ…
化物語病のせいで星を見て「あれが…」っていっただけであのシーンが思い起こされる。
あれ?慣れちゃったのかな死ぬことに…なんも感じなくなってきた。
ヤバイ気がしてきた。人として大切な何かが欠けてきた…
いやチズ回が重すぎたせいか…わからん。

次はデブの出番か…
セキ君人造人間なのか?もしくは機械が優秀なのかな?
え?何処の誰だよこいつら…
あれ?ED変わった?前のほうが良かったような。

14話
このアニメ安心できる場面が出る程死ぬんだろうなって思って切なくなる。
カナちゃん…この子だけは生きて欲しい…
田中一尉に希望を見出したい。
うわぁなんかカナちゃんがいっぱい出てくる回って事はまさか…
タカミが一ノ瀬ことみにしか聞こえない、と思ったら中の人同じだった。
カンジ君オープンだなぁ。なんか信頼出来る気がする。
あぁカンジ君じゃなくて機械が凄かったんだな。
かあちゃん死亡フラグ…

15話
母さんええええええええええええええ(´;ω;`)
このアニメうつ病の人しか出てこねぇ…
明らかに怪しいおっさんww
おいいいカナちゃん勝手にいれんなっておい!
何このレイプフラグこええやめてくれ…
もう何この緊張感…BGMはギャグなのに…
怖いよマジで怖いよやめてよ。このアニメの平和回は逆に怖くなる不思議。
たもっちゃん良い人で良かった…本当に良かった…
まぁキリエの言い分もわかるな。
うわっうわうわうわ自滅って敵の方かよ…これは騙された…
どうやらたもっちゃんは本当に良い人っぽいようだ。

16話
ジアースレポート…秘密は明かされるのだろうか。
親父帰ってくるのかよ。お母さん良い人だなぁ…
あれ?なんかだんだん希望が湧いてきたよ?でもどっかで落とされる気がする…
あぁ怖い怖い。
情報収集チップなんか怪しい気が…
出たwねぇねぇ今どんな気持ち?AA省略
「契約してないのマチだよね?」
どういう理由でマチは契約迫ってんだ。
おいおいひっぱたきすぎだろ…
ってか戦うとやっぱ死ぬのね。

17話
うーむ政府は隠蔽する気なのか。
アンコママ…マスゴミは本当にゴミだ。カンジかっけぇ。
パパハニトラにかかっちゃった感じなのかなぁ…
アンコオオオオオオオオオオオオオオオオオオ(;_;)
ホント救われないな…

18話
コモは最後だと思ってたが…
議員辞職…もう秘密は明かされないのかな。
命貼ってるまっとうな良い議員だなぁ。
ってうわぁねぇさあああああああああん…
ええええねぇさん死んだらどうすんだよ!
うわぁねぇさんも議員も死んだら詰みじゃねぇかよ…
ああああああもう絶望しか無かった。もうダメだ\(^o^)/
この先生きのこれる気がしない。もうダメだ全滅ENDしか見えない。
落とし穴とか…どうなってやがる。
えっなんぞ?レーザー?そんなのあったのかよ!!
カナはやめてくれえええうわあああ…
カナちゃんを皆で守る流れになるんじゃないかと思ってたのに…
おいおい話ももうすぐ終わるってのにどうやって終わらす気だよこれ…
ホントに全滅ENDやっちゃうのかよ…あぁ…救いは無いのか…
なんだろう今の日本の政治を皮肉ってるようにも見えてきた。
まっとうな議員は排除され売国奴や私利私欲の議員だけが生き残る。
まさにまんま当てはまる。怖い。

19話
たもっちゃん良い人だなぁホント。

あぁやっぱ政治とか裏社会の人間とか出てくるのはこれやっぱ日本の状態を皮肉ってるな。
なんか話の方向性が見えた気がする。
大人の私利私欲で子供が死んでいくんだって事か。
これ今見てるからわかる話だけど当時見てたらわからなかっただろうなぁ。
政権交代して民主党の売国が露呈して初めて興味を持って信じれた話でもあったしなぁ。
そういう方向性で進むのかな…

だとするとこれは最後まで救いは無いのかもしれない。
なんか色々納得がいってきた気がする。
ねぇさんすげぇ人だったんだな…しかも子供までいたなんて。
ねぇさん子どもと別れる時は辛かったろうなぁ…
ねぇさんのねぇさんまでorz
ウシロ…おまえも死ぬのか…死亡フラグびんびんすぎる。

20話
お?カンジの話に戻るのか…
うーむカンジ母はなんか怪しい気がするんだけど良い人なのかなぁ…
え?マトリックス!?攻殻機動隊!?すげぇ技術進歩だな。
未来人だったのかよマチは…いやむしろ科学技術の発展しまくった平行世界の話か。マチのアニキやべぇ…
うわうわうわどんだけ平行世界巡ってきたんだ…
いよいよきたな!ココペリこいつラスボスだろ。
え?ココペリ良い奴だったのか?あれ?まぁこいつに会う前からこのシステムがあるって事はやっぱラスボスじゃないのか。
うーんどういう事なんだろう。
やっぱりシステム的な構造は解明されずじまいで大人のエゴがかかれる話になるのかな…
あぁなるほどだからマチは契約してない一人なのか…
うわぁうわぁ…
ココペリも大変な目にあってたんだな。
優。゚(゚´Д`゚)゚。
あぁやっぱりカンジの母親は裏切ってたか。
目的がハッキリしてきて凄い面白くなってきた。

21話
カンジ思い切った事言うな。
やはり母親は私欲にまみれてる。よく出来たアニメだ。
「守りたいものねぇよそんなもん」
まぁカンジの守りたいものはもういないもんな。
たもっちゃん!死亡フラグが…
大人の欲に振り回され無残に死んでいく子供たちを書いてるんだろうな。
大人のおもちゃでしかない子供ェ…
12人目だな。なんか凄く活力が湧いてきた。
死んでいっても受け継がれるものは沢山あるんだなと。
ジアースプログラム?なんだ何が起きた…
街のエネルギーを吸い取るのか。なんという高性能システム。
支配者たちへの反権力闘争。
「このプログラムはアンインストールできない」
きた!アンインストールキタ――(゚∀゚)――!!
めっちゃ盛り上がってきた!
あぁ…やっぱカナちゃん…
ってかコエムシ引き継ぐとコエムシ自体はどうなるんだ?(素朴な疑問
カナの事心配してるんだな…
どうやら決心がついたようだなウシロ。

22話
このキューベェもどきホントうざったいな。
要所要所に散りばめられた全ての大人がゴミクズじゃない所がまたよく出来てる。
これも希望の一つなんだろう。
あぁそうだ、ジュンの本当の親じゃないんだっけ…おじさんなんだよな…
妹に当たりすぎだろ…腹蹴りとか身ごもってたら死ぬレベル…
お父さん…(T_T)
あぁもうやだ日常回…死亡フラグでしか無い。
切なくなってきてしょうがない。
長谷川…どうみても中国風のスーツなんですけど沖縄県の知事ですか?

23話
あぁもうこの話と後1話しか無いのにやっぱりもう全滅END確定か…
しかしまぁ作品の言いたい事が受け取れた人なら問題無いのかも?
個人的にはハッピーエンドが好きなんだけど…
ココペリうぜえええ。
今のはクリリンの分!うわっまどマギと流れが超似てる…
時期的にまどマギの元ネタはこれだったのか。
マチよくヤッたな!ってなんだ黒い方のも出てくるのかよ…
って次はマチなのか…
ええええええぇえぇぇぇぇ一般大衆もろとも爆撃ですか!!
なんじゃこりゃ。
マチ…おまえ良い奴だったんだな…あぁ…
もう最後の最後まで絶望しか無かった…希望なんて無かったんだ…

24話
最後はカナが救われてぼくらの15人以外は生き残って世界は救われてよかった。しかしこのアニメ地球全滅ENDもありだったかもしれない。{/netabare}

このアニメが好きな方へお勧めしたいアニメ
「今、そこにいる僕」「喰霊 ―零―」「カウボーイビバップ」「無限のリヴァイアス」「エルフィンリート」

原作もアニメの後に読んだのですがどちらも良い終わり方でした。両方好きです。

感想
{netabare}なんだろう個人的にメッセージ的に受け取れたものは人は死ぬけど戦うことも出来るだろうという事。
死ぬ前に戦ってから死んでもいいんじゃないのか?
ただただ死んでもいいけどその前に何か出来るのではないのか?
そんな作者のメッセージ的なものを感じました。
人は死んでも引き継がれるものがあり、無駄ではないと言うこと。
死んでも世界は回り続けるし無くなるかもしれないがそれは無駄ではないという事。

とても深い作品です。
これ程展開的に残酷な物語は未だかつて見たこと無い鬱展開なアニメ、いやドラマ映画でも見たことがない位でしたが、それゆえに伝わるメッセージみたいなものは凄く大きいし色んな見方が出来ると思います。
まぁ間違いなく万人受けはしないでしょう。
しかし道徳的な物語ではあると思います。と言うかもう教育の教材レベル。
この作品を読書感想文で書いてきなさいと子供に教えたい位。
しかし鬱展開が超弩級なので高校生以上じゃないと駄目でしょうね。
いや条件は山ほどあるか…

何年かに一度この作品を見てその時時の感じ方の違いを楽しみたい作品です。

この作品から希望を貰えた人。絶望した人。
どちらのが多いのかな?
恐らく現状が平和、もしくは現状に絶望している人は希望を貰えたのではなかろうか?
絶望した人はきっと現実逃避している人ではなかろうか?
うーんひっくり返してもどっちもありえるか…

アンインストールしたい事なんて山のようにありますよね。
もう本当に何もかもをやり直したいなんて思う人は多いでしょう。
しかしきっとそんな状況でも抗い戦っていけば得られるものがきっとあるはず。
希望を捨ててはいけない。
たとえあなたが死んだってのちの人たちがきっといい社会を作ってくれるはず。
いや寧ろ残らなくてもいいのか…

なんか書いててわけわからなくなってきたorz{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27
ネタバレ

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

解釈することが、できないことのこわさ

■意図的な「雑な死」の表現

 「死」の表現が雑な話には二種類ある。
 単に「人が死ねば悲しいだろう」と思ってあざとい感動エピソードとセットにされて、どかどかと人が死ぬ話と、そもそも「死の瞬間」というのが雑な形でしか到来しないという無意味さを描こうとする話だ。
 「あざとい死」がただの泣かせの安っぽい方法論であるのに対して、「乱暴でちゅうぶらりんな死」というのは死そのものを描くことが話の目的になる。死の表現の雑さ、という点においては両者は同様なのだけれども、「死」に対して物語上の意味が与えられていれば前者のような表現になるし、物語上の意味が意図的に放棄されていれば後者のような表現になる。
 この表現は、決してわかりやすいものではない。
 正確にいうと「わかること」ができない。
 人が死ぬ瞬間、というのは、だいたい、たいした理由はない、というそれ自体を描こうとしているわけだから。

■ちゅうぶらりんな死

 いろいろな思いをかかえていた人間があっけなく、なんの理由もなく、理不尽に、ランダムに死んでしまう。そういうかたちで、多くの場合、死は突然にやってくる。「世界をすくうための崇高な犠牲として死を自覚的に選択できる」などというようなことはまず、ない。「ループする世界のはてから脱出するために死を選択する」とか、そういうことも、およそ幸福で稀な事態であると言ってよいだろう。

 鬼頭 莫宏という漫画家は、そういう、理不尽で偶発的な事件が、突如として悲劇としてあらわれてくるような。そういう事態を繰り返し、繰り返し描いている。そこには、巨大な情熱も、巨大な失望も、抱く間が無い。間抜けな形で到来する。


 鬼頭作品は、そもそもそういうタイプの世界の乱暴さを描く話だった。そういう世界の乱暴さばかりを描いてきた作家の仕事としては、『ぼくらの』はやや丁寧に属する部類の仕事だ。設定がこっていて、「死」を迎えるまでの時間が、ほんの短い時間ではあるけれども、ゆるされている。
 だけれども、やはり、その時間は「ほんの少し」だ。しかも、人生で何かをなしとげた人間の時間ではなくて、まだ何もなしとげていない少年少女たちの時間だ。
 死の前の少しの時間の暮らし方は、やはりどう転んでもぶざまだ。ぶざまで、感情移入をするまでには、時間が足らない。時間が足らない、その時間の足らなさ、こそが不気味な表現になっている。
 彼ら/彼女らのなかにある十分な物語を知る時間もあたえられず、ちゅうぶらりんなまま、人がぼろぼろと死んでいく、そういう乱暴な風景こそが、『ぼくらの』の醸し出す物語の怖さだろう。

 エンターテインメントとしてみてみれば、なるほど、描写は不十分ともいえるかもしれない。映画でいえば、絶対にアカデミー賞はとれないだろう。エンターテインメントとしては、ぎりぎりのバランスで成り立っている。わかりやすくないから。
 だけれども、わかりにくいもの、ばかりが世界にはたくさんごろがっていて、そのわかりにくさの、違和感のようなものを、ごろっと露呈させてみせる、その違和感があらわれる瞬間。そこに何かを感じ取ることが可能かどうか、ということが、鬼頭の書く物語を良いと思うか、悪いと思うかということの評価へと直結するだろう。ある人は、その違和感にたじろぎ、ある人は単に雑なものだと感じるかもしれない。


■セカイの生き死に自体がちゅうぶらりん

 ただ、こうした死の乱暴さそのものは、は実は決して知られていなかったものではない。世界の名作文学でも映画でもいい。あるいは、高名な哲学者の議論でもいい。戦争にいったことがない我々でも、そういう乱暴な死が世界中によこたえていることは知っていた。

{netabare} 『ぼくらの』の特殊性は「個人の死」が乱暴で、いいかげんで、ちゅうぶらりんに訪れるというだけでなく、「セカイの死」自体も、いいかげんで、乱暴で、ちゅうぶらりんな形でしか訪れない、ということだろう。
 この話は、「凡庸なぼくたち」が、セカイを救う物語であると同時に、セカイを滅ぼす話でもある。セカイを滅ぼす理由も、救う理由も、これといって明確な理由はない。サイコロを転がして決めているのといっしょだ。ただ、その過程に、たたかいを挟むから、じゃっかん本人たちの努力が可能なだけで、たたかいをする巨大ロボットが強いかどうか、ということはサイコロを転がすのと何もかわりはない。

 「セカイの成立」自体が乱暴で適当だという想像力は、「生命」自体が乱暴で、適当だという想像力の、さらに先にある、おそろしさをもっている。

■セカイ系作品としての異質性

 いわゆる「セカイ系」作品は、少年少女の憂鬱や、情熱の程度によって世界が救われたり滅びたりする。ハルヒしかり、エヴァしかり、エウレカしかり。
 「ぼくらの」もセカイ系の一種だと考えることはできる。滅びるべき世界/救われるべき世界は、「頑張らなければ世界がほろびる」。だが、そうは言っても、異世界の少年/少女たちもまったく同じ状況におかれているという点で、ロシアンルーレットの弾をこめるような意味においてしか、少年少女の憂鬱や情熱には意味がない。

 「セカイ系」においては、世界の救済や滅亡と、少年少女の情熱が、ダイレクトにつながる、ということが少年少女の「わたしには価値がある」という承認欲求を満たすものとして機能していた。
 しかしながら、『ぼくらの』はそういった構造を完全に逆転している。「わたし」ががんばろうが、がんばるまいが、どこかでセカイは滅び、どこかでセカイは残る。わたしの努力は「このセカイ」に対してこそ、一定の有効性はもつが、努力や情熱はごくむなしいものとしてしか、与えられない。少年少女は、みなロシアンルーレットの弾丸、としてしか役割を与えられていない。

 セカイ系の設定をかりながら、<「わたし」の承認欲求を否定するセカイ系>というごく、無残でみじめな世界を示すことを、あえて提示してみせる。
 鬼頭的な、世界の乱暴さをつきつけるという仕業、セカイ系という少年少女の逃げ場を否定することで、どうしようもなく、成立している。
 おまえらに、逃げ場なんてねぇんだぞ、と。
{/netabare}

■作品比較:『イキガミ』『バトルロワイヤル』

 なお、本作とある程度ちかい設定をもった作品としては、『イキガミ』『バトルロワイヤル』などがあるだろうが、いずれも世界の乱暴さを描くという点においては、『ぼくらの』の足元にも及んでいない。

 たとえば、『イキガミ』は、死にいたるまでの、当人たちの「物語」があまりにもきっちりと完結しすぎており、世界はあまりにも残酷ではなさすぎる。死にはきっちりとした意味があたえられ、物語世界はあまりにも簡単に解釈をゆるしてしまう、安易な「いい話」以上のものにはなりえていない。(そもそも心理描写の水準のだめさや、人間観のバラエティがステレオタイプに満ち満ちていて、論外なあたまのわるさ……ということはあるが、それをさておいても、そうだ。)

 また、『ぼくらの』がもし、失敗しているとすれば、やはりエンターテイメントとして作品をみる、という作法以外に作品を見る方法を知らない読者や視聴者層を大量に相手にするマーケットで作品をリリースしているということだろう。そういう視聴者層には、この表現は単に物足りない表現としてしか届かないケースが多い。つまり、『ぼくらの』は失敗している。作品の内容において、ではなく、売り出し方において失敗している。
 その意味では、エンターテイメントとして暴力表現を前面に押し出した『バトルロワイヤル』のほうが、大勢の人への伝わりやすさという点では、『ぼくらの』よりも世間的なインパクトは獲得できている
 しかし、『ぼくらの』の描く死はどうしようもなく中途半端であるゆえに、『バトルロワイヤル』などよりもはるかに残酷な風景を描いている。我々は、恍惚のうちに死ぬことができない。


■漫画版と比較して

 漫画のほうは、まだ全部はよみおわっていないのだけれども、おおむねアニメ版のほうが、見やすかった印象がある。一話完結である程度、はなしの起伏をつけているので。アニメの方がエンタテインメントとしては優れているだろう。
 エンターテインメントとしてではない、評価としては漫画のほうがすぐれているという人も多いかもしれない。
 わたしは、アニメのほうがやや気に入った。単純に映像もきれいだったのいうのもある。

■関連推奨作品:『パルプ・フィクション』『いのちの食べかた』

 なお、アニメでも漫画でもないが、本作が好きな人にすすめたい作品としては、
 まず映画ではもはや、古典ともいえる地位を獲得しているタランティーノの『パルプ・フィクション』は高い確率でハマるだろう。人が乱暴にしんでいく作品としては、まず多くの人が挙げるものだろうと思う。
 また、私個人のおすすめとしては、ドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』をぜひおすすめしたい。『ぼくらの』に続けて、このドキュメンタリーをみたひとは、確実にゾッとする体験をあじわえるのではないか、と思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 32
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

表の顔は「SFの名作」→本質は「運命に翻弄される少年少女たちの群像劇」/2023/6/28原作読了分追記

【レビューNo.61】(初回登録:2023/5/27)
コミック原作の2007年作品。全24話

(ストーリー)
自然学校に参加した15人の少年少女たちは、海岸にある洞窟で「ココペリ」と
いう謎の男と出会う。そして彼にゲームに誘われる。ゲームというのは、少年
少女たちがロボットを操縦して地球を襲う巨大な敵を倒していき、地球を守る
というもの。
兄のウシロからゲームへの参加を止められたカナ以外の14人は、ゲームに参加
を決めココペリと「契約」を結ぶ。契約すると敵と自分たちの巨大ロボットが
出現し、少年少女たちはロボットのコックピットに転送される。
そう、これはただのゲームではなかったのだ。しかもそれは序章に過ぎず戦闘
を重ねるにつれ、少年少女たちはゲームの真の意味を目の当たりにすることに
なる。

(世界観)
ネタバレになるが、ちょっとこの辺の情報がないと説明しにくいので
{netabare}・舞台は2030~40年の日本。この世界には平行世界の地球が存在し、敵ロボッ
 トの正体は同じようゲームに参加させられた平行世界の住人が操縦している
 もの。戦闘はその時によりホームorアウェイが戦場となる。
・このロボット同士の戦いは並行世界同士の存続を懸けた戦いであり、敗北は
 その世界の地球を含む宇宙の消滅させることを意味する。
 (戦いの目的は、「宇宙の未来の可能性の淘汰」「ただの自然現象」?!)
・勝利条件は相手ロボットの急所を破壊すること
 → 実はロボットのコックピットで、つまり相手のパイロットを殺すこと。
・ロボットの操縦には契約者のうち1人が選ばれる。選ばれるパイロットには
 事前に啓示がある。
 (戦闘終了後に次のパイロットが決まり、次の戦闘まで時間的猶予はある)
 そしてこのロボットのエネルギー源は「パイロットの生命力」。つまり戦闘
 で勝利しても、パイロットは確実に死亡する。それを拒否し逃げ出しても、
 48時間以内に勝利しないと、やはりその世界の地球を含む宇宙の消滅させら
 れてしまう。つまり
 ・勝利を収めパイロット1人が犠牲になるか
 ・敗北または決着つかずで全人類が滅びるか
 の2択しかない
・ココペリは別の世界からきた最後の生き残り。次の世界にこのゲーム引き継
 ぎにやってきた。
 こうやって舞台となる地球を変えて、このゲームは続いていく。
・また作中にはサポート役のコエムシなるマスコットっぽい生物が登場する。
 (まどマギのキュゥべえ的な?){/netabare} 
こうやって設定を見るとホント救いようのない作品で、「鬱アニメ」として名
高い所以ですね。

(評 価)
・本質は「運命に翻弄される少年少女たちの群像劇」
 ・一見すると「ロボット大戦メインのSFモノ」のように思いますが、本質は
  パイロットに選ばれた少年少女たちの人間模様を描いた群像劇にあります。
  {netabare}上述の通りパイロットに選ばれた時点でその者は「死亡確定」です。
  そして作中の少年少女たちはカナ(小4)を除き、全員まだ中学1年生です。
  そんな突然我が身に降りかかる理不尽な運命に対し、何を思い悩み、どう
  決断して戦闘に立ち向かうのか?
  → 全24話構成なので(未契約のカナを除く)14人について、余すことな
    く各々の人間ドラマを掘り下げていきます。
 ・この事態をやがて世間も知ることとなり、今度は大人たちのドラマも動き
  出します。
  わが子を守るために奔走する親たちの一方で、オーバーテクノロジーの独
  占を企てる権力者の陰謀等、人間の醜悪な面についても描写されています。
 ・また作中では、コエムシ・ココペリといった前地球での回想も入ります。{/netabare}

・巨大ロボットのリアリティのある戦闘描写
 ・この巨大ロボットは昆虫のような黒いボディで全長は500mもあります。
  そしてこの世界のロボットは「ジアース(Zearth)」と名付けられました。
 ・レーザーを発射できるがロボットには効果がない模様で、ほぼガチの肉
  弾戦になります。
  敵はノコギリ状の刃物や触手っぽい武器を有しているロボットもいるが、
  ジアースは殴って、蹴って、相手を押し倒し、力づくで装甲をはぎ取り
  急所を抉り出すというかなり無骨な戦闘スタイルです。
 ・ロボットは3DCGのリアルな映像で描かれ、結構動きが緩慢な点が特徴的
  です。監督曰く
  「全長500mもの巨大物体が俊敏に動けるわけがない(ガンダムで20m)」
  というこだわりからのようで、確かに説得力はありますね(笑)。
  パイロットが操縦に不慣れな点や上述戦闘スタイルと合わせ、リアリティ
  のある戦闘シーンに仕上がっていると思います。

・場外乱闘が凄かったらしい
 私はリアルタイムで観ていなかったので、このレビューのためにいろいろ
 調べていると、
 「監督 VS 原作者他の場外乱闘」
 がかなり凄かったようですね。
 ・アニメ企画時は連載中ということもあり、監督が原作者から続きを聞いた
  うえで自由につくったとのことですが、何かと行き違いがあったようです。
  ・原作は残酷さや性的な描写がもっと過激な「鬱要素」の強い作品だった
   ようですが、監督の好みではなかった。
   {netabare}特に原作は生存者0らしいが、紛糾の末アニメではカナだけが生存。{/netabare}
  ・上述の戦闘シーンも、原作者は「戦闘の緊迫感を欠き不満である」と漏
   らしている。
  ・で、監督がブログで
   「自分は原作が嫌いだから原作に悪意をった改変を加えている」
   と発言。また
   「原作の魅力はアニメで再現されないから、原作ファンは観ないように」
   と追い打ちw
   → 当然原作ファンは激怒 → 炎上し監督が謝罪する事態に!
     (でも改変はやめないw)
 ・そんな感じでパイロットの順番の違いから始まり、アニメ後半はほぼオリ
  ジナルストーリーとなっている模様です。
  (その他親の職業等いろいろと改変があるらしい)

上述の通りいろいろあったようですが、原作未読の私としてはアニメ版でもか
なり良くできた作品かなと思います。
この年だと以前レビューした「クレイモア」を始め、「天元突破グレンラガン」
「電脳コイル」他見応えのある2クールアニメが結構制作されていたようですね。

OPは石川智晶の「アンインストール」と、アニソンではかなり有名な曲じゃ
ないですかね。
(石川智晶はEDも担当)

(追 記)
この原作も、なんとうちの図書館にあったんだなぁ~これがw
予約も取れたので、来週位から原作も追いかけようかと。

(2023/6/28追記)
原作読了。(全11巻)
たしかに途中まではアニメより「鬱要素」の強い作品ではありますね。
面白いところだと、「ジアース(Zearth)」に搭乗する彼らは、この地球を守る英
雄的存在のはずですが(ホームでの戦闘の場合)この戦闘に巻き込まれて亡くな
った方もいるわけです。
その遺族からすれば、彼らは憎むべき存在であり、彼らの実家に放火するなど過
激な行動に出る遺族も出てきます。
なかなか深い視点ではあります。
あと意外だったのは、終盤になると「鬱要素」は和らぎ、
{netabare}・残ったモノが死んでいったパイロットの遺族を訪ねて回る
・まさかの告白イベント
・コエムシが年長者らしく、献身的にフォローを始める{/netabare}
等結構ハートフルな展開が描かれています。
この辺りはアニメ化以降に描かれたものになりますが、原作者も思うところがあっ
たのかも。

個人的には、(場外乱闘もありましたが)アニメにも原作にもそれぞれの良さがあ
り、どちらも評価できる作品だったなと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13

88.2 5 絶望で仲間なアニメランキング5位
盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1170)
5473人が棚に入れました
図書館で出会った一冊の本。そこから勇者として異世界に召喚されてしまった主人公・岩谷尚文。盾を使う能力を持った彼は、陰謀と裏切りに会い、異世界ですべてを失ってしまう。どん底からの成り上がりを描いたヒロイック・ファンタジー!

声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、日高里菜、松岡禎丞、高橋信、山谷祥生
ネタバレ

フィーロたんlove さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

大人向け名作童話 人間臭い主人公の魅力が光る

総評

バトルシーンを除けば大人向けの童話です。
本編「盾の勇者の成り上がり」、外伝「槍の勇者のやり直し」
を通して読むと、「モモ」、「星の王子様」、「百万回生きた猫」
などに通ずるものがあると感じました。

ただ、大人向けです
この作品は忍耐強さ、誠実さ、気高さ、美しさ、愚かさ、醜さなど
人間の有する善悪両面を真っ向から描いています。

ですのでストレス耐性が少なく、理解力が浅く物事を表層的にしか
捉えられない中学生以下(あくまで一般的基準です)の方にはお勧
めしません。

22話感想
{netabare}
ウェポンコピー、転移スキル、武器の強化方法
あと信じてみる事の必要性
ここに来て重要な情報がようやく一部開示されました
ラルク(でしたっけ?)登場でしたね
たぶん小説版から登場したのでよく知らないキャラです
人気が高いキャラのようなので期待しておきます
{/netabare}

21話感想

綺麗に収まったと思います 
これぞアニメ版というとこでしょうか
特に言うべきことはありません

あと先週の声優さんの特番見ました
ねんどろいど可愛いです
フィーロの出来が良ければ買おうかな

番組を見ていて声優さん、スタッフの方、監督さん、
スポンサーさんなど、この作品がたくさんの大人の
心を動かし、このアニメが出来たことが感じられ
ました




20話感想
雑魚ボス戦での無理やりな盛り上げ方が気になりますね
{netabare}
今回のバトルはアニメ版の最大の盛り上げ場所のつもりだった
のでしょう。

これでもかと味方の攻撃が繰り広げられてましたが
なろう版でもコミック版でもなかっただろう攻撃
アクションが多かったように思います

無理やり全員参加型のバトルにして盛り上げようとしたのも
まるでプリキュアをみているような恥ずかしさが感じられて
ちよっとなーという思いでした

一応最後は原作通りナオフミの捨て身のスキルで締めたので
何とかまとまった感はありました
意図はわかるのでまあやむなしというところでしょうか


主人公の魅力について

①精神的なタフさ

 アニメを見てると3バカ勇者のマヌケぶりが目立ちますが
実際自分に置き換えた時どうでしょうか?果たして彼らより
うまく立ちまわれるでしょうか?ネットでググることもでき
ず、知り合いもいない、誰が嘘をついてるかわからない中で
正しい判断ができるでしょうか?

