自主制作でSFなおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの自主制作でSFな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月11日の時点で一番の自主制作でSFなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.5 1 自主制作でSFなアニメランキング1位
センコロール2(アニメ映画)

2019年6月29日
★★★★☆ 3.8 (31)
221人が棚に入れました
ビルの屋上に突如、出現した謎の白い生き物と、その姿を気だるげに見つめる少年・テツ。彼は、その生き物に「センコ」という名前をつけ、自在に姿を変える能力を使って、ひそかに高校生活を送っていた。だがある日、テツはその秘密を、同じ学校に通う少女・ユキに知られてしまう。そのふたりの前に謎の少年・シュウが現れ、センコをめぐる戦いが勃発する……。その後、テツたちの前にもうひとり、メガネの謎の少女が現れる。彼女の名はカナメ。とある組織に所属するカナメは、センコとは別の謎の生き物を操り、脱走中のシュウの跡を追っている。カナメの登場により、テツとユキとセンコの戦いがまた始まる……。

声優・キャラクター
花澤香菜、下野紘、木村良平、森谷里美、高森奈津美、赤羽根健治
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

青空、白い風船

宇木敦哉監督作品、才能溢れる短編の続編。

突如、街に現れた白い巨大生物と、
それを操る少年少女たち。
感性豊かな想像力・表現力に圧倒され、
謎が謎を呼ぶ不思議な世界観が心地良い。

主人公、ヒロインに襲い掛かる災難に、
またそれを追う別の少年少女が現れる。
短いながらも物語の背景が語られ始め、
{netabare}日本特定動物対策管理研究所なる組織が、
ある時はドローン、凧と呼ばれる、
未知の不思議な生物を捕獲・調査している。{/netabare}
センコのもちもち感がたまりません。

背景や人物のペイントなど、
簡略化された表現もあるのですが、
色彩センスが素晴らしいので、
むしろ作品の個性に繋がっている。

世界とリンクすること、それは見えない繋がり。

非日常と繋がる不思議な青春物語が、
どこに着地し何を伝えてくれるのでしょう。
これは楽しい、アニメの良さがあります。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

厨ニ満開

センコロールと合わせて、劇場で鑑賞。

そこで感じたことは、
非常に贅沢で、かつ中途半端に「物語化」されたセカイ系作品、
というものだった。

これは、前作「センコロール」と合わせて
決して否定しているのではない。

セカイ系という作劇スタイル自体が、
すでにアニメの中の、ひとつの要素として、
取り込まれ、咀嚼され、充分に昇華(消化?)しているという事実への、
これは一種のひねくれた賞賛なのだ。

登場人物の数も、怪獣の数も倍化して、
社会とのつながりらしきものも
中二特有の衒学的ケレン味で描かれる。

バトルもコミュニケーションも、
スムーズに、
まるで絵空事のように綺麗に描かれる。
そして何がしかのドラマ的結論は、
少なくとも作中では明示されることはない。

評価・評点とは別に、
センコロール3への「ツリ」も含めて、
今の時代にもそんなカテゴライズが生きているとしたら、
これこそが、
「厨ニモノ」のあるべき姿だ、と強く納得できる。

次もきっとあるとして。
それは厨ニ万解となるのか、
厨ニ崩壊となるのか。

注意して見守りたい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

70分が「あっ」と言う間。

ありふれた普通の街並み。
その一角にあるビルの屋上にそれはいた。
いろいろなものに姿形を自由に変えられる不思議な怪物である。
そして、その怪物を操る少年が「テツ」。
テツは、その怪物のことを「センコ」と呼ぶ。
そのテツとセンコの視線の先、少し離れたビルの屋上に突如謎の怪物が出現した。
それは、センコと同種のように見えるが、はるかに巨大であった。
しかし、この世界では、「また"怪獣"だよ」と普通の出来事らしい・・・。

すごい。
最初からこの不思議な世界観に引き込まれる。

その後、テツは、同じ学校に通う少女「ユキ」とひょんなことから知り合いになる。
テツは、不本意ながらもその少女と一緒に行動するはめになってしまった。
それは、その少女が秘めたある能力のせいだったのだ・・・。

王道のボーイ・ミーツ・ガール。
この後は謎が謎を呼ぶ展開が続き、「あっ」と言う間にエンディングを迎える。

この作品には、良いところがたくさんある。
もちろんこの唯一無二の世界観は言わずもがな。
話の展開もテンポよく進み飽きさせない。
キャラデザもとても好感がもてる。
特に花澤香菜さん演じるユキがいい。
不思議な怪物どうしの戦いは見もの。
そして、ryo(supercell)のビートの効いた音楽がそれを引き立てる。

この作品は、70分が「あっ」と言う間だった。
それだけ、面白い作品なのである。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

61.0 2 自主制作でSFなアニメランキング2位
ペイル・コクーン(OVA)

