自主制作でSFなおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの自主制作でSFな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の自主制作でSFなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.5 1 自主制作でSFなアニメランキング1位
センコロール2(アニメ映画)

2019年6月29日
★★★★☆ 3.8 (31)
221人が棚に入れました
ビルの屋上に突如、出現した謎の白い生き物と、その姿を気だるげに見つめる少年・テツ。彼は、その生き物に「センコ」という名前をつけ、自在に姿を変える能力を使って、ひそかに高校生活を送っていた。だがある日、テツはその秘密を、同じ学校に通う少女・ユキに知られてしまう。そのふたりの前に謎の少年・シュウが現れ、センコをめぐる戦いが勃発する……。その後、テツたちの前にもうひとり、メガネの謎の少女が現れる。彼女の名はカナメ。とある組織に所属するカナメは、センコとは別の謎の生き物を操り、脱走中のシュウの跡を追っている。カナメの登場により、テツとユキとセンコの戦いがまた始まる……。

声優・キャラクター
花澤香菜、下野紘、木村良平、森谷里美、高森奈津美、赤羽根健治

pikotan さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

スタイリッシュ

(1期、2期まとめの感想です。)
ずっと観たかった作品でしたが、ようやくセンコロールコネクトで1、2と視聴しました。
私の期待値を遥かに超える素晴らしい作品で、スタイリッシュで格好良く、そして不思議な魅力に溢れている作品に感じました。
この作品を宇木監督がほぼ一人で作ったというのだから、宇木監督の才能に驚きです。
逆に考えれば宇木監督が一人で作ったからこそ外野に邪魔されず、監督の個性が詰まった作品ができたのかなとも思います。

物語はシリアスな中にもユーモラスな部分があって笑えたり、全体を通して爽やかな風を浴びているような爽快感を感じました。

キャラデザインも良いですね。
人間もセンコ達クリーチャーもシンプルなデザインなのに、僅かな表情の変化や仕草からそのキャラクターの気持ちが画面を通して伝わってきます。
センコなんていつも仏頂面なのになぜか愛嬌があって可愛いらしく思えてきて、私もセンコが欲しくなりました。
また、いつもテンションの低い主人公テツと好奇心旺盛なユキのやり取りが面白かったですし、メガネキャラのカナメと後輩?のゴトウダの関係性も楽しめました。

それから何と言ってもryoさんが作った数々のBGMが、これ以上ないほどこの作品に合っているように思います。
そもそもセンコロールに興味を持った理由の一つが、supercellが歌ったセンコロール一作目のテーマ曲「LOVE&ROLL」が大好きなためで、約10年前に初めてこの曲を聴いたときは体に電気が走りました。
以来、supercellが好きです(やなぎなぎさんがボーカルだったときが一番好きですが)。

センコロール3の完成が楽しみです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

70分が「あっ」と言う間。

ありふれた普通の街並み。
その一角にあるビルの屋上にそれはいた。
いろいろなものに姿形を自由に変えられる不思議な怪物である。
そして、その怪物を操る少年が「テツ」。
テツは、その怪物のことを「センコ」と呼ぶ。
そのテツとセンコの視線の先、少し離れたビルの屋上に突如謎の怪物が出現した。
それは、センコと同種のように見えるが、はるかに巨大であった。
しかし、この世界では、「また"怪獣"だよ」と普通の出来事らしい・・・。

すごい。
最初からこの不思議な世界観に引き込まれる。

その後、テツは、同じ学校に通う少女「ユキ」とひょんなことから知り合いになる。
テツは、不本意ながらもその少女と一緒に行動するはめになってしまった。
それは、その少女が秘めたある能力のせいだったのだ・・・。

王道のボーイ・ミーツ・ガール。
この後は謎が謎を呼ぶ展開が続き、「あっ」と言う間にエンディングを迎える。

この作品には、良いところがたくさんある。
もちろんこの唯一無二の世界観は言わずもがな。
話の展開もテンポよく進み飽きさせない。
キャラデザもとても好感がもてる。
特に花澤香菜さん演じるユキがいい。
不思議な怪物どうしの戦いは見もの。
そして、ryo(supercell)のビートの効いた音楽がそれを引き立てる。

この作品は、70分が「あっ」と言う間だった。
それだけ、面白い作品なのである。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

厨ニ満開

センコロールと合わせて、劇場で鑑賞。

そこで感じたことは、
非常に贅沢で、かつ中途半端に「物語化」されたセカイ系作品、
というものだった。

これは、前作「センコロール」と合わせて
決して否定しているのではない。

セカイ系という作劇スタイル自体が、
すでにアニメの中の、ひとつの要素として、
取り込まれ、咀嚼され、充分に昇華(消化?)しているという事実への、
これは一種のひねくれた賞賛なのだ。