 ナオフミと自分を置き換えた場合も同じです。状況を判断
する情報が不足する中で、不条理に迫害されても下向かず
頑張れますか?自分の決めた方針を貫けますか?

 彼は周囲の冷たい視線の中、いろいろ思うことはあるにせよ
愚直にやるべきことをやり続けて周囲の評価を覆していきます。
近年稀に見るなんとも男臭い、人間臭いヒーローだと思います。

②懐の深さ

アニメ版では見れないでしょうけど、なろう原作ではだいぶ先に
精神的にポンコツな他の3バカ勇者を見事にまっとうな勇者とし
て再生していきます。

この作品が真っ向から描こうとしているテーマの一つは人間の
愚かさ、醜さでしょう。愚かさも醜さも人間臭さの一つです。

そして愚かで醜い人間も努力や他者の助けで立ち直れることも
この作品は示唆しています。

{/netabare}

 

*********
19話感想
尺を合わせるためか残念な展開に
{netabare}
たぶん2クールでカルミラ島までやって終わるつもりなのでしょうか
尺合わせのため後半が間延びしてる感じが否めませんね
マンガでもなろう版でもこんなに長くなかったと思います
どうせなら亀までやって2クール終了にすればいいと思うんですけど。
三勇教との戦いで3回使うとは思いもよらなかったです。
他の勇者とのぐだぐたも相まってちよっと残念な展開になっています。
教皇なんて雑魚ボスなのに3回もつかうとは。
脚本も割と裁量あるみたいなので、すっとばせるところはすっとばして
もいいと思うんですが。
いままでが良かったので、最近の制作サイドの不作為には少し失望し
評価は下げます(とは言ってもすでに最終話まで作っているでしょうが)。

アニメ版の現在の残念な展開はともかく原作は素晴らしいと思っています
原作の素晴らしさの一つに伏線の巻き方と回収の仕方が秀逸ということが
あります。

たいていの小説には読んでいくと穴ぼこというか伏線があります
情報が欠けている、訳がわからない、意味があるとは思えない情報
などの違和感です。違和感が読者の想像力を刺激するわけです。

本作品で言えば、

「情報が欠けている」は例えば波とはそもそも何か?結論を言えば最後
の最後で明らかにされます。読者は違和感を持ちながら展開される物語
から想像を重ねますが、別の「訳が分からない」ことが出てきたりして
簡単に先読みできません。

「訳が分からないこと」は例えば、マイン(第1王女)は何故そこまで盾の
勇者を貶めようとするのか?他の四聖勇者が仲良くなることを邪魔する
のか?これも結論から言えば最後の方まで明らかにされません。

「意味があるとは思えない情報」は例えば3話でナオフミがラフタリアを
始めて食堂に連れて行った時のお子様ランチの旗です。これは度々ラフタ
リアの初心忘れるべからずの決意表明で引用されるアイテムになります。
旗についてはなろう版では記述が無かったのですが、アニメ版15話ではエクレアの父が自分の領地で亜人が自由に暮らすことを保証する象徴で、白骨化したリファナちゃんが最後まで握っていたという設定になっています。恐らくこれは作者か編集者が後で思いついた伏線の回収でしょう。お話の膨らまし方として上手いと思います。

 作者は穴ぼこ(違和感)はできるだけ大き目に空けて後から埋める、伏線
は多めにばらまいて自由に回収するスタイルをとっていると感じます。なので本編でも回収が進んだとは言えず、外伝の「槍の槍なおし」で回収しまくっています。

 先読みが出来て読む気が無くなるようなことはなく、読み続けるほどに、あーなるほどそういうことかと腑に落ちていきます。厳密に言えば論理破綻しているところもありますが、別に法律文書でもなく娯楽小説なのでおもしろければ問題ありません。なお「槍のやりなおし」ではリファナちゃんが活躍するリープ周もあります。

{/netabare}

************************
18話感想
{netabare}
ようやく黒幕登場。高等集団儀式「裁き」すごすぎるだろう
クレーターできちまったじゃないか。
今回はモトヤスの勇者としての一途さ熱さが垣間見れた回じゃ
ないでしょうか。今は騙されておまぬけお馬鹿キャラですが
実は勇者としての資質をちゃんと持ち合わせているんですね。
{/netabare}
かなりWEB(なろう)版と異なるので、コミックス13巻まで
読んでしまいました。読んでわかりましたが、アニメ版は
コミックス版とも若干異なるのですね。脚本演出の方がセリフ
や話をうまくまとめていることがわかりました。
本作品においてバトルはストーリーをうまく転がしていくため
の手段というかつなぎなので、今のようなあっさり目で丁度
よいと思います。あくまで本作品の魅力はストーリーと登場
人物なので。


************************
17話感想
{netabare}
展開的には停滞・一時停止です
いろいろ伏線を撒く回になりましたね 
この先の難敵には勇者が一人でも欠けてはならないこと
何回目かの波の後多くの命が奪われること
人間を救うことと世界を救うことが違うこと
過去の勇者が人間を救おうとしたこと、それが茨の道であること

物語の展開上核心的な部分なのですが
いまいち理解できてなかった部分です アニメ版だとどういう
説明になるんでしょうか まあ今クールではそこまでいかないと
思うので制作サイドもノーアイデアかもしれませんが

「やるだけやってみるさ 期待はしないでくれ」と言って、
ちゃんとやってしまうのが主人公です。期待しています。

予告で太い熱線みたいな魔術攻撃がレンとイツキ一行に降り
注いでました。例の団体の例の術だと思われますが、たぶん
イツキとレンは死なないと思います。これで決定的に理解し
たのだと思うので説得できるでしょう。それともフィトリア
から聖域から出すときに他の勇者のところに下すって言って
いたけど、まさかナオフミ一行が降ってきたのか?かなり
過激な下し方です。違うと思うけどね。問題は現段階では
一番お馬鹿なモトヤスですが、なんとか2クール内に説得できる
ことを祈ります。

フィトリアは昔のご主人様の事を思い出して幸せそうでした。
人間と寿命が違うので仕方がない事ですが 残されたフィトリア
は不憫ですね でもフィーロがいるから 茶飲み友達にはなれ
そうです
たぶん出てこないと思いますけどフィトリアのご主人様の時の
四聖勇者の外伝も見てみたい気はしています
{/netabare}
いろいろ重要な情報が開示された回でした

*************************
16話感想
{netabare}
WEB版とだいぶ内容が変更されているんですね
フィトリアが想像より遥かに大きかったです
可愛いけどでかすぎる そして強すぎる

流れからすると勇者同士の協力が2クール内で
実現しちゃうのかな だいぶ早い気がするんですが
フィトリアは争うのはダメだけじゃなくて理由とか
どうしたら強くなれるのか教えてあげればいいんだけど
何せ鳥頭だから記憶力悪いのはしょうがないか

ナオフミも1国につき勇者一人で波に対抗できるという
ところから、本来この時点で勇者はもっと強くなっている
はず、何かが足りないんだと気づけば....
そういう展開になるんでしょうか?
勇者が目指すべき最終的強さがフィトリアレベルという
のは理解できたとは思うけどどうなんだろう

もうあれだねフィトリア先輩にレベリングしてもらって
後々出てくる〇〇や△△に負けないぐらいの最強になったら
各国に一人ずつ配置すればいいじゃん それで全部解決
フィトリア先輩「今日から私がお前ら四聖を鍛える」
イツキ(弓)「鳥なんかに教わることはありませんよ」
モトヤス(槍)「フィトリアちゃんがデートしてくれるなら」
レン(剣)「群れるのは嫌いだ」
ナオフミ「お前ら」
全員フィトリア先輩にボコられる
四聖「わかりました先輩」
こんな感じかな

{/netabare}
だいぶロリ色が強くなってきて、胃もたれ気味になってきましたが
最後まで視聴します
*********************************

15話感想
{netabare}
今回は神回でした。
リファナちゃんが不憫でなりません。
もしかしたらヒロイン候補だったリファナちゃんの
白骨まで見せられるとは思いませんでしたが
まあ流れからOKです
旗にはそういう過去があったのですね
「違う」「そうじゃない」「お前は間違ってない」
ナオフミは3回言い換えました 誠実さを感じます
やっぱりいい奴だわ 友達になりたい
他の方のコメントにもありましたが音楽がとてもあっていました
{/netabare}

改めて感じた本作品の美点は
①キャラが立ってる 
②伏線の撒き方と回収の仕方が天才的
③亜人、魔物が可愛い 動物好きには高評価
④OP(新しい方)が素晴らしい
  雨の中の物憂げな表情の登場人物達
  この時期のストーリー展開にぴったりです
  特にモトヤスの悲しげな表情にぐっときます
  ところで鎌をもってた人は誰だろう
  楽しみにしておきます
⑤挿入曲がすごくあっている
⑥作画が丁寧で素晴らしい
⑦ストーリー展開演出に手抜きがなくて嬉しい

全体的にスピーディーな展開や爽快感は少ないですが、じわじわ来る
叙述的展開がたまりません。違うと思うんですけど、作者は女性なの
かな。

まあ中二病主人公、お手軽俺最強主人公、暑苦しいまでの絆押し付け主人公の作品や、ハーレム作品、主人公はまあいいけど展開が単調な作品などゴミ作品が多い昨今では、希少な本格的なアニメだと思います。


*******************************************

物語設定、テーマ設定、キャラ設定だけで言えば最高傑作
進撃の巨人などのTOP作品よりも群を抜いていると思います

WEB版を通読した限りでは「モモ」とか「星の王子様」とか
「百万回生きた猫」とか童話、寓話に通じるものがあり一貫性を
感じますアニメ版を見ていまいちと感じる方は是非WEB版を通読し
てみることをお薦めします

主人公が逆境を乗り越えて成長していくというスタイルは程度の
差こそあれそこそこあります。しかしこの作品は迫害という程度の
強いものなのでストレス耐性があまり備わっていない若年層には
物語前半は苦痛になるかもしれませんね。そういう意味では大人
向けアニメかもしれません

アニメでもすでに憤怒の盾が出た時点で勇者の中では一番強くなって
しまったのでこれからは比較的楽に視聴できると思います。

ラフタリアとの関係は、「ゼロから始める異世界生活」のレムを
彷彿とさせますね リゼロも秀作だったと思います

槍のやりなおしを読んで、私もフィーロたんloveになってしまい
ましたですぞ

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

最高のリアルが向こうから会いに来ない

4話までの感想{netabare}
盾職が主人公の作品と言うと…“アブソリュートデュオ”と“ドルアーガの塔”くらいしか思い出せないや、それくらい珍しいケースだとは思う。
あとは「盾なのに○○」ではなく「盾だからこその○○」が描かれてたらいいなぁ~って感じで見てます。
ただねぇ、噂で耳に入ってくるのは芳しくない情報が多く、それに惑わされて色眼鏡で見るようなことはしないぞ、と自分に言い聞かせてはいるけどなかなか難しい。
その一方アニメの範囲は「つまらなくなる・馬脚を顕す」前までではなかろうかってのも聞いてて、あ、それだったら大丈夫かな?とも思ってたり。

内容は…まぁいいんじゃない?
主人公が謂われなき不遇に遭うけど、これで不快不快言う人は多分“世界名作劇場”を見れない。
最後いけ好かない連中の鼻をあかす展開になると思うので…もしならなかったらそれはそれで凄いけど。
むしろ主人公がそこまで性格捻くれるほど・味覚障害起こすほどの目に遭ったかなぁ?と思わなくもないけど、これは既に主人公が「異世界転生モノ」の作品を幾つも知ってて勝手に期待していてそれが裏切られたからだろう、と思って納得させてる。
それと召還された勇者が全員日本人って件。
日本人は日本人でも全員パラレル日本で、召還した時の座標が同じだったって思えばそこまで不自然でもないかな?

そんな感じでだらーっと見ながらの4話。
うっわ、分かりにくっ。
実際のラフタリアは大人になってるけど主人公視点では子供のまま。
味覚障害もそうだけど心を閉ざして外部の情報をマトモに受け付けられなくなってた(ラフタリアの説得をなかなか聞こうとしなかったのもそのせいだろう)って表現だと思うのだけど、テキトーに見てると時間が飛んでるかのような錯覚を覚える。
テキトーに見てた自分が悪いですね、ハイ。
とはいえ、剣と弓の勇者が不正を告発して、その件がどうなったかは有耶無耶になってる気がするのでやっぱり時間飛んでる感。
自分を笑ってた貴族は主人公の被害妄想が生んだ幻影?
「実際」と「主人公視点」が混ざり合っててなんかようワカラン。

以上は1回見ただけの感想なので、もう一度見返しての感想追記するかも。


追記
もう一回4話見直して来た。
↑と繰り返しになっちゃうけど「実際に起きてること」と「主人公が認識してること(主人公の視点)」には違いがあり、これを理解しないで見ても意味不明だと思う。
ラフタリアが大人か子供かで見分けは容易だけど、そもそも描き分けがされてることにも気付いてない人居そう、自分も危なかった。
具体的には主人公の認識では奴隷の呪いを解除されたラフタリアはなにか一言言ってプイと後ろを向いて立ち去ってしまったことになってる。
実際は槍の勇者にビンタかましてるんだけどね。
更にその後、裏切られたと思った主人公は「こんな世界は滅んじまえ」と言って「カースシリーズの条件が開放されました」って画面が出る。
その後言い寄るラフタリアを頑なに拒否したのは以前からの認識障害だけでなく、盾の効果も加わってた?
認識障害自体は味覚が無いことで表現されてはいたけど、気付かなかっただけで4話だけじゃなく3話もなにかトリック仕掛けてあったりして?
4話最後ではその認識障害も治ってメデタシメデタシで、今後はこの妙ちくりんな表現は無くなるのかな?
なんなんだろうね、心理表現をどうにかしようとしたらこんなんなっちゃったのかな?良い悪いはなんとも言えん。

ってよりも、ひょっとして…盾の勇者の真価を発揮させるには何個かある「ほにゃららシリーズ」の開放が必要で、そのために王様はワザと追い込む真似をした。
なーんてことは無いよ、ね?まさかね?
もしそうなら決闘の不正が有耶無耶になったのも納得できてしまうのがコワイところ。
あ、噂は聞いてるけど内容は全然知りません、念のため。{/netabare}

19話までの感想{netabare}
なんか4話がピークでそれ以降パっとしない話がダラダラ続いてるだけのような…それだけだったらまだ良いのだけど…。
個人的に「バイバイキ~ン」ないし「ヤなかんじ~」ってノリで空に飛ばされてキラーンってなるのってツラい。
ギャグならまだしも、普通のストーリーものだと「それが出来るならとっ捕まえて吐かせろよ」と思ってしまってホントツラい。
お前あかほりかよと、4クール作品かよと。
結局謎を引っ張るのにお手軽で都合のいいテクなだけで、真面目に話を考えてると思えなくなってしまう…からだと思う。

それでもボケーっと観てたら18話、黒幕と思しき教皇が再登場。
そしてご丁寧にも「ワタシが犯人です」と自供してくれました。
ぐへぇ、このパターンか!
今までダラダラやってきた出来事から証拠を繋ぎ合せて黒幕に到達するんじゃないのか。
こういうのって最近では“シリウス”でもあったけど、聞いてもないのにベラベラ喋るのはやっぱどうしてもう~んと言わざるを得ない。
これが一話完結モノで「その回のウチに陰謀を暴く」ってのならまだ分かるんだけどさ、時代劇でよくある「冥土の土産に教えてやろう」っての。
けど何話も引っ張ってコレってのはなぁ。
こういうパターンな場合は視聴者に伏せて引っ張るよりも、とっとと明かしてキャラクターは知らない体で話運んだ方が良いと思うのだが…。
しかも19話では後から駆けつけてきたレンとイツキがわざわざ敵の斜線上(クレーターの中)に集まる始末。
…。
どうしちゃったんだ?スタッフ力尽きた?原作からこうなの?{/netabare}

21話までの感想{netabare}
奴隷紋便利過ぎ!!
↑で書いた様に教皇が突如自供始めた段階でイヤな予感がして、21話の裁判もまぁ便利能力でお手軽に汚名を晴らせてしまいました。
やっぱ雑に感じるなぁ。
そりゃね、あんな世界だから平民の証言集めても意味が無いのかも知れないけど、個人的には自白剤使わずに証拠を集めて叩きつける展開にして欲しかった。
そうじゃないと5話以降の中身何だったんだよとなってしまう、退屈な話を見た甲斐が無くなってしまう…ってそれも↑で書いたか。
どうしても1話の段階で自白剤使えば良かったんじゃんってなるし、バイバイキ~ンしたのはやっぱり悪手だったということになるし(とっ捕まえて吐かせろよとずっと思ってた)、自白剤投与できるだけの「お膳立て」を揃えてくれたのも王女の鶴の一声にしか思えない。
それまでの主人公の努力が実を結んだって気がしなくてう~んう~ん…。{/netabare}

23話までの感想{netabare}
ん?あれ?
死刑を回避したことでまた厄介ごとが増えるのかと思ったらそうじゃない?
また、「なんで王様がそこまで盾の勇者を嫌ってたのか」の話をするのかと思ったらそれも無いっぽい。
相変わらずビッチは毒盛ったりして関係が改善もしなければ悪化もしない、変化が無いというのはどういうこっちゃ。
ってか情状酌量というか執行猶予というか…とりあえず再犯じゃん。
もう死刑は免れようが無いんじゃね?と思ったらどうもそうでもないっぽい。
…?
結局尚文の取った選択って、あんま言いたくないけど、良い悪いは置いといて戦争を知らない平和ボケした現代日本の価値観から「ギロチンコワイ」となっただけにしか思えない、良い悪いは置いといて(二度目)。
それに対してあの世界の価値観と摩擦を起こすことで問題提起する展開ならまだしも、23話まで見た限りそうじゃないっぽい。
…人が死んでるの沢山見てるんじゃなかったっけ?
どうしても死刑にできないのなら、再犯したら片腕落とすとかビッチは顔焼くくらい当たり前の世界だと思うんだがなぁ、罪人の刺青すら無いのん?
もっと言えば奴隷紋なんていう便利機能があるんだから心を入れ替えるまで鞭打ちとかすればいーじゃん、死ぬまで改心しなかったらそれは仕方ないってことで。
ってか思想警察居ないの?盾の勇者の誤った噂なんかしようものなら死刑でいいじゃん、もう、面倒臭いなぁ。

このアニメを大人向けだと評してるのを目にしたけど、個人的にはむしろキッズ向け、バイキンマン反省しないじゃん?
「人の話を聞かない」で間を持たせるのも1年以上放送するホビー系アニメじゃ日常茶飯事で、深夜アニメしか見てない人には新鮮に映るのかなぁ?と真剣に悩んでしまったり、煽りじゃなくて。

でもって23話、実在してないゲームのレベル上げだのアイテムだのモンスターの経験値だの設定の話をダラダラされても、その…ゲーム実況見たほうがマシな気が。
ってかそれをこのタイミングでやる!?
ここへ来て新キャラ登場もそうだけど、放送あと3年くらい続けるのかな?{/netabare}

25話までの感想{netabare}
なんか「おおおええああええ~」って歌いたくなる設定が飛び出してきて吹いた。
こんな終盤でソレ!?今のボクには理解できない(アニソーンアーニソーン)。
でもって他の勇者達と和解に向けた素振り・ヒント出しすら無いままエンド。
わぁい。
これ言うとどうせ老害とか言われるんだろうけど、こういう話(団結しないといけないのに足踏みが揃わない)って過去にいくらでもあってさぁ…。
えーっとマンガ版の幻魔大戦がこんなんじゃなかったっけかなぁ、超能力戦士が団結しなきゃいけないのにやってることは基本内ゲバ。
そんなの面白いワケもなく打ち切りでね、石森章太郎であっても。
ってかこの設定だったら勇者の一人が別世界のスパイやっててようやくイッパシの物語の体で…原作ではどうなってるか知らないけど、アニメそこまでやってくれないと「一つの作品」として至ってないというか…。
実は王様は向こうの世界の出身でもいいぞ、それくらいやってくれよと。{/netabare}

総評{netabare}
4話がピークでそれ以降は下降線。
“デジモンアドベンチャー02”のデジモンカイザー編だけ見せられた感じ。
話ブツ切りでもせめてカタルシスパート入れてくれよって気持ちだけど、それすら無い。
ってかこれ成り上がりじゃないよね?
本来勇者として相応の地位を与えられるところをなんやかんやで奪われて、それを取り戻しただけのような…。
成り上がりってのは元々無いものをもぎ取ることじゃない?
例えば皇位継承者が一度失脚して、返り咲いて即位したら成り上がりと言うか?というと、う~ん。
どこの馬の骨とも分からんヤツがあの手この手で玉座に就いたら「成り上がり」になるけどさ。
本来勇者に与えられる地位以上のものを手に入れたら成り上がりと言っても良いだろうけど…。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

2019年個人的一番にしとこう←まだ早いだろ

この作品にはものすごく感情移入してしまった。個人的どストライク。不遇な環境の中で誤解され蔑まれても地道に動き続ける奴はかっこいいし、それを認めてくれる信頼できる少数の人間がいるのは非常に有り難いこと。
1話~4話にかけて本当に涙が止まらなかった。4話は傑作中の傑作だったのではないかと思う。{netabare}異世界に勝手に召喚されたうえ、パーティーに加わるふりをしたマインに強姦の罪をでっちあげられ、国王には最初から理不尽な扱いをされて誰からも信用されていない尚文が人間不信になり、味覚がなくなるくらい心が荒んでいたところ、奴隷としてではあるが、ラフタリアと出会い、最初は自分が防御しかできないことから攻撃手段として育成しようくらいしか思っていなかった。そこに元康から決闘を申し込まれマインによる魔法攻撃を食らったために敗北を喫し、勝手にラフタリアの奴隷契約を解除されたシーンが辛さと怒りが半端じゃない。でも、解除されても側にいて抱きしめてくれるラフタリアと安心しきった尚文を見て3話までも泣けたけど、頂点に達した。{/netabare}劇場版ならここがクライマックスで終わりだけど、25話あるからしょうがない。とはいえ、好きです。地道な活動を続けたり、商才を発揮したり。それでも一度着せられた汚名は中々返上できないのが辛かった。主人公の性格が一番最初とは全く違っていて兎に角びっくり。

俺強ええというよりは周囲が弱いっていうのはあった。敵は強いのに盾以外が情けない。槍の勇者元康には特にイライラさせられた。なんで弱いのにそんなに上から目線なんだよ。マインにも早く成敗されてくれと念じながら見ていた。{netabare}やんちゃで教養がないために第一王女なのに第二王女のメルティが王位継承権一位。それを奪うために槍・剣・弓を崇拝し、盾を悪魔と呼ぶ宗教を利用して尚文を陥れ、かつメルティ暗殺を目論むわけだが、教皇の暴走もあって失敗する。そして、父である王とともに処刑されることに。処刑を決めた女王の気持ちは辛かっただろうが、尚文の温情で本名マルティはビッチ、冒険者名マインは阿婆擦れに。王の名前はクズにされる。処刑免れて改名させられたのに堂々としているのは凄いもやもやするけど、最後のほうにようやくすっきりできたかな。{/netabare}

瀬戸麻沙美の声が終始可愛かった。フィーロも可愛かった。あとはなんといっても女王がセクシーだった。安定の井上喜久子ボイス。母と言えば井上喜久子。いつものことだが17歳とは思えない妖艶な声。

{netabare}ラフタリアの故郷の領主となり復興して拠点づくりして{/netabare}俺たちの生活はこれから始まるっていう終わりかたも好きだった。

続きが気になるけど、かなり成り上がったからさらっと流す感じで制作してほしい。


OP
RISE 歌 MADKID
FAITH 歌 MADKID
ED
きみの名前 歌 藤川千愛
Falling Through Starlight 歌 瀬戸麻沙美
あたしが隣にいるうちに 歌 藤川千愛
挿入歌
Cold Illusions 歌 Gyan Greaves
ED好きだった。アニメの内容に合致しているし、頭に残るメロディ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
ごく平凡なオタク大学生・岩谷尚文は、図書館で出会った1冊の本に導かれ異世界へと召喚されてしまう。与えられた使命は、剣、槍、弓、盾をまとう四聖勇者の一人「盾の勇者」として、世界に混沌をもたらす災い「波」を振り払うこと。大冒険に胸を膨らませ、仲間とともに旅立った尚文。ところが、出発から数日目にして裏切りに遭い、金も立場もすべて失ってしまう。他人を信じられなくなった尚文は奴隷の少女・ラフタリアを使役し、波に、世界に、立ち向かおうとするが-。果たして、この絶望的状況を打破することはできるのか?すべてを失った男の成り上がりファンタジー、開幕。

1. 盾の勇者
図書館で『四聖武器書』という本を読んでいたところ、突如として異世界へ召喚された大学生・岩谷尚文。伝説の勇者の一人「盾の勇者」として世界を救うことになるが、ある朝、金と装備が盗まれてしまう。

2. 奴隷の少女
奴隷商に案内され、自らの剣となるパートナーを探す尚文。だが、手持ちの少ない尚文が買えるのは、病を患った亜人の少女のみだった。尚文はラフタリアと名乗る生気のない少女に、過酷な戦いを強いる。

3. 災厄の波
様々なスキルと技能を習得し、ラフタリアとの連携も抜群によくなった尚文。迫りくる波に対抗して武器と防具を新調し、波の刻限を示すという龍刻の砂時計へ向かう。すると、そこへ元康たちがやってきて……。

4. 暁の子守唄
波が去ったのも束の間、メルロマルク城での祝宴のさなか尚文は元康から決闘を挑まれてしまう。奴隷を使役するのは勇者にあるまじき行為であり、即刻、ラフタリアを解放せよというのが元康の言い分なのだが……。

5. フィーロ
オルトクレイからなけなしの報酬を渡された尚文は、ラフタリアの要望で再び奴隷紋を入れ直した。数日後、奴隷商から購入した魔物の卵くじも孵化。新たな仲間を加えるが、滞在中のリユート村にマインが現れ……。

6. 新しい仲間
謎の少女の正体はフィーロだった。フィーロは変身能力を持つフィロリアル・クイーンであり、人間の姿にもなれるという。しかし、変身のたびに服が破けるため魔法の服が必要に。尚文は素材を求め、新たな冒険に出発する。

7. 神鳥の聖人
除草剤を必要としている村があると聞き、行商に向かう尚文たち。村は魔物化した植物に飲み込まれ、住民は避難を余儀なくされていた。人間にも寄生するこの植物、どうやら原因を作ったのは元康のようで……。

8. 呪いの盾
疫病に苦しむ東方の村の話を聞き、薬を届けに行く尚文たち。疫病の原因は、1ヶ月前に退治されたドラゴンの死骸が適切に処理されぬまま腐敗してしまったためだった。死骸処理の依頼を受け、尚文たちは山を目指す。

9. メルティ
東方の村で、尚文はメルティと名乗る少女に出会う。フィーロとすぐに打ち解けた彼女は、一緒に王都に行きたいという。どうやら護衛とはぐれてしまったらしい。しぶしぶ同行させるのだが、王都で待っていたのは……!?