2006年1月18日
★★★★☆ 3.5 (187)
833人が棚に入れました
アニメーション監督吉浦康裕の個人制作作品。舞台は遙か未来の地球で、世界は姿を大きく変えていた。どこまでも続く廃墟の世界。海や大地はすでになく、風景は廃墟から発掘される記録の中で見られるだけだった。それら記録を発掘・復元し、過去の世界を分析する""記録発掘局""。そこで働く主人公のウラはあるとき奇妙な映像記録を復元するのだった……。個人制作のレベルを超えたクオリティ、SF的な世界観などよく作り込まれている。膨大な記録をブラウジングするインターフェイスなど、見るべきところはストーリー以外にも豊富。また、背景を手書きと3DCGの混合で行うおもしろい手法から生まれた独特のタッチにも吉浦康裕の味が出ている。

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「イヴの時間」の吉浦監督が手がけた切ないミライ

「イヴの時間」でおなじみの吉浦康裕監督、脚本、制作。
2005年に公開された約23分のアニメーション作品。

歴史という名の記憶が、どこかで途絶えた・・
そんな言葉から始まるこの作品。
舞台は今現在よりずっとずっと遥か未来で。

色合いは限りなくモノクロに近い、極力彩度を抑えたセピア調。
エコノミー症候群になりそうな窮屈さを感じさせる仕事場で、
主人公がみつめているのは、2000年の頃の地球上の風景。
周囲の色彩が沈んでいるせいもあり、その風景の色は眩しく、哀しいほどに鮮やか。

記録発掘局 復元課。
これらの画像から復元するのが彼の仕事。
記録の残骸、過去をさかのぼる唯一の手がかり。
そこにあるのは、太陽光がまださえぎられていない頃の記録。

記憶や記録を探りつつ下層へと行く彼の姿や
最下層には海と呼ばれ多くの人間達がしがみついているエリアが
あるということに、海と人間との因果を感じずにはいられない。

変わらないで欲しいと思うから記録を残すのだとしたら、
変わってしまった今、それはあまりにむなしくて。
たとえそれが遥か太古の風景だったとしても、
写し撮った時の、人の想いは真実そのもの。

緑色の世界があったこと。 青い地球があったこと。
それを壊してしまった人間の愚かさを、これ以上見たくない。

そんなむなしさに、復元課の人間がどんどん減ったという事実。
その事実は、今現在の人間である自分からすると嬉しくもあり、
そんな未来がこの先あるとしたら・・なんて考えると
やはり彼らと同じように虚しくて。

後半で流れる歌 『蒼い繭』(あおいたまご)
とても穏やかで素敵なメロディなのだけれど、
蒼い地球を詠ったその歌詞は、とてもせつなかった。
もし、地球が繭になるようなことがあったら、
ぜひいつかまた、再生して欲しいものだ。

余韻の残るラストも、とても考えさせられ、
きっと何度か繰り返し観ると、さらにいろんなことに気づけそうな作品です

投稿 : 2024/05/11
♥ : 48
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

セピアと色彩

吉浦康裕監督作品。

AD2218、
人口増加による環境資源への悪影響は、
悪化の一途を辿っている。
海や大地が姿を消した巨大な廃墟の世界で、
古いデータベースを復元分析する主人公ウラとリコ。

復元分析することによって過去を知るのだ。
{netabare}ある時、ウラは奇妙な映像を復元する。
セピア調の暗い画面と対比する復元された記録の色彩。{/netabare}

監督はサカサマのパテマ・イヴの時間と、
素晴らしい上記2タイトルがありますが、
こちらの作品もぜひ視聴して頂きたい。

私としては彼の短編最高傑作に推したい。
この無情なる世界観、わずか23分の短編。

世界はこんなにも色彩で溢れている。
遠い未来の私たちに期待している。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

皆さんはなぜレビューを書いていますか?

23分ほどのショートアニメです。

…歴史が途絶えるほどの未来。
人間は機械に囲まれた無機質で寂しげな世界に住んでいた。

漫画家の弐瓶勉を彷彿とさせる世界観ですね。
こういう超未来的な雰囲気は大好きです。

CGで作られた美麗なグラフィックや、人の目線を通したようなカメラワークが光ります。


ストーリー展開も素晴らしい。

記録発掘局に所属する主人公の「ウラ」
過去の記録を解析するのが仕事。
しかし、わかるのは、歴史の断片のみ。

昔は、多くの人が過去の記録を解析しようとしていたが、今ではほとんどいなくなっていた。
それでも記録の分析にこだわり続けるウラ。

人はなぜ記録を取るのか、人はなぜ記録を見ようとするのか…。
{netabare}「"人は、変わらないで欲しいって思うことがあるから、それを記録に残す"んだって」{/netabare}

果たしてそうなのか?
今こうして、「レビューという記録」を書いている自分に対しても問いかけたくなりました。

そして、ウラがたどり着いた真実とは…。
タイトルにこめられた意味が明かされたときには、鳥肌が立ちました。
{netabare}
同僚が言った「場所なんてどうでもいいんじゃないか?」というセリフから、とっくにストーリーは動き出していたんですね。
{/netabare}
視聴者を一気に引き込む世界観。
美しいグラフィックや、意味のある演出。
考え出すと止まらなくなる、哲学的なテーマ性。
伏線やミスリードもしっかり盛り込んだ、無駄のないストーリー。

私の好みにジャストミートです。
本当に充実した23分間でした。

さて、「皆さんはなぜレビューを書いていますか?」

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31
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