登場人物の数も、怪獣の数も倍化して、
社会とのつながりらしきものも
中二特有の衒学的ケレン味で描かれる。

バトルもコミュニケーションも、
スムーズに、
まるで絵空事のように綺麗に描かれる。
そして何がしかのドラマ的結論は、
少なくとも作中では明示されることはない。

評価・評点とは別に、
センコロール3への「ツリ」も含めて、
今の時代にもそんなカテゴライズが生きているとしたら、
これこそが、
「厨ニモノ」のあるべき姿だ、と強く納得できる。

次もきっとあるとして。
それは厨ニ万解となるのか、
厨ニ崩壊となるのか。

注意して見守りたい。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

61.0 2 自主制作でSFなアニメランキング2位
ペイル・コクーン(OVA)

2006年1月18日
★★★★☆ 3.5 (187)
833人が棚に入れました
アニメーション監督吉浦康裕の個人制作作品。舞台は遙か未来の地球で、世界は姿を大きく変えていた。どこまでも続く廃墟の世界。海や大地はすでになく、風景は廃墟から発掘される記録の中で見られるだけだった。それら記録を発掘・復元し、過去の世界を分析する""記録発掘局""。そこで働く主人公のウラはあるとき奇妙な映像記録を復元するのだった……。個人制作のレベルを超えたクオリティ、SF的な世界観などよく作り込まれている。膨大な記録をブラウジングするインターフェイスなど、見るべきところはストーリー以外にも豊富。また、背景を手書きと3DCGの混合で行うおもしろい手法から生まれた独特のタッチにも吉浦康裕の味が出ている。
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「30分SFアニメ」の弱点を逆手に取った秀逸な展開

【レビューNo.16】(初回登録:2023/1/8)
「イヴの時間」のレビューを書く過程で視聴。忘れないうちにレビュー。
本作は吉浦康裕の「商業アニメ」デビュー作となる、30分アニメです。(2005年の作品)

(ストーリー)
・地球は自然環境の破壊により、人類が地上で住める環境ではなくなってしまった。
 そのため地下に居住空間を建設し、そこで暮らしている。
 その閉塞空間の中で物語が展開していく。
・主人公は「記録発掘局」の職員。この世界は「過去の世界」の記録データが断片的に埋没しており、
 それら記録データを発掘・復元し、過去の世界を分析していくのが本局の仕事。
 彼は記録データの復元業務を担当。

(評 価)
・製作者の溢れるSF愛
 この作品を観て最初の率直な感想は、「吉浦康裕って本当にSFが大好きなんだなあ」。
 単にそれっぽい画を描いてあるからってだけでなく、作品全体から受けるSFの空気感が凄い
 っていうか・・・(ある意味SFオタのこだわり的な?)
 「日ごろからこんなことばっか考えてるんだろうなあ」ってのが滲み出てる感じですかね(笑)。

・視聴者側の補完がかなり必要な作品
 次に感じたのは「30分のSFアニメを作る難しさ」です。
 SFなのでまずはその舞台設定から説明する必要があります。それをしながら本筋の物語を展開して
 いく。全然尺が足りません!!だから視聴者側でいろいろ補完してやる必要があります。
 まさに視聴者がこのアニメから情報を汲み取り解析していくという「記録発掘局員」のような作業を
 していく感覚ですね(笑)。

・上述弱点を逆手に取った秀逸なストーリー展開
 逆にいうと、「この謎の閉塞空間は一体何なのか?」から始まり、いろいろ考えながら少しずつ世界
 が広がっていく面白さがあり、物語に引き込まれていく感覚があります。
 以下特大ネタバレw(できれば読まずに視聴することをオススメ)
 {netabare}
  ・本(紙媒体)の存在を知らない世代って・・・
  ・そもそも「記録発掘局」の目的って何なの
  ・そこに生きる人々の絶望感
  それらの積み重ねを経て、ラストで「閉塞感漂うこの世界からの解放」までの展開は本当に秀逸。{/netabare}

上述の通り視聴者にかなり負担を求めてくるので、好き嫌いがはっきり分かれる作品となるでしょう。
それに娯楽性も乏しく地味だし・・・
しかし「30分のSFアニメってどんなものなの?」と興味をそそられた方は、観ておいて損はない
作品だと思います。
あとwikiで紹介されていた
「この作品の制作中に公開された新海誠の『ほしのこえ』の影響を受け、自分が考えていた以上に商業
 ベースにやらないとダメだと思いに至った」
のエピソードが興味深く、のちの「イヴの時間」に繋がったのかと思うと感慨深いものがありますね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