10. 混迷の中で
メルティを拒絶した尚文は、粛々と次の「波」に備える。協力したいという少年兵を条件付きで受け入れ、加えてレベルアップしたラフタリアをクラスアップさせようとするが……そこに王の嫌がらせが待ち受けていた。

11. 災厄、再び
辺境の村で新たな「波」を迎え撃つ尚文。志願兵の協力もあって村人の安全は確保したが、「波」はいつまで経っても収まる気配がない。尚文がほかの勇者の援護に向かうと、そこには巨大な幽霊船が浮かんでいて……。

12. 漆黒の異邦者
ソウルイーターを一撃で仕留めた謎の少女、グラス。「真の波の戦い」を始めると告げ、最初に攻撃を仕掛けた錬、元康、樹を圧倒する。尚文たちの連携技も通用せず、満身創痍の中、尚文は再び憤怒の盾を使おうとする……。

13. 盾の悪魔
メルティへの攻撃を防ぎ、騎士団を追い返した尚文。しかし、メルティ誘拐と騎士殺害の濡れ衣を着せられ、逃避行を余儀なくされる。各地に厳戒態勢が敷かれる中、尚文たちに追い打ちを掛けるような事態が発生する。

14. 消せない記憶
山火事を起こすというマインの暴挙により、麓の村まで逃げてきた尚文。しかし、騎士団の包囲網を突破するのは簡単ではない。メルティは知己の貴族を頼ろうとするが、ラフタリアにとってここは因縁の地域で……。

15. ラフタリア
イドルを追い詰めるラフタリア。その瞳には復讐の炎が灯り、殺意を帯びた切っ先がイドルののど元に突きつけられる。尚文の言葉で一度は怒りを飲み込むが、イドルが再びラフタリアに襲いかかろうしたそのとき……。

16. フィロリアルの女王
衰弱した子どもたちを連れた尚文にタイラントが襲いかかる。フィーロが狙われていると気付いた尚文は、フィーロに乗ってタイラントを街の外へおびき出すが、正面から戦ってもダメージが通らず手詰まりになってしまう。

17. 紡がれる約束
四聖勇者が和解しなければ皆殺しにするというフィトリア。さらにメルティを人質にするという強硬手段に出るが、それでも尚文は和解を拒絶。その想いを汲み取ったフィトリアは、代わりにフィーロとの一騎打ちを提案する。

18. 連なる陰謀
勇者たちと話し合うため、尚文は正面から関所を抜けようとする。しかし、そこには一番話の通じなそうな元康が待ち構えていた。問答無用で襲いかかってくる元康。かつてないほどの殺意が意味するものとは……。

19. 四聖勇者
教皇が有するのは四聖武器の力を備えた究極の武器。その刀身から放たれる「裁き」と強大な魔力障壁を前に、尚文たちは為す術がなかった。窮地に陥る中、偽勇者として裁かれる側となった元康が驚きの行動に出る。

20. 聖邪決戦
教皇の「大聖堂」に囚われながらも、攻撃の手を休めない尚文たち。しかし、神聖な領域において呪いの盾は無効化され、あと一撃が届かない。尚文は新たに解放された呪いの盾を使おうとするが、竜の怒りに心を蝕まれて……。

21. 尚文の凱旋
ミレリアのおかげで一命を取り留めた尚文は、彼女から勇者召喚の真実と盾の勇者が迫害される理由を聞かされる。そして、尚文の冤罪を晴らすというミレリアによって、オルトクレイとマインの弾劾裁判がはじまる。

22. 勇者会議
紆余曲折ありながらもクラスアップを果たした尚文たち。三勇者とともに祝賀会という名の会談に参加し、いわゆる「ボーナスステージ」の存在を知る。一方その頃、ラフタリアは祝賀会場で揉め事を起こしていた。

23. カルミラ島
カルミラ島に向かう船の中で再びラルクに遭遇し、尚文はペースを崩されながらも、気さくな彼と徐々に打ち解けていった。経験値稼ぎに、賑やかな食事。この世界にきて初めてと言えるくらい充実した時間が流れていく。

24. 異世界の守護者
海上で波を迎え撃つため、メルロマルクは大艦隊を編成する。女王自ら指揮を執るが、三勇者は相変わらず役に立たず、尚文たちが孤軍奮闘するばかり。尚文はラルクとテリスの協力を得て波に対抗するのだが……。

25. 盾の勇者の成り上がり
グラスは異世界の勇者を名乗るラルクの仲間だった。尚文は強烈な連携攻撃を耐え凌ぎ、一騎打ちでグラスに肉薄するのだが……。本当にこの世界を守りたいのか、尚文はグラスとの戦いの中で己の覚悟を問われる。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 14

85.6 6 絶望で仲間なアニメランキング6位
ゴブリンスレイヤー(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (1041)
4987人が棚に入れました
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ。」
その辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。
冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。
それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった…。

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

小鬼の報酬

【視聴完了して改稿】*末尾に追記


RPGでは「ザコ」扱いのゴブリン専門の「凄腕」冒険者の物語。

小物のゴブリン退治専門でいながら「最強」の主人公は、しかし「主人公最強」という決まり文句で語る気にはなれない。

そもそも、活劇は、その本性上、主人公は必ず勝利しなければ成立しない。
活劇において主人公が戦闘に勝利する=最強でなければ、活劇を物語ることはできない。

ようするに、活劇に対して「主人公最強」と言い放っても、それは何も言っていないのと変わらない。

なぜ「強い」のかを説得的に設定していることが、本作の特徴と言える。
なんとなく懐かしいものをまず感じるのは、80年代のアニメファンの「設定ごっこ」の匂いのせいかもしれない。


かつてアニメファンの間では、架空のアニメの設定を作り上げて楽しむ遊びが流行っていて、有名なところでは『機動警察パトレイバー』が、ゆうきまさみ を中心とした仲間内の「設定ごっこ」から誕生したことが知られている。

そうした「ごっこ」遊びでは「パターン破り」が一つの典型になっていて、よくある展開、お約束の描写などを、殊更にひっくり繰り返すことが、ある種の定番だった。
『パトレイバー』にも数々の「パターン破り」が盛り込まれていたが、さすがに才能あるクリエイターの集団だけあって、単純な「逆張り」の受け狙いにはとどまらず、後続作品の新たな「パターン」ともなる独自性に昇華されていた。

本作の「ゴブリン専門でいながら高い等級の冒険者」は、とりあえず機械的に「パターン」の逆をゆく「設定ごっこ」の「パターン破り」を連想させる。
が、逆パターンを足場にした、それこそ、かつての「設定ごっこ」を思わせる設定の突き詰めが、単なる受け狙いの逆張りではない独自性の発揮にまで至っていて、冒険の背景としての扁平な「世界」ではなく、立体感のある「世界」として異彩を放っている。

同期に放映された、「最弱のスライムが実は最強」の能力を持っている「逆パターン」の別アニメが、「逆パターン」を補強する設定が一切みられないのと比較すると、姿勢の違いは明瞭だろう。

TVアニメとしては暴力的な描写を貫いた第1話は、そうした設定を効果的に表現していた。

RPG風の「異世界」では、冒険者は「ギルド」から受けるクエストをこなすことで経験値と金銭を受け取る。
これが「お約束」だ。
たいていの異世界ものでは、こうしたルーチンは当然の前提として、改めて説明されることはない。

しかし、こうした「異世界」の仕組みを無心に眺めると、どうなるだろう。

クエストの成功に対して支払われる「報酬」はどこからやってくるのか。
依頼と支払いの業務を行う「ギルド」、そうした各所の情報を統合して処理する事務員や拠点の維持の、その費用はどこからやってくるのか。
その「世界」の住人であれば、視聴者のように「お約束」で思考停止しているはずがない。

第1話で能天気にゴブリン退治に向かう新米冒険者パーティ、あるいは背景にたびたび登場する陽気な新米たちは、まさに自分たちの「報酬」がどこから来るのか考えてもいない半人前=ルーキーであり、視聴者の分身として作中へ導入されている。


「報酬」が支払われるなら、金銭を「提供」するものがいるはずだ。
冒険者のクエストに金銭を提供するのは、すなわちモンスターやクリーチャーによって「被害」が発生しているからだろう。
そう、金銭を拠出するのが誰であれ、「報酬」を出してまで退治を依頼するのは、報酬に匹敵するほどの「被害」が発生しているからだ。ほかに理由は考えられない。
直接に「被害」を受ける者か、被害を防ぐ義務を持つ行政官か、いずれにせよ「被害」を回避するために「報酬」の金銭を拠出する。
冒険者の苦労に対する「ご褒美」で賞金が出るわけはない。

もしもモンスターによる「被害」が、平均して年に5人の死亡、といったものであれば、規模の大きな村や町なら、そのまま放置しておくこともあり得るだろう。

放置できないほどの「被害」、「報酬」を出してまで、どうしても解決しなければならない「被害」の実態を示すために、まず第1話の描写が要請された。
ゲーム的異世界への逆張りで、安直な「逆パターン」の新奇性を狙ったわけではない。
逆に、これほどの「被害」も無いのに、お気楽な「ザコ」狩りで、どこからともなく「金銭」の支払いが発生するはずはないだろう、という批評性が込められもている。

新米冒険者の「入門」として「定番」になるほどゴブリン狩りが頻繁に依頼されるものであれば、あの「被害」が果てしなく繰り返されているということだ。
妄執にも似た、主人公ゴブリン・スレイヤーの動機と行動は、こうした設定から説得力を強力に与えられている。
この説得力のために、あの第1話はある。


いったんゲーム的・空想的な「異世界」設定に異を唱えた以上、表現の方もファンタジックな架空性から距離が生じる。
原作小説がどのような文体で綴られているか知らないが、なんとなく本作が大藪春彦ふうに感じられるのは、ゴブリンに対して徹底的に非情な主人公の動機が「復讐」で、ゴブリン狩りのテクニックがまさに「狩猟」に近似しているからのようだ。

狩猟で獲物を仕留めたいなら、獲物の生態について学ばなければならない。
行動圏や生殖生態や行動様式を知り、足跡やマーキングや糞の痕跡を追って、ねぐらや移動ルートを見切って追い詰める。

鉄砲を持てば好き放題に動物を殺しまくれるわけはない。まず銃の射程内まで獲物に接近することができないだろう。

こうしたことを学ばずに山に入っても、空手で引き上げるのが関の山だ。
剣や魔法を備えていても、むなしく返り討ちにあう冒険者パーティのように。

小説では、文体を模写するパスティーシュという技法がある。
文体と、その文体で描かれるものとの間に生じるギャップ=「異化効果」の面白さを狙う技法だが、ゲーム的「冒険」を、「狩猟」のテクニックで描く「異化効果」が、「ダークファンタジー」というよりも大藪春彦=「ハードボイルド」ふうの印象を生み出している。

こうした「パスティーシュ」の雰囲気が、「パロディ」が広く浸透していた80年代「設定ごっこ」の印象につながるのだろうか。


ハードボイルドと言えば、別作品のレビューで、ハードボイルドの本質は「社会の外部から侵入した報道カメラの視線」であると書いたことがある。
大藪春彦の小説が、一般的に了解されている「ハードボイルド」風の様式から外れているのに、なお「ハードボイルド」であると感じられるのは、大藪の小説の主人公が、例外なく社会に溶け込むことを拒絶した「異邦人」であるからだ。
日本社会に侵入した「異邦人」の視線と圧倒的な暴力にさらされることで、見慣れたはずの日本社会が異界化してゆく。

本作の主人公が大藪ヒーローを連想させて、「ハードボイルド」の雰囲気をまとうのは、彼が「人間社会」=作中の用語ではヒュームの世界から逸脱した、「外部」の異端者であるからに他ならない。
「外部」にはじき出す原動力が「復讐」への強い執着であるところも、大藪との共通項だ。

「人間」の冒険者からは軽侮されているのに、他種族の冒険者と良好な関係を結ぶ描写が、互いに「人間」社会の外にいる、主人公の「外部」性を示している。

こうしたところが強力にオッサンのツボを突いて引き付けられるのだが、大藪春彦が亡くなって20年以上、最近では作品の流通も盛んではないので、あまり共感はしてもらえないだろう。

しかし、共感はなくとも、ファンタジー「異世界」の「お約束」的な「調和」の限度を超えて振るわれる主人公の暴力こそが、視聴者を曖昧に拘束している「ゲーム的異世界」の「お約束」性を告発していることを感じ取れるはずだ。
人によって、「告発」の衝撃が暴力描写への単純な不快感だと誤解されるとしても。


主人公の「外部」性は、人間「社会」の外部であるのみならず、この「世界」自体に違和する、「世界」への告発者であるのかと予感させる。

もしも主人公が「外部」性に定義されているとしたならば、浮き彫りになるのは、平和な「世界」に「外部」から侵入するゴブリンという異物を、「内部」の主人公が退治しているという物語などではない、という構図だ。
主人公の「外部」性が敵対する対象である以上、「ゴブリン」は、この「世界」に内在する、「世界」に組み込まれた一要素である以外にありえない。
「外国」から押し寄せる外敵を「国内」の英雄が防ぎとめる、といった類型で了解することはできないだろう。


主人公の視界には、この「世界」はゴブリンによる「被害」を「内包」したものであると見えている。
だからこそ、ゴブリンを「世界」から「追放」したり、「侵入」を防ごうとするのではなく、あくまで世界「内」で殺し尽くそうとする。

そんな主人公にとって、世界のすべてはゴブリンを狩るための「手段」の相関として捉えられているようだ。
各種の「装備」のみならず、カナリヤや粉塵爆発の「知識」から、協力する「冒険者」たちまで。

孤独の印象が強い冒頭から、後半には他人と交わるようになったかのように見える展開だが、しかし、その冒頭から、主人公は他者を拒絶しているわけではく、折々にきちんと感謝や謝罪の言葉を述べる様が描かれている。

問題にするのはゴブリンを狩る「手段」としての有効性であり、有効であれば何ものでも受け入れるのであって、あらかじめ何かを排除する姿勢は最初からない。「他人」もまた同様だ。

本作のキャラクターには固有名詞=個人名が与えられていないが、こうした道具的な「手段」の相関として世界をとらえる主人公の視線を反映しているのかもしれない。

「ゴブリン狩り」という動機によって配置される道具の相関。

しかし、「世界の中のモノや人といった存在者を道具的関連の相関として了解する」とは、ハイデガーが記述したダス・マン=ふつうの人の実存そのものだ。

ようするに、いっけん非情で特異に見える主人公は、(ハイデガーが正しければ)視聴者と同じく、神なき時代の「普通の人間」なのだ。

「普通のオトコノコ」が活躍するアニメが、慎重に主人公を無能力化・無個性化することで視聴者に同化させようとする作為に比べ、「普通の人間」がここまで際立つのは、やはり背景=舞台となる「世界」の設定力が優れていることと、その「世界」の外にはじき出された「外部」性のためだろう。


{netabare}ナレーションによれば、この「世界」は、「秩序」の善神と「混沌」の悪神のせめぎあいで創造されたものだ。
せめぎあいの手段が「サイコロ」である設定が明かすのは、この「世界」が、偶然性によって「出来上がった」ものであり、何ものかの一貫した「設計思想」の下に「構築」されたものではない、ということだ。
「混沌」の神と共に「偶然性」によって創り上げられた、ということは、即ち、この「世界」では「秩序」は部分的なエラーのように点在しているだけ、ということを意味する。

つまり、世界にとって「バグ」にも似た「モンスター」を排除しさえすれば、「本来の」秩序だった美しい「世界」が復活する、という一般的なゲーム的ファンタジー異世界のエンディングは、本作の「世界」には望めない、ということだ。

モンスターもまた、聖者や勇者と同様に、「外部」から「侵入」する異物ではなく、秩序と混沌のモザイクであるこの「世界」に組み込まれた不可欠の組み石であり、恣意的に抜き取ることはできない。
最下級モンスターである「ゴブリン」による「犠牲」もまた。

戦闘の決定的な場面で、主人公が振られる「サイコロ」を幻視するように、アインシュタインの確信に反して、この「世界」の神々はサイコロを振る。
この「世界」の神々は、スカウターによって計測される能力値が大きければ自動的に勝利が「保証」されるような、定められた「秩序」を約束しない。

高等級冒険者であっても、ちょっとした加減で死を迎えるこの「世界」を、もっとも的確に象徴するものとして、本作の「ゴブリン」の設定がある。

単体であれば半素人でも撃退できるザコ。
しかし、群れとなれば一撃で消し去ることはできない。
必然的に撃ち漏らしが発生し、逆襲や逃走を防げない。
逆襲の手数が多くなれば、冒険者は対処しきれず致命傷を負う。

こうした設定によって、「最弱」のゴブリンは、状況次第で、新米が無事にクリア出来たり、ベテランが落命する予測不能の結果を導く。

無事にゴブリン狩りをクリアした新米は、しかし2回目には全滅するかもしれない。
ベテランであれば、5回は成功しても、6回目には死ぬかもしれない。
高等級冒険者でも、100回続けてクリアし続けられる保証はない。

丁半博打でサイコロの出目を永遠に当て続けることはできないように、誰であれ何時かは必ず敗れ去るであろう「ゴブリン」は、こうして「神々のサイコロ」性を象徴している。
勇者であっても敗れて不思議ではない「ドラゴン」や「魔王」では、サイコロ性は明瞭にならない。
容易に狩れつつ根絶は困難な「ゴブリン」こそが、この独特の「世界」を象徴する。

ある意味では現実世界そのものといった身もふたもない「異世界」だが、この現実に似た「世界」が、本来は反現実的な空想の産物である「異世界もの」と比べて独特の印象をもたらすのは皮肉だ。
量産化される数多の「異世界もの」が、いつの間にか制度化した「お約束」によって奔放さを失った類型と化しているのだと暴露する本作の「世界」は、やはりゴブリンを足場にしているからこそだろう。

しかし、勝利が「保証」されないということは、逆に敗北が「運命」づけられてはいない、ということでもある。
「ゴブリン」狩りの道具として「世界」の全てを活用しようと企てる主人公の姿勢は、「サイコロ」の目がどう出ようとも勝利する手段を必ず確保する意志の現れだ。

確率的にいつかは訪れる「ゴブリン」による「死」=「敗北」を絶対に回避する意志。
いわば「神々のサイコロ」=世界の仕組みを越えようとする主人公の意志は、やはり「世界」の「外部」性から生じていることは明らかであるように思う。
サイコロを振る神々の世界で、神なき時代のダス・マンに近似するのは必然なのだろう。


最終エピソードで主人公と共にゴブリンとの野戦に挑む冒険者の群れは、「狩猟」に似た「ゴブリン狩り」とは打って変わり、ファンタジー風のバトルでビジュアル的に楽しい。

多数の冒険者と協調して野戦に挑む描写は、主人公が偏屈さを捨て、他者と親和する「和解」を表現している、わけではない。
そもそも最初から、主人公は他者を拒絶などしていない。

主人公と共に冒険者たちが一つにまとまるのは、むしろ主人公の視界に映る「世界」がどのようなものであるのか、その「外部」の視線に映る「世界」の実相を冒険者たちに共有させるためであるように見える。

社会外から侵入するハードボイルド探偵の「外部」の視線が、その社会の汚れて歪んだグロテスクさを「内部」の人間たちに突きつけるように。

ハードボイルドとは、不愛想なのに時折キメ台詞を口にしたり、マッチョがタフを気取るポーズのことではない。
それらは「内部」を告発する「外部の視線」を表現するための技法であって、本質は視線の「外部」性にこそある。

「サイコロ」に振り回される無秩序を疑問視しせず「世界」を肯定する冒険者たちに、「世界」の実相を垣間見させる野戦は、冒険者たちに自覚があれば「世界」の足元を見極める視線を身に着けさせるだろう。

だが、視線の外部性は、単純に外部に立っているということではない。
否応なく「外部」の視線で見つめてしまう存在でありながら、しかし同時に「内部」に囚われて外側に立つことができない分裂と矛盾が、「ハードボイルド」を駆動する。

はじき出された「外部」の視線で「世界」を見つめつつ、「想い出」の象徴である牛飼娘によって強力に「内部」へと繋ぎ留められる主人公もまた、冒険者たちとの結びつきによって、一層「ハードボイルド」性が強化されるだろう。

同時に、野戦によって主人公の「外部」の視線を垣間見た冒険者たちの中から、いつか「ハードボイルド」な冒険者が誕生するかもしれないと想像させてくる。

それは、今日は雑兵扱いされている、新米冒険者の明日の姿かもしれない。
そう、「たまたま」身に着けた防具で命拾いした新米は、その意味を掴むことができたならば、生き残っていくことが出来るかもしれない。
ハードボイルドに。


アニメやマンガでは、「復讐」は、「虚しい」「何も生まない」と薄っぺらい説教をされることが多い。
が、「何も生まない」とは、第三者が外側から観察して、費用対効果の経済効率を測定しているに過ぎない。
今このときを「復讐」を糧に生きる主体の前に、経済効率が何の意味を持つだろう。

冒険者たちとの野戦を通過し、いつかは「冒険」したいという希望を漏らすに至った主人公は、「復讐」の先へ向けた視線を獲得したと見える。
が、それは経済効率を受け入れたからではない。

復讐を果たしたとき=「ゴブリン」を絶滅させたときに思いを馳せるのは、「世界」の象徴である不可欠の構成要素が除去されたとき=「世界」が決定的に変質したとき、初めて「世界」を肯定して受け入れることができるかもしれないという(半)自覚の芽生えだ。
裏返せば、「世界」がこのままである限り決して肯定はしない/できないという、いま現在の、冒険者たちとの距離感でもある。
と同時に、「新しい世界」に出会う「冒険」は、「世界を変質」させるだろう「ゴブリン狩り」と根底で通じているのだという無自覚の気付きを、主人公の「冒険者」への憧れの芽生えは示している。


「神に抗う」「神に反逆する」と仰々しく看板を掲げるアニメは数多い。
本作の主人公が、世界の命運よりもゴブリン退治を志向するのは、こうした「パターン」の「逆張り」に見える。

しかし、「世界を象徴して」いる「ゴブリン」の退治において、「神々のサイコロ」を拒絶する意志は、すなわち世界を創った「神に抗っ」て「反逆す」ることと等しい。
矮小な小物狩りに特化した主人公は、決して「勇者」を補完する「日常の守護者」ではなく、その突き詰めによって、「世界」の根幹と支配性に挑戦しているのだ。

たった一つの「駒」では「何も変わらないだろう」という神々の傲慢なナレーションは、主人公によって「世界」の足元が掘り崩されていったとき、その無自覚をさらけ出すことだろう。
この「駒」は、多数の冒険者はもとより、必要とあらば「勇者」をも道具に使うに違いないのだから。

狭小な個人的意思が、実は「世界を変える」ことと等しいのだと描く物語は、この設定の突き詰めによって実現している。
「報酬」を発生させる果てしのない「被害」を撲滅する、煉獄にも似た「ゴブリン狩り」の向こうに、「世界」が変質する希望が微かにほの見えるようだ。



こうした物語を追うと、やはり本作は「ダークファンタジー」ではなく「ハードボイルド」の様式で描かれていることが必然のようだ。
ダークファンタジーがあくまで暗黒の世界の「内部」で完結する物語であるのに対して、主人公の「外部」性が「世界」に対立する本作は、やはり「ハードボイルド」だろう。

本作のキャラクターは固有名詞を持たず、名前を呼び合うことはないが、主人公も例外ではない。
主人公の字名すら、ゴブリンスレイヤー=オルクボルグ=小鬼殺し、と固定してはいないのは、ハメットの『コンチネンタル・オプ』に代表されるハードボイルドの「名無しの探偵」の系譜に連なる存在である証のように思われる。

愛想がないのに女性が惹き付けられる主人公だが、本作やアニメに限らず、はぐれ者が女性にもてるのは物語の定番でもある。
ハードボイルド探偵のような、主人公を始めとする「はぐれ者」に女性が惹かれるのは、(ちょっと嫌な言い方だが)建前に反して女性が社会の中心部から排除されている現実の反映なのかもしれない。
「女子供」という言い回しに典型的なように、社会人未満として社会の中枢から遠ざけられる「周辺」性が、はぐれ者の「外部」性と親和するのだろうか。

本作では、殺される寸前で死を垣間見た、日常と冒険の境界に立つ受付、人外の種族、といった「周辺」性や「外部」性が、主人公の外部性と引き合う。
現象面だけ見て「ハーレム」というのは少し表面的に過ぎるようだし、「女性は視聴に注意」などと殊更に本作から女性視聴者を遠ざけるのは、余計なお世話というものだろう。



TV放送されるアニメであれば、放送に当たって様々に制限が付けられる。
第1話は、それでも制限の中で表現の限界を探る意気込みが感じられた。

が、8話では、TV的な制限で作品の雰囲気を損なう描写があり、少し残念な気がする。

奇跡によって蘇生した主人公が起き上がるシーンで下穿きを身に着けているが、設定やストーリーの流れからすると、ここでの主人公は全裸であったほうが自然だろうし、それで問題があるとは思えない。
一目瞭然でワザとらしく不自然な、下着をつけたビジュアルは、TV放送上の制限ではあるのだろうが、「この通り、放送に配慮しております」という宣言のようなもので、「物語への没入」が「放送の視聴」へと引き戻されて、白ける。

つまらないと言えばつまらない言いがかりだが、だからこそ、こんな下らないTV放送配慮が表面化して作品の雰囲気を損ねるのは、それこそ「つまらない」ことだと思う。




友人と呑んだ時に本作の話が出たのだが、友人の評価は低かった。

上記の感想は、「復讐」に憑かれた男が「世界」に敵対している、という視聴から生じたものだが、友人は「ゴブリンスレイヤー」とは「ゴブリンをスレイ」する「職業」名と視聴したらしい。

主人公のゴブリン狩りを「仕事」とみなせば、なるほど、「仕事」への取り組み方や向き合う姿勢、何より受益者である「消費者」の満足といった点で、まったくバランスを欠いた現実味のない「仕事」に見えるのも無理はない。

しかし「仕事」という点から読み返してみると、主人公とギルドの冒険者たちとの違和は、「復讐」としての「狩り」と、経済的な「職業」としての「冒険」の隔たりでもあるのだなと思えてくる。

異種族の冒険者との良好な関係は、彼らの「冒険」が、「好奇心」や「宗教的な修行」といった「仕事」を超えた非・経済的なものであるところに、「復讐」と引き合う根拠があるのだろう。

視点によって、同じ「世界」でも全く違う光景が見えるのだなと、ちょっと面白かった。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

途中で断念したにしとく

6話までの感想{netabare}
世界観がようワカラン。
リアルを追求してるのか放棄してるのか…どっちなん?
ゲームのパロなんてさくまあきらが散々やったし今更やられてもなぁ。
多分スポンサーは分かってて言ってるんだろうけど、これをダークファンタジーと謳ってて「?」。
今期放送されてる別作品で例えると、もし“ユリシーズ”を本格歴史小説って言われてたらモヤっとすると思うんだけど、そんな気分。
ただのゲームのパロディ作品でしょう。
TRPGにしろゲームのシステムってリアルの生活をデフォルメしたもので、それを更にデフォルメ重ねたところでリアルにはならない。
あれだ、藤田咲に初音ミクの物真似させても素の藤田咲とは全く違うものにしかならないって感じ。
だって、ねぇ。
野生動物よりも恐ろしい魔物退治を専門にしてるハズの冒険者が、鉈持ったアイヌより弱そうなんだもの。{/netabare}

総評というかなんというか{netabare}
あんま言いたくないんだよなぁ。
言ったところで「じゃあお前はどうなんだよ」「そんなこといえるくらい立派なのかよ」って言われたら返す言葉もなく言いよどむ事柄でして。
かといってそうやって黙り続けても鬱憤がたまるばかりでして。
なるべく別作品挙げたくないんだけど、共通した「アカン方向」ってのがあって…昔からあるものではあるんだろうけど、ラノベってジャンルに於いては“キノの旅”が奔りかなぁ、と思ってて。

皮肉ると皮肉った対象より偉くなった気になれる、イヤな感情ではあるけどまぁ分かる。
けどね、それが有名な逸話「お菓子を食べればいいじゃない」にしかなってないのはどうなんだろう。
もっと詳細に書くと、貧困にあえいでる人が「パンすらロクに食べられない」と言ってるのを聞いて、「パンが食べられないならお菓子を食べれば良いじゃない。こんなことにすら気付かないなんて大衆(この世界の住人)はナンてバカなんでしょう」とふんぞり返られても「いや、アンタの方がよっぽど…」としか思えない。
要はパンよりも菓子のほうが高価って前提(常識)があるにも関わらずそれを無視し、解決にすらならない解決策を持ってこられても困っちゃう。
世間知らずのバカが知った口利いて「ボクってなんて賢いんだろう」って振舞われても「なんだよコイツ」にしか思えない。
“トネガワ”でネズミ講を「なんて新しいビジネスモデルなんだ」と持て囃してた海老谷と変わらない。
厄介なのはこれはあくまで「パンよりお菓子の方が高価」っていう常識が前提で、もしこれが創作世界で「お菓子の方がパンより安い」って設定なのなら成立はするんだけど、じゃあそれは前もってハッキリと提示しておかなければならない。
この基本設定をボヤかして煙に巻いて賢いつもりになってた(と自分は感じた)のが“キノの旅”で、どうにもこの悪習が綿々と続いてる気がする、“劣等性”とかね。
ヤベーのは「前もって提示しておかなければならなかったこと」が、「説明するまでも無い常識」と「書いてる人が常識知らずで本当に知らなかった」の二者に分かれる中、後者側の人間が前者のつもりになってるのが痛々しくて。

で、話をゴブスレに持ってくると、やってることが既存ゲームに対して「お菓子を食べれば良いじゃない」って言ってるだけにしか見えない。
「そんなことは分かってるよ、ゲームだから端折ってるんだよ」としてた賢い先人に、そんな事情を知らん無能がダメ出しして勝った気になってるだけにしか見えない。
バカほど人の気遣いに気がつかない。

まず1話のレイプシーンだけど、「批判してる人はあのシーンがショッキングだったから拒絶起こしてる」みたいなこと言われるけど別にそれはどうでもいいんだ。
もしあれがダメって言う人は小池一夫の作品読もう。
残酷描写の良し悪しではなく、それをすることで他の部分に与える影響のほうが問題でして。

そうねぇ、最初のギルドの有り様からしておかしい。
ゴブリン退治…だけでなく、モンスターの被害に会ってる村が金を出してギルドに討伐依頼して、ギルドは冒険者に公募かけて名乗り上げた人が退治に向かう、と。
…?
村人からは前取りしてーの冒険者へは後払い?
え…これじゃあ「村滅んでくれたほうが・冒険者死んでくれたほうが儲かる」にならない?
汚職待ったなしだと思うのだがどういうこっちゃ?と思ってちょいと調べてみたら…えっ、作中のギルドって国営?
…??
年貢取って更に依頼料せしめるってこと?
ってか1話では「とても依頼をこなせそうもない冒険者」を村に送ってなかったっけ?
依頼こなせないどころか孕み袋として母体を提供する形になって更に悪化させてなかったっけ?
国営としたら大失態なんじゃ…なんでこんな???
もうこんなの「意図的に使えないやつを送った」って噂立ちそうなもんだが。
競合他社があったら即座にそっちに客取られて潰れるところを、国営として独占してるワケだ。
ってことで国やギルド自体が腐敗してるって話か?と思ったらそうではないっぽい。
改めて言う、

金のみで動く・金額次第で何でもやる・金こそが全て

っていう拝金主義ならそれはそれでいいんだ。
現ナマでしか受け付けないみたいだし、ギルドの隣に高利貸しや悪徳両替屋や人買い屋が当たり前のように併設されてる、それならそれでいい。
受付嬢はクソの権化で国王はアホの極み、それならそれでいいんだ。
けどその後の作中描写はそうでないらしい、むしろ優良企業(組織)みたいな扱いでもう意味が分からん(わかってるけど)。
これは他のこともほぼそうで、最初に印象付けた出来事に対し、その後の描写がそれに背く形になってて、「お前何言いたいの?(わかってるが)」って中身になってる。

あんまダラダラ長く書いてもしょうがないので(といいつつもう充分長いけど)先に言っちゃうと結局これ、なろう系の鉄則「他人に厳しく自分に甘い」の「自分に甘い」の部分をののままに、「他人に厳しい」の部分をより過激にしただけ。
自分に甘いの部分に関してはイセスマなんかと変わりない。
ああ、ここでいう自分ってのは自己投影先のゴブリンスレイヤー並びにそれを賞賛する喜び組ね。
他人ってのはMOBのこと。
わざわざ人前で部下を叱り付ける上司ってのはよく居るけど、叱り付ける部分を殴る蹴る追加しただけ。
上司そのものは社長(神様=作者)に気に入られてて何一つペナルティは無く、他人に厳しいシーンだけを見て「なんて厳しい人なんだ」と騙される人も居るだろうけど、その実「自分には甘々」ってのが透け透け。
話題の1話のレイプシーンだって所詮は他人(MOB)、もしエグさを売りにしたいならもっと主人公(作者や視聴者が投影するキャラ)と親交を深める・充分感情移入させてからやりゃあいいのにそうじゃない、温い。
それでいて他人がゴブリン被害受けたら介錯するクセに自分がやられたら処女同衾で復活だってさ。
それ以外でもやれ改造転移スクロールだの小麦粉粉塵爆発だのセメントだの、前もって先の展開を知ってるとしか思えない準備の良さ(神様に気に入られてるので)。
難局を脱する際、あくまで普段持ち歩いてる特別でもなんでもないもので特殊な使い方をすれば「機転を利かせた」になるけど、ピーキーな道具をピーキーな場面で都合よく準備できてるのはご都合主義でしかない、お前未来予知能力者かよと、アクエリオンの不動指令かよと。
TRPG語るならエンカンブランス気にしよう。
えーっとかつて緊張感やピンチ演出について書いた事がある気がするけどそれではまだ説明足りてなかったなぁ…。
ピンチっていうのは「先の展開知らないで分の悪い賭けに打って出ざるを得ない状況」であって、それこそ運を天に任せてサイコロを振る瞬間であって。
先の展開知ってる限りはどんなに怪我しようがピンチじゃない、どうせ助かるって分かってるんだから…そういう意味では「異常な用意の良さ」はマイナスにしかならない。

他にも結局ゴブリンスレーヤーは誰からも悪し様に扱われない。
イントロダクション見ても「彼は手段を選ばず、手間を惜しまずゴブリンだけを退治していく」と、あたかも他人からどんなに恨まれようがゴブリンさえ倒せればそれでいいって印象を受けるが実際はそんなことは描かれていない。
なんとかゴブリン倒せたけど村人から「殺してやる」と恨まれることはない。
道すがら村人がレイプされてて助けてくれとすがられるけど犯人がゴブリンでないので「あっしには関わりのないことです」と素通りすることもない。
(牧場襲ったのがゴブリンでなかったら見殺しにしてた、くらい言わせればいいのに)
ずっと最弱(と認識されてる)ゴブリンばかり狩る変人扱いかと思えば吟遊詩人に歌われる英雄扱い。
これに関してはひょっとしたらドンキホーテよろしく笑い者として知れ渡ってるのかな?と思ったけど、サンチョのようなツッコミ役ナシでひたすら「ゴブスレのやることは正解」になるのでまぁ気持ち悪い。
「頭おかしい人の頭おかしい行為」ではない、正解引いてるんだから。
世界はゴブスレを賞賛するための道具に過ぎない。

まぁなによりも、だ。
ルールブック読んだだけで、一人でプレイしただけで、TRPGやったことないでしょ?
ってのがモロバレで。
ここら辺なぁ…鼻にかけたくないし、ある意味TRPGやったことある人にもキツいこと言うことになってしまうんだけど、現在廃れてるのは廃れるだけの理由があるワケで。
よく知らない人が昔そんなのが流行ったって噂だけを聞いて、妙に高尚なモンだと勘違いされるのもこれまた困ったモンで…。

TRPGを食った一因(あくまで一因)として格ゲーがあるけど、“ハイスコアガール”を見てもらえれば分かりやすいけど、癇癪起こして台バンする人って当たり前のように居ました。
TRPGだってそういう人が参加することはあるワケで…それでいてゲーセンの店員のような強い強制力を持った人ってのは居ない。
じゃあそういう連中野放しにしたらどうなるの?ってのは火を見るより明らかでしょう。
またそういう人を寄せ付けないようにしたら閉鎖的にならざるを得ないし、まぁ廃れて行くばかり。
高尚な遊びとして高尚な方のみが集う高尚な場(その場合私もお断りされちゃうけど)なんてのはあり得ないワケで…なにより自分が高尚だと思い込んでる人ほど厄介で。

で、だ。
ゴブスレの内容ってさ、そんな「廃れさせた奴ら」の行動まんまソレで。
私は存在は知りつつ最近まで専門用語までは知らなかったのだけど、和マンチとか吟遊GMとか言うらしいね、詳しくはググって。
むしろそういう悪行を悪行と知らずにカッコイイものと認識してるらしく、正に自分は高尚だと勘違いしてる手合いそのもの。
(かといって排斥したところで閉鎖的なのが加速するだけではあるんだけど)
「オレって糞野郎」と思ってるならゴブスレはもっと世界から悪し様に扱われさせるっしょ。

ここら辺は本当なぁ…マトモにやってた人にもプライドはあるワケで、「どうして廃れたのか」を喧伝するには口が重たかったのかなぁ。
現在の認識ではこれが正しいTRPGになっちゃうんですかね?
ちと他の作品でも(古い人から見たら)TRPG分かってない描写があっていい加減不満爆発してめっちゃ長文書いちゃいましたが、結局は「もっと勉強してくれ」に尽きます。
イメージだけでマウント取りに語ってるっていうのが丸分かりでね…所詮他作品キャラを寄せ集めたメアリースーではこれが限界なのかも知れないけど。

長々と書いてしまったけどこれにて、長文失礼。{/netabare}

追記{netabare}
ああん、そういうことそういうこと。
ダラダラ長文なだけで全然主張が見えてこないクソ駄文だと自ら思ってるけど、それに引き換え他の方の感想がやっぱり端的で素晴らしい。

↑で「ググって」って言葉で端折ってしまったけど、“吟遊GM”の件。
実際それってどういうこと?というと、要はGMの操るキャラクターが無双して大活躍して賞賛浴びるのが最大の目的で、参加プレーヤーはその引き立て役に徹する(徹させられる)ってプレイスタイルのことです。
そんなんやろうと思えば容易な話で…だってGMはこの先何があるか知ってるんだもの、この先どんな罠があるか知ってるんだもの、この先何が必要だか知ってるんだもの、敵はどうやれば倒せるか知ってるんだもの。
GMにとって気に食わないヤツ(のキャラクター)はテキトーな理由で悲惨な目にあわせるのが可能なルールなんだもの。
例えば初見では絶対分からない罠にプレーヤーを引っ掛け、どんな罠があるか前もって知ってる(当たり前だが)GM操るキャラクターはそれを颯爽と回避し(これといった理由は無い)、「お前こんな罠も分からないの?バカなの?」といってマント取るの。
「オレ(の操るキャラ)はなんて有能なんでしょう」ってのを見せびらかすのがメインで、プレーヤーはそれのための踏み台、そういう精神に侵された奴がGMを務めるTRPG。
それが更に深化して自キャラを引き立たせるために参加プレーヤー(のキャラクター)には泥水啜れ・肥溜めで溺死しろ・ゴブリンに犯されて死ね、さもなくば賞賛しろってのを強要し出す始末…ゴブスレにはそれしか感じない。
自分はそういうのはGM接待プレイと呼んでましたが…まぁ参加はしたくないですね。
で、GM接待プレイを許容できる人はこれを面白いと言っても差し支えない。
もうそこら辺になってしまうと良い悪いの話では無く許容できるか否かなだけかと。
私は許容できない、それだけ。
ただちょっと怖いのは「え、TRPGってそういうもんでしょ?」って風潮になってるのならそれはどうなんだかなぁ…?{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

彼の何に魅かれるのか考えたとき、人間の本質が見えてくる。

2018年12月30日 記載
子供の頃って、自分は何にでもなれると言う万能感で溢れていました。
根拠の無い自信で、無謀すぎる思考に取り巻かれた世界
叶えたい夢があったなら簡単に叶える事が出来て。
信じたい理想があった時、それは確実に成就出来る。
私自身も、本気でそう思っていた節があります。

勿論、そんな事は有り得なくて、在る訳無くて。
役割が伴わなければ、存在を為せないのはサルトルの言う通り
しかし、その期間は人間として1番強い時期でもあります。
無条件に「夢」や「理想」を信じられる。
「何にでも」にはなれなくても「何か」にはなれる。
全ては叶えられなくても、真に目指したい夢には到達出来る。
全ては成し遂げられなくても、信ずるべき理想には到達出来る。
子供の「思い」と言うのは、人間が本来併せ持っている「強さ」であると、私は感じます。

無知故の強靭、無恥故の蛮勇
そんな風に信じている人を馬鹿者と吹聴する大人もいる事でしょう。
しかし、そう考える事の出来る「強き思い」は何物にも変え難い信念です。
そう考える事の出来る「強き思い」は、決して覆せない覚悟となります。
そこに到達した際の役割を全う出来るだけの「覚悟」と「信念」があれば。
「夢」や「理想」なんて、決して幻ではないのです。

そして、そんな強気さえも浮かばなくなっていた今日この頃、私は本作に出会いました。
主人公は「何にでも」にはなれず、「なりたかった何か」にもなれず、「なりたい自分」が分からなくなっていた人間でした。
だからこそ自然、彼に感情移入して物語を楽しめた次第です。
現在の自分とどこか似通った部分を垣間見て、その際に私は、人間の本質を見つけたような気がします。

本日のレビューでは、少しその事についても書き添えると致しましょう。
今回御紹介するのは、喪失を取り戻す男の話
何も無い自分に「意義」を見出した『ゴブリンスレイヤー』の物語です。




【あらすじ】
これは、ある男の物語
英雄ではなく、勇者にもなれない。
ただ、小鬼を殺すだけの男の話

全てが運と知略で繰り広げられるこの世界
そんな盤上で、1人の男は只管ゴブリンを殺す。
そこにあるのは復讐を超えた義務
そこにあるのは後悔を越えた殺戮

武勇伝や英雄譚はお呼びでない。
そんな華々しい世界は、ここにはない。
小鬼を殺し、殺し、殺し、殺し続けた血の道があるだけだ。
「お前に小鬼が殺せるのか?」
「俺は世界を救わない。ゴブリンを殺すだけだ」

これは、そんな彼が織り成す「世界」の話
英雄ではなく、勇者にもなれない。
ただ、小鬼を殺すだけの男が真に成りたかったモノを、見つけるまでの……
「世界」を超えた『世界』の話だ。




{netabare}
1年が終わりました。
艱難辛苦の厄年でした。
個人的事情は抜きにして、昨年のアニメを振り返ってみると、どこぞの細胞やら、どこぞのお兄さんやら、「働く」事をテーマの一要素としたアニメが多く出ていたと感じます。
「労働賛歌」を謳ったり、「働く事の意味」を見つめ直したり、十人十色
「娯楽は時代を反映する」
娯楽に反映される程、労働に苦しむ今の社会って危険なんだろうなと感じた1年でした。

屈指のジャパニメーション国家もとい「労働問題」に辛苦する国、日本
これまで培ってきた産物から社会問題へ言及するのはよくある事
ディズニーやチェコアニメーションなんて観るとよく分かります。
ただ、それはそれとして、昨今の「あからさま」なのは嫌いじゃねえけど観たくねえと思ってしまうのです。
「働く」と名の付いた作品や、明らかに働く事をテーマとしている「勤務地」が舞台のアニメ
「辛い事もあるけど働くのって良いよね!!」みたいなポジティブメッセージを随所に感じてしょうがありませんでした。
そんな短絡的思考で容易に割り切れる問題じゃねえよ。
そう考えた結果、過労死する惨状がこの世界にはあるんだよ。
こういう「前向き」に感化されたら、自分の思考自体がよからぬ方向へマインドコントロールされてしまう。
労働嫌いな私は上記の要素も相俟って、そういった作品は観る事こそあれどあまり嵌れない始末でした。

そして、私のそんな心境は『ゴブリンスレイヤー』において、正に熟考を発揮します。
しかし、それは私のお気に入りの形で。
暗喩的且つ的確なメッセージで以って。
不快にならない程度に、上手く描かれていました。
そう、本作はそんな適度のバランスに保たれた世界で、「働く」と言う事を自然に考えさせてくれる作品なのです。
正確に言えば「労働」を基点とした「人生観」について、と言う所でしょうか。
「働く」事によって「人生」をどのように謳歌するか。
自然に考えさせてくれる描写が非常に多かったと言えましょう。

その大部分はゴブリンスレイヤーと言う人間から。
彼と言う「冒険者」に魅かれた結果、生み出された産物でした。
冒険者としての職業が成立する世界
主人公のスタンスは自分の現在と似通った箇所が多かったです。
「はたらくぞ はたらくぞ 毎日毎日戦場」の世界
誰もが向上心に溢れ、ドラゴンやらオーガやら悪魔やらロックイーターやらを倒して上へ上へと伸し上がろうとする世界
その中で、黙々と最弱モンスターであるゴブリンのみを狩り続ける彼、ゴブリンスレイヤー
成し遂げられるのは小さき事だけ、社会の風潮に溶け込めない逸脱者の自分と重なりました。
この先、ゴブリンを殺せなくなる日が、働けなくなる時がやって来る事に困惑を覚える彼、ゴブリンスレイヤー
「未来」「将来」と言う言葉がずっと迫っている、先なんてさっぱり分からない日々を送っている現状と重なりました。
結局、「先の事」なんてちっとも分からなくて、目の前の事を精一杯やるしか無いんです。
今を生きていくだけで精一杯、生きているだけで丸儲け。
そう考えていく事でしか、自らを保ち続けられない自分を、私は彼から見出しました。
弱き人間の本質を、彼を観ていた自分に見つけたのです。

そしてだからこそ、小鬼の「恐怖」を身を以って痛感しているゴブリンスレイヤーが、社会の「部外者」である彼だけが、その対処の為に彼等だけを狩り続けると言う姿勢に、私は痺れてしまいました。
あくまで自身のスタンスを貫き続け、その結果、他者からどのような目で見られ、蔑まれ、怯えられ、馬鹿にされようとも、その意思を曲げません。
そして、そんな自らの抱いてきた信念が、行動が、少しずつ実を結んでいきます。
偶々助けた女神官から、彼の逸話を聞いて集まった妖精弓手、鉱人道士、蜥蜴僧侶に広がり、剣の乙女との邂逅を経て、最後にはギルド全員と意思の共有をするに至りました。
彼が培ってきた努力の体現には、感極まるより他に無いでしょう。
そして、その過程の変遷が彼の行動をずっと見守り、信じ続けてきた牛飼娘をも救ってしまいます。
牧場と言う、ゴブリンスレイヤーと牛飼娘の「帰る場所」
その「聖域」が元の形を維持し続けられた事で、そこからまた「冒険者」として旅立つ事が出来るのです。
この構成が、もう堪らなく素晴らしかった。
強き人間の本質を、彼女を観ていた彼に見つけたのです。

それは確かに、無駄じゃあなかったんです。
彼がこれまでゴブリンを殺し続けてきた過程は、決して無かった事にはならなかったのです。
目の前の事を精一杯やってきた、現在のみを見据えて生きてきたゴブリンスレイヤーの5年間は、決して無駄ではなかったのです。
私の胸はどうしようもない幸福で胸が張り裂けそうになった次第
そして、辿って来たこれまでの日々は、彼に1つの夢を呼び起こさせます。
子供の頃から、なりたかったもの
自分が叶えたくても、叶えられなかったもの
今でも、まだ叶えたとは思えていないもの

「冒険者」

自覚した彼は「死ぬまで生きていく」人生の中、追い続けるでしょう。
人間の「強さ」を取り戻した彼は、自らの道程を求め続けるでしょう。
「冒険者」になると言う「夢」を。
「冒険者」として生きたいと言う「理想」を。
「部外者」から「冒険者」へと変化した彼の「物語」は今、始まるのでした。
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まるで、偉大な物語の中にでも迷い込んだような気分です。
闇や危険が一杯に詰まっていて、その結末を知りたいとは思いません。
幸せに終わる確信がないから。

こんな酷い事ばかり起きた後で、どうやって世界を元通りに戻せるんでしょう?

でも、夜の後で必ず朝が来るように、どんな暗い闇も永遠に続く事はないんです。
新しい日はやって来ます。
太陽は、前にも増して明るく輝くでしょう。

それこそが、人の心に残る偉大な物語です。
子供の時読んで理由が分からなくても。

今ならフロド様、なぜ心に残ったのかよく分かります。
登場人物達は重荷を捨て、引き返す機会はあったのに帰らなかった。
信念を持って道を歩き続けたんです。

(フロド:その信念って何だい?)

この世には、命を懸けて戦うに足る、素晴らしいものがあるんです。

『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』サムワイズ・ギャムジーの言葉より抜粋
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振り返ってみると、この『ゴブリンスレイヤー』と言う作品は、全てを喪った者の「再生」を描いた作品だったと感じます。
自分にとっての世界が崩れた時、人は別の何かにまた「世界」を見出します。
彼にとっては、それがゴブリンであり、スレイであり、ゴブリンスレイでした。
「姉」と「過去」に囚われた彼が、「世界」を小鬼殺しと言う殺戮に見出すのも必然と言えましょう。
しかし、その「世界」自体がそもそもにして狂っていた時、脱却する事は容易くありません。
何故なら、そこに彼は生きているから。
そこが、彼にとっての「世界」だから。
世界とは、良くも悪くも、人間にとっての生きる指針なのです。
それは、現実でも盤上でも変わらないでしょう。

しかし、その囚われた「世界」の中でそれを超える『世界』に出会えたなら……
その『世界』の数々が「世界」を生きる彼自身の「再生」を生み出したなら……
彼の「世界」が『世界』に取って代わる日も近いはず。

『世界』
それは、冒険者になると言う「夢」
それは、ゴブリンに捉われない愛すべき「仲間達」との日々
それは、自分の事を信じて待っていてくれる「大切な存在」
それはきっと、彼自身が元来望み、信じ、願っていたモノ
彼がずっと、子供の頃から求めていた「強き思い」なのです。


「行ってきます」
「ただいま」
上記の言葉は、そんな彼にとって、非常に重くて尊い挨拶
「冒険者」として旅立ち、「大切な者」の元へ帰る為の応酬として、非常に重くて尊い挨拶
だから、私は願います。
この『世界』を繋ぐ架け橋が、いつまでも彼の元で生き続ける事を。
この『世界』に満ちている、優しき希望が彼の中に芽生え出る事を。
心の底から、願うのです。
願うより他に無い、視聴後の私に満ちた感傷でした。
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Let out your strength from within, from within
力を注げよ 心の底から 心の底から

Then you will begin to appreciate the hope
ならば君は この優しい世界に満ちる希望に

In this graceful world
感謝し始めるのでしょう
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Let out your cries from within, from within
叫びを放て 心の底から 心の底から

Remember who you used to be
昔の自分を思い出して

Everyday can be your new beginning
どんな日も 君の新しい始まりになるのでしょう

Mili「Within」歌詞の一節より抜粋
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https://www.youtube.com/watch?v=3UJ_mERvw3A




P.S.
2018年も様々な方面で魅力的なヒロインが多く登場しました。
そして、本作で私は本年度No.1のヒロインを見つけられた次第です。
それは、ゴブリンスレイヤーの幼馴染、牛飼娘
誤解されやすい彼の思いをきちんと汲み取ろうと行動し、読み取っています。
彼と真摯に向き合って、語り合って、受け止めています。
そして、その上で、ありのままの彼を理解しようとしています。
それらの努力が功を奏したからこそ、お互いが相手を「大切」であると言う想いを惜しみ無く披露出来ているのです。
素晴らしき最高のヒロイン、及び主人公との強い関係性でした。
彼女はずっと彼を信じていられる。
彼女は彼にとっての『世界』となれる。
彼にとっての、新しい『世界』になれる。
最終話を観て確信した、生涯忘れられない少女だと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

72.2 7 絶望で仲間なアニメランキング7位
蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT(OVA)

2005年12月29日
★★★★☆ 4.0 (323)
1821人が棚に入れました
『蒼穹のファフナー』から一年前、人類軍とフェストゥムの両方から追われ、身を隠してきた竜宮島は、フェストゥムに探知される危機を迎えていた。未だ戦闘準備の整わない竜宮島は、ついに「L計画」という危機回避プランを実行に移す事を決定する。その計画とは、島の一部・アルヴィス左翼部L区画を切り離して囮とし,本島へのフェストゥムによる探知をかわすという作戦だった。将陵僚・生駒裕未ら8人の少年少女達は、対フェストゥム兵器ファフナー「ティターン・モデル」のパイロットとして、過酷な戦いに身を投じる事となる──…

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「去り行く者達(LEFT)の権利(RIGHT) 」

この作品は、蒼穹のファフナーの前日談…一年前の物語です。
時間軸は本編より前ですが、馴染みのキャラも登場するので、本編を見てからこちらの作品を視聴した方が、物語に入り込みやすいと思います。
もし、本編を未視聴の場合は、そちらからの視聴をお勧めいたします。

本編視聴後の余韻がとても気持ちよく、この作品の世界観にもう少し浸っていたかったので、本編に引き続き本作品を視聴しました。

今回のレビューのタイトルは、「RIGHT OF LEFT」がとても意味深い意味であることを教えてくれたwikiを引用させて貰っています。

本編ではファフナーが整備され、竜宮島の持つ戦闘力がある程度高いレベルであるところから物語は始まります。
一年前と比べると、格段に戦闘力が増しているのを感じることができます…
でも、これって一年前の戦闘力はまだ発展途上であったことの裏返しですよね^^;

普段は身を隠しながら軍事力を増強する…そんなヨチヨチ歩きの竜宮島でしたが、ある日フェストゥムに探知される寸前まで追い込まれてしまいました。

竜宮島にはたくさんの一般住民と明日を担うパイロット養成コースに通うみんながいて…島そのものが島民にとっての希望だったのです。

そんな中、この危機を回避すべくL計画が立案~実行に移され…物語が動いていきます。

このL計画…希望を捨てないというみんなの意思が結集されて実行に結び付いたのだと思いますが…この計画の内容は身を切られような痛みを伴う切ないものでした^^;

L計画に使用できる軍備は必要最小限…
ファフナーの技術レベルは向上の余地を大きく残した状態のため、パイロットへの負担が半端ありません…
何よりパイロットの絶対数もほんの一握り…

この絶望的な状況にも関わらず、パイロットのみんなは希望に満ち溢れています…

でも…度重なる…幾度となく度重ねられた戦闘による疲弊…
ファフナー搭乗の副作用の厳しさに蝕まれるパイロットの苦痛…
状況が変わるのは当たり前です…
気持ちの全部が泣き言で埋め尽くされる…そんなときがあっても仕方ないと思えるくらい容赦ない計画だったのですが…
それでも、みんなは計画の完遂を目指して必死に歯を食いしばるんです…

それは計画完遂の先にある一人一人が胸に抱いている初めから決して変わることのない夢のため…

この冷血非道なL計画の行方はどうだったのか…
それはぜひ本作品でお楽しみ頂ければと思います…^^;

物語の終盤…パイロットにとって所期の夢を叶える千載一遇のチャンスが訪れます…
でも、それは同時に所期の希望を壊すリスクを抱えたものでもありました。

そこでパイロットたちが導き出した答えは…
きっと…いえ、私には絶対に出せない答えでした(/_;)
そしてパイロットの願いと待つものの祈り…物語の結末と合わせて本作を楽しんで頂けたら…と思います。

OVA1話の作品でしたが、引き込まれました^^;
引き続き劇場版を視聴したいと思います♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 30

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

尊い犠牲

このアニメは、蒼穹のファフナー一期の前日談
として制作された作品である。
話の流れが、蒼穹のファフナーへ続くように構成されているが、
どちらを先に見るかこだわらなくても特に問題はないだろう。
まあ、時系列を重視したいか、放送順で行きたいかによるので
そこは好みの問題だと思われる。

内容を一行で言い表すと、フェストゥムの探知から逃れるため
の企画、「L計画」という危機回避プランに身を投じた8人の
少年少女たちがパイロットとして最後まで戦った歴史である。

見終わった感想としては、想像以上にクオリティの高い作品であった。
実は、私自身一期からRIGHT OF LEFTという流れで視聴したのだが
序盤はそこまで乗り気ではなかった。中盤に入ったあたりから
徐々に面白みが増していったという印象が強かったので、少し不安
な気持ちで挑んだがそれは杞憂だったようだ。

焦点を当てる主要人物を少なくし、感情移入がしやすい
作りになっている。基本的には、将陵僚と生駒祐未の二人に
徹底的にスポットが当てられている。
彼らの関係性や、ファフナーに乗る動機等を見て自然と
応援したくなる自分がいた。
今作において、一期で活躍するキャラクターも数人いるのだが
必要以上に話に割り込んでこないので過度なストレスを
感じることはなかった。

一期では、結構な数の登場人物に焦点が当てられているのだが
一部のキャラに関しては登場シーンが少ない上、あからさまにフラグが
立っていたことも相まって感情移入がしにくいと感じてしまったのだ。
今作では、そこに気を使ったのだろう。非常に魅力的なキャラクターを
生み出すことに成功している。

また、前日談という設定を上手く活かしている。
この時は敵フェストゥムに関する情報が少ない上、ファフナーに
至ってはほぼ試作段階の状態。それ故に同化と呼ばれる現象が
パイロットたちに恐怖を植え付けてくるのだ。
しかも、一期の時よりも進行速度が速い上に結晶化するという有様。

それを見て全く動じないパイロットは相当強靭な精神力
を持っていると推察される。
私が、実際にその光景を目にしたら泣き叫ぶような気がする。
そこまでの精神力は持ち合わせていないからね。

鬱要素も、一期よりは確実に高い故に慣れていないと
引きずりやすい様に感じる。只、希望も含まれる形で
終わるので、絶対に耐えられないという訳でもない。
まあ、それなりに場数を踏んでいることが前提だが。

蒼穹のファフナーの一期がそこまで好きではない方にも、
この作品には是非とも挑戦していただきたいと感じる。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

誰かが生き延びるために誰かが犠牲になった

泣けてしまいました。
本編の内容が難解だっただけに、この作品を視聴するのは後回してましたが、この作品は本編見たら絶対に見るべき内容ですね!