蒼く美しいテラ  【ねこ's満足度:70pts】

今よりずっとずっと遙か遠い未来。
環境破壊により廃れた世界に生きる人類は、深い地中へとその居場所を移していた。
そんな中、過去の記録を発掘・分析している主人公ウラは、復元データのある奇妙な点に気づく……。

『イブの時間』の吉浦康裕監督による自主制作アニメ。
かなり叙情的なので、どちらかというと雰囲気を楽しむタイプの作品のように感じます。
無機質で退廃的な色使いと、モニターからこぼれる光とのコントラストがとても印象的でした。

メッセージ性はとても強く、それでいてわかりやすいテーマなので受け入れやすかったです。
作り手の言いたいこともすごくよくわかるし、実際色々考えさせられもしました。
ただ、ありふれたテーマだけに、できれば作品としての”その先”を観てみたかった気もします。
それでも、そこに至るまでのストーリー展開や演出には惹きつけられるモノがありました。
{netabare}特に終盤プロモーションVの音楽が流れる中、主人公が地上へと辿り着くシーンはお気に入りです。{/netabare}

ちなみにDVDの特典映像には「もう一つの発掘記録」なるものが。
ほとんど文字ばかりの映像ですが、こちらを観てから本編を見直すとまた違う一面が見えてくるかも?



☆おまけレビュー☆
『水のコトバ』
同監督により2003年に発表されたわずか9分の自主制作アニメ。
本作のDVDに特典として収録されていますが、個人的にはこちらの方が好みでした。

舞台はとある喫茶店。
別々に展開する3組の会話が、実は1つの物語として繋がっている……といった内容です。
演出やBGMが醸し出す空気感がとても心地い作品なのですが、見所はやはり”コトバ”遊び。
そしてそれは、1度めよりも2度目、2度目よりも3度目と、観る度にその味わいを深めていきます。

少なくとも3回は繰り返し視聴することをオススメします。きっと観る度に新たな発見があるはず♪



ペイル・コクーン【ねこ's満足度:65pts】
水のコトバ【ねこ's満足度:75pts】

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「イヴの時間」の吉浦監督が手がけた切ないミライ

「イヴの時間」でおなじみの吉浦康裕監督、脚本、制作。
2005年に公開された約23分のアニメーション作品。

歴史という名の記憶が、どこかで途絶えた・・
そんな言葉から始まるこの作品。
舞台は今現在よりずっとずっと遥か未来で。

色合いは限りなくモノクロに近い、極力彩度を抑えたセピア調。
エコノミー症候群になりそうな窮屈さを感じさせる仕事場で、
主人公がみつめているのは、2000年の頃の地球上の風景。
周囲の色彩が沈んでいるせいもあり、その風景の色は眩しく、哀しいほどに鮮やか。

記録発掘局 復元課。
これらの画像から復元するのが彼の仕事。
記録の残骸、過去をさかのぼる唯一の手がかり。
そこにあるのは、太陽光がまださえぎられていない頃の記録。

記憶や記録を探りつつ下層へと行く彼の姿や
最下層には海と呼ばれ多くの人間達がしがみついているエリアが
あるということに、海と人間との因果を感じずにはいられない。

変わらないで欲しいと思うから記録を残すのだとしたら、
変わってしまった今、それはあまりにむなしくて。
たとえそれが遥か太古の風景だったとしても、
写し撮った時の、人の想いは真実そのもの。

緑色の世界があったこと。 青い地球があったこと。
それを壊してしまった人間の愚かさを、これ以上見たくない。

そんなむなしさに、復元課の人間がどんどん減ったという事実。
その事実は、今現在の人間である自分からすると嬉しくもあり、
そんな未来がこの先あるとしたら・・なんて考えると
やはり彼らと同じように虚しくて。

後半で流れる歌 『蒼い繭』(あおいたまご)
とても穏やかで素敵なメロディなのだけれど、
蒼い地球を詠ったその歌詞は、とてもせつなかった。
もし、地球が繭になるようなことがあったら、
ぜひいつかまた、再生して欲しいものだ。

余韻の残るラストも、とても考えさせられ、
きっと何度か繰り返し観ると、さらにいろんなことに気づけそうな作品です

投稿 : 2024/05/04
♥ : 48
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