◆この作品の概要は・・・
本編の話より1年前の話。
本島を未知の生命体から守る為、L計画を実行。
その計画とは本島の一部の地域を切り離し、その地域を本島に見せかけてオトリにし、未知の生命体から本島への目を反らすという作戦。
作戦期間は2ヶ月間、オトリとした地域に配属される実行部隊は40名、その中の8人の少年少女がファフナーに乗って未知の生命体と戦います。
はたして彼らの運命は?

◆この作品の見どころは・・・
本編からもわかるようにこの作品にあるのは絶望や悲壮感。
でもその中で彼らは必死に生き延びようとします。
この作品にロボットに乗っての戦闘シーンはほんのわずかしかありません。
その分、登場キャラ達が次第に追いこまれていく絶望感から希望を見出そうとする心理描写が良く描かれていて感動しました。

◆本編で登場する少年少女達は・・・
もちろん多数登場いたします。
チョイ役で登場するのがほとんどで、一部キャラを除いてはこの時点では何が起こっているかも知らずに、本島で平和に日常を過ごしています。
そして皆城総士のラストのセリフ・・・心に重く響きましたよ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15

68.3 8 絶望で仲間なアニメランキング8位
ひぐらしのなく頃に卒(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (302)
949人が棚に入れました
2021年7月放送開始
ネタバレ

やぎゃあ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

「ひぐらし」としては駄作、「うみねこ」としてはまぁ・・・

※前半は業/卒の全話完走後に書いたまとめレビュー、後半はリアルタイム視聴時に書いていた各話レビューになっています。
※「うみねこのなく頃に」の内容にも触れますので、その話は聞きたくないという方はBack
※私は思ったことを全て書ききりたい超長文体質です。読んでいただける方はセクションを開き始める前にざっと一通り眺めて、気になるところだけ読むのをお勧めします。

※最終話のレビューの後に、「うみねこ」の設定も踏まえた考察も書いてみました。当たっているかはわかりませんのであしからず。(考察部分は何か思いついたら ちょこちょこ書き足します)


【完走後のまとめレビュー】
業/卒を総括するとこんな感じでしたね。

①リアルタイム視聴者に対しては、放送前のプロモーション(番宣など)から既に失敗していた
②「旧作ひぐらし」は必修、できれば「うみねこのなく頃に」も履修しておくが吉
③「ひぐらしの世界観」をぶっ壊しすぎ

ーーーーーーーーーーーーー
① プロモーション(番宣など)については細かく愚痴りたいです。

ひぐらし業の「マニュアル」的な情報・・・例えば旧作と新作との関係性、業のコンセプトや楽しみ方などを、放送前からしっかり広報すべきだったんじゃないかと思います。少なくとも私は、制作側が仕掛けたサプライズのせいで、この作品との向き合い方を見誤りました。

どういうことかと言うと、{netabare}業の放送開始当初、制作側は「リメイク」なのか「続編」なのかを曖昧にしていました。タイトルも放送開始当初は『ひぐらしのなく頃に』とだけで、『業』を冠したのは話数が進んでからでした。これは制作サイドからしたら『サプライズ効果(ドッキリ)』を狙っていたのでしょう。

ゆえに放送開始当初は、多くの方が『リメイク』だと思っていたはずです。

しかし、そうすると視聴者はどう考えるか・・・?

まず、新規勢は「旧作を観てなくてもリメイクから入れば良いんだ」と誤解します。また古参勢にしても「リメイクなら、新たなミステリー作品として 3要素(誰が/どうやって/なぜ) を解き直す必要はないんだな」と誤解します。

一応 察しの良い古参勢なら、「鬼騙し編」のラストで展開が変わったことで、この作品との向き合い方を考え直せたかもしれません。しかし、私は『単に これも あったかもしれないカケラの1つってことでしょ?』と解釈して進んでしまいました。

よもや「黒幕も 手段も 動機も、何もかもが異なる惨劇」だとは思い至れず、『新たなミステリー作品として挑戦する』という発想自体を持てませんでした。(私は この情報はちゃんと広報すべきだったんじゃないか? と思っています)

そして新規勢も古参勢も ある程度話が進んだ頃に『絶対的な違和感』を感じますが、新規勢は『ここまで継続視聴したのにふざけんな!続編って知ってたら旧作から観ていたわ!』と思うでしょう。古参勢は『ここまで見進めちゃって、今更 謎解き目線で細かい描写を1話から確認し直すなんて面倒すぎるわ!』ってなるでしょう。私は初めから「新作ミステリーに挑戦するスタンス」で観始めたかったです。

短期戦略(PR)としての『ドッキリ要素』に何の意味があったのでしょうか?? 確かにドッキリはしましたよ?ただ、それ以上にムカつきました。急に続編ヅラしだしたことに。そのせいで「新たな謎解き」という視点を持てなかったのですから、憤らずにはいられません。しかもこのサプライズ効果は半年も保たないのですから。今となっては『旧作の続編』『業と卒のワンセット』という情報は出回っているのですから。

中長期戦略(PR)として『惨劇の世界を抜けた先で新たな惨劇に囚われてしまった梨花。どうかその真相をもう一度暴いてください(私はキャッチフレーズのセンスないので誰か考えてw)』とプロモーションした方が、新規/古参の全員が納得した上で視聴開始できたでしょう。

※最近の人にわかりやすく例えるなら・・・

ゲームのFF7リメイクにて、もし『原作はRPGでしたが、リメイクではアクションRPG化します!!』という情報を一切伏せたままプロモーションしていたら、どうなっていたと思います?

リメイクと聞いて “原作RPGを現代技術でまた楽しめるんだ♪” と期待して買った人々が、『フタを開けてみたらアクションRPGでした』と知って、どういう反応をみせると思いますか?・・・“わぁドッキリだよ〜w” と和やかな空気で済むと思います?

実際は制作サイドが前もって入念に『アクションRPG化する』という広報をしていたから、買う側もそれを納得の上でアクションRPGを買ったんです。この『作品に関する広報(周知)』と『ユーザー側の納得』が重要なんです。

それと対比させてみてください。

新作ひぐらしの放送に際し、『旧作ひぐらしの続編である』『旧作とは異なる3要素で描いた新作ミステリーである』という情報を伏せたことでどんな事態を引き起こしたか・・・。ちゃんとこのプロモーションの『デメリット』と向き合ったのか、小一時間問い詰めたいです。{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーー
② これまでの各話レビューで「うみねこのなく頃に」の名前は伏せるようにしてましたが、もう伏せない方が良いと判断しました。「ひぐらし」と「うみねこ」の関連性を知っていた方が、よくわからない描写や思わせぶりな描写でいちいちモヤモヤせずに済むと思います。

{netabare}特に最終話にあった数々の描写は、明らかに「うみねこのなく頃に」の世界観に繋げるための描写でした。(私的には嬉しいサプライズでしたが、うみねこを知らない人にとっては・・・)

正直、思わせぶりな描写をしておきながら本作内でその関連性を描く気がないのなら、余計な描写を交えない方が良いのでは?と思っていました。こんなの「うみねこ」を知らない勢からしたら余計な混乱、無駄な推理を招くだけでしょうに、と。(まさか最終話で畳み掛けてくるとは思いませんでしたがw)

竜騎士07氏はインタビューで「うみねこを知らなくても楽しめるようになっています」とは言っていましたが、私が感じた印象はちょっと違いましたね。私は「余計な情報を交えたせいで、うみねこを知らない勢は話がよく見えずに憤りを感じたのではないか?」と心配になりました。

むしろ本作は「うみねこを知らなければ 納得できない作品」とさえ言えると感じました。

両方を知っている人は『この描写は本作の推理として必要な情報だな、この描写はうみねこにつなげる情報だな』と分別できますが、旧作ひぐらししか知らない人は『本作の全ての描写』をひぐらしの世界観で説明しようと試みるんですから・・・。①の話にも通じますが、だからこそ「この作品の楽しみ方(作品の位置付けなど)」をちゃんと広報すべきだったと思います。

でもなんだろう・・・「うみねこを知らない勢」を心配している自分と、うみねこに繋がる情報を求めている自分もいて、葛藤しながら観ていましたw

本作は「ひぐらし」単体の視点で観る分には率直に言って駄作な気がしますが、「ひぐらし」と「うみねこ」の繋がりを考察するためのアニメと考えれば、やや楽しめる部分はあると感じました。
{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーー

(1)まず、「新作ひぐらし」の惨劇は、そこに至る経緯(動機)があまりにも稚拙です。「旧作ひぐらし」や「うみねこ」で描かれた経緯とは比べ物にならないほどにお粗末。

理由・・・ {netabare}「旧作ひぐらし」の黒幕には壮絶な過去があり、特に「うみねこ」はそれを凌駕するほど壮大な悲劇が起きており、感情移入しすぎて辛くなったものです。

しかし「新作ひぐらし」の動機は「梨花と離れたくないから聖ルチーアについて行く」、あるいは「梨花と離れたくないから雛見沢に縛り付けたい」、あるいは「沙都子と離れたくないから一緒について来て」・・・何にせよ ただの「わがまま」から生じているんですよ。

普通なら 納得いくまで話し合うなり 喧嘩するなりで流れて行く青春の1ページを、何とかして無理やり「大量殺人」や「凶悪テロ」に仕立て上げただけ・・・話の作り方が強引すぎです。{/netabare}

(2)また、ひぐらしにおける奇跡が『何でもありの安物』になってしまった気がします。

理由・・・ {netabare}旧作で起きた数々の奇跡は、積み上げた惨劇と後悔の末に垣間見える「解決の糸口」のようなものだったと思います。それはあくまで「きっかけ」であり、奇跡を起こして「ハイ 解決♪」とはいかないものでした。

しかし、新作で起きた数々の奇跡はもう「直接的解決手段」になっています。奇跡を起こして何でも解決しちゃうのは「御都合主義」というものです(詳細は最終話のレビューに書きました)。

「旧作ひぐらし」で起きた数々の奇跡のうち、「直接的解決」をしたのはおそらく1度だけ。最後の最後、{netabare}鷹野が羽入に向けて撃った銃弾を、時が止まった世界で梨花が取り除いた時だけ。ただし、それは鷹野が終末作戦を失敗して逃走した後・・・つまり梨花を捕らえ続けた惨劇に決着がついた後の話。

羽入がオヤシロサマとして鷹野の前に現れ、鷹野の罪を許そうとしたことで起きた描写であり、そこは梨花の物語の幕引きとして必要だったのではなく、鷹野の物語の幕引きにとって必要だったこと。梨花の惨劇自体はもう解決{/netabare}したエピローグ的な部分なので、そういうのは許容します。後味を良くするための飾り付け程度の「ご都合」は全然あり。{/netabare}

(3)世界観をぶっ壊したなぁと感じた点は他にもいくつかあります。

理由・・・ {netabare}「梨花は死の直前の記憶を保持できない」という大原則を 奇跡という建前でなし崩したり、数々のキャラクターを大した背景を描かずに惨劇の実行犯に仕立て上げたり、ドラゴンボールさながらのどっかんバトルに発展したり・・・{/netabare}


「旧作ひぐらし」のファンとして、また 特に“心”を大事に描いていた「うみねこ」のファンとして、なんだか裏切られた気分になりました。


あ、ちなみにドラゴンボールのような超常バトル展開になったのは、おそらく「うみねこ」成分を取り入れたせいだと思います。

ーーーーーーーーーーーーー
(超脱線:うみねこの世界観について)興味のある方だけどうぞ
 {netabare}うみねこは、自分の存在を認めさせたい「魔女 ベアトリーチェ」と、魔女や魔法の存在を否定したい「人間 バトラ(探偵役)」の、ミステリーに準じた謎解きバトルを描いた物語です(ただし ミステリーとも ファンタジーとも言い切れません)。

※主人公が否定したいのは「この世すべて」の魔女と魔法の存在ではなく、「自分の目の前で起きている惨劇において」の魔女による魔法殺人説を否定したいだけです。

まず魔女側は「人間には到底不可能であろう殺人事件」を次々に起こしていきます。探偵役である主人公は当然 殺害シーンを直接見ることはできません。主人公は探偵が行う一般的な調査手段と、犯人である魔女との直接問答から情報を得ることになります。

その際、魔女はその殺人シーンを幻想的な描写で再現してみせ「わらわが魔法で殺害した」と主張します(だいぶ語弊がありますが、知らない人への説明としてはこれで十分)。

一方、主人公(探偵役)は魔女と魔法の存在を否定したいので、魔女に見せられた幻想を拒絶し、人が死んでいるという「事件の結果」だけを信じ、殺人事件のすべてを「人間の手による殺人トリックとして立証を試みる」という物語です。

で、この世界は『主人公が殺人トリックの立証を諦めないうちはミステリーに、推理を諦めて魔女に屈服したらファンタジーになる』という、かなり独特な謎解き物語です。

ちなみに、魔女に殺されているのは主人公の親族一同とそれに仕える従者たちです。そして ひぐらしの梨花と同様、主人公が真相にたどり着けない限り惨劇のループに囚われ続け、無限に殺され続けます。{/netabare}
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なので「うみねこ」はひぐらし卒14話で繰り広げたドラゴンボール展開が霞むほどの「超常バトル(魔法バトル)」が展開します。でも「うみねこ」なら良いんです。うみねこの場合は {netabare}『これが魔法ではなく殺人トリックだと主張するなら立証してみろよぉおw できねぇだるぅぉお?w』という魔女ベアトリーチェからの挑発(宣戦布告){/netabare} と解釈できるので。

ただ、この世界観を「ひぐらし」に持ってきたのはかなりの悪手だと思います。この描写は「ひぐらしの世界観」をぶっ壊しています。「うみねこ」の世界観を受け入れた私でも、「ひぐらし」で同じことをされたら拒否反応が出ます。・・・特に『うみねこを知らない勢』からしたら、共感できる余地なんて一切ないでしょう。

(ちなみに、うみねこに興味を持った方はマンガかゲームをおすすめします。アニメは出題編までは制作されましたが、解答編の制作は頓挫しています)

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※ここからはリアルタイム時に書いていた各話レビュー(不定期)です。

【9話までの感想】====================

{netabare}ひぐらし業の後半・・・具体的にはエウアが登場してからずっと不安に感じていたのですが、ひょっとしてこの作品・・・「ひぐらしの世界観」だけでは全ての真相にはたどり着けないのでは?

いや、業で起きた「事件の裏側」は卒ですべて明かしてくれるんでしょうけど・・・『なぜ沙都子をこんなクズ人間として描かなければならなかったのか?』という部分が、ひぐらしの世界観だけで納得のいく説明がつくのか・・・。

もし・・・ もしもこれが『沙都子の意思ではない』という結末に持っていこうとしているのなら、いよいよ竜騎士07氏(原作者)の別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の話をしなければならなくなるかも?・・・そうならないことを願っています。( “ひぐらしのなく頃に” は、あくまでひぐらしの世界観で完結して欲しいので)
{/netabare}

【12話の感想】=======================

{netabare}「業」の時点でものすごく不満を抱いたものの、最終話と同時に「卒」が制作発表された時点で評価を保留していたことがあったのですが・・・「卒」を踏まえても結局その不満点は最悪なままでした。

ーーーーーーーーーーーーー
何が不満だったかと言うと・・・{netabare} 赤坂と 茜さんと 公由のじいさんを 使い捨てにしたことです(圭一はもともと別のカケラで何度も発症した経緯があるのでさほど気になりません)。

いや、茜さんと公由のじいさんは物語上そこまで重要な役ではないのでまだ許容できなくはないですが、「赤坂」はあんな使い捨てにして良いキャラじゃないでしょ・・・。

なぜかって(旧作のネタバレあり→)・・・{netabare}旧作の暇潰し編は1編まるまる梨花と赤坂のエピソードでしたよね? そのエピソードの賜物(反動)があってこそ、祭囃子編(最終章)の結果につながったはずですよね?めちゃくちゃ重要なキャラじゃないですか。

旧作アニメでは尺の都合で詳しく描かれませんでしたが、赤坂が山狗の小此木の軍隊格闘に対抗できるほどに鍛錬を積んだのは、暇潰し編における誘拐事件での戦いと後悔があったから。赤坂が皆殺し編と祭囃子編で雛見沢に帰ってくるのは、暇潰し編での梨花からの「助言」と「ヘルプサイン」を信じたから。普通の赤坂なら ほぼ全てのカケラで梨花の言葉を信じず、惨劇が起きたのちに梨花の死を知り、激しい後悔に苛まれるのが常でした(つまり、赤坂にも圭一と同じような奇跡が起きています)。{/netabare}

部活メンバーはもちろんのこととして、「赤坂」「大石」「富竹」「入江」は絶対に使い捨てにしてはならないキャラだと思っています。

なぜなら(旧作のネタバレあり→)・・・{netabare}鷹野の『終末作戦』を表舞台で阻止したのは部活メンバーですが(山狗たちとの徹底抗戦)、裏舞台で「山狗の一時撤退→仕切り直し」という選択肢を潰したのが「赤坂」「大石」「富竹」「入江」なんですから。(赤坂は表でも大活躍。あとキーマンとまでは言えないかもしれませんが、裏の功労者に「詩音」と「葛西」も加えてあげたい)

たとえ部活メンバーが山狗部隊を退けたとしても、重火器を持って再戦を挑まれたらどうなっていたかわかりません(この戦闘は日中かつ棉流し当日で人が多いため、山狗部隊は拳銃使用は認められていません。人目がつかない裏チーム側では銃撃戦しまくりですが)。

その『撤退後の選択肢』を潰してくれたのが大人たちでしょう。

赤坂はかつて「梨花の予言」を聞かされていた者として、大石に詳細を告げて真相究明のための仲間に引き入れ、なぜこんな予言ができたのか 改めて二人で梨花の話を聞きに赴きました。時を同じくして、梨花は入江から「自分が死ぬことで終末作戦(雛見沢大災害)が決行されること」を聞き出せており、入江と二人で「鷹野に殺される可能性がある」と富竹に警告しています。そして大石・赤坂がその話を立ち聞きできたことで、ようやく警察側と入江機関側が腹を割って情報共有できるようになりました。

梨花が暇つぶし編で告げたオヤシロ様の祟りの予言を、『赤坂が信じなければ』この舞台は整いません。

入江は、入江機関所長として把握していた「終末作戦(雛見沢大災害)」の詳細を全員と共有し、特に大石に対しては「オヤシロ様の祟りの真相を全て入江機関要因で説明できる」とも告げました。梨花は、部活メンバーと相談できたことで導き出せた「仮説」を披露します。

一通りの情報を共有したことで、富竹は「本当に自分が殺される可能性がある」と信じて警戒するようになり、また大石は長年園崎家が黒幕だと思っていたことが誤解だと知って和解できました(園崎家の協力が得られるようになる)。大石は「終末作戦」に対して「48時間作戦」という罠を仕掛け、警察内で“東京”の息がかかった諜報員をあぶり出して園崎県議に引き渡し、富竹は入江機関と“東京”の連絡員として機密管理などのための『番犬部隊』を招集してくれました。{/netabare}

祭囃子編の結末にたどり着くためには、必ずこの4人が『真の肩書き』として出会わなければなりません。この4人それぞれが持っている情報と人脈が、本当の意味で惨劇を終わらせたのですから。そのきっかけを作ったのが『赤坂に起きた奇跡』でしょう。

このキーマンたちを惨劇の首謀者に仕立て上げるなら、相応のエピソードがないと納得...というか満足できないです。

大石刑事の惨劇はしっかり描かれて満足できたのですが、赤坂だってあれくらいの物語はあって欲しい重要なキャラだと思うのですが・・・。卒で付け足された要素なんて『沙都子の仕業でした。以上』だけって・・・。そんなの業でわかっていることなんだから、もうちょっと何かあって欲しかったです。 {/netabare}
ーーーーーーーーーーーーー

話は飛びますが、羽入の角のヒビの意味、それが12話で修復された意味、羽入とエウアとの関係性・・・この辺の設定って結構昔の竜騎士07氏のインタビューを聞いたことがある人じゃないと意味がわからないのでは?

いや本作中でも「あれは○○の出来損ない」とかは言ってましたけど・・・。そもそもエウアがどういう存在で、どういう立場でこの物語に関わっているのかってのは、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知らないと訳がわからないんじゃないでしょうかね?

私は両方のファンだから別に混乱していないですけど、ひぐらししか知らない人は話ついていけているんでしょうかね?
{/netabare}

【13話の感想】=======================

{netabare}もう何もかもが御都合主義に感じて来ました・・・。特に今回は「そこだけは設定変えちゃダメでしょ!」って所を、奇跡という建前で変えてきましたね。まぁ12話で羽入に起きた変化からして、こうなることは覚悟していましたけど。御都合主義はその変化からすでに始まってますね。

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私が納得いかなかった点は・・・{netabare}奇跡によって「梨花が死の直前の記憶を保持できるようになったこと」です。

「そうは言っても、旧作でも何度か同じような奇跡が起きたじゃん」と思われるかもしれませんが、明確に違う点があります。

例えば旧作の罪滅し編でも、圭一が「別のカケラの記憶を垣間見る奇跡」が起きていますよね。そして魅音に謝罪する一幕が。

圭一に起きた「奇跡」については、私がその発想に至らなかったというだけのことで、物語のルール上禁止していないのだから、いつそんな奇跡が起きてもOKなんです。

圭一以外でも「部活メンバーや大石・赤坂・富竹・入江たちが、別のカケラの記憶を垣間見ることなんてあり得ません」なんて一言も言っていないのだから、いつどんな奇跡が起きてもOKなんです。

しかし、梨花だけは違います。梨花だけは物語上『絶対的な制限』がかけられていたはずです。

ひぐらしの世界すべてを通して『梨花は死の直前の記憶を保持できない』という大原則ですべての物語が作られていました。それは羽入が不完全な存在だから(詳細割愛)。ゆえに『自分(梨花)を殺した犯人だけは絶対にわからない』はずでした。その大原則だけは普遍であって欲しかったのですが、今回そこをぶっ壊してきたということです。

ならばこう考えられませんか。・・・その奇跡を起こして「犯人当て」をして良いのなら、旧作の惨劇ループなんて1回で十分じゃないですか?と。いや、1回はさすがに少ないか。

ただ100年も1000年も惨劇を繰り返す必要なんてないんじゃないですか?あの人(黒幕)が直接手を下す惨劇のカケラを引ければ、その記憶を保持すればもう「犯人当て」は即終了ですよね。そこからは対策を講じるために何回かループし、数手でチェックメイトじゃないですか?

「超常的な能力で犯人を当てる」って、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の中で散々説明してくれた、ミステリーで絶対にやってはいけないことに抵触していますよね(ノックス十戒とヴァンダイン二十則)。

もちろん、ひぐらし卒の時点ではもうミステリーではありませんが、だからってこんな酷い犯人当てがあって良いんですかって・・・(ひぐらし業まではミステリーと言えますが、業の時点ですでに犯人は明かされているので)。

旧作での序盤のコンセプトにしたって『これは “オヤシロ様の祟り(ファンタジー)” なのか “殺人事件(ミステリー)” なのか』を問うており、圭一が「どうか真相を暴いてください」と出題しているのですから、旧作もミステリー要素はあったはずなんです。旧作は皆殺し編で大石を味方に引き入れたことで、ちゃんとロジカルに黒幕を究明したんです。

だから本作もなるべくならミステリーの原則に準じ、「ひぐらしの世界観」をちゃんと保って欲しかったです。

ちなみに強いてひぐらし卒をミステリーで例えるなら、刑事コロンボや古畑任三郎スタイルですかね。冒頭であえて犯人も犯行方法もバラした状態で、『どうやって探偵役がその犯人に迫っていくのか』を描くスタイル。

なのに『古畑任三郎が捜査中に突然超能力に目覚め、唐突に犯人を言い当ててしまう』なんてことになったら・・・駄作にもほどがありますよね。この13話のシナリオはまさにこういう内容なんですよね。{/netabare}
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<余談:原作と脚本について>
{netabare}業の頃からなんとなく違和感を感じていたのですが、これ・・・よくよく考えたら竜騎士07氏は新作ストーリーにほとんど関わっていないんでしょうかね?

原作者として名前がクレジットされていたので、てっきり竜騎士07氏がストーリーを描いているのかと思い込んでいましたが・・・よくよく考えればそもそも「業/卒そのものの原作」は無いですもんね。このクレジットの意味は、本当の原作(無印のPCゲーム)のこと・・・ですかね?

なので新作のストーリーを描いたのは別人なのかも?・・・きっと。そう考えれば、やっと合点がいきます。

別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』で、ノックス十戒や ヴァンダイン二十則を組み込んだ緻密な物語を描き、その作中で「事件を起こす動機(心)」の大事さを熱く語り、登場キャラが「(推理において) 心をないがしろにするんじゃねぇ」と何度も口にしていました。実際、それに見合うだけの壮大なストーリー(心)がちゃんと用意されていました。

旧作ひぐらしにしたって、数々の惨劇を誘発させていた黒幕には、その凶行に駆り立てるだけの動機がちゃんとありました。そして、それを少なくない話数をかけてしっかり描いてくれました。

竜騎士07氏の作品は、ちゃんと『心の機微』が克明に描かれていたんですよ。少なくともこれまでの作品では。そんな原作者が、本作のような「心をないがしろにしまくった 精神崩壊ストーリー」を描くとは思えませんからね。別人が描いたストーリーなのであれば腑に落ちます。

本作は『凶行の動機』がまったくもって意味不明なんですよ。動機は『沙都子が梨花と雛見沢でいつまでも楽しく暮らしたい』と・・・。全然納得はいかないですが、一旦それで理解しましょうか。

しかしそこをスルーしても『何故そこまでの執着を見せるのか?』すらもさっぱりわからない。仲間を再び惨劇に突き落とし、それどころか仲間が凶行に及ぶよう企て、時には自らの手で殺しもする。それらの行為に対して何も思わないほどの『狂気』を発揮する理由がまったく描けていないと思います。

じゃあ、例えば梨花が結婚して沙都子にかまう時間がなくなった時、それすらも沙都子は許さないのでしょうかね??遅かれ早かれ、いつかは『それぞれの人生を歩み出す時』が必ずくるはずですが。

それが惨劇の出発点となった最初のカケラでは『聖ルチーアへの進学』だったのでしょう。そして普通に考えれば、沙都子が聖ルチーアへの進学を諦め、それぞれの道に進むことを受け入れるべき事でしょう。しかし、沙都子はそれだけは受け入れられなかったんですよね?なぜかは知りませんが。大量殺人をもいとわないほどに。その愛すべき梨花を無限に殺しても構わないほどに。

ならば『梨花に対する常軌を逸した執着』にそれ相応の理由が無いと、物語としてめちゃくちゃ不自然なんですよ。遅かれ早かれ必ず別々の人生を歩む将来が来るのに、『大量殺人』を犯してでも『凶悪テロ』を起こしてでもそれを拒むだけの理由が。

私がこの物語に抱いた評価を上方修正するとしたら、『沙都子があれほどまでに梨花に執着する理由』をちゃんと描いてくれたら、もう少しマシになるかもですね。まだ納得いく理由を聞いていないので。・・・まさか聖ルチーア編だけで描き切ったつもりなら、「心をないがしろにすんじゃねぇ」と言わせてもらいましょうかね。

まぁ、もう動機の掘り下げについては「シナリオライターのエゴに巻き込まれ、沙都子がただのクズに成り果てたから」という事で諦めていますが・・・。{/netabare}

さてさて残りあと・・・2話ですかね? いろいろ書いてしまいましたが最後まで事の顛末を見届けたいと思います。
{/netabare}

【14話の感想】=======================

{netabare}これは完全にやらかしましたね・・・もう落胆を通り越して笑えてきました。もう理屈抜きの勢い任せのアニメになっちゃいましたね。

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今回の不満点はもはや致命的・・・
{netabare}
何これ、急にドラゴンボールでも始まったんですか? いや衣装チェンジがあったから魔法少女モノですかね? あの超常バトルはどうしちゃったんですか?ww

これが別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』だったら、魔法バトルの演出は許してましたよ。でもこれ、『ひぐらしのなく頃に』ですからね?ちょっとおイタが過ぎるのでは?

しかもバトル中にコロコロ場面転換しましたが・・・あれ、何を意味していますか?勢い任せで見過ごせる描写じゃないですよ。

時代も年齢も服装もコロコロ変わってましたよね? 指パッチンの描写も何度かありましたよね?まさかとは思いますが・・・そのたびに「死に戻り」してますか??

よもや『新作で追加した設定』は忘れてはいないですよね?

『沙都子は梨花が死んだ後に自分が死ぬことで、梨花の意識の飛び先のカケラまで追いかけることができる』んでしたよね?? 沙都子の慢心をたしなめるように、エウアが何度か釘を刺して説明しましたよね?

ということは、突如始まったあの超常&連戦バトルは
①『必ず毎回 沙都子が勝利し、梨花を殺し続け、沙都子が追いかけ続けた』

しかも鬼狩柳桜(おにがりのりゅうおう)を奪い合っているにも関わらず、
②『毎回 鬼狩柳桜を使わずに普通の凶器で梨花を殺し続けた』

という描写として解釈しろということでしょうか。もしあの場面転換中、1度でも沙都子が先に死んでいたら、ありえない光景ですからね。

ということは、あんな接戦しているようでいて、その実「梨花はクソザコ。あれは一方的な殺戮ショー」って脚本ですか?えぇ・・・。

もしくは、二人とも「死なずにカケラを飛び越える力」すら手に入れちゃってます?

っていうか、エウアが釘を刺した設定が結末の肝になると思っていたのに、いつ活きてくるんでしょうか?最終話?・・・実はこの設定どうでも良かった????

ちなみに、私はてっきり沙都子が先に死んでしまい、梨花の上位世界の意識を見失い、梨花は沙都子から永遠に逃げ続け、沙都子は梨花を永遠に追い続けるという愛憎劇を妄想し、

それが別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の『{netabare}奇跡の魔女 フレデリカ=ベルンカステル{/netabare}』と『{netabare}絶対の魔女 ラムダデルタ{/netabare}』の2人の関係に繋がっていくのかなぁ・・・なんて予想していたのに。

で、もちろんエウアは『{netabare}観劇の魔女 フェザリーヌ=アウグストゥス=アウローラ{/netabare}』と同一人物なんだろうなぁって想像してたのに。

今回「ひょっとしてその辺のクロスオーバーしている世界観に切り込んでいくのか!?」と、ちょっと期待してしまいましたが、このままだと匂わせすらないまま終わりそう・・・w
{/netabare}
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<余談:原作と脚本について> (※大幅修正しました)
{netabare}私が最初に書いた内容に誤解があったので訂正しました。訂正前のコメントを読んだ方、申し訳ございません。この項目は改めて書き直しています。

[シリーズ構成(脚本の総責任者)]
 ハヤシナオキ(久弥直樹)

[各話脚本]
 鬼騙し編1〜4 ハヤシナオキ
 綿騙し編5〜8 川口敬一郎
 祟騙し編9〜13 ハヤシナオキ
 猫騙し編14〜17 ハヤシナオキ
 郷壊し編18〜24 ハヤシナオキ

 鬼明し編1〜3 ハヤシナオキ
 綿明し編4〜6 ハヤシナオキ
 祟明し編7〜11 ハヤシナオキ
 神楽し編12〜15 ハヤシナオキ


(訂正)
原作と脚本の関係について、竜騎士07氏が業の終了後にインタビューを受けていたようです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
記者
「アニメ制作についてですが、竜騎士07さんが書いたプロットをアニメスタッフに預ける形で制作しているんですよね。」

竜騎士07
「そうです。(中略)もちろん、私も監修という形でシナリオやコンテに関わらせていただきましたけど、“ちょこっとセリフを修正する程度” でした。

(中略)
私自身の感覚としては、魚市場から200キロのマグロを仕入れて、それをアニメスタッフの方々にドーンとお渡ししただけという感じなんです。それを川口監督が見事に解体して、さらに脚本のハヤシナオキさんがキレイに三枚におろしてくださったというか。

(中略)
私はアニメに関しては素人同然ですし、プロットもそれを意識したものではないので、うまく捌いていただけたなと思います。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ということで、物語の「骨組み」自体は竜騎士07氏が組み立てて、

キャラの心情・行動・セリフや、各シーンの描写、どこに時間をかけるかなど、細かい話の「肉付け」をしていったのが前述の作家さん2人という感じみたいですね。(もちろん そこに演出家なども加わってくるのでしょう)

ミステリーで言うところの「who:沙都子、why:梨花と雛見沢で暮らしたい、how:死に戻りの力で梨花の心をくじく」という大筋を描いていたのは、竜騎士07氏ということでしょうね。

ということは「沙都子をクズに仕立て上げる」という方向性を決めたのも、竜騎士07氏本人ということになりそうですね。脚本家は、どれくらいのクズにするかの「さじ加減」を考えて脚本を用意した・・・ということですかね?

そしてインタビューの中で、竜騎士07氏が猫騙し編(聖ルチーア編)の脚本で「沙都子の内面をちゃんと描けた」と満足していることが、何よりもショックでした。私はあそこが一番不満に思っていたので。どこが描けているんだよって。

ひょっとして竜騎士07氏や脚本家陣的には、沙都子と梨花の言い分(正当性)は50:50だと思っているんでしょうかね?? 私的には梨花100:沙都子0、いや譲歩しても95:5くらいだと感じていますが。あれじゃ沙都子がただクズなだけですよ・・・。

そもそも「沙都子は勉強ができない」「梨花と離れたくない」という前提に則った上で、沙都子の内面に対して2点つっこんでも良いでしょうか。

沙都子の内面に関するツッコミ①
{netabare}沙都子は少なくとも2度は聖ルチーアでの学園生活を送っていますよね? 沙都子は2度目以降で何を変えようと努力したんですか?? アニメの中でこの流れを完全に省きましたが、沙都子が「2度目以降にどんな努力をしたのか」は非常に重要なことだと私は考えています。

旧作の梨花の場合、常にみんなが生還する幸せな結末を迎えるための「奇跡」にたどりこうと、努力し続けましたよね。それが旧作のすべてのカケラに共通していた梨花の心情。

じゃあ新作の沙都子は?・・・梨花のセリフから推察できるように、どの世界でも「沙都子は梨花のせいにし続けただけ」じゃないのでしょうか?しかも「みんなのため」ではなく、「自分のため」のループですからね。

1度目で勉強ができなくて落ちこぼれたなら、なぜ2度目以降で素直に「梨花の助け舟」を受け入れなかったのでしょうか?

そもそも大前提として、梨花の助けを借りて受験も乗り越えたんでしょう? 梨花は同情しているわけでも、見下しているわけでもなく、沙都子と進学したかったから手を取り合ったわけで。沙都子も梨花の気持ちと助け舟を受け入れて一緒に進学したはずなのに、なぜ今さら意地を張るのでしょうか?(・・・それは梨花が学園に順応していく様を僻んだからですよね?つまり ただの逆恨み)

1度目で学園で孤立したことを悔いているのなら、なぜ2度目以降で「梨花の招き」を受け入れなかったのでしょうか?

これは単純に沙都子が友達作り、あるいは高校デビューに失敗しただけのこと(ただし、進学して友達作りに失敗することはよくあることなので、この点だけは同情します)。しかし、それを梨花のせいにするのは沙都子の性格が歪んでいると思います。しかもせっかくループする力を得たのに、同じことを繰り返したのならそれはもう沙都子の問題です。

どちらにも共通して言えますが、1度目と同じことをすれば「何度だって同じ結末を迎える」のは当然でしょう。だから「沙都子が何を努力したのか」は重要なんですよ。このストーリーはそこを軽視していると思います。

さらに、これが致命的。

1度目で『どうやっても自分は梨花のようには変われない』と悟ったのなら、なぜ2度目以降も『聖ルチーアへ進学しよう』と思ったのでしょうか?普通に考えれば、そこが2人の人生の「最初の分岐点」でしょう。・・・ここに関して『沙都子が梨花に妄執する理由』が何1つ描けていません。

ゆえに私の印象では、聖ルチーアに順応すべく自分を変えていこうとする梨花に対し、沙都子がそれを僻んだだけのことだと解釈しています。だからいくら沙都子が梨花を糾弾しようと、『沙都子が僻み根性丸出しにして噛み付いている』ようにしか感じません。ゆえに動機が恐ろしくチープだと感じています。

梨花と沙都子の正当性を50:50のつもりで描いているのだとしたら、もう意味不明です。
{/netabare}

沙都子の内面に関するツッコミ②
{netabare}たかが神経衰弱(ゲーム大会)で完封勝利する演出のために「死に戻り」するような人間が、そして現にそれを丸暗記できてしまう人間が、何で「テストの答案」ごときを丸暗記できないんですか。神経衰弱の盤面を丸暗記するより、テストの答案を丸暗記する方がはるかに楽ですよ。

しかも、ただの一夜漬けによる丸暗記ではないですよね? あれって勢い任せでスルーできる描写じゃないですよ。

沙都子と梨花は「たった1日だけ」をループしているわけではないはずなので。沙都子は梨花の死後を追いかけながら、時には「数年間」巻き戻ってからゲーム大会の日を迎えているわけで、長い月日の中のたった1日、その中のゲーム大会の盤面を、「巻き戻った分の月日を過ごしながら記憶を保ち続けている」んですよね。・・・ただ事じゃないですよ。

それとも、あの指パッチンの描写は・・・「梨花を殺さずに沙都子だけが自殺し、梨花がそのカケラを離れる前に戻ってこれて、沙都子の自殺の数分前から再スタートできる」ような使い勝手のいい能力だったんでしたっけ?この場合は『沙都子が先に死んでいる』としてもその事実は都合よくスルーできるんでしたっけ? それだったらあの記憶力は「一夜漬けや瞬間記憶程度のものにすぎない」と認めますけど・・・そんな設定は聞いた覚えないですよ?

ならば「テストの答案」だけを記憶できない道理がない。勉強なんかできなくたっていい。神経衰弱と同じように「丸暗記」すれば良いだけなのだから。それなら聖ルチーアでも「勉学」で落ちこぼれることはないですよね。

まぁテストをやり直すために、どうしても死に戻り(梨花との心中)が条件にはなってしまいますが、「梨花や仲間たちを無限に殺し続ける」よりもよっぽど楽な覚悟で済むはずでは?

あ・・・、というか「梨花を屈服させる」という思惑が生じてしまったから梨花の死後を追いかける必要があるだけで、単に「自分がやりなおしたいだけ」なら梨花の意識を追いかける必要はないから、沙都子は一人で死んでも構わないですよね。なら余計に「梨花を屈服させようと思った正当な動機」が欲しいところですね。正当ってのは逆恨みや僻み根性丸出しの動機以外で、という意味で。{/netabare}
{/netabare}

あぁ・・・次が最終話か・・・どう収拾つけるのでしょう。 {/netabare}

【最終話の感想】======================

{netabare}呆れた・・・もう呆れるしかないです。

私がこれまで散々文句を言ってきたこと・・・というか誰しもがそう感じていたであろうことが・・・まさか「最終話の結論に持ってくる想定」だったから、こんなにも無茶苦茶で回りくどいシナリオになっていたなんて。

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何が回りくどいって・・・

{netabare}まず、私は業の聖ルチーア編の時から一貫して『沙都子が聖ルチーアに順応できないのなら、梨花は梨花の道を、沙都子は沙都子の道を歩むのが当然の摂理だ』と指摘してきました。「自分の進路は自分で決めるもの」ですし、「親友と進路を違える」なんてごくごく普通のこと・・・誰しもが経験することなのだから、と。「親友と離れたくない」なんて稚拙な動機で大量殺人や凶悪テロなんてされたらたまったもんじゃないですよ。

また卒に入ってからは『大量殺人や凶悪テロを起こしてでも梨花との別離を拒むのなら、その凶行に見合うだけの動機が必要だ。梨花に対する妄執の背景を描かないと物語として不自然だ。』とも指摘してきました。それこそ旧作のあの人に匹敵するか、それを超えるような動機を描いてもらわないと誰も納得できませんよ。

なのに・・・えぇ・・・。『超常バトルの末に、ようやく “別離” という結論に至る』って何?w

いや・・・だからそれ・・・視聴者のほぼ全員が『聖ルチーア編で即答していた結論』だと思うのですが。普通の人間同士なら「殺し合い」ではなく「話し合い」で解決できることですよ??この当たり前の結論に至るまでに、私はいったい何を見せつけられていたのでしょうか?

この惨劇の解決手段(別離)は・・・言うなれば「1+1は?」と聞かれて全員が「2」と即答する程度の結論。

それを回りくどく『1でもなく、3でもなく・・・4、5、6でもなく・・・というかこんな大きな数字にはたぶんならないよなぁ・・・それに奇数と奇数を足しているんだから偶数のはずだ。ということは、きっと2に違いない!どうだ!?』なんて問答を見せつけられたら、

さすがに『君の頭の中ではいったい何が起こっていたんだ??』と、じゃっかんの苛立ちを込めて突っ込みたくなりませんか?こんなん相手すんのメチャクチャしんどいでしょうよ。

しかし『ひぐらし業/卒』はこれに匹敵するしんどいシナリオ構成になっていたようですね。相手するのがしんどくなるような・・・ね。

『ひぐらし業/卒』とは、誰もが即答するであろう「当たり前の結論」に至るために、『常人には到底共感できないような遠回り』を描いた作品だったようですね。{/netabare}

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ついでに もう1つ不満点を・・・

{netabare}羽入 vs エウアについては・・・う〜ん。個人的には『奇跡』は数々の行いを積み重ねた上で導かれる『最後の一押し』という概念であって欲しかったです。

数々の惨劇と後悔を積み重ねた上で「別のカケラの記憶を垣間見れた奇跡(罪滅し編など)」、運命は変えられると信じなかった最後の一人が それを信じたことで訪れた「羽入顕現の奇跡(祭囃子編)」、いずれの奇跡も「直接的解決手段」ではなかったと思うんですよね。

一方、「羽入のもとに鬼狩柳桜(おにがりのりゅうおう)が届く」って・・・それもう直接的解決手段じゃないですか。これまでのカケラとの脈絡もあまり感じませんし・・・。

言うなれば「アンパ○マン新しい顔よ〜! ア○パ〜ンチ! バイバ○キーン」の流れと同じでしょう(この作品をバカにしているわけじゃないです。「ひぐらし」がこれをやるのはどうなの?という話です)。

これだけじゃない。梨花が死の直前の記憶を保持できるようになって「犯人当て」しちゃった時もそう。そんなのミステリーの探偵役が急に超能力に目覚めて犯人を特定しちゃうようなもの。

ん〜、それならもう梨花惨殺シーンを見た羽入がブチ切れてスーパーサ○ヤ人化し、かめ○め波を撃ってエウアを蹴散らすって展開でも良いんじゃないですか?奇跡の力で直接解決しちゃいましょう!w

何だろう?・・・私が抱いていた『ひぐらしにおける奇跡の価値』がちょっと下がりましたw{/netabare}

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あと細かいところで気になったのですが、『聖ルチーア学園』って・・・

{netabare}どこにあるんでしたっけ? どこかで語っていたのを聞き逃したかも?

詩音が通っていた学校ってのは覚えていたので、てっきり詩音がいる興宮だと思っていたのですが・・・『新幹線』で行き来するほどの距離だったんですか?興宮署の大石刑事や 興宮在住の詩音は、新幹線で行き来するような距離を移動して雛見沢に来ている・・・?

あるいは 興宮とは関係ない遥か遠くにあるんでしたっけ?(ググっても聖ルチーアの所在地情報がヒットしませんでした)

ちなみに郷壊し編の1話で、二人は『合格発表』の日に聖ルチーアに直接見に行ってますよね?新幹線でわざわざ見に行ったの?w

(追記)急いで旧作ひぐらし(マンガ)を読み直して見たところ、少し記憶違いがありました。

聖ルチーアは園崎お魎が詩音を幽閉する意図で入学させたものの、詩音があまりの『上品さ』と『陰湿さ』に息苦しくなって脱走してしまった学校でしたね。目明し編で詩音が聖ルチーアを酷評していたことを忘れてました。その後、詩音は悟史の事件を機に園崎家に居場所がバレ、ケジメをつけたのち興宮での生活を許され、「別の学校」に通い直していましたね。

ただ、やはり聖ルチーアの所在地情報は無かったですね。

ちなみに目明し編の経緯があるなら、沙都子のねーねーとして進学を引き止めてあげなさいw
{/netabare}

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と、ここまで批判ばかり書いてしまいましたが、一応ちゃんと良かった部分もありますね。

例えば、EDにあの名曲のアレンジ『YOU-卒業-』を持ってきたのは素直に『おぉ!』って驚きました。まさかあのイメージソングを公式EDに採用してくるとは・・・良い意味でゾワッとしました。

あとは えっと・・・うん、それよ それ(震え声)

いや、まじめに言うともう1点あるんですが、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知らない人にとってはどうでも良いことなんですよね・・・。ここが何というか・・・ん〜、もったいない。知っていればゾワっとする描写はいくつかありました。

最終話での・・・
「エウアの角にヒビが入り、エウアが子供化した描写」
「新幹線での別れ際で、赤い瞳になった梨花と沙都子の一連の会話」
「“そろそろ追いかけますわよ...梨花” のセリフ」
「“もういいわ、北条沙都子。あんたにあんたを返すわ” のセリフ(この口調は重要)」

これらは一見謎めいた描写に見えますが、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知っていると、いろいろ思い当たることがあるんですよね。特に最後のセリフ。この情報によって『なぜ沙都子があんなにもクズになったのか』について1つの仮説が思い浮かびました(当たっているかはわかりませんが)。

また、あっちの作品でもハッキリとは明言されなかった「裏設定」に対する原作者からのアンサーとも受け取れそうな描写もありましたね。

でもこれ、『ひぐらししか知らない勢』にとってはこういう楽しみ方はできないと思います・・・。エウアが出てきた頃からクロスオーバー的な要素が濃くなるのではと心配していましたが、まさか最終話で畳み掛けてくるとはw

私的には新作ひぐらしは全然楽しめたものではありませんでしたが、最後の最後でクロスオーバーしている「裏設定」に関する情報が得られたので、結果的に最後まで諦めずに観て良かったです。最後にちょっとしたご褒美をもらえたことが、せめてもの救いになりましたw{/netabare}


【考察】==========================

ちなみに別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の方のネタバレをしても良ければ、私の想像できる範囲で考察を書いておきます。そっちの作品をご存知の方は「脱線」部分は飛ばしちゃってください。

かなりの長文なので、先に結論を書きます。「うみねこ」の世界観がわからない場合は、詳細の方を読まないと理解不能です。

結論=>{netabare}
沙都子がクズムーブする羽目になった本当の理由は『本作に一度も姿を現していない魔女たち』のせい。

ひぐらしの世界観で作られた『ゲーム盤(惨劇の舞台)』にて、
 『奇跡の魔女:フレデリカ=ベルンカステル』と
 『絶対の魔女:ラムダデルタ』が対局している。
その『盤上の駒』としてベルンが梨花を、ラムダが沙都子を動かしている。

『観劇の魔女:フェザリーヌ=アウグストゥス=アウローラ(エウア)』は、
沙都子に“繰り返しの力”は与えたものの、それ以上の干渉はしていない。

魔女たちの戦いに「駒の感情」なんて不要なので、心をないがしろにした惨劇が繰り広げられている。

・・・これが私の予想です。{/netabare}

ーーーーー以下、詳細ーーーーーーー
{netabare}新幹線での一連の会話は、うみねこのEpisode5とEpisode8にて「奇跡の魔女:フレデリカ=ベルンカステル(ベルン)」と「絶対の魔女:ラムダデルタ(ラムダ)」が別れを惜しんでいた時の会話との共通点が多々ありました。

「うみねこ」の序盤は主人公バトラと 惨劇の元凶ベアトリーチェとの戦いなのですが、裏では「ベルン」がバトラを、「ラムダ」がベアトを応援し、二人の戦いを散々引っかき回す役どころでした(徐々にこの対立構造も変わっていきます)。

この2人の魔女は、「お互いに愛し合いながら 憎みあってもいる」「誰よりもお互いのことをわかり合っている自負がある」という複雑な愛憎関係で、特にラムダは異常なまでにベルンに執着しています。一時の別れを済ましても、ベルンの姿が見えなくなった途端また会いたくなって探し始めるほどに。

つまり、本作の梨花と沙都子の関係に酷似しています(旧作ではなく本作の2人の関係に、です)。

つまり、新作ひぐらしの世界は「ベルン・ラムダ・エウア(フェザリーヌ)」の3人の魔女が積極的に干渉してきている可能性がありそうです。

そして“そろそろ追いかけますわよ....梨花” のセリフは、口調こそ沙都子のものですが「ラムダがベルンに抱いている感情」を表している気がしますし、何より「うみねこ」の世界でラムダがベルンに同じような主旨の発言をしています。

〜〜〜(脱線:マンガ版Episode5のセリフから引用)〜〜〜
ゲームが決着しかけた時の別れ(未遂)の挨拶

{netabare}ベルン「最後にはベアトも剥製にしてやりたいわ。そして大広間に高々と飾ってやるの」
ラムダ「銀河鉄道?」
ベルン「夜じゃない方」
2人 「・・・・・」
ラムダ「それで?あんたも鉄道に乗ってこのカケラから旅立つのかしら?」
ベルン「ええ。このカケラにはもう遊べるものはないみたいだし。また退屈を埋めに旅立つつもりよ」
ラムダ「次はどこへ行く? どうせ旅立ちはお互い背中を向けてでしょ?」
ベルン「あなたに退屈したくないからよ」
2人 「・・・・・」
ラムダ「ありがとう、ベルン。でも私はきっと百を数えたらまたあなたを探し始めるわよ」
ベルン「退屈させない子ね。だから好きよ、愛しているわ。またどこかで会いましょう。もっとも、百年先か千年先か、未来永劫 再会しないかもわからないけれど」
ラムダ「大丈夫よ。愛し合う二人にカケラの海は狭いわ」{/netabare}

〜〜〜(脱線:マンガ版Episode8のセリフから引用)〜〜〜
全てのゲームが決着した後の別れの挨拶
(?となっているのはコマ割的にどっちが言っているのかはっきりしないセリフ)

{netabare}ラムダ「今度はどこへ行く?」
ベルン「あんたが北なら私は南へ」
ラムダ「ベルンが東なら私は西へ行くわ。次の物語ではベルンが**役じゃないと良いわね」
ベルン「あら。**役も楽しかったわよ」
2人 「・・・・・」

ラムダ?「次はどんな物語を見つけられるかしらね」
ベルン?「そしてどんな物語で再会できるのかしら」
ラムダ?「愛し合う二人にカケラの海は狭いわ」
ベルン?「天井桟敷。カケラの海は広大だわ」
ベルン?「殻の中の幽霊」
ベルン「いつか会えるわよ。また何かのなく頃に」
ラムダ「良いじゃない。それにしましょ」

2人 「いつか会えるわ。また何かのなく頃に」{/netabare}


ちなみに うみねこに登場する魔女は何人もいますが、ひぐらしと密接な関係がある魔女が3人います。
ーーーーーーーーーーーーーーー
(脱線:うみねこに登場する魔女と ひぐらしとの関係について)
 =>{netabare}
「うみねこ」の考察が盛んだった頃、魔女のモチーフの最有力説は下記の通りでした。

 フレデリカ(古手梨花)=ベルンカステル、
 ラムダ(30)デルタ(4)・・・34・・・鷹野三四(田無美代子)
 フェザリーヌ(羽入)=アウグストゥス=アウローラ(羽入、あぅあぅ)

 ベルンは『可能性が0ではない限り、その“奇跡”を手繰り寄せる』性質を持ち、
 ラムダは『“絶対の意思”によって望む未来を手繰り寄せる』性質を持っています。
 観劇の魔女フェザリーヌの設定は多すぎるので、要所要所で説明します。

(※フェザリーヌはおそらく本作のエウアと同一人物だと思いますが、なぜエウアと名乗らせたのかは私の知識ではわかりません)

ただし、ラムダデルタだけは「鷹野ではなく 沙都子がモチーフなのでは?」という声もわずかながらありました。理由は、ベルンとラムダは憎み合ってもいるが「仲良し」でもあり、その仲良しの描写が梨花と鷹野がモチーフではしっくりこないからです。また、新作ひぐらしが放送されてからは、ラムダ=沙都子説がやや強くなってきています(ただ私は今回の物語を経てかなり悩みましたが、やっぱり鷹野がモデルかなぁ?と思いました)。

また詳細には描かれませんが、ラムダはかつてベルンを手籠めにすべく「絶対の意思」で惨劇の輪に捕えようとするも、ベルンの「奇跡」の力によって破れたことがある、と述べられています。おそらく、これは「旧作ひぐらし」か あるいは「新作ひぐらし」との繋がりを示唆していると思います。

作品順的に旧作ひぐらしの中では語られませんが、旧作ひぐらしの背後でも梨花側にはベルンが、鷹野側にはラムダが何らかの形で支援していたのではないか、と想像しています。

マンガ版うみねこのEpisode8にて、ラムダが『この私に期待させてくれたのは、私に“神になる”と誓ったあの子以来よ。気に入ったわ。あんたも、あんたの魔法体系も』と述べるシーンがあります。おそらく「神になると誓ったあの子」とは、旧作ひぐらしの作中で「神になる」と言い放った鷹野のことだと思います。

(追記)旧作ひぐらし(マンガ)を読み直して見たら、そもそもベルンは「皆殺し編」の冒頭で梨花と対話していましたね。ベルンは旧作ひぐらしの時点で登場しているので、この時点でラムダも存在していると考えられそうですね。

そして観劇の魔女フェザリーヌが鑑賞役の駒として投じたのが、自身の分身体である羽入(完全体)なのかなぁと思っています(ここは干渉ではなく鑑賞)。

ただし観劇の魔女フェザリーヌ(エウア)の設定として、フェザリーヌは人間が想像もできないほどの歳月を生き、全てのカケラなどを鑑賞し記憶するためには 記憶補助具(後頭部の輪っか)が無いと記憶を保てなくなっているという欠点があるそうです。

そして分身体に想定外のことが起こり、その記憶補助具が欠損し「不完全な存在」になってしまった姿が羽入なんだと思います(その際に記憶補助具が「角」としてデフォルメされているのはご愛嬌かと)。ゆえに駒としての自覚やフェザリーヌとの接点を見失い、自律行動をとるようになっているのだと思います。新作の中で、エウアが羽入に対し『我の出来損ない』と何度か言っていたのはこういうことだと思います。{/netabare}
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新作での死に戻りの際に、梨花は記憶を保持できず 沙都子だけが保持できるのは、上記の通り 羽入(不完全)とエウア(完全)の力の差かと思います。終盤あたりで羽入の角のヒビが修復されたこと、梨花が記憶を保持できるようになったこと、エウアの補助具に傷が入り角化や子供化のようにデフォルメされたことなどは、すべて『フェザリーヌ(エウア)と羽入が有している裏設定』から来ていると思います。



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(また脱線:「うみねこ」の世界からみた「ひぐらし」の世界について)
 =>{netabare}
うみねこは、ひぐらしの世界観のさらに上層にある「俯瞰視点」のような世界観です。

まず、ひぐらしの雛見沢村と同じように「現実世界での惨劇の舞台(六軒島)」があります。魔女と呼ばれる存在達は、その惨劇で閉ざされた舞台を「ゲーム盤」とみなし、上層世界からそのゲーム(惨劇)を覗き見しています。また、その惨劇の舞台を作り上げた存在を「ゲームマスター」と称します。

うみねこの魔女達は、ゲームマスターが繰り広げるゲームを鑑賞したり、ゲームマスターが対局から降りた場合はマスターの代行としてその世界の駒(登場人物)を動かしたりすることができます。盤上の駒を動かせるのは、ゲームマスター(黒幕の駒)と 対戦相手(探偵役の駒)のみ。

また、繰り返される世界(並行世界)を「カケラ」と呼んでいます。

うみねこの魔女たち視点からは、旧作ひぐらしの世界も「数あるゲーム盤のうちの1つ」なのかと思います。さしずめゲームマスター鷹野三四が作り上げたゲーム盤ということか・・・。そして、鬼隠し編も 綿流し編も「数あるカケラのうちの1つ」ということかと(なお鷹野自身にはゲーム盤だのマスターだのカケラだのという認識は無いはず...?)。

Who:鷹野三四が
Why:学会に虐げられてしまった「最愛の祖父」の研究を世に知らしめることを目的に
How:大量の雛見沢症候群(雛見沢大災害)を引き起こして研究成果を証明する
   (そのためには女王感染者の殺害が必須条件)

ルールX:不特定の誰かが疑心暗鬼に取り憑かれ、凶行に誘われる
ルールY:誰が凶行に走ろうが関係なく、鷹野と富竹は殺されてしまう
ルールZ:雛見沢で起きる事件のすべては園崎家の仕業、と誰もがそう信じている

マスターの勝利条件:雛見沢大災害の誘発(梨花殺害)
対戦相手の勝利条件:雛見沢大災害の阻止(梨花生存)

という「ゲーム盤」に見えているのだと思います。


鷹野は『絶対の意思』をもってこの計画を完遂すると決めており、登場人物(すべての駒)がどんな動きを見せようが、誰かしらが疑心暗鬼に囚われるように様々な仕込み(スクラップ帳)を用意しています。この絶対の意思と全てに対応する計画性が「ゲームマスター」たる所以ですね。


ちなみに脱線のさらに脱線になりますが、前述で羽入のことを「フェザリーヌが観賞役に投じた“駒”ではないか」と述べましたが、そうではなく実は羽入も“ゲームマスター”だった可能性もあります。梨花には梨花のゲーム(惨劇)が、鷹野には鷹野のゲーム(惨劇)が強いられていた説が。うみねこEpisode8も「2人のゲームマスターが、たまたま同時にゲーム盤を開いてしまった」というイレギュラー展開で開幕しますので・・・あり得なくもないかと。

〜〜(脱線:マンガ版うみねこEp.6の ラムダと あるキャラの会話にて)〜〜

{netabare}エリカ『ラムダデルタ卿も かつてどこかの大魔女のゲーム盤で駒と弄ばれ、無限地獄に閉じ込められた経験がおありとか・・・』
ラムダ『あるわ。私は何年閉じ込められたかしらね・・・。でもベルンみたいに律儀に数えなくて正解だったわ・・・』
エリカ『我が主も魔女の駒で・・・ロジックエラーの地獄に落ちたことがあるというのですか・・・?』
ラムダ『そうよ。そしてベルンは数えてしまったから、壊れてしまった』

ラムダ『あの子の“主”がこれはまた酷いヤツでね。自分で作ったゲームのはずだったのに、途中でゴールがわからなくなって、スタートとゴールが繋がった壊れたスゴロクを作ってしまったのよ・・・つまりロジックエラーね。ならば自分一人で悩んでロジックを考えて出せば良いのに、“そいつ”はあろうことか、その考えることさえもベルンに任せっきりにしたの』

(この会話中、発狂している“梨花と思しき”影絵と、メビウスの輪の横でサイコロを降っている“羽入と思しき”影絵が描かれている)

(中略)
ラムダ『あの子は奇跡に愛され、見事に奇跡を打ち出し、魔女となってあの地獄を生還したわ。でもその地獄にいたのがあまりにも長すぎて、過酷すぎて、あの子の心は壊れ、あんなにも**で**な魔女になってしまった』

・・・この会話から、ラムダは鷹野の幼少期(田無美代子)、ベルンは梨花との繋がりを匂わしているのだと思います。また、旧作ひぐらしのゲームマスターは2人だった可能性も匂わされています。羽入がゲームマスターの1人だったのに、その途中で羽入が記憶補助具を欠損して不完全体になってしまい、梨花にとってのゴールがわからなくなってしまった、という意味かと想像しています。{/netabare}
{/netabare}
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旧作ひぐらしの結末をうみねこ風に置き換えると、鷹野の『絶対の意思』によって作られたゲーム盤は、梨花の『奇跡』によって突破され、ゲームマスター鷹野三四は最終的に敗北してゲーム(惨劇)の幕は閉じられたということ・・・。

あるいは羽入(完全体)が作ったゲーム盤、かつ羽入(不完全体)のせいでゴールがわからなくなってしまったゲームで、梨花が「奇跡」によってゴールを見つけ出したということか・・・。

いずれにしても「うみねこ」の世界では、魔女たちが永遠にゲームを鑑賞したり遊んだりできるように「優秀なゲーム盤は保存されている(原文は忘れました)」と語られています。

とすると新作ひぐらしの物語は、ゲームマスターが不在となったゲーム盤にて、ベルンとラムダがプレイヤーとして直々に対局をおっ始め、その盤上の駒として沙都子や梨花が動かされていた、ということなのかもしれません(ラムダがどうやってベルンをゲームに巻き込んだかはともかく)。

ゲームマスター代行がラムダで、ラムダが沙都子を動かして惨劇を次々に起こし、ベルンが梨花を動かしながらどうにか惨劇回避の糸口を探っていたとか・・・?

そしてゲームマスターが交代しているからこそ、本来のゲームマスターの目的を無視した異なる惨劇が展開されているのかなぁと。実は「うみねこ」にも似たような展開があります(うみねこキャラのロノウェ風にいうと「愛がない、義理が通らないゲーム」が繰り広げられているのかと)。


あるいは ここまでの考察からぶっ飛びますが、・・・この物語、あの新幹線の別れ際が「ベルンとラムダの誕生の瞬間」だったのかも?・・・いや、この説は多分違うかな?
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(考察の脱線:竜騎士07氏はType-Moon作品のファンなので・・・)

※「Fate」と「月姫」の内容に触れても良いよという方だけどうぞ
=>{netabare}ベルンは古手梨花から、ラムダは鷹野三四(田無美代子)から「生まれ出でた魔女」か、(ラムダ 旧作由来 説)

あるいは、繰り返す力を手に入れてしまった「梨花と沙都子の成れの果て」かな?と想像しています。(ラムダ 新作由来 説)

どちらにしろ、それだと『古手梨花が人間として奮闘している最中なのに、何で “その成れの果て” やら “自分がやがて生み出す魔女” やらが同時に存在しているんだよ?』という疑問も湧きますよね。でもこれを成立させる仮説も1つあります。

それは竜騎士07氏はType-Moon作品のファンで、「ひぐらし」の中にも数々のオマージュを散りばめているからです。例えば、{netabare}カレー好きで青髪の知恵留美先生は、「月姫」のシエルに由来しています。名前も当て字ですし、キャラデザもほぼ寄せていますし、チョークを投げる時の持ち方が シエルの黒鍵(武器)の持ち方と同じです。キャラデザは全然別ですが、魅音と詩音も「月姫」の琥珀と翡翠の“あるエピソード”に由来していると思います。

「ひぐらし(アニメ)」のスタッフクレジットSpecial Thanks欄に「Type-Moon」の名前が(常に?)あるのは、Type-Moonのオマージュを明言しているからだと思います(これは予想)。{/netabare}

話を戻しますが、この『魔女』の概念は、Type-Moon作品の -Fate/stay night- の『英霊召喚システム』から着想を得ているのかもしれません。『英霊になる運命が確定している者』は過去・現在・未来を問わず、いつの時代の聖杯戦争にも召喚されます。つまり『未来に誕生する英霊を、現代の戦争でも召喚できてしまう』ということです。

ベルンやラムダもここから着想を得て、『未来に誕生する魔女が、自分の出生起源であった過去のゲーム盤(ひぐらしの世界)に囚われていた』ということなのかもしれません。

作品順は 月姫(2000年)、ひぐらし(2002年)、Fate stay night(2004年)、うみねこ(2007年)で、ベルンとラムダの詳細設定を作り込んだのは「うみねこ」のはず(ひぐらしに出ないラムダの方は特に)だと思うので、一応矛盾しないと思います。{/netabare}

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いずれにしても、沙都子があんなクズムーブをしていたのは ラムダの仕業の可能性が高そうですね。最後に「もういいわ、北条沙都子。あんたにあんたを返すわ」と言ったのも、おそらくラムダということなんでしょうね。

この物語にはエウア(観劇の魔女:フェザリーヌ)しか姿を現していませんが、あれはエウアの口調ではないですからね。もしエウアの発言だったなら「もうよい、北条沙都子。そなたに そなたを 返そうぞ」のはずなので。

他に沙都子を駒として動かしそうなのは、ラムダデルタくらいしか考えられません。

「Who:この惨劇の黒幕は沙都子」「How:沙都子が繰り返す力を手に入れていた」「Why:沙都子の梨花に対する執着を利用した」ということがバレた時点で、もうベルンとラムダの勝負に決着がついたようなものだから、ベルンを解放し、ラムダもこのゲーム盤からは立ち去ったということかな・・・?

そもそも観劇の魔女フェザリーヌは、人間が奮闘する様や、嘆き もがき 苦しむ様など、人間が見せる「ありのままの姿、ありのままの物語」を鑑賞して愉悦に浸っている魔女でした。ゆえに物語がどう転ぼうが「自らが直接介入すること」はありませんでした。

その背景を知っていると、「エウアが沙都子を操っている」とは考え難いんですよね。うみねこの感覚で捉えると「沙都子に繰り返す力を授けたこと」すら かなりイレギュラーな行動に見えました。まぁでも、羽入が梨花にそれをした以上、エウアが沙都子に同じことをするのはある意味フェアとも言えますが・・・。

ということで、『うみねこを知らない勢』からしたら納得いかないでしょうが、おそらく沙都子にクズムーブをさせていたのは、この物語には一切 姿を現していない「絶対の魔女:ラムダデルタ」だと推察しました。

強いていうなら、何話だったか忘れましたが、エウアと沙都子が会話している世界で、沙都子からもう一人の沙都子が出ていく描写がありましたよね。どういうセリフだったかも忘れましたが、沙都子の口から「魔女」という単語も出てましたよね。

あれらの描写が「沙都子とは別の存在(絶対の魔女:ラムダデルタ)」がいることを示唆していたのかもしれませんね。

ん〜、ここまで書いてはみたものの・・・まったく自信がないw いつか竜騎士07氏に答え合わせしてもらえると良いな。{/netabare}




【冷静になってからの感想追記】===============

梨花と沙都子の正当性について100:0だと書きましたが、冷静になって、いろんな人の意見も聞いてみて、梨花にも多少の悪い部分はあったなぁとは思いました。ただ私が思うに「梨花の悪かった部分」がうまく描けてないような気がしました。

50:50くらいに描くなら・・・ {netabare}まず聖ルチーアでの「梨花からの助け舟」は描かなくてよかったかと。勉強の面倒をみようとしたり、友達グループの輪に誘おうとしたり・・・の描写は無い方が良かったかも。

梨花は「助け舟」を出したのに、沙都子の意地っ張りのせいで避けられて、その上でなお梨花がどうすべきだったかってのは・・・正直「視聴者の価値観」によるところが大きくなってしまうと思います。

沙都子の境遇に近い人は『それでも無理にでも助けようとしてよ!私のことだけ考えてよ!』って思うかもしれませんし、梨花の境遇に近い人は『自分でなんとかするって言ったんだし、これ以上の無理強いしても余計避けられちゃうかも』と思うかもしれません。

ここの流れは、誰の目にも「梨花が沙都子を放ったらかしにした」と見えるようにすべきだったかなぁ・・・。私の目には「梨花が放ったらかしにした」ようには見えていなかったですし、むしろ「沙都子が自分から孤立していった」ように見えていたので。「視聴者の価値観」に委ねている以上、私には梨花が悪いとは思えませんでした。

あとは出発点となったカケラ、進学の誘いのシーンにて、あそこでもっと「梨花のしつこさ」と「沙都子の拒否反応」を念入りに描いた方が良かったかな。あの描写だけだと、梨花がそこまで執拗に食い下がっているとは感じなかったです。だって人生をかけた「二人の進路相談」をしている場面なのだから。多少の食い下がり程度では「しつこい」とまでは感じないですよ。『梨花の醜さ』を出しきるぐらい執拗に描いた方が良かったかも。

あとこの主張はブレませんが、そもそもその最初の進学相談の場面で、お互いの気の済むまで腹割って話し合うなり、なんならその時にこそ「取っ組み合いの喧嘩」でもしてれば良かったこと。特に、失敗と後悔の記憶を持っていた「2巡目の沙都子」ね。2巡目の沙都子は、本当に何がしたかったのかよくわからないです。

惨劇を始めてから「超常バトル」に突入する必要なんかありません。そもそも惨劇を始める前に解決できることです。{/netabare}


【最後に】=========================

こんな酷い役回り、えげつない憎まれ役を演じきった「かないみか さん(沙都子)」と、それを最後まで捌ききった「田村ゆかり さん(梨花)」に敬意を表します。お二人の演技は本当に凄かったと思います。


(余談)
あにこれの採点仕様を改善してほしいです・・・。本作の「声優」「作画」「音楽」の項目はもっと評価したいのですが、そうすると総合2.5点超えちゃうんですよ。

5点満点で2.5点以上になったら、その作品に「どちらかといえば満足」したことになっちゃうじゃないですか・・・。「物語」と「キャラ」を最低点にしているにも関わらずにですよ?せめて「物語」の配点は圧倒的に多くしておかないとおかしいでしょ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ひぐらしで泣く羽目に

旧作知りません


話数多かったりシリーズラインナップ複数あるとどんな順でいきゃいいのか路頭に迷います。私も迷子の一人かもしれませんが立ち位置というか遍歴は明示しときたいと思います。

1.名作の誉れ高い旧シリーズを未経験です
2.10何年ぶりの新作『業』視聴しそこそこ満足してます
3.その『業』を補完する役割と聞いて『卒』を観るためここにいます

白状すると旧作を3話くらい観て、並行して新作『業』も3話くらい観てあんま変わらんと思って『業』に専念。完走後にあにこれで答え合わせしてみたら旧作の内容と途中分岐する新作だったと判明。その後、貪欲に旧作を貪る気にもならず今日に至る。以上です。

 普通でした

普通よりちょっと面白いかなってくらい。クール平均の中上位層ぐらいのポジションです。ベテラン声優さんの“転調”演技が素晴らしくて引き込まれます。声優さん続投してるし旧作ファンは同窓会みたいでニワカな僕よりもっと楽しめそうな気がします。
それとやっとこからくりが見えてきた『業』を受けて、その『業』を別人物の視点から辿るのが本作『卒』でした。答え合わせしてる面白さがあります。本編と同時間帯を別人物の視点で追うスピンオフみたいなもん。
できれば『業』『卒』は一気に3クール分駆け抜けるのが吉かもしれません。
名作の誉れ高い本作ですが、ところどころ片鱗は感じることができる佳作といったところでした。

旧作必須かどうかはよくわかりません。…がしかし新規で59話分を追いかけるのは負担に感じますね。
こちら新シリーズも3クール費やしたわりには満腹感には欠ける。
少なくとも『業』『卒』をもって「ぜひ旧作を!」という気は起きなかったです。


※ネタバレ所感

■沙都子あれっ!?

“繰り返す者”堪能しました。
{netabare}だがしかし、梨花にバレた時点で即ゲームオーバーとなる仕様でしたよね。沙都子にやられる前にやってしまえば解決。
結局ロリお社様のテレパシーみたいなのでループ地獄の綻びが生じたわけですが、なんか思っていたよりあっさりで肩透かし食らった気にさせられて消化不良でした。田村さんとかないさんの熱演でお釣りがくるのかもしれませんが、この設定なら“梨花にバレたら最後”の緊張感があっても良かった。梨花の絶望に比べて沙都子がワンサイドすぎましたね。
梨花VS沙都子のどっちに転ぶかシーソーゲームとワンサイドゲームどちらが盛り上がるかといえば一部例外を除き前者でしょう。本作は徹底して後者でした。では後者で盛り上がる“一部例外”はどんなか?といえば胸のすく一発逆転以外考えられません。{/netabare}


■沙都子と梨花の二人ともあれっ!?

“繰り返す者”同士の決着や如何に?
{netabare}これ不満でしたね。ワンサイドゲームからの一発逆転みたいな展開ではなくちょい残念。さらに閉鎖的農村社会でのホラーという作風もぶちこわ…超越しちゃった感のある最終盤でした。
バレたら最後なんですけどバレてから2話費やしてやったことが

 {netabare}拳で語り合おうぞ!{/netabare}

前田慶次と奥村助右衛門みたいなことになってました。実際“拳”より異能バトルでしたけど旧作ファンの方はあれでいいのかしら?
余韻もへったくれもないのでこれでテンションだだ下がりでした。{/netabare}


■総論

{netabare}近くにいる親友を囲いたくなる感情なんて成長と共に薄れていくもんなんですけどそこに固執し100年というのは凄いですね。凄惨な1か月を1200回繰り返したわけです。
それを「ありえない」と思うのはあくまで常人の感覚であって、そうじゃないからホラーとして成立してたわけです。秀逸でした。だからこそホラーらしくホラーのままにっていうホラーのお作法に沿った結末だったら良かったのに~って思います。あるでしょ?惨劇継続の匂わせみたいなやつ。{/netabare}


※オマケ

■1983年

年表見たら戸塚ヨットスクール事件をなぜか覚えてるくらい。
沙都子/梨花より年下と気づきちょっぴりテンション上がりました。まだ若い



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.10.12 初稿

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

完全新作、まだ誰も知らない雛見沢へ

言わずと知れた名作で、OVAを除くと本作がちょうど4期目になります。
無印の解答編が「解」であったように、本作は第3期「業」の回答編という位置付けになっています。


都心から遠く離れ、色濃く残る自然に囲まれた集落──雛見沢村。

かつて、ダムの底に沈むはずだった村は、
今もなお昔と変わらない姿で、
転校生・前原圭一を迎え入れる。

都会で暮らしていた圭一にとって、
雛見沢の仲間と過ごす賑やかでのどかな生活は、
いつまでも続く幸せな時間のはずだった。

一年に一度行われる村の祭り、綿流し。
その日が来るまでは…。

昭和五十八年、六月。
ひぐらしのなく頃に。

日常は突如終わりを告げ、
止まらない惨劇の連鎖が始まる──。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

基本的なストーリーは無印や「解」と一緒なんですが、所々物語が改変されているので、流れは知っていても視点の違いから新たな気付きが得られる構成になっているのは、この作品ならではの楽しみ方なのではないでしょうか。

ですが、無印や「解」と、「業」と「卒」で大きく異なっている部分もあると思います。
一番の違いは、「業」と「卒」には無印や「解」で感じたホラー的要素が殆ど無いことです。
そして、その代わりに大きく盛られたのが「痛み」だったのではないでしょうか。

何度も何度も繰り返される惨劇…
目の前で繰り広げられる惨状に、何度か心が折れそうになりましたよ。
能力が暴走を超えて飽和している感じがしたのも、拍車を掛けていた気がします。

ですが、ラストまで視聴して腑に落ちた気がしました。
最大の理由は、島みやえい子さんの歌う「you-卒業-」が流れてからの展開が、物語の序盤からは考えられないほど穏やかだったからです。

この作品が「解」で終わらなかったのは、このラストのためだったんだと個人的には思っています。
このシーンが見れただけでも、心が救われた気持ちになりました。
しかし、「you-卒業-」は何て素晴らしい曲なんでしょう。
聞くだけで目頭の熱くなる曲です。

オープニングテーマは、彩音さんによる「Analogy」
エンディングテーマは、鈴木このみさんによる「Missing Promise」で、最終話のみ「you-卒業-」

1クール全15話の物語でした。
本当は2クールで放送される予定だったのでは…と思ってしまいました。
中盤から終盤にかけての展開がこれまで以上に早かったので…
全15話というのも少し中途半端ですしね。

素晴らしい結末をありがとう…
と思っていましたが、なんと令和の雛見沢を舞台に圭一の子供ら描く「ひぐらしのなく頃に令」の連載が始まったんだそうです。
いずれ、令和の雛見沢もアニメ化されるかもですね^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

67.7 9 絶望で仲間なアニメランキング9位
星合の空(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (250)
696人が棚に入れました
舞台は、廃部寸前の男子中学ソフトテニス部。様々な想いを胸に抱く少年たちはソフトテニスを通してどこへ向かうのか。少年たちの等身大の青春ストーリー

声優・キャラクター
花江夏樹、畠中祐、松岡禎丞、佐藤元、山谷祥生、峯田茉優
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

子は、育てたいようには育たないが、育てたようには育つもの

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
爽やかなスポーツ&友情系、の皮を被った、ドシリアスな家族問題を扱った意欲作。

アニメのクオリティとしては高いものがあると思うけど、EDのパクリ騒動、衝撃の12話と、様々な問題を起こした作品。

2期があるなら観てみたいが、2期がないなら、評価をメチャクチャ下げなければならない。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
まあ、後半は酷評するから、まずは、良いところから(笑)

序盤は、その踏み込んだ内容にかなり驚かされました。家庭の問題をかなりハードに、しかしリアリティをもって描いた勇気。

DV、いじめ、養子、LGBT。

そういった「目立った」問題だけではなく、「夫婦の不和」「過干渉」のような、「目立たない」が、深刻な問題の描写もあって良かった。

レビュタイの言葉は、自分の知り合いが言っていた言葉です。私に子供はいませんが、真理を捉えているような気がします。

もちろん、遺伝的な要因によっては、教育ではどうにもならない部分はあると思います。

でも、親の影響って何よりも大きくて、その人間の人格形成にもの凄く大きく関わると思います。

道場で子供を観て、親とも関わって、やはり、「この親にしてこの子あり」と思うことが多くあります。

親とすれば、「こう育ってほしい」というのはあるんでしょうが、もし、「こんな風になってしまった」というなら、「こんな風になるように育てた」のだと、少なくとも親自身が自分の責任として受け止めないとダメだと思います。

本作に出てくるクズ親は共通して、「なんであんたはそうなの?」と、「子供が悪い」=「自分は間違っていない」という感覚をもっている気がして、最高に不愉快になりました。

てことは、作品として、クズ親をキチッと描けているということ。それは狙い通りだから、表現したいことを表現したいように表現できている、良い作品だなと思いました。

ソフトテニスに関しては、まあ、可もなく不可もなく。ちょっと「ご都合」だけど、スポーツものなんて大概そうだし。

さて、では酷評です(笑)

まあとにかく、あの終わり方ですよね。

監督のツィートを簡単に示すと、

①元々は24話で制作されていた。

②なんらかの事情で12話になった。

③この物語を12話に縮めることは無理だと判断し、最初の予定通り、24話のつもりで制作し、12話目で最終回とした。

④自分としては13話以降も作りたいから、グッズやBDを買ってほしい。

、、、う~ん。①と②はまあ、よくあることなんでしょうが、③の判断と、④を自分で言っちゃうのはな~。気持ちは分かるけど。

つまり監督は、「プロ」ではなく、「アーティスト」であろうとしたのですね。

私が好きな漫画に、「雑誌などに写真を載せるプロの写真家と、個展を開くようなアーティストの写真家の違い」が描かれていました。曰く、「プロは、クライアントが求めたものを、限られた予算、日程、設備の中で実現する者」で、「アーティストは、自分の中に絶対的な個性、表現したいものがあり、どんな状況かは関係なく、自分の内面を表現しうる者」だそうです。

社会の歯車の1つとして働く者としては、この監督のやり方を羨ましく思いつつも、それで良いのか?と葛藤を感じてしまいます。

アーティストとは基本、社会に背を向けても自らの内面に向かうもので、その存在が社会的に許容されるかは、民衆にどんだけ指示されるか次第というのは、いつの世も同じでしょう。この監督の作った「中途半端な」作品を観て、多くの視聴者がBDなんかを買い、2期が実現すればそれは、「アーティスト」として成功したということだし、そうでないなら、「ただのオナニー野郎」ということになります。

さて、どちらでしょうね?

私自身は、2期を期待しているものの、BDを買うつもりはないという、一番どうしようもない人間です(笑)

てか、こうやって「社会の仕組み」に反旗を翻すなら、いっそクラウドファンディグで予算を募って、自主制作に近いカタチでお金を集めれば良いんじゃないかと思います。

また、厳しい言い方をするなら、「アーティスト」であろうとした監督が、他のアーティスト(ダンサー)を尊重せず、EDにパクったことは、ダメですよね。なんか、自分の作品(シナリオ)にはクオリティ求めて妥協しないくせに、そこはあっさりパクるんかい、という「言行不一致」感が出るというか、「おいしいどこどり感」というか、なんか、格好悪いっす(苦笑)

それに、穿った見方をすれば、「自分にはこんなに素晴らしい、表現したいことがあるのに、周りがダメだ(わかってない)から一期になった」と言い回ることは、本作の「クズ親」の「私の教育は悪くない。あんたがその通り育たないのが悪いんでしょ!」とキレている感じにも共通する、壮大なブーメランだなと。

だって、サブキャラの家庭問題は出さず、主人公のDVだけに絞れば、12話でも完結までいけそうですし、それをあえてしなかったわけですからね。

と、厳しい意見も出ることを覚悟した本作のラスト。それを背負った上で結果を出してほしいですね。

ただ、2期やるとしたら絶対にハードル上がるし、スッキリした解決の難しそうなテーマを扱っているから、「これなら12話で終わった方がよかった」とならないように、頑張って下さい。
{/netabare}

【1話ごとの感想】
アニオリ作品のみ、1話ごとに感想と展望を書いてます。
{netabare}
1話目 ☆4
{netabare}
作画はかなり綺麗だし、ソフトテニスの動き、音はかなりリアルな気がする。この闇の深さ、吉とでるか凶とでるか。

《今後の展望》
はねバド、みたいな感じになるのかな? 天才の闇深中学生が、色々と部内をかき回しながら、次第に友情を深めていくんだろうね。
{/netabare}

2話目 ☆3
{netabare}
どんな競技でもそうだけど、いくら運動神経良くても、初心者がちょっとやったくらいじゃあ、経験者には勝てない。そもそも、中学生のソフトテニス部って、シングルあるの? 家庭内暴力に、いじめ、BLまで、色んな闇を入れてくるのはよいが、処理しきれるか? EDで(本編にない)爽やかさを演出しようという、3年A組的な演出か? あのダンス。

《今後の展望》
仲間とすったもんだし、一人ずつの「闇」を描きながら、それを解決していく。んで、11話くらいから試合? 団体戦を、じっくり描いていくのかな。一進一退の。
{/netabare}

3話目 ☆3
{netabare}
中学生の不良なんて、あんなもんだよな。刺される覚悟、という危機意識があるのかな? まあ、ないんだけど。ポットのくだり。これは、エグい。確かに不良もわるいが、ラケットでぶん殴って額かちわった方が更に悪い。のわりに、処分が甘々。それはそれでどうかと思う。

《今後の展望》
外れて恥ずかしい思いをする覚悟で、新ペア予想を(笑)

現状のペアは、【前衛 晋吾・後衛 大洋】【前衛 凜太朗・後衛 翅】【前衛 直央・後衛 樹】だと思います。ヒントになるのは、「親分子分じゃん」「まるごと全部」なので、現状組んでいる相手とは組まないことは分かります。また、親分子分ペアは引き離すと。あとは、プレータイプと人間関係かな。


新ペア予想

【前衛 竹ノ内晋吾 ・後衛 曽我翅】
乱暴者ペアですね(笑) 口喧嘩を繰り返しながら、お互いに「テメエにだけは負けるか!」とプレーする感じ。テニプリでいうところの、「モモ&マムシ」ペアのイメージで。

【前衛 布津凜太朗・後衛 雨野樹】
現状、一番闇が深くてキレやすい、でも高い技量をもつ雨野樹を、人が良い布津凜太朗がなだめつつ、プレーする。暴力後の慰めをみていると、この二人は固い気がします。

【前衛 月ノ瀬直央・後衛 石上大洋】
不思議キャラの直央と癒し系の大洋。大洋は現状、晋吾の影に隠れ、全て言いなりになっている。そこで、ほとんど頼りにならない(笑)直央と組ませることで、大洋の積極性を引き出すことが狙い。
{/netabare}

4話目 ☆3
{netabare}
先週やったペア予想。ペアは全部当たった\(^-^)/が、前衛・後衛を逆にするとは思わなかった(汗) だって、あと何週間かで大会で、いきなり逆のポジションとか、キツいだろ。後衛で、ボレー練習とかしてきたん? 自信も適性も確かに大事だけど、基本的な技術はそれ以上に大事だし。

他の競技は知らんが、剣道に関しては、弱いチームは更に弱いチームと試合した方が強くなる。強いチームとやっても、何も見つからない。強いチームとやっていいのは、ある程度以上強いチームだけ。

《今後の展望》
次は、眞己が理由を言わず退部するとか言い出し、仲間がそれを止める、みたいな青春ど真ん中展開? あのクソ親父の「信じたいよな」は伏線だろうしね。最終的には、夏南子が警察に通報しそうですね、「こんなん警察に任せとけば良いじゃん」とか言って(笑)
{/netabare}

5話目 ☆3
{netabare}
自分のトラウマを、告白。母さんも、どういう感じなのかな? マインドコントロールされてるのかな? マキのため? 殺すの連打。名前が3つ。ここにも闇が。次は、養子。全力で奴等を潰しにいくぞ、は、ある意味で彼らの闇(家族の問題か)。そんな不遜な中学生いねぇよ(苦笑)

《今後の展望》
もちろん、ボコボコにやられるんでしょう。そっから、どう這い上がってくるか。と思ったけど、Cパートで喧嘩売られたから、そこそこ通用する場面もあるんだろうな。「負けたけど下手くそではない」とか、あの赤頭がツンデレを見せるのかな?
{/netabare}

6話目 ☆2
{netabare}
ソフトテニスなら弾道も高いから、確かにダブル後衛も、アリかもな。ドロップで前に落とされたらどうするのか、見たいけど。そこで蹴ったら練習試合中止だろ。あんなに騒いで、審判に注意されないの? ただ試合しただけの回だったな。

《今後の展望》
ちょっと思い付いたって、わざと少しスペース空け(隙を見せ)て、そこに打たせてカウンターとか、そんなんかな?
{/netabare}

7話目☆4
{netabare}
いやいやいやいや。ダブルスで二人の間を狙うなんて、当たり前のこと過ぎるから、今まで、練習であれ試合であれ、いくらでもやられてきたはずでしょ? そんなん解消できないようなペアが、強豪のエースペアになってるわけないやん。イツキの着替えのところの緊張感は、良かったかな。やる気がガス欠、、、ならんがな、たかが数ヵ月で、本気なら。イノシシは、脂身が旨いよな。今回はらしくなく、爽やかな青春モノだったな~。

《今後の展望》
今回、これまでで一番爽やかな回だったから、次はまたドシリアスかな~。
{/netabare}

8話目☆4
{netabare}
かなりリアルな母子の会話。分かるけど、ダメな親だな~。他の家庭みたいに、「ガチ(だけど一般的ではない)クズ親」ではなく、「リアルなダメ親」。モンペが自分の親ってキツいな。部活やめたって、成績なんて上がらんよ。出来るやつは部活やっててもできるし、出来ないやつは部活辞めたらますますできなくなるよ、大抵。女装趣味。性同一性障害の話までぶちこんでくるんかい。マキくん、イケメンだな~。子は、育てたいようには育たないが、育てたようには育っている。

《今後の展望》
家庭内暴力から始まり、虐待、いじめ、家庭内不和、性同一性障害まで、様々なシリアス要素をぶちこんできながら、ここまで破綻せずにやっていけるのは、すごいなと思います。が、多分この全てが、作品内で解消されることはないでしょう。もしかしたら、1つも解消されず、問題提起だけで終わるかもしれませんね。
{/netabare}

9話目☆4
{netabare}
あのクソ親父のDVなければ、マキの家良い家族だな。闇深いな~。女子だって、別に普通の練習して待ってれば良いやん。ナオが保健室の鍵かけた、、、なるほど、暑いから保健室開けといたっていうのが伏線か。虚言癖。過干渉は人格否定。確かに。てか、夏の大会まで、あと何日かを示してくれてないから、分からんのよね。再婚家庭か。

《今後の展望》
ツバサの怪我。これまでメンタル面の問題ばかりだったけど、ここにきてフィジカル面の、物理的な問題。メンタル面は一瞬で解消するかもしれないし、一生解決しないかもしれない。フィジカル面は、時間があれば必ず解決するけど、時間がなければ絶対に解決しない。だからこそ、解決策が難しいな~。まあ、団体戦は3ペアだから、なんとかなるかな? そこで勝てれば、新人戦(秋季大会)もあるだろうし(アニメではやれなくても)。となると、夏の大会で1勝し、部は存続。最終話のCパートとかで、新人戦や3年生の夏季大会で優勝旗掲げてるツバサの写真が写って終わりとか?
{/netabare}

10話目☆3
{netabare}
笑った生徒会長、超怖い(笑) カナコ、いつの間にかマネージャーポジション。タイヨウの家は、過保護ね。勝ちを意識すると、大抵勝てない。結果ではなく、過程を評価することは大切だね。子供のうちは。

《今後の展望》
個人戦は全敗かな? 部の存続が懸からないと、団体戦盛り上がらないしね。まあでも、このアニメなら、メインはテニスじゃないしな。ラスト1話で家族の問題を魅せるか?
{/netabare}

11話目☆3
{netabare}
攻略法というか、やたらシンプルなことだよな。前衛だけ強いなら、前衛をとばして後衛を攻める。実力差があるペアで、信頼関係もなければ。ジョイ、嫌いやな~(笑) 母親が息子に依存してるってことね。重い重い。2年で全中優勝は、伊達じゃないだろうな。

《今後の展望》
次は団体戦で、13話が家族の話? 2クールだったりする? 特にアニオリは事前情報入れずに観るから、分からんな。まさか、12話で終わりなら、ヤバイ最終回が予想できる(苦笑)
{/netabare}

12話目☆2
{netabare}
相手の自滅であっても、全中王者がそれはないな。相手、県王者くらいにしとけば良かったのに。最後にドシリアス。これ、2期やるよね?

《今後の展望》
調べたら、24話が12話になったけど、12話でまとめることをせず、12話までを流した、ということか。

う~ん、これは是非が分かれる。個人的には、「そんなの(内輪のことなんて)知らんがな」ですかね。色々削れば、12話にまとめられると思うけど。これ、クラウドファンディグとかした方がよくない?
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34
ネタバレ

タック二階堂 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

期待を裏切った“クソアニメ”オブザイヤー2019。

詳細は公式でも。

やる気なし、勝利なし、上級生下級生なしの
男子ソフトテニス部。そんな部に部費は出せないと
夏までに1勝できなければ廃部になると生徒会長
から言われた新城柊馬は、手っ取り早く運動神経の
いい生徒を探して入部させようとします。

そんな折、引っ越して転校してきた旧知の仲の
桂木眞己が、思いのほか運動神経が良いことに
目を付けた新城。勧誘に躍起になって……。
というお話かと思いきや、けっこうな闇もあり。

あらあら。サムネだけ見て、てっきり腐向けと判断
してノーマークでしたが、意外と悪くない。
なんとなく雰囲気は「ここさけ」的なトーン。
制作は「ヤマノススメ」「転スラ」のエイトビット
ですよ。

作画よし。演出そこそこよし。ストーリー悪くない
というところ。これはノーマークでした。
ちょいと追いかけてみますかね。

=====第2話視聴後、追記です。
{netabare}
真己がソフトテニス部に入り、いよいよ始動です。
が、他の部員のやる気のなさや負け犬根性に、
少し呆れます。そして煽って焚きつけることに。

というお話。

全体的にはかなり好印象です。
声優の抑えた演技も「月がきれい」っぽい感じで
いいんじゃないかと思います。

ただ一点、懸念材料が。
マネージャーになるなよなよ男子が、どうも
キャプテンの新城のことが好きらしいことです。
この話にBLをぶち込むのは、ちょっと…

今回、真己の親父は登場しませんでしたが、
これもどう展開するのか気になるところです。
とりあえず今期では上位争いできる作品ですね。
{/netabare}
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
練習試合で既存部員をコテンパンにする眞己。
そんな部員に愛想をつかす新城。
そんな中、同級生から片親のこと(虐待のこと?)
をからかわれた部員のひとりがラケットで殴り、
流血騒ぎになってしまう…

というお話。

うん、面白いですよ。なんか飄々としているという
か。観ているこちらが思っているテンションを、
ことごとくスカしてくる感じも悪くない。

悪くないからこそ、打ち切りになって欲しくない。
正直、トレースとかどうでもいい。作品になんの
関係もない。折り合いは当事者が裏で付けてくれ。
金が欲しいんなら、くれてやれ。弱みを見せたら
負けなんだから。
こんなくだらないことで、こちらの楽しみを
奪われるのが腹が立つ。以上です。
{/netabare}
=====第4話視聴後、追記です。
{netabare}
おや? EDの映像そのままでしたね。
作り直すのと、使用料どっちが安いかの選択で、
後者を選んだのでしょうかね。
ま、落着したならそれでいいや。

ストーリーは、メンツのガラガラポンして好結果。
顧問は後輩の強豪中学に練習試合を申し込んで、
すべてがうまく回り始めたその矢先、眞己の元に
父親が現れて…
というお話。最後に闇をぶっ込むんですよね、この
作品は。

でも、すべての面で高いレベルの作品だと思います。
今後の展開が楽しみ。
{/netabare}
=====第5話視聴後、追記です。
{netabare}{netabare}
父親にラケットを壊された眞己。新城は様子が
おかしいことに気づき、話すように促します。
そして、ついに眞己から父親から暴力を受けていた
こと、離婚後も金をせびりに来られることを告白。
そこで、金を用意して2人で父親を待ち構えます。

いろいろ煽られたりもしましたが、とりあえずは
追い返すことができた2人。そこで眞己は涙を流し、
新城と熱い抱擁を交わすのであった…
{/netabare}
というお話。
そこまで観た瞬間、「うわっ、そっちの方向へ行く
のかよ」と思いましたが、場面がガラッと変わり、
なぜかおデブちゃんの生徒会長・絹代の生い立ちの
話へと移り変わっていきます。ま、BL方面が強く
なるよりはいいか。

相変わらず、男子ソフトテニス部の面々は誰が誰だか
覚えられないというのはありますが、当面は眞己と
新城と「わたモテ」のもこっちみたいな御杖さんと、
父親ぐらい覚えておけばいいかなと。
{/netabare}
======第6話視聴後、追記です。
{netabare}
なんていうかなあ…

まず対戦相手の選手を、分かりやすく嫌な奴に
描写するのは安易じゃないですかね。
現実を知る僕たちには、あんなにハッキリと
嫌味や煽りを初対面の人に仕掛ける人間なんて
いないってことぐらい分かるんですよね。
だから、いかにもアニメのデフォルメって感じで
白けてしまうんです。

リアル寄りの作風だから、なおさら違和感。
味方ペアの、相手を大声で威嚇しながら試合する
作戦ってのも含めて「ンな奴いねーよ」になって
しまうんですよね。

ちょっとね、うん、ガッカリしましたかね…
{/netabare}
======第7話視聴後、追記です。
{netabare}
今回も、前回に引き続き、ほとんど試合のみ。
眞己・新城ペアvs.王寺アラシ・モブペア。
{netabare}
結果的にはフルセットまで持ち込んで、最後は
ネットに当たったボールが眞己たちのコートに
落ちてゲームセット。惜しくも敗れました。

そのあと、Bパートでは男子ソフトテニス部の
面々が多摩川の河川敷でBBQ。そこに犬を連れた
王寺アラシが通りがかり、合流して仲良くなり
ましたよ。
{/netabare}
というお話。
テニスのプレイ中の動きなどは、なかなかの良
描写です。躍動感もあり、作画も安定して美麗。

対して、ストーリーは淡々とテニスの試合が
続いていくだけ。途中、眞己が王寺ペアの弱点を
見つけて、そこを突くという話ですが……。

そもそも2ヶ月の初心者が、がっつり毎日練習を
してきた相手に善戦するのがおかしいんですよ。
それじゃ練習してきた意味ないじゃん。

そして、とにかくまあ御杖さんが口汚く皮肉を
言うのがねえ……。ま、そう言いつつ試合を観に
きたり、ポイント取るとガッツポーズしたりと
いう“おまけ”程度の心境変化を見せますが。
なんだろ、さすがに中学生男子ばっかりの絵では
地味だからということで、むりやり出している
のかなというくらいの、意味を持たせないキャラ
設定の女子です。今後、キーパーソンになる?

まだ面白いですが、序盤からの高評価からは、
一歩後退しちゃったかなという感じです。
{/netabare}
=====第8話視聴後、追記です。
{netabare}{netabare}
部員のひとりの母親がモンスターペアレントで、
学校にクレームつけて練習が1週間自粛になりました。
その間ヒマなので、大会初戦の相手校を偵察に
行こうという話になりますが、バレるとまずいと。
ラッキーなことに、相手校のエースはファッション
雑誌のモデルもしているスーパー中学生で、女子に
大人気。なら、御杖さんと一緒に女装して偵察に
行こうという話になります(なんで?)。

で、ラッキーなことに部員のひとりが性同一性障害
らしく、姉の服が借りられるよということで…。
{/netabare}
ものすごく、ご都合展開な回でした。

なんか、安易にそういう舞台装置としてLGBTを
扱うのって、どうなんでしょうかね…
モンスターペアレントとかDVとか社会問題を
アニメ作品に紛れ込ませるというのは、話題性を
考えてのことでしょうかね。

どれも扱いには慎重さが求められる話だと思う
ので、ただ出したというだけで投げっぱなしに
したら、まずい気がしますけどね…。
{/netabare}
=====第9話視聴後、追記です。
{netabare}{netabare}
部員Aの母親は過干渉でソフトテニス部をやめさせ
たい。Bの母親も反対していて幼女の妹を可愛がる。
Cの父親も反対して手を上げて、階段から突き落とし
骨折させる。Bの母親は後妻のようだ。
{/netabare}
とまあ、不思議なほど部員それぞれの親が、揃いも
揃ってカスという設定。眞己の父親もそうだしね。

こういうところがなあ…
{/netabare}
=====第10話視聴後、追記です。
{netabare}{netabare}
またまたクソ親です。今度は新城の母親が「母親に
なんてなりたくなかった」と言い、関西弁の部員D
の両親は「負けてもお前のせいやない。ペアの
もうひとりのせいや」と言い放つ始末。
この監督は、親に対して何か嫌なトラウマでも
あるのでしょうか。

そして、まるで「ツルネ」ばりの、いかにも嫌な
ヤツ的な双子のライバル登場。
なんでしょうなぁ。ライバルを嫌なヤツにするのは
太古の昔からアニメで用いられる手段ではあります
が、もう少し上手くできないものか。ベタすぎ。
で、嵐は味方になったものの、ただのバカという
設定に落としてしまいました。
ソーメンチャンプルーを食わせた(餌付け)だけで
てめえのチームのペアの弱点を言っちゃうとかね。
{/netabare}
もう少し、奥深いキャラ設定をできなかったかと
残念でなりません。親は子どものやることに反対
して邪魔をする。ライバルはめっちゃ嫌なヤツに
して、善戦してスカッとさせる。生徒会長はソフト
テニス部を目の敵にして廃部に追い込もうとする。
もうね、ベタすぎてベタすぎて…

そして、中途半端な深堀りのせいで部員のキャラ
が魅力もなければ名前すら覚えられない始末。
正直、ここまで主要キャラの名前を覚えられない
アニメは駄作なんだろうなと思います。

あら、なんか総括みたいなことを書きましたが、
たぶん残りの話数で劇的な上昇はないと見ました。
なんだろう、序盤はそうとう面白い作品になる
印象だったんだけど…
{/netabare}
=====第11話視聴後、追記です。
{netabare}{netabare}
モデルやってる長身褐色イケメンのジョイペアに
勝って、勢いに乗る眞己・新城ペア。
もう総集編は入れられんとばかり、過去の映像を
長尺でたっぷりとお見せして省力化しますよw
そして、お約束のライバルは嫌な奴設定はジョイも
同じでしたね。
で、いよいよ「ツルネ」ばりの嫌な性格のライバル
双子との対戦です。いやー、強いね。

で、こちらもお約束の肉親はクズ設定は、ついに
新城兄まで。母親と何か悪巧みをしているCパート
で、次週へ引きますよと。
{/netabare}
ここまで観たから最後まで観るけど、正直この作品
ほど初回から右肩下がりで評価を落としたものも
ありません。

そして次週、最終話。
適当に広げた風呂敷をどう畳むのでしょうか?
懸念材料は
・双子との決着
・眞己の親父問題
・新城の母親と兄貴問題
・過干渉母親の息子問題
・腕を骨折した部員の親父問題
・廃部とデブ生徒会長問題
などなど。

これ、全部最終話で片付けるの?
下手したら、全部ぶん投げる可能性も…

やれやれ。期待しないで次週を待ちます。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
最強双子ペアとの対決の続きです。

圧倒的な実力差を見せつけられ……るはずだった
のですが、なぜか、本当になぜかフルセットまで
もつれる善戦。チャンピオンって、こんなに弱い
の? でも、最終的には双子の勝利。
「次の対戦を楽しみにしてるよ」という清々しい
挨拶(笑)で決着がつきましたと。

で、EDが流れ、まさかこんなとこで終わり?
思いきや、新城は母親に離婚することを告げられ、
「あんたのことは嫌いだったのよ」と。
一方、眞己は意気揚々と帰宅すると、父親に蹂躙
され、金を奪われた後になっており……。
絵師の御杖さんは、ソフトテニス部の絵を描き、
Twitterに上げるも叩かれまくり。

そして眞己は、コンビニで包丁を買い、父親の元へ。
「終わりにするんだ」でラストでした。
{/netabare}
いや、これ、最近観た「魔法戦争」に匹敵する
くらいの投げっぱなしエンドですよ。
いやあ、ひどい。これはひどい。

なんか監督のツイートによると、もともと24話の
分割2クールで作る予定だったのが、1クールに
なったようで。おそらく、急に1クールって言われた
っぽい。もう13話はできているとか、眞己たちの
未来をお見せできる機会があるように応援して
くださいとか恨み節が……。

とにかく、キャラの描き方に悪意がありすぎです。
大人(親たち)は、誰一人としてまともな人間が
いません。眞己の母親と、男女ソフトテニス部の
顧問くらいですかね。
そして他校のソフトテニスのライバルたちも、これ
また誰一人まともな奴がいない。というより、
わかりやすく嫌な奴らに描くという。

そして、毎話必ずどこかに部員たちの家族の異常
ぶりを入れるという。モンスターペアレント、
DV、過干渉。さらにはLGBTの部員、ネットの闇…

何が悲しくて、アニメでこんなものばかり見せられ
なければならないのか。しかも、懸念した通り、
すべてが投げっぱなし。いくら「本当は2クールで
やるはずだったんだ」なんて言われても、言い訳に
しか聞こえませんし、商業アニメでは結果が全て。

なかなかに過去最大級の駄作オブ駄作。
クソアニメ認定されていいと思います。
期待を裏切ったオブザイヤー2019を贈呈します。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 13
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

受注請負で創作活動でもあるという歪み

オリジナルアニメ


全24話予定のうち12話分。全話分確保されてたらしい放送枠は方針変更で1クール分に縮小。監督は全24話を前提とした構成にしたためいかんせん中途半端な切り方となっています。
またED映像のダンス盗作問題も発生。なんともきなくさい事態になっております。
前者は無事2クール放送されれば問題なし。さもなくばそれまでのこと。
後者は粛々と法的にでも話し合いでもしっかり処理してくださいね~といったところ。以下作品としての評価です。


万人にウケる作品ではないと思いますが、自分は好きです。
ソフトテニス(軟式)に打ち込む中学生男子の群像劇で、廃部寸前の弱小ソフトテニス部に転校生(主人公)が入部してから歯車は動きだし…という使い古されたしかし王道のスポーツもの。これ第一の軸。
並行軸として家庭の問題。本人というよりいわゆる毒親の存在が子供たちに影を落としてます。この二つの軸があります。


■ソフトテニスについて

ラケットの持ち方、ボールの打ち方、ルールの説明。序盤に競技の説明が入ります。
となると本格的?と思いきや、部の目標設定が“一回戦突破で廃部阻止”なのでガツガツしたスポ根とはなりません。
ライバルというか強豪も{netabare}都合二組{/netabare}登場しますが、強敵にあるまじき豆腐メンタルでなんとなく緊迫感に乏しく、試合も駆け引きの引き出しに乏しく単調な繰り返しだったりでイマイチ。
主人公補正で上達曲線ハンパないとしても、選手層薄い競技ばりに県(都?)で名の知れた強敵と善戦してたりします。無理っしょ(笑) 今も昔も軟式テニスはどの中学にもありそうなメジャー部活筆頭です。

と文句だけかというとそればかりではなくて、絵面は好みです。腰を落としてのストロークの一連の動作やボールの動きはスピード感を感じます。
どうやら競技の魅力アピールもそこそこに、競技を通しての子供たちの成長や親との葛藤からの超克みたいなのに重心を置いてるものとして見たほうが腑に落ちます。


■家庭の問題について

在りし日の野島伸司脚本のドラマ群みたいな身も蓋もない感じが出てます。
子供が抱える問題の因子は全て親。子は被害者としての立ち位置が固定されてました。それも一人や二人ではなく全員というのがすごいです。よくぞここまで集めたなと感心するくらいの毒親のフルコース。彦○呂なら「宝石箱やーっ」辻本○美なら「総合商社やーっ」と吠えてくれそうな勢いです。


{netabare}眞己:離婚済み父親の常態化していたDVがトラウマ。金せびりにたまに顔を見せる。

柊真:母から得られない愛情。愛情の注ぎ先は兄へ。原因はちょっとわからんかった。

樹:身体的虐待経験者。背中にやけどあり。

凛太朗:里親家庭で育つ。育ての親というより生みの親がDQN。

翅:サッカーやめて父とぎくしゃく。兄と比較されてしまう立場。階段で怪我を負わされる。

晋吾:父は再婚。母は連れ子(晋吾)より妹を溺愛。

直央:過干渉母。モンペ母。精神的疲弊は部内トップクラスに見える。

太洋:過干渉親。ヘリペ両親。試合に来て「大丈夫?負けてもいいよ?」とある意味害毒。

御杖さん:親から(好きな)絵を描くことを否定されてる。{/netabare}


愛情足りてないです。
時代なのか、しょっぱい親は実在します。いやガキみたいな大人と言い換えてもよいのかもしれません。
外面良くすることや正論をぶることなんてどうでもよいのですよ。ポリコレとかほんと糞以下です。


“責任”を取る覚悟をもって“自由”を謳歌すればよい。

“義務”を果たす前提で“権利”を主張すればよい。


“責任”と“義務”をないがしろにしなければ“利己”から“利他”になってくるもんです。このへんは口うるさいおっさんと言われてもかまいません。

さてさて話を戻して、これだけ家庭の問題があると学校でもなにかしらSOSのサインが出てもおかしくなさそうですがそれがないです。わかりやすくグレるみたいなのがない。
たまに勘のいい仲間がそれとなく気づいて助け船を出すような関係性が成立しているのに驚きでした。
往年の名作、金八先生に慣れてると足元すくわれます。家庭事情でグレるというわかりやすさがありません。これを観て、問題を抱える子供たちの孤独は我々の時代の比ではないなと気分が暗くなります。

胸糞設定もリアリティがないとギャグとして消化できるもんで、こちらはしっかりと毒親への不快感を足跡として残してます。力ある監督さんだと思います。
そして唯一一人だけ、親起因の問題を抱えてない子がいてほっと一息つけます。

{netabare}悠汰(マネ):性自認。トランスジェンダー。金八先生でいうところの上○彩枠ですね{/netabare}



“競技”と“毒親”という作品を司る二軸について、来たるべき2クールめを期待しての備忘録となります。
いつの日か放送される時が来たら役に立つかもしれん。こちらがびっくりするくらいの中途半端なぶった切りぶりでした。さらに下手にTwitterで内情晒すから反感買うんです。
映像作品として見るなら、社会派の良い作品だと感じました(ただし途中評価)。
主人公だけでなく部員万遍なく風呂敷広げていってどう畳むかやはり気になるところです。繰り返しになりますが、胸糞を意識づける描写の確かさにも説得力がありました。身も蓋もない現況への光明みたいなのもあった気がします。
{netabare}※トランスジェンダーをカミングアウトした悠汰への眞己の視線が温かく極めて自然でした。名シーンだと思います。{/netabare}


あくまで全24話中の12話と半分経過しただけよ、ということでしたら

 後半に期待を持てる折り返し

なんです。イマイチな試合描写を補って余りある家庭問題のヴァリエの豊富さ。そりゃあ克服してのハッピーエンドがやや好みですが、鬱エンドもありですね。
続編期待してます。



■閑話休題

実務家と芸術家ってものを考えましたね。
整合性が合わない。段取りが悪い。仕事としてどうよ。とかく非があればさくっと攻撃されるこんな世の中はなかなかポイズンです。

本来作りたかったものを作れないのは悔しかろう。制作側にも多少の同情の余地はあると思うが、製作側の事情は視聴者側には関係ない。スポンサーからの告知が放送の半年前。どんな事情があろうが限られた時間で出来る限り視聴者を満足させる方向に舵を取るべきでぶん投げエンドは誠意無し。

正論です。大なり小なり制作サイドへのネガティブ反応が自然なことなのかもしれません。さらに放送最終回でのTwitterでの事情吐露もやんなきゃいいのに!と感じたりもしました。
露骨に「円盤買ってね」みたいな煽りも某“いきな○ステ○キ”の店内張り紙みたいな感じ悪さがありますね。あきらかにPRがへたくそです。

さはさりながら、マスでの非難轟々を通り越して話を完結せられたらいいっすね。
円盤買わない不良ファンですが、不器用な作り手さんへの好意の眼差しは捨てておりません。



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

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2020.01.19 初稿
2020.07.16 タイトル修正

投稿 : 2024/06/01
♥ : 46
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